第58回 社会保障審議会生活保護基準部会議事録

日時

令和8年6月30日(火) 16:00~18:00

場所

AP虎ノ門11階A室
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル)

出席者(五十音順)

議題

  • 令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)

議事録

○岩村部会長 皆様、こんにちは。定刻でございますので、ただいまから第58回「社会保障審議会生活保護基準部会」を始めさせていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 最初に事務局から、本日の委員の出欠状況と資料の確認をお願いしたいと思います。また、オンラインで出席されている委員の方もいらっしゃいますので、改めてではありますけれども、会議での発言方法などについても説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 本日は、対面及びオンラインを組み合わせての実施とさせていただきます。また、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。アーカイブ配信はいたしませんので、あらかじめ御了承ください。
 まず、本日の委員の出欠状況でございますが、岡部委員より御欠席との報告を受けておりまして、そのほかの委員には御出席いただいております。
 それでは、お手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 本日の資料でございますが、議事に関しまして、資料1「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」、資料2「令和6年全国家計構造調査の季節性の確認について」、資料3「有子世帯の扶助・加算に関する資料」を用意してございます。また、参考資料といたしまして、参考資料1「令和4年検証における固定的経費の算出方法について」、参考資料2「学習支援費の実費支給に関する留意事項について(令和4年12月27日付け事務連絡)」を用意してございます。
 会場にお越しの委員におかれましては、机上に用意してございます。
 また、オンラインで御出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。
 次に、発言方法についてでございますが、オンラインで御参加の委員の皆様には、画面の下にマイクのアイコンが出ているかと思います。会議の進行中は、基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきます。御発言をされる際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックいただき、部会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いします。御発言が終わりました後は、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を下ろす」をクリックいただき、併せて、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 お手元の議事次第を御覧ください。本日の議事は「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」でございます。
 それでは最初に、資料1と資料2につきまして、まとめて御審議をいただきたいと存じます。事務局から、まず資料の説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 社会・援護局保護課の榎でございます。
 それではまず、資料1「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」を御説明いたします。この資料1につきましては、前回までに御議論いただきました検証作業の方針やその具体的な作業内容に関しまして、前回いただいた御意見を反映したものでございます。今回、最終的な確認をいただくべく、御用意しているものになってございます。
 お開きいただきまして、2ページを御覧いただければと思います。前回の基準部会における主な御意見をまとめております。1つ目の○については、水準検証における外れ値処理についての御意見です。本体の検証に当たって、客観性を考慮すると外れ値処理をする必要はないといった御意見でございます。
 2つ目の○につきましては、固定的経費割合の算出方法についてでございます。固定的経費割合を算出する際の分母について、消費支出全体ではなく、生活扶助相当支出にすべきといった御意見でございます。
 3つ目と4つ目の○につきましては、体系検証の回帰分析における重み付けについてでございます。令和4年検証までは重み付けを行っていなかったという点に関して、適切性に支障はないが、今後は集計用乗率で重み付けをするべきといった御意見。また、乗率はなくてもそれほど問題はなく、いずれにしても、理由と併せて整理すればよいといった御意見もございました。
 5つ目の○につきましては、消費の変化の費目別寄与度の内訳についてでございます。通信関係費は交通と通信に分け、食料については外食と調理食品などを細かく見てはどうかといった御意見でございます。
 一番下の○につきましては、体系検証の回帰分析における年齢区分の取扱いについてでございます。年齢構成割合の変数について、65~74歳を一つの区分として設定していることに関しまして、65~69歳と70~74歳に分けた場合についても確認してはどうかといった御意見でございます。
 3ページを御覧いただければと思います。主な御意見の続きでございます。有子世帯の扶助・加算の関係で幾つか御意見を頂戴しておりました。1つ目の○については、有子世帯の扶助・加算に係る現行の基準の考え方など、子どもの支援について体系的に整理した上で、検証方法を検討したほうがよいという御意見でございます。
 2つ目の○については、母子加算について、ひとり親世帯のかかり増し費用を対象にするのであれば、体系検証の回帰分析において、ひとり親世帯のダミー変数を入れて、本体と同時に検証することも考えられるという意見でございます。
 3つ目の○については、児童養育加算の関係でございます。子どもの貧困の連鎖を避けるためにも、少し高い所得階層と比較することは重要との御意見でございます。
 4つ目の○については、学習支援費などについて、教育に関する費用の実態が変化している点に留意が必要という御意見でございます。
 それから、下2つの○については冬季加算の関係の御意見でございます。検証に用いる光熱費のデータに関して、2022年の原油価格高騰の時期が含まれるため、価格の月別の変動や数量ベースの変動なども確認してはどうかとの御意見。また、光熱費の季節性の変動について、夏場の需要も検討してはどうかといった御意見でございます。
 4ページを御覧いただければと思います。こちらも前回の主な御意見の続きでございます。住宅扶助の関係になりますけれども、1つ目の○については、賃貸住宅の市場では、住宅扶助基準が家賃の下限として機能するケースがあるため、そうした実態も含め、市場全体を見て検討を進めてはどうかという御意見。
 2つ目の○は、住宅扶助基準については、根本的な課題を含め、中長期にわたって議論が必要との御意見でございます。
 3つ目の○については、住宅扶助の検証は、定期検証後、できるだけ早期に検討を進めることが望ましいとの御意見でございます。
 以上、前回いただいた御意見を踏まえまして、次ページ以降では、御確認いただいた検証作業の方針や具体的な作業内容について、一部変更してございます。赤字で記載をした変更箇所を中心に御説明させていただきたいと思います。
 まず、7ページを御覧いただければと思います。水準検証における外れ値の取扱いについてでございます。赤字に記載してございますとおり、「特段の処理を行わないことを基本としつつ、外れ値の有無やその影響を念のため確認する」という旨に修正を行ってございます。こちらは体系検証と同じような記載ぶりにしてございます。
 8ページを御覧いただければと思います。消費支出の費目別寄与度を見る際の内訳の費目について、食料の内訳として、「調理食品」と「外食」を追加してございます。また、「交通」、「通信」の部分につきましては、1段細かい分類としまして、「交通」、「自動車等関係費」、「通信」の3つに分割する形で変更させていただいております。
 10ページを御覧いただければと思います。固定的経費割合の算出方法について、分母を「消費支出」とする場合と「生活扶助相当支出」とする場合の両方を実施しまして、いずれを採用するか検討するという形に変更してございます。
 11ページを御覧いただければと思います。固定的経費割合の判定方法につきましては、前回の基準部会において、令和4年検証と同様に取り扱うという方針でお示しをしてございました。細かな取扱いについても説明してほしいといった御指摘をいただいてございました。改めまして、確認事項として2点お示しをしてございます。
 まず、マル1につきましては、判定する分類の単位についてでございます。令和4年検証と同様に、小分類の単位で判定することを基本としつつ、全国家計構造調査の集計項目が中分類以上の場合には、中分類の単位で判定することとしてございます。
 それから、マル2については、回帰分析による判定結果が有意ではない場合の取扱いについてでございます。上位項目の判定結果で代替するという方法も考えられるところでございますけれども、令和4年検証では、個別の支出項目の傾向と異なる判定結果となる可能性があることを踏まえまして、上位の項目で代替する方法は採らずに、有意でなければ判定不能として取り扱うと整理してございました。今回も、令和4年検証と同様の取扱いとして整理をさせていただいてございます。
 なお、令和4年検証では、固定的経費割合の算出方法を一部見直してございました。参考資料1としまして、当時の資料を添付してございますので、適宜御参照いただければと思います。
 続いて、少し飛びますけれども、16ページを御覧いただければと思います。体系検証の回帰分析における重み付けの取扱いについてでございます。令和4年検証までは、体系検証の回帰分析の際に重み付けは行ってございませんでしたけれども、集計用乗率を加味して推計したほうが、より母集団の実態を踏まえた推計になると考えられることから、今回は取扱いを変更しまして、集計用乗率による重み付けを行うこととしたいと考えてございます。
 17ページを御覧いただければと思います。回帰分析における年齢区分の取扱いに関しまして、新しくスライドを1枚追加させていただいております。現在の年齢区分につきましては、平成29年検証の際に見直しされたものでございます。その際の各区分の設定の考え方を下段の部分でお示ししてございます。65歳以上の高齢者の区分については、下段の4つ目の○にございますとおり、身体機能や社会活動の状況の変化に伴い、消費支出も65歳の前後と75歳の前後を境にして、それぞれ変化が見られるということで、65歳から74歳と75歳以上の2区分として設定をしたという経緯になってございます。
 前回いただいた御意見を踏まえた対応として、一番下の※の部分にございますとおり、今回につきましても、平成29年検証の考え方を踏まえて現行の年齢区分を基本としつつ、高齢期の消費実態を確認する観点から、65から74歳を2つに細分化した場合の結果についても念のため確認することとしたいと思います。
 また少し飛びまして、24ページを御覧いただければと思います。その他の扶助・加算のうち、住宅扶助の関係で、前回の御意見を踏まえまして、24ページのマル4の部分に検証方法の検討を含め、慎重な検討を要するという旨を追記させていただいております。
 25ページを御覧いただければと思います。児童養育加算の関係でございます。児童養育加算については、前回の基準部会の資料では、「平成29年検証の検証方法を踏襲」としてございましたけれども、前回の御意見を踏まえまして、踏襲を前提とするのではなく、検証方法についての検討を行うという形に変更してございます。
 26ページを御覧いただければと思います。母子加算の関係でございます。母子加算につきましても、児童養育加算と同様に、「平成29年検証の検証方法の踏襲」を前提とするのではなく、検証方法についての検討を行う形に変更してございます。
 27ページを御覧いただければと思います。冬季加算についてでございます。1つ目の○の部分では、「光熱費が夏季に増加する実態があるか、地区別に検証を行う」旨を追加してございます。また、2つ目の○としまして、灯油など光熱費の物価上昇の動向や、電気・ガス・灯油の購入数量の動向についても確認するという旨を追記してございます。
 検証作業の方針や内容につきまして、前回資料からの変更点は以上でございます。これまでにいただいた御意見は一通り反映させていただいてございますけれども、反映の漏れなどないか、また、追加で御指摘などがないか、最終的な御確認をお願いできればと思います。
 資料1については以上でございます。
 続いてで恐縮でございますけれども、資料2「令和6年全国家計構造調査の季節性の確認について」御説明をさせていただきます。
 先ほどの資料1において、作業方針として整理されていたとおりでございますけれども、今後、令和6年全国家計構造調査のデータを用いて検証作業を進めていくに当たって、調査対象期間である10~11月の消費水準がほかの月と大きく異ならないか、念のため確認することとしてございました。この資料2については、家計調査を用いて、令和6年の消費動向の季節性を確認した結果についておまとめした資料でございます。
 1ページを御覧いただければと思います。令和4年検証と同じ方法によりまして、家計調査の特別集計結果を用いて、夫婦子1人勤労者世帯の年収階級第1・十分位における令和6年の10~11月の消費水準と、同年の5~9月の消費水準を比較した結果をお示ししてございます。ここで5~9月を比較対象としてございますのは、季節的な需要増加が少ない期間として設定しているということでございます。
 表を御覧いただきますと、夫婦子1人勤労者世帯の第1・十分位では、10月の水準がやや低めに出ていたこともありまして、10~11月は5~9月の水準を下回る形になってございます。一方で、夫婦子1人勤労者世帯の第1・五分位、それから2人以上勤労者世帯の第1・十分位や第1・五分位ではそのような傾向は見られず、5~9月の水準を上回る形になってございます。
 家計調査の月次の動向を見る上では、誤差の程度を考慮して、幅を持って見る必要があると考えられますけれども、今回の結果を踏まえまして、今後、令和6年全国家計構造調査を用いて水準の検証を進めていくに当たって、10~11月の消費水準に関して、水準の調整などを検討する必要があるかどうか、そのほか何か留意すべき点があるかどうか、これらの点について御意見を頂戴できればと考えてございます。
 資料1、資料2について、事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました資料1、資料2につきまして、委員の皆様からの御質問あるいは御意見を頂戴したいと思います。どうぞ御自由に挙手等で御合図をいただければと思います。
 ありがとうございます。宇南山委員、どうぞ。
○宇南山部会長代理 ありがとうございます。宇南山です。
 資料1につきましては、これまでの議論をまとめていただいたもので、これ以上のコメント等は特にないところですが、資料2の季節性の確認について、2019年の際には消費税の引上げがあったために、比較的重要な検証だったと思いますが、今回は特段、10~11月に大きな目に見えたイベントがあるわけではないという意味で、確認程度だと理解しています。
 その上で、年収階級をどう分けるかと、2人以上のやや幅広い単位でやるか、夫婦子1人に限定するかと、幾つかのバージョンを示していただいているのですが、これを見ますと100を超えている。すなわち年平均と10~11月の水準はどちらが大きいかといったときに、大きい側もあれば小さい側もあるという形になっていますし、標準誤差を見ますと、100との差から見ても大きい状態になっていますので、おおむね10~11月が年平均の代理変数と考えて差し支えないのではないかというふうに考えますので、これまでもそうだと思いますが、特段の配慮みたいなものは必要ないのではないかなと考えております。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、新保先生、どうぞ。
○新保委員 ありがとうございます。質問になります。24ページのマル2の※のところなのですが、教育扶助・高等学校等就学費について、平成29年に生活保護基準部会において整理された方法により、令和5年子供の学習費調査の結果に基づき、令和7年4月に改定を行った。今後、令和7年子供の学習費調査の結果を踏まえ、厚労省において同様の改定を検討することが必要と書かれているのですが、前と同じような形ですと、これは令和9年4月に改定を検討する、実際に実施されるということなのでしょうか。
 以上です。
○岩村部会長 御質問ですので、事務局のほうでお願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。資料1の24ページのマル2の※の部分についての御質問であったかと思います。今、先生のほうから御指摘いただきましたとおり、直近では令和5年の調査結果に基づいて、令和7年4月に改定を行ってございます。今後は令和7年調査の結果の公表が恐らく令和8年12月頃、今年の年末頃になろうかと思います。その結果を踏まえて改定の作業を進めていきたいと考えてございますので、恐らく令和9年度中のどこかのタイミングでという形になるのではないかと想定してございます。
○岩村部会長 いかがでしょうか。
○新保委員 ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでございましょうか。
 それでは、若林先生、どうぞ。
○若林委員 若林です。ありがとうございました。
私からは1点です。冬季加算についてですが、近年は気温の上昇など気候の変化が見られます。冬季加算という観点では、暖房需要の減少につながる面もあるかもしれません。一方で、現在の課題は気候要因によるものなのか、それともエネルギー価格の高騰によるものなのかを区別して議論することが重要ではないかと思いました。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 そのほかいかがでございましょうか。
 村田先生、どうぞ。
○村田委員 村田です。
 資料1については、前回の意見などを取り入れていただいておりまして、特に意見はございません。資料2についても、特にそれを踏まえて大きく配慮すべきような、24年の消費動向は年内にそれほど大きな変動はなく、特筆すべきようなイベント的なものもなかったと思いますので、この数字を踏まえて、さらに何かここを掘り下げて検討すべきだということは、特に思いつきません。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 それでは、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 25ページと26ページの部分、日本語の問題でもあるのだけれども、25ページも26ページもともに参考として平成29年検証の内容がかなり細かく書いてあるわけです。その上で、29年検証も踏まえ、令和6年について家計構造調査のデータを用いて検証方法について検討するということで、年末にかけて順次作業が行われると思います。したがって、どのくらいの時期にこの部分、加算関係について検証方法が示されかつその結果が出されるのか分かりませんが、少なくとも現時点で、「検証方法も含めて」と書いてあるので、「検証方法を含めて」というのと「検証方法も含めて」というのは、日本語の問題ですが、違うじゃないですか。というので、違うというように受け止めていいのか。「も」というのはちょっと広い感じがしますね。「も含めて」となると。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。
 では、お答えのほうをお願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。確認でございますけれども、先生が今御指摘いただいたのは、25ページないしは26ページで「平成29年検証の検証方法も踏まえ」と書いてある、ここの「も」がどういう意図かということですね。これは、前回の資料の段階では、29年検証のやり方を踏襲してと書いていたところに対しまして、もう少し広い形で検討すべきではないかというような御指摘があったことを踏まえて、29年検証のやり方にこだわらず、もう少し広い視点で検討していきたいということで、「検証方法も踏まえ」ということで表現をさせていただいているということです。
○栃本委員 分かりました。それで結構です。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 あと、今後のスケジュールについても少し先生から御指摘があったかと思います。おっしゃるとおり、年末に向けて今後進めていく形になりますけれども、恐らく秋以降のタイミングで、実際にこの検証方法についても、事務局のほうで少し整理させていただいたものをお示しして、御議論いただく形にできればと考えております。
○栃本委員 ありがとうございました。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでございましょうか。資料1と2につきましては、大体この辺りということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、続けて、資料3に移りたいと思います。こちらにつきましても、まず事務局から資料の説明をいただいて、その上で御審議を頂戴することにしたいと存じます。
 では、事務局から資料3の説明をお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 それでは、資料3「有子世帯の扶助・加算に関する資料」について御説明をいたします。資料3については、前回の基準部会において有子世帯の扶助・加算の考え方などを体系的に整理する必要があるといった御意見があったことなどを踏まえまして、今後の議論に資するように、基礎的な資料をおまとめしたものになってございます。関連する施策も含めて幅広に資料を用意してございますので、少しポイントを絞って説明させていただきたいと思います。
 まず、2ページを御覧いただければと思います。母子世帯の所得に関するデータでございます。母子世帯の平均所得は年間328万円となってございまして、全世帯の60%、児童のいる世帯との対比では42%となってございます。
 それから、3ページも母子世帯に関するデータでございます。母子世帯の年間収入分布の代表値などを掲載してございます。母親自身の年間収入は、中央値で見ますと240万円、そして、第1・四分位で見ますと150万円となってございます。
 4ページを御覧いただければと思います。子どもの相対的貧困率の推移についてお示しをしたグラフでございます。このグラフのオレンジの線のところを御覧いただければと思います。ひとり親世帯の相対的貧困率は、傾向としまして低下するような動きになってございますけれども、依然としてほかの世帯よりも貧困率が高い状態が継続してございます。
 5ページを御覧いただければと思います。世帯類型別の生活保護受給世帯数とその構成割合の推移についてお示しをしたものでございます。母子世帯の部分について御覧いただければと思いますが、左側の世帯数、そして右側の構成割合、いずれで見ても近年は減少傾向となってございます。
 続いて、7ページを御覧いただければと思います。平成29年検証における有子世帯の扶助・加算の検証の考え方についてお示ししてございます。上段に記載しておりますとおり、平成29年に行った有子世帯の扶助・加算の検証では、一般世帯との均衡という観点だけではなく、子どもの貧困対策の観点も加えまして、子どもの健全育成に係る費用の検証を生活扶助基準と一体的に行ったものになってございます。平成29年検証におけるそれぞれの検証方法については、前回御説明させていただきましたので、重ねての御説明は省略させていただきますけれども、子どもの健全育成に係る費用、それから教育に関する費用につきましては、一般低所得世帯の消費実態との均衡だけではなく、子どものいる世帯の平均的な費用に着目して検証を行うといった方針になってございました。
 続いて、8ページを御覧いただければと思います。小・中学生の教育費用や健全育成費用に関しまして、対応する扶助・加算の種類と費用の範囲を整理した資料になってございます。まず、教育扶助でございます。こちらは義務教育の就学に伴って必要となる費用を対象としたものになってございますけれども、費用によって定額で支給するものと実費で支給するものとに分かれてございます。それぞれの考え方については、上段の2つ目の○のところにございますが、「全ての学校、生徒において共通的、平均的に必要となる費用」については定額支給となってございます。その他の費用については、学校差や個人差の大きい教材代などが含まれておりまして、個人の需要に即応する観点から、実費支給としているところでございます。
 定額で支給されます生活扶助基準の本体につきましては、学習塾などの学校外活動の費用についても低所得世帯と均衡が取れる水準として含まれる形になってございますけれども、児童養育加算については、本体でカバーされる学校外活動費について、子どもがいる世帯全体の平均的な費用に対応するという観点から、上乗せ分として定額を加算するという形になってございます。
 10ページを御覧いただければと思います。平成29年検証における児童養育加算の見直しの経緯等を整理した資料でございます。上段の1.の部分にございますとおり、平成29年検証の見直し前の時点では、児童養育加算は、児童手当の効果が生活保護受給世帯の子どもにも等しく及ぶように、加算する金額を児童手当と同一としてございました。これは、生活保護受給世帯では児童手当の収入が収入認定の対象となることを踏まえた措置になってございました。
 平成29年検証では、その下の2.のところにございますとおり、見直し前の児童養育加算に対して、生活扶助本体と比較する一般低所得世帯の消費支出には、児童手当の収入の影響も含まれており、生活扶助本体に児童手当の収入分が含まれているのであれば、児童養育加算が二重の配慮に当たる可能性があるとの指摘があったことなども踏まえまして、検証が行われたところでございます。
 検証後の児童養育加算につきましては、前回の基準部会でも御説明してございますけれども、児童手当と同額とするのではなく、学校外活動費について、子どもの貧困対策の観点も踏まえ、子どものいる世帯全体の平均的費用に対応するという観点から、中位階層の平均費用と年収第1・十分位の平均費用の差額分として加算額を評価する方法に変更されたところでございます。
 続いて、11ページを御覧いただければと思います。児童手当と児童養育加算の関係について整理をした資料となってございます。平成29年検証による見直し後の児童養育加算については、第3子以降に対する増額分を除き、児童手当の収入については全額を収入認定するという取扱いになってございます。
 続いて、14ページを御覧いただければと思います。学習支援費につきまして、平成30年10月に見直しをした際の資料でございます。見直し前の学習支援費については、学習参考書の購入やクラブ活動費用に対応するものとして毎月定額で支給するというものでございました。これに対しまして、平成30年の見直し後は、学習参考書の購入費用については、児童養育加算で対応するものと整理されてございます。学習支援費としましては、学校教育として実施されるクラブ活動費用について実費で対応するといった整理がされてございます。
 前回の基準部会では、クラブ活動の地域移行の動きなどに関して御指摘をいただいておりました。学習支援費で支給対象とするクラブ活動の範囲につきましては、上から2つ目の四角にございますとおり、学校で実施するクラブ活動だけに限定しておらず、地域住民などが密接に関わって行われる活動であるなど、幾つかの要件を満たす活動であれば、支給対象として認めることとしてございます。
 また、学習支援費の支給の手続に関しましては、実費支給としたことによりまして、クラブ活動に実際に必要となった費用の確認をした上で、支給をするということが基本となりますけれども、一番下の四角にございますとおり、あらかじめクラブ活動に要する費用が確認できる場合には、事前の給付を可能とし、また、事後の給付の場合であっても、領収書などの取得が困難な場合には、被保護者からの申出のみによる支給を可能にするなど、柔軟に取り扱うこととしているところでございます。
 続いて、15ページを御覧いただければと思います。学習支援費の給付手続に関しまして、上から1つ目の下線部分にございますとおり、実費支給としたことに伴いまして、クラブ活動費を要する被保護者への給付に漏れがないよう、ケースワーカーによるクラブ活動の状況把握や事前相談の助言指導について、自治体宛てに事務連絡を発出してございます。
 16ページを御覧いただければと思います。令和2年度のデータになりますけれども、学習支援費の支給状況をお示ししたものでございます。左上の表の部分を御覧いただければと思いますが、学習支援費を受給する割合については、小学生で2.6%、中学生で18.7%、高校生で16.2%となってございます。
 続いて、17ページを御覧いただければと思います。こちらも令和2年度のデータになってございますけれども、学習支援費に関する事前の案内等の実施状況をお示ししたものでございます。左上の表にございますとおり、およそ9割弱の福祉事務所において事前の案内(周知)が行われてございます。
 18ページを御覧いただければと思います。学習支援費の支給状況に関しまして、事前の案内(周知)を行っている場合と行っていない場合を比較したデータでございます。事前の案内(周知)を行っている福祉事務所のほうが支給割合が少し高いという結果になってございます。
これらの結果については、令和4年検証の際に過去の基準見直しの影響を確認する目的でまとめたデータになってございますけれども、当時は事前の周知を行っていない福祉事務所が14.4%あったということなどを踏まえまして、福祉事務所に対して制度の周知や申請手続の助言指導を改めて依頼するなどの対応を取っているところでございます。参考資料2としまして、当時発出をしました事務連絡を添付してございます。こちらのほうも適宜御参照いただければと思います。
 続いて、19ページを御覧いただければと思います。学習支援費について令和5年度の支給状況をお示ししたものでございます。学習支援費の受給割合につきましては、中学生、高校生で2割を超える結果になってございます。先ほど御覧いただいた令和2年度の結果に比べて、若干ですけれども、増加してございます。また、1人当たりの受給額、こちらは年間の金額になりますけれども、小学生で約1.3万円、中学生で約2.8万円、高校生では約4.2万円となってございます。
 20ページを御覧いただければと思います。家庭の生活実態及び生活意識に関する調査から、育児・子育て・子どもの教育、これらに関する生活実態が把握できる結果を抜粋してお示ししてございます。
 下段の表のところを御覧いただきますと、子どもを学習塾に通わせているかについて質問してございまして、生活保護世帯では、「通わせている」と回答した割合が一般世帯よりも低くなってございます。
 次ページ以降では、クラブ活動への参加状況や、習い事の利用状況の結果についてもお示ししてございますけれども、これらも同様に、生活保護世帯では一般世帯よりも低くなってございます。
 少し飛びまして、26ページを御覧いただければと思います。生活保護世帯の子どもの貧困対策に関しまして、関連する事業も含めて全体像を整理した資料になってございます。まず、経済的支援としましては、教育扶助、高等学校等就学費、児童養育加算、母子加算がございますけれども、これらに加えまして、学習塾等費用について、収入認定から除外をするという措置を講じてございます。これは高校生等の奨学金やアルバイト収入を学習塾等の費用に充てる場合に、収入認定から除外するというものになっており、自治体独自の教育バウチャーについても、教育関係の扶助との関係も踏まえて、必要と認められる金額については、収入認定除外になるという取扱いになってございます。
 このほか大学等の進学費用についても同様に、収入認定から除外するという取扱いになっているところでございます。また、大学等の進学や就職の際などに新生活の立ち上げ費用を支給する事業としまして、進学・就職準備給付金というものを実施してございます。
 これらに加えまして、学習・生活支援の事業としましては、子どもの進路選択支援事業というものを実施してございます。これは貧困の連鎖を防止する観点から、専門性を有する支援員が生活保護受給中の子育て世帯を訪問しまして、学習や生活環境の改善、進路選択等に関する相談助言を行うような内容の事業でございます。
 27ページから29ページにつきましては、関連する事業の概要をおまとめした資料でございます。適宜御参照いただければと思います。
 また、30ページ以降につきましては、参考の資料でございます。子どもの支援に関する他法・他施策の概要をおまとめした資料でございます。児童手当や高等学校等就学支援金など、他省庁の施策が中心となってございますけれども、こちらも適宜御参照いただければと思います。
 資料3の関係では、基準部会において御審議いただきたい事項としましては、有子世帯の扶助・加算の対象範囲、それから支給水準についてということでございますけれども、今回は今後の議論に向けた基礎的な情報としまして、運用面、他施策による支援状況など関連する事項についても幅広く御紹介させていただいたところでございます。
 資料3につきまして、事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明いただきました資料3につきまして、委員の皆様から御質問あるいは御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
 宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 宇南山です。ありがとうございます。
 前回も話のありました児童養育加算について、経緯と現状について御説明いただきまして、ありがとうございました。この経緯を見ますと、実質的には児童手当が増額される中で、その恩恵を生活保護世帯は受けられないという実態的な問題があって、それに対応して児童養育加算分を実質的には置き換えたというような状況になっていたと理解しました。制度的にいえば、児童手当を使ってどういう消費生活をするのかというのが生活保護の観点からは重要になると考えますと、ほかの世帯が児童手当を受け取っているのだから生活保護世帯にもその分を上乗せというのは、筋としてあまりよくなかったというのは事実かと思いますので、見直しはやむを得なかったのかなと理解します。
 ただ、社会からの疎外みたいなことからすると、もしかすると、周りの子育て世帯が児童手当の増額を喜んでいるという中で、全く恩恵がないというのも難しいところで、性格上、児童養育加算の位置づけというのを社会的な包摂という観点で見直してしまう、再び元に戻すというのもあり得ることかなというような印象は抱いております。
 逆に、現在の正当化の仕方を前提にしますと、かなり無理があるのではないかと考えています。その第一点として、そもそも児童養育加算の使い道として想定しているような学習塾やスポーツ用具、映画・演劇などのいわゆる体験格差的なものというのは、生活扶助基準の中で手当てされるべきもので、それを別出しで出すことになると、それがその使途で使われるのかどうかがはっきりしない中で上乗せをするのは難しいだろうというのが1点あります。
 また、中位層における支出額を対象にしているわけですけれども、生活保護制度を利用していない、例えば第1・十分位、第2・十分位といった一般低所得者世帯の子供というのは、そういった措置を受けられないわけですので、そことの公平性を考えても、なかなか正当化するのは難しいのではないかと。ただ、低所得世帯の子供を、格差の継承とかを避けるために支援したいというのは十分にあり得て、それをどうやって子供に届くようにするかというような仕組みを考えなければいけなくて、現状の児童養育加算の考え方で、親ではなくて子供にあげるという観点からすると、今の仕組みはかなり厳しいのではないかなと理解しています。
 恐らく学習支援費のようにある種の実費支給みたいな形があり得るかと思います。実際には支給率がまだまだ低くて、実費支給にした場合に子供の支援につながらない可能性があるわけですけれども、そこは何らかの工夫を、周知だけではない積極的な関与をしていくなどで対応するとして、現状の児童養育加算の考え方は、このままですと、一般低所得者との公平性というような観点、親に渡しても子供に回る保証がないという観点、2つの観点で厳しいのではないかなと考えています。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 それでは、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 今の御意見は一つの御意見だと思いますけれども、前回のときにお話ししましたように、児童養育加算の議論は非常に進んだ観点から議論したと思うのです。低所得者の人との比較というのはもちろんあるのだけれども、正義論の格差原理に照らして低所得の人との差よりも一番不利益を被っている方を最優先しなければいけない。先ほどの資料にあるように、一般世帯というか、そういうものと比較することは極めて重要だったわけです。これは既に部会長代理の宇南山先生がおっしゃったように、社会的包摂という観点、それともう一つは、相対的収奪に関連する、相対的収奪をもっと別の領域から見なければいけない、全体的に見なければいけない点もあるのだけれども、ここはまさにその部分を特定の制度に着目して、相対的収奪についてどう考えるかということで議論したわけだから、宇南山先生の当時のことについての評価は分かるのですけれども、それだけではない、そうじゃない考え方もあるよということは一応言っておきたいのです。
 それともう一つは、これは宇南山先生も同じだと思うのですけれども、前々回かな。それらも含めて、児童養育加算とかこの領域についてはもっと根本的にというか、きちんと議論を、この部会ではなくても、厚労省本体のほうで検討するのかもしれないけれども、そういうことをきちんとしていただくのが大切だなというのは、まさに前、宇南山先生と一緒に話したときの共通する認識だったと思います。ということで、宇南山先生のお考えもよく分かるのですけれども、一言申し上げました。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 若林先生、どうぞ。
○若林委員 ありがとうございます。
先ほど議論になっていた、低所得者世帯との比較なのか、それとも全体との比較なのかという点については、私も非常に重要な論点だと思います。その上で、私は、低所得者世帯と全体の双方を示して比較することが重要ではないかと考えています。例えば、「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」では、「大学まで進学させるつもりか」という項目について、生活保護世帯と一般世帯の間には約2.5倍の差があります。一方で、低所得者世帯と比較した場合には、その差は生活保護世帯との比較ほど大きくない可能性もあります。そのため、全体だけでなく、低所得者世帯との比較も併せて示すことで、生活保護世帯の置かれている状況をより適切に把握できるのではないかと思います。
もう一点、塾やクラブ活動についてです。私の理解では、自治体では非課税世帯などを対象に、教育バウチャーや学習支援の場の提供といった取組を進めているところがあります。こうした支援を利用している場合、実際には学習支援を受けていても、「塾には通っていない」と回答する可能性があります。そのため、現在の質問項目では、こうした支援の利用実態が十分に把握できていない可能性があります。教育バウチャーや自治体による学習支援の利用状況についても把握できるような質問項目を検討してはどうかと思いました。
以上です。
 
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、新保先生、どうぞ。
○新保委員 ありがとうございます。
 今回、資料3、参考資料2で有子世帯の扶助・加算に関する網羅的な資料を準備していただき、とてもよかった、ありがたかったと思っています。
 資料の17ページ、学習支援費の支給状況等というところで、第43回の基準部会の資料2が引用されております。このとき、特に最初の学習支援費に関する事前の案内の有無のところで、周知を行っていない福祉事務所が14.4%あったことについては、その部会の中で多くの委員の方から御意見があったところかと思います。その後、通知を出されたり、また、令和6年から子どもの進路選択支援事業も始まるなどして、生活保護世帯の子供に対して積極的にアプローチをしていくというようなことが取組としては実施されているのですが、やはり第43回の時点でかなり問題意識がそこに集まったということを考えますと、できれば、今回見直しをしていくときに、そうしたことが改善されているのかどうか、それから、実際に子供にこの情報が届いているのかというところも大切ではないかという御意見もありましたので、ここはできる限りフォローアップをしていただいて、改善状況とともに、どのような形で子供に届いているのかということも情報提供していただければありがたいと思います。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょう。資料3につきましては、よろしいでしょうか。
 特に御発言の御要望はないように思いますので、それでは、資料3につきましては、ここまでということにさせていただきたいと思います。
 時間がまだ大分あるのですが、もしこの際ということで御発言があればですけれども、いかがでしょうか。
 では、永田
委員、どうぞ。
○永田委員 今日の検証作業の方針とは直接関係ないのですけれども、事務局のほうに1点お願いしたいことがあって、発言させていただきます。
 昨年11月ですけれども、同年6月の最高裁判決を踏まえた専門委員会報告書が取りまとめられました。私も委員として参画しておりましたけれども、この報告書の総括として、最高裁判決の判示内容を重く受け止め、今後、改定手続において同様の問題が生じないように、特にこれまでと異なる判断を行う場合には、厚生労働省において専門的知見に基づく生活保護基準部会等における検討を経て、適切な改定を行うよう特段の留意を求めるということが明記されています。
 平成25年の生活扶助基準改定については、最高裁判決において、デフレ調整について、基準部会等による審議、検討が踏まえられていないということ、その合理性を基礎づけるに足る専門的知見が不十分であるということで、当時の引下げ処分が取り消される結果になったと認識しております。適切な審議プロセスを経ていれば、このような事態は生じることがなかったわけですので、二度とそのようなことが起こらないようにすべきと考えております。
 一方、本部会の審議すべき事項、その範囲というものを定期検証の最初に事務局からお示しいただいています。そこでは「5年に1度の全国消費実態調査等に基づく生活保護基準の定期的検証」とされているのみなのですね。基準改定に当たって、専門的知見を要する事項というのが、この記述のみで適切にカバーされているのか、必ずしも明確になっていないのではないかなと感じています。今回、定期検証以外の審議ということも今後見据えていくのであれば、本部会の役割について改めて整理をする必要があるのではないかなと思うのですけれども、その辺りを事務局にお尋ねしたいと思って発言させていただきました。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 私も専門委員会の委員長という立場でありましたので、その立場であった者としても、やはり厚生労働省におかれては、今回の最高裁判決を重く受け止めていただいて、再発防止を図るために、ぜひ事務局のほうでこの部会の役割を改めて整理していただいたほうがよいと思うのですけれども、事務局のほうはいかがでしょうか。
○竹内社会・援護局保護課長 保護課長でございます。
 大変重要な御指摘をいただいたと思います。基準改定に当たり、専門的知見による検討を要する事項につきましては、判断の過程や手続の正当性を担保することは事務局としても大変重要なことだと考えております。御指摘を踏まえまして、事務局のほうで本部会の役割を改めて整理させていただきまして、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
 栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 部会長から、時間が余ったのでということがありましたけれども、私も、そういうことも含めて、今日は論争ではないのですけれども幾つか、さっきお話ししたようなことをお話ししたのですけれども、今の部分については、最初の頃の審議会のときに私が発言したのですが、永田先生がおっしゃったことを別の言い方でお話ししたつもりなのです。つまり、当時は我々は適切に行ったというふうに認識しています。後知恵でやったらいくらでも言えますよ。そういった後知恵をもってきて批判する、おかしいという学者の指摘が多かった。いろいろな考え方があるかもしれないけれども、当時はそれぞれの委員の人たちは最大限やったと思います。後から言うのは簡単です。しかし、後でそういう指摘を受ける。そして、いろいろな風向きとかがあるから、そのときに備えなければいけない。だから、できる限り念には念を入れて、一応確認したということがあったとしても、確認したという事実をきちんと書き記しておけと。そうでないと、あのようなことを言われかねない。適切にやったことであるにも関わらず、そういうことが言われるようなことがあってはいけないから、だから、この審議会で最初の頃に申し上げたように入念に、入念にということで、僕も審議会の発言の際にはそれに留意しながら発言しています。
 永田先生と部会長がおっしゃるのもよくわかるのですけれども、それを技術的、テクニックとして、実務レベルで私は申し上げているつもりなのです。だから、多分、先ほどスケジュールをお聞きしましたけれども、これからの作業をどういう形でというのは、開催の日程が一応示されていくわけですからその中で今言ったようなことがきちんとされていけば、後々こうしましたよと、議論しましたよといえるのです。私は、審議会の発言でも、そういうことをきちんと明記してもらうために発言していますので、後々そういうことを確認していますよということを申し上げているのです。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 過去の審議会でどうだったかということについて、今の段階からどうのこうの言おうという趣旨でのことではありません。ただ、最高裁判決での判断が出てしまって、基準告示が違法であるという判断が出た以上、そういう判断が今後出ないようにということを考えたときに、この部会の役割をどのように整理しておくかということかと私は理解しておりますので、事務局におかれましても、そういう方向性で検討していただければと思います。過去のことというよりも、将来を見たときにどうかというふうに理解しているところでございます。ありがとうございます。
 それでは、先ほど申し上げましたように、資料3まで、今日事務局で用意していただいた資料については御意見も伺い、審議をしたということかと思っております。次回以降ですけれども、これまで御審議をいただきました令和8年における生活保護基準の検証作業の方針を踏まえて、事務局で資料を用意していただくことになります。そして、やはりデータに基づいての議論を進めてまいりたいと考えております。そういうことですので、委員の皆様方におかれましても、また事務局のほうで資料を用意いたすと思いますので、それについて御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございますが、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、時間が大分早いのですけれども、今日予定していた審議はこれで終了したということになると思います。
 では、次回の開催につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 次回の開催日程につきましては、追って委員の皆様に御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、今日は皆様、大変お忙しい中を御参集いただきまして、ありがとうございました。本日の審議はこれをもちまして終了とさせていただきます。散会いたします。ありがとうございました。