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2013年12月16日 第11回足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会 議事録

労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室

○日時

平成25年12月16日(月)15:00~18:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第17会議室(16階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

参集者(敬称略)

小林謙二(座長) 大幢勝利
臼井伸之介 鈴木芳美
小野辰雄 原田保
金森勝三 鈴木敏彦
小島政章 才賀清二郎
宗像祐司 高橋元
加藤正勝 宮本一

オブザーバー

屋敷次郎 (国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課長)

事務局

半田有通 (安全衛生部長) 奈良篤 (安全課長)
野澤英児 (建設安全対策室長) 釜石英雄 (主任技術審査官)
川越俊治 (技術審査官) 磯崎勇太 (指導係長)

○議題

(1)今後の足場からの墜落・転落災害防止対策等の現実的なあり方について
(2)労働者へのアンケート調査の実施について

○議事

○事務局 定刻前ではありますが、委員全員そろいましたので、ただいまから第11回「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」を開催いたします。

 本日は、年末のお忙しい中、本検討会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 私は、事務局を務めます厚生労働省建設安全対策室の磯崎と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、資料の確認をさせていただきます。

 議事次第の【配付資料】にありますとおり、資料は資料1~6まであります。

 資料1「検討会での意見を踏まえた今後の足場からの墜落・転落災害防止対策等の現実的なあり方について(案)」

 資料2「足場からの墜落・転落災害防止対策等に係るその他の意見等」

 資料3「労働安全衛生規則に基づく措置及び手すり先行工法の墜落災害防止効果(推計)」

 資料4「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会での議論を受けた労働者への アンケート調査の実施について(案)」

 資料5「全国仮設安全事業協同組合からの提出資料(前回提出資料の一部)」

 資料6「全国仮設安全事業協同組合からの追加提出資料」

となっています。不足がありましたら、お知らせください。

 本日は、田村幸雄委員、児玉猛委員、田村秀夫委員からは欠席と連絡をいただいています。

 本日の検討会は、今後の足場からの墜落・転落災害防止対策等の現実的なあり方、アンケート調査票案について議論する予定です。委員の皆様の御協力をよろしくお願いいたします。

 次に、傍聴される方への注意事項を説明いたします。事務局の指定した場所以外に立ち入ることはできません。携帯電話等、音の出る機器については、電源を切るか、マナーモードに設定してください。写真撮影やビデオカメラ等の使用は事務局の指示に従ってください。カメラ撮りは会議の冒頭までといたします。会議の妨げとならないよう静かにしてください。

 その他、座長と事務局の指示に従っていただくようお願いいたします。

 また、報道関係者の皆様におかれては、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御了承ください。

 それでは、以降の進行を小林座長にお願いいたします。

○小林座長 皆さん、こんにちは。年末にどうもありがとうございます。座長の小林です。

 ただ今事務局のほうから御説明いただきましたけれども、本日の議題としては、「今後の足場からの墜落・転落災害防止対策等の現実的なあり方について」の御議論をいただくことと、前回御提案のありました「労働者へのアンケート調査の実施について」ということ、主にこの2点についての御議論をいただくということになっています。

 予備日として1226日、木曜日というのが準備されて、皆さん御予定の1つには入れていただいていると思いますけれども、本日、うまく効率的にお話を伺うことができれば26日はなくてもいいかなというような話になっていますので、できればうまい具合に活発な御意見をいただきたいと思っています。どうぞ御協力をよろしくお願いいたします。

 まず、第1の議題ですが「今後の足場からの墜落・転落災害防止対策等の現実的なあり方について」です。

 資料1の第1ページ目に意見を表明していただいた団体名を事務局がまとめていただいたものがあります。

 1ページ目が【論点1】で、2ページ目が【論点2】、3ページ目が【論点3、4】、4ページ目が【その他】ということでまとめていただいています。これらの議論はまだですが、皆様のお手元には前回配付されているはずのものですので、それの【論点1】からお話、あるいは議論を深めていただきたいと思っています。

 それでは、【論点1】からですが、御意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

 どうぞ。

○小野委員 前回、取りまとめの方向性に対する意見を今回添付されている資料5で言っているのですけれども、これについては前回、私は発言しましたか。もう一回言ってもいいのですけれどもね。

○小林座長 十分にお聞きしなかったようなことがありますので、小野委員の1ページの一番上の方に【論点1】というのがありますので、そこら辺をお願いします。

○小野委員 「【論点1】について」。

 マル2マル5からの意見についての私たちの意見です。「大組」「大払」工法では、墜落防止のための「手すり先行工法」の設置が必要であると言っています。大組、大払をやれば手すり先行は必要ないというようなことを言っておられますが、これは逆ではないでしょうかということです。

 2番として、大幢委員の意見についてですが、くさび緊結式足場は最も容易に手すり先行工法の採用が可能な足場である。安全帯使用の前に、まず墜落防止用の先行手すりを設置すべきであるということです。

 大幢先生の意見は、くさび緊結式は手すり先行工法が非常に難しいというようなことで論文が発表されていましたが、これは最も易しい足場なのだということですね。

 取りまとめの方向性についてですが、このように修文すべきである。足場の最上層での組立てなどの作業においては、墜落防止措置として、第一に先行手すりを設置して、第二次的にそれに安全帯を使用することとすべきであるという具合に、これは確信します。

 ですから、安全帯が一番先に来ているということではなくて、安全帯そのものは墜落したときの防止なのです。手すり先行工法とか、より安全な措置というのは、墜落をまず防止するのだということなのです。まず、墜落を防止させて、万が一墜落した場合に安全帯だという具合に確信します。

 取りまとめの方向性については、まず安全帯ありきだと、安全帯を安全使用するためにというようなことで、安全帯に重きを置いているということなのです。私、もちろん安全帯を否定するわけではありません。安全帯も大事です。しかしながら、安全帯が効く前に、有効に発揮する前に、まず安全帯が必要でない状態をつくるべきではないかというのが私の主張です。

 まず、それが【論点1】についてです。

○小林座長 【論点1】について御意見承りました。今のお話についていかがでしょうか。どうぞ。

○宗像委員 今の御意見、すごくもっともだと思いますが、言っていることはどちらも同じ意味合いのことを違う表現で言っているだけだと思います。言葉の表現と考えると、自分には、資料1で示された取りまとめの方向性の案のほうがなじみやすく聞こえると思います。

○小林座長 どうもありがとうございました。どうぞ。

○高橋委員 私もどちらかといえば、資料1に書いてあるほうが妥当のように思います。それは、1つは、今、宗像委員がおっしゃったようにどちらも同じような感じもしますし、どちらも手すり先行であっても安全帯を使うことは当然必要なわけですね。

 もう一つは、やはり新たな工法といいますか、足場を組み立てるときのメーカーさんがよりよいものを開発できるような表現、そういうような状況をぜひともつくってほしいです。より安全で、しかも使いやすい足場というものを考えていただきたい。そういうことを考えると、資料1の言っていることのほうがむしろいいのではないかというようなことを思います。

 【論点1】の下のほうも、作業主任者等の能力向上教育の話がありますが、やはり不安全行動というのが非常に目立っているというような統計も出ていますので、この【論点1】についてはこちらの資料1のほうが妥当ではないかと考えます。

○小林座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○小野委員 今、お二方の御意見はもっとも、間違っていることはないと私は思いますが、しかしながら、今、論点でこの方向性を定めるに当たって、より安全な措置はこれ以上の規制の強化は必要ではないという基本に立ってこれを言っているものですから、ということになれば、強化しないということは、手すり先行工法を使わないよということですね。そういうベースに立ってすれば、それは間違いだと思います。まず、安全帯をつけられる設備をすべきだというのが私の主張です。

○小林座長 どうぞ。

○加藤委員 手すり先行工法はこの前から話があるように、悪いと言っているわけではなくて1つの選択肢でしょうという話で、例えばこれからいろいろな技術、新しい考え方がいろいろ入ってくる。今でも仮設工業会の方では新たな認定品をいろいろとやっておられるという状況の中で、いろいろな考え方、いろいろな方法が入る余地をつくっておかないと、手すり先行工法を法制化という話になってくると、それで技術が止まってしまうと思うのです。したがって、いろいろな選択肢があって、いろいろな考え方がありますよと幅広く捉えておかないと、この墜落防止の全てにおける考え方の中で、あの考え方、思考が停止してしまうと思います。

 先ほども大組、大払はどうのこうのとありましたけれども、これも高所作業をいかに減らすかという考え方のもとで1つの作業方法として考え出されたものであるし、そのようないろいろな柔軟なやり方を残しておかないと。だから、大組、大払を法制化しようなどと言っていないし、その辺のいろいろな考え方をとっていただきたいということです。

○小野委員 大組、大払というのは作業効率の問題であって、安全対策をやらなければいけないことは一緒なのです。

 それと今、加藤委員も高橋委員もおっしゃられましたけれども、将来の技術開発を抑えるものだと、それはどうかと。それはそれで立派な理論なのですけれども、しかしながら、では、現状、今どうですかと。日々、墜落災害が起きているのに、今まず、とめられる方法をしないといけないのではないでしょうかと。この会議が始まってもう5年以上たつのですけれども、何ら進歩していません。今、墜落を防止できる手立てがあるなら、まずそれをやろうではないかというのが私の主張なのです。

○加藤委員 それの1つの分析の結果として、この前、安衛則が改正された。いろいろな法令が守られていないというような結果が現実的に出ているわけで、やはりここは法令の遵守というのがね。小野委員はあたかも手すり先行工法をやれば不安全行動が減りますよ、法令違反も減りますよというのがあるかもしれないが、私はそうではないと思う。やはりやらない者はやらないだろうし、それをやったとしても、それよりももっと底辺にある決められた最小限の例えば枠組みをきちっとやっていかない限り、手すり先行工法を法令化と言ったところで、やはりやらない者はやらないだろうし、不安全行動だって、やるのはやるだろうし。

○小野委員 話を飛ばさないでください。今、技術論を言っているのです。教育論であったり、コスト論でやっているところを言っていません。それは後で展開しましょう。

○小島委員 小野委員がずっとおっしゃっている手すり先行工法の法制化についてですけれども、ここは、わく組足場とくさび緊結足場という部分に限定した話という前提ですけれども、私がかねがねおそれていますのは、私どもは手すり先行工法をもちろん会社でも使っていますし、よく御主張の、より安全な措置というところの安心感という意味ではそういうものだと思っています。

 そういうものを法制化した場合にどういうことが起きるかということを心配しているのです。どういうことかといいますと、わく組足場を使わない。単管足場に移行する、あるいはくさび緊結足場に移行する、より楽であるからというようなことが起こる可能性はないのかというのは、実は私自身はかなり心配します。せっかく30年ぐらいかけてわく組足場が標準的な使われ方をしてやっている中で、足場というひとくくりの中でゼネコンがどういう選択肢を使ってもいいような状況の中で、一部のより安全なことも含めてですけれども、そこのところがもしそういうもので法制化された場合にどういうことが起こるかというのも考える必要があるのかなと最近つくづく思っています。

 それは、いろんな場面で、言葉は悪いのですけれども、逃げるためにそういうことをやる。要するにあくまでも技術論としてです。そういうことをやる可能性もないとは言えないので、そこが一番心配。なので、加藤委員なりがステップあるいは新たなものができることを期待することも含めて、そういった手すり先行の趣旨に近いより安全な措置を普及できるようなさまざまな選択肢が広範囲にでき上がった上での法制化ではないかなと思っています。

○小野委員 小島委員の話は全くそのとおりであります。より効率的で、より安全なものにどんどんシフトされている、これは当然のことで、それは私も大賛成です。それは時代の流れに沿いましょうということです。

○小林座長 お願いします。

○鈴木(敏)委員 先ほど、まず安全帯を使うよりも先に手すり先行工法ということをおっしゃっていますが、組立・解体の最上段では、手すり先行工法とはいえ、安全帯の使用を優先すべきで先行手すりは安全帯を取り付ける設備になるであろうと思うのです。

○小野委員 最初は墜落防止なのです。

○鈴木(敏)委員 小島委員がおっしゃったように、確かに私も見て安心感はあるとは思います。安心感はあるのだけれども、あくまでも基本的にはまだ組立・解体のレベルでは安全帯使用になろうかと思うのです。そちらの方が優先されるべきだと思います。それがなしで手すり先行ということもあり得ないと思います。今のレベルではですね。

 いかに安全帯を使用しやすい状況に持っていくかということの方が大事かなと思います。ということで、取りまとめの方向性としては、【論点1】の1ページの方向がよいのではないかと思います。

○小野委員 とにかくこの問題はずっと5年も6年も同じことを繰り返してきているのです。行ったり来たり行ったり来たり。私は、この前、前回の検討会において、最後に発言だけ提言ということでさせてもらいました。この安全設備に関する公開の検証実験をやろうではありませんかという提言を出しています。今の論点は、そこではっきりすると思います。

○小林座長 その件に関しては、また後ほどお願いします。

○小野委員 そうだと思います。ですから、そういうことをやった上で決めてもらうなら構いません。

○才賀委員 小野委員、公開の実験をやろうということで、前回の委員会でも公開をやりましたよね。それも小野委員自体は来ないわけ。小野委員自体は会場に来なかったのです。みんな会場で墜落のダミーを使って公開でやったわけです。

○小野委員 この会議でやったのですか。

○才賀委員 前回の委員会で。4年ぐらい前に。

○小野委員 私は欠席したことは一度もありませんから。

○才賀委員 小野委員だけ来なかった。小野委員がその後、自分たちでやったときにやったら、10回落としたら7回落ちたとかという話になってしまった。

○小野委員 前回とはどこでやったのですか。

○才賀委員 仮設工業会かどこかです。

○小野委員 それはもちろん出席しています。メッシュシートが墜落防止機材。

○才賀委員 何でもかんでもこれが悪いということではなくて、足場も一歩ずつステップアップしているわけです。手すり先行でなくても、単管にしろ、わくにしろ、二段手すりにしたり、幅木にしたりということでどんどん改良しつつあるので、手すり先行足場だけではないということでいいのではないのかなと思うのです。【論点1】がいいなと思います。

○小野委員 もう一度発言をしますけれども、前回の検証実験は、メッシュシートが墜落防止機材であるかどうかの検証の実験だったのです。私も当然出席しています。

○加藤委員 来たけれども、途中でいなかった。

○小野委員 結局は皆さんがあのとき会議でずっと検証実験をやるまでは、墜落防止機材であるということでずっと主張されていた。それが検証実験をやった結果、結局墜落防止機材ではないという結論に至ったわけです。

○小林座長 今のお話に関しては、【論点1】から外れるような話になっていますが、私も実はその実験というのは経験していません。委員でなかったという話です。そのほかいかがでしょうか。

○小野委員 人の生命に関することなのです。現在、ストップできるものがあればストップすることをまずみんなで検証しましょうよということです。将来に備えて、何が出てくるかわからないのだから、今、規制をかけたら将来の開発の阻害になるなどということはなくて、現在止めなければいけないということです。それは検証実験で、だから、皆さん、もしいい方法があるならどんどん持ち寄って、そこで示してくださいということです。

○宗像委員 すみません、一言だけ述べさせていただいてよろしいでしょうか。

○小林座長 どうぞ。

○宗像委員 【論点1】にある「先行して設置した手すりわくを含む」、これが手すり先行工法を表現しているのだと思うのですけれども、実際、くさびの足場で最上層で手すり先行を採用している割合はまだまだ低いのですけれども、地域によっては半分を超えるエリアもあります。そういうエリアで作業手順を確認してみると、最上層に手すり先行を設置した後、安全帯を使用してとなっているのです。それが一般的なやり方です。ですので、表現として「手すりわくを含む」という表現がないと、実際の安全対策が不十分になってしまうかなという感じを受けます。これは実際の足場屋さんの作業手順書を確認しながら、そんな感想を持っています。

 以上です。

○小林座長 ありがとうございます。

 そのほかに御意見。大幢委員、何かありますか。

○大幢委員 私の方からは、より安全な安全帯のつけ方というのを提案させていただきました。そこに先行手すりがあるのか、他のものがあるのかというのは別の問題として、安全帯をしっかり使いましょうというようなことで提案させていただきました。

○小林座長 どうぞ。

○金森委員 私は【論点1】の下の方ですけれども、やはり不安全行動防止のため、むしろ今、上をお話しされているわけですけれども、取りまとめの方向性の案の上のほうは、私はあながち悪いとも思っていないし、これでいいのかなと思います。ただ、不安全行動、安全帯の話もありますけれども、それをいかに正確に使うか、そういうことの教育がむしろ足りないのではないか。そういうようなことを再教育必要があるということを先般も申し上げましたけれども、やはりやるべきだろうと。それをやることによって、またいろんなものも違うものも見えてくるのではないかという気がします。

○小林座長 ありがとうございます。

 そのほかに【論点1】に関しましていかがでしょうか。

 どうぞ。

○高橋委員 小野委員がおっしゃる安全帯より先に手すりだという。最初のお話を伺っても、安全帯を使用することを非常に軽んじるような発言に思えるのです。そこが怖いなと思います。

○小野委員 逆です。安全帯は重要だということを言っています。安全帯を適正に取り付ける墜落防止設備を設けましょうということを言っているのです。万が一、墜落した場合に役に立つのが安全帯なのです。安全帯を使うなと言っていません。まず、墜落をしない設備をする。念のために安全帯をつけるということです。

○高橋委員 念のためではないのです。必ず使わなければならないのです。そういう方向で検討していただきたいと思います。

○小野委員 検討って、安全帯は重要だということを言っているではないですか。例えばそういうのは今度公開の検証実験ですぐ目に見えるあるいは体験できるのではないでしょうかということを私は言っているのです。検証実験などは非常に簡単な設備でできますから、2時間も会議をやっている間に検証などは終わってしまいます。見ればすぐ分かるのですから。

○小林座長 ほかに御意見をいただきたいと思います。

○小野委員 それと、金森委員がおっしゃられた作業者の教育、これはもっとも、もちろん大事なことだと、合わせてやっておかないといけませんということです。

○小林座長 これは下の方ですね。

○小野委員 はい。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 今の話としては、言葉の使い方はいろいろあるみたいですけれども、足場の最上層で作業が始まる前に、足場板を敷いてそこが最上層になる前に先行手すりをつけなければいけないというような話。それは墜落防止措置かどうかというのはいろいろ議論があると思うのですが、そのときに安全帯をここでいう安全に取り付ける設備として、前回、川越の方も、先行親綱もそれに含まれますよと、そういうことをお話ししたと思うのですが、それについてはそれも含まれるということでよろしいのでしょうか。

○小野委員 野澤室長、今の安衛則では親綱を張りなさいとなっているのです。ですから、この場合は当然親綱も対象になるのです。しかしながら、親綱で安全と安心を保たれますかと私自身は言おうとしているわけです。

 もう一つ、この前の厚労省の調査で、現場で安衛則も守ってないよという部分は、親綱も80%やっていないです。なぜやっていないのか。親綱をやっても同じではないかというような考えが職人の中にあるのです。だから、公開検証実験でそれもやってみましょうということです。親綱が安全で安心で取りつける設備になっているのかどうか。それも実際に皆さん職人にやらせてみて、私たちも体験すればいいではないですかと言っているのです。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 今の意見ですと、小野委員としては、先行親綱はだめだという意見だということですか。

○小野委員 先行手すりという手法がありながら親綱を使わなければいけないという論法はないですね。手すり先行工法のガイドラインでも、先行手すりをつけるところは、親綱は使わないでちゃんと先行手すりをつけなさいとなっている。そのとおりです。

○小林座長 よろしいでしょうか。

 それでは、お話はお聞きしました。これ以上のお話が一応なければ、これに関してまだ事務局の方で御検討いただいて、さらにまとめをしていただきたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小林座長 では、続いて2ページ目になりますけれども、【論点2】に関して御意見を伺いたいと思います。

 それでは、よろしくお願いします。

 どうぞ。

○小野委員 この前、私が提出している資料ですが、【論点2】について、取りまとめの方向性は、こういうようにまとめるべきであると。より安全な措置としての二段手すりと幅木が必要であるということを言ってあります。

○小林座長 どうぞ。

○金森委員 この二段手すり、私は現場の方によく行くものですから、現場の方で聞きに行ったのですけれども、二段手すりにされると、今、足場の間隔が狭くなっていると指摘しているのと、二段手すりにされると非常に仕事がしづらいし、また、逆に、それによって危険性も出てくるという話を職人の方から言われた経緯があるのですけれども、それはどういうように考えていますか。

○小野委員 狭隘の足場、例えば一側足場でものすごいスペースが狭いというところでは、十分起こり得る。その場合でも、今日欠席ですけれども、この前、児玉委員が言われましたね。膝がぶつかるから、足が歩きにくいからというために、あるいはお尻がぶつかるよと、作業性が悪くなるよ、あるいは歩きにくくなるよということは二の次ではないでしょうかと言っていますよね。まず、安全を保つこと。だから、膝がぶつかるから安全なのではないですか。爪先板をやれば爪先でまず物の飛来落下もしなくて済むことがまず大事ではないでしょうかということを言っていますね。

○金森委員 飛来落下は分かります。それは私も職人も何も言わなかったわけですけれども、ただ、中さんを入れるというのは余り歓迎されない手法でして、どうしても今の状態で、むしろ安全帯を使うのであればそれはいいのだけれども、中さんを歓迎できないという現場の声があります。

○小野委員 作業性はちょっと悪くなりますよね。それは十分私もずっと職人をやっていましたから分かります。

○金森委員 したがって、安全帯でもきちっと使えるような教育方法を考案してやっていくべきではないかなと。そこに尽きると思うのです。足場でも何でも、大分よくなってきていますのでね。

○小野委員 狭隘の足場、特に一側足場については別途検討しましょうと。この会議から外すのではなくて検討しましょうということでこの前はなっていますね。

○加藤委員 二段手すりの話については、くさび緊結式足場は二段手すりというのは簡単に取り付くのだけれども、わく組足場で付けられないものも結構あるものだから、そうなってくるとわざわざ単管か何かで内側とか外側に取り付けなければいけないという事態になってきます。現実論の話として、やはり1つは、いわゆる法律で決めてしまうと強制の方向性なものだから、いろいろな例えばわく組足場で防音パネルを外に張りますよ。それは当然防音パネル自体だから、墜落防止措置についても飛来落下についても当然役立つわけなのだけれども、決めるとなると、物すごく今まで持っている業者さんのことですとか、それらをひっくるめて考えていかないと、例えば私が全体的にそうなってどのわく組足場でも二段手すりがつけられるような状態になればいいのだけれども、今の状態で早急にそれをやっていくとなると、今あるものが全部否定されるような格好になってくるのは好ましくないと思います。

○小野委員 今、わく組足場で中さんが取りつけにくいと。

○加藤委員 慣れない者も出てくる。ブレスの中でかなり上になってしまって、中間が。

○小野委員 それは上さんと言うのですけれどもね。中さんというのは、わく組足場の場合は下さんと厚労省は言っているのです。

○加藤委員 下さんは入りますね。

○小野委員 下さんは150400の間というぐらいにしなさいとなっているわけです。それが一応中さん代わりなのです。上さんもより安全な措置でやりなさいとなっているわけです。

○加藤委員 ただ、それが付けられるものと付けられないものが出てくるでしょうということです。

○小野委員 付けられなくても付けなさいと私は言っているのです。そんなことはありますか。付けられないわけがないではないですか。

○加藤委員 単管か何かでやらなければいけないわけでしょう。

○小野委員 なんで付けられないのですか。付けられる単管は幾らでも余っていますよ。

○加藤委員 単管は余っているけれども、それをクランプか何かでジョイントする必要がある。

○小野委員 何でもいいですけれども、とにかく平行な手すりをつけなさいと言っているのです。そうでなければ、ブレスの上ががら空きでしよう。ブレスの横もがら空きでしょう。実際問題、そこから落ちて死んでいる人もいるではないですか。災害事例はたくさんあるではないですか。なんでそんな簡単なことができないのですか。

 今あるわく組足場を全部使えますよ。使えないものはありません。くさび緊結式についても一緒です。

○小林座長 いかがでしょう。

○小野委員 それも公開検証実験でやればいいのです。簡単ではないですか。

○小林座長 どうぞ。

○鈴木(敏)委員 今の二段手すりと幅木の設置の義務化ということで、わく組については今のお話、あくでも筋かいがあって、それにプラス上さんということですよね。

○小野委員 もちろんそうです。

○鈴木(敏)委員 先ほどお話があったように、相当作業がしづらい状態に陥って、取り外す機会が相当増えるような気がするのです。

○小野委員 作業に邪魔な場合は取り外して、また元に戻しなさいということです。

○鈴木(敏)委員 落下防止施設として別の方法を考えてもいいわけですね。ネットを張るとかということでもいいわけですね。

○小野委員 もちろんそうです。

○鈴木(敏)委員 下で受けるネットですね。私から見ると、作業性から職人としては相当これを外してしまい不安全な状態が多くなることが予想されます。

○小野委員 それは外した場合の話ですね。外した場合と同じような状態を続けるよりも必要に応じて。

○鈴木(敏)委員 それは外さざるを得ないのではないかという気がしますね。不安全な状態で作業をさせることを避ける対応を取ることは難しいのではないか。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 今の議論は、要するにわく組足場で言うところの外の話と内の話でかみ合っていないのです、今、小野委員が盛んにおっしゃっているのは、両方ともとりあえず二段手すりと幅木を義務化して、内側のほうの作業については当然外すことはあるけれども、それは外したことに対してここの取りまとめの方向の3番目にありますように、「必要上、手すりを外した時に必要な措置を採ること、作業の終了後直ちに元の状態に戻すことを徹底することが必要ではないか」ということにつながる話なのです。

 外側は外側で、上さんはつけられないという話は、私も正直言いまして、ないです。それはそれこそ仮設工業会の方々なり仮設材を作成する方々が我々のアイデアに対してこういうものはできないかというものに対してしかるべきものを出していただければ、部材は増えますけれども、外側については、それは可能だと思います。何も手すり先行工法だけの話ではありません。より安全な措置ですから。

 ただし、内側については、今、言ったように、内側の議論は作業性の議論ですから、職人さんがどっちみち外すよねというのは、それは次の話なので、次の話は次の話として、しかるべき措置をここの場でやるのか、こういうものがよりいいのですよと。前回の議論のときも前回の法改正のときも、私どもも実は一番問題なのは外側ではなくて内側で、内側のものを必ず二段手すりにしても取り外すよなという部分があって、そこについては水平ネットをきちっと張りましょうとか、すき間がないものをつくりましょうとか、そういうことで何とか監督署さんたちとの議論の中で丸をいただいてやった。

 これはあくまでも、そういうものに対してこういう代替措置としてこういうものがありますという話だと私は思うのです。だから、それをできない、できるという話ではなくて、そこのところをどう落としていくかという話だと考えるのです。

 例えば極端なことを言いますと、内側に手すり先行は正直言いまして余り見たことがないです。それはなぜかというと、取り外せないからなのです。取り外すことができないので無理だねということでブレスで逃げて、下さんを入れて、幅木を入れて、その中でどうしても取り外さないといけない状況が作業上あるので、ブレスなど入っていたら左官屋さんはできないのでそこを外して、別のもので作業床を確保して、安全を確保してやるということなので、ここの話はあくまでも通常の作業時での墜落・転落防止のための管理対策ですから、そこのところははっきり話を整理した上で話をしないといけないのではないかと思います。

○小野委員 小島委員の言うとおりです。異論はありません。

○加藤委員 もう一つ、ここにメッシュシートが出てこないのがかなり不思議でしようがないのだけれども、メッシュシートがあれば、これも十分に墜落防止に役立つというのは前回の実証実験で実証済みだと思うのです。したがって、これについて、二段手すり、またはメッシュシートと、ぜひメッシュシート等でもいいです。

○小野委員 加藤委員、そういう発言をされるということは、仕事の手順はおわかりなのでしょうか。メッシュシートはどの段階で張るのですか。

○加藤委員 足場の組立てが終わった後です。作業性の話でしょう。一番最上段の話をしているわけではないでしょう。

○小野委員 メッシュシートは墜落防止機材ではないということに決まったのに。

○加藤委員 決まっていません。

○小野委員 加藤委員がそういう意見を持っているだけではないでしょうか。

○加藤委員 前回の試験のときでもメッシュシートで10事例やって10事例落ちなかったのです。

○小野委員 その結果として、厚労省は墜落防止機材ではないということで断定したわけです。メッシュシートは押せば何でもそこの間からすっすと落ちていくではないですか。それはわかっているではないですか。それから、タイムラグがあるわけです。メッシュシートを張るまでにいろいろな作業がありますね。メッシュシートが1スパンずつ、一段ずつ付けていくわけではありません。メッシュシートを張った場合というのは最後のところです。それまでの作業はどうしますかと。メッシュシートは墜落防止機材だ、飛来落下防止機材だということで決めておいて、ではそこの段階で付けるまでは、それが満たされないことになります。これは物すごく危険な話です。

○小林座長 御意見、よろしいですか。

○小野委員 私は以上です。

○小林座長 下の方もよろしいでしょうか。安全意識の教育あるいは安全意識の向上。これに関してよろしいですね。

 それでは、この【論点2】に関しましても、今の御議論を踏まえて事務局でまとめて次回提出いただくということにしたいと思います。

 それでは、【論点1】【論点2】は終わりまして、3ページ目にあります【論点3、4】、足場の点検、足場に係る法令等の遵守徹底のための対策ということでございます。これに関してはいかがでしょうか。

○小野委員 これも前回言ってあります。【論点3、4】について、取りまとめの方向性は次のようにすべきである。

 例えば国交省の重点対策と同様に「足場の組立て作業を行った者以外の十分な知識と経験を有する第三者による点検」が必要であり、足場の組立・変更後の使用前の点検は、公平、中立な立場から、だめなものはだめと指摘し、改善指導の徹底を図ることにより、墜落災害を未然に防止するとの観点に立ち、直接足場を組み替えた当事者ではなく、それ以外の第三者が行うことは重要である。

 2つ目として、民間人を活用した監視員制度が有効ではないでしょうかと、これも検討の範囲ではないでしょうかということです。

○小林座長 ありがとうございます。どうぞ。

○小島委員 前回も小野委員に私も確認させていただいた話と重複するかもしれません。国交省さんが書かれているところで私どもも正直引っかかるのは、組立・解体はいいのです。「変更時等」というのが引っかかるわけです。つまり、小野委員は前回のときに私の御質問に関しては、とにかく小さな変更でも全部変更なのだから、第三者の点検は必要だというお話ですね。ここが一番ポイントになります。つまり、そういうことをすると、はっきり申し上げまして、どういう人が第三者になるのかは別にしまして、結論から言いますと、直接組立・解体をやった人間以外の人が常駐することになるわけです。

 つまり、先ほどの議論、【論点2】と一緒ですけれども、現場は1週間とか1カ月とかという単位で作業に応じて、先ほど言いましたが、内側の手すりを外す、幅木を外す、あるいは元に戻すというのが全て変更に、解釈によって全部それが変更に当たるわけです。小さなことの変更も全部第三者ですよということになれば常駐しないといけなくなるのです。これはどなたかは別です。そこが1つです。

 その第三者というのは誰なのだという話は、きちっと定義しておかないといけないと思います。それは全く別の人を雇って、全く違う人を雇ってやるのか、自前で例えば私どもの会社で言うと、それが内勤の安全に属している人間が第三者に当たるのか、あるいは専属で別の者をうちの会社としては配置しないといけないのか、さまざまなことで関係があるのですけれども、少なくとも第三者ということに対しての定義は、国交省さんの定義は割とはっきりしているのですが、それに従っていいのか。要するに、直接組立・解体をやっている業者さん以外の方でそういう資格、経験あるいは教育を受けた方々がやるということ理解していいのでしょうか。

○小野委員 直接足場を組立・解体した者以外です。それ以外ですから、同じ会社の人でいいのです。常時誰かいるでしょうと。作業主任者などは能力向上教育を受けた人は1人、2人はいつでもいるでしょうという話なのです。

○小島委員 よく分かりました。冒頭にこの話をさせていただいたのは、小野委員の御意見に対して、そこのところの確認をしておかないとまたかみ合わない話になるので、そこが一番聞きたかった。

○小野委員 無茶は言っていません。

○小島委員 無茶とは言っていません。それはそれで大事なことなので、そこが整理されていないと、また困った質問をしても困るので。

○小野委員 結局、自分で組んだものをこれで良しと、自分で点検をつけるのでは意味がありませんということを言っているのです。

○小島委員 分かりました。了解しました。

○金森委員 それでは、事業所の中の人間でいいということですか。

○小野委員 もちろんです。国交省もそう言っているわけです。組み立てた者以外の第三者ですから。できたら、もし大きな点検の仕事があるようならば、いずれにしても厚労省も言われていますね。第三者の定義をしていますから、その中から選んでやってもらってもいいという、その中には作業主任者も入っているわけです。計画作成の人も入っているわけです。

○金森委員 現場の教育を徹底すれば、そういうものをみんなクリアできる。

○小野委員 教育でもそういうことをちゃんと教育しなければいけないですね。

○鈴木(敏)委員 今の者というのは、その業者ということではないということですね。

○小野委員 人です。

○鈴木(敏)委員 では、同じ業者の中で別の作業主任者教育を受けた、義務講習を受けて取った者がやる分は問題ないということですね。

○小野委員 もちろん、そのとおりです。組み立てた以外の人ですから。

○高橋委員 その場合に、第三者という言葉が間違える可能性があるので、第三者という言葉を使ってはいけないのではないですか。

○小野委員 表現ぶりは別ですけれども、最初からそういうことになっています。組み替えた本人がやってはだめですよということを言っているのです。

○鈴木(敏)委員 ということは、この取りまとめの方向性のところに書いてある「第三者による点検を必ずしも実施する必要はないのではないか」は、第三者が、いわゆる事業者でもない、メーカーさんでもない、その第三者と捉えないという意味では、この取りまとめの方向でいいのではないですか。今後、この第三者という言葉を使わないで別の表現にすればいいということですね。組み立てた者以外の者ということですね。

○小島委員 否定的な表現をしているから、そういう意見をおっしゃっているわけです。必要がないのではないかという否定的な言い方をされているので、そんなことはない。

○小野委員 私は必要があると言っているわけです。とりあえず必要です。

○小島委員 現状の法律でも、点検しなさいということは書いてあるのですけれども、それははっきりさせなさいということだと理解しました。

○小野委員 そのとおりです。

○小島委員 それを今は組み立てた者でもチェックリストでぴっぴっとやればそれでいいよねとなっているのではないかということをおっしゃっているのだと思うのです。

○小野委員 そのとおりです。

 随分前の会議で、同じメンバーで、点検をやるのは組んだ者は一番どこが悪いか分かっているのだと、組んだ者が一番いいのだという意見が強かったのです。そういうときがこの委員会でありました。組んだ人がやるのは一番簡単かもしれない。終わったらすぐ自分でやればいいのですから。

○小島委員 それは意見としてね。

○小野委員 しかし、それは社会常識として通らないと思います。

○小島委員 それは意見として、責任施工とか作業主任者の責務とか、法律上書かれてあるところに対してそういうものではないかという意見だと思います。それは小野委員がおっしゃるように、それでは自己満足の世界になって、欠落するのではないかというお話だということですね。

○小野委員 そうです。だから、例えば作業主任者が立ち会って監視して、監督して、その足場を組み立てましたと。そうしたら、その同じ作業主任者は組立ての従事者ですから、別な作業主任者にやってくださいということです。監視監督した者も一緒になって組んだ人になります。同じ現場内にいる別な作業主任者にやってくださいと言っているわけです。

○小林座長 どうぞ。

○宮本委員 その第三者という認識が私も小野委員の今のお話、大分認識が違ってしまったのです。以前は足場管理者とか一定の講習を受けた第三者という理解でお話をされていたと思うのです。だから、そういう方かなと思ったのですけれども、そうではないということなので、高層現場等では、いろんな作業主任者資格を持っておられる方はたくさんいらっしゃると思うのですけれども、木造ですと、大体足場は足場業者に頼む場合が多いわけですね。そういう場合に、第三者ということになると、足場業者以外のそういった作業主任者資格を持っている方とか、そういうイメージになるのですか。

○小野委員 それでもいいわけです。ただし、当事者ではだめですよということを言っているわけです。誰でもいいではなくて、やはり厚労省がより十分な知識、経験を有する者ということで指定しているわけです。現場には能力向上教育を受けた作業主任者もいるわけだから。

○才賀委員 そうすると、足場を組んだ者は手直しができないわけですね。

○小野委員 組んだ人は、自分で自前の作品を自前で点数はつけてはいけませんと言っているわけです。

○高橋委員 小野委員のおっしゃっている民間人を活用した監視員制度というのは何ですか。

○小野委員 例えば厚労省が言っている十分な知識、経験を有する者の中に安全衛生コンサルタントもいますよと、安全衛生コンサルタントがたくさんいるのです。そういう人の活用もしたほうがいいではないですかという意味も含まっています。

○小島委員 せっかくなので私は持ってきました。国交省さんの「建設工事事故防止のための重点対策の実施について」。前回も申し上げたのですけれども、そのくだりを読み上げます。よく聞いてくださいね。

「足場の組立完了時等の点検においては、要綱に示した足場等の種類別点検チェックリストの例を活用し、当該足場の組立作業を行った者以外の十分な知識と経験を有する者によって点検をすることを安全協議会等に働きかける。

 十分な知識と経験を有する者とは、足場等の安全点検の確実な実施について、厚生労働省から平成24年4月に示された以下のものが含まれることに留意されたい。

 1、足場の組立等作業主任者であって、労働安全衛生法第19条の2に基づく足場の組立等作業主任者能力向上教育を受けた者。

 2、法第81条に規定する労働安全コンサルタント(試験の区分が土木又は建築である者)や厚生労働大臣の登録を受けた者が行う研修を修了した者等、法第88条に基づく足場の設置等の届出に係る計画作成参画者に必要な資格を有する者。

 3、全国仮設安全事業協同組合が行う仮設安全管理者資格取得講習、建設業労働災害防止協会が行う施工管理者等のための足場点検実務研修を受けた者等、足場の点検に必要な専門的知識の習得のために行う教育研修又は講習を受講するなど、足場の安全点検について上記1又は2に掲げる者と同等の知識、経験を有する者」

となっているわけです。

 なので、小野委員がおっしゃっていることはほとんど正しくて、こういう人たちがいいのではないか、第三者という人に該当するのではないかということですね。

○小野委員 そうです。

○鈴木(敏)委員 ですから、先ほどの宮本委員のお話はちょっと誤解をされていて、今のお話だと、その会社でも構わないということですね。

○宗像委員 確認になるかもしれないのですけれども、今、自分たちは住宅工事現場元請として足場を足場業者さんに発注します。足場屋さんは、それを受けて足場を組み立てる。その足場が自分たちの発注したとおり、いわゆる自分たちの基準どおりになっているかどうかというチェックをした上で引き取ります。そのチェックもこの点検に入るということになるのですよね。当然、チェックする者が資格を持っているとして。

○小島委員 そうです。組立完了時等ですから。

○宗像委員 まず1回目の組立時に関しては、いいのですね。

○小野委員 チェックリスクを保存しなければいけませんとなっています。

○小島委員 それをより厳格にする。定義して、国交省さんの書かれているものに厳格に定義したらいかがですかという御意見ですね。

○小野委員 点検は物すごく大事な部分です。しかし、どなたがやろうが点検をやるにはものすごい費用が掛かります。

○小林座長 よろしいでしょうか。【論点3、4】ですが、これも事務局にさらに今の御議論に従ってまとめていただきたいと思います。

 続いて、4ページ目の【その他】です。わく組足場以外の足場等に係る対策ということですが、これに関して御意見はありますか。

○小野委員 これについても前回提出してあります。【その他】についての取りまとめの方向性ということで、一側足場について「検討してはどうか」ではなく「検討する」とすべきである。

 もう一つは、第7回の【提言3】のマル1にあるJIS規定の活用など及び高さ制限の見直しについても検討すべきであるということです。

JISについては国交省が中心になって各省が集まって決められたJISがあります。例えば屋根工事用足場のJIS、斜面法面の工事足場のJISがありますから、これの活用をするようなことで厚労省もきちっと明記すべきだということですね。

 現行安衛則で高さ制限があるわけですね。5m未満の足場については、作業主任者は不要だということですね。しかし、5m未満で70%の墜落災害が発生するのです。だから、作業主任者の役目は物すごく大きいのです。5m以上でこれは区切るべきではない。もう一つ、高さ制限は10mなのです。60日を超えて10mを超えたものは88申請しなければいけないとあるわけです。10mを超えても2カ月以内なら計画図を出す必要はないのかということです。この辺も今ものすごく抜けているわけです。この辺も88申請の対象にすべきだと検討すべきだということです。ものすごく大事な部分です。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 高さの件についてはさまざまな歴史があるので、検討すべきというか、今後、課題であることは確かだと思います。

 その話と、【論点1】の下の方にあります足場の組立等の業務を危険な業務として当該業務に就く者に対しては、あらかじめ安全のための特別教育が必要ではないかというのとは、優先順位も含めてですけれども、こちらも重要な話でして、並行して検討していただけたらと思うのです。

 つまり、この【論点1】のところの下の方は、高さ関係なしにとにかく足場を組む人は特別教育を受けてくださいと私は理解していますので、そういう意味では墜落に対しての意識とか知識とかを含めて、足場を組み立てする人は必ず特別教育を受けなさいということを規則としてできれば、それを守っていない人は要らないですから、そこで1つの歯止めがかかる。

 次は、高さ制限について届出を含めて、高さ制限については先ほど来ありましたように88のところで受けている人がチェックするという項目もあれば、そうではない項目もあるので、これはさまざまな要求に対してほかの規則との兼ね合いの中で少し検討が必要である。時間的な検討というのは、対象というのは少し並行して考えていく必要があるのではないかと思います。

○小野委員 賛成です。

○小林座長 ほかに御意見はありますか。

○小野委員 並行して検討すべきだという御意見ですね。全く賛成です。これも墜落災害に大いに関係している事項ですから。

○小林座長 どうぞ。

○宗像委員 一側足場における墜落防止対策を検討してはどうかというのが方向案として示されています。自分は住宅というベースで考えた場合に、一側足場も立派な足場だと思っています。それに対して検討すべき、検討するとしてしまうとマイナスからスタートするような印象を受けますので、一旦いろいろと今後改良していくという意味で検討すべき事項も多々あるとは思いますが、表現として、いきなりするとなってしまうとマイナスからスタートするような印象を強く受けますので、方向性としては検討してはどうかというところからスタートして実際の検討に入るという順番がありがたいなと思います。

○小野委員 今の宗像委員の御意見に対してですけれども、こういうものを提言した発端、原因は何かと申し上げます。

 本来なら、二側足場を使える場所であっても一側足場だということで安衛則の規則を最初から逃れているという部分がたくさんある。それは新聞紙上でもたくさんにぎわいました。こういうことがあるのです。ですから、まず、一側足場の使用制限について入ったらどうかと、それはしなければいけないですよと。

 例えば1m以上のスペースがあるところは二側足場で、一側足場を使ってはいけませんとかしないといけません。なぜなら一側足場は今規制から逃れていますからということです。そういうことも含めて検討しなければいけないということを言っています。別に宗像委員の反対を言っているわけではないです。

○宗像委員 反対意見を申しているつもりはないのですけれども、スタートとしてフラットにしたいというつもりがあります。

○小野委員 事故データが発表されていませんけれども、一側足場からの墜落災害はかなりあるわけです。それもこの前、前々回かで厚労省から災害統計で発表されていますね。かなり多いのです。新聞などでは何回も出ています。結局、規制を逃れるために一側足場を使う。一側足場があれば労働監督署は全然物が言えなくなるということで、最初から一側足場だと。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 今のことに関連するのかもしれませんけれども、先ほどの話のやりとりの中でそういうことはあるかもしれないということで終わってしまっているので、確認というか、御意見なり何かいい対応方法があればと思ってお聞きするのです。

 先ほどわく組足場について、手すりを先行させるなり何なりの規制をかけていくと、言葉は悪いですが、それから逃げるためにそれを使わなくなるという話が出て、確かにそういうことはあるかもしれませんねと小野委員もそれで終わってしまったと思うのですが、今の話と同じ話として、それをそうさせないための方法というか、現実にそう動いてしまうのだとしたら、何かお知恵というか、そういったものはあるのでしょうか。

○小野委員 今のは趣旨が分からなかったのですけれども。

○野澤建設安全対策室長 先ほど小島委員がわく組足場について、いろいろ規制をさらに強化していくと、わく組足場という本来安全性の高い足場から皆さんが逃げていくという発言がありましたね。

○小野委員 それはないと思います。わく組足場が非効率で不安全で高いからほかの安全で効率ないい足場に変わっていくということを心配されたのですね。それは、私は大賛成ですよということです。移行されていくのは大賛成だということです。自然の経済と安全の流れですから。

○野澤建設安全対策室長 分かりました。だから回答が少し変に感じたかもしれません。

 小島委員はそういうおつもりだったのですか。

○小島委員 私は、実は室長がおっしゃられていることを危惧しています。つまり、高層の30mを超えるような話は別にしまして、一般的に広く使われている足場と称するものについて一側、二側、くさび、緊結、わく組と、こういう使い方を大きくされている中で、特に私が危惧しているのは、先ほど来お話があった低層のわく組が使われるところでわく組を持っていらっしゃるような事業主さんが自分のところで例えば住宅でも何でも結構です。そういう方々がそれを使おうとするのだけれども、それが手すり先行というようなものの限られた工法、法規制になったら、それは使わなくなって、くさびなり二側足場なり、はたまた一側足場なりになってくることが懸念されるなというのはあります。

 その一方、小野委員がおっしゃっているように、私のところの会社でも実は正直言いまして、こうなった場合にどうするかという話は、新しい足場ができないかという議論は既にやっています。それはそれでやっています。もっと言うと、足場をなくせという話です。極端なことを言ったら。足場があるから落ちるのだと、足場のないような方法を考えろみたいなことも言っています。だから、その2つのこと、二面性があるということです。私の言葉が足りなかったら申し訳ないですけれども、そういうことです。

 ですから、むしろ、くどいようですけれども、10m前後を含めた低層の足場について、せっかくわく組足場が広がっているのに、それが逆方向に行くことはないのかなというのは、実は一番懸念しています。

○小野委員 それは懸念する必要は全くないと思います。だって、安全なものを取り入れるのは当たり前ですね。わく組足場が不安全だというなら取り入れられないのは当たり前ですから、いいものができればいいものにシフトしていくのは当たり前だと思います。

○加藤委員 小野委員の話に丸っきり私も賛成です。いいものがいいものにシフトしていくのは当たり前だから、したがって、法制化する必要もないのではないか。当然、日本の世の中は金をかけてもいいものはいいよと取る人もいっぱいいるわけだから。

○小野委員 いいものを出してどんどんいきましょうよと。では、現在、いいものはありますかと、あったら出してくださいと。加藤委員、今回の検証実験でも出してください。何年も同じことを繰り返しているのです。何年も同じ災害を繰り返しているのです。

○加藤委員 いいものに、よりみんなが考えていくように、それが世の中にそうやってシフトしていくのは今の私の日本の国でしょうということです。

○小野委員 それはそうです。いいものが出たらどんどんいいものにシフトしていけばいいです。

○加藤委員 この前から何回も言っているかもしれないけれども、プラズマテレビにしましょうよとか、何とかにしましょうよとかという話はない。

○小野委員 それでいいではないですか。いいものが出たらいいものにシフトしていけばいいのです。古いものは去っていくということです。だから、現在、とにかく次の人の命をどうやって助けるかという話です。加藤委員、何年も同じことが続いています。今、いい手立てがありながら、それを知っていながら、いいものが出てくる、いいものが出てくるだろうと思って放置しておいたら、それは罪なのではないでしょうかと言っているのです。

○才賀委員 今、小野委員が言うのは良く分かるのだけれども、でも、現在持っている人が使えなくなるという大前提が問題なのです。

○小野委員 だから、使えるように安全性を付加しなければいけないということを言っているのです。

○才賀委員 それは分かるけれども、それも考えてあげないと、小さい地元の業者さんは皆潰れてしまいます。

○小野委員 そういう時代が来るのはウェルカムではないでしょうか。とにかく災害がなくなるわけですから。

○才賀委員 でも、手すり先行にしても、災害がなくなるわけではない。実際に何件かあるわけでしょう。ゼロだったら構わないけれども、何件かでもあるということは、これから在来の足場が減って、全部手すり先行にすれば、数にすれば事故がまた増えてくるのです。

○小野委員 今は手すり先行工法が有益だと、有効だということが認知すれば、有効な方法に行くべきではないでしょうか。

○才賀委員 有効は分かるけれども、それだけではだめだということはどうなのか。

○小野委員 そういうところの話は別の話です。経済的な話はまた別の話。人命尊重の話でしょう。足場について人命に係る費用がどのくらいかかるのですか。

○才賀委員 それは分からないけれどもね。

○小林座長 どうぞ。

○宮本委員 先ほどの小野委員の小さい業者が淘汰されるのはウェルカムだというのは納得できない発言だなと思っています。一側足場という定義というのはされているでしょうか。一側を使えば、通常は狭小地だとかリフォーム、非常に多いと思うのです。それから、解体ということだと思うのですけれども、非常に小さい事業者、一人親方も含めてやっているというのが現状だと思うのです。

 私、最初に写真を示しましたけれども、ああいう事態が今でもごろごろしているわけですね。そういうところからの墜落災害が起こっているというのも現状ですし、これは本当になくしていく、そのための特別教育とか、小島委員もおっしゃいましたけれども、そういう方向の検討をぜひ厚労省としてテーマとして取り上げていただきたいと思っています。

○小林座長 【その他】の論点ですが、4ページ目、さらにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、一応同じように事務局に今の御議論をまとめていただきたいと思っています。

 これに関係するものですけれども、資料2です。前回、小野委員の方からですね。

○小野委員 はい。出しています。

○小林座長 十分な議論をいただいておりませんので、これについて、この議論自体、ここでのお話として片がつくようなものではなさそうですけれども、これでもって事務局にいろんな部署、部門に調整があるとは思いますが、それをしていただくことにします。これについてはいかがでしょうか。

○小野委員 今の座長の進め方には反対です。労働安全衛生行政について、これは全くそのものずばりなのです。これを外すなどという。

○小林座長 外すのではありません。

○小野委員 しかし、この場で議論しなければいけませんということで私は言っています。

○小林座長 どうぞ。別に今その意見を伺おうとしています。

○小野委員 この前出している資料ですけれども、安全経費の問題を言っています。安全経費については、第12次労働災害防止計画において、今後の取組の方向性が示されており、安全衛生行政において直接的に対応すべき問題であるということです。

 2つ目、1の労災保険料及び2、3の労働者及び一人親方の労災補償は安全衛生行政の範ちゅうであり、同行政で対応すべき事柄であるということです。ですから、この検討会も全くその範ちゅうに入る検討会ですから、これを重視していかないといけないと思います。

○小林座長 これに関していかがでしょうか。

○小島委員 この資料は事務局から出された資料ですね。資料2に書かれてあることは。

○小林座長 どうぞ。

○川越技術審査官 資料2につきましては、第8回、第9回で各団体からの意見表明をいただいたものをそのまままとめていますが、この検討会の場でさらに議論を深めていくことが若干難しい案件、つまりは私ども安全衛生行政の所管を若干超えている部分がありますので、私どもだけではこれらの問題について結論を出すことができない案件でございます。そういったことで、この問題をどうするかということについて、関係省庁、関係部署と、こういう提案が出ているということを私どもからそれぞれの部署に説明いたしまして、その上で何らかの対策が打ち出せるのか、課題として私どもの報告書に書いていいかどうか、そういったことを調整させていただきたいということで、こういったものをまとめて提出しているものです。

 この場で意見はおっしゃっていただいて、私どもでそれを引き取って関係部署と調整していきたいと考えています。

○小林座長 どうもありがとうございました。

○小野委員 川越さん、この問題はこの検討会の中軸をなすものだと私は思います。今までいろいろ墜落災害の技術面の検討、討議をされました。この前、田村委員からも言われていますね。同じ会議が何回も同じことを繰り返している。出た結論は同じだと。結局、何も進まないと、この前、田村委員は言われました。全く私もそのとおりなのです。だから、技術論は技術論としてみんな素直に捉えていこうではないですかというのです。

 しかし、それを補填するお金、コスト、経費がなければ何もできないのです。これが担保されて初めて実施できるのです。墜落災害もそうです。このまま放っておいても何もできないです。例えば今教育しましょうなどと言っても、教育はただではできないのです。幅木だって二段手すりだってただではできないのです。誰が出してくれているのですかと。結局、全てオール競争入札でたたき合いになって、安全経費だ、保険料だとなくなっているのが現状なのです。これを確保してあげなければ、安全も確保できません。ですから、二輪一体だと思います。そういう意味ではこの件は書いています。

 1番、2番、3番とも皆共通していますけれどもね。

○金森委員 まず、ここで出せないものであれば、私もこれは必要なことだと思います。今ここでいろんな結論が出るようなものではないということであれば、各部門において、これに相当したものが検討されるようにお願いしたいと私も思います。

○小野委員 金森委員の意見もそう。ですから、この意見というのは、かなり重大な問題ですよと。さらっとほとんど意見も問題化もしないで送りつけたらだめなのです。これは重大問題として、ほかの部署に移るならばほかの部署も宣言してもらわないといけないです。そうでなければ、このままの状態では墜落災害も防止などはできません。墜落災害の背景にあるものも同時に進めていかなければだめです。発注者から元請が競争入札で、競争でたたき合いして、それで費用があるかないか分からないで結局下請にやられる、安全計画、作業主任者の協議など、そんなものできるわけがないです。そんな余裕はありません。元請がちゃんと責任を持って、それは別枠計上で発注者からもらうということを言っているわけです。ところが、発注者は安全経費とか保険料を競争でたたき合いをさせている。それはだめだと。元請はきちんとそれは透明に下へ流してもらうということです。そのことを言っているのです。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 小野委員の御意見のところにありますように、安全衛生経費という話では、確かに12次防でうたわれていまして、これは本省、厚生労働省さんがこう書かれてあるのですから、これは私の理解が間違っていれば事務局の方で訂正していただいたら結構ですけれども、安全経費については、別途その部分についての発注者に対しての要望とかそういうものについての研究が既に立ち上がっているように思っているのです。安全経費というのは、何も足場の部分だけではなくて、さまざまな部分で、先ほど小野委員が何度もおっしゃっていますけれども、たたき合いの中でさまざまなところを法に則ったぎりぎりのところでやらざるを得ない状況にあるという実態もあるでしょう。なので、その安全経費というのは、1つの大きな課題であることは我々も認識していますので、その部分については別計上なり、どうやって、やっていくかというのは、別途私はもう委員会が立ち上がっているかどうかは別にしまして、研究が始まっていると理解しているのです。それでいかがなのでしょうか。

○川越技術審査官 発注者での安全衛生経費の別枠計上の問題につきましては、おっしゃるとおり12次防の記述にも既に記載されています。これまでも研究会というものを直接厚生労働省で立ち上げたわけではありませんが、こういった問題意識につきましては、労働基準監督署と発注機関との連絡会議の中で、必要な経費の確保と工期の適正化ということを求めてきているというところです。ただ、現状、かなり厳しい状況があると認識していますので、それをさらに一歩進めることができるかどうか、まだ研究会を立ち上げたわけではありませんけれども、厚生労働省の中で検討を始めているところです。

 もちろん、発注者の対策としましては、国土交通省等の関係省庁と連携しながら取り組んでいかなければいけない問題ですので、こちらだけでこれがいいと言ってもなかなか実行に移せるものではありません。そういった意味で安全衛生行政とも密接に関係あるものと認識していますので、引き続きそういった形で進めていきたいと考えています。

○小林座長 ということです。

○小野委員 今どういう段階にあるかは分かりませんでは、私の会議も進みません。車の両輪ですから。今、墜落災害をなくそうという大会議なわけです。それにはこういうものがちゃんと背景が整わないとそれもできませんという話です。だから、これは別個に置いてというわけにはいきませんね。できません。才賀委員のところだって。

○才賀委員 良く分かるけれども、この問題をここで答をもらって解決しようというのは無理だ。

○小野委員 答えをここでもらうとは言っていないです。私たちがどれだけこれを問題にしているか。それが解決されなければ、私たちも解決できませんということを送らなければいけないということです。だから、言いたいことをみんな言って、これだけ問題だよということで問題提起をしなければだめだということです。

○才賀委員 問題は分かるけれども、これ以上言っても解決は無理だなと思っているから言わないだけです。

○小野委員 だけれども、現状、切り離すわけにはいかないのです。

○宮本委員 これは私も意見というか報告をいたしました関係がありますので。

 確かに12次防で国交省と連携して確実に確保できるように厚労省としてもそういう方向性は示されているのですが、それは具体的に今後どういうように進んでいくのかということについては、一定進んでいくプロセスなりが明らかになりませんと、ありますよと、書きましたよというだけではどうかと思います。

 そのことが、今、建設業界の中で非常に重要だというのは皆さんも御認識だと思うのです。しかも高齢化がものすごいスピードで、もう若い人が入ってこないというような環境もありますし、ベテランの皆さんが墜落災害に遭うという危険性もこの間高まっているというような状況もありますので、そういったところで確実にそうした安全のための経費、安全だけではありませんけれども、労務費などは別の形の法律ということもありますから、別の形の法律も含めて検討されるべきではないかなと思っています。

○小林座長 ありがとうございます。これらに関して、更に御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。

○宗像委員 労災保険の話になりますと、制度そのものを見直すということを考えないと費用の分、下請事業場の全てに対して労災保険料が確保されるようということになると、適用事業という考え方を変えていかなければいけないということだと思いますので、大変重要な問題ではありますけれども、この委員会で検討すべき事項とは直接は関係ないと自分は思います。

○小野委員 関係あるから私は言っているのです。労働安全行政に関係があるから言っているのです。強く関係しますから、ここから外すべきではないと。この会議の中心といい難いのであれば、どの会議に移すのかを明確にしていただきたいということです。何も言わないでこのままというわけにはいかないのです。

○半田安全衛生部長 ですから、ここで私ども事務局で申し上げている資料には、この委員会で私、安全衛生部が責任を持ってお答えできるものではございませんということを申し上げているだけですので、この問題についてどうぞ御議論、御意見があれば出していただいて、こういう議論がございましたということを私どもも踏まえて、私どもも例えば国交省とお話ししてできることであれば、そういう枠組みの中で今後国交省とも議論させていただこうということは既にお話ししてございますから、その枠組みの中で、こういった御議論がございました、踏まえて検討会を行いますし、労災のところなどはどうにもなりませんけれども、こういう御意見がありましたということをしかるべく部署にお伝えして検討をお願いするように働きかけることはできますので、こういう御意見がありました、これについてはどうお考えになるということをまとまるならまとまるに越したことはないし、まとまらないならまとまらないでいろんな意見を入れてもいいですし、そういったものをお聞かせ願えれば十分だと思っています。いかがでしょうか。

○小林座長 ということで、問題点あるいは問題意識についていろいろお聞かせ願えればと思います。

○宮本委員 半田部長、ありがとうございます。そういうことで、ぜひこの墜落災害防止のあり方検討会ではなくて別の場でということも含め、あるいは国交省との連携ということも12次防にも書かれていますので、そのことを合わせてぜひ問題を検討といいますか、こういう問題がある、そのことの問題について議論が必要だという認識でまとまっていければいいかなと思います。それが今、一人親方、労災保険だけではなくて、先ほど小野委員の資料にもありましたように、労災保険に入っていなくて、自分が労働者なのか、事業者なのか全く分からないという状況の中で災害に遭う。そうした場合に、その方の救済というのが非常に困難な状況になっておりまして、私どもの組合員の中にもそういった事例がたくさんあって、そこを何とかクリアして、全て現場で働いている方がけがをした場合は労災保険あるいはそれに代わるシステムがあるならそれでいいのですけれども、確実に救済を受ける状況をまず作っていかないと、この建設業界に将来入ってくる若い人たちも、自分がけがしても労災で面倒見てもらえないといったようなことであれば、ますますイメージが悪くなることも含めて、将来の業界を背負っていく若い人をその中に取り込んでいくという意味においても、こういった部分をきちっとしていってもらいたい。そのことが特に墜落災害ということで言うと命にかかわる部分でもありますので、そういう点で別の機会でいいかと思いますけれども、ぜひ推進を図っていただきたいなと思っています。

○小林座長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。

 それでは、これで資料2に関しまして、資料1と関連してですが、先ほど来お話がありましたように、問題はここだけの問題ではないというお話もありました。今いただいた御意見を踏まえて、事務局に更に他省庁ですとか厚労省の各部門での省庁整理を踏まえてまた御報告いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小林座長 ちょっと長くなりましたが、第1番目の議題について、何か全体として今御意見があれば伺いたいと思います。

 よろしければ、第2番目「労働者へのアンケート調査の実施について」ということです。資料3は1ページ目、2ページ目がありますけれども、前回も御説明いただきました。アンケートに関しまして、資料4です。

 資料4はいろいろ御意見をいただいた分が幾つか反映されたものとなっているようですが、これについて御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○川越技術審査官 では、お手元の資料4を説明いたします。

 前回の検討会で小野委員より、アンケートの実施方法について意見がありました。また、その中で、調査票についても検討会において議論すべきであるという話でしたので、今回、その点を踏まえて、できる限りの改善をしたものを提出しています。

 若干、意見のとおりになっていないところもありますが、その点についてはこれから説明申し上げます。

 まず、お手元の資料4の1ページ目で「2 アンケートの実施方法」とありまして、そこの「(2)実施人数」が前回350人ということで提示いたしましたが、おおむね1,000人程度ということで大幅に数を増やすことにしました。これは平成10年度から安全優良職長の顕彰制度が始まっていますが、その当初からの人を全て対象にするという考え方です。

 また、これ以外の方に対しても、墜落した経験のある方や手すり先行工法にある足場での作業経験等をした人に対してアンケート調査を行うべきであるというお話がありましたが、次のページ、調査票の案を4ページにわたって添付していますが、基本的な事項を聞く中で、1ページ目のIIの3、あなたは手すり先行工法による足場での作業の経験はありますかということで、手すり先行工法による足場で作業したことがあるかどうかを聞くことにします。

 4つ目として、あなたやあなたにとって身近な同僚などが足場から墜落した経験がありますかという設問を設けています。

 「III 足場からの墜落防止措置に関する事項」ということで、1番目、あなたは足場の組立ての作業を行うことがありますかということで、組立作業に従事する方かどうかということを聞くことにしました。

 こういった設問を設けることによりまして、1,000人というアンケートの対象者のうち、これらの項目に答えた方が一定程度出てくれば、そういった属性の方の傾向に違いがあるかどうか、それはこのアンケート調査で十分把握できるものと考え、このような案にしています。

 それでは、アンケート項目の内容について、ポイントだけかいつまんで説明をいたします。

 まず、調査票案の1ページ目、基本的な属性、年齢、職種、経験年数に関する事項を聞いていきます。

 2つ目として、業務で使用している足場に関する事項を聞きます。主に使用している足場の種類、主に使用している足場の高さ、先ほど説明したように、手すり先行工法による足場での作業経験、また足場からの墜落の経験を聞いていきます。

IIIとして、足場からの墜落防止に関する事項ということで、あなたは足場の組立作業を行うことがありますかということで裏に行ってもらって、ある方については、まず手すり先行工法による組立の作業でどういった工法の作業に従事した経験があるのかということを全て○を付けてもらうという手法にしています。

 1-2として、最上層での組立て作業を行う場合の墜落防止措置として、どのような措置。それぞれ次のような措置についてどのように思うかという質問を入れています。

 また、差し支えなければと書いてあるのは、理由を書いてもらいたいのですが、必ず理由を書きなさいということになりますと、アンケートの回答率が落ちるということを懸念しまして、差し支えなければ書いてもらいたいということでこのようにしています。

 項目としましては、(1)~(4)までございまして、まずほとんど現場では行われていませんが、足場の両側、躯体側と外側に一層下から先行して設置した手すりについて、それが「適当」か、「適当であるが、問題がある」か、「不適当」かという質問にしています。

 そのほか同様に、足場の外側に一層下から先行して設置した手すりに安全帯をかける。これは安全帯をかけると言っているのは手すりが片方だけにしか付かない場合には、当然、片方の躯体側から落ちる可能性があるので、安全帯は必須でございますので、手すりに安全帯をかけるまでした上で適当かどうかを尋ねています。

 3つ目として、一層下から先行して設置した親綱に安全帯をかける。

 4つ目として、一層下から先行して設置した建地のポケットに安全帯をかけるという設問としています。

 1-3として、実際にかなり最上層での安全帯の不使用による墜落事故が起きているということから、実際そういったところをやっていない方が多いのではないかということでこのような設問、安全帯をかけられる手すり、親綱、建わくなどが設置されるまでの間、一時的に安全帯を使用しないことがありますかという問いを設けています。

 2として、次に、足場を通常の作業で使う場合の墜落防止措置を尋ねる問いを設けています。この場合、条件を限定しませんと求める回答が出てこない、求める回答を得られないということで、条件を絞っています。

 まず、わく組足場という条件と、足場の外側には交さ筋かい、下さん、飛来落下防止用のメッシュシートが設置されていて、躯体側で作業を行うという状態で足場の外側の墜落防止を尋ねたいということでこのような問にしています。

 その上で、どんなものを聞くかといいますと、わく組足場ですから、上さんをこれに設置することについてどう考えるか。

 次のページに行きまして、足場板などにより、建地と作業床のすき間を狭くすることについてどう考えるか。

 3つ目として、幅木等により下さんの下のすき間を狭くすることについてどう考えるか。

 同様にくさび緊結式足場についても、同じように足場の外側の墜落防止措置について尋ねます。こちらにつきましては、条件として、足場の外側には手すり、中さん、メッシュシートが設置されており、足場の躯体側の作業を行うという条件で尋ねています。上さんはもともとありますので、それ以外のものとして足場板等による建地と作業床のすき間を狭くする。幅木等により中さんの下のすき間を狭くする、こういった措置についてどう思うかという質問にしています。

 4つ目ですが、躯体側の作業についての墜落防止措置を尋ねています。これは一時的に交さ筋かい、そういったものを外す場合がありますが、こういったときにどういった墜落防止措置を行っているかというもの、該当するもの全てに○をつけてもらうということにしています。

 この中で張出し足場の設置、安全ネットの設置、これはブラケットなどを出した上で安全ネットをつけることが一般的ですが、そういった措置をする場合にどこまで躯体側に近づけたら良いのか、墜落による防止措置になるところで現場でも迷いがあるのではないかということで、墜落による危険を及ぼすおそれがない躯体と足場板とのすき間の基準を示される必要があると思いますかという質問を設けました。

 次に、教育関係として、まず1つ目、足場の組立等の作業と書いてありますが、解体・変更を指しますが、この作業に従事する方に対する安全のための特別な教育が必要だと思いますかという問です。

 4ページ、組立作業以外の足場を使用する労働者に対して、安全のための教育が必要だと思いますかという問を設けています。

 7つ目として、足場の作業主任者の技能講習に加えて、更に定期的な能力向上教育が必要かどうかを尋ねています。

 足場の点検について、特に組立て・変更後の点検を確実に実施するためには、現在義務づけられている足場の組立て・変更後の足場における作業を行う事業者が作業開始前に点検を行うというのがありますが、これに加えてどのようなものが点検を行う必要があるかどうかを尋ねています。

 1つ目として、足場の組立て・変更を依頼した、注文した元方事業者、いわゆる安全衛生法上の注文者です。

 2つ目として、本日の議論は承知していますが、この問をつくったときには全くの第三者ということで、足場の組立て・変更を行った者以外の十分な知識・経験を有する第三者で、建設工事に従事する現場の関係者以外の者ということであえて問を立てています。第三者については以下のような注を設けるということにしています。

 このような問で、全部で4ページにわたる問ですが、あまり長くなり過ぎますとアンケートの回収率が落ちる。回収率が落ちると、アンケート自体が信頼を置けるものにならないということも踏まえて、最大限絞って、これぐらいは聞かなければいけないであろうという問を設けたものです。御検討いただければ幸いです。

○小林座長 どうもありがとうございました。

 実施について、資料4の一番初めのページに概要がありますが、概要とともに調査票そのものの案の御説明をいただきました。これについて御議論いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○小野委員 このアンケートについて、私の方から追加提出資料、資料6、次のページの「全国仮設安全事業協同組合からの追加提出資料(2)」の「労働者へのアンケート調査の実施内容等に関する意見」として、アンケートの狙いは物すごく大事なのです。

 アンケートは、現行の労働安全衛生規則による足場と先行手すりなどのより安全な措置に関する効果の比較について、実際に足場上で作業をする者の意見を反映させ、もって検討会の審議に資するようとの考えから、当組合からこの内容を求めています。

 ところが、厚生労働省の提案では、対象者は改正規則の施行の平成21年6月以前の者が大半であるだけでなく、ここで平成10年からの受賞対象者になっていますけれども、実際、安衛則の改正とか手すり先行工法のより安全措置を発したのは平成21年なのです。ですから、10年から20年まではほとんどそういう人たちは知らないのではないかと。もちろん、そういう人を対象にしても結構ですが、半分以上の人は今の改正の措置、通達について知らない人たちが多いということです。ここで1,000人などやる必要はなくて、対象者は被災者です。実際にこの前言いました。墜落災害の被災者、こういう人たちにもアンケートをとってくださいと。実際に手すり先行工法によって足場を組み替えたもの、従来足場を組んだ両方をやっている現役の職人さんにも聞いてくださいということを言いました。

 また、アンケートの内容は、第10回検討会での田村委員の意見や、第9回検討会の建設産業専門団体連合会の資料にもあるように、コストの問題も踏まえたものにすべきであるということです。この辺が違うところです。

 ということで、私たちがやっているのは、今、厚生労働省から説明を受けましたところと大分ダブっています。ですから、大事なところは私たちの提言を十分取り入れてほしいということです。

 最後に、結局、段落がどうなっているかというと、まず「建設業における墜落災害の現状について」という質問。2番目「墜落防止措置について」、「足場の設置に関すること」、「幅木、メッシュシートに関すること」、3番目「足場の組立て、解体作業時に関すること」、「足場の解体作業時に関すること」、「足場の使用時について」、「足場の点検について」です。最後、6番目「安全対策に掛かる費用(コスト)について」、ここが物すごく大事なのですけれども、安全対策にかかるコストは安全機材と手間代、人工代、足場の組立作業主任者など安全従事者への教育費、点検費、その他の安全管理が安全対策費だと思います。これらが含まれます。小島委員が言われた、いろいろ安全対策費もこれに含まれる。

 これらの費用は必要だと思いますかということで、安全対策費についてちゃんと十分ですか、どうですかという質問も入れていますということです。

 こんなことで、とにかく必要な部分はかなりあると思いますので、ダブる部分は除外してもらって十分検討していただきたいと思います。

○小林座長 アンケートの対象者に関することと、中身に関すること、具体的な例みたいなものを今御要望いただきましたけれども、いかがでしょうか。

 お願いします。

○川越技術審査官 まず、アンケートの対象者については、事務局から案を出していますので、回答します。

 今回、足場からの墜落防止措置に関するアンケートの送付先は、安全優良職長を受賞された方の事業所に存在している受賞者宛てに送りますので、現役の方しか実質には回答がない、そういったアンケート調査票になります。回答があったものは全て現役で業務に就いている方、今でもその会社に存在している方に対して実施します。そういった意味で、過去やっていた人ということではなく、現に業務についている方のみがこれに回答してくると考えています。

 そのほか、コストの問題を踏まえた調査票にすべきという点については、この場で御議論いただきたいと思います。

○小林座長 いかがでしょうか。御意見いただきたいと思います。

○宮本委員 厚労省の安全対策室の3ページと4ページの上に「労働者」と書いてあるのですけれども、そういう認識が階層としてあるかどうか。そういうことでいうと、5番目の場合は「労働者に対する安全」は、自分に対するという意味合いなのかというのが不明確かなと思いますので、作業に従事する場合に安全の教育が必要というような、「労働者」というのは取った方がいいのではないかなと思っています。

 4番目の上の方も、「労働者」という言い分が受賞者の皆さんが認識されているかどうかというのが不安かなと思っています。

 先ほど小野委員もおっしゃったように、コストの問題についての一定の認識というのは問う必要があるのではないかと思っています。

○小林座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○小島委員 2点あります。細かい話になりますが、資料4の1ページ目、問われる側の立場として見たときに、IIの4のところです。「あなたやあなたにとって身近な同僚等が足場から墜落した経験はありますか」と。これはIIの1、あなたが業務で使用している足場の中でそういう経験がありますかと問われているかどうか、整理したほうがいいと思います。

 つまり、足場というひとくくりになっていますから、単純な答えとして、例えば普段はわく組足場をやっているけれども、自分は例えば脚立から落ちたことがあるよとか、一側足場から落ちたことがあるよとかこういうことになると、問いとして整理ができないと思いますので、例えば足場から墜落する経験があるのは、あなたが主に使用しているところから落ちたとするのか、あるいはそうでなければ、経験があるのであれば、こういうところから落ちましたよというようにさらに問いをかけるか、どちらかの工夫が要るのではないかと。細かい話ですけれども、思います。

 小野委員が出されています安全経費については、安全経費そのものについてのアンケートは私も賛成です。ただし、例えば6の(1)の問いのところで、要するに費用については幅広いわけですから、機材費とか手間代とか、作業者の教育とか点検とか、管理費とか、さまざまな物すごく幅広い安全経費に対して、問われた人たちがその理解をしているかどうかというのが問題なので少し絞った形で、私は安全経費について問うのはいいことだと思うのですけれども、少しここは整理したほうがいいと思います。

 職人さんたちが、あるいは費用をもらっているか、もらっていないかとか、そういうことが本当にわかるかどうかも含めてなのですけれども、ここは少し小野委員の意見を聞いていただいて、私は安全経費についてはせっかくなので質問として問うのはいいことだと思うのですが、少し質問の仕方の工夫が要るのかなとは思います。以上です。

○小林座長 ありがとうございます。どうぞ。

○才賀委員 資料4のアンケートの1番、年齢のところで70歳以上というのは、現場ではほとんどではおられない。

○川越技術審査官 70歳以上については、一応受賞者の中に過去いらっしゃったので。

○才賀委員 先ほど現役でと言ったから、それではおかしいのかなと思った。

 あと、3で、あなたは手すり先行工法による足場での作業経験がありますか。経験あり、なしになると、みんな経験ありになってしまう。1回でも2回でもあればありになるのだから、時々あるとか、そういうのも1つ入れておくほうがいいのかなと思います。

 その2点です。

○小林座長 どうぞ。

○鈴木(敏)委員 細かい話ですけれども、資料4の2(ローマ数字)の1で「マル6うま足場」とありますね。それとマル8の中の「(脚立、作業台のみの使用を含む)」の作業台とか、この辺の区別がつかないのではないかという気がしますし、マル6は削除してしまったほうがいいのかなという気がします。

 全体にこれらの足場について、簡単な絵、漫画みたいなものがあった方がわかるかなという気がします。

 今の2(ローマ数字)の2で、あなたの業務で主に使用している、これは直近に使用した足場と限ってしまえば、今、才賀委員が言われたところがクリアになってくるかなという気がします。その中では、マル2とかマル5の2m以上とか5m以上というのは消してしまったほうがいいかなと。マル2の5m未満、マル3の10m未満という。足場の組立・解体をやっていれば上から下までやっているのは当たり前のことであって、下のほうは区別がつかないのかなという気がします。

 先ほどの絵で示せばいいことかなとは思いますが、手すり先行工法がこれらの職種の方々で理解をするかというのは理解ができないのではないかなという気もします。

3(ローマ数字)の1の足場の組立ての作業、これは先ほど、うま足場とかということを対象にしてしまうと、それも足場という組立てにもなってくるかな。わく組足場とかくさび緊結式足場、単管足場、一側足場等に限ればいいと思います。

3(ローマ数字)の4番の安全帯使用、張出し足場の設置、安全ネットの設置と、「マル4作業後の手すり等の復旧」「マル5手すり等復旧後の点検」は別項目のような気がするのですが、これは別に分けた方がいいと思います。

 以上、細かい話ばかりです。

○小林座長 いかがでしょうか。それぞれ検討していただいて実施ということでもよろしいと思いますが、何か御回答はありますでしょうか。

 途中ですが、5時までの予定でしたけれども、会場は本日はすぐに空けなくてもいいという話で、6時までというお話がありますので、26日にもう一度お集まりいただくよりも、本日適宜お話を伺っておいたほうが皆さんの御都合にもよろしいかと思いますので、もう少し続けさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小林座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○川越技術審査官 では、今すぐ取り入れられそうなところと検討するところを申し上げたいと思います。

 先に、小野委員から最初に意見のあったところで私の方で回答が漏れていた部分がありましたので。墜落した被災者は考慮されていないと意見がありましたけれども、私の冒頭の説明の中で、今回1,000人まで対象を広げることによって、その方自身の墜落した経験も尋ねるということで、十分なサンプルが得られるものと考えています。こういったことで、対象者としては平成10年からの安全優良職長の受賞者を対象に実施するということでよろしいかどうか、そこは大きな話なので、まず確認をしたいと思います。いかがでしょうか。

○小林座長 アンケート対象者の選び方ということでございます。

○小野委員 墜落した経験のある人が何人出てくるかですけれどもね。そういう中でかなりの人に経験があって、危険予知もできてということですね。そういうよく安全について分かっているならばいいのですけれども、何人出てくるかです。大体けがしない人というのは、私の経験から言っても、けがする者はおっちょこちょいな者なのだということなのです。そういうことで片付けられます。大体優秀な者というのはそうなのです。そういうことで果たして何人墜落災害に遭っているか。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 私が理解したのは、あなたやあなたにとって身近な同僚も含めて被災者という理解をしたのですけれども、そういうことですよね。本人だけではなくて、職長として仕事をやっている立場の人が、自分たちの部下でもそういう被災した経験があるかということも含めてとっているので、それでカバーできると私は理解したのですけれども、そういうことですよね。

○川越技術審査官 おっしゃるとおりです。ただ、念のため、自らが落ちた経験がある方も何人か分かるようにしますし、同僚が足場から墜落した経験があるという選択肢を設けて、これを合わせた数でどうか、また自分自身が落ちた経験のある方で何人ぐらい出てくるかということで、基本的に身近な同僚が落ちた場合は、非常にそういったことに思いが強くなるのではないかとも思いますので、ここまで広げることである程度のサンプルが得られるのではないかと思いますし、場合によっては、自らが落ちた方、これも1,000現場あれば5件ぐらいは年間で落ちているということを考えれば、それで20年、30年経験がある方になるとそれなりの数が出てくるのではないかと考えています。

○小野委員 墜落して給付を受けた人などは優良表彰者の対象になっていますか。

○川越技術審査官 受賞前の直近10年で事故が起きていないという条件ですので、もちろん、過去にそういった経験があってより安全に気をつけるようになった受賞者もいらっしゃるかもしれません。

○小野委員 直近10年ですか。

○川越技術審査官 直近5年です。過去職長等として担当した現場において、過去5年以上休業4日以上の労働災害が発生していなかった方ですので、当然それより前に発生していた可能性もあるということです。

○小林座長 今の御説明は、資料4の1枚目の対象者でいうところになっています。

○小野委員 それでみんな平等に拾い切れれば結構です。

 ただ、もう一つ念を押しますけれども、この会議で今議題にしている、より安全な措置、手すり先行工法を含むより安全な措置について、点検なども含めて検討をしているわけですね。そういうものが十分このアンケートから拾えるようにしていただきたいということです。厚労省がつくった内容は広範に散らばっていますから。それはそれで結構なのです。そのほかに、この会議で議題になっていることが拾い上げられるような質問内容にしてほしい。そのために私どもが出したアンケート案も吟味して入れていただきたいと思います。

 以上です。

○小林座長 ありがとうございました。そのほか、細かい御指摘もいただきましたが、どうぞ。

○高橋委員 私も実を言うと細かいところが若干あるのですけれども、それよりもアンケートというのは回収率を上げるためには、余り長いとどうしても私どもいろんなものにアンケート調査をやっていますけれども、できるだけ簡潔にしないと回収率が落ちるのです。行政がやるアンケートと私どもがやるアンケートは多分に違うので何とも言えないと思うのですけれども、いずれにしても、余り項目を増やすと回収率が落ちるという危険性はあると思います。したがいまして、入れるにしても良く吟味していただいて、それでどうしても必要不可欠なものだけを入れていただくのがいいのかなと思います。

 あと細かい点、1点ですけれども、手すり先行工法というのは、特に先送りの場合には組み上がってしまえばもう分からないのです。ですから、質問の位置付けが別のところがいいなというのが若干ありますので、そこもお考えいただければいいのかなと思います。

 以上です。

○小林座長 どうぞ。

○小野委員 今の手すりの先送り方式について、私どものアンケートの中ではちゃんとわかるようになっています。

○加藤委員 質問ですけれども、今後の方向性についてです。アンケートを実施するのは分かるのですけれども、アンケートの結果と、最終的などういうように取りまとめていくのか、その辺の道筋が分からないので御説明願いたい。

○小林座長 そこら辺のことは、最終、今年度の分というのは3月にまとめるという方向ですね。

○川越技術審査官 アンケートの位置付けですけれども、参考にするために調査するわけですので、この調査結果が出るまでは、検討会としての結論もそこまでは出さないで、アンケートの結果も待った上で最終的な検討を行っていきたいと考えています。

 そういったことで、今日議論していますアンケート調査の調査票の案をまとめた上で、来年1月から実施をして、1月中に回収した上で2月に分析をかけて、分析結果が出るころに次の検討会を開催できればと考えています。

○加藤委員 分かりました。

○小林座長 どうぞ。

○金森委員 1つお願いがあります。アンケートの3ページの5番から4ページの7番までですが、先ほど小野委員からも話をされていたわけですが、やはり現場の職人さん方にすると、余り重要視されていない作業主任者等の資格などというのは要らないという意見が物すごくあるのです。私たちが案内を出してもこんなものを取っても何の価値もないということをよく言われます。恐らく職人さん方からアンケートを取れば、不要という部分が多くなってくるのではないかと心配しています。それをある程度、正確に出してもらうためには、安全対策に対する経費のものを入れてやらないと正確なものが出てこないかなという気がしますので、これプラス経費のものは必ず入れてほしいなと思います。

 これだけだと、恐らく職人にしてみると厄介なこういう講習などは要らないというのが出てきかねないのです。そういうものを考えていただかないとアンケートとしては偏ってしまうのかなという気がします。

○小林座長 どうぞ。

○宗像委員 経費のお話、とても大事なことだと思うのですけれども、払う側と受け取る側で全然立場というか見方が分かるのだと思うのです。経費を負担する側と経費を受け取る側の意見が食い違うというか、書き方も変わってくるのだと思いますので、おそらくアンケートの手前のところでその辺の属性は分かってくるとは思いますけれども、集計の際にできるだけ経費に関してはシンプルに、そして集計の際にはその辺も立場が分かるような感じのまとめ方が必要かなとは思います。

○小林座長 項目として難しいかもしれません。

○宗像委員 出たところの勝負だと思いますけれども、余り細かく聞き過ぎると訳が分からなくなるのかなと思います。

○小林座長 どうぞ。

○大幢委員 これは臼井先生とか小林先生のようにアンケートを何回もやられている方のほうがお詳しいのではないかと思いますが、やはりアンケートを取る人に対して目的をしっかりしておかないと回答の内容が変わってしまうのではないかと思います。

 回答の番号も重要で、このままだと全部1番という人もかなり出てくるのではないかという気はします。何のためにやるかということをしっかりしておかないと、全部1番の必要となることは十分考えられることだと思います。先ほど高橋委員がおっしゃいましたように、それが非常に長くなるとその傾向は強いのではないかと。アンケート自体が長くなってしまうと面倒くさい方は全部必要にしてしまうのではないでしょうか。このアンケート用紙を見ていると、私でも全部必要と打ってしまいそうな感じがします。それとは逆に最初に不要と来ると全部不要と回答してしまいそうな気がします。ですから、目的をしっかりとアンケートを取る人に対して示す必要があるのではないかと思います。こういう理由でいつまでに回答してください、この結果についてはこういうように利用しますというようなことを書いたほうが良いと思います。

○臼井委員 私もこれを見て、表紙がないので、どういう表紙がつくのかなというのを知りたかったのです。そこで特に記名とか無記名とか、あなたには迷惑はかからないというのを強調すべきことだと思います。

 今、大幢委員の方から目的は明確にと言ったのですけれども、余り明確にするとそれに引きずられてしまうので、足場の安全についてお聞きしますとか、ちょっとぼかしてやったほうがいいのではないかなと思います。

○大幢委員 分かりました。

 要するに、目的を明確にし過ぎると恣意的になってしまう可能性があるということかなという気がします。ただ単に意識調査的な感じの方が良いということですね。

○臼井委員 そうですね。分量が増えるというのも先ほど話題に出ましたけれども、例えば2ページの1-3の安全帯を使用しないことがあるか、「ある」、「ときどきある」と書いた人は具体的にどんな時かとか、3ページの5番とか6番で特別な教育が必要と思うといったら、それは具体的にどんな教育かとか、その辺が知りたいところです。そうするとまた分量が増えるところがあるので、その辺は痛しかゆしだと思いますけれども、そんなようなことかなと思っています。

○小林座長 どうぞ。

○宮本委員 郵便で送るのだと思うのですけれども、費用というか、アンケートを回答する方の費用補助、そんなものは出るのか出ないのか聞きたいです。

○小林座長 時々、同封して、お金ではないけれども、何かありますね。

○大幢委員 返送したらクオカードを送りますよとかそういうものですね。

○川越技術審査官 その点ははっきりしていますのでお答えしますが、そういった別途促進させるようなインセンティブを与えるようなものは難しいと考えておりまして、行きは郵送で、回答の送付はファクスで直接本省の方に、厚生労働省に送り返してもらうという方法で実施する予定です。

○小林座長 ほかにいかがでしょうか。先ほど同じような話がありましたけれども、例えば手すり先行という言葉が分かるかというお話とつながるかもしれませんが、いろんな職種の方がいて、どういう言い方がいいのかわかりませんけれども、できるだけわかりやすく、足場の両側とか、足場の外側とか、そのほうがわかりやすいのかもしれませんけれども、足場のことも知らない方というのが多分いらっしゃると思うので、そういう言葉遣い、それこそ建築に関係ない方でもわかるような言葉は必要ありませんか。

○大幢委員 我々のように内容を良く知っている人たちで議論するよりも、1度20人ぐらいに試行して反応を見たほうが良いのではないか考えます。いきなりぶっつけ本番というのはかなり難しいような気がします。得たいものが得られなくなる可能性があるかもしれないのですが、どうですかね。

○臼井委員 そうですね。

○大幢委員 皆さんのようによく知っている人たちがつくって議論したものを、現場の人がいきなり見て理解できるかどうかということがわからないと思うのです。

○才賀委員 大臣顕彰の建設マスター、全部で何人ぐらいおられるか。

○半田安全衛生部長 ダブらないようにして調整していますので、多くはいません。

○大幢委員 実際にアンケートを試行しなくても、事前に現場の方に委員の方を通じて聞いていただくのはどうなのでしょうか。これで分かるのかとか、アンケート本番の前で良いと思うのですけれども、文言とかも見ていただいたほうが良いのではないかと思います。

○小野委員 賛成ですね。

○大幢委員 日程的な問題もあるとは思うのですが。

○半田安全衛生部長 検討させていただきますけれども、精緻にやればやるほど時間がまた先延びになるということ。当初の予定では、年度内に結論をいただいて、規則改正につなげられるものは早急につなげたいと思っておりましたが、このアンケートの実施により結論は既に年度内は絶望的になっています。よりいいものにすることですから構いませんけれども、この上にアンケートをいろいろ言い出しますとまた更に延びるというところのバランスもぜひお考えいただければと思います。ただ、御趣旨は分かりますので、どの程度できるか、こちらの方で検討はしてみます。

○小林座長 それでは、よろしいでしょうか。御意見、ほとんどいただけたでしょうか。

 どうぞ。

○小野委員 では、今のアンケートの件は以上ですね。

○小林座長 アンケートは、こういう御意見を踏まえてさらに検討していただきたいと思います。よろしいですね。

(「異議なし」と声あり)

○小林座長 ありがとうございます。

○小野委員 私、先ほどパスしてしまったのですけれども、資料3のわく組足場1,000現場当たりの墜落災害発生件数に対する意見というのが資料3で載っていますね。その件についてです。この前、この資料が厚労省から出たわけです。これは私も分からないわけではないのですけれども、非常に理解しにくいです。

 この表現は、このうち手すり先行工法とかというものがないに等しい。もう少し作り方を変える必要があるのではないかと思います。例えば、同じ資料を使って今日出した簡単なものがあります。資料6の1番です。この資料です。これは同じデータの資料から拾い出したものです。

 例えば手すり先行工法により墜落災害は5分の1に減少しますよと。なぜならば、下の「不安全行動等なし」の死傷者数が3年間で239人、マル2、手すり先行の採用による災害率減少は何々割る何々で4.9分の1と。これはこちらの資料から拾ったグラフです。こういうグラフも必要なのではないですと。前回いただいたグラフは、まるで手すり先行法はないに等しいというような感じです。これはうがった見方をされると困りますから、簡単な資料で例えばこういうものもありますよということで今日は出させていただきました。とにかく4.9分の1になるという数字もありますよということです。

○小林座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○川越技術審査官 今、小野委員から紹介があった資料6の件について、私、前回この資料3を出した関係で、この見方についてどうかと思うところがありますので、私がこれを見たときの印象をお話し申し上げます。

 今、現行の安衛則に基づく現状で239人死傷者がいるということは前回私どもで示しているものと同じ数字が使われていますが、手すり先行工法を採用した場合に、全体が4.9分の1になるかどうかという点につきましては、まさにこの検討会で議論いただいているところの法令違反を如何になくすかどうかというところにかかっていまして、先ほどの239人の中には、232人の安衛則に基づく措置がなかった事案が含まれている数です。これは手すり先行工法を仮に義務付けたとしても、実施していただけるかどうか、かなり難しい部分が含まれているものです。

 そういった意味で、あえて比較するのであれば、安衛則に基づく措置を行っていた事案と比較すべきではないかと思います。例えば手すり先行工法不採用で安衛則に基づく措置があった不安全行動なしの事案はわく組足場で6件です。これが全て手すり先行工法を採用した場合には4.9分の1ということで、6件が1件から2件まで減るということで、減る効果としては4人とか5人とか、そういうことになるのではないかと思います。

 以上です。

○小野委員 それは1つの見方かもしれません。しかしながら、これ以外に、このデータはとても理解できない部分もあるのです。推計ですから、これを信用したとしてこういう表現があるということ。

 もう一つ、この前、川越審査官が発表していました。国交省では墜落災害がどのくらいあるのですかという質問に対して2件ありますと答えていましたね。3年間で2件です。それは死亡災害か、死傷災害か私は分かりませんけれども、どちらでしょうか。

○川越技術審査官 国の現場で2件ありまして、これは怪我です。

○小野委員 3年間でですね。

○川越技術審査官 はい。全体で手すり先行工法を採用した現場で、3年間で19件の事故が起きています。

○小野委員 それは国交省だけではなくてですね。公共工事ですね。

○川越技術審査官 民間も公共工事も含めた数です。地方公共団体も入れた公共工事で14件あります。

○小野委員 例えば民間も含めて手すり先行工法を採用した現場で、3年間トータルで19名しか死傷災害がないのです。この少なさです。国交省においては、国交省も工事は結構多いです。3年間で2件しか死傷災害はない。この少なさを皆さん認識すべきだと思います。

 ですから、このデータを見るのもいいかもしれません。しかしながら、結果として、今、手すり先行工法を採用した現場、全部厚労省は拾ったわけです。そこにおける災害が3年間で19件しかないということです。今の話は何百件単位の話をしているわけです。しかも、手すり先行工法は40%平均浸透、普及していますと言っているわけですね。私は40%も普及して19名とかいないというのならば単位が違うわけですから、普及させるべき、やるべきだというのは明らかなのです。本当に信じられないぐらい少ないと思います。3年間トータルで19件しか死傷災害がない。驚くべき低い数字です。全部拾ってやったのでしょうけれども、いかに手すり先行工法の実施現場が安全であったかというのはこれで分かると思います。民間も含めてですから。しかも、普及率が40%だと、この前この会議で発表されています。

 以上です。

○小林座長 ありがとうございました。

 アンケートに関してよろしいですね。

 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 今の話は、資料3の一番左の1番のところを足していった結果なのかなと思うのですが、このグラフにあるとおり、いずれにしても安衛則に基づく措置のないところは何百のオーダーですけれども、安衛則に基づく措置のあるところのオーダーというのは、全部足し上げても50ぐらいにしかならないようなオーダーですから、確かに元のこのグラフで言っている4.9倍の話はありますが、オーダーが2桁も違うというような話ではなくて、そこは安衛則が守られていないところが2桁違うということだと理解しています。

○小野委員 このデータを全部計算していくと途中で合わなくなってくるのです。それはそれで結構です。余り細かいことは言いません。

 しかし、このデータも大体は方向性として間違っていないと思いますし、ただ、一方、結果論から見て被災率、被災の数字、これは3年間で全部厚労省のとられた結果をこの前発表されています。手すり先行を使った現場で19件しか死傷災害がないなど、驚くべき低い数字です。

○野澤建設安全対策室長 重ねて言いますけれども、安衛則を守っているのも50とか60ぐらいの数字であるということですから、19と確かに違いますが、オーダーがそんなにとんでもなく違うという話ではないと思っています。

○小林座長 今のお話に関してはよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小林座長 最後に、アンケートの項目に関しては、時間もありますので、事務局と私にお任せいただくということなると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 全体として何かございますか。どうぞ。

○小野委員 最後に、私は何回も言わせてもらっている「何人も納得する解決策として実施するべき提言」ということで、公開検証実験をやってくださいということを訴えているわけです。

○小林座長 何か資料がありましたか。資料5の3ページ。

 小野委員の提出の資料の下にページ数が振ってありますけれども、3の部分でいただいています。

○小野委員 ぜひ公開検証実験をやったほうがいいのではないかと、ぜひやらせてくださいと、それを見ることによっていろいろなものがすぐ即座に解決できるのではないですかということなのです。

○小林座長 いかがでしょうか。

○小野委員 実施するのは非常に簡単ですから。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 今回御参加の方々で小野委員の御提案の手すり先行工法、それと恐らく現状の安衛則の規則に基づいた足場と、それをどういった形で検証なさるかというのは別にしまして、少なくともこちらサイドにいる人は、より安全な措置も含めてどういうものであるかということは十分分かっています。ここでやっていただくのは、ここでの御議論なので私の結論ではありませんけれども、書かれていたのが、参加者は検討会の委員全員その他第三者と書かれてあるので、そういうのがスケジュール的にどうなのかとか、はたまた欠席裁判で先ほどもありましたけれども、出ていないから分からないではないかなどという話になると少し困るので、あくまで小野委員がそういうことでぜひやりたいということであれば、それは別に止める話ではないですけれども、委員が全員参加しないといけないというのは、私は拒否させていただきます。もう十分分かっています。

○小野委員 それは全員でなくてもいいと思います。

○宗像委員 私たちの手すり先行は、足場屋さんごとに種類がいろいろあるので、全部デモで1カ所に集まっていただいて手すり先行、それぞれの工法、足場ごとの種類による違い、そんなことを実際に施工現場ではないのですけれども、実証して理解には努めています。

○小野委員 知っている人はおさらいの意味も含めてですね。もちろん、ここで書いているわく組足場とくさび緊結式足場、代表的なもの。

○小島委員 知らない人は誰もいないのではないか。

○小野委員 知っていれば親綱に頼るなどということはあり得ないと私は確信しています。押せば外側へ行くようなものに頼れますか。それでいいと今はされているのです。よろめけば落ちてしまうのです。落ちた場合、安全帯ですよということですね。落ちたときの衝撃はどの程度ありますかと、私も実は落ちた経験があるのです。まず落ちないようにするのが第一ですよと、そこに安全帯をつけますよということです。

○小島委員 ですから、自由にやっていただくのは結構ですけれども、この場の話としては、参加は自由にさせていただいたらいかがですか。私は少なくとも分かっていますので、結構です。

○小野委員 分かっている人は結構でしょう。しかし、会として、してほしいということです。勝手にやるのではなくて、主催してやっていただきたいということを言っているわけです。

○小林座長 事務局、いかがですか。公のものとして開催するというのはどうも事務局としても取扱いは困るのかなという気がしますが。

○小野委員 この会そのものは公開ですから。

○小林座長 公開で例えば実験あるいは体験を企画していただくということはいいのですけれども、それは別途、委員の方も含めて御案内いただく、だけれども、先ほどのお話にありましたように、皆さん良く御存じの方もいらっしゃいますから、興味のある方に参加いただくということで。

○小野委員 興味というか、座長主催で、この検討会として行うということにしてもらわなければ意味がありません。勝手にやったのだから関係ないという具合に振られたのでは何の値打ちもありません。

○小林座長 事務局としてはいかがでしょうか。

○小野委員 先ほどのアンケートみたいに時間がかかる話ではありません。

○川越技術審査官 事務局として把握をしたいのですけれども、仮にこういった実証実験をやるということにした場合に、既に現場で良く足場は御存じの方がほとんどだと思いますが、参加してみたいという方が委員の中にどれぐらいいらっしゃるのか確認をこの場でしてはいかがでしょうか。

○小林座長 いかがでしょうか。

○小野委員 参加する、しないは、この検討委員会として主催してやりますよと、検討会の継続の分としてやりますよという形をとらなければ意味がありません。よく知っている方はもちろんたくさんおられます。その方が来られようが、来られまいが関係ないです。しかし、検討会として主催した意味のある有効な会であるということにしてもらわなければ意味がないわけです。

 この検討会を行うのと同じようなことです。例えば来週行います、26日にやりますよと、やるのはそれと同じような感じです。

○小島委員 20人いて2人しか出なかったとか、3人しか出なかったのでは、やる必要もないのではないか。

○小野委員 出なくてもいい。検討会としてやる分にはいいわけです。

○大幢委員 この検討会自体はどちらが安全かという優劣を決めるものではないのですが、実証実験を実施してどちらが安全かと言われると、恐らく手すり先行工法が安全というような結論になるだけだと思います。多分先ほど小島委員がおっしゃっているように皆さんそういう認識があると思います。ただ、今回の議論はそこまで必要かどうかということを中心として議論しているはずですので、あえてこれを実施する必要はあるのかなと私は個人的には思います。

○小野委員 例えば大幢委員から出されましたフックを一側足場のフランジへひっかけますよと、そういうものが今回議論になっているわけですね。あれは手すり先行工法ではないのです。あんなことをしなくても、手すり先行工法は簡単にできるのに、なぜそんなことをしなければいけないのかということです。このままいけばそういう方向になってしまうでしょう。安全帯が主ですから、安全帯がつけられればもうそれでいいのだということになれば必要ないということになります。それこそ技術の進歩を阻害することになるのではないですか。今ある技術をみんな有効に使うべきではないですか。

○大幢委員 そういうことを議論していたのではなくて、実証実験を実施するとします。そうすると、手すり先行工法は多分皆さん安全だと認識すると思います。ですから、今回は実施しなくても良いのではないかと。

○小野委員 認識した結果、そこまでやる必要がないという結論ならば、それはそれで結論ですから。

○大幢委員 実証実験を実施するとしたら、どこまでの措置が必要であるかということも含めて実施する必要があると思います。

○小野委員 それで結構です。

○大幢委員 例えば親綱で十分だという意見も。

○小野委員 あればそれでいいわけです。それで結論がまとまれば。だけれども、分かった上でやってくださいということです。

○高橋委員 手すり先行工法については、私どもも非常に有効であるということは分かっています。ですから、別に今さらここで大幢委員のおっしゃるように、見ても仕方がないなと。要は、ここは手すり先行工法を義務化するべきかどうかということなので、そういうことを考えれば、あえて見る必要もないかなと思います。

○大幢委員 そうですね。結論として手すり先行工法は安全ということになると思いますが、足場に全部壁をつけてしまえば、そちらのほうがより安全になると思います。しかし、合理的ではありません。

○高橋委員 私どもも手すり先行工法については、指針に則って、一時は厚生労働省の委託を受けて委託事業もやっていましたし、今、指針が出ていますから、その指針に則って、手すり先行工法も普及していきましょうと既に災害防止規程には書かれています。ですから、そういう意味では手すり先行工法を否定しているわけでもないし、むしろ広げたいなと思っています。そういう意味では検証は要らないと思います。

○小野委員 だから、建災防も一生懸命やっておられます。ガイドラインができて10年以上やっているわけですね。民間については浸透率が28%とこの前発表されていました。それで満足されているわけですか。

○高橋委員 手すり先行工法については、使いづらいという意見もありますし、やはり事業者の方が選ぶということが非常に重要だと考えています。特にこれからの安全は、リスクアセスメントが中心になってくるのです。リスクアセスメントの考え方というのは、事業者の方がより安全な措置を自分で考える。なぜ自分で考えるかというと、工法とかいろんな作業の方法が多様化しているわけです。多様化していると、1つの対策で済むかというと、そうではなくなってきています。したがいまして、私どもは法令を守ると同時に、その上の措置についても、リスクアセスメントによってリスク低減措置を自分で考える、こういうように考えています。

 したがいまして、そういうメニューを示していただくのが一番いいのです。そういう意味では、手すり先行工法もそのメニューの1つとして非常にいいメニューとしてあるなという位置付けで考えています。

○小野委員 わく組足場とくさび緊結足場が全てではないのです。一部なのです。それを全体の中で捉えて、ここは小さい位置付けだとしないでください。今、わく組足場とくさび緊結足場を使う部分についてはこうしなさいということで済むではないですか。なぜ大きく広げたもので話をするのですか。

○高橋委員 大きく広げたのではなくて。

○小野委員 リスクアセスメントの1つなどと、またそういう言い方をしないでください。

○高橋委員 そう言ってはいけないのですか。

○才賀委員 小野委員、よりいいものだったら、黙っていても自然と使うようになるって。

○小野委員 いいものならばお金を出してもらってやりましょうということなのです。なんでそこで止まるのですか。

○才賀委員 止まってはいない。悪いとは言っていないとみんなこちら側は全部言っているのです。ただ、それだけに絞ること自体が悪いと言っているだけ。

○小野委員 絞ろうなどと言っていませんよ。それに対応する対策技術があるなら今回の公開検証実験でも示してくださいと言っているのです。

○才賀委員 それは毎年何人かずつ言っているではないですか。

○小野委員 今、安衛則は親綱で絞っているのです。

○小林座長 初めの検証実験に戻りたいと思いますけれども、皆さんの御意見を伺っていますと、この委員会としての検証実験というのは難しいかと思います。私も興味がないわけではないのですけれども、もし小野委員がこういう意思をお持ちでしたら、26日が皆さん予定されていたはずなので、そのまま空いている方で見てみたいなという方がいらっしゃったら見せていただくというのはいかがでしょうか。

○小野委員 そんな生半可のことでは、そんなことはしません。できませんね。厚労省がちゃんと認めて、この検討会の継続ですという立場を取ってくれない限りは意味がありません。厚労省はいかがなのでしょうか。

○半田安全衛生部長 委員の皆様が見てみたい、聞いてみたいということであれば開催することはやぶさかではありません。ただ、委員の皆さんが参加の意思がない、必要がないということであれば、開催することは難しいです。私どもも先行足場がいいということはよく分かっていますので、私は正直言いまして、これは何のためにやるのかなという疑問があったのですが、今お話を聞いていると、委員の皆さんに知ってほしいということですね。

○小野委員 もちろん、委員の皆さんは知っているのです。自分は死ぬ立場にないけれども、自分の配下にある職人さんが日々そういうところで落ちているのではないですかと、それを防ぎましょうという形なのです。

○半田安全衛生部長 大変失礼ですけれども、私自身もいつか申し上げたと思いますが、そういった身内の一人ですので、その問題は非常に厳しく受け止めています。でもって、それはそれとして、個人的なものは置きまして、要するにこの検証実験に委員の皆さんが参加する、したいとおっしゃるのであれば開催いたします。そうでなければいたしません。

○小野委員 わかりました。結構です。

○小林座長 ということで、皆さんの御意見を総合しますと、要らぬとまではおっしゃらないと思いますけれども、今差し当たって委員会として開くことは必要なかろうということになると思います。そういうことで了解していただけますか。

○小野委員 結構です。

○小林座長 それでは、あとはもうそろそろ時間になりますが、事務局として何か。次回の話はまだですね。次回はアンケートが回収されてからということでよろしいですね。2月の初めか、3月か。

○川越技術審査官 それでは、当初予備日としていました1226日については、議論がある程度尽くされたということで開催はしないこととしたいと考えていますが、事務局では今後、アンケートを実施していくために、まず本日いただいたアンケートに対する意見をもとに修正をした上で、座長に見ていただいた上でアンケート調査を実施することになります。アンケートは年前に実施すると年末年始にまたがってしまうとうまく回収できないことがありますので、1月に実施するということで、回収を1月末までに行った上で2月に分析をかけたいと考えています。

 その上で、結果がまとまった後に第12回の検討会を開催したいと考えています。日程調整は本日の検討会終了後に各委員に日程調整表をお送りいたしますので、御回答いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○小林座長 ということです。第12回はアンケートを回収し、それが統計的な処理を行っていただいた後ということですから、2月の末ですとか3月頃ということになるかと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。御意見があれば。

 ほかになければ、本日はこれで終了したいと思います。よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。


(了)
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