第397回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2026年(令和8年)8月27日(木) 10時30分~12時30分

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
職業安定第1・2会議室(12階)

出席者

公益代表委員
  • 小野 晶子
  • 中窪 裕也(部会長)
  • 原 昌登
労働者代表委員
  • 菅村 裕子
  • 田久 悟
使用者代表委員
  • 田尻 久美子
  • 田上 雄一
  • 平田 充

議題

  1. (1)「規制改革実施計画」について(公開)
  2. (2)労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに係る通知について(公開)
  3. (3)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
  4. (4)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

○中窪部会長 おはようございます。ただいまから「第397回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会」を開催いたします。
 本日は、公益代表の坂爪委員、労働者代表の小松委員、丸山委員、使用者代表の村田委員が所用により御欠席です。また、小野委員、原委員、田久委員、田尻委員がオンラインでの御参加となっております。
 本日の議題に入ります前に、厚生労働省の事務局に人事異動があったということですので、御報告をお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 8月付けの厚生労働省の人事異動に伴いまして、事務局に変更がありましたので、御報告をいたします。職業安定局長の宮本です。
○宮本局長 皆様、おはようございます。8月4日付けで職業安定局長を拝任いたしました宮本でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 続きまして、大臣官房審議官(職業安定、労働市場政策、労働情報政策担当)の宇野です。
○宇野審議官 よろしくお願いします。
○髙島需給調整事業課長 続きまして、労働市場基盤整備室長の岸田です。
○岸田労働市場基盤整備室長 よろしくお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 事務局の変更は以上となります。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪部会長 ありがとうございました。それでは議事に入ります。本日は、議題(1)「規制改革実施計画」についての報告の後、議題(2)労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに係る通知についての報告がございます。
その後、許可の諮問に係る審査を行います。この許可の諮問に係る審査につきましては、資産の状況等の個別の事業主に関する事項を扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開となっております。
 それでは、議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
 まず、議題(1)「規制改革実施計画」について、事務局から御説明をお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 需給調整事業課の髙島です。よろしくお願いいたします。
 議題の1につきまして、資料1を用いまして御説明をさせていただきます。
 「規制改革実施計画」についてとなります。この「規制改革実施計画」は、本年の7月21日に政府として閣議決定がなされたものとなりますが、そのうち、職業安定法や労働者派遣法といった、当需給制度部会の御議論に関係するものにつきまして、今回、抜粋をいたしまして、御報告をさせていただきます。
 資料1の2ページ目に移らせていただきます。今回は3項目ございます。
 1つ目でございます。AIを活用した採用代行の職業安定法上の許可要否及び許可要件の明確化です。採用代行につきましては、いわゆる法令で定義されているものではなく、企業の採用活動のお手伝いをするサービスの総称ということになります。こちらについて、a、b、cの3つの措置が求められています。
 まずaですが、厚生労働省は、AI採用代行サービスについて、AIがスカウトメールを作成・送配信する行為、AIによる面接、AIによる問合せ対応については職業紹介に該当するものとしないことを明確化することなどを含め、職業紹介に該当するかどうか及び有料職業紹介事業の許可が必要であるかどうかを速やかに検討し、結論を得次第、厚生労働省のウェブサイト「募集情報等提供と職業紹介の区分について」で示している「職業紹介の許可が必要な場合と募集情報等提供事業の区分」の具体例に追記するなど、所要の措置を講ずる。その際、事業者により判断が異ならないよう、求職者から求職の申込みを受けたか疑義のある場合の考え方や、情報の内容の加工や意思疎通の加工の範囲を含め、指針に定める基準を明確化するというものとなります。
 ここで書かれている区分の具体例は、既に厚生労働省のホームページにおいて、現行の法令の考え方に基づいて記載されているものになりますけれども、今回のaの措置は、その現行の考え方の中で、更にその具体例について追記をするというもの、現行の根本ルールの中での記載をするというものであります。
 続きましてbですけれども、aが措置されるまでの間、AI採用代行サービスに関する職業紹介事業許可の要否についての相談が都道府県労働局に寄せられた際に、都道府県労働局ごとに異なる判断、いわゆるローカルルール、が発生しないよう、都道府県労働局から厚生労働省本省に照会させるなど、判断の統一性を確保するための所要の措置を講ずるというものになっておりまして、こちらは職業安定局において既に行っている対応となっております。
 続きまして最後のcになりますけれども、厚生労働省はaに加え、AI採用代行サービスの機能・内容・範囲などの実態を調査し、その結果を踏まえ、AI採用代行サービス及び同様のサービスを人が行った場合について、職業紹介に該当する機能があるときには、当該機能を提供しようとする際に、求職者の保護や事業者の適切なサービスの運用の観点から、個人情報の保護に関する法律との関連性において不合理とならないよう留意しつつ、職業紹介事業者に求められる個人情報の帳簿記載義務などにおいて不必要又は過大な要件がないか点検し、労働政策審議会で結論を得次第、職業紹介事業の許可要件・義務の運用の見直しを行うなど所要の措置を講ずるというものになっております。
 こちら、まずは調査が求められているものになりますけれども、これはAI採用代行サービスの機能・内容・範囲などの実態の調査となります。本年3月の需給制度部会において事務局から報告をさせていただきましたが、厚生労働省において令和4年に改正施行されました改正職業安定法につきまして、その改正法の附則において、法律の施行後5年後を目途として、その改正された職業安定法の規定の施行の状況等を勘案し、当該規定に基づく規制の在り方について検討を加えるということになっております。今年度、そのための調査の実施を行うこととしたところであり、このcで盛り込まれているAI採用代行サービスの機能・内容・範囲などの実態につきましても、先日の需給制度部会で報告させていただいた調査の中に盛り込んで調査を開始したところですので、この機会に併せて御報告をさせていただきます。
 この3つの項目のうち、a、bについては、本年度の上期のうちの措置、後半のcにつきましては、令和8年、速やかに調査検討開始、そして、結論を得次第、速やかに措置するということとなっております。
 続いて2番目の項目に移らせていただきます。オンラインによる労働条件の明示方法の見直しです。こちらは、先ほどの御説明のとおり、職業安定法や労働者派遣法に関する事項の報告ということになりますので、その該当部分に下線を引いております。規制改革の内容のうち、その下線部分が下半分に集中しております。bの部分です。この上半分のaの部分については、いわゆる労働基準法令に関するものとなります。
 まずは、aについて前提として御紹介をさせていただきます。厚生労働省に求められている対応として、労働基準法令における労働条件の明示方法に関して、労働条件の明示方法に関する労使のニーズ及び実態、電子メール等の送信の方法の条件を見直すことによって不利益が生じる可能性・内容などについて、企業の特性も踏まえて調査の上、様々ここに盛り込まれている点に留意の上で検討をすることとなっております。
 bの部分につきましては、言わば労働基準関係法令以外の隣接分野の法令に関する事項ということになっております。①、②、③とありますけれども、①はいわゆるパート・有期法となります。②は労働者派遣法になります。③は職業安定法になります。これら3つの関係法令につきまして、右側の実施時期に関連する部分なりますが、aでの労働基準関係法令に関する結論が出次第、検討・結論が求められる事項といった形になっております。その検討の根拠につきましては、aの部分と同様の形になっております。
 続きまして、3点目に移らせていただきます。在留管理制度の運用の適正化になります。在留管理制度の運用に関する事項ですので、この規制改革の内容は基本的に法務省入国管理庁に対して求められている事項になりますが、その中に一部関係する事項がございます。
 まずは、法務省事項について前提として御紹介させていただきます。aの部分は、在留管理制度の中の技人国に関するものとなります。この部分について、技人国によって従事することのできる業務範囲が曖昧であるとの指摘等がなされていることなどを受けまして、入国管理庁においてガイドラインの記載を充実する、ガイドラインにおける許可事例や不許可事例の記載を拡充する等の行動とともに、企業や関係団体などへ広く周知するということが、まずはaの措置において求められていることとなります。
 bで求められていることにつきましては、その技人国を有する外国人と受入企業の間に、仲介者の関与が及んでいた場合についてのものとなります。ここの部分について、まず入管庁、法務省が求められていることとしては、このbの中の「厚生労働省の協力を得て」から始まっている部分になります。技人国を有する外国人を受け入れる場合には、雇用契約の適正な履行及び適正な在留管理の確保の観点から、業務内容が在留資格で認められた活動に該当することを十分に説明できる仲介者を利用することなど、適切な仲介者の選択に資する内容をガイドラインに明記するということが、法務省に求められている事項となります。
 「また」からが厚生労働省に求められている事項となりますが、その仲介者が職業安定法に基づいて許可を得ている職業紹介事業者である場合についてです。厚生労働省は法務局と連携し、職業紹介事業者に対し、技人国を有する外国人の職業紹介を行う場合における出入国管理法令の遵守について周知するということとなっております。こちらの周知の部分について、厚生労働省に対して措置が求められている事項となっております。これらの事項については、令和8年度検討開始、結論を得次第、速やかに措置ということになっております。
 以上の3項目が本年度の規制改革実施計画における職業安定法及び労働者派遣法の関係項目となります。
 事務局からの説明は以上です。
○中窪部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対する御質問等がございましたら挙手をお願いします。Zoomで御参加の委員は、Zoom内の「手を挙げる」機能を使って挙手をお願いします。
 いかがでしょうか。では、平田委員お願いします。
○平田委員 御説明ありがとうございました。資料1「『規制改革実施計画』について」の2頁にある「AIを活用した採用代行の職業安定法上の許可要否及び許可要件の明確化」については、経団連の要望にも対応していただき感謝を申し上げます。AIを活用した採用代行が、マッチング機能の強化、高度化の実現につながっていくことを期待しています。
 その上で、措置aは現在の「募集情報等提供と職業紹介の区分」に関する根本ルールが変わるものではないという理解で間違いないかということ確認したいと思います。それから、措置bにおいて、「判断の統一性を確保するための所要の措置」が指摘されているところ、措置aが実施され、指針に定める基準が明確化された場合についても、判断の統一性の確保に努めていただきたいと思います。
 最後に、措置cについて、これから「AI採用代行サービスの機能・内容・範囲などの調査」を実施するところと理解しております。その調査結果を丁寧に分析し、当部会で報告をいただいて、議論を深めていければと思っております。
○中窪部会長 それでは、菅村委員お願いいたします。
○菅村委員 ありがとうございます。先ほど課長から御説明いただいたAIを活用した採用代行の職業安定法上の許可要否等の明確化と在留管理制度の運用の適正化について、2点ほど意見を申し上げたいと思います。
 まずAI採用代行サービスについて、先ほど課長から、改正職業安定法施行後5年の調査の中に、規制改革実施計画に記載のある「AI採用代行サービスの機能・内容・範囲などの実態を調査」することを含んで行うという御説明がございました。調査を行い実態を把握すること自体は大変重要ですが、計画の中に記載のある「不必要又は過大な要件がないか」といった規制緩和的な視点でのみ調査や見直しをするというのは適当ではないと考えております。新たなサービスにおいて、求職者の個人情報が適正に扱われているか、不当な選別や不利益な扱いが生じていないかなど、求職者、労働者保護の観点に立った調査を実施していただきたいというのがお願いでございます。また、AIの活用の有無にかかわらず、採用代行サービスと職業紹介との区分については、実態に即して整理、明確化を図る必要があると考えています。その上で、AIが職業紹介機能を担う場合も、求職者保護の観点から、透明性、公平性及び適切な人の関与の確保についても検討いただきたいと思っております。
 続きまして、在留管理制度の運用の適正化について、bの措置の2つ目のポツに関してでございます。雇用主に対して不正な仲介を排除する観点について、記載がございます。「責任を明確化するための方策を講ずること」というだけでは実効性に欠ける部分があると思っております。実施時期については、「令和8年度検討開始、結論を得次第、速やかに措置」とございますけれども、不正な仲介を排除するという目的の達成に向けて、法務省と連携の上、実効性ある具体的な方策を講じていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○中窪部会長 ありがとうございます。では、田上委員お願いいたします。
○田上委員 全国中央会の田上でございます。規制改革実施計画の報告を頂きまして、ありがとうございました。御説明の中で令和4年改正の運用状況の実態調査に触れられておりましたので、そこに対する中小企業・小規模事業者の視点での期待ということで申し上げたいと思います。
 今後、その実態調査の結果を踏まえて議論する機会というのもあるのだと思っておるのですけれども、しっかりとした議論を進めていくために、よく実態というのを把握できればいいなと考えております。特にネットを活用したサービスの構造がどのようになっているかという部分でございます。紹介事業だったり採用代行の事業だったりと、それぞれあるかと思うのですけれども、だんだんと垣根が見えづらくなっているようなところがあろうかと思います。役割と役割の間の連結がネットでつながっていると非常に分かりづらくて、融合してしまっているようなこともあろうかと思います。その中で、職業紹介事業の許可申請などを見ていますと、「紹介料がうちは高いです」と、なぜ高いかというと、「プラットフォームビジネス、プラットフォームを利用する料金が高い」と、そのようなことを見ることがございます。そういったようなことで、構造の中で、どこにそういう料金的な負担があるのかなど、そういうことも含めて分かるといいなというところです。
 結局、求人事業者がそういった負担を被るということになりますし、特に中小企業・小規模事業者というのは、どうしても競争力が弱いといいますか、公正な競争条件が保たれるかどうかというところも観点として必要だと思います。「労働者の保護」というのももちろんあるのですけれども、そういった「利用事業者の保護」の観点も是非加味して、実態が明らかになるといいなというように期待をしております。以上でございます。
○中窪部会長 ありがとうございます。では、ここで事務局から今の御意見、御質問についてお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 平田委員、菅村委員、田上委員、御意見を御発言いただきましてありがとうございました。御質問等につきまして、回答させていただければと思います。
 まず、平田委員から御質問、御確認がございました規制改革の採用代行に関するaの措置、具体例の追記の部分ですけれども、こちらは御質問のお考えのとおりでありまして、根本のルールや運用の延長線上のものとして、その中のものについて追記をするというものになっています。2点目のbのローカルルールの部分について、aが措置されるまでの間に限らないものとしての御要望として理解いたしました。こちらは、既に厚生労働省において、都道府県労働局において、その判断に迷うようなものがあれば、きちんと本省に照会をさせて、我々のほうで回答をきちんと確認するというプロセスを行っておりますので、もちろんaまでの間に限らず、bについて、今後のものについてもきちんと対応させていただきたいと、そのように考えております。
 菅村委員から、まず1点目の採用代行の調査の関係について御質問いただいております。こちらの求職者保護、労働者保護の観点につきましては、おっしゃるとおりでございます。規制改革につきましてはAI採用代行サービスに限っておりますけれども、我々が調査を行う際、安定法の施行ということになりますと、その施行の規定や様々な趣旨がもちろんございますので、そうしたものも含めた全体の調査として行わせていただいております。後ほどの田上委員の御発言とも関係する部分がございますけれども、我々の実態の調査につきましては、職業紹介事業者や募集情報等提供事業者に限らず、求人事業者でありますとか求職者といった方々に対する調査も行うこととしておりますので、そうした結果について、きちんと整理の上、また需給部会において諮らせていただければと考えております。
 菅村委員から頂いた2点目の御発言、規制改革の在留管理制度に関する部分の2ポツ目、雇用主に対しての不正な仲介の排除に係る観点というところになります。こちらは、入管庁、法務省がこれからまさに検討していく部分になりますけれども、我々厚生労働省も、下線が引いてありますが、出入国管理の遵守についての周知の際など、法務省と連携することになっておりますので、今、頂いた御意見につきましては、きちんと共有の上、入管庁において適切な検討を促したいと考えております。事務局からの回答は以上となります。
○中窪部会長 ありがとうございました。そのほかに御質問、御意見等はございませんか。オンラインで御参加の方も御遠慮なく。よろしいですか。
 それでは、特にないようでしたら、議題(1)についてはここまでとさせていただきます。
 続きまして、議題(2)労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに係る通知について、事務局から御説明をお願いいたします。
○鈴木需給調整事業課長補佐 事務局です。
 資料2、労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに定める同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額に係る通知について御説明いたします。
 資料の2ページを御覧ください。派遣労働者の同一労働同一賃金の施行に当たり、待遇決定方式の1つである労使協定方式に係る一般労働者の平均的な賃金水準につきましては、毎年度、本部会に概況を御報告させていただいた上で、職業安定局長名で通達を発出しているところです。御覧いただいています資料は、令和9年度に適用する一般賃金水準のうち、一般基本給・賞与等について、職業安定業務統計を活用した一般賃金水準と賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準の職業計・産業計の賃金額のほか、令和8年度との比較で一般賃金水準が「上がる」職種、「下がる」職種の数などを記載しております。
 まず、職業安定業務統計を活用した一般賃金水準です。職業計で1,333円、令和8年度との比較で44円、3.4%の上昇となります。また、全554職種中、前年度との比較で上がる職種は532職種、下がる職種は8職種となっております。
 続いて、賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準です。産業計で1,530円、令和8年度との比較で88円、6.1%の上昇となります。こちらにつきましては、全144職種中、前年度との比較で上がる職種は112職種、下がる職種は13職種となっております。
なお、職業安定業務統計及び賃金構造基本統計調査を活用しました一般賃金水準につきまして、派遣就業の多い業務別の一般賃金水準として、情報処理・通信技術者、事務的職業、製造関係の職業について、参考で下段に掲載をしておりますので、御参考にしていただければと思います。
 続いて3ページを御覧ください。こちらは、一般賃金水準の算出に用いている各指数などを一覧表形式でお示ししたものです。上からになります。
 1.賞与指数は職業安定業務統計の求人賃金には賞与が含まれていないことから、賃金構造基本統計調査における「勤続0年」の特別給与の額を基に、職業安定業務統計による職種別基準値に反映する指数を算出しております。この指数は、令和9年度においては、令和8年度からの変動はなく、指数値で0.02となっております。
 2.能力・経験調整指数は、能力及び経験による賃金の伸びの代理指標として設定しているものです。賃金構造基本統計調査の特別集計により算出しました勤続年数別・産業計の所定内給与の額に賞与を加味した額により算出した指数となります。令和9年度の指数は表に掲載をしたとおりです。なお、表の中の下段に、小さい数字にはなりますが、括弧を付しておりまして、こちらは令和8年度の数値となります。また、昨年末に取りまとめいただき、本部会にも御報告をしております同一労働同一賃金部会報告において、能力・経験調整指数の当てはめの改善を図る必要があるとの御指摘があったことを踏まえまして、例年公表しております労使協定イメージを改善し、これまで3段階としていた能力・経験調整指数の記載イメージにつきまして、職務の内容の記載例を充実した上で、よりきめ細かく業務内容に対応できるよう、5段階の記載イメージに改善する方針としております。
 3.学歴計初任給との調整です。こちらは、賃金構造基本統計調査の構造上、「勤続0年」の数値に転職等による中途採用者が含まれることを踏まえて、同調査の学歴計の初任給額との差を控除するために算定をした数値となります。令和9年度においては、算定の結果、令和8年度から0.6%低下しまして、11.9%を控除する方針となります。
 4.一般通勤手当です。こちらは、通勤手当として一定額の金額を支払う場合に、就労時間当たりの単価をお示ししているものですが、一般労働者の平均的な賃金の額に対する通勤手当額の割合を踏まえ算定した数値となります。この点、同一労働同一賃金部会報告におきまして、算定に当たり活用していました、平成25年度に独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施をしました「企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査」について、厚生労働省が実施する「就労条件総合調査」に変更することが適当との御指摘を踏まえまして、就労条件総合調査の令和7年調査結果を用いて算定作業を実施しました。その結果、令和9年度に適用される一般通勤手当は67円となっております。
 項目5と6の退職金です。派遣労働者の退職金制度につきましては、同種の業務に従事する一般労働者に適用される退職金制度との比較によることとすること、同種の業務に従事する一般労働者の退職金に相当する額と同等以上を確保することとすること、中小企業退職金共済制度等に加入することとすること、このいずれかを選択することが求められていますが、労使の協議に資するよう、比較対象とすべき各種統計調査の結果や、満たすべき退職金割合を算定しました数字をお示ししているところです。
 令和9年度においては、例年、局長通達でお示しをしております5つの調査のうち、中央労働委員会の「賃金事情等総合調査」が更新をされましたので、その内容を反映したものとするとともに、日本経済団体連合会の「2021年9月度退職金・年金に関する実態調査結果」につきましては、調査結果公表後一定期間が経過し、同調査の更新も行われていないことから、令和9年度適用の局長通達からは削除することとしております。また、6.退職金割合につきましては、就労条件総合調査の結果を踏まえた算定結果としまして、昨年度と同様の5%となっております。
 最後に資料4ページを御覧ください。令和9年度適用の局長通達の「職業安定業務統計を活用した一般賃金水準」ですが、同一労働同一賃金部会において、職業安定業務統計による一般賃金については、キャップが掛からないようにする工夫が必要だが、例えば募集賃金の上限を示して、それをベースに派遣元で処遇改善の方向で協議が行われるというような工夫もできるのではないかとの御指摘があったことを踏まえ、同部会報告において、協定対象派遣労働者の賃金水準の改善に向けた労使協議が円滑に実施されるよう、職業安定業務統計から算出した一般賃金水準について、参考値として求人賃金の上限額の平均を追加することが適当との御指摘を頂きました。これを踏まえまして、労使協議の際の円滑な議論に資するよう、求人賃金の上限額の平均を算定し、局長通達別添の職業安定業務統計を活用した業務別の一般賃金水準の一覧表に参考値として掲載をすることとし、一覧の掲載イメージ及び注釈欄の記載案をこちらに資料として掲載させていただいておりますので、この点を御報告させていただければと存じます。
 資料2の御説明は以上となります。よろしくお願いします。
○中窪部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対する御質問等がありましたら挙手をお願いします。Zoomで御参加の委員はZoom内の「手を挙げる」機能を使って挙手をお願いします。菅村委員、お願いします。
○菅村委員 御説明ありがとうございました。資料4ページの「職業安定業務統計を活用した一般賃金水準」への参考値の追加について、1点意見を申し上げます。参考値②を追加した趣旨につきましては、先ほど部会報告を用いて説明がありましたが、同一労働同一賃金部会などでも労働側から意見を申し上げてきたように、ハローワークの募集賃金の下限の平均が同種の業務に従事する一般労働者の賃金と呼べるのかは、いまだ疑問であると考えております。
 その上で、今回、参考値②として、募集賃金の上限の平均を記載されたのは、この課題への対応でありますが、参考値②の追加が形骸化せず、本来の目的である労使協議を通じた派遣労働者の待遇改善に広く活用されることこそが重要であると思っております。この参考値②の趣旨と目的を派遣元の労使双方へ広く周知・徹底いただくようお願いしたいと考えております。以上です。
○中窪部会長 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
○鈴木需給調整事業課長補佐 事務局です。菅村委員からの御指摘、ありがとうございます。今回、追加をしました参考値につきまして、部会での御指摘も踏まえまして、厚生労働省としましても、労使における協議が適切に行われるよう周知等に努めたいと存じます。ありがとうございます。
○中窪部会長 ありがとうございました。そのほかよろしいですか。ないようでしたら、議題2はここまでとさせていただきます。
 本日の公開の議題は以上となります。冒頭に申し上げましたとおり、傍聴の方につきましては、ここで御退席くださいますようお願いします。