第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 議事録

健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課

日時

令和8年9月17日(木)13:00~15:00

場所

オンライン及び対面のハイブリッド開催
(厚生労働省 共用第6会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

  1. (1)高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて
  2. (2)その他

議事

議事内容
○幕内予防接種課課長補佐 それでは、定刻になりましたので、第36回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会」を開催いたします。
 本日は御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の議事は公開・頭撮り可です。また、前回と同様、議事の様子はユーチューブでライブ配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 また、会場内で傍聴される方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。ユーチューブ配信にて傍聴される方におかれましては、本部会の動画の著作権は厚生労働省が有しており、配信している画面や内容を許可なくほかのウェブサイトや著作物へ転載すること、著作権法で許された範囲を超えた複製、著作権法で許された範囲内の複製であっても、目的外の利用や内容の改編を固く禁止しております。これまで部会の画像を無断でSNSに投稿するようなケースが確認されており、今後同様のことがあれば公開での議論に影響が生じる可能性がありますので、くれぐれも無断使用等は行わないでください。
 次に、本日の出欠状況について御報告いたします。
 本日は原委員より御欠席の連絡をいただいております。
 現在、委員10名のうち9名に出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 また、本日は参考人として、大石和徳 富山県衛生研究所所長、岡田賢司 福岡看護大学客員教授に御出席いただく予定としております。
 本委員会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル及びお手元の配布資料で閲覧する方式で実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から番号07の利益相反関係書類までを用意しております。資料の不足等、御不明な点等がありましたら事務局までお申し出ください。
 申し訳ございせんが、冒頭の頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(頭撮り終了)
○幕内予防接種課課長補佐 それでは、ここからの進行は鈴木委員長にお願いいたします。
○鈴木委員長 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項等について報告をよろしくお願いします。
○幕内予防接種課課長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。
 本日御出席いただきました委員・参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、薬事承認等の申請資料への関与、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取状況について申告をいただきました。各委員及び参考人からの申告内容については、番号07、利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
 なお、本日は議事に関して、退室や審議、または議決に参加しないに該当する方はおりませんので、御報告申し上げます。
 また、毎回のお願いで恐縮ですが、各委員におかれましては講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上です。
○鈴木委員長 
 それでは、本日の議題です。「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて」となっております。
 まず、本議題に関しまして、令和8年2月の本委員会における議論を踏まえて、国立感染症研究所、現在、国立健康危機管理研究機構に対してファクトシートの追記を依頼しております。今般、ファクトシートが作成されましたので、今回は、まず、ファクトシート、それから研究班で実施していただいております費用対効果分析の結果につきまして御提示いただいて、それらに基づいて議論を進めていきたいと考えております。
 まずは、ファクトシートの内容に関しまして、国立健康危機管理研究機構の森野委員から御説明、どうぞよろしくお願いいたします。
○森野委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回、昨年度7月に提出のPCV15、PCV20を中心としました成人肺炎球菌ワクチンのファクトシートから、その後、主に今年の4月末までに追加されたファクトを収集する形で、追補版として作成させていただいております。そのため、適宜、今回参考資料として付していただいております前版を併せて御参照いただけましたら幸いです。
 それでは、今回作成のファクトシートについて御紹介させていただければと思います。
 2ページ、御覧いただきまして、基本となる構成は従来のものと同様、肺炎球菌感染症の知見、疫学状況、ワクチン製剤について、有効性・安全性・費用対効果の既報、海外の導入状況について、まとめている形になります。
 まず、基本情報、疫学としまして、7ページ、疾患の特性の部分に、最近の国内における肺炎球菌血清型情報がまとめられております。マル1の最終カラムにありますように、我が国における成人IPD侵襲性肺炎球菌感染症患者さん由来の肺炎球菌菌株の血清型分布は、10道県における2023年から2025年調査において、PCV20・PCV21の含有血清型の割合は、それぞれ52%、78%。
 また、マル3、薬剤耐性に関しましては、2025年4月にサーベイランスにおける届出基準が変更となっており、それを踏まえた評価で、髄膜炎由来株の38.9%がペニシリン耐性で、15A、23A、35Bと、PCV21含有血清型が93.4%を占めたとの結果になっております。
 続きまして、成人の疾病負荷について、10ページを御覧いただければと思います。こちらは感染症発生動向調査におけるIPD症例のまとめとなっております。
 図1は、IPDの年間届出数の推移になります。新型コロナウイルス感染症流行期には、その感染対策の影響もあり、届出数が減少しましたが、その後、再び増加に転じています。
 続きまして、11ページ、図2、年齢群別届出実数と、図3、年齢群別の人口10万人当たりの届出数の図を御覧いただければと思います。65歳以上の方の報告数が6割を占めており、また、人口当たりの発生率で見ますと、0歳から4歳が最も高く、次いで、65歳以上群で高く、2025年には人口10万人当たり5.7となっています。
 そして、次のページ、図4、図5、65歳以上群をさらに細分化した図においては、年齢とともに、その頻度が増加しておりまして、高齢の方ほど疾病負荷がより高いことが示されております。
 また、前版のファクトシート11から12ページには死亡割合の情報も掲載がありまして、2014年から2024年のデータになりますが、65歳以上では届出時点での死亡割合が7から11%と高くなっております。
 肺炎球菌性肺炎も重要な病型になりますが、そちらもよろしければ前版の13ページから15ページを御参照いただければと思います。
 続きまして、12から14ページにPCV21ワクチンの製剤特性について記載されております。PCV21は、小児肺炎球菌結合型ワクチンが導入されて以降、成人においてもワクチン含有血清型IPDが減少したものの、非含有血清型への移行、いわゆる血清型置換が進み、成人でもワクチン非含有血清型によるIPDの患者さんが増えておられるということで、特に現状の成人IPDにおける主要血清型をカバーすることを目的に設定されたワクチンとなっております。PCV20と共通する10の血清型に加えて、固有血清型を11血清型、有しています。そして、そのうちの15Cが15Bと交差反応性があることから、添付文書上は効能・効果に15Bを含む計22種類の血清型が記載されているところです。
 一方で、PCV20に含まれていてPCV21に含まれない血清型には、PCV導入以降、継続的に含まれていましたPCV7含有血清型をはじめ、9つの血清型があります。
 続きまして、有効性についてです。PCV21の承認時点において、肺炎やIPDの発症予防効果を直接評価した臨床試験はなく、免疫原性の評価による非劣性ないしは優越性の評価となっております。
 14ページの表3に主要な臨床試験の対象集団と結果の概要がまとめられています。主要な第III相試験では、PCV21は、PCV20あるいはPPSV23と共通する血清型に対して非劣性を示し、さらにPCV21固有血清型に関しては優位性を示している形になっております。特に、3行目、日本人高齢者の方を対象としたSTRIDE-9の試験でも、共通の血清型で非劣性、及びPCV21固有血清型で優越性を確認されております。
 続いて、17ページの図6を御覧いただければと思います。こちらは年齢別の免疫応答の図となっております。ワクチン接種後の抗体価が、21価、20価、両群ともに50歳代から60代、75歳以上と年齢が上がるにつれて低下する傾向が見られています。
 続いて、安全性になります。19ページの表4を御覧いただければと思います。複数の第III相試験で安全性の評価報告がなされています。
 22ページに安全性の評価のまとめがありますけれども、全体として主な副反応は、注射部位の疼痛、疲労、頭痛などで、多くは軽度または中等度。また、重篤な有害事象とされた報告は、参考までに、主要第III相試験のSTRIDE-3において、50歳以上の群の頻度が1.6%。このSTRIDE-3においては、重篤な有害事象及び報告された死亡について、ワクチンとの関連性があると判断されたものはありませんでした。
 ほか、肺炎球菌ワクチンの既接種者、基礎疾患を有する方、同時接種時、接種年齢における違い等で安全性上の懸念は認められておりません。
 また、各国既成当局の評価でも、新たな安全性シグナルは確認されていないという状況にあります。
 最後に、費用対効果と海外動向になりますが、22ページ後半から費用対効果、既報16報の医療経済評価研究が整理されております。海外の報告は、多くが米国からの報告で、ほかは、オランダ、カナダ、スイス、デンマーク、そして日本の解析1報が含まれております。
 25ページ以降の結果一覧から、海外の状況との違い、企業の関与等についても考慮に入れる必要があるかと存じますが、全体として60歳以上成人では、PCV21は、PCV20やPPSV23などと比較して費用対効果が良好と評価する研究が報告、日本の解析では、一定の価格差の範囲内で費用対効果が良好となる可能性が示されている形です。
 また、28ページ、表7に海外の推奨状況がまとめられております。米国、カナダ、フランス、オーストラリアなどでは、既にPCV21がプログラムに組み込まれていまして、PCV20から移行したオーストラリアや、PCV21が優先的に推奨される国も見られるようになってきているという状況になっております。
 以上になります。ありがとうございました。
○鈴木委員長 森野委員、御説明どうもありがとうございました。また、ファクトシートの取りまとめをいただいた先生方、本当にどうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、事務局から資料1-1が提出されておりますので、こちらの説明のほう、よろしくお願いします。
○林予防接種課主査 事務局より、資料1-1「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて」を御説明いたします。資料1-1を御覧ください。
 おめくりいただきまして、2ページ目を御覧ください。本日の議題は、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについてであり、これまでの経緯、ファクトシートにおける知見等、最後に今後の方針についての順に御説明し、御議論いただきたいと思います。
 続きまして、4ページ目を御覧ください。4ページ目では、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンのこれまでの経緯について、おまとめしております。
 令和7年8月にPCV21の高齢者に対する使用が薬事承認され、令和8年2月の第33回ワクチン小委員会におきまして、PCV21の評価に必要な知見が一定程度集積しているとされたことを踏まえまして、成人の肺炎球菌感染症に係るファクトシートの追記・修正を国立健康危機管理研究機構に依頼し、今般、追補版を作成したところでございます。
 また、令和8年4月からは、高齢者肺炎球菌感染症に対しまして、PCV20が定期接種に用いるワクチンとして位置づけられたところでございます。
 続きまして、5ページ目を御覧ください。5ページ目では、成人に使用可能な肺炎球菌ワクチンについて、おまとめしております。
 現行の定期接種の対象者は、65歳の者、及び60歳以上65歳未満の者で、心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能の障害又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有するものとして厚生労働省令で定めるものとなっております。
 続きまして、6ページを御覧ください。6ページ目では、令和9年度からの定期接種化に係る審議会における検討プロセスについて、お示ししております。ワクチン評価に関する小委員会の部分を御参照いただければと思います。
 続きまして、7ページを御覧ください。7ページ目では、今回の高齢者に対する肺炎球菌ワクチンに係る検討課題を整理しております。
 本日は、第1に、高齢者における肺炎球菌感染症の疾病負荷。第2に、PCV21の有効性・安全性・費用対効果。第3に、PCV21の接種を広く促進することの科学的観点からの意義、及びその場合のPCV20の位置づけ。第4に、接種年齢等の具体的なプログラムについて御議論いただきたいと考えております。
 続きまして、9ページ目以降のファクトシートにおける知見等について御説明いたします。
 9ページ目を御覧ください。9ページ目では、肺炎球菌感染症についての知見として、概要、感染経路、治療法・薬剤耐性について、おまとめしております。今回、ワクチンファクトシート追補版におきまして、薬剤耐性に関する知見も更新されております。2023年から2025年の成人IPDの髄膜炎由来株では、38.9%がペニシリン耐性肺炎球菌であり、ペニシリン耐性肺炎球菌167株のうち、PCV20含有血清型は13.2%、PCV21含有血清型は93.4%であったと報告がございました。
 続きまして、10ページ目を御覧ください。10ページ目では、肺炎球菌性肺炎の疾病負荷について、お示ししております。これまでのファクトシートの知見を再掲しております。肺炎の罹患率や死亡者数は年齢とともに上昇し、男性が女性より高いこと。市中肺炎の2割程度で肺炎球菌が検出されることをお示ししております。
 続きまして、11ページ目を御覧ください。11ページ目以降では、侵襲性肺炎球菌感染症の疾病負荷について、お示ししております。11ページ目では、人口10万人当たりのIPDにおける血清型別の罹患状況をお示ししております。2020年から2022年は、2017年から2019年と比較して罹患率が大きく減少しており、COVID-19に対する感染対策の影響と考えられておりますが、2023年以降は成人のIPD罹患率が再び増加傾向にございます。
 続きまして、12ページを御覧ください。12ページ目では、2014年から2025年までの65歳以上のIPD症例における血清型別分布の推移をお示ししております。PCV20及びPCV21がカバーする血清型は引き続き検出されており、両ワクチンがカバーする血清型3、19Aや、PCV21のみがカバーする15A、23A、35Bについて増加傾向が見られております。
 続きまして、13ページ目を御覧ください。13ページ目では、IPDにおける各ワクチンがカバーする血清型割合の推移をお示ししております。2023年から2025年の65歳以上のIPD症例では、PCV20がカバーする血清型の割合は51%、PCV21がカバーする血清型の割合は75%であり、PCV21がカバーする血清型のほうが高い結果となっております。また、PCV  20がカバーする血清型の割合は、2014年以降、低下傾向にありますが、PCV21がカバーする血清型の割合は、2014年以降、おおむね維持されている状況でございます。
 一方で、2023年から2026年の65歳以上のIPD症例では、PCV20がカバーし、PCV21がカバーしない血清型は8%認められております。
 諸外国の一部地域・特定集団では、PCV21に含まれない血清型4によるIPDの増加も報告されております。
 続きまして、14ページを御覧ください。14ページ目では、PCV21の特徴について、お示ししております。PCV21は、小児へのPCV定期接種による成人への間接効果による血清型分布の変化により増加した、成人IPDの血清型分布の原因となる血清型に着目し、設計されたワクチンとなっております。
 続きまして、15ページ及び16ページを御覧ください。15ページ、16ページでは、PCV21の免疫原性についての知見をお示ししております。
 15ページの海外第III相試験におきましては、肺炎球菌ワクチン未接種の50歳以上を対象としてPCV20と比較した結果、PCV21は共通する血清型全てにおいて非劣性を示し、PCV21固有の血清型については、15Cを除く10個の血清型で優越性を示しております。
 16ページの65歳以上の日本人を対象とした国内第III相試験におきましては、PPSV23との共通の血清型及び交差反応性血清型について非劣性を示し、PCV21固有の血清型について優越性を示しております。
 続きまして、17ページを御覧ください。17ページ目では、65歳を超える方に対するPCV21の有効性について、お示ししております。PCV13を用いたCAPiTA試験の事後解析におきましては、ワクチン血清型による市中肺炎及びIPDに対する有効性は、接種時年齢が高いほど低下する傾向が示されております。
 また、PCV21につきましても、年齢層が上がるにつれて免疫応答が低下する傾向が認められております。
 続きまして、18ページを御覧ください。18ページ目では、PCV21の安全性について、お示ししております。PCV21の安全性につきましては、国内外の複数の第III相試験におきまして、PPSV23、PCV15、PCV20等と比較して評価されております。有害事象の頻度について、変化はないとの報告がされております。
 また、薬事審査におきましては、年齢、リスク因子の数や種類、過去の肺炎球菌ワクチン接種歴の有無による特有の安全性の懸念や、日本人特有の安全性の懸念は認められなかったとされております。
 続きまして、19ページ目を御覧ください。19ページ目からは、PCV21の費用対効果についてとなります。今回、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの費用対効果について、池田委員より御発表をお願いしておりますので、池田委員から御説明いただく形でもよろしいでしょうか。
○鈴木委員長 それでは、池田先生、よろしくお願いします。
○池田委員 池田でございます。
 それでは、資料1-3「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの費用対効果分析について」の資料に従って説明させていただきます。この分析は、厚生労働科学研究の一環として実施したものでございます。今回は、高齢者へのPCV20及びPCV21接種について検討しております。
 では、2枚目を御覧ください。分析モデルの概形となっております。分析の視点は、保健医療費支払者の立場、すなわちワクチン接種費用と、その後に発生する医療費を組み込んでいます。モデルでは、感染症なしの状態から、IPD、肺炎球菌感染症のうちの髄膜炎と菌血症。さらに、NBP、すなわち菌血症を伴わない肺炎について、入院と外来の状態に移行するということを設定しております。
 感染症によって死亡しなかった場合は、元の感染症なしの状態に戻るものとしております。そして、死亡及び罹患中のQOL低下を考慮しております。各接種戦略につきまして、生涯にわたる費用、コストとQALYを算出し、費用・効果とも年率2%で割り引いております。計算には、50万回のマイクロシミュレーションを用いております。
 それでは、3ページ目を御覧ください。分析は大きく3段階で行っております。
 まず、基本分析として、現在の定期接種対象年齢である65歳の方について、非接種、PCV20の接種、PCV21の接種の3通りを比較しております。
 次に、接種年齢に関する追加分析として、PCV20及び21を65歳より高い年齢で接種した場合の費用対効果を検討しております。
 さらに、3段階目といたしまして、PCVについては長期的なワクチン効果の持続性に、まだデータが不十分といいますか、不確実性がございますので、65歳への接種につきまして、ワクチン効果の減衰の仮定を変更したシナリオ分析も実施しております。
 では、4ページ目を御覧ください。4ページ目は、モデルに用いた罹患率となります。IPDについては、COVID-19流行前の2019年の感染症発生動向調査を用いております。NBPについては、国内研究を基に、年齢別また居宅か施設入所かによる肺炎罹患率の違いを反映しております。
 それでは、5ページ目を御覧ください。IPDにつきまして、モデルにおいて使用した血清型分布でございます。こちら、厚生労働科学研究明田班で収集された、2023年の成人IPDの血清型分布を使用しております。
 次に、6ページ目です。こちらは菌血症を伴わないNBPの血清型分布でございます。こちらは前田らの多施設共同研究の最新データを用いて分析しております。
 次に、7ページ目、モデルにおいて使用したワクチン有効性のパラメータでございます。PCV20並びに21については、現時点でIPDやNBPの発症予防効果を直接評価した十分な疫学データがございません。一方、臨床試験では、PCV13と共通する血清型に対する免疫原性の非劣性が確認されていることから、今回の分析では、PCV20と21についてカバーする血清型に対して、PCV13と同等の有効性があるものとしております。
 次に、8ページ目です。その他主要なパラメータを示しております。
 PCVの効果につきまして、持続期間、効果減衰でございますが、基本分析では、接種後5年間は効果が維持され、その後10年間で徐々に低下し、接種15年後に効果がなくなるものと仮定しております。
 その他、モデルにおけるパラメータについては、こちらの資料のほうを御確認いただければと思います。
 9ページ目が基本分析の結果、すなわち65歳への接種の費用対効果の比較となっております。
 PCV20は、非接種と比べまして、1人当たりの費用の増分が6803円、QALYの増分が0.00365となっておりまして、増分費用効果比(ICER)の値は186.2万円/QALYとなりました。一方、PCV21の接種につきましては、非接種と比べまして増分の費用が4090円、増分のQALYが0.00776となっておりまして、増分費用効果比(ICER)の値は52.7万円/QALYということでございます。一般的な費用対効果の基準である500万円/QALYと比較しますと、いずれも費用対効果は良好という結果でございます。
 次に、10ページ目を御覧ください。これは先ほどの基本分析の結果を図示したものでございます。非接種が一番左下にございますが、縦軸が費用、横軸が効果、QALYとなっております。PCV20の接種も、PCV21の接種も、いずれも傾きが500万円/QALYを下回るという結果となりました。
 次に、11ページ目でございますが、こちらは接種年齢を変化させた追加分析となります。接種年齢が高くなるとワクチン効果がどのように変化するかについて、CAPiTA試験の年齢別解析を用いて設定しております。
 12ページがその結果となります。65歳に比べて、70歳、75歳、80歳の分析は、一番右の増分費用効果比(ICER)値を御確認いただければと思いますけれども、接種年齢が高くなるにつれてICERの値も大きくなっている。つまり、費用対効果が低下するという結果となっております。恐らく、これは高齢になることによるワクチンの有効性の低下、あるいはワクチンの効果を享受できる期間が短くなるというようなことなどが結果に反映されているものと考えられます。500万円/QALYという基準を見ますと、年齢によっては、その基準を下回る年齢もあるということを御確認いただければと思います。
 次に、13ページ目でございます。こちらは3段階目の分析、ワクチン効果の持続期間に関する不確実性の検討ということになります。
 基本分析では、先ほど御説明しましたように、5年間効果が維持されて、その後徐々に効果が低下し、15年で消失しております。これに対しまして、接種直後から15年間で徐々に効果が減衰するというケース。また、5年間効果が維持されて、20年間で効果がなくなるというケース。また、5年間効果が維持された後、急速に効果が低下し、7年目に消失するケースを検討しております。
 その結果、効果の減衰によって、ICERの数字そのものは変化しておりますけれども、PCV20につきましても、21につきましても、今回検討した全てのシナリオにおきまして、ICERの値は500万円/QALYを下回っており、費用対効果は良好という結果が出ております。したがいまして、65歳接種につきましては、ワクチン効果の持続期間について、いろいろな前提条件を変えましても、結論については大きく変わらないと考えられます。
 次に、14ページでございますが、こちらはPPSV23既接種者への追加接種についての検討ということでございますが、今回は費用対効果の分析を実施しておりません。これにつきましては、関係の先生方にいろいろ御指導いただいたところでございますけれども、PPSV23につきまして、接種から5年以上経過した場合にどの程度予防効果が残っているかということについての十分なエビデンスがなく、既接種者における残存効果を適切に設定することが困難であるということでございました。したがいまして、今回は分析対象としておりません。
 最後、15ページ目でございます。今回の分析の限界と留意点となります。
 1つ目は、NBPにつきまして、ワクチンの発症予防効果のみを考慮しており、発症した場合の入院や重症化を予防する効果についてはモデルに含めておりません。
 2つ目ですが、PCV20・21とも、実臨床における発症予防効果のデータが現時点では十分でなく、今回の評価が免疫原性ブリッジングに基づいているという点でございます。したがって、今後、実臨床における有効性データが蓄積された段階で、改めて検証することが場合によっては必要かと考えております。
 以上でございます。
○鈴木委員長 池田先生、御説明ありがとうございます。
 それでは、ただいまの分析結果につきまして、委員、参考人の皆様から御質問あるいはコメントをいただければと思います。いかがでしょうか。
 それでは、大石参考人、お願いします。
○大石参考人 参考人の立場ですけれども、質問させていただきたいと思います。
 資料の7ページにあるワクチン有効性のパラメータでございますが、IPDに対するワクチン有効性は89%、NBPに対するワクチン有効性は60%ということで、これは基本的にはCAPiTAスタディーの事後解析から報告された2015年の論文から引かれたものかと思うのですけれども、原論文を詳細に見ても、この89という値と60という値は見つけられなくて、先生の説明からいくと、資料11ページにあった論文中に掲載されたシミュレーションの図から、これらの予防効果を抽出されたのかなと思いますけれども、これで間違いございませんか。
○池田委員 御質問いただき、ありがとうございます。
 この点、このパラメータ設定につきましての説明が、この資料では十分でなく、失礼いたしました。この結果につきましては、先生の御理解のとおりでございまして、CAPiTA試験の年齢別解析の結果、そして現状の血清型分布を組み合わせて算出した数字となっております。
○大石参考人 年齢に合わせた有効性を曲線で示したところが論文としてのデータだと思うのですけれども、こうやって数値を抽出されると、これは池田先生の分析結果ということになるように思います。それとIPDに対する予防効果が89%と、かなり高いので、どこまで信頼できるのか、ちょっと気になるところであります。
○池田委員 御指摘ありがとうございます。
 このパラメータにつきまして、今後、また新たなデータが蓄積された時点では見直しを行いまして、結果に影響があるかどうかについても確認したいと思います。御指摘ありがとうございました。
○大石参考人 ありがとうございます。
○鈴木委員長 続いて、氏家先生、お願いします。
○氏家委員 ありがとうございます。
 結果のマル1の基本分析のところについて、お伺いしたいと思いますけれども、この結果を見ると、そもそもPCV20と21を比べるための評価ではないということだと思うのですが、PCV21のほうが20よりも結果的に費用が低く、QALYも高いという結果になっているということなので、PCV20に対してPCV21は、費用・効果の両面で優位であると理解してよいでしょうか。また、こういった優位性が感度分析の結果でも維持されるかどうか、確認していらっしゃるかどうか、分かる範囲で御意見いただければと思います。
○池田委員 御質問ありがとうございます。
 今回、5ページ、6ページのところでモデルに使用した血清型分布の下では、こうした形でPCV20よりも21のほうが費用は安くなり、そしてQALYが高いというドミナントの結果となっております。一方、海外の研究などを見てみますと、この血清型の分布が変わると結果も動いてくる。20と21の優位性が変わってくるところもございます。現状では、おっしゃるとおりの状況となっております。そして、これも感度分析、シナリオ分析等、試みましたけれども、今の日本の血清型分布の仮定を置いた範囲においては、21のほうがドミナントとなるという結果でございます。
○氏家委員 ありがとうございます。
○鈴木委員長 続きまして、宮﨑先生でしょうか。お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
 池田先生にお伺いしたいのですけれども、今回の有効性の評価が、実臨床のデータはないので、免疫学的なものとのブリッジングで計算していただいているということがよく分かりました。そこで気になるのですけれども、例えばPCV21を65歳以上の方で導入したとして、ある程度血清置換みたいなものが短期間の間にもし起こるとすれば、費用対効果なんかも変わってくるのかなと思ったのですけれども、そういった、ある程度血清型が変わっていくとか、高齢者の接種率はあまり高くないと思うのですが、接種率に応じた、ある程度ダイナミックな有効性の予測は可能なのか、ちょっとよく分からないのでお聞きしたいと思いました。
○池田委員 御質問ありがとうございます。
 先生御指摘のとおりでございまして、様々な今後のパラメータがまさにダイナミックに変化していくということですね。小児から高齢者への肺炎球菌の伝播とかワクチンの接種率といったもので状況が変わってまいりますので、これを将来的な推計としてダイナミックモデルというようなものを組んで分析するということは、そのような精緻なモデルを作成することは可能なのですが、問題はそこに入れるパラメータがどこまで十分に取れるかというところもございます。
 過去のダイナミックモデルを用いた先行研究を見てまいりますと、例えば保険率とか感染の伝播、年齢別の接触、血清型間の競合とか置換、あるいはワクチン効果の持続とか、それらの中にはかなり多くの仮定を置いたり推定したりということで、そういった推定のパラメータに依存しており、それを変えると、また結果が変わるということで、ダイナミックモデルと分析モデルを使った分析におきましても、相応の不確実性があると考えております。
 今回の分析では、小児への肺炎球菌ワクチン導入後の比較的新しい罹患率や血清型の実測データを用いておりますため、現時点までに生じている小児接種による間接効果等については、ベースラインでの疫学状況に一定程度反映されているものと考えております。今後、さらに、例えば血清型の置換などが生じてくるということになりますと、また、当然、分析、再解析も必要になりますし、データが入手可能になりましたら、そうしたダイナミックモデル等での検討もしていきたいと考えております。
 以上です。
○宮﨑委員 ありがとうございました。こういった質問をさせていただいたのも、肺炎球菌ワクチンの効果や影響は劇的だったと思っているからです。 
ただし従来のPCV20に血清型が含まれているにもかかわらず、3型なんかはあまり変わっていないというか、残っているようなものもあって、その部分はPCV21にも含まれていて、新たにPCV21だけに含まれている血清型はある程度ありますけれども、そういったところで血清型置換への影響等がどうなるのか、これまでのサーベイランスから計算できるような値が出れば、ぜひ聞きたいなと思って質問いたしました。ありがとうございました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。非常に重要なポイントが上がってきていると思います。まず、確認しておかなくてはいけないことは、今回提示いただいている費用対効果分析の結果は、あくまでも日本の現状の疫学データに基づいて解析したものだということです。したがって、今後、小児のPCVの間接効果などで血清型の分布が変わってくることがあれば、分析の結果も変わってくる可能性があります。そうした影響は今後モニタリングしていく必要があるだろうという指摘だったと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしければ、また後半の議論で引き続き、費用対効果分析についても議論できればと思いますので、少し先のほうに進めたいと思います。
 それでは、引き続き、事務局からの資料説明をよろしくお願いします。
○林予防接種課主査 それでは、引き続き、事務局より資料1-1の御説明を続けてまいります。
 20ページを御覧ください。20ページ目では、先ほど池田委員から御説明のありました費用対効果の基本分析の結果をお示ししてあります。現在の定期接種対象年齢である65歳におきまして、非接種と比較しましたICERは、PCV20接種では186.2万円/QALY、PCV21接種では52.7万円/QALYであり、いずれも費用対効果は良好との結果となっております。
 続きまして、21ページを御覧ください。21ページ目では、PCV20またはPCV21を接種する場合の接種年齢に係る追加分析について結果をお示ししております。非接種と比較しまして、PCV20接種、PCV21接種のいずれにおきましても、65歳、70歳に接種する場合はそれぞれICERが500万円以下でありましたが、75歳、80歳ではICERが500万円/QALYを超える可能性が示唆されております。
 続きまして、22ページを御覧ください。22ページ目では、PCV21の供給について、お示ししております。企業からは、仮に令和9年度から高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種に用いるワクチンに指定された場合でも、安定供給できるよう準備を進めている旨が示されております。
 続きまして、24ページを御覧ください。24ページ目では、本小委員会における検討課題を再掲しております。
 続きまして、25ページを御覧ください。25ページ目では、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンに関する知見を、疾病負荷、有効性、安全性、費用対効果、PCV20との関係性の観点からまとめております。
 疾病負荷に関しましては、IPD及び肺炎球菌肺炎の疾病負荷は、高齢者において高く、2023年から2025年の65歳のIPDにおける血清型カバー率は、PCV20が51%、PCV21が75%でした。
 有効性につきましては、PCV21の免疫原性につきまして、PCV20またはPPSV23に対する非劣性等が確認されている一方、年齢層が上がるにつれて免疫応答が低下する傾向が示されております。
 安全性につきましては、既存の肺炎球菌ワクチン等と比較しまして、特段の懸念は認められておりません。
 費用対効果につきましては、65歳ではPCV20・PCV21のいずれの接種におきましても良好であり、年齢別の分析結果につきましては、お示ししたとおりとなっております。
 また、PCV20との関係におきましては、PCV20がカバーし、PCV21がカバーしない血清型がIPDの約8%あることや、諸外国の一部で血清型4の再増加が報告されているところであります。
 最後に26ページを御覧ください。26ページ目では、本日御議論いただきたい論点をお示ししております。
 論点1としまして、成人用肺炎球菌ワクチンファクトシート追補版の記載や直近の流行状況等を踏まえまして、高齢者における肺炎球菌感染症の疾病負荷を考慮した上で、予防接種を広く促進することについて、どのように考えるかとしております。
 また、論点2としまして、これまでの本委員会における御議論やファクトシート追補版等を踏まえまして、PCV21の有効性・安全性・費用対効果といった科学的知見について、どのように考えるかとしております。
 また、論点3としましては、PCV21の接種を広く促進することについて検討するに当たり、不足している科学的知見等はあるか。
 その上で、論点3-1としまして、PCV21の接種を現在の定期接種対象者である65歳等あるいは65歳を超える方に対して広く促進することについて、科学的・技術的観点から、どのように考えるかとしております。
 また、論点3-2としましては、仮にPCV21の接種を広く促進することとした場合に、現在、定期接種に用いられているPCV20をどのように位置づけることが適当かとしております。
 最後に、論点4としましては、本日の御議論を踏まえ、科学的・技術的観点以外の論点を含め、さらに予防接種基本方針部会において検討を進めることとしてはどうかとしております。
 28ページ目以降は、参考資料として諸外国におけるPCV21の承認・導入状況、小児の肺炎球菌感染症に対する定期接種、第30回本小委員会におけます議論のまとめ等をお示ししておりますので、適宜御参照ください。
 事務局からの御説明は以上です。
○鈴木委員長 資料の御説明どうもありがとうございました。
 それでは、ここまで森野委員からファクトシートの説明、それから、池田委員からは研究班における医療経済学的な評価に関する結果の御説明がありました。また、今、事務局から資料の説明がありましたが、非常によくまとめていただきまして、特に24、25、26ページに、今回、我々小委員会に求められる議論の論点を示してもらっています。議論の方向性を先取りしておきますと、26ページの最後にあるように、今回の小委員会では、PCV21に関する科学的・技術的なエビデンスについて議論して、その後、基本方針部会での議論に進めてよいのかどうかという判断に資する意見が我々に求められていると理解しております。
 それでは、委員、参考人の皆様から御意見をいただきたいと思います。特に論点1、2というふうに限定しませんので、まずは先生方から御自由に御意見、あるいは先ほどのファクトシートや費用対効果分析に関する御質問等、受けたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、氏家先生、お願いします。
○氏家委員 すみません、事前に指摘しておけばよかったのですけれども、事務局資料の17ページの注釈についているPCV21の含有、そしてPCV20の非含有の血清型が逆ですね。PCV20に含有されていて、PCV21に含有されていないということなので、記載のタイポがあるかなと思います。
 また、費用対効果のところで、21ページと25ページのところで、75歳については池田先生の資料によれば、PCV21は費用対効果は良好ということですけれども、20が費用対効果500万円を超えるということで、両方使った可能性という意味なのかなと思うのですが、ただ、80歳は両方とも500万を超えていますから、これが両方とも同じ書き方になっているのがちょっと気になりました。なので、少しきちんと、75歳の評価においては、21は費用対効果があるというふうに評価されていますし、20については500万円を超えるというような形で、75と80歳の評価もまた異なりますので、その辺を一律に書くと、科学的には少し正確ではないのかなと思いました。
 その上で意見を発言させていただきますと、現状、PCV20が高齢者、65歳に定期接種が既に開始されている状況がありますので、PCV21については、侵襲性肺炎吸気感染症や肺炎球菌性肺炎の発症予防効果尾直接評価した臨床研究や十分な実臨床データはまだありません。一方、免疫原性の観点ではPCV20との共通血清型で非劣勢、PCV21固有血清型の多くで優越性が認められていますけれども、その辺は有効性の観点で評価上の限界がある一方で、カバー率が非常に高くなっていますので、費用対効果の評価を見ても、21を使うということについては非常に前向きに考えていい結果になっているのではないかと考えています。
 一方で、オーバーラップしない血清型が非常に多く見られるということで、先ほどの議論にもありましたように、小児の接種率をきちんと高く保つことで、小児に定期接種を実施している血清型から高齢者を守るという戦略ですので、まずは小児の接種率を非常に高く保つということが重要ということと、将来、こういった血清型というのは変化し得るものですので、サーベイランスをしっかりと継続してやっていくということが重要だろうと考えます。そういった観点では、こういった血清型でもいろいろな評価が異なりますので、PCV20と21を直接比較した感度分析・シナリオ分析の結果も含めて整理して示すと、今回上がっているような優位性とか、70歳、75歳等のキャッチアップ接種の必要性みたいなことについても評価が進みやすいのではないかなと思います。
 一方で、キャッチアップ接種については、現在、20が既に定期接種で使われていますけれども、実施はされていない状況にありますので、5年後には、今年65歳でPCV20を打った方が70歳になってしまいますから、議論自体は結論を早めにしないと、PCV20を打った人がキャッチアップ接種の対象に将来的になってしまうということは起こり得ますので、その点について注意が必要かなと思っています。
 長くなりましたが、私から以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 続いて、大藤先生、お願いします。
○大藤委員 御説明どうもありがとうございます。
 私も氏家先生の意見と同じなのですけれども、PCV21に関しては、リアルワールドでの有効性というのは今のところまだないという状況ですけれども、その免疫原性を見ますと、既存のワクチンと比べても十分な抗体応答があるということを見ますと、それがカバーする血清型に対しては、実際の有効性も期待できるのではないかと考えております。
 あと、安全性の面で見ても、既存ワクチンと同等であるということで、アクセプタブルだと思います。
 費用対効果のほうも十分だということ、先ほど池田先生、示していただきましたので、広く接種する意義は大きいのではないかと思っております。
 その上で、今、進められているPCV20をどうしていくかということですけれども、PCV20とPCV21はいずれもカバーする血清型が違っているということもございますし、また、PCV20がカバーする血清型についても、現状で51%あるということ。あと、諸外国で血清型4が流行していた例があるというデータも見ますと、PCV20を接種する意義も十分あるのではないかと思っております。ですので、PCV20と21について広く接種していくというところでいいのではないかと思うのですけれども、その場合に、今後血清型がどう変わっていくのかというのはモニタリングしていく必要があると思いますし、それぞれPCV20と21について、そのリアルワールドでの有効性がどれぐらいあるのかということについても、しっかり見ていく必要があるかなと思っております。
 以上です。
○鈴木委員長 どうもありがとうございます。
 続きまして、中野先生、お願いします。
○中野委員 詳細な御説明をありがとうございます。大変理解が深まりました。
 せっかく論点をいただいたので、各先生が今、おっしゃったこととあまり違いはないのですが、4つの論点に基づいて簡単に意見を述べさせていただきます。
 論点1の高齢者における肺炎球菌感染症の疾病負荷については、ある程度大きいと思いますし、様々なワクチンあるいは公衆衛生環境も変わってきた昨今ですけれども、今でも高齢者における肺炎球菌感染症の疾病負荷は大きいと思います。
 論点2のPCV21に係る科学的知見につきましては、まず、評価について、安全性に関しては、他の肺炎球菌ワクチンと同等の、もちろんワクチンですから、痛みなり、腫脹なり、全身反応も一定数はあると思いますが、許容される範囲であると考えております。また、免疫原性のデータを見ると、こちらも他の結合型肺炎球菌ワクチンと同等の効果が期待できるのではないかと考えております。
 論点3が一番いろいろな意見が出るところだと思うのですけれども、広く接種を促進することの検討につきましては、肺炎球菌感染症の高齢者における疾病負荷がある程度大きいと考えて、予防の接種、予防のための手段の一つとして位置づけるワクチンとしては、妥当なワクチンだと考えております。
 ただし、PCV21がPCV20と異なるところは、先ほどからも議論が出ておりますように、そのカバーする血清型が異なるということで、今日も詳細な費用対効果の解析とか、非常に勉強になりましたけれども、いつも思うのですが、サーベイランスの結果、病原体がどんなものがはやっているかというのは、常に後追いだと思うのです。後追いの時点で、そのワクチンを導入したらどうなるか。しかも、肺炎球菌は90以上、血清型があって、血清型置換というのが非常に起こりやすい病原体であると理解しております。
 また、話は少し違う話になりますが、Hibのワクチンを小児に導入したときも、莢膜型がbのインフルエンザ菌が、キャリアも含めてハードイミュニティで、この社会から消えていっても、莢膜型がaとかcとかfとかのインフルエンザ菌が増えてこないかというサーベイランスは、どこの国でも、我が国でも続けていますし、結果として幸いにほかのものはなぜか増えてこない。bがなくなってしまっても、ほかのものがだんだん増えてこないというのはありがたいことなのですけれども、これは結果を見ないと分からないことだと思います。
 したがいまして、これまでPCV7から始まって、7価、13価、20価。もちろん高齢者にはまだ広く打たれていないですけれども、もし高齢者の血清型置換が起こってきているのが、小児に接種したことによる間接的効果であるのであれば、少なくとも7価、13価、20価というのは、臨床の上でも社会学的防衛、社会の感染症の防衛という意味でも効果があったということになると思うので、その点を忘れずに、費用対効果の数値とか年齢別の数値を見ておりますと、65歳にPCV21を導入することが数値は一番いいみたいに思えるのですけれども、PCV21の接種を広く推進することは、もちろん賛成でございますけれども、高齢者の肺炎球菌感染症という定期B類疾病を予防する1つのワクチンとして意義があるということが、本日の知見から分かったかなというのが私の感想でございます。
 以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 それでは、菅沼先生、お願いします。
○菅沼委員 御説明ありがとうございました。
 疾病負荷につきましては、以前から肺炎の3割前後は肺炎球菌ワクチンでありますので、肺炎自体の占める割合は非常に大きく、身体的に重症化するIPDについても、髄膜炎、菌血症、肺血症ということで疾病負荷が高いということで、ワクチンの意義というのは非常に大きいかなと思っております。
 PCV21ですけれども、有効性、これは免疫原性と安全性については多くのデータが示されているというところと、先ほどの費用対効果の研究もございましたが、そういったところでもいいのではないかというところの研究が出ているということで、導入に際しては非常に有意義なデータが出てきているということかなと思います。これも先ほどからありますけれども、しかしながら、PCV20と21ではIPDのカバー率が変わってくるということもありますので、今の段階でどちらかと決めるのはかなり難しいことがあるかなと思っています。
 また、これからサーベイランスが進むということで、現状の血清型の分布というのも示されておりますが、これからすると、場合によっては、地域によって流行型が変わってくることもあり得るかなと考えますと、20、21というのをどちらかというのは、今のところなかなか難しくて、可能であれば併用で、それがどのような影響を与えていくのかを見るのが1つの方法ではないかなと思います。これも御指摘がありましたとおり、今後、リアルワールドのデータが21のほうは少ないということもありますので、そこのサーベイランスを進めていくというところと。
 それから、実際に高齢者における死者をどれくらい減らせるか、入院をどれくらい減らせるか。あるいは、免疫不全とか基礎疾患のある人に対して、どれぐらいの有効性があるかといったところもデータが集まると、今後のワクチンの扱いというのはもしかしたら変わってくるのかなと思った次第であります。
 以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 それでは、大石先生、お願いします。
○大石参考人 大石です。
 今まで5人の委員の方々がコメントされた御意見については、基本的に同意するところでございます。私から申し上げたいのは、65歳を超えた方に対する接種についてでございます。池田先生の費用対効果の分析からも、70歳では費用対効果がPCV20も21も高い。75歳になると、PCV21は費用対効果が認められるけれども、PCV20ではやや低下するという結果でございました。現在の定期接種対象者は、65歳の方だけで、145万人のコホートになるのですけれども、定期接種対象の年齢幅が狭いと思います。
 定期接種ですので、これまで定期接種を受けていない方が対象にはなるのですけれども、70歳の接種、そして75歳での接種が可能かどうか、この辺もぜひ検討していくべきと思っております。
 以上です。
○鈴木委員長 どうもありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 大藤先生、お願いします。
○大藤委員 ありがとうございます。
 今の大石先生のお話ですが、私もその意見に賛成でございまして、65歳での接種が進められておりますけれども、それ以上の年齢層でも肺炎球菌の疾病負荷が高くなるというデータもございますし、あと、以前、PPSV23を接種していた方についても、もう既に5年以上経過している人もいて、その人たちに関しても抗体価というのは大分下がってきているのではないかと思いますので、それ以上の年齢層についても接種する機会というのがあるといいなと思っております。
 PCV21のデータを見せていただいても、既接種者、PPSV23を既に接種していた人に対しての免疫原性についても良好であるということも示していただいていますし、安全性のデータ。あと、費用対効果で70歳、75歳のところでは、ICERで500万未満であるというようなデータも示していただいていますので、そういったところでも科学的な根拠はあるのかなと思っております。
 以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。いわゆる経過措置といいますか、66歳以上の方々に対するキャッチアップ接種ということも考えていく必要があるといった御意見が出ております。我々小委員会は、それを最終判断する立場ではなく、その判断に資する科学的なエビデンスはあるのかどうかをクリアにすることが求められているのだと思います。そうした観点から言うと、委員の先生方、経過措置を考えるに当たって、まだこういった科学的な根拠が足りないとか、もっとこういったデータをそろえなくてはいけないといったものがございますでしょうか。
 中野先生、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
 先ほどに関係して、本委員会としてのコメントということなので、自分の立場から考えを述べさせていただきます。最近のバクテリアの多糖体ワクチンというのは、一般的に免疫原性は多糖体ワクチンより結合型ワクチンのほうが良好という理解かと思います。あと、他の多糖体ワクチン、例えば髄膜炎菌ワクチン、ナイセリア・メニンジティーディスのワクチン学の歴史を見ますと、先に多糖体ワクチンを打ってしまうと、ハイポレスポンシブネスが起こって、次のブースター接種における免疫応答が弱いというようなデータもございます。
 したがいまして、65歳を超えた方は、接種歴がある方もない方もいますし、我が国は長らく多糖体ワクチンのみを定期B類として使ってきたので、今度、どのワクチンをキャッチアップとして導入する、しないという学術的・科学的な議論になった場合には、そういった要素も入ってきますので、その辺りも考慮して検討する必要があるのかなと思っております。
 以上でございます。
○鈴木委員長 どうもありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 ひとまず、ここまでお伺いしていて、委員、参考人の先生方から、このPCV21を広く接種していくことについて、おおむね異論はなかったのかなと感じています。一方で、PCV20をPCV21で完全に置き換えてしまうということに関しては、慎重な御意見があったというふうに私としては理解しているところです。
 そのほか、先生方、何か御意見ありますでしょうか。
 特に事務局のほうに質問等はなかったですが、何かレスポンスとかないですか。大丈夫ですか。
○幕内予防接種課課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 最初のご指摘でございます。すみません、氏家委員御指摘いただきましたP.17のところ、タイポでございました。大変失礼いたしました。こちらに関しましては、資料の修正をさせていただければと思います。また、資料の書きぶり等につきましても御意見いただきましたので、こちらは検討させていただければと考えてございます。
 まず、鈴木委員長に御指摘いただきましたとおりでございますが、特に御質問という形でいただいていたわけではないかと思いますけれども、御意見、様々いただいていたところかと思います。例えばサーベイランスとかリアルワールドデータという観点での必要性というところについて、多く御意見、御見解等いただいたところかと思いますので、こちらに関しましては、何ができるかということについても我々、考えてまいりたいと思っているところでございます。
 一旦、以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 そのほか、今すぐ御質問、御意見なければ、小委員会としての見解を取りまとめていきたいと思います。論点ごとにまとめていきたいと思っております。
 では、資料の26ページあるいはその手前の25ページ、エビデンスをまとめてもらったところなども参照しながら、指さし確認的に小委員会としての見解をまとめていきたいと思います。
 まず、論点1です。高齢者における肺炎球菌性肺炎、侵襲性肺炎球菌感染症の罹患率、疾病負荷に関しては、ワクチンできちんと予防していく必要がある。これについて異論はないのかなと思いますが、特に問題ないでしょうか。
(委員首肯)
○鈴木委員長 御首肯いただきました。ありがとうございます。特に、高齢になればなるほど疾病負荷が大きいというところが重要であると考えています。
 続いて、論点2です。PCV21に係る科学的知見に対する評価です。これは25ページにある有効性・安全性・費用対効果という観点からの評価になります。まず有効性についてですが、既に委員の先生方から御意見がありましたように、PCV21は、20との共通血清型に対する免疫原性の非劣性が示されていること、それから、PCV21の固有血清型の多くについては、優越性が示されていることが確認されました。その上で、現在の日本の疫学状況においては、血清型のカバー率はPCV21のほうが20よりも高い。これらのことから、PCV21は我が国の肺炎球菌感染症を予防するに当たって、有効性を有しているという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○鈴木委員長 御首肯いただいているかと思います。もし異論があれば、その都度コメントいただければと思います。
 続いて、安全性についてです。こちらは特にこれまで懸念する声はございませんでしたが、一応確認です。副反応は、軽度あるいは中等度であって、既存の肺炎球菌ワクチンと比較して新たな懸念は指摘されていない。これについて、特に異論はないかと思います。
 それから、費用対効果については、設定されている価格、それから現在の我が国の疫学状況に基づくパラメータ設定で計算した結果においては、おおむねPCV21及びPCV20に関して良好であるという結果であったかと思います。一方で、高齢になるほど少し数値が悪くなってくるということに関して指摘がございました。ひとまず、総合的に費用対効果は悪くない、あるいは良好であるということで異論はございませんでしょうか。
(委員首肯)
○鈴木委員長 御首肯いただいております。ありがとうございます。
 続きまして、論点3です。広く接種を促進することについての検討についてということで、今後、PCV21を広く接種していくに際して、不足している科学的知見等はあるかということです。既に複数の先生方から御指摘があった点としては、まず、PCV21、PCV20も含めてですけれども、その有効性は、免疫原性、免疫ブリッジングトライアルの結果に基づいて示されているものである。このことから、本当に臨床的あるいは公衆衛生的な効果があるのかどうかについては、今後、リアルワールドのデータを含めてしっかりと検討していく必要がある、という御指摘があったと思います。
 もう一つは、小児のPCVの間接効果で、今後、我が国の肺炎球菌感染症の血清型分布が変わっていくことが想定されることから、これについてしっかりとモニタリングしていく必要がある。こうした御指摘もあったと思います。
(委員首肯)
○鈴木委員長 御首肯いただいておりますので、この2つの点は非常に重要なポイントであるというふうに小委員会としては指摘しておきたいと思います。
 続いて、論点3-1です。PCV21の接種を広く促進することについての科学的観点からの意義についてということで、これは既にここまでの取りまとめでもカバーされているとことではありますが、もう一度確認しておきます。現在の国内成人の肺炎球菌感染症の血清型分布において、PCV21はPCV20よりも高いカバー率を有している。それから、有効性・安全性・費用対効果の観点からも、一定の評価が得られている。これらのことから、PCV21を高齢者に対して広く用いることに関して、科学的な観点から意義がある、こうした評価でよろしいですか。
(委員首肯)
○鈴木委員長 御首肯いただいております。ありがとうございます。
 一方で、論点3-1の後半にあります、65歳を超える方に対して広く接種していくという、いわゆるキャッチアップ、あるいは経過措置に関して、先ほど後半で議論になりました。これについては、接種をぜひ検討していくべきであるという意見がございました。その経過措置に関する議論に際して、さらなる科学的知見をそろえなくては議論が進まないかというと、そうではなく、今、手元にあるデータに基づいて総合的に経過措置を進めていくかどうかについて議論ができる、という評価でよろしいでしょうか。私の口頭のまとめがちょっと分かりにくいかもしれませんね。
 小委員会で今、キャッチアップ接種をすべきか、すべきでないかという結論は出せませんが、現状でそろっているデータに基づいて、基本方針部会でキャッチアップ接種に関して議論を進めてもらうことに問題はないかということでございますが。
(委員首肯)
○鈴木委員長 大きく首肯いただいておりますので、そのように取りまとめておきたいと思います。
 ちょっと冗長になっていますが、大事なところですので、取りまとめの内容を一つ一つ確認していきたいと思います。続いて、論点3-2、ここはとても大事なところです。PCV21を広く接種していくことに関して、小委員会としては異論がないところですが、では、現在のPCV20との使い分け、その位置づけの違いについて、どのように考えていくのかです。繰り返しですが、PCV20と21は共通血清型に対する免疫原性、それから安全性については、同程度であると考えられる。一方で、血清型のカバー率が異なることから、この2つのワクチンを全く同じものであると評価することは難しいだろうと思われます。
 純粋に血清型のカバー率だけからいえば、PCV21のほうが20よりも上回っていますけれども、複数の委員から指摘がありましたように、一方で21がカバーしない、20のみがカバーする血清型があって、ここのところも公衆衛生的には非常に重要であるといった指摘があったと思います。ということで、小委員会としては、PCV21で完全に20を置き換えるのではなくて、20と21を2つ併用といいますか、プログラムとしては併存させていく。少なくとも現在の我が国の疫学データに基づいて、どちらか一方だけを選択するというのは難しいという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○鈴木委員長 皆さん、御首肯いただきました。ありがとうございます。では、文言はまた後ほど調整しますが、その方向で取りまとめていきたいと思います。
 ということで、最後の論点4になりますが、小委員会としては、そのようにPCV21を位置づけた上で、今後の具体的なプログラムに関しては基本方針部会で議論を進めていただくということにしたいと思います。
 これまでの取りまとめに関して、追加の意見やコメントございますでしょうか。
 大石先生、お願いします。
○大石参考人 ありがとうございます。
 キャッチアップの意味の確認なのですけれども、ここでは定期接種で行うキャッチアップであって、対象となるのはこれまで過去に定期接種を受けたことがない方だと思いますので、65歳時あるいは5年経過措置等で接種機会を逃した人が、70歳で定期接種の機会があれば、そこで定期接種を受けていただくことになろうかと思います。追加接種ではないということを明確にしておく必要があるのではないかと思います。
 追加接種となると、定期接種でなくて、例えば23価ワクチンを任意接種で受けていた場合に、これから定期接種機会を迎えれば定期接種が受けられるわけですけれども、今後の定期接種によるキャッチアップでは、過去に定期接種を受けた人は対象にならないということは、明確にしておく必要があるのではないかと思って、意見を申し上げました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 もし事務局から何かコメントがあれば、お願いします。
○幕内予防接種課課長補佐 大石参考人の御意見ありがとうございます。
 大石参考人に御指摘いただきました点を少し確認させていただければと思いますけれども、御指摘いただいたのは、PPSV23を接種された方について、もう一回、なんらか肺炎球菌群予防のワクチンを接種することについて、追加接種から区別するべきである、といった形の御指摘という理解でよろしいでしょうか。
○大石参考人 23価ワクチンでなくても、過去に任意接種でPCV13を接種しておられても、定期接種機会を65歳あるいは70歳で迎えることがあれば、定期接種として受けることができるのだけれども、現在のB類定期接種の枠組みで追加接種というのはないだろうというのが私の理解であります。
○幕内予防接種課課長補佐 ありがとうございます。
 いただきました御意見を踏まえてというところはありますが、大変恐縮でございますが、先ほど鈴木委員長からもお話ありましたとおり、今回、科学的知見を整理していただくところとして、プログラムに関しましては、いただいた御意見も踏まえてになるかと思いますけれども、基本方針部会のほうで、また御相談させていただければと考えてございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。いいですか。
○大石参考人 了解しました。
○鈴木委員長 もちろん、あくまで小委員会は科学的な議論をする場ではありますけれども、プログラムについて話をしてはならぬということではないので、適宜、その辺りを御意見いただくことは歓迎いたします。
 宮﨑先生、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
 先ほどのキャッチアップに関するデータが特段必要ないかということについて、申し訳ありません、後戻りするようで恐縮ですけれども、例えば100歳以上の方が10万人を超えたというような話も今あって、非常に高齢の方に対する肺炎球菌ワクチン全体の効果は、期待はできると思うのですけれども、どの程度期待、有効性があるかということのデータは、なかなか少ないと思います。
 特に、発症予防等ができない場合でも、重症化をどの程度予防できるかなどの試験データ等があまりないと思いますけれども、あればもう少し調べていただくとか、必要であれば肺炎のスタディーは国内で行われていると思いますので、そういったスタディーを組んでいただけると、今後、キャッチアップを本当にやるべきかどうかということの科学的な根拠になるのかなと思いました。それを申し上げたいということでした。ありがとうございます。
○鈴木委員長 御指摘ありがとうございます。確かに重要なところで、後期高齢者あるいはさらに年上の方々にどれだけ有効性があるのかということは、データとしては、海外を見てもなかなかないのかなと思っております。いずれにせよ、我が国において、仮に今後導入された場合には、しっかりとそれをモニタリングしていく必要があるのかなと考えているところです。
 そのほか。
 では、森野先生からお願いします。
○森野委員 申し訳ありません。ありがとうございます。
 委員の先生方の御意見、また委員長におまとめいただきました取りまとめにつき、全面的に賛同するところです。今回、PCV21を新たに導入するに当たって考慮するメリットという意味で、有効性に関連して追加の話題として1つ加えさせていただくとすると、直近でのサーベイランスデータとして、IPD、特に髄膜炎菌由来の肺炎球菌株の中でのペニシリン耐性の割合の中で、PCV21の含有血清型が占める割合が高いというデータ。これは小児においても、同様にそのような結果が出ていると思います。
 コミュニティの中での耐性菌の分布という意味を考慮していきますと、セロタイプリプレースメントが今後起こり得ることを考慮しつつも、少なくとも現状においては期待される臨床効果が得られるとするならば、薬剤耐性菌の対策という意味においても、PCV21の導入というのは、広く用いることを検討するに当たっての一つの要素となるのかなと考えております。
 すみません、以上になります。ありがとうございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。重要な御指摘で、先ほどの私の口頭の取りまとめでは、薬剤耐性対策という観点が欠けておりました。ぜひ取りまとめの際には、そこは追記しておきたいと思います。
 氏家先生、お願いします。
○氏家委員 ありがとうございます。
 先ほど大石先生と宮﨑先生からコメントいただいた点について、私からも追加でコメントさせていただきますが、制度のことではありますけれども、定期接種上は予防接種法の施行規則第2条で、当該予防接種に相当する予防接種を受けたことのある者で当該予防接種を行う必要がないと認められるものは対象から外れるという規定があるので、これが過去の接種との兼ね合いで、対象としている接種がPPSVなのか、PCV20もしくは21なのかで過去の接種が異なるということなのかなと理解しています。
 ですので、PPSV23を受けた方については、定期接種がPCV20もしくは21になった際に、ワクチンの種類や免疫学的特性が異なることから、PCVを接種する医学的必要性が認められる場合があり得ると理解しています。PPSV23は過去に10年間の経過措置により65歳を超える方にも接種機会が設けられていましたので、そういった既接種者をキャッチアップ接種の対象として接種を行うかについては今後の整理が必要かと思います。一方で、任意接種でPCV20やPCV21と同等のワクチンを打っているような方については、過去のPPSV23の定期接種での対応に照らし合わせると対象から外れるという判断もあり得るということなのかなと理解しています。
 また、宮﨑先生の高齢者におけるエフェクティブネスデータに関しては、恐らくPCV13のCAPiTAスタディーの年齢別事後解析から得られた有効性しかデータがないので、今回の75歳や70歳の費用対効果の分析では、そこから得られた有効性をPCV20及びPCV21に外挿しているとという理解でいます。そういった観点では、データがかなり限られていますから、高齢者、特に80歳以上とかでの有効性がどれぐらいあるのかという、その頑健性を評価する上では、その頑健性には相応の限界があるというのは御指摘のとおりかなと思いますので、そこを1から調べるとなると非常にお金も時間もかかるので難しい部分はあると思いますけれども、重要な御指摘だと思います。
 取りあえず、追加でのコメントになりますが、私からは以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。大変重要なところで、今、入手可能な科学的エビデンスに基づいて言えるところと、一方で、特にキャッチアップに関しては、接種機会をきちんと設けてあげるといった総合的な判断も必要なのだろうと思います。ぜひ、そういったところの部分に関しては、基本方針部会などで議論を進めていただきたいと思っております。
 そのほか、いかがでしょうか。
 前田課長、お願いします。
○前田予防接種課長 予防接種課長でございます。
 様々御意見をいただきまして、ありがとうございます。私自身もそうですが、定期接種の本則をどうするかということと、あと、経過措置をどう置くかというところは、最後、基本方針部会で御議論いただくところになりますので、その点の前提として、どういう科学的知見があるかという話で、最後の委員長の取りまとめの流れかなと思いました。
 現在の知見の中で評価できる部分と、その評価の中で不安定と申しますか、例えば各肺炎球菌の株が変異していて、そこで変わり得るでありますとか、PPSVの持続性の問題。これは費用対効果を議論いただく際にも池田先生から御指摘ございましたが、そういったところの前提をどのように置くかでありますとか、あるいは御高齢の方に対する有効性がどうであるか。あるいは、もともとPPSV23を打たれた方について、さらに追加する、さらに接種したときに、ほかのワクチンでしたら、より反応が鈍くなるのではないかというような様々な御意見はあったと思いますので、今の知見で分かっていること、さらに踏み込めばそのような論点があると思います。
 なので、そういったところをいただきつつ、今日の御発言の中でもごもっともだなと思いましたが、制度的な幾つかの宿題もあると思いますので、そのようなところを最後、整理させていただいて御報告するような形になるのかなと思いました。ありがとうございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 そのほか、追加でございますでしょうか。
 では、よろしければ、先ほど確認させていただいた小委員会としての取りまとめに関して、改めて文言を事務局のほうで整理していただいて、また委員の間で回覧して御確認いただくということにしたいと思います。
 それでは、本日の議事は以上となりますが、そのほか、事務局あるいは委員、参考人の皆様から追加でございますでしょうか。
 よろしければ、それでは、議事を事務局にお返しいたします。
○幕内予防接種課課長補佐 ありがとうございます。
 本日も活発な御意見、御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。
 事務局からは以上でございます。
○鈴木委員長 それでは、本日も非常に活発な御意見いただきまして、ありがとうございました。失礼いたします。