第32回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

日時

令和8年6月5日(金) 10:00~12:00

場所

厚生労働省 専用22~24会議室(中央合同庁舎5号館18階)
東京都千代田区霞ヶ関1-2-2

出席者

専門家委員
岩井羊一委員、江口尚委員、木村恵子委員、清山玲委員、玉木一成委員、中窪裕也委員、西賢一郎委員
当事者代表委員
工藤祥子委員、小池江利委員、髙橋幸美委員、渡辺しのぶ委員
労働者代表委員
薄田綾子委員、菅村裕子委員、永渕達也委員
使用者代表委員
神尚武委員、清田素弘委員、笠井清美氏(鈴木重也委員の代理)

議題

過労死等の防止対策の実施状況及び今後の取組について

議事

議事内容
○中窪会長 定刻となりましたので、ただいまから第32回「過労死等防止対策推進協議会」を開催させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、木村委員、清山委員、工藤委員、清田委員の4名がオンラインでの御出席となっております。
 また、専門家委員の戎野委員、労働者委員の原委員、使用者代表の田上委員、鈴木委員が御欠席と伺っております。
 なお、鈴木委員の代理としまして、一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹の笠井様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 本日は、会場にお越しの委員につきましてはタブレットにより、オンラインで御参加の委員につきましては事前にお送りした資料により御議論いただくことになっております。タブレットの操作等で問題が生じた場合には、随時職員をお呼びください。
 初めに、委員の御紹介となりますが、全体資料の120ページに参考資料1として名簿がございますので、御覧ください。本日付で委員の異動がございましたので、御紹介いたします。
 労働者代表委員の冨髙裕子委員が退任され、後任に菅村裕子委員が就任されております。
 また、使用者代表委員の佐久間一浩委員が退任され、後任に田上宏運委員が就任されております。
 それでは、新しく委員になられた方のうち、本日御出席いただいております労働者代表委員の菅村委員から、一言御挨拶をお願いいたします。
○菅村委員 御紹介ありがとうございます。日本労働組合総連合会の菅村と申します。積極的に議論に参画してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございます。
 それから、事務局に異動があったということですので、御紹介をお願いいたします。
○企画官 前回の協議会以降、事務局に異動がございましたので、御紹介いたします。
 まず、労働基準局補償課長の大屋です。
○補償課長 大屋でございます。よろしくお願いします。
○企画官 続きまして、労働基準局安全衛生部労働衛生課長の諸冨です。
○労働衛生課長 諸冨です。よろしくお願いいたします。
○企画官 事務局紹介は以上です。
○中窪会長 ありがとうございます。
 それでは、カメラの撮影につきましてはここまでとさせていただきますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○中窪会長 それでは、本日の議題「過労死等の防止対策の実施状況及び今後の取組について」、厚生労働省、人事院、内閣人事局、総務省、文部科学省の順に御説明いただき、その後、一括して質問等の時間を設けたいと思います。委員からの発言をできるだけ多くいただきたいと思いますので、事務局の説明は簡潔にお願いいたします。
 それでは、厚生労働省から順次説明をお願いいたします。
○企画官 厚生労働省です。厚生労働省からは、資料1、資料2、資料7及び資料8について説明いたします。
 まず、通し番号1ページ目を御覧ください。なお、通し番号というのは右下ではなく資料の中央下に印刷されている数字となっております。御確認をお願いします。
 資料1は、令和7年度の過労死等防止対策の主な取組に関する資料となります。通し番号3ページの上のグラフを見ていただければと思います。週60時間以上労働している雇用者割合の経年変化ですが、令和7年は7.7%で全体的に緩やかに減少しております。下のグラフは業種別の令和5年から令和7年の3か年の割合を表したものになります。3か年とも運輸業、郵便業が最も多くなっておりますが、5年から7年にかけて減少しております。
 通し番号4ページを御覧ください。左側の勤務間インターバル制度について、制度を導入している企業割合は増加傾向にございますが、目標の15%とはまだ乖離しております。
 次に、通し番号5ページを御覧ください。メンタルヘルスに取り組む事業場の割合、小規模事業場におけるストレスチェックの実施割合などの数値を載せております。労働者数50人未満の小規模事業場における令和6年のストレスチェックの実施割合は33.5%であり、目標達成に向け施策等の一層の推進を図ってまいります。
 通し番号6ページは、大綱に基づく委託事業についてでございます。①の過労死等防止対策推進シンポジウムは、11月の過労死等防止啓発月間を中心に全国47都道府県48会場で開催しております。過労死遺児交流会は毎年1回開催し、令和4年度からは遺児のための相談室も設けてございます。③の中学生・高校生等への講師派遣事業につきましては、家族の会、労働問題に関する有識者の皆様の御協力を得ながら、また、文部科学省とも連携をして、より多くの生徒等を対象とできるように今年度も引き続き積極的に取組を進めていく予定としております。
 通し番号7ページを御覧ください。調査研究については、現在、労働安全衛生総合研究所において進められております。これらの調査研究の成果につきましてはポータルサイトで発信するとともに、過労死白書でも活用して引用して紹介させていただいております。
 通し番号8ページからは、啓発の取組関係です。9ページの自動車運転従事者に関する取組として、構造的な問題に対処するため、業法を所管しておられる国土交通省と厚生労働省が連携し、トラック・物流Gメン及び荷主特別対策担当官等による荷主への働きかけなどを実施しております。
 通し番号9ページの建設業につきましても業法を所管している国土交通省との連携の強化を図っており、長時間労働改善、適正な工期、請負代金の設定等について、厚生労働省と国土交通省との連名で工事発注者等に要請を行っております。
 続いて、通し番号11、12ページを御覧いただければと思います。こちらは医師・医療従事者に対する取組内容となっております。適切な労務管理を図るため、「いきいき働く医療機関サポートWeb」等による周知、医療勤務環境改善支援センターによる相談・助言・支援等を実施しております。
 通し番号13ページ、こちらは働き方改革支援助成金による中小企業事業主への支援のポンチ絵を載せております。14ページは産業保健活動総合支援事業によるメンタルヘルス対策、15ページは研修等の実施、メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」による取組内容、また、労働者50人未満の小規模事業場へのストレスチェック義務化が令和10年4月から施行されること等について掲載してございます。
 通し番号16ページはハラスメント防止対策、17ページはシンポジウム等による啓発、18ページは各種相談事業の実施について紹介しております。
 資料1については以上です。
 続きまして、通し番号19ページ、資料2を御覧ください。過労死等労災請求件数等の増加要因分析につきましては、前回、それから前々回の協議会におきまして、過労死等労災補償状況のデータ等を使いまして傾向の分析を行ってまいりましたが、今回の資料では、なぜ増加しているのか、その背景における要因・要素といったものを考察し、一定の整理を行っております。
 資料2では、精神障害に係る労災請求件数が増加していること、そしてその中でも特に医療・福祉業において請求件数が増加していること、そして長時間労働者の割合が減少している中、脳・心臓疾患の労災請求件数は緩やかに増加していること、以上3つの項目について考察した結果をまとめてございます。時間の関係から資料内の各グラフ・表に関する詳細説明は割愛させていただき、結論部分のみ御紹介いたします。
 まず、1の精神障害の労災請求件数増加につきましては、職場環境の要因、それから職場環境以外の要因、その他要因が複合的に関係しているといったことが考えられます。まず職場環境の要因についてですが、一つは労災決定件数における対人関係、上司トラブルの伸びが大きく、そして、いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントに関する相談件数が令和4年度にかけて増加し、高止まりとなっていること、これらから上司とのトラブル等の対人関係により精神にトラブルを抱える労働者が多数存在しているということ、以上のようなことが考えられますが、その他の要因につきましても引き続き調査を進めていくこととしております。
 次に、職場環境以外の要因として考えられるところを挙げております。労災認定基準の改正によりパワハラ、カスハラが追加され、労災請求の増加につながったという点、労働施策総合推進法の改正によるパワハラ防止措置の義務化によりパワハラの社会的認知が高まり、パワハラ被害等を原因とした労災請求件数の増加につながったということ、そして社会全体で見ると、気分障害等の精神疾患の患者数が長期的に増加していること、以上のことが考えられますが、その他の要因についても引き続き調査を進めていくこととしております。
 2の医療・福祉業において特に請求件数が増加していることにつきましては、次の要因が複合的に関係していると考えられます。一つは、医療・福祉では業務の質・量ともに増加していること、人手不足の状況となっていること、そして上記のような背景の下、パワハラ、カスハラが生じやすい環境・状況となっていること。
 3の脳・心臓疾患の労災請求件数が緩やかに増加していることにつきましても、職場環境の要因、職場環境以外の要因、その他要因等が複合的に関係していることが考えられます。
 まず職場環境の要因についてですが、労働時間につきましては週60時間以上雇用者、つまり長時間労働者の割合は減少傾向にあることから、労働時間以外の負荷要因といったものが影響していることが考えられますが、請求件数に与える影響等についてはさらなる分析が必要であり、その他の要因についても引き続き調査を進めることとしております。
 次に、職場環境以外の要因についてですが、50歳以上の高年齢者の雇用者割合が増加している中、心疾患、脳血管疾患の患者数は高年齢者が特に多いということ、また、脳・心臓疾患においても50歳以上の高年齢労働者の請求が増加傾向にあること、また、令和4年から5年にかけての大きな増加につきましては、令和3年度の労災認定基準改正による労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定するといった改正を行ったことが影響している可能性もあること、こういったことが考えられますが、その他の要因につきましても引き続き調査を行うこととしております。
 資料2については以上です。
 続きまして、少し飛びますが、通し番号57ページ、資料7を御覧ください。資料7は、過労死等防止対策推進法及び大綱に基づく施策の実施状況について、大綱の項目に沿って平成27年度から令和7年度までの取組状況をまとめた資料になっております。こちらにつきましては、大変申し訳ございませんが時間の関係から説明は割愛させていただきます。
 少し飛びまして通し番号116ページからは、資料8、過労死等防止対策の推進に係る令和8年度予算額の概要資料となります。令和8年度におきましては、令和7年度の予算額よりも全体で23.4億円増額しております。
 厚生労働省からの説明は以上となります。
○人事院職員福祉局参事官 続きまして、人事院でございます。
 通し番号で言いますと、33ページを御覧ください。取組の1つ目は、超過勤務の縮減です。人事院では各省における超過勤務状況を調査し、超過勤務時間の縮減に関する指導等を行っております。月100時間や平均月80時間の上限を超える超過勤務は脳・心臓疾患の発症との関連性が強いとされていることから、このような超過勤務の最小化に向けて各府省が自律的かつ着実に取組を進めていくことができるよう、昨年度から、長時間の超過勤務が行われている個々の職場の実情に応じた実効的な縮減策を示し、その着実な実施を継続的に支援する取組を行っております。また、現在行っている個別の調査や指導を経ても取組が不十分な場合は臨時調査を実施し、より一層の取組と改善状況の報告をお願いするなど、調査・指導を強化しております。
 2つ目は、勤務間のインターバル確保についてです。人事院では各省各庁の長の勤務間のインターバル確保に努める責務を明確にするため、令和6年4月から努力義務規定を設け、各府省における取組を支援する観点から、その時間の目安を示すこととしております。
 また、令和6年度には各府省における勤務間のインターバル確保に係る実態を把握し、インターバル確保をさらに推進するため、職員アンケートやヒアリング等の調査研究事業を実施しました。これらの調査結果を踏まえ、令和7年末に勤務間のインターバル確保に向けた課題の解消に資する取組例や、毎日インターバルを確保することが難しい職場等における対応を各府省に対し具体的に示したところでございます。引き続き、より実効性のある勤務間のインターバル確保に向けた取組を推進してまいります。
 3つ目は、ゼロ・ハラスメントに向けた取組、職員の健康増進等についてです。まずカスタマーハラスメント対策について、人事院規則を本年4月に制定しました。民間労働法制と同様、本年10月からこの規則に基づきカスハラ対策を実施していきます。各府省がカスハラに対し組織として毅然とした態度で取り組むことができるよう、人事院としても支援してまいります。
 また、ゼロ・ハラスメント実現への取組として、幹部職員へのハラスメント防止研修の実施や各府省におけるハラスメント相談の実効性を高めるため、専門家によるハラスメント相談員向けの相談窓口を設置するなどの取組を行っております。引き続きこうしたゼロ・ハラスメントに向けた取組を推進してまいります。
 職員の健康増進については、心の健康問題による長期病休者への対応として、昨年度、職場復帰のため職員向けの手引や担当者向けのマニュアルを作成し、各府省に提供しました。また、各種健康相談窓口について一層の周知を図り、必要とする職員の利用につなげるなど、引き続き健康増進に関する取組を推進してまいります。
 続いての34、35ページについてはデータになりますので、説明は割愛させていただきます。
 人事院からの説明は以上です。
○内閣官房内閣人事局参事官(働き方改革推進担当) 続きまして、内閣人事局でございます。
 資料4のページ番号37ページを御覧ください。令和7年度の内閣人事局における過労死等の防止対策の実施状況について御説明いたします。
 働き方改革の推進につきましては、本年3月に改正しました「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」等に基づきまして、長時間労働等対策及びマネジメント改革等の取組を推進しているところでございます。
 具体的には、内閣人事局の取組としましてまず1つ目、各府省等の取組の支援として、国家公務員の働き方改革に係る取組状況の実態及び職員の意識等を横断的に把握・検証するため、国家公務員の働き方改革に関する職員アンケートを実施しております。令和6年度の職員アンケートにつきましてはその結果を公表しまして、個別の結果を各府省等にフィードバックをしております。また、令和7年度の職員アンケートにつきましても調査を実施しまして取りまとめを行っているところでございます。
 加えまして、女性活躍・ワークライフバランス指針に係る各府省等の優良な取組事例等につきまして共有して、各府省等の自主的な取組を支援しております。
 2つ目、業務効率化・デジタル化の推進につきましては、業務見直しのさらなる推進のため、府省等の横断的な業務の見直しに係る意見交換の場を設置・運営しまして、各府省での知見の共有を図っております。
 3つ目は、長時間労働等対策の強化についてでございます。改正しました指針におきましても、月100時間超等の超過勤務をはじめとします超過勤務の縮減につきましては喫緊の課題であるとの認識の下、月100時間超等の超過勤務の最小化に向けまして、各府省等における幹部主導による実態把握、要因分析、要因解消のための取組の実施等を促進しております。
 また、令和7年度から柔軟化されましたフレックスタイム制につきまして、人事院と連携しましてリーフレットの掲載等、引き続き各府省等での円滑な活用を支援しております。
 また、勤務時間管理システムにつきましては、職員の勤務時間の正確な把握及び上司が部下の勤務状況を随時把握することによる適切なマネジメントなどが可能になることから、引き続き各府省等における導入支援を行っております。また、多様な勤務形態・職場においても利用できるよう、各府省等の共通利用システムとして勤務時間管理共通システムの整備を進めてまいります。
 4つ目は、ワークライフバランス推進のためのマネジメントの向上になります。まず、本府省の新任の管理職を対象として、マネジメント能力の向上を図るための研修を令和6年度に引き続き実施しております。また、両立支援制度を利用しやすい環境に向けて、管理職に求められる行動や役割についての理解の促進に取り組んでまいります。
○内閣官房内閣人事局参事官(福利厚生・ハラスメント防止担当) 続きまして、38ページを御覧ください。心身の健康の保持増進についてであります。
 まず、国家公務員に対する周知・啓発等の実施につきましては、管理監督者を対象としたメンタルヘルスセミナー、各担当者を広く対象とした健康に対する意識啓発講演会、新任の幹部職員、課長等を対象としたe-ラーニングによるメンタルヘルス講習、ハラスメント講習を行ったほか、健康増進対策として、健康診断において要医療・二次健診の対象となった職員への確実な受診の指導等を推進しました。
 また、国家公務員に対する相談体制の整備に関する取組として、各府省等のカウンセラー、相談員を対象としたカウンセリングに関する講習会を実施しました。
 内閣人事局としての取組は以上になります。
○総務省自治行政局公務員部福利課安全厚生推進室長 続きまして、総務省でございます。総務省における過労死等の防止対策の実施状況について御説明させていただきます。
 通しページの40ページを御覧ください。「地方公共団体における時間外勤務縮減等の取組」をまとめております。小見出しの番号の1、2、1つ飛ばしまして4から6につきましては、昨年、地方公共団体に対しまして、順に勤務時間の適正な把握、時間外勤務の縮減に向けた適切な取組、年次有給休暇の取得促進等、ハラスメント防止のための雇用管理上の適切な措置等、災害対応に従事する職員の適正な勤務条件の確保などにつきまして、助言の通知を発出しております。小見出しの3のところにつきましては、令和7年度に行いました各種会議等の場を通じまして、地方公共団体に同旨の助言を行っているところでございます。
 次に、41ページを御覧ください。上段の「地方公務員の過労死等をめぐる調査・分析の取組」につきましては、記載のとおりでございます。
 その下の「地方公共団体のメンタルヘルス対策の実施状況等」についてでございます。総務省では地方公共団体に対しまして、昨年の労働安全衛生法の改正以前から、50人未満の事業場を含めた全ての職員に対しましてストレスチェックを実施するよう助言をしてまいったところでございます。令和6年度につきましては、上の表のb/a欄のとおり98.8%の事業場でストレスチェックが実施されており、これは令和5年度の数値よりも0.2ポイントの増となったところでございます。その下の表の一番右の合計欄でございますが、令和6年度につきましては98.9%の部局で何がしかのメンタルヘルス対策が実施されているということになっております。令和5年度より0.3ポイントの増となったところでございます。
 次に、資料42ページを御覧ください。上段の「地方公務員に対する講義・研修」につきましては、総務省に設置しております自治大学校や地方公務員の安全・健康の確保等を行っている地方公務員安全衛生推進協会におきまして、表に御記載のとおりメンタルヘルス等について講義等が行われているところでございます。
 下段の「地方公務員に対する相談の取組」につきましては、地方公共団体の人事委員会等関係法人におきまして職員からの相談受付等を行っていただいているところでございます。また、消防におきましては、大規模災害等が発生した場合、消防本部等の求めに応じ緊急時メンタルサポートチームを派遣し、消防職員等へのカウンセリング等を行っているところでございます。
 総務省といたしましては、引き続き適時適切に地方公共団体に対しまして助言や情報提供等を行い、過労死等の防止に寄与してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課課長補佐 文部科学省でございます。43ページから、文部科学省における過労死等の防止対策の実施状況について御説明させていただきます。
 44ページ、文部科学省においては過労死等防止対策推進のため、学校における働き方改革のさらなる加速化や学校の指導・運営体制の充実等の取組に一体的に取り組んでいるところでございます。
 1つ目の黒ダイヤでございます。客観的な方法により在校等時間を把握することを徹底するよう教育委員会に対して求めているところでございます。その下の黒ダイヤの下の赤い星印でございます。業務の縮減・適正化につきましては、昨年6月に成立した給特法等一部改正法において、全ての教育委員会に対して働き方改革実施計画の策定・公表や計画の実施状況の公表等を義務づけることとしております。この給特法等一部改正法を踏まえまして、給特法に基づき文部科学大臣が定める指針について、昨年9月に改正を行ったところでございます。具体的には、学校と教師の業務の3分類についてアップデートした上で、指針に位置づけ徹底していくこと、業務の精選や校務DXの推進による業務効率化を推進すること、ストレスチェックに関する取組など、健康確保措置を行うことなどを新たに示しているところでございます。
 続いて、教師の健康及び福祉の確保等についてです。文部科学省では、メンタルヘルス対策に関する調査研究事業の実施等を通じまして、専門人材の活用等を含め効果的な事例の創出や全国的な横展開に取り組んでいるところでございます。また、昨年度まで調査研究事業の成果を踏まえまして、文部科学省において教育委員会や学校管理職、休職者向けの手引をそれぞれ作成したところであり、今年4月には教育委員会や学校管理職等を対象にオンラインフォーラムを開催しまして、手引の周知等を行いました。
 文部科学省としては、引き続き精神疾患による病気休職の要因についての調査結果等も踏まえて必要な取組を進めてまいります。
 45ページでございます。こちらに教職員定数の改善、支援スタッフの充実等について記載しておりますが、教育委員会においても今般改正した指針に即した計画が策定され、学校における働き方改革が着実に進みますよう、文部科学省としては今後とも改正法令や指針の趣旨の説明、自治体への伴走支援と併せて、先ほど申し上げました教職員定数の改善や支援スタッフの充実など、必要な条件整備をはじめとする教職員を取り巻く環境整備の取組を総合的に進めてまいります。
 それ以降のスライドに、参考資料としまして給特法の改正、また、教職員のメンタルヘルス対策についても掲載させていただいております。
 文部科学省からは以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
 先ほど私は委員名簿について120ページと申しましたけれども、通し番号で119ページでしたので、訂正しておきたいと思います。
 それで、ただいま各府省から御説明いただきましたけれども、これについて御質問や御意見等をいただきたいと思います。多くの委員にできるだけ御発言いただきたいと思いますので、各委員におかれましては円滑な進行に御協力をお願いいたします。
 なお、本日、玉木委員及び岩井委員から資料を提出していただいていますので、最初に玉木委員からその御説明をお願いいたします。
○玉木委員 どうも御紹介ありがとうございました。
 今回、私と岩井委員の共同で、過労死弁護団全国連絡会議が今月1日に作成しました「労働時間規制緩和に反対する意見書」を資料として提出させていただきました。
 本年5月27日に日本成長戦略会議の労働市場改革分科会において、厚労省から取りまとめ案が出されたと報道されております。取りまとめ案では、労働時間法制に対して長時間労働の是正など一定の施策も提示されていますが、この夏以降、労働政策審議会において、裁量労働制、それから変形労働時間制、また、現行の労働時間規制に関する運用等について、議論を行う必要があるとして、取りまとめ案の中で言及がされております。
 裁量労働制については、現場の実態や労使双方の立場を十分に踏まえ、健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などを前提に、裁量労働制の対象の在り方について見直しの検討を行う必要があるということにされておりますが、過労死弁護団全国連絡会議は、この意見書の中で裁量労働制の拡大をすることについては反対であるということを意見として述べさせていただいております。
 その理由は、裁量労働制があらかじめ労使協定などで決定された時間だけ労働したものとみなされる制度ですが、業務遂行の手段で業務量や業務遂行の期限が使用者によって決定されるため、その命じられた業務量を業務遂行の期限までに遂行しなければならないときには、労働が過大になる場合があるということでございます。また、裁量労働制の濫用が後を絶たない現状でございますので、濫用の是正が十分行われていない現状において、裁量労働制の拡大をすることについては過労死を増やすことになると考えております。
 また、過労死等自体も、先ほど労災申請の急増の原因の説明がありましたが、労災申請は減少していないということであります。裁量労働制について、健康確保措置、それから本人による同意要件、その他について、それによって過労死の危険は是正されない、また、防止できないということをいろいろな資料に基づいて意見を述べております。
 それから、変形労働時間制について、これも他律的な要因で十分対応できていない現場や労働者の生活時間の予見可能性の確保も留意しつつ検討するということですが、変形労働制の要件を緩和すると長時間労働になりやすいことに加えて、「不規則勤務、連続勤務、深夜勤務」などを誘発するという問題があります。これらの問題は、いずれも精神疾患でも脳・心臓疾患でも労災認定基準で負荷要因として挙げられているものでありますが、これらの負荷がさらに助長されるのではないかと考えております。
 さらに、現行法の長時間労働の上限規制の運用を緩和するということですが、現在、月45時間、年360時間を上限としているわけです。例外的な必要な事項がある場合に限って80時間、100時間という例外が認められるわけです。積極的にこの例外を利用するような運用、監督が行われますと、80時間、100時間という過労死ラインを基準として時間外労働が命じられるという実態が増えるのではないかと予見されます。現在、まさにそのような上限規制の例外的な許容を恒常的に利用するなどにより過労死の原因となっていますので、これについても現在の運用をそのまま維持していただきたい、また、積極的に時間外労働を減らす行政運用をしていただきたいというのが意見の内容でございます。
 以上、提出した資料について御説明いたしました。
○中窪会長 ありがとうございました。
 それでは、改めて御質問、御意見等がございましたら、挙手をお願いいたします。
 では、渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 過労死家族の会の渡辺でございます。御指名ありがとうございます。
 詳しい資料の御説明ありがとうございました。私は過労死遺児交流会の世話人をさせていただいております。今回も資料7の56ページにあるように、遺児交流会開催の御報告を掲載していただいております。おかげさまで昨年度も三河湾で遺児交流会を開催していただき、子供たちへのメンタル支援や野外活動、それから保護者に対してはひとり親での子育ての悩みについての講演、また、個別相談などを企画していただき、参加者はとても有意義な時間を過ごすことができました。一年で1度の機会ですが、子供たちは心待ちにしております。過労死で大切な親を失うという共通の体験が子供たちを結びつけるのか、成長した子供は自然と年下の子供を支えるという場面がたくさん見られます。同じ体験をしている子供がいるということが支えになっているようです。これも過労死遺児の境遇を理解し、御支援していただいている方々のおかげです。子供たちに代わってお礼を述べさせていただきます。ありがとうございました。
 この会も厚労省の御支援を受けるようになってから10回を超え、子供たちも成長しております。大学を卒業してもこの会に関心を持ってくれる子供たちもいます。私たち母親は、子供たちが夫のように過労死しないようにと祈るような気持ちで社会に出しております。しかし、過労死家族の会では、最愛の息子さん、娘さんを過労死で失った御遺族の御相談が増えております。社会に出て僅か数年で自ら命を絶つ子供たち、何とかして助けられなかったのかと切に思います。新人で配属された職場が、仮に長時間労働が蔓延している職場やハラスメントが横行している職場であったとしても、どこにも相談できず自分で何とかしようと思っているうちにメンタルを病んでしまいます。どこかに相談できていればと残念でなりません。
 この遺児交流会は、同じ立場の人たちと交流でき、また、個別相談の場もあります。社会に出てから数年間、まだ支援が必要な過労死遺児が引き続きこの交流会にサポート役として参加できるようにしていただき、小さな子供たちの支援をするとともに、もし自分の働き方や会社について心配事があったら相談できるような体制を取っていただけないでしょうか。
 子供は会社選びや働くことについて父親に相談することが多いと思います。そのような相談ができなかった子供たちです。また、子供の頃の死別体験はその後の人生に大きな影響を与えます。成長過程で過労死に遭遇した子供たちに、社会に出て数年間は見守っていける体制を取っていただけないでしょうか。ぜひよろしくお願いいたします。
 また、近年の若年層の過労死増加に伴い、過労死した子供の兄弟姉妹にも影響が出ております。一緒に育ってきた兄弟姉妹が過労死したその衝撃は、親とはまた違う、その後の人生に影響を与えかねません。そのような事態に至ってしまったことがどうしても納得できずに親を責める子供もいます。亡くなった子供に対する親の嘆く様を見ていて、代わりに自分が死ねばよかったとさえ思う子供もいます。そのような子供は兄弟を失った悲しみや助けられなかった苦しみ、自分もそうなるのではないかというおそれを抱いたまま、相談する場所はほとんどありませんでした。このような過労死で兄弟姉妹を亡くした若い人たちも過労死遺族に対して行っているオンライン相談室を利用できるようにお願いしたいと思います。
 55ページにありますように、今は過労死遺児とその保護者に対して相談対応の仕組みがありますが、大切な家族が被災して過労死で苦しんでいる遺族はそれ以外にもたくさんいます。過労死等のおそれがある者及びその親族に対しては相談体制を整備するとありますが、過労死等の遺族、家族だけでなく、被災者本人に対してもぜひ相談体制を整備していただきたくお願い申し上げます。
 また、遺児とその保護者に対しての相談実績が55ページに記載されていますが、今はほぼ隔月で開催していただけるようになりました。ただ、子供の相談などはすぐに対応しないと取り返しのつかないことになる場合もあります。できれば必要なときに利用できるような仕組みも考えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
 今回御説明していただきました資料1の5ページにあります勤務間インターバルについてですとか、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所割合、小規模事業場におけるストレスチェックの実施割合などは年度において増減のばらつきが見られます。厚労省が約210億の予算を取って啓発にかなり力をつぎ込んでいるのに、この割合が増えない理由は何でしょうか。統計を取っている母集団はいつも同じなのか、年度により調査対象が変わるのかでも結果は違ってくると思いますが、これらについて教えてください。またメンタルヘルスとストレスチェックの事業所割合が増えない理由についても、もしお分かりでしたら、教えていただけたらと思います。
 また、高市総理大臣になってから、労働時間規制見直しの動きがあります。裁量労働制の対象について検討されているようですが、私の夫は裁量労働で働いていて過労死しました。毎日終電で帰宅し、土曜も日曜も仕事をしている中で亡くなりました。長時間労働だったので、亡くなった後に会社に行って過労死ですよねと言ったら、裁量労働でしたから過労死ではありませんと言われました。夫の場合、労災申請のときに労働時間を出すのにとても苦労しました。今でも裁量労働制で働き、過労死している人たちがいます。このような人たちは労災申請のとき、労働時間はどのように判断されているのでしょうか。実労働時間をきちんと記録されている場合は、今の認定基準の労働時間が当てはめられるのですか。それとも、裁量労働ということでみなし労働時間以上は働いたことにはならないのでしょうか。裁量労働制の過労死認定基準について、これを適用されていない労働者と同じなのか、異なるところがあるのか、教えていただければと思います。
 裁量労働で過労死が発生している現状を政府は御存じなのでしょうか。これだけのボリュームの過労死に対する分析を行っているのに、ホームページで公表するだけでは多くの人たちに届かないと思います。過労死の申請件数は毎年毎年増えています。このような状況の中で労働時間規制を緩和しようとするのは、過労死を増やすことにつながります。今年度の白書にも書かせていただきましたが、過労死等防止対策推進法ができたとき、国と遺族と協力して過労死をなくしていくということで、私たちは過労死はこれで日本からなくなるのだと思いました。しかし、10年たってもなくなるどころか減りもせず、申請者は増えています。
 本日の資料の分析の中で、精神疾患の労災請求件数増加の要因としてパワハラにカスハラも追加され、パワーハラスメントに対して認知度が高まったことや、社会全体で精神疾患が増加していることが挙げられています。これが要因の一つであれば、これからも労災申請件数は増えていくことになるでしょう。このような状況の中で労働時間規制を緩和し、長時間働く人たちが増えたら、過労死は増える一方でしょう。
 私たちは過労死のことを知ってほしい、過労死がなくなる社会になってほしいと願い、6ページにありますようにシンポジウムで被災した当時のことを語っています。大切な家族が亡くなっていく様子、仕事を頑張った挙げ句に働けなくなったことなどを語ることはとてもつらいことです。でも、「これ以上同じ体験をする人を出さない。」という思いで語っています。労働時間規制緩和を訴える人たちはこの私たちの苦しみを分かっているのでしょうか。
 本日の資料で過労死が減っていない現状が分かります。厚労省の方々には成長戦略会議や労政審に行ってこの資料を御説明していただきたいと思います。過労死をなくすために自分の体験を語る遺族の苦しみを伝えていただきたいと思います。
 高市総理大臣は昭和100年記念式典で、参加した若い人に向かい、日本が安全で豊かであるようにと、また、若者たちが日本に生まれたことに誇りを感じ、未来は明るいと自信を持って言える、そうした国をつくり上げていくと語りました。過労死が増えている現状において、日本は安全ではありません。過労死遺児たちは日本に生まれたことに誇りを感じ、未来は明るいとはとても言えません。過労死の現状をご存知なのはここにおられる厚労省の皆様です。どうぞ力をお貸しください。過労死の現状を広くお伝えください。ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
 そのほかはいかがでしょうか。
 髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 御指名ありがとうございます。髙橋幸美でございます。私は長時間労働が原因で、入社僅か9か月で娘を過労自殺で亡くした母親の立場から意見を申し上げます。
 本日の資料では、総労働時間が減少傾向にあることや、年次有給休暇の取得率が向上傾向であることが示されています。こうした結果は働き方改革や過労死等防止対策の10年間の成果であり、労働者の健康と命を守るための重要な前進であると評価しております。平均労働時間が減少していることは喜ばしいことですが、過労死ラインを超えて長時間労働を行っている人は今も存在しています。過重労働や強い心理的負荷にさらされている過労死のリスクが高い労働者に焦点を当てた対策をさらに強化していかなければならないと考えます。
 そこで、過労死防止法に基づく対策において、長時間労働を未然に防ぐためには、36協定の指導と過労死を繰り返さない再発防止策は極めて重要な水際対策であると考えます。過労死防止法に基づいた平成27年初の大綱では、長時間労働削減に向けた取組として36協定の届出時に労働基準監督署による助言・指導の強化が盛り込まれました。月45時間を超える時間外労働や休日出勤が可能な場合であっても、特別延長時間や実際の時間外労働、休日労働時間の短縮の指導を行うとされました。この取組は、過労死防止の観点から行政が果たす極めて重要な役割です。
 また、資料58ページからの長時間労働の監督指導も過労死等防止対策の重要な取組の一つです。さらに、65ページにあります、令和6年から実施いただいている、一定期間内に複数回過労死を発生させた企業に対する再発防止対策は、再発防止の強化として大変重要だと考えています。
 今回の資料では、実績数が令和6年度42件、令和7年度35件と報告があります。そこで質問ですが、どのような再発防止対策が1年間実施され、どのような改善や効果が確認されているのかお聞かせいただきたいと思います。私はこのような対策がもっと早くに実施されていれば、防ぐことのできた過労死もあったのではないかと思います。娘が勤めていた会社でも、娘が亡くなる3年前にも過労死が起きていました。過労死を繰り返さないためにも、引き続き再発防止対策を強化していただきたいと思います。
 これまで様々な取組を進めていただいておりますが、残念ながら皆様お分かりのように脳・心臓疾患による労災請求は高い水準で推移し、精神障害の労災請求数は近年急増、過労死ゼロの目標達成には遠い状況です。そのような中で現在進められている労働時間規制の緩和や裁量労働制の拡大、長時間労働に対する行政からの指導の見直し、監督署による一律な指導を廃止するべきとの議論に強い危機感を持っています。本来、特別条項付の36協定は臨時的な特別な事情がある場合に限って認められるものです。健康確保措置や医師による面接指導、勤務間インターバルなどが適切に実施されているかについて、行政による確認や指導が重要な役割を果たしています。
 過労死ラインを超える水準の時間外労働を前提とした働き方が広がれば、過労死等のリスクが高まることは明らかです。過労死がなくなっていない現状において、労働時間規制の緩和や長時間労働を抑制するための取組を後退させることは、過労死等防止対策推進法の理念に反するものです。私は健康確保措置として全ての労働者が裁量労働制においても変形労働時間制においても十分な休息を確保するために、勤務間インターバル制度の義務化を強く要望いたします。
 過労死防止法、働き方改革は、労働者の命と健康を守るために進められたはずです。私が最愛の娘を失った母親として申し上げたいことは、長時間労働は命と健康を奪うということです。もし長時間労働を前提としない働き方が社会に根づいていたら、勤務間インターバルが義務として整備され十分な休息が娘に確保されていたら、娘は生きていたのではないか、そう思っています。これは娘にだけの問題ではありません。これまで十分調査研究で長時間労働の弊害が明らかになっています。この10年間で多くの企業では労働環境の改善が進んできましたが、一方では対策が十分に進んでいない企業や業種・職種においていまだに過労死等が発生しています。過労死がなくならない今、本当に必要なのは規制緩和ではありません。長時間労働削減と実効性のある過労死防止対策の強化です。働くことで命を失うことのない社会の実現に向け、働き方改革を後退させることなくさらに前進させていただくことを強くお願いして、私の意見とさせていただきます。
 最後に、先ほど渡辺委員からもお話がありましたが、過労死防止啓発事業についてですが、講師遺族による高校・大学の授業は、将来社会に出る若い世代に働くことと命の大切さを伝える貴重な機会になっています。学会や大学関係者の方にも周知を進めていただいておりますが、ぜひ予算を拡充して多くの学校で実施できるよう、引き続きお願いしたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、お願いします。
○小池委員 ありがとうございます。大阪過労死を考える家族の会の小池です。私からは2点述べます。
 1点目は、長時間労働への懸念についてです。渡辺委員、また、髙橋委員からもありましたように、昨年10月、高市首相が「心身の健康維持と従業者の選択を前提とした労働時間規制の緩和の検討」という指示書を厚生労働大臣に出したのを受け、労働政策審議会をはじめ労働市場改革分科会で議論されています。従業者の選択という言葉がありますが、労働者が自由に選択できる状況にあるのでしょうか。
 私たち家族の会の過労死等の事例では、雇用する側や上司からの指示で多くの仕事量を抱え込み、仕事に追い込まれて過労死等が起きています。労働時間については、現在36協定は原則月45時間と定めています。もしこの時間を拡大させるとなると、長時間労働を助長させ、過労死等が増加すると、私たち過労死を考える家族の会は大変危惧しています。
 現在も労使の合意があれば、特別条項の過労死ラインとされる複数月80時間、単月100時間未満の時間外労働が認められていることも心配しています。厚生労働省の調査によれば、もっと労働時間を増やしたい労働者は約1割とされていますが、その理由は「収入の確保のため」と考えます。個人の生活を犠牲にして得るものではなく、短時間労働者や賃金体系の問題ではないかと考えます。
 裁量労働制拡大についても、仕事量は自分の裁量で決められず、みなし労働時間より実際に働いた時間のほうが長くなるため、慎重になるべきと考えます。このことは渡辺委員もお話ししてくださいました。適正な労働時間管理を行えてこそ、心身の健康を保つことができます。雇用する側が労働時間を把握する義務がない裁量労働制を拡大し、労働者の心身の健康維持はあり得ないです。
 現在、勤務間インターバル制度は努力義務で、通し番号4ページの制度の導入企業の割合は令和7年で6.9%と低い数値です。努力義務では長時間労働の抑止になっているとは言えない状況です。今でさえ過労死等が増え続けている現状なのに、労働時間規制の緩和や裁量労働制拡大の議論を進めるのであれば、労働時間管理義務や勤務間インターバル制度の導入、メンタルヘルス対策など、労働者への心身の健康維持の法整備を十分に整えた上でしていただきたいです。
 過労死等防止対策推進法が掲げている仕事と生活の調和、ワークライフバランスの実現は、生活時間や睡眠時間を確保することにより過労死がゼロにつながるのはもちろん、介護や子育てを行う世帯の日々の生活にも直結します。私たち昭和世代は夫が仕事で妻は家庭という世帯が多かったですが、昨今は女性の社会参加が進み、勤労者世帯の過半数以上が共働き世帯で、核家族が多くなっています。そんな世の中において、既にワンオペという言葉が行き交っています。労働時間規制を緩和させ、夜間にまで及ぶ時間外労働が増えることは、家庭生活に影響し、家庭での介護問題や少子化問題の解消についてもほど遠くなると考えます。これまで労働時間規制の緩和について審議してこられた進捗状況と、厚生労働省の御対応についてお聞かせ願いたいと思っております。
 2点目は、通し番号22ページ、グラフ1にあるように、近年は精神障害の申請者数が増加し続けています。このことは渡辺委員、髙橋委員からも述べられています。小池からは前回の協議会でも意見を述べましたが、通し番号27ページ、グラフ6でお示しいただいているように、特に医療・福祉での精神疾患の労災申請者数が激増しています。これについて、新たに通し番号29ページでは、看護・介護それぞれにヒアリングを行っていただいております。様々な事情はあるものの、看護・介護ともに人手不足が挙げられています。過労死した夫は介護老人福祉施設の事務職でしたが、現場の人手不足と仕事の大変さを私によく話してくれていました。昨日の新聞記事では、先日起きた介護支援専門員の殺害事件に関連し、訪問介護でのカスハラの多さが問題視されていました。2人以上の訪問には介護報酬などで算定できる制度があるが、2人目人材の用意が困難な場合が多いと記されていました。このようなことも含め、医療・福祉ともに人手不足解消のための分析や対策が急がれるのではないかと考えます。
 これまで詳細な資料を御作成いただき、過労死の実態が見えてきていますが、過労死等防止対策推進法制定から12年が経過しているにもかかわらず、過労死等は減少していません。さらなる過労死等防止対策と意識改革が進むことを願います。
 私からは以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 では、オンラインで工藤委員、お願いいたします。
○工藤委員 工藤でございます。ありがとうございます。私からは3点述べさせていただきます。
 まず1点目ですが、過労死防止法ができてから10年以上たち、その中で大綱の数値目標もいろいろと立てられてきました。最初は国家・地方公務員については数値目標に現状を記載されていなかったのですけれども、やっと少しずつ記載されるようになりまして、感謝申し上げます。
 そこで、毎回同じようなお願いになってしまって恐縮なのですが、国家・地方公務員についても大綱の数値目標にきちんと現状を記載していただきたいです。記載はしていても、例えば今回の2ページの60時間以上の棒グラフの公務というくくりは国家・地方どちらなのか、それを一遍にくくってしまうということは少しどうなのかなと思ったりもいたします。
 国家・地方公務員、教職員については、いつも協議会にて詳細な過労死防止等の御対策などを出していただいていますので、ぜひ過労死防止法成立10年以上たった今、さらに次の段階で、大綱の立てつけは違うかもしれませんが、国家・地方公務員それぞれについても出典を出していただいて、それぞれの大綱の数値目標に対してどういう現状があるかということをきちんと示していただきたいとお願い申し上げます。
 2点目ですが、教職員の働き方改革に関してです。令和6年度、1か月以上休職している教員は1万3310人で在職者数の1.44%、過去最高となり、厚労省が発表している1か月以上連続して休職している労働者の割合0.5%に対して非常に高い割合となっています。そして、それに対して公務災害の申請認定件数というのは100にも満たず非常に少なく、その数にはとても乖離があって、その中には見えない過労死等が多いと考えています。私自身、夫が被災した19年前も、今もそうですけれども、周りに突然くも膜下出血で亡くなったとか、あと、精神疾患で離職・休職したという人がたくさんいますけれども、その方々は公務災害の申請をしていません。なぜかというと、私が知っている限りでは、公務災害申請を知らなかった、もしくは管理職や教育委員会に言っても協力してもらえなかったという理由が一番多いです。
 今回、改正給特法の成立時に附帯決議で、過労死と思われる事案が発生したときは教育委員会や校長が速やかに調査を行い、再発防止に向けた取組を講じるとありますが、これまで表面化しなかった過労死等に対しても、きちんと公務災害の申請までつなげていき、再発防止を行うことが必要だと考えます。
 それについて質問なのですが、今まで公務災害において再発防止対策は行ったことがありますでしょうか。そして現在、どれぐらいの数の過労死等と思われる事案が教育委員会に届いているのでしょうか。また、今後の具体的な対策についても教えていただきたいと思います。
 3点目、同じく教員の働き方について、今年度より各教育委員会が業務量管理、健康確保措置実施計画の策定・公表・報告が義務化されました。私が聞いたところですと、この報告書の策定に委員会の方が非常に苦労されていたり、また、先生方が業務量を減らさないとこれは無理ではないかという心配の声が聞かれています。業務量の削減や月平均の在校等時間を30時間程度にするという目標に向けて、教育委員会や学校だけではかなり今は難しいと考えられます。文科省でも業務量やメンタルヘルス対策など多くの取組をされていることはとても心強く思っていますが、さらに、例えば文科省としてページ番号12や13ページにある「厚労省で行っている働き方改革推進支援助成金や、産業保健活動総合支援事業のような取組」を検討され、さらなる予算の拡充や業務の拡充ということをぜひ行っていただきたいです。
 また、改正給特法に伴って、総務省より人事委員会等の労働基準監督署機関としての職権の行使についての通知が出ているかと思います。職員は過重労働などがあったときも、一般労働者が頼る労基署等といったところがありません。そのため、どうしたらよいかということを私たちの会でも多く相談が寄せられます。人事委員会等が何かのときに真に頼ることができる機関となるように、そして教育委員会と連携して教員の適正な勤務条件が確保されますように、それを教職員が実感できますように、ぜひ取組を進めていただくようお願いしたいと思います。
 以上になります。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございます。
 同じくオンラインでご参加の清山委員からですが、今日はお声が出ないということで、事務局に御質問を代読していただくということになっておりまして、お願いいたします。
○企画官 事務局から代読いたします。
 資料1、2ページ上の60時間以上労働雇用者割合のグラフの数値及び労災関連データ、こちらについても男女別・年齢階層別のデータを教えていただきたいです。今回の審議会でなくても結構です。
 丁寧な文科省資料をありがとうございます。公立学校教員の精神疾患を理由とする病気休職者数が2020年は5,203名、2023は7,119人を超え、2024年度も7,787人と高止まりしていますが、このうち公務災害と認定された数の推移と両者の数値及びその動きに差があるようでしたら、その理由について教えていただきたいです。
 公務災害のメンタル疾患が異常に増えていて、メンタル疾患で休業したり、退職者もそれなりに出たりしていると思いますが、公務災害とみなされない理由について、正式に文科省の方から回答していただきたいと思います。
 給特法の労働時間のカウントの4項目が以前は厳格だったと思いますが、今、文科省のほうで労働時間に部活動なども含めるようになってきているのに、この程度の公務災害しか認められないのかというのが少し不思議であります。その辺りの変化も含めて、どういう状況にあるのかということについて、理解できるような御説明をしていただけるとありがたいです。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 それでは、岩井委員、お願いいたします。
○岩井委員 岩井です。私からも、裁量労働制等の労働時間規制緩和について反対であると意見を述べさせていただきたいと思います。
 3月に、私が担当している事件で公務災害と認定されて、昨日記者発表した件が2件あります。いずれも岐阜県の事例ですけれども、一つは教員の方の自死の事案でした。もう一つも自死の事案で、県庁職員の方でした。教員の方の場合の主な理由は、発症前6か月の間に100時間に近い時間外労働があった時期があったということと、時間外勤務があったということと、連続勤務が20日連続勤務、30日勤務、20日連続勤務という3回ぐらいの連続の勤務があったということで、これが精神疾患を発症させるほどの負荷だということで公務災害と認定された事案でした。
 この100時間近い時間外労働や連続勤務が起きた理由は、ほとんどが部活動でした。直前には遠距離のところに対戦のため、運動部だったのですけれども、生徒を自分の車に乗せて運転をしていた。あるいはレンタカーを借りて教員が運転をして行っていたということで、休日もずっと部活動のために勤務をしていたということがあって、それが認められたという事案でした。
 それから、県庁の職員の方の場合は、年度末に発症前30日が114時間の時間外勤務があったということが基金の認定で認められて、それが発症の原因となったということで、その後、療養されていたときに自死をされて公務災害と認められた事案でした。両方とも学校の記録、あるいは県庁の記録で100時間近い時間外勤務が認められたという事案でした。
 そのほかに、私がまた御相談に乗って担当していた事件で民間の方も、この3月に認定された事案ですが、これは心筋梗塞の事例でしたけれども、令和2年頃に心筋梗塞で亡くなった事案で、それも発症の直前が100時間、109時間という認定がされて、業務上と認定された事案でした。これも内容を確認したところ、会社の出勤簿でも100時間の時間外労働が認められて、それで業務上と認定された事案でした。
 このように、労働時間が把握されていてもその時間が100時間を超えているという事案で自死をされたり、心臓疾患で亡くなられたりという事例が最近でもあるということを考えますと、先ほど玉木委員が説明した意見書の最後に過労死弁護団の意見が書いてありますけれども、今必要なことは時間外規制の緩和ではなくて、現行制度の適正な運用の徹底とさらなる労働時間の規制の強化であると意見書にありますけれども、まさにそのとおりではないかなと実感しているところであります。時間外労働、時間外勤務の長時間労働は今も存在しており、それで実際に亡くなっている方がいるという実態をまず把握して、今の労働時間規制をしっかり規制していただくということがまず防止のために必要だということを念頭に、今後も防止のために活動していただきたいと思っております。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 それでは、江口委員、お願いします。
○江口委員 ありがとうございます。私からも端的に幾つかコメントをさせていただければと思います。
 1つ目は、先ほど来出ている労働時間規制の緩和につきまして、研究者の立場で意見させていただきますと、基本的には労働時間の長さと健康障害というところはエビデンスがあるというところでございますが、さらに昨今気になるところが、長時間労働を是とするような昔に戻すような議論というのはかなり難しくなってきているのではないかと思っています。なぜならば、特に若い世代、子育て世代を中心にワークライフバランス等に対してかなり関心が高まっている中で、今、それを前提として皆さん働かれています。そこに対してまた昔のように労働時間を長く働くということになると、労働者にかなりの葛藤が起こってくるのではないか。現状においても以前と比べて、特に若い世代においては育児の時間というのは長くなっている。でも、まだ彼らはもっと長く取りたいということを思っている中で、そこで今度は労働時間も長くしましょうということが規範として出てくると、そこには単純に昔に戻すという議論ではなく、現状を織り込んだ上での昔の状況になるので、かなり難しい状況になるのではないかと思っております。
 ただ一方で、産業医といいますか、そういった立場で研究者として企業の中で働いておりますと、国際的な競争環境の中で例えばエンジニアが24時間働くような国と日本の企業が競争していかないといけないというところもあります。そういったところも踏まえて、どういった形で我々は働き方を考えていくのかというところは考えていかなければならない。ただ単に安易に労働時間を延ばすということではもちろんなく、その辺は丁寧に考えていかないといけないときに、日本全体が人手不足の状況で、社会全体で人の配置をどうするのかを単に労働時間を延ばすという場当たり的で短絡的な議論ではなく、我々は当事者意識を持って考えていかないといけないのではないかとも思っております。
 あと、精神障害の労災認定が増えているというところは、韓国も似たような状況になっております。今、私自身、韓国の方と共同研究をさせていただいておりますけれども、韓国も似たような状況で、精神障害の労災の申請が増えている。でも、脳血管疾患については増えていないということがありますので、何が申し上げたいかといいますと、過労死の問題というのは日本だけで考えずに、韓国や台湾といった国や地域の現状も踏まえてグローバルに議論をしていくともう少しいろいろな対応策も見えてくるのではないかと思っております。
 あとは個別のところでもう一点大きなところで申し上げますと、恐らくこれまでの労働規制の流れを見ていきますと、労働者の規制が強いとどうしても緩いところにしわ寄せが行く構図というのは出てくるかと思っております。今、目下進んでいるところ、恐らく個人事業者への方へのリスクの付け替えではないかと思っております。正社員が労働時間規制が厳しいのであれば、業務請負であったり個人事業者であったりといったところにしわ寄せを付け替えていくという動きがすでに生じていると思います。そうしたところで今回、これからのこの会等においても個人事業者のことについても触れていく必要があるのではないか。昨今、フリーランスの方が200万人、300万人という時代でございますので、その方々を無視するわけにはいかないとも思っております。
 あと最後、研究者の立場として、データの活用についても改めてお願いをさせていただければと思っております。先ほど申し上げたように、若い世代を中心にワークライフバランスに対して関心が高まっているというところは社会生活基本調査というところである程度見てとれるところでございます。一方で、自殺理由として勤務問題が把握されるようになっていると思います。政府統計の二次利用についての研究を広く公募すること等によって、研究者からいろいろなアイデアが出てくるかと思いますので、そういったところの活用もしていただければと思っております。
 あと自殺について、月ベースで出てくるようになっておりますけれども、その辺もリアルタイムで出てくるものが大分出てきていますので、その辺もリアルな経済状況などとリンクさせることでよりタイムリーな施策にもつながっていくのではないかと思っています。
 最後になりますけれども、幾つか今日御報告いただいた中で、人事院さんのところにおいては、国家公務員については認定件数があまり増えていない現状がございます。ただ一方で、総務省さんから御報告いただいた地方公務員については請求件数が増えているというところがございますので、その辺はどのように原因として考えられるといいますか、そういったところの違いについても検討していけるといいのではないかとも思っているところでございます。
 私からは以上となります。
○中窪会長 ありがとうございました。
 では、西委員、お願いいたします。
○西委員 産業医をやっています、西といいます。
 今、江口委員から研究面の立場でお話がありましたけれども、私は実務の視点から実際に現場で働いている感覚で意見を言わせていただきたいと思います。
 3点ありまして、まず1点目が、労災件数の話が出ていましたけれども、脳・心臓疾患の件数は微増というか、少しずつ増える傾向にあります。これは私も健康診断をしっかり受けるというところを強く働く人、あるいは事業者双方にお願いしたいところです。健診の受診率は増えてきていますが、結果に対して適切な対応が取れていない。例えば血圧が高いのにそのまま放置している、放置した状態で仕事の負荷が上がって病気を発症してしまう、これは非常にもったいないところです。自分の健康状態を正しく知ってしっかり対応する。事業者にも血圧が高い人を放置しないといった強制力を持たせるような取組というのがあってもよろしいのではないかなと思います。特に年齢が高い方が働く割合が増えてきます。そうすると、心臓疾患というのは高齢者に多く出てくる疾患でございますから、さらにこのような件数は増えてくるのではないかなというところを心配しています。
 あと、精神障害のほうでは、ストレスチェックを50人未満の事業所に実施予定ですが、チェックを実施するのも確かに大事ですけれども、面接を受けることができる機会をしっかり体制整備をしていただきたいと思います。前回の協議会での地さんぽの話をさせていただきましたが、医師会等を含めてその後どのような連携が取れているのかというところが気になります。
 2点目は、産業医の活用といいますか、事業者に対して産業医のどのような活動をしているかといった理解がなかなか浸透しない。特に小規模事業所においては知らないという事業者が多いなという印象を受けます。私も産業保健総合支援センターで事業主に対するセミナーを担当していますが、私の活動を話してこういうことをやっていますよという話をすると、初めて聞いたような反応をされる方だとか、これまでどんなことをするか分からないけれども監督署に言われたから契約していますという事業所が結構多く見受けます。ですから、これは労働局、監督署を含めて、実際どのような取組をしているかといった情報提供をもっと強化させたほうがと感じております。
 3点目は、文科省と厚労省の連携の話にもなるかもしれませんが、教育面で、今のこの時期は、新入社員が入り、私も会社で教育するのですけれども、働くことの教育というのはこれまで聞いてきたかもしれませんが、働くことで健康を壊す、あるいは健康であることは働くことに大切なことであるといった内容の講義を行うのですけれども、もっとそのような話を聞く機会が多くなり、事業者も含めて行われるとよいと思います。また、働く前の世代、例えば中学校3年生や高校生といった方々に、今は教科書で労働衛生の話が出てきているようですけれども、そこがもっと浸透していくようになればいいなと考えています。文科省と厚労省で連携を取って、そうした教育面でも充実を拡張していただければと思っております。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 菅村委員、お願いします。
○菅村委員 ありがとうございます。
 2024年度の労災請求件数は、脳・心臓疾患、精神疾患ともに過去最高を記録しているという報告がございましたが、これを踏まえれば、過労死等ゼロに向けて一層の取組の強化が必要であることは明らかだと思っております。
 一方、先ほど来言及がございましたが、日本成長戦略会議や労働政策審議会において時間外労働の上限規制の緩和や裁量労働制の拡充を求める声が上がっていることについては、働き方改革や過労死等ゼロに逆行するものであると考えております。
 また、日本成長戦略会議労働市場改革分科会のとりまとめでは、労働時間制度の運用の見直しを行うことが記載されていますが、上限規制の範囲内であっても長時間労働を助長するような運用の見直しは行うべきではないと考えております。
 働き方改革の総点検の結果からも分かるように、今、求められているのは労働時間の縮減であって、過労死等ゼロの一日も早い実現のために働き方改革を一層推進することが必要であると考えております。これに向けては、時間外・休日労働の上限規制の強化や長期の連続勤務規制、勤務間インターバルの導入の義務化など、労基法の見直しにおいて当初から論点として挙がっていたものの導入をしっかりと検討すべきであると考えております。先ほど江口委員から個人事業主の例を挙げて弱いところにしわ寄せが行くとの指摘がございましたが、管理監督者にも非常にしわ寄せがあると思っております。管理監督者に対する規制強化を含めて検討すべきであると申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 それでは、永渕委員、お願いします。
○永渕委員 ありがとうございます。
 まず一つ、勤務間インターバル制度につきまして、本協議会でも繰り返し指摘されているとおり、労働者が睡眠時間をはじめとした一定の生活時間を確保し、長時間労働、さらには過労死等を防ぐためには有効な施策であると思っております。しかし現状では、先ほどから御説明があったように導入率が7%未満と、大綱で掲げている15%以上の目標には遠く及んでいない状況です。制度の普及が追いついていない実情を鑑みれば、現状の取組を継続するだけではなく、法制度として義務化をしていく必要があるのではないかと思っております。
 また、テレワークが定着し情報通信技術が発展する中で、労働者が真に労働から解放され、心身の回復を図るためには、勤務時間外の連絡を制限する、いわゆる「つながらない権利」が必要であると思っております。連合が行った調査では、勤務時間外の連絡にストレスを感じる割合が6割超にも及んでいます。こうした状況も踏まえ、今期の春季生活闘争では「つながらない権利」の実現に向けて取り組んでいる労働組合もあり、私ども情報労連におきましても、今次の春季生活闘争において「つながらない権利」の確立に向けたガイドラインを発刊しました。「つながらない権利」といいますと、いかにも勤務時間外では全く連絡を受け付けないといった権利を主張するように思われる節がありますが、決してそうではなく、労使間で働き方に応じた適切な勤務時間外における連絡のルールをつくるといったことを、ガイドラインを通じて労使に働きかけをしています。
 日本成長戦略会議労働市場改革分科会のとりまとめでも「つながらない権利」の在り方について検討を進める必要がある旨の記載もされていますので、こういった状況を踏まえ、労使の取組を後押しするといった観点からも「つながらない権利」の立法化に向けた検討をぜひお願いしたいと思います。
 さらには、過労死等の防止対策を実効的に進めるためには、長時間労働防止と両輪でメンタルヘルス対策にも取り組む必要があると思います。連合の労働相談では、パワハラや嫌がらせに関する相談が2016年以降、毎年最も多い相談内容となっています。精神障害の労災請求件数も増加を続けている中で、職場におけるメンタルヘルス対策は喫緊の課題であると思います。
 改正安全衛生法によって50人未満の小規模事業者においても2028年4月からストレスチェックの実施が義務化されるところですが、目下の状況を見ると、通し番号の5ページにあるように、小規模事業場における実施割合が3割程度にとどまります。改正法の円滑な施行に向けては行政による一層の支援が必要であると思っておりますので、厚労省においてどのように取り組まれる予定か伺いたいと思います。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 それでは、薄田委員、お願いします。
○薄田委員 ありがとうございます。
 まず、資料の3ページの労働時間ですが、上段の週労働時間40時間以上の雇用者に占める週60時間以上の労働者の割合は「減少傾向」と書かれていますが、「横ばい」であると受け止めています。この点、業種別に見ると特に運輸・郵便業、そして宿泊・飲食サービス業が依然として高い状態になっていますが、13ページの「働き方改革推進支援助成金」では、飲食サービス業等は「業種別課題対応コース」の対象となっていません。ぜひ飲食サービス業等も対象に追加していくべきではないかと考えています。改めて、業所管省庁と連携した取引適正化や商慣行是正の推進、働き方推進助成金等についても見直しを図っていただき、業界ごとの特徴を踏まえた働き方改革を進めるべきと考えます。
 また、公務に関わって、3点お願いしたいと思います。
 一つは国家公務員ですが、人事院の資料によると、15.5%の国家公務員が労基法上の上限規制を超えて働いているのが実態です。国家公務員についても地方公務員についても超過勤務の削減のためには人員を増やすことが重要であり、定員数等の引上げの検討や適正配置等も一層進めていただきたいと思っております。
 二つ目は、先ほど江口委員からも地方公務員について、精神疾患等の公務災害受理件数は増加傾向にあるというお話がありました。今日の資料には載せられていませんが、総務省の調査結果からは、公務災害認定事案を業務負荷の出来事別で見ると仕事の量は22.6%、対人関係は22.5%と上位になっています。これらを踏まえれば、事業場内での相談体制の整備や、ラインケアのための研修の実施など、市区町村で実施できていない対策項目の推進や、また、カスハラ等の対策マニュアル等の策定、教育研修など実施中の施策の実効性も高める取組が必要であると考えています。
 最後に三つ目は、教職員に関してです。私は日教組出身ですが、先ほどの岩井委員のお話では、時間外労働の記録が100時間超えだったので過労死と認められましたとありました。日教組では働き方改革調査を行っており、持ち帰り時間についても調査をしています。今回、文科省が持ち帰りを把握しているかどうかということも含めて調査をしたことは一定評価できますが、市町村、教育委員会ではほぼ把握していないという結果も出されています。勤務時間だけでなく持ち帰り時間も含めて勤務時間の記録をつけていくべきと考えています。日教組の調査では、持ち帰りを行っている人は6割以上、そして、勤務時間を短く記録している人は3割に達しています。勤務時間の記録が適正に行われていないということですので、改めて正しい勤務時間をつけることも含めて学校の働き方改革が進められることを求めていきたいと思っています。
 また、日教組の調査結果からは休憩時間も確保できていないという実態も明らかになっています。労基法違反ですし、きちんと休憩時間を取らなければ健康が阻害されます。
 教職員の業務負担の軽減のため定数改善、そして休日、時間外労働等の割増賃金規制等の適用対象になるよう給特法の廃止、もしくは抜本的見直しを進めるべきと考えます。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。玉木委員。
○玉木委員 2点について、意見を述べます。
 第1点は、過労死の労災申請の急増の原因について、今回分析の結果を御報告いただいております。脳・心臓疾患に関して請求件数が50代~60代で増加している、かつ、雇用者の割合としては50代~60代が漸増していっているということが一つの原因だと御報告がありました。そういたしますと、今後も50代~60代の雇用者の割合は漸増していくのですから、過労死の労災申請もそれに伴って減っていかない、漸増していくというおそれがあります。私は、そのような傾向に対する対策を厚生労働省で取っていただかないといけない、と考えます。先ほど江口委員からも西委員からもお話がありましたけれども、脳・心臓疾患について、改めて高年齢者層の健康対策を策定していただきたいというのが第1点でございます。
 第2点は要望ですが、過労死労災申請はこの間、急増しております。特に精神疾患については2,000件台だったものが、3,000件台後半ということで5割近く増えております。脳・心臓疾患も800件から1,000件と200件ぐらい増加したままです。このような増加が続く場合、労災申請を適切に調査・処分をしていただくためには、それに対応する人員を各労働基準監督署で確保していただく必要があると考えております。担当件数が5割増しになるような状況では、担当する人員がそのままでは適切な調査、対応ができなくなってくると思いますので、ぜひこの点、要望したいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
 では、笠井代理、お願いいたします。
○笠井代理 ありがとうございます。使用者委員・鈴木に代わり、発言いたします。
 裁量労働制に関する御発言が多々ございました。強い御懸念があることは十分に理解いたしますし、また本日、改めて実感いたしました。
 裁量労働制は自律的な働き方を制度として可能とする趣旨のものであり、日本成長戦略会議労働市場改革分科会のとりまとめでも引用されるとおり、適正に運用されれば良い制度であるとも思っております。だからこそ、裁量労働制の拡充が必要と考えており、議論に当たっては長時間労働の防止など、制度の濫用防止が重要であると考えております。労働政策審議会の労働条件分科会において公労使で建設的な議論がなされることを期待いたします。
 過労死、過労自殺は絶対にあってはならないことです。経団連としては、本日いただいた御発言を心に刻み、当事者委員の思いを真摯に受け止め、過重労働、ハラスメント防止に関する周知活動に引き続き取り組んでいく所存でございます。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 では、先ほどの清山委員の御発言について追加があるということですので、御紹介をお願いします。
○企画官 事務局です。清山委員から追加で意見を述べたいというのがメールで参りましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 裁量労働制の見直し・適用拡大には過労死防止学会の常任幹事会でも懸念を表明しています。厚生労働省の裁量労働実態調査では、業務量が過大、労働時間が長い、休暇が取りにくいとの回答が一定割合を占めています。同調査結果を詳細に分析した川口大司氏、黒田祥子氏らの共同研究においても、労働者の裁量が確保できていないにもかかわらず裁量労働制を拡大した場合、長時間労働や健康悪化のリスクが伴うということが明らかにされています。過労死、過労自殺につながらないための制度的条件とは何かを十分に調査・分析をした上で裁量労働制について議論すべきであると考えています。
 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
 そのほかはよろしいですか。
 まだあるかもしれませんけれども、いろいろな御意見をいただき、また、御質問もありましたので、それぞれの御担当から御回答等についてお願いいたします。時間の関係もありますので、できるだけ簡潔にお願いいたします。
○労働条件政策課長 まず、労働基準局労働条件政策課長の川口と申します。
 非常に多くの委員から、日本成長戦略会議の労働市場改革分科会での議論、労働時間制度の見直しの関係の議論についての御意見がありました。細かく全てにはお答えしにくいかもしれませんが、大きく3~4点あったかと思います。
 一つは、働き方改革・過労死防止対策に逆行しない、むしろ規制を強化すべきだといった御議論がありました。全体としてこの労働市場改革分科会におきましても、長時間労働に依存するという働き方はもう無理だ、おかしいといった議論については多くの委員が共有されていたと思います。そういった中で、取りまとめの中でも働き方改革の今日的な意義として、当然健康確保、ワークライフバランスの観点から長時間労働を是正する。併せて、それだけではなくて労働生産性を高めていく、あるいは多様な人材の労働参加を可能にしていく、それがひいては労働力が希少となっていく非常に人手不足の中で持続的な労働供給につながるといったことで、長時間労働に依存するということではないということは多く共有されていたのではないかと思います。
 その中で、個別の制度と政策について、裁量労働制、あるいは変形労働時間制についての御意見がありました。
 裁量労働制については様々な意見がございました。この分科会でも、あるいは労働政策審議会の中でも議論がありました。その中で、この裁量労働制は適正に運用されれば労働者にとっても良い制度である、ただし、長時間労働になる、あるいは裁量の度合い、あるいは適正な処遇が確保されないという実態があることが指摘されているということが複数の委員から御指摘がありました。こういった中で濫用防止、それは健康、あるいは長時間、あるいは適正な処遇ということの濫用防止措置を前提にその対象の在り方について見直しの検討を行う必要があるとされたところであります。この具体的な検討につきましては、労働政策審議会で労使それぞれの立場、あるいは職場の実情も踏まえた議論をお願いしたいと考えております。
 変形労働時間制についても議論がありました。変形労働時間制についてはまさに取りまとめでもありましたように、具体的には1年単位の変形労働時間制について議論がされております。いわゆる勤務日、カレンダーを確定する要件が議論されておりましたが、労働者の健康確保、あるいは生活時間の設計を損なうような要件緩和は行うべきではないという御意見、一方で、より柔軟に活用できるような制度とするための要件の見直しを検討すべきと、様々な御意見がございました。これについても、具体的には労働政策審議会において双方の立場で実情を踏まえた御議論をお願いしたいということでございます。
 健康確保の観点から、いわゆる勤務間インターバル、あるいはつながらない権利、あるいは連続して何日も勤務してしまうということへの対応といった様々な御意見も今回いただいたと思います。勤務間インターバルにつきましても、これは昨年来の労働政策審議会でも議論され、今回の労働市場改革分科会でも議論されております。特に勤務間インターバルは原則11時間空けるということを義務化する方向で検討すべきと、適用除外のような例外についても限定的に検討すべきといった御意見もございます。一方で、各企業において在り方が様々であり、その対応も様々であるという中で、導入を段階的に進めるべきではないかといった御意見もございました。
 いずれにしましても、勤務間インターバル、あるいはつながらない権利といったテーマにつきましても、労働政策審議会におきまして具体的な議論を引き続き進めていきたいとおります。
 以上でございます。
○監督課長 続きまして、監督課長でございます。
 まず、労働時間制度の運用見直しについてでございます。労働者の健康確保や過重労働による健康障害の防止という観点は、今後も変わらず重要であると考えております。
 その上で、先般、日本成長戦略会議に設けられました労働市場改革分科会の取りまとめが行われたところでございます。厚生労働省といたしましては、過労死等防止対策大綱の内容も踏まえつつ、今後の対応について具体的に検討していきたいと考えてございます。
 次に、過労死等防止計画指導についてでございます。おおむね3年程度の期間に複数の過労死等の労災認定を受けた企業がこの指導の対象となっております。初年度の令和6年度は42件、そして令和7年度は35件ということでございますけれども、このような対象となる企業が少しでも減るように、過重労働の防止対策等の各般の取組を引き続きしっかり進めていく必要があると考えております。
 この指導の対象となった企業には、長時間労働の是正や過重労働による健康障害の防止対策、メンタルヘルス対策等について1年間の計画を立てて全社的に取り組んでいただいております。その計画に基づく各企業の取組の状況につきましては、労働局が継続的に指導を行っております。これまでの状況を見ますと、おおむね対象となった企業は改善に向けて着実に取り組んでいただいていると認識をしておりますので、引き続きこの取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○労働衛生課長 続きまして、労働衛生課長でございます。
 メンタルヘルス対策とストレスチェック制度について御質問いただきました。まずメンタルヘルス対策について、資料1の通し番号5の左上のグラフのメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合が増えていない原因についてご質問がございました。これにつきましては、令和6年の労働安全衛生調査(実態調査)によりますと、メンタルヘルス対策に取り組んでいない理由として、専門スタッフがいない、また、取り組み方自体が分からないと答えた事業場の割合が高くなっておりますので、そういったものが原因の一つとして考えられるところでございます。
 また、ストレスチェック制度自体は、労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施割合については33.5%となっておりまして、50人以上の事業場と比較すると実施割合が低くなっているというのは、資料1の通し番号5の左下のグラフのところでお示ししているところでございます。こうしたことを踏まえまして、昨年の労働安全衛生法の改正により、これまでは努力義務とされてきた労働者数50人未満の事業場にもストレスチェック制度の実施義務が拡大されることとなっております。施行自体は令和10年度予定でございますが、それまでの間も取組が進むように、令和8年2月に50人未満の事業場に即した実施体制、実施方法についてのマニュアルを公表・周知し、また、令和8年度より、高ストレス者の面接指導を無料で行う地域産業保健センターの体制拡充を進めているところでございまして、これにつきましては資料1の通し番号14番の啓発(メンタルヘルス)というところの「産業保健活動総合支援事業」を御覧いただくと、この事業の中身の一つとして地域産業保健センターの体制の拡充について記載しているところでございます。
 引き続き小規模事業場において適切な取組が進むように、必要な支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上です。
○補償課長 補償課でございます。
 まず、裁量労働制で働く方の労災申請についての話がございました。まず、裁量労働制の方についても実際に働いた労働時間を把握することが重要と考えてございます。このため、まず申請者からいただきましたお話を基に調査するとともに、実際記録がなくても入退室の記録、あるいはパソコンのログの記録、同僚・上司から聞き取りなどを基に実際に働いた労働時間の把握に努めて、適切な労働調査、認定ができるように行っていきたいと考えてございます。
 2点目でございますが、50歳~60歳代の方の脳・心臓疾患の申請件数が増えてくるのではないかという御質問がございました。申請件数が増加するかについては確定的なことは申し上げられませんが、脳・心臓疾患は動脈硬化や動脈瘤などの血管病変が長い年月をかけて形成され、常時進行するという経過をたどる疾患でございまして、50代、60歳代の心疾患や脳血管疾患の患者数は他の年代に比べて多くなっていることから、そういったことも請求の増加の要因になっていると考えてございます。
 これにつきましては、まず労災保険で1次の健康診断において有所見を生じた者に対しまして、2次健康診断の給付を行ってございます。これを通じまして結果の状態を適切に把握しまして、西先生から話もございましたが、血管の状態の管理についてしっかりと保健指導に資するように、受診の勧奨に努めてまいりたいと考えてございます。
 それと3点目としまして、労災の請求件数が増えているので、労災のほうでしっかりと調査できるように体制を整えるべきではないかというお話がございました。この点につきましても、査定官庁に対しまして必要な増員を要求していくとともに、まずは監督署においても事務の効率化・簡素化に努め、適切な労災認定について努めてまいりたいと考えてございます。
○雇用環境・均等局雇用機会均等課ハラスメント防止対策室長 雇用環境・均等局ハラスメント防止対策室でございます。
 ハラスメント関係につきましては、昨年、労働施策総合推進法等の一部改正法が成立いたしまして、カスタマーハラスメント対策等について、本年10月の施行が予定されております。本年2月に、事業主が具体的に講じる必要のある内容が盛り込まれた指針についても出されましたので、各企業において適切にカスタマーハラスメント対策等のハラスメント対策が進みますよう、施行に向けた周知を図っているところでございます。特にカスタマーハラスメントにつきましては業種・業態によりかなり対応が異なっているところかと思いますので、業ごとの取組が非常に重要になってくると思います。先ほど申し上げた指針を告示した際には、関係省庁で行っております連携会議というのがございますけれども、そちらの全ての構成員宛てに通知を発出いたしまして、マニュアルの策定を含めた業種・業態ごとの取組の推進等について働きかけを行っているところでございます。
 こういったことを受けまして、各業所管省庁や各業界等によるマニュアルの整備も進んできているところかと思いますけれども、10月の施行に向けて、ハラスメント対策全般につきましても周知等について努めてまいりたいと思っております。
 以上です。
○総務課長 労働基準局総務課長でございます。私から何点か申し上げたいと思います。
 まず1点目でございますが、過労死の遺児のためのオンライン相談の関係でございます。これにつきましては、今年度から遺児の方だけではなくてそれに加えまして過労死で家族を亡くされた遺族の方も対象という形で拡大をしていますので、引き続き御意見、御要望もいただきながら、この在り方も考えていきたいと思います。
 また、大綱の数値目標に公務員の関係を盛り込んでほしいという話がございました。ここの部分につきまして、関係省庁とも連携しながら、今後の見直しの中でどういう対応ができるのか検討していきたいと思っております。
 あと、過労死関係、ワークルールの関係について学生の方など若年層の方に知っていただくという取組についてでございますが、これにつきまして予算を確保してございます。今年度8年度におきましても、前年度と比較しまして200万程度ですけれども増額といった形で予算を増やすという形で対応してきております。学生の方々に対する過労死問題、ワークルールの周知は大変重要な取組であると我々も認識しておりますので、取組を進めていきたいと思っております。
 また、労災認定に当たっての労働基準監督署等におけます人員の体制確保ということで、御要望をいただいた件でございます。厳しい定員事情はございますが、必要な人員の確保ということにつきましてはしっかり取り組んできておりますし、今後も取り組まなければならないという考えでございます。業務の効率化ということも一方で行いながら、必要となる人員・体制の確保につきましてはしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 それと、データ関係でございますが、資料の中で週60時間以上の雇用者割合についてということと、精神疾患の労災関係のデータについて、男女別・年齢別でそれぞれデータをという御要望がございました。これにつきましても男女別で出している部分もございます。また、年齢別でどういう形で取れるのか、出せるのかといったところで検討するところもありますので、今後の協議会、あるいは白書の作成に向けてどのような形で対応できるのか引き続き検討していきたいと思っております。
 私からは以上となります。
○人事院職員福祉局参事官 人事院でございます。
 先ほど1点、国家公務員の超過勤務についての御意見がございました。上限越えの数字が15%ということで、これについては看過できない数値と、何としても減らしていかなければいけないと我々も考えているところでございます。
 超過勤務の要因は様々でございますので、人事院といたしましても超過勤務の要因をできる限りきめ細やかに把握して、それに沿った対応をしていきたいと考えているところでございます。
 また、御指摘のあった定員につきましても、必要な要員が確保できるように関係省庁に働きかけなどを行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務省自治行政局公務員部福利課安全厚生推進室長 総務省でございます。
 先ほど清山委員から2点お尋ねがございました。一点は最近の教職員の精神疾患の場合の認定件数の推移についてどのようになっているのかというお尋ねでございました。こちらで把握しているデータによりますと、令和2年度から5年度までにつきましては各年度15件ずつ、令和6年度につきましては18件ということで認定がなされているというデータが公表されております。
 それから、同じく清山委員から、給特法の超勤4項目以外の勤務の取扱いについてどのように取り扱われているのかというお尋ねがございました。地方公務員のいわゆる過労死等事案につきましては、認定機関でございます地方公務員災害補償基金において脳・心、それから精神疾患等に係る認定基準を定めまして、当該基準に基づき、個別事案ごとに災害発生の状況や災害発生前の勤務状況等について調査を行いまして、医学的知見を踏まえた上で公務上外の判断を行っているところでございます。いわゆる給特法による超勤4項目以外の取扱いにつきましても、個別具体の状況を精査して、必要な業務に従事していたと客観的に認められる時間につきましては公務の遂行性があるものとして評価をしているところでございます。
 それから、江口委員、薄田委員から、地方公務員の公務災害の請求件数が国家公務員の場合に比して増えているのではないかというお尋ねがございました。こちらにつきましては私どもとしてデータを持ち合わせているわけではございませんが、例えば本日御説明させていただきました資料の42ページに掲載されているように、各種のチャンネルを使いまして相談の取組を行っているところでございます。こういったことも効果を上げている一因になっているのではないかと考えられるところでございます。
 また、薄田委員からは、過労死防止のための実効性の確保を上げるよう御意見をいただいたところでございます。総務省としてどういった対策を講じるとより効果が上がるのか、知恵を絞ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課課長補佐 文部科学省でございます。
 給特法の附帯決議について盛り込まれた件について御質問いただいております。文部科学省としましても、病気休職者などを含め公立学校教職員の人事行政状況調査の公表にあわせ、既に各教育委員会に対しまして、相談体制の整備や過労死等の公務災害が疑われる事案が発生した場合には教育委員会、校長が速やかに調査を行い、再発防止に向けた取組を講ずるよう通知を発出しているところでございます。
 あわせて、再発防止についてでございますが、先ほども御説明させていただきましたとおり、文部科学省としてメンタルヘルス対策としまして手引の作成や今年度4月に実施したフォーラム実施といったことを踏まえまして、引き続き取組を進めていきたいと思っております。
 続きまして、人事委員会との連携につきましても、各教育委員会と人事委員会の連携について給特法に基づく指針にも盛り込んでいるところでございますので、こちらは併せて丁寧に御説明していきたいと考えております。
 文部科学省としましてはメンタルヘルス対策事業も行っておりまして、先ほど御説明した学校の指導体制の充実、働き方改革も含めた一体的な取組を進めてまいります。
 続きまして、先ほど若年層に対するワークルール教育について既に御説明させていただいたところですが、文部科学省としましても、厚生労働省が作成しました学生・生徒向けの労働法のハンドブックや教員向けの冊子など、学校現場で活用いただけるように文部科学省からも周知を行っているところでございます。
 勤務時間管理についての御質問をいただきました。こちらについては給特法に基づく指針については持ち帰りについて原則行わないということ、また、業務の持ち帰りが行われる実態がある場合には、その実態の把握に努めるとともに業務の持ち帰りの縮減に向けて取組を進めること、こちらについて明記しているところでございます。
 実際、文部科学省が行った調査におきましても、所管する学校において業務の持ち帰りが行われているかどうかを把握している教育委員会は約40%となっておりまして、今後、この取組について徹底していく必要があるものと認識しております。
 実際に業務の持ち帰りがされているかどうかにつきましては、まずは学校の管理職において実態把握がされるものですが、服務監督教育委員会においても所管する学校において業務の持ち帰りが行われていないかどうかを各学校長に対して適時確認するなど、管理職と連携して業務の持ち帰りの縮減に向けた取組を進めることが必要だと考えております。
 文部科学省としましては、学校と教師の業務の3分類の徹底による業務の適正化・効率化、また、授業数の見直し、部活動の地域展開の加速化などによる学校における働き方改革のさらなる加速化、また、教職員定数の改善や教員業務支援員などの支援スタッフの配置拡充などによる学校の指導管理体制の充実などにも取り組んでいるところでございまして、こうした取組を通じて学校における働き方が進み、そのような中で業務の持ち帰りが行われないよう、引き続き指針に示した趣旨について指導・助言を行ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
 まだまだ御意見等があるとは思いますけれども、時間も限られておりますので、ここまでとさせていただきます。委員の皆様におかれましては、本日も活発な御議論をいただきましてありがとうございました。各府省におかれましては、委員より出されました御意見を踏まえて今後対策をしっかり行っていっていただきたいと思います。
 最後に、次回の日程について事務局から御説明をお願いいたします。
○企画官 事務局です。
 次回は、今年度の過労死等防止対策白書の公表後、その御報告を主な議題といたしまして、10月から11月頃に開催したいと考えております。
 なお、具体的な日程等につきましては、追って調整の上、事務局より御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○中窪会長 それでは、第32回「過労死等防止対策推進協議会」はこれで閉会といたします。
 本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。