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2026年7月28日 令和8年第6回目安に関する小委員会 議事録
日時
令和8年7月28日(火)10:00~21:15
場所
ビジョンセンター東京虎ノ門504会議室
(東京都港区虎ノ門 2-4-7 T-LITE(トライト) 5階)
(東京都港区虎ノ門 2-4-7 T-LITE(トライト) 5階)
出席者
公益代表委員
戎野委員長代理、小西委員、首藤委員
労働者代表委員
伊藤委員、柴田委員、仁平委員、水崎委員
使用者代表委員
進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員
事務局
岸本労働基準局長、松本大臣官房審議官、野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、
大野調査官、八木賃金課長補佐、南條賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官
戎野委員長代理、小西委員、首藤委員
労働者代表委員
伊藤委員、柴田委員、仁平委員、水崎委員
使用者代表委員
進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員
事務局
岸本労働基準局長、松本大臣官房審議官、野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、
大野調査官、八木賃金課長補佐、南條賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官
議題
令和8年地域別最低賃金額改定の目安について
議事
<第1回全体会議>
〇戎野委員長代理
それでは、ただいまから第6回目安に関する小委員会を開催いたします。
本日、藤村委員長はご欠席されるため、本日の議事進行は委員長代理の戎野が務めることといたします。どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日は所用により小西委員は一時退席、大野調査官は遅れての参加になります。
それでは、まずお手元の資料について、事務局から御説明をお願いします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。
本日ご説明する資料はございませんが、各種団体からの要望書を回覧しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
以上でございます。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。
前回の小委員会においては、目安のとりまとめに向けて、鋭意調整を進めましたけれども、依然として双方の主張に隔たりがある中で、労使双方より公益委員の見解について提示のお求めがあったところです。
そこで、まずは公益委員の見解について公益で検討の後、公労・公使に個別にお伝えし、さらに議論を進めていきたいと思いますが、よろしいですか。
(異議なし)
それでは、公益委員会議から始めたいと思いますので、事務局から連絡事項をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。それでは、まず、公益委員で検討を行うということですので、労働者側委員、使用者側委員の皆様は控え室へご案内させていただきます。まず労働者側委員の皆様はご移動をお願いいたします。
(労働者側委員 退出)
続きまして使用者側委員の皆様ご移動をお願いいたします。
(使用者側委員 退出)
それでは、傍聴者の皆様はご退出ください。
(傍聴者 退出)
<第2回全体会議>
〇戎野委員長代理
ただいまから、第2回目の全体会議を開催します。
委員の皆様のお手元に公益委員見解を配布しておりますので、事務局から読み上げてもらいます。よろしくお願いします。
〇上条副主任
朗読します。
令和8年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解。令和8年7月28日。
1 令和8年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、次の表に掲げる金額とする。
A 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、54円。
B 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡、56円。
C 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、56円。
2(1)目安小委員会は、今年度の目安審議に当たって、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)で「最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきである」(令和5年全員協議会報告の1(2))との基本的な考え方に基づいて、今後も中央及び地方最低賃金審議会で審議を行うべきであると合意されたことを踏まえ、特に地方最低賃金審議会における自主性発揮が確保できるよう整備充実や取捨選択を行った資料を基にするとともに、「日本成長戦略」及び「経済財政運営と改革の基本方針2026」に配意し、最低賃金法第9条第2項の3要素を考慮した審議を行ってきた。
ア 労働者の生計費。労働者の生計費については、関連する指標である消費者物価指数を見ると、「持家の帰属家賃を除く総合」(ウエイト8,420)は、昨年の改定後の地域別最低賃金額が発効した時期である令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均2.1%で、引き続き上昇局面にあるが、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均3.9%から低下している(ここでいうウエイトとは、特定の区分に属する品目全体の支出額の家計の消費支出額に占める割合(1万分比)を指す)。
昨年度の目安審議では、様々な生活必需品の急激な上昇が生じていたことに鑑み、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を取り巻く状況について総合的に評価を行っていく必要性から、年間15回以上の購入頻度である食パン、鶏卵などの生活必需品を含む支出項目である、年間購入頻度階級別指数で見た「頻繁に購入」する品目や、食料やエネルギーの多くの品目を含む「1か月に1回程度購入」や、この両者の中に含まれない穀物などを含めた食料全般を示す「食料」、食料・エネルギーに限らず生活の基礎となる品目を含む「基礎的支出項目」などの生活必需品との関連が深い消費者物価の指標をより広く確認したが、今年度も引き続き、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を取り巻く状況について総合的に評価を行っていく必要がある。
こうした中、まず、「頻繁に購入」する品目(ウエイト1,215)の指標については、令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均1.2%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均4.2%から低下している。
また、最低賃金に近い賃金水準の労働者の生活に密接に関連する「食料」(ウエイト2,626)について見ると、令和7年10月から令和8年6月までの期間は平均4.3%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均6.4%から低下したものの、引き続き高い水準となっている。
次に、食料や家賃、光熱費、保健医療サービスなどの生活必需品については、これらを含む指標である「基礎的支出項目」(ウエイト5,121)については、令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均2.2%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均5.0%から低下している。
そして、「頻繁に購入」する品目に次いで購入頻度が高く(年間9回以上15回未満)、食料、電気代、通信料などの生活必需品で構成される「1か月に1回程度購入」する品目(ウエイト1,136)については、令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均2.3%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均6.7%から低下している。
このように、消費者物価指数については、「持家の帰属家賃を除く総合」、「食料」、「基礎的支出項目」、「1か月に1回程度購入」する品目については、引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年から緩やかになっている。一方で、昨年度確認したエンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合)については、令和7年は勤労者世帯で26.3%となっており、令和6年の26.5%から低下しているが、近年、上昇傾向にある。また、最低賃金に近い賃金水準の労働者の食費に関する支出の実態として、勤労者世帯のうち最も所得の低いグループである「世帯収入第一・十分位階級」では27.0%と更に高い水準となっている。こうしたエンゲル係数の上昇傾向は、最低賃金に近い賃金水準で働く労働者の家計に直接的な影響を与え、実質的な購買力を押し下げる要因ともなっていると考えられ、生活必需品を含む支出項目を中心とした消費者物価の上昇に伴い、最低賃金に近い賃金水準の労働者においては、生活が苦しくなっている者もいると考えられる。なお、中東情勢に対し、当面の措置として、燃料油に対する緊急的な激変緩和措置が実施されている影響等により、消費者物価指数の「総合」、とりわけ必需品的な支出項目の上昇率が一定程度押し下げられている(「総合」では、令和8年5月は1.3%ポイント押し下げられていると試算されている)ことにも留意が必要である。
こうした状況を踏まえれば、今年度においては、労働者の生計費について、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を維持する観点から、昨年10月以降の「持家の帰属家賃を除く総合」が示す水準を一定程度上回ることを考慮しつつ、生活必需品を含む支出項目に係る消費者物価の上昇も勘案する必要がある。ただし、その上昇率は昨年より鈍化していることを踏まえる必要がある。
イ 賃金。賃金に関する指標を見ると、春季賃上げ妥結状況における賃金上昇率は、連合の第7回(最終)集計結果で、全体で5.01%(昨年5.25%)で、3年連続5%を上回っている。また中小でも4.69%(昨年4.65%)で3年連続4%を上回り、上昇傾向での推移が続いている。さらには、有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額(時給)の加重平均の引上げ率の概算については6.18%(昨年5.81%、一昨年5.74%)となり、6%を超える高水準となっており、いずれの数字も高水準で推移している。
経団連による春季労使交渉月例賃金引上げ結果(第1回集計)では、大手企業で5.46%(昨年5.38%)で3年連続5%を超え、昨年の結果を上回っている。また中小企業でも4.20%(昨年4.35%)で3年連続4%を超えており、いずれも高水準で推移している。
また、日商による中小企業の賃金改定に関する調査の正社員の結果では全体で4.29%(昨年4.03%)で2年連続4%を超え、また20人以下の企業で3.52%(昨年3.54%)となっている。
厚生労働省による30人未満の企業の賃金改定状況調査結果については、第4表①②における賃金上昇率(ランク計)は3.0%であり、最低賃金が時間額のみで表示されるようになった平成14年以降最大値であった昨年の結果(2.5%)を上回っている。また、継続労働者に限定した第4表③における賃金上昇率(ランク計)は3.4%となっており、これも昨年の結果(3.2%)を上回った。この第4表は、目安審議における重要な参考資料であり、同表における賃金上昇率を十分に考慮する必要がある。
大企業を対象に含む結果である春季賃上げ妥結状況における賃金上昇率と、30人未満の小規模な企業のみを対象とする賃金改定状況調査結果を見ると、企業規模によって賃金上昇率の水準には開きが見られる一方、企業規模にかかわらず高水準での賃金引上げの状況が継続している。
また、EU指令においては、最低賃金の水準の適正さを評価するための参照指標を用いることとされ、例として、賃金の中央値の60%、平均値の50%などがあげられている。日本における賃金の中央値に対する最低賃金の割合について見ると、OECDによる2025年の数値は46.4%であり、フランスの62.5%、イギリスの61.9%等の先進国と比較すると我が国の最低賃金は低い水準となっている。ただし、賃金構造基本統計調査に基づき、2025年時点(2025年度最低賃金全国加重平均額1,121円)の所定内給与で試算した場合、一般労働者の賃金中央値の61.2%、平均値の53.0%となるが、OECDの国際比較と同様、ボーナスや残業代を含めて時給換算した場合は、中央値の50.0%、平均値の42.4%という結果になっている。一方、EU指令の取扱いについては、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)において、「一定の時間をかけて議論を尽くす必要がある」とされており、引き続き検討すべき課題である。
ウ 通常の事業の賃金支払能力。通常の事業の賃金支払能力については、個々の企業の賃金支払能力を指すものではないと解され、これまでの目安審議においても、業況の厳しい産業や企業の状況のみを見て議論するのではなく、各種統計資料を基に議論を行ってきた。
関連する指標を見ると、法人企業統計における企業利益のうち、経常利益については、令和6年度は資本金1,000万円以上で8.5%の増加となっており、1,000万円未満で12.7%の減少となっているが、令和5年度に比べると改善傾向にある。また、売上高経常利益率については、資本金1,000万円以上では、四半期ごとで令和7年は7~10%程度で推移、令和8年の第1四半期は8.0%となっており、安定して改善の傾向にある。
また、従業員一人当たり付加価値額について、令和4年度は2.2%増加、令和5年度は4.7%増加、令和6年度は全体で5.7%増加と、足下で改善の傾向にある。さらに令和6年度について、資本金1,000万円未満の全産業(除く金融保険業)について、7.0%増加、製造業で2.1%増加、非製造業で7.3%増加と、引き続き改善している。
この従業員一人当たり付加価値額に表れているように、一人当たりの労働生産性は額面ベースで高まる傾向にある一方で、付加価値額に占める人件費の割合である労働分配率は足下で低下の傾向にある。令和4年度で1.4ポイント低下、令和5年度で2.4ポイント低下、令和6年度で0.9ポイント低下し、令和6年度は64.2%となっている。また、企業規模が小さいほど労働分配率は高く、令和6年度は資本金1,000万円以上で61.4%、資本金1,000万円未満で81.5%となっているが、資本金1,000万円未満においても令和5年度と比べると1.5ポイント上昇しているが、令和4年度から3.1ポイント低下している状況にある。
国内企業物価指数(前年同月比)については、令和8年6月(速報値)で7.1%となっており、足下で上昇しており、品目別でみると、「石油・石炭製品」で22.8%、「化学製品」で14.4%と、特に足下で上昇の傾向にある。
中小企業景況調査における業況判断については、中期的に見ると横ばいだが、令和8年4月~6月は、-18.7となっており、4期連続して低下している。
日銀短観における売上高経常利益率の大企業と中小企業との開きについては、令和6年度では製造業で7.00ポイントの差、非製造業で4.21ポイントの差だったのに対し、令和7年度では製造業で6.84ポイントの差、非製造業で4.65ポイントの差となっており、引き続き二極分離の状態にあるものの、一部では縮小の傾向にある。
加えて、中小企業・小規模事業者が賃上げの原資を確保するためにも一層重要性が増している価格転嫁に関して、中小企業庁が公表した令和8年3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果(前回は令和7年9月調査)によると、価格交渉の状況については、「発注側企業から申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合は、前回から約3ポイント減(34.6%→31.5%)、「価格交渉が行われた」割合は前回から約1ポイント増加し、9割を超過(89.4%→90.7%)、「価格交渉が行われなかった」割合は微減(10.6%→9.3%)している。価格交渉は浸透しつつあるものの、引き続き、受注企業の意に反して交渉が行われなかった者が約1割ある。
労務費に係る価格交渉の状況について見ると、価格交渉が行われた企業(64.9%)のうち7割超において、労務費についても交渉を実施しており(71.9%→72.5%)、「労務費が上昇し、価格交渉を希望したが出来なかった」企業の割合は依然として存在している(5.9%→5.8%)。
また、コスト全体の価格転嫁率については約1ポイント増加(53.5%→54.2%)、一部でも価格転嫁できた割合は8割超(83.2%→84.0%)となっているが、「転嫁できなかった」「マイナスとなった」割合が横ばい(16.8%→16.0%)であり、価格転嫁の状況はほぼ横ばいであるが、1~3割しか価格転嫁できなかった企業の割合は24.1%、全く価格転嫁できなかった割合は16.0%と、引き続き、二極分離の状態が継続している。
労務費の転嫁率は、前回令和7年9月調査において初めて5割に到達し、引き続き5割を維持(50.0%→50.0%)したものの、原材料費の転嫁率(55.7%)と比較して約5ポイント低い水準にある。
倒産件数については、新型コロナウイルス感染症流行下である令和2年から令和4年にかけて、資金繰り支援等の各種施策により、倒産件数は低水準で推移したものの、令和4年から4年連続で増加し、直近の令和7年では10,300件となっている。一方、令和8年1~6月の物価高(インフレ)倒産については、556件(前年同期449件、23.8%増)発生しており、上半期では過去最多を更新した。
なお、賃金改定状況調査結果の第4表における賃金上昇率は、企業において賃金支払能力等も勘案して賃金決定がなされた結果であると解釈できるところ、春季賃上げ妥結状況の結果と大きな差が生じている要因は、それぞれの調査対象企業の規模等が異なるためであると考えられる。また、法人企業統計における従業員一人当たり付加価値額を見ると、一般に資本金規模が小さい企業ほど労働生産性は低いことからも、企業規模により、賃上げ原資の程度が異なることに留意する必要がある。
エ 各ランクの引上げ額の目安。最低賃金について、「日本成長戦略」等において、「最低賃金については、2020年代に全国平均1,500円という高い目標(「経済財政運営と改革の基本方針2025」)の達成に向け、官民でたゆまぬ努力を継続し、労働生産性の継続的な向上を図ることで、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する」こと、「毎年の最低賃金の引上げ額については、こうした政府の取組も踏まえつつ、法定3要素のデータに基づき、公労使三者構成の中央最低賃金審議会及び地方最低賃金審議会において、実態を踏まえた審議決定となるよう、議論いただく」こととされていることも踏まえ、公労使で真摯に検討を重ねてきた。
今年の政府方針として、「投資と賃上げの好循環」を加速させるとしており、数多くの具体策が示されているところ、今後それらが実行されることが重要であり、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」、「省力化投資促進プラン」に掲げる施策の迅速な実施が期待される。
一方で、最低賃金の改定額の審議に当たっては、最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき、公労使同数の委員で構成される最低賃金審議会において、丁寧に議論を積み重ねて結論を導くことが、目安額に対する納得感を高める上でも非常に重要であることから、今回の審議でもこの点を再確認し、徹底するように検討を進めてきた。
また、最低賃金の審議に当たっては、全体の平均値の賃上げ率とともに、賃上げに取り組めない、あるいは労務費等のコスト増を十分に価格転嫁できていない企業が一定程度存在することを十分に考慮すべきという意見も踏まえて議論を行った。
この結果、ア~ウで触れたように、①労働者の生計費については、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は、昨年10月から今年6月までで平均2.1%、「頻繁に購入」する品目は平均1.2%、「食料」は平均4.3%、「基礎的支出項目」は平均2.2%、「1か月に1回程度購入」する品目は平均2.3%となり、引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年より鈍化していることを踏まえる必要がある。
また、②賃金については、春季賃上げ妥結状況における賃金引上げ結果に関して全体で5.01%、中小についても4.69%と、昨年に引き続き高い水準となっており、有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額(時給・加重平均)についても6.18%の引上げで昨年を上回る水準となっている。また、経団連による春季労使交渉月例賃金引上げ結果でも、大手企業で5.46%、中小企業で4.20%、日商の中小企業の賃金改定に関する調査の正社員の結果では全体で4.29%となり、これらも昨年に引き続き高水準となっている。さらに、賃金改定状況調査結果第4表①②における今年の賃金上昇率は3.0%で、昨年を上回り平成14年以降最大のものとなっているほか、第4表③における賃金上昇率も3.4%と、昨年を上回る水準の引上げとなっている。
③通常の事業の賃金支払能力については、売上高経常利益や従業員一人当たり付加価値額が高い水準で推移するなど、企業の利益において改善の傾向にあることを考慮すべきである。
なお、企業において賃金支払能力等も勘案した賃金決定の結果であると解釈される30人未満の企業の賃金改定状況調査結果の第4表における賃金上昇率が平成14年以降で過去最大となっていることも、考慮すべきである。
しかし、価格転嫁率が示すように、依然として賃上げ原資を確保することが難しい企業も存在すると考えられる。
また、第4表と春季賃上げ妥結状況の差からも、小規模事業者は賃金支払能力が相対的に低い可能性がある。
さらに、中東情勢の影響により、国内企業物価指数について、足下で上昇している点についても留意が必要である。
そうした中で、最低賃金は、企業の経営状況にかかわらず、労働者を雇用する全ての企業に適用され、それを下回る場合には罰則の対象となることも考慮すれば、引上げ率の水準には一定の限界があると考えられる。
これらを総合的に勘案し、労働者の生計費については、消費者物価が引き続き上昇局面にある中、食料など生活必需品を含む支出項目に係る消費者物価が継続して高いことに着目するが、その上昇率は、昨年より鈍化していることを考慮する必要がある。一方、賃金については、昨年に引き続き高水準の賃上げとなっており、中小企業を含めた賃上げの流れが継続していることを考慮する必要がある。また、売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある。一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在している。
最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を維持する必要があることを考慮するとともに、賃上げの流れの維持・拡大を図り、非正規雇用労働者や中小企業・小規模事業者にも波及させることや、最低賃金法第1条に規定するとおり、最低賃金制度の目的は、賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障し、その労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定等に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与するものであることにも留意すると、今年度の各ランクの引上げ額の目安(以下「目安額」という。)を検討するに当たっては全国加重平均4.9%(55円)を基準として検討することが適当であると考えられる。
各ランクの目安額については、「日本成長戦略」等において、「地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図る」とされていることも踏まえ、地域間格差への配慮の観点から少なくとも地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き続き上昇させていくことが必要である。
その上で、賃金改定状況調査結果の第4表①②における賃金上昇率は、CランクとBランクが同率となり、Aランクよりも高くなっており、第4表③では、Cランク、Bランク、Aランクの順に高くなっている。また、第4表①②③における、AランクとBランク、AランクとCランクの差は昨年より拡大している。
さらに、雇用情勢としてB・Cランクが相対的に良い状況にあること等のデータを考慮する必要がある。
これらのことを考慮すれば、Aランクと比較し、Bランクを相対的に高くするとともに、Cランクを昨年度以上に高くすることが適当であり、具体的には、Aランク54円(4.5%)、Bランク56円(5.2%)、Cランク56円(5.4%)とすることが考えられる。この結果、仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合は、最高額に対する最低額の比率は83.4%から84.3%となり、地域間格差は比率の面で縮小することとなる。また、地域間の金額の差についても改善することとなる。
オ 政府に対する要望。目安額の検討に当たっては、最低賃金法第9条第2項の3要素を総合的に勘案することを原則とし、今年度は、消費者物価が引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年より鈍化していることや、春季賃上げ妥結状況を始めとする賃金上昇率が昨年に引き続き高い水準となっていることを考慮するとともに、売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在していることなどから、目安額を決めた。
一方で、労務費を含む価格転嫁の状況は依然として二極分離の状態にあることや、倒産件数自体は足下で増加しているといった企業経営を取り巻く環境を踏まえれば、一部の中小企業・小規模事業者の賃金支払能力の点で厳しいものであると言わざるを得ない。また、都市部以外の地域においては小規模事業者がその地域の生活を維持していくためのセーフティネットとしての役割を果たしているところもあり、従業員の処遇改善と企業の持続的発展との両立を図る観点への配慮も必要である。
中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げできる環境整備の必要性については労使共通の認識であり、「持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着」させるためにも、特に地方、中小企業・小規模事業者に配意しつつ、生産性向上を図るとともに、官公需における対応や、価格転嫁対策を徹底し、賃上げの原資の確保につなげる取組を継続的に実施するよう政府に対し強く要望する。
生産性向上の支援については、可能な限り多くの企業が各種の助成金等を受給し、賃上げを実現できるように、政府の掲げる生産性向上等への支援や経営支援の一層の強化を求める。特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金については、最低賃金引上げの影響を強く受ける中小企業・小規模事業者がしっかりと活用できるよう充実するとともに、具体的事例も活用した周知等の徹底を要望する。加えて、非正規雇用労働者の処遇改善等を支援するキャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金、人材確保等支援助成金等について、「賃上げ」を支援する観点から、賃上げ加算等の充実を強く要望する。
また、中小企業・小規模事業者の賃上げの実現に向けて、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」の着実な実行により、価格転嫁・取引適正化の更なる徹底、成長志向の企業や生産性向上への支援強化、M&A・事業承継等による事業再編の推進、賃上げの促進、経営改革等のための伴走支援体制の強化等を推進することを要望する。その際、中小企業・小規模事業者がこれらの施策を一層活用できるよう、周知等を徹底するとともに、運用の改善を図ることを要望する。
価格転嫁対策については、令和8年1月から施行された取適法・振興法を着実に執行するため、公正取引委員会・中小企業庁・事業所管省庁の連携や取引Gメンの拡充等を通じた執行体制強化と、現場への浸透に向けた一層の周知徹底を行い、あわせて、地方組織を含めた公正取引委員会の体制面の抜本的な強化を図ることを要望する。
また、取適法対象外の取引への規制強化に向け、独占禁止法上の告示、知的財産権等の適切な取引に関する指針等の周知・遵守徹底を図ることを要望する。
さらに、BtoC事業では相対的に価格転嫁率が低いといった課題があるため、消費者に対して転嫁に理解を求めていくよう要望する。
地域経済に与える影響が大きい官公需において、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」により、2027年度末までに、実勢価格を踏まえた予定価格の作成や低入札価格調査制度又は最低制限価格制度の導入・適用等を100%実施することを要望する。また、価格基準の見直し、進捗状況の見える化や地方公共団体への伴走支援等も実施することで、価格転嫁・取引適正化を強力に推進することを要望する。
「省力化投資促進プラン」の更なる充実・拡充を図るとともに、業種ごとのKPIの達成状況についてフォローアップを行って進捗を見える化し、実績に応じて更なる対応策を検討することを要望する。
また、中小企業省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、業務改善助成金等の各種補助金・助成金や、省力化ナビ、各都道府県の生産性向上支援センター等の業種横断的なサポート体制の充実及び活用促進に取り組むことを要望する。
また、いわゆる「年収の壁」への対応として、昨年7月に拡充したキャリアアップ助成金による事業主への支援や、今年4月から開始した被扶養者の新たな認定方法の取扱いの円滑な実施に取り組むことを要望する。
カ 地方最低賃金審議会への期待等。目安は、地方最低賃金審議会が審議を進めるに当たって、全国的なバランスを配慮するという観点から参考にされるべきものであり、地方最低賃金審議会の審議決定を拘束するものではない。
こうした前提の下、目安小委員会の公益委員としては、目安を十分に参酌しながら、地方最低賃金審議会において、地域別最低賃金の審議に際し、都道府県別に示される地域の経済・雇用の実態等(消費者物価指数の上昇率、最低賃金の引上げによる影響率など)をデータに基づいて見極めつつ、自主性を発揮することを期待する。
その際、今年度の目安額は、消費者物価が引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年より鈍化していることや、春季賃上げ妥結状況を始めとする賃金上昇率が昨年に引き続き高い水準となっていることを考慮するとともに、売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在していること、地域間格差の是正を引き続き図ることも踏まえて検討されたものであることにも配意いただきたいと考える。
その上で、令和7年度の地域別最低賃金については、地域ごとに異なる経済状況等も考慮の上、各地方最低賃金審議会における審議の結果、39道府県で目安額を上回る答申が出され、うち11県では、目安額を10円以上上回る高い引上げ額となり、また、発効日についても、11月以降を発効日とする地域が27府県に達し、令和8年1月1日以降を発効日とする地域も6県あった。
こうした令和7年度の地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえ、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」において、令和8年度以降の審議に向けて、「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)をとりまとめており、同とりまとめの2(2)及び3(4)に記載された「対応方針」を踏まえた審議を行うことを要望する。
また、中央最低賃金審議会が地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。
なお、公益委員見解を取りまとめるに当たって参照した主なデータは別添のとおりである。
生活保護水準と最低賃金との比較では、昨年度に引き続き乖離が生じていないことが確認された。
なお、来年度以降の目安審議においても、最低賃金法第9条第3項に基づき、引き続き、その時点における最新のデータに基づいて生活保護水準と最低賃金との比較を行い、乖離が生じていないか確認することが適当と考える。
最低賃金引上げの影響については、近年大幅な引上げがなされている中で、雇用情勢等の指標の状況を見ると大きな影響は確認できていないが、令和5年全員協議会報告の3(1)に基づき、引き続き、影響率や雇用者数等を注視しつつ、慎重に検討していくことが必要である。今年度も、影響率の詳細な分析や、雇用保険被保険者数、雇用保険適用事業所数、都市部と郡部の企業別の影響把握などを中央最低賃金審議会として行ったところであり、今後も丁寧に影響把握を行った上で、公労使で目安の検討を行うことが適当である。
また、資料に記載はありませんが、仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円、全国加重平均の上昇額は55円となります。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。公益委員といたしましては、この公益委員見解を小委員会の報告として地方最低賃金審議会に示すように、中央最低賃金審議会に報告したいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
それでは、この公益委員見解を、小委員会の報告として地方最低賃金審議会に示すように、中央最低賃金審議会に報告したいと思います。
それでは、目安に関する小委員会報告を取りまとめたいと思いますので、配布をお願いします。事務局から読み上げをお願いします。
〇上条副主任
小委員会報告の別添の参考資料は、先ほど配布したもので代えさせていただきます。
それでは朗読します。
中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告。令和8年7月28日。
1 はじめに。令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安については、累次にわたり会議を開催し、目安額の根拠等についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くしたところである。
2 労働者側見解。今年の春季生活闘争では、数多くの労使の真摯な議論の積み重ねによって、全体では3年連続で5%を上回る賃上げ、有期・短時間・契約等労働者では6%台の賃上げが実現した。様々な企業物価が価格転嫁の形で消費者物価に跳ね返ることを考えると、中東情勢などの影響は企業だけでなく消費者である働く人にこそ強い影響を及ぼすものである。労働者側委員は、全ての働く人の生活を守り、景気を底支えしていく観点からも、賃上げと最低賃金の大幅引上げを通じ、賃金・経済・物価を安定した巡航軌道に乗せていくことが、今我が国が取るべきベストなシナリオであると主張した。
最低賃金は、生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準である必要がある。最低賃金近傍で働く人へのアンケート調査では、「今後も最低賃金が引き上がるべき」と思う人は7割を超え、その最大の理由は、「現在の最低賃金額は生計費を維持するために十分な水準でないから」と答えている。現在は、絶対額として最低生計費を賄うものになっておらず、生活できる賃金水準を早急に確保することが重要であり、中期的には、「一般労働者の賃金中央値の6割水準」を重視しながら、継続的な引上げを行う必要があると述べた。
また、地域間の額差は、時間的・距離的に近接した都道府県間では労働力を流出させ、地方の中小・零細企業の事業継続・発展の厳しさに拍車をかける一因となると指摘した。
昨年度は、CランクにA・Bランクを上回る目安を示したが、Cランク県で目安を大幅に超える引上げが相次いだ。地域の自主性が発揮された結果である一方、地方審議における目安そのものの意義が問われかねない事態と指摘した。目安の妥当性と納得性を高め、目安を軸としたより建設的な議論を促す観点からも、中央最低賃金審議会としての地域間額差についてより強いメッセージを示すべきと主張した。
最賃近傍で働いている仲間の暮らしは厳しく、賃上げ効果を社会全体に速やかに波及させる上で最低賃金の早期発効が重要。発効日は法律上も法定発効が基本であり、指定日発効は特別な理由がある場合に限られる。指定日発効とする場合は、その必要性や影響について広く理解を得られるかなどの観点から公労使で十分に議論した上で決定すべきである。また、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等に明記し説明責任を果たすべきと主張した。さらに、就業調整の問題等、最低賃金制度とは関係のない他制度の課題を発効日を遅らせて解消しようとすることは誤りであり、給付付き税額控除を含めた抜本的な制度改善で対応することが本筋だと主張した。
人手不足の傾向は依然強まっており、各地域の求人募集賃金下限額は最低賃金を上回っている。労働市場や市場賃金の動向も加味して最低賃金の大幅な引上げを図るべきであると述べた。また、最低賃金の引上げと雇用維持は相反せず、むしろ人口流出や人手不足が顕著な地域、中小・零細事業所において、人材確保・定着の観点からも最低賃金を含む賃上げは急務であると主張した。
労働分配率の動向と最低賃金引上げとの相関は観察できないことから、「通常の事業の賃金支払能力」との関連性は限定的である。また、利益剰余金が過去最高水準を更新したこと、保有現金・預金が大幅な増加となっており、資金繰りにも余裕が認められることから、データからは最低賃金審議における一つの考慮要素である「通常の事業の賃金支払能力」は問題ないと述べた。なお、「通常の事業の賃金支払能力」とは、当該業種等において正常な経営をしていく場合に通常の事業に期待することのできる賃金経費の負担能力のことであって、個々の企業の支払能力のことではない点を改めて述べた。
労働者側委員としては、上記主張が十分に反映されずに取りまとめられた下記1の公益委員見解については、不満の意を表明した。
3 使用者側見解。使用者側委員は、物価の上昇幅は昨年より緩やかであるが引き続き上昇局面にあること、大幅な賃上げの流れが継続していることを踏まえれば、最低賃金を一定程度引き上げる必要性は十分理解すると述べた。
しかし、業績に関わりなく、法的強制力をもって適用される地域別最低賃金の引上げと、各企業の経営判断や労使交渉による賃金の引上げは意味合いが全く異なり、最低賃金は全企業に例外なく罰則付きで適用される以上、個々の中小企業・小規模事業者を含めた企業の賃金支払能力を十分に踏まえた慎重な判断が不可欠と主張した。
具体的な目安額を審議するに当たっては、最低賃金近傍で働く方々の可処分所得に対する物価上昇の影響は考慮すべきだが、物価上昇の影響は企業側のコスト増としても現れており、家計面のみならず、企業経営への影響と併せて検討する必要がある。具体的には、物価上昇や中東情勢の影響により増加したコスト、最低賃金を含む人件費の増加分を十分に価格転嫁できず厳しい経営環境に置かれている中小企業・小規模事業者が多いことを踏まえる必要がある。特に、中東情勢により、供給面の停滞・目詰まりに加え、国内企業物価指数や輸入物価指数の急激な上昇にも表れているとおり、燃料・石油化学製品をはじめとするコストの増加に苦慮する企業が多いことに留意が必要である。加えて、企業の1人当たりの労働生産性が向上しているとの指摘もあるが、主に賃金の上昇を受けた付加価値の増加が要因であることが推察され、規模の小さい中小企業では経常収益は減少していることからも、支払能力が高まっているとは言えないと述べた。
また、春季賃上げ妥結状況を見ると企業規模が小さいほど賃上げ率は低い傾向にあることから、賃上げへの対応は規模が小さく労働分配率が高い中小企業ほど負担感が大きいこと、企業業績の改善を伴わない、いわゆる「防衛的賃上げ」による賃上げを行う企業があることを十分考慮する必要があると指摘した。
その他、Cランクを中心とした、目安額を上回る近年の大幅な引上げにより、社会・生活インフラを担う中小企業・小規模事業者の事業継続が困難となり、地域経済に深刻な影響を与えていることにも留意が必要であると述べた。
以上を考慮すると、法定3要素のうち「通常の事業の賃金支払能力」に着目しながら、3要素を総合的に表す賃金改定状況調査の結果、特に第4表の賃金上昇率に着目するとの基本的な考え方は今年度も堅持すると述べた。
その上で、中東情勢の影響や価格転嫁の状況等を含め、事業の持続的発展と雇用維持の観点から、公労使三者構成の枠組みにおいて3要素に関するデータをバランス良く丁寧に確認しながら十分議論を尽くし、全国の企業経営者にとって納得感のある目安を示すことが目安に関する小委員会の社会的な役割であると述べた。
昨年度の各地方審議の結果と課題を踏まえた目安制度の在り方に関する全員協議会の取りまとめにおいて、最低賃金額や発効日について、地方最低賃金審議会における審議等の在り方が示されていることも踏まえ、今年度の目安審議では、データに基づく審議・決定を徹底するとともに、各地方最低賃金審議会など最低賃金の決定に関わる全ての人に対し合理的で納得性の高い目安を示すべく審議を尽くすことが重要であると主張した。加えて、発効日について、近年の最低賃金の引上げ幅が大きくなっていることから、事業者の準備期間を十分に確保する観点で発効日を年初にするべきという意見が多く寄せられている中、昨年度、各地方審議の結果として複数の地域で指定日発効とされたことは、企業にとって、賃金原資の確保や給与規程の見直し、就業調整への対応等の観点から一定の意義があったと考えられる。発効日を引上げ額との間で過度に交渉材料とすることなく、労働者の生活や企業経営に与える影響、各地域における様々な地域の事情を考慮しながら、当該地域の公労使委員間で十分に議論することが重要であると述べた。
使用者側委員としては、上記主張が十分に反映されずに取りまとめられた下記1の公益委員見解については、不満の意を表明した。
4 意見の不一致。本小委員会(以下「目安小委員会」という。)としては、これらの意見を踏まえ目安を取りまとめるべく努めたところであるが、労使の意見が一致せず、目安を定めるに至らなかった。
5 公益委員見解及びその取扱い。公益委員としては、今年度の目安審議については、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)で「最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきである」(令和5年全員協議会報告の1(2))との基本的な考え方に基づいて、今後も中央及び地方最低賃金審議会で審議を行うべきであると合意されたことを踏まえ、「日本成長戦略」及び「経済財政運営と改革の基本方針2026」に配意しつつ、各種指標を総合的に勘案し、下記1のとおり公益委員の見解を取りまとめたものである。
目安小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、これを公益委員見解として地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することとした。
また、地方最低賃金審議会の自主性発揮及び審議の際の留意点に関し、下記のとおり示し、併せて総会に報告することとした。
さらに、中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げできる環境整備の必要性については労使共通の認識であり、「持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着」させるためにも、特に地方、中小企業・小規模事業者に配意しつつ、生産性向上を図るとともに、官公需における対応や、価格転嫁対策を徹底し、賃上げの原資の確保につなげる取組を継続的に実施するよう政府に対し強く要望する。
生産性向上の支援については、可能な限り多くの企業が各種の助成金等を受給し、賃上げを実現できるように、政府の掲げる生産性向上等への支援や経営支援の一層の強化を求める。特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金については、最低賃金引上げの影響を強く受ける中小企業・小規模事業者がしっかりと活用できるよう充実するとともに、具体的事例も活用した周知等の徹底を要望する。加えて、非正規雇用労働者の処遇改善等を支援するキャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金、人材確保等支援助成金等について、「賃上げ」を支援する観点から、賃上げ加算等の充実を強く要望する。
また、中小企業・小規模事業者の賃上げの実現に向けて、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」の着実な実行により、価格転嫁・取引適正化の更なる徹底、成長志向の企業や生産性向上への支援強化、M&A・事業承継等による事業再編の推進、賃上げの促進、経営改革等のための伴走支援体制の強化等を推進することを要望する。その際、中小企業・小規模事業者がこれらの施策を一層活用できるよう、周知等を徹底するとともに、運用の改善を図ることを要望する。
価格転嫁対策については、令和8年1月から施行された取適法・振興法を着実に執行するため、公正取引委員会・中小企業庁・事業所管省庁の連携や取引Gメンの拡充等を通じた執行体制強化と、現場への浸透に向けた一層の周知徹底を行い、あわせて、地方組織を含めた公正取引委員会の体制面の抜本的な強化を図ることを要望する。
また、取適法対象外の取引への規制強化に向け、独占禁止法上の告示、知的財産権等の適切な取引に関する指針等の周知・遵守徹底を図ることを要望する。
さらに、BtoC事業では相対的に価格転嫁率が低いといった課題があるため、消費者に対して転嫁に理解を求めていくよう要望する。
地域経済に与える影響が大きい官公需において、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」により、2027年度末までに、実勢価格を踏まえた予定価格の作成や低入札価格調査制度又は最低制限価格制度の導入・適用等を100%実施することを要望する。また、価格基準の見直し、進捗状況の見える化や地方公共団体への伴走支援等も実施することで、価格転嫁・取引適正化を強力に推進することを要望する。
「省力化投資促進プラン」の更なる充実・拡充を図るとともに、業種ごとのKPIの達成状況についてフォローアップを行って進捗を見える化し、実績に応じて更なる対応策を検討することを要望する。
また、中小企業省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、業務改善助成金等の各種補助金・助成金や、省力化ナビ、各都道府県の生産性向上支援センター等の業種横断的なサポート体制の充実及び活用促進に取り組むことを要望する。
また、いわゆる「年収の壁」への対応として、昨年7月に拡充したキャリアアップ助成金による事業主への支援や、今年4月から開始した被扶養者の新たな認定方法の取扱いの円滑な実施に取り組むことを要望する。加えて、行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金額改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。今の内容を小委員会報告としてとりまとめようと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
はい。それでは、審議会で私から報告することとしたいと思います。事務局から、中央最低賃金審議会の本審の日程の連絡をお願いします。
〇八木賃金課長補佐
中央最低賃金審議会の本審は本日21時45分から、この会場で行います。
〇戎野委員長代理
皆様、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の小委員会はこれをもちまして終了といたします。長時間に渡りまして、皆様、大変お疲れ様でした。ありがとうござました。
〇仁平委員
一つよろしいでしょうか。
〇戎野委員長代理
はい。では、仁平委員。
〇仁平委員
お時間いただいてありがとうございます。6回に渡る審議、公益の先生方、使用者側委員の皆様、事務局の皆様、大変お疲れ様でございましたと一言申し上げておきたいと思います。
あともう一つなんですけど、これは全協で議論して取りまとめた話ですけど、地方へのデータ提供の話であります。どういうものが地方に提供できるのか、工夫しないとできないものは何かということを6月23日にまとめさせていただきましたけれども、是非、お疲れの中だとは思うんですけど、今日も地方では審議をしているところではございますので、速やかな対応をお願いしたいと思っております。今日はどうもお疲れ様でした。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。では土井委員お願いいたします。
〇土井委員
使用者側を代表して一言申し上げます。
本年度の6回に渡る審議では、中東情勢等、中小企業小規模事業所を取り巻く経営状況をはじめ、法定三要素に関するデータを丁寧に確認しつつ、最低賃金の引上げ額の目安について真摯な議論を重ねて参りました。意見の隔たりがあった部分もございますが、公労使各委員が、粘り強く意見を言い、議論を尽くしたこと、これは大変意義深いことであったと思っております。まず、困難な状況の下で、公益委員見解をまとめていただいた公益委員の先生方に、心より感謝を申し上げます。また、長時間に渡り真摯に議論を重ねていただいた労働側の委員の皆様にも敬意を表したいと思います。併せて、各種資料の作成や円滑な審議会運営にご尽力いただいた厚生労働省事務局の皆様に御礼申し上げます。
今後は、各地方最低賃金審議会の議論が本格化しますが、先ほど仁平委員からお話があったように、目安全協のとりまとめや、本小委員会の議論を踏まえ、できる限りのデータをご提供いただいて、地方審議会においても、法定三要素に関する各種データ等を十分に確認した上で、引上げ額や発効日について、納得感のある審議が行われることを期待して締めくくりの発言とさせていただきます。どうもありがとうございました。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。本当に長時間に渡り、皆様方のご協力の下、取りまとめることができましたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
それでは、事務局より案内をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。
本審に向けて、会議の体裁を整えたいと思いますので、少々準備を進めたいと思います。会議の開催までどうぞよろしくお願いいたします。
〇戎野委員長代理
それでは、ただいまから第6回目安に関する小委員会を開催いたします。
本日、藤村委員長はご欠席されるため、本日の議事進行は委員長代理の戎野が務めることといたします。どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日は所用により小西委員は一時退席、大野調査官は遅れての参加になります。
それでは、まずお手元の資料について、事務局から御説明をお願いします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。
本日ご説明する資料はございませんが、各種団体からの要望書を回覧しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
以上でございます。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。
前回の小委員会においては、目安のとりまとめに向けて、鋭意調整を進めましたけれども、依然として双方の主張に隔たりがある中で、労使双方より公益委員の見解について提示のお求めがあったところです。
そこで、まずは公益委員の見解について公益で検討の後、公労・公使に個別にお伝えし、さらに議論を進めていきたいと思いますが、よろしいですか。
(異議なし)
それでは、公益委員会議から始めたいと思いますので、事務局から連絡事項をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。それでは、まず、公益委員で検討を行うということですので、労働者側委員、使用者側委員の皆様は控え室へご案内させていただきます。まず労働者側委員の皆様はご移動をお願いいたします。
(労働者側委員 退出)
続きまして使用者側委員の皆様ご移動をお願いいたします。
(使用者側委員 退出)
それでは、傍聴者の皆様はご退出ください。
(傍聴者 退出)
<第2回全体会議>
〇戎野委員長代理
ただいまから、第2回目の全体会議を開催します。
委員の皆様のお手元に公益委員見解を配布しておりますので、事務局から読み上げてもらいます。よろしくお願いします。
〇上条副主任
朗読します。
令和8年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解。令和8年7月28日。
1 令和8年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、次の表に掲げる金額とする。
A 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、54円。
B 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡、56円。
C 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、56円。
2(1)目安小委員会は、今年度の目安審議に当たって、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)で「最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきである」(令和5年全員協議会報告の1(2))との基本的な考え方に基づいて、今後も中央及び地方最低賃金審議会で審議を行うべきであると合意されたことを踏まえ、特に地方最低賃金審議会における自主性発揮が確保できるよう整備充実や取捨選択を行った資料を基にするとともに、「日本成長戦略」及び「経済財政運営と改革の基本方針2026」に配意し、最低賃金法第9条第2項の3要素を考慮した審議を行ってきた。
ア 労働者の生計費。労働者の生計費については、関連する指標である消費者物価指数を見ると、「持家の帰属家賃を除く総合」(ウエイト8,420)は、昨年の改定後の地域別最低賃金額が発効した時期である令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均2.1%で、引き続き上昇局面にあるが、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均3.9%から低下している(ここでいうウエイトとは、特定の区分に属する品目全体の支出額の家計の消費支出額に占める割合(1万分比)を指す)。
昨年度の目安審議では、様々な生活必需品の急激な上昇が生じていたことに鑑み、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を取り巻く状況について総合的に評価を行っていく必要性から、年間15回以上の購入頻度である食パン、鶏卵などの生活必需品を含む支出項目である、年間購入頻度階級別指数で見た「頻繁に購入」する品目や、食料やエネルギーの多くの品目を含む「1か月に1回程度購入」や、この両者の中に含まれない穀物などを含めた食料全般を示す「食料」、食料・エネルギーに限らず生活の基礎となる品目を含む「基礎的支出項目」などの生活必需品との関連が深い消費者物価の指標をより広く確認したが、今年度も引き続き、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を取り巻く状況について総合的に評価を行っていく必要がある。
こうした中、まず、「頻繁に購入」する品目(ウエイト1,215)の指標については、令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均1.2%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均4.2%から低下している。
また、最低賃金に近い賃金水準の労働者の生活に密接に関連する「食料」(ウエイト2,626)について見ると、令和7年10月から令和8年6月までの期間は平均4.3%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均6.4%から低下したものの、引き続き高い水準となっている。
次に、食料や家賃、光熱費、保健医療サービスなどの生活必需品については、これらを含む指標である「基礎的支出項目」(ウエイト5,121)については、令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均2.2%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均5.0%から低下している。
そして、「頻繁に購入」する品目に次いで購入頻度が高く(年間9回以上15回未満)、食料、電気代、通信料などの生活必需品で構成される「1か月に1回程度購入」する品目(ウエイト1,136)については、令和7年10月から令和8年6月までの期間で見た場合は平均2.3%で、前年同期の令和6年10月から令和7年6月までの平均6.7%から低下している。
このように、消費者物価指数については、「持家の帰属家賃を除く総合」、「食料」、「基礎的支出項目」、「1か月に1回程度購入」する品目については、引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年から緩やかになっている。一方で、昨年度確認したエンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合)については、令和7年は勤労者世帯で26.3%となっており、令和6年の26.5%から低下しているが、近年、上昇傾向にある。また、最低賃金に近い賃金水準の労働者の食費に関する支出の実態として、勤労者世帯のうち最も所得の低いグループである「世帯収入第一・十分位階級」では27.0%と更に高い水準となっている。こうしたエンゲル係数の上昇傾向は、最低賃金に近い賃金水準で働く労働者の家計に直接的な影響を与え、実質的な購買力を押し下げる要因ともなっていると考えられ、生活必需品を含む支出項目を中心とした消費者物価の上昇に伴い、最低賃金に近い賃金水準の労働者においては、生活が苦しくなっている者もいると考えられる。なお、中東情勢に対し、当面の措置として、燃料油に対する緊急的な激変緩和措置が実施されている影響等により、消費者物価指数の「総合」、とりわけ必需品的な支出項目の上昇率が一定程度押し下げられている(「総合」では、令和8年5月は1.3%ポイント押し下げられていると試算されている)ことにも留意が必要である。
こうした状況を踏まえれば、今年度においては、労働者の生計費について、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を維持する観点から、昨年10月以降の「持家の帰属家賃を除く総合」が示す水準を一定程度上回ることを考慮しつつ、生活必需品を含む支出項目に係る消費者物価の上昇も勘案する必要がある。ただし、その上昇率は昨年より鈍化していることを踏まえる必要がある。
イ 賃金。賃金に関する指標を見ると、春季賃上げ妥結状況における賃金上昇率は、連合の第7回(最終)集計結果で、全体で5.01%(昨年5.25%)で、3年連続5%を上回っている。また中小でも4.69%(昨年4.65%)で3年連続4%を上回り、上昇傾向での推移が続いている。さらには、有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額(時給)の加重平均の引上げ率の概算については6.18%(昨年5.81%、一昨年5.74%)となり、6%を超える高水準となっており、いずれの数字も高水準で推移している。
経団連による春季労使交渉月例賃金引上げ結果(第1回集計)では、大手企業で5.46%(昨年5.38%)で3年連続5%を超え、昨年の結果を上回っている。また中小企業でも4.20%(昨年4.35%)で3年連続4%を超えており、いずれも高水準で推移している。
また、日商による中小企業の賃金改定に関する調査の正社員の結果では全体で4.29%(昨年4.03%)で2年連続4%を超え、また20人以下の企業で3.52%(昨年3.54%)となっている。
厚生労働省による30人未満の企業の賃金改定状況調査結果については、第4表①②における賃金上昇率(ランク計)は3.0%であり、最低賃金が時間額のみで表示されるようになった平成14年以降最大値であった昨年の結果(2.5%)を上回っている。また、継続労働者に限定した第4表③における賃金上昇率(ランク計)は3.4%となっており、これも昨年の結果(3.2%)を上回った。この第4表は、目安審議における重要な参考資料であり、同表における賃金上昇率を十分に考慮する必要がある。
大企業を対象に含む結果である春季賃上げ妥結状況における賃金上昇率と、30人未満の小規模な企業のみを対象とする賃金改定状況調査結果を見ると、企業規模によって賃金上昇率の水準には開きが見られる一方、企業規模にかかわらず高水準での賃金引上げの状況が継続している。
また、EU指令においては、最低賃金の水準の適正さを評価するための参照指標を用いることとされ、例として、賃金の中央値の60%、平均値の50%などがあげられている。日本における賃金の中央値に対する最低賃金の割合について見ると、OECDによる2025年の数値は46.4%であり、フランスの62.5%、イギリスの61.9%等の先進国と比較すると我が国の最低賃金は低い水準となっている。ただし、賃金構造基本統計調査に基づき、2025年時点(2025年度最低賃金全国加重平均額1,121円)の所定内給与で試算した場合、一般労働者の賃金中央値の61.2%、平均値の53.0%となるが、OECDの国際比較と同様、ボーナスや残業代を含めて時給換算した場合は、中央値の50.0%、平均値の42.4%という結果になっている。一方、EU指令の取扱いについては、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)において、「一定の時間をかけて議論を尽くす必要がある」とされており、引き続き検討すべき課題である。
ウ 通常の事業の賃金支払能力。通常の事業の賃金支払能力については、個々の企業の賃金支払能力を指すものではないと解され、これまでの目安審議においても、業況の厳しい産業や企業の状況のみを見て議論するのではなく、各種統計資料を基に議論を行ってきた。
関連する指標を見ると、法人企業統計における企業利益のうち、経常利益については、令和6年度は資本金1,000万円以上で8.5%の増加となっており、1,000万円未満で12.7%の減少となっているが、令和5年度に比べると改善傾向にある。また、売上高経常利益率については、資本金1,000万円以上では、四半期ごとで令和7年は7~10%程度で推移、令和8年の第1四半期は8.0%となっており、安定して改善の傾向にある。
また、従業員一人当たり付加価値額について、令和4年度は2.2%増加、令和5年度は4.7%増加、令和6年度は全体で5.7%増加と、足下で改善の傾向にある。さらに令和6年度について、資本金1,000万円未満の全産業(除く金融保険業)について、7.0%増加、製造業で2.1%増加、非製造業で7.3%増加と、引き続き改善している。
この従業員一人当たり付加価値額に表れているように、一人当たりの労働生産性は額面ベースで高まる傾向にある一方で、付加価値額に占める人件費の割合である労働分配率は足下で低下の傾向にある。令和4年度で1.4ポイント低下、令和5年度で2.4ポイント低下、令和6年度で0.9ポイント低下し、令和6年度は64.2%となっている。また、企業規模が小さいほど労働分配率は高く、令和6年度は資本金1,000万円以上で61.4%、資本金1,000万円未満で81.5%となっているが、資本金1,000万円未満においても令和5年度と比べると1.5ポイント上昇しているが、令和4年度から3.1ポイント低下している状況にある。
国内企業物価指数(前年同月比)については、令和8年6月(速報値)で7.1%となっており、足下で上昇しており、品目別でみると、「石油・石炭製品」で22.8%、「化学製品」で14.4%と、特に足下で上昇の傾向にある。
中小企業景況調査における業況判断については、中期的に見ると横ばいだが、令和8年4月~6月は、-18.7となっており、4期連続して低下している。
日銀短観における売上高経常利益率の大企業と中小企業との開きについては、令和6年度では製造業で7.00ポイントの差、非製造業で4.21ポイントの差だったのに対し、令和7年度では製造業で6.84ポイントの差、非製造業で4.65ポイントの差となっており、引き続き二極分離の状態にあるものの、一部では縮小の傾向にある。
加えて、中小企業・小規模事業者が賃上げの原資を確保するためにも一層重要性が増している価格転嫁に関して、中小企業庁が公表した令和8年3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果(前回は令和7年9月調査)によると、価格交渉の状況については、「発注側企業から申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合は、前回から約3ポイント減(34.6%→31.5%)、「価格交渉が行われた」割合は前回から約1ポイント増加し、9割を超過(89.4%→90.7%)、「価格交渉が行われなかった」割合は微減(10.6%→9.3%)している。価格交渉は浸透しつつあるものの、引き続き、受注企業の意に反して交渉が行われなかった者が約1割ある。
労務費に係る価格交渉の状況について見ると、価格交渉が行われた企業(64.9%)のうち7割超において、労務費についても交渉を実施しており(71.9%→72.5%)、「労務費が上昇し、価格交渉を希望したが出来なかった」企業の割合は依然として存在している(5.9%→5.8%)。
また、コスト全体の価格転嫁率については約1ポイント増加(53.5%→54.2%)、一部でも価格転嫁できた割合は8割超(83.2%→84.0%)となっているが、「転嫁できなかった」「マイナスとなった」割合が横ばい(16.8%→16.0%)であり、価格転嫁の状況はほぼ横ばいであるが、1~3割しか価格転嫁できなかった企業の割合は24.1%、全く価格転嫁できなかった割合は16.0%と、引き続き、二極分離の状態が継続している。
労務費の転嫁率は、前回令和7年9月調査において初めて5割に到達し、引き続き5割を維持(50.0%→50.0%)したものの、原材料費の転嫁率(55.7%)と比較して約5ポイント低い水準にある。
倒産件数については、新型コロナウイルス感染症流行下である令和2年から令和4年にかけて、資金繰り支援等の各種施策により、倒産件数は低水準で推移したものの、令和4年から4年連続で増加し、直近の令和7年では10,300件となっている。一方、令和8年1~6月の物価高(インフレ)倒産については、556件(前年同期449件、23.8%増)発生しており、上半期では過去最多を更新した。
なお、賃金改定状況調査結果の第4表における賃金上昇率は、企業において賃金支払能力等も勘案して賃金決定がなされた結果であると解釈できるところ、春季賃上げ妥結状況の結果と大きな差が生じている要因は、それぞれの調査対象企業の規模等が異なるためであると考えられる。また、法人企業統計における従業員一人当たり付加価値額を見ると、一般に資本金規模が小さい企業ほど労働生産性は低いことからも、企業規模により、賃上げ原資の程度が異なることに留意する必要がある。
エ 各ランクの引上げ額の目安。最低賃金について、「日本成長戦略」等において、「最低賃金については、2020年代に全国平均1,500円という高い目標(「経済財政運営と改革の基本方針2025」)の達成に向け、官民でたゆまぬ努力を継続し、労働生産性の継続的な向上を図ることで、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する」こと、「毎年の最低賃金の引上げ額については、こうした政府の取組も踏まえつつ、法定3要素のデータに基づき、公労使三者構成の中央最低賃金審議会及び地方最低賃金審議会において、実態を踏まえた審議決定となるよう、議論いただく」こととされていることも踏まえ、公労使で真摯に検討を重ねてきた。
今年の政府方針として、「投資と賃上げの好循環」を加速させるとしており、数多くの具体策が示されているところ、今後それらが実行されることが重要であり、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」、「省力化投資促進プラン」に掲げる施策の迅速な実施が期待される。
一方で、最低賃金の改定額の審議に当たっては、最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき、公労使同数の委員で構成される最低賃金審議会において、丁寧に議論を積み重ねて結論を導くことが、目安額に対する納得感を高める上でも非常に重要であることから、今回の審議でもこの点を再確認し、徹底するように検討を進めてきた。
また、最低賃金の審議に当たっては、全体の平均値の賃上げ率とともに、賃上げに取り組めない、あるいは労務費等のコスト増を十分に価格転嫁できていない企業が一定程度存在することを十分に考慮すべきという意見も踏まえて議論を行った。
この結果、ア~ウで触れたように、①労働者の生計費については、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は、昨年10月から今年6月までで平均2.1%、「頻繁に購入」する品目は平均1.2%、「食料」は平均4.3%、「基礎的支出項目」は平均2.2%、「1か月に1回程度購入」する品目は平均2.3%となり、引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年より鈍化していることを踏まえる必要がある。
また、②賃金については、春季賃上げ妥結状況における賃金引上げ結果に関して全体で5.01%、中小についても4.69%と、昨年に引き続き高い水準となっており、有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額(時給・加重平均)についても6.18%の引上げで昨年を上回る水準となっている。また、経団連による春季労使交渉月例賃金引上げ結果でも、大手企業で5.46%、中小企業で4.20%、日商の中小企業の賃金改定に関する調査の正社員の結果では全体で4.29%となり、これらも昨年に引き続き高水準となっている。さらに、賃金改定状況調査結果第4表①②における今年の賃金上昇率は3.0%で、昨年を上回り平成14年以降最大のものとなっているほか、第4表③における賃金上昇率も3.4%と、昨年を上回る水準の引上げとなっている。
③通常の事業の賃金支払能力については、売上高経常利益や従業員一人当たり付加価値額が高い水準で推移するなど、企業の利益において改善の傾向にあることを考慮すべきである。
なお、企業において賃金支払能力等も勘案した賃金決定の結果であると解釈される30人未満の企業の賃金改定状況調査結果の第4表における賃金上昇率が平成14年以降で過去最大となっていることも、考慮すべきである。
しかし、価格転嫁率が示すように、依然として賃上げ原資を確保することが難しい企業も存在すると考えられる。
また、第4表と春季賃上げ妥結状況の差からも、小規模事業者は賃金支払能力が相対的に低い可能性がある。
さらに、中東情勢の影響により、国内企業物価指数について、足下で上昇している点についても留意が必要である。
そうした中で、最低賃金は、企業の経営状況にかかわらず、労働者を雇用する全ての企業に適用され、それを下回る場合には罰則の対象となることも考慮すれば、引上げ率の水準には一定の限界があると考えられる。
これらを総合的に勘案し、労働者の生計費については、消費者物価が引き続き上昇局面にある中、食料など生活必需品を含む支出項目に係る消費者物価が継続して高いことに着目するが、その上昇率は、昨年より鈍化していることを考慮する必要がある。一方、賃金については、昨年に引き続き高水準の賃上げとなっており、中小企業を含めた賃上げの流れが継続していることを考慮する必要がある。また、売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある。一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在している。
最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を維持する必要があることを考慮するとともに、賃上げの流れの維持・拡大を図り、非正規雇用労働者や中小企業・小規模事業者にも波及させることや、最低賃金法第1条に規定するとおり、最低賃金制度の目的は、賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障し、その労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定等に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与するものであることにも留意すると、今年度の各ランクの引上げ額の目安(以下「目安額」という。)を検討するに当たっては全国加重平均4.9%(55円)を基準として検討することが適当であると考えられる。
各ランクの目安額については、「日本成長戦略」等において、「地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図る」とされていることも踏まえ、地域間格差への配慮の観点から少なくとも地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き続き上昇させていくことが必要である。
その上で、賃金改定状況調査結果の第4表①②における賃金上昇率は、CランクとBランクが同率となり、Aランクよりも高くなっており、第4表③では、Cランク、Bランク、Aランクの順に高くなっている。また、第4表①②③における、AランクとBランク、AランクとCランクの差は昨年より拡大している。
さらに、雇用情勢としてB・Cランクが相対的に良い状況にあること等のデータを考慮する必要がある。
これらのことを考慮すれば、Aランクと比較し、Bランクを相対的に高くするとともに、Cランクを昨年度以上に高くすることが適当であり、具体的には、Aランク54円(4.5%)、Bランク56円(5.2%)、Cランク56円(5.4%)とすることが考えられる。この結果、仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合は、最高額に対する最低額の比率は83.4%から84.3%となり、地域間格差は比率の面で縮小することとなる。また、地域間の金額の差についても改善することとなる。
オ 政府に対する要望。目安額の検討に当たっては、最低賃金法第9条第2項の3要素を総合的に勘案することを原則とし、今年度は、消費者物価が引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年より鈍化していることや、春季賃上げ妥結状況を始めとする賃金上昇率が昨年に引き続き高い水準となっていることを考慮するとともに、売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在していることなどから、目安額を決めた。
一方で、労務費を含む価格転嫁の状況は依然として二極分離の状態にあることや、倒産件数自体は足下で増加しているといった企業経営を取り巻く環境を踏まえれば、一部の中小企業・小規模事業者の賃金支払能力の点で厳しいものであると言わざるを得ない。また、都市部以外の地域においては小規模事業者がその地域の生活を維持していくためのセーフティネットとしての役割を果たしているところもあり、従業員の処遇改善と企業の持続的発展との両立を図る観点への配慮も必要である。
中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げできる環境整備の必要性については労使共通の認識であり、「持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着」させるためにも、特に地方、中小企業・小規模事業者に配意しつつ、生産性向上を図るとともに、官公需における対応や、価格転嫁対策を徹底し、賃上げの原資の確保につなげる取組を継続的に実施するよう政府に対し強く要望する。
生産性向上の支援については、可能な限り多くの企業が各種の助成金等を受給し、賃上げを実現できるように、政府の掲げる生産性向上等への支援や経営支援の一層の強化を求める。特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金については、最低賃金引上げの影響を強く受ける中小企業・小規模事業者がしっかりと活用できるよう充実するとともに、具体的事例も活用した周知等の徹底を要望する。加えて、非正規雇用労働者の処遇改善等を支援するキャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金、人材確保等支援助成金等について、「賃上げ」を支援する観点から、賃上げ加算等の充実を強く要望する。
また、中小企業・小規模事業者の賃上げの実現に向けて、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」の着実な実行により、価格転嫁・取引適正化の更なる徹底、成長志向の企業や生産性向上への支援強化、M&A・事業承継等による事業再編の推進、賃上げの促進、経営改革等のための伴走支援体制の強化等を推進することを要望する。その際、中小企業・小規模事業者がこれらの施策を一層活用できるよう、周知等を徹底するとともに、運用の改善を図ることを要望する。
価格転嫁対策については、令和8年1月から施行された取適法・振興法を着実に執行するため、公正取引委員会・中小企業庁・事業所管省庁の連携や取引Gメンの拡充等を通じた執行体制強化と、現場への浸透に向けた一層の周知徹底を行い、あわせて、地方組織を含めた公正取引委員会の体制面の抜本的な強化を図ることを要望する。
また、取適法対象外の取引への規制強化に向け、独占禁止法上の告示、知的財産権等の適切な取引に関する指針等の周知・遵守徹底を図ることを要望する。
さらに、BtoC事業では相対的に価格転嫁率が低いといった課題があるため、消費者に対して転嫁に理解を求めていくよう要望する。
地域経済に与える影響が大きい官公需において、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」により、2027年度末までに、実勢価格を踏まえた予定価格の作成や低入札価格調査制度又は最低制限価格制度の導入・適用等を100%実施することを要望する。また、価格基準の見直し、進捗状況の見える化や地方公共団体への伴走支援等も実施することで、価格転嫁・取引適正化を強力に推進することを要望する。
「省力化投資促進プラン」の更なる充実・拡充を図るとともに、業種ごとのKPIの達成状況についてフォローアップを行って進捗を見える化し、実績に応じて更なる対応策を検討することを要望する。
また、中小企業省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、業務改善助成金等の各種補助金・助成金や、省力化ナビ、各都道府県の生産性向上支援センター等の業種横断的なサポート体制の充実及び活用促進に取り組むことを要望する。
また、いわゆる「年収の壁」への対応として、昨年7月に拡充したキャリアアップ助成金による事業主への支援や、今年4月から開始した被扶養者の新たな認定方法の取扱いの円滑な実施に取り組むことを要望する。
カ 地方最低賃金審議会への期待等。目安は、地方最低賃金審議会が審議を進めるに当たって、全国的なバランスを配慮するという観点から参考にされるべきものであり、地方最低賃金審議会の審議決定を拘束するものではない。
こうした前提の下、目安小委員会の公益委員としては、目安を十分に参酌しながら、地方最低賃金審議会において、地域別最低賃金の審議に際し、都道府県別に示される地域の経済・雇用の実態等(消費者物価指数の上昇率、最低賃金の引上げによる影響率など)をデータに基づいて見極めつつ、自主性を発揮することを期待する。
その際、今年度の目安額は、消費者物価が引き続き上昇局面にあるが、上昇率は昨年より鈍化していることや、春季賃上げ妥結状況を始めとする賃金上昇率が昨年に引き続き高い水準となっていることを考慮するとともに、売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在していること、地域間格差の是正を引き続き図ることも踏まえて検討されたものであることにも配意いただきたいと考える。
その上で、令和7年度の地域別最低賃金については、地域ごとに異なる経済状況等も考慮の上、各地方最低賃金審議会における審議の結果、39道府県で目安額を上回る答申が出され、うち11県では、目安額を10円以上上回る高い引上げ額となり、また、発効日についても、11月以降を発効日とする地域が27府県に達し、令和8年1月1日以降を発効日とする地域も6県あった。
こうした令和7年度の地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえ、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」において、令和8年度以降の審議に向けて、「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)をとりまとめており、同とりまとめの2(2)及び3(4)に記載された「対応方針」を踏まえた審議を行うことを要望する。
また、中央最低賃金審議会が地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。
なお、公益委員見解を取りまとめるに当たって参照した主なデータは別添のとおりである。
生活保護水準と最低賃金との比較では、昨年度に引き続き乖離が生じていないことが確認された。
なお、来年度以降の目安審議においても、最低賃金法第9条第3項に基づき、引き続き、その時点における最新のデータに基づいて生活保護水準と最低賃金との比較を行い、乖離が生じていないか確認することが適当と考える。
最低賃金引上げの影響については、近年大幅な引上げがなされている中で、雇用情勢等の指標の状況を見ると大きな影響は確認できていないが、令和5年全員協議会報告の3(1)に基づき、引き続き、影響率や雇用者数等を注視しつつ、慎重に検討していくことが必要である。今年度も、影響率の詳細な分析や、雇用保険被保険者数、雇用保険適用事業所数、都市部と郡部の企業別の影響把握などを中央最低賃金審議会として行ったところであり、今後も丁寧に影響把握を行った上で、公労使で目安の検討を行うことが適当である。
また、資料に記載はありませんが、仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円、全国加重平均の上昇額は55円となります。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。公益委員といたしましては、この公益委員見解を小委員会の報告として地方最低賃金審議会に示すように、中央最低賃金審議会に報告したいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
それでは、この公益委員見解を、小委員会の報告として地方最低賃金審議会に示すように、中央最低賃金審議会に報告したいと思います。
それでは、目安に関する小委員会報告を取りまとめたいと思いますので、配布をお願いします。事務局から読み上げをお願いします。
〇上条副主任
小委員会報告の別添の参考資料は、先ほど配布したもので代えさせていただきます。
それでは朗読します。
中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告。令和8年7月28日。
1 はじめに。令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安については、累次にわたり会議を開催し、目安額の根拠等についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くしたところである。
2 労働者側見解。今年の春季生活闘争では、数多くの労使の真摯な議論の積み重ねによって、全体では3年連続で5%を上回る賃上げ、有期・短時間・契約等労働者では6%台の賃上げが実現した。様々な企業物価が価格転嫁の形で消費者物価に跳ね返ることを考えると、中東情勢などの影響は企業だけでなく消費者である働く人にこそ強い影響を及ぼすものである。労働者側委員は、全ての働く人の生活を守り、景気を底支えしていく観点からも、賃上げと最低賃金の大幅引上げを通じ、賃金・経済・物価を安定した巡航軌道に乗せていくことが、今我が国が取るべきベストなシナリオであると主張した。
最低賃金は、生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準である必要がある。最低賃金近傍で働く人へのアンケート調査では、「今後も最低賃金が引き上がるべき」と思う人は7割を超え、その最大の理由は、「現在の最低賃金額は生計費を維持するために十分な水準でないから」と答えている。現在は、絶対額として最低生計費を賄うものになっておらず、生活できる賃金水準を早急に確保することが重要であり、中期的には、「一般労働者の賃金中央値の6割水準」を重視しながら、継続的な引上げを行う必要があると述べた。
また、地域間の額差は、時間的・距離的に近接した都道府県間では労働力を流出させ、地方の中小・零細企業の事業継続・発展の厳しさに拍車をかける一因となると指摘した。
昨年度は、CランクにA・Bランクを上回る目安を示したが、Cランク県で目安を大幅に超える引上げが相次いだ。地域の自主性が発揮された結果である一方、地方審議における目安そのものの意義が問われかねない事態と指摘した。目安の妥当性と納得性を高め、目安を軸としたより建設的な議論を促す観点からも、中央最低賃金審議会としての地域間額差についてより強いメッセージを示すべきと主張した。
最賃近傍で働いている仲間の暮らしは厳しく、賃上げ効果を社会全体に速やかに波及させる上で最低賃金の早期発効が重要。発効日は法律上も法定発効が基本であり、指定日発効は特別な理由がある場合に限られる。指定日発効とする場合は、その必要性や影響について広く理解を得られるかなどの観点から公労使で十分に議論した上で決定すべきである。また、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等に明記し説明責任を果たすべきと主張した。さらに、就業調整の問題等、最低賃金制度とは関係のない他制度の課題を発効日を遅らせて解消しようとすることは誤りであり、給付付き税額控除を含めた抜本的な制度改善で対応することが本筋だと主張した。
人手不足の傾向は依然強まっており、各地域の求人募集賃金下限額は最低賃金を上回っている。労働市場や市場賃金の動向も加味して最低賃金の大幅な引上げを図るべきであると述べた。また、最低賃金の引上げと雇用維持は相反せず、むしろ人口流出や人手不足が顕著な地域、中小・零細事業所において、人材確保・定着の観点からも最低賃金を含む賃上げは急務であると主張した。
労働分配率の動向と最低賃金引上げとの相関は観察できないことから、「通常の事業の賃金支払能力」との関連性は限定的である。また、利益剰余金が過去最高水準を更新したこと、保有現金・預金が大幅な増加となっており、資金繰りにも余裕が認められることから、データからは最低賃金審議における一つの考慮要素である「通常の事業の賃金支払能力」は問題ないと述べた。なお、「通常の事業の賃金支払能力」とは、当該業種等において正常な経営をしていく場合に通常の事業に期待することのできる賃金経費の負担能力のことであって、個々の企業の支払能力のことではない点を改めて述べた。
労働者側委員としては、上記主張が十分に反映されずに取りまとめられた下記1の公益委員見解については、不満の意を表明した。
3 使用者側見解。使用者側委員は、物価の上昇幅は昨年より緩やかであるが引き続き上昇局面にあること、大幅な賃上げの流れが継続していることを踏まえれば、最低賃金を一定程度引き上げる必要性は十分理解すると述べた。
しかし、業績に関わりなく、法的強制力をもって適用される地域別最低賃金の引上げと、各企業の経営判断や労使交渉による賃金の引上げは意味合いが全く異なり、最低賃金は全企業に例外なく罰則付きで適用される以上、個々の中小企業・小規模事業者を含めた企業の賃金支払能力を十分に踏まえた慎重な判断が不可欠と主張した。
具体的な目安額を審議するに当たっては、最低賃金近傍で働く方々の可処分所得に対する物価上昇の影響は考慮すべきだが、物価上昇の影響は企業側のコスト増としても現れており、家計面のみならず、企業経営への影響と併せて検討する必要がある。具体的には、物価上昇や中東情勢の影響により増加したコスト、最低賃金を含む人件費の増加分を十分に価格転嫁できず厳しい経営環境に置かれている中小企業・小規模事業者が多いことを踏まえる必要がある。特に、中東情勢により、供給面の停滞・目詰まりに加え、国内企業物価指数や輸入物価指数の急激な上昇にも表れているとおり、燃料・石油化学製品をはじめとするコストの増加に苦慮する企業が多いことに留意が必要である。加えて、企業の1人当たりの労働生産性が向上しているとの指摘もあるが、主に賃金の上昇を受けた付加価値の増加が要因であることが推察され、規模の小さい中小企業では経常収益は減少していることからも、支払能力が高まっているとは言えないと述べた。
また、春季賃上げ妥結状況を見ると企業規模が小さいほど賃上げ率は低い傾向にあることから、賃上げへの対応は規模が小さく労働分配率が高い中小企業ほど負担感が大きいこと、企業業績の改善を伴わない、いわゆる「防衛的賃上げ」による賃上げを行う企業があることを十分考慮する必要があると指摘した。
その他、Cランクを中心とした、目安額を上回る近年の大幅な引上げにより、社会・生活インフラを担う中小企業・小規模事業者の事業継続が困難となり、地域経済に深刻な影響を与えていることにも留意が必要であると述べた。
以上を考慮すると、法定3要素のうち「通常の事業の賃金支払能力」に着目しながら、3要素を総合的に表す賃金改定状況調査の結果、特に第4表の賃金上昇率に着目するとの基本的な考え方は今年度も堅持すると述べた。
その上で、中東情勢の影響や価格転嫁の状況等を含め、事業の持続的発展と雇用維持の観点から、公労使三者構成の枠組みにおいて3要素に関するデータをバランス良く丁寧に確認しながら十分議論を尽くし、全国の企業経営者にとって納得感のある目安を示すことが目安に関する小委員会の社会的な役割であると述べた。
昨年度の各地方審議の結果と課題を踏まえた目安制度の在り方に関する全員協議会の取りまとめにおいて、最低賃金額や発効日について、地方最低賃金審議会における審議等の在り方が示されていることも踏まえ、今年度の目安審議では、データに基づく審議・決定を徹底するとともに、各地方最低賃金審議会など最低賃金の決定に関わる全ての人に対し合理的で納得性の高い目安を示すべく審議を尽くすことが重要であると主張した。加えて、発効日について、近年の最低賃金の引上げ幅が大きくなっていることから、事業者の準備期間を十分に確保する観点で発効日を年初にするべきという意見が多く寄せられている中、昨年度、各地方審議の結果として複数の地域で指定日発効とされたことは、企業にとって、賃金原資の確保や給与規程の見直し、就業調整への対応等の観点から一定の意義があったと考えられる。発効日を引上げ額との間で過度に交渉材料とすることなく、労働者の生活や企業経営に与える影響、各地域における様々な地域の事情を考慮しながら、当該地域の公労使委員間で十分に議論することが重要であると述べた。
使用者側委員としては、上記主張が十分に反映されずに取りまとめられた下記1の公益委員見解については、不満の意を表明した。
4 意見の不一致。本小委員会(以下「目安小委員会」という。)としては、これらの意見を踏まえ目安を取りまとめるべく努めたところであるが、労使の意見が一致せず、目安を定めるに至らなかった。
5 公益委員見解及びその取扱い。公益委員としては、今年度の目安審議については、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)で「最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきである」(令和5年全員協議会報告の1(2))との基本的な考え方に基づいて、今後も中央及び地方最低賃金審議会で審議を行うべきであると合意されたことを踏まえ、「日本成長戦略」及び「経済財政運営と改革の基本方針2026」に配意しつつ、各種指標を総合的に勘案し、下記1のとおり公益委員の見解を取りまとめたものである。
目安小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、これを公益委員見解として地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することとした。
また、地方最低賃金審議会の自主性発揮及び審議の際の留意点に関し、下記のとおり示し、併せて総会に報告することとした。
さらに、中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げできる環境整備の必要性については労使共通の認識であり、「持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着」させるためにも、特に地方、中小企業・小規模事業者に配意しつつ、生産性向上を図るとともに、官公需における対応や、価格転嫁対策を徹底し、賃上げの原資の確保につなげる取組を継続的に実施するよう政府に対し強く要望する。
生産性向上の支援については、可能な限り多くの企業が各種の助成金等を受給し、賃上げを実現できるように、政府の掲げる生産性向上等への支援や経営支援の一層の強化を求める。特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金については、最低賃金引上げの影響を強く受ける中小企業・小規模事業者がしっかりと活用できるよう充実するとともに、具体的事例も活用した周知等の徹底を要望する。加えて、非正規雇用労働者の処遇改善等を支援するキャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金、人材確保等支援助成金等について、「賃上げ」を支援する観点から、賃上げ加算等の充実を強く要望する。
また、中小企業・小規模事業者の賃上げの実現に向けて、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」の着実な実行により、価格転嫁・取引適正化の更なる徹底、成長志向の企業や生産性向上への支援強化、M&A・事業承継等による事業再編の推進、賃上げの促進、経営改革等のための伴走支援体制の強化等を推進することを要望する。その際、中小企業・小規模事業者がこれらの施策を一層活用できるよう、周知等を徹底するとともに、運用の改善を図ることを要望する。
価格転嫁対策については、令和8年1月から施行された取適法・振興法を着実に執行するため、公正取引委員会・中小企業庁・事業所管省庁の連携や取引Gメンの拡充等を通じた執行体制強化と、現場への浸透に向けた一層の周知徹底を行い、あわせて、地方組織を含めた公正取引委員会の体制面の抜本的な強化を図ることを要望する。
また、取適法対象外の取引への規制強化に向け、独占禁止法上の告示、知的財産権等の適切な取引に関する指針等の周知・遵守徹底を図ることを要望する。
さらに、BtoC事業では相対的に価格転嫁率が低いといった課題があるため、消費者に対して転嫁に理解を求めていくよう要望する。
地域経済に与える影響が大きい官公需において、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」により、2027年度末までに、実勢価格を踏まえた予定価格の作成や低入札価格調査制度又は最低制限価格制度の導入・適用等を100%実施することを要望する。また、価格基準の見直し、進捗状況の見える化や地方公共団体への伴走支援等も実施することで、価格転嫁・取引適正化を強力に推進することを要望する。
「省力化投資促進プラン」の更なる充実・拡充を図るとともに、業種ごとのKPIの達成状況についてフォローアップを行って進捗を見える化し、実績に応じて更なる対応策を検討することを要望する。
また、中小企業省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、業務改善助成金等の各種補助金・助成金や、省力化ナビ、各都道府県の生産性向上支援センター等の業種横断的なサポート体制の充実及び活用促進に取り組むことを要望する。
また、いわゆる「年収の壁」への対応として、昨年7月に拡充したキャリアアップ助成金による事業主への支援や、今年4月から開始した被扶養者の新たな認定方法の取扱いの円滑な実施に取り組むことを要望する。加えて、行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金額改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。今の内容を小委員会報告としてとりまとめようと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
はい。それでは、審議会で私から報告することとしたいと思います。事務局から、中央最低賃金審議会の本審の日程の連絡をお願いします。
〇八木賃金課長補佐
中央最低賃金審議会の本審は本日21時45分から、この会場で行います。
〇戎野委員長代理
皆様、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の小委員会はこれをもちまして終了といたします。長時間に渡りまして、皆様、大変お疲れ様でした。ありがとうござました。
〇仁平委員
一つよろしいでしょうか。
〇戎野委員長代理
はい。では、仁平委員。
〇仁平委員
お時間いただいてありがとうございます。6回に渡る審議、公益の先生方、使用者側委員の皆様、事務局の皆様、大変お疲れ様でございましたと一言申し上げておきたいと思います。
あともう一つなんですけど、これは全協で議論して取りまとめた話ですけど、地方へのデータ提供の話であります。どういうものが地方に提供できるのか、工夫しないとできないものは何かということを6月23日にまとめさせていただきましたけれども、是非、お疲れの中だとは思うんですけど、今日も地方では審議をしているところではございますので、速やかな対応をお願いしたいと思っております。今日はどうもお疲れ様でした。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。では土井委員お願いいたします。
〇土井委員
使用者側を代表して一言申し上げます。
本年度の6回に渡る審議では、中東情勢等、中小企業小規模事業所を取り巻く経営状況をはじめ、法定三要素に関するデータを丁寧に確認しつつ、最低賃金の引上げ額の目安について真摯な議論を重ねて参りました。意見の隔たりがあった部分もございますが、公労使各委員が、粘り強く意見を言い、議論を尽くしたこと、これは大変意義深いことであったと思っております。まず、困難な状況の下で、公益委員見解をまとめていただいた公益委員の先生方に、心より感謝を申し上げます。また、長時間に渡り真摯に議論を重ねていただいた労働側の委員の皆様にも敬意を表したいと思います。併せて、各種資料の作成や円滑な審議会運営にご尽力いただいた厚生労働省事務局の皆様に御礼申し上げます。
今後は、各地方最低賃金審議会の議論が本格化しますが、先ほど仁平委員からお話があったように、目安全協のとりまとめや、本小委員会の議論を踏まえ、できる限りのデータをご提供いただいて、地方審議会においても、法定三要素に関する各種データ等を十分に確認した上で、引上げ額や発効日について、納得感のある審議が行われることを期待して締めくくりの発言とさせていただきます。どうもありがとうございました。
〇戎野委員長代理
ありがとうございました。本当に長時間に渡り、皆様方のご協力の下、取りまとめることができましたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
それでは、事務局より案内をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。
本審に向けて、会議の体裁を整えたいと思いますので、少々準備を進めたいと思います。会議の開催までどうぞよろしくお願いいたします。

