医療事故調査制度に関するQ&A(Q12)

医療事故調査制度に関するQ&A(Q12)

Q.解剖の対応についてはどうなりますか?
A.今回の制度では全ての症例に対して、必ずしも解剖を実施しなければならないこととなっておらず、管理者が選択する事項になっています。
 なお、平成26年厚生労働科学研究費補助金「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」報告書(研究代表者:西澤寛俊)においては、
  1. 「臨床的にその死因が明確にできなかった症例」、「治療や処置の間、あるいはその直後に起こった突然死症例」等が解剖の適応がある症例であること
  2. 全例に解剖を実施していた「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」の実績からは、臨床診断では死因が不明な症例のうち、その約87%は解剖によって診断がついたことから、臨床診断が不明な症例では解剖が実施されない場合、死因が明らかにならない場合があること、その一方で臨床診断で死因が明確であった症例は、臨床診断と解剖所見による診断との一致率が高く、解剖を必須としなくてもよい可能性があること
といった報告があります。
このような知見を参考に、地域の解剖体制と遺族の同意などを勘案して、解剖の必要性について考慮してください。