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コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム~もっとあなたを支えたい~(第4回)議事録
日時
2021年(令和3年)5月13日(木) 13時00分~
場所
厚生労働省省議室
出席者
- 三原 じゅん子
- 大隈 和英
- 金子 恵美
- 駒崎 弘樹(※オンライン参加)
- 小室 淑恵(※オンライン参加)
- 佐藤 博樹(※オンライン参加)
- 菅井 利雄(※オンライン参加)
- トラウデン 直美 (※オンライン参加)
- 西田 亮介(※オンライン参加)
- ハイヒール・リンゴ(※オンライン参加)
- 古市 憲寿(※オンライン参加)
- 三浦 瑠麗
- 森永 真弓
議題
厚生労働省の情報発信の仕組み・報告書骨子案 など
議事
- 議事内容
- ○佐藤コーディネーター 時間になりましたので、第4回プロジェクトチームの会合を始めさせていただきます。事務局から本日の出席状況をお知らせいただけますか。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 一応今日はメンバー全員が御参加の予定です。政務官は国会の対応で少し遅れて参加、途中退出となってございます。あと、もう1人、今回から新しいメンバーが追加になりましたので御紹介いたします。広報室長の野﨑室長でございます。野﨑室長には、今日、プレゼンもしていただきますが、新たに事務局員として追加になってございます。よろしくお願いいたします。
○野﨑大臣官房総務課広報室長 よろしくお願いします。
○佐藤コーディネーター 今日は大きく2つありまして、1つは、これまでコロナ禍の対応策として厚生労働省はいろいろな施策を打ってきていますけれども、その幾つかを取り上げて、それら施策の情報発信の仕組み、どう解決したらいいかということや、新しくこういう施策も重要ではないかという御意見を伺いました。今日は、そのような点を踏まえながら、厚生労働省全体としての情報発信の現状はどうなっているかを御説明いただき、皆様方から御意見を頂く、これが1つです。
もう1つは、そもそもプロジェクトチームのこれまでの議論をまとめて、対外的に発信するとともに、それを踏まえて、厚生労働省の中でもこれからの情報発信を変えていただくということになりますので、その取りまとめの案がありますので、それについて御意見を伺えればと思います。
それでは最初に、厚生労働省の情報発信の仕組みについて、先ほど御紹介いただきました野﨑広報室長から御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○野﨑大臣官房総務課広報室長 よろしくお願いします、資料に基づいて御説明申し上げたいと思います。
このコロナ禍の下で、これまで進んでこなかったようなことも含めて、広報室としても取組を進めてきた面がありますので、厚生労働省の広報改革をどういう視点で進めているのか、その改革の柱と広報体制、広報室として今感じている課題という順番に沿って御説明申し上げたいと思います。
まず広報改革の考え方ですけれども、厚生労働省は御存じのとおり行政分野がかなり広く、その中で様々な世の中にとって良いという施策を打っているのですが、ただ一方で、厚生労働省という組織に対する共感であるとか信頼であるとか、そういうもの十分にないと、その施策がなかなかうまく浸透していかないという側面もあります。そこで去年の1月から、国民の皆様から厚生労働省という組織が共感と信頼を得られるように、そういう観点で広報改革というものを進めています。大きく改革の柱として、1つはマーケティングPRと言って、政策に関する広報、民間の企業で言えば商品・サービスに関する広報ですが、厚生労働省で言うと政策に関する広報になります。もう1つがコーポレートPRで、厚生労働省という組織に関する広報ということになります。民間で言えば企業PRに当たるものです。大きく言うとマーケティングPRというのは各事業・政策担当部局が行い、コーポレートPRというのは主に広報室が中心となって行うという構造になっています。
ただ、両方に通じているのは、スマホの普及などもありますので、デジタル化をどう進めていくのか(デジタルPR)で、これはどちらのPR・広報の枠組みの中でも重要になってきているということでございます。この順番に沿って(3つのPRを)説明したいと思います。
直近の動きですが、マーケティングPR、政策の広報をどう、より効率的に効果的にしていくのかという視点ですが、昨年度から重点的広報制度というものを始めています。これは国民の皆さんにより知っていただいて行動につなげていくことが必要な案件について、省内で募集を掛けまして、選定されたものについて広報室がデジタルもアナログも様々なバックアップを伴走しながら行うというものです。5件程度やりましたけれども、そのうち事例1となっているのが、福祉分野の「断らない支援体制」を作るという事業に関して、ポータルサイトを作るとか、SNS上の情報のソーシャルリスニングをするとかいうようなことをやっています。
事例2で言えば、新型コロナウイルスワクチン、年度末ぐらいから本格化しましたけれども、これについてもQ&Aの特設サイトを作るとか、こちらも広報室として伴走させていただきながら作っていくということです。
また、従来から厚生労働省の広報ではチラシとかリーフレットをよく使うのですが、ただ、そこで使うイラストに著作権が付いているのか付いていないのか、Web上にあるのは分からなくてなかなか使うのが難しい、安心して使えないという声がありました。そこで、新たに広報室に民間から2名のイラストレーターを採用し、自分たちで、厚生労働省が著作権を持つイラストを作成しています。それが現在省内に240点蓄積していますので、そういうものを使いながら各部局はチラシやリーフレットなどを作成しているということです。
もう1つの柱であるコーポレートPRに関しては、広報誌の月刊「厚生労働」というものがございますので、そちらを使いながら御説明いたします。これまでこの広報誌は、たとえ職員がインタビューを受けても名前が載るぐらいで、載らなければ肩書までで終わっていたのですが、やはり国民の皆さんから信頼を得る、共感を得るためには、厚生労働省の職員が一体何を考え、どういう思いで政策を作っているのか、そこをきちんと伝えなければいけないだろうということで、昨年度の始めから、職員が顔写真入りで名前を入れた形で、自分としてどう考えて政策を進めているのか、そういう広報の仕方を始めています。 この広報誌はあくまで(販売している)雑誌なのですが、職員が顔出しをするページに関してはデジタルで無料で配信もしていますので、TwitterやFacebookなどでも発信を続けているということです。
その中で、今のページにありますコロナに対する我々の取組であるとか、あるいは生活困窮者の方に対して安い価格で(携帯)端末を貸し出す業者のリストを作った若手職員の取組なども御紹介しています。
また、コーポレートPRの一環として、人事課と共催で職員向けに、「社会のリアル」に学ぶ勉強会というものを始めています。ここでは、今御覧いただいているスライドにあるように「孤立」であるとか、あるいは様々な生きづらさを抱える方の支援をする方たちが、実際に社会でどういうリアルが見えるのかということを勉強会形式で行って、それを広く職員の研修企画としてもオープンにする取組をし、それを広報誌に掲載するということを地道に続けています。
また、少し毛色は違いますけれどもコーポレートPRの一環としてユニバーサルデザイン、つまり皆さんどのような人にもやさしいデザインというもの、ホームページとかで一部意識していたものではありますが、これまで必ずしも厚生労働省では徹底されていなかったということで、厚生労働省のロゴマークであるとか、今御覧いただいている資料もそうですが、新しいパワポの統一フォーマットを作ったり、発信するツール、媒体が分かりやすくなるような取組も若手改革チームが進めています。
ここから、PTでも御関心が高いと思いますが、デジタルPRの話を3点ほどさせていただきたいと思います。今、御覧いただいているスライドの左下にあるのは昔のトップページです。しかし、トップページと言いながら各分野の下にキーワードが山ほどぶら下がっていて、何が書いてあるページなのかが全然分からない。さすがにトップページである以上は、国民の皆さんが見たい情報に届きやすい仕組みにしなければいけないだろうと。そこで、右側にあるように、情報量を減らす、また分野ごとのカテゴリーを少し整理する、そういう見直しをまず先日行いました。こういった見直しを行うために、民間から任期付きでWebマーケッターの方を、恐らく中央省庁で初めて採用させていただき、彼らの力を借りながら今進めているということでございます。
また、コロナ禍の下で、SNSにおける発信も強化をしています。実際、Twitterであれば、もともとフォロワー数というものが50万人ぐらいだったのですが、この1年で90万人まで増えていますし、またFacebookも1万人のフォロワーだったものが僅か1年間で29万人まで増えています。まだまだ足りないと認識していますけれども。さらにコロナの関係でLINEの公式アカウントを開設し、これは1年弱ですが230万人ほどのフォロワーとなっているということです。右側にある写真ですけれども、休業支援金に関するプッシュ通知みたいなものをこのLINEのアカウントを使って行うということも進めています。
もう1つが、Googleさんの御協力も得て、無償検索広告プログラムというものを、これも中央省庁で初めて導入しています。どういうことかと言うと、Googleのリスティングというのがあるのですが、検索すると上の方に上がってくるというものなのですが、それでもその上に広告があるのですね。広告で引っかかるものが出てくるのを、広告として発信するような形で活用させていただいています。ただ、広告ですから当然本来はお金が掛かるのですが、それをGoogleさんから無償のクレジットを頂いて、特に重点的に発信したい情報を、このプログラムの中で発信させていただいているということです。これも新しい取組です。
一方、厚生労働省の広報体制はどうなっているのか。ここも少し押さえておかなければいけないのですが、広報室は非常勤の方を入れて全部で21名で、そのうち常勤が14名となっています。民間からも少なくとも6名ぐらいの専門的知識を持った方に来ていただいて、一緒に広報改革に取り組んでいただいていますけれども、それでもマンパワーとしては非常に少ない。一方、21名のうち女性が10名ですので、ジェンダーのバランスも良く、それぞれの感性を生かしながら広報改革に今取り組んでいるということです。
4,000名の厚生労働省の本省職員の広報を担うのが僅か21名ですので、広報室だけでどれだけできるかは限界があり、どうしても各部局に広報を牽引する機能を持たせなければいけないということで、各部局に広報委員を置いています。月に1回広報委員会というものを開催し、そこで重要事項に関する議論をしながら進めているということです。
以上を踏まえて、私たちとして、今どういう問題を課題として考えているかということですが、1つは情報の中身、コンテンツの質を上げていくことがまず第一だろうと思っています。先ほどの組織の体制図で分かりやすい広報指導室というのがありました。全て民間の方6名で運営しているのですが、なかなか6名の体制だと限界があることもあるので、外部リソースの活用もより積極的に考えていきたいと思っています。特にチラシ、リーフレットの類いは一番届くものでしょうから、そこのクオリティを上げていくのがまず第一です。
2番目として、厚生労働省のWebサイトを先ほど少し御紹介しましたけれども、そのコンテンツも強化していきたい。特に情報の構造化というのがまだ全然進んでいませんので、国民からアクセスしたときに、自分に必要な情報がより届きやすい、ステップ・バイ・ステップで届いていくような仕組みを厚生労働省のホームページに入れたい。また、「重点広報」のようなものも継続し、特設サイトを中心に立ち上げるなど重点的に支援していく。
もう1つの柱が、国民の皆さんからのアクセシビリティを改善させていきたいということです。1つは、既に始まっていますけれども外部プラットフォーム、LINEやGoogleとの連携強化をする。今のLINE公式アカウントもコロナ関連だけなので、ここをより広い厚生労働省の行政へのアクセスポイントとできないかと思っています。
2番目ですが、こういった外部プラットフォームを使いながら、必要な情報をプッシュしていくとか、あるいはチャットボット機能をそこに持たせていくとかいう形で、よりアクセスしやすい情報の発信をしていきたい。
もう1つは厚生労働省の広報体制を強化していくということです。1つは各部局の広報機能を上げるということ、それと、広報室に今の21名では不十分というか全然足りないと思っていますので、今後、特にデジタルとか、デザインを意識した広報の発信ということであれば、そこの機能を高め、各部局の機能を高めていきたいと考えています。
雑駁でしたが私の説明は以上です。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございました。今の御説明に対する御意見、御質問はあると思うのですが、もう1つだけ御報告させていただいてから御質問、御意見を伺えればと思います。これまでのプロジェクトチームで情報発信も含めて個別の政策について御説明いただいて、それについて御意見等を頂いていますので、それについて厚労省として各部局の対応状況、ここはもうやっているとか、これはやる予定ですとか、これはちょっと今すぐにはできないので、もうちょっと先になるとかということで、対応状況について御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 蒔苗から御説明いたします。資料2-1です。これまで、第1回から第3回まで御議論いただいて、アドバイスとかいろいろ御指摘いただいた内容を踏まえて、我々で準備した資料です。まず、資料2-1が第1回目の雇用対策でやった議論でして、助成金とかはたくさんあるけれども、利用者のほうから探すというのはなかなか大変だから、もう少しイエス・ノーのフローチャートなどを作ってやってみたらどうかということで、試行的に局内で作った資料です。私どもから見ると結構いけてるかなと思うのですが、皆さんに御説明に上がると、やはりまだまだだという御指摘を頂いており、今後またいろいろ民間の力を借りながらやっていきたいと思います。
資料の3ページですが、訓練に関しての資料です。こちらも第1回目で、やはり就職率とか数字をまず入れるべきだという御指摘と、実際に訓練を受けた人の声を入れればもっと説得力があるのではないかという御指摘がありましたので、そうしたものを入れながらハロートレーニングの訓練の資料を入れています。
7ページです。在籍型出向のハンドブックというのがあります。これも第1回目で御紹介いたしましたが、今、コロナで観光産業をはじめとして需要が落ちている分野と、一方で製造業を含めて需要がある分野が偏在しておりますので、在籍型出向を活用して取組を進めています。ここのページを御覧いただくと、最近、在籍型出向は新聞等でも報道されていますが、増えているけれどもどのような事例があるのかとか、あるいは、労働者にとってメリットがあるのかとか、受入側の中小企業では、やってもいいけれども出向ってそもそもどうするのかとか、いろいろ御疑問はあるでしょうから、それに答えるために、次ページに目次がありますが、企業の具体的事例とか、在籍出向というのはそもそもどういう仕組みなのか、あるいはどういう準備、手続が必要なのか、やってもいいけれども、給与の支払いがどうなるのか、あるいは社会保険、税務がどうなっているのかというところについて書いています。さらに、在籍型出向の支援制度として、これは今回新たに作っていますが、9割を補助するという制度も作っていますので、そういったところをかなり詳しいガイドブックのような感じで作っています。
実際の事例は、第1回でも簡単に御説明いたしましたが、例えば10ページの一番下ですと、金属材料製造業の方が、熟練工の仕事が自分の会社にはなかなかないけれども、手放すと困ってしまうので出向させたいというニーズと、一方で製麺業、麺を作る業界では人手不足、特に冬が少ないということで、13名の方を2か月間ですが出向で受け入れているという事例とか、次ページの一番上ですが、航空産業は需要が非常に落ち込んでおり、地上のグランドハンドリングをやっている方のスキルというのが自動車部品製造業で使えるということで、76名の方が出向されているということです。ほかにも、今日は御紹介いたしませんが、意外とスキルとして、異業種であってもスキルが使えるというのがこれで発見できますので、我々役所としてもこういった取組を支援しながらやっていきたいと思います。雇用の分野は以上です。
資料2-2です。これは、第2回で議論した自殺防止あるいは生活支援の部分の際に出た御指摘を踏まえた宿題の部分もあります。1点目、「ひきこもり」の定義、あるいは実際にどのぐらい国内にいらっしゃるのかという数字のボリューム感とか、大臣からメッセージを出しているということです。それ以降の資料は、自治体で調査をどのぐらいやっているかとか、第2回目に御紹介いたしましたが、自殺大綱のうち職場、学校等での取組とか、自殺関係の対策交付金がありましたけれども、自治体で実際にやっているメニューは何かということについて参考資料を用意しています。後ろのほうは検索サイト等で、第2回で御議論いただきましたが、それについて少し分かりやすい資料を付けています。
次は、資料2-3①です。こちらは、前回、御議論いただいた女性の活躍支援とか子ども支援という部分ですが、菅井さんから御指摘があって、フィンランドのパパカードというのが非常によくできているので、これをちょっと御紹介してほしいという御指摘がありましたので用意いたしました。こちらを作っている団体が一般社団法人日本精神科看護協会さんでして、お父さんに向けた児童虐待予防支援ツールということで作っています。家族全体の心身の健康サポートを目的として開発されております。もともとフィンランドにおいて母子支援を専門とする団体が、これからお父さんになる人、なったばかりの人のために開発したツールでして、それを日精看で訳していただいて作っているというものです。
前のページに戻っていただいて、4パターンあります。カード1からカード4、実際は冊子のようなものですが、カード1は、父親になる方に対して、父親の世界へようこそということです。2つ目は、子供との関係について、お父さん、子供に話し掛けましょうというふうに書いてあります。3つ目は、心と体の充実ということで、お父さん自身が健康でなければ子育ては難しいということで、そういったところを書いていたりとか、最後は子供の安全と安心というものです。こうしたものを読むことによって、父親が家族を支援するというところのヒントについて書いています。
次ページです。フィンランドでこのカードを作った完成までの背景ですが、フィンランドの母子支援シェルター連盟の精神科の看護師の方が、虐待加害者となる男性のトラウマからの回復に注目して開発したツールということで、虐待に限らず広くいろいろな取組を書いています。一番の目的は、そこに書いてありますように、子供と父親とその家族そのものの支援をするというものでして、子供の健やかな成長の支援とか、家族全体の心身健康サポートを行うことを目的とした支援ツールです。一応、団体のほうにあらかじめ著作権のことについて確認いたしましたが、著作権は日精看に帰属しているのですけれども、企業への周知ということでパパカードを紹介いただけるのであれば、著作権はフリーで結構ですというようにご了解を頂いております。
次は、資料2-3②です。日本でやっている父親の支援策ですが、内閣府でやっている「さんきゅうパパプロジェクト」という資料です。こちらは、男性の育児休業の取得が進まないということで、政府を挙げてやっている関連の資料ですが、7ページの所に、私もそうでしたけれども、実際に父親になるときというのは、どのタイミングでどのような役割があるのか、最初、男性は分かりませんので、それについてここで妊娠初期、中期、後期ということで、それぞれこういう場面が来て、家族でこう協力するのだという話とか、次のページですが、実際生まれるとなったときに、意外と出産の場合はあっという間に退院になるので、退院の準備とか、生まれて家に戻ると、今度は子供の名前を考えて出生届を出すというように、具体的な幾つかの手続がかなり短期間であります。そういったことも具体的に書いてありますので、かなりよくできているのではないかなと思っております。
次が「イクボス」です。資料2-3③です。こちらは、厚生労働省の担当課で作っているものでして、イクメン自体はだいぶ企業で広がってきたのですが、会社の人事部は理解があっても、実際に企業で育休を取ろうとすると、自分の課の上司の理解がなかなか得られないということもありますので、現場の上司、ボスを支援しようということで始めた取組です。3ページにこれまでの受賞一覧が書いてあります。私も一時ここの担当課長をやっていましたので、表彰式に出ましたが、いろいろな業種の方の取組を表彰するという仕組みにしております。例えば、私の田舎の青森県警の弘前警察署の署長さんもいたりとか、あるいは、デパートとか病院、社会福祉法人などいろいろな業種別に表彰しています。ここのメンバーである駒崎さんとか小室さん、佐藤先生にも御協力いただいてやっている事業です。5ページに、簡単にグランプリの方がこの会社でどのようにしてイクボスをやっているかという紹介がありますので、後ほど御覧いただければと思います。
9ページは、イクボスというのは何をすればいいのかということで、基本的にはマネジメントをきちんとしてあげると。課の全体の仕事を減らして、休む人が出ても周りでカバーしやすいようにするというような、イクボスの実践とかが大事です。イクボスは以上です。
13ページです。前回の議論の中で、テレワークの御指摘もありました。テレワークコースという助成金がありますが、次ページにある、前回の議論の中で、御自宅でテレワークする人もいるけれども、御自宅だとなかなか仕事がうまくできない方のために、サテライトへの支援もどうかという話がありましたが、実際に今ある助成金の中で、サテライトオフィス利用料が30万円まで費用として対象となっていますので、こういった活用もできるかと思っています。
次ページは「しょくばらぼ」です。これも前回の議論の中で、若者支援とか女性活躍、両立支援などそれぞればらばらの事業となっていて、ホームページも分かれているので、利用者側からいうと使いにくいのではないかということで、これら3つのサイトを横断的に検索・比較できるWebサイトということで「しょくばらぼ」というのを作っていて、御紹介したいと思います。
最後、19ページです。こちらは、ひとり親のお母さんへの訓練の制度でして、スキルアップするための訓練を受ければ、その間、生活費10万円を支給するという制度です。前回の御紹介であったように、短期間の6か月以上のものを対象訓練にしたり、あるいは従来は国家資格だけだったものをデジタル分野の民間訓練も新たに対象にするというものです。
最後ですが、資料2-4です。こちらは、何度か西田先生から御指摘があった内閣官房のコロナウイルス対策室のナビが非常によくできているということでの御紹介です。こちらは既に、「困りごと」全般ということで、収入が減ったとか仕事を失ったとか税金が払えないとか、そういった困りごと別にバナーが出ており、これをクリックすると実際の支援策に飛ぶというような支援ナビとなっております。
次ページは、第1回で小室さんから御案内があったフィンランドにおけるAIを活用したプッシュ型ツールであるAuroraです。こちらについては、個人のライフイベントに合わせて必要な情報を一元的にAIが提供するシステムということで、フィンランドでは財務省が主体となって、こういったものをやっているというものです。今後、日本でもこれからデジタル庁ができますが、そういった動きに合わせて検討していきたいと思っています。私からは以上です。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございました。今の御説明は、皆さんの御意見を踏まえて情報の提供の仕方、オープンウェイというかチラシなどを変えたということと、御意見があったことは結構やられていることもあるので、それを追加的に御説明いただいたということだと思います。それでは、今のものも含めてで結構ですが、厚生労働省全体の情報発信の仕組み、私も全体はよく知らなかったのですけれども、ここのところ急に変わってきているようです。これについて御意見なり、あるいは、これからもうちょっとこんなこともやったらということがあれば、どなたからでも手を挙げていただいて、言っていただければと思います。では駒崎さん、お願いいたします。
○駒崎弘樹委員 認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎です。説明、誠にありがとうございました。様々な改革に努力されていること、ひしひしと伝わりました。2点あります。1点目です。しかし、広報の人員が21人というのは少なすぎると思います。単純に比較は全くできないのですが、我々フローレンス、一NPOですけれども、社員数が700人ちょっといるのです。その中で、広報チームは11人います。厚労省の規模に直すと47人いることになるのです。ですので、一NPOと比較するのも何ですが、それに比べても半分以下ぐらいで国全体の広報をなされているということは、かなり無理がある体制だなと客観的に思いました。なので、是非増やしていただけたらと思うのです。
もう1つ、これの流れですが、いまだに広報室ですよね。これは課ではないということ、課よりも下のレイヤーのものですね。厚労省は、課を1つ作るためには1つ課を潰さなくてはいけないというルールなのだそうです。しかし、今コロナ禍という非常に国難の中にあって、国民とのコミュニケーションが非常に重要なときに、こうしたある種の従来までのルールを適用して体制を強化しないというのは、一体どういうことなのかと。そこは政治的な判断で、政治的な決断でしっかりとリソースを投下するということがあってもいいのではないでしょうか。是非、三原副大臣など政治家の方々に決断いただきたいところです。
2つ目です。先ほどGoogleのAd Grantsについて御紹介いただきました。これは、Googleで検索したら、広告で一番上に出てきてくれる、これをGoogleさんが無償提供してくれるという話です。これを使われたというのは、すばらしいことだなと思うので、今後もっと使っていただきたい。この政策だけではなくて、多くのことについて使っていただきたいと思います。
特に、例えばレイプとかセックスとかという言葉を引いたときに何が出るか。皆さん是非引いていただけたらと思うのですが、例えば、セックスであればアダルトページになりますし、レイプだとウィキペディアとか、またアダルト的なニュースサイトになったりします。そうした被害に苦しむ人がその言葉で引いたとき、あるいは少年少女がセックスというふうに引いたときに、正しい情報や性教育に結び付くのではなく、いきなりAVになるわけなのです。それが本当にいいことなのかと。もしそこで、例えばAd Grantsを使って厚労省がレイプの被害者支援センターを一番上に出してくれれば、あるいは性教育のしかるべきコンテンツに行ってくれれば、非常にいい認知回路というのができるのではなかろうかと思います。そういったところも是非利用していただけたらと思います。以上です。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございます。非常に大事な指摘でした。ほかの方、どなたでもあればお願いいたします。では西田さん、お願いいたします。
○西田亮介委員 東京工業大学の西田です。御説明いただき、ありがとうございました。1点目は駒崎さんと重複するものです。御提案の中でも書かせていただきましたが、厚労省の予算は年間30兆円ぐらいかと記憶しております。職員の皆さんの数が3万人ぐらいですか、都道府県の職員数等とおおむね肩を並べるものかと思いますし、予算規模でいうと、それよりもはるかに大きいものになっているわけです。そうすると、やはり扱う政策の重要性に比べて広報の体制規模は極めて脆弱で、むろん、すぐの増員は難しいということかと思いますが、中長期で見たときには、やはり人の数を増やす、ガバナンス上の工夫をするということが必要なのではないかと思いました。
2点目、こちらはちょっとお伺いしたいのですが、先ほど説明いただいた広報室の資料の中で、改革1がマーケティングPRで、改革2がコーポレートPRとあったかと思います。マーケティングPRというときに、あくまで代表例かとは思うのですが、制作物のデザイン力向上と顔の見える広報ということが取り上げられていたかと思いますけれども、むしろ、どのような戦略を取っていらっしゃるのかということと、どのようなKPIを取り入れていらっしゃるのかということを概要だけで結構ですので、御教示いただければと思います。以上です。
○佐藤コーディネーター 今の点を室長、可能な範囲でお願いできますか。
○野﨑大臣官房総務課広報室長 西田先生、ありがとうございます。駒崎さんもありがとうございます。まず、後半が聞こえなかったのですが、マーケティングPRはどういう戦略で、かつ、どういう内容をやっているかということをおっしゃっていましたか。
○西田亮介委員 内容とKPI、参考となる重要指標などで結構ですので簡潔にお教えいただければと思いました。
○野﨑大臣官房総務課広報室長 分かりました。今日御説明したように、結局15の部局があって、4,000人の職員がいる中で21名の体制なので、個々の政策の発信ということに関して言うと、マーケティングPRでは、広報室が十分に全体を総括するという段階にはまだ立てていません。これが正直なところです。今日出させていただいたマーケティングPRの代表例は、各部局が政策の広報をする際のインフラというか、やりやすくなるような、例えばイラスト素材とかというような、そういうような関わりを今、広報室を中心にやっているということで、そういう意味でいうと十分なKPIもまだ持てていないということになります。
○西田亮介委員 ありがとうございました。近年、戦略PRなどということも言われたりしますが、マーケティングということでしたらデザイン改善もさることながら、むしろ戦略の策定とか、それをどのように評価していくのか、政策にフィードバックしていくのかなどということも考えられるようになるとよいのかなと思いました。以上です。
○野﨑大臣官房総務課広報室長 ありがとうございます。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございます。では、金子さん、手を挙げておられるので、金子さん、お願いいたします。
○金子恵美委員 ありがとうございます。今、正に広報室長からお話があったところなのですが、皆さんの指摘の人員の体制の脆弱さももちろんですが、マーケティングPRの中で政策に関する広報ですけれども、正にこのPTの目的としているところなわけですよね。そこを考えたときに、広報戦略を立てる上では、その考え方というか、今の15の部局が主体となって、ここの予算だけを吸い上げてやるというのでは限界が正直あると思うのです。駒崎さんがNPOというお話をされましたが、厚労省を1つの大きな企業と考えたときには、大企業なみの広報予算を取っていかないといけないわけですよね。
なので、そもそも各部局にそれだけのしっかりとした広報を打てるような広報予算があるのかというところも、各部局が上げていると言いながら、どの辺りを取っているかというところとか、各部局でそこまで調べ切れていないと思うのです。そこは、やはり広報室が差配してバランスを考えて、このときにもう一度この広報を打たなければいけない、今支援を求めている人たちに広報を打たなければいけないということを一度出しただけではいけなくて、広報というのは、いわゆる出していく情報というのはタイミングがあると思うので、そのバランス、調整役としてやるべきなので、そこも広報室がしっかり予算を持った上で、時節に合わせた広報活動をしていってほしいなと思いました。
もう1つは、指摘ばかりではいけないので、先ほど蒔苗さんから説明があった、なぜか5ページが省かれたのですが。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 すみません。
○金子恵美委員 これは非常に改善されて、いいなと思ったのです。「再就職や転職を目指す皆様へ」というまずターゲットに触れて、その対象者が受けられるサービスを一括して、一目見て分かるようにしてあるのです。だから、ターゲットに対しての目線合わせというのが絶対的に大事だということがここに反映されているのではないかと思っていますし、今までこういう観点というか感性というのが正直、役所の皆さんになかったのではないかと。六法全書が一気に小学校の参考書のようになったぐらい分かりやすくなったなと思ったので、これは非常に評価されるところではないかなということも申し添えておきたいと思います。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございます。ほかに。三浦さん、森永さん、ハイヒール・リンゴさんとします。では、三浦さんお願いします。
○三浦瑠麗委員 はい、ありがとうございます。月刊「厚生労働」に関して、どういうふうな形でオンラインの座談会などを配信しているのかなと、今ちょっと調べにいったのですけれども、まず媒体ありきで、厚生労働省のHPの中にその媒体が出てくるページがあるのです。そのページは、広報の一環となっていて、広報の担当の発行している雑誌、雑誌の目次に飛ぶ、目次からオンラインで限定公開している幾つかの記事に飛べるようになっています。
本来は、こういったものをPRしようと思えば、何々の管轄でこの雑誌をPRするというのもコンテンツなのですね。出したいのはコンテンツなので、ある意味、厚生労働省の職員の方が名前、顔出しで出ているのであれば、その月、その週に話題になるような記事の発信の仕方を考えてはどうかと。
例えば1つ参考にすべきなのは、文芸春秋社はいろいろな雑誌を出していらっしゃいます。実は文芸春秋社としては1つの統制が取れたHPではないのですね。彼らも古い会社なので、例えば文春オンラインというのはよくバズルやつですね。あれに関しては月刊誌から持ってきて、途中まで切り出していたり、あるいは週刊誌のものを早目に持ってきたりしています。文春オンラインほど力がある媒体を厚労省が作れるわけではないので、そこはヤフーニュースに乗っかるような形で、厚労オンラインみたいなものを出してもいいかもしれませんし、やはり集約していくというのはどういうことかと言うと、月刊誌の中の区切りとして記事を配信していくのではなくて、厚労省から出している面白い読み物、役に立つ読み物、ひょっとしたら地域の自治体などで失職した方に対応している方が知りたいような情報が、そこから月に何本か配信されるというような、そういう考え方なのです。これがいわゆるユーザーフレンドリーな考え方です。
情報に関しては、構造化が必要だという先ほどの御説明がありました。そのとおりだと思います。実は情報が足りないのではなく、乱立しているという状況ですね。そうすると、その乱立を整理するためには、やはり、こんなイラストが使えるよという、それぞれの人が持っているコンテンツのきれい化とか、利便性の向上ではなくて、整理、統轄していく作業が必要になります。
会社内で問題が起きたときに、特別なタスクフォースが組まれて、各部局で問題がないかどうかを調査することがあります。このようなタスクフォース的な人数としては、実は今の21人でもできるはずなのですね。21人の人は各部局を全部回って何が必要なのかというのを調査して回るというのが、実は別に人々の労働時間を割かなくても全ての部局のHPを自分で見にいけば分かるし、分からないところを追加的に聞き込みにいけばいいわけです。ですから21人で、広報をこれからやっていくことは難しい、でもタスクフォースとして今の人々を使うのは、短期的な解としてあると思います。ただもちろん、長期的には、委員の皆さんからも御指摘があったとおり、しっかりと外部人材を含めて採っていかなければいけない、確保していかなければいけないと思います。
タスクフォースが何を洗い出すべきかと言うと、実はビュー数ではないのですね。制度の利用頻度、そして想定すべき受け手にしっかり届いているかということです。その観点からいくと、資料2-1の2ページの中にあったフローチャートは、デザインはともかく、中身としては非常にいいと思うのですが、ただ、この受け手の想定として、今後私たちがどこに届けるべきか、全国民が福祉制度を利用すべきかというと、私はそうは思わないのです。
例えば制度で言うと、求職者支援とか職業訓練を、ある意味月収をもらいながら給付金をもらいながら従事して訓練を受けていく。実はあるツイッターを見ていたら、非常に有名大学卒の海外に留学したこともあるような人が、外資系コンサルティングを辞めて一定期間無職になった。もちろん世帯収入としては、彼が稼ぎ手なのでゼロであると。そういう人が例えばすごく高度な職業訓練としての大学院とか、資格を取るためにこれは使えるよというのをPRしているツイートを見たのですね。悪いことではないです。ただ、制度の趣旨からいくと、では誰に届けたかったのかと言うと、実はNHKで放送されたばかりの、バス停でビニール袋に石を入れた凶器で殴られて死亡した女性、彼女に届けたかったわけです。
今、職がない。実際に今コロナ禍で自分が専門としてやってきたものの募集が今ない、だけれどもすぐに採ってもらえる状況ではない。外見、身なりも粗末だったり、あるいは清潔でなかったりして、アルバイトの面接で関係のない業種に行っても採ってもらえないような人が、一定呼吸する期間をおいて、その中で月額10万円をもらいながら、そしてほかの制度であれば住居を確保すると、脱ホームレス化をしながら準備をして誇りを取り戻して何らかの、例えば今であれば看護師の職に就くこともできるかもしれない。そういう人たちに向けて見なければいけないのです。
そうすると、例えば我々委員のように、非常にこう何と言うか、パパッとこの複雑な書類をみてとる精神状況と能力のある人が見て分かるということではない、どうやってその人に届けるかという発想をやらないと、やはりすごい整合性に偏ったタスクフォースになってしまいがちなので、この辺をどう考えていくかを、考えていったほうがいいと思います。以上です。
○佐藤コーディネーター では、森永さんお願いします。お待たせしました。
○森永真弓委員 博報堂DYメディアパートナーズの森永と申します。今日はよろしくお願いいたします。先ほど駒崎さんと西田さんのお話にも出てきましたけれども、広報人員の話について補足です。民間もそうなのですけれども、いわゆる広報の知見というのは組織内にどういう情報を吸い上げるネットワークがあるかと、それを外に出すために組織内にどうネットワークを持っているのかというのが広報の知見の大きなポイントの1つとなります。そういったものは往々にして人に溜まりがちなのです。
民間でも人に溜まりがちなところが、公務員においては必ず異動がありますので、その異動によって、知見が溜まらずにどんどん散逸してしまうというポイントが非常にネックになってくると思います。そういったときにどう仕組みで解決していくのか、情報の溜め方をどうするのか、複数人が常に被っているような人事を回せるのかみたいなことを是非考えていただきたいと思います。民間でもそこは非常に悩みを抱えております。世界、外資でも困っていたりするのですね。1人が転職してしまって、ネットワークが全部失われたみたいなことはよくあります。ですので、厚生労働省こそが、むしろ組織的に対応できる先進的広報な組織であると言えるような目標を持って、組織作りをしていただきたいと思います。それがひいては国民のためにつながっていくのではないかと思います。私からは以上です。
○佐藤コーディネーター ではハイヒール・リンゴさん、お願いします。次があるので一応ハイヒールさんのところまででいいですか。ではどうぞ。
○ハイヒール・リンゴ委員 資料をたくさんありがとうございました。読み切れないような資料だったのですけれども、私はこういう雇用とかそういった専門家でもないのですが、こんなことを厚生労働省がやっているのだということにすごいびっくりしました。資料も非常に、マーケティングPRとかコーポレートPRとかも分かりやすくて、これをこのPTが始まってから改善されたということに正直すごいびっくりしたというか、こんなに21人で動いているのだと、皆さんみたいに余り指摘もできないのですけれども、それが私の正直な感想です。
ヤフーのバナー広告とかGoogleとかの検索で「自殺」というのを引いてみたのですけれども、厚生労働省のページが一番上に出てきて分かりやすいし、いろいろな方に対する対応も全部書いてあって、こんなことをしてくれているのだというのを、もっと告知をどうにかできないのかなとは思いました。
ただ1つ思ったのは、イラストが何分ちょっと無難すぎてインパクトに欠けるというか、いろいろな権利関係の問題もあるのでしょうけれども、鬼滅の刃とまでは言いませんが、何かもうちょっとインパクトのある、アイキャッチのあるものができないのかなと、調べるほうの立場からして無難な感じがすごく気になりました。
それと、イクボスの件なのですけれども、こんなことをしているのだというのを初めは知りませんし、もっといろいろな方法でこれを告知されているのかなと思ったのですけれども、ここに関しては、ちょっと自己満足的な、こんなこともやっています的なところがすごく見えてしまいます。これは個人情報なのでどこまでと思うのですが、イクボスの例えば年代とか、こういうのは地域によって偏りがあると思うので、書かれている所もあるのですが、どこの町の方がイクボスになっているのかとか、どこの地域の方がイクボスになっているのかというのは、結構首都圏に集中しているような気がするのです。少しほかの地域の方もおられますけれども。そういうのをもっと分かりやすく、日本中のここにイクボスがいますよみたいな、この人が青森出身とかは分からなくていいのですけれども、イクボスが全国的に散っているのだというような、何か目に見えるようなものがあったほうが。首都圏はできるけれども、どうせ僕らの地域はできないみたいなことが起こり得るのです。非常に分かりやすくておもしろい企画なので、私も審査員になりたいなと思ったぐらいです。もうちょっとひねってほしいなと、見る側からの意見として思いました。
○佐藤コーディネーター 今の点は駒崎さんに少し考えていただいて。少し皆さんからあって、1つは広報誌の人員なのですけれども、これはちょっと考えなければいけないのは、厚生労働省は巨大企業でコーポレートの本社の後方部隊なのです。関連会社もたくさんあるのです。例えば障害者雇用であればそれだけやっている所があって、そこで雑誌を出してPRしていたりするのです。あとは中でも労働局で広報などをやっているのです。ですので、多分全体で見るとそんなに規模が小さいわけではないのかもしれない。
ですから、そういう意味では、コーポレートの広報機能としてどうするか。あと、それで中の出先機関とか、回りの関連会社の広報とどうやるかみたいな、広報のネットワーク、分業みたいなことも考えていただくといいかなと思ったのですが、その辺はいかがですか。
○野﨑大臣官房総務課広報室長 例えば先ほどこのコロナの下で21人でやっているのかというお話がありましたけれども、実際コロナの関係だとコロナ対策本部というのが省内に設置されていて、そこにも広報班があります。またコロナワクチンの関係だと、予防接種室に広報チームというのがあります。ですから私たち広報室がやっているのは、1つはコーポレートPRの観点の総括ということと、マーケティングPRの観点は我々が自ら手を動かすというよりも、各担当にある広報機能が十分に発揮されるように、それを下支えするというのが基本的な考え方です。
そこに広報委員というパイプを置いて、必ずしも十分にアクティブに動いているかといえば課題もありますが、そういう考え方で進めています。もちろん政策、マーケティングPRの観点で何か質問があるとか、例えばどういう外注先を選んだらよいかとか、例えばこういうチラシを作ったのだけれどもどう思うか、もうちょっと分かりやすくできないか、といったことは広報室で相談を受けて指南というか助言をするということをやっているということです。
確かに巨大な広報課ないし広報局みたいなものを置けばいいのかというのもあるのですが、結局、15の部局があって、それぞれ専門分野があって、それを全部1つの所でその広報を抱え込むというのが、正直どこまでやっても限界があるのではないかと思っているのです。もちろん21名というのは足りないと思っていますし、もう少し増やしていくことも必要です。
予算がという話もありましたが、(広報室の)予算も3,000万円前後しかないので、広報室として大きな広報は打てないのですが、各部局がそれぞれの事業の中で広報関係の予算を持っています。これまで我々(広報室)は全くそれの情報がなかったので、今始めたのは少なくとも各部局でやっている広報、特にどこにどのような外注をしたかというような情報を吸い上げ集約して公開するという仕組みはつい最近入れたので、まずそこからスタートしようとしています。いずれにしても、西田先生から御指摘がありましたけれども、マーケティングの観点で広報室がもう少し機能を十分に果たせるように、何ができるかということをこれから少し考えていきたいと思っています。
○佐藤コーディネーター まだいろいろあるかと思いますが、皆さんの御意見を踏まえて室長には更にレベルアップをしていただければと思います。
それではもう1つ大事なテーマがありますので、プロジェクト報告書の骨子についてまず御説明いただいて、それでちょっと休憩して、その骨子について御意見を伺うという手順にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 分かりました。では資料3を御覧ください。このPTの報告書案ですが、報告書は次回で取りまとめを予定しており、今回は骨子という形で御紹介いたします。まず骨子の構成ですけれども、1番にこのPTの開催の趣旨です。開催趣旨は正に1回目で御議論いただきましたけれども、今回非常に女性、特に非正規の方に影響が出ているということで、そこにどう届けるかということをテーマにやっています。2番目の所は今副大臣のほうで非常に熱い思いを検討していただいていますので、次回にはちゃんとメッセージが入ります。
3番目はこの報告書の構成です。書いていますように、このPTにおいて、本来は今日やった広報室のプレゼンを1回目にと考えていたのですけれども、コロナ対策を先にという議論もありましたので、コロナ禍としてすぐに取り組むことを第Ⅱ章の対策編でも最初に記載したいと思っています。第1回の雇用、第2回の自殺防止・生活支援、第3回の女性活躍支援です。②は、今回取り上げた部局だけではなく、それ以外に省内にたくさん部局がありますので、そちらにおいても似たような広報手段が使えるのではないかというものを、我々で整理して御相談したいと思っています。
③は、今日御説明がありました広報室全体の業務改革の加速化と、あと、この後御説明するⅡ番の対策の所については、やる事について今回のプロジェクトチームの報告書1回のみの内容ではなく、その内容を厚生労働省改革の工程表に盛り込んで、実施していくというものです。
あとは、今日も含めてメンバーの皆様からいろいろなアドバイス、提案を頂いていますので、それについては整理してⅢ、Ⅳ章で御紹介いたします。最後、Ⅴ章には、3回までの間に4人の方からプレゼンを頂きましたので、こちらについても御紹介いたします。
Ⅱ章は、改善に向けた取組とそのフォローアップです。先ほど申しましたように、ローマ数字のⅡ章に書く部分については対策ですが、ここは全て改革工程表に盛り込んでフォローアップしていきたいと思います。
1番目、政策広報の改善に向けた具体的取組内容として、コロナ禍の対応としてすぐに取り組むこととして、1回目から前回3回目まで御議論いただきました、雇用、自殺防止、職場における女性活躍支援、子育て支援策について書くとともに、内閣官房コロナ室のWebサイト、先ほどちょっと御紹介しましたけれども、よくできていますので、ここを我々のほうで少しプレイアップしていきます。
2番目が、共通部分において、他の政策分野でもこういった似たような広報ができるのではないかというものを書く部分です。2ページ目にいっていただいて、一番上ですけれども政策の広報に関する基本的考え方と書いてありますが、こちらの内容は困っている人に支援がいきわたるようにするために、厚生労働省だけではなく官民の役割分担とか連携を図っていきたいというものです。
ここは例えば施策によっては自治体の方の協力が必要ですので、自治体の方への丁寧な情報提供ですとか、あるいはラストワンマイルは民間事業者を巻き込んでという話もありましたので、そちらについて書いていきたいと思います。
重点的広報制度の本格実施については、今日、広報室長から御説明のあった内容について、書いていきたいと思います。
3つ目の所が、先ほど出ました政策類型別の広報アプローチということで、今回は雇用とか生活とか子育て支援についていろいろ御意見を頂いて、広報について考えたわけですけれども、例えば年金とか医療とか他の分野でもこの分野と似たような広報が使えるのではないかという分類を、今日の議論も頂きながら考えて、これから我々のほうで最終報告書に盛り込んでいきたいと思います。地方公共団体とのコラボの所は、前回駒崎さんから御議論のあったような内容について記載予定です。
2の広報改革の部分については、本日の議論を踏まえてこれから整理していきたいと思っています。
Ⅲが第1回~第3回のPTにおいて、皆様から頂いた御意見について、テーマごとに我々のほうで整理をして記載をしたいと思っています。最初に共通的な部分を括り出しまして、2番目から雇用、自殺防止、職場の女性支援、子育て支援というように御紹介申し上げたいと思います。
最後にⅣ章ですけれども、これは今日議論しました厚生労働省全体の情報発信の仕組みについての議論について、ここに1として情報発信の仕組み、プラットフォームの効果的な活用方策の検討ですとか、2番目でHP等だけではなくて発信力のある方へのアプローチを通じた広報、1つ目は今回プレゼンの中でもいろいろな方に来ていただきましたけれども、各分野の現場で実際に支援を行っている専門家の方々を通じて伝えていただくというような周知もあるのではないかとか、あるいは今回のメンバーの方々のような発信力のある方に、引き続きこれからもお願いをしながら情報提供をするのに加えて、TVのキャスターの方ですとか論説・解説委員への積極的アプローチも使ったらどうかということです。
4ページの上のほうですが、こちらは三原副大臣が前回、前々回も御議論がありましたけれども、本日も含めて、メンバーの方からの政策提言とかメッセージについて、少し我々のほうで整理して記載したいと思っています。
最後にⅤ番目は、メンバー表ですとか、これまでの検討のスケジュールを書くのと、現場の方々、当事者の方からプレゼンを4人頂きましたけれども、最初はここに詳しく書こうかと思ったのですが、全体の報告書の分量が長くなりますので、ここは少し概要と簡単なポンチ絵みたいな資料を1枚だけ参照する形で、詳しい内容はHPにうまく飛べるような工夫をしたいと思います。最後に基礎データを若干付けて報告書としたいと思っています。以上です。
○佐藤コーディネーター 今御説明いただいたのとちょっと重なるのですけれども、時計文字のⅢ以降は研究会の議論のエッセンスがまとめてあるというイメージでいただければ。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 そうです。
○佐藤コーディネーター Ⅲ以降は。それで大事なのは時計文字のⅡの所なのです。Ⅱのまとめ方で1つの提案なのですけれども、1つは今回、Ⅱの1の中が①と②の2つに分かれていますけれども、①は今回議論したことです。具体的に特に取り組んでいることを必要な人にすぐに届くような情報発信をどうするかというので、時計文字のⅡの1の①の所が雇用・人材開発、自殺防止とここに書かれています。この中にいろいろと御意見で更にこういうことを入れてということがあると思います。
もう1つ大事なのは、①で議論したことが、他の厚生労働省の政策に当然生かすべきものがたくさんあると思います。つまり、こちらで待っているのではなくて、利用者さんの所にいくようなことはこういう施策では重要だとかいろいろありましたよね。あるいは自治体なり、NPOを通じるのであれば、その人たちが利用者に伝えられるようにNPOに接近する自治体にという話がありました。そういう意味では時計文字のⅠの②というのは①で議論したことをもう少し一般化し、ほかの政策にも生かせるような形に整理しようというのが②です。
大きな時計文字のⅡのところは、今日議論した厚生労働省全体の情報発信という形で、時計文字のⅡの所は整理させていただきますので、特に後でⅡの所について御意見を伺えればと思います。
それでは蒔苗さん、ここで休憩でいいですか。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 そうですね。
○佐藤コーディネーター 終わった後、資料を出していただく駒崎さん、西田さんから始めていただいて、全員回しますけれども、まず資料を頂く方という形で。何分まで休憩にしますか。10分。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 10分までにしましょう。
○佐藤コーディネーター 10分までで、10分にはスタートする。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 10分スタートでお願いします。
○佐藤コーディネーター 9分ぐらいには来てください。すみません。
(休憩)
○佐藤コーディネーター いいですか。今日は骨子なので全員に御意見を伺いたいと思いますが、後ろが3時です。もちろん皆さんに御発言を頂くのですが、順番としては駒崎さんと西田さんは資料がありますので、資料がある方を先にということでいいですね。駒崎さんと西田さんからで、後は名簿に戻って金子さん、小室さんというようにいきます。では駒崎さん、お願いいたします。
○駒崎弘樹委員 資料を提出させていただいたので、それを基にお話したいと思います。この報告書のギリシア数字のⅡの1の②、その他の政策提言があればということで、その要請に従って提言させていただきます。「政策セカンドトラックに関する提言書」です。「地域のNPOを最大限活用し、政策をユーザーまで届けるために」と題しました。
次のシートを出してください。今、厚労省はコロナ禍において様々な施策を打っています。しかし国が政策としてボンと出しても、実践するのは都道府県や基礎自治体になるわけです。そうなったときに基礎自治体が政策のボトルネックになっているということを、この前お話させていただきました。彼らに対して分かりやすくちゃんと広報をして、彼らが動きやすいようにちゃんと要綱を作ってあげてという、政策アウトリーチ活用が必要だという話をしました。しかし、それでも構造的に自治体ではマンパワー不足であったり、そもそもモチベーションが湧いていないとか、認識が不足している状況というのは、やはりどうしても出てきてしまうということがあります。そうした場合において、自治体が手を挙げなかったらその政策は届かなくて終わりなのかというと、それはやはり危険ではないかと思っているので、セカンドトラックを作る必要があろうかと思っています。
次のシートをお願いします。それが自治体を介さないで、直接、国からNPO等の民間団体に仕事を発注できるという仕組みにすることはできないかということです。つまり、こういうことです。通常であれば国が地方自治体に投げて、地方自治体がNPO等を公募して、手を挙げたNPOに対して仕事を発注し、そのNPOが様々な行政サービスを行うというのが基本的なファーストトラックです。そうではなくて、自治体から手が挙がらないようであれば、国が民間団体に直接発注できるというものを、ファーストトラックに加えてセカンドトラックとして持っておくということです。それができると、漏れなく政策が染みわたるようになっていくのではないかということです。
次のシートをお願いします。この発想自体は、実は既に部分的に行われています。それは孤独・孤立対策で行われています。この孤独・孤立対策の中の一部、生活困窮者等に対する支援に関する活動を行うNPO法人等への助成のメニューは、国から直接NPOに補助して、NPOが動くようになっています。なぜかというと、今はコロナ対策で喫緊動かなければいけないけれども、自治体が手を挙げるのを待っていると間に合わないのでNPOに直接渡す。あるいは自治体だと、基礎自治体の範囲でしか孤独・孤立対策ができないけれども、県をまたいだりする広域的な活動がありますよね。特に相談支援などは、「茨城県の人しか相談してこないでください」と言うことはできないわけです。そういった意味で広域になりがちです。そうしたものに関しては、NPOに直接投げてしまうほうが効率的だったりすることがあるのです。そういう意味で、これは実験的です。恐らく厚労省としては、ほぼ99%が基礎自治体経由だと思うのですけれども、このような形で取組が実験的に始まっていますので、この枠組みを増やしていくことによって、スピーディーに政策が染みわたることになるのではなかろうかと思っているので、是非御検討いただければと思います。
最後のシートをお願いします。最後にまとめます。政策ファーストトラックだと、自治体が動かなければ政策が届かない、「以上、終わり。」になってしまう。そこでセカンドトラックを作って、自治体を介さなくても行きましょうということをすることによって、これまでの既存のある種のバグを直すことができるのではないかという提案です。以上、御検討いただけたらと思います。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございました。直接、NPOを通じて政策を実現するというのは、すごく大事だと思います。もう1つ大事なのは、基礎自治体を通じての政策でも、実は基礎自治体のマンパワーなどは全然違うのですよ。横浜市のような所と、村や町みたいな所とか。ただ、同じように政策は下りてくるのです。例えば次世代法なども地域の行動計画を作れというのがあるけれども、横浜市では作れても村や町だったら作れないということがあるわけです。その辺で、実行するために自治体を支援するということも、すごく必要なのかなと思いました。どうもありがとうございました。では西田さん、お願いします。
○西田亮介委員 東京工業大学の西田です。全員が出すものだと思っていたので、駒崎さんのような斬新なことは特段書いてないのですが、さしあたり3点書かせていただきました。まず1点目ですが、今回のPTの形式は、今回に限らずよく見られるものだと思います。レクを頂いて、それに対して委員がコメントをしていくような形だと思います。ただ冒頭にもあったとおり、厚労省の業務は大変広いものだと考えています。今回、レクにしても大変分量が多いので、むしろ省内で認識されている課題も挙げていただくというところが先行しても良かったのではないかと考えております。
もちろん、我々も自由な課題出しをするのですけれども、その広報・広聴に係る課題観を先行して厚労省のほうからお示しいただいて、せっかく民間の実務家の方々が多く参加しているわけですから、協力しながらこうやって解決できるのではないか、ああやって解決できるのではないかというやり方がありえたのではないかというのが1点目です。大変軽微なものだと思いますので、またどこかの機会で御検討いただければと思います。
2点目です。近年、広報というのは出しっぱなしではなくて、例えば広聴と結び付けて広報・広聴を一体で考えようとか、更に押し進めて言うならば、社会関係資本の形成を促すようなやり方や、「ナッジ」などと呼ばれる、インセンティブを刺激するようなかたちで施策と結び付けて考えていくことで、様々な試行錯誤が行われるようになっております。
日本においても厚労省の健診の受診率向上施策のハンドブックの中で、ナッジをどうやって活用するかということを広報されています。むしろ、そうであれば厚労省の広報・広聴にナッジを組み込んでいくということをもっと摸索してもよいのではないでしょうか。ナッジに限らずコロナに関係するものでも、これは厚労省のものではありませんが、例えば環境省のほうで検討の頭出しなどが行われているので、こういうやり方も御検討あるいは試行等、将来的に考えていただければと思います。もちろん厚労省の中で、例えばエビデンスベーストポリシーメーキングなどの取りまとめが行われ、最近、その報告が出たかと思いますが、その延長にあるようなものと考えます。
3番目については、既に先取りして言及させていただきました。やはり体制の拡充が必要ではないかというところが1点目です。関連してもう1点は、そうは言っても人員を増やすというのは、昨今の情勢や定員管理の問題でなかなか難しいと言われております。仕事の関係で過去のパンデミックである新型インフルエンザの感染拡大のときのことを調べていたのですが、厚労省は当時、隔週水曜日に記者レクをかなり丁寧にされていて、それが良かった、それが報道の鎮静化や冷静化に結び付いたということです。それがどこまで本当かというのはよく分からないのですが、そういうことが記録されていました。オピニオン・リーダー等への集中広報ということも言われていますが、今はインターネットメディアも当時より普及していますので、もっと記者クラブに属していない方も含めた広範な記者レクなど、ターゲットを明確にした集中広報の在り方なども御検討いただければよいのではないかと思います。3点、御提案させていただきました。以上です。
○佐藤コーディネーター すみません。私は「名簿順で」と言ったけれども、いつも上からだから金子さんになるので、下からでもいいですか。金子さんが用意していたけれども、ごめんなさい。逆にいこうかなと思っています。すみません。下からいきます。森永さん。むちゃぶりだけれども、いつも最後になってしまうのは悪いかなと思って。
○森永真弓委員 今、西田さんがおっしゃったことに重なる話になりますが、西田さんの資料で、「ナッジ」という言葉が出てきています。今日、厚労省から御説明いただいた中の資料で、イエス・ノーで答えていったら届くというようなものもありますけれども、知ろうとするとかというと、強制的に真面目なものを知らせなければいけないというのは、広報や宣伝では結構難しくて、やらなければいけないことをみんながやるなら、8月31日にみんな宿題はため込まないわけです。必ずやらないとするのであれば、どういうようにしたらやってもらえるのだろうとか、気付いたらその情報に触れているというようなナッジの使い方であるとか、日常生活にどう組み込むのか。あるいは、ワクチン接種で良いか悪いかは別ですけれども、アメリカではドーナツを配って無理矢理やっていますが、このように何らかのインセンティブを含むとか、そういったところの作戦も含めて考えていただくのがいいのではないかと思っております。
あとは今回、いろいろな資料を見せていただいて、これは厚労省の職員の方がここまで頑張るものなのかなと思った資料もいっぱいあるのです。ここまで工夫したり編集したりするのは、正直言って外注化して専門家に頼んでしまってもいいのではないかと思うところがあります。皆さんの能力やスキルの切り分けみたいなことをして、どう外注するのか、自分たちでやるのかというのも、是非、戦略面として考えていただければいいのではないかというように、今回すごく感じた点でした。以上です。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございました。それでは三浦さん、お願いします。
○三浦瑠麗委員 私も外注には大賛成です。これは打合せのときにも申し上げたのですけれども、意外とそんなにお金が掛からないのが、実は役所から外注をすると、デザインも美しくない、動作も良くない、情報もスペックも必要なものを超えて過大すぎるものが、大企業によって受注されたりするのです。それよりも、やはり額の少ないものであれば、もっと小規模な外注がジャンジャンできるようにする。例えば、コロナであれば随契がかなり可能になってくると思いますので、少額随契でジャンジャンやって外注してみようという考え方が、やはり一番いいと思います。それで成功体験を積み重ねれば、絶対に次からのコロナ以外の業務にも生きてくるはずだと思います。
今、ナッジの話の御指摘がありましたが、うちでやっている「あなたの価値観診断テスト」というのは、何十万回も試されたテストです。なぜ何十万回も試したのだろうかというと、知りたいとか、ちょっとやってみたいものというのは、ユーザビリティーやデザインとか、ちょっとクリックしていくとどんどん先に進んでいくとか、それでも何分も掛からないようなものがやはり大事なのです。先ほどデザイン性に問題があるといったフローチャートも、スマホでどんどん進んでいける性格診断テストとか、好きなフルーツみたいなものに近い感じで。
○佐藤コーディネーター ちょっと前から聞こえなくなってしまっていたのです。
○三浦瑠麗委員 すみません。大したことは言っていません。そういったものを使っていただければいいのではないかと思います。
それで、まとめていく中で気になったこととして、すごく大きなものが2つ落ちているのです。今まで何度も申し上げてきたと思うのですが、やはり省庁の管轄の隙間に落ちてしまうものがあります。この最大のものはフリーランス、あるいは「一人社長」と言われるような人たちです。この人たちに対して手を伸ばさないと、コロナ禍では不十分なのです。その中では雇用類似の働き方に対する保護を強めていくだけではなく、雇用類似ではないものが現実的にフリーランスでは一番多いはずです。やはりここは厚労省からその人たちに対して、雇用保険にはならないかもしれないけれども、任意加入の労働保険を打ち出すべきではないかと思うのです。財務省も今なら「いい」と言うのではないかという気がしています。
文化庁の話を聞いていると、今回は芸術系のフリーランスが本当に多かったのです。今までそういう業界構造でやってきているのです。この人たちが、そっくり業界全体がなくなってしまうのではないかという危機感を持っているのです。しかし御案内のとおり、文化庁というのはそのようなことができる組織ではないのです。文化財の保護が御専門ですよね。ですから正に今まで労働者の保護を御専門としてきた、厚労省が担当するのが一番いいと私は思います。なので、雇用類似の労働者類似の人たちの保護の検討だけではなく、今回は一歩先に進んでいただきたいと思います。通常、病気で仕事ができなくなった場合の保険もないわけではないのですが、やはりコロナ禍のようなことが数年とか、10年に一遍起きる可能性がありますので、そういったところに対応するべきだと思います。
もう1つ落ちているのが、届いていない層です。見えない層です。最近ホームレスの人々は、数え上げると人数は減っているけれども、実態は増えているのです。スーツのホームレスの方が増えているなどとよく言われます。では、どうやったらその人たちに届くのかと考えると、1つは駒崎さんがやられているようなNPOを通じた直接の支援を、お金を付けてどんどんどんどん増やしていくことです。もう1つは、それをスタンダーダイズしないといけないということです。駒崎さんの会社が活動できる地域の人はよく救われるけれども、そうでない地域の人は救われないというのでは、国民の平等性が保たれないですよね。
そこで1つ気になったのは、職業訓練に関しても、するのはやはり民間の教育施設ですよね。そこに育児室があるかどうかというのは、そこに依存するわけですよね。だから何もかも今出されているものはお金なのです。お金は付ける、けれどもそれがどういうように扱われるかは実施主体などに依存してしまうという構造を何とかしなければいけないのです。駒崎さんたちのような先進的な取組のノウハウを、ある程度ハローワークに落としていかなくてはいけないのではないでしょうか。
1つあるのは、アメリカで貧困層の黒人などの生徒が多い州立大学やコミュニティーカレッジでは、就職活動のために彼らが着られる様々なサイズのスーツとシャツが、常に用意されているのです。これは貧困と常に背中合わせで生きているアメリカだからこそ完備されているのです。そのようなスーツを置いておくのが当たり前というようにスタンダーダイズしないと、やはりNPOでそういうことに気が利く人々のいる所だけ、スーツを貸してもらってホームレスから脱却することができたというようになると問題だと思います。
ただ、お金を出すだけではなく、人は増やせないとしても、もう少しノウハウぐらいは増やしていく。あるいはNPOの方に関しても、所属はNPOかもしれないけれども、人材交流も含めて、ある意味、官の運営する機関の中に入り乱れて働くようなことが、もうちょっとあってもいいのではないですか。その人が公務員か否かということではなく、ひとり親支援に携わっている公務員のはずの方でも、非正規に近いような人や非正規の人々もたくさんいらっしゃいますので、だったら、もうちょっと民間に目を向けてもいいのではないかという気がいたします。以上です。
○佐藤コーディネーター どうもありがとうございました。次に古市さん、お願いします。
○古市憲寿委員 報告書の骨子とかは本当に賛成で、ほかの皆さんも言っているとおり、よくここまでされているなということが大前提ではあるのですけれども、やはり先ほどリンゴさんが自己満足と言っていましたが、行政が見せたいものと、国民や住民が見たいもの、知りたいもののギャップが端々にあると思っています。例えば、何回も話題に上がっている厚生労働省のホームページなどですが、数年以内に各省庁の統一サイトができるという話なので、その際には多分、もっとうまく見せられることができるのでしょうけれども、どこまで見る人目線なのかというところが、やはり毎回毎回気になるのです。
例えば、国ではないのですが、分かりやすい例なので挙げますと、日本郵政のホームページに行くと、「すべてを、お客さまのために。」という訳の分からないメッセージがドーンと真ん中にあるのです。一方でほかの国の郵便局のホームページ、例えばノルウェーのPostenという郵便局のホームページを見ると、普通にまず真ん中に追跡番号の入力フォームがボンと出ているのです。当然郵便局のホームページに行く人は、「すべてを、お客さまのために」というメッセージなど見たいわけではなく、普通に考えたら追跡番号で郵便物を追跡する人が多いのだろうということから、多分そういうようになっているのでしょうけれど、全てがそんな感じなのです。トップ画面にしても、例えばパンフレット、リーフレットにしても、厚労省側の言い分が先立っていることがすごく多いと思っています。
違う国の厚生労働省のような所のホームページを見ても、アメリカのHHSだったら、普通に当然ながらというか、まず一番上に検索バーがあって、その下にドーンとCOVID-19のワクチンに関する情報がある。今、アメリカのHHSのホームページを見る人にとって、多分9割の関心事がコロナであるということです。日本でもたぶん同じだと思うのです。しかし日本では、厚生労働省のホームページを見てもそうなっていない。もちろん、これは厚労省だけではなくて、この国全体の広報が余りうまくないということの裏返しでもあると思うのです。特に今の総理も、余り広報のうまい人ではないというか、もちろんパフォーマンスだけの各県知事や都知事などがいいとは思いませんが、その対抗意識かもしれないのですけれども、余りにも広報やパフォーマンスが下手すぎるのではないかと思っています。
例えばワクチンに関しても、毎週1,000万本入ってきましたとか、若しくは7月末までに高齢者接種を85%の自治体が完了しましたとか、そういうプラスのニュースもたくさんあるはずなのに、そういうプラスのニュースは厚生労働省のページや官邸のページを見ても余り書かれていない。見せ方などをもうちょっと全体的にうまくあってほしい。ですから報告書レベルで言うと、別に今のままで何も異存はないというか、そのとおりということですけれども、その微妙なニュアンス、微妙な色合いを意識されるといいのではないかということを、今日の議論を聞いていても思いました。
○佐藤コーディネーター 分かりました。すごく大事な点です。皆さんで考えていきたいと思います。ではハイヒール・リンゴさん、お願いします。
○ハイヒール・リンゴ委員 こんなコロナ禍において、非正規の方だったり、失業されている方だったり、貧困に悩んでおられる方だったりというのがというのは、とてもよく分かるのですけれども、私がこのプロジェクトチームに入れていただいた意味というのは、やはり女性の活躍とか、不妊治療とか、このコロナ禍において出産が減っているというような部分で意見を求められて入れていただいたのかと思っていたので、プロジェクトの話合いも、もうちょっと意見がまとまって聞かれるとうれしいなと思います。私の前と後とで全然違う話だと、議事の進行もされにくいと思ったので、こちらから発信したことをもうちょっとそちらでまとめていただいて、それに基づいてお話を進めていただいたら、もっと時間がキュットなるのかなと思いました。以上です。
○佐藤コーディネーター それではトラウデンさん、お願いします。
○トラウデン直美委員 私もリンゴさんと同じで、私がここにいる意味は何だろうと考えたときに、多分、若者という部分なのかなと思っています。今回のコロナ禍に関して、ちょっとずれるかもしれないのですけれども、周りの若い子たちというか同世代の人たちに、厚生労働省のイメージってどんな感じということを聞いたときに、「ああ、今コロナで大変そうだね」というように、結構遠い形のイメージがあるみたいなのです。
今回、政策をいろいろと見させていただいて、今は有事だから皆さん、本当にいろいろなことをやっているな、こんなにもいろいろなことをやっていたのかと、私もすごくびっくりしたのです。そういう有事のときに頼れる存在だという認識が余りされてないのかなと私は感じたのです。ですから有事のときに動くというよりも、普段からもっともっと寄り添えるような、「娯楽の一部」という言い方はおかしいのですけれども、日常で目にするような形を取っていかなければいけないのではないかと思っています。
私も資料を送っておけば良かったのですが、私が、これはすごく面白いなと思っているのが、見えますか。こういう「NO YOUTH NO JAPAN」というインスタのアカウントがあるのです。これは若い人たちに向けて政治と社会の関心を高めようというもので、すごく見やすく、色分けなどもされていて、流れてくるだけで情報が視覚的にパッと入ってくるのです。こういうアカウントなどもあるので、何かあったときに出すというよりも、普段からこういうものが目に触れて、何かあったときに「あっ、こういうのが出ていたな、そういえば」と思えるような状況を作っておくことが、今後。今すぐには難しいかもしれないのですけれども、それこそ外注するといった形で、日常に溶け込んでいる厚生労働省というようなものがあると、私たちの世代が10年後に成長したときに、もっと頼りやすい存在になってくるのかなと感じました。以上です。
○佐藤コーディネーター 菅井さん、お願いします。
○菅井利雄委員 野﨑広報室長のお話も伺って、いろいろと広報改革に関しましては、以前よりは大分進んでいるのではないかと私は受け止めています。とは言え、そういう巨大な組織の広報活動というのは、今回、野﨑室長がお話されたような形にならざるを得ないというのが、実情です。ほかの民間企業でも大きな企業体、ある機構などでも、やはり同じような広報人員を増やす努力はしているのですが、それぞれの部局との連携で広報活動を推進しているというのが実情です。
あとは運用面とか、それぞれのどのようにやっていくべきなのかの中身のほうが、もう少し議論すべき内容であって、今のスキームで、広報室の増員というのは、将来的にはしていったほうがいいと思うのですが、中身の部分で、特にマーケティングPRを実践するのであれば、もうちょっとターゲティングということをしっかりと押さえて、どういうターゲットに対して情報を届けるつもりでいるのか、ターゲットの行動変容、つまりどのような行動を起こさせたいのかが大事なポイントになってくるのかなというように思いました。
それと、デジタル化とトラディショナルメディアの融合というのは、どこの企業でも実践されています。ただ、厚労省のすごいところは、デジタルのところは突出して進んでいる感じがします。その辺は公的な機関であるがゆえに、いろいろなデジタル関係の企業の協力を得られやすいというところもあるのだと思うのですが、そこはそこでうまく使っていくべきだと思います。
何かで情報を知って検索するという行動を、大体の国民は取られていますけれども、そういった広報を想定し、情報導線の部分をもうちょっと考えて、伝えたい情報をまとめたオウンドメディア化していくという発想、あるいは比較的低予算で作れるということで、ランディングページを立ち上げて、まずそこに情報を置いて、そこから細かい情報に誘導するというようなやり方というのは、実践していく必要があるのかなと思いました。
あと、駒崎さんの今日のお話を聞いて私もすごく賛成していて、NPOに国からどんと落とすという施策は、ほかの省庁で私は既に見ています。その辺は、まだ厚労省が実践されていないということであるならば、そろそろそういう考えの中でNPOの機動力を活用していく動きがあってもいいのではないかという感じがいたしました。
あと、古市さんからお話のあった「受け手目線が足りていない」という発想は、マーケティングPRをやる上では、先ほどお話したようにターゲットが見えていない問題があり、そこの行動変容をどのように行うかということにつながらないので、ペルソナとかカスタマージャーニーという言葉で最近は言われますが、そういったターゲットの属性というものを捉えて、受け手目線、国民目線のコミュニケーションに厚労省も少しずつ転換していったほうがいいのかなと思います。その辺では、まだまだ課題としてあるのかなと思いました。
○佐藤コーディネーター 小室さん、お願いします。
○小室淑恵委員 報告書におまとめいただいてありがとうございました。4ページの上から3行目のハの「職場における女性活躍支援」の中の4行目の所に、私が提案させていただいたのは、いわゆる助成金を申請する企業に対して助成金を出すのであれば、きちんと経営者もコミットしてくださいということを入れていくべきだということをお話し、そこを反映してくださって、これに関して大変有り難く思っていますが、この書きぶりから見ると、ただ、これをやることで、要件を厳格化することで、申請が滞ってしまうのではないかという影響も踏まえつつ、どの辺りにするか考えるというように書いてあるのですが、これは捉え方として、こうした経営層のコミットを求めることが要件の厳格化につながるというイメージを持たれたのだと思っていて、ここはもう少し捉え方を変えていただきたいと思いました。
と言うのも、これは申請をする人事にとってはとても有り難いことなのです。Win-Winなのです。人事にとって経営層に言うということは非常にハードルが高いので、こういう条件を付けてくれることによって動きやすくなるというのが、最大の狙いなのです。なので、決してこれは要件の厳格化ではなくて、そんなにハードルが高いことは入れなくてもいいわけです。
そしてまた、各企業で用意するのは大変なコンテンツを、きちんと政府のほうで用意することが大事です。例えばテレワークの助成金を出すのであれば、企業の役員が大体テレワークができないという理由は、「取締役会はテレワークではできないのではないか」と必ず言うのですが、役員会もテレワークでやってもよい、それをやるときの注意としてはこのようなことがあるというようなガイドの動画が付いていれば、それを政府が提供してくれれば、これを役員に見せればいいということになると、非常にやりやすくなるということなので、捉え方としては、助成金というのはPRメディアなのです。企業に対して伝えることができるPRのチャンスなのだと捉えないと勿体なくて、ただただお金を上げてしまっているということがあると思うのです。要件の厳格化ではなくて、そこはWin-Winなのだという、そういう書きぶりにしていただきたいですし、恐らくそういう心理的ハードルを持たれたのだなと感じましたので、そうではなくて、これはWin-Winでチャンスなのだと思っていただければというのが1点目になります。
2点目です。この同じ項目の所に、もう1点、職場における女性活躍支援という観点で入れていただきたいのが、テレワークなのです。テレワークを広げることそのものが、ものすごく女性支援なのです。今回、職場の中に育児女性だけではなくて、それ以外の方たちのテレワークが始まったことによって、女性たち伝えはすごく働きやすくなったのです。不妊治療で休むとか、午前中に抜け出るということは、今までは職場の席が1個だけポコッと欠けるものですから、奇異な目で見られて理由を問われていましたが、今はもう席が歯抜け状態になっているので、誰がいてもいなくても、そういうことを気にしない。同じ場所に一勢にいつもいなさいというようなプレッシャーがなくなったことによって、多くの方たち、いろいろな事情を持っていた皆さんが、心理的なプレッシャーからすごく解消されていますので、テレワークムーブメントを作る。コロナによって起きているのですが、放っておくとなくなりますので、このテレワークムーブメントがここでしっかりと定着して、この国として当たり前の状態になるということを、このタイミングでやらなかったら二度とできませんので、そこも4ページのハの項目の中に、是非入れていただければなと思っています。テレワークをムーブメントにするということだと思うのです。
ちなみに、他国の働き方と日本の働き方というのは今すごく差が付いてしまっていまして、他国は日本どころではない激しいロックダウンをしたことによって、全ての企業がテレワークというものを限界まで試しているのです。よく考えてみると、デパートや遊園地を閉めて、いろいろな人の楽しみを奪い、かつ収入もゼロになってしまう方がたくさん出るわけですが、今以上にテレワークを厳しくやっても、収入がゼロになる人はいないのです。テレワークだってビジネスはできるわけです。それなのに、ちょっと不便だという理由でやらない人たちがいるのは、本当に、国としてはそちらから徹底するべきなのに、デパートまで閉めてしまうという感じですので、ここは優先順位が違いすぎると思っています。
かつ、世界は今どうなっているかと言うと、テレワークが徹底されたことによって、採用する人員は世界中から一番優秀な人を採れるというように変わったのです。日本に転勤してきてくれとか、東京に住んでくれないととか、そのようなことを言う必要は、他国はないのです。時差があろうと何であろうと、優秀な順に採用とすればいいのに、まだ日本は転勤手当と、全て出して日本で日本語が話せる東京に住んでいる人みたいなところから小さな範囲で採用するので、かつ定期代を毎月払って移動コストを払って、それで1個の商品を作っていたら絶対に勝てないのです。
そのように、競争が全然変わってきているという背景もありながら考えると、女性の活躍支援ということも考えれば、今はテレワークをもっと徹底しなくてどうするのだと思いますので、ここにしっかりと入れていただきたいですし、今の言いぶりでは全然足りないと思いますので、是非、コロナ対策という大きな大義名分がある今のうちに、女性の働きやすい職場を作るためにも、テレワークということについて2、3段ギアを上げてやっていただきたいというところがあります。
そして、3つ目です。今回、6ページに議論の記録という形で、日本版オーロラAIについて、6ページの一番下の行に、こういうことを検討すべきという議論があったという形では入れてくださっているのですが、これからやることという中には入っていなかったと思います。いわゆるアプリで、プッシュ型で、本人が自分の属性さえ入れれば、自分の困っている属性に合わせた情報が、法律が変われば変わったタイミングで、自分にプッシュで来るという状態にしていかないと、法律が変わる度に対象者を見付けて、チラシを作って届けるのでは、日本の労働力人口は今後も減るわけですから、今回、広報人員を20人から40人にしたとしても、全く足りないのです。ですので、自動的に、常に、手の中にあるスマホから自分に必要な情報がプッシュで来るというのは、そんなに遠い未来の設計ではなくて、フィンランドはやっているのですから、デジタル庁ができるこのタイミングで、間違いなくデジタル庁奪い合い時代ですので、デジタル庁のリソースをどれだけ厚労省が取れるかという戦いはもう始まっているわけですので、日本版オーロラAIを作りたいという構想を持ち掛けていただいて、自分のもらう年金の額だろうと助成金だろうと、何でもスマホの厚労省アプリから全部自分に知らせてくれる状態を作るような、その設計に向かって動くのは今なのだ、遠い未来の話ではないというところを、今回の報告書の中に入れなければもう永遠に始まりませんので、是非、やっていただきたいと思います。
そして、これも報告書に是非入れていただけたらなと思うのが、広報の観点を厚労省の職員が磨くには、自身のライフ、生活がないと、何に困って、どこで情報を得るのかという実感、マーケティングセンスが培われませんので、一番重要なのは厚労省の職員の働き方改革であるということを、根幹にそれがなければセンスは上がっていかないということも書いていただきたいと思います。
○佐藤コーディネーター 非常に大事な点を言っていただきました。金子さん、お願いいたします。
○金子恵美委員 今回で報告書の骨子案が出て、次回には報告書の取りまとめということですので、今回のうちに骨子案に沿って、重きを置いていただきたいところのポイントの4点をお伝えしたいと思います。
佐藤先生からは「Ⅱ章を」ということだったのですが、申し訳ありませんがⅢ章の所です。4の不妊治療の所です。こちらは日本の政策課題である少子化と女性活躍推進につながる、個人の問題ではないのだということが、今の書きぶりでは深刻さが伝わらないと言ったらいいのでしょうか、更に過酷な現実だということを、このPTでせっかく取り上げたのであれば、私はメッセージが伝わるような、社会において周知徹底されるような書きぶりにしていただきたいというのが1点目です。
2点目は③のテレワークです。今、テレワークムーブメントというお話もありましたが、テレワークの中にワーケーションの広まりも触れていいのではないかというところです。そして、コワーキングスペースでの働き方も視点として入れるべきではないかと。事実、今、コワーキングスペースについての議員連盟が加藤官房長官をトップに発足したところですから、これも是非盛り込んでいただきたいと思います。
3点目が、フリーランス等、雇用以外の方々への対応です。フリーランスの方々への対応というところで言うと、コロナ禍でフリーランスの方々を支援対象とするというのは、私は多少なりとも進んだかなと思っているのですが、例えば既存の制度の中で言うと、育休です。男性の育休もそうです。もともと財源の問題と言ったらいいのでしょうか、根本的な制度の理解が社会で不足しているのです。例えば育休の制度の対象外だということを知って落胆したり不満を持っている人は結構いるのです。これはなぜ対象外なのか、制度上の問題や、財源、雇用特別会計からだったり、財布が違うのだということなどを、基本的なことかもしれないけれども、国民の中の不満を持っている方々には、そうした問題を含めてここで説明をしっかりとしておくべきではないか思っています。
4点目は、Ⅳ章の情報発信の仕組みです。語弊があるかもしれないのですが、日経新聞を読んでいる方というのは、雇用者としての情報収集はすると思うのですが、私は厚労省の支援を本当に必要としている方々はどちらかと言うとそうではなくて、失礼ながらYahooニュースとかLINEニュースから情報を得ている方も多いと思うので、そこら辺も情報を出すのはもちろんですし、子育て中の女性の方々に対しては、育児に追われながらも子供番組、Eテレなどは見る人はいるでしょうと。そういう番組も活用するとか、報道だけではなくて、広く浸透を図っていくのであれば、もっと広い意味でのマスメディアを意識したほうがいいと思います。なので、行政の皆さんのマスコミ担当施策と言うと報道部門なのですが、報道部門だけではなくて、情報番組などの制作部門とコンタクトを取ることも、コンテンツによっては刺さるかかもしれない。実際に不妊治療に関しては、今は制作の現場は女性が多いですから、プロデューサーの方も女性が多くなってきているので、そういった方々はそういう企画を作りたいという声が結構聞こえてきているので、そこは厚労省と組んでやったほうが、より地に足の付いた番組作りになるのではないかと常々思っています。
最後は、政策提言もということだったので、コロナ禍に限らないのですが、今回取り上げた中のひとり親の支援のところで、シングルマザーとシングルファーザーの方々の再婚活支援というのはどうかなと思っていて、いい出会いがあったらいいのだけれども、とても子育てをしている中でそのような余裕はないという方も多いですし、今あるマッチングアプリをやっている暇も時間もないと。だけれども、私が聞く限りでは、「自分がいいと思っても子供がいいと言わないとなかなかできないので」という声が結構あるので、お子さんのいる方の再婚というのは、家族同士のマッチングと言ったらいいのでしょうか、シングル同士が集まる場をアテンドすると言うか、民間で業として成り立ちにくいと思うのですが、そういうところを行政の方々も視野を広げて、シングルマザーの方々の再婚活支援はどうかなというのが提言の1つです。
もう1点が、生活困窮者支援のところです。自立支援法の支援対象になっている既に顕在化している方々と、見えていない、見えにくい方々、この見えにくい方々にもう少し光を当ててほしいと思うのです。いわゆる8050問題の解決は、役所とか政治の最重要事項の1つだと思います。その中で、孤独・孤立対策のことで、これは自民党特命委員会でも提言書案なのか、取りまとまったのか分かりませんけれども、私は見たのですが、そこにも、正に待つ福祉ではなくてアウトリーチ型支援が極めて重要だということがありました。そこも大切なのですが、もう1つが就労支援の部分で、一般の会社勤めを強いるのはステップとして大変なのではないかと思うのです。失礼かもしれませんが、決まった時間に決まったことをやるのが不得手だという方も多いでしょうし、ここでまた就労支援の中のスキルアップというのに時間を取るというのも、なかなか腰が上がらないというところがあって、それで面接などというと大変だと思うので、基本的に就労支援が民間勤めということに捕われすぎていると思っています。なので、就労支援の制度設計の上で1つ解決策として、事業者としての道、個人事業主としての道を歩ませてあげることの支援も必要ではないかなと。実際に周りを見てみると、5年間引きこもっていましたが、今は会社のトップになっているという方もいらっしゃいます。お金をどうやって稼ぐのか、勤めるということよりもお金を自分でどうやって稼ぐのか、一からやる手伝い、サポートというのも、視点として検討していただけたらいいなと思います。
○佐藤コーディネーター まだまだ御意見はあるかと思うのですが、どうもありがとうございました。
Ⅱを議論してと言ったのは、Ⅲは議事録ではないのですが、基本的には皆さんが言ったこと、言いたいことはちゃんと分かるようにまとめるということで、Ⅱのほうは、それを踏まえて、ある程度皆さんが共通に合意できたものを載せているという意味で、Ⅲのほうは変だけれども、意見には違いがあっても、一応ドキュメント化したいというような趣旨で、これを入れてということがあればⅡのほうに入れるということなので、その辺は事務局と議論させてください。そういう意味で、できるだけⅡのほうは、皆さんがそれは大事だと、ある程度コンセンサスを得られたものをⅡに入れて、Ⅲは、そこまではいかないけれども、皆様の意見はⅢのほうに入れるというような趣旨ですので、そういう意味では、Ⅲにあって、Ⅱのほうにちゃんと入れてほしいというものは、皆さんもそうだねということでは入れたいと思っていますので、そのように御理解いただければと思います。
余り時間がありませんが、どうしても言い残したということがあればですが。あと、今日は副大臣は業務があって、政務官のほうから何かありますか。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 駒崎さんが。
○駒崎弘樹代表理事 よろしいでしょうか。
○佐藤コーディネーター どうぞ。
○駒崎弘樹代表理事 報告書案に、私や皆さんが言っている、民間業者にも外注しようという話があるけれども、余り書き込まれていないような気がするので、そこの部分をよろしくお願いします。
○佐藤コーディネーター 今みたいなことが大事だということになれば、Ⅱのほうに書くということなのです。そのようにしたいと思っているので、そういう意見がありますので、そういうことを進めてほしいということであれば、Ⅱのほうに書くというようにしたいと思っていますので、そこは次の段階の文書が出てきたときに、ⅡとⅢというのはそういう意味で、これは共通で皆が理解できるからⅡのほうに入れてくれということを言っていただければいいかなと思います。Ⅲのほうは、自分で言ったのと違うようなまとめ方というのは当然直してくださいというのは言っていただければいいかなと思います。三浦さん、どうぞ。
○三浦瑠麗委員 質問なのですが、Ⅱに入れるかⅢに入れるかというのは事務局判断であるということですか。我々の討議という形には余りならなかったと記憶しているのですが、例えば、たまたま前の人がおっしゃったことを受けて、自分もそうなのだといった場合はあると思うのですが、結構、共通認識のものは多かったはずなのです。例えば具体例として、チャットボットを使うべきかどうかについては、もちろん専門家の方についても、チャットボットが果たすべき役割についての慎重な意見はあり得ると思うのですが、ただ、チャットボット反対という意見はなかったというように記憶しています。
ですから、ⅡとⅢというのは、もともとの審議会的な進め方として、やるつもりであったものがⅡで、そうではなくて新しく気付かされた、したがって、どうやってやるべきかどうか、まだ用意もないというものがⅢというやり方だとすると、非常に審議会的だなと思うのです。
なので、政策提言的なものとして、何が対立点なのか、何が留意点なのかということをしっかりと洗い出さなければ、我々は感想を言っておしまいという感じになると思うのです。
○佐藤コーディネーター Ⅲのほうは、こういう議論のまとめということです。だから、Ⅱに入れるのは、今の現状で言うと事務局で案は作ってもらわなければいけないのだけれども、基本的には皆さんで議論したものをⅡに入れると考えていただければいいかと思います。別に審議会というわけでもないので。
○三浦瑠麗委員 政策提言として、今日、皆さん政策提言に新しいものも含めて提言しましたと一巡したと思うのですが、それを討議していくということですか。それについて委員による受けが余りなかったので、あとは事務局側から、こうなのですという御説明があったわけでもないので、言いっ放しになってしまっている感じがあると思うのです。
○佐藤コーディネーター そこは、それを受けて、Ⅱの所で書いてもらったものをもう一度議論しますので、それで、これはやはり入れるべきだということになればⅡに入れる。Ⅱの所のまとめ方が、もちろんすぐやれる、これは検討しろという課題もあると思うのです。先ほど小室さんが言ったようなAIでどうこうみたいのは、少し先を見ながらということになると思うのだけれども、そういうのをⅡに入れるということになればⅡに書くということになります。今日出たような提案も、Ⅱに書くというのはあると思います。
○三浦瑠麗委員 では、もう一度揉ませていただければ。
○佐藤コーディネーター はい。なので、今のものは十分にそれが整理できている状態ではまだないので、今日を踏まえて、これはⅡに絶対に入れてみたいなことをきちんと整理するはずだったのだけれども、言ってもらって、ここでもう一度議論してⅡに入れるというようにできればよかったのだけれども、そのような時間はなかったので。
ただ、そういう趣旨で次のは作っていただきますので、それでやはり入れてるのが落ちているということであれば言っていただくというスタイルです。ただ、やれるレベルというのはいろいろあると思うので、これから検討するところから始めるものと、すぐにやれるものとがあると思うので、それは御意見を伺えればと思います。
○三浦瑠麗委員 はい。
○森永真弓委員 事前のレクチャーで事務局の方にお話したのですが、議事録に入れておいたほうがいいと思ってお話しておきます。
国民の声を聞くために厚労省としても調査をいろいろやられていると思うのですが、是非、SNSで発信したところに来た反応にも、いわゆるデスクリサーチ的なものとして活用するという観点を入れていただきたいと思います。活用するためには、SNSを使った発信が、反応をもらえるような発信をしなければいけないというところにつながっていくと思います。
反応をもらえるような発信をしたということは、それを踏まえて1年後なのか数箇月後なのか、政策やいろいろなところにどのように変更を掛けたのかということを、またSNSで発信すると、意見を聞いてもらえる省庁だということで、結果的にコーポレートPRの観点につながっていくと思いますので、そのデスクリサーチ的な意味合いも含めたSNS活用での発信という観点は、是非入れていただけるといいかなと思います。
○佐藤コーディネーター あと、これはプロジェクトチームのリーダーは副大臣なので、そういう意味では、今日は途中から国会等もあったと思われますので、一応私は進行係という役割なので、基本的には事務局で副大臣にもまとめ方について聞いていただいて、やっていただければいいと思います。特に、今日は政務官に出ていただいていたので、伝えていただいてということで、その辺は御了解いただければと思います。政務官から何かありますか。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 最後にまとめを政務官にお願いしたいと思います。
○大隈厚生労働大臣政務官 今日は大変お忙しい中、お集まりいただいて、またオンラインのほうでも長時間にわたって御参加いただきまして、本当にありがとうございました。副大臣と私ども政務官の2人で、国会対応がばたばたして、途中で抜けたり入ったりということで、おわびも申し上げたいと思います。
私も回を重ねるごとにのめり込んでいく自分がおりまして、本当に有意義な御意見を頂いていることにも感謝しなければいけないと思っています。個人的には、パパカードという話がありましたが、私も大変楽しみにしておりましたが、そういう点も含めて、具体例もいろいろと御提示いただきながら、これをしっかりと形にしていかなければいけないなと思っております。
厚生労働省の広報に関しては、本当にたくさんの委員の先生方から御意見を頂きまして、野﨑室長も「俺だって人と予算がほしいんだよ」と、救いを求めてくるような視線を感じたのですが、本当に大変な中で、本当に苦労しながらメンバーに頑張っていただいているのですが、前回でしたか、森永さんだったと思うのですが、「そもそも若い人は役所なり厚労省がこんな支援をしてくれているというのは余り知らないし、期待もしていないのだ」というような御意見がありまして、私は実は非常に刺さりまして、やはり支援策なり政策というのは、特に厚労省になりますと、本当に支援が直接、間接、命にかかわってくるようなものがたくさんございまして、それが届かなかったらないのも同じですので、本当にそういう点での広報の戦略は非常に大事だということは全員認識しているところなのですが、それぞれ委員の各先生のエキスパートとしての分野の専門的な御意見を頂けたということは、本当にこれをしっかりと生かしていくことが大事だというように考えております。
正にそういう点で、今、三浦委員からもありましたが、今日頂いた御意見を、最終的に事前にお見せしながら、もう一回練り込んで、次回の6月25日(金)に第5回PTで取りまとめの会議をさせていただきたいと考えております。
本日頂きました御意見、アドバイス、貴重な御提言を頂きまして、事務局で整理の上、皆様にまた御相談をさせていただきたいと思います。今日は遠いところ、リンゴさんも最後まで大阪から御参加いただきまして、本当にありがとうございます。大阪も大変な時期ですが、本当に力を合わせて、また私たちのメンバーでも、いろいろな点で支援が届くようなこのプロジェクトをしっかりとしていきたいと思いますので、改めて今日はありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐藤コーディネーター 今、政務官から御説明があったように、25日ですけれども、当然その前に見ていただくし、25日は意見はもう決まっているのですということではないので、25日に御意見を頂いて、当然そこであれば直すという形になります。ですから、25日もちゃんと時間を取って、皆さんの御意見を伺うというようにしたいと思っております。事務局から連絡はありますか。
○蒔苗プロジェクトチーム事務局長 政務官からお話がありましたように、次回は報告書案をテーマに議論をしたいと思っています。あとは、番外編として、その間に予備日で取っていた6月3日の午後に、渋谷のマザーズハローワークの視察を考えております。今、企画を練っておりますので、また改めまして御相談させていただきます。
○佐藤コーディネーター 積極的な御意見を頂きまして、ありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。