福祉・介護世界アルツハイマーデー及び世界アルツハイマー月間に寄せて(メッセージ) 令和5(2023)年度
一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)からのメッセージ
世界アルツハイマーデー・アルツハイマー月間に寄せて
一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)
代表理事 藤田 和子
~~~~~~~~~~~~~ 認知症の人とともに動きだそう! ~~~~~~~~~~~~~
誰にとっても大きな変化のあったこの3年半、日夜私たちの暮らしと命を守るために力を尽くしてくださってきた全ての皆さんに心から感謝と敬意を表します。
まだまだ続くコロナ禍で、私自身もそうでしたが、多くの人は様々な経験を経て、自分なりの暮らし方を見つけてきているのではないでしょうか?
認知症のある人、活動をともにしている人たちも、その時々に必要な工夫を編み出しながら、地域とつながり、本人の社会参画を進めてきていると思います。
人とのつながりが断たれやすい環境に置かれる事が少なくない認知症の人達が、自ら立ち上がり、声を出し、ともに歩む人々とそれぞれの地域をより良くしていく活動が広がっています。
この1年間、具体的には、現在、18都府県で60名を超える希望大使が任命されています。また、これまでの保健・医療・福祉の分野だけでなく、私たちの暮らしやすさを創り出すために、多様な企業の人たちとの共同開発も本格的に始まっています。
地道な努力の成果は見えづらいけれど、私たちは、今の自分の暮らしだけでなく、これから認知症になる人たちが、苦労せず、よりよく暮らせる未来にむけて活動しつづけたいと思います。
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法亅も6月に成立しました。
認知症とともに自分らしく生きることのできる共生社会を実現させていくために、より多くの人達がそのことを実感できるよう、これからも私達本人は、本人だからこそできるピアサポート活動、地域をよりよく変えていく本人ミーティングや施策を検討する場に参画し、提案をつづけていきたいです。
私たちJDWGでは、今年も全国各地の世界アルツハイマーデー・アルツハイマー月間の取り組みと協働し、「認知症とともに生きる希望宣言」を多くの人に伝える「希望のリレー活動」を行っています。
基本法の成立により、これから取り組みがすすめられていくと思いますが、みなさんがお住まいの地域でも、認知症の本人と出会い語らうことで、ともに生きること、ともに暮らすまちを創っていきましょう。
令和5年9月