ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 東日本大震災アスベスト対策合同会議(東日本大震災の復旧工事に係るアスベスト対策検証のための専門家会議)> 第10回東日本大震災アスベスト対策合同会議 議事録(2013年3月14日)




2013年3月14日 第10回東日本大震災アスベスト対策合同会議 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

○日時

平成25年3月14日(木)10:00~12:00


○場所

都道府県会館 101大会議室


○議事

栗林課長補佐

 定刻よりは若干早いのですが、皆様おそろいですので、ただいまから第10回東日本大震災アスベスト対策合同会議を開催いたします。

 まず本日の委員の方々の出席状況でございますが、石川委員、名古屋委員、藤吉委員から御欠席の連絡を受けております。したがいまして、委員12名のうち9名の方に御出席いただいていることを報告いたします。また、青森県、岩手県、宮城県、福島県、栃木県、茨城県、千葉県及び測定機関、研究機関の方々にも専門委員として御出席いただいております。

 議事に入る前に資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元に配布させていただきました議事次第がついている方、議事次第の中段以降に配布資料の一覧を掲載させていただいておりますけれども、環境省の資料1~4、それから参考資料で、一番後ろに宮城県から提出していただいた資料が添付されております。もう一方のクリップ留めは厚生労働省の資料でございまして、資料1~3と参考資料1~3が添付されております。そのほかに、委員の皆様には、机上資料として環境省、厚生労働省からそれぞれ1部ずつ資料を配布させていただいております。こちらの机上資料につきましては、申しわけございませんが、会議終了後回収させていただきたいと思いますので、お帰りの際には机の上に置いてお帰りいただくようお願いいたします。

 なお、カメラ撮りをされていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、カメラ撮りはここまでにさせていただきたいと思いますので、御協力お願いいたします。

 それでは、これ以降の議事進行は神山委員長にお願いいたします。

神山委員長

 おはようございます。年度末のお忙しいところ、委員の皆様には、御出席、ありがとうございます。それから、日々の業務でお忙しいことと思いますが、自治体の皆様方にも、ご出席ありがとうございます。

 一昨日、3月11日でちょうど東日本大震災発生以来2年が経過して、現在の状況がマスコミ等で報道されておりましたが、がれきの処理に関しましても、岩手、宮城、福島の3県で3~5割ぐらい終了したという発表がされておりました。来年度中にはがれきの処理はほぼ終了予定とのことで、この間、被災された方々を初め、復興に携わった方々は、本当に大変な日々だったろうと思っております。

 それから、この合同会議も今回第10回ということで、節目を迎えております。その間にアスベストのモニタリングを鋭意進めて参りましたが、それに携われた測定機関の皆様方は、きょうも御出席いただいておりますけれども、大変なお仕事だったと思っております。特に今回の第8次のモニタリングは、1月、2月の測定で、今年は特に厳しい寒さだったものですから、復興作業に携わっておられる作業者の方はもちろんですけれども、測定等に当たられた方もさぞ大変だったろうと思い、感謝しています。

 そういう第10回のモニタリング結果でございますけれども、委員の皆様方には忌憚のない御意見をいただけたらと思っております。

 それでは、早速ですが議題に入りますが、最初の議題で、「被災地におけるアスベスト大気濃度調査結果について」という環境省からの発表でございます。

 では、よろしくお願いいたします。

 

磯崎係員

 環境省の磯崎です。私から第8次モニタリングの結果について御報告させていただきます。

資料1をごらんください。先ほど委員長からも説明がありましたが、第8次モニタリングは1月から2月にかけて実施しています。調査地点数は、上の表にありますとおり、合計202地点で調査を行っております。以下の表で地点分類ごとに結果を示しておりまして、若干高かった地点が1地点ありますので、その部分だけ説明させていただきたいと思います。

5ページをごらんいただけますでしょうか。5ページの分類(2)丸数字1の05-1、福島県の川俣町で、アスベストの除去工事現場において、集じん・排気装置の前で総繊維数濃度が2.3f/L、位相差/偏光顕微鏡法でアスベストの濃度が2.1f/L計測されております。それほど高い濃度ではないのですが、1f/Lを超えるアスベストが確認されております。

 こちらの地点につきまして、電子顕微鏡法でも確認を行っております。資料1の次に、A4の抜粋版の「アスベスト大気濃度調査(第8次モニタリング)地点一覧表」というのがあるかと思うのですが、一番右の列、「電子顕微鏡法により確認した繊維の割合」の部分にありますとおり、アモサイトが90%確認されております。総繊維数濃度2.3f/Lにかけると偏光顕微鏡法と同じように約2.1f/Lのアスベストが飛散していたということが確認できます。

 この地点の詳細につきましては、委員限りの机上資料ですが、机上資料、環境省、地点05-1という資料を配布しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。

 続きまして、環境省資料2に移りまして、自治体が実施したモニタリングの結果について説明させていただきます。こちらでは岩手県、宮城県、福島県で測定を行っておりまして、それぞれの結果が示されております。

まず岩手県からです。5地点ほど、総繊維数が1f/Lを超える地点が確認されておりまして、アスベスト繊維でアモサイト、トレモライト、その他の繊維という分類がされている部分が5カ所あると思うのですが、その行をごらんいただければと思います。一番上の行で、沼田プラントの総繊維で1.1f/L、アモサイトが8.7%、トレモライト、アクチノライトが4.3%、その他が87%となっております。

 その下に移りまして、陸前高田市立長部小学校で総繊維数が1.3f/L、トレモライト、アクチノライトが12.5%、その他の繊維が87.5%となっております。

 その下に移っていただいて、被災建築物の解体現場でも総繊維数が1f/Lを超えておりまして、総繊維数1.3f/L、トレモライト、アクチノライトが12.5%、その他の繊維が87.5%となっております。

 その下におりていただいて、赤前運動公園で総繊維数濃度が2.5f/L、トレモライト、アクチノライトが18.8%、その他の繊維が81.2%となっております。

 また若干おりていただいて、先ほどと同じ小学校ですけれども、総繊維数が1.3f/L、トレモライト、アクチノライトが14.3%、その他の繊維が85.7%となっております。

 総繊維数で1f/Lを超えた地点が若干見られてはいますが、ほとんどその他の繊維ということで、大きな問題があるという感じではありません。

 次のページに移っていただいて、宮城県の測定結果ですが、宮城県では、市街地、がれき搬入場、解体工事現場で測定を行っておりまして、1f/Lを超えるような高い繊維は確認されておりません。

 5ページに移っていただいて、福島県の毎回行っていただいている定点での測定ですけれども、こちらも1f/Lを超えるような繊維は確認されておりません。

 以上で8次モニタリングに関する説明を終わります。

 

神山委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの第8次モニタリングの結果、それから自治体からのデータに関しまして御質問、御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。

 では、私から。先ほどの電子顕微鏡で測定された05番、福島県川俣町のアスベスト除去工事現場で、2.3f/Lのうちアモサイトが9割ということでした。この測定地点は集じん・排気口前ということですが、この原因としては、集じん装置の不具合が考えられるわけでしょうか。

 

磯崎係員

 若干繊維が高かったのは集じん・排気装置の前だけですので、集じん・排気装置から漏れていたということが考えられます。集じん・排気装置の何らかの不具合によって飛散したと考えております。この点についてはこれまでも何件か確認されておりますので、引き続き対策、周知を図っていかなければいけないと思っております。

 

小坂委員

 岩手県の測定結果で5カ所出ていたのですけれども、内容を見せていただきますと、トレモライト、アクチノライトという同定で、多分、EDX、元素分析の結果から出しておられると思うのですが、トレモライト、アクチノライトの場合、アスベストではない鉱物状のものがありまして、それはSEMでも分別できないのです。ここのところずっと見ていますと、トレモライト、アクチノライトというのがよく出てくるので、今後の課題として、繊維状かどうかということを検証する必要があるのではないかと考えています。

 

神山委員長

 先ほどの岩手県のは全体の総繊維の1割ぐらいがトレモライト—アクチノライト系ということで、これは光学顕微鏡と走査型電顕でアスペクト比が3:1以上の側面が平行になっているようなものをとらえているのだろうと思いますが、おっしゃるように、商業アスベスト由来ではなくて、天然由来の角閃石が劈開で細くなっていったものだろうと思います。ただ、測定のマニュアルはそれをリスクも含めてとらえておくということなので、測定の間違いはないということですね。

 

小坂委員

 確かにマニュアルどおりやればそのとおりになるのですが、もしこのデータが公表されたときに、周辺の方が飛散があったのではないかという御心配をなさるわけで、アスベストかそうでないかというのは、もし判定できるのであれば、しておいた方がいいのではないかということで申し上げました。

 

神山委員長

 ほかにいかがでしょうか。今回の第8次は1月、2月のデータということもありまして、寒い時期で飛散は少し抑えられるということもベースにあるようで、1f/Lを超すデータが若干あったものの、ほとんどは心配になるようなデータではないということです。

 もしほかに御意見がなければ先へ進みたいと思いますが、いかがでしょうか。

 お気づきの点がありましたら、後からでも結構ですので、御意見をいただければと思います。

次に第2番目の議題で、「第9次モニタリングの実施について」ということで、次回のモニタリングの予定について、事務局から説明をお願いいたします。

 

磯崎係員

 それでは、環境省資料3に基づきまして、第9次モニタリングについて説明させていただきたいと思います。

 こちらの一番上にありますとおり、第9次モニタリングは4、5、6月の3カ月間にわたって行う予定です。この実施マニュアルにつきまして、また年度が新たになるということで、簡単に説明させていただきたいと思います。

 まず3.測定地点についてですが、被災した住民へのばく露防止と住民が有する不安解消という観点から測定する地点ということで、仮設住宅などと環境省が毎年実施する地点で測定することとしております。

 (2)としまして、アスベストの飛散防止の観点から選定する地点として5地点ほど挙げておりまして、1つ目として、倒壊、半壊又は一部損壊している建築物で、解体・改修中の建物。2つ目として、解体・改修はしていませんが、倒壊、半壊又は一部損壊している建築物の周辺で測定することとしております。3つ目としまして、がれきの集積場、丸数字4として中間処理施設。そしてその他、自治体が測定が必要と判断した地点という分類になっております。

 2ページ目に移っていただきまして、測定する箇所などについてです。

 4.の1-丸数字1、仮設住宅につきましては、敷地境界の2カ所で主風向の風下側で測定することとしております。捕集回数は1日4時間としております。

 1—丸数字2については、岩手県、宮城県、山形県、福島県、における9地点で、定点2カ所または1カ所で測定することとしております。3日間連続で測定しまして、その数値を幾何平均することによって測定値を出すということになっております。

 続きまして、2-丸数字1、倒壊、半壊又は一部損壊している建築物で、現在解体・改修をしている場所につきましては、作業が実施されている直近で多数の人が通行する可能性がある場所、敷地境界でなくてもよいこととしております。その場所で2カ所。そして前室の前、集じん・排気装置の前それぞれで最低1カ所ずつは測定することとしております。

 次のページに移っていただきまして、2-丸数字2、倒壊、半壊又は一部損壊している建築物などで、現在解体などが行われていない場所につきましては、主風向の風下側の2カ所で測定することとしております。

 2-丸数字3に移りまして、がれきの集積場ですが、こちらも同様に風下の2カ所で測定することとしております。

 2-丸数字4の中間処理施設についても同様です。風下側の2地点で測定を行います。

 次のページに移っていただきまして、「6.分析方法について」です。

 基本的には環境省で作成しておりますアスベストモニタリングマニュアル4.0版に従って行うこととしております。

 流れとしましては、(1)、すべての検体につきまして位相差顕微鏡法で総繊維数濃度を確認します。

 (2)に移りまして、その総繊維数濃度が1f/Lを超過した場合については、位相差/偏光顕微鏡法でアスベストの繊維数濃度の確認を行います。

 (3)に移りまして、総繊維数濃度が10f/Lを超えた場合につきましては、電子顕微鏡法によってアスベストの同定を行うこととしております。

 続きまして、(4)、デジタル粉じん計、パーティクルカウンター、リアルタイムモニターによる測定についてという部分ですが、ここは新たに加わった項目です。建築物の解体現場などで別紙マニュアル案に基づき測定を行うこととしております。したがいまして、6ページの別紙に移っていただけますでしょうか。

 来年度の東日本大震災被災地での解体現場でのモニタリングにおいては、デジタル粉じん計、パーティクルカウンター、リアルタイムモニターを使用して測定を行う予定でおります。

 その目的ですけれども、現在、建築物の解体現場で位相差顕微鏡法、電子顕微鏡法によって総繊維数濃度、石綿繊維数濃度を測定しているのですけれども、結果が判明するまでに数時間であったり数日の時間を要するということで、結果が判明した時点ではもう除去作業が終了してしまっているということが散見されております。その点、デジタル粉じん計、パーティクルカウンター、繊維状粒子自動測定機については、存在する粉じんの濃度をリアルタイムに把握することができることから、建築物の解体現場で作業中に石綿の飛散があった場合、それをリアルタイムに測定することができる可能性があると考えられます。今回は、その飛散状況を確認するという目的と、各測定機器のデータを収集するという目的で、この後説明する方法で暫定的に行っていきたいと考えております。

 「2.目的」ですが、こちらは先ほど申し上げたとおり、アスベストの有無を確認するということと、データの収集の2点です。

 「3.測定箇所」ですが、解体現場でセキュリティゾーンの前と集じん・排気装置の排気口の前の2カ所を想定しております。

 「4.測定機器」については、繊維状粒子自動測定機、いわゆるリアルタイムモニターのバックアップフィルターが装着できるもの。2つ目として、パーティクルカウンター、最小粒径が0.5μmで、5μm以上の粒径まで測定範囲があるもの。3つ目として、デジタル粉じん計、0.3μmの標準粒子によって校正されているもの。この3つで測定することとしております。それぞれデータを記録しておく必要がありますので、ロギング機能を有しているものを使用する予定です。

 「5.測定方法」ですが、まず各機器で規定している方法で校正を行うこととしています。その上で、一般環境(バックグラウンド)で30分間測定を行います。

 先ほど申し上げましたが、測定する箇所としては、セキュリティゾーンの前と集じん・排気装置の排気口前を想定しておりまして、集じん・排気装置の排気口前では、排気ダクト内部など、排気口から出る空気が外部の空気をまき上げるなどして何を測定しているかわからないというようなことを避けることを考えております。また、測定に当たっては、吸引風速を排気の風速に近づけて測定することにしております。

 先ほどのバックグラウンドを測定した後、セキュリティゾーン前、集じん・排気装置前に移動しまして、そのような測定方法で、60分間、作業前の測定を行います。その後、除去作業の開始に合わせまして240分間の測定を行うこととしております。

 6.の今回の測定で高濃度が測定された場合の対応についてです。今回の測定においてその判断をする方法ですけれども、除去作業前の濃度が一般環境と比較して著しく高い場合、除去作業中の濃度が一般環境あるいは除去作業前の数値と比較して計測値が大幅に上昇することがあった場合には、直ちに作業主任者に連絡して、また環境省の担当官、自治体にも連絡することとしております。

 また、計測された総繊維数がアスベストかどうかを判別するために、機器に取りつけているバックアップフィルターについて電子顕微鏡法で同定を行うこととしております。

 「9.注意事項」に移りまして、デジタル粉じん計、パーティクルカウンターにつきましては、水蒸気も計測値として表示してしまう場合がありますので、天候について霧などの状況も記録票に記載することとしております。また、スモークテスターなどを使用するとそれもカウントしてしまう可能性がありますので、測定機の近くでは使用しないこととしています。

 また、この測定機器で得られた結果については、アスベストかどうかはすぐには判別できないのですけれども、何か数値が高くなったとすれば、集じん・排気装置や前室などからアスベストを含んだ何かしらの粉じんが出てきているということが想定されますので、高い数値が出た場合には6.の対応をとることとしています。

 ただ、パーティクルカウンターにつきましては、散布された飛散抑制剤などが集じん・排気装置を通過してきて、そのミストを検出してしまうことがあったり、発電機やエンジンからの排気ガスが集じん・排気装置を通過した後に凝縮して、それを検出してしまうという事例が確認されておりますので、実際の作業も考慮して測定値を判別する必要があります。

 デジタル粉じん計、パーティクルカウンター、リアルタイムモニターについてのマニュアルについては以上で、もとの方に移っていただいて、5ページをごらんください。

 「9.測定結果の報告について」ですが、先ほどのとおり、デジタル粉じん計などを用いて測定を行うのですけれども、確定した数値として位相差顕微鏡法の数値、電子顕微鏡法の数値を早く確定させる必要がありますので、位相差顕微鏡法による分析結果は試料捕集後2日以内、位相差/偏光顕微鏡法については環境省の担当官から指示があってから2日以内、電子顕微鏡法については4日以内に環境省担当官に報告することとしております。

 10.に移りまして、総繊維数濃度が10f/Lを超過した場合は、環境省が第1報として所管する自治体に情報を提供することとしています。また、情報提供した自治体に対しては、測定地点周辺の状況を考慮した上で、原因の究明、事業者への散水の実施の指導の実施であったり、周辺住民への情報提供、防じんマスクの着用の普及啓発、その他自治体が必要と考える対応を早急に依頼するということを考えています。

 このように第9次モニタリングを実施することとしておりまして、実際にどこで測定するかということについては、環境省資料4に示しております。上の表、一覧にありますとおり、第9次モニタリングでは合計167地点で測定することとしておりまして、具体的な分類についてはその下の表に示しておりますので、ごらんいただければと思います。

 第9次モニタリング実施についての説明は以上です。

 

神山委員長

 ありがとうございました。ただいま説明のありました第9次モニタリングの計画案、それから第9次で新たに測定が試みられるデジタル粉じん計、パーティクルカウンター、ファイバーエアロゾルモニターの並行測定に関して御意見あるいはコメント等ありましたら、よろしくお願いいたします。

 このパーティクルカウンター等の3機種は並行して測定するわけですね。

 

磯崎係員

 はい、並行して測定します。

 

神山委員長

 測定地点は、第8次は資料1の右上にありますように202地点でしたけれども、第9次では35地点、1割5分ぐらい減るということです。

 このほかの各自治体の方は、従来どおりの予定になっているのでしょうか。

 

磯崎係員

 各自治体でも引き続き測定を行っていくかどうかということですね。

 

神山委員長

 ええ、従来と余り変わりなくやっていただけるのでしょうか。

 

磯崎係員

 それについては、各自治体から発言していただいた方がいいかと思います。

 

神山委員長

 もし変化があるようなところがあれば御発言いただければと思うのですけれども。従来どおりであれば結構です。

 

岩手県

 岩手県では、引き続き来年度も測定していきます。

 

神山委員長

 宮城県は一番がれき処理が進んでいて、やはりモニタリングは従来どおりということですか。

 

宮城県

 はい。

 

神山委員長

 何か他にコメントはありますでしょうか。

 

小坂委員

 デジタル粉じん計等による測定についての件ですけれども、機器の特性を十分活用して利用することが必要だと思うのですが、3つの機種はそれぞれ、リアルタイムモニターの場合、建前上は繊維状のものを測定するということで、その精度があればアスベスト測定装置として使うことができるかと思うのですが、その精度そのものについては、学術的な検証がなされていないという意味で私は疑問を持っております。ほかの2つのデジタル粉じん計とパーティクルカウンターについてですが、これは粒子を測定しますから、繊維状のものと区別できないわけです。私も前から、集じん機の漏洩についての指標として、パーティクルカウンターの、デジタル粉じん計でもいいのですが、光散乱の測定装置でやることは意味があると言っていたのですけれども、それは、本来HEPAフィルターを通った空気はクリーンエアですから、粒子が出てきてはいけないわけです。ですから、パーティクルカウンターなりデジタル粉じん計で、若干バックグラウンドの数十とかそれぐらいの値は出ますけれども、ほとんどゼロであると。ところが、漏洩があると一気にはね上がりますから、2万とか、3桁、4桁上がるわけです。それで何か漏洩している、HEPAフィルターから出てくる空気がおかしいということがわかるので、漏洩があるのではないかという判断ができるわけですけれども、人の出入りするセキュリティの出入り口に関しては、これは解体工事現場ですからさまざまな作業があるので、粒子そのものの濃度が非常に高い場合もあれば低い場合もあるし、非常にばらつきがあるわけです。ですから、パーティクルカウンターなりデジタル粉じん計ではかっても、何をはかっているのか、一般のほこりをはかっている可能性があるわけですから、濃度が上がったからといって、イコールアスベストの飛散ということには結びつかないので、飛散していないのに飛散していると勘違いしてしまうというような問題が起きてくるので、これは気をつけないといけないと考えています。ですから、この測定をなさるということですけれども、もっと厳密に利用方法を確実なものとして、例えば集じん機出口でやるというようになさった方がいいのではないかと感じています。

 もう一つ、細かい話になりますが、資料の7ページの一番上の方に、この実験をなさるときに等速吸引ということを書かれています。確かに煙道中の煤じんの濃度をはかるときには等速吸引をしなければ正確な濃度が出てこないのですが、この場合は別に濃度をはかるわけではなく、ありかなしかということをはかるわけですから、実験をやるとしたらの話ですけれども、必ずしも等速吸引の必要はないと私は思います。

 もう一つ、パーティクルカウンターを使うときに気をつけなければならないのは、7ページから8ページにわたって書いておられますけれども、粒子の飛散がない、HEPAフィルターが正常に機能している場合でも、パーティクルカウンターではかるとHEPAフィルターの下流で若干濃度が上がることがあるということを私は実際に経験していますし、幾つかの事例をほかの方から聞いています。1つは、除去区域内で飛散防止剤をまいたときに急に上がるというのがあります。もう一つは、養生内で発電機なんかを使うことがあるわけです。被災地ですと、大きな養生をして、中でユンボでがれきを動かしたりということもあるそうで、そういうことをしたときに突然HEPAフィルターの後ろの濃度が上がるという事例も聞きました。いずれも原因はわからないのですけれども、推定ですが、飛散防止剤の場合は内部の湿度が非常に上がりますから、HEPAフィルターでは水分は取れませんので、出てきます。ですから、HEPAフィルターの後ろでかなり湿度が上がって、その周辺で、凝集核というのですが、雨粒の核ですね、そういうものに凝縮するということが比較的起こりやすいので、そういうことが起きているのではないか。ユンボとか発電機の排ガスについては炭化水素がいっぱい出ますが、それはガス状ですので、HEPAフィルターを通って出てくる。出てきた後、凝縮して、粒子化して、パーティクルカウンターに引っかかるというようなことではないかと推定しているのですけれども、HEPAフィルターそのものは正常に作動しているわけで、測定する側からすると、急に上がったからすぐ漏洩とすると勘違いが起きてしまうわけで、その辺は十分気をつけないといけないのではないかと感じています。

 ですから、この実験をなさるのがいいかどうかというのは、私は個人的には疑問を持っていますけれども、もっと実効性のある活用をお考えになればどうかと思います。

 

大森課長

 貴重な御助言をありがとうございます。あくまでもこれは、こういったものが作業状況の確認にどの程度活用可能かということを今回試行的にやってみたいということですので、御助言を踏まえながらやってみたいと思ってございます。ありがとうございました。

 

神山委員長

 いろいろと御意見をありがとうございました。

 この3機種はそれぞれ、特性や測定の対象が違いますので、必ずしも値は一致しないと思います。特に集じん・排気装置の不具合で外に漏洩するという現象が過去に何件か捕捉されていまして、それをできるだけ早めにとらえられないかということで、まずトライしてみようというわけですが、おっしゃるように、物理的あるいは基礎的な積み重ねをどこまでやったのだというようなこともまだ若干残っているのかもしれませんけれども、まずデータを見てということですので、期待したいと思います。特に集じん・排気装置の排気口のところでは、おっしゃるように外気の影響を受けて高くなってしまうこともあり得るので、排気口のダクトの内部にセンサを入れて測定してみるという試みもあるので、三者の比較データを期待しております。

 

小坂委員

 1つ言い忘れたのですが、集じん機の不具合というのは、作業を始めてからチェックするのではなくて、作業前に集じん機が大丈夫かどうかということをチェックすると一番もとを絶てるわけです。ですからむだな漏洩もなくなるということで、私は、パーティクルカウンターを使って、作業を始める前に集じん機を動かして、スモークテストか何かをすれば、HEPAフィルターがずれたりしているかどうかというのはチェックできるわけで、まずそれからやるのが非常に有効ではないかと考えているのですけれども。

 

神山委員長

 その辺はそのとおりだと思います。一般空気で何万カウント、何十万カウントというのが、HEPAフィルターが正常に働いていれば2桁、3桁下がるわけですから、使用前のそういうチェックというのはあり得るのでしょうけれども、今なかなかそれがなされていないという現状もあるようです。その辺に詳しい小西委員、パーティクルカウンターの実際の使い方、今いろいろ御意見が出ているのですけれども、懸念あるいは期待、両面でいいのですけれども、何か御意見がありましたらお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

 

小西委員

 集じん・排気装置のチェックというのは二種類ありまして、定期的に機械をチェックする場合と、当該作業場に設置したときに点検するという2段階があると思うのですが、定期的にチェックするための法律上の制度もありませんので、どの程度のチェックが行われているかわかりませんが、基本的に現場に据えつけをしたときにきちんとチェックすることで漏洩の原因となる機器のひずみや、パッキンの劣化等による漏洩を未然に防止することができると思います。小坂委員が言われたとおりですけれども。もう一つは、作業の途中でフィルターの交換をしたりしたときに再チェックをきちんとやられていないと、漏洩の原因を見逃してしまうおそれがあるということで、今言われたとおり、スモークテスターとかパーティクルカウンターなんかでその場で装置そのものの点検をするという使い方が必要だと思います。きちんと点検しているかどうかというのは、今日の厚生労働省の資料の中にいろいろ書いてあって、また後でそのことは説明があるのではないかと思います。

 

神山委員長

 ありがとうございました。

 厚生労働省の方でもその調査等の資料があると思いますので、パーティクルカウンター等に関しましては、またそのときに議論をしていただければと思います。

 そのほか、第9次の計画案で御質問がなければ、先へ進みたいと思います。

 

小林委員

 この9次のマニュアルですが、これは8次までの分に比べて、(4)以外は修正していない、触っていないのですね。全く同じですね。

 

磯崎係員

 はい、同じです。(4)に、前はリアルタイムモニターと書いてあったので、そこを変えているだけです。

 

小林委員

 わかりました。私がちょっと気になったのは、5ページの「10.高濃度が出た場合の対処方法」ですが、これは将来的に今後のマニュアルになってくる部分だと思うのです。つまり、国と地方自治体との関係というところが。これは文章をもう一度、将来的には、変えろと言うわけではないのですが、少し練っていただいた方がいいと思います。ちょっと文章的に誤解を招きそうな部分がありますので。つまり、出た場合の最終責任を調査した国が持つのか、地方自治体側が持つのか、これはマスメディアに出たときにえらく問題になりますので、それだけぜひお願いしたいのです。というのは、阪神のときに、1回だけなのですが、それが大変問題になったのです。これは情報が問題だったのですけれども、国が調査したデータが府県に流れる前にマスメディアに流れてしまって、地方自治体側が追いかけ回されたということがありましたので、その辺のことをもう少し詳しく書かれた方が後々問題にならないでいいのかなという気がします。これは今後の問題としてお願いします。

 

神山委員長

ありがとうございました。

 何かそれに関してコメントはありますか。

 

大森課長

 御指摘いただいた点につきましては検討させていただきたいと思います。

 

神山委員長

 ほかに御意見はありませんでしょうか。

 それでは、先へ進ませていただきます。3番目ですが、「がれき処理作業等におけるアスベストの気中モニタリング等について」、厚生労働省からの報告になります。事務局から説明をよろしくお願いします。

 

樋口専門官

 厚生労働省の樋口から報告させていただきます。

 厚生労働省の資料は、クリップ留めさせていただいた資料1~3、それから参考資料1~3があります。きょうは12月から2月までの測定結果を御報告させていただきまして、その他、それまでにこちらでやらせていただいた動きについても何点か御報告させていただきます。

 資料1をごらんください。これは、前回12月20日に12月7日までの測定結果を御報告させていただきましたが、それ以降測定したものの結果でございます。繰り返しますが、今年度は全体で100カ所やる予定にしておりまして、そのうち今回は30カ所の分を御報告させていただくところでございます。また、環境省と合同でやっているものにつきましては右側の備考欄にその旨書いておりますので、それとあわせて御参照いただければと思います。

 今回ですけれども、アスベストが10f/Lを超えるような飛散は、がれき処理現場、解体現場で確認されませんでした。

 ただ、総繊維数が100f/Lを超えているところが2カ所ほどありまして、参考で御説明させていただきます。資料1の裏側になります。福島の24番と福島の29番、こちらが一部100f/Lを超えていたということで、状況を簡単に説明させていただきます。

 まず福島の24番については、これは、図面上アスベスト含有とされる天井板の石膏ボードを散水しながら手払い作業をやっていたというものでございます。レベル3ではございますが、隔離して、タイベックス等を着て作業をやっていたということでございます。結果としてはアスベストは確認されていなかったということで、こちらは既に使われなくなった公共施設で、天井にほこり等がたまっていたのが確認されたということで、そのほこりを検出したのか、あるいは石膏ボードのところがだけが削れてたまたま石綿が検出されなかっただけなのか、そこはわかりませんけれども、そういう状況であったということでございます。

 それから、No.29について、これはがれき集積場でございますが、1人の労働者さんのところで一部高い総繊維が確認されたということです。これについては、石膏ボード等を取り扱っていたということで、古くて破れているフレコンバッグから新しいフレコンバッグに移しかえる作業をやっていたということでございます。ただ、こちらは別途トラックがセメントガラを搬入しているときに濃度が高くなったというのも確認されていますので、もしかしたらそのバッググラウンドでの作業の影響かもしれないということで、原因はわかりません。いずれにせよ、検出されたのはアスベストではなくて、石膏またはその他の繊維が確認されたということでございます。

 この3月1日までの結果をもちまして今年度すべての測定が終わりました。

 参考資料1をごらんください。今年度100カ所の取りまとめの結果についても参考としてつけさせていただいているところでございます。この中身については既に第8回、第9回で御報告させていただいているところでございます。

 概要だけお話ししますと、全体では100カ所やっております。内訳的には、岩手が26、宮城が36、福島が30等々です。それから、去年と違いまして、今年はがれきの受け入れ自治体の方にも御協力いただいて、県の名前までは公表させていただいておりませんが、5カ所ほどがれき処理場の測定もさせていただいているところでございます。

 全体で100カ所中10f/Lを超えたものは4カ所ございまして、中身については既に御報告させていただいておりますので、今回改めてお話しはしませんが、いずれも解体現場で飛散が確認されたというものでございます。

 下の方に、簡単にこれまでの対応ということで、もちろん個々の現場につきましては、飛散が確認された後速やかに現場あるいは事業場に話を聞いて、再発防止の御指導をさせていただいておりますけれども、全国的な再発防止ということで、後で御説明する通達等を発出させていただいているところでございます。

 測定結果については以上ですが、続けて幾つか御報告させていただきます。

 厚生労働省資料2をごらんください。こちらにつきましては、第9回の会議で、以前ご視察いただいた石巻のビルの解体工事の関係での再発防止ということで御議論いただいた再発防止案を通達の形にさせていただきまして、全国の都道府県に指示させていただいたものでございます。

 それから、ページが打ってありませんけれども、資料2の3ページ目でございますが、前回、前室の出入りのところでアスベストの飛散があったということで、出入りについてはきちんと洗身していただいて、かつ作業計画の中で、お昼前とかに慌てて皆さんが出ないように洗身の時間をきちんと取るような計画も立ててくださいという注意喚起もこの通達の中でさせていただいているところでございます。

 続きまして、資料3の説明になります。これは、平成25年度、来年度の測定についてということで案をお示ししております。中身については今年度とほぼ同様ございます。

 1点変わったのが、2ページ目でございまして、先ほども環境省さんからのご報告にもございましたけれども、(8)のところでございます。高濃度が確認された場合、高濃度の飛散が推察されるような状況があれば、ちゃんと現場の責任者の方等にその場で情報提供してくださいというのを入れさせていただいています。既に今年度の事業でも、第8回の会議で御指摘いただいた後、運用上やらせていただいておりますけれども、来年はそのあたりも明記してやっていきたいと考えています。

 なお、これは、今国会で議論されている予算要求の中でこういう案でやりたいということで示しております。実際には、予算成立後、その予算に合った形でモニタリングを実施させていただきますけれども、要求上はこういう形でやりたいと考えているということで、御報告させていただいているところでございます。無事予算が通れば、100カ所、今年と同じ数の規模やりたいと考えているところでございます。

 その他、参考資料について幾つか御報告させていただきます。

 参考資料2になります。こちらについては被災地特有の話ではございませんけれども、再生砕石のアスベスト混入という話が数年前に問題になりまして、それ以降、国土交通省が音頭を振って全国的な強化のパトロールをやっております。その中で、自治体等と監督署が合同でパトロール等をやるようなことをやっておりますけれども、その実績の報告になります。概要は資料2のとおりでございますが、大体昨年度と同規模でやらせていただいているところでございまして、その御報告になります。被災地特有の話ではございませんが、参考ということでお示しさせていただいております。

 それから、先ほど小西委員からございました参考資料3の関係で説明させていただいております。第8回、第9回の中でも、若干、口頭ではこういうマニュアル作りの作業をやっているとお話ししておりましたが、昨年の5月に公表させていただいた技術指針、こちらについては技術上の留意事項をまとめさせていただいたものでございますが、これをさらに、現場で実施していただくために具体的にどうしたらいいのかという部分を補足するような資料をつくりたいということで、今年度、委託事業の中でマニュアルをつくらせていただいているところでございます。今のところ案ということでございますが、若干簡単に御説明させていただこうと思います。

 3ページが全体の目次になっておりますけれども、これは技術指針の項目に従って、それぞれ技術指針の中でお願いしている部分について解説をつけ加えるという中身になっておりまして、目次も技術指針の項目に合わせた目次になっています。

 5ページ以降がそれぞれの項目についての、例えば5ページの箱書きに書いてあるのは技術指針の5月に出した、公示されたものをそのまま書いております。それに対して、こういうところに留意してくださいとか、このようにやるのが望ましいですよとか、そういうものをその下の方に書いているということでございます。一般のマニュアルと違って技術指針に特化したものでございますので、届出とかそういう手続のところまでは書いておりませんけれども、技術指針の中の実際の作業での留意すべき事項をまとめさせていただいているところでございます。

 先ほどお話しいただきました集じん機の関係でございますが、36ページあたりにあります。集じん機の保守・点検というのは、もともと技術指針の中で定期的にやってくださいとお願いしているところでございます。その中で、具体的なやり方については36ページ、37ページあたりに記載させていただいています。

 それから、先ほど小西先生がありました日常点検とか定期的な点検の点検表を、大分飛びますけれども、参考で82ページとか83ページにもつけているところでございます。こちらについては、必ずしもこれを使ってくれという形で行政指導するわけではありませんが、こういうものを使って、結果としてはきちんと点検をやっていただくという行為をやっていただければということで、参考につけさせていただいているところでございます。

 このマニュアルについては委託事業ということで、今年度末には私たちの方に正式に報告をいただきますけれども、行政の方で精査させていただいて、できれば4月ごろには厚生労働省のホームページに掲載しようと思います。ただ、これは生きたマニュアルにしたいと思っておりまして、例えばこういう会議で御意見をいただいたこと、あるいはこの会議の場ではなくても結構ですけれども、先生、もしお時間があれば、御一読いただいて、ここはこうした方がいいよとかいう御意見があれば、そういうのも修正しながらどんどんバージョンアップして、より充実したものをつくっていきたいと考えておりますので、また御意見等ありましたら、私の方に言っていただければ、修正してホームページに載せていくというようなことで進めていきたいと思いますので、また御参照いただければと思います。

 最後、お手元に厚生労働省で委員限りということで、被災地でのモニタリング結果の資料というのを参考資料で配らせていただいております。これは、次に宮城県さんからがれき処理の分別の御報告があると思うのですけれども、その関係で、皆さんに御視察いただいた二次仮置き場のがれき処理場での分別作業で濃度測定をやった結果について、参考にお配りさせていただいております。これは第8回で御報告させていただいたものと同じものでございますが、きょうの議論の参考にということで改めてお配りさせていただいているものでございます。

 ちょっと駆け足になりましたけれども、厚生労働省からの報告は以上になります。

 

神山委員長

 ありがとうございました。

 ただいまの厚生労働省からのモニタリングの結果及び計画に関して御意見あるいはコメントがありましたら、よろしくお願いいたします。

 

外山委員

 東京安全センターの外山と申します。

 2点ほどありまして、1点目ですけれども、今、私たちは宮城県を中心に調査等していますけれども、建物解体が大体終了して、がれきの仮置き場あるいはそこから中間処理施設に移行しているという状況だと思うのです。今の樋口さんのお話を聞いて思い出したのですけれども、がれきの仮置き場などでアスベスト含有建材を分けてそれぞれの仮置き場に置かれていると思うのですが、フレコンバッグに入れられたり、あるいはもしかするとレベル1のもので二重のポリ袋に入っているものも一部あるかもしれないのですけれども、大分時間がたっていまして、劣化しているという状況を幾つか確認しているのです。フレコンバッグ移しかえのときに漏洩する可能性はかなり高くて、きちんと湿潤化するなりしないとかなり危険な可能性があるのかなと思いますので、ぜひ次のモニタリングの際に、そういう作業があるという情報を得ながら、そういう危ないところを中心に測定されたらいかがかなと考えております。それが1点目です。

 もう1点目ですけれども、例の石綿の吹付アスベストの不適切な除去工事に関して通達が1月7日付で出されているということですけれども、私たちは去年8月にこれを発見したということで、大変気になっているのですけれども、その後の状況が、がれき、コンクリートガラの中に吹付アスベストの砕けたようなものが散らばっているような状況になっていて、それを回収するような作業になると思うのです。これまでに余り例のない作業ですし、こういう場合にどうするのかという知見という意味も含めて非常に重要な対策工事になってくると思いますので、そのあたりも、できたらでいいのですけれども、どういう工事をする、こうやったらうまくいったということで構いませんので、ぜひそのあたりの情報を開示していただけたらと思います。

 以上です。

 

神山委員長

 ありがとうございました。

 モニタリング結果の中で、フレコンバッグ周辺の測定というのが従来なされていたかどうかわかりませんが、次回そういうのも含めて測定すべきだという御意見でしたけれども、ありがとうございました。それに対して何かありますか。

 

樋口専門官

 個々の現場の選定においては、事前にフレコンバッグが古いかどうかというのはわからないのですけれども、選定の中でそういう現場があったときに注目して、そのあたりの作業をやっている方がいらっしゃれば優先的につけるというようなやり方はできると思います。その辺は運用の中で考えていきたいと思います。

 2点目のその後の処理の関係でございますが、規制当局としてはなかなか個々の工事についてこういう形でやっているというというのは、問題が起きてしまえばもちろん再発防止という観点からいろいろと議論させていただくことは可能かと思いますけれども、なかなかこういう工法でというのをお示しすることはできないと思いますけれども、例えば地元の市とかが公表するようなことがあれば、この会議で参考資料としてお配りするようなことは可能かと思います。ただ、その工法がいいかどうかという部分については、この委員会というよりは、また技術的な検討が必要かと思いますので、それはそれで、もしそういう技術的な検討がなされるなりして、いいものができるなり、あるいは成功事例があれば、今お示ししたマニュアルの中に万が一起きてしまったときの処理みたいな形で書けるのであればいいと思うのですけれども、なかなか一事例でそこまで書くのは難しいかなというのが感触的にあります。

 

小坂委員

 参考資料3についてお聞きしたいのと、意見なのですけれども、39ページの9.に除去工事終了後のことが書かれているのですけれども、海外では、除去工事後の養生内のクリアランスというのですか、完全にきれいになっているかのチェックを実際に測定しているわけですけれども、これは徹底マニュアルと書かれていますので、飛散防止を徹底するにはやはりクリアランス測定ということで確認する必要があるのではないかと考えているのですけれども、それはいかがでしょうか。

 星印で、アモサイト、クロシドライトがクリソタイルより沈降速度が遅いと書いてあるのです。私はこういうのは聞いたことがないのですけれども、学術的根拠はありますか。

 

樋口専門官

 まず測定に関しては、たしかどこかに書いてあったと思うのですけれども、資料2に、隔離養生を解く前に目視で確認いただいて、なおかつ測定が望ましいと書かせていただいて、その関係の記述を、済みません、今すぐ見つからないのですけれども、どこかに書いてあったと思うので、改めて確認しようと思いますが、いずれにせよ、何らかの測定をすることが望ましいということはおっしゃるとおりでございますので、それは書かせていただこうと思います。

 それから、39ページの上の方ですけれども、詳細は書いていただいた御専門の先生に確認しますけれども、たしか環境省さんの研究か何かでこういう知見があると言われていて、そのまま書いていたのですけれども、これが正確な表現かどうかは改めてチェックさせていただこうと思います。

 

小坂委員

 正確ではないのかもしれませんけれども、環境省では大気汚染防止法の改正で解体工事現場の測定の義務化ということも検討なさっていると聞いているのですけれども、そういうことも考えると、養生内のクリアランスについても測定すべきではないかと考えています。

 それから、アスベスト繊維の沈降速度ですけれども、これは種類によって差はないと思うのです。沈降というのは物理的なものですから。一度調べていただければと思います。

 

小西委員

 今の沈降速度の件は、具体的な実験データといいますか報告データがございます。それは、現在のJATI協会の雑誌「せきめん」の中に沈降速度の実験データが報告されおり、その中で角閃石系のものとクリソタイルとは相当沈降時間が違うというデータが具体的に示されています。また、国土交通省の船舶の関係のマニュアルが出ておりますけれども、それに先立って、当時、日本作業環境測定協会に委託があって、いろいろ実験をやりました。その報告書の中でも、沈降速度の違いについてデータをつけて報告されていたと思います。そういうデータを引用されているのだと思います。

 

樋口専門官

 補足ですけれども、参考資料3の41ページ、これは解体の隔離の解除に係る措置のページでございますけれども、そちらで測定を記述させていただいております。具体的な測定のやり方までは書いておりませんけれども、こういう形で測定してほしいということで、2段落目ぐらいに書かせていただいているところです。

 

神山委員長

 ありがとうございました。

 この参考資料3の「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」には、新しい試みも随分入っていますし、先ほど御指摘がありましたように、36ページ、37ページのいろいろな測定機器ですね、パーティクルカウンターとか、現在いろいろ議論になっているようなもの、それから52ページ、53ページあたりもそうですけれども、具体的な使い方等が記載されていまして、先ほどの樋口専門官の話でも、改訂はその都度していくということですけれども、まずはこういうものが提示されたということで、非常に助けになるだろうと思います。

 ぜひご覧いただいて、これに関して御意見等をいただければと思います。

 

小林委員

 このマニュアルですが、拾い読みなのですが、気になりましたのは、濃度が異常に上がったとか、異常値が出た場合の措置に関しては余り書かれていないのですね。今見たら54ページの5.の(3)の丸数字3にちょっとあるのですが、これはちゃんと項目を出して、こういった異常値、これは数値が書いていないのですが、こういう数値になった場合の措置、対応を具体的にどこかにきちんと書かれた方がいいと思うのです。こういう措置をとってくださいということを。特にその場合の地方自治体に対する通報とか、そういうことについても書かれたらどうかと思うのです。そして、そのときに周辺の住民に対してどうするのかですね。その辺がこれは全く書かれていないので、できたらその項目を新たに取り出してお書きいただいたらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

樋口専門官

 そのあたりは60ページの7.に書かせていただいているのですが、この辺をもう少し項目立てして充実するようなイメージということですか。

 

小林委員

 そうしないと気がつかないですよね。

 

樋口専門官

 わかりました。できればこのように直してほしいみたいな案をいただけるとより助かるのですけれども、その辺は考えさせていただきます。

 

神山委員長

 ありがとうございました。

 ほかに、測定結果等についても御意見はありますでしょうか。

 それでは、今の厚生労働省から御説明がありましたが、これからもまたいろいろと御意見を頂戴したいということですので、よろしくお願いいたします。

 それでは、第9次のモニタリング結果ですね、厚生労働省からの説明は以上にしたいと思います。

それでは議題の4、その他ということでございますけれども、事務局の方で準備しましたものとしまして、前回の会議で外山委員からがれき仮置き場でのアスベスト含有建材の分別について、どういう状況になっているのかという質問がありましたので、これに関しまして、宮城県の方から資料が提出されていると思いますので、この説明をお願いできますでしょうか。

 

宮城県

 宮城県震災廃棄物対策課の宮城と申します。よろしくお願いいたします。

 私は今日、環境の担当、普段は大気環境の担当がこちらにお邪魔していると思いますが、私は廃棄物、がれきの処理というところで担当してございます。

先ほど委員長の方からもご挨拶いただきましたが、お陰様で宮城県の沿岸部の二次仮置き場における処理については、宮城県全体としても5割を超えたということで、目標としています26年の3月末までの処理を完了というところについては計画どおりに今の見通しとしてはでございますが、進めるものかと思ってございます。いろいろとご協力ありがとうございます。

昨年は9月に宮城県の石巻の方においでいただきまして、現場を見ていただき、いろいろとご指導いただきまして、ありがとうございます。

まず、資料の方で、環境省資料の一番後ろのところにスライドのようになってございますが、「災害廃棄物処理におけるアスベスト対策」ということで、それに沿って時間をいただきまして、ご説明させていただきたいと思います。

 

神山委員長

カラーのものですね。

 

宮城県

 それで、おいでいただいてご承知のところかとも思いますが、いろいろ施設の場所、位置、検討といたしましては被災、災害以降、被災した市、町のみでは充分に処理ができないと。大量のがれき、さらには津波による混合廃棄物の多さとか、津波堆積の量が本当に多いということから、被災市、町から委託を受けまして、宮城県が沿岸部の4ブロック、8処理区において、現在の処理を進めてございます。

その中で、この石巻というところは牡鹿半島の根っこのところにあります、石巻のブロックでございます。こちらのところでは、石巻市、女川町、それから東松島市というようなところのがれきの処理を県が受託して行っています。さらには、被災市、町においても独自の処理ということで、それぞれができる範囲のものはやっているというようなところで、市、町におきましては、現状一時仮置き場での処理と。さらには、県の方ではそこから二次仮置き場に搬入して、二次仮置き場で処理施設を設けまして、分別、破砕、焼却等の処理を行っているというようなことでございます。

石巻のところの土地の広さは68haくらいございまして、なかなか沿岸部で場所が取れなかったところの中では比較的容易にとれる石巻工業港というところで、県の所有している工業用地として売却予定のところが空いていたということで、そこを使って作業しているということでございます。

こちらの方の廃棄物の量といたしましては、発生量ということで、石巻ブロック全体としては発生量530万トンということでございます。そのうち、県で受託しているのは380万トンくらいの、320万トンですね。受託処理をしていると。その530万トンにつきましても、実際に被災三県、岩手、宮城、福島の中でも一番量の多いがれきを処理しているということです。量からだけで言いますと、福島と岩手を足したものに匹敵するくらいの量がここにあるということでございます。

 スライドの2ページめの仮置き場の状況でございますが、ヤードとしましてはAヤード、Bヤード、Cヤードとございます。ご覧いただいたかとは思うのですけれども、Aヤードとしましては搬入口、それから粗分別や破砕等ですね、そういった作業。それから手選別のライン、それから津波堆積物の土砂の改質現場というのが大きく分けてAヤードではそういった作業をすると。

Bヤードにつきましては、焼却炉ですね。焼却炉が5基ございまして、300トンの炉が5基ございます。それで24時間稼働ということで、1日1500トンの処理能力を有するということでございます。さらに、焼却灰につきましては、リサイクルができるように造粒固化の施設もそこに備えているというようなところです。

Cヤードというところがございますが、Cヤードにつきましては、がれきの処理を開始する前に、そこの土地があったということから、石巻市分のがれきがすでに施設稼働、設置の前にございまして、そちらのがれきをまずそこにどけて処理をするということで、Cヤードにはそこのフレコン詰めにしたがれきが30万トンくらい積まれているというような状況です。

 それからAヤードの隣に茶色いものがございますが、そこは石巻市の一次仮置き場というところでございます。そこも以前見ていただいたと思いますが、隣には石巻市の一次仮置き場があるということでございます。その下のですね、場内における処理フローということでございますが、大きく分けて4つの種類にがれき等を分けてございます。混合廃棄物、ほとんどのものが混合の形でございます。次に津波堆積物、津波の中にはやはりいろいろがれきが混ざっているものも中にございます。それからコンクリートがら、それから木屑というようなものでございます。コンクリートがら、木屑につきましては、極力再利用ということでまわっていくものでございます。やはり混合がれきのところでは、粗選別から粗破砕、破砕、選別ということで、さまざまな工程を経まして、リサイクルできるものを極力そこから出しまして、抜き取りまして、そこで最終的には焼却等の可燃物等で焼却をするというようなところ。それから粗選別のところでは一番の入り口のところでございますが、思いでの品とか有害物、危険物、リサイクル可能物ということを分別すると、選別するということでございます。ここのところでは、津波の影響が大きかったがれきでございますので、何が入っているか分からない。沿岸部につきましては、より工業地帯で倉庫等いろんなところがあった場所でございますので、混合の形の中にはいろいろなものがあるということで、ある程度疑ってかかるものがあるということでございます。

 それで同じように3ページめの上のところをご覧いただきたいと思います。入り口導入部、先ほどの混合廃棄物なりの粗選別、ヤードということでございます。こちらのところで展開して、アスベスト等のものを入り口のところでまず大きく確認するというような場所でございまして、そこでも基本的に測定の頻度も含めまして、ポイントを増やして測定をしているというようなところでございます。この場所についてはそういうところでございまして、その下でございます。

 混合廃棄物につきましては、粗選別ということで、ここでの作業でございます。アスベスト含有の混合の検査として、スレート等のアスベスト含有のおそれのある廃棄物につきましては、仮置き場の搬入後の破砕を行う前に手作業により取り除くという作業につきましては、下に3枚の写真がございます。左のところからでございますが、手作業におきまして、40㎥を展開しまして、その部分を5~6人で20分程度実施すると。危険物等の除去を行うということになってございます。それで疑われるようなものが発見された場合には、フレコンに保管というところで、専用の場所に二重梱包して移すというような措置を行うと。作業員は保護具を着用するというような形で作業を進めてございます。

 さらに次の4ページめでございます。こちらのところにつきましては、手選別のラインでございます。手選別のラインのところには、後でも少しお示ししますが、コンベアのところにファイバーモニタというものですね、設置しまして、手選別のラインに入る前に150本を超えるものが検出されるとそこで止めるというような作業の中でございます。そこの中で作業する方も完全防備でございますが、作業をした中でもアスベスト含有のものがあった場合にはそれを分けるということを行うということでございます。その下のところに具体的なラインの写真等がございます。再検査としまして、コンベアで流れてくる混合廃棄物について、再度手選別によりまして、アスベスト含有の恐れのある建材等を取り除くということで、その写真ものってございます。疑われるものについては、そこで取り除くと。それで暴露防止措置をとると、講じた上で作業に従事するというようなことでございます。

 それから5ページめに入らせていただきまして、モニタリングでございます。モニタリングでございますが、まずは公定分析です。敷地境界につきましては、青い丸のところ、1と2ということで月1回の公定分析、敷地境界、作業環境。1番、2番のところにつきましては、破砕選別ラインの先、手選別の入り口のところとあと下のところには風力選別機等もございますので、風力選別機等、影響を受けやすい場所、そういったところを設定してございまして、そこのところで月1回の測定をするというようなことでやってございます。それで総繊維数の濃度としまして、日常のモニタリングを日1回実施するということで赤い丸のところのポイントで日1回測定をするということでございます。

そして先ほども少しお話しましたけれども、搬送コンベアの常時モニタリングとしまして、2ヶ所にファイバーモニタというようなものを設置しまして、そこで高いものが検出された場合には、コンベアを止めて再度点検するという作業。手選別ラインの手前のところでございまして、手選別に入る直前のところの中に入る前で止まるということにしてございます。

分析結果でございます。これは昨年の9月までのデータしか今は入っていませんが、現在のデータも特に問題のあるデータはないんですけれども、こういった測定のデータ、作業環境につきましては、7月については2.7本というのがありましたけれども、現状では0.5本程度でございます。

 それから敷地境界につきましても、NDから0.46というような数字でございます。

 それから次の6ページめのところでございます。先ほどお話もさせていただきましたが、搬送コンベアの常時モニタリングというところで、繊維状粒子濃度の常時監視に関し、警報が鳴りまして、150本を超えたら警報が鳴りまして、コンベアを停止して原因究明を実施すると。1分以内に止まるというようなことで分別作業に入らない前に止めて、そこで専門の者が点検をするということで、実例が下のところにございます。搬送コンベアのところで止めましたということでそこでその原因を調査するということで、調査結果が1枚の紙にまとまって、この場合には緩衝剤と思われる物質の破砕物が混入したということで実際に測定した結果を添えまして、確認して、それをデータとしてとっておくということでございます。これまでに8回ほど止まってございます。すべて特に問題のあるものは出てございません。

今までにこの中で出ましたアスベスト含有の建材というものが30㎥ほど出ておりまして、それについては専用のところで屋根付きのところで保管して、後は最終処分、管理型の処分場にいくということになるかと思います。そういったことで、現在の石巻のブロックの処理につきましては、そういった対策をとってやっているということをご報告させていただきに参りました。

 

神山委員長

はい。ありがとうございました。大変ご丁寧な説明でよくわかりました。ただいまの宮城県の石巻のヤードでの事例ですけれども、何かご質問等、何かありましたらお願いいたします。

はい、外山委員、どうぞ。

 

外山委員

まず、30㎥ですね。これまでにそこから除去されたということですよね。それは、全体の量というのは何㎥あるいは何トン中30㎥とか、全体に対してどのくらい使いましたか。これはすぐには分かりますかね。

 

宮城県

 今現在で5割進んでいるとしまして、ただ混合がれきの量で石巻分というのが、その数字というのが。

 

外山委員

 検査を通ったものの量ですよね。後でもけっこうです。それは大事だと思います。

 

宮城県

 では後で。

 

外山委員

 あと手選別で取り除いているということですけれども、作業される方が一般の方だとどれを取ったらいいのか分からないと思うのですけれども。そのあたりの教育というか、研修というか、そういうことはどうでしょう。

 

宮城県

 研修も専門の者が研修を行うということで、計画的に決めてやってございます。分別を行う方々にどういったものが該当するのかをとサンプル等を確認しながら、専門的に教育を受けた者がやっているということですが。現場は見ていませんけれども。それを定期的に行っていると確認しております。

さらには各沿岸部、処理区がございます。各JV全体会議とかそういったところでもみなさんで情報共有とか、そういったところで定期的に測っているということでございます。

 

外山委員

 もう一つだけすみません。これは難しいかもしれませんが、精度ですね。取り除いて、おそらくいろんな破片も入っていますから、完全にゼロというのは難しいのかなと思います。廃棄物として出すものの中に、日常的にではなくてもいいですが、定期的に抜き取り検査のような形で一定の量の検査を精密にして、これくらい入っていましたと。ここまで押さえていますというようなことをやられたらどうかと思うのですけれどね。そうすると、今度は逆にけっこう入っているじゃないかと言われてしまうかもしれないですけれど。いろんな方からお話を聞いていると、広域処理の中でそういうことを非常に不安に思っている方もいるので、これくらいに抑えていますよという情報をもし今後発信できたら非常に有効かなと思います。これは提案です。

 

宮城県

 たしかに総量的にどれくらいあるか、それぞれが測っているところで、先ほど、先生がお話いただいたような相場観というのですかね。この中にこれくらいだから、全体としてこれくらい入っているというような含有量みたいなものが分かればということでございまして、検討させていただきたいと思います。

 

神山委員長

ありがとうございました。他にご意見、ご質問ありませんでしょうか。

このヤードは、来年度もし予定どおり処理が終わると全部とっぱらってしまうということですか。

 

宮城県

 計画の中では、来年度、12月末までに処理をすべて完了して残りの三ヶ月で解体、撤去ということで更地に戻す。すべて一応計画の中では、各処理区ともに年度内に全部完了して、撤去ということになっております。

 

神山委員長

 わかりました。他にないようでしたら、それではただいまの宮城県の方からのご報告を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。以上で、本日の事務局の方で用意した1~4まで終わったが、あと事務局で何かありますか。

 それでは以上で、本日の第10回の、はい、どうぞ、外山委員。

 

外山委員

 私たちはNPOということで、被災地にずっとこの間、定期的に入っているんですけれども。いろんなルートから、いくつかのルートから、ある自治体でがれきの仮置き場の周辺での測定で、10f/Lを超えているデータが出ているという話を耳にしまして。調べましたら、やはり議会の議事録の中で昨年の12月にその旨の発言、答弁があったということがありまして。この私たちの会議の中では、仮置き場周辺というのは、ほぼ出ていないところだと思うのですね。そういう場所で、10f/Lはかなり高濃度ですし、測定方法等は分かりませんけれども、自治体さんが独自にやられているということのようなのですね。なので、こちらに必ずしもあがってきていないものだと思うのですけれども。そういった情報がたまたまですけれども、分かってしまったので。何もなければいいのですけれども、これまでの私たちの検討とはだいぶ違ってくるような話にもなりかねないので、もし可能でしたら、そのデータと詳細、分析方法、測定方法、測定点等を可能な限りで検討されたらどうかなというふうに思っております。

 

神山委員長

 その情報は、議会か何かで報告されたのですか。

 

外山委員

 そうです。

 

神山委員長

ではそれは調べることは可能ですね。

 

外山委員

 可能です。

 

神山委員長

 ではそれに関しては、鋭意調べてもらうようにいたしますので、よろしくお願いします。

他に何かご意見ありますでしょうか。

 

中外テクノス株式会社

 中外テクノスの者ですけれども、今、環境基準というのが石綿工場等における敷地境界の10本(f/L)、または作業環境の場合は150本ということで定められているのですけれども、今後、環境基準の見直し的なところのご動向、情報等ありましたら教えていただきたいです。

 

栗林課長補佐

 今おっしゃられた環境基準というのは、今はなくなりましたけれども、石綿製品製造工場の敷地境界における、1ℓあたり10本という基準のことをおっしゃっているのかと思いますけれども、その基準につきましては、今は製造工場がない中ではありますけれども、基準の見直しというのは考えていません。

一方、この場でもご議論いただいている吹付け石綿等が使われている建築物の解体等現場につきましては、今は作業基準のみの規定がございますけれども、今年度開催しました石綿飛散防止専門委員会でご議論いただき、先般答申をいただきましたけれども、その中でも敷地境界等で、大気濃度の測定が必要であろうと。そのためには評価する指標いわゆる基準ですね。そういうことの設定も必要だろうというご意見をとりまとめをいただいておりますので、今後、基準設定、測定方法も含めて検討させていただくということになっております。

 

神山委員長

 他に、まだ時間はありますので、ご意見等ありますでしょうか。

 はい、どうぞ。森永委員。

 

森永委員

 位相差顕微鏡でたくさんの総繊維数濃度が見つかった場合、分析電顕でアスベストであるかそうでないかを調べているわけですけれども、アスベストでないものが見つかったときに、主な非アスベスト繊維は何かということが分かればありがたいし、将来的にも参考になってくるのではないかと思うのです。定量するのは大変だと思うのですね。アスベスト以外の繊維が、どれが何本、何%あったか、というのは非常に大変、作業としても大変だろうと思うのですけれども。主な非アスベスト繊維は何だったかという情報は得られるのでしょうか。

 

神山委員長

 分析走査電顕で詳細なEDXスペクトルも報告されていますから、非アスベスト繊維の種類を想像することは可能だと思いますね。例えば、ガラス繊維かもしれないねとか、有機繊維ではないかとかですね。ただ、想像の域を超えないかもしれませんが。それに、お金も余計かかり。測定報告の詳細を見ますと、例えば石膏繊維とか、ロックウール繊維とか、記載はありますね。既に記載してもらっておりますので、それを整理する意味はありますね。それは事務局の方で心がけて、限られたデータになるかもしれませんけれども、まとめられたらまとめたいということで、考えてみたいと思います。

 はい、小林委員、どうぞ。

 

小林委員

 相当なモニタリング調査がなされたわけで、最終的にいつ終了するかということはあるのでしょうが、できたらその終了時点で、今までのデータを全部集積して整理して報告書にまとめるということを是非お願いをしたいと思うのです。

 実は阪神大震災の時にはいろんなデータをとったのですが、まとめていないのです。

 

神山委員長

阪神大震災の時は、被災からしばらくたってから総繊維だったか減衰していく様子を定点で測定していましたね。あれは県の方で、兵庫県の方でまとめたわけではないのですね。

 

小林委員

 わかりました。私もこの間、環境衛生センターだったか、阪神の時の反省を発表してくれと言われて、データを探して集めたんですね。けっこう散逸しており、古いデータがないのです。

もう一つ問題なのは、パソコンのデータが新しくなってきているから、古いものが全然読めないんですね。昔のフロッピーなんていうのは。

やはり、今回のはそういうことも見た上で、整理したものを使って、整理することを前提に、来年なら来年に、そういうことのためのデータと報告書をまとめるような委員会を作って、将来的に使えるようなまとめをしていただくというのを是非お願いしたいなと思いますね。

 

神山委員長

ありがとうございました。小林委員のおっしゃるように、いろんなところでの測定データが、たぶん兵庫県の研究所の方でも相当鋭意やられたと思うのです。それが一散してしまっているということ、まとめられていなかったということですね。それは貴重なデータだったと思いますけどね。

そういう反省を踏まえて、この膨大なデータは整理した上で保存するようにしたいと思います。他には何かありますでしょうか。

データを詳細にみると、排気口付近が、やや高いなと思われるようなデータがありますので、今後もその辺を特に注目して行く必要があると思います。やはり、除去作業の中で長年使っている負圧除塵装置の不具合というのはやはりかなりあるような感じがしますので。その対策のためにも必要なデータになっていると思います。

それでは以上、本日の予定は終わりましたので、司会進行の方は事務局にお返しいたします。

 

栗林課長補佐

 本日は長時間にわたってご審議いただき、ありがとうございました。

本日の議事録につきましては、各委員にご確認いただいた上で、公開することとさせていただきます。

次回の委員会につきましては、予算の確定状況によりまして、調査の方を実施することになりますけれども、環境省が実施します第9次モニタリングおよび厚生労働省の実施する調査結果のとりまとめ状況も勘案しまして、委員の皆様と日程の調整をさせていただきたいと思っております。

 なお、繰り返しになりますけれども、環境省、それから厚生労働省、それぞれ配付させていただきました机上資料につきましては、座席においてお帰りいただきますようよろしくお願いいたします。

それでは本日の合同会議はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<厚生労働省>

労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 樋口

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