劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)に関するQ&A
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について一般の方々に理解を深めていただけるよう、Q&Aを作成しました。なお、今後の知見の進展等に対応して、逐次、このQ&Aを更新していくこととしています。
よくある質問
Q1. 日常生活ではどのようなことに気をつけたらよいのですか?
劇症型溶血性レンサ球菌感染症に限らず、多くの感染症の予防には、手指衛生や咳エチケット、傷口の清潔な処置といった、基本的な感染防止対策が有効です。
また、発熱やせきや全身倦怠感などで食事が取れないなどの体調が悪いときは、かかりつけの医療機関などを受診しましょう。
「すぐに病院に行った方がよいか」や「救急車を呼ぶべきか」悩んだりためらう時に、医師・看護師等の専門家からアドバイスを受けることができる救急安心センター事業【♯7119】に電話相談しましょう。
♯7119導入地域については、消防庁のウェブサイトをご参照ください。
Q2. 劇症型溶血性レンサ球菌は海外でも増えていますか?
世界的にCOVID-19の対策が緩和された2022年以降、多くの地域で増加が確認されており、昨シーズン流行した地域もあれば今シーズン流行している地域もあります。このような増加傾向については日本に限定されるものではありません。
Q3. なぜ近年増加しているのですか?
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者数が増加している理由は必ずしも明らかではありませんが、2023年の夏以降、A群溶血性レンサ球菌による急性咽頭炎の患者数が増加していることが要因の一つである可能性があると考えられています。(劇症型溶血性レンサ球菌感染症の原因となる菌種としては、A群、B群、C群、G群レンサ球菌が主なものとして知られています)
Q4. 劇症型溶血性レンサ球菌感染症の治療薬はありますか?治りますか?
ペニシリン系抗菌薬と呼ばれる抗菌薬が第一選択肢であり、使用される抗菌薬自体は一般的に使用されるものです。しかし、抗菌薬による治療のみでは改善が困難な場合が多く、緊急手術による広範囲の壊死(えし)した病巣(びょうそう)の除去や集中治療室での全身状態の管理を要する場合があります。
Q5. 劇症型溶血性レンサ球菌感染症のワクチンはありますか?
現在のところ、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、その原因である溶血性レンサ球菌に有効な薬事承認されたワクチンはありません。
海外への渡航を検討されている方へ
Q6. 劇症型溶血性レンサ球菌感染症が増加している国への渡航はやめたほうがよいでしょうか?
世界保健機関(WHO)は、この感染症が稀に引き起こされるものであること等を踏まえ、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を含む侵襲性A群レンサ球菌感染症が流行している国への渡航について、いかなる制限も推奨しないとしています。
海外から日本への渡航を検討されている方へ
Q7. 劇症型溶血性レンサ球菌感染症が増加している日本への渡航は延期したほうがよいでしょうか?
日本への渡航を予定されている方については、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の流行を理由に旅行を取りやめる必要はありません。渡航に際しては、手指衛生や咳エチケット、傷口の清潔な処置等の基本的な感染症対策をお願いします。
お知らせ
2024年3月29日掲載、6月11日一部更新
溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)は、一般的には急性咽頭炎などを引き起こす細菌ですが、稀に引き起こされることがある重篤な病状として、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)が知られています。
溶連菌咽頭炎については、2023年10月以降、過去10年間で最大規模の流行が起こっていましたが、STSSについても、昨年一年間の全国での届出報告数は941人(速報値)であり、1999年に統計をとりはじめて以降、最多であった2019年を上回りました。更に、本年は、6月2日時点の届出報告数は977人(速報値)と、昨年の届出報告数を既に上回っています。
STSSの患者数の増加の理由については必ずしも明らかではありませんが、経年的な増加傾向に加え、COVID-19の対策緩和以降、様々な呼吸器感染症が増加する中で、溶連菌咽頭炎の患者数が増加したことも原因の一つである可能性があると考えられます。
なお、溶連菌咽頭炎やSTSSについては世界的にCOVID-19の対策が緩和された2022年以降、多くの地域で増加が確認されており、昨シーズン流行した地域もあれば今シーズン流行している地域もあります。このような増加傾向については日本に限定されるものではありません。
なお、日本への渡航を予定されている方については、本疾患の流行を理由に旅行を取りやめる必要はありません。渡航に際しては、手指衛生や咳エチケット、傷口の清潔な処置等の基本的な感染症対策をお願いします。
- ※2022年12月の欧州におけるSTSSを含む侵襲性A群連鎖球菌感染症(iGAS)の増加についての世界保健機関(WHO)の報告では、WHOは流行している国への渡航についていかなる制限も推奨していません。

