第41回 厚生労働省国立研究開発法人等審議会高度専門医療研究評価部会 議事録

日時

令和8年7月21日(木) 13:00~15:10

場所

厚生労働省 専用第21会議室(オンライン併用)

出席者

委員
  • 土岐 祐一郎 部会長
  • 中野 貴司 部会長代理
  • 神﨑 恒一 委員
  • 庄子 育子 委員
  • 田極 春美 委員
  • 成川 衛 委員
  • 根岸 茂登美 委員
  • 前村 浩二 委員
  • 松前 江里子委員

議題

  1. 開会
  2. 議事
    1. (1)国立研究開発法人国立成育医療研究センターの令和7年度業務実績評価及び中長期目標期間見込評価について
    2. (2)その他
  3. 閉会

配布資料

国立研究開発法人国立成育医療研究センター

  • 資料1-1 令和7年度 業務実績評価書(案)
  • 資料1-2 令和7年度 業務実績概要説明資料
  • 資料1-3 令和7年度 財務諸表等
  • 資料1-4 令和7年度 監査報告書
  • 資料1-5 第3期中長期目標期間 見込評価書(案)
  • 資料1-6 第3期中長期目標期間 見込評価説明資料

参考資料

  • 参考資料1 高度専門医療研究評価部会委員名簿
  • 参考資料2 厚生労働省国立研究開発法人等審議会令

第41回 厚生労働省国立研究開発法人等審議会高度専門医療研究評価部会

○高屋企画調整官 定刻となりましたので、ただいまより第41回「国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会」を開催いたします。
 委員の皆様には、大変お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 議題に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、大臣官房厚生科学課国立高度専門医療研究センター支援室の高屋と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、神﨑委員、中野委員、成川委員、前村委員がオンラインでの御参加となっております。また神﨑委員より、15時頃、退席される予定との御連絡をいただいております。
 国立研究開発法人等審議会運営規程に基づく御報告です。
 運営規程第5条に基づき、本日、意見聴取を行う国立研究開発法人の事務及び事業について利害関係を有する者は、当該法人に係る評価について議決権を有しないものとされています。
 法人との利害関係については、あらかじめ委員の皆様から申告いただいておりますが、事務局におきまして確認いたしましたが、本日の意見聴取において該当する委員はいらっしゃらなかったということで、御報告をさせていただきます。
 また、出席委員に関しましては、部会所属委員の過半数を超えておりますので、会議が成立することを御報告いたします。
 それでは、本部会の開催に当たり、厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官の佐々木より御挨拶をいたします。
○佐々木審議官 先生方、こんにちは。改めまして、厚生労働省危機管理・医務技術総括審議官の佐々木でございます。
 委員の先生方、皆様におかれましては、重ねてになりますが、大変お忙しい中、また、お暑い中、お時間をくださいまして、誠にありがとうございます。
 本部会において御議論いただきます国立高度専門医療研究センターは、国民の皆様の健康に重大な影響のある特定の疾患等に係る医療に関し、それぞれの法人、5つございますが、各法人がその使命である研究開発や医療の提供、さらには人材育成等に尽力しているところでございます。本年度、国立高度専門医療研究センターは、第3期中長期目標期間の最終年度に当たります。このため、毎年行っていただいております令和7年度、各年度の業務実績評価に加え、中長期目標期間6年間の見込評価につきましても御意見を伺いたいと考えております。それぞれの法人の取組をさらによいものにするため、委員の皆様の御専門の立場から、また国民としての視線から、広く御意見や御助言をいただきますと幸いでございます。
 まず、本日は、国立成育医療研究センターについて御議論いただきますようお願いいたします。また、今後、次期第4期の中長期目標の策定につきましても御審議をいただきたいと考えておりますので、重ねてよろしくお願い申し上げたいと思います。
 簡単ではございますが、以上をもって開会の御挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
○高屋企画調整官 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議の進め方について御説明いたします。
 本日は、オンラインを併用したハイブリッド方式での開催となります。
 会場に出席の委員におかれましては、御発言の際は挙手をしていただき、部会長による指名を受けた後に御発言をお願いします。
 オンラインで出席の委員におかれましては、Zoomサービス内の手を挙げるボタンをクリックしていただき、部会長による指名を受けた後に御発言をお願いいたします。御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。なお、御発言の際には、冒頭にお名前を述べていただき、資料を用いて御説明される際には、資料番号と該当ページを明言していただきますよう、お願いいたします。
 続きまして、本日の議事を御説明いたします。
 本日は、国立成育医療研究センターに関する令和7年度業務実績評価及び中長期目標期間見込評価に関する意見聴取を行います。
 なお、国立高度専門医療研究センターの5法人につきましては、本年度が中長期目標期間の最終年度に当たるため、ここであらかじめ見込評価について簡潔に御説明させていただきます。
 見込評価は、各法人の中長期目標期間の最後の事業年度に実施し、中長期目標期間終了時の直前の年度までの業務の実績、及び中長期目標期間終了時に見込まれる業務の実績等に係る自己評価等を踏まえ、当該法人の中長期目標期間終了時に見込まれる業務の実績等を調査・分析し、その達成状況等について総合的に評価するものです。見込評価の結果は、中長期目標期間終了時の法人の業務の継続、または組織の存続の必要性、その他その業務及び組織の全般にわたる検討並びに次期中長期目標の策定に活用するものとなります。
 なお、SからDの評定を付すことや、各評定の基準の考え方については、年度実績評価の取扱いと同一となります。各委員及び法人の御説明者におかれましては、この点を踏まえ、本日の意見聴取を行っていただきますよう、お願いします。
 見込評価の説明は以上となります。
 次に、本日の意見聴取の流れについて御説明します。
 評価に係る意見聴取の流れにつきましては、評価項目ごとに、年度評価及び見込評価の順に法人から続けて説明した後、委員の皆様から御意見、御質問いただきたいと存じます。説明と質疑応答の時間は、事前に時間を設定しており、終了時に事務局がベルを鳴らしますので、目安としていただきますよう、お願いします。
 それでは、本日の会議資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、資料1-1から1-6、参考資料1と2になります。法人からは、資料1-2及び1-6の説明資料を使用して説明を行いますので、オンラインで御参加いただいている委員の皆様におかれては、事前に紙媒体でもお送りしています議事次第、年度評価に係る資料1-2、1-4、見込評価に係る資料1-6の御活用をお願いします。
 その他の資料につきましては、事前にお知らせしましたURLより閲覧していただくよう、お願いいたします。
 御会場の皆様につきましては、お手元にあるタブレットに本日の資料一式を格納しておりますので、そちらを御覧ください。
 最後に、各委員に御提出いただく評定記入用紙につきましては、様式の電子媒体を事前に送付しておりますので、そちらに御記入いただき、後日、事務局に提出をお願いいたします。見込評価につきましては、年度評価と同様、SからDの評定と併せて、その根拠を記載いただきますとともに、項目ごとに次期中長期目標期間の業務実施に当たっての留意すべき点等について、積極的な御意見をいただきますよう、お願いいたします。
 資料の不備や閲覧方法等について御不明な点がございましたら、チャット機能等で事務局までお申しつけください。
 事務局からの説明は以上でございますが、ここまでで何か御質問等ございますでしょうか。
 それでは、以降の進行につきましては、土岐部会長よりよろしくお願いいたします。
○土岐部会長 本日は、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ではございますけれども、「国立成育医療研究センター令和7年度業務実績評価及び中長期目標期間見込評価について」、審議を始めたいと思います。
 初めに、理事長から一言御挨拶をよろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター五十嵐理事長 理事長の五十嵐と申します。
 本日は、当センターの活動につきまして御報告する機会をいただき、誠にありがとうございます。
 既に御存じかと思いますが、私ども、小児・周産期の高度先進医療の推進・普及、及び、2年前からですけれども、女性の健康推進に向けまして、研究所と病院が一体になって活動しておりますナショナルセンターでございます。病院は、内科系・外科系、併せて30の診療部門があります。研究所は、12のウエットラボと3つのドライラボがございます。
 小児・周産期の高度先進医療の推進、細胞・再生・遺伝子治療の開発、遺伝子疾患の原因究明、治療法の開発などのほかに、医療的ケア児と御家族のための医療型短期入所施設もみじの家の運営、小児慢性特定疾病情報室、新生児スクリーニング精度管理、妊娠と薬事業などの国の事業の支援も行っています。そして、プレコンセプションケア、産後ケアなども実施しております。
 また、今年から、ニーズが高くなっております、いわゆる分娩麻酔、産科麻酔のトレーニングセンターも始めました。これは医師だけではなく、助産師さんなども対象としたトレーニングセンターでございます。
 診療のほうに移りますと、私ども、大学病院やほかの小児病院から、全国の小児医療施設から、極めて重症な患者さんを多数受け入れております。そして、毎年、分娩数は2,200、合併症妊娠は1,000を超えています。いわゆる正常分娩は1,200ございますけれども、8割以上は分娩麻酔を受けております。
 また、生体肝移植は年間70例を超え、その成績も世界一を誇っております。そのほか、小児の心臓・腎臓・小腸移植なども行っております。
 人材育成の点では、小児科の専攻医プログラム、これは3年間でございますけれども、毎年12名ないし14名の小児科医を受け入れております。さらに、高度専門医療を目指す、いわゆる専門医の先生方を内外から多数引き受けてトレーニングをしております。
 最近は医療状況が大変厳しい中で、私ども、看護部長を中心とするベッドコントロール、それから職員全員が協力していただきまして、入院稼働率を上げる方向に向けて数年間、努力してまいりました。昨年度の病床の稼働率は86%でございまして、これは小児医療施設としては国内最高レベルではないかと思います。物価が非常に高くなっていますけれども、昨年度、経常収支は、ほんのわずかではありましたけれども、黒字を達成することができました。
 ただし、今後の病院運営には、ほかの病院と同じようにいろいろな問題が残されております。特に、最近の小児の私どもの入院患者さんは様々な合併症を持ち、しかも重症化してきております。小児医療施設がこれまで診ていた重症患者さんを引き受けなくなり、私どもの施設に送ってくる状況のため、医療安全を保つための体制整備が非常に問題になってございます。
 一方、研究所の活動も大変活発でございまして、5つあるナショナルセンターで研究所として大変頑張っております。インハウスの研究費は6億円ぐらいですが、外からの競争的な研究費は222億円を昨年、獲得しております。
 以上、簡単に御報告させていただきました。
 本日は、評価委員の先生方からの忌憚のない御意見をいただけることを願っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○土岐部会長 ありがとうございました。
 それでは、評価のほうに移りたいと思います。まずは、研究開発の成果の最大化に関する事項の評価、1-1及び1-2について議論したいと思います。初めに、法人から、年度評価及び見込評価の順に御説明いただき、その後に質疑応答という流れで進めたいと思いますが、その前に、医療研究連携推進本部(JH)につきまして、事務局から補足がございます。よろしくお願いいたします。
○高屋企画調整官 事務局です。
 令和2年度に立ち上げられました医療研究連携推進本部、通称JHにつきましては、各NCの共通の実績となっており、資料の内容・説明も統一的なものとなっておりますので、本年度は各NCを代表して、8月4日火曜日に実施する国立がん研究センターの審議の中でまとめて行います。そのため、本日及び7月23日に審議を予定している研究開発の成果の最大化に関する事項の評価に係る御意見につきましては、8月4日のJHに関する審議を踏まえて実施いただきますよう、お願いいたします。
 以上です。
○土岐部会長 ありがとうございました。
 それでは、戻りまして、1-1及び1-2について議論したいと思います。
 まずは、法人より御説明をよろしくお願いします。時間が限られておりますので、ポイントを絞ってお願いいたします。
○国立成育医療研究センター深見研究所長 では、研究開発の令和7年度の単年度につきまして御報告させていただきます。資料1-2を御覧ください。
 5ページ目に記載いたしましたとおり、今年度につきましては、自己評価をSとさせていただきました。
 この根拠といたしましては、Ⅱに書いております指標、すなわち、医療に大きく貢献する研究成果を上げること、新規病因遺伝子を解明すること、原著論文を上げること、いずれも目標を大きく超える数値をあげることができました。
 個々の項目につきまして、代表例を御報告申し上げます。
 7ページを御覧いただけますでしょうか。7ページに疾患の本態解明についての代表的な成果をお示しいたしました。私どものセンターでは、以前から、原因不明の小児患者さんの遺伝学的解析を実施しております。令和7年度には、この解析に機械学習を用いた方法を導入し精度向上を図り、多くの新しい疾患関連遺伝子を同定することができました。
 一例として、発達遅滞の症例で同定されたWDR83遺伝子のバリアントについて、モデル動物や患者さん自身の細胞を用いた解析を行い、その病態を明らかにいたしました。これによって、疾患発症原因が明らかとなりました。このような成果は、その個々の患者さんの予後の改善に役立ち、さらに将来的な予防法の開発につながります。また、希少・難治性疾患の医療均てん化にもつながる成果となっております。
 次に、代表的な治療法について8ページに記載いたしました。当センターは過去に臨床用のES細胞を樹立し、世界で初めて医師主導治験として、先天性の尿素サイクル異常症の新生児に肝細胞移植による治療を行いました。令和7年度には、この治療を受けた5例の長期経過を確認し効果について検証を行いました。このような肝細胞を使った治療が、移植までの橋渡し医療として極めて安全かつ有効であることを明らかにいたしました。この成果は、世界における小児再生医療の研究をリードする成果となっております。現在、さらなる対象疾患の拡大等の可能性につきまして検討しているところでございます。
 次に、9ページに社会学的研究についての成果をお示しいたしました。私どもは、これまで多くの小児の健康に関する調査研究を行ってまいりました。
 例を挙げますと、令和7年度には健康日本21における中高生の飲酒や喫煙の問題、周産期における父親への支援、家庭内暴力を経験した父親のこどもに対する影響、こどもの孤独とネット依存との関係について詳細な調査を行い、その結果を発表いたしました。さらに、このような研究成果に基づいて、現行の政策の評価を行い、また新たな政策の提言を行いました。様々な政策の実装化についても、エビデンスに基づいた社会実装の支援を行ってまいりました。
 以上です。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 それでは、女性の健康総合センターのほうから、令和7年度研究開発に関する御報告を申し上げます。
 まず、女性の健康・性差医療の実験医学による基礎研究について御説明いたします。
 左側の図を御覧ください。女性免疫バイオメディカル研究室では、ヒト栄養膜細胞の細胞生物学的解析を施行しておりまして、その中でも、胎盤の性差にも注目して研究を進めているところでございます。
 また、女性生殖医学研究室では、多能性幹細胞を用いましたミニ臓器の研究開発、女性ライフストレス制御研究室では、婦人科疾患の、ここでは慢性子宮内膜炎の例を出しておりますけれども、マルチオミックス解析を施行いたしまして、病態の解明、遺伝子診断実装化、新規治療法開発を目指しているところでございます。
 右の図を御覧ください。女性の健康推進室、データセンターが当センターでは主体となりまして、NDBを用いた有病者数男女比ヒートマップを作成いたしました。胃がんは20歳から35歳では女性に多いことや、くも膜下出血は女性に多いとされておりますが、女性の年齢が高くなるほど、その傾向が強くなっていくことが示されました。
 また、その下段でございますが、これも女性の健康推進室からでございますが、母親の更年期症状とこどものメンタルヘルスが関連していることを報告いたしました。更年期症状を有する母親の受診率が10%未満であることも報告いたしております。
 また、その右でございますけれども、以前から分娩後は産婦人科医では入浴を禁止し、シャワー浴を勧めておりました。しかしながら、今回、周産期・母性診療センター、産科が、産後から入浴しても、子宮内膜炎や会陰縫合部感染はなく、満足度が高かったということを示した研究です。
 以上でございます。
○国立成育医療研究センター深見研究所長 中長期も続けてよろしいでしょうか。
○土岐部会長 見込のほうも続けてお願いします。
○国立成育医療研究センター深見研究所長 それでは中長期の見込評価について業績を御報告いたします。資料1-6を御参照いただけますでしょうか。
 資料1-6の5ページ目に、研究開発項目に関する評価をお示しいたしました。こちらに関しましても、自己評価をSとさせていただきました。
 その指標は、ここに上げたとおり、3つございます。同様に、医療に大きく貢献する研究成果を20件以上上げること、新規病因遺伝子を5件以上解明すること、原著論文数を2,500件以上発表することという3項目ですが、各年度におきまして目標を超える成果を上げることができ、全体として目標を大きく上回る成果が得られております。
 これに関しましても、代表的な例をお示しいたします。6ページが疾患の本態解明に関する成果でございます。
 私どもは、毎年、国内外から数千の症例を集積しております。IRUD事業などの様々な事業と連携して検体を集積しております。この原因不明の症例の解析、そしてオルガノイドやモデル動物解析を組み合わせて、様々な疾患の原因を解明いたしました。これには非常に希少な疾患の原因解明等が含まれており、この成果は「Nature Genetics」などの超一流誌に発表されております。
 これ以外の疾患につきましては、NSD2という遺伝子変異に起因する難治性疾患の診断の指標となるエピゲノム変化を発見し、その成果を公表しています。
 さらに、センター内には登録衛生検査所を設置し、ほかの検査所ではできないような検査をするモデル事業を推進しているところでございます。
 次に、7ページに治療法の開発についての成果をお示しいたします。中長期期間において、私どもでは多くの新たな治療法を提案してまいりました。ここではアレルギー疾患の例をお示しします。
 今回、全身性かつ難治性のアレルギー疾患の2家系の遺伝子解析を行い、網羅的な解析によって、それぞれSTAT6とJAK1の機能亢進変異を同定いたしました。そして、患者さんの細胞等を使った実験によって、この発症機序を解明いたしました。これによって、新たな疾患概念が確立されました。そして、このような実験から予想される病態に基づいて、それぞれ抗IR-4抗体、JAK阻害剤の投与を行い、症状が劇的に改善することを見いだしました。これは分子遺伝学的な発症機序に基づく小児難病の個別改良のモデルとなります。この成果は国内外から非常に大きな反響を呼び、また世界中において新たな患者さんが見つかるきっかけとなりました。
 次に、社会学研究についての成果を8ページにお示しいたします。これまで私たちは、中長期の期間において多くのコホートを立ち上げ、その調査研究を行ってまいりました。また、自治体や多くの企業と連携し、様々な面からこどもの健康の課題を明らかにしてまいりました。これまで中長期に取り組んだ課題には、思春期のこどもの食生活の問題、父親と母親の育児中のメンタルヘルスの問題、あるいは抗菌剤の適正使用に関する研究とその提言、そして、RSウイルスなどのワクチン接種における課題などがあります。
 このような研究成果を基に、エビデンスに基づく介入策の検討や社会実装の支援、既存の行政政策の検証などを行いました。これによって、こどもに優しい社会環境づくりに大きく貢献することができました。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 それでは、続きまして、女性の健康総合センター中長期見込評価に関しまして、御報告いたします。
 9ページを御覧ください。
 上の図を御覧ください。2024年10月に女性の健康総合センターを設置いたしまして、研究部門、またオープンイノベーションセンター機能、データセンター機能、すなわちこの3機能が一体になりまして、包括的アプローチが可能な体制を整えてまいりました。本体制によりまして、医療・研究・行政、産業連携を推進し、データに基づいて課題を解決し、政策提言に寄与することができると考えております。
 また、下の左図でお示ししましたように、研究部門では、多角的な視点から女性の健康課題に取り組む研究体制を整備いたしました。先ほど申し上げました女性の健康政策研究部ですが、女性の健康推進室、女性のライフコース疫学研究室、ヘルスインフォマティクス研究室からなります。また、女性の健康医学研究部は、女性の免疫バイオメディカル研究室、女性内分泌研究室、女性生殖医学研究室、女性ライフストレス研究室からなる体制を構築しております。
 また、右図でございますが、企業との共同連携も実施しておりまして、初潮時予測、これはエムティーアイと協力いたしまして、女性の健康情報サービス「ルナルナ」に蓄積されたビッグデータを活用し、初経初来を予測するアルゴリズムを開発したものです。
 ほかにも、ロート製薬株式会社・東京慈恵会医科大学と協力いたしまして、月経血由来細胞の細胞特性評価、ツムラと共同いたしまして、漢方薬の胎盤影響などの研究開発を実施しているところでございます。
 以上でございます。
○国立成育医療研究センター松山臨床研究センター長 臨床研究センター 松山でございます。
 続きまして、評価項目の令和7年度のほうの資料でございます。資料1-2、16ページを御覧ください。実用化を目指した研究・開発の推進及び基盤整備につきまして御説明をさせていただきます。
 昨年度は、実用化に直結する研究開発の推進と基盤整備の両面で、量的・質的に大きな成果を上げることができたことから、自己評価をSとさせていただきました。
 まず、定量的な指標でございます。共同・受託研究の契約を135件、職務発明委員会の審査件数は20件であり、いずれも目標を上回りました。また、医師主導治験は10件、先進医療の承認は1件、臨床研究は338件、治験は61件となり、多くの指標で年度計画を上回る実績を確保いたしました。
 一方で、ファースト・イン・ヒューマン/ファースト・イン・チルドレンの試験の新規実施は0件、診療ガイドライン等の採用件数は18件でございましたが、研究成果の社会実装に向けた取組は着実に進めております。
 続いて、質的な成果について御説明いたします。資料20ページを御覧ください。まず、小児医薬品開発ネットワーク支援事業でございます。小児領域では、採算性や症例集積の難しさから、いわゆるドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスが生じやすい状況にございますが、当センターは支援事務局として、学会・企業・医療機関をつなぎながら開発支援を進めてまいりました。その結果、昨年度はフジケノン、ドルミカムの2品目の承認取得につなげることができました。
 次に、21ページを御覧ください。小児・若年・成人の再発急性骨髄性白血病を対象とした、ベネトクラクスを用いる国際共同第Ⅲ相試験でございます。本試験では、当センターが国内のナショナルコーディネーティングセンターとして機能し、海外と歩調を合わせた開発体制を整備いたしました。昨年度は、国内症例6例の登録を進めており、小児領域における国際共同医師主導治験のモデルとなる取組であると考えております。
 さらに、資料22ページを御覧ください。新生児ヘモクロマトーシスに対する胎内ガンマグロブリン大量静注療法の医師主導治験でございます。超希少疾患を対象とした取組でありますが、生後3か月時点の生存率100%という極めて良好な成績が得られており、侵襲的治療の回避にもつながる可能性が示されました。希少疾患領域においても、当センターが実用化に向けた道筋を具体的に示した事例と考えております。
 以上のように、昨年度は多くの定量的指標で計画を上回るとともに、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消や、希少疾患に対する新たな治療法の実用化に向けた顕著な成果を上げることができたと考えております。
 それでは、続きまして、中長期見込の実績につきまして御説明させていただきたいと思います。
 資料1-6、15ページ、16ページを御覧ください。本項目では、研究と臨床を一体的に推進できるナショナルセンターの強みを生かし、実用化を目指した研究開発を推進するとともに、そのための基盤整備を着実に進めてまいりました。
 まず、定量的指標でございます。中長期目標期間において、医師主導治験は累計で47件、臨床研究は累計で1719件、治験は累計で310件となっており、主要な指標で中長期目標を上回る高い実績を確保しております。
 また、共同・受託研究契約や職務発明委員会審査件数についても高い水準を維持しており、実用化を支える研究開発基盤が着実に強化されております。
 また、ファースト・イン・ヒューマン/ファースト・イン・チルドレンの試験につきましては、令和5年度まで実施がございませんでしたが、令和6年度に2件を実施することができ、中長期目標の達成に向けて大きく前進いたしました。
 先進医療の承認についても着実に進捗しておりまして、研究成果を臨床に橋渡しする機能が具体的な形で発揮されているものと考えております。
 また、質的成果の面につきましては、資料17ページから19ページにお示ししたとおり、小児医薬品開発ネットワーク支援事業を通じた承認の取得、国際共同医師主導治験の国内調整機能の発揮、さらに超希少疾患に対する新規治療法の開発など、当センターならではの成果を積み上げてまいりました。特に、小児領域では一般に開発のハードルが高く、企業単独では進みにくい案件も少なくありませんが、当センターが学会・企業・海外研究機関をつなぐことで、実用化までの道筋を具体化してきた点に大きな意義があると考えております。
 今後も、ファースト・イン・ヒューマン/ファースト・イン・チルドレン試験の着実な実施、医師主導治験の推進、小児医薬品や高度医療の実用化の加速を通じて、成育医療分野における研究成果を一層社会に還元してまいります。ありがとうございます。
○土岐部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま、1-1及び1-2につきまして御説明いただきましたが、委員の先生から御質問等をお受けしたいと思います。ウェブの先生は挙手していただいて、現地の方も御意見を承れましたらと思います。いかがでしょうか。
 まず、中野委員、どうぞ。
○中野委員 中野でございます。たくさんのすばらしい成果の御報告をありがとうございます。
 2点御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、評価項目1-1の令和7年度のほうでございます。資料の8ページになると思いますけれども、先天性尿素サイクル異常症5症例で生体肝移植までの橋渡し医療として、ヒトES細胞由来肝細胞移植の臨床応用を世界に先駆けて達成されて、国際誌にも報告されたということで、すばらしい成果であるなと思っております。
 教えていただきたいことは、この橋渡し医療として、ヒトES細胞由来肝細胞移植というのを行うことによって、最終的な治療は現状でもまだ肝臓移植なのかなと思うのですけれども、移植を行う時期とか、あるいは移植術がよりやりやすくなったとか、橋渡し医療がもたらしてくれたことというのは、血中アンモニア濃度とかが安定して保たれているということは資料にもお示しいただいているのですけれども、患者さんに対するトータルの医療として、このヒトES細胞由来肝細胞移植がどのような貢献があったかというのを教えていただきたいというのが1点目でございます。
 もう一点は、見込評価のほうでございます。同じく評価項目1-1でございますけれども、難治性の皮膚症状の患者さんにおいて、単一遺伝子疾患の遺伝子診断に基づく診断を治療に役立てることができるようであるということで、こちらも難治性疾患で困っておられる患者さんに非常に福音をもたらすものとして、評価できる研究成果であると考えております。私からの質問は、こちらのほうを今回の中長期目標の見込評価に入れていただいたということで、既に論文報告も2例に関しては行っていただいているようでございますけれども、こちらに関しては、今後、ほかの疾患とか、同一の手法で同じような難治性疾患の治療に役立てるようなめどが立っているのかどうか、それも御教示いただければと思います。
 以上でございます。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 ありがとうございます。
 1点目は臨床に関することですので、病院長の笠原からお答えいたします。
HAESの導入により尿素サイクル異常症など、これまで新生児期、体重2.5から3kg程度で肝移植を行わざるを得なかった患者さんでも、現在は生後6か月、体重6kg程度まで安全に待機できるようになりました。これにより、十分な準備期間を確保し、より安全に移植を実施できるようになります。また、生体肝移植だけでなく、脳死肝移植への登録・待機も可能となり、御家族の負担軽減にもつながります。さらに現在、研究所と連携し、肝臓内で再生・増殖する新たな細胞治療の開発にも取り組んでおります。
 以上でございます。
○中野委員 ありがとうございます。よく理解できました。
○国立成育医療研究センター深見研究所長 では、2点目のアレルギーにつきまして、深見のほうから御報告させていただきます。御指摘いただきましたように、これは非常に重要な成果でございまして、特にこのSTAT6に関しましては、現在、私どもの施設が中心となりまして世界的なコンソーシアムができており、かなり人数がある疾患だということが分かってきております。私たちの研究によって発症原因が解明されましたので、この方々を初めて治療することができるようになりました。
 また、このSTAT6変異の患者さんは、アトピー性皮膚炎と胃腸炎を呈する方だったのですけれども、海外の患者さんの中には、脳動脈の異常とかリンパ腫の表現型を取っている方もいらっしゃるということで、かなり幅広い表現型に関与する疾患であることも分かってまいりました。現在、この疾患スペクトラムを明らかにするとともに、様々な治療法についても検討していきたいと考えております。
 これまでアレルギー疾患では、単一遺伝子変異を探すという視点があまりなかったということですので、今後このような難治性の家系をターゲットとして、さらなる研究を進めてまいります。
 以上です。
○中野委員 ありがとうございます。研究のさらなる御発展と診療への応用を期待申し上げます。ありがとうございます。
○国立成育医療研究センター深見研究所長 ありがとうございます。
○土岐部会長 続きまして、前村委員、どうぞ。
○前村委員 長崎大学の前村でございます。多くの研究成果が出ていることがよく分かりました。
 2つ質問させてください。
 最初は、令和7年度の報告の7ページ目ですけれども、全国から未知の疾患の検体が集まっていろいろ解析されて、機械学習によってゲノムバリアント評価されるような最新の取組もされ、未知の神経の原因遺伝子が見つかったり、多くの遺伝子が見つかっていると思いますが、それがその疾患に関しての予防法とか治療法の開発などに結びついていくのだと思いますが、検体を出された患者さんへの情報の還元というのはどうされるのか。見つかった時点で、患者さんにはそれをフィードバックしているのか、そこは研究レベルでとどまっているのかというのが1つであります。
 2番目の質問としては、これは令和7年度と見込、共通の部分でありますけれども、医師主導治験とか特定臨床研究など、予定を上回る量の研究がされているのはすばらしいことだと思います。これをもって、成育医療分野のセンター病院として、今後、臨床研究中核病院を取っていくような予定はございますでしょうか。
 以上2点です。
○国立成育医療研究センター深見研究所長 ありがとうございます。では、最初の御質問に深見がお答えさせていただきます。
 結果返却は極めて重要というふうに位置づけております。疾患に関連する可能性が高いバリアントが見つかった場合は、直ちに主治医の先生に報告書を作成することにしております。その報告書作成につきましても、漏れなく必要な情報が伝わるように、現在、システムをつくっておりまして、確実に3か月以内には結果が返るようにしております。
 それ以外の研究面につきましては、研究開始の段階、リクルートの段階で、「疾患に関与するかどうか分からない変異が見つかった場合は、その結果を知りたいですか」というふうに御両親と御本人に意向を確認いたしまして、知りたいという場合はお返ししますし、曖昧な場合は知りたくないということでしたら、「今回、明らかな疾患原因は見つかりませんでした」という報告書をお返ししております。それぞれの個々の症例に関しまして、あらかじめリクルートの段階で詳しく御相談した上で、その結果、研究についても決めているというのが現状でございます。
 以上です。
○国立成育医療研究センター松山臨床研究センター長 御質問ありがとうございました。
 2点目につきましては、まず、予定を上回るような件数になったということにつきまして、学会様でも相談のブースを設置したり、全国の小児病院から、企業の方々から研究の御相談を無償で受けております。こういった取組がこの成果に結びついたものというふうに考えております。
 また、臨床研究中核病院につきましては、現在、そちらの実施体制としての人的要件を満たしていない状況でございます。今後の課題というふうに考えてございます。
 北澤先生、何か補足ございますか。
○国立成育医療研究センター北澤理事 企画戦略局長です。
 ちょっと補足いたしますと、かねてより臨床研究中核病院を目指して準備してまいりました。その中で、医療機能評価についても大学病院並みの評価も既に取得しているところまでまいりました。ただ、現在、私どもとしては、厚生労働省のほうでも臨床研究中核病院の見直しが議論されているということで承知しておりますので、そのような議論の中で、私どもナショナルセンターとしてできる臨床研究の支援というものはどうすべきかということで、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○前村委員 ありがとうございました。
○土岐部会長 3年間で8件でしたか。維持するのは、私ども病院も結構大変でございまして、一旦始めると大変なこともございます。
 続きまして、神﨑委員、どうぞ。
○神﨑委員 東京都健康長寿医療センターの神﨑と申します。よろしくお願いいたします。
 私の質問は、これまでの成果というよりは、今、どう考えていらっしゃるかというところの質問になります。ちょっと興味本位の質問になって恐縮なのですけれども、今、御存じのとおり、国というか内閣官房が、攻めの予防医療、性差を意識したヘルスケアというか、そういうところが題目に上がっていると思うのですけれども、それを意識されて、特に今年度研究、もしくは、この後、臨床の話も出てくるかもしれないですけれども、特に研究方面に関して、意識して何かこういった研究を、そのテーマと合う形で考えていらっしゃるとか、そんなことを考えていらっしゃるところがあればちょっとお伺いしたいと思い、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 ありがとうございます。女性の健康総合センターの小宮からお答えいたしたいと思います。
 今おっしゃっていただいたように、攻めの予防、性差医療ということで、非常に大きな風が吹いていると感じております。その中で研究ということでございますけれども、ICWH、女性の健康総合センターとして、今年度執行したいと今、取り組んでいますことを何点か申し上げたいと思います。
 1つは、先ほど申し上げましたように、基礎研究の中に胎盤ということをちょっと標的にいたしましたけれども、胎盤にもXXとXYがあるということで、その辺を少し推進していけないかということで、取りかかりかなと思っています。しかしながら、胎盤ということだけでなくて、今後、男性も女性も罹患するような疾患に関しての研究というのは非常に重要になってくる。これはもちろん基礎研究も重要だと考えておりまして、取り組んでいこうと考えております。
 あともう一つ、社会学系では、性差を意識した、あと、ライフコースを意識したということを考えておりまして、思春期から更年期に至るまでということで、今後、コホート、社会学系の研究も含めまして、しっかりと取り組んでいこうということでやっております。
 あともう一つ、強調したいことは、思春期医療ということで、成育医療研究センターの中で現在、強化といいますか、推進しております。思春期というのは非常に重要な時期であるということもございまして、思春期全体の医療としても、女性の健康としても進めなくてはいけない。思春期がいわゆるライフコースの中の一番のベースというか、それこそ本当の攻めの予防医療に入るのではないかということも感じておりまして、そういうところを意識しながら進めているところでございます。
 以上でございます。
○神﨑委員 ありがとうございます。多分、ここのところはいろいろな方から助言が入るところじゃないかと思いますので、個人的な意見なのですけれども、小児期であったり、もしくは出生前のところから、ひょっとしたら、おっしゃるように、ライフコースにそれが何かトリガーとなって伝わるようなものがあるとか、そんなような研究ができるとすばらしいのではないかと個人的には感じております。個人的な意見で失礼いたしました。どうもありがとうございました。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 ありがとうございます。
○国立成育医療研究センター五十嵐理事長 理事長から1つ追加よろしいでしょうか。大変重要な御指摘で、特に我が国では思春期医療がとても遅れています。15歳から20歳、21歳ぐらいの方たちの受け皿がありません。内科系もなかなか思春期医療に踏み込んできませんでしたし、小児も15歳というのがこれまでの日本の小児科の伝統的な初診患者さんの上限だったわけですけれども、これを何とかしなければいけないということで、御存じのように心理・社会的な問題が大変大きな課題になっておりますので、この7月1日から私どもの施設は、内科系の全ての診療科の初診患者さんの年齢を18歳にまで上げることをいたしました。
 もともとこの世代の人たちの医療費の使い方というのは全体の4%ぐらいで、患者さんとしてはそんなに急に増えることはないと思うのですが、心理・社会的なことを含めた体制をしっかりと組むことができました。それに際して、米国のピッツバーグ大学の思春期科のミラー先生という方が私どもに赴任していただきまして、米国の本当の思春期医療をこれから日本で展開することができるのではないかと考えています。
 以上です。
○神﨑委員 ありがとうございました。
○土岐部会長 それでは、引き続まして、成川委員、どうぞ。
○成川委員 ありがとうございます。北里大学の成川です。
 手短に1点だけ御質問させていただきますけれども、種々の成果が着実に出ていることを拝見して、非常にうれしく思っておりました。質問は、見込評価のほうの17ページですけれども、小児医薬品開発ネットワークの話です。小児医薬品の開発は、国を挙げて、今、全国的にやっているところでありまして、そのネットワーク支援事業でいろいろな取組がされていることについては非常にありがたく思っているところでございます。
 左側の支援実績のステータスというところを見ますと、比較的昔のものについても企画中とか計画中というものがあるのですけれども、これらの中には今後進んでいく見込みがあるようなものがどれぐらいあるのでしょうかという質問をさせていただきたいのですけれども、お願いします。
○国立成育医療研究センター松山臨床研究センター長 ありがとうございます。
 先生御存じのように、この領域というのは、積極的に製薬企業の方々が開発していきたいというふうになかなか思われない領域でございます。こういった小児医薬品開発ネットワーク支援事業では、製薬協のタスクフォースとも連携しながら、こういった各学会からの御要望等を形にするために開発の支援のリストというのをつくって、開発の要望を上げていく。さらに、こういった治験に対しての学会、ネットワークを開けた形で治験実施についてサポートするということを行っております。努力が承認取得に結びついていっているものが非常にわずかではありますけれども、この承認取得実績に示させていただいたように、継続して実施しているケースというのももちろんございまして、それが承認の取得につながっております。
 ただ、これらのものについて、まだ開発企画中というものに関しましては、なかなか連携というところであるとか、あとは、積極的に今、先生が実施されているようなPMDAへの相談というプッシュが私どもも足りないのかなと思って反省しておりますが、何とかここに風穴を空けないといけないという状況でございまして、年に数回のこういった活動を通じまして、企業のほうにも何とかこれを形にしていただけないかということについて、アピールは続けておるという状況でございます。
 今後、こういった枠組みというのは、社会的にインフラとして整備していくという観点が非常に重要なものでございますので、何とか患者さんたちも巻き込んだ形で積極的に産業界にも働きかけていくというふうな形で、この事業を今後ますます展開させていただきたいと考えております。先生にもますますの御尽力いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○成川委員 ありがとうございます。確かに相手あってのことですので、そう簡単にいかないというのは御説明のとおりだと思います。ぜひ継続的にフォローアップをよろしくお願いいたします。
 私は以上です。
○国立成育医療研究センター松山臨床研究センター長 ありがとうございます。
○土岐部会長 ありがとうございます。
 どうぞ、根岸委員。
○根岸委員 根岸です。よろしくお願いいたします。今年度、令和7年度、大変貴重な成果を上げられて、すばらしいなというふうに伺いました。
 2点質問させてください。
 まず、評価項目1-1の8ページです。先ほど中野先生からも御質問があったところですけれども、ES細胞由来の肝細胞移植というのが5例、世界初の再生医療ということで成功裏に終わったと。これも本当にすばらしいことだなというふうに伺いました。この5例については、橋渡し医療ということですけれども、全てその後の生体肝移植に至ったというふうに思ってよろしいのでしょうか。それと、その後の経過について教えていただきたいです。まず、1点がそれです。
 それから、2点目が、同じく評価項目1-1の10ページになりますけれども、産後の入浴についての御研究の結果が出ているかと思います。これまで産後入浴については、退院後1か月ぐらいはシャワー浴にするようにというような指導で来たかと思うのですけれども、こちらの研究によって安全性と有効性が確認されたということで、1つは、統計学的なデータの解析に基づいて有意差が認められたというふうに理解していいのかどうか。そして、この結果を、特に産後ですと、様々な精神面でのマイナートラブルがある場合がありますから、それの回避ということで、今後、これを臨床で生かして、産後すぐの入浴をもう進めていいのかどうか、教えてください。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 1点目に関してお答えさせていただきます。5例については、全例生存しております。現在、神経学的な合併症を残さずに、元気に幼稚園あるいは小学校に通っております。全例が生体ではなく、3例が生体肝移植、2例が脳死間移植で、共にうまくいっております。私は失業してしまうかもしれませんが、今後はこの細胞の治療だけでお子さんたちが移植なしで行けるように、研究所と一緒に鋭意努力してまいります。ありがとうございます。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 それでは、産後の入浴に関して、私のほうからお答えしたいと思います。私も産婦人科医なのですが、つい最近まで、本当に委員がおっしゃってくださいましたように、産後はシャワー浴と、入浴はいけませんよということで御指導してきたわけですけれども、しかしながら、この研究によりまして、特に真ん中を見ていただきたいのですけれども、子宮内膜炎も産後の会陰部の感染もなかったということで、このデータをもちまして、今後、シャワー浴だけでなくて、入浴を勧めてもいいのではないかということだというふうに思っております。
 あと、その下に満足度が特に非常に高くて、EPDSの点数も下がっているということの報告もありましたので、産婦さんたちの状態もメンタル的にも非常にいいのではないかというふうに考えております。
○根岸委員 御説明ありがとうございました。よく分かりました。
○土岐部会長 ほか、よろしいですか。どうぞ。
○松前委員 松前でございます。大変貴重な研究につきまして御説明をいただきまして、本当にありがとうございます。
 その中で、資料1-2にあるファースト・イン・ヒューマン/ファースト・イン・チャイルドというところでございまして、昨年、2件の実績があったということで、これが中期計画の中で、3件は実施できなかったけれども、大変貴重な2件があったというふうに受け止めております。この2件、貴重なものにつきまして、Sの評価の中で評価するに当たっては、どこを強調したらいいのか。普及活動とか、そういうところ、先ほど少し御説明があったと思いますけれども、もうちょっと説明をいただければと思います。
○国立成育医療研究センター松山臨床研究センター長 ありがとうございます。松山でございます。
 本当におっしゃっていただいたように、このファースト・イン・ヒューマン/ファースト・イン・チルドレンというのは、ドラッグ・ラグ/ロスの解消という観点からも非常に大きな社会課題というふうに私たち、捉えてございます。その中で、こういった形で、令和6年ではありましたけれども、実績としてファースト・イン・ヒューマン/ファースト・イン・チルドレンを進めることができたということ。これをもって院内の体制の構築ということにつきましても、実際に実例とともに、これを知識化しまして継続させていくという活動を今、いたしております。
 特に、今後につきましては、再生医療であるとか遺伝子治療といったところでのカルタヘナの対応であったり、これはなかなか喫緊の課題でございます。病院経営的なところも含めまして、どのような体制にしていくのかということについては、非常に多くの学びというのがこういったケースから得られたということは、非常に大きなことだというふうに考えております。
 また、こういった知識の伝達のために、特にファースト・イン・ヒューマン、遺伝子・細胞治療に関しましては、マニュアルの整備というものにつきまして、臨床研究センター、遺伝子診療センターを中心に実施しております。こういったマニュアルが整備されれば、今後、ほかの拠点での実施ということにつきましても、全国のこども病院、小児科と連携しながら実施していくということが可能になると考えてございます。このための橋渡しとして、今回の成果というのをうまく利活用していくというふうに我々、考えております。どうもありがとうございます。
○土岐部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、時間となりましたので、研究開発の成果の最大化に関する事項につきましては、以上とさせていただきます。
 続きまして、医療の提供とその他の業務の質の向上に関する事項の評価項目1-3から1-5について議論したいと思います。先ほどと同様の流れで、まずは法人のほうから御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 資料26ページを御覧ください。評価項目1-3、医療の提供に関する事項につきまして御紹介させていただきます。
 先ほど来議論になっておりますけれども、当センターでは、心臓、肝臓、腎臓、小腸の移植を実施しております。26年3月末までに累計1,077例の小児臓器移植を実施しておりました。
 心臓移植につきましては、21年8月に第1例目を実施して以来、現在まで6例の小児脳死移植を実施し、全例が補助人工心臓を装着した状態で待機しておりました。6例中5例が日常生活へ復帰しております。
 肝移植につきましては、26年3月末時点で生体移植が849例、脳死の移植が105例、累積生存率は5生で93.9%、10年で93.1%。全国が5年で88.4%、10年で86.6%ですので、全国平均より約6%上の良好な成績が得られております。
 当センターでは、年間10~15例の脳死移植を実施しておりますが、より多くの末期肝不全患者に移植機会を提供するために、1つの肝臓を2つに割って2人の患者さんを救命する分割肝移植を積極的に推進しております。
 一方、生体ドナー手術においては、2022年4月の保険収載以来、腹腔鏡の中で肝臓の外側区域を切除する手術を25例に行っておりまして、今後、さらに低侵襲化を目指してロボット手術の導入を考えております。
 なお、本年3月18日には、当センターにおいて臓器移植1,000例記念式典を開催いたしました。これまで当センターの小児の臓器移植医療に御支援いただきました関係者の皆様、患者さん代表者にも御出席いただきまして、小児臓器移植の歩みを振り返るとともに、本邦における小児臓器移植のさらなる発展に向けて、当センターが果たすべき役割について議論いたしました。今後は、小児脳死下の臓器提供の推進、移植実施体制の整備、人材育成や国際連携を通じまして、本邦の小児移植のさらなる発展に貢献してまいりたいと思います。
 続きまして、資料27ページを御覧ください。令和7年度、ERの受診患者数は2万1593人で、救急者の受入台数は3,470例、救急者の応需率は93%でございました。紹介患者は3,532人で、転院搬送は416件。そのうち転送チームによる搬送は52件になっております。また、ER受診患者の15%に当たる3,232人が入院し、そのうち12%の387例が小児のICUへ入室しております。
 右上の図に示しますとおり、ICU症例の転院搬送は東京都内に限らず、関東近県を中心に全国に及んでおります。飛行機、ヘリコプター、救急車両等を活用しまして、重篤な状況にございます小児患者の長距離搬送においても、当院の専門搬送チームを起動しまして安全な搬送を実践しております。
 下段の円グラフを御覧ください。25年度の入院患者数は1057例でございました。疾患の内訳といたしましては、脳神経系と呼吸器系が50%を占め、循環器系・消化器系が続きます。外因性疾患では、交通事故の減少や小児事故の予防もございまして減少傾向にあるものの、一定数の受入れを行っております。入室患者の50%は、予定外の緊急症例でした。
 下段右を御覧ください。ICUで行われた主な治療です。機械的臓器補助といたしまして、侵襲的人工呼吸、血液浄化、ECMOや人工心臓が行われております。血液浄化とECMO、人工心臓は、国内最多の症例数でございます。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 それでは、続きまして、女性の健康総合センターの医療に関しまして御報告いたします。
 まず、上の図を御覧ください。プレコンセプションケアセンターは、診療およびこども家庭庁プレコンセプションケア推進5か年計画に準拠いたしまして、プレコンセプションケアを多面的に進めているところでございます。資料に外来、検診・カウンセリング、相談外来の実績を示しておりますので、御覧いただければと思います。
 次に、妊娠と薬情報センターですが、全47都道府県拠点病院と協力いたしまして、国内外から集積した安全性に基づき、妊娠と授乳中の薬剤使用に関する相談に応じているところでございます。妊婦投与が禁忌の吐き気止めでありますドンペリドン、また双極症の治療薬であります炭酸リチウムに関しまして、禁忌から妊婦の記載が除外されることに、今回貢献しております。
 産後ケア推進部は、現在、院内で実施しておりますが、利用者数を増やしているところで、ここにはちょっと数値をお示ししていませんが、令和7年度は173件ということになっております。
 下の左図は外来患者の延べ人数です。
 また、右側でございますが、令和7年度は、女性精神科設置。
 また、先ほどお話が出ました思春期月経外来を設置いたしました。
 また、妊孕性温存を目的とした卵子凍結を開始しているところでございます。
 以上でございます。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 次に、中長期の22ページを御覧ください。臨床研究の分野におきましては、先ほど来申し上げているとおり、ES細胞を用いました肝移植を5例行っております。複数臓器不全の小児患者に対して、生体ドナーや脳死ドナーの双方からの臓器提供による肝・小腸異時移植を実施するなど、高度かつ先進的な移植医療を展開してまいりました。さらに、本邦における臓器移植の発展に寄与するために、各種診療ガイドラインの指針の策定にも積極的に参画しております。
 教育・人材育成の面では、国内外から多数の医療従事者、10年間で596名を受け入れており、小児臓器移植に関する診療技術や周術期管理に関する教育を行ってまいりました。
 また、インドネシア、ベトナム、カザフスタン、エジプトなどをはじめとしました、小児生体肝移植の医療の発展が求められる国々に医療チームを派遣しまして、現地医師と協力して手術及び周術期管理を支援することで、小児肝移植プログラムの確立と発展に貢献してまいりました。当センターは、臨床、研究、教育、国際協力を通じて、本邦における小児移植医療の中核施設としての役割を果たすとともに、世界の小児医療の発展にも貢献してまいります。
 続きまして、資料23ページを御覧ください。ERでは、断らない医療の方針の下、年間2万件以上の救急外来の受診、3,000~4,000の救急車の受入れを維持し、ERからの入院も年間3,000件以上となっております。転院搬送も近年は年間400件を超えておりまして、地域にとどまらず、重症小児を広く受け入れる体制を維持しております。
 下段中央を御覧ください。PICUの入院数・症例数は、コロナ禍による減少後、コロナ前と同水準の年間1,100例を維持しており、国内最多でございます。小児人口の減少を考えますと、集約化が進行しつつあると考えております。
 資料24ページを御覧ください。胎児治療を日本に定着させたという成果について御説明します。胎児治療は、生後では救命が困難あるいは重篤な後遺症を残すと思われます先天性疾患に対して、胎児期に子宮内で行う治療であり、後遺症なき児の生存を目指す究極の成育医療でございます。当センターは、双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下レーザー手術、胎児胸水に対する胸腔シャント、無心体双胎に対するラジオ波の焼灼術について、臨床研究や全国調査を主導しまして、その有効性、安全性を示唆し、保険収載につなげてまいりました。
 胎児治療に対する総説や治療指針の発信を通じまして、治療適応や手術手技を標準化し、全国へ普及させてまいりました。その結果、胎児治療は現在、日本の周術期医療における標準的治療として定着しており、2025年までに当センターの累積治療成績は、レーザー手術が856件、胸腔シャント203例、ラジオ波焼灼術85例に達し、全国の胎児治療を牽引しております。
 当センターは、胎児治療の研究開発から保険収載、全国普及までを一貫して推進し、全国の胎児治療の発展に大きく貢献いたしました。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 それでは、25ページを御覧ください。女性の健康総合センターから御報告いたします。
 まず、上の段を御覧ください。これは先ほど申し上げたことと重なりますので、簡潔に申し上げます。プレコンセプションケアセンターでございますが、既存の診療の見直しを行いながら、診療では妊娠前/産後、次の妊娠への管理の提供など。また、事業といたしましては、TOKYOプレコンゼミ受託、啓発資材作成を実施いたしました。
 また、妊娠と薬情報センターは、先ほども申し上げましたとおりでございますけれども、拠点病院、令和8年度4月現在で64拠点となっております。
 また、産後ケア推進部でございますが、産後ケア多職種連携協議会、これは10参加団体による専門家の協議会でありますけれども、そこを立ち上げまして、調査検討委員会、安全管理委員会、教育研修検討委員会の3委員会を設置して活動しているところでございます。
 中段を御覧ください。成育ウェルネスチェックを立ち上げました。これは女性のライフステージに合わせた健診によりまして、一生涯の健康を支援するものでございます。まず、Youthコースとして18歳から20歳まで開始したところでございます。この健診では、身体的健康だけでなく、心理・社会的健康及び性や生殖の健康を重視した健診モデルとして、順次、思春期、更年期世代に拡充していくところでございます。
 下の段を御覧ください。女性総合診療センターの診療科を、ピンクのところでございますが、示してあります。互いに連携した女性総合診療を私たちは目指しておりまして、さらに既存の小児科、周産期の部門とも連携体制を取り、診療を実施しているところでございます。先ほどの報告に加えまして、令和8年度には更年期外来、周産期メンタルヘルスセンター、産科麻酔トレーニングセンターが設置されております。今後ともこの診療を充実していく所存でございます。
 以上でございます。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 続いて、評価項目1-4、人材の育成につきまして御紹介させていただきます。
 資料30ページを御覧ください。人材育成では、成育医療・研究を牽引する人材の育成と、国内外への人材供給を進めました。R7は、当センター職員が所属学会での理事長相当12名、副理事長5名、理事69名、評議員・代議員192名など、計281名が役職に就任しています。
 また、病院・研究所間の人材交流、研究マッチング、若手医療従事者への研究教育、OJT、論文執筆支援により、小児科専攻医の論文は23件、このうち英文が20件となり、レジデント・フェロー等が英文論文66件を作成いたしました。
 また、国内外からも積極的に研修生を受入れ、2025年度は国内から400名以上、海外からは過去最高となります100名以上の研修生を受け入れております。
 また、当センターの小児科専門研修医は計262名。1年14名ですので、それが指導医115名によって指導されております。それらが全国の基幹病院で現在活躍しております。
 以上により、人材育成拠点としての役割を着実に果たしていると思います。
 続きまして、中長期27ページを御覧ください。第3期中長期の目標を通じまして、当センターは成育医療研究分野のリーダー人材を継続的に輩出しております。21年以降だけでも、感染症、周産期、分子内分泌、小児外科、アレルギーなど、幅広い分野で当センターの職員が大学教授に就任しており、2015年から11年連続で大学教授を輩出しております。
 また、小児科学会では、口演ポスターを通じて継続的に研究成果を発信し、若手医師が全国規模の学会で経験を積む機会を確保しています。
 加えて、小中学生を対象に、実際の医療機器を用いた手術体験を行う「ブラック・ジャックセミナー」を毎年開催し、毎年約40名、累計約600名が参加し、数名、医師になっております。
 専門人材から次世代の担い手まで、成育医療を支える人材育成に継続的に貢献しております。
 続きまして、33ページを御覧ください。評価項目1-5、こどもや家族のウェルビーイングを推進する社会環境の整備について御説明いたします。
 当センターでは、政策医療や母子保健におけるツール開発を通じまして、単なる研究にとどまらない社会環境の整備を推進しています。7年度の具体的な成果としましては、まず、東アジア特有の文化的背景を反映した、慢性疾患を抱えるこどもの養育者のQOL概念モデルを構築いたしました。
 また、思春期のメンタル不調を身体症状から早期検知する予測指標を開発し、小児科現場でのスクリーニングを可能にいたしました。科学的根拠に基づく政策の評価、意思決定にも貢献してまいりました。
 ダニ舌下免疫療法が、わずかな医療費の増加によって入院数を65%減少させるという高い費用対効果を示すことを実証しました。
 また、HPVワクチン接種後に体調不良を訴えて受診した患者に関する全国規模のサーベイランスを4年間継続し、国の検討会へ定期報告いたしました。
 資料34ページを御覧ください。小児と薬情報ネットワークでは、電子カルテの情報等をリアルタイムで修正し、R7年度末には43施設から150万人を超える、小児周産期領域では国内最大級のデータベースを構築しております。
 このデータベースを用いて、ファモチジンの有害事象や小児禁忌薬、新型コロナウイルス感染症治療薬など、医薬品の使用実態と安全性に関する調査を進めてまいりました。
 データの利活用は、アカデミアでは累積24件、製薬企業等で累積10件となり、企業による利用を新たに3件増加いたしました。引き続き、データの質と対象施設の拡充を図りまして、小児医薬品の安全対策と開発の双方に貢献してまいります。
 資料35ページを御覧ください。治験ネットワークは55施設、6,850床の小児病床を基盤としております。
 小児治験の質の実施スピードの向上に取り組んでまいりました。R7年度末までに企業治験が累積155件、製造販売承認の取得は累積50品目となりました。潰瘍性大腸炎、てんかん重積状態、便秘、COVID-19、2型糖尿病など、7品目が承認されています。
 また、小児CRC部会の会員も191名に拡大し、人材育成と施設間連携を進めました。
 妊娠と薬情報センターでは、全国64の拠点病院と連携し、令和7年度に妊娠741件、授乳163件、合計904件の相談に対応いたしております。今後もこどもと妊産婦が必要な薬剤を安心して使用できる環境を整備してまいります。
 36ページを御覧ください。重い病気を持つ小児を受け入れる医療型短期入所施設として、もみじの家を平成28年4月25日に開所しております。今年で開所10周年になることから、記念式典を開催させていただきました。
 また、その運営に基金を設けております。高額寄附による寄附金額が大きく増加しました。件数についても増えております。今後、広報活動やホームページなどの活用により基金を増額するとともに、適正な使用による療養環境の改善・整備を行い、患者さんと家族がより快適な環境で過ごせるようにしたいと思います。
 もみじの家は、これからより多くのこどもたちと家族に希望と安らぎを提供できる存在でありたいと考えております。
 続いて、中長期の29ページを御覧ください。評価項目1-5、こどもや家族のウェルビーイングの推進につきまして、5年間の社会環境整備の取組を御説明いたします。
 こどもたちの声を聴き、それを社会や政策に反映するための多様な取組を展開しております。
 具体的な成果といたしまして、まず、入院経験者19名へのインタビューを基に、療養環境を考える「ミライの病院づくり会議」を実施しました。
 また、米国小児科学会と共同やアドボカシー教育プログラム(CHAT)、チャイルドアドボカシートレーニングプログラムを通じ、こどもの声を代弁できる医療従事者の養成を推進してきました。
 さらに、院外では「自治体こども計画」の策定・実装支援セミナーを開催し、228もの自治体が参加しております。
 そして、児童と共同した、コロナ禍の1,500名規模の全国調査を基にメンタルヘルス資材を作成し、日本と英国の児童、計24名と国際提言も行いました。このように、こども自身が主体的に参画する基盤を構築しまして、政策への反映を推進しております。
 資料30ページを御覧ください。小児と薬の情報収集ネットワークでございますが、R7、43施設150万人を超える小児周産期の領域に特化しました、国内最大級の医療データベースです。
 アカデミアによる利用回数は、令和4年の累積7件から7年の24件へ、製薬企業等による利用は3件から10件へ増加しました。データを用いました小児における医薬品の使用実態や有害事象、新薬・適応追加薬等の調査を継続的に実施してまいります。単にデータを収集する段階から、安全対策や研究、医薬品開発に実際に活用する基盤へと発展したことが、本期間におけます大きな成果でございます。
 31ページを御覧ください。中長期期間を通じまして、治験のネットワークは55施設6,850床を有する治験実施基盤として、その機能を強化してまいりました。
 治験実施数は先ほど申しましたが、3年度の86件から令和7年度には155件、製造販売実施取得も23品目から50品目へ倍増しております。希少疾患を含む幅広い小児疾患において、国内の治験承認取得においても貢献しております。
 妊娠と薬情報センターについても、全国64の拠点病院と相談体制を整備いたしまして、妊娠中及び授乳中の薬剤使用に関する情報提供を全国規模で継続しております。
 もみじの家でございます。資料32ページを御覧ください。10周年記念については、先ほどお話しさせていただきました。中長期目標を通じましたもみじの家の利用者数と1日平均在院患者数についてですが、コロナ後、利用者数は確実に伸びてきております。これはもみじの家の認知度・必要度が上がった成果であると考えており、また現在、18歳までの入所者の年齢を21歳まで引き上げる検討を行っているところでございます。今後、さらなる広報活動やホームページの利用により利用者数を増やすとともに、1日平均在院日数を増やしていきたいと思っております。
 1-3から5までは以上でございます。
○土岐部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問をお受けしたいと思いますが、まず、私のほうから2点ございます。
 1点目は、病床の利用率のことなのですけれども、今年度のデータは84%ですけれども、すみません、資料1-2の24ページになりますが、こちらのほうは達成度が90.2というふうになっておりまして、過去が106%の達成度。一方、実際の利用率そのものは資料1-6のほうを見るとどんどん上がってきているのですけれども、達成率のほうは、途中で多分、ハードルを上げられたのでしょうか。今年は90になったというのですけれども、かなり大胆なことをされて達成率のハードルを上げられたなというのがあったので、もし昔のデータが分かったらというのと。
 それで実際聞きたかったのは、稼働率84というのは大変なのですけれども、どうしても小児疾患というのは季節性が強いのですが、そこをどういうふうにして季節的な変動を最小限に減らしておられますかというのが1点目の質問でございます。いかがでしょうか。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 ありがとうございます。
 現在、病院および女性の健康総合センターを含め、490床のうち444床の稼働を目標としております。少子化が進む中で非常に高い目標であることは、土岐先生の御指摘のとおりと認識しております。一方で、患者さんを広く受け入れ、病院経営を安定させるためには、一定の高い目標を掲げることも必要です。そのため、職員全体で目標を共有し、444床という数字を設定しております。
 病床利用には季節変動があり、特に夏休み、冬休み、春休みには高くなる傾向があります。現在も440床を超えております。小児医療では、学校生活や保護者の仕事などの事情から、長期休暇中に入院や治療を希望される患者さんが多く、この季節変動を完全に平準化することは困難です。
むしろ、こうした小児医療特有の季節性を診療報酬上どのように評価できるかについて、現在JACHRIをはじめとする小児医療施設の間でも議論を進めております。
 以上でございます。
○土岐部会長 ありがとうございます。
 あともう一点、移植のことをお伺いしたかったのですけれども、今年の診療報酬改定で恐らく脳死ドナーが増えるだろうというふうに言われておりまして、移植の件数がさらに増えるのではないか。そうなりますと、院内のいわゆるマンパワーとして対応は可能でしょうかということと。
 もう一点は、成育の場合、地域医療体制確保加算2でしたか、あれは小児外科というのは対象になって取れるようなことになっておるのか。2点目は、私、あまり知識がなかったので、一度お伺いしたかったのですが、いかがでしょうか。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 ありがとうございます。
 臓器移植の診療報酬につきましては、厚生労働省の御尽力により、今回大幅に引き上げていただき、大変ありがたく受け止めております。一方、小児では、脳死下の臓器提供そのものが年間15例から20例程度と非常に限られております。6月の診療報酬改定以降、成人では脳死移植が増加しておりますが、小児の場合には、脳死提供を決断される御両親、御家族の心情など、小児特有の事情がありますので、成人と同じように提供数が増加することは容易ではないと考えております。そのような状況だからこそ、当センターでは、手術部、看護部、事務部門を含め病院全体で協力し、小児の脳死移植については、原則として断らないという方針をこれまでも取ってまいりましたし、今後も堅持してまいります。
 また、診療報酬に関連して、外科医へのインセンティブについて申し上げます。当センターは、複数の要因から地域医療体制確保加算2を取得することができません。しかし、消化器外科、小児外科、移植外科に加え、心臓血管外科、脳神経外科など、高度な外科医療を24時間支えている医師の勤務負担は非常に大きいものがあります。こうした高度外科医療を将来にわたって維持し、次世代の外科医を確保・育成していくためにも、今回の診療報酬改定を契機として、当センター独自のインセンティブを設ける必要があると考えております。現在、事務部門、病院幹部、理事長とも協議を進めており、年度内の実現を目指して健康しているところでございます。ありがとうございます。
○土岐部会長 よろしくお願いいたします。
 どうぞ、田極委員。
○田極委員 ありがとうございます。田極です。
 資料1-2の29ページですが、人材育成に関する事項というところで、小児科後期研修医を毎年10人以上採用というところでございますが、目標値が令和7年度12人以上のところを10名だったので、達成度が83.3%で残念ながら満たなかったということになっておりますが、今までも非常によい成績を上げられてきた中で、令和7年度が下がってしまったというところについては、今までの御説明を拝聴しますと、いろいろな取組をされていて、現場の先生方の御負担もかなり大きくなっているのかなというところがありまして、臨床とか治験とか、いろいろ取り組まれておりますので、そういった中で指導医の先生方の御負担も増えて、専攻医をなかなか採れないといったこともあるのか、あるいはそもそも専攻医がなかなか集まってこないのかといったところについては、どのように分析されているでしょうか。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 ありがとうございます。
 こちらは従来14名でございましたが、東京都における小児科医のシーリングの影響もあり、応募者数が減少したことによるものでございます。一方、当センターには小児科領域の指導医が115名から120名程度おります。レジデント・フェローの受け入れによって、指導医の負担が過度に増加し、疲弊しているという状況には、現時点ではないと認識しております。
むしろ、当センターの役割として、十分な指導体制のもとで若手医師を育成し、将来の小児医療を担う人材を全国に輩出していくことが重要であると考えております。
以上でございます。
○田極委員 ありがとうございます。
○土岐部会長 それでは、ウェブのほうから前村委員、どうぞ。
○前村委員 前村です。
 今の御質問とも関係するのですけれども、同じことを聞きたかったのですが、シーリングがかかって10名しか採れなかったということで、これに関して、次の30ページの右下の地域偏在が非常に言われていて、それを解消するための一つの方策として、専攻医の数にシーリングをかけて地域ごとに決めるということがやられていますが、今まで小児科はかかっていなかったと思っていたのですけれども、小児科もかかるようになったということでびっくりしました。内科はかかっているものですから、内科も含めてお聞きしたいのですが。
 (4)の図にありますように、先進的なところで専攻医としての修練を受けて、それから地方に行くというのは、1つのいい形なのではないかと思って、これはまさしく成育医療センターで後期研修された医師が地方のほうに行かれているということを示していると思いますけれども、お聞きしたいのは、これは自主的に地域に行こうとするのでしょうか。それとも、最初の募集の段階で、それぞれの地域の先生が成育医療センターで一定期間、修練を積んで、また帰っていこうということで地域に分散するということがなされているのでしょうか。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 先生、ありがとうございます。
 成育医療研究センターでは、全国からレジデント・フェローを募集しております。大分前になるのですけれども、昔は小児科医の10人は1人は成育医療研究センターを通って地域で研修していたということが言われております。成育医療センターは、小児科医あるいは小児外科医の教育施設として大変に有効な教育体制を敷いてきたのではないかなというふうに思っておる次第です。
 こちらはレジデント・フェローだけではなくて、例えば短期間で小児がんの研さんを積みたい、あるいは短期間で小児外科の専門医のために成育医療研究センターで学びたいとか、そういった方々も現在たくさん受け入れておりますので、レジデント・フェロー以外でも成育医療研究センターで学んだ後に地方に行く例というのもございます。また、レジデント・フェローの教育の一環としまして、例えば半年間、沖縄のほうに出向して研修するといったプログラムが最初から組まれておりますので、地域での医療にも貢献することができているのではないかなと愚考している次第でございます。
 以上でございます。
○前村委員 ありがとうございます。
 そうすると、先ほどの話に戻ると、せっかくこういうシステムができているので、全国から成育医療センターでもう少し修行できる人数を、シーリングをかけないで採って、それからまた地方に戻っていくという制度もありなのかなと、個人的には思いました。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 ありがとうございます。我々もそのように考えております。どうもありがとうございます。
○前村委員 ありがとうございます。
○土岐部会長 続きまして、中野委員、どうぞ。
○中野委員 中野でございます。御説明をありがとうございます。
 私のほうからは、評価項目1-3に関して御質問させていただきたいと思います。令和7年度、さらには中長期目標、双方に関わることでございますけれども、肝臓移植をはじめとして、移植医療を本当にたくさんの患者さん、しかも高い生存率ですばらしい医療を展開されている上に、重症疾患の治療。さらには、救急車の応需率が令和7年度も93%ということで、地域の時間内あるいは救急小児医療への貢献も大であると、これらの資料を拝見して思っております。
 高い評価に値すると思いますが、ここでお尋ね申し上げたいことは、例えば令和7年度の救急車応需率が93%。頻度としてはお断り率が少ないのですけれども、断らざるを得なかった7%という患者さんは何か特徴があるのか、あるいはいろいろなことで病院のほうのスタッフが足らずに、どうしても当該患者さんを受け入れられなかったのか、患者さんの特性とか病院側の事情として、何か特徴があれば御教示いただきたいと思います。
○国立成育医療研究センター笠原病院長 中野先生、ありがとうございます。
 残る約7%につきましては、その多くが頭部外傷でございます。当センターの脳神経外科では、脳腫瘍をはじめ、脊椎後根切除術などの高度で緊急性の高い手術を日常的に行っております。そのため、手術が重なっている場合などには、頭部外傷の受け入れが困難となることがございます。また、患者さんの状態によっては、当センターまでの搬送そのものに危険を伴い、より近隣の医療機関へ搬送する方が安全であると判断する場合もございます。こうした場合には、東京大学医学部附属病院、日本医科大学付属病院、日本大学病院、東京都立小児総合医療センターなどと連携し、東京都内の小児頭部外傷について相互に補完しながら対応しております。
従いまして、単に受け入れをお断りするということではなく、その時点で患者さんにとって最も安全で適切な搬送先を選択するという考え方で対応しております。
以上でございます。
○中野委員 ありがとうございます。承知いたしました。
○土岐部会長 どうぞ、庄子委員。
○庄子委員 庄子です。よろしくお願いいたします。
 年度評価の28ページ、女性の健康に係る医療の取組についてお尋ねというか、ちょっと感想になるのかもしれないですが、お話ししたいと思います。プレコンに関しては、プレコンの診療をやられていて、東京のプレコンゼミにも講師派遣されているということはこちらも承知しております。そして、中期計画のほうを見て、成育ウェルネスチェックということで、ユースのところにも始められて、今後思春期だということをお話しされていたと思います。
 我々メディア企業として、女性の健康はかなりいろいろ取り上げてきているのですが、その中で思春期はすごい大事だなというのは思っていたところで、先ほど思春期医療がライフコースの一番のベースというお話が出ていたと思いますが、本当にそのとおりだなと思ってお聞きしておりました。
 そんな中で、思春期の月経外来を開設されたということで、これは実際、どのぐらいの受診の方がいらっしゃるのかとか。それから、うちが「日経メディカル」という雑誌を出しているからあれですけれども、「日経メディカル」という雑誌で医師にアンケートをしたところ、非専門医の特に小児科医の方が、患者さんから月経痛の相談を受けるのだけれども、対応にすごく苦慮している。初潮の年齢が今、10歳ぐらいとかから大分下がっているので、小児科の先生が診ることが多いと思うのですが、すごく苦慮しているというお話があったので、この思春期のところに関しては、学校教育とどんな連携とかをされる御予定があるのかとか、一般診療医、小児科の先生方も含め、どんなことをされる御予定があるのかをお聞かせいただければと思います。
○国立成育医療研究センター小宮女性の健康総合センター長 御質問ありがとうございます。
 まず、思春期月経外来にどのぐらいの患者さんがいらしているかということについて御説明いたします。現在、先ほど理事長がお話ししましたエリザベス・ミラー先生と、小児内分泌代謝内科の小児科医が、それぞれ別枠で診ております。それぞれの外来、小児科の先生のほうは昨年の8月から開始しておりますので、患者さんが定着してきてきちんと枠を、といっても10名以内だと思いますけれども、1日、そのぐらいの数は来ている。
 あとは、エリザベス・ミラー先生は、今、開設したところなので、まだ少人数ではございますが、非常にメンタル絡みであったり、痩せとか栄養の問題とか、そういうことに絡んで、そのような方が受診されているというのが特徴だと思います。これからますます増えていくような外来になるのではないかということで、まだ周知されていない部分もありますので、周知しているようなところがございます。
 あとは、小児科の先生の対応なのですけれども、これがまさしく思春期月経外来を立ち上げた大きな要素でございまして、小児科の先生と産婦人科が思春期の方、月経を診ていたところでございますけれども、そこが非常にディップになっていて、一番診察がしにくい、そして患者さんも来にくいということで、婦人科のハードルも高いということがあって、小児科医の先生も一緒に、逆に言うと小児科医の先生がリードしていただくということでもいいと思うのですけれども、そこがリードしてはじめて、月経とか、そういうものに対応できるのではないか。
 それで、成育の中には小児科の先生方。あと、今回、女性の健康総合センターが立ち上がりましたので、婦人科医も入ったということで、そこで連携していきましょうと。そして、その思春期の月経の問題をどのように解決していくかということでもともと始まった外来です。なので、今後、成育医療研究センター、女性の健康総合センターから、小児科医と産婦人科医で連携ということになるかと思いますが、そういうところも発信してまいりたいと思っております。
 そして、その中に1つ大きなことがございまして、思春期トレーニングセンターというのは、まだ仮称でございますけれども、思春期を専門に診るような人材というのが必要ではないかということで、私たち、思春期トレーニングセンターというものの構想といいますか、案をつくっているところでございます。
 あと、学校との連携ということですが、文科省の壁が、非常にハードルが高いということは存じ上げております。しかしながら、今月、立教女子高校生あるいは中学生の、先ほど申し上げました思春期の健診といいますか、そういうところを開始しておりますので、徐々にそういう学校と、公立の学校はなかなか厳しいということで、そういうところから開始しておりますけれども、そういう学校と連携を取るような形で、こちらのほうもアプローチといいますか、連携を取るようなことを考えて検討して進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○庄子委員 ありがとうございます。期待しておりますので、よろしくお願いします。
○土岐部会長 ほか、よろしいでしょうか。
 根岸委員、どうぞ。
○根岸委員 根岸です。よろしくお願いいたします。
 人材育成について伺いたいのですけれども、7年度でいきますと1-4の30ページ、見込評価ですと同じく1-4の27ページ、両方にかぶると思うのですけれども、成育医療を支える人材育成に大きな貢献をされていると毎回伺っておりますけれども、ちょっとよく分からないのですけれども、最近、医師を目指す人たちがどの科を選ぶかということで、医師の科による偏在があるというふうによく聞きますけれども、そもそも小児科医を目指す人たちの現状でしょうか、それを教えていただきたいのですが。
○国立成育医療研究センター五十嵐理事長 理事長の五十嵐から御説明いたします。
 今から数年前までは、日本小児科学会に新たに会員となる小児科医は年間500名台でした。それがこの2年間、600人を超えています。
 小児医療・小児保健の仕事だけが小児科の仕事ではなく、教育委員会などの地域社会のための社会活動をすることも、小児科医としての大きな役割である。アドボカシー活動とも言いますけれども、私が小児科学会会長の時代から推奨してまいりました。特に女性の小児科医希望者が多くなっており、小児科医全体の4割以上が女性小児科医になってきています。
 以上です。
○根岸委員 ありがとうございます。
 学会に新規入会される方たちが増加しているということで安心いたしましたけれども、27ページでしょうか、小学生とか中学生を対象に実際の機械を使って学べるようなセミナーを開催しているとか、実際に成育医療研究センターで行われている研究・医療、あるいはこういった体験を通して小児科に関心を持つ人たちが本当に増えていくのではないかなというふうに思われます。
 それから、実際に研究医あるいは医師になって入ってきた人たち、若手研究医でしょうか、若手医師でしょうか、育つような環境をぜひ今後とも整えていただきたいなというふうに、切なる願いです。よろしくお願いいたします。
○土岐部会長 それでは、時間となりましたので、医療の提供とその他の業務の質の向上に関する事項については、以上とさせていただきます。
 最後に、2-1から4-1まで、業務運営の効率化、財務内容の改善及びその他業務運営に関わる事項につきまして、まず御説明をよろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター北澤理事 企画戦略局長のほうから説明させていただきます。よろしくお願いします。
 資料につきましては、1-2の37ページを御覧いただきたいと思います。評価項目2-1、業務運営の効率化でございます。自己評価をAとしております。
 Ⅱの指標の達成状況は、お示しさせていただいたとおりでございます。8項目中、6項目は目標を達成しております。
 39ページに評定の根拠を示しておりますが、次のページ以降で詳しく説明させていただきたいと思います。
 40ページを御覧ください。(1)ですが、働き方改革対応あるいは物価高騰等、収支の悪化要因が様々ございましたが、入院診療収益の増、業務運営の効率化によりまして、医業収益は前年度から5億2300万円の増収、経常収支も昨年度より1億9800円改善したところでございます。
 (2)です。経営改善に様々努めまして、医業収益は過去最高の約236億円となりました。
 (3)ですが、光熱水料など費用削減にも積極的に取り組んでまいったところでございます。
 41ページを御覧ください。職員全般の働き方改革でございます。令和6年8月に、これは文科省の関係ですが、ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ「女性リーダー育成型」という補助事業の対象に選定されました。ダイバーシティ実現推進室などを設置いたしまして、組織間の連携等によりまして、6年後に研究所の上級職、これは室長以上ですが、女性割合を36%以上にすることを目指しまして、在宅勤務システムの整備、女性研究者への研究費助成や各種セミナー開催、満足度調査の実施、PR冊子の配布などを積極的に行ったところでございます。
 42ページを御覧ください。医師の働き方改革でございます。ビーコンによります医師の勤務実績把握、医師事務作業補助者の常勤化等によるタスク・シフト等の推進、病院長の積極的なコミットメントなどを推進させていただきました。令和6年3月には、B水準、C-2水準の指定通知を受理したところでございます。グラフのとおり、医師の時間外労働状況も改善傾向にございます。
 続きまして、中長期見込評価の資料の33ページを御覧ください。自己評価はBとしております。
 Ⅱの目標と実績の比較、定量的指標ですが、紹介率、逆紹介率、看護師離職率、後発医薬品の採用率などについては、おおむね達成しております。
 経常収支比率につきまして、令和5年、6年度は100%を下回りましたが、令和7年度は目標を達成したところでございます。
 35ページを御覧ください。①の収支改善のうち医業収支は、令和5年、6年度は赤字でございましたが、令和7年度は医業収益が過去最高額、3年ぶりに黒字となりました。費用削減につきましては、ガス・水道の使用量の削減を達成したところでございます。
 ②の働き方改革につきましても、年度実績で述べましたとおり、医師及び全職員のダイバーシティの推進などに積極的に取り組んだところでございます。
 続きまして、評価項目Ⅲ-1、年度実績のほうの43ページを御覧ください。3-1 財務内容の改善に関する事項につきましては、自己評価はBとしております。
 Ⅲの評定根拠の収益の改善については、外部の競争的研究資金の獲得等に努力したところでございます。
 そのほか詳細については、次のページで御説明いたします。
 44ページを御覧ください。収益の改善の(1)でございます。共同研究を適切に実施するとともに、(2)ですが、「小児医療情報収集システム」に蓄積したデータを試行的に製薬企業3社へ提供したところでございます。
 また、(3)、(4)ですが、寄附の受入れについては力を入れておりまして、外部からファンドレイザーをリクルートいたしまして、令和7年8月にファンドレイジング室を設置し、遺贈寄附等資金調達モデルの確立に向けまして、企業・関係団体への活動を増やし、右のグラフにございますとおり、1件の遺贈、約3,000万円を受け入れるほか、寄附金の受入実績は、昨年度の2.6億円から3.9億円と増加したところでございます。
 ここには書いてありませんが、昨年7月にはNHKのテレビ番組で成育のPICUの様子が放映されまして、放映後のⅩの投稿が約560万回表示を超えるといったところがございました。また、寄附も100件以上受け入れるなど、大きな反響がございました。引き続き効果的なファンドレイジング、広報活動を進めていきたいと考えております。
 ②の外部医療機関からの検体検査受託の推進といたしまして、衛生検査センターでは138の外部医療機関と受託契約などを行いまして、5,300万円強の検査収入を得たところでございます。
 さらに、③ですが、医療機器等の投資につきましても、修理不能の更新機器を中心に選定を行うなど、適切に行ったところでございます。
 続いて、中長期見込の資料のほうの36ページを御覧ください。評価項目3-1につきましては、自己評価Bとしております。
 37ページでございます。①収益改善につきましては、企業・大学等との共同研究が141件に上りまして、「小児医療情報収集システム」に集積したデータの試行的利用については、製薬企業へ10件提供するなど、実績を上げたところでございます。
 寄附につきましても、合計8件、約2.1億円の遺贈をはじめといたしまして積極的に行いまして、受入実績が大きく伸びているところでございます。
 右の写真にあります、病院におりますファシリティドッグも、寄附による運営として実施させていただいております。
 ②外部医療機関からの検体検査受託も、令和7年度収益を約5,300万円まで増加させていただいております。
 ③健全な財務内容として、適切な投資を計画的に行いまして、医療機器もめりはりをつけて投資を行っているところでございます。
 続きまして、評価項目4-1、7年度実績の45ページにお戻りください。その他の事項として、自己評価はAとしております。
 中長期目標の内容、指標の達成状況は、お示ししているとおり、評定の根拠については、46ページに示しております。詳細は、次の47ページで御説明させていただきます。
 ①のコンプライアンス・ハラスメント対策・情報セキュリティー対策等の推進です。コンプライアンス室におきまして、一般相談窓口としての相談、情報発信、研修企画等を実施いたしまして、実績は、研修につきましては、新入職者、幹部向け、全職員向けのeラーニングや、コンプライアンスニュースを年に12回出すなどしたところでございます。
 情報セキュリティー等については、全職員対象の講習、不審メールへの対策、訓練などを実施したところでございます。
 (4)ですが、研究につきましては、研究費の不正使用、倫理指針における重大な不適合事案を踏まえまして、研究倫理研修の充実等を行いますとともに、研究管理体制の強化を図るため、新たに設置した研究適正実施調査室において、内部監査部門等と連携した研究費の執行状況等のモニタリングを実施しているところでございます。
 ②の広報の推進ですが、プレスリリース57件実施のほか、女性の健康総合センターのロゴや冊子を作成しております。パンフレットもリニューアルしております。なお、先ほども申し上げました「NHKスペシャル」でのPICUのドキュメンタリー番組は非常に大きな反響をいただいております。
 ソーシャルメディアは、広報媒体としてその重要性を増しておりますが、X(旧Twitter)のフォロワー数は、昨年度より4,000人増の2万3000人以上となったところでございます。
 続きまして、中長期見込の資料38ページを御覧ください。評価項目4-1 その他事項でございます。自己評価はAとしております。
 39ページを御覧ください。女性の健康総合センターでございますが、令和6年10月に設置されまして、女性の健康に関する司令塔機能を担うこととなりました。具体的には、女性の健康に関するデータの構築、女性のライフコースを踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的な推進、女性の体と心のケアなど、5本の柱を軸に事業を展開しているところでございます。
 また、下の欄でございますが、成育こどもシンクタンクにつきましては、令和4年4月に理事長のリーダーシップの下、理事長直下の組織として設置いたしました。医療や研究で得た科学的根拠に基づいた新たな知見を政策提言につなげ、自治体支援などにより社会実装までつなげていくことを目的に活動しております。
 40ページを御覧ください。②の職場のハラスメント対策等として、職員向け各種研修や、いわゆるカスタマーハラスメント対策として、ポスターの設置、警察OBの雇用や初期対応フローの検討などを行いました。
 また、下の段ですが、広報では、この期中に体制の強化を図りまして、新型コロナ禍では積極的に様々必要な情報提供を行いまして、またコロナが明けた後でも、先ほど申し上げたような「NHKスペシャル」などのメディア番組を獲得したところでございます。
 さらに、2025年度からファンドレイジング室を設置するなど、戦略的な寄附獲得を目指してきたところでございます。
 続きまして、この資料の次のページ、41ページにつきましては、財務状況といたしまして、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書をお示ししております。
 次の42ページを御覧ください。損益計算書の比較となっております。新型コロナ禍があったものの、医業収益につきましては徐々に改善いたしまして、令和7年度は久しぶりに黒字化したところでございます。経常収益も近年増えておりまして、下のグラフですけれども、運営費交付金については、この2年増加しておりましたが、これは先ほど来、御説明しております女性の健康総合センター新設等により増えているものでございます。
 経常収支差についても、3年ぶりに黒字化したところでございます。
 説明は以上となります。
○土岐部会長 ありがとうございます。
 委員の先生方から御質問等ございますでしょうか。
 中野委員、どうぞ。
○中野委員 中野でございます。御説明をありがとうございます。
 経常収支率が3年ぶりに100%を超えたということで、3年ぶりの黒字ということで、何よりでございます。もちろん、これは医業収益が上がって、一方で医療に要する費用をしっかりと効率的に運用されたことに尽きるのだと思いますけれども、3年ぶりに黒字を達成することができた一番の要因と、できれば、これを維持いただきたいわけでございますけれども、持続可能なように持っていくための方策というのを何か考えておられるでしょうか。
○国立成育医療研究センター北澤理事 ありがとうございます。
 一番の要因は、おっしゃっていただいたとおり、医業収益、医業収支差が1.8億円黒字になったというところが大きいかと思います。今年度の診療報酬改定というところがございますが、引き続き、この医業収益の改善については、病院長を中心に取り組んでいくというところが1点ございます。
 また、診療収益以外の部分でも、例えば企業との共同研究の知財化についても、まだなかなか進んでいないところではございますが、ライセンス収入等については約1,000万円ということで、数年前の200~300万円から比べますと伸びてきているといったところがございますので、そういったナショナルセンターが果たすべき研究開発成果の最大化というところを目指し、それを同時に知財あるいはそのほかの企業との共同研究、あるいは競争的研究資金もそうですが、いわゆる間接経費ということの収益もありますので、そういったところで診療収益だけに頼らない経営ということは、引き続き努力していく必要があるのではないかというふうに考えております。
○中野委員 ありがとうございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター五十嵐理事長 補足、よろしいでしょうか。
 過去3年間に人事院勧告が2回出ております。残念ながら、私ども、この人事院勧告に100%対応できませんでした。前々回はゼロ回答、そして前回は半分の対応でした。こうした状況が続きますと、近隣の小児医療施設、例えば都立小児病院、埼玉県立小児医療センターや神奈川県立こども医療センターなどの先生方に比べると、私どもの職員の収入が低いという状況になりかねないと、大変心配しております。
 こういう状況が続かないように何とか病院収益を上げるための努力をしております。今年度は恐らく9億円程度の診療費の増加に伴いまして増えるのではないかと期待しております。ただし、ひとたび大きな医療事故などがありますと、そういう評判も突然吹き飛んでしまうようなことになりかねません。十分注意して対応させていただきたいと思っています。人事院勧告には、ほかの施設と同じように、何とか100%対応したいと願っているところです。
 以上です。
○土岐部会長 すみません、いわゆるベースアップ評価料は取得されて、それを使った上でということでしょうか。
○国立成育医療研究センター藤岡総務部長 総務部長の藤岡です。
 ベースアップ評価料で算定した部分については、全て給与として支給しております。ただいま理事長からあったお話というのは、令和6年度の人事院勧告の水準の半分までしかできていない状況ですので、ベースアップ評価料を考慮した給与額であってもまだまだ不十分な状況であるということでございます。
○土岐部会長 ありがとうございます。
 あと、私から1点、細かいことなのですけれども、看護師の離職率というのが毎回、ちょっとクローズアップされて、離職率という言い方がよくないのかなと。実際、看護師さんを辞めてしまうのが本当の意味での離職だと思うのですけれども、例えば施設を移ってリーダーシップを取っておられるような場合は、離職とは言わないような気もするのですけれども、データをどういうふうに取っておられるのか。この数字はどう考えたらいいのか。
○国立成育医療研究センター萬看護部長 看護部長の萬です。
 離職率というのは、単純に退職者数と在職人数の割合というところになっていて、例えば他施設に看護師として就職するということは、イコール離職になっているのですね。なので、職種は変えなくても、今の施設を変わるというところがこの数に反映されているという実態はあります。
 今、14.5%で目標は達成しているのですけれども、日本看護協会の2025年の実態調査では、都道府県別で東京都は14.2%という離職率です。NHOとかNCとかは別の計算式でやっていて、日本看護協会の計算式で当てはめると当院は13.2%になるので、一般的な東京都の離職率よりは高くはないような状況なのですね。中身を見ると、一般的に3年目、5年目のキャリアの転換期というのがあると思うのですけれども、当院でも3年目までが3割、5年目までが3割という感じの経験年数の構成になっているというのは、ほかの病院でも同じかなと思うのですけれどもね。
 その中で、例えばキャリアの転換といっても、他施設に就職だけじゃなくて、海外留学とか、そういうところもありますので、一旦辞めても、また当院に就職してもらえると、それはそれで安定的な人材確保につながるのかなというふうに思っておりますので、そういう形でやっていたいと思います。
 あと、患者さんが年々重症化しているというのがあります。そこで心身ともに疲れ切って、この施設を去っていくという現状もありますので、令和6年度の診療報酬の改定で、小児の入院管理料の中にも看護補助者の加算だったり、保育士の複数配置の加算だったり、ありましたので、それで補助者を配置したりしているのですけれども、それだけでは賄い切れない現状というのはありますので、今後も非常勤の看護師の確保であったり、夜勤専従者、看護補助者の夜勤の配置等でうまくタスク・シフト/シェアをしていきながら、看護師の心身とものストレスというのを緩和していきながら、安定的な看護の提供というのに努めていきたいというふうに考えています。
○土岐部会長 すみません、東京都は高いのですね。もともと日本全体の平均よりもかなり高いということですね。
○国立成育医療研究センター萬看護部長 東京都は、全国の都道府県の中でトップです。
○土岐部会長 それが私、基礎知識でなかったので、すごく突出して高いような印象があったのですけれども、東京都の中では平均よりもよいということで、失礼いたしました。
 それでは、業務運営の効率化、財務内容の改善、及びその他の業務運営に関する事項については、以上とさせていただきます。
 ここで全体を通しまして、御質問等の追加はございますでしょうか。
 よろしければ、本日の最後に、法人理事長と監事からのヒアリングを行いたいと思います。
 まずは、法人監事より業務の監査結果等を取りまとめた監査報告について御説明いただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や今後の課題・改善方針等についてコメントをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国立成育医療研究センター西田監事 ありがとうございます。監事の西田から報告させていただきます。
 監査の報告に関しましては、資料1-4「監査報告」に記載のとおり、法人の業務等は効果的・効率的に実施されている。先ほどお話ありました研究費の不正使用、倫理指針の重大な不適合事案等ございましたけれども、その対応状況等を見ながら、全体として指摘すべき重大な事項は認められていないと判断しております。
 また、財務諸表に係る会計監査人の監査の方法及び結果は相当であり、事業報告書は適正であると認めているところでございます。
 これらに関しまして、少し補足させていただきます。
 研究・診療などに関しまして、本日お示ししましたとおり、成果を上げていることについては、率直に評価しているところでございます。特に、健康をいわゆるバイオサイコソーシャルの面で捉えたときに、バイオのみならずサイコソーシャル、要は心理・社会的な、どちらかといえば、定量的な評価のみでは、その成果を適切に理解するというのはなかなか難しいところもあるのかもしれませんけれども、そのような成果が増えてきていると感じておりまして、その視点で期待しているところでございます。
 一方で、財務の面ですけれども、先ほど理事長からありましたが、損益計算書というのはいろいろな状況を反映しておりますので、令和7年度は黒字ということで、それはそれでよかったと判断しておりますが、今後も小児・周産期・女性の医療、診療報酬等々、いろいろな面でなかなか厳しい状況ではありますので、そういったところを考慮しますと、今後も先ほど土岐先生からありました利用率の向上もありますし、また、重症度が高い患者が増えている中での病棟の負担といったところもありますけれども、そういうところを考えながら、より黒字に近づくような体質に組織的にしていくと。
 個々の職員の皆さんは、本当に頑張っていらっしゃるのだと認識しておりますので、その頑張りをいかに財務的な成果に結びつけられないかというところを真摯に考えていかなくてはいけないと、そういったところの重要性というのは全く変わっていないという認識でおります。このような認識に基づいて、今後、我々監事監査を進めていくとともに、適切に意見具申していきたいと思っているところでございます。
 以上となります。ありがとうございました。
○土岐部会長 ありがとうございます。
 続きまして、法人の理事長より、日々のマネジメントを踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等につきましてコメントをお願いしたいと思います。
○国立成育医療研究センター五十嵐理事長 ありがとうございます。
 私ども、病院長を中心に、診療に関しましては、全ての診療科がほぼ全体が協力していただいております。一部、なかなか協力が得られない診療科もありますけれども、そういうことで、病院全体が一丸になってこどもたちの診療をよくしていこうということで。特に、先ほどからありますように、近隣あるいは日本全体を含めまして、大変難しい患者さんが増えていて、特に近隣の病院で診療をやめるようなところもたくさん出ておりまして、そういうところの患者さんが集まってきているという大変困難な状況にあると思います。
 例えば、診療のレベルをキープしたり、あるいはレベルアップしなければいけないというようなこともありますし、それから、看護体制も、夜間、特に人が少なくなってしまうような状況を何とか安全性を確保するためには、改善しなくてはならない余地がたくさん残されているのではないかと思っています。
 それから、財務のことで申し上げますと、今、病院の余剰資金は26億円程度あるわけですけれども、実は病院が建ちましてから25年たちまして、御存じのように、病院建築というのは40年を1つのめどに改築するというのが、これまでの日本の伝統というか、習慣だったと思います。これから15年間の間にいかに建築資金をためていくか、これは大変大きな課題で、実は25年前に成育医療研究センターの病棟を造るときに400億円以上、当時の常識の倍ぐらいの値段で造っていただきました。御存じのように、建築費が今、物すごく上がっていますので、15年後どうなるか、私は今、なかなか予想がつきませんけれども、15年後に病院を建て替えることができないというような状況になりますと、我々、前にいた人間が何をやっていたということを後で多分言われるのではないかと、大変心配しているところであります。
 つまり、健全な経営というのが基礎にあることは、もう間違いないので、病院あるいはセンター全体としてできることは、できるだけいろいろなことをやって努力したいと考えています。そして、国にもいろいろ支援をお願いしなければいけないでしょうし、外国の小児病院の運営を見ていますと、特に米国などでは、運営費の3割から4割は寄附で成り立っているわけですね。こういう文化も、ファンドレイザーのシステムを昨年からつくって導入しましたけれども、これをもっとファンクションを上げることによって、社会から認知されて、社会からの支援をいただけるような活動もしなくてはいけないと考えている次第です。
 まだまだやらなくてはいけないことが残っておりますので、黒字になったからといって慢心することは決してございません。これからもいろいろな面で努力していきたいと考えています。
 今日は本当にいろいろな御意見をいただきまして、ありがとうございました。
○土岐部会長 ありがとうございました。
 ただいまの法人監事・法人理事長の御発言内容につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして、国立研究開発法人国立成育医療研究センターの令和7年度業務実績評価及び中長期目標期間見込評価についての審議を終了いたします。
 事務局のほうから、今後の流れについて説明をよろしくお願いします。
○高屋企画調整官 事務局です。
 今後の流れについて御連絡いたします。
 本日御議論いただきました令和7年度業務実績評価及び中長期目標期間見込評価につきましては、この後、本部会における御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえまして、厚生労働大臣による評価を行い、その評価結果について法人に通知するとともに公表いたします。
 委員の皆様におかれましては、事前に電子媒体でお配りしている評定記入用紙に必要事項を御記入いただき、8月4日火曜日のJHに関する審議も踏まえ、8月12日水曜日までに事務局宛てメールにより御送付いただきますようお願いいたします。なお、評価結果につきましては、後日、委員の皆様にもお送りいたします。
 次回ですが、7月23日木曜日、10時55分より、新橋にあります航空会館B101号室にて、国立精神・神経医療研究センター及び国立循環器病研究センターの評価に関する審議を予定しております。
 事務局からは以上です。
○土岐部会長 それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり、どうもありがとうございました。