2026年8月4日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第65回) 議事録
日時
令和8年8月4日(火)13:00~14:30
場所
中央労働委員会 労働委員会会館 612会議室
出席者
三宅主査、荒谷構成員、梅崎構成員、小野構成員、加藤恭子構成員、加藤伸子構成員、久米構成員、酒井構成員、西岡構成員、安井構成員
議事
- 議事内容
○事務局
定刻になりましたので、ただ今から「第65回独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG」を開催します。事務局の政策立案・評価担当参事官室、兼坂です。どうぞよろしくお願いいたします。構成員の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。午前中から連続となりまして、どうもありがとうございます。今回の会議は、対面参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式となっておりますが、お部屋の関係でモニターがないために、オンラインは音声のみとなります。御了承ください。
本WGの出席状況について御報告いたします。本WGは、主査をお願いしている三宅先生、荒谷先生、梅崎先生、加藤恭子先生、加藤伸子先生、久米先生、酒井先生が会場での御参加、西岡先生、安井先生、小野先生がオンラインでの御参加、土橋先生が御欠席となります。
続いて、本日の資料について説明します。本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。オンライン参加の先生方におかれましては、お手元に事前にお送りしている会議資料を御準備いただけると有り難いです。本日の資料は、資料1及び資料2-1~2-4、そして参考資料として1~5となります。資料の不足などありましたらお知らせください。大丈夫ですか。ここで報道関係者の方に御連絡です。本日の会議の撮影に関しては、頭撮りとしてここまでとさせていただきます。御了承願います。
それでは三宅先生、議事の進行をお願いいたします。
○三宅主査
それでは、ここからは私、三宅が進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、「労働者健康安全機構」について、「令和7年度業務実績評価」に係る意見聴取を行うこととなっております。法人から各評価項目における評定の根拠について重点的に御説明申し上げますので、評価の内容を中心に、構成員の皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。なお、本日の会議は、おおむね1時間半を予定しておりますので、円滑な議事運営にも御協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。
それでは早速、議事に入ります。まず、労働者健康安全機構の令和7年度業務実績評価について、御議論いただきたいと思います。初めに、法人から簡潔に御説明いただき、説明が終わってから質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、説明をよろしくお願いいたします。
○労働者健康安全機構総務部長
労働者健康安全機構の総務部長をしております小林と申します。本日は、よろしくお願いします。そうしましたら、資料2-1を用いて、令和7事業年度の業務実績につきまして、順次、御説明したいと思います。
まず、2ページを御覧ください。評価項目は全部で13項目ありますが、本日は赤字で記載している重要度「高」の項目と、A評価以上の項目に絞って御説明いたします。また、物価高騰等による労災病院の経営状況の悪化を踏まえ、令和7年8月に中期目標の変更がありまして、それを踏まえて令和7年9月に、中期計画、年度計画についても変更しております。この変更により、評価項目№3-1、財務内容の改善に関する事項について、経常収支率(労災病院事業)を前年度以上にするという新たな指標が設定されておりますので、本日は3-1についても御説明したいと思っております。
中身に入っていきます。まず、1-1の労災病院事業について御説明いたします。4ページを御覧ください。Ⅱ 指標の達成状況については、紹介率、逆紹介率、救急搬送応需率、患者満足度について目標を達成している状況です。治験症例数については、国際共同治験割合の増加による、日本人を対象とした治験の減少などの外部要因により、目標達成には至っておりませんが、国立病院機構主催の初級者臨床研究コーディネーター養成研修に職員を派遣させ、治験の実施体制を強化したほか、本部に設置している労災病院治験ネットワーク推進事務局による情報収集及び広報活動を行ったことなどによって、前年度から150件増加しているという状況にあります。
下段の要因分析を御覧ください。逆紹介率については、地域の医療機関との連携強化等の観点から、比較的症状が安定した患者を紹介元の開業医等へ積極的に逆紹介したことに加え、令和7年度末の道央、新潟の2つの労災病院の閉院によって、逆紹介患者が特に増加したことによって、目標値を大きく上回る状況にあります。
5ページ目です。Ⅲ 評定の根拠についてです。定性的指標である第三者評価の認定については、令和7年度に病院機能評価の更新時期を迎えた3病院及び新規の1病院について受審を完了しております。続けて、重要度「高」の、3つの設定根拠に対する取組についてになりますけれども、1つ目の、勤労者医療の中核的な拠点としての先進的な取組については、労災病院における研究・開発により得られた知見を日本職業・災害医学会学術大会で発表するなど、広く普及を図ったほか、医療ソーシャルワーカー等が患者の経済的、社会的問題の解決に向けた調整・援助に加えて、退院援助や社会復帰援助などを行うことにより、患者の社会復帰の促進に努めております。
2つ目の、大規模労働災害や新興感染症等への対応については、大規模労働災害の対応として、職業性疾病等による大規模労働災害の発生時等に、国等がその原因究明等に活用できるように、労災病院の入院患者の延べ約868万件の病歴データ及び延べ462万件の職歴データ等を蓄積しております。さらに訓練の実施等により、災害拠点病院やDMAT指定医療機関の機能を維持するとともに、各都道府県との間で締結した医療措置協定に基づいて、新興感染症発生・まん延時に備えた医療提供体制を整備しております。3つ目の効率的な病院運営については、地域の医療需要等を把握した上で、病床数削減及び病床機能区分の見直しを図っております。
次に6ページを御覧ください。左上のグラフについては、紹介率・逆紹介率になっており、近年は堅調に推移している状況にあります。左下のグラフになりまして、救急搬送患者数については前年度より減少しておりますが、救急搬送応需率については目標を達成しており、救急搬送受入れの要請に対して、可能な限り対応する体制を維持しているところです。また、右側の指標については、医療情報のICT化の推進では、全病院において電子処方箋の導入を完了するなど、全国平均を上回る成果を出しております。以上、中期計画における所期の目標をおおむね達成していることや、困難度「高」であることを踏まえ、当該項目については自己評価Aということにしております。
続いて№1-2です。治療就労両立支援事業について御説明いたします。8ページを御覧ください。Ⅱ 指標の達成状況については、3つの指標全てにおいて目標を達成しております。下段の要因分析を御覧ください。支援した罹患者件数については、効率的な広報・周知に努め、支援が必要な患者や事業者等のニーズを的確に捉えた取組を行ったことに加えて、労働施策総合推進法の改正により、事業主による治療と仕事の両立支援が努力義務化され、社会的関心が高まったことによって目標値を大きく上回ったというふうに考えております。
次に9ページです。Ⅲ 評定の根拠については、定性的指標である両立支援コーディネーター基礎研修及び事例検討会におけるメンタルヘルス不調に係る内容の拡充については、両立支援コーディネーター基礎研修で、メンタルヘルスに関する講義を実施するなどの取組を行いました。続いて、困難度「高」の設定根拠に係る取組状況についてですが、1つ目、中小企業での両立支援の困難性、企業と医療従事者との情報共有不足等の困難度が高い課題の対応については、産保センターにおいて事業主を対象としたセミナーや、個別訪問支援を開催したこと等によって、治療と仕事の両立に向けた取組を社会全体に広げております。2つ目の両立支援コーディネーターの積極的養成については、基礎研修をオンライン形式で実施し、医療機関のほか、企業にも多くの両立支援コーディネーターを輩出しております。
10ページ目を御覧ください。上段にあるとおり、労災病院、治療就労両立支援センター、産保センター及び本部が協働して、主治医、企業、両立支援コーディネーターによるトライアングル型のサポート体制の構築を図り、支援が必要な患者に対するきめ細やかな支援を行っているところです。下の図になりまして、そこに書いてあるとおりなのですが、労災病院がない地域においても、産保センターが全国の医療機関に両立支援相談窓口を設置しているところです。
次に11ページを御覧ください。上段左側です。支援事例の収集及び分析については、全ての疾患を対象として支援を行い、事例収集を実施しております。次に右側にあるとおり、令和7年度に厚生労働省において開催された「治療と就業の両立支援指針作成検討会」に構成員として参画し、当機構のこれまでの両立支援の実績などから所見を述べさせていただき、それも踏まえて令和8年2月に、「治療と就業の両立支援指針」が作成されたという状況にあります。
下段になりまして、治療と仕事の両立支援を推進するための企業に対する支援としては、産保センターにおいて研修等を実施するとともに、個別訪問支援及び個別調整支援を実施しております。
次に12ページの中段です。令和7年の研修修了者数は5,736人で、修了者の勤務先は全国各地の医療機関、企業、行政機関など、幅広いものとなっております。下段になりますが、産保センターが研修修了者を対象とした事例検討会や、両立支援コーディネーターの情報共有・交流を図る交流会を開催しております。以上、中期計画における所期の目的を達成していることや、困難度「高」であることを踏まえて、当該項目についても自己評価をAとさせていただいております。
続いて1-4の労働者の健康・安全に係る基礎・応用研究及び臨床研究の推進等について御説明いたします。15ページを御覧ください。Ⅱの指標の達成状況についてです。4つの指標全てが目標を達成しており、そのうち政策への貢献度、労働安全衛生関係法令等の制定、改正等への貢献件数及び安全衛生技術講習会の有意義度については、120%以上の達成度となっております。
16ページを御覧ください。要因分析です。政策への貢献(期待)度及び労働安全衛生関係法令等の制定、改正等への貢献件数については、厚生労働省との意見交換を密に行った上で研究を実施したことによって、高い成果が得られたものと考えております。また、安全衛生技術講演会の有意義度については、参加者の利便性を考慮してオンライン開催としたことにより、高い成果につながったものと考えております。下段です。Ⅲの評定の根拠についてです。困難度「高」の設定根拠に対する取組状況として、労働安全衛生上の課題に対応した研究の実施については、厚生労働省等と協議し研究を実施したことにより、労働安全衛生行政の推進及び労働災害の減少施策に貢献したものと考えております。
次に、17ページを御覧ください。安衛研において実施したプロジェクト研究、協働研究、行政要請研究の一例をお示ししております。右側の行政要請研究の具体例として挙げた研究においては、東京都で発生した鉄骨落下災害に関して、重量物を支持する仮設物の施工方法等の安全対策の調査を行い、仮設物の崩壊・倒壊防止対策を検討しました。本研究成果を基に通達が発出されており、重量物を支持する仮設物の崩壊・倒壊防止対策の強化等、社会貢献が果たせたものと考えております。下段を御覧ください。第14次労働災害防止計画において、特に重要とされている転倒や腰痛などの労働災害を防止するための研究を進めております。厚生労働省の検討会へ参画したほか、死傷災害データを基に、高年齢労働者の労働災害の特徴等について分析を行っております。以上、中期計画における所期の目標を上回る成果が得られていることを踏まえ、当該項目についても自己評価はAとさせていただいております。
続いて、1-5の労働災害調査事業について御説明いたします。18ページを御覧ください。中段です。Ⅱの指標の達成状況については、依頼元の評価が達成度145.0%となっており、目標を上回る成果が得られております。要因分析については、厚生労働省等からの依頼に基づき、迅速かつ適切に研究員を現地に派遣するなどして調査を行い、速やかに調査結果を報告することにより、高い成果が得られたと考えております。下段のⅢの評定の根拠についてです。災害調査結果等の研究への活用・反映については、データベース化した災害情報を分析し、再発防止対策の提言等に活用しております。
次に19ページを御覧ください。左側に災害調査の流れをお示ししております。調査結果は、同種災害の再発防止のために活用を公開されておりますが、右側上段では令和7年度に提出した災害調査報告書が、同種災害防止等のために活用された一例をお示ししております。右側下段においては、安衛研のホームページにおいて掲載した、災害調査報告書の一例をお示ししております。以上、中期計画における所期の目標を上回る成果が得られていることを踏まえ、当該項目についても自己評価はAとさせていただいております。
続いて、1-7の産業保健活動総合支援事業について御説明いたします。23ページを御覧ください。Ⅱの指標の達成状況については、6つの指標全てにおいて、それぞれ目標を達成しております。下から3つ目の指標、メンタルヘルス対策に係る個別訪問支援件数については、達成度が146.4%となっております。この要因分析は24ページの上段にあるとおり、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの実施を義務化する改正労働安全衛生法が施行されたことにより、社会的な関心が高まったことが背景と考えております。これに加えて、同法が公布されたこと等を踏まえ、加入者の中心が中小企業であって、日本最大の医療保険者である協会けんぽとの連携を強化したことが要因と考えております。
下段のⅢの評定の根拠についてです。困難度「高」の設定根拠に対する取組状況として、医師会等関係機関との連携強化・MSW等両立支援関係者間の連携強化に向けた取組については、Web会議システムを積極的に活用した専門的研修等の実施により、利用者のニーズを踏まえた産業保健サービスを提供しました。さらに、治療と仕事の両立支援については、医療機関の主治医、医療ソーシャルワーカー、企業の人事労務担当者、労働者本人等、多くの関係者間の連携が必要とされることなどから、多職種間の両立支援コーディネーター基礎研修修了者がグループワーク等を行う事例検討会や交流会を多数開催しております。
次に25ページを御覧ください。上段では、産業保健活動への支援体制をお示ししております。産保センター及び地域産業保健センターが関係機関と協力・連携し、小規模事業場等に産業保健サービスを提供しているという状況になっております。下段の法令改正等への対応として、労働者数50人未満の事業場へのストレスチェックの義務化や、事業主に対する治療と仕事の両立支援の努力義務化により、特に小規模事業場への対応強化が求められていることから、令和7年6月に協会けんぽと今後の連携について確認し、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援等について連携を図っております。以上、中期目標における所期の目標を達成していることや、困難度「高」であることを踏まえ、当該項目についてもAとさせていただいております。
続いて1-8、未払賃金立替払事業について御説明いたします。26ページを御覧ください。中段のⅡの指標の達成状況についてです。請求書の受付日から支払日までの期間については、目標の20日以内を達成しております。下段の評定の根拠として、迅速かつ適正な立替払の実施については、弁護士向け研修会等を開催するとともに、裁判所・関係機関向けに、立替払制度の概要等をまとめたリーフレットを配布し、制度の周知を行いました。また、社労士資格を有する職員を新たに採用したことにより、更なる立替払の迅速化・適正化を図っております。
次に27ページを御覧ください。右側のグラフでお示ししているとおり、令和7年度の支払件数も、前年度に引き続き高水準となっております。本事業が労働者とその家族の生活の安定を図るためのセーフティネットとして迅速な支払いが求められていることを踏まえて、大型請求事案の事前調整や、他課の人員による審査業務への協力体制を取ったことなどにより、左側のグラフでお示ししているとおり、請求書の受付日から支払日までの期間については目標値の達成のみならず、前年度と比較して0.4日短縮しているという状況です。以上、中期計画における所期の目標を達成したことを踏まえ、この項目については自己評価をBとさせていただいております。
続いて1-9、納骨堂の運営事業について御説明いたします。28ページを御覧ください。中段のⅡの指標の達成状況については、来堂者、遺族等の満足度は達成度120%となっており、目標を上回る成果を得ております。要因分析にあるとおり、日々の来堂者に対する取組として、来堂者からの要望を踏まえ、接遇や環境整備等の改善に努めたことや、産業殉職者合祀慰霊式の参列遺族に対する取組として、遺族会館の前に歩行困難者用駐車場を特設するなど、参列者に配慮した慰霊式を実施したことにより高い評価が得られたと考えております。
下段のⅢの評定の根拠については、29ページを用いて御説明させていただいております。29ページの中段の左側、1 慰霊環境の改善に向けた取組についてです。参拝者へのアンケート結果を踏まえ、各種業務改善を継続的に実施しているところです。
次に、中段の右側の2 IT技術の活用については、中期目標にて定められているIT技術を活用した新たなシステム構築に係る取組として、納骨堂の参拝を疑似体験できる360度動画を作成し、当機構の公式YouTubeチャンネル、高尾みころも霊堂VR参拝にて公開するとともに、ホームページにおいても掲載しています。以上、中期計画における所期の目標を上回る成果が得られていることを踏まえ、当該項目については自己評価をAとさせていただいております。
続いて3-1、財務内容の改善に関する事項について御説明いたします。33ページを御覧ください。上段、Ⅰの中期目標の内容についてです。冒頭で申し上げたとおり、中期目標等の変更があり、各労災病院の収入の増加及び支出の削減につながる方策に取り組むことなどが追加されています。下段のⅡの指標の達成状況についてです。病床利用率(労災病院平均)は、紹介患者、救急患者等の受入れや地域の医療需要を踏まえた病床数の見直しに取り組んだことにより、目標を達成しています。また、新たに設定された経常収支率(労災病院事業)については、前年度を上回ることが指標となっておりますが、令和7年度の経常収支率は99.6%ということで、前年度より3.1%上回っておりますので、目標を達成しているという状況です。
次に34ページを御覧ください。Ⅲの評定の根拠について、質的な成果を6つ挙げております。主要なものとして1つ目の収入の増加及び支出削減につながる方策の実施について、37ページを用いて御説明したいと思います。
37ページの左側にあるとおり、令和7年度も継続して実施した取組に加え、右側にあるとおり、令和7年度の新規取組として各病院が策定した年度計画を確実に達成するために、月次のモニタリングを実施し、その結果を踏まえて、文書による具体的な取組の指示や本部と病院との個別協議等を実施しました。また、下段のその他の取組として本部に新たな部署を設置し、収支改善が困難な労災病院について、関係自治体とも状況を共有した上で周辺医療機関との連携や、財政支援等による経営改善の可能性を探るなどの取組も行ったところです。こうした取組の結果、前年度よりも経常損益が100億円改善し、経常収支率は3.1%改善しているという状況にあります。経常損益の詳しい内訳等については、35、36ページを御参照いただければと思います。
また、38ページでは参考として、収支ベースでの対前年度比較を示しております。右下の内訳②(支出部分)に記載がある投資的経費の抑制等により、左側のグラフのとおり、前年度の184億円の赤字から38億円の黒字に転じて、収支ベースにおいては前年度から222億円改善しているという状況です。一方で、投資的経費の抑制等による支出削減には限界がある中で、入院・外来収入の増加が少ないことが課題と考えております。引き続き収入増加による収支改善に取り組んでいくことを考えております。
以上、中期計画における所期の目標を達成したことを踏まえ、当該項目についてもB評価とさせていただいております。駆け足になりましたけれども、令和7事業年度の業務実績の評価に係る説明については以上です。
○三宅主査
御説明どうもありがとうございました。それでは、ただいまより令和7年度の実績評価について、構成員の皆様から御意見、御質問を頂きたいと思います。オンラインでの構成員の皆様も適宜御発言いただければと思いますので、よろしくお願いします。それでは、早速ですが、オンラインから安井構成員、お願いいたします。
○安井構成員
よろしくお願いいたします。特にすばらしいと思ったのが、様々な産業で高齢者の就労期間が延びる中、高齢者特有の労災原因に関する研究などをなさっていることです。これ自体社会への貢献度がとても高いと思いますし、また、その建設工事の仮設物の安全対策について原因を特定されて、それを基にガイドラインの不備を直されたことも、とても意義のある取組ではないかと感じております。
ということを申し上げた上で、幾つか評定の根拠について少し御質問させていただければと思います。
さて、4ページ目に逆紹介率が130.2%となったとあり、その要因分析をみますと、令和7年度末の道央及び新潟の閉院に伴い、逆紹介患者が増加したということを指摘していますが、これは特殊要因だと思います。特殊要因を除いても達成度が100~120%の間に入っているのかどうかを教えていただきたいと思います。と申しますのも、治験の推進が86%なので、もし、この逆紹介率が120%未満であれば、この評定というのはAではなくて本来はBなのかなと考えた次第です。
これと同じような話で、8ページについても、支援した罹患者件数が1,635件と136.3%ということですが、この要因分析をみますと、労働施策総合推進法の改正によって急激に増えたとあります。実際、令和6年度は101.8%と136%には少し遠いので、こういった特殊要因を除いても100~120%の中に入っているのかどうか教えていただけませんでしょうか。
最後の質問は、少し大きな話で、その労災病院の経営に関してですが、38ページに赤字が黒字に大幅に転換しており、その要因には投資的経費の抑制というのがあります。141億円の減少と。基本的に当初計画で精査した設備投資に限定するということなのですが、こうした投資的経費の大幅抑制というのは、老朽化した医療設備、機器や施設の投資の先送りなどにつながって医療サービスの改善に遅れが出てしまわないかどうかが心配です。
もちろん、このようなときには人件費の抑制や設備投資の先送りということがよくある手なのですが、何かこれを医療機器メーカーとも連携して最新医療設備を安く導入しつつ、蓄積したデータで効果を検証する。高い効果が得られれば、その後、海外に売り出して医療機器メーカーが利益を上げるといった形で、新規設備を安く導入するといった手はないのでしょうか。日本は課題フロントランナーですから、そういったいろいろな施設に最新の設備を入れて効果を検証していくことは重要かなと思うのですが、その辺のお考えについて御教示いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
○三宅主査
ありがとうございます。これはどなたが。理事、お願いいたします。
○労働者健康安全機構理事(遠藤)
理事の遠藤と申します。御質問をありがとうございます。まずは、一点目の御質問の確認ですが、これは紹介率の実績について、特殊要因を除いた場合の実績がどうなっているかということでよろしいでしょうか。それでは、その点についてですが、先ほど少し御説明いたしましたが、令和7年度末をもちまして二つの労災病院、北海道中央労災病院と新潟労災病院が閉院したことで、この二病院について元々おられる患者さんを近隣の医療機関に紹介を行ったことで逆紹介率が上昇したということですが、この要因を除いた場合の実績としては、計算上、達成率が127.5%ということで、今、御指摘のあった120%を超えているような状況でございます。
○安井構成員
そうなのですね。分かりました。では、全部合わせて治験の推進率は少し低いですが、総合的にみて、全体的には100~110の間に入っていて、困難度が高いのでAにされたということですね。よく分かりました。ありがとうございます。
○労働者健康安全機構理事(遠藤)
ありがとうございます。
○労働者健康安全機構理事(髙野)
医療企画を担当している髙野と申します。三点目の質問についてですが、経営が苦しくても投資的経費を抑えながらも投資ができるような工夫をされているかという御質問と受け止めてよろしいでしょうか。共同購入その他で。
○安井構成員
おっしゃるとおりです。
○労働者健康安全機構理事(髙野)
その点について、既に、私どもは国立病院機構、日本赤十字社、国立精神・神経医療研究センターなど7つ近くの団体と、もう何年も前から、そのような趣旨で高額の医療機器11種類ぐらいの機械について共同購入をしております。それらの団体でかなりたくさんの機械について入札を行い、クラスごとの機種ごとにどれか一つということで交渉しますので、それで、例年、かなり価格を抑えて購入しているのは継続的に行っているところです。以上です。
○安井構成員
ありがとうございます。日本は世界でもっとも高齢化が進んでおりますが、他の先進国も着実に進行していますので、日本で得られた知見、最新機器導入の効果を先んじて示すことができれば、海外にそのような高額医療機器を売ることで高い収益を獲得できるのではないか。これを前提に、日本の病院が海外未導入の高額医療機器を安く購入できれば、投資的経費を一層抑えられないだろうかと思ったのでお伺いした次第です。以上です。
○労働者健康安全機構理事(磯尾)
よろしいでしょうか。勤労者医療産業保健担当理事の磯尾です。二点目の御質問について、その御質問の内容ですが、令和7年度も実質的な両立支援の件数を達成しているだろうかという、そういう趣旨の御質問と解してよろしいでしょうか。
○安井構成員
8ページ目ですが、この支援した罹患者件数が1,635件というのが特殊要因で上振れているのであれば、それを除いた達成度を教えていただきたいという趣旨です。最初の質問と同じような話です。
○労働者健康安全機構総務部長
御質問の趣旨は支援した罹患者件数の達成度が136.3%と120%を超えているということで、その要因分析で、法改正の影響があったということが特殊要因として書かれているが、それを除いたら何%ぐらいかという趣旨かと思います。先ほどの病院の逆紹介率については、新潟と北海道中央の病院を除いていくということで、分かりやすく数字が出せる所だと思うのですが、こちらの法改正による影響というのは、きれいに、これによる影響が何件だというのは見えにくい部分ですので、申し訳ありませんが、そこを除いて何%というのは、お答えすることは難しいと思います。
○安井構成員
令和6年度が101%だったので、そこから御機構の御努力でどのぐらい達成度が上がったのかを教えていただければと思ったのですが。そこは難しいということですね。
○労働者健康安全機構理事(磯尾)
これに関しては、そもそも実績の値というのが、この両立支援をどのようにカウントするかという提示にもよるのですが、この場合は、両立支援、書面で申し込まれた提出件数をカウントしております。ただし、それに先立ち、両立支援コーディネーターが患者さんに対してきちんと説明をしたりとか、相談対応を実施したりとかで、結構、実質的な問題解決になっている場合もございますので、実質的にこの両立支援何件とカウントすることは少し難しいと考えている次第です。
ただ、例えば、この支援することによって、どれほど患者さんが復職を達成したかという数字はある程度出しておりますが、それなりに、社会的意義を果たしていると当機構では考えております。
○労働者健康安全機構総括研究ディレクター
総括研究ディレクターの中岡と申します。少し補足いたします。法改正により、50人未満の事業場においても、この両立支援というのは努力義務とされて、今まで、そのような小さな事業場でそういったことが余り理解されていなかったというのが背景にあり、その両立支援が少なかったところがあります。
この両立支援をやるには、病院側の努力はさることながら、やはり、事業場の理解というのもすごく大事になってきますので、こういった法改正がされたということで、今後、事業場のほうでの理解が進んでいけば増えていく可能性はあると思いますので、件数については、そういった今回だけの特殊要因というよりは、今後の社会的な流れになる可能性がありますので、そういったことを考えて、その件数については、今後、もしかすると検討が必要かもしれないと思っております。以上です。
○安井構成員
分かりました。どうもありがとうございました。
○三宅主査
それでは、引き続きオンラインから小野構成員、お願いします。
○小野構成員
よろしくお願いします。私は医療関係者ですので、労災病院について少しお聞きしたいと思います。今、全体的に地域医療を取り巻く環境が大変厳しい中で、大変、努力して経営されていることが十分分かり、その努力に敬意を表する次第です。
質問したいことは三点あるのですが、一点目が6ページの救急搬送の数です。救急搬送応需率は、若干、上がっているということで、基準を超えてはいるのですが、救急搬送患者の推移全体の数が、今、令和6年度より若干減っているところがあるのですが、この要因としては、全国的に少し減っているということも聞いていますが、それが要因なのか。あるいは、新潟と北海道の二病院が中止されたので、その影響でトータルとして減っているのかどうか。それをお聞きしたいのが一点です。
もう一点は、5ページの効率的な病院運営のところに「病床数削減及び病床機能区分の見直しを図っている」とありますが、実際の令和7年度の病床削減数というのが、もし分かれば教えていただきたい。それから、その病床削減をされた病床に関しては、やはり、国の病床適正化の支援事業の対象となる病床は何床か。そこをお聞きしたいです。
それから、三点目は38ページに、赤字を減らして、ものすごい努力をされたというのは十分分かります。すばらしいと思ってはいるのですが、38ページの右下の人件費の抑制のところで、賞与カット、退職不補充等の取組をするということで、職員の皆さんのモチベーションに少し影響するような気もしないでもないのですが、そこのところはどのように対応されているかどうか。この三点についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○労働者健康安全機構理事(遠藤)
それでは、遠藤からお答えいたします。御質問ありがとうございます。今、三点ほど御質問を頂きました。まず、救急搬送についてです。救急搬送については、小野先生の御指摘のとおり、毎年、総務省が全国の救急出動件数を発表しておりますが、この統計をみますと、令和7年は約769万件ということで、前年令和6年に対して3万件ほど減少しているということです。もちろん、この影響もあるかと思います。
また、小野先生も御指摘のとおり、二病院が昨年度いっぱいで閉院したということもあり、当然、こういった要因もございますし、また、これ以外に一部の労災病院において、医師の退職などに伴い、どうしても救急受入体制を縮小したといったような病院も一部ございます。こういった諸々の要因があり、結果的に搬送件数の減につながったということです。
続いて、二点目の御質問です。病床削減の状況ということですが、令和7年度の実績としては、これはあくまで稼働病床数でのカウントになるのですが、稼働病床削減を行った施設が7施設あり、トータルで282床の削減をしております。それで、病床数適正化事業の対象かどうかということですが、この7施設のうち、一部そういった補助金の対象になる。要は、許可病床も落としている所もあるのですが、その内訳といいますか、対象になった病床数が幾つかというのは手元にデータがございません。
最後、三つ目の給与カットに伴うモチベーション対応です。こちらについては、小野先生の御指摘のとおり、やはり、一部の病院で職員のモチベーションが低下したという声もお聞きしていますし、今、なかなか人材確保が容易ではないといった状況の中で、こういった賃金カットというのは決して褒められた取組ではないと思っておりますが、これはやむを得ない状況があったということです。
職員のモチベーション対応としては、先日、私も病院長が出席する会議に出た際に、やはり、大きな問題になっており、各病院の取組、モチベーション向上に向けた取組みについて、いろいろ確認してきたのですが、その中で、例えば、定期的な職場懇談会を開き、職員からの要望に積極的に対応したとか、 余りお金のかからない範囲で職場の環境整備を行ったというような取組をしている所もありましたが、やはり、一番重要だと感じたのは、現在の経営状況をきちんと職員に説明する。「今、このような状況なので少し我慢してくれ」ということを、適時、適切に職員に説明し、職員の理解が得られたことが、結果的には職員のモチベーションにつながったのではないかといった意見が多く聞かれたところです。回答については以上です。
○小野構成員
どうもありがとうございました。なかなか厳しい状況の中で、皆さん、いろいろなやりくりをしながらやっているわけですが、是非、今後も地域医療維持のために御尽力いただければと思っております。どうもありがとうございました。
○労働者健康安全機構理事(遠藤)
ありがとうございました。
○三宅主査
そのほかはいかがでしょうか。加藤構成員、お願いいたします。
○加藤伸子構成員
すごく初歩的なことを教えていただきたいのですが、18ページの労働災害の所で、145%になったという話がありました。平均2.0というのが、5段階で平均2.0を目標とされていたという理解で合っているでしょうか。納骨堂の所は「平均3.0で」という数字が出てくるのですが、各評価が何段階中の何だったかということについて、どこかの数字を見落としているのかも知れませんが、データを教えていただければ有難く思います。
○労働者健康安全機構総務部長
評価は0から3の4段階になっておりまして、その平均という形です。
○加藤伸子構成員
ということは、平均2.9ということは、ほぼ最高に近い評価を頂いていたという理解で合っているでしょうか。
○労働者健康安全機構総務部長
結論としては高い評価を頂いたということかと思います。
○加藤伸子構成員
145%という達成度で、本当にすばらしい結果かと思います。もう一点教えていただきたいと思います。26ページで立替払いの話を頂きました。そこで倒産件数と支払件数のグラフがありました。倒産件数の伸びより支払件数の伸びのほうが大きいのですが、倒産件数と支払件数の関係を教えていただけますか。
○労働者健康安全機構理事(和田)
担当理事の和田でございます。この事業の対象になる事案ですが、1つは法律上の倒産で、もう1つは監督署の署長が認定する事実上の倒産の2つがあります。
このグラフの東京商工リサーチのホームページ出典の倒産件数は、主に法律上の倒産を多く集計していると考えられ、下のグラフのように伸びています。
一方で、実際の支払件数は、監督署が認定した倒産もありますが、様々な要因も影響して、高止まりではあるものの、少し下がっていると考えられると思います。
また、これは少し分析したものがあり、単純には比較できないのですが、東京商工リサーチが発表した各年度の倒産件数と、立替払制度を利用した労働者がいる企業数を単純に比較した場合、令和3年度から令和7年度までの累計で見ると、20%ぐらいの企業が該当します。おおむね20%程度の倒産企業で労働者がこの制度を利用したということになります。
○労働者健康安全機構理事長
理事長の大西から補足させていただきます。今の御質問ですが、支払件数というのは、令和7年に2万8,987人に支払ったということです。払わなければいけなかった人で、必ずしも1件の倒産のときに何人が困っているかは違いますので、必ずしも倒産件数が増えたからといって、支払件数が増えたり減ったり、完全にはパラレルには動かないということを御理解いただければと思います。
○加藤伸子構成員
つまり、1件倒産したからといって、そこの従業員全員に支払わなければいけないわけではなくて。
○労働者健康安全機構理事長
大型倒産であればたくさんの人に支払わなければいけないでしょうし、小型だったら10人、20人にと。そこの人数の線グラフです。
○加藤伸子構成員
大体1万倒産した中で、2割ぐらいが支払いの対象になっていて。
○労働者健康安全機構理事長
1万件という会社が倒産していて。
○加藤伸子構成員
先ほど2割という。
○労働者健康安全機構理事(和田)
倒産件数に対して、2割ぐらいの企業が、立替払制度を利用した労働者が在籍していたということで、2割ということでございます。
○加藤伸子構成員
そうですね。そうすると。おおよそ年度内に2,000件ぐらいが立替えの対象になっている企業数で、支払件数が2万8,000ぐらいであると。1件当たり10人弱であるということで。
○労働者健康安全機構理事(和田)
平均すると、おっしゃるとおりでございます。
○三宅主査
よろしいですか。久米構成員、お願いいたします。
○久米構成員
感想と質問です。感想としては、難しい病院経営を、いろいろ苦労されて進めていらっしゃることがよく分かりました。あと、法改正のタイミングで、協会けんぽとの速やかな連携をされていること、労働災害に関して、両立支援に関しても、指針の作成にかかわっているということで、いろいろなところで実務と社会に対する裨益をするという面で苦労されていることはよく分かりました。
その上で2つほど質問です。1つ目は、高年齢者の労働災害の特徴を分析されているということで、その中で活用されているのが死傷病災害のデータベースだということです。これはホームページを見ると月別になっていて、エクセルのシートが貼ってあって、その中で検索をしたり、活用できるようになっているということです。
一般の普及、一般の人たちの利活用を考えた場合に、月を跨いで、もっと幅広く簡単に検索できたり、そういう使い勝手のいいデータベース、そもそもニーズがあるのかないのかはあると思うのですが、そういうものがあったら、国の指針としてのところに情報提供することに加えて、一般の方、コーディネーターがもっと使いやすいところに、情報を届けることができるのではないかと思うので、データベースについての考え方をお聞かせください。これが1点目です。
2点目は、経常収益に関して、今回の好転の要因の1つが、補助金収益が大きかったというところもあって、どうしても収入の部分は、入院患者を増やさない限り増えないという病院の難しいところで言うと、この補助金というのは、持続可能性で言うと難しいと思っています。その意味で、収益に対する考え方というか、あくまでも一時的なものだという認識なのか、ある程度の中長期的な見込みの中で評価されているのかについて、見通しというか評価を教えてください。
○労働者健康安全機構理事(磯尾)
1点目の御質問についてです。先ほどの御質問の趣旨というのが、例えば高齢者だけではなく、より一般の方、広い年齢、性別、職業も含めて、広い階層のということでございましょうか。
○久米構成員
例えば死傷災害のデータベースですと、こういう災害があったという災害ベースのデータベースになっていると思います。例えばこういう職種で、こういう状況だと何が起こるのかということを調べたいときに、辞書的に使えないかという趣旨です。
○労働者健康安全機構理事(和田)
今の御質問は、職場のあんぜんサイトに掲載されているデータベースについて、一般の方でももっと利用しやすいように工夫が必要なのではないかという御質問でよろしいでしょうか。私どもは、厚労省から提供を受けたデータは、全てその中に載せており、いろいろな組合せで分析するための素地は整っております。只今、貴重な御意見を頂きましたので、今後、これを見直していく際には、先生の御意見も参考にさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○労働者健康安全機構理事(遠藤)
2点目の補助金に関する御質問についてお答えいたします。先ほど久米先生がおっしゃったとおり、補助金については、私どももいろいろ情報を、労災病院ごとに情報を収集して、必要に応じて申請するというような流れになっております。こういったものを有効活用していくというのは、当たり前のことだと思っております。
ただ、如何せん、こういったものというのは、恒久的に得られるものではないということで、安定的な経営基盤の確保という意味では、診療収入が重要かなということで、結論としては、両方を見ながら、それぞれについて収入を確保できるように取り組んでいくというところで、今後もその姿勢については変わらないところです。
○久米構成員
2つの質問について、ありがとうございました。後者については、ある種一時的なというところで、その資金をうまく活用しながら体力を付けていくということだと理解しました。ありがとうございました。
○三宅主査
そのほかはいかがでしょうか。梅崎構成員、お願いいたします。
○梅崎構成員
治療の両立支援に関して質問いたします。治療というのは、勤続する年齢が高くなれば、両立は今後も増えてくる、例えば70歳まで働きましょうといったら、治療をしながら働くことは非常に増えてくるので、大変重要な事業だと思っております。その上で、両立支援のコーディネーターの能力、ノウハウは大変重要だと思っております。なおかつ難しいことだと思っております。例えば、12ページの講習会を見ますと、勤務先というところで、医療機関関係者が40%とか、こういうのは分かるのですが、企業・(団体等)内担当者が42%というのは、おおよそどういう人が企業から来ているのか。人事部の方なのか、産業保健の方なのかというのは、分かることがあったら教えてほしいと思います。企業側の参加者について、もう少し詳細はいかがでしょうか。
○労働者健康安全機構総括研究ディレクター
中岡です。企業の担当者については、基本的には産業保健を担当している方が見えています。企業の規模別に見ると、大企業から来ている方が多くて、50人未満の事業場の方というのは、このうちの20%ぐらいで、大企業ではこういうことは周知されて、中小企業では周知されていないというのが現状ですので、これについても今後何とかしていかなければいけないとは思っております。
○梅崎構成員
ありがとうございます。大企業と中小企業の間の違いは、越えなければいけない大きな壁だと思います。もう一点、治療と仕事を両立させるというのは、知識とかノウハウだけの問題ではなくて、立場の違いというのが結構重要です。治療ということだけを考えれば、個人が、できるだけ治療と両立させたらいいという、個人の利益なのですが、企業側で考えると、その人にどうやって仕事をマネジメントするかです。マネジメントの立場というのはすごく重要です。どうやって使うかという点です。そこを考えないと、治療があるのですというと、仕事の切り出しのようなことがすごく難しいのです。
先ほど、「企業の方ではどういう方が来ているのですか」とお聞きしたのは、長期的に考えたときに、企業の方でも産業保健だけの担当の方が来ると、その人はできるだけ復帰してほしい、できるだけ治療と両立したい、つまり個人目線なのですが、企業の中には組織目線の方がおられて、人事部で、例えば配置転換とか、管理職の人がどうマネジメントするかというところに対して、いわゆる労務管理をよく知っている人までコーディネーターの言葉が届いていかないと、無駄とは言いませんが、両立支援、しかもコーディネートするということは難しいのではないかと思っております。そこに課題のようなものとか、改善案とか、人事に届く、更に現場の職場マネジャーに届くといった場合に、工夫をされておられたらお聞きしたいと思いました。いかがでしょうか。
○労働者健康安全機構理事(磯尾)
むしろ、これまで両立支援コーディネーターのバックグラウンドというか、もともと病院に所属している人という側面が大きかったのですが、トレンドとしては、徐々に企業側に所属している人がコーディネーターに新たになってという傾向が出てきているかと思います。今、新たにコーディネーターのための基礎研修を修了される方というのは、病院に所属している人と企業に所属している人、大体同じぐらいの数になってきていますので、どちらがよりよいのかということではなく、それぞれの役割を果たして、社会全体で偏りなくというようになればいいかなと思うのですが、確かに小規模の事業場で、それだけの十分なケアができないという問題点は、これからの課題かなと感じております。
○労働者健康安全機構理事長
よろしいですか。理事長の大西です。長らく両立支援に携わっておりますので、歴史などを考えると、今のお話について率直に言うと、各団体、企業のトップ、又は人事担当ぐらいの力を持っている人が両立支援に理解を示さないと進まないということですよね。おっしゃるとおりで、両立支援コーディネーターについては、中小企業では産業保健関係者もいないので、中小企業だとオーナーの社長とか、そういうトップに近い方が受けていらっしゃることも多々あります。パーセンテージは把握しておりません。
一方で、我々は両立支援コーディネーターを育てることで、日本中に産業界、医療界において両立支援というものを啓発、普及していく1つのルートだと思っております。
これまで、我々は産業保健総合支援センターを介して、企業のトップが両立支援を企業内で宣言するのだということを、下世話な話ですが、ブラックジャックの漫画とか、サラリーマン金太郎の漫画で、社長が率先するのだという啓発のツールを作って、企業向けのセミナーにおいて使っておりますので、そのルートにおいて、今、梅崎構成員がおっしゃったことについても、会社全体の上のほうにも、両立支援を啓発・普及していくのだということは心掛けておりますので、両立支援コーディネーターとの合体でやっているつもりでございます。
○梅崎構成員
もちろん、トップが主導するということは大事だと思います。私が先ほど申し上げたのは、職場のマネジャー、課長というのは、配置の差配をしていると思うので、そこはトップの影響を受けた人だと思います。いわゆる労務管理のルール、制度、法律の話ではなくて、どう差配するかというのは、暗黙のルールというような形でやっているものなので、そこのノウハウが医療関係者にも伝わったほうがいいなという意味でも申し上げました。
○三宅主査
大分時間も食い込んでおります。次に、西岡構成員にお願いいたします。いろいろと伺いたいことはあると思いますが、コンパクトにお願いいたします。御回答も簡潔にお願いいたします。
○西岡構成員
今、出てきた両立支援コーディネーターに関して、検討いただきたいということでお話をさせていただきます。養成が進んでいることは今回の資料を拝見していて分かりましたが、実際に利用されるとか、両立支援コーディネーターが活躍できる場がないと、なかなか浸透していかないのかなと思います。実際にどのぐらい活用、利用されているのかについては、このデータからは分かりませんでした。今後、この事業そのものを広めていくときに、利用の場面、どういうメリットがあるかを、もう少し分かる形で見せていくことも必要だと思いましたので、その辺を御検討いただければなと思います。特に回答は必要ございませんので、検討いただければということです。
○三宅主査
御指摘を、今後の検討にいかしていただきたいと思います。加藤恭子構成員、お願いいたします。
○加藤恭子構成員
病院経営が難しい中、非常にたくさん改善されて、目標達成されているということで、とてもすばらしいと思いながら聞かせていただきました。先ほどの小野先生の質問と被ってしまうのですが、38ページの人件費の所です。賞与カットについて、たくさん成果を出されているにもかかわらず賞与がカットされているというところが、事前のレクチャーでも質問させていただいたのですが、これだけ今回222億円の改善もあったということで、賞与カット、そちらに対しても今後改善されるというような計画はあるのでしょうか。今後について、カットではなくて、賞与は適切に渡すような形に戻るのかという。
○労働者健康安全機構理事(遠藤)
それについては現時点ではっきりしたことは申し上げられないのですが、先ほどから御指摘いただいているとおり、職員のモチベーションは非常に重要ですので、何とかそういったものも考慮しながら、また判断していくことになるかなと思います。
○加藤恭子構成員
理論的にも、従業員満足あっての患者の満足というつながりがありますので、是非御検討のほどよろしくお願いいたします。
○三宅主査
荒谷構成員、お願いいたします。
○荒谷構成員
時間もありませんので、私のほうで、感想を2つほど述べます。財務内容の改善に関する事項についてですが、令和7年に中期目標を変更されたということですので、中期目標を期の途中で変更するほどの重要性と緊急性があったから、新たな測定指標を設定されたと認識しています。そうなのであれば、そうした要素も評価の軸に反映されることを検討されてもよいのではないかと思いました。ただ、変更されたのが年度の途中でもありましたし、どういったタイミングが目標と実績評価という面で適時性、そのタイミングがよいということになるのかも、検討要素になるのかなと思いました。
もう1つです。同じくですが、経常収支率が新たに中期目標の変更によって測定指標になったのであれば、この説明資料の中でも、35ページと36ページで要因分析されていますが、経常収支率という測定される指標自体が、余り載っていないので、それが比較されるような形であったほうが分かりやすいのではないかと思いました。
○三宅主査
どうもありがとうございました。繰り返してすみません。大分、時間が押してきていますので、今、御質問と、それから、いろいろ御感想やアドバイスだと思いますので、是非今後にいかしていただければと思います。
それでは、ここでちょっと区切りまして、ここからは法人の監事及び理事長から、年度中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントいただければと存じます。最初に、法人の監事から、続いて、理事長よりお願いいたします。
○労働者健康安全機構監事(有田)
ありがとうございます。監事の有田でございます。はじめに、令和7事業年度に係る監査について御説明します。資料は、2-4に付けてございます。ローマ数字のⅠは監査の具体的な方法と内容について記載しております。監査の結果につきましては、ローマ数字のⅡに記載しております。法人の業務執行の適法性、有効性、効率性など、いずれにつきましても、監査報告において指摘すべき事項は見受けられませんでした。監査報告につきましては以上となりますが、業務運営全般につきまして、何点かコメントをさせていただきたいと思います。
はじめに、令和7事業年度の業務実績全般についてであります。監事としては、重点化対象項目はもちろんのこと、その他の項目や課題につきましても、当機構は真摯に取り組んでおり、それぞれ課題はあるものの、期待に応える成果を上げているものと受け止めております。
特に、本日も様々、御論議がありましたけれども、労災病院の経営改善に向けた取組につきましては、昨年度期中において中期目標の変更があり、当機構における中期計画、年度計画についても変更しているところですけれども、当機構においては、月次のモニタリングによって各労災病院の状況把握を強化し、個別の状況を踏まえた、きめの細かい経営指導をするなど、本部と病院が緊密に連携し、一丸となって収支改善の取組を進めていること、収支改善の困難な病院については、新に設置した部署において、関係自治体との協議を深め、周辺医療機関との連携や財政支援等による経営改善の可能性を探るなど、多角的な取組を進めていることに加えまして、賞与支給月数の引き下げ、投資的経費の大幅な抑制など、痛みを伴う経営改善策も果断に実行し、賃上げ・物価上昇支援事業に係る補助金の支えもあって、昨年度から200億円を超える収支改善を図り、病院経営を取り巻く環境が大変厳しい中において、単年度収支の黒字化を実現することができたことは、特筆すべきことであると監事として評価をしております。
他方で、本日論議はありましたけれども、こうした賞与支給月数の引き下げ、投資的経費の支出抑制や補助金などにつきましては、あくまで時限的、緊急避難的な措置であるとの認識でありまして、今年度の大幅な診療報酬改定があってもなお、将来の投資負担も含めた自力・自走体制の実現、労災病院事業が安定的かつ、持続可能になったという状態にはいまだ至っていない、道半ばであると言わざるを得ないものと考えております。
当機構は勤労者医療の充実、産業保健の強化、勤労者の安全向上という理念の下、我が国社会において大変大きな役割を担っておりますが、その領域は一層深化し拡大していくものとの認識にあります。その役割を将来に渡って十分に発揮し続けるためには、その基盤となる労災病院事業の経営健全化を早期に実現し、持続可能な状態とすることが必要であり、これまでの手を緩めることなく緊張感をもって取り組み続けること、そして、それを実現することができるのは、多様な働き手一人一人が働き続けたいと思える組織があってこそとの思いをもって、機構一丸となった取組を実施されることを期待しております。長くなりました。以上となります。ありがとうございました。
○労働者健康安全機構理事長
本日は大変貴重な意見を賜り、誠にありがとうございました。先ほども監事から御紹介がありましたが、当機構は勤労者医療の充実、勤労者の安全向上、産業保健の強化の3本の柱を理念としておりまして、我が国の産業や経済の礎を維持、発展させるとともに、勤労者一人一人の人生を支える大きな役割を担っております。当機構の推し進めます勤労者医療の柱である治療就労両立支援事業につきましては、本年4月に施行されました改正労働施策総合推進法において、労働者の治療と就業の両立支援のための必要な措置を講じることが事業主の努力義務と定めたことにより、今後、両立支援コーディネーターに対する期待は一層高まるものと考えております。
第5期中期目標期間の後半に向けて、両立支援コーディネーターの養成並びにスキルアップにも引き続き取り組んでまいります。また、産業保健活動総合支援事業においては、小規模事業場に対する産業保健活動の支援を強化するため、令和7年6月に協会けんぽとの連携体制を構築したところでございます。この連携をいかして、産業医の選任義務がない小規模事業場においても、労働者の健康づくりのための必要な取組が進むよう、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援などを推進してまいります。
研究分野におきましては労働災害の減少など、労働安全衛生行政の推進に資する研究に加えまして、多くの施設を運営する当機構の特色をいかした協働研究、更には国からの個別要請に基づく調査・研究について、引き続き迅速かつ着実に取り組んでまいります。
このように、当機構の事業は国の根幹を支える働く方々の健康と安全の確保に寄与しており、少子高齢化による労働力不足が切実な課題となる中で、その重要性は益々高まっていくものと認識しております。このように、当機構の事業はその重要性が益々高まっていく中で、一方で、医療人材の偏在、物価高騰、医師の働き方改革への対応、高齢患者の増加など、個々の医療機関の努力だけでは克服が困難な多数の課題によって、病院経営を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。
こうした中にあっても、勤労者医療の中核的な役割を担う労災病院を安定的に経営していくことは、当機構に課せられた使命を果たす上で極めて重要であり、引き続き徹底した経営改善に努めてまいります。
本日は労災病院、治療就労両立支援センター、産業保健総合支援センター、労働安全衛生総合研究所など、当機構が総力を上げて取り組む各事業について有識者の皆様から大変貴重な御意見を賜りましたことを、改めて心より感謝申し上げます。皆様から賜りました御意見を今後の私たちの事業運営に着実に反映させ、厚生労働省と一体となり、働く人々の健康と安全を守り続けてまいります。本日は誠にありがとうございました。
○三宅主査
どうもありがとうございました。それでは、ただいまの監事、理事長の御発言に対して、何か御質問や御意見があればお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。特段、御発言がないようですので、本日はどうもありがとうございました。最後に理事長からも、これまでの話と今後に対する力強いお言葉を頂戴して、我々もちょっと安心をいたしております。ただ、一方で、繰り返しになりますけれども、非常に厳しい社会状況の中で、業務の運営を行っていくということが非常に皆さんの毎日毎日の業務、特に現場の業務にストレスを与えているということは、国民全体としても非常に大きな問題と思っています。
一方で、多くの課題、今日はそれに対して、非常に多くのアドバイスというか、御意見を頂戴したと思いますので、ここら辺はすぐに解決できない問題というのが非常に多いと思うのですけれども、正に本省のほうと一体となって、国民の安全・安心を実現できるように。たくさん御意見を頂いたということは、逆に言えば非常に多くの期待を機構に寄せているということの裏返しだと思いますので、その辺も是非、理事長をはじめとした役員の皆さんのリーダーシップで、正に持続的な機構としての業務運営を続けていっていただきたいと思います。我々は、いろいろ質問させていただくというのは機構のことをもっと理解したいと思いますし、むしろ、これで機構がいい方向にいくことで、世の中が少しでも国民の望む方向に進んでいくということを幾らかでもサポートできればと思っておりますので、引き続き、大変だと思うのですけれども、是非、業務運営、それから、いろいろな研究活動もあるので、中長期的な視点も含めて組織の運営にあたっていただきたいと思います。本当に、どうもありがとうございました。
以上で、本WGの議事は終了となりますので、最後、事務局からよろしくお願いいたします。
○事務局
今後の流れについて御連絡いたします。ただいま御議論いただきました、労働者健康安全機構の「令和7年度業務実績評価」につきましては、この後、本WGにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメントなどを踏まえた上、厚生労働大臣による評価を決定して、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表させていただきます。決定したそれぞれの内容につきましては、後日、構成員の先生方にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
本日は長時間に渡り熱心な御議論を頂き、また、円滑な議事運営に御協力いただき、本当にありがとうございました。それでは、本WGはこれで終了とさせていただきます。ありがとうございました。

