ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会労働部会)> 第84回独立行政法人評価委員会労働部会議事録(2013年8月14日)




2013年8月14日 第84回独立行政法人評価委員会労働部会議事録

○日時

平成25年8月14日(水)13:02~15:12


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

今村部会長、柴田委員、宮崎委員、志藤委員、関口委員、松浦委員

○議事

(以下、議事録)

 

○今村部会長

 ただいまから、第84回厚生労働省独立行政法人評価委員会労働部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中またお暑い中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は、高田委員、松尾委員、小西委員が欠席です。

 はじめに、事務局から本日の議事について説明してください。

 

○政策評価官

 お手元に配布いたしました議事次第のとおり、議事は7項目です。労働政策研究・研修機構につきましては、総合評価をお願いいたします。また、高齢・障害・求職者雇用支援機構につきましては総合評価と最終評価について御審議いただきます。

 このほか、労働政策研究・研修機構につきましては3点あります。1つ目は役員の退職金に係る業績勘案率の決定、2つ目は不要財産の国庫納付、3つ目は平成24年度の財務諸表に関する意見についてです。後半の高齢・障害・求職者雇用支援機構につきましては、不要財産の国庫納付等について御審議いただきます。

また、独立行政法人の毎事業年度の財務諸表については、お手元のピンク色の資料の28ページ、独法通則法第38条の規定にありますとおり、厚生労働大臣の承認に先立ち評価委員会の意見を聴くこととされています。後ほど、本部会の財務担当委員である宮崎委員から法人へのヒアリングの結果等を御報告いただきまして、それを踏まえて御審議いただきます。

 なお、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成24年度の財務諸表に関する意見につきましては、31日開催の第81回独立行政法人評価委員会労働部会の場で了承いただきました「中期目標期間終了時における積立金等の承認に係る意見聴取の取扱いについて」のとおり、本年6月に持ち回りで書面審議を行っていただきまして、本部会において「申請のとおり承認することが適当」との意見を厚生労働大臣に既に提出しております。

 続きまして、2法人に共通する総合評価について、審議の進め方を簡単に説明いたします。前回の個別評価の結果に基づきまして、起草委員において起草いただいた総合評価の案と、評価シートの「委員会としての評定理由」案等につきまして御審議をお願いいたします。なお、皆様に御記入いただきました評定記入用紙は御参考いただけるようお手元に配布していますので御活用ください。

 

○今村部会長

 それでは、議事に入ります。まず、労働政策研究・研修機構の平成24年度財務諸表に関する意見について審議を行います。財務担当の宮崎委員から御報告をお願いします。

 

○宮崎委員

 労働政策研究・研修機構の平成24年度の法人全体の財務数値です。総資産が約69億円、負債総額が9億円、純資産が60億円となっています。純資産は平成23年度末で78億円ありましたが、18億円ほど減少しています。これは、平成23年度末が中期計画期間末であったことから、積立金の国庫納付を行ったものが17億円、政府出資財産等の減価償却などによる資本剰余金の減少が1.5億円、退去済職員宿舎の返礼・敷金を不要財産として国庫返納したことによる政府出資の減少が347万円、並びに、当期総利益1,100万円によるものとなっています。

 他方、損益計算書は、経常費用の合計が約21億円、経常収益の合計が約22億円、このほかに臨時損失が200万円計上されまして、当期総利益が1,100万円となっています。主な利益発生要因は、期間進行基準を適用した運営費交付金について、予算上見込んだ経費よりも少ない実績で経費が執行できたことによるものとなっています。

 当機構の財務諸表全般については、前年度比の増減の内容分析並びに私が特に必要と判断する個別の会計処理の内容について質疑を実施しまして、その妥当性を確認いたしました。会計監査人は有限責任あずさ監査法人が監査を担当しており、同法人から提出を受けている監査実施説明書によって監査の実施状況についても確認しました。また、会計監査人及び監事から提出を受けた監査結果の意見書のいずれにおいても財務諸表の適正意見が表明されています。

 以上から判断しまして、労働政策研究・研修機構の平成24年度の財務諸表は適正に作成されており、申請どおり承認することが適当であると判断いたします。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。ただいま御報告いただきました労働政策研究・研修機構の財務諸表について、御意見等をお願いいたします。特にございませんでしょうか。

 平成24年度の財務諸表に関する意見として、資料1-1の意見書()のとおりで修正意見はないようですので、これを取りまとめ、厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 それでは、そのようにいたします。

 続きまして、労働政策研究・研修機構の総合評価について審議いたします。起草委員を代表して関口委員から御報告をお願いします。なお、議事運営の都合上、御報告時間はおおむね10分程度でお願いいたします。

 

○関口委員

 資料1-2に沿って業務実績の評価結果()について説明いたします。1ページ、「評価の視点」についてです。機構の第3期中期目標では、厚生労働省の労働政策の企画・立案及び推進に資する質の高い労働政策研究及び労働行政職員研修をより一層効果的かつ効率的に実施する観点から、労働政策研究事業の重点化等を実施することにしました。このため、機構の業務実績の評価に当たりましては、業務の効率化を図りながら研究体制の改革を行った結果、機構の業務が我が国の労働政策の立案及びその効果的かつ効率的な推進に寄与し、労働者の福祉の増進と経済の発展に資するものになったか、という視点が中心となります。

 評価結果全体を通しての講評です。そのような視点から評価を行った結果、平成24年度の業務実績については中期目標・中期計画に沿った取組が行われ、中期計画に掲げられた目標値の達成、利用者からの高い有益度及び満足度が確保されており、適正な業務運営が行われていると評価します。今後も機構に課せられた使命を高いレベルで効率的に達成していくため、それぞれの業務のバランスを考慮しながら重点化を進め、業務間の連携を密にして業務運営を行っていくことが望ましいと考えています。

2ページ以降では、具体的な評価内容を簡単に御報告いたします。まず、1番目です。業務運営の効率化については、様々な取組の結果、平成24年度予算において、一般管理費、業務経費、人件費のいずれも節減するとともに、自己収入の拡大に向けた取組を行うことができており、評価できると思います。随意契約についても、随意契約等審査委員会により適正性等が確保されていますが、今後も随意契約の件数を減らす等の一層の取組を行っていくことが望ましいと考えています。

2番目は、国民向けサービスその他業務の質の向上についてです。まず、1「業務全般に関する措置」として、経営会議において毎月の業務実績報告や事前・中間・事後の業務実績の内部評価を実施するとともに、外部有識者から成る総合評価諮問会議においても年度計画の事前評価及び業務実績の事後評価を受けています。また、有識者アンケートによる機構の業務運営等についての意見の把握や、ホームページ等を通じた国民からの意見募集を広く行うなどの取組も行っており、これらの取組により、適切な事業進行管理等と質の高い業務運営が行われていると評価できます。今後もこれらの評価や意見を機構の業務の改善に役立てる等、一層の取組を進めていくことが望ましいと考えています。

2「労働政策研究」については、第3期中期計画に基づき、中長期的な労働政策の課題に対応するプロジェクト研究と、厚生労働省からの要請に基づいたテーマに係る課題研究を実施しているほか、緊急の政策ニーズを踏まえた緊急調査も実施しており、体系的・継続的な調査研究と短期間での成果の取りまとめを行う研究とを幅広く実施し、労働政策の企画立案等で活用されています。こうした取組の結果、政府の重要な政策課題に関する会議においても多くの成果物が利用され、審議会等への研究員の参画も図られていることは評価できます。今後もより一層行政のニーズに対応し、労働政策の企画立案に真につながるような時宜を得た研究テーマを厳選し、質の高い研究を継続することが望まれます。

 厚生労働省との連携については、同省各局の幹部と理事長をはじめとする機構役員等との意見交換の場である「ハイレベル会合」等を開催し、また、研究テーマごとの同省の担当者の登録制を新たに導入し、平成24年度に実施した全ての研究テーマについて意見交換を行うなど、密接かつ十分な連携が図られていることが評価できます。更に、大学等の研究機関に所属する若手研究者等の研究参画など、研究の実施に当たり幅広い分野の者との連携も図られています。今後も研究機関・労使関係者などと引き続き十分な連携を図っていくことが望まれます。

 研究の実施体制については、任期付研究員の採用・育成や、外部専門家による外部評価等の研究評価制度を整備し、研究水準の向上のための取組が実施されています。この結果、研究成果についての外部評価や有識者等に対するアンケート調査においては、中期計画の目標値を上回る高い評価を得ることができています。また、厚生労働省からの評価においても、年度目標を上回る評価を得るなど、質の高い成果を上げていると評価することができます。今後とも研究の更なる効率的・効果的な推進に資する評価の実施が徹底されることを期待しています。

3「労働事情・労働政策に関する情報の収集・整理」については、国内外労働事情の収集・整理について、いずれも中期計画を上回る成果を上げています。アジア諸国の情報収集の強化を図っていることについても評価できます。今後より一層情報の収集・整理の在り方を工夫し、政策立案や他の研究機関の研究等に貢献していくことを期待しています。

4ページです。4「研究者・有識者の海外からの招へい・海外派遣、海外とのネットワーク」については、中期計画どおりに実施されており、派遣した研究員が国際比較労働問題セミナーの開催に貢献するなど、労働政策研究の推進に資するものになったことは評価できます。引き続き、海外からの招へい・海外派遣をする対象者の厳選や効果の検証を行いつつ、海外研究機関等とのネットワークの拡大に取り組むとともに、政策的関心の高いテーマについて積極的に取り組むことを期待します。

5「労働政策研究等の成果の普及・政策提言」については、ホームページ、ニュースレター、メールマガジン、労働政策フォーラムの開催等を通じて効果的に行われており、利用者の評価も高く、中期計画に掲げた全ての目標について目標以上の成果を上げていることは高く評価できます。特に、記者発表等を通じたマスメディア等への積極的なPRや労働政策フォーラムの主都圏以外での初の開催など、成果の普及、政策提言をより一層積極的に進めようとする姿勢は評価できます。今後は、成果の普及等が更に幅広い層の国民を対象に行われるよう、ホームページをはじめとする事業の実施方法等について更に工夫がなされることを期待します。

6「労働行政担当職員その他の関係者に対する研修」については、研修コースの新設、科目の見直しによる研修内容の充実や研究員の研修講師への参加やイブニングセッションの開催により、研修部門と研究部門の一層の連携が図られ、研修生からも高い評価を得ていることは評価できます。また、平成24年度から研修生の所属長に対する事後調査を新たに本格実施し、中期計画を大きく上回る高い評価を受けています。これらの結果を踏まえつつ、更なる研修内容の充実に取り組むことを期待しています。

5ページ、(3)「財務内容の改善等及び人事に関する計画について」です。予算執行等については引き続き一般競争入札等の推進による効率的執行や経費削減に向けた取組を実施し、一般管理費、業務経費、人件費の節減を図ったことは評価できます。人事に関しては、任期付研究員の採用等により優秀な人材の確保・育成に向けた取組を推進し、研究の質の確保を図っていることは評価できます。

(4)「評価委員会が厳正に評価する事項及び政・独委の評価の視点等への対応について」簡単にポイントを説明いたします。1は先ほどありましたので、2以降について御報告いたします。

2「保有資産の管理・運用等について」です。労働大学校の宿泊施設において、平成22年度政・独委2次委員会意見の、利用率が低調であるという指摘を踏まえ、東日本大震災で被災した地域の学生等の就職活動のための宿泊への活用などの取組を行っている点は評価できます。なお、独立行政法人宿舎の見直し計画に基づく職員宿舎の廃止の状況を注視していくことを指摘しておきたいと思います。

3「人件費管理について」は、6ページ以降です。国家公務員を100とした場合の機構職員の給与水準について、年齢差、地域差、学歴差を調整した後の指数が、事務職員は99.8、研究職員は93.2となっており、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえた取組等により、前年度と比べ改善が見られました。引き続き、職員のモラール低下を来たさぬようマネジメントに留意しつつ、適正な給与水準の在り方について検討を進めていくことを期待しています。

7ページです。5「契約について」です。100万円を超える全ての契約案件について内部審査を実施し、随意契約案件及び一者応札・一者応募となった案件については、随意契約等審査委員会による内部審査を実施し、審査結果を公開しています。なお、契約監視委員会の指摘を踏まえ、引き続き、公告期間や実施時期について検討することが望ましいと思います。

6「内部統制について」は、役員・幹部職員をメンバーとする経営会議を毎月開催し、年度計画などの重要方針その他の諸課題についての共通認識の醸成を図るとともに、内部統制の充実・強化を図るため、平成24年度に内部統制推進室を設置するなど、内部統制の確立に向けた体制を整備していると評価できます。リスクの識別・評価・対応については、経営会議、監査機関、外部評価機関、コンプライアンス委員会・内部通報調査委員会、随意契約審査委員会といった各種スキームを整備し対応しています。モニタリングについては、先述の経営会議における業績評価や監事監査等の独立的評価等によりモニタリング体制が整備され、適切に機能していると評価することができます。

9ページ、7「事務・事業の見直し等について」です。基本方針や行政刷新会議事業仕分け等において指摘されている霞ヶ関事務所の廃止等は、既に措置済みであり、基本方針を踏まえた適切な対応を行っています。なお、「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本的方針」において、機構が独立行政法人労働安全衛生総合研究所と統合し、成果目標達成法人とすることとされたことについては、「平成25年度予算の基本方針」において当面凍結することとなっており、労働大学校の国への移管についても、今後の独立行政法人改革の議論を踏まえて検討することとしていることから、今後、当委員会としても、引き続きその検討状況や検討結果について注視していくことにしたいと思います。

10ページです。9「その他総務省政策評価・独立行政法人評価委員会による個別の指摘について」評価を行っています。1点目の「調査研究の重点化」については、調査研究のテーマごとに労働政策への寄与度を示す新たな数値目標を設定し、その結果を国民に公表すべき等の指摘を踏まえ、機構においては、全ての研究成果を対象として、評価項目として、労働関係法令の改正、予算・事業の創設・見直し、審議会・研究会での活用状況など、厚生労働省における活用実績を把握する項目を新たに設けるなど、労働政策への貢献度合いを積極的に把握するよう具体的な取組を行っていることは評価できます。

2点目の「調査員の在り方の見直し」に関して、調査員については、調査員の位置付けを検証し、調査員の担う業務を厳選し、要員も適正規模に縮減すべきとの指摘を受け、平成24年度において調査員の業務について検討した結果、調査員の業務を一部廃止し、平成25年度において1名削減を決定するなどの取組を行ったことは評価できます。

3点目の「業務運営体制の見直し」に関して、専任職員がいない課や集約可能な部・課を設けている例が見られるなど、効率的な業務運営体制となっていないため、業務量に見合った運営体制の見直しを行うべきとの指摘に対しては、平成24年度において内部統制推進室を新たに設置するとともに、専任職員のいない課の廃止や研究部門の再編等の取組を行い、適正な業務運営体制の確保に努めたことは評価できます。

 業務実績の評価結果について、以上のとおり御報告いたします。

 

○今村部会長

 ただいま御報告をいただいた「総合評価書()」について、御意見等がありましたらお願いいたします。

 細かな表現上の問題ですが、3ページの2「労働政策研究」の項目です。修正が特に必要というわけではありませんが、読んでみて感じたことだけ申し上げます。(2)「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上について」という趣旨の中で、2「労働政策研究」の最後の、3ページの3のすぐ上に、「当委員会としては、研究のさらなる効率的・効果的な推進に資する評価の実施が徹底されることを期待する」と書いてあります。最初に一読したときに、ここは評価の実施が目的なのかと思ったのです。これはむしろ、評価の実施が徹底されることによって研究の更なる効率的・効果的な推進が行われる、という趣旨だと解釈してよろしいでしょうか。最後のここに、評価の実施が厳格に行われと書いてあると、この節の目的は評価の実施なのかという印象を受けたのですが、これは飽くまでも、評価の実施によって研究の効率的・効果的な推進が行われる、という趣旨でよろしいのですね。

 

○労政担当参事官

 御指摘ありがとうございます。私どもも、この文章を拝読しまして、ここで御指摘いただいていることはそのような趣旨であろう、評価を通じて、それを研究の質の向上に更につなげていくことが求められているということであろうと思います。もし文意が不明確であれば、そういった趣旨がより明確になるような文章の工夫を検討いたします。

 

○今村部会長

 最後のほうでここが強調されているので、そのように強調されているのかと受け取っただけで、よく読めば分かることなので大丈夫だと思います。

 それから、もう1つ、6ページの2「金融資産」の一番最後のパラグラフです。簡略化して書くことはもちろん必要でこのとおりだと思いますので、特に修正の必要はないと思いますが、「職員宿舎の退去により機構に返還された敷金」というのは、職員宿舎の居住者の退去ということですね。職員宿舎がどこかに移動するということではないですね。短縮化して書くことは必要なことですが、一読したときの印象でそのように感じたので申し上げました。解釈できれば特に修正の必要はないと思います。

 ほかに何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。特に修正意見はないようですので、平成24年度の業務実績の評価結果として、法人及び政・独委に通知するとともに、これを公表したいと思います。なお、この後、誤字・脱字、事実誤認等による修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、現在までの意見・報告等を踏まえまして、個別評定を修正したい方は、ここで評定記入用紙の修正・確定の時間を設けますので、よろしくお願いいたします。なお、修正に当たりましての留意事項を事務局からお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 評定記入用紙の修正についての留意事項を説明いたします。修正は赤鉛筆でお願いいたします。また、修正のあるページには付箋を貼っていただきますようお願いします。机上配布の「個別項目に関する評価結果」の資料については、現時点で頂いています評定を、S5点、A4点、B3点、C2点、D1点に点数化したものです。委員名は空欄としていますので、委員各自には御自身のお名前以外は分からない状態になっています。

 評定記入用紙は部会終了後に回収しますので、お持ち帰りにならず、机の上に置いたままでお帰りになるようお願いいたします。

 

○今村部会長

 今から5分程、評定記入用紙の確認や修正の時間を取りますので、その間に確認・修正等をよろしくお願いいたします。

 

○今村部会長

 よろしいでしょうか。それでは、これをもって、労働政策研究・研修機構の平成24年度業務実績評価に関する意見を取りまとめいたします。

 評価書には、評価結果の別添として評価シートの集約版が添付されていますが、本日、評定記入用紙の確認・修正を行っていただいたことにより、評価シートの集約版の内容が変更となる際については、その内容について、私に御一任いただきたいと存じます。なお、場合によっては、個別に各委員に御意見を承ることもあるかもしれませんので、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。

 次に、労働政策研究・研修機構の役員の退職金に係る業績勘案率について審議いたします。事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 法人から独立行政法人評価委員会委員長宛てに、役員の退職金に係る業績勘案率の算定について依頼がありました。独立行政法人の役員の退職金については、平成151219日の閣議決定により、在職期間に応じて算出された額に0から2.0の範囲内で定める業績勘案率を乗じた金額とされています。

 評価委員会でこの業績勘案率を決定していただくことになります。まず法人からの依頼を受け、1事務局において、当評価委員会が定めています「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法」に基づき業績勘案率を試算しましたので、その結果を御説明し、2委員の皆様方に、この試算結果について御審議いただきます。

 今回決定した数値については、その後、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会に通知し、同委員会から意見があれば、本部会で改めて御審議いただくこととなります。なお、意見がない場合は、事務局から部会長に報告し、最終決定とさせていただきます。

 資料1-3に沿って説明させていただきます。委員の皆様方には、併せて、こちらのピンク色の資料集の126ページも御覧ください。

 「役員の退職金に係る業績勘案率」です。先ほど御説明しました、評価委員会として定めた方法に従い計算を進めていきます。最初に、役員が在籍されていた期間の法人の年度評価等をもとに数値化を行います。

 今回は1-31の山口理事長、1-32の草野理事の2名が審議対象となっています。最初に1-31の山口理事長です。在職期間が平成2311日から平成25331日までとなりますので、平成22年度から平成24年度までの年度評価の結果について、委員の皆様方に付けていただいたSからDの評価を数値化し、まずはその平均を取ります。評価の数値化については、資料集126ページの表1にありますように、S2.0A1.5B1.0という形で平均値を算出していきます。更に126ページの表2になりますが、この平均値が1.5以上の場合は1.50.51から1.49の場合は1.00.5以下の場合は0.5と置き替えます。今回の場合は、平成22年度の平均値が1.42となっていますので、対応率は1.0となります。そのほかの年度についても同様に、平均値から対応率を算出し、平成23年度は1.5、平成24年度は1.0といった形で算出しています。これに各年度の在籍月数を掛けて、資料1-32(2)になりますが、こちらの計算式のとおり、在籍期間全体の加重平均を試算すると、1.2という数値が算出されます。

 資料集の127ページの4のところに、「1.0を超える業績勘案率を決定する場合は、当該退職役員の在籍期間における目的積立金の状況等に照らして、適切であるかどうかを考慮することとする」と書かれていますが、資料1-3(3)で、目的積立金のほうは積んでいない、(4)の退職役員に係る職責事項については、特段の申し出はないということで、事務局としては、1.0といった数値を試算しています。

1-32の草野理事です。在職期間は平成2211日から平成2571日までとなりますので、平成21年度から25年度までの年度評価の結果について、先ほどと同様の方法で試算し、(3)にあります計算式で1.1を算出しています。平成25年度の年度評価の結果については、年度実績評価がまだ実施されていませんので、平成25年度の在任期間中の業績実績を比較考慮して、平成21年から24年度とほぼ同水準であると判断して、対応率を1.0とみなして算出しています。

 同様に、役員の退職期間における目的積立金の状況、退職役員に係る職責事項は、両方とも特段ありませんので、最終的には業績勘案率を1.0として試算しています。以上です。

 

○今村部会長

 それでは、この退職役員の在任期間中の担当職務等について法人から簡単に御説明をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 山口理事長です。1-31の最後のページを御覧ください。山口理事長は平成231月から平成253月までの23か月間在任して、任期途中で退任を希望されたことにより退任をされています。この間、理事長として、機構の業務全体を総理して、労働政策に関する調査・研究、労働行政職員に対する研修などに強いリーダーシップを発揮されています。

 具体的には、行政や国民各層のニーズに対応して、かつ、政府の政策立案につながるようなタイムリーなテーマを取り上げた調査研究のほか、緊急の政策課題に、より機動的に対応することを目的とした緊急調査にも積極的に取り組まれました。ちょうど震災がありましたので、震災に絡む調査などについても積極的に対応いたしました。

 業務運営については、夏の節電対策を含めた省資源・省エネ対策、随意契約から競争性のある契約への見直し、役職員給与の見直し等の取組により運営の効率化に尽力を尽くされました。

 次に草野理事です。資料1-32の最後のページを御覧ください。草野理事は、平成221月就任、平成257月退任で、36か月間の在任です。草野理事についても、任期途中の退職を希望されたことによる退職です。

 職務内容については、当機構の管理運営の担当及び研修業務の担当をされています。具体的には、管理担当理事としては、組織及び運営の基本方針の策定、人事労務管理、予算計画の策定・執行・決算など、主に総務、経理などの管理部門の業務・運営を担当していました。

 さらに、理事就任の直前の平成2110月から、理事3名から2名体制へ移行したことに伴い、併せて研修業務や研修業務を通じて把握した研修生の問題意識等を踏まえた研究業務についても担当されました。加えて、ほかの理事とともに理事長を補佐して、労働政策研究業務や研究成果の普及業務に幅広く参画するなど、機構全体の業務の推進及び発展に尽力しました。以上です。

 

○今村部会長 

それでは、御質問等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、申請のあった業績勘案率については、原案のとおり、1.0と決定することとしてよろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 それでは、事務局からの説明のとおり、決定した業績勘案率については、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会に通知し、意見がない旨、当委員会に通知された後は、本日決定した業績勘案率を当委員会の決定として法人に通知することといたします。

 続きまして、労働政策研究・研修機構の不要財産の国庫納付について審議をいたします。まず、事務局から不要財産の国庫納付について説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 不要財産の国庫納付については、独立行政法人通則法第8条第3項の規定に基づき、将来にわたり業務を確実に実施するうえで必要がなくなったと認められる不要な財産については処分しなければならないとされています。

 この不要財産を国庫納付又は譲渡し、譲渡代金を国庫に納付しようとするときには、同法第46条の21項又は同条第2項の規定により、厚生労働大臣の認可が必要とされていまして、同条第5項で、「認可に当たってはあらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないこと」とされていますので、今回、委員の御意見を伺うものです。事務局からは以上です。

 

○今村部会長 

続いて、法人から説明をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構経理部長

 お手元の資料1-4を御覧ください。資料は、不要財産の国庫納付の認可申請について、当機構から厚生労働大臣宛てに提出しました「認可申請書」の写しです。1の現物による国庫納付に係る不要財産の内容ですが、こちらは雇用勘定現金及び預金のうち2322,000円です。

2の不要財産と認められる理由ですが、上記1の財産については、職員借上宿舎の不動産賃貸借契約に基づく差入敷金のうち、平成24事業年度中に契約を解除したものの返還金です。当機構の借上宿舎については、平成26年度までに廃止することを既に決定しています。そのため、今後使用する見込みがないため国庫に返還するものです。敷金の返還については、昨年度1回返還していますので、今回が2回目の返還です。

3の取得日、申請日における不要財産の帳簿価格ですが、記載の2322,000円です。 

4の不要財産の取得に係る出資又は支出の額、会計区分などについては、表の上の財産、2022,000円については、当機構の前身の特殊法人時代に政府から措置されていたものです。平成1510月の独法に移行する際に政府出資金として当機構が承継したものです。下の財産の30万円については、平成22年度に運営交付金で敷金を措置したものです。

5の現物による国庫納付の予定時期ですが、国庫納付に係る認可通知受理後速やかに行うこととしています。説明は以上です。

 

○今村部会長

 ただいまの説明について、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいですか。

 それでは、本件については、当部会として了承したいと思います。なお、この後の手続きの過程で内容に変更が生じた場合の取扱いについては、私に御一任いただけるでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 それでは、そのようにさせていただきます。

 労働政策研究・研修機構に係る審議は以上となります。最後に理事長から一言頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 本日は、本機構の平成24年度業務実績の総合評価、役員の退職金に係る業績勘案率等について御審議いただき、誠にありがとうございます。

 私どもとしましては、本日の評価結果と評価の過程で頂戴しました御意見等を踏まえながら、引き続き、労働分野の政策研究機関として、労働政策の企画・立案・実施に貢献すべく役職員一丸となって努力してまいる所存です。

 委員の皆様方には、今後とも引き続き御指導いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○今村部会長

 どうもありがとうございました。

 次の議題に入る前に、法人及び法人所管課の入替えを行いますので、大体10分ぐらいの休憩とさせていただきます。どうもありがとうございました。お疲れさまでした。

(法人及び所管課入替え)

 

○今村部会長

 それでは議事を再開いたします。審議に先立ちまして、法人から報告事項があるということですのでお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 理事長の小林でございます。御報告いたしますのは、今朝の朝日新聞の記事についてです。求職者支援制度に関して、大阪のNPO法人に不正受給の疑いがあり、厚労省が告発へという記事でございます。この事案につきましては、当機構は大阪労働局とともに大阪府警に御説明・御相談をし、告訴の準備を進めているところです。なお、同記事には、当機構の職員が関与していたとも書かれております。この嘱託職員に関しては、厳正に対処することとし、速やかに告訴いたしたいと考えております。今後とも警察の御指示の下、事案の全容解明に努めてまいる所存でございます。

 

○今村部会長

 ありがとうございます。部会としても事態の推移をしっかりと見守っていきたいと思います。それでは、まず高齢・障害・求職者雇用支援機構の総合評価についての審議を始めたいと思います。起草委員を代表して、柴田委員から御報告をお願いいたします。なお、議事運営の都合上、御報告時間はおおむね10分程度でお願いいたします。

○柴田委員

 それでは、高齢・障害・求職者雇用支援機構第二期中期目標の最終年度となる、平成24年度の業務実績の評価結果の概要を説明いたします。まず1ページの中期目標期間の業務実績についてです。1.(1)の「評価の視点」は、下から4段目から書かれておりますように、平成23年度評価で示された課題及び独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点及び2次意見等も踏まえて、最終評価をいたしました。

 具体的には、中段の(2)の中期目標期間の業務実績全般を御覧ください。平成24年度は本部機能の幕張本部への集約化等の組織体制の見直し、業務運営の効率化、経費節減等に努めたほか、経済情勢への対応策を機動的に実施したこと等により、業務実績は全ての項目で年度計画の数値目標を上回りました。このように着実に実績を上げ、機構の設立目的を果たしています。

 次年度以降は、事業主等とのネットワークの構築、連携強化や法人統合によるシナジーの一層の発揮に向けて取り組むほか、次に申します3点に留意して業務を進めることを期待します。

1が生涯現役社会の実現に向けて、高年齢者への効果的な相談・援助の充実を図るとともに、業務の更なる質の向上に向けて取り組む必要があること。2が他の就労支援機関では対応が困難な障害者の就労支援ニーズに積極的に応えるために、関係機関とのネットワーク形成を一層強化し、より円滑な就職・職場定着に向けて、サービスの一層の質的向上について検討する必要があること。3が職業訓練を効果的に実施するとともに、定員充足率の向上に向けて、引き続き取り組む必要があること。これが総括です。

 次に、2.の具体的な評価内容に進みます。(1)「業務運営の効率化に関する措置について」は、本部機能の幕張本部への集約化、本部管理部門の人員の削減が着実に行われており評価できます。また、一般管理費・業務経費ともに目標を上回る予算の節減を進めており、予算執行の節約にも極めて高い努力が認められます。

 給付金・助成金業務については、事務の簡素化により平均処理期間を大幅に短縮させたほか、助成金業務では企画競争型認定を導入し、業務の効果的な実施に取り組んでおり、これも評価できます。

(2)「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について」です。1「業務の質の向上への取組について」です。関係者のニーズ等の積極的な把握や業務の点検・改善に努めており評価できます。また、内部統制の改善に積極的に取り組んでいることも評価できます。内部統制については先ほどの話もあり、多少ニュアンスが難しいかと思います。東日本大震災に係る対策の実施については、地域と連携した震災復興訓練の実施、被災者への雇用促進住宅の無償提供など機動的な対応を行っており、機構の果たす役割を十分に果たしていると評価できます。

 次に3ページの2「高年齢者等雇用支援業務について」に移ります。[高年齢者雇用に係る事業主等に対する給付金の支給業務]については、迅速な情報提供や幅広い周知、事務手続の簡素合理化に積極的に取り組むとともに、「不正受給防止・摘発対策緊急プロジェクトチーム」を立ち上げて、不正受給防止対策の一層の強化に取り組んでおり評価できます。[事業主等に対する相談・援助、実践的手法の開発・提供及び高齢者雇用に関する啓発等]については、職業安定機関と連携して、法令違反となるおそれがある企業に対して相談・援助を積極的に実施したこと等により、相談・援助件数が目標を上回り、過去最高の実績となりました。追跡調査における課題改善効果も目標を上回っており評価できます。今後は、高年齢者が能力を最大限発揮できるように、効果的な相談・援助の充実を図るとともに、業務の更なる質の向上に向けた取組を期待します。

3「障害者雇用支援業務について」です。これは項目が多く、8つの項目に分かれています。まず、[地域障害者職業センター業務]です。地域障害者職業センター(地域センター)業務については、他の就労支援機関では対応が困難な精神障害者や発達障害者等に対して、精神障害者総合雇用支援や、発達障害者に対するジョブコーチ支援も含めて、個々の障害者の就労支援ニーズに対応した支援を積極的に実施した結果、数値目標を全て達成し、13の指標のうち6つの指標が、過去最高の実績となったことは高く評価できます。今後も、職業リハビリテーションに係る調査・研究の成果も活用しながら、一層の支援に期待します。

 次が4ページ、[地域の関係機関に対する助言・援助及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成]についてです。地域センターのカウンセラーが関係機関の職員と協同支援を積極的に実施したほか、職業リハビリテーションの専門的な人材育成を図る各種研修において、カリキュラムの見直し等の改善・充実を図ることで、結果として有用度アンケートの結果が、目標を大幅に上回ったことが評価できます。

 次が[職業リハビリテーションに関する調査・研究及び技法の開発]についてです。時宜を得た研究テーマを厳選することで、全てのテーマにおいて3分の2以上の外部評価委員から、上位2段階の評価を得たことは評価できます。また、研究成果が活用されるようパンフレットなどを作成・配布していることや、発達障害者等の就労支援技法を開発し、普及を進めたことは評価できます。今後も更なる支援ノウハウの蓄積と普及が図られるよう期待いたします。

 [障害者職業能力開発校の運営]についてです。職業訓練上特別な支援を要する障害者の受入れ拡大等に取り組み、平成24年度においては、定員充足率が目標を大きく上回ったほか、職業訓練上特別な支援を要する障害者の割合が前年度を上回り、修了者の就職率も目標を大きく上回った実績となっており評価できます。

4ページから5ページにかけて[納付金関係業務]です。厳しい経済環境にある中で、非常に高い水準の収納率を達成しており評価できます。今後は平成27年度からの運用対象の拡大に向けて、一層の周知と広報活動を進めていくことを期待しています。

5ページの2つ目が[納付金制度に基づく助成金の支給業務]についてです。悪質な不正受給の摘発件数の増加に対応するために、不正受給防止対策の強化を進めており評価できます。

 [障害者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等]についてです。個別相談の実施等により、特に困難な課題を抱える事業主に対する相談・援助体制の強化を進めており評価できます。障害者雇用に関する実践的手法の開発については、事業主ニーズの調査・分析を積極的に実施し、相談・援助を具体的にバックアップできる手法の開発がなされています。

 障害者関連ではこれが最後になりますが、[障害者技能競技大会(アビリンピック)]についてです。来場者へのアンケート調査の結果、障害者の職業能力及び雇用に対する理解が深まった旨の評価を得た割合が、目標を大きく上回っており評価できます。また、地方アビリンピックについては、組織内外の関係機関との連携強化によるシナジー効果により、競技参加者数及び競技種目が過去最高となった点は評価できます。障害者関連はこれで終わります。

 次が4「職業能力開発業務について」です。これは離職者、高度技能者、在職者対象のものです。まず文章中ほどの「訓練コースの見直しについて」です。「機構版教育訓練ガイドライン」に基づいたPDCAサイクルによる訓練コースの不断の見直しを行っており評価できます。今後もニーズに応えた効果的な職業訓練の実施に取り組むことを期待します。

 また、東日本大震災の被災地等6県においては、全国から職業訓練指導員を応援派遣し、引き続き震災復興訓練を設定・実施しています。

 職業能力開発総合大学校については、平成24年度末までに相模原校を廃止し東京校への集約を完了したほか、職業訓練指導員を対象としたスキルアップ訓練については、全国8ブロックにおいて出前型訓練を試行実施するとともに、平成26年度から導入するハイレベル訓練の実施に向けたカリキュラムの検討など、必要な準備を進めていることは評価できます。

6ページの一番下の[離職者訓練]については、地域ごとに人材ニーズを踏まえて、民間教育訓練機関では実施できない訓練コースの設定に努めるとともに、「就職支援行動ガイド」などを活用して、就職支援の強化を行いました。訓練終了後3か月時点の就職率が目標を達成し過去最高となったことや、常用労働者の就職割合も前年度実施を上回ったことは評価できます。なお、定員充足率が低調な施設については、定員充足率の向上に取り組んでいると認められますけれども、今後も引き続き充足率の向上に取り組むことを期待いたします。

7ページの[高度技能者の養成訓練]です。きめ細かな就職支援等に取り組むことで、就職希望者の就職率が目標を上回ったことは評価できます。また、「ものづくり体験教室」を実施するなど、地域に開かれた施設運営を行っていることも評価できます。

 [在職者訓練、事業主等との連携]については、受講者と事業主のアンケート調査の満足度がいずれも目標値を上回り、過去最高となっております。中小企業の技能水準の維持・向上に役立ち、日本経済の競争力を高める施策として評価できます。

7ページの一番下段、[職業訓練指導員養成、訓練コースの開発、国際連携・協力の推進等]については、技能習得の指導やキャリア・コンサルティング、就職支援等に対応できる幅広い能力を有する人材の育成・養成に努めるとともに、職業訓練指導員の開発途上国への派遣等、国際的視野の中で、指導的人材の育成を行っており評価できます。

8ページ中段の[求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等]については、認定申請書の受理・審査等の認定、定期的な訓練及び就職支援の実施状況調査による訓練実施機関に対する実施状況確認等重要な取組を着実に遂行していると認められますが、この項目では冒頭に御説明のあったような、水増し請求による不正受給の疑いが出てきておりますので、原因を徹底的に究明し、今後の再発防止策の検討に期待します。

9ページ(4)「評価委員会が厳正に評価する事項及び政・独委の評価の視点等への対応について」です。10ページの3「組織体制・人件費管理について」です。いわゆるラスパイレス指数については、数次にわたる給与制度の見直しに取り組み、平成23年度に比べ5.7ポイント減少し、101.9ポイントになりました。

 次に11ページの5「契約について」です。「随意契約等見直し計画」に基づき、競争性のある契約への移行が着実に進められたほか、「『1者応札・1者応募』に係る改善方策」に基づき、1者応募等の改善もなされています。

11ページから12ページにかけての6「内部統制について」です。理事長自らが重要な課題についてヒアリングを実施し、目標達成に向けて意識の向上と効果的な業務の推進の徹底に取り組むとともに、内部統制の更なる向上に向けていることは評価できるとしたのですけれども、今回の報道のような事件、あるいは疑義が起こらないようにリスクの洗い出し、職員の意識の醸成、体制の見直しが今後検討されることを望みます。これは文言には書いてないので、個人的な意見として言わせていただきました。

 最後に、12ページの7「事務・事業の見直し等について」です。平成22127日に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」に従い、平成24年度末をもって職業能力開発総合大学校相模原校を廃止し、東京校への集約化を完了するなど、基本方針に盛り込まれた項目を着実に実施していると認められます。

 以上で高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成24年度の業務実績の評価結果の説明を終わります。

 

○今村部会長

 冒頭に報告のあった新聞報道などにも関わってくる内容があるかと思いますが、御意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。柴田委員、もし文言を修正する可能性があるとしたら、8ページの「求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等」と、11ページの6の「内部統制について」かと思いますが。

 

○柴田委員

 評価項目の構成では、不正受給に関しては、障害者と高齢者、それぞれ別々に対策を講じられております。ところが今回は在職者と失業者関連のところで不正受給疑惑がでてきました。機構は「統合したシナジー効果を発揮するように」と期待されていますが、不正受給に関しても統合したシナジー効果を発揮できるよう、横断的にプロジェクトチームを組成し、ノウハウを結集してやっていくということが大切だと思います。職員の皆さんはすごく優しくて良い人ばかりだから、こんなことは起こらないとお考えかも知れませんが、外部ではこの制度をうまく利用しようとするいろいろな人たちが、手を変え、品を変えていろいろなことをやってくると思うので、防衛しないといけないというニュアンスのものを入れたいと思います。

 

○今村部会長

 確かにその御趣旨のとおりです。私からも若干補足させていただきます。この高障求機構というのは御存じのとおり、旧高障機構と旧能開機構が統合されたものです。もともと高障機構は以前から、ガバナンス・コンプライアンスに関しては非常に取り組んでおられて、この部会でも高い評価をされておりました。相対的に能開機構のガバナンス・コンプライアンスに関する整備が遅れているという印象があるので、そういう意味での真のシナジー効果を組織の横断的な連携と言いますか、これは以前この部会でも報告がありましたけれども、旧能開機構の組織がそのまま新しい機構の中で存続するのではなくて、もう少し壁を取り払って横の風通しを良くして、ガバナンス・コンプライアンスを実現していただくという期待を込めて、過去に私も発言した記憶があります。そういうことで本当の意味での真のシナジー効果というのが、旧高障機構の実績をもとに、全体として統合されていくことを期待したいということを、当部会としても是非お願いしたいところかと思います。

 あと付け加えますと、これを当部会としてどう反省できるかということです。御記憶も新しいかと思いますが、非常に膨大な内容ですので、前回の評価のときも高障機構の部分については、かなり時間を割いたのです。しかし、最後の旧能開機構部分については、時間的に十分取れなかったという反省もありますので、今後は時間配分についても検討する材料ではないかと思います。もし所管課から何かありましたら、御発言されますか。

 

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部高齢者雇用対策課長補佐

 御指摘いただいた点については冒頭、理事長からお話のあった内容も踏まえて、起草委員ともよく御相談させていただきたいと思っております。この件を含めてもリスク管理やコンプライアンスの推進の部分で、引き続き改善する点もいろいろあるかと思います。そこは今後の課題も含めて、よく検討していきたいと思いますので、御理解いただければと思います。

 

○今村部会長

 いずれにしても事態が動いているところですので、それについても。

 

○政策評価官

 正に部会長がおっしゃったとおり、今は事態が動いている状況ですので、まずは御報告させていただいたところです。今後、起草委員と状況等も踏まえながら修正させていただければと思います。ただ、全体的なものと言うよりも、コンプライアンスと制度についてというところになりますので、限定された所だろうとは思っております。できましたら起草委員とそのような形で進めさせていただくということと、その結果をまずは部会長に御報告して、今後の取扱いについて決めさせていただく、そのような段取りを御了承いただければと思います。

 

○今村部会長

 この件に関しては、起草委員と所管課と相談の上、事態の推移を見て、可能な限り取り入れて修正させていただきたいと思います。私もその中に関わって、できるだけ適正な評価・処理をしたいと思いますが、そういう扱いでいかがでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それ以外の内容も含めて、御意見がありましたらお願いいたします。

 よろしいでしょうか。事態が突然でしたので、今のことに関しては、できる限りの形で修正させていただくということになるかと思います。そのほかに誤字脱字等がありましたら事実誤認等、修正が必要となったものも含めて、私に一任いただけますか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、これから5分ほど時間を取りますので、現在までの意見・報告等を踏まえて個別評定を修正したい方は、ここで評定記入用紙の修正・確定の時間を設けますので、よろしくお願いいたします。

 

○今村部会長

 よろしいでしょうか。それでは、これをもって高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成24年度業務実績評価に関する意見を取りまとめいたします。

評価書には、評価結果の別添として評価シートの集約版が添付されています。本日、評定記入用紙の確認、修正を行っていただいたことにより、評価シートの集約版の内容が変更となる際については、その内容について、私に御一任いただくことになっているのですが、先ほどの件に関しては、事態の推移を見まして、特にこの場合は18番の「職業訓練認定業務等」ということですが、平成23年度評価結果は「A」、現段階における平成24年度の評定を含めて平均すると「A」になりますので、この辺については、もしかしたら評価が変わる可能性があります。それも含めて、起草委員と連絡を取りながらということで、私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。

 なお、その場合に、場合によっては個別に各委員に御意見を承ることもあるかもしれませんので、その際にはよろしくお願いいたします。

 続きまして、高齢・障害・求職者雇用支援機構の最終評価について、御審議いただきます。まず、法人から中期目標期間の業務実績について説明をし、その後、起草委員を代表して柴田委員から、「最終評価書()」について、御報告を頂き、最後に質疑応答といたします。それでは、法人より10分程度で説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 第2期中期計画期間の平成20年度から平成24年度、5年分の業務実績について、資料2-2に沿って説明いたします。なお、詳細については、別紙を参照していただければと思います。

1ページ、評価シート1です。上段に、各年度の評価を記載していますが、それらの平均値を最終評価として、右上に記載しています。評価シート1の最終評価は「A」です。中段には「主な業務実績」、下段には「主な中期目標の達成状況」があります。下段を中心に説明いたします。

 下段の1つ目の○です。一般管理費、業務経費、いずれも毎年の節減目標を達成しています。また、4つ目の○ですが、給付金・助成金の1件当たりの平均処理期間については、最終年度の平成24年度において、平成19年度比35.3%の短縮で、5%短縮という数値目標を大幅に上回っています。

2ページの評価シート2、最終評価は「A」です。下段に達成状況がありまして、1つ目の○です。外部の学識経験者等による業績評価を毎年度実施し、自己評価を決定するとともに、評価結果を全職員に周知し、業務改善に取り組んでいます。2つ目の○ですが、「行動規範」の策定、内部統制等の向上にも取り組んでいます。

3ページの評価シート3、最終評価は「A」です。下段の達成状況の1つ目の○で、支給要件に変更があった場合のホームページの公開が7日以内という目標で、毎年度達成です。また、事務手続の簡素合理化、不正受給防止対策の強化を図りました。

4ページの評価シート4、最終評価は「A」です。下段の達成状況です。1つ目の○の高年齢者雇用アドバイザー等による相談・援助の件数は、毎年度増加しています。2つ目の○ですが、具体的な改善効果のあった旨の評価が得られた割合は70%以上という目標で、毎年度達成しています。その他、高年齢者雇用開発フォーラム、各種イベントを通じた広報活動にも積極的に取り組みました。

5ページの評価シート5、最終評価は「S」です。これについては、5ページと6ページにわたっていますが、6ページに達成状況を記載しています。5ページの下には業務実績の数値目標が様々ありますが、いずれも毎年度目標を大きく上回っています。特に、直近の平成24年度においては、全12指標中、全部目標を達成したほか、6指標で過去最高を更新しています。

7ページの評価シート6、最終評価は「A」です。下段に達成状況が記載されています。1つ目の○の助言・援助等及びマニュアル・教材等の提供を受けた者に対するアンケート調査で、80%以上有用であるという目標を毎年度大幅に上回っています。

8ページの評価シート7、最終評価は「A」です。下段の達成状況、1つ目の○の終了した調査・研究については、「4段階中上から2段階以上の評価」を得るという目標がありましたが、毎年度達成しました。また、4つ目の○ですが、技法の開発においては、関係者、事業主にとって利用しやすいマニュアル等を平成24年度末時点で合計30件作成して、20件以上という目標を達成しました。

9ページの評価シート8、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○の職業訓練上特別な支援を要する障害者の受入れは年々拡大し、平成24年度は54.7%、定員充足率も目標の95%を毎年度上回りました。また、2つ目の○ですが、訓練修了者の就職率も80%以上という目標でしたが、毎年度上回りました。4つ目の○の指導技法の開発成果が有用であった旨の評価が得られた割合について、80%以上という目標でしたが、毎年度大幅に上回りました。

10ページの評価シート9、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○で、事業主説明会、250回の目標を大幅に上回りました。2つ目の○の納付金の収納率について、毎年度99%以上という目標を大幅に上回りました。

11ページの評価シート10、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○で、支給要件等に変更があった場合に7日以内にホームページで公開という目標ですが、全て達成しています。また、事業主への説明会の積極的な開催、事務の簡素合理化、不正受給防止対策の強化を図りました。

12ページの評価シート11、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、障害者職業生活相談員資格認定講習の講習内容を充実しました。また、4つ目の○で、就労支援機器の利用率60%以上という目標を、毎年度達成しています。5つ目の○の障害者ワークフェアのアンケート調査で、理解が深まった旨の評価が80%以上という目標でしたが、毎年度大きく上回りました。

13ページの評価シート12、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、国際アビリンピックの開催年度であった平成23年度を除いて、毎年度アビリンピックを開催しました。また、2つ目の○にあるとおり、来場者に対するアンケート調査において、理解が深まったという評価が得られる割合は80%以上という目標でしたが、毎年度大幅に上回りました。

 評価シート13から評価シート18までは、職業能力開発業務ということで、平成2310月に旧雇用・能力開発機構から業務の移管ということで、平成23年度後半の半年間の実績、平成24年度の実績ということで、2年度分の実績の平均を最終評価として、右上に記載しています。

14ページの評価シート13、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、就職率80%以上という目標について、大幅に上回っています。常用労働者の就職割合も、毎年度向上しました。

15ページの評価シート14、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、就職率95%以上という目標については、目標を大幅に上回り、常用労働者の就職割合も向上し、高い水準を維持したところです。

16ページの評価シート15、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、受講者と受講者を派遣した事業主に対するアンケート調査による有用度80%以上という目標について、大幅に上回りました。

17ページの評価シート16、最終評価は「A」です。達成状況にあるとおり、職業訓練指導員の養成、職業訓練の実施に資する調査・研究の実施、その成果の普及等、目標の各項目を計画どおりに実施しました。

18ページの評価シート17、最終評価は「A」です。達成状況にあるとおり、PDCAサイクルの不断の見直しにより訓練の質を確保、職業大の東京校への集約化の完了等、目標の各項目を計画どおりに達成しました。また、東日本大震災の被災地等6県において、震災復興訓練を実施しました。

19ページの評価シート18、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、職業訓練の認定申請書の審査を実施しました。2つ目の○にあるとおり、定期的に訓練、就職支援の実施状況を確認しました。その際、「カリキュラムナビ」を作成し、訓練実施機関への支援を実施しました。

20ページの評価シート19、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○ですが、予算執行については、人件費の削減、賃借料の引下げ等による業務経費の節減を図り、国庫負担の軽減に寄与しました。2つ目の○にあるとおり、雇用促進住宅について、緊急一時入居者や東日本大震災の被災者等に配慮しつつ、譲渡、廃止を進めました。

21ページの評価シート20、最終評価は「A」です。達成状況の1つ目の○にあるとおり、人事に関する計画においては、面接重視による採用選考の実施、あるいは職員各層に対する課題別研修の実施等を行いました。また、2つ目の○にあるとおり、人件費については、平成23年度末で22.7%削減で、5%以上削減の目標を大幅に上回りました。私からの説明は以上です。

 

○今村部会長

 高齢・障害・求職者雇用支援機構の起草委員を代表し、柴田委員から御報告をお願いします。

 

○柴田委員

1ページの1.「中期目標期間の業務実績について」の(1)「評価の視点」から説明いたします。(1)の最後の段落にあるように、当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」等に基づき、各年度の業務実績の評価において示した課題のほか、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」や、いわゆる2次意見等も踏まえ、最終評価を実施してきました。

 続いて、(2)「中期目標期間の業務実績全般の評価」についてです。先ほどの平成24年度の報告と重なるのですが、御容謝ください。当委員会では、機構が独立行政法人として発足して以来、業務により得られた成果が、機構の設立目的に照らして、どの程度寄与するものであったか、効率性、有効性の観点から、適正に業務を実施してきたかなどの視点に立って評価を行ってきましたが、中期目標期間全般については、ただいま御説明があったように、おおむね適正に業務を実施してきたと評価できます。

 業務運営の効率化に関しては、本部機能の幕張本部への移転・集約化、地方業務の委託方式の廃止による直接実施等により、効率化に着実に取り組んでいます。また、人件費削減、一般管理費・業務経費の削減など経費節減に取り組むとともに、利用者等のニーズ把握、サービスの質の向上などに積極的に取り組んだ結果、業務実績は中期目標・中期計画を上回るなど、着実に実績を上げています。一方で、今後の課題として、先ほども申し上げたような3つの点に留意しながら、業務を実施していく必要があります。

1ですが、今後は、生涯現役社会の実現に向け、高年齢者が能力を最大限に発揮できるよう、効果的な相談・援助の充実を図るとともに、業務の更なる質の向上に向けて取り組む必要があること。2ですが、他の就労機関では対応が困難な障害者の就労支援ニーズに積極的に応えるために、関係機関とのネットワーク形成を一層強化して、より円滑な就職・職場定着に向けて、サービスの一層の質的向上について検討する必要があること。3ですが、企業等のニーズに応えた職業訓練の効果的実施、定員充足率の向上に引き続き取り組む必要があることです。

2.「具体的な評価内容」です。まず、(1)「業務運営の効率化について」です。業務運営体制については、本部機能の幕張本部への移転・集約化、地方業務の委託方式の廃止などに着実に取り組んでおり、評価できます。

 経費節減等については、一般管理費・業務経費ともに中期目標・中期計画を上回る予算の節減を進めて、併せて予算執行の節約等極めて高い努力が認められ、評価できます。

 給付金・助成金業務の事務手続の効率化・簡素化、審査能力の向上等により、1件当たりの平均処理期間が、平成19年度と比べて平成24年度では35.3%の短縮となっており、評価できます。

 次に、(2)「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について」です。1「業務の質の向上への取組について」は、関係者のニーズ等の把握や雇用情報等の提供については、内容評価・外部評価を活用した業績評価システムや、2元構造のコンプライアンス体制、リスク管理委員会の設置等内部統制の改善に積極的かつ着実に取り組んでいることは評価できます。また、東日本大震災への対策の実施については、特別相談窓口の設置、雇用促進住宅の活用など機動的な対応を行っており、機構の果たす役割を十分に発揮したといえます。

3ページ、2「高年齢者等雇用支援業務」についてです。[高年齢者雇用に係る事業主等に対する給付金の支給業務]については、給付金の効果的活用の促進に向けた周知・広報及び事務手続の簡素合理化に努めており、支給要件等に変更があった場合の公開状況についても、毎年度中期計画の数値目標を上回っています。

 また、適正な支給業務の実施に当たっては、平成22年度、平成23年度は、不正受給件数が0件となったこと、過年度の不正受給事案の発覚を踏まえ、不正受給防止対策の一層の強化に取り組んだことは評価できます。

 次に、[事業主に対する相談・援助、実践的手法の開発・提供及び高年齢者雇用に関する啓発等]です。高年齢者雇用アドバイザー等による相談・援助等の実施件数が中期計画の数値目標を上回るとともに、追跡調査において具体的な課題改善効果があったとの評価を得た割合も、中期目標・中期計画の数値を大きく上回っており、評価できます。実践的手法の開発・提供については、事業主のニーズ及び就労現場の実情を踏まえた調査研究を行っており、評価できます。

 次は、3「障害者雇用支援業務」についてです。まず、[地域障害者職業センター業務]です。この業務については、他の就労支援機関では対応が困難な精神障害者、発達障害者に対して、平成24年度末までに、延べ148,415人に職業リハビリテーションサービスを実施しており、職業準備支援等、修了者の就職等に向かう、次の段階への移行率及び就職率についても、毎年度中期計画の目標を達成していることは、高く評価できます。また、ジョブコーチ支援についても、平成24年度までに、延べ16,465人に対して支援を実施しており、支援終了6か月経過時の職場定着率も、中期計画の目標を上回っており、評価できます。

4ページの[地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成]についてです。障害者職業カウンセラーが、関係機関の職員への支援方法の説明を行うなど、積極的に助言・援助を実施したほか、アンケート調査の結果でも、中期計画の目標を大幅に上回っており、評価できます。また、職業リハビリテーションの専門的な人材の育成については、福祉機関等の職員に対して専門的、技術的研修を実施するとともに、受講者アンケートの結果を踏まえて、更なる内容の充実を図っていることが評価できます。

 中ほどの[職業リハビリテーションに関する調査・研究及び技法の開発]についてです。ニーズを踏まえたテーマについて実施したこと、毎年度全てのテーマについて3分の2以上の外部評価委員から、上位2段階の評価を得て、中期計画の目標を達成したことは評価できます。また、技法の開発については、発達障害者等の就労支援技法の開発や支援技法普及講習等を通じ、成果の普及に努めていることは評価できます。

 [障害者職業能力開発校の運営]についてです。職業訓練上特別な支援を要する障害者の積極的な受入れ拡大に取り組んで、平成24年度においては、職業訓練上特別な支援を要する障害者の割合が54.7%となり、2年連続5割を超えたこと、定員充足率は毎年度中期計画の目標95%を超えたことが評価できます。また、雇用情勢に対応した就職促進対策の実施等により修了者の就職率が毎年度中期計画の目標を上回っていることも評価できます。

4ページの一番最後の[納付金関係業務]についてです。事業主の利便性の向上を図る等の取組により、毎年度99%以上の収納率を達成していることは評価できます。特に、平成22年度から新たに適用対象となった200人を超え300人以下の事業主についても、収納率が99%を上回ったことは、制度改正にも着実に対応した結果であり、評価できます。

5ページです。[納付金制度に基づく助成金の支給業務]についてです。助成金の効果的活用の促進に向けた周知・広報、事務手続の簡素化等に着実に取り組むとともに、不正受給防止対策の強化に取り組むなど、適正な支給業務の実施に努めており、評価できます。

 [障害者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等]です。特に困難で、個別の課題を抱える事業主の相談・援助を進めており、評価できます。障害者雇用に関する実践的手法の開発については、事業主ニーズの調査・分析を積極的に実施し、マニュアル・好事例集の作成等に取り組むなど、相談・援助を具体的にバックアップできる手法の開発がなされています。

 次が、[障害者技能競技大会(アビリンピック)]ですが、国際アビリンピックの開催年度であった一昨年(平成23年度)を除き毎年度開催しておりまして、雇用・就業の動向等を踏まえた競技種目の重点化、先駆的又は雇用拡大が期待される職種による技能デモンストレーションの実施等、一層効果的な大会運営の取組がなされています。大会来場者に対するアンケートでは、中期計画を大幅に上回る割合で、障害者の職業能力及び雇用に対する理解度が深まった旨の評価が得られており、評価できます。

6ページ、4「職業能力開発業務について」です。まず、[効果的な職業訓練の実施、公共職業能力開発施設等]についてです。2つ目のパラグラフの所からですが、訓練コースの見直しについては、「機構版教育訓練ガイドライン」に基づいたPDCAサイクルによる不断の見直しを行っていますが、今後もニーズに応えた職業訓練の効果的な実施に取り組むことを期待しています。

 職業能力開発促進センター、職業能力開発大学校・短期大学校の都道府県への移管については、譲渡のための必要なデータを提供するとともに、職業能力開発促進センターの所長等が各都道府県を訪問できるよう準備を進めています。職業能力開発総合大学校については、平成24年度末までに相模原校を廃止し東京校への集約を完了したほか、全国の職業訓練指導員を対象としたスキルアップ訓練については、出前型訓練を全国において試行実施をするとともに、平成26年度から導入するハイレベル訓練の実施に向け、必要な準備を進めていることは評価できます。

 [離職者訓練]については、地域ごとに人材ニーズを踏まえた上で、民間教育訓練機関では実施できないような訓練コースの設定に努めていますし、「就職支援マップ」等の就職支援ツールを活用した就職支援の強化を行っています。こうした取組により訓練修了者の終了後3か月時点の就職率は、毎年度中期計画の目標を大幅に上回り、平成23年度、平成24年度は、いずれも過去最高となったとともに、常用労働者の割合も毎年度向上しており、評価できます。

 なお、定員充足率は低下傾向にあるのですが、そのことを踏まえて、各施設の定員充足率を明らかにし、低調な施設においては、定員充足率の向上に取り組んでいるという状況も認められますが、今後も引き続き定員充足率の向上に取り組むことを期待しています。

7ページの[高度技能者の養成訓練]については、きめ細かな就職支援の取組等により、専門課程及び応用課程の修了者のうち、就職希望者の就職率は中期計画の目標を上回っています。また、常用労働者の就職割合も高い水準を維持したことは評価できます。また、「ものづくり体験教室」の実施など、地域に開かれた施設運営を行っていることも評価できます。

 次に、[在職者訓練、事業主等との連携]についてです。受講者と事業主のアンケート調査の満足度が、中期計画の目標を大幅に上回ったことは評価できます。また、訓練コースの評価・改善や受講者及び事業主から測定・評価した結果を訓練コースの設定等に活用するなどの取組を実施していることは、評価できます。事業主が自ら職業訓練を実施するための支援としては、職業訓練指導員の派遣や、施設設備の貸与、「緊急雇用対策講習」を実施しており、これも評価できます。

 次に、[職業訓練指導員養成、訓練コースの開発、国際連携・協力の推進等]についてです。技能習得の指導、キャリア・コンサルティング、就職支援等幅広い能力が必要ですが、こうした幅広い対応ができるような能力を有する人材の養成に努めたこと、研修課程では専門性の拡大・レベルアップや新たな職種を担当する技能を習得するための訓練を実施したことなどで、指導力の強化、向上に努めていることは評価できます。

 訓練コースの開発については、外部有識者を含めた委員会を設け、調査・研究を実施しており、その成果を公表するとともに、関係機関に対して研究報告書を配布する等成果の還元にも努めており評価できます。

 国際連携・協力の推進等については、開発途上国からの研修員等の受け入れや職業訓練指導員の開発途上国への派遣など、国際貢献の取組を行っており、これも評価できます。

 最後になりますが、これが今回まだ確定できない、求職者支援制度のことです。ここでは、取りあえず職業訓練認定業務については、職業能力の開発及び向上を図るために効果的な訓練内容となっているか等を踏まえた審査に努めるとともに、定期的に訓練実施機関に対し実施状況の確認を行うなど、求職者支援訓練の質の確保、訓練実施機関への支援に取り組んでいることは評価できると書いてあります。ここは若干ニュアンスを検討する必要が残されているかなと思います。以上で御報告、御説明を終わります。

 

○今村部会長

 柴田委員、ありがとうございました。まず、委員の皆様から、ただいま御報告を頂いた最終評価書()について御意見等がありましたらお願いします。

 お考えいただいている間に、簡単に整理させていただきます。まず大事なことは、最終評価の段階で、資料2-219ページの評価シート18「求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等」で、旧能開機構から引き継いだのが平成23年度ですので、平成23年度、平成24年度の評価で最終評価が「A」となっていますが、これについては、最終的にここの所で調整させていただきたいと思います。

 なお、この部会はここに出てきた情報で評価することが前提になりますので、今後情報収集、調整、判断等をさせていただきながら、最終評価書を起草委員とともに調整させていただきたいと思います。

 ただ、この求職者支援制度ですが、これは御存じのとおり、日本の失業者、求職者のセーフティネットを強化するために新たに導入された仕組みで、まだ経験の浅いところです。そのために、若干制度、システムの整備が遅れているところもあるかと思いますので、この機会にこれも含めて、しっかりとボトムアップで現場から制度の検証というか、それをするいい機会ではありますので、しっかりと調査、修正をお願いしたいところです。

 外部のNPO等との連携についても、今後、人口減少、高齢社会が続く中で、政府だけで全てのサービスを提供するというわけにはいかないと思いますので、こういうところの連携、評価の在り方、選定の在り方等についても、いい機会ですので、是非御検討を頂ければと私から申し上げさせていただきます。

 所管課から御発言はよろしいでしょうか。特に、今の点も含めて大きな修正意見はないようですので、今後、所管課あるいは起草委員と相談しまして、最終的な判断をさせていただき、修正となりましたら、そういう形で処理させていただきたいと思います。

 その上で、中期目標期間の業務実績に関する最終評価結果()として、828日に開催される総会において、私から委員会に御報告申し上げたいと思います。具体的な修正については、今、申し上げたとおりの手続とさせていただきたいと思います。ただ、そのプロセスにおいて、個々の委員に御意見を伺うこともあるかと思いますので、その際はよろしく御協力をお願いいたします。という形で、最終的な処理は私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 最後に、高齢・障害・求職者雇用支援機構の不要財産の国庫納付等について審議いたします。まず、事務局から説明し、続いて法人から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 法人が不要財産の国庫納付、譲渡、あるいは譲渡代金を国庫に納付しようとするときには、独立行政法人通則法第46条の2の規定により、厚生労働大臣の認可が必要とされております。また、この認可を行う際には、あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないこととされております。また、不要財産であって、政府以外の者からの出資に係るものについて、当該出資者へ払戻しの請求ができる旨催告する場合も、通則法第46条の31項の規定により、厚生労働大臣の認可が必要とされておりまして、同条第6項において、「認可をしようとする際にはあらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないこと」とされておりますので、今回、委員の皆様方の御意見を伺うものとなります。

 それでは、法人から説明をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長

 高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長の岡崎です。私から、不要財産の国庫納付等の認可申請内容について、資料2-4で説明いたします。本資料において、2件の認可申請書を添付しています。1件目が1ページから2ページ、2件目が3ページから6ページです。これらは、いずれも借上げ事務所等の廃止及び移転等による、契約解除に伴う敷金返還金に係るものです。

 このうち1件目については、独立行政法人通則法第46条の21項の規定による不要財産の国庫納付に係るものです。2件目については、同法第46条の31項の規定による不要財産に係る民間等出資の払戻しの請求の催告に係るものです。1件目の不要財産の国庫納付に係る認可申請について説明いたします。

2ページ、別紙を御覧ください。こちらは平成24年度中に受入れを行った旧竹芝本部事務所や借上げ職員宿舎等の解約に伴う敷金返還金6,8978,710円に係るものです。

2件目の不要財産に係る民間等出資の払戻しの請求の催告に係る認可申請です。これは、旧雇用・能力開発機構から承継を受けた出資資産について、政府からの出資のほか、ごく一部の割合ではありますが、地方公共団体からも出資を受けております。このため、旧雇用・能力開発機構から承継を受けた出資資産を処分した場合には、先に説明した不要財産の国庫納付に係る認可申請とは別に、当該認可申請も併せて行うことになります。

4ページ、別紙です。こちらは旧雇用・能力開発機構から承継を受けた出資資産に係る敷金返還金のうちの、地方公共団体からの出資相当額3,332円です。

 併せて、5ページの別添1において、地方公共団体における出資額等の状況について示しており、6ページの別添2で、各地方公共団体に対する催告の内容について示しています。

 なお、地方公共団体への催告通知などの手続は、大臣からの認可を受けた後、速やかに行います。以上です。

 

○今村部会長

 ただいまの説明について、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、本件については当部会として、了承したいと思います。なお、今後の手続の過程で、内容に変更が生じた場合の取扱いについては、私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 高齢・障害・求職者雇用支援機構に関する審議は以上となります。最後に理事長から一言頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 長時間にわたる御審議、ありがとうございました。頂きました御意見と、総合評価書に示された諸課題に取り組んでまいります。そして、事業運営の更なる効率向上に取り組んでまいりたいと思います。

 特に、今回の事件の関連で御指摘のありました、不正受給を含むコンプライアンスについてのシナジーについて、更に意を用いたいと思いますし、求職者支援制度に関するブラッシュアップについても、更なる改善に取り組みたいと思います。そして、全体としての内部統制の強化に努めてまいりたいと思いますので、今後とも御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

 

○今村部会長

 どうもありがとうございました。

 本日の議事は以上です。なお、本日御審議いただいた「総合評価書」「財務諸表に関する意見書」「役員の退職金に係る業績勘案率」並びに「不要財産の国庫納付」については、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づき(資料集51ページ)、本部会の決定をもちまして、評価委員会の決定となります。また、「総合評価書」については、今後、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会への通知、公表の手続が行われることになります。さらに、高齢・障害・求職者雇用支援機構の最終評価書()については、先ほどのプロセスを経まして、28日に行われる総会において、私から委員会に報告させていただきます。

 それでは、事務局から今後の予定等連絡事項について、御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の予定等について御連絡します。本日御審議いただいた2つの法人の総合評価書については、必要に応じて修正を行うなど所要の事務手続を進めさせていただきます。なお、最終的に確定したものは、後日、委員の皆様に郵送いたします。また、高齢・障害・求職者雇用支援機構の最終評価書()については、28日の総会における審議を経て、決定後にお送りする形になります。

 次回は、826()13時から、厚生労働省12階の専用第12会議室で開催予定です。審議内容は、労働者健康福祉機構の総合評価、暫定評価及び組織・業務全般の見直し当初案、勤労者退職金共済機構の総合評価及び最終評価です。以上です。

 

○今村部会長

 本日は以上です。長時間にわたり熱心な御審議を頂きまして、ありがとうございました。


(了)

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