第5回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会(議事録)

日時

令和8年8月24日(月)14:00~

場所

オンライン・対面による開催(中央合同庁舎第5号館 専用第14会議室(12階)東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○駒村座長 それでは定刻となりましたので、ただいまから「第5回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しいところご参加いただきましてありがとうございます。
 議事に先立ち、事務局である職業安定局、障害保健福祉部に異動がありましたのでご紹介いたします。尾田高齢・障害者雇用開発審議官です。水谷障害保健福祉部長です。遠藤障害福祉施策戦略官です。浅湫障害者雇用対策課長補佐です。よろしくお願いいたします。
本日は永松構成員、中村構成員がご欠席となります。永松構成員の代理として、杵築市福祉事務所の河野由紀子様、中村構成員の代理として、愛媛県保健福祉部生きがい推進局長の秋川裕一郎様にご出席いただいております。よろしくお願いいたします。会場には叶構成員、神成構成員、倉知構成員、酒井構成員、新保美香構成員、菅村構成員、田中構成員、藤尾構成員がお越しです。また、清田構成員は途中からオンラインでご参加の予定と伺っております。また、事務局におかれましては、水谷障害保健福祉部長が公務のため、途中で退席すると伺っております。
 本日の検討会は、Zoomによるオンラインでの開催と会場からの参加と両方になりますので、開催に当たりまして事務局から説明をお願いいたします。
 
○内山障害者雇用対策課長補佐 本日も、多くの構成員にZoomを使ったオンライン参加を頂いております。開催に当たりまして、簡単ではありますがオンラインについて操作方法のポイントをご説明いたします。本日、検討会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、ご発言される際には画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局や座長の許可があった後にマイクをオンにしてから、お名前を名乗ってからごご発言いただきますようお願いいたします。Zoomの操作方法につきましては、事前にお送りしましたマニュアルをご参照ください。会議進行中にトラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号までご連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には一時休憩とさせていただくこともございますので、ご容赦くださいますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。
 
○駒村座長 それでは、議事に入ります。頭撮りはここまでとなっていますので、カメラ撮影の方についてはご退出いただくようお願いいたします。
 本日の議題は、「雇用と福祉の果すべき機能・役割と連携の基本的考え方について」となっています。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
 
○河村障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。資料1と、参考資料2を中心に、そのほかの資料の説明をさせていただきます。本日、中心的にご議論いただきますのは、資料1となっています。資料1の位置付けですが、前回7月にこれまでの議論の整理としてお示しした文書について、まず、7月の検討会当日のご意見を踏まえて修正を施させていただいたというのが1点と、本日の資料の参考資料3に、社会保障審議会障害者部会の委員からのご意見を冊子で付けさせていただいています。この障害者部会の委員から出されたご意見について、反映できるものを反映させていただいたというのが、本日の資料1の位置付けです。参考資料3としてお付けしている障害者部会の委員から頂戴しているご意見の経緯ですが、こちらの検討会につきましては、障害福祉に関係する部分については、こちらの検討会での審議を終えた後に障害者部会に報告をしていくということになりますし、雇用福祉に関わる部分を、労働政策審議会障害者雇用分科会に報告をしていくということになりますが、それぞれの審議会に、本検討会の設置についての経緯を説明した際に、障害者部会の多くの委員、とりわけ当事者団体の委員の皆様から、障害者部会委員としての意見が言いたいというご意見を頂戴したというふうに拝聴しております。そういった経過がありましたので、前回、7月の検討会のご議論の後に、障害者部会の委員の皆様に議論の整理をお送りし、それに対してご意見として頂戴をしたというものが参考資料3です。
 併せて、労働政策審議会の障害者雇用分科会の委員の皆様にも、全く同様にご意見があればお出しくださいということでお送りしております。障害者雇用分科会の委員からのご意見は特段なかったという状況になっております。ですので、資料1、本検討会のご意見と、障害者部会の委員の皆様のご意見の両方を踏まえて修正をしたということになっております。修正メモの感じで記載しておりますが、赤字の修正につながる主なご意見については、コメント欄に書いておりますのでご参照いただければと思います。
また、資料1につきまして、最も大きく修正を行った点ですが、それも従来以降の7月のご議論のときには3番として付けておりました構成員からのご意見については、特段、集約することなく、列挙させていただいていた部分になりまして、前回のご議論のときも、やはり1番、2番で意見集約を見てまとめた形でお書きしている部分と、3番のように各構成員の相反するご意見も含めて列挙させていただいているもの、やはり性質が違うのではないかという課題提起をいただきましたので、従来は3番に付いていたものが参考資料2という形で、「個別施策に関する構成員からのこれまでのご意見」として、淡々と各分野ごとに出されたご意見を並べる形に構成を変えさせていただいております。
 続きまして、資料1の中身のご説明に入らせていただきます。1ページは、特段の修正点はありませんが、2ページの所、〇の少し下の所、福祉サービスのこれまでの変遷を書いてきている、その下の所に、就労系以外の福祉サービスや、その他予算事業においても、障害のある方の自立を進めるための支援や重度障害者等の一般就労の支援を行っている旨を追記させていただいております。こちらにつきましては、障害者部会の委員のほうから、とりわけ重度障害者の一般就労の支援等についての重要性にかかわるご意見を頂いているので、追記させていただいているものになります。
 続いて、3ページです。3ページ、冒頭の所の注釈が付いて、一番下の所に具体的な、この間の障害者雇用のデータをお付けしております。こちらは、障害者部会の委員のほうからデータをお付けしたほうがいいというご意見を頂いて、付けさせていただいているものになります。3ページの下半分の所です。まず、赤い○の1点目です。生産年齢人口の減少に伴う労働力供給制約が進む中で、これまで以上に障害のある方々を含めた多様な人材の活躍が重要となっているという趣旨のことを書かせていただいております。この部分につきましては、同様に障害者部会の委員のほうから、そうした重要性について触れたほうがよいというご意見を頂戴し、追記をしているものになります。その下、5行目の「とりわけ」という所からですが、この部分は本検討会の委員からもたくさんのご指摘を頂戴いたしましたし、障害者部会の委員の皆様からも同様の多くのご指摘を頂いております。やはり、一般就労の側においても、障害者雇用の質の向上が大きく課題として指摘されるに至っている旨を、より手厚く書いたほうがいいというご意見を頂戴しておりますので、その旨を書かせていただいております。
 特に、4ページに入った後の部分ですが、障害者雇用はあくまでも企業の事業活動の中で、労務提供の対価として賃金を支払うという契約関係を当然行うものですので、やはり、その文面から、事業主にとって雇用する障害者の能力発揮を十分に活かして、事業活動において有為に活用していくと。戦略化、活躍促進を図るという方向性も大変重要であるという点と、それは両面で、裏側では働かれている障害のある方にとって、自身の能力を高め、十分にいかすことができて、事業活動にも貢献ができているということ。また、それを実感できるということが重要だと。すみません、配信のトラブルがありましたので、一旦休憩させていただきます。
(休憩)
○河村障害者雇用対策課長 大変お待たせいたしました。資料1の資料説明の途中でしたけれども、中断してしまいましたので、少しだけ遡ってご説明させていただきます。
 3ページの下半分辺りから障害者雇用の質についての記述を、少し厚めに付け加えております。その辺りにつきましては、前回、7月の検討会のときにも多くの委員からご指摘を頂きましたし、障害者部会の委員の皆様からも同様のご指摘を頂いておりますので、一般就労における課題として改めて追記したものになります。
 3ページの下の辺りから、従来、障害者雇用の中で雇用率達成に向けた障害者雇用数の確保を優先するような動きがあった一方で、今改めて、その質が課題になっているという趣旨を書かせていただき、4ページに入りました所に、改めてこの間、労働政策審議会の障害者雇用分科会の中で議論をしてきております、障害者雇用の質の向上に向けた課題認識を書いているものになります。2つ目のパラグラフにありますとおり、こうした障害者雇用として目指すべき「質」の向上に向けた姿に関しては、新たな法令上のガイドラインの策定と障害者雇用ビジネスに対する規制導入等の制度的対応についての議論が正に今行われているところですので、「質」の向上に向けて取組を進めるに際しては、企業支援機能の強化といった点も含めて議論が進められる方向であることから、議論結果に基づいて十分な対応がなされていくことが重要という記載を付け加えております。
 続きまして、その次の「一般就労の変化と就労系障害福祉サービスの利用者像の変化」です。ここの部分につきましては、前回の多くの委員のご指摘と、障害者部会の委員のほうからも、やはり一般就労(障害者雇用)として行うものと、福祉的就労(就労継続支援)についての性質の違いについてのご意見を頂いておりますので付け加えております。これまでも、一般就労は、雇用義務を背景に、企業の事業収益から支援員配置や事業運営費等を負担することを前提に進められてきました。一方で、福祉的就労(就労継続支援)は、一般就労が困難な方に対して、公費によって支援員配置、あるいは事業運営費用等を負担し、就労・社会参加の機会を提供する障害福祉サービスであるという性質の違いがあり、両者の対象者像は自ずと異なっていたということを改めて追記しております。
 4ページの一番下ですが、障害者雇用の質といった場合の具体的な内容について、障害者雇用分科会の詳細な議論を少し追記しているものになります。
 5ページの一番下は、先ほど出てきた部分と同様に、障害者部会の委員の方々のご意見を踏まえまして、障害福祉サービスのデータを少し追記しています。
 6ページの最初の〇ですが、いわゆる加齢問題について記載したものです。障害者部会委員のほうから、加齢の問題について、まずは雇用主として就業時間・業務内容等の工夫が望まれるものだという趣旨のご意見を頂戴しておりますので、それを改めて書かせていただいた上で、この課題が、こうした工夫をしたとしても、なお、一般就労の継続が困難となる場合もあるという点については課題であるということを改めて記載しています。
 続きまして、6ページ中段の2番以降です。2番の真ん中辺りに、「なお、かねてより課題として指摘されている雇用の「質」については、現在、検討が進められているので十分な対応が図られていく必要がある」という部分につきましては、先ほどご説明したものと同じ部分が入っています。
 次に、7ページの冒頭の辺り、「基本的考え方」の所につきましては、黒ポツの2点目、一般就労が困難な方に対しては、福祉において、一般就労への移行支援、又は就労の場を設けると記載している部分ですが、福祉の中であげる内容が、一般就労への移行支援が先にくるべきなのか、就労の場を設けるという、就労継続支援等に当たる企業が先にくるべきものなのかという点について、一般就労への移行支援よりも就労の場を設けることが先ではないかというご意見を頂戴しつつも、やはり一般就労への移行をしっかりと目指すべきであるというご意見も頂戴しておりますし、改めて一般就労の人の移行自体が、国際的にも我が国における大きな課題となっている部分ですので、ここの順番については、元の原文のとおりとしております。その上で、連携の強化について、たくさんのご意見を頂いておりますので、改めて追記しております。
 また、基本的考え方の2つ目の〇ですけれども、前回の検討会のご意見で、一般就労の困難さが大きく変化してきたということが、何によるものなのかが分かりにくいというご意見がありましたので、一般就労における働き方の多様化・柔軟化等により大きく変化してきたと追記しております。
 その下の部分につきましては、前回のアセスメントについてですが、アセスメントが本来的にジャッジメントのような性質であってはならないという構成員のご意見で、とりわけご本人の希望とその状態像を踏まえた上で、地域のリソースも踏まえた、どのような支援をしていくかという建設的な方向での検討が重要だという趣旨のご意見を頂いておりますので、改めて追記しております。
 さらに、その下の部分ですけれども、こちらにつきましても前回のご意見と障害者部会の皆様から数多くのご意見を、いろいろな方面のご意見を頂いたものを全部集約して書いたパラグラフになります。基本的な考え方に基づいて、一般就労と福祉としての就労の性質の違い、先ほど追記してご紹介したものだと思いますけれども、その性質の違いを踏まえながら、個々の施策を検討していく必要がある。その上で、開かれた労働市場の雇用機会につなげていく。そのためには、福祉としても、就労に関するアセスメントの機会を広く設ける。その際には、本人の希望と状態像を踏まえた丁寧なアセスメントをすることに加え、ニーズが表出しづらい方には十分な情報提供を行って、ニーズを引き出す支援が求められているということも追記しております。
また、前回のご議論と障害者部会の委員のご意見の中にも、やはり、どこまでがアセスメントで解決されるべき範囲であって、そこから先はマッチングで両方組み合わさって行われるべきというご意見を頂いておりますので、最後に、ハローワーク等のマッチングを担う側見においても、こうした潜在化したニーズの引き出しを含めて、支援の意識を高めていく必要がある旨を書いているところです。
 7ページの一番下の〇ですが、先ほどご紹介させていただきましたとおり、前回のご議論の中でも、一般就労に関して可能かどうかのジャッジメント的な性質であるのは良くないというご意見を頂いておりますので、ここに関しましては用語の使い方として、まず、一般就労の可能性の捉え方は必ずしも容易なものではないと、記載の修正をしております。
 さらに、8ページに入った所ですけれども、やはりアセスメント機能に関する標準化や客観性の向上に加えて、中立・公正性の担保の課題もご指摘いただいておりますので、追記しております。さらに、こうしたアセスメント機能を誰がどのように担うのかという実施方法の課題点もご指摘いただいておりますので、実施方法を検討していくというようにしております。
さらに、その下の部分ですが、検討に当たっては、一般就労が実現するかどうかということが、本人の能力の要素だけではなく、能力・適性のようなご本人の要素と、企業側あるいは受入れ側の業務内容、処遇等々の、両者との適合性の問題を、要するに多様な要素の影響があるということを、数多くの委員からご指摘いただいておりますので改めて追記しました。そういったことを踏まえると、こうした判断に際して、最終的に企業への就職活動でチャレンジした結果として、採用された、されなかったといったような実際の状況も考慮する必要があるという点を前回の議論等を踏まえて追記しております。
 最後のパラグラフに、主に障害者部会の委員のご意見を踏まえまして、就労移行支援について個別・伴奏型の支援を含むということを追記しております。また、一般就労をした後の生活上の支援についても、そうした支援が継続的に必要であるという旨を追記しております。
 最後になりますが、雇用と福祉の相互往来の例として、精神障害者の復職支援について明記させていただくとともに、検討事項として、重度障害者等の就労支援についての検討を含めという形で追記しています。
 参考資料2につきましては、先ほど申し上げましたとおり、従来は3番だったものを、別紙の形で切り離させていただいて、前回のご意見を踏まえて追記しているので、概ね論点の変更等はございません。次回、中間とりまとめの集約に向けたステップに進んでいただくことになるかと思いますので、ご意見のある方は、できる限り端的にお示しいただければと思っております。以上です。
 
○駒村座長 それでは、意見交換に入りたいと思います。ご意見がありましたら挙手をお願いします。なお、発言されるときには名前を言っていただいてから発言するようにお願いいたします。毎回同じですが、フロアとオンラインと分けて進めていきたいと思います。まずは、フロアの右側からいきたいと思います。フロアのほうで挙手される予定の方、ご発言予定の方はいらっしゃいますか。では、神成委員から順に回りますので、お願いします。
 
○神成構成員 自治労の神成です。資料1の8ページの最後の○の部分です。追加された「障害のある者の生活上の困難が生じた場合の支援は継続的に必要」という点は重要だと思っております。前回、障害者が安心して働き続けるためには、就労支援だけではなく、住まいや日常生活、家族支援など、生活面を含めた支援が不可欠だと述べました。正に、雇用と福祉が連携し、働きたいという希望をかなえられるようにしていく必要があると考えております。
 また、最後の段落に、雇用と福祉の相互往来に関しても、文章を補強されたことは重要と考えます。精神障害者における症状や体調等の変化、また、加齢等による変化などによって、一般就労の継続が困難となる事例も散見される中で、一般就労と障害福祉サービスとの間を円滑に行き来できる仕組みは、現在十分ではないと思われます。本人の意向を尊重しつつ、状況や支援ニーズに応じたアセスメントを通して適切な支援につなぐとともに、福祉と雇用の間を柔軟に相互往来できる仕組みを構築する必要があり、今後の検討に期待したいと思います。
 そして、重度障害者等の就労支援につきましては、今後の検討となっておりますが、常時介助を必要とする重度障害者の場合、働く能力や意欲があっても、通勤中や職場内で必要な介助を確保できないことによって、一般就労を選択することが難しい状況です。一般就労の可否は、ご本人の障害の程度や能力だけで決まるものではなく、必要な支援体制や会社の合理的配慮の有無など、就労環境が整備されているかどうかによっても大きく左右されるものです。したがって、国が一定の就労モデルを構築し、企業等による一般就労の促進につなげていくことが有効であると考えます。現在も重度障害者の職場介助や通勤を支援する制度は存在しておりますが、地域生活支援事業であるため、自治体によって利用の可否や支援内容に差が生じております。働くという選択肢に地域格差が生じないように国が制度として全国的に整備することから着手すべきだと考えております。私からは以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございました。次は菅村構成員、お願いします。
 
○菅村構成員 ありがとうございます。連合の菅村です。今回、事務局より示された案につきましては、前回の議論を踏まえた内容になっておりまして、雇用と福祉の果たすべき機能・役割分担および連携の基本的な考え方について、おおむね承知できるものと考えております。その上で、今回8ページに追記された「企業による採否結果といった、実際の状況も考慮する必要がある」と記載されている点について、意見を申し上げたいと思います。
 実際に一般就労が可能かどうかについては、企業における合理的配慮の提供状況や、業務内容とのマッチング、希望する地域における求人・求職側とのマッチングなど、多様な要因に左右されることから、具体的にアセスメントを実施するに当たっては、こうした観点も含める必要があると思っております。
 当事者が一般就労を希望しているものの、先ほど述べた労働市場を含む多様な要因によって不採用が続くという状況が生じた場合においても、アセスメントにおいて安易に一般就労は不可能と結論付け、本人の意思に反して福祉サービスへ固定化することにならないようにご留意いただきたいと考えております。当事者が一般就労を望むのであれば、福祉的就労においても一般就労に向けた情報提供をするなど、継続的なサポートを行う必要があると思っております。
 また、経済的自立のために、当事者が一般就労を希望していたとしても、企業とのマッチングが不調に終わった場合に、地域にA型事業所がなければ、より低い工賃でのB型で就労せざるを得ないなど、事業所やサービスの地域偏在による構造的な不利益があるものと思っております。一般就労を希望する当事者が地域偏在、地域格差などによって就労の選択肢が限られ、結果的に不利益を被ることのないよう、多様な就労の受け皿の確保を整備していくことが重要であると思っております。
 関連して、一般就労から福祉的就労へ移行した方が、状態や状況に応じて一般就労への移行や、そのための訓練が可能となるように、相互に往来ができるような仕組みや、福祉的就労が持つセーフティネット機能について、今後の各論の議論において実効性ある具体的な制度設計の検討が必要であると考えております。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。倉知構成員、お願いします。
 
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。まず、この中間とりまとめ素案の位置付けについてお聞きしたいと思います。今、お話を聞かせていただきまして、障害者雇用や就労型障害福祉サービスの今までの変化に伴う状況の整理であったり、また、今までここで検討されてきた内容の整理だと思います。これをたたき台に、今後、中間報告のまま大筋これでいくのか、これをたたき台にして、どこまで検討していくのか、もし、事務局でお考えがあれば教えていただきたいと思います。
 特に、「基本的考え方以後」というのが、最後のほうに出ていますが、これは報告が終わったあと、この検討会の後のことなのか、この中間とりまとめの後なのか、そこも含めて教えていただければというのがまず1点です。
 あと、内容について2点ほどよろしいですか。1つは、8ページの最後の下から4行目辺りに、「重度障害者等の就労支援についての検討」とありますが、ここは分かりづらくて、もう少し明確にしたほうがいいかなと思っております。参考資料2の3ページ、一番下のほうに、「障害者雇用が広がったが、常時介助を必要とする重度障害者が」ということが書いてあると思います。これは恐らく、雇用される重度障害のある方が、雇用されつつも通勤の介助、トイレや食事等の介助が必要になるときに、障害福祉サービスを利用できないということではないかと思います。この辺はほとんど触れられていないので、触れておく必要があるのではないかというのが1点です。
 もう1つが、参考資料2の5ページ、「事業協同組合に算定特例」の件が出ていますが、奇しくも私がコメントしたのではないかと思いますが、これは障害者雇用分科会で議論することであり、この横断検討会でしなくてもいいのかと思っていますので、ここは削除してもいいのかなと感じた次第です。私からは以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。事務局、この中間とりまとめのほうは、どう位置付けられているのか、お願いします。
 
○河村障害者雇用対策課長 中間とりまとめの中の記載の意図としては、正に、7ページの冒頭の所で内容を幾つか並べて「基本的な考え方」を書かせていただいております。3つ目の○に記載しておりますが、この基本的考え方に基づいて、一般就労と福祉としての就労の性質の違いを踏まえながら、この検討会の中で秋以降に、個々の施策、冒頭で設置要綱のときに挙げさせていただいているのは、就労継続支援A型、就労移行支援、就労継続支援B型等々、個別の施策の在り方について検討をしていく必要があるという趣旨で書かせていただいております。
 
○駒村座長 倉知構成員、よろしいですか。
 
○倉知構成員 分かりました。ありがとうございました。
 
○駒村座長 それでは、叶構成員、お願いします。
 
○叶構成員 ありがとうございます。全国社会就労センター協議会のセルプ協の叶です。本日、参考資料4を出させていただきました。セルプ協としては、これまで障害者の働き、暮らしの充実に向けて取り組んできたのですが、この間の議論を受けて、是非ともお伝えしておきたいと思ったことを取りまとめてきましたので、少しだけ時間を頂ければと思います。
 1つ目ですが、障害者の就労の「基本的な考え方」の所に書いていますが、障害者就労施策の目的は、決して一般就労へ誘導することではなく、一人一人が希望する働き方を実現し、その人らしく働き続けられる社会を作ることにあります。ということで、令和3年6月に厚生労働省の障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会報告書において、就労支援における基本的な考え方が示されましたが、正にここが大事だと思うのですが、多様な働き方が広がる中で、障害者本人が希望する働き方を第一に考えるという理念、本人の意思決定を基本とした最も重要な考え方であるべきと考えております。
 2つ目も重要ですが、就労移行支援と就労継続支援というのは、制度の目的や役割が異なるという点です。当然ですが、就労移行支援は一般就労を希望する人が就職を目指すための制度であって、実際の企業実習や職場見学、面接、履歴書の作り方、ビジネスマナーの習得など、就職に向けた支援が中心となります。
 一方、就労継続支援は、一般就労が難しい人、あるいは希望しない人が安心して継続的に働くことができる場で、A型では最低賃金を補償するため安定した仕事の確保や営業、生産管理、品質管理など、収益を上げていく活動が支援の中心となります。また、就労継続支援では、障害の理解に加えて、障害特性に応じた計画支援や相談支援、健康管理などの福祉的就労も重要な役割になっています。基本的にはB型も同様で、B型の場合は更に重度の障害者の人たちや、高齢の人たちが働かられております。つまり、就労継続支援は、障害者自立支援法のときに位置付けられた就労継続支援という名称のとおり、安心して継続的に働けることが基本だと思っております。その上で、一般就労を希望する利用者に対しては、就労選択支援や、就業・生活支援センターの関係機関と連携しながらその実現に向けた支援を充実させていくことが重要だと思っています。
 3つ目は、これも議論になったことですが、A型事業所は、一般就労が困難な人の重要な受け皿であるとともに、一般就労から退職した人の次なる就職先でもあるという点です。A型事業所が縮小すれば一般就労が増えるという議論がありますが、実態はそう単純ではないと思っています。セルプ協の調査や厚生労働省の調査では、A型利用者の多くが、一度は一般就労を経験し、その後、何らかの事由で退職してA型を利用しているということが明らかになっています。利用者の中には、再び一般就労を希望する人もいますが、一方で、一般就労に対する不安が強く、就労継続支援事業所で働くことを希望する人も少なくありません。
 そのため、A型事業所を減らしたとしても、一般就労が増えるとは考えにくく、むしろ、働く場を失ったり、B型への移行や在宅生活を余儀なくされる人が増えるとともに、結果的には生活保護の受給による国の財政の影響も懸念しています。重要なのは、A型を縮小することではなく、本人の意向を丁寧に確認し、一般就労を希望する人には企業と福祉が連携して支援を行う一方、継続的な就労を希望する人には安心して働き続けられる場を獲得することです。なぜ、一般就労を退職することになったのか、なぜ、就職することを希望しないのかなど、障害のある人の気持ちを確認することも重要なことだと思っています。
 4つ目は、一般就労を進めていく上で最も重要なことは、やはり、雇用の質を高めることだと思っています。現在の議論では、一般就労への移行をどう進めるかという点に重点が置かれていますが、それ以上に重要なのは、一般就労が障害のある人にとって魅力ある働く場になっているかどうかという視点です。企業には法定雇用率を達成するためだけではなく、障害のある人が、その人が持っている力を発揮し、やりがいを持って働き続けられる職場づくりが求められます。一方で、一部の企業では雇用することを放棄して代行業者に依存しているケースや、雇用はしているものの十分に仕事を提供しないケース、また、一部の特例子会社の雇用の質についても、障害者雇用の本来の理念に照らして検証が必要だと思っています。
一般就労が魅力ある選択肢となるためには、適切な仕事の提供、勤務時間、給与、あるいは正社員としての雇用など、そういう労働条件に加えて、障害の理解や安心して働ける職場環境、人間関係が良好であることも極めて重要な要因となります。一般就労を推進することには全く異論はありませんが、単に一般就労へ移行すること自体が目的ではないと考えています。大切なのは、一人一人に適した仕事が提供され、その人が持っている力を十分に発揮できて働く喜びや、やりがいを感じながら活躍できること、また、企業にとってもその人が職場にとって大切な存在となって一緒に働きたいと思えるような、そういう雇用が進むことだと思っています。
 5番の報奨金、調整金、特開助成金については今後の議論かと思いますので、ここでは省きますが、ただ、A型では、最賃が上がっていることによって非常に厳しい状況がありますので、こういう助成をなくしたときに、やめていく所や潰れていく所がかなり出てくるのではないかということを心配していますので、今後の議論に当てていただきたいと思います。
 最後、6番に「雇用と福祉が連携し、多様な働き方を支える仕組みを充実すべき」と書いてありますが、障害者就労を充実させるためには、一般就労と福祉的就労を対立的に捉えるのではなく、それぞれの役割を生かしながら更なる連携を強化していくことが重要だということで、例えば、施設外就労、企業実習の充実、定着支援の充実、通勤支援や生活支援、あるいは逆に、民間企業から就労継続事業所への発注促進、一般就労に向けた情報提供など、企業と福祉が切れ目なく支援し合える仕組みを整えていくことが必要です。
障害者就労支援の目指すべき姿は、「一般就労か福祉的就労か」という二者択一ではなく、本人の意思を出発点として、それぞれの希望や状況に応じた多様な働き方を保障することが雇用と福祉に求められる本来の役割であると考えます。少し長くなりましたが、以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございました。酒井構成員、お願いします。
 
○酒井構成員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井です。前回の会合で幾つか指摘させていただいたことを、結構、いろいろ盛り込んでいただきましてありがとうございます。
 その上で、そのとき申し上げられなかったことも含めて、何点か意見を申し上げさせていただきます。まず、1ページ、障害者自立支援法制定当時からの変化と課題という流れで、このような事業が平成17年に制定され、取り組んできたという件があります。2ページは、「このほか、就労系以外の福祉サービスやその他予算事業においても、障害者の自立を進めるため」という件があり、この後に、一般就労の進展があります。その中に、政策展開によって福祉から一般就労へ移行したことへの評価はなくてもいいのですが、是非とも事実を記載いただければと思います。その設立当初は、施設から一般就労への移行者数が2,000人にもなっていなかったと思いますが、今や、年間2万人を超える方々が福祉から一般就労へ移行しているという実績について、是非、明記いただきたいと思っております。
 その上で、一般就労する人数よりも、就労系福祉サービスを利用する方々のほうが多いという課題は後ほど書いてはあるのですが、その前提にそのような事実があってもいいのではないかと思っております。
 5ページの所では、就労継続支援のいろいろなことが課題として挙げられています。2つ目のパラグラフの所では、「一方で、事業者から見ると、就労継続支援は生産活動収支の黒字化や、賃金・工賃の向上を求めるものであることから、安定した事業運営を続けるためにも、生産活動能力の高い障害者を確保せざるを得ない場合があることも指摘されている」とあります。確かに、そういう側面もあるのだろうと私も認識しておりますが、一方で、この会合でも何度か私もお伝えし、先ほど、叶構成員からは資料のほうでお伝えされていましたが、継続支援A型を利用される方の中には、一般就労は実現したけれども離転職を繰り返し、A型に行っておられる方、この叶構成員の資料では、そのことが調査でも明らかになっているという書き方がありますが、A型事業所はそういう方々の受け皿になっているのだということを、これまでも発言させていただいていますし、そういう声があるということは是非、明記いただきたいと思っております。
 7ページ以降、「基本的な考え方」の1つ目のパラグラフですが、もしかすると、行政用語としてはこれが正しいのかもしれませんが、この基本的な考えというのは、行政の基本スタンスということを示すことだけではなく、就労支援に関わる関係者が共有すべき基本的な考え方ということを示すものならば、1つ目の所は、「一般就労が可能な状態像にある者に対して、一般就労において雇用機会を設け」と一旦止まっていますが、これは「雇用機会につなげる」という表現のほうが、私は正しいのではないかと思いましたので、そのように発言させていただきます。より丁寧に言うならば、一般就労が可能な状態像にある者に対して、一般就労への移行支援、また本人の希望や適性に応じた雇用につなげるということが基本スタンスであったらいいのになという希望を持って発言させていただきます。
 7ページの最後から、アセスメントの件がありまして、前回もいろいろと申し上げて加筆をいただいているのですが、やはり、この「標準化や客観性」という表現が、私はどうも引っ掛かるのです。今回、修正いただいている中で、「就労可能性に対するアセスメント機能」というのは削除されるのであれば、この「標準化や客観性」というのは、一般就労の可能性の捉え方に掛かってくるのかと思ったのですが、間違っていれば、それは後ほど教えていただければと思います。ここの件ですが、繰り返しになりますが、一般就労の可能性は本人の能力だけで決まるものではもちろんなくて、本人の希望や状態像、職務内容の適合性、更には雇用先の環境やその地域における雇用機会などは様々な要素によって変わるものだと思うのです。この点は今回のこの資料にも記載されているところです。そうであるならば、就労アセスメントについて、職業適性検査のように、本人の能力を客観的に測定するというように捉えられてしまう可能性があるのではないかという懸念を持っています。
 一方で、アセスメントを行う者によって、評価の視点や質にばらつきが生じることも確かに課題ですので、標準化ということであれば、判定基準を一律にするのではなく、アセスメントにおいて共通して、確認すべき視点やプロセスを整理するという方法が適切ではないかというのが1点です。
 客観性についても、単一の例えば検査とかによって、客観的な答えを出すという意味ではなくて、本人の意向や実際の作業場での適合性、企業の状況など、いろいろ踏まえて、アセスメントの妥当性を高めるという意味合いで捉えるほうが適切ではないかと思います。是非、ここをもう一度検討いただければ幸いです。
 そのほか、8ページの最後のパラグラフの所に、「基本的考え方」のとりまとめ以後に、継続して検討していくものとするとあります。この場で継続して検討していくという理解であれば、あと3点、継続して検討してほしいことを申し上げたいのですが、一旦、ここで切って、後ほどのほうがよろしいでしょうか。
 
○駒村座長 続けて結構です。
 
○酒井構成員 長くなってすみません。この場で検討していくということであれば、ここに記載をされていますが、1つは就業生活支援センター、なかぽつセンターの役割についてです。この会議とは別の会議ですが、数年前まで行われた雇用福祉連携強化の検討会では、なかぽつセンターについては基幹的な役割を担うという方向性が整備されてきたと理解しています。その上で、今後はもう一歩踏み込んで、具体的にどのような対象者をなかぽつセンターが直接支援するのか。どのようなケースについては、地域の支援機関に対する後方支援、アドバイス、スーパーバイズなどを行うのかといったところまで、この場でも議論が進められるのであれば、解像度を高める議論をしたいと思います。
地域によって社会資源の状況が異なるため、全国一律の形にするのはもちろん難しいわけです。ですが、実際には地域の社会資源の違いだけではなくて、今現状を見ますと、各センターの役割認識とか支援方針によっても、直接支援と後方支援の在り方に違いが生じているのではないかとも思います。地域で、限られた人員と資源をどう活躍していただくのか、更にここで議論を深めていきたいと思います。
 もう一点は、雇用と福祉に跨がる施策として、やはり、類似しているサービスはほかにもあると思うのです。例えば、企業への支援、職業準備、定着支援など、雇用福祉双方に類似した事業を持っていると思います。これは必ずしも一方に整理する必要があるとは、私は考えてはいないのですが、それぞれが誰を対象として、どのような機能を担うのか、また相互に連携をどうし合うのかという役割分担については、更にここで議論を深めていきたいと思います。
 3点目は、先ほど来のアセスメントの件の所で、アセスメントを強化していくというのは、私も賛成しているところですが、「この機能の強化や実施方法を検討し」という点については、正に議論をしていくところだと思います。その際に、それを担う人材の在り方が、仮に地域で、この事業を強化してやっていくのならば、この人材の在り方についても是非、議論したいと思っています。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。そろそろ解像度を上げるというところの議論については、今後の話ではありますが、今日、回答部分を考えることも極めて重要でして、ご指摘があったということで受け止めます。藤尾構成員、お願いいたします。
 
○藤尾構成員 全国就業支援ネットワークの藤尾です。よろしくお願いいたします。前回は参加できなかったので、この温度感や進行具合がずれていたら大変申し訳ないのですが、3つほど。この3つ全てには対応できないと思いますが、意見として挙げさせていただきます。
 1つ目は、今回これだけ、雇用の質ということがこの中に盛り込まれているのですが、一方で支援の質の所が全く言及されていないと思います。今、障害福祉サービスに関して言うと、その在り方が大きく問われている中で、ここで一切言及しないというのはどうなのかなということが1点目です。さらに言うと、それをどう担保していくのかということが今後の大きな課題だと思います。認可であったり、監査等も含めて、それがここですぐこうするべきだというのはできないのですが、今後、更なる検討が必要だと考えます。酒井構成員や叶構成員の所など、団体に参加されている方々は、やるべきことをやった上での発言だと思います。
 ところが、そういった所に参加をしていない事業所が多くあって、そういう所が皆さんの知らないうちにとんでもないことをしていたということが、これまでの経緯だと思います。これに対して、やはり国としてどういう方向で考えていくのかというのは必要だと思います。大阪で在宅のB型が山ほどあるというのは対岸の火事だと思っていたのです。つい先日、千葉市の継続支援事業所を対象に意見交換して、これは千葉市が在宅の取扱いを今回取りまとめたので、それを伝えた上でグループワークをやったのですが、100人ぐらい集まっていただいて、半分ぐらいが知らないうちに在宅をやっていたのです。僕らの知らないうちに在宅に転換をしていた。それは基幹相談センターも把握をしていない。恐らく全国で起こっていることではないかと思います。
 やはり我々の目の届かない、届いていない所をどのように管理、監督していくのかということは、これは国が指導するのか、地域が指導するのか。もし地域に委ねるのであれば、どういう形で取り組んでいくのかというところを認識として持っておかなければいけないのかなというのが1点目です。
 2点目は、7ページの後半に「ハローワーク等のマッチングを担う側においても」という一文があるのですが、ここで挙げているハローワークのマッチングというのは、恐らく専門援助等々の障害のある方の職業紹介の部門をイメージされていると思います。我々がふだん仕事をして、ちょっと「はてな」が出るのが、雇用支援をする部門、求人を受け付ける部門です。ここの仕組みがどれぐらい同じような視点で企業の支援をしているのかということが、とても重要だと考えます。例えば、障害者を雇用したいという企業があるときに、いきなり求人を受けるだけではなくて、「見学や実習が有効ですよ」ということを伝えられているハローワークさんがどれくらいあるか。なぜかというと、制度がそうなっていないと思います。現状、ハローワークは職業紹介機能を持っているけれども、例えば実習をあっせんする、見学をあっせんするなどしてしまうと、助成金の対象にならないなど、企業に対してデメリットがあると認識しています。今の制度の中ではハローワークが積極的に事業所見学や実習を提案できない状況にあるのではないかなと思います。それの最たるものが合同面接会だと思います。あそこで職業紹介をして、そのまま就職した方の支援は大変なケースが多いです。はっきり言ってしまえばミスマッチが多い。
 ここを今すぐどうこうというのではないけれども、検討事項の中に入れていかないと、せっかく障害のある方についてこれだけの議論をされているのに、企業の雇用支援、相談機能はやはり不十分ではないかと考えます。今回、横断検討会ということなので、その視点を是非入れていただきたいと思ったのが、2点目です。
 3点目は、ちょっと感想というかお願いというか、今後どこかで検討してもらいたいことなのですが、代行ビジネスが流行する、当事者・家族が選択する最大の理由はお金です。代行ビジネスに就職をすれば、一生涯の給料がある程度得られるというところで選択をされています。場合によっては、B型事業所と天秤にかけられたりなどという状況が起きているので、もちろん工賃の向上も大事だとは思いますが、障害福祉サービスを選択した方々が将来どういう経済状況で暮らしていくのかということを、今後どこかで検討いただきたいと思っています。今回、この横断検討会の中でというのは難しいとは重々承知しているのですが、その視点を都度、都度こういった会議がある中で確認させていただきたいなということで、最後に1点、お伝えさせていただきます。
 先ほど、酒井構成員が言ったなかぽつの解像度の所は、是非、全国就業支援ネットワークで3年間、モデル事業を基幹型についてはやっているので、その経過なども参考にしていただきながら進めていただけると幸いかなと思います。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございました。是非、公開していただきます。そうしましたら、次にオンラインで発言予定の方は、まず全体の様子を把握したいので1回手を挙げていただくか、合図を頂ければと思います。清田構成員、お願いいたします。
 
○清田構成員 日本商工会議所の清田です。途中参加、遅参となり大変失礼しました。私からは、3ページ、4ページに雇用の質の向上に関する記載が追記されていることについて、ご意見を申し上げたいと思います。雇用の質の向上に取り組むことの重要性、必要性については全く異論ありません。
 他方で、企業が取り組むに当たっては、こうした雇用の質の向上が求められていくと、安定就労や戦力発揮に資する意欲や能力が高い人材が、これまで以上に求められていくことにつながるのではないかと予想しています。中小企業も含めまして、企業におけるこうした人材の確保や育成が進むように、就労前の人材育成とアセスメント、個々の企業特性に適応するマッチングなど、福祉や行政における支援も、これまで以上に高い期待が寄せられます。
雇用の質の向上に向けまして、企業のみだけではなくて、福祉や行政における支援を強化することが重要になってくるという点を、この取りまとめの中にも、どこかに記載いただくことも必要ではないのかなと考えます。雇用の質の向上に取り組むに当たって、福祉としてどのような取組を行うべきかなども含め、議論を深めていくということも重要であると考えます。私からは以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございました。雇用の質の話は、今、企業のみのという責任ではなくて、先ほどもありましたが、支援の質もというのは、やはり響き合った議論になるかなとは思っていました。眞保構成員、お願いいたします。
 
○眞保構成員 法政大学の眞保です。雇用と福祉の果たすべき役割、連携の基本的な考え方について、中間の取りまとめをありがとうございます。基本的考え方には賛同したいと思っています。雇用と福祉がそれぞれ果たすべき機能・役割として、誰もがその力と適性、希望に応じた働き方が実現できるように、企業等では能力開発の方法や方向性、仕事と生活両面の視点でのキャリアデザインも情報提供しながら、1年あるいは半年に1回程度の話合い、すり合わせをする機会を設けていることは、JEEDほか、研究報告がされています。
 福祉領域においても、先ほど藤尾構成員からもお話がありましたが、将来にわたって障害福祉サービスを利用して就労するのか、あるいは開かれた労働市場における企業等での就業をするのか、選択のための情報提供と潜在しているニーズを引き出す定期的な支援が必要だと思っています。雇用と福祉それぞれが将来にわたっても、仕事と生活両面の視点でキャリアデザインをする支援や、機能・役割が求められていると考えています。
 あとは、ちょっと細かいことを3点ほどなのですが、4ページの最後の○の所なのですが、就労継続支援A型の制度上の利用者像についてだと思いますが、最後に「不明瞭になっている」と、まとめられているのですが、実態に即した状態像について、もう少し解像度を上げた表現にしていただければ、ご検討いただければと思います。
 それから、6ページ最後の○に、「就労系障害福祉サービスに対する更なるニーズの増加」とされています。これまで想定されていた方々のニーズも、まだまだあるという意味が強いかなと思いますが、一方で企業等に雇用されていた方の高齢化、あるいは酒井構成員、叶構成員がおっしゃったように、当初は利用されていた方が福祉サービスに、また雇用の数が増えると戻られる方も高齢化も含めて一定程度いらっしゃるということと、それから当初に利用されたときよりも障害の重複、あるいは重度である方の利用ニーズ、就労福祉系サービスですね。その利用ニーズを踏まえますと、「更なる」という表現よりも、「新たなニーズ」としたほうが、より適合しているのではないかなと感じた次第です。
 8ページの1つ目の○の所ですが、最初の段落の所は障害のある方について表記されていて、「さらには」以降は、社会全体からの視点ということで異なる内容が書かれていますので、「さらには」と続けるのではなくて段落を分けるなどの表記をしていただくとよろしいのではないかなと感じた次第です。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。オンラインでほかにはいかがでしょうか。新銀構成員、お願いいたします。
 
○新銀構成員 全国精神保健福祉会連合会の新銀です。中間の取りまとめ、ありがとうございます。方向性については賛成です。
 8ページの赤字の所について、一言申し上げます。生活上の困難が生じた場合は継続的に支援が必要であるという部分や、精神障害者の復帰支援を含めた雇用ということが赤字で追加されていますが、この辺については大変必要なことだと考えています。働き方が一般就労であっても、福祉就労であっても、これは精神障害者の者にとっては必須条件だと考えています。このことを踏まえて、制度設計をしていただくことが大変大切だと思いますし、だとしたら、福祉就労と一般就労で何が違うのだろうかというところは、ちょっと障害者の立場からすると、まだちょっと見えていないところがあります。この辺も踏まえて、違いを明らかにすることが大事なのではなくて、その障害者の方がどこの分野であっても、働きやすい職場であるということを念頭に制度を設計していただければ大変有り難いと思っています。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。ほかにオンラインの方、いかがでしょうか。よろしいですか。幾つか重複したコメントもあったと思います。解像度の所などは、この中間の取りまとめで、どのくらいまで言及しているのか、それから、一番最後の検討会で議論になった障害施策をめぐるツールがあって、所得保証的な部分のお話を2人ぐらいの構成員から、こちらのコースを選んだのならば、キャリアデザイン、あるいは人生のデザインがどうなっていくのだろうかと、人生の予見可能のようなことも常に考えておかなければいけないのではないかというご指摘もあって、これは重複したご指摘だったのだろうと思います。
 まだ、時間はありますので、フロアでもご指摘漏れや、ほかの委員のご指摘されたことで、何か言い足しというか、参考になると、この時点でもう少し議論をしておきたいということがありましたら、またもう一度、この今日の資料1に関して駆け込み議論とりたいことがありましたらと思います。では、倉知構成員、お願いいたします。
 
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。先ほど叶構成員や酒井構成員がA型事業所は、重要な受皿であると、要するに一般就労して傷ついたり、失敗体験をしたりなど、すごく不安を抱えている方々の受皿だと。それは、そのとおりだと思います。ただ、私は、受皿として受け入れるだけで終わってほしくないのです。受皿として受け止めて、よりパワーレス状態になった方々を、そこからがスタートだと思っていて、そこから支援することによって自信を回復していく、リカバリーをしていくなど、そして、もう1回やってみようかなと思えるような、そこが私はA型なりB型なりの大事な支援ではないかなと思って、受皿なのだけれども、受皿だけで終わるのではなく、そこからスタートして、もう1回再チャレンジしようかなと利用者が思えるような支援をしていくことが大事なことなのではないか。そうすると、また、やってみようかなということは、ニーズや希望は多分、最初に受け入れときとは変わってくると思います。そういうところが重要ではないかなというところまでを入れていただけるといいのではないかなと思いました。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。委員同士の議論も大変ウェルカムなので、酒井構成員、お願いいたします。
 
○酒井構成員 倉知さんの言うことは、正にそういうことなのですが、要は、A型事業所自体もトランジションの機能を持つ、あるいはその意欲を引き出す、その取組が重要だというのは、本当に言うまでもないと思います。
 ただ、一方で、やはり離転職を繰り返されてこられた方々は、1つは年齢層が高くなって、再度そこにチャレンジして向かっていくということには相当エネルギーが必要で、そこを引き出すためのエネルギーは支援者が出すのでいいのですが、その方のエネルギーは相当必要で、そこは二の足を踏んで、なかなか次に進めないという現状の方が、私の目の前にいらっしゃる方でも多いなというのが実感です。
 それと、この資料にも記載していただいていますが、障害者雇用の実態として、ふだん私たちが就労支援をしている層の、A型の方もそうですが、支援している層の方々のこれまでの一般就労の実態も、障害者雇用であるならば労働条件が今、A型事業所に行っている状況と一般就労に移行したとしても障害者雇用で働くならば、そう大きく変わらないという現状もあります。その一般就労の雇用の場の労働条件も、今ずっとニアである以上はなかなか、そこの意欲を引き出していくことの難しさというのはすごく感じるなと思っています。
 
○駒村座長 叶構成員、どうぞ。
 
○叶構成員 ありがとうございます。自分の所でも、今はA型をやっているのですが、一般就労をして帰ってきた人の中には、人間関係がうまくいかなかったとか、バリバリと仕事をやっている所で劣等感のようなものを感じたり、例えば、いじめみたいなことがあったり、そういうことなどもいろいろな理由があって、A型で、自分は今の環境の中で働き続けたいと言われる方も結構おられます。
 一方、倉知構成員が言われるように、自信を付けて、もう1回チャレンジしたいと言われる方もおられて、私が先ほどから言いたいのは、やはり本人の希望というか、A型でいろいろな仕事をやっていく中で、もう1回希望する人には大いに応援して、支援をしていくけれども、それが誘導であったり、そういうことではないと思っているところです。
 それで、7ページの先ほどの所と関係するので、基本的な考え方の所で、酒井構成員が言われた一般就労が可能な状態にある者に対しては、一般就労において雇用機会を設けるという、この可能な状態にある者ということが実感としてピンとこなくて、やはりA型で働きながら、いろいろな仕事を覚えて、この仕事は上手になってくるのだけれども、不安を抱えていたり、いろいろなことがあるわけで、これは本人の希望など、そういうことが書かれなければいけないなかなと、やはり本人の意向が大事なのかなと思います。可能な状態にある者に対してはという、多分これだけではないのかなということで、是非、ここは検討していただけたらなと思います。
 もう1つだけ、先ほどの議論で、一般就労をした人がなかなかうまくいかずに辞めてしまうという、そういう状況がなぜ起きているのかというところも、とても重要だと思っています。就職した人の数は、いろいろな所で出てきます。ですが、退職した人、辞職した人、解雇された人なども含めて、どういう理由でというところは、ある程度分かる範囲で状況をはっきりさせていく中で、いろいろな方向なども、また考えることができるのかなと思います。是非、その辺りの統計を含めて、今後の課題としてやらなければと思います。以上です。
 
○駒村座長 叶構成員もおっしゃった退職した人の状況、情報ですね。どういう理由で退職した方かという人数統計ですかね。入職する者だけでなく、退職したところも詳しく知りたいということですね。では、藤尾構成員、お願いいたします。
 
○藤尾構成員 全国就業支援ネットワークの藤尾です。今お話いただいていた所が、今回せっかく横断検討会なので横断的にどう支援をしていくのかという視点で、ちょっとお話をさせていただきたいのですが、雇用の場も恐らく20年前、10年前、現在で大きく変わってきていると思います。それこそ昔であれば失職されて、もう二度と働きたくないといった方が、今、就職したときに同じことが起きるかどうか。その情報不足のままご本人の支援をしていくと、やはり、もう二度とあっちには行きたくないと終わってしまう。これは多かれ少なかれ出てくると思います。そのときに、A型事業所の方が単体でやっていくのか。そこで、先ほどちらっとお話させていただいたのですが、ハローワークの雇用支援の機能の強化をして、そこでそういったところも支援をした企業さんと連携を取っていくのか。場合によっては我々はそこの支援が結構多いのですが、地域のなかぽつセンターと連携を取って、こういう可能性がありますよというところ、ひょっとしたら、そこに就労選択支援がからんでくると、包括的にその方の支援ができると思います。
 年齢的なところも、今、障害者雇用率がこれだけ上がっていく中で、人が足りないという状況に企業としてはなっている。本来であれば数ありきでやるのは、私は余り賛成ではないのですが、そういった中で、今までは一般就労で働くことが難しかった対象の方々が、どうしたら働くに移行していけるのかということを、福祉、企業、支援機関、みんなで一緒に考えていかなければいけないので、おっしゃることも分かるのですが、倉知構成員が言われたように、可能性をやはり捨てずに、一緒に考える立場で何かタッグを組んでいけたらなというところだけ、最後にお伝えさせていただきたいと思います。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。皆さんは同じで、多くの個々の経験と、環境の変化や、そういったこともちゃんと踏まえてということだと思います。
 
○酒井構成員 就労移行支援協議会の酒井です。私の発言で、もう一つ言い忘れていたところを追加させてください。倉知先生の言っていることもすごく分かるのですが、そういう上での課題があるということでしたけれども、その上でですが、入口の部分の対象者の整理というのは、もう少しやっていかないといけない、その最初の入口はアセスメント、本当にこの事業の本当に対象なのかどうなのか、アセスメントというよりも基準ですよね。このサービスを受ける対象者をもう少し明確にと。私は、こんなこと踏み込んでいいのかどうか分かりませんけれども、やはり就労経験が少なくてもある方に限るべきサービスなのではないかと思っていて。支援業者が、例えば特別支援学校から直接、A型事業所に就職しますとかというのは、やはり一回は一般就労にチャレンジしてもらいたい、その仕組みをまずは通ってもらいたい。その仕組みをまず通ってもらいたいなと、そういう論者であるということを付け加えておきます。
 
○駒村座長 今のをそのまま受け取ると、就労で失敗した方の受皿が、基本的な役割ではないかと。
 
○酒井委員 そうですね、就労が困難な者ということの測りを一つ明確なもので測れるとするならば、一旦は就職したけれども、やはり困難な方だった。それで、離職された方だったのではないかと思っています。
 
○駒村座長 それでは、大谷構成員、どうぞ。
 
○大谷構成員 育成会の大谷です。よろしくお願いします。いろいろ皆さんのお話を聞いてて、当事者ですので、当事者団体として、ひとつ気になる部分として。とてもいい議論をしていただいてありがとうございます。やはり、A型だからどうするかという問題を考えたときに、まず、誰を中心に考えているのかということを、一番本人さんの状況を、本当にそこのA型でいいのかという。いろいろな障害のある方がそこには含まれると思うのですが、知的障害の場合、どうですかと言ったら、「はい」という返事が多いのですね。ただ、それが正しいのかという判断をしてほしいということです。そういうことでのトラブルがもともと多いわけですから、その辺をしっかり考えていただきたいということです。また、今はA型の在り方がずっと、これからも多分議論されていくと思うのですけれども、ちょっと宙ぶらりんな状況で、本来の在り方ではない状況が今継続されていると思いますので、ある程度の形ができて、先ほど言われた形の一般就労から戻ってこられるのか、それともA型から就労していく方向性を考えていくのかをきちんと精査していかないと、就労と福祉との間にあって、どちら付かずという状況があると思いますので、是非とも、ここのところを今すぐとは言いませんけれども、何年掛かってもいいですけれど、ある程度の形にしていただかないと、そこに居る本人たちにとっては一番大変な状況にあると思いますので、企業側の思い、また、そこを支援する側の思いもあると思うのですけれども、是非とも、そこのところを少し入れていただければと思います。
 また、今はどこで住みたいということを聞かれたり、どこで働きたいということも聞きなさいというような状況がありますので、是非ともそういう聞き取りもしっかりとしていただければと思います。
 それから質の問題で、日商の清田構成員が言われたこと、ありがとうございます。是非とも、研修とまでは言いませんけれども福祉のほうの研修であれば、いろいろ虐待防止研修とか、いろいろありますので、是非とも企業さんのほうも、雇用されている方、雇用する側も、いろいろな福祉的な研修の部分も受けていただくことで、やはり質の向上につながると思いますので、そういうものも含めていただければいいのかなと、ちょっと感じました。
 それと、前回でもお話した50歳問題ですけれど、特に知的障害というのは、以前から加齢が早いとは言われてきているのですけれど、現状としては、それほど過去に言うほど早いというほどではないと思います。もし可能であれば、この部分について、もう少し言葉のニュアンスを変更していただければ有り難いと思います。年齢的なものを、50という数字にこだわりすぎではないかと思いますので、その部分、また知的障害という部分を、できれば「障害のある方が」とか、「加齢が少し早い」とか、そういう表現に換えていただける可能性がありましたら、是非ともお願いしたいと思います。以上です。
 
○駒村座長 どうもありがとうございます。今日は皆さんから、お話、ご意見を十分に伺いたいと思っています。まだ時間にも余裕がありますので、ご意見のほうはいかがでしょうか。ほかにも触発された議論でも、もちろん構わないので、会場ではかなり盛り上がって触発された議論が出ていますけれども、オンラインの方はいかがでしょうか。眞保先生、どうぞ。
 
○眞保構成員 法政大学の眞保です。ありがとうございます。5ページの所ですけれども、最初の○の上から4行目、「当事者の目線で見ると、一般就労へチャレンジするメリットが必ずしも大きくないこと」というように表記されております。これは、おそらく私どもの学生、新卒の学生でも就職活動をするときに、企業のこと、あるいは自分自身の将来にわたっての希望ですとか、キャリアとはということが全て分かっているわけではないので、こうしたメリットがよく見えないということは、労働者によくあることではないかなと思います。であるからこそ、メリットについて、やはり情報提供をしっかりしていくことが、私は必要だと思っています。確かに、この研究会でも、賃金のデータを出していただいて、それほど差がないというデータを出していただきました。確かに賃金だけを見ればそうかもしれません。私どもの学生などでも賃金だけで就職先を比べるなんてことはよくあることで、そこに関して、やはりキャリアデザインの視点で適切な情報提供をしていくことが大切だと思います。メリットですけれども、例えば企業であれば、法定を上回る福利厚生、いわゆるフリンジベネフィットですね、こうしたものがある企業さんもたくさんあります。
また、私が一番大事だと思っているのは、能力開発、仕事の技能を上げていくためには、多様な仕事があるということが大変重要なわけで、全部の企業とは申しませんけれども、その方の状況に応じて新たな仕事に異動するとか、そもそも新たな仕事を親会社、例えば特例子会社であれば親会社から、更にその方の力が伸びて、また処遇も上がるような仕事を獲得するというようなことをされています。ですから、そうした多様な仕事を経験して仕事能力が伸びていく可能性もあることなどのメリットをしっかりと情報提供していくような、そんなことを先ほど藤尾構成員もおっしゃっていましたけれども、障害者就業・生活支援センターやハローワークの担当者を含めて、地域で連携して、こうした情報提供もできたらいいのではないかと考えております。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。田中構成員、どうぞ。
 
○田中構成員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。就労移行A型、B型、現場で御尽力いただいている構成員の皆さまに心から御礼申し上げたいと思っております。私からは、大谷構成員のご意見と少し重なるのですけれども、基本的な考え方の中で、本人の希望と状態像等を十分に踏まえた丁寧なアセスメントと、そういう表現が出てまいります。大谷構成員も指摘されていましたけれども、本人の希望というものを酌み取るというのは難しいことだと思います。知的障害のある方の例を出されていましたが、逆に、自分はA型事業所で働きたいのだという言葉だけを取ると、この方はA型を希望されているということになります。しかし、その表面的な言葉の裏に、障害を持つ人というのは非常にいろいろな不安を抱えています。これは一般就労を担うことに対する不安ということだけではなくて、自分自身に対する不安というものもかなり大きいわけです。特に中途障害者になると、これまでできていたものができなくなっている自分がいるので、果して本当に自分は一般就労できるのだろうかと思って非常に大きな不安がある。
 そういう意味では、本人の希望を表面的に捉えるというよりは、今までの議論でもしていただいていますけれども、本人を励ますとか、能力開発に力を入れるとか、あるいはなかぽつセンターやハローワークを中心に一般就労先での環境を整えて、こういう環境を準備するから大丈夫だというように、本人を励ますようなアセスメントをしていただいて、それで希望を引き出すと。そのように、正に表現どおり丁寧なアセスメントというものをお願いしたいと、そのように感じています。私からは以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。本人の希望の捉え方という点ですね。いろいろな不安と、一方で自分の立場、成長というか可能性を訴えるというところで、希望をどう捉えるのかというような、田中さんのご指摘だと思います。
今ちょっと私、一息付きましょうかと言ったのですけれども、発言が続いていますので、引き続き、ご意見が絶えるまでやってしまおうと思っています。すみません、岡本構成員、お願いいたします。
 
○岡本構成員 どうもありがとうございます。いろいろと皆さんのご意見を伺っていましたけれども、大谷委員とか、あるいは視覚障害の方もありましたけれども、やはりすごく不安が先走るわけですよね、就労に対して。それで先ほどまず、一般就労してから、それで駄目だったら、またA型とかB型というご発言がありましたけれども、それはちょっとおかしいのではないかと思うのです。一旦、失敗じゃないですけれども、そういうようになってしまった場合は、そこから立ち直るのには、やはりちょっと時間が掛かると思うのです。私自身はB型、A型は、あくまで研修期間だと感じて、一般就労に対して、そういう仕組みだというように思っているのですけれども、どうもそうではなくて、一般就労をということで。ところが、会社のほうも雇用率だけではなくて、業務に対する余裕というか、それがないわけです。即、戦力というか、即戦力を求められる、それに対して答えられない。すると、つい、そこは諦めるというか、辞めていくような感じに動いていくと思うのです。
 やはりそうではなくて、どの会社も一般的に、一般の方の就労についても必ず研修期間があると思うのです。その中でこの方はこういうふうだよ、こういうふうだと、そういうのを認めてもらうというか、見つけていただくというか、そういうことをしばらく、私は、極端な話、1年ぐらいは研修期間でいいのではないかという思いがあるのです。それぐらいしないと、とても皆さんと一緒に働いていくことに対して、なかなか付いていけないのではないかという気がします。もう少し温かい目で、一般就労する限りは、定着をしてもらいたいと思っていますので、その上で、長い目で見ていただきたい、そのような感じです。見守ってもらいたいというような思いがあります。そういうことをちょっとお伝えしたかったです。以上です。ありがとうございました。
 
○駒村座長 どうもありがとうございます。
 
○藤尾構成員 ちょっと課長にお聞きしたいです。
 
○駒村座長 藤尾構成員、どうぞ。
 
○藤尾構成員 すみません。今、岡本構成員からの研修期間の捉え方というのは、正に特定求職者雇用開発助成金で、その考え方なのかなと私は思っていますけれども、それは認識としては間違えていますか。要は、その一定期間、企業との契約的なところで、一人前ではなくても雇用継続するための助成金ではないかと思いますけれど、いかがですか。
 逆に言うと、そういった運用がちゃんとされているかどうかというのが、ひょっとしたら今のお話からすると、議題として挙がってくるのかなと。
 
○河村障害者雇用対策課長 藤尾構成員がご指摘なのは、トライアルでしょうか。
 
○藤尾構成員 ではないです。
 
○河村障害者雇用対策課長 ではなくて、特開助成金自体がそうではないかというご指摘でしょうか。
 
○藤尾構成員 何のために出ているお金かと。
 
○河村障害者雇用対策課長 正に、特開金ですので、就職困難の方についての雇入れの促進自体が目的で、雇入れの促進を、どういう部分において実際に事業主側が関わられているかというところの一つの要素としては、確かに、一定の背中を押してくれるものがないとなかなか採用できていないというところで、背中を押しているという要素はあると思いますが、基本的にトライアルではなくて特開金のほうですと、基本的には雇用継続見込みのある方に対して支給させていただくものですので、ストレートに、どうなるか分からない方について、お試しの期間としてという意図ではないと理解をしています。
 
○藤尾構成員 お試しではなくて。
 
○河村障害者雇用対策課長 研修期間とおっしゃっていることの意図が何かということがあったと思います。
 
○藤尾構成員 サポートがないと、一人足としての、要は力が発揮できない方、入所当所は、という意味です。
 
○岡本構成員 先ほど発言した岡本ですけれども、よろしいでしょうか。
 
○駒村座長 どうぞ、マイクをお上げください。
 
○岡本構成員 ありがとうございます。やはり障害者を雇用した側に、最低でも1年ぐらいは雇用期間をみるか、見習い期間というか、そのような感じで見ていただきたいというような思いがあります。いきなりというのではなくて、ある程度の時間を、先ほど来、出ていましたけれども、どういう制度があって、どういうふうだということをおっしゃっていましたけれども、制度ではなくて、会社が雇用したのだから、その分、責任を持って、最低限それぐらいはどうなのかなということをしていただきたいと、そのように、障害者側としては思っております。
 
○駒村座長 オンラインのほうからはご発言ありますか。まだ時間がありますけれどもそのまま、一息入れますか。今日はすごく長く時間を取っていますので。皆さんの議論を十分するためにありますけれども、ちょっと1回ここで、5分でいいですか。一息ついて、後半に入りたいと思います。これまでの議論で、もし何かありましたら、頭を整理させていただければと思います。
 
                                     (休憩)
 
○駒村座長 フロアのほうも、そろそろ再開したいと思います。オンラインのほうも、もう一度画面をオンにしていただいて、戻ってきていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 議論のほうは、引き続き今日の資料1に関してのご意見を求めていきたいと思っています。フロアのほう、オンラインのほうは徐々に戻ってきているようですが、もう聞こえていらっしゃるのだろうと思いますので、一応ここから再開したいと思います。まずフロアのほうで、ご発言はありますか。いかがでしょうか。新保構成員、お願いします。
 
○新保構成員 明治学院大学の新保です。私からは、連携ということについて、お話させていただきたいと思います。恐らく今は社会福祉のあらゆる領域で、多機関との連携、協働が課題になっているのだと思っております。これまで、雇用と福祉は、恐らく長い歴史の中で連携をする仕組みがあったり、取組があったり、そのための工夫もおありであったのかと思います。もしよろしければ、連携についてどのように取組を進められてきたのかということに、報告書で少し触れていただけたらと思います。連携には、いろいろな考え方があると思うのです。私は、相互理解のもとで一緒に取組を進めるというのが連携のイメージなのですが、障害者就労の中で、雇用と福祉が一緒にやっていくときの連携のイメージや、それを今後、一層より良く進めていくために、どのようなことがこれからできるのかというところを少し、今後で構いませんので教えていただいたり、これまでの取組については、もし可能であれば、取りまとめの中に入れていただけますと、有り難いと思った次第です。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。いろいろな分野に連携という言葉は出ているのですが、必ずしも関わり方によっては連携を意味するものが違うこともあって、ときどき問題が起きるのは、同じ言葉を使っているけれども違う意味で使っているということがよくあるのですね。今日も、これまでの議論で雇用の質とか支援の質、あるいは本人の意思などについて、双方から使っている言葉の意味を少し共有しましょうというようなお話もあったかと思っていますので、今、新保構成員がおっしゃったように、この報告書の中で使われている言葉づかい、例えばアセスメントをどう理解しているかということがコンセンサスがないと、違う議論になっているかもしれませんので、ここから後半の議論は、今おっしゃったように、連携においても、お互いの理解が実はうまくつながっていない部分があるのではないかというようなことも、この際、言及していただいたほうがいいのではないかと思っています。
ということで、新保構成員、ありがとうございます。オープニングということで、いい切り口だと思います。ほかに、どの点でもいいですが、この際、徹底的に今日は議論しろと事務局から言われていますので、気になるキーワードがありましたら、是非。酒井さん、お願いします。
 
○酒井構成員 移行支援事業所連絡協議会の酒井です。私からは、先程来、挙がっているご本人の意向の捉え方にも若干の違いがあるような気がしますので、ここをもう少し議論を深めたいと思っています。私がこれまで申し上げてきたのは、もちろんご本人の意向が大前提として尊重されるべきですし、それは支援者として、先程来いろいろな方からお話がありましたように、ご本人が希望する意向もあれば、なかなかそれを出力できない、言葉にできない、そこのニーズやアセスメントも、支援者としてはとても大事ですので、それを引き出す技術や、そういう視点を持つという、そこが、企業で支援する方もそうですが双方で、内側の人間も双方で持っておかないといけない視点だと思っています。その上で、私が申し上げたいのは、公費による福祉サービスについて、もしかすると、ここが更に意見の分かれるところかもしれませんが、公費による福祉サービスについて、もちろんご本人の意向は踏まえるけれども、その意向のみでサービスにつなげていくということの妥当性をそろそろ考えるべきなのではないかと。そのときに、具体的には就労継続支援A型の対象者をどうするかと、これは我々民間が決めるのではなくて、公的なサービスとしてどういう基準を持つべきなのかということに対して少し踏み込んだ意見であったということを改めて申し上げたいと思います。
 
○駒村座長 ひとつ、最初に踏み込んだ話になってきて、公費による福祉サービスというところで、移行によって、今度はそれとは違い、財政も連動して出てくるところもあります。この報奨金や調整金も、やや性格の違う財源であって、これは移行に全部つながってきているような状態になっているということもあるとは思うのです。この辺りも、少し議論ができるポイントかとは思っております。
 
○酒井構成員 私が申し上げた意向というのは、就労の移行というよりは、ご本人の意向ということで大丈夫です。
 
○駒村座長 そうですね、2つのイコウ(意向、移行)が重っていましたが、そういうことです。ありがとうございます。ほかに、いかがですか。叶構成員、どうぞ。
 
○叶構成員 今の議論を聞きながら振り返ってみたいのが、もともとセルプ協は50年の歴史があって、もともと授産施設というところで取り組んでいたときに、授産施設というのは通過施設であったのです。そこから、3年掛けて一般就労していくということであったのですが、そうはいっても、なかなか重度の障害者の人たちが簡単に就職ができないという状況があって、わずか1、2%ぐらいの人しか就職されてこなかったという歴史がある中で、セルプ協がずっと訴えてきたのは、みんなが安心して働き続けられる継続的な就労の場にするべきではないかということを訴えてきたのです。そのような訴えがある中で、2006年の自立支援法の中で、一般就労を目指す人には就労移行事業というものが新しくできて、そこで継続的に働く人には就労継続支援事業というものができたと、私も理解しているのです。
本人の意向で就労を目指す人と、継続的にそこで働く人と、というところで、節付けられて、今回の議論の中でもあったように、継続の中で働きたい、チャレンジしたい人がいるとか、もっと可能性があるという人たちを、もっと継続からも送り出していったらいいではないかというような議論、それは私も賛成なのですが、それを実現するために、今度は就労選択支援というものができたと思うのです。ですから、就労選択支援を活用しながら、本人の可能性などをいろいろ話しながら、そして一般就労への移行を希望する人については努力を後方支援していくというように理解していて、就労継続で多様に働く場の中で継続して働き続けたいと思う人は、それはそれでいいのではないかと思っているところです。その辺りが微妙に、いろいろな意見があるのかなと思いながら聞いていたところです。そのようなことを思っているところです。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。先に、倉知構成員、どうぞ。
 
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。先ほどの酒井構成員の話と叶構成員の話は、若干ずれているというか、合わない感じがしました。私は、酒井構成員のおっしゃっていることがよく分かって、いわゆる公費を投入しているわけだから、本人の希望で全部公費を使えるわけではないということですよね。ですから、当然条件があるわけで、叶構成員は、希望する人は全部公費OKというように私は受け止めたのです。違っていたら言ってください。やはり公費を投入する範囲というのは自ずと決められてくるわけで、就労継続支援は、もちろん希望もあるけれども、やはり働けない人に限定していかないと、本当は働ける状況だけれども私はここで働きたいのだという人を、では、ずっとここにいなさいというのは、それは支援としてどうかなと。そうではなくて、働いている状況に向けて支援していくということが重要で、最初はここにいたいと思っている人を受け入れて、そこから「もう一回、やっていきたいよ」となるように、どのように支援していくのか、ここが就労継続支援に求められていることではないかと。ですから、本人が働きたくないといったときに、「いいんじゃない、ずっとここにおりなよ」というのは、支援としてどうなのかと。もう少し、そうではない状況に働き掛けていくのが私は支援ではないかと思っています。そこで、酒井構成員の話は、そうだなと私は納得しました。以上です。
 
○駒村座長 藤尾構成員、よろしいですか。お願いします。
 
○藤尾構成員 全国就業ネットワークの藤尾です。2点あります。まず1つ目は、働けないという判断のところが、先ほどもお話したことと重複するのですが、これからの雇用の現場で働けるか働けないかという議論をしていかなければいけなくて、これまで大企業を中心に特例子会社などがたくさん立ち上がる中で、どちらかというとオールマイティーな方が雇用の対象になっていた。それよりも、もっと遡るとどうかというと、日本に製造業があったときは、より重度な方が働いていた時代があったと思うのです。そのように考えると、例えば「挨拶はできません。」、「丁寧な言葉遣いはできません」、でも「この仕事ならばできます」という方が、今後、戦力化であったり、より中小の企業で人材として活躍できる可能性が出てくるのではないかと思います。そのときに、支援機関がその視点をもって、しっかりとサポートできるかというのが私は重要だと思っています。そこで、なかぽつセンターであったり、先ほどお話したハローワークの雇用支援の機能とマッチングしていくと良いのではと考えます。ですから、「今まではこうだった」ということに縛られることの怖さを、これからは捉えていただきたいと思ったのが、まず1点目です。
 もう1つは、酒井構成員が言われたとおり、やはり該当するサービスの対象者像を見ていかなければいけないのですが、サービスの地域偏在が問題になると思います。どこの地域でもA型があって、B型があって、移行支援事業所があるということであれば、対象者像は非常に明確に分かれると思います。しかし、私は千葉なのですが、千葉県内でも、A型も移行もなくてB型しかないという地域もあります。そうなってくると、その地域にある資源が担う役割は変わってくるのです。これは、先ほどお話した全就ネットの3年間でのモデル事業の中で明確に出てきていて、こうなってくると、今の地域偏在を今後、国としてどう見ていくのかということも、どこかで検討していかないとならないのではないでしょうか。サービスのない所の人は転居して、サービスのある所に行けばいいのかとなれば、ますます人口の地域格差は進んでいくと思うので、やはり福祉サービスとしてどうやって全国津々浦々やっていくのかということは、もう一方で議論していかなければいけないのかと思っています。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。今日の中間の取りまとめというのは、まず参加されている方の間の、ある種、状態をどう認識しているのかという共有ですので、やはり地域偏在に関しての認識はどうなっているのかということも少し。6ページですね、その辺りが、地域偏在を更に放置しておくと進んでしまうと、今議論しているのが非常に一部の地域だけにしかなっていないのではないかという目的だと思いますので、大事な指摘だと思っています。
オンラインの方は、いかがでしょうか。今の議論を聞きながら、この際、指摘しておいたほうがいいと思われるものがあれば、どの切り口でもいいですので、ご指摘いただければと思います。ちなみに、先ほど倉知さんが公費と言ったのは、特に費目は限定していないのですか。
 
○倉知構成員 障害福祉サービス費ということを念頭に言っています。
 
○駒村座長 そこの公費ですね。
 
○倉知構成員 はい。
 
○駒村座長 はい、分かりました。オンラインのほうで、いかがでしょうか。どなたも、今はご意見はないですね。フロアのほうは、いかがですか。まだ後1時間ありますが、無理して延ばすことはないですので、もし出尽くしていたら、これで終了しますし、ただ、言うのならば今がチャンスだと思いますので、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインも、よろしいですか。終えてしまってよろしいですか。どなたも付いていないですか。構わず、どうぞ、出してください。
 
○酒井構成員 移行支援協議会の酒井です。新保先生から、連携というお話、持ち掛けを頂きましたので、何かお話できる自分の経験談を含めてなかったかなと思いながら考えていたのですが、現場レベルでは就労支援における連携は、やはり自分たちだけでは賄えないところを補完し合って、その人のより良い支援に結び付けるということが連携だと思います。もう1つは、その地域の連携で、要は、地域の就労支援力を高めていく。そのぐらいからの連携という意味合いでは、就労支援において、企業と就労支援機関が連携し合って、そこの質を高めていくということで、お互い同じベクトルに向けて意識し合ってやっていくのかと。現在も、うちの職員も含めてやっているのかと思っています。
 そうやって、いろいろな企業や雇用行政の方々とも、今や連携し合って支援するということになって久しいですから、同じ価値観で、感覚で同じ方向に向かってということが容易にできつつあるのだろうと思いますが、最初は、福祉のほうは雇用の現状、現実も分かっていなかったり、経済の仕組みの中で障害者雇用をしていくということの厳しさ、難しさなども、連携する中で理解し、反対に企業のほうも、福祉が置かれている現状、その方が置かれている福祉の課題なども今までは耳にしてこなかったようなことを互いに知ることによって、福祉のこと、雇用のことを理解し合ってきている今日があるのかと思います。そうであっても、その感覚は合ってきたとしても、施策と雇用と福祉の連携というのは、常に対象者も変わっていき、社会の在り方も変わっていく中で、そのような意見合わせ、感覚合わせということが常に必要なのだろうと、連携という言葉を聞いて思い付いたことです。
 
○駒村座長 ありがとうございます。先ほど5分ほど休みをとりましたが、将棋ですと休み中に相手の棋盤を見ていって、相手から自分の差し手がどう見えるのかを見るといいますよね。それと同じように、今回は雇用と福祉ですが、将棋のような勝ち負けでなくて、1つの問題を双方で問いていくということですから、相手のポジションになってみたときに、どういう手を打っているのか。しかも、ややこしいのが、この手は1回決めて固定したらお仕舞いだから。その状況が変わりながら、もし相手のポジションに立つときに、この仕組みがどう見えているのかを説くのが、この検討会の役割ですので、今日はそういう議論ができたのかと思います。この後、まとめていくことにおいても、棋譜を、将棋盤を逆から見るようなつもりで議論ができればと。要するに、雇用の立場に立ったときと、福祉の立場に立ったときにどう見えるかというような議論ができればいいと思っています。
 もしご発言がなければ。倉知構成員、どうぞ。まだ1時間ありますので。
 
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。すみません、せっかく終わろうとしていたのに。せっかく連携という話が出たので。連携とは、支援機関、現場の連携ということが1つあると思うのですが、ここでは制度、システムとしての連携なので、制度間の切れ目のないような仕組みを作っていくという意味での連携として捉える必要があるのかと。そこを、最前線の支援機関同士の連携と捉えてしまうと多分、整理がつかなくなってしまうので、制度としてしっかりとシステマチックになっていて切れ目のない連携の仕組みを作り上げていきましょうというように考えた連携という言葉を使ったほうがいいのかと、私は思いました。
 
○駒村座長 そのとおりで、それぞれの制度にある制度の連携、この2つの歯車が、きちんと組み合って動いているのか、隙間がないのか、何か詰まっていないのかという意味での連携だという意味ですよね。ミクロの連携という意味では使っていないと。藤尾構成員、どうぞ。
 
○藤尾構成員 全国就業支援ネットワークの藤尾です。今頂いた連携というのは、正に先程来、お話させていただいている労働施策とどのように絡んでいくのかというところになってくると思うのです。労政審のほうで、今、100人以下の企業の納付金の問題が議論されていると思います。実際に、これが対象になるということになると、かなりの数の企業が障害者雇用に取り組むという動きが出てくると思うのです。ここの情報は、やはり最新のことを受けながら皆で考えていかなければいけないと思うのです。
 そうなったときに、人材の供給源となる福祉側、送り出す側が付いていけるのかが1つの大きな問題であるのと同時に、先ほどお話したハローワークが雇用支援をする仕組みとして、どういうものが提示できるようになっているのかということが統一されていないと対応できないと思うのです。千葉県内の各所ハローワークを見ても、あそこのハローワークはこういったことをやるけど、ここのハローワークはこういうやり方をしていると、ばらばらなのです。ばらばらな理由としては、先ほどお話した職場実習などは基本的にハローワークが進めていいものには恐らくなっていないと思うのです。あくまでも、体験の実習であり、体験したらこの人は様子が良かったから、うちで雇用してみたいから紹介状を切るという、この仕組みを経ないと、実績の対象にならなかったり、様々なボトルネックがあるというか、目詰まりを起こしている部分があると思うのです。これから、多数の企業がハローワークに相談に行ったときに、ハローワークとして皆さんがこういった形で雇用を進めたらうまくいきますよということを、きちんと発信できる仕組み。そうなったときに、そこと福祉施策はどうやって連携して、どうやって人材を輩出していくのかというところが、今やらないと多分、間に合わないのではないかと思うのです。そういった仕組みの中でやっていくのであれば、今まではそれこそ雇用の対象にならなかったかもしれない障害のある方が、ここの会社であれば働けるのではないか、ここの企業はこういう人材を求めているから行けるのではないかという、先程来この資料の中にもありますが、マッチングの精度を上げることにつながっていくと思うので、福祉の側だけで何かを考えるとかではなくて、労働行政のほうの仕組みもしっかりとタイアップした形で進めていくことを、是非ここで皆さんと議論していただければと思いました。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。ほかは、ご発言はいかがでしょうか。今日は、十分な議論をもちたいと思い、やや余裕をもった時間をとりましたが、ほぼ議論は出尽したと思いますので、今日はこの辺りで終了したいと思います。次回の日程については、事務局から説明をお願いいたします。
 
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程については、令和8年9月7日(月)を予定しておりますが、詳細については座長とご相談の上で、皆様にご連絡させていただきます。以上です。
 
○駒村座長 本日は大変暑い中、お忙しい中、ありがとうございました。これで閉会といたします。ありがとうございました。