中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第79回議事録(2026年9月16日)

日時

令和8年9月16日(水) 10:00~

場所

全国都市会館 2 階大ホール

出席者

構成員等
  • 飯塚敏晃部会長
  • 菅原琢磨委員
  • 城山英明委員
  • 笠木映里委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 佐竹陽一委員
  • 奥田好秀委員
  • 鈴木順三委員
  • 伊藤徳宇委員
  • 江澤和彦委員
  • 黒瀨巌委員
  • 小阪真二委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 渡邊大記委員
  • 藤原尚也専門委員
  • 越後園子専門委員
  • 守田恭彦専門委員
  • 前田桂専門委員
事務局
  • 宮崎保険局長
  • 西嶋医療課長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 久米保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 大原薬剤管理官 他

議題

  •   業界からの意見陳述について

議事

○飯塚部会長
ただいまより、第79回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は、高町委員が御欠席です。
では、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○飯塚部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。
関係団体としまして、日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、米国医療機器・IVD工業会、日本医療機器産業連合会より意見を聴取したいと考えております。
まず、関係団体の皆様よりプレゼンテーションしていただき、その後に、質疑を行いたいと思います。
関係団体の皆様は、最初に自己紹介を行った上で、時間厳守でプレゼンテーションをお願いいたします。
それでは、まず、医薬品に関連する3団体よりプレゼンテーションをお願いいたします。
○宮柱日本製薬工業協会会長
皆様、おはようございます。日本製薬工業協会の宮柱です。
本日は意見陳述の機会を賜り、誠にありがとうございます。日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の3団体を代表し、まずは私から意見を申し上げます。
初めに、本年5月以降、数か月にわたり、企業側の意見も踏まえた客観的な検証の場を設けていただいたことに改めて感謝を申し上げます。
本日は、この検証で整理された課題と、現在の政策、国際環境も踏まえ、今後の制度運用について、製薬団体の考えを申し上げます。
スライドの2枚目をお願いいたします。
まず、今後の制度運用を検討する前提として、現在の政策環境について申し上げます。
こちらは、先月の薬価専門部会でもお示しをした資料の再掲です。政府は、革新的医薬品を確実に患者さんに届けるため、創薬力強化、魅力的な市場形成、また、米国の最恵国待遇価格政策への機動的対応などの方針を打ち出しております。
費用対効果評価制度も医薬品価格政策の1つである以上、政府の政策方針や国際環境の変化と整合的に運用されることが望ましいと考えております。
スライドの3枚目をお願いいたします。
これまでの制度の価格調整の実績です。本制度は2019年に本格導入され、これまでに45品目の評価が終了しております。内訳は薬価維持が9品目、薬価引下げが36品目で、薬価引上げはございません。評価を終えた品目の約8割が引下げとなり、その対象は全て特許期間中の品目であります。制度上は価格の引上げも想定されておりますが、これまで適用された品目はなく、実際に薬価が調整をされたのは引下げの場合に限られております。
本制度は、薬価制度を補完する仕組みとして導入されておりますが、導入時の趣旨に照らしてどう捉えるかも論点になると考えております。
こうした中で、今回本制度について客観的な検証が行われました。スライドの4枚目です。
まず、検証全体についてです。今回の検証では健康アウトカム指標での改善、ICERの不確実性、比較対照技術の選定の3つの論点について、技術的な課題が整理、共有されましたが、解決に向けては、さらなる検討が必要と認識をしております。
また、取りまとめにおける一定の妥当性の記載、透明性プロセスに関する私どもの考えは、スライドに記載のとおりです。
一方、制度上の課題については、議論が十分に深められておらず、引き続き議論を重ねていく必要がございます。
スライドの5枚目になります。
次に、3つの技術的論点です。
1つ目、健康アウトカム指標での改善は、あり/なしの2区分では、なしの背景の違いを区別できないため、段階的な評価の導入を提案しております。
2つ目、ICERの不確実性は分析の前提が変われば、結果も変わるにもかかわらず、その不確実性が価格調整に十分反映されていないため、シナリオ分析の結果を価格調整に考慮することを提案しております。
3つ目、比較対照技術は、単一の比較対照では臨床実態との乖離がある場合がございますので、複数の比較対照技術の選定を許容することを提案しております。
いずれも課題は整理されておりますが、業界が提案した解決策と制度への反映は、これから議論をすべき段階と捉えております。
次のスライドより具体例を交えて申し上げます。スライドの6枚目を御覧ください。
まず、健康アウトカム指標での改善についてです。これまでに評価結果が報告された47品目のうち、1つ以上の集団で改善なしとされた品目は22品目でした。このうち45.5%、およそ半数は十分なエビデンスがなく、改善を評価できなかったものです。つまり、なしという1つの区分の中に、改善を示せなかったものと判断できなかったものが区別されずに含まれております。
例えば、検証会議でも取り上げられました、重症筋無力症の治療薬です。抗アセチルコリン受容体抗体が陰性の集団は承認時の試験では各群19例にとどまり、そもそもこの集団で有効性を検証する設計ではありませんでした。
そのため、費用対効果評価では、有用性を判断することが困難とされ、改善なしと同じ扱いとなり、価格調整につながりました。
しかし、その後、この集団を対象とした119例の検証試験が行われ、主要評価項目を達成しています。
費用対効果評価の分析時は、改善がないと分かったのではなく、データが足りず、判断できなかったということです。改善を示せなかったことと、データが足りず判断できなかったことは意味が異なります。両者同じ改善なしとして価格調整につなげることは適切ではないと考えます。
スライドの7枚目です。
健康アウトカム指標での改善の評価に、こうした課題が残り、その対応について十分な議論もなされていない中で、現段階で価格調整の範囲をさらに広げることは受け入れ難いと考えております。
図のように、薬価は類似薬効比較方式を例に挙げた場合、算定比較薬の薬価をベースに有用性系加算と小児加算や市場性加算などのインセンティブ系加算で構成されております。
現行の価格調整は、このうち、有用性系加算が対象です。これを薬価全体に広げますと、小児や希少疾患の開発を促すために設けられた加算まで、費用と健康アウトカムによって調整されることとなります。さらに、薬価収載時の算定比較薬の薬価を下回ることもあり得ます。
これは、薬価制度を補完するという本制度の導入当初の趣旨から外れ、薬価制度そのものとの整合性に関わる重要な変更になります。この点は、薬価専門部会においても十分に議論していただく必要があると考えております。
スライドの8枚目です。
残る2つの論点について具体例を挙げます。まず、ICERの不確実性です。現在の制度では、基本分析で示された1つのICERの値によって価格調整の区分が決まり、シナリオ分析で異なるICERが示されても、その結果を価格調整に反映する仕組みになっておりません。
実際、偏頭痛治療薬では、同じ公的分析の中でも再分析と追加分析でICERが最大5.5倍変動しております。
さらに、肥満症治療薬の事例では、薬剤の効果とは直接関係しない、食事、運動療法の継続率という前提を、わずか5から10%動かすだけで、ICERが価格調整の区分をまたいで変わりました。
ここでの論点は、どの推定が正しいかではありません。薬剤の効果とは無関係の1つの前提の置き方で、価格調整の区分が変わり得るのに、その不確実性を反映する仕組みが、今、ないという点でございます。基本分析の1つの値だけではなく、シナリオ分析の結果を価格調整の判断にどう反映するか検討が必要です。
次に、右側、比較対照技術の選定です。
2型糖尿治療薬の事例では、最も安価なものを選ぶ運用の結果、同じ薬効群の中で実臨床での処方が最も少ない市場シェア、およそ2%の薬剤が唯一の比較対照として選ばれました。
さらに別の2型糖尿治療薬でも、実臨床でほとんど使われず、発売中止が予定されていた薬剤が同じように比較対照として選定されています。
ここでの論点は、実臨床でほとんど選択されていない薬剤の価格を唯一の基準とし、その結果を価格調整に直結させることが妥当かという点でございます。
私どもは、臨床実態に応じて複数の比較対照技術を認めることを提案しております。いずれの論点についても、継続的に議論をし、解決していく必要があると考えております。
スライドの9枚目をお願いします。
ここまでの論点を整理いたします。今回の検証会議では技術的な観点から、現行制度の課題が明らかになりました。
一方、その課題への対応や価格調整への反映は、技術的な検討だけで決まるものではなく、政策・制度上の判断を要するものです。
検証結果をそのまま価格調整範囲の拡大へ結びつけるのではなく、まず課題への具体的な対応を検討し、その上で、薬価制度との整合性、本制度の在り方そのものを含めて、十分に議論をしていただく必要があると考えております。
スライドの10枚目をお願いいたします。
最後に、本制度の今後の運用に対する私どもの考えをまとめます。まず、再度申し上げますが、検証会議では技術的な課題が明らかになりました。
一方、課題への対応や制度への反映は政策・制度上の判断であり、十分な議論が必要です。
次に、右側、現在の政策、そして国際環境を鑑みますと、政府としても特許品市場の成長、イノベーションの評価、患者アクセスの確保を掲げ、MFN価格政策を含め、国際的な政策環境も大きく変化をしております。今は、合理的な根拠なく薬価をさらに引き下げる局面ではないと考えております。
以上を踏まえ、私どもは制度的な議論に一定の結論が得られるまでの間、本制度による価格調整を凍結すべきであると考えております。
今後、薬価制度との整合性も含めた制度的な議論に、私どもも積極的に参画をさせていただき、関係者の皆様とともに議論を深めてまいりたいと考えております。
この後、EFPIA、PhRMAのほうからもコメントを申し上げます。ありがとうございます。
○菊池欧州製薬団体連合会副会長
欧州製薬団体連合会の菊池でございます。本日は、このような発言の機会をいただきまして、感謝申し上げます。
まず、検証会議において、関係者の皆様が多大な労力をかけて、技術的な課題について整理されたことに敬意を表します。
EFPIAといたしましては、今回の検証会議を通じて明らかとなった課題は複数存在していると考えております。
中でも費用対効果評価制度の運用における透明性と納得性について、意見を申し上げたいと思います。
まず、検証全体に対する取りまとめにつきまして、報告書に一定の妥当性があるといった記載がありますが、その根拠及び一定の妥当性とする具体的な内容は示されていないと感じております。
報告書において、他の論点についても、引き続き将来的な費用対効果評価制度改革に関わる議論の中で検討されることが望まれるという記載があるように、継続して検討すべき事項が残っている点について留意が必要と思います。
また、報告書には、議論の透明性やプロセスについては、一部改善の余地があると考えられたですとか、専門組織への関与、国立保健医療科学院との協議機会を増やす等の具体的な検討案も記載されていますが、技術的な課題について、その解決策や対策が十分に議論し尽くされたとは言い難い状況であると認識しております。
費用対効果評価は、専門性が大変高い領域でございます。分析には、多様なデータや臨床的推定を用いるため、その結果は極めて大きな不確実性をはらんでおります。ですから、分析結果そのものだけでなく、使用したデータや、最終判断に至るまでの議論、決定された分析結果の活用方法等については、当該企業を含む関係者全員にとっての透明性、納得性のある運用を構築することが重要であると考えています。
EFPIAといたしまして、さらに透明性、納得性を向上させる方策として、例えば、判断に難渋した場合に、関連学会や第三者機関に対して紹介する機会を設けるような分析プロセスの追加ですとか、患者へのベネフィット、イノベーション評価等、薬価算定で認められた有用性が、費用対効果評価結果の活用において十分に反映されるような運用も必要と考えております。
今回の検証会議は、技術的な課題を整理する場であり、制度の在り方そのものについて結論を出す場ではなかったと理解しております。
薬価制度との整合性に関わる十分な検討がないまま、価格調整範囲の拡大や対象品目の拡大を進めることは、制度上の不整合が拡大することのみならず、政府が骨太方針において示した、我が国の医薬品市場の魅力を高める観点にそぐわない見直しとなってしまうかと思います。
まずは、技術的検証において指摘された課題について検証を進めるとともに、費用対効果評価の分析結果の制度への反映については、引き続き、薬価専門部会を含めた中医協において、薬価制度との整合性を踏まえた制度設計に向けて丁寧な議論をするべきと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
米国研究製薬工業協会の五十嵐です。手短に、本日は発言の機会をいただき、また、検証会議で多くの時間を割いていただきまして深く感謝申し上げます。私からは2点申し上げたいと思います。
1点目は、検証結果の受け止めでございます。私どもは、これまでの専門組織の判断について、一律に一定の妥当性があると結論づけられないと考えております。報告書には、一定の妥当性があると記載をされておりますが、どの判断や事例に妥当性が見られるのか明確に示されておりません。個別に見ますと、臨床実態との間に大きな隔たりがある事例もございます。この表現が、残された課題は透明性の向上に限られ、技術的な対応はおおむね不要である、そうした趣旨で受け止められるとすれば、私どもの認識とは大きく異なります。
私どもは、今回の検証を通じて制度の信頼性に関わる技術的な課題が明らかになったことを重く受け止めております。これらの課題に対する解決策をぜひ十分に議論し、制度に適切に反映していただくことが必要だと考えております。それが1点目です。
2点目は、特許期間中の医薬品に対する価格調整、これをどう考えるかという点です。政府は、特許品市場の成長を促し、日本の創薬力を強化する方針を掲げております。その実現には特許品市場の魅力度を高めることが重要です。
しかし、足元では、費用対効果評価による価格引下げが続いており、むしろ、特許品市場の魅力を損なう方向に働いております。
イノベーションを評価するという政府の方針と、実際の制度運用の整合性という観点で、改めて検証する必要があるのではないかと思っております。
加えまして、米国のMFN政策をめぐる動向によりまして、日本の薬価が、国際的な価格形成に及ぼす影響、これが一段と大きくなっております。日本の薬価は、研究開発投資や上市の優先順位を左右し、患者さんの新薬アクセスにも直結する課題です。
したがいまして、まずは、検証で特定された課題について解決に向けた検討を十分に尽くしていただきたいと思っております。
その上で、解決策が制度に反映されるまでの間は、本制度における価格調整を凍結していただくよう、お願い申し上げます。仮に、課題が解決されないまま、価格引下げに偏った運用が続きますと、制度の目的や位置づけを含めて、制度全体の抜本的な見直しが必要と考えております。課題解決に向けた議論の継続を、ぜひとも重ねてお願い申し上げます。
私からは以上です。御清聴ありがとうございました。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、医療機器に関連する2団体より、まとめてプレゼンテーションをお願いいたします。
○山本日本医療機器産業連合会会長
皆さん、おはようございます。日本医療機器産業連合会の会長の山本でございます。
本日は、医療機器業界として意見を述べる機会を頂戴しまして、誠にありがとうございます。
まず、1ページ目を御覧ください。
本日は、日本医療機器産業連合会、日本医療機器テクノロジー協会、米国医療機器・IVD工業会、欧州ビジネス協会の4団体の意見として述べさせていただきます。
先ほど、医薬品団体から検証結果と今後の制度上の課題について御説明がありました。医療機器団体からは、これらの論点に踏まえ、特に医療機器の特性に応じた評価と価格の調整の在り方について意見を申し上げます。
2ページを御覧ください。
初めに、今回の医薬品等の費用対効果評価制度における検証のための会議に、医療機器業界がオブザーバーとして参加する機会をいただいたことに感謝を申し上げます。
今回の会議は、具体的な医薬品の事例を基に、企業分析と公的分析の双方の立場から意見交換を行いながら検証を進められ、主に3つの論点について、今後改善や検討を要する重要な課題が明らかになったことは大変有意義であったと考えております。
今後は、具体的な事例による検証を継続するとともに、今回明らかになった課題にどのように対応し、その結果を価格調整にどのように反映するかについて、制度として十分に御議論いただく必要があると考えております。
特に医療機器については、その特性に応じて、検証、検討を進めていただくこと。また、C2Hと企業との協議の機会を増やしていただくことを要望いたします。
それでは、米国医療機器・IVD工業会の鴨川委員長より詳細を説明いたします。
○鴨川米国医療機器・IVD工業会保険委員会委員長
おはようございます。米国医療機器・IVD工業会の鴨川でございます。
3ページを御覧ください。
先ほど医薬品団体からも御説明がありました、検証会議で挙げられた3つの論点、価格調整範囲及び価格調整の方法について、医療機器の観点から意見を申し上げます。
4ページを御覧ください。
1点目は、健康アウトカムの改善を評価する際の科学的根拠についてです。
医薬品団体からは、健康アウトカムの改善なしとされた結果には、改善が認められなかった場合だけではなく、試験デザインやデータ不足により改善を示すことができなかった場合も含まれるとの御説明がありました。この課題は、医療機器においても、より顕在化する可能性がございます。
例えば、医療機器は、製品の継続的な改良、術者の習熟、使用方法などが治療結果に影響いたします。そのような背景から、長期的な健康アウトカムを直接示すデータが評価時点では十分に得られていない場合もあります。
さらに、医療機器がもたらす価値は、健康アウトカムの直接的な改善だけではありません。術者の負担軽減、治療時間の短縮、患者の利便性、安全性の向上なども重要な価値となります。
こうした価値の評価や、代替・中間アウトカムを用いた最終的な健康アウトカムの推計について御議論いただき、医療機器の特性に合った分析、評価方法を御検討いただくことを希望いたします。
5ページを御覧ください。
2点目は、ICERの不確実性についてです。医薬品団体からもシナリオ分析で示された不確実性を意思決定にどのように反映するかが課題として示されました。
医療機器団体としましても、単一のICERだけではなく、シナリオ分析で示された不確実性も含め、QALYやICERなどの指標の特性を十分に理解した上で総合的な評価の充実に向けた議論をぜひお願いいたします。
また、企業としましては、専門組織において、どのような議論が行われ、どのような考え方で結論に至ったのかを十分に理解することが重要であると考えております。
議論の内容を確認できる機会につきましても、引き続き御検討いただきたいと考えております。
6ページを御覧ください。
比較対照技術の臨床的妥当性についてです。
医薬品団体からも比較対照技術はICERの起点となるため、臨床実態に沿った選定が必要との御説明がありました。
医療機器につきましても、どの技術を比較対照として選定するかによって、費用対効果評価の結果が大きく変わる可能性がございます。
比較対照技術の選定に当たっては、代替可能性、治療効果、実際の使用状況、対象となる患者集団などを総合的に検討することが重要と考えております。
医療機器業界としましては、現行の考え方である臨床的に幅広く用いられているもののうち、治療効果がより高いものを選定するという原則を、ぜひ徹底していただきたいと考えております。
また、分析前協議や専門組織の議論において、比較対照技術の選定理由を企業に丁寧に御説明いただき、十分な意見交換を行うことが重要であると考えております。
臨床実態に沿った比較対照技術を選定いただき、より透明性の高い議論が行われるようなプロセスとなるよう、御検討をお願いいたします。
以上が、今回の検証会議で挙げられた論点に対する意見となります。
7ページを御覧ください。
続きまして、追加的有用性が示されず費用増加となる場合の価格調整範囲について御説明いたします。
費用対効果評価において、健康アウトカムの改善が示されなかった場合であっても、収載時に認められた製品の有用性が否定されるものではないと考えております。
医療機器でも医薬品と同様に、材料価格算定と費用対効果評価では、評価の目的、評価項目、使用するデータが異なります。
そのため、有用性系加算部分を超えて、価格調整が行われますと、既存品から改良された製品であり、その改良部分が材料価格算定で評価されたにもかかわらず、その償還価格が類似機能区分の償還価格を下回ってしまう可能性がございます。
これは、材料価格算定時に認められた評価との整合性を損ない、医療機器の継続的な改良、改善やイノベーションを阻害することにつながる懸念がございます。
また、先ほど御説明したとおり、健康アウトカムの評価、ICERの不確実性、比較対照技術の選定には、今後整理するべき課題が残されております。
したがいまして、これらの課題への対応と、価格調整への反映方法について、十分な制度的議論を行わないまま、価格調整範囲の拡大を先行させることは、賛同いたしかねます。
以上のことから、医療機器においても、医薬品と同様に、材料価格制度の整合性を踏まえることが重要であると考えております。
8ページを御覧ください。
医療機器における価格調整の方法について御説明いたします。
現在示されている価格調整方法では、比較対照技術と評価対象技術の治療期間における1日当たりの医療機器費用の比率を用いて価格調整を行うこととされております。
しかしながら、医療機器の場合、この方法では、実態を適切に反映できない場合がございます。
例えば、アンメットメディカルニーズを満たす製品ですとか、これまで治療方法がなかった領域の製品においては、比較対照技術として無治療であったり、経過観察、または全く異なる機器が選定される可能性がございます。
このような場合に、医療機器のみの費用だけを比較して価格調整を行いますと、治療全体の費用や価値が考慮されないのではないかと考えております。
実際の治療には、医療機器の費用だけではなく、技術料、入院料、併用材料、治療後の管理など、様々な費用が含まれます。
また、評価対象となる医療機器によって、入院期間や追加的な処置が減少する場合には、その影響も治療全体の中で評価する必要があると考えております。
したがいまして、対象の医療機器の費用のみを基準として価格調整を行うのではなく、治療全体の費用と価値を踏まえた方法を御検討いただけますようお願いいたします。
以上、個別の論点について御説明いたしました。
最後に、米国医療機器・IVD工業会の森川会長より、業界の意見をまとめて申し上げます。
○森川米国医療機器・IVD工業会会長
皆様、おはようございます。米国医療機器・IVD工業会会長の森川でございます。
まず、9ページ目を御覧ください。
最後に、我々医療機器業界の意見のまとめとして、5点お伝えさせていただきます。
先ほどの医薬品団体の説明と共通する点もございますが、医療機器では、その特性を踏まえた検証と、制度設計が特に重要と考えております。
1点目は、今回の検証で明らかになった課題への対応と、その結果を価格調整に反映する方法については、十分な制度的議論が必要です。
医療機器については、その特性に応じた検証・検討を進めていただくとともに、C2Hと企業との協議の機会を増やしていただくようお願いいたします。
2点目は、医療機器では健康アウトカムの改善を直接示すデータが、評価時点では十分に存在しない場合があります。医療機器の特性に合った分析・評価を行っていただくとともに、健康アウトカムの直接的な改善以外の価値をどのように評価するかということについても議論をお願いいたします。
3点目は、ICERの不確実性を踏まえた総合的評価の充実にて、継続した議論を行っていただき、意思決定の透明性を高めていただくことを要望いたします。
4点目は、比較対照技術について、臨床実態に即した技術を選定いただき、その選定過程の透明性と納得性をさらに高めていただきますようお願いいたします。
5点目は、材料価格算定時に認められた有用性との整合性を維持し、医療機器の改良、改善やイノベーションを阻害しない価格調整をお願いいたします。
検証で明らかになった課題を十分に整理いただいた上で、医療機器の特性と治療全体の価値を踏まえた、透明性と納得性のある費用対効果評価制度となるよう、慎重かつ継続的な議論をお願いいたします。
本日は意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございました。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
それでは、一通り御説明をいただきましたので、これより質疑に移りたいと思います。御質問があれば、お願いいたします。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員
いろいろ詳細な御説明をありがとうございます。
まず、費-1の資料の5ページにつきまして、質問させていただきます。
まず、一番左の①につきまして、例えば、開発治験段階から健康アウトカム指標を視野に置いた対応というのも、さらに行うべきではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
また、新たなエビデンスが得られた場合に、H3区分の活用による評価もあるわけですけれども、現実は、ほとんど活用されていないということですけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。
続きまして、真ん中の②につきまして、シナリオ分析の御主張があるわけですけれども、現行行われている感度分析では、対応が不十分とお考えであるかどうか、教えていただければと思います。
続きまして、③につきまして、比較対照技術は、国際的にも1つに定めるのがスタンダードと思いますが、例えば、複数定めた場合には、複数のQALYやICERというものが出現します。これらを、いろいろ重みづけも含めて、どのように技術的に処理を行うかというのは極めて困難ではないかと思いますけれども、何か御見解があれば、お願いいたします。
最後、4点目は、10ページに凍結すべきであるという、かなり強いお言葉で主張がありますけれども、2019年から我が国の費用対効果評価制度は7年間取り組まれて、随時見直しを行いながら経過しているわけですけれども、ここでいう凍結というのは、これまでの費用対効果評価制度については、ある意味全否定されているということでしょうか、その4点です。
あと、費-2につきましては、2点質問がありますが、4ページに健康アウトカムの改善以外の価値というのを、もう少し詳しく教えていただければと思います。
2点目は、C2H企業との協議の機会を増やすという御要望ですけれども、現行のC2Hに対する、いろいろ情報が届いていないとか、御理解が足りないということで機会を増やすという御要望でしょうか。
以上、2点です。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
そうしましたら、まず、医薬品に関して、4点御質問いただいておりますので、そちらからお願いできますか。
○宮柱日本製薬工業協会会長
ありがとうございます。医薬品のほうには4点の御質問であったと理解しております。
まず、初めに、健康アウトカム指標のところで治験での情報の収集も踏まえてどう考えるかであったと思いますが、まず、分析対象集団であるとか、比較対照技術というのは、品目指定後に決定されるため、開発段階の治験の段階において、費用対効果評価に必要な健康アウトカムをあらかじめ網羅的に収集することには限界があるというところを申し上げたいと思います。
このため、収載時点で十分なデータが存在せず、評価が困難となるケースが構造的に生じているという理解でおります。
ですので、改善が示されなかった場合と、必要なデータがなく評価ができなかった場合については区別をして取り扱っていくことが重要でありまして、今回、健康アウトカム指標のところについては、その提案はその点を考慮いただきたいという趣旨でございます。
2つ目の質問のシナリオ分析での感度分析のところでありますが、御指摘のとおり、ICERが不確実性を伴うことは当然でありますし、感度分析によって一定の変動幅は確認されることと承知しております。
一方で、感度分析については、分析の前提の置き方、そのものから生じる不確実性までは捉え切ることができません。現行では基本分析の1つのICERの値で、価格調整の区分が決まり、シナリオ分析で異なる結果が示されても、それを価格調整に反映する仕組みがないという現状がございます。不確実性が大きい場合に、その結果をどう意思決定に反映するかを、ぜひ議論させていただきたいですし、議論していく必要があると考えております。
3点目のQALY、ICER、複数のいろいろなパラメーターが、評価結果が出てきた場合の取扱いであったり、困難ではないかというところでありますが、我々もそうした認識でおります。
今回は、やはり客観的な検証で見られた、まずは技術的な課題に関して、やはりさらなる議論が必要であるし、それを制度に落とし込む、そこまでの議論が必要であると捉えていますので、今、何か具体的に申し上げることができませんが、そういう複雑性があるからこそ、ぜひ議論をさせていただきたいと考えております。
4点目の最後の医薬品業界からのまとめとして、凍結ということで全否定かというところですが、我々は、この費用対効果を見ていくことそのものについて否定をしているわけではございません。今回プレゼンテーションでも申し上げたとおり、今回客観的な検証の場がまず持たれたことに対しては感謝申し上げますし、そこで生まれた、見えてきた、いわゆる課題、これに対してさらなる議論の必要性、また、そもそもこの費用対効果評価制度が薬価制度の補完的な制度であるという認識からも、薬価制度にも及ぶ議論ともなるのであれば、しかるべき場での議論が必要ではないかと捉えております。
また、最後申し上げましたが、やはり昨年、この中医協の場で、費用対効果評価制度の議論をさせていただき、私も参加させていただきましたが、やはり今年、この議論をさせていただくという場において、本当に外部環境が大きく異なっていることは申し上げたいと思います。
それは、先ほど申し上げましたMFNであったり、国際的な政策の動向、これを踏まえた上で、やはり日本としてもしっかり我が国が誇る制度を議論していく必要がある段階に来ていることを申し上げたかった次第です。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
すみません、手短に、1点目と4点目だけですけれども、健康アウトカムのところをもともと想定した試験を組めばいいのではないかという話ですけれども、承認直後の段階でピボタル試験を中心にやっていくとなると、やはりなかなかパワーの観点を含めて検証結果が出るのに十分でないというケースが出てしまうと思います。
一方で、日本だけ、そこにプラスアルファのエビデンスがないといけないとなると、国際競争で日本が治験の場として選ばれるかというところに、いろいろと課題が出てきますので、承認直後の段階で特許品の価格を評価するのであれば、ある程度まだエビデンスがない部分というのは、それとして新しいきちんとしたカテゴリーに置いた上で、丁寧な段階的な評価の導入をする、その後、リッチなリアルワールドエビデンス等々が出てきた段階で、また何かを評価するというのであれば、それは、また妥当な1つの見方なのかなと思います。
最後の4点目のところは、もう宮柱会長がおっしゃっていたとおりでございますけれども、制度自体に反対しているわけではなくて、7年間たって、今回、こういった形できちんと技術的検証をしたわけですので、今後どう発展させていくかという観点で見たときに、根本的な3つの技術的課題が見つかって、そこに対する提案というのを申し上げているという理解でおりますので、それをきちんと議論した上で、次、どういう方向に拡大するのか、しないのか、どうするのかということを議論していくことというのが筋ではないでしょうか。その間、拙速に拡大するということには、業界としては反対をさせていただいているというのが現状でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
こちらで、追加では、取りあえずよろしいですか。
○江澤委員
すみません、1つ、最初のH3区分の活用について、御回答がなかったと思います。
○宮柱日本製薬工業協会会長
江澤先生、失礼いたしました。
御指摘のとおり、再指定できる仕組みを利用するということも考えられますが、重要な点としましては、やはり薬価収載直後に費用対効果評価制度に選定された際に、不確実なデータ、エビデンスを基に評価を決定すべきではないというのが我々の主張となります。
また、再指定の仕組みについては、どのような場合に際しての対象となるのか、また、評価決定後に価格調整をどの範囲まで見直していくのか、そういったことが、まだ明確にはなっていないという理解でございますので、この仕組みを実際に機能させていくためには、当該企業も含めて、関係者の皆さんの御負担というのも一定程度出ますし、運用面での課題が存在していると考えております。
もう一つ、一度、仮に価格調整を行った上で、また、再評価を実施したとしても、現行制度における厳しい要件を全て満たして薬価を引き上げることは極めて難しいのではないかと、今は捉えております。
○飯塚部会長
江澤委員、お願いします。
○江澤委員
御丁寧な回答をありがとうございます。
我が国の費用対効果評価制度は、我が国独自の医療保険制度の仕組みにおける薬価調整を行うツールであるという認識をしているので、もちろん課題はたくさん御指摘していただけばいいと思うのですけれども、この制度において、恐らく企業側においても自主的に取り組める部分はあろうかと思いますし、その協調点というか、落としどころをやはり見いだしていかないといけないと思うので、また、引き続き、その辺は期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
そうしましたら、続いて医療機器に関しても、2点質問がございましたので、お願いします。
○鴨川米国医療機器・IVD工業会保険委員会委員長
御質問ありがとうございます。AMDDでございます。
まず、1点目、健康アウトカム以外の点について申し上げさせていただきます。
例えば、入院期間の短縮ですとか、検査値ですとか、あとは医療機器の場合、植え込み機器というものが、それなりに存在しますので、植え込んだ場合、一定期間たたないと、健康アウトカムという指標のデータが出てこない場合がございます。そういった場合に、中間アウトカムですとか、臨床以外の方法で出してきたデータなどを使っていくというところが1つ考えられると思います。
2点目のC2Hとの協議の点につきましては、御承知のとおり、医療機器は医薬品と比べると、実際に費用対効果評価の対象となった製品が数少ない状況でございます。そのような中で、やはりまだまだ我々のほうも経験値も足りないというところもございますので、ぜひコミュニケーションの機会を増やしていただくことで、適切な評価につなげていただきたいと考えております。
以上でございます。
○飯塚部会長
江澤委員、お願いします。
○江澤委員
御回答ありがとうございます。
C2Hに関しまして、前回も関連した発言を申し上げましたけれども、もちろん情報提供とか、いろいろC2Hでの、いわゆる公的分析における協議を深めるための情報提供というのをどんどんしていただければと思っておりますけれども、また、協議となると、当事者がいる前で、いろいろ御発言もはばかられると思いますし、協議となると、またニュアンスが違うのかなと思って質問しました。
以上です。
○欧州ビジネス協会(細谷氏)
追加で補足させていただいてもよろしいでしょうか、欧州ビジネス協会の細谷と申します。
○飯塚部会長
はい、お願いします。
○欧州ビジネス協会(細谷氏)
医療機器団体、欧州から参加させていただいております。
先ほど、AMDDの鴨川さんより、1点目の健康アウトカム以外の価値について御説明いただきましたけれども、少し事例のようなことをお話しさせていただければと思います。
例えば、放射線治療におきまして、最近は、AIですとか、プログラム医療機器の発展ということもございまして、超寡分割照射という、今までであれば、治療期間が非常に長くかかっていたものをごく短い期間で行えるという、そういった技術も出てきております。
そういったことも患者様にとりましては、非常に価値が高い新しい技術ということが言えるかと思います。そういったものも評価され得るとなってきますと、ますます日本にそういったイノベーションが入りやすくなってくるということはあると思います。
あと、同じく放射線治療ですけれども、例えば、放射線治療を行う際には、事前に治療計画を立てて、後日、来院をされたときに照射を行うということをしますけれども、どうしても一定期間が過ぎますので、腫瘍の位置がずれていたりですとか、あるいは腫瘍が大きくなってしまっていたりすると、もう一度計画を立て直すということになります。そのような場合も、昨今はプログラム医療機器を用いることで、その場でベッドに乗ったまま治療計画をすぐ立て直して、その日のうちに照射をすると、そういった技術も出てきております。
従来ですと、マニュアルですると、また後日来院をして、治療開始までの期間がどんどん延びていくということがございますけれども、例えば、そういったような事例のものもあるということを御紹介させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
そうしましたら、続いて、御質問等ございましたら、お願いいたします。
小阪委員、お願いします。
○小阪委員
ありがとうございます。
1つだけ苦言を呈させていただきたいのですが、医療機器の場合、改善という形で新しい機器が出た場合、特に償還価格のつかないような自動縫合器のような加算のようなもので算定されるような機器の場合、改良されたものの後、発売された後に、従来品を入手しようとしても、入手困難になってしまう。要するに製造をもう控えられるのですね。だから、医師が、そういうことを評価しないうちから、こうしたら使い勝手がいいだろうという形で生産の縮小が行われてしまうということで、改良されたという形で高くなった医療機器が全国的に流通してしまうということも起こっておりますので、多品目をまだ残しておいていただきたいということも要望したいと思います。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
御要望ということですが、何かここで御回答をいただくことは、特にございますか。よろしいですか。
結構ですか、ありがとうございます。
では、続いて御質問等ございますか。
渡邊委員、お願いいたします。
○渡邊委員
ありがとうございます。薬剤師会の渡邊です。
各団体におかれましては、丁寧な御説明をいただきまして、誠にありがとうございます。
私からも両方の資料で重なった御意見もあるのですけれども、資料1の医薬品関係について、お考えをお聞かせいただければと思います。
まず、全体に対してなのですけれども、今回の検証全体に関しては、課題の整理であり、今後、重ねての議論が必要だと書かれている部分があると思います。
また、スライドの2のところに、現在45の品目に対して評価結果が示されていて、薬価が引き上げられたものはないことを示されているのですけれども、今後この検証の内容を基に協議を重ねることで、この結果というのは、どのような変化を起こすのか、また、変化が起きないのかと考えられているのか、全体論としてお聞かせ願いたいと思います。
その中で、具体的に3点、各論点についてお教えいただきたいのですが、1つ目のアウトカム評価の部分なのですけれども、これは言われたように改善なしとなっている約半数が、判断ができなかった部分が含まれているということなのですけれども、追加試験で、その有用性が後に示された薬剤の例を挙げられていましたが、ここは、先ほど再評価という言葉を使われたのですけれども、現行制度の中では、この再評価で、その辺りの部分が評価されているのかどうなのか、また、その考え方についても課題があれば、お教えいただきたいというのが1点。
それと、続いてのスライド7に、価格調整範囲の拡大については、薬価制度との整合性に関わる制度上の問題があると指摘がされていたのですけれども、ここに関しては、今後この論点に関しての議論を進めるに当たっては、何か整理しておくべき部分があるのであれば、先にお伺いできればと思っているのが2点目です。
3点目の部分に関しては、先ほど江澤委員からもあったのですけれども、比較対照技術の複数選定のことを提示されているのですけれども、ここは、今の選択された1個の対象の妥当性の問題ではなく、複数の必要性を提案をされているのですけれども、それぞれから得られる分析結果をどのように考えるかというのは、なかなか具体的には難しいと言われましたが、複数を提示されたことに関しては、その評価をどのような方向性に持って行きたいところがあるなら教えていただきたいと思います。
私からは以上です。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
そうしましたら、医薬品について、4点あったかと思いますが、御回答をお願いできますか。
○宮柱日本製薬工業協会会長
ありがとうございます。
まずは、資料の3枚目で、結果がどう変わるのかについて答えを持ち合わせておりませんが、やはり今回の客観的な検証会議で出てきた技術的課題の論点があると思いますので、ケース・バイ・ケースで結果が変わっていくものも出てくるのかなというところで、とどめておきたいと思います。
2点目、アウトカム評価のところ、すみません、2点目の追加的有用性のところをもう一度、御質問をよろしいでしょうか。
○渡邊委員
追加試験の有用性が示された部分に関してなのですけれども、現行制度の中で、再評価で評価を得られておられるのでしょうか。
○宮柱日本製薬工業協会会長
現行制度の中では、再指定のルール自体はありますが、実際に適用されたものは、これまでないという理解でおります。
○渡邊委員
それが適用されていく部分への何か課題のようなものは考えられていますか。
○宮柱日本製薬工業協会会長
費用対効果が優れる結果が出たという品目はありますが、引上げまでには至っていない背景としては、技術的課題によって優れる結果が出にくい、後は引上げ条件が厳しくて、それを満たすことができないという構造的な課題があり、引下げに偏っていると我々は認識しております。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
御指摘のとおり、再指定の仕組みを活用することも考えられますけれども、製薬協会長がおっしゃったように、それだけで十分だとは考えておりません。まず、再指定については、どのような場合に対象となるのか、運用上、まだ明確でない点があると認識しています。
仮に再評価しても、現行の引上げ要件が、おっしゃったとおり厳しいですので、実際に引き上げられた品目は、これまで1つもないというのがお示ししたとおりです。一度行った価格調整を後から取り戻すことは、少し難しいのではと考えています。
したがって、再指定だけで解消するとは考えにくく、まずは改善を示せなかったものと、先ほど申し上げたデータ不足で判断できなかったものを区別して、評価する仕組みを御議論いただければ、うれしいなと思っております。
○宮柱日本製薬工業協会会長
あと、3点目の価格調整範囲の拡大について、制度面のところから整理すべき論点というところだったかと思いますが、やはり整理すべき論点は、主に改善なしの背景を区別する段階的評価をどう位置づけていくか。
2つ目に、ICERの不確実性の反映、本日御紹介したシナリオ分析への取扱いの明確化であると考えています。
また、3点目、複数の比較対照技術を許容する場合の妥当性、要件、これらを踏まえた価格調整範囲について、薬価制度との整合を欠かないかという制度面の論点が必要であると考えておりますし、費用と健康アウトカムの評価結果をどこまで薬価に反映するかは、申し上げたとおり、薬価制度を補完する制度であるという趣旨にも照らしながら、関連部会、そして、薬価算定組織とも十分に議論していく必要があると考えています。
4点目の比較対照技術、複数の評価の点について、確かに複数の分析結果が得られるというところでありますが、やはりこういったときには、専門組織における総合的な評価の場というところを活用しながら、決定していく仕組みを検討することが1つではないかと考えており、こういった点についても、引き続き議論をさせていただければと考えております。
○飯塚部会長
よろしいですか。
○渡邊委員
ありがとうございました。
○飯塚部会長
すみません、3点目の薬価制度との整合性という7ページのところの議論なのですけれども、御質問は、どういうところを論点として考えているのだという御質問だったと思うのですが、その辺は、何か現時点でございますか。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
まず、もともと薬価制度を補完する役割としての費用対効果評価というものが設計されたと理解をしておりますけれども、そもそも価格調整範囲の拡大の前に、根本的な3つの技術的課題というのが指摘されたと理解しておりますので、そこをまずはしっかりと解決するというのが先決であるというのが、コメントでございますが、仮に、そこが解決されたとしても、価格調整範囲を広げてしまいますと、薬価の仕組みで決まった既存薬よりも、この費用対効果評価による調整を受けた新薬のほうが、薬価が低くなることが生じてくるということになります。
そうすると、薬価を決めたときの加算というもの自体も、一体どういうものなのかと、その後すぐに費用対効果評価で、そこも含めて全部下がってしまうということで、全体の薬価制度としての透明性といいますか、論理性といいますか、そういったところがかなり複雑になってくるということで、多くの矛盾をはらむという本質的な課題が生じてくるのではないかというものが、ここで申し上げているポイントです。
ただ、一番重要なのは、そこの拡大の議論に行く前に、今の制度の中で3つの根本的な技術的課題に対する解決策をより建設的に具体的に議論させていただきたいというのが、我々の要望でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
ほかには、御質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。
佐竹委員、お願いいたします。
○佐竹委員
健保連の佐竹でございます。御説明ありがとうございました。
私どものほうからは、今回いただきました内容について、全般に対しましてのコメントということで申し上げたいと思います。
今回の業界の御意見は、企業立場からの御主張として承りたいと思っております。ただし、業界の要望を踏まえて第三者により検証が行われ、その中で、これまでの分析方法に一定の妥当性はあるとされておりましたので、我々といたしましては、価格調整範囲の見直しを進めることができると判断をいたしております。
さらに、議論の透明性を高めることや、新規の知見が得られた場合に、企業から再評価の要望を可能にすることにつきましては、中医協として検討するとともに、これは前回の部会で確認されたと認識をしております。
これまでの議論の積み重ねを踏まえ、業界に配慮した運用の改善に向けた前向きな検討をしようとする状況下、価格調整範囲の見直しや、価格調整そのものを凍結するという業界の御意見を、そのまま受け止めるということはできません。
骨太方針2026や政権与党の合意書では、現役世代の保険料率を引き下げていくということが目標として記載されております。様々な対策の1つとして、費用対効果を積極的に活用するということも位置づけられております。
費用対効果は、高いから駄目ということではなく、高いのであれば、それに見合った健康アウトカムの改善があってしかるべきという考え方があると思っております。言わば、医薬品の真の価値を公定価格にしっかりと反映すること、これは当然だと思っております。それが否定されるということであれば、新規収載時の十分な評価や特許期間中の価格維持は非常に難しくなると言わざるを得ないと考えています。
国民負担の軽減、イノベーションの評価、安定供給の確保についてバランスが取れますように、費用対効果評価の積極的な活用について、業界のほうでもぜひ御理解をしていただきたいと私どもは考えております。
以上でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
御意見として承りたいと思います。
ほかには、御意見、御質問等ございますか。
よろしいですか。
菅原委員、お願いいたします。
○菅原委員
ありがとうございます。
公益の立場から1点だけ発言をさせていただきます。
費用対効果の評価検証会議を受けて、様々な技術的な課題があるということが明らかになった点は、私も重々承知をしております。
その意味で、今回の技術的課題によって、どのような品目で過大な価格引下げが行われているのかということについては、もう少し客観的なデータの検証が必要かと思っています。
基本的に費用対効果制度というのは、薬価制度全体の中の一制度として機能しているものですから、費用対効果制度の中での引下げ品目の現在示されている割合だけでは、制度全体の下方バイアスを十分示すことにはなっていないような気がいたします。客観的に言えば、平均値、中央値の価格調整率だとか、あるいは薬価全体に対する実際の影響額だとか、市場規模、加重ベースでの影響について、つまり薬価制度全体において、この制度がどのようなバイアスを持っているのかということを客観的なデータでお示ししていくことが大事かなと、個人的に考えております。よろしくお願いいたします。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
ほかには、御意見、御質問等ございますか。
よろしいですか。
ありがとうございました。そうしましたら、大体御意見、御質問が出尽くしたということですので、本日の関係業界からの意見陳述につきましては、ここまでとさせていただきます。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
それでは、本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
本日の費用対効果評価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。