健康・医療医療従事者の勤務環境の改善について
医療従事者が健康で安心して働くことができる職場環境の整備を!
勤務環境改善マネジメントシステムの概要
勤務環境改善マネジメントシステムとは、各医療機関において、『医師、看護師、薬剤師、事務職員等の幅広い医療スタッフの協力の下、一連の過程を定めて継続的に行う自主的な勤務環境改善を促進することにより、快適な職場環境を形成し、医療スタッフの健康増進と安全確保を図るとともに、医療の質を高め、患者の安全と健康の確保に資すること』を目的として、各医療機関のそれぞれの実態に合った形で、自主的に行われる任意の仕組みです。
各医療機関においては、国が定めた指針や手引きを参照して、多職種で構成する推進チーム等により、現状の把握・分析、課題の抽出を行い、できることから改善計画を策定して取組を始めてみましょう。
また、都道府県ごとに、勤務環境改善に取り組む医療機関を支援するための「医療勤務環境改善支援センター」を順次設置し、医療労務管理アドバイザー(社会保険労務士等)や医業経営アドバイザー(医業経営コンサルタント等)が専門的・総合的な支援を行っています。取組に当たってお困りごとや相談がありましたら、各都道府県の医療勤務環境改善支援センターへお問い合わせください。

勤務環境改善の意義
医療の質の向上や経営の安定化の観点から、医療機関が自らのミッションに基づき、ビジョンの実現に向けて組織として発展していくことが重要です。そのためには、各医療機関において、医療従事者が働きやすい環境を整え、専門職の集団としての働きがいを高めるよう、勤務環境を改善させる取組が不可欠です。
医療従事者、患者、経営にとってWIN-WIN-WINとなるような好循環を作っていきましょう。
その他 医療現場における暴力・ハラスメント対策
医療現場における暴力・ハラスメント対策は、医療従事者の離職防止、勤務環境改善の観点からも近年重視されています。平成30年版過労死等防止対策白書では、医療分野における労災認定事案のなかで、患者からの暴言・暴力やハラスメントによるストレスが要因と考えられる看護職員の精神障害の事案が多くあげられています。
このような問題に対し、医療従事者が患者やその家族からの暴力・ハラスメント対策について学習することができる教材を作成しました。スタッフ、管理者双方の視点から、基本的な考え方についてコンパクトに学ことができます(1コンテンツにつき、約20分)。
各医療機関が適切な対応策を組織的に講じることができるよう、研修や個人学習等でぜひご活用ください。
【総論】 1.患者等による暴言、暴力等の迷惑行為とその対策に係る基礎知識(1) 2.患者等による暴言、暴力等の迷惑行為とその対策に係る基礎知識(2) 3.日頃の備え 4.発生時の対応 5.発生後の対応 6.応召義務 7.使用者の安全配慮義務 【各論】 8.暴行・傷害 9.脅迫・強要 10.業務妨害・不退去 11.器物損壊・建造物損壊、名誉棄損・侮辱 12.わいせつ・ストーカー
医療現場における暴力・ハラスメント対策教材製作編集委員会(令和3年3月末時点、敬称略・五十音順)
淺野綾子(弁護士)、池田守(弁護士)、石川英里(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科特任講師)、今田和典(日本病院会/大阪赤十字病院副院長)、榎実穂(東広島医療センター看護部長)、熊谷雅美(日本看護協会常任理事)、小見山智恵子(東京大学医学部附属病院看護部長)、橋本省(日本医師会常任理事)、前田正一(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授)、的場圭(関西医科大学看護学部助教)、三木明子(関西医科大学看護学部教授)、村田真穂(長崎大学医歯薬学総合研究科助教)、山口育子(認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)