2020年世界保健デーのテーマは「看護師・保健師と助産師を支援しよう」です。

1.世界保健デーとは

世界保健デーは、世界保健機関 (World Health Organization: WHO) が設立された 1948 年(昭和 23 年) 4 月 7 日を記念して設けられたものです。
世界保健デーには、毎年、WHO によって国際保健医療に関するテーマが選ばれます。この日を中心に、世界各国でその年のテーマに沿った様々なイベントが開催されます。
 
 

2. 2020年世界保健デーについて

2020年のテーマは「看護師・保健師と助産師を支援しよう(Support nurses and midwives)」です。
2020年の世界保健デーでは、看護師、保健師及び助産師(以下「看護職」とする。)の活躍を祝福し、世界の健康を維持する上での重要な役割を再認識します。
看護職は、新型コロナウイルス感染症への対応の最前線にいます。そして、その対応でも、質の高い丁寧なケアの提供、地域住民の不安や疑問に対する対話、臨床研究のためのデータを収集など、その貢献が再認識されています。
国際看護師・助産師年として位置づけられている2020年、WHOとそのパートナーは、看護と助産の労働力を強化するための一連の提言を行います。国際看護師・助産師年における世界保健デーは、世界中の看護職の現状に光を照らすこととなるでしょう。
 
・タグライン:「看護師・保健師と助産師を支援しよう(Support nurses and midwives)」

 

3. 国際看護師・助産師年について

第72回世界保健総会で、2020年を国際看護師・助産師年と定める提案が採択されました。これは、UHCの達成における看護職の重要や役割や貢献を踏まえるとともに、フローレンス・ナイチンゲールの生誕200周年を記念したものです。
※5.看護職とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))参照

 

4. 「世界の看護2020(State of the World’s Nursing Report 2020)」について

2020年の世界保健デーに、世界保健機関(WHO)、国際看護師協会(ICN)、Nursing Now(ナーシングナウ)により、「世界の看護2020(State of the World’s Nursing Report 2020)」が刊行されました。
この報告書では、世界の看護職の労働の現状や課題を明らかにし、看護職のための教育と雇用への投資、教育・研修の推進、指導者的地位の構築など、看護職の貢献を最大化するための提言がなされています。

 

5. 看護職とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指します。看護職は、 UHCや、母子保健、メンタルヘルス、公衆衛生危機への準備と対応、医療安全、人々中心の統合ケアの提供など、感染性及び非感染性疾患に関連する国内及び世界的な目標を達成するために不可欠な役割を果たしています。

 

6. 日本における看護職の活躍の推進について

日本では、現在約170万人の看護職が、医療機関、訪問看護ステーション、介護施設、学校、自治体など様々な場で活躍しています。
看護職は、我が国においても、今日のUHC達成、医療と社会保障の発展に大きく貢献してきました。
例えば、医療機関における患者さん一人一人へのケアの提供はもちろん、地域では、母子保健の推進や、結核などの感染症対策の向上、プライマリーヘルスケアの推進に貢献しており、また、災害時などの健康危機状況においても、人々の健康と生活のニーズを満たすべく、幅広い分野で活躍しています。
さらに、現在、世界的猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症への対応においても、医療・介護・保健・福祉といったあらゆる場面で看護職が大きな役割を担っています。
厚生労働省においては、今後、必要となる看護職員を着実に確保するために、「養成促進」、「復職支援」、「離職防止・定着促進」に取り組んでいます。
また、日本国内においても「Nursing Nowキャンペーン実行委員会」を発足し、日本の看護の力を国内外に発信し、看護の変革の主体となることをめざし、活動を行っていくこととしています。

Nursing Now(ナーシングナウ)キャンペーン
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/201907_00005.html

 

7. 今後の展望

厚生労働省では、これまでのUHCの推進や公衆衛生危機における看護職の活躍、超高齢化社会に向けた更なるその役割の推進などの我が国の経験を踏まえ、関係機関と連携しながら、世界の看護職の活躍のために国際保健の議論に貢献していきます。