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第57回 社会保障審議会生活保護基準部会議事録
日時
令和8年5月26日(火) 16:00~18:00
場所
AP虎ノ門11階A室
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル)
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル)
出席者(五十音順)
- 岩村 正彦
- 宇南山 卓
- 新保 美香
- 嵩 さやか
- 栃本 一三郎
- 永田 祐
- 村田 啓子
- 若林 綠
議題
- 令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)
議事録
○岩村部会長 皆様、こんにちは。定刻でございますので、ただいまから第57回「社会保障審議会生活保護基準部会」を始めさせていただきます。
委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中を御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
事務局から、本日の委員の皆様の出欠状況と資料の確認をお願いしたいと思います。また、オンラインで出席されている委員の方がいらっしゃいますので、改めてということではありますけれども、発言方法などについて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 本日は、対面及びオンラインを組み合わせての実施とさせていただきます。また、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。アーカイブ配信はいたしませんので、あらかじめ御了承ください。
まず、本日の委員の出欠状況でございますが、岡部委員より御欠席との御連絡を受けておりますが、その他の委員には御出席をいただいております。
それでは、お手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。
本日の資料でございますが、議事に関しまして、資料「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」、参考資料1「令和6年全国家計構造調査 収支項目分類一覧」、参考資料2「平成27年1月9日社会保障審議会生活保護基準部会報告書」を御用意しております。
会場にお越しの委員におかれましては、机上に御用意してございます。
オンラインにて出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。
次に発言方法について、オンラインで御参加の委員の皆様には、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は、基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきます。御発言をされる際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックいただき、部会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言ください。御発言が終わりました後は、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を下ろす」をクリックいただき、併せて、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、早速議事に移らせていただきたいと思います。
本日の議事は、お手元の議事次第にありますように「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」となっております。
今日の議事の進め方でございますけれども、前半と後半とに分けまして、まずは検討事項のうち、生活扶助本体の検証に係ります「1. 生活扶助基準本体(第1類・第2類)の検証」から「3.消費実態による検証を補完する方法」について御審議いただきたいと考えております。
そこで、まず事務局から御用意いただいている資料の説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 社会・援護局保護課の榎でございます。
それでは、資料「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」の前半部分を御説明させていただきます。
今回の資料につきましては、前回の基準部会において御議論いただきました検証作業の進め方に対して、前回いただいた御意見を反映するとともに、一部の項目についてはさらに踏み込んだ作業内容を整理すべく御用意しているものでございます。
ページをお開きいただきまして、2ページを御覧いただければと思います。
前回の基準部会における主な御意見をおまとめしております。
まず、1つ目の○については本体の検証のパートでございます。低所得世帯の消費水準の中位所得比と展開後の消費水準の中位所得比、これらの差を検討する上では、世帯類型ごとに標準偏差がかなり違う可能性があるので、標準偏差の情報を追加するとよいといった御意見でございます。
3つ目の○でございます。こちらは調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法のパートでございます。インフレに関して、物価も考慮しなくてはいけない一方で、消費も丁寧に見て慎重に議論していく必要がある。定期検証のときに統一的なルールを設けることについても考える必要があるのではないかといった御意見でございます。
4つ目以降の○については、「消費実態による検証を補完する方法」のパートでございます。社会的必需項目に関して、デジタル系の項目の精査が必要との御意見。冠婚葬祭以外の社会参加に関する項目の検討が必要との御意見。どのような項目がないと生活が困難になるのか、精査するとよいといった御意見でございます。
また、最後の○については、耐久財の保有の有無で支出が変わり得るため、耐久財の保有状況を確認してはどうかという御意見でございます。
続きまして3ページ、こちらも主な御意見の続きでございます。
上にございます2つについては、「その他の扶助・加算の検証」に関する御意見でございます。昨今の原油高や電気代上昇の状況などを踏まえると、平成27年の見直しから間が空いている冬季加算については、比較的優先的に対応する必要があるのではないかという御意見。
また、教育扶助について、教育環境の変化や給付金の増加などもあり、整理していく必要があるのではないかという御意見でございます。
下2つについては、そのほか関連する御意見をおまとめしたものでございます。定期検証の間の調整に関して、物価や家計調査を使って補正した場合、その後の定期検証結果との整合性を確保していく仕組みについても事前に考えておく必要があるのではないかという御意見でございます。
また、厚生労働省の適切な判断で行うことであるが、昨今の状況を踏まえると、専門家から見て妥当性の高いものであることが重要との御意見でございます。
続きまして、4ページを御覧いただければと思います。
水準検証に関する検証の方針(案)につきまして、前回の基準部会でお示ししたものから赤字の部分を変更してございます。
まず、3つ目の○でございます。こちらは新たに加えたものではなく、別のパートから記載場所を移動させているものでございます。夫婦子1人世帯における消費支出全体の費目別内訳について確認を行うという内容でございますけれども、こうした作業は水準検証の結果の妥当性の確認に資すると考えられますので、記載場所をこちらの水準検証のパートに移してございます。
4つ目の○でございます。世帯構成別の低所得世帯における生活扶助相当支出の中位所得対比の確認に関しまして、前回の御指摘も踏まえて、「データのばらつき具合がどの程度かについても併せて確認する」という旨を追加してございます。
これら以外に変更すべき点などないか、改めまして御確認をいただければと思います。
5ページを御覧いただければと思います。
水準検証の個々の作業内容につきまして一つ一つ確認いただくべく、取扱いを整理してございます。
まずは夫婦子1人世帯の定義、それから、生活保護を受給していると推察される世帯の取扱いについてでございます。
令和4年検証におけるそれぞれの取扱いについては、ページの下側にお示ししているとおりでございます。
夫婦子1人世帯の定義については、「勤労者世帯であって、親の年齢が65歳未満、子の年齢が18歳以下(18歳は高校生に限る)」と定義してございました。
また、生活保護を受給していると推察される世帯については除外するという取扱いにしてございまして、その際の除外をする世帯については、やや技術的ではございますけれども、マル2のほうにお示ししてございます。全国家計構造調査のデータから一定の条件を満たす世帯を設定するという形を取ってございました。
いずれについても、今回も令和4年検証と同様の取扱いでよいか確認をさせていただければと思います。
6ページを御覧いただければと思います。
水準の調整における外れ値の取扱いについてでございます。令和4年検証では、この下段にございますとおり、生活扶助相当支出の対数について、平均プラス標準偏差の3倍を超えるサンプルの該当がなかったということを確認してございました。今回についても、令和4年検証と同様の基準により外れ値の有無を確認するということでよいか、また、外れ値があった場合の対応をどうするかという点について御意見を頂戴できればと思います。
7ページを御覧いただければと思います。
夫婦子1人世帯の第1・十分位における消費支出全体の費目別内訳でございます。令和元年から令和6年にかけての消費の変化を確認するということは、水準検証の結果の妥当性の確認に資すると考えられますことから、こちらの表に示すとおり、消費支出全体、生活扶助相当支出の双方について、変化率の費目別寄与度を確認するということとしてはどうかと考えております。その際の内訳としまして、10大費目以外に確認すべき品目があるかどうか、こちらも含めまして御意見を頂戴できればと思います。
8ページを御覧ください。
年収階級第1・十分位が比較対象として適当かどうかを確認する指標についてでございます。令和4年検証で確認しました指標を基本としつつ、前回の基準部会の御意見を踏まえて、このページ一番下にございます「社会的必需項目の不足状況」の部分に「耐久消費財の保有状況」を追加してございます。これらのほか、確認すべき指標として考えられるものがあれば御指摘をいただければと思います。
9ページを御覧ください。
年収階級第1・十分位の適当性を確認する指標の一つである「固定的経費割合」の算出方法についてでございます。令和4年検証では、消費支出全体が1%増加するときに増加率が1%未満となる支出項目を「固定的経費」として定義をしまして、回帰分析により各支出項目の判定を行っておりました。今回も令和4年検証と同様の取扱いでよいか、御意見をいただければと思います。
10ページは令和4年検証における固定的経費の判定結果でございます。
また、11ページから12ページについては、令和4年検証における第1・十分位の適当性を確認する指標の集計結果をお示ししてございます。これらの集計様式についても、何かございましたら御指摘等いただければと思います。
続いて、13ページを御覧いただければと思います。
世帯構成別の低所得世帯における消費水準の中位所得対比についてでございます。前回の基準部会の御意見を踏まえまして、世帯構成別の低所得世帯における消費データのばらつき具合を見るために、標準偏差を平均値で割った変動係数を確認することとしてはどうかと考えております。この点について何かございましたら、御意見をいただければと思います。
14ページを御覧ください。
ここからは基準体系の検証のパートになります。検証の方針案、それから、論点の案、こちらの記載については前回の基準部会から特段変更はございません。これまでの検証方法を踏襲するという方針で作業を進めていければと考えてございますけれども、次ページ以降では、個々の作業内容について一つ一つ確認いただくべく、取扱いを整理してございます。
15ページを御覧いただければと思います。
説明変数、それから、対象範囲の設定についての確認でございます。令和4年検証では回帰分析に基づいて消費較差指数を算出しており、その際の説明変数はこちらの表に示すとおりに設定してございました。
また、分析に用いたサンプルの対象範囲についても、表の一番下にございますとおり、生活保護を受給中と推察される世帯を除いた上で、単身、2人、3人、4人、5人とそれぞれの世帯人員の区分ごとに年収階級第1・十分位を抽出するという取扱いにしてございました。
そのほか、細かな点ではございますけれども、ページ下部の※の部分のとおりの取扱いをしてございます。
特に2つ目の※については集計用乗率についてでございます。水準検証や第1・十分位の抽出に当たっては、集計用乗率を用いて復元をするという作業を行ってございますけれども、基準体系の検証における回帰分析の際には特段乗率の考慮はせず、サンプルの重みづけは行わない。このような取扱いにしてございました。
こうした点も含めまして、今回も令和4年検証と同様の取扱いでよいか、御意見を頂戴できればと思います。
16ページを御覧いただければと思います。
令和4年検証では、回帰分析における説明変数の設定についてある程度時間を割いて御議論をいただき、多くの見直しを行っておりました。御参考までにその概要をお示ししてございます。
まず、世帯人員数と年齢構成に関する変数については、各体系別の消費較差を同一の回帰式から算出する方法に変更するとともに、世帯人員数ダミーと各年齢階級の構成割合を説明変数として設定してございました。
また、収入・資産・家賃に関する変数についても、ページ下部のマル2に記載のとおり、それぞれ取扱いの変更を行ってございました。
17ページは、御参考までに令和4年検証において回帰分析の結果から各体系別の消費較差を算出した際の方法をお示ししてございます。
18ページを御覧いただければと思います。
基準体系の検証における外れ値の取扱いについてでございます。令和4年検証では、頻度の低い消費支出の状況を反映できなくなってしまう可能性があるということで、回帰分析に当たって外れ値の処理は行わないという整理を行っておりました。
また、同時に、※にございますとおり、一定の閾値を超えるサンプルの有無を確認し、第2類については一部該当があったものの、外れ値を処理したとしても消費較差指数の算出結果にほぼ影響がないことを確認してございました。
今回についても、令和4年検証と同様に、特段の外れ値処理を行わないということを基本としつつ、外れ値の有無、それから、その影響を念のため確認するということでよいか、御意見をいただければと思います。
19ページは御参考でございます。令和4年検証における級地別・世帯人員別の標本世帯数をお示ししてございます。
また、20ページから21ページにかけても参考の資料でございます。令和4年検証における回帰分析の結果や消費較差指数の算出結果をそれぞれお示ししてございます。
22ページを御覧いただければと思います。
令和6年全国家計構造調査のデータの取扱いに関する検証の方針(案)について、前回の基準部会でお示しした資料から赤字の部分を変更してございます。
まず2つ目の○でございます。こちらは先ほど御覧いただきました水準検証のパートのほうに移動してございます。それに伴い、こちらのほうでは削除とさせていただいております。
また、3つ目の○でございます。令和6年の全国家計構造調査の季節性の確認に当たって、実際に使用する家計調査のデータは令和6年のデータとなるため、その旨を明示させていただいております。
これらのほかに変更すべき点などないか、改めまして御確認をいただければと思います。
23ページを御覧いただければと思います。
全国家計構造調査の季節性の確認についてでございます。令和4年検証では、全国家計構造調査の調査対象期間である10~11月の消費水準が年平均や5~9月の消費水準と大きく異ならないか、家計調査のデータを用いて確認をしておりました。今回も同様に令和6年の家計調査のデータを用いて確認をするということでよいか、御意見をいただければと思います。
24ページを御覧ください。
調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法のパートでございます。こちらの検証の方針案、論点案の記載については、いずれも前回の基準部会から変更はございません。まずは厚生労働省において参照することが考えられる経済指標を整理するということとしてございますけれども、検討に当たって整理が必要な事項あるいはデータに関して、追加で何かございましたら御指摘をいただければと思います。
25ページを御覧いただければと思います。
消費実態による検証を補完する方法に関する検証の方針(案)について、前回の基準部会でお示しした資料から赤字の部分を変更してございます。具体的には2つ目の○の部分でございますが、前回いただいた御意見を踏まえ、「生活保護受給世帯における耐久消費財の保有状況を一般世帯との比較において確認する」という旨を追記しております。
そのほか、社会的必需項目の選定方法あるいは分析方法に関して、追加で何かございましたら御指摘をいただければと思います。
資料の前半部分につきまして、事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から説明をいただきました資料の前半部分につきまして、委員の皆様から御質問あるいは御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
では、宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 宇南山です。
御説明ありがとうございました。
おおむね前回までに出ていたことや、前回基準改定を踏襲するということですので、大きなコメントはないのですが、幾つか技術的なことをコメントさせてください。
一つが6ページと18ページ目で両方出てきた外れ値の処理についてなのですが、外れ値というのは、統計的に言うとなかなか客観的に外すのは難しいという側面があることに加えて、我々が分析しようとしているのは年収階級第1・十分位という上限が定まっているようなグループですので、本当の意味で突拍子もない、何千万という支出をしているとか、そういう人が発生する心配はないので、客観性も考えますと、外れ値というのは処理する必要はないのではないかと。標準偏差で見て、ほかの人と違うという人がいるにしても、それは消費の実態を表すものとして扱うのがいいのではないかなと思っております。
また、8ページ目の固定的経費割合のところなのですが、これは分子の部分で固定的経費として扱うものというのが10ページに出されて、基本的にはこれが固定ですよということで、手順としては所得弾力性を見るということでそんなに悪いことではないと思います。1点気になるのがむしろ分母のほうでありまして、分母が消費支出全体になっているということで、例えば教育費のように公的な制度が変わることで影響を受けたり、そういった要素が加わってまいります。例えば分母を生活扶助相当支出にしますと制度の影響などは比較的受けにくいと思いますので、より適切な指標になるのではないかなと思いました。ただ、そこには強いこだわりがあるわけではありません。分母について気をつけないと、誤解を招きかねないかなという指摘です。
15ページ目のところで、重みづけについて事務局のほうからもコメントがあったわけですけれども、回帰分析において重みづけを行わないということで、1レコードのサンプルは1として扱うということになっています。単純な標本調査論的な観点で言いますと、これはあまり適切な扱いではなくて、重みをつけたほうがいいだろうということになります。技術的に問題ないならば、集計用乗率で重みをつけるべきだと思います。
ただし、一見すると全然でたらめなことをやっているように見えてしまうわけですけれども、この集計用乗率の違いが大きいところは、単身世帯と2人以上世帯のところの重みを合わせるためにつけられた乗率の差と、都市部で人口の多いところでは抽出率が低くなるために生じる乗率の差です。そこの差は非常に大きいのですけれども、説明変数を見ていただきますと分かりますように、1級地、2級地、3級地という形で大ざっぱに言うと都市規模に相当するダミーを入れていることや、世帯の人員のダミーも入っています。これらによって、実のところ、そのウエートが強く影響することはないだろうと思います。その意味では、過去の推計結果の適切性に大きな支障があるとは思わないですけれども、できることならば今後は重みをつけてもいいかなと思いました。
私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、若林先生、どうぞ。
○若林委員 若林です。
私のほうからは2点コメントさせていただければと思います。
1つ目なのですけれども、7ページ目になります。内訳として見る費目は10大費目に加えて詳細な品目単位で再掲する必要があるものはあるかということに関してなのですが、こちらはこれまで出ているコメントの繰り返しになるかもしれないのですけれども、基本的には最近の生活様式の変化を反映する通信関係費などはもう少し交通と通信から分けてもいいのかなと思っております。また、外食や調理食品など、食料というところに関してもう少し細かく見ることで、単身世帯、就労世帯を中心とした消費行動の変化を見ることができるのではないかと思っています。
そのうえで、基本的には近年の生活様式の変化ともう一つ、世帯類型を検討するということ、特にここでは夫婦子1人世帯を見ているということから、世帯類型に注目した、例えば教育、子育て関連支出などについては必要に応じて見てはどうかと思いました。それが1つ目です。
もう一つ目なのですけれども、15ページの先ほどコメントのあった回帰分析に当たっては乗率を使わないというところなのですが、私としては、基本的には、先ほどおっしゃっていたように、第1・十分位などの抽出については集計用乗率を用いることに合理性はあると思うのですけれども、回帰分析に関しては、宇南山先生のコメントに重複するかもしれないのですが、世帯類型や年齢、世帯人員構成とか、そういうものと消費支出との関係を通じて基準体系の構造を確認することが必要なので、その意味では、なくてもそんなに問題はないのではないかと。ダミー変数からある程度把握できるのではないかというのが私の意見です。ただ、それぞれに応じてやはり理由づけが必要だと思いますし、その辺りはやったのとやらないのでどのぐらい差があるかというのは見ておいてもいいかもしれないと思います。
以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
では、宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 申し訳ありません。1点申し忘れていたのですが、耐久財の保有状況について確認するというのが新たに加わったところなのですけれども、2014年までですと全国消費実態調査で耐久財の保有状況について調査をしていました。現在は耐久財の保有状況は全国家計構造調査の枠組みでは調査されていないので、代替的な統計が必要です。恐らくは内閣府の調査を使うことになろうかと思いますが、その辺、どういったデータを利用予定なのか教えていただければと思います。
以上です。
○岩村部会長 御質問ですが、事務局、いかがでしょうか。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
現時点で想定しておりますのは、我々のほうで実施しております家庭の生活実態に関する調査、アンケート調査になりますけれども、こちらの中で耐久消費財の保有状況を幾つか聞いてございます。それを一般世帯と生活保護受給世帯それぞれで集計することは可能ですので、まずはそういったデータを使ってはどうかと考えてございます。
○岩村部会長 宇南山先生、よろしいでしょうか。
○宇南山部会長代理 はい。
○岩村部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
では、村田先生、お願いします。
○村田委員 ありがとうございます。村田です。
私からは2点ないし3点お伝えしたいと思います。
最初の2点は既に宇南山先生、若林先生から御発言がありましたが、まず最初の外れ値です。私も外さなくていいのではと思いますし、念のため外した場合も確認するという前回のやり方も正しかったと思っています。理由として、もう一つ言うとすれば、サンプルサイズも2,000世帯と確保されておりますので、大丈夫だろうということです。
それから、2点目、重みをつけるべきかということ、理想はつけるのが基本とは思うのですが、作業の手間などあるかと思いますので、宇南山先生、若林先生の御説明も考え方として理解できますので、そこはこういう理由で今回はこのやり方にしたということであれば問題ないと考えております。
3点目ですが、15ページ、これはできればお願いなのですが、説明変数として、基本的にはこれでよろしいかと思いますが、世帯構成について1点お願いとして、人数のダミーを入れて、それから、年齢構成割合のダミーを入れる場合に、65歳から74歳をひとくくりにして説明変数を入れていますが、確認として、65歳から69歳、70歳から74歳が、以前の検証結果ではほぼ変わらないという結果になっておりましたので、そうであれば分ける必要もないのですが、最近高齢世帯の対象者も増えておりますので、分けた場合にどうなるかも確認しておくと良いのではと思いました。
以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでございましょうか。
では、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 これは事務局のほうに改めてどうだったのかなというので教えていただきたいのですけれども、9ページ目の前回令和4年の検証の取扱いで固定的経費と変動的経費の定義のところで、消費支出が1%増加するとき、当該支出項目の増加率が1%未満の支出項目を固定的経費と定義して、1%以上の費目を変動的経費と定義するというのが令和4年、前回の取扱いだったわけですけれども、それとの関係で、下のほうの実際に1類・2類で水準(高さ)の検証のところで、固定的経費と変動的経費の判定結果について、表の中でこれは固定です、これは変動ですということで、それ以外の「-」が書いてある※の2つ目ですけれども、固定的経費・変動的経費のいずれとも判定されないもの、ないしは夫婦子1人世帯のいずれの世帯でも当該支出項目について支出がないものとなっているのだけれども、上のさっきの消費支出を1%増加するときに、増加率1%未満の場合は固定的経費、以上だと変動的経費と定義したこととの関係で、当時、委員ではなかった人もいらっしゃると思うので、当時の審議会の資料とか議事録でそれぞれ勉強すればいいことではあるのかもしれないけれども、改めて事務局のほうでもう一回ここで説明していただいたほうがいいのではないかと私は思います。
また、大昔のデフレ基調のときとは違う局面でもあり、今回は物価をはじめいろいろなものが上がっている局面において見ていくわけだから、その場合のこともあるので、改めて、もう一回説明してもらったほうがいいのではないかなと思いました。というので分かりますよね。
○岩村部会長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。今、説明可能か、あるいは次回でもということかという気がしますが、いかがでしょうか。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
詳しくはまた次回資料などを用意させていただければと思いますけれども、今、できる範囲で御説明をさせていただきますと、9ページにございますとおり、固定的経費については、消費支出全体が1%増えるにもかかわらず、個々の品目ごとに見ていくと1%を超えるものがあったり超えないものがあったりと個別の動きはそれぞれ必ず全体の動きと食い違うようなものが出てくるというのがまずございます。そういう中で、全体の増加ほど増加しないものについては、言わば費用として固定されているということで固定的経費という分類をしてございます。
これは総務省の家計調査などでは基礎的支出というような言い方をしておりますけれども、そちらのほうも同じような考え方で、全体の消費の増え方よりも少ない動きをしているものは固定的ないしは基礎的というような分類をしてございます。そういう考え方で分類をしているというのがまずございます。
実際にどう判定するかというところは、この9ページの回帰式を使って分類していくということでございます。これも細かく言えば若干の違いはありますけれども、総務省の家計調査のほうで採用されているやり方とおおむね同じような式を採用してございます。
先ほど先生のほうから10ページの注釈のところの「-」の御紹介もございましたけれども、回帰式を用いて判定をするというやり方の関係から、どうしても推計される係数が有意ではないというケースが出てきてしまいます。そのような場合については、固定か変動かいずれとも明確に判定できないということで、「-」というような表記の仕方をしてございます。
最後のほうで先生からも御指摘がありましたけれども、どの費目が固定的なのか変動的なのかというところについては、生活様式ですとか、生活のスタイルですとか、そういった時々の状況に応じて変わり得るものになってこようかと思いますので、今回も新しいデータを基に改めて判定すると必要が出てくるのではないかと考えております。
○栃本委員 ありがとうございました。突然お尋ねしてすみません。
それと、今のことでいいのですけれども、総務省の考え方とリファーしていないとまずいというか、そのほうがいいからということは分かるのだけれども、1%というものの理屈というか、理論上というか、それは今日説明するのではなくてもよいのだけれども、理屈はあるのですか。なぜ1%。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 そこは恐らく1という数字に何か意味があるわけではなくて、全体の増加率より高いか低いか、そこに意味があるということではないかと考えています。
○栃本委員 分かりました。ありがとうございました。
○岩村部会長 ありがとうございました。
そのほかいかがでございましょうか。
特段なければ、前半部分についてはここまでということにさせていただきたいと思います。
続けて、今日資料で御用意いただいているもののうちの残っているのが4ということで、「その他の扶助・加算の検証」ということになります。
こちらについて、まずは事務局から資料の説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 事務局でございます。
それでは、資料の後半部分について御説明をさせていただきます。
資料26ページを御覧いただければと思います。こちらから4番目の項目としまして「その他の扶助・加算の検証」のパートになっております。
こちらのその他の扶助・加算のパートについては、前回の基準部会においてまずは厚生労働省において検討の進め方を整理するということでお示ししてございました。今回は実際に進め方の案ということで整理をさせていただいております。
まず、考え方のマル1の部分について、こちらは検証に当たっての留意点でございます。令和8年、本年については生活扶助基準本体を1年前倒しで検証することとしており、年末にその検証結果を取りまとめる必要がございます。このため、今回の定期検証において生活扶助本体以外の扶助や加算を検証する場合には、全体のスケジュールに留意をする必要がございます。
その上で、今回の定期検証と併せて検証の対象として考えられる扶助・加算の案については、マル2とマル3にお示ししてございます。
マル2については、有子世帯の加算である児童養育加算、母子加算についてでございます。これらの加算については、平成29年検証において生活扶助基準本体と一体的に検証を行った経緯がございます。今回の定期検証において、平成29年検証の内容も踏まえつつ、最新の全国家計構造調査のデータを用いて検証を実施することとしてはどうかと考えてございます。
なお、関連しまして、マル2の※の部分では教育扶助と高等学校等就学費の取扱いを補足させていただいております。これらについては、平成29年検証において文部科学省の子供の学習費調査の結果に基づいて検証するという方法が整理されてございます。このため、直近では令和5年の調査結果に基づいて令和7年の4月に改定を行ってございます。今後も令和7年の調査結果が公表され次第、厚生労働省において改定の要否を検討していく必要がございます。
続きまして、マル3でございます。こちらは冬季加算と期末一時扶助についてでございます。これらは生活扶助基準本体では賄うことができない季節需要に対応するものとして設定しているものでございます。これらについても、今回の定期検証において、月別の消費実態を把握できる家計調査のデータなどを用いて検証を実施することとしてはどうかと考えてございます。
マル4は住宅扶助についてでございます。住宅扶助の限度額については、平成27年に見直しを行って以降検証してございませんで、自治体など現場サイドからも見直しの要望をいただいている状況でございます。ただ一方で、検証に当たっては住宅・土地統計調査の特別集計、民間の賃貸物件情報による家賃実態の分析などについて、住宅の専門家の御知見なども踏まえた慎重な検討が必要となってまいります。このため、生活扶助基準本体と並行して年内に検証結果を整理するというのは難しいと考えられますことから、住宅扶助については今回の定期検証後に検証を進めることとしてはどうかと考えてございます。
マル5については、マル2からマル4以外の扶助・加算などの取扱いについてでございます。いずれも、まずは厚生労働省において中長期的な課題として需要の把握に必要なデータの収集方法、それから、検証方法を検討するというところから始めてはどうかと考えております。
関連しまして、マル5の※の部分に2点ほど補足を記載してございます。
まず、1つ目の※については入院患者日用品費、介護施設入所者の生活費の取扱いについてでございます。現在、入院患者や介護施設入所者に対しては、臨時特例的な対応としまして1人当たり月額1,000円を加算する特例加算を措置してございます。この特例加算は令和9年9月までの措置となってございますことから、その後の取扱いについて厚生労働省において検討を進めていきたいと考えております。
また、2つ目の※については出産扶助の取扱いについてです。現在、医療保険制度については、出産に係る給付体系の見直しの内容を含んだ法律改正が国会のほうで審議されている状況でございます。出産扶助については、その見直しの内容などを踏まえて対応について検討する必要があることから、こちらについても厚生労働省のほうで検討を進めていきたいと考えております。
こちらのその他の扶助・加算のパートにつきましては、今申し上げましたようにマル1からマル5に基づいて検討を進めていくという形にしました。この方針案について御意見など頂戴できればと考えております。
27ページを御覧いただければと思います。
有子世帯の扶助・加算の概要を整理しております。
まず、児童養育加算については、子どもの健全育成費用として学校外活動費を補填するものとなっております。
それから、母子加算については、母子世帯や父子世帯などに対してひとり親世帯のかかり増し経費を補填するものということになっております。
それぞれの現行の基準額については、こちらのページの表の下段のとおりになってございます。
28ページを御覧ください。
児童養育加算の検証の進め方について、イメージを整理してございます。児童養育加算については、前回、平成29年に検証をしてございます。その内容についてはページの下側にお示ししてございますけれども、学校外活動費について夫婦子1人世帯における第1・十分位と第3・五分位の差を検証してございました。こちらは子供の健全育成にかかる費用については、生活保護受給世帯であっても標準的な家庭と同等の支出を可能にするという考え方に基づくものでございまして、平成26年の全国消費実態調査を用いて検証した結果、第1・十分位と第3・五分位には1万円の差があったということを確認してございました。今回の定期検証においても、最新の全国家計構造調査のデータを用いて、平成29年の検証方法を踏襲した形で検証を行うこととしてはどうかと考えてございます。
ただし、学校外活動費という個別の品目を扱う必要がございますので、検証の過程でサンプル数の問題などが生じることも想定されます。その場合には、必要に応じて検証方法の見直しを検討するということとしてはどうかと考えております。このような進め方につきまして御意見などいただければと考えております。
29ページを御覧ください。
母子加算の検証の進め方について整理をしてございます。母子加算についても、前回は平成29年に検証をしてございました。その内容はページの下側にお示ししてございます。ひとり親世帯のかかり増し費用について、ふたり親世帯とひとり親世帯の消費実態の差を検証するという形を取っておりました。具体的には、ふたり親世帯としては夫婦子1人世帯、ひとり親世帯としましてはひとり親・子1人世帯をそれぞれ設定しまして、平成26年の全国消費実態調査のデータを用いて、生活水準などの影響を調整した上で夫婦子1人世帯とひとり親・子1人世帯の消費支出の差額を推計し、その差額をひとり親世帯のかかり増し費用として捉えてございました。
今回の定期検証においても、最新の全国家計構造調査のデータを用いて、平成29年の検証方法を踏襲した形で検証を行うということとしてはどうかと考えております。ただし、ひとり親世帯のサンプル数には制約がございます。このため、検証の過程で問題などが生じることも想定されます。児童養育加算と同様に、こうした場合には必要に応じて検証方法の見直しを検討するということとしてはどうかと考えております。こうした進め方について御意見をいただければと思います。
30ページから31ページは御参考の資料でございます。平成29年に行った母子加算の検証結果をお示ししてございます。夫婦子1人世帯とひとり親・子1人世帯との間で生活水準が同程度となる消費支出額を推計しておりましたけれども、その際には先行研究を参考にして、ひとり親(子1人)世帯の固定的経費割合を夫婦子1人世帯と同じ52.6%に調整し、31ページにお示ししております回帰式により推計を行うという手法を取ってございました。
32ページを御覧いただければと思います。
冬季加算の概要を整理してございます。冬季加算については、冬季における光熱費の増加需要に対応するものとして支給するものでございまして、ページの下側の表にございますとおり、都道府県単位でIからVIまでの地域区分を設定し、地域区分ごとに支給期間や世帯人員別の加算額を設定してございます。
右下の表は現行の加算額の例をお示ししてございます。加算の水準はI地区が最も高く、VI区が最も低いという形になってございます。
33ページを御覧いただければと思います。
冬季加算の検証の進め方を整理してございます。冬季加算については、前回、平成26年に検証してございます。その主な内容はページの下側にお示ししてございますけれども、冬季に増加する支出項目の検証、支出額が増加する月の検証、世帯人員別の較差の検証、級地別の較差の検証、そして、加算額の水準の検証、これらそれぞれにつきまして平成21年から25年までの家計調査のデータを用いて作業を行っておりました。
平成26年の検証方法の詳細につきましては、本日の参考資料2としまして平成26年当時の報告書を添付してございます。必要に応じて御参照いただければと思います。
冬季加算につきましては、このような平成26年検証の方法を踏まえつつ、今回の定期検証において、近年の家計調査のデータを用いて26年の方法に準じた形で検証を行うこととしてはどうかと考えております。このような進め方について御意見をいただければと思います。
34ページを御覧いただければと思います。
期末一時扶助の概要を整理してございます。期末一時扶助については、年末年始における食費などの一時的な特別な生活需要に対応するという観点から、12月に算定されるものでございます。
現行の基準額はこちらの上段の表にお示しするとおりになってございます。
ページ下側では、これまでの期末一時扶助の設定の経緯を整理してございます。昭和35年の創設時にはマーケットバスケット方式により算定されておりましたけれども、昭和39年には11月から12月にかけて消費支出が増加する費目に基づいて算定する形に変更されております。それ以降、昭和48年から平成24年までの間は生活扶助基準の改定率に基づいて改定する形を取っておりました。直近では、平成25年にデフレ調整を反映するとともに、スケールメリットを導入するという見直しを行っております。
35ページを御覧いただければと思います。
期末一時扶助の検証の進め方について整理をしております。期末一時扶助については、前回、平成24年にスケールメリットについて検証を行っております。その内容はページの下側にお示しするとおりでございますけれども、5年間の家計調査のデータを用いて、世帯人員ごとに年収第1・十分位の世帯の11月から12月にかけての支出の増加額を算出することにより、世帯人員ごとのスケールメリットを検証してございました。
当時は水準の検証は行ってございませんでしたけれども、家計調査から算出されます12月の支出の増加額に基づくことで水準の検証についても対応可能と考えられますことから、今回の定期検証では、期末一時扶助について平成24年検証の方法を踏まえつつ、近年の家計調査のデータを用いてスケールメリットの検証と水準の検証の双方を行うということとしてはどうかと考えてございます。このような進め方について御意見などいただければと思います。
36ページを御覧いただければと思います。
御参考の資料になりますけれども、教育扶助と高等学校等就学費の見直しの状況について概要をお示ししてございます。教育扶助と高等学校等就学費につきましては、平成29年に検証を行いまして、こちらの表にお示ししておりますとおり、各種費用に対して子供の学習費調査の調査項目を対応させるという整理を行っております。直近では、この検証方法を踏まえまして、令和5年の調査結果に基づいて検証を行い、令和7年に基準額の見直しを行っているという状況でございます。
37ページから41ページについては、前回の基準部会においてお示ししました各種の扶助・加算の一覧でございます。御参考までに再掲という形を取ってございますので、適宜御参照いただければと思います。
資料につきまして事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、資料の「4.その他の扶助・加算の検証」について説明をいただいたところでございますが、こちらにつきまして御意見あるいは御質問がありましたら委員の皆様から頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 御説明ありがとうございました。
非常に多岐にわたっているものですので、いろいろあるのですが、順に言わせていただきます。
まず第一に児童養育加算についてなのですけれども、28ページ目の平成29年の検証の方法を見ます。中位階層における支出額と第1・十分位における支出の違いを取って、この分追加で給付するというアイデアに基づいているのですけれども、この児童養育加算というのは、先ほどの基準体系の検証の際に出てきた回帰式を前提にしますと、人数や年齢は既に考慮されているはずのものでして、それに加えて児童養育加算を給付するというのは、基本的には子供健全育成にかかる費用として給付するというアイデアに基づいています。ただ、この給付は現金で定額で渡されることになりますので、生活保護を受け取った家庭でこのように差額分だけ自分の子供が中位所得の子供と引けを取らないような生活ができるように支出をする義務があるわけではありません。本当にこれが健全な子供の育成に係る費用として使われるのかという点についてやや疑問があるところで、その意味では、この検証方法でいいのか。もしくは児童養育加算の与え方がこれで正しいのかというところから少し検証が必要ではと思っています。
母子加算であれば、例えばこれは人数などを調整した上でかかり増しの分がある。それは基本的には親がかかり増しでかかるという部分なので、定額で渡すことと論理的に矛盾しないわけですけれども、児童養育加算に関しては何か別の考え方があり得るのではないかというのは一つあります。
また、母子加算については、母子加算の検証方法が31ページ目にあるのですけれども、非常に原理的に考えれば、ひとり親世帯のかかり増しの費用というのを本当に対象としたいとするならば、先ほどの基準体系の検証を示した15ページ目を使うのがストレートだと思います。消費較差の指数のところにひとり親ダミーというのを入れて幾ら変わるのかというのを検証するのが自然な延長だと思います。仮に基準本体と同時にやるということであるならば、検証方法も一体化し、独自の推計式を用いるのではなく消費較差の推計の中に溶け込ませることが良いと思います。
もう一つ、教育扶助就学費のところ、先ほどの児童養育加算と議論としては一緒なのですけれども、子供に関してかかる部分でこの教育扶助とかはかなりの程度実費化されていて、ある意味の現物支給に近いような体制になっています。このような形で子供の教育に関する費用をきちんと補填してあげるというのは非常に重要なことだと原理的には考えています。
ただ、学習支援費が導入された際に、申請して受給できるという形式になったせいで実際には支給額が思ったようには伸びていないというようなことが起こったと思います。何か実費的に与える場合にはそういうリスク、親が子供のために何か手続をするのをいとうというようなケースが発生しかねません。本来であれば重点的にサポートすべき対象を外してしまうというような逆転現象も起きかねないと思いますので、この児童養育加算を含めて、子供に関する支援というのはどういう体系で行くのかというのを金額の前に少し厚労省のほうで体系的に検討いただいたほうがいいのではないかなと思いました。
住宅扶助については、今回は同時にはやらないという方向をお示しいただきましたけれども、これについては、私はニーズが高いということも理解した上で妥当だと考えております。近年の民間の、特に低家賃の賃貸住宅の市場においては、むしろ住宅扶助が下限になるような動きがあると聞きます。生活保護を受けている方が入居者になれば、むしろ家賃の取りっぱぐれがないということで、住宅の家賃の下限として機能してしまうようなケースがアネクドートとしては言われています。その辺の実態みたいなものも含めて、少し住宅市場全体を見て検討を進めていただければと思います。
児童養育のところで言い忘れたことが1か所ありまして、先ほど申しました学習支援費について、クラブ活動にかかる費用をカバーしてあげようということで、実費でそれなりの金額を支給するようになっているわけですけれども、現在、特に中学で部活の地域移行というのが進んでいて、私の住んでいる京都市などでもそういう流れがある中で、どうも部活より随分お金がかかるようになる気配を示しています。ここの部分も従来型の部活を前提としたような費用の在り方では足りなくなる可能性があると思いますので、注視して状況に応じて対応していただければと思います。
私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 今、部会長代理の宇南山先生からかなり広範に指摘がなされましたが、併せて、厚労省のほうで、審議会事務局のほうで考えてそれを示してもらいたいという御発言がありましたよね。当時の27年改定のとき、学習費調査というのを初めて活用して、あれは画期的というか、すごくよかったと思うのですよね。何故かというと、今回の基準についての考え方で、ある意味での絶対的な窮乏とかそういうのではなくて、相対的収奪みたいな部分に注目しなくてはいけないというのが今回の改定で一層強調されなければならないことです。前の27年度はそういうところは報告書には書いていなかったかもしれないけれども、あの頃はむしろ底割れしてしまうと駄目だと。均衡方式では、均衡はしていても底割れしてしまうということがデフレ局面では起こる、そうなってはいけないという議論なのだけれども、今回は底割れ議論ではなくて、何か別の名称、別の言い方を使ったほうがいいぐらいの局面、フェイズです。あと、これはこの間の永田先生の発言にも関係あるのですが、相対的収奪の部分があって、それとの関係でいうと、文科省の学習費調査を活用してやったのはよかったと思うのだけれども、その上で、宇南山先生は基本的に事務局のほうである種の整理が必要だということのご発言と理解しました。
それと、26ページの今後の検討の進め方案というので、これは工夫されたものではあると思うし、役所の中ではこういうような整理なのだけれども、マル2、マル3についてはやるわけだけれども、マル4は今回の定期検証後、検討を進めることとしてはどうかということになっていて、マル5ではマル2からマル4以外の扶助については中長期的な課題として重要な把握に必要なデータの収集、検証方法の検討をすることから始めてはどうかと書いてあるでしょう。これは別の言い方をすると、マル4についてはある意味では5のカテゴリーに入るような印象を持つのですよね。ここでは2から4まではというような整理をして、だけれども、4については住宅扶助についてはこうなのでという形にしているけれども、住宅扶助については、先ほど宇南山先生のお話もありましたけれども、やはり根本的に課題があるわけですよね。それで、27年検証のときもそういう議論をしたと思うのですよね。
あともう一つは、日本では最低基準というのはないと言うとあれだけれども、住宅基本計画の中で示されたのは最低基準ではないから、そういうことも含めていろいろ根本的なというか大きな課題があるから、それについてはやはり役所できちんと整理すべきなので、むしろマル5のところに入ってくる。つまり、2から3以外の扶助についてはというような形のほうが合っているのではないかなと勝手に思いましたけれども、それぐらい4についてはもう少し根本的に事務局のほうでやるべきことだから、2、3、4と並べるのは、スタイルの問題かもしれないけれども、どうかなと感じました。つまり、それだけ4は重たい、相当重要なものだよねということで、これは中長期にわたって、根本から議論しなくてはいけないことなので、今後の検討しなくてはいけない大きな柱というか重要なことだと思いますよ。事務局としてはこういう整理はそれでいいのですけれども、感想というか、マル5の2から4というのはあれっというような感じがしないでもなかったということです。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
事務局のほうから何かお答えする必要はございますか。コメントということでよろしいですか。
事務局、よろしくお願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 御指摘ありがとうございます。
住宅扶助については、前回、平成26年に検証しまして、27年に改定をしてございます。その26年の検証というのが本体の検証とは時期をずらして行っておりました。当時は平成24年に本体の検証をして、その2年後、26年に住宅の扶助の検証、冬季加算の検証も合わせてですけれども行っていたということでございます。
マル4とマル5の書き分けの関係では、マル4の住宅扶助については、そういう意味では、前回といいますか、前例としまして過去に検証を行った経験があるという形になっております。ただ、本体と同時にやった形ではありませんので、そことずらしてやるというのが前例になっている。実際に検証するに当たって、今御指摘いただいたとおり、いろいろな課題に対して向き合っていかなければいけないというところで、簡単ではないということでは考えておりますけれども、他方で、前例があるという点と、また、現場からの要望もかなり強くいただいているというところはございますので、我々が想定していた点としましては、マル5よりは優先的に扱っていかなければいけないのだろうということで考えておりました。
マル5のほうは、こちらもきちんと対応していかなければいけないものではあるのですけれども、前例として何か確立されているような検証方法がそもそもあるわけではないというところが大多数になってまいりますので、こちらについては中長期的な課題として少しずつ検討を進めていく。このようなイメージで考えていた次第でございます。
○栃本委員 よく理解しました。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、先ほど若林先生がお手を挙げていらっしゃったと思いますので、どうぞお願いします。
○若林委員 よろしくお願いします。
27ページに関連して、有子世帯の扶助・加算の概要についてコメントさせていただきたいと思います。
基本的には、私もここに関しては、もう少し所得の高い分位のところに注目するという中位階層との比較というのも重要であるというところは非常に重要なことだと思っていて、低所得であることにより格差が連鎖するというか、そういうことを避けるためにも、ある程度低いところだけではなくてもう少し高い人たちと比較するというのは非常に重要なことではないかなと思いました。
その上で、幾つか言いたかったのですけれども、まず最初に、この中になかったものとして私が気になっていたものは、最近ICTの使用というのが結構進んでおりまして、学校から貸与されたり支給されたりしていることは聞いているのですけれども、そういったものに関して、近年変わってきたものに対して注目してみるとよいか検討してみてはいかがでしょうか。
それから、学習支援費も非常に重要なところになってきているのですけれども、それに関しては、恐らく地域によってはバウチャーなどが出ていたりして、実費で支給することによって重複などがないのか、その辺りが私は分からないので教えていただければと思って聞いておりました。
また、先ほどクラブ活動の話も出ていたのですけれども、その辺りも基本的には実費支給になるということなのですが、やはり選択ができているのかできていないのかという点は気になりました。部活に関しては、結果として実費を支給するということで、私もそれしかないかなと思うのですけれども、将来的な観点からすると、子供たちがどういう選択をして、その結果としてどのぐらいの支出が生じているのかということについては、これは超越的なコメントになってしまうのですけれども、本当は長い目で見てみてはどうかなと、今日聞いていて改めて思いました。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
1点事務局のほうにお尋ねがあったと思いますので、お願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
学習支援費について、実費で支給するという制度になっておりますけれども、今、若林先生から御指摘いただいたのは、地域によってはバウチャーなどが支給されている場合があって、それと言わば二重支給といいますか、重複するような形になっているケースもあるのではないか、そこの実態がどうかというような御趣旨だったかと思います。その点については、大変恐縮ながら、今すぐお答えできる情報が手元にございませんので、また確認しまして、後ほどお答えをさせていただければと思います。
○岩村部会長 よろしくお願いします。
若林先生、そういうことでよろしいでしょうか。
○若林委員 はい。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございます。
それでは、ほかの先生方、いかがでしょうか。
では、村田先生、どうぞ。
○村田委員 村田です。
1点だけ、冬季加算について、33ページですが、基本的にはこれでいいと思うのですが、前回のやり方を踏襲すると、5年間プールされていたと思うので、今回の場合は家計調査の2021年から2025年の60か月のデータをプールするというイメージでしょうか。
であると、若干気になりましたのが、2022年とかが含まれますので、原油価格が倍になったり、そういうときに、灯油がどのぐらい上昇したのか、例えば年央に上がったりして、これは名目支出額ですので、適切な冬季加算が計算できるのかが気になりまして、価格の月のばらつきみたいなものを確認されたり、あるいは、家計調査は光熱費の内訳として電気代、ガス代、灯油とありまして、電気代とプロパンガスと灯油については品目別で数量を出していますので、どのぐらい数量ベースで増えているかは確認できるかと思いますので、5年プールするのでそれほど問題ないとは思うのですけれども、一応確認していただけるとよろしいのではと思いました。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
それでは、嵩先生が手を挙げていらっしゃるので、お願いします。
○嵩委員 ありがとうございます。
今回の検討ではひょっとしたら既存の加算や扶助を対象にした議論なのかもしれないのですけれども、冬季加算はあるのですけれども、他方で夏場の暑い時期の光熱費というのも結構かさんでいるのかなと思っております。全国家計構造調査は10月、11月を対象にするということで、その時期も暑いと言えば暑いかもしれませんけれども、本当に暑い時期の光熱水費についてはどのように支出しているのかとか、必要であれば、例えば何かしらの対応というのも中長期的には検討が必要になってくるのかなと感じました。今回の趣旨とは違うかもしれないのですけれども、光熱水費の季節性の変動というのについてもう少し夏場の需要も検討したいかなと思っています。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
事務局のほうで、先ほどの村田先生の御意見と併せて何か反応があればお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
まず、村田先生からいただいた御質問としましては、冬季加算の検証に使うデータとして家計調査5年分ということですけれども、2021年から2025年の5年ということでよいかという御質問だったかと思います。この点についてはおっしゃるとおりでございまして、検証作業を今年行うという際に、足元5年分というデータを取るとすれば、2021年から25年のこの5年間になるという想定でございます。
その際に、少し原油の影響などイレギュラーな影響もあり得るという御指摘だったかと思います。そこは今の御指摘を踏まえて、いろいろな観点から、影響などを確認しながら検証を進めていければと思います。
それから、嵩先生からいただいたのは、夏場の支出の増加などの状況の確認ですとか、あるいは新たな加算の検討というところも必要ではないかという御指摘だったかと思います。こちらについて、今、お示しの資料の中では明示的にその点は記載できてございませんけれども、特におっしゃっていただいた夏場の消費の増加、光熱費等の増加に対応するものについては、実際に現場サイドの方からもよく御要望いただいているような状況ではございます。今回、ひとまず冬季加算についての検証を想定してございますけれども、冬季の加算の検証に当たっては、月々の光熱費の変動を見ながら、どの月にどれくらい増加があるのかというような見方をしていく形になります。その検証の流れの中で、冬季に限らず、1年通してどういう動きになっているのかというのも併せて見ることは可能ではないかと思っておりますので、先生の御指摘も踏まえて対応していければと考えております。
○岩村部会長 ありがとうございました。
嵩先生、村田先生、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、新保先生、どうぞ。
○新保委員 ありがとうございます。
今、嵩先生からの御意見に対して、そうした検証も対応可能と事務局からお答えがありました。ぜひ夏の光熱水費の季節性の検証ということも進めていただけるとありがたいです。
それから、先ほど来、26ページの4番の住宅扶助について、宇南山先生、栃本先生から御意見がありました。やはり在り方の検証がとても重要だと思いますと同時に、恐らく自治体からの意見は、大都市を中心に全国的に家賃が上昇してきているというような、割と緊迫した状況の中での意見ではないかと思われます。ただ一方で、御説明がありましたように、検証にはそれなりの時間もかかるということで、こちらは4番のところにありますように、定期検証後、できるだけ早急に検討を進めていただけると望ましいのではないかと思いました。
そして、マル5のところですが、生活様式の変化というようなお話もある中で、需要がどういうふうに変わってきているのかということについて、それぞれ加算の見直しをしていく中でも検証されることかもしれないのですが、ぜひこちらも非常に重要な課題だと思いますので、進めていただければと思います。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
今日のところはよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、予定より大分早いのですけれども、大体今日資料についての御意見は頂戴したと思います。そういうことで、本日の審議はこれで終了とさせていただきたいと思います。
次回の開催について、事務局のほうから説明をお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 次回の開催日程につきましては、追って委員の皆様方に連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、今日の審議はここまでということにさせていただきたいと思います。
皆様、大変御多忙の中を今日御参加いただき、また、貴重な御意見をいろいろお出しいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、今日はここまでということにさせていただきます。ありがとうございました。散会いたします。
委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中を御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
事務局から、本日の委員の皆様の出欠状況と資料の確認をお願いしたいと思います。また、オンラインで出席されている委員の方がいらっしゃいますので、改めてということではありますけれども、発言方法などについて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 本日は、対面及びオンラインを組み合わせての実施とさせていただきます。また、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。アーカイブ配信はいたしませんので、あらかじめ御了承ください。
まず、本日の委員の出欠状況でございますが、岡部委員より御欠席との御連絡を受けておりますが、その他の委員には御出席をいただいております。
それでは、お手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。
本日の資料でございますが、議事に関しまして、資料「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」、参考資料1「令和6年全国家計構造調査 収支項目分類一覧」、参考資料2「平成27年1月9日社会保障審議会生活保護基準部会報告書」を御用意しております。
会場にお越しの委員におかれましては、机上に御用意してございます。
オンラインにて出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。
次に発言方法について、オンラインで御参加の委員の皆様には、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は、基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきます。御発言をされる際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックいただき、部会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言ください。御発言が終わりました後は、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を下ろす」をクリックいただき、併せて、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、早速議事に移らせていただきたいと思います。
本日の議事は、お手元の議事次第にありますように「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」となっております。
今日の議事の進め方でございますけれども、前半と後半とに分けまして、まずは検討事項のうち、生活扶助本体の検証に係ります「1. 生活扶助基準本体(第1類・第2類)の検証」から「3.消費実態による検証を補完する方法」について御審議いただきたいと考えております。
そこで、まず事務局から御用意いただいている資料の説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 社会・援護局保護課の榎でございます。
それでは、資料「令和8年における生活保護基準の検証作業について(案)」の前半部分を御説明させていただきます。
今回の資料につきましては、前回の基準部会において御議論いただきました検証作業の進め方に対して、前回いただいた御意見を反映するとともに、一部の項目についてはさらに踏み込んだ作業内容を整理すべく御用意しているものでございます。
ページをお開きいただきまして、2ページを御覧いただければと思います。
前回の基準部会における主な御意見をおまとめしております。
まず、1つ目の○については本体の検証のパートでございます。低所得世帯の消費水準の中位所得比と展開後の消費水準の中位所得比、これらの差を検討する上では、世帯類型ごとに標準偏差がかなり違う可能性があるので、標準偏差の情報を追加するとよいといった御意見でございます。
3つ目の○でございます。こちらは調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法のパートでございます。インフレに関して、物価も考慮しなくてはいけない一方で、消費も丁寧に見て慎重に議論していく必要がある。定期検証のときに統一的なルールを設けることについても考える必要があるのではないかといった御意見でございます。
4つ目以降の○については、「消費実態による検証を補完する方法」のパートでございます。社会的必需項目に関して、デジタル系の項目の精査が必要との御意見。冠婚葬祭以外の社会参加に関する項目の検討が必要との御意見。どのような項目がないと生活が困難になるのか、精査するとよいといった御意見でございます。
また、最後の○については、耐久財の保有の有無で支出が変わり得るため、耐久財の保有状況を確認してはどうかという御意見でございます。
続きまして3ページ、こちらも主な御意見の続きでございます。
上にございます2つについては、「その他の扶助・加算の検証」に関する御意見でございます。昨今の原油高や電気代上昇の状況などを踏まえると、平成27年の見直しから間が空いている冬季加算については、比較的優先的に対応する必要があるのではないかという御意見。
また、教育扶助について、教育環境の変化や給付金の増加などもあり、整理していく必要があるのではないかという御意見でございます。
下2つについては、そのほか関連する御意見をおまとめしたものでございます。定期検証の間の調整に関して、物価や家計調査を使って補正した場合、その後の定期検証結果との整合性を確保していく仕組みについても事前に考えておく必要があるのではないかという御意見でございます。
また、厚生労働省の適切な判断で行うことであるが、昨今の状況を踏まえると、専門家から見て妥当性の高いものであることが重要との御意見でございます。
続きまして、4ページを御覧いただければと思います。
水準検証に関する検証の方針(案)につきまして、前回の基準部会でお示ししたものから赤字の部分を変更してございます。
まず、3つ目の○でございます。こちらは新たに加えたものではなく、別のパートから記載場所を移動させているものでございます。夫婦子1人世帯における消費支出全体の費目別内訳について確認を行うという内容でございますけれども、こうした作業は水準検証の結果の妥当性の確認に資すると考えられますので、記載場所をこちらの水準検証のパートに移してございます。
4つ目の○でございます。世帯構成別の低所得世帯における生活扶助相当支出の中位所得対比の確認に関しまして、前回の御指摘も踏まえて、「データのばらつき具合がどの程度かについても併せて確認する」という旨を追加してございます。
これら以外に変更すべき点などないか、改めまして御確認をいただければと思います。
5ページを御覧いただければと思います。
水準検証の個々の作業内容につきまして一つ一つ確認いただくべく、取扱いを整理してございます。
まずは夫婦子1人世帯の定義、それから、生活保護を受給していると推察される世帯の取扱いについてでございます。
令和4年検証におけるそれぞれの取扱いについては、ページの下側にお示ししているとおりでございます。
夫婦子1人世帯の定義については、「勤労者世帯であって、親の年齢が65歳未満、子の年齢が18歳以下(18歳は高校生に限る)」と定義してございました。
また、生活保護を受給していると推察される世帯については除外するという取扱いにしてございまして、その際の除外をする世帯については、やや技術的ではございますけれども、マル2のほうにお示ししてございます。全国家計構造調査のデータから一定の条件を満たす世帯を設定するという形を取ってございました。
いずれについても、今回も令和4年検証と同様の取扱いでよいか確認をさせていただければと思います。
6ページを御覧いただければと思います。
水準の調整における外れ値の取扱いについてでございます。令和4年検証では、この下段にございますとおり、生活扶助相当支出の対数について、平均プラス標準偏差の3倍を超えるサンプルの該当がなかったということを確認してございました。今回についても、令和4年検証と同様の基準により外れ値の有無を確認するということでよいか、また、外れ値があった場合の対応をどうするかという点について御意見を頂戴できればと思います。
7ページを御覧いただければと思います。
夫婦子1人世帯の第1・十分位における消費支出全体の費目別内訳でございます。令和元年から令和6年にかけての消費の変化を確認するということは、水準検証の結果の妥当性の確認に資すると考えられますことから、こちらの表に示すとおり、消費支出全体、生活扶助相当支出の双方について、変化率の費目別寄与度を確認するということとしてはどうかと考えております。その際の内訳としまして、10大費目以外に確認すべき品目があるかどうか、こちらも含めまして御意見を頂戴できればと思います。
8ページを御覧ください。
年収階級第1・十分位が比較対象として適当かどうかを確認する指標についてでございます。令和4年検証で確認しました指標を基本としつつ、前回の基準部会の御意見を踏まえて、このページ一番下にございます「社会的必需項目の不足状況」の部分に「耐久消費財の保有状況」を追加してございます。これらのほか、確認すべき指標として考えられるものがあれば御指摘をいただければと思います。
9ページを御覧ください。
年収階級第1・十分位の適当性を確認する指標の一つである「固定的経費割合」の算出方法についてでございます。令和4年検証では、消費支出全体が1%増加するときに増加率が1%未満となる支出項目を「固定的経費」として定義をしまして、回帰分析により各支出項目の判定を行っておりました。今回も令和4年検証と同様の取扱いでよいか、御意見をいただければと思います。
10ページは令和4年検証における固定的経費の判定結果でございます。
また、11ページから12ページについては、令和4年検証における第1・十分位の適当性を確認する指標の集計結果をお示ししてございます。これらの集計様式についても、何かございましたら御指摘等いただければと思います。
続いて、13ページを御覧いただければと思います。
世帯構成別の低所得世帯における消費水準の中位所得対比についてでございます。前回の基準部会の御意見を踏まえまして、世帯構成別の低所得世帯における消費データのばらつき具合を見るために、標準偏差を平均値で割った変動係数を確認することとしてはどうかと考えております。この点について何かございましたら、御意見をいただければと思います。
14ページを御覧ください。
ここからは基準体系の検証のパートになります。検証の方針案、それから、論点の案、こちらの記載については前回の基準部会から特段変更はございません。これまでの検証方法を踏襲するという方針で作業を進めていければと考えてございますけれども、次ページ以降では、個々の作業内容について一つ一つ確認いただくべく、取扱いを整理してございます。
15ページを御覧いただければと思います。
説明変数、それから、対象範囲の設定についての確認でございます。令和4年検証では回帰分析に基づいて消費較差指数を算出しており、その際の説明変数はこちらの表に示すとおりに設定してございました。
また、分析に用いたサンプルの対象範囲についても、表の一番下にございますとおり、生活保護を受給中と推察される世帯を除いた上で、単身、2人、3人、4人、5人とそれぞれの世帯人員の区分ごとに年収階級第1・十分位を抽出するという取扱いにしてございました。
そのほか、細かな点ではございますけれども、ページ下部の※の部分のとおりの取扱いをしてございます。
特に2つ目の※については集計用乗率についてでございます。水準検証や第1・十分位の抽出に当たっては、集計用乗率を用いて復元をするという作業を行ってございますけれども、基準体系の検証における回帰分析の際には特段乗率の考慮はせず、サンプルの重みづけは行わない。このような取扱いにしてございました。
こうした点も含めまして、今回も令和4年検証と同様の取扱いでよいか、御意見を頂戴できればと思います。
16ページを御覧いただければと思います。
令和4年検証では、回帰分析における説明変数の設定についてある程度時間を割いて御議論をいただき、多くの見直しを行っておりました。御参考までにその概要をお示ししてございます。
まず、世帯人員数と年齢構成に関する変数については、各体系別の消費較差を同一の回帰式から算出する方法に変更するとともに、世帯人員数ダミーと各年齢階級の構成割合を説明変数として設定してございました。
また、収入・資産・家賃に関する変数についても、ページ下部のマル2に記載のとおり、それぞれ取扱いの変更を行ってございました。
17ページは、御参考までに令和4年検証において回帰分析の結果から各体系別の消費較差を算出した際の方法をお示ししてございます。
18ページを御覧いただければと思います。
基準体系の検証における外れ値の取扱いについてでございます。令和4年検証では、頻度の低い消費支出の状況を反映できなくなってしまう可能性があるということで、回帰分析に当たって外れ値の処理は行わないという整理を行っておりました。
また、同時に、※にございますとおり、一定の閾値を超えるサンプルの有無を確認し、第2類については一部該当があったものの、外れ値を処理したとしても消費較差指数の算出結果にほぼ影響がないことを確認してございました。
今回についても、令和4年検証と同様に、特段の外れ値処理を行わないということを基本としつつ、外れ値の有無、それから、その影響を念のため確認するということでよいか、御意見をいただければと思います。
19ページは御参考でございます。令和4年検証における級地別・世帯人員別の標本世帯数をお示ししてございます。
また、20ページから21ページにかけても参考の資料でございます。令和4年検証における回帰分析の結果や消費較差指数の算出結果をそれぞれお示ししてございます。
22ページを御覧いただければと思います。
令和6年全国家計構造調査のデータの取扱いに関する検証の方針(案)について、前回の基準部会でお示しした資料から赤字の部分を変更してございます。
まず2つ目の○でございます。こちらは先ほど御覧いただきました水準検証のパートのほうに移動してございます。それに伴い、こちらのほうでは削除とさせていただいております。
また、3つ目の○でございます。令和6年の全国家計構造調査の季節性の確認に当たって、実際に使用する家計調査のデータは令和6年のデータとなるため、その旨を明示させていただいております。
これらのほかに変更すべき点などないか、改めまして御確認をいただければと思います。
23ページを御覧いただければと思います。
全国家計構造調査の季節性の確認についてでございます。令和4年検証では、全国家計構造調査の調査対象期間である10~11月の消費水準が年平均や5~9月の消費水準と大きく異ならないか、家計調査のデータを用いて確認をしておりました。今回も同様に令和6年の家計調査のデータを用いて確認をするということでよいか、御意見をいただければと思います。
24ページを御覧ください。
調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法のパートでございます。こちらの検証の方針案、論点案の記載については、いずれも前回の基準部会から変更はございません。まずは厚生労働省において参照することが考えられる経済指標を整理するということとしてございますけれども、検討に当たって整理が必要な事項あるいはデータに関して、追加で何かございましたら御指摘をいただければと思います。
25ページを御覧いただければと思います。
消費実態による検証を補完する方法に関する検証の方針(案)について、前回の基準部会でお示しした資料から赤字の部分を変更してございます。具体的には2つ目の○の部分でございますが、前回いただいた御意見を踏まえ、「生活保護受給世帯における耐久消費財の保有状況を一般世帯との比較において確認する」という旨を追記しております。
そのほか、社会的必需項目の選定方法あるいは分析方法に関して、追加で何かございましたら御指摘をいただければと思います。
資料の前半部分につきまして、事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から説明をいただきました資料の前半部分につきまして、委員の皆様から御質問あるいは御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
では、宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 宇南山です。
御説明ありがとうございました。
おおむね前回までに出ていたことや、前回基準改定を踏襲するということですので、大きなコメントはないのですが、幾つか技術的なことをコメントさせてください。
一つが6ページと18ページ目で両方出てきた外れ値の処理についてなのですが、外れ値というのは、統計的に言うとなかなか客観的に外すのは難しいという側面があることに加えて、我々が分析しようとしているのは年収階級第1・十分位という上限が定まっているようなグループですので、本当の意味で突拍子もない、何千万という支出をしているとか、そういう人が発生する心配はないので、客観性も考えますと、外れ値というのは処理する必要はないのではないかと。標準偏差で見て、ほかの人と違うという人がいるにしても、それは消費の実態を表すものとして扱うのがいいのではないかなと思っております。
また、8ページ目の固定的経費割合のところなのですが、これは分子の部分で固定的経費として扱うものというのが10ページに出されて、基本的にはこれが固定ですよということで、手順としては所得弾力性を見るということでそんなに悪いことではないと思います。1点気になるのがむしろ分母のほうでありまして、分母が消費支出全体になっているということで、例えば教育費のように公的な制度が変わることで影響を受けたり、そういった要素が加わってまいります。例えば分母を生活扶助相当支出にしますと制度の影響などは比較的受けにくいと思いますので、より適切な指標になるのではないかなと思いました。ただ、そこには強いこだわりがあるわけではありません。分母について気をつけないと、誤解を招きかねないかなという指摘です。
15ページ目のところで、重みづけについて事務局のほうからもコメントがあったわけですけれども、回帰分析において重みづけを行わないということで、1レコードのサンプルは1として扱うということになっています。単純な標本調査論的な観点で言いますと、これはあまり適切な扱いではなくて、重みをつけたほうがいいだろうということになります。技術的に問題ないならば、集計用乗率で重みをつけるべきだと思います。
ただし、一見すると全然でたらめなことをやっているように見えてしまうわけですけれども、この集計用乗率の違いが大きいところは、単身世帯と2人以上世帯のところの重みを合わせるためにつけられた乗率の差と、都市部で人口の多いところでは抽出率が低くなるために生じる乗率の差です。そこの差は非常に大きいのですけれども、説明変数を見ていただきますと分かりますように、1級地、2級地、3級地という形で大ざっぱに言うと都市規模に相当するダミーを入れていることや、世帯の人員のダミーも入っています。これらによって、実のところ、そのウエートが強く影響することはないだろうと思います。その意味では、過去の推計結果の適切性に大きな支障があるとは思わないですけれども、できることならば今後は重みをつけてもいいかなと思いました。
私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、若林先生、どうぞ。
○若林委員 若林です。
私のほうからは2点コメントさせていただければと思います。
1つ目なのですけれども、7ページ目になります。内訳として見る費目は10大費目に加えて詳細な品目単位で再掲する必要があるものはあるかということに関してなのですが、こちらはこれまで出ているコメントの繰り返しになるかもしれないのですけれども、基本的には最近の生活様式の変化を反映する通信関係費などはもう少し交通と通信から分けてもいいのかなと思っております。また、外食や調理食品など、食料というところに関してもう少し細かく見ることで、単身世帯、就労世帯を中心とした消費行動の変化を見ることができるのではないかと思っています。
そのうえで、基本的には近年の生活様式の変化ともう一つ、世帯類型を検討するということ、特にここでは夫婦子1人世帯を見ているということから、世帯類型に注目した、例えば教育、子育て関連支出などについては必要に応じて見てはどうかと思いました。それが1つ目です。
もう一つ目なのですけれども、15ページの先ほどコメントのあった回帰分析に当たっては乗率を使わないというところなのですが、私としては、基本的には、先ほどおっしゃっていたように、第1・十分位などの抽出については集計用乗率を用いることに合理性はあると思うのですけれども、回帰分析に関しては、宇南山先生のコメントに重複するかもしれないのですが、世帯類型や年齢、世帯人員構成とか、そういうものと消費支出との関係を通じて基準体系の構造を確認することが必要なので、その意味では、なくてもそんなに問題はないのではないかと。ダミー変数からある程度把握できるのではないかというのが私の意見です。ただ、それぞれに応じてやはり理由づけが必要だと思いますし、その辺りはやったのとやらないのでどのぐらい差があるかというのは見ておいてもいいかもしれないと思います。
以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
では、宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 申し訳ありません。1点申し忘れていたのですが、耐久財の保有状況について確認するというのが新たに加わったところなのですけれども、2014年までですと全国消費実態調査で耐久財の保有状況について調査をしていました。現在は耐久財の保有状況は全国家計構造調査の枠組みでは調査されていないので、代替的な統計が必要です。恐らくは内閣府の調査を使うことになろうかと思いますが、その辺、どういったデータを利用予定なのか教えていただければと思います。
以上です。
○岩村部会長 御質問ですが、事務局、いかがでしょうか。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
現時点で想定しておりますのは、我々のほうで実施しております家庭の生活実態に関する調査、アンケート調査になりますけれども、こちらの中で耐久消費財の保有状況を幾つか聞いてございます。それを一般世帯と生活保護受給世帯それぞれで集計することは可能ですので、まずはそういったデータを使ってはどうかと考えてございます。
○岩村部会長 宇南山先生、よろしいでしょうか。
○宇南山部会長代理 はい。
○岩村部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
では、村田先生、お願いします。
○村田委員 ありがとうございます。村田です。
私からは2点ないし3点お伝えしたいと思います。
最初の2点は既に宇南山先生、若林先生から御発言がありましたが、まず最初の外れ値です。私も外さなくていいのではと思いますし、念のため外した場合も確認するという前回のやり方も正しかったと思っています。理由として、もう一つ言うとすれば、サンプルサイズも2,000世帯と確保されておりますので、大丈夫だろうということです。
それから、2点目、重みをつけるべきかということ、理想はつけるのが基本とは思うのですが、作業の手間などあるかと思いますので、宇南山先生、若林先生の御説明も考え方として理解できますので、そこはこういう理由で今回はこのやり方にしたということであれば問題ないと考えております。
3点目ですが、15ページ、これはできればお願いなのですが、説明変数として、基本的にはこれでよろしいかと思いますが、世帯構成について1点お願いとして、人数のダミーを入れて、それから、年齢構成割合のダミーを入れる場合に、65歳から74歳をひとくくりにして説明変数を入れていますが、確認として、65歳から69歳、70歳から74歳が、以前の検証結果ではほぼ変わらないという結果になっておりましたので、そうであれば分ける必要もないのですが、最近高齢世帯の対象者も増えておりますので、分けた場合にどうなるかも確認しておくと良いのではと思いました。
以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでございましょうか。
では、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 これは事務局のほうに改めてどうだったのかなというので教えていただきたいのですけれども、9ページ目の前回令和4年の検証の取扱いで固定的経費と変動的経費の定義のところで、消費支出が1%増加するとき、当該支出項目の増加率が1%未満の支出項目を固定的経費と定義して、1%以上の費目を変動的経費と定義するというのが令和4年、前回の取扱いだったわけですけれども、それとの関係で、下のほうの実際に1類・2類で水準(高さ)の検証のところで、固定的経費と変動的経費の判定結果について、表の中でこれは固定です、これは変動ですということで、それ以外の「-」が書いてある※の2つ目ですけれども、固定的経費・変動的経費のいずれとも判定されないもの、ないしは夫婦子1人世帯のいずれの世帯でも当該支出項目について支出がないものとなっているのだけれども、上のさっきの消費支出を1%増加するときに、増加率1%未満の場合は固定的経費、以上だと変動的経費と定義したこととの関係で、当時、委員ではなかった人もいらっしゃると思うので、当時の審議会の資料とか議事録でそれぞれ勉強すればいいことではあるのかもしれないけれども、改めて事務局のほうでもう一回ここで説明していただいたほうがいいのではないかと私は思います。
また、大昔のデフレ基調のときとは違う局面でもあり、今回は物価をはじめいろいろなものが上がっている局面において見ていくわけだから、その場合のこともあるので、改めて、もう一回説明してもらったほうがいいのではないかなと思いました。というので分かりますよね。
○岩村部会長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。今、説明可能か、あるいは次回でもということかという気がしますが、いかがでしょうか。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
詳しくはまた次回資料などを用意させていただければと思いますけれども、今、できる範囲で御説明をさせていただきますと、9ページにございますとおり、固定的経費については、消費支出全体が1%増えるにもかかわらず、個々の品目ごとに見ていくと1%を超えるものがあったり超えないものがあったりと個別の動きはそれぞれ必ず全体の動きと食い違うようなものが出てくるというのがまずございます。そういう中で、全体の増加ほど増加しないものについては、言わば費用として固定されているということで固定的経費という分類をしてございます。
これは総務省の家計調査などでは基礎的支出というような言い方をしておりますけれども、そちらのほうも同じような考え方で、全体の消費の増え方よりも少ない動きをしているものは固定的ないしは基礎的というような分類をしてございます。そういう考え方で分類をしているというのがまずございます。
実際にどう判定するかというところは、この9ページの回帰式を使って分類していくということでございます。これも細かく言えば若干の違いはありますけれども、総務省の家計調査のほうで採用されているやり方とおおむね同じような式を採用してございます。
先ほど先生のほうから10ページの注釈のところの「-」の御紹介もございましたけれども、回帰式を用いて判定をするというやり方の関係から、どうしても推計される係数が有意ではないというケースが出てきてしまいます。そのような場合については、固定か変動かいずれとも明確に判定できないということで、「-」というような表記の仕方をしてございます。
最後のほうで先生からも御指摘がありましたけれども、どの費目が固定的なのか変動的なのかというところについては、生活様式ですとか、生活のスタイルですとか、そういった時々の状況に応じて変わり得るものになってこようかと思いますので、今回も新しいデータを基に改めて判定すると必要が出てくるのではないかと考えております。
○栃本委員 ありがとうございました。突然お尋ねしてすみません。
それと、今のことでいいのですけれども、総務省の考え方とリファーしていないとまずいというか、そのほうがいいからということは分かるのだけれども、1%というものの理屈というか、理論上というか、それは今日説明するのではなくてもよいのだけれども、理屈はあるのですか。なぜ1%。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 そこは恐らく1という数字に何か意味があるわけではなくて、全体の増加率より高いか低いか、そこに意味があるということではないかと考えています。
○栃本委員 分かりました。ありがとうございました。
○岩村部会長 ありがとうございました。
そのほかいかがでございましょうか。
特段なければ、前半部分についてはここまでということにさせていただきたいと思います。
続けて、今日資料で御用意いただいているもののうちの残っているのが4ということで、「その他の扶助・加算の検証」ということになります。
こちらについて、まずは事務局から資料の説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 事務局でございます。
それでは、資料の後半部分について御説明をさせていただきます。
資料26ページを御覧いただければと思います。こちらから4番目の項目としまして「その他の扶助・加算の検証」のパートになっております。
こちらのその他の扶助・加算のパートについては、前回の基準部会においてまずは厚生労働省において検討の進め方を整理するということでお示ししてございました。今回は実際に進め方の案ということで整理をさせていただいております。
まず、考え方のマル1の部分について、こちらは検証に当たっての留意点でございます。令和8年、本年については生活扶助基準本体を1年前倒しで検証することとしており、年末にその検証結果を取りまとめる必要がございます。このため、今回の定期検証において生活扶助本体以外の扶助や加算を検証する場合には、全体のスケジュールに留意をする必要がございます。
その上で、今回の定期検証と併せて検証の対象として考えられる扶助・加算の案については、マル2とマル3にお示ししてございます。
マル2については、有子世帯の加算である児童養育加算、母子加算についてでございます。これらの加算については、平成29年検証において生活扶助基準本体と一体的に検証を行った経緯がございます。今回の定期検証において、平成29年検証の内容も踏まえつつ、最新の全国家計構造調査のデータを用いて検証を実施することとしてはどうかと考えてございます。
なお、関連しまして、マル2の※の部分では教育扶助と高等学校等就学費の取扱いを補足させていただいております。これらについては、平成29年検証において文部科学省の子供の学習費調査の結果に基づいて検証するという方法が整理されてございます。このため、直近では令和5年の調査結果に基づいて令和7年の4月に改定を行ってございます。今後も令和7年の調査結果が公表され次第、厚生労働省において改定の要否を検討していく必要がございます。
続きまして、マル3でございます。こちらは冬季加算と期末一時扶助についてでございます。これらは生活扶助基準本体では賄うことができない季節需要に対応するものとして設定しているものでございます。これらについても、今回の定期検証において、月別の消費実態を把握できる家計調査のデータなどを用いて検証を実施することとしてはどうかと考えてございます。
マル4は住宅扶助についてでございます。住宅扶助の限度額については、平成27年に見直しを行って以降検証してございませんで、自治体など現場サイドからも見直しの要望をいただいている状況でございます。ただ一方で、検証に当たっては住宅・土地統計調査の特別集計、民間の賃貸物件情報による家賃実態の分析などについて、住宅の専門家の御知見なども踏まえた慎重な検討が必要となってまいります。このため、生活扶助基準本体と並行して年内に検証結果を整理するというのは難しいと考えられますことから、住宅扶助については今回の定期検証後に検証を進めることとしてはどうかと考えてございます。
マル5については、マル2からマル4以外の扶助・加算などの取扱いについてでございます。いずれも、まずは厚生労働省において中長期的な課題として需要の把握に必要なデータの収集方法、それから、検証方法を検討するというところから始めてはどうかと考えております。
関連しまして、マル5の※の部分に2点ほど補足を記載してございます。
まず、1つ目の※については入院患者日用品費、介護施設入所者の生活費の取扱いについてでございます。現在、入院患者や介護施設入所者に対しては、臨時特例的な対応としまして1人当たり月額1,000円を加算する特例加算を措置してございます。この特例加算は令和9年9月までの措置となってございますことから、その後の取扱いについて厚生労働省において検討を進めていきたいと考えております。
また、2つ目の※については出産扶助の取扱いについてです。現在、医療保険制度については、出産に係る給付体系の見直しの内容を含んだ法律改正が国会のほうで審議されている状況でございます。出産扶助については、その見直しの内容などを踏まえて対応について検討する必要があることから、こちらについても厚生労働省のほうで検討を進めていきたいと考えております。
こちらのその他の扶助・加算のパートにつきましては、今申し上げましたようにマル1からマル5に基づいて検討を進めていくという形にしました。この方針案について御意見など頂戴できればと考えております。
27ページを御覧いただければと思います。
有子世帯の扶助・加算の概要を整理しております。
まず、児童養育加算については、子どもの健全育成費用として学校外活動費を補填するものとなっております。
それから、母子加算については、母子世帯や父子世帯などに対してひとり親世帯のかかり増し経費を補填するものということになっております。
それぞれの現行の基準額については、こちらのページの表の下段のとおりになってございます。
28ページを御覧ください。
児童養育加算の検証の進め方について、イメージを整理してございます。児童養育加算については、前回、平成29年に検証をしてございます。その内容についてはページの下側にお示ししてございますけれども、学校外活動費について夫婦子1人世帯における第1・十分位と第3・五分位の差を検証してございました。こちらは子供の健全育成にかかる費用については、生活保護受給世帯であっても標準的な家庭と同等の支出を可能にするという考え方に基づくものでございまして、平成26年の全国消費実態調査を用いて検証した結果、第1・十分位と第3・五分位には1万円の差があったということを確認してございました。今回の定期検証においても、最新の全国家計構造調査のデータを用いて、平成29年の検証方法を踏襲した形で検証を行うこととしてはどうかと考えてございます。
ただし、学校外活動費という個別の品目を扱う必要がございますので、検証の過程でサンプル数の問題などが生じることも想定されます。その場合には、必要に応じて検証方法の見直しを検討するということとしてはどうかと考えております。このような進め方につきまして御意見などいただければと考えております。
29ページを御覧ください。
母子加算の検証の進め方について整理をしてございます。母子加算についても、前回は平成29年に検証をしてございました。その内容はページの下側にお示ししてございます。ひとり親世帯のかかり増し費用について、ふたり親世帯とひとり親世帯の消費実態の差を検証するという形を取っておりました。具体的には、ふたり親世帯としては夫婦子1人世帯、ひとり親世帯としましてはひとり親・子1人世帯をそれぞれ設定しまして、平成26年の全国消費実態調査のデータを用いて、生活水準などの影響を調整した上で夫婦子1人世帯とひとり親・子1人世帯の消費支出の差額を推計し、その差額をひとり親世帯のかかり増し費用として捉えてございました。
今回の定期検証においても、最新の全国家計構造調査のデータを用いて、平成29年の検証方法を踏襲した形で検証を行うということとしてはどうかと考えております。ただし、ひとり親世帯のサンプル数には制約がございます。このため、検証の過程で問題などが生じることも想定されます。児童養育加算と同様に、こうした場合には必要に応じて検証方法の見直しを検討するということとしてはどうかと考えております。こうした進め方について御意見をいただければと思います。
30ページから31ページは御参考の資料でございます。平成29年に行った母子加算の検証結果をお示ししてございます。夫婦子1人世帯とひとり親・子1人世帯との間で生活水準が同程度となる消費支出額を推計しておりましたけれども、その際には先行研究を参考にして、ひとり親(子1人)世帯の固定的経費割合を夫婦子1人世帯と同じ52.6%に調整し、31ページにお示ししております回帰式により推計を行うという手法を取ってございました。
32ページを御覧いただければと思います。
冬季加算の概要を整理してございます。冬季加算については、冬季における光熱費の増加需要に対応するものとして支給するものでございまして、ページの下側の表にございますとおり、都道府県単位でIからVIまでの地域区分を設定し、地域区分ごとに支給期間や世帯人員別の加算額を設定してございます。
右下の表は現行の加算額の例をお示ししてございます。加算の水準はI地区が最も高く、VI区が最も低いという形になってございます。
33ページを御覧いただければと思います。
冬季加算の検証の進め方を整理してございます。冬季加算については、前回、平成26年に検証してございます。その主な内容はページの下側にお示ししてございますけれども、冬季に増加する支出項目の検証、支出額が増加する月の検証、世帯人員別の較差の検証、級地別の較差の検証、そして、加算額の水準の検証、これらそれぞれにつきまして平成21年から25年までの家計調査のデータを用いて作業を行っておりました。
平成26年の検証方法の詳細につきましては、本日の参考資料2としまして平成26年当時の報告書を添付してございます。必要に応じて御参照いただければと思います。
冬季加算につきましては、このような平成26年検証の方法を踏まえつつ、今回の定期検証において、近年の家計調査のデータを用いて26年の方法に準じた形で検証を行うこととしてはどうかと考えております。このような進め方について御意見をいただければと思います。
34ページを御覧いただければと思います。
期末一時扶助の概要を整理してございます。期末一時扶助については、年末年始における食費などの一時的な特別な生活需要に対応するという観点から、12月に算定されるものでございます。
現行の基準額はこちらの上段の表にお示しするとおりになってございます。
ページ下側では、これまでの期末一時扶助の設定の経緯を整理してございます。昭和35年の創設時にはマーケットバスケット方式により算定されておりましたけれども、昭和39年には11月から12月にかけて消費支出が増加する費目に基づいて算定する形に変更されております。それ以降、昭和48年から平成24年までの間は生活扶助基準の改定率に基づいて改定する形を取っておりました。直近では、平成25年にデフレ調整を反映するとともに、スケールメリットを導入するという見直しを行っております。
35ページを御覧いただければと思います。
期末一時扶助の検証の進め方について整理をしております。期末一時扶助については、前回、平成24年にスケールメリットについて検証を行っております。その内容はページの下側にお示しするとおりでございますけれども、5年間の家計調査のデータを用いて、世帯人員ごとに年収第1・十分位の世帯の11月から12月にかけての支出の増加額を算出することにより、世帯人員ごとのスケールメリットを検証してございました。
当時は水準の検証は行ってございませんでしたけれども、家計調査から算出されます12月の支出の増加額に基づくことで水準の検証についても対応可能と考えられますことから、今回の定期検証では、期末一時扶助について平成24年検証の方法を踏まえつつ、近年の家計調査のデータを用いてスケールメリットの検証と水準の検証の双方を行うということとしてはどうかと考えてございます。このような進め方について御意見などいただければと思います。
36ページを御覧いただければと思います。
御参考の資料になりますけれども、教育扶助と高等学校等就学費の見直しの状況について概要をお示ししてございます。教育扶助と高等学校等就学費につきましては、平成29年に検証を行いまして、こちらの表にお示ししておりますとおり、各種費用に対して子供の学習費調査の調査項目を対応させるという整理を行っております。直近では、この検証方法を踏まえまして、令和5年の調査結果に基づいて検証を行い、令和7年に基準額の見直しを行っているという状況でございます。
37ページから41ページについては、前回の基準部会においてお示ししました各種の扶助・加算の一覧でございます。御参考までに再掲という形を取ってございますので、適宜御参照いただければと思います。
資料につきまして事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、資料の「4.その他の扶助・加算の検証」について説明をいただいたところでございますが、こちらにつきまして御意見あるいは御質問がありましたら委員の皆様から頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、宇南山先生、どうぞ。
○宇南山部会長代理 御説明ありがとうございました。
非常に多岐にわたっているものですので、いろいろあるのですが、順に言わせていただきます。
まず第一に児童養育加算についてなのですけれども、28ページ目の平成29年の検証の方法を見ます。中位階層における支出額と第1・十分位における支出の違いを取って、この分追加で給付するというアイデアに基づいているのですけれども、この児童養育加算というのは、先ほどの基準体系の検証の際に出てきた回帰式を前提にしますと、人数や年齢は既に考慮されているはずのものでして、それに加えて児童養育加算を給付するというのは、基本的には子供健全育成にかかる費用として給付するというアイデアに基づいています。ただ、この給付は現金で定額で渡されることになりますので、生活保護を受け取った家庭でこのように差額分だけ自分の子供が中位所得の子供と引けを取らないような生活ができるように支出をする義務があるわけではありません。本当にこれが健全な子供の育成に係る費用として使われるのかという点についてやや疑問があるところで、その意味では、この検証方法でいいのか。もしくは児童養育加算の与え方がこれで正しいのかというところから少し検証が必要ではと思っています。
母子加算であれば、例えばこれは人数などを調整した上でかかり増しの分がある。それは基本的には親がかかり増しでかかるという部分なので、定額で渡すことと論理的に矛盾しないわけですけれども、児童養育加算に関しては何か別の考え方があり得るのではないかというのは一つあります。
また、母子加算については、母子加算の検証方法が31ページ目にあるのですけれども、非常に原理的に考えれば、ひとり親世帯のかかり増しの費用というのを本当に対象としたいとするならば、先ほどの基準体系の検証を示した15ページ目を使うのがストレートだと思います。消費較差の指数のところにひとり親ダミーというのを入れて幾ら変わるのかというのを検証するのが自然な延長だと思います。仮に基準本体と同時にやるということであるならば、検証方法も一体化し、独自の推計式を用いるのではなく消費較差の推計の中に溶け込ませることが良いと思います。
もう一つ、教育扶助就学費のところ、先ほどの児童養育加算と議論としては一緒なのですけれども、子供に関してかかる部分でこの教育扶助とかはかなりの程度実費化されていて、ある意味の現物支給に近いような体制になっています。このような形で子供の教育に関する費用をきちんと補填してあげるというのは非常に重要なことだと原理的には考えています。
ただ、学習支援費が導入された際に、申請して受給できるという形式になったせいで実際には支給額が思ったようには伸びていないというようなことが起こったと思います。何か実費的に与える場合にはそういうリスク、親が子供のために何か手続をするのをいとうというようなケースが発生しかねません。本来であれば重点的にサポートすべき対象を外してしまうというような逆転現象も起きかねないと思いますので、この児童養育加算を含めて、子供に関する支援というのはどういう体系で行くのかというのを金額の前に少し厚労省のほうで体系的に検討いただいたほうがいいのではないかなと思いました。
住宅扶助については、今回は同時にはやらないという方向をお示しいただきましたけれども、これについては、私はニーズが高いということも理解した上で妥当だと考えております。近年の民間の、特に低家賃の賃貸住宅の市場においては、むしろ住宅扶助が下限になるような動きがあると聞きます。生活保護を受けている方が入居者になれば、むしろ家賃の取りっぱぐれがないということで、住宅の家賃の下限として機能してしまうようなケースがアネクドートとしては言われています。その辺の実態みたいなものも含めて、少し住宅市場全体を見て検討を進めていただければと思います。
児童養育のところで言い忘れたことが1か所ありまして、先ほど申しました学習支援費について、クラブ活動にかかる費用をカバーしてあげようということで、実費でそれなりの金額を支給するようになっているわけですけれども、現在、特に中学で部活の地域移行というのが進んでいて、私の住んでいる京都市などでもそういう流れがある中で、どうも部活より随分お金がかかるようになる気配を示しています。ここの部分も従来型の部活を前提としたような費用の在り方では足りなくなる可能性があると思いますので、注視して状況に応じて対応していただければと思います。
私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 今、部会長代理の宇南山先生からかなり広範に指摘がなされましたが、併せて、厚労省のほうで、審議会事務局のほうで考えてそれを示してもらいたいという御発言がありましたよね。当時の27年改定のとき、学習費調査というのを初めて活用して、あれは画期的というか、すごくよかったと思うのですよね。何故かというと、今回の基準についての考え方で、ある意味での絶対的な窮乏とかそういうのではなくて、相対的収奪みたいな部分に注目しなくてはいけないというのが今回の改定で一層強調されなければならないことです。前の27年度はそういうところは報告書には書いていなかったかもしれないけれども、あの頃はむしろ底割れしてしまうと駄目だと。均衡方式では、均衡はしていても底割れしてしまうということがデフレ局面では起こる、そうなってはいけないという議論なのだけれども、今回は底割れ議論ではなくて、何か別の名称、別の言い方を使ったほうがいいぐらいの局面、フェイズです。あと、これはこの間の永田先生の発言にも関係あるのですが、相対的収奪の部分があって、それとの関係でいうと、文科省の学習費調査を活用してやったのはよかったと思うのだけれども、その上で、宇南山先生は基本的に事務局のほうである種の整理が必要だということのご発言と理解しました。
それと、26ページの今後の検討の進め方案というので、これは工夫されたものではあると思うし、役所の中ではこういうような整理なのだけれども、マル2、マル3についてはやるわけだけれども、マル4は今回の定期検証後、検討を進めることとしてはどうかということになっていて、マル5ではマル2からマル4以外の扶助については中長期的な課題として重要な把握に必要なデータの収集、検証方法の検討をすることから始めてはどうかと書いてあるでしょう。これは別の言い方をすると、マル4についてはある意味では5のカテゴリーに入るような印象を持つのですよね。ここでは2から4まではというような整理をして、だけれども、4については住宅扶助についてはこうなのでという形にしているけれども、住宅扶助については、先ほど宇南山先生のお話もありましたけれども、やはり根本的に課題があるわけですよね。それで、27年検証のときもそういう議論をしたと思うのですよね。
あともう一つは、日本では最低基準というのはないと言うとあれだけれども、住宅基本計画の中で示されたのは最低基準ではないから、そういうことも含めていろいろ根本的なというか大きな課題があるから、それについてはやはり役所できちんと整理すべきなので、むしろマル5のところに入ってくる。つまり、2から3以外の扶助についてはというような形のほうが合っているのではないかなと勝手に思いましたけれども、それぐらい4についてはもう少し根本的に事務局のほうでやるべきことだから、2、3、4と並べるのは、スタイルの問題かもしれないけれども、どうかなと感じました。つまり、それだけ4は重たい、相当重要なものだよねということで、これは中長期にわたって、根本から議論しなくてはいけないことなので、今後の検討しなくてはいけない大きな柱というか重要なことだと思いますよ。事務局としてはこういう整理はそれでいいのですけれども、感想というか、マル5の2から4というのはあれっというような感じがしないでもなかったということです。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
事務局のほうから何かお答えする必要はございますか。コメントということでよろしいですか。
事務局、よろしくお願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 御指摘ありがとうございます。
住宅扶助については、前回、平成26年に検証しまして、27年に改定をしてございます。その26年の検証というのが本体の検証とは時期をずらして行っておりました。当時は平成24年に本体の検証をして、その2年後、26年に住宅の扶助の検証、冬季加算の検証も合わせてですけれども行っていたということでございます。
マル4とマル5の書き分けの関係では、マル4の住宅扶助については、そういう意味では、前回といいますか、前例としまして過去に検証を行った経験があるという形になっております。ただ、本体と同時にやった形ではありませんので、そことずらしてやるというのが前例になっている。実際に検証するに当たって、今御指摘いただいたとおり、いろいろな課題に対して向き合っていかなければいけないというところで、簡単ではないということでは考えておりますけれども、他方で、前例があるという点と、また、現場からの要望もかなり強くいただいているというところはございますので、我々が想定していた点としましては、マル5よりは優先的に扱っていかなければいけないのだろうということで考えておりました。
マル5のほうは、こちらもきちんと対応していかなければいけないものではあるのですけれども、前例として何か確立されているような検証方法がそもそもあるわけではないというところが大多数になってまいりますので、こちらについては中長期的な課題として少しずつ検討を進めていく。このようなイメージで考えていた次第でございます。
○栃本委員 よく理解しました。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、先ほど若林先生がお手を挙げていらっしゃったと思いますので、どうぞお願いします。
○若林委員 よろしくお願いします。
27ページに関連して、有子世帯の扶助・加算の概要についてコメントさせていただきたいと思います。
基本的には、私もここに関しては、もう少し所得の高い分位のところに注目するという中位階層との比較というのも重要であるというところは非常に重要なことだと思っていて、低所得であることにより格差が連鎖するというか、そういうことを避けるためにも、ある程度低いところだけではなくてもう少し高い人たちと比較するというのは非常に重要なことではないかなと思いました。
その上で、幾つか言いたかったのですけれども、まず最初に、この中になかったものとして私が気になっていたものは、最近ICTの使用というのが結構進んでおりまして、学校から貸与されたり支給されたりしていることは聞いているのですけれども、そういったものに関して、近年変わってきたものに対して注目してみるとよいか検討してみてはいかがでしょうか。
それから、学習支援費も非常に重要なところになってきているのですけれども、それに関しては、恐らく地域によってはバウチャーなどが出ていたりして、実費で支給することによって重複などがないのか、その辺りが私は分からないので教えていただければと思って聞いておりました。
また、先ほどクラブ活動の話も出ていたのですけれども、その辺りも基本的には実費支給になるということなのですが、やはり選択ができているのかできていないのかという点は気になりました。部活に関しては、結果として実費を支給するということで、私もそれしかないかなと思うのですけれども、将来的な観点からすると、子供たちがどういう選択をして、その結果としてどのぐらいの支出が生じているのかということについては、これは超越的なコメントになってしまうのですけれども、本当は長い目で見てみてはどうかなと、今日聞いていて改めて思いました。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
1点事務局のほうにお尋ねがあったと思いますので、お願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
学習支援費について、実費で支給するという制度になっておりますけれども、今、若林先生から御指摘いただいたのは、地域によってはバウチャーなどが支給されている場合があって、それと言わば二重支給といいますか、重複するような形になっているケースもあるのではないか、そこの実態がどうかというような御趣旨だったかと思います。その点については、大変恐縮ながら、今すぐお答えできる情報が手元にございませんので、また確認しまして、後ほどお答えをさせていただければと思います。
○岩村部会長 よろしくお願いします。
若林先生、そういうことでよろしいでしょうか。
○若林委員 はい。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございます。
それでは、ほかの先生方、いかがでしょうか。
では、村田先生、どうぞ。
○村田委員 村田です。
1点だけ、冬季加算について、33ページですが、基本的にはこれでいいと思うのですが、前回のやり方を踏襲すると、5年間プールされていたと思うので、今回の場合は家計調査の2021年から2025年の60か月のデータをプールするというイメージでしょうか。
であると、若干気になりましたのが、2022年とかが含まれますので、原油価格が倍になったり、そういうときに、灯油がどのぐらい上昇したのか、例えば年央に上がったりして、これは名目支出額ですので、適切な冬季加算が計算できるのかが気になりまして、価格の月のばらつきみたいなものを確認されたり、あるいは、家計調査は光熱費の内訳として電気代、ガス代、灯油とありまして、電気代とプロパンガスと灯油については品目別で数量を出していますので、どのぐらい数量ベースで増えているかは確認できるかと思いますので、5年プールするのでそれほど問題ないとは思うのですけれども、一応確認していただけるとよろしいのではと思いました。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
それでは、嵩先生が手を挙げていらっしゃるので、お願いします。
○嵩委員 ありがとうございます。
今回の検討ではひょっとしたら既存の加算や扶助を対象にした議論なのかもしれないのですけれども、冬季加算はあるのですけれども、他方で夏場の暑い時期の光熱費というのも結構かさんでいるのかなと思っております。全国家計構造調査は10月、11月を対象にするということで、その時期も暑いと言えば暑いかもしれませんけれども、本当に暑い時期の光熱水費についてはどのように支出しているのかとか、必要であれば、例えば何かしらの対応というのも中長期的には検討が必要になってくるのかなと感じました。今回の趣旨とは違うかもしれないのですけれども、光熱水費の季節性の変動というのについてもう少し夏場の需要も検討したいかなと思っています。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
事務局のほうで、先ほどの村田先生の御意見と併せて何か反応があればお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
まず、村田先生からいただいた御質問としましては、冬季加算の検証に使うデータとして家計調査5年分ということですけれども、2021年から2025年の5年ということでよいかという御質問だったかと思います。この点についてはおっしゃるとおりでございまして、検証作業を今年行うという際に、足元5年分というデータを取るとすれば、2021年から25年のこの5年間になるという想定でございます。
その際に、少し原油の影響などイレギュラーな影響もあり得るという御指摘だったかと思います。そこは今の御指摘を踏まえて、いろいろな観点から、影響などを確認しながら検証を進めていければと思います。
それから、嵩先生からいただいたのは、夏場の支出の増加などの状況の確認ですとか、あるいは新たな加算の検討というところも必要ではないかという御指摘だったかと思います。こちらについて、今、お示しの資料の中では明示的にその点は記載できてございませんけれども、特におっしゃっていただいた夏場の消費の増加、光熱費等の増加に対応するものについては、実際に現場サイドの方からもよく御要望いただいているような状況ではございます。今回、ひとまず冬季加算についての検証を想定してございますけれども、冬季の加算の検証に当たっては、月々の光熱費の変動を見ながら、どの月にどれくらい増加があるのかというような見方をしていく形になります。その検証の流れの中で、冬季に限らず、1年通してどういう動きになっているのかというのも併せて見ることは可能ではないかと思っておりますので、先生の御指摘も踏まえて対応していければと考えております。
○岩村部会長 ありがとうございました。
嵩先生、村田先生、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、新保先生、どうぞ。
○新保委員 ありがとうございます。
今、嵩先生からの御意見に対して、そうした検証も対応可能と事務局からお答えがありました。ぜひ夏の光熱水費の季節性の検証ということも進めていただけるとありがたいです。
それから、先ほど来、26ページの4番の住宅扶助について、宇南山先生、栃本先生から御意見がありました。やはり在り方の検証がとても重要だと思いますと同時に、恐らく自治体からの意見は、大都市を中心に全国的に家賃が上昇してきているというような、割と緊迫した状況の中での意見ではないかと思われます。ただ一方で、御説明がありましたように、検証にはそれなりの時間もかかるということで、こちらは4番のところにありますように、定期検証後、できるだけ早急に検討を進めていただけると望ましいのではないかと思いました。
そして、マル5のところですが、生活様式の変化というようなお話もある中で、需要がどういうふうに変わってきているのかということについて、それぞれ加算の見直しをしていく中でも検証されることかもしれないのですが、ぜひこちらも非常に重要な課題だと思いますので、進めていただければと思います。
以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
今日のところはよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、予定より大分早いのですけれども、大体今日資料についての御意見は頂戴したと思います。そういうことで、本日の審議はこれで終了とさせていただきたいと思います。
次回の開催について、事務局のほうから説明をお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 次回の開催日程につきましては、追って委員の皆様方に連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
それでは、今日の審議はここまでということにさせていただきたいと思います。
皆様、大変御多忙の中を今日御参加いただき、また、貴重な御意見をいろいろお出しいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、今日はここまでということにさせていただきます。ありがとうございました。散会いたします。

