2026年8月4日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第64回) 議事録
日時
令和8年8月4日(火)10:30~12:00
場所
中央労働委員会 労働委員会会館 612会議室
出席者
三宅主査、荒谷構成員、梅崎構成員、加藤恭子構成員、加藤伸子構成員、久米構成員、酒井構成員、土橋構成員、西岡構成員、安井構成員
議事
- 議事内容
- ○事務局
定刻になりましたので、ただいまから「第64回独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG」を開催します。
事務局の政策立案・評価担当参事官室、兼坂です。どうぞよろしくお願いします。マイクのトラブルがありまして、大変申し訳ございません。
構成員の先生方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。今回の会議は対面参加とオンライン参加を組み合わせた形式となっています。お部屋の関係でモニターが使えないために、オンラインのほうは音声のみとなってしまいますので、御了承を願います。
本WGの出席状況について、御報告差し上げます。本WGは、主査をお願いしております三宅先生、荒谷先生、梅崎先生、加藤恭子先生、加藤伸子先生、久米先生、酒井先生が会場での御参加、土橋先生、西岡先生、安井先生がオンラインでの御参加となります。
続きまして、本日の資料について説明いたします。本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますのでそちらを御覧ください。オンライン参加の先生方におかれましては、お手元に事前にお送りしています会議資料を御準備願います。本日の資料は、資料1及び資料2-1~資料2-4と、参考資料1~参考資料5となります。資料の不足などございましたらお知らせ願います。大丈夫でしょうか。
それでは三宅先生、議事の進行をお願いいたします。
○三宅主査
おはようございます。三宅です。ここから私のほうで進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
本日は「勤労者退職金共済機構」につきまして、「令和7年度業務実績評価」に係る意見聴取を行うこととなっています。法人から各評価項目における評定の根拠について重点的に説明いたしますので、評価の内容を中心に皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。なお、本日の会議はおおむね1時間半を予定しておりますので、円滑な議事の運営に関しても御協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。
それでは早速、議事に入りたいと思います。まず、「勤労者退職金共済機構」の「令和7年度業務実績評価」について御議論いただきたいと思います。初めに、法人から簡潔に御説明いただきまして、説明が終わりましてから、質疑応答という流れで進めていきたいと思います。御説明をお願いいたします。
○勤労者退職金共済機構総務部長
勤退機構総務部長の曽我と申します。私のほうから説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
お手元のタブレットの資料2-1、「評価の要約」の右隅にページ番号が振っていますので、その右隅の2ページを御覧いただきたいと思います。業務実績評価項目一覧です。ローマ数字Ⅰ~Ⅳまでカテゴリーが分かれていて、それぞれⅠならⅠの中にも細分化されています。全ての項目について令和7年度はBということで、自己評価をしております。それぞれについてこれから御報告をさせていただきます。
3ページを御覧ください。評価項目№1-1、退職金共済事業(資産の運用)です。Ⅰ、中期目標の内容を御報告いたします。(1)制度の特徴及び運用の目的です。機構の資産の運用は、長期的な観点から安全かつ効率的に行うことを目的としていまして、退職金を将来にわたり確実に給付することを目的として行うこと、こういった内容になっています。(2)資産運用の目標です。1行目真ん中辺りから、中期的に退職金共済事業の運営に必要な利回りを最低限のリスクで確保すること。資産運用の目標として掲げております。(3)運用の目標達成に向けた取組ですが、日本ポートフォリオの期待リターンと運用実績との差異の原因を分析し、その原因を踏まえて基本ポートフォリオ、マネジャー・ストラクチャーの見直しなどを実施しています。(4)スチュワードシップ責任に係る取組です。スチュワードシップ責任、機関投資家の資産運用者としての責任ですが、そういった責任を果たすための活動を一層推進することを掲げています。
4ページを御覧ください。こちらは指標の達成状況の上のボックスです。左から2列目の指標の所ですが、資産運用委員会が作成する資産運用に関する評価報告書において運用実績を踏まえ、年間を通じて運用の目標の達成に向けた取組とか、スチュワードシップ責任に係る取組の対応が適切に実施されたとの評価を受けることを指標として掲げております。その右横の実績値ですが、今回先ほどの取組について適切な実施がされたということで評価を受けましたので、達成度は達成とさせていただいております。
その下のボックスの、評定の根拠です。令和7年度はの所ですが、基本ポートフォリオの有効性及び変更要否の検証を行い、令和8年10月を目途に予定運用利回りの変更を控える建退共について、令和8年4月1日付けでの基本ポートフォリオ改定を決定した。また、令和6年度から引き続いて、マネジャー・ストラクチャーの見直しを順次行った。適時のタイミングで評価・選定を行うことができるマネジャー・エントリー制度の導入も実現した。また、活発なスチュワードシップ活動を行い、日本版スチュワードシップ・コード第三次改訂版の受入れ、令和6年度に続く「責任投資活動報告書」の公表を行った。こういったことを評定の根拠にしております。
8ページを御覧ください。評価項目№1-2、一般の中小企業退職金共済事業についてです。こちらも自己評価はBです。中期目標の内容を御報告いたします。(1)加入促進対策の効果的実施として、一番上のポツですが、中期目標期間中に新たに加入する被共済者数を165万人以上とすることとしております。そのほか、(3)中退共システム再構築です。2026年度に新システムの運用開始を目指し、設計・開発の着実な進捗管理、想定外の事態への適切な対応を取ること。また、並行して2025年末までに手続のオンライン化を実現することというのを掲げております。
9ページを御覧ください。指標の達成状況です。(1)加入促進対策の部分ですが、令和7年度の目標は、指標の所の一番上の行です、33万人以上としています。実績値が35万3,206人、達成度107%となっています。1つ飛んでその下の指標、説明会の所ですが、24回以上、参加者数300人以上としており、実績値がそれぞれ達成度100%以上となっております。
次に、(4)確実な退職金の支給に向けた取組の部分ですが、その右横の指標について、未請求者の関係です。人数は毎年度2%以下とすること、金額は0.5%とすることとしています。令和7年度については、実績値がそれぞれ人数が2.07%、金額が0.65%となっており、達成度が人数が96.6%、金額が76.9%となっております。
10ページを御覧ください。要因分析についてです。説明会参加者数については、機構のほうで積極的に関係機関に対して、オンライン説明会の案内チラシデータの提供などを行い、参加者数が大幅に増加しました。その下、未請求退職金額の割合は、初期値が、最初の対象者が高かったということですが、今年度期初において100万円以上の高額未請求者の割合が12.3%で、第4期中期の平均と比べて高かったと。また、未請求金額の総額を占める高額未請求者の金額の割合についても、前期と比べて高かったこともありまして、年1回とされていた高額未請求者に対する要請を最大計5回実施したのですが、0.65%で、目標は未達となったところです。
12ページを御覧ください。評価項目№1-3、建設業退職金共済事業についてです。自己評価はB、中期目標の内容は、(2)サービスの向上について、一番上の、○電子申請方式について、CCUSとのデータ連携やメニューの充実・改善を行い一層の利用促進を図ること。また、ポツの2つ目、退職金ポイントの額を掛金収入額の30%以上とすることなどを掲げております。
13ページを御覧ください。指標の達成状況について、(1)加入促進対策について、令和7年度の目標は9万5,000人以上、実績値が9万3,842人、達成度98.8%です。(2)サービスの向上について、指標の2つ目の行ですが、電子申請による掛金の原資となる退職金ポイントの額を掛金収入額の30%以上、令和7年度目標の12%以上としております。実績値が9.78%、達成率73.8%となっています。
14ページを御覧ください。要因分析です。一番上のボックスで、電子ポイント方式による掛金納付が十分に進んでいないことに関して、未導入の企業にヒアリングを行ったところ、「証紙貼付方式に慣れている」、「電子ポイント方式の導入に対しメリットがない」という意見が多かった。そのために、購入した退職金ポイントの2%(最大5%)を還元するキャンペーンを行いました。また、令和7年10月に電子申請システムの大規模リニューアルを行い、利便性を高めました。その措置を講じたところ、令和8年3月末の掛金納付率がこれまでの最高値である9.78%となりました。今後はキャンペーンの効果検証を踏まえ、新たなキャンペーンの実施を検討するほか、各都道府県で説明会、電子化に困難を抱える企業へのアドバイザー派遣などの支援体制を構築し、更に電子化を加速していく所存です。
16ページを御覧ください。評価項目№1-4、清酒製造業退職金共済事業です。自己評価はBです。こちらは毎年度着実に行っているというところです。
17ページを御覧ください。指標の達成状況は、加入促進対策が令和7年度目標50人、実績値77人、達成度154%です。その下のそれぞれの行についても100%以上の達成度になっています。
19ページを御覧ください。評価項目№1-5、林業退職金共済事業についてです。中期目標の内容、(1)累積欠損金の処理について、「累積欠損金解消計画」、令和2年に策定したものです、それに沿って、着実なる累積欠損金の解消を図ることを目標にしております。
20ページを御覧ください。指標の達成状況について、(1)累積欠損金の処理について、実績値ですが、剰余金の水準が解消計画を上回った。また、累積欠損金を解消したということで、達成とさせていただいています。その下の(2)加入促進対策は、令和7年度目標が1,400人以上、実績値が1,362人、達成度が97.3%となっています。
24ページを御覧ください。評価項目№1-6、財産形成促進事業についてです。自己評価はBです。こちらも粛々と行っているというところです。
25ページを御覧ください。指標の達成状況について、1、融資業務の実施の所ですけれども、貸付決定までの審査期間は平均5業務日以下という目標に関して、実績値が4.14日、達成度が100%です。その下、貸付の件数ですけれども、令和7年度目標は360件以上、実績値が172件、達成度が47.8%となっています。その下、要因分析について、③財形持家融資の利用者の減少を踏まえ、関係機関などと連携するなど、利用促進に取り組んだ。しかしながら、以下の要因によって目標の達成率は47.8%となったと考えています。住宅価格が高騰しており、また住宅着工件数が減少し続けていること。住宅ローン市場において、変動金利型商品のシェアが最も高い状態が継続していること。こういうことが理由だと考えています。
27ページを御覧ください。評価項目№2-1、業務運営の効率化に関する事項についてです。自己評価はBです。中期目標の内容は1から順に、1、効率的かつ効果的な業務実施体制の確立等、2、業務運営の効率化に伴う経費削減、3、給与水準の適正化、4、業務の電子化に関する取組というのを掲げていまして、こちらも着実に取り組んでいるという評価をしております。
31ページを御覧ください。評価項目№3-1、財務内容の改善に関する事項です。自己評価はBです。Ⅱ、指標の達成状況は、林退共の所で出ました累積欠損金の解消の話が再掲の形で掲げておりまして、欠損金の解消ができていますので、達成とさせていただいています。
32ページを御覧ください。評価項目№4-1、その他業務運営に関する重要事項です。自己評価はB、こちらも着実に実施しているという自己評価です。内容的には、1、ガバナンスの徹底として、(1)内部統制の徹底、大量の個人情報を適切に管理するため、管理状況に関する監査を徹底するなどをしています。(2)情報セキュリティ対策の推進等として、各種規程の整備、研修・教育等を行い、情報セキュリティ対策に取り組んでいるところです。(3)事業及び制度の改善・見直しに向けた取組、厚生労働省が行う財政検証に必要な情報を提供するなどを行っています。
35ページ、最後の項目です。評価項目№5-1、予算、収支計画及び資金計画・短期借入金の限度額・重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画・剰余金の使途・積立金の処分に関する事項についてです。こちらも自己評価はBとしております。こちらも粛々と行っているというところでして、例えば第7、重要な財産の譲渡、担保などあるかなど、そうした内容のことは該当がないなど、適切な処理を行っているところです。ざっとですが、以上で御報告とさせていただきます。
○三宅主査
御説明どうもありがとうございました。それでは、ただいまから令和7年度の実績評価について、御意見や御質問をお願いしたいと存じます。オンラインのほうからも、どうぞ積極的に御発言いただければと思います。いかがですか。それでは、オンラインから安井構成員、お願いいたします。
○安井構成員
御説明いただきまして、どうもありがとうございました。3つ質問させていただければと思っております。27ページのボックスの最後のほうに、中小零細企業ではパソコンやインターネットが必ずしも十分に活用されていない実態もあり、電子申請方式の利用が進んでいない現状にあるためと書いてあります。ここで、NTTドコモによりますと、スマホについては、70代は86%、80代前半でも69%と、急速に普及しております。これを踏まえると、スマホを使って、中小零細企業でもうまく申請できるようなシステムを構築することはできないものなのでしょうか。これが1点目です。まず、こちらからお願いします。
○三宅主査
これはどなたにお願いできますか。それでは、理事、お願いいたします。27ページの所で、スマホ等によって申請ができないかということです。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
27ページの赤字の下段の所でよろしいでしょうか。
○安井構成員
そうです。スマホなどを使ったシステムを作ることはできないのでしょうかという質問です。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
スマホについても対応はさせていただいているのですけれども、中小零細企業では、例えば従業員が数名しかいない所もあり、そもそもパソコンも含めてですが、こういった電子化が、まだまだ追い付いていないというのが現状です。それに対して、今年からにはなりますが、アドバイザー制度というものを始めまして、実際に現地で教えたりしながら、浸透させていきたいと考えているところです。
○安井構成員
分かりました。では、2つ目の質問ですが、6ページの右側の①の上から4行目の所に、令和8年10月を目途に予定の運用利回りの変更を控える建退共については、令和8年4月1日付けでの基本ポートフォリオの改正を決定したとあります。ちょっと不思議だなと思ったのですが、5ページの右下の所に、予定運用利回りの見直しが行われて、そこから矢印が基本ポートフォリオの見直しとなっているので、これは順番が逆のような気がします。つまり、予定運用利回りが変更されてから基本ポートフォリオを見直すのが普通なのかなと思うのですが、6ページを見ると、順番が逆な感じがしないでもないのですけれども、それは何か理由等があるのでしょうか。もしくは、私の見方が間違っているのでしたら、御教示いただければと思っております。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
担当理事の松田です。音声は聞こえておりますでしょうか。
○安井構成員
聞こえております。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
御質問、どうもありがとうございます。右下の6ページの①の記載ですが、今の安井先生の御質問に鑑みますと、ちょっとここの書き方が分かりにくかったということかと反省します。先生のおっしゃるとおりの順番でプロセスを踏んでおりまして、令和8年10月に予定運用利回りを1.3から1.5に変更することを決めました。その上で、それに見合う適合的な基本ポートフォリオを見直すというプロセスを踏んだということでございます。どうも失礼いたしました。
○安井構成員
大変よく分かりました。ありがとうございます。最後の質問です。エンゲージメントとして、7ページのスチュワードシップ活動報告会などを、すごく積極的にされていらっしゃいます。こういったスチュワードシップ責任を果たす活動のアウトカムとして各運用受託機関が何か行動を変えたのかについて教えていただけませんでしょうか。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
実際には機構のスチュワードシップ活動の大きなパーツが、運用受託機関のスチュワードシップ活動報告を受けまして、彼らのエンゲージメント事例を意見交換するというプロセスを行います。ご高尚のとおり、こういった活動を通じまして、投資先企業の企業価値向上に対して、間接的にも促していくという枠組みでございます。
ただいまの御質問ですと、その中で多岐にわたる事例を紹介されつつ、意見交換をするわけなのですが、今の御質問への御回答としては、1つ、何か具体的な事例を御紹介するのが良いのかと思い、申し上げます。
ある運用機関が、投資先の広義のサービス業界の企業に対して、協力会社や非正規も含めた人権対応、雇用環境に関する調査、いわゆる人権デューディリジェンスと呼ばれる取組を実施いたしまして、当該企業による是正措置の明確化を促したというような事例を聞き、意見交換をいたしました。こういったところが1つの成果ではないかと私どもでは確認しております。以上です。
○安井構成員
なるほど。サービス業というのは、どういったところでしょうか。企業名はいいですけれども、サービスでいうと、どのような感じですか。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
広義のサービス業関連と申し上げましたが、もうちょっと絞ると、メディア系です。
○安井構成員
メディア系なのですね。分かりました。ありがとうございました。
○三宅主査
ありがとうございます。そのほかに何か御質問があれば、それでは、久米構成員、お願いします。
○久米構成員
久米です。御説明ありがとうございました。経済環境の変化がいろいろある中で、資産の組合せをしながら資産を守りつつ、運用しつつ、加入している人たちへ還元されていることがよく分かりました。その上で幾つか質問があるのですが、1つは、未請求の方に対しての対応で、要請を5回しているとか、働き掛けてはいるがそういう人たちが増えているという状況についてですが、これというのは、ずっと請求されない状態が続くと、その権利はなくなってしまうのですか、それとも、ずっと積み上がっていくのかというところの、1つは、なぜ請求されないのかということと、もう1つは、その権利がいつかなくなってしまうのかどうかを、すみません、不勉強で恐縮ですけれども、教えていただきたいことの1点目です。
2点目は、累積欠損金について解消されたということで、これも長年掛かっていたことが、無事に解消されたのは、良かったなと思っています。一方、理由としては、株価が上昇してというのが、主な理由として書かれているのですけれども、将来的な見通しとして、株価が、仮に金利が今後、上がるのが見えている中で、企業の活動が停滞するとして、株価が下がるとなったときに、また欠損金が発生していく可能性があるのかという見通しについて、お聞かせいただきたいということが2点目です。
3点目は、非常に大まかな問いで恐縮ですけれども、金利がいつ引き上げられるかということがずっと議論されている中で、一般的には金利が上がれば債券の価格は下がるし、株価がもう下がるだろうと言われていますが、そういった今後の金利の引上げの見通しについて、どのように考えているか、非常におおざっぱな質問で恐縮ですが、以上、3点をお願いします。
○三宅主査
それでは、理事からお願いします。
○勤労者退職金共済機構理事(牧野)
中退共担当の牧野と申します。私から未請求対策について御説明させていただきます。ずっと請求されないと、どうなるのかということですが、法令上、請求権については、5年の時効があるとなっており、それ自体は退職者にもお知らせしているのですけれども、実際には5年経過後に請求されてもお支払いするという運用を取っておりますので、事実上、期限がないような状態になっております。そういうこともあり、退職金を請求してくださいと督促するときに、期限を過ぎると請求できないということは明示していないわけです。いつ請求してもいいというような状態になっておりますので、人によっては何年もたってから請求する方が、どうしても出てくるということになります。
2%未満という目標を立ててやっているのですが、年々のんびりした人が増えてきている状況で、大きくは、少額なので手続が面倒という人と、あと、少し退職金額が多いので移動通算をしたい、転職先で通算したいという理由で請求を遅らせている、大きく2つのグループがあります。近年、増えているのが、移動通算を考えて退職金請求を遅らせている人です。何回督促しても、なかなか反応してくれないことがありまして、今回、目標達成率が100%に達しなかったのですが、なかなかこの傾向を変えるのが難しい状況になっています。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
2点目と3点目については、私から回答したいと思います。資料の右下のページで、22ページの参考事項6のグラフを御覧いただくと、林退共の累積欠損金の近年の推移が、ここで示されております。青実線の折れ線グラフを御覧いただきますと、令和5年度に大きく改善し、左の目盛りで見ていただきますと、プラスゾーンに浮上しました。令和6年度は、またゼロを下回り、令和7年度は、再度ゼロを上回るという仕儀になっております。やはり不透明感が極めて強い市場、マーケットの動きによって、近年はこのゼロ近傍のところでアップダウンしている状況です。御質問の趣旨に鑑みますと、昨年度については、解消したというように申し上げましたが、このような情勢であるというように御理解を賜ればと思っております。
御質問の3点目は、金利上昇期にある中で、どのような見通しのもとでポートフォリオ運営を行っているかという御趣旨かと理解いたします。毎年、ポートフォリオの有効性については、定期的に検証しておりますけれども、直近ですと、ポートフォリオ構成の変更に取り組んだのは令和6年度でした。デフレが解消し、日本銀行の金融政策が異次元金融緩和を解消するというタイミングに至り、大きな経済金融動向の変化があったという認識に立ちまして、ポートフォリオの構成を見直して、今後、金利が上昇していく中で、長期的な視点で見ますと、必要とされる予定運用利回りに対して、取るリスクを削減しながら、高い金利になっていくと、達成できる可能性が高まるだろうというようなことから、伝統四資産の割合の中で、国内外の株の比率を下げつつ、国内債券の比率を引き上げるという見直しを行いました。
その背景にあるシナリオとしては、金利の水準が上方修正される遷移期においては、金利上昇の債券価格の下落によってポートフォリオの評価は悪化していく。その後、金利が高い水準で定着すると、保有利回りの向上によって、ポジティブに効いてくると。こういうパスを想定していた具合です。
その後、昨今の現在に至るまでの金利上昇は、想定よりも、少しピッチは早いかと思いますが、ポートフォリオのパフォーマンスの出方としては、おおむねそのような出方になっておりまして、したがいまして、今、金利水準の遷移の真っただ中では、ポートフォリオの大部分を占める国内債券の評価の悪化のほうが強めに出ているような時期に現在はあり、この先、定着してくると、先ほど申し上げましたように、ポジティブに効いてくる時間帯に遷移していくのではないかと考えております。以上です。
○久米構成員
御説明ありがとうございました。1つ目の未請求に関しても非常によく分かりまして、請求者の立場に立った対応をされているということがよく分かりました。移動先でもそれを継続したいという方がいるという意味では、今後そういう事案も増えてくるのかという印象を受けました。
2つ目の金利との関係についても、ポートフォリオをどう見るかというところに関して、短期と長期の影響をバランスを見ながら対応されていることがよく分かりました。非常に説得力のある御説明いただいたと思っております。ありがとうございました。
○三宅主査
ありがとうございました。そのほかに。酒井構成員、お願いします。
○酒井構成員
御説明ありがとうございます。私からは、非常に細かい、本当に確認程度の質問で恐縮なのですが、電子ポイント方式の普及状況に関する説明、資料ですと15ページかと思うのですが、この資料の読み方について確認させてください。電子申請のほうにシフトするように様々な御努力をされているということで、例えばこの図表②ですと、オレンジ色のラインで電子申請による納付率が徐々に上がっていくような設定を目標にされているかと思うのです。
一方で、実績値を見ると、10月、11月ぐらいまでほぼ横ばいということで、12月にポンと跳ね上がっていることが確認されます。その次の所が意味を解しかねているのですが、一旦12月に9.14%に上がった納付率がその後7.14%、6.47%と下がって、また3月の年度末に9.78%ということになっているかと思います。この9.78%という年度末の数値をもって過去最高とおっしゃっているわけですが、一旦12月に9%まで上がった申請率がその後7%、6%に下がるということは、一旦電子申請に切り替えたのだけれども、その後やめてしまったところがあるということなのでしょうか。その意味を解しかねたので、そこを教えていただきたいということで、どういう理由かは分かりませんが、この実績値の変動の仕方から、ポイント還元のキャンペーンやシステムの大規模リニューアルによる効果だと果たしてみなしていいものかというところを疑問に思ったので、質問させていただく次第です。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
御質問ありがとうございます。建退共の電子ポイントの割合については、この青い折れ線グラフのようにずっと6%台で横ばいをしていたところですが、その中で今、委員の御指摘にもありましたように、昨年の10月に大幅な電子申請サイトのリニューアルをやり、相当簡便に使いやすい利便性の高いシステムに変わりました。そもそも、この電子ポイントの利用率がかなり低い状態ですので、大手企業が大きな額を購入するだけでも、かなり変動があったりするものです。ですので、正確な要因分析はできてはいないのですが、恐らくこの12月の所で9.14%に上がっているのは、電子申請サイトのリニューアルを受けて、電子ポイントを活用された企業が多かったのかと思います。
一方で、電子ポイントは毎月一定額を購入するというよりも、工事ごとに買っていきますから、工事が次に始まるときに購入ということになるので、1月、2月にかけてまた徐々に、低空飛行のところに戻ってきたのですが、3月は要因としては明らかですが、還元キャンペーンの締切りが3月だったので、ここは駆け込み需要で9.78%になったということです。
○酒井構成員
分かりました。ありがとうございます。今御説明を伺ってよく分かったのですが、そうすると逆に目標のラインが徐々に上がっていくこと自体が、そんなに現実味があるわけではないという見方もできるのかと思ったので、むしろ変動が大きいほうがリアリティーがあるのかと思いました。ありがとうございます。
○三宅主査
ありがとうございました。それではオンラインから西岡構成員、お願いいたします。
○西岡構成員
御説明ありがとうございました。自己評価が全てBということであったのですが、内容を確認させていただくと、きちんと事業を実施していただいているようで、その点も今日の説明でよく分かりました。私からは、2点質問させていただきます。1点目は先ほど他の委員からも質問があったかと思うのですが、10ページの未請求への対策に関してです。現行の対策として通知回数を増やすということで取組をしていただいていて、その点に関しては一定の評価ができるところかと思います。一方で、やはり目標に達成していないことがあるので、それは背景をきちんと分析して今後取り組んでいく必要があるかと思います。先ほどの話ですと、のんびりしている人が増えているというようなことで、状況がかなり変化していることもあるかと思います。今後現状の請求される方の変化を踏まえて、どのような改善の方向性を考えていらっしゃるのかをお伺いしたいのが1点目です。
2点目は、電子ポイント方式に関してです。ヒアリング結果で証紙の貼付方式に慣れていることと、メリットがないことが障壁になっているのだということを理由として挙げられているのですが、これは実態として、どちらのほうが導入に関しての障壁となっているのか。その分析によって、多分対応の方法が異なってくると思うのですが、現状としてどちらのほうが理由として大きいのかをお伺いできればと思います。
○三宅主査
理事からお願いします。
○勤労者退職金共済機構理事(牧野)
中退共の未請求に関して、牧野からお答えさせていただきます。きちんと背景を分析して改善策を考えるべきという御指摘だと思いますが、全くそのとおりです。先ほども申し上げましたとおり、未請求者には、退職金が少額なので手続が負担になって請求されない方、それから移動通算を考えて請求を遅らせている方と、大きく4対6ぐらいで二グループいらっしゃるということです。最近増えているのは後者のほうではあるのですが、今強化している対策が、請求してくださいという督促の回数は増やしているのですが、それだけですとなかなか効果が上がらないということを感じているところですので、別のアプローチを考えていく必要があるのではないかと思っているところです。
ですので、そもそもの手続がもう少し簡単にできないのかというのは、考える余地があると思います。今は一応電子申請もできるようにはなったのですが、基本的には今はほぼ100%郵送で申請していただくという形になっておりますし、書類もマイナンバー付きの住民票とか、いろいろな書類を要求しますので、それが負担になる方はどうしてもいらっしゃるかと思いますので、そういう手続がもっと簡素化できないかということについては考えていく必要があるかと思います。
それから、どうしても今のやり方が退職者個人の方に請求行為が委ねられてしまうので、そこをもう少し事業主も関与して退職時に請求していただくようにできないのかというのは、これはまだ個人的に考えているところなのですが、やり方を工夫できないかというのは今後検討したいと思っております。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
2点目の建退共の電子ポイント方式が進まない理由ですが、どちらのほうがより多いのかといいますと、証紙方式に慣れているという声のほうが大きいのかと思っています。やはり、電子化をする心理的なハードルといいますか、そういったものがかなりあるのかというのが実感です。
○西岡構成員
ありがとうございます。そこだけで何かできることとできないことが、対策としてはあるかと思うのですが、やはり簡素化していくとか電子化してそれをうまく普及していくというような、今取組を進められていることを更に促進される部分と、新しい対策として考えていく部分という両方の枠組みで、今後対策をとっていっていただければと思います。どうもありがとうございました。
○三宅主査
ありがとうございます。それでは、加藤伸子構成員、お願いします。
○加藤伸子構成員
御説明いただき、ありがとうございます。細かいところを教えていただければ有り難いのですが、9ページの(3)中退共のシステムの再構築というのがあり、そこに令和7年度末までにオンライン化は終わること、2026年度には新しいシステムの運用開始をするということで、もう2025年度末までに予定どおりこれが終わり、もう今年度2026年度に新システムの運用開始が間近に迫っていると思って大丈夫でしょうか。
○勤労者退職金共済機構理事(牧野)
御質問ありがとうございます。システムの再構築と、手続のオンライン化と大きく2つあります。手続のオンライン化については、e-Govという政府全体の電子申請システムを使って様々な申請手続のオンライン化を図るというもので、これについては昨年12月に現時点でオンライン化できるものについては、完了いたしました。利用が始まっており、まだ全体の数パーセントというような状況ですが、全部の手続を合わせると月1,000件ぐらいまでオンラインでされるようになってきています。
それから、もう1つ、システムの再構築については、中退共の全てのデータ管理を行う基幹システムの言語を刷新するということをやっております。これを、今年の9月下旬までに完了させるという予定でいたのですが、完成前のテスト段階で、まだかなりのバグが出るような状況で、もう一段このシステムの精度を高めないと、切り替えた後にトラブルがあってシステムが停止するというようなことになると、業務に非常な影響を及ぼしますので、9月末の稼働は今は難しいという判断になっております。切替えのために時間が必要なので、正月の長期休暇を利用して1月から新システムを稼働させたいということで、今、最後の準備を進めているところです。この再構築は、前後で何かがオンライン化されるという話ではなくて、業務自体はそれほど大きく変わらないのですが、トラブルなくできるようにしっかり進めていきたいと思っております。
○加藤伸子構成員
ありがとうございます。令和7年度ということであれば、目標に実現することと書かれていたので、したものは実現したとどこかに書いておいていただけると、すごく達成できたという感じが分かりやすいのかと思いました。また、令和8年度の基幹システムの移行に関しては、システムの稼働が遅れるのはよくあることではありますので、年度内に進むことを願っております。
もう一点教えていただければ有り難いのですが、電子ポイント方式でいろいろ大変な状況の中、9.78%まで上がってきて、目標までもう少しというところで上がっているという御説明を頂いたのですが、現状ですと今年度は6%ぐらいの上昇を見込んでいて、このままいくと10年掛かると60%上がるというような感じかと。そのまま線形的にいけばですが、どこかで爆発的に上がるというような、何かそういうシナリオを描かれているのか、その辺りの長期的な見込みについてあればお教えいただければ有り難く思います。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
御質問ありがとうございます。同じ割合でいくのか、どこかで加速していくのかという、どちらかと言われると、後者のほうかと思っています。やはり国も含めて、この建退共の電子ポイント方式については、普及方策も取っていただいております。1つの例としては、今年の4月からですが、国土交通省の直轄工事に関しては、この電子ポイント方式を原則化する方針が出されているところです。やはり、建退共を御利用いただいている企業を見ますと、公共工事の割合がかなり多かったりするものですから、そういった国の取組や私どもの取組も含めて、今はかなり集中的に電子ポイントの普及に向けて取り組んでいますので、今年、更に来年の2年ぐらいを掛けて上がっていくと、これは半分期待値も込めてですが、予測をしているところです。
○加藤伸子構成員
ありがとうございます。
○三宅主査
それではオンラインから土橋構成員、よろしくお願いします。
○土橋構成員
土橋でございます。御説明ありがとうございます。ここまでの質疑も含めて聞きまして、業務も適切に行われており、評価も妥当であるというように感じます。
ちょっとだけ細かい質問でございますが、電子申請方式、既にいろいろお話が出ておりますが、最終的には業務の効率化につながると思いますが、12ページの(2)のサービスの向上の所で、この建設業務の(2)について、建設キャリアアップシステムとのデータ連携やメニューの充実・改善ということが書かれておりますが、具体的にこういったものがサービスの向上、加入者のメリットとどうつながるかというところを少し御説明いただければと思います。以上です。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
お答えいたします。建退共の掛金を納付する場合には、工事ごとに何人の労働者の方が何日働いたかというようなところを掛け算して額を出していくということになるわけですけれども、証紙方式の場合は、それを手作業で積み上げていくという作業が必要になります。
一方で電子申請方式と連携している建設キャリアアップシステムですけれども、こちらのほうは建設労働者の処遇改善、技能向上を目的として、別の団体が運営管理しているシステムなのですけれども、カードがありまして、それを労働者の方が工事現場に行ったときにピッとカードタッチをすると、もうそれでその方が何月何日にどこで働いたかというのが、データとして蓄積されていくことになります。
これを実績報告をする際に、1か月単位で我々の建退共のほうと、まとめて自動的にデータ連携できるような仕組みに昨年10月からなりましたので、かなり業務の効率化にはなっているのではないかと考えているところでございます。
○土橋構成員
メニューの充実・改善については、具体的にはどのような内容でしょうか。
○勤労者退職金共済機構理事長代理
昨年ホームページをリニューアルいたしまして、従来は電子申請をする場合でも、2つのサイトの間で資料を作って、それをまた写すというような、若干面倒な作業がありましたが、それを昨年のリニューアル後は、1つの画面の中でできるようにしたということが大きなところかなと思っております。
○土橋構成員
分かりました。ありがとうございます。
○三宅主査
ありがとうございます。そのほかは、いかがでしょうか。では荒谷構成員、お願いいたします。
○荒谷構成員
御説明ありがとうございました。いろいろ御尽力されて結果を出されているということは、よく分かりました。ただ、全ての評価項目がBということになっておりまして、例えば1-1の資産運用について教えていただきたいと思います。こちらの先ほどまでの説明にもありましたとおり、活発にスチュワードシップ活動をやられていると。経済、金融情勢に応じて基本ポートフォリオの変更もされていると。
それから、5ページ、6ページを見ますと、共に期待運用収益率を上回る運用実績を上げておられるというような、そういう御説明だったと認識しているのですけれども、これは重要度も困難度も「高」ということなのですけれども、どういう状況になったらAになるのか、多少控えめにBとされているのか、あるいは、もう少しこの辺りが改善されたらAでいいと思っているなどというのが、もしありましたら教えていただければと思います。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
担当理事の松田がお答えいたします。まず、この評価に至る背景のプロセスについての説明を先にさせていただきますと、年度ごとに資産運用委員会の委員による評価報告書というものがまとめられます。その評価報告書を踏まえて、資産運用の領域については、SAB式評価ができるという、こういうリンクになっています。
その資産運用委員会の評価報告書はどんなものなのかということなのですが、数十ページの分量で文章で書かれまして、資産運用業務の全般に至る取組活動内容について、網羅的かつ仔細にパートごとに評価文言が付されるような形の編集のされ方になっています。
文言の付され方としては、××××という取組が行われており、これは目的に対して適切であるとか、こういう表現がなされます。適切であるというのは、やるべきことをやっているという意味で、フラットな評価というように理解しまして、したがいまして、このAかBという話ですと、Bに相当するような記述ですね。個別に見ていきますと、令和7年度は、そういった多岐にわたる幾つかの取組について、ほとんどフラットな、適切であるというような言葉遣いがされました。
ただ1つだけワンノッチ高めの、高く評価するというような言葉が付された領域もございまして、それは、運用機関の選定についてという項目について、そのような付され方がなされました。
評価自体は定量型ではなくて定性型でやってもらっています。運用機関の選定とはいっても、これは超過収益の水準が高かったということを踏まえてではなく、それに至るプロセス、取組かたのところが、知見のある委員の皆様から見ても、私どもが高く評価してもらえたのではないかと思っております。
したがいまして、今の御質問に立ち返ってみますと、専門性の高い資産運用委員の目から見て、一つ一つの取組項目について、ワンノッチずつ上げていくということができるかどうか、やれるならやってみなさいという御指南だというように受け止めます。
資産運用委員によると、報告書の中では、単にその評価文言を付けるだけではなく、我々機構の資産運用の実務者と将来に向けた課題、トピックについて、認識共有しながら指摘するというような内容も含まれております。
一例を挙げますと、昨年の場合ですと、例えばリスク管理の強化として、リスク管理項目を拡充したり、報告体制を整備するとか、あるいは人材確保の育成とですとか、それからALM、ポートフォリオの奨励、収支の整合性を長期にわたって確認していくことが課題だったはずです。こういった取り組むべき課題も付されております。こういった重点的に挙げられている課題のところについて、顕著なる取組ができれば、A評価に引き上げていただけるのではないかなと思うところもございます。以上です。
○荒谷構成員
そういった資産評価委員会の評価報告書の中で、新たな課題が毎年出てくる、それにもチャレンジしていくという中で、高く評価するという項目が、もし増えていけばAに値するというような評価になるということかと思いました。その認識であっていますか。
○勤労者退職金共済機構理事(松田)
はい。ということだと、私は理解いたします。また加えまして、やはり資産運用の領域、世の中の期待が高まっているのは事実だと思います。したがいまして、毎年同じことをきっちりかっちりやることにとどまらず、継続的に改善、進歩がなされることが、委員の評価における期待目線にあるのだと思いますので、それを更にアップデートするというのがチャレンジだと思います。
○荒谷構成員
大変よく分かりました。ありがとうございました。
○三宅主査
よろしいですか。それでは加藤構成員、お願いします。
○加藤恭子構成員
御説明いただきまして、誠にありがとうございました。私のほうからは、事業とはちょっと離れた内容になってしまうのですが、32ページの所で、その他業務運営に関する重要事項という所で、2の人事に関する事項をお伺いしたいなと思っております。
自己評価がBということになっておりますが、令和元年に作成した育成とか意識向上に関する取組というのは、具体的にどのようなことをやっていらっしゃるかということと、ダイバーシティ、その次の所ですね、女性登用や障害者の積極的採用によるダイバーシティを推進することということですが、こちらに関しては、例えば数値目標みたいなものを立てて取り組まれているのかどうかということを教えていただけると助かります。
○三宅主査
これは、どなたから。理事からでいいですよ。それでは。
○勤労者退職金共済機構総務部長
総務部長から回答させていただきます。まず、人事に関する事項についてということで、人材の確保、育成の方針に基づいた取組でございますけれども、当機構については、職員の方々の自主的な活動、仕事とは別のOff-JTといいますか、自己研鑽についても推奨するということで、業務に関係ある資格ですけれども、資格取得をする場合に、費用の一部助成などもしておりまして、従来は認めていなかった証券アナリストとか金融関係の資格についても、その取組を行った場合には助成するとか、そういったものを令和6年度に取り組んだり、今後も自らの取組なども促進しながら、また仕事を通じたOJTも通じて能力開発に努めてもらえるようにということで、人事担当としては考えています。それが1点です。
あと、女性の登用に関しては、女性の比率30%ということを目標に掲げているのですけれども、管理職の女性比率については、もともと政府の方針などを参考に目標の作成に至ったのですけれども、かなり昔の方の採用は、やはり男性と女性の比率では男性のほうが多い人口構成でしたので、管理職適齢期の方というのが、適性がある方全て管理職になったとしても、なかなか目標に届かないというところもあるのですけれども、今後も性別にかかわらず、能力のある方が管理職に就いていただけるようにということで、取組を進めたいと考えております。以上でございます。
○加藤恭子構成員
どうもありがとうございました。
○三宅主査
その他、よろしいですか。それでは、ちょっと時間のほうも押していますので先へ進みたいと思います。いろいろと御質疑いただきましてありがとうございました。
それでは、続きまして法人の監事及び理事長から、年度・中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントいただければというように思います。まず最初に法人の監事から、続いて理事長よりお願いいたします。
○勤労者退職金共済機構幹事(清水)
監事の清水でございます。本日は隣におります熊谷監事とともに、令和7事業年度の監査結果について御報告いたします。
まず、監査報告書につきましては令和8年6月19日付けで理事長宛てに提出しております。内容は資料2-4、令和7事業年度監査報告に記載のとおりでございます。業務監査では監査実施計画に沿って役員や職員の皆様から職務の執行状況を伺い、関係書類の確認、理事会など重要な会議への出席を通じて、機構の意思決定の流れや業務の進め方を確認いたしました。
会計監査では計算書類の閲覧や会計部門からの聴取を行い、更に会計監査人から決算監査の結果報告を受けております。その上で内部統制、役員の不正行為、法令違反、事業報告書や財務諸表の内容について確認したところ、いずれも適正に行われており、重大な指摘事項はございませんでした。総合的に見まして、当機構の業務は法令等に従い適正に実施されており、第5期中期計画に基づく令和7事業年度の計画の達成に向け、効果的かつ効率的に進められていると評価しております。
監査報告としては以上でございますが、今後の業務運営の推進に当たり、日頃の監査や役職員との意見交換を通じて得られた気付きを述べさせていただきます。当機構は中退共本部や各特退共本部など複数の事業本部に分かれており、縦割りの傾向が強いため、有益な知見が共有されにくい面があります。こうした状況の中で、現中期計画期間では新たな取組として広報や加入促進に関する事業本部間の連絡会が設置され、各本部のノウハウを共有する取組が始められております。情報発信についてはYouTubeに加え、新たにInstagramとXに公式アカウントを開設し、発信チャンネルが拡充されました。また、機構としての認知度向上を目的としたロゴマークも作成されました。これらの事業本部を横断した取組は、機構全体の活性化につながる施策であると評価しております。
今後、中退共ではシステム再構築後に業務の見直しにも着手されると認識しております。現行が基本紙ベースで行われている届出、申請について、加入者の利便性向上の観点からオンライン化を積極的に検討いただきたいと考えております。また、建退共では電子ポイント方式の普及拡大に向け、様々な施策が展開され、外部団体との連携も進められておりますが、加入者の利便性向上に資するよう更なる検討をお願いいたします。
最後に、機構全体として、あらゆる場面でのデジタル化を一層推進していただきたいと考えております。デジタル化は加入者の利便性向上のみならず、業務効率化や制度運営の高度化にもつながるものです。本日、委員の皆様より頂いた貴重な御意見を踏まえ、今後も効率的かつ効果的な業務運営を推進し、時代の流れに取り残されることのない、持続可能な組織として発展していくことを期待しております。以上、私からの報告を終わります。
○勤労者退職金共済機構理事長
理事長の梅森でございます。本日は熱心に御審議いただきましてありがとうございました。頂きました御指摘・御意見は今後の業務運営にいかしてまいります。
さて、令和7事業年度を振り返ってみますと、引き続き資産運用と中退共システムの再構築の2つが重要な課題となりました。資産運用につきましては、先ほどご説明したように、建退共の基本ポートフォリオの改定、マネジャー・エントリー制度の導入、日本版スチュワードシップ・コード第三次改定版の受入れ、責任投資活動報告書やアセットオーナー・プリンシプルに関する取組状況の広報などを行いました。こうした内容につき、資産運用委員会から適切であった旨の評価を頂いたところです。
この間、資産運用の結果でございますけれども、市場が大きくアップダウンする中で、幸いにも期待収益率とベンチマークの双方を上回る実績をあげることができました。また、中退共システムの再構築につきましては、これは約半世紀ぶりの全面更改でございますので、難易度の高い開発になっております。それでも、令和7事業年度は何とか予定どおり進めることができました。
次に、現在進行中の令和8事業年度について申し述べます。最重要課題は、引き続き資産運用と中退共システムの再構築であると認識しております。資産運用につきましては御案内のとおり、市場の先行きが非常に不透明な中、運用の質の向上を図るべく、国内債権のマネジャー・ストラクチャーの見直しを行っているところでございます。また、スチュワードシップ活動も引き続きしっかりと取り組んでまいります。更にオルタナティブ投資の検討も開始したところでございます。
2つ目の重要課題、中退共システムの再構築につきましては、先ほど理事の牧野からも言及があったとおり、本年9月の活動を目指して最終的なテスト工程を進めてまいりましたけれども、難易度が非常に高いということもありまして、システムの品質がなお不十分でございます。そこで、品質をもう一段上げて稼働開始を迎えることが適切だと考えまして、今般、令和9年1月に新システムの稼働開始時期を延期することを決断いたしました。このプロジェクトを確実に完了させるべく、プロジェクト管理を強化し、不退転の覚悟で取り組んでいるところでございます。
審議会の動向を拝見しますと、現在、労働政策審議会におきまして、物価や賃金の上昇など、社会、経済の変化を踏まえ、中小企業退職金制度や勤労者財産形成促進制度の在り方についての御議論が始められております。機構といたしましてはこうした御議論を踏まえ、引き続き厚生労働省さんに対して制度見直しの検討に必要な情報提供をさせていただくとともに、今後示される制度の見直し方針への対応をしっかりと行っていきたいと、このように考えている次第です。以上でございます。
○三宅主査
どうもありがとうございました。それでは、ただいまの監事と理事長の御発言内容について何か御意見や御質問があればお願いいたします。よろしいですか。オンラインの方も特に御発言なければ。どうもありがとうございました。
それでは、なかなか私のほうも話すタイミングがなかったもので、最後に一言だけ。本日、いろいろと委員の皆様に御指摘いただいて、今後の活動に対しての示唆を頂いたと思います。正に、機構としては、最後に理事長のお話であった資産運用のお話と、それからシステムの再構築の、非常に大きな仕事になるというように認識しています。特に、システムの再構築に関することでは、昨今、やはり、サイバーセキュリティ、情報セキュリティ、個人情報の話というのが非常に大きく捉えられていますので、その辺りもきちんと専門の方々と議論されて、信頼度の高いシステムを構築していただきたいというように思います。
また、一方、監事から先ほど御指摘がありましたように、システムだけではなくて、一般業務のDXの推進に関しても、世の中の動きにきちんと追随できるような形で進めていく。この辺に当たっては、正に理事長を含め、役員の皆さんのリーダーシップというのが問われているところだというように思いますので、是非、国民の負託に応えられる持続可能な組織として、これから引き続き業務運営、それから活動を続けていっていただきたいというように思います。なかなか難しい課題、確かに社会情勢が変わるということはあると思うのですが、機構としてのミッションというものを再確認をしていただいて、随時、本省の皆さんとも議論を重ねて、正に持続可能な機構として組織運営を行っていただければというように思います。よろしいでしょうか。
それでは、以上で本WGの議事を終了いたします。最後に事務局からよろしくお願いいたします。
○事務局
まず、本日は音声のトラブルが続きましてお聞き苦しい、またお見苦しい点もございました。深くお詫び申し上げます。
続きまして、今後の流れについて御連絡いたします。ただいま御議論いただきました勤労者退職金共済機構の令和7年度業務実績評価につきましては、この後、本WGにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメントなどを踏まえた上、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表させていただきます。決定しましたそれぞれの内容につきましては、後日、構成員の先生方にもお送りいたしますのでよろしくお願いいたします。
それでは、本WGはこれで終了させていただきます。長時間にわたり熱心な御議論を頂き、また円滑な議事運営に御協力いただき、本当にありがとうございました。

