第1回 救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会(議事録)

医政局地域医療計画課 救急・周産期医療等対策室

日時

令和8年7月23日(木)10:00~12:00

場所

AP虎ノ門 Aルーム
(〒105-0003 東京都港区新橋 1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル11階)

議事

2026-7-23 第1回救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会

○三反田救急医療対策専門官 定刻になりましたので、ただいまから第1回「救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 進行を務めさせていただきます厚生労働省医政局地域医療計画課の三反田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 また、今回の検討会に関しましては公開の検討会として実施、資料や議事録については厚生労働省ホームページにて公開、事前に御希望があった報道機関の方の傍聴、YouTubeでのライブ配信と併せて開催しております。このような取扱いとすることを少し御説明いたしますと、本検討会については救急医療や患者搬送の関係者だけでなく、国民の皆様の関心も高いテーマであると考えておりまして、検討状況を広く国民の皆様に御覧いただくことができるよう、資料や議事録を公表するものとしております。また、YouTubeによりライブ配信とすることにしております。
 一方で、会議では専門的かつ多角的な観点から率直な意見交換を行う必要があるため、特に配信に関しましては発言の趣旨が誤って受け止められることがないよう、また、構成員への誹謗中傷や不当な圧力につながることがないよう、視聴される皆様には御理解と御配慮をよろしくお願いいたします。
 さて、本日の出席者は会場にお越しいただいている方とオンラインで参加されている方がいらっしゃいます。オンラインでは今明秀構成員が参加されております。そのほかの方々には会場にお越しいただいております。
 まず、御発言の方法から確認させていただきます。オンラインで参加されている構成員の方々におかれましては、御発言の際はZoom画面下部にございますリアクションボタン、または参加者一覧の下部から「手を挙げる」をクリックしていただき、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いいたします。発言終了後は再度マイクをミュートにして「手を挙げる」を解除していただきますようお願いいたします。「手を挙げる」ボタンがない場合には、代わりに画面に向かって手を挙げていただくなどで表明をお願いいたします。
 それでは、開催に先立ちまして、厚生労働省大臣官房審議官の榊原より御挨拶を申し上げます。
○榊原審議官 厚生労働省大臣官房審議官の榊原でございます。
 本日は、御多忙の中「救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会」にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。まず、本日御参集の皆様におかれましては、医療、航空、消防、自治体行政等の立場で地域の救急医療体制の確保に多大な御尽力をいただいておりますことに厚く御礼申し上げます。
 さて、ドクターヘリは平成13年以降、全国各地で整備が進められてまいりました。現在では地域の救急医療体制を支える重要な手段の一つとなっております。その大きな特徴は医師・看護師が救急現場にいち早く向かい、現場から医療を開始できる点にあります。重症の傷病者に対してできるだけ早く医療を届け、適切な医療機関へ速やかにつなぐ、こうした役割を通じてドクターヘリは地域の救急医療に大きく貢献してきたものと認識しております。
 一方で、地域の救急医療体制での活用が広がる中で、改めて現状を整理して今後の在り方を検討するべき時期に来ていると考えております。近年では複数の地域でドクターヘリの運航に影響が生じており、地域の救急医療体制への関心も高まっております。このようにドクターヘリは医療機関、消防本部、都道府県、運航業者をはじめ、多くの関係者の連携によって成り立っている仕組みでございます。構成員の皆様におかれましては現場の実情やこれまでの経験を踏まえ、それぞれのお立場から率直な御意見を頂戴できればと思います。
 厚生労働省としましても関係省庁や関係機関とも連携しながら、ドクターヘリを含む救急医療搬送体制が将来にわたり安全で持続可能に、そして、地域の事情に即した形で機能していくよう、必要な対応を検討してまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官  榊原審議官は、公務の都合により途中で退席となる見込みとなっております。あらかじめ御了承ください。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 お手元に、議事次第、座席表のほか、資料1「救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会 開催要綱」資料2「救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の現状について」資料3「整備士・操縦士の確保に関する取組状況」資料4「消防防災ヘリコプターの現状について」資料5「ドクターヘリに関する検討課題」資料6「ドクターヘリ事業の現状」をお配りしておりますので、御準備いただきますようお願いいたします。
 不足等がございましたら事務局までお知らせください。
 報道の方で冒頭のカメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
 それでは、議事に移ります。
 議題1「本検討会の開催について」でございます。今回は第1回でございますので、構成員の方々をお一人ずつ紹介いたします。一言御挨拶をいただければ幸いでございます。五十音順に、まず、会場にいらっしゃる構成員より御紹介いたします。
 淺香えみ子構成員よりお願いいたします。
○淺香構成員 日本看護協会の淺香と申します。看護の職能団体として発言をさせていただければと思っておりますが、救急搬送に関しては、フライトナースもそうですが、救急搬送のところのドクターカーなども含めて看護職が関わっているところが幾つかございますので、そういった観点を含めまして、この救急搬送体制がよりよくなっていくように発言してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 次に、猪口貞樹構成員、お願いいたします。
○猪口構成員 日本航空医療学会の理事長をしています猪口と申します。私は運航開始当初の頃からドクターヘリによる航空医療に関わっておりす。できるだけ現場の方々の意見をこちらへ反映させていただければと考えております。よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、風間雄一郎構成員、お願いいたします。
○風間構成員 福島県保健福祉部次長の風間でございます。全国知事会及び全国の地方公共団体を代表する立場として御発言させていただきたいと思います。ぜひ御指導よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、喜熨斗智也構成員、お願いします。
○喜熨斗構成員 日本救急救命士会の喜熨斗と申します。救急救命士の立場から参画をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、小中俊太郎構成員、お願いいたします。
○小中構成員 日本医師会常任理事の小中でございます。救急担当でございます。現在の医師、それから、将来の医師も含めて現場の負担あるいは安全など、様々な観点から御意見させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、坂本哲也構成員、お願いいたします。
○坂本構成員 公立昭和病院院長の坂本でございます。日本救急医学会及び日本臨床救急学会の代表理事を務めておりました。救急医療全般の立場からこの会で発言をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 佐藤格夫構成員に関しましては交通事情で少し遅れる見込みとなっております。
 続きまして、武下明義構成員、お願いいたします。
○武下構成員 ドクターヘリ分科会で委員長を務めております武下と申します。ドクターヘリ分科会はドクターヘリ運航会社で構成されている委員会でございます。ドクターヘリ運航会社の視点から、将来にわたり安定的かつ安全な運航体制の維持に向けてどうしたらよいのかということを意見させていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、田邉晴山構成員、お願いいたします。
○田邉構成員 救急医療の現場を実際に担う者の立場から発言させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、西山慶構成員、お願いいたします。
○西山構成員 新潟大学の西山でございます。また、新潟県の東部ドクターヘリ基地の運航管理者でございます。特に医療過疎地域におけるドクターヘリの現状についてお伝えすることができましたらと考えているところです。よろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 続きまして、横田英己構成員、お願いします。
○横田構成員 エアロトヨタにおります横田英己と申します。私はドクターヘリのCSとして実際に7年ほど現場で勤務をしており、猪口先生のところでもいろいろと御指導を賜ったものでございます。また、それ以前、陸上自衛隊におきましてヘリコプターのパイロットを数年間担当しておりまして、北海道、それから、木更津にて勤務しておりました。そのようなことを生かしていただくことができればと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 では、本日、オンライン参加の構成員の方々に移りまして、今明秀構成員、お願いいたします。
○今構成員 日本病院前救急診療医学会理事長の今明秀です。現在、八戸市立市民病院の事業管理者をやっておりまして、八戸ではドクターヘリとドクターカーの両方を運航しております。よろしくお願いします。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 また、オブザーバーとして、国土交通省、消防庁、総務省のほか、HEM-Netより鷺坂長美理事長が参加されております。
 続いて、座長の選出に移りたいと思います。資料1「救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会 開催要綱」を御覧ください。2の構成等に関しまして、座長は構成員の互選により選出する、座長は座長代理を指名することができるとなっております。本検討会の座長につきましては開催要綱のとおり、構成員の互選により選出することといたします。どなたか御推薦を頂戴できればと存じますがいかがでしょうか。
 小中構成員、お願いします。
○小中構成員 現場の第一線で御活躍されており、また、強いリーダーシップを持っておられます公立昭和病院の坂本哲也先生にお願いしたいと思います。
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 ただいま小中構成員より坂本構成員を推薦いただきましたので、坂本構成員に座長をお願いするということで御異議ございませんでしょうか。
(拍手)
○三反田救急医療対策専門官 ありがとうございます。
 それでは、本検討会の座長は坂本構成員にお願いいたします。
 坂本構成員におかれましては、以後の議事運営をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○坂本座長 ありがとうございます。このたび「救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会」の座長を仰せつかりました坂本でございます。構成員の皆様方の御協力をいただきながら本検討会の円滑な運営に努めてまいりたいと思います。
 本検討会では、ドクターヘリをはじめとする救急医療搬送体制について現状と課題を整理し、今後のあるべき方向性について検討してまいりたいと考えております。
 先ほどもございましたけれども、ドクターヘリは重症患者に対する迅速な医療提供を可能とする重要な社会資源であります。その一方、近年では安全で持続可能な運航体制の確保に関して様々な課題も指摘されているところでございます。本検討会では、このような課題に対して、まず、関係者の皆様からそれぞれのお立場の御意見を伺い、現状や課題、今後の方向性について議論を進めていきたいと考えております。
 本日は第1回ということでございますので、まず、関係者の皆様から幅広く現状への認識、あるいは課題についての御意見をいただき、論点の整理につなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、議事に入ります前に、開催要綱では、座長は座長代理を指名することができるとされております。ここで座長の代理を指名させていただきたいと思います。私といたしましては、医療政策や航空医療に明るく、これまで厚生労働省の検討会等にも参画されてきた猪口構成員に座長代理をお願いしたいと思っております。
 猪口先生、よろしいでしょうか。
(猪口構成員了承)
 皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(拍手)
○坂本座長 それでは、早速ではございますけれども、議事に入らせていただきます。事務局に準備していただいた資料に沿って議事を進めていきたいと思います。
 それでは、議題2「救急医療用ヘリコプターの現状、主な論点について」ということで、まず、事務局よりこの資料2に基づいて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山崎救急・周産期医療等対策室長 事務局です。それでは、資料2「救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の現状について」を御説明いたします。
 1ページ、ドクターヘリは、救急医療に必要な医療機器や医薬品を装備したヘリコプターであり、救急医療の専門医・看護師等が同乗して救急現場等に向かい、現場から医療機関に搬送するまでの間に患者に救急医療を提供できる専用のヘリコプターです。一般的には、前方に操縦士と整備士、後方に医師、看護師、患者、必要に応じて家族が搭乗する体制で運航されます。時速はおおむね230~260キロ、対応範囲は50~75キロ程度とされており、救急医療において早期に医療者が患者に接触するための重要な手段となっています。
 2ページ、ドクターヘリについては平成7年の阪神・淡路大震災が導入の大きな契機となり、その後、平成11年に試行的事業が開始されました。平成13年度にはドクターヘリ導入促進事業が開始され、平成19年には救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法が成立しました。その後、東日本大震災や熊本地震などの災害対応も経ながら、災害時の活用や大規模災害時の運用体制についても整備が進められてきました。令和4年には、京都府を除く全都道府県で導入が実現しています。
 3ページ、ドクターヘリの出動は、119番通報を受けた消防本部指令室等から基地病院へ出動要請が行われて出動するのが基本となります。また、各都道府県におけるドクターヘリの運航のあり方については、都道府県等に設置されている運航調整委員会において、関係機関の連携の下で検討・決定することとされております。ドクターヘリは、国の制度や補助だけで成り立つものではなく、都道府県、基地病院、消防、運航事業者など、地域の関係者の連携によって運用される仕組みとなっております。
 4ページ、ドクターヘリの運航には、操縦士、整備士、コミュニケーション・スペシャリスト、医師、看護師など、複数の専門職が関わります。操縦士は、機体の運航や飛行可否判断を担い、飛行の最終決定権を有します。整備士は、機体や装備品の維持・整備、出動前後の点検、飛行中の操縦士補佐、地上や機体周辺の安全確保等を担います。CSは出動要請の受付、運航管理、関係機関との調整を行います。医師と看護師は、現場及び搬送中の診療・看護、傷病者の評価、搬送先調整、医療安全の確保を担います。このように、ドクターヘリは、医療と航空の双方の安全管理を統合して運用する仕組みとなっております。
 5ページ、ドクターヘリの目的は、特別措置法において、傷病者の救命、後遺症の軽減等に果たす役割の重要性を踏まえ、良質かつ適切な救急医療を効率的に提供する体制の確保に寄与することとされています。また、ドクターヘリ導入促進事業では、救命救急センターにドクターヘリを委託により配備し、救急患者の救命率等の向上、広域救急患者搬送体制の向上、全国的導入の促進を図ることを目的としております。
 6ページ、ドクターヘリ導入促進事業は、都道府県を実施主体とし、国が2分の1、都道府県が2分の1を負担する補助事業です。令和8年度の当初予算額は100億円で、令和7年度実績では46都道府県57機で事業が実施されております。補助基準額については、飛行時間に応じた区分が設けられており、令和8年度の見直しに向けて、令和6年度の運航経費実績等を踏まえた整理が行われております。
 7ページ、令和7年度補正予算としては、ドクターヘリ運航体制緊急支援事業に22億円を計上しており、主にドクターヘリの運航が休止している地域に対して、機体の調達・整備、資機材の調達、整備士等の確保に係る費用を支援しております。
 8ページ、ドクターヘリの運航経費は、大きく固定費・変動費で構成されております。固定費には、操縦士、整備士、CSの人件費、機材費、現場経費、予備機確保費が含まれております。変動費につきましては、飛行手当、燃油費、整備費が含まれております。
 9ページ目、令和8年度の補助基準額の改正案を示しております。例えば、飛行時間350時間以上の区分では、令和7年度の3.59億円から令和8年度は3.98億円に引き上げる案となっております。その他の飛行時間区分についても、全体として引き上げる方向で整理しております。
 10ページ、ドクターヘリの導入機体数は、平成16年度には7機であったものが令和6年度には57機となっております。年間受諾件数は、近年ではおおむね2万8,000件から2万9,000件台で推移しています。
 11ページ、令和8年4月時点での運航委託状況を示しております。全国では43都道府県54機が委託により運航されております。
 12ページ、主なドクターヘリの運航事業者の状況を示しております。運航事業者数には限りがございまして、多くの事業者が複数地域で受託しているような状況にございます。
 13ページ、近年、一部の地域におきまして、ドクターヘリの運航休止や運航事業者の確保が問題となっております。資料では、東京都、大阪府、徳島県、奈良県、和歌山県、兵庫県における対応策を整理しております。各地域では、陸路搬送や消防ヘリ、ドクターカー、近隣府県のドクターヘリ、相互応援協定等を組み合わせて救急医療体制の確保に努めていただいております。
 14ページ、本日御議論いただきたい主な事項ですが、ドクターヘリは平成13年度の本格導入以降、安全確保を最優先としながら独自の安全基準や運航体制を構築し、全国の救急医療提供体制の一翼を担う仕組みとして普及してきました。一方で、昨年度以降、一部地域で運休事案が発生し、ドクターヘリの運航に関する持続可能性・安定性の課題が顕在化しております。これに対しては、都道府県間の相互応援や共同運用など、各地域において必要な対応が進められています。本日は、こうした状況を踏まえて主に2つの観点から御議論いただきたいと考えています。
 1つ目は、ドクターヘリの安全で持続可能な運航を将来にわたり確保する観点から、運航実態や地域の状況を踏まえた運航体制、運用、制度、仕組みの在り方についてです。
 2つ目は、地域、または広域におけるドクターヘリ、消防防災ヘリ、ドクターカー、救急車、近隣の都道府県のドクターヘリ等の効果的な連携についてです。厚生労働省としましては、本日の議論を出発点として、関係省庁、都道府県、医療関係者、運航事業者等の御意見を伺いながら課題を整理してまいりたいと思っています。
 最後に、参考資料として、近隣ドクターヘリや消防防災ヘリとの連携・協力の促進に関する事務連絡と予備機及び整備士に関する取扱いの見直しを可能とする事務連絡をつけております。
 以上になります。
○坂本座長 ありがとうございます。
 全ての資料についての御説明を伺ってから議論をしたいと思いますので、次の御説明に入りたいと思います。
 続きまして、国土交通省より資料3「整備士・操縦士の確保に関する取組状況」につきまして御説明をお願いいたします。
○国土交通省木内官房参事官 国土交通省航空局航空安全推進室の木内と申します。それでは、資料に従いまして「整備士・操縦士の確保に関する取組状況」について御説明をさせていただきます。
 1ページ、ここで申し上げます航空整備士・操縦士とは、ドクターヘリを運航している小型の航空機を運航する航空運送事業者のみならず、エアラインも含めた航空業界全体でございますけれども、コロナ禍以降、航空整備士を志望する方は急激に減少しているということで、特に航空専門学校入学者数は5年間で半減している状況でございます。右にグラフがございますが、600であったものが280まで減っている。今後、運航への影響も懸念される状況でございます。
 パイロットにつきましては、高齢化に伴う大量退職時代の到来、今後の航空需要の増加などにより、世界的にもパイロットは逼迫している状況でございまして、政府が掲げる2030年の訪日外国人旅客6,000万人の達成においても、このパイロットの確保というのは不安要素でございます。
 こうしたことを踏まえまして、航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会という有識者及び業界団体、業界関係者の方々から成る検討会を立ち上げまして検討を行ってまいりまして、以下のとおり取りまとめているところでございます。左側に航空整備士、右側に操縦士、それぞれの今後の取組について、大きく分けますと生産性向上につながる対策、そして、裾野拡大につながる対策でございます。
 整備士につきましては、生産性向上の観点から今ある整備士のリソースを有効活用するという観点で、資格の業務範囲の拡大ですとか、型式別資格の共通化といった取組、また、新しい整備士の養成、また、業務の効率化につながる対策として、これまで時間を重視して教育・養成をしてきたところ、能力本位で教育をするといった取組、こういったものを入れております。
 裾野拡大、整備士を目指す方をいかに増やしていくかというところで、官民連携で若い学生の方々に整備士を目指してもらえるような整備士の魅力を伝える活動、また、自衛隊のパイロットにつきましては、これまでも民間に来ていただくという政策がございましたが、整備士につきましては整備資格が民間の方と自衛隊では全く異なるというところで、これまであまり活用が進んできておりませんけれども、自衛隊で整備をしていた方を民間でも今後活用促進していけないかといったところの取組を始めようということで進めております。また、外国人整備士につきましても、特定技能の在留資格で在日している外国人の受け入れを拡大していくといったことも、取組として掲げてございます。
 また、右側の操縦士でございますが、操縦士につきましても外国人操縦士の受け入れをより円滑化していくこと、また、シニア人材の活用を推進していくこと、また、独立行政法人であります航空大学校では主にエアライン向けのパイロットの養成をこれまで進めてきておりますが、その訓練がコロナ禍の影響等で若干遅延しておりますので、訓練遅延を回復していくための対策に加えまして、昨今のドクターヘリを運航するパイロットの不足といったものに備えまして、航空大学校にヘリの操縦士の養成コースの開始を今後考えていこうということで、これはまた別のペーパーでも御説明させていただきます。
また機長養成の迅速化であるとか、生産性向上の取組を進めてまいります。
 また、裾野拡大といたしましては、先ほど整備士でも申し上げましたが、若い方々に対してパイロットの魅力を伝えていくということ、あと、パイロットの養成コースを持っておる私立大学などの活用をより促進していくこと、また、他国に比較しまして女性のパイロットの比率が我が国ではまだまだ小さいということで、女性パイロットの活用拡大を進めていこうといったところを今後の対策として考えております。
 2ページ、こちらはヘリコプター操縦士の養成・確保に関係しまして関係省庁で連絡会議を設けてございます。そちらで取りまとめた概要について御説明させていただきます。
 現状と課題でございますが、ヘリコプター操縦士、特に高い技術、豊富な飛行経験が必要となるドクターヘリや消防防災ヘリ、こういった分野での操縦士に高齢化の傾向が顕著に見られる状況でございます。2030年以降は年間10名以上の追加養成が必要ではないか、特にドクヘリについてということで、現状、高齢化の進展が見られている。また、養成負担の増加もございまして、高い飛行経験を求められるドクターヘリの機長になるには1,000時間の飛行時間が必要ですけれども、その飛行経験を得る機会が、ヘリコプターの運航自体、農薬散布がドローンに置き換わるなどによって減少してきていて、飛行時間をパイロットとして積む機会が減ってきているといった状況もございます。
 これらを踏まえまして、下に対策がございますが、まず、若手操縦士の養成の加速ということで、先ほど申し上げましたが航空大学校の活用を考えてございます。こちらは独立行政法人航空大学校にヘリの操縦士養成コースを新たに創設いたしまして、こちらではライセンスを既に持っている若手の操縦士の方を対象に、飛行経験、基礎的技術などを効率的に習得していただくことを目的としてコースを立ち上げたいと考えてございます。令和8年から準備を開始いたしまして、令和10年頃を目途に開始を想定しているところでございます。
 また、養成経費の公的支援の検討ということで、運航者の養成経費等を国から支援することなどを検討していくとしております。
 また、飛行経歴要件の見直しということで、飛行訓練をする上で、実機だけではなくシミュレータを飛行経験に含めるといったことで、より効率的な養成ができないかということも考えてまいります。
 また、右側、これはなり手の確保ということで裾野拡大の取組、先ほど申し上げましたPR活動に加えまして奨学金制度を創設することについて検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上が整備士・操縦士の養成・確保に関する取組でございました。
 あと、資料にはございませんけれども、昨年から見られておりますドクターヘリの運休といった問題が発生しているところでございますが、これについて事業者間であるとか、あとは事業者団体として運休の早期解消といったものにつながる対応として何か取り得るものはないかということを航空局から業界団体に検討を要請し、一緒に検討を進めていると、そういった取組を進めてございます。
 以上です。
○坂本座長 ありがとうございました。
 続きまして、総務省より、資料4「消防防災ヘリコプターの現状について」につきまして、御説明をよろしくお願いいたします。
○消防庁㓛刀広域応援室長 総務省消防庁でございます。資料4に基づきまして消防防災ヘリコプターの現状について説明をさせていただければと思います。
 1ページ、消防防災ヘリコプターの主な用途・任務でございますけれども、ここに書いてございますように、まず、救助というのがございます。一番左側の写真にもございますが、例えば山岳地帯などの遭難者のときに、これはホイストというのですけれども、ワイヤーで救助員を降ろして要救助者を吊り上げる救助活動もございます。真ん中でございますが、消火ということで、昨今、大型の林野火災などもニュースに出ておりますけれども、こういった際にはヘリコプターにタンク等々を装着いたしまして、水を上から空中散布することで空中消火を行う任務も実施してございます。一番右側が救急ということで、この辺はドクターヘリの任務にかなり近いのかなと思いますけれども、救急患者についてヘリで搬送するという任務、大きく分けてこの3つがございます。
 そして、搭乗可能人数でございますが、これは皆さん御案内のように機種や任務に応じてどのような装備を搭載するかによって当然異なってまいりますけれども、あくまでカタログ上のスペックでいけば11~17人ぐらいということで、ヘリの大きさにもよるということでございます。
 そして、運航体制については消防防災ヘリコプターの運航に関する基準を消防庁で定めておりまして、操縦士2人体制での運航としてございます。
 出動のスキームでございますけれども、こちらにつきましては消防でございますので、まず、119番で消防指令センターに情報が入って、その情報の内容に応じて航空隊に出動命令がかかることで現場に出ていくという活動をしてございます。
 2ページ、全国の消防防災ヘリコプターの配備状況についてでございます。まず、一番上にございますように、令和8年4月1日現在、全国で77機の配備がされてございます。内訳を見ますと、46の都道府県で55の運航団体が存在してございます。都道府県より運航団体の数が多いのは、例えば北海道などもそうですが、北海道として運航しているほかに消防局としても運航しているということで、都道府県の数より運航団体の数のほうが多いということでございます。
 そして、その運航の形式でございますが、自主運航団体が20団体ございます。これは本当に自分たちで運航しているということですので、ヘリの操縦士も含めて自団体の職員で運航しているということ、一方で、運航委託というのが34団体ございまして、これは民間の運航会社に運航を委託しているということ、あと、両者を併用しているのが1団体あるという状況となってございます。そして、この77機の中には総務省消防庁として保有しているヘリコプターが5機ございまして、通常はここにありますように東京消防庁ですとか、京都市消防局、埼玉県、宮城県、高知県というところで無償使用をさせているという状況でございます。
 3ページ、これが消防庁ヘリコプターの配備状況ということで、このグレーアウトしているのはもう退役なりしているということですので、今現在、5機体制ということです。これは総務省消防庁として保有しておりますが、この目的としましては、全国的な大規模災害発生の際に、情報収集任務ですとか、総務省消防庁からのリエゾンを輸送するですとか、そういった通常の地元の消防任務を超えた国家的な任務をいざというときにはしていただく必要があることも踏まえまして、全国のバランスを見ながら配備を進めてきているということでございまして、現在、5機体制ということで配備を進めている状況になってございます。
 4ページ、相互応援協定の締結状況でございます。ヘリコプターにつきましては、整備ですとか点検等々もあって一定期間飛べない期間もあるということで、消防庁といたしましてもそれぞれの地域での相互応援協定の締結を進めてきておりまして、ここは細かくなってしまっておりますけれども、現在、多くの自治体同士で相互の連携協定を結んでいて、いざというときには互いに応援をするという体制を構築していただいている状況になってございます。
 5ページ、消防防災ヘリコプターの導入に関する財政措置でございます。財政制度なので複雑ではございますけれども、まず、1つ目として緊急防災・減災事業債ということで、これは地方公共団体が借りる地方債でございますが、これの対象にしておりまして、元利償還につきまして交付税措置がされるという制度が一つございます。また、それとは別に緊急消防援助隊の補助金ということで2分の1の補助率、上限が8億円あまりとはなっておりますけれども、こういった補助金も設けているということでございます。
 ここにも緊急消防援助隊という言葉がございますが、消防の制度といたしまして、これはヘリコプターに限らず、全国的な大規模地震の際には、全国的に消防の応援をするということで消防庁長官が求めなり指示を出して全国の消防を動かすという制度がございます。それが緊急消防援助隊という制度でございますが、そういった緊急消防援助隊に登録していただいて、いざというときにはそういう協力をしていただきますという前提といいますか、そういうものを要件としてこういう財政措置を設けてきているということでございます。そして、その他、配備後の財政措置といたしましては、日頃の運航経費等々については交付税措置なりがされている状況になってございます。
 6ページ、日頃の出動状況でございます。これは令和7年の数値でございますが、消防防災ヘリコプターの出動件数は全国で5,503件となってございます。先ほどの任務の中で救急というのがドクターヘリの任務にかなり近いのかなと思いますけれども、救急の出動件数は2,430件ということで44%ぐらいでございまして、2,430の内訳がこの下にありますけれども、通常の負傷ですとか急病、転院搬送、医師搬送など、こういった任務も行っているということでございます。
 こういった形で消防防災ヘリコプターは消火の任務も当然ございますけれども、医師の搬送ですとか、急患の搬送といったところでドクターヘリとかなり近い任務もあろうかと思いますし、現場レベルではドクターヘリと連携させていただいて消防防災ヘリコプターで飛ぶということも数多くあると伺っておりますので、引き続きこちらにつきましては各現場レベルでも連携をさせていただきながら、運航を進めていければと思っているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○坂本座長 ありがとうございました。
 続きまして、日本航空医療学会よりドクターヘリに関する検討課題、資料5をいただいておりますので御説明をお願いいたします。
○猪口構成員 それでは、資料に沿って説明させていただきます。
 1枚目、これは最近11年間のドクターヘリの活動状況です。黄色いバーが要請件数、青いのが要請を受諾した件数、緑が診療を行った人数になります。黒い線が入っていますのは、消防庁の統計に載っております救急搬送人員数、救急車で搬送された方の数です。20年ぐらいのところで1回全体で下がっていますのはCOVID-19の影響になります。上に矢印がついているのは、この年に何機増えたかということで、おおむね年に1~2機、ずっと増加していたということであります。実は先ほど厚労省のほうからお話がありましたように、これは最後が令和6年度になっており、7年、8年は運休があり、稼働している機体数が減っております。
 次のページに、ドクターヘリ運用の要点を整理してあります。出動には、現場出動といって、傷病発生現場に直接出動するもの、施設間搬送という、一旦医療機関に収容された患者さんを転送してくる任務という2種類があります。
 さらに、現場に出動する際に、要請に対していつ出動するかという、タイミングが二通りあります。一つは救急隊が現場に到着する前に要請がかかる、覚知要請と呼んでいる方法です。これは119番が消防に入って、消防の救急車が当然現場に出るのですけれども、現場に到着する前にヘリを呼ぶ。一定の重症度の閾値を決めておいて直ちに呼ぶという方法です。もう一つは現場に救急隊が到着してから呼ぶ、傷病者と接触して重症だから呼ぶという方法です。要請にはこの二通りがあり、遠方からの要請が多い地域は覚知要請が多くなりますので地域差がありますけれども、各地要請は現着後要請と半々ぐらいです。
 これらの要請に対して、要請に応じない「不応需」という事例があります。最も多い府応需の理由は天候不良、次は重複要請で、1機出動中にもう1件要請が入った場合、近隣との連携運用がなされていない限り、ヘリは出動できませんので、要請を断ることになります。これを重複要請による不応需と呼んでおります。
 また、出動後に任務の中止があります。例えば、要請を受託して動き始めたのだけれども、飛んでいる途中で不要だということが分かって、任務が中止になったもの等が任務中止と呼ばれています。
 次のページに、その構成比率が出ています。下から順番に2014年から2024年まで11年分記載されております。一番左の黄色い棒が要請不応需、すなわち要請が応需できなかったものです。先ほど言いましたように不応需の一番多い要因は天候不良です。その次が重複要請になります。これらが2割以上ございます。真ん中の黄緑色の棒は現場へ出動したもの、青棒が施設間搬送したというもの、最後にある赤棒がいったん要請受諾後に任務中止になったものです。要請不応需と任務中止の構成比率が年々増えているのをお分かりいただけるかと思います。これが多くなってまいりますと、運用効率の観点から課題となります。
 次のページに、実際に診療した患者さんの疾病構成比率が記載してあります。これも下から上に向かって11年分の経年推移が書いてあります。一番左が交通事故で構成比率21パーセントだったものが13%に減少しています。その隣が交通外傷以外の外傷、次の黄色い棒は外因性の疾患のうち、外傷以外のもの、低体温、熱中症、中毒等です。その隣が脳出血や脳梗塞等の脳血管障害、その隣が心臓と大血管の疾患です。以前はこれらで8割を超えるウエイトを占めていたのですけれども、最近はその他の内因性疾患の構成比率が最近徐々に増加しているのがお分かりいただけるかと思います。これは感染症、呼吸器疾患等の、比較的高齢者に多い疾患が増えているためであります。
 次のページは、地域ごとの疾病構成比率のばらつきグラフにしたものです。下に都道府県と運航地域が書いてあります。左から右に向かって外因性の疾病構成比率が高いものから順に並べてあります。
 一番左の埼玉県を見ると、赤とオレンジと黄色の3つを合わせたものが7割ぐらいです。つまり外因性のものが7割で、内因性の疾病は3割ぐらいで外因が多いということです。隣の福岡県や大阪府なども同様です。一方、右に進むと外因性の構成比率が少なくなり、一番少ないのは北海道の南部、次は鹿児島県2、これは奄美大島、さらに島根県、香川県、富山県、山口県、新潟県東部というように、離島や高齢化の進んだ過疎地域では内因性疾患の占める比率が比較的高く、大都市の近郊やその隣県の若年人口の多い地域では、比較的外因性が多いことがお分かりいただけるかと思います。
 次のページは、奔放における交通事故の発生件数と死傷者数の年次推移です。前のスライドで示しました通り、各地域の疾病構成は住民の年齢構成に大きく影響されてるため、これを踏まえて今後の状況を考える必要があります。図の黒い線が死亡者の数、茶色い棒が負傷者数、青が事故発生件数になります。1991年、1992年辺りのところが年間死亡者数のピークで、その後は経年的に減少しています。一般道路でのシートベルト装着の義務化等の安全対策がこの前後で非常に進んだことが影響していると考えています。
 一方で、自動車保有台数が増え続けたため、交通事故そのものの数は、それに比例して増え続け、ピークアウトしたのが2000年から2004年になります。危険運転致死罪と書いてありますけれども、刑法の改正やアルコールを飲んだ運転の規制強化が事故の減少に影響している、と考えています。いずれにしましても、ここからはずっと交通事故が減っているということです。ドクターヘリの正式運航が始まったのは2001年ですので、ちょうど交通事故のピークの頃に始まって、今現在はピーク時の大体2~3割のレベルまで減少しています。けが人の数は3割ぐらい、死亡者は2割ぐらいになっています。
 次のページは警察庁の資料で、年度ごとに年齢ごとの交通事故死者の構成比率が書いてあります。上から下に向かって新しくなっておりまして、一番右の75歳以上、その隣の65歳以上の高齢者の構成比率が増加していることがお分かりいただけるかと思います。
 次のページは交通事故によって亡くなった65歳以上の方が、事故時に何をしていたかということです。上から下に向かって年次推移が書いてありますけれども、一番右側の自動車乗車中が増えており、それ以外のものは若干減少しています。高齢者の事故は昔よりも運転中に結構起きているということです。
 次のページは皆さん御存じの、今現在の高齢化の状況です。真ん中辺に点を打っているところが今の時点になります。赤の上と下の間がいわゆる生産年齢人口を表しています。その下の青いものより下が高齢者の数です。2015年から2020年まで起こっていた現象は高齢者の増加で、青が右肩上がりにどんどん増えています。赤い幅も減っていますので若年人口も若干減っていますけれども、大きな変化は高齢者そのものの増加です。現在、実は転換期にありまして、この青い高齢者人口今後15年から20年は概ね横ばいになるのが確認できるかと思います。従って、人口に占める高齢者の割合は上昇することになります。
 一方で、その上にある赤の上と下の幅がずっと縮小していきます。要するに生産年齢人口だけが急激に減る現象が起きます。2040年から2050年ぐらいを過ぎますと若年人口も高齢者も減るということで、全体が収縮していきます。今から15年、20年ぐらいは、高齢化は進みますが、その理由は若年人口、生産年齢人口が急激に減るからです。従って、労働力は減少します。同時に、疾病構造としては高齢者の疾病が急速に増えることが予測されます。
 次のページには、高齢者の地域差を示す図が載っています。一番左が2024年の高齢化率で、高齢化率が一番高いのは秋田県です。これが2050年になりますと、の図のように全体が高齢化します。この間の高齢化率伸び率が最後の一番右のグラフで、赤の濃いところは急速に高齢化が進地域を示しています。青のところは変化が比較的緩徐です。北のほうは高齢化率の進行が非常に早く、南は比較的緩徐なのがお分かりいただけるかと思います。
 真ん中のグラフをが2050年の状況です。高齢化が一番進む東北地方の秋田県、青森県、岩手県は高齢化率49%になります。。南のほうは比較的緩徐な傾向が見られるということを御理解いただければと思います。
 そうすると、結果的に何が起こるかという問題が次のページになります。現在、ドクターヘリの運用の対象は大きく2つあり、一つは、事故が起きた直後にできるだけ早く介入して治療することによって死亡率を減らす必要がある症例で、これは重症の交通外傷などが該当します。もう一つは、そこまで切迫はしていないものの、重症の患者さんであって、医療機関に行くまでにかなりの時間を要する方々です。遠方からの救急車搬送や離島からの船舶による搬送等が該当します。航空機でなるべく迅速することが目的ですので、広域航空医療搬送そのものに価値があるというタイプのものです。注意していただきたいのは、この2つの目的を持つ患者さんが完全に分離されているわけではなく、各地域の中で適当に混在して分布していることです。
 これから起こることは、少子高齢化の進行ですが、今後15年くらいは高齢化というよりも少子化が進むわけですので、各地域の医療機関を集約化する必要があります。医療従事者や運航従事者を目指す若年が減っていきます。そうすると、高度医療機関の集約は避けられません。このため、病院の数自体が減ってしまい、広域医療搬送の需要が増えます。
 一方で、交通事故が減る、あるいは一般の外傷も減少傾向であることから、生命の危険が切迫した重症外傷への迅速医療介入という需要の比率が少なくなっていくということです。この両者が同時進行していくため、ドクターヘリの2つの対象のバランスがだんだん広域医療搬送のほうに、傾いていくということです。
 次のページに2つのパターンで要求される部分がどう違うかを比較してあります。
 左側の迅速医療介入は重症外傷等が対象であって、将来需要は減少するが、医療介入は必須です。搬送時間の短縮より、むしろ介入が早いほうが大事です。距離的には医療機関から比較的近くても介入時間が短縮できれば効果があり得る。代替手段はドクターカーや消防の救急車です。要請に対応できない場合、代替手段を利用することになり死亡率に影響が生じる可能性はありますが、搬送ができなくなるわけではありません。夜間・悪天候時などは活動できたほうがよいが、必須ではない。現在の救急医療体制で、今ある死亡率をさらに下げようとするものです。
 右側のほうはタイプが全く違っています。将来需要が増える疾病や病態によって介入効果が非常に多様であると、搬送時間を短縮が必須であるという特徴があります。現場出動だけでなく、島しょなどでは一旦クリニック等に収容してから転院搬送することも珍しくなく、そのため搬送の出動時間、飛行時間の半分は転送に使っています。
 また、距離が非常に離れたところでは、適切な代替手段がなくて搬送できないがゆえに致命的になる可能性があり、従って、悪天候時や夜間にも地域によってはできるだけ航空搬送せざるを得ないという場合があります。現在は海上保安庁や自衛隊などに対応していただいています。機体についても、左欄の迅速介入用の機体よりも頑丈で少し大きく、夜間や悪天候にも耐えられる機体・装備ないと実用性がないという点も異なっています。
 次のページのとおり、迅速医療介入のほうが有効性を判定しやすいのですがランダム化比較試験は倫理的にできないこと、対象となる病態や地理的状況等が地域によって非常に差があるため、簡単に検証効果を一般化できません。また、介入時間短縮のために、救急隊現場到着前の要請、覚知要請を行うとトリアージの精度が下がりますので、効率性が悪化するという問題があります。今後、高齢者の事故が増加しますと、若年と比べて致死率の閾値が下がってきますので、この辺も継続的に精査する必要があると考えています。
 一方の広域医療搬送は、例えば血栓除去が必要な脳梗塞のように根本治療を行うまでの時間、すなわちこの治療ができる医療機関に搬入するまでの時間を短縮することで機能を含めた転帰が改善する疾病が含まれています。
 一方で、例えば開放骨折や腹膜炎、消化管出血等の、もちろん早く治療する必要がるけれども、何分縮むとどのぐらい死亡率に差があるか明確でないような疾病も数多く含まれます。さらに、島嶼や過疎地のような代替手段のない地域についてはトリアージ閾値を下げざるを得ません。代替手段がないのと致命的になる可能性があり、効果検証も困難です。
 次がまとめになります。ドクターヘリは現在57機体制でほぼ全国に導入されている状況です。COVID-19の影響で一時的に出動件数が減りましたが、今現在は安定しています。診療人数は年間2万2,000人程度です。要請不応需と任務の中止は近年増加傾向にあります。交通外傷の構成比率は経年的に減少していて、内因性の疾病の比率が増えています。疾病構造の比率には地域差が見られて、大都市周辺は比較的外因性疾患が多くて、高齢化や過疎化の進む内因性疾患の比率が高い地域は地方に多いです。ドクターヘリの運航には迅速医療介入と広域医療搬送の2つの目的が混在していて、中長期的には後者、広域医療搬送の比重が高くなります。したがって、有効性・経済効果の測定などが課題になってきます。
 これが今想定しております中長期的な課題になります。
 以上です。
○坂本座長 猪口先生、どうもありがとうございました。
 続きまして、最後に一般社団法人全日本航空事業連合会ヘリコプター部会ドクターヘリ分科会から、資料6「ドクターヘリ事業の現状」について御説明をお願いいたします。
○武下構成員 改めましてドクターヘリ分科会の武下です。分科会のほうから運航会社の視点でドクターヘリ事業の現状について説明をさせていただきます。
 2ページ、本日は分科会の御紹介と課題について3点御説明をさせていただきたいと思います。
 3ページ、一般社団法人全日本航空事業連合会の中にドクターヘリ分科会がございまして、2002年5月に設立されていて、現時点では加盟会社は16社ですけれども、ドクターヘリを実際に運航しているのは12社という状況でございます。分科会の活動としては、定期的な分科会の開催ですとか、この12社が運航している運航拠点の安全パトロールの実施ですとか、安全かつ安定的にドクターヘリを運航するため、運航会社及び運航従事者の経験資格等の詳細ガイドライン、こういったものの策定を行っている団体でございます。
 4ページからドクターヘリ事業の運航会社の視点で課題を御説明させていただきたく存じます。
 まず1番目、ドクターヘリ補助事業でございますけれども、補助基準額と実運航経費の差異があるというところです。昨今、人件費の上昇やインフレ等による機体の部品価格の高騰によって運航経費は年々上昇しております。下の図2、令和5年、6年、7年、青の棒グラフが分科会で算定した運航経費ですけれども、年々上昇している状況でございます。一方でオレンジ、令和8年度補助基準額と令和7年度の運航経費の差異を確認しますと、今、1.2億円の乖離があるという実情でございまして、ドクターヘリの安全かつ安定的、将来にわたり持続的な運航体制を確保するには、事業者としての工夫だけでは限界に来ているというところでございます。
 図3、運航経費の内訳としては人件費が約25%、機材費、機体が主なウエートになっていて56%あるところでございます。
 5ページ、分科会で算定している運航経費の算定根拠、こちらは先ほど厚労省様の資料と同じ内容なのですが、運航経費は機体の20年運用を前提として、この20年の期間のうちに、要するに例えばエンジン点検等の将来費用を織り込んで、20年で平準化した1か所当たりの単年度費用となっております。
 6ページ、課題の2番目としては、老朽化する機体の更新、ドクターヘリで使用されている機体、図5を御確認ください。今、15年以上の機体が約37%でございまして、機体更新の時期が迫っているところです。一方で、2025年度におけます特定メーカーのドクターヘリの機体価格は現時点では税抜きで15.5億、当然、機材費上昇、円安という為替の影響もございますけれども、日々技術、安全装置等も含めて発展をしておりまして、そういった技術開発費も反映されて、結果として5年で58%の価格上昇が起こっているところでございます。
 先ほど運航経費で機体の運用は20年を想定していますとは言いつつ、20年以上の機体もあるということはどういうことかというと、機体価格があまりに高いことから機体の更新が容易ではないという実情があるところでございます。
 7ページ、突発的不具合時の対応を課題として挙げさせていただきます。運航会社はヘリも車と一緒で車検のような計画整備がございます。それを耐空検査というのですけれども、耐空検査等の計画整備については代替機、車でいうと代車、を配備する運航計画を立てていて、ただ、突発的不具合はいつ起こるか分かりませんので、ここまで機体を確保するのは実情としては困難です。
 例えば下のイメージ図を御確認ください。ある会社がドクターヘリを3か所で運航している県を想定してつくったイメージ図です。A県に機体をずっと配備する、365日配備しないといけませんので、例えば7月中旬から整備点検、先ほど申し上げた車でいう車検があるといったときに、代わりの機体を投入しないと通年運航できないということで、ここは計画整備で発生する時期が分かっておりますので代替機を準備しております。
 ただ、ある会社が3か所で運航している場合、A県、B県、C県にも代替機を当然投入しないといけない。さらには代替機自身も整備点検がありますので、いつ起こるか分からない突発的不具合に機体を配備するのは、また新たに予備機を確保する必要がありますが、なかなか難しいといったところでございます。
 ドクターヘリの安全な運用運航のための基準においても、ドクターヘリ運航会社は年間を通じ間断のない運航計画を立てて、ドクターヘリの運航業務を行うと記載されています。繰り返しになりますけれども、なぜ難しいのか、というのは、設備投資に億単位の投資が必要な機体をいつ発生するか分からないものに備えて常時機体を置いておくのは、民間会社としては非常に厳しいというところが実情です。
 ただ一方で、突発的不具合があったときに、医療提供体制を維持しないといけない、これをどうするか。例えば防災ヘリ等々、他機関ヘリに支援いただくとか、隣県応援を活用するとか、その方法論は、この検討会の検討課題の一つと思っております。
 9ページ、操縦士・整備士の確保です。ドクターヘリに従事する操縦士を図7にお示ししております。50代以上が70%、整備士については図8で50代以上が46%を占めております。今後、退職時期を迎える、さらに少子化の影響がある中で、人材確保は容易ではなくて、各職種、なり手を増やす方策が必要です。なおかつ操縦士に関してはヘリコプターの飛行時間は、事業が減少する中で、操縦士の要件、機長時間1,000時間という資格要件を満足するためには飛行時間の確保も課題でございますが、先ほど航空局様の御説明にございましたとおり、若手操縦士の養成加速ですとか、なり手の確保というところを対策として実施いただいておりますので、そこを着実に進めていただくというところだろうと思っております。
 10ページ、この検討会の課題の一つでもある昨今運航停止が発生している箇所があるというところで、分科会の加盟会社に新規運航箇所、運休箇所への進出課題につきましてアンケート調査をしております。調査対象は15社で、この中にはドクターヘリ運航していない会社が3社あります。主に課題として4点ありました。
 まず、機体の確保です。新規運航箇所、運休箇所も含めてここに投入する余剰機体はなく、新規に進出する場合には新たに機体購入が必要です。しかし、機体を購入するとなると、先ほども申し上げましたように10億円以上するほど高額です。なおかつ納期も3年以上要しますので、新規進出はこういったものが困難にしている要因で、長期間かかりますということです。機体価格が高騰していて現行の補助基準額ではなかなか機体購入は困難ということと、運航会社を決めるのに入札は当然大切なものだと思いますが、現状、運航開始の6か月前ぐらいに入札があるのが実情です。新造機を調達するのは3年程度かかると申し上げました。ということは、入札がある段階で機体を持っておかないといけない、先行投資をしておかないといけない。一方で、受注の確約はない。巨額の投資に対してリスクも大きいというところも課題の一つかなと思っております。
 11ページ、人材確保も機体と同様、ドクターヘリ従事者に余裕があるわけではないということで、採用・育成があるため、短期間でのドクターヘリ従事者確保は困難です。
 3番目が地理的要因です。本社、または整備拠点から新たに進出しようという場所が遠隔地である場合、例えば機体不具合があったときに対応には時間を要する。追加で整備士を派遣するとか、運航スタッフもそうですけれども、体調不良等々があったときに、交代要員を出すのにも時間がかかる。また、勤務形態、移動時間が長くなりますので勤務配慮が必要といった運航事業者もいます。運航事業者によっては全国展開の会社もあるし、ある程度ここの地域でやるという対象エリアがあるという状況です。
 その他としましては、耐空検査時に配備する代替機を含めて、新規運航箇所への進出には機体が2機必要である。例えば新たにドクターヘリを始めるという会社様がおられたときに、通年で運航するためには耐空検査時に配備する代替機も要るので2機必要であって、1か所の運航ではとてもではないですが採算性を確保できない。今、機体費、整備費はインフレで運航経費がどんどん上昇している環境下において、新規運航箇所への進出というのはリスクを含んでいるというところがアンケート調査から判明したところです。
 また、最終的な目標をどこに置くかというところもあろうかと思いますけれども、57機の運航に戻すとしたときに、新規運航箇所に進出するのに準備期間がどのぐらいかかるかというアンケート調査もしております。未回答を除くと2年以上と回答した会社が7割以上という結果が出ておりますので、この結果からも分かりますように、短期間での対応というのは非常に困難という結果が出ております。
 このことから機体の発注から納品まで3年程度要する、操縦士や整備士の育成にも年単位の期間が必要であるということから、新規運航会社への進出というのは短期間では困難です。長期的な一定の見通しがあると準備がしやすい。先ほども入札というのは現状では運行開始の約半年前にあるというところでリスクも大きいと、準備するには長期的、ある程度の期間を要するということを考えると、運航会社の視点で言うと、中長期的な一定の見通しがないと参入もなかなか難しいというところが運航会社の意見でございます。
 ドクターヘリ分科会から説明は以上でございます。
○坂本座長 ありがとうございました。
 資料2から資料6まで5つの資料について御説明をいただいたところであります。
 それでは、これから構成員の皆様から御質問・御意見をいただきたいと思います。御発言のときは所属、お名前をおっしゃっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
 喜熨斗構成員、どうぞ。
○喜熨斗構成員 日本救急救命士会の喜熨斗と申します。総務省消防庁の資料について教えてください。
 先ほどドクターヘリの補完という形で消防防災ヘリコプターの運用というものも活用されている事例があるとお聞きをしました。消防防災ヘリコプターにつきましては、いわゆる整備士不足の問題が起きていないのか、そういったことで運航ができていない地域があるのかないのか。もし、あるのであれば、先ほど資料にありました自主運航されている地域と運航委託をしている地域でそういった差があるのかどうか、そういったところを教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○坂本座長 総務省消防庁、回答をよろしくお願いいたします。
○消防庁㓛刀広域応援室長 お答えいたします。現時点で整備士が不足しているので運航できない、というところは発生していないのかなと思っております。ただ一方で、昨今人手不足というのは消防防災ヘリの業界もそうでございますので、航空隊などに聞きますと、かなり危機的といいますか、人手が足りなくて何とか四苦八苦して整備士なりを確保してやっているということは伺っております。今のところは何とか確保しながらやっていると聞いているところでございます。
○喜熨斗構成員 そうしますと、ドクターヘリでは運航できない地域があり、消防防災ヘリコプターではどうにか運航できている、その差というのは何が違うのでしょうか。
○消防庁㓛刀広域応援室長 ドクターヘリとの運航の差というところでございますけれども、これは我々の立場でお答えしていいのかあれなのですが、先ほど私の説明の中でやりましたが、消防防災ヘリコプターは運用するときに操縦士2名体制でやっているということで、整備士の同乗を義務づけていないというところがあります。もちろん各航空隊の内規で整備士を乗せていることはもちろんございますけれども、そこは1点違うのかなと思っております。ただ、そこはドクターヘリと消防防災ヘリコプターでヘリコプターの大きさも違うとか、行った先のミッションでエンジンを切ることがあるのかないのかとか、その辺の違いもありますので、そういった要因なのかなとは思うのですけれども、我々もドクターヘリの運航の実態を承知していないものですから申し訳ございません。
○喜熨斗構成員 そういった部分を分析することによって、少し解決策が導けるのではないかなと思っています。ありがとうございます。
○坂本座長 ドクターヘリと消防防災ヘリは機体の大きさも違いますし運航形態も違います。それから、消防庁が直接各消防局や県で運用しているヘリと民間に委託してやっているものの違いもあるということで一概には言えないと思いますけれども、その違いについて検討していくということで、安定的なドクターヘリの運用の参考になればということだと思います。
 淺香構成員、お願いいたします。
○淺香構成員 日本看護協会の淺香です。国土交通省の資料のところにありました整備士・操縦士、それぞれ人材確保ということで御提案がありました。高齢化がこれから進んでいくということが一つ要因としてあるということでした。
 あと、コロナ禍のときに育成が十分できなかったことが背景として分析されておりました。それ以外の要因として、例えば先ほど喜熨斗構成員からもありましたけれども、ほかの体制の中では維持されているとするならば、その違いは何であるのかということ。
 あと、定着のところに問題があるかどうか、要は今後育成されてきた後にも、その方々が将来にわたって定着できる環境があるのかどうなのか、もし、そこに問題があるとすると、今いろいろ対策を取っていただいている中にそういう教育の問題、魅力のある発信ということでされて育成されていったにしても、その後の定着が図れていかないといった課題があるとするならば、そこにも併せて何らかの原因分析と対策を打っていかれたほうが今後の効果的な対策につながるのではないかと思っていることが1点です。
 もう一つですが、既にライセンスのある方を活用した育成計画も上がっておりましたけれども、実際にどのぐらいの期待値があるのか、どのぐらいの資格を持っている方がどのぐらいそういった養成に期待できるものか、もし、そういった試算がおありであれば情報としていただければと思いました。
 以上です。
○坂本座長 ありがとうございます。 国土交通省、よろしいでしょうか。
○国土交通省木内官房参事官 御質問がありましたコロナ禍で整備士・操縦士、特に整備士の志望者が急激に減少というところでございます。これはコロナ禍で航空会社自体が運航を休止して、航空の動き自体がかなり停滞してしまったということで、そうしますと、航空会社の収益もかなり悪化ということで、この業界をそもそも目指すべきなのかというところが、学生さんもそうですけれども、その親御さんも含めて航空業界に進んでいいのだろうかというような状況になってしまったところが急減につながっております。
 その後、コロナ禍が明けまして今は回復基調にあり、航空会社も当時の状況、負債なども抱えながら頑張っているところでありますけれども、それに合わせて今後業界として盛り上げていくためにも人材の確保が必要ということで、パイロット・整備士を目指す方々を増やすための裾野拡大の取組を進めているところでございます。これは全体の状況でございます。
 もう一つの資格の部分の数値的なところは手元にデータがございませんので、確認をして次回以降に御説明できればと思います。
 以上です。
○淺香構成員 ということは、確保ができれば、その後は安定して定着がされていくという前提ということで理解いたしました。ありがとうございます。
○坂本座長 ありがとうございます。
 今の御説明で、整備士と操縦士の不足は固定翼と回転翼の共通した問題なのか、特に回転翼に深刻であるのか、説明が分かりにくかったのですけれども、いかがでしょうか。
○国土交通省木内官房参事官 この資料では、そういう意味では固定翼、回転翼というのは分解しておりませんので、全体的に特に影響を受けたのはエアラインということで固定翼の部分になるかと思います。コロナ禍でドクターヘリの運航に大きく影響ないのであれば、もしかしたら、影響というのはそんなに大きくなかったのかもしれません。そこは分解してみないと、というところはあるかと思います。
○坂本座長 ありがとうございます。
 民間航空会社におけるコロナ禍の影響という話、農薬散布等の業務の減少というのは別事象の問題のように思いますので、また整理いただければと思います。
 風間構成員、お願いいたします。
○風間構成員 福島県の風間でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、東京都とか徳島県の一部、関西広域連合を含めてドクターヘリの運休事案が現在生じているといったさなか、このような形の検討会を開いていただいたことに、まず、感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、地方自治体の立場からすると、短期的な部分と長期的なところの対策が必要だろうと感じてございます。特に短期的な部分ということで言いますと、現に運航が休止状態にあるといった場合において、それが自治体の安定的な運航をいかに早期に担保するのかという対策が必要かと思っております。例えばそういった場合、隣県との広域的な運航であるとか、共同運航であるとか、また、運航要領に基づく2パイロット制の導入など、これは兵庫県で本年8月から全国で初めて行われる形になると承知しています。規制緩和、要件緩和を含めて、まず、短期的にどのように安定運航を担保するのかという対策方法が急務です。
 もう一つは、長期的な部分で、今、各先生方から御説明があったとおり、機体の問題、また、養成の問題等を含めても、今後数年来、課題解決にはかかるという中で、特に高齢化という部分は医療従事者だけにかかわらず、操縦士、また、整備士においても10年後にはどうなるか分からない、かなり厳しい状態があるといったときに、長期的な課題としてそこをしっかりと担保していくところが必要だと思っています。
 福島県の事例を申し上げますと、福島県は高齢化がこれから激しくなると猪口先生の御発表があったところですけれども、現在、ドクターヘリ、防災ヘリ、県警のヘリ、多目的ヘリを含めて一定程度、4機の代替体制で今は安定的な運航がなされている。ただ、どこの運航会社を訪ねてみても、今のところはそうかもしれないけれども、10年後、15年後においては機体、もしくは整備士の離退職ということで非常に危機的な状況になるというところがあります。
 また、地理的な要因等を考えていきますと、ドクターヘリだけに頼るのかというと、救急搬送はそうではなくて、例えば中山間地、特に豪雪地帯とか、24時間運航もままならないという場合ですと、ドクターカーとの併用も重要な課題になってこようかと思います。
 まとめますと、中期的な視点とか長期的な視点の前に、まず、短期的にどうするかということを議論して対策を講じていく。その上で、将来の人口構造の変化、疾病構造の変化に伴って、ドクターヘリでカバーすべき部分、分野、疾病内容と、ドクターカーのほうが有効かつ効果的だという部分の峻別を一定程度図っていく。そのような議論が必要かと感じたところでございます。
 長くなりましたが以上でございます。
○坂本座長 今後の議論の基礎として非常に重要な御意見をいただいたと思います。
 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 本日は飛行機の遅延により遅れまして申し訳ございません。
 日本救急医学会理事という立場とともに愛媛大学で救急医学に携わり、現在もドクターヘリに乗っているという立場から発言などをさせていただきたいと思います。
 資料のほうでドクターヘリ分科会の9ページの年齢構成、50代、60代のパイロットが非常に多くて、そういう話は聞いていましたけれども、こんなに多いのだという事実とともに、先ほど淺香構成員が質問されていたように、これは航空会社全体の年齢構成も同じような感じなのか、ドクターヘリは1,000時間以上のパイロット経験があることが前提で、高齢者がより多いのか。航空会社としては、パイロットは全体としては若手がもう少しいるのですというのか、ほぼこれと同じようなパイロットの年齢構成なのかというところを一つお聞かせいただきたいです。
○坂本座長 御質問ということでよろしいでしょうか。年齢構成について回答をお願いいたします。
○武下構成員 ありがとうございます。
 この図7はドクターヘリの従事者になっておりますので、その他事業まで含めると、少し年齢は若くなってきます。今、データを持ち合わせておりませんので何%というのはお示しできませんけれども、全事業でやると、もう少し若くなるというところです。
○佐藤構成員 恐らく航空会社だと、例えば防災ヘリとドクターヘリと報道ヘリだとか、同じパイロットで誰がどこに行くとか、担当とか、そのように分けていると聞いていますので、全体的にはもう少し若い方がいるということで理解させていただきました。
 あと、人口構成というところで猪口構成員のほうから説明がありましたけれども、例えば地方都市においては、愛媛県で言うと松山市、さらに南側は人口が横ばい、やや減少していく地域、さらにもう50%を超えている地域だとか、県によってもかなりいろいろ差があります。医療という話題で地域医療構想というところでは医療圏も含めて2035年をめどに急性期病院が半減していくという話もあったり、広域での医療圏が設定されてくる、急性期の医療を提供できる病院が集約化してくるという意味では、広域搬送を考えないとかなり困ることになるのだろうと思っています。
 そういう意味では、ドクターヘリの現場のみならず広域搬送、特に脳卒中、循環器系の疾患というものも搬送を考えておかないと国民のためにならないと考えており、ドクターヘリはできる限り維持するべきことだと考えております。ドクターカーという言葉がありましたけれども、例えば愛媛県で言いますと、救急医が不足していてドクターカーがいても、乗る人が24時間365日いますかというと、まず、いないのです。日中どうにか人員がいるかどうかの時があります。あとは高速道路が発達していますと、高速道路の中でドッキングがなかなかできない現状もありまして、高速道路がない地域ではドクターカーは運行しやすいと思うのですけれども、高速道路が中心だと、意外に上り下りで接点が難しいというような現状もあるかなと思い、いろいろな問題があると思って聞いておりました。まず、これぐらいにさせていただきます。
○坂本座長 佐藤構成員から御意見として幾つかいただきました。先ほど猪口構成員からの御説明でもございましたように、ドクターヘリの機能比較ということで御紹介いただきましたけれども、現場への医療投入というだけではなくて、今後、高齢化の中で医療機関が集約していくと広域搬送が増えることになりそうで、広域搬送としての機能が非常に重要であるということ、その場合は、特に搬送距離が非常に長いとドクターカーや救急車ではなかなか代替しにくいだろうというようなことも先ほどの御意見の中にあったと思います。
 西山構成員、お願いいたします。
○西山構成員 コメントが一つと御質問が一つございます。
 コメントとしては、先ほどの佐藤構成員のお話はまさしくそのとおりで、今、新潟県で何が起こっているかというと、まず、一般の救急車は運転時間が増えています。1時間以上運転しないと病院にたどり着けない救急搬送が右肩上がりに増えていて、ですから、ドクターヘリのニーズが上がっているのではなくて、そもそも救急車の移動距離が長くなっている。これが非大都市圏の現実だと思います。非大都市圏においてはいわゆるたらい回し、搬送先の選定が難しいということが問題ではなくて、ここ1年、新潟県内の基幹的病院で緊急手術ができなくなった病院が3つあります。
 長距離搬送が問題になっているということは、ベースとしてお考えになっていただけたらと思います。その上で、医者も少ないのでドクターカーにしたらいいではないかといってもできないのです。ドクターヘリのスタッフの維持も大分困難になってきていて、人材不足は、実は医師・看護師まで考えていかないといけないというのが恐らく非大都市圏の現実ではないかと思っています。ですので、恐らく需要と供給を両方とも今後数値化していくことが必要だと思っているところです。
 武下構成員にお話をお伺いさせていただけたらと思いますが、いわゆる運航会社として実際に何機ぐらいできるのかということが示されないと、例えば50機だったら持続可能ですとか、70機だったら持続可能ですということがある程度分からないと、グランドデザインが書けないのではないかなと個人的には思っているところでございまして、なかなかそのシミュレーションが難しいのですけれども、多分70機運用ができるのだったら、これぐらいのニーズはカバーできるみたいな形の試算が将来的には必要かなと思っています。なかなか答えにくい質問だと思うのですけれども、1~2年かけて日本の今のヘリコプターの運航会社の状況であると、何機ぐらいは運用できそうみたいな概算を出すことは可能でしょうか。
○坂本座長 武下構成員、いかがでしょうか。
○武下構成員 現時点ではデータはございません。
 前提条件もあるとは思うのですけれども、すぐに回答できないとは思いますが、確かに供給力も心配なところがあるので持ち帰らせてください。
○坂本座長 ありがとうございます。
 先ほど準備にどのぐらい時間がかかるかというお話もいただきましたので、我々がどのくらいまでドクターヘリを増やす政策を取っていくかということにも影響してくると思います。いずれにしても今後何年間で何機体制を目指すということがベースにないと、なかなか議論が進まないだろうということだと思います。
 それから、本日、運航側のマンパワーの問題が主に出てまいりましたけれども、特に地方では医師・看護師も含めた医療側のマンパワーも限界に来ているという御意見をいただいたと思います。
 ほかに御意見・御質問はいかがでしょうか。
 小中構成員、お願いいたします。
○小中構成員 日本医師会の小中でございます。いろいろ御説明いただきまして、救急医療用のヘリコプターの配備状況、あるいは現状についてお話を聞かせていただいたところです。人材の問題、あるいは各資材の高騰ですが、様々な要件で今後なかなか人や予算を増やしていくのは困難な状況だということを何となく感じているところでございます。
 一方、救急医療用のヘリコプターが平成13年から本格導入されたということで、大分期間が経っており、問題点があります。特に迅速医療の介入について、先ほどから様々な御意見がございましたけれども、広域医療の搬送にも使っていくというようなことですが、都道府県ごとに運用の状況が異なっています。今後、ある程度ドクターヘリの運用の方向については再定義をしなければならない時期に差しかかってきているような印象を受けます。
 これは一口にこうだということは申し上げられないのですけれども、例えば島嶼部であるとか、あるいは山間部の様々な問題、あるいは都市部での問題があります。こういったことで各都道府県、自治体ごとにドクターヘリ、救急医療用ヘリコプターの運用状況ということをもう一度各地域から課題として上げていただいて、それを地区ごとに再度見直していく、そんなところに来ているのではないかと思いました。
 以上です。
○坂本座長 御意見は非常に重要なことで、現状のドクターヘリの分析をして、それに基づいて考えていく必要がある問題です。
 猪口構成員、この辺は航空医療学会とかで調査はいかがなのでしょうか。
○猪口構成員 ここ数年は特に島嶼とか過疎地について調査をしています。何しろ57機もありますので、全県で細かい調査は非常に難しいのですけれども、地域特性が大きいことは間違いなく、地域特性を承知の上で隣県との相互応援・連携体制を組んでいったほうが効率的だということもあるのです。一つの県の中でもいろいろな過疎地もあれば、島しょ、山岳など、いろいろな地域を包含していますので、それを1機で対応しているわけですから、運用方法を固定できない難しさはあると思います。
○坂本座長 今後、その点に関しては現状の調査と分析に基づいて将来像を考えていく必要があると思います。また、先ほど消防防災ヘリは都道府県間の協定がかなり綿密に見られているということでしたけれども、ドクターヘリは、もちろん2県間の協定等はございますけれども、あまり共同運用を前提としてなくて、どうしても都道府県単位で運用しているというようなところもございます。その辺についても議論していく必要があるかなと思います。
○猪口構成員 おっしゃるとおりです。これは何回かアンケート調査をおこなっております。厚労省からも連携運営を推進していただき、協定を結んでいるところが非常に多くなっているのですけれども、コストの問題などがあります。本来2つの地域があり、その両者がオーバーラップしている活動可能な地域のどこかで事故が発生した場合、事故に近いヘリが出動するのが合理的ですけれども、自県内の症例を優先するという考え方があって、余計な時間がかかっています。2地域を2機で完全に統合運用しているだけのスムーズさはなかなか得られていないという現状があり、今後考えていかなくてはいけない課題だと思います。
○坂本座長 これからの議論の一つの課題として考えて行きたいですし、また、恐らく国として解決していかなくてはいけない問題になるのだろうと思います。
 それでは、田邉構成員、どうぞ。
○田邉構成員 先ほど猪口構成員からドクターヘリの役割には迅速医療介入と、もう一個、広域医療搬送と2つあると説明がありました。疾病構造の変化等や、先ほどお話のあった医療機関の集約化、人手不足などを背景に、広域医療搬送の部分が増えてきている。その代替手段として消防・救急車があるということでしたけれども、西山構成員からは、消防機関でも広域医療搬送が増えているとの発言がありました。これはどちらが代替か分かりませんけれども、増えている広域医療搬送に対して、ドクターヘリと消防・救急がそれぞれ頑張りながら対応しているのが現状なのかなと思います。これが一つです。
 もう一つは、西山構成員からもありましたけれども、需要を見て対応するのが機体をを準備するにしても、操縦士、あるいは整備士を確保するにしても大事かなと思います。今、実態として57機あって54運航している、3つ足りない部分を何とかしようといったところが議論の中で今までありましたけれども、57を超えての需要は今あるものなのでしょうか。武下様のほうに、実際に我が地域ではこうしたい、もう1機ドクターヘリを配備したいのだけれども、こういう状況なので配備できないといったものがあるのか、そういった声が届いているのか。あるいは厚労省のほうにでも、地域としてもう少し増やしたいといった声があるのか。なければ57機をめどに考えていくというのは一つの方法かなと思いましたけれども、いかがでしょうか。
○坂本座長 申請中、あるいは検討中の地域があるかどうかというご質問だと思います。
○山崎救急・周産期医療等対策室長 今、我々のほうに追加で機体を配備したいという具体的な要望は聞いておりませんけれども、今、飛べない状況になっている地域において機体を確保して運航を再開したいというお声はいただいております。
○坂本座長 57機はまだ今すぐに、それを超えるという話はないけれども、運航が止まっている地域については再開を希望しているという声が上がっているということだと思います。よろしいでしょうか。
○田邉構成員 今ある需要としては57ぐらいが上限かなとも捉えられるということでしょうか。
○山崎救急・周産期医療等対策室長 今のところはそういうことになっております。
○坂本座長 それでは、今構成員、お願いいたします。
○今構成員 今でございます。日本病院前救急診療医学会からの意見をお話しいたします。
 ドクターヘリの代替手段としてのドクターカーの話題がありましたので、ドクターカーの現状について少しだけ御説明いたします。我々の日本病院前救急診療医学会と全国ドクターカー協議会がありますが、そこで調査しております。令和6年度の調査では、全国の720消防本部の調査でドクターカーを運用している病院、消防と連携してドクターカー運用している病院が全国で229施設あることが分かっております。229施設のうちの167施設が救命救急センターです。73%ぐらいが救命救急センターで残りが救命救急センター以外の二次病院などがドクターカーを運用している。
 そして、今度はドクターヘリの基地病院の調査をしたことがあります。令和6年度のドクターヘリ基地病院のうちでドクターカーを所有しているかどうかを調査したことがあります。そうすると、ドクターヘリ基地病院67か所中、約半数の32施設がドクターヘリもカーもやっているということです。
 そういう現状がありまして、さらに突っ込んで、では、ドクターカーは日本全国をどのくらいカバーできているのかというのを研究中でして、今度は301台のドクターカーというのが令和4年度に分かっておりまして、おのおの調査年度によって調査対象とかが違うので台数が違うのですが、令和4年度の301台のドクターカーのうち17キロを出動圏内と仮定した場合に、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を除くと日本全国の64%が現状のドクターカーでカバーできていることが分かっておりまして、ドクターカーでも我が国の国土を何とかできていることが分かっております。
 しかし、この301台のドクターカーの中にはほぼ休止中のものがあったり、年間で20~30回しか出ないものもありますので、これらのドクターカーがフル稼働したと仮定すれば、人口を十分カバーできるのだろうと考えております。
 次に課題についてですが、課題は3つありまして、消防との通信が問題です。ドクターヘリは、メディカルコントロールも含めて完璧に消防と連携が取れておりますが、残念ながらドクターカーは消防と連携が取れていない施設がたくさんあります。例えばドクターヘリの基地病院の67か所のうち32施設にドクターカーがありますが、そのうち消防無線を積んでいるのが43%、そして、消防と同じカーナビ、つまり動態システムが載っているのが少ないのです。消防無線よりもさらに少なくなります。そういう状況なので、ヘリの代わりにドクターカーということがありますが、現実として消防とはそんなに密に連携ができていない。
 では、なぜ消防無線が積まれないかということで一部分の聞き取りをしていますが、例えば東京都のドクターカーに関しては消防との共同のカーナビもないし、無線もないわけで、その理由を東京消防庁に伺うと、全部の救命救急センターにドクターカーがあるわけではないので、一部の救命センターと消防無線ができるようになるのは不公平だからということで東京のドクターカーには消防無線も入っていない。つまり、ボランティアの状態で現場出動して携帯電話で連絡を取り合っている状況です。
 次にマンパワーのことについてお話しします。ドクターヘリとドクターカーが同時出動できているドクターヘリの基地病院はわずか39%で、カーとヘリの同時に運航はなかなか難しいという状況です。ヘリ、もしくはカーか、または天候が悪いから今日はカーにしようとか、そういう施設があります。ですから、マンパワーをドクターカーに割けていない現状があります。
 最後の課題として圏域です。ドクターヘリは都道府県単位での運用という意味がありまして、市町村の境を簡単に超えて全県をカバーしたり、もしくは隣の県に時々出動したりできておりますが、ドクターカーに関しては、例えば岐阜県某市のドクターカーは市外に出るのは問題ありというように市から言われているそうで、そういう問題があります。ですから、いきなりドクターヘリが全カバーしているところを縦横無尽にドクターカーが行けるという状況ではないということです。
 全てに関わってくるのが費用ですけれども、ヘリは国、もしくは県などから出ておりますが、多くのドクターカーの運行費用は病院持ち、もしくは市町村単独というところが多いのが現状です。
 総論としてはドクターカーがドクターヘリの代わりを果たすというのは大賛成ではありますが、そこを実現するには幾つかの課題があって、そこを乗り越えないと代わりとしては果たせないということが分かっております。
 以上です。
○坂本座長 ありがとうございます。
 今構成員からはドクターカーとの連携、あるいは役割分担という観点、3つの課題を挙げながら御意見を賜りました。ドクターヘリの事業が始まった当時から比べると、今現在はドクターカーの実数も増えていますし、活動範囲も増えている状況の中で、役割分担の見直しというところも非常に重要なところかなと思いますので、この検討会での今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
 喜熨斗構成員、どうぞ。
○喜熨斗構成員 日本救急救命士会から意見を2点申し上げさせていただきます。
 1点目ですが、整備士の確保は我々医療チームにとりましても重要な問題です。現在求められている整備士の5年以上の実務経験という要件につきまして、安全性の確保を大前提としつつ、最近ではヘリコプターの機体の安全性能が向上していることもありますので、人材の裾野を広げる観点から、この見直しや緩和の余地がないか、こちらの議論を深めるべきだと考えております。また、今後の広域医療搬送のニーズが増加をするということを考えますと、タスクシフト・シェアの観点からも救急救命士については諸外国では運用されておりますフライトパラメディック等のように医療スタッフとして機内に搭乗する仕組みづくりについても、ぜひ御検討いただきたいと考えております。
 2点目、陸路の強化についてですが、資料にもありましたとおり、今後の高齢化による内因性の疾患や広域の転院搬送等が増加しまして、2040年頃には最大化することが予想されております。ヘリにつきましては消防防災ヘリ等との空の連携を深めつつ、ドクターカーに加えて各医療機関の病院救急車などの陸路の体制も併せて強化をしまして、ハイブリッドで対応することが必要と考えております。現在、こうしたドクターカー等は医療機関の自助努力によって運用されていることが多いのが実情ですので、ドクターカーにつきましても地域医療を守るセーフティーネットとして不可欠なものであるということですから、公的な事業の位置づけですとか、運用に対する補助の枠組みを設けていただくことを要望いたします。
 今後、医師が人材不足等の課題で病院前で診療することが困難となることも見通しますと、別の検討会の内容になろうかと思いますが、救急救命士の処置の範囲の拡大についても検討すべきと考えております。
 日本救急救命士会からは以上でございます。
○坂本座長 御意見として承りました。
 武下構成員、お願いいたします。
○武下構成員 意見ではないのですけれども。一つ課題の説明を飛ばしてしまいまして、説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。大変恐縮です。
 分科会の資料の8ページ目、恒常的な長時間労働も課題としてあるというところでございます。ドクターヘリに従事する3職種、基地病院には操縦士、整備士、運航管理の3職種がおります。出動待機時間に加えて機体点検等のため出動待機時間前後にも勤務時間があります。出動待機時間というのは要請受付時間です。その前後で機体を点検する時間等々があるということから恒常的な長時間労働になっています。
 出動待機時間は、地域によってもドクターヘリの運用状況が異なる状況が有り、現状においては下のグラフのようにばらつきがございます。図6は最も長い時期の出動待機時間で10時間を超える箇所が19か所あります。これは当然夏季です。8時半から18時半など、長い待機時間が設定されているところもございます。
 長時間労働の改善は人材確保にもつながり、かつ、あまり長時間労働になると離職リスクを高める要因にもなります。ドクターヘリの運航は地域医療を支えるという観点と、もう一つは、そもそも人材確保と安全運航の観点から、今回の機会に出動待機時間の在り方ということも検討課題の一つではないかと思っております。
○坂本座長 ありがとうございます。
 安全運航という観点からも長時間労働については非常に重要な課題かと思います。
 活発な御意見をいただきまして予定の時間に近づいてきてしまいましたので、本日の議論についてはここまでとさせていただきたいと思います。
 御参加の構成員の皆様からは貴重な御意見をいただきました。誠にありがとうございました。
 本日は、第1回の検討会ということでしたので、まずはドクターヘリを取り巻く現状と課題について幅広く御意見を伺ったところでございます。本日の議論ではドクターヘリがこれまで地域の救急医療体制の中で果たしてきた役割、そして、特に近年顕在化している運航休止や人材確保の問題、人材だけでなく機体の確保、更新、費用負担などに関する課題、これらについてお話を伺いました。また、地域ごとに運航が異なるなど、様々な課題・論点についてのお話もいただいたところでございます。
 本日いただいた御意見を基にして今後は事実関係、あるいはそれを裏付けるデータなどを確認しながら丁寧に整理すべき論点があると考えております。今後、安全で持続可能な運航体制をどのように確保していくのか、また、国や自治体による財政的な支援をどのように考えるのか。人的・物的な資源が限られている中、当面の課題をどうするか、そして、中長期的にどうするかというようなこと、これらについての議論が必要かと思います。
 事務局におかれましては、本日、各構成員からいただいた御意見や御指摘について論点の整理をしていただき、次回以降の議論に資する形でおまとめいただければと思います。その際、先ほど申しましたけれども、目の前の短期的な課題、今後の中長期的な課題、すなわちドクターヘリを日本でどうしていくのか、その中には高齢化社会への対応、あるいは医療体制の変化、そして、ドクターカーなどとの連携というようなところも含めて整理をいただければと思います。次回以降も引き続き関係者からのヒアリングを行いつつ、本日示された論点について事務局に整理していただいた上で、9月頃を目途にした中間取りまとめに向けて今後の方向性も併せて検討していきたいと思います。
 本日は、大変お忙しい中、ありがとうございました。
 最後に、事務局から追加で御発言はありますでしょうか。
○三反田救急医療対策専門官 事務局でございます。
 次回の検討会につきましては日程が決まり次第、お知らせさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
○坂本座長 ありがとうございました。
 それでは、ちょうどお時間にもなりますので、本日の「救急医療搬送体制等のあり方に関する検討会」は、これにて終了とさせていただきます。
 皆様、どうもありがとうございました。