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第14回薬剤耐性(AMR)に関する小委員会
健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課
日時
令和8年7月15日(水)10:00~12:00
場所
厚生労働省 専用第14会議室(12階)
議題
(1)次期AMR対策アクションプランの成果指標
(2)次期AMR対策アクションプランの目標設定
(2)次期AMR対策アクションプランの目標設定
議事
- ○小谷室長 定刻となりましたので、ただいまから、第14回「厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。
傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
本日は、WEB会議で開催することとしております。
WEB会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、委員長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
WEB会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、今回から新しくAMRに関する小委員会に加わられた4人の委員を御紹介いたします。
まず、農林水産省動物医薬品検査所検査第二部部長の岩本聖子委員です。
(接続確認)
○小谷室長 岩本委員、もう一度後で確認させていただきます。
続けます。国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所薬剤耐性研究センター長の大西真委員です。
神奈川県鎌倉保健福祉事務所所長の近内美乃里委員です。
○近内委員 近内です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学分野教授/長崎大学学長特別補佐(産学連携(医療)担当)/長崎大学病院臨床検査科/検査部教授の柳原克紀委員になります。
○柳原委員 長崎大学、柳原です。
今回は長崎大学という立場ではなくて、感染症学会、化学療法学会、臨床微生物学会、環境感染学会の関連四学会の代表として参加しております。その立場で参加しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
以上4名の方々、どうぞよろしくお願いいたします。
岩本委員、もう一度。
(接続確認)
○小谷室長 すみません。岩本委員、こちらからお電話等でコンタクトさせていただきます。
御出席の委員につきましては、通信の確認を踏まえ、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順に、浅井委員。
○浅井委員 浅井でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。大西委員。
音声が出せないのですね。大曲委員。
○大曲委員長 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。川名委員。
○川名委員 日本薬剤師会の川名です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。近内委員。
○近内委員 鎌倉保健福祉事務所の近内です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。笹本委員。
○笹本委員 日本医師会の笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。島田委員。
○島田委員 島田です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。菅井委員。
○菅井委員 菅井です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。田村委員。
○田村委員 田村でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。長尾委員。
○長尾委員 長尾美紀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。中村委員。
○中村委員 中村竜也でございます。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。松本委員。
○松本委員 日本看護協会の松本です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。吉野委員。
○吉野委員 日本歯科医師会の吉野でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
すみません。一人飛ばしました。失礼しました。柳原委員。
○柳原委員 柳原です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
なお、三﨑委員から御欠席の連絡をいただいております。あと、北原委員からは遅れての御参加の連絡、大西委員から途中退席との御連絡をいただいております。
本日は、参考人として国立国際医療センターAMR臨床リファレンスセンターより松永様の御参加をいただいております。
○松永参考人 松永です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
以上、現在、薬剤耐性(AMR)に関する小委員会委員17名のうち15名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
配付させていただいた資料は、議事次第、委員名簿、座席図、資料1、参考資料1~6となります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
1点だけすみません。岩本委員、音声はどうでしょうか。こちらの声はよく聞こえていると。
(接続確認)
○小谷室長 すみません。御意見等ございましたら、チャット等でもいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
それでは、ここからの議事進行は大曲委員長にお願いいたします。
○大曲委員長 では、改めまして、先生方、本日もよろしくお願いいたします。
それでは、早速、今日の議事に入りたいと思います。
まず1つ目の議題でありますけれども、「次期AMR対策アクションプランの成果指標」についてであります。
こちらについて、まずは事務局から説明をよろしくお願いします。
○渡邊補佐 おはようございます。課長補佐の渡邊と申します。
皆様、資料1を御覧ください。
まずは、ナショナル・アクション・プラン(NAP)改訂の時系列などを簡単に御説明させていただいた後、議題へと進めてまいります。
2枚目のスライドでは、アクションプランのこれまでの経緯と改訂に向けた時系列を整理しております。2015年に最初にAMRに関するグローバル・アクション・プラン(GAP1)が採択された後、日本のナショナル・アクション・プラン、2016年のNAP1が策定されました。2020年までの計画だったところ、新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響で2年延長し、2023年から現行のNAP2にて取組を進めてきました。この2026年5月に世界保健総会でGAP2が採択されたところでございます。
今回議論したいNAP3は2028年からの取組となります。GAP2を踏まえたNAP改訂について、専門家・関係機関の御意見をお伺いしながら検討を行い、統括庁、関係省庁とも連携し、政府全体で検討、策定したいと考えております。
3枚目のスライドでは、現在のNAP2の取組を図としてお示ししています。成果指標に向かって6つの目標に沿って取り組み、疾病負荷減少という目的達成を目指しております。これからNAP3を検討していくに当たり、どのような成果指標、目標を設定すべきか、また、各目標についてどのような取組を取り込んでいくか、議論、検討していきたいと考えています。
それでは、議題に入っていきたいと思います。
4枚目のスライドのとおり、本日の議題は2つございます。議題1は次期AMR対策アクションプランの成果指標、議題2は目標設定となります。
5枚目のスライドを御覧ください。
まずは、議題1の次期AMR対策アクションプランの成果指標について御説明します。
6枚目のスライドでは成果指標の進捗状況を示しております。
まず、薬剤耐性菌の割合についてですが、NAP1では感染症が発生したかにかかわらず、検出された全ての薬剤耐性菌を対象としていましたが、NAP2からは、一部の耐性菌について、感染症の発症と関連の高い検査材料に限定する見直しが行われ、グラフを参照しますと2020年から黄色、紫、緑の実線で示しています。成果指標の達成状況につきましては、グラフでお示ししたとおり、厳密には目標が達成できておりませんが、経時的に見ると減少傾向であります。
右のグラフは、SDGsの指標を用いて世界のMRSAと第3世代セファロスポリン耐性大腸菌の耐性率を示したものです。日本の値は黄色い点線で示しております。世界の平均を下回っている状況です。
7枚目のスライドでは、抗菌薬使用量についてお示ししています。
上の表ではG7の抗菌薬使用量をお示ししておりますが、抗菌薬使用量の減少をAMR対策の指標として設定している国が多くあります。日本は、その中でも全抗菌薬量に加えて特定の種類の抗菌薬について目標を設定しております。NAP2策定時には静注抗菌薬の目標を見直し、2020年の抗菌薬使用量を基準とした目標を設定しました。
抗菌薬使用量を時系列で見ますと、2020年から2022年は新型コロナウイルス感染症の影響により抗菌薬使用期間が減少していたことや、近年の百日咳やマイコプラズマの流行によって、適応となる抗菌薬が適切に使用されていても抗菌薬使用量が増加したことなどが判明しています。
8枚目のスライドではGAPの成果指標についてまとめています。GAP1では成果指標は設定されていませんでしたが、2024年9月、国連総会のAMRに関するハイレベル会合において、2030年までに細菌性AMRに関連する世界の死亡者数を10%削減するという共通目標が示され、新しいGAP2にも成果指標として盛り込まれました。ただし、このAMR死亡者数10%削減については具体的な定義がなされておらず、国際的なコンセンサスも得られていない状況です。
9枚目のスライドでは、成果指標の現状と課題をまとめております。
現状といたしましては、NAP1により引き続きAMRによる疾病負荷の減少を目的として、薬剤耐性菌の検出割合、抗菌薬使用量の減少を成果指標としてAMR対策に取り組んできたところで、日本における薬剤耐性菌の割合は減少傾向にあり、他国と比較しても日本の薬剤耐性菌割合及び抗菌薬使用量は高くない状況です。
課題といたしましては、GAP2に掲げられた成果指標「AMR関連死亡者数10%削減」の具体的な数値化・指標化が困難であり、また、抗菌薬使用量は感染症の流行状況によって大きく影響されるため、機械的に算出された数値を基に定めた減少目標を達成することは難しいことが挙げられます。
次期アクションプランの成果指標に関わる事務局の案といたしまして、目的を引き続き「AMRによる疾病負荷の減少」とし、成果指標も引き続き現状の2つとしてはどうかと考えています。ただし、薬剤耐性菌の検出割合については、引き続き中長期的な視点で減少を目指してはどうかと考えています。
また、抗菌薬の使用量については、数値の減少目標の達成のみを主軸とした評価だけではなく、複数の観点を組み合わせた評価方法について検討してはどうかと考えています。例えば具体的な要素として、1か月ごとの使用量と感染症の流行状況を加味した評価方法、J-SIPHE等を活用した感染症の流行と関連の強い診療科の影響を除外した評価方法、AWaRe分類による抗菌薬全体に対するアクセスの割合を活用した評価方法などを例としてお示しさせていただいております。
以上で議題1の説明を終わります。
以上になります。
○大曲委員長 御説明ありがとうございました。
それでは、こちらに関して御意見を委員の先生方からいただいていきたいのですが、実は今日、三﨑先生は御欠席であります。また、大西先生は声が出せない環境にいらっしゃるということで、事前に御意見をいただいております。こちらの御意見については、事務局から代読をしていただきますようお願いいたします。
○渡邊補佐 まず、三﨑先生の御意見を代読させていただきます。全体的な方向性に賛同いたします。特に発生動向を注視していくことは大変重要と考えますので、薬剤耐性菌の検出割合や抗菌薬の使用量を成果指標とすることに異論はありません。ただ、第三期が2032年までと長期になることから、現行の耐性菌だけではなく、この先出現が懸念される耐性菌など、少し幅広く発生動向を見ていく必要があるのではないかと考えました。
また、成果指標の中でAMR死亡者数の具体的な数値化・指標化が困難ということですが、死亡者数というのは明確な数値として確認できますので、指標という意味では算出しやすく分かりやすいのではないかと思います。現在、具体的な案があるわけではないのですが、AMRに関連する死亡者数について検討してもよいのではないかと考えました。
続いて、大西先生の御意見を代読させていただきます。成果指標に係る事務局の提案におおむね賛成します。ただし、世界平均を下回っているからといって「もう大丈夫である」とは評価できません。これまで実施してきたAMR対策にもかかわらず、MRSAについては欧州と比較し耐性割合が高い状況にあり、これまでのやり方では何か足りないことがあるのか検証するきっかけに使用するべきです。
以上になります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
御意見、本当にありがとうございます。
それでは、今の御意見も含めまして、委員の先生方からぜひ御意見をいただければと思います。手を挙げていただいてからよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
田村委員、お願いします。
○田村委員 おはようございます。塩野義製薬、日本製薬工業協会の田村でございます。どうもお世話になっております。
本日はこのような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
先生方は既に薬剤耐性ワンヘルス動向調査の年次報告書2025を御覧いただいたということで本日の議論になっていると思います。現行のNAP2の成果指標にはなっていない状況ではございますが、薬剤耐性菌による血流感染症の推定死亡者数は残念ながら年々増加ということであります。今の数を見ますと、1万5000を超えるような数字になってきているということかと思います。まさにサイレントパンデミックであるとの認識でございまして、できれば今回も通じまして、先生方の御協力も得、できるだけ早く施策に迅速に取り組んでいくことが大事だろうという認識でございます。これは一つコメントでございます。
一つお話をさせていただきたい点、成果指標のところが今出てきていたかと思います。先生方、先ほどの代読のところにもございましたけれども、GAP2でAMR死亡者数10%削減とされている観点につきましては、我が国で得られる関連の情報から直接的に現実的に成果指標とするところはなかなか困難であるかなというところには一定の理解をするところでございます。
しかしながら、GAP2との関連を含めまして、疾病負荷の減少をより具体的な形で評価していくということについては、私たちとして見ていくべきではないかと考えておりますので、取得可能なデータから段階的にそこに近づけていくことに取り組んでいくことが大事ではないかと思っております。
例えばでございますけれども、AMRに関連する血流感染の患者数、それに起因するような死亡、敗血症の死亡率、こういったものを指標として、真の目標でありますAMRの疾病負荷を説明する疫学的なデータとは何かを検証してみる。こういったことも取り組んでいいのではないかと考えております。
私からのコメントは以上でございます。ありがとうございました。
○大曲委員長 田村委員、ありがとうございます。
それでは、次は北原委員、お願いします。
○北原委員 山口大学の北原でございます。今日は少し遅れましたけれども、よろしくお願いいたします。
全体の方向性として、成果指標というところには異論はございませんが、NAP2を検討するときにおいては、欧州との比較をもとに、日本の使用量がまだ減っていないのではないかというところを出してきたかと思います。それが今回は比較が全世界レベルになって、最後のところに出していただきましたけれども、全世界と比較するときに日本の抗菌薬使用量が多くないとか、メッセージとしてもう大丈夫になったような内容になってしまっているところがそれでいいのかと。やはりここはまだ日本の中においても抗菌薬の適正使用というのは推進しなければいけないというところで、もう少しそこのメッセージの出し方というのは修正するほうがいいのではないかなとは感じました。
あと、成果指標の案の一番最後にAWaRe分類でのアクセス数の割合を活用した評価方法というところも挙げられているのですが、このAWaRe分類というのがやはりWHOが出していて日本にマッチしているのかどうかという問題はずっとあったかと思います。なので、そこについては、今回新しいNAP3をつくる中において、厚生労働省が中心になり、日本に合った形のAWaRe分類というか、こういうような分類というのを新たに設定したほうがいいのではないかなと感じたところです。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、島田委員、よろしくお願いします。
○島田委員 ありがとうございます。
この案について、全体的なことに関しては賛成です。
その中で、疾病負荷の減少の指標として、死亡者数はなかなか耐性菌が原因となった死亡が取れないというのはおっしゃるとおりだと思います。困難だと思います。今、先生からの御指摘もありましたが、私もそれに代わるものとして耐性菌が原因となった血流感染の罹患数とか、必要であれば年齢調整を加味した上での罹患率なども指標の一つとしてはどうかと思いました。
もう一つ、抗菌薬の使用量に関してですが、やはり量と質、両方の指標があればいいかなと思いました。なので、質を見る指標としてはAWaRe分類のアクセスの割合を活用した評価方法というのはおおむね賛成です。ただ、今御指摘のあったように、それが日本の現状に適したものかどうかというのは議論の余地があるところとは思っております。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、松本委員、お願いします。
○松本委員 ありがとうございます。
お考えになっておられるものについてはエビデンスのあるものだと思いますので、そこに反論するわけではないのですけれども、AMR死亡者数という数は国民にとってはインパクトがある数になるのではないかと思います。今後、メッセージ性のあるもので予防的なことを伝えていかないと、なかなか達成しようという国民的な運動にはならないのではないかなという点においては、このAMRの死亡者数というものを取り上げていくこともいいのではないかと思います。例えばこのAMRによる疾病負荷の減少ということが目的に挙がっていて、その中の一つにAMR死亡者数の何らかの数値を当てるとか、もう少し御検討いただいてもいいのではないかと思います。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、柳原委員、お願いします。
○柳原委員 柳原です。よろしくお願いいたします。
資料を拝見いたしまして、私も全体的な方向性に関しては異論ありません。また、今までの成果が上がっていることに関しては、改まって感謝を申し上げます。
それの中で、少し私たちの学会等でお話が出るのは、全体的な使用量を見てしまっても、例えばこの症例には必要だとか、この症例は必要でないといったもうちょっと内部の質の評価ということができないと、誤った抗菌薬適正使用につながるのかなということを懸念しています。御提案いただいた流行状況とか診療科、AWaRe分類などは、どのくらいそういったのに結果が出るのかなということを考えておりました。ですから、質の評価というところを少しどこかに入れていただくといいのかなというのが私の意見でございます。よろしくお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、近内委員、よろしくお願いします。
○近内委員 ありがとうございます。
私も全体の方向性については賛同させていただくのですけれども、保健所はいろいろな機会で医療機関の方々とお話しする機会があるのですが、そのときに、この抗菌薬の使用量などについてはなかなか保健所としても評価がしづらいところもありますので、このAWaRe分類のアクセスの割合ですとか、何か客観的に分かりやすいような評価があるとよいかと思いました。
以上になります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、長尾委員、よろしくお願いいたします。
○長尾委員 よろしくお願いいたします。
全般の方向性につきましては賛同いたします。一定の成果が出ているということも医療現場の一員として大変うれしく思う一方で、先ほどの先生の御発言にもありましたが、AMR死亡率の低減というのは大変重要なメッセージだと思っておりまして、現在の抗菌薬の使用量というのはあくまで間接的な指標であって、そこからどのように死亡率低減等の成果へとつながっていくのかというところが次のステージとしてはやはり重要になってくるかと思います。データを取るのは大変難しいというのは重々理解しておりますけれども、ぜひそこに取り組んでいく、そこを追加指標に入れていくというところがあると、本当に医療者としては取り組みやすいというか、追い風になるかなと思っています。
また、案の中に「抗菌薬適正使用の推進状況等の観点も踏まえ」とご記載いただいております。恐らくAWaRe分類のアクセス以外にもご提案があるかと思いますが、先ほど来議論に出ております「質の評価」という点も、まさに次のステージの課題だと感じております。量を減らすことの重要性は理解しつつも、その「質」をどう評価していくのか、例えば診療報酬上の加算取得状況の扱いなども含め、前向きにご検討いただけますと幸いです。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
では、次は吉野委員、よろしくお願いいたします。
○吉野委員 吉野でございます。ありがとうございます。
私も御提案に対してはおおむね賛同するところでございます。
その上で、歯科の立場からコメントをさせていただきます。アクセスの割合を活用した評価に関してとなるかと思いますが、歯科においては院内処方が依然として多いという現状があることから、医薬品の供給不足による影響が他科に比べて大きいと考えております。我が国におけるアモキシシリンをはじめとした抗菌薬の供給不足に関する現状を分析した上で、それらを加味した成果指標の設定を御検討いただきますようお願いいたします。
また、感染性心内膜炎の予防におけるペニシリンが使用できない場合に、現在、クリンダマイシンが推奨されておりますが、クリンダマイシンに対する耐性菌の増加の報告があると聞いておることから、今後、Watchに分類されるクラリスロマイシン等の使用の増加があるかもしれませんので、その辺りについても注視していく必要があるのではないかと考えておるところでございます。
私からは以上でございます。
○大曲委員長 吉野委員、ありがとうございます。
それでは、笹本委員、よろしくお願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
抗菌薬の今回の成果指標につきまして、おおむね賛成でございます。
一方で、マクロライド系のようなお薬の使用量は、疾患に対して適正使用しているにもかかわらず、現在の指標では過剰使用のように評価されることは、医療機関にとっては治療に用いづらいことになってしまいます。指標を更新するに当たってはこの辺りの考慮をぜひともお願いしたいと思います。
また、今回、指標作成の具体的な視点や方法についてご意見が出てきましたので、それらを活用するとともに、AWaRe分類のWatchそのものについてもできれば踏み込んで考えていただければと思います。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 私も臨床検査技師という立場から少しお話しさせてもらいたいなと思うのですけれども、おおむね賛同で、アクションプラン2023から2027年ということにはなるとは思うのですけれども、この中の菌種ですね。最近、肺炎桿菌の耐性菌が増えてきていて、それはカルバペネムというよりかは、やはり第3世代のセファロスポリン系、指標になくなりましたけれども、あえてまたその辺の動向は注視していく必要があるかなと思うのです。肺炎桿菌が耐性化するということは肺炎で影響が出てくるということになりますので、大腸菌が耐性化するのと肺炎桿菌が耐性化するのは臨床的な背景が違うかなと思います。先ほどから死亡率というお話が出ていますけれども、やはり死亡率と考えたときに、日本の死亡原因を考えても肺炎は圧倒的に多いわけで、肺炎を起こすような菌の耐性化を見ていくこともひとつ大事なのかなと思います。
あと、もう一つはMRSAについてなのですけれども、これは先ほどもお話がありましたけれども、欧州と比べるとかなり高い率であるのかなと思うのです。これは抗菌薬の適正使用だけで減らせるものなのか、もしくは手指衛生をもっともっとやっていかないといけないのか、そこもやはりもう一回見直す必要があるのかなとは思います。
また、この後に出てくるのですけれども、高齢者とか介護施設の件が大きくクローズアップされていますが、そこを管理する、要は加算の施設の1とか2とかというところは、やはりまだまだ感染対策という意味ではうまくいっていないのかなというところも見えてきたりしているので、その辺の評価は絶対落とさずに高齢者介護施設のほうにも力を入れていくということが大事かなとは思いました。
以上です。
○大曲委員長 中村委員、ありがとうございます。
そのほか、先生方、いかがでしょうか。
菅井委員、よろしくお願いします。
○菅井委員 よろしくお願いします。
皆さんの御意見と同じように、新しいNAPに関しての内容については同意するところですけれども、お話に出てきました疾病負荷についてですが、せっかくJANISがありますので、方向性としては一つ、JANISを有効利用して、JANISプラス、今、AMRセンターのほうでパイロット的に行っている研究で、DPCデータを使った検討とJANISのデータ等を一緒にして、疾病負荷と経済負荷を評価するということを行って、初期段階ではいい結果が出ていると聞いていますので、そういったものを利用するというのがひとつ方向性としてあると思うのです。
それで、もう一つは従来型の疾病負荷の検討というのがあると思うのですけれども、いずれにせよ、次のNAPでそういった疾病負荷を日本のデータとしてどうやって定めていくかということをきちんとするということを明確にしていただければいいのかなと思っています。
それからもう一つは、これもWHOのほうで出ている提言にあったと思うのですけれども、薬剤耐性菌の動向と実際の疾病の死亡率の問題、それから、経済負荷の問題、それともう一つは、動向の中でゲノムサーベイランスというのをWHOのほうでも最近強く言い出しています。例えば今回もMRSAの話が出てきていますけれども、MRSAの死亡率が高いクローンが見つかってきたのですが、それは恐らく大学病院とか大きな病院でだけスクリーニングしていると見えていなくて、高齢者施設あるいは高齢者が非常に多く入院されている200床以下の病院といった小さな病院も含めてのサーベイランスをして初めて見つかってきたものなので、日本のサーベイランスを見ていく上で、やはり規模はお金の問題がありますからいろいろとあるのでしょうけれども、ゲノムサーベイランスをきちんと追いかけていくということが必要かなと思っています。
さっき中村先生のほうから肺炎桿菌の話が出てきていましたけれども、今、急激に日本で肺炎桿菌のクローンシフトが起こっています。そういったことも状況として把握するためにはゲノムサーベイランスが必要ですので、ゲノムサーベイランスをやはりきちんと次のNAPではやるということを明記していただければいいのかなと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
島田委員、お願いします。
○島田委員 今の菅井先生の御発言に関連するので、ここで発言させていただきます。
先ほど来出ている指標に関してですが、その指標に使う数字をどのようにして集めてくるのか。それは既存のサーベイランスを使うのか、それとも研究活動として一定期間やるとか、それを定めるのも大事かなと思いました。先ほど私が申し上げた血流感染というのは既存のサーベイランスで使えると思うのですが、大事な指標であるとして御発言は賛同しますが、なかなかサーベイランスベースでは捉えられない死亡の割合、死亡数というのは研究活動としてやるといいのかなと思いました。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほかは皆様いかがでしょうか。
浅井委員、お願いします。
○浅井委員 僕も全体的な流れとしては賛成です。
それで、さっき菅井先生がゲノムサーベイランスの話をされていて、MRSAの話とかと絡むと、家畜関連のものと院内感染と市中感染とはかなり違うタイプのものなので、そういうのは明確になるし、そういう裏づけも取っていくことはとても大切だと思います。
それから、畜産関係でよくあるのですけれども、薬の使用を減らしても耐性が減らない問題があって、それは共耐性との関連があるので、ゲノムサーベイランスをすればある程度そういうことも見えてくるのかなという気がします。
それで、事前レクのときに僕も死亡者数を10%削減というのはほとんど無視するような形で成果指標を進めていくことに対してどうなのかなと思ったのですが、先生方のお話を聞いていて、そういうやり方があるのだなというのもよく理解できましたので、それについては良い方向性ではないかなと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
まとめがてら僕も簡単にコメントをしたいと思うのですけれども、おおむね先生方は今日提示された内容には御賛同だと思って聞いておりました。ただ、各論では幾つか御意見があったところがあって、一つはグローバル・アクション・プランの2で出てきたところの死亡者数が一つの大きな指標として入ってきていますけれども、そちらに関して日本としても何らかの形でやはり指標として入れるべきではないかというお話がありました。
確かに算出方法は簡単ではなくて、我々もリファレンスセンターで私たちの研究者がやってきていますけれども、全体像を見るのは簡単ではないなとは思っています。ただ、先ほど菅井委員からもお話がありましたように、JANISのデータ等を使って、粗々という言い方は適切ではないかもしれませんが、既存の方法でBSIの発生数・率、あるいはそれに基づく死亡者数等は菌種ごとにも出せるようにはなってきています。ですので、例えばその数を見ていくといったことも御提案としてはありました。
ただ一方で、動向を見てみるとなかなか減らないというところもあり、恐らく想像するに高齢化の影響が非常に大きいのだと思うのですが、あるいはそれに関連した医療の影響というのが大きいと思うのですけれども、なかなか減るというのが見通しにくい中で、島田委員からもお話がありましたけれども、例えば罹患率あるいは罹患密度率等を見ていくというのも方法かなと思って聞いておりました。
あとは、2番目の視点としては、抗菌薬の使用量を今まで見てきたわけですけれども、現実には、この4~5年起こったことで分かるように、感染症の流行動向によってはそれは非常に大きな影響を受けるというところがありますし、現場レベルで対応するとなると、処方の質ですよね。中身が適切かどうかというところを見ているわけでして、そういうものの見方も入れていく必要があるのではないかということで御意見をいただきました。
質の見方に関してはまだまだ議論が要るのだと思うのですけれども、一つの方法としてAWaRe分類はあるだろうと。ただ、AWaRe分類ももともとは欧州中心につくられたものなので、日本の状況と必ずしも合っていないところはあり、こちらに関しては検討は必要ということで御意見をいただきました。私たちもこれは一部検討をして、意見は公にしているところでもあります。その辺の質指標に関してはもう少し議論が要るだろうというところでした。
あとは菌種の話ですけれども、大事な議論があったと思っています。一つは、長期を見渡したときに、今問題となりつつある、あるいはこれから問題となるものもスコープに入れて、どれぐらいの指標の位置づけにするのかはともかく、見ていく必要があるのかという御意見がありましたし、その中の実例としてはクレブシエラ・ニューモニエの話が出てきました。実際にワンヘルスのレポートを見ていても、クレブの動向は非常に気持ち悪くて、菌血症の数で見ると、例えばカルバペネム耐性あるいはESBL産生のクレブの数は大腸菌等のそれと比較して多くはないですが、徐々に増えてきているし、カルバペネムの耐性率も上がってきているということもあるし、世界の動向を見ると大暴れしているわけですよね。そうしたものが日本でどうなるのかというのは確かに見ていく必要はあると思いました。
あとは、最後の論点としては、この指標ですとか指標の動向、あるいは菌の動向、あるいは現状の分析を見ていく上でのゲノムサーベイランスの重要性ということに関しては、複数の先生方がお話しになりました。特に確かにMRSAにしても、動向というのは10年単位ぐらいで変わってきていますし、その背景を見ると、やはりゲノムレベルでの変化といったものがあって、それで説明できるといったことは私も素人ながらになるほどと思って見ておりましたし、現状の分析あるいは将来を見通すという意味でも、ゲノムのサーベイランスというのは非常に重要ではないかということは伺って感じておりました。
というところでございますが、ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、今日は大分御意見をいただきましたので、事務局のほうではこの御意見を参考にして引き続き検討を進めていただければと思います。ありがとうございます。
それでは、議題がもう一つありましたので、2番目の点に関して事務局から御説明をお願いいたします。
○渡邊補佐 それでは、後半では議題2の次期AMR対策アクションプランの目標設定について御意見を伺いたいと考えております。
スライド11枚目を御覧ください。
現行のNAPでは6つの目標を定めて取組を進めております。こちらは2027年までの実績をまとめています。特に目標4の抗微生物剤の適正使用では手引き第4版作成、適正使用加算の設立、目標5では研究開発・創薬、プル型インセンティブの実施、MCM開発におけるAMRの位置づけの明確化、MCM戦略閣議決定、それに加えて、目標6の国際協力ではASPIREの取組としてAMRワンヘルス東京会議の開催などが挙げられています。
12枚目のスライドでは、前回のAMR小委でいただいた御意見を目標ごとに分けてお示ししています。目標1に関しては行動変容の視点を含めた普及啓発の重要性について。目標2では検査精度管理の対応策について。目標3、4では抗菌薬適正使用と並行したIPC推進の重要性、日本の社会構造・地域構造を踏まえた上でのAMR対策の重要性。目標5では研究開発・創薬を含めた抗菌薬確保の重要性についてコメントをいただきました。
ここで、高齢者医療、介護施設におけるAMR対策の位置づけが必要との御意見を受けて、抗菌薬使用量や薬剤耐性の状況について次のスライドにおまとめしています。
13枚目のスライドでは、日本の抗菌薬使用量及び薬剤耐性の状況に年代別にお示ししております。
抗菌薬使用量年代別に見たのが左の図になりますが、2013年から2021年の全ての期間において、65歳以上の年代で使用量が多くなっています。
右の図は、MRSAと第3世代セファロスポリン耐性大腸菌の検出件数を折れ線グラフ、耐性率を棒グラフで示しておりますが、いずれも65歳以上で多いことが分かります。
14枚目のスライドでは、GAP及びNAPの目標設定を整理した表をお示ししています。GAP1は5つの目標で構成されており、これに国際連携を加えて、NAP2では6つの目標を掲げて対策を進めてきました。GAP2ではGAP1の目標に国際連携が加わって、新たに環境分野も追加され、ワンヘルスの観点がかなり強調されています。
15枚目のスライドでは、次期アクションプランの目標設定について現状と課題をまとめております。
まず、6つの目標に沿って各種施策が着実に進められている現状がございますが、前回のAMR小委員会では、行動変容の視点を含めた普及啓発、日本の社会構造・地域構造を踏まえた上での感染管理の重要性といった課題が提示されました。
また、GAP2においては、ワンヘルスアプローチを介したAMR対策の実施とともに、各国の社会構造・地域構造を踏まえたNAPの実施強化が求められています。
これらを踏まえて、目標設定について事務局から提案いたしますのが次の3点です。
まず、GAP2の新たな目標設定も参考にしつつ、項目としては現行と同じ6つの目標とし、各目標に適切なKPI、プロセス指標を設定しつつ、引き続き政策を進めていくこととしてはどうかと考えております。
その中でも、日本においては、高齢化に伴い医療ニーズが変化し、医療の場が医療機関から施設・在宅へと移行していることを踏まえ、医療機関に加えて、高齢者施設等におけるAMR対策の観点についてもより議論を進めていくこととしてはどうかと考えております。
最後に、ワンヘルスアプローチの観点で、統括庁、農林水産省、環境省等、関係省庁とも連携して取り組んでいきたいと考えています。
以上で議題2の説明を終わります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
早速こちらも議論を進めていきたいのですが、こちらに関しても三﨑委員から御意見をいただいておりますので、まず事務局から代読をよろしくお願いします。
○渡邊補佐 では、三﨑先生の御意見を代読させていただきます。全体的な方向性に賛同いたします。目標設定の中でお示しいただいている高齢者施設におけるAMR対策は非常に重要だと思いますが、施設の状況は千差万別です。実態を調査した上で普及啓発・教育に力を入れ、施設内での感染予防・対策を強化していく必要があると考えますので、議論を進めていくことに賛成いたします。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。三﨑委員からの御意見でございました。
ということで、この論点の2に関してですけれども、先生方からぜひ御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、川名委員、よろしくお願いします。
○川名委員 日本薬剤師会の川名です。
とても分かりやすい説明をありがとうございます。
一つ、高齢者施設や在宅におけるAMR対策について意見を申し上げます。資料の15ページに高齢者施設等におけるAMR対策の重要性が挙げられておりますが、在宅または介護の現場の実情を考えると、単にアクセス分類の抗菌薬を使いましょうと呼びかけるだけでは改善は難しいのではないかと思います。特に個人のお宅で療養されている患者さんでは、服薬をサポートする介護職の訪問タイミングが限られていて、現実には一日1回の服薬支援が限界であるケースが多々あります。そうした状況下で一日3回服用が必要な抗菌薬、これはアクセス分類の抗菌薬に多いのですけれども、そういったものを処方されても、ヘルパーさんの訪問回数を急に増やすことは制度的にも人員的にも不可能です。結果として、介護負担とか、あとは確実な服薬を考慮して、一日1回服用で済むレボフロキサシンOD錠など、そういったものが選ばれがちになっているのが実情ではないかと思います。
この課題を解決するために、先ほど目標の5で掲げられていました研究開発・創薬の観点について、単に新薬開発を支援するだけではなくて、既存のアクセス分類の抗菌薬について、例えば、一日1回服用で済むような製剤開発であったり、高齢者が服用しやすいOD錠といった介護現場の実情に応じた製剤開発が進展するようなインセンティブを検討すべきではないのかなと思います。
まず1つ目は以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
もしあれば続けて伺いますが、よろしいですか。
○川名委員 続けてよろしいですか。
あともう一つが、高齢者施設での服薬指導でいつも悩んでいることがございます。日本薬剤師会では、平成28年の全国老人保健施設協会の調査報告書を使って高齢者施設へのAMRに対する啓発を進めているところではございますけれども、この報告書の中で耐性菌の保菌者であるという理由で入所を拒否する施設が一定数あるということが報告されております。そういった中で、必要以上に怖がる必要はありませんという啓発と、標準的な予防策をしていれば大丈夫なのですということを伝えるようにしています。一方で、高齢者施設は医療者がいるとは限りませんので、医療者と同じようなトーンでAMR啓発活動を行っていくことについては、過剰反応につながらないか心配しているのです。なので、どんな言葉でどのようにどのタイミングで語りかけていくかというリスクコミュニケーションというのでしょうか。そういった考え方も検討していくべきではないかと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、長尾委員、よろしくお願いします。
○長尾委員 よろしくお願いいたします。
高齢者医療および終末期医療における抗菌薬適正使用と感染制御について、私見を述べさせていただきます。
これらを推進するにあたり、大きく3つの視点が重要であると考えております。
1つ目は、「念のための抗菌薬処方」から「本人の尊厳を支える適正使用」への転換です。具体的には、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)のプロセスの中に、感染症治療に対する考え方を盛り込んでいく視点が重要です。『抗微生物薬適正使用の手引き』は私も日々活用しておりますが、次のステップとして、高齢者や終末期医療における適正使用の考え方を明記していただけると非常にありがたく存じます。誤嚥性肺炎等において必ずしも漫然と抗菌薬治療を継続する必要がない点については、日本呼吸器学会等からも提言が出されているところですが、国として方針を示していただくことで、医療現場の判断が容易になり、患者様やご家族のご理解も得やすくなると考えております。
2つ目と3つ目につきましては関連する部分ですが、「生活の場」と「医療の場」における感染対策の違いを考慮することです。先ほど川名先生からもご指摘がありました通り、医療現場と介護現場で全く同じトーンの対策を行うのは適切ではありません。私は常々**「引き算の感染対策」**と申し上げているのですが、介護現場に医療現場と同じマニュアルを適用することは絶対に避けるべきです。
一方で、介護現場において標準予防策が十分に浸透・実施されているかというと、まだ課題が残ります。まずはこの標準予防策の徹底から着実にスタートすることが重要ではないかと考えております。 以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、島田委員、よろしくお願いします。
○島田委員 御説明ありがとうございました。
目標設定は現行と同じ6つの項目というのは賛成ですし、プロセス指標を入れていくことも賛成です。
その中で、先ほど来コメントされているものですが、医療機関に加えて、高齢者福祉施設などでのAMR対策の観点もぜひ議論していただきたいと思います。御存じのように、御発言にもありましたが、福祉施設や在宅というのは生活の場でのケアですので、やはり医療機関とは違った視点でのトレーニングの仕方とか目標の設定があるのかなと思います。一方で、福祉施設、在宅の現場というのは、耐性菌の増殖の場所としては大事なので、それに見合った適切なトレーニング、目標、やるべきことなどをまとめてガイドラインなどに示していただくと非常にいいのかなと思っております。
また、医療機関に関しては、今、例えばまだ日本ではまれな耐性菌などが出ても、これは発生動向調査の対象ではないからといってなかなか対策に踏み切れない、もしくは調査に踏み切れないということが実際に起こっています。なので、たとえ発生動向調査の対象ではなくても、日本ではまだまれなもの、もしくは流行のしやすいリスクのある、例えばゲノムとかを持っている耐性菌ですということが分かれば、それもちゃんと対策をしてくださいというようなメッセージも大事かなと思っています。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、次は柳原委員、お願いします。
○柳原委員 柳原です。
私も全体的な方向性に関しては異論はございません。
ただ1点、検査に関する記述がとても弱くなっているなと思いました。アクションプラン2ではもう少し検査のことが増えてきたので、今後はもっと強化されるかなと思っていたのですけれども、そこがトーンが弱くなっている。具体的に言いますと、先ほど来問題になっているカルバペネム耐性の菌にしても、メロペネムだけになってしまったので減っているのですけれども、遺伝子検査をルール上はできるようになっていますけれども、実際はできないので拾えていないというところがございます。
ですから、保険のことはここでは論じないかもしれませんけれども、そういった遺伝子検査を含めた検査の活用というところが、動向調査・監視だけではなくて抗菌薬の適正使用、先ほど来話題になっております死亡者数のことがございますけれども、今、欧米では遺伝子検査を早く使って、早めに抗微生物薬の耐性菌を治療しましょうというのが主流になっていますので、そこも含めた検査体制のことに関して全体的に強化していただいて、動向調査並びに抗微生物剤の適正使用の項目にももう少し検査の活用、特に遺伝子検査の活用について含めていただけると、実質的なアクションプランが進むのかなと思います。よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
では、次は北原委員、よろしくお願いします。
○北原委員 ありがとうございます。
今回の挙がっているこの6つの項目については、今度の新しいGAP2に合っている形もありますので、ここについては賛同いたします。
この中で私が意見したい点といたしましては、まず1つ目の教育・啓発のところなのですけれども、ここにおいて、今回GAPのほうも行動変容というところは求めているのですが、そうした場合に、いわゆる初等教育とか、学生の時代からも教育というのが非常に重要ではないかと感じているところがございます。そういった場合に、今回のワンヘルスアプローチの観点というところから幾つかの省庁との連携も取るとあるのですが、やはり文部科学省をしっかり入れて、そういうところからの教育というのをしっかりと組み込むというのが必要ではないかなと一つ感じているところです。
あと、もう一点が目標5の研究開発・創薬というところになるのですが、ここは現在プル型インセンティブとかもつくって非常に活発に活動していただいていると思います。それもあって、参画する企業も増えているわけですが、予算の問題があるので、KPIをどういうふうに定めていくかですけれども、その中で予算のところとかもしっかり考えていく必要があるのではないかというのが一点です。
あと、ここには載っていないのですけれども、いわゆる安定供給ですね。医療現場にいる私たちにとっては、抗菌薬の安定供給というのは非常に大きな問題で、この何年間も非常に悩まされた問題ですので、ここについてもやはり安定供給をしっかりしていくというのも、目標の中の一つとしては、KPIの中に入れるかですけれども、どこかに入れておく必要があるのではないかなと感じているところです。
以上になります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、次は松本委員、よろしくお願いします。
○松本委員 お願いします。
まず目標1のところなのですけれども、先ほど川名委員のほうからもお話がありましたけれども、全体的に見ると専門家が頑張るのだなという目標になってしまっているので、ここはリスクコミュニケーションということを前面に立てて、双方向の形でこれを啓発していくのだというような形にされたほうが適切ではないかと思っております。
もう一点、今回新しく取り組むということで高齢者施設などの観点や省庁間の連携ということを書いてございますけれども、これは非常に重要なことだと思っております。この内容をこの6つの中に当てはめられるのかというところが疑問に思っておりまして、連携とか連動といった連続性を持った感染症対策といったものについて何らかのことを記載してはどうかと思いました。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、田村委員、よろしくお願いします。
○田村委員 よろしくお願いいたします。
それでは、私から11ページ関連で2点、それから、15ページ関連で2点ということでお話をさせていただければと思います。
11ページ目関連は少し細かめのところで恐縮でございます。目標1の1つ目でございますけれども、薬剤耐性の認知度のところでございます。この数字は確かに薬剤耐性ヘルス動向調査年次報告書2025の中に出てきている数字でございまして、改善ということなのかなとも感じるわけでございますけれども、もう一つの調査、抗菌薬意識調査レポートを拝見しますと、数字の変化は見られていないという状況かと思います。調査によっていろいろな違いが出るのは当然のことだと思うのですけれども、私たちの活動を評価するという観点でどう見ていけばいいのかということは確認をしておいたほうがいいかなと認識している次第でございます。
続きまして、先ほど事務局から少しお話がありましたけれども、目標5関連でございます。私どもの研究開発・創薬、先ほど先生からもコメントいただいている部分でございますけれども、市場インセンティブにつきましては過去のこの会議でも提案させていただいているところでございますが、いろいろな事情でなかなか難しいというところも理解しているところでございます。
この中で抗菌薬確保支援事業のプル型インセンティブの実施のところがございますけれども、この事業の効果を検証した上で、MCM戦略ですね。先ほどもございましたけれども、その施策であります市場参入促進に資する支援等のプル型の研究開発支援を検討、導入というところがあります。こういった視点の目標設定も一つの考え方としてあるのではないかということで提案をさしあげたいと思います。
そうしましたら、15ページ目のほうに参らせていただきたいと思います。
先生方から先ほどコメントが幾つか出てきておりますが、私のほうは項目、タイトルのところのお話をさせていただくという趣旨よりは、今お話が出ておりますような内容を盛り込むということでお話ができればと考えている次第でございます。
次期KPI提案の各項目でございますけれども、14ページに記載がございますようにGAP2との連関を考えますと、また、先生方から先ほどコメントがありましたとおり、1に関してはやはり行動変容、この辺りが重要かなと感じている次第でございます。また、同様にでございますけれども、2のところは検査体制、4に関してはアクセスの確保、5に関しては安定供給・供給の確保、また、6に関しましては持続可能な基盤整備、こういった趣旨が何らかの形で盛り込まれていくということがGAP2との関係としても重要かなと思います。入れ方としましては、タイトルに入れるかどうかは別としまして、アクションプランに入ってくる部分もあると思いますので、御検討いただければという観点でございます。
それからもう一つ、最後のところでございます。高齢者施設関連のところでございます。先生方のコメントとは視点が少し違うことを御了承いただければと思います。
次期NAPの御提案の中にありましたところは非常に重要だと私どもも考えておりますという大前提の下に、私ども日本としましては、高齢化先進国であるということと同時に、医療、介護でDXを進めていくということが政策的にも示されているところでございます。
そんな中、AMRにおける疾病負荷の指標としまして死亡という議論が今進んでおりましたけれども、高齢者のQOL、生活の機能とか自立度、要介護度、こういったものの変化を見ていくということも医療DXが進んでくれば可能になってくるのかなと思いますし、これがこの活動の一つの真の評価を検討する部分にもなるかなと思います。少し時間的に先のお話になってしまうのかもしれませんけれども、次期取組の具体の一つとして可能性を検討してはどうかというところでございます。
私からのコメントは以上でございます。ありがとうございました。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、近内委員、よろしくお願いします。
○近内委員 ありがとうございます。
高齢者施設におけるAMR対策の関係についてぜひ取り入れていただきたいところなのですけれども、高齢者施設は医療機関に比べて非常に数が多いことと、感染対策への意識もいろいろありますので、保健所も高齢者施設の感染対策に取り組んでいますけれども、高齢者施設への感染対策への支援の枠組み、今、感染対策向上加算の枠組みで医療機関の方々にも支援に入っていただいていますけれども、ぜひ地域のネットワークに入ってもらうですとか、目標の指標の設定とともにそういう高齢者施設への支援の体制もぜひ強化していただけるとありがたいと思っています。
以上になります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、松永参考人、よろしくお願いします。
○松永参考人 よろしくお願いします。松永です。
2点お伝えしたいことがございます。
一つは、高齢化については非常に重要な問題で、大切なことかなと思いますけれども、日本は少子高齢化というところがあると思います。抗菌薬の使用量は高齢者が多いですけれども、DDDといって標準使用量は体重での換算となっており、処方回数については小児多い現状であります。また、疾病負荷につきましても乳児、特に新生児が高いこともありますので、高齢者に目を向けていくのはやはり大切ですけれども、小児も置き去りにされないようにぜひ御配慮いただけますと大変ありがたいなと思います。抗菌薬の副作用もありますので、ぜひよろしくお願いいたします。
あともう一点なのですけれども、抗菌薬は医療のインフラと考えられますので、AMR対策を通して感染症医療の基盤を強化していくというためには、広く関係省庁にも関わっていただくのがよいのかなと思います。高度医療によって免疫抑制剤の使用期間が多くなって、合併症も増えてきますし、がんも同様ですので学会などとも連携が必要なのかなと思っております。
また、水質汚染の観点からは、環境省と手を組んで国土交通省との連携が必要であったり、保育園、親御さん等の教育につきましてはこども家庭庁であったり、いわゆる戦争のときに例えばAMRで非常に困ってくるというところがありますので、そういう観点から、危機管理の観点からも防衛省、また、新規抗菌薬開発であったり、安定供給には経産省もとても必要になるのかなと思っております。さらに広く見ると、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの観点からは外務省であったり、財務省であったり、本当に広く言ってしまうとしようがないですけれども、やはり医療を守るという意味では、厚生労働省だけではなくて、先ほどいただいた文科省も含めて、広く広く全体で取り組めるといいなと思いました。
感想までですみません。以上となります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、長尾委員、よろしくお願いします。
○長尾委員
前回の会議におきましても、地域の感染対策ネットワークの標準モデル構築や、目的の明確化に関する議論がございました。
今回、委員の先生方のお話を伺う中で、リスクコミュニケーションの重要性や、地域に数多く存在する高齢者施設をいかに守っていくかという観点を踏まえますと、地域ネットワークのさらなる拡充が急務であると改めて実感いたしました。
現在、感染対策向上加算等を取得している医療機関には、高齢者施設等との連携が求められておりますが、それだけでは十分とは言えません。医療機関側が多忙等を理由に十分な訪問・支援を行えていない実態があると、施設側から伺っております。また、加算を取得していない中小規模の医療機関につきましても、患者様が高齢者施設と入退院を繰り返す接点となることが多いため、こうした施設も含めた巻き込みが必要です。
ぜひ次期アクションプランにおきましては、保健所と医療機関が連携・タッグを組み、高齢者施設へ感染制御の知識をどのように伝え、現場へ実装していくかという取り組みを推進していただきたく存じます。数値目標としての設定は難しい部分もあるかと思いますが、プランの目的や柱の一つとして明記していただけますと、現場としては大変ありがたく存じます。 以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、浅井委員、よろしくお願いします。
○浅井委員 ありがとうございます。
まず、GAPの目標で1番の教育関係のところなのですけれども、これについては、先ほど川名先生とかからも相手によってという話があったりしましたが、大学生でも獣医の学生とそれ以外、医学部とかそういう医療に関係する学生とそうではない学生さんとで知識も違うし、問題意識も違うので、やはり中学生とか高校生とかを対象にしたり、いろいろな人たちを対象にするときには、伝えるメッセージを明確にして、あまり多いメッセージを提供してしまうと、今度は混乱するだけになってしまうので、そういうところはいろいろ考慮していくといいのかなと思います。
それから、動向監視とかそういうところのモニタリングのサーベイランスについてですけれども、これまでは厚労省とか農水省とかで医療関係とか獣医療関係、畜産関係のモニタリングはずっとやってきたわけですが、新たに環境省でもいろいろな調査が始まってきているという状況です。医療と獣医療は菌種の差はあるのですけれども、同じようなことをやっているところもあるのですが、違う尺度でのモニタリングが始まると関連性をつけるのがすごく難しくなります。そこで、どういうふうに関連があるのかというものについていろいろ議論していくことが重要ではないかなと思います。ここら辺は松永先生とか菅井先生が詳しいところだと思いますが、次のナショナル・アクション・プランの期間に検討が進むといいと思っています。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、柳原委員、よろしくお願いします。
○柳原委員 5番目に研究開発・創薬とございまして、そこでは幾つかの薬剤が我が国の企業から開発されているかと思います。それは大変いいことなのですけれども、それを見て、ただ、その薬剤が極めて使いにくい状態になっているというところが化学療法学会としては大変懸念しているところです。ですから、抗菌薬適正使用というのは、抗菌薬を使わないということではなくて、適切に使っていこうという概念でございますので、今、抗菌薬の抑制に関しましては随分周知が進んできたところと思いますので、こういった耐性菌には積極的に耐性菌を対象として薬剤を使っていこうといった姿勢もそろそろ出していいのかなと思っています。私のイメージは、抗菌薬を使わない症例と、完全にナローでいく症例とブロードでいく症例とをきちんと分けて、それが適正使用と思っていますので、そこをもう少し抗微生物薬適正使用のところに反映していただくと、研究開発とも関連して望ましいかなと考えております。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
中村委員からコメントいただいているので、事務局から代読していただきます。よろしくお願いします。
○渡邊補佐 中村先生は途中で退席されましたので、2点意見いただいておりますので、代読します。
目標2についてですが、薬剤耐性菌を正確に検出するために重要となる検査の精度管理体制の構築を通して、検査に関する課題と具体的な対応策が明らかになるとよいと思います。私のほうでも精度管理について対応策の具体化を進めております。
目標3、4について、高齢者医療介護施設における抗菌薬使用、AMR対策の位置づけが必要ですが、高齢者医療、介護施設のサーベイランスがまず必要だと思います。
以上になります。
○大曲委員長 あともう一つ、大西委員が御退席になったのですが、コメントをいただいていますので、こちらも今読み上げていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○渡邊補佐 AMRセンターでは行政検査でアウトブレイク対応を支援しています。ほとんど急性期医療機関で発生している現状があります。長期療養型施設等の感染対策は極めて重要ですが、それらの施設を指導する側の急性期病院、基幹病院も盤石とは言えないのではと感じています。次期のアクションプランでも急性期病院、基幹病院での対策の維持・強化を考えていく必要があろうかと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、菅井委員、よろしくお願いします。
○菅井委員 幾つかあるのですけれども、1つは北原先生が御指摘になっていましたが、教育の問題ですよね。それで、毎回毎回これは議論に出ていて、教育コンソーシアムのほうでもやはり出ていて、なかなか壁が打ち破れないところはあるのですけれども、もう第3期とかもかなり来ているので、例えば小学校の教科書にちゃんと記載するみたいな具体的なことを目標設定に入れていただくような形で、本気で文科省と交渉していただくのがよろしいのではないかと。やはり認知度を考えたときに、4%に比べてかなり日本が落ちているというのは非常にショッキングで、同じG7の国でありながら、そういうところはまだ未開人だと思われているのではないかというか、そういうところはすごく差を感じるので、これは何とかしなくてはいけないとすごく常々思っているところです。それが一点です。
それから、検査のことですけれども、中村先生が退席してしまったのであれなのですが、精度管理についてもずっと臨床検査技師の学会等からも話があるところですけれども、どこがちゃんとやるのかというところが一つ、ずっと曖昧な状態で、僕らが薬剤耐性菌バンクをつくって、その中で耐性菌の精度管理用のパネルをつくってきましたが、それはもちろんバンクからはリリースしますけれども、本来ですと例えばどこかがまとめてそれをちゃんと配るとかという形が必要なのではないかと思うのですが、そこのところの精度管理はまだ不十分であると。それをどこが担うのかというところがまだブラックボックスなので、そこをやはり検討していく必要があるのかなと思っているのが一つ。
あと、抗菌薬は、先ほど出ていますけれども、いわゆる新規抗菌薬については国のほうでも手当をしてインセンティブを与えていますが、従来型のエッセンシャルな抗菌薬についても経産省と協力して、今、新しい工場が建ったりして動き始めていますけれども、同じことが検査の中で検査ディスクについても言えるのではないかと思っていて、検査ディスクは非常にフラジャイルな供給状況にあって、日本で多分1社、外国でも多分1社ぐらいではないですかね。多分、柳原先生が詳しいかもしれないのですけれども、とにかく日本の会社はいつやめようかと思っているみたいな感じのことを聞くので、本当にこの検査ディスクのサプライ状況が大丈夫なのかどうか、先に手を打てることがないのかどうかということは、ぜひ安定供給という意味で検討していただけたらありがたいかなと思っています。これが2つ目です。
3つ目は、浅井先生もちょっと言われていましたけれども、例えば今、ワンヘルスを共通の物差しで見ていく必要がある。それで、人と食品、特に畜産肉等に関しては厚労省の管轄で、それ以外についても、農林水産省から畜産関係のAMRセンターがありますけれどもそういうところがモニターしていますが、今、環境省の試験研究というか研究が始まっています。それで、考えたときに、実際にそれを統括する、3つをコーディネートしていくような、あるいはワンヘルスをコーディネートしていくような官庁というか、それが全然見えないですよね。僕らは要するに研究者レベルで横につながりをつけないといけないと思ってやってきていますけれども、やはりトップのほうでそういうものをちゃんと議論していくようなところが、あるいは例えばファンディングに関しても、厚労科研とかAMEDで我々はやっていますけれども、本来だったら例えばそういうワンヘルスに関する研究費みたいなのがあって、そこから流していくような形のほうが順当なことではないかと思うのですけれども、その辺の仕組みが、例えばシンガポールなどでは既にそういうことは行われていると聞きますけれども、そういうワンヘルスの体制というのは国のほうがちゃんとできていないというか、そこは未達のところではないかなと思っていて、厚労省の先生方を見ていると、めちゃくちゃ忙しいので、そんなことはできるかという声が聞こえてくると思うのですけれども、さはさりながら、国レベルであちこちでそういうことをやり出しているところで、日本もやはりそういうことにかじを切るところは必要なのではないかなと感じています。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、川名委員、よろしくお願いします。
○川名委員 2回目の発言で失礼いたします。ここまでで出てきていなかったことで、強い要望というよりは心配していること、懸念事項を少し申し上げたいと思います。
資料の8ページなのですけれども、NAP2の緑色の四角の中の一番下に農薬のことが少し触れられております。農薬として使われている抗菌薬の出荷量をウオッチしているということだとは思いますけれども、これは成果指標外の参考値の位置づけになるかと思いますが、農薬の中には人や動物の治療でも使われているような抗菌薬も含まれておりまして、これらが何トン、何百トンという単位で環境中に放出されることについて、薬剤耐性菌の影響があるのではないかと思っております。ただ、土壌で増えた耐性菌が人の抗菌薬使用にどのように「影響する」かというエビデンスもないのでしょうが、おそらく「影響しない」というエビデンスもないように思います。これからしばらく時間をかけて検討していく中で、少なくともこれをワンヘルスの重要な柱の中に位置づけるのかどうかというような検討はあってもよいのかなと思いまして、意見を申し上げさせていただきます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
では、次は柳原委員、よろしくお願いします。
○柳原委員 2回目なのですが、先ほど菅井先生がおっしゃったことで少し追加させてください。今、御指摘がありましたように、日本の検査会社等が自分たちはこの検査をやめたいということを言ってきております。私、臨床検査医学会の理事長もしておりますけれども、そういったことで、抗菌薬の次は検査薬供給不足ということで、検査ができなくなって耐性菌が検出できないということが懸念されますので、そこも我が国の検査診断薬メーカーを中心に、国としても御支援いただきたいということをお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
菅井委員、よろしくお願いします。
○菅井委員 さっきの川名先生の御指摘はすごく大事なことで、ワンヘルスとなってみたときに、人はいろいろなサーベイランスが走っていて、それから、食品に関しても、畜肉に関しては厚労省がやって、厚労科研が走っています。それで、動物、畜産関係については、JVARMであったり農水の関係で走っているのですけれども、農水もまだ植物はその範疇にたしか入れていなくて、それで、食品安全委員会が常時のサーベイランスではなくてスポットで研究テーマとしてそういうものを取り上げて、例えば土壌と、土壌から食物へどれぐらい薬剤耐性が伝播するかみたいな検討は研究レベルでは行っているのですけれども、そこはやはりルーチンにこれからやっていく必要があるのかなと思ってお聞きしていました。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほか、先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
私、とてもまとめてコメントできるほどではないのですけれども、せっかくなので私も少しコメントをさせていただくと、まず今回そもそも3点ポイントがありましたけれども、最初の項目ですよね。特出しの項目が日本は6つありますけれども、こちらに関しては基本的には先生方は賛成という御意見だったと思っています。むしろGAPのほうが追いついてきたと僕自身は思って見ています。
2点目の日本の超高齢社会、あと、高齢化もどんどん進んでいるという現状を鑑みて、医療機関に加えて、高齢者施設等におけるAMR対策の観点をより議論を深めるということに関しては、本当に多くの御意見をいただきました。これを実際にやるとなると、かなり大変なのは間違いないなと思います。現場のリソースの問題、あと、実際に対応に当たるには、今だと急性期の医療機関が関わってやっていますけれども、それだけではなくて既にお話も出ていますが、いわゆる保健の領域の皆様とも一緒になってやるということをしないと、恐らくこれだけ数多くある高齢者施設等への対策というのは手が回らないのだろうなと思って見ていました。
あと、僕が面白いなと思って伺っていたのは、高齢者における感染症の疾病負荷を見ていくときにMRSAが問題になるのですけれども、そうすると、やはり見えてくる関係が長期入院とかいわゆる身体活動性の低下なのです。どうもそのリスクが高いあるいはそういうものがあると、MRSAの菌血症の罹患率が上がり、結果として亡くなる方も増えるように見えるところがあるのです。そういう意味では、いかに入院期間を短くするのかとか、あるいは入院を防ぐのかということを考えると、身体活動性の低下をいかに防ぐかといったところも出てきますし、そうすると、先ほどお話がありましたけれども、その辺りのところを研究開発のターゲットにしたらどうかという御議論は、なるほど、確かにそうだなと思ってお話を聞いておりました。
あとは、ワンヘルスに関しては本当に御議論がありました。サーベイランスは各所で始まっているけれども、項目を共通化する、あるいはその上でお互いの関係性等についてきちんと議論をしていくことの重要性ということは改めて御意見をいただいたと思います。
あとは、横串というところでは、松永参考人からもお話がありましたけれども、ワンヘルスというのは非常に重要ないろいろな国もやっているアプローチ、横串アプローチだと思うのですけれども、確かに感染症対策をこうやって考えていくと、もろもろのところに関わってくる。例えば分かりやすいキーワードでいくと、今日も薬の供給等、経済安全保障ですとかもろもろ出てきますけれども、そういう観点もAMRの中には含まれるのだから、様々な関係する省庁にも加わっていただいてやったほうがいいのではないかという御意見は、確かにそうだなと思っておりました。
あとは、思いつくだけでも教育・啓発のところはリスクコミュニケーション、もうちょっとリスクコミュニケーションと多分双方向性という話もあったので、いわゆるエンゲージメントという観点でしっかりやっていく必要があるだろうというのは本当にそのとおりだと思いますし、全部挙げると無理ですね。というところで、私の思いついたところだけでもこれぐらいはありました。
というところで、おおむねというか、御意見をいただいたと思いますが、追加はございますでしょうか。よろしいですか。
僕の口からは全部は述べ切れませんけれども、かなり重要な論点、特に6つの活動領域に関して、かなり重大な問題提起も含めて、かなり多くの御指摘をいただきました。非常に重要だと思っていますので、今後のアクションプランの組み上げに関しては、事務局のほうでこの御意見をぜひ生かしていただければと思います。
委員の先生方も御意見を本当に活発にいただきまして、ありがとうございました。
それでは、本日の議題は以上としたいと思います。ありがとうございました。
では、司会というか、あとは事務局にお返しします。
○小谷室長 本日は大変貴重な御意見を多数いただき、ありがとうございました。
これはあくまでまずNAP3の改正に向けた大きな第一歩だと思っております。多くの御意見をいただきながら、特にどういった点について今後検討していくべきか。場合によっては多くの関係者の方々、こちらの委員だけではなく、参考人の方という形で来ていただいて、御意見、現場の実情等も改めてお伺いするなどして、様々な施策を今後のNAPの中に組み込んでいけるような形を取っていきたいなと事務局としても考えておりますので、また委員の皆様方のお力をお借りできればと思っております。本日の委員、参考人の御意見を踏まえながら進めさせていただきたいと思っております。
次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
事後記者ブリーフィングのほうは私たちで対応させていただきますので、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

