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2026年7月17日 令和8年第3回目安に関する小委員会 議事録
日時
令和8年7月17日(金)14:00~18:16
場所
厚生労働省専用第15会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館12階)
出席者
公益代表委員
藤村委員長、戎野委員、小西委員、首藤委員
労働者代表委員
伊藤委員、柴田委員、仁平委員、水崎委員
使用者代表委員
進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員
事務局
岸本労働基準局長、松本大臣官房審議官、野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、
大野調査官、八木賃金課長補佐、南條賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官
藤村委員長、戎野委員、小西委員、首藤委員
労働者代表委員
伊藤委員、柴田委員、仁平委員、水崎委員
使用者代表委員
進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員
事務局
岸本労働基準局長、松本大臣官房審議官、野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、
大野調査官、八木賃金課長補佐、南條賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官
議題
令和8年地域別最低賃金額改定の目安について
議事
<第1回全体会議>
〇藤村委員長
では、ただいまから第3回目安に関する小委員会を開催いたします。まず、お手元の資料について、事務局から御説明をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。お手元の資料につきまして事務局からご説明させていただきます。また、本日お手元の資料の他に各種団体からの要望書を回覧しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。本日、参考資料No.1~3の合計3点をご用意しておりまして、通しでご説明をさせていただきます。
まず、参考資料No.1をご覧いただければと思います。こちらの資料は、前回、委員の皆様からご要望のありました資料や、前回の安小委にてご説明をしました資料の更新部分をまとめたものになります。
1枚おめくりいただきまして、2~3ページになりますが、消費者物価指数の対前年上昇率の推移について、2025年7月から2026年5月までの期間をみたものになります。2ページが品目ごとになっておりまして、3ページがランクごととなっております。
例えば、2ページ目でございますが、2025年7月から2026年5月までの平均で、「持家の帰属家賃を除く総合」は対前年2.5%となっております。
続きまして4ページ目をご覧いただければと思います。こちらは従業員一人当たり付加価値額の推移について、全産業の資本金規模別の内訳、製造業及び非製造業の資本金規模計を追加したものとなっております。
続きまして5ページになりますが、こちらは法人企業統計による内部留保について示しているものです。ここでいう内部留保とは、「利益剰余金」のことを示しております。内部留保につきましては、いずれの規模においても増加傾向にありますが、1社あたりで見た場合、規模間の差が極めて大きくなっております。
続きまして6ページでございます。こちらも法人企業統計による現金・預金に関する資料になります。現金・預金は、いずれの規模においても特に2020年度以降増加しておりまして、足下は横ばいとなっておりますが、1社あたりでみた場合、こちらも規模間の差が極めて大きくなっております。
続きまして7ページになります。こちらは前回提出しました国内企業物価指数の推移になりまして、前回口頭で2026年6月の速報値についてご説明しましたが、改めて資料としてお示しさせていただくものになります。
最後に8ページになります。第184回中小企業景況調査(2026年4-6月期)のポイントになります。左下の3でございますが、中東情勢や原材料事情に言及するコメントは、前期(2026年1-3月期)に比べると、約2.5倍に増加したとされております。
参考資料No.1のご説明は以上となります。
続きまして、参考資料No.2になります。「足下の経済状況等に関する補足資料」になります。こちら、更新した部分のみ抜粋をしております。
ページ番号は前回と同様ですけれども、便宜上第1回に提出したものと同じページ数としております。1ページおめくりいただきまして、19ページです。先ほど追加要望資料の中でもご説明しましたが、国内企業物価指数(前年同月比)の推移になります。2026年6月の速報値になりますが、+7.1%と足下で上昇しております。
続きまして20ページですが、こちらは輸入物価指数(円ベース・前年同月比)の推移になります。こちらも2026年6月の速報値が新たに公表されておりまして、+29.7%と、足下では上昇傾向となっております。
参考資料No.2につきましては以上でございます。
最後になりますが、参考資料No.3をご覧下さい。こちらも第1回でご説明しました主要統計資料の更新部分のみ抜粋したものになります。
1ページは、鉱工業生産指数及び製造工業稼働率指数の5月確報値が公表されたことを踏まえて、数値を追加・更新をしております。
2ページになりますが、国内企業物価指数の2026年6月速報値が公表されたことを踏まえて、数値を追加・更新しております。
参考資料No.3のご説明は以上になります。以上です。
〇藤村委員長
ありがとうございます。それでは、今御説明いただきました資料の内容について、何かご質問がありましたら、お願いをいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
では、配付資料に関する議論は以上といたします。
前回の小委員会では、労使双方から今年の目安審議に対しての基本的な考え方を表明いただきました。それを私の方でまとめておりますので、ご紹介をし、これで間違いないかという確認をしたいと思います。
まず、労働者委員からは、次のような主張がなされました。
1点目、今年の春季生活闘争では、数多くの労使の真摯な議論の積み重ねによって、3年連続の5%を上回る賃上げを実現した。中東情勢などの影響は企業だけでなく働く人も受けている。全ての働く人の生活を守り、景気を底支えしていく必要がある。賃上げと最低賃金の大幅引上げを通じ、賃金・経済・物価を安定した巡航軌道に乗せていくことが、今我が国が取るべきベストなシナリオである。
2点目、最低賃金は、生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準である必要があるが、現在は、絶対額として最低生計費を賄うものになっておらず、生活できる賃金水準の確保に向け、「一般労働者の賃金中央値の6割」という中期的目標や相対的貧困ラインを重視しながら、継続的な引上げを行う必要がある。
3点目、地域間の額差は、時間的・距離的に近接した都道府県間では労働力を流出させ、地方の中小・零細企業の事業継続・発展の厳しさに拍車をかける一因となる。
4点目、昨年度は、CランクにA・Bランクを上回る目安を示したが、Cランク県で目安を大幅に超える引上げが相次いだ。地域の自主性がこれまで以上に発揮された結果である。一方、地方審議における目安の意義そのものが問われかねない事態である。目安の妥当性と納得性を高め、目安を軸としたより建設的な議論を促す観点からも、昨年の実績も念頭に置いた中賃としてのメッセージを示すべきである。
5点目、最賃近傍で働いている仲間の暮らしは厳しく、賃上げ効果を社会全体に速やかに波及させる上で最低賃金の早期発効が重要。発効日は法律上も法定発効が基本であり、指定日発効は特別な理由がある場合に限られる。指定日発効とする場合は、その必要性について広く理解を得られるかなどの観点から公労使で十分に議論した上で決定すべきである。また、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等に明記し説明責任を果たすべきである。
6点目、人手不足の傾向は依然強まっており、求人募集賃金は最低賃金を上回っている。労働市場の動向も加味して最低賃金の大幅な引上げを図るべきである。最低賃金の引上げと雇用維持は相反せず、むしろ人口流出や人手不足が顕著な地域、中小・零細事業所において、人材確保・定着の観点からも最低賃金を含む賃上げは急務となっている。
7点目、労働分配率の動向と最低賃金引上げとの相関は観察できないことから、「通常の事業の賃金支払能力」との関連性は限定的。また、利益剰余金が過去最高水準を更新したこと、保有現金・預金が大幅な増加となっており、資金繰りにも余裕が認められることから、データからは最低賃金審議における一つの考慮要素である「通常の事業の賃金支払能力」は問題ない。
以上、7点でございます。
次に使用者委員からは、次のような主張がなされました。
1点目、物価の上昇幅は昨年より緩やかであるが引き続き上昇局面にあること、大幅な賃上げの流れが継続していることを踏まえれば、最低賃金を一定程度引上げる必要性は十分理解している。
2点目、しかし、業績に関わりなく、法的強制力をもって適用される地域別最低賃金の引上げと、各企業の経営判断や労使交渉による賃金の引上げは意味合いが全く異なる。最低賃金は全企業に例外なく罰則付きで適用される以上、個々の中小企業・小規模事業者を含めた企業の賃金支払能力を十分に踏まえた慎重な判断が不可欠である。
3点目、具体的な目安額を審議するに当たっては、最低賃金近傍で働く方々の可処分所得に対する物価上昇の影響は考慮すべきだが、物価上昇の影響は企業側のコスト増としても現れており、家計面のみならず、企業経営への影響と併せて検討する必要がある。具体的には、物価上昇や中東情勢の影響により増加したコスト、最低賃金を含む人件費の増加分を十分に価格転嫁できず厳しい経営環境に置かれている中小企業・小規模事業者が多いことを踏まえる必要がある。特に、中東情勢により燃料・石油化学製品をはじめとするコストが増加しており、供給面の懸念に加え、価格上昇に苦慮する企業が多いこと、仕入単価の上昇を十分に価格転嫁できていない状況があることに留意が必要である。
4点目です。また、春季賃上げ妥結状況を見ると企業規模が小さいほど賃上げ率は低い傾向にあることから、賃上げへの対応は規模が小さく労働分配率が高い中小企業ほど負担感が大きいこと、企業業績の改善を伴わない、いわゆる「防衛的賃上げ」による賃上げを行う企業があることを十分考慮する必要がある。
5点目、以上を考慮すると、法定三要素のうち「通常の事業の賃金支払能力」を重視することと、三要素を総合的に表す賃金改定状況調査の結果、特に第4表の賃金上昇率に着目する、との基本的な考え方は今年度も堅持する。
6点目、その上で、中東情勢の影響や価格転嫁の状況等を含め、事業の持続的発展と雇用維持の観点から、公労使三者構成の枠組みにおいて三要素に関するデータを丁寧に確認しながら十分議論を尽くし、全国の企業経営者にとって納得感のある目安を示すことが目安に関する小委員会の社会的な役割である。
最後7点目です。昨年度の各地方審議の結果と課題を踏まえた目安制度の在り方に関する全員協議会の取りまとめにおいて、最低賃金額や発効日について、地方最低賃金審議会における審議等の在り方が示されていることも踏まえ、今年度の目安審議では、データに基づく審議・決定を徹底するとともに、各地方最低賃金審議会など最低賃金の決定に関わる全ての人に対し合理的で納得性の高い目安を示すべく審議を尽くすことが重要である。
以上、7点でございました。
労使の皆様には、私から御紹介したそれぞれの主張についての追加あるいは補足意見があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(意見なし)
今回は第3回目ということで、前回に続き、公労・公使で個別にご主張を伺いながら、さらに考え方を深めていきたいと思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。
(異議無し)
それでは、本日は、公使会議から始めたいと思いますので、事務局から連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
それでは、まず公使会議から行うとのことですので、労働者側委員の皆様は控え室へご案内いたします。
(労働者側委員 退出)
〇八木賃金課長補佐
それでは、傍聴者の皆様はご退出ください。
(傍聴者 退出)
<第2回全体会議>
〇藤村委員長
では、時間になりましたので、ただいまから、第2回目の全体会議を開催いたします。
本日は、労使双方から主に3要素の中身について、それぞれご意見をいただき、相互の理解を深めて参りました。ただ、まだ、その相互理解に不十分なところがございますので、第4回目以降も引き続き、議論を進めていきたいと思っております。以前から申し上げておりますとおり、データに基づいた議論を行い、さらなる丁寧な議論を尽くしていくということが私どもに求められていると思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございます。それでは、次回の日程と会場について、事務局からご連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。次回の日程と会場については、7月23日(木)15時から厚生労働省にて開催予定です。
〇藤村委員長
それでは、本日の小委員会はこれをもちまして終了といたします。どうもお疲れ様でございました。
〇藤村委員長
では、ただいまから第3回目安に関する小委員会を開催いたします。まず、お手元の資料について、事務局から御説明をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。お手元の資料につきまして事務局からご説明させていただきます。また、本日お手元の資料の他に各種団体からの要望書を回覧しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。本日、参考資料No.1~3の合計3点をご用意しておりまして、通しでご説明をさせていただきます。
まず、参考資料No.1をご覧いただければと思います。こちらの資料は、前回、委員の皆様からご要望のありました資料や、前回の安小委にてご説明をしました資料の更新部分をまとめたものになります。
1枚おめくりいただきまして、2~3ページになりますが、消費者物価指数の対前年上昇率の推移について、2025年7月から2026年5月までの期間をみたものになります。2ページが品目ごとになっておりまして、3ページがランクごととなっております。
例えば、2ページ目でございますが、2025年7月から2026年5月までの平均で、「持家の帰属家賃を除く総合」は対前年2.5%となっております。
続きまして4ページ目をご覧いただければと思います。こちらは従業員一人当たり付加価値額の推移について、全産業の資本金規模別の内訳、製造業及び非製造業の資本金規模計を追加したものとなっております。
続きまして5ページになりますが、こちらは法人企業統計による内部留保について示しているものです。ここでいう内部留保とは、「利益剰余金」のことを示しております。内部留保につきましては、いずれの規模においても増加傾向にありますが、1社あたりで見た場合、規模間の差が極めて大きくなっております。
続きまして6ページでございます。こちらも法人企業統計による現金・預金に関する資料になります。現金・預金は、いずれの規模においても特に2020年度以降増加しておりまして、足下は横ばいとなっておりますが、1社あたりでみた場合、こちらも規模間の差が極めて大きくなっております。
続きまして7ページになります。こちらは前回提出しました国内企業物価指数の推移になりまして、前回口頭で2026年6月の速報値についてご説明しましたが、改めて資料としてお示しさせていただくものになります。
最後に8ページになります。第184回中小企業景況調査(2026年4-6月期)のポイントになります。左下の3でございますが、中東情勢や原材料事情に言及するコメントは、前期(2026年1-3月期)に比べると、約2.5倍に増加したとされております。
参考資料No.1のご説明は以上となります。
続きまして、参考資料No.2になります。「足下の経済状況等に関する補足資料」になります。こちら、更新した部分のみ抜粋をしております。
ページ番号は前回と同様ですけれども、便宜上第1回に提出したものと同じページ数としております。1ページおめくりいただきまして、19ページです。先ほど追加要望資料の中でもご説明しましたが、国内企業物価指数(前年同月比)の推移になります。2026年6月の速報値になりますが、+7.1%と足下で上昇しております。
続きまして20ページですが、こちらは輸入物価指数(円ベース・前年同月比)の推移になります。こちらも2026年6月の速報値が新たに公表されておりまして、+29.7%と、足下では上昇傾向となっております。
参考資料No.2につきましては以上でございます。
最後になりますが、参考資料No.3をご覧下さい。こちらも第1回でご説明しました主要統計資料の更新部分のみ抜粋したものになります。
1ページは、鉱工業生産指数及び製造工業稼働率指数の5月確報値が公表されたことを踏まえて、数値を追加・更新をしております。
2ページになりますが、国内企業物価指数の2026年6月速報値が公表されたことを踏まえて、数値を追加・更新しております。
参考資料No.3のご説明は以上になります。以上です。
〇藤村委員長
ありがとうございます。それでは、今御説明いただきました資料の内容について、何かご質問がありましたら、お願いをいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
では、配付資料に関する議論は以上といたします。
前回の小委員会では、労使双方から今年の目安審議に対しての基本的な考え方を表明いただきました。それを私の方でまとめておりますので、ご紹介をし、これで間違いないかという確認をしたいと思います。
まず、労働者委員からは、次のような主張がなされました。
1点目、今年の春季生活闘争では、数多くの労使の真摯な議論の積み重ねによって、3年連続の5%を上回る賃上げを実現した。中東情勢などの影響は企業だけでなく働く人も受けている。全ての働く人の生活を守り、景気を底支えしていく必要がある。賃上げと最低賃金の大幅引上げを通じ、賃金・経済・物価を安定した巡航軌道に乗せていくことが、今我が国が取るべきベストなシナリオである。
2点目、最低賃金は、生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準である必要があるが、現在は、絶対額として最低生計費を賄うものになっておらず、生活できる賃金水準の確保に向け、「一般労働者の賃金中央値の6割」という中期的目標や相対的貧困ラインを重視しながら、継続的な引上げを行う必要がある。
3点目、地域間の額差は、時間的・距離的に近接した都道府県間では労働力を流出させ、地方の中小・零細企業の事業継続・発展の厳しさに拍車をかける一因となる。
4点目、昨年度は、CランクにA・Bランクを上回る目安を示したが、Cランク県で目安を大幅に超える引上げが相次いだ。地域の自主性がこれまで以上に発揮された結果である。一方、地方審議における目安の意義そのものが問われかねない事態である。目安の妥当性と納得性を高め、目安を軸としたより建設的な議論を促す観点からも、昨年の実績も念頭に置いた中賃としてのメッセージを示すべきである。
5点目、最賃近傍で働いている仲間の暮らしは厳しく、賃上げ効果を社会全体に速やかに波及させる上で最低賃金の早期発効が重要。発効日は法律上も法定発効が基本であり、指定日発効は特別な理由がある場合に限られる。指定日発効とする場合は、その必要性について広く理解を得られるかなどの観点から公労使で十分に議論した上で決定すべきである。また、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等に明記し説明責任を果たすべきである。
6点目、人手不足の傾向は依然強まっており、求人募集賃金は最低賃金を上回っている。労働市場の動向も加味して最低賃金の大幅な引上げを図るべきである。最低賃金の引上げと雇用維持は相反せず、むしろ人口流出や人手不足が顕著な地域、中小・零細事業所において、人材確保・定着の観点からも最低賃金を含む賃上げは急務となっている。
7点目、労働分配率の動向と最低賃金引上げとの相関は観察できないことから、「通常の事業の賃金支払能力」との関連性は限定的。また、利益剰余金が過去最高水準を更新したこと、保有現金・預金が大幅な増加となっており、資金繰りにも余裕が認められることから、データからは最低賃金審議における一つの考慮要素である「通常の事業の賃金支払能力」は問題ない。
以上、7点でございます。
次に使用者委員からは、次のような主張がなされました。
1点目、物価の上昇幅は昨年より緩やかであるが引き続き上昇局面にあること、大幅な賃上げの流れが継続していることを踏まえれば、最低賃金を一定程度引上げる必要性は十分理解している。
2点目、しかし、業績に関わりなく、法的強制力をもって適用される地域別最低賃金の引上げと、各企業の経営判断や労使交渉による賃金の引上げは意味合いが全く異なる。最低賃金は全企業に例外なく罰則付きで適用される以上、個々の中小企業・小規模事業者を含めた企業の賃金支払能力を十分に踏まえた慎重な判断が不可欠である。
3点目、具体的な目安額を審議するに当たっては、最低賃金近傍で働く方々の可処分所得に対する物価上昇の影響は考慮すべきだが、物価上昇の影響は企業側のコスト増としても現れており、家計面のみならず、企業経営への影響と併せて検討する必要がある。具体的には、物価上昇や中東情勢の影響により増加したコスト、最低賃金を含む人件費の増加分を十分に価格転嫁できず厳しい経営環境に置かれている中小企業・小規模事業者が多いことを踏まえる必要がある。特に、中東情勢により燃料・石油化学製品をはじめとするコストが増加しており、供給面の懸念に加え、価格上昇に苦慮する企業が多いこと、仕入単価の上昇を十分に価格転嫁できていない状況があることに留意が必要である。
4点目です。また、春季賃上げ妥結状況を見ると企業規模が小さいほど賃上げ率は低い傾向にあることから、賃上げへの対応は規模が小さく労働分配率が高い中小企業ほど負担感が大きいこと、企業業績の改善を伴わない、いわゆる「防衛的賃上げ」による賃上げを行う企業があることを十分考慮する必要がある。
5点目、以上を考慮すると、法定三要素のうち「通常の事業の賃金支払能力」を重視することと、三要素を総合的に表す賃金改定状況調査の結果、特に第4表の賃金上昇率に着目する、との基本的な考え方は今年度も堅持する。
6点目、その上で、中東情勢の影響や価格転嫁の状況等を含め、事業の持続的発展と雇用維持の観点から、公労使三者構成の枠組みにおいて三要素に関するデータを丁寧に確認しながら十分議論を尽くし、全国の企業経営者にとって納得感のある目安を示すことが目安に関する小委員会の社会的な役割である。
最後7点目です。昨年度の各地方審議の結果と課題を踏まえた目安制度の在り方に関する全員協議会の取りまとめにおいて、最低賃金額や発効日について、地方最低賃金審議会における審議等の在り方が示されていることも踏まえ、今年度の目安審議では、データに基づく審議・決定を徹底するとともに、各地方最低賃金審議会など最低賃金の決定に関わる全ての人に対し合理的で納得性の高い目安を示すべく審議を尽くすことが重要である。
以上、7点でございました。
労使の皆様には、私から御紹介したそれぞれの主張についての追加あるいは補足意見があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(意見なし)
今回は第3回目ということで、前回に続き、公労・公使で個別にご主張を伺いながら、さらに考え方を深めていきたいと思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。
(異議無し)
それでは、本日は、公使会議から始めたいと思いますので、事務局から連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
それでは、まず公使会議から行うとのことですので、労働者側委員の皆様は控え室へご案内いたします。
(労働者側委員 退出)
〇八木賃金課長補佐
それでは、傍聴者の皆様はご退出ください。
(傍聴者 退出)
<第2回全体会議>
〇藤村委員長
では、時間になりましたので、ただいまから、第2回目の全体会議を開催いたします。
本日は、労使双方から主に3要素の中身について、それぞれご意見をいただき、相互の理解を深めて参りました。ただ、まだ、その相互理解に不十分なところがございますので、第4回目以降も引き続き、議論を進めていきたいと思っております。以前から申し上げておりますとおり、データに基づいた議論を行い、さらなる丁寧な議論を尽くしていくということが私どもに求められていると思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございます。それでは、次回の日程と会場について、事務局からご連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。次回の日程と会場については、7月23日(木)15時から厚生労働省にて開催予定です。
〇藤村委員長
それでは、本日の小委員会はこれをもちまして終了といたします。どうもお疲れ様でございました。

