第20回日EUシンポジウムについて
2025年7月16日(水)、三田共用会議所(東京都港区)にて「第20回日EUシンポジウム」を開催しました。
第17回(2018年7月・ブリュッセル)「労働の未来―新しい就業形態」
第18回(2021年7月・オンライン)「女性活躍の観点からのワークライフバランス」
第19回(2023年9月・ブリュッセル)「社会経済の移行期における学び・見直し」
エストニア労働監督局監督部長 エリナ・ソーメッツ



○バイ会談
シンポジウムに先立ち、山田雅彦厚生労働審議官とマリオ・ナヴァ欧州委員会雇用・社会問題・インクルージョン総局長とのバイ会談が行われました。
会談では、地政学的な変化が進む中、民主主義や法の支配といった共通の価値観を基盤に、日EUが国際社会で連携を深めていく意義が確認されました。また、高齢化や人手不足といった構造的課題が双方に共通して生じていることを踏まえ、労働安全衛生やスキル・リスキリング政策の強化に向けた意見交換が行われました。
両者は、G7・G20などの多国間協議の場における協力の継続と、今後の政策形成における相互の知見の活用が、持続可能な労働市場の構築に資するとの認識を共有しました。
○視察
日本の労働現場で「安全衛生」に先進的に取り組んでいる神奈川県平塚市の三菱ケミカル(株)関東事業所を視察しました。
この事業所では、全従業員が遵守するべき「安全の基本行動」が目に付く場所に掲示することで、常に心構えができるように工夫がなされていました。また、転倒防止等を自ら意識するため、毎日実施している事業所独自の体操を体験しました。
1 開催の経緯
1991年に、労働省(当時)と欧州委員会との間で交流の実施に合意して以来、定期的に日EUシンポジウムを開催し、雇用・労働分野におけるテーマについて意見交換を実施しています。
2 最近の開催実績/テーマ
第17回(2018年7月・ブリュッセル)「労働の未来―新しい就業形態」
第18回(2021年7月・オンライン)「女性活躍の観点からのワークライフバランス」
3 第20回(2025年)日EUシンポジウム概要
今年は「安全で健康的な労働環境のために」をテーマに開催しました。
講演・討議内容等
山田厚生労働審議官、マリオ・ナヴァ欧州委員会雇用・社会問題・インクルージョン総局長が開会挨拶を行いました。
山田厚生労働審議官からは、日本側を代表して、協力いただいたEU側への謝意を表するとともに、すべての働く人々が安心して働き続けられる社会の実現に向けた取組として、主に労働安全衛生法の改正を通じた高齢労働者の労働災害防止、メンタルヘルス対策、化学物質による健康障害防止対策の強化などを紹介しました。
最後に、本シンポジウムが日EU双方の政労使六者による活発な意見交換の場となり、双方の労働市場の持続的な発展と働く人々の安全と健康の向上につながる実り多いものとなることへの期待が述べられました。
山田厚生労働審議官からは、日本側を代表して、協力いただいたEU側への謝意を表するとともに、すべての働く人々が安心して働き続けられる社会の実現に向けた取組として、主に労働安全衛生法の改正を通じた高齢労働者の労働災害防止、メンタルヘルス対策、化学物質による健康障害防止対策の強化などを紹介しました。
最後に、本シンポジウムが日EU双方の政労使六者による活発な意見交換の場となり、双方の労働市場の持続的な発展と働く人々の安全と健康の向上につながる実り多いものとなることへの期待が述べられました。
学識経験者・政労使の代表による報告、議論
「高齢労働者の増加やデジタル移行など、労働市場の変革に伴う労働安全衛生(OSH)政策の検討(職場における心理的社会的リスクやメンタルヘルスへの影響)」、「労働災害・疾病の予防における雇用者と労働者の役割」について、政労使に専門家を加えた形で発表と活発な議論が行われ、様々な意見交換が行われました。
(日本側報告者)※発言者順
東北大学大学院工学研究科・医工学研究科 山口 健 教授
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長 土井 智史
日本労働組合総連合会 労働法制局長 山脇 義光
日本経済団体連合会 労働法制本部統括主幹 坂下 多身
トヨタ自動車(株)生産本部 安全健康推進部総括室主幹 浅野朝郎
(EU側報告者)※発言者順
欧州労働安全衛生機関事務局長 ウィリアム・コックバーン
労働安全衛生局労働安全衛生ユニット長 シャーロット・アーノルト
ルクセンブルク労働鉱山監督局長 マルコ・ボリー
ドイツ労働組合連合(DGB)全国執行部 セバスティアン・シュナイダー
ベルギー企業連盟 健康・安全担当第一顧問兼マネージャー クリス・デメスター
ギリシャ労働者総連合(G.S.E.E.)政治労働安全衛生部長 アンドレアス・ストイメニディス
チェコ雇用者利益団体(EIG)代表、チェコ共和国雇用者・企業家組合連合、労働安全衛生諮問委員会 マーティン・ロリチッチ
予防・研究ユニット長 バイブ・ウェス(日本側報告者)※発言者順
東北大学大学院工学研究科・医工学研究科 山口 健 教授
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長 土井 智史
日本労働組合総連合会 労働法制局長 山脇 義光
日本経済団体連合会 労働法制本部統括主幹 坂下 多身
トヨタ自動車(株)生産本部 安全健康推進部総括室主幹 浅野朝郎
(EU側報告者)※発言者順
欧州労働安全衛生機関事務局長 ウィリアム・コックバーン
労働安全衛生局労働安全衛生ユニット長 シャーロット・アーノルト
ルクセンブルク労働鉱山監督局長 マルコ・ボリー
ドイツ労働組合連合(DGB)全国執行部 セバスティアン・シュナイダー
ベルギー企業連盟 健康・安全担当第一顧問兼マネージャー クリス・デメスター
ギリシャ労働者総連合(G.S.E.E.)政治労働安全衛生部長 アンドレアス・ストイメニディス
チェコ雇用者利益団体(EIG)代表、チェコ共和国雇用者・企業家組合連合、労働安全衛生諮問委員会 マーティン・ロリチッチ
エストニア労働監督局監督部長 エリナ・ソーメッツ





4 その他
○バイ会談
シンポジウムに先立ち、山田雅彦厚生労働審議官とマリオ・ナヴァ欧州委員会雇用・社会問題・インクルージョン総局長とのバイ会談が行われました。
会談では、地政学的な変化が進む中、民主主義や法の支配といった共通の価値観を基盤に、日EUが国際社会で連携を深めていく意義が確認されました。また、高齢化や人手不足といった構造的課題が双方に共通して生じていることを踏まえ、労働安全衛生やスキル・リスキリング政策の強化に向けた意見交換が行われました。
両者は、G7・G20などの多国間協議の場における協力の継続と、今後の政策形成における相互の知見の活用が、持続可能な労働市場の構築に資するとの認識を共有しました。
日本の労働現場で「安全衛生」に先進的に取り組んでいる神奈川県平塚市の三菱ケミカル(株)関東事業所を視察しました。
この事業所では、全従業員が遵守するべき「安全の基本行動」が目に付く場所に掲示することで、常に心構えができるように工夫がなされていました。また、転倒防止等を自ら意識するため、毎日実施している事業所独自の体操を体験しました。