第10回有期労働契約研究会議事録

日時

平成21年12月24日(木)10:00~12:00

場所

厚生労働省労働基準局第1・2会議室(16F)

出席者

〈委員〉
     荒木委員、阿部委員、奥田委員、鎌田委員、佐藤委員、橋本委員、山川委員
   〈事務局〉
   渡延労働基準局審議官
   前田労働基準局総務課長
   富田労働基準局勤労者生活部企画課調査官
   青山労働基準局総務課労働契約企画室長
   丸山労働基準局監督課中央労働基準監察監督官

議題

(1)(独)労働政策研究・研修機構からのヒアリングについて
(2)論点(全体)について

議事

○鎌田座長 定刻となりましたので、ただいまから第10回有期労働契約研究会を開催い
します。委員の皆様方、ヒアリング対象者の皆様方には、御多忙なところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 また、本日は藤村委員が御欠席されています。
 本日は、厚生労働省より有期契約労働者の実態を把握するために調査を依頼しておりまた企業ヒアリングについて、労働政策研究・研修機構より結果の聴取を行います。
 まず、労働政策研究・研修機構の方から30分程度で御説明をいただき、その後、40分度質疑を行った後、残りの時間でこれまでの論点全体について御議論をいただきたいと思ております。
 それでは、まず労働政策研究・研修機構からのヒアリングを行います。本日は、独立行法人労働政策研究・研修機構調査解析部から新井栄三様、渡辺木綿子様のお2人にお越しただいております。本日は、よろしくお願いいたします。
 では、よろしくどうぞお願いいたします。
○労働政策研究・研修機構(新井) どうもおはようございます。労働政策研究・研修機の新井と申します。今日はよろしくお願いします。
 今、御紹介いただきましたとおり、私ども今年度、厚生労働省からの要請ということで、有期契約労働者の雇用等の状況につきまして企業にヒアリング調査をいたしました。
 対象につきましては1ページ、1枚目に書いてありますとおり、製造とか小売を中心に、有期契約労働者が多く働いている業種の企業に対して行っております。今年5月から今月めにかけて23社回っておりますが、具体的な企業名につきましては非公開ということでアリングをお願いしておりまして、今日の報告でも業種のみという表現をさせていただいおります。
 主なヒアリングの内容ですけれども、まず有期契約労働者にかかわらないで、いわゆる社員も含めてそれぞれのヒアリング対象の企業で働くすべての人の就業状況を聞きまして、それから有期契約労働者のそれぞれ選んでいる理由や、更新とか雇止めの状況、どんな処をされているか、正社員への転換があるのか、ないのか、実績等も含めて聞いています。
 その上で、最後に今後の有期契約労働者に対する在り方をどのようにとらえているかをアリングしました。
 それでは、今回のヒアリングを主担当で行っていまして、今日の資料の取りまとめもしおります渡辺の方から、結果の主な内容について御報告をさせていただきます。よろしく願いします。
○労働政策研究・研修機構(渡辺) 労働政策研究・研修機構の渡辺と申します。本日は、ヒアリング調査結果の概要について御報告申し上げたいと存じます。よろしくお願い申しげます。
 まず初めに本報告の一連の内容でございますが、今回ヒアリングした限りにおきまして、有期契約労働者は非常に広範な職務にわたり活用されており、それだけに臨時・一時的活にとどまらず、業種を問わず試行的雇用期間としての活用を始め、製造業では不確実性の大への対応、小売業等々では人権費コストの削減など、さまざまな事由で恒常的に活用さている実態が浮き彫りになったところでございます。
 その中では、有期契約とは言え、特段支障のない限り長期継続雇用する方針にある企業少なくなく、結果として、有期契約労働者側におきましても雇用継続の期待感が高まりやく、雇止めの可能性は見えにくいものとなっている様子が観察されたところでございます。
 これに対しまして、企業では正社員転換制度の整備を始め、その補完的作用としての均待遇の確保にも取り組みつつあったところでございますが、こうした現状を踏まえまして期労働契約の締結事由を合理的なものに限定すべきとの考え方や、勤続年数等の上限を定る考え方に対する見解を問いましたところ、企業は基本的には反対する姿勢を示しつつも、例えば処遇据置きの無期化を検討するなどと言った意見も複数寄せられたところでございます。このような内容につきまして、以下、具体的に見てまいりたいと存じます。
 2-(1)、1点目でございます。「有期契約労働者は個別企業でどのように位置づけらているか」に関しまして、有期契約労働者は多様な集団であり、個別企業のヒアリングで正社員と比較した職務の異同によりまして、高度技能活用型、正社員同様職務型、別職務
同水準型、軽易職務型の4タイプに類型化されるようだということがわかりました。具体には図表1、横版の資料をごらんいただきたいと存じます。
 まず最初におことわりでございますが、この模式図に書かれているものはあくまで今回ヒアリングした限りにおいての例示にすぎないこと。具体的には、個別企業における正社の職務との相対的位置付けで分類されるということに注意していただければということでよろしくお願いしたいと存じます。
 まず高度技能活用型でございますが、高度保有資格を持つようなケースということで、体的には四角に書かれているようなものが個別企業のヒアリングで挙がってきたところでございます。
 同様職務型に関しましては、有期のまま正社員同様の役職、管理・監督責任をゆだねてるようなケース。別職務・同水準型に関しましては、同じ職種でも正社員は管理・監督もうが、有期は現業のみにしているようなケース。あるいは、正社員と有期で職種自体を分ているようなケース。
 一方で、軽易職務型につきましては、有期は指示に従い作業するだけの責任が軽いケース。
業務を切り分け、マニュアル化・定型化されており、業務が単純であるケースといったこで、具体的な労働者像はそこに記させていただいたとおり挙がってきたところでございます。
 本文に戻りまして、2-(2)でございます。「あえて有期で労働契約を締結している事由」というのを企業に聞きましたところ、職務タイプを問わず「臨時・一時的活用」というものが挙がってまいりましたほか、高度技能活用型では「正社員の処遇体系では対応し切れないため」、同様職務型では「試行的雇用期間に位置づけるため」、別職務・同水準型では「不確実性の高い新規事業への対応」ですとか、「工場・事業所、店舗の移転・閉鎖等の可能性」、「人件費コストを抑制できる現業労働力としての活用」等、軽易職務型では「個人都合と擦り合わせた短時間勤務等で人件費コストを削減できるため」など、非常にさまざまな回答が得られたところでございます。
 具体的には、非常に細かくて大変恐縮でございますが、図表2の左の欄をごらんいただければと存じます。
 まとめとやや重複となりますが、ピックアップして御紹介させていただきますと、高度技能活用型に関しましては、期間を区切り、明確な成果を求めている。個別に年俸制契約を交わしている。社内に蓄積がないような豊富な経験や専門的な知識・技能を備える人材を、必要な期間のみ効率よく調達するためといった指摘が得られたところです。
 同様職務型に関しましては先ほど申し上げましたとおり、正社員候補として適性を見極め、登用可否を判断する、いわば試行的雇用期間に位置づけているといったもののほか、役職者であっても正社員とは異なり、勤務地限定である以上、店舗・事業所のスクラップ・アンド・ビルド等に伴い、雇止めの可能性があり得るですとか、新規採用は大学院卒のみに限っており、高校専門卒や実力未知の中途採用などは、有期からの正社員転換しか機会を開いていないといった指摘が見られたところでございます。
 次のページにまいりまして、別職務・同水準型でございます。本文でも申し上げましたとおり、操業の季節循環、長くても1年先程度までにとどまる受注繁閑のほか、不確実性の高い新規事業の生産計画等への対応に当たり、必要な現業労働力を必要な期間だけ効率的に調達するためといったもののほか、工場移転や店舗、支社・営業所の統廃合、事業改廃、自動化・機械化等の進展等、業務の中長期的な変動に応じ、柔軟に雇止めする余地を持っておくため。
 また、適宜に人材を入れ換えることで正社員代替性が高くならないようにしているため。
あるいは、中核的業務は正社員同様でも責任の程度を軽くすることで人件費を削減できるといったもの。あるいは、職種限定入社であり正社員とは人材管理体系が異なることを明確にしておくためといった指摘が得られました。
 次のページにまいりまして、軽易職務型でございます。これに関しましては、切り分けた補助実務を本人都合とすり合わせた働き方で、それに見合う処遇労働条件で行ってもらうことができるためといったものが圧倒的に多かったほか、恒常的に存在するが熟練の必要がなく、あくまで補助労働力として位置づけているため、代替可能な労働力である。あるいは、労働者側の就労条件、ニーズが変化しやすく、1年以内の離職というのも大変に激しいため、実態に合わせて適宜契約を見直す必要があるといった指摘が得られたところでございます。
 本文に戻りまして、2-(3)でございます。「有期労働契約の締結、更新、雇止めに係る課題」を見たものでございます。
 まず、契約期間に関しましては、書面の中でおおむね明示されていることが確認されました。3ページでございます。
 しかしながら、その長さの設定につきましては、「工場・事業所、店舗の移転・閉鎖等に中途解約ではなく、あくまで期間満了退職として柔軟に対応できる余地を残しつつ、契約更改に係る事務手続きが煩雑にならない程度で6カ月が適当」などとする回答が多く見られまして、必要以上に短い期間を定め、反復更新することのないような配慮を行っているケースというのは余り見られなかったところでございます。
 また、一律に例えば6か月などと設定しており、個別の長期勤続者が発生していたとしても、別途な取扱いというのは検討したことがないといった回答も少なくなく、労働者の希望等に応じ、契約期間をできる限り長くするよう努めているケースモほとんど見られなかったところでございます。
 次に更新の有無についてでございますが、これも書面の中でおおむね明示されていることが確認されたところでございます。
 しかしながら、その記述に関しましては、60歳定年、65歳上限などと明らかにうたい、
特段支障のない限り、長期継続雇用するスタンスにある企業に限りましても、万が一の際に雇止めできなくなるリスクですとか、労働者の期待感の一方的な高まりといったものを懸念して、例えば「更新することがあり得る」、「更新の必要がある場合は改めて契約する」、「契約の満了に伴い終了する」など、さまざま見られたところでございます。
 また、更新する場合があると明示した場合に求められる判断基準に関してでございますが、これにつきましても評価制度等に連動する客観的な指標を設け、労働契約書等に明示しているケース。具体的には注釈の方に書いておりますが、こういったケースが見られる一方、労働契約書等に明示はしているものの、必ずしも実態に基づかない可能性要素の列挙になっているケースですとか、労働契約書等には明示しておらず、運用内規のみのケースというのも見られ、総じて更新の有無の記述、判断基準の明示とも有期契約労働者にとって必ずしも雇止めの予測可能性を高めるものとはなっていないということを企業側も認識していたところでございます。
 通算勤続期間の上限に関しましては、取り分け製造業の同様職務型、別職務・同水準型につきまして、3年上限にこだわる行動パターンがみられたところでございます。
 一方で、製造業のこれ以外のタイプ、あるいは小売業等々、別の業種では職務タイプを問わず、明確な通算勤続期間上限は設定されていなかったところでございます。
 それでは、なぜ製造業の同様職務型、別職務・同水準型でのみこのようなパターンが見られたかというところで掘り下げてヒアリングいたしましたところ、注釈の4でございます。
 考え方といたしましては、中期経営計画を超える3年超にわたり活用し続けるのは適当ではないだろうという判断ですとか、試行的雇用期間として設定しているので、この間に正社員転換できなければ見込み薄であるから。あるいは、3年以上の長期継続雇用に及ぶと正社員代替性が高まってしまうからといった回答が得られますとともに、なぜあえて3年なのかというところを更に掘り下げて聞きますと、労基法第14条を誤解しているケースですとか、大臣告示に基づく解雇予告が求められる範囲を警戒しているケース。それから、派遣法の受入れ制限等との整合性を自主的に意識しているケース。それから、製造大手が既に確立したデファクト・スタンダードであって、2年11か月で更新拒絶する限りは合法的で安全なんだといった指摘もございまして、さまざまな側面が浮き彫りになったところでございます。
 なお、雇止めに関しましてということで本文の方に戻りますが、雇止めに関しましては1契約期間程度の猶予を設けまして、最終更新時点の労働契約書者等で「次期更新は行わない。
今回契約で終了する」と明確に記述し、本人合意を取り付けた上、改めて30日前までに予告し、あくまで期間満了退職であることとするよう徹底している様子が観察されたところでございます。
 続きまして、2-(4)でございます。均衡待遇・正社員転換の現状についてでございますが、先述いたしましたとおり、有期契約労働者は正社員との比較で、多様な職務を任されているだけに、処遇差の現状もさまざまでございました。そうした中で、高度技能活用型につきましては、少なくとも市場を踏まえた処遇が確保され、むしろ一般的な正社員より高水準の処遇を手にしているケースが多々見られたところでございます。
 一方、軽易職務型につきましては短時間労働者が多いこともあり、改正パート法の規定にのっとった取組みが進められていたところでございます。
 こうした中で同様職務型、別職務・同水準型に関する取組みということでございますが、
改正パート法への対応、フルタイムですので厳密には対象ではないわけですけれども、趣旨への配慮ですとか、一般業務派遣の直接雇用契約申込み義務への対応、直雇用化に伴う契約社員区分の創設、整理ですとか処遇整備、あるいは2009年問題への対応ということもございますが、その一環といたしまして一定の取組みが見られたところでございます。
 まず、同様職務型につきましては、正社員同様の役職に登用されたり、既に同様の職務に就く正社員区分が存在するというところから、正社員としての働き方等要件が満たせれば、随時正社員に転換するほか、正社員との均衡に配慮した処遇が確保されるなど、一定の改善が見られつつあったところでございます。詳細は時間の関係上申し上げませんが、この正社員転換に関しましては、先行研究で既にキャリア並存型、コース転換型の転換制度と言われているようなものが見られまして、均衡に配慮した処遇の方に関しましては正社員と有期契約労働者で共通の資格等級、役割、役職基準を適用し、同じ階層内では処遇差ができるだけないように取り組んでいくといったものが見られたところでございます。
 一方、別職務・同水準型につきましても、少なくとも中核的な業務内容が正社員同様である場合、図表1ではA領域というふうに書かせていただいたところでございますが、ここに関しましては意欲・能力等に応じ、一定の選考プロセスを経て、正社員へ転換し得る仕組みというものが整備されつつあったところでございます。先述しました先行研究との兼ね合いで申し上げますと、ステップアップ式のキャリアゴール型転換制度といったようなものが見られたところでございます。
 とは言いましても、正社員に求める働き方、能力等要件の厳格さですとか正社員数の抑制傾向などから、転換者はどうしても限定されやすいということを企業側も認知しております。
そのため、正社員の処遇要素を近似的に有期契約労働者にも適用していく形での処遇改善の取組みといったものが広く見られましたほか、例えば生産労務職の有期契約労働者に関しまして、フルタイム解禁すれば正社員技能系の初任給程度は得られるようにするなどといった待遇確保の取組みが見られたところでございます。
 それでもなおということですが、「正社員転換を希望して働き続け、結果的にそれが適わなかった場合の処遇機会損失の補完足るかと言えば、まだまだ不充分な内容と言わざるを得ない」との認識が企業側からも聞かれたところでございます。
 そうした別職務・同水準型の取扱いをめぐりということで2-(5)でございますが、今回ヒアリングを行いました限りでも、事業の継続性や収益貢献に果たす役割等を勘案し、有期契約労働者の納得性を高める観点から、現行正社員への転換ではなく、新たな正社員の枠組みとして、対象者一斉の処遇据置き無期契約化に取り組む動きが見られたところでございます。
 その上で2-(6)でございますが、「有期労働契約の締結事由を合理的なものに限定すべきという考え方に対する意見」を聞きましたところ、仮にそうした規制がなされた場合は、「外注化、自動化・機械化する」、「海外流出を射程に入れざるを得ない」等の対応方策を取る可能性が指摘されたところでございます。
 その上で、有期労働契約を締結する合理的事由といたしましては、例えば「臨時・一時的活用」ですとか、「新規事業の安定収益化までの調整期間」ですとか、「正社員としての採用可否を見極める試行的雇用期間」、「有期契約労働者本人が希望する場合」などについては許容してほしいとする意見が寄せられたところでございます。
 具体的に、職務タイプ別に集約いたしましたものが図表2の右欄になっております。これもかなり細かいですので、幾つかピックアップして御紹介いたしますと、高度技能活用型に関しましては正社員としての処遇に収まり切らず、年俸制契約にする必要がある場合等は有期契約を締結する合理的事由と言えるのではないかですとか、労働者自身が有期を希望する場合は除外してもよいのではないかといった意見。
 同様職務型につきましては、職場への順応状況を含め、一定期間働きぶりを観察する試行的雇用期間を設けることは必須。こうした事由での有期活用が制限されると新規採用に非常に消極的にならざるを得ないため、合理的事由として認めて欲しい。
 次のページにまいりまして、別職務・同水準型につきましては、操業変動への対応については有期契約とする合理的事由として認めてほしい。また、経営の不確実性の高い新規事業等が安定収益事業に成長するまで、一定期間の活用も工夫してもらいたい。あるいは、有期契約の活用事由には、真に臨時的・一時的な業務や、季節繁閑的・周期的な業務と、先行き見通しが立ちにくい業務という2種類がある。仮に前者は合理的で後者は非合理ということになってしまうと、もう極めて限定的な業務でしか有期は活用できず、固定化した要員に対し、業務をいかに割り振るかの裁量しかないことになる。仮にそうした法規制ができれば対応せざるを得ないが、最も可能性が高い合理的選択肢として、再び海外流出を射程に入れざるを得ないだろう。
 ワーカー部分は高卒採用に完全に切り替えてしまうかもしれないといった小売で聞かれ
た意見。あるいは、金融保険で、就労調整を試行するような軽易職務型の契約社員に完全に切り替えてしまうといったことも考えられる。もう、顧客サービスを究極まで簡素化、ダイレクト化して、IT化、システム化で初期費用を投じても、できるだけ人手を介在させない方向に流れることは考えられるであろうといった意見が見られたところでございます。
 続きまして、次のページの軽易職務型でございます。これにつきましては、正社員として処遇するほどではない業務というものが社会には明らかに存在し、労働者ニーズをくみ取りながら、長らく契約社員区分としてきた点にも配慮してもらいたいといった意見ですとか、基本的に外注化、自動化・機械化するしかないだろうといった意見。それから中ほどでございますが、正社員の労働時間管理の在りようを柔軟化してもらわなければ、1日の中での繁閑の対応といったものに対応できず、経営が成り立たなくなるといったものも見られたところでございます。
 本文の方に戻りまして、2-(7)でございます。「有期労働契約の勤続年数等の上限を定める考え方に対する意見」でございますが、仮にそうした規制がなされた場合は「勤続年数等上限に至るまでの選別を強化する」、「雇入れ時点で人物選定を厳格化したり、正社員転換を希望しない人を嗜好する」等の回避行動をとる可能性が指摘されたところでございます。
 その一方、処遇据置きの無期化であれば検討の余地もあるといった回答も少なくなく、その際には職種限定、勤務地限定等、要件の範囲に応じ、万が一雇用保障できなくなった時点での解約がどう担保され得るかが重要といった指摘があったところでございます。
 なお、勤続年数等上限を基準とするより、個別企業の事業継続性や収益貢献性に影響する一定の中核的な業務範囲、職務範囲に関しましては正社員化しなければならないといった規制の方が、実は受け入れやすいといった指摘もあったところでございます。
 同じく、その職務タイプ別に具体的に集約したものが最後の図表3となっております。これもピックアップして簡単に御紹介申し上げますと、高度技能活用型に関しましては、能力が高いため処遇の交渉力もあり、市場を通じて雇用もある程度保障されていることから、本人希望がそもそもないのではないかといった指摘。あるいは、業務契約への移行を検討することになるだろうといった指摘。
 同様職務型につきましては、採用時点及び勤続年数上限を待たない見極め段階での選別を厳格化するだろう。一方で、現行の働き方処遇のまま、契約だけ無期化すればよいのならば検討の余地もあるといった意見。能力・資質いかんによらない既得権益になりかねず、優秀な人材の獲得にも支障を来たしかねないため、反対である。
 結果として、勤続年数上限直前で満了退職になるような契約期間を設定する。あるいは、採用時点で正社員希望のない人、学生や就労調整の主婦等を試行的に選別するといった回避行動を取らざるを得ないのではないかといった指摘。あるいは、雇入れ段階で慎重にならざるを得ない。新卒同様の人物資質査定を行わざるを得ない。
 それから、最後のポツでございますが、通算勤続年数だけを基準とするのは理不尽ではないか。むしろ個別企業にとって事業継続性の確保や、収益貢献に果たす役割の観点から中核的な業務を任せられるところまで育成されたら、それ以上はすべて正社員化しなさいといった方が受け入れやすい。そうでない場合には、一定レベル以下の業務まで丸ごと子会社化し、出向扱いにするかもしれないといった指摘が見られたところでございます。
 次のページにまいりまして、別職務・同水準型でございます。中ほどでございますが、新たな社員区分、職種限定、事業所限定といった限定要件が維持できなくなった場合は契約解消特約付きの第二正社員のようなものを創設する余地はあろう。
 ただ、その際、無期化層が厚くなる分、限定特約が仮に維持できなくなった場合の解約オプションのようなものが付与されることが必須である。その上で、企業側からすれば第二正社員の組織化が行われ、均衡待遇を要請されてしまうのではないか。一方、労組側からすれば、現行の正社員から第二正社員への転換を強要されるようなことが起こってくるのではないかといった警戒感が聞かれたところでございます。
 続きまして、次のポツでございます。「すなわち」以下の下線部分で、一定期間、勤続年数上限を超えて恒常的に存在する業務についてまで、まだ先行き見通しが立たないと言い張り、有期のままでいてはならない。一定期間を超えても、なお有期でなければ成り立たない・その後の継続に自信が持てないような事業構造はつくるべきではないということであろう。
労働者も有期更新のリスクを背負って働いてくれているのだから、我々も相応の対応はやむを得ない。もし、法定化されれば前向きに対応するといったもの。
 それから企業によっては、固定化要員が増えることに危機感を感じ、海外流出するところもあるだろう。また、無期ゆえ業務量変動に応じた一時的な休業をより頻繁に行わざるを得ない状況にもなるだろう。その上で、現在の正社員区分とは異なり、職種限定の社員区分を新設する可能性は高い。問題はその後、どう職種分野で生産性向上や自動化・機械化等が進展し、余剰人員が仮に発生した場合に合法的に解約し得るのかどうか。
 現行の無期は簡単には解約できず、訴訟になれば敗訴する可能性が高い。もし、解約権留保特約付き無期のような社員区分の枠組みが仮に許されるのであれば、有期とは言いながら反復更新を繰り返さざるを得ない、現状多くの企業が直面している実態の正確な追認にほかならないため、いずれの企業も一斉にそうした社員区分に流れる可能性が高いのではないかといったものが見られたところでございます。
 最後のページでございますが、この別職務・同水準型に関しまして、たとえ勤続年数上限に達しても、労働者自身の希望に応じ、そのまま働き続けられるような選択肢も検討していただきたいといったところも聞かれました。
 軽易職務型でございます。これにつきましては、長期雇用を想定しつつ、低廉な職務のみに従事させ続けることは恐らく非常に難しいであろう。人材の新陳代謝こそが役割分担を支えているのであり、たとえ処遇据置きの無期化であっても難しい。こうした層についてまで出口規制のようなものが適用されるならば、外注化、自動化・機械化に流れるであろうといった指摘。
 それから、もはや個別企業で無期化されたからといって安心できる時代ではない。むしろ雇止めされても迅速に、できれば同じような業界内で再就職を融通できるようなセーフティネット、これは経営状態が改善したときに呼び戻すことができるリコールのような仕組みを含むとおっしゃっていましたが、それを構築する方が有効ではないか。
 あるいは、正社員・契約社員の分け隔てなく、実力本位で職務・役職を付与し、それに応じ、正社員転換の機会を開く。自分のところがやっているような仕組みである限り問題はないけれども、職務にかかわらず、一定勤続年数後、一律に無期化するのは不可能ではないか。できても、せいぜい無期の職務範囲を多少広げる程度ではないかといった指摘が見られたところでございます。
 駆け足で大変恐縮でございますが、以上、取り急ぎ概要報告とさせていただきます。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御質問がありましたら自由に御発言ください。よろしくお願いいたします。
○佐藤委員 まず、個別の論点に沿った質問というよりも、全体の傾向としてですが、ある企業なり、ある事業所なりでタイプのいかんを問わず有期契約労働者を雇っているとしますね。そのときに、同一の事業所ないし企業で複数タイプのような契約者が複数活用されているケースが多いのか。それとも、ある事業所、ある企業であればある単一のタイプが多いのか。
 つまり、いろいろなタイプが並存して正社員と、それから有期の4タイプ、あるいはパートみたいなものが、ごそっとマネージメントの対象になっているというようなイメージでとらえたらいいのか。それとも、業種なり何なり特徴に応じて、ある企業、事業所の中では、例えばプロフェッショナル型だとか、経営型だとか、そういうような割と単一のもので活用されているケースが多いのか。お気づきの点があれば、教えていただきたいと思います。
○労働研(渡辺) 資料として今回お示しはしていないんですけれども、まず前提といたしまして、その企業様における全労働力構成ということで、全労働力の活用状況を聞いておりまして、こういった形で表にもさせていただいているところでございます。
 それを確認いたしますと、同様職務型、1つの企業で別職務・同水準型しかいないですとか、経緯職務型しかいないですとか、そういったタイプが限られているわけではなく、1企業内でも同様職務型から軽易型まで広く使われているところでございます。
 そうした上で、では、どのように判別していただいているかというと、同様職務型に関しましては例えば役職に就かれている有期契約社員、1,000人程度、あるいは何百人程度が該当するのではないか。別職務・同水準型については、例えばチームリーダーと現業リーダーのようなものにつけている、このぐらいのボリュームの方が該当するのではないかとか、そういった形で分類していただいたところでございます。
 佐藤先生御指摘のように、高度技能活用型につきましては、該当する本社なり研究所なりですとか、そういったところにしか見られない。かなり限定的に見られる一方で、同様職務型、軽易職務型につきましては正社員が多く配置されていて主にいる事業所の中で複数のタイプが共存する格好で見られるというところでございます。
○佐藤委員 ありがとうございます。追加的にもう一点だけ、そういうときに1つは登用と均衡という、その雇った後の中身のところなんですけれども、何と比較しての業務の相当性になってくるのかということを鋭く問われてくることになるわけですが、そのときにはやはり基本的には事業所の中での正社員のお仕事と同等の仕事をしている場合、それとの関連でということになりますね。
 そうなってくると、1つの事業所で1つのタイプの専門職的なもの、例えば契約があったときには、ある特定の事業所の正社員の業務の同等との関係でということになってきてやりやすいのですが、複数あった場合にはどういうふうにその辺を処理しているかというのは、どのようにやっているんでしょうか。
○労働研(渡辺) 均衡・均等のところにかかる御説明ということですか。
○佐藤委員 ある事業所で、例えばAタイプ、Bタイプ、Cタイプの有期契約労働者がいたとするじゃないですか。正社員もいたとするじゃないですか。それで均等・均衡といったときにはどういう基準で考えているかということです。
○労働研(渡辺) それにつきましては論点2-(4)に関連するところとして、まず均衡・均等の取り組みをもう少し詳しく御紹介させていただきます。
 例えば、同様職務の方につきましては、割と明らかにしやすいのは、正社員と有期労働者、両方に共通の資格等級、役割・役職制度を適用しておりまして、同一資格、同一役職に位置づけられている方に関しましては基本的に同様の職務に就いている、職務の同一性が非常に高いとみなしまして処遇の均衡を図る。
 具体的に幾つか申し上げますと、例えば小売企業さんではグローバル社員とリージョナル社員ということで、グローバルの方はいわゆる無期契約の正社員、リージョナルの方は1年契約更新の有期ということでございますが、正社員のグローバル社員の方は本社の管理職、マネージャーですとか、エリアマネージャーですとか、マーチャンダイザーですとか、さまざまな役職と、あとは専門職ということでバイヤーですとか、ファッションコーディネーターですとか、そういったものにつけておりまして、これはグローバル社員、リージョナル社員とも同じような役職に就けるという整理になっておりまして、こうした場合に同一の資格、役職体系を適用し、基本給は資格給と役割給と手当で構成しており、この資格給と役割給については基本的には同一の賃金を適用している。
 ただ、手当の方には、グローバル社員には転居転勤がございますので、地域手当ということで、そこの手当は違ってくるわけですけれども、それ以外についてもリージョナル社員には基本的に同じにしております。
 賞与につきましては役割給、資格給の標準月数ということになるわけですが、リージョナル社員の方はそれに8掛けする。これは、転居転勤見合いとして8掛けしていますというところでの均衡でございます。退職金につきましては、リージョナル社員は付いてこない。
 そういった均衡の内容である場合、あるいはちょっと細かくなり恐縮でございますが、また別の小売企業さんの場合には能力成果に基づく職務・職能制度というものを、正社員と有期契約労働者、両方に適用しておりまして、有期契約労働者の中でも資格と役職が与えられると、結果として正社員と同じ変形労働時間制、年1,920時間以内のフルタイム勤務というのが求められるようになってまいりまして、一定資格役職以上の有期契約労働者を対象に同一資格、同職位にある正社員と比較して月例賃金の決め方、決まり方の両側面からバランスを図る。具体的には、資格給プラス能力給、資格給が9割方で能力給が1割方ですが、それと地域手当で構成される。その決め方を合わせ、全体水準ベースで85%から90%の範囲に入るように制度設計されている。
 それから、賞与の決め方につきましても正社員と同じ基準部分、業績変動部分の構成になっておりますが、この基準部分につきまして正社員が4か月であるところ、有期契約労働者は3か月にしているですとか、ここの企業さんではそれ以外の処遇要素につきましては基本的にすべて合わせるような取組みを労組が果敢に進めてきておりまして、通勤手当も有期契約労働者に関しては制限があったところも全額支給とか、財形貯蓄に関しても加入できるようにしたり、退職金制度、企業年金、確定給付、確定拠出の適用も図るといったところで、それ以外の処遇要素については基本的にそろえているといったところでございます。
 ほかにも事例があるんですが、細かくなるので差し控えたいと思います。
○鎌田座長 そのほかの方、どうぞ。
○奥田委員 御報告いただいた内容についての確認の質問ですので、4点ほど順番にお願いしたいと思います。
 まず5ページの処遇据置きの無期化に関する検討の余地という点で,そのときにおっしゃったのは、職種限定、勤務地限定等の要件ということでしたが、ここの処遇の据置きというのは、例えば有期と正社員という場合には賃金体系とかも基本的に人事管理も違うと思うのですけれども、そういう労働条件等もすべて据置きということですか。
○労働研(渡辺) はい。労働条件等もそういうことでございます。
○奥田委員 正社員として採用された人と有期で採用された人で賃金体系が異なれば、無期にしても賃金体系は異なるという理解ですか。
○労働研(渡辺) はい。ただ、現在存在する正社員と、新たに創設された正社員というのは、もちろん労働条件も賃金制度とかも異なるので、異なるものをそのまま移行しておりますが、そこから元の正社員の方へもちろん転換することはできますが、基本的には新たにつくられたものについては制度もそのままということでございます。
○奥田委員 わかりました。
 それから、図表2の高度技能活用型の右側の欄の介護と書いてあるところです。ほかにも何点か出てきたのですが、これはもしヒアリングとかで具体的なところをお聞きいただいていたらということで御質問するんですけれども、労働者自身が有期を希望する場合は除外してもいいのではないかという場合に、労働者自身が有期を希望する場合というのがもう少し具体的に示されていたとすれば教えていただきたいのですが。
○労働研(渡辺) 今、御質問のございました介護に関しましての回答を申し上げますと、
看護師についてなのでございますが、この看護師につきましては介護事業で訪問入浴介護を行うに当たって介護対象者の健康状態のチェックですとか、入浴させているときの体温のチェックですとか、とにかく看護師を1名一緒に行かせなければならないというところで、看護師が必須である。ですから、この会社様では看護師を正社員化したいということで、是非正社員になってくれというふうに頼んではいるんだけれども本人が嫌がる。
 それはなぜかというと、看護師の世界ではやはり人命救助と言いますか、そういった病院、医療機関でできれば働きたいといったニーズなどもあって、介護の方で一生やっていこうとは思っていないと、そういったことが聞かれたところでございます。
○奥田委員 有期ではなくて無期で働けば、逆に辞めにくいと思っていらっしゃるということなんでしょうか。
○労働研(渡辺) そういうことです。
○奥田委員 それから、最後のページの軽易職務型のところで2点ほど意味がわからない点があったんです。
 軽易職務型の上の2行ですけれども、長期雇用を想定して低廉な職務のみに従事させ続けるのは非常に難しいし、人材の新陳代謝が役割分担を支えている。そうだとしますと、なぜこの場合に出口規制がネックになるのかというのがちょっと理解できなくて、逆に出口規制があっても人材の新陳代謝には何ら支障はないと思うので、この2行がなぜ出口規制の適用に反対する理由になるのかということがちょっと理解できなかったんです。
○労働研(渡辺) この2文について説明不足であるということで、もうちょっと詳細に御説明させていただきます。
 ある一定の職務の範囲のみに労働者を従事させ続けるということは非常に難しいのでは
ないか。それは、長期継続的に雇用をしていく限り、職務遂行能力等も向上し、より高度な職務を求めようとする。また、周囲も徐々に与えるようになる。そうすると、勤続が長ければ長いほど、正社員の職務との代替制というのがあいまいになってきてしまう。
 だから、ここは1、2年程度で人材が入れ替わってもらうことである一定の職務レベルのみを担う労働力を調達している企業様でございますので、ここを出口規制を設けて処遇据置きであっても、ずっとこの処遇でやっていってくださいというようなことであっても、恐らくそういったことでは収まらないのではないか。
○奥田委員 恐らく、長期化につながるような出口規制であれば困るというふうな趣旨なんですか。
つまり、こういう場合には無期化しなければいけないとか、そういうふうな長期化につながるような出口規制というのであれば、こういうケースにはなじまないということなんですか。
 例えば、更新規制とかがあって勤続年数の上限規制などであれば同じような出口規制だと思うんですけれども、それだとすると新陳代謝にはむしろ資するわけですね。ですから、ここでおっしゃっている出口規制というのは、一定程度雇うことで辞めさせられなくなるのが困るという意味での出口規制ととらえられての回答ですね。
○労働研(渡辺) そのとおりでございます。
○奥田委員 ありがとうございます。
 もう一点だけですが、同じ軽易職務型のところで,ほかでも出てくるんですけれども、一定勤続年数後には無期化というのが必ず出てくるんですが、これは調査のときに一定勤続年数を経ると無期化されたらどうかというふうな質問だったということでしょうか。
 別に一定勤続年数を経たからと言って、必ず無期化という効果になるとは限らないと思うんですが、なぜ皆さんが必ずそれを無期化ととらえていらっしゃるのか、回答に出てくるのかというのがわからなかったんですけれども。
○労働研(渡辺) 恐らくここの軽易職務型に関しましては、具体的にどういう職務の契約者が見られていたかといいますのは図表1の方にお示しさせていただいたところでございますが、いずれも勤続等々も非常に長い労働者が多くて、つまりその企業にとって低廉ではあるけれども、なくなる職務ではないといったものが非常に多いことと関係しているかと思います。
 別にヒアリングの方で、例えば無期化ということで誘導のようなかけをしたわけではなくて、やはり勤続年数の上限を設けるといったことで、それ以上についてはどうするかということになれば、そこは無期化になってくるであろう。そこの連想が働くのは、恐らく軽易職務型がなくなる職務ではなく、恒常的にさせるために労働者をつけているケースが多い。そういったところに起因しているかと思います。
○奥田委員 つまり、もうある程度雇っていらっしゃる企業さんなので、そういうふうな現状に基づいた回答をされているということですか。
○労働研(渡辺) そのとおりでございます。
○奥田委員 ありがとうございました。
○鎌田座長 よろしいですか。
 では、ほかの方からも御発言をどうぞ。
○橋本委員 図表でお示しくださった図表1の確認をさせていただきたいと思います。
 この軽易職務型につきまして、この研究会で以前行ったアンケート調査では、正社員よりも軽易な職務に従事している者という定義だったのですが、これと同じ定義でヒアリングされたと思いますが、比較し得る正社員がいるか、いないかというところで、いる場合もあるし、いない場合もあるということで広く軽易職務型の枠がかかっているかと思いますが、この理解について確認させていただきたいと思います。
 軽易職務型の具体的例というのも右側に書かれていて、非常にイメージがつきやすくて有益だと思いますが、これらの販売補助等々の職種に正社員も従事しているということなので、仕事の内容については、同じ仕事をしている正社員がいるという理解でよろしいでしょうか。ただ、責任等々を勘案すると正社員よりも軽いという位置づけが、この軽易職務型の場合はされているという理解でよろしいでしょうか。
○労働研(渡辺) それは高度技能活用型と同じでございまして、少なくとも例えば庶務、
用務、運転専業など、これは金融保険の企業様だったと思いますけれども、そういったところでは正社員と有期契約労働者、両方へのこの職務につきましても共存させているところでございます。
 ただ、この模式図でよろしくなかったなと今、委員から御指摘を受けまして思いましたのは面積の問題です。軽易職務型が比較し得る正社員がいるというのは、非常に左が多くなっていて右が少ないようになっているかと思うんですが、軽易職務型はむしろ比較し得る正社員がいないの方の面積を広くするべきであって、そこについては本当に単純に紙幅の都合上こういうふうにしているということでございまして、そこは模式図を報告書にまとめます際には改善したいと存じますが、軽易職務型であっても先ほど申し上げましたように、例えば金融保険の運転等に関しましてはやはり情報流出ですとか、たとえこういう運転専業であっても乗せる人物によっては非常に重要であるということで正社員と有期契約労働者、両方共存させているところでございます。
 具体的な事例を今すぐ思い出せないのですが、ほかにも幾つか正社員と共存させているもの、比較し得る正社員がいるといった事例は見られたところでございます。
○鎌田座長 ほかの方。どうぞ。
○山川委員 非常に興味深い調査結果だろうと思いますけれども、1つは先ほど奥田先生の御質問にもありましたが、ヒアリング対象になった企業は正社員というものを単なる無期契約というだけではなくて、職種や勤務地が限定されていなくてさまざまな活用ができるという形にとらえているというふうに正社員転換との関係でも伺ったんですが、職種や勤務地が限定されている有期労働契約が多いかどうかという点が第1点です。
 もう一つは、口頭でおっしゃられたことでちょっと聞き逃した点ですけれども、処遇の改善に関しては企業としてもいろいろ取り組んでいるところがあるというふうにお伺いしまして、その中に近似値というような言葉が……。
○労働研(渡辺) 近似させると。
○山川委員 その言葉の具体的な内容をお伺いしたいと思います。以上の2点です。
○労働研(渡辺) ありがとうございます。まず、職種なり勤務地なりが限定されている有期契約労働者は多いのかといった点でございますが、これは圧倒的に限定されている有期契約労働者が多かったというところでございます。
 ただ、例えば中小企業等では、そもそも正社員と申しましても転居転勤ですとか異動などがないところもございますので、そうしたところではそういった人材活用の仕組みや実態という、会社パート法で言うところまで同一とみなせる有期契約労働がいるといったことになっております。
 それから、別職務・同水準型のところで本文に示さず口頭だけで申し上げて大変恐縮でございましたが、正社員の処遇要素を近似的に適用させていく取組みが見られたといったところについての説明をさせていただきます。
 具体的には、これは正社員の待遇要素を部分的に取り入れていくといったものに始まり、
あるいは月給制といったところを合わせていくですとか、賃金の決め方は異なるが全体水準として考慮する、あるいは賞与を支給していなかったところを支給するといったところが多いということで、具体的に申し上げますと、ある介護企業さんでは有期契約労働者は基礎時給と勤続能力に応じた昇給ありということで基本的には処遇されておりますけれども、この基礎時給に関しましては同様の現業についている正社員の基本賃金の時間換算水準になっている。それから、賞与も有期契約労働者にもつけているが、出勤率に応じて10万円等定額で出している。ただ、退職金はないとかですね。
 あとは、製造業の企業さんでは有期労働契約者は基本的に一本なんだけれども、同様の現業についている正社員との基本賃金と同水準まで得られるようにしている。あるいは、賞与も付けていまして4割水準は得られるようにしている。退職金も慰労金という格好で付けている。福利厚生も付けている。
 また、別の製造業さんでは、期間社員は基本的に時給制で正社員は月給制でございますけれども、フルタイム解禁すれば正社員の技能系の新卒入社程度の水準は得られるように設計しているですとか、処遇改善をし直したですとか、賞与は付いていないけれども退職一時金などを付けている。
 金融保険業の企業さんでも、フルタイム契約社員は月給制を適用することとし、基本給についても昇給があり得るようにした。完全に基本的に月給制になったとしても、もちろん正社員とは別立てではあるんですが、賞与についてもかなり少ない水準だけれども付けているといった取組みということで、こういった内容ではただ見られるところでございますが、近似させる取組みというのは以上のような意味を含めて申し上げた次第でございます。
○山川委員 ありがとうございました。今の点は非常に興味深くて、しかも多い少ないというのはヒアリング23社で議論してもそれほど意味がないとは思うんですけれども、しかし、今のお話からするとヒアリングされた企業の中ではそれなりの数の企業でそういった取組みがなされていたという理解でよろしいのでしょうか。
○労働研(渡辺) 23社中何社というふうにはカウントしていないので今はっきり申し上
げることはできませんが、少なくとも半分以上ではあったと思います。
○鎌田座長 では、ほかの方からありませんでしょうか。
○阿部委員 1点だけですけれども、有期労働契約の例えば勤続年数ですとか、あるいは均衡処遇ですとか、そういった規制が強くなった社員ですね。いろいろとヒアリングの結果、有期労働契約対象者の方の雇用をどうするという話が出たと思うんですが、正社員に対してどういう影響があるかというお話はあったのでしょうか。
○労働研(渡辺) どうもありがとうございます。先ほど読み飛ばしてしまったのですが、
正社員に対する影響というのももちろん御指摘がございました。それは企業側からも聞かれたところでございますが、このヒアリングの中には労使とも聞いたものも含まれておりまして、その場合には労組側からの指摘という格好で得られたところでございます。
 具体的に申し上げますと、1つは企業側からの指摘といたしましては、例えば入り口規制の方の図表2の右欄の方でございますが、2ページ目の別職務・同水準型のところでワーカー部分は高卒採用に完全に切り換えてしまうということで、正社員の雇用に切り換える可能性があるとかです。
 あとは、今すぐ探せないのですが、正社員も含めて一時的な休業のようなものを、より繁閑に行わざるを得ないといったところです。
 それから、主に労組の方から特に指摘されましたのは、小売企業の方で恐らく企業側は要員数を相当絞って、できるだけ残業で対応するような形に持ってくるであろう。そうすると、実は有期契約労働者がいることによって労働時間のワークライフバランス等々に自分たちも利益を得ている側面があるので、そこに関してはかなり長時間労働を強いられてくることになるであろう。なので、正社員の労働時間管理の仕組みというのも実は変えていただかないと対応できないだろう。
 あとは、先ほど申し上げました処遇据置きの無期化のようなところで新たな正社員区分が設けられてくると、現行の正社員の方からそちらの方に転換させられかねない人が出てくる事態が予想されるのではないか。そういった意見が見られたところでございます。
○労働研(新井) あとは、ヒアリングの中で正社員の区分、いわゆる無期契約の部分を2種類に分けてしまうと、入れた時点では何も問題が起きなくても、だんだん正社員と無期契約では無期契約の人の方に不満が高まってきたり、長期的に見るとそういうことも起きかねないのではいかとか、そういう意見もありました。
○労働研(渡辺) もう一つ、阿部先生からちょうだいした貴重な御指摘に関連いたしまして、介護企業で処遇据置きの無期化を導入して、実際に職場でそれがどのように受け止められたかということを御紹介したいと思います。
 ちょっと読み上げさせていただきます。介護企業さんで、こちらの企業さんでは基本的には正社員につきましては管理職に就いている人というふうに限定してきたところでございますが、今年の4月に正社員の専門職区分というものを新設し、契約社員の月給者を現行待遇のまま無期化するという取組みを行ったところでございます。
 それで、介護サービスの提供拠点というのは管理職として課長クラスの方、それからセンター長ということで部長クラスの方といった管理職のほかに、訪問介護特有のサービス提供責任者ですとか、デイケア特有の生活支援相談員等、法令基準にのっとった有資格者というものを置く必要がございます。
 これまでは管理職部分に限り正社員総合職扱いとして、有資格者につきましては月給制ではあるけれども契約社員ということにしてきたのですが、ここを変えたというところでございます。
 それで、これまでももちろん正社員総合職への登用制度というのは04年に導入してずっとやってきていたわけですけれども、全国転居転勤というものを要件にしていたためハードルが高く、現状、地域内勤務の働き方となっておりますので、それを超えるものはなかなか難しかった。かといって、ここを正社員化するに当たっても、企業の側として現行正社員の待遇の方に基本的に合わせてしまうというのは経営上非常に難しい。
 そうであるならばということで、待遇をスライドさせて単純に無期契約化するだけでも、労働者には十分雇用処遇を安定させたいという企業側のメッセージが伝わるだろうということで取り組んだところでございます。
 それで、実際にそのような提起をいたしますと、現状の働き方は自分たちの貢献に照らせば当然であろうといった受け止め方が労働者の中でも大勢であった一方で、拒絶する労働者もいて面食らったということをおっしゃっておりました。それは、単純に無期化するだけですというふうに説明しても、現行処遇のまま拘束性、責任性を高めるつもりだろうといった杞憂が拭えなかったため、あるいは仕事は好きだけれども一生この会社で働いて、上まで目指そうとは思っていないといった反発もあったということで、結果としては全員を一斉転換するのではなく、本人選択にゆだねたということになりました。
 一方、労組側でございます。この提案自体は会社の方が行っておりまして、労組側はそれを受け止める格好になったわけですが、労組として契約社員月給制部分の正社員化は強く要求し続けてきたため、それ自体は問題ない。
 ただ、現行待遇のまま単純に無期化するというのは本意ではなく、容易には受け入れ難かったが、妥協する格好になった。
 というのも、正社員総合職というのがこの会社では1,500人おりますが、圧倒的に数の多い正社員専門職、3,000人を超えておりますが、この3,000人を超える専門職が処遇据置きの無期化で新たに正社員ということになったことで、より低い待遇への置換えを連想させ、危機感が募った。
 現在、考えると会社は一気に3,000人も固定化したのだからすごい決断をしたとは思うが、結局のところ、組合員の中には、介護業界は今は人手不足でございますので、いいことを言って自分たちの労働力をつなぎ止めようというのだろうという反発で、契約社員月給制のままとどまる人も出てしまったというところでございます。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。
 ほかに御発言はありませんでしょうか。
○佐藤委員 1点だけいいですか。正社員転換のところですが、4ページから5ページにかけては能力に応じて一定のプロセスを経て正規の転換方式が整備されつつあったという御報告がありました。そういうことで、実績ということで今回はこれまでの転換者数とか応募者転換率等もお調べになっていると記載されているのですが、何かデータがありましたら教えていただけますでしょうか。
○労働研(渡辺) 具体的には、それこそ各社各様でいろいろあるのですが……。
○佐藤委員 高いところで言うと、例えばどんな感じですか。
○労働研(渡辺) 1つ比較で申し上げますと今、佐藤先生が御指摘いただきましたのはこのステップアップ式のキャリアゴール型の転換制度の方かと思いますけれども、キャリア併存型の転換制度に関しましては基本的に希望すればよしということですので、面接等だけで認めるということでございまして、転換率は9割以上です。
 一方で、ステップアップ式のキャリアゴール型に関しましては対応募者、これは制度の性質上いろいろあるのでございますが、広く機会を募っているケースに関しましては対応募者合格率で2割、3割程度といったところがよく見られるところでございます。
 ただ、その正社員転換に応募し得るまでに上長の推薦などを非常に強い要件として求めていたりしますと、職場の暗黙の了解といいますか、職場の承認を取り付けるような格好になりますので応募しにくい。そういった場合には、対応募者合格率としては高いけれども、そもそも応募者が限られるというところがございますので、そこはちょっと判断が難しいと思います。
○佐藤委員 分母はもっと大きい絞られたところで出てくるので、その絞られたところを分母にするとかなりの率になるけれども、もう一つ下にもう少し潜在的な希望者が大きな分母としてあるということですね。
 そうすると、総じてというのは難しいと思いますが、整備の仕組み、整備のところはある程度いっているけれども、実績としては思わしくないという評価をしてよろしいのでしょう
か。全体の印象でいいです。今のは、高いところの例ですね。
○労働研(渡辺) 正社員転換制度自体は設けているけれども、実際にそれが実績をたくさん上げているかというとなかなか難しい面もあるというところかと思います。だから、そこは正社員転換制度だけにゆだねていても、正社員に転換される人がすごく増えるというものではないということでございます。
○鎌田座長 ほかにありませんか。どうぞ。
○荒木委員 処遇据置き無期契約化の話ですけれども、処遇据置きという意味が無期化した後も賃金体系は何も変わらないというものなのか。それとも、有期契約社員ではありませんから、今の状況はいきなり理念系としての正社員のところまでは上げないけれども、勤続が長くなるに従ってだんだん基本給も上がるとか、そういうことも含んだ意味でとりあえず現状の労働条件のまま無期に移す。でも、その後もずっと据え置くということを前提に議論がされているのか、されていないのか。そこがよくわかりませんでしたので、教えていただきたいのが1点です。
 もう一つは、企業の反応で正規と無期と全く2つに理念系として分けて、正規社員の処遇についてはひと昔前の年功賃金を前提に議論されているようですが、御承知のとおり年功賃金を克服するために職能資格制度で、職能資格制度も年功化したので更には成果主義といろいろな工夫をして、正社員の中でも今、非常に処遇は多様化しているはずなんです。ですが、この話になると突然大昔の年功賃金の正社員として扱えというのは無理だというふうな反応のようにも思えるのですが、そこの点ですね。
 つまり、正社員の中で第一正社員、第二正社員と分けるのは不満があるということもありましたけれども、既に正社員の中が相当多様化しているのではないかと思いますが、ヒアリングの印象でそこの感じはどうでしょうか。現在の正社員の中が多様化していることを踏まえた上でも、無期化することで非常に正社員に大きなインパクトがあるというような印象だったんですか。それとも、念頭に置いているのが年功的な正社員を想定すると、それと違う新しい類型をつくるのは非常に問題があるということだったのでしょうか。その辺は印象でも結構なのですが、教えていただければと思います。
○労働研(渡辺) まず1点目につきましては、処遇据置きの無期化ということで、先ほど介護企業様の方で管理職だけでなく有資格者の方についても正社員処遇据置きの無期化ということで新たな正社員化したといったところで申し上げましたけれども、この方たちはそもそも事業に不可欠な存在ということで認識されておりますので、例えば基本給と言っても介護業界は経営が厳しいのでなかなか仕組みとしてあっても凍結とか、いろいろ事情があるということはあるんですが、そういった方につきましても基本給一本でずっと据え置かれて使われているというところではなくて、そもそも昇給の仕組みもあるしというところで、基本賃金につきましては昇給の仕組みをもともと持っているというところでございます。
 ただ、正社員にするということではございますが、この方たちは退職金なしの正社員であるといったところにつきましては、新たに処遇据置きの無期化ということであっても、ではこれからは退職金を付けるようにしましょうとか、すぐにそういうふうにはならない。とりあえずは処遇据置きの無期化であって、その後どうしていくかというのは労使の取組みであるというふうにおっしゃっていました。
 それで、処遇据置きの無期化に関しましては、先ほど申し上げました介護企業さんのほかにも、実は幾つかそれに類するものをやろうとしているですとか、やることを労組が提案し、企業側が拒否していて交渉が決裂しているですとか、いろいろ見られたところでございまして、処遇据置きの無期化というのは無期化する、この時点において一気に処遇を改善するというのではなくて、やはり契約だけとりあえず変える。そこが労使ともに実は取っ掛かりやすいのかなという印象があったところでございます。
 それで、2点目につきましては正直なところ、私の力量を超える難しい御質問かと思います。ただ、今後報告書をまとめる上でいろいろ考えさせていただく貴重な御指摘をちょうだいしたということで今、伺っていたわけでございますが、荒木先生に御指摘いただいて今ざっと思い起こしてみますと、確かに正社員の賃金というのは年功的なものから徐々に変わってきているわけではございますが、逆に申しますとは処遇据置きの無期化ということで、やはり処遇は違うところを明確にした上での無期化であればというふうにおっしゃったところは、逆に言うと正社員が依然として年功的であるところが多いような印象があるかとは思います。
 一方で、正社員の賃金に関しましても職務給の要素が強く、職務職能にしてきているようなところにつきましては、そもそも正社員と有期契約労働者で資格等級、役割・役職の同一の物差しを適用するといった取組みをするところも見られておりますので、そういったところでは出口規制に関しましても余り抵抗感なくといいますか、そういった印象が感想としては持てるかと思います。申し訳ございません。
○荒木委員 ちょっと離れたことを聞きましてすみませんでした。
○鎌田座長 よろしいですか。
 最後に私から1点だけ、図表1ですけれども、有期労働者の職務類型ということで4タイプに分けて、しかも右側に細かな職種、職務を挙げていただいて非常に参考になったのですが、当初こういうようにタイプを分ける上で、こういうふうなタイプが企業側に理解していただけるようにうまく伝わるかどうかということも私どもは非常に心配したところであります。
 もちろんヒアリングの際にこういうタイプ別についてまずは御説明をして、どのぐらいいますかというようなことでヒアリングをしていたんだろうと思うんですけれども、この挙げられている職務、高度技能活用型などは割と職務でかなり特定してきているような感じがするんですが、あとの同様職務型とか、別職務・同水準型とか、軽易職務型というのは、ここに挙げられた職務だけではなかなか特定は難しかったのか。それとも、大体こういうような職務を挙げていくと、いわば23企業に限っての話なんですけれども、他の企業でも大体共有化できるといいますか、そういったようなイメージでとらえた方がいいんでしょうか。その辺はいかがでしょうか。
○労働研(渡辺) まず、ヒアリングを行います際には、当初は実態調査をこちらの研究会で行っていらっしゃるかと思いますけれども、あの定義に基づいて聞きましたところ、高度技能活用型に関しましては余りブレはない。一方で、軽易職務型につきましても一定数についてはブレがない。
 ただ、同様職務型、ここは有期のまま正社員同様の役職に登用しているようなケースは明らかにここに該当してきますし、一方で試行的な雇用期間の方についてはその方がどれだけ可能性が高い方として雇われているかによって同様型の職務を任せるときもあるし、別職務・同水準型にしているときもあるし、とりあえず採ってみようということであれば軽易に入れるところもあるといったことで、ちょっとばらけてきたりいたします。
 その上で、企業の方で若干企業とのやり取りでここまでの整理を行うに当たって必要となりましたものは、1つには別職務・同水準型がやはり言葉の別職務というイメージからするとどうなんだろう。ちょっとよくわかりませんというような御指摘も多数あったところでございまして、それは1つには正社員と有期で職種自体を分けているケースに関しては明らかに別職務だというところで、ただ、同じ水準なのか、そこが軽易なのかといったところについてはどうしようといった質問でございますとか、あるいはA領域の部分ですね。
 これは、同じ中核的業務の内容ですとか構成につきましては同様と言っていいかもしれないけれども、責任の程度が違う。若干軽いといったものについてはどうしましょうか。それは同様職務とは言えないけれども、軽易と言ってしまうほど業務が例えば単純ですとか、責任が全くないですとか、そういったことではなくて、業務の上では、現業を行う上では自立的な判断もある程度要する。けれども、同様職務と言うことはできない。
 そういったところについては別職務・同水準型でというふうに位置付けてもらったところがありますので、ここについてはこういった例示といいますか、少し判断の基準となるようなものがあれば、企業でもそれは類型化してくださることは可能かと思います。
○鎌田座長 ありがとうございました。
 ちょっとまとめると、これで切り出しても高度技能活用型はそうブレがない。あとは、同様職務型、別職務・同水準型、軽易職務型について言うと、軽易職務型はいろいろ各企業の個性はあるけれども、切り分け可能なところではないか。同様職務型と別職務・同水準型というのはなかなか切り分けに苦労したという感じでしょうか。
 どうもありがとうございました。以上でヒアリングは終了したいと思います。
 それでは、前回の議論の内容につきまして少し戻りまして議論したいと思います。前回の論点に即した議論を始める前に、奥田委員の方から何か御発言があればよろしくお願いしたいと思います。
○奥田委員 前回、欠席させていただきましてどうも失礼いたしました。前回の論点であった雇止めという部分について、もう既に前回の研究会の際に諸先生方からいろいろ論点を出していただいていますので、特に付け加えるところで重複する点は省かせていただいて、大きく分けると3点だけ少し発言させていただきたいと思います。
 まず、雇止め法理をどう考えるのか。内容的に予測可能性が難しいことであるとか、それから雇止め法理自体をどういうふうに今後扱っていくのかということが一つの論点として出てきていると思うんですけれども、考え方として雇止め法理自体は判例法理としてはかなり定着していると思いますし、それから個別紛争の実務でもそれなりの基準として通用しているものですし、また諸法規、例えばパート法の8条2項の解釈基準とか、そういうところでも雇止め法理の基本的な判断基準みたいなものがほぼ定着して機能しているというふうに理解しております。そういうふうな点を考えますと、何らかの形での明文化というか、そういうふうなことがひとつ考えられるのではないかと思います。
 ただ、その際には,ほかの先生方も指摘されていましたように、その内容自体が非常に予測可能性の低いものということで、仮に明文化するとしてもどういう形でするのが望ましいか。あるいは、するとしてもどういうふうな整理が更に必要なのかということが重要なポイントになってくるのではないかということが1点、考えているところです。
 それからもう一点は、今日のヒアリングのところでもいろいろと興味深いデータを出していただいたんですけれども、有期であることの実質的な意味があるものとないものにはやはりどこかのラインで区別することも考えられるのではないかというふうに、この間のいろいろな議論の中で考えております。
 例えば、有期である以上は当然期間満了で終了するという前提なはずです。ただ、一方でなぜいろいろな議論が出てくるかというと、実質的には期間満了ではなくて何らかの理由で終了しているというものがあると思います。その際に、たとえ更新があったとしても上限設定が明確に合意されているようなものであれば期間満了での終了と考えられるとか、あるいは一方で期間を定めているんだけれども、今回のデータでも出てきましたように、実質的には継続的になっているものとか、それをどこかで何らかのラインで区別するというふうな方向性があり得るのではないかと思いました。
 あくまで一つの考え方としてですが、更新回数とか、全体の延長期間の制限であるとかで考えますと、一定程度の更新回数、一定程度の延長期間に関しては、やはり期間満了で終了というものが通常のルールどおりなじむのであろうけれども、一定期間を超えれば期間満了での終了はなじまないというものが恐らく出てきます。その辺りが、実際には問題になってくるのだろうと思っています。
 ただ、先ほどのところでもちょっとこだわったのですが、ではそういうふうなラインを引いた場合に、それがイコール無期化なのか、あるいは一定の更新回数を超えた場合には雇止めに合理的理由を求めるというルールなのか。幾つかの選択肢、考え方というものがあると思いますので、その辺りも検討の素材になっていくのかと考えています。
 もう一点は、これは具体的なイメージがまだわいていないので今後の検討ということですが、この間、この研究会でもいろいろとタイプ分けをしている有期契約労働者の実態というものを把握して、それを前提として議論をしていくということを考えてきましたので、まさに有期契約労働者が多様化している、質的にも多様化しているということを前提に、そこを明らかにして議論をしてきましたので、それは例えば均等待遇とか、均衡とか、そういうふうなことを考える際に役に立つのかもしれませんが、場合によっては雇止めに関するルールの在り方に関しても、そういうタイプ分けでのルールの在り方というものが有効になり得るのではないかと考えましたので、その点も更に検討を加えていきたいと思っています。大きくはその3点です。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これまでの論点全体について御議論いただきたいと思います。ここまでの議論について、論点全体を通じての議論、または取り分けこれまで余り議論がなされていなかった点について御議論いただきたいと考えております。時間が少し押しておりますので、恐縮ですが、御協力をよろしくお願いします。
 事務局で資料を用意していただいていますので、修正を加えた点やこれまでの議論が少なかった部分を中心に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○富田調査官 それでは、資料2をごらんいただきたいと思います。
 前回の議論を受けまして、事務局の方で1点だけ修正を入れております。
 資料2の5ページのところでございます。その真ん中辺りの「諸外国の法制との比較」というところの1つ目の丸でございますが、ここは前回お出しした資料では「諸外国の法制においてはEU諸国のように」というふうに、そこの入り口規制が厳しいというふうなところを例示で挙げていたのですが、EU諸国も御案内のとおりさまざまでございます。イギリスのように入り口がなくて上限規制を行っている国もございますので、ここは明示的に「フランス」というふうなことで誤解のなきように修正をさせていただいたということでございます。以上が修正でございます。
 それで、本日、先ほど座長から御案内がありましたように、全体の御議論をいただきたいと思っておりますけれども、7回の論点の入り口、それから8回の均衡、正社員転換等のところについては大分御議論いただいたと思うのですが、第9回の前回の御議論の中で少し議論が少なかったところだけを紹介させていただきたいと思います。
 まず、4ページ目の一番下のところでございます。「現行法制の評価」の2番目の丸でございますが、本日JILPTの方から御紹介いただいた資料にもありましたけれども、契約期間が諸目的に照らしても短いということにそれほど配慮されていない例も実態としてあったというようなことがございました。それで、この契約期間の細切れ化の問題については余り議論がなされなかったと思いますので、この点について何かありましたらと思っております。
 それから、「諸外国の法制との比較」の2番目の丸でございますけれども、ここではフランスの例を紹介させていただいております。フランスでは、契約終了後に労働者が不安定な状態に置かれることを防止するための手当の支払いというものがあったりしますけれども、そういった点についてはどう考えるのかというようなこと。
 それから、「その他」の2番目の丸でございますけれども、これも現行法制上どれだけの意味があるのかという問題がありますが、一定勤続年数後、一定期間を置いたときに再び雇用されるというクーリング期間の問題、これは恐らく継続勤務とみなされないように間を空けているという問題があるということでしょうが、その辺についてもどう考えるのかということについて御議論がありませんでしたので、もしありましたらお願いしたい。
 その他、一番下のところでございますが、こういった規制的な話のほかに、例えば教育訓練の話とか、ほかにも対応すべき施策があるのかという点についてもねもしお時間がありましたらお願いしたいと思っております。私からは以上でございます。
○鎌田座長 ありがとうございます。
 それでは、論点全体を通じての議論でありますけれども、できれば今、御紹介がありました前回議論がまだ不十分であった点について御意見をいただければと思います。
○奥田委員 議論の仕方として、どう考えていくかというところがはっきりわからないのですが、先ほど御指摘のあったフランスの契約終了手当などは、以前に紹介させていただいたように、有期契約の利用がかなり限定されている中で、限定されて利用している有期契約の終了の際に支払われるものですので、そのほかの規制との関連を見ていかないとなかなか判断しにくいなということがあります。同じようにクーリング期間に関しましても,更新での継続という期間を相当程度限定して、その中でもし継続するとしたらクーリング期間はどうかという話ですので、ある程度制約をするという前提の下での話になるかと思います。
○鎌田座長 おっしゃるとおりです。つまり、どういうような規制をするかというイメージがないと、今の話はしづらいということであります。
 では、難しい議論なんですけれども、私の方でも議論の一つの材料として契約終了手当の話ですが、例えば現在雇止めに関して判例法理でありますけれども、雇止めの一応無効という形なんでしょうか。その法的性格はいろいろあるんですけれども、無効という評価をします。それで、雇止め無効に対して金銭的な手当を支払う。金銭保障するというようなことが法技術的にできるのでしょうか。
 無効という判断と、無効ならば無効なんですけれども、それと同時に要するに金銭保障する。もしそれが技術的に難しいということであれば、要するに単純に雇止めの有効、無効の問題とは別立てで契約終了手当てという仕組みをつくるということになるんでしょうか。
 これは全く仮定の話なので、技術論と絡んでいるところなんですけれども、解雇の問題と違うんですが、ちょっと似ているところもありまして、これは昨年ずっと労働契約法の中で議論があったところでもあるんですけれども、どういうふうに考えたらいいかというところです。
○山川委員 ごく単純に言えば、雇止めがいわゆる無効になった場合は契約が存続する、更新されたものとされるという理解です。そうすると契約があることになって、それを合理的な理由なく使用者が労働させなかったということになるのでしょうから、賃金債権が発生する。
 したがって、それは賃金債権であって、独自の契約終了を前提とする手当とはちょっと別になりまして、それとは別に判例の中には損害賠償という構成もあるのですが、そうすると契約が存続し、賃金債権があるということと、損害賠償などのいわゆる金銭請求というのはどういう関係にあるのかということを整理しないといけないかなという感じはします。
○荒木委員 私も同様なんですけれども、要するにフランスなどは基本的に差別などの解雇は無効になりますが、普通の解雇は金銭解決が原則なのでお金の話になっているんです。
 日本の場合は、解雇そのものは無効になりまして雇用関係存続で、雇止めの場合も解雇権濫用法理の類推適用なので同じように雇用関係が続くということですから、お金を払うという話は本来は出てこないのですが、労働契約研究会で解雇の金銭解決について議論をしたときに実務家の先生方から、金銭解決という問題を入れるんだったら最も入れるべきところは有期契約の場面ではないかというふうなことを聞いたこともあります。
 ですから、日本の解雇は無効になる、あるいは雇止めが無効になるということとの絡みでは、それを金銭的に解決することについての困難性と同じような議論はやはり出てくるかと思います。
 それから、ついでに申しますと、このクーリング期間もそうですし、金銭解決もそうかもしれませんが、奥田先生が御指摘のようにどういうルールをつくるとそれに違反することによって、あるいはその効果が生じないためにどれだけクーリング期間を置くのかとか、あるいはそれに対して金銭を払うのかという本体の規制が決まらないと出てこない問題だろうと思います。
 ですので、先ほど奥田先生の発言の議論に続けて申しますと、利用可能期間を一定年数とか一定回数に限った場合に無期化をしてしまいますと、恐らく金銭の保障とか、そういったものは多分普通は出てこないのではないかと思います。
 しかし、その効果が合理的な理由が必要だということになってくると、その中で一定の金銭が払われていることも考慮した上でそれを判断してよいのかということになってきますので、それとの関連でやはり議論しないと難しいのかなという気がしました。
 それで、ひとつ奥田先生にお聞きしたいんですけれども、フランスはそもそも客観的な事由がなければ有期契約は締結できませんね。有期契約は客観的な事由があるので反復継続可能なんでしょうけれども、その場合に日本のような雇止め法理みたいなことが、つまり客観的な事由はあるけれども、なお切れないというふうなことが出てくるんでしょうか。雇止め法理のような雇用継続を強制するような法理は出てくるのでしょうか。
○奥田委員 まず2つあるのですが、いろいろな事由の中でルールの適用の仕方が違うので、一番単純なもので言えば、仮に客観的理由があっても更新は2回までで全体は18か月という枠がまずあって、そこはもう決まってしまっているということがあります。
 ただ、もう一方は先ほどのクーリング期間を挟んで、これは更新ではなくて継続ととらえるのですが、それはクーリング期間を挟むことで認められていくということがあります。ただ、余り日本の雇止め法理のようにこの手の訴訟が多いわけではないのですが、中にはクーリング期間を挟んでほとんど常態化しているようなものが日本の雇止め法理のような形で問題になったことはあります。
 恐らく効果としては無期のみなしということになったと思うんですが、そういうケースはあります。
 でも、それは訴訟としては非常に限られたケースですので、雇止めの合理的理由がないからという日本と同じようなケースは出てこないんですが、継続がルールに基づいてクーリング期間を挟んでいるんだけれども、実際にはものすごく恒常的になっている場合に、いわゆる濫用というふうな形で違法だとみなされたようなケースがある。
 その2つくらいに分けられると思うので、多分先生が今おっしゃったような形で対応するようなものは出てこないと思うんです。
○荒木委員 要するに、更新は2回までというのがあるので、その効果をチャラにするためにクーリング期間というのが観念され得るわけですね。
○奥田委員 更新自体は、更新の理由があれば問題ないのですが,全体で18か月という上限があります。とにかく更新を挟んでも全部で18か月で、更新は理由がちゃんとあれば2回は問題ないんです。クーリング期間とは別になります。
○荒木委員 継続でそのまま18か月以上になれば無期とみなされるわけですよね。ですから、クーリング期間を置く。
○奥田委員 そうですね。それよりも更に継続するという形であれば、クーリング期間をはさんで継続することになります。
○荒木委員 韓国は、有期2年という条件だけなんです。更新回数については規制をしていないので、2年の中で例えば1か月だと10回以上更新されますね。そうすると、2年という利用可能期間の中で更に雇止め法理のような問題が生じ得るのかということが今、議論になっているらしいんです。
○奥田委員 それは、18か月の中での更新ということですか。
○荒木委員 フランスは2回までで、ドイツは客観的な理由がない場合に2年の中で3回までという更新なので、そもそも日本で言う雇用継続への期待が恐らく生じないので議論する必要はないと思うんですけれども、韓国のように更新回数は規制せずに2年だけという利用可能期間だけをやっていると1か月の契約は23回、更新があり得るわけです。そうすると、その利用可能期間の中での雇用継続の期待というのはあるのか、ないのか。
○奥田委員 可能期間の中で更新がされなかったようなケースですか。
○荒木委員 例えば、更新して2年まで使っていいわけですね。だけど、もう10回更新したら普通の雇止め法理でいくと雇用継続の期待があると言われてもおかしくないかもしませんね。そういう問題があるので、利用可能期間の規制の場合と回数の規制の場合と、その組合せによっていろいろな場合があるんだなと思ってちょっとお聞きしたんですけれども。
○奥田委員 その更新の際に更新理由があったかなかったかという争いは結構ありますが、
そこで例えば期待が発生しているかどうかというのは,私か知る限りではほとんど見ないです。
○荒木委員 要するに、客観的な事由があっても更新は2回までで18か月までということですね。
○奥田委員 そうです。
○荒木委員 その客観的な理由は、同一使用者の下で部署が違って、違う理由で客観的な理由があるということもありますね。A部署ではAという事由で、同じ使用者のB部署ではまた違う事由で客観的に有期契約を締結できる。その場合でも、同一使用者の下では2回、18か月というのはかかってくる。
○奥田委員 それは、同一労働者についてどうか、同一職務についてどうかということになりますが、いずれにしてもそれは結局,更新ではなく継続の問題なんですね。クーリング期間を挟んだ継続の問題ということになります。先ほど2つに分けた後者の問題になってきます。だから、クーリング期間を挟めば可能な場合とそうでない場合というふうな、そこの部分で争われることになります。
○荒木委員 つまり、更新2回とか18か月というのは使用者単位で見るということなんですか。つまり、同一労働者と同一使用者の間で客観的事由は変わったとしても更新は2回まで、18か月までという枠はやはり適用されるということですか。
○奥田委員 その労働者の職務についてですけれども。
○荒木委員 その労働者が別の職務で別の有期契約締結事由で、同一使用者に例えば18か月を超えて雇われたという場合に、新たな契約は無期となってしまうか。
○奥田委員 それはクーリング期間を挟んだ継続の問題です。
○荒木委員 クーリング期間を置かないと、やはりいけないということですか。
○奥田委員 クーリング期間が適用されないものも幾つかあるんですけれども、適用される場合はクーリング期間を挟んでということです。
○鎌田座長 実は、私もちょっとよくわからないところがありまして質問したいところなんですけれども、フランス法も含めて、ドイツ法も含めて、だんだんとEUでも相当いろいろ違うなということはわかってきたんです。
 それで、どこかの機会で諸外国の、特にEUについては今のような視点も含めてもう一度再整理をするというふうにして、その際には御報告いただいた先生方に再度御足労いただくといいますか、お時間をいただく。報告という意味ではなくて、その資料をつくる上で事務局が中心になってつくっていただく中で今、言ったようなことについて新たな項目を立てて少し整理をするというふうにしたらいかがでしょうか。
 皆さん、それぞれ違うということは何となくわかってきたんだけれども、どう違うかということがいまひとつよくわかっていないところもありますので、よろしくお願いしたいと思います。
○奥田委員 荒木先生の先ほどの件ですが、1点だけいいですか。
 同じ職について連続した利用の場合にはクーリング期間が必要ということですので、同じ労働者に関してはやはり無期のみなしの対象になる。例外もありますけれども、原則はそうです。だから、同じ職についてクーリング期間が必要ということです。
○鎌田座長 あとは、契約期間の細切れ化の話ですけれども、実際に契約期間の細切れ化が進んでいるかどうかということについてデータがあれば御紹介いただきたいのですが。たしか、以前御紹介いただいたところであったと思うんですが。
○富田調査官 お手元に、前回の第9回の有期研の資料がファイルの中に入っているかと思いますけれども、資料ナンバーで言いますと3-2になります。
 この3-2の(1)で初めは事業所調査ですけれども、1回当たりの契約期間というものがあります。ここで、単純に比較はできないんですけれども、17年の調査と今回の調査とを比較したところ、少し短いところの比率が高いように見えるというふうな感覚的な表現で恐縮ですが、そういうふうなものがございます。
 それで、2枚ほどめくっていただきますと、今度は個人調査がございます。こちらの方はやはり同じく(1)の現在の契約期間で、これが1回当たりの契約期間を指していますけれども、これもごらんいただきますと、例えば3か月超6か月以内というのが17年ですと18.4から22.5になったりとか、2か月超のところでも下が1か月から3か月の場合ですけれども、それに比較してもちょっと多くなっているようなものが出ているというデータがございます。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。仮に細切れ化が進んでいるとしても、その背景というところまではわからないんですね。
○富田調査官 背景は、恐らくヒアリングの中で幾つかの方が御紹介されていたような、例えば事業の不透明性であったり、個人の見極めの話だとか、そういったことが挙げられていたかとは承知しております。
○鎌田座長 ほかに御発言はございませんか。
 では、特に御発言がありませんようですから、今日はこの程度にしたいと思います。
 それでは、今後の日程等について事務局から説明をお願いいたします。
○富田調査官 次回の日程でございますけれども、年明けになろうかと思いますが、現在調整中でございますので、委員の皆様には改めて御連絡させていただきます。
○鎌田座長 それでは、以上をもちまして本日の第10回研究会は終了させていただきます。貴重な御意見をありがとうございます。また、御報告をありがとうございました。
 
(照会先)労働基準局総務課政策係(内線:5587)