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2013年8月1日 第42回独立行政法人評価委員会年金部会議事録

○日時

平成25年8月1日(木)10:05~12:27


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○出席者

山口委員、川北委員、竹原委員、安浪委員、大出委員、大野委員、光多委員

○議事

(以下、議事録)

 

○山口部会長

 ただいまから第42回厚生労働省独立行政法人年金部会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、本日の議事につきまして事務局のほうから説明お願いいたします。

 

○政策評価官

 おはようございます。本日の議事につきまして御説明申し上げます。本日の議事ですが、お手元の議事次第のとおり、大きく2つあります。1点目が年金・健康保険福祉施設整理機構の平成24年度の個別評価についての御審議、2つ目が農業者年金基金の平成24年度業務実績及び中期目標期間の業務実績に係る農水省からの意見についての御審議をいただきます。机上配付資料といたしまして、「年金部会 平成24年度実績に係る自己評定一覧表」があるかと思います。本日の審議は、全体の項目をこの区分のとおり3つのグループに区分いたしまして、グループごとの説明及び質疑という形でお進めいただければと存じます。また、同じ資料ですが、右側の欄には平成24年度の実績に係る法人の自己評定と、昨年御審議いただきました平成23年度の結果も合わせて記載していますので、評定を付ける際の御参考にしていただければと思います。

 なお、委員の皆様方には評定記入用紙、資料の1-4に評定とその評定を付けた理由を記入しながら御審議いだくという形になります。会議時間内に記入が終わらない場合は、資料を持ち帰りいただきまして御記入いただくか、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールで御送付いたしますので、御記入の上御提出でも構いません。その場合お忙しいところ恐縮ですが、85日月曜日までに事務局宛てに御提出いただきますようお願い申し上げます。

 また、今後のことですが、年金・健康保険福祉施設整理機構につきましては、平成25年度が第1期中期目標期間の最終年度という形になっています。事前に委員の皆様方には当方からメールでお知らせしておりますとおり、本日は平成24年度の個別評価について御審議いただきますが、次回819日の部会におきましては、平成24年度実績に係る皆様方の評定を踏まえました総合評価に加えまして、中期目標期間の業務実績に係る暫定評価と、法人の組織・業務全般の見直し当初案につきまして御審議を賜ることを予定しております。以上でございます。

 

○山口部会長

 年金・健康保険福祉施設整理機構の個別評価に入ります。まず最初に、理事長から御挨拶いただくとともに、平成24年度における業務実績概要の説明をお願いいたします。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長

RFOの理事長の尾身でございます。どうぞよろしくお願いします。事業実績の詳細については後ほど当機構の審議役の依田より説明申し上げますが、私のほうから簡単に平成24年度の事業実績について申し上げていきたいと思います。2点ございます。1点目ですが、独立行政法人地域医療機能推進機構への移行準備についてが1点目です。当機構の中期目標は平成244月に改正され、新機構への改組に向けた準備を適切に行うことが新たな目標に加わりました。地域医療機能推進機構の中期目標は厚生労働大臣から指示されることになりますが、この機構の根拠法となる地域医療機能推進機構法において新機構の目的は、救急医療等の5事業、リハビリ等地域医療を提供する機能の確保を図り、もって公衆衛生の向上、住民福祉の増進等に寄与することとされております。

 私が去年の4月に理事長に着任いたしましたが、機構内に地域医療推進機構準備室を設置しまして、新機構の発足に向け、本格的な準備をやってまいりました。しかし、改組に当たっては組織、文化、人事、給与体制などの異なる3団体を1つにまとめる点で、さまざまな困難に直面いたしました。しかし、こうした困難にも関わらず3委託先団体の全ての病院長が参加する会議を計6回開催することなどにより、新機構の果たすべき役割、人事、給与、財務などの組織運営の方針について徹底的な議論を行うことによって、大体のコンセンサスを確立してまいりました。これが1点目です。

 次に2点目ですが、病院等の譲渡等についてです。中期目標に掲げられた改組に向けた準備を適切に行うこと、地域医療の維持及び社会保険病院等の適切な運営による地域医療への貢献という目標を実現すべく、平成24年度には6病院の譲渡に関する業務を行いました。6病院と申しますのは、健康保険鳴門病院等、川崎社会保険病院等、東北厚生年金病院、東京北社会保険病院等、社会保険鰍沢病院等、社会保険紀南病院等の6つです。これが2点です。詳細については後ほど詳しく申し上げます。

 平成24年度は改組準備に向けた初年度でありましたが、委託先団体と精力的に議論・検討を重ね、さまざまな課題を乗り越えながら改組に向けた準備作業は大きく前進してまいりました。委員の皆様方におかれましては、平成24年度当機構の置かれております環境の変化や、組織の過渡的な対応の状況に是非、御理解をいただき、御評価賜りますようお願いいたします。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 個別評価を行うに当たりまして、評価の視点の変更等がございましたので、最初に事務局のほうから御説明させていただきます。年金・健康保険福祉施設整理機構につきましては、平成24330日に中期目標が変更されたことに伴い評価の視点に追加等があり、主な変更点としては、従来の業務に「新機構への改組に向けた準備」が加えられております。これに対応するために、資料1-232ページ、33ページの左側の欄に、評価の視点等として「○新機構への改組に向けて、新機構がその業務を的確に遂行できるよう、体制の強化等の必要な準備を適切に行ったか」及び「○新機構の改組に向けて、新機構がその業務を的確に遂行できるよう、新機構の運営方針の確定等を適切に実施したか」が追加されております。以上でございます。

 

○山口部会長

 続きまして、これからの進め方ですが、先ほども話がありましたように、年金・健康保険福祉施設整理機構の個別評価につきましては、評価シートの個別項目を3つのグループに分けまして、グループごとに評価を行っていきたいと思います。まず、第1グループといたしましては、項目番号13組織・運営関係についての評価を行います。所要時間は法人からの御説明を15分程度、委員の評定と質議の時間として15分程度を想定しており、合計30分ぐらいを考えております。それでは、法人のほうから第1グループについての御説明をお願いいたします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 審議役の依田でございます。私から資料1-2に沿いまして順次御説明をさせていただきます。1ページ、平成24年事業年度事業報告書です。この中で前年度と比べまして、異なる点、ポイントのみ御説明をいたします。1目的ですが、2つ目のパラグラフ、平成236月に法律が改正されまして、新たに平成264月から独立行政法人地域医療機能推進機構に改組されることを踏まえまして、2の業務(4)に「平成264月の新機構への改組に向けて、必要な準備を適切に行うこと」が新たに追加されております。3事務所の所在地ですが、当機構は従来、日本橋のサテライトオフィスに従たる事務所がございましたけれども、昨年の10月から高輪に移っております。この場所は病院の委託先の法人の研修センターの一角になりますが、この建物は委託契約終了に伴いまして新機構の資産となるということで、移行準備を円滑に進める意味合いも含めて、前もってここに移転いたしております。4資本金状況です。昨年41日付けで船員保険の病院、3病院が国からRFOに追加で出資された関係で、資本金が55億円ほど増えております。ちなみに現時点で国から譲渡指示が出ております病院を除きますと、新機構に移行する準備を進めている病院は57病院、許可病床数で約16,000床、職員数約2万人の規模になるということが見込まれております。

 続きまして、6役員の状況です。病院経営を行う法人に改組されることを踏まえまして、昨年4月に現理事長尾身が就任をいたしているところです。

 引き続きまして、評価シートに沿って順次御説明をさせていただきます。評価項目の1、ここでは効率的業務体制の確立について、御説明をいたします。新たに新機構への改組に向けた準備が業務として位置付けられたことに伴いまして、昨年4月に地域医療機能推進機構準備室を設置いたしました。現在、病院業務は大きく分けて社団法人全国社会保険協会連合会、財団法人厚生年金事業振興団、財団法人船員保険会の3つの団体に委託して運営されております。来年4月からは病院の職員は新機構の職員として採用されることになりますけれども、現場では3団体で人事、給与体系を含む組織、文化、ガバナンスがみんな異っておりまして、さらに最大グループの全国社会保険協会連合会(全社連)の病院では病院ごとに給与規程も異なり、支給される手当の種類もまちまちで、ボーナスの支給月数も2か月分から7か月分のところもあるなど、さまざまな格差があります。独立行政法人の組織の下では、これまで以上に国民に対する説明責任が求められるわけで、その内容も国民に理解してもらえることが必要になります。給与等の水準、病院ごとにまちまちな取扱いといった状況は、改善していかなければならないわけですが、今まで独立して運用してきた病院の側には、現状を変えることに対する抵抗感というものもあったわけです。これを独立行政法人に相応しい統一した制度の下に移行させるには、各団体との高度な調整あるいは折衝が必要になってまいります。新機構の準備室には病院の運営に関するノウハウに加えて、独立行政法人の制度に精通している人材が求められるところです。この点については、厚労省において直営だった国立病院を独立行政法人国立病院機構として立ち上げた経験があり、そうした準備業務に携わった経験者を準備室に配置することで、新機構移行に向けた専門性の高い体制を確保することができたところです。

 常勤役職員数の推移の表を御覧いただきますと、平成24年度に新設されました地域医療機能推進機構準備室の人間が6名となっております。一方で施設部、調査部を合わせて、7名の職員が前年に比べて減ということになっております。職員構成としては、業務内容の変化に伴いまして金融機関あるいは建設会社等から出向等で来ている職員が減った分、厚生労働省からの出向者が増えている形になっております。このように業務内容の変化に伴いまして、職員の配置とか、あるいは入れ換えを行いまして職員数をいたずらに増やすのではなく、新機構への改組準備という新たな業務にも適切に対応できる体制を作ってまいりました。引き続き主な出身職種の表を御覧ください。金融機関、不動産会社等の民間の専門的知見を生かせる体制を維持しているところです。こうした結果、常勤役職員数につきましては、前年度の25名から24名ということで1名減となっております。中期計画では数値目標として平成17年度に比べて8%以上の人員削減ということを示されておりますが、それに対して41.5%の削減となり、目標を大幅に上回る実績となっております。

 右側の4ページ御覧ください。外部委託の活用です。病院の譲渡指示に備えた入札補助あるいは譲渡先への引継ぎ支援、不動産鑑定といった業務について、外部委託により適切に実施をいたしております。また、平成23年度、24年度と財務調査を監査法人に委託して実施してきております。平成24年度は財務調査及び内部統制調査(3フェーズ)を引き続き監査法人に委託して実施し、各病院の運営状況を把握したところです。

5ページを御覧ください。以上を総括いたしまして、新機構への改組業務という新たな業務を適切に実施する専門性の高い体制を作る一方で、必要な職員体制の見直しを行いまして、数値目標を大幅に上回る効率的な業務運営体制を構築できたこと、専門性の高い業務執行を実現できたことから、ここでは自己評価をSとさせていただいております。

 続きまして、7ページです。評価項目2業務管理の充実です。ここでは情報管理、進捗管理、リスク管理について御説明をさせていただきます。情報管理については、新たに出資されました船員保険の3病院に係る情報のデータベース化、あるいはエンジニアリングレポートの作成を通じまして、船員保険病院の状況を把握し情報管理しております。

 続きまして業務の進捗管理ですが、福祉施設等の譲渡業務は平成22年度で終了しておりますが、それ以降は病院の譲渡になっております。厚生労働省からの譲渡指示を受けて譲渡業務を行うということですが、平成23年度につきましては、この譲渡業務が2病院について行われており、平成24年度はその3倍の6病院について譲渡業務を行ったところです。数が増えましたが、進捗管理の徹底を図りまして同時並行する諸業務を適切に実施いたしております。平成24年度に実施した6病院については下に数字を振ってありますが、簡単に御説明します。

 健康保険の鳴門病院は徳島県に譲渡する契約を平成23年度末に締結をいたしておりまして、引渡しは平成2541日ということになっておりましたので、平成24年度は引継ぎに向けた準備業務を行ったということです。2番目の川崎社会保険病院は一般競争入札での譲渡が厚労省から指示がありまして、平成23年度に入札に向けた準備を進め、平成24年度に入札を行い、その結果落札者に対して譲渡契約を締結しました。平成254月が引渡し時期ですので、そこに向けて円滑な引継ぎの支援業務を実施したところです。3番の東北厚生年金病院、4番の東京北社会保険病院ですが、これは平成24年度に厚労省から譲渡指示を受けております。譲渡条件について調整して契約を締結するところまで平成24年度に実施しております。引き続き引渡しに向けた準備業務を行っています。5番目と6番目社会保険鰍沢病院と社会保険紀南病院ですが、これも平成24年度に厚労省から譲渡指示を受けております。譲渡条件の調整等の業務を平成24年度に行っています。こうした業務を円滑に実施するために、機構内では全役職員が参加する定例会議を毎週開催いたし、その中で情報の共有と進捗管理を行ってきております。

7ページ下のリスク管理ですが、引き続き当機構を通じて優先譲受・随意契約ができる等の偽情報が流布されておりまして、当機構にも問合せがございます。そのため関係者に対する適切な説明、当局への情報提供、ホームページでの注意喚起を行っているところです。

 以上8ページの総括ですが、ここでは船員保険病院に係る情報の把握と整理、前年度3倍の6病院について譲渡業務を円滑に進めたこと、偽情報に適切に対応したということから、自己評価についてはSとさせていただいたところです。

 続きまして、9ページです。評価項目3業務運営の効率化に伴う経費節減です。ここでは一般管理費と業務経費について、表でお示しをしております。まず、人件費を除く一般管理費についてですが、中期目標により最終年度において平成17年度対比で18%以上の削減という数値目標を課せられております。この点について平成24年度は、平成17年度対比で過去最高の60%の削減となっております。前年度対比で見ましても15%の減ということです。一方業務経費ですが、業務経費のほうは数値目標というものは示されてはおりませんで、ここでは予算額と実績額の数字をお示ししております。予算額の124億円に対して実績は36億円で、業務経費について87億円ほどの差が生じています。内訳を見ますと管理経費の中にある施設整備費が77億の予算に対して実績28億円で、49億円の差が生じております。この原因ですが、平成24年度予算においては、東日本大震災クラスの大規模な震災が万一発生した場合に備えて、災害復旧費用を予備費的に見込んでいた部分がございます。そのような災害が発生しなかったということが大きく影響していると考えております。なお、計画していた工事については、概ね予定通りに進捗しています。

 それから、施設整備を除いた経費がこの表の一番下に出ておりますが、予算額の46億円に対して実績額は7億円余りです。新機構への改組準備にかかる費用が、平成24年度においては予定より発生しなかったことが、予算額と実績額に差が生じた大きな要因であると考えています。10ページは役職員の給与です。国家公務員の給与の見直しに準じまして、俸給月額や期末手当等の減額を実施しており、必要な見直しは行ったというところです。

 以上を総括いたしまして、一般管理費の削減は目標を大きく上回っていることと、業務経費については必要な経費の支出を適切に行ったことから、自己評価については、Aの評価を付けさせていただいています。以上、評価項目1から3について御説明をさせていただきました。よろしく御審議をお願いいたします。

 

○山口部会長

 ありがとうございました。委員の皆さまは評価シートへの評定等の記入をお願いします。またただ今の御説明について、御質問等がありましたら、適宜御発言をいただきたいと思います。

 

○光多委員

 大変難しい時期にいろいろな形で努力されたと思いますが、3点お伺いします。まず第1点は3ページ、人員体制です。事業の内容が違ってきているので、前の年金福祉施設等の処分のときとはだいぶ違うというのは分かりますが、厚労省の出身の方が13名ということで、過半を占めているわけです。この方々は身分の立場はどうなっているのですか。要するに独法ということなので、やはり官と民とをうまく使っていく形が望ましいと思いますが、少しこのバランスが事業の性格上なかなか難しいかもしれませんが、官出身者に偏っていると思います。この方々は例えば来年4月からは新機構に移転するわけですが、それまでなのか、その後も続くのか。例えば給料の支払いの身分はどうなっているのか。その辺をまずお伺いしたいのが第1点です。

2番目、5ページのS評価ですが、このS評価の理由がよく分からなく、数値目標で常勤役員数が41%の削減となっている。これがS評価の理由なのか。それともその後に評価の視点と幾つか書いてありますが、その後の所は数値目標ではなくて、文言表現になっているので、明確にこのSの形に結び付くのが分かりにくいところがあるので、このS評価のベースを人員減だけなのか、何かほかの形があるのか。例えば人員減とすれば、基準人員に対してはこれは少なくて済んだのか、それとも例えば効率化の努力によって少なくて済んだのか。必ずしもそれがこの時期にいいとも思わないのですが、実際の業務に合わせて効率的にやったということなのかどうかです。

 それからこの評価1-2の全部に係わるのですが、評価の視点、実績の所に○と書いてあります。これは後ろのほうまで全部書いてありますが、△、◎はないのです。この○の意味が分かれば教えていただきたい。これが2番目です。

3番目は、先ほどの経費が減少したということで、もし東北大震災の関係でそういう地震が起こらなかったということであれば、言ってみれば予備費用を付けていて、実際にそういう事態が起こらなかったので、予算を執行しなかったということであって、この経費の削減とは違うのかなという感じがします。もちろん一般間接費の関係でいろいろ削減されているのは分かります。例えばこの中の視点として、ここで施設整備を実際に20数億円やっておられるわけです。この20数億円が実際にかなり効率的におやりになったのかどうか。その辺がむしろ評価の視点としては重要だと思います。以上の3点をお伺いします。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 まず1点目、業務の内容が変わってきていることがもちろんありまして、福祉施設等の譲渡業務が平成22年度に終了し、その後は医療機関の譲渡業務があって、これは譲渡業務としては引き続き残っております。今までの福祉施設に関する譲渡業務と違って、ある意味で厚労省から個別の譲渡指示を受けて動くところがありますので、多少内容は変わっておりますが、その中でも不動産鑑定の問題など引き続き譲渡に係る業務は残ってきております。そういう中で新機構への改組が新たに平成264月に行われるということで、そのための体制をいかに作っていくのかが重要な課題だったわけです。御指摘のように、従来は民間出身の職員が多かったのは不動産の譲渡業務という、なかなか官の世界では経験のないようなものについて適正に対応していくために、そういう体制を取ってきたことがあったと思います。

 今度の独法への移行の部分になってくると、これはある意味で独立行政法人という組織そのものについての理解も必要になってまいります。病院経営に関する、特に公的な病院経営における仕組みづくりなどといったところがありますので、この辺りはどうしてもそういった知見を有する人材を確保するとなると、先ほど申したように国立病院機構等の創設時の仕組みづくりの経験、あるいは独法に関する知識、経験がある者となると、厚生労働省からの人間が増えてくるのは仕方ない部分だと思っております。むしろ適材を確保するためにそのようにしてきた部分があります。そういった人間は独立行政法人に国から出向する形になります。給与等は当方で支払われております。

 この構成をどう考えるかは、新機構に移行した後のことを視野に入れて考えていくと先ほどお話したように、新機構は職員2万人の病院グループを抱えた大きな独立行政法人に変わっていくということになります。したがっていわゆるヘッドクォーターの機能も今までの不動産を譲渡するものから、病院の運営をどうするかを含めた機能をこれから強化していかなくてはいけないことになるので、本部の体制も新機構においては全然違ったものになっていくのだろうと思っております。ただこれは平成264月以降の話ですが、自ずからそうしたことを視野に入れて準備しなくてはいけない業務が出てきますので、我々はその体制をいかにして作っていくのか。しかもそれを作ることによって全体として数が増えていかないようにするために、中の職員の構成を変えていくことで対応してきました。ここでの評価はきちっとした体制を作ることが一番の目的で、ただそのときに職員数の増大をいたずらに増えないような点で配慮をしています。その2点がこの体制確保については努力している点だと理解しております。

2点目については、今お話したこととイコールなのですが、人員削減だけで高い評価をしているわけではなくて、まさにそういった必要な移行準備の体制を作ることがまずあって、それを職員の増加をせずに今まで実現してきた削減率を維持して、そういう新しい体制を作っているところを踏まえてのS評価を付けております。

 

○政策評価官

 先ほど光多委員からの御指摘の○の評点については、評価官室から各担当を経由して、法人にこの表式のシートを書き込む際には、達成したものについては○、達成できていないものについては×。△もあり、一部が○で一部が×の状況のものです。大半については○が付いております。

 

○光多委員

 ではほかの機関もこの。

 

○政策評価官

 統一された方法で実施しています。

 

○光多委員

 拝見すると本件については全部○ですね。

 

○政策評価官

 法人としては、その項目については達成したということで○の評点を付けております。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 光多委員の御質問の3点目は、経費については先ほどの説明でも一般管理費については、目標を大幅に達成していることを説明しております。一方で業務経費については、少なければ少ないほどいいというものではないというのはおっしゃるとおりだと思っております。我々は必要なものについてきちんと予算を支出していくということで、耐震改修など当初予定していたものについては、きちんと行われています。ただ額が見かけ上多く余っているのは正に突発的なことが起こらなかった、予備的に計上していたもの等が執行されなかったということですので、これについては少なかったからいい、悪いというものではないので、ニュートラルに考えております。そういうことを総合的に勘案して、一般管理の状況と業務管理がそうした淡々としたものであるとの状況を踏まえて、総合的にはAの自己評価を付けているということです。

 

○光多委員

 この施設整備の28億円については、かなりいろいろな工夫をして効率的な工事費で済ませた、その辺の表現は見当たらないのですが、どうでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 工事費のところは、まず実施に当たっては全て競争入札で金額を抑えています。実施に際しては、工事をやっている最中でいろいろと内容の変更等がございます。その内容は細かく精査して、不当な請求、要らない項目はないかをきちんと見た上で、工事費を最終的に確定していることはやっております。

 

○山口部会長

 ほかに御質問はいかがでしょうか。

 

○安浪委員

 今期の病院の売却についてですが、今年度、売却契約を結ばれたのは川崎社会保険病院で一般競争入札で医療法人社団葵会に売却された。あとは東北厚生年金と東京北社会保険は随意契約ということで売却されています。売却価格が東京北社会保険病院が38億円。これはRFOのホームページで売却が開示されているので、不動産の面積も出ていたので見たのですが、土地だけの価格に比べて38億円は非常に低い価格であること。この財産をできるだけ高く売るということで業務を進められたと思いますが、やはり一般競争入札でできるだけ高く売るのが原則だと思います。病院の売却は非常に特殊な要件なので、価格だけの話ではないかも分かりませんが、北社会保険病院は不動産に比べて少し価格が安いような気がするのですが。この売却については機構内で相当議論はされたと思いますが、これについて御説明をお願いします。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 病院の売却については、厚生労働省から個別の譲渡指示を踏まえて、譲渡を行うことになっております。そのときに川崎病院は一般競争入札での譲渡指示がございましたが、東京北社会保険病院、東北厚生年金病院については厚生労働大臣通知のルールの下に個別の譲渡先の指示を受けて、随意契約での売却の指示を頂いております。それに基づいて売却価格については私ども譲渡業務諮問委員会にお諮りをし、この売却についての鑑定評価をどういう形で取って譲渡するのかについて、御意見を伺った上で評価を行い、それに基づいて予定価格を決めている。そういうプロセスを経ております。したがって客観的に私どもとしてはできることはきちっと透明性を持ってやっていると考えております。

 

○安浪委員

 鑑定価格は具体的に数字で出てきたわけでしょうか。この38億円はどういう形で出てきたのでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 東京北社会保険病院については、2つの会社に鑑定評価を依頼しております。この数字はその2社の鑑定評価の平均を基に予定価格を設定しております。

 

○安浪委員

2社の鑑定価格の平均値になっているということですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 そうです。

 

○安浪委員

 はい、分かりました。

 

○光多委員

 今の鑑定価格ですが、収益還元ですか、それとも原価方式、どちらでやっておられますか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 お手元にはないのですが、方法については不動産鑑定士が適切な評価、今、先生がおっしゃったように、積算があり、収益還元があり、取引事例があるのが基本的な3つだと思うのですが、その中でこの病院の評価について一番適切な評価を行っていると考えております。

 

○光多委員

 結構ですが、やはり鑑定評価が出てきたから、それを所与のものとするのではなくて、どういう評価をされたのか。例えば病院として継続するので、収益還元の形なのか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 基本的には病院の継続ということで、先ほど御説明したように、私どもは財務調査を行っており、こちらで通常の委託先法人のPLに私どもの資産の償却負担を乗せた場合の利益、こういったものを出しており、そういう情報を鑑定会社に提供して評価を頂いております。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 総務部長からも一言申し上げます。この6つのケースの中で、先生が御指摘の東京北というのは、全社連、厚生団船保会などというたくさんの複数の病院の委託をしている相手ではなくて、単独で委託をしている病院が過去に4つありました。2つは既に終わっている北九州の平成紫川会さんに委託していた小倉記念病院、それと長野県の岡谷塩嶺病院です。これはもう委託先に譲渡は終わりました。平成24年度で残っているのが東京北社会保険病院と和歌山の紀南病院ということで、4つあったうちの2つが残っているということです。今回厚生労働省の譲渡指示の判断も平成25年度を過ぎれば、来年から地域医療機能推進機構という全てが直営の職員で運営していくということになります。

 今、3団体、全社連、厚生団、船保会、もともと先ほど御説明がありましたように、3団体のカルチャー、給料、指揮命令のガバナンスが違う、異なります。ましてや全社連は病院ごとに給料も違っているのを今、適正に持っていっているのです。和歌山にしても田辺市の借地の上に、相手先に一部事務組合で運営をずっとお願いしてきたものです。東京北の場合は、東京北区が現在委託している団体が適切に小児救急なり地域医療の部門をサポートしていると評価しています。川崎病院のようにコンペをかけて、どこの医療法人が落とすか分からない状態だったら、厚生労働省の譲渡指示は認められないが、現在、実績のあるこの団体に、今の形で譲渡するのであれば同意しますよという地元自治体の意見書と東京都の意見を踏まえての譲渡になります。したがって先ほど企画部長から説明があったように、現在、相手先団体も現状の減価償却等を立てておりますので、時価評価については概ねこれぐらいの水準だというのは承知しているはずですので、適切に今まで行っていただいた財産、こちらも認識している財産、向こう側も認識している財産という形で取引きしている状況です。葵会のようにどなたでもいいという一般競争入札で売るというのではなく、譲渡指示に際する地元自治体からの前提条件が付加されたケースであるということです。

 

○安浪委員

 土地評価の価格が単純不動産の価格より低いですよね。それは今、委託している相手先が買ってくれるから、さらに雇用などの補償もされているなど、そういう要件があって、そちらを考慮して決まったのだというお話なのでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 単純に路線価なり土地自体の時価評価だけではなくて、企画部長からあったように病院が赤字であるか黒字であるかも加味した上で、国からRFOが出資していただいたときの評価額を決めております。その決め方がA1社だけの評価ではなく、A社、B社の平均での設定になっておりますので、そこからは建物には経年で劣化が入ってきます。ですから経営的な要素、赤字、黒字かの要素も当然出資のときの状況で付加されていますので、先生がおっしゃるとおり、単純に今の実勢価の土地の価額イコールではないですよねというお尋ねは、出資額自体がそういうバイアスをかけているという状態はあります。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 補足的に申し上げると、例えば単純に更地に路線価を掛けるとか、そういったものから見るという観点でおっしゃっているのかと思いますが、それと総務部長から申し上げたように、いわゆる病院を運営しているという不動産である前提で、そういう収益も入っておりますので、そういう評価になっているということです。

 

○山口部会長

 どうでしょうか。ちょっと分かりにくい説明ですよね。土地価格よりも低い評価になっているというのは、病院を継続する上でマイナスの要素があるということですよね。だからおっしゃったように赤字だと。その病院の経営は現実に赤字なのですね。赤字だから土地価格より低い価格になると理解していいわけですね。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 光多先生がおっしゃったように、いわゆる収益還元になると、いわゆる裸の土地の価格のというのは関係ないわけです。とにかく将来キャッシュフローから割引率で割戻した価格で決まりますので、それが収益還元の方法で求めた価格がまず1つある。あとは先ほど申したように、再調達原価、積算など、いわゆる裸の建物、土地の価格がある。そういうものを物件に応じて何対何で見るなど、そういう鑑定士の見方があります。ですからそれによって価格が変わってくるということです。

 

○山口部会長

 そこのところをもう少し詳しく、先ほどはどういう評価方法でやっているかよく分からないとおっしゃったのですが、今は何対何でという説明にまで踏み込んでおっしゃっているわけだから、では何対何でそれを合成して評価額を出したのかといったようなことを説明して頂かないと、我々はよく理解できないです。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 申し訳ございません。今、手元に評価書がございませんので、今はこちらではお答えできません。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 今の部会長のお尋ねの東京北病院、7ページの4番目の例ですが、平成24年度の実際の決算は単年PL黒に東京北病院はなったと報告は聞いております。ただそれまではやはり赤字経営でやってきていますので、立ち上げのときなど、どういうのですか、その分を累積で向こうの法人としては持っていますので、そういうところも加味しているのかという御下問であれば、そういう形になるのではないかということでございます。

 

○光多委員

 大体分かりましたが、国民、国の財産を適正な形で処分していくという1つの役割からすると、今やっている法人が赤字だから、ではその赤字法人は安く手に入れる、これはやはり論理がおかしいわけです。ですからやはりこういう価格でやったという、今の部会長がおっしゃったその鑑定、収益価格と実際価格との割合などの形の中で、これは適正である形をきちんと押さえて頂いたほうがいいと思います。

 

○川北部会長代理

 これに関連してですが、鑑定士の選定の仕方はどうされているのでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 私どもの機構には病院が60弱ありますので、この辺の鑑定を一遍にやる必要がある。あるいは全国に散らばっておりますので、いろいろな鑑定士にお願いすると評価の視点がずれますので、それだけの数を一遍にやれる鑑定会社ということで、ある程度鑑定士がいらっしゃる所ということで、競争入札をかけております。

 

○川北部会長代理

 鑑定士の先生においては、人数の問題などそういうことで一定の条件を満たすところをピックアップして、そこで入札をかけてこの件に関しては2社を選定したと、そういう理解でよろしいでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 入札の参加資格にそういう条件を設けて、入札を実施しております。それは委員のおっしゃるとおりです。

 

○山口部会長

 ちなみに川崎社会保険病院の鑑定評価額はいくらだったのですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 個別の評価、予定価格は公表をまだしておりませんので、差し控えさせて頂きますが、私どもが予定した設定価格をかなり大幅に上回っていたことはございます。何十億円単位でということでございます。

 

○川北部会長代理

 それは実際の入札価格、この契約金額の60億円がということですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい、さようでございます。

 

○山口部会長

 ですから入札をした場合には、鑑定価格でもかなり高く売れていたということですよね。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長 

 結果としてはそういうことになります。

 

○山口部会長

 そういうことですよね。だから随意契約で鑑定価格で売却した結果、その部分が入札に比べて安くなっているということですね。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 結果としてはそういうことになりますが、やはり今までいろいろ御説明したかと思いますが、やはり競争環境を作ることが価格の上昇につながっているのだと理解しております。

 

○山口部会長

 たまたま東京地区で川崎と東京北とが同時に行われているわけで、多分病院の規模などもそんなに違わないのではないかとしたときに、片や60億円で片や38億円というのが同じ時期に出ているわけで、そういう意味では私どもとしてはその価格が適切に実施されたのかどうかに関心を持たざるを得ないと思うのです。ですから鑑定評価について低廉譲渡になっているのではないかなどという疑念が生じないようにきちっとやっていく必要があります。全体としてこの部分についてS評価をされているわけですが、どの部分がS評価だと独法では考えていますか。目標をかなり上回って達成したというのがS評価ですが、どの部分がSだとされているのですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 最終的に平成26年の移行準備が大きくのしかかってきており、今の部会長のお話のように、病院譲渡ということのRFOの本来業務になると、いつまでに売るという業務と職員の移行という業務が相反することを同時に準備しないといけません。ある程度お尻を決める、ぎりぎりまで売りを続けて移行準備もなかなか難しいところがあったので、最終的にこちらのS評価の論理としては大臣通知の変更、今の委託先団体、東北厚年の例では県内に所属する学校法人であれば、変更には直ちにレスポンスして、今の東京北病院、紀南病院、それから東北薬科大学等へのお話を進めさせて頂いたといったところです。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長

 価格の問題と随意契約のこと、最後に委員長からSはなぜというお話がありましたので、私からもお話します。まず1つは、もう既に私どもの職員からありましたが、今の随意契約の話は実はこれは厚生労働省からの指示でした。厚生労働省の指示の背景には、川崎などの病院を売ったときには一般入札であり、もちろん価格は上がりますが、実は価格という側面と同時に、一般入札をかけると同時に実態では職員が離散したということがありました。看護師さんにとって、病院が売られる、どこに売られるかが分からないというのは非常に不安、懸念の1つの原因です。そうすると今まで比較的しっかりした病院で働いていた職員、特に看護師さんなどは、競争入札では誰が新しい所のオーナーになるかが分からないということで、川崎病院の職員の離散があったと考えております。そういうお金の面と同時に地域医療を確保するという観点が厚生労働省にあったと私は理解しております。

 それから今回の価格の妥当性ですが、私も地域医療の専門家ですが、譲渡の専門家ではありませんので、委員から御指摘がありましたように、私自身もこの価格が社会に説明ができる方法でやれと職員に指示しております。実際にこのシートの39ページ、一番右の欄です。実際には今の鑑定士が2つの価格を提示して、その平均値ということも含めて、かなり詳しく我々とは違う外部の譲渡諮問委員会に、この価格の決め方の妥当性について検討をしていただきました。これについては私自身も会議に参加して、専門家の方々に今回の譲渡、随意契約における譲渡はこういう考え、プロセスであったということを詳らかにして、そこで専門家の先生方にそういうことで妥当ではないかというプロセスがあったということだけは申し上げます。

 最後に委員長からなぜSなのかということでしたが、先ほども私の挨拶にも、また職員からも何回もありましたが、ある意味では2つの事業をやらなくてはならない。片方は地域医療への機構の準備がもう待ったなしで行われる。しかも今日のメインテーマではありませんが、実は財務調査を我々が委託先団体の病院経営、病院会計ガバナンスを調査しましたが、かなり問題が出てきて、これについての詳細な分析、厚生労働省の報告等々で膨大な時間を割く一方、同時に地域医療への機構の準備ということもしなくてはならない。同時に譲渡ということで、そういう中で適切な譲渡諮問委員会の先生方の御意見も伺って、かなり違う方向の仕事、困難の中で厚生労働省から受けた指示を実施したということです。単に実施したということではなく、条件、背景にあるものが大変に難しい中で実施したということでSにしたということです。これが私からの説明です。

 

○山口部会長

 今のお話に絡めて、移行準備で、むしろそちらが大変だったと思いますが、先ほど理事長さんからも全部の病院長が参加した会議を6回やり、コンセンサスの醸成に努めたというお話があり、その際に私も少し心配したのは給料の格差がとても大きく、それを直営の形にした場合に処遇の統一をしなければならないと。逆にそのときに心配したのは給料が減ったりする人が出てくるのであれば、正に直営をしていく過程で先生方の離散ということが、そこでも起こるのではないかと心配したのです。先ほど川崎でお話になったことが、実は直営の問題でもあると思ったのです。その辺についての御説明をお願いします。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長

 今、委員長から御発言がありましたが、直接今日の評価とは必ずしも関係しませんが、実は冒頭に私の挨拶でもいたしましたが、3団体の組織文化、給与体系、その他異なるものを1つにすることに由来する困難さは、今、部会長から御指摘されたということでございます。今でもその難しさが少し尾を引いていますが、大体もうコンセンサスができた。その1つが給与です。給与は当然3団体、特に全社連の病院群は給与がかなり幅の広い格差があります。高いところから低いところと。これはそれなりの歴史的背景があったと思います。もちろん個人的には今までの現状、すべての職員について維持したいという気持はありますが、しかし新たに独法になるというときに、独立行政法人にふさわしい給与のレンジは当然あるわけです。だから、そこについての議論を我々は行ってきました。現場の院長さんであれば当然現状維持をしたいという思いです。これは利己的というよりも、当然働く者としての気持です。

 一方、我々に与えられているもう1つの課題は、独立行政法人として社会に説明できる範囲にまとめるということです。そういうところで議論してきました。今、部会長がおっしゃるように、もし給与が下がった場合に離散するのではないかと。ここも実は6回の議論の1つの重要なテーマでした。度重なる会議で、今は大体そこに落ち着くと思いますが、どういうことになっているかというと、給与といっても比較するのはどこか。アメリカの医師の給与と比較はしませんね。当然その周辺の医療機関との給与の比較ということで、特に我々の場合は公的機関ですね。これを民間の医療法人と比較するのはいささか私は適切ではないと思います。例えば公的な自治体病院、日赤、済生会などの病院と我々の新しい給与とに差がある場合には、我々は職員を確保するという観点から、そこの差は何とか独法の枠の中でできる範囲は何とか手当をしていこうということになり、そうした意味で職員離散が起きないよう、今、手当をしているところです。

 

○山口部会長

 分かりました。この項目ばかりやっているわけにはいかないので、先に進めさせていただきます。どうしても必要であれば、また後でしたいと思います。それでは次に第2グループについて。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 部会長、すみませんが一言だけ。先ほど理事長から川崎病院のときに職員の離散がありましたが、その結果ほとんど300床近い病院の川崎病院が、葵会に引き渡すときには、ほとんど患者がゼロというところまでいってしまいました。ですから、地域医療を守るという意味で病院をコンペということになると、やはり職員が先が分からないということで、もう離散してしまうことになるのです。

 

○山口部会長

 それでは先に進めます。次に第2グループ、項目4から9、施設売却関係及び新機構の改組に向けた準備について評価を行います。それでは法人からよろしくお願いします。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 それでは、14ページを御覧ください。評価項目4、各施設の経営状況等の把握と機構の業務内容に関する自治体への説明です。各施設の経営状況については平成22年度、23年度と財務調査を第1フェーズ、第2フェーズで実施いたしました。平成24年度においては引き続き23年度の決算のデータに基づいて全体の財務状況を把握するとともに、新機構への移行を視野に入れ、新たに各病院における現金、預金、医業未収金等の各勘定が適切な内部統制の下に実施されているかどうかを確認するために、第3フェーズとして財務及び内部統制に関する調査を実施しています。このほか、平成244月に出資されました船員保険病院については各病院の状況把握を行っています。

 一方、地方公共団体への説明ですが、こちらの方は厚生労働省からの譲渡指示があった病院については地元の都道府県、市町村の意見を聞いた上で譲渡条件を設定するという形にしております。その過程で地方公共団体への説明も適切に行っているところであります。平成24年度につきましては東北厚生年金病院、東京北社会保険病院、社会保険鰍沢病院、社会保険紀南病院についてそれぞれ地元の自治体に説明して、譲渡条件等について要望を聴取しております。以上、総括して自己評価についてはAとさせていただいています。

16ページは評価項目5、年金施設等の譲渡又は廃止ということです。先ほどから若干、譲渡の話について個別の話を既にさせていただいておりますが、平成24年度については6病院についての譲渡業務を実施、前年度に比べて数的には3倍の業務があったということです。それぞれの病院、先ほど6病院の御説明をさせていただきましたが、特に東北厚生年金病院と東京北社会保険病院につきましては平成248月に厚生労働大臣通知が改正され、新たに随意契約での譲渡が認められることになったというものです。これは病院を設置している自治体、都道府県内にある保健医療系の大学、それから個別に既にその病院に業務を委託している先が新たに対象になったわけですが、それに対する初の適用ケースであったということでした。

 下にあります6つの譲渡状況を御覧ください。○が付いているのが契約です。平成24年度に契約となりますのは川崎と東北厚生年金、東京北の3つの病院です。この3つの病院に係る譲渡価格の合計額、売却額が出ていますが、3病院で1057,500万円ということです。この価格は譲渡時の時価である売却原価対比で見ると154.8%、出資額に対する対比で見ても102%ということでした。

 なお、社会保険小倉記念病院につきましては平成23年度末に委託契約の解除が行われましたが、24年度には特別会計の清算金として44億円を受領しているところです。

19ページでは以下を総括し、前年度に比べて3倍、6病院を対象に譲渡業務を実施したということ、それから川崎病院への一般競争入札や、厚生労働大臣通知の改正で認められた新たな譲渡スキームに適切に対応したということ、年度内に契約締結した3病院の譲渡価格が売却原価費154%であったこと、以上を総括して自己評価についてはSとさせていただいているところです。

22ページを御覧ください。評価項目6、年金福祉施設等の運営及び資産価値の保全ということです。このうち、まず資産の管理、施設機能の維持という点につきましては、財政状況等の理由で自主的な整備が十分できない病院に対する機能維持整備や耐震補強工事ということを、当機構の負担で実施してきているところです。機能維持工事につきましては中ほどより下にありますが、前年度から継続して13の病院で実施して年度内に工事が完了しております。又、耐震補強工事につきましては前年度から継続して5病院で実施して、年度内に2病院が完了し、他の3病院についても整備計画どおりの整備を進めているところです。

 一方、病院の適切な運営に資するための経営状況・資産状況の把握ですが、この点につきましては平成22年度と23年度に実施した財務調査に続き、第3フェーズとして平成23年度決算を基に病院の保有する資産にRFOの保有する資産を加え、RFOの資産に対する減価償却費も加味する形で全体を連結させた合算の貸借対照表、損益計算書を作成いたしました。併せて、各病院における現金・預金・医業未収金等の各勘定が適切な内部統制の下に管理されているかを確認する内部統制調査を監査法人に委託して実施いたしました。このうち、財務調査については新機構移行後の財務状況の見通しを立てることにもなり、新機構における組織人事、あるいは施設整備の在り方など新機構の制度設計をする上で活用しているところです。

 一方、調査の過程において内部統制の現状には相当の問題点があることが確認をされました。具体的には、窓口で現金の締め処理を1名の職員のみが行っていて、複数の者がチェックする体制になっていないこと、あるいは領収書等の連番管理がされていないといったこと、言ってみれば会計処理の相互牽制体制が不十分なことが確認されました。実際、一部の病院では職員の不正が疑われる事例も確認されたために、その情報を警察にも告発し、当該職員の逮捕につながったというような事例もありました。

 一方、特に全社連の病院におきましては、会計ルールが適切に理解されていないことから過去の決算にも誤りがあることが確認されています。平成24年度決算において、過年度分の決算修正を行うことが必要な状況となっております。こうした状況の背景には、全社連の病院において特に過去にも不正事案に対し、厚生労働省から各病院にもきちんと外部監査を導入するようにという指示がされているにも関わらず、これが実施されていなかったといったことも背景にはあると考えております。

 こうしたことを踏まえ全社連に対しては、監査法人の協力を得ながら過去の誤った決算を平成24年度決算において修正するとともに、独立行政法人として求められる会計水準となるよう、会計処理の相互牽制体制の構築をはじめとする内部体制の構築に向けた指導を今行っているところです。

 このほか、個別病院の運営の方針に関しては、全ての病院について個別に当機構の理事長、それから各病院の院長以下の幹部とのヒアリングを実施しております。新機構のミッション、統一ルールの確認といったことをするとともに、各地域でそれぞれ求められる地域医療の機能を発揮できるよう、病院運営上の改善点について集中的に検討しているところです。

 以上、総括して24ページでは当機構負担による必要な機能維持や耐震補強の工事を行っているということ、それから、財務及び内部統制調査を通じて経営状況・資産状況を把握するとともに病院に対する適切な指導を進めていること、病院との間で今後の病院の在り方、運営についての意見交換を行っていること、そういったことから自己評価についてはSの評価をさせていただいているところです。

 続きまして25ページ、ここは買受需要の把握及び開拓です。病院の譲渡については厚生労働省の譲渡指示を受けて行うことになっておりますので、平成24年度は6病院について譲渡業務を実施しています。このうち、川崎病院については現に入院・外来診療を行っている病院を、一般競争入札で譲渡するという新たな譲渡スキームでしたが、過去の福祉施設等の譲渡を通じて蓄積した民間ノウハウも活用して、あるいは地元である神奈川県・川崎市、譲渡に係るアドバイザー等から情報を収集してマーケティングリストを作成、買受需要の把握に努めた結果、実際に入札の時には3法人による応札がありました。

 一方、昨年8月に厚生労働大臣通知が変更され、新たに随意契約の対象となることができたスキームに基づき、東北厚生年金病院は東北薬科大学、東京北社会保険病院は社団法人地域医療振興協会に譲渡することになりましたが、いずれも譲り受けの方針等についてそれぞれの団体に対して入念な調査を行った上で、譲渡対象とするのに支障がない旨の回答を行い、譲渡につながっています。以上を総括し、26ページの自己評価をSと付けさせていただいているところです。

27ページは評価項目8番目、情報の提供です。情報の提供につきましては、これまでもホームページ等で積極的に情報提供を行ってきておりますが、平成24年度は新機構移行に向けた準備業務が追加されたことに伴い、ホームページにも新機構への改組について改正の経緯とともに理事長メッセージを掲載しております。

 又、平成24年度に監査法人に委託して実施した財務及び内部統制調査については、調査の過程において多くの病院で重大な問題があることが確認されましたことから、独立行政法人にふさわしい透明性の確保と社会に対する説明責任の観点から、調査の終了を待たずに昨年12月には、厚生労働省記者クラブにおいて厚生労働省年金局とともに記者発表いたしました。又、3月には全病院の調査結果を全体報告として記者発表しています。

 これらの記者会見の模様はテレビでも放送され、各紙も取り上げたところです。発表の際には問題点の指摘だけでなく、全社連を所管する立場の厚生労働省と委託者の立場の当機構とが連携して、この問題に対して対応していくという内容を含めて説明したこともあり、比較的報道等では前向きに受け止めていただいたものと考えています。

28ページでは以上を総括し、困難な状況の中で積極的に情報開示を図り、透明性の高い運営を確保したことから自己評価をSとさせていただいています。

 最後、評価項目の9番目、29ページです。昨年4月に現理事長が着任し、新機構の準備室を設置して新機構への改組準備を本格的にスタートしています。その作業の中では新機構の使命、あるいは独法として求められる説明責任、透明性の確保といったことを示して理解を求めてきたところであります。最初の理事長の挨拶にもありましたように、委託先団体ごとに組織文化、ガバナンス、人事・給与制度といったものが異なっており、中でも全社連の病院では病院ごとにいろいろな給与の差があるといったことがある中で、独法の統一した給与体系に見直していくことに関係者の抵抗もありました。加えて財務調査の結果、多くの病院で財務や内部統制の水準に重大な問題が発見され、準備作業を進める上では様々な困難な課題があったところです。

 こうした困難な状況ではありましたけれども、昨年度は4月以降、全病院長を集めた院長会議を6回開催するほか、委託先3団体や病院長も参加したテーマ別のワーキンググループ、実務作業グループを頻繁に開催し、人事・給与や財務・運営をはじめとした新機構の制度設計について集中的に議論して大枠の運営方針を確定させてまいりました。財務調査で明らかになった問題につきましては、独法移行までに改善されるように指導を行っているところです。更に、個別病院の運営の方針については病院からのヒアリングを実施し、集中的に議論してきているところです。以上を総括して32ページでまとめていますが、改組に向けた初年度でしたが委託先団体や各病院とも精力的に検討を重ねて、様々な課題を乗り越えながら新機構の運営方針を確定させることができてきた。改組に向けた準備作業は大きく前進したということですので、自己評価をSとさせていただきました。

 以上、評価項目4から9について御説明させていただきました。よろしく御審議をお願いしたいと思います。

 

○山口部会長

 ありがとうございました、委員の皆様は評価シートへの評定の記入をお願いします。何か質問がありましたら適宜御発言いただきたいと思います。

 

○光多委員

 先ほどの続きになるのかもしれませんが、16ページのところ、この年度に処分したのが3物件ですが、出資価格対比だと24,000万円の黒字ということでした。この出資価格をやる時の資産評価として鑑定しているわけですよね。その後、売却する時に又鑑定をし直してむしろ37億円のプラスになると。従って、この点でいくと鑑定評価額がここで下がっているわけです。この点について御説明いただきたいのです。

 新聞等にありますように、かんぽの宿のように実際に合わせて鑑定を下げていって大変なことになってしまった事例もあるわけです。ですから、出資価格の時からなぜこれが下がって、これが利益が出るという形になったのかをお伺いしたいのが第1点です。

 第2点ですが、これは部会長に申し上げることかもしれませんが、評定記入用紙の評価項目が前の施設の処分の時に合わせた形になっている。例えば、今のところだと施設の譲渡又は廃止とか、福祉施設の運営も実際の価値という形なのです。今年度で一番重要なことは施設の処分、先ほど理事長からもお話があったように新機構への移行、そこの準備が一番大変だったと思うし、そこがメインではないか。逆にこの中でいくと、恐らく事項名6のところで評価するのだと思うのですが、ちょっとこの評価シートが前の施設処分の形式になっているので、そこのところはやりにくいなという感じがします。

 どちらにしろ、運営及び資産価値の保全というところになるとした時、平成24年度と25年度を合わせて26年からの新機構発足に合わせていろいろなことをやっておられるわけです。大変なのは分かりますが、その中で24年度はどこまでをやろうとして、それが十分達成できたのかという所がちょっと分かりにくいのです。例えば23ページのところ、「第3フェーズを行った」とありますが、ならばこれは例えばどこまでが完了したのか。例えば、既存の病院の収支状況を完全に把握するというところまでおやりになったのかどうか、それとも今調査しているのか。例えば「改善点について集中的に議論を行った」とありますが、議論を行ったというよりも、やはり実際のアウトカムとしてどういう実際の成果を出されたかという形がないといけないのではないか。

 今の話でいくと、29ページもそうですけれども、「困難な状況がある」と書いてあります。いろいろ困難な状況、決算修正とかいろいろ明らかになった。以下、いろいろな形でやってきておられて、最後の32ページだと困難な状況にも関わらず鋭意議論を行っておられるということでした。やっておられるという事象については説明してありますが、いろいろ申し上げましたけれども、要するに平成24年度、25年度で実際に24年度はここまでやる、そこがどこまで出来て何が問題なのか。25年度はそれで、最終的にそこがちゃんとやれて26年から新機構の見通しが立っているかどうか。

 例えば、この形で24年度は大変良くやっておられますと言って、結果的に実は26年の時になかなか新機構への移行がいろいろな問題があって難しかったとなると、我々評価する者としては大変なことになってしまう。申し上げたいのは、この状態だと何を目標にしてどこまで行ったのかが分からないと、ちょっと評価のしようがないというのが率直な印象なのです。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 ありがとうございます。23異なる事項での目標をどこまで達成したかという御下問だと思います。

 まず、具体的にお話がありました23ページの財務調査についてですが、昨年秋に全社連中心に平成23年度決算について、当方が委託している監査法人によるチェックをしていただき、問題が発覚し12月と3月の記者会見に及んでおります。結論として、全社連病院についてはまだ決算を確定させておりません。通常、630日に法人は決算を完了する予定ですけれども、昨年秋から本省の指示で委託元のRFO及びRFOが委託する監査法人がチェックした後、決算修正を平成24年度決算の臨時の部分で行えという指示があり、現在当方と当方が委託する監査法人とでチェックを行い、先ほどから御説明しているとおり、概ね決算修正額が固まりつつあります。

 この事につきましては近々、本省とRFO共同で、再度世の中に対してディスクロージャーする予定であります。ただ、総じて、今の状況で行きますと全社連51病院、前期決算修正を臨時の部分で特益、臨損を串刺しすれば100億を超える数字ということでございます。ネットでも10億を超えるネット減が立つという決算状況というところまでは把握しております。ただ、個別の全社連との約束で、前年度末までに行っていただきたいということで申し上げておりました固定資産の実差が、まだ未了とか、未収金とかの債権管理を徹底してやってくださいという債権管理簿の作成がまだ出来ていない病院も見受けられるところがございますので、25年度決算での微修正というのもありうるという状況です。

 ただ、先生が御指摘のところをどこまで把握したかというと、概ねこういう所が悪いということと修正額というところまでは把握しております。今後はそれをうまくリスタートするというか、どう25年度決算を適切に行えるところに持っていけるかという状況ではないかと思います。

 院長会議も315日までの、前年度実施の第6回のところまでお話させていただいていますが、先ほど理事長からもお話がありました新年度にあっては、75日に院長会議の7回目を開催させていただいています。概ね、75日の院長会議で異なる3団体の一番肝となる給与の幹部分については、オーソライズされたのではないかというところまで来ております。あとはこれから2万人を超える職員に、部会長も御心配されていたとおり、個々の職員に対して一人一人、今年各団体でいただく退職金はこれぐらいになりそうですよ、来年4月に新機構の職員になっていただいた場合にはこういう処遇になりそうですよということを御提示し、職員の意向調査を2万人に掛けていき、又その状況次第では秋口以降、個別に細かい事を訂正していかないといけないのかなという状況で、移行準備の方は進めさせていただいています。部会長も御心配されたように、これで医療職が離散しますと又、グループ全体として大変な状況を作ってしまうので、その辺のところは丁寧にやらせていただいている状況です。

RFOの本来業務に戻りますと、先ほど私からも説明させていただいたように、やはり3団体の統合ということで今調整させていただいています。個別で残った東京北病院、それから和歌山の紀南病院など、相手先というか委託先が異なりますので、そこのところにつきましては現委託先にこの状況をお話した上で、地域の合意と自治体の合意と相手先の合意が得られれば譲渡というか、相手先に引き取っていただきたいという意向で24年度は動きました。ですから、そこのところについては概ね相手の御了解なども得られて移行が進んだ、契約まで進んだと思っております。

 

○光多委員

16ページの3病院の内訳を教えていただけませんか。売却価格の。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 内訳とおっしゃいますと病院がどちらかと。

 

○光多委員

3病院ですよね。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい。本年度内に契約しましたのは2の川崎、3の東北厚年、4の東京北でございます。

 

○光多委員

 いや、それぞれの内訳。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長

 金額をと。

 

○光多委員

 はい、そうです。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 川崎が60億。

 

○光多委員

 いや、処分価格ではなくて売却額対比、これです。37億の内訳です。要するに、鑑定よりも37億高く売れましたということですよね。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい。

 

○光多委員

 その3病院の内訳を教えていただきたいということです。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 このうちほとんどは川崎です。

 

○光多委員

 えっ。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

37億のうち、ほとんどは川崎病院です。

 

○光多委員

 ああ、そうですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 あと、光多委員から先ほど御質問がありました出資と売却原価ということですが、そもそもこちらに書いてあります出資は平成20101日に出資されており、それから4年たっております。その後の地価の動向、あるいは建物の年数がたっておりますので、そういったことで下がっていると理解しています。

 

○光多委員

 しつこいようですが、今、川崎でこの37億のほとんどの益が出たとすると、出資価格から売却原価価格で下がったのは川崎病院が下がったということですか。ほかの所は下がっていないのですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 ほかの病院についても下がっております。毎年毎年、期末に評価し直しておりますので、その時の評価額を期末の簿価にしていますので。

 

○光多委員

 ほかの病院が下がった金額で売れたと。川崎については下がった金額、37億を超過して売れたということですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 簡単に言うとそういうことになります。

 

○光多委員

 そうですか。

 

○山口部会長

 よろしいでしょうか。

 

○竹原委員

 評価項目の(7)、買受需要の把握及び開拓ですが、昨年度の個別審査の評価ではないのですが、この後に総合評価があるわけですけれども、先ほど川崎社会保険病院については職員、医師、多くの方が去られて事実上別の病院、入れ物は一緒なのだけど別の病院になってしまったという御報告だったと思います。このように、これまでと同様のサービスが提供できなくなっているような事例が川崎社会保険病院以外、過年度に売却した病院について状況がどうなっているのかを法人として把握はされているのでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 今、こちらに載せている病院以外で譲渡したのは浜松病院です。あとは先ほど申しました岡谷塩嶺病院、これは市の方にそのまま譲渡しましたので実質的に経営は変わっていません。浜松病院につきましては病院の方はクローズし、健康管理センターがあります。それは新しい、移転用地の方に新病院を開設するまで継続して運営してくださいということでした。病院の方は全社連に委託している時にもうクローズしていますので、そちらの方で職員の転職先とか、そういったことはやっております。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 もう一点補足しますと、病院の譲渡に当たっては地元の自治体等から譲渡の条件が出されています。地域において発揮する機能、こういう救急医療はちゃんと維持してほしいとか、こういう病床はちゃんと確保するとか、そういったところは譲渡条件として契約の中にも入っています。それは職員の入れ替えがある・なしに関わらず、そうしたものは確保してきているということで、我々もそれはちゃんとウォッチしていくことにしております。

 

○政策評価審議官

 先ほど、光多委員から新機構の改組に向けた準備について御質問がございました。冒頭に御説明申し上げましたように、整理機構につきましては平成24年の331日に中期目標が変更しており、従来の業務に今申し上げました新機構への改組に向けた準備が加えられています。それにより、お手元の実績評価シートの32ページから33ページのところに、新機構の改組に向けて新機構がその業務を的確に遂行できるよう体制の強化等の必要な準備を適切に行ったか。もう1つが新機構への改組に向けて、新機構がその業務を的確に実行できるよう新機構の運営方針等の確定等を適切に実施したかということが設定されております。個別評価項目の方につきましても、項番で言うと第3項、事項名では9として、「新機構への改組に向けた準備」というところが設けてございますので、そちらのところで評価いただければと思います。よろしくお願いします。

 

○光多委員

 そうなのですが、中期計画のところでも新機構への準備という表現なのです。我々は今、平成24年度を評価しているので、無理な注文かもしれませんけれども、その中で24年度は工程表を作るとするとどこまでを目標として、それがどこまでやれたのかという話が我々の評価の一番の視点だと思います。そこのところがはっきりしないというのが先ほど申し上げたことなのです。

 

○山口部会長

 ありがとうございました、第2グループについてよろしいでしょうか。それでは、次に第3グループ、項目10番から15番、決算関係の評価に進みたいと思います。法人からよろしくお願いします。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 手短かに御説明します。34ページをお開きください。評価項目10です。

35ページを先に御覧いただきたいのですが、ここでは予算関係です。予算関係につきましては一番上のところに出ておりますけれども、前期繰越資金を除く収入について57億円計上しているところ、実績48億円ということであります。その分、収入が若干少なかったわけですけれども、この点は不動産の売却収入というものが当初54億円を想定していたところ、平成24年度については実績がなかったということです。

 実績がなかったことの背景は、3病院の譲渡契約を結んでおりますけれども、実際にお金が入ってくる時期は引渡しの時期ということになります。引渡し時期が平成2541日ということで、その分24年度に収入がなく、2541日に3病院分、80億の収入があったということがあります。

 経理につきましては業務経費、一般管理費について先ほど御説明をさせていただいたところです。以上、自己評価としてはここではAという評価を付けさせていただいているところです。

36ページですけれども、これは人事に関する計画ということでございます。人事の問題については中期目標の中で、中期目標期間中に常勤職員数の抑制を図ることが掲げられております。中期計画の中では、平成17年度基準人員対比で8%削減という数値目標を掲げております。これに対し、平成24年度末の常勤職員数は先ほども御説明しましたが24名、目標を大幅に上回る41%の削減となっているということです。

 職員の評価につきましては、特に一般職員については実績評価と能力評価をしておりますけれども、譲渡専門職員については成果主義に基づく実績評価を行っています。そうしたことを通じて職員の専門性を高め、勤務成績を考慮した人事評価を実施しているところであります。以上を総括し、次のページ、特に常勤職員数の抑制という目標に十分応えているということで、自己評価についてはSを付けさせていただいております。

 次の38ページ、国庫納付金の納付です。国庫納付金納付につきましては、平成24年度の予算では計上はしていなかったのですが、譲渡収入から厚生労働大臣が定める一定の額を控除したものを納付するという形になっておりますが、その計算の結果としての31億円について決算終了後、速やかに納付を完了しております。以上を総括して自己評価はAとさせていただいています。

39ページは外部の有識者からなる機関ということでございます。先ほども説明がありましたけれども、外部有識者で構成される譲渡業務諮問委員会というものを設置しています。そこで随意契約に関して、譲渡指示のあった2病院の予定価格決定に係るプロセス等について諮問し、その意見により譲渡を実施しています。委員会では、譲渡に係る客観性の確保について有効に機能しているということで、概要もホームページで開示しているということです。以上を総括して自己評価はAを付けさせていただいています。

41ページは機構の保有する個人情報の保護に関する事項です。平成19年度に法務文書課を設置、個人情報の適切な管理に努めているところです。24年度につきましても担当者の研修会への参加、新規採用者に対する職員研修などの取組も適切に実施しているところです。以上を総括して自己評価はAとさせていただきました。

 なお、42ページに評価シートだけあります。終身利用型老人ホームの譲渡に関することが出ています。この点については、既に譲渡そのものは22年度に完了しておりますけれども、買受者が承継した入居一時金等が適正に使用されているかどうかについては定期的な確認を行っており、現状、特段の問題は生じていないということです。この点につきましては、特に評価としてはしていないところです。以上、よろしくお願いいたします。

 

○山口部会長

 ありがとうございました。委員の皆様は評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。ただ今の御説明に関連して、何か御質問があれば適宜御発言ください。

 

○大野委員

 現在、当機構が行っております業務の中心的なところは新機構への移行業務ということで、売却・譲渡に関しては委託に負うところが多いというように理解してよろしいでしょうか。その場合、譲渡業務諮問委員会などへのチェックですとか、あるいはそこから出てきた結果を、どのように判断するかの作業が非常に重要になってくるのではないかと思うわけです。先ほどの御説明で、不動産鑑定を2か所の所からお願いして平均値を取られたと伺いましたが、2つの価格というのはどのぐらい乖離しているのかについて伺えればと思います。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 最後の御質問から申し上げますと、先ほど話題になりました北病院の件でいきますと、2社の開きということでいきますと単純に言えば8億ぐらい開きがあります。その平均が予定額になったということでございます。

 先ほど、部会長から御質問がありました評価の内容ということで申し上げますと、2社に評価を依頼しているのですが、片方の会社は先ほど申しました収益の価格は見ずに積算価格の一体減価をして評価をしております。一方の会社は、先ほど申しましたDCFの収益価格と積算価格の割合を91で見て評価を出しております。

 

○大野委員

8億というのは乖離の額が8億で、率にするとどれぐらいになるでしょうか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

20%ぐらいですか。

 

○大野委員

2社から価格を取るというのは頼める所が2社しかなかったということなのか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 私どもの方で予定額を設定する時に、一定金額以上の物件については2社に依頼するというルールにしておりまして、予め2社の鑑定評価会社を先ほど申し上げましたように一般競争入札で選定しているということです。

 

○大野委員

 これが3社とか、依頼する所の数がもっと増えて、精度を高めるといったような余地は余りないということですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい、そこまでは必要がないと考えました。2社であればそれなりに大手の評価会社ですし、2社の平均を取れば適正な価格であろうという判断です。

 

○安浪委員

 今、路線価で見た計算は私も分かっているのですが、譲渡価格と路線価価格との差額は8億よりもっと大きいですよね。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 路線価と譲渡価格との差ですか。

 

○安浪委員

 いや、鑑定価格です。単純に路線から見たお話をしているのですが、差額はもっとあると思うのですが。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 差額というのは2社の鑑定の差額です、8億というのは。

 

○安浪委員

2社の鑑定ですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい、そうです。

 

○光多委員

私もずいぶん鑑定を取ったり、いろいろなことをやってきたのですが、一定パーセント、20%以上ぐらいに下がると第3社に、もう1社間でやったり、両方に対して分析したりしているのですが、やはり2割というのは離れ過ぎている。その辺、やり方としてはとにかく鑑定会社をきちんと選んで、2社来たら自動的にその平均で考えるという形でやっておられるのですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 自動的にということではありません。先ほど申しましたように鑑定会社でそれぞれ見方がありまして、出していただいたものを我々の方で見ます。機構の中でも不動産鑑定士がおりますのでその評価について検証はしております。

 

○光多委員

 一応、この場合は20%、8億ぐらい開いているけれども、足して平均を取って考えられたということですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい、そうです。

 

○光多委員

 それが処分価格と。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい、そうです。

 

○川北部会長代理

39ページにあります譲渡業務諮問委員会に関してなのですが、これは従来からのメンバーから大きく変更がないのかどうか。もう1点、今回の川崎病院の処分などに関してどういう意見が出たのかということが2点目です。それから、ちょっと観点が違うのですけれども、新機構に移行された時に外部の有識者の意見を聞くような体制を考えられているのかどうか。その3点に関してお教えいただきたいと思います。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 まずメンバーですが、私どもは平成229月で今までのいわゆる福祉施設等の譲渡を終わっています。それまでの委員の方々はいわゆる不動産の売却に精通した外部の委員ということでした。今回、病院の運営ということが主となりましたので、そのうち何名かは変わっております。ですから、今いる4名の委員のうち2名は代わっているかと思います。

2番目、例えば川崎病院についてどういった議論が行われたかということですが、川崎については先ほど申しましたように随意契約ではありません。今までの福祉施設の時も同様でしたが、一般の競争入札で譲渡する場合には特段譲渡に際して諮るということはしておりません。ただし、この場合、川崎については運営している病院が一般競争入札で譲渡されるという、極めて特殊なケースでしたので譲渡検討委員会を設置、いろいろ条件などを検討しました。そういったところでの検討状況等を適宜報告しておりました。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

3番目の御質問、新しい体制というのは新機構ということですね。

 

○川北部会長代理

 はい。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役

 新機構における業務を的確に推進するためには当然、又必要に応じて有識者の意見を聞くような体制を作っていくことはもちろん必要だと思っています。新機構の業務そのものについては今移行の準備をしているわけです。法律である程度方向性というか、医療施設の経営、あるいはがんや糖尿病、救急、そういった通常の地域医療で求められることはやっていくわけです。その中で又、どういうものに特に重点を置いていくか。その辺、実際には新しい法律に基づいて、ここと同じように厚生労働省から中期目標というものが示されてくる中で明らかにされてくる部分があります。そうした中期目標で示され、我々が中期計画を作る中で、その業務を的確に推進していくための体制をどう作っていくのかということは、中期目標の状況を踏まえた対応をしていく必要があると思っています。最初に申しましたように、そうした業務を進める上で外部の有識者の意見を聞くような体制というのは恐らく必要になってくるのだろうと思います。

 

○竹原委員

 今の川北委員の御質問に関係するのですが、39ページ、譲渡業務諮問委員会が平成241127日に開催したというように書かれています。平成24年度に関してはこの一回だけと考えてよろしいわけですか。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 はい、そのとおりです。平成23年度までは福祉施設等の譲渡等がありましたので、基本的に四半期に一回の開催としておりました。ただし、平成24年度以降は基本的に譲渡の対象が病院ということになりまして、譲渡指示が実際に出されるまではお諮りする事項が特段固まっていないということで、必要に応じてというように開催頻度を変更しております。

 

○竹原委員

 それは構わないのですが、だとすると、今御説明にもあったように東北厚生年金病院が厚生労働省から譲渡指示があったのが119日、同じく東京北社会病院の譲渡指示も119日、厚生年金病院については平成241211日に売買契約を既に締結していて、北社会保険病院についても123日付で契約を締結しているわけです。契約を実際に締結する1週間程度前に譲渡諮問委員会を開いて、何を議論して、それが契約の何に活きるということになるわけでしょうか。譲渡指示があったので、極めて形式的に開催したという印象を強く受けるのですが。

 

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長

 譲渡業務諮問委員会にお諮りしておりますのは、先ほど申し上げましたように随意契約ですとやはり委員の先生方がおっしゃるように価格の決定の恣意性ということ、その透明性をいかに確保するかが問題でしたので、一般競争入札につきましては私どもの方で委員会に諮らずに予定価格を決める。随意契約につきましては、価格の設定プロセスについてお諮りすることにしております。諮問委員の先生からも随意契約における価格の設定、価格が良いか悪いかということについてはさすがに申し上げられませんとのことでした。ただし、設定のプロセスがいいかどうかということについては御意見申し上げましょうということで、従来より随意契約の時にはそういったお諮りの仕方をしております。その際に鑑定評価、当初の出資価格、あるいは病院の状況等を御説明して、こういったプロセスで予定価格を設定したいけれどもよろしいかということでお諮りしております。

 

○山口部会長

 ありがとうございました、よろしいでしょうか。以上で全ての項目の評価が終わりました。事務局からこのあとの取扱いについて説明していただけますか。

 

○政策評価官室長補佐

 本日お配りしております資料の郵送を御希望される場合は、部会終了後に事務局までお申し出ください。なお、資料をお持ち帰りになって評価いただく場合につきましては、85日、次週月曜日までに事務局に評定記入用紙の提出をお願いいたします。

 このあと引き続き議題2、農業者年金基金関係の審議に入ります。ここで法人と所管課の入れ換えを行いますのでしばらくお待ちください。

 

○山口部会長

 どうもありがとうございました。

 

(法人・所管課入れ換え)

 

○山口部会長

 それでは議題2に入りたいと思います。農業者年金基金の平成24年度の業務実績に係る意見を、各委員の皆さまからお伺いするに先立ちまして、所管課及び法人より説明をお願いします。それでは所管課からお願いします。

 

○年金局企業年金国民年金基金課課長補佐

 年金局企業年金国民年金基金課です。どうぞよろしくお願いいたします。本日評価をお願いしますことにつきまして、まず私から簡単に説明いたします。農業者年金基金に関する資料は、資料番号2-12-7までです。農業者年金基金は農林水産省が所管する法人となっておりますが、業務の一部、旧制度の給付に係る業務に関する事項につきましては厚生労働省との共管という形になっています。したがいまして業務実績の評価に当たっては農林水産省の評価委員会で行っていくことになっておりますが、それに先立ち、農林水産省の評価委員会が、厚生労働省の評価委員会の意見を聴取するという仕組みになっています。その概要につきまして説明をいたします。

 まず資料2-1を御覧ください。これは農林水産省の独立行政法人評価委員会の委員長から、こちらの委員長宛てに意見聴取について公文の依頼が来ているものです。本日はこれに基づき審議をお願いするということになっています。

 それから資料2-3を御覧ください。「農業者年金基金に係る所管等について」というタイトルがついています。まず1番目、所管につきましては先ほど申し上げましたとおり一般的な業務運営、新制度にかかる給付につきましては農林水産省の所管になっているといます。3の旧制度ですが、こちらの部分が厚生労働省と農林水産省の共管ということになっています。

 次に評価についてです。2番の「また」以下で、今日議題となっています農業者年金基金の実績の評価に関する事項、それから中期目標期間の業務の実績に関する事項につきましては、先ほど申し上げましたとおり、農林水産省の評価委員会が、農林水産大臣のほうに意見を申し述べるということになっているわけですが、その際、共管部分につきまして厚生労働省の評価委員会に意見を聴取するということです。

 それから簡単に評価の方法について説明をします。資料の7ページに、業務実績に関する評価の基準という資料があります。まず評価の基本的な考え方で(2)です。業務の実績の全体について中期計画の中項目を評価の単位として評価をする。そして中項目の評価結果を踏まえて大項目、それから全体の評価という、3段階で評価をするということになっています。それから各事業年度の評価の方法ですが、2番目の(1)です。中項目の評価方法については、中項目に属する小項目の達成度合いを基準として行うことになっております。

12ページ、別紙です。中期計画に属する各項目が書いてありまして、大項目、中項目、小項目になっています。この項目にしたがって評価をしていただくということです。

 続いて資料2-2です。厚生労働省の評価委員会と農林水産省の評価委員会の関係を書いています。左側が厚生労働省の評価委員会、右側が農林水産省の評価委員会です。農林水産省の評価委員会は819日に農業分科会を開催と記載されています。この日に評価委員会が開催される予定と伺っておりまして、これから逆算していきますと、8月の中旬には農林水産省に当省の評価委員会からの御意見の提出をお願いしたいということで、本日、81日に年金部会の開催をお願いしているということです。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして法人のほうから説明をお願いいたします。

 

○農業者年金基金理事

 それでは私から自己評価の関係について説明させていただきます。資料は2-42-5で、2-4は実績の報告書です。2-5が自己評価シートということになりますので、2-5で説明させていただきます。3番目の列の年度計画事項に基づき事業を実施しているということです。4番目の欄が年度評価指標になり、評価の基準がこれになる。それから5番目の欄が事業報告書及び特記事項となりまして、これが事業を行った結果ということです。それに基づきまして一番右側の欄で評価abcが付いています。

 関係部分を説明します。4ページの太枠で囲った部分が関係部分になります。4ページの4番目の欄に書いてありますが、業務運営の効率化です。まず申出書等の見直しがありますが、今回これは該当がありませんので省略させていただきます。

 その下に(2)で電子情報提供システムの利用促進等があります。これは業務受託機関、市町村の農業委員会あるいはJA関係になりますが、それに対する基金が持っている情報を提供するというものです。評価につきましてはアクセス件数で見ております。5ページの一番右側に達成状況が書いてあります。アクセス件数は、平成24年度が937,000件ということで、前年度より18.5%増えており、基準から見て評価aとしております。

 その次の関係です。電算システムの改善・整備の検討等は業務全体の電算システムを抜本的に改善することにしており、平成24年度から着手をしております。ここの右側には書いてありませんが、平成26年度の業務から適用する、平成26年度から新しい電算システムに改善していくということにしており、現在開発に着手したところです。それから(3)、実務者用のマニュアルの見直しは評価には入っていませんが、適宜見直しをしているところです。

10ページです。5番目の業務運営能力の向上等です。これは職員、あるいは業務受託機関の職員の能力を向上させるということです。(1)が農業者年金基金職員に対する研修で、新任職員に対して例年研修を行っております。評価基準につきましては理解度になっておりまして、右側には計画どおり研修を実施しまして、理解度は100%ということです。

 それから11ページです。(2)業務受託機関担当者に対する研修です。業務受託機関、これは都道府県段階、それから市町村段階の2つがあります。一番右側の1で都道府県段階における業務受託機関、これは農業会議あるいは農協中央会といったものが対象になりますが、それに対して4月に担当者会議、5月に新任担当者研修会、それから10月、11月にブロック会議を実施しております。その他につきまして、また理解度に対しては達成状況に書いてあるとおりです。市町村段階につきましては、基本的には都道府県段階の担当者が指導をしていくという形になっております。ただ基金のほうから直接講師を派遣するという場合が出てきますので、その講師派遣に対する、要請に対してどうだったかというのが評価基準になっているところです。講師派遣については100%対応しているところです。

12ページ、6評価・点検の実施です。(1)が加入者の代表者等の意見の反映ということで、加入者代表の意見を例年運営評議会という形で聞いています。これは予定どおり年2回開催しているところです。それから(2)、業務受託機関の事務処理の適正化等で、都道府県段階あるいは市町村段階の実施機関に対して検査、指導をしているところです。これは3番目の欄の年度計画に書いてありますように、毎年どのぐらいやるかというのは決めて実施しております。平成24年度におきましては24都道府県の業務受託機関について実施をするということにしており、計画どおり実施しているところです。

13ページです。業務の関係で一番下の(3)、申出書等の迅速な処理があります。申請書類、申出書が出てくるわけですが、それにつきまして標準処理期間を設けております。それについてどうだったかということです。これは年度計画、3番目の欄で書いてありますが、申出書等の97%以上を期間内で処理したかどうかということです。結果につきましては14ページ、一番右側の欄に表があり、97%の目標に対して実績は98.9%という達成になっています。その下は申出書等の返戻割合の減少ということです。これは3番目の年度計画に書いてありますが、不備が判明した申出書等に対して補正を行うということで文書のやりとりがあるわけですが、その件数を減らしていこうということです。過去3年の実績と比べておりますが、右側の達成状況にありますように、返戻件数の割合は7.9%となり、過去3か年平均より低い水準となっています。その下の申出書等の処理状況の公表等です。これは年2回公表をしているところです。私からの関係部分の説明は以上です。よろしくお願いいたします。

 

○山口部会長

 ありがとうございました。ただいま御説明いただきました件につきまして、御意見あるいは御質問がありましたらお願いいたします。

 

○川北部会長代理

2点ございます。1点は4ページから5ページにかけてですけれども、業務報告書、業務運営及び電算システムの改善・整備で、研修をやっておられる。そこでパソコンを使用した操作・機能習得研修を実施しと書いてあって、未利用になっている業務受託機関があるような書き方なのですけれども、現時点において、片方で電算システムを改善されようとしている段階において、未利用の受託機関が、つまりパソコンを使っていないところが本当にあるのかないのか、どのぐらいの割合でパソコンを使っていないのか、その辺りをまず1点お教えいただきたいということ。それから12ページですけれども、加入者の代表者等の意見の反映ということで、回数は書かれているのですが、どういう意見が出されたのか、主な意見を教えていただければと思うのですけれども。

 

○農業者年金基金業務部長

 農協や農業委員会での電算システムの利用の状況ですけれども、まず受給者の方や加入者の方、被保険者の方が少ない農業委員会がありますので、そういうところはあまり電算を使わなくても、従来の方式でも十分対応できるというところがありまして、私たちも使ってほしいのですけれども、なかなか進まない状況があります。農協で7割進んでいます。だから本格始動までには、これをずっと100%に近づけていきたいのですけれども、農業委員会で6割進んでいます。あと4割というような形になっています。都道府県段階は全て100%使っております。以上です。

 

○川北部会長代理

 それがもし進まなかったとして、新しい電算システムに移行したときに何らかの障害になるのかどうかですけれども。

 

○農業者年金基金業務部長

 それは全然問題にならないように、うちのほうではシステムと従来のやり方と両方で対応できるようにしております。従来のやり方だとやはり私たちにも負担がかかりますので、基金自体に負担がきますので、これからも引き続き電算システムの利用の普及を図っているところでございます。

 

○農業者年金基金企画調整室長

 もう1点の質問、12ページの意見の反映ですが、運営評議会、この評議会ではいろいろな質問や内容確認がありまして、ほとんどそういう内容です。具体的な意見は、1点だけで、ここに書いてありますが、加入推進の特別対策の特別研修会、これは女性委員も入って非常に評判がいい、是非今後とも続けてほしいという意見があり、それにつきまして、引き続きやりますとともに、特に女性の農業委員に、積極的にお声をかけして、集まっていただいて特別研修会をやったというのが反映です。

 

○山口部会長

 ほかに御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは農業者年金基金の平成24年度の業務実績に関し、農林水産省の独立行政法人評価委員会に提出する意見につきましては、本日出されました御意見等を踏まえまして、私と農業者年金基金担当起草委員である大出委員、更に事務局と相談をしまして、案をまとめて書面で皆さまにお諮りすることとし、最終的には私のほうに御一任いただきたいと考えております。それでよろしいでしょうか。

 

(各委員了承)

 

○山口部会長

 ありがとうございました。それではそのようにさせていただきます。

 続きまして農業者年金基金の中期目標期間の業務実績に係る意見を、各委員の皆さまからお伺いするに先立ちまして、所管課並びに法人より説明をお願いいたします。

 

○年金局企業年金国民年金基金課課長補佐

 それでは所管課から簡単に説明をいたします。中期目標期間の業務の実績評価ですが、各事業年度の実績評価の例によって行うということです。それから農林水産省の評価委員会への意見書の提出ですけれども、それにつきましても、先ほどお話をいたしました平成24年度の実績評価と同時に行うということにしています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○農業者年金基金理事

 それでは中期目標期間に係る業務の結果について説明します。資料としては2-62-7で、2-6が実績報告書、2-7が評価結果になりますので、2-7で説明させていただきます。中期目標といいますのは基本的には5年間で、今回は平成20年度~平成24年度の評価ということです。項目につきましては先ほど年度で説明したものと基本的には同じです。該当の部分を説明させていただきます。

 資料番号2-79ページ、(1)申出書等の見直しです。これにつきましては適宜該当する場合に見直しを行っています。(2)電子情報提供システムの利用促進等は、先ほどと同じようにアクセス件数で見ているということです。

10ページ、電算システムの改善・整備です。電算システムを細かくは平成20年度からずっとやってきていたわけですが、オの平成24年度で抜本的な改革をする、全体的に改革をするということにしているわけです。(3)がマニュアルの見直しです。

22ページ、研修です。業務運営能力の向上等の(1)で基金職員の研修、23ページの一番下から24ページにかけて業務受託機関担当者に関する研修、それから市町村段階における研修を実施しているところです。

25ページ、評価・点検の実施です。(1)で加入者の代表等の意見の反映ということで開催状況等を載せておりますし、主な意見等も右側に書いてあるところです。

26ページ、業務受託機関の事務処理の適正化等で、考査指導の実施と結果の反映で考査指導を実施しているところです。

28ページです。申出書の迅速な処理ということで、標準処理期間内での実施を目標にしてやっているところです。結果については表に載せてあります。

29ページ、申出書等の返戻割合の減少の関係です。

30ページ、申出書等の処理状況の公表の関係です。いずれも太枠で囲った部分が関係部分です。以上です。よろしくお願いします。

 

○山口部会長

 ありがとうございました。ただいま御説明いただきました中期目標期間の業務実績について御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。

 

○安浪委員

29ページの返戻件数の話です。返戻率が平成20年度から11.1%7%7.6%6.4%7.9%、平成24年度がちょっと比率が上がったということ。それと件数そのものが、平成20年度661件が平成24年度864件と、件数が増えているということもあるのですね。平成24年度が比率が上がったという理由と、件数そのものが増えたということの事情なり説明をお願いしたいと思うのです。

 

○農業者年金基金業務部長

 ここの返戻は、大体農協や農業委員会に申出書等とその添付資料があるわけですが、そういうものがきちんとそろっていないものが基金に上がってくる。基金だけで補正ができないものについてはお返しせざるを得ない。ですから、この返戻率を下げるのは農協、農業委員会に対する研修だけなのですね。ここに一生懸命頑張っていきましょうといって、こういう返戻目標を立てているわけです。私たちも多くの件数を毎日必死で捌いているものですから、11回この返戻はどういうことというのを記帳する時間もありませんので、そこの理由までは把握しておりません。ともかく農協や農業委員会への研修を徹底することに力を注ぐことにしています。よろしいでしょうか。

 

○安浪委員

 減らすという努力はされているということですね。

 

○農業者年金基金業務部長

 はい、それはもう。

 

○山口部会長

 よろしいでしょうか。それでは農業者年金基金の中期目標期間の業務実績に関し、農林水産省の独立行政法人評価委員会に提出する意見につきましては、本日の議論を踏まえて先ほどと同様に私と農業者年金基金担当起草委員である大出委員、さらに事務局と相談をして案をまとめて書面で皆さまにお諮りすることとし、最終的に私のほうに一任いただきたいと思っております。よろしいでしょうか。

 

(各委員了承)

 

○山口部会長

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。なお厚生労働省の評価委員会で同運営規定などによりまして、共管法人であって他府省に係る「中期目標期間の実績評価」に関する事項につきましては、本部会の議決が評価委員会の議決となります。それでは本日の議事は以上となります。私の時間配分の不手際で、予定時間を大分オーバーしてしまいまして申し訳ございませんでした。次回の開催等につきまして事務局から御案内をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 次回の開催は819()10時から、場所は本日と同じ会場、12階の専用第12会議室になります。議題は年金積立金管理運用独立行政法人の総合評価、年金健康保険福祉施設整理機構の総合評価、暫定評価、組織・業務の見直しとなっております。事務局からは以上です。

 

○山口部会長

 それでは本日は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 


(了)

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