第60回労働政策審議会人材開発分科会 議事録

人材開発政策担当参事官室

日時

令和8年10月9日(金)13:00~15:00

場所

会場:中央合同庁舎5号館 専用第21会議室(17階)
   (東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)

議題

  1. (1)今後の人材開発政策について
  2. (2)その他

議事内容

○武石分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第60回「労働政策審議会人材開発分科会」を開催いたします。
 本日、本分科会はオンライン併用での開催といたします。
 本日の出欠状況ですが、公益代表の石﨑委員、山田委員、労働者代表の小松﨑委員、使用者代表の瀬田委員が御欠席です。なお、瀬田委員につきましては、全国中小企業団体中央会の田上様が代理出席されます。
 また、青山人材開発統括官と古長政策企画室長は、公務により途中退席される予定とのことです。
 それでは、議事に入ります。議題(1)の「今後の人材開発政策について」です。内容について、人材開発政策担当参事官から御説明をお願いします。
○山口人材開発政策担当参事官 それでは、資料1に基づきまして御説明をさしあげます。
 まず、1ページの論点を御覧ください。
 昨年度議論いただきました第12次職業能力開発計画を基にいたしまして、労働市場改革分科会のとりまとめ、日本成長戦略において、リ・スキリングに対する考え方、政府方針が示されてきたところでございます。こちらの考え方を具体的にどのように実行に移していくのかという点につきまして、本日以降、審議会の中で御議論いただきたいと思っております。
 事務局から3点、論点を提示させていただいております。
 1点目が、労働市場の基盤整備に関するものでございます。スキルの可視化・標準化、プログラム開発・提供までを一体的に進めていくにはどういったことが考えられるのかという点。
 2点目が、中小企業をはじめとした各企業の中において、どのような職業訓練を実施していくのかという点に関するものでありまして、具体的にどのような課題をお持ちなのか、また、実践的あるいは計画的な能力開発の在り方ということについて御議論いただきたいと思っております。
 3点目が、公的職業訓練の在り方ということでありまして、産業や地域のニーズをいかに取り入れて展開していくべきなのかということについて御議論いただきたいと思っております。
 まず、1点目の論点に関連いたしまして、3ページを一御覧ください。
 こちら、日本成長戦略に記載してございますリ・スキリング戦略の考え方を図にしているものでございます。17の戦略分野、また、それを支えるエッセンシャルな分野におきまして、スキル情報等の可視化・標準化、プログラム開発、その提供といった各ステップを一気通貫で支援することによりまして、労働者の採用・処遇の向上の実現につなげたい。また、その結果を効果検証することによってPDCAサイクルを回し、スキル情報等の可視化・標準化をさらにブラッシュアップしていくというリ・スキリングサイクルを実現していきたいと考えております。
 このサイクルの起点となりますスキル情報等の可視化につきましては、4ページを御覧ください。
 キャリアラダーの構築・普及ということで、今年度につきましては、観光・物流の分野におきまして、標準キャリアラダーを整備し、それを踏まえた個々の会社への導入支援ツールの作成を行っているところでございます。
 6ページを御覧ください。
 検定の創設支援事業について御紹介してございます。職業能力検定には3種類ございますけれども、真ん中の団体等検定といいますのが、地場産業や成長分野など、業界標準が確立していない技能を対象にしたものでありまして、この団体等検定というものを含めて、創設支援を専門家による伴走支援によって行っているという事業でございます。
 7ページを御覧ください。
 教育訓練給付金でございます。訓練内容の難易度に応じて、一般・特定一般・専門実践の3つに分けられておりまして、難易度が高くなるほど給付の助成率が高くなっているという仕組みでありますが、こちらにおきまして、業所管大臣がプログラム認定制度を創設した場合に、内容を精査した上で高率助成の給付の対象とすることを検討しているところでございます。
 10ページを御覧ください。
 事業主が雇用する労働者に対して訓練を行った場合に、その費用の助成を行う人材開発支援助成金でございます。こちらの助成金において、業界団体等による訓練プログラムの開発に対しても助成していくことを検討しています。
 11ページを御覧ください。
 産業政策と連携した訓練の在り方の一例といたしまして、JEEDと企業の包括連携協定の事例を御紹介しております。企業が持つ技術・ネットワーク・教育資源と、JEEDの職業訓練ノウハウを組み合わせて、各地域の中小企業に実践的な教育訓練機会を提供するフレームとなっております。
 12ページを御覧ください。
 様々な労働関係情報を整理していく中で、そうした情報を一元的に利用者の方に提供するプラットフォームの構築が必要と考えております。必要な情報を必要な方に届けるために、「みんなの労働ナビ」とか、13ページにあります「job tag」「しょくばらぼ」といった情報支援サイトの運営しておるところでございます。
 14ページと15ページはデータの関係になります。
 行った施策は、PDCAサイクルにより効果検証することが重要と思っておりまして、人開金とか教育訓練給付の効果に関しましてデータを御紹介しているものでございます。
 16ページを御覧ください。
 冒頭御紹介いたしましたリ・スキリングのサイクル図を具体的に実現させていくための来年度の予算要求をまとめたものになっております。文科省・厚労省・経産省、3省庁の共同要求という形になっておりまして、スキル情報の可視化、プログラムの開発、提供、それぞれのステップに応じて3省庁の施策をひもづけた資料になっております。
 この中で、厚労省の取組といたしまして、スキル情報の可視化につきましては、キャリアラダーの導入に向けた環境整備を行うこと、また、業界団体と連携して職業能力検定の創設支援を行うということを盛り込んでございます。
 プログラム開発に関しましては、人材開発支援助成金の中で、業界団体の方がスキルの可視化・標準化、プログラム開発を行った場合に助成対象とするといった取組を盛り込んでいるところでございます。
 プログラムの提供フェーズにおきましては、労働者の主体的な学びへの支援として教育訓練給付、また、事業主の方への支援として人材開発助成金による経費等の助成を行う内容を盛り込んでおるところでございます。
 次に、少し飛びまして、論点の2つ目に関しまして、27ページを御覧ください。
 今度は、中小企業等において、具体的にどのように人材育成を行っていくのかということに関する論点でございます。
 まず、どのような課題に直面しているかということに関しまして、28ページでありますけれども、人材育成をどこから始めていいか分からないという中小企業様などの御相談に応じて、課題に応じた支援機関に誘導していくといった事業を行っております。
 その誘導先の一つであります生産性向上人材育成支援センターについて、29ページに資料を入れてございますけれども、こちらはJEEDの中に設置されたセンターでありまして、御相談内容に応じて人材育成プランを提案し、オーダーメイド型の職業訓練の実施につなげるといった一気通貫の支援を行っているものでございます。
 この人材育成の支援に加えまして、経営戦略と人材戦略を一体的に検討するお手伝いをする観点から、経営戦略の伴走支援に強みがあります、よろず支援拠点との連携を行うことによって、このセンターの支援サービスの質の向上を図っていきたいと思っております。
 次に、2点目の論点として、具体的に実践的な職業能力開発をどのように行っていくかということに関して、33ページを御覧ください。
 こちらでは、OJTとOff-JTをいずれも実施した場合の効果について、幾つか文献を紹介してございます。
 また、34ページにおきまして、認定実習併用職業訓練というものを御紹介しております。
 現在、職業能力開発促進法に規定がございまして、OJTとOff-JTを効果的に組み合わせて実施する職業訓練のことですが、若者雇用対策の一環として設けられた関係から、青少年を対象にこうした訓練を実施し、その訓練が一定の基準に適合している場合は大臣認定を行うといった仕組みが創設されております。認定を受けた事業主は、大臣認定を受けていることを独占表示することができ、また、その事業主が行った訓練に対しては、人開金による助成が可能ということになっております。
 次の論点でございます。計画的な能力開発ということに関連いたしまして、37ページを御覧ください。
 事業内職業能力開発計画の作成、また職業能力開発推進者の選任というのが、現行能開法上、努力義務ということになっております。この計画を作成し、また推進者を選任している事業主の割合が約1割という水準になっております。
 それから、38ページであります。
 労働者が主体的にキャリア形成に取り組むことを支援するために、キャリアコンサルティングを受ける機会の提供を図る事業を運営しております。
 また、41ページにジョブ・カードについて御紹介しておりますけれども、キャリコンを行うためのツール、また職業能力証明のツールとして普及を促進しているところでございます。
 42ページを御覧ください。
 学び・学び直しに当たっては労使の協働が必要であるということを盛り込んだガイドラインを策定しておりまして、このガイドラインに沿った取組をPRする特設サイトを運営し、普及促進を図っているところでございます。
 また、43ページに「全世代型リ・スキリング国民運動」を御紹介しております。世代にかかわらずリ・スキリングの機運を醸成していくために、今年度から3年間を集中実施期間として実施しているものでございます。
 3点目の論点は公共職業訓練の在り方についてでございます。45ページを御覧ください。
 現在、人材ニーズを的確に把握するための仕組みといたしまして、中央と地方に職業能力開発促進協議会を設置し、様々なステークホルダーの方に集まっていただいて情報を集約し、毎年度の訓練計画を策定しているところでございます。中央の協議会で全国の計画を策定し、それに基づいて地域の協議会で地域の計画を策定しておるのですけれども、それぞれの地域の実施状況を、この地域の協議会の下に設置されたワーキングにおいて効果検証しているところでございます。
 この効果検証の在り方に関して、52ページを御覧ください。
 これまで、この効果検証のPDCAがうまく回っていないといった課題がございましたので、3年を1サイクルということにいたしまして、効果検証の結果を着実に訓練内容に反映させていくべく、来年度から取組を進めていきたいと思っております。
 また、54ページを御覧ください。
 協議会で具体的に指摘された人材ニーズを訓練プログラムにつなげていくための取組といたしまして、その間にJEEDが介在してアドバイスを行ったり、プロデュース機能を強化したりするモデル事業を展開したいと思っております。
 また、55ページ以降は、今年度新たにハローワークにおいて実施した求職・求人者調査の御紹介でございます。
 詳細な内容は割愛いたしますけれども、62ページを御覧ください。
 こうした人材ニーズの調査結果も踏まえながら、来年度の訓練計画の策定に当たっては、コース設定に当たりメリハリづけを行うとともに、関係省庁とも連携しながら、地域の産業界が必要とする訓練提供を行っていきたいと考えております。
 最後に、66ページ、アドバンスト・エッセンシャルワーカーについてでございます。
 こちらは労働市場改革分科会のとりまとめの中におきましても育成・確保に向けて取組を進めるとされており、現在、一番下にございますように、検討会において、概念整理とか育成・確保に向けた方策の検討が行われているところでございます。
 アドバンスト・エッセンシャルワーカーの具体的な取組につきまして、68ページを御覧ください。
 例えば、介護の分野におきましては、現状、中核的人材の研修事業というものが行われておりますが、最新の介護テクノロジーの開発や活用状況に応じたプログラムの改定がまだ行われておりませんので、そういったことを盛り込み、テクノロジー、デジタルリテラシーなどに精通した中核的人材を育成していきたいと考えているところでございます。
 次に、資料2を御覧ください。
 こちらは本日御欠席であります山田委員のほうからコメントとして提出いただいた資料でございます。簡単に御紹介いたします。
 1点目は、今年の9月の上旬にスウェーデンに行かれたということで、スウェーデンの動向の御紹介であります。
 スウェーデンでは、労使の基本協約に基づきまして、在職者を対象としたスキル習得・キャリア開発の支援を強化しているところであります。具体的には、デジタルツールとパーソナルアドバイザーの組合せによりまして、在職労働者の方のスキルの自己理解、また、労働市場の状況を踏まえたキャリア開発提案・教育訓練プログラムの紹介といったことを一気通貫で行っております。こうした仕組みは日本にとっても参考になるということで、具体的には「job tag」の改良とか、労働市場のトレンド・デジタルツールなどに強いキャリアコンサルタントの育成の必要が指摘されております。
 2点目は、有効な教育訓練プログラムの開発でございます。2ページを御覧ください。
 スウェーデンの政策の過去の動向からの含意として、有効な教育訓練プログラムの策定には、産業界のニーズを起点に考える必要があること、また、実習を組み合わせることがポイントであるとされています。
 まず、全国レベルの取組として、教育訓練の基本フレームを公労使・産官学で共有認識を持つ、また、具体的な訓練コンテンツのプログラムについては、産業界と業所管官庁が中心になって構築していくことが必要とされております。
 さらに、地域の現場での取組として、都道府県ごとにステークホルダーが集まり、産業特性を踏まえた重点育成分野を特定していくことが必要とされております。
 また、こうした考え方を政策実行していくに当たっては、まずは、具体的なパイロット事業を積み上げ、その示唆から全体の政策構築をしていくべきであるとされております。
 参考資料もお付けしております。
 参考資料1に、前回いただいた主な御意見を掲載しております。
 参考資料2は、主な政府の文書や関連データを御紹介したものでございます。20ページ以降に、直近、日商様と中央会様が実施された調査結果も一部御紹介しておりますので、お時間あるときに参照いただければと思います。
 私からは以上でございます。
○武石分科会長 御説明ありがとうございました。
 今後の人材開発政策ということで、非常に骨太のテーマを御議論いただくことになります。ただいまの御説明に関して、御意見、御質問がございましたら、こちらで参加されている方は挙手、オンライン参加の方はZoom機能の「リアクション」から「挙手」マークを押していただき、指名されてからマイクをオンにして御発言をお願いいたします。
 それでは、論点が大きく分けて3つございますので、それぞれ順番に25分程度ずつ議論させていただきたいと思います。最後に全体についての御質問、御意見をいただく予定でおります。3つに関して、それぞれ御意見をいただいた後に、事務局から必要に応じてリプライをしていただくことを考えております。会議時間の制約がございますので、簡潔に御発言をお願いいたします。まずは、論点の1つ目について御意見等あれば、お願いいたします。いかがでしょうか。
 オンラインの熊谷委員、お願いいたします。
○熊谷委員 熊谷です。御説明いただきまして、ありがとうございました。
 私からは、まず、スキルの可視化から標準化に至るプロセスについて、発言させていただきます。
 働くことの魅力を高めつつ、労働者の主体的な能力開発を促進するためには、スキルの向上と処遇の関係が明確なキャリアラダーの構築が不可欠であると考えております。今後も職種ごとの調査をより充実させて、多くの職種においてキャリアラダーを構築いただきたいと思います。
 また、業界ごとのスキル標準化のプロセスにおいても、業界団体や企業に加えて産業別の労働組合なども含めた枠組みといったところは検討すべきであると考えております。納得性が高く、効果的なキャリアラダーの構築のためには、労使で議論を積み重ねることが重要であり、労働者の自律的なキャリア形成を後押しする制度として構築していくべきと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 もう一点、職業能力評価制度等の関係について、発言させていただければと思います。技能検定とか団体等検定の試験内容などの検討は、技術的な変化などに機動的に対応できるよう、関係労使が参画した上で継続的に見直しを行うことが求められていると考えております。その観点から、25ページにあります検定創設等支援事業については、単に検定制度の創設を支援するというだけではなくて、検定内容を見直す仕組みもビルトインするように、ぜひお願いしたいと思っております。
 また、人材開発支援助成金における「スキル可視化や標準化」や「訓練プログラム開発」への助成については、前回の分科会でも発言がございましたが、業界や職種で複数乱立することなく、分かりやすい統一的な基準として機能することが重要であると思っております。職業能力検定の創設につなげる方向で、制度を運用するべきであると考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上となります。
○武石分科会長 熊谷委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 御説明ありがとうございます。日商の佐藤でございます。
 キャリアラダーの構築・普及について申し上げます。スキル標準を可視化し、業界ごとの教育訓練プログラムを提供することで、求職者や在職者の能力開発を行い、処遇向上につなげるという全体の方向性は非常に重要であると理解しております。また、業界単位でプログラム構築・提供を加速させることは、自前で研修プログラムを持たない中小企業にとっても非常に意義のある取組であると捉えております。
 他方、中小企業の現場に目を移しますと、限られた人員で業務を進めるためマルチタスクを行うケースが多く、固定化された職務に人を割り当てるというよりは、本人の適性を見ながら役割を柔軟に付与、育成するというのが実情です。また、顧客ニーズに応じた受注生産を強みとする製造業などでは、個社固有の技術や仕事の進め方が数多く存在するのが現状です。
 こうした状況を踏まえますと、スキル標準や職業プログラムを現場で活用するためには、各社が自社の実態に合わせてカスタマイズおよびアップデートできる、分かりやすく柔軟な仕組みが、中小企業にとって重要になると考えております。あわせて、こうした構築の手間や、実際に社内の運用に落とし込むためのメリットや、「これを活用することでどのような成果が得られるか」というゴールのイメージを明確に提示しながら普及を図ることも不可欠です。
 いずれにいたしましても、全体の考え方としては非常に重要であると考えております。資料に記載のとおり、業所管官庁や業界団体と密にコミュニケーションを取りながら、中小企業の現場実態を踏まえた実効性の高い仕組みの構築につなげていただきますようお願い申し上げます。以上です。
○武石分科会長 佐藤委員、ありがとうございます。
 それでは、平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。
 今の佐藤委員の指摘と少しかぶるところもありますけれども、念のため申し上げておきたいと思います。
 スキルの可視化・標準化を進めて、教育訓練・採用・処遇向上に至るサイクルを構築していくことは、働き手の希望に応じた社内外における円滑な労働移動の推進にも資するものであって、方向性としては理解できます。個別企業においては、そうした取組が行われていると聞いています。
 その上で、今、御指摘もありましたように、企業横断的にスキルの可視化・標準化を進めるのであれば、どこが主体になって進めていくのかが重要です。本当にニーズがあるのかどうかということを踏まえて、業界団体とか業所管官庁がしっかり関与し、効果的に活用される制度とする必要があると思っております。
 類似の制度なのかもしれませんけれども、建設キャリアアップシステムというのはよい先行事例だと思っております。それが何故うまくいっているのかというのをしっかりと分析する必要があると思っております。大工やとび職とか左官など、多様な職種に分かれている建設業界の特殊性に、もしかしたらその成功理由があるかもしれませんので、その点は留意が必要と感じております。
 それから、リ・スキリングの取組について、政府の成長戦略の17の戦略分野に主眼を置いて進めていくと伺いました。これに少し付加する観点として、例えば製造業では、老朽化する生産設備の保守・保全が大きな課題になっていると聞いており、こうした状況に対応できるスキル・技能を持つ人材の必要性が高まっています。そうしたスキルや技能に光を当てることも重要かと思っております。
 以上です。
○武石分科会長 平田委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 漆原委員、お願いいたします。
○漆原委員 どうも御説明ありがとうございました。
 私からは、17の戦略分野等のリ・スキリング関係で発言させていただければと思います。戦略分野に限らないことだと思いますが、とりわけ人材育成については、既存の大学などの高等教育と連携した若年層の育成も重要ではありますが、それに加えて、年齢に関係なく、全世代でリ・スキリングに取り組めるような環境整備について、ぜひ政府として推進していただければと思います。
 また、個々の企業においては、人材育成を自社の継続的発展に不可欠な投資なのだと捉えていただいて、主体的な取組を進展できるような環境整備も必要だと思っておりまして、とりわけすべての労働者に訓練機会が確保されることが重要です。また、教育訓練休暇制度や教育訓練の短時間勤務制度を活用し、長時間労働の是正とともに、学ぶ時間の確保ができるよう、政府としてもその支援の強化を願いたいというところでございます。
 さらに、政府が提起した戦略分野に対する施策を拝見いたしますと、産業政策的な側面が強いところもあり、そうした施策については、業所管省庁の関連予算からも費用を捻出していただくということを検討してはどうかと考えます。
 人材育成において、大学など、既存の高等教育機関を活用するということも当然重要ですが、その場合は、教育機関の活性化にも資すると考えますので、文科省としても一定の財政負担があってしかるべきではないでしょうか。
 最後に、教育訓練給付金での講座の指定についてです。これも雇用保険特別会計を財源としていることを踏まえると、受講効果の定量的な測定は難しいものも中にはありますけれども、測定とともに、訓練前後の賃金上昇を含めた処遇改善などを要件に設定するなど、対象講座を厳選することも検討すべきと考えます。
 以上でございます。
○武石分科会長 漆原委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 守島委員、お願いいたします。
○守島委員 御説明ありがとうございました。
 幾つかのキャリアラダーとかリ・スキリングに私、個人的にも関わっている部分がありますので、ちょっと申し上げたいのですけれども、厚労省の基本的な政策というのは、確かに企業の中における内部労働市場においてのリ・スキリングであるとかキャリアラダーとか、そういうところには非常に重点が置かれているのですけれども、最終的にリ・スキリングとかキャリアラダーにしても、そういうものがうまくいくかどうかという、標準化ですから、労働市場というものをもうちょっと流動化するという言い方はちょっと語弊がありますけれども、活性化するとか、多分、そういう視点がどこかでないと、もうこれだけ転職が一般的になってきて、スキルを蓄えて移っていこうという人間が増えてくると、ちょっと難しいかなという感じがいたしております。
 これは総論なのですけれども、例えば3ページのリ・スキリングのところで挙がっていますけれども、一番左上のところでスキル情報等の可視化となっているのです。これは確かに正しいし、それもやらなければいけないのですけれども、多分同時に重要なのは、その下のところにちょっと小さな文字で書いてある処遇の可視化とか、そういう部分も同時に力を入れていかないと、最終的にリ・スキリングというものはうまくいかないのだろうなと思います。スキルが上がって、上がるだけじゃ駄目であって、それをどういうふうに処遇につなげていくのかという部分が重要だと思っていますので、これは今回のというよりは、もうちょっと大きな視点からのコメントなのですけれども、そういう労働市場との関連みたいなところをもう少し強く前に出していただけるといいかなという感じはしました。
 以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。
 オンラインの田上様が挙手されていますので、お願いいたします。
○田上様(瀬田委員代理) 御説明ありがとうございました。
 発言の機会をいただき、ありがとうございます。瀬田委員の御意見を踏まえまして、委員代理として発言させていただきたいと思います。
 一気通貫のリ・スキリング支援全般について御意見を承っております。経営者への周知啓発と人材育成へのインセンティブについてでございます。
 1点目として、経営者に対する啓発・啓蒙、そして周知ですけれども、参考資料2に全国中央会の調査を取り上げていただきまして、経営状況が良化した事業所は人材開発に取り組んでいる割合が高いということでございますけれども、瀬田委員のほうは印刷業の経営者でございまして、業界団体の責任者も務めておられるのですけれども、業界内で実施したアンケートでも、人的資本への投資に積極的な会社ほど収益や業績が高いという結果が出ているということでございました。人材育成に熱心に取り組んでいる企業が、労働者からも評価されて人が集まるというような仕組みになっていくことが大切であると考えます。
 そして、経営者に対しては、人材育成に取り組まない事業には、そのような会社には人が集まらないよ、優秀な人材が来なくなるよ、ということを理解してもらうよう、啓発・啓蒙が必要であるということでございます。
 次に、周知ですけれども、十分な周知と人材育成に取り組んだ企業の成功例を示すことが重要であると考えます。国が幅広い支援制度を用意していても、その制度が企業に十分伝わっていないということがございます。業界団体・行政などを通じて、各地域で支援制度や成功事例をしっかり発信していく必要があると考えます。
 そして、2点目として、人材育成は中小企業にとって負担が大きく、何らかのインセンティブも必要という点でございます。例えば、業務改善助成金において設備を購入するだけではなくて、人材育成にも熱心に取り組んでいる企業を加点評価するような制度というのが考えられると思います。機械を導入すれば会社が成長するということではなくて、最終的には人が重要であると考えます。そのため、設備と人の両方にしっかり投資している企業に対して、賃上げ助成パッケージのように多面的に国による人材育成の助成・支援を組み込んでいくというような方法も検討が必要ではないかと考えます。
以上でございます。
○武石分科会長 田上様、ありがとうございました。
 それでは、オンラインの勇上委員が挙手になっていますので、勇上委員、お願いいたします。
○勇上委員 御指名ありがとうございます。神戸大学の勇上です。
 私もこの一気通貫のリ・スキリング支援について、1つお伺いしたいのですけれども、今回の支援については、スキルの標準化、可視化、キャリアラダー、訓練、能力評価、処遇向上までという、まさに一気通貫で進められるということで、非常に重要だと思います。
 その上で私は、スキル標準とか具体的な訓練内容を、誰が、どのようなプロセスでつくるのかという点についてお伺いしたいと思います。過去の日本における取組につきまして、私自身もいろいろな場面で勉強させていただきましたけれども、日本では90年代にビジネスキャリア制度が作られました。それから、職業能力評価基準が、2000年代につくられたと思いますが、こういった制度の整備を続けてきました。ですけれども、過去の審議会資料にもありますとおり、企業や労働市場での活用については、課題が指摘される面がありました。
 この点については、日本に限らず、海外でも、例えばイギリスの全国職業資格(NVQ)という有名な制度がありますけれども、これについても、専門の研究者が論文などで普及に関する問題点を指摘しています。さらに、なぜ普及に課題があるのかという要因について、国際比較など通して検討した研究もあり、制度の実効性には、労使の継続的な関与を含む制度的な基盤が重要であるということが指摘されてきました。
 もちろん、具体的な訓練プログラムやガイドラインについては、先ほど山田委員の追加資料にもありましたとおり、人材ニーズを把握している産業界と所管官庁が中心となって策定するに、実務上の合理性があると私も思います。ただ、今回の計画は、訓練を提供するだけでなくて、習得したスキルをキャリア形成や処遇向上につなげることまで、まさに一気通貫で考えているものです。そうであれば、企業が必要とする技能だけでなくて、労働者にとって、先ほど議論にありました汎用的なスキルとかキャリア形成に役立つ訓練内容を考える必要があるかと思います。実際、ドイツやスウェーデンでは、個別の職業訓練の基準や教育内容の検討に労働組合が関与しています。
 こうした経験からも、産業界と行政が中心となることと、労働者側にも何らかのルートといいますか、組織や資格などを通じて参加していただき、その知見を具体的な制度設計に反映するということは、両立するのではないかなと思います。
 こうした観点から、お伺いしたいのは、今回の計画で、具体的に現場の労働者の知識や経験を、スキル標準や訓練プログラムの策定・更新にどのように反映していくのかという点です。この点について、現時点で何かお伺いできることがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。この後、この1番目の論点をまとめて事務局からリプライをお願いしますので、そこで御回答があればお願いしたいと思います。
 ほかにこの1のブロックで御意見。
 黒澤委員、どうぞ。
○黒澤委員 すみません、ありがとうございます。
 御説明ありがとうございます。
 私も省庁横断的に一気通貫ということについては、大変重要だと思っておりますし、大賛成なのですけれども、今、こういった議論を進める上での一つの整理みたいなものというのは、必要かなという気がしました。つまり、何でもいいから一気通貫で支援すればいいのかというと、そんなことはない。民間の企業においても個人においても、自分の能力を高めたい、人材育成したいというインセンティブは常に存在するわけです。それは調査とかを見ても高学歴であるほど高いし、そもそも支援がなくても自己啓発するような意欲の高い人にやったほうが効果も大きくなるわけです。
 ただ、だからといって、そういう人たちを対象に支援したら、結局、能力開発の私的便益が大きいところばかり促進することになってしまって、能力格差、ひいては所得格差を広げることになってしまいかねません。それに伴って、放っていてもなされる能力開発を支援するロスという、いわゆる死荷重につながってしまうわけです。
 ですので、支援の方法とか対象というのは、あくまで市場に任せていたら失敗するところについて、公平性・効率性の観点から実施すべきですし、その観点からすると、今まで議論されてきたような能力やスキルの労働市場での可視化の整備とか、何を学んで、学ぶとどう処遇につながるのかというような、先ほど守島先生からもありましたけれども、そういった訓練についての情報の提供、また訓練を受けたり、授けるに当たっての資金制約とか時間制約に直面している労働者や企業への支援、そして外部性が生じているところの支援というのが考えられますので、そういった観点とか視点を、こうした議論の論点に入れ込んでいただいたほうがいいと思います。そうした議論をした上で、次の段階の議論として、具体的に一つ一つの支援をいかに効率的に実施するのかという観点が必要なのではないかなと感じました。
 また、先ほどのスキルの可視化とかプログラムの開発をどこでどうやって実施するのかに関して少し申し上げると、まずは外部性の観点から言うと、離・転職が生じやすい範囲で、どういう訓練をすればよいのかや、それを資格化などの形で見える化するにはどうすればよいのかを考えるのが最も有効なのではないか。それと同時に、資金制約のある中小企業支援という観点から見ると、それは共通訓練ニーズがどこにあるのかという観点から構築することも有効なのではないかと思います。
 このように考えると、業界団体や業務所掌官庁が主体になるのはもちろんいいのですが、共通の訓練ニーズがどこにあるのかを考えると、業界団体だけでまとまらないこともあるかなと。それは地域かもしれないし、労使の団体かもしれない。国や都道府県が実施くださっている在職者訓練とかオーダーメイド訓練とか生産性向上支援センターとかで受けている相談の内容とか訓練というところに、実は現場のニーズについての情報がかなり沢山存在していると思うのです。ですから、いかにそのニーズを吸い上げて、それを横展開していくか。それは、もしかしたら、その産業だけじゃなくて、ほかの産業にも適用可能なのかもしれない。ある地域だけじゃなくて、ほかの地域にも適用されるのかもしれない。そういうことをきちんと議論していく場や仕組みというものを構築していくことが大事なのではないかなと感じました。その点からすると、既にある地域協議会の役割は大変重要だと思うのですが、それを形式的だけじゃなく、実質的により一層連携を深めていってほしいと思いました。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。
 第1の論点で時間が結構たっているのですが、もしあれば簡潔に御意見をお願いいたします。
 松葉委員、お願いいたします。
○松葉委員 前回もフリーランスやひとり親方、雇用保険の被保険者じゃない方もニーズがあるので、ぜひ支援が必要じゃないかという発言をさせていただきました。この点は引き続き重要だと考えております。リ・スキリングというと、どうしても失業者とか転職希望者への支援に目が向きがちなのですけれども、今の仕事を続けながら新たな技能を身につけたいというニーズもあります。それを雇用形態とか雇用保険の加入状況に関わらず、必要な訓練や相談支援を受けられる仕組みをぜひ検討していただきたいと思います。国民運動とうたわれていますので、ぜひともそうした取りこぼしのないようにお願いしたいと思います。
 あと、守島委員も発言されていましたけれども、そうして身につけた技能が適切に評価され、賃金や処遇の改善につながるところまで、ぜひ一体的に進めていただきたいと思います。
 以上であります。
○武石分科会長 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。最後に、またまとめて御意見をいただく時間もつくりたいと思いますが、論点1につきまして、ここで議論を一区切りとして、御質問もありましたので、事務局から必要があればお答えいただきたいと思います。お願いします。
○山口人材開発政策担当参事官 皆様、御意見、御質問いただき、誠にありがとうございました。一つ一つお答えするのは時間の制約がございますけれども、いずれの御意見も受け止めて検討を進めさせていただきたいと思っております。
 特に、業界団体とも密に連携していくこと、産業の個別のニーズをきめ細かく把握する必要があるということ、一方で、現場の、特に中小企業の実態を踏まえて、実効性あるやり方ということを考えていかなければいけないというところは、大きく御指摘を幾つかいただいたと思っております。
 また、産業政策としての側面もあるということに関して言いますと、厚労省のみならず、今、資料も表示されておりますが、3ページのリ・スキリングサイクルということを推進していくに当たっては、業所管官庁、産業政策を所管する省庁の取組を、厚労省、経産省、文科省が一体となって支えていくということでありますので、政府一丸となって、きちんとした役割分担の下に支援策を講じていくことが重要であると思っております。
 幾つか進め方のフレーム、優先順位などの思想的なことに関しても御意見をいただいたと思っております。
 最後、処遇につなげていくことが重要という御指摘もありましたので、そこも考えると、労使の協働ということを中心に置いて、きちんと考えていく必要があろうと思っております。
 また、外部労働市場の存在感が増しているというお話もございました。外部労働市場と内部労働市場の接続という観点も含め、そういったことを一つ一つ整理して、細かく分解してお互い構造を理解した上で、無理のない接続ということを考えていきたいと思っております。
 それから、経営者に対する啓発・啓蒙も重要であるといった御指摘もいただいております。また、フリーランスとか、そういった雇用保険の被保険者ではない方々も包含していくという話もございました。我々、国民運動の中で様々な情報提供ということを行っていきます。それには、雇用形態や、事業主であるか労働者であるかということに関わりなく、全ての国民をターゲットにしながら皆様に役立つ情報というものを提供していきたいと思っております。
 勇上先生のほうから、プログラムの開発は誰が実証するのかという御質問をいただきました。これはケースが様々あろうかと思っております。例えば、スキル情報の可視化に立脚して精緻にプログラムをつくっていくという方向もありましょうし、一方で、少し御紹介したように産業界と連携いたしまして、個別の企業でのまさに現役の技術を起点にして、即効性のある訓練プログラムをつくっていくという方向性もあろうと思います。また、産官学連携で、例えば、少し高度な技術ということに関しては、大学の知見を活用して訓練プログラムをつくっていくということもあるかと思います。
 その状況それぞれに応じましてだと思いますけれども、業所管官庁や業界団体との連携を起点にしながら、業界における労使の実態がどうなっているかということも含めて在り方を検討し、そういった事情を織り込みながら訓練プログラム開発につなげていくということが重要であると思っております。
 事務局からは以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございました。
 事務局からお答えいただきましたが、何かこの点、お答えいただいていないということがありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 一気通貫のところでかなり御意見をいただきまして、考え方には賛同するけれども、具体的に落とし込んでいくといろいろな課題があるということで、今後、皆様の議論を報告書のような形でまとめていくことになると思います。いただいた御意見は反映していきたいと思っております。
 それでは、次に2つ目の議論、「中小企業等における人材育成・生産性向上」ということで、①から③までございますが、まとめて御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
○田村委員 ありがとうございます。
 まず、中小企業等の人材育成に関する課題や人材ニーズに対応した支援方策について、中小企業等の人材育成に関する課題に関しては、中小企業が単独で高度な在職者訓練を実施することが難しい場合も多いのではないかと思っております。資料65ページにもありますとおり、教育設備や指導人材の不足を補うために、JEEDとの連携も含めた企業・業種の枠を越えた人材育成体制の構築が求められているのではないかと考えます。
 次に、②の職務等の変化に合わせて、実践的な職業能力を身につけていくための訓練の促進についてという項目について、OJTとOff-JTを組み合わせた訓練の意義について申し上げます。33ページ、OJTとOff-JTを組み合わせた訓練は、訓練効果や賃金上昇の有意な結果が出ているということで、体系的・計画的に行うことは、訓練の効果が高まるものと考えられます。ただ、単に組み合わせて行えばいいというものでもなく、企業として適切な育成計画を策定するなど、体系立てた育成の仕組みの中で、現場の技術やノウハウの継承のためのOJT、個々の現場に即した新たな技術やスキルを習得できるOff-JTを効果的に組み合わせていくことが求められると思います。
 また、Off-JTで学んだ技術・スキルを現場に定着・活用するためのフォローアップまでを一体的に進めていく必要があると思います。そのためにも、現場労働者の意見も踏まえて人材育成を進めていくことが重要であり、職業能力開発推進者の選任とも関連しますけれども、まずは、企業内の体制整備に対する行政の支援を充実させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○武石分科会長 田村委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。
 時間も限られているので、手短に申し上げたいと思います。主に②に関して、企業が人材育成を実施するためには、当然、原資が必要です。原資に制約があることを念頭に置けば、政府がその支援策を推進していくというのは理解できるところです。他方、どのようにOJT、Off-JTを組み合わせていくかというのは、企業が考えるべきことであって、むしろ経営者・企業の腕の見せどころなのではないかと思っております。
 実践的な職業能力を積むための「実践の場」を創出する、モデル事業を厚生労働省が行っていることは承知しております。実践的な訓練、すなわちOJTが有効な場面が存在するということは理解しておりますが、効果的な訓練の内容・方法は産業・企業によって異なることに十分に留意した上で環境整備を進めていくことが不可欠と思っております。
 以上です。
○武石分科会長 平田委員、ありがとうございます。
 松井委員、お願いいたします。
○松井委員 私のほうからは、③の事業内能力開発計画等について意見を述べたいと思います。これまでの委員会でも何度も発言した内容とかぶるのですが、今後のキャリア支援に関して、今回の内容でも労働者の主体的なとか、自律的なキャリア形成ということが言われているのですが、そのためには労働者がどういうふうに参加するのかが一番重要だと思っております。
 以前も安全衛生を例に意見を申し上げましたが、例えば、事業内能力開発計画の策定や職業能力開発推進者を選定している企業の割合が低いという指摘がございます。労働安全衛生でいえば、法律上「安全衛生委員会」が義務づけられ、委員の半数を労働者とし、その労働者側委員は労働組合が推薦しています。委員会において安全衛生に関する計画を策定し、実施をしていく。なぜそれが安全衛生の中で定められているかといえば、安全を確保するためには労働者が参加することが最重要であるからだと思っております。同様に、今後の人材育成では労働者の参加や自律性が重要になると思いますので、ぜひ検討いただきたいと思います。
 個別の論点になりますが、ジョブ・カードについても非常に進化してきていると思っております。ただ、実際、企業の中でそれが使われているかというと、なかなか難しいものと認識しております。具体的にいえば、例えばキャリアコンサルタント試験があって、そこではジョブ・カードは非常に重要なツールとして研修や教育科目に入っているわけですから、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングをする場合は必ずジョブ・カードを活用するなど誘導することも含め、企業の現場で活用が進むよう取り組んでいただきたいと思います。
 また、学び・学び直し促進ガイドラインにおいては、いわゆるセルフ・キャリアドックのようなことが提起されました。我々に聞こえてくるのは、会社が実施すると、キャリアコンサルティングは業務上の話のみではなく、人生の悩みや今後の将来プラン等々を話すことが必須になるわけです。会社にはそういうことはなかなか話しづらいという声もあります。先進的な事例ですけれども、労使で協力して、キャリアコンサルティングを労働組合がやられている組合もあるわけですから、ぜひそういった事例も参考にして取組を進めていただければと思っております。
 以上でございます。
○武石分科会長 松井委員、ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 私から論点の①について一言申し上げます。今回、資料として参考資料に私どもの資料を入れていただきましたけれども、参考資料2の20ページになります。中小企業においてもリ・スキリングの必要性は8割以上が感じておりますけれども、十分に取り組めていないというのが7割。これは我々が企業にヒアリングをしていても、特にこの人材育成の分野は経営者によってかなり差があると感じております。
 今回御提示いただいた資料1の29ページ、生産性向上人材育成センターにつきましては、やっている企業の満足度は高いと感じています。先日お話しした経営者の方からも、実務に直結する内容、また、民間に比べて利用しやすい受講費用であることからも、非常にありがたいという声を複数いただいております。まさに、オーダーメイドというところが、先ほどの論点で申し上げた中小の多様な側面に非常に対応しているので、この取組はぜひ広げてまいりたいと考えています。
 その中で、この取組についてはPDCAを回す際にトータルの利用数というのが重要かと思いますが、一歩踏み出せるかが中小企業は特にポイントでございますので、新たに利用を始めた数というところもぜひ追っていただいて、ここに向けて、この制度のメリットを改めて分かりやすく提示したり、事例等もさまざまな場面で積極的にプッシュ型で横展開していただきたいです。このセンターの取組は、非常に意義がございますので、認知度向上、機能強化に努めていただければと思っております。以上です。
○武石分科会長 佐藤委員、ありがとうございました。
 田上様から挙手になっていますので、田上様、お願いいたします。
○田上様(瀬田委員代理) 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。瀬田委員の代理で、瀬田委員の御意見を踏まえて3点申し上げたいと思います。
 まず、1点目、中小企業の現場では、専門性が高く、すぐに効果が出るような人材教育を求めているという点でございます。産業ごとに専門性がますます高くなっています。各業界ごとに、そこで働く人が実際の仕事ですぐに役立てられるようなリ・スキリングあるいは教育訓練ができるとよいと考えます。その意味で、今回の資料に含まれている産業団体別の教育訓練プログラムについては、今後さらに重視していただけるということで、大変ありがたく、期待しております。
 2点目として、若年層へのキャリア形成教育と全世代型リ・スキリングについての啓発でございます。全世代型リ・スキリング運動は非常によい取組と考えておりまして、一生懸命キャリアを磨き、大企業やエリート層を目指している若者もいる一方で、そうではない、周囲に流されているような若者というものも実際にいるということでございます。そのため、若年層に対して、常に学び続けなければ自分のキャリアアップやキャリア形成につながらないということを、早い段階から教育していく必要があると考えております。そのような意識が若者にあれば、中小企業としても教育費用を出しやすくなるというところでございます。
 最後、3点目でございます。検定制度の柔軟性についての課題です。技能検定は、ものづくり産業における技能者の育成や技能向上に重要な役割を果たしています。瀬田委員が関わっている業界団体にも技能検定がございますけれども、検定の作問や内容などが旧態依然としており、現場の実態に合わなくなってきているということがあるようでございます。現在は、設備や技術が急速に新しくなり、高度化しております。そのため、従来の内容で訓練や検定を行っても、実際の仕事では役に立たない場合があるということでございます。この点、現場レベルでは対応が進みにくい状況があるようです。技術や現場の変化に合った、時流に対応できる柔軟な検定制度が必要ですので、検証の上、対応をお願いしたいということでございます。
 以上でございます。
○武石分科会長 田上様、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 松葉委員、お願いいたします。
○松葉委員 先ほどの論点での委員の御意見ともちょっと重なるのですけれども、勇上委員が発言されていたドイツなどの事例もそうですし、山田委員から提出いただいた資料にあるスウェーデンなど海外の事例では、労使が協約に基づいて設立した組織が、在職者へのキャリア相談や学習支援、さらには訓練自体を担っているケースもあります。人材育成を個々の企業や働く人だけに委ねるのではなく、労使が主体となって支える仕組みというのは非常に参考になると考えております。
 先ほどの参考資料の日商さんのアンケートにあるように、特に中小企業では、人材育成の必要性を感じていても、なかなか単独で取り組むことが非常に難しいというのが実情でありますので、こうした仕組みというのは非常に役に立つと考えております。日本でも政労使がそれぞれの役割を担って、業種や地域単位で協働して人材を育成する仕組みというのを検討していく必要があるのではないかと考えております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事務局のほうからお願いいたします。
○山口人材開発政策担当参事官 御意見いただきまして、どうもありがとうございました。
 まず、OJTとOff-JTを組み合わせた訓練ということに関しまして、単に組み合わせればいいということではなくて、当然のことながら効果的なプログラムである必要があるということ、また、その具体的な組み合わせ方はまさに企業の腕の見せどころということでありまして、そういった労使の自発的・主体的な創意工夫あふれる取組ということを、しっかりと訓練の場にもコンテンツとして入れていくことが重要であると受け止めております。
 また、労働者のキャリア形成を主体的に行っていくという過程において、ジョブ・カードなども活用して労働組合がこれを牽引して実施している事例等も承知しております。ピア効果といいますか、仲間同士だからこそ、モチベーションが刺激されて学習効果も高まるといった側面もあろうかと思いますので、このような事例をより多く集積いたしまして、皆様にお届けするということが重要であると思っております。
 また、中小企業の皆様、人材育成を一歩進めていくことが難しいということは日商様のアンケート調査からも見えているところでございます。生産性向上支援センターのサービスを非常に評価いただき、とてもうれしく思っております。今後とも皆様に広まっていくように、行政がPRしてもなかなか説得力がないと感じられる事業主様もいらっしゃるかと思いますので、商工会議所さんとか業界団体さんとか、団体の皆さんの口コミというところが一番パワーをいただいている部分かなと思っておりまして、もちろん我々もしっかりPRいたしますけれども、様々なチャネルで皆様の意欲を刺激する情報提供の仕方の工夫も必要であると思っております。
 それから、田上代理から何点かいただいておりますけれども、特に若年層の啓発が大事であるということで、そういった若い人を育成していく文化ということはとても重要な点であると受け止めております。
 また、松葉委員ほか何人かの委員の方から、労使が協働して議論していくフレームが重要ということは繰り返しご指摘いただいております。政労使それぞれの役割を果たすということが最も重要でありまして、誰か1人が旗を振っても、それが実のあるものにならないと思っておりますので、お互い役割を果たしながら相乗効果を生んでいけるような施策の設計に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。
 今の事務局からの御説明に関して、追加で御質問等ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、論点の3つ目ということで、「人材ニーズの高い分野の人材育成の推進に係る取組」について、この点に関しましての御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 漆原委員、お願いいたします。
○漆原委員 論点3について、45ページ目に中央職業能力開発協議会の説明がございます。先日、10月2日ですけれども、この中央協議会が開催されまして、中央ですと国全体の成長戦略、DXとかGXも含めてマクロ的な観点から必要な人材像を提示するとともに、各地方・地域で生まれた先進的な訓練プログラムのベストプラクティスを収集して全国に展開するといった役割を果たしていると理解しております。
 一方で、地方の協議会は、こうした中央が示した方針を地域の産業の実情に合わせてローカライズするといった役割も担っていると思いますが、地域の労使や自治体、地域にある教育機関の知見も集約して、地場産業の課題解決に直結する具体的な訓練コースに落とし込むということが重要な役割であると思っています。中央から地方へのトップダウンではなくて、地域で顕在化している問題とか新たなスキルニーズを中央に吸い上げていただいて、ボトムアップの機能をさらに強化いただければと思っているところでございます。
 続いて、今回、地域の大規模なニーズ把握調査みたいなものが行われていることは重要なポイントであると思いますけれども、職種別の傾向なども明らかになっており、資格等でスキルレベルが測りやすいものと、逆にそうでないものの傾向の違いも出てくる。今後、キャリアラダーやスキルの標準化といった整備が進めば、これらの傾向が変化していくことも考えられますけれども、いずれにしても、継続的なニーズの把握とスキルの標準化と連携したプログラム開発が地域においても必要になってきます。地域のニーズを踏まえた訓練機会を創出するためには、専門性の高いJEEDのプロデュース機能を強化や、民間教育機関の訓練の質の向上を図っていくことも重要だと思っています。
 自分からは以上でございます。
○武石分科会長 漆原委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。
 今の漆原委員の意見とほぼ同意です。地域職業能力開発促進協議会については、その創設の目的や、創設の経緯も含めてきちんと立ち返り、少し厳しい言い方をすると、単に会議をするためのものではなくて、地域のニーズをきちんと酌み取っていただいて、むしろ地域職業能力開発促進協議会が主体となって人材育成を進めることに期待しております。
 経済産業省が広域経済圏を対象にブロック単位で地域人材育成構想会議を設けていると伺っています。それぞれ目的があるのでしょうけれども、縦割りではなく、各都道府県でできること、もしくは県をまたいで進めたほうがいいことを整理した上で、本気の連携を進めていただければと思っております。
 以上です。
○武石分科会長 平田委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 田上様、お願いいたします。
○田上様(瀬田委員代理) 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。瀬田委員のほうから御意見承っておりますので、申し上げたいと思います。
 人材ニーズの高い分野の人材育成を推進するためには、地域の行政と、その地域の産業団体が連携し、できれば行政にも関わってもらいながら、地域の実情に合った形で訓練を具体化していくことが大切であると考えます。
 具体的な取組として2点申し上げたいと思います。
 1点目は、地域で教育訓練を行う場合、DXやGXのような、特定の産業に限らず、多くの産業に共通する基礎的な教育プログラムというものも必要であるという点です。そのような基礎的な内容については、産業団体の枠を超えて横断的に取り組むほうが効率的であると考えます。
 もう一点は、これからの時代において、その地域において必要な人材、求められる人材というものを明確に示すということでございます。就職やスキルアップを目指す方の夢や希望が方向づけられるものと考えます。その上で、希望と、地域における活躍の場や地域で求められる人材というものがマッチングされて、希望をかなえるツールとしての職業訓練が機能するということが望ましいと考えます。
 以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。大丈夫ですか。
 では、論点3に関しまして、事務局からお願いいたします。
○鈴木訓練企画室長 御質問、御意見ありがとうございます。訓練企画室でございます。
 まず、漆原委員から御意見、御質問いただきました。また、平田委員からの御意見、あと、論点1のほうで黒澤委員からも御意見いただきました地域職業能力開発促進協議会の活性化、実質的にどうワークしていくかということは、我々も非常に重要な課題だと考えております。御紹介がありましたが、資料55ページから示しておりますけれども、今年度、新たに各労働局において、求職者または求人企業に対して、それぞれ1万以上からの御回答をいただいて、各業種別、また求職者が属するハローワークの利用者についてニーズ調査を行っております。これらにつきましては、全国データも同様でございますけれども、各都道府県でも分析できるようにしております。
 こういったことを行いながら地域のニーズをしっかり把握していく、さらにほかの地域とも比較していくということと、さらにこうしたものを継続していくことが重要かと考えておりますので、こういった形で、まず、ニーズをしっかり把握していきたいということでございます。
 また、併せて、漆原委員のほうからはJEEDのプロデュース機能の強化ということで、54ページの資料でございますが、地域の人材ニーズを踏まえた訓練機会の創出に向けた取組ということを来年度、行いたいと考えております。実質的に地域職業能力開発促進協議会をワークさせていくためには、専門的な知見というものが極めて重要かと思っておりますし、先ほど御指摘もあった民間教育訓練機関等に対するプロデュース機能ということも必要かと思っておりますので、こういったものをJEEDの力を借りながら、さらに活性化していきたいと考えております。
 続いて、平田委員から御指摘いただきました、圏域を越えた、また各所連携したということでございます。職業訓練につきましては、産業ニーズ等を踏まえた訓練設定が重要であると認識しております。現在、例えば経済産業省は、御指摘ありましたブロック単位で主催している地域人材育成構想会議につきましては、開催県の労働局及びJEEDが参画しておりまして、また、地域職業能力開発促進協議会におきましては、こうした取組について、経産局からの各施策に関する情報提供・共有などもいただいているというところでございます。
 また、こちらのほうの資料で申し上げますと、62ページになりますけれども、先般開催されました中央協議会におきましては、マクロな状況で、こういった構想会議、地域未来戦略等を踏まえた人材像を示すとともに、地域協議会においては、各都道府県の産業部局やJEEDと連携しまして、各都道府県単位で設定しております地域産業クラスター計画等を踏まえた、地域の産業界が必要とする人材育成に関する職業訓練を検討するという方向性を示させていただいておりますので、そういった取組も含めながら地域協議会がさらに活性化、実質的にしっかり動かしていけるように取り組んでいきたいと思っております。
 最後、田上様からございました、地域の中の取組におきましては、GXやAXだけじゃなくて、基礎的な教育訓練プログラムも必要という御指摘でございますけれども、今般行いました地域の人材等ニーズ調査におきましても、企業の皆さんから、そうした基礎的な部分も必要という御指摘もいただいておりますので、こちらにもありますが、そうした訓練コースの設定というものを検討していきたいと思っております。
 さらには、求職者の希望と地域の産業界のニーズをどうマッチさせていくかということでございますけれども、職業訓練の特徴としましては、ハローワークがしっかりあっせんしていくということでございますので、ハローワークでしっかりとキャリアコンサルティングをしながら、求職者の希望と企業のニーズをしっかり組み合わせるような形での支援を行って努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございました。
 事務局のほうからはそれで大丈夫ですか。ありがとうございます。
 ほかに論点3に関して、言い残したことがあれば。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、一通り、論点1から3まで議論していただいたのですが、改めて全体を通していかがでしょうか。私が時間を心配していたものですから、皆さんに時間のことで御配慮いただいているのですが、さらに御意見等、御質問があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 松井委員、お願いいたします。
○松井委員 ありがとうございます。
 先ほど言い忘れたことがあったので、先ほど安全衛生とのアナロジーの話をしましたが、より具体的に言えば、人材育成についてもそういう委員会をつくることを好事例にするとか、法律的に何か努力義務的なことにするのか、といったことを検討いただきたいと思います。欧州では従業員代表委員会が人材育成についても協議するということは普通に行われていると認識しておりますので、そういった意味合いでございました。
 それから、総括的なことで、今回の今後の人材開発政策についてという議事について、少し違和感がございます。というのは、この委員会で3月に向こう5年間の職業能力開発基本計画を決めましたが、そのときに随分この議論はしたという理解をしております。その能力開発基本計画に沿って、それをどう実行していくので、こういう論点がありますというふうに提示していただけると、我々も理解しやすい。また新たに違うことを考えなければいけないのかなと思ってしまうところもありますので、ぜひ進め方に御配慮いただければと思っております。
 以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございます。
 今の計画との関連について重要だと思いますので、御説明いただいたほうがよろしいかと思います。
○山口人材開発政策担当参事官 御意見いただき、どうもありがとうございました。
 1点目の件に関して、補足の点も含め、御提案、いろいろとありがとうございます。我々で検討させていただきたいと思います。
 それから、2点目でございます。私の御説明が非常に不足しており、大変申し訳ございません。昨年1年間かけまして第12次の職業能力開発計画をこの分科会で丁寧に御議論いただいたことは、当然承知しておるところでございます。そこで整理された訓練の個別化・共同化・見える化という考え方につきましては、その後、労働市場改革のとりまとめ、さらには日本成長戦略に、根本的な考え方、大きな大枠とか理念、概念整理において順次引き継がれていると思っております。その過程の中で、産業政策との連携とか、政府全体でちゃんとシナジー効果を出していくべきであるといった観点が様々入ってきたというのが、これまでの経緯であります。
 さらに、8月末に各省からの予算要求の内容が出そろった状態でありまして、大枠の議論は当然変わるものではございませんけれども、新しい状況、最新の状況というものをお出しして、それを踏まえて、さらに具体的に事業を進めていくときに、本日のような様々な観点とか、こういうことをきちんと踏まえた上で制度を考えるべきであるといった御意見を賜りたく、議論をお願いしているところでございます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
○武石分科会長 松井委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。恐らく、この政策は議論を日々アップデートしているような状況で、なかなか終わりがないのですけれども、その都度議論を整理していくということかなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○松井委員 ありがとうございます。
○武石分科会長 ほかに全体を通して、または個別論点でも結構ですけれども、御意見、御質問ございますでしょうか。オンライン参加の皆様も大丈夫ですか。ありがとうございます。非常に大部の資料で、どういう議論になるか心配しておりましたが、皆様の御協力により非常に円滑に議事が進み、ありがとうございます。
 今日もたくさんの御議論をいただきまして、そもそも人材開発政策というのはどこを目指すのかというところから始まり、誰のために、どんなことをするのか。非常に個別性もあれば、標準化できる部分もあるということで、議論の仕方がなかなか難しいのですが、いろいろな御意見を頂戴いたしました。可能な範囲で今日の御意見をまとめつつ、今後のとりまとめに生かしていきたいと思います。
 では、事務局からお願いいたします。
○五百旗頭人材開発総務担当参事官 本日は大変多くの資料につきまして様々な御意見を頂戴いたしまして、改めて御礼を申し上げます。
 本日御議論いただきましたように、人材育成につきましては、まずは足元で戦略分野、それからインフラ分野といったところにより力点が置かれる中での御議論がございます。こちらについては、事務局から御説明申し上げましたように、厚生労働省の政策だけでカバーできるものでは当然ございませんので、文部科学省や経済産業省、その他業所管省庁の個別の政策・予算といったものもしっかり投入していただきながら、こことの相乗効果を上げていく形で、いかに我々の施策が生きたものになっていくか、このような観点でより一層の御意見をいただきたいと思っております。
 また、併せて、私どもの人材開発行政というのは、何もここ足元で注目されている分野のものだけではございません。全ての産業、そして全ての地域の皆様に関わる政策をターゲットにしているものでございます。こういった視点も大変重要にしながら、これからの議論をしたいと思っておりまして、そういう意味では、本日いただきました、まさに地域からのボトムアップといった視点、それから労使の現場の視点といったものをどのように政策に効果的に組み込んでいったら機能するか、このようなことも今後の議論の中で深めていきたいと考えております。
 そして、どのように機能させるかといったとき、本日、御意見もございましたが、まさに労働市場でどのように評価されるのか、何が求められているのかというところもしっかりと配意しながら議論しなければいけないというのは、賜った御意見のポイントであったと受け止めております。
 今、申し上げたような観点も膨らませる形で、また次回に向けて事務局として資料を整えてまいりたいと思っております。引き続き、より一層の御意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。
 今の御説明に関しては、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、今日の議題は以上とさせていただきます。全体を通して、委員の皆様から何かございますか。特にないようであれば、本日の議論は以上とさせていただきます。
 次回の開催日程につきましては、決まり次第、事務局から御連絡をさせていただきます。
 それでは、以上をもちまして、第60回「労働政策審議会人材開発分科会」を終了いたします。どうもありがとうございました。