第2回医療法人情報の第三者提供に関する専門委員会 議事録

日時

令和8年9月25日(金)13:00~15:00

場所

航空会館 701+702号室
(東京都港区新橋1丁目18-1)

出席者

委員(五十音順、敬称略) ◎委員長
 荒井 耕    国立大学法人一橋大学大学院経営管理研究科 教授
 五十嵐 邦彦  銀座公認会計士共同事務所 公認会計士
 伊藤 伸一   一般社団法人日本医療法人協会 会長
 今村 英仁   公益社団法人日本医師会 常任理事
◎遠藤 久夫   学習院大学 学長
 北山 昇    森・濱田松本法律事務所外国法共同事業 弁護士
 寺島 多実子  公益社団法人日本歯科医師会 常務理事
 野木 渡    公益社団法人日本精神科病院協会 副会長
 野口 晴子   早稲田大学 理事・政治経済学術院 教授
 本田 文子   国立大学法人一橋大学大学院経済学研究科・社会科学高等研究院 教授
 本田 麻由美  読売新聞東京本社編集局 編集委員
 松原 由美   早稲田大学人間科学学術院 教授
 村田 磨理子  公益財団法人統計情報研究開発センター 主任研究員

議題

  1. 医療法人情報の第三者提供制度について

議事

○医業経営企画室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第2回医療法人情報の第三者提供に関する専門委員会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 議事に入る前に、この度、委員の交代があり、これまでの角田委員に代わり、池端委員が新たに就任されたことを御報告します。なお、本日、池端委員から御欠席の連絡を頂いています。また、前回の委員会以降、事務局において人事異動と組織再編がありました。配布の厚生労働省出席者名簿に代えて御報告とさせていただきたいと思います。
 なお、本日、お手元の座席表で現地参加となっている本田麻由美委員は、御都合によりオンラインで参加いただくことになりました。
 次に、お手元の資料を確認させていただきます。本日の資料は、議事次第のほか、資料1として、医療法人情報の第三者提供制度について、参考資料として、設置要綱、前回の「第1回専門委員会」の資料②及び参照条文を御用意しています。資料の不足等がありましたら事務局までお知らせください。なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の議事運営は遠藤委員長にお願いしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤委員長 皆様、こんにちは。前回から若干、期間が空きましたが、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず議題の1と言いましても1つしかないのですが、資料1、医療法人情報の第三者提供制度について、事務局から説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○医業経営企画室長 それでは、資料1、「医療法人情報の第三者提供制度について」をお開きください。
 まず1ページ目、前回いただいた主な御意見①とあります。前回、どのように医療法人情報を提供するかというときに、まず原則として、オーダーメード集計で対応できる場合には、オーダーメード集計を御提供するという説明をしました。その際に、オーダーメード集計でどういうところまで対応できるのかという議論がありました。ハイライトの部分だけ簡単に御説明申し上げますが、荒井委員からは、オーダーメード集計で回帰分析をしようと思うと、オーダーメード集計ではできないのではないかということ。遠藤委員長からも、そういうオーダーメード集計ではどこまでできるのか、そういうことをしっかり見る必要があるのではないかという御指摘がありました。一番下の所に、次回までにオーダーメード集計で何が、どこまでできるかを整理して御説明させていただきますということで宿題になっていました。
 次の2ページを御覧ください。オーダーメード集計の対応範囲についてです。上の四角の中にありますが、オーダーメード集計は簡単に申しますと、組み合わせて集計したい分類項目をクロス集計して、その項目ごとに平均値や中央置を算出する。どういう分類項目を組み合わせるかということについては、最大3を想定しています。そうした組み合わせた項目について、法人単位の「貸借対照表」の数値や、医療機関単位の「損益計算書」の数値、「職種別給与情報」の数値など、そういった数値から算出される結果を出すというものです。「例1」を御覧ください。組み合わせる分類項目として、左端の列で都道府県ごとに、かつ、病床規模別で病院類型、どういう病床規模のどういう類型の病院なのかという3つを組み合わせて、それぞれの組み合わせた項目ごとに、例えば病院の経常利益率の平均値を出す。あるいは「例2」にありますが、左にありますように、法人の事業規模、どういう大きさの法人なのか、規模ごとに、かつ②にありますが、法人の類型、病院のみを開設している法人なのか、無床診のみを開設している法人なのか、有床診のみか、歯科診療のみか、それ以外か。例えば、そういう法人類型に分けて、それをクロスさせて、それぞれに法人の自己資本比率を出すということ。あるいは「例3」にありますように、職種別、かつ、その医療機関の類型に応じた一人当たりの給与の平均値あるいは中央値を出す。そういう項目を組み合わせて、組み合わせたところについて、平均値や中央値という集計した数値を出すというものがオーダーメード集計です。3ページは、ほかの統計調査でも同じようなオーダーメード集計がありますので参考です。
 4ページを御覧ください。今、申し上げたようなオーダーメード集計では、回帰分析という分析手法があって、そういう手法がオーダーメードではできないのではないかという御指摘がありました。ちょっと細かくなりますのでポイントだけですが、上の箱の中に単回帰分析や重回帰分析があります。いろいろな変数の間の関係性を、どういう変数とどの変数がどういう関係にあるかということを見るのが回帰分析と承知していますので、四角の中の2つ目の●ですが、オーダーメード集計では、どの変数とどの変数がどう関係しているかということを、いろいろ探索的に試行錯誤しながら分析するというときに、オーダーメード集計では対応はできないということだと考えています。
 5ページを御覧ください。そうしたオーダーメード集計では対応できない分析、回帰分析だけに限りませんが、オーダーメード集計で対応できない分析があることについて、前回どのように匿名化するかということで、ちょっとおさらいですが、四角の中に矢印があって3つの●があります。どのように匿名化して提供するかという原則ですが、「直ちに」識別につながる情報は提供しないこと。それから、「病床機能報告」等と連携した情報を提供する際も識別につながらないように十分配慮した上で提供するということ。3つ目として、公表内容には再識別可能な情報が含まれていないという確認を行うことが、これまでの匿名化において基本となるということを前回御説明しました。
 その次の6ページを御覧ください。今、申し上げたような匿名化の基本、この間に前回の資料を飛ばしているので補足で御説明しますが、今のような基本をもとに前回御説明したのは、匿名化を行って、例えば法人の様々な職員数などを階級化する、あるいは病床数の階級化をする。何床以上、何床未満と分ける。あるいは損益計算書など、そうした金額についても丸めて分からないようにする。そうした情報で提供して活用していただくことはどうかということを御説明申し上げました。
 そうした説明に対して、前回どのような議論があったということで、簡単におさらいです。6ページの一番上の所ですが、荒井委員から前回御指摘がありました。今、申し上げたような匿名化をする、階級化をしたデータで御説明することについて、「国民共有の財産として有効活用されるべき」ということで、第三者提供制度があって、それを有効活用させるということについては、そうした階級化をして完全に分からないようにしてしまうということについては、それはバランスを欠いているのではないか。「直ちに分からない」という情報と言えば、法人名、個人名、医療機関コード等なのではないかという御指摘がありました。
 7ページを御覧ください。荒井委員からの続きですが、研究者の先生がいろいろなデータを持ってきて1つ1つ突合していけば分かるが、そういうこともできないようにする。どんなに突合しても分からないようにする。そこまで匿名化をやることは、今回の制度趣旨とのバランスを欠いているのではないかという御指摘がありました。
 8ページを御覧ください。一方で、そうした御指摘に対して今村委員からですが、たとえ提供する先が公益性をもって研究する研究者であったとしても、個人や法人の個人情報が識別されていいとは考えていない。「直ちに」分からなくするということについては、すぐに分からなければいいということではない。それを見て、その法人、その医療機関がどこかということが分かってしまうということが問題ではないかという御指摘が、今村委員からありました。
 9ページを御覧ください。また、野口委員からは、先ほど申し上げたような匿名化、階級化をして本当に分からないようにするということについて、匿名化措置、あるいは安全管理措置が非常に丁寧に行っている。丁寧すぎるぐらい整理している。こうした方向性自体は非常に重要で、制度に対する信頼性確保の観点からも不可欠だという御指摘がありました。その一方で、分析しようとしたときに、例えば赤字経営の医療機関が存在するとしても、いろいろな背景がある。例えば、地域特性や病床機能とか、医療機能制度との関係性など、そうしたものを分析することによって、赤字になっている原因を探っていくことができるだろうと、医療政策や医療経済の研究において非常に重要で、単なる平均ではなくて、そこからどのように外れているか。異質性など、そういったことを把握することが重要であって、それを階級化することによって、そうした平均でない部分が見えなくなってしまうのではないかという御指摘が野口委員からありました。
 10ページを御覧ください。一方で、今村委員から、また御指摘がありましたが、よく比較する制度としてNDBを取り上げています。NDBも最初、始まったときは非常に固い制度で始めて、研究者が使えない状態から始まった。それを時間を掛けて、しっかりと大丈夫だと、やはり情報提供者側が納得できるようにしていく。そういう納得できるような形にしていくということが必要だという御指摘がありました。
 それを受けて、野口委員からも、NDBや介護DBは最初は非常に注意深く厳格に匿名化をして使いにくかった。研究のエグザンプルを積み重ねて、そうした実績を積み重ねていく努力をしなければならない。そういうタイムスケジュールで進めていくということは理解しましたという御意見がありました。
 こうした前回の御議論を踏まえまして、我々事務局でどのように考えていったらいいかということで、11ページからは、今回の医療法人の経営情報の話とは少し別の、参考になる事例として見出しの所にありますが、右上に、次世代医療基盤法の取扱というものがありました。これを少し御説明させていただきます。次世代医療基盤法の四角の中の1つ目の●ですが、こういう長い名前の法律ですが、この次世代医療基盤法に基づいて、電子カルテや健診等の医療情報を医療機関から収集して「匿名加工医療情報」に加工して、研究者等々に提供するという法律が2018年5月から施行されています。この※1にあります匿名加工ということですが、個人情報を個人が特定できないように、かつ、そこから個人情報を復元できないように加工して出すものと承知しています。これを「匿名加工医療情報」と申します。
 一方で、2018年に施行されたこの法律が2024年4月に改正されまして、「仮名加工医療情報」という加工方式が新たに設けられて、この情報が研究に活用されることが可能となりました。※2の所にありますが、仮名加工は、他の情報と照合しない限り、個人を特定できないように加工するというものです。いずれも使う側での再識別を禁止しています。この「仮名加工医療情報」については、データの有用性を維持しつつ最低限の加工を行った上で国が認定した利活用者に提供可能とするという仕組みが、2024年から設けられました。
 12ページを御覧ください。今、申し上げました次世代医療基盤法に基づいて、どのように情報が使われているかという模式図です。フローチャートを御覧ください。真ん中の所に医療機関(病院、診療所など)があります。そこで集められた医療情報は、右下の認定作成事業者に医療情報が提供されます。その箱の中に書いていますが、厳格な審査項目に基づき国が認定し、その認定された作成事業者においては、右の赤枠ですが、守秘義務があって罰則付きです。厳格なセキュリティ下での管理をする。それから、どのように医療情報を活用するかについては審査委員会で審査するということになっています。
 こうした厳格な認定作成事業者が、この医療情報を加工して、匿名加工又は仮名加工して情報を提供するということになっています。そして、大学や製薬企業、メーカーなどがこうした情報を使うことができるのですが、左の点線の枠の中ですが、仮名加工は国が認定した利用事業者だけが利用できる。かつ、厳格な審査項目に基づいて国は誰が利用できるかということを認定する、再識別も禁止する、罰則も適用するという仕組みになっています。このように厳格な作成する側、あるいはそれを利用する側にルールを設けることによって、仮名加工医療情報を提供できるという仕組みが設けられたわけです。
 13ページを御覧ください。今、申し上げたことを改めて、「匿名加工医療情報」と「仮名加工医療情報」を並べて比較したものです。左端に「定義」とありますが、改めて匿名加工医療情報は、特定の個人を識別することができないようにする。かつ、そこから医療情報を復元することもできないようにしています。一方で、仮名加工医療情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないようにするというものです。そうした違いがありますので、提供先についても、仮名加工医療情報は比較的広く第三者に提供される一方で、仮名加工については国が認定した利活用者に限り提供されるというものです。特徴として、どちらも個人情報には該当しません。
 ただ、ちょっと細かいのですが、仮名加工医療情報は原則として「個人情報」に該当しないとあるのは、矢印が引っ張っていますが、それを利用する人が、赤い文字で書いていますように、同じ情報でもどういう人が利用するかによって個人情報の該当性が異なる。使う人がどういう情報をほかに持っているかによって個人情報に該当する場合もあるということです。ただし、原則としては「個人情報」には該当しないと、法的には整理されています。また、太枠の所ですが、どちらも利活用者が再識別することは禁止しています。ただ、仮名加工医療情報を使う際には非常に厳格な安全管理措置、そして、一緒に共同利用する側にも適用されますし、ネットワークも非常にセキュリティを担保したものを使って、管理区域のみで使うということがルールとなっています。
 14ページを御覧ください。今、申し上げた医療情報をイメージ図にしたものです。3段ありまして、真ん中がもともとの医療情報です。患者さんのデータがあります。それを上のほうに匿名加工をすると、どうなるかと言いますと、当然、名前は消しますが、それ以外に、例えば生年月日も月までにするなど、体重も階級に分けるなど、数値についてこのように階級化することによって分からなくして、ここからは復元できないようになる。
 一方、下の仮名加工医療情報は、名前は分からないようにしますが、数値についてはそのままになっているというものです。
 15ページを御覧ください。仮名加工医療情報の利用方法です。利用場所についても、Ⅰ型とⅡ型とあります。Ⅰ型は、その利用者がその地域内、区域の中でしっかり管理された場所を作って、その中で利用できるものです。Ⅱ型については、その利用する人が実際にデータを作成する認定作成事業者の所に行って、その中の管理区域で使う。要は、オンサイトセンターと申しますが、そうした使われ方の2つのパターンがあります。
 こうした医療情報における匿名加工、あるいは仮名加工という考え方がありましたので、それを参考にして医療法人の経営情報についても、同じような考え方が使えるのではないかというものが、この16ページです。改めてですが、上の四角の中の1つ目です。この「第三者提供制度に関する報告書」の中で、「国民共有の財産として有効活用されるべき」ということと、「個人及び法人の権利や利益が侵害されない制度とする必要がある」という両方が指摘されています。このため、まず原則としては、研究者側での識別につながらない「オーダーメード集計」を原則とします。一方で、回帰分析だけに限りませんが、回帰分析等の研究手法を可能とするような方策を残すことで双方のバランスを図っていく必要があるのではないかということ。3つ目は、今、申し上げてきたような他の調査において、「また、次世代医療基盤法では、直ちに個人の特定につながる記述のみ削除し、データの有用性を維持した「仮名加工医療情報」を国が認定した利活用者に限って提供する仕組みにより、研究開発に活用できる」ということとされています。こうした制度も参考に、研究の利用活用性を維持するために、医療法人情報について最低限の「仮名加工」を行って、提供の対象範囲を限定し、再識別を禁止するという措置を講じた上で開始して、例えば10件ですが、一定の運用実績を踏まえて、その後どうしたらいいかという見直しを検討するということが考えられるのではないかという御提案です。
 より具体的に、措置案の中で、まず提供対象をどういう方に提供するかということです。提供対象の研究者は、信頼性が担保されたことを、この専門委員会で個別に確認した研究者に限定します。ですので、こういう方から使いたいという申請が上がってきたときに、この研究者はどうだろうかということを議論していただく。その際の判断基準として、これはあくまでも現時点での例ですが、※1にあります。具体的にはガイドラインで今後定めていきますが、例えば、厚生労働科学研究費の補助金を財源とした研究、あるいは学術振興会やAMEDなど、そうした補助金を使った研究を受けて行う場合や、社会保障研究や医療経済学等の医療提供体制の確保に関する学術研究の分野で一定の成果を上げている者、そして、その研究費の財源ではなくて、その研究者自身のこれまでの実績を踏まえて、この研究者の方は信頼性が担保されるということを個別に確認した上で、この方には提供できるのではないかということを、この専門委員会で審査していただきます。
 提供する情報については、その下です。どういう情報を提供するかということも、この委員会で個別に確認をしますが、まず、提供する情報は研究目的に照らして必要最小限の範囲に限定するということがあります。直ちに特定の個人や医療法人の識別につながる情報、個人名や医療法人の名前、医療機関コードなど、そういう情報は空欄化します。様々な分析をする際に必要な情報、病床数や職員数、金額など、そうした数値については階級化はしませんが、医療機関の特性として都道府県の場所、どこの何々都道府県かということが分かると、かなり識別につながりますので、この都道府県情報をどういう地域情報に置き換えるかということはこれからの検討ですが、例えば人口規模など、どういう規模の都道府県、どういう二次医療圏なのか、そういったものに置き換えてはどうか。そうして置き換えた情報を提供してはどうか。
 提供する際の条件の3つ目ですが、十分な安全管理措置が取られた施設内、例えばオンサイト施設内での利用に限定し、そこからデータを持ち出すことは不可とします。それから、そのデータを利用できる範囲は限定されていますが、それを利用する際に、どこの法人か、どこの医療機関かということを識別しようとすることも不可とします。それから、研究した成果を対外的に公表していただきますが、成果の公表前に、まず厚労省の事務局において、再識別可能な情報がないかどうかを確認し、その結果を再び専門委員会で御確認していただきます。この研究成果で、この発表の内容であれば識別できませんねということを確認していただいて、公表を可能にするというものです。
 また、「このほか」という所ですが、万が一、不適切な利用があれば提供の取消しや利用停止等の措置を講じて、こういう研究者がこういうことで不適切利用があったので停止しますということを公表します。そうした措置を講じることで、非常に限定した形で、いわゆる仮名加工した医療法人情報を提供するということはどうかという御提案です。
 17ページを御覧ください。前回からをまとめますと、まず、0.の所ですが、原則として研究目的がオーダーメード集計によって達成できる場合は、オーダーメード集計の結果を提供するということを御提案しました。これは、原則として変わりありません。前回、特に詳しく御説明したのは、匿名化したデータを提供するというやり方を提案しました。①にあるような法人名など、そうした情報を空欄化する。あるいは、それ以外にも住所、病床数、役員数等々を匿名化する。それから金額についても丸める。あるいは、そのほかの情報と連携させた場合も更なる匿名化を行う。こうした様々な匿名化を行って、かつ、この専門委員会でこういう情報であれば見ても分からないということを個別に判断した上で提供するということを御提案しました。
 ただ、ここまでしてしまうと、繰り返しになりますが、分析しようとした際に使えないのではないかということで、やはり、この1-a、2-aのラインに加えて、今回は1-b、2-bという、もう1つのラインを設けてはどうかということです。赤字の所が追加部分ですが、①については同じです。あるいは②の住所情報については先ほど申し上げたように、どのように置き換えをするかはこれからの検討ですが、置き換える。そうしたデータを非常に極めて厳しいルールの下で、2-bですが、研究者の信頼性の担保状況をこの専門委員会で個別審査します。安全管理措置が図られているというルールも設けます。その上で、公表前に、再識別可能な情報がないかどうかということを確認して、それがOKであれば公表していただくということを、この専門委員会で個別に審査していくということを設ける。こうした全体の仕組みに修正するというか、追加してはどうかという御提案です。
 次のページ以降は参考です。18ページは、このNDB以外の調査との比較を並べています。19ページも他の調査のことです。20ページも他の調査です。21ページもNDBです。後ろのほうは参考資料です。ですので、今、申し上げた中では、16ページ、17ページが今回、前回からの提案に追加して、事務局からの御提案内容となっています。説明は以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございました。前回の議論を整理されまして新たな事務局提案がなされたということでございます。ただいまの報告内容につきまして御意見、御質問があれば承りたいと思います。まずは、会場参加の委員の方からお願いしたいと思いますが、会場参加の委員で、何か御意見あるいは御質問はございますか。それでは、オンラインの方で何かございますか。野木委員がお手を挙げていらっしゃいますので、よろしくお願いいたします。
○野木委員 ありがとうございます。あまり意見がないようなので一言、言わせていただければと思います。基本的には厚労省が出された部分で大きな問題はないのではないかと個人的には考えています。ですから、仮名加工でいいのではないかという気がしています。その一方で、前回も話が出ましたけれども、精神科などは病院数が非常に少ないのですね。そういう意味合いで、この間も四国が出ていましたが、四国全体でも59病院しかなくてベッドも60~400床と様々ですので、ベッド数とか出てしまうと、すぐに分かってしまうところがあります。日本精神科病院協会でも、大体、全国を8ブロックに分けて報告したり検討されたりするということで、四国などは中四国としてまとめて検討されるわけですが、仮名加工にすればそういう必要性もないのかどうか。現実に今の医療法人の情報提供データ等が仮名加工にされると、どのような形式のデータが実際に出てくるのかというのを現実的に確認したいと思いますし、それが今後の検討課題になってくると思います。匿名性が分からないと制度の安全性を評価することができません。もし匿名性が十分に担保されているのであれば、それはそれでいいと思いますが、その辺りを確認したいと思っています。これは要望になると思いますが、よろしくお願いいたします。以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございました。御意見と要望でしたけれども、ただいまのような要望に対して、事務局の今回の提案の内容について、どういう対応ができるのかについて何か、事務局から御発言があればお願いしたいと思います。
○医業経営企画室長 ありがとうございます。御指摘のとおり、いわゆる仮名加工にした場合に研究者の先生にどういうふうにデータが出てくるのかにつきましては、その都度、まず専門委員会で審査いただいた上で提供いたします。では、具体的にどういう情報が出るかにつきましては、今後、ガイドラインを定めてまいります。今回、この方向性でよろしければガイドラインの策定に入りますので、その中で具体的にどういう情報が出てくるかを御議論いただくことができると考えています。以上です。
○遠藤委員長 よろしくお願いいたします。ほかに何かございますか。野口委員、よろしくお願いたします。
○野口委員 ありがとうございました。事務局の皆様におかれましては、回帰分析等々、オーダーメード集計でできることと、できないことを整理していただき本当にありがとうございました。私から将来的な提案というか、お願いです。例えばスライドの16ページに、都道府県情報については、再識別への懸念から人口規模等の地域情報に置き換えるという御提案になっています。様々な御懸念がある中で、まず、この形でスタートして一定の運用実績を積み重ねるという考え方は現時点で現実的な問題だと理解します。その上で、将来的に研究利用の実績が蓄積された場合、安全性についての確認を十分されてきた段階では、地域特性についても、例えば二次医療圏の特性、人口構成、医療需要、医療従事者の確保状況など経営状況の背景を、より適切に分析できる情報をどこまで利用可能にできるか改めて検討していただければと思います。
 資料1の21枚目のスライドにありますように、先生方からも御指摘があったとおり、NDBでもこうした実績を積み重ねて、研究成果についても公表前確認を行って再識別可能性をチェックする仕組みが取られています。今回も利用者、利用環境、利用目的、そして公表段階という複数の段階で安全性を確保しながら、まずは今回で実績を積み上げていただきたいと思います。
 そして、スライド16ページで御提案いただいているように、一定の運用実績を踏まえて制度を見直す際には安全性だけでなく、実際にどういった研究がこれでできたのか。逆にどういった政策的に重要な分析が、なお、このデータでは困難であったのかというデータの有用性の観点からも、今後、検討を重ねていっていただければと思います。以上です。
○遠藤委員長 重要な御指摘を頂いたと思います。ありがとうございました。ほかにございますか。あるいは会場参加の委員、いかがでしょう。今村委員、どうぞ。
○今村委員 この大枠については今回の御提案で、ある意味、致し方ないかなというところでございます。本当に御丁寧に厚生労働省のほうで案を考えていただいてありがとうございます。今回、次世代医療基盤法にのっとってということで、こちらのほうも匿名加工に加えて仮名加工の仕組みということで、この経緯も匿名加工だけでは研究的にも十分でないことから仮名加工の仕組みができたとお聞きしています。それを踏まえた上でということで、仮名加工はかなり個人情報的な部分も入ってはきますけれども、そこに関しては提供対象となる研究者の方の信頼性を担保したうえで、研究者の皆さんには是非、いい研究をしていただければと思います。
 その上で、先ほど野口委員も御指摘くださいましたが、ここで、よい研究成果等が出て、信頼性を勝ち得ていければ、次のステップに行くことにつながるのではないかと考えています。そういう意味では、まずは安全性を担保しながら、進めていかれることをお願いしたいところです。以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょう。荒井委員、お願いいたします。
○荒井委員 前回、いろいろと言わせていただいて、特に病床数や職員数を丸めてしまうとほとんど研究できなくなってしまうところを踏まえて、そういうものは階級化しないという形で、大分、利用しやすくなったと思いますので、第一歩としていいかなと思っています。
 ただ、一方で、野口委員がおっしゃっていたように都道府県情報等が必要なタイプの研究もありますので、置き換えるにしても、そのオーダーで申請してきた研究内容を阻害しないような形で、その都度、人口規模で丸めるのがいいのか、あるいは別の方法で丸めるのがいいのか。特定方法を決めなくて、置き換える場合にも個々の申請内容の研究をできるだけ阻害しないような形で置き換えたらいいのではないかと思いました。
 あとは、具体的にガイドラインにどういう文言を書くかによると思いますが、かなり曖昧な部分もありますので、例えば、「社会保障研究や医療経済学等の医療提供体制の確保に資する学術研究の分野で一定の成果を上げている者」と書いてありますが、成果を上げているという要件をどうするのか。その辺りも、例えば査読論文5本とか、そういうレベルならいいですが、この分野に関係するもの10本以上とか20本以上となってくると実質的な制約が大きくなってしまうので、ガイドラインで具体的にやっていくときにできるだけ利用しやすいようにやっていただければと思います。
 これは言うかどうか迷っていたところですが、今回の医療基盤法ですか、その情報というのは個人の病態など極めて高い秘匿性が必要とされるものですけれど、今回のは医療法人情報ですので、場合によっては個人情報に該当する部分がごく一部にあったとしても、基本的には法人情報だということですので、もう少し緩く、できるだけ早く、研究者がより研究しやすくなるようにしていけたらと思っています。以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございました。それでは、オンラインで手を挙げている先生が2人いらっしゃいますので、まず、松原委員、よろしくお願いします。
○松原委員 ありがとうございます。おまとめいただきましてありがとうございました。現時点では今回おまとめいただいた内容でよろしいかと思います。異論はございません。ただし、今後についてですが、たとえばアメリカの状況を見ますと個別情報がいろいろ分かるからこそ様々な研究が進んで、その結果、今のままでは駄目だということで、地域医療を守るためのいろいろな規制が、近年、講じられております。決して研究だけが独立にあるのではなく、豊かなデータによる多様な研究が行き過ぎた市場原理に対して医療行政としっかり結び付き改善を図る動きがあります。今回、まずここで信頼を得てですが、将来的には荒井委員がおっしゃったように、もっと情報を出していく方向が必要だと思います。その際に別に個別病院の内容を公表するためのものではありません。今後、それらへの御理解をいただきながら進めていければと思っております。以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございました。それでは、本田文子委員、よろしくお願いいたします。
○本田(文)委員 ありがとうございます。事務局案をまとめていただきましてありがとうございます。事務局案の方向で、また、その運用実績を踏まえて見直していくという方向性に関しては賛同いたします。その上で、見直しのときに何を見直すのかという辺りについて、例えば再識別や情報漏えいのインシデンスの有無や審査に要した期間など、様々な論点があるかと思いますけれども、その点を事前に整理をした上で見直しをしていくと、その後、より建設的な議論につながっていくのかなと拝聴しておりました。
 特に、皆さんもお気付きというか御存じと思いますけれども、研究者の選定審査とか研究目的の確認など、様々な審査項目が運用プロセスの中に入っている中で、審査が増えてくると、その審査に要する負担もさることながら時間もかかっていくところがある一方で、審査の透明性や公平性というところも確保していかなければいけない。そういう部分のバランスをどういうふうに取っていくかという辺りが、今後の課題になってくるのかなと思いながら拝聴しておりました。
 1点、今回の論点とはちょっと違うところで質問させていただければと思っていますが、依然、オーダーメード集計は原則として残るというところがあって、この点について確認なのですが、オーダーメード集計というのは、集計軸は研究者が設計するということですので、オーダーメード集計を用いた研究論文を発表するといったときに、オーダーメード集計に関わる方々の著者性みたいなもの、あるいはそれに関する利害相反みたいなものが起きないという理解でいいのか。あるいは、そういう問題が生じにくいという理解で大丈夫かどうかという確認です。オーダーメード集計に関しては、他の枠組みの中でも既に運用されている形式かと思いますので大丈夫だとは思いますが、最近、海外の論文を出版する際に、誰がどのような研究プロセスに、どういうふうに関わったかを表示することを求められることもありますので、その点も踏まえて、オーダーメード集計の利用に関して研究者が安心できるような形であるのかどうか。その点については確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤委員長 ありがとうございました。それでは、事務局、御質問の内容についてお答えいただきたいと思います。
○医業経営企画室長 ありがとうございます。今、御指摘いただいたようにオーダーメード集計を利用いただく際には、研究者の先生から、こういう集計をしてくださいということで御依頼を頂いて、実際には福祉医療機構に委託していますので、WAMのほうでオーダーメード集計をいたします。今の御質問は、集計をした福祉医療機構が、例えば論文という形になったときに、著作権などがどのように位置付けられるのかという御指摘、御質問だったと思います。福祉医療機構はあくまで研究者の先生が研究に用いるデータを作る、準備する立場ですので、論文においてどういう書き方になるか分かりませんが、少なくとも論文の中で、このデータの著作権が福祉医療機構に属することとか、作成者が福祉医療機構であるとして研究者の制限になることはないと考えています。
○遠藤委員長 ありがとうございます。本田委員、今のお答えでいかがでしょうか。
○本田(文)委員 分かりました。ありがとうございます。
○遠藤委員長 ありがとうございます。それでは、伊藤委員、よろしくお願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。医療法人協会の伊藤です。まずは事務局の皆様方、よく取りまとめていただいたことに感謝申し上げます。おおむね今回の取りまとめの形で進めていくのが妥当かなと思っています。ただ、前回、今村委員からも御発言がありましたように、まずは大変厳しい状況で始めながらも、それを徐々に成果を見ながら緩和していくというやり方が正しいと思っています。特に大前提としても国民共有の財産として有効活用されるべきと同時に、「個人及び法人の権利利益が侵害されない制度」と書いてございますが、私ども医療の現場としては、個人及び法人の権利利益が侵害されないものが前提にあってこそ情報の提供ができるのだと思っていますので、そこについては基本的な考え方を共有していただけたらと思っています。今回、この制度によって医療政策に現場の意見が反映されることで、より良い制度、質の高い効率的な医療の提供体制が作り上げられていくことを心から期待しているものです。以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございました。それでは、本田麻由美委員が手を挙げておられますので、よろしくお願いします。
○本田(麻)委員 ありがとうございます。大丈夫でしょうか。本田です。
○遠藤委員長 聞こえています。
○本田(麻)委員 ありがとうございます。専門の先生方から御意見があって私も全て異論ありません。御提案の形で進めていくことに全く異論はありません。ただ、一言申し上げたいなと思ったのは、今回、まずは信頼性を確保していく形で進めていくということだと思いますが、こういう研究は社会にとって、また国民にとって医療を持続可能なものにしていくという意味で、今後とても重要なものになっていくものがたくさん含まれていくと思っています。そういう中で着実にしっかりということも、もちろん大事なのですが、スピード感を持って時代に合わせた形で結果を出していくことも、今後すごく求められていくことだと思いますので、今回、まず始めてみて、それでどういうところが問題なのか先生方がおっしゃっていましたが、問題点を早く洗い出して、それを改善しながら、より緩和して突っ込んだ研究ができていくというか、社会に役立つ研究になるような形で見直しをきちんとすることを事前に明記していただくなど、そういうことを求めたいと思っています。よろしくお願いします。
〇遠藤委員長 ありがとうございました。それでは、村田委員、よろしくお願いいたします。
○村田委員 事務局案につきましては仮名化されたデータも提供するということが追加されまして、研究者の方々にとっても大変有用性が高いものになったと思います。ただ、その反面、この制度、このデータの提供が、提供者側にとってとても負担が大きくなっているところは大変気にしています。例えば、私が使っている統計法に基づく二次利用の場合ですと、匿名データは調査ごとに1種類しか提供されていませんし、調査票情報、ここで言うと大体仮名化されたデータに当たるのですが、それもほぼ一通りしか作っていないので、必要な項目は全部提供できる形のファイルで用意されています。今回のお話を伺うと、匿名化されたデータも仮名化されたデータも研究者の利用目的に合わせてそれぞれ作り上げていくといった印象を受けまして、それは大変手間のかかる、コストがかかることなのかなといった点を非常に心配しております。また、専門委員会において申出の際の審査と公表前の審査も行うということですので、その辺り、提供側の負担や時間がどのくらいかかるかも考えた上で、最初の頃は運用していく必要があるのかなと思います。
 あと、ガイドラインを策定していくことですが、統計法に基づく二次利用のガイドラインもありますけれども、このガイドラインというのは一般的にフワッとしたような書き方なので、自分の研究の場合にどうなるのかといったところが、なかなか申請する時点ではつかみにくいものがあります。その辺りは、例えば大きな研究グループで複数の研究者が同じデータを使う場合には、そのグループ内でルールを決めてグループ内で徹底するといったことや、ほかの研究者の方々にこういう使い方をしていると周知する機会をもったりして、研究者間でのコミュニケーションを取るようにしていますので、こちらもガイドラインを作る際にそういったことも含めて御検討いただければと思いました。以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございます。既に、おやりになっている御経験からデータの提供に関する様々な課題について御指摘がありました。これについては事務局から何かコメントはありますか。
○医業経営企画室長 今、御指摘いただいたように研究目的に合わせてどのようなデータを提供していくかにつきましても、まずガイドラインの中でどのように加工を行うかも定めてまいります。また、確かにおっしゃるようにガイドラインで全て事細かに記載しきれないので、ある程度運用の中で使う人たちの間でそういう情報が広まっていくことも、確かになるほどと思いましたので、ガイドライン作成に当たっての参考にさせていただければと思います。ありがとうございました。
○遠藤委員長 よろしくお願いいたします。ほかにございますか。よろしいですか。大体、御意見は出尽くしたということにさせていただきます。ただいま御意見等々を頂きましたけれども、事務局提案につきましてはおおむね了解が得られたと私は理解させていただきます。ただ、今後、具体的にガイドライン等々を作っていって、その後、幾つかの課題があるということをいろいろな視点から御指摘いただきましたので、それらについて今後、また議論しなければいけないと思います。
 それでは、本日いただきました御意見等も踏まえまして事務局の提案を、今度、ガイドラインのたたき台という形で新たに提出していただきまして、ここで御議論していただきたいと思います。そういう流れに持っていきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。それでは、事務局におかれましては、そのような対応をお願いしたいと思いますけれども、事務局、それでよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。本日の議論はこれにて全て終了いたしました。事務局から何かありますか。
○医業経営企画室長 事務連絡でございます。議事録につきまして、できるだけ早く公表できるように校正作業を進めてまいります。委員の先生方におかれましても御多忙中ですが議事録の確認に御協力いただきますよう、お願い申し上げます。また、第3回委員会は、現在、日程調整中ですので詳細が決まり次第、追って御連絡いたします。事務局からは以上です。
○遠藤委員長 ありがとうございます。それでは、本日の委員会はこれにて終了したいと思います。ありがとうございました。