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第7回 日中韓高齢化セミナーについて

 2017 11 12 日(日)から 13 日(月)にかけて、第7回日中韓高齢化セミナーを中国(済南)にて開催しました。

1 経緯

 

2008 12 月の日中韓サミットにおいて、中国・温家宝首相(当時)より高齢化対策に関する協力及び会合の開催について提案がありました。 2009 年の日中韓外務大臣会合において岡田外務大臣(当時)が同意し、 2010 年に第1回が開催され、今回が7回目となります。

 

2 これまでの実績

 

日中韓3か国が持ち回りで開催し、高齢化に係る政策対話と関連施設等への訪問を行っています。テーマは開催毎に3か国間で協議して決定しています。

 

第1回 2010 年4月 中国(北京)開催 「 人口問題の現状と対策」「高齢者向けサービス」

第2回 2011 11    韓国(ソウル)開催 「 高齢者保健政策」「在宅介護サービス」

第3回 2012 年8月  日本(東京)開催 「 コミュニティと介護サービス」「アクティブエイジング」

第4回 2013 年7月 中国(上海)開催  「高齢化社会における健康サービスモデルの転換」「 空巣家庭(※)の高齢者保健サービスに関する政策設計」                                                                                       
 (※)子どもが巣立ったあとの、高齢者一人暮らしあるいは老夫婦

第5回 2015 12 月 韓国(済州島)開催 「高齢期の質の向上のための介護保険」「高齢化社会に対応する高齢化に優しい産業推進計画」MOC更新署名式

第6回 2016 年7月 日本(東京)開催 「認知症」「農村の空洞化」

 

3 第7回 日中韓高齢化セミナー

 

(1)プログラム

開幕挨拶

中国、日本、韓国代表による基調講演

セッション1「 地域包括ケア、医療と介護の連携

セッション2「 健康な高齢化

第8回セミナー開催に関する議論

 

(2)出席者

日本からは、谷内繁厚生労働省大臣官房審議官(老健担当)ほか7名、中国からは 海東 国家衛生計画生育委員会家庭司長ほか21名、韓国からは 康鎬 保健福祉部人口・児童政策局長ほか3名が出席しました。

 

(3)概要

■基調講演

中国の 建剛 国家衛生計画生育委員会国際司副司長及び王桂英 山東省済南市副市長の開幕挨拶の後、3か国代表による基調講演が行われました。

中国の王海東 国家衛生計画生育委員会家庭司長からは、中国は国家衛生計画生育委員会が医療を、民政部が養老を担当しており、二つの官庁が協力しながら国レベルで戦略プランを作成し積極的に高齢者対策を行っていくことや、中国の高齢者は健康知識が乏しいので、食や病気に関するガイドラインを作成していること等が発表されました。また、リハビリに関わる医者や介護ヘルパーの増員、介護保険制度創設等の目標が示され、日韓の長期・終末介護や高齢者の社会参加について学びたいとの発言がありました。

日本の谷内審議官は、日本の人口構造の変化には地域差があり、地域の実情に応じたサービスが重要であることや、医療職・介護職等の関係者で会議を開催し情報共有や課題の抽出、対応策の検討を行い、その結果を踏まえて多職種で研修を行うことで医療と介護が一体的に提供できる体制の構築を目指していると発表をしました。また、地域包括ケアシステムの機能を十分に発揮させるために必要となるのが予防であり、リハビリテーションの観点を踏まえ、心身の機能を維持・改善させるだけでなく、高齢者が地域の中で生きがいや役割を持って生活できるような居場所と出番づくりが重要であると発言しました。

韓国の李 康鎬 保健福祉部人口・児童政策局長からは、泰山を例に挙げながら、高齢者対策は重要であり厳しく難しい状況であるが、こつこつと取り組み成果を上げたいとの発言がありました。韓国では高齢単独世帯が著しく多くなることが見込まれており、コミュニティにおける在宅医療や医療と介護の連携を進めていくことや、高齢者が社会の一員として生活するため、高齢者の健康維持を図る等の高齢者対策を引き続き努力していくこと等が発表されました。

 

 

 

■セッション1

 セッション1では、中国は馬立新 山東省衛生計画生育委員会副主任から、山東省ではリハビリや終末期の介護等のサービスをワンステーションで行う施設の設立等の医療介護連携の取組を国内で先駆けて進めていることが発表され、また、馬効 済南市衛生計画生育委員会主任から、済南市で行っている在宅医療や家庭医の推進、中国伝統医療の活用、廃校や空き家を活用した老人施設等について発表がありました。日本は石井義恭老健局総務課課長補佐から、地域包括ケアシステムの構築及び医療介護連携のため、地域において多職種が連携して課題に取り組む場の提供の重要性等を発表しました。韓国は金侹希 保健福祉部長期介護保険部副部長から、家族介護者の支援やケアマネジメントの強化等の医療介護連携に係るパイロットプログラムが紹介され、利用者のニーズに合ったサービスを提供できるようにしていくとの発言がありました。

 

 

 

■セッション2

 セッション2では、中国は李成福 人口と発展研究センター研究員から、健康寿命の測定方法や影響要素を述べた後、健康寿命延伸のため中国では高齢者に優しい町づくりや高齢者大学を推進する取り組みを行うとの発表がありました。日本は李相侖 国立長寿医療研究センター長寿コホート研究室長から、高齢者の病気を治すことから生活の質を高めることへのパラダイムシフトが必要であり、認知症の予防には身体的・知的・社会的活動が重要であると発表しました。韓国は鮮于 保健と社会関係研究所名誉研究員から、高齢者医療費の現状や介護サービスの概要を述べた後、利用者の費用負担軽減や軽度の認知症患者も対応する新しい認知症ケアプランの紹介がありました。

 

 

 

■第8回セミナー

次回、第8回セミナーは、韓国にて来年夏頃をメドに開催することで合意しました(テーマ等の詳細については今後調整予定)。

 

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