第214回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和8年9月3日(木)10:00~12:00

場所

航空会館 7階大ホール
港区新橋1-18-1

議題

  1. OTC類似薬の保健給付の見直しの実施に関するヒアリング
  2. OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について
  3. 妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会の立ち上げについて(報告)
  4. 令和9年度予算概算要求(保険局関係)について(報告)

議事

 
○若林課長 定刻となりましたので、ただいまより、第214回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は内堀委員、實松委員、田島委員、任委員、原委員、前葉委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、伊奈川委員より途中退席との御連絡をいただいております。
 本日の会議は、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退出をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○若林課長 それでは、以降の議事運営は岩村部会長にお願いいたします。
○岩村部会長 皆様、おはようございます。
 まず、欠席される委員の代わりに御出席いただく方についてお諮りをいたします。
 内堀委員の代理といたしまして長塚仁一参考人、實松委員の代理といたしまして馬場文則参考人、任委員の代理といたしまして木澤晃代参考人、原委員の代理といたしまして梶尾雅宏参考人、前葉委員の代理といたしまして杉﨑雅人参考人、横本委員の代理といたしまして岩崎一雄参考人、以上6名の方の出席につきまして、御承認いただければと存じますけれども、よろしゅうございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岩村部会長 ありがとうございます。
 それでは、お手元の議事次第を御覧いただきたいと思います。本日は、「OTC類似薬の保険給付の見直し実施に関するヒアリング」、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について」、「妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会の立ち上げについて(報告)」、そして、「令和9年度予算概算要求(保険局関係)について(報告)」ということで、それらが議題となっております。
 まず、議題の1番目と2番目、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に関するヒアリング」、そして、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について」を議題とさせていただきます。
 前回に引き続きまして、OTC類似薬の一部保険外療養の実施に当たりましては、実際に対象医薬品を使用する患者の皆様の御意見を聴取することが重要であるということで、専門委員として御参加いただいている4名の委員のうちから、今日は2名の委員からヒアリングを実施できればと考えております。
 そこで、まず、専門委員から1番目としまして日本アレルギー友の会理事長でいらっしゃいます武川篤之専門委員、次に、ささえあい医療センターCOML理事長でいらっしゃいます山口育子専門委員の順番で御説明をいただきまして、その後、議題の2につきまして事務局から資料の提出をいただいておりますので御説明をいただき、その上で、議題の1と2につきましてまとめて質疑等を行いたいと考えております。
 それでは、武川専門委員から資料1-1を御提出いただいておりますので、それにつきまして御説明いただきたいと思います。武川専門委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○武川専門委員 あまり時間をいただいておりませんので、足早にお話しさせていただきます。
 本日は、OTC類似薬の保険給付の見直し案に関する意見陳述の機会を設けていただき、改めて感謝を申し上げます。
 3ページ、まず、団体概要であります。認定NPO法人日本アレルギー友の会の武川でございます。本要望はアレルギー疾患患者6団体の総意として申し述べるものであります。
 4~5ページ、評価と課題であります。保湿剤、ヘパリン類似物質・尿素を追加負担の対象外として整理いただいた点につき、深く感謝を申し上げます。
 一方で、アトピー性皮膚炎治療のステロイド外用薬が追加負担の対象とされております。標準治療の根幹をなす薬剤であり、負担の対象外とすることを強く要望いたします。
 6ページ、要望の整理です。要望は以下の3点であります。
 一点目、標準治療薬、ステロイド外用薬ですが、保険給付の維持、二点目、OTC類似薬の代替性判断の慎重な実施、三点目、検討過程への患者の声の反映。
 次に10ページのアレルギーマーチについてであります。乳児湿疹、食物アレルギーに始まり、成長とともに疾患が移り変わっていくアレルギーマーチが知られています。つまりアトピー性皮膚炎を含むアレルギー疾患は単発・短期の病ではありません。
 11ページ、慢性・再発性疾患としての位置づけであります。アトピー性皮膚炎は増悪と寛解を繰り返す慢性・再発性疾患であり、決して治る疾患ではありません。根治療法はありません。見た目が改善した後も、潜在する炎症に備えて計画的治療を継続する必要があります。
 12ページ、代替性判断の不適切性、代替性判断の問題であります。医療用医薬品の医師による調整は、OTC類似薬の使用方法に置き換えられるものではありません。適応名称が類似することのみをもって「代替性が特に高い」と判断することは適切ではなく、医学的・薬事的・社会学的観点から精緻な検討が必要であります。
 13ページ、短期使用という誤認、短期使用という整理についてであります。寛解導入後も再燃部位に週2回程度計画的に外用し、再燃を予防する治療が診療ガイドラインで推奨されています。「短期使用のみ」という整理は、診療実態と整合しておりません。
 15ページ、患者実態であります。ステロイド外用薬は「頓服」ではなく「常用」が実態であります。ここで患者の声を代読いたします。私は60年以上アトピー性皮膚炎とつき合ってきました。全身に湿疹があり、かゆみで眠れず、かき傷だらけで血や浸出液が出る状態でした。治療してもすぐ悪化し、死んでしまえたら楽かと思ったことが何度もあります。全身に1日2回適切に塗る必要がある場合、大量の薬が必要です。安心して治療できるよう、ステロイド外用薬は従来どおり保険給付の継続をお願いいたします。
 17ページ、制度内の整合性であります。経口薬は通年・長期使用を前提として整理されています。また、点眼薬は通年性が確認できる場合には追加負担の対象外とされ、個別判断の仕組みが設けられています。他方、ステロイド外用薬はこの個別判断の対象にすら位置づけられておりません。
 18ページ、次に国会の附帯決議との整合性であります。附帯決議では、「代替性が高いものであっても、適正な医療の提供に必要なものは、将来にわたり保険給付の対象とする」とされています。ステロイド外用薬は、まさにこの趣旨に明確に該当いたします。
 次に生活影響としまして19ページです。特には生活への影響であります、かゆみと睡眠障害を起点に、生活・就労、家族への影響は連鎖します。低所得者層の若年層や子育て世代では、負担増が治療断念に直結し得て、生活破綻にもつながります。家族の生活基盤にも重大な支障が生じ得ます。
 まとめといたしまして、最後に要望事項を改めて申し上げます。要望は以下の3点であります。
 1点目、標準治療薬、ステロイド外用薬の保険給付の維持。
 2点目、OTC類似薬の代替性判断の慎重な実施。
 3点目、検討過程への患者の声の反映。
 以上、6団体の総意として、慎重なご検討をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○岩村部会長 武川専門委員、ありがとうございました。
 続きまして、山口専門委員から資料1-2を提出いただいておりますので、御説明のほうをよろしくお願いいたします。
○山口専門委員 ささえあい医療人権センターCOMLという認定NPO法人で現在理事長を務めております山口でございます。
 私たちは36年前から、特定の疾患を対象にしたのではない患者支援団体として活動してまいりました。
 このスライドの真ん中にあります電話相談を日常の活動の柱として、全国の患者家族の生の声を1本平均40分かけて7万2000件を超える相談を受けてきております。そういった中から今回のOTC類似薬の保険給付の見直しということで懸念していること、お願いしたいことをお伝えしたいと思います。
 医療用医薬品とOTC医薬品で効能効果が異なる場合があるということで、もちろん医師は医療用医薬品のことについてはよく御存じでありますけれども、OTC医薬品の効能効果を必ずしも把握されているとは限らないということから考えますと、別途の負担の対象になるかどうかということを容易に判断できるかということに非常に懸念を抱いております。医師がその辺りの違いについて容易に分かるような対策をぜひ取っていただきたいと思っております。
 特にがんの患者さんについて治療中は対象外になっておりますが、がんの治療が一旦終わったとしても、その後、後遺症的に有害事象が残る、そのためには薬を使い続けないといけないような患者さんも数多くいらっしゃいます。そうしたときに、どの段階までががんの治療に伴う副作用なのか、有害事象なのか、その辺りが医師によって判断のばらつきが生じるのではないか、こういったことを非常に懸念しています。
 この懸念がなぜあるかというと、これまでにも難病患者さんに対して、これはこの病気に対して付随した症状ということで、難病の治療の対象の中に入っていると判断してくださる医師と、医師が変わった途端に、これはもう難病とは関係ないのだと、医師の判断に非常にばらつきが生じることをこれまで相談で幾つも聴いてまいりました。ですので、この辺りの医師によっての判断のばらつきが生じないような対策が必要だと思っております。
 もう一つ懸念していることとして、生活保護の方に対しては対象外ということですけれども、例えば2年前の2024年度の診療報酬改定で、高血圧、脂質異常症、糖尿病で200床未満の病院か診療所にかかっていた方は特定疾患療養管理料の請求ではなく、生活習慣病管理料が請求されることになりました。このときに600点台の生活習慣病管理料を請求された方が、一気に1,000円ぐらい負担が増えたという相談が実は非常に多く私たちのところに届いております。
 この1,000円ぐらいの費用負担が増えたということでも、このままかかり続けられるかどうかというようなことを懸念する方がいらっしゃったということで、今回の資料に、それほど大きな費用負担ではないということが、この後の御説明であるかと思いますけれども、ぜひともその辺り、実際に始めたときに実態調査をして、患者の受診控えにつながっていないかどうかというようなことについても、きちんと検討していただきたいと思います。
 特に今回始まろうとしているこのOTC類似薬の制度ですけれども、非常に複雑な仕組みになっているというか、判断がとても難しいです。それを患者・国民がしっかりと理解できるかというと、いろいろな制度は患者への周知が必要だといつも言われますけれども、実際には本当に分かりにくくて現場でもきちんと説明されていないというようなことがよく見受けられます。
 そうしたときに、今回、そもそも現在処方されているのがOTC類似薬なのかどうか、もし、OTC類似薬であるとしたら対象の成分・品目に該当しているのか、そして、どんな症状に対して処方されているのか、結果として対象になるのかならないのか、なるとすれば、その理由は何なのか、例えばこういったことを厚生労働省が医療機関に配付できるような、ダウンロードできるようなチェックシートみたいなものをつくっていただいて、それを医師が患者に示しながら説明できるような、そういった対策も必要ではないかと思っています。
 ですので、総合的にお願いしたいこととして、もちろん患者・国民の理解を促すような周知をしていただきたいということは当然ですけれども、医師の判断のずれやばらつきがないように実証後の検証もしていただきたいとお願いしたいと思います。また、今回は4分の1請求するということですけれども、これが4分の1からさらに2分の1、あるいは全額というように増えていくというようなことも耳にしておりますので、そういったことで過度な患者負担にならないような対策をぜひ講じていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。
○岩村部会長 山口専門委員、ありがとうございました。
 それでは、続けて事務局のほうで資料2を用意していただいておりますので説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○西嶋課長 事務局の保険局医療課長でございます。それでは、資料2に基づいて御説明させていただきたいと思います。
 資料の2ページ目、前回の保険部会におきまして、がんと難病について患者団体の専門委員からヒアリングをしたところです。主な意見という形でまとめさせていただいておりますが、がんにおいては治療終了後であっても対応が必要となり得るケースがあるということで、代替可能性などを総合的に考慮すべきだという御意見もございました。また、難病のほうにつきましては、登録者証についての運用ということは評価するけれども、それに限定せずに何か代替策は考えられないかといった御意見等がございました。また、医療機関・医師によってのばらつきがないようにしてほしいという御意見もあったと承知をしています。
 3ページ目、中間取りまとめについてということで、以降、各委員からの御意見をまとめていますけれども、それについて一定の評価をいただいたと思います。先ほど山口専門委員からもございましたが、円滑な実施についてということで、周知徹底であったり、医療現場の負担にならないような対応も必要ではないかという御意見がございました。あと、患者負担が具体的にどれぐらい増えるのか、保険財政の影響をきちんと示すべきではないか、低所得者についての御意見ということもございました。
 4ページ目、それ以外にも施行後の見直しについての御意見もあったと思います。
 5ページ目、パブリックコメントを今年の8月6日から20日までの間に実施しています。これは任意のパブコメですけれども、897件の意見がございました。そのページ以降、主に4つのテーマに大きく分類して、主にいただいた意見について表でまとめさせていただいていますので、内容についてはまた御覧いただければと思います。基本的にはいただいた御意見と中間取りまとめを踏まえた整理という形で、右側のほうに事務的に回答を書かせていただいています。
 6ページ目、2つ目のテーマですけれども、別途の負担を求めない者・療養の考え方に対する主な御意見についてもあります。10番の低所得者について、先ほども御紹介しましたけれども、パブコメの中にもそういった御意見がありました。
 7ページ目、長期使用についてということで、先ほど武川専門委員からもありましたけれども、アトピー性皮膚炎のステロイドが2番に書いてありますけれども、これについてもパブコメの中でも御意見があったと思います。そのほか、長期使用についてどういう考え方で運用していくのかという御意見もあったと思います。
 8ページ目、その他の御意見ということで、現場で負担にならないようにきちんと電子カルテ、あるいはレセコンできちんと対応できるようにしてほしいであるとか、窓口トラブルにならないように患者や国民に周知をきちんとしてほしいということがございました。
 9ページ目以降、前回の部会での御意見等踏まえて資料を御用意させていただいております。
 一つは、まず、低所得者ということについてですけれども、今回の健康保険法等一部を改正する法律の法案審議の内容について、ここに御紹介をさせていただいております。法案審議の中では、低所得者というのは生活保護受給者ということで考えているということで御審議をいただいているということです。
 10ページ目、本制度による財政影響ということで、これも法案審議の中のものを引っ張ってきておりますけれども、財政効果として年間約900億円の医療費が減少するということ、そして、保険料という観点でいうと、平均的に算出すると1年当たり約400円の保険料の減少になることについてのやり取りもございました。
 11ページ目、実際に患者の自己負担がどの程度変わるのかということで、これまでもリーフレットでお示しをしておりましたが、改めて具体の例がここに書いていますので、医療保険部会の資料としてお示しをしています。例えば抗アレルギー薬30日分ということでいうと、約300円の負担増になるという形です。
 13ページ目、そういったパブコメ、そして、前回・今回の専門委員からの各意見等を踏まえまして、論点ということで御提案を申し上げております。大きく3つあります。
 1つ目ですが、長期使用に係る御意見がパブコメ、そしてこの部会でもあったと思います。50週の確認の現場の負担があるのではないか、がんの治療終了後の後遺症に対する薬物療法、周期的・反復的な処方等についての御意見がございましたので、1年という単位の中で、医師が年間を通じた症状の持続、そして、治療の継続性を確認した上で医療上必要だと認める場合の具体的な適用例の明確化についてということを1つ目の論点ということで挙げさせていただいております。
 2つ目は、先ほどもございましたけれども、アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬の例えばプロアクティブ療法というのは、診療ガイドラインに既に位置づけられているものでして、これは計画的に間欠使用であるということでありますけれども、こういった長期使用の例外として、例えばどのようにこういったものを整理するかということです。
 3つ目は、指定難病患者等で、登録者証については既にお示しをしていますけれども、その普及状況が十分ではない、あるいは医療現場の確認の負担といったことを念頭に置いた上で、例えば患者さんが提示する書類により医療機関が簡便かつ客観的に指定難病であるということを確認する、そういった方法についてどのように整理をしていくのか。
 この3つを論点として今日は挙げさせていただいています。
 ただ、前提として、下のところでポツで3つ書いております。
 医療現場での確認・判断が過度に複雑にならないこと。
 医師・医療機関による判断のばらつきを抑えること。
 別途の負担を求めない者・療養との間に制度上の大きな不均衡が生じないこと。
 そういった観点も踏まえて、この3つの論点について御意見を賜れればと思います。
 事務局からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま資料1、資料2について、専門委員、そして、事務局から説明をいただきましたので、これらにつきまして御意見・御質問等がありましたら御発言をいただきたいと思います。オンラインで御参加の委員の皆様は挙手のボタンを押してお知らせをいただければと思います。いかがでございましょうか。
 それでは、米川委員、どうぞ。
○米川委員 健保連の米川でございます。よろしくお願いいたします。
 私は前回も発言させていただきましたが、この仕組みを円滑に実施するには公平性と分かりやすさがポイントだと思います。山口専門委員のお話でもこの点に触れておられたと思います。その意味で、資料の13ページに今回お示しいただいた論点は、現場の運用にばらつきが生じないように医療として給付する必要性を具体的かつ客観的な基準で判断していきましょうということなので、この方向で整理していくことでいいのではないかと思います。
 一方で、前回の議論でも御指摘がありましたけれども、低所得者への配慮ということについては、今回の仕組みの中で個別の事情を一つ一つ拾っていくのには限界があると思います。医療上の必要性という観点で議論しようということでありますし、生活に困っている方々を社会でどう支えていくかということについては、ぜひ他の制度や政策で総合的に考えていただくことにして、この仕組みで配慮する低所得者は、国会審議の経緯もありますので、生活保護の方に限るということでいいのではないかと考えます。
 以上です。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインの岩崎参考人、どうぞ。
○岩崎参考人 今、健保連の米川委員から低所得者への配慮に関する御発言があったところでございますけれども、私どもといたしましても中間とりまとめに示された整理で異論はないというところです。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 続けて長塚参考人、どうぞ。
○長塚参考人 福島県の長塚でございます。これまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しに係る具体的な制度設計に当たっては、国民や事業者に過度な負担や急激な変化が生じないよう十分な配慮を行うとともに、社会全体で納得感を得られるよう、患者団体をはじめとした関係団体等の意見を踏まえ、丁寧に検討を進めるようにお願いいたします。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 中村委員、どうぞ。
○中村委員 ありがとうございます。今回の制度改革案で非常に重要なのは、患者負担がどれだけ家計を圧迫するか、それから、患者の医療機関受診にどういう影響があるかという2つだと思います。
 資料の11ページの例をお示しいただいたわけですけれども、患者負担の増加はおおむね限定的で家計への影響も受診への影響もそれほど大きくならないだろうと直感的には私も思います。思いますけれども、実証研究をしていると直感というのはそんなに当てにならないこともあると気づくことがたくさんあります。それは実証研究をしている者が現場に詳しくないということだけではなくて、本当に医療現場でも、医師の方が御自身の知識と経験でこの治療法がいいと思ってやっていたけれども、実はデータできちんと検証してみたらそうでもなかったということはよくあることなので、データによる実証が常に重要だと考えております。
 なので、理想を言いますと、より詳しいデータがあればもっとよかったと思います。例えばNDBのレセプトのデータを患者単位で無作為抽出して、例えば患者1万人を無作為抽出して、現在提案された案で患者の負担額の1年間の増加分をそれぞれの患者さんごとに計算して分布がどうなるのかというヒストグラム、度数分布のグラフなどを見せていただければ、例えば増加分が上位1%に位置する患者さんでどれぐらいになるのかとか、そういうことも分かるわけなので、最大でどれぐらいの額になるかということも大体把握できます。
 そうすると、患者さんがOTC医薬品を購入するか、医療機関を受診するかの選択にどれぐらい今回の案で影響がありそうかということも予想しやすくなりますし、例えば負担額が多い場合でも大体これぐらいで済むということが分かったり、逆にこんなに大きい負担も生じるのだということが分かったりすれば、低所得者の方にどういう配慮が必要かということもすごく議論しやすくなるわけです。
 それから、疾患別の増加額の分布を示していただければ、どういう疾患で負担が大きく増加するかということが分かるので、今までいくつかの患者団体の方に来ていただいて、そういう疾患ではより負担が大きくなりそうだという予想はつくわけですけれども、それ以外の疾患でも同様のこともあるかもしれないので、それをデータで示していただければ、どういう疾患の患者さんに特に配慮が必要かということがより明確になったので、よりよい議論ができたのではないかと思います。
 そういった事前の対応、事前の予想が十分できないのであれば、例えばこれは中医協の議論で東京大学の飯塚敏晃委員が御提案されていたかと思うのですけれども、OTC類似薬について患者の追加負担の上限を決めておいて、それを超える部分については、医学的に適切なOTC類似薬の使用であれば追加負担を求めないと決めておけば、全ての患者さんに対して、事前に予期できなかったような過大な負担増加を避けることができて、有効な手段かもしれないと私も思います。それから、事後的に患者さんの自己負担が実際にどう変化したかということを制度改正後に検証しなければならないと思います。
次に、この制度改革が患者さんの行動にもたらす変化についてです。セルフメディケーションで十分代替できるような過剰な受診というのが減って、医療機関にかかるべき必要な受診は減らないで、自己判断によるOTC医薬品の医学的に不適切な間違った使い方というのも起きないというのが理想的な結果だろうと思います。
 11ページの資料を拝見すると、よい影響も悪い影響も、どちらも今回は額が限定的なのでそんなに大きくはならないかもしれないと直感的には思いますけれども、これについても現実の社会には本当にいろいろな方がいらっしゃるので、そういう直観的な話だけで大丈夫だろうかという不安はあります。なので、データに基づく検証が必要です。事前の予測というのは、例えば今まで患者の自己負担が増えたときにどういう影響があったかということからある程度できるかと思うのですけれども、今回は非常に新しい試みなので事前の予測に限界があります。なので、制度導入後のなるべく早い段階での受診パターンへの影響の検証が必要だろうと思います。
 最後に、既に指摘されていることでありますが、不適切な使用で問題が起きたことがあると指摘されているようなOTC医薬品については、特に販売する際に薬剤師さんから患者さんへの指導がきちんと行われるということが重要で、それが徹底されているということがこの案の前提となっていると思うのです。そういう指導がきちんとなされているということは、今回の制度改革以前の問題として、その医薬品がOTC医薬品であるという時点で非常に重要なわけですけれども、今回それがさらに重要になってくるので、その徹底が必要だと思います。
 以上です。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 では、大黒委員、どうぞ。
○大黒委員 日本難病・疾病団体協議会代表の大黒です。武川専門委員、山口専門委員、御報告をありがとうございました。
 山口専門委員が述べられたとおり、判断のずれやばらつきが生じていないか、施策の実施後の実態把握と検証を行っていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
 この一連の医療保険制度の見直しは、増大する医療費の抑制及び現役世代の保険料負担の軽減を目的として進められていると思っていますけれども、しかしながら、高額療養費制度の見直しの場合と同様に、今回のOTC類似薬の改革についても医療費抑制効果は限定的であって保険料への影響も小さく、10ページの資料によれば1か月当たり約30円の減少にしかなりません。得られる効果が小さい一方で、患者にとってはリスクを伴う改革であると言えます。
 患者であっても、現役世代は既に高い社会保険料を負担しており、現役世代の負担は限界の状況にあります。さらに患者なった途端に支払能力を失うケースも少なくはありません。このような状況の中で患者には既に多くの医療費がのしかかっています。難病患者は基本的に治癒することがないため、月100円、200円の増額であっても累積すると多大な影響を及ぼし、受診控えや服薬中断といった行動変容を招いてしまう可能性があります。
 10ページの資料にもあるように、今回の見直しによる医療費削減効果は年間約900億円と見込まれており、そのうち2回目以降にOTC医薬品を利用する患者の行動変容によって減る医療費の影響額を約400億円と見込んでおります。
 13ページの資料には、医師、または医療機関による判断のばらつきを抑え、患者にとって負担の納得感が得られるようにすることとありますが、その一方で、既に一定数はOTC医薬品に流れることが前提になっているという点は留意が必要だと思います。その中で、OTC類似薬が必要な人たちがOTC医薬品に流れてしまう部分があろうかと思いますので、そこはぜひ留意していただきたいということです。
 また、10ページの資料には900億円規模の医療費削減であっても保険料負担の軽減は数百円という形にしかなりませんが、こうした一つ一つの改革をしっかりと進めることが、結果として保険料負担の軽減につながると考えているとの記載があります。一つ一つの改革の影響は小さく見えても、その累積が改革全体の結果を生み出すということだと思います。しかし、それと並行して高額療養費制度の見直しやOTC類似薬の改革などの累積が患者の受診抑制や服薬中断、症状悪化、家計不安、就労継続の困難という形で患者の生活を揺るがすことになりかねません。
 そのため、今回のOTC類似薬の検討だけではなく、ほかの改革項目を含め、医療保険制度改革全体の中で全体感を持って議論する必要があると思います。このOTC類似薬だけの効果が少ないからといって患者が困らないとは限りません。患者も国民であることを忘れないでいただき、結果として治療の断念が生じないよう、さらなる慎重な制度設計をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 それでは、馬場参考人、どうぞ。
○馬場参考人 全国後期高齢者医療広域連合協議会の馬場でございます。私からは2点発言させていただきます。
 まず、長期使用等についてですが、年間使用日数がおおむね50週を満たしていない場合でも、一定の要件の下で医師が通年での使用が医療上必要と認める場合には、長期使用等に該当し得るという考え方が示されているところです。
 後期高齢者の中には、複数の疾病を抱え、症状に応じて継続的、あるいは反復的に薬剤を使用されている方も少なくありませんので、50週というこの基準が形式的に運用されることがなく、患者の治療に適切に反映されるよう、具体的な事例を含め現場に分かりやすく周知していただければと考えております。
 2点目、低所得者への配慮についてです。前回、實松委員からも生活保護を受給するまでには至らないものの所得が低く、医療費の負担が家計に大きく影響する方についても、負担能力の観点から配慮を検討していただきたいという発言がありました。今回の資料では、国会の議論等を踏まえて、低所得者として別途の負担の対象外とするのは生活保護受給者という考え方が示されたところです。一方で、生活保護には至らないものの、限られた年金収入等の中で生活し、医療費の負担増が受診や服薬に影響する可能性のある方もおられるというのも事象としてあります。
 今回の制度が必要な受診を妨げることがないよう、これは他の委員も言われておりましたけれども、制度施行後には財政効果だけでなく所得階層にも着目して、自己負担の増加が受診抑制や服薬中断、あるいは重症化等につながっていないか、こういった実態をぜひ検証していただければと思っております。その上で、必要に応じて低所得者への配慮についても引き続き検討をしていただければと思っております。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 続けて、島委員、どうぞ。
○島委員 本日の武川専門委員や山口専門委員のお話を聞いていて、まだまだいろいろ問題があるなと伺いましたけれども、13ページの論点の①②に関しては、この方向でいいのではなかろうかと思います。③は重要な話なのできちんとした整理をする必要があるだろうと思っております。来春に施行するという話になっておりますので、国民に対する分かりやすい説明をきちんと厚生労働省のほうで行っていただきたいです。
 それから、医師によっていろいろ判断に迷うというようなことがあると思いますが、今の時代、医師だけで考えるのではなくて、薬剤師とともにきちんと連携して、この辺が整理できるようなことをやるべきだろうと思っております。うちの病院の中の話ですが、薬局長に先生たちが間違えないように逆に指導をしてほしいということを言っておりますが、医師と薬剤師の連携に関しては、きちんとした形を取るべきだろうと思います。薬剤師会の考えも聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは一旦会場に戻したいと思います。途中退席ということですので、伊奈川委員、どうぞ。
○伊奈川委員 先に発言させていただきます。伊奈川でございます。2点コメントさせていただきます。
 長期使用、50週のところです。結構複雑になりそうな気もしますけれども、やれるのではないかと個人的には思っています。この話とは違いますけれども、国民健康保険の外国人適用で3か月越えの判断、これも見通しとかそういうものが入ってくるので、見通しと結果がずれたときにどうするのかをきちんと整理する。そして、恐らく途中で担当のお医者さんとか医療機関が変わるときもあるので、そういうところも含めて事務的に詰めていただくのが重要なのかなと思いました。
 もう1点は、低所得者の関係でどうするかですけれども、この制度だけで対応すべきかどうか、この辺りもよく考える必要があるのだろうと思っております。一つは、制度を複雑にするのがどうかという点はあります。もう一つ気になっていますのは、ほかの除外のところは、ある意味では医療的・医学的な部分だと思うのですけれども、低所得というのはある意味では個人の所得というプライバシーですので、その辺りを個々のお医者さんとか歯医者さん、その辺りを知っていていいのかいけないのか分かりませんが、その辺りがうまく回るのか、工夫できるか、そういったところも考えないといけないのかなと思いました。
 もう一つ、この制度だけでどうかという点から言いますと、今回、4分の1負担にしているわけですけれども、そこの部分というのはOTC医薬品の価格が念頭にあるわけですので、そもそも考えてみますと、低所得者の方がOTCを買うときに負担軽減の制度があるのかどうかというと、そこは一般的にはないわけです。もし、低所得者に配慮するのだったら、その辺りも含めて本当は考えないとはいけないわけですし、その一方、低所得者でない方は最終的には恐らく確定申告のときの医療費控除というのもあるとは思うのですけれども、そうではない低所得者の方、あるいは昨今、給付付き税額控除なども議論されていますので、社会保障全体も見ながら考えていく必要があるのかなと思います。
 以上であります。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、城守委員、お願いします。
○城守委員 今回も前回に引き続きまして、武川専門委員と山口専門委員から貴重な御意見をいただきました。私のほうからは13ページの論点に沿って少しコメント、そして要望をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
 まず、論点の①ですが、がん治療の終了後の後遺症に対する薬物療法に関しては、前回も申しましたが、この疾患に罹患した結果、間欠的な対応を含めて長期使用となる場合はあるわけですから、これに関しては、がんに付随したものという判断での配慮が必要であろうと思いますので、そのようにお願いできればと思います。
 ②のアトピー性皮膚炎に対するプロアクティブ療法については、武川専門委員からもありましたように、特にプロアクティブ療法におけるステロイド外用薬の使用に関しましては、日本皮膚科学会においてのアトピー性皮膚炎の診療ガイドラインにおいて、既に推奨度1、そして、エビデンスレベルAと明記されていますし、計画的な間欠使用というものが位置づけられています。
 こういうことを考えますと、当該療法によってやむを得ず間欠的な治療になって、長期療養が必要になるという患者さんに対してもしっかりとした配慮が必要であろうと考えています。
 ③の指定難病の患者さんの確認方法ですけれども、これに関しましては論点にも事務局のほうで書いていますように、窓口で混乱が生じないように、簡便かつ客観的に確認できる方法をお示ししていただきたいと思います。
 この論点の下の大きな○ですが、これは山口専門委員のほうからも、この制度が非常に分かりにくいと、これは国民にとっても分かりにくいわけですが、医療機関・薬局にとっても非常に煩雑で分かりにくいという制度になっています。それに関しまして要望があります。
 本制度の施行までには、制度に関しての詳細な設計、そして、それに伴う現場の具体的な対応方針、さらには新たなシステムの構築、そして、そのシステムを医療機関に入れて改修する、様々な作業がこれから必要になるわけですけれども、その準備期間というものは極めて限られているというのが現状であろうと思います。
 しかも本制度が実施されますと、これも山口専門委員がおっしゃっていましたけれども、医療現場においては、まず、医師によって対象患者さんであるかどうか、そして、対象薬剤であるかどうか、それを確認・選定し、それも患者さんの病状に合わせて判断をするということになって、現場でその判断に要する時間等も大変多くなるだろうということが想定されます。
 さらには窓口業務においても自己負担の会計、そして、患者さんに対してこの制度の在り方、または内容の説明も含めて様々な問題が生じることになろうと思いますので、そういう意味においては医療機関、また、薬局での業務は相当増加しますし、かつ非常に煩雑になるであろうということは容易に想像できると思います。ですので、この制度が開始される前に、事務局においてぜひともしていただきたいことが2点ほどあります。
 まず1点、これは前回も申しましたが、一部保険外療養に対するシステム変更をスムーズに行うために、変更するための考え方とか、ポイント等の情報提供というものを電子カルテやレセコンのベンダーにできるだけ早くお伝えしていただいて、その改修作業に入っていただければなということが1点。
 もう1点は、これは前回も紙カルテの医療機関への配慮を特にお願いしたわけですけれども、それに合わせまして、各医療機関で診察をして、そこから最終的に処方するまでの体制というものは、医療機関によって様々です。例えば電子カルテを導入している医療機関かそうでない医療機関、それも大病院なのか中小病院なのか診療所なのかによっても状況は変わるでしょうし、あとはレセコンを入れているのか入れていないのかということもあります。電カルもレセコンも使用していない医療機関も当然あろうと思いますが、さらにはこれに電子処方せんを発行している医療機関とそれをしていない医療機関等々、本当に様々な体制においてのパターンがあろうと思います。
 そのパターンを一定程度しっかりと把握していただいて、医療機関ごとに制度が開始をされる前に、できるだけ早期に試験的な運用と検証を実施していただいて、現場でどういう問題点が出るのかということを抽出していただいて、制度の本施行までに可能な限り負担軽減をしっかりしていただけるような対応を、ぜひともこれはお願いしたいと思います。
 最後に、これは本当に患者様に対しても、そして、我々に対してもそうなのですが、この制度は本当に分かりにくいですので、しっかりと周知徹底に関しては重ねてお願いしたいと思います。
 私のほうからは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、袖井委員、どうぞ。
○袖井委員 私から何点か申し上げたいと思います。
 一つは、私自身、子供の頃からかなりひどいアトピー性皮膚炎に悩まされてきましたので、本日の武川専門委員のお話は本当によく分かります。ステロイドも使用しました。ステロイドというのは大変に強いお薬なので、長期継続はできないので間欠的に利用したということで、今はもうかなり改善しましたけれども、それでも季節の変わり目ごとにはいろいろな症状が出てきております。ですから、50週とかいうように機械的に分けないで、患者にとっての最善の利益ということを優先させて判断していただきたいと思っております。
 2番目に、皆様がおっしゃったような丁寧な説明ということですが、何よりも一般国民に分かりやすく説明していただきたい。そもそもOTC類似薬という言葉が多分普通の人は知らないと思うのです。私自身も恥ずかしながら、この医療保険部会に入って初めてこの言葉を聞きました。これは何と聞いてしまったのですが、本当に専門家の方にとっては常識であるようなことが一般国民にとっては全くよく分からないのです。そもそもこのOTC類似薬とは何なのかとか、そういうことをきちんと説明していただきたい。また、わずか半年の間で本当にどたばたと制度設計をやってしまっていいのだろうかということを疑問に思っております。
 3番目としては患者の自己負担の問題です。これについて山口専門委員からも御発言がありましたが、前回の医療保険部会で私が患者の自己負担がどんどん増えていくのではないかという危惧の念を申し上げたら、厚労省のほうから検討中だみたいな御返事があってびっくりしました。実は政党によりましてはOTC類似薬を全額自己負担にと言っているところが少なくないです。よく4分の1で押しとどめられたと思っておりますが、これがどんどん増えていって全額自己負担というようなことにならないよう、厚労省としても頑張っていただきたいと思います。
 高額療養費の限度額引き上げとか、OTC類似薬の保険適用外とかというこの一連の動きを見ていますと、日本の医療保険制度がだんだん揺らいできているような感じです。、医療保険制度に対する国民の信頼感が揺らいでくるのではないか。そういうことを考えると、ある程度のところで踏みとどまる必要があるのではないか。一連の流れが非常に私は恐れておりますので、この辺のところの国民的な議論を活発にしていく必要があるかなと思っております。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 それでは、林委員、どうぞ。
○林委員 まずはヒアリングということで武川専門委員、それから、山口専門委員、懸念点などを御説明いただきましてありがとうございました。いただいた御懸念点なども踏まえて意見と、事務局のほうに質問を3点ほどさせていただければと思っています。
 まず、ステロイド外用薬について、これからの議論にも入れていただいていますけれども、議論を進めていくに当たって、ステロイド外用薬もそうなのですけれども、どれぐらい負担増になるかみたいなことが見える必要があるのだろうと思っています。いくつかの品目で例示はされていますけれども、もう少しほかの薬剤においても、負担が重かったみたいなことがあってはいけないというか、議論してからすべきだと思っています。事務局にお手間をかけるのですけれども、追加で負担のイメージを示していただいて、次回以降、丁寧に議論していく必要があると考えています。これは意見ということでお願いしたいと思います。
 それから質問です。低所得者への配慮について、委員の皆さんから様々な御意見があったと承知しております。この医療保険の話でいけば、入院時の食事療養費などで低所得者について別途の対応をされていると理解しています。今のところ、事務局のお考えでは生活保護受給者のみと整理をされているのですけれども、医療保険の制度の中におけるほかの制度との整合性という観点も含めて、どのように現時点での考え方を整理したのか御説明をお願いできればというのが1つ目です。
 2つ目は、パブリックコメントの6点目のところで、白色ワセリンとオリブ油、これは混ぜて使っても結局最後は負担を追加で求めますということになっているのですけれども、個々の患者の状態に合わせて割合とかを変えて調剤されているということで言えば、市販薬とは違うのだろうと思いますし、実務の話になるかもしれませんけれども、調剤の材料の一部を負担の対象として金額を算出するとなると、個々にやるということで、現場の負担増になるのではないかなと思ってしまうのです。その辺り、こういう整理を現時点で考えているということだと思いますが、その理由も含めて補足の説明をお願いできればと思っています。
 3点目は長期使用についてです。今、既に長期使用している分については当然引き続きということになるのだろうと思いますけれども、これから新たに病院にかかって先生に見ていただいて、これはしばらくかかるというようなことになったときに、最初に半年、または1年かかるというのを判定できるか、診断できるかどうか分からないのですけれども、そういうところについては医師の判断に委ねられているということなのでしょうか。その辺り、もう少し長期使用に関わって負担の対象外になるようなところについて御説明を賜れるとありがたいと思っています。
 一旦以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局のほうにお尋ねがありましたので、よろしくお願いします。
○長江室長 事務局の保険局総務課医療費適正化対策推進室長でございます。現在の低所得者の考え方につきましては、本日の資料の9ページの国会のところで考え方をお示しさせてもらっていますが、今回、そもそも別途の負担の対象、薬剤費を4分の1に設定させてもらっております。昨年度の議論では保険適用外にするかどうかという議論があって、その中で、まず4分の1に設定させてもらっていること、あと、各がんや難病、長期使用の方、配慮が必要な方法というのを別途設定させてもらっておりますので、そういったことも総合的に踏まえて今回は生活保護受給者と考えさせてもらっており国会でも審議させてもらっております。
 2点目の御質問、パブリックコメントにありましたワセリンにつきまして、こちらは有識者の検討会の中でも77成分の効能効果というのは議論させてもらっております。ワセリンに関しましては効能効果が2つございまして、基剤として使われる場合と皮膚の保護に使える場合という2点あります。例えばアトピー性皮膚炎のガイドラインとかを御確認していただきますと、製品の安定性の観点から混ぜることは推奨されておらず、別に出して使うということが、ガイドライン上はそのように書かれています。
 あと、2点目に関しましては、患者側から見たとき、混ぜられているワセリンが皮膚の保護を目的として出されたのか、それとも基剤として伸ばすために混ぜられているかというのは、患者側から見ると同じワセリンですので、別途の負担があるないというのをそれで分けるというのは、患者側から見ると納得感が得られにくくなるという点も踏まえまして、今回は別途の負担の対象ありと整理させてもらっております。
 3点目の長期処方に関して様々なパターンがある点というのは、今回論点に挙げさせてもらっておりますので、次回以降、我々のほうでこういった場合が対象や対象外となるという分かりやすい資料を出させていただいて議論させていただければと思っております。
○林委員 端的に申し上げたいと思います。それぞれお答えいただきましてありがとうございました。
 1点目のところ、4分の1だから総合的というので、そうですかという感じはしますが、また引き続き議論されればと思っています。
 事務局からもありましたし、いろいろな先生からも御指摘がありましたようにかなり分かりにくいと思っていまして、制度の導入に向けて患者の皆さんに対してはもちろんですけれども、現場にも過度な負担がかからないように対応していくことが必要だと思います。患者・国民の理解・納得を得られるように、ぜひ具体的な事例を示しながら丁寧に周知をすることが不可欠だと思いますので、厚生労働省の御努力をお願いしたいと思っています。
 それから、前回、私は制度導入による影響について実態把握と検証が必要だと申し上げました。他の委員から受診控えの危惧など御指摘もあったと思っていますので、政策効果や課題の有無の把握についても、ぜひお願いしたいと思っています。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 渡邊委員、どうぞ。
○渡邊委員 薬剤師会の渡邊です。本日も両団体の武川専門委員、山口専門委員から大変貴重なお話を伺えましたことに感謝を申し上げたいと思います。
 今回のヒアリングの内容も踏まえて必要な配慮がなされるように、また、挙げられた懸念事項等が整理されるように、引き続き制度面・運用面での丁寧な検討が必要だと考えています。
 また、今回挙げられていますパブリックコメントに関しても、本制度の導入において現場への影響、また、判断という部分で多くの懸念が挙げられているように思います。厚生労働省としても適切に対応していくということですので、その対応をしっかり現場・国民に向けて、各関係団体と連携をして取組をお願いしたいと思います。
 本制度開始に向けて、先ほど島委員からあった件ですが、我々も医師・薬剤師の連携という部分に関しては非常に重要と考えています。ただ、これに関しても外来での対応という部分になってきますので、本制度開始までの間にどれだけのことがしっかり詰められるかという部分が現場では大変重要だと思っています。それらのことが先ほど城守委員からもあったシステム的な対応でいける部分も含めた院内での対応や、それが院外に及ぶ場合が多いこの制度については、どのような話をしてどのようなことを決めていくのかに関しては、しっかりと制度開始までに患者さんを含めた医療関係者の納得・理解が必要なのではないかと思っています。
 我々、医療関係者にとってはどうなっていくのか、また、どう対応していけばいいのかというところに関しての不安がまだまだあるのですけれども、一般の方々にとっては、このような負担が発生することすら全く認知がされていないというのが現状ですので、ここに関しては詳細を関係団体等々で詰めていくことと並行して、その前段階、かなり早い段階からこのようなことが生じるという国民への啓発・広報を何らかの形で早く動いていくべきなのではないかと思います。
 検討の部分に挙げられている論点に関しては重要なポイントになりますので、しっかりとした論点の整理も今後必要なのかと思います。
 また、資料にも例えばと書かれていますので、これらの論点を整理していくに当たって、現場を踏まえた対応がもっと幅広く、検討が必要になる部分に関しては事前に関係団体のほうにしっかりとお声がけをいただいて、どういう状況になっているのかというのを御相談いただきながら進めていただきたいと思いますので、併せてお願いをしておきます。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 では、藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 本日も患者団体の皆様には貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
 この論点ですけれども、助け合いの考えから、がんや難病の患者さんにはできるだけ手厚く対応することが望ましいのかなと考えております。
 一方で、これまでも申し上げているとおり、本見直しの目的は、国民のセルフメディケーションの推進や、いわゆる低価値・無価値医療の是正にあると考えます。制度の持続可能性も考慮して、患者さんの行動変容を促すなど、大きなリスクは保険、小さなリスクは自助と、保険本来の姿に立った見直しが求められると考えます。
 そもそも受診の必要性が低い患者さんには、まずは薬局さんに行っていただいて、今回の対象薬剤に関係なく、薬剤師さんと登録販売者さんの判断で、一般のOTC医薬品で対処するということが望ましいと考えます。
 加えて、保険の範囲ということですけれども、例えば日本では酔いつぶれて体調を崩しても保険適用になるのです。しかし、例えば海外でこれをやると、場合によっては、あなたは自分で分かっていて飲んだね、それは保険が効きませんと言われることが実際にあります。皆さんには、ちゃんとした保険の使い方というのを常に考えていただく必要があるのかなと思っております。
 それから、新規に発売されたスイッチOTCが対象になるという動きがありますが、これは消費者保護の観点から問題ではないかと考えます。こういったリスクの高い医薬品については、使用者による適切な使用方法の理解度、これによって段階的に進めるべきだと考えます。
 また、御説明いただきました低所得者の対象範囲については国会審議のとおり、必要な医療が抑制されないよう配慮された結果と考えますので、原案のままでよいのではないかと考えております。
 それから、財政の影響については、できるだけOTC医薬品の使用促進というのはもちろんですけれども、骨太の方針にあるとおり、医薬品や検査薬のスイッチ化ということも実効性を持って確実に進めていただくことが必要ではないかと考えます。
 また、本制度の導入により患者の自己負担が増えない別の医薬品に処方がシフトすると、かえって保険財政の負担が増大するという懸念もあります。国において導入の前後でどのような変化が生じたかを調査・検証するとともに、意図せぬ処方シフトが起きないようにしていただきたいと考えます。
 以上です。
○岩村部会長 それでは、天野委員、どうぞ。
○天野委員 私から3点意見を申し述べます。
 まず1点目ですが、中間取りまとめ並びに医療保険部会で2回にわたり議論を私も拝聴してまいりまして、まだ明確ではない部分がかなり残っていると感じます。例えば今日、山口専門委員からもがん治療に伴う副作用や有害事象の対応について医師によって判断のばらつきが生じる可能性があるのではないかという指摘ありましたが、これはそのとおりだと思います。
 また、パブリックコメントについても、例えば資料2の6ページの中で、パブリックコメントの意見として関節リウマチや線維筋痛症など難病指定されていないが完治が難しい慢性疾患も別途の負担の対象外とすべきという意見に対して、厚生労働省からの回答が、指定難病以外の疾患についても1年という単位の中で、医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、対象医薬品の長期使用等が医療上必要である場合は別途の負担の対象外となる場合があるという記載になっていて、分かったような分からないような、現状、一読してなかなか理解が難しい状態になっていると思います。
 資料の中でも、厚生労働省のほうから今後具体的な適用例について明確化をしていただけるとおっしゃっていただいているので、次回以降の医療保険部会で明らかになると思いますが、現時点ではまだかなり整理が必要な状態だと思いますので、ぜひ御検討いただきたいというのが1点目です。
 2点目は、前回私から小児がんの影響についてということで申し上げた点について、事務局の資料のほうで今後対象成分を拡大する際は小児がん経験者の累積的な影響を事前に検証すべきとまとめていただいています。もちろん検証も重要であり必要だと思いますが、ただ、小児がんの患者さんはいわゆる治癒を目指した非常に強力な治療を経験されていて、その合併症、あるいは晩期合併症等が生涯にわたって続くことは明らかです。検証していただくことも重要ですが、負担が累積的に過重になる可能性があることは明確ですので、この部分については重ねて特段の配慮をお願いしたいということが2点目となります。
 最後の3点目、先ほど来、制度が非常に複雑である、現場の負担が大きいという御指摘を複数拝聴しておりまして、例えば今回判断する医師の負担が過重になるということは当然ですが、患者の立場から申し上げますと、実際に薬剤費の支払いというのは処方せんを提出した調剤薬局等の窓口で行うわけですので、患者の立場から見た場合、この制度が分かりづらい、あるいは費用負担について納得できない、理解できないとなった場合、その矛先はどこへ向かうかというと、当然薬剤師さんに向かうわけです。
 そうなると、薬剤師の負担が非常に過重になる可能性が十分推測できるわけですので、こういった現場の薬剤師さんの負担を軽減することも含めて、配慮していただけることは我々も患者も求めていまして大変ありがたいことですが、それに伴って負担が過重になるというジレンマもあるかと思いますので、その中で現場の負担が過重にならないように、患者の立場からも、ぜひ検討をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、大杉委員、どうぞ。
○大杉委員 日本歯科医師会の大杉でございます。前回に引き続き日本アレルギー友の会の武川専門委員、ささえあい医療人権センターCOMLの山口専門委員から貴重な御意見を賜りありがとうございました。感謝を申し上げます。
 私からは制度施行に当たっての運用面について2点要望を申し上げます。
 まず1点目ですけれども、本制度の施行後も保険診療を引き続き適切に実施していくために、オンライン資格確認や医療面接を通じて患者さんの診療情報や薬剤情報の把握に合わせて、今回制度の対象となる医薬品について別途負担の対象となるか否かについて考慮しながら処方に当たる必要があります。前回の会議でも申し上げましたけれども、歯科診療の実態は院内処方を行う小規模な診療所が多いという特徴から、現場・窓口における実務に大きく影響します。
 資料8ページの中間取りまとめに対するパブリックコメントにおいて、電子カルテ記載やレセコンなどのシステム上の対応、また、別途負担の判断基準が困難であること、そして、窓口トラブルの懸念など、多くの意見が寄せられておりますので、円滑な運用に向けて丁寧な対応を引き続きお願いしたいと思います。
 続いて2点目、資料10ページに示されていますように、OTC類似薬での対応で現役世代の保険料負担の軽減は、先ほどから委員が述べられておりますが、機械的に算出した場合に1か月当たり約30円の減少とのことですけれども、全ての医療機関・薬局においてばらつきのない負担や統一的な運用が行われることが、患者さんの納得感につながるものと思います。
 そのためには最新の医薬品の情報が遅滞なくレセコンに反映されるよう、ベンダー各社の御協力をいただく必要があり、早期に取扱いを伝えていただくとともに、システム改修費用等への財政支援を御配慮いただくようお願い申し上げます。現場の実務を補完するチェックリスト等に加えて、本日資料に示されていますような自己負担額のイメージ図などの患者啓発リーフレット作成も可能な範囲でお願いをいたします。
 以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、北川委員、どうぞ。
○北川委員 協会けんぽの北川でございます。本日は専門委員の方々のコメント、ありがとうございました。
 今回出されております事務局資料の13ページにある論点につきましては、基本的にこの考え方で進めていくということに異論はございません。
 資料の11ページにまとめられている考え方、今回の施策の精神といいますか、基本的な考え方に私どもとしては強く賛同しておりまして、公的医療保険の立場からすると、この処方薬がOTC類似薬でも代替可能な局面を想定して、そこから、この議論が始まってきているということを改めて立ち返って考えていただけるとよろしいのではないかと思います。
 そうした場合、その場面において医師の医療を経た処方薬になるのか、一般のOTC医薬品を選ぶのかという、まさにセルフメディケーションの考え方にも通じるものがあるわけですけれども、そうした中で、この特別の負担を求めるという考え方については一定の合理性があると考えております。
 また、この価格4分の1というものを踏まえた経済合理性の下で患者さんが選択をしていくという考え方は十分賛同できるものではないかと思っております。ただ、本日の議論にもありましたとおり、様々な課題がまだ残っておりますし、実施までの期間が非常に短いという点で、関係者の皆様の一段の努力を加速していかなくてはならないということについては、よろしくお願いしたいと考えているところです。
 論点の幾つかの話題の中にございましたけれども、特に低所得者について配慮しなければならない範囲につきましては、こうした基本的な考え方を踏まえますと、国会審議でも触れられているような生活保護の方々に限定するという考え方が、私ども保険者としてはより適切であると考えているところです。
 以上であります。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 第1、第2の議題については、この辺りでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、今日、委員の皆様からいただいた意見も参考にしていただいて、さらに検討を進めていただきたいと思います。
 専門委員の皆様におかれましては大変ありがとうございました。次回以降、この議題を議論する際には、また御出席をいただきたいと思っております。日程のほうは事務局から御連絡をさしあげるということです。
 それでは、次の議題に移りますので専門委員の皆様は、本日はこれで御退席いただいて結構です。大変お忙しい中、ありがとうございました。
(専門委員退室)
○岩村部会長 それでは、次に議題の3番目と4番目に移ります。議題の3番目が妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会の立ち上げについて、そして、議題の4が令和9年度予算概算要求(保険局関係)についてです。どちらの議題も報告事項ということですので、事務局から資料の3と4をまとめて御説明をいただいて、その後、御意見等を伺いたいと思います。では、事務局から説明のほうをお願いいたします。
○西嶋課長 医療課長でございます。資料3、妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会の立ち上げについての御報告です。
 先般、健康保険法等を一部改正する法律ということで、その中で出産に係る給付体系の見直しについて規定があります。その給付体系の議論を今後進めていく中で、出産に関するケアに対するような体制とか、その中身について、実情、あるいは支援体制等について、現状をきちんと踏まえる必要があるだろうということで、それに係る検討ということで検討会を新たに立ち上げるものです。
 1ページ目の下のところに書いていますが、この検討会は保険局長が開催するという形でございまして、厚生労働省医政局地域医療計画課、そして、こども家庭庁にも御協力いただいて検討会を運営してまいりたいと思います。
 2ページ目に検討会の構成員の名簿をお付けしております。
 3ページ目、そのスケジュールですけれども、10月初旬にキックオフさせていただいた上で、10月、11月に先ほど申し上げました今の体制の状況、あるいは検討に必要な着眼点等について御議論いただきたいと思っております。その際には、研究班だったり、分娩取扱施設についての実態調査を今行っておりますので、そういったものの結果を御報告した上で、それに基づいた御議論を進めていただこうと思っております。そして、12月をめどに取りまとめをする形の検討会ということで、本日は立ち上げについての御報告です。
○若林課長 総務課長でございます。私のほうから令和9年度予算の概算要求について御報告いたします。資料が2種類ございまして、資料4が概要の資料になります。参考資料は細かい事業ごとの資料ということで、資料4を用いて御説明させていただきます。
 1ページ目、幾つか柱がありますが、最初の柱は安定的で持続可能な医療保険制度の運営確保ということで、制度上のために国庫が負担する分についての要求です。一番上、額が最も大きいものがいわゆる医療費の国庫負担相当に該当するもの、協会けんぽ、国保、後期高齢者医療に該当するものですが10兆7141億円、前年度比で1575億円の増ということで要求をしています。これは高齢化や高度化分を含めた自然増ということで要求しておりまして、実際には予算編成過程で様々なものを加味して変わってまいります。
 この点、一番下のところに※で注書きがありますけれども、幾つか予算編成過程で検討する事項というのを書かせていただいております。一つは経済物価動向の把握を踏まえた薬価改定及び薬価制度改革その他必要な対応、それから、診療報酬における経済・物価の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関の経営状況に支障が生じた場合の調整といったものを加味して、実際には年末に個々の予算額をセットするということです。現段階では要求段階というところです。
 それから、その下のほうは国保、あるいは被用者保険の財政支援、これまでも行ってきたものを要求しているものです。
 2ページで次の柱、医療分野におけるDXの推進ということで、これも昨年度から共通するものが多いものですけれども、国保中央会、あるいは現在の社会保険診療報酬支払基金が実施主体となりまして各種制度見直しに伴うシステムの改修に係る経費ということで要求をしています。診療報酬改定DXに必要なものは一番上、あるいは国保総合システム、事務処理システムでの要求ということで、昨年との違いで申しますと、投資枠というものが政府全体で設けられておりまして、こういうものを活用して要求しております。
 3~4ページもDX関係です。
 3ページは後期高齢者の関連システム、特に見直しをしました金融所得の勘案に向けたシステム開発を予定しています。一番下は出産に対する給付体系、先ほど御説明いたしました給付体系の見直しに伴うシステム改修というものを要求しています。
 4ページ、デジタル庁の予算ですけれども医療機関等管理システム改修経費ということで計上しています。
 5ページ、もう一つの柱、攻めの予防医療の推進というものです。現政権での重要な取組の一つということで、攻めの予防医療があります。当局の関わりとしましては、保険者機能の強化というものを通じて予防医療に取り組むというのが中心になっています。そういう意味ではこれまでも要求していたものが多くなっておりますけれども、新規としまして5ページの一番上にありますデータヘルスを基盤とした「AI予防医療モデル」ということ、保険者も様々な保健事業を効果的に推進していくということで新たに要求をしています。
 そこから下、これまでも要求しておりましたデータヘルスの推進、あるいは糖尿病性腎症の重症化予防、予防・健康づくりの取組の支援を盛り込んでおります。
 6ページ、保険者協議会における保健事業の支援、予防・健康インセンティブの取組への支援、特定健診・特定保健指導の効果検証、データヘルス計画の推進・分析といったものを計上しています。
 7ページ、後期高齢者を念頭に置いた取組です。これもこれまでと継続ですが後期高齢者の健診、歯科健診、保健事業、介護予防との一体的実施、データヘルス計画に向けた策定支援といったものを盛り込んでいます。
 8ページ、その他ということで、一つは都道府県における地域フォーミュラリ策定、都道府県が実施するものに対する支援ということで、これは新たに盛り込んでいます。一番下、被災者支援ということで、これもこれまでどおりのものを盛り込んでいます。
 詳細につきましては、先ほども御紹介しました参考資料に各施策・事項についての資料をつけておりますので、お時間があれば御覧いただければと思っております。
 私どもとしましては、今後、財政当局との調整を進めて必要な予算確保にしっかり努めてまいりたいと考えています。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、本件は報告事項ということですけれども、もし、御意見・御質問があればお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 それでは、城守委員、どうぞ。
○城守委員 資料3の出産等の新たな検討会の立ち上げに関してコメントを置かせていただければと思います。
 本制度の大きな目的というのは妊婦さんの経済的な負担を軽減して安心して出産できる環境を整備するということになるわけですが、同時に、その実現に当たっては、現在地域で分娩を担っている医療機関が制度変更後も安定的に運営を継続できるということが大前提になるわけです。これは以前から本部会でもお話をしているわけですが、今回の制度設計によって地域の周産期医療提供体制に悪影響が生じるようなことになりますと、結果として妊婦さんが安心して出産できる環境が損なわれることになりかねないということになります。
 御報告いただいたこの検討会において、今後具体的な給付水準や詳細な制度設計とか、基礎的な部分を検討されるものと理解していますが、現場に混乱が生じることがないように慎重な制度設計と適切な給付水準の設定の考え方等の検討をぜひともお願いをしたいと思います。
 重ねて最後に申しますが、この新たな制度は妊婦さんの経済的負担の軽減を通じて、地域で安心して子供を産み育てることができる社会の実現に資するということですので、そのために地域の周産期医療を支える分娩施設、特に一次施設が今後も分娩を継続しようと思えるような環境を確保できるものでなければならないと考えますので、そのような視点で今後の検討をよろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 では、林委員、どうぞ。
○林委員 同じく資料3の検討会についてです。この検討会は私ども連合のほうからも参画させていただくことになっています。城守委員からもありましたように、希望する人が安全で安心に産み育てられる環境整備を進めていくことに向けての検討会だと思っていますし、また、この後、この部会でもそういったこととして議論されていくのだろうと思っています。厚生労働省のほうで分娩取扱施設における医療やサービスの実態調査をされて、その報告を基に議論を進めていかれるということですので、私どもとしてその目的に向けて積極的に参加したいと思っていますし、丁寧な議論ということで、事務局のほうにもお願いしておきたいと思っています。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 では、米川委員、お願いします。
○米川委員 健保連の米川でございます。3と4合わせてということでよろしいですか。○岩村部会長 結構です。
○米川委員 まず、3点目の妊娠・出産・産後における検討会の立ち上げ、この検討会は私も入れていただいているので一生懸命議論に参加したいと思います。気になるのは、この検討会のいわゆるレポートラインというのは中医協に対する答申や、論点整理の報告ということに一義的にはなっているように思います。
 それ自体は全く問題なくて、これまで議論いただきました妊産婦の皆さんが安心して経済的負担の軽減やサービスを受けられるという趣旨は大変結構なことだと思うのですけれども、例えば出産時一時金や、いつから施行するのかといった内容は、当部会でしっかり検討するマターだと思うので、その辺りは医療保険部会でしっかりとウォッチして議論することが前提ということを確認させていただきたいと思います。
 それから、4点目の予算概算要求につきましても御説明をどうもありがとうございます。現役世代の負担軽減という観点で、来年度についても被用者保険への財政支援を御要望いただいていることは大変感謝を申し上げます。高齢者拠出金の負担は大変大きい部分を占めておりまして、この補助金の中に企業の賃上げ努力に配慮した拠出金負担軽減分というのがありますが、昨年の大臣折衝の際には、「終了も含めて令和9年度以降の在り方を検討する」とされているものですから、しっかりと確保いただけるようにお願いいたします。
 最後に、投資枠として攻めの予防医療の推進に向けてということで御説明をいただきました。大変ありがとうございます。データヘルスを基盤とした「AI予防医療モデル」の構築というのは非常に重要な観点だと思いますので、ぜひ健康課題に応じて効果的な保健事業を推進している健保組合を後押しいただきたいと考えております。しっかりと予算を確保いただくように、よろしくお願い申し上げます。
 以上です。ありがとうございます。
○岩村部会長 1点確認したいという事項があったと思います。よろしくお願いします。
○荻原課長 保険課長でございます。米川委員からいただきました医療保険部会における議論に関する御質問ですが、基本的に制度の大枠ですとか施行といった中身について、当然医療保険部会のほうでも御議論いただくという流れになります。最終的に給付の水準、具体の水準について中医協の諮問・答申ということも別途必要にはなりますが、制度の枠としては医療保険部会でも御議論いただくことになりますし、両輪で検討を進めていきたいと考えています。
 以上です。
○米川委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 それでは、オンラインで岩崎参考人、どうぞ。
○岩崎参考人 来年度概算要求について一言申し上げたいと思います。資料1ページに持続可能な医療保険制度の運営確保に向けた事項が示されております。現役世代の保険料率の上昇を止めまして引き下げていくことが重要であると考えております。給付と負担の見直しなどの医療保険制度改革を、今後策定されます改革工程表に沿って着実に実行をお願いしたいと考えております。
 加えまして、効果的・効率的で質の高い医療サービスを持続的に提供していくためには医療DXの推進が不可欠です。今回の資料は保険局関係の事項が中心になっているということは重々承知しておりますけれども、今後厚生労働省、ひいては政府一体となって医療分野のDXの推進にぜひ積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 以上です。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、杉﨑参考人、どうぞ。
○杉﨑参考人 議題3の報告事項に対する意見です。出産に関する給付体系の見直しにつきましては制度における大転換となり、大変難しい議論となることが想定されます。今後、具体的な議論を行うに当たっては、以前から申し上げておりますがくれぐれも期限ありきの拙速な議論は避けていただき、地域の一次施設をはじめとする周産期の医療提供体制の確保と医療保険制度の安定のどちらも図られる制度としていただきますようよろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 次回の開催日につきましては、追って事務局から連絡がありますのでよろしくお願いいたします。
 本日は、大変お忙しい中、積極的にいろいろ御意見を頂戴しまして非常によかったと思っております。ありがとうございました。それでは、これで散会いたします。