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2013年7月31日 第82回独立行政法人評価委員会労働部会議事録

○日時

平成25年7月31日(水)12:57~17:28


○場所

労働委員会会館講堂


○出席者

今村部会長、高田部会長代理、柴田委員、宮崎委員、志藤委員、関口委員、松浦委員

○議事

(以下、議事録)

 

○政策評価官

 ただいまから、第82回厚生労働省独立行政法人評価委員会労働部会を開催いたします。委員の皆様方におかれては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。今年710日付けで政策評価官を拝命しました原口です。よろしくお願いいたします。

 議事に入る前に本部会の開催に当たり、政策評価審議官の山沖から御挨拶させていただきます。

 

○政策評価審議官

 政策評価審議官をしています山沖義和です。どうぞよろしくお願いいたします。皆様方には、御多忙のところ独立行政法人評価委員会労働部会の委員、臨時委員に御就任いただきまして、ありがとうございます。また、今日はちょっと雲りがちといいますか、蒸し暑い感じで、天候が不順なところお集まりいただき、重ねて御礼申し上げます。

 独立行政法人の運営に当たっては、自主性とともに公共性、透明性が求められています。そのため、中期目標、中期計画等を定めて、その業務の実績を評価すること、すなわちPDCAサイクルに基づき不断の見直しを行うことが求められています。

 本委員会では、これから8月下旬までにかけて、7つの部会に分かれて、総会、部会を合わせて25回、70時間ぐらい御審議いただくことになっています。このうち本部会では、今日と87日、14日、26日と4回、ちょっと回数は多いのですが、時間も全部で16時間で、全部で4つの法人、労働政策研究・研修機構、いまこちらにいますが、それと高齢・障害・求職者雇用支援機構、労働者健康福祉機構、勤労者退職金共済機構について評価していただくことになっています。

 このうち、高齢・障害・求職者雇用支援機構、勤労者退職金共済機構については、中期目標期間が平成20年度から24年度までとなっていることから、今回は、昨年度の実績評価に加えて、中期目標期間全体の最終評価を行ってもらうことになります。

 また、労働者健康福祉機構については、中期目標期間が平成21年度から今年度までとなっていますので、こちらは昨年度の実績評価に加えて、4年間の実績を踏まえた暫定評価を行ってもらうことになります。暫定評価を最終年度に行い、更にそれが終わった時点で最終評価の形になります。こちらの部会の場合は4つの法人のうち3つの法人が最終評価、暫定評価となっていますので、よろしくお願いいたします。

 委員、臨時委員の皆様方には、厳しいスケジュールの中ではありますが、独立行政法人に対して適正かつ厳正に御評価いただきますようお願い申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官

 続きまして、委員の皆様方を御紹介します。皆様には、先に辞令を郵送させていただいておりますが、。厚生労働省独立行政法人評価委員会委員及び臨時委員として、本年630日付けで厚生労働大臣の任命が発令されております。また、先の22日に開催された委員会の総会において、お手元に配布してある資料1-2にありますとおり、皆様の労働部会への分属が決定していますので、御報告申し上げます。

 それでは、50音順にお手元の資料1に基づいて御紹介します。東洋大学経済学部総合政策学科教授の今村肇委員です。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社革新創造センター部長の柴田裕子委員です。一橋大学大学院社会学研究科特任・名誉教授の高田一夫委員です。名古屋大学副総長の松尾清一委員です。本日は御欠席です。公認会計士の宮崎哲委員です。明治大学法学部教授の小西康之委員です。本日は御欠席です。国際長寿センター事務局長の志藤洋子委員です。東京経済大学経営学部教授の関口和代委員です。株式会社ニッセイ基礎研究所生活研究部門主任研究員の松浦民恵委員です。

 最後に事務局を御紹介いたします。室長補佐の和田です。

 議事に入らせていただきます。議事の(1)「部会長の互選、部会長代理の指名」です。最初に、部会長の御選出をお願いいたします。選出手続について簡単に御説明申し上げます。お手元の資料集の50ページに記載していますが、厚生労働省独立行政法人評価委員会令の第5条第3項において、「部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する」とされており、委員の皆様方の互選により選任することとなっていますが、いかがでしょうか。

 

○高田委員

 互選ということで、今村委員を推薦させていただきたいと思います。今村委員は、見識に優れていますし、また、当委員会の御経験も豊富ですので、適任かと思います。いかがでしょうか。

 

○政策評価官

 ただいま高田委員から、今村委員を部会長にという御推薦がありましたが、いかがでしょうか。

(各委員了承)

○政策評価官

 ありがとうございました。それでは、今村委員に部会長をお願いしたいと思います。以後の進行については今村部会長にお願いしますので、座席の移動をよろしくお願いいたします。

 

○今村部会長

 どうぞよろしくお願いいたします。何年前だったか忘れましたが、この部会に初めて入ったときは、当然のことながら新任でフレッシュな人間だったのが、いつの間にか古参になってしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

 最初に部会長代理を指名させていただきます。部会長代理は、先ほど御紹介がありました評価委員会令の第5条第5項において、「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」とされています。したがって、私から指名をさせていただきます。労働部会のこれまでの御経験、御見識を踏まえて、高田委員に本部会の部会長代理をお願いしたいと思いますが、いかかでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 どうもありがとうございます。それでは、高田委員に部会長代理をお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。

 議題に移らせていただきます。これから皆様には、労働部会が所掌する独立行政法人の評価をしていただくことになります。そこで、各法人の概要について事務局から御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 労働部会所掌の独立行政法人について御説明します。資料1-3を御覧ください。労働部会所掌の法人は、全部で4法人あります。1ページ目の「労働者健康福祉機構」ですが、こちらは平成164月に設置された法人になります。4.の「業務概要」のところにありますとおり、労災病院や労災リハビリテーション施設、あるいは納骨堂などの運営、産業医などの研修の実施、そのほか未払賃金立替払事業ということで、事業場の倒産等により未払となった賃金等について、事業者に替わり労働者に支払う事業などを実施している法人になります。

4ページ目の「勤労者退職金共済機構」ですが、こちらは平成1510月に設置された法人です。中小企業の従業員や厚生労働大臣が指定する3業種、建設業と清酒製造業と林業になりますが、こちらに従事する期間雇用の方が業界で働くことをやめられた際の退職金共済制度の運営、財形貯蓄を1年以上続けている勤労者の方々を対象とした住宅建設や購入、改良のための資金の融資なども行っています。

6ページ目の「高齢・障害・求職者雇用支援機構」ですが、こちらは平成1510月に設置された法人で、高齢者の雇用の安定化のための助成金の交付や相談の受付け、あるいは障害者職業センター、障害者職業能力開発校の運営、障害者雇用納付金関係の業務や職業能力開発大学校の運営や職業訓練の認定等の業務を行っています。

 最後に8ページ目の「労働政策研究・研修機構」ですが、こちらは平成1510月に設立された法人で、国内外の労働問題や労働政策について総合的な調査・研究を行っていまして、その成果などを活用して、行政職員等に対する研修も行っています。

 それぞれの法人の詳細な業務内容については、個別評価に入る際に法人から御説明します。各法人の前年度実績評価については、個別評価、総合評価という形で、それぞれ2回委員の方々から御意見を頂くことになります。次の資料1-4に開催日程があります。本日の部会では、労働政策研究・研修機構と高齢・障害・求職者雇用支援機構についての個別評価を実施していただき、労働者健康福祉機構と勤労者退職金共済機構については87日に個別評価を実施していただく形になります。

4法人の個別評価を行っていただいたあと、814日、26日に開催される部会で総合評価、中期目標最終年度の法人については暫定評価、中期目標を終わった法人については最終評価といった形で評価を実施する形になります。

 評価の具体的な進め方については後ほど御説明させていただきます。以上です。

 

○今村部会長

 ただいまの事務局からの説明について御質問はありますか。よろしいですか。あと何か事務局から付け加えることがあれば。大丈夫ですか。

 それでは、次の議題に移ります。議題3です。独立行政法人の実績評価を行っていただくわけですが、新任の委員の方もいらっしゃいますので、評価の流れや評価基準について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 個別評価の進め方について御説明いたします。資料1-5を御覧ください。資料に沿って御説明します。1.に書かれているとおり、最初に法人の理事長から、「平成24年度法人全体の業務実績」について御説明いただきます。そのあと、各項目を複数のグループにまとめていただいて、法人から実績と自己評定を説明していただき、各グループごとに質疑応答を行い、委員の方々には「S」~「D」の形で評定を記載していただくとともに、その評定理由について、資料2-5あるいは資料3-5でお配りしている評定記入用紙に記載していただく形になります。

 なお、各グループ分けについては、資料1-8に記載されていますが、今回御審議いただきます法人については、労働政策研究・研修機構は2つのグループ、高齢・障害・求職者支援機構は5つのグループに分けて審議する形になります。

 評価については、総務省に設置されています政策評価・独立行政法人評価委員会、政・独委と言われているものですが、こちらが作成している「評価の視点」等を踏まえて評価をしていただく必要があります。

 加えまして、今年520日に政・独委から、二次評価に当たって特に留意すべき事項について示されています。評価の視点については、ピンク色の資料集の89ページ、二次評価に当たって留意すべき事項については資料集の95ページに掲載されています。

 本部会では、これらに関する法人の実績を、「業務実績評価別添資料」に取りまとめています。この別添資料に記載された事項を評価するチェックポイントを資料1-6としてまとめていますので、評価に当たって参考にしていただければと思います。

 法人の個別評価が終わりましたら、各委員の御評価を踏まえた評価書案を所管課と起草委員で調整しながら作成していただくことになります。各委員の起草担当の法人については、資料1-3のとおりとしていますので、よろしくお願いいたします。

 作成していただきました評価書案については、次の総合評価の部会で各委員に御審議いただく形になります。

 

○政策評価官

 続きまして、評定記入用紙について若干御説明させていただきます。「S」~「D」までの評定については、中期目標・計画期間の開始時に厚生労働大臣が、独立行政法人評価委員会からの意見を踏まえて作成して、法人に示した中期目標に対して、これを達成するために各法人が作成し、厚生労働大臣の認可を受けた中期計画の各項目に対する達成度合いについて、これから各法人から説明しますが、各委員に御判断いただき、計画どおりであれば「B」、計画を上回っていれば「A」、計画を大幅に上回っていれば「S」、逆の場合、下回る場合は「C」「D」とお付けいただきます。また、「S」~「D」の全ての評定については、理由を様式に付していただきますが、特に計画を大幅に上回った「S」とか、大幅に下回った場合の「D」をお付けになる場合は、皆様方の専門的知見又は国民的な視点にお立ちになって、その判断の根拠等も具体的に記載をお願いいたします。

 なお、委員の皆様方には、評定記入用紙に評定と、その評定をした理由を記入しながら議事を進めていただくことになり、大変申し訳ありませんが、仮に時間内に記入が終わらない場合には、本日お配りしている資料をお持ち帰りいただき、御記入いただくか、後ほど、評定記入用紙の電子媒体をメールにて送付致しますので、そちらに御記入のうえ御提出いただくことも可能です。

 大変お忙しい中恐縮ですが、86()までに事務局宛てに御提出いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○今村部会長

 ただいまの事務局の説明について御質問等がありましたらお願いいたします。記入する実際の用紙は、この中の資料2-5です。皆様のお手元にとじ込みがありますが、その中にありますので、それをお使いいただければと思います。もし、途中で質問がありましたら、遠慮なく手を挙げて中断していただければ説明いただけると思います。特にありませんでしょうか。

 それでは、事務局より説明のありました手順に従って、各法人の平成24年度の業務実績評価を行っていただきます。よろしくお願いいたします。

 続きまして、労働政策研究・研修機構の個別評価に入ります。最初に理事長から御挨拶と、「平成24年度における業務実績の概要説明」をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 本年41日に当機構の理事長に就任いたしました菅野でございます。評価委員会の委員の皆様方には、日頃より業務実績の評価をはじめ、当機構の業務運営に対し御指導をいただき、誠にありがとうございます。なにとぞよろしくお願いいたします。

 本日は、私ども機構の平成24年度の業務実績について個別評価を行っていただくことになっております。平成24年度は、第3期中期目標期間をスタートする大事な年でしたが、私どもとしては、中期目標及び中期計画に沿って新たな事項にも取り組みつつ、まずまず順調なスタートを切ることができたと考えております。各業務の実績等については、後ほど総務部長から詳しく御説明しますので、私からは平成24年度の特徴的な取組について簡単に3点ほど紹介します。

1つは、政策論議の活性化です。平成23年度から、新たな取組として厚生労働省幹部等との政策論議の活性化を図るため、厚生労働省幹部に対する研究報告会を開始しました。平成24年度においても、今後の中期的な政策課題等労働政策の大きな方向性についての議論が可能となるよう、政策課題に関連の深い研究成果を厳選し、労働関係の部局別に4回の報告会を開催しました。また、政策課題を踏まえた調査・研究を戦略的に推進するため、私どもの実施する研究テーマごとに、厚労省の側でも担当者を決めていただき、登録していただくという制度を導入しました。これにより、テーマごとに研究計画の策定段階から成果の取りまとめ段階まで担当者間で意見交換を密に実施し、その内容を調査・研究に反映させるようにしております。質の高い調査・研究を推進するとともに、その成果を発信し、政策論議、政策提言につなげていくことが重要ですので、今後もいろいろな機会を捉え、行政担当者に限らず、多くの関係者との議論の機会を増やしていきたいと考えております。

2つ目は、評価制度の充実です。第3期に向けた見直しの中で、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会(政・独委)からの御指摘もあり、私どもの研究成果が労働政策の企画立案及び実施にどの程度貢献しているかについてより具体的に把握できるように、厚生労働省における評価の把握方法を見直しました。研究テーマごとに各担当課に調査票を配布し、研究成果の活用実績や活用予定を詳しく尋ねるようにしました。また、研修事業においても、従来の研修生本人からの評価に加え、所属長に対する事後調査を新たに導入しました。以上のように、かなりの労力を割いて評価の把握に努めた上、その結果明らかになった課題や問題点については経営会議等の場を通じて機構内全体で認識の共有化を図り、適切な対応改善に努めております。

3つ目は、海外情報の収集・整理・海外研究機関とのネットワークの充実です。第2期は、中期目標、中期計画等の制約もあって、この分野の活動が縮減されており、委員の皆様方からも特にアジア諸国の情報収集や海外の研究者との連携について強化できないかとの御指摘を頂いておりました。ネットワークというのは、継続的に顔を合わせ、フェイス・トゥー・フェイスで接触する中で充実が図られていくものであり、また、そうした人的なつながりの中で、より質の高い、通常は入手困難な情報が得られると思っております。懸案のアジア諸国の情報収集や海外主要国の制度、基礎情報の充実、海外の学会、国際会議等への研究者派遣について取組を強化しており、今後もこれらを有機的に組み合わせ、一体として実施していきたいと考えております。以上、簡単ですが、平成24年度の業務実績の特徴的な取組です。

 最後に、私自身、4月に就任してから、部門ごとに全ての研究員や調査員と懇談を行い、労働大学校の教官からも話を聞き、機構の調査・研究や研修の在り方、課題を把握するとともに、機構の更なる改善の方向について内部で議論を進めております。労働分野の唯一の政策研究機関として、短期、中期、長期の研究を適切に組み合わせた質の高い調査・研究を実施して、労働政策のニーズに合致した必要不可欠なエビデンスを継続して提供し、政策の企画・立案・実施に貢献していくことが我々の使命であると思っております。更に言えば、国際的にも高く評価される調査・研究組織でなければならないと考えております。委員の皆様方から忌憚のない御意見を頂ければ幸いです。

 

○今村部会長

 評価の進め方ですが、労働政策研究・研修機構の個別評価については、評価シートの項目を2つに分けて、グループごとに評価を行います。グループ1「労働政策研究」、「情報の収集・整理」、「成果普及・政策提言」について評価を行います。評価シートの項目番号は38に該当する部分です。資料2-1がその順番に編成されていると思います。お手元の記入用紙もそれぞれ対応しているかと思います。所要時間は、法人からの説明が30分、委員の評定と質疑が10分、合計40分となっております。法人から御説明をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 資料2-1を基本として御説明します。今、部会長からありましたようなグループ1、グループ2の順番で編綴しております。また、詳しい業務実績評価シートが資料2-2です。これについても、同様にグループ1、グループ2の順番で編綴しておりますので、御参照いただければと思います。

 資料2-1を御覧ください。2ページは、シートの順番、目次です。

3ページは、当労働政策研究・研修機構の事業体系図です。簡単に言うと、大きく5つの事業と、1つの附帯事業に分かれております。1つ目は労働政策研究、2つ目は情報の収集・整理、3つ目は国際的な交流という観点からの研究者等の招へい・派遣、4つ目は13の成果をしっかりと普及し、政策につなげるための取組、5つ目は研究と並ぶもう1つの大きな事業である労働行政職員への研修事業です。また、当機構の活動の社会還元の意味で、附帯事業として1つの事業を行っております。順次業務実績の報告をします。

4ページ、評価シートの3からです。冒頭に数値目標と評価の視点を掲げております。数値目標の下に評価の視点、いわゆる質的な評価の項目ですが、括弧の中に簡略化して表題のように書きました。これは、3月にこの評価の視点を頂いているわけですが、その内容を私どもなりに表題的に要約したもので、要約の内容が不適切であれば私たちの責任です。この表題で、実績報告の中でどこの評価の視点に対応するかを16で、番号と要約した表題で対応関係を示しております。

 評価シート3は、労働政策研究の実施体制、厚生労働省との連携等がテーマにあります。一言で言えば、私どもの調査・研究の内容と政策ニーズをしっかりとすり合わせていく取組をここでまとめております。1つ目は、研究テーマの厳選、政策ニーズへの対応のための第1段階の取組ですが、労使関係者や労働分野に係る有識者から労働政策の課題認識を多角的に把握します。労働者団体、使用者団体との懇談会を開いたり、あるいは各分野の学識経験者に委嘱している特別研究委員からの意見聴取をするなどして、当機構なりの課題認識を高めた上で、更に厚生労働省との間のハイレベルでの課題共有のため、年に1回、3月に厚生労働省とのハイレベル会合ということで、本省の局長・審議官クラスと当機構理事長・理事等との意見交換を行い、ここで翌年度の研究の進め方、在り方をハイレベルの観点から御議論いただきます。また、年度途中に発生した緊急の政策ニーズ、調査ニーズに関しても、しっかりと厚生労働省とのコミュニケーションを取りながら把握をし、対応しております。これについては、理事長と政策統括官との定期協議を行っております。

 こうした形で研究テーマを厳選した上で、効率的に調査・研究を進めております。平成24年度は中期目標期間第3期の当初の年でした。第3期については、プロジェクト研究として、中期目標の中で6つの大きな研究テーマを頂いております。それに対応して、6つの研究チーム、研究部門を作っておりますが、それぞれ3つずつのサブテーマを掲げて、平成24年度、第3期をスタートしております。

6ページに、参考ということでプロジェクト研究テーマを掲げております。16が中期目標で厚生労働大臣から頂いたテーマ、その下に3つずつ小さな字で掲げてあるのが、私どもがテーマを頂いて主体的に設定したサブテーマです。個々の研究員等が行っている調査・研究項目は、この下に更に個別に体系化されて配置され、計画的に進めている状況です。

5ページに戻ります。こうした中期目標の期間を通して中期的に行う研究を、当機構では「プロジェクト研究」と呼んでおります。これについては、実施体制はそれぞれのプロジェクトテーマに対応した研究部門を設定して、そこに研究員を配置し、グループ化していますが、個別研究テーマの性質に応じて、研究部門を超えた柔軟なグループ編成を行いながら、的確な人材配置を行いつつ研究を進めております。

また、政策ニーズについてはもう少し短期でも生じてきます。これに対応する研究として、2「課題研究」、3「緊急調査」を設けております。課題研究は年度単位でテーマを設定して行う研究、緊急調査は四半期単位でテーマを設定して行う研究で、平成24年度はそれぞれ7テーマずつ対応をしております。この具体的な調査研究内容等については、毎年テーマは変わっていきますが、平成24年度については調査研究内容等を踏まえ、主に調査部門を中心として23については実施をしました。調査部門については、※にありますように、労使等との人的ネットワークが非常に緊密に設けられているので、そのようなネットワークを活用して、組織的な進行管理の下で迅速に、機動的に成果を取りまとめております。

 また、研究の推進については外部研究者との連携も非常に重要です。もちろん、厚生労働省の政策担当者との連携も重要で、ここに掲げてあるように、大学、行政担当者、あるいは民間の実務家といった方々に調査研究に参加、関与いただいている状況です。当機構は労働政策に関する唯一の政策研究機関ということで、調査研究のプラットフォームとしての機能も果たすべきだと考えており、積極的にこういった取組を行っております。

7ページですが、先ほど厚生労働省との間での政策ニーズのしっかりとしたすり合わせということを言いました。先ほどはハイレベルの部分を紹介しましたが、厚生労働省とは各レベルで政策連携をする努力をしており、こういった対応をますます充実させていきたいと思っております。1番目は、先ほど紹介したハイレベル会合が1回、緊急調査のための協議を昨年度は3回行っています。

 実務担当者レベルでは、幾つかの対応を行っておりますが、1つ目は政策研究会です。これは本省の政策担当者を当機構に招いて、政策課題についての説明、意見交換をするものです。左下は、当機構が本省に伺って、研究成果や研究を通じて得られた政策的知見等を説明し、議論をするものです。これは個別の研究成果をテーマにします。右下は、厚生労働省のテーマ別研修です。これは個別の研究成果というよりも、政策テーマごとに当方の研究員が講師となって説明をし、議論をするものです。右上は、先ほど理事長が申し上げた、もっと研究のプロセス全体を通じての密接な連携という観点から、サブテーマの下の個別の研究テーマごとに対応していますが、厚生労働省側の担当者の登録をし、そこを窓口として事前、中間、事後と、適宜調整しながら厚生労働省との認識の齟齬がないように研究を進めていく体制を、新たに3期から進めております。この勉強会は、延べ数百名の方々に参加いただいており、共通認識を形成する上で非常に重要な機会となっております。こういった対応を更に進めており、平成24年度の評価については、自己評価「A」と考えております。

 評価シート4です。労働政策の実際の成果の取りまとめの状況、成果に対する評価です。数値目標と評価の視点を並べております。数値目標については、厚生労働省からの評価が中心になりますが、1つ目は中期目標期間を通じた目標で、成果総数の2分の1以上、労働政策の企画立案等に貢献するという目標です。2つ目は、毎年、「政策的インプリケーションに富む」という高い評価を受けた成果を成果総数の80%以上確保する。外部評価で高い評価を受けた成果を3分の2以上確保する、有識者アンケートを行い、3分の2以上の方から有益であるとの評価を頂くといった数値目標です。

 評価の視点については、「成果の取りまとめ」ほか5つです。実績報告ですが、成果の取りまとめの状況です。当機構の成果については、調査・研究の最終成果物である労働政策研究報告書のほか、調査・研究成果をベースに重要な政策インプリケーションを改めてまとめた政策論点レポート、あるいは重要な政策論点や関連する情報を整理した労働政策レポート、適性検査ツールなどの研究開発成果物、研究者個人の論文であるディスカッションペーパー、アンケート調査、ヒアリング調査等の結果、あるいは調査・研究のプロセスで収集した資料の取りまとめといったものを成果物として、外に発表をしております。昨年度は合計41件の成果を取りまとめました。これらについては、研究の趣旨、目的、あるいは最終成果物、スケジュール等を明確に示した計画に基づいてしっかり実施して、計画どおりの成果を得ております。

 研究の評価ですが、これについても厳格なプロセスを取っております。個別研究成果を内部評価、外部評価という流れの中でしっかり評価する。第3期からは、研究テーマ、サブテーマですが、事前、中間、事後の評価を実施しております。これは第2期にも、目標にはありませんでしたが、実施して、当部会から高く評価いただいたもので、第3期からは目標の中に入れております。

 評価の流れですが、当機構の成果は政策に直結するように、当機構の組織的な成果として出していくのが基本ですので、まず、所内研究発表会という場で、スケルトンの状態で理事長参加の下、どのような政策につながっていくのかをしっかり議論しております。その上で、内部研究者同士のピアレビューを行い、内部評価ということで2名の査読を行います。そこで「S」~「D」を付け、外部評価ということで外部専門家にそれぞれ2名の査読をいただき、その結果を総合評価諮問会議のリサーチ・アドバイザー部会で学術的に審議をいただき、評価を決定しているということです。

10ページは、当機構の評価の全体の年間の流れですが、御覧いただければと思います。

11ページは、具体的な評価の結果ですが、先ほど申し上げた数値目標の達成状況です。厚生労働省からの評価ですが、平成24年度の評価「政策的インプリケーションに富んでおり、政策の企画立案及び実施に役立っている」という問いかけに対して、「非常にそう思う」「そう思う」と答えていただいた率が成果総数の97.4%です。目標は80%以上なので、大幅に上回っております。外部の有識者からの評価ですが、労働政策研究報告書、労働政策レポートについて評価をいただいており、9件評価を受けましたが、全て「A」ということで、高い評価を頂いています。また、後ほど説明する有識者アンケートについては、「研究成果を利用したことがある」という方のうち「有益」と答えたのは98.1%で、目標を大きく上回っております。

 評価の視点にはありませんが、行政における活用状況についても調べており、審議会・研究会で引用・活用されている件数、研究者がそこの審議会、そこの研究会等に参画している件数、政党・国会議員等への情報提供、白書等での活用状況といったものが御覧のような件数になっております。数値目標の一番上は中期目標単位で調べるもので、今年度は評価の対象になりませんが、平成24年度の結果は、早速「政策に活用した」又は「近く活用する予定である」というものが、プロジェクト研究が83.9%、課題研究が100%、緊急調査は50%ということで、これについても高い率になっております。

1213ページは、平成24年度に成果として出したものが、既に平成24年度から平成25年度当初に掛けて厚生労働省の労働部局、あるいは一部年金部局等の政策立案、政策決定に活用されている例を掲げたものです。各局それぞれ一番良いものを1つずつぐらいピックアップしていますが、早速御活用いただいている状況です。評価シート4については、自己評価「A」としております。

 評価シート5です。これは先ほどの大きな事業体系図の2番目の事業「情報収集・整理」の中の国内労働事情の収集、各種統計データ等の収集・整理です。数値目標は、情報収集の成果について毎年度延べ100件以上の情報を収集・整理し、ホームページ等に発表していくということです。評価の視点については、数値目標の達成状況ほか、御覧のとおりです。

 実績の報告ですが、国内労働事情については、労働現場の実態把握として日常的に情報を収集・整理しており、数値目標を上回る121件の情報を媒体の1つである「ビジネス・レーバー・トレンド(Business Labor Trend)」、あるいは記者発表、ホームページなどで提供し、目標を達成しております。

 調査の内容ですが、同様の事項を期間を置いて把握していく定点観測調査、企業や地域のシンクタンクにお願いして現場の労働事情を把握し、情報化して発表していくモニター調査、学識経験者に対する政策課題のアンケート、日常的な労使とのネットワークを通じた様々な人事・労務管理関係の情報収集です。また、アンケート調査をたくさん行うわけですが、その精度を上げるための取組です。「情報の適切な提供・普及」とありますが、新聞発表、ホームページ、メールマガジン、「ビジネス・レーバー・トレンド」等で分かりやすく紹介しております。時機に合ったテーマを選んで情報提供するような形でやっております。

 多面的な情報収集、ネットワークを作るため、行政機関に限らず、労使ともより密接な連携関係を作っていくということで、「労働問題の現状と展望に関する研究会」をの設置しております。新しい取組で、まだ試行錯誤が続いておりますが、労使とのコミュニケーションということで、人事労務の担当の方々、主要企業の方をお呼びして、テーマを決めて有識者との意見交換を行っていくような取組を始めております。テーマはたくさんあるのですが、人員が限られている中で、可能な限り多面的な情報収集に努めており、それを通じて情報の信頼性を確保しております。情報提供については、テーマを厳選して、ニーズに合った情報提供をしている状況です。

16ページですが、参考として、ヒアリングを中心に現場の情報をしっかりとお伝えするということで、現場主義の徹底を行っている状況です。御覧いただければと思います。

 国内情報の続きですが、各種統計データの収集・整理です。労働関係の各種統計データについては各府省で整備されていますが、いろいろな所に散らばっていて、ワンストップ的な利用は難しい状況にあります。当機構としては、労働関係の各種データを集め、それを適切に整理し、あるいは加工してホームページで提供しており、主要な労働統計指標や労働統計のあらまし、用語解説といったものを世の中に提供しております。また、統計の国際比較、各種統計の要素を組み合わせた新たな指標作りである「ユースフル労働統計」といった取組をしており、労働経済白書や各種審議会で頻繁に活用されている状況です。また、私どもが集めたデータはしっかりとデータベースで管理しておりますし、調査・研究で集めた個票データなども個人情報処理してアーカイブ化し、一般に再利用できる形で整理をする取組も行っております。図書資料の整備にも努めております。労働分野の専門図書館としての機能も果たしており、169,000冊、活用状況については御覧のとおりです。また、統計情報の充実の結果、ホームページのアクセス件数が非常に高まっている状況で、平成23年度と比べても40万件ほどアクセス件数が増加しております。国内情報及び統計データについては、自己評価「A」としております。

 評価シート6、海外情報の収集・整理です。これについても、毎年度延べ100件以上のホームページでの提供をしております。評価の視点については御覧のとおりです。

 実績です。数値目標ですが、海外主要国、英・米・独・仏・中・韓等、あるいは主要国際機関を対象に、労働市場、雇用慣行など様々な情報を総合的に収集し、提供しております。数値目標100件を上回る資料をホームページ、あるいは「ビジネス・レーバー・トレンド」で提供し、目標を達成しております。そのほか、アメリカの新しい労働者職業訓練、職業紹介の取組であるコミュニティ・オーガナイジング・モデル(Community Organizing Model)の調査、あるいは東アジアの労働社会プロジェクト、これは先ほどのプロジェクト研究のサブテーマにもありますが、調査研究部門も一緒にやっているもので、連携しつつ中韓の情報収集を行っております。また、要望の高かったアジア諸国の情報収集にも着手をしており、マレーシア、インドネシア、インドには昨年度調査団を派遣して、基礎的な情報を収集するとともに、今後継続的に情報を出してくれるようなコネクション作りを始め、今年度から本格的に情報を提供できる体制になってきております。各種勉強会も適宜開催しております。

 研究者等の招へい・派遣については、平成23年度と同様に研究者の招へい1名、研究者等の派遣4名を実施しております。ネットワーク作りについては、中韓との関係が政治的に非常に難しい状況ではありましたが、日韓との連携、日中韓の連携をこれまでどおりしっかりやることができております。また、OECDの枠組にも入っているほか、韓国とは職業能力開発院という別の政府組織との連携関係を樹立し、イタリアの研究組織とも今後連携を強めるための準備を始めております。

20ページは参考です。御覧いただきたいと思います。

 評価シート7、労働政策研究等の成果の普及です。数値目標については、各種媒体での発信を数値目標として掲げております。評価の視点は御覧のとおりです。

22ページに数値目標をまとめております。全部で6つありますがメルマガの発行回数、読者数、メルマガの有益度、これは読者アンケートです。ニュースレター、これは「ビジネス・レーバー・トレンド」、月1回のものです。ニュースレターの有益度、研究専門雑誌である「日本労働研究雑誌」の発行ということで、いずれも目標どおり、あるいは目標を上回る成果となっております。記者発表についても精力的に行っており、時宜にかなった記者発表を行っております。全国の報道機関やマスメディアについては、当機構の成果が多数引用されています。ホームページについては改善努力もしていますが、前年度から大幅にアクセス数が増加しております。アクセシビリティ、特に障害を持つ方等のアクセシビリティを高める工夫をしており、より利用しやすいホームページ作りに努めております。これについても、自己評価「A」ということでお願いしたいと思っております。

 評価シート8、政策論議の場の提供・政策提言です。これについては、実際に顔を突き合わせて政策論議をする場の設定ということですが、労働政策フォーラムを年6回以上、「有益」と答えた割合を80%以上ということで、具体的には24ページの左下の表にありますが、7回行い、相当数の方の参加を得ております。また、東京以外での取組、他の政策研究機関との共催にも取り組んでおり、参加者の満足度を高めております。

 政策論点レポートについては、成果物の1つとして紹介しましたが、昨年度は、第2期の5年間の調査・研究の成果について、その中の重要なインプリケーションを抽出する形で1つのレポートにまとめております。かなり大部になっておりますが、2期の成果としての政策的なインプリケーションが改めて整理をされ、公表されております。厚生労働省幹部との政策論議ですが、これは各局ごとに局長をヘッドとして、こちらは理事長をヘッドとして参加して、個別の研究成果を発表し、議論をする場です。平成23年度から始めて、今年も4局部門別に行っており、大変好評を得ております。それ以外にも、各局、各政策ごとのコミュニケーションを強め、政策提言機能の強化に努めております。この取組についても、「A」ということでお願いしたいと思っております。以上で前半の説明を終わります。

 

○今村部会長

 それでは、委員の皆様は、評価シートの項目38に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。またこの間、御質問がありましたら、適宜御発言をお願いします。

 

○志藤委員

 最後に伺った政策論議の場の提供及び政策提言のところで、有益度ということでパーセントがありますが、大体全て80%を超えていて、高いものは93%という数字になっています。これは会場の参加の皆様にアンケートを取っての結果だと思いますが、内部での、これは高かったとか、これは思った以上に受けがよかったとか、受けがよくなかったとか、評判が良かったとか悪かったといった分析は、どのようになさっているのでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 労働政策フォーラムについては、有益度のパーセンテージだけで評価しているのではなくて、こういったところも突っ込んで聞きたかったとか、中身が抽象的で、もう少し具体的なことを聞きたかったのにといったマイナス評価もアンケートを通じて把握しております。数値目標としては有益度ということでこのような記載となってしまいますが、それよりも、むしろ評価しないという声が非常に有益です。東京以外の地域での開催というのは、正に声が出てきて、こういった政策論議が東京に偏るのはよくないし、全国でこういった場を設定してほしいという声があり、実施したものです。アンケートを通じて本当に生の声が聞こえるので、改善はしやすい。だから、結果として有益度が高くなりやすいということはあると思います。今年度も、大阪で評判がよかったものですから、福岡でやることも検討しております。

 

○今村部会長

 今の御質問の中で、フィードバックはどうされているかという、内部的に受けが良かったとか良くなかったといったことがありましたが、それに関してはいかがでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 それは先ほど理事長からもありましたように、月に1回経営会議を必ず実施していますし、もう少し下の段階での研究所単位でも会議等をやっております。これも月1回以上やっているので、最新の開催状況がどうだったか、どこが悪かったとか、どういう声があったかということは、幹部と関係職員が広く共有するようになっておりますので、そういう機能は余り意識しなくてもBuilt inされていると思います。本部会での御指摘も含めて、機構内部でのフィードバックの機能を高めていますので、それを毎月しっかりやっているということです。

 

○高田部会長代理

22ページにホームページのアクセス件数が非常に増えたということが載っていて、大変喜ばしいことだと思いますが、この増加の原因はどのように分析していらっしゃいますか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 これについては、できるだけアクセシビリティを高めるということで内容の改善はしておりますが、技術的な改善という意味では、htmlの中にタグを入れ込む手法があって、あるキーワードを入れると、JILPTのページが上のほうにヒットするような工夫があります。私どもは自信を持って情報を出しているのですが、下のほうになると押していただく確率が低くなるので、そういった技術的な工夫もしている状況です。カウントの仕方等は技術的に難しいので、これも先ほど申し上げたように、数は参考にしかなりませんが、アクセス数が数の上とはいえ上がっていることは好ましいことだと思っております。

 ただ、増えれば増えるほど、内容の充実はもっとやっていかないといけないと思っております。情報量が極めて多いホームページなので、アクセスの利便性はもっと考えていかなければいけないと思っております。

 

○今村部会長

 今の件に関しては、例えばコミュニティ・オーガナイジング・モデルなどは最近大部注目されているとか、研究員の方の存在価値といった点でのアクセス数向上への影響は、どのように評価されていますか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 もちろん、研究員個人が努力されていて、個人名でヒットする部分はあると思います。そこは研究員個人が外にしっかりと発信することが大事だと思いますし、論文もしっかり出してくださいといった形で、研究員のモチベーションの意味もありますが、研究員が個人として評価をされて、それによってJILPTへのアクセスが高まることは、もう1つのルートとして大事にしていかなければいけないと思います。

 

○宮崎委員

 基本的なところかもしれませんが、資料2-15ページに、プロジェクト研究を18テーマ選定されたと、また6ページに166つの課題に対して18研究あるということで、この16が政策課題と理解すればよろしいのでしょうか。その関係について、どういう観点で6つにくくられたのかということです。

 また、中期計画の研究と政策のブリッジ機能を強化するとなっていますが、御認識としては、政策課題をどう整理されたので、この18プロジェクトが重点になったのか、そこをもう少し御説明いただけると理解しやすいかと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 当機構は、労働政策研究については中期目標という形で厚生労働大臣から目標を与えられて、それの達成に向けて努力をする形になっております。この16は、厚生労働大臣がこの中期目標において機構が研究に取り組むべきテーマということで与えたもの、私たちからすれば与えられたものです。したがって、この16を基本的な研究の単位として、研究体制もこれに対応した6つの研究体制を整えております。

 ただ、これはまだ非常に抽象的な政策課題なので、それを具体的に個別の課題にブレイクダウンしていかなければいけません。ブレイクダウンも、最後の個々のテーマまで一気にブレイクダウンするのではなくて、もう少し大くくりのテーマということで設定しております。これも事前、中間、事後の評価を頂く対象として、サブテーマを3つずつとしました。これは当機構が主体的に設定したもので、御説明したように、厚生労働省との綿密なコミュニケーションの下に設定をしたものではありますが、設定の内容や設定の責任は当機構にあります。実際には、それを更にもう少しブレイクダウンしながらやっているという流れになります。

 

○今村部会長

 重要な点を簡単に質問します。7ページの非常に注目すべきことは、今までは厚生労働省とJILPTという大きなピラミッドの上のほうだけが割とコミュニケーションをしていたのですが、下のほうまで広げてコミュニケーションしていこうという努力だと思いますが、効果はいかがですか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 それぞれのレベルで考えていることが違うのです。そういう意味では、最後に出てきたもの同士で付き合わせるのも大事ですが、プロセスを共有することはものすごく大事だと思います。その中でお互いに共感する部分があって、双方にとってのメリットがある取組だと思っております。したがって、こういう面的な連携、接触は今後も重視していくつもりです。

 

○松浦委員

1点、15ページの「労働問題の現状と展望に関する研究会の設置」について、もしかしたら参考資料のほうに詳しく書いてあるのかもしれませんが、どういうメンバー構成で、どういう目的で、どれぐらいのタームで運営されているのかを、もう少し詳しく教えていただけますか。

 

○労働政策研究・研修機構調査解析部長

 私どもは企業モニターを持っておりますので、その中から大手企業の人事部長の方5名に集まっていただき、第1回のテーマは「企業の海外展開と人材育成」と設定して実施しました。直近では6月に第2回目を開催し、メンバーは同じ人事部長の方5名ですが、テーマは「高齢者の雇用問題」ということで実施しております。今後も、年に23回、有識者の方、JILPT以外の大学の先生にも来ていただいて、コーディネーターを務めていただき、現場の声を頂いて調査研究にいかしていくという趣旨で実施していきたいと考えております。

 

○松浦委員

 政策論議の場の中に、是非こういった研究会を設けていただいて、実務家、特に労使の方々を含めて政策論議を発展させていただきたいと思ったので、関心を持って質問させていただきました。

 

○関口委員

 今の御質問と若干関係するのですが、労働組合との連携というか、情報交換、あるいは何らかの御検討等は、今回拝見した中では余り触れられていないようですが、もしあるようでしたら御紹介いただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

5ページですが、毎年度の調査・研究テーマの設定や進め方については、労使の意見も重要だと考えております。左の枠の中に「調査研究に関する懇談会」とありますが、労側の労働組合の代表の方々と当機構との懇談を設定しておりますし、使用者団体の方々と当機構の懇談会も設定しております。公式の場はこれぐらいですが、調査・情報収集の過程では労使と面的にコミュニケーションを取っているので、そういった公式の場、あるいは実質上のコミュニケーションの場をしっかり活用して、単なる情報収集ではなく、様々な当機構に対するニーズについても把握していきたいと思います。

 

○今村部会長

 それでは、ここでグループ1については一旦打ち切って、グループ2に移ります。「労働行政職員研修」、「附帯事業(社会還元)」、「業務運営の効率化等」について評価を行います。評価シートの項目12913に該当する部分です。所要時間は、法人からの説明30分、委員の評定と質疑10分、合計約40分を予定しております。法人から説明をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 引き続き御説明いたします、25ページのシート9です。当機構の研究と並ぶ、もう1つの仕事である研修の部分の評価シートです。表題は労働関係事務担当職員等に対する研修です。

 数値目標ですけれども、研修生に対するアンケート調査によって、毎年度平均85%以上の者から有意義だったとの評価を得るということです。もう一つは、昨年度から初めてやっていることですが、所属長の事後調査ということで、年度平均85%以上の者から役立っているとの評価を得るということです。2つの評価を数値目標として設定しております。評価の視点につきましては、数値目標の達成のほか、研修の計画的実施など御覧のとおりになっております。

26ページを御覧ください、実績報告です。まず、目標の達成状況です。コース数につきましては研修計画は77コースでしたが、厚生労働省の人事制度が変わった関係で1コース中止になったということで、76コースを計画どおり実施して2,994人の方に研修を行っています。研修生の評価については、97%以上から有意義との評価をいただいています。新規の所属長事後調査につきましては95.4%から役立ったという評価をいただいております。

 内容の充実・行政ニーズの反映・アンケート等の反映ということです。コースの新設を1つ行っています。若年者雇用対策につきましては、それぞれの現場での対応の企画能力が非常に重視されるということで、企画能力の向上を図る趣旨から若年者雇用対策担当者専門研修を設置しております。

 そのほか、既存の研修科目の見直しも行っています。労働保険適用徴収専門研修については、研修参加者の中で知識・経験レベルの差が大きいという状況が出まして、そういうことから内容のレベルを2段階に分けた研修コースにしております。

 職業指導や専門研修等では近年施行され、しっかりと実施していかなければならない制度として「求職者支援制度」というものがあります。これに関する科目や内容の拡充を行っております。

 管理者の研修である公共職業安定所課長・統括職業指導官研修では、お客様対応能力の向上、サービス向上の視点もあるのですが、事例に基づくクレーム対応に係る科目の充実を行っております。コースの設定だけでなく、大学校で教材の作成等を行いながら内容の充実に努めております。

 研修手法あるいは教材の改善ですが、当機構の1つのテーマとして研究と研修をしっかりリンクして、相乗効果を上げることが期待されています。研究部門の成果である職業相談・職業紹介逐語記録作成・解析システム、これは職業相談の場面を記録して、逐語的に分析して解析するというシステムなのですが、そういったものを活用して教材を改善したりということも行っています。

 より一般的な研修と研究の連携という観点からすると、研究員が研修の講師として参画するというものです。職業研究というのは当機構の前身の組織から充実してやってきております。また、様々なハローワークの窓口で使える職業適性検査などのツールの開発を行っていますけれども、それも実際使う人がしっかり使っていただいて初めて効果を現すものですから、実際に研究開発に携わっている研究員が研修に参加して講義するといった形で対応しています。

 課外授業ということでは、通常の研修コースが終わって夕方に、研修生のニーズなどを踏まえながら弾力的に設定して行うオプショナルなものも行っています。研究成果の普及のほか、現場で働いているハローワークの職員等が来るわけですから、そこでの課題を研究に吸い上げていく機会というのは本当に貴重なものですので、そういった相互のメリットの観点からイブニングセッションというものを開催しています。様々なツールの使い方、あるいは効果的な工夫といったものの講習会なども行い、研修と研究の連携について引き続き充実させています。

 効果の測定は目標のところで申し上げましたが、研修生の有意義評価は97%、所属長の役にも立っている、これは実際職場に帰ってその方の仕事ぶりを見て評価をしていただく、やはり、研修を実際の仕事に役立ててもらうのが研修の目的なので、そこのところで把握することが良いだろうということでやっています。初めてやってみたものですから、ちょっとおっかなびっくりでやっていますけれども比較的高い評価をいただいております。以上、自己評価「A」ということでお願いしております。

 労働教育講座の事業の実施は附帯事業ということです。教育講座事業ということで、主に当機構の実務家の皆さんへの活動の成果のフィードバックという視点で行っております。

 実績の報告が28ページにあり、総合講座と専門講座に分かれております。内容は労働法、それから人事・労務管理、労働経済、大きく2つに分かれております。大体、平日の夕方に行うような形で、1講座2時間の講義を労働法では13講義、人事・労務では18講義、これを一括で受講しますと53,000円の料金をいただいておりますけれども、大変人気が高く、毎年ほぼ定員を超えるぐらいの参加をいただいております。満足度も非常に高い状況になっています。

 専門講座はもう少し専門的なもの、1コマ100分で28講義やるわけですが、これはゼミナール方式でやるものです。これについても定員に近い参加をいただいていまして、満足度も高いということです。その分野の最高峰の講師を集めていることもあり、実務に非常に役に立つという評価を得ています。後ほどありますけれども、当機構の数少ない自前収入の一翼を担うものでもありますので、評価が高いということもあり、引き続き実施していきたいと考えております。

 次は評価シート1、業務運営関係です。数値目標ですけれども、経費の節減という目標で一般管理費が平成23年度比で中期目標期間内で15%以上削減、業務経費が5年間で5%以上削減の目標です。人件費については毎年度1%以上の節減です。自己収入については、平成22年度と比して10%の拡大という目標です。評価の質的なものですが、契約の適正化、透明化、それから給与水準の見直し、内部統制の強化などが指摘をされています。

30ページが内容の御報告です。一般管理費、業務経費、これは5年間での評価になりますので今年度は直接評価対象ではありませんが、平成24年度が23年度に比べて一般管理費で1.9%、業務経費は1%削減です。人件費については1%削減をしております。給与削減、給与水準の部分ですが、国家公務員との比較の指数であるラスパイレス指数、事務職と研究職に分けて発表されておりますが、当機構の場合、事務職のラスパイレス指数は99.8ということで昨年度初めて100を切っております。研究職については既に100を切っておりますけれども、昨年度は93.2ということでございます。自己収入は右肩のところ、5,162万円ということです。大体、出版と先ほどの受講料で半々、出版の方がちょっと多いぐらいですけれども、平成22年度比で今のところ7.4%の増加、目標の10%にはもう少しという感じです。

31ページ、組織規律の強化です。当機構ではたくさんの個人情報を扱いますので、そういった情報セキュリティーについては本当に注意をしてやっております。その最も基礎となる内部統制についてもしっかりと取り組んでいるところです。昨年度は内部統制推進室を理事長直轄組織として設置いたしました。また、内部統制基本方針についても策定をしております。経営会議は当機構運営の問題点等々を共有するために月1回必ず開催しております。こういった形で組織規律の強化に努めております。効率的な業務運営についても、再掲になりますが内部統制推進室の設置をし、専任職員のいない課は廃止をして組織の整理を行っています。

 研究部門については昨年度、中期目標期間の最初の年ということで、中期目標に設定されたプロジェクト研究のテーマに沿って対応する研究部門を設置しています。労働教育講座についても所管課の変更等を行っています。

 契約の適正化・透明化につきましては御覧のような過程で、まず決裁における審査を行います。それから随意契約等審査委員会、これは内部の審査委員会なのですが、四半期ごとに随意契約の妥当性について審査し、結果をホームページで公表しています。また、外部の専門家に契約監視委員会として御指導いただいており、年3回開催しておりまして、随契28件、企画競争3件、一者応札6件といった審査をいただきまして、全て適正との評価を頂いています。なお、一般競争入札の比率ですが、近年、70%を超える比率で一般競争入札を導入しています。昨年、ちょっと再リース等が増えたものですから一般競争入札の比率がやや減っておりますけれども、引き続き高い水準で公正・適正な契約を推進してまいりたいと思います。ここについても「A」という自己評価でお願いしています。

 評価シート2は業績評価制度です。数値目標はありません。的確な業績評価制度が運営されているかという視点で、幾つかの評価の視点を頂いています。

 実績の報告ですけれども、当機構の業績評価につきましては中期目標、中期計画、年度計画をベースとして業務の進行管理の徹底をしております。数値目標を掲げておりますけれども、この数値目標の達成状況を毎月しっかり確認しながら進めております。

 有識者等の意見を広く求めるということで、先ほど何回か申し上げましたが有識者アンケートをやらせていただいております。調査対象は約2,000名の方、学識経験者、地方行政官、労使関係者です。業務全般については有益であるという回答を95%いただいております。また、ホームページ等でも御意見を募集しております。ただホームページへの意見や電話でもいただくのですが当機構への苦情というのはほとんどなく、圧倒的に多いのは様々な統計数字がどこにあるのか、どうやって算出したのかといった、技術的な問合せです。それを懇切丁寧にお答えするようにしているところです。

 その声を受けて内部評価を行います。これは毎月の評価に加えて、内部評価として、しっかり四半期ごとにランキングを付けて評価をします。それから、外部評価としては総合評価諮問会議という外部の有識者の方、特に研究については諮問会議に学識者のリサーチ・アドバイザー部会を設置して、査読を含めた厳格な評価をいただいております。総合評価諮問会議では学識者に加え、労使の代表も2名ずつ入っていただき、労使の御意見も運営に的確に反映されるように努力しています。いずれにしても、こうした形でPDCAサイクルを回し、業務運営を改善し、その評価結果はしっかり公表して透明性を確保しながら運営をしております。

 業務運営の改善の細かい取組が34ページにございます。業務改善委員会を設置したり、冗費の点検行動を行っており、細かいところからしっかり経費節減を行うようにしています。

 参考までに、有識者アンケートの機構活動の評価理由をそこに掲げております。やはり、時宜を得た調査研究テーマ・内容・成果になっているというようなこと、あと現場のしっかりとしたリサーチ活動に対する評価が高いようです。有識者や外部評価機関等の指摘を踏まえながら、第3期から既に御説明をしていますけれども政策論議の拡充、政策論レポートの発行、アジア諸国への対応の強化等々、対応を行っているところです。

 次に予算、収支計画・資金計画です。これについては詳しくは財務諸表を御覧いただきたいと思いますが、36ページに概要を示しています。運営費交付金収入については、平成24年度は25億円、23年度とほぼ同額です。交付金債務、つまり運営費交付金の使い残しが3億円、それから黒になっていますけれども収益が1,200万程度となっています。そのほかの業務運営に関する事項は御覧のとおりでございます。

 予算及び決算の状況ですけれども、予算と決算の中で特に人件費が昨年度と比べて大幅に乖離が増えています。これは給与の見直し、国家公務員の給与の特例を踏まえた引下げが10%弱行われています。昨年6月から国家公務員と同様の引下げを行った結果、人件費の執行については予算との大幅な乖離が生じているところです。

 シート12、人事に関する計画です。人材の確保・育成、人事制度の的確な運用等です。

38ページが実績です。優秀な人材の確保ということです。小さい法人ですので、採用の規模もそれほど大きいわけではありませんが、それゆえにしっかりとした採用・育成を行うということです。

 研究員については育成型任期付研究員があります。3年任期でまず採用し、その成果を踏まえてその後の継続雇用を決めるという形を取っております。平成24年度には2名の労働法の研究員を採用し、25年度については産業社会学・経済学系分野の公募をし、1名を採用しております。特別研究員というのは外部の研究員で、それぞれ労働法等の学識経験者を外部のアドバイザーという観点からお願いをしています。

 内部の人事制度ですけれども、業績評価と能力評価の2本立てで人事評価を実施して、それを勤勉手当や処遇に的確に反映するということでこうなっています。国家公務員とほぼ同様の内容の対応になっています。業績評価と能力評価の2本立て、期首・中間・期末面接ということで、個人の能力を伸ばすという視点を重視しながら評価制度を運用しているところです。

3番目、調査員の位置付けの検証につきましては、政・独委からの指摘もあり中期目標の中で調査員の業務について検証し役割をしっかりと定めていく。必要な業務に限って要員を縮減するというように書かれております。それを受けて、機構内で調査員の業務等についての検証を行うチームを設置し、改めて役割を確認しました。その中で、先ほど説明しましたが機構が実施した調査のアーカイブ・データの整備・提供について、これは調査を行った非常に重要なデータであり、平成21年からアーカイブ事業をやっていて、ずっと調査員が直接やってきていますけれども、だんだんやり方も安定化してルーティーン化してきています。これについては調査員ではない人間がやるということで整理しました。その業務を廃止するに伴い、調査員の要員も25年度において1名削減することを決定しております。

 専門性の向上ということでいきますと、これは外部の研修も含めて業務研修に積極的に参加させ、実施しておりますけれども、そのような研修の充実を図っております。研究成果の論文の専門誌等への掲載も、研究員に対してモチベーション向上の観点から奨励しております。論文掲載、そのうち査読論文といったところ、まだまだ数は少ないかもしれませんが増えてきている状況にあります。人員の指標ですが、全体の計画114人のところ、24年度末は110人で運用しております。

 評価シート13、施設・整備に関する計画です。施設につきましては、上石神井にある法人本部研究所の建物、それから労働大学校、これは埼玉県の朝霞市にあります。2つの施設を管理しています。両方とも非常に老朽化が激しく、設備工事を行っていますけれども、これは計画的に行っておりまして計画どおりの執行になっており、ここは自己評価「B」とさせていただいています。以上、説明を終わります。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。委員の皆様は評価シートの項目12913に評定結果及び評定理由等の記入をお願いいたします。この間、御質問等ありましたら適宜御発言ください。いかがでしょうか。

 

○松浦委員

 評価シートの10、労働教育講座事業の実施については、特に数値目標などを立てておられないのでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 現在は立てていないということです。

 

○松浦委員

 労働教育講座事業は非常に重要で、有益な事業だと思っているのですけれども、「計画を上回る」という評価をどういうところから出されたかを少し御説明いただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 これも計画の中での視点は教育講座を適切に実施していくということしかないのですが、その中でやはり満足度を高めることが大事だと考えております。それから、これも先ほどの繰り返しなのですが、満足度だけでなく様々な声を聞きながら、昨年度の反省も踏まえて、次の年度の講座編成を考えるということもやっております。説明は省略しましたけれども、28ページの参加者の声、これも詳しく聞きますとやはりもう少し具体的な実務を聞きたかったとか、そういうような声もあり、講師の選定の部分からそういったことに留意するようにしております。そういう努力を続けるしかないのかなと思っております。伝統のある事業なものですから、附帯事業ということもあって特に数値目標を定めることなくこれまでの評価、伝統を崩さないような形でしっかり実施するということでやっています。

 逆に言うと、過不足なく実施できることがより重要なことと思っております。昨年については特に大きな問題もなかったものですから、当方としては「A」の評価をさせていただいたということでした。

 

○松浦委員

 昨年度に比べて、講座の編成だとか、中身を見直されたという意味で「A」だと理解してよろしいですか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 はい、そういう形で御理解いただければ非常にありがたいです。

 

○松浦委員

 分かりました、ありがとうございました。

 

○今村部会長

 同じような観点からの質問ですが、34ページに有識者アンケートにおける機構活動の評価理由とありますよね、評価シート2ですか。これは2時点で比較しておられますが比較可能なものですか、調査の専門機関にこういうことを聞くのも変ですが。これは比較可能な数値として見てよろしいのでしょうか。同じベースで。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 そうですね、有識者アンケートとしては時期的にはほぼ同じ調査をやっておりますので。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 昨年と今年で評価をしていますが、冒頭説明があったように5年間の中期目標が23年度で終わっております。長期の研究はその5年間かけてやったものが多いので、その成果が出るのが平成23年度末が多かったということです。そういうこともあり、24年度は新しい中期目標期間の初年度ですので、数値としては途中段階、最初の段階なのでこういう評価になっております。

 

○今村部会長

 分かりました。

 

○高田部会長代理

30ページに賃金のデータが載っております、右下の折れ線グラフです。研究職の24年度の下がり方がかなり大きいのですが、同じ研究職として気になるのですが、これは何か特別なことがあるのでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 これは比較の技術的な問題で、給与を極端に下げたということではありません。実は、朝霞の労働大学校で勤務をしていた研究員が何人かいるのですが、それを研究の横の連携機能を高めるという趣旨で上石神井の方に統合しました。そういうように勤務場所を変更したもので、比較対象がその方については埼玉県の公務員ではなくて東京都の公務員になってしまう。労働条件を下げたわけではありませんが、比較対象が変わってしまったのでこういう現象が起こっているということです。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。

 

○宮崎委員

38ページ、調査員の見直しなのですが、内容がよく分からなくて恐縮なのですが何名いらっしゃる研究員を1名削減されたのかということと、そもそも調査員というものがどういうものかを御説明いただけますか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 調査員については現在23名です。主に3ページ目の業務の区分でいきますと、2番目の情報の収集・整理に従事している職員を調査員と称しています。労働政策研究に主に従事する者を研究員と称しておりまして、2に従事する者がおります。調査員が今21名いるわけですけれども、それを減らそうということであります。政・独委の御指摘では情報収集というのは必要なものに限って、研究なり、より政策に直接的に貢献するものを重点化するという趣旨でこういう目標をいただいているものと考えております。そういう趣旨で今後も人事戦略を考えていきたいと思います。

 ただ、実は労働政策研究と情報の収集・整理というのは重なってくるところがあります。したがって、先ほど御説明しましたように調査員が機動的な人材集団なものですから、労働政策研究の中でも課題研究や緊急調査、こういった非常に機動性の高い対応を要するものについては積極的にそちらに人員を振り向けるようにしております。そういった意味では、仕事の中身は非常に似かよっている部分もあると考えていただきたいと思います。

 ただ、JILPTの政策研究というのは非常に現場主義を基本としておりますので、情報収集・整理についても不可欠であることは確かですので、そのような不可欠性を前提にしながら必要性を厳密に判断しつつ、人材配置をしていくという方針で考えていきたいと思います。

 

○宮崎委員

 ありがとうございます。

 

○今村部会長

 記入、いかがでしょうか。この時間だけにやらなければいけないというわけではないですね、後日提出ということも可能ですよね。この重たい荷物を持って帰らなければいけないと思っていらっしゃるかもしれませんが、送っていただくことも可能ですので、是非、的確な評価をいただければと思います。いかがでしょうか。

 ここで一旦打ち切らせていただき、以上で一応全ての項目の評価が終わったことになります。事務局からこの後の取扱いについて説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、お配りしております資料についてですが、かなり分量もありますので郵送を御希望される場合は部会終了後に事務局までお申し付けください。なお、資料をお持ち帰りになって評価していただく場合につきましては、冒頭でも御説明しましたとおり86日、来週の火曜までに事務局まで評定記入用紙の提出をお願いいたします。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。次の議題に移ります。議題5「労働政策研究・研修機構の役員退職金規程の改正について」です。審議に先立ち、事務局よりまず御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 独立行政法人の役員退職手当規程について御説明いたします。こちらのピンク色の資料の32ページを御覧ください。独立行政法人通則法第52条第2項の規定に基づき、役員退職手当規程を変更した場合、法人はそれを厚生労働大臣に届けるとともに公表することとされております。今般、国家公務員の退職手当の見直しに伴い、法人において役員退職手当規程を変更したため大臣宛て届出があったところです。当該届出があった場合、同法第53条第1項及び第2項の規定に基づき、大臣は評価委員会へ通知することとなりますが、その際、評価委員会はその通知に係る退職手当の支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかといった点について、大臣に対して意見を申し出ることができることとなっております。そのため、今回お諮りすることになりました。以上です。

 

○今村部会長

 役員退職金規程の改正について法人から説明をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 この件の資料が資料2-72-8です。資料2-7は概要と新旧対照表、2-8が改正後の退職金規程です。退職金規程改正の趣旨は昨年、国家公務員の退職手当につきまして、「国家公務員の退職手当の支給水準の引下げ等について」という閣議決定に基づく国家公務員退職手当法の改正法が第181回国会で成立、本年1月から施行されております。国家公務員の退職手当の引下げに伴い、厚生労働省より独法役職員の退職手当について、国家公務員の退職手当の見直しの動向に応じて、通則法等の趣旨を踏まえつつ、今般の国家公務員の退職手当制度の改正に準じて必要な措置を講ずることという要請が行われております。

 その要請に基づき、当機構として以下のとおり役員退職金規程の改正を行ったところです。改正の内容は、役員の退職金を従来よりも13.65%減額するというもので、これは国家公務員退職金の減額率と同様の措置でございます。

 減額方法は国家公務員に準じて、調整率100分の86.35100%から13.65%を引いた数ですが、それを乗じた額とする。減額の実施は国家公務員と同様の経過措置を設けることとしており、平成2511日から930日までの間は100分の95.45101日から26630日までの間は100分の90.902671日以降は本則の100分の86.35ということにいたしました。実施時期は平成2511日です。説明は以上です。

 

○今村部会長

 本件につきまして、御意見等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、特に御意見がないようですので本部会として了承としてよろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 それでは、そのようにさせていただきます。労働政策研究・研修機構に係る審議は以上です。次の議題に入る前に法人及び法人所管課の入替えを行いますので、ここで10分ほど休憩とさせていただきます。

(法人及び所管課入替え)

 

○今村部会長

 それでは高齢・障害・求職者雇用支援機構の個別評価に入ります。最初に、理事長から御挨拶と平成24年度における業務実績概要の説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 理事長の小林でございます。委員の皆様方には平素から大変お世話になっております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。雇用を取り巻く状況ですが、まずは高齢者関係です。御承知のように、今年の41日付けで改正高齢法というものが施行されまして、希望者全員が65歳まで働ける、65歳まで継続雇用しなければならないという法的な枠組みの一部がスタートをしたところです。こうした状況の中で、私どもとしては高齢アドバイザーが、全国で約500人おります。彼らにお願いをして、特に中小企業を中心とする相談・援助活動をやっているわけでございますが、その更なる活性化を図ってまいりたいと思っております。

 それから障害者雇用ですが、これも41日から障害者法定雇用率というものが民間企業においては1.8%から2.0%に引き上げられたということです。更には、平成27年度から、ちょっと先ですが障害者の雇用納付金制度の適用対象事業主が常用雇用労働者数、現在200人超ということですが、これが100人超ということで拡大をされる。したがって、数的にも今2万数千ですが、これが5万近くの会社に増える、非常に大きな改革がなされようとしております。加えて、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることを内容とした改正障害者雇用促進法というものが6月に成立をしております。したがいまして、障害者の雇用管理に関する助言等、企業に対する大幅な支援策の充実というものがより強く求められてくるのではないかと認識をしており、これを踏まえて業務を推進してまいりたいと考えております。

 職業能力開発関係では、昨今の新聞報道でも御承知のとおり、雇用情勢は全般的には大変良くなってきている。失業率も3.9%ということで、良くなってきているとは言うものの、やはり非正規労働者が雇用者全体の3分の1を超える、割合が更に増加傾向にあるということですので、私どものやっております離職者・在職者を問わず、職業訓練の重要性というものがますます高まってくるであろう、その状況に変わりはないであろうということですので、当機構といたしましても、彼らのニーズに少しでもマッチした訓練をフレキシブルに提供できるように注力してまいりたいと思っております。

 詳細につきましては、後ほど担当の部長から御説明をいたしますが、こうした動向を踏まえまして、業務に取り組んでまいりました結果、平成24年度の業務実績につきましては全ての事業におきまして数値目標を達成したところです。今後、高齢者雇用支援、障害者雇用支援、それから職業能力開発関係、職業訓練ですね、この3つの業務の柱同士のシナジー、相乗効果を更に発揮をして、新たな工夫も加えながら国民の皆様に高い評価をいただけるよう、役職員一丸となって全力で取り組んでまいる所存でございますので、委員の皆様方には引き続き御理解、御協力のほど、御指導のほど、よろしくお願いを申し上げます。本日は大変なボリュームですが、どうかひとつよろしく御評価を頂きますよう、お願いを申し上げます。よろしくお願いいたします。

 

○今村部会長

 続きまして、評価の進め方ですが、今ボリュームが大変だというお話がありました。今回、こちらのほうは5つのグループに分けまして、そのグループごとに評価を行ってまいります。まず、グループ1「業務運営の効率化」「業務の質の向上への取組」「高齢者事業」について、評価を行います。評価シートの項目14に該当する部分です。所要時間は、法人からの説明15分、委員の評定と質疑5分、合計20分の予定で進めさせていただきます。それでは、法人から説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 高障求機構の企画部長の田原と申します。私から、平成24年度の業務実績について、資料3-1に沿って御説明させていただきます。資料3-1をおめくりいただくと、今回評価をお願いする事業区分20項目、目次の後に、13ページ目に業務実績のポイントと自己評価を、事業区分ごとに短くまとめております。各項目のあとに「A」とか「S」とか記載しておりますが、これについては当機構の自己評価です。20項目のうち「S」が5つ、「A」が15個となっております。御存じのとおり、当機構の自己評価については、厳正公正を期すため、あらかじめ外部の有識者から成ります評価委員会におきまして、この労働部会と同様の方法による評価をいただき、その結果をそのまま機構の自己評価として記載しているところです。

6ページ、評価シート1、業務運営の効率化についてです。まず、6ページの上段で、平成2310月、雇用能力開発機構からの業務移管を機に20名を削減、更に平成244月に6名を削減しております。平成243月に東京本部及び横浜本部から千葉市への移転を終え、平成244月から本部機能を幕張本部に集約化したところです。更に、借上げ解消による予算効率化の観点から、地方施設の移設集約化を行うための準備作業を行うとともに、職員の人事管理に関する業務を一元的かつ効率的に行うために、人事管理システムの統合をしたところです。

7ページ、経費の節減です。上の段が一般管理費です。前年度に比べて3%程度の額を節減する目標に対して、高障機構分については15.8%、能開機構分については3.8%、予算上削減しました。また、その下の業務経費についても、前年度に比べて高障機構分は1.9%、能開機構分は3%程度の額を節減する目標に対して、高障機構分は2.3%、能開機構分が3%を予算上節減し、目標を達成したところです。

8ページの左側、平成24年度における競争性のない随意契約件数は、総合評価方式の拡充等により533件となったところです。その下の平成24年度の1者応札・1者応募となった契約件数については大幅に減少し、252件となり、その割合も18%と減少したところです。なお、個々の契約については監事、会計監査人による監査、契約監視委員会によるチェックを受け、いずれにおいても問題ない旨の評価を得ています。その他、右側ですが、最適化計画に基づき、システム経費の削減、業務改善等に取り組んだところです。

9ページは給付金及び助成金業務の効率化です。後ほど、評価シート310で詳しく説明いたします。高齢者雇用に係る給付金と障害者雇用に係る助成金に関する業務で、引き続き業務手続の効率化や申請方法の周知、利用者の利便性の向上、審査能力の向上に努め、更なる処理期間の短縮を目指した結果、右上のように、給付金・助成金の平均処理期間は33.5日と、過去最短となり、平成19年度比5%短縮の目標を大幅に上回る35.3%の短縮となったところです。以上が評価シート1で、人員の効率化や経費の節減、給付金・助成金の処理期間短縮等に取り組み、いずれも目標を上回ったことから、自己評価を「A」としております。

 評価シート212ページを御覧ください。当機構においては、国民の皆様のニーズを幅広く把握し、業務改善につなげていくため、公労使及び障害者団体の代表から成る評議員会を開催するとともに、各種サービスの利用者を対象としたアンケート調査を行い、御要望や御批判を把握・分析し、現場へのフィードバックと業務改善に取り組んでおります。下の業績評価を御覧ください。機構においては厳正公正な業績評価の観点から、内部評価委員会の後、左下にありますように、外部の有識者から構成される外部評価委員会で業績評価を行い、自己評定として、厚生労働省の独法評価委員会に報告しています。評価結果や、評価の過程でいただいた御意見については、全役職員に周知し、PDCAサイクルを通じて確実に業務に反映し、改善につなげているところです。さらに、中段の一番右の囲みにありますように、業績評価終了後、理事長が本部の全ての課長級職員を対象にヒアリング、サマーレビューを実施し、目標達成の意識向上、効果的な業務推進を図ったところです。

13ページですが、当機構では内部統制の向上に向け、まず左上の図のとおり、コンプライアンスを担当する総務部と、厳正な監査を行う内部監査室による2元構造のコンプライアンス体制の下で業務を実施しております。更なる内部統制の向上を図るため、各部及び施設の長による行動規範研修を実施するほか、写真にあるとおり、携帯用名刺サイズのもので、行動規範の浸透を図っているところです。また、コンプライアンスの一層の推進を図るため、基本方針及び推進計画の策定、リスク管理を徹底するためのリスク管理委員会の開催、理事長ヒアリング等を行ったところです。さらに左下ですが、公募により募集したモニター100名を委嘱し、機構に対する御意見・御提案をいただき、業務への反映に努めたところです。

 右側は、高齢者業務と障害者業務の連携についてです。まず、高齢者雇用アドバイザーと障害者雇用支援業務担当者の連携ですが、日頃からそれぞれの専門でない部分も含めた研修や情報交換を行い、いずれの担当者が事業主から照会や相談を受けても、基礎的事項については即時対応できるようにしたところです。その他、資料にありますとおり、給付金業務と助成金業務の連携、実践的手法の開発・提供の連携、更には能開機構も一緒になったことで、能力開発業務部門の連携を図るとともに、情報セキュリティー対策の推進にも努めたところです。

14ページは雇用情報等及び職業訓練実施状況等の情報の提供についてです。まず左上のホームページの利用しやすさの向上については、次の15ページで具体的取組例を示しておりますので、そちらを御覧ください。

15ページ左側のとおり、トップページについてはバナーやトピックスの設置や新着情報の各業務別表示、RSSの活用により、新着情報を見やすくし、容易にアクセス可能となるようホームページのトップ画面を改修し、その右側のように、障害者雇用納付金の申告申請手続をホームページから可能としたほか、その下のように高齢者や障害者の利用者に使いやすいよう配慮するなどの充実を図ったところです。

 また14ページに戻り、左下ですが、平成24年度は月平均7.3回の頻度でホームページを更新するとともに、右上のとおり、ホームページを通じた積極的な周知、あるいはその下の問合せについて、迅速、的確な対応を行ったところです。このような取組の結果、14ページ右下のとおり、アクセス件数は4,130万件を超え、前年度比21%の増加となったところです。

16ページは東日本大震災に係る対応です。まず左側の職業訓練についてですが、震災復興訓練として仮設実習場の確保や全国からの指導員の応援派遣などにより、被災地等の6県において20訓練科を機動的に立ち上げて実施し、平成24年度にも786人が入所し、訓練を受けたところです。このほか、被災訓練生に対する受講料の免除等の措置を行ったところです。さらに右側は雇用促進住宅の関係です。東日本大震災の被災者を対象に、最長3年、平成263月までですが家賃無料で対応しているほか、その下のとおり、自治体からの要請に基づき個別に対応を実施しているところです。以上が評価シート2で、関係者のニーズや外部評価委員会の意見等を踏まえた業務の改善、推進を図るとともに、内部統制の向上、ホームページの内容の充実、東日本大震災に係る対応にも取り組んだことから、自己評価を「A」としております。

 評価シート3ですが、評価シート34は高齢者関係の業務です。まず、評価シート3、給付金の支給業務、19ページを御覧ください。当機構では高齢者の雇用の促進を図ることを目的に、事業主の方々に給付金を支給しています。冒頭の支給件数は平成24年度は5,074件と、対前年度比38.7%増、支給額も右にあるとおり、312,000万円と、対前年度比24.7%増となっております。支給業務では、左側のとおり、周知・広報に関して、制度改正後7日以内にホームページで公開するという数値目標が設定されておりますが、平成24年度は41日の改正内容を翌日に公開しました。また、関係機関と連携した積極的な周知活動の展開や、右上のとおり一部申請書類の省略など、事務手続の簡素化を図ったところです。

 更にその下の不正受給防止対策としては、不正受給の未然防止に力を入れ、審査・点検マニュアルや、不正受給事例集を作成し、担当職員の審査能力の向上を図ったほか、雇用保険データとの照合、事業所に対する実地調査による不正の発見に努力し、厳正な審査を行ったところです。平成24年度は悪質な不正受給が2事案発覚し、刑事告訴を行い、更に対応を強化する必要があるということで、機構内に、不正受給防止・摘発対策緊急プロジェクトを立ち上げ、不正が疑われる事業主や、社労士を告発するメールアドレスを開設したほか、平成25年度からの不正受給事業主名公表に向けた条件整備を進めました。以上が評価シート3です。支給要件の変更に係る公開日について、目標を達成したほか、周知活動や不正受給防止に積極的に取り組んだことから、自己評価を「A」としております。

 続いて評価シート4ですが、22ページを御覧ください。まず高年齢者雇用アドバイザー等による相談・援助です。当機構においては、社会保険労務士、中小企業診断士等を高年齢者雇用アドバイザーとして委嘱し、高年齢者雇用に係る専門的な相談・援助を行っています。左上の囲みのとおり、平成24年度の重点的な取組としては、改正高齢法の施行に向けた取組を行いました。具体的には、65歳までの雇用確保措置未実施企業等に対して改正法の概要や相談窓口を掲載したリーフレットを71,000社に送付したほか、定期刊行誌「エルダー」への特集記事の掲載や、労働局が開催する説明会へのアドバイザーの派遣による周知に取り組んだところです。

 その下の囲みの雇用力評価ツールですが、年齢にかかわりなく働ける企業を目指すために、重点的に検討すべき人事管理上のポイントのヒントを見出すために開発したものですが、この運用を8月から実施したほか、アドバイザーからの専門相談に応じるゼネラルアドバイザーを本部に配置し、相談・指導を行いました。これらの取組の結果、中央上にありますとおり、相談・援助件数は4万件を超え、過去最高を記録し、目標を大きく上回りました。そのうち70歳まで働ける企業に係る相談・援助は26,000件と、前年度を大きく上回っております。また、右上の追跡調査では、80%の企業から、具体的な改善効果が見られたとの回答を得ることができたところです。下段のアドバイザーの質的取組としては、スキルアップのための様々な研修を実施したところです。

23ページを御覧ください。高年齢者雇用に係る実践的手法の開発・提供についてです。当機構では70歳まで働ける企業の実現に向け、企業に対する気運の醸成と、専門的相談・援助を行うための実践的手法の開発を行っております。左上の囲みのとおり、60歳超高齢者の職場管理の実態と今後の在り方に関する調査研究などの取組についての報告書や、右上にある企業向けパンフレット、更に右下の70歳雇用を実現している事例を全国から収集して取りまとめた「70歳いきいき企業100選」などいろいろ作っており、そういうものを各種啓発活動に活用しています。また右下の高年齢者雇用支援月間、これは10月ですが、それを中心に「70歳いきいき企業ワークショップ」を新たに全国で開催したほか、左下のとおり、70歳まで働ける企業実現に向けたシンポジウムを東京と大阪で開催したところです。

24ページを御覧ください。共同研究の実施及び先進企業事例の収集・提供についてです。左上のとおり、共同研究は高齢者が能力を発揮しやすい職場作りに向けて先駆的なモデルを企業と機構が共同で構築するもので、目標どおり5件実施したところです。右側に事例を紹介しております。下段の産業別ガイドラインの策定支援は、各業界が抱える課題等を改善し、高齢者雇用を促進するため、産業別団体のガイドラインの策定と、傘下の企業への普及を支援する事業で、目標どおり10団体に支援を行いました。事業の最終年度を迎えた5団体がガイドラインを作成し、傘下の企業への配布、セミナーの開催等によって普及をしていただき、セミナー参加者へのアンケートでは、97.4%から「満足」との回答をいただいています。

25ページを御覧ください。高年齢者雇用に関する啓発事業についてです。高年齢者雇用支援月間の中心行事として、10月に高年齢者雇用開発フォーラムを開催しております。フォーラムにおいては雇用開発コンテストの表彰式や、企業による事例発表などを行い、右側のように、310名が来場し、アンケートでは89.9%の来場者から「満足」との回答をいただいたところです。

26ページを御覧ください。定期刊行誌「エルダー」のによる啓発広報活動です。左側のとおり、毎月6万部発行し、企業の人事労務担当者等に配布しています。また左下のとおり、読者アンケートや編集委員の意見を踏まえ、紙面の充実に努めております。読者アンケートでは89.7%から「非常に参考になる、参考になる」との評価を得たところです。その右側は、実践的手法の開発、成果等をマスメディアに積極的に情報提供をした結果、その内容が広く報道されるに至っております。以上が評価シート4です。高年齢者雇用アドバイザー等による相談・援助において、目標を上回る実施件数となったほか、啓発活動にも積極的に取り組んだことから、自己評価を「A」としております。これでグループ1についての説明を終わらせていただきます。

 

○今村部会長

 それでは委員の皆様は評価シートの項目14に、評定結果及び評定理由等の記入をお願いいたします。質問がありましたら適宜お願いいたします。

 情報だけお伺いしたいのですが、15ページのホームページで、いろいろ改修されたことは大変結構なことなのですが、情報の受け手として雇う側、企業側と、それから雇われる側、高年齢者とか障害者、パーセンテージとしてはどのぐらいの比率でアクセスしているのか、分かりますか、ホームページには。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 御存じのように、不特定多数の人からのアクセスですので、どこにアクセスしたかというのは分かるのですが、誰がアクセスしたかというのはちょっと分からない状況になっています。

○今村部会長

 何となく印象としては、企業側に働きかけて、高齢者、障害者の雇用を促進するという従来からのスタンスは理解できるのですが、ニーズとしては御本人のニーズをどうやってくみ上げていくかというところが非常に重要で、そこがきちんと機能しているかどうかという趣旨で、質問させていただいたのです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 ホームページの階層、作りとしては、例えば障害者雇用について「事業主の方へ」という、事業主の方が見て参考になるページと、「障害を持っている方へ」という、障害者個人がサービスを受ける際の参考となるページがあるので、一応事業主、個人それぞれがアクセスして、見やすいようなホームページの作りとはさせていただいております。

 

○今村部会長

 ありがとうございます。

 

○松浦委員

 高年齢者雇用アドバイザーの方が500名ぐらいいらっしゃり、今年も131名増えてらっしゃるということなので、質問させていただきます。先ほど社会保険労務士さんなど外部の方を委嘱しているというお話がありましたが、この方々が普段何をしてして、具体的に企業に対してどういう支援をされているのか、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 先ほども申し上げましたとおり、社会保険労務士とか中小企業診断士等を高年齢者雇用アドバイザーとして委嘱しまして、当然、企業の人事管理について詳しいとか、企業経営に詳しい人ということで。我々のほうも高齢者雇用の関係とか、特に今回の法改正があったとか、助成金とかそういうものについて研修などを行いまして、そういう人が研修を受けた後に、高年齢者雇用アドバイザーということで名乗ることができます。その人たちが、例えばハローワークから企業の賃金制度の改定について悩んでいるとか、いろいろな専門問題ありますので、そういう応援依頼等があったら企業に同行訪問して、アドバイスするような業務を行っております。

 

○松浦委員

 例えばどこかの企業だとか、ハローワークさんとかから、御要望があって、何か教えてほしいとかいう話があれば、機構が高齢者雇用アドバイザーの中から誰々さん行ってくださいという形で、マッチングをされているということでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 機構は地方に高障センターがありますので、そこにお問い合わせいただければ、そこでマッチングして、その企業に一番適切な高年齢者雇用アドバイザーを派遣するというような取組を行っています。

 

○松浦委員

 委嘱料などを1件いくらという形で、お支払されているのでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 確か1件いくらという形で、謝金という形でお支払いしています。

 

○松浦委員

 高齢者雇用アドバイザーには、研修を受けたらなれるのですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 そうです。アドバイザーは研修を受けて、修了証書をもらったら、アドバイザーとなるわけです。

 

○松浦委員

 ありがとうございます。

 

○宮崎委員

 資料3-18ページですが、随意契約と1者応札の推移なのですが、旧能開機構分を足した結果、件数は増えていると思うのです。内訳だけ見ると、旧能開機構分が多いように思われるのですが、これは予算規模で見ると、おおむね同じような規模だという認識なのですが、何か能開機構の部分に関して件数が多いのは、もし理由が何かあれば、参考までに教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長

 経理部長の岡崎です。そこは旧能開機構の予算規模の相違が相当大きくありまして、現在の予算規模で申しますと、全体の予算で高障求機構の予算が平成24年で国費も含めて1,342億円ですが、そのうち旧能開機構分で言いますと、能開勘定分が575億円ぐらいです。それから、認定特定求職者関連勘定が49億円、宿舎等勘定というのが221億ということで、かなり予算規模の相違という部分が影響しております。実際、そういう意味では、契約件数というのに旧能開機構と旧高障機構とでは大きな開きがあったということです。

 

○宮崎委員

 ありがとうございます。

○今村部会長

 先ほど雇用アドバイザーのことで質問があったので追加でお伺いしたいのですが、基本的に、指定されるのは先ほどおっしゃった社会保険労務士とかそういったコンサルティング業務を、どちらかというと営利を目的として行っている人たちがほとんどだということになるのでしょうか。例えば、そこにNPOとか、WISE(Work Integration Social Enterprise)とか、労働統合型社会的企業とか、いろいろ同じようなことをやっている所があるかと思うのですが、そういう所への情報の浸透などはどういうふうにされている、位置付けているぐらいでいいのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 社労士等を中心ということではなくて、まず、一般的に公募をしまして。なる方いませんかということで、書類選考をさせていただいた上で、さらに、4日間の認定講習を受けていただいて、講習修了者を委嘱し、都道府県ごとのセンターに配置していくというやり方をしてますので、特に社労士だから委嘱するとか、そういうことではございません。

 

○今村部会長

 内訳みたいなものは何か。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 社労士が約70%、それから中小企業診断士が約25%、あとは企業経営経験者です。

 

○今村部会長

 謝金は。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 謝金につきましては、1件企業を回っていただいて、おおむね2時間程度の助言をしていただきますけれども、1件につき15,000円をお支払いしています。あと所要経費は行程30キロ以上の場所であれば交通費を支給しているということです。

 

○今村部会長

 分かりました。ありがとうございます。

 

○松浦委員

 謝金は、実際に訪問した方だけに払われるのですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

そうです。

 

○松浦委員

 ちなみに、認定を受けて修了された方が高齢者雇用アドバイザーになれるというお話でしたが、一度なった方は特に見直されず、ずっと資格が保持されるという理解でよろしいでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 アドバイザーについてはその1年間の実績で、例えば年間40件以上の実績がない場合は翌年度委嘱しないというふうにしています。

 

○松浦委員

 なるほど。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 それから委嘱された方々は、先ほどちょっと説明がございましたように、ブラッシュアップ研修を大体平均すると1人のアドバイザーが1回は受ける、何らかの研修を受けるというシステムでして、極めて研修も充実したものをやっています。さらに、基準で訪問回数が少ないとか、評価が悪い人は落としてしまうということで、選別していまして、毎年4050人を新たにお願いしていくという形で新しい方を入れていくという形になっています。

 

○松浦委員

 ありがとうございます。

 

○高田部会長代理

8ページに業務改善の取組の中で、企画競争型認定の導入というのがございます。大変画期的な試みだと思いますが、もう少し詳しい内容を御紹介いただけますか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 基本的に、施設系の助成金につきまして、四半期ごとに募集期間を決めまして、その間に出てきた申請を、基準に基づきまして点数付けをすると。点数付けをして、上から順番に認定をしていく。基本的には、その四半期ごとに予算枠を設けておりまして、その予算枠の範囲で認定するという形になっています。その認定に際しましては、外部の審査委員会に最後かけて、その上で認定をするということにしておりまして、認定結果につきましてはホームページでも、個々の名前は出しませんが概要を公表させていただいております。

 

○関口委員

 助成金の部分でお伺いをしたいのですが、19ページの所ですが、不正受給防止対策として未然の防止と、それから摘発といいますか、勧告になるのでしょうか。その辺りのことなのですが、やはりかなりコストがかかるのかなとは思うのですが、具体的にどんな形でやっていらっしゃるのかという辺りを、簡単で結構なのですけれども、お教えいただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 不正受給の防止につきましては、1つはこの高齢助成金につきましては雇用保険二事業ですので、雇用保険データとの照合というのが1点あります。それと、申請事業所に直接行きまして、実態を調査させていただくという、この2点を大きなポイントとしてやっております。

 

○関口委員

 それは全て職員の方が御対応をなさっていらっしゃるのですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 そうです。

 

○関口委員

 ありがとうございます。

 

○今村部会長

 よろしいでしょうか。次に、グループ2に移らせていただきたいと思います。「障害者事業(職業リハビリテーション業務)」についての評価です。評価シートの58に該当する部分です。所要時間は法人からの説明20分、委員の評定と質疑10分の合計30分を予定しております。それでは法人から説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 評価シート530ページです。地域障害者職業センターでは、ハローワークや医療機関、福祉施設等の関係機関との密接な連携の下、各都道府県における中核的な職業リハビリテーション機関として、地域に密着したサービスを提供しています。平成24年度は、他の就労機関では対応が困難な、精神障害者、発達障害者に対する支援、事業主ニーズを踏まえた専門的支援の積極的な実施、厳しい雇用情勢に対応した就職実現特別対策の展開を重点に、取り組んだところです。

 その結果、30ページ中段の吹出しにあるとおり、13の数値目標は、全て達成いたしました。また、赤字で書いてある6つの指標については、過去最高の実績となったところです。以下、主要な事業を説明させていただきます。

31ページ、「支援を必要としている障害者の積極的な受入れの推進、きめ細かな職業リハビリテーション計画の策定」についてです。左上にあるとおり、関連機関との連携により、精神障害者、発達障害者等を積極的に受け入れました。これにより、指標1の職リハサービスの対象者数は、31,000人を超えまして、過去最高を更新しました。内訳も、精神障害者や発達障害者等の割合が、初めて6割を超えたところです。

 右上段、個々の障害者の特性や支援の状況等に応じて、きめ細かな職業リハビリテーション計画を策定しています。指標2の職リハ計画策定件数は、24,000件を超え、アンケート調査での職リハ計画の満足度も86.8%と、利用者から高い評価を受けたところです。

32ページは、「就職等に向かう次の段階への移行の促進」です。地域障害者職業センターでは、職業準備支援ということで、基本的な労働習慣の体得や職業に関する知識の習得等の支援により、就労の可能性を高め、就職等に向かう次の段階への移行の促進を図っているところです。平成24年度は厳しい雇用情勢が続く中、就職実現特別対策として、ハローワークの参加による、具体的な求人情報に基づいたケース会議の実施、経営者団体への訪問による求人要請など、積極的に取り組んだところです。

 左中程のグラフにあるとおり、他の就労支援機関では支援が困難な精神障害者、発達障害者の利用が増加し、その割合が初めて8割を超える中で、左下で、指標3の職業紹介や職業訓練など、就職に向かう次の段階への移行率が88.0%、指標4の修了者の就職率が68.1%と、いずれも目標を大きく上回ったところです。また、その右ですが、アンケート調査では、97.3%の利用者から「効果があった」との評価も受けています。

33ページ、「発達障害者に対する支援力の強化」です。一番上にあるとおり、平成24年度は発達障害者に対する体系的支援プログラムを14センターで先行実施しました。これは、職業準備支援の1つとして開発し、これまで試行的に実施してきた、発達障害者就労支援カリキュラムに、就職活動支援、関係機関とのネットワークの構築を有機的に組み合わせたプログラムです。

 右中段です。指標5の職業準備支援の支援開始者に占める発達障害者の割合は、44%と目標を大きく上回りました。

 また、下段の「支援ノウハウの蓄積・共有化による支援技法の向上」ですが、機構内のLANを活用し、取組事例や支援ツールの共有化を図ったり、職リハ業務研究会を開催し、支援力の向上を図ったところです。

34ページは「ジョブコーチ支援の推進」です。ジョブコーチ支援は、職場に適応できるよう、障害者や事業主に対して、障害特性を踏まえた、直接的、専門的な支援を実際の就労場面で行うものです。左上のとおり、地域センターでは配置型のジョブコーチにより、他の機関では支援困難な障害者に対する支援を重点的に実施しました。

 その下の帯グラフですが、ピンクの精神障害者、青の発達障害者が増加しており、全体の支援対象者は指標6にあるとおり、3,670人と目標を大幅に上回り、過去最高を記録しました。

 職場適応の困難度の高い精神障害者等が増加していることに対し、左側中段から下ですが、個々の障害者の態様に応じた支援に積極的に取り組んだほか、ジョブコーチ支援スキル向上研修の実施により、支援力の向上を図ったところです。これらの結果、指標76か月後の定着率は86.7%ということで、目標を上回りました。その下の指標8のアンケートでも、93.2%の利用者から「効果があった」との評価を受けております。

 右上です。知的障害者など、福祉施設のジョブコーチで対応可能な支援については、できる限り福祉施設に委ねるべく、ジョブコーチ支援事業推進協議会を全国で開催し、支援方法に係る専門的援助、技法の移転を積極的に行いました。その結果、右下のグラフのとおり、福祉施設等のジョブコーチによる単独支援は、平成23年度に比べ、915人と若干減少していますが、地域センターとの協同支援は1,998人と増加しています。

35ページ、「精神障害者の雇用支援の推進」です。これは精神障害者及び事業主を対象に、主治医との連携の下、冒頭の3つの囲いにあるとおり、職場復帰、雇用継続、就職実現に向けた専門的、総合的な支援を行っているところです。中でも、職場復帰を促進するリワーク支援については、支援対象者が大幅に増加し、赤で囲んだ「全国展開後の状況」の課題1にあるように、待機者が多数生じ、一時は4か月待ちの状況も見られましたが、平成21年度に実施した実施体制の拡大により、その後待機はほぼ解消している状況です。

 また、課題2の休職と復職を繰り返す、休職期間が長期化するといった、復職支援の困難な事案の割合が高まったことに対しては、「個別実践型リワークプログラム」の実施により対応しているところです。

 さらに、下段の中程、「精神障害者雇用支援ネットワークの充実・強化」として、産業保健推進センターなど、関係機関との連携関係構築に向け、3,700を超える機関に対し積極的に働き掛けを行い、その結果1,500を超える医療機関との連携関係が構築できたところです。

 これらにより、指標9の支援対象者は、2,997人と過去最高を記録し、指標10の復職・雇用継続率も83.3%と、目標を上回ったところです。また、その右の指標11にあるように、アンケート調査では96.1%の利用者から、「効果があった」との評価を受けたところです。

36ページは、「障害者雇用に関する専門的な支援の実施」です。ハローワークが行う雇用率達成指導の協力や事業主のニーズに応じたジョブコーチ支援等により、平成23年度を大きく上回る17,800事業所に支援を行ったところです。また、地域センターの助言の下、共通の問題を抱える企業同士で意見交換を行う、事業主支援ワークショップを164回開催したところです。

 これらの支援を契機とし、事業主のニーズに応じた的確な支援の推進を図っており、指標12の支援計画策定数は12,000件を超え、過去最高を記録しました。また、この支援計画に基づき、採用計画から職場定着、適応までの各段階にわたる体系的支援を、積極的に行ったところです。指標13の支援終了後、3か月後の事業主に対する追跡調査の結果です。90.2%から「効果があった」との評価を頂いたところです。

 以上が評価シート5で、他の支援機関では対応が困難な障害者に対し、積極的に支援したほか、全ての指標で目標を大きく上回り、特に6指標では過去最高の実績となったことから、自己評価は「S」としています。

 評価シート639ページ、「地域の関係機関に対する助言・援助等」です。平成214月より、法律に基づいて地域センターの業務として位置付けられ、障害者就業・生活支援センターその他関係機関に対する、専門的、技術的な助言・援助を、地域障害者職業センターで行っているところです。

 左上段の助言・援助の実施については、●の4つの手法で展開しています。平成24年度は、左中段の赤字にあるとおり、就労支援ネットワークの構築に向け、連携が十分に形成されていない機関等を選定し、重点的に助言・援助を行い、地域の就労支援機能の充実に努めたところです。

 右側の「実務的研修等の実施」です。就業支援基礎研修は、関係機関の就業支援担当者を対象に、全国の地域センターで実施していまして、指標1にあるとおり、目標を上回る67回を実施し、受講者数も前年度実績を上回っています。さらにその右ですが、「ジョブコーチ支援スキル向上研修」は、一定の実務経験を有するジョブコーチを対象に、機構本部で実施しておりまして、指標2にあるとおり、計画通り実施したところです。その下のマニュアル・教材については、実務的研修等で使用するため、引き続き地域の関係機関の要望を踏まえて改訂し、提供しています。これらの結果、指標3にある、助言・援助等を受けた関係機関のアンケート調査では、目標を上回る98.4%から「有用」との評価を受けまして、また、指標4の研修受講者の所属長に対するアンケートでも、94.3%から「有用」との評価を受けています。その右ですが、助言・援助業務と併せて実施している「地域の関係機関との職リハネットワークの形成、構築の取組」です。地域職リハ推進フォーラム、あるいは連絡会議を開催しまして、ネットワークの強化に努めたところです。

40ページは、「職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」です。障害者職業総合センターにおいては、障害者就業・生活支援センターや医療機関、教育機関等の就労支援担当者を対象に、職業リハビリテーションに関する知識や、就業支援に必要な技術の習得を図る研修を実施しているところです。

 いずれの研修セミナーも、アンケート調査による意見、要望を踏まえ、必要な改善、充実を図りながら、指標5から指標8のとおり、計画どおりに実施したところです。

 一番下にアンケート結果をまとめて載せています。これらの取組の結果、指標9の受講直後のアンケートで98.2%、指標10の研修終了後6か月後の受講者への追跡調査でも95.5%、指標11の研修終了2か月後の所属長へのアンケートでも92.2%から、「有用」あるいは「役立っている」との評価を受け、いずれも目標を大きく上回っているところです。

 以上が評価シート6で、助言・援助等を受けた関係機関や研修等の受講者等に対する、全てのアンケートにおいて目標を上回る評価を頂いたことから、自己評価を「A」としているところです。

 評価シート743ページです。国の施策の充実や地域センターをはじめとする就労支援機関の支援技術の向上を図るため、障害者職業総合センターにおいては、職業リハビリテーションに関する調査・研究を実施しているところです。左上にあるとおり、平成24年度も14の重点項目を定め、その下に、厚生労働省からのニーズ、あるいは当機構の広域あるいは地域センター、さらには就業・生活支援センターからの要望を踏まえて、研究計画を策定したところです。

 具体的には、新規6テーマ、継続6テーマの計12テーマで、調査・研究を実施し、新たなテーマとして、組織統合によるシナジー効果が発揮できるよう、能力開発部門と連携した研究も開始したところです。

 これらのうち、平成24年度に終了した5テーマについて、報告書を作成し、研究成果は外部の学識者等からなる、研究評価委員の評価を受け、各テーマについて、委員3名のうち2人以上から、4段階中の上から2つの「優れている」「やや優れている」との評価を得るという目標がありますが、全てのテーマで達成しました。さらに、そのうちNo.113、No.116については、全ての委員から、最上位の「優れている」という評価を得ることができました。

 各報告書については、右下にあるとおり、内容をコンパクトにまとめたパンフレットと、サマリーを作成しまして、見る方の関心の程度に応じ、パンフレット、サマリー、報告書と、段階的に情報提供をするなど、利用者ニーズに即した効果的な成果の普及に努めたところです。その他の研究として、現場の課題解決に資する資料作成など、7つのテーマの調査・研究を行い、資料集やマニュアルを作成したところです。

44ページ、「職業リハビリテーション技法の開発」です。当機構では、従来の支援技法では効果の現れにくい障害者に対する、新たな技法の開発を行っており、平成24年度は、目標どおり3テーマの取組を行いました。一番左の「発達障害者の就労支援技法の開発」は、平成24年度は、ワークシステム・サポートプログラムの中の問題解決技能トレーニングの実施方法について、支援者向けマニュアルを作成し、併せて支援者がマニュアルを自分で学習できるよう、DVD教材も作成しました。さらに、新たな取組として、開発を担当したカウンセラー自らが支援の現場に赴き、技法を伝授する、支援技法普及講習を、全国9か所の地域センターで実施しました。

 「高次脳機能障害者の就労支援技法」「精神障害者の職場再適応支援技法」についても、中程に示した重点取組に沿って、支援技法の開発を行い、職リハ研究発表会での発表、マニュアル等の配布により、下の欄に記載した機関の担当者に、広く提供したところです。

45ページです。職リハ研究の成果については、機構内はもとより、福祉、医療、教育、企業など、実践現場で広く活用していただくような取組を行っています。左上の研究発表会ですが、平成24年度は中央1会場、地方6会場で実施しました。11月に幕張で実施した中央会場では、参加者数、発表者数が、前回とほぼ同規模となり、アンケート調査では97.2%の方から、「参考になった」との評価を得ました。また、地方会場は、鳥取、山梨、和歌山、福島、埼玉、茨城の6地域を選定しました。例えば埼玉は、難病者の雇用をテーマに設定するなど、地域ニーズに基づいたテーマ設定で行いました。

 学会等での発表は、目標を上回る22件の発表を行ったほか、機構内外の164件の研修における講演等を通じ、積極的に研究成果の普及を図りました。

 これらの研究成果については、機構研究部門のホームページにも掲載していますが、左下にあるとおり、アクセス件数は1,391万件を超え、前年度比173.5%となりました。右上ですが、現場で直ちに活動できるマニュアル、教材についても、目標を上回る6件を作成し、事業主や支援者に提供しています。

 右下です。研究成果が、広域センター、地域センター、就労支援機関などで、幅広く活用されている状況を、アンケート結果によりお示ししているとおりです。

 その下の円グラフにあるとおり、障害者就業・生活支援センター等の94.9%から、「有用である」と評価を頂くなど、研究開発の成果は実践現場でも有効に活用されているところです。以上が評価シート7で、研究成果の外部評価委員会の評価結果、普及の取組が目標を上回っているということで、自己評価を「A」としています。

 評価シート8、障害者職業能力開発校ですが、48ページです。機構が運営する障害者職業能力開発校の2校については、全国の広範な地域から、職業訓練上特別な支援を要する障害者、具体的には重度視覚障害者や精神障害者、発達障害者等ですが、これらの方を積極的に受け入れ、他の能力開発施設に訓練技法を提供できるよう、先導的な職業訓練を行っているところです。

 左上にあるように、平成24年度は精神障害者等について、応募状況等を勘案し、募集枠を超える受入れを行ったところです。左中段の「定員充足への取組」については、平成24年度はハローワークとの連携や、福祉、教育、医療機関への積極的な訪問など、従来からの募集活動に加え、応募者が減少傾向にある重度視覚障害者の入校促進に向けた新たな取組も行いました。これらの結果、指標1の受講者に占める職業訓練上特別な支援を要する障害者の割合は、54.7%と前年度を上回りまして、両校全ての訓練科で特別な支援を要する障害者の受入れを実現したところです。また、指標2の定員充足率も、103.2%と、4年連続で100%を超えているところです。

49ページは、「就職支援の状況」です。平成24年度は厳しい雇用情勢の下、左にあるとおり、求人確保に向けた企業への働き掛けとして、就職希望地の事業主団体を直接訪問し、求人確保の協力要請を行うとともに、人事担当者と訓練生が面談する会社説明会を行いました。また、新たな取組として、中央校では、ポリテク埼玉と連携し、双方のホームページに訓練生の求職情報を相互リンクで追加したほか、中央校で効果が見られる企業を招へいした障害者採用準備セミナーを、吉備校でも開催しまして、訓練生自らが、習得技能のアピールや自身の障害特性、職場で配慮いただきたい点等の説明を行いました。

 さらに、ハローワーク及び地域センターとの連携強化として、ハローワークへの求人開拓の要請や、地域センターから採用可能性のある事業主情報の提供といった取組を行ったところです。

 右側の特注型企業連携訓練です。これは、例えば就業環境が変わると、強度の不安や緊張により、業務を円滑、的確に行えなくなる精神障害者などに対し、特注型の訓練メニューに基づく企業内訓練と、就業継続のための技術的支援を一体的に提供しまして、当該企業での就職を目指すというもので、その取組を進めたところです。これらの取組の結果、指標3の就職率は、88.1%と目標値を超え、昨年度実績を上回ったところです。

50ページは、「障害者に対する指導技法の開発・普及」です。左上のとおり、両校では、毎年職業訓練実践マニュアルを作成していまして、平成24年度は企業との連携による職場実習を取りまとめた、『発達障害者編3』、職業訓練の実施や関係機関との連携方法を取りまとめた『精神障害者編1』を作成し、他の能力開発施設に提供しました。また、マニュアルの提供だけでなく、指導技法の解説や体験等のニーズに対応するため、機構本部において、厚生労働省と合同で障害者能力開発指導者交流集会を開催いたしまして、中央校、吉備校による、指導技法の解説やグループディスカッションによる情報交換等により、情報交流を図ったほか、中央校、吉備校を会場とした交流集会も開催し、訓練場面の見学、体験等を通して、実践的な指導技法の普及に努めたところです。

 左下の指標4のアンケート調査では、平成23年度に発行したものですが、発達障害者と重度視覚障害者のマニュアルについて調査し、94.7%の能力開発施設等から「有用」との評価を頂いています。

 最後に、右側にあるのは、これまでの指導技法等の開発・普及の集大成として平成24年度に、新たに実施した事業です。具体的には、他の能力開発施設における発達障害者等を専門的に受け入れる訓練コースの設置や運営を、受入れ準備から受入れ後に生じた課題の改善まで、体系的にサポートする事業です。平成24年度は東京障害者職業能力開発校において、精神障害者と発達障害者の専門コース、広島の障害者能力開発校において、重度視覚障害者の専門訓練コース、それぞれの新設に向けた支援を行ったところです。

 以上が評価シート8で、受講者数、就職率、指導技法等の普及、全ての指標で目標を上回っているということで、自己評価を「A」とさせていただいております。グループ2についての説明を終わります。

 

○今村部会長

 委員の皆様は、評価シートの項目58に評定結果及び評定理由等の記入をお願いします。この間、御質問等がありましたら、適宜御発言ください。

 

○関口委員

 確認です。32ページの指標の4、修了者の就職率が過去最高ということで68.1%になっています。平成23年度も同じ数字なのですが、これは2年連続で過去最高と理解してよろしいのでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 そういうことでございます。

 

○関口委員

40ページです。指標の11で、所属長への追跡調査の目標が60%以上となっています。ほかが、大体70%以上で設定されている中で、ここだけが60%だったように思うのですが、ここは数値としては若干低めに設定されていらっしゃるのか。ただ、平成23年度も94.6%と非常に高くなっているように思うので、ここの数値について、何か理由等があれば教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 これは第2期の中期計画の目標なのですが、第1期の平均的な水準を踏まえて立てておりまして、このような指標になっております。所属長の場合は、組織全体を見て評価いたしますので、若干厳しめになることもあり、このような目標にしているということです。

 

○松浦委員

 先ほどの御質問とも少し重なるところがあるのですが、34ページのジョブコーチの支援の推進のところで、質問が2つあります。指標の6で、目標値が1,700人以上となっているのですが、過去5年間の数字を拝見しても、全て3,000人を超えているので、この1,700人以上という目標について、今後見直される予定があるのか、また、どのような背景でこういう目標値を立てられたのか、御教示いただきたいというのが1点です。

 もう1つは、ジョブコーチについてです。勉強不足で恐縮ですが、ジョブコーチが大体何人ぐらいいらして、先ほどの高年齢者雇用アドバイザーと同じように、どのように活用されているのかという辺りについて、お伺いしたいと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 まず、1,700人という目標についてです。ジョブコーチ支援については、地域障害者職業センターという私どもの組織に配置しているジョブコーチの実績なのですが、福祉サイドで、旧自立支援法、今の総合支援法に基づく様々な就労支援機関がありますが、母体となっている社会福祉法人等に第1号ジョブコーチという者が配置されています。そういった所にできるだけノウハウを移転して任せていき、地域センターのジョブコーチの実施件数は抑えめにしていこうという構想の下に、第2期の目標を立てたわけです。

 ところが、実際には地域障害者職業センターへのジョブコーチ支援のニーズ、知的障害者のニーズも高くて、第1号ジョブコーチにもっと任せていきたいところなのですが、なかなか第1号ジョブコーチの実績が思うように伸びていないところがあります。研修や協同支援を通じて助言もしており、伸びてはいるのですが、かなり伸び悩んでいます。それで、当初の目標を大きく上回る結果になってしまっているということです。

 これにつきましては、今後厚生労働省で、ジョブコーチの在り方を検討することになっていまして、その中で、社会福祉法人等にいる第1号ジョブコーチの実績をどう増やしていくかなどが検討されることになりますので、それを踏まえて、この目標を考えていかなければいけないということで、今回の第2期中期目標には、ジョブコーチの支援目標は設定していません。

 それから、ジョブコーチの形態です。まず、地域障害者職業センターという私どもの機構の組織に、310人配置しています。これは、月20日勤務で、私どもの嘱託職員です。

 また、8割ぐらいが社会福祉法人ですが、そこに第1号ジョブコーチが配置されています。社会福祉法人の職員を選任しており、大体、9割ぐらいの人は兼任です。平成24年度で781人です。そして、これら方々がジョブコーチの活動をした場合に、障害者雇用納付金制度に基づく助成金が支払われる形になります。

 もう1つは、第2号ジョブコーチというのがあります。これは特例子会社等の企業自らが、ジョブコーチを選任し、支援していくというもので、平成24年度で139人います。これも納付金に基づく、助成金の対象になっています。

 

○松浦委員

 計1,200人ぐらいのジョブコーチ全員の方々の支援の対象者数が、3,670人という理解でよろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

3,670人は、地域障害者職業センターに配置されているジョブコーチの単独支援と、地域障害者職業センターのジョブコーチと1号ジョブコーチの協同支援を合わせた数です。

 それプラス、右下の棒グラフに915件という数字がありますが、これが第1号ジョブコーチの単独支援です。第2号ジョブコーチの支援数については、正確なものは今は持っておりませんが、個別の企業に置かれているものですので、そんなに多くはないと思います。

 

○松浦委員

 その3,670人は、年間を通じて支援したとか、何回支援したとか、そういうことにかかわらず、支援された方の人数がカウントされているということですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 ジョブコーチの平均の支援期間は34か月なのですが、それを1件として数えています。

 

○松浦委員

 分かりました。ありがとうございます。

 

○今村部会長

 今の協同に関してですが、センターのジョブコーチ、1号ジョブコーチ、2号ジョブコーチというところに、「協同」という言葉で一緒にやろうという意図は、すばらしくて、よく分かるのですが、今は社福が約8割だとおっしゃっていましたが、ある支援をしている組織から聞いたのですが、現場が公的な人たち、営利から来た人、非営利から社福、いろいろな人がいて、混乱して、うまく協同がいかないという実態があると。つまり、ジョブコーチがうまく機能しないということの背景に、そういったコミュニケーションの能力とか、いろいろな違った主体の間で、協同をつくり出していく能力みたいなものが、もしかしたら欠けているのかなという印象を少し受けたのですが、協同ということに関する、機構としてどういうスキルを求めていくかという発想について、評価とも関わることですので、教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 第1号ジョブコーチというのはものすごくスキルの高いところもあれば、そうではないところもありますので、余りノウハウがないようなところに、協同支援をすることによってノウハウを移転していこうということでやってきております。

 いろいろな人がいて混乱するという話は、私は詳しくは聞いておりませんが、例えば第1号ジョブコーチが必要だというときに、協同支援をどうしても求める場合があるのですが、「明日から来てください」みたいな話があって、そういう場合には、なかなかこちらが応じられなかったりとか、そういう今一つコーディネートがうまくいっていない面はあろうかと思います。

 先ほど申し上げましたが、厚生労働省でジョブコーチ支援の在り方の検討が始まることになっていますので、私どもも参画する予定ですが、もっと弾力的にジョブコーチを使えないか、あるいは様々な問題があろうかと思いますので、御指摘の点も含めて、その辺りを改善するための方策が話し合われるのではないかと思っております。

 

○今村部会長

 いかがでしょうか。よろしいですか。

 次はグループ3です。「障害者雇用納付金関係業務等」についての評価です。評価シートの9番~12番に該当する部分です。所要時間は、法人からの説明は15分、委員の評定と質疑は5分、合計20分の予定です。法人から説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 グループ3については、障害者のリハビリテーション以外の障害者関係業務です。53ページ、納付金制度です。御承知のとおり、納付金制度というものは、障害者雇用に係る事業主間の経済的負担の調整を図るということで、障害者に対する納付金制度を基にして、障害者を雇用する事業主に対して、助成、援助を行うことにより、障害者雇用の促進と職業の安定を図っているものです。

 左上の○の「納付金制度に対する理解の促進」においては、事業主説明会の開催、パンフレットの配布、職業安定機関の情報交換会等を実施しました。このうち、事業主説明会は目標を大きく上回る474回開催し、特に前年度までの申告・申請において誤りの多かった事項についての理解の促進に重点を置く等の工夫を行った結果、アンケート結果において、94.4%の出席者から肯定的な評価を頂いたところです。

2つ目の○の「事業所訪問調査の効率的かつ的確な実施」については、事業主が適切に申告・申請を行っているかどうかの実地確認で、計画件数どおり実施しました。調査に当たっては、初めて申告・申請する事業主や、過去の調査で誤りの多かった、比較的小規模で雇用障害者数の多い事業主を重点的に選定する等の工夫を行いました。

3つ目の○の「事業主の利便性の向上」では、電子申告申請システムの稼働を開始し、利用件数は2,679件、利用率は11.5%、初年度としては非常に高い利用率になったところです。

 これらの取組と併せまして、右側中程にあるとおり、未納の事業主に対しては、電話、文書、訪問による納付督励を行い、平成24年度は未申告事業主に対する対応の好事例や、未申告理由別の対応フローチャートを盛り込んだ、未申告事業主に対する督励マニュアルを新たに作成し、早期からの積極的な納付督励に取り組んだところです。

 この結果、従来からの常用雇用労働者数300人を超える事業主の収納率は99.96%と、目標を大幅に超え、昭和60年以来最も高い収納率となったところです。また、平成227月からは、新たな対象となった常用労働者数200人を超え、300人以下の事業主の収納率も99.85%と、目標を大きく上回っています。

 次に左下です。納付金制度は平成27年度から、常用労働者数が100人を超える事業主へ適用拡大が予定されているため、平成24年度は常用労働者数が80人~230人の事業主のうち、平成24年度の申告申請の対象となっていない約36,000社に対し、厚生労働省の職業安定局長と当機構理事長の連名によるダイレクトメールを送付したほか、経済団体等の協力を得まして、傘下の事業主への制度の周知、浸透を図ったところです。

 最後に、左下の「会計検査院からの指摘への対応」です。平成23年度の実地検査におきまして、実態の労働時間が週20時間未満の障害者を雇用労働者数に含める等の、事業主の雇用障害者数の算定に誤りがありまして、調整金・報奨金の過大支給、納付金の徴収不足が生じ、機構が勤務実態を確認できる関係書類の提出を事業主に求めていなかったということが、会計検査院から指摘されたところです。

 そのため、記入説明書により詳しい説明を加えまして、事業主説明会で詳しく説明するとともに、厚生労働省と連携し、申告申請書の様式改正、確認書類の追加添付を求める等、的確な対応を図っているところです。

 以上が評価シート9で、収納率が目標を大きく上回り、昭和60年以降最も高くなったほか、制度の周知、活用にも積極的に取り組んだことから、自己評価は「S」としています。

 次に、評価シート1055ページは「障害者雇用納付金に基づく助成金の支給業務」です。この助成金は、障害者を新たに雇用したり、障害者の雇用を継続するために、障害に配慮した職場環境を整備するなど、事業主が適切な雇用管理を行うための費用の一部を助成するという助成金です。

 まず、「効果的活用に向けた周知・広報・活用促進対策」の「ホームページの活用」の所です。本事業の評価指標は、支給要件の変更が確定した日から7日以内に、ホームページで公開することになっていまして、6月の企画競争型認定の確定分を3日後、9月の繰延措置の確定分を7日後に公開しています。また、助成金様式のダウンロードページの整理を行い、利用率が大幅に向上しています。

 「事業主の満足度向上のための取組」では、助成金を活用している事業主に対しアンケート調査を実施し、窓口対応に係る事業主満足度の向上につなげていったところです。

 「助成金の効果的な活用促進のための対策」では、下半期より運用している企画競争型の認定や運用の厳格化、納付金の収支が非常に厳しいことに伴う、一部助成金の平成25年度後半分の支給を平成26年度に支給する繰延措置について、ホームページで周知するとともに、対象事業主に対し、直接リーフレットを送付し、理解を求めたところです。

 次に、下段の「適正な支給業務の実施」です。平成24年度は、処分した不正支給の件数が、昨年同期の1件から17件と増加しています。その要因としては、労働局からの情報提供も含め、内部通報が増加したことや、会計検査院の検査の際に審査の厳格化について、具体的な方法も含めて指導があったこと等により、疑義のある案件について重点的に調査を行った結果であると考えています。

 このような状況を踏まえまして、機構内に不正受給防止・摘発緊急プロジェクトを設置し、不正受給通報用メールアドレスの開設や、不正受給事業主名等の公表に向けた条件整備等の対策を講じたほか、抜打ち調査の実施等、不正受給対策の強化を図りました。

 以上が、評価シート10です。支給要件の変更に係る公開日について目標を達成したほか、窓口対応の向上や不正受給防止対策に積極的に取り組んだことから、自己評価は「A」としております。

 次に、評価シート11、障害者雇用に関する「各種講習、相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」です。58ページです。まず、上段の、「障害者職業生活相談員資格認定講習」です。これは障害者を5人以上雇用する事業所では、障害者の職業生活全般にわたる相談指導を行う相談員を選任することが、法律上義務付けられておりまして、その資格認定講習を当機構で実施しているところです。

 平成24年度は、受講者から要望の多かった意見交換会や事業所見学などの、内容の充実を図ったところです。右側ですが、実施回数及び修了者数は、ともに前年度を上回り、アンケート調査では「有用であった」との回答が96.5%と高い評価を得たところです。

 下段は、事業主に対する障害者雇用に対する相談・援助です。機構本部に配置している特例子会社の経営の経験等を有する障害者雇用エキスパートが、企業の障害者雇用に係る方針決定や、特例子会社の設立、経営に関する相談に対応したところです。相談件数1,364件と、前年度比21.7%増です。各種講習セミナーの講師等を68回務めていまして、これも前年度に比べて20回増加しています。

59ページは、「実践的手法の開発、提供」です。これは障害者の職域拡大、雇用に関する問題点の解消方法等に関して、開発した実践的手法ほか、雇用好事例集やマニュアル等を事業主に提供する取組です。

 中小企業における初めての障害者雇用に係る課題と対応に関する調査、平成24年度職場改善好事例の入賞事例をまとめた事例集、視覚障害者に関するコミック版雇用管理マニュアルの3種類について、いずれも、わかりやすさ、読みやすさ、使いやすさを意識して作成したところです。これらの成果物については、関係機関を通じて幅広く配布するとともに、機構ホームページにも掲載しております。また、左下ですが、これまで作成したマニュアル等の一覧と、その活用方法を提案するマニュアルの御案内を作成し、地域センターやハローワークを通じて、事業主の方々に周知を図っています。さらにその右側ですが、成果物を送付した利用者へのアンケート調査では、92.1%から、「障害者雇用に取り組む上で役立った」との評価をいただいています。

60ページ、「就労支援機器の普及・啓発について」です。左上、「機器の普及に向けた取組」です。これは障害者の雇用促進と雇用継続を図るため、支援機器やソフトなどの普及を図る取組で、機構のホームページの掲載のほか、高障センターや障害者雇用エキスパートによる周知を行っているところです。平成24年度は、エキスパート自らが出掛けて行く、移動展示会を4か所で開催するとともに、就労支援機器展示コーナーを活用した説明会も始めました。また、機器の貸出しを希望する事業主に対しては、適切な機器の選定や、より効果的な機器の活用方法といった相談に丁寧に応じるとともに、貸出中にも、使い勝手についてフォローアップを徹底し、貸出終了後のアンケート調査においては、その意見を機器の整備にいかしたところです。右側ですが、利用率は67.9%、貸出事業所のアンケートによる満足度は93.1%になったところです。

61ページ、「障害者雇用に関する啓発事業について」です。左側の、長野県と共催した障害者ワークフェアです。これは、この後に説明するアビリンピック長野大会と同時に開催し、障害者雇用の豊富な経験を持つ113の企業、団体が出展したところです。長野県の協力を得た地元の関係機関による、様々なイベントも開催しまして、開催直前には新聞広告を掲載するなど、より効果的な周知を図ったところです。また、当日は障害のある社員自らが職務内容を説明するなど、出展者の様々な工夫もありまして、左下の来場者のアンケートでは、96.2%から「障害者雇用に関する理解が深まった」との評価を得たところです。

 右側です。9月の障害者雇用支援月間を中心とする啓発事業です。障害者雇用優良事業所等表彰式を開催するとともに、全国5か所で優秀作品を紹介する月間ポスター原画入賞作品展を開催したところです。さらに、マスメディア等を活用した広報・啓発活動として、当機構の職業リハビリテーションの取組について、積極的な取材協力や情報提供を行い、その内容が広く報道されたところです。

62ページ、「定期刊行誌『働く広場』の発行」についてです。左にあるとおり、平成24年度は毎月54,000部を発行しました。これらは企業の人事労務担当者や就労支援機関等に配布しているところです。内容については、就労支援が求められている、発達障害者の雇用の取組について、当事者、雇用主、学識者、支援者等、幅広い領域からの情報を掲載する等、紙面の充実を図ったところです。

 その結果、読者アンケートでは、89.6%から「非常に参考になる」「参考になる」との評価を頂きました。さらに右側の囲みですが、「働く広場」の公開座談会として、発達障害者の雇用の促進をテーマに、企業の方、特別支援学校の教員、障害者職業カウンセラーによるパネルディスカッションを行いまして、入場者アンケートでは、98.6%の方から「大変参考になった」「参考になった」との評価を頂きました。

 以上が評価シート11で、各種講習や啓発活動に積極的に取り組んだほか、就労支援機器の利用率及びワークフェア来場者の障害者雇用に対する理解度が目標を上回ったということから、自己評価は「A」とさせていただいております。

 評価シート12、「アビリンピックの開催」、64ページです。アビリンピックは、職業技能競技を通じ、障害者の職業能力の向上と啓発を目的として実施していまして、平成24年度は長野県長野市において実施、開催したところです。参加選手数は313人、来場者数は長野県が主催するイベント等を含め、43,000人でした。

 大会のポイントは3つありまして、1つは競技種目の見直しです。新たにオフィスアシスタントを競技種目として採用しました。そのほか、競技種目の競技参加状況を勘案し、ビルクリーニングの種目などで、競技定員の見直しを行いました。また、技能デモンストレーションでは、クリーニングの種目を新たに採用したところです。

2つ目は、複数会場における開催の工夫です。会場が2つありましたので、それをいかしてパソコンを使用する競技と、作業音が生じる競技の会場を分け、選手が競技しやすい環境を整えました。また、来場者の見学や選手の移動についても工夫したところです。

3つ目は、来場者が競技の見どころを分かるようにするための工夫で、競技内容を紹介するDVDを作成し、上映したところです。

 右下にあるとおり、共催の長野県とは密接な連携、協力を行い、県では公式キャラクターやロゴマークを設定し、地元メディアを最大限に活用した周知、広報のほか、地元ボランティアによる選手の介助や送迎、来場者の案内等で協力を頂いたところです。

65ページ、これらの取組の結果、来場者アンケートでは96.1%から、「障害者の職業能力及び雇用に対する理解が深まった」との評価を頂きました。また、来場者の満足度は過去最高の97.6%になったところです。その下にあるとおり、マスコミ等の反響については、地元の長野県の新聞やテレビによる報道をはじめ、参加選手の地元新聞紙面において、大会についての記事が掲載されるなど、全国規模で大会が紹介されたところです。

 次に、右側の「地方アビリンピックの開催」です。競技参加選手数、競技実施種目とも、過去最高の実績となり、全国アビリンで実施している競技種目の割合が93.2%と、競技種目の見直しによる効果的な運営についても、徹底を図ったところです。

 高障センターによる実施も、2年目を迎え、特別支援学校などと連携を図り、県教育委員会とのイベントの合同開催が行われるなどの例も出ているところです。

 以上が評価シート12で、来場者の大会に対する満足度が過去最高となったほか、地方アビリンピックの競技参加者数、競技種目、実施種目は、過去最高の実績になったということで、自己評価を「S」としています。これでグループ3についての説明を終わらせていただきます。

 

○今村部会長

 委員の皆様は評価シートの項目912に、評定結果及び評定理由の御記入をお願いします。御質問等がありましたら、適宜御発言ください。

 

○志藤委員

 質問ではないので、お答を頂く必要はないのですが、この評価というのが、中期目標に対する達成を評価するものなので、的外れなものになるかもしれませんが、意見を述べさせていただきます。

 説明資料の1ページ、2ページに、高齢者の事業というのは、342つだと思います。障害者に関わるものが5から12までということで、8つの項目になっています。数だけで見ると、高齢者が2つ、障害者関係が8つです。これから日本という国は、高齢者が急増することを考えますと、中間目標の評価ということではなく、これからの機構自体の在り方に関することで、もう少し高齢者部門への比重というか、4分の1というのはバランスを欠いている気がしますので、今後の事業の展開という意味で、御検討いただく必要があるのではないかと思いました。質問ではありませんので、お答を頂く必要はありませんが、そのような印象を持ったことだけお伝えさせていただきます。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 評価シートの区分については、第3期が始まったところですので、また見直す機会があればということですが、全体の職員数、業務量で見ると、現在、高齢関係の業務をしているのが、高障センターの一部分ということで、全体の組織から見ると地域障害者職業センターの中に高障センターがありまして、そこの一部で高齢業務を行っているということです。機構全体の業務の中では、シートの分量としては2つぐらいかなという判断でして、業務の重要度によって、当該業務の範囲が広がるということであれば、シートも増やしていくことで対応させていただきたいと思います。

 

○高田部会長代理

64ページから、アビリンピックに関してありまして、機構の関与がどうされているかを簡単に御説明いただけますか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 アビリンピックについては、開始する4年前に共催する都道府県を募集しまして、長野県は4年前に、一緒にやりたいということで手を挙げていただきまして、まず形としては、機構と県の共催という形になっています。

 大きな役割分担としては、機構で全体の総括というのはありますが、競技の実施部分について、ここは中心となってやります。主に都道府県に関しては、ロジ面ということで、競技会場を選んで、貸していただく、借料を出していただくことと、選手の宿泊、当日の警備、地元における広報について、県でやっていただくという役割分担ですが、常に、県と私どもで連絡を取りつつ、最大限に効果が出るように、実施体制を組んでいます。

 

○今村部会長

 よろしいですか。次に大物が控えていますので、次に進みます。

 次は、グループ4「職業能力開発事業」についての評価です。評価シートの項目は1318に該当する部分です。所要時間は、法人からの説明に20分、委員の評定と質疑に10分、合計30分の予定です。法人から説明をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 グループ4について説明いたします。評価シート13、離職者訓練について、資料3-168ページを御覧ください。離職者訓練につきましては、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)において、離職者の早期再就職を図るため、職業に必要な技能・知識を付与するための訓練ということで実施しています。左上にありますとおり、訓練終了後3か月後の就職率を80%以上との数値目標が設定されています。結果としましては、右側の上段囲みと、左側の折れ線グラフにありますとおり、平成251月までに終了した訓練コースの3か月後の就職率は84.8%と目標を大きく上回り、過去最高を記録しています。このように目標を大幅に上回る就職実績を上げた背景としましては、後出の、地域の人材ニーズを踏まえた効果的な訓練を実施したことに併せ、69ページにありますとおり、「就職支援行動ガイド」「就職支援マップ」を活用しつつ、訓練開始時から段階的にきめ細かい面接指導を行うなど、組織を挙げて徹底した就職支援に努めたことが挙げられると思っています。

68ページにお戻りください。右上の、常用就職率は、就職率の実績の下のとおり、72.1%。それから、定員充足率は、左上の入所実績の下のとおり、79.0%となっています。中段には、就職率、常用就職率、定員充足率の3つの指標と各施設の分布状況をお示ししています。

 施設ごとの詳細な実績は、資料3-4「平成24年度業務実績評価シート添付資料」の143ページに記載しています。総務省の政・独委から、昨年度の評価結果に対する意見として、「今後の評価に当たっては、就職率、常用就職率、定員充足率について全国の各施設における業務実績を明らかにした上で、より的確かつ厳格に評価すべきである」との御指摘を受け、それに対応して掲載しています。

69ページの下段を御覧ください。機構が持つ就職支援のノウハウにつきましては、都道府県や民間教育訓練機関にも積極的に提供しており、実績は前年度を上回る1,658件の提供となっています。

70ページは、訓練コースの設定についてです。上段にありますとおり、訓練コースの設定に当たりましては、まず、事業主へのヒアリングなどで把握した人材ニーズや、民間教育訓練機関との競合状況を踏まえて、次年度訓練計画案を各施設で作成しています。作成した訓練計画案を、都道府県ごとにある職業訓練支援センターに設置されている訓練計画専門部会で審議します。人材ニーズを踏まえた訓練科を設定しているか、自治体や民間が実施する訓練との競合はないかなどの点を考慮しまして、訓練科11つをチェックしていただいています。右下の棒グラフのとおり、施設内訓練では、そのほとんどをものづくり分野の訓練コースに特化して実施しています。

 以上が評価シート13です。就職率が過去最高となったほか、就職支援ノウハウを都道府県や民間企業にも積極的に提供した一方、各施設ごとにまだ定員充足率にバラ付きがあることも踏まえ、自己評価は「A」としています。

 次に、評価シート14、高度技能者養成訓練について、資料の72ページを御覧ください。高度技能者養成訓練は、職業能力開発大学校等(ポリテクカレッジ)において、自らものづくりができる実践技能者や生産現場のリーダー等の養成を目的としまして、高等学校卒業生等を対象にして職業訓練を実施しています。左上にありますとおり、訓練終了後1か月時点の就職率が95%以上という高い数値目標が設定されています。ここでの訓練におきましては、全体の65%の時間を実技・実習に充てる実学融合の質の高い訓練を実施するとともに、個別の就職支援の強化などに取り組みました。その結果、右上にありますとおり、平成24年度の修了生の就職率は目標を大きく上回る97.7%を達成しています。また、常用就職率は、就職率の実績の下のとおり、99.0%。定員充足率は、左上の在校生の実績の所にあるとおり、102.5%となっています。右上の少し下寄りに、就職率、常用就職率、定員充足率の3つの指標の各施設ベースの分布状況をお示ししています。これにつきましても、詳細な実績は資料3-4145ページに記載しています。これも先ほどの評価シート13と同様に、総務省の政・独委から、施設ごとの状況を踏まえて評価するようにとの指摘を受けて掲載しています。

73ページを御覧ください。ポリテクカレッジにおいては、中期目標にもありますとおり、ものづくり力をいかして関係機関と連携し、地域に開かれた施設運営に努めています。具体的には、上段の青い囲みにありますとおり、中小企業の生産ラインの改善、製品の試作などの技術的支援を共同研究や受託研究として実施しています。実績としては、上段右側にありますとおり、共同研究と受託研究の合計で86件となっています。なお、参考として、石川短大の共同研究の事例と、東北能開大の受託研究の事例を掲載しています。

74ページは、ポリテクカレッジの資源を地域社会に開放する取組についてです。上段にありますとおり、若年者に対する実践的な技術教育を充実させるため、工業高校や高等専門学校、大学等と連携した教育訓練の実施や研究発表会での情報提供を平成24年度は257件実施しています。中段は、参考までに、地域の中小企業等に対して人材教育や技術支援の面から協力した、青森短大と東海能開大の事例を掲載しています。また、下段左の「ポリテックビジョン」や、右側の「ものづくり体験教室」を通じて、地域におけるものづくりの啓発等に努め、いずれにおいても参加者数は前年度を上回っています。

 以上が評価シート14です。目標を上回る高い就職率を達成したほか、地元の中小企業への技術的支援やものづくり体験教室の開催等、地域との連携に引き続き取り組んだということで、自己評価は「S」としています。

 評価シート15、在職者訓練、事業主との連携支援についてです。資料は76ページを御覧ください。在職者訓練については、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)におきまして、中小企業等の在職労働者が技術革新や職務内容の高度化に対応するため、これらに必要な技能・知識等を付与し、レベルアップを図るとして、25日程度の期間で訓練を実施しています。平成24年度の実績は、上段にありますとおり、訓練コース数は6,303コース。受講者数は、積極的な新規顧客の開拓などの取組により、昨年度より1万人多い49,555人と、大幅に増加しています。上段の青い囲みにありますとおり、訓練受講生と受講生を送り出した事業主の双方の訓練に対する満足度を80%以上との数値目標が設定されています。このため、在職者訓練においては、訓練受講者とその所属先事業主に訓練実施ごとにアンケートを行いまして、満足度のみならず、不満・要望もお聞きして、訓練の改善につなげています。その積み重ねにより、訓練受講生とその所属先の満足度が、それぞれ、98.8%、97.9%と、前年度実績を更に上回り、過去最高の高い評価が得られています。なお、アンケート分析による訓練内容の改善に当たりましては、中段以下にありますとおり、「訓練カルテ方式」というツールを用いて、常にPDCAサイクルによる検証を行い、在職者訓練の質の向上に取り組んでいます。ここでは、タッチパネルを用いたFAセンサ管理のコースにおける改善事例を記載しています。

 次に、77ページを御覧ください。在職者訓練に関しましては、中期目標で、中小企業等を主な対象として、ものづくりの分野を中心に真に高度な訓練を実施することが求められています。中段やや下の左側のとおり、在職者訓練受講者の64.0%が中小企業在職者となっており、その右の棒グラフにありますとおり、ものづくり分野の割合が100%となっています。また、訓練の質的側面については、上段のとおり、外部の専門委員により審議・決定し、ホームページにも公表している設定基準を用いまして、中ほど右側にあります、ピラミッドの4段階のうち、上の「レベル3」と「複合・統合」という最上位の2つのレベルの訓練コースについてのみ実施しています。

 さらに、訓練効果の把握と訓練内容の改善については、左下の囲みにありますとおり、受講生が習得した能力に関してアンケートを行いまして、訓練受講後の職場での適用状況、意見や要望などの結果を分析・評価しまして、訓練コースの更なる改善につなげました。

 一番下の、受講生の費用負担についてです。平成24年度は、受講生の多くは中小企業の従業員であることを踏まえ、教材費・光熱水道料等、実費相当額の費用負担を求めました。

78ページです。在職者訓練とは別に、事業主等が自らの従業員に対して効果的な職業訓練を実施できるよう、機構が行う連携支援についてです。具体的には、職業訓練指導員の派遣、職業能力開発施設の施設・設備の貸与等で、これらを積極的に実施しました。実績は、左上の青い囲みと、右側の緑の棒グラフにお示ししたとおり、平成24年度は、支援を受けた延べ人数が308,000人と、前年度より僅かに減少していますが、支援を受けた事業主から、右下にありますとおり、高く評価されています。下段の左下は、事業概要紹介リーフレットや、事業所訪問ガイドを作成して、事業所を訪問する際には積極的に活用しています。なお、一番下にありますとおり、この事業主支援についても実費等の負担を求めています。

 以上が評価シート15です。受講者及び事業主の満足度が過去最高となったほか、在職者訓練の受講生が大幅に増加したことから、自己評価は「S」としています。

 評価シート16、職業能力開発総合大学校、いわゆる職業大における指導員養成、訓練コースの開発等です。80ページを御覧ください。まず、指導員の養成については、職業大におきましては、主に高等学校卒業者を対象として、技能習得の指導、訓練コーディネート、就職支援など、幅広い能力を有する職業訓練指導員の養成を行っています。具体的には、左中ほどの「指導員養成カリキュラム」にありますとおり、全体の約7割を占めるものづくり関係のほか、訓練指導関係、就職支援のためのキャリア・コンサルティングやコーディネート関係等といった広範な内容につきまして、国立大学工学部の約2倍の時間を掛けて徹底して教育をしています。その結果、右上にありますとおり、卒業生の就職率は98.5%と高水準を維持しまして、職業訓練指導員の就職割合も向上しています。

81ページを御覧ください。職業大においては、機構のほか、都道府県や認定訓練校、民間企業における現役の指導員を対象にしまして、その専門性の拡大・レベルアップ、新たな職種を担当するための研修を実施しています。平成24年度の実績は、実施コース数が245コース、受講者が3,189人で、昨年度と比べ33%増加しました。中段右の棒グラフにありますとおり、都道府県の指導員が受講しやすいように、現地に赴いて実施する出前型訓練に積極的に取り組んだ結果と考えています。また、一番下の囲みのとおり、指導員が新たな職種の指導員免許を追加的に修得する専門課程や、ポリテクカレッジの応用課程を担当する指導員に必要な技能等のがレベルアップを図る応用研究課程も実施しています。

82ページは、訓練コースの開発についてです。職業大においては、訓練現場で必要となる訓練コース・職業訓練技法の開発等、職業訓練を効果的・効率的に行うための調査・研究について、平成24年度は、黄色の囲みにありますテーマについて実施しています。これらの成果物は、機構の訓練カリキュラムの開発において活用することはもちろん、ホームページの掲載や報告書の配布等を通じて幅広く提供しています。右上にありますとおり、ホームページのアクセス件数は861,154件、ダウンロード件数は前年度の約2倍の53,559件となっています。また、報告書は、民間の訓練施設や地方公共団体など延べ3,539機関に配布し、普及を図っています。

 左下にありますとおり、政府の新成長戦略に基づき、環境・エネルギー分野におけるイノベーションをリードする人材を育成することを目的に、平成264月には、職業能力開発大学校に開設する応用課程「生産電気システム技術科」の標準カリキュラムの作成を行いました。

83ページは、人づくりを通じた国際連携・協力についてです。機構では、職業能力開発分野における政府間技術協力事業に関して、厚生労働省やJICAからの依頼を受けて、当機構が有する職業訓練のノウハウを活用して発展途上国への支援を行っています。実績については資料のとおりです。

 以上が評価シート16です。職業大において高い就職率が達成されたほか、出前型研修の積極的な取組により、都道府県の指導員の受講拡大に努めたこと等から、自己評価は「A」としています。

 次に、評価シート17、効果的な職業訓練の実施、公共職業能力開発施設等について、資料は85ページを御覧ください。地域のニーズを踏まえた、効果的・効率的な訓練の実施を行う上で不可欠な、関係機関との連携については、上段の青い囲みにありますとおり、機構本部に運営委員会、各職業訓練支援センターには地方運営協議会を設置し、十分な連携を図っています。中段以下には、地域における関係機関の連携の例としまして、新成長分野である環境・省エネ分野、6次産業化分野における委託訓練用のカリキュラムの開発・検証をした例、また、震災復興訓練の例をお示ししています。

86ページは、企業等のニーズに応えた訓練コースを設定するための取組です。中段上の赤の帯以下にありますとおり、機構は、技術革新等に対応しまして、職業訓練サービスの質の向上のため、恒常的な見直しを行う訓練マネージメントシステムを整備しています。具体的には、国際規格ISO29990に対応した訓練の質保証の取組を明文化した「機構版教育訓練ガイドライン」に基づくPDCAサイクルにより、品質管理を徹底しており、国際的にも高い評価を得ています。この品質管理の流れにつきましては、訓練ニーズの把握、カリキュラム・コース設定を行う、「Plan(P)」にありますとおり、訓練指導員が全国3,500近い事業所を訪問し、実際に企業が求める人材のヒアリングを行って、職務分析を行いながらコースを設定しています。「Do(D)」の部分では、効果的な職業訓練の実施をしまして、「Check(C)」では、効果の評価と問題点の把握を行っています。職業訓練サービスのモニタリングとして、訓練中及び訓練後に受講者の職業能力習得状況を確認し、さらに、事業主が求める人材とのマッチングも確認しています。特に、訓練による習熟度の測定としては、左下に、汎用旋盤を使った機械加工の訓練課題を例示していますように、訓練コースによって異なる習熟度の測定の課題を設定しているほか、評価シート15で説明いたしましたとおり、訓練カルテ方式によって、職業訓練サービスの分析・評価を行い、その結果に基づいて改善・見直しなどの「Act(A)」を行っています。

 次の、87ページは、離職者訓練及び在職者訓練に係る訓練コースの設定と見直しについてです。新規訓練科の設定や訓練内容の変更に当たっては、評価シート13の職業訓練でも説明いたしましたとおり、外部の有識者からなります訓練計画専門部会において審査を受けています。平成24年度における見直しの結果は平成25年度の訓練実施に反映されていまして、その実施状況を右下の表に取りまとめています。離職者訓練・在職者訓練ともに見直しを行っています。例えば離職者訓練の場合、新設33科、内容変更149科、廃止37科と、全訓練コースの4割以上を見直している状況です。

88ページには、職業能力開発促進センターの都道府県移管と職業大改革について記載しています。上段のグレーの囲みにあります、職業能力開発促進センターの都道府県への移管につきましては、労働政策審議会職業能力開発分科会での議論に資するよう、現状についてのデータ提供などを平成24年度に行っています。

 その下は、職業能力開発総合大学校の改革についてです。まず、東京校への集約化の準備については、平成24年度末までに全ての機能を小平市の東京校に集約し、相模原校の全敷地を平成25年度以降に売却することが、平成2212月に閣議決定されています。これに基づき、平成231月に「職業大改革プロジェクト推進会議」を本部に設置し、重要事項の進捗管理を実施しながら進め、平成24年度末までに、相模原校の廃止、東京校への集約を完了しています。

 その下は、職業大における訓練内容の見直しについてです。中段左の、ハイレベル訓練では、最先端の技能・技術や訓練技法等、職業訓練指導員に必要な能力を付与するための訓練として、平成26年度から実施できるよう、必要な準備を進めています。

 その右の、スキルアップの訓練は、全国の現役指導員等を対象に、専門分野の不断のスキルアップを図るための訓練です。段階的に対象人員を拡大していくために、職業大の教員が各地域に出向いて実施する出前型訓練に必要な実習場や設備、機器等の稼働状況の調査を行い、出前型訓練を試行として実施しました。

 一番右の総合課程については、生産技術・生産管理部門のリーダーとなり得る人材、将来的に質の高い職業訓練指導員を養成するための訓練として、平成24年度から新たに開始しました。この総合課程におきましては、学位授与機構に学位の申請をして、学士(生産技術)を取得できることとなっています。積極的な募集活動を行った結果、応募者数も昨年度に比べて大幅に増え、順調に進行しています。

 以上が評価シート17です。PDCAサイクルの訓練コースの見直しにより、高い就職率を達成したほか、職業大の東京校への集約、カリキュラムの見直し等に積極的に取り組んだこと等から、自己評価は「A」としています。

 次に、評価シート18、求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等です。資料の90ページを御覧ください。求職者支援制度については、平成235月に成立した職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律に基づき、当機構は、右上の囲みの、4つの○の事業を実施しています。そのうち、職業訓練の認定につきましては、中段左のピンクの囲みにありますとおり、特定求職者の就職に資する効果的な訓練内容になっているか等の観点から審査を実施しました。下にありますとおり、平成24年度においては、新たに「カリキュラム作成ナビ」を作成し、ホームページや相談の機会を通じて訓練実施機関に提示することで、カリキュラムの円滑な作成を支援しています。平成253月末の実績は15,360コース、定員324,185人の訓練計画について審査を行い、右側にありますとおり、このうち1233コース、定員213,034人分を認定しました。なお、これに伴い、審査コースの3分の1に当たる約5,000コースについては不認定としました。その主な理由は、そもそも認定基準に適合していないものが1割ほどあったほか、残りの9割については、ピンクの囲みの部分にありますとおり、訓練コース、訓練分野等に設定されている認定上限値を超える申請があったことによるものです。

91ページを御覧ください。求職者支援制度における実施状況の確認についてです。平成24年度は各コースについておおむね月1回、延べ31,557回実施しています。実施状況確認時の確認事項については、出欠管理の状況、施設・設備の状況など多岐にわたっていますが、その確認のみならず、受講生に対するアンケートなどで受講者の声も直接聞きながら、訓練の実際の実施状況についても把握しています。また、右側にありますとおり、実施状況確認時に、1,157施設に対してアンケート調査を実施したところ、多くの施設において質の向上等々について課題を感じていることが分かりました。その下にありますとおり、このように把握した課題に対する講習を東京職業訓練支援センターで試行的に実施し、高い満足度が得られたことから、平成25年度は全国を8ブロックに分けまして、全国展開することとしています。

 以上が評価シート18です。カリキュラム作成ナビの作成や、訓練の質の向上のための講習の試行的な実施により訓練実施機関に対する支援に努めたこと等から、自己評価は「A」としています。グループ4の説明は以上です。

 

○今村部会長

 委員の皆様は、評価シートの項目1318に、評定結果及び評定理由等の記入をお願いいたします。御質問等ございましたら適宜御発言をお願いいたします。特にございませんか。

 引き続き、グループ5に移ります。「予算、人事等」についての評価です。評価シートの項目は1920に該当する部分です。時間もかなり超過していますので、法人からの説明は5分、委員の評定が5分、合計10分の予定です。法人から説明をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 グループ5について説明いたします。評価シート19、予算等です。資料の95ページを御覧ください。左上の、運営費交付金については、様々な見直し、縮減に努め、国庫負担軽減に努力しました。その結果、左下のグラフにありますとおり、平成25710日に1819,600万円を国庫納付したほか、右側にありますように、不要財産の処分等も適切に講じました。

96ページは、雇用促進住宅の運営管理についてです。雇用促進住宅は、配置転換等により住居の移転を余儀なくされた方々を対象とした勤労者向けの賃貸住宅です。遅くとも平成33年度までに全ての譲渡・廃止を完了することとされていますが、必要と認められる間は、解雇等に伴い住居を喪失した求職者や震災被災者に対する支援策としまして、廃止決定をした住宅を含め最大限に活用することが求められています。

 真ん中の、譲渡等の状況についてです。厚生労働省からは平成263月までに入居者の退去促進の取組を実施しないよう求められる中で、平成24年度は入居者付きで地方公共団体への譲渡に努力した結果、7住宅を地方公共団体に譲渡、4住宅を民間事業者に売却、6住宅は退去が完了し空き家、2住宅については建物を取り壊し更地にしました。左側にありますとおり、平成24年度末現在の住宅数は1,297住宅、3,334棟、123,292戸という状況になっています。

97ページは、雇用促進住宅の活用状況についてです。いわゆるリーマン・ショック後の解雇等により住宅を喪失した求職者を対象に緊急一時入居を認めていまして、その入居戸数は3,945戸。震災関係の被災者等への一時貸与については4,535戸、そのうち約5割が岩手、宮城、福島の入居となっていまして、最大限活用を図っています。

 以上が評価シート19です。経費の節減に努め、国庫負担軽減に寄与したほか、雇用促進住宅につきまして震災被災者等への支援策に対応しつつ都道府県への譲渡等にも取り組んだことから、自己評価を「A」としています。

 最後に、評価シート20、人事・人員等です。資料の100ページを御覧ください。まず、人件費削減の取組については、当機構としましては、左上の枠にありますとおり、数次にわたる給与制度改革を着実に進めた結果、平成18年度からの6年間で6%節減するという目標に対して、平成23年度で22.7%の節減を果たし、目標を達成しました。また、ラスパイレス指数につきましては、101.9と、前年度に比べて5.7ポイントの減となっています。

 左下、効率的な人員配置については、地域センターにおける発達障害者に対する専門的支援の本格実施に伴う拡充や、震災復興訓練実施のための応援派遣など、それらによって業務量が大幅に増加する中、機動的な人員配置により利用者ニーズに的確に対応しました。業務量の増加が続き、組織の効率化も求められる中で、優秀な人材の確保、職員11人の能力開発、モラールの向上、これらについても取り組みました。また、職員研修も採用半年後のフォロー研修も新たに実施するような取組も行っています。

101ページを御覧ください。モラールの維持・向上のための取組です。職員全員参加の職場活性化の取組として、Eサービス運動を実施し、128件の報告、17件の表彰がありました。真ん中の、理事長の役職員へのミッションの周知として様々な取組を行っていますが、夏期にサマーレビューを実施するなども行っています。また、右側にありますとおり、アンケート調査による業務改善やモニター制度、利用者の意見を積極的に募り、業務に反映しています。

 以上が評価シート20です。人件費の削減や効率的な人員配置、職員のモラールの維持・向上にも積極的に取り組み、自己評価を「A」としています。グループ5の説明は以上です。

 

○今村部会長

 委員の皆様、評価シートの項目1920の評定結果及び評定理由等の記入をお願いいたします。この間、御質問等ございましたら適宜御発言ください。よろしいでしょうか。

 これで全ての評価項目を終了いたしました。高障求機構さんは、もう1回、総合評価があると思いますが、用意された原稿と与えられた時間との感覚がうまく一致していないようなので、次回以降は大体読み合わせをして、何分ぐらい掛かるのか所要時間を検討していただいて、審議の時間短縮に御協力をいただきたいと思います。ただし、この評価委員会は、基本的に、出てきた情報を基に評価しなければいけませんので、一方で、できるだけ細かな情報も的確に提供しなければいけないという要求もありますから、両方のせめぎ合いで難しいと思いますが、今後とも事務局と機構で協力していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次の議題に移ります。議題7「高齢・障害・求職者雇用支援機構の役員給与規程、役員退職手当規程の改正等について」です。まず、役員給与規程・役員退職手当規程の改正について、事務局から説明、続いて法人から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 先ほど御審議いただきました労働政策研究・研修機構と同様に、法人から厚生労働大臣宛てに、役員給与規程と役員退職手当規程の変更について届出がありました。このため、独立行政法人通則法第5253条の規定に基づきまして、支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかといった観点に基づき、評価委員会からの御意見を伺うものです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構総務部長

 総務部長の木塚と申します。役員退職手当規程等の改正について、資料3-93-7に基づいて説明いたします。今回の改正につきましては、平成2487日に閣議決定されました「国家公務員の退職手当の支給水準の引下げ等について」の趣旨を踏まえまして、平成241211日に厚生労働省から当機構も適切な対応を図るよう要請があり、それに伴う改正です。

 具体的には、資料3-9の新旧対照表に沿って説明いたします。附則第4条は、役員に対する退職手当を13.65%減額することを規定しています。これは、国家公務員が、退職給付の官民格差の解消を図るために退職給付総額がマイナス13.65%となるように措置を講じたということで、私どもも同様の減額措置を規定したものです。施行期日については、附則第1条のとおり41日となります。第2条で、国家公務員退職手当法の一部改正に伴う経過措置と同様に退職手当を段階的に引き下げることとしています。なお、国家公務員退職手当法の改正は平成2511日の施行でしたが、当機構は3か月遅れて施行することになっています。この間に退任した役員はおりませんので、施行期日が遅れたことによる影響はありません。

 次に、資料3-7です。役員給与規程の新旧に沿って説明いたします。まず、第5条です。職員の給与規程につきましては、国家公務員の給与と同等にするために、平成2541日より国家公務員と同じ俸給表を適用し、諸手当についても国家公務員と同じにするなど、給与制度の見直しを行いました。役員についても職員と同じ取扱いとすることとしており、地域手当についてその旨を規定しています。この改正については41日より施行しています。説明は以上です。

 

○今村部会長

 本件について御意見等ございましたらお願いいたします。御意見がないようですので、本部会として了承としてよろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 最後に、31日の第81回労働部会で審議しました高齢・障害・求職者雇用支援機構の第3期中期計画において、部会審議後に財務当局との調整により若干の変更があったと伺っていますので、報告をお願いします。

 

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部高齢者雇用対策課長

 高齢者雇用対策課長です。31日の労働部会において御審議いただきました中期計画案につきまして、部会後、財務省との協議過程におきまして若干の修正がありましたので報告いたします。

 資料3-11「第3期中期計画」を御覧ください。修正箇所に下線を付しています。21ページに主要な修正点を載せています。第5の「財産の処分等に関する計画」の「不要財産等の処分に関する計画」の所です。不要資産につきましては、独立行政法人通則法により国庫納付すること、また、民間等の出資、これは地方公共団体出資分等ですが、これについては出資者に対して払戻請求の催告ができることになっています。そのことを明記しました。また、別紙4を設け、ここでその具体的な施設名を明記する形にしています。そのほか、予算の計数あるいは形式的な文言修正などの技術的な修正も加えまして、平成25329日付けで大臣認可をしています。以上、報告です。

 

○今村部会長

 ただいまの説明に対して御質問等ございますか。特にないようですので、報告を承ったということで本議題は終了いたします。本日の議題は以上です。次回の開催等について事務局から連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、評定記入用紙の提出が難しい場合には、86()までに事務局まで提出をお願いします。

 次回の開催は、87()13時から、場所は厚生労働省内6階の共用第8会議室です。審議内容は、労働者健康福祉機構、勤労者退職金共済機構の個別評価を行うこととしています。

 

○今村部会長

 本日は以上です。御新任の委員もいらっしゃいましたが、長時間にわたり非常に熱心な議論を頂きましてありがとうございました。どうもお疲れさまでした。


(了)

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