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第5回 日仏セミナーについて

 

2015年9月14日(月)から16日(水)にかけて、第5回日仏セミナーをフランス(パリ)にて開催しました。

 

 

1 交流事業開始の経緯

 

 2006 6月、当時の仏労働社会問題連帯省より、日仏両国による、政府、学識経験者等による共同セミナーの開催について提案があり、2007年度から実施することに合意し て現在に至っています。

 

 

2 これまでの実績

 

 両国の代表団が2年に1回程度、交互に相手国を訪問し、政策対話と関連施設等への訪問を行っています。テーマは開催毎に両国間で協議して決定しています。

 第1回 200711月日本側訪仏  「女性の就労促進と家庭生活の両立」
 第2回 2009年2月 仏側訪日(日仏独3か国共同) 「介護制度」
 第3回 2010年1月 日本側訪仏 「医療制度の財政」「医療と介護の連携」
 第4回 2013年1月 仏側訪日   「高齢者雇用」

 

 

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3 今回の日仏セミナー(第5回)の概要

(1)テーマ:「雇用分野における女性の活躍促進」

  •  基調講演「日本とフランスにおける女性就労の現状と取組」
  • その他 セッション1「職場における男女均等」
  • その他 セッション2「仕事と家庭の両立支援」

 

 基調講演の後、各セッションのテーマに沿って日本及びフランスの代表からプレゼンテーションを行い、その後テーマに係る活発な意見交換が行われました。
 雇用分野における女性の活躍促進は日仏両政府が力を入れている課題であり、本セミナーにおいては第1回(2007年)でも同様のテーマで議論を行いましたが、フランスでは2008年に憲法を改正し政治分野に加えて企業の取締役会、公務員の管理職にもクオータ制を導入し、日本でも今年(2015年)8月に女性活躍推進法が成立する等、日仏双方に取組の進捗があり、その内容を確認する良い機会となりました。

 

 

(2)出席者

 

 日本側は、厚生労働省大臣官房国際課長ほか7名が出席しました。
 仏側は、 社会問題・保健・女性の権利省 欧州国際問題代表部代表や 社会連帯総局女性の権利部長 ほか17名が 出席されました。

 

 

(3)セミナーの概要

■基調講演

 

 両国代表による「女性就労の現状と取組」についての基調講演が行われました。
 パリ政治学院のミレウスキ教授から、フランスでは女性の就業が1960年代から進展し、2549歳の女性の就業率は83.8%に達している、就業率は上昇しているものの1980年代から短時間勤務が増加し、女性就業者の31%が短時間勤務であり、男女間、あるいは女性間格差が拡大していること等の発表がありました。
 中央大学の高村特任研究員からは、景気回復と人口減少を背景に労働力不足が成長の制約要因になりつつある日本では、女性の活躍が成長戦略の中核に位置付けられており、先月、女性活躍推進法が成立したところ。就業を希望する女性の就業促進を進めるだけでなく意思決定ポジションの女性拡大を図るため、政府は産業界への要請や保育サービスの拡大、男性も含めた意識改革に取り組んでいること等が発表されました。

 

 

■セッション1「職場における男女均等」

 

  フランスでは、男女の賃金格差を労働市場の男女格差の反映と捉え、職場の男女平等を推進するため賃金格差を縮小する取組を行っています。企業ごとの男女賃金格差縮小に向けた取組の内容や実績を労働監督において確認します。また企業の取締役会の男女の比率を2017年までにそれぞれ40%以上にすることが法律で定められ、女性登用のための人材プールの構築、キャリアパスの明確化、父親休暇の取得促進などに取り組んでいます。男女賃金格差縮小への取組が不十分な企業への対処について催告で十分かとの日本側からの質問に対し、賃金総額の1%を上限に罰金を科しているとの説明がありました。  
 日本では、雇用者総数に占める女性の割合は伸びていますが、先進諸国に比べるといまだにM字カーブを描いています。管理職に占める女性の割合も低いですが、着実に増えており、女性活躍推進法の施行により更に女性の活躍が進むと期待されています。 また、 正規雇用の男性の約17%、女性の約8%が週60時間以上就業しています。フランス側から、長時間労働が評価されると女性の昇進にも影響があるのではないかとの意見があり、日本側から「上司が長時間労働を評価する」と考える人は長時間働く傾向にあるため、評価基準の明確化はその意味でも有用だとの回答がありました。

 

■セッション2「仕事と家庭の両立支援」

 

 フランスでは、1990年以降出生率の上昇がみられますが、出生率の上昇に寄与したのは現金給付や育児休業期間の延長だけではなく、保育システム、特に3歳未満の子に対するサービス提供の増加だと認識しており、現在も不足しがちな3歳未満の子への保育サービスの拡大を目指しています。最大3年取得可能な育児休暇は父親が1年取得した場合に母親の取得期間と合わせて3年とすることに変更し、父親の休暇取得促進と母親の休暇取得期間の短縮をはかっています。日本側から、保育施設の定員に比べ受入れ子ども数が多いのはなぜかと質問したところ、サービスの利用には午前だけ、午後だけ、週2回または3回だけ、夏休み期間中だけなど様々な形態があり、定員は複数の子どもでシェアできるとの説明がありました。
 日本では、育児休業 の取得促進等、 仕事と家庭の両立支援に力を入れていますが、勤務時間や職場の雰囲気を理由に妊娠・出産を機に退職する女性が多いのが現状です。
 また、仕事と家庭を両立するため、保育の受け皿を充実させることが重要であることから、2017年度末迄に待機児童の解消を目指し、そのための受け皿となる保育所等の拡充や保育士の確保に取り組んでいきます。

 

 

 

「会議の様子」

 

 

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