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- 2025年2月6日 薬事審議会 医療機器・体外診断薬部会 プログラム医療機器調査会 議事録
2025年2月6日 薬事審議会 医療機器・体外診断薬部会 プログラム医療機器調査会 議事録
日時
令和7年2月6日(木)15:00~
場所
厚生労働省 専用第21会議室
出席者
- 出席委員(11名)五十音順
-
- 大島まり
- 北澤京子
- ◎佐久間一郎
- 清水昭伸
- 末岡晶子
- 中野壮陛
- 宮川政昭
- 山本栄一
- 〇横井英人
- 鷲尾 利克
- 渡邊大記
(注)◎座長 ○座長代理
他参考人2名
- 欠席委員(2名)五十音順
-
- 岩崎清隆
- 田中利洋
行政機関出席者-
- 佐藤大作(大臣官房審議官)
- 高江慎一(医療機器審査管理課長)
- 野村 由美子(医薬安全対策課長)
- 石井健介(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員(機器審査等部門担当)) 他
議事
○医療機器審査管理課長 それでは、定刻になりましたので「薬事審議会医療機器・体外診断薬部会プログラム医療機器調査会」を開催いたします。医療機器審査管理課長の高江でございます。
委員の先生方におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本会議は、Web会議形式を併用しての開催となっております。
本日の委員の出欠状況について、御報告いたします。現時点で、プログラム医療機器調査会委員13名のうち9名に御出席いただいておりますので、薬事審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを報告いたします。なお、追加で2名の委員の先生が遅れてWebで参加される予定となっております。
また、本日、別の公務によりまして局長の城が欠席させていただいておりますとともに、審議官の佐藤も途中で中座させていただくことを御容赦いただければと思います。申し訳ございません。
最初に、本年1月25日付で薬事審議会の委員の改選が行われまして、それに伴いまして、本調査会の委員につきましても、新しく委員の任命が行われたところでございます。
つきましては、御退任された先生とともに、新たに就任された先生を御紹介申し上げます。
まず、御退任された先生でございますが、松尾豊委員が御退任されたことを御報告いたします。
続きまして、今回から新たに1名の先生に、調査会委員として御就任いただいておりますので御紹介させていただきます。新任の先生におかれましては、一言御挨拶をいただければと思います。
公益財団法人医療機器センター所長、中野壮陛委員でございます。
○中野委員 御紹介預かりました、医療機器センターの中野でございます。よろしくどうぞお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
次に、座長の選出についてでございます。薬事審議会医療機器・体外診断薬部会プログラム医療機器調査会設置要綱第4条第1項の規定により、調査会に属する委員等の互選により座長を選任することとされております。皆様からのお声によりますと、これまで座長を務められておりました佐久間一郎委員に改めて座長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
御異議ないようでございますので、佐久間委員に本調査会座長をお願いしたいと思います。
佐久間先生、座長席のほうまで、お手数ですけれども御移動をお願いいたします。
佐久間座長、一言御挨拶をいただければと思います。
○佐久間座長 佐久間でございます。座長に選んでいただきまして、ありがとうございます。大変光栄に思います。
プログラム医療機器は、いろいろなものが出てくると思います。また一方で、なかなか評価の仕方というのが、非常に多様なものであるかと思っておりますので、ぜひ先生方の御専門の立場からよい議論して、よい製品が世に出ていくような議論ができればと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
続いて、座長代理の選出についてです。要綱第4条第3項の規定により、調査員のうち座長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされております。佐久間座長、御指名のほどよろしくお願いいたします。
○佐久間座長 座長代理については、横井英人委員に改めてお願いしたいと思います。
○医療機器審査管理課長 座長から横井委員に座長代理の御指名がありましたので、横井委員に座長代理のほうをお願いさせていただきたいと思います。
横井先生、御移動をお願いいたします。
また、一言御挨拶をいただければと存じます。
○横井座長代理 改めて、よろしくお願い申し上げます。
新しい委員を迎えまして、新しい布陣ということで、より活発な議論をして、早くよい機器が世に出るように努力したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
次に、事務局から本調査会の運営方法について、特に御留意いただきたい事項などについて御説明のほうをさせていただきます。
○事務局 事務局でございます。
それでは、改めまして、本調査会への御参加に当たっての留意事項を3点ほど御説明させていただきます。
第1に守秘義務の関係でございます。
国家公務員法第100条におきまして、職員は職務上知り得ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とすると規定されております。
本審議会の委員、臨時委員、専門委員は、非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、業務上知り得た秘密につきまして漏らすことのないようお願いいたします。
第2に、薬事に関する企業等との関係でございます。
まずは、参考資料1「薬事審議会規程」を御用意ください。
そして、7ページを御覧ください。
薬事審議会規程第11条におきまして、委員、臨時委員または専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならないと規定されております。審議の中立性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また、任期中に該当することとなった場合には、速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
続いて、参考資料2「薬事審議会における確認事項」を御用意ください。
そして、10ページ目を御覧ください。
審議事項について御説明いたします。
医療機器という見出しの表の右上「部会」「審議会」と書かれております欄に、区分ごとに印がついております。○印が審議、△印が報告、▲印は文書配付による報告、×印については、審議・報告はなしとなっております。本調査会での調査審議の対象であるプログラム医療機器におきましては、注2の部分で、審議事項に係る記載をしてございます。基本的には、これに基づき、調査会、部会、審議会において御審議をお願いしております。
続いて、参考資料3「薬事審議会医療機器・体外診断薬部会プログラム医療機器調査会設置要綱」を御覧ください。
そして、2ページ目を御覧ください。
第5条第2項におきまして、調査会の調査審議事項については、調査会の議決をもって部会の議決とすることができるとされております。
なお、本設置要綱は、先日の医療機器・体外診断薬部会において、第5条議決において、薬事審議会及び医療機器・体外診断薬部会での取扱いも踏まえ、形式的な改正をしてございますので併せて御報告いたします。
続いて、戻りまして参考資料1「薬事審議会規程」を御用意いただき、6ページ目を御覧ください。
第7条におきまして、部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして審議会があらかじめ定める事項に該当するものについては、会長の同意を得て当該部会の議決をもって審議会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合にはこの限りではないと定めております。
先ほどの表に記載しております事項以外にも、このただし書きにありますように、部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であると決定された場合には、審議会において御審議をお願いすることとなります。
委員の皆様におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようよろしくお願いいたします。
説明は以上となります。
○医療機器審査管理課長 次に、本日の審議に参考人として御出席いただく予定の皆様を御紹介させていただきます。
議題2につきまして、地方独立行政法人栃木県立リハビリテーションセンター理事長兼所長、山形崇倫様。
議題3につきまして、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長、松本俊彦様に御出席いただきます。
なお、松本先生におかれましては、Webシステムでの御参加の予定となっております。
議事に先立ちまして、事務局より所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。
薬事審議会規程第11条において「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。
今回、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨の御申告をいただいておりますので、御報告させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、毎回、いろいろとお手数をおかけして大変恐縮でございますけれども、引き続き、よろしくお願い申し上げます。
続けて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて説明させていただきます。
○事務局 事務局でございます。
本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、御説明いたします。
令和6年薬事審議会確認に基づき、全ての議題について医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容が含まれますため、非公開といたします。
会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしております。
また、Webにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。
Web会議で御参加される委員の皆様におかれましては、審議中はマイクをミュート、通信環境等支障がない限り、カメラをオンでお願いいたします。
次に、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業について御報告させていただきます。
資料6「競合品目・競合企業リスト等一覧」をお開きください。
本日の審議事項に関する競合企業として、委員の皆様から寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議決に御参加できない委員はいらっしゃいませんでした。
※後日、詳細を確認した結果、清水委員におかれましては、議題2について議決権なしであることが確認されましたが、議決に影響はございませんでした。
以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上でございます。
以降の進行につきましては、佐久間座長、よろしくお願いいたします。
○佐久間座長 それでは、ここまでの事務局の説明について、何か御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。よろしければ、これより議題に入ります。
本日は、議題2から4までが審議事項、議題1及び5が報告事項となっております。
それでは、議題1「疾病治療用プログラム医療機器の臨床的位置付け及び治療スキームの変更を伴わない承認事項の変更について」の報告に入ります。
事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題1につきまして、事務局より御説明いたします。本議題は報告案件でございまして、審議案件の後に御説明させていただくことが通常でございますけれども、議題2及び議題3に関連した運用方法に関する整理でございますことから、先に御報告をさせていただくものでございます。
それでは、資料1の「背景」を御覧ください。
承認された医療機器の変更を行う場合の薬事手続につきましては、PMDAによる審査を行う一部変更承認申請、以下、一変申請といいます。審査を不要とし、製造販売業者の届出にて変更が認められる軽微変更届、こちらは軽変といいます。こちらの範囲が、薬機法施行規則第114条の25に示されております。また、2ポツ目にございますように、当該規則に基づき、医療機器の一変申請及び軽変の具体的な取扱いにつきましては、各通知にて明確化されてきたところでございます。
続いて、プログラム医療機器の審査に関しましては、次世代医療機器評価指標「行動変容を伴う医療機器プログラムに関する評価指標」が公開されておりまして、この中で、情報を表示するタイミングや方法などが有効性に影響する可能性や、製品の評価に当たってユーザーインターフェースにカスタマイズ機能を搭載した場合の振れ幅等を考慮する必要性などが言及されております。
これらの関連通知や次世代医療機器評価指標を踏まえますと、患者に合わせた知識やメッセージなどの提供を通じて行動変容を促すプログラム医療機器等においては、ユーザーインターフェースの微調整や社会状況の変化にタイムリーに対応することが診療にとって有益である一方で、微細なメッセージなどユーザーインターフェースの変更などが有効性に影響を与える可能性が否定できず、その影響を評価するためには臨床評価、つまり治験などが必要となる可能性がございます。
一方で、ユーザーインターフェースの変更などのたびに、臨床評価を必要とする一変審査を実施することになりますと、迅速な製品変更が困難となってしまいますので、一部の既承認の疾病治療用プログラムにおきましては、当該製品の臨床的位置づけ及び当該製品による治療スキームの変更を伴わない承認事項の変更を行う場合、薬事変更手続後に臨床評価を含む運用状況をPMDA宛てに報告することを条件に、事前に軽変によって製品の変更手続を行うことを可としております。
今後の方針に移りますけれども、既承認の疾病治療用プログラム医療機器の取扱いにつきましては、これまで個々の製品に対する承認条件として示しておりましたが、本日の議題2や3にありますように、昨今、疾病治療用のプログラム医療機器の開発が進められておりまして、同様の取扱いを必要とする製品が想定されることから、これらの取扱いを通知により明確化することといたしました。
通知化に当たりましては、1ページ目から2ページ目にかけて記載しております留意事項を規定することを予定しております。
まず、①としまして、この取扱いを希望する場合は、軽微変更届による承認事項変更の是非及び可能な仕様変更の範囲につきまして、PMDAプログラム医療機器審査部に事前に相談することとしております。また、②としまして、仕様変更により疾病治療用プログラム医療機器の有効性が損なわれていないことを確認するため、仕様変更前後の有効性を比較できるように、使用率や有効性に関する結果などの推移に関する情報を収集し、有効性の変化に関する考察を加えて、PMDAに報告し、評価結果の妥当性について相談することとしております。
さらに、③、④に記載しましたように、本品の有効性が損なわれている可能性が高いと判断された場合は、有効性が確認されているバージョンまで戻すように、PMDAが指示する可能性があることや、そのような状況が分かった場合には、企業からPMDAに対しまして、すぐに相談するようにとする予定でございます。また、これまで個々の承認条件としているところをPMDAと企業間の相談により運用することになりますので、どの製品がこの取扱いを行っているかが対外的に分かるように、⑤にありますとおり、PMDAのWebサイト上に、製造販売業者名や販売名などを公表することを予定しております。
現在、承認条件を付して、同様の運用をしている製品としまして、株式会社CureAppのCureApp HT高血圧治療補助アプリがございますが、本通知を発出するに伴い、当該製品の承認条件及び指示事項は解除する予定でございます。
以上、これまでの考え方と変わるものではございませんが、個別製品に対して行っていた運用を通知化することで、さらに明確化する意図での運用方法の変更となります。
以上、御報告となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐久間座長 ありがとうございました。何かこれに関しまして、委員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。
いかがでしょうか。軽微な変更ということに関して、ソフトウエアのある意味、特性をどう生かすかというところになるかと思いますが、特徴的な変更形態ということになるかと思います。
どうぞ、清水委員、お願いいたします。
○清水委員 清水です。
今、お話を最後にされておりましたが、今回の変更が有効になった後は、同種のものについては、この承認条件とか、指示事項を最初からつけないということも想定されているのか、それとも承認条件や指示事項をつけた上で、途中で今回のルールを適用してCureAppと同じように、解除をするという手続になるでしょうか、その辺りを教えてください。
○佐久間座長 お願いいたします、事務局。
○事務局 御質問いただきまして、ありがとうございます。事務局より回答をさせていただきます。
この運用がスタートしますと、個別の製品に対しまして、有効性の市販後報告を求めるための承認条件は付与しないということを考えております。
以上でございます。
○清水委員 はい、分かりました。
○佐久間座長 よろしいですか。
ほかにございますでしょうか。
よろしいですか。それでは、ほかに御意見がないようですので、よろしければ、今回は報告でございますが、これで議題1を終了いたします。
それでは、議題2につきましては、参考人の御出席をお願いしておりますので、参考人の入室が確認でき次第、議事を進行いたします。
(山形参考人 入室)
○佐久間座長 それでは、議題2「医療機器『ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の要否について」の審議に入ります。
本議題について、参考人として、山形崇倫様に御出席いただいております。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より説明いたします。資料2、2ページ、専門協議委員の一覧を御覧ください。本審査に当たり3名の専門委員から御意見を頂戴いたしました。
それでは、審査報告書を用いて、審査の概要を説明いたします。以降、審査報告書、本体下、中央に記載の黒色のページ番号及び左に記載の行番号を用いて説明いたします。
なお、事前にお配りした審査報告書に一部修正がございましたので、当日配付資料の正誤表にてお示しいたします。このたびは修正がございますことをおわび申し上げます。
初めに、本品の概要を説明いたします。審査報告書6ページを御覧ください。
2行目、審査品目の概要に示しますとおり、注意欠如多動症、以降、ADHDといいますが、本品はADHDの患者に対して使用されるプログラムです。患者あるいは保護者が所有するスマートフォン等の汎用端末にインストールして使用されるビデオゲーム型のアプリケーションであり、機能の概要を表1に示しております。
本品は汎用端末を左右に傾けることで、画面上のキャラクターを動かし、指定された経路に沿って運転するステアリングと、複数の選択肢の中からあらかじめ指定された対象物が現れた際に画面上の任意の場所をタッチするタッピングという2つの異なる操作を同時に行う二重課題をゲーム形式で提供するとともに、患者の処理能力に合わせて二重課題の難易度調整がされます。
ここで本品の操作イメージの動画を御覧ください。
(動画上映)
○事務局 次に、開発の経緯について説明いたします。審査報告書8ページ、10行目「開発の経緯」を御覧ください。
ADHDの治療では、第一段階として、環境調整を含む心理社会的治療が実施され、効果が不十分であるとみなされた場合に、薬物療法が実施されます。
ADHDの症状は、環境の変化等の影響を受けることから、一定期間治療継続後、効果判定を実施し、適宜非薬物療法及び薬物療法の組み合わせを調整します。
審査報告書9ページ、8行目から示しているとおり、非薬物療法は保護者、教師または医師が連携した上で個別に調整する必要があり、その対応方法は多岐にわたるため、治療全体を体系化しにくく、実施できる医療機関が限られていること、薬物療法は患者本人及び保護者の薬物療法への抵抗感が強く、服薬アドヒアランスが低いことが課題として挙げられます。
一方、ADHDは小児期において、早期に医療介入することが予後に重要だと認識されており、既存の治療法以外の新たな治療選択肢として本品が開発されました。
続きまして、海外における使用状況を御説明いたします。審査報告書10ページを御覧ください。
表4、本品の外国における使用状況に示しますとおり、本品は2020年に米国で承認され、これまでにおよそ○○○○人が使用しています。なお、欧州において、2020年にCEマーク認証を取得しておりますが、販売はされておりません。
本品の非臨床試験については、審査報告書12ページから13ページに示しておりますが、特段の問題は認められませんでした。
続きまして、臨床試験成績について説明いたします。審査報告書15ページから16ページを御覧ください。
16ページ、1行目、表5有効性及び安全性に関する臨床試験の一覧に示しますように、本品の臨床試験成績として海外及び本邦で行われた5つの臨床試験成績が提出されました。
国内検証的試験であるA3831試験について御説明します。審査報告書16ページ、6行目を御覧ください。
A3831試験は、6から17歳のADHD患者のうち、環境調整を含む心理社会的治療が十分な期間実施されたものの十分な効果が見込めないと判断された患者に対する本品の有効性及び安全性を評価することを目的に実施された、前向き多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験です。
審査報告書19ページ、図2を御覧ください。
比較パートでは、環境調整を含む心理社会的治療とともに、本品を6週間使用する本品群と環境調整を含む心理社会的治療のみを実施可能とする通常治療群の2群において、A3831試験への登録後、6週時点での有効性の優越性の検証及び安全性の比較検討が実施されました。
その後、比較パートに参加した被験者のうち、繰り返しパートへの参加について同意がえられた被験者を対象とし、本品を再使用した際の安全性、忍容性及び有効性が評価されました。
主要評価項目は、登録から6週時点における医師評価によるADHD-RS-IVの不注意スコアのベースラインからの変化量です。主要な副次評価項目として医師評価によるADHD-RS-IVの合計スコア及び多動衝動性スコアの変化量が、そのほかの副次評価項目として教師評価によるADHD-RS-IVの各スコア等が設定されました。
続きまして、A3831試験の結果について説明いたします。審査報告書21ページ、4行目、3)試験成績を御覧ください。
主要評価項目である6週時点における医師評価による、ADHD-RS-IVの不注意スコアのベースラインからの変化量は、本品群で-4.44、通常治療群で-1.47、変化量の群間差は-2.97であり、本品群は通常治療群と比較して有意な減少を示しました。
主要な副次評価項目については審査報告書22ページ、表10に、そのほかの副次評価項目については、審査報告書22から23ページ、表11及び表12に示しておりますが、主要評価項目と同様の結果が得られております。
続きまして、A3831試験で確認された有害事象と不具合について説明いたします。審査報告書28ページ、表14を御覧ください。いずれの事象も重症度は軽度あるいは中等度であり、転帰は回復でした。また、不具合を34ページの表20及び表21に示しておりますが、患者の健康被害のおそれがある不具合はございませんでした。
ここからは、総合機構における審査の概要について説明いたします。審査における主な論点は4点です。審査報告書45ページ、2行目の総合機構における審査の概要より説明いたします。
まず1点目の論点、本品の有効性及び安全性についてです。
A3831試験において、主要評価項目及び主要な副次評価項目である医師評価によるADHD-RSの各スコアが、通常治療群と比較して、本品群で有意に改善することが示されました。
そのほかの副次評価項目も含め、一貫した結果が示されており、本品の有効性は示されたと判断しました。
次に、本品の安全性についてです。審査報告書47ページ、11行目を御覧ください。
本品に関連ありと判断された重篤な有害事象は発現せず、本品の安全性に特段の懸念はないと判断いたしました。
一方で、治験における本品の試用期間は最長で12週間であり、より長期に使用した場合の安全性については確認されていません。本品は、1日の試用期間が制限されており、必要以上の報酬を獲得できませんが、本品は報酬を獲得する要素があり、本品の長期使用に起因し、本品に限らず、ゲームやスマートフォン等電子機器への依存症が誘起される可能性が懸念されます。
そのため、本品の使用に伴う有害事象が確認されていないからといって、本品を漫然と使用するのではなく、本品による治療の効果が確認されていない場合や、本品の使用が不要となった場合にも、本品の使用の必要性について適切に判断されることが重要と判断いたしました。
専門協議での議論も踏まえ、本品の長期使用の必要性は、本品の効果に関わる適切な判定結果に基づき、慎重に判断する必要があることを注意喚起することが妥当であると判断いたしました。
次に、2点目の論点、本品の臨床的位置づけについてです。審査報告書48ページ、19行目を御覧ください。
A3831試験の試験成績から本品の使用前に実施される環境調整や心理社会的治療の実施状況、並びに薬物治療歴の有無によらず、薬物療法を併用しない患者に対する本品の有効性が示唆されており、患者に対する明らかなリスクがないことを踏まえ、本品は、前治療によらず使用可能であると判断いたしました。
薬物療法に対する本品の上乗せ効果について、米国臨床試験や国内治験において、医師評価によるADHD-RSの各スコアの変化量に大きな違いは認められていません。本品が有効性を発揮する治療機序に関わる報告は限定的ですが、対象患者における年齢、国内外の医療環境差及びユーザーエクスペリエンスの細かな差異によらず、一定の有効性を発揮する可能性が示唆されています。
また、薬物療法併用の有無にかかわらず、同程度の有効性が確認されており、本品における薬物療法との併用においても一定の有効性が期待できると判断しました。
以上から、専門協議での議論を踏まえ、環境調整やその他の心理社会的治療が行われたが、効果が不十分な患者に対して、本品を環境調整、心理社会的治療や薬物療法との併用が可能な治療選択肢の1つとすることが妥当と判断しました。
なお、本品の使用に伴い、安易に薬物療法を減量または中止することは避ける必要があること。また、薬物療法の実施により、本品の使用を中止した場合の影響は評価されていないことから、本品の使用や薬物療法の中止の必要性は、本品の効果に関わる適切な判定結果に基づき、慎重に判断する必要があることを、注意事項等情報にて注意喚起を行うことが必要と判断いたしました。
3つ目の論点は、適用対象についてです。審査報告書53ページ、1行目を御覧ください。
A3831試験において、不注意優勢型と混合型の患者における医師評価によるADHD-RSの多動/衝動スコアの改善が確認されましたが、不注意スコアほどの変化量は確認されていません。また、米国においても多動/衝動優勢型の患者は適用に含まれておらず、多動/衝動優勢型の患者における本品の有効性及び安全性は評価されていないことから、専門協議の議論を踏まえて、本品の対象に多動/衝動優勢型の患者を含めることは適切ではなく、不注意優勢型と混合型に限定すべきと判断しました。
4つ目の論点は、製造販売後の安全対策についてです。審査報告書53ページ、24行目を御覧ください。
本品は、ゲーム依存症やスマートフォン等の電子機器への依存症に関する潜在的なリスクが否定できないビデオゲーム型のアプリケーションソフトウエアであることから、本品の適用や継続使用の可否については、本品の特性を理解し、対象患者における適切な症状判定や本品の効果判定を実施した上で、対象患者におけるリスク・ベネフィットを踏まえ、医師が慎重に適用を判断することが重要と判断しました。
そのため、本品の適正使用に関して、日本ADHD学会、日本児童青年精神医学会、日本小児神経学会及び日本小児精神神経学会との協力の上、本品に関する適正使用指針を策定し、本品の有効性、安全性及びゲーム依存症やスマートフォン等の電子機器への依存症に関する潜在的なリスクに関する情報、並びに本品の効果を適切に評価した上で、継続使用の要否を決定することの重要性等について周知徹底を図ることが適切と考え、この旨を承認条件として付すことが妥当と判断しました。
最後に、本品の使用成績評価の要否について説明いたします。審査報告書54ページ、1行目を御覧ください。
総合機構は、本品は、米国において一定の使用実績があり、米国における不具合報告は効果の低さに関する1件のみであること、また、A3831試験及びA3821試験においても、特段の安全性上の懸念は確認されておらず、専門協議の議論も踏まえ、新たに評価すべき事項は想定されないことから、使用成績評価を行う必要性は低いと考え、使用成績評価の指定は不要と判断いたしました。
以上を踏まえ、総合機構は、審査報告書55ページ、33行目に記載の使用目的とし、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本プログラム医療機器調査会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。
本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
また、使用成績評価の指定は不要と判断いたしました。なお、薬事審議会では報告を予定しております。
総合機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、参考人の山形先生から追加の御説明はありますでしょうか。
○山形参考人 すみません、山形です。よろしくお願いします。
御存じかと思いますけれども、ADHDについて、簡単に補足させていただきますと、気が散りやすくて集中できない、不注意症状と、待てないとか、我慢できないことから来る多動/衝動性というのが2つに分けられるのですけれども、主には前頭葉の実行機能という、物事を順番立ててやるとか、やってはいけない、抑制するとか、いろいろな認知をする、そういうことの機能低下、ドパミン系の異常ですけれども、それと側坐核の満足中枢、満足を得ることが弱いということから起きる症状ですね。
この治療薬としては、コンサータとか、ビバンセとか、ADHDもいろいろ薬はあって、特にコンサータとかは、すごく切れもいい薬なのですけれども、12時間しか効かないということと、お昼が食べられない子が半数近く出てくるということで、内服がうまくできない子たちも出てきているということがあります。それで、新たな治療法があるということはいいことだと思います。
ADHDの問題は、怒られたりとか、いろいろ周りとうまくいかないとか、そういうことから来て、二次的にひきこもったり、あるいは反抗的になるとか、そういうことを抑制するということであって、長期に行動が変わってくるというのは、非常に重要なことかなと思います。
それで、このエンデバーの2つのことをやるという実行機能の改善が得られたということで、不注意型を中心に効くということで、ただ、満足中枢、欲求充足系には効いていない、軽いかなというところで不注意型を中心に有効性が期待されると思います。
やはり、ADHD、ゲーム依存とか依存症が強く出る疾患ですので、こういうゲームをやることに対して、依存性は、やはりみんな懸念はしているのですけれども、ただ、このゲーム自体が、比較的単純と言ったらあれですけれども、2つの動作だけやっても、報酬性、満足性が低いので、あまり依存性は出ていないという報告で、逆に、○○○○○○○○○○○○○○、言ってしまったけれども、すみません、これは決して、持続できるという能力も鍛えられるかなと思います。
そういう面で、薬剤治療はとてもいいのですけれども、限界があるところがあるので、その補足あるいはこの治療だけでうまくいく子もいればということを期待しています。よろしくお願いします。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。
山本委員、お願いします。
○山本委員 国立衛研の山本です。持続性に関して質問をさせていただきます。
安全性については、問題ないということでした。また、使用が進むによって、難易度が高まってくるというお話もあって、継続できるものだろうと思います。臨床試験にて、24週の長期使用データがありますけれども、より長期の使用における効果の持続について、情報がありましたらお教えいただきたいと思います。
また、市販後に、そういった効果の持続等を調査することがあってもいいのではないかと思うのですけれども、この点についても御回答をいただければ幸いです。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答させていただきます。
まず、1点目、長期使用した場合の有効性に関するデータがあるかという点に関しましては、現状、治験で使用された期間というのが最長で有効性が確認されている期間でございますので、より長期に使用した場合のデータというところは、現在、存在していないところでございます。
今後、臨床機関等で依存症のところも含めて、本品の使用を継続した場合に、きちんと有効性が出ているか、症状の改善が見られているかというところについては、医師が定期診察の中で、ADHDのRSスコアですとか、そういったものを用いながら、効果判定というところをしていただくことになるかなと考えております。
○医薬品医療機器総合機構 先生、もう少しだけ補足をさせていただければと思います。PMDAでございます。
長期の調査に関しまして、少しだけ補足をさせていただきますと、使用成績調査に関しましては、どちらかというと、安全性上の問題が懸念されるという点を踏まえて指定をし、調査をさせるというところが一般的でございまして、本品に関しましては、もちろん、本品をゲートウェイとした依存症のリスクというところは、完全には否定できないところでございますが、臨床試験においても特にそう大きな問題も確認されておりませんし、海外においても、そういった報告がないということから、使用成績調査としての指定は不要と考えております。
一方で、おっしゃっていただいたとおり、長期的にはどうなのかというところについては、まだまだ不明な点が多いと思います。
専門協議の中でも、そういった長期的な使用に関する効果に関して議論があったところでございますが、では、どういう評価をするべきなのかというところについても、なかなか難しいところがございますので、現時点で長期的な評価というところを何か義務づけて実施することは考えていない、義務づけないというところで、こういった審査になってございます。
以上でございます。
○山本委員 ありがとうございました。
○佐久間座長 そのほか、宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、山本委員からお話があったように、長期的なところをどのように判断するのか。安全性は問題なく、54ページの33行目のところで、長期的な有効性が期待できるということを言いながらも、今、お話のあったように、48ページ目の11から16のところでは、長期使用については慎重に判断する必要があるとし、注意事項等情報にて注意喚起をすると書いてあります。書きぶりが非常に難しいということで、このようになっているのでしょうけれども、有効性も含めて、どのように長期的なところで判断して、ここで効果はある程度いいですよといった場合であっても、歯止めがどこにかかってくるのかということが、この文章の中では読み取れないですね。
ですから、本来からすると、市販後調査で、これに関してジャッジをするということができるのかとか、それとも別の意味で、これからも、こういうプログラム医療機器というのがたくさん出てくるでしょうけれども、そういうものを誰がどのように長期的なところで判断していくのかを考えるべきです。今でも多くのプログラム医療機器があって、行動変容等を含めたものがあるのですけれども、行動変容というのはもともと長期にわたって、保障されるものではない、初期のいろいろなアクションによって行動変容は起こるけれども、それを持続させる新たな仕組みが、そのプログラム医療機器になければ、長期の効果というものは、なかなか持続ができない。
それに対して、検証するところが今のところ全くないのですね。それをどのように大きな目で見ていくのか。この機器に対して、そのことについて特段議論するということではないのですが、しかしながら、全般的にこれから起こってくるであろう、それから、全てのこういうプログラム医療機器に対して、厚労省とPMDAが、今後どのように検証していくのか、そういう道筋がないまま、個別のところをずっと議論していくというのは、我々委員にとっても難しいといえます。
それから、専門委員の先生方に対しても、失礼な話になってくるのではないかとは思います。
別にPMDAを責めるとか、厚労省を責めるということではなく、大局感で考えていかなくてはいけない問題ではないかなと思うので、一応提示させていただきました。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございます。
今の議論は、このようなソフトウエアが、行動変容という形で使える、一定の有効性はあるということが分かっていて、今回ある期間では有効であるということが分かったということです。
一方で、ここでもたらされた行動変容をしたら、長期にどうなるかということについては、まだまだよく分からないところがある。
一方、今の市販後調査という考え方は、どちらかというと、安全性に関わる議論であり、その枠組みの中では、なかなか長期的な有効性を見ることができない。ある意味では、この問題はこのようなソフトウエア固有の課題ということになるのかもしれません。科学的に議論するということについては、現在の状況では大規模な臨床研究を行うわけにもいきませんし、そして多くのこのようなソフトウエアを開発するソフトウエア企業というのは、それほどの大きな体力があるわけではないだろうと思います。その辺りをどのように考えていくかというのは、今後の課題だと思いますが、何かございますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 宮川先生、どうもありがとうございます。
今、まさに黎明期から、実際の実用に向けた中で、具体的に実際に起こってくる問題が、今、御指摘いただいた1点のところにあると思います。
今までの立てつけですと、安全性に着目した形で使用成績調査を行うというストーリーでやっておりましたが、このものの場合、安全性の観点もございますけれども、今の御指摘は、その有効性も含めて、トータルパッケージでどのようなものになっているのかをきちんと規制当局側としてウォッチする必要があるというところの御提案だと思いますので、どのような立てつけでやるか、また、大々的にやると非常に資金の問題が、国においても限りある財源でございますので、どのような方法で、まず、そういった立てつけをつくっていくのがいいのかについて、例えば、この研究班ですとか、何らかの議論、いきなりこの部会で御議論いただくのは少し難しいと思いますので、まず、その下地をきちんと、その課題をピックアップした上で、検討結果が、また、こちらのほうに御報告できるように、こちらのほうもPMDAとも調整しながら進めたいと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。
そういう意味では、1つのベンチャー企業とか、そういうところに依存して長期的にやるというのは資金的な問題もあるし、そうすると、ベンチャーも出て来にくくなる、ベンチャー企業以外にも言えることですね。
そうなると、どこかの機関でそういうものをしっかりと見ていくというのが、例えば、PMDAでも何でもいいのですけれども、そういう箱をつくっていかないといけないのだろうなと思いますので、ぜひそういう議論をどこかでしっかりと議論していただいて、箱づくりから始めてみていただきたい。こういうものは、これからたくさん出てくると思うので、そこをどうやってそこに落とし込んでいくのか、つまり安全性だけではなくて有効性も含めてやっていくときには、どのような仕組みが必要なのかということも、しっかりと議論していく場所を、ぜひ、厚労省とPMDAでどこかに示していただければ幸いかなと思っています。
以上です。
○医療機器審査管理課長 御指摘ありがとうございます。承知いたしました。
○佐久間座長 今の議論のところですけれども、この点に関して、やはりプログラム医療機器は、かなり期待もされているところで、恐らく新しい医療につながる部分もあるだろうと思われます。
一方で、これをどうやって評価するかというところは、なかなか難しいところがあって、これは、継続的に、ここではなかなかできないところもあると思いますので、御検討いただければと思います。
それでは、北澤委員、お願いいたします。
○北澤委員 よろしくお願いします。
幾つか質問があります。
1つは、A3831試験についてです。まず、これは、いわゆる心理社会的治療のみの群と、それにゲームを上乗せした群の2群比較になっていますが、上乗せ試験ではなくて、薬で言うところのプラセボ対照ではないですけれども、別のシャム治療との比較をすべきだったのではないでしょうか。審査報告書には、シャム治療は難しいので上乗せにしたと書いてあるのですけれども、海外で行われた試験では、実際のゲームを使う群と別のゲームを使う群との比較になっていて、別のゲームをやっている人がいわばプラセボ群になっていました。どうしてシャム治療ができないと判断したのかというのを聞きたいのが1点目です。
2点目は、やはり結果のところなのですけれども、ベースラインからの差で見て、ゲームをやった群とやらなかった群で3点ぐらいの差があったという結果でしたが、このスコアにおける3点の差というのは、統計学的には有意かもしれないけれども、臨床的に見て、あるいは患者や親の実感として、この子は何か注意できるようになったなと分かるぐらいの差なのか、私は医師でないもので分からないので、その辺りをお聞きしたいと思いました。それが臨床試験についての質問です。
では、取りあえず、ここまででお願いいたします。
○佐久間座長 それでは、御回答をいただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 先生、御質問いただきましてありがとうございます。総合機構より回答させていただきます。
まず、御質問いただきました1点目、A3831試験において、シャムを対象としなかった理由に関しましてですけれども、初めに実施いたしました、A3821の試験、探索的治験のほうでは、シャム機器を置いております。
シャムの内容といいますのが、本品自体は二重課題、2つの操作を行うゲームというところでございますけれども、シャムのほうには二重課題ではなく、1つの操作のみを行うものをシャム機器と置いて、試験を実施いたしました。
結果として、1つの課題を行うゲームにつきましても、本品ほどではないにしても症状の改善効果が見られたところがございまして、そうなりますと、シャムとしての妥当性というところが議論になりました。
ほかにもシャムとして何かほかのゲーム機器ができないかというところは検討いたしましたが、盲検性を確保しながらのシャム機器の開発というのが難しかったところもございまして、今回、A3831の検証的治験に関しましては、シャム機器ではなく通常治療というところを対象として置いて試験を実施したところになっております。
○北澤委員 ありがとうございます。
でも、結果的には、ゲームをやった人とやらない人を比べているので、盲検性はないということですね。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
探索的治験のほうに関しましては、患者さんに対して盲検性のアンケートも実施していまして、盲検性自体は確保されていたという結果と理解しております。
○医薬品医療機器総合機構 先生、PMDAでございます。
少し御説明をさせていただくと、先生おっしゃるとおり、検証的治験のほうでは盲検性を担保できないというところから、盲検性なく、標準治療に対して本品を上乗せした群、上乗せしていない群での評価をしております。
先ほど担当のほうから申し上げましたとおり、盲検性を担保できるようにシャムを設計することについては少し難しい、どうしても内容が分かってしまうということで、適切なシャムということが難しいということで、そこについては、シャムを使わないという判断に至っておりますし、また、さらに盲検性が担保できない、例えば何かのシャムを提示するといったときに、必ずしも盲検性が担保できないということであれば、しっかりと現状の治療をやっていただく群を対照群に置くということで、問題はないのではないかということで、今の試験系になったという経緯でございます。
○北澤委員 ありがとうございます。一応理解しました。
だけれども、シャム対照群を置かないことで、結果の、ベースラインからのスコアの低下の度合いの差分が過大に評価される可能性はあったのではないかと、個人的には思いました。
それから、もう一つの3点の差というのが、臨床的に見てどうなのかという点についてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
この点について、総合機構のほうから回答をさせていただきます。
まず、3点の差という点に関しまして、今回評価に用いましたADHDのあるRSスコアは、18の日常で困っている症状について、0点から3点までと0点がない、もしくはほとんどないから、3点が非常にしばしばその行動があるというところで、スコアを計算するものになります。
1つの行動が改善したのか、あるいは複数の行動でそのスコアが改善したかというところで解釈が異なってはきますけれども、例えば、1つの行動に対して、スコア3減少したということであれば、高頻度で行われていた日常で困った行動というのがなくなったと解釈できるかなと思っております。
また、例えば複数の行動でスコアが1ずつ減少したということについても、それらの行動の頻度が低下したのだと解釈ができるかなと思っております。
この点に関しまして、山形先生のほうから補足等あれば、お願いできればと思います。
○山形参考人 少し説明させていただきます。
3点というのは、正直少しです。コンサータとかだと多分この2、3倍どんと下がってくると思うのです。ただ、コンサータとかドパミンを一時的にどんと上げて効かせると、12時間だけ働かせるということですけれども、軽度だけれども長い間ずっと持続的によくしていってシナプス機能が強化されていくといいのかなというところで期待されると思います。強くどんと行くより、軽いけれども長期にじわじわ効いてくることが期待されるのでいいのかなと思いますけれども、ただ、機序も十分分かっていないので、私もどこまで本当にいいか難しいところですけれども、期待はしております。
○北澤委員 ありがとうございます。
もう一点伺ってもよろしいでしょうか。
○佐久間座長 はい、どうぞ。
○北澤委員 先ほどの議論でも、これは長期に使ってどうなのかというお話がありました。そのことも知りたいのですが、今の先生の御説明では、小さい効果かもしれないけれども、じわじわ効いていくというお話だったのですけれども、では、このゲームをやめていいと判断できるのはいつなのでしょうか、結局は、ずっと使い続けなくてはいけない、結果的にそうなってしまうのか、それとも、ここまで来たらもうやめていいねというのが、親子ともに決められるのか、その辺りについては、いかがなのでしょうか。
○山形参考人 取りあえず、山形から、それは難しくて分かりませんけれども、結局、私個人は、シナプスを強化されるということでネットワークがよくなってくるのだと想定するのですけれども、そうすると、ある程度強化されると固定化するけれども、やめると戻る、固定化される前だと戻るのがシナプスの強化だと思うので、それがどのぐらいでできるかというのは難しいと思います。だから、ある程度やってよくなったと思ったらやめて、やめたらまた戻ってきたらもう一回できるかなというところかと思うのですけれども、そういう点では、フォローアップのデータが必要かと思うのですけれども、学会とかでも興味は持っておりますので、いろいろな解析が出ると思いますけれども、おっしゃるとおり、本当に二重盲検をしないと効果は難しいと思うので、ただ、しなくても効果が実感できるとすばらしいのですけれども、そこまでできるかは、実際的にはかなり難しい。学会等でいろいろデータは出してくると思うのですので、それも交えて評価を考えていければと思っています。
○北澤委員 ありがとうございました。
それと、もう一つだけお聞きしたいのですけれども、長期の評価というところに関係するのですけれども、お薬の場合でしたら、処方していただいた薬を全部飲み終わってしまったら、薬はなくなるわけなのですけれども、ゲームアプリの場合は、自分のスマホにダウンロードしたらずっと残っているわけで、それをほかの子が使ったり、あるいはこれはいいよみたいな感じで友達と一緒にやったり、そういったことができてしまうと思うのですね。その辺りは、規制しなくてもよいものなのでしょうか。
以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答させていただきます。
まず、患者以外の方が使用できないような仕組みがあるかという点に関しましては、使用時に、まず、初めに本品を処方されて初めに使うときに、アクティベーションコードを使った認証というところがございまして、そのほかに、患者本人であることを確認するためにメールアドレス等の個人認証など、複数の認証を組み合わせた上で本品を使用する形になります。
ただ、その端末自体をログインした状態で、ほかの子に渡すときにできてしまうということにはなるのですけれども、本品の仕様として、1日25分以上は使用できないような仕様になっておりますので、例えば患者さんがほかの方に貸し出してしまったとしたら本人ができないということになるので、そういった機会があるかは、現状は分かりませんけれども、あまり想定はされないのかなと現状では思っております。
○北澤委員 ありがとうございました。
○佐久間座長 ほかにございますでしょうか。
どうぞ、清水先生。
○清水委員 確認したい点がございます。
まず、1つは治験のデザインで、この試験をしている間に類似ゲームを、先ほど動画を見させていただいてすごくよく分かったのですが、ああいうタイプのゲームというのはたくさんあるかと思いますが、そういう類似ゲームの使用というのは、いずれの群でも、例えば、使用を禁止するとか、そういうことはされていたのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答いたします。
本品以外の一般的なゲームについては、使用は特に制限しておりませんで、各患者さんが何時間ほかのゲームを使用していたかというところのデータも取っておりまして、そういうところでございます。
○清水委員 それらが特に影響を与えたということは、この場合は想定しなくても大丈夫でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
各ゲームを何時間使用していたかというところで層別の解析をしておりまして、特に本品以外のゲーム使用時間と、その有効性のところの影響というのはないというデータが現状示されているところでございます。
○清水委員 よく分かりました。
それから、これは御説明をいただいたかもしれませんが、表14を見ますと、精神障害を含むイベントがかなり本品使用の場合に増えている、影響はないとおっしゃったのですが、増えているのが少し気になっておりまして、これは、いずれも軽度で問題ないという結論でしたが、例えば、疾患のグレード別とか年齢別で何か傾向があるとか、そういうものがありましたら教えていただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
申し訳ありません、現状、手元に年齢別等のデータはないところではあるのですけれども、本品群のほうで有害事象の発現が多かったことに関しましては、通常治療群の6週に比べて、本品群のほうが10週と評価期間が長いということが有害事象の件数が増えたというところに関係しているのではないかと考えております。
○清水委員 そうしますと、同じ6週でデータを集計し直すということもできるかと思うのですが、それはされておりますでしょうか。それとも、もう10週でまとめて、いつ起こったかというイベントの時期が分かれば、6週でまとめ直すということもできるかと思うのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
表14の一番右端が本品群の0から6週というところで、そちらでも確かにイベント数が多いは多いのですけれども、どういったイベントが多かったというところにつきましては、例えばCOVID-19ですとか、上咽頭炎などのような感染症が多かったというところもありますので、偶発的な事象は本品に関係していないところの事象が多かったのではないかと考えております。
○清水委員 そうですか、先ほどの表を見ていて、精神障害とかそういう辺り、あるいは呼吸器、これは先ほどのCOVIDに関係するのですかね、感染症ではないような例もありましたので質問をさせていただきました。でも、総論として解析されて影響がないということであれば、よろしいのではないかとは思います。
それから、先ほど少し質問が出ていた件なのですが、一度中止して、それから再開するということも想定されているようなお話でしたが、この再開についての条件というのは何かございますか、例えば休止期間はこのぐらい設けて再開してくださいとか、再開した場合にはどのぐらいの長さまでとか、この辺りはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
基本的に本品の使い方としましては、6週間使用した段階で一度本品が使えない状況になりますので、その段階で、一度医療機関で診察を受けていただくことになるかなと思っております。
その後、継続するのか、一旦中止してまた後日再開するのかというところにつきましては、現状こちらでは条件等は考えてはいないのですけれども、患者さんの症状を見ながら、医師の方に判断していただくことになるかなと考えております。
○清水委員 分かりました。どうもありがとうございました。
○佐久間座長 そのほかいかがでしょうか。
どうぞ、お願いします。
○渡邊委員 すみません、渡邊です。数点だけ確認させてください。
米国で使われていた実績の上での本国での申請ということですけれども、今まで米国のほうでは、最初は8歳から12歳での試験がなされて、その後、青年期への拡大で、最終的に8歳から17歳になっていたかと思うのですけれども、日本での今回の適用が6歳からということになっています。この辺りの年齢設定というのはどうなっているのかというのが1点目です。
それと、資料の17ページのところの表6の中での主な除外基準のところに、同意取得から後に併用禁忌薬もしくは併用禁忌療法を使用した患者という記載があるのですけれども、これに関しては、併用禁止の薬剤であったり、併用禁止の療法というのが設定されているのか否かというのをお教えいただければと思います。
また、日本で申請するに当たって、米国仕様から変えた日本での有効性を考慮した特徴みたいなところがあるのであればお教えいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答いたします。
まず、1点目の海外と本邦において対象の年齢が異なる点でございますけれども、国内治験を実施する際に、国内での医療現場のニーズを確認した上で、本品が患者ごとにレベル調整がされるということと、このトレーニングの内容自体が小学1から2年生程度で十分に理解できるような操作であったこともありまして、ADHDに対する既承認の医薬品というものの多くが6から17歳を対象にしていたというところも踏まえまして、国内治験において対象年齢は、米国とは違いますけれども、6から17歳というところにおいて試験を実施したところでございます。
2点目の除外基準の薬物等につきましては、国内治験ではADHDに関連するような既承認の医薬品との併用というところを認めておりませんでしたので、そういったところを使用されていた患者さんというところは、除外をした上で治験を実施しているところでございます。
申し訳ございません、3点目の御質問を、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか。
○渡邊委員 日本で申請されるに当たって、米国仕様から何か変えられた点があるのであればお教えいただければと。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
米国仕様と異なる点ですと、1点が、本品の使用方法なのですけれども、米国ですと、週5日間使用する形になっているのですけれども、日本では○○○○○○○○○○○○目的もあり、毎日週7日間使用するような形で使用方法を変更して、今回承認されるという予定でございます。
○渡邊委員 ありがとうございます。
ぜひ年齢が拡大された上で、かつ使用方法も増やしてということですので、それだけの効果が期待できればと思います。
最初の参考人の先生が言われた内容もそうなのですが、継続しての使用をすることの必要性、重要性を言われており、また今、話が出た薬剤との併用という部分もありますので、今後、臨床現場で使っていくに当たっては、ぜひその辺りを、薬との併用も含めたフォローで、薬剤師等々が入って医師と薬剤師が連携しながらのフォローアップが必要であるとか、そういうしっかりとした安全性の高い使い方をお願いしたいと思います。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
今日出た論点というのは、例えばシャムについても、シャムアプリをつくるのは難しいという課題がある。ものを見てしまうと、違うものをやっていることが分かってしまいますので。
あと、効果についても薬に比べてみると、やはりじわじわというか、そういう傾向がある。逆にそれがメリットでもあるということなのだろうと思います。その辺りは全体的に見た上で、今回このような形の御報告をいただいたということになるのかなと思いますが、追加で、何か御意見とかはございますでしょうか、よろしいでしょうか。
いろいろ御指摘、御質問が出ましたけれども、特に大きな異議があったということではないと思いますので、議決を行いたいと思います。
医療機器エンデバーライドについて、本調査会として承認を与えて差し支えないものとし、生物製品及び特定生物由来製品として指定しないとしてよろしいでしょうか。
また、使用成績評価は期間を不要とするということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 御異議がないようですので、そのように議決いたします。
また、プログラム医療機器調査会設置要綱第5条第2項に基づき、この議決を医療機器・体外診断薬部会の議決といたします。
本件は、審議会にて報告を行うこととします。
今回、いろいろ議論が出たと思います。課題が幾つかあると思いますので、これについて、また、ここでもいろいろ議論しながら検討を進めていくとともに、また、厚労省のほうでも御検討をいただければと思います。
これで議題2を終了いたします。
山形先生、どうもありがとうございました。
(山形参考人 退室)
○佐久間座長 すみません、ちょっと私からの表現を間違えたところがありました。使用成績評価の指定を不要とするということですので、おわびして訂正いたしますが、その点、使用成績評価の指定を不要とすることにして進めたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次に議題3につきましても、参考人の御出席をお願いしておりますので、参考人の入室が確認でき次第、議事を進行いたします。
事務局いかがでしょうか、よろしいですか、オンラインでしたかね、確認できていますかね。
(松本参考人 入室)
○佐久間座長 それでは、議題3「医療機器CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の要否について」の審議に入ります。
事務局より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
資料3、2ページ、専門協議員の一覧を御覧ください。本審査に当たり3名の専門委員から御意見をいただきました。
それでは、審査報告書を用いて審査概要を説明いたします。以降、審査報告書本体下、中央に記載の黒色のページ番号及び左に記載の行番号を用いて説明いたします。
初めに、本品の概要を説明いたします。審査報告書6ページ上段「1.審査品目の概要を」御覧ください。
本品は、アルコール依存症の飲酒量低減治療が適用となる患者に対して使用されるプログラムです。
患者がスマートフォン等にインストールして使用する患者用アプリケーションと、医師が診察の際にデータ閲覧するために使用する医師用アプリケーションから構成されます。以降、それぞれを患者アプリ、医師アプリといいます。患者アプリの機能の概要を表1に、医師アプリの機能の概要を表2に示しております。
患者アプリでは、患者が入力した情報及び収集した行動の実践結果を基に、習慣化に必要な取組を個別化し提示します。医師アプリは、患者アプリで取得した情報を医師と共有し、診察時の参考になる情報を提供します。
なお、本品は医師の指導のもとで使用されるものです。長期にわたり医師の診察を受けていない患者に対しては、患者アプリが使用できなくなるよう管理されています。
次に開発の経緯を御説明いたします。8ページ中段「(1)開発の経緯」を御覧ください。
本邦においてアルコール依存症の治療を受けている患者は約5万人にすぎず、100万人以上の未治療患者がいると言われています。関連学会が公表している診断治療ガイドライン等では、アルコール依存症に対しては、心理社会的治療が治療の主体であり、薬物療法は補助的な役割を担うとされています。一方で、専門医療機関の数が少ないといった医療資源の課題や、専門医療機関への紹介の同意が得られない患者、遠方のために通院ができないといった患者要因等の課題が示されており、プライマリ・ケア医や内科医等による早期介入の必要性が示されています。
また、同じく診断治療ガイドライン等では、アルコール依存症の治療は、継続した断酒が最も安定かつ完全な目標ではあるものの、治療の継続が重要であり、断酒以外にも飲酒量低減も治療目標となり得ることが示されています。
近年、技術習得の難しさや実施費用の問題から普及に課題のある心理社会的治療に関して、患者のスマートフォンを用いて心理社会的治療等を支援するプログラム医療機器が各国で開発が盛んに行われていることや、アルコール依存症を対象に実施されたランダム化比較試験において、コンピューターを用いた介入により、心理士による対面の介入を超える効果が示されたことが報告されたことから、申請者は、日常の患者の状況を医師アプリで簡便に確認しつつ、患者アプリにより飲酒量低減治療における心理社会的治療を補助する本品の開発に至りました。
なお、海外における承認及び許可はありません。
本品の非臨床試験に係る性能に関する評価については、審査報告書10ページから11ページに示しておりますが、特段の問題は認められませんでした。
続きまして、臨床試験成績について説明いたします。審査報告書13ページを御覧ください。
11行目、ヘ項に示しますように、本申請において本邦で行われた臨床試験成績が提出されました。本治験は、本品の有効性及び安全性を検証するために実施された、多施設共同並行群間比較試験です。本治験は、表3、主な選択基準に示す患者を対象としました。こちらは飲酒量低減治療が適用となる患者となります。
治験の流れについて説明いたします。審査報告書15ページ、図3を御覧ください。
本治験では、介入群、すなわち関連学会が公表している飲酒量低減治療マニュアルに記載された手順に従った心理社会治療に加え、本品を使用した群と、対照群、すなわち飲酒量低減治療マニュアルに記載された手順に従った心理社会治療に加え、飲酒記録機能のみのアプリを使用した群について、飲酒量低減効果を比較する試験として実施されました。
本治験の使用評価は、登録から12週時点で行いました。また、両群とも12週時点における飲酒量の状況に応じ、薬物療法を併用可能とした上で、さらに12週間の評価がなされました。
同じページの下の脚注に、WHOによる健康リスクに基づく飲酒量リスク分類であるDrinking Risk Levelについて記載しております。本治験には、こちらの表でVery HighとHighに分類される1日の純アルコール摂取量が男性で60g、女性で40gを超える患者が参加しました。
主要評価項目は、登録から12週時点における4週当たりのHeavy Drinking Day数、以下HDD数と言いますが、HDD数のベースラインからの変化量が設定されました。
主な副次評価項目は、純アルコール摂取量に関する指標や、アプリの使用状況、血液検査値等が設定されました。
続きまして、本試験の結果について説明いたします。審査報告書18ページ下段「(3)試験結果」を御覧ください。
HDD数のベースラインから12週時点での変化量は、介入群で4週当たり-12.2日、対照群で4週当たり-9.45日、群間差は、4週当たり-2.785日であり、介入群は対照群に対して有意な減少を示しました。
副次評価項目については、審査報告書19ページ、14行目以降に概要を示しております。表7から表13に示しますように、純アルコール摂取量に関する指標において介入群のほうが、減少量が大きい傾向にありました。同様に、その他の副次評価項目についても、対照群に対して介入群で改善等が確認されています。
続きまして、本治験で確認された有害事象と不具合について説明いたします。審査報告書24ページ、中段を御覧ください。
本治験において報告された有害事象を表15に、また、不具合を次のページ、表16及び17に示しております。本治験中に発現した全ての有害事象と本品との因果関係は否定されています。また、患者の健康被害のおそれがある不具合もありませんでした。
次に、総合機構における審査の概要について説明いたします。審査における主な論点は、4点です。
1点目の論点は、本品の有効性及び安全性についてです。審査報告書26ページ、中段を御覧ください。
まず、本治験での飲酒量は、患者アプリによる記録を基にしていることから、本品の有効性を適切に判断するため、患者の申告に基づく評価の適切性及びその他の客観的指標に基づく評価との整合性について申請者に説明を求めました。
本治験での飲酒量は、患者アプリに入力した飲酒記録のみでなく、来院日に検査者とカレンダーを確認しながら過去を振り返り飲酒量を測定する方法、Timeline Follow Back法を用いて修正された飲酒量を用いました。
この手法は、EMAのアルコール依存症治療薬開発ガイドラインでも推奨されており、本邦のアルコール飲酒量低減治療薬の治験の主要評価項目や通常診療においても用いられることから、一定の信頼性がある手法と説明されています。
加えて、副次評価項目で収集した肝機能に関する臨床検査値であるAST、ALT及びγ-GTPの結果を確認すると、治療期12週及び治療期24週において介入群のほうが低い傾向が見られ、ベースラインからの変化量についても対照群と比べ介入群でより悪化が抑えられ、肝機能が改善している傾向が確認されていると説明されています。
本治験は非盲検下で、かつ、患者自身で入力する飲酒量から評価することを踏まえると、ホーソン効果やプラセボ効果の影響も考慮した治験を計画すべきと考えます。
一方で、対照群では飲酒記録機能のみのアプリが使用され、セルフモニタリングが実施されており、一定の改善効果が期待される保守的な対照群に対する優越性が示されたことを踏まえると、介入群において一定の意義のある改善があると判断いたしました。
また、本治験では、介入群において、主要評価項目であるHDD数のベースラインから12週時点への変化量が対照群に対して有意に減少しました。加えて、副次評価項目における純アルコール摂取量に関する指標や、肝機能検査の結果等についても、主要評価項目と同様に改善等が認められ、本治験において一貫した結果が示されました。
以上より、専門協議での議論も踏まえ、飲酒量低減治療において実施される心理社会的治療を支援する位置づけで使用される本品の有効性は示されたと判断しました。
安全性については、全ての有害事象と本品との因果関係が否定され、患者の健康被害のおそれがある不具合もなかったことから、本品の安全性に問題はないと判断しました。
2つ目の論点は、長期使用における有効性及び安全性についてです。審査報告書30ページ上段を御覧ください。
12週から24週時点のHDD数などの変化量に関する介入群と対照群との群間差は12週までの群間差よりも小さく、一定の有効性を発揮する可能性は示唆されているものの、本品を長期使用した場合、本品を使用した心理社会的治療と比較して、心理社会的治療を単独で実施した場合よりも高い効果を維持し続けると考えることには懸念が残ります。
一方で、本品を用いたことで早期に減酒が達成され、その効果が維持されたと捉えることもできます。診断治療の手引で、心理社会的治療は継続性が重要とされ、○○以降も本品が提供するセルフモニタリング機能と実践目標管理機能は、医療従事者による心理社会的治療の継続を支援するための機能であり、これらの機能は治療期24週以降も継続的に使用が必要な機能と考えます。治療期24週までに安全性に問題がないことから、専門協議での議論も踏まえ、本品を用いた治療期間について制限する必要はないと判断しました。
3点目の論点は、臨床的位置づけについてです。審査報告書31ページ上段を御覧ください。
本治験における介入群は、飲酒量低減治療マニュアルに記載された手順に従った心理社会的治療に加え、本品を使用する群とされ、この範囲の患者における有効性及び安全性が示されたことから、本品の使用目的または効果は、アルコール依存症患者の飲酒量低減治療補助とすることが妥当と判断いたしました。
最後の論点は、使用施設及び使用者についてです。
本品は、アルコール依存症患者への治療を専門医療機関に限らず提供できるようにすることもコンセプトとして開発され、本治験では、医師は、アルコール依存症治療に関する研修及び本品を用いた診療に関する研修の2つの研修のみ受講することを条件としました。市販後もこれらと同様の研修を受講することで、専門医療機関や専門医でなくとも本品の使用は可能と判断しました。
なお、診断治療ガイドライン等では、専門医療機関以外での飲酒量低減治療が想定され、治療に伴う問題への対処方法や専門医療機関に紹介すべき状況についても示されており、専門医療機関との連携することが重要とされています。
本品を使用した飲酒量低減治療においても、専門医療機関への受診機会の逸失等がないように本品使用施設に対して、必要に応じて専門医療機関との連携を図るように併せて注意事項等情報で注意喚起することとしました。
最後に、本品の使用成績評価の要否について説明いたします。審査報告書32ページのト項を御覧ください。
総合機構は、本治験により本品の有効性が評価されたこと、また、安全性上の懸念も大きくないことから、使用成績評価の指定は不要と判断しました。
以上を踏まえ、総合機構は、審査報告書33ページ、20行目に記載の使用目的とし、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本プログラム医療機器調査会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。
本品は、生物由来製品及び特性生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。また、使用成績評価の指定は不要と判断いたしました。なお、薬事審議会では報告を予定しております。
総合機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、参考人の松本先生から追加の御説明はありますでしょうか。
○松本参考人 いいえ、特に全く新たな説明はないのですけれども、とにかくアルコール依存症の専門医療機関は数が限られている上に、国内でも偏在しているというところもあります。そして、多くの場合、アルコールの健康被害は内臓障害で、プライマリ・ケアの現場で事例化することが多い。
そして、内科の先生などが専門医療機関につなげようとするのですけれど、これがなかなか大変な問題がございます。
まず、患者さんたちの中で依存症に対するスティグマというのがありまして、なかなか専門病院に行きたがらないというところがありますし、また、内科などで、内臓障害で問題化するアルコール依存症の方たちは、必ずしも重症とは言えなくて、つまり重症な方たちは断酒を目的とした治療が必要なのですけれども、減酒、飲酒量の低減という目標でもやっていけるのですね。
そうすると、アルコール依存症の専門的な医療というのは、やはり多くは、基本は断酒をメインにしている。それから、自助グループをはじめとした非医療的な社会資源も多数あるのですけれども、基本的に、これはみんなお酒を全く口にしない生き方を1つの共通点として集まっているグループなので、このプライマリ・ケアの現場の方たちがなかなかつながるということが難しいのです。
そういった中で、プライマリ・ケアの現場などでも使うことができる。そこで、これまでのアルコール医療の様々な課題、専門医療機関の少なさとか、それから偏在であるとか、それからプライマリ・ケアから専門医療へのつなぎの悪さ、こういったものを少し解消するのに非常に役立つツールなのではないかなと、私は考えております。
もちろん、劇的な効果があるというものではないのですけれども、プライマリ・ケアの先生方の忙しい日常診療の合間に、何かできることがあるという形で、非常に便利なツールだと思っておりますし、これは今後の話なのですけれども、例えば重度のアルコール依存症の方たちも、なかなか一気に断酒ということに踏み切れない方が多いのです。そのプロセスとして飲酒量低減のチャレンジと、そこの中で、お医者さんとの共同的な関係の中で、トライアンドエラーをするという経験の中で、断酒の決意が固まっていくことが多数あるのですね。そのプロセスなどにも、将来的には活用することができるツールなのではないかという形で、依存症を専門とする私としても期待を寄せているところです。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
いかがでしょうか、よろしいですか。
どうぞ、北澤委員、お願いいたします。
○北澤委員 北澤です。お願いします。
このランダム化比較試験の結果を見ますと、対照群の方でもHDD数でしたか、評価がよくなっているということが分かったのですけれども、それよりもアプリを使うほうがさらに減っているということで試験が行われたと理解しました。このアプリを使うときに、要するに記録だけできるといった機能がないのかという点をお尋ねしたいと思います。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より回答いたします。
今回のアプリの仕様としては、飲酒記録に合わせて、教育のコンテンツなども一緒に御利用いただくような流れをつくったのが、本品の目的となっております。飲酒記録のみを使うといったような、機能を特出しして使うことは、本来推奨していないものではありまして、今回はそのような使用方法は想定しておりません。お答えになっていますでしょうか。
○北澤委員 ありがとうございました。
先ほどの課題とかぶるのですけれども、結局これも、対照群でもよくなっているわけで、言ってみれば、先ほどのフルのアプリとフルのアプリから特定のものを除いたシャムアプリで比較しているわけで、やはり2群を比較するときに、何もしないのとアプリを使用する群の比較で本当に比較になるのかというところを改めて感じましたので、課題としてお考えいただけたらと思います。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。特にございませんでしょうか、前半の議論とかなりかぶるところがある。一方で、じわじわこれも効くというところがあり、断酒というところまではいかないけれども、減酒という効果はある。また、記録をつけるという機能だけでも、そのような行動を促すだけでもかなり有効なのだけれども、さらにこれに教育的なコンテンツをやることによって、さらによくなるという効果であるとの御説明であったかと思いますが、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○渡邊委員 すみません、資料の30ページのところに、定期的な来院時にドクターが確認するという部分と、長期間診療を受けていない場合、アプリがロックされるとあるのですが、このアプリにおける定期的な受診というのは、どのぐらいのピッチで考えられているものなのかということと、どのぐらい受診がない場合、アプリがロックされるのかというところをお教えいただければと思います。
○佐久間座長 お願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より回答いたします。
定期的な受診としましては、今回の治験では、1か月に1回などを目安に受診をしていらっしゃいました。長期で診察を受けていらっしゃる方ですと、3か月ごとにガイドライン上で効果をはかることということになっていますので、最長で3か月をめどに受診することを想定していると申請者から聞いております。
アプリをロックする機能につきましては、最長の3か月を基に考えまして、その来院の頻度が数週間ずれてしまうということも想定して、今回の申請では128日を超えたら、アプリをロックしようという仕様としています。
以上です。
○渡邊委員 分かりました。ありがとうございます。
○佐久間座長 現状、いわゆる来院の期間の揺れも含めた上で、医師の介入がちゃんと入るというところの中で、うまくコントロールしながら使っていく製品だということかと思いますが、よろしいでしょうか。
ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
どうぞ。
○横井座長代理 参考人の先生に少し教えていただければと思うのですが、まさに専門医ではない医師が、こういうものを使いながら、専門医にかかりたくない患者さん、かかるに至らない患者さんを治療していく裾野が広がるのは、とてもいいのだと思います。私自身は、アルコール依存症の専門医ではない、ただ入り口になり得る消化器内科医ですけれども、そうすると、一般的に患者さんは、なかなか正しい飲酒量を申告してこないという傾向があるわけですが、多分、逐次入力しないといけないシステムを使われることによって、そういう過少申告のようなものというのは、何か是正されるような傾向があり得るのですか。
来院したときに確認されることを併用されるということで、多分されるのもあると思うのですが、ただなかなか前のことまで思い出して、きちんと正確に申告できるものなのかなというのが、少し臨床的に気になったのですが、いかがなものでしょうか。
○松本参考人 おっしゃることは、もっともだと思います。ある程度このアプリに対する患者さん自身の取組によって、効果が影響を受けるところがあるかと思っています。
それから、あと、プライマリ・ケアの先生方にも使っていただくことを、恐らくは想定して、この方たちもミニマムな研修は用意しております。恐らくその研修の中で一番大事なのは、上から目線の頭ごなしの指導というスタンスでやると、要するに患者さんたちは、正直に言えなくなってしまうのですね。だから、なかなか減らせないね、難しいねということに共感するような医師の態度というものも、その研修の中で同時に伝えていくことが、このアプリが持っている効果を引き出す上でとても大事なのだろうということです。
それから、やはり毎日記録をするという、小まめな記録ということをやってくださるようなモチベーションをどうやって高めるのか。実は、後でまとめて慌てて診察前に記録するということだと、実は効果が出てこないと思うので、この辺りもやはり患者さんたちに働きかけて活用する必要があるだろうと思っています。
○横井座長代理 ありがとうございました。佐久間先生もおっしゃっていましたけれども、記録をするということ自体、もちろん効果的になるし、記録式ダイエットなどというのもありましたね、それ自体が効果的だと思います。
先生おっしゃるように、多分離脱させないようにするための工夫を含めてというところで、初めて意味があると、そういう意味で、そういうことは研修プログラムに入っているというのは理解いたしましたので、大変いいことだと思いました。
ありがとうございます。
○佐久間座長 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますでしょうか。
宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川でございます。
私も臨床家として、高血圧の治療をしておりました。家庭血圧の記録をつけるということと同じように、実際には家庭血圧の記録をつける人は、その段階で、ホーソン効果とは言いませんけれども、実際には治療の意欲として、しっかり客観的に見つめようというところで、治療効果が上がってくると思います。横井委員からのお話にあったように、記録をつける段階からも、そこでは介入というのと同じぐらいの意思が働いている。もともと家庭血圧を測定しましょうと言っても、記録を毎日つけてくる患者さんもいれば、週に5回ぐらいつけている患者さんもいる。それと比べ、週に2回や1回を記録している患者さんでは、おのずと治療効果というのは違ってくるし、それから薬の減薬も含めてですけれども、また体重管理も含めて、いろいろなものが違ってくるわけです。
そうすると、このアプリに対しても同じようなことが言えるのかどうか、つまり客観的なところまできちんと書いてくださる方と、当たり前ですけれども、そういうところで最初から介入というわけではないですけれども、治療効果が見えてしまうところがあろうかなと思います。
そして、参考人からお話のあったように、実際には専門家ではない、一般の医師がここに入るということで、大変難しいですねという話になっている。そういうことも含めてということは、そこでは、相当医師のほうから、医療側からのほうの介入の得手不得手というか、上手さというか、患者さんに寄り添うところから、始まっているのではないかなと思います。アプリの有用性以前に、医療者が患者さんに寄り添う、そういうところの因子というものがかなりここで効いてくるのかなと、それに対してどのように区別ができるのかというところであろうかなと思うのです。それに対して答えというのはないのでしょうけれども、果たしてアプリそのものの効果なのか、それから先ほど横井委員からおっしゃったように、医師が患者さんに寄り添うというところからの根本的な、ところの効果というのは、どの辺に線引きができるのかというところの難しさがあろうかなと思うのですが、どうでしょう。参考人の先生、教えていただければと思います。
○松本参考人 非常に本質的かつ明確に答えるのが困難な疑問であると思いますし、我々、いつもそういうことを考えて結論を出せずにいます。
例えば、依存症などにも、ほかに有効性のある認知行動療法などがあります、心理療法ですね。これに関しても認知行動療法で学ぶ様々なスキルが、効果があるのかというと、必ずしもそうではないという意見が結構あって、治療者との関係性が実は一番効いているという、では、それは要らないではないかという根っこの議論が出てきてしまうのです。
やはり、あくまでもこれは診療の補助なのだろうなと思っています。医師、患者の関係性の中で、この機器があることによって、より一層それが有効に発揮されるということなので、やはり一番根っこになるのは態度なのかなと思っています。
しかしながら、これまで頭ごなしな説教しかできなかった援助者、臨床家が、こういうツールを介して、実は新しい患者さんとの出会い方を見いだしていく、身につけていく可能性があると私は考えております。それ自体が教育的だと思っていて、いずれにしても劇的な効果はないし、その効果の源は何なのかという、そもそも論の今の質問をされると、僕も明確には答えられないのですが、少なくとも害はないだろうと、そして、これまで手が届かなかったところに、さらに医療者に新しい態度を身につけるのに役立つだろうと、私は考えております。
○宮川委員 松本先生、ありがとうございました。
つまり、これは私もずっと以前から言っておりますが、家庭血圧をずっと勧めてきて、それで当初は、いろいろな大学の教授から、そんなもの患者さんがつけてくること自体を信じるのかと言って罵倒されるような形で、高血圧学会でずっと戦ってきたわけです。
ということは何なのかというと、つまり今、このアプリを勉強するのは患者なのか、医師なのかと言ったら、今、お話があったように、医師のほうがよほど勉強するという形になるということです。このアプリの使いようがあるというところからすると、やはり、これからもプログラム医療機器の問題に関わってしまうのかもしれませんが、治療アプリというよりは、治療の補助アプリであるし、補助アプリなのは、患者さんに対する補助アプリなのか、介入する医師に対する補助アプリなのかということも含めて、これからしっかりと、このプログラム医療機器というものを考えていかなくてはいけないのかなというところ、この本筋が少しお話の中から見えてきたような気がするので、大変参考になりました。ありがとうございます。
○松本参考人 ありがとうございます。
○佐久間座長 ありがとうございました。
今の点は、非常に深い議論だと思います。一方で、このような技術が出ることによって、新しい医療環境が生まれる。またソフトウエアの効果がどういうメカニズムで生まれるかということは、まだよく分からないところもある。このような状況では多分、患者が勉強することと、医師が勉強すること両者が必要なのだろうと思います。
清水先生、いかがですか。
○清水委員 今の議論とは違いますが、よろしいでしょうか。
○佐久間座長 はい。
○清水委員 今日の最初に疾病治療用プログラム医療機器の臨床的位置づけ及び事業スキームの変更を伴わない承認事項のお話があったかと思います。このCureAppと同様の、先ほどの例では、高血圧の例だったと思うのですが、今回のような飲酒のプログラムでも同じような適用になるのかと思って伺っておりました。
それで、ソフトウエアの内容を後ろのほうに詳細に示されていましたので拝見させていただくと、非常にたくさんの項目が並んでおりまして、今回の対象になるものが、例えば、軽微な修正が多数出てくる可能性もあるのかなと思って伺っておりました。
それで、すぐ出てきた場合に、それぞれの一つ一つの変更は小さくても組み合わせると複合的に性能に影響を与えるという可能性もありますし、そもそも複数あると、その有効性、評価に時間がかかるということも気になりました。
それで、これはコメントなのですが、すみません今回の今の審議とは違う話で申し訳ないのですが、今日の最初の変更を伴わない場合の承認事項の変更については、特に変更が複数ある場合には、審査側の注意とかあるいは開発側の制約というものも考えてもいいのかなと、聞いていて思いましたので、お伝えしたいと思って発言いたしました。よろしくお願いします。
○佐久間座長 ソフトウエアが少しずつ変わっていくと、それからどのぐらいのインパクトを与えるかということで、これが複数あったときにどうかということで、何かPMDAサイドからありますか。
○医薬品医療機器総合機構 PMDAでございます。
清水先生、佐久間先生、御指摘いただき、ありがとうございます。
既に承認条件として付されている1品目に関しましては、○○○○○○○○○○○○○○けれども、ただ、その点に関しては承認条件どおり、有効性に影響がないということをしっかりと確認いただいた上で報告をいただいております。
ただ、変更されている内容に関しましては、そこまで○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、そういうことが起こっているわけですけれども、そういった意味で、そんなに大きな影響はなかったのかなと理解はしております。
ただ、先生おっしゃっていただいたとおり、今後、そういったいろいろな状況の中で大きく影響するということがあり得るのであれば、少しこちらでも考えなくてはいけない部分あると思いますので、変更に関しては、どういった範囲で変更するかというのは○○○○○○○○○○○○○○○○○となっておりますけれども、どういった変更になるかというのは注意深く確認をしながら、また、データについてもしっかりと確認して、必要に応じて対処していきたいと思っております。ありがとうございます。
○清水委員 よく分かりました。ありがとうございました。
○佐久間座長 それでは、山本委員、お願いします。
○山本委員 山本です。
参考人の先ほどの発言について確認なのですけれども、診療補助という言葉を使われたのですけれども、これは治療補助ということでよろしいでしょうか。
○松本参考人 はい、そうです。
○山本委員 ありがとうございます。
○佐久間座長 よろしいでしょうか、ほかに御意見ございますでしょうか。
大分意見が出たと思いますので、それでは、議決を行います。
医療機器CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリについて、本調査会として、承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品及び特定生物由来製品として指定しないとしてよろしいでしょうか。
また、使用成績評価は期間を不要とすることでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 ありがとうございます。
御異議がないようですので、そのように議決します。
また、プログラム医療機器調査会設置要綱第5条第2項に基づき、この議決を医療機器・体外診断薬部会の議決といたします。
本件は、審議会にて報告を行うこととします。
これで議題3を終了いたします。
松本先生、どうもありがとうございました。
(松本参考人 退室)
○佐久間座長 それでは、議題4「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目の指定の可否について」に移ります。
事務局より説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題4につきまして、事務局より御説明いたします。本議題では、令和6年度のプログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目について御報告させていただきます。
初めに、当指定制度及び各申請品目の概要を御説明させていただきますので、資料4-1を御覧ください。また、PMDAからの報告書を資料4-2、本年度の指定に関する通知を参考資料4-1、各企業からの指定に係る申請資料を参考資料4-2及び4-3としてお示ししております。
それでは、資料4-1のスライド2ページより、プログラム医療機器に係る優先的な審査等の試行的実施について御説明させていただきます。
本指定制度は、2ページ目に示しましたプログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略、Dash for SaMD2の中で挙げられた目標「革新的なサマリーに係る優先的な審査等の試行的実地」にのっとり令和4年度よりスタートさせてございます。
指定要件1では治療法、診断法または予防法の画期性、指定要件2では対象疾患に係る医療上の有用性、指定要件3では世界に先駆けて日本で早期開発及び承認申請する意思並びに体制を有していることを指定要件としており、3点いずれにも該当する場合に指定対象とします。
指定までの流れとしましては、品目の公募、ヒアリング、予備的審査を行い、指定要件が明らかに指定しないものは除外しております。予備的審査を通過し、正式に指定申請された品目については、指定の可否をPMDAで評価した上で、特に優れていると判断されたものを選定し、薬事審議会で審議・了承を得た品目を指定しております。
指定されたプログラム医療機器につきましては、(1)優先相談、(2)事前評価の充実、(3)優先審査、(4)コンシェルジュによる支援を受けることが可能でございます。また、承認申請から承認までの期間は通常の新医療機器では12か月でございますが、指定品目は6か月以内に短縮することになります。なお、指定を受けた後、承認申請までに、原則、PMDAの先駆け総合評価相談を御利用いただく必要がございます。スライドの4ページ目にお示ししておりますとおり、これまで6製品が指定をされております。
それでは、本年度指定予定の製品概要について御説明いたしますので、スライド5ページを御覧ください。
本年度指定予定の製品は、塩野義製薬株式会社のSDS-881(仮称)と、株式会社ExaMDのコグニボイス(仮称)の2製品でございます。
それでは、スライド6ページ目を御覧ください。
1品目目は、塩野義製薬株式会社のSDS-881でございます。本品は、被検者と医療従事者の10分程度の会話音声データをテキストに変換し、得られた○○○○○を解析することで、認知機能等を評価し出力するプログラム医療機器でございます。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○において実施される神経心理検査等に使用し、認知機能の○○を表示いたします。
続きまして、7ページ目を御覧ください。
2製品目は、株式会社ExaMDのコグニボイスでございます。本製品は、1分間の会話音声情報から得られる音響的特徴量を解析することで、認知機能等を評価し出力するプログラム医療機器となります。こちらも専門医/非専門医における診断支援に使用されます。
それでは、各製品の指定要件の該当性について、資料4-2のPMDAから評価書に沿って御説明させていただきますので、資料4-2を御覧ください。
初めに、塩野義製薬株式会社のSDS-881について御説明いたします。資料の下にございます緑の数字で5分の2、資料につきましては1ページ目、15行目より御覧ください。
本品は○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○構成されます。先ほど御説明させていただきましたように、被検者と医療従事者との10分以上の自由会話の音声データを自動的に変換したテキストについて、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、認知症またはMCI相当の認知機能または健常者相当の認知機能の判定をすることで、認知機能評価の支援を行うプログラムでございます。本邦では、認知機能検査として、ミニメンタルステート検査(MMSE)及び長谷川式知能評価スケールなどが用いられておりますが、被検者と医療従事者との自由会話のみから認知機能を判定する方法は存在しないことから、本品により認知機能を評価できる可能性がある点には画期性があると考え、要件1に該当すると判断しております。
続いて、26行目より指定要件2について御説明いたします。
本品の○○○○○○○○有効性及び安全性を確認するために実施しました○○○○○○の試験結果を踏まえ、本品は、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ことなどで開発されております。
本品に関する○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。
その結果、認知症や軽度認知障害相当の認知機能を判定する感度及び特異度が、非専門医が実施するMMSEによる感度及び特異度の文献値に劣らないことが示されております。申請者は、今後実施される治験におきまして、本品のバリデーション試験結果と同程度の感度及び特異度を示すことを期待しており、既存の検査法と同等以上の有効性・安全性が見込まれていると説明しております。
また、MMSE及びHDS-R等の既存の検査法は、検査及び結果処理におおむね40分以上を要するとされていることに加えまして、神経心理学的検査を受ける被検者の心理学的負担も大きいとされております。
本品は、被検者と医療従事者との10分以上の自由会話の音声データにより評価が可能でございまして、患者の肉体的・精神的な負担等の観点から既存の計算法と比べて有用と見込まれると説明しており、指定要件の一定の該当性があると判断しております。
5分の3ページ目の(3)を御覧ください。
指定要件3について御説明いたします。
本品は、○○○○にPMDAとの対面助言を実施しておりまして、○○○○○○に検証的試験の治験計画を提出する予定でございます。また、国内での開発を先行させ、○○○○○○に世界に先駆けて日本で製造販売者承認申請を予定しておりますことから、指定要件3にも該当するものと判断しております。
続きまして、5分の4ページ目を御覧ください。
ExaMD社のコグニボイスの各指定要件の該当性について御説明いたします。
それでは、32行目の(1)指定要件1から御覧ください。
本品は、1分間の自由会話の音声データを○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○を提示することで、認知症の診断支援を行うプログラムでございます。
先述のとおり、本邦では自由会話のみから認知機能を判定する方法はございませんので、本品により認知症の診断支援ができる可能性がある点を画期性があり、指定要件1に該当すると判断しております。
続きまして、(2)の指定要件2を御覧ください。
こちらは、本品開発のために収集したデータのうち、学習用データ以外の検証用データを用いて、本品の性能評価が実施されました。
その結果、認知症患者と健常者を判定する感度及び特異度が、MMSE等による感度及び特異度の文献値に劣らないと説明しております。
先述のとおり、認知機能評価を実施する際、検査に時間を要する等の課題が指摘されておりますが、本品は被検者の1分間の自由会話の音声データにより評価が可能であり、患者の精神的な負担や時間的な負担の観点から、既存の計算法と比べて有用と見込まれると説明しており、指定要件への該当性があると判断しております。
(3)番、指定要件3についてですが、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○製造販売承認申請を予定しておりますことから指定要件3にも該当すると判断しております。
以上、令和6年度プログラム医療機器に係る、優先的な審査等の対象品目の御報告は以上となります。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。
2件ということでありますが、宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。
これについては、特に否定するということではないのですけれども、1品目目が被検者と医療者が10分の会話、2品目目が自由会話として1分の会話の記録という形なのですが、会話というか、言葉そのものを発していると。
実際には、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○みたいなことが本当に問題なのか。それとも表現をするところの抑揚だとか、一つ一つの言葉の、特に平たんになってしまうとか、鬱の方だとそういう形になってくることが多いのですけれども、そういうような形、トーンなのか何なのか。これは会話の分数を言っているのか、それとも、○○○○○○○○○○○○○○をある程度AIがやっていると、最初のほうの1品目目は、○のAIがやっていると、2品目目は、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○と思ったものですから、それについて御意見をいただきたいなと思いました。
○佐久間座長 いかがでしょうか、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 PMDAよりお答えさせていただきます。
宮川先生から御質問をいただきまして、ありがとうございます。
1品目目に関しましては、○○○○○○○○○評価をすると、処理の内容を書かせていただいておりますし、実際に音声データをテキストデータに変換するということですので、○○○○が重要だと考えております。
一方で、もう一つの2品目目の製品に関しましては、あくまで、例えば抑揚だったり○○○など、そういったところを評価するとも言われておりますので、恐らく文字数というよりも、声の調子の部分なのかなとは理解しております。
ただ、この辺に関しましても、改めて試験の中でどのぐらいの○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○どういうものであれば、きちんと解析ができるのかというところについては、これからの相談であったりとか、開発の中で改めてきち
んと詰めさせていただければと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。
つまり言葉にしても、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、だから何を、そういうのは必要とされているのかということで、少しお聞きしました。ありがとうございます。
○佐久間座長 ほかは、いかがでしょうか。
北澤委員、お願いいたします。
○北澤委員 北澤です。
すみません、少し気になったので教えていただきたいのですけれども、これらの製品は、プログラム医療機器としての申請を予定しておられるということなので、あくまで医療機器だと思うのですけれども、こういったことができるとすれば、医療現場だけではなくて、社会生活、例えば、運転免許証の書換えだとか、そういった場面でも使いたがる人が多そうな気がします。プログラム医療機器のOTC化みたいなことについては、今後どのように考えていったらいいのか、あるいは、それはここではない別のところの話なのか、その辺りを参考までに教えていただければと思います。お願いします。
○事務局 御質問いただきまして、ありがとうございます。事務局より回答させていただきます。
まず、医療機器にするには定義がございまして、こういった疾病の治療等に用いるということが、まず、定義として大前提でございます。今回、優先SaMDとして申請されている品目につきましては、あくまでも認知症の診断等に使うものとして申請されておりますので、医療機器に該当するものとして判断をして、今回開発を進めているものでございますけれども、そういったものではないということであれば、まず、医療機器に該当するかどうかというところの検討が必要かと考えております。
また、将来的にこういったものを一般家庭のほうに普及していくということにつきましても、需要があるということであれば、今後検討していくところかとは思うのですが、これらの企業に関しましては、まずは医療向け、医家向けとして導入をしたいということですので、それに対して支援をしていくというものでございます。
以上でございます。
○北澤委員 ありがとうございました。
○佐久間座長 ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは議決を行います。
SDS-881(仮称)について、優先的な審査等の対象品目として指定してよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 異議はないと確認いたしました。
コグニボイス(仮称)について、優先的な審査等の対象品目として指定してよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 異議なしということで確認いたしました。御異議がないようですので、そのように議決します。
よろしければ、これで議題4を終了します。
それでは、最後ですけれども、議題5「調査会報告品目について」に移ります。
事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料5、横向きの資料を御覧ください。
こちらの資料では、令和6年3月1日から令和6年12月31日までの10か月間に承認されたプログラム医療機器のうち、本調査会の報告対象となっている費目の概要を記載させていただいております。
これらの報告品目については、事前送付をもって報告とさせていただいておりますので、この場での個別の説明は割愛させていただきます。
資料5の説明は以上でございます。
○佐久間座長 それでは、ただいまの御説明に対しまして、委員の皆様から御意見、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。よろしければ、これで議題5を終了いたします。
本日の議題は以上です。
事務局から連絡事項等ありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 委員の先生方におかれましては、本日は御多用の中、プログラム医療機器調査会に、いろいろと御発言、御議論をいただきまして、誠にありがとうございます。
次回の調査会ですが、3月7日金曜日の14時からを予定しておりますが、詳細は、またメールで御連絡させていただきます。
連絡事項は以上でございます。
○佐久間座長 今日は、新しい体制となって、比較的深い議論をしたかなと思います。今後、この場での検討のためにすごく重要な論点が出てきたかなと思いますが、やはりプログラム医療機器分野は、期待されている分野でもあると思いますので、うまく本日のような形で議論して、適切に社会実装をしていくことができれば良いのかなと思います。
それでは、これをもちまして、本日のプログラム医療機器調査会を閉会します。
少し時間が長くなりまして申し訳ございませんでした。
本日は、ありがとうございました。
委員の先生方におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本会議は、Web会議形式を併用しての開催となっております。
本日の委員の出欠状況について、御報告いたします。現時点で、プログラム医療機器調査会委員13名のうち9名に御出席いただいておりますので、薬事審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを報告いたします。なお、追加で2名の委員の先生が遅れてWebで参加される予定となっております。
また、本日、別の公務によりまして局長の城が欠席させていただいておりますとともに、審議官の佐藤も途中で中座させていただくことを御容赦いただければと思います。申し訳ございません。
最初に、本年1月25日付で薬事審議会の委員の改選が行われまして、それに伴いまして、本調査会の委員につきましても、新しく委員の任命が行われたところでございます。
つきましては、御退任された先生とともに、新たに就任された先生を御紹介申し上げます。
まず、御退任された先生でございますが、松尾豊委員が御退任されたことを御報告いたします。
続きまして、今回から新たに1名の先生に、調査会委員として御就任いただいておりますので御紹介させていただきます。新任の先生におかれましては、一言御挨拶をいただければと思います。
公益財団法人医療機器センター所長、中野壮陛委員でございます。
○中野委員 御紹介預かりました、医療機器センターの中野でございます。よろしくどうぞお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
次に、座長の選出についてでございます。薬事審議会医療機器・体外診断薬部会プログラム医療機器調査会設置要綱第4条第1項の規定により、調査会に属する委員等の互選により座長を選任することとされております。皆様からのお声によりますと、これまで座長を務められておりました佐久間一郎委員に改めて座長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
御異議ないようでございますので、佐久間委員に本調査会座長をお願いしたいと思います。
佐久間先生、座長席のほうまで、お手数ですけれども御移動をお願いいたします。
佐久間座長、一言御挨拶をいただければと思います。
○佐久間座長 佐久間でございます。座長に選んでいただきまして、ありがとうございます。大変光栄に思います。
プログラム医療機器は、いろいろなものが出てくると思います。また一方で、なかなか評価の仕方というのが、非常に多様なものであるかと思っておりますので、ぜひ先生方の御専門の立場からよい議論して、よい製品が世に出ていくような議論ができればと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
続いて、座長代理の選出についてです。要綱第4条第3項の規定により、調査員のうち座長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされております。佐久間座長、御指名のほどよろしくお願いいたします。
○佐久間座長 座長代理については、横井英人委員に改めてお願いしたいと思います。
○医療機器審査管理課長 座長から横井委員に座長代理の御指名がありましたので、横井委員に座長代理のほうをお願いさせていただきたいと思います。
横井先生、御移動をお願いいたします。
また、一言御挨拶をいただければと存じます。
○横井座長代理 改めて、よろしくお願い申し上げます。
新しい委員を迎えまして、新しい布陣ということで、より活発な議論をして、早くよい機器が世に出るように努力したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。
次に、事務局から本調査会の運営方法について、特に御留意いただきたい事項などについて御説明のほうをさせていただきます。
○事務局 事務局でございます。
それでは、改めまして、本調査会への御参加に当たっての留意事項を3点ほど御説明させていただきます。
第1に守秘義務の関係でございます。
国家公務員法第100条におきまして、職員は職務上知り得ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とすると規定されております。
本審議会の委員、臨時委員、専門委員は、非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、業務上知り得た秘密につきまして漏らすことのないようお願いいたします。
第2に、薬事に関する企業等との関係でございます。
まずは、参考資料1「薬事審議会規程」を御用意ください。
そして、7ページを御覧ください。
薬事審議会規程第11条におきまして、委員、臨時委員または専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならないと規定されております。審議の中立性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また、任期中に該当することとなった場合には、速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
続いて、参考資料2「薬事審議会における確認事項」を御用意ください。
そして、10ページ目を御覧ください。
審議事項について御説明いたします。
医療機器という見出しの表の右上「部会」「審議会」と書かれております欄に、区分ごとに印がついております。○印が審議、△印が報告、▲印は文書配付による報告、×印については、審議・報告はなしとなっております。本調査会での調査審議の対象であるプログラム医療機器におきましては、注2の部分で、審議事項に係る記載をしてございます。基本的には、これに基づき、調査会、部会、審議会において御審議をお願いしております。
続いて、参考資料3「薬事審議会医療機器・体外診断薬部会プログラム医療機器調査会設置要綱」を御覧ください。
そして、2ページ目を御覧ください。
第5条第2項におきまして、調査会の調査審議事項については、調査会の議決をもって部会の議決とすることができるとされております。
なお、本設置要綱は、先日の医療機器・体外診断薬部会において、第5条議決において、薬事審議会及び医療機器・体外診断薬部会での取扱いも踏まえ、形式的な改正をしてございますので併せて御報告いたします。
続いて、戻りまして参考資料1「薬事審議会規程」を御用意いただき、6ページ目を御覧ください。
第7条におきまして、部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして審議会があらかじめ定める事項に該当するものについては、会長の同意を得て当該部会の議決をもって審議会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合にはこの限りではないと定めております。
先ほどの表に記載しております事項以外にも、このただし書きにありますように、部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であると決定された場合には、審議会において御審議をお願いすることとなります。
委員の皆様におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようよろしくお願いいたします。
説明は以上となります。
○医療機器審査管理課長 次に、本日の審議に参考人として御出席いただく予定の皆様を御紹介させていただきます。
議題2につきまして、地方独立行政法人栃木県立リハビリテーションセンター理事長兼所長、山形崇倫様。
議題3につきまして、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長、松本俊彦様に御出席いただきます。
なお、松本先生におかれましては、Webシステムでの御参加の予定となっております。
議事に先立ちまして、事務局より所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。
薬事審議会規程第11条において「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。
今回、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨の御申告をいただいておりますので、御報告させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、毎回、いろいろとお手数をおかけして大変恐縮でございますけれども、引き続き、よろしくお願い申し上げます。
続けて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて説明させていただきます。
○事務局 事務局でございます。
本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、御説明いたします。
令和6年薬事審議会確認に基づき、全ての議題について医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容が含まれますため、非公開といたします。
会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしております。
また、Webにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。
Web会議で御参加される委員の皆様におかれましては、審議中はマイクをミュート、通信環境等支障がない限り、カメラをオンでお願いいたします。
次に、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業について御報告させていただきます。
資料6「競合品目・競合企業リスト等一覧」をお開きください。
本日の審議事項に関する競合企業として、委員の皆様から寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議決に御参加できない委員はいらっしゃいませんでした。
※後日、詳細を確認した結果、清水委員におかれましては、議題2について議決権なしであることが確認されましたが、議決に影響はございませんでした。
以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上でございます。
以降の進行につきましては、佐久間座長、よろしくお願いいたします。
○佐久間座長 それでは、ここまでの事務局の説明について、何か御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。よろしければ、これより議題に入ります。
本日は、議題2から4までが審議事項、議題1及び5が報告事項となっております。
それでは、議題1「疾病治療用プログラム医療機器の臨床的位置付け及び治療スキームの変更を伴わない承認事項の変更について」の報告に入ります。
事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題1につきまして、事務局より御説明いたします。本議題は報告案件でございまして、審議案件の後に御説明させていただくことが通常でございますけれども、議題2及び議題3に関連した運用方法に関する整理でございますことから、先に御報告をさせていただくものでございます。
それでは、資料1の「背景」を御覧ください。
承認された医療機器の変更を行う場合の薬事手続につきましては、PMDAによる審査を行う一部変更承認申請、以下、一変申請といいます。審査を不要とし、製造販売業者の届出にて変更が認められる軽微変更届、こちらは軽変といいます。こちらの範囲が、薬機法施行規則第114条の25に示されております。また、2ポツ目にございますように、当該規則に基づき、医療機器の一変申請及び軽変の具体的な取扱いにつきましては、各通知にて明確化されてきたところでございます。
続いて、プログラム医療機器の審査に関しましては、次世代医療機器評価指標「行動変容を伴う医療機器プログラムに関する評価指標」が公開されておりまして、この中で、情報を表示するタイミングや方法などが有効性に影響する可能性や、製品の評価に当たってユーザーインターフェースにカスタマイズ機能を搭載した場合の振れ幅等を考慮する必要性などが言及されております。
これらの関連通知や次世代医療機器評価指標を踏まえますと、患者に合わせた知識やメッセージなどの提供を通じて行動変容を促すプログラム医療機器等においては、ユーザーインターフェースの微調整や社会状況の変化にタイムリーに対応することが診療にとって有益である一方で、微細なメッセージなどユーザーインターフェースの変更などが有効性に影響を与える可能性が否定できず、その影響を評価するためには臨床評価、つまり治験などが必要となる可能性がございます。
一方で、ユーザーインターフェースの変更などのたびに、臨床評価を必要とする一変審査を実施することになりますと、迅速な製品変更が困難となってしまいますので、一部の既承認の疾病治療用プログラムにおきましては、当該製品の臨床的位置づけ及び当該製品による治療スキームの変更を伴わない承認事項の変更を行う場合、薬事変更手続後に臨床評価を含む運用状況をPMDA宛てに報告することを条件に、事前に軽変によって製品の変更手続を行うことを可としております。
今後の方針に移りますけれども、既承認の疾病治療用プログラム医療機器の取扱いにつきましては、これまで個々の製品に対する承認条件として示しておりましたが、本日の議題2や3にありますように、昨今、疾病治療用のプログラム医療機器の開発が進められておりまして、同様の取扱いを必要とする製品が想定されることから、これらの取扱いを通知により明確化することといたしました。
通知化に当たりましては、1ページ目から2ページ目にかけて記載しております留意事項を規定することを予定しております。
まず、①としまして、この取扱いを希望する場合は、軽微変更届による承認事項変更の是非及び可能な仕様変更の範囲につきまして、PMDAプログラム医療機器審査部に事前に相談することとしております。また、②としまして、仕様変更により疾病治療用プログラム医療機器の有効性が損なわれていないことを確認するため、仕様変更前後の有効性を比較できるように、使用率や有効性に関する結果などの推移に関する情報を収集し、有効性の変化に関する考察を加えて、PMDAに報告し、評価結果の妥当性について相談することとしております。
さらに、③、④に記載しましたように、本品の有効性が損なわれている可能性が高いと判断された場合は、有効性が確認されているバージョンまで戻すように、PMDAが指示する可能性があることや、そのような状況が分かった場合には、企業からPMDAに対しまして、すぐに相談するようにとする予定でございます。また、これまで個々の承認条件としているところをPMDAと企業間の相談により運用することになりますので、どの製品がこの取扱いを行っているかが対外的に分かるように、⑤にありますとおり、PMDAのWebサイト上に、製造販売業者名や販売名などを公表することを予定しております。
現在、承認条件を付して、同様の運用をしている製品としまして、株式会社CureAppのCureApp HT高血圧治療補助アプリがございますが、本通知を発出するに伴い、当該製品の承認条件及び指示事項は解除する予定でございます。
以上、これまでの考え方と変わるものではございませんが、個別製品に対して行っていた運用を通知化することで、さらに明確化する意図での運用方法の変更となります。
以上、御報告となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐久間座長 ありがとうございました。何かこれに関しまして、委員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。
いかがでしょうか。軽微な変更ということに関して、ソフトウエアのある意味、特性をどう生かすかというところになるかと思いますが、特徴的な変更形態ということになるかと思います。
どうぞ、清水委員、お願いいたします。
○清水委員 清水です。
今、お話を最後にされておりましたが、今回の変更が有効になった後は、同種のものについては、この承認条件とか、指示事項を最初からつけないということも想定されているのか、それとも承認条件や指示事項をつけた上で、途中で今回のルールを適用してCureAppと同じように、解除をするという手続になるでしょうか、その辺りを教えてください。
○佐久間座長 お願いいたします、事務局。
○事務局 御質問いただきまして、ありがとうございます。事務局より回答をさせていただきます。
この運用がスタートしますと、個別の製品に対しまして、有効性の市販後報告を求めるための承認条件は付与しないということを考えております。
以上でございます。
○清水委員 はい、分かりました。
○佐久間座長 よろしいですか。
ほかにございますでしょうか。
よろしいですか。それでは、ほかに御意見がないようですので、よろしければ、今回は報告でございますが、これで議題1を終了いたします。
それでは、議題2につきましては、参考人の御出席をお願いしておりますので、参考人の入室が確認でき次第、議事を進行いたします。
(山形参考人 入室)
○佐久間座長 それでは、議題2「医療機器『ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の要否について」の審議に入ります。
本議題について、参考人として、山形崇倫様に御出席いただいております。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より説明いたします。資料2、2ページ、専門協議委員の一覧を御覧ください。本審査に当たり3名の専門委員から御意見を頂戴いたしました。
それでは、審査報告書を用いて、審査の概要を説明いたします。以降、審査報告書、本体下、中央に記載の黒色のページ番号及び左に記載の行番号を用いて説明いたします。
なお、事前にお配りした審査報告書に一部修正がございましたので、当日配付資料の正誤表にてお示しいたします。このたびは修正がございますことをおわび申し上げます。
初めに、本品の概要を説明いたします。審査報告書6ページを御覧ください。
2行目、審査品目の概要に示しますとおり、注意欠如多動症、以降、ADHDといいますが、本品はADHDの患者に対して使用されるプログラムです。患者あるいは保護者が所有するスマートフォン等の汎用端末にインストールして使用されるビデオゲーム型のアプリケーションであり、機能の概要を表1に示しております。
本品は汎用端末を左右に傾けることで、画面上のキャラクターを動かし、指定された経路に沿って運転するステアリングと、複数の選択肢の中からあらかじめ指定された対象物が現れた際に画面上の任意の場所をタッチするタッピングという2つの異なる操作を同時に行う二重課題をゲーム形式で提供するとともに、患者の処理能力に合わせて二重課題の難易度調整がされます。
ここで本品の操作イメージの動画を御覧ください。
(動画上映)
○事務局 次に、開発の経緯について説明いたします。審査報告書8ページ、10行目「開発の経緯」を御覧ください。
ADHDの治療では、第一段階として、環境調整を含む心理社会的治療が実施され、効果が不十分であるとみなされた場合に、薬物療法が実施されます。
ADHDの症状は、環境の変化等の影響を受けることから、一定期間治療継続後、効果判定を実施し、適宜非薬物療法及び薬物療法の組み合わせを調整します。
審査報告書9ページ、8行目から示しているとおり、非薬物療法は保護者、教師または医師が連携した上で個別に調整する必要があり、その対応方法は多岐にわたるため、治療全体を体系化しにくく、実施できる医療機関が限られていること、薬物療法は患者本人及び保護者の薬物療法への抵抗感が強く、服薬アドヒアランスが低いことが課題として挙げられます。
一方、ADHDは小児期において、早期に医療介入することが予後に重要だと認識されており、既存の治療法以外の新たな治療選択肢として本品が開発されました。
続きまして、海外における使用状況を御説明いたします。審査報告書10ページを御覧ください。
表4、本品の外国における使用状況に示しますとおり、本品は2020年に米国で承認され、これまでにおよそ○○○○人が使用しています。なお、欧州において、2020年にCEマーク認証を取得しておりますが、販売はされておりません。
本品の非臨床試験については、審査報告書12ページから13ページに示しておりますが、特段の問題は認められませんでした。
続きまして、臨床試験成績について説明いたします。審査報告書15ページから16ページを御覧ください。
16ページ、1行目、表5有効性及び安全性に関する臨床試験の一覧に示しますように、本品の臨床試験成績として海外及び本邦で行われた5つの臨床試験成績が提出されました。
国内検証的試験であるA3831試験について御説明します。審査報告書16ページ、6行目を御覧ください。
A3831試験は、6から17歳のADHD患者のうち、環境調整を含む心理社会的治療が十分な期間実施されたものの十分な効果が見込めないと判断された患者に対する本品の有効性及び安全性を評価することを目的に実施された、前向き多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験です。
審査報告書19ページ、図2を御覧ください。
比較パートでは、環境調整を含む心理社会的治療とともに、本品を6週間使用する本品群と環境調整を含む心理社会的治療のみを実施可能とする通常治療群の2群において、A3831試験への登録後、6週時点での有効性の優越性の検証及び安全性の比較検討が実施されました。
その後、比較パートに参加した被験者のうち、繰り返しパートへの参加について同意がえられた被験者を対象とし、本品を再使用した際の安全性、忍容性及び有効性が評価されました。
主要評価項目は、登録から6週時点における医師評価によるADHD-RS-IVの不注意スコアのベースラインからの変化量です。主要な副次評価項目として医師評価によるADHD-RS-IVの合計スコア及び多動衝動性スコアの変化量が、そのほかの副次評価項目として教師評価によるADHD-RS-IVの各スコア等が設定されました。
続きまして、A3831試験の結果について説明いたします。審査報告書21ページ、4行目、3)試験成績を御覧ください。
主要評価項目である6週時点における医師評価による、ADHD-RS-IVの不注意スコアのベースラインからの変化量は、本品群で-4.44、通常治療群で-1.47、変化量の群間差は-2.97であり、本品群は通常治療群と比較して有意な減少を示しました。
主要な副次評価項目については審査報告書22ページ、表10に、そのほかの副次評価項目については、審査報告書22から23ページ、表11及び表12に示しておりますが、主要評価項目と同様の結果が得られております。
続きまして、A3831試験で確認された有害事象と不具合について説明いたします。審査報告書28ページ、表14を御覧ください。いずれの事象も重症度は軽度あるいは中等度であり、転帰は回復でした。また、不具合を34ページの表20及び表21に示しておりますが、患者の健康被害のおそれがある不具合はございませんでした。
ここからは、総合機構における審査の概要について説明いたします。審査における主な論点は4点です。審査報告書45ページ、2行目の総合機構における審査の概要より説明いたします。
まず1点目の論点、本品の有効性及び安全性についてです。
A3831試験において、主要評価項目及び主要な副次評価項目である医師評価によるADHD-RSの各スコアが、通常治療群と比較して、本品群で有意に改善することが示されました。
そのほかの副次評価項目も含め、一貫した結果が示されており、本品の有効性は示されたと判断しました。
次に、本品の安全性についてです。審査報告書47ページ、11行目を御覧ください。
本品に関連ありと判断された重篤な有害事象は発現せず、本品の安全性に特段の懸念はないと判断いたしました。
一方で、治験における本品の試用期間は最長で12週間であり、より長期に使用した場合の安全性については確認されていません。本品は、1日の試用期間が制限されており、必要以上の報酬を獲得できませんが、本品は報酬を獲得する要素があり、本品の長期使用に起因し、本品に限らず、ゲームやスマートフォン等電子機器への依存症が誘起される可能性が懸念されます。
そのため、本品の使用に伴う有害事象が確認されていないからといって、本品を漫然と使用するのではなく、本品による治療の効果が確認されていない場合や、本品の使用が不要となった場合にも、本品の使用の必要性について適切に判断されることが重要と判断いたしました。
専門協議での議論も踏まえ、本品の長期使用の必要性は、本品の効果に関わる適切な判定結果に基づき、慎重に判断する必要があることを注意喚起することが妥当であると判断いたしました。
次に、2点目の論点、本品の臨床的位置づけについてです。審査報告書48ページ、19行目を御覧ください。
A3831試験の試験成績から本品の使用前に実施される環境調整や心理社会的治療の実施状況、並びに薬物治療歴の有無によらず、薬物療法を併用しない患者に対する本品の有効性が示唆されており、患者に対する明らかなリスクがないことを踏まえ、本品は、前治療によらず使用可能であると判断いたしました。
薬物療法に対する本品の上乗せ効果について、米国臨床試験や国内治験において、医師評価によるADHD-RSの各スコアの変化量に大きな違いは認められていません。本品が有効性を発揮する治療機序に関わる報告は限定的ですが、対象患者における年齢、国内外の医療環境差及びユーザーエクスペリエンスの細かな差異によらず、一定の有効性を発揮する可能性が示唆されています。
また、薬物療法併用の有無にかかわらず、同程度の有効性が確認されており、本品における薬物療法との併用においても一定の有効性が期待できると判断しました。
以上から、専門協議での議論を踏まえ、環境調整やその他の心理社会的治療が行われたが、効果が不十分な患者に対して、本品を環境調整、心理社会的治療や薬物療法との併用が可能な治療選択肢の1つとすることが妥当と判断しました。
なお、本品の使用に伴い、安易に薬物療法を減量または中止することは避ける必要があること。また、薬物療法の実施により、本品の使用を中止した場合の影響は評価されていないことから、本品の使用や薬物療法の中止の必要性は、本品の効果に関わる適切な判定結果に基づき、慎重に判断する必要があることを、注意事項等情報にて注意喚起を行うことが必要と判断いたしました。
3つ目の論点は、適用対象についてです。審査報告書53ページ、1行目を御覧ください。
A3831試験において、不注意優勢型と混合型の患者における医師評価によるADHD-RSの多動/衝動スコアの改善が確認されましたが、不注意スコアほどの変化量は確認されていません。また、米国においても多動/衝動優勢型の患者は適用に含まれておらず、多動/衝動優勢型の患者における本品の有効性及び安全性は評価されていないことから、専門協議の議論を踏まえて、本品の対象に多動/衝動優勢型の患者を含めることは適切ではなく、不注意優勢型と混合型に限定すべきと判断しました。
4つ目の論点は、製造販売後の安全対策についてです。審査報告書53ページ、24行目を御覧ください。
本品は、ゲーム依存症やスマートフォン等の電子機器への依存症に関する潜在的なリスクが否定できないビデオゲーム型のアプリケーションソフトウエアであることから、本品の適用や継続使用の可否については、本品の特性を理解し、対象患者における適切な症状判定や本品の効果判定を実施した上で、対象患者におけるリスク・ベネフィットを踏まえ、医師が慎重に適用を判断することが重要と判断しました。
そのため、本品の適正使用に関して、日本ADHD学会、日本児童青年精神医学会、日本小児神経学会及び日本小児精神神経学会との協力の上、本品に関する適正使用指針を策定し、本品の有効性、安全性及びゲーム依存症やスマートフォン等の電子機器への依存症に関する潜在的なリスクに関する情報、並びに本品の効果を適切に評価した上で、継続使用の要否を決定することの重要性等について周知徹底を図ることが適切と考え、この旨を承認条件として付すことが妥当と判断しました。
最後に、本品の使用成績評価の要否について説明いたします。審査報告書54ページ、1行目を御覧ください。
総合機構は、本品は、米国において一定の使用実績があり、米国における不具合報告は効果の低さに関する1件のみであること、また、A3831試験及びA3821試験においても、特段の安全性上の懸念は確認されておらず、専門協議の議論も踏まえ、新たに評価すべき事項は想定されないことから、使用成績評価を行う必要性は低いと考え、使用成績評価の指定は不要と判断いたしました。
以上を踏まえ、総合機構は、審査報告書55ページ、33行目に記載の使用目的とし、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本プログラム医療機器調査会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。
本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
また、使用成績評価の指定は不要と判断いたしました。なお、薬事審議会では報告を予定しております。
総合機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、参考人の山形先生から追加の御説明はありますでしょうか。
○山形参考人 すみません、山形です。よろしくお願いします。
御存じかと思いますけれども、ADHDについて、簡単に補足させていただきますと、気が散りやすくて集中できない、不注意症状と、待てないとか、我慢できないことから来る多動/衝動性というのが2つに分けられるのですけれども、主には前頭葉の実行機能という、物事を順番立ててやるとか、やってはいけない、抑制するとか、いろいろな認知をする、そういうことの機能低下、ドパミン系の異常ですけれども、それと側坐核の満足中枢、満足を得ることが弱いということから起きる症状ですね。
この治療薬としては、コンサータとか、ビバンセとか、ADHDもいろいろ薬はあって、特にコンサータとかは、すごく切れもいい薬なのですけれども、12時間しか効かないということと、お昼が食べられない子が半数近く出てくるということで、内服がうまくできない子たちも出てきているということがあります。それで、新たな治療法があるということはいいことだと思います。
ADHDの問題は、怒られたりとか、いろいろ周りとうまくいかないとか、そういうことから来て、二次的にひきこもったり、あるいは反抗的になるとか、そういうことを抑制するということであって、長期に行動が変わってくるというのは、非常に重要なことかなと思います。
それで、このエンデバーの2つのことをやるという実行機能の改善が得られたということで、不注意型を中心に効くということで、ただ、満足中枢、欲求充足系には効いていない、軽いかなというところで不注意型を中心に有効性が期待されると思います。
やはり、ADHD、ゲーム依存とか依存症が強く出る疾患ですので、こういうゲームをやることに対して、依存性は、やはりみんな懸念はしているのですけれども、ただ、このゲーム自体が、比較的単純と言ったらあれですけれども、2つの動作だけやっても、報酬性、満足性が低いので、あまり依存性は出ていないという報告で、逆に、○○○○○○○○○○○○○○、言ってしまったけれども、すみません、これは決して、持続できるという能力も鍛えられるかなと思います。
そういう面で、薬剤治療はとてもいいのですけれども、限界があるところがあるので、その補足あるいはこの治療だけでうまくいく子もいればということを期待しています。よろしくお願いします。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。
山本委員、お願いします。
○山本委員 国立衛研の山本です。持続性に関して質問をさせていただきます。
安全性については、問題ないということでした。また、使用が進むによって、難易度が高まってくるというお話もあって、継続できるものだろうと思います。臨床試験にて、24週の長期使用データがありますけれども、より長期の使用における効果の持続について、情報がありましたらお教えいただきたいと思います。
また、市販後に、そういった効果の持続等を調査することがあってもいいのではないかと思うのですけれども、この点についても御回答をいただければ幸いです。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答させていただきます。
まず、1点目、長期使用した場合の有効性に関するデータがあるかという点に関しましては、現状、治験で使用された期間というのが最長で有効性が確認されている期間でございますので、より長期に使用した場合のデータというところは、現在、存在していないところでございます。
今後、臨床機関等で依存症のところも含めて、本品の使用を継続した場合に、きちんと有効性が出ているか、症状の改善が見られているかというところについては、医師が定期診察の中で、ADHDのRSスコアですとか、そういったものを用いながら、効果判定というところをしていただくことになるかなと考えております。
○医薬品医療機器総合機構 先生、もう少しだけ補足をさせていただければと思います。PMDAでございます。
長期の調査に関しまして、少しだけ補足をさせていただきますと、使用成績調査に関しましては、どちらかというと、安全性上の問題が懸念されるという点を踏まえて指定をし、調査をさせるというところが一般的でございまして、本品に関しましては、もちろん、本品をゲートウェイとした依存症のリスクというところは、完全には否定できないところでございますが、臨床試験においても特にそう大きな問題も確認されておりませんし、海外においても、そういった報告がないということから、使用成績調査としての指定は不要と考えております。
一方で、おっしゃっていただいたとおり、長期的にはどうなのかというところについては、まだまだ不明な点が多いと思います。
専門協議の中でも、そういった長期的な使用に関する効果に関して議論があったところでございますが、では、どういう評価をするべきなのかというところについても、なかなか難しいところがございますので、現時点で長期的な評価というところを何か義務づけて実施することは考えていない、義務づけないというところで、こういった審査になってございます。
以上でございます。
○山本委員 ありがとうございました。
○佐久間座長 そのほか、宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、山本委員からお話があったように、長期的なところをどのように判断するのか。安全性は問題なく、54ページの33行目のところで、長期的な有効性が期待できるということを言いながらも、今、お話のあったように、48ページ目の11から16のところでは、長期使用については慎重に判断する必要があるとし、注意事項等情報にて注意喚起をすると書いてあります。書きぶりが非常に難しいということで、このようになっているのでしょうけれども、有効性も含めて、どのように長期的なところで判断して、ここで効果はある程度いいですよといった場合であっても、歯止めがどこにかかってくるのかということが、この文章の中では読み取れないですね。
ですから、本来からすると、市販後調査で、これに関してジャッジをするということができるのかとか、それとも別の意味で、これからも、こういうプログラム医療機器というのがたくさん出てくるでしょうけれども、そういうものを誰がどのように長期的なところで判断していくのかを考えるべきです。今でも多くのプログラム医療機器があって、行動変容等を含めたものがあるのですけれども、行動変容というのはもともと長期にわたって、保障されるものではない、初期のいろいろなアクションによって行動変容は起こるけれども、それを持続させる新たな仕組みが、そのプログラム医療機器になければ、長期の効果というものは、なかなか持続ができない。
それに対して、検証するところが今のところ全くないのですね。それをどのように大きな目で見ていくのか。この機器に対して、そのことについて特段議論するということではないのですが、しかしながら、全般的にこれから起こってくるであろう、それから、全てのこういうプログラム医療機器に対して、厚労省とPMDAが、今後どのように検証していくのか、そういう道筋がないまま、個別のところをずっと議論していくというのは、我々委員にとっても難しいといえます。
それから、専門委員の先生方に対しても、失礼な話になってくるのではないかとは思います。
別にPMDAを責めるとか、厚労省を責めるということではなく、大局感で考えていかなくてはいけない問題ではないかなと思うので、一応提示させていただきました。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございます。
今の議論は、このようなソフトウエアが、行動変容という形で使える、一定の有効性はあるということが分かっていて、今回ある期間では有効であるということが分かったということです。
一方で、ここでもたらされた行動変容をしたら、長期にどうなるかということについては、まだまだよく分からないところがある。
一方、今の市販後調査という考え方は、どちらかというと、安全性に関わる議論であり、その枠組みの中では、なかなか長期的な有効性を見ることができない。ある意味では、この問題はこのようなソフトウエア固有の課題ということになるのかもしれません。科学的に議論するということについては、現在の状況では大規模な臨床研究を行うわけにもいきませんし、そして多くのこのようなソフトウエアを開発するソフトウエア企業というのは、それほどの大きな体力があるわけではないだろうと思います。その辺りをどのように考えていくかというのは、今後の課題だと思いますが、何かございますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 宮川先生、どうもありがとうございます。
今、まさに黎明期から、実際の実用に向けた中で、具体的に実際に起こってくる問題が、今、御指摘いただいた1点のところにあると思います。
今までの立てつけですと、安全性に着目した形で使用成績調査を行うというストーリーでやっておりましたが、このものの場合、安全性の観点もございますけれども、今の御指摘は、その有効性も含めて、トータルパッケージでどのようなものになっているのかをきちんと規制当局側としてウォッチする必要があるというところの御提案だと思いますので、どのような立てつけでやるか、また、大々的にやると非常に資金の問題が、国においても限りある財源でございますので、どのような方法で、まず、そういった立てつけをつくっていくのがいいのかについて、例えば、この研究班ですとか、何らかの議論、いきなりこの部会で御議論いただくのは少し難しいと思いますので、まず、その下地をきちんと、その課題をピックアップした上で、検討結果が、また、こちらのほうに御報告できるように、こちらのほうもPMDAとも調整しながら進めたいと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。
そういう意味では、1つのベンチャー企業とか、そういうところに依存して長期的にやるというのは資金的な問題もあるし、そうすると、ベンチャーも出て来にくくなる、ベンチャー企業以外にも言えることですね。
そうなると、どこかの機関でそういうものをしっかりと見ていくというのが、例えば、PMDAでも何でもいいのですけれども、そういう箱をつくっていかないといけないのだろうなと思いますので、ぜひそういう議論をどこかでしっかりと議論していただいて、箱づくりから始めてみていただきたい。こういうものは、これからたくさん出てくると思うので、そこをどうやってそこに落とし込んでいくのか、つまり安全性だけではなくて有効性も含めてやっていくときには、どのような仕組みが必要なのかということも、しっかりと議論していく場所を、ぜひ、厚労省とPMDAでどこかに示していただければ幸いかなと思っています。
以上です。
○医療機器審査管理課長 御指摘ありがとうございます。承知いたしました。
○佐久間座長 今の議論のところですけれども、この点に関して、やはりプログラム医療機器は、かなり期待もされているところで、恐らく新しい医療につながる部分もあるだろうと思われます。
一方で、これをどうやって評価するかというところは、なかなか難しいところがあって、これは、継続的に、ここではなかなかできないところもあると思いますので、御検討いただければと思います。
それでは、北澤委員、お願いいたします。
○北澤委員 よろしくお願いします。
幾つか質問があります。
1つは、A3831試験についてです。まず、これは、いわゆる心理社会的治療のみの群と、それにゲームを上乗せした群の2群比較になっていますが、上乗せ試験ではなくて、薬で言うところのプラセボ対照ではないですけれども、別のシャム治療との比較をすべきだったのではないでしょうか。審査報告書には、シャム治療は難しいので上乗せにしたと書いてあるのですけれども、海外で行われた試験では、実際のゲームを使う群と別のゲームを使う群との比較になっていて、別のゲームをやっている人がいわばプラセボ群になっていました。どうしてシャム治療ができないと判断したのかというのを聞きたいのが1点目です。
2点目は、やはり結果のところなのですけれども、ベースラインからの差で見て、ゲームをやった群とやらなかった群で3点ぐらいの差があったという結果でしたが、このスコアにおける3点の差というのは、統計学的には有意かもしれないけれども、臨床的に見て、あるいは患者や親の実感として、この子は何か注意できるようになったなと分かるぐらいの差なのか、私は医師でないもので分からないので、その辺りをお聞きしたいと思いました。それが臨床試験についての質問です。
では、取りあえず、ここまででお願いいたします。
○佐久間座長 それでは、御回答をいただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 先生、御質問いただきましてありがとうございます。総合機構より回答させていただきます。
まず、御質問いただきました1点目、A3831試験において、シャムを対象としなかった理由に関しましてですけれども、初めに実施いたしました、A3821の試験、探索的治験のほうでは、シャム機器を置いております。
シャムの内容といいますのが、本品自体は二重課題、2つの操作を行うゲームというところでございますけれども、シャムのほうには二重課題ではなく、1つの操作のみを行うものをシャム機器と置いて、試験を実施いたしました。
結果として、1つの課題を行うゲームにつきましても、本品ほどではないにしても症状の改善効果が見られたところがございまして、そうなりますと、シャムとしての妥当性というところが議論になりました。
ほかにもシャムとして何かほかのゲーム機器ができないかというところは検討いたしましたが、盲検性を確保しながらのシャム機器の開発というのが難しかったところもございまして、今回、A3831の検証的治験に関しましては、シャム機器ではなく通常治療というところを対象として置いて試験を実施したところになっております。
○北澤委員 ありがとうございます。
でも、結果的には、ゲームをやった人とやらない人を比べているので、盲検性はないということですね。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
探索的治験のほうに関しましては、患者さんに対して盲検性のアンケートも実施していまして、盲検性自体は確保されていたという結果と理解しております。
○医薬品医療機器総合機構 先生、PMDAでございます。
少し御説明をさせていただくと、先生おっしゃるとおり、検証的治験のほうでは盲検性を担保できないというところから、盲検性なく、標準治療に対して本品を上乗せした群、上乗せしていない群での評価をしております。
先ほど担当のほうから申し上げましたとおり、盲検性を担保できるようにシャムを設計することについては少し難しい、どうしても内容が分かってしまうということで、適切なシャムということが難しいということで、そこについては、シャムを使わないという判断に至っておりますし、また、さらに盲検性が担保できない、例えば何かのシャムを提示するといったときに、必ずしも盲検性が担保できないということであれば、しっかりと現状の治療をやっていただく群を対照群に置くということで、問題はないのではないかということで、今の試験系になったという経緯でございます。
○北澤委員 ありがとうございます。一応理解しました。
だけれども、シャム対照群を置かないことで、結果の、ベースラインからのスコアの低下の度合いの差分が過大に評価される可能性はあったのではないかと、個人的には思いました。
それから、もう一つの3点の差というのが、臨床的に見てどうなのかという点についてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
この点について、総合機構のほうから回答をさせていただきます。
まず、3点の差という点に関しまして、今回評価に用いましたADHDのあるRSスコアは、18の日常で困っている症状について、0点から3点までと0点がない、もしくはほとんどないから、3点が非常にしばしばその行動があるというところで、スコアを計算するものになります。
1つの行動が改善したのか、あるいは複数の行動でそのスコアが改善したかというところで解釈が異なってはきますけれども、例えば、1つの行動に対して、スコア3減少したということであれば、高頻度で行われていた日常で困った行動というのがなくなったと解釈できるかなと思っております。
また、例えば複数の行動でスコアが1ずつ減少したということについても、それらの行動の頻度が低下したのだと解釈ができるかなと思っております。
この点に関しまして、山形先生のほうから補足等あれば、お願いできればと思います。
○山形参考人 少し説明させていただきます。
3点というのは、正直少しです。コンサータとかだと多分この2、3倍どんと下がってくると思うのです。ただ、コンサータとかドパミンを一時的にどんと上げて効かせると、12時間だけ働かせるということですけれども、軽度だけれども長い間ずっと持続的によくしていってシナプス機能が強化されていくといいのかなというところで期待されると思います。強くどんと行くより、軽いけれども長期にじわじわ効いてくることが期待されるのでいいのかなと思いますけれども、ただ、機序も十分分かっていないので、私もどこまで本当にいいか難しいところですけれども、期待はしております。
○北澤委員 ありがとうございます。
もう一点伺ってもよろしいでしょうか。
○佐久間座長 はい、どうぞ。
○北澤委員 先ほどの議論でも、これは長期に使ってどうなのかというお話がありました。そのことも知りたいのですが、今の先生の御説明では、小さい効果かもしれないけれども、じわじわ効いていくというお話だったのですけれども、では、このゲームをやめていいと判断できるのはいつなのでしょうか、結局は、ずっと使い続けなくてはいけない、結果的にそうなってしまうのか、それとも、ここまで来たらもうやめていいねというのが、親子ともに決められるのか、その辺りについては、いかがなのでしょうか。
○山形参考人 取りあえず、山形から、それは難しくて分かりませんけれども、結局、私個人は、シナプスを強化されるということでネットワークがよくなってくるのだと想定するのですけれども、そうすると、ある程度強化されると固定化するけれども、やめると戻る、固定化される前だと戻るのがシナプスの強化だと思うので、それがどのぐらいでできるかというのは難しいと思います。だから、ある程度やってよくなったと思ったらやめて、やめたらまた戻ってきたらもう一回できるかなというところかと思うのですけれども、そういう点では、フォローアップのデータが必要かと思うのですけれども、学会とかでも興味は持っておりますので、いろいろな解析が出ると思いますけれども、おっしゃるとおり、本当に二重盲検をしないと効果は難しいと思うので、ただ、しなくても効果が実感できるとすばらしいのですけれども、そこまでできるかは、実際的にはかなり難しい。学会等でいろいろデータは出してくると思うのですので、それも交えて評価を考えていければと思っています。
○北澤委員 ありがとうございました。
それと、もう一つだけお聞きしたいのですけれども、長期の評価というところに関係するのですけれども、お薬の場合でしたら、処方していただいた薬を全部飲み終わってしまったら、薬はなくなるわけなのですけれども、ゲームアプリの場合は、自分のスマホにダウンロードしたらずっと残っているわけで、それをほかの子が使ったり、あるいはこれはいいよみたいな感じで友達と一緒にやったり、そういったことができてしまうと思うのですね。その辺りは、規制しなくてもよいものなのでしょうか。
以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答させていただきます。
まず、患者以外の方が使用できないような仕組みがあるかという点に関しましては、使用時に、まず、初めに本品を処方されて初めに使うときに、アクティベーションコードを使った認証というところがございまして、そのほかに、患者本人であることを確認するためにメールアドレス等の個人認証など、複数の認証を組み合わせた上で本品を使用する形になります。
ただ、その端末自体をログインした状態で、ほかの子に渡すときにできてしまうということにはなるのですけれども、本品の仕様として、1日25分以上は使用できないような仕様になっておりますので、例えば患者さんがほかの方に貸し出してしまったとしたら本人ができないということになるので、そういった機会があるかは、現状は分かりませんけれども、あまり想定はされないのかなと現状では思っております。
○北澤委員 ありがとうございました。
○佐久間座長 ほかにございますでしょうか。
どうぞ、清水先生。
○清水委員 確認したい点がございます。
まず、1つは治験のデザインで、この試験をしている間に類似ゲームを、先ほど動画を見させていただいてすごくよく分かったのですが、ああいうタイプのゲームというのはたくさんあるかと思いますが、そういう類似ゲームの使用というのは、いずれの群でも、例えば、使用を禁止するとか、そういうことはされていたのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答いたします。
本品以外の一般的なゲームについては、使用は特に制限しておりませんで、各患者さんが何時間ほかのゲームを使用していたかというところのデータも取っておりまして、そういうところでございます。
○清水委員 それらが特に影響を与えたということは、この場合は想定しなくても大丈夫でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
各ゲームを何時間使用していたかというところで層別の解析をしておりまして、特に本品以外のゲーム使用時間と、その有効性のところの影響というのはないというデータが現状示されているところでございます。
○清水委員 よく分かりました。
それから、これは御説明をいただいたかもしれませんが、表14を見ますと、精神障害を含むイベントがかなり本品使用の場合に増えている、影響はないとおっしゃったのですが、増えているのが少し気になっておりまして、これは、いずれも軽度で問題ないという結論でしたが、例えば、疾患のグレード別とか年齢別で何か傾向があるとか、そういうものがありましたら教えていただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
申し訳ありません、現状、手元に年齢別等のデータはないところではあるのですけれども、本品群のほうで有害事象の発現が多かったことに関しましては、通常治療群の6週に比べて、本品群のほうが10週と評価期間が長いということが有害事象の件数が増えたというところに関係しているのではないかと考えております。
○清水委員 そうしますと、同じ6週でデータを集計し直すということもできるかと思うのですが、それはされておりますでしょうか。それとも、もう10週でまとめて、いつ起こったかというイベントの時期が分かれば、6週でまとめ直すということもできるかと思うのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
表14の一番右端が本品群の0から6週というところで、そちらでも確かにイベント数が多いは多いのですけれども、どういったイベントが多かったというところにつきましては、例えばCOVID-19ですとか、上咽頭炎などのような感染症が多かったというところもありますので、偶発的な事象は本品に関係していないところの事象が多かったのではないかと考えております。
○清水委員 そうですか、先ほどの表を見ていて、精神障害とかそういう辺り、あるいは呼吸器、これは先ほどのCOVIDに関係するのですかね、感染症ではないような例もありましたので質問をさせていただきました。でも、総論として解析されて影響がないということであれば、よろしいのではないかとは思います。
それから、先ほど少し質問が出ていた件なのですが、一度中止して、それから再開するということも想定されているようなお話でしたが、この再開についての条件というのは何かございますか、例えば休止期間はこのぐらい設けて再開してくださいとか、再開した場合にはどのぐらいの長さまでとか、この辺りはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。
基本的に本品の使い方としましては、6週間使用した段階で一度本品が使えない状況になりますので、その段階で、一度医療機関で診察を受けていただくことになるかなと思っております。
その後、継続するのか、一旦中止してまた後日再開するのかというところにつきましては、現状こちらでは条件等は考えてはいないのですけれども、患者さんの症状を見ながら、医師の方に判断していただくことになるかなと考えております。
○清水委員 分かりました。どうもありがとうございました。
○佐久間座長 そのほかいかがでしょうか。
どうぞ、お願いします。
○渡邊委員 すみません、渡邊です。数点だけ確認させてください。
米国で使われていた実績の上での本国での申請ということですけれども、今まで米国のほうでは、最初は8歳から12歳での試験がなされて、その後、青年期への拡大で、最終的に8歳から17歳になっていたかと思うのですけれども、日本での今回の適用が6歳からということになっています。この辺りの年齢設定というのはどうなっているのかというのが1点目です。
それと、資料の17ページのところの表6の中での主な除外基準のところに、同意取得から後に併用禁忌薬もしくは併用禁忌療法を使用した患者という記載があるのですけれども、これに関しては、併用禁止の薬剤であったり、併用禁止の療法というのが設定されているのか否かというのをお教えいただければと思います。
また、日本で申請するに当たって、米国仕様から変えた日本での有効性を考慮した特徴みたいなところがあるのであればお教えいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきまして、ありがとうございます。総合機構より回答いたします。
まず、1点目の海外と本邦において対象の年齢が異なる点でございますけれども、国内治験を実施する際に、国内での医療現場のニーズを確認した上で、本品が患者ごとにレベル調整がされるということと、このトレーニングの内容自体が小学1から2年生程度で十分に理解できるような操作であったこともありまして、ADHDに対する既承認の医薬品というものの多くが6から17歳を対象にしていたというところも踏まえまして、国内治験において対象年齢は、米国とは違いますけれども、6から17歳というところにおいて試験を実施したところでございます。
2点目の除外基準の薬物等につきましては、国内治験ではADHDに関連するような既承認の医薬品との併用というところを認めておりませんでしたので、そういったところを使用されていた患者さんというところは、除外をした上で治験を実施しているところでございます。
申し訳ございません、3点目の御質問を、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか。
○渡邊委員 日本で申請されるに当たって、米国仕様から何か変えられた点があるのであればお教えいただければと。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
米国仕様と異なる点ですと、1点が、本品の使用方法なのですけれども、米国ですと、週5日間使用する形になっているのですけれども、日本では○○○○○○○○○○○○目的もあり、毎日週7日間使用するような形で使用方法を変更して、今回承認されるという予定でございます。
○渡邊委員 ありがとうございます。
ぜひ年齢が拡大された上で、かつ使用方法も増やしてということですので、それだけの効果が期待できればと思います。
最初の参考人の先生が言われた内容もそうなのですが、継続しての使用をすることの必要性、重要性を言われており、また今、話が出た薬剤との併用という部分もありますので、今後、臨床現場で使っていくに当たっては、ぜひその辺りを、薬との併用も含めたフォローで、薬剤師等々が入って医師と薬剤師が連携しながらのフォローアップが必要であるとか、そういうしっかりとした安全性の高い使い方をお願いしたいと思います。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
今日出た論点というのは、例えばシャムについても、シャムアプリをつくるのは難しいという課題がある。ものを見てしまうと、違うものをやっていることが分かってしまいますので。
あと、効果についても薬に比べてみると、やはりじわじわというか、そういう傾向がある。逆にそれがメリットでもあるということなのだろうと思います。その辺りは全体的に見た上で、今回このような形の御報告をいただいたということになるのかなと思いますが、追加で、何か御意見とかはございますでしょうか、よろしいでしょうか。
いろいろ御指摘、御質問が出ましたけれども、特に大きな異議があったということではないと思いますので、議決を行いたいと思います。
医療機器エンデバーライドについて、本調査会として承認を与えて差し支えないものとし、生物製品及び特定生物由来製品として指定しないとしてよろしいでしょうか。
また、使用成績評価は期間を不要とするということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 御異議がないようですので、そのように議決いたします。
また、プログラム医療機器調査会設置要綱第5条第2項に基づき、この議決を医療機器・体外診断薬部会の議決といたします。
本件は、審議会にて報告を行うこととします。
今回、いろいろ議論が出たと思います。課題が幾つかあると思いますので、これについて、また、ここでもいろいろ議論しながら検討を進めていくとともに、また、厚労省のほうでも御検討をいただければと思います。
これで議題2を終了いたします。
山形先生、どうもありがとうございました。
(山形参考人 退室)
○佐久間座長 すみません、ちょっと私からの表現を間違えたところがありました。使用成績評価の指定を不要とするということですので、おわびして訂正いたしますが、その点、使用成績評価の指定を不要とすることにして進めたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次に議題3につきましても、参考人の御出席をお願いしておりますので、参考人の入室が確認でき次第、議事を進行いたします。
事務局いかがでしょうか、よろしいですか、オンラインでしたかね、確認できていますかね。
(松本参考人 入室)
○佐久間座長 それでは、議題3「医療機器CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の要否について」の審議に入ります。
事務局より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
資料3、2ページ、専門協議員の一覧を御覧ください。本審査に当たり3名の専門委員から御意見をいただきました。
それでは、審査報告書を用いて審査概要を説明いたします。以降、審査報告書本体下、中央に記載の黒色のページ番号及び左に記載の行番号を用いて説明いたします。
初めに、本品の概要を説明いたします。審査報告書6ページ上段「1.審査品目の概要を」御覧ください。
本品は、アルコール依存症の飲酒量低減治療が適用となる患者に対して使用されるプログラムです。
患者がスマートフォン等にインストールして使用する患者用アプリケーションと、医師が診察の際にデータ閲覧するために使用する医師用アプリケーションから構成されます。以降、それぞれを患者アプリ、医師アプリといいます。患者アプリの機能の概要を表1に、医師アプリの機能の概要を表2に示しております。
患者アプリでは、患者が入力した情報及び収集した行動の実践結果を基に、習慣化に必要な取組を個別化し提示します。医師アプリは、患者アプリで取得した情報を医師と共有し、診察時の参考になる情報を提供します。
なお、本品は医師の指導のもとで使用されるものです。長期にわたり医師の診察を受けていない患者に対しては、患者アプリが使用できなくなるよう管理されています。
次に開発の経緯を御説明いたします。8ページ中段「(1)開発の経緯」を御覧ください。
本邦においてアルコール依存症の治療を受けている患者は約5万人にすぎず、100万人以上の未治療患者がいると言われています。関連学会が公表している診断治療ガイドライン等では、アルコール依存症に対しては、心理社会的治療が治療の主体であり、薬物療法は補助的な役割を担うとされています。一方で、専門医療機関の数が少ないといった医療資源の課題や、専門医療機関への紹介の同意が得られない患者、遠方のために通院ができないといった患者要因等の課題が示されており、プライマリ・ケア医や内科医等による早期介入の必要性が示されています。
また、同じく診断治療ガイドライン等では、アルコール依存症の治療は、継続した断酒が最も安定かつ完全な目標ではあるものの、治療の継続が重要であり、断酒以外にも飲酒量低減も治療目標となり得ることが示されています。
近年、技術習得の難しさや実施費用の問題から普及に課題のある心理社会的治療に関して、患者のスマートフォンを用いて心理社会的治療等を支援するプログラム医療機器が各国で開発が盛んに行われていることや、アルコール依存症を対象に実施されたランダム化比較試験において、コンピューターを用いた介入により、心理士による対面の介入を超える効果が示されたことが報告されたことから、申請者は、日常の患者の状況を医師アプリで簡便に確認しつつ、患者アプリにより飲酒量低減治療における心理社会的治療を補助する本品の開発に至りました。
なお、海外における承認及び許可はありません。
本品の非臨床試験に係る性能に関する評価については、審査報告書10ページから11ページに示しておりますが、特段の問題は認められませんでした。
続きまして、臨床試験成績について説明いたします。審査報告書13ページを御覧ください。
11行目、ヘ項に示しますように、本申請において本邦で行われた臨床試験成績が提出されました。本治験は、本品の有効性及び安全性を検証するために実施された、多施設共同並行群間比較試験です。本治験は、表3、主な選択基準に示す患者を対象としました。こちらは飲酒量低減治療が適用となる患者となります。
治験の流れについて説明いたします。審査報告書15ページ、図3を御覧ください。
本治験では、介入群、すなわち関連学会が公表している飲酒量低減治療マニュアルに記載された手順に従った心理社会治療に加え、本品を使用した群と、対照群、すなわち飲酒量低減治療マニュアルに記載された手順に従った心理社会治療に加え、飲酒記録機能のみのアプリを使用した群について、飲酒量低減効果を比較する試験として実施されました。
本治験の使用評価は、登録から12週時点で行いました。また、両群とも12週時点における飲酒量の状況に応じ、薬物療法を併用可能とした上で、さらに12週間の評価がなされました。
同じページの下の脚注に、WHOによる健康リスクに基づく飲酒量リスク分類であるDrinking Risk Levelについて記載しております。本治験には、こちらの表でVery HighとHighに分類される1日の純アルコール摂取量が男性で60g、女性で40gを超える患者が参加しました。
主要評価項目は、登録から12週時点における4週当たりのHeavy Drinking Day数、以下HDD数と言いますが、HDD数のベースラインからの変化量が設定されました。
主な副次評価項目は、純アルコール摂取量に関する指標や、アプリの使用状況、血液検査値等が設定されました。
続きまして、本試験の結果について説明いたします。審査報告書18ページ下段「(3)試験結果」を御覧ください。
HDD数のベースラインから12週時点での変化量は、介入群で4週当たり-12.2日、対照群で4週当たり-9.45日、群間差は、4週当たり-2.785日であり、介入群は対照群に対して有意な減少を示しました。
副次評価項目については、審査報告書19ページ、14行目以降に概要を示しております。表7から表13に示しますように、純アルコール摂取量に関する指標において介入群のほうが、減少量が大きい傾向にありました。同様に、その他の副次評価項目についても、対照群に対して介入群で改善等が確認されています。
続きまして、本治験で確認された有害事象と不具合について説明いたします。審査報告書24ページ、中段を御覧ください。
本治験において報告された有害事象を表15に、また、不具合を次のページ、表16及び17に示しております。本治験中に発現した全ての有害事象と本品との因果関係は否定されています。また、患者の健康被害のおそれがある不具合もありませんでした。
次に、総合機構における審査の概要について説明いたします。審査における主な論点は、4点です。
1点目の論点は、本品の有効性及び安全性についてです。審査報告書26ページ、中段を御覧ください。
まず、本治験での飲酒量は、患者アプリによる記録を基にしていることから、本品の有効性を適切に判断するため、患者の申告に基づく評価の適切性及びその他の客観的指標に基づく評価との整合性について申請者に説明を求めました。
本治験での飲酒量は、患者アプリに入力した飲酒記録のみでなく、来院日に検査者とカレンダーを確認しながら過去を振り返り飲酒量を測定する方法、Timeline Follow Back法を用いて修正された飲酒量を用いました。
この手法は、EMAのアルコール依存症治療薬開発ガイドラインでも推奨されており、本邦のアルコール飲酒量低減治療薬の治験の主要評価項目や通常診療においても用いられることから、一定の信頼性がある手法と説明されています。
加えて、副次評価項目で収集した肝機能に関する臨床検査値であるAST、ALT及びγ-GTPの結果を確認すると、治療期12週及び治療期24週において介入群のほうが低い傾向が見られ、ベースラインからの変化量についても対照群と比べ介入群でより悪化が抑えられ、肝機能が改善している傾向が確認されていると説明されています。
本治験は非盲検下で、かつ、患者自身で入力する飲酒量から評価することを踏まえると、ホーソン効果やプラセボ効果の影響も考慮した治験を計画すべきと考えます。
一方で、対照群では飲酒記録機能のみのアプリが使用され、セルフモニタリングが実施されており、一定の改善効果が期待される保守的な対照群に対する優越性が示されたことを踏まえると、介入群において一定の意義のある改善があると判断いたしました。
また、本治験では、介入群において、主要評価項目であるHDD数のベースラインから12週時点への変化量が対照群に対して有意に減少しました。加えて、副次評価項目における純アルコール摂取量に関する指標や、肝機能検査の結果等についても、主要評価項目と同様に改善等が認められ、本治験において一貫した結果が示されました。
以上より、専門協議での議論も踏まえ、飲酒量低減治療において実施される心理社会的治療を支援する位置づけで使用される本品の有効性は示されたと判断しました。
安全性については、全ての有害事象と本品との因果関係が否定され、患者の健康被害のおそれがある不具合もなかったことから、本品の安全性に問題はないと判断しました。
2つ目の論点は、長期使用における有効性及び安全性についてです。審査報告書30ページ上段を御覧ください。
12週から24週時点のHDD数などの変化量に関する介入群と対照群との群間差は12週までの群間差よりも小さく、一定の有効性を発揮する可能性は示唆されているものの、本品を長期使用した場合、本品を使用した心理社会的治療と比較して、心理社会的治療を単独で実施した場合よりも高い効果を維持し続けると考えることには懸念が残ります。
一方で、本品を用いたことで早期に減酒が達成され、その効果が維持されたと捉えることもできます。診断治療の手引で、心理社会的治療は継続性が重要とされ、○○以降も本品が提供するセルフモニタリング機能と実践目標管理機能は、医療従事者による心理社会的治療の継続を支援するための機能であり、これらの機能は治療期24週以降も継続的に使用が必要な機能と考えます。治療期24週までに安全性に問題がないことから、専門協議での議論も踏まえ、本品を用いた治療期間について制限する必要はないと判断しました。
3点目の論点は、臨床的位置づけについてです。審査報告書31ページ上段を御覧ください。
本治験における介入群は、飲酒量低減治療マニュアルに記載された手順に従った心理社会的治療に加え、本品を使用する群とされ、この範囲の患者における有効性及び安全性が示されたことから、本品の使用目的または効果は、アルコール依存症患者の飲酒量低減治療補助とすることが妥当と判断いたしました。
最後の論点は、使用施設及び使用者についてです。
本品は、アルコール依存症患者への治療を専門医療機関に限らず提供できるようにすることもコンセプトとして開発され、本治験では、医師は、アルコール依存症治療に関する研修及び本品を用いた診療に関する研修の2つの研修のみ受講することを条件としました。市販後もこれらと同様の研修を受講することで、専門医療機関や専門医でなくとも本品の使用は可能と判断しました。
なお、診断治療ガイドライン等では、専門医療機関以外での飲酒量低減治療が想定され、治療に伴う問題への対処方法や専門医療機関に紹介すべき状況についても示されており、専門医療機関との連携することが重要とされています。
本品を使用した飲酒量低減治療においても、専門医療機関への受診機会の逸失等がないように本品使用施設に対して、必要に応じて専門医療機関との連携を図るように併せて注意事項等情報で注意喚起することとしました。
最後に、本品の使用成績評価の要否について説明いたします。審査報告書32ページのト項を御覧ください。
総合機構は、本治験により本品の有効性が評価されたこと、また、安全性上の懸念も大きくないことから、使用成績評価の指定は不要と判断しました。
以上を踏まえ、総合機構は、審査報告書33ページ、20行目に記載の使用目的とし、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本プログラム医療機器調査会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。
本品は、生物由来製品及び特性生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。また、使用成績評価の指定は不要と判断いたしました。なお、薬事審議会では報告を予定しております。
総合機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、参考人の松本先生から追加の御説明はありますでしょうか。
○松本参考人 いいえ、特に全く新たな説明はないのですけれども、とにかくアルコール依存症の専門医療機関は数が限られている上に、国内でも偏在しているというところもあります。そして、多くの場合、アルコールの健康被害は内臓障害で、プライマリ・ケアの現場で事例化することが多い。
そして、内科の先生などが専門医療機関につなげようとするのですけれど、これがなかなか大変な問題がございます。
まず、患者さんたちの中で依存症に対するスティグマというのがありまして、なかなか専門病院に行きたがらないというところがありますし、また、内科などで、内臓障害で問題化するアルコール依存症の方たちは、必ずしも重症とは言えなくて、つまり重症な方たちは断酒を目的とした治療が必要なのですけれども、減酒、飲酒量の低減という目標でもやっていけるのですね。
そうすると、アルコール依存症の専門的な医療というのは、やはり多くは、基本は断酒をメインにしている。それから、自助グループをはじめとした非医療的な社会資源も多数あるのですけれども、基本的に、これはみんなお酒を全く口にしない生き方を1つの共通点として集まっているグループなので、このプライマリ・ケアの現場の方たちがなかなかつながるということが難しいのです。
そういった中で、プライマリ・ケアの現場などでも使うことができる。そこで、これまでのアルコール医療の様々な課題、専門医療機関の少なさとか、それから偏在であるとか、それからプライマリ・ケアから専門医療へのつなぎの悪さ、こういったものを少し解消するのに非常に役立つツールなのではないかなと、私は考えております。
もちろん、劇的な効果があるというものではないのですけれども、プライマリ・ケアの先生方の忙しい日常診療の合間に、何かできることがあるという形で、非常に便利なツールだと思っておりますし、これは今後の話なのですけれども、例えば重度のアルコール依存症の方たちも、なかなか一気に断酒ということに踏み切れない方が多いのです。そのプロセスとして飲酒量低減のチャレンジと、そこの中で、お医者さんとの共同的な関係の中で、トライアンドエラーをするという経験の中で、断酒の決意が固まっていくことが多数あるのですね。そのプロセスなどにも、将来的には活用することができるツールなのではないかという形で、依存症を専門とする私としても期待を寄せているところです。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
いかがでしょうか、よろしいですか。
どうぞ、北澤委員、お願いいたします。
○北澤委員 北澤です。お願いします。
このランダム化比較試験の結果を見ますと、対照群の方でもHDD数でしたか、評価がよくなっているということが分かったのですけれども、それよりもアプリを使うほうがさらに減っているということで試験が行われたと理解しました。このアプリを使うときに、要するに記録だけできるといった機能がないのかという点をお尋ねしたいと思います。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より回答いたします。
今回のアプリの仕様としては、飲酒記録に合わせて、教育のコンテンツなども一緒に御利用いただくような流れをつくったのが、本品の目的となっております。飲酒記録のみを使うといったような、機能を特出しして使うことは、本来推奨していないものではありまして、今回はそのような使用方法は想定しておりません。お答えになっていますでしょうか。
○北澤委員 ありがとうございました。
先ほどの課題とかぶるのですけれども、結局これも、対照群でもよくなっているわけで、言ってみれば、先ほどのフルのアプリとフルのアプリから特定のものを除いたシャムアプリで比較しているわけで、やはり2群を比較するときに、何もしないのとアプリを使用する群の比較で本当に比較になるのかというところを改めて感じましたので、課題としてお考えいただけたらと思います。
以上です。
○佐久間座長 ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。特にございませんでしょうか、前半の議論とかなりかぶるところがある。一方で、じわじわこれも効くというところがあり、断酒というところまではいかないけれども、減酒という効果はある。また、記録をつけるという機能だけでも、そのような行動を促すだけでもかなり有効なのだけれども、さらにこれに教育的なコンテンツをやることによって、さらによくなるという効果であるとの御説明であったかと思いますが、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○渡邊委員 すみません、資料の30ページのところに、定期的な来院時にドクターが確認するという部分と、長期間診療を受けていない場合、アプリがロックされるとあるのですが、このアプリにおける定期的な受診というのは、どのぐらいのピッチで考えられているものなのかということと、どのぐらい受診がない場合、アプリがロックされるのかというところをお教えいただければと思います。
○佐久間座長 お願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より回答いたします。
定期的な受診としましては、今回の治験では、1か月に1回などを目安に受診をしていらっしゃいました。長期で診察を受けていらっしゃる方ですと、3か月ごとにガイドライン上で効果をはかることということになっていますので、最長で3か月をめどに受診することを想定していると申請者から聞いております。
アプリをロックする機能につきましては、最長の3か月を基に考えまして、その来院の頻度が数週間ずれてしまうということも想定して、今回の申請では128日を超えたら、アプリをロックしようという仕様としています。
以上です。
○渡邊委員 分かりました。ありがとうございます。
○佐久間座長 現状、いわゆる来院の期間の揺れも含めた上で、医師の介入がちゃんと入るというところの中で、うまくコントロールしながら使っていく製品だということかと思いますが、よろしいでしょうか。
ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
どうぞ。
○横井座長代理 参考人の先生に少し教えていただければと思うのですが、まさに専門医ではない医師が、こういうものを使いながら、専門医にかかりたくない患者さん、かかるに至らない患者さんを治療していく裾野が広がるのは、とてもいいのだと思います。私自身は、アルコール依存症の専門医ではない、ただ入り口になり得る消化器内科医ですけれども、そうすると、一般的に患者さんは、なかなか正しい飲酒量を申告してこないという傾向があるわけですが、多分、逐次入力しないといけないシステムを使われることによって、そういう過少申告のようなものというのは、何か是正されるような傾向があり得るのですか。
来院したときに確認されることを併用されるということで、多分されるのもあると思うのですが、ただなかなか前のことまで思い出して、きちんと正確に申告できるものなのかなというのが、少し臨床的に気になったのですが、いかがなものでしょうか。
○松本参考人 おっしゃることは、もっともだと思います。ある程度このアプリに対する患者さん自身の取組によって、効果が影響を受けるところがあるかと思っています。
それから、あと、プライマリ・ケアの先生方にも使っていただくことを、恐らくは想定して、この方たちもミニマムな研修は用意しております。恐らくその研修の中で一番大事なのは、上から目線の頭ごなしの指導というスタンスでやると、要するに患者さんたちは、正直に言えなくなってしまうのですね。だから、なかなか減らせないね、難しいねということに共感するような医師の態度というものも、その研修の中で同時に伝えていくことが、このアプリが持っている効果を引き出す上でとても大事なのだろうということです。
それから、やはり毎日記録をするという、小まめな記録ということをやってくださるようなモチベーションをどうやって高めるのか。実は、後でまとめて慌てて診察前に記録するということだと、実は効果が出てこないと思うので、この辺りもやはり患者さんたちに働きかけて活用する必要があるだろうと思っています。
○横井座長代理 ありがとうございました。佐久間先生もおっしゃっていましたけれども、記録をするということ自体、もちろん効果的になるし、記録式ダイエットなどというのもありましたね、それ自体が効果的だと思います。
先生おっしゃるように、多分離脱させないようにするための工夫を含めてというところで、初めて意味があると、そういう意味で、そういうことは研修プログラムに入っているというのは理解いたしましたので、大変いいことだと思いました。
ありがとうございます。
○佐久間座長 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますでしょうか。
宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川でございます。
私も臨床家として、高血圧の治療をしておりました。家庭血圧の記録をつけるということと同じように、実際には家庭血圧の記録をつける人は、その段階で、ホーソン効果とは言いませんけれども、実際には治療の意欲として、しっかり客観的に見つめようというところで、治療効果が上がってくると思います。横井委員からのお話にあったように、記録をつける段階からも、そこでは介入というのと同じぐらいの意思が働いている。もともと家庭血圧を測定しましょうと言っても、記録を毎日つけてくる患者さんもいれば、週に5回ぐらいつけている患者さんもいる。それと比べ、週に2回や1回を記録している患者さんでは、おのずと治療効果というのは違ってくるし、それから薬の減薬も含めてですけれども、また体重管理も含めて、いろいろなものが違ってくるわけです。
そうすると、このアプリに対しても同じようなことが言えるのかどうか、つまり客観的なところまできちんと書いてくださる方と、当たり前ですけれども、そういうところで最初から介入というわけではないですけれども、治療効果が見えてしまうところがあろうかなと思います。
そして、参考人からお話のあったように、実際には専門家ではない、一般の医師がここに入るということで、大変難しいですねという話になっている。そういうことも含めてということは、そこでは、相当医師のほうから、医療側からのほうの介入の得手不得手というか、上手さというか、患者さんに寄り添うところから、始まっているのではないかなと思います。アプリの有用性以前に、医療者が患者さんに寄り添う、そういうところの因子というものがかなりここで効いてくるのかなと、それに対してどのように区別ができるのかというところであろうかなと思うのです。それに対して答えというのはないのでしょうけれども、果たしてアプリそのものの効果なのか、それから先ほど横井委員からおっしゃったように、医師が患者さんに寄り添うというところからの根本的な、ところの効果というのは、どの辺に線引きができるのかというところの難しさがあろうかなと思うのですが、どうでしょう。参考人の先生、教えていただければと思います。
○松本参考人 非常に本質的かつ明確に答えるのが困難な疑問であると思いますし、我々、いつもそういうことを考えて結論を出せずにいます。
例えば、依存症などにも、ほかに有効性のある認知行動療法などがあります、心理療法ですね。これに関しても認知行動療法で学ぶ様々なスキルが、効果があるのかというと、必ずしもそうではないという意見が結構あって、治療者との関係性が実は一番効いているという、では、それは要らないではないかという根っこの議論が出てきてしまうのです。
やはり、あくまでもこれは診療の補助なのだろうなと思っています。医師、患者の関係性の中で、この機器があることによって、より一層それが有効に発揮されるということなので、やはり一番根っこになるのは態度なのかなと思っています。
しかしながら、これまで頭ごなしな説教しかできなかった援助者、臨床家が、こういうツールを介して、実は新しい患者さんとの出会い方を見いだしていく、身につけていく可能性があると私は考えております。それ自体が教育的だと思っていて、いずれにしても劇的な効果はないし、その効果の源は何なのかという、そもそも論の今の質問をされると、僕も明確には答えられないのですが、少なくとも害はないだろうと、そして、これまで手が届かなかったところに、さらに医療者に新しい態度を身につけるのに役立つだろうと、私は考えております。
○宮川委員 松本先生、ありがとうございました。
つまり、これは私もずっと以前から言っておりますが、家庭血圧をずっと勧めてきて、それで当初は、いろいろな大学の教授から、そんなもの患者さんがつけてくること自体を信じるのかと言って罵倒されるような形で、高血圧学会でずっと戦ってきたわけです。
ということは何なのかというと、つまり今、このアプリを勉強するのは患者なのか、医師なのかと言ったら、今、お話があったように、医師のほうがよほど勉強するという形になるということです。このアプリの使いようがあるというところからすると、やはり、これからもプログラム医療機器の問題に関わってしまうのかもしれませんが、治療アプリというよりは、治療の補助アプリであるし、補助アプリなのは、患者さんに対する補助アプリなのか、介入する医師に対する補助アプリなのかということも含めて、これからしっかりと、このプログラム医療機器というものを考えていかなくてはいけないのかなというところ、この本筋が少しお話の中から見えてきたような気がするので、大変参考になりました。ありがとうございます。
○松本参考人 ありがとうございます。
○佐久間座長 ありがとうございました。
今の点は、非常に深い議論だと思います。一方で、このような技術が出ることによって、新しい医療環境が生まれる。またソフトウエアの効果がどういうメカニズムで生まれるかということは、まだよく分からないところもある。このような状況では多分、患者が勉強することと、医師が勉強すること両者が必要なのだろうと思います。
清水先生、いかがですか。
○清水委員 今の議論とは違いますが、よろしいでしょうか。
○佐久間座長 はい。
○清水委員 今日の最初に疾病治療用プログラム医療機器の臨床的位置づけ及び事業スキームの変更を伴わない承認事項のお話があったかと思います。このCureAppと同様の、先ほどの例では、高血圧の例だったと思うのですが、今回のような飲酒のプログラムでも同じような適用になるのかと思って伺っておりました。
それで、ソフトウエアの内容を後ろのほうに詳細に示されていましたので拝見させていただくと、非常にたくさんの項目が並んでおりまして、今回の対象になるものが、例えば、軽微な修正が多数出てくる可能性もあるのかなと思って伺っておりました。
それで、すぐ出てきた場合に、それぞれの一つ一つの変更は小さくても組み合わせると複合的に性能に影響を与えるという可能性もありますし、そもそも複数あると、その有効性、評価に時間がかかるということも気になりました。
それで、これはコメントなのですが、すみません今回の今の審議とは違う話で申し訳ないのですが、今日の最初の変更を伴わない場合の承認事項の変更については、特に変更が複数ある場合には、審査側の注意とかあるいは開発側の制約というものも考えてもいいのかなと、聞いていて思いましたので、お伝えしたいと思って発言いたしました。よろしくお願いします。
○佐久間座長 ソフトウエアが少しずつ変わっていくと、それからどのぐらいのインパクトを与えるかということで、これが複数あったときにどうかということで、何かPMDAサイドからありますか。
○医薬品医療機器総合機構 PMDAでございます。
清水先生、佐久間先生、御指摘いただき、ありがとうございます。
既に承認条件として付されている1品目に関しましては、○○○○○○○○○○○○○○けれども、ただ、その点に関しては承認条件どおり、有効性に影響がないということをしっかりと確認いただいた上で報告をいただいております。
ただ、変更されている内容に関しましては、そこまで○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、そういうことが起こっているわけですけれども、そういった意味で、そんなに大きな影響はなかったのかなと理解はしております。
ただ、先生おっしゃっていただいたとおり、今後、そういったいろいろな状況の中で大きく影響するということがあり得るのであれば、少しこちらでも考えなくてはいけない部分あると思いますので、変更に関しては、どういった範囲で変更するかというのは○○○○○○○○○○○○○○○○○となっておりますけれども、どういった変更になるかというのは注意深く確認をしながら、また、データについてもしっかりと確認して、必要に応じて対処していきたいと思っております。ありがとうございます。
○清水委員 よく分かりました。ありがとうございました。
○佐久間座長 それでは、山本委員、お願いします。
○山本委員 山本です。
参考人の先ほどの発言について確認なのですけれども、診療補助という言葉を使われたのですけれども、これは治療補助ということでよろしいでしょうか。
○松本参考人 はい、そうです。
○山本委員 ありがとうございます。
○佐久間座長 よろしいでしょうか、ほかに御意見ございますでしょうか。
大分意見が出たと思いますので、それでは、議決を行います。
医療機器CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリについて、本調査会として、承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品及び特定生物由来製品として指定しないとしてよろしいでしょうか。
また、使用成績評価は期間を不要とすることでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 ありがとうございます。
御異議がないようですので、そのように議決します。
また、プログラム医療機器調査会設置要綱第5条第2項に基づき、この議決を医療機器・体外診断薬部会の議決といたします。
本件は、審議会にて報告を行うこととします。
これで議題3を終了いたします。
松本先生、どうもありがとうございました。
(松本参考人 退室)
○佐久間座長 それでは、議題4「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目の指定の可否について」に移ります。
事務局より説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題4につきまして、事務局より御説明いたします。本議題では、令和6年度のプログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目について御報告させていただきます。
初めに、当指定制度及び各申請品目の概要を御説明させていただきますので、資料4-1を御覧ください。また、PMDAからの報告書を資料4-2、本年度の指定に関する通知を参考資料4-1、各企業からの指定に係る申請資料を参考資料4-2及び4-3としてお示ししております。
それでは、資料4-1のスライド2ページより、プログラム医療機器に係る優先的な審査等の試行的実施について御説明させていただきます。
本指定制度は、2ページ目に示しましたプログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略、Dash for SaMD2の中で挙げられた目標「革新的なサマリーに係る優先的な審査等の試行的実地」にのっとり令和4年度よりスタートさせてございます。
指定要件1では治療法、診断法または予防法の画期性、指定要件2では対象疾患に係る医療上の有用性、指定要件3では世界に先駆けて日本で早期開発及び承認申請する意思並びに体制を有していることを指定要件としており、3点いずれにも該当する場合に指定対象とします。
指定までの流れとしましては、品目の公募、ヒアリング、予備的審査を行い、指定要件が明らかに指定しないものは除外しております。予備的審査を通過し、正式に指定申請された品目については、指定の可否をPMDAで評価した上で、特に優れていると判断されたものを選定し、薬事審議会で審議・了承を得た品目を指定しております。
指定されたプログラム医療機器につきましては、(1)優先相談、(2)事前評価の充実、(3)優先審査、(4)コンシェルジュによる支援を受けることが可能でございます。また、承認申請から承認までの期間は通常の新医療機器では12か月でございますが、指定品目は6か月以内に短縮することになります。なお、指定を受けた後、承認申請までに、原則、PMDAの先駆け総合評価相談を御利用いただく必要がございます。スライドの4ページ目にお示ししておりますとおり、これまで6製品が指定をされております。
それでは、本年度指定予定の製品概要について御説明いたしますので、スライド5ページを御覧ください。
本年度指定予定の製品は、塩野義製薬株式会社のSDS-881(仮称)と、株式会社ExaMDのコグニボイス(仮称)の2製品でございます。
それでは、スライド6ページ目を御覧ください。
1品目目は、塩野義製薬株式会社のSDS-881でございます。本品は、被検者と医療従事者の10分程度の会話音声データをテキストに変換し、得られた○○○○○を解析することで、認知機能等を評価し出力するプログラム医療機器でございます。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○において実施される神経心理検査等に使用し、認知機能の○○を表示いたします。
続きまして、7ページ目を御覧ください。
2製品目は、株式会社ExaMDのコグニボイスでございます。本製品は、1分間の会話音声情報から得られる音響的特徴量を解析することで、認知機能等を評価し出力するプログラム医療機器となります。こちらも専門医/非専門医における診断支援に使用されます。
それでは、各製品の指定要件の該当性について、資料4-2のPMDAから評価書に沿って御説明させていただきますので、資料4-2を御覧ください。
初めに、塩野義製薬株式会社のSDS-881について御説明いたします。資料の下にございます緑の数字で5分の2、資料につきましては1ページ目、15行目より御覧ください。
本品は○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○構成されます。先ほど御説明させていただきましたように、被検者と医療従事者との10分以上の自由会話の音声データを自動的に変換したテキストについて、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、認知症またはMCI相当の認知機能または健常者相当の認知機能の判定をすることで、認知機能評価の支援を行うプログラムでございます。本邦では、認知機能検査として、ミニメンタルステート検査(MMSE)及び長谷川式知能評価スケールなどが用いられておりますが、被検者と医療従事者との自由会話のみから認知機能を判定する方法は存在しないことから、本品により認知機能を評価できる可能性がある点には画期性があると考え、要件1に該当すると判断しております。
続いて、26行目より指定要件2について御説明いたします。
本品の○○○○○○○○有効性及び安全性を確認するために実施しました○○○○○○の試験結果を踏まえ、本品は、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ことなどで開発されております。
本品に関する○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。
その結果、認知症や軽度認知障害相当の認知機能を判定する感度及び特異度が、非専門医が実施するMMSEによる感度及び特異度の文献値に劣らないことが示されております。申請者は、今後実施される治験におきまして、本品のバリデーション試験結果と同程度の感度及び特異度を示すことを期待しており、既存の検査法と同等以上の有効性・安全性が見込まれていると説明しております。
また、MMSE及びHDS-R等の既存の検査法は、検査及び結果処理におおむね40分以上を要するとされていることに加えまして、神経心理学的検査を受ける被検者の心理学的負担も大きいとされております。
本品は、被検者と医療従事者との10分以上の自由会話の音声データにより評価が可能でございまして、患者の肉体的・精神的な負担等の観点から既存の計算法と比べて有用と見込まれると説明しており、指定要件の一定の該当性があると判断しております。
5分の3ページ目の(3)を御覧ください。
指定要件3について御説明いたします。
本品は、○○○○にPMDAとの対面助言を実施しておりまして、○○○○○○に検証的試験の治験計画を提出する予定でございます。また、国内での開発を先行させ、○○○○○○に世界に先駆けて日本で製造販売者承認申請を予定しておりますことから、指定要件3にも該当するものと判断しております。
続きまして、5分の4ページ目を御覧ください。
ExaMD社のコグニボイスの各指定要件の該当性について御説明いたします。
それでは、32行目の(1)指定要件1から御覧ください。
本品は、1分間の自由会話の音声データを○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○を提示することで、認知症の診断支援を行うプログラムでございます。
先述のとおり、本邦では自由会話のみから認知機能を判定する方法はございませんので、本品により認知症の診断支援ができる可能性がある点を画期性があり、指定要件1に該当すると判断しております。
続きまして、(2)の指定要件2を御覧ください。
こちらは、本品開発のために収集したデータのうち、学習用データ以外の検証用データを用いて、本品の性能評価が実施されました。
その結果、認知症患者と健常者を判定する感度及び特異度が、MMSE等による感度及び特異度の文献値に劣らないと説明しております。
先述のとおり、認知機能評価を実施する際、検査に時間を要する等の課題が指摘されておりますが、本品は被検者の1分間の自由会話の音声データにより評価が可能であり、患者の精神的な負担や時間的な負担の観点から、既存の計算法と比べて有用と見込まれると説明しており、指定要件への該当性があると判断しております。
(3)番、指定要件3についてですが、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○製造販売承認申請を予定しておりますことから指定要件3にも該当すると判断しております。
以上、令和6年度プログラム医療機器に係る、優先的な審査等の対象品目の御報告は以上となります。
○佐久間座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。
2件ということでありますが、宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。
これについては、特に否定するということではないのですけれども、1品目目が被検者と医療者が10分の会話、2品目目が自由会話として1分の会話の記録という形なのですが、会話というか、言葉そのものを発していると。
実際には、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○みたいなことが本当に問題なのか。それとも表現をするところの抑揚だとか、一つ一つの言葉の、特に平たんになってしまうとか、鬱の方だとそういう形になってくることが多いのですけれども、そういうような形、トーンなのか何なのか。これは会話の分数を言っているのか、それとも、○○○○○○○○○○○○○○をある程度AIがやっていると、最初のほうの1品目目は、○のAIがやっていると、2品目目は、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○と思ったものですから、それについて御意見をいただきたいなと思いました。
○佐久間座長 いかがでしょうか、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 PMDAよりお答えさせていただきます。
宮川先生から御質問をいただきまして、ありがとうございます。
1品目目に関しましては、○○○○○○○○○評価をすると、処理の内容を書かせていただいておりますし、実際に音声データをテキストデータに変換するということですので、○○○○が重要だと考えております。
一方で、もう一つの2品目目の製品に関しましては、あくまで、例えば抑揚だったり○○○など、そういったところを評価するとも言われておりますので、恐らく文字数というよりも、声の調子の部分なのかなとは理解しております。
ただ、この辺に関しましても、改めて試験の中でどのぐらいの○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○どういうものであれば、きちんと解析ができるのかというところについては、これからの相談であったりとか、開発の中で改めてきち
んと詰めさせていただければと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。
つまり言葉にしても、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、だから何を、そういうのは必要とされているのかということで、少しお聞きしました。ありがとうございます。
○佐久間座長 ほかは、いかがでしょうか。
北澤委員、お願いいたします。
○北澤委員 北澤です。
すみません、少し気になったので教えていただきたいのですけれども、これらの製品は、プログラム医療機器としての申請を予定しておられるということなので、あくまで医療機器だと思うのですけれども、こういったことができるとすれば、医療現場だけではなくて、社会生活、例えば、運転免許証の書換えだとか、そういった場面でも使いたがる人が多そうな気がします。プログラム医療機器のOTC化みたいなことについては、今後どのように考えていったらいいのか、あるいは、それはここではない別のところの話なのか、その辺りを参考までに教えていただければと思います。お願いします。
○事務局 御質問いただきまして、ありがとうございます。事務局より回答させていただきます。
まず、医療機器にするには定義がございまして、こういった疾病の治療等に用いるということが、まず、定義として大前提でございます。今回、優先SaMDとして申請されている品目につきましては、あくまでも認知症の診断等に使うものとして申請されておりますので、医療機器に該当するものとして判断をして、今回開発を進めているものでございますけれども、そういったものではないということであれば、まず、医療機器に該当するかどうかというところの検討が必要かと考えております。
また、将来的にこういったものを一般家庭のほうに普及していくということにつきましても、需要があるということであれば、今後検討していくところかとは思うのですが、これらの企業に関しましては、まずは医療向け、医家向けとして導入をしたいということですので、それに対して支援をしていくというものでございます。
以上でございます。
○北澤委員 ありがとうございました。
○佐久間座長 ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは議決を行います。
SDS-881(仮称)について、優先的な審査等の対象品目として指定してよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 異議はないと確認いたしました。
コグニボイス(仮称)について、優先的な審査等の対象品目として指定してよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐久間座長 異議なしということで確認いたしました。御異議がないようですので、そのように議決します。
よろしければ、これで議題4を終了します。
それでは、最後ですけれども、議題5「調査会報告品目について」に移ります。
事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料5、横向きの資料を御覧ください。
こちらの資料では、令和6年3月1日から令和6年12月31日までの10か月間に承認されたプログラム医療機器のうち、本調査会の報告対象となっている費目の概要を記載させていただいております。
これらの報告品目については、事前送付をもって報告とさせていただいておりますので、この場での個別の説明は割愛させていただきます。
資料5の説明は以上でございます。
○佐久間座長 それでは、ただいまの御説明に対しまして、委員の皆様から御意見、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。よろしければ、これで議題5を終了いたします。
本日の議題は以上です。
事務局から連絡事項等ありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 委員の先生方におかれましては、本日は御多用の中、プログラム医療機器調査会に、いろいろと御発言、御議論をいただきまして、誠にありがとうございます。
次回の調査会ですが、3月7日金曜日の14時からを予定しておりますが、詳細は、またメールで御連絡させていただきます。
連絡事項は以上でございます。
○佐久間座長 今日は、新しい体制となって、比較的深い議論をしたかなと思います。今後、この場での検討のためにすごく重要な論点が出てきたかなと思いますが、やはりプログラム医療機器分野は、期待されている分野でもあると思いますので、うまく本日のような形で議論して、適切に社会実装をしていくことができれば良いのかなと思います。
それでは、これをもちまして、本日のプログラム医療機器調査会を閉会します。
少し時間が長くなりまして申し訳ございませんでした。
本日は、ありがとうございました。
- 備考
- 本調査会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

