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中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第248回議事録(2026年8月26日)
日時
令和8年8月26日(水) 9:30~
場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
出席者
- 構成員等
-
- 菅原琢磨部会長
- 城山英明委員
- 本田文子委員
- 笠木映里委員
- 鳥潟美夏子委員
- 佐竹陽一委員
- 永井幸子委員
- 奥田好秀委員
- 江澤和彦委員
- 黒瀨巌委員
- 大杉和司委員
- 渡邊大記委員
- 藤原尚也専門委員
- 越後園子専門委員
- 荒川隆治専門委員
- 事務局
-
- 宮崎保険局長
- 西嶋医療課長
- 久米保険医療企画調査室長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 和田歯科医療管理官
- 大原薬剤管理官 他
議題
- 関係業界からの意見聴取について
議事
○菅原部会長
おはようございます。ただいまより、第248回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告いたします。
本日は、全委員が御出席です。
次に、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○西嶋医療課長
事務局でございます。
8月7日付で事務局に交代がございましたので、御報告させていただきます。保険局の異動でございます。
現在、公務のため欠席しておりますが、まず、森大臣官房審議官(医療保険担当)でございます。
若林総務課長でございます。
続きまして、久米保険医療企画調整室長でございます。
大原薬剤管理官でございます。
最後に、私、医療課長の西嶋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○菅原部会長
ありがとうございます。
では、会議冒頭の頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は、関係業界からの意見聴取を行います。関係団体として、日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、日本ジェネリック製薬協会、日本医薬品卸売業連合会より意見を聴取するため、意見陳述者一覧に記載の皆様に御出席をいただいております。
まず、関係団体の皆様よりプレゼンテーションしていただき、その後に質疑を行いたいと思います。
関係団体の皆様は、最初に自己紹介を行った上で、時間厳守でプレゼンテーションをお願いいたします。円滑な議事進行に御協力ください。
それでは、まず、日本製薬団体連合会よりお願いいたします。
○安川日本製薬団体連合会会長
おはようございます。日本製薬団体連合会会長の安川でございます。
本日は、業界からの意見を申し上げる機会を賜り、誠にありがとうございます。
まずは、去る7月28日に発生いたしました熊本地震並びに8月の千葉豪雨に被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
被災地の最前線で医療の提供に当たられている医療関係者の皆様、医薬品の供給を懸命に支えておられる医薬品卸の皆様、さらに復旧に御尽力いただいている全ての関係者の皆様の努力に敬意を表します。私ども製薬業界は、被災地への医薬品の安定供給に総力を挙げて取り組んでまいります。
次のスライドをお願いします。
製薬業界では、今回のような自然災害や、近年激しさを増す地政学的リスクによる有事の際においても、国民の皆様の医療を支える医薬品安全保障体制を構築するため、本年7月1日付で、日薬連会長直下の組織として、医薬品安全保障特命本部を設置いたしました。
7月21日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2026、いわゆる骨太方針には、医薬品安全保障に関係する内容として、経済安全保障上の面から懸念されるあらゆる事態を念頭に、医薬品等の国民生活、産業活動の維持に必要な物資、海上輸送等の物流を含めた社会インフラ基盤について、リスクの総点検を包括的なアプローチで行い、その結果明らかとなる脆弱性を解消するための措置を講じるとし、経済合理性に委ねると安定供給確保が困難な領域については、国によるさらなる支援の方策についても検討すると明記されています。
そのほかにも、供給確保の必要性が高い医薬品の国産化等による安定供給、危機対応医薬品の製造・備蓄の強化などの記載がございます。
医薬品の安全保障については、既に春先より日薬連から政府関係者の皆様に対して提言を差し上げ、結果として、その多くを骨太に反映していただきました。ここに感謝を申し上げます。また、今後も政府及び関係各省庁と連携し、加盟団体一丸となって医薬品、安全保障体制の実現に向けて取り組んでまいります。
3ページをお願いします。
医薬品を取り巻く環境につきまして、地政学的リスク、インフレに伴う物価の高騰はさらに拡大しており、製薬産業を取り巻く環境は、昨年よりもさらに厳しさを増しております。
まず、インフレ対策について医薬品の特徴を御説明いたします。医薬品の製造原料調達先、製造工場、製造に使用する設備は、製造販売承認の1項目であるため、経済合理性追求のために企業側が勝手に変更することは不可能であり、一般的な消費財のような製造工程の変更による製造原価低減ができません。また、供給量の調整による低減努力も、安定供給という社会的責任のもと不可能です。
すなわち、企業努力のみでコスト上昇を吸収することが非常に難しく、限界があることを、まず御承知おきください。
加えまして、昨今、米国のいわゆるMFN価格政策により、我が国の医薬品アクセスや創薬環境への影響が懸念されている状況です。詳細につきましては、後ほど製薬協、PhRMA、EFPIAの3団体より説明をいただきます。
このような状況は、近年、改善方向にあったドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス、安定供給の状況を再び悪化させ、国民の皆様に不利益を生じさせることになりかねません。この環境変化への対応が喫緊の課題であると考えております。
次のスライドをお願いいたします。
4ページ、左下のグラフでございますけれども、企業物価指数の総平均が2020年から31.8%上昇する一方で、医薬品は、毎年の価格改定の影響により、17.4%下落しております。国内においては、物の価格が上がる一方で、医薬品の価格は下がり続けており、言わば経済の動向と逆行していることが分かります。
右下のグラフですが、医薬品の製造原価について調査した結果、各社は当然原価低減に懸命に取り組んでいるにもかかわらず、2020年度から20.6ポイント上昇していることが分かりました。製造原価が上がる一方で価格が下がる、このようなトレンドは製造設備、研究開発に対する十分な投資の確保が困難となっている状況が医薬品産業に起きていることを示しています。
特に一部のメーカーにおいては、既に施設老朽化への投資対応が困難になっており、安定供給どころか、医薬品の製造そのものが不可能となりかねない危機的状況に陥っております。
次のスライドをお願いします。5ページ目です。
医薬品の通常の取引において、薬価は事実上の上限価格となるため、コスト増を価格へ転換することは極めて困難であり、特に、昨今の継続した物価高騰の環境下においては、既に利益が見込めない赤字での販売をせざるを得ない品目が増加している状況にあります。最近行った調査によりますと、後発品の約4割が赤字に転落しております。
このような状況において、薬価差があることを理由に薬価の引下げが行われてしまえば、さらなる不採算品目を生み出し、医薬品製造業としての活動すらままならない企業を生み出すことにつながります。また、今後の革新的新薬を生み出すための投資も縮小し、ドラッグ・ラグ/ロス再燃の懸念は一層深刻なものとなります。
繰り返しになり恐縮ですが、非常に重要なことですので、改めてお伝えいたします。物価の高騰、製造原価の上昇を企業努力のみで吸収することは、もはや限界であります。今、このタイミングで薬価を引き上げることが必要であると強く申し上げます。
スライドの6ページ目でございます。
令和9年度薬価改定について、今、日本の医療を守るために特に重要と考える薬価上の対応は、以下の3点でございます。
前述の経済、政治状況に鑑み、今回の薬価改定では、薬価の引下げを前提とするのではなく、まずは全ての薬価基準収載医薬品について、物価高騰、製造原価上昇等のインフレ分を上乗せする、すなわちベースアップが必要です。
その上で、特に特許期間中の新薬につきましては、再算定や費用対効果評価による価格調整といった引下げルールの適用を凍結すべきです。物価高騰に加え、米国MFN価格政策による医薬品アクセスや創薬環境への懸念を踏まえれば、特許期間中の新薬の価格引下げを行うべきではありません。
基礎的医薬品や後発品など、下支えの必要な医薬品につきましては、ベースアップをした上で、なお不採算にあるものに対して、不採算品再算定を確実に実施し、赤字品目を解消する必要があります。
加えて、ベースアップした基礎的医薬品の薬価が改定により引き下げることのないよう、基礎的医薬品のルールも確実に適用すべきです。
前述のとおり、去る7月21日に、骨太方針2026が閣議決定されました。この第3章、責任ある積極財政に基づく中長期経済財政計画の冒頭に、成長戦略によって目指す経済財政の姿として、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る必要があると明記されております。
加えて、同章には、医療、介護など公定価格について、現場の人材確保、経営の安定、サービスの質の確保に必要な対応を進めて、あわせて予算、税制における各種基準額や閾値について、物価・賃金上昇や経済社会の変化を踏まえ、必要な点検、見直しを進めるということも明記されています。
さらに、7月10日に開催された官民協議会においては、総理よりMFN価格政策について、国民や患者の皆様に革新的医薬品が迅速に届くように確実に対応していくとのお約束もいただいており、骨太方針と併せ、政府として積極的な対応を推し進める方針であると理解しております。
まさに、今、緊縮志向の流れを断ち切らなければ、さらなる供給不安、ドラッグ・ラグ/ロスの悪化を招き、国民の皆様により深刻な不利益が生じてしまうおそれがあります。
今般の薬価改定に関わる議論におきましては、政府の方針を十分踏まえた御議論をいただき、業界要望について確実な実施をいただきますよう、強くお願いいたします。
私からは以上でございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会より、お願いいたします。
○宮柱日本製薬工業協会会長
皆様、おはようございます。日本製薬工業協会の宮柱です。
私からも一言、今回の熊本地震、そして、千葉豪雨で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧、そして、復興を願っております。
本日は、中医協薬価専門部会において意見陳述の機会を賜り、誠にありがとうございます。
日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の3団体を代表し、まずは私から意見を申し上げます。
創薬を取り巻く国際環境が、これまで以上に大きく変化しており、日本の患者さんへ革新的な医薬品を継続的にお届けしていくために、今、必要な市場環境の整備について、製薬団体の考えを申し上げます。
スライドの2枚目をお願いします。
御承知のとおり、革新的医薬品は基礎研究から創薬研究、臨床開発、生産、上市まで長い時間と巨額な投資を経て患者さんに届けられます。患者さんへ革新的医薬品を継続的に届けていくためには、研究や治験だけではなく、生産や市場環境を含めて一体的に捉えることが重要です。
特に市場環境は、次の研究開発投資を呼び込み、創薬サイクルを回していくための重要な基盤となります。薬価制度は、単なる価格決定の仕組みではなく、創薬エコシステム全体の持続性を支える重要な基盤であり、その重要性は、今、これまで以上に高まっております。
スライドの3枚目をお願いします。
そして、今、日本での創薬を取り巻く政策動向も大きな転換点を迎えております。本年7月の創薬力向上のための官民協議会では、日本の医薬品市場をより魅力的な市場へ進化させること、そして、革新的新薬に対する評価をさらに進めることが、高市総理からも力強く示されております。
加えて、骨太方針2026においても、初収載時の適切な評価、特許期間中の薬価の在り方を含めた革新的新薬のイノベーションのさらなる評価について検討を進めることが明記されております。
さらに、米国の最恵国待遇価格政策を踏まえ、必要な医薬品が確実に上市される環境整備を進めることも示されました。私どもは、こうした政府の方向性を強く支持しており、そして何より重要なのは、これらの方針を着実に実現していくことです。その実現に向けて魅力的な市場形成を支える薬価制度の構築が不可欠です。
スライドの4枚目を御覧ください。
こちらのスライドは、2000年頃から2024年における医師から見た治療満足度と薬剤貢献度調査の結果を示したものです。
御覧いただきますように、革新的医薬品が、患者さんの治療環境の改善や治療選択肢の拡大に大きく貢献をしてまいりました。例えば、がん領域では、近年、新たなモダリティーや革新的な薬剤の開発が進み、治療満足度の向上に加え、治療成績も大きく改善しています。実際にがん患者さんの5年相対生存率は着実に改善しており、現在では全がんで約65%に達しています。
一方で、いまだ十分な治療法が確立されていない疾患領域は数多く存在しております。私どもは、そうした患者さんに対し、これからも革新的医薬品を迅速にお届けできるよう取り組んでいきたいと考えております。
そのためには、革新的医薬品が継続的に開発され、日本が新薬の開発、そして上市の場として選ばれ続ける市場環境を整備していくことが重要です。
そこで、次に、現在の薬価制度を取り巻く課題と国際環境の変化について申し上げます。スライドの5枚目を御覧ください。
私どもは、これまでも魅力的な市場環境を構築するため、収載時におけるイノベーション評価の充実や、特許期間中の薬価の維持の必要性について申し上げてまいりました。
そして、現在、革新的医薬品を将来にわたり、日本の患者さんへ確実に届け続けていくという観点から、創薬を取り巻く国際環境が大きな転換点を迎えています。
米国や中国をはじめ、各国は創薬を国家の成長戦略の中核に位置づけ、研究開発投資や産業基盤整備、イノベーション評価の強化を進めています。
世界的に創薬投資の獲得競争が激化する中、日本の相対的な競争力や市場としての魅力が厳しく問われる状況になっております。
加えて、米国では最恵国待遇価格政策、いわゆるMFN価格政策が導入され、日本を含む各国の薬価がグローバルな開発上市戦略に直接影響を及ぼす新たな局面に入りました。その影響は、日本市場においても顕在化し始めています。
続いて、MFN政策については、PhRMAの五十嵐委員長から御説明いただきます。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
PhRMA米国研究製薬工業会の委員長を務めております、ファイザー株式会社の五十嵐と申します。
まずは、私からも熊本地震で被災された皆様へのお見舞いと、一刻も早い復興を祈念いたします。
本日は陳述の機会をいただき、ありがとうございます。先ほど、製薬協の宮柱会長から政府が日本の医薬品市場をより魅力的にしていく方針を示しているということ、その一方で、骨太の方針等において、アメリカMFN政策導入による日本への影響に対する懸念が示されている旨の紹介がございました。
政府は、先日、日本成長戦略を定め、日本の特許品市場を先進国並みに成長させ、創薬エコシステムを活性化させる方針を表明しております。私どもとしましても、こうした背景を踏まえての薬価制度に関する議論を、ぜひ、中医協でお願いできればと思っております。
一方、その中のMFN政策につきましては、これまで中医協の場で具体的な紹介がなかったと聞いております。そのため、今回私の方からMFN政策の概要について、まず、御紹介させていただき、その後に、MFN政策を受けたPhRMAの会員企業の状況について御報告申し上げたいと思っております。
資料の6ページを御覧ください。MFN政策の概要をまとめております。
MFNとは簡単に申し上げますと、アメリカのトランプ政権が新たに導入した海外の薬価を参照して米国の薬価を決定する方式のことでございます。
資料の右側を御覧ください。価格が参照される国は制度により異なりますが、例えば、GENEROUSという制度では、日本、カナダ、欧州6か国の計8か国の価格が対象となっています。他のMFNの制度でも、日本が参照国に含まれます。
そして、この表の一番下にございますように、これら参照国の中で価格が最も低い国、あるいは下から2番目の国の価格を基準にアメリカの価格を設定することになっております。
ただし、国ごとの所得水準や物価の差がございますので、参照国の薬価を単純にそのまま比較参照するのではなく、各国の所得水準、物価水準の違いを考慮した、GDP-PPPの値で補正した価格を参照する仕組みとなっております。これについては、次のページで事例を踏まえて御説明します。
また、MFN政策は新薬に限らず、既に販売されている薬も対象としております。また、上市時に限らず、市販後も参照国による価格を継続的に捕捉し、米国価格を調整する仕組みとなっております。
次の7ページを御覧ください。
このページでは、トランプ政権が、このMFN政策を導入するに至ったとされる背景について御紹介いたします。
トランプ政権は、この政策の導入意図として、イノベーションの費用は各国で公平に負担されるべきということを挙げております。左側のグラフは、OECD諸国における革新的医薬品の収益の国別の割合を示したものになりますが、創薬イノベーション費用の3分の2をアメリカ国民が負担する構造になっており、アメリカ以外の高所得国の負担割合が低いことが課題とされております。
右側では、医薬品価格の国際比較分析を行った一例をお示ししております。これは、研究者が一定の前提を置いて推定したものになりますが、米国の公的保険、メディケイドの価格を100とした場合の各国の価格を示したグラフになります。
各国、2つの色の棒グラフがございます。左側のグレーのものは、各国の価格を米国と単純比較したもの、右側のオレンジは先ほど御説明した各国のGDP-PPPの値で補正した価格を比較したものでして、MFNでは、このオレンジ色の方の値を用いて価格を比較参照することになります。
現在は、このように米国価格が、他の参照国の価格よりも高い水準となっておりまして、トランプ政権では、MFN政策を通じて、各国は、このオレンジの棒の高さを上げていくことで、各国の経済規模等に合った相応のイノベーション費用の負担を求めているものと考えられます。
8ページにお進みください。
ここからは、MFN政策導入における日本国内のPhRMAに加盟する米国系、欧州系、15社への影響の状況について簡単に御報告します。
次の9ページにお進みください。
MFN政策で、日本が参照国に含まれた影響は大きく、既に国内会員企業の3分の2の企業において、個別製品の日本での収載上市に関して、MFN政策を踏まえての具体的な対応が検討されている状況でございます。
次に、その具体的対応の内容を右側にお示ししております。MFN政策により、日本における薬価が世界最大の医薬品市場であるアメリカの価格に波及することから、各企業とも日本において、米国価格に影響を与えない水準の薬価の確保が求められております。米国価格との乖離が大きい場合には、日本の新薬の収載上市を断念せざるを得ない方向性も示唆されております。日本の患者さんの新薬へのアクセスが難しくならざるを得ない状況となることについて、私どもも大変深刻に憂慮しているところでございます。
次に、10ページにお進みください。
さらに、この先、開発が進められている将来の新薬パイプラインに関しましても、既に国内開発の遅れや見送りといった影響が、既に幾つか報告されていることをこちらでお示ししております。
こうしたMFN政策をめぐる環境変化も御理解いただきつつ、冒頭申し上げた魅力ある日本市場づくり、創薬イノベーションのさらなる推進を通じて、日本の患者さんが、引き続き迅速に医薬品にアクセスできる環境が図られるよう、機動性がある薬価制度改革をお願いしたいと思っております。
私からは以上になります。
続いて、MFN政策を受けた欧州国内の状況について、EFPIAのプリシーノ会長からお願いいたします。ありがとうございました。
○ジョンポール欧州製薬団体連合会会長
どうもありがとうございます。私、欧州製薬団体連合会のジョンポール・プリシーノでございます。陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まずは、このたび災害の影響を受けられた皆様に、私からもお見舞いを申し上げます。
それでは、私からは、欧州の動向を御紹介させてください。
そして、先ほど、宮柱様からもMFNのところでおっしゃっていたように、欧州にどのような影響があるのかということをお話しさせてください。
創薬における競争が激化している一方で、薬価において国際的な影響力が強まっています。そして、このイノベーション価格、日本の薬価というのが、アメリカなどの国々にも影響を与える、そのような状況になってきております。
これは、製薬業界の問題というよりも医療制度の問題だと考えます。日本、そして、ヨーロッパ、このMFNに関係ある全ての国々が公的部門と民間部門横断で可能な対策を特定する、そういうことを、今、し始めているところでございます。
この直面している課題は同じではございますけれども、国によってアプローチが異なっております。
英国におきましては、積極的にアメリカと2国間合意を締結しました。そして革新的医薬品に対する支出を増やし、薬価政策へのマイナスの影響を軽減することを明確にコミットしております。
フランスとデンマークにおきましては、開かれた対話が提案されています。日本の官民協議会ととても似たようなアプローチが取られております。
スイスとスウェーデンにおきましては積極的な提案、例えばですけれども、基金の設定もしくは政策での解決策が提案されました。
ドイツにおきましては、さらなる薬価抑制策が取られました。それによりまして、いろいろな課題に直面しております。そして同時に、USTR、米通商代表部による通商法に基づいた調査が開始されました。
対応は国によって異なっておりますけれども、直面している課題は同じです。
そして、このMFNは無視することはできません。全ての国は解決策を検討しなければいけません。日本の患者様にしっかりと医薬品へのアクセスを御提供することをしていかなければいけません。
私たちは、この創薬をしっかりと支援し、このドラッグ・ラグとドラッグ・ロスを最小限に抑えていかなければいけないと考えております。
今、まさに重要な時期を迎えていると考えております。日本がライフサイエンスの重点国であり続けること、そして、この創薬力を強化していくことが重要だと考えております。
御清聴ありがとうございました。
それでは、宮柱様へお戻しいたします。
○宮柱日本製薬工業協会会長
スライド、12枚目です。
続いて、製薬協常任理事会社16社を対象に実施した米国MFN政策の各社における協議、検討状況の調査結果をお示しいたします。
臨床開発や開発戦略への影響について、既に影響がある、または今後影響が想定されると回答した企業は93.8%でした。
具体的には、海外からの導入案件の減少、臨床試験の縮小や実施見直し、さらには、申請、上市時期の見直しといった影響が生じ始めています。
一方で、機動的な薬価対応が行われた場合、日本市場への評価や投資が前向きに変化すると回答した企業は87.6%に達しました。
特に、新薬開発投資の拡大や、グローバル同時開発の加速、研究開発や製造設備への投資強化などにつながるとの意見が多く寄せられています。
この結果は、米国MFN政策が既に企業の開発戦略や投資判断に影響を及ぼし始めている一方で、適切な制度対応が行われれば、日本への研究開発投資や新薬開発をさらに促進できる可能性があることを示しております。
だからこそ、今、日本の患者さんへの革新的医薬品のアクセスを将来にわたり確保していく観点から、市場環境の整備と機動的な薬価上の対応が極めて重要であると考えております。
スライドの13枚目をお願いいたします。
最後に、2027年度薬価改定に対する私どもの考えを申し上げます。
骨太方針2026に記載のとおり、初収載時における適切な評価や市場拡大再算定、持続可能性特例価格調整等をはじめとする特許期間中の薬価の在り方を含め、革新的新薬のイノベーションのさらなる評価について検討を進めていただきたいと考えております。
2027年度薬価改定においては、従来より申し上げているとおり、特許期間中の製品に対する薬価引下げや市場実勢価と連動しない薬価引下げルールは実施すべきではないと考えております。
さらに、令和8年度薬価制度改革の骨子に記載された米国MFN価格政策への機動的対応については、早急に具体的な薬価上の対応の検討、実行をお願いしたいと考えております。
具体的には、新薬収載時におけるイノベーション評価の在り方や、外国価格調整ルールの見直し、さらに、特許期間中の価値を適切に評価する制度の在り方について検討を進めていただきたいと考えております。
日本の患者さんへ革新的な医薬品を継続的に届けることができる環境を維持、強化していくため、魅力的な市場形成を支える薬価制度の在り方について、引き続き皆様と議論を進めてまいります。
以上、製薬協、PhRMA、EFPIA、3団体からの発表となります。ありがとうございました。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本ジェネリック製薬協会よりお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
日本ジェネリック製薬協会の川俣でございます。本日は、業界意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございます。
私からも熊本地震、それから千葉豪雨で被災された皆様には、お見舞いを申し上げます。一刻も早い復旧をお祈りいたします。
一方で、医薬品のサプライチェーンにも一定の影響を与えてしまったことを非常に残念に思っております。私どもとしても、一刻も早い復旧に取り組んでまいりたいと思います。
それでは、資料の2ページ目を御覧ください。
安定供給責任者会議を通じた協会内の取組ですとか、会員企業間の連携・協力、品目数の適正化など、持続可能な供給体制の再構築に向けて取り組んでまいりました。
しかしながら、物価高騰の影響は、企業努力のみで吸収できる限界を超えており、安定供給のための継続的な投資も不可欠になっております。
本日お伝えしたい最大のポイントは、物価高騰をはじめとする急速な環境変化を適切に反映し、将来にわたり持続的な安定供給を可能とする薬価上の手当、仕組みが必要であるということでございます。
資料の3ページを御覧ください。
カテゴリー別の限定出荷比率の推移を示しております。各社の企業努力に加え、厚生労働省や、業界全体での連携によりまして、後発品の限定出荷率は、2023年4月の23%から、直近では9%まで低下し、着実に改善をしてまいりました。今後もこの改善傾向を継続させるべく、取り組んでまいります。
資料の4ページを御覧ください。
当協会では、安定供給責任者会議を毎月開催いたしまして、限定出荷解除に向けた検討を行ってまいりました。本年4月からは、安定供給支援システムの運用を開始し、他社での供給停止や限定出荷が発生した際の迅速な情報共有と、代替供給依頼を行える体制を設けました。
さらに、安定供給ネットワーク会員という会員種別を設け、会員外企業18社にも御参加をいただき、今後さらなる連携の輪を拡大してまいりたいと思っております。
資料の5ページ目を御覧ください。
後発医薬品収載品目数の推移を示しております。課題とされてきた少量多品目生産の構造を見直すため、企業間連携による代替先の確保によって品目集約を進めております。
グラフのとおり、後発品の既収載品目数は2024年度から2026年度までに、率にして約20%減少しておりました。限られた経営資源を重点品目へ配分することで、生産効率向上を図っております。
資料の6ページ目を御覧ください。
しかしながら、原材料や製造経費の高騰に加えまして、サプライチェーン強靱化のためのコスト、それから設備の更新、増強費、さらには人手不足に対応するための人件費の上昇が続いております。公的価格で薬価が定められている医療用医薬品においては、製品価格へ転嫁することができておりません。
資料の7ページを御覧ください。
当協会会員企業において、約4割の品目が不採算に陥っており、そのうち令和8年度改定において、不採算品再算定の適用を受けることができたのは、わずか158品目です。しかも適用を受けられた品目の中でも、約6割がコスト高騰の影響を吸収しきれず、依然として不採算のままとどまっている状況であります。また、今回適用を受けられなかった品目の中には、極めて重要な医薬品も含まれており、現行の適用要件を満たすことが非常に困難な実態が浮き彫りとなっております。
資料の8ページを御覧ください。
最後まとめですが、協会といたしましては、今後とも製造管理、品質管理の徹底、品目数の適正化や企業間連携による生産効率化に取り組んでまいります。
しかし、低薬価品を中心に物価高騰の影響が甚大であり、現行の薬価下支え制度では対応しきれておりません。国民医療を支えるジェネリック医薬品の持続可能な安定供給体制を確立するためにも、薬価上の手当について御配慮をお願い申し上げます。
私からの陳述は以上でございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本医薬品卸売業連合会よりお願いいたします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
皆様、おはようございます。日本医薬品卸売業連合会会長の宮田でございます。
本日は、意見を述べる機会を賜り、中医協及び厚生労働省の皆様に感謝申し上げます。私からも熊本地震、千葉豪雨によってお亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
我々は、全国規模の卸から地域に密着した卸まで多様な会員で構成する連合会として、本日は2点の意見を申し上げます。
第1に、中間年の薬価改定を廃止していただきたい。
第2に、流通コストが公平に負担できるような薬価制度としていただきたい。この2点でございます。
資料に沿って御説明をさせていただきます。次のページをお願いいたします。
医薬品卸を取り巻く安定供給リスクについてであります。
左のグラフは、薬価と流通コストの推移を指数で示したものでございます。青い線は過去の平均乖離率を踏まえた薬価の試算モデルであります。実際の改定は対象が限定されておりますので、下落幅そのものではございません。改定が繰り返されたことによる薬価がどのような軌跡をたどるかを示したものだと、見ていただければと存じます。
オレンジの線は、卸の仕入原価と販管費を合わせた流通コストを示しております。薬価は下がり続け、流通コストが上がり続けている構図となっております。薬価と流通コストの間の差が、医薬品を全国にお届けする卸の原資となりますが、この原資が年々縮小しております。
こうした構図から、医薬品卸を取り巻く3つのリスクを生じさせております。
1つ目は、逆ざやのリスク。
2つ目は、地域への供給断絶のリスク。
3つ目は、医薬品の品質担保の低下のリスクです。
それぞれ次のページから御説明申し上げます。
逆ざやのリスクについてであります。仕切価が薬価を上回る品目の割合が3年続けて上昇しており、直近では6.9%となっております。卸が仕入れた段階で既に公定価格を超えているということを意味しております。
また、右の表にあるように、不採算品再算定品、つまり採算が取れないということで、薬価を引き上げていただいた品目のうち、薬価20円未満のものでは、26.5%が逆ざやとなっております。薬価下支えの効果が流通の段階まで十分に届いておりません。
また、割合は低いものの、医療上の必要性の高い重要供給確保医薬品ですら、卸の仕入れの段階で逆ざやが発生している状況であります。
4ページを御覧ください。
次に、地域供給の断絶リスクについてであります。医薬品流通に関わるデータの推移を3つのグラフで表しております。
人件費や物流費では、派遣料や配送費用の上昇が顕著であります。特に右端のグラフでは、至急配送の減少が顕著に示されております。これは、卸の効率化が進んでいるということではございません。得意先の御要望に応えきれなくなっているということでございます。
また、配送拠点については、集約の余地のある地域と元より余地のない地域とがございます。地域での供給を担う卸では、拠点がもともと限られており、集約という選択肢自体がございません。供給断絶のリスクが続いた場合、地域によっては、必要な医薬品が必要なときに届かない事態が生じかねません。
5ページを御覧ください。
次に、品質担保のリスクでございます。医薬品卸は薬機法に基づき、医薬品の品質を保つ責任を負っております。加えて、GDPという国際的な基準への対応も求められております。品質担保のためには不断の設備投資が欠かせません。
真ん中に3つの投資項目を挙げております。設備の維持、物流の高度化、そして危機管理物流です。厳格な温度管理、トレーサビリティ、非常用の電源、サイバーセキュリティ、これは、いずれも20年前には求められていなかったものであります。
ここで申し上げたいのは、これらが経営判断としての投資ではなく、法令と国際的な基準を満たすために行わざるを得ない投資であるということでございます。こうした基準への準拠は、企業規模の大小を問わず一律に求められ、規模の小さい医薬品卸ほど、投資1件当たりの負担は多くなります。
左に示しているとおり、投資額は2023年度を100とした場合、2025年度では157まで増加しております。
右端の類似の投資案件での比較では、投資単価は130程度まで上昇をしております。求められる水準が上がり、その単価も上がっている、この二重の負担が、規模を問わず全ての卸に生じております。
最後に意見でございます。
1、中間年の薬価改定を廃止していただきたい。中間年の薬価改定については、多くの弊害が生じております。詳しくは参考資料の8ページを御覧ください。中間年の薬価改定廃止の基本的な意見は維持しつつも、2027年度の薬価改定を実施するのであれば、次の3点を要望いたします。
A、安定供給に必要な流通コストを賄える薬価改定にしていただきたい。
B、2016年の4大臣合意に立ち返り、改定対象を価格乖離の大きな品目に限定していただきたい。
C、重要供給確保医薬品・不採算品再算定品・薬価20円未満の品目の薬価を引き上げていただきたい。
低薬価品ほど採算が厳しいため、昨今の物価上昇においては、低薬価品であること自体が、安定供給上のリスクとなっております。参考資料の11ページにもあるように、薬価20円未満が全体の品目数の半分を占めている市場構造となっており、リスクが及ぼす影響度合いが大きくなっております。
2、医薬品の安定供給を可能とする「流通コストの公平な負担」ができるような薬価制度にしていただきたい。ここでの公平につきましては、私どもの取り分を増やしてほしいという趣旨ではございません。価格交渉においては、取引当事者の立場でコスト負担の配分が決まりやすいことをここで申し上げております。特定の当事者に負担が偏ることなく、流通に必要なコストが、価格形成の過程や薬価改定の段階で公平に考慮される仕組みを検討していただくことを求めております。
本日の説明は、卸の採算だけを求めるものではございません。医薬品が必要とされる方のもとに必要なときに届く、そうした当たり前の仕組みを維持していけるかどうかを、高い視点で御検討いただきますようお願い申し上げます。
以上をもって卸連の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
○菅原部会長
ありがとうございました。
一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑に移りたいと思います。質問等のございます方は、挙手をお願いいたします。
江澤委員、よろしくお願いいたします。
○江澤委員
いろいろ詳細な御説明をありがとうございました。
質問をさせていただきたいと思いますが、まず、資料の薬-2の7ページですけれども、右側にメディケイドのネット価格の国際比較が出ておりますけれども、比較的所得層の低いメディケアのほうも同じような状況になっているのか、もしデータがあれば教えていただければと思います。
もう一点は、6ページですけれども、このGDP-PPPに基づいて調整した値の上で、我が国の薬剤の品目のうち、下から2番目あるいは一番下、最下位と薬価がなっているものの、これはデータがあればで結構ですけれども、品目の割合とか、売上に占める割合というのが、もし、データがあれば教えていただければと思います。
もう一点は、薬-3の4ページに安定供給責任者会議の取組が示されておりますけれども、具体的にこれが設置されてから、どういった成果をされているのか、どういった御議論をされているのか、話せる範囲で結構ですけれども、もう少し詳細に教えていただければと思っております。
○菅原部会長
今、大きく3点御質問があったかと思いますけれども、前の2点に関しましては、御説明いただいたのは、PhRMAの五十嵐さんでよろしいでしょうか。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
はい、御質問ありがとうございます。7ページ目の医薬品価格の国際比較というところで、こちらは、メディケイドの研究者による推計の価格ですが、メディケアについてはどうなのだという質問だと理解しております。
具体的に、今、グラフとしてお見せできるものはないのですが、メディケアにおいても基本的には同様に、米国に対して日本の価格というものが、全体の平均としては低い状況という、この全体の構造というものは同じであると理解しております。
2点目の具体的なデータに関して、日本が一番下の価格になる、2番目の価格になる、その具体的な割合などがあるのかということですが、これは、今、まさしくそれぞれの国がどういう制度改革をするかという議論が行われていっている中で、本当にそれぞれの一つ一つの薬ごとに、日本が一番下なのか、2番目なのかというのは、各企業それぞれと検討している段階にありますので、今の時点で明確に全体として日本が一番下になる、2番目になる割合が何割かというデータを持ち合わせておりません。まさしく、そういった議論が活発に行われている状況だと理解をしております。
○菅原部会長
どうぞ。
○江澤委員
ありがとうございます。
ということは、日本がGDP-PPPで調整した場合に、特段世界で最も低い国ということではなくて、横並びの中で比較的低いグループに属しているという理解でよろしいですか。
○菅原部会長
どうぞ、五十嵐委員長。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
断定的なことを申し上げるのは難しいのですが、7ページの右のグラフで御覧いただけますように、この平均のメディケアのネット価格におきましても、他の参照国の中でも、決して薬価が高い方といいますか、他の国の中でも低い方にありますので、これは個別の企業のそれぞれの薬剤によって分析が異なると思いますが、最低価格もしくは下から2番目の価格になり得る水準に全体の平均としては日本があると思っております。
○菅原部会長
江澤委員、よろしいですか。
○江澤委員
それでは、1点、関連で御質問させていただきたいのですけれども、この背景には、やはり各国の医療制度の違いがあると思っています。例えば、メディケアとかメディケイドとかになりますと、入院時にソーシャルワーカーが、まず、民間保険と協議をして、加入している保険の状況によって治療の選択肢が一定程度制限されるとか、いろいろな状況があるお国柄でもあると思います。
一方で、我が国は世界に冠たる国民皆保険の医療保険制度があって、一定の自己負担のもとに最善の治療が受けられるお国柄であると認識しています。
ですから、そういった医療制度の背景が、薬価に反映をこれまでしてきたと当然思っておりますし、一方で、薬価が国際的にグローバルな構造とならざるを得ないという状況も一定程度理解をしております。
そういった中で、ここは我が国の医療保険制度について議論する場ですから、日本のこの医療制度の中で、やはり落としどころとか、単に医療制度が違う中で薬価の数字だけを単純に比較するというのは、なかなか厳しい状況ですし、そもそもMFN価格制度は、米国の薬価を引き下げるという仕組みでございますので、そういった中で、もちろん製薬企業も当然ビジネスを行っているわけですから、いろいろなお考えがあると思いますけれども、結局その中での落としどころとか、立ち位置とかは、これからまだ御議論されると思いますけれども、何か現時点で、そういったところに対する見解があれば、お伺いしたいと思います。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
御質問ありがとうございます。
まず、最初に申し上げたいのは、我々も日本の患者さんにしっかりと新薬をお届けする環境を引き続き担保したい、その中で、しっかりと社会的な役割を果たしていきたいという思いがまずある中で、様々な外部環境の中で、どうしていくのがいいかということを苦慮しながら、様々な皆様に御指導いただきたいと切に願っている状況でございます。
その中で、おっしゃるとおり、国ごとに制度の違いがございますので、今回の制度が入ってきた中で、日本としてどういう対応をしていくべきなのかということを考えないといけない状況にあると思っております。
具体的に、では、どういうことをしていけばいいのかということに関しましては、まさしく新薬3団体にてお話しさせていただいたとおり、イノベーションをしっかりと報いることができることが日本の成長戦略等々でも議論されていたことだと理解をしております。そういった薬価づけ、初期価格の薬価づけ、また、特許品に関しましては価格を維持していくこと。価格が下がると、MFNがそれを参照して定期的に米国の価格に反映していきますので、初期価格だけではなくて、その後の価格の維持の両方を担保することができれば、引き続き、日本がしっかりと患者さんにラグ/ロスの問題、それから日本へ投資を持ち込むという話を含めて、国がやっていきたいことというのを実現できる環境が整うのかなと理解をしております。
○江澤委員
詳細な説明をありがとうございます。我々現場としましては、MFN価格政策イコール即ドラッグ・ラグ/ロスに直結というのが、やはりいろいろ立場があると思うのですけれども、そういったところが、果たしていかがなのかということは思いますが、取りあえず、皆保険である医療保険制度の健全な持続というのは、我々の一番の主要テーマでございますので、そういった中で、また、引き続きの御議論をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
当初の質問は3つあって、1つ、宮柱会長から御回答をいただいたほうがいいですか、最後の、多分、スライドの4枚目か何かのところで質問があったかと思いますけれども、よろしいですか。
○江澤委員
4枚目は、薬-3の4枚目です。
○菅原部会長
そちらは、御回答をいただいてよろしいでしょうか、ジェネリック製薬協会からで、よろしいですか。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
安定供給責任者会議の実効性についてでございますね。
私どもの資料の4ページに記載させていただいているように、安定供給責任者会議は、単なる懇談の場ということではなくて、様々な事象に対して実効的な対応をいたしております。
特に、新たな供給不安発生に対して、いかに迅速に代替生産を行うかということを、実効性を持って取り組もうとしているところでございます。
ただ、今回の安定供給責任者会議を立ち上げた以降で、大きな供給不安というのは発生していない。1つだけ、ニトロソアミンのアトモキセチンの供給停止により、コンサータにまで影響を及ぼしたというような事例はありましたが、これは、ジェネリック医薬品だけではなくて、全ての新薬も含めた、長期収載品も含めた供給停止でございましたので、各社がどのように取り組むかという議論はしたものの、十分な体制が取れていない。
それから、全体的な供給量の増加という部分に関しては、安定供給責任者会議だけでは、すなわち解消できるというものではございませんので、日々、会員企業各社の増産努力によって、この9%がさらに減っていくものと考えております。新たな問題を発生しないような取組だということを、御理解いただければと思います。
○江澤委員
ありがとうございます。
この会議は、供給不安定中で緊急に立ち上げた会議と思っておりますけれども、一定程度成果が上がってきているということと、これは、いろいろな業者、メーカーが参加していると思いますけれども、それぞれ一定程度踏み込んだ議論がされているという理解でよろしいですか。
では、ありがとうございます。
○菅原部会長
よろしいでしょうか。
それでは、ほかの質問がある方は、挙手をお願いいたします。
それでは、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員
ありがとうございます、薬剤師会の渡邊でございます。
各団体におかれましては、細かな詳しい説明をいただきまして誠にありがとうございます。私から少し何点か、御質問をさせていただければと思います。
まず、日本製薬団体連合会の安川さんに聞きたいのですけれども、スライドの5に物価高騰等を踏まえた部分が書かれているのですが、今回、流通改善ガイドラインにおいて、物価水準等を考慮した人件費や流通コスト等の必要なコストの実情を考慮することという改定がなされていますけれども、これに関してメーカーとして卸が連携して、流通経費などの実情を踏まえて不採算品算定の請求等をされているのかという部分、また、今後そのようにしていこうかと思われている部分等があれば、お教えいただきたいというのが御質問になります。
それと、ジェネリック製薬協会にもお伺いしたいのですけれども、これは何点かあるのですけれども、スライドの3に限定出荷が着実に減少しているということで書いていただいているのですけれども、これは品目数のベースでの割合という部分になりますので、残念ながら実際の現場では、まだまだ出荷調整で医薬品が入らず、患者さんに同じ製剤を継続して服用いただくことができないという状況が続いているのが現状になります。
その中で、今月も2社から多くの品目の販売中止が一気に出されたところであります。また、それが現場にしっかり周知が届いていないという現状でもあります。
このような中、今、江澤先生からもありました安定供給責任者会議が開かれているのだと思いますけれども、医療現場の目線であったり、患者さんへの影響であったりという部分に関して、どのように考えられて、その対策が話されているのかという部分をお教えいただきたいということ。
また、1品目のみの流通であったり、同じ原料によっている部分の製剤であったり、そして、先ほど申しました各社が単独で販売中止を決定しているような状況について、どのような情報の共有を図り、その対策が取られているのかという部分も、この会議体の中での話をお聞かせいただければと思います。
それと、資料の中の6ページのところにイメージ図が書かれているかと思うのですけれども、この薬価の赤い点線が入っている部分が、卸に支払う経費のところに入っているものもあれば、販売管理費のところに入っているものもあれば、その下の濃い緑に入っているもの等々品目によって違うのではないかなと思うのですけれども、その辺りの実際の割合等々があれば、お教えいただければなと思います。
それと、そのスライドの次に、実際の不採算品再算定の実情の部分がピラミッドで書かれているのですけれども、タイトルにはルールの課題と書かれているのですけれども、実際に、その再算定のルールに関する課題という部分をどこに感じられていて、どのようにすればいいとお考えになっておられるのかお伺いしたいと思います。
それと最後に、卸売連合会にも御質問をさせていただきたいのですけれども、卸売さんに関しては、現場から見てもかなり厳しい状況にあると、私からも見えているのが現状でございます。
その中でなのですけれども、逆ざやと流通不採算品が示されているのですけれども、スライドの3にその数字が示されていますけれども、実際、我々の現場の感覚としては、もっと多くのものが逆ざやになっているという現状を感じています。
その中でなのですけれども、メーカーの仕切価の部分では薬価未満であっても、流通させる段階になって医療機関、薬局に納品する価格となった時点で逆ざやになってしまっているという部分の医薬品が、どのくらいあるのか把握されている範囲でお教えいただきたいなというのが1点目になります。
それと、度重なる薬価の引下げの中、卸さんの状況の悪化というのは、配送能力の低下に非常に著明に出ているように感じています。この辺りの部分が、配送の時間、曜日、回数等が、実際に減っている現状、縮小されている現状を把握されていれば、少しお教えいただきたいと思います。
3点目は、前回の薬価専門部会でも申し上げましたけれども、薬価改定時の再妥結に関する部分での現場への負荷になります。
これに関しては、妥結までに半年ほどの時間を要していて、現段階においても妥結ができていないというのはたくさんあるような状況にあるのですけれども、そのような部分を経て、再妥結をしても半年ほどたてば、また再妥結をしなければならない時期が来て、半年サイクルでこれを繰り返しているという状況になるのですけれども、4月になった段階で妥結した率もリセットされていると思いますけれども、その部分で医療機関、薬局にとっては、妥結がリセットされることで発生する支払いの負荷、それは、また、次の妥結をするまでずっとかかっているというのが現場の負荷になっています。
前回の妥結した率を次の妥結率まで維持するようなことでつなげられないのかといったことや、サイクルが短くなってしまったことによる卸さんへの負荷の状況等々があれば、これもお教えていただきたいと思います。
少したくさんの質問をして申し訳ございません。よろしくお願いします。
○菅原部会長
ありがとうございました。
各団体に対して幾つかの質問が、かなりあったと思いますけれども、おのおのの団体に聞いてまいりたいと思います。
まず、最初の質問は、恐らく日本製薬団体連合会に御回答をいただくのがいいかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○安川日本製薬団体連合会会長
流通改善について、製造販売業者側の努力という御質問だと理解しております。
一般論になり恐縮ですが、流通改善ガイドラインに示されましたメーカーの役割については承知しており、各団体内で周知徹底をしていると理解しております。また、流通に係る諸問題は、流改懇で個別に議論が行われていると思いますので、そこで承りました指摘に対しては、業界として真摯に対応してまいる所存でございます。
申し訳ないですけれども、各企業においてどういう流通改善努力をしているかというのは、情報を持ち合わせておりませんので、各企業レベルの回答は控えさせていただきます。
○菅原部会長
ありがとうございます。
今の御回答に関しましては、よろしいですか。
○渡邊委員
ありがとうございます。
ぜひ卸さんからもありましたように、流通改善の部分を考慮した上で採算品等々、各社、申請をしていただけますように、お願いしておきたいと思います。
○菅原部会長
ありがとうございました。
続きまして、ジェネリック製薬協会に関しましても、恐らく幾つかの課題といいますか、質問があったかと思います。特に、再算定上の課題等々、幾つか御質問があったかと思いますけれども、御回答のほう、よろしくお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
たくさんの質問をありがとうございます。
3ページ目の資料におきましては、やはりカテゴリー別での限定出荷比率を、これは品目数ベースでお示しするしかできませんでした。数量ベースでの限定出荷率というのを算定するのが非常に難しいところでありまして、ただ、いずれにしても23%から9%まで低下した数量ベースにおいても、一定の改善はしていることを、私どもとしては説明をしたかったものでございます。
ただ、当然のことながら、一定の企業に注文が集中するという形になってしまいますと、いつまでたっても限定出荷が改善できないということにつながることになりますので、私どもとしても情報提供を密に行った上で、供給ができている企業の製品を使っていただく取組というのを進めてまいりたいと考えているところです。
それから、2つ目の品目停止、販売中止の件でございますが、こちらも有識者検討会において品目数の適正化というのが提言されたわけで、薬価の削除ルールにのっとって、代替供給品というのをきちんと準備した上で、品目整理を進めているところでございます。
この少量多品目生産によって、生産能力が著しく低下しているという問題を解消するための取組ということでございますので、医療関係者の皆様には大変なお手数をおかけしているところではありますが、御理解をいただきたいと思っているところでございます。
3つ目のスライド6の点線の話でございますが、お示ししたこのイメージ図では、薬価の点線が個別品目ごとにどこを通るのかというのは、残念ながら調査しきれておりません。
少なくとも資料の7ページ、次のページのとおり、現在、ジェネリック製薬協会加盟企業が供給している4,939品目のうち約4割の品目が不採算となっているわけで、弊社の個別の事情にはなるところですが、プラスチックアンプルの材料費が1.3倍ですとか、PTPシートに使用するアルミが1.2倍になっているとか、それから、医薬品の原薬そのものは、ここ2年間で2.3倍に価格高騰しているという状況でありますので、こういったことをイメージ的にお示しした資料と御理解をいただきたいと思います。
それから、最後の不採算品再算定についてですが、不採算品再算定の適用範囲と薬価の上げ幅、それぞれに課題を感じているところでございます。適用範囲につきましては、令和8年度改定で、全社手挙げの類似薬要件を見直していただいたことには大変感謝しておりますが、しかしながら、申請したにもかかわらず、適用されなかった品目が大半を占めているような状況であります。
その理由としては、改定における医療上の必要性ですとか、乖離率、それからシェア5割以上といった要件を全て満たすということが極めて困難な状況であったということでございます。
また、適用された品目であっても、96品目、つまり約6割が不採算のまま残されているような状況です。
この原因は、現行ルールが過去の一定期間の実績の原価をベースに計算されるために、申請から適用までの間に進む現在進行形の急激なインフレですとか、つまり円安、資材高、大幅な賃上げが反映されない構造的なタイムラグが存在するためと考えております。
最新の物価上昇率ですとか、労務費率を機動的に上乗せ補正する改定ルールが必要なのだろうと考えております。
不採算品再算定は、医薬品を長期的に継続して供給していくために、また、逆ざやをなくすためにも必要な取組だと考えております。
安定供給に寄与する企業の品目が適切に薬価上の手当を受けられるような仕組みをお願いしたいと考えております。よろしくお願いします。
○菅原部会長
ありがとうございます。
医薬品流通に関する課題についても幾つか質問があったかと思いますが、日本医薬品卸業連合会から御回答をお願いいたします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
ありがとうございます。
今回お示ししました逆ざやのデータは、薬価を超えている率を出させていただいていて、先生のほうからは、内側でも逆ざやになっているのではないのかということなのですが、卸連合会として、個別の中身についてデータを持っているわけではございません。
この仕切価については、厚生労働省のほうでメーカーヒアリングをしていただいて、さきの流改懇においても、100%を超えているもの、それから、96%以上のものという形で数量をお示ししておりますので、我々が個別に、その仕切価がどういう状態かということを団体として把握している数字は持ち得ないので、申し訳ないと思いますが、ただ、もう一つは、90.9%本体薬価で、実際に仕切価が仕切られて、納入価が逆ざやになっているもののお話を渡邊先生は言われているのだと思うので、この納入価についても、個別の納入価がどのようになっているのかという部分については、卸連合会としてデータを持っているものではございません。ただ、低薬価品については、その流通コストを乗せるというのが流通改善ガイドラインの中にも記載されている中で、実際には乗せられていないような部分があったり、逆ざやになっているような部分が増えている。
我々が問題視しているのは、毎年毎年こういう形で、この差が、圧縮されていく中で、逆ざやという問題が広がっていく。その広がっていく薬価の在り方というのが、20円未満のものに非常に多く出ていて、この中には重要供給確保医薬品だとか、安定供給確保に必要な薬剤が入っているということで、本当に薬局関係の皆様には御迷惑をかけているのかもしれませんが、実際には、そういう数字は団体としては持ち得ないので、この辺については厚生労働省のほうで、具体的にそういった品目がどのくらいあるのかというのは、流改懇の席でも出していただいております。
まず、逆ざやについては、そういう形で、あと、もう一つは流通改善ガイドラインの中で、まだ価格交渉の在り方が、単品単価交渉について道半ばでありますので、実際には、総価あるいは加重交渉というものがある中で、非常に苦慮しているというところは実際の現場の話でございます。
それから、2つ目の配送、配送頻度が減っているのではないのか、従来の医薬品卸の、言ったらすぐ持ってきてくれるような体制が、今、取れていないのではないかと、こういう御質問だと思うのですが、大体配送は月曜日と金曜日、ウイークリーだと月金に山があってUの字を書くような形の物量が多いわけですが、実際に、今の配送担当者、いわゆるドライバーも含めて、非常に確保するのが難しくなってきている中で、今、土曜日だとか、日曜日の緊急配送ではない配送については、得意先と協議しながら縮小しているという段階でございまして、実際にはそういった形で、土日の配送というのがかなり減っている。
それから、先ほどお示ししたように、至急配送であっても、場所によっては、それに応えられていない、配送要員がいない、そのような状況が、今、卸の中にあるということでございます。
それから、3点目の御質問は、妥結のサイクルが半年ごとになっていて、非常に短くなっているのではないのかということ。
まさにおっしゃられるとおり、2年に一度の薬価改定であれば、この半年で決まったら1年半、その価格でいって、期中に薬価が変動したもののみの価格交渉であればいいのですが、翌年の4月にはまたリセットされてしまう。これは薬価が変更するからリセットされて、そういうサイクルになっている。
これは卸だけではなくて、医療機関、薬局さんも事務負担だとか、あるいは在庫だとか、在庫の損失ですね、薬価が下がることによっての目減りだとか、いろいろな問題が、実はこのサイクルが早くなることで起こっているというのは、我々卸だけではなくて、医療機関、薬局も同じようなことです。
この交渉が頻回にあることで、この事務手続を簡素化するためにコンサルティングだとか、あるいは価格代行業者だとか、いろいろなプレーヤーが、たくさん、今、出始めてきている。
ですから、我々が信頼関係を得ながら長年お付き合いしてきたお得意先との交渉実態だけではなくなってきている中で、こういう頻回な改定が行われている。
流通改善ガイドラインの中では、厚生労働省のほうで非常に書き込んでいただいて、期中の改定は薬価が変わったもの、要は妥結したら1年間その価格でいくということが書き込まれていますが、こういったガイドラインの周知も含めて、我々は、担当者あるいは業界を挙げて周知をしていきたい、そのように考えておりますので、ぜひこれは、我々の問題だけではなくて、医療機関、薬局の問題、課題にもなっているのではないかなと、そのように考えております。
以上であります。
○菅原部会長
ありがとうございます。
渡邊委員、よろしいでしょうか。
○渡邊委員
ありがとうございます。
かなりいろいろなところに影響が出ている課題でもありますので、販売中止品目に関しても、残された品目にしわ寄せが行くのは当たり前にはなるのですけれども、それに関しても、残された部分をどこに配送するのかという取り合いになってくることに関しては、卸さんも、かなりハンドリングに苦慮する状況かと思います。また配送も、平日の配送にも影響が出ていますので、ぜひ、その辺りの部分に関しては、患者さんの不利益になっているということだけは、重々に踏まえていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、ほかの質問はいかがでしょうか。
それでは、奥田委員、よろしくお願いいたします。
○奥田委員
まず、各団体からの御説明、どうもありがとうございました。
私からは、最初の日薬連からの説明に対して2点、御質問をしたいと思います。
1点は、特命本部の件、それから2点目は医薬品市場に与える影響についてであります。
1点目については、2ページ目のところで、医薬品安全保障体制を構築するということで、医薬品安全保障特命本部を設置されたということですけれども、効果を期待したいところでありますが、この実効性を持たせていく上での方策、まだ、7月1日に設置されたばかりではありますけれども、検討されている点があれば、教えていただければと思います。
2点目については、私が従来から申し上げておりますけれども、国民負担の軽減はもちろん踏まえつつ、一方で、創薬イノベーションの促進に向けた配慮が必要であると考えております。
御説明でも先ほど薬-1の3ページのところで、令和6年度改革以降の改善方向を後退させないための対応が急務であるという御指摘がありました。
前回の薬価専門部会でも、私から令和9年度改定に当たっては、現状の経済環境などが医薬品市場に与えている影響も考慮して検討することが重要であると申し上げております。
先ほどの説明でも、まだ具体的には出ていない部分もあるかもしれませんけれども、医薬品業界にどのような影響が出ているか、やはりこの薬価専門部会での議論を有意義にするためにも、もう少し具体的にお伺いできればありがたいと思います。
以上、2点、よろしくお願いいたします。
○菅原部会長
ありがとうございます。
それでは、日薬連から御回答をいただきますと幸いでございます。
○安川日本製薬団体連合会会長
かしこまりました。
1つ目は、特命本部のほうの実効性を上げるための方策という御質問と理解しております。
今日は、地震と豪雨という災害の話から始めたので、少し意識がそっちらに向いてしまっているかもしれませんが、最も危惧しているのは、医薬品をもっと安全保障上の問題として取り扱いましょうという危機感でございます。
具体的にどういうところを一番気にしているかと申しますと、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔薬、免疫抑制剤、向精神薬、いろいろなものの原薬が、7割からほとんど、物によっては100%が、何らかの安全保障上のリスクがある国に製造を頼ってしまっている。
これは、歴史的な背景がございまして、特にジェネリック医薬品をはじめとして価格下がっていく中、各社で経営努力をする中で、経済効率性を求め、安く原薬を供給している国へだんだん製造を委託するようになってしまったわけでございます。
21世紀の初頭のグローバリズムが全盛のころには、それでよかったはずでございますけれども、御案内のとおり、ここ10年弱は権威主義の国家が台頭し、いつ、他国のための薬剤供給が途切れるか、というリスクを非常に危惧しております。仮に紛争が起きて仮想敵国になった場合には、そういう国からの原薬が途絶えると、日本の医療は一月か二月の間に崩壊してしまうのではないか。
こういう危惧を政府あるいは関係省庁の皆様とも話をする中で、日薬連としても製造は製造、それから薬価は薬価、それから研究開発や研究開発と、ばらばらに担当していると、やはり安全保障上の問題に関する重要な情報をなかなか集めきれない、あるいは集めたところで、それをまとめて有効な提言を政府あるいは関係省庁に持っていけないという危惧がございましたので、私の直下にそういう関係する委員会の重鎮を全部集めて、情報を集めるスピードを上げ、なおかつ、そこから出てくる機を見抜いて、有効な打ち手を当局の皆さんになるべく早く御提案を申し上げる、これが趣旨でございます。
情報提供を求めるという点について、強制力は、今、持っていないわけですけれども、また、こういう特命本部をつくったということが、加盟会社の皆さんに分かっていただくと、より自発的に、よりスピードをもって必要な情報を提供していただけるのではないかと期待をしております。また1年ぐらい活動をしてみて、実効性が上がらない場合には、また別の手だてを考えたいと思っております。
2つ目は、国民の負担と、それから、いろいろなインフレ等で経営が苦しくなる中で、本当に業界にどのような影響が出ているのかということの御質問と理解しております。
何品目が赤字に落ちたとか、それから新薬については、MFNの危惧については、さんざん説明を差し上げているので繰り返しはやめまして、もう一つ、今日触れていないところだけ簡単に私から触れまして、あとは必要に応じて川俣さんにフォローしていただきたいと思っておりましたけれども、私の質問を説明の中でも、一言申し上げましたし、川俣さんのご説明の中でも出てきておりましたけれども、やはり各社、製造に必要な設備投資ができないような状況に、今、落ちつつあると。これは非常に深刻な状況になっていますというのは、厚労省、あるいは政治家の皆さんにも既にお届けしているので、そういう資料を見たいということであれば後日、持ってさしあげるようにいたします。普通の製造設備では、耐用年数がものによっては大体30年、35年と言われておりますが、その更新時期が来ているのに、なかなか経済的な状況で設備投資ができないという会社が多くございます。
調査によりますと、既に耐用年数を超えているのだが、だましだまし使っている、そういう装置が何%に上ったというのは、後で川俣さんのほうからも出てくると思います。
向こう5年間に手を入れないと、本当にいつ製造が止まってしまうかもしれないという設備が約3000億円ほどあるという調査も我々は実施しております。これも、国に申し上げているところでございます。
ということで、本当に持続可能性というのは、一番大事なところは、国民の皆様に高品質なものが絶えることなく供給できるということでございますので、やはりこの製造設備のほうに投資が回らないという状況は、非常に憂慮していることでございます。
こういうことも踏まえまして、今回のインフレ等を踏まえた価格の上昇をお願いすると、こういう背景になっているという御説明を差し上げます。
では、川俣さんに、設備投資のほうの補足をお願いします。
○菅原部会長
では、よろしくお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
私どもの後発薬品ですが、2007年に使用促進策が出てから、この19年間で700億単位の増産をすることができております。
この間において、積極的な設備投資をしてまいったわけですが、当然数量が増えますので、我々の企業にとっては売上が増える、薄利ではあっても、その分利益はあったという状況であったわけです。
ただ、今後10年間、20年間の間に、この市場がさらに拡大するかということを考えますと、到底あり得ないところでありますので、この老朽化した設備自体を更新するための原資というのが今まではあったわけですが、今後は成熟していく市場の中で確保するのが非常に難しくなっているということを御理解いただきたいと思います。
また、追って詳しい資料も御提示できるところではあります。私どもの資料の中のAppendixの中にも、こういった説明をさせていただいているところでございますので、御理解をいただきたいところでございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
奥田委員、よろしいでしょうか。
○奥田委員
はい、どうもありがとうございました。
○菅原部会長
それでは、ほかに御質問を、永井委員、どうぞ。
○永井委員
まずは、御説明ありがとうございました。
創薬イノベーションが治療環境の改善などに寄与しているといったデータも示していただきまして、改めて医薬品の安定供給の確保、患者の利益につながるイノベーションの促進に向けて、適切な対応を図る必要があると認識させていただきました。
また、現在の薬価制度では、市場実勢価格が薬価に反映されますが、人件費や物流費など、安定供給や品質管理に必要なコストの上昇については、市場実勢価格に十分に反映することができておらず、不採算生産・流通や逆ざやなどにつながっており、現行の最低薬価の引上げや不採算品再算定では、課題の解消には至っていない状況だということも受け止めさせていただきました。
そこで、JGAさんと卸連さんへ質問させていただきたいと思います。
今、お話ししたような状況を踏まえて、物価対応を念頭に置いた薬価の引上げについて言及がありましたが、対象範囲や引上げ幅など、具体的にお考えがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
もう一つは、人件費や設備投資費、物流費、製造原価は上昇が続いていることで、人材確保や安定供給などにどういった課題が生じているのか、また、今後生じる懸念について、既にお答えいただいているところもあるかと思いますけれども、補足いただければと思います。
以上です。
○菅原部会長
ありがとうございます。
それでは、まず、卸のほうから行きますかね、よろしくお願いします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
実際に公定価格の中で、こういったものが価格に転嫁できているかというと、非常に厳しいところがございます。これは、価格交渉の工程の中でもそういった部分があるわけでございますが、私どもとしては、具体的に引上げ幅は何%にしてくださいとか、こういったものは、議論の中で決めていただければいいのかなと思っていますが、再三申し上げているとおり、重要供給確保医薬品、そして、不採算品再算定品、薬価20円未満の低薬価品が製造できなくなった場合に供給ができない、あるいはその供給をするための供給コストが賄えない、こういった状態が続くことが、患者にとって非常に不利益を被ることになるだろうということでございますので、ぜひこの点、1つ目の御質問のところは、そういうところを物価対応の中で考えていただきたい。
それから、人件費について、賃上げは我々も営業努力の中でやっておりますが、先ほどお示ししたように、流通コストは販管費を乗せた部分、これは、業界として非常に効率を上げながら、販管費を抑えているわけでございますけれども、やはり、我々健康産業のインフラだという認識をしている中では、こういった人材が確保できない、あるいは若い人材が、将来があまり見通せないので離職を考えてしまうとか、こういったアンケートの結果等が出ている中で、やはり大切なのは医療産業を支える人材の確保、育成、これは継続して、私たちも投資をしていく必要があると、そのように考えているところでございます。
以上であります。
○菅原部会長
ありがとうございます。
続きまして、ジェネリック協会からよろしくお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
ありがとうございます。
どの程度の上昇率が適当かという部分に関しましては、これまでも消費者物価指数にスライドという話もさせていただいたところではありますが、消費者物価指数と、我々の原材料価格の高騰具合、それから、製造経費の高騰具合というのは必ずしも一致するものではございませんので、いわゆる不採算品再算定の取組の部分を御理解いただければと思うところです。
現在、不採算品再算定の適用をしていただくためには、過去の原材料価格の実際の数字をお出しすることになるわけですし、製造経費につきましても、過去の製造経費の平均値を基に出しております。現在の数値ではないということも御理解をいただきたいと思いますし、それから流通経費におきましても、これも一定数の比率で算定をされますので、低薬価品の流通経費と、高薬価品の流通経費が同じ比率になってしまっている。
これが、やはり、先ほどもお話にありました20円以下の薬価における流通経費が賄えない状況になっているということを反映するものだと思いますので、この不採算品再算定の部分の適用を見直していただくというのが、私どもの期待でございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
そのほか、御質問等ございますか。
佐竹委員、お願いいたします。
○佐竹委員
ありがとうございます。
本日は、御説明をありがとうございました。基本的には、皆様の御説明につきましては、薬価改定というものを前提としてのプレゼンテーションであったと考えまして、非常に感謝を申し上げたいと思います。
質問なのですが、共通の内容が1点、それから薬-2の資料に基づきますMFN関係で2点、それとヨーロッパ関係の近況について1点、最後に卸売関係の薬-4に関する1点、合計5点の御質問をさせてだきたいと思います。
まず、1点目ですが共通の関係でございます。物価、人件費の上昇により、コストが増加していること、あるいは創薬イノベーションや、安定供給に御努力をいただいていることにつきましては、一定の理解ができました。ありがとうございます。
しかしながら、今回の御説明の内容につきましては、相対的に薬価を引き上げる改定だけを実施していただきたいという内容と理解をしております。
健保連といたしましては、実勢価格の改定の範囲を広くすること、それから、薬価の引上げと引下げ、これを全体として幅広くルールを適用して、メリハリをつけて対応していくことによって、国が推進しております現役世代、被保険者の負担軽減、これらの実現、その上で創薬のイノベーション、薬価供給のバランスを取る必要性があると考えております。
つきましては、こういった内容を踏まえて、皆さんにというか、代表の方でもいいのですが、それぞれの立場で、こういった御認識、それから、こういった点に対する御意見をいただければと思います。
続きまして、薬-2の資料に関しての内容ですが、まず1点目、米国のMFNについては、多くの説明をいただいております。
薬-2の7ページを見ますと、特にオレンジのところですけれども、日本の価格がとりわけ低いわけではないと見えます。実際にMFNで日本の価格を参照した米国価格の引下げが行われているような実績が実際にあるのかどうか、それとも、現時点ではメーカーとしての危機感、リスクという考え方の内容なのかということを教えただければと思います。
続いて、MFNを受けまして、日本向けの開発をちゅうちょしているというか、取り止めという内容の御説明がございました。日本での売上がないことによる影響、こういったものが業界の中でどのように考えておられるのかという点、教えていただければと思います。
薬-2は最後ですが、11ページにヨーロッパの主要国の近況が紹介されております。日本では、近年の薬価制度の改革で創薬イノベーションの評価というものを充実させてきたという経緯もございます。また、薬事承認から原則2か月で薬価収載するという日本での優れたと思われる運用などもございます。
そういった日本の市場におけるメリットというものを、今までは非常にデメリットばかりが多く語られましたが、メリットというものもあると思いますが、そういったことをどう考えていらっしゃるのかという点を教えていただければと思います。
最後ですが、薬-4の卸売関係でございますが、資料の中のページ10、参考の部分でございますが、こちらを見ますと、薬価差が圧縮傾向にあると書かれております。特に別枠が設定されているグループで薬価差が小さくなっているということが示されておりますが、依然として、この薬価差が大きいというのは、どういったグループの中にあるのかということ。また、最低薬価品の薬価差が縮小しているとはいえ、まだまだ平均を超えているという部分については、なぜ、この最低薬価品が超えているのかという点について教えていただければと思います。
以上、5点でございます。
○菅原部会長
ありがとうございます。
少し時間も押してまいりましたので、既に御説明をいただいているポイントというのもあると思いますので、大変恐縮ですけれども、今の5つのポイントを端的に御回答いただければと思います。まず、共通項目ということで、日本製薬団体連合会のほうからよろしくお願いいたします。
○安川日本製薬団体連合会会長
1つ目の回答でございますけれども、まず、今回制定された骨太の第3章の責任ある積極財政に基づく中長期経済財政計画の第2項が、全世代型社会保障の構築でございまして、そこの冒頭部分に、我が国の社会保障制度も成長型経済に合わせて持続可能な設計に変えなければならないという一文がございます。この成長基調に入った我が国でございます。それで、持続可能というところは、当然、制度もありますけれども、製薬業界の持続可能性ということも含まれているのだと我々は認識しております。
その観点から、今、各セクションにおけます危機的な状況というのは御説明したとおりでございますので、ここでは重複を割愛させていただきます。
多分、財源のこととかが気になっていらっしゃると思うのですけれども、これは、7月の夏に行われた国会討論、それから、その後の報道、政治アナリストの記事なども大変たくさん読まれていることと思います。我々が言及したいのは、過去5年間で一般会計税収が60.8兆円から84.2兆円、24兆円ほど増えております。この社会保障の維持を、何も薬の値段を下げることだけではなくて、やはりこの増収分をちゃんと引き当てていただいて、取り過ぎた分、取り過ぎではないかもしれませんけれども、取って余りある分は、ちゃんと国民に還元する、その還元の1つは、社会保障の面の、要するに社会保障費を上げなくても、サービスレベルが上がるというところに、私どもは使っていただきたいと、切に要望する次第でございます。
本当に緊縮志向の流れを断ち切っていただいて、一番大切な国民の皆様により深刻な不利益が出てしまうという懸念を払拭していただくような議論をしていただきたいと思っております。これが1番目の回答でございます。
○宮柱日本製薬工業協会会長
製薬協のほうから1点目のところ、新薬団体の立場から回答申し上げます。
おっしゃられるとおり、医療保険制度の持続可能性を鑑みて、やはり創薬イノベーション、安定供給、そして国民負担の軽減、これをしっかりと考えていくことが重要であるというところは、我々も認識をしておるところでございます。
本日御紹介をさせていただいたとおり、一方で、現在、特に創薬、新薬を取り巻く国際環境、そして政策の方向性そのものが大きな転換期にあり、日本政府においても、やはり創薬を成長産業として位置づけ、研究開発投資、そして、イノベーションを呼び込むことで、日本の経済成長、そして、国際競争力の強化につなげていく方針を示されていると、我々は認識をしております。
そのような中で、これまでと同様に、薬価引下げによる財源捻出を続けるだけでは限界にきておるということを改めて申し上げたいと思いますし、我々新薬の団体としては、医療保険制度の持続可能性を大前提としながらも、本日3団体からお示しした国際情勢の激しい変化、そして、何よりも私どもは日本の患者さんに革新的な医薬品を継続的にお届けできる環境をどうやってつくるか、これを議論させていただきたいと申し上げさせていただきました。
そこで、2027年度の薬価改定等においては、特許期間中の製品の薬価を維持し、そして市場実勢価と連動しない薬価引下げを行わないことをお伝えしましたし、MFNに関しては、機動的な対応をぜひ議論をさせていただきたいということをお伝えいたしました。また、これも引き続き、皆様とともに議論させていただきたいと捉えています。
○菅原部会長
大変申し訳ないのですけれども、予定の時間を少し過ぎておりますので、回答は本当に一言ずつ手短によろしくお願いいたします。
MFN関係を1団体ずつ、よろしくお願いいたします
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
MFNの7ページの日本の価格がとりわけ低いことではないのではないか、実際の事例があるのかということですけれども、日本は、おっしゃるとおり群を抜いて低いわけではございませんが、ただ、高いグループ、低いグループというと、低いグループのほうにおりますので、製品バイ製品で見ていったときに一番低い薬価もしくは2番目に低い薬価が起こり得るものだと思っております。
実際に、米国の価格が下がった品目はあるのかということに関しましては、現時点では、我々は、そのような話は具体的に聞いておりませんが、日本の薬価が米国の価格に大きく影響する場合には、日本での収載上市を保留する判断にならざるを得ないケースがあり得るかと思います。
1つ重要なことが、MFN政策では市販後の価格も定期的に参照されますが、昨年2025年の4月から今年2026年の3月の間の外国薬価を基に、来年、2027年1月から12月のMFN価格が決定されることになっていますので、今後、日本の価格が米国価格に影響する事例が出てき得るものだと思っております。
○菅原部会長
ありがとうございます。
それでは、ヨーロッパをEFPIAさんからお願いいたします。
○ジョンポール欧州製薬団体連合会会長
時間も限られているということですので、もう既に宮柱様、そして、ほかの団体から御説明があった点については、私のほうでは、あえて申し上げません。EFPIAのみについて御質問があった点、ヨーロッパについて御質問のあった点について回答させていただきます。
そして、この2024年度の薬価制度改革、そして、薬事承認から薬価収載まで原則2か月という、この短い時間で実現することというのは、本当にすばらしいことです。そして、これによって、革新的な医薬品を日本にもたらすことができることにおいて、大変大きな貢献があると思っております。
そして、一方、このアメリカのMFNの改革政策についてですけれども、我々を取り巻く環境というのは大きく変化しています。ですので、我々は、この大きく変わっている環境にちゃんと対応することができるように、我々の政策も適したものにしていかなければいけないと考えております。
そして、このMFNが言っているのは、日本、そして、ヨーロッパの国々などが、この革新的な医薬品をしっかりとその革新性を評価する、そういう環境をつくる必要があるということだと思います。
そして、一番大切なのは、この革新的な医薬品を日本の患者様へしっかりとお届けするということ、私どもの日本の医薬の制度の枠組みの中でということです。これを最後の言葉とさせていただきたいと思います。
○菅原部会長
ありがとうございました。
最後、卸についての御質問があったのですけれども、これまで大分、卸売業界の御回答いただいておりますので、その回答につきましては、割愛させていただいてよろしいでしょうか。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
1点だけ、よろしいでしょうか。
○菅原部会長
では、本当に手短によろしくお願いいたします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
最低薬価品が平均乖離率を上回っているという、この時点での調査では、別枠品扱いになっていなかったという部分があって、単品単価交渉から除外されていた可能性が非常に高かったということで、令和8年度からデータベースの中に最低薬価品もフラグを立てて、医療機関あるいは卸、交渉する双方が分かるような形で交渉の形態をつくるような形で、今、進めておりますので、圧縮の方向に乖離が広がらないような形で交渉していきたいと、そのように考えております。
以上であります。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、本日の関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきたいと思います。
今後、事務局におきましては、大変多くの御意見をいただきましたので、このような御意見を踏まえて、御対応いただくようお願いいたします。
本日の議題は以上となります。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡することとし、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
おはようございます。ただいまより、第248回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告いたします。
本日は、全委員が御出席です。
次に、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○西嶋医療課長
事務局でございます。
8月7日付で事務局に交代がございましたので、御報告させていただきます。保険局の異動でございます。
現在、公務のため欠席しておりますが、まず、森大臣官房審議官(医療保険担当)でございます。
若林総務課長でございます。
続きまして、久米保険医療企画調整室長でございます。
大原薬剤管理官でございます。
最後に、私、医療課長の西嶋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○菅原部会長
ありがとうございます。
では、会議冒頭の頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は、関係業界からの意見聴取を行います。関係団体として、日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、日本ジェネリック製薬協会、日本医薬品卸売業連合会より意見を聴取するため、意見陳述者一覧に記載の皆様に御出席をいただいております。
まず、関係団体の皆様よりプレゼンテーションしていただき、その後に質疑を行いたいと思います。
関係団体の皆様は、最初に自己紹介を行った上で、時間厳守でプレゼンテーションをお願いいたします。円滑な議事進行に御協力ください。
それでは、まず、日本製薬団体連合会よりお願いいたします。
○安川日本製薬団体連合会会長
おはようございます。日本製薬団体連合会会長の安川でございます。
本日は、業界からの意見を申し上げる機会を賜り、誠にありがとうございます。
まずは、去る7月28日に発生いたしました熊本地震並びに8月の千葉豪雨に被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
被災地の最前線で医療の提供に当たられている医療関係者の皆様、医薬品の供給を懸命に支えておられる医薬品卸の皆様、さらに復旧に御尽力いただいている全ての関係者の皆様の努力に敬意を表します。私ども製薬業界は、被災地への医薬品の安定供給に総力を挙げて取り組んでまいります。
次のスライドをお願いします。
製薬業界では、今回のような自然災害や、近年激しさを増す地政学的リスクによる有事の際においても、国民の皆様の医療を支える医薬品安全保障体制を構築するため、本年7月1日付で、日薬連会長直下の組織として、医薬品安全保障特命本部を設置いたしました。
7月21日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2026、いわゆる骨太方針には、医薬品安全保障に関係する内容として、経済安全保障上の面から懸念されるあらゆる事態を念頭に、医薬品等の国民生活、産業活動の維持に必要な物資、海上輸送等の物流を含めた社会インフラ基盤について、リスクの総点検を包括的なアプローチで行い、その結果明らかとなる脆弱性を解消するための措置を講じるとし、経済合理性に委ねると安定供給確保が困難な領域については、国によるさらなる支援の方策についても検討すると明記されています。
そのほかにも、供給確保の必要性が高い医薬品の国産化等による安定供給、危機対応医薬品の製造・備蓄の強化などの記載がございます。
医薬品の安全保障については、既に春先より日薬連から政府関係者の皆様に対して提言を差し上げ、結果として、その多くを骨太に反映していただきました。ここに感謝を申し上げます。また、今後も政府及び関係各省庁と連携し、加盟団体一丸となって医薬品、安全保障体制の実現に向けて取り組んでまいります。
3ページをお願いします。
医薬品を取り巻く環境につきまして、地政学的リスク、インフレに伴う物価の高騰はさらに拡大しており、製薬産業を取り巻く環境は、昨年よりもさらに厳しさを増しております。
まず、インフレ対策について医薬品の特徴を御説明いたします。医薬品の製造原料調達先、製造工場、製造に使用する設備は、製造販売承認の1項目であるため、経済合理性追求のために企業側が勝手に変更することは不可能であり、一般的な消費財のような製造工程の変更による製造原価低減ができません。また、供給量の調整による低減努力も、安定供給という社会的責任のもと不可能です。
すなわち、企業努力のみでコスト上昇を吸収することが非常に難しく、限界があることを、まず御承知おきください。
加えまして、昨今、米国のいわゆるMFN価格政策により、我が国の医薬品アクセスや創薬環境への影響が懸念されている状況です。詳細につきましては、後ほど製薬協、PhRMA、EFPIAの3団体より説明をいただきます。
このような状況は、近年、改善方向にあったドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス、安定供給の状況を再び悪化させ、国民の皆様に不利益を生じさせることになりかねません。この環境変化への対応が喫緊の課題であると考えております。
次のスライドをお願いいたします。
4ページ、左下のグラフでございますけれども、企業物価指数の総平均が2020年から31.8%上昇する一方で、医薬品は、毎年の価格改定の影響により、17.4%下落しております。国内においては、物の価格が上がる一方で、医薬品の価格は下がり続けており、言わば経済の動向と逆行していることが分かります。
右下のグラフですが、医薬品の製造原価について調査した結果、各社は当然原価低減に懸命に取り組んでいるにもかかわらず、2020年度から20.6ポイント上昇していることが分かりました。製造原価が上がる一方で価格が下がる、このようなトレンドは製造設備、研究開発に対する十分な投資の確保が困難となっている状況が医薬品産業に起きていることを示しています。
特に一部のメーカーにおいては、既に施設老朽化への投資対応が困難になっており、安定供給どころか、医薬品の製造そのものが不可能となりかねない危機的状況に陥っております。
次のスライドをお願いします。5ページ目です。
医薬品の通常の取引において、薬価は事実上の上限価格となるため、コスト増を価格へ転換することは極めて困難であり、特に、昨今の継続した物価高騰の環境下においては、既に利益が見込めない赤字での販売をせざるを得ない品目が増加している状況にあります。最近行った調査によりますと、後発品の約4割が赤字に転落しております。
このような状況において、薬価差があることを理由に薬価の引下げが行われてしまえば、さらなる不採算品目を生み出し、医薬品製造業としての活動すらままならない企業を生み出すことにつながります。また、今後の革新的新薬を生み出すための投資も縮小し、ドラッグ・ラグ/ロス再燃の懸念は一層深刻なものとなります。
繰り返しになり恐縮ですが、非常に重要なことですので、改めてお伝えいたします。物価の高騰、製造原価の上昇を企業努力のみで吸収することは、もはや限界であります。今、このタイミングで薬価を引き上げることが必要であると強く申し上げます。
スライドの6ページ目でございます。
令和9年度薬価改定について、今、日本の医療を守るために特に重要と考える薬価上の対応は、以下の3点でございます。
前述の経済、政治状況に鑑み、今回の薬価改定では、薬価の引下げを前提とするのではなく、まずは全ての薬価基準収載医薬品について、物価高騰、製造原価上昇等のインフレ分を上乗せする、すなわちベースアップが必要です。
その上で、特に特許期間中の新薬につきましては、再算定や費用対効果評価による価格調整といった引下げルールの適用を凍結すべきです。物価高騰に加え、米国MFN価格政策による医薬品アクセスや創薬環境への懸念を踏まえれば、特許期間中の新薬の価格引下げを行うべきではありません。
基礎的医薬品や後発品など、下支えの必要な医薬品につきましては、ベースアップをした上で、なお不採算にあるものに対して、不採算品再算定を確実に実施し、赤字品目を解消する必要があります。
加えて、ベースアップした基礎的医薬品の薬価が改定により引き下げることのないよう、基礎的医薬品のルールも確実に適用すべきです。
前述のとおり、去る7月21日に、骨太方針2026が閣議決定されました。この第3章、責任ある積極財政に基づく中長期経済財政計画の冒頭に、成長戦略によって目指す経済財政の姿として、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る必要があると明記されております。
加えて、同章には、医療、介護など公定価格について、現場の人材確保、経営の安定、サービスの質の確保に必要な対応を進めて、あわせて予算、税制における各種基準額や閾値について、物価・賃金上昇や経済社会の変化を踏まえ、必要な点検、見直しを進めるということも明記されています。
さらに、7月10日に開催された官民協議会においては、総理よりMFN価格政策について、国民や患者の皆様に革新的医薬品が迅速に届くように確実に対応していくとのお約束もいただいており、骨太方針と併せ、政府として積極的な対応を推し進める方針であると理解しております。
まさに、今、緊縮志向の流れを断ち切らなければ、さらなる供給不安、ドラッグ・ラグ/ロスの悪化を招き、国民の皆様により深刻な不利益が生じてしまうおそれがあります。
今般の薬価改定に関わる議論におきましては、政府の方針を十分踏まえた御議論をいただき、業界要望について確実な実施をいただきますよう、強くお願いいたします。
私からは以上でございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会より、お願いいたします。
○宮柱日本製薬工業協会会長
皆様、おはようございます。日本製薬工業協会の宮柱です。
私からも一言、今回の熊本地震、そして、千葉豪雨で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧、そして、復興を願っております。
本日は、中医協薬価専門部会において意見陳述の機会を賜り、誠にありがとうございます。
日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の3団体を代表し、まずは私から意見を申し上げます。
創薬を取り巻く国際環境が、これまで以上に大きく変化しており、日本の患者さんへ革新的な医薬品を継続的にお届けしていくために、今、必要な市場環境の整備について、製薬団体の考えを申し上げます。
スライドの2枚目をお願いします。
御承知のとおり、革新的医薬品は基礎研究から創薬研究、臨床開発、生産、上市まで長い時間と巨額な投資を経て患者さんに届けられます。患者さんへ革新的医薬品を継続的に届けていくためには、研究や治験だけではなく、生産や市場環境を含めて一体的に捉えることが重要です。
特に市場環境は、次の研究開発投資を呼び込み、創薬サイクルを回していくための重要な基盤となります。薬価制度は、単なる価格決定の仕組みではなく、創薬エコシステム全体の持続性を支える重要な基盤であり、その重要性は、今、これまで以上に高まっております。
スライドの3枚目をお願いします。
そして、今、日本での創薬を取り巻く政策動向も大きな転換点を迎えております。本年7月の創薬力向上のための官民協議会では、日本の医薬品市場をより魅力的な市場へ進化させること、そして、革新的新薬に対する評価をさらに進めることが、高市総理からも力強く示されております。
加えて、骨太方針2026においても、初収載時の適切な評価、特許期間中の薬価の在り方を含めた革新的新薬のイノベーションのさらなる評価について検討を進めることが明記されております。
さらに、米国の最恵国待遇価格政策を踏まえ、必要な医薬品が確実に上市される環境整備を進めることも示されました。私どもは、こうした政府の方向性を強く支持しており、そして何より重要なのは、これらの方針を着実に実現していくことです。その実現に向けて魅力的な市場形成を支える薬価制度の構築が不可欠です。
スライドの4枚目を御覧ください。
こちらのスライドは、2000年頃から2024年における医師から見た治療満足度と薬剤貢献度調査の結果を示したものです。
御覧いただきますように、革新的医薬品が、患者さんの治療環境の改善や治療選択肢の拡大に大きく貢献をしてまいりました。例えば、がん領域では、近年、新たなモダリティーや革新的な薬剤の開発が進み、治療満足度の向上に加え、治療成績も大きく改善しています。実際にがん患者さんの5年相対生存率は着実に改善しており、現在では全がんで約65%に達しています。
一方で、いまだ十分な治療法が確立されていない疾患領域は数多く存在しております。私どもは、そうした患者さんに対し、これからも革新的医薬品を迅速にお届けできるよう取り組んでいきたいと考えております。
そのためには、革新的医薬品が継続的に開発され、日本が新薬の開発、そして上市の場として選ばれ続ける市場環境を整備していくことが重要です。
そこで、次に、現在の薬価制度を取り巻く課題と国際環境の変化について申し上げます。スライドの5枚目を御覧ください。
私どもは、これまでも魅力的な市場環境を構築するため、収載時におけるイノベーション評価の充実や、特許期間中の薬価の維持の必要性について申し上げてまいりました。
そして、現在、革新的医薬品を将来にわたり、日本の患者さんへ確実に届け続けていくという観点から、創薬を取り巻く国際環境が大きな転換点を迎えています。
米国や中国をはじめ、各国は創薬を国家の成長戦略の中核に位置づけ、研究開発投資や産業基盤整備、イノベーション評価の強化を進めています。
世界的に創薬投資の獲得競争が激化する中、日本の相対的な競争力や市場としての魅力が厳しく問われる状況になっております。
加えて、米国では最恵国待遇価格政策、いわゆるMFN価格政策が導入され、日本を含む各国の薬価がグローバルな開発上市戦略に直接影響を及ぼす新たな局面に入りました。その影響は、日本市場においても顕在化し始めています。
続いて、MFN政策については、PhRMAの五十嵐委員長から御説明いただきます。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
PhRMA米国研究製薬工業会の委員長を務めております、ファイザー株式会社の五十嵐と申します。
まずは、私からも熊本地震で被災された皆様へのお見舞いと、一刻も早い復興を祈念いたします。
本日は陳述の機会をいただき、ありがとうございます。先ほど、製薬協の宮柱会長から政府が日本の医薬品市場をより魅力的にしていく方針を示しているということ、その一方で、骨太の方針等において、アメリカMFN政策導入による日本への影響に対する懸念が示されている旨の紹介がございました。
政府は、先日、日本成長戦略を定め、日本の特許品市場を先進国並みに成長させ、創薬エコシステムを活性化させる方針を表明しております。私どもとしましても、こうした背景を踏まえての薬価制度に関する議論を、ぜひ、中医協でお願いできればと思っております。
一方、その中のMFN政策につきましては、これまで中医協の場で具体的な紹介がなかったと聞いております。そのため、今回私の方からMFN政策の概要について、まず、御紹介させていただき、その後に、MFN政策を受けたPhRMAの会員企業の状況について御報告申し上げたいと思っております。
資料の6ページを御覧ください。MFN政策の概要をまとめております。
MFNとは簡単に申し上げますと、アメリカのトランプ政権が新たに導入した海外の薬価を参照して米国の薬価を決定する方式のことでございます。
資料の右側を御覧ください。価格が参照される国は制度により異なりますが、例えば、GENEROUSという制度では、日本、カナダ、欧州6か国の計8か国の価格が対象となっています。他のMFNの制度でも、日本が参照国に含まれます。
そして、この表の一番下にございますように、これら参照国の中で価格が最も低い国、あるいは下から2番目の国の価格を基準にアメリカの価格を設定することになっております。
ただし、国ごとの所得水準や物価の差がございますので、参照国の薬価を単純にそのまま比較参照するのではなく、各国の所得水準、物価水準の違いを考慮した、GDP-PPPの値で補正した価格を参照する仕組みとなっております。これについては、次のページで事例を踏まえて御説明します。
また、MFN政策は新薬に限らず、既に販売されている薬も対象としております。また、上市時に限らず、市販後も参照国による価格を継続的に捕捉し、米国価格を調整する仕組みとなっております。
次の7ページを御覧ください。
このページでは、トランプ政権が、このMFN政策を導入するに至ったとされる背景について御紹介いたします。
トランプ政権は、この政策の導入意図として、イノベーションの費用は各国で公平に負担されるべきということを挙げております。左側のグラフは、OECD諸国における革新的医薬品の収益の国別の割合を示したものになりますが、創薬イノベーション費用の3分の2をアメリカ国民が負担する構造になっており、アメリカ以外の高所得国の負担割合が低いことが課題とされております。
右側では、医薬品価格の国際比較分析を行った一例をお示ししております。これは、研究者が一定の前提を置いて推定したものになりますが、米国の公的保険、メディケイドの価格を100とした場合の各国の価格を示したグラフになります。
各国、2つの色の棒グラフがございます。左側のグレーのものは、各国の価格を米国と単純比較したもの、右側のオレンジは先ほど御説明した各国のGDP-PPPの値で補正した価格を比較したものでして、MFNでは、このオレンジ色の方の値を用いて価格を比較参照することになります。
現在は、このように米国価格が、他の参照国の価格よりも高い水準となっておりまして、トランプ政権では、MFN政策を通じて、各国は、このオレンジの棒の高さを上げていくことで、各国の経済規模等に合った相応のイノベーション費用の負担を求めているものと考えられます。
8ページにお進みください。
ここからは、MFN政策導入における日本国内のPhRMAに加盟する米国系、欧州系、15社への影響の状況について簡単に御報告します。
次の9ページにお進みください。
MFN政策で、日本が参照国に含まれた影響は大きく、既に国内会員企業の3分の2の企業において、個別製品の日本での収載上市に関して、MFN政策を踏まえての具体的な対応が検討されている状況でございます。
次に、その具体的対応の内容を右側にお示ししております。MFN政策により、日本における薬価が世界最大の医薬品市場であるアメリカの価格に波及することから、各企業とも日本において、米国価格に影響を与えない水準の薬価の確保が求められております。米国価格との乖離が大きい場合には、日本の新薬の収載上市を断念せざるを得ない方向性も示唆されております。日本の患者さんの新薬へのアクセスが難しくならざるを得ない状況となることについて、私どもも大変深刻に憂慮しているところでございます。
次に、10ページにお進みください。
さらに、この先、開発が進められている将来の新薬パイプラインに関しましても、既に国内開発の遅れや見送りといった影響が、既に幾つか報告されていることをこちらでお示ししております。
こうしたMFN政策をめぐる環境変化も御理解いただきつつ、冒頭申し上げた魅力ある日本市場づくり、創薬イノベーションのさらなる推進を通じて、日本の患者さんが、引き続き迅速に医薬品にアクセスできる環境が図られるよう、機動性がある薬価制度改革をお願いしたいと思っております。
私からは以上になります。
続いて、MFN政策を受けた欧州国内の状況について、EFPIAのプリシーノ会長からお願いいたします。ありがとうございました。
○ジョンポール欧州製薬団体連合会会長
どうもありがとうございます。私、欧州製薬団体連合会のジョンポール・プリシーノでございます。陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まずは、このたび災害の影響を受けられた皆様に、私からもお見舞いを申し上げます。
それでは、私からは、欧州の動向を御紹介させてください。
そして、先ほど、宮柱様からもMFNのところでおっしゃっていたように、欧州にどのような影響があるのかということをお話しさせてください。
創薬における競争が激化している一方で、薬価において国際的な影響力が強まっています。そして、このイノベーション価格、日本の薬価というのが、アメリカなどの国々にも影響を与える、そのような状況になってきております。
これは、製薬業界の問題というよりも医療制度の問題だと考えます。日本、そして、ヨーロッパ、このMFNに関係ある全ての国々が公的部門と民間部門横断で可能な対策を特定する、そういうことを、今、し始めているところでございます。
この直面している課題は同じではございますけれども、国によってアプローチが異なっております。
英国におきましては、積極的にアメリカと2国間合意を締結しました。そして革新的医薬品に対する支出を増やし、薬価政策へのマイナスの影響を軽減することを明確にコミットしております。
フランスとデンマークにおきましては、開かれた対話が提案されています。日本の官民協議会ととても似たようなアプローチが取られております。
スイスとスウェーデンにおきましては積極的な提案、例えばですけれども、基金の設定もしくは政策での解決策が提案されました。
ドイツにおきましては、さらなる薬価抑制策が取られました。それによりまして、いろいろな課題に直面しております。そして同時に、USTR、米通商代表部による通商法に基づいた調査が開始されました。
対応は国によって異なっておりますけれども、直面している課題は同じです。
そして、このMFNは無視することはできません。全ての国は解決策を検討しなければいけません。日本の患者様にしっかりと医薬品へのアクセスを御提供することをしていかなければいけません。
私たちは、この創薬をしっかりと支援し、このドラッグ・ラグとドラッグ・ロスを最小限に抑えていかなければいけないと考えております。
今、まさに重要な時期を迎えていると考えております。日本がライフサイエンスの重点国であり続けること、そして、この創薬力を強化していくことが重要だと考えております。
御清聴ありがとうございました。
それでは、宮柱様へお戻しいたします。
○宮柱日本製薬工業協会会長
スライド、12枚目です。
続いて、製薬協常任理事会社16社を対象に実施した米国MFN政策の各社における協議、検討状況の調査結果をお示しいたします。
臨床開発や開発戦略への影響について、既に影響がある、または今後影響が想定されると回答した企業は93.8%でした。
具体的には、海外からの導入案件の減少、臨床試験の縮小や実施見直し、さらには、申請、上市時期の見直しといった影響が生じ始めています。
一方で、機動的な薬価対応が行われた場合、日本市場への評価や投資が前向きに変化すると回答した企業は87.6%に達しました。
特に、新薬開発投資の拡大や、グローバル同時開発の加速、研究開発や製造設備への投資強化などにつながるとの意見が多く寄せられています。
この結果は、米国MFN政策が既に企業の開発戦略や投資判断に影響を及ぼし始めている一方で、適切な制度対応が行われれば、日本への研究開発投資や新薬開発をさらに促進できる可能性があることを示しております。
だからこそ、今、日本の患者さんへの革新的医薬品のアクセスを将来にわたり確保していく観点から、市場環境の整備と機動的な薬価上の対応が極めて重要であると考えております。
スライドの13枚目をお願いいたします。
最後に、2027年度薬価改定に対する私どもの考えを申し上げます。
骨太方針2026に記載のとおり、初収載時における適切な評価や市場拡大再算定、持続可能性特例価格調整等をはじめとする特許期間中の薬価の在り方を含め、革新的新薬のイノベーションのさらなる評価について検討を進めていただきたいと考えております。
2027年度薬価改定においては、従来より申し上げているとおり、特許期間中の製品に対する薬価引下げや市場実勢価と連動しない薬価引下げルールは実施すべきではないと考えております。
さらに、令和8年度薬価制度改革の骨子に記載された米国MFN価格政策への機動的対応については、早急に具体的な薬価上の対応の検討、実行をお願いしたいと考えております。
具体的には、新薬収載時におけるイノベーション評価の在り方や、外国価格調整ルールの見直し、さらに、特許期間中の価値を適切に評価する制度の在り方について検討を進めていただきたいと考えております。
日本の患者さんへ革新的な医薬品を継続的に届けることができる環境を維持、強化していくため、魅力的な市場形成を支える薬価制度の在り方について、引き続き皆様と議論を進めてまいります。
以上、製薬協、PhRMA、EFPIA、3団体からの発表となります。ありがとうございました。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本ジェネリック製薬協会よりお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
日本ジェネリック製薬協会の川俣でございます。本日は、業界意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございます。
私からも熊本地震、それから千葉豪雨で被災された皆様には、お見舞いを申し上げます。一刻も早い復旧をお祈りいたします。
一方で、医薬品のサプライチェーンにも一定の影響を与えてしまったことを非常に残念に思っております。私どもとしても、一刻も早い復旧に取り組んでまいりたいと思います。
それでは、資料の2ページ目を御覧ください。
安定供給責任者会議を通じた協会内の取組ですとか、会員企業間の連携・協力、品目数の適正化など、持続可能な供給体制の再構築に向けて取り組んでまいりました。
しかしながら、物価高騰の影響は、企業努力のみで吸収できる限界を超えており、安定供給のための継続的な投資も不可欠になっております。
本日お伝えしたい最大のポイントは、物価高騰をはじめとする急速な環境変化を適切に反映し、将来にわたり持続的な安定供給を可能とする薬価上の手当、仕組みが必要であるということでございます。
資料の3ページを御覧ください。
カテゴリー別の限定出荷比率の推移を示しております。各社の企業努力に加え、厚生労働省や、業界全体での連携によりまして、後発品の限定出荷率は、2023年4月の23%から、直近では9%まで低下し、着実に改善をしてまいりました。今後もこの改善傾向を継続させるべく、取り組んでまいります。
資料の4ページを御覧ください。
当協会では、安定供給責任者会議を毎月開催いたしまして、限定出荷解除に向けた検討を行ってまいりました。本年4月からは、安定供給支援システムの運用を開始し、他社での供給停止や限定出荷が発生した際の迅速な情報共有と、代替供給依頼を行える体制を設けました。
さらに、安定供給ネットワーク会員という会員種別を設け、会員外企業18社にも御参加をいただき、今後さらなる連携の輪を拡大してまいりたいと思っております。
資料の5ページ目を御覧ください。
後発医薬品収載品目数の推移を示しております。課題とされてきた少量多品目生産の構造を見直すため、企業間連携による代替先の確保によって品目集約を進めております。
グラフのとおり、後発品の既収載品目数は2024年度から2026年度までに、率にして約20%減少しておりました。限られた経営資源を重点品目へ配分することで、生産効率向上を図っております。
資料の6ページ目を御覧ください。
しかしながら、原材料や製造経費の高騰に加えまして、サプライチェーン強靱化のためのコスト、それから設備の更新、増強費、さらには人手不足に対応するための人件費の上昇が続いております。公的価格で薬価が定められている医療用医薬品においては、製品価格へ転嫁することができておりません。
資料の7ページを御覧ください。
当協会会員企業において、約4割の品目が不採算に陥っており、そのうち令和8年度改定において、不採算品再算定の適用を受けることができたのは、わずか158品目です。しかも適用を受けられた品目の中でも、約6割がコスト高騰の影響を吸収しきれず、依然として不採算のままとどまっている状況であります。また、今回適用を受けられなかった品目の中には、極めて重要な医薬品も含まれており、現行の適用要件を満たすことが非常に困難な実態が浮き彫りとなっております。
資料の8ページを御覧ください。
最後まとめですが、協会といたしましては、今後とも製造管理、品質管理の徹底、品目数の適正化や企業間連携による生産効率化に取り組んでまいります。
しかし、低薬価品を中心に物価高騰の影響が甚大であり、現行の薬価下支え制度では対応しきれておりません。国民医療を支えるジェネリック医薬品の持続可能な安定供給体制を確立するためにも、薬価上の手当について御配慮をお願い申し上げます。
私からの陳述は以上でございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本医薬品卸売業連合会よりお願いいたします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
皆様、おはようございます。日本医薬品卸売業連合会会長の宮田でございます。
本日は、意見を述べる機会を賜り、中医協及び厚生労働省の皆様に感謝申し上げます。私からも熊本地震、千葉豪雨によってお亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
我々は、全国規模の卸から地域に密着した卸まで多様な会員で構成する連合会として、本日は2点の意見を申し上げます。
第1に、中間年の薬価改定を廃止していただきたい。
第2に、流通コストが公平に負担できるような薬価制度としていただきたい。この2点でございます。
資料に沿って御説明をさせていただきます。次のページをお願いいたします。
医薬品卸を取り巻く安定供給リスクについてであります。
左のグラフは、薬価と流通コストの推移を指数で示したものでございます。青い線は過去の平均乖離率を踏まえた薬価の試算モデルであります。実際の改定は対象が限定されておりますので、下落幅そのものではございません。改定が繰り返されたことによる薬価がどのような軌跡をたどるかを示したものだと、見ていただければと存じます。
オレンジの線は、卸の仕入原価と販管費を合わせた流通コストを示しております。薬価は下がり続け、流通コストが上がり続けている構図となっております。薬価と流通コストの間の差が、医薬品を全国にお届けする卸の原資となりますが、この原資が年々縮小しております。
こうした構図から、医薬品卸を取り巻く3つのリスクを生じさせております。
1つ目は、逆ざやのリスク。
2つ目は、地域への供給断絶のリスク。
3つ目は、医薬品の品質担保の低下のリスクです。
それぞれ次のページから御説明申し上げます。
逆ざやのリスクについてであります。仕切価が薬価を上回る品目の割合が3年続けて上昇しており、直近では6.9%となっております。卸が仕入れた段階で既に公定価格を超えているということを意味しております。
また、右の表にあるように、不採算品再算定品、つまり採算が取れないということで、薬価を引き上げていただいた品目のうち、薬価20円未満のものでは、26.5%が逆ざやとなっております。薬価下支えの効果が流通の段階まで十分に届いておりません。
また、割合は低いものの、医療上の必要性の高い重要供給確保医薬品ですら、卸の仕入れの段階で逆ざやが発生している状況であります。
4ページを御覧ください。
次に、地域供給の断絶リスクについてであります。医薬品流通に関わるデータの推移を3つのグラフで表しております。
人件費や物流費では、派遣料や配送費用の上昇が顕著であります。特に右端のグラフでは、至急配送の減少が顕著に示されております。これは、卸の効率化が進んでいるということではございません。得意先の御要望に応えきれなくなっているということでございます。
また、配送拠点については、集約の余地のある地域と元より余地のない地域とがございます。地域での供給を担う卸では、拠点がもともと限られており、集約という選択肢自体がございません。供給断絶のリスクが続いた場合、地域によっては、必要な医薬品が必要なときに届かない事態が生じかねません。
5ページを御覧ください。
次に、品質担保のリスクでございます。医薬品卸は薬機法に基づき、医薬品の品質を保つ責任を負っております。加えて、GDPという国際的な基準への対応も求められております。品質担保のためには不断の設備投資が欠かせません。
真ん中に3つの投資項目を挙げております。設備の維持、物流の高度化、そして危機管理物流です。厳格な温度管理、トレーサビリティ、非常用の電源、サイバーセキュリティ、これは、いずれも20年前には求められていなかったものであります。
ここで申し上げたいのは、これらが経営判断としての投資ではなく、法令と国際的な基準を満たすために行わざるを得ない投資であるということでございます。こうした基準への準拠は、企業規模の大小を問わず一律に求められ、規模の小さい医薬品卸ほど、投資1件当たりの負担は多くなります。
左に示しているとおり、投資額は2023年度を100とした場合、2025年度では157まで増加しております。
右端の類似の投資案件での比較では、投資単価は130程度まで上昇をしております。求められる水準が上がり、その単価も上がっている、この二重の負担が、規模を問わず全ての卸に生じております。
最後に意見でございます。
1、中間年の薬価改定を廃止していただきたい。中間年の薬価改定については、多くの弊害が生じております。詳しくは参考資料の8ページを御覧ください。中間年の薬価改定廃止の基本的な意見は維持しつつも、2027年度の薬価改定を実施するのであれば、次の3点を要望いたします。
A、安定供給に必要な流通コストを賄える薬価改定にしていただきたい。
B、2016年の4大臣合意に立ち返り、改定対象を価格乖離の大きな品目に限定していただきたい。
C、重要供給確保医薬品・不採算品再算定品・薬価20円未満の品目の薬価を引き上げていただきたい。
低薬価品ほど採算が厳しいため、昨今の物価上昇においては、低薬価品であること自体が、安定供給上のリスクとなっております。参考資料の11ページにもあるように、薬価20円未満が全体の品目数の半分を占めている市場構造となっており、リスクが及ぼす影響度合いが大きくなっております。
2、医薬品の安定供給を可能とする「流通コストの公平な負担」ができるような薬価制度にしていただきたい。ここでの公平につきましては、私どもの取り分を増やしてほしいという趣旨ではございません。価格交渉においては、取引当事者の立場でコスト負担の配分が決まりやすいことをここで申し上げております。特定の当事者に負担が偏ることなく、流通に必要なコストが、価格形成の過程や薬価改定の段階で公平に考慮される仕組みを検討していただくことを求めております。
本日の説明は、卸の採算だけを求めるものではございません。医薬品が必要とされる方のもとに必要なときに届く、そうした当たり前の仕組みを維持していけるかどうかを、高い視点で御検討いただきますようお願い申し上げます。
以上をもって卸連の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
○菅原部会長
ありがとうございました。
一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑に移りたいと思います。質問等のございます方は、挙手をお願いいたします。
江澤委員、よろしくお願いいたします。
○江澤委員
いろいろ詳細な御説明をありがとうございました。
質問をさせていただきたいと思いますが、まず、資料の薬-2の7ページですけれども、右側にメディケイドのネット価格の国際比較が出ておりますけれども、比較的所得層の低いメディケアのほうも同じような状況になっているのか、もしデータがあれば教えていただければと思います。
もう一点は、6ページですけれども、このGDP-PPPに基づいて調整した値の上で、我が国の薬剤の品目のうち、下から2番目あるいは一番下、最下位と薬価がなっているものの、これはデータがあればで結構ですけれども、品目の割合とか、売上に占める割合というのが、もし、データがあれば教えていただければと思います。
もう一点は、薬-3の4ページに安定供給責任者会議の取組が示されておりますけれども、具体的にこれが設置されてから、どういった成果をされているのか、どういった御議論をされているのか、話せる範囲で結構ですけれども、もう少し詳細に教えていただければと思っております。
○菅原部会長
今、大きく3点御質問があったかと思いますけれども、前の2点に関しましては、御説明いただいたのは、PhRMAの五十嵐さんでよろしいでしょうか。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
はい、御質問ありがとうございます。7ページ目の医薬品価格の国際比較というところで、こちらは、メディケイドの研究者による推計の価格ですが、メディケアについてはどうなのだという質問だと理解しております。
具体的に、今、グラフとしてお見せできるものはないのですが、メディケアにおいても基本的には同様に、米国に対して日本の価格というものが、全体の平均としては低い状況という、この全体の構造というものは同じであると理解しております。
2点目の具体的なデータに関して、日本が一番下の価格になる、2番目の価格になる、その具体的な割合などがあるのかということですが、これは、今、まさしくそれぞれの国がどういう制度改革をするかという議論が行われていっている中で、本当にそれぞれの一つ一つの薬ごとに、日本が一番下なのか、2番目なのかというのは、各企業それぞれと検討している段階にありますので、今の時点で明確に全体として日本が一番下になる、2番目になる割合が何割かというデータを持ち合わせておりません。まさしく、そういった議論が活発に行われている状況だと理解をしております。
○菅原部会長
どうぞ。
○江澤委員
ありがとうございます。
ということは、日本がGDP-PPPで調整した場合に、特段世界で最も低い国ということではなくて、横並びの中で比較的低いグループに属しているという理解でよろしいですか。
○菅原部会長
どうぞ、五十嵐委員長。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
断定的なことを申し上げるのは難しいのですが、7ページの右のグラフで御覧いただけますように、この平均のメディケアのネット価格におきましても、他の参照国の中でも、決して薬価が高い方といいますか、他の国の中でも低い方にありますので、これは個別の企業のそれぞれの薬剤によって分析が異なると思いますが、最低価格もしくは下から2番目の価格になり得る水準に全体の平均としては日本があると思っております。
○菅原部会長
江澤委員、よろしいですか。
○江澤委員
それでは、1点、関連で御質問させていただきたいのですけれども、この背景には、やはり各国の医療制度の違いがあると思っています。例えば、メディケアとかメディケイドとかになりますと、入院時にソーシャルワーカーが、まず、民間保険と協議をして、加入している保険の状況によって治療の選択肢が一定程度制限されるとか、いろいろな状況があるお国柄でもあると思います。
一方で、我が国は世界に冠たる国民皆保険の医療保険制度があって、一定の自己負担のもとに最善の治療が受けられるお国柄であると認識しています。
ですから、そういった医療制度の背景が、薬価に反映をこれまでしてきたと当然思っておりますし、一方で、薬価が国際的にグローバルな構造とならざるを得ないという状況も一定程度理解をしております。
そういった中で、ここは我が国の医療保険制度について議論する場ですから、日本のこの医療制度の中で、やはり落としどころとか、単に医療制度が違う中で薬価の数字だけを単純に比較するというのは、なかなか厳しい状況ですし、そもそもMFN価格制度は、米国の薬価を引き下げるという仕組みでございますので、そういった中で、もちろん製薬企業も当然ビジネスを行っているわけですから、いろいろなお考えがあると思いますけれども、結局その中での落としどころとか、立ち位置とかは、これからまだ御議論されると思いますけれども、何か現時点で、そういったところに対する見解があれば、お伺いしたいと思います。
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
御質問ありがとうございます。
まず、最初に申し上げたいのは、我々も日本の患者さんにしっかりと新薬をお届けする環境を引き続き担保したい、その中で、しっかりと社会的な役割を果たしていきたいという思いがまずある中で、様々な外部環境の中で、どうしていくのがいいかということを苦慮しながら、様々な皆様に御指導いただきたいと切に願っている状況でございます。
その中で、おっしゃるとおり、国ごとに制度の違いがございますので、今回の制度が入ってきた中で、日本としてどういう対応をしていくべきなのかということを考えないといけない状況にあると思っております。
具体的に、では、どういうことをしていけばいいのかということに関しましては、まさしく新薬3団体にてお話しさせていただいたとおり、イノベーションをしっかりと報いることができることが日本の成長戦略等々でも議論されていたことだと理解をしております。そういった薬価づけ、初期価格の薬価づけ、また、特許品に関しましては価格を維持していくこと。価格が下がると、MFNがそれを参照して定期的に米国の価格に反映していきますので、初期価格だけではなくて、その後の価格の維持の両方を担保することができれば、引き続き、日本がしっかりと患者さんにラグ/ロスの問題、それから日本へ投資を持ち込むという話を含めて、国がやっていきたいことというのを実現できる環境が整うのかなと理解をしております。
○江澤委員
詳細な説明をありがとうございます。我々現場としましては、MFN価格政策イコール即ドラッグ・ラグ/ロスに直結というのが、やはりいろいろ立場があると思うのですけれども、そういったところが、果たしていかがなのかということは思いますが、取りあえず、皆保険である医療保険制度の健全な持続というのは、我々の一番の主要テーマでございますので、そういった中で、また、引き続きの御議論をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
当初の質問は3つあって、1つ、宮柱会長から御回答をいただいたほうがいいですか、最後の、多分、スライドの4枚目か何かのところで質問があったかと思いますけれども、よろしいですか。
○江澤委員
4枚目は、薬-3の4枚目です。
○菅原部会長
そちらは、御回答をいただいてよろしいでしょうか、ジェネリック製薬協会からで、よろしいですか。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
安定供給責任者会議の実効性についてでございますね。
私どもの資料の4ページに記載させていただいているように、安定供給責任者会議は、単なる懇談の場ということではなくて、様々な事象に対して実効的な対応をいたしております。
特に、新たな供給不安発生に対して、いかに迅速に代替生産を行うかということを、実効性を持って取り組もうとしているところでございます。
ただ、今回の安定供給責任者会議を立ち上げた以降で、大きな供給不安というのは発生していない。1つだけ、ニトロソアミンのアトモキセチンの供給停止により、コンサータにまで影響を及ぼしたというような事例はありましたが、これは、ジェネリック医薬品だけではなくて、全ての新薬も含めた、長期収載品も含めた供給停止でございましたので、各社がどのように取り組むかという議論はしたものの、十分な体制が取れていない。
それから、全体的な供給量の増加という部分に関しては、安定供給責任者会議だけでは、すなわち解消できるというものではございませんので、日々、会員企業各社の増産努力によって、この9%がさらに減っていくものと考えております。新たな問題を発生しないような取組だということを、御理解いただければと思います。
○江澤委員
ありがとうございます。
この会議は、供給不安定中で緊急に立ち上げた会議と思っておりますけれども、一定程度成果が上がってきているということと、これは、いろいろな業者、メーカーが参加していると思いますけれども、それぞれ一定程度踏み込んだ議論がされているという理解でよろしいですか。
では、ありがとうございます。
○菅原部会長
よろしいでしょうか。
それでは、ほかの質問がある方は、挙手をお願いいたします。
それでは、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員
ありがとうございます、薬剤師会の渡邊でございます。
各団体におかれましては、細かな詳しい説明をいただきまして誠にありがとうございます。私から少し何点か、御質問をさせていただければと思います。
まず、日本製薬団体連合会の安川さんに聞きたいのですけれども、スライドの5に物価高騰等を踏まえた部分が書かれているのですが、今回、流通改善ガイドラインにおいて、物価水準等を考慮した人件費や流通コスト等の必要なコストの実情を考慮することという改定がなされていますけれども、これに関してメーカーとして卸が連携して、流通経費などの実情を踏まえて不採算品算定の請求等をされているのかという部分、また、今後そのようにしていこうかと思われている部分等があれば、お教えいただきたいというのが御質問になります。
それと、ジェネリック製薬協会にもお伺いしたいのですけれども、これは何点かあるのですけれども、スライドの3に限定出荷が着実に減少しているということで書いていただいているのですけれども、これは品目数のベースでの割合という部分になりますので、残念ながら実際の現場では、まだまだ出荷調整で医薬品が入らず、患者さんに同じ製剤を継続して服用いただくことができないという状況が続いているのが現状になります。
その中で、今月も2社から多くの品目の販売中止が一気に出されたところであります。また、それが現場にしっかり周知が届いていないという現状でもあります。
このような中、今、江澤先生からもありました安定供給責任者会議が開かれているのだと思いますけれども、医療現場の目線であったり、患者さんへの影響であったりという部分に関して、どのように考えられて、その対策が話されているのかという部分をお教えいただきたいということ。
また、1品目のみの流通であったり、同じ原料によっている部分の製剤であったり、そして、先ほど申しました各社が単独で販売中止を決定しているような状況について、どのような情報の共有を図り、その対策が取られているのかという部分も、この会議体の中での話をお聞かせいただければと思います。
それと、資料の中の6ページのところにイメージ図が書かれているかと思うのですけれども、この薬価の赤い点線が入っている部分が、卸に支払う経費のところに入っているものもあれば、販売管理費のところに入っているものもあれば、その下の濃い緑に入っているもの等々品目によって違うのではないかなと思うのですけれども、その辺りの実際の割合等々があれば、お教えいただければなと思います。
それと、そのスライドの次に、実際の不採算品再算定の実情の部分がピラミッドで書かれているのですけれども、タイトルにはルールの課題と書かれているのですけれども、実際に、その再算定のルールに関する課題という部分をどこに感じられていて、どのようにすればいいとお考えになっておられるのかお伺いしたいと思います。
それと最後に、卸売連合会にも御質問をさせていただきたいのですけれども、卸売さんに関しては、現場から見てもかなり厳しい状況にあると、私からも見えているのが現状でございます。
その中でなのですけれども、逆ざやと流通不採算品が示されているのですけれども、スライドの3にその数字が示されていますけれども、実際、我々の現場の感覚としては、もっと多くのものが逆ざやになっているという現状を感じています。
その中でなのですけれども、メーカーの仕切価の部分では薬価未満であっても、流通させる段階になって医療機関、薬局に納品する価格となった時点で逆ざやになってしまっているという部分の医薬品が、どのくらいあるのか把握されている範囲でお教えいただきたいなというのが1点目になります。
それと、度重なる薬価の引下げの中、卸さんの状況の悪化というのは、配送能力の低下に非常に著明に出ているように感じています。この辺りの部分が、配送の時間、曜日、回数等が、実際に減っている現状、縮小されている現状を把握されていれば、少しお教えいただきたいと思います。
3点目は、前回の薬価専門部会でも申し上げましたけれども、薬価改定時の再妥結に関する部分での現場への負荷になります。
これに関しては、妥結までに半年ほどの時間を要していて、現段階においても妥結ができていないというのはたくさんあるような状況にあるのですけれども、そのような部分を経て、再妥結をしても半年ほどたてば、また再妥結をしなければならない時期が来て、半年サイクルでこれを繰り返しているという状況になるのですけれども、4月になった段階で妥結した率もリセットされていると思いますけれども、その部分で医療機関、薬局にとっては、妥結がリセットされることで発生する支払いの負荷、それは、また、次の妥結をするまでずっとかかっているというのが現場の負荷になっています。
前回の妥結した率を次の妥結率まで維持するようなことでつなげられないのかといったことや、サイクルが短くなってしまったことによる卸さんへの負荷の状況等々があれば、これもお教えていただきたいと思います。
少したくさんの質問をして申し訳ございません。よろしくお願いします。
○菅原部会長
ありがとうございました。
各団体に対して幾つかの質問が、かなりあったと思いますけれども、おのおのの団体に聞いてまいりたいと思います。
まず、最初の質問は、恐らく日本製薬団体連合会に御回答をいただくのがいいかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○安川日本製薬団体連合会会長
流通改善について、製造販売業者側の努力という御質問だと理解しております。
一般論になり恐縮ですが、流通改善ガイドラインに示されましたメーカーの役割については承知しており、各団体内で周知徹底をしていると理解しております。また、流通に係る諸問題は、流改懇で個別に議論が行われていると思いますので、そこで承りました指摘に対しては、業界として真摯に対応してまいる所存でございます。
申し訳ないですけれども、各企業においてどういう流通改善努力をしているかというのは、情報を持ち合わせておりませんので、各企業レベルの回答は控えさせていただきます。
○菅原部会長
ありがとうございます。
今の御回答に関しましては、よろしいですか。
○渡邊委員
ありがとうございます。
ぜひ卸さんからもありましたように、流通改善の部分を考慮した上で採算品等々、各社、申請をしていただけますように、お願いしておきたいと思います。
○菅原部会長
ありがとうございました。
続きまして、ジェネリック製薬協会に関しましても、恐らく幾つかの課題といいますか、質問があったかと思います。特に、再算定上の課題等々、幾つか御質問があったかと思いますけれども、御回答のほう、よろしくお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
たくさんの質問をありがとうございます。
3ページ目の資料におきましては、やはりカテゴリー別での限定出荷比率を、これは品目数ベースでお示しするしかできませんでした。数量ベースでの限定出荷率というのを算定するのが非常に難しいところでありまして、ただ、いずれにしても23%から9%まで低下した数量ベースにおいても、一定の改善はしていることを、私どもとしては説明をしたかったものでございます。
ただ、当然のことながら、一定の企業に注文が集中するという形になってしまいますと、いつまでたっても限定出荷が改善できないということにつながることになりますので、私どもとしても情報提供を密に行った上で、供給ができている企業の製品を使っていただく取組というのを進めてまいりたいと考えているところです。
それから、2つ目の品目停止、販売中止の件でございますが、こちらも有識者検討会において品目数の適正化というのが提言されたわけで、薬価の削除ルールにのっとって、代替供給品というのをきちんと準備した上で、品目整理を進めているところでございます。
この少量多品目生産によって、生産能力が著しく低下しているという問題を解消するための取組ということでございますので、医療関係者の皆様には大変なお手数をおかけしているところではありますが、御理解をいただきたいと思っているところでございます。
3つ目のスライド6の点線の話でございますが、お示ししたこのイメージ図では、薬価の点線が個別品目ごとにどこを通るのかというのは、残念ながら調査しきれておりません。
少なくとも資料の7ページ、次のページのとおり、現在、ジェネリック製薬協会加盟企業が供給している4,939品目のうち約4割の品目が不採算となっているわけで、弊社の個別の事情にはなるところですが、プラスチックアンプルの材料費が1.3倍ですとか、PTPシートに使用するアルミが1.2倍になっているとか、それから、医薬品の原薬そのものは、ここ2年間で2.3倍に価格高騰しているという状況でありますので、こういったことをイメージ的にお示しした資料と御理解をいただきたいと思います。
それから、最後の不採算品再算定についてですが、不採算品再算定の適用範囲と薬価の上げ幅、それぞれに課題を感じているところでございます。適用範囲につきましては、令和8年度改定で、全社手挙げの類似薬要件を見直していただいたことには大変感謝しておりますが、しかしながら、申請したにもかかわらず、適用されなかった品目が大半を占めているような状況であります。
その理由としては、改定における医療上の必要性ですとか、乖離率、それからシェア5割以上といった要件を全て満たすということが極めて困難な状況であったということでございます。
また、適用された品目であっても、96品目、つまり約6割が不採算のまま残されているような状況です。
この原因は、現行ルールが過去の一定期間の実績の原価をベースに計算されるために、申請から適用までの間に進む現在進行形の急激なインフレですとか、つまり円安、資材高、大幅な賃上げが反映されない構造的なタイムラグが存在するためと考えております。
最新の物価上昇率ですとか、労務費率を機動的に上乗せ補正する改定ルールが必要なのだろうと考えております。
不採算品再算定は、医薬品を長期的に継続して供給していくために、また、逆ざやをなくすためにも必要な取組だと考えております。
安定供給に寄与する企業の品目が適切に薬価上の手当を受けられるような仕組みをお願いしたいと考えております。よろしくお願いします。
○菅原部会長
ありがとうございます。
医薬品流通に関する課題についても幾つか質問があったかと思いますが、日本医薬品卸業連合会から御回答をお願いいたします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
ありがとうございます。
今回お示ししました逆ざやのデータは、薬価を超えている率を出させていただいていて、先生のほうからは、内側でも逆ざやになっているのではないのかということなのですが、卸連合会として、個別の中身についてデータを持っているわけではございません。
この仕切価については、厚生労働省のほうでメーカーヒアリングをしていただいて、さきの流改懇においても、100%を超えているもの、それから、96%以上のものという形で数量をお示ししておりますので、我々が個別に、その仕切価がどういう状態かということを団体として把握している数字は持ち得ないので、申し訳ないと思いますが、ただ、もう一つは、90.9%本体薬価で、実際に仕切価が仕切られて、納入価が逆ざやになっているもののお話を渡邊先生は言われているのだと思うので、この納入価についても、個別の納入価がどのようになっているのかという部分については、卸連合会としてデータを持っているものではございません。ただ、低薬価品については、その流通コストを乗せるというのが流通改善ガイドラインの中にも記載されている中で、実際には乗せられていないような部分があったり、逆ざやになっているような部分が増えている。
我々が問題視しているのは、毎年毎年こういう形で、この差が、圧縮されていく中で、逆ざやという問題が広がっていく。その広がっていく薬価の在り方というのが、20円未満のものに非常に多く出ていて、この中には重要供給確保医薬品だとか、安定供給確保に必要な薬剤が入っているということで、本当に薬局関係の皆様には御迷惑をかけているのかもしれませんが、実際には、そういう数字は団体としては持ち得ないので、この辺については厚生労働省のほうで、具体的にそういった品目がどのくらいあるのかというのは、流改懇の席でも出していただいております。
まず、逆ざやについては、そういう形で、あと、もう一つは流通改善ガイドラインの中で、まだ価格交渉の在り方が、単品単価交渉について道半ばでありますので、実際には、総価あるいは加重交渉というものがある中で、非常に苦慮しているというところは実際の現場の話でございます。
それから、2つ目の配送、配送頻度が減っているのではないのか、従来の医薬品卸の、言ったらすぐ持ってきてくれるような体制が、今、取れていないのではないかと、こういう御質問だと思うのですが、大体配送は月曜日と金曜日、ウイークリーだと月金に山があってUの字を書くような形の物量が多いわけですが、実際に、今の配送担当者、いわゆるドライバーも含めて、非常に確保するのが難しくなってきている中で、今、土曜日だとか、日曜日の緊急配送ではない配送については、得意先と協議しながら縮小しているという段階でございまして、実際にはそういった形で、土日の配送というのがかなり減っている。
それから、先ほどお示ししたように、至急配送であっても、場所によっては、それに応えられていない、配送要員がいない、そのような状況が、今、卸の中にあるということでございます。
それから、3点目の御質問は、妥結のサイクルが半年ごとになっていて、非常に短くなっているのではないのかということ。
まさにおっしゃられるとおり、2年に一度の薬価改定であれば、この半年で決まったら1年半、その価格でいって、期中に薬価が変動したもののみの価格交渉であればいいのですが、翌年の4月にはまたリセットされてしまう。これは薬価が変更するからリセットされて、そういうサイクルになっている。
これは卸だけではなくて、医療機関、薬局さんも事務負担だとか、あるいは在庫だとか、在庫の損失ですね、薬価が下がることによっての目減りだとか、いろいろな問題が、実はこのサイクルが早くなることで起こっているというのは、我々卸だけではなくて、医療機関、薬局も同じようなことです。
この交渉が頻回にあることで、この事務手続を簡素化するためにコンサルティングだとか、あるいは価格代行業者だとか、いろいろなプレーヤーが、たくさん、今、出始めてきている。
ですから、我々が信頼関係を得ながら長年お付き合いしてきたお得意先との交渉実態だけではなくなってきている中で、こういう頻回な改定が行われている。
流通改善ガイドラインの中では、厚生労働省のほうで非常に書き込んでいただいて、期中の改定は薬価が変わったもの、要は妥結したら1年間その価格でいくということが書き込まれていますが、こういったガイドラインの周知も含めて、我々は、担当者あるいは業界を挙げて周知をしていきたい、そのように考えておりますので、ぜひこれは、我々の問題だけではなくて、医療機関、薬局の問題、課題にもなっているのではないかなと、そのように考えております。
以上であります。
○菅原部会長
ありがとうございます。
渡邊委員、よろしいでしょうか。
○渡邊委員
ありがとうございます。
かなりいろいろなところに影響が出ている課題でもありますので、販売中止品目に関しても、残された品目にしわ寄せが行くのは当たり前にはなるのですけれども、それに関しても、残された部分をどこに配送するのかという取り合いになってくることに関しては、卸さんも、かなりハンドリングに苦慮する状況かと思います。また配送も、平日の配送にも影響が出ていますので、ぜひ、その辺りの部分に関しては、患者さんの不利益になっているということだけは、重々に踏まえていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、ほかの質問はいかがでしょうか。
それでは、奥田委員、よろしくお願いいたします。
○奥田委員
まず、各団体からの御説明、どうもありがとうございました。
私からは、最初の日薬連からの説明に対して2点、御質問をしたいと思います。
1点は、特命本部の件、それから2点目は医薬品市場に与える影響についてであります。
1点目については、2ページ目のところで、医薬品安全保障体制を構築するということで、医薬品安全保障特命本部を設置されたということですけれども、効果を期待したいところでありますが、この実効性を持たせていく上での方策、まだ、7月1日に設置されたばかりではありますけれども、検討されている点があれば、教えていただければと思います。
2点目については、私が従来から申し上げておりますけれども、国民負担の軽減はもちろん踏まえつつ、一方で、創薬イノベーションの促進に向けた配慮が必要であると考えております。
御説明でも先ほど薬-1の3ページのところで、令和6年度改革以降の改善方向を後退させないための対応が急務であるという御指摘がありました。
前回の薬価専門部会でも、私から令和9年度改定に当たっては、現状の経済環境などが医薬品市場に与えている影響も考慮して検討することが重要であると申し上げております。
先ほどの説明でも、まだ具体的には出ていない部分もあるかもしれませんけれども、医薬品業界にどのような影響が出ているか、やはりこの薬価専門部会での議論を有意義にするためにも、もう少し具体的にお伺いできればありがたいと思います。
以上、2点、よろしくお願いいたします。
○菅原部会長
ありがとうございます。
それでは、日薬連から御回答をいただきますと幸いでございます。
○安川日本製薬団体連合会会長
かしこまりました。
1つ目は、特命本部のほうの実効性を上げるための方策という御質問と理解しております。
今日は、地震と豪雨という災害の話から始めたので、少し意識がそっちらに向いてしまっているかもしれませんが、最も危惧しているのは、医薬品をもっと安全保障上の問題として取り扱いましょうという危機感でございます。
具体的にどういうところを一番気にしているかと申しますと、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔薬、免疫抑制剤、向精神薬、いろいろなものの原薬が、7割からほとんど、物によっては100%が、何らかの安全保障上のリスクがある国に製造を頼ってしまっている。
これは、歴史的な背景がございまして、特にジェネリック医薬品をはじめとして価格下がっていく中、各社で経営努力をする中で、経済効率性を求め、安く原薬を供給している国へだんだん製造を委託するようになってしまったわけでございます。
21世紀の初頭のグローバリズムが全盛のころには、それでよかったはずでございますけれども、御案内のとおり、ここ10年弱は権威主義の国家が台頭し、いつ、他国のための薬剤供給が途切れるか、というリスクを非常に危惧しております。仮に紛争が起きて仮想敵国になった場合には、そういう国からの原薬が途絶えると、日本の医療は一月か二月の間に崩壊してしまうのではないか。
こういう危惧を政府あるいは関係省庁の皆様とも話をする中で、日薬連としても製造は製造、それから薬価は薬価、それから研究開発や研究開発と、ばらばらに担当していると、やはり安全保障上の問題に関する重要な情報をなかなか集めきれない、あるいは集めたところで、それをまとめて有効な提言を政府あるいは関係省庁に持っていけないという危惧がございましたので、私の直下にそういう関係する委員会の重鎮を全部集めて、情報を集めるスピードを上げ、なおかつ、そこから出てくる機を見抜いて、有効な打ち手を当局の皆さんになるべく早く御提案を申し上げる、これが趣旨でございます。
情報提供を求めるという点について、強制力は、今、持っていないわけですけれども、また、こういう特命本部をつくったということが、加盟会社の皆さんに分かっていただくと、より自発的に、よりスピードをもって必要な情報を提供していただけるのではないかと期待をしております。また1年ぐらい活動をしてみて、実効性が上がらない場合には、また別の手だてを考えたいと思っております。
2つ目は、国民の負担と、それから、いろいろなインフレ等で経営が苦しくなる中で、本当に業界にどのような影響が出ているのかということの御質問と理解しております。
何品目が赤字に落ちたとか、それから新薬については、MFNの危惧については、さんざん説明を差し上げているので繰り返しはやめまして、もう一つ、今日触れていないところだけ簡単に私から触れまして、あとは必要に応じて川俣さんにフォローしていただきたいと思っておりましたけれども、私の質問を説明の中でも、一言申し上げましたし、川俣さんのご説明の中でも出てきておりましたけれども、やはり各社、製造に必要な設備投資ができないような状況に、今、落ちつつあると。これは非常に深刻な状況になっていますというのは、厚労省、あるいは政治家の皆さんにも既にお届けしているので、そういう資料を見たいということであれば後日、持ってさしあげるようにいたします。普通の製造設備では、耐用年数がものによっては大体30年、35年と言われておりますが、その更新時期が来ているのに、なかなか経済的な状況で設備投資ができないという会社が多くございます。
調査によりますと、既に耐用年数を超えているのだが、だましだまし使っている、そういう装置が何%に上ったというのは、後で川俣さんのほうからも出てくると思います。
向こう5年間に手を入れないと、本当にいつ製造が止まってしまうかもしれないという設備が約3000億円ほどあるという調査も我々は実施しております。これも、国に申し上げているところでございます。
ということで、本当に持続可能性というのは、一番大事なところは、国民の皆様に高品質なものが絶えることなく供給できるということでございますので、やはりこの製造設備のほうに投資が回らないという状況は、非常に憂慮していることでございます。
こういうことも踏まえまして、今回のインフレ等を踏まえた価格の上昇をお願いすると、こういう背景になっているという御説明を差し上げます。
では、川俣さんに、設備投資のほうの補足をお願いします。
○菅原部会長
では、よろしくお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
私どもの後発薬品ですが、2007年に使用促進策が出てから、この19年間で700億単位の増産をすることができております。
この間において、積極的な設備投資をしてまいったわけですが、当然数量が増えますので、我々の企業にとっては売上が増える、薄利ではあっても、その分利益はあったという状況であったわけです。
ただ、今後10年間、20年間の間に、この市場がさらに拡大するかということを考えますと、到底あり得ないところでありますので、この老朽化した設備自体を更新するための原資というのが今まではあったわけですが、今後は成熟していく市場の中で確保するのが非常に難しくなっているということを御理解いただきたいと思います。
また、追って詳しい資料も御提示できるところではあります。私どもの資料の中のAppendixの中にも、こういった説明をさせていただいているところでございますので、御理解をいただきたいところでございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
奥田委員、よろしいでしょうか。
○奥田委員
はい、どうもありがとうございました。
○菅原部会長
それでは、ほかに御質問を、永井委員、どうぞ。
○永井委員
まずは、御説明ありがとうございました。
創薬イノベーションが治療環境の改善などに寄与しているといったデータも示していただきまして、改めて医薬品の安定供給の確保、患者の利益につながるイノベーションの促進に向けて、適切な対応を図る必要があると認識させていただきました。
また、現在の薬価制度では、市場実勢価格が薬価に反映されますが、人件費や物流費など、安定供給や品質管理に必要なコストの上昇については、市場実勢価格に十分に反映することができておらず、不採算生産・流通や逆ざやなどにつながっており、現行の最低薬価の引上げや不採算品再算定では、課題の解消には至っていない状況だということも受け止めさせていただきました。
そこで、JGAさんと卸連さんへ質問させていただきたいと思います。
今、お話ししたような状況を踏まえて、物価対応を念頭に置いた薬価の引上げについて言及がありましたが、対象範囲や引上げ幅など、具体的にお考えがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
もう一つは、人件費や設備投資費、物流費、製造原価は上昇が続いていることで、人材確保や安定供給などにどういった課題が生じているのか、また、今後生じる懸念について、既にお答えいただいているところもあるかと思いますけれども、補足いただければと思います。
以上です。
○菅原部会長
ありがとうございます。
それでは、まず、卸のほうから行きますかね、よろしくお願いします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
実際に公定価格の中で、こういったものが価格に転嫁できているかというと、非常に厳しいところがございます。これは、価格交渉の工程の中でもそういった部分があるわけでございますが、私どもとしては、具体的に引上げ幅は何%にしてくださいとか、こういったものは、議論の中で決めていただければいいのかなと思っていますが、再三申し上げているとおり、重要供給確保医薬品、そして、不採算品再算定品、薬価20円未満の低薬価品が製造できなくなった場合に供給ができない、あるいはその供給をするための供給コストが賄えない、こういった状態が続くことが、患者にとって非常に不利益を被ることになるだろうということでございますので、ぜひこの点、1つ目の御質問のところは、そういうところを物価対応の中で考えていただきたい。
それから、人件費について、賃上げは我々も営業努力の中でやっておりますが、先ほどお示ししたように、流通コストは販管費を乗せた部分、これは、業界として非常に効率を上げながら、販管費を抑えているわけでございますけれども、やはり、我々健康産業のインフラだという認識をしている中では、こういった人材が確保できない、あるいは若い人材が、将来があまり見通せないので離職を考えてしまうとか、こういったアンケートの結果等が出ている中で、やはり大切なのは医療産業を支える人材の確保、育成、これは継続して、私たちも投資をしていく必要があると、そのように考えているところでございます。
以上であります。
○菅原部会長
ありがとうございます。
続きまして、ジェネリック協会からよろしくお願いいたします。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
ありがとうございます。
どの程度の上昇率が適当かという部分に関しましては、これまでも消費者物価指数にスライドという話もさせていただいたところではありますが、消費者物価指数と、我々の原材料価格の高騰具合、それから、製造経費の高騰具合というのは必ずしも一致するものではございませんので、いわゆる不採算品再算定の取組の部分を御理解いただければと思うところです。
現在、不採算品再算定の適用をしていただくためには、過去の原材料価格の実際の数字をお出しすることになるわけですし、製造経費につきましても、過去の製造経費の平均値を基に出しております。現在の数値ではないということも御理解をいただきたいと思いますし、それから流通経費におきましても、これも一定数の比率で算定をされますので、低薬価品の流通経費と、高薬価品の流通経費が同じ比率になってしまっている。
これが、やはり、先ほどもお話にありました20円以下の薬価における流通経費が賄えない状況になっているということを反映するものだと思いますので、この不採算品再算定の部分の適用を見直していただくというのが、私どもの期待でございます。
○菅原部会長
ありがとうございました。
そのほか、御質問等ございますか。
佐竹委員、お願いいたします。
○佐竹委員
ありがとうございます。
本日は、御説明をありがとうございました。基本的には、皆様の御説明につきましては、薬価改定というものを前提としてのプレゼンテーションであったと考えまして、非常に感謝を申し上げたいと思います。
質問なのですが、共通の内容が1点、それから薬-2の資料に基づきますMFN関係で2点、それとヨーロッパ関係の近況について1点、最後に卸売関係の薬-4に関する1点、合計5点の御質問をさせてだきたいと思います。
まず、1点目ですが共通の関係でございます。物価、人件費の上昇により、コストが増加していること、あるいは創薬イノベーションや、安定供給に御努力をいただいていることにつきましては、一定の理解ができました。ありがとうございます。
しかしながら、今回の御説明の内容につきましては、相対的に薬価を引き上げる改定だけを実施していただきたいという内容と理解をしております。
健保連といたしましては、実勢価格の改定の範囲を広くすること、それから、薬価の引上げと引下げ、これを全体として幅広くルールを適用して、メリハリをつけて対応していくことによって、国が推進しております現役世代、被保険者の負担軽減、これらの実現、その上で創薬のイノベーション、薬価供給のバランスを取る必要性があると考えております。
つきましては、こういった内容を踏まえて、皆さんにというか、代表の方でもいいのですが、それぞれの立場で、こういった御認識、それから、こういった点に対する御意見をいただければと思います。
続きまして、薬-2の資料に関しての内容ですが、まず1点目、米国のMFNについては、多くの説明をいただいております。
薬-2の7ページを見ますと、特にオレンジのところですけれども、日本の価格がとりわけ低いわけではないと見えます。実際にMFNで日本の価格を参照した米国価格の引下げが行われているような実績が実際にあるのかどうか、それとも、現時点ではメーカーとしての危機感、リスクという考え方の内容なのかということを教えただければと思います。
続いて、MFNを受けまして、日本向けの開発をちゅうちょしているというか、取り止めという内容の御説明がございました。日本での売上がないことによる影響、こういったものが業界の中でどのように考えておられるのかという点、教えていただければと思います。
薬-2は最後ですが、11ページにヨーロッパの主要国の近況が紹介されております。日本では、近年の薬価制度の改革で創薬イノベーションの評価というものを充実させてきたという経緯もございます。また、薬事承認から原則2か月で薬価収載するという日本での優れたと思われる運用などもございます。
そういった日本の市場におけるメリットというものを、今までは非常にデメリットばかりが多く語られましたが、メリットというものもあると思いますが、そういったことをどう考えていらっしゃるのかという点を教えていただければと思います。
最後ですが、薬-4の卸売関係でございますが、資料の中のページ10、参考の部分でございますが、こちらを見ますと、薬価差が圧縮傾向にあると書かれております。特に別枠が設定されているグループで薬価差が小さくなっているということが示されておりますが、依然として、この薬価差が大きいというのは、どういったグループの中にあるのかということ。また、最低薬価品の薬価差が縮小しているとはいえ、まだまだ平均を超えているという部分については、なぜ、この最低薬価品が超えているのかという点について教えていただければと思います。
以上、5点でございます。
○菅原部会長
ありがとうございます。
少し時間も押してまいりましたので、既に御説明をいただいているポイントというのもあると思いますので、大変恐縮ですけれども、今の5つのポイントを端的に御回答いただければと思います。まず、共通項目ということで、日本製薬団体連合会のほうからよろしくお願いいたします。
○安川日本製薬団体連合会会長
1つ目の回答でございますけれども、まず、今回制定された骨太の第3章の責任ある積極財政に基づく中長期経済財政計画の第2項が、全世代型社会保障の構築でございまして、そこの冒頭部分に、我が国の社会保障制度も成長型経済に合わせて持続可能な設計に変えなければならないという一文がございます。この成長基調に入った我が国でございます。それで、持続可能というところは、当然、制度もありますけれども、製薬業界の持続可能性ということも含まれているのだと我々は認識しております。
その観点から、今、各セクションにおけます危機的な状況というのは御説明したとおりでございますので、ここでは重複を割愛させていただきます。
多分、財源のこととかが気になっていらっしゃると思うのですけれども、これは、7月の夏に行われた国会討論、それから、その後の報道、政治アナリストの記事なども大変たくさん読まれていることと思います。我々が言及したいのは、過去5年間で一般会計税収が60.8兆円から84.2兆円、24兆円ほど増えております。この社会保障の維持を、何も薬の値段を下げることだけではなくて、やはりこの増収分をちゃんと引き当てていただいて、取り過ぎた分、取り過ぎではないかもしれませんけれども、取って余りある分は、ちゃんと国民に還元する、その還元の1つは、社会保障の面の、要するに社会保障費を上げなくても、サービスレベルが上がるというところに、私どもは使っていただきたいと、切に要望する次第でございます。
本当に緊縮志向の流れを断ち切っていただいて、一番大切な国民の皆様により深刻な不利益が出てしまうという懸念を払拭していただくような議論をしていただきたいと思っております。これが1番目の回答でございます。
○宮柱日本製薬工業協会会長
製薬協のほうから1点目のところ、新薬団体の立場から回答申し上げます。
おっしゃられるとおり、医療保険制度の持続可能性を鑑みて、やはり創薬イノベーション、安定供給、そして国民負担の軽減、これをしっかりと考えていくことが重要であるというところは、我々も認識をしておるところでございます。
本日御紹介をさせていただいたとおり、一方で、現在、特に創薬、新薬を取り巻く国際環境、そして政策の方向性そのものが大きな転換期にあり、日本政府においても、やはり創薬を成長産業として位置づけ、研究開発投資、そして、イノベーションを呼び込むことで、日本の経済成長、そして、国際競争力の強化につなげていく方針を示されていると、我々は認識をしております。
そのような中で、これまでと同様に、薬価引下げによる財源捻出を続けるだけでは限界にきておるということを改めて申し上げたいと思いますし、我々新薬の団体としては、医療保険制度の持続可能性を大前提としながらも、本日3団体からお示しした国際情勢の激しい変化、そして、何よりも私どもは日本の患者さんに革新的な医薬品を継続的にお届けできる環境をどうやってつくるか、これを議論させていただきたいと申し上げさせていただきました。
そこで、2027年度の薬価改定等においては、特許期間中の製品の薬価を維持し、そして市場実勢価と連動しない薬価引下げを行わないことをお伝えしましたし、MFNに関しては、機動的な対応をぜひ議論をさせていただきたいということをお伝えいたしました。また、これも引き続き、皆様とともに議論させていただきたいと捉えています。
○菅原部会長
大変申し訳ないのですけれども、予定の時間を少し過ぎておりますので、回答は本当に一言ずつ手短によろしくお願いいたします。
MFN関係を1団体ずつ、よろしくお願いいたします
○五十嵐米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員長
MFNの7ページの日本の価格がとりわけ低いことではないのではないか、実際の事例があるのかということですけれども、日本は、おっしゃるとおり群を抜いて低いわけではございませんが、ただ、高いグループ、低いグループというと、低いグループのほうにおりますので、製品バイ製品で見ていったときに一番低い薬価もしくは2番目に低い薬価が起こり得るものだと思っております。
実際に、米国の価格が下がった品目はあるのかということに関しましては、現時点では、我々は、そのような話は具体的に聞いておりませんが、日本の薬価が米国の価格に大きく影響する場合には、日本での収載上市を保留する判断にならざるを得ないケースがあり得るかと思います。
1つ重要なことが、MFN政策では市販後の価格も定期的に参照されますが、昨年2025年の4月から今年2026年の3月の間の外国薬価を基に、来年、2027年1月から12月のMFN価格が決定されることになっていますので、今後、日本の価格が米国価格に影響する事例が出てき得るものだと思っております。
○菅原部会長
ありがとうございます。
それでは、ヨーロッパをEFPIAさんからお願いいたします。
○ジョンポール欧州製薬団体連合会会長
時間も限られているということですので、もう既に宮柱様、そして、ほかの団体から御説明があった点については、私のほうでは、あえて申し上げません。EFPIAのみについて御質問があった点、ヨーロッパについて御質問のあった点について回答させていただきます。
そして、この2024年度の薬価制度改革、そして、薬事承認から薬価収載まで原則2か月という、この短い時間で実現することというのは、本当にすばらしいことです。そして、これによって、革新的な医薬品を日本にもたらすことができることにおいて、大変大きな貢献があると思っております。
そして、一方、このアメリカのMFNの改革政策についてですけれども、我々を取り巻く環境というのは大きく変化しています。ですので、我々は、この大きく変わっている環境にちゃんと対応することができるように、我々の政策も適したものにしていかなければいけないと考えております。
そして、このMFNが言っているのは、日本、そして、ヨーロッパの国々などが、この革新的な医薬品をしっかりとその革新性を評価する、そういう環境をつくる必要があるということだと思います。
そして、一番大切なのは、この革新的な医薬品を日本の患者様へしっかりとお届けするということ、私どもの日本の医薬の制度の枠組みの中でということです。これを最後の言葉とさせていただきたいと思います。
○菅原部会長
ありがとうございました。
最後、卸についての御質問があったのですけれども、これまで大分、卸売業界の御回答いただいておりますので、その回答につきましては、割愛させていただいてよろしいでしょうか。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
1点だけ、よろしいでしょうか。
○菅原部会長
では、本当に手短によろしくお願いいたします。
○宮田日本医薬品卸売業連合会会長
最低薬価品が平均乖離率を上回っているという、この時点での調査では、別枠品扱いになっていなかったという部分があって、単品単価交渉から除外されていた可能性が非常に高かったということで、令和8年度からデータベースの中に最低薬価品もフラグを立てて、医療機関あるいは卸、交渉する双方が分かるような形で交渉の形態をつくるような形で、今、進めておりますので、圧縮の方向に乖離が広がらないような形で交渉していきたいと、そのように考えております。
以上であります。
○菅原部会長
ありがとうございました。
それでは、本日の関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきたいと思います。
今後、事務局におきましては、大変多くの御意見をいただきましたので、このような御意見を踏まえて、御対応いただくようお願いいたします。
本日の議題は以上となります。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡することとし、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。

