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2013年8月30日 第4回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成25年8月30日(金) 15:30~


○場所

厚生労働省16階専用第17会議室


○議事

○高村化学物質情報管理官 本日はお忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻より少し早いですが、皆様お集まりですので、ただいまより第4回化学物質の健康障害防止措置に係る検討会を開催いたします。本日は、委員の皆様、御出席の予定となっておりますが、先ほど保利委員から、飛行機の遅れにより少し遅れて到着される旨の御連絡を受けております。また、前回と同様にオブザーバーとして、中央労働災害防止協会から東久保様に御出席いただいております。

 本日は、関係業界団体からのヒアリングを予定しており、ヒアリングの際には資料等の御説明を受けることにしております。また、議事録等の作成の際に、録音がうまくいくようにということで、委員の皆様には御発言いただく際にはマイクを引き寄せてお話いただく、若しくはこういう形で持って御発言いただくようお願いいたします。

 座長の菅野先生に議事をお願いしたいと思います。

○菅野座長 初めに、事務局から資料の御確認をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 事務局より資料の説明をいたします。本日、用意しております資料は2つです。机置きの物は3つに分かれております。1つ目ですが、第4回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会議事次第が表紙になっている資料です。もう1つは参考資料のつづり、机置きとしております資料3-1-丸数字1Aです。

 議事次第の裏ページの配布資料一覧に沿って、資料の確認をいたします。資料1から資料4は、議事次第の後ろに全てつづっております。資料1-1として、「健康障害防止措置の検討シート」、これはDDVPに係るもので、1ページからです。資料1-2として、「関係事業者・団体への意見照会結果」、こちらもDDVPに係るもので、11ページからです。資料2-1として、「健康障害防止措置の検討シート、発がんのおそれのある有機溶剤」が15ページからです。資料2-2として、「関係事業者・団体への意見照会結果(発がんのおそれのある有機溶剤)」が25ページからです。資料2-2別紙として、39ページに付けてあります。資料3-1として、今回、関係業界団体ということで、DDVPに係るヒアリングに御出席いただいておりますジクロルボス樹脂蒸散剤普及会からいただいております資料で、41ページからです。資料3-2として、発がんのおそれのある有機溶剤に係る関係業界団体からのヒアリングということで、一般社団法人日本塗料工業会から提出いただいている資料が45ページからということで、資料を用意しております。

 参考資料について、参考1として参集者名簿、特別参集者名簿、今回、関係事業者団体に出席いただいておりますので、そちらの名簿を付けております。参考2-1として、前回、提出した資料ですが、リスク評価書、これはDDVPに係るもので3ページからです。参考2-2として、これも前回、用意しておりますが、「発がんのおそれのある有機溶剤の今後の対応」ということで、41ページからです。参考3-1として、「特定化学物質障害予防規則」を付けております。こちらの特定化学物質障害予防規則については、813日に1,2-ジクロロプロパンを特定化学物質に追加する省令改正を行っており、施行が101日からの予定になっておりますが、その813日公布の改正省令に係る新旧対照条文を参考3-2として101ページに付けております。参考3-3として、「有機溶剤中毒予防規則」が117ページからです。参考4として、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の概要」を付けております。また、机置きの資料として資料3-1-丸数字1のAからDまでが、ジクロルボス樹脂蒸散剤普及会から出していただいている資料です。資料の不足等ありましたらよろしくお願いいたします。

○菅野座長 資料はおそろいでしょうか。議事に入らせていただきます。初めの議題である「ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト(別名DDVP)」の措置の検討に移りたいと思います。まず、関係事業者・団体からのヒアリングを行います。事務局からの御説明をお願いします。

○高村化学物質情報管理官 今回ヒアリングにお呼びしております関係団体の御紹介をさせていただきます。DDVPに係る関係事業者・団体からのヒアリングとして、本日はジクロルボス樹脂蒸散剤普及会から、アース製薬株式会社の岩田様に御出席いただいております。ジクロルボス樹脂蒸散剤普及会は、当該物質を含む樹脂状の蒸散剤等を製造等しているメーカー6社からなる団体ということで、本検討会において措置を検討しているジクロルボスを含む製剤の成型・包装業務については、このうち4社が関係しているとのことで、今回のヒアリングに御参加いただくこととなりました。岩田様、よろしくお願いいたします。

○岩田氏 ただいま御紹介にあずかりました、ジクロルボス樹脂蒸散剤普及会の事務局をやっております、アース製薬の岩田と申します。よろしくお願いいたします。

 先ほど説明がありましたように、今回のDDVPの製剤については、樹脂に練り込んだ製剤ということで、家庭用殺虫剤に使われているもので、今回、対象となっている製造所は4製造所ありますが、その製造所全てが当普及会のメンバーで、そちらを代表して検討シート等の調査票等の提出をさせていただきました。

 今回の検討会に際して、当普及会から資料3-1として、意見を出させていただきました。これについて、簡単に概要を説明いたします。先ほども申し上げましたように、今回の健康障害防止措置の対象となる製造所については、全て当普及会の会員です。普及会は全6社ありまして、そのうちの4(4事業所)が今回の対象となります。それについての調査票は事務局に出させていただいておりますので、そちらは調査票として添付されていると思います。

2番目ですが、DDVPに関しては健康障害防止措置まできておりますので、改めてリスク評価の部分はないとは思っているのですが、一応、参考情報としてコメントさせていただきました。DDVPに関しては、発がん性に関する知見が詳細リスク評価にまとめられてありましたが、その後2000年以降から、EUの後EPAにおいて、再度、発がん性のリスクの評価が見直されておりますので、そちらの情報を参考として添付しました。趣旨としては、同じデータに基づくものなのですが、発がん性に関する疑いはサジェスティブで1段階、ダウングレードされているところもありますので、そちらを踏まえて御考慮いただければと考えております。

3番ですが、「DDVPばく露作業に従事する作業者数」で、基本的にはプラスチックの成型加工ですので、人員自体はそれほど多くありません。4事業所において、1事業所当たり46名、携わっている人数としては20名ということです。そのうち7名が包装後の作業のみに従事していると。要は成型して密封した後の作業のみに従事しているということで、ばく露作業に関与しているのは13名となっております。

 最後に、「ばく露調査時の作業トラブルについて」でコメントしております。これに関しては、DDVPの詳細リスク評価が2011年と2012年、計3回行われました。アース製薬掛川工場で調査をしていただいたのですが、その際に製造所のトラブル、製造ラインがちょっと止まったということで、その結果、濃度がちょっと高くなってしまったというコメントは調査にもあったと思うのです。実際に3回調査があって、2回トラブルかというところもあったので、我々としてもこの辺はきちんと客観的なところを示させていただこうと思って、今回、添付資料として次の資料3-1-丸数字2で付けました。実際に平成231111日において、成型機のトラブルがありました。こちらについては、成型した後、取出しロボットでプレートを取り出すのですが、その際の不具合でトラブルが生じてしまったと。同じような事例がどのぐらいの頻度で起きているのかというのが、下の表の上になります。実際に調査が行われたのが20111111日で、同じようなトラブルは2011年に3回、2012年に2回ということで、発生率は2.32.8%ぐらいです。

2014年の1018日及び19日に連続して調査が行われましたが、この際にも、今度は違う工程なのですが、18日に粉を混合する際に目詰まりがあって、一旦止めたということが起きました。同じような案件を調査した結果が、一番下の表になります。こちらに関しては、混合回数が左に書いてありますが、混合回数に対してトラブル回数としては右のような形になっており、発生率としては1%を切るような形になっており、我々としても3分の2で不具合が起きたということで、社内的にもどうなのかというところはあったのですが、客観的に見てもこのぐらいだったというところで、事実だけをお伝えしておこうかと思って、参考として出させていただきました。以上です。

○菅野座長 ただいまの御意見について、御質問等がありましたらお願いします。

○岡部委員 今のトラブルの対処時にはメガネ、手袋等をされているということだったので、もし分かればで結構なのですが、マスクの種類はお分かりになりますでしょうか。

○岩田氏 すみません。私は工場の人間ではないので、マスクの種類までは分かりません。

○菅野座長 トラブルがあったときの対処にかかる時間はどのぐらいなのでしょうか。

○岩田氏 今回のトラブルに関しては、成型機で約2時間、下の混合機では5分、10分の話だったと聞いております。

○名古屋委員 これは13人がばく露濃度を超えているのですが、2回のトラブルには何人絡んでいるのですか。

○岩田氏 実際は弊社のみですので、4名程度となります。

○名古屋委員 リスク評価の中の2次評価値を超えている人のうちの4名はトラブルだということで、よろしいですか。

○岩田氏 今回の件に関してはそうです。

○名古屋委員 ということは、潜在的にトラブルがなくても、2次評価値は超える作業だと理解してよろしいですか。要するに正常状態の中で、13人、4人ですよね。残り7人は超えているわけだから、そうすると当然、通常状態の作業をしていても、この作業をやっている人たちは、リスク評価の中で2次評価値を超えている集団があるということで、よろしいでしょうか。

○岩田氏 そうですね。

○田中委員 トラブルが起きていない状態、定常作業のときにも、保護具は使用しているのでしょうか。どうでしょうか。

○岩田氏 実際の作業を行っている際は、しております。

○田中委員 マスク、手袋をした上で作業をしているのですね。

○岩田氏 作業においてはですよね。それはしております。

○田中委員 ありがとうございました。

○大前委員 3回調査があって、2回で偶然トラブルがあったという、非常に頻度が高いと思ったのですが、今のお話を伺うと、そんな大した頻度は起きていないということですが、偶然としてはちょっと考えにくいぐらい、良いタイミングで調査がされていますよね。その結果、社内で調べられたら、こういう2%、3%ぐらいのレベルだったということで、本当に偶然、やった日が2回ともトラブったということでよろしいですか。

○岩田氏 はい。これに関しては、事実のみを記載しております。

○大前委員 もう1点は、これはアースの掛川工場のお話だと思うのですが、そのほか3つの会社が同じ物を作られているということなのですが、その辺の状況はどうなのですか。

○岩田氏 トラブルのという意味ですか。

○大前委員 濃度なども含めて情報があれば。

○岩田氏 トラブルに関しては、調査はできておりません。

○大前委員 作業工程から見ると、似たようなことは起きている可能性はあるのですか。

○岩田氏 そうですね。申し訳ありません。私の社内の所しか把握できておりません。

○田中委員 通常の作業で、DDVPそれ自身は液体ですよね、原液といいますか。それを何らか処理することによって、気体の状態で浮遊している。大気中に浮遊しているDDVPは、気体だけと理解してよろしいのでしょうか。

○岩田氏 気体だけ。ミストになっていないかということですか。

○田中委員 ミストでは浮遊していないのでしょうか。

○岩田氏 それはないです。実際はプラスチックの粉との混合になりますので、混合したところにDDVPの原液を投入して、そこで練り上げますので、そこから先にはもう液体とか、噴霧とかいう形にはなりません。そこから先は成型工程のみになります。

○菅野座長 練るというのは、常温でなのでしょうか。

○岩田氏 いや、常温ではないです。一定の温度で。練るときに当然、温度も上がってきますので、管理しながら、タンク内での話です。密閉されたタンクの中で混合されて、練って、最後に成型されるという形です。その間はラインの中といいますか、調合タンクから最後の成型機までは自動化されておりますので、その間、外に出ることはありません。

○菅野座長 そうすると、成型された物は、冷却された後に取り出されるということですか。

○岩田氏 そうです。そこのラインが止まったというのが、今回のトラブルになります。

○田中委員 作業が終了すると、そのタンクを洗浄したりしますか。

○岩田氏 それは当然、医薬品の製造所ですので、その辺はきちんとやっております。

○田中委員 タンクを洗浄するときに保護具をどうしているかというところを、もし分かれば教えていただきたいです。

○岩田氏 今そこまで確認できていませんけれども。

○大前委員 今、液体と混合して練って、板を作るという話でしたが、粉体の中に原液が染み込むというか、乗っかるというか、そういう形になっているわけですよね。そうすると、DDVPが乗っかっている粉体としてのばく露はないのですか。

○岩田氏 ないです。実際は調合タンクの中に粉というか、まずプラスチック樹脂の粉を均一に混合させます。そこにジクロルボスを含む液原料を投入しますので、その間、粉体としてバッと舞うというのはタンクの中での混合になりますので、ジクロルボスを投入するというのはですね。

○大前委員 それから以降の工程でも、粉じんは出てこないですか。

○岩田氏 それはあり得ないです。

○大前委員 今回のこの測定は、これはガスの測定をやられたということですか。

○中央労働災害防止協会 サンプラー自体はガラスフィルターとスチレン系の捕集剤が一体になったものですので、両方サンプリングしております。実際に、今おっしゃったように、お使いになるときには、DDVP液体を樹脂に混ぜる。樹脂に混ぜて混練しておいて、加熱して成型して製品を形作るということですので、粉で混ぜている所は密閉なので、それはスポット測定をやっているのですが、出ておりません。液体を取り扱っている所でも、濃度としては非常に低くて出ておりません。スポット測定の結果から言いますと、加熱する時、した後、蒸散という形で出てきているものについて今回は測定して、濃度が出たのではないかという状況です。

 私はアース製薬に調査に行かせていただいたのですが、保護具につきましては作業者は有機ガス用防毒マスクをされております。手袋もしております。そして、蒸散しているような場所については作業場を区画しておりますので、そこに立ち入ったら全てマスクをする。その区画から出るときは、マスクをせずに作業をしてもいいというルールだったと記憶しております。

○小野委員 今の測定のことで、もう一度確認なのですが、グラスファイバーのほうからは出ていないという。グラスファイバーを付けてXAD2段でサンプリングしていて、グラスファイバーのほう、要するに固体に近い側というか、そちらのほうからは検出されていないということですか。

○中央労働災害防止協会 これもうろ覚えで申し訳ないのですが、ミストとしてはほとんど付いていなかったと記憶しております。

○小野委員 要するにガスのほうだけ注意すればいいということが証拠というか、そういうデータがあるということですね。

○中央労働災害防止協会 確認してみますが、過熱された樹脂が対象でしたので多分そうだったと思います。

○小野委員 分かりました。トラブルのときが粉体移送トランジ詰まりということで、粉体移送の所でトラブルと書かれているのですが、ここの部分は要するに混練された状態でのものということで、このトラブルのときの濃度測定というか、そういうのはなさっているのでしょうか。

○中央労働災害防止協会 そこのところを実際にやっております。粉体供給のところが詰まって、加熱し樹脂として押し出すという所が詰まってしまいましたので、そこのエリア自体が1つの区画としてビニール等で囲われていますので、そこに立ち入ったときに、少し加熱している関係上ばく露が考えられるということで、スポットサンプリングを実施しております。

○小野委員 そのときもガスというか、蒸気の側で検出されているということですか。

○中央労働災害防止協会 と考えています。

○小野委員 分かりました。ありがとうございます。

○名古屋委員 これは平成24年は測定のときにトラブルはなかったのですね。

○中央労働災害防止協会 いや、平成24年がそこが詰まったのです。その前の年は。

○名古屋委員 ここのトラブルは平成21年と平成22年が書いてあって、平成24年は書いてないのです。

○中央労働災害防止協会 平成23年と平成24年にやっているのです。平成24年に2日間連続してやりましたので、それで1日目に粉体供給部署が詰まったということがあったので、詰まった状態でもすぐ復旧したので、そのまま調査を続けて、明日も調査しましょうということで、同じ調査を2日間続けさせていただいたということです。

○名古屋委員 初期リスクのときはトラブルがないんだ。初期リスクというのは、平成22年にやっているときは問題なかった。

○名古屋委員 初期リスクが平成22年ですよね。詳細リスク評価は平成22年、平成24年、2回やっていますよね。

○中央労働災害防止協会 調査開始年度にはアース製薬さんの調査はありませんでした。というのは、アース製薬さんだけ製造工程が他の事業場とは違い射出成型機で加工されていますので、ほかの所はローラーで、加熱して押し出された樹脂を水に通して冷却してローラーで形作るという方法をとっていらっしゃるのですが、アース製薬の場合は射出成型で、そこで型を作って取っているというのが後でわかりました。その後、そういうところも調査しなければいけないというお話をいただき調査したと記憶しております。

○名古屋委員 平成24年の7人のリスク評価を超えているのは、これは全部トラブルのときのデータという形ですか。

○中央労働災害防止協会 そのときは、通常でないトラブルが起こったという御報告があったので。

○名古屋委員 7人とも。

○中央労働災害防止協会 7人ともというか、アース製薬さんの場合、通常起こり得ないトラブルが何回もあって。

○名古屋委員 それは何ですか。

○中央労働災害防止協会 射出成型機の型の合わせがちょっと上手くなかった。

○名古屋委員 そのときは、ばく露測定は何人やっていますか。

○中央労働災害防止協会 あそこは作業者が全員で4人なのですが作業は3人で行っていますので3人実施しています。○名古屋委員 ということは2人は。でも、アースのは全部、ばく露は結構高いところで6人も超えているのですが、4人はトラブルかもしれないけれども、正常状態が2人いるのですが、それは二次評価値を超えていますということですね。

○中央労働災害防止協会 そうです。射出成形機にかかわっていない作業者も詳細リスクをこえています。

○大前委員 今の続きですが、平成22年の初期評価をやったときはアースではなくて、ほかの会社でやられていて、そのときは特にトラブルはなかった。通常の作業状態だったということ。ですが、測定結果を見ると、平成22年ですが、アース以外の会社で3人が2次評価値を超えていたということですね。

○岩田氏 そうです。

○角田化学物質評価室長 冒頭でアース製薬から、最近の外国機関のリスク評価がダウングレードしているので、それを考慮してほしいという旨のお話がありました。リスク評価は既に終了しているのですが、そのときの考え方はIARC及び産衛学会の区分を踏まえて、ヒトに対する発がん性の可能性があるということで、リスク評価を行っていたわけです。この評価の考え方は、後ろの参考資料の中に有害性総合評価表も含めて全部入っておりますが、ヒトでは発がん性の根拠が不十分ですが、ラットやマウスの経口投与試験で発がん性が確認されて、実験動物の証拠が十分であったということを踏まえて、そういう結論をしていたということです。

 今回、御指摘のサジェスティブという、EPAもガイドラインをかなり変えておられて、今は2005年のガイドラインがあったと思いますが、サジェスティブという区分になっているものについては、動物又はヒトで発がん性を示す証拠がありますが、ヒト発がん性を結論付けるには十分でないというものですので、IARC2Bを踏まえたこのリスク評価の結果と大きな齟齬があるとは、事務局としては考えてはおりません。EPAのサジェスティブについては、GHS分類の政府のガイダンスの対応表で見ても、IARC2B相当になっていますので、そういうことを踏まえると、大きな齟齬があるということではないのではないかと考えております。若干補足ですが、以上です。

 

○菅野座長 よろしいですか。どうもありがとうございました。ジクロルボス樹脂蒸散剤普及会からのヒアリングはこれで終了とさせていただきます。

 続きまして、その他の団体からの意見内容と、それらを踏まえた健康障害防止措置の検討シートの更新状況について、事務局から御説明をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 それでは事務局より、その他関係団体からの調査結果と、健康障害防止措置の検討シートについて説明させていただきます。

 まず、DDVPに係る関係団体としまして、家庭用殺虫剤協会へも調査依頼を送付し、御意見を頂くようお願いしていたのですが、こちらの協会の会員の中でDDVPを取り扱っている企業1社については、先ほど御意見を頂きました普及会の会員として調査への回答を行うということで、このほかに聞いた家庭用殺虫剤協会としては「意見なし」との回答を頂いておりますので、御報告させていただきます。

 資料1-2で取りまとめております「関係事業者・団体への意見照会結果」、こちらは、今、御発言を頂いた樹脂蒸散剤普及会のほうから頂いている意見です。簡単に御紹介をさせていただきます。

1つ目、「業界としての取組」として、こちらの普及会においては、この健康障害防止措置に関する取組は、会員各社でされているということで、普及会としての特段の取組はしていないという御回答を頂いております。

2つ目の「健康障害防止措置の導入に当たって考慮が必要な事項」として、作業環境測定結果、健康診断結果の保存について御回答を頂いております。具体的に、今回の措置の検討対象となっている業務を行う製造所は、いずれも医薬品製造業の許可を取得しており、医薬品GMP省令に基づき、業界の自主基準としてこれを遵守し、作業従事者の衛生管理を行っているとのことです。また、作成した記録に関しては、5年間保管をしているという御回答を頂いております。

3つ目の「技術的課題及び措置導入の可能性」ですが、そちらには、ばく露防止措置について御記入いただいております。技術的課題については特段の御記入がありませんでしたが、措置導入の可能性として、作業ばく露量を基準値以下に抑制するため、自主的に措置導入を検討するという御回答を頂いております。

4つ目の「特殊な作業(少量取扱い等リスクが低いと考えられる作業)の概要と意見」ということで、こちらについては特記事項なしということで御回答を頂いております。

5つ目の「作業活動への影響や公正競争の観点からの御意見」ということで、読み上げさせていただきます。「DDVP樹脂蒸散剤は、薬事法に基づき承認された医薬品であり、人の疾病を媒介するハエ・蚊・ゴキブリといった『衛生害虫』の駆除を目的とした、公衆衛生上不可欠な薬剤である。また、今般問題となっているトコジラミの蔓延防止や、ダニが媒介する新しい感染症が発生し、緊急対策が求められているマダニ等の駆除薬剤としても今後期待されているものである。今般、特別規則による規制措置が執り行われ、対応のための設備投資や人件費などの追加投資が過大となれば、事業者数、事業規模も大きくないため、事業活動の継続が難しくなる可能性があり、その結果、薬剤供給の停止、ひいては公衆衛生上の由々しき問題が生じる可能性は否定できない」との記入をいただいております。

12ページです。6番目「事業者の自主的な取組」として、このDDVP製剤の成型加工・包装作業を行っている4社の取組状況について御記入いただいております。作業場の屋外屋内の別ですが、4社全て「屋内」という御回答を頂いております。措置のそれぞれ内容についての取組状況ですが、情報提供については、「表示」が4社中3社、「掲示」が、御回答を頂いた3社のうち2社が措置をされています。文書の交付については、こちらは既に対象物質ですが、4社全て措置をされています。「労働衛生教育」についても、4社全て措置をされています。発散抑制措置については、いずれかが対象になっていますが、「製造工程の密閉化」については、回答を頂いた3社のうちの2社、「局所排気装置の整備」については4社中4社、「プッシュプル型換気装置の整備」については、回答を頂いた2社のうち1社、「全体換気装置の整備」については4社中4社、「局排等適要除外に該当」については1社、御回答を頂いています。

 作業環境の改善ですが、「休憩室の設置」「洗浄設備の整備」については、4社中4社が措置をされています。「設備の改修等作業時の措置」については2社のうち2社が措置をされています。漏洩防止措置ですが、「不浸透性の床の整備」については4社中4社が措置をされている。

 作業管理のところですが、「作業主任者の選任」「適切な容器等の使用と保管」「用後処理」は4社中3社が措置をしています。「作業記録の保存」、こちらは多分5年のことだと思うのですが、それから「立入禁止措置」「飲食等の禁止」「防毒マスクの使用」「防護メガネ、不浸透性手袋」の装着については4社中4社が措置をされています。「送気マスクの使用」については、2社中1社が使用されています。

 作業環境の測定ですが、「実施と記録の保存」をされているのが4社中3社、「結果の評価と保存」をされているのも4社中3社ということで御回答を頂いております。健康診断については、「特殊健康診断の実施」については3社のうち2社、「特定健康診断の実施」については4社中3社が実施してます。

7番の「措置の方針についての意見」ですが、こちらは「特記事項なし」という御回答を頂いております。

8番の「その他の意見」ですが、こちらは先ほどのヒアリングの際に御発言があった内容です。

 続いて、こちらの関係業界団体さんからの意見照会結果に基づいて、資料1-1の検討シートの内容を更新しておりますので、更新した内容について御説明させていただきます。更新していますのは、資料の通し番号の3ページの2「リスク作業の実態」からです。

(1)「主な業界団体等の概要」として、ジクロルボス樹脂蒸散剤普及会、日本家庭用殺虫剤工業会さんのほうに意見照会をしたということで、そちらを記入しております。内容については、今、御説明をさせていただいたものが入っております。

(2)「作業概要及び健康障害防止措置の採用状況」として、作業名、DDVP製剤の成型加工・包装作業ということで、作業の概要として、DDVPと樹脂等を混ぜた製剤を板状に成型加工し、袋詰めする作業です。板状に成型加工する際には、DDVPと樹脂等の混合物を加温するということですので、こちらを入れております。

 また、健康障害防止措置の採用状況としては、先ほど御説明いたしました採用状況をまとめた形で書いております。全体喚気装置・局所排気装置の設置、防毒マスクの使用、保護手袋、防護メガネの着用等について措置がなされているということでまとめております。

(3)「関係業界団体の健康障害防止にかかる取組」として、こちらも先ほど説明した内容を入れております。

(4)「特殊な作業の概要」ということで、特段、調査票には記入しませんでしたが、前回の検討会の際に出していただいた資料の中で書かれていました、一次包装後の小函詰め、外装ケース詰めについて、既にアルミラミネートに密封包装した後に小函等に詰める作業ということで、密封後の作業なので、こちらについては成型・包装の業務外の作業ではないかという御発言がありましたので、そちらを記入しております。

(5)「健康障害防止措置の導入にあたって考慮が必要な事項」として、こちらも先ほど説明した内容を転載しております。

4ページです。3「健康障害防止措置」として、(1)「必要な健康障害防止措置(事務局原案)」ということで、必要な措置の内容について、今回はチェックを入れております。事務局案としては、特定第2類物質かつ特別管理物質として規制措置をすべきという考えの下、こちらに載せている措置については、用後処理のところ以外、全てチェックを付けております。

5ページの(2)「技術的課題及び措置導入の可能性」として、1つ目の「ばく露防止措置」については、普及会から頂いている回答をそのまま入れております。2つ目ですが、前回の議論でもありましたが、成型作業時におけるトラブル発生時のばく露防止措置について、こちらのほうに、ばく露が高いという状況があるということですので、こちらを技術的課題に係る部分として、少し記入しております。技術的課題として事務局として入れさせていただいた内容としては、成型機等のトラブルが発生した場合、機械を開放してトラブル対応せざるを得ない状況があり、密封化ということが困難なのではないかということで、課題として挙げております。

(3)「規制化の必要性」ですが、表の中で、こちらの一番上の文章については、前回も入れさせていただいているところですが、一応読み上げます。「DDVPを製造し、又は取り扱う事業場のうち、成型加工、包装を行う事業場においては、当該物質の蒸気へのばく露がみられることから、作業工程全般に発散抑制措置が必要であるとともに、作業環境の管理のための作業環境測定、特殊健康診断の規制化を検討する必要がある」と事務局としては考えております。

 その上で、その下の表ですが、一番左側の「自主的改善の進捗状況」として、先ほど御紹介させていただいた当該作業をされている4社の取組状況についてまとめた形で書いております。4社中4社が、全てが取組済みと回答のあった内容については「実施済み」、それ以外のものについては「未実施」という形で整理しております。

 右から3つ目の「有害性の程度」ですが、こちらについては、このリスク評価における2次評価値が0.1mg/m3 ということで、 の所で書いておりますように、0.1mg/m3 以上3mg/m3 未満ということで「中程度」ということで入れております。

 また、「用途の広がりの程度」ですが、現在の用途が、農薬での使用がほとんどなくなって、家庭用殺虫剤、文化財用燻蒸剤ということで限定的になっていることから、「限定的」という形で入れております。

 前回提出いたしましたこのシートの資料からの追加に係る説明は以上です。

○管野座長 今の御説明について御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

12ページの自主取組の集計表なのですが、例えば局所排気装置という場合に、何箇所も取り付ける場所があり得るとすると、この4社のうち4社が全て措置をしているという意味は、1つでも局所排気装置を設置したら実施したことになっているのか、あるいは、必要な所全てにしたら実施したことになっているのか、どちらなのでしょうか。

○高村化学物質情報管理官 申し訳ありません。そこまでの確認をしておりませんが、今回の調査対象として、対象業務として成型加工又は包装の業務ということですので、そちらについて措置をされているという回答と、事務局としては理解しております。可能であれば、また別途、質問を業界団体には投げたいと思います。

○管野座長 疑問に思ったのは、局所排気装置は4社のうち4社と。プッシュプル型は2社のうち1社となっていますが、この2社というのは、全部で4社しかないので。

○高村化学物質情報管理官 2社が、その点について御回答いただいたということで、その4社のうち2社は、そこについては御回答いただいていないので。

○管野座長 回答されていないということですよね。

○高村化学物質情報管理官 措置はされていないと考えております。

○管野座長 局所排気装置は付けているけれども、プッシュプルを付けているのは1社ということですが、重複して付けることはないと思いますので、何と言うか、会社の理解として、1台でも付いていれば措置したとお答えになっているのかなという感じがしたものですから。

○高村化学物質情報管理官 その点については、事務局のほうから確認をさせていただきます。

○管野座長 よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。

○大前委員 今の12ページなのですが、作業管理のところで、呼吸用保護具のところで、送気マスクの使用というのが1社あるのですが、送気マスクを付けなくてはいけないほどひどい環境があるということですか。ちょっとこれ、何か間違っている可能性もありますよね。

○名古屋委員 連結管が付いたら送気と思っているのではないですか。

○大前委員 ああ。

○名古屋委員 PAPRのフィルターが面体と離れていて、面体とフィルターを繋いでいる連結管があり、その連結管を送気用の管と見間違えているのではないですか。普通、送気はそう使わないですよね。

○田中委員 ただ、ちょっと気になったのが、タンクを洗浄するというときには、送気マスクがあるとすると、適していると思うのですけれども、それは現場を見ていないので分かりません。

○名古屋委員 作業性がよくないですよね。

○高村化学物質情報管理官 そちらについても、先ほどの確認と同じ形で、事務局のほうからさせていただいて、その上で委員の皆様に御報告させていただきたいと思います。

○管野座長 よろしくお願いします。

○名古屋委員 ついでに、プッシュプルはどこに使っているのか聞いてもらえますか。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○名古屋委員 作業工程のどの工程に使っているのか。局排は全社使っているのだから、多分、成型・包装も使って。プッシュブルはどこに使っているのか聞いてもらっていいですか。

○高村化学物質情報管理官 承知しました。

○大前委員 もう1点確認しておいてほしいのですが、12ページの健康診断のところで、特殊健康診断の実施(独自)とありますので、これは何をやっているのだという項目を確認していただきたい。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○中央労働災害防止協会 今、送気マスクという話が出ましたので、私はその現場を見ていないのですが、報告書のほうで、送気マスクをしていた所が1か所だけありました。使用は、先ほども言いましたように、加熱して樹脂が出てくる。ちょうど、DDVPと樹脂を混ぜて加熱して樹脂が出ていく。大体、樹脂の温度が150℃ぐらいだったと思うのですが、そのくらいに熱して出てくるところで、その樹脂を自分の手で引っ張り出すという作業が1日に1回、15分ぐらいあります。その作業のときに、作業者が15分だけ送気マスクをして引っ張り出して、水の中を通して冷却して成型するという、その引っ張り出すという作業をしていたという報告がございます。私どものやった調査の中で送気マスクをしていた所はそこだけです。

○名古屋委員 使用目的は何ですか。やはり、防ぐためということですか。短い時間の。

○中央労働災害防止協会 だと思うのです。短い時間ですけれども、やはり、その所の中が一番加熱して出てくる場所なので、そういう所では一応、局所排気装置も付いてはいるのですが、その会社の方針として、多分、送気マスクだということになります。

○名古屋委員 水に入れると、多分、温度が高いから、すぐ水蒸気が出てきますよね。でも、測ってみると意外と水蒸気が多くて、濃度は低かったという経験をすることはあるのですが。

○中央労働災害防止協会 あの手の樹脂は、成型するために、冷却の目的で水を通すということをしますので。

○名古屋委員 通しますよね。

○中央労働災害防止協会 はい。そのためです。

○岡部委員 5ページの真ん中辺りの(3)の「規制化の必要性(事務局の提案)」というところなのですが、今、ここを読みますと、いわゆる取扱い事業所のうち、成型加工、包装を行う事業場において蒸気のばく露があるということで、作業工程全般に発散抑制の措置が必要であるとともに、作業管理のための環境測定、健康診断の規制化を検討する必要があると書いてあります。作業工程全般という形になってはいるのですが、多分、今のお話だと、結構、リスクが高い所は意外と限られている気がします。多分これも、エチルベンゼンか何かのときもあったと思うのですが、ある程度、対象とするようなところを決めて、その部分を規制化するという。全般的に、ここを読んでしまうと、作業工程全般に発散抑制措置が必要というふうに見えますので、やはりそこのところは、ポイントを決める形もあると思います。全体的にばく露されるということであれば、当然、全体的にわたっての抑制措置、規制が必要だと思いますけれども、その辺りをよく見ていただければと感じます。

○名古屋委員 成型工程のところで、ばく露は測っているけれどもスポットも測っていますよね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋委員 そうすると、そのスポットのところの高い濃度というのは、作業工程の中で、決まった所が高いのか、そうではなくて、おしなべて同じ形で出てくるのかによって作業工程全部をカバーしなければいけないし、あるいは、作業のところをもう少し要因分析していって、その作業だけ特化して規制をかけてもいいよという話になる。その辺りのスポット測定の関係としてはどうなのですか。

○中央労働災害防止協会 スポット測定の場合は、そのような作業があるときに、その作業者の横の所でどのくらい発生するかという意味で測定させていただいております。通常、どういう所を測定するかというと、そういう発生源、発生するのが一番高そうな所ということです。今回の場合は加熱して出てきていますので、加熱された樹脂が最後まで出てくるところまでを、作業者が直接取り扱う所でスポット測定させていただいております。ですので、加熱成型で出てくる所から、実はローラーで流れてきている途中で製品の抜き取りをする。そのときには、まだ製品は温かい状態で加熱されていますので、その状態でする。それから、ラミネートシールする所、自動シールするのですが、シールされた後も、やはり熱はあるので、一応、そこでも取ってはいるという形でやっております。

 ただ、濃度的には、スポット測定で一番高い濃度が出ているものは、0.40.37というのが一番高い濃度です。時間としては、スポット測定の場合は、410分ぐらいの間です。その間で取った濃度でこれだけですということです。

○大淵有害性調査機関査察官 これは蒸気ですか、ミストですか。

○中央労働災害防止協会 実際サンプリングしていた感覚では蒸気、蒸散している蒸気だなと感じました。

 すみません。今言った0.4という濃度ですが、0.44という濃度は、先ほど言いました送気マスクをされていらっしゃる所が、一番高い数値では0.44でした。

○管野座長 いかがでしょうか。作業を特定できそうな感じでしょうか。

○中央労働災害防止協会 調査を行った場所は、成型からラミネートシールを入れるところまでが、ほぼ1つの作業場のような所ばかりでしたので、作業を区切って他の作業からの影響が無いというような、個人ばく露、サンプリングというのができておりません。ですので、区切るという、作業を限定するということであると、私どもがやったデータからは、そういう作業場であったので、作業分解して、ここはばく露が低いです、ということは、ちょっと言いづらいのではないかと思います。

○管野座長 実質的には、同じ作業場でいろいろな作業がされていると考えたほうがよろしいと。

○中央労働災害防止協会 そうですね。一連の作業が、大体、そういう所でされておりました。

○名古屋委員 高い所でも、作業環境でも0.69とか1.11だから、結構高いですよね。ですからやはり全体ですよね。

○中央労働災害防止協会 という感覚がしております。全ての事業場で局所排気装置は付けています。ただ、そういう蒸散しているラインが長いために、全てを完璧に制御できているかどうかについては、やはり、少し濃度が出ている所がありますので、全体が高くなりやすかったのではないかなという感想は持っております。

○管野座長 ライン全体を囲うようなのは難しいということなのですね。

○中央労働災害防止協会 コストの問題だと思います。技術的には対応は可能だと思いますけれども、コストとの兼ね合いだと思います。

○管野座長 ほかにはよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。ここで、「ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト(別名DDVP)」の措置の検討についての本日の検討は、一応、終わらせていただきます。

 次に、「発がんのおそれのある有機溶剤」の措置の検討に移りたいと思います。まず、関係事業者団体からのヒアリングを行いますが、事務局からの御説明をお願いいたします。

○岸化学物質評価室長補佐 関係団体からのヒアリングについて、まず関係団体は一般社団法人日本塗料工業会です。本日御発言いただきますのは、同工業会の常務理事でいらっしゃいます奴間様です。御発言に際してはお手元の資料3-2の資料も使いますので、併せて御覧ください。それでは、奴間様、よろしくお願いいたします。

○奴間氏 45ページの資料の3-2に基づいて報告をさせていただきます。この度発言の機会を与えていただきましてありがとうございました。私ども一般社団法人日本塗料工業会は、塗料メーカーである正会員は95社、それから、原料メーカーといったところの賛助会員166社から構成されています。日本の塗料の出荷量、90%以上をこの会員で占めています。今回は全会員ではなくて、主要15社からの調査を集約しましたが、この主要15社で全日本の8割程度の生産量となっていますので、大体代表的な所をカバーできているかなと考えております。

 ちょっと本論に入る前にこの調査の背景を述べさせていただきますと、平成16年、大気汚染防止法の大きな改正がありましたが、それ以前からVOCの削減を目指して、「VOC排出の実態推計」、これを毎年公表しています。今回、対象の溶剤を含めて、いわゆるPRTR対象物質の取扱い量、排出量、移動量についても、当初から全会員から毎年データを提出してもらっており、その結果は経産省にも提出しております。また、毎年、年末に会員だけではなくて一般の方を対象に公表しております。

 本日は業界のエゴと言いますか、こういったものを主張するためにやって来たのではありません。あくまでも我々メーカーの実態をよく知っていただきたいなということです。と申しますのは、去年、一昨年にエチルベンゼンの規制の問題がありまして、今年の11日に施行されました。それに際して、エチルベンゼンは単独で流通しているものではなく、工業用キシレンの中に4割ほど入っているわけです。そのエチルベンゼンを含む工業用キシレンを使わない塗料メーカーはないと言ってもいいと思います。そういうことでこの2年間、業界としては非常に関心をもち、施行後もきちんと施行しているのですが、特に去年は、今日も来ていただいております厚生労働省の化学物質対策室様には、2度にわたって講演会、セミナーを開きまして、いずれも超満員で、テレビ会議なども使って普及を行いました。ただ、それをやりましてもなかなか分かりにくいところもありましたので、そういったものを背景として、今回の調査結果が出ております。どういったところが分かりにくいのか、どういったところを強く希望しているのかというところを少しでも知っていただきたくて、ちょっとお時間をいただきます。

46ページの質問の2、事業者の自主的な取組というところで、ここは、大体塗料メーカーの場合には、作業状況の上の段の一番右がタンク内の作業、研究、塗装、洗浄・払拭、合成樹脂製造、製造というのは塗料の製造です。こういったところになります。いずれも見ていただくとお分かりのように、●が現行の法規、有機則等でやらなくてはいけない措置なのですが、こういったものに関しては、全て今回報告をもらったところは実施しております。例えば発散抑制措置の所で「×」あるいは空欄がありますが、これは事業所の規模により、プッシュブルといった大がかりなものを使う必要のない所は局所排気で規制を満たしているという意味です。

47ページも同じように、例えば左側の作業管理では、作業主任者の選任とか、その次の作業環境の測定では、測定の実施と結果の評価、それと健康診断、こういったものについては全て実施しています。

48ページの質問の3は、健康障害防止措置の導入に当たって、考慮していただきたい点を書きましたが、これも皆をまとめようと思いましたけれども、かなり具体的に書いてくれていますのであえてそのまま載せました。例えば1の「規制の範囲、作業場の限定」や9の「ばく露量の明確な数値」等は共通するところがありますが、これも先ほど申しましたように、エチルベンゼン規制は当初船舶塗装等で作業者が高濃度の化学物質にばく露される場合を想定して「屋内塗装に限る」という条件になったと聞いています。しかし、これでは塗料製造時の色確認用の試験塗装、いわゆる検査部門の試験塗装も室内で行いますので含まれてしまうわけです。これはあとでまた出てきますのでそのときにお話しますが、非常に短時間、少量、ばく露リスクも非常に低い状況ですが、これもそういった先ほどの船底の塗装と全く同じように規制されてしまうというのが、ちょっと納得いかない。

 それから、常時扱う所で、例えばエチルベンゼンが施行されて以降、多くのメーカーに実態調査をお願いしています。その1例では、それは書いていませんが、300名規模、塗装に携わる人数が300名ですから、これは大手ですけれども、1か月で1時間未満の塗装をする、塗装が1時間未満というのが大体34%で、80%は1か月でせいぜい7時間半ぐらいといったところです。もちろん局所排気、防毒マスク着用、これは徹底されているというところで、やはりもうちょっとしきい値といいますか、こういったところを考慮していただきたい。

10「作業環境測定の結果による差別化」とありますが、いずれも第一管理区分を達成しているわけです。例え第二になってもただちに原因を究明して第一管理区分にするという努力をずうっと続けているわけです。胆管癌の発生は不幸な出来事ですが、非常に作業環境が悪い所で作業者がばく露したこと、これが主な原因だと思うわけですが、そういった所と同じように見られてしまうのは非常に残念です。13に書きましたように、現在の溶剤の有機則の運用で十分ではないかという意見が多いわけです。

 質問449ページですが、技術的な課題は特に問題ありませんで、ここにプッシュプルや発散抑制装置、呼吸用保護具等とあります。先ほど95社と申しましたが、そのうち90%が中小企業です。したがって、大手は自社の敷地内に従業者が塗れるようなラインをもっていて、そういった所ではプッシュブルの換気装置といったものをやっていますし、規模に適した合理的な方式を採用しています。

 質問の5の特殊な作業ですが、これが先ほど申しました小量扱うようなもので、一番上の塗料製造における試験塗装、これは塗料が規定どおり、規格どおりできたかどうか、最終的に検査部門が判断するわけです。例えばこういった所では、取扱い量は1回にせいぜい100ml程度であり、塗装も11分程度です。作業場所としては、スプレーの場合には屋内の塗装ブース、大きい所ではプッシュブル、あるいは通常は実験室で局所排気設備を使用している所。保護具はもちろん着用する、そういう所で行っているわけです。もう2つ下の試験塗装は、いわゆる私もずっと40年間やってきましたが、技術部門です。開発、技術障害、こういった所では塗装することも多いわけですが、量的には同じように少ない。溶剤の揮発量も非常に少ない所で局所排気装置の下で行っている、そういう実態です。今、お話していますのは、メチルイソブチルケトン、いわゆるMIBKといったものを意識してお話しています。

 下から2つ目の欄は、ポリエステルパテ付け作業です。これは一般的には自動車の板金塗装、凹んだ所を埋めたり均すような所で使うのですが、平均的には1か月の使用量は1人当たり塗料として、パテとして3kgです。スチレンの使用量はそのうち2割含まれていますので、せいぜい1日当たり30gまでです。したがって、こういったところと船の底を塗る高濃度なばく露環境と同じように扱われるのはどうも納得いかないという意見が非常に現場では多いわけです。一番下の試験、検査業務は一番上と同じですので省略いたします。

 次の50ページ、質問6は産業活動への影響、公正競争の観点からの意見です。私どもは先ほど申しましたように、安全環境活動を第一に考えておりまして、作業者の健康安全、お客様の健康安全を第一に考えています。したがってその措置は必要でありますけれども、措置によるコスト増や生産性低下は確実にあるわけです。必要過度なそういった規定、こういったところは考慮していただきたい、考えていただきたいと。本当に健康安全に対して、今の有機則で問題であるということならば、もちろん納得して負担増にも対応すると考えています。要は安全と経済性の両方を考えないと企業としてはやっていけませんので、その辺の意見が非常に強いわけです。

4番目の所に書きましたが、メチルイソブチルケトンは先ほどの、今年特化則になりましたエチルベンゼンを含む、いわゆる工業用キシレン溶剤といったものの強溶剤の代替、弱溶剤と申しますが、いわゆる非芳香族系溶剤、こういったものの代表として使用されているわけです。したがって、汎用品から工業製品まで、路面を除けばほとんど全部の分野で使われています。この代替品は、メチルアミルケトンなどというのがありますが、これも値段が倍になり、国際的にも競争力といったものが落ちてしまいます。

5番目は先ほど申しましたように、今の有機則で発がん性に対する問題点があれば、これは特化則への移行もやむを得ないと思いますが、この辺のところを明確にしていただきたいです。

 それに対する具体的な意見ですが、有害物ばく露作業報告に基づいたリスク評価結果から、対象とする業務なども特定して法制化することを望んでおります。2番のエチルベンゼンの塗装業務でも、規制対象範囲が曖昧であると書きましたのは、失礼な書き方かもしれませんが、例えば、常時取り扱うというところの常時の判断とか、それから先ほど申しました検査工程で用いる量的な問題も、大量にばく露する所と同じように扱われていることに対する疑問点から出たものです。

 ざっと申し上げましたが、私どもの調査結果のところを掻い摘んで報告させていただきました。どうもありがとうございました。

○菅野座長 どうもありがとうございます。ただいまの御報告について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

 御意見の中で、「常時」というのはどのように判断するのかなど、いろいろ御質問があったと思いますけれども、それに対する回答は可能なのでしょうか。

○岸化学物質評価室長補佐 常時性については、特化則、粉塵則のそれぞれに常時性がありますけれども、一般的には常態として、作業をする場合ということで、反対の臨時と相反するものと考えています。つまり、その人本人がその作業本来の作業として、その物質を取り扱う作業があることが想定されているのであれば、それは常時性があると考えられますので、そういう作業があれば常時性ということで考えていただけばよろしいかと思います。

○岡部委員 48ページの質問3で、2つほどお聞きできればと思います。3番の「猶予期間」の所で、「社内整備期間に猶予期間が必要」というのは、大体どれくらいを考えておられるのかが1つです。

 もう1つが、12番の「情報提供掲示」の内容で、「現状、物理的に不可能である」ということなのですが、もう少し不可能である理由等をお聞かせいただければと思います。この2点です。

○奴間氏 「猶予期間」のほうは、私ども実績から考えまして、エチルベンゼンの場合と同じぐらいで問題ないかなと思っています。やると決まったらこれは徹底してやりますので。すみません後半のほうが聞こえませんでした申し訳ありません。

○岡部委員 12番の「情報提供掲示」の所で、内容では「現状、物理的に不可能である」という書き方になっているのですが、もう少し具体的な不可能な理由みたいなものがあればお聞かせいただければと思います。

○奴間氏 これに関しましては、全体の代表ではありませんで、この回答をしてくださった事業所の物理的な事情だということで、あえて先ほど説明はしませんでした。すみません。これは工夫で何とでもなると考えております。

○菅野座長 それでは、12番の「物理的に不可能」というのは削除でよろしいですか。

○奴間氏 はい、削除してください。本当の現状で、今のスペースではということだけです。

○名古屋委員 1点お聞きしたいのですが、多分これからこの物質についてリスク評価をしていって、そしてリスク評価の結果によって、規制対象物質がもしかしたら特化に変わるかもしれないということだと思います。このお願いというのは、現時点でお願いなのか、それともリスク評価にいって、詳細リスク評価にいって規制物質になったときにこういうお願いがあるので、そこを考慮してくださいというお願いですか。どういう目的なのか、ちょっとよく分からないです。

○奴間氏 これは両方あると思うのです。例えばエチルベンゼンが実際に特化則になって、非常に若干混乱もしていました。塗料工業会はそういうわけで安全教育とかそういうのは徹底しているのですが、お客様にはいろいろなお客様がおりますので、それのところの普及だとか広報でかなり苦労した経緯があります。1つは、やはり先ほどの常時性もよく分かるのですが、常時性とばく露量というのですか、取扱い量というのでしょうか、その辺と合わせたリスクというのでしょうか、そこのところがもう少しはっきりならないかなというところだと思うのです。それが本当に、それでも有害性が問題ならば、これはきちんと受け止めようというところです。

○名古屋委員 リスクの場合はどちらかというと報告されたデータの中でコントロールバンディングを行って、一番高い集団を追い掛けていくというシステムにしているので、そこで規制がかかったときに、当然、川下は本来的に対応しなくてはいけないけれども、もともと高い所でやっているので、規制をかけて初めて、あっ、そういう作業があったなということで御迷惑かけているのだと思うのです。

 エチルベンゼンも確かにガソリンスタンドが一番多かったですからガソリンスタンドの調査を実施して、リスクが少ないからやりませんでした、あくまでも製造も大丈夫でしたよ、塗装だけが危なかったので塗装だけリスクをかけると。そういうたまたまリスクはひけるのですが、塗装のところはどうしても出てきたアンケートの中で、高い所をターゲットにしていて、そこで決めてしまったときに、初めて規制をかける網というのはその所と違った所に。ニッケルなどはそうですね。多分そういうことで御迷惑かけているのかなとは思います。できるだけそういうことが汲み取れるような形にしてほしいということですね。

○奴間氏 はい、お願いします。

○菅野座長 有機溶剤に関しては、現実に作業環境測定が行われていると思いますけれども、そういうデータは公開可能なのでしょうか。

○奴間氏 公開可能といいますか、こういう委員会に提出することは可能だと考えますけれども。今も名古屋先生におっしゃっていただいたような、そういったところの判断をする上で必要ならば、これはお出ししなければいけないなと思います。

○名古屋委員 15ページにデータが出ていますけれども、これは結構古いデータなので、現状のところの作業管理区分の中で、従来と同じぐらいの状況にあるのか、あるいはもう少し管理区分がよくなっているのか、そこを知りたいということではないかと思います。

○奴間氏 はい。

○菅野座長 ほかにはいかがでしょうか。それでは、日本塗料工業会からのヒアリングはこれで終了とさせていただきます。

○奴間氏 どうもありがとうございました。

○菅野座長 続きまして、その他の団体からの意見内容と、それを踏まえた健康障害防止措置の検討シートの更新状況について、また事務局から御説明をお願いいたします。

○岸化学物質評価室長補佐 次に、先ほど御発言のありました日本塗料工業会以外の団体からの御意見を御紹介いたします。25ページの資料2-2を御覧ください。関係団体への意見照会については、前回726日に実施された検討会のときに御案内いたしましたが、それ以降81日から実施した所です。関係する59の団体に意見照会したところ、現在まで35の団体から回答が寄せられました。回答に記載されていた御意見については、質問の項目ごとにまとめたものが資料2-2です。概要を簡単に御説明いたします。

 質問1と質問2は、ご意見がありますか、ありませんかということや、貴団体の概要などを問うたものですので省略しております。具体的な質問としては3番目からです。

 質問3、業界の取組としてということで、業界団体として有機溶剤業務において発がんのおそれのある有機溶剤を取り扱うに際し、健康障害防止のための取組をされていましたら、その概要を教えてください。

1番の印刷関係団体においては、印刷と有機溶剤や、印刷職場の労働衛生管理等の手引書を発行し、説明会で説明をしている。業界団体での環境自主基準による「グリーンプリンティング認定制度」を設立し、展開している。2番の印刷関係団体においても、原材料としてふさわしくない化学物質を、「印刷インキに関する自主規制」として設立し、それらを排除している。

6番の鉄鋼関係団体では、「衛生スタッフ実務マニュアル」を作成し、配布している。7番の鍍金関係団体においては、めっき業における毒劇物管理の実態報告書を発行している。11番の洗浄団体関係においては、展示会や講習会、事務局の通信などを通じ、適切な使用方法や労働安全や関係法規の周知徹底を図っている。

12番の化学物質関係団体においては、塩素系の溶剤の適切な取扱いについての適切使用ハンドブックを発行している。指針や通達が出されたり、法令が改正されたときには解説のリーフレットを作成し、周知徹底を図っている。SDSやラベルの協会モデルを作成し、公開している。塩素系の溶剤に関する有害性情報を翻訳し、ホームページに公開している。塩素系溶剤の適切な管理と取扱いや関係法令についての解説をホームページ上に公開している。発がん性のメカニズムについて、日米欧の製造メーカーで共同研究をしているなど、種々の取組をしていただいています。

 質問4、事業主の自主的な取組ということで、発がんのおそれのある有機溶剤を、有機溶剤業務に使用する会員企業における、当該健康障害防止措置の状況を主な作業ごとにお知らせいただくようお願いいたします、というのを取りまとめたものが39ページの資料2-2の別紙の表です。

 健康障害防止措置ごとに実施の有無について回答していただきました。全体で作業の数としては146あります。既に現行法令で同等の措置が求められているものは●としています。それを見ると、例えばラベルの表示については89%の所で実施されている。SDSの交付については94%で実施されている。労働衛生教育については92.5%、作業主任者の選任については85.6%、測定の実施については69.2%、結果の評価については69.9%、特殊健康診断については84.9%ということで、●の所については89割というほとんどの作業で実施していただいています。

 今回の検討対象となっている措置内容には★を付けております。掲示については65.8%と高い率を示しています。作業記録の作成については40.4%。作業記録の保管については33.6%が保存をしていて、そのうち30年保存をしていると答えているのが18.5%。測定記録の保存については43.2%が保存していて、そのうち30年の保存をしていると答えたのが26.7%。評価記録の保存を行っている所が40.4%で、そのうち30年の保存をしていると答えた作業が24.7%。検診結果の保存については50%の作業で保存していて、そのうち30年の保存をしている作業は28.1%。★の部分については23割ということで、まだ取組は低調な状況です。

 元に戻って質問5、健康障害防止措置の導入に当たって考慮が必要な事項です。

1番の印刷関係団体については、代替品への切換えの推奨や、代替品の開発を促す行政指導が必要ではないかという代替品への促進についてのご意見。使用量による規制緩和を考慮願いたいという使用量等による緩和を求めるご意見。2番の印刷関係団体においては、ばく露リスクの高い業種指定をいただくのが妥当ではないかというばく露リスクに応じた規制をしていただきたいというご意見。3番の、電機・電子・情報通信関係団体においては、本来発がん性物質については、特化則の目的にあるように、特化則で規制すべきであるという特化則での規制を求めるご意見。併せて、ばく露リスクは事業者が確認し決めることで、一律に特定の業務で規制するべきではないという自主規制を求めるご意見。

4番の鉄鋼関係団体については、一定の時間と猶予が必要であることが、導入時期については配慮いただきたいという猶予措置に関するご意見。女性則との整合性について考慮いただきたいという女子則との関係についてのご意見。有機則と特化則に分かれて、それぞれの規制が制定されると、内容の認識が難しくなるため、どちらか一方にまとめていただきたいという法令上の規制に関するご意見。記録の保管期間を短くできないか検討願いたいという保存期間の短縮に関するご意見。ばく露リスクに見合った適応除外範囲の見直し、拡大というばく露リスクに応じた規制に関するご意見。尿中代謝物の数値分布について、しっかり考えてほしいという健診に関してのご意見。30年間は長いと思われる。1015年程度が妥当ではないかという保存期間の短縮に関するご意見。

5番の金属関係団体においては、30年の保存義務については電離健診でもあるので、管理上問題はないというご意見。6番の化繊品関係団体においては、掲示方法に柔軟性を持たせてほしいという掲示方法についてのご意見。同じ団体から、記録類を新たに加工する手間がないような配慮をしていただきたいという記録上のご意見。7番の化学工業関係団体からは、使用頻度が少ない場合の検診や測定は除外できないかという使用量等の緩和に関するご意見。

8番の半導体装置関係団体では、情報提供が遅れる傾向にあるということについての情報提供に関するご意見。9番の時計関係団体でも、スピーディーな情報提供をお願いしますという情報提供に関するご意見。10番の化学工業関係団体においては、掲示に関してGHSの注意表示を導入することを検討してはどうかという掲示に関するご意見。更なるその情報の透明化等の情報提供に関するご意見。準備期間を設ける等の措置ということで猶予期間に関するご意見。11番の電子素材関係団体においても、猶予期間に関するご意見。

 種々のご意見を頂いておりますが、ここではばく露リスク等に応じた規制をしていただきたいというご意見や、猶予期間をしっかり置いていただきたいというご意見、記録の保管期間を短縮していただきたいというご意見、しっかりとした情報提供を行っていただきたいという意見を中心に頂いております。

 質問6、技術的課題や措置導入の可能性についてです。特別規則による措置の検討に際し、通常のばく露防止措置を行う上で、技術的な課題があると思われる場合には措置に対する技術的課題とその実現性について御指摘くださいということです。

 今回については、技術的な課題を伴う措置は検討対象とされておりませんけれども、御意見があればということで意見を求めたところ、このような御意見が7団体から出ております。それぞれ局所排気装置についての問題点や、改善策等を含めて書かれております。これについては御確認いただきたいと思います。

 質問7、特殊な作業の概要とその御意見です。リスクが低いと考えられる特殊な作業がある場合には、対象物質を取り扱っている当該作業に関する措置状況を、作業概要と作業時間、作業頻度、1回当たりの取扱い量、屋外・屋内の別、局所排気装置、保護具、作業主任者、作業環境測定の有無、健康診断実施の有無等の御意見をお知らせくださいということです。

 今回有機則で対象となっている有機溶剤業務全般に対し、職業がんの予防の観点から必要な措置の検討をしますが、御意見のある場合は御記入くださいということです。使用量や使用頻度等によるリスクが少ないとされる作業等について、各団体から記載をしていただいています。サンプリング作業や分析作業、試験研究作業等々それぞれ業界で行っている作業を記載していただいております。これも、それぞれ御確認いただければと思います。

 質問8、産業活動への影響や公正な観点からの御意見です。特別規制、特定化学物質障害予防規則などによる措置の検討に際し、産業活動や同業他社との公正競争の観点から御意見があれば御提示くださいということです。

1番の印刷関係団体については、今後代替品への切換えをするため、設備投資を行う企業に対して一定期間の公的な資金援助を行う仕組みを考えるべきではないかという代替品の促進に関するご意見。2番の電機・電子・情報通信関係団体においては、短時間の取扱いや少量の使用については規制を緩和すべきではないかという使用頻度、使用量等の緩和に関するご意見。3番の印刷関係団体においては、IARC2Bの有機溶剤が今回の規制対象に含まれますが、その他の2Bの化学物質についても今後同様の規制を行いますかという有害性の評価に関するご意見。

5番の鍍金関係団体においては、小規模の零細企業における法の実効確保の問題という法令の定着に関してのご意見。6番の金属関係団体においては、別の溶剤に切り換える必要があり、資金力の弱い中小企業に対しての公正な競争をさせられなくならないかというご意見。7番の半導体装置の関係団体からは、規則の適用に関しては、最低レベルの記述しかされていないので、実際に適用する、しないは企業に委ねられている。資金力のある活動の差、ひいては公正な競争にも影響があると判断しているという法令の定着上の問題。

 このような意見が寄せられていて、この質問では代替品の促進に関しての意見や、法令の定着に関してのご意見等が見受けられました。

 質問9、措置の方針についての御意見です。措置の対象となる業務を有機溶剤業務とする見込みですが、これに関して御意見があればお寄せくださいということです。

1番の化学繊維関係団体においては、有機溶剤業務以外の業務についても適切な管理を行っていくことが必要だというご意見。要望としては、作業環境測定ではジクロロメタンとの混合溶剤としての判定となり、管理区分としてより厳しいものになるのではないかということでの測定上の意見。記録や結果の保管スペースの確保拡充が必要となることや、作業記録の作成による業務量の増加が予想されることから、ばく露レベルに応じた措置内容の検討をお願いしたいという記録等に関してのご意見。磁記テープやディスク等でのデータの保存を認めてほしいという保存に関してのご意見。

2番の印刷関係団体からは、メーカー側の責任も強く自覚させる措置を希望していますというメーカー責任に関してのご意見。小零細企業の多い中、一定の枠での規制には配慮いただきたいという零細企業に対しての配慮や、使用量の多少についても考慮いただきたいという使用量に関しての緩和についてのご意見。3番の印刷関係団体においては、ばく露の大きい作業に絞り込んで規制をしてほしいという、ばく露リスクに応じた規制に関してのご意見。

5番の鉄鋼関係団体については、検討経過は可能な限り前広に公報、周知していただきたいという情報提供に関するご意見。常態として許容消費量を超えない作業については、事業場で実施している測定結果や作業実態をもとに判断できるようにしてほしいという使用量による緩和に関してのご意見。

6番のクリーニング関係団体においては、ドライクリーニング洗濯機の操作において、ばく露するリスクは低いため、記録の保存期間の延長については対象外としてほしいというご意見。7番の洗浄関係団体からは、有害性有機溶剤の特性を知るための教育や指導が必要ですという安全の指導上のご意見。8番の半導体装置関係団体においては、リスク評価をすべきと考えるというリスクに応じた規制に関してのご意見。

9番の化学工業関係団体からは、健康障害防止措置の検討プロセスの透明化や、例えばより声を大きくして情報発信をしてほしいという情報提供に関してのご意見。10番の電気素材関係団体においては、検診結果や測定評価、作業記録の30年保存は長すぎるという保管期間についてのご意見。混合物で取り扱っているものを購入して取り扱う場合の考慮をしてほしいというご意見。一律に有機溶剤業務と括られることには違和感があります等のご意見があります。

 この質問に関しては、記録のスペースの問題や業務量に関しての記録に関するご意見、使用量や頻度に関しての考慮をしてほしいというご意見、ばく露リスクに応じた規制をしてほしいというご意見、保存期間が長すぎるというご意見がありました。

 質問10、上記以外で特段の御意見があればということです。1番の印刷関係団体においては、作る側に有機溶剤の使用を減らす製品の開発を促進するようなことを明確に求めるべきではないかというメーカー責任に関するご意見。2番の電機・電子・情報通信関係団体においては、化学物質のリスクアセスメントを義務化して、自主的な管理を促進すべきであるという自主規制に関してのご意見。リスクアセスメントを実施させて、その結果メルクマールとの比較において悪い場合には健康管理を含めて規制するよう改めるべきであるというリスクに応じた規制に関してのご意見。3番の鉄鋼関係団体においては、作業記録の作成や保存の30年間は、少量の使用作業においては現実的でないという記録に関してのご意見。4番の機械・情報システム関係団体においては、各規則や指針との重複や整合性を取っていただきたいという他の法令との整合についてのご意見。

5番の金属関係団体においては、規則違反を減らすための仕組みが必要ではないかという安全指導に関するご意見。7番の化学関係団体においては、リスク管理の重要性など、化学物質に対する正しい知識を持っていただく機会を是非つくってはいかがでしょうかという情報提供に関してのご意見。8番の圧力計器等の関係団体においては、製造や販売に規制を掛けることも肝容であるということでのメーカー責任に関してのご意見。

 この質問の主立ったところでは、他の法令との整合性の問題や、安全指導をしっかりしていただきたいなどのご意見がありました。他の団体についてのご意見は以上です。

 続いて、これまで説明したご意見を踏まえて、「健康障害防止措置の検討シート」について追記しましたので、その更新部分について御説明いたします。15ページの資料2-1を御覧ください。1ページ目は、前回726日に説明したとおり、上段は物性等のデータ、下段は作業環境測定や生物学的モニタリングの検査に関してのデータを載せております。

2ページ目からは、下線を引いた所が更新部分です。業界団体等の概要については、印刷、化学工業、化学繊維、鉄鋼、金属、機械工業等の関係団体計59団体に対して意見照会を行い、35団体から回答がありました。活動の概要としては、情報収集や会員企業への指導・周知活動、環境配慮工場・事業場の認定制度の推進などを行っているということです。

(2)作業概要及び健康障害防止措置の採用状況について、作業名としては有機溶剤業務ということ。作業の概要としてはインキの溶剤、刷板の洗浄剤として使用(印刷業界)。紡糸工程や、製造装置洗浄等での使用(化学繊維業界)。塗装作業ということで、印字やマーキング(鉄鋼業界)。塗装作業ということで(鉄鋼、自動車業界)

 健康障害防止措置の採用状況としては、先ほどの表にあったとおりの数字ですが、主立ったところでは局所排気装置の設置、実施率は66.4%。有害性の掲示については65.8%。作業記録の作成については40.4%。作業記録の保存については、30年については18.5%。呼吸用保護具(防毒マスク)の使用については58.2%。

 関係団体の健康障害防止に係る取組としては、健康障害防止のための周知活動として、会員企業への周知活動ということで、関係法令の遵守や自主規制対象物質、有機溶剤・労働衛生管理等の手引書・マニュアル発行、説明会・研修会の実施。団体としての取組はなく、各社対応という回答も一部ありました。

 特殊な作業ということでは、サンプリングや分析作業ということで、ガスクロ等の標準サンプルとして使用や、揮発性の有機溶剤の分析、ドラフト内での化学分析作業に使用等においては、使用量や作業環境に依存する。使用量が微量の場合には、健康障害防止措置の対象とする必要があるかは疑問であるということ。実験や試験研究においては、研究所での実験や試験研究に当該有機溶剤を使用しているということで、リスク等の見積については、短時間・少量の場合には、ばく露程度が少ないということ。その他においては、ドライクリーニングの洗濯機の操作や、鋼材マーキング、塗装作業において、洗濯機が密閉構造で内部が減圧されているのでばく露リスクは少ないということ。使用量や作業頻度が少ないものについてはばく露量が少ないということ。

(5)健康障害防止措置の導入に当たって考慮が必要な事項として、使用量に応じた緩和ということで、使用量や作業時間、保護具の措置実行状況や使用実態、ばく露リスクに見合った適用除外措置を考慮願いたいということ。特化則でも業務範囲を規定するようになり煩雑となっている。ばく露リスクは事業者が確認して決めるべきで、一律に特定の作業を規制すべきでないという内容。代替品への切替えについては、代替品への切替えの推奨や、開発を促す行政指導が必要であるということ。製品性能を維持するためには、代替品の検討が困難な場合があるということ。記録の保存については、記録の保管期間を短くできないかということで、1015年についての期間を求めているというものです。

3ページ目は前回と変わりません。検討対象の物質や、検討対象である措置内容、情報提供や労働衛生教育についての内容。次のページとその次のページにかけて、措置の整理表です。この中で1点変更があるのは、「特定化学物質障害予防規則における措置の整理表()」の漏えい防止の中の容器等の所で、○→●にしております。これはなぜかというと、次のページの有機溶剤予防規則における措置の整理表の中で、「貯蔵と空容器の処理」の所で×になっております。こことこことの関係ですが、有機則と特化則で同様の規定があるということで、有機則の適用を外すのであれば、特化則の規定が必要であるというか、二重の規制にならないように、どちらかの規定を生かすということで、特化則をメインでいくのであれば、特化則のほうの容器等の規制を●にする必要があるということです。次のページの有機則との規制の関係上、どちらかを●にするということで、特化則のほうを●にしております。

 次のページの(2)技術的課題と措置導入の可能性です。これまでの御意見を踏まえて、現時点でのものを書いております。作業記録等の記録の保存ということで、30年にわたる長期間保存に当たってのスペースの確保が問題になるのではないかということです。これについては、書面による保存に代えて、これらについては当該書面に係る電磁的記録による保存を行うことが可能であるということで、現行の法令で既に電子ファイルでの保存が可能になっていることについて御紹介させていただきます。

143ページの参考4を御覧ください。民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の概要ということで、平成1741日から施行されているものです。法律の概要の(3)電磁的記録による保存の容認ということで、民間事業者は保存のうち当該保存に関する他法令の規定により、書面により行わなければならないとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、書面の保存に代えて、当該書面に係る電磁的記録による保存を行うことができるということで、電磁的記録による保存とは、当初から電子的に作成された書類を電子的に保存すること及び書面で作成された書類をスキャナーでイメージ化し、電子的に保存することの両者を含むということです。

 具体的な項目については各省庁で決めています。次のページから一覧があります。この法律をe-文書法と呼ぶのですが、それによって電磁的記録による保存が可能となった規定ということで、特定化学物質第36条の3というのは測定記録の保存になります。次のページの第36条の23項は評価記録の保存になります。第38条の4は作業記録の保存になります。第40条の第2項は特定化学物質等健康診断個人票の保存になります。以上のように、今回の措置対象になるものについては、いずれも電子媒体による保存が可能なものということで、保管スペースについての問題点はこれで緩和できるのではないかと考えております。

 ばく露低減措置については、当面は現行の措置により対応したいと考えております。技術的課題については、ばく露実態調査結果に基づいて検討するということで考えたいと思っております。以下については、前回どおりの内容です。長くなりましたけれども以上で説明を終わります。

○菅野座長 ただいまの説明について御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。1点お伺いします。16ページの(4)の特殊な作業の概要に、リスクが低いのではないかという作業が挙げられておりますが、これは規制対象から外すつもりですか。

○岸化学物質評価室長補佐 これは、団体からの御意見をまとめただけですので、これについて外すということは考えておりません。

○菅野座長 先ほどと同じなのですが、サンプリング分析作業はリスクが低いのではないかと言われておりますが、現在は作業環境測定の対象になっているのでしょうかというか、実質的に行われているのでしょうか。

○岸化学物質評価室長補佐 基本的に有機溶剤業務に当たれば、作業環境測定の対象になります。第3条とか適用除外はあります。第3条というのは、常に許容量を下回って、署長の許可を受けた場合は適用除外になりますけれども、それ以外については有機溶剤業務において、分析やサンプリングというのが有機溶剤業務になれば測定の必要があります。

○菅野座長 お伺いしたのは、その測定がされているということであれば、現実の濃度のデータがあるということですよね。先ほどデータの提供の可能性があるというお話でしたので、それを見ればもし除外するなら、それが妥当なのかどうかの検証ができると思うのです。

○岸化学物質評価室長補佐 ばく露防止措置のことに関してのリスク評価については、そういうことができるのではないかと思います。

○保利委員 18ページ、19ページの健康障害防止措置の所で、特化物としてのものと、有機則と挙げてあります。この10物質を同じ扱いでやろうとしているのか、それとも物質によって、あるいはその作業等によってこれを使い分けることを考えているのでしょうか。

○岸化学物質評価室長補佐 今回、10物質についてはそれぞれIARC2B以上で発がん性のおそれがあるということや、有機溶剤業務を行う現場における作業環境中の濃度が管理濃度を超えるということで、一定のリスクがあるということ。ばく露の懸念もあるということで、職業がんの予防に関する健康障害防止措置の必要があるということから、発がん性に関しての規制は特化物ということで整理しておりますので、基本的には特化物と考えております。

○名古屋委員 前回も質問したのですが、例えばリスク評価をして、詳細リスク評価に行かなくても、初期リスク評価で終わっても、今の発言だと特化則にしていいですという話ですよね。そうすると、有機則に基づく措置の表は要らなくなってしまうような気がするのです。これが付いているのは、まだその決断が行政は付いていないと判断しているのですが、それはどうなのですか。

○岸化学物質評価室長補佐 これは、エチルベンゼンやジクロロプロパンと同じような範疇に入るのではないかということでこういう整理をしております。

○名古屋委員 混合で使われたときにね。

○岸化学物質評価室長補佐 はい。

○大前委員 先ほど座長からもありましたように、濃度によって適用除外を掛けることをしないのか。例えばここに10物質ありますけれども、この中には多分閾値があるタイプの発がん物質もあると思うのです。そういうものはそういう証拠さえあれば、ある程度の濃度以下だったら規制を掛ける必要がないようなものもあると思うのです。先ほどの意見に出てきた中では、例えば第1管理区分みたいなところがずうっと続いているようなところでは、そのような考え方も取り入れるつもりはないのですか。要するに定性的なものということで、ものという定性でやるのか、あるいはどこかで定量、量のことも入れていくのかということです。

○岸化学物質評価室長補佐 現状の有機則においては、消費量による適用除外が第2条にあります。例えば、150 m3以上の場合で、第2種の有機溶剤を使っている場合でしたら、60g以下でしたらばく露防止措置などは必要ない。作業主任者ばく露防止措置、局排の自主点検などについては必要ないことになっております。この規定については引き続き継続したいと思っておりますので、そういう使用量についての一定の緩和は引き続き続けていきたいと考えております。ただ、作業記録とか、30年保存というのは、発がんのハザードの部分の基本になるものですので、できたら全ての業務にお願いできたらと考えています。

○大前委員 記録の保存等に対しては賛成します。やはり30年ぐらいは必要だろうと思います。使用量のことはお伺いしましたが、ばく露レベルという考え方を入れなくてもいいのかどうかということです。どのばく露レベルにするのかというのは非常に難しい話で、簡単に答えが出るわけではないのですけれども。

○名古屋委員 今の話だと、多分初期リスク評価で終わったとしても、今回入れるよということだろうと思います。

○大前委員 そういう話ですよね。

○名古屋委員 同じだと思います。今まではそういう話はなかったけれども、今回は多分そういう話にするという形だと思います。

○角田化学物質評価室長 参考2-241ページに、「発がんのおそれのある有機溶剤の今後の対応」ということで、従来の初期なり詳細リスク評価の整理とは若干違うのですけれども、この10の有機溶剤についてはリスクがあるということで、検討するということになった関係で、今、正にこの措置検討をしているわけです。今の御指摘のように使用量ではなくて、ばく露レベルについてどういう判断をしていくのかということについては、確かにばく露レベルとしての通常のような細かいデータということではないのですけれども、資料の51ページと52ページにあるような、作業環境測定の状況を踏まえて措置を検討しているという方向で整理をしているところです。この10物質については、今後ばく露の報告が上がってきた段階で、必要な措置が出てくればそれはその時点で検討していこうということで考えています。

 

○菅野座長 他にないようでしたら、発がんのおそれのある有機溶剤の措置の検討について、本日の検討は終わります。最後に事務局から今後の予定をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 53ページの資料4、今後の予定についてお知らせいたします。第5回化学物質健康障害防止措置に係る検討会として、99()1012時、場所はこの建物の22階の専用第14会議室で予定しております。引き続きDDVPと発がんのおそれのある有機溶剤10物質についての措置の検討について御議論いただきたいと考えております。

 また、第6回化学物質健康障害防止措置に係る検討会は918()1012時、場所は同じ建物の16階の専用第17会議室で予定しております。基本的には更に2回検討会を開催する予定としておりますので、委員の皆様方の御出席をよろしくお願いいたします。

○菅野座長 本日は、予定の時間を超過してしまいましたが、これで第4回健康障害防止措置検討会を終わります。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室 (内線5511)

代表: 03-5253-1111

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