- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 中央最低賃金審議会(目安に関する小委員会) >
- 2026年7月10日令和8年第2回目安に関する小委員会 議事録
2026年7月10日令和8年第2回目安に関する小委員会 議事録
日時
令和8年7月10日(金)13:00~16:42
場所
ビジョンセンター東京虎ノ門605会議室
(東京都港区虎ノ門 2-4-7 T-LITE(トライト) 6階)
(東京都港区虎ノ門 2-4-7 T-LITE(トライト) 6階)
出席者
公益代表委員
藤村委員長、戎野委員、小西委員、首藤委員
労働者代表委員
伊藤委員、柴田委員、仁平委員、水崎委員
使用者代表委員
進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員
事務局
岸本労働基準局長、野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、
大野調査官、八木賃金課長補佐、南條賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官
藤村委員長、戎野委員、小西委員、首藤委員
労働者代表委員
伊藤委員、柴田委員、仁平委員、水崎委員
使用者代表委員
進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員
事務局
岸本労働基準局長、野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、
大野調査官、八木賃金課長補佐、南條賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官
議題
令和8年地域別最低賃金額改定の目安について
議事
<第1回全体会議>
〇藤村委員長
ただいまから 第2回目安に関する小委員会を開催いたします。本日、小西委員は途中で一時退席されます。また、水崎委員は途中で退席をされると伺っております。なお、本日は所用により松本審議官は欠席になります。まず、お手元の資料No.1について事務局から説明をお願いいたします。
〇野澤賃金課長
本日の審議に関する資料のご説明に先立ちまして、昨年令和7年度の目安に関する小委員会に提出いたしました資料の訂正についてのご報告をいたします。お手元にお配りしております資料No.1をご覧ください。誤りのありました資料は、都道府県ごとの最低賃金と生活保護水準との乖離額変動の要因分析の表でございますが、昨年度の目安小委で示した乖離額(D)というところですが、それと乖離の変動額(E)というところ及び生活扶助基準の見直し、国勢調査の更新による影響額(e③)に誤りがありましたことが、本日の審議に関する資料作成の過程で判明いたしました。訂正前、訂正後を資料でお示ししております。なお、最新の乖離額(C)の部分を含め、他のデータに誤りはございませんでした。前回に引き続きまして、審議資料を訂正することとなりましたことをお詫び申し上げます。今後、このようなミスが生じることがないよう、データのさらなる精査に努めてまいります。
〇藤村委員長
ありがとうございました。ただいま事務局からご説明をいただきました点について、何かご質問ございますでしょうか。よろしいですかね。
では、この配布資料については以上にしたいと思います。続いて、お手元の配布資料No.2以降の資料について事務局から説明をお願いいたします。
○八木賃金課長補佐
事務局でございます。本日も、お手元の資料の他に、各種団体からの要望書を回覧しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。先ほど資料No.1についてご説明しましたが、その他の配付資料としまして、資料No.2~No.6、参考資料No.1~No.4の計9点ございます。事務局からは、委員提出資料である参考資料No.4を除いた資料につきまして、通しでご説明をさせていただきます。
まず、資料No.2をご覧ください。令和8年賃金改定状況調査の結果になります。
1ページは調査の概要になります。真ん中の3(2)にありますが、常用労働者数が30人未満の企業に属する民営事業所を調査しております。
3ページの第1表をご覧ください。こちらは今年の1月から6月までに賃金の引上げ、引下げを実施した、あるいは実施しなかったという区分で、事業所単位で割合を集計したものになります。左上の産業計・ランク計を見ていただくと、1月から6月までに賃金の引上げを実施した事業所の割合は52.5%となっておりまして、昨年より上昇しております。隣の列の賃金の引下げを実施した事業所の割合は0.5%となっており、昨年に引き続き1%未満となっております。
次に4ページの第2表をご覧ください。こちら平均賃金改定率を事業所単位で集計したものとなっております。左下の産業計・ランク計を見ていただきますと、今年の1月から6月までに賃金引上げを実施した事業所の平均賃金改定率は4.3%、真ん中の賃金引下げを実施した事業所は平均で、マイナス11.9%となっています。一番右は、改定を実施した事業所と凍結した事業所をあわせて、今年1~6月の事業所ごとの平均賃金改定率を集計したものになりますが、こちらはプラス2.2%となっております。
5ページになります。第3表になりますが、賃金引上げを実施した事業所の賃金引上げ率の分布の特性値になります。産業計・ランク計をみていただきますと、第1・四分位数が1.5%、中位数が3.0%、第3・四分位数が5.2%といずれも昨年と同程度となっております。
次に6ページの第4表になります。賃金上昇率となります。第4表の①は男女別の内訳を示しています。第4表①の産業計・男女計をみると、ランク計の賃金上昇率は3.0%となっています。3.0%という上昇率は、最低賃金が時間額のみで表示されるようになった平成14年以降最大の水準であった昨年をさらに上回っているものになります。ランク別では、産業・男女計でAが2.4%、Bが3.4%、Cが3.4%となっており、BランクとCランクが同率でAランクに比べて高くなっております。
続いて7ページ、第4表②になります。一般・パート別の賃金上昇率になります。左端の産業計・ランク計でみますと、中段の一般労働者は3.0%、下段のパートは2.9%となっております。
次に8ページは第4表③になります。第4表③では継続労働者のみを集計対象としていますので、昨年6月に在籍していたものの今年6月に在籍していない退職者と、昨年6月には在籍していなかったものの今年6月に在籍するようになった入職者、こちらは第4表③の集計対象には入っておりません。表の左上の方、産業計・ランク計の賃金上昇率は3.4%となっておりまして、ランク別に見ますとAが3.0%、Bが3.7%、Cが4.0%となっております。
続いて9ページになりますが、賃金引上げの実施時期別の事業所数の割合を出しているものになります。
10ページは、事由別の賃金改定未実施事業所の割合をお示ししているものになります。
11ページになりますが、この調査における労働者構成比率と年間所定労働日数についてお示ししているものになります。
続いて12ページになりますが、こちら第4表のランク別賃金上昇率の推移になります。真ん中を点線で区切っておりますが、左が①②、右が③です。いずれもここ数年、概ね上昇の傾向にあることがわかりますが、2026年については、①②、③ともに、全国計・すべてのランクいずれにおいても、前年より上昇しているということが見てとれます。
資料No.2のご説明は以上となります。
続きまして資料No.3をご覧ください。生活保護と最低賃金の比較についてになります。
まず、1ページのグラフをご覧ください。破線の△(さんかく)は生活保護水準で、生活扶助基準の人口加重平均に住宅扶助の実績値を加えたものになります。実線の◇(ひし形)は令和6年度の最低賃金額で法定労働時間働いた場合の手取額を示しております。すべての都道府県において、最低賃金が生活保護水準を上回っております。なお、2ページの資料も同様ですが、最低賃金のデータについては、可処分所得の総所得に対する比率の算出にあたりまして、2024年分の所得税及び住民税について定額減税が行われたことを考慮しております。
2ページになりますが、1ページの最低賃金額のグラフを令和7年度のものに更新したものになります。全体的に最低賃金の水準は1ページよりも上がっておりまして、こちらも同様に、すべての都道府県において、最低賃金が生活保護水準を上回っております。
3ページは、47都道府県について、最新の乖離額を示すとともに、その乖離額の変動について要因分析をしたものになります。列Cの額は、2ページのグラフでお示しした乖離額を時間額に換算したものになります。列Dの額が昨年度の目安小委で示した乖離額になります。△(マイナス)は最低賃金額が生活保護水準を上回っていることを示しています。そして、列Eが昨年度から今年度の乖離額の変動分ですが、△(マイナス)の幅が大きくなっておりますので、最低賃金と生活保護水準の差が大きくなっていることを意味しております。
資料No.3のご説明は以上となります。
続いて、資料No.4をご覧ください。影響率と未満率に関する資料になります。第1回の目安小委員会では、全国計の数値についてはご説明をしましたが、今回はランク別、都道府県別の数値となっております。
1ページは、「最低賃金に関する基礎調査」によるものですので、原則30人未満の小規模事業所が対象となっています。表は過去10年の推移となっておりまして、一番右の列が2025年度となっております。こちらは、注4にあるとおり、各年の適用ランクでお示しをしているものになります。未満率をランク別にみますと、Aが2.1%、Bが1.9%、Cが2.3%となっております。影響率をランク別にみますと、Aが26.8%、Bが27.2%、Cが32.4%となっておりまして、全てのランクにおいて前年度に比べて影響率が高まっております。
続いて2ページをご覧ください。1ページと同じく、注1のとおり、原則30人未満の小規模事業所を対象とした、都道府県別の影響率・未満率となります。まず、上の破線が、影響率になりますが、最も高いのが右から13番目の大分県、次いで高いのが右から9番目の長崎県となっておりまして、一番低いのが一番左の東京都となっています。次に、下の実線が未満率になりますが、一番高いのが右から13番目の大分県、一番低いのが右から5番目の秋田県と右から16番目の和歌山県となっております。
続いて3ページをご覧ください。2ページと同様のグラフを賃金構造基本統計調査に基づいて示したものになります。注1のとおり、5人以上の事業所が対象となります。上の破線の影響率では、右から2番目の青森県が最も高く、右から5番目の秋田県が次いで高くなっております。一番左の東京都が最も低くなっております。下の実線が未満率になりますが、左から2番目の神奈川県が最も高く、右から9番目の長崎県が最も低くなっております。
資料No.4のご説明は以上となります。
続きまして資料No.5をご覧ください。
こちらは、令和7年の賃金構造基本統計調査を基にした各都道府県別の賃金分布となっております。一般・短時間計、一般、短時間の順で、それぞれA~Cランクの順で各都道府県を並べているものでございます。適宜、ご参照いただければと思います。
続いて資料No.6をご覧ください。最新の経済指標の動向になります。こちらは、今年も、昨年までと同様に、内閣府月例経済報告の主要経済指標を提出させていただいております。なお、主立った指標については、第1回の目安小委でご説明しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
続きまして参考資料No.1をご覧いただければと思います。こちらは、前回、委員の皆様からご要望いただきました資料をまとめているものになります。
2~19ページについては、中東情勢の影響、国内企業物価指数の推移、中東情勢を踏まえた中小企業対策に関するものなります。
2ページは、5月11日の経済財政諮問会議に提出された資料になりますが、真ん中から少し下の、経済・物価見通しのリスクというところにおいて、中東情勢を巡るリスクについて記載がなされております。
続きまして3~4ページになりますが、6月30日の月例経済報告等に関する関係閣僚会議に提出されました資料になります。まず3ページですが、中東情勢の影響につきまして、物価面では、米イラン合意前の原油等価格上昇の影響が、輸入物価、企業物価の順に現れ始めている、ただし、消費者物価は激変緩和措置によって緩やかな上昇に抑制されており、賃上げの進展とともに実質賃金はプラスを維持というように記載されています。
続きまして4ページですが、一番上のところになりますが、激変緩和措置等の政策効果がなければ、5月の消費者物価指数は3%近い上昇率になったと試算、一方、石油製品の取引価格は、川上から川中・川下製品に転嫁されていく段階とみられ、今後一定期間、物価上昇圧力は続く見込み、とされております。
続きまして5ページになります。こちら国内企業物価指数の推移となります。「化学製品」、「石油・石炭製品」につきまして、約1年半の動きをみたものになりますが、特に足下で上昇をしております。なお、資料の準備の都合で、資料の反映には間に合っておりませんが、本日6月分の速報値が公表されております。口頭でのご紹介となりますが、全体で7.1%、「化学製品」で14.4%、「石油・石炭製品」で22.8%となっております。次回改めて更新資料として提出できればと考えております。
続きまして6~18ページになりますが、こちら日商の「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギー等の影響調査」の集計結果となります。7ページは調査概要となっております。
少し飛んで9ページになります。中東情勢の緊迫化による「燃料」・「石油化学製品」に関する経営への影響についての資料になります。いずれも「価格上昇」が最多となっておりまして、企業の約7~8割に影響が出ているとされております。
続きまして10ページになります。こちらは経営の影響となります。中東情勢の緊迫化は、9割超の企業で何らかの影響が生じているとされております。
続きまして11ページになります。こちらは先ほどの経営への影響を業種別に見たものになりますが、建設業、製造業、宿泊・飲食業では、「仕入価格の高騰によるコスト負担の増加」が8割以上と最も多いとされております。
少し飛ばして、14ページになります。中東情勢の緊迫化に対して行っている対応を聞いたものになりますが、約8割の企業が何らかの対応を行っていると回答しておりまして、具体的な対応内容は「上昇したコストの販売価格への転嫁」が最も多く、「消費財等の在庫確保」、「燃料や原材料等の積み増し」といった在庫確保の動きが見られるとされております。
続きまして、17ページをご覧いただければと思います。政府・自治体に求める対応となっておりますが、「エネルギーの安定供給確保」が約6割と最多となっておりまして、求める個別支援策としては、「電力・ガス料金の負担軽減」、「燃料費の負担軽減」など、価格高騰の影響を受け、エネルギー・燃料価格への負担軽減を求める声が多いとされております。
続いて、19ページになりますが、中東情勢を踏まえた中小企業対策についてまとめた資料になります。特別相談窓口の設置や、中小企業の資金繰り支援、価格転嫁について取組が進められています。
20~27ページは、中小企業への支援策になります。
20ページは、労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略の概要となっております。事業の再構築・生産性向上・事業再編等に取り組む中堅・中小企業を徹底的に支援し、必要な連携と再編を促すことで「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環を目指し、中小企業・小規模事業者の経営管理能力の高度化と経営改革を実現することを目的としています。
21ページは、賃上げを実現しようとする小規模事業者支援のための伴走支援体制の強化に関する資料になります。賃上げを実現しようとする事業者に対して、金融機関、支援機関側の積極的な働きかけにより稼ぐ力を高める方法について、気づきの機会を提供し、資料黄色のところに記載されております「専門医」による寄り添った支援を拡大しているというものになります。
22ページになりますが、中堅・中小企業向けの投資支援メニューを売上規模別・事業者数・主な経営課題別にまとめた資料となります。
続きまして、23~27ページは、官公需に関する資料になります。23ページは官公需における価格転嫁の取組の概要をまとめたものになります。官公需は、地方経済において重要な役割を果たしていることから、地方の中小・小規模事業者にとって官公需における価格転嫁等の取組を深化・徹底していくことが、引き続き重要となっております。
24ページになりますが、令和8年4月21日に閣議決定されました令和8年度国等の契約の基本方針の概要となっております。
25ページになりますが、国における令和8年度予算における官公需にかかる対応をまとめたものになります。
また、26ページについては、地方公共団体の物価高・官公需の価格転嫁への対応をまとめたものになります。
27ページになりますが、官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プランの概要になります。令和8年4月6日の「第2回賃上げに向けた中小企業等の活力向上に関するWG」におきまして、政府として、国等の契約の基本方針の措置事項のうち特に取組を加速すべきものを特定し、令和8・9年度の2か年で100%の実施を目指すこととされております。
28ページになりますが、法人企業統計による労働分配率に関する資料になります。労働分配率については近年、低下傾向にありますが、資本金規模が小さい企業ほど、高い割合で推移をしております。
参考資料No.1のご説明は以上となります。
続きまして、参考資料No.2になります。前回の目安小委でご説明をしました「足下の経済状況等に関する補足資料」のうち、更新した部分のみを抜粋したものになります。ページ番号は前回の資料と便宜上同じにしております。
1枚おめくりいただきまして、2ページになります。内閣府の「月例経済報告」における日本経済の基調判断について、6月分が公表されましたので、更新をしております。先行きの基調判断の部分について、下線の部分が更新をされております。
続きまして3ページになります。こちらは連合の春季賃上げ妥結状況の資料になりますが、第7回最終結果が公表されましたので、更新をしております。全体の賃上げ率は5.01%となり、5%台の高い水準となっております。中小は比較可能な2013年以降で最も高くなっております。
続いて4ページになります。こちらは経団連の春季賃上げ妥結状況になります。中小企業の第1回集計結果が公表されましたので、更新をしております。賃上げ率は、4.20%となっております。
続きまして5ページになります。こちらは日銀短観における雇用人員判断DIの推移になりますが、6月分と9月予測が新たに公表されたため、更新をしております。
続いて6ページになりますが、OECDによるフルタイム労働者の賃金の平均値・中央値に占める最低賃金の割合の国際比較になります。2025年の数値が公表されたため、更新をしております。
次の7ページも、同様の更新をしております。
次に、13ページ、14ページ、それから飛んで40から43ページ、46から49ページのヒートマップにしている部分ですが、これらは厚生労働省の「職業安定業務統計」や「雇用保険業務統計」におきまして、5月分が新たに公表されましたので、更新をしております。
戻っていただきまして18ページになりますが、日銀短観による主な産業の業況判断DIで、6月分と9月予測が新たに公表されましたので、更新をしております。
次に、33、35、飛んで44ページになりますが、倒産に関するデータにつきまして、東京商工リサーチや帝国データバンクの6月分が新たに公表されておりましたので、更新をしております。
続きまして、78~90ページは、中小企業庁の「価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査の結果について」になります。82ページをご覧いただければと思いますが、「労務費についての価格交渉の状況」について、価格交渉が行われた企業のうち、その7割以上において、労務費についても価格交渉が実施されております。一方で、約6%の企業が「労務費が上昇し、価格交渉を希望したができなかった」と回答しております。引き続き「労務費転嫁指針」を周知・徹底していくとされております。83ページになります。「価格転嫁」の状況のうち、コスト全般になります。コスト全体の転嫁率は、昨年3月より微増しています。価格転嫁の状況はほぼ横ばいとなっておりまして、引き続き、「転嫁できた企業」と「できない企業」で二極分離の状態が継続しておりまして、転嫁が困難な企業へのさらなる対策が重要とされています。90-2ページとしております最後の資料ですが、今回の調査で初めて調査されたものになりますが、中東情勢の変化による価格交渉・価格転嫁への影響になります。「影響があった」と回答した企業は全体の約2割。また、「影響なし」が約5割、「影響は不明」が約3割となっております。
参考資料No.2については以上となります。
最後になりますが、参考資料No.3をご覧ください。前回ご説明しました主要統計資料の更新部分のみを抜粋したものになります。
1ページは、鉱工業生産指数の5月速報値や倒産件数の6月分、完全失業者数や完全失業率の5月分が公表されたことを踏まえ、数値を追加しております。
2ページ、3ページについては、求人倍率の5月分や賃金指数、パート比率の5月速報値が公表されたため、数値を追加しております。
4ページは、完全失業率の5月分が公表されましたので、数値を追加しております。
5ページ、6ページ、11ページになりますが、毎月勤労統計の5月分速報値が公表されましたので、数値を更新しております。
12ページは、春季賃上げ妥結状況等になりますが、先ほど参考資料No.1でご説明しました、連合・経団連の結果を更新しております。なお、左上の表ですが、連合の平均賃金方式(加重平均)の規模計については、注2のとおり、賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものになります。
14ページになりますが、夏季賞与・一時金妥結状況になります。経団連第1回集計の結果が公表されましたので、更新をしております。
22ページになりますが、日銀短観による企業の業況判断になります。6月の最近の業況と先行きの業況が公表されましたので、数値を追加しております。
23ページ、日銀短観による経常利益と売上高経常利益率になります。2025年については、計画から実績に、2026年の計画も数値が更新されております。
少し飛びまして28ページになります。中小企業景況調査の業況判断になります。2026年4月~6月分が公表されましたので、数値を追加しております。
36ページになります。定期給与の推移になります。2025年分が公表されましたので、数値を追加しております。
続きまして、37、38ページになりますが、パートタイム労働者の1求人あたりの募集賃金平均額と募集賃金下限額になります。いずれも2026年5月分が公表されましたので、数値を追加しております。
次、39ページになりますが、平均の月間総実労働時間と所定外労働時間の推移になります。2025年分が公表されましたので、数値を追加しております。
45ページになりますが、労働者数等の推移になります。2025年分が公表されましたので、数値を追加しております。
長くなりましたが、参考資料No.3、資料についてのご説明は以上になります。
〇藤村委員長
ありがとうございました。ただいま事務局から説明のありました資料についてのご質問あるいはご意見、または他に次回以降提出を求める資料がありましたら、お願いをしたいと思います。 いかがでしょうか。 土井さんどうぞ。
〇土井委員
ご説明ありがとうございました。 先ほどご説明していただいた通り、やはり中東情勢の影響というのがかなり色濃くなってきているものの、直近の出来事なので、まだ統計上出てこないというところもございます。先ほどご説明いただきました中小企業基盤整備機構の中小企業景況調査の 4~6 月期で、DI については先ほどご説明いただきましたが、そのレポートの中に、中東情勢の影響についてまとめているものがございますので、可能であれば次回お出しいただいて、我々としてはもうちょっと丁寧に中東情勢を見てまいりたいと思います。ご検討よろしくお願いいたします。
〇藤村委員長
使用者側から追加の申し出がございましたが、労働側いかがですか。よろしいですか。
(異議なし)
では、事務局、どういう資料が出せるかというのを検討いただきまして、次回提出をいただきたいと思います。労働側どうぞ。 仁平さん。
〇仁平委員
労働側もちょっと追加の資料のお願いをしたいと思っております。先ほどご説明いただきましたけど、参考資料No.1委員から追加要望資料の一番後ろに労働分配率の話が出ておりますが、やはりこれに関して言えば、法人企業統計のストック面、内部留保の資料についても是非見ておくべきと思っておりますので、具体的に申し上げれば、利益準備金、現預金の推移について、全体の水準の数値、それと 1 社当たりについても計算していただいて、出していただいたらいかがかと思っております。
〇藤村委員長
使用者側いかがでしょうか。よろしいですか。
(異議なし)
では、事務局にまた負担をお願いすることになりますが、今、労働側からご要望のありました資料について、どこまで用意できるか検討いただきまして、ご準備をお願いしたいと思います。その他いかがでしょうか。 どうぞ。
〇首藤委員
2点ですね、資料というかデータの追加をお願いしたいと思っております。 1点目が、消費者物価指数のところです。前回の資料の中で、足元の経済状況等の補足資料として、昨年 10月以降の消費者物価指数対前年上昇率の推移のデータを提出いただいているのですけれども、昨年度の目安審議以降の期間全てが含まれているものではないので、例えば 2025年7月以降の期間で見るとどうなるのかというところをちょっと確認してみたいと思いますので、その辺の資料をご提出いただきたいというのが 1点目になります。
もう 1点としましては、法人企業統計による従業員一人当たりの付加価値額の推移ですね、前回ご提出いただいておりまして、それが産業計とか、あと資本金規計の数値あるんですけれども、資本金規模別の合計額と、あと製造業、非製造業ごとの合計というのがこの資料の中ではないので、これをぜひ労働生産性の状況について丁寧に議論していくために、資本金規模別の合計額および製造業、非製造業ごとの合計額というものもご提出いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
〇藤村委員長
公益側からの追加資料の要望ですが、よろしいですか、労使双方。はい。では、これについても事務局でどういう資料が用意できるかを検討いただきまして、次回ご提出をお願いしたいと思います。その他ございますでしょうか。よろしいですかね。
では、配布資料に関する議論は以上としたいと思います。次に、前回のこの会議で委員の皆様にお願いをした通り、目安についての基本的な考え方を表明いただきたいと思います。 はじめに労働者側委員からお願いをいたします。 どうぞ。仁平さん。
〇仁平委員
私からまず総括的な認識を述べさせていただいて、その後順番に各労側委員の方から述べさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。先ほど事務局から参考資料の中で、今年の春季生活闘争の結果についてのご紹介もございました。労使の真摯な議論の積み重ねによって、3年連続5パーセントを上回る賃上げを実現することができました。そして有期短時間、これは後ろの方の資料にあったと思いますけど、有期短時間契約と労働者の賃上げについては、時給のベースで75円、6.18%の引上げということを実現できたわけでございます。 一方、様々な調査がございますが、その中で労働組合の有無によって賃上げの差が生じているということも確認されているところでございます。 前回の目安の資料の中でも、最賃近傍で働く人の賃上げがいつ行われたのかという時期を尋ねた調査があったと思いますが、まさに春季生活闘争の時期、4月に行われたというのは第2位でありました。第1位は10月でございました。最賃が上がらないと賃金が上がらないという人が多いということをこれも示しているのだと思います。改めてですけど、最賃法第一条、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与するということが目的として書いてございます。中東情勢などによって、日本経済に再び輸入インフレの波が押し寄せているわけであります。その影響を受けているのは企業だけではなく、我々働く人や国民も同じだと思います。とりわけ最賃近傍で働く人の暮らしは極めて厳しく、生活不安、将来不安をこれは企業以上に感じていると思っております。だからこそ、最低賃金の大幅な引上げで全ての働く人の生活を守り、景気を底支えしていく必要があるのだと思います。賃上げと最低賃金の大幅引上げを通じて、賃金、経済、物価を安定した順行軌道に乗せていくことが、今我が国が取るべきベストなシナリオだと考えております。
また、参考資料No.4委員提出資料として、労側から昨年、一昨年に引き続き資料を出させていただいております。 ナウキャストのデータと厚労省の毎勤統計のデータを基に連合で作成させていただいた資料でございます。 詳細は後ほどそれぞれご覧いただきたいと思いますが、多くの企業において人材確保のために最賃を100円以上上回る水準で募集しているということが確認できるかと思います。労側としては、今年も客観的なデータに基づき、真摯な議論を尽くしてまいりたいと考えております。
続いて、各委員から補足意見を述べたいと思います。まず柴田委員の方からお願いします。
〇柴田委員
私、柴田からは生活実感を踏まえた最低賃金のあるべき水準という観点で意見を述べさせていただきたいと思います。まず冒頭、仁平委員から2026春季生活闘争において高い賃上げが維持されたことが述べられましたが、初任給におきましても高卒生産技能職で20万9千円超の回答集計となっております。これは前年比で1万2千円を超える引上げ、また6.14%の増加ということでありますし、100人未満の組合にだけとってみましても、1万円超の引上げが初任給においては行われているということでございます。この結果は、まず人手不足こそ企業経営のリスクであるということが労使で共有され、人材の確保、定着、それから現場力の強化ですとか、モチベーションの向上など、今後の事業継続を見据えた人への投資を経営側が判断されたという結果であると捉えています。
一方で、生活賃金ということを考えたときに、地域別最低賃金は生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準である必要があります。しかしながら、現在の最低賃金は連合リビングウェイジを全県で下回っており、絶対額として最低生計費を賄うものにはなっていません。地域別最低賃金と連合リビングウェイジの乖離は最も大きい沖縄で167円となっており、生活できる賃金水準の確保に向けた引上げが最重要と私たちは考えております。加えて、連合は相対的貧困の考え方を踏まえて、中期的な目標としまして、一般労働者の賃金中央値の6割を掲げております。2025の賃金構造基本統計調査から計算した相対的貧困ラインは時給1,401円となっておりますので、こうした点も重視しながら継続的な引上げを行う必要があると考えております。
最後に生計費について述べさせていただきます。最低賃金近傍で働く労働者の生活は昨年以上に苦しくなっています。世帯年収が下がるほどにエンゲル係数が高まる傾向がありますが、2025の家計調査におけるエンゲル係数は28.6%と 44年ぶりの高水準となっております。連合総研の勤労者短観では、世帯年収の低い層ほど 1年前と比較した現在の暮らし向きが悪化していると感じる割合が高い、そして支出を切り詰めるという傾向も顕著になっていることがわかります。特に400万円未満の世帯では、食品や衣料品を中心に何らかの支出を切り詰めているという割合が77%に達しているということで、生活防衛の解消のみならず、内需や地域経済の下支えの観点からも、最低賃金の引上げは重要と考えております。以上のとおり、賃上げ動向やあるべき水準、生活実感から見て、本年の審議では昨年以上の大幅な改定に向けた目安を提示すべきと考えております。私からは以上です。
〇水崎委員
引き続き、私からは大きく3点、意見を申し上げさせていただきます。まず、地域間の額差についてですが、 2002年の時間額統一時に104円であったこの額差、こちらは2018年に 224円まで拡大をし、昨年の改定後は203円まで縮小したものの、その額差は依然として大きいものとなっていると考えます。近年は各地域の自主性の発揮などもあって改善傾向ではありますが、是正はまだまだ不十分であると思います。地域間額差による影響の大小は地理的な事情によると想定しますが、とりわけ時間的距離的に近接した都道府県間では労働力の流出につながり、地方の中小零細企業の人材確保、定着が難しくなり、事業継続発展の厳しさに拍車をかける一因となるのではないかと思います。昨年はCランクにこのABランクを上回る64円の目安を示しましたが、Cランクの県の地方審議の結果は、この目安を大幅に超える引上げが相次ぎました。地方の自主性がこれまで以上に発揮された結果である一方、地方審議における目安そのものの意義が問われかねない事態であるとも受け止めております。目安の妥当性と納得性を高め、地方審議において目安を軸としたより建設的な議論を促す観点からも、昨年の実績も念頭に置いた中賃としてのメッセージを示すべきであると考えます。
続いて2点目になりますが、これは発効日についてです。労働組合がある企業の多くが遡及の適用を含めて4月に賃上げ実施をしています。最低賃金はこの春闘の結果なども踏まえて審議されるため、発効日が秋になっている、こういった事情があります。物価も継続して上昇していることなどもあり、最低賃金近傍で働いている仲間の暮らしは非常に厳しく、早期の賃上げが必要です。春闘の賃上げ効果を社会全体に速やかに波及させるためにも、最低賃金は10月1日発効を中心に、この 9月も含めた早期発効が重要であると考えます。法律上も法定発効が基本であり、指定日発効は特別な理由がある場合に限られているものであると解釈をしています。指定日発効とする場合は、その必要性などについて、公労使で十分に議論した上で、発効日を遅らせることについて、広く理解を得られるか、こういった観点も踏まえて決定すべきであると考えます。また、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等に明記をしていただいて、きちんと説明責任を果たすべきであると考えます。また、年収の壁の問題等ですね、最低賃金制度とは関係のない他の制度の課題をこの最低賃金の発効日を遅らせることで解消しようとすることは、いかがなものかと思います。給付付き税額控除を含めた抜本的な制度改善によって、この就労の壁自体を修正改善していくことが本筋であると考えます。
最後3点目になりますが、これは労働市場賃金の動向を踏まえた審議をすべきという点になります。雇用情勢については、完全失業率、有効求人倍率ともに昨年審議時以降堅調に推移をしております。雇用人員判断DIについても、製造、非製造ともに、あと規模別問わず人員が不足している状況でありまして、全体的な人手不足感は依然として高いものと思います。また、各地域の募集、求人募集の賃金の下限額、こちらも最低賃金を大きく上回っている状況でもあります。これら労働市場の動向や市場賃金の上昇も加味して、最低賃金の大幅な引上げを図るべきであると考えます。また、最低賃金の引上げと雇用維持とは相反しないものと考えます。目安制度開始以降最高額となった昨年の地賃の改定について、これが必ずしも企業の倒産と因果関係があるとは認めにくいと思っておりますし、件数自体は微増傾向と報告を受けておりますが、2025年の倒産件数が全企業に占める割合は、0.2%ということで、決して高くない状況であると考えます。むしろ、人口流出や人手不足が顕著な地域、あるいは中小零細事業所において、人材の確保・定着の観点からも、最低賃金を含む賃上げは急務であると考えております。私からは以上となります。
〇伊藤委員
最後に私からは企業の支払能力と、それから環境整備という観点から意見を述べたいと思っております。まず、年明け以降、製造業中心に、企業の経常利益、これは好調に推移しておりまして、法人企業統計によると、2026年1、3月期の経常利益は対前年同期比で14.6%増という高い伸びを示しております。その上で、今回追加でご提示いただいた労働分配率ですが、これを見てみますと、コロナ禍以降、全ての企業規模で低下傾向にございます。とりわけ資本金規模1000万円未満の企業におきましては、その水準自体は確かに8割前後と低くはないのですが、近年最低賃金が上昇傾向にある中においても、コロナ禍以降10ポイント程度低下しておりまして、そうした意味では最低賃金引上げの相関というのはあまり観察できないのだろうなと、従いまして、支払能力との関連性、これは限定的と考えられるのではないかと思っております。また、労働分配率の話をしましたので、その関連で内部留保にもついても触れさせていただきたいと思いますが、法人企業統計によりますと、企業の内部留保に当たる利益準備金、これは 2024年度は637兆円で過去最高水準に達しております。それで資本金1,000 未満の企業においては、この十年間で倍以上に膨らんでおります。内部留保の全てが賃上げの原資になるものでは当然ありませんけれども、先ほどの利益の状況、それから分配率が低下しているということ、こうした動向を加味すれば、全体的なバランスの中で利益が十分に人への投資として賃上げに回っていないという実態があるのではないかということでございます。さらには保有の現金預金、これも大幅な増加となっておりますので、資金繰りについても余裕が認められますので、データからは、最低賃金審議における一つの考慮要素であります通常の事業の賃金支払能力、こことしては問題ないと考えております。他方、中小零細事業所における賃上げの実現性、これをさらに高めていくためには、より広範な支払能力の改善、底上げも重要だと考えております。政府は賃上げの促進を目的として、中堅中小企業の稼ぐ力、この強化戦略を打ち出しておりますけども、企業の支払能力を勘案するに当たりましては、こうした支援策、この状況も念頭に置いて議論をすべきだろうなと考えております。
最後になりますが、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針など、適正な価格転嫁を促す施策が打ち出されてはいますが、実際の価格転嫁は道半ばだろうと思っております。最低賃金の引上げ分を確実に価格転嫁するなど、本年 10月の発効以降に、一層の価格転嫁が実施されるよう、政府は指針の実行性の更なる向上ですとか、あとはパートナーシップ構築宣言の普及促進、これは早急かつ徹底的に進めるべきだと考えております。その上で、労側といたしましても、政府の各種支援策の利活用状況や効果の検証、これを踏まえた一層の制度の拡充、利活用の推進、これを求めてまいりたいと思っております。以上でございます。
〇藤村委員長
どうもありがとうございました。では、引き続いて使用者側委員からお願いをいたします。土井さんどうぞ。
〇土井委員
それでは使用者側の基本的な考え方を述べさせていただきます。まず私から、この目安審議における使用者側の基本的な考え方を述べさせていただいて、その後、各委員から補足をさせていただきます。
最初に、目安全協を踏まえた基本的な方針という点について申し上げたいと思います。6月23日に開催されました目安全協において、改めて最低賃金法第九条第二項の三要素のデータに基づき、労使で丁寧に議論を積み重ね、目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきという基本的な考え方が改めて確認をされました。 今年度の目安審議においても、三要素のデータに基づく真摯かつ丁寧な議論を行うことが必要であると思っております。また、昨年度の各地方審議の結果と課題を踏まえて取りまとめました目安全協報告において、地域別最低賃金額や発効日について、地方最低賃金審議会における審議等のあり方も示したところでございます。これも踏まえながら、今年度の目安審議にあたっては、改めてデータに基づく納得感のある審議決定を徹底し、各地方最低賃金審議会における建設的な審議にしっかりと波及させていくことが重要だと思っております。
次に、昨年度の審議の振り返り、それからその結果として現れました最低賃金引上げの影響について申し上げます。昨年の審議では、物価高騰による生計費の上昇及び高い水準となった賃上げの状況を重視して、過去最高となる目安額を示すことになりました。さらに、各都道府県の地方最低賃金審議会における審議では、39道府県で目安を上回り、11県でプラス10円以上という大幅な上乗せが相次ぎました。その結果、昨年度の影響率は、平均が27.7%、時間額表示に一本化された2002年以降で過去最高を更新し、都道府県別に見ても、先ほどご説明いただいたとおり、35.9%の大分県を筆頭に30%超が19県に上るなど、かつてない水準となりました。また、大幅な引上げの影響等により、賃上げ支援策の業務改善助成金の執行額、執行件数ともに大幅に増加しているところでございます。企業が生産性を向上させ、それによって得た利益を賃上げにより従業員に還元することは望ましいことであり、使用者側といたしましても、会員企業への啓発や生産性向上支援などを通じて、その流れを後押ししているところでございます。しかし、業績に関わりなく、法的強制力を持って適用される地域別最低賃金の引上げと、各企業の経営判断や労使交渉による賃金の引上げは意味合いが全く異なると考えております。賃上げによる経営の影響は、労働分配率の高さなどを踏まえると、中小企業、小規模事業者ではより大きくなります。繰り返し申し上げますが、法定の地域別最低賃金は全ての企業に例外なく罰則付きで適用される制度である以上、個々の中小企業、小規模事業者を含めた企業の賃金支払能力を十分に踏まえた慎重な判断が不可欠であると思っております。
次に、まさに今お話しいたしました支払能力に関連する直近の企業の状況について申し上げたいと思っております。まず、6月の日銀短観を見ますと、業況判断DIは大企業の製造業でプラス22、非製造業でプラス37となっており、一方、中小企業においては製造業でプラス9、前回3月調査からはプラス2、非製造業ではプラス15、前回3月調査からはマイナス1にとどまっており、規模間の格差が引き続き確認される状況でございます。また、先行きについては大企業で悪化、中小企業では大幅な悪化が見込まれるなど、企業の景況感は総じて慎重となっております。
続きまして、中小企業景況調査 2026年4-6月期においては、全産業の業況判断 DIはマイナス18.7ポイントと前期から 1.1ポイント低下し、4期連続の低下となっております。水準としても昨年の同時期を 2.7ポイント下回っておりまして、新型コロナウイルス感染症の5類指定以降、2番目に低い水準となっております。規模別に見ても、小規模企業はマイナス20.7ポイントと全体と同様に、4期連続の悪化となって、5類指定以降も2番目に低いというところも同じでございますが、一段と厳しい状況でございます。また、原材料商品仕入れ単価DIは全産業で前期と比べて11.6%の大幅な上昇した一方、売上単価客単価DIは 6.8ポイントの上昇にとどまり、中東情勢等の影響による仕入れ単価の上昇を十分に価格転嫁できない状況にあります。企業の支払能力に大きく関係する価格転嫁について、中小企業庁の今年3月の価格交渉促進月間フォローアップ調査結果によると、コスト全般の価格転嫁率は昨年9月に比べて0.7ポイント上昇したものの、54.2%と半分程度にとどまっております。コスト要素別に見ると、原材料費は0.7ポイント上昇しておりますが、労務費とエネルギー費は横ばいでございます。取適法の施行など官民を挙げた取り組みにもかかわらず、価格転嫁はなお道半ばと言っていい状況だと思います。さらに同調査は、3月時点の価格交渉の状況でありますので、加えて5月の国内企業物価指数は前年比6.3%、今日発表されました6月の数値はさらに上がって7.1%ということで、企業物価が大幅に上昇していることも踏まえて、中東情勢の影響は十分に反映されてないことも考えられます。引き続き、中東情勢の影響も丁寧に確認していく必要があると思っております。
東京商工リサーチの全国企業倒産状況によりますと、企業倒産件数は2024年に1万件と11年ぶりに1万件を超え、昨年も1万300件と2年連続で1万件になるなど、近年増加基調で推移しております。また、今年に入っても、単月ベースで前年を上回る状況が続いており、倒産は足元においても増勢でございます。特にその内容を見ると、負債1億円未満の小規模な倒産が全体の約7割ということで、規模の小さい地域経済を支える中小企業の厳しい経営環境というのが反映された結果となります。また、廃業も非常に増えております。廃業に関してなかなか公式なデータがないということでございますが、例えば私ども商工会は約77万の会員がおりますが、近年、毎年約2万件の廃業がございます。かなりのペースで、倒産だけではなく、廃業も進んでいるという点もご理解をいただければと思っております。
続いて、法定3要素のうち、他の2要素、生計費と賃金に関する使用者側の見解を申し上げます。まず、生計費につきましては、5月の消費者物価指数、持ち家の帰属家賃を除く総合でございますが、1.7%と引き続き上昇局面にはあるものの、過去2年に比べると上昇率はかなり落ち着いていると考えております。もちろん使用者側としても、最低賃金近傍で働く方の可処分所得に対する物価上昇の影響について十分に考慮するべきと考えております。他方で、物価上昇の影響は、先ほどご説明した通りで、企業側のコスト増、企業物価の上昇として表れておりまして、家計面のみならず企業経営の影響と併せて検討する必要があると思っております。
続いて賃金につきましては、経団連集計で中小企業、これは従業員数500人未満でございますが、賃上げ率が4.20%。日本商工会議所の調査では、正社員の賃上げ率が4.29%となっており、昨年とほぼ同じような水準となっております。また、日商の調査では、71.3%、私ども全国連での調査では77.1%の企業が今期の賃上げを実施または実施予定と回答しており、中小企業、小規模事業所を含めて賃上げの動きは継続していると認識しております。一方で、企業業績の改善を伴わないいわゆる防衛的な賃上げの割合は、日商調査では昨年とほぼ同水準の60.9%となっており、賃上げ原資の確保にはなお課題が残っている状況でございます。
以上、申し上げたことを踏まえて、今年度の目安審議における使用者側の基本的な考え方を説明いたします。物価の上昇率は昨年より緩やかであるものの、引き続き上昇局面にあること、大幅な賃上げの流れが継続していることを踏まえれば、最低賃金を一定程度引上げる必要性というのは使用者側としても十分理解をしております。一方で、物価上昇や中東情勢の影響により増加したコスト、最低賃金を含む人件費の増加分を十分に価格転嫁できず、厳しい経営状況に置かれている中小企業、小規模事業者が多いことも踏まえる必要もあると思っております。 以上のことを考慮いたしますと、使用者側としては、法定3要素のうち、通常の事業の賃金支払能力を重視すること、3要素を総合的に表す賃金改定状況調査の結果、特に第4表の賃金上昇率に着目するとの基本的な考え方は、今年度も堅持したいと思っております。その上で、中東情勢の影響や価格転嫁の状況について、事業の持続的発展と雇用維持の観点から、3要素に関するデータを丁寧に確認しながら十分に議論を尽くし、全国の企業経営者にとって納得感のある目安を示すことが、この目安小委員会の社会的な役割と考えております。
このことを、労側委員、公益の委員の先生方とも共有をさせていただきながら、繰り返しになりますが、真摯かつ丁寧な議論を行ってまいりたいと考えております。私からは以上でございます。それでは他の委員から補足の説明をお願いします。
〇進藤委員
日本商工会議所の進藤です。私から補足の意見を述べさせていただきます。土井委員が発言された基本的な考え方と重複いたしますが、目安全協での取りまとめも踏まえ、最低賃金の審議においては三要素のデータに基づく審議決定が大原則であり、中央のみならず地方においてもデータに基づく納得感のある審議がされることを例年以上に意識する必要があります。ここ数年は物価の高騰を踏まえて生計費を特に重視した結果となっておりますが、地賃委員を務める各地の商工会議所関係者からは、厳しい経営環境の中で懸命に努力している地方中小企業の支払能力もしっかりと見てほしいという声が寄せられております。企業の支払能力を見るにあたって、今年は中東情勢の影響をしっかりと見ることが重要だと考えます。
本日、参考資料 No.1 の追加資料として事務局からご説明いただきましたが、繰り返しとなり恐縮ですが、私として特に重要と考えている点について改めて発言をさせていただきます。国内企業物価については、本日午前に公表された最新の数値では、6月の前年比でプラス 7.1%となっており、今年の 2月以降急激に上昇しています。とりわけ中東情勢の影響を強く受ける石油、石炭製品や化学製品は、多岐にわたる業種で広く使用される品目であり、多くの産業で短期間に急激な価格上昇に直面しており、物価上昇の程度も石油石炭製品に至っては6月の前年同月比で22.8%上昇という極めて高い水準になっております。また、輸入物価についても、円ベースで前年比29.7%の上昇となり、円安も重なり高騰しています。中小企業は輸出比率よりも輸入比率の方が高いため、輸入物価の影響を強く受け、コスト増加の要因となっています。中東情勢の影響については、物資供給の停滞、目詰まりといったことが大きく報道されました。目詰まり自体も流通の川下にいる中小企業にとって大きな課題ですが、先ほど事務局から説明いただきました私ども日商の調査結果では、中小企業に最も影響を与えているのは、燃料、石油化学製品をはじめとするコストの増加であり、7割超の中小企業に影響が出ています。供給の停滞、目詰まり以上に価格の上昇に苦慮する企業が多い点について留意が必要です。また、価格上昇分について価格転嫁できている、一部できているとする企業は46.6%と半数未満にとどまっており、企業物価が上昇している中で、コスト負担の増加が生じていることが想定されます。こうした中東情勢の影響は二月末以降の影響であり、法人企業統計等の統計上の数値では把握しきれませんが、広範囲かつ深刻な影響として丁寧に見ながら議論することが重要だと考えます。
適切な結論を導き出せるよう、皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。
〇田上委員
全国中央会の田上でございます。土井委員の使用者側見解への補足として、景況DI、労働分配率、賃金分布の三点について意見を申し上げます。まず景況DIについてです。私どもが都道府県中央会と実施しております中小企業月次景況調査の直近の結果においても、昨年同月比DIは景況、収益状況、取引条件等の項目で悪化しております。とりわけ、中東情勢の影響を受けている化学ゴム製品製造業では、景況、売上高、収益状況において大幅なマイナスとなっております。また、本調査において生声を収集している中で、秋田県の建設業からは、「出荷調整の影響により資材の入荷に3ヶ月を要するなど、工事の進捗が滞るケースが生じている」、徳島県の鉄鋼金属業からは、「原材料調達の難しさから納期が遅れるなど、収益に悪影響をもたらしている」といった、資金繰りへの影響を懸念する声が多数寄せられております。このように、中小企業の景況は依然として厳しく、一部では事業活動への深刻な影響も生じていることを十分認識する必要があると考えます。
次に労働分配率についてです。本日、資本金規模別労働分配率の資料、参考資料No.1の最終ページですけれども、ご準備いただきまして感謝申し上げます。この資料によりますと、資本金規模が小さいほど労働分配率は高く、資本金1000万未満の企業は概ね80%を超える高水準で推移していますが、注目すべきは、2021年度の91%から順調に縮小してきたところ、2024年度は前年と比較して1.5ポイント上昇した点です。このことは、生産性の向上を進めている中でも、人件費の増加を吸収することが難しい状況があることを示唆しているものと考えます。こうしたことから、賃上げに対応することは、労働分配率の高いビジネスモデルの中小企業ほど負担が大きいことを十分考慮する必要があると考えます。
最後に賃金分布についてです。本日示された資料No.5について、過年度と比較しますと、最低賃金額が賃金分布の最も大きい部分の金額に近づいて、今回示された令和7年に至るタイミングで極めて近い水準になっていることが確認できます。影響率はここ数年ますます高い水準で推移しておりますが、今後はこれまで以上に高まる可能性が十分にあり、とりわけ賃金水準の低い中小企業・小規模事業者においては、より大きくなることが見込まれます。このように賃金分布を踏まえますと、最低賃金引上げによるインパクトはこれまでと同じではないということについて十分考慮する必要があると考えます。
以上によりまして、今年度の審議に当たり、三要素に関する各種データを丁寧に見ていく中で、企業の支払能力については慎重に検討していきたいと考えます。特に規模の小さい中小企業・小規模事業者ほど賃上げの対応が難しく、その影響も大きいこと。そして、その多くが地域の雇用を支えていることを十分認識しながら、皆様と建設的な議論を尽くしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。私からは以上です。
〇新田委員
経団連の新田でございます。私からは補足というよりも、皆様の発言を聞いた上で若干感想めいたことも含めて、発言をさせていただきます。とかくこの最低賃金というと、労働者側が大幅な引上げを求め、それに対して我々使用者側は極めて慎重な姿勢を示す、あるいは反対をしているという論調で語られることが非常に多いと感じております。ただ、冒頭、土井委員からも発言させていただいたとおり、我々使用者側としても、最低賃金を引き上げることの必要性は十分理解をしております。その観点で今年度も審議に臨んでいるということを、私からも重ねて申し上げておきたいと思います。その上で、先ほど労働者側の仁平委員からもありましたし、使用者側の各委員からも同様の発言があったと承知をしておりますが、目安に関する小委員会における審議にあたっては、最低賃金法で定められている、いわゆる法定の三要素と、それを示す具体的なデータに基づきながら、真摯な議論を尽くしていくことが非常に重要と考えております。こうした観点から、法定の三要素それぞれについて、まずどのようなデータに着目をするのか、そしてそれをどのようにウエイト付けしていくのかということを、毎年度この場で審議をしていると理解しています。今年度は中東情勢という新たな要素もありますので、この点についても丁寧かつ慎重に議論していく必要があると考えております。そして、我々が出す結論は、各地方最低賃金審議会の委員のみならず、最低賃金の決定に関わる全ての人たちにとって、合理的かつ納得性の高いものである必要があり、これを示すことが、まさにこの目安に関する小委員会の社会的な役割と言っても過言ではないと考えております。このことを公益委員、そして労働者側委員の皆様とともに、共通の認識として持ちながら、今後の目安審議に臨んでまいりたいと思います。したがいまして、例えば目安審議を長引かせて答申日を遅らせることで、地方における発効日をできる限り遅らせるなど、いたずらに審議を長引かせるつもりは毛頭ございません。逆に、例えば10月1日に発効させるためには、おのずといつまでに答申しなければいけないという日程が見えてくると思いますけれども、そういったことに囚われることなく、合理的で納得性の高い目安をしっかりと示すべく、今年度も審議を尽くすということを最優先に対応してまいりたいと思っております。委員各位にこの点、ご理解、ご協力を賜りながら、建設的かつ有意義な目安審議を今年度も行っていければと願っておりますので、この点重ねてお願いいたします。私からは以上です。
〇藤村委員長
どうもありがとうございました。労使双方から今年の目安審議の基本的な考え方、様々な論点をご提示いただきました。最低賃金を引上げるということについては、これは労使それぞれに必要だとおっしゃった、ただし、何をどういうふうに見て議論していくかというのは、それぞれに意見の隔たりがあるということになっているように思います。今、新田さんから最後ありましたが、合理的で納得性の高い審議ということで、私ども公益委員もそこを大事にしながら、これからの目安審議を行っていきたいと思います。そのために必要な時間は使うし、資料もしっかり見ながら、これからの議論をしていきたいと思います。しかし、この場で労使双方からいろいろご意見をいただいても、なかなか前に進まないように思いますので、例年通りではございますが、公労、公使で個別にお話を伺いながら、この先どうするかというのを考えていきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。それでは、まず公労会議から始めたいと思いますので、事務局から連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。それでは、まず公労会議から行うということですので、使用者側委員の皆様は控え室へご案内をさせていただきます。
(使用者側委員 退出)
〇八木賃金課長補佐
それでは、傍聴者の皆様は御退出ください。
(傍聴者 退出)
<第2回全体会議>
〇藤村委員長
では、ただいまから本日2回目の全体会議を開催いたします。本日は労使双方から基本的な考え方をお出しいただきまして、それに基づいて議論をしてまいりました。議論の中では、労働者側委員からはさらなる引上げの重要性が主張され、使用者側からは本日提出された資料も含めて、データに基づいた審議をしっかり行うことを求める意見がありました。労使双方、最低賃金を引上げることの必要性については認識が一致をしておりますが、何を重視して引上げにつなげるのかという点については、引き続きさらなる議論が必要と考えております。そこで、次回の小委員会において引き続きご議論いただきまして、目安の取りまとめに向けて努力をしていきたいと思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。わかりました。 それでは、次回の日程と会場について事務局から連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。次回の日程と場所については、7月17日(金)の14時から厚生労働省にて開催予定でございます。
〇藤村委員長
ありがとうございました。では、これをもちまして本日の小委員会終了といたします。
〇藤村委員長
ただいまから 第2回目安に関する小委員会を開催いたします。本日、小西委員は途中で一時退席されます。また、水崎委員は途中で退席をされると伺っております。なお、本日は所用により松本審議官は欠席になります。まず、お手元の資料No.1について事務局から説明をお願いいたします。
〇野澤賃金課長
本日の審議に関する資料のご説明に先立ちまして、昨年令和7年度の目安に関する小委員会に提出いたしました資料の訂正についてのご報告をいたします。お手元にお配りしております資料No.1をご覧ください。誤りのありました資料は、都道府県ごとの最低賃金と生活保護水準との乖離額変動の要因分析の表でございますが、昨年度の目安小委で示した乖離額(D)というところですが、それと乖離の変動額(E)というところ及び生活扶助基準の見直し、国勢調査の更新による影響額(e③)に誤りがありましたことが、本日の審議に関する資料作成の過程で判明いたしました。訂正前、訂正後を資料でお示ししております。なお、最新の乖離額(C)の部分を含め、他のデータに誤りはございませんでした。前回に引き続きまして、審議資料を訂正することとなりましたことをお詫び申し上げます。今後、このようなミスが生じることがないよう、データのさらなる精査に努めてまいります。
〇藤村委員長
ありがとうございました。ただいま事務局からご説明をいただきました点について、何かご質問ございますでしょうか。よろしいですかね。
では、この配布資料については以上にしたいと思います。続いて、お手元の配布資料No.2以降の資料について事務局から説明をお願いいたします。
○八木賃金課長補佐
事務局でございます。本日も、お手元の資料の他に、各種団体からの要望書を回覧しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。先ほど資料No.1についてご説明しましたが、その他の配付資料としまして、資料No.2~No.6、参考資料No.1~No.4の計9点ございます。事務局からは、委員提出資料である参考資料No.4を除いた資料につきまして、通しでご説明をさせていただきます。
まず、資料No.2をご覧ください。令和8年賃金改定状況調査の結果になります。
1ページは調査の概要になります。真ん中の3(2)にありますが、常用労働者数が30人未満の企業に属する民営事業所を調査しております。
3ページの第1表をご覧ください。こちらは今年の1月から6月までに賃金の引上げ、引下げを実施した、あるいは実施しなかったという区分で、事業所単位で割合を集計したものになります。左上の産業計・ランク計を見ていただくと、1月から6月までに賃金の引上げを実施した事業所の割合は52.5%となっておりまして、昨年より上昇しております。隣の列の賃金の引下げを実施した事業所の割合は0.5%となっており、昨年に引き続き1%未満となっております。
次に4ページの第2表をご覧ください。こちら平均賃金改定率を事業所単位で集計したものとなっております。左下の産業計・ランク計を見ていただきますと、今年の1月から6月までに賃金引上げを実施した事業所の平均賃金改定率は4.3%、真ん中の賃金引下げを実施した事業所は平均で、マイナス11.9%となっています。一番右は、改定を実施した事業所と凍結した事業所をあわせて、今年1~6月の事業所ごとの平均賃金改定率を集計したものになりますが、こちらはプラス2.2%となっております。
5ページになります。第3表になりますが、賃金引上げを実施した事業所の賃金引上げ率の分布の特性値になります。産業計・ランク計をみていただきますと、第1・四分位数が1.5%、中位数が3.0%、第3・四分位数が5.2%といずれも昨年と同程度となっております。
次に6ページの第4表になります。賃金上昇率となります。第4表の①は男女別の内訳を示しています。第4表①の産業計・男女計をみると、ランク計の賃金上昇率は3.0%となっています。3.0%という上昇率は、最低賃金が時間額のみで表示されるようになった平成14年以降最大の水準であった昨年をさらに上回っているものになります。ランク別では、産業・男女計でAが2.4%、Bが3.4%、Cが3.4%となっており、BランクとCランクが同率でAランクに比べて高くなっております。
続いて7ページ、第4表②になります。一般・パート別の賃金上昇率になります。左端の産業計・ランク計でみますと、中段の一般労働者は3.0%、下段のパートは2.9%となっております。
次に8ページは第4表③になります。第4表③では継続労働者のみを集計対象としていますので、昨年6月に在籍していたものの今年6月に在籍していない退職者と、昨年6月には在籍していなかったものの今年6月に在籍するようになった入職者、こちらは第4表③の集計対象には入っておりません。表の左上の方、産業計・ランク計の賃金上昇率は3.4%となっておりまして、ランク別に見ますとAが3.0%、Bが3.7%、Cが4.0%となっております。
続いて9ページになりますが、賃金引上げの実施時期別の事業所数の割合を出しているものになります。
10ページは、事由別の賃金改定未実施事業所の割合をお示ししているものになります。
11ページになりますが、この調査における労働者構成比率と年間所定労働日数についてお示ししているものになります。
続いて12ページになりますが、こちら第4表のランク別賃金上昇率の推移になります。真ん中を点線で区切っておりますが、左が①②、右が③です。いずれもここ数年、概ね上昇の傾向にあることがわかりますが、2026年については、①②、③ともに、全国計・すべてのランクいずれにおいても、前年より上昇しているということが見てとれます。
資料No.2のご説明は以上となります。
続きまして資料No.3をご覧ください。生活保護と最低賃金の比較についてになります。
まず、1ページのグラフをご覧ください。破線の△(さんかく)は生活保護水準で、生活扶助基準の人口加重平均に住宅扶助の実績値を加えたものになります。実線の◇(ひし形)は令和6年度の最低賃金額で法定労働時間働いた場合の手取額を示しております。すべての都道府県において、最低賃金が生活保護水準を上回っております。なお、2ページの資料も同様ですが、最低賃金のデータについては、可処分所得の総所得に対する比率の算出にあたりまして、2024年分の所得税及び住民税について定額減税が行われたことを考慮しております。
2ページになりますが、1ページの最低賃金額のグラフを令和7年度のものに更新したものになります。全体的に最低賃金の水準は1ページよりも上がっておりまして、こちらも同様に、すべての都道府県において、最低賃金が生活保護水準を上回っております。
3ページは、47都道府県について、最新の乖離額を示すとともに、その乖離額の変動について要因分析をしたものになります。列Cの額は、2ページのグラフでお示しした乖離額を時間額に換算したものになります。列Dの額が昨年度の目安小委で示した乖離額になります。△(マイナス)は最低賃金額が生活保護水準を上回っていることを示しています。そして、列Eが昨年度から今年度の乖離額の変動分ですが、△(マイナス)の幅が大きくなっておりますので、最低賃金と生活保護水準の差が大きくなっていることを意味しております。
資料No.3のご説明は以上となります。
続いて、資料No.4をご覧ください。影響率と未満率に関する資料になります。第1回の目安小委員会では、全国計の数値についてはご説明をしましたが、今回はランク別、都道府県別の数値となっております。
1ページは、「最低賃金に関する基礎調査」によるものですので、原則30人未満の小規模事業所が対象となっています。表は過去10年の推移となっておりまして、一番右の列が2025年度となっております。こちらは、注4にあるとおり、各年の適用ランクでお示しをしているものになります。未満率をランク別にみますと、Aが2.1%、Bが1.9%、Cが2.3%となっております。影響率をランク別にみますと、Aが26.8%、Bが27.2%、Cが32.4%となっておりまして、全てのランクにおいて前年度に比べて影響率が高まっております。
続いて2ページをご覧ください。1ページと同じく、注1のとおり、原則30人未満の小規模事業所を対象とした、都道府県別の影響率・未満率となります。まず、上の破線が、影響率になりますが、最も高いのが右から13番目の大分県、次いで高いのが右から9番目の長崎県となっておりまして、一番低いのが一番左の東京都となっています。次に、下の実線が未満率になりますが、一番高いのが右から13番目の大分県、一番低いのが右から5番目の秋田県と右から16番目の和歌山県となっております。
続いて3ページをご覧ください。2ページと同様のグラフを賃金構造基本統計調査に基づいて示したものになります。注1のとおり、5人以上の事業所が対象となります。上の破線の影響率では、右から2番目の青森県が最も高く、右から5番目の秋田県が次いで高くなっております。一番左の東京都が最も低くなっております。下の実線が未満率になりますが、左から2番目の神奈川県が最も高く、右から9番目の長崎県が最も低くなっております。
資料No.4のご説明は以上となります。
続きまして資料No.5をご覧ください。
こちらは、令和7年の賃金構造基本統計調査を基にした各都道府県別の賃金分布となっております。一般・短時間計、一般、短時間の順で、それぞれA~Cランクの順で各都道府県を並べているものでございます。適宜、ご参照いただければと思います。
続いて資料No.6をご覧ください。最新の経済指標の動向になります。こちらは、今年も、昨年までと同様に、内閣府月例経済報告の主要経済指標を提出させていただいております。なお、主立った指標については、第1回の目安小委でご説明しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
続きまして参考資料No.1をご覧いただければと思います。こちらは、前回、委員の皆様からご要望いただきました資料をまとめているものになります。
2~19ページについては、中東情勢の影響、国内企業物価指数の推移、中東情勢を踏まえた中小企業対策に関するものなります。
2ページは、5月11日の経済財政諮問会議に提出された資料になりますが、真ん中から少し下の、経済・物価見通しのリスクというところにおいて、中東情勢を巡るリスクについて記載がなされております。
続きまして3~4ページになりますが、6月30日の月例経済報告等に関する関係閣僚会議に提出されました資料になります。まず3ページですが、中東情勢の影響につきまして、物価面では、米イラン合意前の原油等価格上昇の影響が、輸入物価、企業物価の順に現れ始めている、ただし、消費者物価は激変緩和措置によって緩やかな上昇に抑制されており、賃上げの進展とともに実質賃金はプラスを維持というように記載されています。
続きまして4ページですが、一番上のところになりますが、激変緩和措置等の政策効果がなければ、5月の消費者物価指数は3%近い上昇率になったと試算、一方、石油製品の取引価格は、川上から川中・川下製品に転嫁されていく段階とみられ、今後一定期間、物価上昇圧力は続く見込み、とされております。
続きまして5ページになります。こちら国内企業物価指数の推移となります。「化学製品」、「石油・石炭製品」につきまして、約1年半の動きをみたものになりますが、特に足下で上昇をしております。なお、資料の準備の都合で、資料の反映には間に合っておりませんが、本日6月分の速報値が公表されております。口頭でのご紹介となりますが、全体で7.1%、「化学製品」で14.4%、「石油・石炭製品」で22.8%となっております。次回改めて更新資料として提出できればと考えております。
続きまして6~18ページになりますが、こちら日商の「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギー等の影響調査」の集計結果となります。7ページは調査概要となっております。
少し飛んで9ページになります。中東情勢の緊迫化による「燃料」・「石油化学製品」に関する経営への影響についての資料になります。いずれも「価格上昇」が最多となっておりまして、企業の約7~8割に影響が出ているとされております。
続きまして10ページになります。こちらは経営の影響となります。中東情勢の緊迫化は、9割超の企業で何らかの影響が生じているとされております。
続きまして11ページになります。こちらは先ほどの経営への影響を業種別に見たものになりますが、建設業、製造業、宿泊・飲食業では、「仕入価格の高騰によるコスト負担の増加」が8割以上と最も多いとされております。
少し飛ばして、14ページになります。中東情勢の緊迫化に対して行っている対応を聞いたものになりますが、約8割の企業が何らかの対応を行っていると回答しておりまして、具体的な対応内容は「上昇したコストの販売価格への転嫁」が最も多く、「消費財等の在庫確保」、「燃料や原材料等の積み増し」といった在庫確保の動きが見られるとされております。
続きまして、17ページをご覧いただければと思います。政府・自治体に求める対応となっておりますが、「エネルギーの安定供給確保」が約6割と最多となっておりまして、求める個別支援策としては、「電力・ガス料金の負担軽減」、「燃料費の負担軽減」など、価格高騰の影響を受け、エネルギー・燃料価格への負担軽減を求める声が多いとされております。
続いて、19ページになりますが、中東情勢を踏まえた中小企業対策についてまとめた資料になります。特別相談窓口の設置や、中小企業の資金繰り支援、価格転嫁について取組が進められています。
20~27ページは、中小企業への支援策になります。
20ページは、労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略の概要となっております。事業の再構築・生産性向上・事業再編等に取り組む中堅・中小企業を徹底的に支援し、必要な連携と再編を促すことで「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環を目指し、中小企業・小規模事業者の経営管理能力の高度化と経営改革を実現することを目的としています。
21ページは、賃上げを実現しようとする小規模事業者支援のための伴走支援体制の強化に関する資料になります。賃上げを実現しようとする事業者に対して、金融機関、支援機関側の積極的な働きかけにより稼ぐ力を高める方法について、気づきの機会を提供し、資料黄色のところに記載されております「専門医」による寄り添った支援を拡大しているというものになります。
22ページになりますが、中堅・中小企業向けの投資支援メニューを売上規模別・事業者数・主な経営課題別にまとめた資料となります。
続きまして、23~27ページは、官公需に関する資料になります。23ページは官公需における価格転嫁の取組の概要をまとめたものになります。官公需は、地方経済において重要な役割を果たしていることから、地方の中小・小規模事業者にとって官公需における価格転嫁等の取組を深化・徹底していくことが、引き続き重要となっております。
24ページになりますが、令和8年4月21日に閣議決定されました令和8年度国等の契約の基本方針の概要となっております。
25ページになりますが、国における令和8年度予算における官公需にかかる対応をまとめたものになります。
また、26ページについては、地方公共団体の物価高・官公需の価格転嫁への対応をまとめたものになります。
27ページになりますが、官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プランの概要になります。令和8年4月6日の「第2回賃上げに向けた中小企業等の活力向上に関するWG」におきまして、政府として、国等の契約の基本方針の措置事項のうち特に取組を加速すべきものを特定し、令和8・9年度の2か年で100%の実施を目指すこととされております。
28ページになりますが、法人企業統計による労働分配率に関する資料になります。労働分配率については近年、低下傾向にありますが、資本金規模が小さい企業ほど、高い割合で推移をしております。
参考資料No.1のご説明は以上となります。
続きまして、参考資料No.2になります。前回の目安小委でご説明をしました「足下の経済状況等に関する補足資料」のうち、更新した部分のみを抜粋したものになります。ページ番号は前回の資料と便宜上同じにしております。
1枚おめくりいただきまして、2ページになります。内閣府の「月例経済報告」における日本経済の基調判断について、6月分が公表されましたので、更新をしております。先行きの基調判断の部分について、下線の部分が更新をされております。
続きまして3ページになります。こちらは連合の春季賃上げ妥結状況の資料になりますが、第7回最終結果が公表されましたので、更新をしております。全体の賃上げ率は5.01%となり、5%台の高い水準となっております。中小は比較可能な2013年以降で最も高くなっております。
続いて4ページになります。こちらは経団連の春季賃上げ妥結状況になります。中小企業の第1回集計結果が公表されましたので、更新をしております。賃上げ率は、4.20%となっております。
続きまして5ページになります。こちらは日銀短観における雇用人員判断DIの推移になりますが、6月分と9月予測が新たに公表されたため、更新をしております。
続いて6ページになりますが、OECDによるフルタイム労働者の賃金の平均値・中央値に占める最低賃金の割合の国際比較になります。2025年の数値が公表されたため、更新をしております。
次の7ページも、同様の更新をしております。
次に、13ページ、14ページ、それから飛んで40から43ページ、46から49ページのヒートマップにしている部分ですが、これらは厚生労働省の「職業安定業務統計」や「雇用保険業務統計」におきまして、5月分が新たに公表されましたので、更新をしております。
戻っていただきまして18ページになりますが、日銀短観による主な産業の業況判断DIで、6月分と9月予測が新たに公表されましたので、更新をしております。
次に、33、35、飛んで44ページになりますが、倒産に関するデータにつきまして、東京商工リサーチや帝国データバンクの6月分が新たに公表されておりましたので、更新をしております。
続きまして、78~90ページは、中小企業庁の「価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査の結果について」になります。82ページをご覧いただければと思いますが、「労務費についての価格交渉の状況」について、価格交渉が行われた企業のうち、その7割以上において、労務費についても価格交渉が実施されております。一方で、約6%の企業が「労務費が上昇し、価格交渉を希望したができなかった」と回答しております。引き続き「労務費転嫁指針」を周知・徹底していくとされております。83ページになります。「価格転嫁」の状況のうち、コスト全般になります。コスト全体の転嫁率は、昨年3月より微増しています。価格転嫁の状況はほぼ横ばいとなっておりまして、引き続き、「転嫁できた企業」と「できない企業」で二極分離の状態が継続しておりまして、転嫁が困難な企業へのさらなる対策が重要とされています。90-2ページとしております最後の資料ですが、今回の調査で初めて調査されたものになりますが、中東情勢の変化による価格交渉・価格転嫁への影響になります。「影響があった」と回答した企業は全体の約2割。また、「影響なし」が約5割、「影響は不明」が約3割となっております。
参考資料No.2については以上となります。
最後になりますが、参考資料No.3をご覧ください。前回ご説明しました主要統計資料の更新部分のみを抜粋したものになります。
1ページは、鉱工業生産指数の5月速報値や倒産件数の6月分、完全失業者数や完全失業率の5月分が公表されたことを踏まえ、数値を追加しております。
2ページ、3ページについては、求人倍率の5月分や賃金指数、パート比率の5月速報値が公表されたため、数値を追加しております。
4ページは、完全失業率の5月分が公表されましたので、数値を追加しております。
5ページ、6ページ、11ページになりますが、毎月勤労統計の5月分速報値が公表されましたので、数値を更新しております。
12ページは、春季賃上げ妥結状況等になりますが、先ほど参考資料No.1でご説明しました、連合・経団連の結果を更新しております。なお、左上の表ですが、連合の平均賃金方式(加重平均)の規模計については、注2のとおり、賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものになります。
14ページになりますが、夏季賞与・一時金妥結状況になります。経団連第1回集計の結果が公表されましたので、更新をしております。
22ページになりますが、日銀短観による企業の業況判断になります。6月の最近の業況と先行きの業況が公表されましたので、数値を追加しております。
23ページ、日銀短観による経常利益と売上高経常利益率になります。2025年については、計画から実績に、2026年の計画も数値が更新されております。
少し飛びまして28ページになります。中小企業景況調査の業況判断になります。2026年4月~6月分が公表されましたので、数値を追加しております。
36ページになります。定期給与の推移になります。2025年分が公表されましたので、数値を追加しております。
続きまして、37、38ページになりますが、パートタイム労働者の1求人あたりの募集賃金平均額と募集賃金下限額になります。いずれも2026年5月分が公表されましたので、数値を追加しております。
次、39ページになりますが、平均の月間総実労働時間と所定外労働時間の推移になります。2025年分が公表されましたので、数値を追加しております。
45ページになりますが、労働者数等の推移になります。2025年分が公表されましたので、数値を追加しております。
長くなりましたが、参考資料No.3、資料についてのご説明は以上になります。
〇藤村委員長
ありがとうございました。ただいま事務局から説明のありました資料についてのご質問あるいはご意見、または他に次回以降提出を求める資料がありましたら、お願いをしたいと思います。 いかがでしょうか。 土井さんどうぞ。
〇土井委員
ご説明ありがとうございました。 先ほどご説明していただいた通り、やはり中東情勢の影響というのがかなり色濃くなってきているものの、直近の出来事なので、まだ統計上出てこないというところもございます。先ほどご説明いただきました中小企業基盤整備機構の中小企業景況調査の 4~6 月期で、DI については先ほどご説明いただきましたが、そのレポートの中に、中東情勢の影響についてまとめているものがございますので、可能であれば次回お出しいただいて、我々としてはもうちょっと丁寧に中東情勢を見てまいりたいと思います。ご検討よろしくお願いいたします。
〇藤村委員長
使用者側から追加の申し出がございましたが、労働側いかがですか。よろしいですか。
(異議なし)
では、事務局、どういう資料が出せるかというのを検討いただきまして、次回提出をいただきたいと思います。労働側どうぞ。 仁平さん。
〇仁平委員
労働側もちょっと追加の資料のお願いをしたいと思っております。先ほどご説明いただきましたけど、参考資料No.1委員から追加要望資料の一番後ろに労働分配率の話が出ておりますが、やはりこれに関して言えば、法人企業統計のストック面、内部留保の資料についても是非見ておくべきと思っておりますので、具体的に申し上げれば、利益準備金、現預金の推移について、全体の水準の数値、それと 1 社当たりについても計算していただいて、出していただいたらいかがかと思っております。
〇藤村委員長
使用者側いかがでしょうか。よろしいですか。
(異議なし)
では、事務局にまた負担をお願いすることになりますが、今、労働側からご要望のありました資料について、どこまで用意できるか検討いただきまして、ご準備をお願いしたいと思います。その他いかがでしょうか。 どうぞ。
〇首藤委員
2点ですね、資料というかデータの追加をお願いしたいと思っております。 1点目が、消費者物価指数のところです。前回の資料の中で、足元の経済状況等の補足資料として、昨年 10月以降の消費者物価指数対前年上昇率の推移のデータを提出いただいているのですけれども、昨年度の目安審議以降の期間全てが含まれているものではないので、例えば 2025年7月以降の期間で見るとどうなるのかというところをちょっと確認してみたいと思いますので、その辺の資料をご提出いただきたいというのが 1点目になります。
もう 1点としましては、法人企業統計による従業員一人当たりの付加価値額の推移ですね、前回ご提出いただいておりまして、それが産業計とか、あと資本金規計の数値あるんですけれども、資本金規模別の合計額と、あと製造業、非製造業ごとの合計というのがこの資料の中ではないので、これをぜひ労働生産性の状況について丁寧に議論していくために、資本金規模別の合計額および製造業、非製造業ごとの合計額というものもご提出いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
〇藤村委員長
公益側からの追加資料の要望ですが、よろしいですか、労使双方。はい。では、これについても事務局でどういう資料が用意できるかを検討いただきまして、次回ご提出をお願いしたいと思います。その他ございますでしょうか。よろしいですかね。
では、配布資料に関する議論は以上としたいと思います。次に、前回のこの会議で委員の皆様にお願いをした通り、目安についての基本的な考え方を表明いただきたいと思います。 はじめに労働者側委員からお願いをいたします。 どうぞ。仁平さん。
〇仁平委員
私からまず総括的な認識を述べさせていただいて、その後順番に各労側委員の方から述べさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。先ほど事務局から参考資料の中で、今年の春季生活闘争の結果についてのご紹介もございました。労使の真摯な議論の積み重ねによって、3年連続5パーセントを上回る賃上げを実現することができました。そして有期短時間、これは後ろの方の資料にあったと思いますけど、有期短時間契約と労働者の賃上げについては、時給のベースで75円、6.18%の引上げということを実現できたわけでございます。 一方、様々な調査がございますが、その中で労働組合の有無によって賃上げの差が生じているということも確認されているところでございます。 前回の目安の資料の中でも、最賃近傍で働く人の賃上げがいつ行われたのかという時期を尋ねた調査があったと思いますが、まさに春季生活闘争の時期、4月に行われたというのは第2位でありました。第1位は10月でございました。最賃が上がらないと賃金が上がらないという人が多いということをこれも示しているのだと思います。改めてですけど、最賃法第一条、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与するということが目的として書いてございます。中東情勢などによって、日本経済に再び輸入インフレの波が押し寄せているわけであります。その影響を受けているのは企業だけではなく、我々働く人や国民も同じだと思います。とりわけ最賃近傍で働く人の暮らしは極めて厳しく、生活不安、将来不安をこれは企業以上に感じていると思っております。だからこそ、最低賃金の大幅な引上げで全ての働く人の生活を守り、景気を底支えしていく必要があるのだと思います。賃上げと最低賃金の大幅引上げを通じて、賃金、経済、物価を安定した順行軌道に乗せていくことが、今我が国が取るべきベストなシナリオだと考えております。
また、参考資料No.4委員提出資料として、労側から昨年、一昨年に引き続き資料を出させていただいております。 ナウキャストのデータと厚労省の毎勤統計のデータを基に連合で作成させていただいた資料でございます。 詳細は後ほどそれぞれご覧いただきたいと思いますが、多くの企業において人材確保のために最賃を100円以上上回る水準で募集しているということが確認できるかと思います。労側としては、今年も客観的なデータに基づき、真摯な議論を尽くしてまいりたいと考えております。
続いて、各委員から補足意見を述べたいと思います。まず柴田委員の方からお願いします。
〇柴田委員
私、柴田からは生活実感を踏まえた最低賃金のあるべき水準という観点で意見を述べさせていただきたいと思います。まず冒頭、仁平委員から2026春季生活闘争において高い賃上げが維持されたことが述べられましたが、初任給におきましても高卒生産技能職で20万9千円超の回答集計となっております。これは前年比で1万2千円を超える引上げ、また6.14%の増加ということでありますし、100人未満の組合にだけとってみましても、1万円超の引上げが初任給においては行われているということでございます。この結果は、まず人手不足こそ企業経営のリスクであるということが労使で共有され、人材の確保、定着、それから現場力の強化ですとか、モチベーションの向上など、今後の事業継続を見据えた人への投資を経営側が判断されたという結果であると捉えています。
一方で、生活賃金ということを考えたときに、地域別最低賃金は生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準である必要があります。しかしながら、現在の最低賃金は連合リビングウェイジを全県で下回っており、絶対額として最低生計費を賄うものにはなっていません。地域別最低賃金と連合リビングウェイジの乖離は最も大きい沖縄で167円となっており、生活できる賃金水準の確保に向けた引上げが最重要と私たちは考えております。加えて、連合は相対的貧困の考え方を踏まえて、中期的な目標としまして、一般労働者の賃金中央値の6割を掲げております。2025の賃金構造基本統計調査から計算した相対的貧困ラインは時給1,401円となっておりますので、こうした点も重視しながら継続的な引上げを行う必要があると考えております。
最後に生計費について述べさせていただきます。最低賃金近傍で働く労働者の生活は昨年以上に苦しくなっています。世帯年収が下がるほどにエンゲル係数が高まる傾向がありますが、2025の家計調査におけるエンゲル係数は28.6%と 44年ぶりの高水準となっております。連合総研の勤労者短観では、世帯年収の低い層ほど 1年前と比較した現在の暮らし向きが悪化していると感じる割合が高い、そして支出を切り詰めるという傾向も顕著になっていることがわかります。特に400万円未満の世帯では、食品や衣料品を中心に何らかの支出を切り詰めているという割合が77%に達しているということで、生活防衛の解消のみならず、内需や地域経済の下支えの観点からも、最低賃金の引上げは重要と考えております。以上のとおり、賃上げ動向やあるべき水準、生活実感から見て、本年の審議では昨年以上の大幅な改定に向けた目安を提示すべきと考えております。私からは以上です。
〇水崎委員
引き続き、私からは大きく3点、意見を申し上げさせていただきます。まず、地域間の額差についてですが、 2002年の時間額統一時に104円であったこの額差、こちらは2018年に 224円まで拡大をし、昨年の改定後は203円まで縮小したものの、その額差は依然として大きいものとなっていると考えます。近年は各地域の自主性の発揮などもあって改善傾向ではありますが、是正はまだまだ不十分であると思います。地域間額差による影響の大小は地理的な事情によると想定しますが、とりわけ時間的距離的に近接した都道府県間では労働力の流出につながり、地方の中小零細企業の人材確保、定着が難しくなり、事業継続発展の厳しさに拍車をかける一因となるのではないかと思います。昨年はCランクにこのABランクを上回る64円の目安を示しましたが、Cランクの県の地方審議の結果は、この目安を大幅に超える引上げが相次ぎました。地方の自主性がこれまで以上に発揮された結果である一方、地方審議における目安そのものの意義が問われかねない事態であるとも受け止めております。目安の妥当性と納得性を高め、地方審議において目安を軸としたより建設的な議論を促す観点からも、昨年の実績も念頭に置いた中賃としてのメッセージを示すべきであると考えます。
続いて2点目になりますが、これは発効日についてです。労働組合がある企業の多くが遡及の適用を含めて4月に賃上げ実施をしています。最低賃金はこの春闘の結果なども踏まえて審議されるため、発効日が秋になっている、こういった事情があります。物価も継続して上昇していることなどもあり、最低賃金近傍で働いている仲間の暮らしは非常に厳しく、早期の賃上げが必要です。春闘の賃上げ効果を社会全体に速やかに波及させるためにも、最低賃金は10月1日発効を中心に、この 9月も含めた早期発効が重要であると考えます。法律上も法定発効が基本であり、指定日発効は特別な理由がある場合に限られているものであると解釈をしています。指定日発効とする場合は、その必要性などについて、公労使で十分に議論した上で、発効日を遅らせることについて、広く理解を得られるか、こういった観点も踏まえて決定すべきであると考えます。また、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等に明記をしていただいて、きちんと説明責任を果たすべきであると考えます。また、年収の壁の問題等ですね、最低賃金制度とは関係のない他の制度の課題をこの最低賃金の発効日を遅らせることで解消しようとすることは、いかがなものかと思います。給付付き税額控除を含めた抜本的な制度改善によって、この就労の壁自体を修正改善していくことが本筋であると考えます。
最後3点目になりますが、これは労働市場賃金の動向を踏まえた審議をすべきという点になります。雇用情勢については、完全失業率、有効求人倍率ともに昨年審議時以降堅調に推移をしております。雇用人員判断DIについても、製造、非製造ともに、あと規模別問わず人員が不足している状況でありまして、全体的な人手不足感は依然として高いものと思います。また、各地域の募集、求人募集の賃金の下限額、こちらも最低賃金を大きく上回っている状況でもあります。これら労働市場の動向や市場賃金の上昇も加味して、最低賃金の大幅な引上げを図るべきであると考えます。また、最低賃金の引上げと雇用維持とは相反しないものと考えます。目安制度開始以降最高額となった昨年の地賃の改定について、これが必ずしも企業の倒産と因果関係があるとは認めにくいと思っておりますし、件数自体は微増傾向と報告を受けておりますが、2025年の倒産件数が全企業に占める割合は、0.2%ということで、決して高くない状況であると考えます。むしろ、人口流出や人手不足が顕著な地域、あるいは中小零細事業所において、人材の確保・定着の観点からも、最低賃金を含む賃上げは急務であると考えております。私からは以上となります。
〇伊藤委員
最後に私からは企業の支払能力と、それから環境整備という観点から意見を述べたいと思っております。まず、年明け以降、製造業中心に、企業の経常利益、これは好調に推移しておりまして、法人企業統計によると、2026年1、3月期の経常利益は対前年同期比で14.6%増という高い伸びを示しております。その上で、今回追加でご提示いただいた労働分配率ですが、これを見てみますと、コロナ禍以降、全ての企業規模で低下傾向にございます。とりわけ資本金規模1000万円未満の企業におきましては、その水準自体は確かに8割前後と低くはないのですが、近年最低賃金が上昇傾向にある中においても、コロナ禍以降10ポイント程度低下しておりまして、そうした意味では最低賃金引上げの相関というのはあまり観察できないのだろうなと、従いまして、支払能力との関連性、これは限定的と考えられるのではないかと思っております。また、労働分配率の話をしましたので、その関連で内部留保にもついても触れさせていただきたいと思いますが、法人企業統計によりますと、企業の内部留保に当たる利益準備金、これは 2024年度は637兆円で過去最高水準に達しております。それで資本金1,000 未満の企業においては、この十年間で倍以上に膨らんでおります。内部留保の全てが賃上げの原資になるものでは当然ありませんけれども、先ほどの利益の状況、それから分配率が低下しているということ、こうした動向を加味すれば、全体的なバランスの中で利益が十分に人への投資として賃上げに回っていないという実態があるのではないかということでございます。さらには保有の現金預金、これも大幅な増加となっておりますので、資金繰りについても余裕が認められますので、データからは、最低賃金審議における一つの考慮要素であります通常の事業の賃金支払能力、こことしては問題ないと考えております。他方、中小零細事業所における賃上げの実現性、これをさらに高めていくためには、より広範な支払能力の改善、底上げも重要だと考えております。政府は賃上げの促進を目的として、中堅中小企業の稼ぐ力、この強化戦略を打ち出しておりますけども、企業の支払能力を勘案するに当たりましては、こうした支援策、この状況も念頭に置いて議論をすべきだろうなと考えております。
最後になりますが、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針など、適正な価格転嫁を促す施策が打ち出されてはいますが、実際の価格転嫁は道半ばだろうと思っております。最低賃金の引上げ分を確実に価格転嫁するなど、本年 10月の発効以降に、一層の価格転嫁が実施されるよう、政府は指針の実行性の更なる向上ですとか、あとはパートナーシップ構築宣言の普及促進、これは早急かつ徹底的に進めるべきだと考えております。その上で、労側といたしましても、政府の各種支援策の利活用状況や効果の検証、これを踏まえた一層の制度の拡充、利活用の推進、これを求めてまいりたいと思っております。以上でございます。
〇藤村委員長
どうもありがとうございました。では、引き続いて使用者側委員からお願いをいたします。土井さんどうぞ。
〇土井委員
それでは使用者側の基本的な考え方を述べさせていただきます。まず私から、この目安審議における使用者側の基本的な考え方を述べさせていただいて、その後、各委員から補足をさせていただきます。
最初に、目安全協を踏まえた基本的な方針という点について申し上げたいと思います。6月23日に開催されました目安全協において、改めて最低賃金法第九条第二項の三要素のデータに基づき、労使で丁寧に議論を積み重ね、目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきという基本的な考え方が改めて確認をされました。 今年度の目安審議においても、三要素のデータに基づく真摯かつ丁寧な議論を行うことが必要であると思っております。また、昨年度の各地方審議の結果と課題を踏まえて取りまとめました目安全協報告において、地域別最低賃金額や発効日について、地方最低賃金審議会における審議等のあり方も示したところでございます。これも踏まえながら、今年度の目安審議にあたっては、改めてデータに基づく納得感のある審議決定を徹底し、各地方最低賃金審議会における建設的な審議にしっかりと波及させていくことが重要だと思っております。
次に、昨年度の審議の振り返り、それからその結果として現れました最低賃金引上げの影響について申し上げます。昨年の審議では、物価高騰による生計費の上昇及び高い水準となった賃上げの状況を重視して、過去最高となる目安額を示すことになりました。さらに、各都道府県の地方最低賃金審議会における審議では、39道府県で目安を上回り、11県でプラス10円以上という大幅な上乗せが相次ぎました。その結果、昨年度の影響率は、平均が27.7%、時間額表示に一本化された2002年以降で過去最高を更新し、都道府県別に見ても、先ほどご説明いただいたとおり、35.9%の大分県を筆頭に30%超が19県に上るなど、かつてない水準となりました。また、大幅な引上げの影響等により、賃上げ支援策の業務改善助成金の執行額、執行件数ともに大幅に増加しているところでございます。企業が生産性を向上させ、それによって得た利益を賃上げにより従業員に還元することは望ましいことであり、使用者側といたしましても、会員企業への啓発や生産性向上支援などを通じて、その流れを後押ししているところでございます。しかし、業績に関わりなく、法的強制力を持って適用される地域別最低賃金の引上げと、各企業の経営判断や労使交渉による賃金の引上げは意味合いが全く異なると考えております。賃上げによる経営の影響は、労働分配率の高さなどを踏まえると、中小企業、小規模事業者ではより大きくなります。繰り返し申し上げますが、法定の地域別最低賃金は全ての企業に例外なく罰則付きで適用される制度である以上、個々の中小企業、小規模事業者を含めた企業の賃金支払能力を十分に踏まえた慎重な判断が不可欠であると思っております。
次に、まさに今お話しいたしました支払能力に関連する直近の企業の状況について申し上げたいと思っております。まず、6月の日銀短観を見ますと、業況判断DIは大企業の製造業でプラス22、非製造業でプラス37となっており、一方、中小企業においては製造業でプラス9、前回3月調査からはプラス2、非製造業ではプラス15、前回3月調査からはマイナス1にとどまっており、規模間の格差が引き続き確認される状況でございます。また、先行きについては大企業で悪化、中小企業では大幅な悪化が見込まれるなど、企業の景況感は総じて慎重となっております。
続きまして、中小企業景況調査 2026年4-6月期においては、全産業の業況判断 DIはマイナス18.7ポイントと前期から 1.1ポイント低下し、4期連続の低下となっております。水準としても昨年の同時期を 2.7ポイント下回っておりまして、新型コロナウイルス感染症の5類指定以降、2番目に低い水準となっております。規模別に見ても、小規模企業はマイナス20.7ポイントと全体と同様に、4期連続の悪化となって、5類指定以降も2番目に低いというところも同じでございますが、一段と厳しい状況でございます。また、原材料商品仕入れ単価DIは全産業で前期と比べて11.6%の大幅な上昇した一方、売上単価客単価DIは 6.8ポイントの上昇にとどまり、中東情勢等の影響による仕入れ単価の上昇を十分に価格転嫁できない状況にあります。企業の支払能力に大きく関係する価格転嫁について、中小企業庁の今年3月の価格交渉促進月間フォローアップ調査結果によると、コスト全般の価格転嫁率は昨年9月に比べて0.7ポイント上昇したものの、54.2%と半分程度にとどまっております。コスト要素別に見ると、原材料費は0.7ポイント上昇しておりますが、労務費とエネルギー費は横ばいでございます。取適法の施行など官民を挙げた取り組みにもかかわらず、価格転嫁はなお道半ばと言っていい状況だと思います。さらに同調査は、3月時点の価格交渉の状況でありますので、加えて5月の国内企業物価指数は前年比6.3%、今日発表されました6月の数値はさらに上がって7.1%ということで、企業物価が大幅に上昇していることも踏まえて、中東情勢の影響は十分に反映されてないことも考えられます。引き続き、中東情勢の影響も丁寧に確認していく必要があると思っております。
東京商工リサーチの全国企業倒産状況によりますと、企業倒産件数は2024年に1万件と11年ぶりに1万件を超え、昨年も1万300件と2年連続で1万件になるなど、近年増加基調で推移しております。また、今年に入っても、単月ベースで前年を上回る状況が続いており、倒産は足元においても増勢でございます。特にその内容を見ると、負債1億円未満の小規模な倒産が全体の約7割ということで、規模の小さい地域経済を支える中小企業の厳しい経営環境というのが反映された結果となります。また、廃業も非常に増えております。廃業に関してなかなか公式なデータがないということでございますが、例えば私ども商工会は約77万の会員がおりますが、近年、毎年約2万件の廃業がございます。かなりのペースで、倒産だけではなく、廃業も進んでいるという点もご理解をいただければと思っております。
続いて、法定3要素のうち、他の2要素、生計費と賃金に関する使用者側の見解を申し上げます。まず、生計費につきましては、5月の消費者物価指数、持ち家の帰属家賃を除く総合でございますが、1.7%と引き続き上昇局面にはあるものの、過去2年に比べると上昇率はかなり落ち着いていると考えております。もちろん使用者側としても、最低賃金近傍で働く方の可処分所得に対する物価上昇の影響について十分に考慮するべきと考えております。他方で、物価上昇の影響は、先ほどご説明した通りで、企業側のコスト増、企業物価の上昇として表れておりまして、家計面のみならず企業経営の影響と併せて検討する必要があると思っております。
続いて賃金につきましては、経団連集計で中小企業、これは従業員数500人未満でございますが、賃上げ率が4.20%。日本商工会議所の調査では、正社員の賃上げ率が4.29%となっており、昨年とほぼ同じような水準となっております。また、日商の調査では、71.3%、私ども全国連での調査では77.1%の企業が今期の賃上げを実施または実施予定と回答しており、中小企業、小規模事業所を含めて賃上げの動きは継続していると認識しております。一方で、企業業績の改善を伴わないいわゆる防衛的な賃上げの割合は、日商調査では昨年とほぼ同水準の60.9%となっており、賃上げ原資の確保にはなお課題が残っている状況でございます。
以上、申し上げたことを踏まえて、今年度の目安審議における使用者側の基本的な考え方を説明いたします。物価の上昇率は昨年より緩やかであるものの、引き続き上昇局面にあること、大幅な賃上げの流れが継続していることを踏まえれば、最低賃金を一定程度引上げる必要性というのは使用者側としても十分理解をしております。一方で、物価上昇や中東情勢の影響により増加したコスト、最低賃金を含む人件費の増加分を十分に価格転嫁できず、厳しい経営状況に置かれている中小企業、小規模事業者が多いことも踏まえる必要もあると思っております。 以上のことを考慮いたしますと、使用者側としては、法定3要素のうち、通常の事業の賃金支払能力を重視すること、3要素を総合的に表す賃金改定状況調査の結果、特に第4表の賃金上昇率に着目するとの基本的な考え方は、今年度も堅持したいと思っております。その上で、中東情勢の影響や価格転嫁の状況について、事業の持続的発展と雇用維持の観点から、3要素に関するデータを丁寧に確認しながら十分に議論を尽くし、全国の企業経営者にとって納得感のある目安を示すことが、この目安小委員会の社会的な役割と考えております。
このことを、労側委員、公益の委員の先生方とも共有をさせていただきながら、繰り返しになりますが、真摯かつ丁寧な議論を行ってまいりたいと考えております。私からは以上でございます。それでは他の委員から補足の説明をお願いします。
〇進藤委員
日本商工会議所の進藤です。私から補足の意見を述べさせていただきます。土井委員が発言された基本的な考え方と重複いたしますが、目安全協での取りまとめも踏まえ、最低賃金の審議においては三要素のデータに基づく審議決定が大原則であり、中央のみならず地方においてもデータに基づく納得感のある審議がされることを例年以上に意識する必要があります。ここ数年は物価の高騰を踏まえて生計費を特に重視した結果となっておりますが、地賃委員を務める各地の商工会議所関係者からは、厳しい経営環境の中で懸命に努力している地方中小企業の支払能力もしっかりと見てほしいという声が寄せられております。企業の支払能力を見るにあたって、今年は中東情勢の影響をしっかりと見ることが重要だと考えます。
本日、参考資料 No.1 の追加資料として事務局からご説明いただきましたが、繰り返しとなり恐縮ですが、私として特に重要と考えている点について改めて発言をさせていただきます。国内企業物価については、本日午前に公表された最新の数値では、6月の前年比でプラス 7.1%となっており、今年の 2月以降急激に上昇しています。とりわけ中東情勢の影響を強く受ける石油、石炭製品や化学製品は、多岐にわたる業種で広く使用される品目であり、多くの産業で短期間に急激な価格上昇に直面しており、物価上昇の程度も石油石炭製品に至っては6月の前年同月比で22.8%上昇という極めて高い水準になっております。また、輸入物価についても、円ベースで前年比29.7%の上昇となり、円安も重なり高騰しています。中小企業は輸出比率よりも輸入比率の方が高いため、輸入物価の影響を強く受け、コスト増加の要因となっています。中東情勢の影響については、物資供給の停滞、目詰まりといったことが大きく報道されました。目詰まり自体も流通の川下にいる中小企業にとって大きな課題ですが、先ほど事務局から説明いただきました私ども日商の調査結果では、中小企業に最も影響を与えているのは、燃料、石油化学製品をはじめとするコストの増加であり、7割超の中小企業に影響が出ています。供給の停滞、目詰まり以上に価格の上昇に苦慮する企業が多い点について留意が必要です。また、価格上昇分について価格転嫁できている、一部できているとする企業は46.6%と半数未満にとどまっており、企業物価が上昇している中で、コスト負担の増加が生じていることが想定されます。こうした中東情勢の影響は二月末以降の影響であり、法人企業統計等の統計上の数値では把握しきれませんが、広範囲かつ深刻な影響として丁寧に見ながら議論することが重要だと考えます。
適切な結論を導き出せるよう、皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。
〇田上委員
全国中央会の田上でございます。土井委員の使用者側見解への補足として、景況DI、労働分配率、賃金分布の三点について意見を申し上げます。まず景況DIについてです。私どもが都道府県中央会と実施しております中小企業月次景況調査の直近の結果においても、昨年同月比DIは景況、収益状況、取引条件等の項目で悪化しております。とりわけ、中東情勢の影響を受けている化学ゴム製品製造業では、景況、売上高、収益状況において大幅なマイナスとなっております。また、本調査において生声を収集している中で、秋田県の建設業からは、「出荷調整の影響により資材の入荷に3ヶ月を要するなど、工事の進捗が滞るケースが生じている」、徳島県の鉄鋼金属業からは、「原材料調達の難しさから納期が遅れるなど、収益に悪影響をもたらしている」といった、資金繰りへの影響を懸念する声が多数寄せられております。このように、中小企業の景況は依然として厳しく、一部では事業活動への深刻な影響も生じていることを十分認識する必要があると考えます。
次に労働分配率についてです。本日、資本金規模別労働分配率の資料、参考資料No.1の最終ページですけれども、ご準備いただきまして感謝申し上げます。この資料によりますと、資本金規模が小さいほど労働分配率は高く、資本金1000万未満の企業は概ね80%を超える高水準で推移していますが、注目すべきは、2021年度の91%から順調に縮小してきたところ、2024年度は前年と比較して1.5ポイント上昇した点です。このことは、生産性の向上を進めている中でも、人件費の増加を吸収することが難しい状況があることを示唆しているものと考えます。こうしたことから、賃上げに対応することは、労働分配率の高いビジネスモデルの中小企業ほど負担が大きいことを十分考慮する必要があると考えます。
最後に賃金分布についてです。本日示された資料No.5について、過年度と比較しますと、最低賃金額が賃金分布の最も大きい部分の金額に近づいて、今回示された令和7年に至るタイミングで極めて近い水準になっていることが確認できます。影響率はここ数年ますます高い水準で推移しておりますが、今後はこれまで以上に高まる可能性が十分にあり、とりわけ賃金水準の低い中小企業・小規模事業者においては、より大きくなることが見込まれます。このように賃金分布を踏まえますと、最低賃金引上げによるインパクトはこれまでと同じではないということについて十分考慮する必要があると考えます。
以上によりまして、今年度の審議に当たり、三要素に関する各種データを丁寧に見ていく中で、企業の支払能力については慎重に検討していきたいと考えます。特に規模の小さい中小企業・小規模事業者ほど賃上げの対応が難しく、その影響も大きいこと。そして、その多くが地域の雇用を支えていることを十分認識しながら、皆様と建設的な議論を尽くしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。私からは以上です。
〇新田委員
経団連の新田でございます。私からは補足というよりも、皆様の発言を聞いた上で若干感想めいたことも含めて、発言をさせていただきます。とかくこの最低賃金というと、労働者側が大幅な引上げを求め、それに対して我々使用者側は極めて慎重な姿勢を示す、あるいは反対をしているという論調で語られることが非常に多いと感じております。ただ、冒頭、土井委員からも発言させていただいたとおり、我々使用者側としても、最低賃金を引き上げることの必要性は十分理解をしております。その観点で今年度も審議に臨んでいるということを、私からも重ねて申し上げておきたいと思います。その上で、先ほど労働者側の仁平委員からもありましたし、使用者側の各委員からも同様の発言があったと承知をしておりますが、目安に関する小委員会における審議にあたっては、最低賃金法で定められている、いわゆる法定の三要素と、それを示す具体的なデータに基づきながら、真摯な議論を尽くしていくことが非常に重要と考えております。こうした観点から、法定の三要素それぞれについて、まずどのようなデータに着目をするのか、そしてそれをどのようにウエイト付けしていくのかということを、毎年度この場で審議をしていると理解しています。今年度は中東情勢という新たな要素もありますので、この点についても丁寧かつ慎重に議論していく必要があると考えております。そして、我々が出す結論は、各地方最低賃金審議会の委員のみならず、最低賃金の決定に関わる全ての人たちにとって、合理的かつ納得性の高いものである必要があり、これを示すことが、まさにこの目安に関する小委員会の社会的な役割と言っても過言ではないと考えております。このことを公益委員、そして労働者側委員の皆様とともに、共通の認識として持ちながら、今後の目安審議に臨んでまいりたいと思います。したがいまして、例えば目安審議を長引かせて答申日を遅らせることで、地方における発効日をできる限り遅らせるなど、いたずらに審議を長引かせるつもりは毛頭ございません。逆に、例えば10月1日に発効させるためには、おのずといつまでに答申しなければいけないという日程が見えてくると思いますけれども、そういったことに囚われることなく、合理的で納得性の高い目安をしっかりと示すべく、今年度も審議を尽くすということを最優先に対応してまいりたいと思っております。委員各位にこの点、ご理解、ご協力を賜りながら、建設的かつ有意義な目安審議を今年度も行っていければと願っておりますので、この点重ねてお願いいたします。私からは以上です。
〇藤村委員長
どうもありがとうございました。労使双方から今年の目安審議の基本的な考え方、様々な論点をご提示いただきました。最低賃金を引上げるということについては、これは労使それぞれに必要だとおっしゃった、ただし、何をどういうふうに見て議論していくかというのは、それぞれに意見の隔たりがあるということになっているように思います。今、新田さんから最後ありましたが、合理的で納得性の高い審議ということで、私ども公益委員もそこを大事にしながら、これからの目安審議を行っていきたいと思います。そのために必要な時間は使うし、資料もしっかり見ながら、これからの議論をしていきたいと思います。しかし、この場で労使双方からいろいろご意見をいただいても、なかなか前に進まないように思いますので、例年通りではございますが、公労、公使で個別にお話を伺いながら、この先どうするかというのを考えていきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。それでは、まず公労会議から始めたいと思いますので、事務局から連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。それでは、まず公労会議から行うということですので、使用者側委員の皆様は控え室へご案内をさせていただきます。
(使用者側委員 退出)
〇八木賃金課長補佐
それでは、傍聴者の皆様は御退出ください。
(傍聴者 退出)
<第2回全体会議>
〇藤村委員長
では、ただいまから本日2回目の全体会議を開催いたします。本日は労使双方から基本的な考え方をお出しいただきまして、それに基づいて議論をしてまいりました。議論の中では、労働者側委員からはさらなる引上げの重要性が主張され、使用者側からは本日提出された資料も含めて、データに基づいた審議をしっかり行うことを求める意見がありました。労使双方、最低賃金を引上げることの必要性については認識が一致をしておりますが、何を重視して引上げにつなげるのかという点については、引き続きさらなる議論が必要と考えております。そこで、次回の小委員会において引き続きご議論いただきまして、目安の取りまとめに向けて努力をしていきたいと思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。わかりました。 それでは、次回の日程と会場について事務局から連絡をお願いいたします。
〇八木賃金課長補佐
事務局でございます。次回の日程と場所については、7月17日(金)の14時から厚生労働省にて開催予定でございます。
〇藤村委員長
ありがとうございました。では、これをもちまして本日の小委員会終了といたします。

