2026年5月29日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録

日時

令和8年5月29日(金)14:00~

場所

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(14名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 
欠席委員(9名)五十音順

行政機関出席者
  •  宮本直樹  (医薬局長)
  •  佐藤大作  (大臣官房審議官)
  •  紀平哲也  (医薬局医薬品審査管理課長)  
  •  安川孝志  (医薬安全対策課長)      他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、薬事審議会医薬品第一部会を開催させていただきます。本日は、お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。本会議は、ペーパーレスでの開催といたします。会場で御参加されている委員におかれましては、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくこととなります。操作等で御不明点等ございましたら、事務局がサポートいたしますので、適宜お申し付けください。
 本日の会議における委員の出席状況についてです。大谷委員、大森委員、佐藤直樹委員、佐藤雄一郎委員、外園委員、髙橋委員、眞鍋委員、矢野委員、吉崎委員から、御欠席との御連絡を頂いております。また、田崎委員から、遅れて御参加いただくとの御連絡を頂いております。本日は現在のところ、当部会委員数23名のうち13名の委員が、この会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況についてです。全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
 それでは森部会長、以降の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず事務局から、資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日はあらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料1~24を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料24に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは、次のとおりでございます。
 議題1、ウゴービ、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員。議題2、ブメリティ、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員。議題3、アバスチン、退室委員なし、議決に参加しない委員、野津委員。議題4、グロベニン、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題5、ロープレッサ、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題6、マルシロン、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員、石川委員、小玉委員。議題7、ウェイリズ、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員、長谷川委員。議題8、ジャクスタピッド、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題9、ソグルーヤ、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員、長谷川委員。議題10、サデルガ、退室委員なし、議決に参加しない委員、長谷川委員。議題11、希少疾病用医薬品の指定の可否、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員、野津委員。議題12、先駆的医薬品の指定の可否、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。以上でございます。
○森部会長 今の事務局からの御説明に特段の御意見等ございますでしょうか。
よろしければ皆様に確認いただいたこととさせていただきます。本日の非公開議題は、審議事項12議題、報告事項が6議題、その他の事項が2議題となっております。
 それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項の議題1と、その他事項、議題1は関連する議題でございますので、まとめて御議論いただくこととしたいと思っております。まず、審議事項、議題1につきまして、機構から概要説明の方をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題1、資料No.1、医薬品ウゴービ皮下注0.25mgSD他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料につきましては資料No.1、ウゴービ皮下注0.25mgSD他の審査報告書を御覧ください。
 非アルコール性脂肪肝炎(以下、「NASH」)はアルコール、薬剤、遺伝性疾患等による二次性脂肪肝を除外した上で、肝細胞の脂肪化に加え、炎症及び肝細胞傷害(肝細胞風船様変性)を伴う疾患と定義されており、NASHが進行すると肝線維化が生じ、肝硬変、代償不全性事象、肝不全、肝細胞がん等の合併症につながる可能性があるとされております。なお、2024年8月に日本消化器病学会及び日本肝臓学会は、NASHについてメタボリック症候群の基準の一部を満たす場合に、代謝機能障害関連脂肪肝炎(以下、「MASH」)に名称を変更する旨を公表しております。
 本剤の有効成分であるセマグルチド(遺伝子組換え)は、GLP-1アナログであり、同一有効成分の製剤であるオゼンピック皮下注及びリベルサス錠が2型糖尿病、本剤が肥満症に係る効能・効果で承認されております。
 NASH患者を対象とした国際共同試験の成績から、本薬の有効性及び安全性が確認できたとして、今般、医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。海外では、本薬は2026年1月時点で、米国においてMASHに係る効能・効果で迅速承認されております。本品目の専門協議では、資料No.23に示します専門委員を指名しております。
 本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。まず、有効性に関して、審査報告書通し番号16ページ、表13を御覧ください。線維化ステージF2又はF3のNASH患者を対象とした国際共同第III相試験(4553試験)のパート1において、主要評価項目とされた72週時の肝線維化の悪化を伴わないNASHの消失の割合、及び72週時のNASHの悪化を伴わない肝線維化の改善の割合のいずれにおいても、プラセボに対する本薬の優越性が検証されました。日本人集団については20ページ、表15を御覧ください。主要評価項目のいずれの割合においても、プラセボ群と比較して本薬群で高く、全体集団と一貫した結果が示されました。以上より、線維化ステージF2又はF3のNASH患者における本薬の有効性は示され、日本人集団においても同様に有効性は期待できると判断しました。
 安全性に関して23ページ、表21を御覧ください。4553試験において、プラセボ群と比較して本薬群で副作用の発現割合が高い傾向が認められたものの、大半が胃腸障害等の本薬の既知の有害事象であり、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合に、新たに臨床的に問題となる差は認められなかったことから、既承認の肥満症に対する使用時と同様に、添付文書において注意喚起が行われることを前提とすれば、安全性は許容可能と判断いたしました。
 以上、機構での審査の結果、NASHに対する本薬の有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると、安全性は許容可能と考えられたこと、4553試験の対象患者は、NASHと診断された患者が対象とされていたものの、有効性評価における主たる解析対象集団のうち、MASHの定義を満たさなかった参加者は、プラセボ群の1例のみであったこと等を踏まえると、MASHに係る効能・効果とし、医薬品リスク管理計画に係る承認条件を付した上で、本薬を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本品目は新効能医薬品であることから、再審査期間は4年と判断しました。薬事審議会では報告を予定しています。
 なお、事前に森部会長より添付文書の5.2項に記載がある肝疾患関連アウトカムの定義の追記、そして「17.1.5 臨床成績」の項に、Lean NASHの有無別の有効性及び安全性の結果を追記することが適切との御指摘を頂いております。御指摘を踏まえ、これらの情報を添付文書に記載することを検討いたします。機構からの説明は以上になります。御審議どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では続きまして、その他の事項、議題1につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 その他の事項、議題1、セマグルチドの代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)につきまして、最適使用推進ガイドラインを作成しておりますので、御説明させていただきます。資料は20でございます。全体の構成や記載の形式は、既に発出されております他の最適使用推進ガイドラインと同様でございます。
 まず、2ページの「はじめに」について、今回の対象効能・効果は、先ほど機構から御説明ありましたとおり、「肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎」であり、中等度又は高度の線維化を有する場合に限るとしております。
 日本肝臓学会、消化器病学会、日本肥満学会、日本肥満症治療学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会及び日本内科学会から御推薦いただいた専門家からの御意見を踏まえ、本ガイドライン案の作成を行っております。
 対象となる効能・効果、用法・用量は、2ページの枠内のとおりでございます。また、4ページ以降に、今回審査された臨床試験の成績、6ページに他の最適使用推進ガイドラインと同様に、施設等に関する要件を設定しております。
 こちらにおいて、MASHという疾患を適切に診断、管理、治療ができ、多職種による管理ができるような施設が選定されるよう配慮しております。また、8ページには、本剤の投与対象となる患者に関する内容を記載しております。本剤につきましては、適切な検査により、MASHと診断された患者であることに加え、適切な治療、各計画の策定、及び食事・運動療法に関する事項についても記載をしております。
 最後に10ページでございますが、審査における内容を踏まえ、投与に際して留意すべき事項を記載しております。御説明は以上になります。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問ございましたらお願いします。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 詳細な御報告、ありがとうございました。このウゴービは適正使用が重要で、実際にこの効果・効能を見るためには線維化のステージというものをしっかり把握することが重要になってくるわけです。添付文書には、肝生検の実施が適切ではないと判断される場合、という記載もあるわけですけれども、その場合にはどの検査で線維化ステージを把握するのか、詳細な記載がされていません。生検によらない線維化を把握するのでしょうか。その線維化が改善しなければ、この効果が認められないのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えいたします。今回のピボタル試験である4553試験につきましては、肝生検に基づいて線維化がF2又はF3のステージであることが確認された患者を対象として実施されていること等を踏まえ、肝生検に基づいてF2・F3であることが確認された患者が推奨される投与対象であると考えております。
 その上で、肝生検については侵襲性を伴うものであることから、患者に対するリスクを踏まえると、非侵襲的な検査方法による線維化ステージの判定も考慮できると考え、その旨を添付文書の効能・効果に関連する注意に記載しております。
 非侵襲的な検査に基づく線維化ステージを判断するための具体的な指標につきましては、F2又はF3を高い特異性で抽出できる基準が現時点で確立している状況ではないことから、具体的にはお示ししておりませんが、MASHに関連する診療ガイドラインにおいては、フィブロスキャンによる肝硬度の評価や血液中のバイオマーカーに関する目安が提示されております。これらの情報と個々の患者の状態を踏まえて、F2又はF3に該当するかどうか、専門の医師のもとで御判断いただきたいと、機構としては考えております。
○宮川委員 フィブロスキャンなど非観血的な指標は何を用いるのかがあまり明確に記載していないのはよろしくないと思うのです。これは厚生労働省に質問した方が良いのかもしれませんけれども、何をもってそれを規定して、どのようにガイドラインに盛り込んでいくのか、また、どういう学会が主導していくのかも、ある程度言及がないと、穴になってしまうのではないかなと思うのです。フィブロスキャンだけか、それ以外のものも使用方法も含めてもう少し明確に記すべきと思ったので、発言させていただきました。
○森部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。事務局どうぞ。
○事務局 事務局よりお答えいたします。先生の御指摘、又は先ほど機構からも御説明がございましたとおり、今、現時点ではF2・F3を非侵襲的検査に基づいて抽出する基準が確立していないことも踏まえまして、最適使用推進ガイドラインの中では、フィブロスキャン等の画像検査と、血液学的バイオマーカー等を組み合わせる必要があると考えております。また、どういった専門家がリードするのかといったところに関しましては、最適使用推進ガイドラインにも記載させていただいたのですが、肝臓の専門医又は消化器の専門医が、やはりリードすべきだろうと考えております。
 その上で、もう少し最適使用推進ガイドラインの中で分かりやすくする必要があるのではないかという点に関しまして、現状、非侵襲的検査を用いてF2・F3を判定する基準が、定まってはいないものの、これから恐らく診療ガイドライン等でより示されていくことが予測されますので、最新のMASHの臨床ガイドラインを参照にというような文言を付け加えさせていただければと考えております。ありがとうございます。
○宮川委員 宮川です。ありがとうございます。MASHに関しては、最近の病理的な分類や臨床分類の中に落とし込むときには、どのような形で進めていくのかというのは、ある程度ガイドラインなどにも書き込まないと、実装したときに意味がないし、どのようにこれを判断していくのかという、臨床に活かせる形でガイドラインを作っていくためにも、是非文言を付け加えていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○森部会長 宮川委員、どうもありがとうございました。肝生検の臨床的な限界は、肝臓のごく一部の組織を診るという点です。実際にMRIなどのエラストグラフィを確認いたしますと、肝臓全体の中でかなり線維化にばらつきがあり、ムラがあるということも分かっておりまして、肝生検では全体の硬度の評価が難しいという欠点も指摘されています。
 したがいまして、今回、非侵襲的な検査、NITを活用する上では、肝臓の硬度、硬さを評価するMRIの検査や、若しくはフィブロスキャンのような非侵襲的検査、さらには血液のバイオマーカーなど、どういった組合せが最も良いのかという検証が不可欠で、これまでの臨床的な知見と併せて、専門家の先生方の方に良い案を作っていただくという要望です。今回、添付文書では二つ以上のNITを組み合わせることを条件にしていますが、実際にこれも、どういった二つが重要かということが、まだ十分議論されていないこともございます。画像診断を加えるべきであるかとか、いろいろな観点があります。ここも今後、もう少しつまびらかにお示しいただくことが重要と考えております。
 そのほか、先生方から御意見ございますでしょうか。これは一つ確認なのですが、今回、米国では迅速承認になっているということで、この経緯の説明を伺ってよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 米国において、本剤のMASHに係る効能・効果は迅速承認されております。今回の申請に係るピボタルな試験成績は、4553試験のパート1の結果であり、当該パートでは、肝臓の組織学的な改善を評価する評価項目が主要評価項目になっております。この肝臓の組織学的な改善と、MASHの治療における真のエンドポイントである、肝臓関連のイベントの発現の抑制との間の関連については、現時点では必ずしも確立している状況ではございません。したがって、米国においては、肝臓関連イベントの発現を評価することを主目的とした4553試験のパート2の結果に基づいて、通常承認に切り替える方針であると理解しております。
○森部会長 今回、本邦では、このパート1の試験成績を基に、通常の承認手続を踏んで手続を進めているわけでございますが、今後、パート2の成績が分かってまいります時期や、またその後の対応について、RMPの対応も含めて、御説明いただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 4553試験のパート2の主要な結果が得られる時期は、現時点で2029年の末頃と聞いております。RMPの中では、有効性に関連する試験として4553試験のパート2を記載しており、当該パートの結果が得られましたら、得られた成績について機構において確認するとともに、速やかに臨床現場に情報提供するように申請者に指示しているところでございます。
 また、添付文書の効能・効果に関連する注意の項で、肝疾患関連アウトカムの改善効果は検証されていない旨を注意喚起しておりますが、パート2において良好な結果が得られた場合には、この注意喚起の変更等も検討する予定にしております。
○森部会長 御説明ありがとうございました。冒頭、御説明の最後に、Lean MASHに関する御説明の追加を頂いておりますが、今回のパート1の成績で、有効性並びに安全性の観点から、BMIが比較的低い、欧米では25未満、アジア人では23未満の集団については、どういった特徴があったか、概要を説明いただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 有効性については、審査報告書の20ページ、表16、17、安全性については、23ページの表22で部分集団解析の結果をお示ししております。Lean NASHに該当する集団における主要評価項目の結果、特に線維化の改善については群間差が小さい傾向がございました。ただ、いずれの評価項目でも、本薬群でプラセボ群よりも数値上は上回る結果でございました。また、安全性につきましては、重篤な有害事象が、Lean NASHの患者において高い傾向が認められております。
○森部会長 御説明ありがとうございました。したがいまして、比較的BMIが高い集団では、パート1の成績については症例数も多く、その有効性も明確に統計的に分かっていますが、BMIの低い集団は、もともと組入れ数が少ないということもあり、十分臨床情報が分かっていないということが臨床現場で分かるように、添付文書で情報提供いただく。また、最適使用推進ガイドラインにも、その旨、記載いただくということを求めるところでございます。いかがでございましょうか。ありがとうございました。
 そのほか、委員の先生方から御質問、御意見等ございますでしょうか。特段ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたく存じます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。審議事項の議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議ないようでございますので、承認を可とさせていただき、薬事審議会に報告させていただきます。また、その他の事項、議題1につきましても、御確認いただいたものとさせていただきます。
 では続きまして、議題2に移らせていただきます。議題2につきまして、機構から概要説明の方をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ブメリティカプセル231mgの製造販売承認の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.2の審査報告書を御覧ください。
 はじめに、審査報告書の一番下、59ページの通し番号4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。多発性硬化症(以降、「MS」)は、時間的・空間的に病変が多発する中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、視力障害、運動・感覚障害、歩行障害等の多岐にわたる神経症状を呈します。MS患者の約85%は、急性増悪と寛解を繰り返す再発寛解型MSとして発症します。
 本剤は、本邦でMSに係る効能・効果で承認されているフマル酸ジメチル(以降、「DMF」)の免疫調節作用を有する主要活性代謝物であるフマル酸モノメチル(以降、「MMF」)のアミノエチルエステルであり、DMFの副作用として知られている消化管症状を低減することを目的に開発がなされました。本剤と既承認のDMFは、いずれも速やかに同一の主要活性代謝物であるMMFに代謝され、本剤と既承認のDMF投与時の主要活性代謝物MMFの曝露量は同程度であったことから、本剤はDMFと同様に有効性を示すことが期待されております。
 今般、国際共同第III相試験の成績等に基づき、製造販売承認申請が行われました。海外では、本剤は2019年に米国で、2021年に欧州でそれぞれ承認され、2026年3月現在、欧米を含む40以上の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.23に記載されている8名の委員を指名しております。
 本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書の39ページの表36を御覧ください。本剤と既承認のDMFは、主要活性代謝物であるMMFの曝露量が同程度であること等から、本剤の有効性の評価に当たっては、本剤の臨床試験成績に加え、DMFの臨床試験成績も考慮して評価する方針といたしました。
 本剤の臨床試験であるA301試験及びMS303試験と、DMFの第III相試験における同一時点の有効性の成績を比較した結果は、表36のとおりです。
 A301試験及びMS303試験における本剤の有効性評価は探索的な位置付けであり、これらの試験成績から本剤の有効性を評価することには限界があり、また、試験デザイン等が異なることから試験間での有効性の結果の比較には限界があるものの、A301試験及びMS303試験で認められた本剤の年間再発率等の有効性の結果について、DMFの第III相試験で認められた有効性の結果と大きく異なる傾向は認められませんでした。また、MS303試験における日本人集団の有効性の結果についても、全体集団の結果と概ね同様の傾向が認められております。本剤は、既承認のDMFと主要活性代謝物であるMMFの曝露量が同程度であることも考慮すると、本剤はDMFと同程度の有効性が期待できると判断いたしました。この有効性の評価方針及び機構の考えについては、審査報告(2)に記載しているとおり、専門協議でも支持されております。
 次に安全性について、審査報告書の40ページの「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。提出された臨床試験成績等を検討した結果、既承認のDMF使用時と比較して、本剤使用時に新たな懸念は示されていないことから、既承認のDMF使用時と同様に、PML、リンパ球数減少、感染症、胃腸障害等の発現に注意する必要があるものの、これらの事象に対する適切な注意喚起も含め、DMFが現在添付文書等で実施中の安全対策と同様の安全対策を行うことで、日本人患者における本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会において御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はありますか。よろしければ御専門の見地から、石川委員、御発言はいかがでしょうか。
○石川委員 石川です。どうもありがとうございます。特段懸念材料などはなく、今の機構の御説明に、特別気になるところはありませんでした。そのように思っております。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。あと、統計の見地から柴田委員、今回の有効性の判定に関して、何か御意見はありますか。
○柴田委員 御指名ですのでコメントさせていただきます。こちらについては先ほど、限界があるとの御説明がありましたので、そのような限界のある中、現実的な判断がされているものと解釈いたしました。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございます。年間再発率の検討並びに画像の評価や、様々なスコアの評価も組み合わせて評価していらっしゃるという点も、評価されたと考えております。そのほかに先生方から御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。
 では、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。議題2について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようなので承認を可とし、薬事審議会に御報告させていただきます。
 続いて、議題3に移らせていただきます。議題3について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品アバスチン点滴静注用100mg/4mL及び同点滴静注用400mg/16mLの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。
 はじめに、審査報告書の全37ページの通し番号6ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。神経線維腫症2型(以降、「NF2」)は、両側性の前庭神経鞘腫を主徴とし、その他の神経系腫瘍等を呈する常染色体顕性遺伝疾患です。NF2患者では臨床症状として聴力低下、ふらつき等が認められ、頭蓋内腫瘍の成長を制御できない場合には脳幹の圧排や頭蓋内圧亢進をきたし、致死的な転帰をたどり得ます。本邦でNF2に対して承認された治療薬はなく、NF2の前庭神経鞘腫に対しては手術による摘出、又は定位放射線治療が行われていますが、手術及び放射線治療では聴力の温存は困難であることが報告されております。
 本剤は、ヒト血管内皮増殖因子に対するヒト化モノクローナル抗体であるベバシズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする静脈内投与製剤であり、血管新生を抑制することにより、腫瘍の増殖を抑制することが期待されております。本邦においては、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」、「悪性神経膠腫」等を効能・効果として承認されております。今般、NF2患者を対象とした国内試験の成績等に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本剤は、海外において悪性腫瘍に係る効能・効果で、欧州及び米国を含む140の国又は地域で承認されておりますが、2026年5月現在、NF2に係る効能・効果で承認されている国又は地域はありません。本申請の専門委員として、資料No.23に記載されている5名の委員を指名しております。
 本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書の通し番号11ページの表2を御覧ください。
 前庭神経鞘腫を有するNF2患者を対象に、国内医師主導治験としてプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験が実施されました。主要評価項目である、治験薬投与開始24週時点の最高語音明瞭度のベースラインからの変化量に基づくレスポンダーの割合について、点推定値の比較においては、プラセボ群と比較して本剤群でレスポンダーの割合は上回ったものの、本剤群とプラセボ群の間に統計学的な有意差は認められませんでした。この理由については審査報告書の14ページに記載のとおり、申請者は、試験開始前に本剤の効果の見積りの根拠として用いていた観察研究で設定されたレスポンダーの定義よりも厳しい判定基準を設定したこと等により、事前の想定よりも本剤の効果が小さかったことが考えられる旨等を説明しております。
 続いて審査報告書の15ページ、表4を御覧ください。治験薬投与開始24週時点の最高語音明瞭度のベースラインからの変化量は、点推定値での比較において、本剤群ではプラセボ群よりもベースラインと比較した改善傾向が認められ、その群間差は+11.6でした。日本聴覚医学会による補聴器適合検査の指針では、補聴器非装用時の明瞭度と比較して装用時の語音明瞭度が+10%を超えていれば適合良好とされていることを踏まえると、本試験で得られた最高語音明瞭度のベースラインからの変化量の群間差は、患者が聴力の改善を実感することができる差であると考えられることから、本剤投与により認められた聴力改善は、一定の臨床的意義があると考えられます。
 続いて審査報告書の16ページの図1及び表8、並びに17ページの表9を御覧ください。これらは治験薬投与開始24週時点での前庭神経鞘腫の腫瘍体積の変化率、腫瘍体積のベースラインからの減少率、及び腫瘍体積の奏効率を示した図及び表です。治験薬投与開始24週時点での腫瘍体積の減少率及び奏効率は、本剤群でプラセボ群を上回る傾向が認められました。また、プラセボ群においても、本剤の投与が開始された24週以降の治験薬投与開始36週及び48週後において、ベースラインと比較して腫瘍体積が減少する傾向が認められ、奏効が認められた患者が増加しております。前庭神経鞘腫は、手術によりほとんどの症例で手術側の聴力が失われ、また、脳幹や各種脳神経等の生命維持に必要な重要な器官の近傍又は内部に位置し手術難易度が高いことを踏まえると、手術までの期間を延長させることにつながる可能性のある腫瘍体積の縮小又は増大抑制が認められたことには、一定の臨床的意義があると考えられます。
 これらの試験成績等を踏まえると、機構は、本剤のNF2に対する有効性は示されたと判断いたしました。また、海外ガイドラインにおいて前庭神経鞘腫を有するNF2に対する本薬投与が推奨され、国内のNF2に係る治療指針においても本薬の使用が示されていることも踏まえると、本剤を臨床現場に提供する意義はあると判断いたしました。
 以上の評価方針及び機構の判断については、審査報告(2)に記載しておりますとおり、専門協議でも支持され、本剤の有効性は示されているとの御意見を頂いております。
 次に安全性について、審査報告書の18ページから始まる「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。提出された臨床試験成績等を検討した結果、本剤の投与に当たっては、既承認効能・効果に対する使用時と同様の事象の発現に注意し、これらの事象について適切な注意喚起を行うとともに、本剤とNF2治療についての十分な知識を持つ医師のもとで使用する旨の注意喚起を行う等、既承認効能・効果に対して添付文書等で実施中の注意喚起及び安全対策を引き続き実施することにより、NF2患者における本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新効能医薬品であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。今回も御専門の見地から、石川委員に御意見を伺ってもよろしいでしょうか。
○石川委員 こちらも特に異論はありません。18ページにあるように、この薬の臨床的な意義や患者さんの期待、実際の使用時の期待度などは大きいものであると考えますので、おっしゃる理由がよく分かります。以上です。
○森部会長 御意見、どうもありがとうございました。そのほかに先生方から御意見はいかがでしょうか。添付文書の内容で、特に今回の神経線維腫症2型に使用する際に、警告としていただく内容を少し御紹介いただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 効能共通として付している警告に加えて、神経線維腫症2型に対しては1.9に、「本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤と神経線維腫症2型の治療についての十分な知識を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること」という注意喚起を付しております。
○森部会長 ありがとうございます。この点で委員の先生方から特に御意見はありませんか。御賛同いただけるものだと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それから、添付文書の7.14の項目に「臨床成績の内容を熟知した上で、患者の状態に応じて検討すること」ということについて、継続投与と再治療についての記載がありますが、ここに書かれている「患者の状態」については、具体的にどういった内容を指しているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 7.14の継続投与及び再治療に際しての患者の状態という御質問に関しては、得られている有効性、副作用の発現状況や患者の全身状態等、様々な患者の状態を考慮して御検討いただきたいという旨の注意喚起です。
○森部会長 「患者の状態」という所に括弧書きで、例えば最高語音明瞭度や腫瘍体積の推移、副作用の発現状況や全身状態といったことを付記していただくことは可能でしょうか。それとも不要でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今申し上げたものだけでなく、例えば患者が今後妊娠を希望しているので治療は1回中断したいとか、患者の様々な状況を総合的に考慮しての医師の判断になるかと存じますので、全てを考慮した上で御判断いただけるような、現在の記載の方がよいと考えております。
○森部会長 分かりました。合理的だと思います。ありがとうございます。
 あと1点だけ、記載整備でお願いしたいことがあります。臨床成績の項目です。臨床成績は17.1.19の所で、今回の治験のデザインをお示しした中で、レスポンダーと再投与の基準について実際に書いていらっしゃるのですが、再投与された患者の経緯については、特に記載がなかったのです。実際は2例の方が再投与されていると思いますけれども、その経緯について簡易に付記していただくことがよろしいかと思いましたので、御検討願えませんか。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。記載について、申請者と検討いたします。
○森部会長 語音明瞭度が一定の基準を満たした方が再投与されているので、計画には書いてありましたが、実際の成績の提示がなかったので、そこは補完いただきたいと考えております。以上です。そのほかに先生方から御意見はありますか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 この治療は、本来の治療の考え方ではないということです。つまり、手術の時期を遅らせたり、聴力を少しでも温存して、生活の質を少しでも維持していくものであることを知っていただきたいのです。
 そのことが18ページに書いてあって、特殊な薬の使い方であるということを私たちが理解しないといけない。腫瘍をなくすとか、縮小させてそれを維持することが目的ではなく、患者さんのライフスタイルを維持していくというところに大きな力を持っているということも理解しながら、承認していかなければいけないと思ったのです。部会長が御質問しておられたのは、そこに尽きるのではないか、そういう御示唆をされてきたのではないかと思い、申し上げました。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。ほかに先生方から御質問、御意見はありますか。堀委員、どうぞ。
○堀委員 堀です。添付文書における警告の1.9は、先ほど御説明いただいたと思うのです。その文言の中で、「患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し」と書いてあります。この十分に説明するものに関しては、例えば患者向け資材のようなものの作成の御予定はあるのでしょうか。教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 「アバスチンハンドブック」という患者向けの資材を作成し、その中で本剤の投与方法や、本剤により生じ得る可能性のある副作用等についての情報提供する予定です。
○堀委員 分かりました。ありがとうございます。以上です。
○森部会長 そのほかに先生方から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、野津委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議決の参加を御遠慮いただくことになっております。議題3について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようなので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続いて議題4に移らせていただきます。議題4について、機構から概要説明をお願いしたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、医薬品グロベニン-I10%静注5g/50mL他2品目、及び献血グロベニン-I10%静注2.5g/25mL他2品目の製造販売承認事項一部変更承認申請の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.4の審査報告書を御覧ください。
 はじめに、審査報告書の一番下、全23ページの通し番号で7ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。自己免疫性脳炎は自己免疫機序によって生じる急性又は亜急性の脳の炎症性疾患です。自己免疫性脳炎の治療は、本邦では2013年10月から2016年9月に実施された全国疫学調査において、自己免疫性脳炎患者の初回治療ではステロイドパルス療法が92.3%、IVIG療法が6.2%で実施されていたことが確認されています。本剤はIVIG製剤の一つであり、今般、自己免疫性脳炎患者を対象とした国内臨床試験において本剤の有効性及び安全性が確認できたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
 本申請の専門委員では、資料No.23に記載している4名の委員を指名しております。
 本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、通し番号10ページの表2を御覧ください。自己免疫性脳炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である後観察期4週時におけるCASEスコアがベースライン時から40%以上改善した被験者の割合につきまして、抗体陽性集団並びに抗体陽性及び陰性の患者集団のいずれにおいても、対照群であるステロイドパルス療法に対し、本剤群が点推定値で上回ったことを確認いたしました。
 また、通し番号で13ページの表5を御覧ください。主な副次評価項目の結果について、治験薬投与開始後の各時点におけるCASEスコアの変化、治験薬投与開始後の各時点におけるmRSスコアの変化及び治験薬投与開始後の各時点におけるGCS変化について、本剤投与により改善傾向が認められたことを確認しました。以上の点等を踏まえ、自己免疫性脳炎患者に対する本剤の有効性は示されたものと判断しました。
 次に、安全性について、通し番号で15ページ、「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。国内第III相試験で検討された症例数が限られていることに留意する必要はあるものの、対照群と比較して本剤群で有害事象、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象の発現割合が高い傾向がないこと、また、既承認効能・効果と比べて自己免疫性脳炎患者において安全性プロファイルが大きく異なる傾向は認められていないことを確認いたしました。本剤の添付文書において既承認効能・効果に対して行われている注意喚起に準じて使用されることを前提とすれば、自己免疫性脳炎患者に投与した際の安全性は許容可能と考えました。
 以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが妥当と判断いたしました。本申請に係る本剤の再審査期間は、追加される効能・効果が希少疾病用医薬品に指定されていることから10年間と設定することが適切と判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
御審議、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がありましたらお願いいたします。佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(陽)委員 佐藤です。御説明ありがとうございます。IVIG療法は、確か自己抗体の種類でかなり効き目が違うというお話を聞いたことがあります。今回の資料を見ますと、それ別の例数が余りなくて、その辺がクリアではないのですが。あと、安全性の観点からは製造販売後調査は要らないという結論になっているということは、その辺の自己抗体別の有効性のようなものは、今後、研究レベルとかで明らかにするということと理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。佐藤先生のご意見のとおり、今回の臨床試験は希少疾病ということもありまして、全集団の患者数自体が20例程度と少ないです。その上で、部分集団解析結果を載せている、審査報告書の通し番号で14ページの表7を御覧いただいて御意見をいただいたかと理解しております。自己免疫性脳炎は、必ずしも自己抗体が陽性の患者さんに限らず陰性の患者さんもいることが把握されておりまして、現在の医療においてもIVIGが投与されているという現状があります。今回、本剤の臨床試験を実施するに当たって全国調査を実施しておりますが、その中でも自己免疫性脳炎の抗体が特定されていない患者さんに対しても投与されていますが、当該患者も含めて、ある程度の有効性等が確認されているというところもありましたので、それらの結果も併せまして、自己免疫性脳炎の抗体陰性の患者さんも含めて今回評価することでよいだろうと考えたところです。
○佐藤(陽)委員 ありがとうございます。よく分かりました。
○森部会長 1点、確認です。自己免疫性脳炎の場合には、背景に腫瘍がある場合とない場合がありますが、特に腫瘍の有無に関して、今回のこの薬剤適用は大きく影響はないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。先ほどの御説明とも少し重複してしまうのですが、今回、もともとの患者さんが少なかったというところで、本剤を投与する直前に自己免疫性脳炎の診断を行っております。その中で患者さんの背景も確認しており、患者背景が有効性等に特に影響する傾向はないことは確認しております。
○森部会長 ありがとうございました。今回も脳神経領域ということで、石川委員、もし御意見がありましたらお願いいたします。
○石川委員 ありがとうございます。私も機構の方の御説明に賛同です。実際上、選択肢が広いほうがいいということと、抗体の結果が返ってくる前に治療が必要になったりすることもあるということで、このような抗体の有無に関係なく治験が行われ、その有効性が評価されたという方向性には賛同します。これはこれでよろしいのではないかと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、先生方から御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。議題4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続きまして、議題5に移らせていただきます。議題5について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、医薬品ロープレッサ点眼液0.02%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.5の審査報告書を御覧ください。
 審査報告書通し番号5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤はRhoキナーゼ(ROCK)及びノルアドレナリントランスポーター(NET)に対する阻害作用を有するネタルスジルメシル酸塩を0.02%含有する点眼剤です。本邦では、20○○年○月から本剤の臨床試験が開始され、今般、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合の緑内障及び高眼圧症に対する有効性及び安全性が確認されたとして、本剤の製造販売承認申請が行われました。海外では、米国で2017年12月に、欧州で2019年11月に緑内障及び高眼圧症に係る効能・効果で承認され、2026年2月現在、42の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.23に記載されている6名の委員を指名いたしました。
 本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。通し番号24ページ、表14を御覧ください。今般の申請に当たり、国内第III相試験としてリパスジル点眼液を対象としたAR-13324-CS305試験、プラセボを対照としてラタノプロストに対する上乗せ効果を検討した101390001LT試験、長期投与試験である101390002LT試験が実施されました。
 まず、有効性について説明いたします。通し番号27ページ、「7.3.1 実薬対照国内第III相試験」の項を御覧ください。原発開放隅角緑内障患者及び高眼圧症患者を対象に、本剤単独投与時の有効性及び安全性をリパスジル点眼液と比較検討したCS305試験が無作為化単遮蔽並行群間比較試験として実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、27ページの表16を御覧ください。主要評価項目とされた有効性評価対象眼の投与4週後における平均日中眼圧値について、リパスジル群に対する本剤群の優越性が示されました。
 また、通し番号28ページ、「7.3.2 LAT点眼液併用国内第III相試験」の項を御覧ください。ラタノプロスト点眼液で眼圧下降作用が不十分な原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者を対象に、本剤のラタノプロストに対する上乗せ効果を検討した試験がプラセボ対照無作為化二重遮蔽並行群間比較試験として実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、29ページの表17を御覧ください。主要評価項目とされた有効性評価対象眼の投与4週後における平均日中眼圧値について、プラセボ/ラタノプロスト併用群に対する本剤/ラタノプロスト併用群の優越性が示されました。以上から、本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
 続きまして、安全性について、通し番号36ページ、「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与に当たりまして、ROCK阻害薬投与時の既知のリスクである結膜充血及びアレルギー・炎症関連の眼障害に加え、渦巻き角膜及び角膜上皮浮腫の発現に注意する必要があるものの、これらの事象に対する適切な注意喚起等が行われることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、先生方から御質問がありましたらお願いいたします。堀委員、どうぞ。
○堀委員 ありがとうございます。今、ご説明いただきましたが、例えば、ラタノプロストやグラナテックからこちらの当該薬に変更することは可能なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきましてありがとうございます。ラタノプロストで効果不十分な場合や使用できない場合につきましては、本剤が使用されるものと思います。また、グラナテックに対して優越性を示しておりますので、グラナテックからの切替えということも可能性としてはあるかと思いますが、臨床現場で御判断いただくものと考えております。
○堀委員 分かりました。点眼の回数が1日2回と1日1回という違いがあることで、患者さんの生活パターンに応じてまた双方で相談して決めるということで理解いたしました。ありがとうございます。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。本日、欠席の委員から、今回は特に事前に御質問はないですか。
○事務局 特には頂いておりません。
○森部会長 結構です。分かりました。ありがとうございます。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 教えていただきたいのですが、安全性については問題ないというコメントも頂いたのですけれども、審査報告書の35/55ページのマル3本剤の長期有効性について、という所の2行目なのですが、「併用投与したとき、被験者の半数近くが治験中止に至ったものの」と、半数が治験中止とのことですが、これはなぜ治験中止になってしまったのでしょうか。詳細を教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。中止に至った主な原因としまして有害事象が挙げられており、その要因の一つとしては、渦巻き角膜という本剤特有の事象があります。こちらについては視力等に大きな影響があるものではないですが、投与を続けると渦巻き角膜が持続してしまうということ等もあり、中止例が多くなったという経緯があります。
○宮川委員 ありがとうございます。安全性に特に問題ないと言われたものの、渦巻き角膜になって、充血等は書いてあるのですが、渦巻き角膜の記載がないというのはどう理解したらよろしいのでしょうか。実臨床に落とし込んだときにどのように解釈するのか、教えていただきたいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。今申し上げました渦巻き角膜、それから、治験の中では結膜充血も多く発現しましたが、まず渦巻き角膜につきましては、添付文書の重要な基本的注意8.2項で注意喚起を行っております。こちらにつきましては、渦巻き角膜が現れることがあるため、霧視や視力低下等がもし起きた場合には受診するよう患者に指導するとともに、本剤の継続の可否について慎重に判断することを重要な基本的注意で注意喚起させていただいております。また、結膜充血につきましても8.3項で注意喚起をしております。
○宮川委員 ありがとうございます。御説明では安全性については問題なかったとのことですが、そうではなく、そういうところをしっかりと文言の中に入れていただくことが重要ではなかろうかなと思っております。以上です。
○森部会長 本剤については、特に患者さん向け資材の予定はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、患者向け資材も作成予定です。
○森部会長 特に、一時的に霧視が生じた場合の機械の操作ですとか車の運転の注意喚起があります点も含めて、また渦巻き角膜など、患者さんにはなじみがない副作用も起こりますので、十分情報提供いただくことが重要かと思います。ほか、よろしいでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 要するに、治験を中止した被験者が半数以上と書いてあるわけですから、そこの注意喚起というのは非常に重く考えていただいたほうが、現場で実装されるときに非常によろしいのかなと思うのです。その表現も、添付文書の重要な基本的注意の8.1や8.2の項を含めて、先ほど座長からあったように、資材等を含めて、しっかりと注意喚起の文章に落とし込んでいただければ幸いかと思います。よろしくお願いいたします。
○森部会長 長期に使用した臨床成績については、今回の添付文書ではどの程度の情報公開がされているのか、若しくは今後、例えばインタビューフォームですとか、どういった形で公開されていくのか御提示いただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。今回、添付文書の中では、長期投与試験も含めた副作用の情報については11.2項に反映されております。17項につきましては、添付文書の記載要領では、原則として検証試験を記載することとなっており、それに従い、長期投与試験の成績は17項には現在記載しておりません。インタビューフォーム等には掲載されるのではないかと考えておりますが、それは企業で作成されるものですので、企業にそういった情報も提供することは重要だと考えるということはお伝えさせていただきたいと思います。
○森部会長 今回の承認に際して、有効性・安全性の検定に長期試験も行われているということを鑑みますと、添付文書に臨床試験成績として記載される内容にも、長期試験の内容が含まれていたほうが望ましいと考えます。また、安全性に関する副作用の情報については長期投与に関する付記をいただいていますが、もう少し具体的な内容のほうが、臨床現場で混乱が少ないという、宮川委員の御配慮かと思います。現状の二つの臨床試験に加えて、長期の投与に関する試験についても臨床成績の内容に含めていただき、かつ、インタビューフォームでも記載していただくということですと、より安全性に関する情報が分かるのではないかと思います。いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 医療従事者向け資材も作成予定でして、そちらには記載されるものと考えております。
○宮川委員 宮川です。長期投与というのは52週ということで考えてよろしいのですか。この試験というのは、52週をもって長期投与という試験だったと理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりです。
○宮川委員 実臨床では中断もありますが、52週より多く使われることが考えられますので、今、座長がおっしゃったような形で書き込みをしていただければ幸いかなと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 機構の方、いかがでしょうか。可能でしょうか。
○事務局 事務局です。はい、引き取って検討させていただきます。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。議題5につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続きまして、議題6に移らせていただきます。議題6につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6、マルシロン配合錠について、機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全19ページの通し番号で3ページを御覧ください。
 本剤の申請効能・効果である月経困難症は、月経に随伴して下腹部痛、腰痛等を呈する病的症状です。本剤は合成黄体ホルモンであるデソゲストレルと合成卵胞ホルモンであるエチニルエストラジオールをそれぞれ0.15mg及び0.02mg含有する低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(以下、「LEP配合剤」)です。本剤は連続投与期間を24~80日の間で任意に設定可能であり、これにより患者の嗜好や予定に合わせて出血のタイミングを調整できることが特徴です。
 今般、国内の臨床試験成績等に基づき、本剤の製造販売承認申請がなされました。本剤は2026年4月現在、避妊に係る効能・効果で50を超える国又は地域で承認されていますが、月経困難症に係る効能・効果で承認された国又は地域はありません。
 本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、8ページの表8を御覧ください。月経困難症患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目とされた治験薬投与開始から84日目までにおける月経困難症スコアのベースラインからの変化量について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されました。
 安全性について、12ページ、7.R.2.2項を御覧ください。LEP配合剤の既知のリスクである血栓症について、国内第III相試験においても関連事象が認められました。しかし、本邦では本剤と同一の有効成分を含有するマーベロン21及び同28が経口避妊薬として1999年から製造販売されており、安全性が確認されていること、本剤はエチニルエストラジオールの含量がマーベロンより少なく、血栓症リスクがマーベロンを上回る可能性は低いと考えられること等から、血栓症リスクについては既承認のLEP配合剤と同様に添付文書、患者向け資材等を用いて情報提供することにより管理可能と判断しました。その他、既承認のLEP配合剤と比較して新たな安全性上の懸念は示唆されておらず、本剤の月経困難症における安全性は許容可能と判断しました。
 また、以上の安全性プロファイルを踏まえ、現時点では市販直後調査及び製造販売後調査を実施せず、通常の医薬品安全性監視活動により本剤の安全性について情報収集し、適切な安全対策を確実に行うことで差し支えないと判断しました。
 以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないと判断しました。本剤は新医療用配合剤であることから、再審査期間は4年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問等ありましたら、お願いいたします。堀委員、どうぞ。
○堀委員 ありがとうございます。私からは幾つか質問させていただきます。まず、1点目は、すみません、素朴な質問なのですが、これは海外で経口避妊薬として使われているということは、これを服用中は妊娠の可能性はかなり低くなると考えてよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。エストロゲンとプロゲスチンの配合剤ですので、服用中は妊娠の可能性はかなり低くなると考えられますが、本剤はあくまでも月経困難症の治療薬として開発されておりまして、臨床試験でも月経困難症に対する有効性・安全性のみ確認されておりますので、避妊に対して使うものではございません。
○堀委員 ありがとうございます。それを踏まえた上で添付文書では、例えば8.17や8.18が書かれているということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そのとおりです。
○堀委員 先ほど、患者さん向けの資材も作成されるというようなことが御説明の中であったと思いますが、今のことも含めた上で、今回、添付文書を拝見していますと、禁忌の部分が非常に多いように思われました。特に2.5などにおいては、35歳以上で1日15本以上の喫煙者の場合、禁忌というようなことで、特に添付文書の中でも喫煙ということに関しては記載があったと思うのですが、そのようなものを含めて、より具体的な資材をお作りになる御予定でしょうか、教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 今、御質問いただいた2.5の喫煙のことに関しては、御説明させていただいたように血栓症のリスクを意識したものになっておりまして、血栓症のリスクに関しては患者向け資材を用意しております。
 その中で、症状やハイリスクな患者さんに関しての情報提供をさせていただく予定になっております。
○堀委員 月経困難症、非常に悩んでいらっしゃる女性は多いと思います。ただ、簡単に服用するというようなことがあっては、やはり禁忌に該当する項目がかなり多いと思いますので、それらの部分を先ほどの妊娠の可能性のことも含めた上で、より丁寧に作っていただけたら有り難いと思いました。
 あと、最後の質問なのですが、マルシロンの製剤写真を拝見いたしました。
今までですと、このような月経困難症の薬に関しては錠剤のシートは日付などのカレンダータイプだったと思いますが、今回はカレンダータイプではなく、少し違う形になっていたと思うのですけれども、この理由は何でしょうか、教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 本剤は、患者さんの嗜好や予定に応じて連続投与期間を24~80日の間で任意に設定できるという薬になっておりまして、個々の患者さんの御都合、予定、出血のコントロールに対する希望、医師の判断など、いろいろな要因によってスケジュールが変わってきます。
 一般的な月経困難症治療薬は28日周期で、カレンダータイプの製剤パッケージが多いですが、本剤はフレキシブルな服用方法ですので、カレンダータイプの製剤パッケージとすることが難しいところではあります。ただ、患者さんが飲み忘れをしないよう、服用するときに困らないように、患者向け資材やアプリなども企業は用意しておりますので、そういったものも活用しながら服薬スケジュールを立てていくというように考えております。
○堀委員 ありがとうございました。今おっしゃっていたように大体28日周期のものが今まで多かった中で、今回、患者さんの状況に応じて選べるということは非常に画期的なことだと思っております。だからこそ、今まで従来のお薬を飲んでいた方が、ちょっと飲み方に対して、やはり思い込みがあってしまうといけないかと思いますので、そこに関しても資材等で御説明いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。
○森部会長 今のシートは20個で1シートになっていると思いますが、あれは患者さんが服用した個数が把握しやすいようにという配慮なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 恐らく最大の連続投与日数が80なので、80を4で割った20というところで設定しているのではないかと推測はしています。
○森部会長 ありがとうございました。御専門の領域、小玉委員から、もし御発言がありましたら、いかがでしょうか。
○小玉委員 ありがとうございます。このお薬自身は少し内容量が違うのですけれども、マーベロンということで避妊目的でこれまで使われていた薬ですが、エチニルエストラジオールの含有量が下がったということから、一番の不安要素である血栓症の可能性も低くなるであろうということもあり、さらに、フレキシブルに日程調整できるということで非常に望まれる薬剤であると思っております。コメントでした。
○森部会長 御意見ありがとうございました。先生方から、ほかに御意見、御質問ありますでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 喫煙でニコチンを摂取することによる血管収縮ということで血栓と結び付くと考えることでいいのかどうかを教えて下さい。つまり、血栓の項目にそれが合致していくという薬理学的な効果で説明しているのか、その喫煙が何を示しているのか、ニコチンの副作用なのかどうか。
 それと、受動喫煙もあるわけですが、そういうことも含めてどのように考えるのかということも少しだけ触れておかれたほうがいいのかなと思いました。喫煙とは何をもって喫煙と定義するのか、喫煙をすることによって薬理学的な効果としては何が血栓を引き起こすのかということを教えていただきたいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 喫煙に関しては、他のLEP配合剤でも同様の注意喚起をしておりますが、血栓の一般的なリスク因子ということで注意喚起の文言の方に含まれているものと考えております。
○宮川委員 喫煙というものがどの物質の薬理作用として入ってきたのか、どうやって理解したらよろしいのでしょうか。喫煙が血栓のリスクを高めることは、循環器科では誰でもが理解していますが、そういう一般的な注意喚起なのか、または、これを特出しして示しているということは、何を特出ししているのでしょうか。それを添付文書にまで載せているということは、どのような薬理作用や機序として考えたらいいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 薬理学的な観点からの説明ではありませんが、疫学的な知見として、喫煙経験がある経口避妊薬の使用者で、VTEのリスクが高いといった知見は得られておりますので、そういった背景から添付文書で喫煙者に対して注意喚起しているというように理解しております。
○宮川委員 分かりました。従来のマーベロン21と28も同様な形であったのですけれども、そういう疫学的な知見という趣旨で読んでよろしいですか。疫学的な今までの知見の中で発症率が多かったことで注意喚起がされていると理解してよろしいですね。
○医薬品医療機器総合機構 既承認のLEP配合剤、経口避妊薬でも同様に喫煙者に対する注意喚起がなされていて、本剤も同じように注意喚起する予定です。
○森部会長 確認ですが、添付文書の禁忌の2.5の項ですと、その後に8.7、9.1.1、9.1.5、11.1.1の四つの項目が参照になっていて、それぞれ拝見しますと内容が補完されているということですので、これらも参照して禁忌を理解するということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 補足いただき、ありがとうございます。そのとおりです。
○森部会長 その他、先生方から御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、石川委員、小玉委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。議題6について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続きまして、議題7に移ります。議題7について機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題7、資料No.7、医薬品ウェイリズ錠400mgにつきまして、機構より説明いたします。
 審査報告書の一番下、全64ページの通し番号で4ページ、「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御覧ください。持続性及び慢性免疫性血小板減少症(ITP)は、血小板膜糖タンパク質に対する自己抗体が血小板に結合した結果、血小板の破壊が亢進し血小板減少を来す後天性の自己免疫性疾患であり、本邦では指定難病とされています。
 本剤は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤であり、B細胞に発現するB細胞受容体及びマクロファージに発現する結晶性フラグメントγ受容体のシグナル伝達を阻害することで、自己抗体の産生及び血小板の破壊を抑制する薬剤として開発されました。海外では欧米等で承認されています。今般、国際共同第III相試験の成績等に基づき、持続性及び慢性ITPを効能・効果として医薬品製造販売承認申請が行われました。本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。
 有効性について、38ページ、表27を御覧ください。過去にITPの一次治療に反応したものの効果が持続せず、ITPのいずれの標準治療に対しても不耐又は効果不十分である持続性及び慢性ITP患者を対象に、国際共同第III相試験である018試験が実施されました。本試験の二重盲検期では救済治療を実施せず、評価期間とされた投与14~25週の間に8回以上血小板数の測定が行われた患者のうち、測定ポイントの3分の2以上で血小板数が1μL当たり5万以上であった場合に持続可能な血小板反応が認められたと判断することとされ、主要評価項目とされた持続的な血小板反応の達成割合について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されました。
 また、重篤な出血性事象の発現割合は、プラセボ群と比較して本剤群で低かったこと、本剤群のうち持続的な血小板反応を達成した患者集団では、未達成の患者集団と比較して出血性事象の発現割合が低かったことなどから、既存治療を実施しても出血リスクがある持続性及び慢性ITP患者において本剤の有効性が示されたと判断しました。なお、本剤では効果が不十分な患者も一定数いることが示唆されたことから、添付文書の「7.用法・用量に関連する注意」の項において、本剤を12週間投与しても臨床的に重要な出血を回避するのに十分なレベルまで血小板数が増加しない場合、臨床試験成績を参照の上、本剤の投与中止を検討することを注意喚起することが適当と判断しました。
 安全性について、48ページ、7.R.2項を御覧ください。既承認のBTK阻害剤におけるリスクを含め検討した結果、本剤投与時に注意が必要な有害事象は、感染症、間質性肺疾患及び肝機能障害であると判断しました。ただし、血液疾患の治療に十分な経験を持つ医師の下で、有害事象の観察や管理、本剤の休薬・投与中止等の対応が適切になされるのであれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。本剤は、希少疾病用医薬品であることから再審査期間は10年、生物由来製品に該当せず、原薬及び製剤は劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方から御質問はいかがでしょうか。それでは私から質問です。有効性に関する情報を拝見いたしますと、血小板が増えてくるレスポンダーが、投与した方の一部であることです。ノンレスポンダーではほとんどプラセボと変わらない血小板の推移になっているということが、審査報告書で、確か図がありましたよね。
○医薬品医療機器総合機構 43ページの図3です。
○森部会長 43ページ、こちらを御覧いただきますと御確認いただけると思います。それで、レスポンダーの例数が31で、ノンレスポンダーが102例ですから、反応する方の方が少ないという状況です。そのためにレスポンダーかどうかを早めに判定をして、有効な方に使っていただくということなのですが、この点についてはどのような添付文書における記載になっているでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 具体的に申し上げますと、添付文書1ページの7.2項です。こちらに、「本剤を12週間投与しても臨床的に重要な出血を回避するのに十分なレベルまで血小板数が増加しない場合、本剤の投与中止を検討すること」と記載させていただいております。部会資料の時点ではここで終わっているのですけれども、実際にはこの後に、先ほど説明の中で触れさせていただきましたように、臨床試験の17.1.1項を参照するように追記することで申請者と調整済みです。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。それから、もう一点、血小板の過剰増多の症例が1例あったということで、この説明を少し補足していただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書51ページです。ここに記載しているのが過剰増多した1例の経過になっておりまして、7.R.2.3.5の3段落目「海外第I/II相試験では」という所を御覧いただければと思うのですけれども、投与開始435日目に血小板増多症が発現して、その後、肺血栓塞栓症が発現して治験薬の投与中止に至ったものの、転帰は回復ということです。この症例につきましては、COVID-19による肺炎が確認されまして、治験薬との因果関係は否定されている状況です。症例の詳細な情報につきまして、情報提供資材に書いて、医療現場にも提供できる準備はしております。以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。血小板数は109万まで増加したということですね。COVIDの肺炎の罹患の20日後ということで、特殊な状況ではありますが、血小板数が過剰に増えた1例として、資材にて情報提供いただくということで、今、理解いたしました。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 審査報告書内の試験の所にもたくさん出てくる表現の中に一つ、「救済療法」という言葉が出てくるのですが、この救済療法、そのタイミングも含めて、何をどのようにして救済療法を行ったのかということをお教えいただきたいです。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。少々お待ちください。
○宮川委員 例えば64分の38の表、二重盲検の表28ですけれども、救済療法が血小板の所で認められるわけです。そこの中に、救済療法を実施した患者さんのパーセンテージという形でプラセボ群と本薬群があると。プラセボ群の方が少し例数は多いわけですけれども、この救済療法というのは、何をどのような時期に、何をして行ったのかということを教えていただきたい。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。審査報告書の通し番号37ページの上の方の段落を御覧になっていただければと思います。タイミングとしては、血小板数が2万未満となった患者、並びに出血又は粘膜出血が認められた患者さんに関しては、救済療法を行うということが可能とされたという規定になっております。救済療法の内容としては、IVIg、高用量の副腎皮質ステロイドの静脈内注射、血小板輸血又は抗DIC療法となっております。
○宮川委員 この四つの方法がどのぐらいの割合だったのでしょうか。また、重複させる場合もありますけれども、この四つの方法がどのようなタイミングでどのような形になったのかが明らかにされないといけません。救済方法をどのようなタイミングで何を使ったのか、また、その差があったのかは何も書いてなかったものですから、そのことをお聞きしました。
○医薬品医療機器総合機構 一般的なITPの治療ではあったのですけれども、具体的なデータは今すぐにはお示しできないので、後ほど先生に共有させていただくことでもよろしいでしょうか。
○宮川委員 血小板輸血をすれば、そのまま血小板量が増えるわけです。それから、高用量のステロイドを使えば、それに対する反応ということも、惹起を抑えていくと、その中身は全然違うわけです。救済療法の中身にかなり差があるのです。実際には救済療法としてひとくくりにしていいわけではありません。でないと、この治療法をやったときに、何をやったら有効だったのか、何をファーストチョイスやセカンドチョイスとして何をやるべきなのかというのが全然分からないのですよね。
 救済療法を施行した例数、その差があって、それから、救済療法を実施せず、その数が3万、5万という所を二つ書いてあるわけですけれども、これは血小板輸血する量は増えるわけですから、これは当然のこと。ただ、それがどのぐらいのタイミングでこの救済療法をしなければいけなかったのかということも何も書いていないので、これ、本当にやっていてよかったのですかということにならないはずなんです。それのところの検討が全くされていないので、御質問させていただきました。臨床をやっていれば、この救済療法というのは四つが全く違うわけです。同列に扱われるものではないのです。補充したのと、治療したのと、反応ウオッチの人だと全然違うわけですから、そういう意味で御質問させていただきました。
○森部会長 機構の方、救済療法の内容は、各症例で把握されていらっしゃいますか。
○医薬品医療機器総合機構 データは、もちろんございます。
○森部会長 でしたら、医療現場に提供する資材の中に、その救済療法の詳細についても記載いただくという方向で、情報提供していただけないでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 それは可能です。
○宮川委員 そうしなければいけません。つまり、救済療法には違いがかなりあるのです。実際の医師や医療者が見れば、救済療法の違いは明白なので、どういうものがどのぐらいのパーセンテージであったかだけは十分に明記していただかないと、実装できないということを御理解ください。
○森部会長 多分、出血傾向の緊急度によっても変わってくるかと思いますので、実臨床の先生方が分かりやすいように提供いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。承知いたしました。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見はございますか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。議題7につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議はないようですので、承認を可とし薬事審議会に報告させていただきます。
 では、続きまして議題8に移らせていただきます。議題8につきまして機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題8、資料No.8、医薬品ジャクスタピッドカプセル小児用2mg他について、機構より説明いたします。
 審査報告書の一番下、全26ページの通し番号で5ページの「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御覧ください。本剤の有効成分であるロミタピドメシル酸塩は、ミクロソームトリグリセリド転送タンパク阻害薬であり、ホモ接合体家族性高コレステロール血症を効能・効果として、成人の用法・用量が承認されています。海外では米国において、同効能・効果で成人及び小児の用法・用量が承認されています。今般、海外第III相試験の成績等に基づき、2歳以上の小児に対する用法・用量を追加するための医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請、及び小児用製剤である2mgカプセルの剤形を追加する医薬品製造販売承認申請がなされました。
 本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、本申請における開発方針について、11ページの7.R.1項を御覧ください。
 小児の用法・用量の開発に際して、小児患者数は極めて限られており、国内のみで新たに臨床試験を実施することは困難であること、成人において日本人と外国人で有効性、安全性及び薬物動態に明確な違いは認められていないこと等を踏まえ、外国人小児を対象とした第III相試験成績に基づき申請されました。
 有効性については、10ページの表5を御覧ください。海外第III相試験において、主要評価項目である投与24週時のLDLコレステロールのベースラインからの変化率について、統計学的に有意な低下が認められました。
 安全性について、小児と成人の本剤の安全性プロファイルの比較は、15ページの表9を御覧ください。小児では成人と比較して、腹痛、発熱、心室肥大の心電図所見の発現割合が高かったものの、いずれも軽度又は中等度であり、臨床上大きな問題はないと考えました。その他の有害事象について、小児で成人と比較して安全性上の懸念は認められなかったことから、小児でも成人と同様の安全対策を講じることで本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
 用法・用量については、19ページの7.R.5項を御覧ください。5歳以上の患者について、海外第III相試験等の情報を踏まえて用法・用量を設定することは可能と判断いたしました。また、2~4歳の患者については、海外第III相試験に組み入れられなかったものの、5~10歳と同一の用法・用量で同様の曝露量が得られると推定されたこと、使用成績調査の結果から有効性・安全性が示唆されていること等から、治療選択肢が極めて限られていることも考慮し、5~10歳と同一の用法・用量を設定することは可能と判断いたしました。
 以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことは適当であると判断いたしました。本申請は希少疾病用医薬品かつ新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果及びその用法・用量の再審査期間を6年と1日とすることは適当と判断しています。薬事審議会では報告を予定しています。それでは、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明をどうもありがとうございました。委員の先生方から御質問がございましたらお願いいたします。では、堀委員、どうぞお願いいたします。
○堀委員 薬剤の性状を拝見したのですが、今回のカプセル小児用2mgで、直径がほかのものと同じ大きさで、これを2歳の方に飲ませるというのは無理があるかなと懸念はしています。その辺に関しては、今も2歳の方には試験を行っていないという御報告もあった上で、どのようにお考えなのかお聞かせいただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明いたします。2歳の小児患者において、どうしてもカプセルの服用が困難な場合には、カプセルを開けて服用する方法を資材等を用いて案内する予定となっております。
○堀委員 ありがとうございます。そうしますと、患者向け資材も作成していただけるということで、その点は保護者が非常に懸念するところだと思いますので、是非お願いいたします。
 もう一点なのですが、頂いた製剤の写真を拝見いたしました。今回2mgは、この添付文書では全て灰色ということで、同じく20mgのものは全て白色で、製剤の写真からですと灰色と白色というのがうまく区別がつかなかったのです。
 実際に製剤を御覧になって、違いは明確なのでしょうか。教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明いたします。写真よりも実際は色で区別できるようになっています。
○堀委員 ありがとうございます。5mg、10mgは赤ということで、色の違いがかなり明確で非常に分かりやすいと思うのですが、2mgと20mgが非常に分かりにくいと思ったので、もし可能であれば2mgの文字というか、カプセルに記載されている2mgの文字をもう少し大きくしていただくとかしていただけると非常に分かりやすいのではないかなと思いました。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂き、ありがとうございます。2mgと20mgが医療現場で取り違え等がないように何か工夫できないかというところを、企業に申し伝えたいと思います。
○堀委員 ありがとうございます。以上です。
○森部会長 それでは、小児領域の御専門でいらっしゃいます長谷川委員、御意見がございましたら、いかがでしょうか。
○長谷川委員 長谷川でございます。ホモ接合体の高コレステロール血症は決して多くはないので、恐らく私の地元でも1家系ぐらいしかないかなと思っております。ただ、先ほど堀委員からもありましたが、カプセルをどうやって飲ませるのかなというのが非常に気にはなっていたのですが、恐らく脱カプで行けるのかなとお伺いして安心いたしました。幼児に対しての治療薬は特にございませんので、期待できるものかなと考えております。選択肢が増えるのはいいことかなと思いますので、よろしいかと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。野津委員からも御発言いただいてよろしいでしょうか。
○野津委員 私も1点目はカプセルのことなのですが、先ほどの御説明だったら、家で脱カプセルして飲ませるという意味でしょうか。それとも薬局で脱カプセルして、それを持ち帰ることも可能なのでしょうか。湿度に注意とか、そういうものが関与してくると思うのですが。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明いたします。カプセルを取り外して内容物を調製するのは品質の観点から用時調製が必要となりますので、自宅で保護者にやっていただくこととなります。
○野津委員 そうなのですね。それなりの手間だとは思うのですが、そこは説明の紙がしっかりと配られるということですよね。
○医薬品医療機器総合機構 カプセルを取り外して中身を服用させるという操作方法は珍しいため、服薬方法に関する資材を配布する予定です。
○野津委員 そうですね。
○医薬品医療機器総合機構 資材では、例えば、どういう服薬補助食品に混ぜるのかや、どのぐらいの量に混ぜればいいのかなどを丁寧に情報提供する予定となっております。
○野津委員 ありがとうございます。あと、脱カプセルに関しては、通常、院外薬局が普通の脱カプセルはしてくれるのですが、間違えて院外薬局がやってしまうなどということは起こらないと考えてよろしいでしょうか。家で脱カプセルというのは、皆さん余り慣れていないと思うのですが。
○医薬品医療機器総合機構 機構より説明いたします。本薬は食直後に服用すると胃腸障害が起きてしまうため、夕食後2時間以上開けて服薬する必要がありますので、どうしても自宅で脱カプセルをして服薬する必要があると考えております。
○野津委員 すみません、脱カプセルをどこでするかの話で。
○医薬品医療機器総合機構 それで、どうしても夕食後になってくるので、自宅で脱カプセルすることになってしまうと思います。
○野津委員 多分、薬の性状とかで、脱カプセルして時間がたつと何か変化があるとか、そういうこともあるのだと思うのですが、私の質問は、普通は脱カプセルは、私たちが脱カプセルを指示すると院外薬局がやってくれて、脱カプセルしたものを持って帰るのが通常なのですけれども、そこの間違いが起こらないかということなのです。
○医薬品医療機器総合機構 本薬については自宅で用時調製が必要な点は資材で情報提供しておりますが、それに加えて予め院外で調製するといったことが起こらないように資材で情報提供いたします。
○野津委員 多分この指示は、私が小児科でカプセルの薬を出していて、家で脱カプセルするのですよという薬は初めて聞いたのです。ですので、そこがみんなにちゃんと浸透して、非常にまれなお薬なので、浸透して、間違えて院外薬局で脱カプセルしてしまって、それを渡すなどということはないのかというのが気になった次第なのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂き、ありがとうございます。医療従事者向けの資材において院外薬局でカプセルを外して調製することがないように情報提供させていただきたいと思います。
○野津委員 ありがとうございます。あと、これは非常にまれで、先ほどの長谷川先生と同意見で、私自身、ホモ接合体の患者さんを診たことがありません。ヘテロ接合体はいっぱいいるのですが、ホモ接合体は診たことがありません。もちろん重症の高コレステロール血症なのですが、多分、状況的に仕方がないのですけれども、通常は国外の、日本人が含まれない海外の国際共同治験でされたものは、日本人でも確認するのが通常だと思うのです。今回そのステップを省くことができた根拠を是非、御教示いただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。その点については、審査報告書の11ページに記載しております。まず、国内での開発を考えた際には、すでに海外第III相試験が実施されていました。国内で新たに試験を実施しようとした場合には、成人のホモ接合体の患者数が488例程度を考慮しても小児の患者数は極めて限られると考えられ、小児患者を対象として新たに国内試験を実施することは困難でした。また、成人においては有効性、安全性及び薬物動態について民族差がないことが確認されておりましたので、海外第Ⅲ相試験を利用することで日本人小児患者の有効性及び安全性を評価することは可能と判断いたしました。
○野津委員 今回は希少性を考慮して、やむを得ない処置ということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりです。
○野津委員 よく分かりました。ありがとうございました。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。カプセルの運用については、特に脱カプセルの手順については、添付文書に書いたほうがよいかもしれないですね。
 現場で混乱することがないようにということと、あとは永続的に続くようにということを考えますと、可能であれば御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 具体的な文言については、申請者と協議した上で決めさせていただければと思いますが、薬剤交付時の注意として、資材等をきちんと参照した上で服薬するよう指導する旨を注意喚起することを検討したいと思います。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。議題8については承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続いて、議題9に移らせていただきます。議題9について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題9、資料No.9、医薬品ソグルーヤ皮下注5mg他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。まず、審査報告書の通し番号5ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、ソマプシタン(遺伝子組換え)を有効成分とする週1回投与の成長ホルモン製剤であり、本邦において2021年1月に成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)、2023年6月に骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症の効能・効果で承認されています。本申請の適応疾患である骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症及び骨端線閉鎖を伴わないヌーナン症候群における低身長に対する標準治療は、成長ホルモン製剤による治療であり、従来の成長ホルモン製剤は1週間に6~7回の皮下投与が必要です。連日の注射が患者やその保護者等の負担となっていることから、週1回投与の成長ホルモン製剤は、注射回数を減らすことで負担を軽減させることが期待されます。
 今般、SGA性低身長症及びヌーナン症候群における低身長患者を対象とした国際共同第III相試験成績等に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本剤は、海外では欧米を含む50以上の国又は地域で、成人成長ホルモン分泌不全症及び骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症の適応に対して承認されています。また、SGA性低身長症及びヌーナン症候群における低身長の適応に対して、2026年2月に米国で承認され、2026年5月現在、欧州では審査中です。本品目の専門協議では、資料No.23に示す先生方を専門委員として指名させていただいています。
 以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。SGA性低身長症に対する有効性については、審査報告書の21ページの表21を御覧ください。SGA性低身長症患者を対象に国際共同第III相試験が実施され、主要評価項目である投与52週時の年間成長速度について、週6~7回投与の既承認成長ホルモン製剤であるノルディトロピン0.035mg/kg及びノルディトロピン0.067mg/kgに対する本剤の非劣性が示されました。
 ヌーナン症候群における低身長に対する有効性については、審査報告書の27ページの表28を御覧ください。ヌーナン症候群における低身長患者を対象に国際共同第III相試験が実施され、主要評価項目である投与52週時の年間成長速度について、ノルディトロピン0.050mg/kgに対する本剤の非劣性が示されました。
 SGA性低身長症に対する安全性については、審査報告書の37ページの表43を、ヌーナン症候群における低身長に対する安全性については、審査報告書の41ページの表48を御覧ください。ここでは、国際共同第III相試験における有害事象の発現状況を示しています。臨床試験において認められた主な有害事象は、週6~7回投与の既承認成長ホルモン製剤を投与した際に認められる既知の事象であり、ノルディトロピン群と比較して本剤群で新たに懸念すべき事象は認められませんでした。したがって、既承認成長ホルモン製剤に準じて設定された本剤の既存の注意喚起の下で使用されるのであれば、本剤の安全性は管理可能と判断いたしました。
 以上の検討の結果、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症及び骨端線閉鎖を伴わないヌーナン症候群における低身長を効能・効果として本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は、新効能及び新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断しています。薬事審議会では報告を予定しています。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明をどうもありがとうございました。では、先生方から御意見を頂きます。いかがでしょうか。では、小児領域の野津委員から御意見を伺います。お願いいたします。
○事務局 申し訳ございません。野津委員は別の会議の御予定のため、退室されました。
○森部会長 では、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 成長ホルモンの長時間作動型ということで、既に成長ホルモン分泌不全では、かなり成績がいいということです。ただ、一番のメリットは、アドヒアランスが非常に上がることがメリットかなと思います。週6~7回の注射だと、どうしても親御さんの負担であったり本人の負担も多いので、その辺りは週1回になって同等の成績が得られるということであれば、非常に有意義な薬剤かなと思っております。以上です。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととなっています。議題9について承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続いて、議題10に移ります。議題10について、機構から説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題10、資料No.10、医薬品サデルガカプセル25mg、同カプセル100mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。
 まず、審査報告書の通し番号5ページ、「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御参照ください。サデルガカプセル(以下、「本剤」)は、エリグルスタット酒石酸塩を有効成分とする薬剤であり、2015年3月に成人を対象に「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善」の効能・効果で承認されています。
 今般、小児のゴーシェ病患者を対象とした国際共同第III相試験の成績に基づき、6歳以上の小児に対する用法・用量を追加するための医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が、また25mgカプセルの剤形を追加する医薬品製造販売承認申請がなされました。本剤は、2026年2月時点において、欧米を含む50を超える国又は地域で承認されており、小児のゴーシェ病に係る適応は欧州及び英国で承認されています。本品目の専門協議では、資料No.23に示す先生方を専門委員として指名しました。
 以降、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。まず、審査報告書の通し番号19ページの図1を御覧ください。
 ゴーシェ病の基本治療である酵素補充療法(以下、「ERT」)を受けているゴーシェ病I型及びIII型の小児患者を対象に、国際共同第III相試験が実施されました。本試験では二つのコホートが設定されており、図1に示すコホート1はERTによりゴーシェ病の治療目標を達成している患者を対象とし、ERTから本剤に切り替えて投与を開始することとされました。
 本剤の有効性について、主にコホート1の結果に基づいて説明します。審査報告書の通し番号20ページの表12を御覧ください。有効性に係る主な評価項目として、本剤投与52週時におけるヘモグロビン濃度、血小板数、肝容積及び脾容積のベースラインからの変化量又は変化率が検討され、いずれの項目についてもベースライン時と比較して、おおむね維持される傾向が認められました。
 また、審査報告書の通し番号25ページ、表16を御覧ください。先ほど申し上げた評価項目に加えて、全身の骨密度や総骨髄負荷スコアなど、骨症状に関わる評価も検討されました。投与52週時において、いずれの項目もベースライン時よりおおむね維持される傾向が認められました。
 続いて、審査報告書の通し番号28ページの表22及び表23を御覧ください。
本試験は2歳以上の小児患者を組入れ対象としたものの、実際に組み入れられた2歳以上6歳未満の患者さんは3例でした。6歳未満の3例では、ほかの年齢集団に比較して肝容積及び脾容積のベースラインからの変化率が悪化する傾向が認められ、また、3例のうち2例は脾容積の増加により、試験の途中に本剤とERTを併用するレスキューステップに移行することとなりました。
以上の結果を踏まえ、本剤の年齢に関する適応の範囲は6歳以上とすることが適切と判断しました。
 また、本試験における日本人の小児患者はコホート1の3例であり、参加した患者数は少ないものの、いずれの評価項目においても全体集団と同様の傾向を示しました。したがって、日本人患者においても全体集団と同様に本剤の有効性は期待できると判断しました。以上の結果を踏まえて、6歳以上の小児患者に対して本剤の有効性は期待できると判断しました。
 続いて、安全性については、審査報告書の通し番号32ページの表27を御覧ください。本試験において認められた主な有害事象は、感染症疾患のほか、消化不良、頭痛等の成人のゴーシェ病患者における本剤の既知の事象でした。また、重篤な副作用は1例に認められたものの、転帰は回復であり、長期投与時の安全性についても臨床的に問題となる傾向も認められませんでした。以上より、認められる有効性を考慮すると、成人と同様の注意喚起の下で小児患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 以上の検討の結果、小児のゴーシェ病に対して、本剤を承認して差し支えないとの結論に至り、本部会で審議されることが適当と判断しました。本申請は、希少疾病用医薬品かつ新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果及び用法・用量の再審査期間は6年1日とすることが適当と判断しています。また、25mgカプセル製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。薬事審議会では報告を予定しています。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方から御質問はありませんか。では、小児領域ということで、長谷川委員、いかがでしょうか。
○長谷川委員 ありがとうございます。ゴーシェ病は決して多くはないので、エントリーは少なかったのだと思います。ただ、今、全国的に行われている拡大新生児のマススクリーニングにゴーシェ病が入りつつあって、全国的な動きとして行っていく方向になりますので、隠れているというか、見つけられなかった患者さんなどが早くに見つかって、新生児期に見つかって治療対象になってくるときに、きちんと治療があるというのはよろしいことかなと思います。
 ERTと一緒に併用してということでも、選択肢が増えるのはよろしいことかなと思って拝聴していました。ありがとうございました。
○森部会長 ありがとうございました。そのほかの方から御意見はいかがでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっています。議題10について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議ないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続きまして、議題11に移ります。議題11について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題11、資料11、希少疾病用医薬品として指定することの可否について、御説明します。今回、御審議いただく品目一覧は資料11-1のとおりです。11-2から順を追って説明します。
 まず、11-2、NS-035、申請者は日本新薬株式会社、予定効能・効果は「福山型先天性筋ジストロフィー(以下、「FCMD」)で、指定難病である筋ジストロフィーの病型の一つです。FCMDは、常染色体潜性遺伝性疾患で、新生児より全身性筋力低下、筋緊張低下を認め、緩徐に進行し、10代で寝たきりとなります。その後、呼吸機能低下、誤嚥性肺炎、窒息、心不全等によって死に至り、平均寿命は17.6歳とされていますが、本邦においてFCMDに対して承認された治療薬はありません。本剤は、mRNA前駆体の正常なスプライシングを誘導するよう設計されたアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、正常なフクチンの発現を促すことによってFCMDの改善が期待されます。現在、国内第II相試験を実施中です。
 続きまして、資料11-3、バミキバルト(遺伝子組換え)、申請者は中外製薬株式会社、予定効能・効果は「非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫」です。本邦における患者数は2.57万人と推定されています。非感染性ぶどう膜炎(以下、「NIU」)に伴う黄斑浮腫は、ぶどう膜炎患者における最も一般的な構造的損傷を伴う合併症であり、長期的に未治療又は十分に治療しないまま放置すると、黄斑部の永続的な光受容体損傷により中心視力の喪失をもたらす可能性があります。本邦では、トリアムシノロンアセトニドがNIUに伴う黄斑浮腫の軽減に係る効能・効果で承認されていますが、安全性の制約により継続的な長期投与が困難となる患者が存在することから、非ステロイド性の新たな治療選択肢が必要とされています。本剤はIL-6に結合するヒト化IgG2モノクローナル抗体であり、IL-6のシグナル伝達を阻害し、炎症を抑制することで黄斑浮腫を低減すると期待されます。現在、国際共同第III相試験を実施中です。
 続きまして、資料11-4、Dipalmitoyl hydroxyproline、申請者はQuoin Pharmaceuticals社、予定効能・効果は「ネザートン症候群」です。当該疾患は、難病指定されている先天性魚鱗癬に含まれる疾患の一つです。ネザートン症候群は、先天性紅皮症、特異的な毛幹異常、紅斑等を認める疾患で、本邦において承認されている薬剤はありません。本剤はセリンプロテアーゼ阻害剤であり、皮膚バリアを修復し、ネザートン症候群の根本的な病態を改善することが期待されます。現在、海外第II相試験を実施中であり、国際共同第III相試験を計画中です。
 続きまして、資料11-5、KK8398、申請者は協和キリン株式会社、予定効能・効果は「骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症」です。軟骨無形成症は指定難病です。軟骨無形成症は、出生時より近位部優位な四肢短縮を認め、幼児期より脊柱弯曲、関節可動域の制限等が認められ、患者の身体機能が制限されます。本邦では、軟骨無形成症に対しヒト成長ホルモン剤やボソリチドが承認されていますが、ヒト成長ホルモン剤は長期投与に関する報告では十分な伸長効果が得られたとするものはなく、ボソリチドは1日1回の皮下投与であるため負担が大きく、新たな選択肢が必要とされています。本剤は、海外第II相試験で有効性が示唆されており、国内外で第III相試験等が実施中です。
 続きまして、資料11-6、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)、申請者は中外製薬株式会社、予定効能・効果は「ループス腎炎」です。当該疾患は、指定難病である全身性エリテマトーデスのうち、腎症状を伴う疾患です。ループス腎炎患者のうち、10年以内に末期腎疾患に進行する患者は約5~20%の報告があります。本邦では、ボクロスポリン及びリツキシマブ等が承認されていますが、寛解維持やグルココルチコイドの減量・中止に対する効果は十分ではなく、新たな治療選択肢が必要とされています。本剤は、海外第III相試験において有効性が示唆されており、国内第III相試験を実施中です。
 続きまして、資料11-7、ベドリズマブ(遺伝子組換え)、申請者は武田薬品工業株式会社、予定効能・効果は「中等症から重症の活動期クローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」です。クローン病は指定難病であり、今回は小児に限ったオーファン指定の申請になります。クローン病は、原因不明の免疫異常が関与する肉芽腫性炎症性疾患であり、若年者に多く発症し、消化管のあらゆる部位に浮腫や潰瘍を認め、腸管狭窄や瘻孔等が生じる疾患です。本邦では、ステロイドや免疫抑制剤等の既存治療で効果が不十分な中等症から重症の小児クローン病患者に対し、インフリキシマブが用いられますが、二次無効となる場合もあり、異なる作用機序を持つ新たな治療選択肢が必要とされています。本剤は、ヒトリンパ球α4β7インテグリンを標的としたモノクローナル抗体製剤であり、成人のクローン病に対して承認を有しています。本剤の静脈内投与製剤は2~17歳の中等症から重症の活動期クローン病患者を対象とした国際共同第III相試験で有効性が示唆されています。皮下投与製剤を用いた国際共同第III相試験が実施中です。
 資料11-8、同じくベドリズマブ(遺伝子組換え)、予定効能・効果は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」です。
 潰瘍性大腸炎であり、こちらについても小児に限ったオーファン指定に関する指定申請です。潰瘍性大腸炎は、主として大腸の粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明の炎症性腸疾患であり、持続性又は反復性の粘血便・血性下痢を呈します。本邦では、既存治療で効果が不十分な中等症から重症の小児潰瘍性大腸炎患者に対して、インフリキシマブ、アダリムマブが用いられますが、二次無効となる場合もあり、異なる作用機序を持つ新たな治療選択肢が必要とされています。本剤は、成人の潰瘍性大腸炎に対して承認を有しており、静脈内投与製剤は2~17歳の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象とした国際共同第III相試験で有効性が示唆されています。 現在、皮下投与製剤を用いた国際共同第III相試験が実施中です。
 続きまして、資料11-9、ヒト骨形成因子2(遺伝子組換え)、申請者は藤本製薬株式会社、予定効能・効果は「自家骨移植が必要な偽関節」です。本邦における年間患者数は6,000人であり、自家骨移植が必要な偽関節の患者はさらに限定されます。
 偽関節は、骨折部の骨癒合の過程が完全に停止し、追加の処置なしでは骨癒合がそれ以上進行しない状態であり、患部の異常可動性や長期的に継続した疼痛により運動機能が低下することから重篤な疾患です。現在、偽関節に係る効能・効果で承認されている治療薬はありません。本剤は、骨形成因子受容体に結合し、間葉系幹細胞を骨芽細胞及び軟骨芽細胞に分化させ、骨及び軟骨形成を促進する作用を有する薬剤であり、国内第I/II相試験で有効性が示唆されています。現在、国内第III相試験を計画中です。
 以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えています。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、先生方から御質問、御意見はありませんか。特段ありませんか。では、議決に入らせていただきます。
なお、阿古委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっています。議題11について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続きまして、議題12に移ります。議題12について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題12、資料12、etentamigを先駆的医薬品として指定することの可否について御説明します。申請者はアッヴィ合同会社、予定効能・効果は「再発又は難治性の全身性ALアミロイドーシス」です。
 まず、指定要件の一つ目「治療薬の画期性」ついてです。本剤は、BCMA及びCD3に対する抗原結合部位を有するヒト二重特異性抗体であり、異常形質細胞の細胞膜に発現するBCMA及びT細胞の細胞膜に発現するCD3の両者に結合します。それにより、BCMAを発現する異常形質細胞に対してT細胞依存性の細胞傷害活性を誘導し、異常形質細胞の増殖を抑制すると考えられています。本薬と同一の作用機序を有する既承認薬として多発性骨髄腫に対する治療薬はありますが、全身性ALアミロイドーシスに対する治療薬は初めてです。
 次に、指定要件の2「対象疾患の重篤性」についてです。当該疾患は報告書に記載していますが、予後不良であり、生命に重大な影響がある重篤な疾患と考えられます。
 続いて、指定要件の3「対象疾患に係る極めて高い有効性」についてです。
本邦において、全身性ALアミロイドーシスに係る効能・効果で承認されている薬剤は、ダラツムマブ及びボルヒアルロニダーゼアルファの配合剤、シクロホスファミド水和物、ボルテゾミブ並びにデキサメタゾンの4剤のみで、これらを併用する治療法が未治療の全身性ALアミロイドーシスに対する標準治療と位置付けられています。一方、再発難治性の全身性ALアミロイドーシスに対する標準的治療は確立されていません。本剤は国際共同第I/II相試験において有効性が現在、示唆されている状況です。
 最後に、指定要件の4「世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思・体制」についてですが、世界に先駆けて本邦で承認申請を行う予定と説明されています。したがいまして、先駆的医薬品の指定の4要件を満たしていると考えています。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、先生方から御質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。議題12について、指定を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続きまして、報告事項及びその他の議題に移らせていただきます。報告事項の議題1~6及びその他の事項、議題2については、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項について御説明します。今回の報告事項の議題一覧については資料13のとおりです。1から順を追って説明します。
 まず、議題の1、資料14、リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mgについて、全薬工業株式会社より、下記のネフローゼ症候群、頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群に関して、現在、小児で既に承認を有していますが、成人に係る用法・用量の追加に係る一部変更承認申請がありました。こちらは機構において審査を行いまして、承認して差し支えないと判断しています。
 続きまして、議題2、資料15、シムレクト静注用20mg、同小児用静注用10mgについて、ノバルティスファーマ株式会社より、下記の臓器移植後の急性拒絶反応の抑制、腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植に係る効能・効果、用法・用量の追加に係る一部変更承認申請がありました。現在、腎移植について承認をされていますが、それ以外について効能等を追加するものです。こちらは機構において審査を行いまして、承認して差し支えないと判断しています。
 続きまして、議題3、資料16、ゼオマイン注用50単位、同注用100単位、同注用200単位について、帝人ファーマ株式会社より、痙性斜頸、眼瞼痙攣に係る効能・効果、用法・用量の追加に係る一部変更承認申請がありました。こちらは機構において審査を行いまして、承認して差し支えないと判断しています。
 続きまして、議題4、資料17、ボトックス注用50単位、同注用100単位について、グラクソ・スミスクライン株式会社より、下肢痙縮に係る用法・用量、現在の投与単位数に係る変更に関する申請がありました。こちらについても機構において審査を行いまして、承認して差し支えないと判断しています。
 続きまして、議題5、資料18、医療用医薬品の承認条件についてです。ビバンセカプセル20mg、同カプセル30mgについては、「小児期における注意欠陥多動性障害(AD/HD)」の効能・効果について、「使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること」とする承認条件が付されていました。
 この度、製造販売業者である武田薬品工業株式会社より、当該承認条件への対応として、特定使用成績調査における製造販売後の乱用・依存性に関する情報等が提出されています。機構において、本剤の製造販売後の乱用・依存性を含む安全性及び本剤の適正使用に関する情報が適切に収集されていること、収集された情報に基づいて本剤の適正使用に必要な措置を講じられていることが確認されたことから、引き続き流通管理を含む本剤の適正使用に必要な措置を講じることを前提として、当該承認条件を解除して差し支えないと判断しています。
 続きまして、議題6、医療用医薬品の再審査結果についてです。資料19-1、ナルサス錠2mg、同錠6mg、同錠12mg、同錠24mg、また資料19-2、ナルラピド錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、また資料19-3、ナルベイン注2mg、同注20mg、いずれについても第一三共株式会社より、中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛に係る効能・効果について、再審査の申請がありました。
 また、資料19-4について、ロナセンテープ20mg、同テープ30mg、同テープ40mgについて、住友ファーマ株式会社より、統合失調症に係る効能・効果について、再審査の申請がなされています。
 また、資料19-5、リンゼス錠0.2mgについて、アステラス製薬株式会社より、便秘型過敏性腸症候群、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)に係る効能・効果について、再審査の申請がなされています。
 また、資料19-6、リオナ錠250mgについて、塩野義製薬株式会社より、鉄欠乏性貧血に係る効能・効果について、再審査の申請がなされています。
 いずれについても機構において確認を行いまして、カテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しています。
 続きまして、その他の事項です。その他の事項、議題2です。資料は21です。
 コルヒチン錠について、コルヒチン中毒による死亡症例が複数件報告をされています。こちらの状況を踏まえまして、令和8年2月に警告欄を含む添付文書改訂を行ったところです。こちらの中毒の原因として、コルヒチンの高用量投与が考えられたことから、コルヒチン錠の用法・用量について、痛風発作に係る用法・用量について上限を下げる一部変更承認申請がなされています。こちらは機構において評価を行いまして、承認していく方針としたいと考えているところです。報告については以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、先生方から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、報告事項の議題1~6及びその他の事項、議題2については、御確認いただいたものとさせていただきます。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会ですが、令和8年8月3日、午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日も御審議、誠にありがとうございました。以上です。失礼します。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬品審査管理課 専門官 津田(内線4233)