第79回WHO総会結果(概要)

1.概要

  • 期間:2026(令和8)年5月18日(月)~5月23日(土)
  • 対面会議
  • 日本政府代表団:神谷政幸厚生労働大臣政務官、迫井正深医務技監、江副聡国際保健福祉交渉官他
  • 本会議では、6日間にわたり、全64議題について協議。13の決議と22の決定を採択。

※WHO総会(世界保健総会)は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関。毎年5月に開催され、国際保健医療に関する取組の指針等につき加盟国間で議論や決議の採択等を行う。

2.政府代表演説

WHO総会では、神谷政幸厚生労働大臣政務官から政府代表演説を行い、概要以下のとおり述べた。

  • 国際保健を取り巻く厳しい状況の中、WHO改革に加えグローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)の再構築は待ったなしであり、日本はテドロス事務局長をはじめとするWHO職員の努力に敬意と支持を表明し、積極的にこの議論に貢献する。
  • WHO改革を進める上で、WHOは、科学的根拠に基づく規範設定機能、国際保健における指導的・招集的役割、感染症危機における調整・指導的役割という中核的任務に立ち返り、この危機を好機に変える必要がある。
  • 日本は、昨年、UHCハイレベルフォーラムを開催するとともに、WHO及び世界銀行と共に、東京に設立したUHCナレッジハブを通じ、開発途上国の保健財政の強化に貢献している。本年12月12日にも、UHCハイレベルフォーラムを東京で開催予定であり、引き続き、世界各国のUHC達成に貢献していく。
  • 感染症危機をはじめとする健康危機対応の上では、地理的空白を生じさせるべきではなく、台湾のように公衆衛生において顕著な成果を上げている地域の経験を活かすべき。
  • パンデミック協定についても、病原体へのアクセス及び利益配分のシステムが、実際に機能し意義のある仕組みとなるよう、引き続き議論に建設的に参画していく。
  • 日本は、ロシアによるウクライナ侵略を明白な国際法違反として強く非難する。また、公衆衛生の脅威から国民を守るためのウクライナ政府の努力を今後も支援していく。
  • 各地で紛争が多発しているが、日本は、医療従事者や医療施設に対するいかなる攻撃も強く非難するとともに、国際人道法を遵守した紛争下の医療の保護を呼びかける。
  • 日本は、WHOと共に「Health for All」の実現のため引き続き貢献していく。

 
※1 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(universal health coverage、UHC)
全ての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる状態を指す。
 
※2 UHCナレッジハブ
開発途上国におけるUHC達成のための知見共有や人材育成を行う世界的な拠点。WHOや世界銀行と連携し、2025年12月に東京に設立。
 

※発言内容はこちら(日本語リンク[106KB]英語リンク[34KB])でご確認頂けます。

3.主な議題

(1) GHA改革とUN80イニシアティブ(国連機関の改革プロセス)

GHA改革とUN80イニシアティブを統合的に議論する共通枠組みを構築するためにWHOがホストし加盟国が主導する共同プロセスの設立・実施と、2027年の第160回執行理事会を通じ同年の第80回WHO総会に最終報告書を提出することが採択された。

(2) WHOパンデミック協定(仮称)

第78回WHO総会にて採択されたWHOパンデミック協定(仮称)に関し、政府間作業部会における同協定の病原体へのアクセス及び利益配分システムに係る附属書交渉を継続し、第80回WHO総会又は必要に応じ2026年内に開催するWHO総会特別会合への成果物提出を目指すことを決定した。

(3) アルゼンチンのWHO脱退通告

アルゼンチンによる脱退通告に留意しつつ、WHOの活動に対するアルゼンチンからの全面的な協力をWHOはいつでも歓迎する一方で、現時点において更なる行動は望ましくないと考えられることが決議された。

(4) UHC

UHCに関し、精密医療、遠隔放射線診断への平等なアクセス、脳卒中疾病負荷の軽減、医薬品安全性監視にかかる決議が採択された。

(5) 薬剤耐性

薬剤耐性世界行動計画 (2026-2036年)が採択された。
 

(6) 社会的つながり

日本政府代表団から、日本は、孤独・孤立は社会的つながりと関連する健康の重要な決定要因と考え、これに対応する包括的な法整備を世界で初めて実施し、政府全体の取組を推進している旨を発言した。
 

4.サイドイベント、二国間会談

厚生労働省は、保健財政強化に焦点を当てたUHCに関するサイドイベントを主催した他、日本政府代表団はWHO事務局長・他加盟国等との二国間会談も実施した。