第73回中央最低賃金審議会 議事録

日時

令和8年6月23日(火)15:55~16:07

場所

経済産業省別館1120共用会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1丁目3番1号 11階)

出席者

公益代表委員
 藤村会長、戎野委員、小西委員、首藤委員、松浦委員
労働者代表委員
 伊藤委員、熊谷委員、永井委員、仁平委員、平野委員、水崎委員
使用者代表委員
 志賀委員、進藤委員、田上委員、土井委員、新田委員、堀内委員
事務局
 岸本労働基準局長、松本大臣官房審議官、
 野澤賃金課長、樋口主任中央賃金指導官、大野調査官、
 南條賃金課長補佐、八木賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官

議題

  1. 中央最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理

議事

○藤村会長
 ただいまから、「第73回中央最低賃金審議会」を開催いたします。本日は、所用により、権丈委員が欠席でございます。
 目安制度の在り方に関する全員協議会につきましては、令和8年2月に中央最低賃金審議会から付託を受けた後、令和9年度中のとりまとめを目指して議論が始まりました。その中で、労使の意見により、令和8年度の目安審議までに一定の考え方の整理が必要と考えられる項目については、令和8年度の目安審議までのとりまとめを目指し検討を進めて参りました。
 計3回にわたって、目安を大幅に上回る高い引上げや発効日について精力的にご議論いただき、本日、これらの事項について全員協議会として考え方が整理されました。お手元に用意しておりますので、事務局からご説明をお願いいたします。

○八木賃金課長補佐
 事務局でございます。さきほど全員協議会でご了承いただきました「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」について、簡単ではございますが、要点を絞ってご説明いたします。
 「1 令和7年度の地域別最低賃金の審議結果と課題」については、令和7年度の審議結果の概要や、考えられる課題、2及び3に記載しております2つの事項について課題の整理と対応方針の整理を行う旨を記載しております。
 続きまして「2 近隣県等との過度な競争意識や最下位回避の意識による地域の実態と乖離した引上げの考え方」になります。課題としまして、まず前提として、最低賃金法第9条第2項の規定や令和5年の目安全協報告について記載をしております。その一方で、課題としまして、令和7年度の地方最低賃金審議会では、近隣県等の答申が出た後で審議を行うために、審議会日程を後ろ倒しにする動きも一部に見られ、近隣県等や同じランク内での過度な競争意識や最下位回避の意識の中で、高い引上げ額となったのではないか、との指摘があることや、全員協議会のご議論の中でのご意見を記載しております。
 つづきまして、「(2)対応方針」でございます。
 1つ目でございますが、令和5年に開催された全員協議会では、「最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議においても徹底すべきであること」を確認し、合意が得られたところであり、今後も、この基本的な考え方に基づいて、中央及び地方最低賃金審議会で審議を行うべきである。
 2つ目でございますが、とりわけ、近隣県等との金額のみの比較だけで当該地域の最低賃金額を決めることや、最下位を避けたいという動機から、地域の実態と乖離した引上げ額を導き出すことは適切でなく、法定3要素のデータを総合的に考慮して地域別最低賃金額を決定すべきである。
 3つ目でございます。審議の結果、示された最低賃金額だけを捉えて「高すぎる」「低すぎる」との批判が生じることは適当でなく、目安額に大幅な上乗せをするのであれば、その判断理由を地賃の公益委員見解等で明らかにすべきである。
 4つ目でございます。なお、令和7年度の審議では、一部で、地賃の開催を予定していたものの、審議せずに審議日程を延期する動きも見られたが、これが仮に他地域の審議結果のみをもって当該地域の最低賃金額を決めたいとの意向によるものだとすれば、法定3要素のデータに基づく審議という最低賃金額の決め方そのものへの疑義を生じかねないことに留意が必要。
 5つ目でございます。また、特に前年度、例年以上に高い引上げを行った場合、翌年度の審議では、その影響等を公労使委員間で確認した上で、当該年度の審議を行うべきである。
 6つ目でございます。地賃において、総合指数など様々な指標を活用し、全国における当該地域の位置づけを踏まえて地域別最低賃金額を決める事例も見られます。総合指数などの様々な指標を活用することは、地域の法定3要素の状況を勘案する際の一つの方法だと考えられるが、可能な限り最新のデータを用いて、法定3要素それぞれのデータを確認すべきである。その上で、他地域との比較を行う上では、当該地域の日本全体での位置づけを総合的に考慮すべきである。
 最後ですが、また、中央最低賃金審議会で用いられた指標のうち、一部について都道府県別データがなく、地方最低賃金審議会委員が対応に苦慮しているという意見があった。厚生労働省は、当該年度の中央最低賃金審議会の審議で用いたデータのうち、都道府県別データがないものについて、利用可能な資料やデータの参考事例等の丁寧な情報提供に努めることとする。
 というように対応方針を整理しているところでございます。
 続きまして、「3 発効日についての考え方」でございます。まず、「(1)課題」について、発効日について最低賃金法の規定や、発効日に関するこれまでの傾向や令和7年度の審議結果について記載するとともに、発効日が令和8年1月以降となった地賃の理由について記載しております。5つ目の「一方で」という箇所から課題部分になりますが、一部の地賃からのご意見・要望を記載するとともに、全員協議会でいただいたご意見を記載しております。
 「(2)発効日の後ろ倒しと影響の確認」では、越年発効となった背景やハローワークで受理したパートタイムの新規求人賃金の状況、JILPT調査、厚労省の委託調査に関する概要をまとめております。
 「(3)全員協議会における議論」において、これまでのご議論をまとめております。こうした議論の内容を踏まえまして、「(4)対応方針」をまとめております。1つ目では、指定日発効とする場合は、その必要性について広く理解を得られるかなどの観点から、各地方最低賃金審議会の公労使委員間で、十分に議論して決定することとしています。また、発効日について、大幅な引上げ額を確保するための過度な交渉材料とするべきではなく、公労使委員間で十分に議論した上で、発効日について判断することとしています。少し飛びますが、また、指定日発効とする場合には、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等で、できる限り明らかに示した上で決定すべきこととしています。そして、指定日発効とした地賃においては、その影響等を把握した上で、翌年度の審議を行うべきであることとしています。
 4の「その他」についてです。ランク区分の見直しや、EU指令の考え方について、今後、一定の時間をかけて議論尽くす必要があるとしておりまして、これまでのご意見の概要を記載しております。
 5の「今後の取組について」では、中央最低賃金審議会は地方最低賃金審議会に対し、令和8年度以降、2及び3の考え方を踏まえた審議を行うことを要望するということや、ランク区分の見直しやEU指令の考え方については、全員協議会で引き続き議論を行うことで合意したとしております。ご説明は以上となります。

○藤村会長
 はい、ありがとうございました。この考え方の整理を中央最低賃金審議会として了承することにしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 (異議なし)

 ありがとうございます。
 この考え方の整理については、追って事務局より各都道府県労働局宛てに伝達をし、地方への周知を図っていただきたいと思います。
 最後に、岸本労働基準局長より、一言ご挨拶をいただきたく思います。

○岸本局長
 藤村会長をはじめ、公労使委員の皆様におかれましては、「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」を取りまとめいただきまして、誠にありがとうございます。令和7年度の地方最低賃金審議会の審議における、目安を大幅に上回る高い引上げや、発効日の後ろ倒しなどの論点につきまして、大変真摯な御議論を頂き、今年度の地方最低賃金審議会での議論の前に考え方を整理することができました。
 厚生労働省としましては、公労使三者の全会一致で取りまとめていただいた整理として重く受け止め、今後の最低賃金制度の運営に当たりまして、これを踏まえて的確に運営できるように努めてまいります。また、地方最低賃金審議会に対しましても、本整理の趣旨・内容を伝達、周知をし、今年度以降、各地方最低賃金審議会において、本考え方の整理を踏まえた地域別最低賃金額の改定審議が進められるように、十分な支援を行ってまいります。改めて、公労使委員の皆様のご尽力に対し、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

○藤村会長
 はい、ありがとうございました。それでは、以上をもちまして第73回中央最低賃金審議会を終了いたします。ありがとうございました。