2026年7月31日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第43回) 議事録

日時

令和8年7月31日(金)15:00~16:30

場所

中央労働委員会 労働委員会会館 講堂

出席者

石井主査、岩崎構成員、江原構成員、川原構成員、河村構成員、小林構成員、下山構成員、鈴木構成員、渡邊構成員

議事

議事内容
○事務局
 定刻になりましたので、ただいまから「第43回独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG」を開催いたします。事務局の政策立案・評価担当参事官室の兼坂です。よろしくお願いいたします。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。今回の会議は対面参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式となっています。
 本日のWGの出席状況について御報告いたします。本WGは、主査をお願いしております石井先生、岩崎先生、江原先生、小林先生、下山先生、鈴木先生がこの会場での御参加、川原先生、河村先生、渡邊先生がオンラインでの御参加となります。大村先生はオンライン参加予定でしたが、現時点でアクセスされていないため事務局で確認中です。
 続きまして、本日の資料について説明いたします。本日の資料に関してはお手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。オンライン参加の先生方におかれましては、お手元に事前にこちらからお送りしている会議資料を御準備ください。本日の資料は、資料1、資料2-1から資料2-4、参考資料1から5までとなります。資料の不足等がございましたらお知らせください。大丈夫でしょうか。
 ここで、今日、報道関係の方が傍聴されるとの連絡がありましたが、本日の会議の撮影に関してはここまでとなります。よろしくお願いいたします。
 それでは、石井先生、議事の進行をお願いいたします。
 
○石井主査
 主査の石井でございます。よろしくお願いいたします。着座にて進めさせていただきます。それでは、「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」につきまして、「令和7年度業務実績評価」に係る意見聴取を行います。法人から各評価項目における評定の根拠について重点的に説明をお願いいたしますので、評価の内容を中心に皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。本日の会議はおおむね1時間半を予定しておりますので、円滑な議事運営に御協力いただきますよう、よろしくお願いたします。
 早速、議事に入りたいと思います。まず、「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」の「令和7年度業務実績評価」について御議論いただきたいと思います。初めに、法人から簡潔に御説明いただき、説明が終わってから質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務部長
 始めさせていただきます。独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園でございます。資料2-1に沿いまして御説明させていただきたいと思います。「令和7年度業務実績評価説明資料」です。
 1ページ目を御覧ください。こちらは事業体系図です。国立のぞみの園では、重度の知的障害者の自立のための支援、その調査と研究、支援者の養成や研修などを総合的に行っています。中期目標、中期計画について、また、その評価指標についても、これらの事業体系に沿って取組を実施しています。中段から評価指標を記載しています。1-1は、入所利用者の地域移行、高齢の入所利用者支援、著しい行動障害を有する者等への支援、1-2は、のぞみの園のフィールドを生かした調査・研究やその成果の発進、1-3は、障害者支援業務に従事する職員の養成・研修、1-4は、全国の自治体や知的障害者関係施設等の求めに応じて行う援助・助言、1-5は、その他の業務として診療所の運営、障害児の通所支援等、このほか業務の効率化又は財務内容の改善といった項目がございます。
 2ページを御覧ください。こちらは、令和8年4月1日現在の施設入所利用者と障害福祉サービスの概況です。入所利用者は平均年齢63.2歳、有期限入所利用者を除くと72.0歳、平均入所期間は36.1年、平均障害支援区分は5.9となっています。年齢は60歳代以上の方が約7割、入所期間は30年以上の方が約7割を占めています。
 3ページを御覧ください。評価項目№1-1 自立支援のための取組です。自己評価はAとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりですが、これらの目標は困難度、重要度とも「高」と設定されています。
 4ページを御覧ください。こちらは指標の達成状況の一覧です。左から目標、指標、令和5年度から令和7年度の実績値と達成度を記載しています。令和7年度の達成度は2段目の地域生活体験の取組が153%、3段目の各寮における保護者への説明会の実施が300%、4段目の著しい行動障害を有する者等への支援が60%、下から2段目の医療的ケアが必要になった者への支援が50%となっています。
 5ページを御覧ください。ただいま申し上げた4つの指標は達成度が120%以上又は80%未満となっていますので、その要因を分析して記載しています。まず、地域生活体験の実施日数についてです。目標が毎年度延べ300日以上に対して実績は458日で目標を上回りました。これは法人の努力結果によるものと考えています。具体的には、当法人のグループホーム及び通所生活介護事業所の体験利用を実施し、本人の意思確認やニーズ把握に努め、社会生活体験を計画的に行ったことが要因です。また、地域移行した2人については、地域移行の説明や移行を確認し、寮職員が付添い見学や短期宿泊体験から長期宿泊体験へと段階的に丁寧に進めました。
 次に、保護者懇談会等の開催についてです。目標が各寮1回以上に対して実績は各寮平均3回で目標を上回りました。これは法人の努力結果によるものと考えています。具体的には、保護者への地域移行の理解を深めていただくため保護者懇談会等を実施し、対面のほか、来園が難しい保護者や家族に対してはオンラインを活用しました。加えて、保護者・家族の面会の場面を通じコミュニケーションを積極的に図り、当法人のグループホームの様子や出身自治体の受入先状況などを伝えるといった工夫も図りました。また、希望者にはグループホームの見学を実施し、実際の生活の場を見ていただくことを通じ、新たに3人の地域移行の同意につながりました。
 次に、著しい行動障害を有する者等の受入れ人数についてです。目標25人以上に対して実績15人で目標を下回りました。これは「外部要因」によるものと考えています。具体的には、①能登半島地震により被災した10人の利用者の地域移行が進まなかったこと、②退所後に空室となった居室について、環境調整や器物破損による原状復帰のための改修工事に時間を要したこと、③弄便行為等に対する特殊清掃を行ったこと、④虐待事案に伴う緊急一時保護の要請に対応したことなどにより受入調整が遅れ、地域移行とのローテーションが崩れたことが主な要因です。なお、外的な要素により計画通りの受入れが進まなかったことが要因であることから、目標の変更は行いません。
 次に、医療的ケアが必要になった者の受入れ人数についてです。目標4人に対して実績は2人でした。これは外部要因によるものと考えています。取組の状況ですが、当法人ホームページ等を活用して積極的に広報活動に努め、8人から利用の相談がありましたが、長期入所等の希望者を除いた2人の支援を行うこととなりました。なお、次期中期目標については指標における目標値又は指標自体の見直しを検討します。
 6ページを御覧ください。自己評価Aとした根拠について2点挙げました。まず、施設入所利用者の地域移行の推進についてです。有期限入所利用者を除く施設入所利用者の平均年齢は72.0歳となり、加齢により身体機能の低下・重症化が進行している。また、障害支援区分の平均は6.0であり、認知症や日常的に医療的ケアが必要な利用者が多くなっています。このため、食事、排せつ、移動等の日常生活全般で手厚い介助が必要なほか、喀痰吸引、経鼻経管などの医療的ケアへの対応が求められ、これらの支援には、専門的知識や技術を有する職員の確保、医療機関との連携、健康状態の変化や緊急時への迅速な対応が必要であり、地域移行にあたっては、こうした介護度の高さや医療的ケアの対応を理由として、受入先事業所等の確保が年々困難となっています。このように利用者の高齢化・重度化、医療的ケアニーズの増加、保護者の高齢化などにより地域移行を取り巻く環境は年々厳しくなっていますが、保護者懇談会、グループホーム見学、宿泊体験・日中体験、サポートブックの活用、移行後のフォローアップ等を通じて、利用者本人及び保護者・家族の理解と安心感の醸成に努めました。その結果、地域生活体験は目標を大きく上回る実績となり、地域移行についても目標を達成し、利用者が安心して地域生活を継続できる体制づくりに貢献できたと考えています。
 次に、高齢の施設入所利用者に対する支援についてです。施設入所利用者の重度・高齢化に対応するため、利用者が住み慣れた場所、環境等で最期を迎えることができるよう、意思決定支援を重視したターミナルケア体制の構築を進めました。具体的には、本人、家族及び関係者への丁寧なヒアリングを実施し、ACP、いわゆる人生会議を積極的に推進した結果、気づき期3件、看取り期4件、計7件のACP委員会を開催し、生活寮での看取りを1件実践するなど、利用者の意思を尊重した終末期支援を具現化することができました。また、看取り支援では職員の精神的負担が大きいため、公認心理師の支援のもと、振り返りや思い出語り、お別れの会を実施し、グリーフケアの仕組みを構築したことは評価できると考えており、職員の悲嘆や喪失感の軽減を図るとともに、安心して看取り支援に取り組める組織体制づくりにつながりました。
 さらに、実践で得られた知見や取組内容についてニュースレター等を通じて情報発信を行い、他の障害者支援施設や事業所への普及に努めました。これらは、高齢知的障害者支援やターミナルケアに関する先進的な取組を、地域や障害福祉分野全体へ波及させる取組として評価できるものと考えています。
 少し飛びますが、16ページ目を御覧ください。評価項目№1-2 調査・研究です。自己評価はSとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりですが、これらの目標は重要度「高」と設定されています。下段を御覧ください。指標に対する達成度は全て100%以上となっています。
 17ページを御覧ください。こちらは達成度が120%以上となった目標の要因分析を記載しています。全ての項目において法人の努力結果によるものと考えています。まず、外部研究者等と協働した研究の割合についてです。目標60%以上に対して実績は78%、達成度は130%です。これは、海外の研究機関と連携した「インドネシアにおける福祉サービス等支援者の育成に関する研究」、地域の関係者と協働した「地域で生活する発達障害児者が地域生活の中で必要とする配慮に関する研究」、教育分野と関わる研究として「災害時に特別支援学校が福祉避難所として機能するための効果的な研修スキームの構築」、「群馬県教育委員会との強度行動障害支援における共同研究」といったテーマについて、より高度な知見を求めて外部の研究者に協力を求め、連携・協働しながら調査研究を実施したことが要因としてあげられます。
 次に、民間研究助成等への応募数についてです。目標1件以上に対して実績は2件、達成度は200%です。これは、当法人が採択されている厚生労働科学研究等では吸収できないテーマについて、全国の支援現場から提案が寄せられており、その期待に応えるためのテーマ設定を行ったことが要因です。また、この結果については、民間の助成研究等の情報を積極的に収集した成果であり、目標の1件を上回っていますが、民間助成研究の公募のテーマが、毎年度、当法人のフィールドに適したものが設定されるとは限らないため、目標の変更は行いません。
 次に、各種学会等への成果の発表回数についてです。目標42回以上に対して実績107回、達成度255%です。これは高齢期の知的・発達障害者への支援ニーズが、国内の支援現場で年々増加している中で、のぞみの園が、高齢期の知的・発達障害者への実践と研究が結び付いた知見の発信を強みとしていることにあると考えています。また、著しい行動障害の状態にある人への支援など、当法人が取り組んでいる調査研究について、研究紀要やニュースレターのほか、全国の行動障害の状態にある人への支援者、家族等が情報共有を行うために、令和7年度から発刊した会員向け広報誌『Standard Support』による発信をしており、各地の研究者、支援現場職員、家族、行政関係などの関係者に注目されていることが要因となっているものと考えています。この結果については、ホームページやSNSを通じた研究成果の発信や、様々な研修・セミナー等を実施している成果であり、目標の42回を上回るものですが、依頼のある講義・講演等のテーマが、毎年度、当法人のフィールドに適したものが設定されるとは限らないため、目標の変更は行いません。
 18ページを御覧ください。調査・研究成果等の被活用状況の把握数についてです。目標4回以上に対して実績12回、達成度300%です。これは研究者等の関心を踏まえた新年度の研究テーマの設定を行うための判断材料に使用したほか、研究成果のダウンロード数の実績が目標を大幅に上回っている要因の把握・分析にも活用し、次期の目標値設定につなげる予定であるため、この把握を年4回から毎月1回の計12回に増やしたことが要因です。今後は頻繁な把握を行う必要性は低いため、被活用状況の把握回数についての目標の変更は行いません。
 次に、調査・研究成果の被ダウンロード数についてです。目標5,300件以上に対して実績6万6,362件、達成度は1252%です。これは、法人ホームページにおいて、研究者ごとに過去の成果を含めた研究成果を検索しやすい工夫として、リサーチマップとのリンクを整備したことが要因としてあげられます。また、この結果、海外、特にアジアの研究者のダウンロード数が増えています。なお、次期目標の策定にあたり、指標における目標値又は指標自体の見直しを検討します。
 次に、ホームページのアクセス件数についてです。目標3万1,000件以上に対して実績5万5,007件、達成度は177%です。これは、ホームページで調査研究テーマ候補の募集を行うことや、全国の障害者支援施設等への援助・助言や講師派遣等においてのニーズを踏まえて調査研究を行うなど、支援現場や当事者・家族の関心に沿った成果物を掲載したことや、新しい記事の掲載時にSNSによる情報発信を図ったことが要因と考えています。なお、次期目標の策定にあたり、指標における目標値又は指標自体の見直しを検討します。
 19ページを御覧ください。評定の根拠について記載していますが、右側の理由の欄を御覧ください。評価にあたっては、量的な観点として8つの指標のうち、実績値が目的値の120%以上となったものが6つの指標であり、前年度の5つを超えた点を考慮しました。調査研究の実施においては、国が方針を示している行動障害の状態にある人を受け入れ、チームで支援を行うための人材養成や、身体拘束廃止・防止に向けた事業所の体制整備などの取組について、全国の自治体や事業所が迅速に着手しやすくなるよう、令和7年度は「身体拘束廃止・防止の手引き」など、研究成果物の作成と情報発信を行いました。
 また、知的・発達障害者の高齢期の支援について、国内外の先行事例や研究が児童期や成人期に比べて相対的に少なく、支援現場での取組も消極的であることから、令和7年度は高齢期の支援として看取り実施導入マニュアルを作成しました。加えて、海外においては高齢期前の成人期の障害福祉サービスの構築も十分でない地域があり、日本の知的・発達障害者支援に関心が寄せられていることから、令和7年度は、行動障害に関する日本の研修テキストの翻訳を開始しました。このように、のぞみの園が率先して、国内の支援者や海外の研究者とも連携して調査研究を進め、日本における福祉分野の情報発信に貢献してきたところです。
 さらに、行動障害の状態になることを予防するためには、児童期から教育と福祉の連携が重要であることから、令和7年度は、教育機関と共通に用いることができる研修テキストの検討、学校間連携などを効果的に行う方法等に関する共同研究を進め、のぞみの園が福祉分野で蓄積してきた知見を教育分野の人材育成や体制整備の推進に役立てているところです。
 以上の点を踏まえ、評価にあたっては、質的な観点として、①国が方向性を示している、行動障害の状態にある者の支援や身体拘束廃止・防止に向けた取組について、全国の自治体や事業所で実際の取組が円滑に進むように、現場のニーズに沿った情報収集・分析・研究成果のまとめ・発信を行ったこと、②先行例の少ない高齢期の支援や国際的な協力に取り組んだこと、③福祉分野の範囲を越えて教育分野においても、のぞみの園の取組で得られた知見を活用できるようにするとともに、教育分野の体制整備に協力したことについて考慮いたしました。
 このように、調査研究にあたっては、量的だけでなく質的にも困難度が高い取組内容を実施しており、さらに、当法人の自主的な取組による創意工夫により、目標策定時に想定した以上の政策実現に寄与しているものと考えており、このため、自己評価をS評定としました。
 少し飛びまして、27ページを御覧ください。評価項目№1-3 養成・研修です。自己評価はAとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりであり、指標に対する達成度は全て100%以上となっています。
 28ページを御覧ください。こちらは達成度が120%以上となった目標の要因分析を記載しています。全ての項目において法人の努力結果によるものと考えています。まず、研修会・セミナー参加者の満足度についてです。受講者のアンケートに、「根拠に基づいた支援の基本的な考え方を分かりやすく実践的に学べた」、「チーム支援に関する意識が高まった」といった研修内容に関する感想や、全国の仲間とつながる集合研修の開催やオンライン研修時の質問会など、講師や参加者同士の交流が充実していたという運営上の工夫を評価する声が回答されており、これらが高い評価に繋がっていると考えています。
 次に、実務研修生等の受入数についてです。国立のぞみの園では、支援現場のフィールドを活用して、全国の知的・発達障害者支援施設等の職員を受入れ、高齢知的・行動障害・矯正・発達障害の分野で、実践に役立つ支援技術の習得など、専門性の向上を図ることを目的とした実務研修を実施しており、のぞみの園が著しい行動障害を有する者の受入れや全国の指導者研修等を行っていることがその要因と考えております。毎年の申込み状況が未確定のため、目標の変更は行いません。
 30ページを御覧ください。評価項目№1-4 援助・助言です。自己評価はAとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりですが、これらの目標は重要度「高」と設定されています。指標に対する達成度は全て100%以上となっています。
 31ページを御覧ください。達成度が120%以上となった講師派遣の件数に関する要因分析です。目標140件以上に対して実績226件、達成度161%となっており、これは法人の努力結果によるものと考えています。
 要因分析ですが、特に派遣要請の件数が多かったのは著しい行動障害に関するテーマであり、講演のほか、事例検討やコンサルテーション、集中的支援加算の活用など、現場に即した内容でのアドバイスを求める内容が大幅に増えています。高齢期の知的・発達障害者の支援では、認知症や身体機能低下に対する支援、介護保険制度との関係、医療や住まい・余暇などに関する本人の意思決定を支える支援などのテーマでの研修依頼が多く、こうした行動障害や高齢期の支援への関心の高まりが、講師派遣件数の増加要因と考えています。なお、感染症の流行等によって派遣依頼の数に変更が生じることが予想されるため、目標の変更は行いません。
 34ページを御覧ください。評価項目No.1-5 その他の業務です。自己評価はBとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりです。指標に対する達成度ですが、達成度が120%以上は1つ目の地域の知的障害者等への健康診断受診者数となっており、達成度80%を下回っている項目はありません。
 35ページを御覧ください。達成度120%以上となった目標の要因分析になります。地域の知的障害者等に対する支援、健康診断の受診人数ですが、目標150人以上に対して実績241人、達成度161%となっており、法人の努力結果によるものと考えています。健康診断については、市内日中系サービス事業所や共同生活援助事業所へのリーフレットの送付や、法人のホームページに掲載するなど各種の広報活動をした結果、9人の新規受診者を獲得しました。毎年の申込み状況が未確定のため、目標の変更は行いません。
 36ページを御覧ください。評価項目No.2-1 業務運営の効率化に関する事項です。自己評価はBとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりです。下段に指標の達成状況を記載しています。上3つの目標につきましては第5期の最終年度となる令和9年度までの目標となっているところですが、参考として括弧書きで実績を記載しています。下3つの目標について、指標に対する達成度は全て100%以上となっています。達成度が120%以上のものはありませんので、要因分析は記載していません。
 38ページを御覧ください。評価項目No.3-1 財務内容の改善に関する事項です。自己評価Bとさせていただいています。指標は総事業費に占める自己収入率を毎年度55%以上、実績57%、達成度103%で目標を達成しています。
 40ページを御覧ください。評価項目No.4-1 その他業務運営に関する重要事項です。自己評価はBとさせていただいています。中期目標の内容は記載のとおりです。指標の達成状況については次のページにわたって記載していますが、達成度は全て100%以上となっています。
 41ページを御覧ください。中段が達成度120%以上となった目標の要因分析になります。全ての項目において法人の努力結果と外部要因によるものと考えています。まず、虐待防止対策委員会の開催についてです。目標は毎年度12回以上に対して実績は16回です。これは、利用者支援にあたる現場での身体拘束等の状況報告や、不適切な支援への対応の在り方などについて意見交換を行い、利用者の人権に配慮した支援の在り方等について現場での取組に繋げました。なお、委員会の開催は毎年度における必要性に左右されることから、目標の変更は行いません。
 次に、感染症対策委員会の開催についてです。目標4回以上に対して実績6回です。これは利用者及び役職員の感染症の予防、感染症に罹患する恐れが生じた場合の対策等を協議・決定する委員会であり、令和7年度は、定期開催4回と感染症発生状況に応じた開催2回の計6回開催し、法人内における感染防止対策の情報共有に努め、コロナが5類に移行した後の対応については、基本的な感染対策を維持しながら、地域の感染状況に応じた対策を講じてまいりました。なお、委員会の開催は毎年度における必要性に左右されることから、目標の変更は行いません。
 次に、情報セキュリティ職員研修会の開催についてです。目標1回以上に対して実績3回です。これは情報セキュリティの脅威や情報漏えいの事例について、新任職員及び全役職員を対象に研修を3回行った結果になっています。なお、研修会の開催は毎年度における必要性に左右されることから、目標の変更は行いません。
 42ページを御覧ください。こちらは各評価項目の自己評価について一覧にまとめたものになります。
 令和7年度実績評価に関する説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
 
○石井主査
 御説明ありがとうございました。それでは、令和7年度実績評価について御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。オンラインで御参加の構成員も、適宜御発言ください。それでは、鈴木構成員よろしくお願いいたします。
 
○鈴木構成員
 よろしくお願いいたします。淑徳大学の鈴木です。まず、丁寧な御説明ありがとうございました。3点ほど御質問いたします。まず1点目は、4ページから5ページ辺りの所に書かれているところです。著しい行動障害のある者に対する受入れについて、25名の予定のところが15名にとどまったということでした。このことについては、目標値を達成できなかったわけですが、その要因として外部要因ということで、能登半島地震の受入れというのが10名という非常に多くの方を受け入れてくださっています。この方々に対しての今後の見通し、15ページ辺りの所に対応を練られているということは読ませていただきました。今後、どうなのかということが心配です。と申しますのも、この10名の方の受入れが、これからも、私も能登にも行っておりますが、なかなか能登の障害福祉の復興は厳しい道のりの中で、この方々が良い形で地域移行ができなければ、常にこの25の枠を圧迫することになっていくとなると、そもそも目標値自体の設定がかなり、こういった激甚災害のフォローアップをするということの厳しさがあるのではないかという、この見通しについてお伺いしたいところが1点目です。
 2点目は、同様に4ページから5ページ辺りの所に出てきますが、医療的ケアが必要になった者への支援ということで、これは3年目ということで、まだスタートアップの事業かなと思っておりますが、4人中2人ということでした。8人から相談があり、長期入所等の希望を除くと、最終的には2人の方の入所ということで、有期限の入所ということになったわけです。ただ、スクリーニングをしていくときに、長期入所を希望している人がやはり多かったということであると、その部分のニーズが実は非常に高いということも言えるわけで、この辺りについてどうお考えになるか。そもそも有期入所が、単なる医ケアという言い方は非常に語弊がありますが、のぞみの園で受け入れるほどの重度の医ケアという方を、有期で受け入れるということが本当に可能かどうか。この辺の見通しも非常に難しいところだと思いますが、お教えくださいませ。
 3点目です。7ページの所で、これは大変大事な取組です。地域移行した後、どうフォローアップしていくのかということについて、7ページの左下の所に103名の方に対してのフォローアップが書かれております。これは、国も、そして国際的にも進められている入所施設から地域生活へという動きの中では極めて重要な動きだと思っておりますが、なかなか実際の支援現場ではこれが行き届いていないようにも見受けられます。その辺りで、これをやっていった成果や教訓といいますか、その地域にどんどんいろいろなことを実現していただきたいと思うのですが、この辺りのフォローアップで見えてきたことをお教えいただきたいということ、以上3点お教えいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○石井主査
 それでは、よろしくお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 理事の古川です。ありがとうございます。私から最初に、まず能登半島からいらっしゃっている利用者さんの今後についてということでお話いたします。お手元の資料15ページに今、鈴木構成員からもお話がありましたが、昨年度の能登半島の利用者についての経過を簡単にお示ししたところなのですが、もう少し細かくお話しますと、昨年10月9日に石川県の職員が初めて利用者の生活の状態を確認に来られて、その際に送り出した石川県の精育園という入所施設なのですが、この施設の再建についてということで、具体的なお話が初めてありました。実際には建替えを検討していたのですが、現状、建っていたところが傾斜地であり、土地のいろいろな調査をしたところ、そこでの建替えは非常に困難という結論に至り、新しい場所に再建をするということが正式に県のほうで決まったということでした。10月1日現在では、これから土地を探して、そこで検討会を立ち上げ、その検討会の内容を受けて、設計、施行に入ると。大体、トータルで5年から6年かかりますというお話をされました。うちの法人としても、その時点でも、なるべく早く帰していただきたい、御家族との関係が非常に希薄になってきて、距離的な問題もありますし、それと1名の方については、こちらに来て、やはり環境の変化等も含めて、お亡くなりになっているということもありましたので、そこら辺を勘案し、なるべく早く戻れるようにということのお願いはしました。ただ、その時点では確たるお返事は頂けず、その後、1月に改めて石川県をお訪ねしました。その際に、うちの法人からは、改めて全員を一括で戻すということではなく、1人1人の事情に応じて、空いている施設に、とにかく早く帰してほしいというお願いをしました。特に、うちへ来ていただいている10名の方の1名の方はグループホームに、もう既に出て暮らされていますので、それをまた入所施設に戻すことはいかがなものかということも併せてお伝えし、なるべく早く戻れるように調整をしていただきたいというお願いをしました。
 それと、もう1つは、強度行動障害の方たちということでお引き受けはしました。実際に今、約半分の方は、強行寮ではない一般寮に移って暮らしていただいています。とは言うものの、それなりに強度行動障害に対する支援は必要だということで、それをもう少し石川県の職員にきちんと理解をしていただき、少しでも受け皿を広げてほしいというお願いもしました。そのために、のぞみの園の現任研修とかを使い、実際にスキルアップのお手伝いもしたいので、是非そこは検討していただきたいということもお伝えし、県としても、その部分は積極的に検討していきたいというお話を頂いたところです。
 ただ、その後1名の方については実際に帰るという、受け取れる施設が見つかりそうだということで、個別の支援会議を行い帰す算段をしたのですが、結果としては受け取るのは難しいということで、帰るところまでは至りませんでした。
 実際に今の石川県の状況は、やはりなかなか重い人たちを受け止められるという仕組みでもありませんし、あとは震災で、かなり職員が流出してしまい、かなり専門性が下がっていることもありますので、そこにあえて、無理矢理利用者を帰すということは、1人1人の将来を考えれば当然よろしいことではないので、引き続き1人1人が帰れるように、丁寧に我々も県と連携して進めていきたいと考えていますし、地域移行で、培ったノウハウも当法人にはそれなりにありますので、それも含めて石川県の事業所と直接連携しながら、帰せるように、今後も働き掛けを続けていければと考えているところです。以上になります。
 
○石井主査
 では、2つ目をお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業調整部長
 事業調整部長の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。資料の13ページにも記載しましたが、今回受け入れた医療的ケアが必要な方は、行動障害もあり、なおかつ医療的ケアが必要な方です。そして今回のケースでいきますとインスリン注射の医療行為があります。こちらでは、まずは行動障害を軽減することで、医療的ケアへの対応が可能となり、施設や地域で生活できるのではないかと考えております。また、医療的ケアだけとか、重症心身障害に近いような方の受入れというのではなく、このような行動障害とかを軽減することにより、医療的ケアが必要な方が施設や地域において受け入れに繋がっていく方向で行っております。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 3つ目のフォローアップについて、私からまたお話いたします。3月31日現在で、旧国立コロニーの利用者181名が地域移行しています。そのうち75名の利用者が、高齢その他で既にお亡くなりになられています。それと、移った後に事業所を変更した利用者が59名いらっしゃいます。その59名のうち、2回以上事業所を変えた利用者が11名というような形で、181名の方、全部についての状態を把握しております。それは、やはり事業所を変わるというときに、御本人の状態がやはり著しく変わって、それを受け止めてもらう事業所に当然移るわけですが、そのときに本人が元気で若い頃に、どういう暮らしぶりだったかとか、どういう人柄だったかという情報が、どうしても移行した後の事業所には少ないものですから、そこをまずきちんと伝えにいくことが1つ。
 それと、そのときのやはり20年の間に制度が相当変わっていますので、その制度に合わせて、御本人の、改めて現状の支え方の提案や提言をさせていただくことも、フォローアップの中に含めております。
 実際に私も、困難事例のフォローアップに何度か出掛けていますが、御家族は、もう取りあえず、どうしていいか分からないような、場合によっては事業所から放り出されてしまうのではないかという不安も持っていらっしゃいます。でもそれが、我々ときちんとつながっていますということで、放り出されるわけではないと。のぞみから移った後も、きちんとのぞみがかかわってくれているという安心感を持っていただき、逆に移った先の事業所には、いろいろ直接に、ものが言いづらい事情が御家族にはありますので、そういったものをのぞみの園のほうに寄せていただき、のぞみの園が間に入って、移った先の事業所と調整をさせていただく形でのフォローアップのよさもありました。
 ですので、やはり移った後が、その御本人がどういうふうに暮らしていってくれるかが地域移行の一番の目的、目標ですので、移ったところで終わりということではなく、移った後に、その御本人が今よりも、より良い暮らしをしていくというところをサポートするということが、地域移行の本来の目的だというふうに当法人は考えておりますので、そこは今後も一生懸命かかわらせていただきたいと考えております。以上です。
 
○石井主査
 鈴木構成員、よろしいですか。
 
○鈴木構成員
 ありがとうございます。行動障害、そして医ケアの方の受入れについて、非常に苦しい事情ということ、よく分かりました。今、フォローアップのことについても丁寧に御説明いただき、対象者181人全員の状況把握、非常にこれは有効なことだと思います。いわゆる、パネル調査だと思うのですね。その意味で言うと、今おっしゃっていただいたような形で、私は、このことにより意思決定支援の継続性、あるいはその人の人生の継続性がきちんと担保されているという部分では非常に評価できると思いましたし、また本人支援だけでなく、家族支援や事業所支援にも資するという良い取組だなと伺わせていただきました。ありがとうございます。
 この、のぞみの園の評価全体につきまして、私は妥当なものだと思っております。やはり、のぞみの園は、今おっしゃっていただいたような実践があり、そして調査研究があり、養成、研修、援助、助言という、非常に一貫した取組だということがよく分かります。重度知的障害の方を支えるナショナルセンターとしての役割を十分機能させていると私は評価いたします。以上です。ありがとうございました。
 
○石井主査
 はい、どうぞ。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 石川の対応について、補足いたします。今、寮が、有期限の入所に関しては4寮体制で進めているのですが、5寮目の改修をさほど費用をかけずに、今までは急性期の方が来ると、壁を蹴ったりして、建物構造が非常に傷む実態がありましたので、そうならない方たちが受け入れられるという前提で、特に石川の方たちを前提に、5寮目に移っていただけるような段取りで進めています。そうすると、今までどおり4寮で25名の方の受入れを行うということに戻れますので。ただ、内部事情で旧コロニー、以前から利用していた方たちの対応をしている職員をそちらにあてがうというような算段になるので、今すぐ稼働することが難しいという実態もあり、準備はしていますが段取り切れていないという実態もあります。
 石川の対策としての工夫は、前述のような形で通常の機能を取り戻すという前提で見通しを立てています。それに関しては、石川県にも、職員派遣なども含めて協力というか、主体的にかかわっていただけるように働き掛けていく必要があるかと思っております。以上になります。
 
○石井主査
 ありがとうございます。それでは、Webから河村構成員、よろしくお願いいたします。
 
○河村構成員
 御説明、御指名ありがとうございます。オンラインでのレクのときに動画とかも拝見させていただいて、本当により良く分かりました。ありがとうございました。御説明くださった全体として、大変いろいろ難しい困難な状況を抱えておられる中、大変高いレベルの業績を上げていらっしゃるのではないかと私も思います。評価項目については、全体としてこれで妥当ではないかと思っております。
 幾つかコメントさせていただきたいことと、最後に御質問があります。私も、このワーキングに入れていただく前に、総務省の政・独委にいたのです。今の独立行政法人評価制度委員会の前身の政策評価・独立行政法人評価委員会という所に2000年代の半ばから10年間いまして、のぞみの園さんは独法ができた最初のグループぐらいで、独法に移行されたところだったと思うのです。その頃から厚生労働省の担当もやらせていただいたこともありますし、お話を伺ったりとかいろいろしてきて、当時、やはり平均年齢がこれから高くなっていって、地域移行がうまくできるのかどうかとか、看取りのことになったらどうなるのかとか、そういうような話をいろいろしながら、見守っていたのを本当に思い出します。それで、ナショナルセンターは高崎に1つあるだけで、全国的ないろいろなニーズがカバーし切れるのかとか、そういった意味でも見ていたのです。
 当時のことを思い起こすと、今回のような取組を見ると、本当に感慨深いものがあるというか、時代の情勢も変わりましたが、調査・研究とか、援助・助言の所とか、物理的な距離はあるにしても、オンラインとか、そういうような機会を、のぞみの園さんでうまくお使いになられています。全国には津々浦々で、やはり重度障害の方の支援に取り組んでいらっしゃる方はたくさんおられるわけで、いろいろ困難に直面しておられる方もあるわけで、そうした方々のニーズを本当にうまくすくい取っていただきながら、今の時代だからこそ、できるようなツールとかも使いながら、こうやって業績の目標を高く達成されていらっしゃるものがあると思います。本当に時代の変遷に合わせて、国全体の要請に応えられるナショナルセンターとしての大変立派な業績を上げられているのではないかと本当に思います。つくづく思ったようなところがあります。
 調査・研究の所も、昨年度から大臣評価がSに上がったのですよね。今年度については、数字もすごく高いですし、内容についてもすごく法人としての御尽力があるのではないかと思いますので、S評価ということで、今年度も引き続き妥当ではないかと思っております。
 私のほうからは、御質問が1つだけあります。先ほどから御説明が出ている能登半島の方々の受入れの関係ですが、今回、こういう外部要因のことがあるという事情はもちろん理解しますし、15ページの御説明や、今、追加で御説明してくださった所もよく分かりました。
 これは本当に石川県側の御事情もあってのことですので、いつになったら故郷に戻っていただけるようになるのか、なかなか分からないところもあると思うのです。ただ、然は然りながら、5寮目の改修というお話も先ほどありましたし、あとは石川県のほうともいろいろやり取りをしてくださっているのだということもよく分かりました。
 ある意味、これは言葉がいいかどうか分かりませんが、やや長期戦みたいな感じに、もしかしたらなってしまうかもしれないわけですよね。そのときに、今の中期目標期間における目標の立て方とか、評価の仕方はこれでいいと思いますし、今回の評価もこれでいいと思うのですが、ただ、この問題について、やはり、のぞみの園さんとしてどういうふうに取り組んでいかれるのかということを、今、中期目標の期間の途中でもありますので、何か正式な目標は立てにくいとは思いますが、今の期間中、目安みたいな感じで、もし次の中期目標期間にも話が通じてしまうようであれば、そこで正式な目標ということにしてもいいのかもしれませんが、石川県から移って来られている方々に関する取組として、どんなような取組をこれからしていくのかとか、計画というか、モニタリングの目安みたいなものを立てて、来年度以降の業務運営に活かし、あとはこういう場とかでも、そういうところを照らし合わせながら御報告していただく感じにしてもいいのではないかと思います。のぞみの園に来られている方々に対して、実際にどういうケアをなさるかというところの目標もありますし、あとは被災して、先ほど石川県自体の障害福祉のマンパワーの意味も含めて、レベルが下がってしまっているわけです。そういう所の方々にどうやって力を付け直していただくのかということで、のぞみの園さんの研修を使ってもらってもということも言ってくださっていましたし、そういうことももちろん計画に含めていいと思うのです。ですから、現地の被災した県との対応も含め、どういう所を見通しながら、どういうふうにこれから来年、再来年と取り組んでいくのかという感じで、計画に準ずるようなことをお考えいただいてもいいのではないかという気が私はするのですが、その点はいかがお考えですか。すみません、御質問は1点です。
 
○石井主査
 ありがとうございます。それでは、今のお考えでいいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 具体的な段取りにつきましては、先ほど御説明させていただいたような5寮目の寮をいつ開設できるかということも含めて、段取りをしていく、若しくは石川県に1人ずつ戻れるような工夫をしていくということです。事業そのものの目標に関して言えば、私たちの立場で変更することでもないかなと思いますので、今のところは厚生労働省からの見通しを示していただくのを待つという形になるかと思っています。
 
○石井主査
 ありがとうございます。恐らく、すぐお答えするには難しい課題ですので、今日はこのぐらいのところでお願いしたいと思います。挙手されている順番からいきたいと思います。川原構成員、お願いします。
 
○川原構成員
 川原です。御説明ありがとうございました。私もこの評価につきましては妥当ではないかと考えております。最後の砦として頑張られているのぞみの園のスタッフの皆様に御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 私からは1点だけ質問させていただきます。施設入所利用者の高齢化に伴ってというところで、6ページにACP、人生会議を積極的に推進しているという話がありました。7件のACP委員会、気づき期3件、看取り期4件といったところで話がありまして、7ページの最初の所で、死亡が令和7年度は7人となっておりました。たまたま数が符合しただけだと思いますが、令和7年度に亡くなられた7人の方々の中で、ACPがどれだけ活用されていたのかという人数がもし分かったら教えていただきたいです。
 あと今後、ACPを進めていくに当たっての数値目標みたいなものがおありになるのかどうか、その点をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園生活支援部長
 生活支援部の堀越と申します。よろしくお願いします。ACPの会議、看取り期、気づき期と合計で7件行いました。令和7年度看取りでターミナルケアを行った方の実践事例は1件ですが、令和7年度に行った方ではありません。その前年度に看取りの会議を行って、またその委員会を開いて、その方が1年以上たって亡くなったということになります。また、既に看取りの会議をした方で、令和7年度に亡くなっている方はいらっしゃいません。今後、看取りになりましたら、更に看取りの委員会を開きまして、弁護士の先生やお医者さん、多面的に看取りのケアプランが実際に機能しているかを確認していきながら進めていこうと思っています。
 また、気づき期の会議ですが、半分以上の方が気づき期の会議を行っていますので、このまま進めて、意思決定支援のところから、ターミナルケアを今後も進めていきたいと考えております。
 
○石井主査
 ということで、よろしいですか。
 
○川原構成員
 ありがとうございます。
 
○石井主査
 それでは、下山構成員お願いします。
 
○下山構成員
 下山です。よろしくお願いします。私もお話を聞かせていただいて、非常に重い障害のある人への支援ということは、どこでもできることではなくて、のぞみの園だからこそできるような事業を展開されていて、非常に高く評価しております。
 中でも、強度行動障害の研修の広がりから、中核人材や広域的支援を仕組みから支えて、こういったことへの貢献ということが、やはりのぞみの園を中心として広がっているのではないかと考えております。
 また、高齢者の方への看取りの支援などは、恐らく、平均寿命が伸びてきたことによって起こってきた事態ではないかと思っている中で、知的障害のある方のQOLを支えていくという、一番最後の大事なところをやっていただいて、これを全国に広げていただくことが大事なお仕事ではないかと思っています。
 これはお願いで、福祉だけではなくて、教育の中にも研修や支援の広がりが出てきたという御報告を頂いたので、学校の中では、学習指導要領との合間で、先生方は苦しんでいるところもありまして、是非、来年以降、また成果を教えていただければと考えております。
 私からは2点質問があります。自立支援のための取組ということで、強度行動障害のある方を被災地から受け入れられて、もとの生活の場所に戻れていないという状況を、先ほど御説明いただきました。このように、一時的入所をされた方の御本人とか御家族は、その後どんな気持ちで今過ごされているのか、差し支えない範囲で結構ですので、お聞かせいただけないでしょうか。これが1点目です。
 2点目は、こういった被災した重い障害のある方を受け入れたものの、その後、もとの生活地域へ戻ることが困難になる課題というのは、地震が頻発する我が国において、今後も各地で起こり得るものと認識しております。そのため、改めてこういった強度行動障害のある人への支援というものは、平時だけではなくて、災害時や災害後の長期的な生活支援を見据えた知見を蓄積する必要があるということを、今日お話しながら気付いたところでもあります。この実践から得られた成果を、単純に1事例ではなくて、できること・できないことを整理し、何を準備したらいいのかということを全国へ還元していくことが、のぞみの園だからこそ果たせる重要な役割ではないかと、今日説明を頂き考えたところになります。2点目の質問としては、こうした点について、現場で実践されている立場からどのように整理できそうかとか、もしお考えがあればお聞かせいただければと考えております。以上です。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業調整部長
 事業調整部の佐藤です。石川県の被災された方々については、まず保護者との関係では、のぞみの園への入所後2か月、その後、6か月、さらに6か月後の1年、1年半という形で個別会議を開催しております。会議には保護者にもオンラインで参加していただいております。また、面会に来られる保護者の方もいらっしゃいますので、その面会のときに、現在のご様子などをお伝えしています。また、昨年度2月か3月頃に、石川県から意向調査がありました。要は保護者の方が、「避難先で過ごしている現状について今どのように感じているか」です。やはり、意向調査では、保護者の方々はいずれも「早く近くに戻ってほしい」回答をされていたということを聞いております。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 災害と教育に関して、日詰部長からお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究・人材養成部長
 研究・人材養成部長の日詰です。御質問ありがとうございました。教育についてと災害について、教育だけではなく、今後、利用者が全国、地元に戻れない場合もということも含めて御質問があったかと思います。
 教育については、今、特別支援学校が比較的地域の避難所では吸収できない障害者の方も受け入れられるような環境整備を、文科省でも行っていますし、そこで受け入れる先生方の調整も行っているようですが、例えば、現場で起きていることとして、インタビューをしたときに分かったのが、知的障害の方は、「逃げなさい」と先生に言われないと、動けないとか、逃げない。そういう軽い一言もやはり必要な方がいるとか、あるいは先生方は本当に真面目なので、生徒を守って下敷きになるというケースが必要以上に起きてしまっているのではないかということもあって、この調査・研究をやっている者は、先生も生徒もみんなが助かることを前提として、どういうふうに動いたらいいかというトレーニングを今計画して、幾つかの学校で行っていると。それを、内陸の場合もあるし、海沿いの場合もあるし、というケースを分けて取り組んでいるところです。
 戻る所がないような場合に、強度行動障害の人がこれからどこで生きていくのかということも含めて、先ほど取り上げていただいた中核的人材とか広域的支援人材という、全国どこの地域でも強度行動障害に適切な対応ができる人がいるという状況を、今、作り出す研修を、のぞみの園で行っていますので、そういう方の名簿を提供してみるとか、そういう所の事業所の状況を動画で、あるいは行って見ていただくとか、経験していただくとか、そういうことも全国のいろいろな特別支援学校の情報が集まってきていますので、そういうものをできるだけ御家族、当事者の方に提供できるようにしたいと思っています。ちょっとずれているかもしれませんが、以上です。
 
○下山構成員
 のぞみの園で今現在、やられている移行の難しい被災の方への蓄積が、のぞみの園だけではなくて、全国に参考になると思いますので、知見を積み重ねていただき、また、我々、国民にも伝えていただければいいなと思っているところです。また、海外においても、こういった震災後の支援といったものはなかなか発表がない状況だと思いますので、是非、国際的にも貢献できるような方法で進められるのではないかと、今、お話をお聞きして期待しているところです。以上です。ありがとうございました。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 ありがとうございます。緊急避難的な対応として、今、被災地の受入れを考えていましたので、そのような災害時にどのような対応が望ましいのかという研究レベルでいけるのかどうか、また、今後に向けて検討する材料の1つに、御提案いただいたことが総括できればと思っておりますので、御提案ありがとうございました。
 
○石井主査
 ほかの方からありますか。小林構成員、お願いします。
 
○小林構成員
 小林です。御説明ありがとうございました。私も今まで先生方がおっしゃられたように、御提案いただいた評価と、それから指標の見直しの可否についても御提案のとおりで、異論はありません。自立支援のための取組、調査・研究、援助・助言という大きな重点項目が、先ほど日詰部長からも御説明があったとおり、日々の取組の中の課題を研究につなげ、そこからモデルやマニュアルの開発につなげ、また、それも研修で全国に出していくというように、この大きな3つの柱が有機的に結び付いて、令和7年度の業績につながっているものと理解いたしました。
 その中で、ちょっと私も教えていただきたいのですけれども、6ページの所で、ターミナルケアの高齢の施設入所利用者に対する支援の中で、こちらも看取りマニュァルの開発とかあったかと思うのですけれども、実践で得られた知見や取組内容について、ニュースレター等を通じて情報発信を行い、他施設への普及に努めたということで、ニュースレター以外に、どのような情報発信などを行われているのかということを聞かせていただければと思います。
 また、その1つ前の地域移行についても、移行後の定着支援や地域生活モデルの検討を進めるということがありまして、もしこちらのほうについても、他施設の研修などで普及しているような事例があったり、また研究から、そのような研修でのモデル事例やマニュアルの開発につながっているようなものがありましたら、お聞かせいただければと思います。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究・人材養成部長
 前半のターミナルケア、看取りマニュアルの話は、資料の何ページかな。現在、作成途中のものではありますが、ニュースレターという会報ですとか、あっ、24ページですね。あっ、違う。24ページじゃないか。25ページですね。昨年度一旦、いろいろな文献調査ですとか委員会で話し合った内容を、昨年、一昨年度ですね。令和6年度に作ったものを、昨年度から全国のターミナルケア、看取りの実践に取り組んでいる障害福祉の現場の方たちに集まっていただいて、見直しを現場で取り入れやすいものに今、取り組んでいて、この方たちに、どんな所が使いやすくなるといいと思っているか、あるいは自分たちの経験で言うと、こういうところの記述があったほうがいいというのは、今、お聞きをしてデバイスをしているところで、この様子などを29ページの研修の10番の「高齢化する知的・発達障害者への支援を考える」。オンデマンドの研修の中で御報告をさせていただいて、これはそんなに多くはないのですけれども、この期間には、この人数の方に御視聴いただいたということです。これからもデバイスをしてきたものも発信して、継続的に今度は見られるようにしていく期間を長くしたい。そういう形で見ていただきたいと思いますし、こういうものがあるというのを知っていただいた方には、講師派遣等で呼んでいただいていますので、そういう機会に御活用いただけるのではないかと。
 あと、それと先ほどダウンロードとか、文献引用の話も少し出てきていますけれども、結構高齢の健康の話ですとか、意思決定の話等については、世界でいうとアメリカ、ヨーロッパからのダウンロードとか視聴が結構増えてきています。なので、そういう国からの問合せもありますので、そういうところの文献を頂いたり、こちらからも情報提供するような形で、今、バージョンアップを進めているところです。看取りについては、そのような状況です。
 
○石井主査
 よろしいでしょうか。それでは岩崎構成員、お願いいたします。
 
○岩崎構成員
 御説明ありがとうございます。本当に、皆さんおっしゃっていらっしゃるとおりでございまして、強度行動障害の方たちを中心にした実践とか研究に関して、本当にこの間の蓄積等、敬意を表したいと思っております。評価については、もちろん特に異論はございません。
 その一方で、老朽化した施設の維持性とか、お医者さんの不足ですとか、利用される方たちがいらっしゃらないだとか、いろいろなことで一部事業の縮小とか廃止というようなことも検討されていたりして、様々な課題の解決を迫られているというような、本当にそんな中で大変な御努力を重ねていらっしゃるのだなというように資料からうかがい知ることができました。
 私は、でも、特に印象に残っているのは、ACPのこととか、そういうお話も出ましたけれど、私もターミナルケアのところに関わった職員さんのグリーフケアの仕組みの構築みたいなところです。
 やはり私も精神科病院に長く勤めていたので、それはずっとそこにいらっしゃる方たちが、高齢化して亡くなっていかれると。私がいた所は医療機関だから、看取りというようなことも日常的にあるわけですけれども、でもやはり、のぞみの園さんだけではなくて、日本各地に、長く入所されている知的障害の方たちは、まだまだたくさんいらっしゃると思います。看取りに際して、一緒に過ごしてきた職員さんですとか、あるいは利用者さんにとって、その思い出語りをするだとか、グリーフケアというのはとても有効だと思うのですよね。看取りをされていくのであれば、やはりそこに関わった職員さんたちが、安心して看取り支援に、また取り組んでみようというように思えるような、そういった組織づくりというような点で、この取組が本当に普及していけばいいなというように思っています。
 これは感想なのですが、質問は1つだけあります。資料2-2の18ページの所に、割と詳細に書かれていらっしゃるのですけれども、利用者さんの長期にわたる膨大な記録を整理して、AIを使って検討されているというような記述がございます。
 個別支援計画の作成とか見直しに、ずっと長く入っていらっしゃる、その方のデータを活用されているというようなことですとか、あるいは意思決定支援というようなところで、利用者さんの表情とか行動、それを写真や動画で撮影して、関係職員会でリアルタイムに共有・確認することで、本人主体の意思決定というようなところで役立てているというような、そんなことが書かれているのですけれども、これはすごく私はヒントを頂いたような気持ちがしているわけですが、実際こういう活用の仕方をされてみて、その有用性というのをどのように評価されているのかということと、今後の実践に関するAIの活用の可能性というようなものが何か検討されているようであれば、是非教えていただきたいと思います。以上です。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究・人材養成部長
 多分いっぱい答えたい人がいると思うのですけれど、研究・人材養成部の日詰から言います。私たちの所では、例えば、昔からすごくたくさん残っている記録の中に、とても本人にとって大事な記憶、写真、動画、家族と一緒に行ったときとか、昔、職員や利用者の仲間と楽しんだ日常的な場面ですとか、そういうものを大量の資料の中から、なかなか見付けるのが大変なときに、読み込ませて、例えばICFでいう健康の問題は、こういうことがいつありましたとか、本人が楽しんでいた行事は、こういうことがありましたというのを、大量なデータを整理するときとか、あるいは検索しやすくするときとか、できるだけICFに落とし込んで、その人の全体像を見たいというときに我々はAIを使っています。既にモデルとなる取り組みをしておられる先生の指導を受けながら、昔からの本人にとって大事な記録、記憶を見落さないように、漏れないようにしようということで、取り入れているのが一つあります。
 あと、先ほどの話題にもありましたが、いろいろな意思決定支援に関わるような経験が少ない方たちもたくさんいらっしゃるので、現場に行ってみるのもいいですが、動画とかグループホームとか、自分の地元の地域の映像とか、そんなものを見て、どこに目が向くのかという視線の先を機器で確認するとか、いろいろな、今は技術的なものが大分進歩してきているので、機器普及を展開している業者の方に来てアドバイスを頂きながら取り組んでいます。このように、なるべく本人の意思決定支援であるとか、あるいは過去から御家族が大事にしてきた情報などを我々が見落とさないように受け取る‥といった場面で、現在は使い始めているところです。
 
○岩崎構成員
 映像で拝見したものも、そういう手法で提出くださったものも含まれていらっしゃったようなことは。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究・人材養成部長
 今お話ししたことは、映像でお示しした方々には活用しておらず、まだこれからの方へのチャレンジになります。
 
○岩崎構成員
 そうですか。何か、なるほどというように。ただこれは、障害のある方だけの問題では本当になくて、身近な私たちの家族の問題とか、そういうほうにも今、おっしゃってくださったみたいなことが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究・人材養成部長
 そうです。
 
○岩崎構成員
 援用できるなと思って聞いていました。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究・人材養成部長
 なので、いろいろな御家族の方には、是非写真とか動画を撮っておいたのを、我々にくださいと。それが多分、御家族の思いを引き継ぐということに、とても役に立つのだと思います。そういうことはお願いするように、大分なってきたところです。
 
○岩崎構成員
 ありがとうございました。
 
○石井主査
 ほか、江原構成員、お願いいたします。
 
○江原構成員
 御説明ありがとうございました。私のほうからも各評価については、異論はございません。特に地域移行につきましては、入所者さんたちの高齢化や長期化など、難易度が高くなっている現状の中で、地域生活体験や保護者会の説明会の実施など、非常に尽力されているということが、資料からも、これまでの話からも伝わってまいりました。
 資料の36ページ、業務運営の効率化に関する事項に関して質問がございます。この中で常勤職員の削減が指標の達成状況としてあります。こちら、より詳細に記載された会議資料2-2の57ページによると、常勤職員数の実績値が令和5年度172人、令和6年度170人、令和7年度170人と推移されているようですが、まず質問の1点目が、こちらの実績値ですね。こちらは各事業年度の末日の職員数でしょうか。
 質問の2点目は、令和6年度と令和7年度が、それぞれ職員数172人で変わらずになっておりますが、これはこの1年間の中で、退職された方も採用された方もいらっしゃらないということなのか。あるいは退職された方と採用された方が同数で、結果的に人数が変わらなかったということなのか。これについて教えていただけますでしょうか。
 
○石井主査
 どなたが、お答えくださいますか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務部長
 総務部長の川岸から答えさせていただきます。御質問の1つ目につきましては、毎年度、毎年度末における職員数の数でございます。御質問2つ目について、例えば57ページのほうで、令和6年度が常勤職員数170人、7年度が170人と同数となっているのは、その年度末時点での数が、ちょうどたまたま一緒だったということで、いわゆる出たり入ったりというのも実際にございました。動きが全くなかったということではないです。
 
○江原構成員
 ありがとうございます。ここからは質問というよりはお願いに近いものになるのですが、当初この指標を拝見したときに、私、いわゆる人員整理、リストラ、首切りというのを推進されているような印象を受けたのですね、この文言からは。ただ実際に、本日のこの会議に先立って説明していただいた事前説明のほうで、これについて質問させていただいた際に、定年で退職された職員さんが出た場合に、新規の補充は行わない。それによって適正な職員数を目指していくといった御回答を頂きました。ちょっとその辺の、いわゆるこれは、リストラ、首切りではないのだということが分かるような説明を、資料2-1なり、あるいは、より詳細な2-2に何か付け加えていただけることを御検討いただければと私は思いました。もちろん業務運営の効率化に当たって、職員の削減というのを目標に掲げるというのは、どんな組織においてもあることだとは思うのですけれども、一方で、どんな職場においても、雇用の創出というのも役割の1つだと思いますので、そういった観点から職員の削減をするというのは、何か一見すると、ちょっとネガティブ、後ろ向きな目標のように見えてしまう。特に外部者の、外部の方がこういった資料を拝見したときに、そういった印象を抱いてしまうこともあるかなと思いましたので、説明の追加を御検討いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
 
○石井主査
 よろしいでしょうかね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(川島)
 すみません、今、最後に頂いた御意見、職員削減数の書きぶりについては、今後ちょっと検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 
○石井主査
 のぞみの園さん、大変なお仕事をされていますから、単純に人が削減ということではないというのを我々は重々承知していますが、適切な表記をお願いできればと思います。ほかによろしゅうございますでしょうか。
 では続いて、法人の監事及び理事長から、年度・中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえ、今後の方針の業務運営等についてコメントを頂ければと存じます。最初に法人の監事から、続いて法人の理事長よりお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園監事(渡辺)
 着座にて失礼いたします。のぞみの園の監事の渡辺でございます。隣におりますのが同じく監事の五十嵐でございます。
 まず、年間の監査を通じまして、法令遵守、内部統制、役員の業務執行、財務全般にわたり適正である旨、6月24日付けで作成しました監査報告を厚生労働省のほうに提出しております。また、併せて、有限責任監査法人トーマツから財務監査の結果、適正である旨の説明を受けておりますことを御報告いたします。
 次に監事としての意見ですが、法人の業務においては、令和7年度の目標達成に向け、重要度の高い項目の自立支援のための取組、調査・研究、援助・助言におきまして成果を上げることができ、更に強度行動障害者の支援の中心となる中核的人材養成研修や広域的支援人材研修を通しまして、国立の法人としての役割を果たすことができたことは評価できるものと考えております。
 また、具体的な話になりますが、他の施設や事業所においては受け入れることが難しく、支援困難な強度行動障害者を受け入れて、障害者の特性を踏まえたアセスメントを実施し支援を行っていること、地域移行につきましては、移行先の訪問や丁寧な支援の引継ぎを行って実現できたこと、そして移行後のフォローアップを行う等の取組は評価できるものと私どもも考えております。
 調査・研究におきましては、国の政策課題や知的障害者に対する支援技術等をテーマとしまして研修会やセミナーを数多く開催し、受講者からは高い満足度を得ております。内部統制に関しましても、各委員会を活用して問題なく機能しており、理事長が指導的観点より関与し統制が図られております。令和7年度には、虐待や事故防止のために新たにコミュニケーションポリシーを制定し、お互いを尊重し、心理的安全性の高い職場、本当の意味での風通しの良い職場というのはどういうものなのか。そういったことを職員に問いかけ、意識改革にも積極的に取り組んでおりました。
 また、理事長のガバナンスについても、私ども監事が日頃から幹部会議等の重要会議に参加させていただいておりますが、理事長の豊富な知識と経験に基づく的確な指導が行われ、十分に機能していることを確認しております。
 今後も全国の知的障害者福祉向上のために、重い障害があってもより良い暮らしを送ることが出来るように、引き続き確かな支援スキルと熱意、そして利用者への敬意と思いやりを持ってナショナルセンターとしての取組を進めていただきたいと期待しております。監事からは以上となります。
 
○石井主査
 理事長からお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 最後にお時間を頂きましてありがとうございます。日頃より当法人の業務運営につきまして特別な御理解と御指導を賜り厚く御礼申し上げます。本日は令和7年度の業務実績につきまして、構成員の皆様から貴重な御意見・御指摘をいただき、誠にありがとうございました。
 近年、独立行政法人以前から入所されている旧コロニー利用者の高齢化が進む中で、医療的配慮と日常生活における手厚い支援の必要性はますます高まっております。そのため、診療所改革で整備した職員配置・勤務体制等の運営の枠組みをいかし、生活の場に医療の専門性を十分にいかす体制の構築を進めてまいりました。具体的には、病棟機能を生活寮に位置付けて一体的に運営するとともに、看護職員の配置を見直し、夜間の管理当直・オンコール体制の整備を推進しました。これらの取組は、高齢化に伴い医療的ニーズが高まる入所利用者の生活を支える基盤として大きな役割を果たしています。また、常勤の精神科医師の退職に伴い、精神科の外来診療を休止することとなりましたが、非常勤医師2名による月2回の診察日を確保し、法人内の利用者に対する必要な対応にも努めてまいりました。
 研究部門につきましては、昨年、今年と高い評価を頂いており、ありがとうございます。令和7年度には研究部に研修養成課を位置付ける組織再編を行いました。これにより中核的人材の養成研修、広域的支援人材による支援体制作り、マニュアル作成、情報交換ネットワーク構築に関する研究を一体的に推進する体制を整備しました。
 今後は各種事業をフィールドワークとして展開し、支援現場と研究をより密接に結び付けながら、得られた知見を人材養成、研修、援助・助言、情報発信を通じて全国へ還元してまいります。また、中核的人材養成研修は47都道府県に20政令市を加えて展開し、令和6年度報酬改定で位置付けられた広域的支援人材及び中核的人材を中心に、行動障害の状態にある人を支える全国ネットワーク、いわゆるスタ・サポネットを立ち上げました。更に広報誌『Standard Support』を発刊し、家族、支援者、自治体等に向けて標準的な支援の考え方や地域支援体制整備に関する好事例等の発信にも努めております。著しい行動障害を有する方等を有期限で受け入れ、地域や他施設における安定した生活につながる集中的支援を行うことにより、切れ目のない地域生活支援の実現を引き続き目指してまいります。
 有期限入所の待機者数は、昨年の有識者会議では30人を超えるとお伝えしましたが、現在は50人近くになっております。その解消に向けて、全国の都道府県、政令市において広域的支援人材及び中核的人材の養成を推進し、各地域での受入れにつなげるための段取りを進めておりますが、育成人材の習熟度や体制整備の状況を踏まえると、直ちに各地で受入れが進むような見込みは十分には持てていません。まずは集中的支援を活用して、本人の状況や切迫した家族の事情を丁寧に把握し、支援の空白が生じないよう努めてまいります。併せて、希望者の在住都道府県とも調整を図り、アセスメント等の判断材料を得ながら、将来的には困難さに応じたトリアージにつなげ、出身地とのぞみの園とで役割を分担して対応してまいります。のぞみの園の有期限入所対応により、状態が安定した方については地域に戻る際、都道府県、政令市ごとの広域的支援人材がフォローし、バックアップしていくようになります。これにより、地域における支援ネットワークの構築と地域福祉の充実につなげてまいります。
 中期目標に掲げる自立支援につきましては、地域移行を着実に推進するとともに、高齢の入所施設利用者に対する専門性の高い支援を継続してまいります。重度化・高齢化が進む入所施設利用者の支援強化に向けては、医療・福祉の連携による健康管理や医療的ケア、訪問リハビリテーション、認知症支援の充実を図りました。併せて、心理、身体、作業の各側面から効果的な日中活動を提供し、利用者の状態に応じた生活環境の整備とターミナルケアを見据えた支援体制の検討を進めております。高齢期の支援においては、意思決定支援及びACPの推進を軸として、緩和ケアを含む支援の仕組み作りを進めております。利用者の意思を丁寧に汲み取り、日中活動の充実や看取り期を見据えた支援の整備を行うとともに、職員の支援技術の向上と支援の負担軽減にも配慮し、実践に根ざした取組を継続しております。
 医療的ケアが必要になった方へのモデル的支援については、受入調整や家族支援を含めた運用面の改善を図り、短期入所の活用も含めて利用者本人及び家族の安心につながる支援の選択肢を広げてまいります。援助・助言につきましては、福祉関係機関や自治体等からの相談に的確に対応し、講師派遣や研修等を通じて行動障害支援、発達障害児者支援、高齢の知的障害者支援をはじめとする各分野の支援力向上に寄与してまいりました。引き続き調査・研究及び情報発信を推進し、得られた知見を現場へ還元することにより全国の支援の質の向上につなげてまいります。感染症対策につきましては、高齢者や基礎疾患のある方が多い当園の特性を踏まえ、基本的な感染対策を継続しつつ、平時からの訓練やマニュアル整備を行い発生時の迅速な対応力の向上を図りました。併せて、業務運営の効率化を一層進め、体制の均衡を図りながら収支改善に取り組み、安定した施設運営の実現に努めております。
 以上、令和7年度における主な取組について申し述べました。令和7年度は第5期中期計画期間の3年目に当たり、これまで積み重ねてきた取組の成果を定着させるとともに、第6期を見据えた運営基盤の維持・強化について議論を始める重要な年度でありました。旧コロニー利用者の平均年齢は72歳、60歳以上の方が90%を占め、平均障害支援区分は6.0となっております。第6期の終わりまでには80名ほどの死亡退所が見込まれ、利用者の急激な減少が経営基盤に大きな影響をもたらすことが予想されます。今後はこれまでの事業として最後の一人まで支援しつつ、閉鎖に向かう取組と、これからの事業として継続・維持すべき強度行動障害分野における国の拠点としての取組を整理してまいります。具体的には、支援人材の養成やネットワーク構築等の中心的な役割を担う事業について、厚生労働省と十分に情報を共有しながら協議を進めてまいります。構成員の皆様にも必要に応じて情報提供してまいります。
 最後になりますが、今後も支援の向上につながる調査・研究及び情報発信を事業の軸に、支援の質の向上と地域における実践、そして事業運営の効率化による収支改善に力を注ぎ、我が国の知的発達障害分野における国立機関として、障害福祉行政に資する事業の推進に貢献してまいります。構成員の皆様には引き続き、忌憚のない御意見と御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
 
○石井主査
 はい、ありがとうございました。ただいまの御発言内容について御意見・御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。はい、以上で本WGの議事を終了いたします。最後に事務局からお願いいたします。
 
○事務局
 本日はどうもありがとうございました。事務局からは今後の流れについて御連絡差し上げます。本日御議論いただきました国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の「令和7年度業務実績評価」につきましては、この後、本WGにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表させていただきます。決定したそれぞれの内容につきましては、後日、構成員の皆様方にもお送り致しますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○石井主査
 それでは、本WGはこれで終了とさせていただきます。長時間に渡り熱心な御議論を頂き、また、円滑な議事運営に御協力いただきありがとうございました。最後に司会の不手際により10分ほど超過したこと、お詫びいたします。以上でございます。