ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会)> 第2回労働政策審議会職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会 議事録(2014年1月31日)




2014年1月31日 第2回労働政策審議会職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会 議事録

職業安定局高齢・障害者雇用対策部高齢者雇用対策課

○日時

平成26年1月31日(金)14:00~17:00


○場所

中央労働委員会612会議室


○出席者

【公益委員】

阿部委員、猪熊委員、岩村委員、山川委員

【労働者代表委員】

新谷委員、冨田委員、八野委員、芳野委員

【使用者代表委員】

市瀬委員、遠藤委員、小林委員、鈴木委員

【事務局】

(労働基準局) 中野局長、大西審議官、村山労働条件政策課長、大隈労働条件政策推進官
(職業安定局) 内田高齢・障害者雇用対策部長、中山高齢者雇用対策課長

○議題

1 有期雇用の特例について
2 その他

○議事

○岩村部会長 定刻よりは少々早いのですけれども、御予定の方は皆様おそろいであるということですので、始めさせていただきたいと思います。

 それでは、ただいまから第3回「労働政策審議会労働条件分科会有期雇用特別部会」及び第2回「労働政策審議会職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会」の合同会議を開催させていただきます。

 本日は、労働者側委員の芳野友子委員が所用によって途中で退席される予定と伺っております。また、猪熊委員は10分ほど遅れていらっしゃるということですので、先ほど申し上げたとおり、冒頭予定されている方は既に御出席、おそろいであるということになります。

 議事に入ります前に、事務局から定足数についての報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○大隈労働条件政策推進官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条によりまして、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。お手元の議事次第にありますように、本日の議題は「有期雇用の特例について」ということになっております。

 今日の資料といたしまして、1月14日に開催されました合同会議における議論を踏まえて修正をしました論点(案)、そして論点に関する資料がございます。

 そこで、事務局にまず全体の説明をいただいた後に、それぞれの論点ごとに区切って議論を進めるということにしたいと存じます。それではまず、事務局のほうから説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大隈労働条件政策推進官 それでは、事務局より資料の御説明をさせていただきます。

 まず、資料No.1でございます。「『有期雇用の特例』に係る論点(案)」ということで、前回までの論点に前回いただいた御意見も反映させた形でつくらせていただきました。

 まず最初の1番、特例の対象及び効果ですが、まず特例の対象となるものについて「有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を図ることを目的とする無期転換ルールの趣旨に反しない範囲とすることが必要ではないか」。これは前回も掲げていた論点と同じものでございます。

 それから、2つ目が前回の御意見を反映させて追加したところでございます。「特例の対象となる有期契約労働者の特性に応じ、雇用の安定を図りつつ、その能力の有効な発揮ができるよう、これらの労働者の能力の維持向上や活用を図るための特別の措置を講ずることを目指すべきではないか」というものでございます。

 それから、その後に特例の対象者の具体的な部分ですが、これ以降はゴシック体で書いてある部分は前回と同じでございますが、それにアスタリスクという形で論点として追加をさせていただいております。

 まず〈高度専門労働者〉ですけれども、「『一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務に就く労働者』の具体的な範囲について、どう考えるか」ということで、そこに具体的には例えば新商品などの有期の業務(プロジェクト)のようなものについてどうかということで記載をしております。

 2つ目ですが「『高度な専門的な知識、技術又は経験』の具体的な範囲について、どう考えるか」ですが、これにつきましても、前回までの資料でもお付けしておりましたが、1回の労働契約期間の特例(5年)が認められている労働基準法第14条の高度の専門的知識等を必要とする業務というのが既にありますので、これとの関係についてどう考えるかということを付記しております。

 それから、3つ目「『年収が常時雇用される一般の労働者と比較して高い水準となることが見込まれる者』の具体的な範囲について、どう考えるか」ということで、ここの論点としては前回と同じ形でございます。後ろにデータがありますので、後ほど御説明させていただきます。

 それから、次に〈高齢者〉でございます。ここは前回もさまざまな議論がございました。論点としては前回と同じ形で書かせていただいております。「高齢者(特に定年後継続雇用されている高齢者)を対象にすることについてどう考えるか」ということでございます。

 それから、2つ目の○ですけれども、「特例の対象となる者の『労働契約法第18条第1項に規定する通算契約期間の在り方』について、どう考えるか」ということで、ここにつきましては例えばということですが、「対象者の特性に応じて、それぞれ次の期間は無期転換申込権が発生しない特例とすることについて、どう考えるか。また、一定の上限年数を設定する必要はないか」ということで、まず、高度専門労働者につきましては、「対象となる事業が終了するまでの期間」ということはどうか。高齢者につきましては、「定年後引き続いて雇用されている期間」ということはどうか。それぞれについて「一定の上限年数を設定する必要はないか」というところが1つの論点かと思います。

 また、一定の上限年数として、現にある例としては、研究開発力強化法、大学等の研究者について10年という例がございます。

 それから、次のページでございますが、2番の論点「労働契約が適切に行われるために必要な措置」ということで、「特例の対象となるものについての『期間の定めのある労働契約の締結時、当該労働契約の期間の満了時等において労働に関する法令の規定に違反する行為が生じないようにするために必要な措置』について、どのように考えるか」ということです。

 補足的に書かせていただいているものの1つ目が「事業主による適切な雇用管理が行われ、特例の対象となる労働者の能力の維持向上や活用が図られる仕組みについて、どう考えるか。その場合において、行政の関わり方について、どう考えるか」でございます。

 2つ目として「特例の対象となる労働者に対する労働条件の明示(例えば、特例の対象であること等の明示)について、どう考えるか」ということで、これは後ろに関連する現行規定をつけておりますので、後ほど御説明いたします。

 それから、1つ目の事業主による適切な雇用管理について、現行法で例えば労働関係法令でいえば、中小企業労働力確保法など、事業主の計画を行政が認定して、特別の措置を講じるという例はございます。

 それから、3番の「その他」ですけれども「改正労働契約法の運用に当たり、利用可能期間到達前の雇止めの抑制策の在り方について、どのように考えるか」ということでございます。

 これも前回までの議論を踏まえて付記させていただいておりますが、1つ目は「無期転換ルール及び雇止め法理について効果的な周知が必要ではないか。その場合において、周知の内容や方法について、どう考えるか」ということでございます。

 それ以外に「その他どのような方策が考えられるか」ということで論点とさせていただいております。

 それから、次のページはこれも前回までと同じですけれども、元々の国家戦略特別区域法の該当部分の抜粋でございます。

 それから、今の論点に関係する関連資料として、資料No.2からつけております。まず、資料No.2ですけれども、これは高度な専門的な知識、技術、又は経験という論点についての現行法の関連規定でございます。労働基準法第14条で下線の引いてあるところに「専門的な知識、技術又は経験であって高度なものとして厚生労働大臣が定める基準」というのがございまして、これに該当する場合は一本の労働契約で原則3年のところを5年とできるという対象でございます。

 この厚生労働大臣の定める基準は、具体的にはそのすぐ下に書いてございます。幾つか号立てされておりますけれども、第一号で博士の学位を有する者。それから、第二号で各種国家資格、例えば公認会計士、医師、歯科医師等そこに列挙されているような資格を有する者。それから、第三号は例えばアクチュアリーなど民間の資格ですが、こういう資格を有している者。

 それから、次のページで第四号は特許法の特許の発明者など。

 それから、第五号ですけれども、ここは科学技術者、システムエンジニア、デザイナー等ですけれども、ここにつきましては、その下に一定の実務経験の経験年数、それから、第五号の柱書きのところに、年収が1,075万円を下回らないという要件があわせて課されております。第六号はその他これに準ずる者ということでございます。これが高度専門の関係の現行の参考になる規定ということでございます。

 それから、資料No.3ですが、こちらは年収の関係の参考資料ですけれども、元々特区法で「年収が常時雇用される一般の労働者と比較して高い水準」となっております。その関係で、賃金構造基本統計調査で、常時雇用される一般の労働者の賃金についての分布をグラフ化したものでございますが、平均で478.1万円という分布になってございます。

 それから、資料4でございます。これは高齢者に関する論点の関係で、現行の高年齢者雇用安定法の第9条の高年齢者雇用確保措置関係の規定です。その前提として第8条の「事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には60歳を下回ることができない」というのがまずあって、その次に第9条ということで、事業主はその雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するために、次の3つの措置を講じるということで、定年の引き上げ、継続雇用制度、定年の定めの廃止ということが義務づけられております。

 それから、第2号のところで、これは継続雇用制度には事業主が特殊関係事業主との間で契約を締結して雇用を確保する制度が含まれるということで、特殊関係事業主につきましては、当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主として一定の要件が課されているということで、現行はこういう仕組みになっております。

 それから、資料No.5でございます。論点でいいますと2番目の「労働契約が適切に行われるために必要な措置」の中で、労働条件の明示についてどう考えるかと、立てさせていただいておりますが、それに関連する現行規定でございます。

 労働基準法の第15条に「使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。」という規定がございまして、これを受けた厚生労働省令として、その下に書いてあります労働基準法施行規則第5条がございます。ここに労働条件を明示するべき事項が第一号から第十一号まで列挙されておりまして、一番最初に労働契約の期間に関する事項、一の二として期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項等という事項が明示すべき事項。

 その後の第2項と第3項が書面で明示というところですけれども、第2項にあるようにこの第一号から第四号までに掲げる事項につきましては、第3項にあるとおり書面の交付ということが求められているというのが現行の仕組みでございます。

 それから、資料6でございます。これは労働契約法の無期転換ルール、雇止めに係る関係法令でございます。前回までの資料でもパンフレットの抜粋等で御説明しておりますが、それの実際の条文をここに参考としてお付けしているものです。労働契約法の第18条が、無期転換ルールでございますが、同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間、これが通算契約期間でございますが、この通算契約期間が5年を超える労働者が、期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。これが無期転換ルールの部分でございます。

 第2項はクーリング期間の部分ですけれども、その間に空白期間が6月以上あるときにつきましては、一番最後にあるとおり通算契約期間に算入しないという規定になっております。

 それから、次が第19条でございます。ここは雇止め法理の関係の規定でございます。これも前回資料としてお付けしたものにありましたけれども、第一号、第二号ということで号立てされている部分につきましては、過去の最高裁判例の法理を引いております。過去に反復して更新された有期労働契約で雇い止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できる場合が第一号。

 第二号は、有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由がある場合。この2つの類型を挙げた上で、これに該当する場合には使用者が雇止めをすることが客観的に合理的な理由を欠いて、社会通念上相当であると認められないときは雇止めが認められないというのが、この第19条で書いてあるところでございます。

 それから、次のページ、ここはクーリング期間に関する計算の方法等の技術的な事項が省令に落ちている部分でございますので、説明は省略させていただきます。

 それから、最後のページでございますが、労働基準法の第14条でございますが、ここでは第2項と第3項でございます。第2項は、厚生労働大臣が、期間の定めのある労働契約の締結時、それから期間の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生じることを未然に防止するために使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項について基準を定めることができる。第3項では、行政官庁は、この基準に関して、使用者に対して必要な助言、指導を行うことができる。

ここまでが法律の規定で、具体的な基準はその下に書いてあるとおりですが、1つは雇止めの予告でございます。期間の定めのある労働契約、3回以上更新とか1年を超えて継続雇用という一定の要件がかかっていますが、こういう労働契約を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも30日前までに予告をしなければならない。

 それから、次が雇止めの理由の明示ですが、前条の場合において労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。こういう基準が定められていて、これは行政指導の根拠となっているというのが現行の雇止めに関する基準の内容でございます。

 資料の説明は以上でございます。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明いただきました資料1から6につきまして、御意見、御質問などがありましたらお伺いしてまいりたいと思います。ただ、論点が幾つか分かれておりますので、少し議論を整理しながら進めさせていただきたいと思います。

 まず、論点案の「1 特例の対象及び効果」の部分でございますけれども、全体としましては大きく特例全体の総論というものと言っていいところ、それから、2番目としましては、高度専門職と呼べるもの。それから、3番目としては高齢者にかかわるものと整理できるかと思いますので、この3つに分けて順次議論を進めてまいりたいと思います。

 そうしますと、まず最初は総論的な部分についてということになりますが、ここについて御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。

 では、市瀬委員どうぞ。

○市瀬委員 これまで使用者側委員から、繰り返し申し上げておりますが、労働契約法の趣旨に反しない範囲で議論することについては、私ども賛成でございます。また、高齢者についても65歳を超えてからも働ける機会を提供していくことが重要だと考えております。しかしながら、65歳を超えて働いていただく場合には、御本人の健康状態や業務遂行能力の面において個人差が大きいというのが実情でございます。また、既に多くの企業において、高齢者は有期契約の更新で働いているという実態がある中で、5年を超えたら無期転換ルールを適用するということは、なじまないのではないかと考えます。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 また、後ほどその点については高齢者のお話をさせていただくときに議論させていただければと思います。ほかに総論部分はいかがでしょう。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 労働契約法の改正趣旨に反しない限りで議論を行うことにつきましては、ただいま市瀬委員の発言にもありましたとおり、使側として賛成でありまして、議論の大前提だと理解しております。

 では、その改正趣旨は何かということを改めて考えてみますと、引き続き有期雇用で働き続けたいと思われる方がいらっしゃる一方で、若い方を中心に不本意な形で有期契約を一定期間反復更新し、結果としてではありますが、中長期的なキャリア形成を図りにくいという方がいらっしゃる。そうした実態を踏まえ、雇用の安定を図るために措置されたものと考えます。

 すなわち、有期労働者の中でも不本意就労という点と中長期的なキャリア形成が阻害されているという点に焦点を当てた政策だと理解してもいいのではないかと思っております。

 高度専門労働者の中でも、一定年収要件を満たす真にプロフェショナルの高度な専門労働者につきましては、雇用流動性が高く、他社に転職ができるような交渉力が高い労働者であり、また、不本意に就労していることはなく、したがって、濫用的な有期契約の利用は基本的には考えにくいと思っています。

 高齢者に関しましても、我が国の労使慣行として新卒後60歳までが中長期的なキャリア形成期間の一区分であり、多くの企業が継続雇用制度を導入しているような実態がある中で、有期契約の何らかの特例を設けること自体が直接的にキャリアの形成を阻害することにはならないと考えております。むしろ65歳を超えても雇用機会を提供していく労働者の活用に向けてプラスとなる議論を行うことを出発点とするべきものと考えております。

 今後、こういった認識のもとで具体的な点について皆様と議論してまいりたいと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 それでは、八野委員どうぞ。

○八野委員 今、使用者側から改正趣旨のお話がありましたが、私がこの会議に臨むに当たって理解しているところでは、国家戦略特別区域法附則第2条に「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る観点から」と明記されており、その後にある程度の条件が提示されています。また、例えば「産業競争力強化に関する実行計画」においても、「有期雇用の見直し」が、「全員参加型社会」に向けた雇用・人材制度改革の一つのポイントとして出ています。それが今回のこの部会において議論するうえで立脚すべき趣旨ではないかと思うのですが、その趣旨について確認をしたいと思います。

 

○岩村部会長 それは事務局にお尋ねということでしょうか。では、事務局お願いします。

○村山労働条件政策課長 ただいまの御質問は、本合同部会でどういったことを射程に議論を深めていくかについての認識の共有化を図るとすればどういうことかという投げかけであると考えております。考えるべきは、先ほど鈴木委員からございましたように、労働契約法の改正の趣旨に反しないという点ではないでしょうか。「改正の趣旨」という言葉の意味自体について、労使の間で懸隔があるわけではないことを前提にお答えしますが、その改正の趣旨に反しないという労働契約法との関係で今、八野委員も何か異論をおっしゃったわけではなく、むしろ労側からの御指摘というのは、本件の検討に当たって入り口のところで、直接の契機として特区法の話があった訳ですが、その特区法の趣旨、目的が、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進という国家戦略特別区域法の第1条にも法目的としても出てくる観点から、有期雇用のルールについて、先ほど鈴木委員が触れられました高度専門職で交渉力のある方についての特例について労政審の意見を聞きながら検討ということが課題として与えられたということです。これは事実経緯としてそのとおりと思います。

 また、八野委員が先ほど御指摘されましたように、産業競争力強化法に関する実行計画はこれまで既に「日本再興戦略」や臨時国会で成立した成長戦略関係、の法律で定められている内容について、再構成したものでありますので、そこで位置づけられているのは特区法に規定された高度専門職の話であるというのは、そのとおりです。

 その上で今の御指摘、そこにもう一つ高齢者という問題も含めて、まさにこの場で御議論を深めていただく議題についても意識しての御発言だったと受けとめております。改めて議論の経緯を振り返れば、第1回の本部会で、高度専門職について労働政策審議会で検討するという特区法から依頼を受けた事項について、公労使各側に検討をお願いいたしましたときに、使用者側から先ほど市瀬委員の御意見がありましたけれども、高齢者の問題についてもぜひあわせて検討すべしという主張が強くあり、また、あわせて労側からの御提起として、平成2312月の建議で、今後労使で議論を深めていくことが必要とされていたルールの利用期間到達前の雇止めの問題もあわせて検討していくという方向で、各側とも御相談の上、分科会長の最終的な御判断で、それぞれ議題としていくということになったという経緯だったと思います。

 その意味では、実行計画は政府のほうで既に決まったことあるいは国会で通ったことが書いてあるものですが、そこに確かに高齢者について何か書いているわけではございませんけれども、この合同部会としては改めて申し上げれば、高齢者の部分も含めて調査審議を重ねていただければありがたいというのが審議の入り口のところで、改めて経緯を振り返った上での事務局としてのお願いということでございます。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。今、議論させていただいている総論の部分は、きょうの資料1の1ページの一番上の1の特例の対象及び効果の最初の○の部分になると思います。そのうちの黒ポツの1番目については、先ほど使用者側からもこういう改正労働契約法の趣旨に反しない範囲で議論しましょうということでおっしゃっていただいた部分であります。

 2番目の黒ポツは前回の部会での議論の中で、先ほど村山課長からもお話がありましたように、高度専門労働者と高齢者とを両方の共通項をくくり出すとするとこのように言えるのではないかということで、今日こういう形で出させていただいているというものでありますので、その点を御理解いただきたいと思います。

 それでは、先ほど手が挙がりましたので、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 総論ということですし、今、部会長からも御説明をいただいたところに関連しますが、もともと昨年に成立した国家戦略特別区域法の附則で、労政審で「有期雇用の特例」について検討せよという指示が、立法府から行政府に対して出されました。国権の最高機関からそう言われているわけですから、行政機関の審議会として重く受けとめなければいけないと思っております。

 ただ、その指示の内容は、高度専門職に限って検討せよというものであります。これはまた前回の論議に戻りますけれども、高齢者については少なくとも国家戦略特別区域法とは関係ないわけですが、使用者側から提案があって、論点として入っているということでございますので、当然、高度専門職と高齢者とでは扱いが違うのではないかと思っております。

 また、先ほど来、法の趣旨についての御発言があり、それについては論点(案)の最初の項目に書いてあるという御説明でしたが、私はこの論点の最初の項目の前にもう一個項目があるべきであって、改正労働契約法の無期転換ルールの話以前に、もともと労働契約法とは何なのかという、労働契約法が制定されたときの立法趣旨が本来あってしかるべきだと考えています。公益の先生方を前に口幅ったいことを申し上げますけれども、もともと労働契約法は労働契約に関する基本的な権利義務関係を定める民事法規として、まさしく民法の特別法として制定されたわけでありますから、全ての労働契約の当事者に適用される法律であると思っております。

 それがこういう形で特例措置を講じることを検討するということになってきたときに、やはり労働契約法という基本法の規定を、一部の者に限って扱いを変えることは、極力限定すべきであると思っております。

 この論議が始まったときに、使用者側から「企業スポーツ選手も無期転換ルールの適用除外とする検討を行うべき」というお話もありました。しかし、我々としては、一つ緩めてしまうと、労働契約法が次々に穴をあけられてしまうのではないかという懸念が拭えないわけです。

 先ほどの鈴木委員の御発言の中でも、高齢者に関連して若者の話が出てきましたけれども、何年後かに若者についても労働契約法の第18条の適用を外せという論議が出てきかねない懸念もあります。したがって、私どもとしては、無期転換ルールの趣旨だけでなく、労働契約法の基本法規としての意味や性格についても確認をしておくべきであると思っております。

 そういった意味で、後で高度専門職と高齢者の話もいたしますけれども、特例の範囲については極力限定をすべきであるということと、特例の議論は今回限りであるということを確認させていただきたいと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 それでは、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 私は議論自体が積み重ねられてきて今日に至っていると思っていたのですが、ただ今、労側の御発言を聞いていると何かまた1回目の会議に戻ってしまっているような印象を受けております。

 今回は第3回目ということであり、労働契約法第18条の特例の対象をどう考えていくのかという議論が第3回目だと思っております。そういう意味で先ほど市瀬、鈴木両委員から発言させていただいたということでございますので、私どもとしては議論の積み重ねの上で、この後の論点それぞれについて発言させていただきたく思っているところでございます。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 新谷委員からお手が挙がっていますが、今日3回目ということもありますので、この後、より具体的に高度専門職と高齢者のお話はさせていただきたいと思っております。その上で一番最初の総論的なところ、今日の資料でいきますと先ほど申し上げたように、一番最初の○から黒ポツ2つについて冒頭少し御意見を伺っている。できれば、この点については一定のコンセンサスが得られればと思っているところでございます。

 先ほど新谷委員からお話のあった労働契約法の基本的な性格については、ある意味では、この1番目の黒ポツというのがそのことを反映しているものだと私自身は理解しているところでございます。その上で新谷委員、お手が挙がりましたので。

○新谷委員 今日は3回目ということで、総論的な話をという部会長からのお話がございましたが、この論議においてずっと通底している私たちの懸念は、先ほど申し上げた通りです。今回の特例措置の検討は、あくまでも例外的に国会からの授権を受けて始まったものであって、それとは別に使用者側から高齢者についても特例扱いを検討したいというご要望があって今日に至っています。そうした前提の中で、私どもも論議を深めていきたいのですけれども、先ほど労働契約法の改正趣旨について御発言があったものですから、労働契約法の改正趣旨だけではなくて、労働契約法そのものが持つ性格なりを押さえておかないといけないのではないかということを改めて申し上げた次第でございます。私どもとしても、これから各論点について論議を深めていきたいと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 よろしいでしょう。ほかにございますか。

(「なし」と声あり)

○岩村部会長 それでは、総論の部分についてはこの程度ということにさせていただきまして、2番目としましては、先ほど申し上げましたように高度専門職について御意見あるいは御質問を伺ってまいりたいと思います。今日の資料No.1でいいますと、今、御意見を伺っていた総論の部分のすぐ下の高度専門労働者というところに論点の案として挙げさせていただいていることになります。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 高度専門労働者についての議論は、資料1に「参考」として添付していただいておりますように、国家戦略法特別区域法からの授権で始まっております。同法の附則第2条を見ますと、1行目に「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る観点から」ということが書かれております。本日示された論点(案)には「高度な専門的な知識、技術又は経験」という、国家戦略特別区域法附則に近い文言が入っておりますけれども、元々国家戦略特別区域法附則では、「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る」と書かれております。法の要請に従えば、ここで議論すべき高度専門職というのは、産業の国際競争力の強化に直接貢献できる人材であるべきと思っておりますが、論点(案)のように書かれてしまうと、まさしくグローバルビジネスといった観点が見えてこないということもありますので、本当に真に高度専門人材に限って、法の要請の下に検討していくべきではないかと考えております。

 また、事務局に質問なのですが、アスタリスクに「新商品の開発などの有期の業務(プロジェクト)」と書いてあるのですけれども、これは具体的に今、どういうことをお考えになっているのか確認させていただきたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局にお尋ねですので、村山課長お願いします。

○村山労働条件政策課長 御質問の点ですが、産業の国際競争力の強化という先ほど新谷委員からも御提起のありました点についてブレークダウンして考えれば、例えば新技術や新商品を開発する際に必要とされるような高度な専門的な知識、技術、経験等を有される方というのが一つの例示として考えられるのではないかということで、議論の一つの導入のきっかけとして書いたということです。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 国家戦略特別区域法附則の第2条では、「一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務」と書かれておりますが、今ある法律で「一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務」について規定した先例はございますか。

○岩村部会長 では、村山課長お願いします。

○村山労働条件政策課長 ただいま御質問の点ですが、一定の期間内に終了すると見込まれる事業、典型的には建設の有期事業のようなものに関しましては、先ほど大隈推進官からも説明申し上しました労働基準法第14条の柱書きで、労働契約は、期間の定めのないものを除きということで、まず無期は除いた上で、一定の事業の完了に必要なという規定をしている訳であります。一定の事業の完了に必要なという点ではそういったところで、これは事業でございますけれども、こういった区切りがあることをまず事実関係としてお答え申し上げたいと思います。

○岩村部会長 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 労働基準法第14条とアスタリスクで書かれている「新商品開発など有期の業務」との関係はどのようになっているか御説明いただけないでしょうか。

○岩村部会長 では、村山課長お願いします。

○村山労働条件政策課長 先ほど申しましたように一定の事業に必要な事業ということになりますと、場所的な概念になりまして、これが一定の有期でなく削減する場合に関しては、14条の関係ではそもそも3年、5年という1回の契約の上限ではなくて一定の事業の完了に必要な期間が7年であれば7年の契約が可能という意味での例外になってくるということです。

 その上で、資料No.1の高度専門労働者の1つ目のポツのアスタリスクで書いているのは、必ずしも事業として消滅するものだけではなくて、1つの企業なら企業の中で新商品や新技術の開発といったことのために有期的に行われる仕事、業務としての扱いをどのように考えるかということも、最初に新谷委員から御提起のあった産業競争力の強化等、まさに今回問われている内容の一つの論点ではないかと考え、論点案で御議論いただきたいという趣旨で書いたということです。

○岩村部会長 今、この資料1についているこの法律の附則の用語が一方で事業という言葉を使い、他方で業務という言葉を使っているものですから、我々労働基準法の世界になじんでいる者からすると、わかりにくいというかその関係がうまく整理されていないということがあるのは否めないかとは思っております。ただ、多分今、村山課長が説明されましたように、その附則の2条の趣旨というのは、労基法の考えている場所的な観念としての事業というものではなくて、むしろ業務というものを想定して考えているのだろう。そうしないと多分、国際競争力の強化に余り有機的には結び付いてこないところがあるので、ここのところは事業と業務というやや概念が混乱しそうなところはあるのですけれども、この附則の2条については、今言ったような意味で用いていると考えないと、やや議論が混乱するかなというふうには思うところでございます。

 そういった趣旨で恐らくきょう事務局でも今、説明があったようにこういう新商品の開発プロジェクトという有期のものを想定した例を挙げてこられたと理解できるかと思いますが、では、問答の始まりは新谷委員なのでまず新谷委員、その後、鈴木委員ということにいたしたいと思います。

○新谷委員 今の部会長の整理で、かなり理解は進みましたけれども、冒頭に申し上げたように、私たちに通底してあるのは、あくまでも労働契約法の特例措置として考えるのであれば、その範囲についてはより限定的なものとするべきであるという考え方です。今、御説明いただいた中では、労働基準法第14条の有期事業とは違う「新商品の開発等の有期の業務」という考え方が出てきておりますが、仮にこれを要件として適用するのであれば、より明確に内容を固めていかないと、あれもこれもと広がりかねないと思っております。今、御提起いただいている論点ペーパーでは、そうした点については見えてきませんので、どういう要件で有期の業務を規定していくのかということについては、もっと工夫が要るのではないかと思っております。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 それでは、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 まず、我が国の状況について少しお話をさせていただきたいと思います。御案内のとおり我が国はデフレを脱却するための大変重要な岐路に立っております。

その中でデフレの要因はさまざまあり、当然、労側の御主張も重々承知した上でお話を申し上げたいと思うのですけれども、例えば製品サービスの付加価値があるかどうかということも経済がグローバル化していく中にあっては、特に重要な意味を最近持ってきているものと考えます。

 また、同じカテゴリーの中でも上位のシェアを確保しないと、利益の確保が難しいとも言われており、国内外で市場を拡大することもこれまで以上に経営課題です。高度専門的知識を持ち、かつ高収入で働く有期契約の方というのは、各社によって事情が違うとはいえ、大企業でも数名程度というケースもございます。実はそれほど人数としては多くありませんが、そうした方々はこの製品やサービスの付加価値を高めるキーパーソンであることは間違いないと思っています。

 例えば私どもが承知をしている範囲の中でも研究者、経営職、財務、経理、法務の専門家、M&Aのプロジェクトの担当者、インフラ金融にかかわるファンドマネージャー、PFIによる事業のプロジェクトマネージャー、地質の専門家、現物トレーディングの専門家、デザイナー、イベントのコーディネーターなど、さまざまな分野で活躍されていらっしゃいます。

 また今後、海外の市場を開拓していくに当たりまして、特定の国や地域の語学やネットワークを有する専門家を中途採用するというニーズも高まってくるものだと思っております。

 いずれにいたしましても、高度専門労働者の無期転換ルールの何らかの特例というのは、先ほど新谷委員が引用された特区法の最初の目的にございます産業の国際競争力の効果や国際的な経済活動の拠点の形成、推進に直結するものと考えております。

 経済のグローバル化の進展ですとか将来を見据えた形で対象者を考え、成長戦略の一環としてふさわしい仕組みとすることを強く希望いたします。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかには。

 では、冨田委員どうぞ。

○冨田委員 ありがとうございます。

 今も論点にありました「高度な専門的な知識、技術または経験」の具体的な範囲についてでございますけれども、今ほどもありましたとおり、国家戦略特別区域法附則第2条に規定された産業の国際競争力の強化に資するのかといった視点で判断することが大変必要なのではないかと思ってございます。

 今も、使用者側委員の方から事業や対象の紹介もありましたし、事務局から資料No.2ということで、労働基準法第14条における専門的知識を有する労働者についての資料もいただいておりますけれども、いずれにしても産業の競争力に資するというのがどういったものなのかを慎重に一つ一つチェックをして、対象を絞っていくことが必要ではないかと考えてございます。

 あともう一点、「一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務に就く労働者」という要件についてですが、「一定の期間と期間内に終了することが見込まれる」ということであれば、その期間がどれだけ長くても特例の対象にするといった形で整理することは、あってはならないのではないかと考えてございます。

 雇用の安定を図るために有期雇用の特例が認められる期間には、やはり何らかの上限がはめられるべきであり、なおかつその上限もなるべく短い期間とするべきではないかと考えていることをお伝えしたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。そのほかにはいかがでしょうか。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 前々回、国家戦略特区法の経緯の御説明の中で、オリンピックまでの7年間に限定して有期労働契約を反復更新して人材を集めたいので、それで無期転換申込権が発生するのは困るというお話がありました。今も高度専門人材の雇用の安定という話が出ているのですけれども、本来であれば、労働基準法第14条を使って有期事業として1回7年の有期労働契約を締結できるにもかかわらず、契約を細切れにして反復更新しても、5年の無期転換ルールの特例扱いにするということですから、やはり高度専門労働者の雇用の安定が確保されていないと、細切れ契約に誘導していくようなことになりかねないという懸念があります。特例は、本当に雇用が安定している労働者に限って適用するということが重要ではないかと改めて思うところです。

 もう一つ、国家戦略特別区域法附則の第2条のわかりにくさというのがありまして、これをどういうふうに受け取るかということなのですが、同法附則第2条では「一定期間に終了すると見込まれる事業の業務」と書かれてあり、かつ括弧書きで「高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする者に限る」と書かれています。業務と労働者個人の知識、経験、技術といったものとがくっついてしまっているのですけれども、要件となるのは業務なのか労働者個人の資質なのか。私どもとしては、これは分離して捉えるべきではなく、両方かかってしかるべきだと思います。つまり、高度の専門的な知識、技術又は経験が要るという部分は業務にかかり、かつそういう知識、経験を有する労働者であると、いわば「アンド」で考えるべきではないか。それによって真に雇用の安定をする労働者と言えるのではないかと考えておりますので、これについても検討を深めるべきだと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 何かその点。今のに関連してでしょうか、別の点でしょうか。関連してですか、それでは鈴木委員に御発言いただいて、その後、事務局でお願いしたいと思います。

○鈴木委員 今でも労基法14条を活用することができるのではないかという御指摘を労側の委員からいただきました。第一に有限のプロジェクトであってもそれがいつ完成するかわからない、すなわち有期プロジェクトにある程度の不確実性があるということをまず指摘したいと思います。

 あるメーカーでは、旬の研究を行っている大学教授に有期契約を結んで、5年を超えて更新するケースがありますが、旬がいつ終わるかわからないということで、1年の契約を更新して判断していく実態がございます。

 また、新規事業を立ち上げる際に自社には専門家がいないということで、その専門家を中途採用する場合、事業が軌道に乗れば無期転換するものの、事業が軌道に乗るかどうか不確実性があるため、有期で契約をする必要性があることはぜひ御理解いただきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 では、村山課長お願いします。

○村山労働条件政策課長 先ほどの新谷委員からの御意見の表明を受けて、お答えということではなくて、技術的な補足としてお聞きいただければと思います。

 まず、特区法の附則の2条でございますけれども、条文の解釈としていえば、「事業の業務」とは事業であることが前提の書きぶりと思いますが、同時に次の括弧の中を3行、4行飛ばしていただいて続きを見ると、その他これに準ずるものということになっております。全体のつくりが後ろで広げるつくりになっていることを御確認いただければと思います。

 次に、同じ条文で、労働契約がきちんと行われるようにするために必要な措置についても典型的な内容を規定した上でその他必要な事項を規定しており、大きな方向性を示す検討規定、プログラム規定ですので、大きな方向性をまず示して、一定の幅を持って規定している訳です。その上で2条2項のところで厚生労働大臣がその検討を行うに当たっては、労働政策審議会の意見を聴かなければならないと規定し、ここで例示されていることについて、入りも引きもいろいろあるのだろうとされたものと思います。そうした細部のところは、まさに公労使の委員に詰めていただければということです。

 その中で特に産業競争力の強化という先ほどから御指摘いただいている観点と、一方で先ほど分科会長からございましたが、本当に現に事業のほうに限ってしまった場合どうかということもなども含めて考えた場合に、資料の最初のポツのアスタリスクにあるような、使側委員から少し具体例の御指摘もございましたが、そういうプロジェクト的な業務について、どう考えるかという論点があるということは御理解いただければと思います。補足の1点目はそういうことです。

 補足のもう一点は、先ほど来のやりとりにおいて、私の説明も不十分だったと改めて思いましたので、改めて説明します。先ほど事業の用例は現行法令でどうなっているかについて、現行の基準法14条に即しお答え申し上げました。

 同時にこれは過去の例であり、現在の法令集に載っているわけではございませんが、平成10年に労働基準法の大改正があり、1回の労働契約期間の上限について一律の1年から特例については3年という特例を設けたことがありました。その際に対象としたのは新商品とか新役務あるいは新技術の開発とかあるいは科学に関する必要な専門的知識を有する労働者でありますとか、あるいは事業の開始のための業務ということでした。そうした観点が労働基準法の中でも取られたこともあり、冨田委員の御懸念は大変ごもっともだと思うのですけれども、そういうふうに切り取られて履行を確保された前例もあるということなども含めて、プロジェクト業務についても直ちに排除されるものではないという前提で、さらに労使の御議論を深めていただければと思います。以上2点、技術的な補足ということで発言をお許しいただいたということです。

 以上です。

○岩村部会長 ちょっと一言だけ。

 この附則の2条ですけれども、多分読み方としてはこれの2条の2行目の一定の期間内にというところから6行目の真ん中のその他の前までが1つの固まりになっていまして、そこで対象者の要件を全部まとめて書いているということになっていると思います。その他これに準ずる者が、結局そこの一番最初に書かれているものが1つの例で、それに同視できるような人たちを書いているということになります。

 ですから、前者として具体的に挙がっているのはあくまでも一定の期間内に終了する事業の業務でかつその業務が高度の専門的な知識、技術を必要とするというものに就く労働者ということになるという理解だろうと思います。

 山川委員どうぞ。

○山川委員 追加的なことですけれども、あとは考えるべきこととしては14条とこの附則2条の趣旨の違いというのもあるかと思います。14条は要するに強制的に働かせる、拘束の防止ということで、14条の時限事業の中に入るとしますと、それは上限がもうないものですから、非常に長い期間であったとしても拘束される可能性がある。先ほどちょっとお話に出ました不確定期限については、14条の例外に入るかどうかいろいろな議論があるところで、余り長くすると労働者がやめられなくなるという観点である。2条の附則はちょっと別の観点、ここに挙げられましたような競争力強化という観点が入っていますので、そういう趣旨の違いも踏まえてこの文言あるいはこれに準ずる者という文言をこの労政審の中で検討していくということになると思います。

 あとは高度の専門的な知識、技術、経験、これは業務にかかわることなので新谷委員がおっしゃられたように、これが言ってみれば限定要因としてかかってくるという読み方はおっしゃるとおりではないかと思います。

○岩村部会長 あともう一つは、ですから業務について高度の専門的な知識、技術、経験というのがかかっていて、さらにそこに従事する労働者について、さらに年収要件がかかわるという2つの構造ででき上がっていると多分理解するということだと思います。

 八野委員、先ほどお手が挙がっておりました。

○八野委員 今、公益委員からありました拘束性の問題といろいろな周りの状況の変化ということに関しまして、有期労働契約の期間の定めの上限は、2003年の労働基準法改正で原則3年に変わったと思いますが、今回の検討は国家戦略特別区域法附則第2条にある産業力の強化という観点で行うとなると、特例の対象となる範囲はより狭められるものではないかと考えます。また、先ほど使用者側からもさまざまなケースをご紹介いただきましたし、資料2には、高度の専門的知識、技術、経験を有する労働者との間に締結される労働契約の期間の上限を5年とするという労働基準法第14条の規定が記載されていますが、労働基準法第14条の規定がそのまま特例の対象範囲の要件となってくるものなのかというと、そうすべきではなく、今までの公労使の議論を踏まえれば、より狭めたものとすべきではないかと思っています。

 また、年収についての話がありました。国家戦略特別区域法の附則の中では、高度専門労働者の年収要件について、「常時雇用される一般労働者と比較して高い水準であることが見込まれる」という考え方が示されています。やはり産業力強化、競争力の強化ということで、高度な専門人材という絞られたメンバーと考えると、一般レベルよりもかなり高い年収水準が必要なのではないかと思います。

 労働基準法第14条の告示でも1,075万円という数字が示されており、資料3でも常時雇用される一般労働者の年収の分布ということで金額が出ておりましたが、それよりははるかに高くなくてはいけないだろうと考えています。平成24年の賃金構造基本統計調査では部長級の年収は1,062万となっていますので、今回の特例の対象範囲が部長級以上とイコールになるかどうかというのはあるのですが、やはり労働基準法第14条の告示の1,075万円以上というものは、一つのベースとして考えられるのではないかと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 専門職については。それでは、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 何度も済みません。

 ただいまの労基法14条の話がございましたので、それに関連してお話しさせていただきたいと思います。この労基法14条をベースにこの対象者を考えるということはやぶさかではないと考えておりますけれども、この省令が、ごらんいただいているとおり、国家資格が中心となっております。先ほど私のほうから活用事例を御紹介したとおり、必ずしも国家資格が存在しないような分野がございます。

 年収については相当程度高い水準が必要となることはよく理解しており、そういう年収水準との見合いで考えれば、それだけで高度専門労働者であるということの推測ができると考えております。

 そうしたことも踏まえて、専門性の要件については、例えば実務経験年数なども加味しながら、あくまでも企業実態、事業上のニーズに合致したものとなるようにしていくことが重要ではないかと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今の鈴木委員の御発言もわからなくもないのですけれども、企業実態といっても経団連さんに加盟しているような大手の企業と中小企業とでは、かなり企業実態として違うと思うのです。それではどこで線を引くかというときに、労働市場で払われている価値としての年収というものが結構大きなウエートを占めるのではないかと思っているのです。

 これに類似する論議としては、先ほどの労働基準法第14条についての議論もありましたけれども、法務省の入管政策の中で高度人材外国人の受け入れをめぐる論議がありました。高度人材外国人の認定では、活動内容が「高度経営・管理活動」などの3つに分類されていて、それぞれ年収などの項目ごとにポイントを加算していくという仕組みが導入されているのですけれども、「高度経営・管理活動」でのポイントが初めてつくのが年収1,000万円からなのです。こういったところも、国として高度人材を認定する基準として一つの参考事例になるのではないかと思います。

 もう一点、先ほど論議をした業務と労働者との関係でよくわからないのは、プロジェクトと書いてあって、かつそれは高度な専門的知識を必要とする業務と書いてありますが、ある商品開発のプロジェクトに従事する労働者の中でも、例えば補助的な業務につく労働者については、特例の対象からは当然外れると思うのです。そうした業務と労働者個人の専門性との関係を間違えずにやっていかないと、研究開発力強化法では研究者だけかと思ったら、研究企画をやる事務系の人まで適用を外されてしまったりしていますので、ここのところは厳格な要件、制度設計が必要だと思いますので、改めて御指摘を申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 今、新谷委員が触れられた後者の点は、年収で切れるのではないかと思います。よろしければ、もう一つの大きな論点である高齢者のほうに移りたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○岩村部会長 それでは、資料1の1ページのこの論点(案)ですと当然、今までの議論の流れから挙がっているわけですけれども、高齢者というのが挙がっているところでございます。既に先ほど使側から市瀬委員からも問題提起があったところでありますし、これまでのこの部会での議論ということもあって、ここで高齢者を挙げていることになります。この点につきまして、それでは御意見あるいは御質問といったものがあればお出しをいただきたいと思います。

 では、市瀬委員どうぞ。

○市瀬委員 例えば60歳で定年を迎えて有期契約の更新で65歳を迎えるというお二人がいたとします。仮にお一人は再雇用で継続雇用者として今回の措置の対象になり、もう一人は60歳を過ぎてからの他社からの転職者で、継続雇用の対象者ではないという理由で、今回の特例の対象にならないということになりますと、このような違いが生じることは、不合理ではないかと考えております。

 私、一経営者としましては、再雇用の方であれ転職された方であれ、健康で優秀な方であれば5年を超えても長く働いてもらいたいという気持ちが大変強うございます。この点は御理解をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今、市瀬委員から2つの類型を比較して格差があるのではないかという御発言だったのですけれども、私どもとしては、もともと労働契約法について、高齢者だからといって特例扱いを設けることについては賛成しておりません。改正労働契約法自体がまだ施行されて1年もたっていないのに、高度専門職は立法府からの授権があって検討を始めておりますけれども、高齢者について無期転換ルールの特例扱いをするということは、私どもとしては反対であることは申し上げざるを得ないと思います。

 申し上げたように、労働契約法は労働契約に関する基本的な民事ルールを定める基本法規でありますので、それを一部の労働者だけ外すというのは、そもそも労働契約法の性格からいって望ましくないと思います。

 今、ちょうどベビーブーマーの方々が60歳を超えて、1つの大きな人口圧力の山が超えつつありますし、かつこれからの労働力人口の減少を考えたときに、あるいは我が国の超高齢社会を考えたときに、高齢者もこれから活躍の場をずっと持っていただくということは大事なことだと思っておりますので、そういった面から論議をしていきたいと思います。しかし、だからといって、無期転換ルールを安易に外すことについては、私どもとしてはそういう立場にないということを改めて申し上げておきたいと思います。

 また、これも冒頭申し上げておりますように、今、定年は、高齢法第8条によって、60歳を下回って定めることはできませんから、必ず定年は60歳以降であるということであります。そうすると、有期労働契約が5年を超えて反復更新されて、無期転換申込権が発生するのは必ず65歳以降であるということです。ちょうど高齢法では、65歳までの安定した雇用を確保するため、高年齢者雇用確保措置が導入されておりますが、冒頭から申し上げており、使用者側からも御発言があったように、今、定年で60歳を迎えられた後、多くの企業では1年ごとの反復更新で有期契約としてつないでいくというのが実態だと思います。

 定年後、有期雇用で継続雇用に切り替わるときに、やはり雇止めという問題は出てくるということもございますし、一部の経営側の弁護士さんからは、その際の雇止めは「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」で判断すればいいのだという乱暴な論議をされている方もおりますので、私どもとしてはこの特例扱いを論議するというのであれば、高齢法の趣旨に従って、必ず65歳まできちんと雇用の確保をしていただく、安易な雇止めを起こさないという前提の下でないと、この論議はなかなか前に進まないと考えています。ちょうどこの部会は労働条件分科会の部会であるとともに、職業安定分科会の部会でもありますので、そういった高齢法上の問題についても、きちんと論議するべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。

 以上です。

 ○岩村部会長 では、市瀬委員どうぞ。

○市瀬委員 ですから、先ほどから申し上げているように、5年を超えても優秀で、健康な人たちは長く働いてもらいたいという思いが使用者側にもあるわけです。ですから、雇止めを誘発しないようにするためにも、今回の特例では定年後の継続雇用者以外でも認めていただけるとありがたいと思っております。

○岩村部会長 それぞれの御意見だということであろうと思いますけれども、では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 雇止めの話で申し上げているのは、65歳を超えての雇止めではなくて、65歳に到達しない時点での雇止めの可能性があるということなのです。そこはきっちり使用者の方々も安易な雇止めを起こさないように、高齢法の趣旨に従って65歳まで必ず雇用をつないでいただくという前提があって初めてこの論議ができるということを申し上げているのです。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 それでは、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 ただ今、新谷委員からお話がございました。高齢法上の問題というくくりで御指摘をされておりますが、そもそも論としてこれは新谷委員、部会の委員でもいらっしゃいますので、あえて確認をさせていただきたい。9条1項は2004年改正、2006年施行のときに入ったものですから、その趣旨は事業主に対して65歳までの雇用義務を課したものではないということが大前提であります。そういった中で高年齢者雇用確保措置という形で3つの選択肢があり、その3つの選択肢のうちの1つが継続雇用制度であり、8割を超える事業主がこれを導入している。その仕組みについてはQ&Aの中でも書いてございますように、原則65歳までとし、括弧書きでわざわざ更新に当たっては、年齢以外の例えば能力基準で、一年一年の更新は基準に照らして判断してくださいという枠組みとなっています。2004年改正のときに確認の上、今日まで来ているという状況にあって、そこも問題だということで御指摘されるのであれば、使側としては、そこは問題だとは思っておりません。安易なといった意味合いが、もし何か新谷委員が現象として捉えているものがあるのであればお伺いしたいということです。

○岩村部会長 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 前回、2012年の高齢法改正の論議の際にも、私どもとしては第9条第1項で使用者に課された高年齢者雇用確保措置の義務は民事効として規定をするべきであると、ずっと主張してきました。

 また、継続雇用後の不更新事由のあり方については労使で確認されてきたということでありますけれども、まさしく労働契約法の施行も労使で確認をしたにもかかわらず、施行後1年たっていない中で、その特例を設けよとおっしゃったのは使用者側でございます。私どもは、もしそうおっしゃるのであれば、当部会は職業安定分科会の部会でありますので、改めて民事効の話ももう一回やりますかと主張したい思いもございます。今回、私どもはそこまでの主張はしておりませんが、使用者側の御発言のロジックからいくと65歳まで到達した後の無期転換権の話をしていて、それまでの反復更新の間に雇止めが起こる懸念があると指摘されているわけですが、その雇止めの懸念というのは、今おっしゃった今回の高齢法改正の中では法的な手当をされていないのです。そこはあくまでもQ&Aという行政指導のマニュアルといいますか、Q&Aにしか書かれていないのです。

 今回、特例措置の論議をするのであれば、65歳以降の労働契約上の権利を別の扱いにするという御提起をされているわけですから、その前提として65歳までは安易な雇止めが起こらないような措置もあわせて論議をしていただき、65歳までの雇用確保をきっちり担保していただかないと、これから先の論議はしにくいということを申し上げているわけです。

○岩村部会長 今の議論は大きく言うと2つございまして、1つは前回の高齢法の改正の経緯のお話というものなども含めた問題、議論だと思いますが、この部会のミッションは高齢法の見直しではございませんので、ちょっとその点についてはなるべく最小限の範囲にとどめていただきたいと思います。

 それからもう一つ、今、労働側がおっしゃったことは、もし特例を設けるのであれば、65歳までのところの雇用の安定ということについての措置が必要なのではないかという問題提起だろうと思います。これは今日この論点(案)の中でも、一応「その他」で挙げさせていただいているところでもございますので、そこで改めて御議論をいただければというふうには思うところでございます。

 ほかにいかがでございましょうか。では、芳野委員どうぞ。

○芳野委員 今、Q&Aについての意見がありましたので、一言だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、高年齢者雇用安定法Q&A、Q1-11では、「有期契約労働者に関して、就業規則等に一定の年齢に達した日以後は契約の更新をしない旨の定めをしている場合は有期労働契約であっても反復継続して契約を更新することが前提となっていることが多いと考えられ、反復継続して契約の更新がなされているときには、期間の定めのない雇用とみなされることがあります。これにより定年の定めをしているものと解されることがあり、その場合には65歳を下回る年齢に達した日以後は契約しない旨の定めは高年齢者雇用安定法第9条違反であると解されます」という曖昧な記述にとどまっており、これでは不十分であると考えております。

 有期労働契約を反復更新している労働者にも高年齢者雇用確保措置がきちんと講じられるようにするためには、「有期雇用を反復更新している労働者について、就業規則等で一定の年齢に達した日以降は契約更新をしない旨を定めている場合は、当該雇用関係は期間の定めのない雇用であるとみなし、一定の年齢については定年の定めをしたものであると解して、高齢法の所要の措置を講じるべき」旨を明確に示すべきではないかと考えています。

 また、この実効性を確保することを考えればQ&Aだけでなく、指針にもその旨を明記することが必要ではないかと考えておりますので、意見を述べさせていただきたいと思います。

○岩村部会長 御意見としては承りたいと思いますけれども、今日ちょっと議論している論点とは直接には関係いたしませんので、そういう御意見があったということは承りたいと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。では、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 先ほど高度専門労働者にしても高齢者にしても、対象を限定していくという考え方自体は私どもも賛同するということです。ただし、その場合にどういう形で線を引くのかということについては、高度専門労働者の場合と高齢者の場合では分けていくのが今の実態を踏まえれば妥当ではないかと考えています。

 1回目、2回目と申し上げていることで、さらに申し上げるということをお許しいただきたいのですが、高齢者とりわけ定年後の高齢者ということをどう捉えるかにつきましては、やはり働き方を見れば有期で更新をする中で場合によっては65歳を超える方もいるでしょうし、65歳までの方もいるでしょう。それからまた、同じ会社で続けて雇用の場が得られる方がいる一方で、他社という形で雇用の場を得ていくといったこと等々あるわけでございます。

 高齢者の問題は2004年改正のときから今日まで引きずっている一つの課題というのがあり、現場の方からいつも言われる話なのですが、高齢者の職域といったものがなかなか広がっていかない。職域が広がっていかない中でどうマッチングさせていくのか。そのマッチングさせるに当たっては定年よりも一定程度の前段階において社内外の手続にのっとって継続雇用の希望がありますか、ないですかといった段階から始まって、具体的な職務の提示といった形に至っているわけでございます。

 そういったこと等々考えてまいりますと、高齢者の方々については機会の提供を今よりも広く確保し与えていくような取り組みをどうすればいいのかという議論を考えていくとすれば、定年後の高齢者という形で特例の対象として考えさせていただきたいというのが使側の思いです。

 次に、先ほど高度専門労働者の方々については時限性を持って、上限を置くべきだという御指摘もございましたが、今後どういう形でこの人材を使っていくのかということを考えていったときには、大手だけではなく中堅、場合によっては小規模の会社もあり得るわけです。状況等々を考えてまいりますと、対象は限定的に考えるのだけれども、活用の仕方はいろいろあり得ることを考えて、上限年数で区切らないで、その事業なり業務なりといった形の区切りで考えていく。さらにその事業なり業務なりも場合によっては延長するといったこともあり得ることを含んだ形で考えていくことが必要ではないかと思っております。これは使側の意見です。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 では、八野委員どうぞ。

○八野委員 少しお伺いしたいのですが、今ここで特例という言葉をずっと使ってきていますけれども、例えば冒頭に労働側の新谷委員が言われたように、労働契約法は全ての労働者に平等に適用されるべき基本法規ですから、特例の対象者を議論してだんだんと絞り込むという形になってきたときには、労働契約法の改正ということではなくて、別途、特例法のような新たな法律を制定するということが必要なのかなと思うのですけれども、そういうことが今まで具体的な事例としてあるのでしょうか。

○岩村部会長 では、村山課長お願いします。

○村山労働条件政策課長 技術的な御質問でございますので、事務局からお答えを申し上げたいと思います。

 まず、労働契約法も例えば典型的には任用関係にある公務員はそもそも適用除外しておりますけれども、それは特段の話として、一般的な法律の性格としては、先ほど部会長からもおまとめがありましたように、民法の特別法としての性格を持った労働契約の一般的なルールだということは事務局としても認識しております。

 その上で、労働契約法自体は制定されてからまだ日が浅いといえば浅く、別な言い方をすればこれからの発展可能性を秘めた法律ということですので、直ちに八野委員ご質問の特例というものが労働契約法にはございません。他方、純粋な民事的なことを規定している一般的な性格を持った法律について、山川委員からお話をいただいたような特定の法律、法目的を持って特別の措置を講ずる一環として何か特例を設けるというアイデアも考えられるのではないかという問題意識でいえば、例えば、借地借家法はある分野を規律する基本的で一般的なルールだと思います。この法律は、さまざまな規定で賃借人を保護していく、力の大小がある中の話として、そういう規定がいろいろあるかと思います。例えば、有期で反復更新している建物賃貸借の契約の更新については、当事者がその期間が満了する1年から6ヶ月前の間に相手方に対して「更新しない」という通知をしない場合には、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなすというのが原則的な規定です。一方、賃借人を保護する観点から、賃貸人が6ヶ月前までに更新しない旨を通知したとしても、その期限が到来して賃借人が何かの事情でもうそこにいざるを得ないので残っているという場合には、賃貸人が遅滞なく異議を申し述べなければ、引き続き従前の契約と同一の条件で契約更新したものとみなすという規定も同時に置かれているところです。以上が借地借家法の原則的なルールです。

 借地借家法は原則を想定しているわけですけれども、借りている家にもいろいろな場合がある中で、マンションの建替えの円滑化に関する法律というものがありますが、この法律は老朽化したマンションは危ないので、できるだけ早く建てかえを促そうという法目的の法律です。この法律では、一定の賃借人の方々がマンションの建て替えに関する計画を策定し、それが国土交通省が定める建て替えに関する省令基準に合致する場合として、市町村長の認定を受けた場合には、先ほどの仮に一定の法定の期間内に更新しない旨の通知を受けた場合であっても、賃借人がそのまま期限到来後もマンションにいれば更新みなしが行われるという規定は発動されないという特例がございます。

 これはマンションは建て替える方が、一定以上老朽化したマンションについては望ましいことから、一定の政策誘導的な措置とともに、純粋な民事の法規に対する特例も、借地借家法とうい一般的な法律の外側に置かれている訳です。先ほどの八野委員の御質問に対する答えとしては、ある意味似たような純粋な民事の法律の原則について、一定の法目的のために、ほかのいろいろな特別な措置とともに、その民事法規の原則に対する例外規定を置いている法律は存在しないわけではないということだと思います。

 例えば、ほかの例で言えば港湾法で重要な埠頭について一定の安定した主体に継続して管理して貰うことが望ましいということで、港湾管理者が貸す場合、その賃貸借や借地権で20年、30年という民法や借地借家法で規定されている期限を超えて安定して管理してもらう必要が政策目的として重要なので、純粋民事ルールの例外が置かれている例もあるということで、これも一般的に例があるかないかといえば、あるということを補強する材料だと思います。

 ただ、そうした例外は安易に置かれるべきではないというのもおっしゃるとおりで、その特例が適切か否かはある意味で原則に対する例外を設けることについては、原則が守ろうとしている保護法益が損なわれないようにしていくという観点から、限定されていくあるいは絞り込まれているべきだということだと考えます。

 先ほど使側の委員からも、ある程度限定的にしていくべきなのだろうという御発言もいただきましたけれども、結局、民事法規の保護法益、今回でいえば労働契約法の無期転換ルールの保護法益は、有期契約労働者の雇用の安定であり、労働者保護であるわけでありますので、それと今度特例法の趣旨目的、これは論点ペーパーで挙げているのは、労働者の有効な能力の発揮ということですけれども、そのバランスの中でどのような限定がかけられるか判断されるべきものだと思います。その点はまさに労使の間で御議論いただければありがたいと思います。

○岩村部会長 八野委員どうぞ。

○八野委員 今日の会議の冒頭でも、特例の対象者は労働契約法の趣旨に反しない範囲にするべきということは言われていたと思いますし、今の議論の中で高度専門労働者については、かなり絞り込んで限定をかけるという話も出てきていますので、やはり今、事務局からも答弁いただいたような点についても、この場で議論していく必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 感覚としては、高度専門職についても高齢者についても、今日の論点の案にありますように冒頭のような一定の立法目的を持った形でまとめて、特例といったものを考えていきましょうという話でありますので、自然なのはこれを一つの形にまとめて法律にする、あるいは法令の一つのまとまりにするというのが素直かなというようには思います。

 あとほかにも御議論あろうかと思うのですが、一つちょっとお伺いしておきたいのは、先ほどの高度専門職については、一応何となくプロジェクトなり何なりの終わりまでということで特例を考えるという話だったように思いますけれども、他方で高齢者のところについての特例のあり方については御意見はございますでしょうか。

 では、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 高齢者の方々につきまして、私どもとしましては定年を迎えた後の働き方ということであり、そこから有期で働かれる前提に立ちますので、定年後の有期で働く期間を一まとまりにして、その間については適用が及ばないという考え方を主張させていただきたく思います。

○岩村部会長 ほかはいかがでしょうか。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 上限の扱いについて、先ほど使用者側委員から、高度専門職については上限年数を設けないほうがいいのではないかという御提起をいただいたのですけれども、私どもはそういうふうに考えておりません。冒頭申し上げましたように、新商品開発などの有期の業務のプロジェクトをどういうふうに定義するかによるのですけれども、例えば宇宙開発などのように、とてつもなく巨大なプロジェクトもあれば、あるいは新薬の開発のように10年、20年、30年という年数がかかるプロジェクトもあるわけです。そのプロジェクトが終了するまでというと、会社生活全部特例扱いで無期転換権がずっと発生しないということになりますので、当然ですけれども、何らかの上限年数を設けるべきであり、それは極力短くするべきであると考えています。

 また、高齢者について、先ほど芳野委員が発言申し上げたのは、有期契約労働者の定年扱いのことでして、就業規則等で、無期雇用の正社員ではなく、もともと有期契約労働者がいて、例えば「60歳までしか雇わないけれども、それまでは必ず雇います」という、あたかも定年のような扱いで有期契約の反復更新をやっているケースについては、当然定年扱いとして高齢法を適用して同じ俎上にのせるべきであると、私どもはそういうつもりで主張したのです。定年といったときに、そういった方々も含めて高齢法の高年齢者雇用確保措置の対象に入れておくべきだと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 今、高度専門職については上限が必要だというお話しでしたが、高齢者のほうはいかがですか。

○新谷委員 先ほど申し上げたように、今の高齢法のロジックですと60歳前の定年はありませんから、そうすると無期転換申込権が生じるのは必ず65歳以降ということになろうかと思います。このときにある年数で切るということも考えられなくなくはないのですけれども、またそこで契約が終わってしまうという懸念も当然あります。したがって、私どもは反対ですけれども、高齢者について、もし特例を講じるのであれば、一定の上限年数を設けるということではなくて、別の扱いがあるのではないかと思います。

 以上です。

○岩村部会長 では、小林委員どうぞ。

○小林委員 今の議論の中で上限の話ですけれども、論点のところの1ページ目の一番下の○の18条の1項に規定する通算契約期間のあり方についての上限のことですが、高齢者については遠藤委員が申し上げたとおり定年後引き続いて雇用されている期間、ここに書いてある期間という解釈でいいのではないかと思っております。

 もう一つ、高度専門労働者についてですが、対象となる事業を終了するまでの期間とここには書いてあるのですけれども、僕は若干違って、先ほど話題にのった改正研究開発力強化法というのがあります。あちらのほうでも上限期間10年という制限をしていますので、その一区切りとして10年というのを見た上で、そのプロジェクトがどうなるのかというのはあると思うのです。いろいろなプロジェクトの内容、個別によっては若干ここに書いてあるような事業が完了するというのも10年以上のものもあるのかもしれません。とはいえ、10年で区切るのも1つの考え方なのかなと感じております。

○岩村部会長 ありがとうございます。新谷委員どうぞ。

○新谷委員 小林委員から御発言がありましたけれども、私どもは極力短くするべきであると申し上げておりますので、10年というと長いなという感じがいたします。

 それと今、資料1の1ページの一番下の特例の効果の話に移ってきていると思いますけれども、高度専門職と定年後の高齢者とで特例の効果のあり方が同じでいいのかということについては、別々に考えるべきではないかと思っておりますので、それぞれどういうやり方がいいのかを分けて考えていくべきではないかと思います。

 それと一点質問ですけれども、先ほどの遠藤委員の御発言の中で高齢者の活用について、職域を広げていく云々というお話があったのですけれども、どういう意図で御発言になったのか、もうちょっと説明いただけないでしょうか。

○遠藤委員 職域を広げていくということですが、まず直近の改正のときに、そもそもは基本的には同一の企業で継続雇用という形だった枠組みを、一定の資本関係がある、例えばグループ企業を含めるような形で特殊関係事業主と位置づけて、その受け皿として選択肢が広がったという経緯がございます。

 そういった中で仕事そのものをどういう形で定年後続けていくのかといったことを考えたときに、他の仕事に移ることの可能性なり頻度については、他の年齢層よりも少ないことは一般的に言える話であります。今後、高齢層の方々も企業が一層活用していく場合に、その対応として職域拡大が2004年改正からずっと言われてきています。

 いまだにアンケート等を見ておりますと、やはり定年時の仕事を引き続きしていきたいという方の割合が相当数を占める状況がありますので、今後もそういう課題を引きずりながら、でも一方で高齢者の方々の培った能力なり経験を生かしていくことが求められています。やはり9条1項でカバーされている場合だけではなく、他社、前回は取引先ということを申し上げましたけれども、そういういろいろな選択肢も含めて、より働いていただく環境づくりのためには対象を広げたほうがいいのではないかという趣旨で発言したまででございます。

○岩村部会長 では、八野委員どうぞ。

○八野委員 今の御発言なのですが、特殊関係事業主の概念をここで改めて言う必要はないと思いますけれども、特殊関係事業主とされるのは、子会社であるとか、財務、営業、事業方針の決定に重要な影響を与えられる会社となっていますが、第一義的には高齢者の雇用確保の責任というのは労働者を雇ってきた事業主が行うべきであると考えます。

 特殊関係事業主であっても、今、さまざまな事業環境の変化で、先ほどあったM&Aの問題であるとか倒産であるとか、そういうところもあって、やはり特殊関係事業主が継続雇用した労働者について、65歳まで安定した雇用確保の義務を果たそうとしても、雇用がきちんと確保されないさまざまなケースが出てくることが想定されます。今、特殊事業主で再雇用された高齢者も特例の対象とすべきという御発言がありましたけれども、基本的なベースをどこに置くのかというのも、もう一度この場できちんと議論すべきだろうと思っています。

○岩村部会長 では、小林委員どうぞ。

○小林委員 定年後、退職された会社で継続雇用されている方も多くいらっしゃいます。それと今、特殊関係の子会社で継続雇用されているケースもあると思います。ただ、私どもの会員のいろいろな中小企業を見ていますと、正直な話、60歳を機に取引先である大手企業から来られる方がすごく多いのです。いろいろな紹介をされて御本人が最終的に大企業でのいろいろな条件に合わない、もしくはその関連会社の条件と合わないということで取引先で面倒見てということで、大企業の取引先から中小企業のほうに受け入れてもらえないかということで、本当に60歳を機に来られる方はすごく多いのです。

 そういう方々は優秀な方でもありますし、中小企業にとってもある意味の高齢者の活用という意味で、優秀な人材として勤めていただくというケースが多いわけですけれども、先ほど市瀬委員からもお話がありましたけれども、自社でも60歳を迎える方がいらっしゃるわけです。それと新たに定年後に来られる方がいらっしゃる。同じ高齢者なのです。無期でずっと雇っていた方が継続雇用ということで有期になって、それで今回できるのかわからないですけれども、特例の制度が適用される。一方、その特例がなく、無期に転換することが本当にいいのかどうなのかというのも含めて、ちょっと広い範囲でものを見ていただけるとありがたいということでございます。

○岩村部会長 八野委員どうぞ。

○八野委員 これはもともとの議論になると思うのですが、先ほど労働側の新谷委員が言ったように、希望者全員の65歳までの雇用を確実に確保した上で、ということが非常に重要になってくると思っています。やはり特例を設けるということを考えた場合に、どこであれば安心して、安定した雇用が継続できるのか。それはもちろん移ったところでもきちんと経営がされているとか、または先ほどの御発言のように職務の開発も進むことももちろん考えられますが、安定した雇用を前提としていくことを考えたときに、例えば特例を入れた場合にどこまでがきちんと守れる範囲なのかという観点から意見を言わせていただきました。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 高齢者のところはなかなか議論が尽きないようでございますが、きょうはまだほかに論点の案で御議論いただかなければいけないところが残っておりますので、あと新谷委員に一言御発言いただいた後、バランスをとって遠藤委員に御発言いただいた後、残る議論については次回が用意されておりますので、そこで続けて御議論いただければと思います。

 それでは、まず新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今、使用者側委員から、特殊関係事業主という、まさしく高齢法上の用語の定義が出てきたわけであります。それに加えて取引先という全く第三者的な当事者が登場してきたわけでありますけれども、やはり今回の論議は労働契約法の特例措置を考えているわけであり、労働契約法は御存じのとおり、当事者たる使用者は1つしかありませんから、もしそれを他社まで広げるとなると、多分、法人格否認の法理か何か使って広げていくことになるのではないかと思うのです。

 ここで特殊関係事業主が労働契約法の特例扱いの範囲として出てくることに対しては、私どもとしては非常に違和感を覚えるところですし、とてもではないけれども、取引先など全然考えられないということであります。

 今、小林委員から、大手の企業から高齢者の方が移ってこられるという実態のお話がありましたけれども、本当にそれが実質的な支配力の及ぶ関係でないところに行かれる方もいるわけです。これまで取引をしていたけれども、例えば突然取引先との取引がなくなって、高齢者だけがその取引先に残されてしまったケースで、非常に居づらいというケースも、私どもよく耳にするわけなのです。大変御苦労されているという実態はよくわかります。会社も御苦労されているし、もちろん労働者の方も御苦労されているというのもわかりますが、これは少なくとも労働契約法上の責任、権利関係の当事者である使用者に限定して考えるべきというのが大原則であるということは改めて申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 それでは、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 一言ということなので、手短に申し上げさせていただきます。

 扱うのが一般労働者の中の高齢者でありますので、私どもは高齢者としての特殊性、働き方を見た上で特例措置の対象にすべきだということを申し上げております。先ほど来、関係事業主についての御発言がありましたが、この特殊関係事業主というのは、御案内のとおり9条1項の趣旨をたがえることなく、その枠組みの中で9条2項として添えられたものです。それなのに特殊関係事業主を同一事業主ではないのだからという理由で、異なる取り扱いをするということ自体に私どもは同意はできないということだけ申し上げておきます。

○岩村部会長 なかなか議論が尽きませんので、先ほど申し上げましたようにこの続きは次回またしていただくということにさせていただきたいと思います。

 それでは、論点(案)の2ページ目に移りまして、労働契約が適切に行われるための必要な措置に入りたいと思います。先ほど事務局から説明がありましたように○、アスタリスクという形で論点(案)を示させていただいているところでございますので、これについての御意見あるいは御質問をいただければと思います。

 山川委員どうぞ。

○山川委員 済みません、今日ちょっと途中で退席しなければいけないので、早目にということでアスタリスクがございますけれども、この2つそれぞれ別の観点かと思います。

 つまり、一種の行政のかかわる仕組みが上のアスタリスクで、下のほうのアスタリスクはどちらかというと当事者間ということであろうかと思います。どちらも重要かと思いますけれども、当事者間につきましては、特に紛争の防止ということで、特例ということですから、特例が適用されるかどうかについて、あるいはその内容について明確にしたほうが労使双方にとっても有益ではなかろうかと思いますので、こうした目地ということは考えてよろしいのではないかと思っております。

 とりあえず以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、ほかにいかがでしょうか。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今、山川先生も御指摘をされた最初のアスタリスクについては、私もちょっとよくわかりません。ここに、各事業主による適切な雇用管理が行われると書かれているのですけれども、これは具体的にどういうことをイメージして書かれているのか、中身を教えていただきたいと思います。

○岩村部会長 これは事務局へのお尋ねだと思います。

 村山課長、お願いします。

○村山労働条件政策課長 ただいま御質問の事業主による適切な雇用管理ですが、そもそもの目的で本日も議論を深めていただき、改めてその意義づけを労使で共有していただければありがたいと思っていますが、このペーパーでいうと最初の1の○の2つ目のポツ、先ほど分科会長からも労使双方の意見を聞いていると、特別な法律の中でそれぞれ異なる性格はあるけれども、能力の有効な発揮という観点からつ一つのブリッジをかけるような趣旨、目的の中で立法あるいは法令のまとまりを考えていけるのではないかというインディケーションがございました。

 その場合に、もちろん高度専門職の方々は高度な専門的な知識、経験、技術等を持っていらっしゃる方です。あるいはまた高齢者の方々は長年にわたって培われてきたノウハウ、職業能力を積み上げられている方々ですので、いずれも能力自体はあるわけですが、一方で、そうした職業能力が十分に発揮されるためには事業主による適切な雇用管理が行われている必要があると思います。こうした法目的と合ったものとして一定の雇用管理上の措置が講じられると認められれば、その場合について労働契約法の特例を設けるとういことです。ある意味で、それは少し保護の観点から懸念はあるかもしれませんけれども、先ほどのバランスでそれを払拭する適切な雇用管理とそれぞれの適性に応じた対応によって、能力発揮につながるということであれば、特例として考えられるのではないか、そういう考えがございました。

 その際に今、新谷委員から御指摘いただいた部分の後段には、その場合の行政のかかわり方についてどう考えるかということも書いております。

 具体的には、先ほど借地借家法についてマンション建替え円滑化法の特例がどのように講じられていかということも申しましたけれども、何らか一定の規矩準縄があって、それに基づく判断として一定のラインを満たすものについて特例が講じられるというのは、まさにある程度限定されたところに、しかし、能力発揮という趣旨目的がしっかり発揮されるような形で特例措置が講じられる形が考えられるのではないかということです。この文章自体そういう考えをたたき台的に提示するものです。

 具体的に、労働分野の立法例で申しますと、例えば中小企業労働力確保法や、介護労働者雇用管理改善法など、さまざまな法律の中に厚生労働大臣等が定める基本的な法目的を具体化した雇用管理に関する基本的な方針や指針があって、それについて事業主がつくられる計画がそれに則して認定されれば、一定の法律効果が発揮されるという例があります。

 中小労確法でいえば、例えば中小企業団体等が講じる一定の雇用管理に関する集団的取組みが一定のラインを満たすものについては、職業安定法上の委託募集の規制が緩和されるというスキームもあったかと思いますが、例えばそういった大枠あるいはまた行政のかかわり方が考えられるかと思います。これは一例ですので、もっとほかの枠組みがあるかもしれません。本日は労使に御意志幅寄せをしていただいていると思いますので、その中で労使の御議論もいただきたいと思っております。

 よろしくお願い申し上げます。

○岩村部会長 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 冒頭に申し上げたように、労働契約法の民事法規としての性格と御提起をいただいている内容は非常に重要であると思っていまして、全ての労働契約に適用されるものの適用除外ということ以上に、この純粋な民事法規に行政がかかわってくる仕組みが入ってくることに、ものすごく違和感があるわけです。

 この民事ルールは、国会で決められた法律によって契約上の権利と義務が確定されて、紛争が起こったときには司法判断がなされていくという仕組みでつくられている法体系であるという理解なのですけれども、ここに行政の関与が入ってくるといったときに、どのように実効性が確保されるのか、紛争解決なり訴訟や司法判断との関係がどういうふうになってくるのかというところがちょっと見えないのです。

 公益の先生方のテキストを読んでも、こういうクロスオーバーしたものが、先ほど例として御説明がありましたように、民事法規で修正をかけるというのはあると思うのですけれども、民事法規を行政関与の中で修正かけていくというロジックは、本当に余り見たことがないと思います。

 今日お示しいただいているように、確かにこの前の改正労働契約法の中でも省令委任事項として行政に振った部分がありますけれども、それ自体にも違和感を持っていますし、さらにここで、特例措置の扱いに行政が関与することに対しては、紛争解決のシステムも含めてどういうシステムになるのかということの整理が必要だと思いますので、もう少し資料を出していただきたいと思います。ただ、我々としては行政の関与については非常に違和感があり、民事法規は民事法規の枠組の中で解決する仕組みで完結するべきであると思っていますので、改めて申し上げておきたいと思います。

 また、2つ目のアスタリスクに記載されている労働条件の明示については、先ほど山川先生も整理をしていただいたように、これは個人と個人との関係でやることなのですけれども、紛争が起こった場合、さきほどの行政の関与とも関係するのですけれども、特例が特例として適用できなくなったケースでは、どういう効果を持たせるのか。当然ですけれども、これは初めからなかったものとして取り消しをするという形になって、もともとの労働契約上の権利を復活させるということになると思うのですけれども、そういった扱いについてもよくわからないので、整理をしていただきたいと思っています。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 事務局への宿題ということですので、村山課長お願いします。

○村山労働条件政策課長 今、分科会長からございましたように宿題ということでございますので、次回までにどのように整理できるかよく考えたいと思います。

 その上で、最初の御指摘の点ですが、先ほど来、資料に基づかずに説明しているので申し訳なかったと思いますが、申しました借地借家法とマンション建替え円滑化法の例も、民事ルールについて、行政が定めている基準としての、国土交通省令に則した計画になっているかどうかの認定行為を市町村が行って、認定された場合に民事の特例効果が発動されることになっているというのが先ほど申し上げた内容ですので、そういったものについて分かりやすく資料として見ていただけるものを考えたいと思っております。

 それともう一つ、新谷委員から山川委員の整理についてのお話がございましたが、この2つのアスタリスクのうち、上のアスタリスクは事業主による雇用管理という、ある意味で会社全体でどんな措置が、それは多くの場合典型的には高齢者であれば高年齢者雇用確保措置がしっかりとられている、あるいは高度の専門職の人の、その方々は能力や技術が非常に交渉上の売りなわけですから、そういったものが陳腐化しないような措置が何らかの形でとられているなど、そういう望ましい措置について労使の意見も伺いながら、ある程度の指針というものを定めていくことも考えられるかと考えているものです。その具体的なイメージは確かに資料をお示ししながら御説明差し上げないと、なかなかお伝えするにも限界があると思いますので、そこは対応したいと思います。

 ただ、その場合の認定というのは、いずれにしても事業主がつくる雇用管理についての計画についての認定であって、新谷委員が最も懸念されており、違和感を覚えておられるのは、それがダイレクトに労働契約に影響することをお考えなのではないか、その御懸念が非常に強くおありなのだと思いました。

 私どもとしては、認定が個別の契約に影響するようなことは基本的に考えていないということです。逆に言えば、そこを考えていないからこそ、最初に山川委員に整理していただきましたように、上のアスタリスクは行政的な関与で、雇用管理全体のこと。個別のコントラクトについては、下のアスタリスクのようにきちんとお互いに入り口のところで認識して、予測可能性を高めつつ紛争を防止していく。その二段の構えということが考えられるのではないかということです。

 いずれにしても、本日の資料では不十分という点は御指摘のとおりですので、次回までにどのような御説明を差し上げることができるか、よく持ち帰って検討してまいりたいと思います。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。

 では、八野委員どうぞ。

○八野委員 今のところと繰り返しになってしまうかもしれませんが、労働契約法自体、今も位置づけを説明していただいたように、労働者と使用者の権利と義務の関係を規律する法律であるということは御承知のとおりということだと思いますが、この議論の中でも労働側としては行政の関与が不要であるということを主張してきたわけです。

 今回、先ほどからも出てきているように、かなりの特殊性を持った対象者になってくるであろうというのが議論の経緯ですので、雇用管理を適切に行うというのが不可欠であると思いますし、契約の中できちんとチェックをしなくてはいけない項目は掲げられると思いますが、特殊な業務に携わる人たちの制度のあり方ということになりますので、人事制度のあり方などについてまで行政が関与する仕組みとすることは適当ではないということを、改めて言わせていただきたいと思います。

 それと同時に、議論の中では高齢者に関する特例ということが挙げられているわけですので、定年後引き続き同一事業主のもとで有期労働契約を反復更新している労働者をもし特例の対象とするということがあれば、これは何度も繰り返して言っていますが、希望者全員が65歳まで安定した雇用ができるようにということが前提となるべきであると考えます。

 特例の対象者に対する雇用の管理ということには、希望者全員65歳まできちんと雇用確保される仕組みが適切に入れられているべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 ほかに。では、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 先ほど来申し上げていることをまた持ち出して申しわけないのですが、65歳までのお話をしているときに希望者全員という直近の改正のくだりを入れておきながら、特殊関係事業主を外していくという理屈立てが私は全く理解できないのです。それを外して論理立てをしている内容について、私だけが理解できていないのかもしれませんが、そこをもう少しお話しいただけますか。

○岩村部会長 また議論の繰り返しになりますので、今日遠藤委員からそういうお尋ねが労側にあったというところで、それは次回に労側からもう一度お答えいただくということにさせていただければと思います。そこは私の方でも記憶をしておきたいと思います。

 ほかはいかがでございましょうか。では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今の民事法規と行政との関与の問題については、先ほど課長からの御答弁があったので、資料を作っていただけると思うのですけれども、労働契約法はあくまでも司法判断をベースとする法律ですから、行政がどこまで関与していくかというときに、個別の契約の中身に立ち入っていくことは避けるべきだと思います。

 行政の関与も、私どもとしては非常に違和感があるところで、行政の関与が何で出てくるのかよくわかりませんけれども、民事法規は民事法規の枠組みの中で処理するべきだと思いますし、もし行政の関与が入ってきたとしても、極力その関与の領域は狭くするべきだと思っています。次回、そういう趣旨に即した資料の御提示をいただきたいと思っています。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 一言私のほうでコメントさせていただきますと、今日の論点ペーパーの2ページの2のポツで挙がっている特例の対象者、労働契約が適切に行われた必要な措置自体は、少なくとも国家戦略特別区域法の附則の2条のところでそもそも入っているものである。そういうこともやれというのが少なくとも法律の命題として存在していて、もし高齢者の部分についてもやるというのであれば、両者をこの措置にかけて行うということになるのだと思います。

 他方で、労働側の御懸念も理解できないわけではありませんけれども、事前の何らかのコントロールをかけないと、最終的には司法の事後的コントロールしかないということになってしまいますので、例えば高度専門職についての特例についても、高齢者の特例についても事後的に司法のコントロールしかないことになってしまいますので、恐らくそれではなかなかこの附則2条が求めている必要な措置の実効性は図れないだろうと思いますし、多分、事前に司法のコントロールを求めることになると、これは司法全体を眺めれば例がないわけではありませんけれども、非常に重たい手続になってしまうだろうということもありますので、その辺のいろいろなことを考慮した上での今日のこの論点の提示として、行政の関与が出てきていると御理解いただけるといいと思いますし、その上で事務局の方で先ほど村山課長がお答えしましたように、資料の方は用意させるということになりますので、労側の方でもその点について御検討いただければと思います。

 ほかはいかがでしょうか。では、遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 先ほどお話の中にありました特例でなかった場合の対応、それを事後的な対応も含めてどのように考えていくかの必要性は私ども理解しております。

 その際、どこまで遡及するかという大変大きな問題がございまして、その場合は直近の契約というのがまずは考えられ得る範囲であって、根っこからという形の議論をもしされるのであれば、そこは使側としてはぜひ慎重な意見を繰り返し申し上げざるを得ないということだけ申し上げておきます。

○岩村部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 よろしければ、3ポツの論点としてその他ということでございまして、これは今日の資料No.1の2ページで、改正労働契約法の運用に当たって、利用可能期間到達前の雇止めの抑制策のあり方について、どのように考えるかということでございますが、これについての御意見あるいは御質問ございましたらお願いしたいと思います。

 では、冨田委員どうぞ。

○冨田委員 ありがとうございます。

 この雇止めの抑制策のあり方につきましては、前回の部会でも申し上げたところではあるのですけれども、やはり無期転換ルールですとか雇止めの法理が、労使を初めとする関係者に十分に周知をされているということが、まずは大前提だと思います。アスタリスクの中にもこの効果的な周知の必要性だとか方法や内容についてどう考えるのかというところが論点で挙げられているかと思うのですけれども、これは事務局の方にお願いなのですが、こうした同じような法令等の周知徹底を図った際に、効果があった方法としてどういったものがあったのかというのを、ぜひ例示でお示しをいただければと思ってございます。

 もう一つ、またどのような方策が考えられるかというのは、私どものアイデアでしかないのですけれども、例えば、今行われているパンフレットを作成するだとかホームページでの周知をするといった方法だけではなく、直接関係者の方に訴求ができるようなセミナーみたいなものを開催するだとか、改正労働契約法施行からもうすぐ1年を迎えるわけですので、そうした際を捉えて改めて周知徹底を図るような方法も考えられてはどうかということを御意見として申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 そのほかはいかがでございましょうか。では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 この論点は対応が難しいと思っておりますが、この問題はこれから発生してくる問題でありまして、労働契約法の見直しが施行後8年後ということになっておりますけれども、それまでに十分論議をしないといけないと思いますし、今回はそのいい機会だと思いますので、労使で知恵を出し合って一定の結論を導き出したいと思っております。

 今日いただいている資料6に現行の雇止め告示の内容が出ております。これは有期契約全てが適用になるわけではなくて、第1条に書いてありますように、3回以上更新するかまたは1年以上継続勤務というのが要件になっておりますし、この雇止め理由の明示のところについても、これは労働者からの申し出となっていると思いますけれども、雇止めは労働者にとって非常に厳しい結果を招来しますので、例えば労働基準法第22条の解雇予告との関係でどう整理していくのかといった論点について、雇止めの防護策を強化するべく、検討していくべきだと思っております。

 以上です。

○岩村部会長 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ただいま労側委員から、告示等の取扱いの強化というご指摘がございました。具体的にどのようなことをイメージされておっしゃっているのか、お伺いしたいと思います。

○岩村部会長 労側、新谷委員何か具体的にイメージお持ちでいらっしゃいますか。

○新谷委員 今ほども触れましたように、今、雇止め予告の対象が限定されてしまっているのです。その限定されている要件を緩和するとか、雇止め理由の明示のところも労働者からの請求がないと明示をしないことになっているのですけれども、その取扱いをもう少し強化できないのかといったところについて検討がなされたらどうかということを提起しているわけであります。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 請求があったときにということについてでありますけれども、これは請求がないときにでも提示をする趣旨でおっしゃっているのでしょうか。

○岩村部会長 新谷委員どうでしょう。

○新谷委員 その整理は難しいのですけれども、労働者にとって不利益をもたらすことがあってはならないと思っておりますので、それとの整合性をどう捉えるかとか、あとは今おっしゃったような、有期ではない方について、解雇理由の明示との関係でこれをどう整理するかということも課題としては残っているということは認識しております。

 本来であれば、私どもとしては先ほど申し上げたように、労働基準法第22条のように雇止め予告を法律で義務化して、それがない場合については手当を支払ってほしいというぐらいまで本当は思っているのですけれども、今回非常に短い期間での検討ということで、そういった抜本的な法改正、強化は非常に難しいという現実的な判断の中で、この告示の扱いを強化できないかということを提起申し上げているということであります。

 以上です。

○岩村部会長 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 今回での議論ではないということでのお話でありましたけれども、私どもとしてはこの有期の雇止めの取扱いと無期社員の解雇のときの取扱いを厳格に法的に違うことだと思っております。その扱いを変えることは相当大きな改正につながる議論であり、慎重であるべきと考えます。その点についての懸念をもっているということだけお伝えしたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「なし」と声あり)

○岩村部会長 それでは、全体を通じまして何か今日議論したこの論点(案)につきまして、あるいは全体の議論を通してみてということで、何か追加的に御意見等ありましたらと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「なし」と声あり)

○岩村部会長 ありがとうございます。

 そうしますと、本日のこの合同部会における議論におきましては、有期の特例に関しての論点全体についての一通りの議論を行っていただいたと思います。さまざまな御議論を頂戴しましたけれども、私の今日の感じといたしましては、総論の部分、つまり有期雇用の特例の趣旨と目的のところ、それから、高度専門労働者の対象とその効果というところ、そして、労働契約が適切に行われるために必要な措置の部分、それから、今、御議論いただいていた利用可能期間到達前の雇止めの抑制策については、細かく見ていきますともちろん労使の御意見に違いはあるかと思いますけれども、ある程度共通の方向性は見えてきているのではないかと思いました。

 他方、高齢者については特例の対象とか効果あるいは高齢者雇用に関する特例に関係する検討課題については、労使の御意見がかなり違うという部分もございましたので、先ほども申し上げたように、次回の特別部会、この合同部会で引き続いて議論をしていただきたいと存じます。

 もう既に先ほど幾つか事務局に資料を用意してほしいという御要望もございましたけれども、それもあわせて今日いただいた御意見に基づいて論点をさらに整理していただき、また、必要な資料も御要望があったもの以外についても必要があれば用意していただきたいと事務局の方にお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、次回の日程につきまして事務局から説明をお願いしたいと思います。

○大隈労働条件政策推進官 次回の特別部会ですが、週明けになりますが、2月3日月曜日1815分から2015分、厚生労働省専用第14会議室、22階になりますが、こちらで開催の予定でございます。

○岩村部会長 今日の開催で、週明けまたすぐという非常に短期の中で労使の委員の皆様にはまた御検討いただかなければいけない。また、開催そのものも実はその前にさる分科会があるのに引き続いてというスケジュールで、何人かの委員の方には連続で御出席いただくということになりますし、また、夜の開催ということで大変御面倒をおかけしますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

 最後に議事録の署名でございますけれども、今回のこの合同部会につきましては、労働者代表は新谷委員に、使用者代表の方は小林委員にお願いしたいと思います。

 それでは、第3回有期雇用特別部会及び第2回高年齢者有期雇用特別部会をこれで終了したいと思います。

 どうも今日はお忙しい中、ありがとうございました。

 

 


(了)

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