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- 2026年7月28日 第1回「障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会」議事録
2026年7月28日 第1回「障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会」議事録
1.日時
令和8年7月28日(火)11:00~13:00
2.場所
オンライン
3.出席者
- 構成員(五十音順)
浅見構成員
安藤構成員
大塚構成員
新藤構成員
田中構成員
中川構成員
野澤構成員
吉田構成員
安藤構成員
大塚構成員
新藤構成員
田中構成員
中川構成員
野澤構成員
吉田構成員
4.議題
- (1)検討会の開催について
- (2)障害福祉分野における人材確保・生産性向上について
- (3)今後の検討会の進め方について
- (4)意見交換
- (5)その他
5.議事
○事務局 定刻となりましたので、ただいまより、第1回「障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。本日は構成員の皆様にはオンラインで御参加いただいております。また傍聴席は設けず、YouTube上でライブ配信を行っておりますが、アーカイブ配信をいたしませんので、会議開催時間帯のみ視聴が可能です。
続いて、第1回でございますので構成員の御紹介をさせていただきます。資料1「別紙」を御覧ください。お名前を読み上げさせていただきます。公益財団法人日本知的障害者福祉協会、社会福祉法人清心会ICT・DX推進室長兼総務部係長 浅見秀俊様、株式会社障碍社代表取締役 安藤信哉様、全国身体障害者施設協議会常任協議員兼人材・広報委員会委員長 社会福祉法人和松会清松園施設長 大塚さおり様、公益財団法人テクノエイド協会部長 五島清国様、五島様は本日御欠席でございます。続きまして、日本社会事業大学社会福祉学部准教授 新藤健太様、長野県健康福祉部障がい者支援課長 田中聡様、一般社団法人全国介護事業者連盟副理事長 障害福祉事業部会会長 中川亮様、一般社団法人スローコミュニケーション理事長 植草学園大学副学長 野澤和弘様、埼玉県立大学教授 吉田俊之様、構成員の方は以上でございます。
昨年度の「障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業」や「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」の検討委員9名の皆様に御参画をお願いいたしました。この中には当事者や当事者の御家族の立場でいらっしゃる構成員の方にも御参画いただいております。時間の関係によりここではお名前等の紹介とさせていただき、自己紹介につきましては後ほど意見交換の際に併せてお願いいたします。
続きまして、議事に先立ちまして、厚生労働省障害保健福祉部 野村部長より御挨拶を申し上げます。
○野村障害保健福祉部長 着座にて失礼いたします。障害保健福祉部長の野村でございます。事務上の連絡の不手際がありまして、会場への私の到着が遅れまして、開会までしばしお待ちをいただきましたこと、まずもって冒頭におわびを申し上げたいと思います。
では本検討会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。まず、構成員の皆様方におかれましては、いろいろと御多用の中、今回のこの会議の構成員の御就任に御快諾を賜りましたこと、誠にありがとうございます。さらに本日の第1回目の検討会に御参集を賜り、お時間をいただきまして誠にありがとうございます。重ねて御礼を申し上げます。
昨年度は障害福祉サービスを利用される当事者の方々の目線に立って、ケアの充実につながるような生産性向上、つまりケアに充てるための時間や力をつくり出すための生産性向上を行うにはどのようにすればいいのか、より良質なサービスをお手元に届けるための力をケア職員の方々に持っていただくためには、例えばテクノロジーの活用等が中心かと思いますけれども、どのようなことが考えられるか、いろいろな立場の方々にとっての土台となる基本的な考え方の整理をいただいたところでございます。併せて、現場における改善の取組をどのようにすれば実践に移せるのだろうかということに参照していただくため、テクノロジー導入や活用のマニュアル等も昨年度作成させていただいたところでございます。
そのような共通の部分は昨年度ある程度のところまではお示しできているわけですけれども、今回はサービスの種類ごとの特性や違い、特徴等を踏まえて、さらに深掘りをして取組を生かしていただくための「障害福祉分野における生産性向上ガイドライン(仮称)」の策定に向けて、いろいろと御議論を深めていただければと考えております。
さらには、先般成立いたしました社会福祉法等の一部改正法の中で、障害者総合支援法も改正を行いました。その中で人材確保の取組等と併せまして、障害福祉現場の生産性向上についても取組をしていこうということが明記されたところでございます。こうしたことを通じて、より質の高いサービス・ケアの提供をしていこうということが狙いになり、そういった施策を進めていくことを国や都道府県の責務として盛り込ませていただいたところでございます。
併せまして、今はタイミング的に令和9年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けての議論を行っているところで、こういったケアの質を改善するためのサービスの効率化や生産性の向上等への取組として、どういうことが考えられるかということも議論、頭の体操を行っていきたいと考えております。
この検討会では、ケアの質を向上させるための時間や力をつくるために、どのようなことがさらなる取組として考えられるかを御議論いただいて、現場の方々にフィードバックができればと思っておりますので、構成員の皆様におかれましては、それぞれのお立場、御見地からの忌憚のない御意見を賜れればと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○事務局 続きまして、本検討会は公開とし、この議事内容は皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載予定です。
それでは、議事に入る前に資料の確認と会議の運営方法について御確認させていただきます。まず資料の確認でございますが、事前にお送りしている資料を御覧いただければと思います。本日の資料は議事次第、資料1から3と、参考資料となっております。次に、本日の会議の運営方法について説明いたします。議事に沿って事務局から資料について説明させていただいた後に、構成員の皆様から御意見等をいただければと思っております。本日は手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、お名前を名のっていただき、分かりやすくお話しいただければと思います。
続きまして、検討会を開催するに当たっての会議の進行役である座長につきまして、資料1の開催要綱3の(4)のとおり「座長は、構成員の互選により選出し、座長代理は構成員の中から座長が指名する」こととなっております。「令和7年度障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」の検討委員会の委員長でありました吉田構成員に座長をお願いする予定でございますが、御異論等ございますでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございます。「異議なし」とのことですので、吉田構成員に座長をお務めいただきたく存じます。ここからの進行につきましては吉田座長にお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○吉田座長 はい。皆さん、埼玉県立大学の吉田でございます。このたび座長を拝命させていただきました。よりよい議論となりますように尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず座長代理を指名させていただきます。座長代理につきましては、令和7年度の「障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業」において構成員を務められ、また当事者家族としてのお立場からも御尽力いただきました野澤構成員にお願いしたいと存じますが、野澤構成員、いかがでございますか。
○野澤構成員 はい。力不足ではありますけれども、受けさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○吉田座長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の議題に入ります。本日は議題2と議題3について、まず事務局から説明をした後に、まとめて意見交換の時間を予定しております。まずは議題2「障害福祉分野における人材確保・生産性向上について」、事務局から説明をお願いします。
○事務局 はい。事務局でございます。資料2「障害福祉分野における人材確保・生産性向上について」を御覧ください。
まず2ページ目、厚生労働省においては、障害福祉現場における生産性向上を赤字で示しておりますとおり「支援者一人一人の力を引き出し、チームでその力を利用者に届けることで、新たな価値を生み出すこと」と位置づけておりまして、最初の表題にありますが「当事者視点に立ったケアの充実のための生産性向上」を推進し、昨年度にその基本的な考え方をお示ししております。
3ページ目をお願いします。こちらは生産性向上の基本的な考え方について、(Why)(What)(How)という3つの視点を示してございます。支援や人を減らすのではなく、限られた人員において障害福祉固有の多様性等を踏まえ、当事者視点に立った「ケアの充実」につなげていくための生産性向上をどのように具体的に推進していくかということが、本検討会において皆さんと一緒に検討させていただきたいテーマでございます。
続きまして、5ページ目以降になります。障害福祉現場における人材確保・生産性向上の概況と取組を示してございます。
5ページ目ですが、障害福祉サービス・障害児サービスの利用者はここ10年で増加傾向にあり、令和7年10月時点では、知的障害者、精神障害者、身体障害者、障害児の利用者は約173万人に上っております。
6ページ目をお願いします。障害福祉関係分野職種における労働市場の動向では、障害福祉サービス等従事者を含む関係職種の有効求人倍率は全職種より高い3倍程度で推移しており、人材確保において厳しい実態がございます。
7ページ目をお願いします。このような状況を受けて、令和7年度には「省力化投資促進プラン」が策定され、医療・介護とともに障害福祉分野における生産性向上の優良事例や支援策、目標とKPIが盛り込まれました。また、このほか「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」や「障害福祉現場における介護テクノロジー等導入・活用マニュアル」の作成を行いました。今年度は「障害福祉分野における人材確保・生産性向上サポート拠点整備事業」や「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」を実施しており、令和8年6月には社会福祉法等の一部を改正する法律が成立し、人材確保・生産性向上等の取組を国・都道府県の責務として位置づけ、障害福祉計画等の記載事項への追加や都道府県に協議会の設置を義務づけることなどをお示ししております。
14ページ目をお願いいたします。本年度実施中の生産性向上主要施策を一覧として載せておりまして、本検討会で重要なものは「5 障害福祉分野における生産性向上ガイドライン策定等に向けた調査研究」になります。
25ページ目をお願いいたします。本検討会については、障害福祉分野における人材確保・生産性向上等の課題に対応した取組を促進するため、赤枠で囲んでいる「『障害福祉分野における生産性向上ガイドライン』の策定」に向けて、必要な実証研究の検討も含め、重点的に検討を行っていただきたいと考えております。また現在「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」において、令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討が進められているところですので、ガイドラインの策定に必要な実証研究の検討に当たっては令和9年度報酬改定の検討に資する調査分析とすることを念頭に、下の赤枠の「生産性向上の取組や成果等を評価する仕組みの検討」を御議論いただきたいと考えております。そのほかにも人材確保・生産性向上に係る取組がございますけれども、障害福祉分野の仕事の魅力に関する戦略的な広報の実施や都道府県支援体制として、ワンストップ窓口の設置・運営に係る伴走支援なども並行して今年度に事業を実施する予定でございまして、赤枠以外の人材確保・生産性向上に係る取組結果についても本検討会において御報告させていただく予定でございます。
27ページ以降はこのガイドライン策定に向けた具体的な今後の進め方になります。
27ページ目ですけれども、ガイドライン策定に向けて、具体的には障害福祉現場における生産性向上に係る実証研究を20事業所程度で実施し、そこで創出された効果を踏まえて「生産性向上ガイドライン」に落とし込み、横展開を図るとともに生産性向上の取組や成果等を評価する仕組みを御検討いただくことを想定しております。
28ページ目はガイドラインの具体的なイメージですが、介護保険分野においては先行して「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」が既に策定されていますので、こちらも参考にしつつ「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」も踏まえ、障害のある方が自ら望む生活を主体的に営むことができるよう支援するといった、障害福祉がこれまで大切にしてきた障害者の自立と社会参加、地域共生社会の実現という観点も重要であると考えております。こういったことも念頭に各事業所等がいかに支援者一人一人の力を引き出し、チームでその力を利用者に届け、当事者目線に立ったケアの充実を実現していくか、その具体的なヒントを得られるようなガイドラインにしていく必要があると考えております。
具体的には下に「共通編」と「サービス類型別」と書いており、まず「共通編」において、どの障害福祉事業所にも共通する事項をまとめ、さらに「サービス類型別」に応じた課題の設定・改善の取組をまとめることとしてはいかがかと考えております。サービス類型につきましては、全体で27ある障害福祉サービスを生産性向上の取組によって省力化が可能な業務という観点から、例えば(1)訪問系、相談支援系、(2)施設入所系、居住支援系、(3)通所系に加えて、保護者支援等支援の内容や取組が一部異なることを考慮した(4)児童系の4パターンに分けることを想定しております。
また、その下のアからオの課題の設定については、令和7年6月の「省力化投資促進プラン」において、障害福祉分野における省力化が可能と考えられる業務一覧が例示されており、この中で特に全てのサービス種別において取組可能と考えられる業務や俗人化しやすい業務、人材確保の観点から影響が大きい業務をアからオに示しておりまして、それぞれのテーマごとに介護テクノロジー導入前後の取組の成果実証を整理することを想定しております。
29ページからは障害福祉分野における戦略的広報の実施について記載してございます。
29ページをお願いします。障害福祉サービスを持続可能なものとしていくためには、チームの力を上げていくことと併せて、人材確保も重要な観点でございます。そのためには幅広い層に障害福祉分野への興味を持ってもらうことも重要です。
30ページ目は仕事の魅力発信について載せておりますが、このように、これまでも仕事の内容や実際に働いている人や利用者へのインタビュー等をまとめたデジタルパンフレットや動画を厚生労働省ホームページで公開してきたところでございます。
31ページ目をお願いします。今後はそれだけではなく、SNSやマスメディアも活用し、より戦略的な広報を実施したいと考えております。例えば、仕事の魅力発信については、学生・求職者向けに障害福祉現場で働く内容やキャリアパスに関するイメージを持っていただくとともに、定年退職前後のエグゼクティブシニアに対しても、それまでのキャリアが障害福祉現場で生かせる姿をイメージしていただけるような広報を考えていきたいと考えております。また生産性向上についても、現場の職員や管理者に加えて、意思決定の主体である経営者にも障害福祉現場の生産性向上とは何かということや、その魅力・内容が分かっていただけるような広報を実施する予定でございまして、これらの実施状況等について本検討会でも御報告させていただく予定でございます。
資料2については以上となります。
○吉田座長 ありがとうございました。それでは続きまして、議事の3「今後の検討会の進め方について」、同じく事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。資料3「今後の検討会の進め方及び検討体制について」を御覧ください。
今後の進め方につきましてですが、検討会は一旦5回開催を想定しております。今回の進捗に応じて回数を見直す可能性もありますが、第4回の11月頃までには実証研究の結果報告と結果を踏まえたガイドライン暫定版を皆様に御議論いただき、その後の障害者部会・こども家庭審議会障害児支援部会において報告をさせていただく予定です。そして来年2月頃にガイドラインを含む令和8年度の取組の最終報告を行い、来年3月頃開催予定の「障害福祉現場における生産性向上推進フォーラム」において、ガイドライン等を全国に周知したいと考えております。またガイドライン策定においては、障害当事者の意見を丁寧に聞き取ることが大切であると考えております。
次のページをお願いします。下に「ガイドライン作成協力者・当事者団体等からの意見収集」と書いておりますが、これまで基本的な考え方や介護テクノロジー導入ガイドライン策定に関わっていただいた有識者の方々にもガイドライン作成協力者として御協力をいただきながら、9月頃までをめどに当事者団体等に対して書面調査を行いたいと考えております。
1ページ目に戻っていただけますでしょうか。当事者団体の皆様から収集した意見については、結果を第2回で構成員の皆様に御報告させていただき、御議論をいただいて、その内容も踏まえて、ガイドラインにうまくお声を反映させていただきたいと思っております。
資料3については以上となります。
○吉田座長 ありがとうございました。大変分かりやすい説明で助かりました。ありがとうございます。
それでは、今回は第1回目でございますので、これ以降は今御説明いただきました議事2と議事3の両方についてまとめて意見交換の時間とさせていただきたいと思います。今日は各委員の皆様方から御発言いただきたいと思っておりますので、順番に御意見をいただければと思います。私から名簿順に指名させていただきたいと思いますが、時間が余りましたら、後ほど自由に御意見をいただく機会を設けたいと思っております。それでは早速ですが、浅見構成員、御発言いただいてもよろしいでしょうか。
○浅見構成員 はい。日本知的障害者福祉協会から参加しております社会福祉法人清心会の浅見と申します。よろしくお願いします。法人ではICT・DX推進室長兼総務部係長として指定申請や国保連の請求、採用、グループホームの日直や宿直等の間接業務を現場での通常業務として日々行っております。
昨年度のフォーラムでは、当法人350人全員に導入したGoogle WorkspaceというGmail・Chat・Drive等をはじめとしたバックオフィスの活用を発表させていただきました。現在は伴走型の支援で、講師の方と一緒にClaudeというAIを活用しており、法人本部の6人ぐらいでAIを教わりながら、エージェント型等の法人に合ったアプリ開発などを自分たちでしております。特に多様性がある障害福祉分野においては、まだきちんとした決まりや生成AIのガイドラインがないために、AIへの向き合い方の難しさも感じながら業務を行っていますが、自分たちの法人に合ったアプリをつくることもできるので非常に可能性を感じています。その辺も今回反映できればと思っております。よろしくお願いします。
○吉田座長 ありがとうございました。では続いて、安藤構成員、お願いできますか。
○安藤構成員 はい、ありがとうございます。株式会社障碍社の安藤です。今、資料を拝見した中での感想程度の意見でしかないのですけれども、発言させていただきます。もしかしたら皆さんの意見を伺って、この検討会が進んでいくうちに考え方が変わるかもしれませんが、現時点での思いを述べさせていただきます。
まず1つ目は、やはりAIの活用だと思っています。うちの会社の社員、アルバイトも含めて340名ぐらいいらっしゃいますが、みんないい人ばかりです。先ほど資料の中にもありましたが、寄り添いながらよい支援をしていくことが生きがいという人たちが多く、頑張ってくれています。一方で、うちの会社だけかもしれませんが、この業界は相対的に読み書きがあまり得意ではない人が多いという印象があります。それを補完していく上でもAIは必要ではないかと思います。現在、全員に有料版のChatGPT等をヘルパーさんに伴走させて、個人情報を守りながら記録を入れ、AIが適切な指示ができるようにしていますけれども、なかなかコスト的に見合っていません。今後そういったところをどうしていくかがうちの課題であるし、リテラシーが高くないなど読み書きが得意でない人がAIに補完してもらいながら本当の意味で寄り添う支援ができるように、ヘルパーさんたちのスキルが上がっていくことが大切なのではないかと思います。
あと、先ほどの資料で気になったのですが、「当事者の視点に立った生産性向上」というのは全くそのとおりだと思います。そのためにチームをつくってやっていくというのはいいなと思ったのですけれども、私が重度身体障害者なので、重度訪問介護利用者の経験則から言うと、障害当事者もその生産性向上に努めるべきだと思います。これは「生産性」という言葉にアレルギーのある団体各所もあるので、どのように表現したらいいのかをこれから考えなければいけないのですが、障害当事者もカスハラ等を抑えて、特にホームヘルプサービスは私たち当事者からすると生活の場ですがヘルパーさんたちにとっては職場なので、そこをきちんと理解してヘルパーさんたちが働きやすい環境をつくっていくのは、私は当事者の役割だと極論すればそう思っています。私たちが変なことを言ってヘルパーさんが嫌な思いをしたことが離職につながれば、結果的に貴重な人材を失うし、障害者福祉のイメージも悪くなっていきます。「やはり障害者福祉は大変だし、嫌なことを言われるし、感謝されないし、つまらない」と思われるような状況をつくらないようにしていくためにも、当事者の視点に立って生産性を上げていくならば、やはり当事者も協力すべきだということを資料のどこかに書いてくれないかと思うのですけれども、これも書き方は慎重な議論が必要です。それでも、視点として大切なのではないかと当事者の私は思います。
あと、生産性を上げていくという上での、この中の1つのキーワードとして「エンパワメント」という言葉を入れておいてほしいと思います。私はエンパワメントをしていくことが生産性の向上なのではないかと思っていますので、入れていただけるといいなと思いました。
以上、感想ですが、よろしくお願いいたします。
○吉田座長 貴重な御意見をたくさんいただきまして、ありがとうございます。では続いて、大塚構成員、お願いいたします。
○大塚構成員 全国身体障害者施設協議会で人材・広報委員会を担当させていただいております静岡県にあります社会福祉法人和松会清松園の大塚と申します。どうぞよろしくお願いいたします。このような会議に出席ということで、かなり緊張していますので、変なことを言わないように気をつけながら発言したいと思っています。
自分も昨年度の「障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業」に関わらせていただいたのですが、そのときに先ほど安藤構成員からもお話があったように、「生産性」という言葉が私たちの業界になじむのかという疑念を持ちながら参加しておりました。そして会議に参加する中で、当事者視点に立つことや、あるべき姿を想像しながら、そこに行くまでのステップなのだということを確認する中で、何となく自分の中では腑に落ちてきたような感じを受けています。
私たちの協会は重度の身体障害をお持ちの方を支援する入所施設が主なので、参考事例等には私たちの業界にはマッチしないのではないかというものが多かったのですが、今回の検討会の中ではサービス種別での検討も行われるということなので、それらが私たちの業界の中で生産性向上に取り組む一助になっていけばいいなと思っています。そしてテクノロジーが私たちを支援していく中で大きな役割を果たすことは皆認識していると思います。研究大会等でもICT等の研究発表にはかなり多くの職員さんが興味を持って事例を聞いていますので、その辺をうまくマッチさせながら、いい意味で生産性に取り組むことができるガイドラインのお手伝いができればいいなと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございました。やはりサービス種別で備えていく、深掘りしていくことへの御期待をいただいたかと思います。それでは続いて、新藤構成員、お願いできますか。
○新藤構成員 はい、ありがとうございます。大変勉強になりました。私は日本社会事業大学でソーシャルワーカーの養成に携わっております。一方で評価学を専門にしておりまして、プログラム評価を使って実践現場の評価のお手伝いをさせていただいたり、研究をさせていただいたりしています。
お話をお伺いして、3点ほどあります。まず、これは昨年度から感じていたことなのですが、このように現場がいろいろなテクノロジーを入れて生産性向上の取組を進めているということで、大学等の養成校でもAIやテクノロジーの使い方を学ぶことや、実習でも使っていくということが必要になってくるだろうと思いますし、また大学の学び方も同時に変わっていかないと、大学でやっていることと現場で行われていることのギャップが激しくなってしまいます。実習では手書きでいろいろな書類を作っていたのに、現場に入ったらAIが登場していたということになってしまうので、そこは足並みをそろえていく必要があると思いました。これは感想でございます。
2点目は皆様と一緒に議論できればいいなと思っている論点なのですが、テクノロジーを使ってケアの時間を確保するということは十分あり得ますし、すべきことだと思うのですけれども、一方でテクノロジーの使用は事務的な業務の時間を減らすだけではなく、例えばスーパービジョンや自分の取組を内省する機会にも使ったりできるのではないかと思います。現場はなかなかお忙しいので、もしそんなことはないということであれば教えてほしいのですが、利用者さんのケース会議は行われていると思うのです。一方で、学生の頃のように対応した自分に焦点を当てて、自分の取組がこれでよかったのか、自分の声かけがどうだったのか、どういう意図でそれをしていたのかと内省する時間は十分取れないのではないかと思っています。例えば看護の領域であればプリセプター制度があって、先輩職員がついてスーパービジョンが提供されたりするわけですが、私のゼミの卒業生で1、2年で休職したり退職したりしてしまった人の中には、そういう振り返りの時間が十分に取れなくて、自分の考えていることがそれでいいのか悩んでしまったという人もいたので、そういうことにもテクノロジーを使って空いた時間を当てられるかもしれないですし、ひょっとしたら空いた時間ということではなくて、テクノロジーを使うことで、日常的にそれが可能になるということもあり得るのではないかと思いました。この2点目については皆さんと一緒に議論できたらいいなと思っている観点でございます。
3点目はスライド27ページの実証についてです。「生産性向上に係る実証の実施」には私も関心があるのですけれども、何を実証するのかということが重要なのではないかと思っています。そしてテクノロジーを導入した20事例を集めてヒアリングをするだけですと、事例集のようになっていくのではないかと思いました。実証というのは事例を単に集めるということとは違います。例えば私の分野で言えば、生産性を向上するためのいろいろな細かいアクティビティがあるわけですが、その生産性向上のアクティビティが20の現場に入ります。近年はロジックモデル等がいろいろなところで使われているわけですけれども、キーのアウトカムとしてどんなことが考えられるかというと、アウトカムというのはある対象の変化のことですけれども、例えば現場では先ほど議論になっていた業務負担が軽減するというアウトカムがあり、そうすると利用者さんと過ごす時間が増えたり、職員さんに余裕が出てやる気や充実感が湧いてきたりすることがあります。アウトカムの1つのブロックとしてはこのような変化がありますが、一方では、それだけではないと思うのです。例えば、先ほどのスーパービジョン等研修の時間にも充てられるのではないかということで言えば、職員さんのアセスメント力が向上したり、傾聴スキルが向上したり、よりよいモニタリングができるようになるという面のアウトカムもあると思います。さらに言えば、チームとしてのコミュニケーション等の力も醸成されます。少なくとも今思いつく限りでも時間ややる気のこと、専門性やスキルのこと、それからチームのこと、これは思いつきですけれども、このような3つの変化が望まれるかもしれないのです。さらにその先には、事業ごとの就労支援ということであれば一般就労率等のアウトカムがあります。結局そこが上がっても、働きたい人が働けるようになるという事業の本来の目的に貢献しているかということが非常に重要だと思いますので、そこにつながっていっているのかということを確認するとよいのではないか、私は実証とはこういうことなのではないかと思ったわけです。これについても少し議論したいと思っています。そして20事例はいいと思うのですけれども、通常はこういうアウトカムにこのアクティビティが効いたかどうかを検証するときは、これを適用しない群と比べないと分からないわけです。もしかしたらこの事業と関係ないところで何かの変動が起きて職員さんのやる気が増していたり、スキルが高まっていたりすることもあり得るわけなので、実証のデザインはいろいろだと思うのですが、もしかしたらその実証のデザインも重要なのではないかということもコメントでございます。そして一番厳格なデザインというのは、この施策を適用する群と適用しない群を分けて、アウトカムの変動を比較するということであるわけです。ただこれはできないと思いますので、ではどういうデザインだったらいいのかということを検証する必要があると思います。これが3点目です。
そして最後に一言だけ。私はこのように社会にとっての事業の価値、働きたいと言っている人が本当に働けるようになるといった価値が可視化されることで、人材の問題の全ては解決できないけれども、専門性が必要なすてきな仕事なのだということを伝えやすくなるのではないかと思っています。ひとまず3点でございました。
○吉田座長 ありがとうございます。人材の確保だけではなく、定着に向けての御提案もいただきましたし、研究者ならではの御指摘をたくさんいただいたかと思います。ありがとうございました。続いて、田中構成員、お願いできますか。
○田中構成員 よろしくお願いいたします。昨年度に引き続き参加させていただいて、非常に貴重な経験をさせていただいています。私は県の障がい者支援課の課長ということで、生産性向上をサポートする県の立場として今回の資料を拝見させていただいた感想や、先進県とは言えない県の実情をお話しさせていただければと思います。今までの構成員の方のお話にもありました「障害福祉現場における生産性向上」という言葉自体に抵抗があると言いますか、まずはそこの理解を進めることが重要だと考えていまして、昨年度は施策推進協議会や自立支援協議会等で「生産性向上というのは、当事者の方へのケアを充実させる取組なのだ」という説明をしてまいりました。参考資料にもあるかと思いますが、令和6年度から生産性向上の総合相談窓口を介護分野と一緒に設置いたしました。介護労働安定センター長野支部に委託して設置していますけれども、3年目になりました。課題を窓口の方に聞いたところ「介護のガイドラインを参考に専門分野の方にアドバイザーをお願いして、その方と障害の現場に合うように相談しながらやっているけれども、なかなかサポートの方法が分からない」ということで、今のところうまくいっている事例はあまりないと思っています。今回、障害のサービスが多様な中で、サービス種別にこういったものを検証いただいて、ガイドラインをということなので、支援する県の立場からも非常に期待しているところです。
また、介護と障害一緒の窓口を設置していますが、やはり介護事業所が県内に約4,000、障害は約2,000あり、その意識の差が気になっています。ここ数年を見ていますと、介護事業所からは年間100件以上寄せられている中で、障害は20件程度、伴走支援に至るのは2、3件程度ということで、やはり介護事業所との意識の差が気になっています。今年度は重点的に春の事業者団体の総会シーズンに私どもと相談窓口のセンターの職員が「そもそも生産性向上とはどういうことで、どうして取り組む必要があるのか」というところから説明をする機会を設けてもらったことで相談につながったケースも出てきていますので、まだまだ入口に立ったところではないかと思っています。やはり障害は介護事業所と比べて小規模であり、事務的な人手に割く余裕がないことを課題として感じていますので、そもそも導入の検討に至らないということなのではないかと考えています。
私どもは補正予算を活用した処遇改善や、重点支援交付金を活用して県単独で価格高騰の支援等も事業所に行っていますが、そこでも障害福祉事業所の書類の不備の多さや、こちらから問合せすることの多さが介護事業所と比べて際立っており、そういう傾向を肌で感じていますので、今日の資料2の10ページにあった「間接業務の効率化」と生産性向上はセットなのではないかと思います。そこで効率化をして、負担軽減をして、直接処遇サービスの向上等への働きかけにつながっていくものではないかということで、この10ページを非常に興味深く拝見させていただきました。どうしても県にいますと、介護はこうやっている、障害はこうやっていると比較しながら施策を進めているのが現状で、今は福祉と医療の従業者が他の分野と比べて最大の労働力なので、福祉分野の中で障害から介護への流出が起きないように私どもが手を打って、今いる人をしっかり確保していかなければいけないと思っています。
広報による仕事の魅力発信というお話がありましたが、社会福祉法の改正で、人材確保の協議会をつくるということで、私どもは県社協の人材センターにプラットフォームを昨年度から作りまして、その中で、今年の重点テーマとして、仕事の魅力発信をどうしたらいいかということを皆で楽しみながら議論しています。そういったことを進めて仕事の魅力を発信していきたいと思いますし、あとは今、生産性向上の革新会議を介護分野だけ設けているのですけれども、ここへ障害関係の委員も加えていくように、来年度予算に向けて調整しているところでございます。とりとめがなくなってしまいましたけれども、県の立場から取組の紹介と感想をお話しさせていただきました。よろしくお願いします。
○吉田座長 ありがとうございました。都道府県の責務が明確化されたところでも先進的な取組は大変重要かと存じました。特に実装していくことの課題、それと啓発していくときにどういったところに問題があるのか、まさに現場の声を聞かせていただいたと思います。ありがとうございます。では続きまして、中川構成員、お願いいたします。
○中川構成員 はい。一般社団法人全国介護事業者連盟の中川と申します。よろしくお願いいたします。またこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。私も昨年から幾つかの生産性向上の検討会に委員として参画させていただいている中で、いろいろと感じるところはあります。我々の団体は介護からスタートして、介護・障害福祉で今4万事業所以上に参画いただいています。障害福祉分野でも1万5,500事業所以上に参画いただいている中で、介護で先行している生産性向上の取組をこれまでの事例等を含めて、障害福祉分野にどのような形で連動させていくかというところが私の役目だと思い、介護分野の経験をしっかりと生かした形で、この検討会でも障害福祉分野について発言させていただけたらと思っております。
昨今、障害福祉分野では事業所の増加とともにサービスの質が非常に下がっております。次期報酬改定に向けてもそうですし、これまで障害福祉の様々な障害者部会や障害者支援部会等でガイドラインが敷かれたサービスもある中で、職員の資格要件の厳格化が進んでいる方向性だと私自身把握していますが、厳格化については限界があるのではないかと思っています。今、有効求人倍率も障害福祉分野では3.43倍と非常に人材確保が難しくなってきている中で、質の担保、要件の厳格化、人材確保のジレンマを抱えているところです。当然質を上げていく中では個人の能力に依存するのは限界がありますので、そういう意味では、こういった生産性向上の部分の仕組みやテクノロジーによる質の底上げに非常に期待できると思っています。ICTや記録ソフトの導入等による業務の標準化といった生産性向上の取組をすることによって情報共有や業務手順の仕組み化が進み、経験の浅い職員でも一定の支援の質を担保できるようなボトムアップの仕組みは、この生産性の向上に対して非常に期待できるのではないかと思っております。人材の要件を厳しくして人材をはじくのではなく、入り口を広げて多様な人材を確保する中で、生産性向上によって生み出された時間や精神的な余力を使って事業所内での資格取得や専門性の向上のための教育支援を行うといった循環モデルを構築することも、一つ大事なところではないかと思っています。
事務局の方から御説明いただきました資料2で、非常に分かりやすくまとめていただいた中から少し意見を上げさせていただきます。資料2の多面的な促進策に記載されている指定申請や文書の標準化については、昨年度の生産性向上の検討会で私どもの団体から実務経験証明書や契約内容報告書への要望を上げさせていただいた中から一部盛り込んでいただいたことに非常に感謝しております。
また、私どもは全国に支部を設けており、私が全国の事業所を回っている中でよく聞こえてくるのはローカルルールです。厚労省・こども家庭庁から様々な発出がなされて、標準化を図るために動いていただいていますが、各自治体によってそれぞれの解釈があったり、発出されたものが反映されていないところもあったりして、現場に非常に混乱を招いていますので、真の標準化と業務負担を軽減するために国から自治体のローカルルールの撤廃を強力に働きかけていただくことも一つお願いしたいところです。これは書面のみならず、この生産性向上やICTの推進等々を含めてもそうですが、国や我々団体を預かっている人間のように生産性向上に日頃から触れている人間はその意味を理解していますが、まだまだローカルルールに関しては、やはり自治体マターになる制度ですので、そこへの働きかけが非常に重要になってくると感じているところです。
また、先ほど田中構成員からもありました窓口等々についてですが、介護と障害のサポートセンターを一体的に設置・運営する手法は非常にすばらしいと感じているところです。地域共生社会という意味では、そこの連動は切っても切れない関係値であり、重要だと思うのですが、今日、冒頭から皆さんがおっしゃられているとおり、障害福祉サービスは入所・通所・就労・児童等、年齢層も違えば、施設の立ち上げからの成り立ちも大きく違うところがあり、障害福祉特有の課題が非常に山積しています。窓口には当然ながら介護の専門家のみならず、障害福祉特有の課題に伴走いただける人員の配置が必須だと思います。田中構成員からもありましたように、介護と比べると障害は非常に小規模な事業所が多く、1法人1事業所も多い中で、相談に行く余力すらないという実態もあると思いますので、人員の問題等もあると思いますが、センター側から事業所に積極的に働きかけるプッシュ型や伴走型の支援体制の構築が地域でできるように、国からのサポートをお願いしたいと思います。あと幾つかありますが、時間もありますので、私からは以上となります。これからどうぞよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございました。業界団体からの貴重な御意見でありました。特に経営レベル・運営レベルからの問題意識や御要望をいただいたと思います。ありがとうございました。それでは野澤構成員、お願いできますでしょうか。
○野澤構成員 はい、野澤です。よろしくお願いします。私が代表しているスローコミュニケーションという一般社団法人について少し説明させていただきます。2016年に設立されたもので、主に知的障害の方々に対する分かりやすい文章やコミュニケーションの研究や開発、普及を目指しております。今、中央省庁や自治体の若手官僚や新聞記者がボランティアで関わってくれて、毎週一般ニュースを分かりやすいバージョンに書き換えて、音声ガイドつきで無料で更新しています。施設や働く場や学校等で利用していただいています。これには前身がありまして、1996年に「全日本手をつなぐ育成会」という知的障害者の家族会の全国組織が知的障害者向けの新聞の発行を始めたのです。20年続きましたけれども、育成会が社会福祉法人を解散したことに伴って廃刊になり、それを引き継ぐ形で組織したものであります。知的障害の方に対しての分かりやすさというのは、最初は漢字に平仮名のルビを振るぐらいのものだったのですけれども、それでは全然届かなくて、やはり分かりやすい言葉と平易な文章、特に行政文書には専門的な言葉や抽象的な言葉がすごく多いですし、新聞記事でも全く同じで、これが彼らの理解を阻む壁になっています。さらに進んでいくと、スピードと分量が極めて重要であることが分かってきました。つまり話すスピードと話題が変わるスピード感についていけない。一度に説明する分量の多さが大きな壁になっているのです。さらに進んでいくと、障害特性や個々の育ってきた環境や今の状況を深いところから理解することによって信頼や安心感を形成しないとうまくコミュニケーションできないということが分かってきたのです。これは意思決定支援の前提でありまして、今回議論になる生産性向上においても極めて重要な前提になると思います。つまり生産性を向上して、よいケアを提供できるようにすることが目標になるわけですけれども、利用者の中には劣悪なケアでも文句を言えない人たちがいるということが大きな問題になっているわけです。そういう利用者の声をいかにくみ上げるかというところで、こういうことが大事なのだろうと思っております。
私は、生産性向上は人材確保と表裏一体だと思っています。障害者福祉というのは対人援助の仕事であって、誤解を恐れずに言えば、どれだけよい人材を確保して、どのように育成できるかにほとんど全てがかかっていると言ってもいいと思います。
福祉の生産性向上の目標は、少ないコストで大きな利潤を上げることではなく、利用者の幸福度を高めることやケアを充実させていくことだと思いますので、そうすると人材というところに大きな問題があるということだと思います。その上で今回の説明資料を読ませていただきますと、若干人材確保の面が薄いことが気がかりです。なぜこのようなことを申し上げるのかというと、人材確保というのは、まさに喫緊の課題だと認識しているからです。私の身の回りでも、スタッフが足りなくて事業所を閉鎖する、操業を中止するところがあちらこちらで現れております。そしてスタッフを補充するために人材紹介会社に高い手数料を払って、年間数千万円も払っているところも結構ありますが、その割にすぐに辞めていくという悪循環に陥っていて、これから現役世代の人口が減っていくことを考えると、手をつけるのが遅過ぎるぐらいだと思っています。なので、ぜひこの検討会では人材確保の側面からも議論を進めていきたいと思っています。
事前説明で各サービスを類型別に検討するとなったときに、私は「法人本部がメインターゲットではないか」ということを強く申し上げました。「人材確保・育成、労務管理等によって働きやすさ、ひいてはよいケアを提供できる体制をつくっていくというところでは、本部機能や事務局機能が極めて重要であり、しかも多くの法人が様々なサービスを提供しているので、肝腎要のところを主に検討していかなければいけない」と申し上げました。ただ、その後にいろいろと考えていると、人材確保という点では類型別の検討が重要だということに気がつきました。私は今、企業等で働くシニア人材に対して障害者福祉の現場に転職・出向を促すプロジェクトをやっていますが、そこで全国調査をした結果によると、本当に人材不足が深刻なのは入所施設とグループホームなのです。突出して人が足りないという回答が多いのです。つまり夜勤を伴う職場です。ここはすごく急がなければいけないところだと思います。
それともう1つは大量に採用して大量に辞めていくところがありますが、これは放課後等デイサービスや児童発達支援センター、あるいは一部の訪問系の事業だと思われます。営利目的を主眼にするような事業体が高い初任給を提示したホームページで大量に人を集めて、あとは1年目、2年目でどんどん入れ替わっていくので、育成等の観点はあまりなく、安い人件費で回していけばいいみたいなものが垣間見えるのですけれども、これは使い潰しです。せっかく福祉に興味を持って入ってきてくれた方たちを育成もせずに使い潰していくようなことをやっていたら、これからの人材減の時代に全く逆行してしまうのではないかと思っています。
そう考えると、福祉の生産性向上を進めていくことは間違いなく大事なのですけれども、結構「もろ刃の剣」のような側面もあると思っています。IT、DX、動画、ホームページ等の発信力があって省力化を進められるところは、同時に大きな利潤も上げられるのです。ここは利潤を上げるところではなく、ケアの充実に向かわなければいけないのに、そこに向かわずに利潤を上げようとすれば、生産性向上を進めることによって幾らでも上げることができてしまいます。つまり評価の部分が極めて重要であり、ITやDXの導入や省力化だけを評価の基準にしてしまうと、大きな失敗をしてしまうのではないかと思っています。ケアの充実や人材育成や定着の評価はなかなか難しいと思いますけれども、ここを主眼におかなければいけないと感じております。
最後になりますが、仕事の魅力を伝えていくということです。私は大学で教員をやっていますけれども、地方の私立大学は本当に定員割れをしていて、何とか大学を選んでもらおうと躍起になっていますが、最近は高校に入ってきた時点である程度進路が決めている子がかなり多いです。大学によっては小学校、中学校あたりからいろいろな大学の魅力を知ってもらおうと、教える分野の魅力を伝えていこうという取組をしていますので、やはり小中学生に福祉の魅力や意義を伝えられるような取組がこれからは必要だと思っております。また企業のシニア層ですが、企業のほうがむしろITやDXが進んでいますし、どこの企業も中高年を潜在的余剰人員として抱えています。しかし日本的雇用慣行からなかなか転職できずにしがみついていると言うと言葉が悪いですが、そういう方が大勢いらっしゃいますので、せっかく長く企業で働いてきた経験を生かせる道を選んでいただきたいということです。と同時に学齢期のお子さんを持った層に対しては、今は親の子供の進路に対する影響力がすごく大きいので、各企業が「親確」という親の確認書を求めたり、「親オリ」という親のオリエンテーションを行って、親を説得するようなことをしています。そうすると、特に親世代の障害者福祉に対するイメージは必ずしもいいものではない中で、彼らにいいイメージを持ってもらうためにも、企業のシニア層にアプローチをしていかなければいけないと思っております。
ほかにもいろいろありますが、取りとめがないない話になってしまいますので、この辺で終わりにしたいと思います。これからよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございました。間接業務の効率化もありますけれども、一方でやはり対人サービスですから、直接ケアのコミュニケーションの在り方の重要性を御指摘いただきましたし、サービス種別に関わらず、生産性向上について法人がどういう動機づけであるべきなのか、特に非営利の事業を抱える法人がどのように生産性向上の動機づけを持っていくのかというところを人材の確保や定着の観点からも深く鋭い指摘をしていただいたと思いました。ありがとうございます。
一巡して御発言をいただきましたけれども、時間はまだ残っております。ここからはお手元の「手を挙げる」ボタンを押していただく形で挙手をしていただいて、追加で御発言をいただければと思っております。御意見だけに限らず、もしも資料についての質問や疑問等がありましたら、それも御一緒に発言いただければと思っております。いかがでしょうか。ここからは皆さんのほうから自由に御発言していただければと思います。どのようなことでも事務局にとってみれば、大変貴重な情報になりますので、ぜひぜひ御発言いただければと思います。
○新藤構成員 新藤です。
○吉田座長 はい。新藤構成員、お願いいたします。
○新藤構成員 はい。皆様の御意見、大変勉強になりました。ありがとうございました。どのようなことでも、ということなので、先ほどの野澤構成員の人材の確保の話ですが、私のキャリアは、もう20年ぐらい前ですけれども、知的障害がある方の入所施設の職員からスタートしていますので、当時も大変な状況でしたけれども、今はなお大変な状況にあるだろうなと想像しながら聞かせていただきました。
人材確保のところですけれども、先ほども、例えば資本のある企業がすてきなホームページを作って、SNSも展開して、人を使い潰していくという話がありましたけれども、広報はもちろん各法人や各養成校ですべきところはすべきですけれども、私は国を挙げてこの仕事の魅力を伝えることが必要なのではないかと思いました。既にやられていると思うのですけれども、最近、防衛省の小泉大臣のいろいろな取組を見ていて、強くそう思いました。例えば「私たちは国防になっている」というメッセージは非常に分かりやすくて、自分の仕事に誇りを持ちやすくなると思いましたので、国が福祉人材を尊敬しているという強いメッセージを小中学生にも分かりやすく発信していただけると、そこに各法人が乗っかることや、養成校が乗っかっていくことができるので、そういう強いリーダーシップが必要だと思います。厚生労働省的には難しいと思いますし、いろいろな職業がある中で「なぜ福祉だけ」となると思うのですけれども、それでもここまで課題感が大きくなっていますので、何かしらリードしていただくような強いメッセージを発信していただけるようなことがあると一つになっていけるのではないかと思いました。思いつきのような発言で、すみません。
○吉田座長 ありがとうございました。世代を超えて魅力や認知を高めていただこうと思えば、なかなか個々の事業所レベルでできることは限られるということの問題提起をいただいたと思います。ありがとうございます。ほかの皆様はいかがでしょうか。私が見えている画面で見過ごしていたら、ぜひ声を上げていただければと思います。いかがですか。はい、野澤構成員、お願いいたします。
○野澤構成員 ありがとうございます。新藤構成員の意見に勇気をいただきまして、私も発言させていただきます。本当に情報発信は大事だと思います。我々が思っている以上に障害者福祉に対するイメージはまだ暗くて厳しいものがあることを時折すごく感じることがあります。今はメディアも大事ですが、SNSの力がすごく大きいので、YouTubeとInstagramだけで毎年40人から50人の応募者を得ている割と小さな法人を知っています。また京都府だったと思いますが、知的障害者福祉協会の研修会に行ったときに、それぞれの法人が独自に自法人をアピールする動画を作って、それを競い合うような形だったのですが、現場の人の若い感覚で、かなり面白かったです。業者に頼んだり自分たちで作ることもありますが、自分たちの法人の魅力はやはり働いている人が一番よく知っていると思うので、社会に対してアピールしていく文化みたいなものを醸成していけるような取組がとても大事だと思いました。
○吉田座長 ありがとうございます。やはり若い人たちが持つエネルギーと無限の可能性といったようなものが連動していくことの魅力を今改めて教えていただいたような気がします。ほかにいかがでしょうか。本当にどのようなことでもいいと思います。どうでしょうか。はい、田中構成員、お願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございます。県は支援する立場ということで、やはりどうしても県が支援を拡充するには財源の確保と人手の確保が重要になってまいります。先ほどの私の説明の中で介護との比較を申し上げて、介護は地域医療介護総合確保基金があり、介護テクノロジーの予算も桁違いの大きさなので、これを障害分野にもというのは、難しいと認識しています。県の予算で言いますと、障害分野は一般財源で確保していますが、やはり介護と同等に持っていくのはなかなか難しい状況です。国にも後押ししていただいて国庫補助もいただいていますが、やはり国庫10分の10と県の持ち出しがあるのとでは財政当局の反応も大分違います。私どもも一定の負担をしないといけないと思っていますので、一般財源の対応も当然必要だということは十分認識していますが、やはり介護は基金で予算措置をしているため年度当初から充実した執行が可能ですけれども、障害分野はどうしても国庫補助となりますので、生産性向上や処遇改善等のワンストップ窓口等の開設までタイムラグがあり、介護と合わせられない状況です。さらに、私どもでは生産性向上の相談窓口は実質的に一般財源を投入し、処遇改善のサポート窓口は国庫補助を活用していますが、内示があってからの開設になりますので、一定期間ワンストップになっていない期間があります。厚生労働省には本当に御尽力いただいていると思いますが、補助金を早期に内示していただくことや、繰越の要件等を少し緩和していただく等の柔軟な対応を引き続きお願いできれば、特に本県は財政状況が厳しく、純一般財源を従来の政策に加えて確保することがそれぞれの経費区分で厳格に予算管理されている中で、なかなか難しいですし、本県と同様の県もあるかと思いますので、ワンストップ窓口の開設を推進するということでありましたら、その辺を御配慮いただければありがたいということで、要望のような形になって大変恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございます。この件について何か事務局から御発言ございますか。
○事務局 障害福祉課長でございます。御指摘につきましては予算に関係する話でもございますので、関係者とよく協議をさせていただければと思います。基金があるかないかというところは結構根本的なところでもありますけれども、現行の枠組みでどこまでできるかということは、しっかりと調整させていただければと思います。ありがとうございます。
○吉田座長 ありがとうございます。
○田中構成員 申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
○吉田座長 ほかにいかがでしょうか。皆さんから引き続き御意見等をいただきたいと思います。どうですか。浅見構成員、どうぞお願いします。
○浅見構成員 浅見です。お世話になります。感想も含まれていますが、先ほど新藤構成員もおっしゃられていた27ページの20事業所程度の実証の実施についてアウトカムも含めてというところは確かにすばらしい意見だと思いました。
あとは、この20事業所の中に多分様々な事業所だったり種別だったり、様々な生産性向上が含まれていると思うのですけれども、先進的な事業所だけではなく、新規で今までそういったことをやったことがないような法人も20の中に含めていただけると、再現性がすごく高まるのではないかと思いました。
あとは評価する仕組みについても、しっかりとした評価を取りたい一方で、現場の負担がすごく増えそうな気がとてもしているので、そこは歩み寄りというか、あまり現場の間接業務にならないような、それこそ今あるデータを何かに使ったりして、負担にならないような仕組みの検討がすごく大事ではないかと思いました。
あとは34ページに介護分野の生産性向上推進体制加算等も含めていただいているので、今後は障害分野もこうなっていくのかと思ったのですが、この加算の金額にもよりますけれども、これをやることによって今まで意識していなかった法人も意識が向くと思うので、障害分野にとってもとてもいいのではないかと感じました。以上です。
○吉田座長 ありがとうございます。報酬改定とどうつなげていくのかという問題提起も率直にいただいたと思います。ありがとうございます。ほかの皆さんはいかがでしょうか。はい、新藤構成員、お願いいたします。
○新藤構成員 はい。たびたび申し訳ありません。先ほど浅見構成員からもあったのですけれども、そもそも実証がどういうものなのかはこの後組み立てるもので、今日は「実証をやります」ということだけなのですか。何か考えられていることがあるのでしょうか。
○吉田座長 事務局から質問に対して御解答できますか。
○事務局 事務局でございます。御意見ありがとうございます。実証の在り方についてですが、資料2の28ページ目を掲載いただけますでしょうか。
実証については、今、構成員の方におっしゃっていただいたとおり、単に事例集をまとめるということではなく、この「サービス類型別」のところで書いておりますように、まず共通して取組ができそうなところについて、まず種別としては(1)から(4)のパターンを考えておりまして、その4パターンごとにアからオのテーマについて、介護テクノロジー導入前後の生産性向上による成果を見させていただきたいと考えております。以上でございます。
○吉田座長 ありがとうございます。
○新藤構成員 加えていいですか。
○吉田座長 はい。続けてどうぞ。
○新藤構成員 はい、ありがとうございます。例えば「ア:記録、請求業務関連」で言うと、これにかかっている時間の削減等がアウトカムなのかなと想像するのですけれども、恐らくそうですよね。そして「イ:スケジュール作成業務関連」でも、その時間の短縮や、あるいはよりよいスケジュールや見やすいスケジュールが作成されるといったことも含まれるのかもしれないのですけれども。先ほどのコメントと重なってしまうのですが、その先のケアの質との関係を見ないと、それだけ削減しても、本当にケアが充実したのか分からなくなっていくので、やはり簡単なロジックモデルのようなものを描いてから実証に進んだほうがいいのではないかと思いました。改めてのコメントです。
○吉田座長 事務局、どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。今まさにおっしゃっていただいたとおり、時間や業務負担がどれぐらい削減されたのかということではなく、最終的にはその後に続くケアの充実というものがどのように具現化されたのかというところを見ることが大事だと考えておりますので、アンケートの調査に加えて、ヒアリングも予定しておりますので、そういったところで定性的な変化もしっかり見させていただきたいと考えております。
○吉田座長 はい、ありがとうございました。そのほか、皆様、いかがですか。
○中川構成員 よろしいでしょうか。
○吉田座長 はい、どうぞお願いいたします。
○中川構成員 よろしくお願いいたします。我々の団体は、最初は介護を中心にしてスタートしましたので、先行してこの生産性向上に取り組む介護現場の経験から言えることは、トップの明確な意思決定のない事業所では生産性向上は決して根づかないということだと思います。これまでのこの障害福祉分野の検討会でも、そのような報告書等が上がってきている中でいくと、単なる生産性向上や業務改善ではなくて、まず経営者が法人の理念やケアの質の向上を実現するための手段であるということを自分の言葉で語るようなキックオフ宣言的なものをガイドラインに盛り込んでいただいたほうがいいのではないかと思ったところです。やはり経営層と現場の職員では感覚的に生産性向上の意識に大きく違う部分があると思います。先ほど浅見構成員からもありましたが、先行して行っている介護分野では生産性向上推進体制加算がもう付与されているところがある中で、やはり経営層が本気で動くためには、いろいろな理念的なものもありますけれども、金銭的なメリット、処遇や報酬の充実等がないと動きにくいというのが現場のリアルな声ではないかと思います。また他法人の事例や外部の情報に触れること自体が取組のきっかけになることも分かっていますけれども、やはり生産性向上に取り組むことが処遇改善加算の取得や人材確保へ直結するというところを明確に可視化する仕組みが非常に重要ではないかと思います。なので、経営層と現場職員にターゲットを分けた戦略的な広報の実施が非常に重要ではないかと思っています。経営者層には取組開始の意思決定を促す広報、また現場職員の方には業務改善への参画への意識や負担軽減やケアの充実を促す広報ということで、一緒くたにするのではなくて、経営者層と現場職員をしっかりと分けて展開しないとなかなか前に進まないのではないかということを現場感として感じているところです。私からは以上になります。
○吉田座長 ありがとうございます。法人のお立場からですけれども、まさに経営層の人たちと現場の人たちとでは重視しなければいけない価値観であったり、優先しなければいけない問題意識が異なるという御指摘なのだろうと思います。そういう意味ではそれぞれのターゲットに向けて発信していくことの重要性を指摘いただいたのだと思いました。ありがとうございます。
そのほか、皆様はいかがですか。まだ時間もあります。はい、新藤構成員、よろしくお願いいたします。
○新藤構成員 はい、ありがとうございます。何度も実証のところをお伺いして申し訳ないので、もうこれぐらいにしたいと思うのですけれども。アウトカムのところで、先ほど当然このアからオで削減された時間の先にケアの充実があることをアンケートで測っていただくということだったと思うのですけれども、このアンケートの項目が結構大切なのではないかと思うのです。今、現場でやりたいのだけれども、できないことがあって、時間さえあればそれができるのにという論理で時間を空けようということだと思うのですけれども、そうであれば、やりたいことができているかどうかということがアンケートの項目になりますよね。そして評価のときに、そういう課題を事前に設定しておかずに「どんないいことがありましたか」という聞くやり方ももちろんあるのですけれども、今回の場合はそうではなくて、何か目指すべき姿がある程度あるとしたら、もちろん事業ごとに違うものもあるのですが、それを測らないといけないのではないかと思いました。これが1点目です。そして「やりたいことがあるのに」という中の「やりたいこと」が、例えば「十分に利用者さんと一緒に時間を過ごす」とか「お互いに関係がつくれるような質の高い時間を過ごす」ということだとして、もし本当にこれができていないということなら、アからオに書かれているものだけで大丈夫なのかとも思うのです。時間を確保することだけではなく、人と時間を過ごすとは一体どういうことなのかを職員さん一人一人がその意味を考えなければいけないわけで、そのようにアンケート項目を作って、これが達成すべきことだ、知りたいことだというものが設定されると、実はアからオだけでは足りないのではないかという論理や思考も回っていくと思います。つまりこれがロジックモデルを描いたら、そういう思考になるということなのですけれども、こういう思考を回して、アンケートの調査票の項目をしっかり立ててから実証に進んでいくことが、そこまでのスキームがどうなっているのかは分からないのですけれども、事務局の皆さんでつくっていただくということなのかもしれないのですが、そこが重要なのではないかと思いました。
○吉田座長 事務局から何かお答えされますか。はい、お願いします。
○事務局 御意見ありがとうございます。まずおっしゃっていただいたとおり、ケアに必要な時間数が介護テクノロジーの導入前後でどのように変わったかという、単に時間の削減の度合いだけではなく、それによって事業所でどのような変化を感じられたのかということも聞きたいと考えております。その中には例えば「支援者の方に向き合う時間が増えた」ということも含まれておりますので、いただいた御意見も踏まえて、調査項目を検討させていただきたいと考えております。ただ、それ以上の事業所のほうで感じている変化のみならず、では、当事者の方はどのように感じられているのかというのは、なかなかアンケートでは取りにくいところでもございますので、そういった時間や省力化の先にある当事者目線に立ったケアの充実がどのように表れているのかというところを深掘りして、ヒアリング等で確認していきたいと考えております。以上です。
○吉田座長 ありがとうございます。そのほか、皆さん、いかがでしょうか。いろいろな切り口があるかと思いますけれども。はい、野澤構成員、お願いいたします。
○野澤構成員 はい、ありがとうございます。当事者目線というのは極めて重要なので、それをどのように深掘りするのかが少し気になるのですけれども。職員のヒアリングからそれを深掘りするのか、それとも利用者からも聞くのか、あるいは第三者から聞くのか等、その辺が気になります。言葉がしゃべれない重度の方の場合は保護者になるのでしょうけれども、保護者と本人はかなり利害が違ったりするので、そのあたりをどのように考えておられるのか、現時点で結構なので、あらましを教えていただければと思います。
○吉田座長 事務局からいかがですか。
○事務局 事務局でございます。何を実際に深掘りしていくかというのは、アンケート調査の結果等も踏まえて検討していきたいと思っておりまして、調査の結果の報告等は、この後の検討会において随時触れていく予定でございますので、構成員の皆様からも御意見をいただきながら検討していきたいと考えております。
○吉田座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。皆さんのほうでは出尽くしましたですか。いかがですか。よろしゅうございますか。
それでは、せっかく構成員でございますから、私からも一言、二言、三言ぐらいでしょうか、述べさせていただきたいと思います。
介護の分野で私も生産性向上のガイドラインづくりに一から関わってまいりまして、まず今日御発言がありました、この「生産性向上」というキーワードの抵抗感をどうやって拭っていくのかというのは、大変大きな課題だと認識しております。当時、介護の分野で生産性向上のガイドラインをつくる際も、その後もですが、「生産性向上に代わる言葉はないだろうか」ということを常々問題提起していただいたのは、今でも覚えております。聞けば「ああ、そういうことか」と、「障害福祉における生産性向上とはこういう意味なのか」と納得してくださる方が増えると思いますが、入り口のところでつまずくことが多ければ、これはまた問題であり、もったいないと思います。こういったところをどうやっていくのかというところが1つの課題なのだろうと思っております。
そして、2つ目は実際に生産性を向上していくというのは、生産プロセスのアウトプットと、その後の品質管理問題というアウトカムは実はつながっているようで、分けて考えるほうが、やはり最初はいいのだというところがございます。特に2040年に向けて各地域で既に障害の需要も地域差が出てきているのではないかと思います。そのような中で、どのような地域が喫緊の課題として優先してそういったプロセスの改善をしなければならないのか、そして市町村や都道府県のレベルからすると、サービスの提供体制をいかに維持していくのかという切り口に立てば、品質と同様に、その提供体制の維持に向けた標準化といったところをどう図っていくのかというのは、やはり見過ごせない課題なのだろうと思います。
介護よりもさらに難しいのは、やはり先ほど来ありました障害の特性です。それぞれが目指そうとしている人生の生きがいであったり、今日出てきたキーワードで言うとウエルビーイングといったところは、皆が同じ目標に向かうのであれば標準化して似たようなサービス提供のプロセスでもいいのですが、そうでもないと。ここの難しさは仕事としての魅力でもあるわけですが、ここはどうバランスを取っていくのかというところがあると思って聞いておりました。
そして最後ですけれども、こういった障害福祉分野には、また介護・医療分野や行政職員もそうなのですけれども、実は感情労働という概念があります。対人サービスというのは「ものづくり」の物と違いまして、サービス自体が提供した瞬間に消滅します。同時性と言いますが、人が提供するゆえに、そのときの人の感情の状態が品質に大変影響していく、つまりサービスの品質を上げることを単に測れる指標で変わるというより、提供する側のメンタルに対して随分依存するところがあると思います。お話がしにくい人たちと話す人たちもいるでしょうし、今日1つ出ています児童系のように、本人以外の代弁者とどう話をして、本人のニーズ、あるいはウォンツを実現していくのかというところもあると思います。こういったところはまさにサービスを提供する側の感情労働的側面をいかに配慮して、働きやすくしていくか、時間的なものだけではなくて、質的にどう働きやすくしていくかというのは、まさにこの領域の固有とは言いませんが、極めて強い特徴の1つかと思って、期待して聞いておりました。
障害分野は多様な障害属性、サービス種別、またそれぞれの財源による制約等もありますから、どうしてもローカルルール等もあると思います。その中で、まずキックオフとしてどこから始めていくか、協議会での報告やガイドラインが出たときに「これは難しくて、できない」と国民の皆さんがさじを投げてしまうわけにはいかないので、「次に進んでいくために、こういうところからスタートしたのだな」というような、比較的中長期の目線で進めていくことも大変重要な切り口なのだろうと思って聞いておりました。
第1回でございましたので、私からも構成員の立場としての意見や感想を述べさせていただきました。最後ですが、皆様いかがでしょうか。何か御意見がございましたら。よろしゅうございますか。
それでは、少し時間の前ではございますけれども、意見交換はここで終了とさせていただきたいと思います。活発な御議論と大変貴重な御意見、誠にありがとうございました。事務局におかれましては、本日示された御意見も踏まえまして、次回以降への準備を進めていただければとお願い申し上げます。
それでは最後に事務局から今後の予定等をお願いいたします。
○事務局 はい。本日はありがとうございました。次回の検討会につきましては、日程が決まり次第お知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございます。それでは、予定時刻よりも多少早いですが、以上をもちまして「第1回 障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会」を終了いたします。本日はありがとうございました。
(了)
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。本日は構成員の皆様にはオンラインで御参加いただいております。また傍聴席は設けず、YouTube上でライブ配信を行っておりますが、アーカイブ配信をいたしませんので、会議開催時間帯のみ視聴が可能です。
続いて、第1回でございますので構成員の御紹介をさせていただきます。資料1「別紙」を御覧ください。お名前を読み上げさせていただきます。公益財団法人日本知的障害者福祉協会、社会福祉法人清心会ICT・DX推進室長兼総務部係長 浅見秀俊様、株式会社障碍社代表取締役 安藤信哉様、全国身体障害者施設協議会常任協議員兼人材・広報委員会委員長 社会福祉法人和松会清松園施設長 大塚さおり様、公益財団法人テクノエイド協会部長 五島清国様、五島様は本日御欠席でございます。続きまして、日本社会事業大学社会福祉学部准教授 新藤健太様、長野県健康福祉部障がい者支援課長 田中聡様、一般社団法人全国介護事業者連盟副理事長 障害福祉事業部会会長 中川亮様、一般社団法人スローコミュニケーション理事長 植草学園大学副学長 野澤和弘様、埼玉県立大学教授 吉田俊之様、構成員の方は以上でございます。
昨年度の「障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業」や「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」の検討委員9名の皆様に御参画をお願いいたしました。この中には当事者や当事者の御家族の立場でいらっしゃる構成員の方にも御参画いただいております。時間の関係によりここではお名前等の紹介とさせていただき、自己紹介につきましては後ほど意見交換の際に併せてお願いいたします。
続きまして、議事に先立ちまして、厚生労働省障害保健福祉部 野村部長より御挨拶を申し上げます。
○野村障害保健福祉部長 着座にて失礼いたします。障害保健福祉部長の野村でございます。事務上の連絡の不手際がありまして、会場への私の到着が遅れまして、開会までしばしお待ちをいただきましたこと、まずもって冒頭におわびを申し上げたいと思います。
では本検討会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。まず、構成員の皆様方におかれましては、いろいろと御多用の中、今回のこの会議の構成員の御就任に御快諾を賜りましたこと、誠にありがとうございます。さらに本日の第1回目の検討会に御参集を賜り、お時間をいただきまして誠にありがとうございます。重ねて御礼を申し上げます。
昨年度は障害福祉サービスを利用される当事者の方々の目線に立って、ケアの充実につながるような生産性向上、つまりケアに充てるための時間や力をつくり出すための生産性向上を行うにはどのようにすればいいのか、より良質なサービスをお手元に届けるための力をケア職員の方々に持っていただくためには、例えばテクノロジーの活用等が中心かと思いますけれども、どのようなことが考えられるか、いろいろな立場の方々にとっての土台となる基本的な考え方の整理をいただいたところでございます。併せて、現場における改善の取組をどのようにすれば実践に移せるのだろうかということに参照していただくため、テクノロジー導入や活用のマニュアル等も昨年度作成させていただいたところでございます。
そのような共通の部分は昨年度ある程度のところまではお示しできているわけですけれども、今回はサービスの種類ごとの特性や違い、特徴等を踏まえて、さらに深掘りをして取組を生かしていただくための「障害福祉分野における生産性向上ガイドライン(仮称)」の策定に向けて、いろいろと御議論を深めていただければと考えております。
さらには、先般成立いたしました社会福祉法等の一部改正法の中で、障害者総合支援法も改正を行いました。その中で人材確保の取組等と併せまして、障害福祉現場の生産性向上についても取組をしていこうということが明記されたところでございます。こうしたことを通じて、より質の高いサービス・ケアの提供をしていこうということが狙いになり、そういった施策を進めていくことを国や都道府県の責務として盛り込ませていただいたところでございます。
併せまして、今はタイミング的に令和9年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けての議論を行っているところで、こういったケアの質を改善するためのサービスの効率化や生産性の向上等への取組として、どういうことが考えられるかということも議論、頭の体操を行っていきたいと考えております。
この検討会では、ケアの質を向上させるための時間や力をつくるために、どのようなことがさらなる取組として考えられるかを御議論いただいて、現場の方々にフィードバックができればと思っておりますので、構成員の皆様におかれましては、それぞれのお立場、御見地からの忌憚のない御意見を賜れればと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○事務局 続きまして、本検討会は公開とし、この議事内容は皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載予定です。
それでは、議事に入る前に資料の確認と会議の運営方法について御確認させていただきます。まず資料の確認でございますが、事前にお送りしている資料を御覧いただければと思います。本日の資料は議事次第、資料1から3と、参考資料となっております。次に、本日の会議の運営方法について説明いたします。議事に沿って事務局から資料について説明させていただいた後に、構成員の皆様から御意見等をいただければと思っております。本日は手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、お名前を名のっていただき、分かりやすくお話しいただければと思います。
続きまして、検討会を開催するに当たっての会議の進行役である座長につきまして、資料1の開催要綱3の(4)のとおり「座長は、構成員の互選により選出し、座長代理は構成員の中から座長が指名する」こととなっております。「令和7年度障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」の検討委員会の委員長でありました吉田構成員に座長をお願いする予定でございますが、御異論等ございますでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございます。「異議なし」とのことですので、吉田構成員に座長をお務めいただきたく存じます。ここからの進行につきましては吉田座長にお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○吉田座長 はい。皆さん、埼玉県立大学の吉田でございます。このたび座長を拝命させていただきました。よりよい議論となりますように尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず座長代理を指名させていただきます。座長代理につきましては、令和7年度の「障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業」において構成員を務められ、また当事者家族としてのお立場からも御尽力いただきました野澤構成員にお願いしたいと存じますが、野澤構成員、いかがでございますか。
○野澤構成員 はい。力不足ではありますけれども、受けさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○吉田座長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の議題に入ります。本日は議題2と議題3について、まず事務局から説明をした後に、まとめて意見交換の時間を予定しております。まずは議題2「障害福祉分野における人材確保・生産性向上について」、事務局から説明をお願いします。
○事務局 はい。事務局でございます。資料2「障害福祉分野における人材確保・生産性向上について」を御覧ください。
まず2ページ目、厚生労働省においては、障害福祉現場における生産性向上を赤字で示しておりますとおり「支援者一人一人の力を引き出し、チームでその力を利用者に届けることで、新たな価値を生み出すこと」と位置づけておりまして、最初の表題にありますが「当事者視点に立ったケアの充実のための生産性向上」を推進し、昨年度にその基本的な考え方をお示ししております。
3ページ目をお願いします。こちらは生産性向上の基本的な考え方について、(Why)(What)(How)という3つの視点を示してございます。支援や人を減らすのではなく、限られた人員において障害福祉固有の多様性等を踏まえ、当事者視点に立った「ケアの充実」につなげていくための生産性向上をどのように具体的に推進していくかということが、本検討会において皆さんと一緒に検討させていただきたいテーマでございます。
続きまして、5ページ目以降になります。障害福祉現場における人材確保・生産性向上の概況と取組を示してございます。
5ページ目ですが、障害福祉サービス・障害児サービスの利用者はここ10年で増加傾向にあり、令和7年10月時点では、知的障害者、精神障害者、身体障害者、障害児の利用者は約173万人に上っております。
6ページ目をお願いします。障害福祉関係分野職種における労働市場の動向では、障害福祉サービス等従事者を含む関係職種の有効求人倍率は全職種より高い3倍程度で推移しており、人材確保において厳しい実態がございます。
7ページ目をお願いします。このような状況を受けて、令和7年度には「省力化投資促進プラン」が策定され、医療・介護とともに障害福祉分野における生産性向上の優良事例や支援策、目標とKPIが盛り込まれました。また、このほか「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」や「障害福祉現場における介護テクノロジー等導入・活用マニュアル」の作成を行いました。今年度は「障害福祉分野における人材確保・生産性向上サポート拠点整備事業」や「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」を実施しており、令和8年6月には社会福祉法等の一部を改正する法律が成立し、人材確保・生産性向上等の取組を国・都道府県の責務として位置づけ、障害福祉計画等の記載事項への追加や都道府県に協議会の設置を義務づけることなどをお示ししております。
14ページ目をお願いいたします。本年度実施中の生産性向上主要施策を一覧として載せておりまして、本検討会で重要なものは「5 障害福祉分野における生産性向上ガイドライン策定等に向けた調査研究」になります。
25ページ目をお願いいたします。本検討会については、障害福祉分野における人材確保・生産性向上等の課題に対応した取組を促進するため、赤枠で囲んでいる「『障害福祉分野における生産性向上ガイドライン』の策定」に向けて、必要な実証研究の検討も含め、重点的に検討を行っていただきたいと考えております。また現在「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」において、令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討が進められているところですので、ガイドラインの策定に必要な実証研究の検討に当たっては令和9年度報酬改定の検討に資する調査分析とすることを念頭に、下の赤枠の「生産性向上の取組や成果等を評価する仕組みの検討」を御議論いただきたいと考えております。そのほかにも人材確保・生産性向上に係る取組がございますけれども、障害福祉分野の仕事の魅力に関する戦略的な広報の実施や都道府県支援体制として、ワンストップ窓口の設置・運営に係る伴走支援なども並行して今年度に事業を実施する予定でございまして、赤枠以外の人材確保・生産性向上に係る取組結果についても本検討会において御報告させていただく予定でございます。
27ページ以降はこのガイドライン策定に向けた具体的な今後の進め方になります。
27ページ目ですけれども、ガイドライン策定に向けて、具体的には障害福祉現場における生産性向上に係る実証研究を20事業所程度で実施し、そこで創出された効果を踏まえて「生産性向上ガイドライン」に落とし込み、横展開を図るとともに生産性向上の取組や成果等を評価する仕組みを御検討いただくことを想定しております。
28ページ目はガイドラインの具体的なイメージですが、介護保険分野においては先行して「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」が既に策定されていますので、こちらも参考にしつつ「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」も踏まえ、障害のある方が自ら望む生活を主体的に営むことができるよう支援するといった、障害福祉がこれまで大切にしてきた障害者の自立と社会参加、地域共生社会の実現という観点も重要であると考えております。こういったことも念頭に各事業所等がいかに支援者一人一人の力を引き出し、チームでその力を利用者に届け、当事者目線に立ったケアの充実を実現していくか、その具体的なヒントを得られるようなガイドラインにしていく必要があると考えております。
具体的には下に「共通編」と「サービス類型別」と書いており、まず「共通編」において、どの障害福祉事業所にも共通する事項をまとめ、さらに「サービス類型別」に応じた課題の設定・改善の取組をまとめることとしてはいかがかと考えております。サービス類型につきましては、全体で27ある障害福祉サービスを生産性向上の取組によって省力化が可能な業務という観点から、例えば(1)訪問系、相談支援系、(2)施設入所系、居住支援系、(3)通所系に加えて、保護者支援等支援の内容や取組が一部異なることを考慮した(4)児童系の4パターンに分けることを想定しております。
また、その下のアからオの課題の設定については、令和7年6月の「省力化投資促進プラン」において、障害福祉分野における省力化が可能と考えられる業務一覧が例示されており、この中で特に全てのサービス種別において取組可能と考えられる業務や俗人化しやすい業務、人材確保の観点から影響が大きい業務をアからオに示しておりまして、それぞれのテーマごとに介護テクノロジー導入前後の取組の成果実証を整理することを想定しております。
29ページからは障害福祉分野における戦略的広報の実施について記載してございます。
29ページをお願いします。障害福祉サービスを持続可能なものとしていくためには、チームの力を上げていくことと併せて、人材確保も重要な観点でございます。そのためには幅広い層に障害福祉分野への興味を持ってもらうことも重要です。
30ページ目は仕事の魅力発信について載せておりますが、このように、これまでも仕事の内容や実際に働いている人や利用者へのインタビュー等をまとめたデジタルパンフレットや動画を厚生労働省ホームページで公開してきたところでございます。
31ページ目をお願いします。今後はそれだけではなく、SNSやマスメディアも活用し、より戦略的な広報を実施したいと考えております。例えば、仕事の魅力発信については、学生・求職者向けに障害福祉現場で働く内容やキャリアパスに関するイメージを持っていただくとともに、定年退職前後のエグゼクティブシニアに対しても、それまでのキャリアが障害福祉現場で生かせる姿をイメージしていただけるような広報を考えていきたいと考えております。また生産性向上についても、現場の職員や管理者に加えて、意思決定の主体である経営者にも障害福祉現場の生産性向上とは何かということや、その魅力・内容が分かっていただけるような広報を実施する予定でございまして、これらの実施状況等について本検討会でも御報告させていただく予定でございます。
資料2については以上となります。
○吉田座長 ありがとうございました。それでは続きまして、議事の3「今後の検討会の進め方について」、同じく事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。資料3「今後の検討会の進め方及び検討体制について」を御覧ください。
今後の進め方につきましてですが、検討会は一旦5回開催を想定しております。今回の進捗に応じて回数を見直す可能性もありますが、第4回の11月頃までには実証研究の結果報告と結果を踏まえたガイドライン暫定版を皆様に御議論いただき、その後の障害者部会・こども家庭審議会障害児支援部会において報告をさせていただく予定です。そして来年2月頃にガイドラインを含む令和8年度の取組の最終報告を行い、来年3月頃開催予定の「障害福祉現場における生産性向上推進フォーラム」において、ガイドライン等を全国に周知したいと考えております。またガイドライン策定においては、障害当事者の意見を丁寧に聞き取ることが大切であると考えております。
次のページをお願いします。下に「ガイドライン作成協力者・当事者団体等からの意見収集」と書いておりますが、これまで基本的な考え方や介護テクノロジー導入ガイドライン策定に関わっていただいた有識者の方々にもガイドライン作成協力者として御協力をいただきながら、9月頃までをめどに当事者団体等に対して書面調査を行いたいと考えております。
1ページ目に戻っていただけますでしょうか。当事者団体の皆様から収集した意見については、結果を第2回で構成員の皆様に御報告させていただき、御議論をいただいて、その内容も踏まえて、ガイドラインにうまくお声を反映させていただきたいと思っております。
資料3については以上となります。
○吉田座長 ありがとうございました。大変分かりやすい説明で助かりました。ありがとうございます。
それでは、今回は第1回目でございますので、これ以降は今御説明いただきました議事2と議事3の両方についてまとめて意見交換の時間とさせていただきたいと思います。今日は各委員の皆様方から御発言いただきたいと思っておりますので、順番に御意見をいただければと思います。私から名簿順に指名させていただきたいと思いますが、時間が余りましたら、後ほど自由に御意見をいただく機会を設けたいと思っております。それでは早速ですが、浅見構成員、御発言いただいてもよろしいでしょうか。
○浅見構成員 はい。日本知的障害者福祉協会から参加しております社会福祉法人清心会の浅見と申します。よろしくお願いします。法人ではICT・DX推進室長兼総務部係長として指定申請や国保連の請求、採用、グループホームの日直や宿直等の間接業務を現場での通常業務として日々行っております。
昨年度のフォーラムでは、当法人350人全員に導入したGoogle WorkspaceというGmail・Chat・Drive等をはじめとしたバックオフィスの活用を発表させていただきました。現在は伴走型の支援で、講師の方と一緒にClaudeというAIを活用しており、法人本部の6人ぐらいでAIを教わりながら、エージェント型等の法人に合ったアプリ開発などを自分たちでしております。特に多様性がある障害福祉分野においては、まだきちんとした決まりや生成AIのガイドラインがないために、AIへの向き合い方の難しさも感じながら業務を行っていますが、自分たちの法人に合ったアプリをつくることもできるので非常に可能性を感じています。その辺も今回反映できればと思っております。よろしくお願いします。
○吉田座長 ありがとうございました。では続いて、安藤構成員、お願いできますか。
○安藤構成員 はい、ありがとうございます。株式会社障碍社の安藤です。今、資料を拝見した中での感想程度の意見でしかないのですけれども、発言させていただきます。もしかしたら皆さんの意見を伺って、この検討会が進んでいくうちに考え方が変わるかもしれませんが、現時点での思いを述べさせていただきます。
まず1つ目は、やはりAIの活用だと思っています。うちの会社の社員、アルバイトも含めて340名ぐらいいらっしゃいますが、みんないい人ばかりです。先ほど資料の中にもありましたが、寄り添いながらよい支援をしていくことが生きがいという人たちが多く、頑張ってくれています。一方で、うちの会社だけかもしれませんが、この業界は相対的に読み書きがあまり得意ではない人が多いという印象があります。それを補完していく上でもAIは必要ではないかと思います。現在、全員に有料版のChatGPT等をヘルパーさんに伴走させて、個人情報を守りながら記録を入れ、AIが適切な指示ができるようにしていますけれども、なかなかコスト的に見合っていません。今後そういったところをどうしていくかがうちの課題であるし、リテラシーが高くないなど読み書きが得意でない人がAIに補完してもらいながら本当の意味で寄り添う支援ができるように、ヘルパーさんたちのスキルが上がっていくことが大切なのではないかと思います。
あと、先ほどの資料で気になったのですが、「当事者の視点に立った生産性向上」というのは全くそのとおりだと思います。そのためにチームをつくってやっていくというのはいいなと思ったのですけれども、私が重度身体障害者なので、重度訪問介護利用者の経験則から言うと、障害当事者もその生産性向上に努めるべきだと思います。これは「生産性」という言葉にアレルギーのある団体各所もあるので、どのように表現したらいいのかをこれから考えなければいけないのですが、障害当事者もカスハラ等を抑えて、特にホームヘルプサービスは私たち当事者からすると生活の場ですがヘルパーさんたちにとっては職場なので、そこをきちんと理解してヘルパーさんたちが働きやすい環境をつくっていくのは、私は当事者の役割だと極論すればそう思っています。私たちが変なことを言ってヘルパーさんが嫌な思いをしたことが離職につながれば、結果的に貴重な人材を失うし、障害者福祉のイメージも悪くなっていきます。「やはり障害者福祉は大変だし、嫌なことを言われるし、感謝されないし、つまらない」と思われるような状況をつくらないようにしていくためにも、当事者の視点に立って生産性を上げていくならば、やはり当事者も協力すべきだということを資料のどこかに書いてくれないかと思うのですけれども、これも書き方は慎重な議論が必要です。それでも、視点として大切なのではないかと当事者の私は思います。
あと、生産性を上げていくという上での、この中の1つのキーワードとして「エンパワメント」という言葉を入れておいてほしいと思います。私はエンパワメントをしていくことが生産性の向上なのではないかと思っていますので、入れていただけるといいなと思いました。
以上、感想ですが、よろしくお願いいたします。
○吉田座長 貴重な御意見をたくさんいただきまして、ありがとうございます。では続いて、大塚構成員、お願いいたします。
○大塚構成員 全国身体障害者施設協議会で人材・広報委員会を担当させていただいております静岡県にあります社会福祉法人和松会清松園の大塚と申します。どうぞよろしくお願いいたします。このような会議に出席ということで、かなり緊張していますので、変なことを言わないように気をつけながら発言したいと思っています。
自分も昨年度の「障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業」に関わらせていただいたのですが、そのときに先ほど安藤構成員からもお話があったように、「生産性」という言葉が私たちの業界になじむのかという疑念を持ちながら参加しておりました。そして会議に参加する中で、当事者視点に立つことや、あるべき姿を想像しながら、そこに行くまでのステップなのだということを確認する中で、何となく自分の中では腑に落ちてきたような感じを受けています。
私たちの協会は重度の身体障害をお持ちの方を支援する入所施設が主なので、参考事例等には私たちの業界にはマッチしないのではないかというものが多かったのですが、今回の検討会の中ではサービス種別での検討も行われるということなので、それらが私たちの業界の中で生産性向上に取り組む一助になっていけばいいなと思っています。そしてテクノロジーが私たちを支援していく中で大きな役割を果たすことは皆認識していると思います。研究大会等でもICT等の研究発表にはかなり多くの職員さんが興味を持って事例を聞いていますので、その辺をうまくマッチさせながら、いい意味で生産性に取り組むことができるガイドラインのお手伝いができればいいなと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございました。やはりサービス種別で備えていく、深掘りしていくことへの御期待をいただいたかと思います。それでは続いて、新藤構成員、お願いできますか。
○新藤構成員 はい、ありがとうございます。大変勉強になりました。私は日本社会事業大学でソーシャルワーカーの養成に携わっております。一方で評価学を専門にしておりまして、プログラム評価を使って実践現場の評価のお手伝いをさせていただいたり、研究をさせていただいたりしています。
お話をお伺いして、3点ほどあります。まず、これは昨年度から感じていたことなのですが、このように現場がいろいろなテクノロジーを入れて生産性向上の取組を進めているということで、大学等の養成校でもAIやテクノロジーの使い方を学ぶことや、実習でも使っていくということが必要になってくるだろうと思いますし、また大学の学び方も同時に変わっていかないと、大学でやっていることと現場で行われていることのギャップが激しくなってしまいます。実習では手書きでいろいろな書類を作っていたのに、現場に入ったらAIが登場していたということになってしまうので、そこは足並みをそろえていく必要があると思いました。これは感想でございます。
2点目は皆様と一緒に議論できればいいなと思っている論点なのですが、テクノロジーを使ってケアの時間を確保するということは十分あり得ますし、すべきことだと思うのですけれども、一方でテクノロジーの使用は事務的な業務の時間を減らすだけではなく、例えばスーパービジョンや自分の取組を内省する機会にも使ったりできるのではないかと思います。現場はなかなかお忙しいので、もしそんなことはないということであれば教えてほしいのですが、利用者さんのケース会議は行われていると思うのです。一方で、学生の頃のように対応した自分に焦点を当てて、自分の取組がこれでよかったのか、自分の声かけがどうだったのか、どういう意図でそれをしていたのかと内省する時間は十分取れないのではないかと思っています。例えば看護の領域であればプリセプター制度があって、先輩職員がついてスーパービジョンが提供されたりするわけですが、私のゼミの卒業生で1、2年で休職したり退職したりしてしまった人の中には、そういう振り返りの時間が十分に取れなくて、自分の考えていることがそれでいいのか悩んでしまったという人もいたので、そういうことにもテクノロジーを使って空いた時間を当てられるかもしれないですし、ひょっとしたら空いた時間ということではなくて、テクノロジーを使うことで、日常的にそれが可能になるということもあり得るのではないかと思いました。この2点目については皆さんと一緒に議論できたらいいなと思っている観点でございます。
3点目はスライド27ページの実証についてです。「生産性向上に係る実証の実施」には私も関心があるのですけれども、何を実証するのかということが重要なのではないかと思っています。そしてテクノロジーを導入した20事例を集めてヒアリングをするだけですと、事例集のようになっていくのではないかと思いました。実証というのは事例を単に集めるということとは違います。例えば私の分野で言えば、生産性を向上するためのいろいろな細かいアクティビティがあるわけですが、その生産性向上のアクティビティが20の現場に入ります。近年はロジックモデル等がいろいろなところで使われているわけですけれども、キーのアウトカムとしてどんなことが考えられるかというと、アウトカムというのはある対象の変化のことですけれども、例えば現場では先ほど議論になっていた業務負担が軽減するというアウトカムがあり、そうすると利用者さんと過ごす時間が増えたり、職員さんに余裕が出てやる気や充実感が湧いてきたりすることがあります。アウトカムの1つのブロックとしてはこのような変化がありますが、一方では、それだけではないと思うのです。例えば、先ほどのスーパービジョン等研修の時間にも充てられるのではないかということで言えば、職員さんのアセスメント力が向上したり、傾聴スキルが向上したり、よりよいモニタリングができるようになるという面のアウトカムもあると思います。さらに言えば、チームとしてのコミュニケーション等の力も醸成されます。少なくとも今思いつく限りでも時間ややる気のこと、専門性やスキルのこと、それからチームのこと、これは思いつきですけれども、このような3つの変化が望まれるかもしれないのです。さらにその先には、事業ごとの就労支援ということであれば一般就労率等のアウトカムがあります。結局そこが上がっても、働きたい人が働けるようになるという事業の本来の目的に貢献しているかということが非常に重要だと思いますので、そこにつながっていっているのかということを確認するとよいのではないか、私は実証とはこういうことなのではないかと思ったわけです。これについても少し議論したいと思っています。そして20事例はいいと思うのですけれども、通常はこういうアウトカムにこのアクティビティが効いたかどうかを検証するときは、これを適用しない群と比べないと分からないわけです。もしかしたらこの事業と関係ないところで何かの変動が起きて職員さんのやる気が増していたり、スキルが高まっていたりすることもあり得るわけなので、実証のデザインはいろいろだと思うのですが、もしかしたらその実証のデザインも重要なのではないかということもコメントでございます。そして一番厳格なデザインというのは、この施策を適用する群と適用しない群を分けて、アウトカムの変動を比較するということであるわけです。ただこれはできないと思いますので、ではどういうデザインだったらいいのかということを検証する必要があると思います。これが3点目です。
そして最後に一言だけ。私はこのように社会にとっての事業の価値、働きたいと言っている人が本当に働けるようになるといった価値が可視化されることで、人材の問題の全ては解決できないけれども、専門性が必要なすてきな仕事なのだということを伝えやすくなるのではないかと思っています。ひとまず3点でございました。
○吉田座長 ありがとうございます。人材の確保だけではなく、定着に向けての御提案もいただきましたし、研究者ならではの御指摘をたくさんいただいたかと思います。ありがとうございました。続いて、田中構成員、お願いできますか。
○田中構成員 よろしくお願いいたします。昨年度に引き続き参加させていただいて、非常に貴重な経験をさせていただいています。私は県の障がい者支援課の課長ということで、生産性向上をサポートする県の立場として今回の資料を拝見させていただいた感想や、先進県とは言えない県の実情をお話しさせていただければと思います。今までの構成員の方のお話にもありました「障害福祉現場における生産性向上」という言葉自体に抵抗があると言いますか、まずはそこの理解を進めることが重要だと考えていまして、昨年度は施策推進協議会や自立支援協議会等で「生産性向上というのは、当事者の方へのケアを充実させる取組なのだ」という説明をしてまいりました。参考資料にもあるかと思いますが、令和6年度から生産性向上の総合相談窓口を介護分野と一緒に設置いたしました。介護労働安定センター長野支部に委託して設置していますけれども、3年目になりました。課題を窓口の方に聞いたところ「介護のガイドラインを参考に専門分野の方にアドバイザーをお願いして、その方と障害の現場に合うように相談しながらやっているけれども、なかなかサポートの方法が分からない」ということで、今のところうまくいっている事例はあまりないと思っています。今回、障害のサービスが多様な中で、サービス種別にこういったものを検証いただいて、ガイドラインをということなので、支援する県の立場からも非常に期待しているところです。
また、介護と障害一緒の窓口を設置していますが、やはり介護事業所が県内に約4,000、障害は約2,000あり、その意識の差が気になっています。ここ数年を見ていますと、介護事業所からは年間100件以上寄せられている中で、障害は20件程度、伴走支援に至るのは2、3件程度ということで、やはり介護事業所との意識の差が気になっています。今年度は重点的に春の事業者団体の総会シーズンに私どもと相談窓口のセンターの職員が「そもそも生産性向上とはどういうことで、どうして取り組む必要があるのか」というところから説明をする機会を設けてもらったことで相談につながったケースも出てきていますので、まだまだ入口に立ったところではないかと思っています。やはり障害は介護事業所と比べて小規模であり、事務的な人手に割く余裕がないことを課題として感じていますので、そもそも導入の検討に至らないということなのではないかと考えています。
私どもは補正予算を活用した処遇改善や、重点支援交付金を活用して県単独で価格高騰の支援等も事業所に行っていますが、そこでも障害福祉事業所の書類の不備の多さや、こちらから問合せすることの多さが介護事業所と比べて際立っており、そういう傾向を肌で感じていますので、今日の資料2の10ページにあった「間接業務の効率化」と生産性向上はセットなのではないかと思います。そこで効率化をして、負担軽減をして、直接処遇サービスの向上等への働きかけにつながっていくものではないかということで、この10ページを非常に興味深く拝見させていただきました。どうしても県にいますと、介護はこうやっている、障害はこうやっていると比較しながら施策を進めているのが現状で、今は福祉と医療の従業者が他の分野と比べて最大の労働力なので、福祉分野の中で障害から介護への流出が起きないように私どもが手を打って、今いる人をしっかり確保していかなければいけないと思っています。
広報による仕事の魅力発信というお話がありましたが、社会福祉法の改正で、人材確保の協議会をつくるということで、私どもは県社協の人材センターにプラットフォームを昨年度から作りまして、その中で、今年の重点テーマとして、仕事の魅力発信をどうしたらいいかということを皆で楽しみながら議論しています。そういったことを進めて仕事の魅力を発信していきたいと思いますし、あとは今、生産性向上の革新会議を介護分野だけ設けているのですけれども、ここへ障害関係の委員も加えていくように、来年度予算に向けて調整しているところでございます。とりとめがなくなってしまいましたけれども、県の立場から取組の紹介と感想をお話しさせていただきました。よろしくお願いします。
○吉田座長 ありがとうございました。都道府県の責務が明確化されたところでも先進的な取組は大変重要かと存じました。特に実装していくことの課題、それと啓発していくときにどういったところに問題があるのか、まさに現場の声を聞かせていただいたと思います。ありがとうございます。では続きまして、中川構成員、お願いいたします。
○中川構成員 はい。一般社団法人全国介護事業者連盟の中川と申します。よろしくお願いいたします。またこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。私も昨年から幾つかの生産性向上の検討会に委員として参画させていただいている中で、いろいろと感じるところはあります。我々の団体は介護からスタートして、介護・障害福祉で今4万事業所以上に参画いただいています。障害福祉分野でも1万5,500事業所以上に参画いただいている中で、介護で先行している生産性向上の取組をこれまでの事例等を含めて、障害福祉分野にどのような形で連動させていくかというところが私の役目だと思い、介護分野の経験をしっかりと生かした形で、この検討会でも障害福祉分野について発言させていただけたらと思っております。
昨今、障害福祉分野では事業所の増加とともにサービスの質が非常に下がっております。次期報酬改定に向けてもそうですし、これまで障害福祉の様々な障害者部会や障害者支援部会等でガイドラインが敷かれたサービスもある中で、職員の資格要件の厳格化が進んでいる方向性だと私自身把握していますが、厳格化については限界があるのではないかと思っています。今、有効求人倍率も障害福祉分野では3.43倍と非常に人材確保が難しくなってきている中で、質の担保、要件の厳格化、人材確保のジレンマを抱えているところです。当然質を上げていく中では個人の能力に依存するのは限界がありますので、そういう意味では、こういった生産性向上の部分の仕組みやテクノロジーによる質の底上げに非常に期待できると思っています。ICTや記録ソフトの導入等による業務の標準化といった生産性向上の取組をすることによって情報共有や業務手順の仕組み化が進み、経験の浅い職員でも一定の支援の質を担保できるようなボトムアップの仕組みは、この生産性の向上に対して非常に期待できるのではないかと思っております。人材の要件を厳しくして人材をはじくのではなく、入り口を広げて多様な人材を確保する中で、生産性向上によって生み出された時間や精神的な余力を使って事業所内での資格取得や専門性の向上のための教育支援を行うといった循環モデルを構築することも、一つ大事なところではないかと思っています。
事務局の方から御説明いただきました資料2で、非常に分かりやすくまとめていただいた中から少し意見を上げさせていただきます。資料2の多面的な促進策に記載されている指定申請や文書の標準化については、昨年度の生産性向上の検討会で私どもの団体から実務経験証明書や契約内容報告書への要望を上げさせていただいた中から一部盛り込んでいただいたことに非常に感謝しております。
また、私どもは全国に支部を設けており、私が全国の事業所を回っている中でよく聞こえてくるのはローカルルールです。厚労省・こども家庭庁から様々な発出がなされて、標準化を図るために動いていただいていますが、各自治体によってそれぞれの解釈があったり、発出されたものが反映されていないところもあったりして、現場に非常に混乱を招いていますので、真の標準化と業務負担を軽減するために国から自治体のローカルルールの撤廃を強力に働きかけていただくことも一つお願いしたいところです。これは書面のみならず、この生産性向上やICTの推進等々を含めてもそうですが、国や我々団体を預かっている人間のように生産性向上に日頃から触れている人間はその意味を理解していますが、まだまだローカルルールに関しては、やはり自治体マターになる制度ですので、そこへの働きかけが非常に重要になってくると感じているところです。
また、先ほど田中構成員からもありました窓口等々についてですが、介護と障害のサポートセンターを一体的に設置・運営する手法は非常にすばらしいと感じているところです。地域共生社会という意味では、そこの連動は切っても切れない関係値であり、重要だと思うのですが、今日、冒頭から皆さんがおっしゃられているとおり、障害福祉サービスは入所・通所・就労・児童等、年齢層も違えば、施設の立ち上げからの成り立ちも大きく違うところがあり、障害福祉特有の課題が非常に山積しています。窓口には当然ながら介護の専門家のみならず、障害福祉特有の課題に伴走いただける人員の配置が必須だと思います。田中構成員からもありましたように、介護と比べると障害は非常に小規模な事業所が多く、1法人1事業所も多い中で、相談に行く余力すらないという実態もあると思いますので、人員の問題等もあると思いますが、センター側から事業所に積極的に働きかけるプッシュ型や伴走型の支援体制の構築が地域でできるように、国からのサポートをお願いしたいと思います。あと幾つかありますが、時間もありますので、私からは以上となります。これからどうぞよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございました。業界団体からの貴重な御意見でありました。特に経営レベル・運営レベルからの問題意識や御要望をいただいたと思います。ありがとうございました。それでは野澤構成員、お願いできますでしょうか。
○野澤構成員 はい、野澤です。よろしくお願いします。私が代表しているスローコミュニケーションという一般社団法人について少し説明させていただきます。2016年に設立されたもので、主に知的障害の方々に対する分かりやすい文章やコミュニケーションの研究や開発、普及を目指しております。今、中央省庁や自治体の若手官僚や新聞記者がボランティアで関わってくれて、毎週一般ニュースを分かりやすいバージョンに書き換えて、音声ガイドつきで無料で更新しています。施設や働く場や学校等で利用していただいています。これには前身がありまして、1996年に「全日本手をつなぐ育成会」という知的障害者の家族会の全国組織が知的障害者向けの新聞の発行を始めたのです。20年続きましたけれども、育成会が社会福祉法人を解散したことに伴って廃刊になり、それを引き継ぐ形で組織したものであります。知的障害の方に対しての分かりやすさというのは、最初は漢字に平仮名のルビを振るぐらいのものだったのですけれども、それでは全然届かなくて、やはり分かりやすい言葉と平易な文章、特に行政文書には専門的な言葉や抽象的な言葉がすごく多いですし、新聞記事でも全く同じで、これが彼らの理解を阻む壁になっています。さらに進んでいくと、スピードと分量が極めて重要であることが分かってきました。つまり話すスピードと話題が変わるスピード感についていけない。一度に説明する分量の多さが大きな壁になっているのです。さらに進んでいくと、障害特性や個々の育ってきた環境や今の状況を深いところから理解することによって信頼や安心感を形成しないとうまくコミュニケーションできないということが分かってきたのです。これは意思決定支援の前提でありまして、今回議論になる生産性向上においても極めて重要な前提になると思います。つまり生産性を向上して、よいケアを提供できるようにすることが目標になるわけですけれども、利用者の中には劣悪なケアでも文句を言えない人たちがいるということが大きな問題になっているわけです。そういう利用者の声をいかにくみ上げるかというところで、こういうことが大事なのだろうと思っております。
私は、生産性向上は人材確保と表裏一体だと思っています。障害者福祉というのは対人援助の仕事であって、誤解を恐れずに言えば、どれだけよい人材を確保して、どのように育成できるかにほとんど全てがかかっていると言ってもいいと思います。
福祉の生産性向上の目標は、少ないコストで大きな利潤を上げることではなく、利用者の幸福度を高めることやケアを充実させていくことだと思いますので、そうすると人材というところに大きな問題があるということだと思います。その上で今回の説明資料を読ませていただきますと、若干人材確保の面が薄いことが気がかりです。なぜこのようなことを申し上げるのかというと、人材確保というのは、まさに喫緊の課題だと認識しているからです。私の身の回りでも、スタッフが足りなくて事業所を閉鎖する、操業を中止するところがあちらこちらで現れております。そしてスタッフを補充するために人材紹介会社に高い手数料を払って、年間数千万円も払っているところも結構ありますが、その割にすぐに辞めていくという悪循環に陥っていて、これから現役世代の人口が減っていくことを考えると、手をつけるのが遅過ぎるぐらいだと思っています。なので、ぜひこの検討会では人材確保の側面からも議論を進めていきたいと思っています。
事前説明で各サービスを類型別に検討するとなったときに、私は「法人本部がメインターゲットではないか」ということを強く申し上げました。「人材確保・育成、労務管理等によって働きやすさ、ひいてはよいケアを提供できる体制をつくっていくというところでは、本部機能や事務局機能が極めて重要であり、しかも多くの法人が様々なサービスを提供しているので、肝腎要のところを主に検討していかなければいけない」と申し上げました。ただ、その後にいろいろと考えていると、人材確保という点では類型別の検討が重要だということに気がつきました。私は今、企業等で働くシニア人材に対して障害者福祉の現場に転職・出向を促すプロジェクトをやっていますが、そこで全国調査をした結果によると、本当に人材不足が深刻なのは入所施設とグループホームなのです。突出して人が足りないという回答が多いのです。つまり夜勤を伴う職場です。ここはすごく急がなければいけないところだと思います。
それともう1つは大量に採用して大量に辞めていくところがありますが、これは放課後等デイサービスや児童発達支援センター、あるいは一部の訪問系の事業だと思われます。営利目的を主眼にするような事業体が高い初任給を提示したホームページで大量に人を集めて、あとは1年目、2年目でどんどん入れ替わっていくので、育成等の観点はあまりなく、安い人件費で回していけばいいみたいなものが垣間見えるのですけれども、これは使い潰しです。せっかく福祉に興味を持って入ってきてくれた方たちを育成もせずに使い潰していくようなことをやっていたら、これからの人材減の時代に全く逆行してしまうのではないかと思っています。
そう考えると、福祉の生産性向上を進めていくことは間違いなく大事なのですけれども、結構「もろ刃の剣」のような側面もあると思っています。IT、DX、動画、ホームページ等の発信力があって省力化を進められるところは、同時に大きな利潤も上げられるのです。ここは利潤を上げるところではなく、ケアの充実に向かわなければいけないのに、そこに向かわずに利潤を上げようとすれば、生産性向上を進めることによって幾らでも上げることができてしまいます。つまり評価の部分が極めて重要であり、ITやDXの導入や省力化だけを評価の基準にしてしまうと、大きな失敗をしてしまうのではないかと思っています。ケアの充実や人材育成や定着の評価はなかなか難しいと思いますけれども、ここを主眼におかなければいけないと感じております。
最後になりますが、仕事の魅力を伝えていくということです。私は大学で教員をやっていますけれども、地方の私立大学は本当に定員割れをしていて、何とか大学を選んでもらおうと躍起になっていますが、最近は高校に入ってきた時点である程度進路が決めている子がかなり多いです。大学によっては小学校、中学校あたりからいろいろな大学の魅力を知ってもらおうと、教える分野の魅力を伝えていこうという取組をしていますので、やはり小中学生に福祉の魅力や意義を伝えられるような取組がこれからは必要だと思っております。また企業のシニア層ですが、企業のほうがむしろITやDXが進んでいますし、どこの企業も中高年を潜在的余剰人員として抱えています。しかし日本的雇用慣行からなかなか転職できずにしがみついていると言うと言葉が悪いですが、そういう方が大勢いらっしゃいますので、せっかく長く企業で働いてきた経験を生かせる道を選んでいただきたいということです。と同時に学齢期のお子さんを持った層に対しては、今は親の子供の進路に対する影響力がすごく大きいので、各企業が「親確」という親の確認書を求めたり、「親オリ」という親のオリエンテーションを行って、親を説得するようなことをしています。そうすると、特に親世代の障害者福祉に対するイメージは必ずしもいいものではない中で、彼らにいいイメージを持ってもらうためにも、企業のシニア層にアプローチをしていかなければいけないと思っております。
ほかにもいろいろありますが、取りとめがないない話になってしまいますので、この辺で終わりにしたいと思います。これからよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございました。間接業務の効率化もありますけれども、一方でやはり対人サービスですから、直接ケアのコミュニケーションの在り方の重要性を御指摘いただきましたし、サービス種別に関わらず、生産性向上について法人がどういう動機づけであるべきなのか、特に非営利の事業を抱える法人がどのように生産性向上の動機づけを持っていくのかというところを人材の確保や定着の観点からも深く鋭い指摘をしていただいたと思いました。ありがとうございます。
一巡して御発言をいただきましたけれども、時間はまだ残っております。ここからはお手元の「手を挙げる」ボタンを押していただく形で挙手をしていただいて、追加で御発言をいただければと思っております。御意見だけに限らず、もしも資料についての質問や疑問等がありましたら、それも御一緒に発言いただければと思っております。いかがでしょうか。ここからは皆さんのほうから自由に御発言していただければと思います。どのようなことでも事務局にとってみれば、大変貴重な情報になりますので、ぜひぜひ御発言いただければと思います。
○新藤構成員 新藤です。
○吉田座長 はい。新藤構成員、お願いいたします。
○新藤構成員 はい。皆様の御意見、大変勉強になりました。ありがとうございました。どのようなことでも、ということなので、先ほどの野澤構成員の人材の確保の話ですが、私のキャリアは、もう20年ぐらい前ですけれども、知的障害がある方の入所施設の職員からスタートしていますので、当時も大変な状況でしたけれども、今はなお大変な状況にあるだろうなと想像しながら聞かせていただきました。
人材確保のところですけれども、先ほども、例えば資本のある企業がすてきなホームページを作って、SNSも展開して、人を使い潰していくという話がありましたけれども、広報はもちろん各法人や各養成校ですべきところはすべきですけれども、私は国を挙げてこの仕事の魅力を伝えることが必要なのではないかと思いました。既にやられていると思うのですけれども、最近、防衛省の小泉大臣のいろいろな取組を見ていて、強くそう思いました。例えば「私たちは国防になっている」というメッセージは非常に分かりやすくて、自分の仕事に誇りを持ちやすくなると思いましたので、国が福祉人材を尊敬しているという強いメッセージを小中学生にも分かりやすく発信していただけると、そこに各法人が乗っかることや、養成校が乗っかっていくことができるので、そういう強いリーダーシップが必要だと思います。厚生労働省的には難しいと思いますし、いろいろな職業がある中で「なぜ福祉だけ」となると思うのですけれども、それでもここまで課題感が大きくなっていますので、何かしらリードしていただくような強いメッセージを発信していただけるようなことがあると一つになっていけるのではないかと思いました。思いつきのような発言で、すみません。
○吉田座長 ありがとうございました。世代を超えて魅力や認知を高めていただこうと思えば、なかなか個々の事業所レベルでできることは限られるということの問題提起をいただいたと思います。ありがとうございます。ほかの皆様はいかがでしょうか。私が見えている画面で見過ごしていたら、ぜひ声を上げていただければと思います。いかがですか。はい、野澤構成員、お願いいたします。
○野澤構成員 ありがとうございます。新藤構成員の意見に勇気をいただきまして、私も発言させていただきます。本当に情報発信は大事だと思います。我々が思っている以上に障害者福祉に対するイメージはまだ暗くて厳しいものがあることを時折すごく感じることがあります。今はメディアも大事ですが、SNSの力がすごく大きいので、YouTubeとInstagramだけで毎年40人から50人の応募者を得ている割と小さな法人を知っています。また京都府だったと思いますが、知的障害者福祉協会の研修会に行ったときに、それぞれの法人が独自に自法人をアピールする動画を作って、それを競い合うような形だったのですが、現場の人の若い感覚で、かなり面白かったです。業者に頼んだり自分たちで作ることもありますが、自分たちの法人の魅力はやはり働いている人が一番よく知っていると思うので、社会に対してアピールしていく文化みたいなものを醸成していけるような取組がとても大事だと思いました。
○吉田座長 ありがとうございます。やはり若い人たちが持つエネルギーと無限の可能性といったようなものが連動していくことの魅力を今改めて教えていただいたような気がします。ほかにいかがでしょうか。本当にどのようなことでもいいと思います。どうでしょうか。はい、田中構成員、お願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございます。県は支援する立場ということで、やはりどうしても県が支援を拡充するには財源の確保と人手の確保が重要になってまいります。先ほどの私の説明の中で介護との比較を申し上げて、介護は地域医療介護総合確保基金があり、介護テクノロジーの予算も桁違いの大きさなので、これを障害分野にもというのは、難しいと認識しています。県の予算で言いますと、障害分野は一般財源で確保していますが、やはり介護と同等に持っていくのはなかなか難しい状況です。国にも後押ししていただいて国庫補助もいただいていますが、やはり国庫10分の10と県の持ち出しがあるのとでは財政当局の反応も大分違います。私どもも一定の負担をしないといけないと思っていますので、一般財源の対応も当然必要だということは十分認識していますが、やはり介護は基金で予算措置をしているため年度当初から充実した執行が可能ですけれども、障害分野はどうしても国庫補助となりますので、生産性向上や処遇改善等のワンストップ窓口等の開設までタイムラグがあり、介護と合わせられない状況です。さらに、私どもでは生産性向上の相談窓口は実質的に一般財源を投入し、処遇改善のサポート窓口は国庫補助を活用していますが、内示があってからの開設になりますので、一定期間ワンストップになっていない期間があります。厚生労働省には本当に御尽力いただいていると思いますが、補助金を早期に内示していただくことや、繰越の要件等を少し緩和していただく等の柔軟な対応を引き続きお願いできれば、特に本県は財政状況が厳しく、純一般財源を従来の政策に加えて確保することがそれぞれの経費区分で厳格に予算管理されている中で、なかなか難しいですし、本県と同様の県もあるかと思いますので、ワンストップ窓口の開設を推進するということでありましたら、その辺を御配慮いただければありがたいということで、要望のような形になって大変恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございます。この件について何か事務局から御発言ございますか。
○事務局 障害福祉課長でございます。御指摘につきましては予算に関係する話でもございますので、関係者とよく協議をさせていただければと思います。基金があるかないかというところは結構根本的なところでもありますけれども、現行の枠組みでどこまでできるかということは、しっかりと調整させていただければと思います。ありがとうございます。
○吉田座長 ありがとうございます。
○田中構成員 申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
○吉田座長 ほかにいかがでしょうか。皆さんから引き続き御意見等をいただきたいと思います。どうですか。浅見構成員、どうぞお願いします。
○浅見構成員 浅見です。お世話になります。感想も含まれていますが、先ほど新藤構成員もおっしゃられていた27ページの20事業所程度の実証の実施についてアウトカムも含めてというところは確かにすばらしい意見だと思いました。
あとは、この20事業所の中に多分様々な事業所だったり種別だったり、様々な生産性向上が含まれていると思うのですけれども、先進的な事業所だけではなく、新規で今までそういったことをやったことがないような法人も20の中に含めていただけると、再現性がすごく高まるのではないかと思いました。
あとは評価する仕組みについても、しっかりとした評価を取りたい一方で、現場の負担がすごく増えそうな気がとてもしているので、そこは歩み寄りというか、あまり現場の間接業務にならないような、それこそ今あるデータを何かに使ったりして、負担にならないような仕組みの検討がすごく大事ではないかと思いました。
あとは34ページに介護分野の生産性向上推進体制加算等も含めていただいているので、今後は障害分野もこうなっていくのかと思ったのですが、この加算の金額にもよりますけれども、これをやることによって今まで意識していなかった法人も意識が向くと思うので、障害分野にとってもとてもいいのではないかと感じました。以上です。
○吉田座長 ありがとうございます。報酬改定とどうつなげていくのかという問題提起も率直にいただいたと思います。ありがとうございます。ほかの皆さんはいかがでしょうか。はい、新藤構成員、お願いいたします。
○新藤構成員 はい。たびたび申し訳ありません。先ほど浅見構成員からもあったのですけれども、そもそも実証がどういうものなのかはこの後組み立てるもので、今日は「実証をやります」ということだけなのですか。何か考えられていることがあるのでしょうか。
○吉田座長 事務局から質問に対して御解答できますか。
○事務局 事務局でございます。御意見ありがとうございます。実証の在り方についてですが、資料2の28ページ目を掲載いただけますでしょうか。
実証については、今、構成員の方におっしゃっていただいたとおり、単に事例集をまとめるということではなく、この「サービス類型別」のところで書いておりますように、まず共通して取組ができそうなところについて、まず種別としては(1)から(4)のパターンを考えておりまして、その4パターンごとにアからオのテーマについて、介護テクノロジー導入前後の生産性向上による成果を見させていただきたいと考えております。以上でございます。
○吉田座長 ありがとうございます。
○新藤構成員 加えていいですか。
○吉田座長 はい。続けてどうぞ。
○新藤構成員 はい、ありがとうございます。例えば「ア:記録、請求業務関連」で言うと、これにかかっている時間の削減等がアウトカムなのかなと想像するのですけれども、恐らくそうですよね。そして「イ:スケジュール作成業務関連」でも、その時間の短縮や、あるいはよりよいスケジュールや見やすいスケジュールが作成されるといったことも含まれるのかもしれないのですけれども。先ほどのコメントと重なってしまうのですが、その先のケアの質との関係を見ないと、それだけ削減しても、本当にケアが充実したのか分からなくなっていくので、やはり簡単なロジックモデルのようなものを描いてから実証に進んだほうがいいのではないかと思いました。改めてのコメントです。
○吉田座長 事務局、どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。今まさにおっしゃっていただいたとおり、時間や業務負担がどれぐらい削減されたのかということではなく、最終的にはその後に続くケアの充実というものがどのように具現化されたのかというところを見ることが大事だと考えておりますので、アンケートの調査に加えて、ヒアリングも予定しておりますので、そういったところで定性的な変化もしっかり見させていただきたいと考えております。
○吉田座長 はい、ありがとうございました。そのほか、皆様、いかがですか。
○中川構成員 よろしいでしょうか。
○吉田座長 はい、どうぞお願いいたします。
○中川構成員 よろしくお願いいたします。我々の団体は、最初は介護を中心にしてスタートしましたので、先行してこの生産性向上に取り組む介護現場の経験から言えることは、トップの明確な意思決定のない事業所では生産性向上は決して根づかないということだと思います。これまでのこの障害福祉分野の検討会でも、そのような報告書等が上がってきている中でいくと、単なる生産性向上や業務改善ではなくて、まず経営者が法人の理念やケアの質の向上を実現するための手段であるということを自分の言葉で語るようなキックオフ宣言的なものをガイドラインに盛り込んでいただいたほうがいいのではないかと思ったところです。やはり経営層と現場の職員では感覚的に生産性向上の意識に大きく違う部分があると思います。先ほど浅見構成員からもありましたが、先行して行っている介護分野では生産性向上推進体制加算がもう付与されているところがある中で、やはり経営層が本気で動くためには、いろいろな理念的なものもありますけれども、金銭的なメリット、処遇や報酬の充実等がないと動きにくいというのが現場のリアルな声ではないかと思います。また他法人の事例や外部の情報に触れること自体が取組のきっかけになることも分かっていますけれども、やはり生産性向上に取り組むことが処遇改善加算の取得や人材確保へ直結するというところを明確に可視化する仕組みが非常に重要ではないかと思います。なので、経営層と現場職員にターゲットを分けた戦略的な広報の実施が非常に重要ではないかと思っています。経営者層には取組開始の意思決定を促す広報、また現場職員の方には業務改善への参画への意識や負担軽減やケアの充実を促す広報ということで、一緒くたにするのではなくて、経営者層と現場職員をしっかりと分けて展開しないとなかなか前に進まないのではないかということを現場感として感じているところです。私からは以上になります。
○吉田座長 ありがとうございます。法人のお立場からですけれども、まさに経営層の人たちと現場の人たちとでは重視しなければいけない価値観であったり、優先しなければいけない問題意識が異なるという御指摘なのだろうと思います。そういう意味ではそれぞれのターゲットに向けて発信していくことの重要性を指摘いただいたのだと思いました。ありがとうございます。
そのほか、皆様はいかがですか。まだ時間もあります。はい、新藤構成員、よろしくお願いいたします。
○新藤構成員 はい、ありがとうございます。何度も実証のところをお伺いして申し訳ないので、もうこれぐらいにしたいと思うのですけれども。アウトカムのところで、先ほど当然このアからオで削減された時間の先にケアの充実があることをアンケートで測っていただくということだったと思うのですけれども、このアンケートの項目が結構大切なのではないかと思うのです。今、現場でやりたいのだけれども、できないことがあって、時間さえあればそれができるのにという論理で時間を空けようということだと思うのですけれども、そうであれば、やりたいことができているかどうかということがアンケートの項目になりますよね。そして評価のときに、そういう課題を事前に設定しておかずに「どんないいことがありましたか」という聞くやり方ももちろんあるのですけれども、今回の場合はそうではなくて、何か目指すべき姿がある程度あるとしたら、もちろん事業ごとに違うものもあるのですが、それを測らないといけないのではないかと思いました。これが1点目です。そして「やりたいことがあるのに」という中の「やりたいこと」が、例えば「十分に利用者さんと一緒に時間を過ごす」とか「お互いに関係がつくれるような質の高い時間を過ごす」ということだとして、もし本当にこれができていないということなら、アからオに書かれているものだけで大丈夫なのかとも思うのです。時間を確保することだけではなく、人と時間を過ごすとは一体どういうことなのかを職員さん一人一人がその意味を考えなければいけないわけで、そのようにアンケート項目を作って、これが達成すべきことだ、知りたいことだというものが設定されると、実はアからオだけでは足りないのではないかという論理や思考も回っていくと思います。つまりこれがロジックモデルを描いたら、そういう思考になるということなのですけれども、こういう思考を回して、アンケートの調査票の項目をしっかり立ててから実証に進んでいくことが、そこまでのスキームがどうなっているのかは分からないのですけれども、事務局の皆さんでつくっていただくということなのかもしれないのですが、そこが重要なのではないかと思いました。
○吉田座長 事務局から何かお答えされますか。はい、お願いします。
○事務局 御意見ありがとうございます。まずおっしゃっていただいたとおり、ケアに必要な時間数が介護テクノロジーの導入前後でどのように変わったかという、単に時間の削減の度合いだけではなく、それによって事業所でどのような変化を感じられたのかということも聞きたいと考えております。その中には例えば「支援者の方に向き合う時間が増えた」ということも含まれておりますので、いただいた御意見も踏まえて、調査項目を検討させていただきたいと考えております。ただ、それ以上の事業所のほうで感じている変化のみならず、では、当事者の方はどのように感じられているのかというのは、なかなかアンケートでは取りにくいところでもございますので、そういった時間や省力化の先にある当事者目線に立ったケアの充実がどのように表れているのかというところを深掘りして、ヒアリング等で確認していきたいと考えております。以上です。
○吉田座長 ありがとうございます。そのほか、皆さん、いかがでしょうか。いろいろな切り口があるかと思いますけれども。はい、野澤構成員、お願いいたします。
○野澤構成員 はい、ありがとうございます。当事者目線というのは極めて重要なので、それをどのように深掘りするのかが少し気になるのですけれども。職員のヒアリングからそれを深掘りするのか、それとも利用者からも聞くのか、あるいは第三者から聞くのか等、その辺が気になります。言葉がしゃべれない重度の方の場合は保護者になるのでしょうけれども、保護者と本人はかなり利害が違ったりするので、そのあたりをどのように考えておられるのか、現時点で結構なので、あらましを教えていただければと思います。
○吉田座長 事務局からいかがですか。
○事務局 事務局でございます。何を実際に深掘りしていくかというのは、アンケート調査の結果等も踏まえて検討していきたいと思っておりまして、調査の結果の報告等は、この後の検討会において随時触れていく予定でございますので、構成員の皆様からも御意見をいただきながら検討していきたいと考えております。
○吉田座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。皆さんのほうでは出尽くしましたですか。いかがですか。よろしゅうございますか。
それでは、せっかく構成員でございますから、私からも一言、二言、三言ぐらいでしょうか、述べさせていただきたいと思います。
介護の分野で私も生産性向上のガイドラインづくりに一から関わってまいりまして、まず今日御発言がありました、この「生産性向上」というキーワードの抵抗感をどうやって拭っていくのかというのは、大変大きな課題だと認識しております。当時、介護の分野で生産性向上のガイドラインをつくる際も、その後もですが、「生産性向上に代わる言葉はないだろうか」ということを常々問題提起していただいたのは、今でも覚えております。聞けば「ああ、そういうことか」と、「障害福祉における生産性向上とはこういう意味なのか」と納得してくださる方が増えると思いますが、入り口のところでつまずくことが多ければ、これはまた問題であり、もったいないと思います。こういったところをどうやっていくのかというところが1つの課題なのだろうと思っております。
そして、2つ目は実際に生産性を向上していくというのは、生産プロセスのアウトプットと、その後の品質管理問題というアウトカムは実はつながっているようで、分けて考えるほうが、やはり最初はいいのだというところがございます。特に2040年に向けて各地域で既に障害の需要も地域差が出てきているのではないかと思います。そのような中で、どのような地域が喫緊の課題として優先してそういったプロセスの改善をしなければならないのか、そして市町村や都道府県のレベルからすると、サービスの提供体制をいかに維持していくのかという切り口に立てば、品質と同様に、その提供体制の維持に向けた標準化といったところをどう図っていくのかというのは、やはり見過ごせない課題なのだろうと思います。
介護よりもさらに難しいのは、やはり先ほど来ありました障害の特性です。それぞれが目指そうとしている人生の生きがいであったり、今日出てきたキーワードで言うとウエルビーイングといったところは、皆が同じ目標に向かうのであれば標準化して似たようなサービス提供のプロセスでもいいのですが、そうでもないと。ここの難しさは仕事としての魅力でもあるわけですが、ここはどうバランスを取っていくのかというところがあると思って聞いておりました。
そして最後ですけれども、こういった障害福祉分野には、また介護・医療分野や行政職員もそうなのですけれども、実は感情労働という概念があります。対人サービスというのは「ものづくり」の物と違いまして、サービス自体が提供した瞬間に消滅します。同時性と言いますが、人が提供するゆえに、そのときの人の感情の状態が品質に大変影響していく、つまりサービスの品質を上げることを単に測れる指標で変わるというより、提供する側のメンタルに対して随分依存するところがあると思います。お話がしにくい人たちと話す人たちもいるでしょうし、今日1つ出ています児童系のように、本人以外の代弁者とどう話をして、本人のニーズ、あるいはウォンツを実現していくのかというところもあると思います。こういったところはまさにサービスを提供する側の感情労働的側面をいかに配慮して、働きやすくしていくか、時間的なものだけではなくて、質的にどう働きやすくしていくかというのは、まさにこの領域の固有とは言いませんが、極めて強い特徴の1つかと思って、期待して聞いておりました。
障害分野は多様な障害属性、サービス種別、またそれぞれの財源による制約等もありますから、どうしてもローカルルール等もあると思います。その中で、まずキックオフとしてどこから始めていくか、協議会での報告やガイドラインが出たときに「これは難しくて、できない」と国民の皆さんがさじを投げてしまうわけにはいかないので、「次に進んでいくために、こういうところからスタートしたのだな」というような、比較的中長期の目線で進めていくことも大変重要な切り口なのだろうと思って聞いておりました。
第1回でございましたので、私からも構成員の立場としての意見や感想を述べさせていただきました。最後ですが、皆様いかがでしょうか。何か御意見がございましたら。よろしゅうございますか。
それでは、少し時間の前ではございますけれども、意見交換はここで終了とさせていただきたいと思います。活発な御議論と大変貴重な御意見、誠にありがとうございました。事務局におかれましては、本日示された御意見も踏まえまして、次回以降への準備を進めていただければとお願い申し上げます。
それでは最後に事務局から今後の予定等をお願いいたします。
○事務局 はい。本日はありがとうございました。次回の検討会につきましては、日程が決まり次第お知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉田座長 ありがとうございます。それでは、予定時刻よりも多少早いですが、以上をもちまして「第1回 障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会」を終了いたします。本日はありがとうございました。
(了)

