薬事審議会血液事業部会令和8年度第1回適正使用調査会議事録
日時
令和8年7月29日(水)18:00~20:00
場所
Web併用形式
AP虎ノ門 会議室B
AP虎ノ門 会議室B
出席者
- 出席委員(8名):五十音順、敬称略 ◎座長
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- ◎伊藤 秀一
- 梶原 道子
- 喜多村 祐里
- 堺田 惠美子
- 柴崎 郁子
- 萩原 真紀
- 服部 篤美
- 山内 正憲
- 欠席委員(2名) :五十音順、敬称略
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- 國土 典宏
- 長島 公之
- 大館市立総合病院 消化器・血液・腫瘍内科 :敬称略
-
- 小笠原 仁
- 新潟県立がんセンター新潟病院 新潟大学医歯学総合病院 :敬称略
-
- 関 義信
- 東京医科大学八王子医療センター 内科関連分野 臨床検査医学科 :敬称略
-
- 田中 朝志
- 茨城県赤十字血液センター :敬称略
-
- 長谷川 雄一
- 自治医科大学附属病院 輸血・細胞移植部:敬称略
-
- 藤原 慎一郎
- 慈愛会 今村総合病院:敬称略
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- 宮園 卓宜
- 日本赤十字社:敬称略
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- 鶴間 和幸
- 上村 和哉
- 松井 宏文
- 事務局:
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- 岩崎 容子(血液対策課長)
- 山本 光寿(血液対策課長補佐)
- 糸谷 涼 (血液対策課長補佐)
議題
- 座長の選出について
- 血液製剤使用実態調査について
- 血液製剤使用適正化方策調査研究事業について
- 「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」の 廃止等について
- その他
配布資料
資料ページをご参照ください。
議事
- 議事内容
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○糸谷血液対策課長補佐 定刻となりましたので、「薬事審議会血液事業部会令和8年度第1回適正使用調査会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。この度は、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議といたします。会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。また、会議はYouTubeでライブ配信を行いますので、なにとぞ御容赦ください。
初めに今般、委員の交代があり、宮川政昭委員の御後任として、長島公之委員が新たに御着任されております。なお、本日の会議における委員の出席についてですが、國土委員、長島委員から御欠席との御連絡を頂いております。現時点で、委員10名中8名の出席を頂いていることを御報告いたします。
続いて、本日は参考人として、大館市立総合病院消化器・血液・腫瘍内科診療局長、小笠原仁先生、新潟県立がんセンター新潟病院臨床部長、新潟大学医歯学総合病院特任教授、関義信先生、東京医科大学八王子医療センター内科関連分野臨床検査医学科教授、田中朝志先生、茨城県赤十字血液センター所長、長谷川雄一先生、自治医科大学附属病院輸血・細胞移植部教授、藤原慎一郎先生、慈愛会今村総合病院血液内科部長兼輸血管理部長、宮園卓宣先生に御出席いただいております。
また、日本赤十字社血液事業本部から鶴間経営企画部主幹、上村経営企画部供給管理課長、松井技術部学術情報課長に御出席いただいております。加えて、事務局に人事異動がありましたので、御報告いたします。血液対策課課長補佐として山本、糸谷が着任しております。よろしくお願い申し上げます。続いて、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨を御申告いただいております。委員の皆様には会議開催の都度、書面を提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上に01議事次第~14参考資料2のPDFファイルが表示されているか、御確認をお願いします。不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。
審議中に御意見、御質問がありましたら、「挙手」ボタン等によりお示しいただきますようお願いいたします。座長から順に発言者を御指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のため、まずはお名前を御発言ください。御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。Web参加の皆様におかれましては、議事進行中に会場の音声が聞こえづらい状況が続き、審議参加に支障を来す場合には、チャット等でお知らせいただくようお願いい申し上げます。間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。
議事の進行等について、今までの説明に質問等はありませんか。ありがとうございます。それでは議事に入ります。まずは議題1、座長の選出についてです。本調査会では、構成員の互選により座長を選出することとなっております。どなたか御推薦はありますか。堺田委員、どうぞ。
○堺田委員 千葉大学の堺田でございます。私からは、伊藤秀一委員を御推薦申し上げたいと思います。
○糸谷血液対策課長補佐 ただいま堺田委員から、伊藤委員を座長に御推薦いただきましたが、いかがですか。
御異議はありませんでしたので、伊藤委員を座長とすることで決定いたします。伊藤委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤座長 横浜市立大学小児医療学教授の伊藤でございます。私は腎臓やリウマチ、川崎病を専門としていて、あとは腎臓移植などで、血液血漿分画製剤系の仕事をしてきた人間でして、輸血・細胞治療学会の会員ではないのですが、この場にいる先生方に御指導いただきながら、座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○糸谷血液対策課長補佐 ありがとうございます。それでは、以降の進行については、伊藤座長にお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
○伊藤座長 ありがとうございます。それでは早速、議事に入ります。議題2、血液製剤使用実態調査についてです。まず事務局より、本事業の概要について御説明のほどお願いいたします。
○糸谷血液対策課長補佐 事務局です。「血液製剤使用実態調査」については、血液製剤の適正使用の推進に必要な方策を検討するため、医療機関の血液製剤の管理体制、使用状況など、医療機関における血液製剤の使用実態を把握することを目的として、令和7年度に一般社団法人日本輸血・細胞治療学会に委託して、実施した調査となっております。当該調査の結果等については、本日お越しいただいている藤原参考人及び田中参考人より発表していただきます。よろしくお願い申し上げます。
○伊藤座長 ありがとうございました。それでは、藤原参考人、田中参考人から続けて、資料1-1及び1-2の説明をお願いいたします。まず最初に、藤原参考人から資料1-1の説明を、よろしくお願いいたします。
○藤原参考人 よろしくお願いいたします。輸血・細胞移植部の藤原と申します。それでは、私から「ガイドラインの周知状況及び直近5年の血液製剤の推移」ということで発表いたします。資料1、スライド1になります。背景としては、輸血・細胞治療学会では2016年から、輸血に関するガイドラインを発行しておりますが、そのガイドラインの血液製剤使用量の影響などについては、十分に明らかになっていないという背景がありますので、今回調査をしております。
スライド2です。方法としては「血液製剤使用実態調査」、2024年度、200床以上の病院として中大規模な病院1,021施設を対象として、その施設の過去5年間の血液製剤の使用量を解析しております。スライド3です。回答率としては、200床以上になると全国の血液製剤を使用した施設の8割ぐらいのデータが得られております。
スライド4です。この中大規模で赤血球、血小板、FFPの8、9割ぐらいを、この200床以上の病院で使用しております。実際に輸血・細胞治療学会が発行してきたガイドラインの周知状況がスライド5です。2024年度に、診療所や小規模の病院ですと、パーセンテージ、そもそも製剤を使っていないということもありますが、パーセントは低いのですが、200床以上となると赤血球や血小板は6、7割程度、アルブミンや大量出血、5つの科学的根拠に基づいたガイドラインでありますけれども、主要なものは6、7割周知されていて、一方でアルブミンや大量出血といったものは5割程度といったところになっております。
スライド6です。お互いのガイドラインの周知状況ですけれども、おおむね赤血球、FFP、PCですと共通して周知されているのですが、アルブミンや大量出血となると一部異なっております。
スライド7ですが、赤血球製剤は2024年の施設の反復データですので、その施設の過去5年間のデータですが、赤血球製剤の使用単位、100床当たりというふうにしておりますが、100床当たりの使用単位は年々、コロナの後は増加傾向にありまして、一方で廃棄率に関しては、非常に分かりやすいですが、2023年には有効期間の延長がありましたので、2023年よりは著しく低下を認めております。スライド8です。赤血球製剤のガイドラインの周知は70.1%、7割の施設で周知されており、それを2群で見てみると、明らかに周知されている施設というのは、病床数が多かったり、手術件数が多かったりと、輸血に必要な医療が積極的に行われているような施設で周知されているというところでした。スライド9です。生データで見ると、周知されている施設のほうが使用量も多くて、廃棄率は周知されている施設のほうが低いという結果でした。
これは明らかに背景が異なりますので、スライド10ですが、傾向スコアで背景をマッチングして整えて、同じ条件でガイドラインの周知状況の影響を見たのが、スライド11と12です。11では背景を合わせると、使用単位は2023、2024年が重なっておりまして同じぐらい、周知している施設が極端に高いというわけではありません。廃棄率に関してはスライド12になりますが、周知されている施設のほうが低いと。周知している施設のほうがどんどん下がっていくという交互作用はなかったのですが、一般的には周知されているほうが低いという結果でした。
スライド13で、ガイドラインを離れて、何が赤血球の使用単位に関係するかという因子も一応見てみたのですが、心臓血管外科や救急、消化器内科、循環器内科、大量出血の経験がある施設など、コロナ下には、こういった施設には医療規模の回復に伴い、輸血の使用量も増えているという結果でした。スライド14はそのグラフになります。
続いて、このような解析を血小板、FFP、アルブミンと行っているのですが、以後の結果は非常に、同じような結果となります。
まず血小板ですが、全体としては血小板の使用単位、100床当たりは緩やかな増加傾向で廃棄率は低いと。スライド16ですが、血小板のガイドラインは6割ぐらいの施設で周知されておりまして、周知施設のほうが非常に医療の規模は高い。注目すべき所は、適正使用加算が、周知されている施設はしっかり取れている、パーセントが多いという結果でした。スライド17ですが、生データでは明らかに周知施設のほうが使用が多く、スライド18で同じように背景を整えて、スライド19、20で使用単位と廃棄率を見ているのですが、おおむね差はないといった解析結果でした。血小板の廃棄率が少し、2024年は上がっているのですが、これはやはり、マッチングで背景を整えたのですが、それでも整えきれなかった結果ではないかというように思います。
スライド21からがFFPですけれども、FFPは使用単位、廃棄どちらも横ばいのような結果で、スライド22は周知の有り無しで見ているのですが、血小板と同じように、やはりFFPのガイドラインが周知されている施設は、病床数や輸血をする医療が積極的に行われている施設で、同じく適正使用加算は、やはりきちんとガイドラインが周知されているほうが取れているという結果でした。生データはスライド23ですが、FFPの周知施設のほうが多く、24で背景をマッチさせて25、26で同じように見ておりますが、FFPはどうしても背景、マッチングで整えきれない因子があるのか、やはり周知している施設のほうがFFPの使用量は多くて、廃棄率は変わらないという結果でした。
最後にアルブミンです。スライド27ですが、2023、2024年と緩やかに使用単位が減ってきていて、廃棄も少し減っているように見えます。これもPCやFFPと同じように、アルブミンの周知している施設は輸血をするような医療の活動性が高くて、適正使用の加算も取れているという結果でした。生データも、FFPと同じような傾向で使用量は多くて、スライド30で背景をマッチさせて、31、32で見ているのですが、アルブミンに関しては使用単位、廃棄率に関しては背景を合わせると同じような結果で、結果としてはガイドラインの周知の影響はないといった結果になってしまうのですが、そういった結果でした。
それらをスライド33にまとめておりまして、一番右側がガイドライン周知との影響ですけれども、使用量増加というのは、ガイドラインを使っている施設が増えるというのは、おかしいというかそれは合わないところですので、これは背景の病院の規模などを見ている結果であり、注目すべきとしては、やはりガイドラインを周知している施設は、赤血球の廃棄率の低下傾向があったというのが一番のポイントかなというふうには思います。
考察を幾つか挙げておりまして、廃棄率は保存期間延長などの影響がありましたし、コロナの後は非常に、心外や救急などの活動が増えてきていると。スライド35ですが、5~7割ぐらいで周知されており、それは輸血医療活動性が高い施設であったということと、ガイドラインを周知している施設は、適正使用加算の取得率が高いというのもポイントかと思います。予想とは反して、得られる結果ではなかったのですが、傾向スコアで背景をマッチさせてもガイドラインの周知の影響というのは、少なくとも明確な関連は見られなかったという結果でした。
スライド36で、これも輸血医療活動性が高いという残存交絡があったことが考えられますし、引き続き、小規模の診療所に関しては、まだ十分ガイドラインが普及していないこともありますし、またこの実態調査で、引き続きこの活用状況、適正使用について評価していくことが重要かと思います。スライド37に結語をまとめております。以上になります。
○伊藤座長 藤原参考人、ありがとうございました。ガイドラインの周知とひも付けが興味深く、かつ詳細な解析とお見受けしました。それでは、続けて田中参考人から、資料1-2の説明をよろしくお願いいたします。
○田中参考人 よろしくお願いいたします。私からは、20床未満の診療所についての輸血実施状況について解析しましたので、説明いたします。まずテーマ設定の背景ですが、日本では諸外国と比べて輸血を実施できる医療機関が多いとされております。2006年に輸血管理料という保険システムが収載され、主に中規模以上の病院で管理体制が整備されてきて適正使用も進みましたが、小規模病院ではまだまだというところがあります。また、東京都の輸血状況調査を見ますと、在宅輸血が非常に増加し、昨年度の調査では在宅輸血を実施している診療所が110程度あるということです。また、以前より診療所では輸血管理体制や輸血実施体制に少し課題があるのではないかということが指摘されており、今までの実態調査でも小規模施設のデータを取ってきたのですが、まとめて解析したことがありませんでしたので、この機会に報告させていただきたいと思います。
調査期間としては、2020~2024年度までの5年間です。今年度は、調査票を20床未満と20床以上に分けておりますので、少し調査項目が違っているところを御承知おきください。こちらは、藤原参考人からも御説明がありましたが、回答率は大体50%前後で、2025年度については53.29%でした。各種病床群ごとの回答率も、大規模ほど回答率が上がるのですが、20床未満の規模の施設では約41%ということで、20床未満の施設用の調査票を作ったので、回答率が上がるということを期待したのですが、残念ながら回答率は上がっておりません。ただし、内容については少し回答いただける項目が増えたということはあります。
有床診療所と無床診療所に分けて、各血液製剤の使用状況を示しますが、有床診療所については大きな変化はありません。6枚目のスライドですが、無床診療所については明らかに赤血球と血小板が増えており、FFPとアルブミンは横ばいという状況です。図5に20床未満の施設全てをまとめておりますが、棒グラフが施設数で折れ線グラフが施設ごとの使用量を示しておりますが、赤血球については使用量も増え、1施設当たりの使用量もわずかに増えております。血小板は、使用量も若干増えておりますが、1施設当たりの使用量がぐんと増えているという状況でした。
次に図6ですが、全身麻酔と帝王切開は比較的小さい施設でもされているのですが、全身麻酔、帝王切開ともに施設数は変わっていないです。ただ帝王切開については、1施設当たりの実施数が減っている状況でした。図7は、輸血責任医師の在籍があるかどうかです。棒グラフは回答いただいた施設の数を示しておりますが、この5年間にわたって無床診療所も有床施設診療所も余り変化がない、責任医師の在籍が増えているわけではないということです。そして図8では、輸血担当技師の在籍については、無床診療所では、令和5年度から6年度にかけて若干増えていますが、有床診療所では変わりなしというところです。
輸血療法委員会を診療所レベルで設けるのはなかなか難しいと思うのですが、無床診療所で約10%、有床診療所で約20%、これも大きく変化はしておりません。図10では、輸血管理料取得率の推移を見ていますが、これは圧倒的に少数しか取っておらず、変化もありません。そして藤原参考人からも少し話がありましたが、図11で院内の輸血療法マニュアルがあるかないかを尋ねておりますが、これもここ5年間で変化なく、2割の施設ではマニュアルがないという状況が続いております。図12では、有床診療所での血液製剤の保管庫についてです。一番多く使われているのは家庭用冷蔵庫、次が薬品保冷庫で、専用保冷庫やATRは少ない状況で余り変化がないです。図13では、無床診療所での保管庫ですが、こちらは家庭用と薬品用保冷庫が同じぐらいで、専用保冷庫とATRもわずかに増えておりますが、微々たる状況にとどまっております。図14では、交差適合試験の担当者の有床診療所ですが、院外の検査機関に委託していることが多いのですが、医師、看護師が実施している所が全体の18%を占めており、若干問題があると思われます。無床診療所での交差適合試験の担当者についても、全体の8%が医師又は看護師という状況です。
図16は病院外輸血を行った施設です。病院外は在宅と介護と両方ありますが、これがこの5年間で増えているのが一番の特徴です。20%から33%程度まで増えたということです。そして、外来での輸血件数も若干増えました。図18では、病院外輸血での患者疾患を示しました。血液疾患の悪性疾患と良性疾患が多いですが、最近は悪性新生物も徐々に増えている状況が見えました。病院外輸血の輸血量についても、赤血球、血小板ともに増えている状況が見てとれます。
まとめですが、診療所での輸血状況については、特に無床診療所で赤血球と血小板の増加傾向が明らかであり、輸血実施施設数並びに血小板のほうでは1施設当たりの使用量増加も見られていました。安全管理体制は、大きな変化はありませんでした。無床診療所での在宅輸血の輸血使用量は、実施施設の増加とともに上昇傾向が見られております。また、問題点として検査体制、血液製剤の保管、マニュアルの整備など、いずれも改善は余りないという状況です。
結語ですが、日本でも在宅輸血が拡大傾向であることがはっきりと示されております。ただ、安全管理体制が進んでいないので、どのように具体的対策をつくるかが問題になっています。ありがとうございました。
○伊藤座長 ありがとうございました。小規模の診療所、無床も含む実態調査ということで、非常に重要なデータだと思います。それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見を頂きたいと思います。まず、本日御欠席の長島委員から御意見を頂いておりますので、事務局から御紹介をお願いいたします。
○糸谷血液対策課長補佐 事務局です。長島委員からは、「在宅輸血が増加している実態を考慮し、今後の実態調査において在宅輸血における病・診連携や安全性の確保に関する事項についても聞いてはどうか。また、輸血療法実践ガイドの周知に資するため、認知状況についても把握してはどうか」という御意見を頂いております。
○伊藤座長 非常に重要な御指摘を頂いたと考えております。それでは御出席の委員からも、藤原参考人、田中参考人の御説明について御質問、御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。御意見がある方は、名前を述べていただき、どちらの発表に対してということを述べていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。喜多村委員、よろしくお願いいたします。
○喜多村委員 事前には、藤原委員に質問と事務局にお伝えしましたが、改めてクリニックのほうの回答を頂いたのと両方併せてお聞きしたいことがあります。それは、回答率の出し方ですね。5年間の調査になっていますが、この回答率というのはベースラインの回答率という意味なのか、あるいはどのようにこの回答率を算出されているのかを、まずお聞きしたいと思います。どちらの委員でも結構ですので、お答えいただけると有り難いです。
○田中参考人 では、田中から説明いたします。この回答率については、まず分母はその年、前年度に輸血を実施した医療機関全てのデータを国から頂いたものですので、輸血実施医療機関全てと考えていただいて構いません。分子のほうの回答いただいた施設というのは、1項目でも回答いただいていた施設については、回答ありという算出の計算の仕方です。
○喜多村委員 ありがとうございます。そうすると、年度によって回答する施設と回答しない施設が存在してもおかしくないということと、そうなりますと、推移のデータは分母と分子が食い違ったりということがあるのか、ないのか、その辺りはいかがでしょうか。
○田中参考人 私のほうでは、その状況は、特に小規模施設は年度によって回答を頂いたり未回答だったりということがありますので、特に比較が必要な図7以降については注釈を付けておりますが、令和6年に回答した施設に限定して年度推移を見ております。ただ、全体のトレンドを見る場合には、回答施設は限定せずに、提示したものがあります。従いまして、全体的にデータをお示ししたものと回答施設を限定して経時的推移を見ているものと両方提示しております。少し違いがありますので、その点はよく御考慮いただいて見ていただければと思います。
○喜多村委員 ありがとうございます。そうすると、もう一度戻りますが、回答率というのは前年度のデータを基に計算しているのですよね。そうすると、年度によって分母が異なり、推移をみるという目的においてはちょっと違うのではないでしょうか。
○田中参考人 全体の回答率は、藤原委員も私もお示ししましたが、大体50%強ということで変わりはありません。また、各施設群ごとの回答率も私の資料の図2でお示ししましたが、500床以上の大規模施設では90%以上ですし、20床未満では41%ぐらいで、回答率は余り変わらないのです。ただ、500床以上の施設についての回答率は高いですから、ほぼ毎年同じ施設が答えていただいているのですが、特に診療所レベルの施設においては毎年回答いただける施設が異なっております。
○喜多村委員 観察期間を通して全体の回答率としては問題なく、かつ年次変化もないと理解します。ありがとうございます。それでは藤原先生にお聞きしたいのですが、回答率が毎年異なっている中で回答率を病院規模ごとに出していただいております。確かに病床数が高い所は回答率も高いというのは賛成できます。1点私が疑問に思ったのは、20ページの血小板製剤の年間廃棄率の年次推移のグラフになります。これは、答えている病院が年度ごとに違うということも考えられますが、傾向スコアマッチングで調整されているので、単純に周知ありのほうが周知なしに比べて廃棄率が2024年だけ上がっているという見方で良いと思われますが、これについての解釈はどのように考えたらよろしいのかを教えていただきたいと思います。
○藤原参考人 今回の私のデータは、2024年の回答のあった施設の過去5年間のデータを追っていきました。2024年は全部データがあるのですが、過去に戻っていくと回答率が異なりますので、かなり欠損値が出てきます。近年のほうがきちんと答えていただいているというか、過去は特にこのグラフの2022年の廃棄率が高いというのは、これは実はnがかなり欠損値があって動いてしまっています。2024年が高く出ているのは、マッチングしたのですが、やはり背景の心下や救急などの背景の差が補正できなかったというのが解釈になります。この解析自体のリミテーションとしてはかなり欠損値があるので、そのために線形混合モデルというものを使っているのですが、赤血球はかなり安定したデータなのですが、PC、FFP、アルブミンに関しては御指摘のとおり回答率の影響で欠損値も含めてnに差があるというのはあります。
○喜多村委員 どうもありがとうございました。実データに基づく御回答を頂けて納得しております。それと、解釈はそれでいいのですが、傾向スコアマッチングで、マッチング後に例えば赤血球などの使用量が増加したと、これはガイドラインと合致していないと聞いたのですが、それはどうしてなのでしょうか。
○藤原参考人 使用単位数が増えてきているということですか。
○喜多村委員 はい。増えるというのは、ガイドラインに照らして正しくないのでしょうか。
○藤原参考人 この使用単位が増えているのは、2020年のコロナのときにかなり抑制されたというか、使用が減ったのです。このデータを取っているのは2020年からですので、2019年とか18年を出せばよかったのですが、このガイドラインを周知して増えたというよりも、コロナで抑えられていた医療が戻ってきて使用が増えてきていて、実際に傾向スコアマッチングをしますと、ガイドラインの周知があってもなくても、使用単位に関しては2023年や24年はかぶっておりますので、ガイドラインの影響というよりも、コロナ下の後の医療の回復を反映しているのかと考えております。
○喜多村委員 分かりました。どうもありがとうございました。以上です。
○堺田委員 千葉大学の堺田です。本研究に関しては、ガイドラインの周知状況と血液製剤使用量、廃棄率の関係、また現時点での問題点、課題をあぶり出すという意味でも、非常に重要な研究であったと思います。私からは、1点ご質問です。診療所における輸血療法においては、検査体制、血液製剤の保管、マニュアルの整備に課題があり、なかなか改善が難しい状況がございますが、そのような診療所においては、輸血療法委員会の設置が少ない割合でしか設置されていないことも、改善を阻む一つの要因であったと思われます。病・診連携として、多くの製剤を扱っている近隣の病院などとの連携や、取り組みとしての合同輸血委員会、コンサルテーションシステムの構築や活用に関しては、この研究の調査項目に含まれていたのでしょうか。
○田中参考人 その点については、今回は含まれておりませんでした。ただし、私が知っている限りでは各県に合同輸血療法委員会が設置されて、そういった中小の規模の施設を含めた活動もされているとは聞いているのですが、血液製剤を多く使っている病院が中心です。実態調査をしていても、具体的に診療所レベルで本当に困っている所に手を差し伸べて連携を強化しようという取組を実際にしているという所は、まだ少ないと聞いております。それをどうするかは今後の課題で、調査することも大事なのですが、どのような対策を打って改善を促すかというほうが大事かと、個人的には考えております。
○堺田委員 ありがとうございます。これも、学会主導で対策を検討される部分もあろうかとも思いますが、在宅訪問診療が急速に拡大している昨今の状況を考えますと、安全対策についても、この辺りの整備は喫緊の課題と思いましたので、お聞きしました。ありがとうございます。
○田中参考人 ありがとうございます。
○伊藤座長 ありがとうございます。在宅については、患者さんをいかに獲得するかというところで、輸血ができるかどうかが分かれ目になっている部分もありますので、非常に重要な課題かと思います。私から、ひとつ藤原先生にお伺いしてよろしいですか。周知の定義というのを、どのようにアンケートで取ったのでしょうか。周知をしていて、さらに実際に講習があるとか、その定義によって結果が大きく変わるかと思ったのですが。
○藤原参考人 今回の実態調査では、周知徹底していますかという一言だけですので、次から実際にそれをどのように実装というか、どうなっているのかというのも、今年度というか、今後に加えたいと思います。
○伊藤座長 よく安全管理の講習などで、どこに輸血マニュアルがありますかみたいな質問項目があったりしますが、なかなか周知徹底というのは難しい部分なのですね。ありがとうございました。ほかに、皆様、何か御意見、御質問等はありますか。次に進んでよろしいでしょうか。それでは、事務局において、ただいまの質問、御意見を参考に、引き続き適正使用の推進に努めていただければと思います。
○糸谷血液対策課長補佐 先生方、御議論ありがとうございました。実態調査の調査項目については、本日頂いた御意見を踏まえ、また調整させていただきたいと思います。
○伊藤座長 ありがとうございました。続きまして、議題3に移りたいと思います。血液製剤使用適正化方策調査研究事業についてです。まず、事務局より本事業の概要について、説明をお願いいたします。
○糸谷血液対策課長補佐 事務局です。資料2-1を御覧ください。「血液製剤使用適正化方策調査研究事業」については、血液製剤の適正使用を推進する観点から、各都道府県における課題とそれに対する取組について、調査研究していただくことを目的としています。各都道府県に設置されている合同輸血療法委員会が主体となって、これを行っていただき、全国で課題や取組について共有することで、血液製剤の適正使用に資する効果的な方策を推進するものです。
今年度からは、従来の一般課題のほか、特別課題として「災害時等の緊急時における血液製剤の供給マニュアルの作成」を設けていますことを、この場を借りて御報告します。
資料2の2ページです。令和7年度に採択された8つの都道府県一覧を記載しています。このうち今回は秋田県、茨城県、新潟県、鹿児島県から取組の御発表を頂きたいと思います。
○伊藤座長 ありがとうございました。それでは、まず最初に小笠原参考人から資料2-2の説明をよろしくお願いいたします。
○小笠原参考人 それでは、秋田県合同輸血療法委員会においては、標準的な災害時輸血療法実施マニュアルの作成と整備支援及び広域災害、救急医療情報システム、EMISを利用した情報共有ということで、県の合同輸血療法委員会を中心に活動してきましたので、報告させていただきます。
本県の場合には、このように県北地域、秋田市を中心とした県央地域、それから横手市と大仙市を中心とした3地域に医療圏が分かれています。その3地域の中で、災害時に血液製剤を必要としたときに相互の供給体制を構築しましょうということで、各医療圏において、調整を行ってきていました。
その中で、比較的調整がしやすかったのは、私が所属している秋田県の県北地域です。この大館市を中心とした県の一番北部のエリアは、今、血液センターの東北ブロックからの広域供給事業で、血液製剤の供給を青森県から受けています。それから北秋田市を中心とした広いこの北秋田エリアは、秋田市から供給を受けているという、2つの備蓄基地からの供給を受けています。その重症のとき、そのシキジョウに相互供給の協定を結びやすいし、行いやすいという立地条件もあります。ただし、双方の間には距離が30kmほどありますので、それをどうするかということも課題です。昨年から本年にかけまして、その供給の実証実験等々を行ってきました。
今まで、血液製剤適正化方策事業研究で、秋田県においてはいわゆる災害拠点病院以外を中心とした施設のBCP策定支援やアクションカード、それから製剤の相互融通通知に関する周知、それからEMISとの連携等、それから地域における包括的外傷診療体制状況等の情報収集と共有ということを中心に、マニュアルの策定を進めております。
その中で、これは昨日の熊本地域での大災害のこともありましたが、これまでの大規模事故・災害の体系的な対応に必要な項目は、スイッチを入れてからのCSCATTTといわれます方法に、さらにアセスメントを使って基本的な構造を確立していくということが、救急医療を中心にする現場で求められるようになっています。
そして、今回、本輸血療法委員会で災害拠点病院以外の施設のBCPの策定支援を行いまして、幾つかの病院でやはり拠点病院以外では、ほとんどがBCPの作成がされていませんでしたので、個別訪問をして1施設を実際の「BCP策定研修」へと結び付けることができました。それからマニュアルの分析と策定案の結果です。マニュアル案について、このようなものが使いやすい、どのようなものが使いにくいということ等アンケート調査をして、その結論がここです。特化マニュアル案の項目別重要度と実現性ということについて、いろいろアンケートをしたときに、まず下の実現性の部分ですが、ここは比較的、非常用電源、それからこの部分、EMISの入力等々、このようなものが言われています。それから実現性の比較的難しいものになりますと、ワクチンや青の部分で医療機関としての在宅輸血などに特化した部分。それから重要度、これはどれもやはり入力項目等々が重要であるという回答も得られていました。
今後のアプローチとしては、施設ごとにやはり医療資源の格差がある中で、画一的・網羅的な指針を押し付けることは現実的ではないということで、現場の実情や意見を吸収した上でのマニュアル構築が不可欠であると、一旦まず先に県の合同輸血療法委員会で結論付けています。それらをたたき台にして、秋田県の災害対策本部でのマニュアルを作るのではなくて、各施設ごとにボトムアップ型の形でもって、マニュアルを作ってもらおうということを今後、進めていこうと計画しています。
その中で、まず、血液製剤の相互融通通知に関する周知ということで、やはり一度は病院間での血液の相互融通をやってみましょうということで、今年の2月、私が勤務しています大館市立総合病院と、ちょうど大館能代空港があります北秋田市民病院との間で、平時、雪も何もない時期ですと、大抵25分ぐらいで行けますが、大雪のため道路が寸断されたということを想定して、実際、今年は雪が非常に多かったものですから、そのときに血液製剤を供給できないかどうかということを実際にやっています。そのときに製剤は、昨年度より研究事業の事業費からATRのボックス、これを借りることができましたので、それに実際の製剤を入れまして、そして伝票等は事前に用意して、それで2月10日に午後2時スタートで北秋田市民病院から大館市立総合病院に製剤を融通してほしいという連絡を受けまして、それで途中の道路状況を把握しながら、今どこを通っていますということを説明して、そして搬送するということを実際に行うことが可能でした。非常にまず幸いこの日は前日まで吹雪だったのですが、その日はちょうど雪は、天気は余りよくなかったのですが、運よく視界はさっと晴れましたので、道路状況も比較的スムーズにいって、順調に製剤を運ぶことができました。このATRのマシンというのは、非常に途中の温度管理もできますので確実に運べます。車両については、幸い当院では災害拠点病院で、DMATの隊員も使います患者搬送車両を持っていますので、そちらを使って搬送することができました。ATRのバックアップ運用への期待も今後の中で出てきまして、輸送手段としてだけではなく、能登半島地震のような院内保冷庫の機能不全における一時的なバックアップ保冷庫としてもATRが有効であるということは、今後、期待できるということが分かっています。
それで、さらには災害時の血液供給体制、EMISとの連携と新たな連絡体制の構築と相補的運用の検討ということで現在、災害拠点病院を中心に救急医療情報システム、EMISが使われています。昨日の熊本地震でも、このEMISがすばらしい勢いで使われているようですが、ただ残念なことに、その中には血液製剤、相互の各病院における血液製剤の保管の量、それから融通可能な動かせる量等々を入力する項目がありません。秋田県の合同輸血療法委員会では、EMISは全国共通のソフトですので、その中に新たに特定の項目を設けるということは非常に時間を要することですので、その他の項目だけに本文入力をして、さらにはExcel等でひな型を作って添付するとして入力しました。そして、それを各病院で閲覧して、今度は自分の所で足りないもの、ほかに供給できるもの等々を情報を共有しましょうという訓練を5月に行っています。その中の添付用のExcelシートですが、医療機関名、報告日、報告時刻、院内在庫の有無等々、種類等々、これをずっと入力して要請内容の有無も入れます。これは当時は血液センターでも見れましたし、各病院で一覧することもできました。実際に5月22日から26日にかけて行った県の総合防災訓練においては、県内44医療機関でもって小さな診療所から、先ほど来の在宅やるかどうかの診療所から、災害拠点病院まで含めまして44医療機関から入力がありました。非常に参考になっています。
さらには包括的外傷診療体制状況との情報収集と共有ということで、これは秋田大学の救急部でもって高度救命救急センター指定以降に重症患者と救急医療を同じセンターで一元的に集約しています。広域搬送の要としてドクターカーやヘリを活用して、高速IC等で合流する「ドッキング輸送」を実践しています。これは2025年で実績は56件あったそうです。ATRを利用したプレホスピタル輸血の実態と産科搬送への応用では、搬送に時間を要する重症外傷や大動脈解離等を対象に、ドクターカーにATRを用いて緊急用O型赤血球6単位を持参する運用です。直近の実績、そこに2022年2月までは持ち出し出動が27回ありました。そのうち現場での輸血実施は4例あったそうです。2025年の持ち出しも既に24件あって、大体2割から3割程度は現場で輸血を行っています。最近あった事例では、地域の産院からの「産科危機的出血」に伴う母体転院搬送、それにATRが機能してプレホスピタルの輸血が行われています。
このように秋田大学の高度救命救急センターの現地を視察した上で、ドクターカーの車両、ATRの積載方法、出庫から帰還までの厳密温度管理等々、これをATRを用いて県内で災害拠点病院を中心にまずは確立していきましょうというのが、現在またこれからも秋田県合同輸血療法委員会での活動の大きな柱となっています。
あと、TACOに関する輸血前確認、これは合同輸血療法委員会でTACOに関する調査をどれくらいやっていますかということ、これを含めまして調査を行っています。また、輸血のチーム医療、血漿分画製剤の適正使用に関する薬剤師さんの活動実態調査、こういうものも積極的に薬剤師さんにも各医療機関での輸血療法委員会にも参加してもらいまして、院内での血液製剤、特に血漿分画製剤、これの管理と適正使用状況、これは通常の血液製剤の場合は輸血は検査部門、若しくは独立した輸血部門で行っていることが多いと思います。ですが、血漿分画製剤については、ほとんどが薬剤部で管理しているということもありまして、それでもって薬剤師さんに積極的に関与してもらって、そこに血漿分画製剤の適正使用、このような活動をしてもらって、また、適正使用を推進していただくということを依頼して行っています。
まとめですが、災害時及び緊急時の輸血医療体制の体制整備、これは各医療機関でのマニュアルを作った上で、それをだんだん集約していく。いわば県の合同輸血療法委員会ではボトムアップ型と名付けていますが、ですから決してトップダウンで上から押し付けるのではなくて、いわゆる各医療圏と災害拠点病院を中心にボトムアップ型でやってもらいましょうと。院内在庫、災害時に院内在庫をEMISによって情報共有していることで行政のほうでも見れる。血液センターのほうも含め、被災早期の血液製剤の必要性判断を迅速化し得ると整理されました。実際、5月にこの訓練をやってみたときには瞬時にどこの医療機関にどれぐらいあるか、どこの医療機関にどれぐらい必要であるかということが分かりましたので、非常に有用です。これらついては、今後も運用検討を行っていく予定です。
また、災害、いわゆる医療計画、防災計画との整合性、県の救急・災害医療検討部会等、それに県の災害医療対策本部との調整を進めて、これらのことをマニュアル化していって、より円滑に運用できるように検討していくところです。TACO予防に関する実態調査・PBMに関する薬剤師さんの実態調査、これは今後も続けていきますし、特に本県のように高齢化率が全国トップクラスの自治体においては、TACOはやはり非常に防ぎ得るけれども、起こりやすい輸血の合併症ですので、このようなものを調査して、また合同輸血療法委員会でも、これらを要望するための方策、これをより徹底していくということを行っています。簡単ではありますが、昨年度からの方策調査研究事業での実施状況等々を解説させていただきました。
○伊藤座長 非常にすばらしい取組を御紹介いただきまして、ありがとうございます。現場の輸血で救命できていて、非常に感動しました。皆様、質問、御意見等はありませんか。いかがでしょうか。今も熊本でEMISが非常に活躍していますが、輸血の情報、在庫を共有しているというのは、東北では他の都道府県などではあるのでしょうか。他の県などでは。
○小笠原参考人 現在、まだないようです。ですので、宮城県の先生方等々を中心に、やはりどのように項目を作っていますかという問合せはきています。それをお互いのほうで、このようなExcelシートを作って添付したりしてやっていますということを今現在、相互にやり取りしているところです。
○伊藤座長 非常によい取組で全国に展開していけたらと思いました。ありがとうございます。その他、委員の方々から御質問等はありませんか。
では、先生、ありがとうございました。また、引き続きいろいろ調査して教えていただければと思います。
○小笠原参考人 お疲れさまでした。ありがとうございます。
○伊藤座長 続きまして、長谷川参考人から資料2-3の説明をよろしくお願いいたします。
○長谷川参考人 ありがとうございます。茨城県合同輸血療法委員会から掲題の調査研究について御報告させていただきます。
次は、本県の合同輸血療法委員会の最近の活動におきましては、ホームページがございますので、そちらから参照していただけますと光栄に存じます。
次をお願いいたします。茨城県は療養型病床の数が少なくて、急性期診療が行われた後の患者さんは、在宅若しくは小規模の介護施設などに移動する必要が大変多くなっております。加えまして、公共交通機関の充実が余りされておらず、そのような施設や自宅に戻った後に通院をするときには、非常に困難を生じているという問題があります。そのため、先ほど田中参考人から御報告がありましたように、私どもの県においてもたくさんの在宅輸血が行われているような情報を私どもが把握いたしました。ではそのような在宅や小規模施設での輸血に課題はないのであろうかということと、課題があるのであればどのような対応ができるのかを考えるために、私どもが調査を行わせていただきました。
次をお願いいたします。これは令和5年度に茨城県赤十字血液センターが赤血球を50単位以下で供給した施設と、在宅療養支援診療所を合わせて261ございましたが、その全施設にアンケート調査をお送りしました。回答は81施設、31%から得られました。円グラフはその施設の内訳を示しています。左の施設ごとのバーグラフについては、緑が実際に輸血を令和5年度に行ったという回答を、オレンジは輸血をしなかったという回答を得たものを示しており、無床診療所において一番輸血が行われておりました。
次のスライドをお願いします。直近3か月の輸血回数を教えていただき、それを示したものがこのバーグラフです。緑のものが延べ人数、赤が実人数になります。無床診療所で一番多くの輸血が、続いて有床診療所、療養病床が無い病院のような順で輸血回数が報告されました。それを先ほどのスライドの施設数で除して、1か月当たりの輸血回数に直してみますと、多くても療養病床のある病院が月に2.2回程度、それ以外の施設においては、月に1回程度の輸血しか施行されておらず、習熟性に大きな問題があることが分かりました。
次のスライドをお願いします。先ほどの田中参考人から報告があったように、輸血マニュアルについては多くの施設でマニュアルがあるという回答を頂きましたが、無床診療所においては、その3分の1においてマニュアルが整備されていませんでした。輸血の同意の方向についてはほとんどが文章同意を得ていましたが、有床・無床診療所のそれぞれ1施設においては、口頭同意にとどまっておりました。
次のスライドをお願いします。血液製剤はそれぞれ適正な温度管理が求められており、赤血球については2~6℃です。0℃付近になりますと、凍結して溶血の恐れが出てまいります。薬用保冷庫や家庭用保冷庫においては、冷気吹出口付近が0℃、又はそれ以下の温度になることが知られております。赤血球製剤の保管場所について伺ったところ、69%が薬用保冷庫を使用していました。しかし中には、この無床診療所において示されるように、3件、約7%において、家庭用冷蔵庫で保管がされていました。残る19%が血液専用の保冷庫でした。
次のスライドをお願いします。患者さんの血液と血液製剤を混ぜ合わせるクロスマッチ試験が赤血球製剤については行われます。その判定には習熟を要しますが、診療所の両施設においては、自施設で行われている現状がありました。
次のスライドをお願いします。これは輸血の穿刺者と輸血中の観察者を調べたものです。観察者の所においては、ブルーとグリーンの看護師、准看護師が多くの役割を務めていただいております。ディープブルーの部分は臨床工学技士ですが、これは透析診療所においてそのような方の役割が果たされているのではないかと思われます。ちょっと分かりにくいのですが、無床診療所の観察者の上のほうに家族という回答がありました。
次のスライドをお願いします。輸血中の状態変化時への対応を複数回答で伺ったところです。医師が現場に行くのをブルーで示していますけれども、無床診療所、有床診療所においては、多くが医師がすぐに対応する体制が取られているようでした。しかし、療養病床がある病院においては必ずしも医師が現場に行く体制が取られてないことが分かりました。
次のスライドをお願いします。私たちは更に詳細の状況を把握するために、訪問調査を受け付けてくれる施設に出向き、聞き取り調査を行いました。施設の一番目は無床診療所です。直近1年の輸血回数は赤血球で40回、血小板濃厚液で4から5回でした。しかし、そのような多くの輸血をしている施設においても、手順書はないと回答されています。また、保管も家庭用冷蔵庫を使われていることが分かりました。次のスライドをお願いします。この施設においては参考になる点として、衛生検査所で輸血前検体の保管が行われており、なかなか保管場所の確保が難しい施設においての参考事例になるかと考えました。
次のスライドをお願いします。次も無床診療所です。ここの施設においては、令和5年度は輸血を行われたが、直近1年は輸血はしてないということでしたので、令和5年度の輸血の状況について伺いました。ちょっと時間が少なくなってまいりましたので、重要な所だけお話させていただきますが、保管は薬用保冷庫で行われていました。
次のスライドをお願いします。ここは施設長が対応してくださいましたが、在宅輸血は行うべきではない。その理由として、患者さんの負担、安全性、患者への経済的負担が大きすぎる、公的なガイド作成なりの要望はもっていない。ただ、輸血に習熟していない施設に対してそのようなガイドを作ることは理解ができる。ただ、ルールが臨機応変な対応を妨げては困るという御意見を拝聴しました。
次のスライドをお願いします。ここは有床診療所です。ここも直近の7か月の輸血はないということでした。ここの施設では管理者が代わったために輸血は危険な行為であるので、もうしないというように宣言された施設だと分かりました。輸血に関してはかなり厳しいハードルを設けて行う必要があるのではないかという御意見を拝聴しました。
次のスライドをお願いします。最後は、有床の産科施設になります。ここは手順書に関しては、輸血情報等の写真付き情報媒体などを束ね手順書としておりました。1つビジュアル的には分かりやすい取組かと考えました。インフォームドコンセントは分娩時について包括的に取得しているということでした。また、緊急対応分娩時の輸血が主なものになるため、交差適合試験は行わないということをおっしゃっていました。
次のスライドをお願いします。今回の私たちの調査の課題としては、聞き取りで終わってしまいまして、実際の運用や使用している物体の確認まではできておりませんでした。また、31%の回答率ということで、返信がない施設の実情が十分把握できておりません。また、聞き取り、詳細の数が少なくなってしまいました。聞き取りから見出された課題は血液専用保冷庫を持ってない施設が多い、頻度が多い施設もあれば、極めて少ない施設もあり、少ない施設での習熟について問題がある。マニュアルが作成されていない施設もあることが分かりました。
次のスライドをお願いします。私どもは今年2月に総会を行いまして、その際にNPO血液在宅ねっとの大橋晃太先生から、在宅輸血についての御講演を頂くほかに、最近、診療所から依頼を受けて、訪問看護ステーションが輸血に関わり始めた際の苦労についてのお話を、大久保智代先生から頂きました。
次のスライドをお願いします。そのほか、CSV形式の記録保存可能なチェックリスト形式の手順書を作成いたしました。今後、実際の施設において使用感を伺って、改良して、ホームページなどにアップしたいと考えています。
今後の展開として、手順書やガイド、関係者で協働作成するとともに、研修会などを通じて最新情報の共有や研鑽に努め、輸血や小規模・在宅の施設での輸血診療のレベルアップで、全体の底上げを図る必要があると考えました。また、在宅医療においても適正な輸血について考える。つまり輸血のやめどき、あと輸血に対する評価がなされてない可能性が高いために、評価を行っていただくことなどを進めていきたいと考えています。
残るスライドについては、時間が押しましたので割愛させていただきます。以上となります。どうも御清聴ありがとうございます。
○伊藤座長 長谷川参考人、ありがとうございました。茨城県における聞き取り調査を含めて、御報告いただきました。また手順書のほうも御提示いただきましてありがとうございます。皆様から御意見、御質問を頂きたいと思います。どなたかありますでしょうか。
○梶原委員 東京科学大学の梶原でございます。先ほどの田中先生の発表の内容とも重なるのですけれども、東京でもかなり在宅輸血をしている施設は増えてきているのですが、内容としては様々で、例えば、成人の固形がんの終末期の方で、そこに至るまでに何回か
輸血をされているために、不規則抗体を作ってしまっているという事例がありまして、東京では割合有名な在宅輸血もしてくれるクリニックの医院長が、実は私の小児科の後輩で、輸血に関する知識もある程度ある者ですけれども、検査は全て外注検査会社に依頼をしていて、交差試験を頼んだら不適合という結果が返ってきたけれども、「これは入れてはいけないんですよね」という質問を受けました。よくよく聞いてみると、どうやら不規則抗体が陽性のようなので、「不規則抗体の同定の検査が検査会社に出せるようであれば出してもらって。それで結果が分かったら、その因子を外した製剤を血液センターに依頼をすると、問題なく輸血ができると思います」とお話したのですが、在宅の状況の患者さんなので、緊急性が高い輸血ではないのですけれども、おそらくいろいろな精査を検査会社に頼んでいる間に、本来輸血しようと思ったところからは数日が経過していると思いますので、こういったところに関しても例えば近隣の病院、医療機関で検査を行う、受託するようなことが、もし制度上可能であれば、かなり在宅輸血を実施する診療所の負担は軽減できるのかなというように思いました。以上です。
○長谷川参考人 ありがとうございます。
○伊藤座長 非常に示唆に富むコメントを頂きましてありがとうございます。その他の委員の先生方はいかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
続きまして、新潟県の関参考人から、資料2-4の説明をよろしくお願いいたします。スライドショーにしていただけますでしょうか。
○関参考人 新潟県合同輸血療法委員会の関と申します。よろしくお願いいたします。私どもは、「血液製剤の廃棄低減に成功した中小規模医療機関の成功要因の徹底分析」ということで研究をさせていただきました。お手元の資料から、かなり時間厳守するために抜粋しておりますので、少しめくるのが大変かもしれませんけれども御容赦願います。
私どもは、ここ数年来、山間へき地や豪雪地域による血液製剤の供給体制実態調査、それから地域ミーティングを通しての作戦の立案、医師への意識調査、各種血液製剤発注時の情報ツールの作成などを通して、県内の廃棄血削減のための研究活動を展開してまいりました。これまで、地域ミーティングを通していろいろな意見交換がなされたこと、それから、今後の課題として、廃棄血の削減のための対策を継続して検討していくということと、今まで作ったツールなどについても検証していくという2つの側面がありました。
15ページ、フルバージョンは15ページだと思いますが、それらをベースとして、目的は、上記研究からの知見のほかに、更に必要と思われる詳細な活動を明確にするために、血液製剤の廃棄低減に成功した中小規模医療機関の成功要因の徹底分析と題しまして、前年度廃棄血削減に成功した施設を抽出し、様々な角度から具体的な方策を分析することを試みました。
16ページを御覧ください。方法としては、2024年度1年間で、院内の赤血球製剤の廃棄血削減に成功した新潟県下の中小の上位5病院と基幹病院1病院をピックアップしまして、それぞれの血液型別赤血球使用量、備蓄量、廃棄量、使用までの院内保有期間等の推移を検討いたしました。さらに、院内で施行された廃棄血削減のための方策を根掘り葉掘り聞き取り調査によって集積し、効果を分析しております。
17ページを御覧ください。[結果1]です。このように、令和5年度から令和6年度にかけてかなり廃棄血が減少した上位5病院をピックアップしております。なお、RBCの有効期間が変わったのが令和5年3月15日からですので、ほぼその影響はなく、成功している病院のピックアップと御理解いただけたらと思います。[結果2]は、もう1つ、これは別に特別の理由で抽出されたF病院となりますけれども、この2021年から2022年にかけて、院内の在庫血をO型オンリーに変更した、6単位に変更したという病院です。かなり廃棄血が減っているということで、後で出てまいります。
結果を先に申しますと、19ページにありますが、常に院内備蓄量と使用期限、使用状況を輸血管理部門が十分に把握できていたこと、これが共通項目1です。2番目として、受け身な活動ではなく、使用期限間近の製剤を使用できる部署への使用の提案を絶えずしていたこと、これが共通項目2です。3番目としましては、大量発注時に本当にその単位が必要か否かの確認をしていたこと、これが共通項目3です。院内備蓄製剤の有効期限や備蓄量の情報を院内全体で共有できるシステム(コミュニケーションも含む)なのですが、皆で共有できるシステムを構築できていたこと、これが共通項目4です。そして、何よりも適正な血液製剤の備蓄量の評価と必要時の異型適合血輸血への病院全体の理解と実践があったことが5番目の共通項目として上げられております。
個々の病院を見ていきますと面白いデータが分かってまいります。例えば、20ページのA病院を見てみますと、この病院はやはりピックアップされただけあって、全ての血液型において廃棄血がゼロになっています。次は21ページを御覧ください。これは令和5年度と6年度での院内の血液製剤の在庫日数です。上のほうが使用期限が間近になっている製剤になりますが、やはり、こういう成功している病院の血液型というのは、在庫期限が近くなっている製剤が非常に減ってきているということが分かっております。次は22ページを御覧ください。これも同様に、かなり顕著にO型の使用間際の製剤が減ってきているということが分かっております。23ページのB型の在庫日数もしかりであります。そして、全体を見てみますと、入庫後15日以上経過してから使用された血液型別赤血球製剤本数で見てみますと、この病院はA、O、Bともに非常に少なくなったということで、こういうことが廃棄血低減に影響したのかなという考察を立てております。
別の病院を見ていきたいと思います。30ページを御覧ください。このC病院では、O型とAB型が比較的効果的に低減されていることになりますが、O型を見てみますと、余り違いが分からないというパターンです。32ページのAB型を見ると、ここら辺は少し期限が間近なものもあるのですが、令和6年でもあると言えばあるということで、全体としては早めに使われているのが分かるのですが、微妙なさじ加減があったのかなと思っております。C病院の全体像を見てみますと、令和5年と令和6年で、先ほど申しましたが、AB型は割と間際の製剤が少なくなっているということで、O型は余り変わってないけれども、結果としてはO型も廃棄率が低減できたということになります。
次に40ページのE病院です。この病院は、もともと令和5年度も廃棄量が少なかったのですが、特にAB型が半分ぐらいになったということで、41ページのAB型を見てみますと、やはりこういう在庫日数の長い製剤が早めに使われていたという、割ときれいなデータかなと思っておりますが、こういう現象が起きていたということが分かりました。42ページの全体を御覧ください。やはり、AB型がかなり長くあったものがそれがなくなったということで、A型を見てみますと、かなり長くあったものもあったのですが、これが廃棄量に反映されないということで、やはり先ほどの聞き取り調査にあったような、絶えず能動的な活動をされている輸血管理部門の活動の影響があったのかなと思っております。
次にフルバージョンで43ページのスライドになります。F病院、これは特殊な理由でピックアップされたのですが、2011年から2022年にかけて、O型6単位のみに備蓄を変更した病院となります。その病院の動向を見てみますと、44ページを御覧ください。やはり変更してすぐ廃棄量が減ってきて、全体の使用量はむしろ増えているのですが、廃棄率は著明に減っているというデータです。
19ページと47ページに結果の再掲がありますが、繰り返し申しませんが、これらの聞き取り調査によって、共通項目として、こういうことを輸血管理部門でやっておられたということが分かりました。48ページの結語を御覧ください。これらの検討から、輸血部門が積極的に院内の備蓄量と使用期限、使用状況を十分に把握し、各部署に廃棄血減少のための介入をしていたということと、病院全体でその土壌ができていたことが大きな原因ではないかと思っております。先ほども御紹介しましたが、やはり、割と長く病院に備蓄されていた製剤があったにもかかわらず、令和6年にはその影響がなかったと。何かまたほかにも埋もれている可能性のある因果関係を、今後更に追求していってみたいと思います。以上です。ありがとうございました。
○伊藤座長 関参考人、ありがとうございました。廃棄血減少という非常に重要なテーマに対する背景分析を御報告いただきました。それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見を頂きたいと思います。先生方いかがでしょうか。どなたか、もしおられればと思いますが。よろしいでしょうか。それでは、引き続き、更なる分析を進めていただければと思っております。ありがとうございました。
続きまして、鹿児島県の宮園参考人から資料2-5の説明をよろしくお願いいたします。
○宮園参考人 鹿児島県合同輸血療法委員会代表世話人の宮園です。今日は、よろしくお願いいたします。昨日ですが、熊本で地震が起きました。鹿児島の我々の所でも、今村総合病院の8階が血液病棟なのですが、そこでも5弱の地震でかなりの揺れが、10秒間というかなり長い間ありました。我々の所はそうでもなかったのですが、熊本では甚大な被害が起きました。被災された皆様、お見舞い申し上げます。
では、早速始めさせていただきたいと思います。「鹿児島県医療機関の緊急時災害時の輸血医療体制における現状調査、および医療機関間連携のための基盤整備」ということで研究させていただきました。COIはありません。鹿児島県は、もともと自然災害が多くて、一昨年、桜島や新燃岳などの火山の噴火に伴って飛行機が飛ばない日があるということ、そして、ここにありますように、日本においても火山を多く有している地区であるということです。あと、離島もあり、こちらに関しても悪石島の所で地震があったり、台風に伴う洪水、豪雨、そういうもので土砂災害も発生率が高く、毎年上位を占めている県です。
鹿児島県は、シラス台地という火山灰でできた台地であることの影響もあり、豪雨等で土砂災害が多く、道路が寸断されると血液製剤の供給が困難となります。そうすると、救命救急に支障を来す可能性があるということです。それで、令和7年度血液製剤使用適正化方策調査研究事業として、先ほどの研究を報告させていただきます。
対象と方法です。対象は県災害拠点病院と県内輸血使用量上位医療機関で、17施設としています。まず緊急時災害用手順書、血液在庫管理、運用、地域連携などに関し、15問のアンケート現状調査を行わせていただきました。次に、鹿児島県の事務局、血液センターと県の薬務課にやっていただいているのですが、鹿児島県合同輸血療法委員会を中心に血液センター、行政、医療機関間で情報共有・標準化目的のリモート会議を、1段階目で輸血関連検査技師を中心としたもの、2段階目に救急医師を中心としたものを行わせていただきました。そのときに、今回すべてのスライド資料は提示しませんが、スライド資料に沿って実施し、意見交換をさせていただいています。
鹿児島県災害拠点病院なのですが、市内には6施設、それ以外に全県にわたって災害拠点病院があり、離島のほうでは種子島と奄美大島にあります。これが実際の災害拠点病院などの内訳です。今回の現状調査、アンケートに関しては、回収率は100%でした。結果です。これらの輸血専門医療従事者の有無ですが、「いる」というのが7施設でした。輸血管理料取得に関しては、16施設で取得していました。実際に輸血の供給はどこから行われているのかということで、鹿児島市内にある血液センター以外にも、出張所として鹿屋、大隅のほうと、薩摩川内市といって少し熊本寄りの所にもありますが、そちらから運ばれている割合はこのような状況でした。
次に、定期供給の時間、輸血依頼からの所要時間ということで、定期の場合には30分から1時間というのが大体3割程度、1、2時間というのが5割程度ということで、半分ぐらいがそのようになっているということです。緊急時になるとどうなるかというと、30分以内の施設が20%増えて半分ぐらいになって、1時間以内が大体4割ぐらいということです。ただ、定期供給輸送手段に関しては、多くは地続きなので車両なのですが、離島があるので一部船や飛行機、そういうような状況があるということです。そうなると、血液製剤の定期供給の実際の搬送時間に関しても、船、飛行機になると5時間以上掛かるような所も出てくるということで、飛行機や船などになると決まった時間にしか搬送が始まらないという現状もあります。車両だと大体1時間ぐらいで着くことが平均的には多いようです。
詳細です。緊急時災害時の輸血医療、それから輸血業務に対応するための手順書はありますかと聞きましたら、「ある」と答えられたのが17施設中5施設ということで、ほとんどの施設がないということです。あとは、電子カルテシステム等が使用できない場合の輸血情報等の確認法に関して手順書に記載はありますかということで、「ある」が半分程度で8施設です。緊急時災害時の輸血同意説明書の紙仕様版があるというのが7施設、その同意書の中に異型適合輸血、輸血使用に関するトリアージ等の記載がありますかということに関しては、4施設ということでした。あとは、緊急時災害時に関して、血液センターへの輸血オーダー依頼の方法に関して手順書に記載がありますかということで、記載があるのは5施設、これの紙仕様版はありますかということで、「ある」が40%で7施設ということでした。
次です。緊急時災害時の血液製剤の出庫に関して手順書に記載はありますかということで、「ある」が6施設です。あとは、非常時電源に接続されている機器の稼働状況のチェックリスト等、手順書に記載があるのが8施設、緊急輸血時の検査実施可能項目の確認、検査結果の報告の方法、記録の方法等の記載が手順書にあるのも8施設です。あとは、緊急時災害時の血液製剤の運用に関して手順書に記載がありますかということですが、輸血使用に関するトリアージ等を含む内容に関しては3施設、輸血時に関する輸血責任者、コマンダーを決めてやるというような記載が手順書にありますかというので、「ある」は4施設でした。
実際、災害時に出てくる可能性のある氏名不詳患者等への輸血時の対応に関して手順書に記載はありますかというのは、「ある」が3施設でした。この四角で囲んだ所は、通常の緊急時災害時輸血マニュアルの中でも割合、緊急時のときには必要な項目と考えられる内容です。
次に、緊急時災害時の輸血医療、輸血業務に必要な緊急連絡先、緊急時の連絡網等に関して手順書等に記載はありますかということで、「ある」が7施設です。あと、近隣医療機関との連携体制、緊急時災害時の血液製剤融通等に関して手順書に記載はありますかということで、これは0施設でした。院内在庫がなくなり、血液センターから供給不能となった場合に院内血、いわゆる生血、そういう輸血の準備、手順書はありますかというものに関しては、3施設が「ある」ということでした。全ての問いに関して回答した施設ですが、5問以下の施設が10施設で、5~10問が5施設、10問以上が2施設でした。
結果2です。こちらは、緊急時災害時輸血マニュアルの案ということで、ある程度たたき台のようなものを作らせてもらって、その資料のスライド化したものを基にして、関連付けた項目に関してリモート会議を行わせていただいています。リモート会議の1回目は世話人(行政、血液センター含む)と、血液関連の臨床検査技師さんたちを中心に行っています。一部なのですが、保冷庫、検査機器は赤電源につなげているが、ほかに使用する機器がどの電源につながっているか把握していない。機器稼働状況のチェックリストはなく、今後、作成していきたいというコメント、現場の担当医がコマンダーとなるのではないか。ただし、災害時となると輸血専門が必要かというようなコメントや疑問が出てきています。また、トリアージ番号で落ち着くまでは患者とひも付けを行っているということで、様々な意見が出てきています。
2番目は、リモート会議の2回目として、今度は世話人(行政、血液センター含む)と救急医師でやらせてもらっています。意見の一部ですが、DMATの統括の方が2人入っていたのですけれども、DMATでは輸血に特化した訓練はないということで、院内訓練にとどまっていると。県災害対策課と話合いが必要ではないかということで、今回、県の対策課にも救急の先生たちの連絡網ということで、協力いただきながらやっています。あとは、名無しの権兵衛はどこかしらから、患者情報が出てくるので想定していない。しかし災害時はあり得る話ではあるということで、入念な状況把握は必要かもしれないというようなコメントも出てきています。また、災害時の輸血の特殊性は感じた。今後、整備をしていきたい。局所的災害か全国的な災害かによって対応が変わると思う。自分たちだけでできること、県を頼ってしてもらうことをそれぞれ考えなければならないというような意見がありました。
提案①としては、血液センターでの在庫状況が分かるシステムがほしいと。これは、先ほど小笠原参考人がお話されたEMISなどのことだと思うのですが、そのようなもの、あと、提案②アプリなどで搬送状況が分かると非常に助かるという現場の救急医師の意見も聞かれました。
まとめです。現状調査により「緊急時災害時輸血マニュアルがある」は50%未満、さらに「輸血医療の運用にあたるトリアージ、コマンダー、氏名不詳患者などに関する記載がある」は、更に低く30%未満でした。「緊急時災害用手順書、その内容に関する問い」においては、17施設において15問中5問以上に「ある」と回答したのは7施設(41%)でした。鹿児島県の緊急時災害時輸血医療体制は、今後、更なる改善が望ましいと思われました。今後、鹿児島県合同輸血療法委員会が中心となり、行政、血液センターとも連携しながら、緊急時災害用手順書などの内容を十分把握協議し、必須項目など標準化を目指し、さらに県医療機関間連携など基盤整備をし、緊急時災害時の輸血医療・業務を迅速に安全に適正に実施できるようにしたいということです。
本年度の合同輸血療法委員会の世話人会で、この問題に関して、せっかく研究を始めたものだから一応完成させようということで、世話人の中に輸血の検査技師の方もいるのですが、その方ももう一度取組をするということで、今年度も引き続きやる予定です。以上です。御清聴、ありがとうございました。
○伊藤座長 宮園参考人、ありがとうございました。非常に危機的な状況を想定した数々の質問調査ということで、非常に参考になりました。ありがとうございます。委員の先生方から御質問、御意見等はいかがでしょうか。
○山内委員 よろしいでしょうか。
○伊藤座長 では、先に山内委員、よろしくお願いいたします。
○山内委員 恐れ入ります。東北大の山内でございます。かなり現実的なことを想定されたアンケートで、大変勉強になりました。2つ教えていただきたいのですが、1つは、紙運用をどうされているかという質問で、少し準備が分かれていたように感じました。当院でも、いろいろな書類の紙パターンが全部あるかは私も分からないのですが、その辺について、紙はあったほうがいいとか、そういった方向性、なくて困ったことがある病院があって、そういう所は紙を準備しているとか、そこについての何かサジェスチョンはありますか。
○宮園参考人 御質問をありがとうございます。実は、私の病院でも、これは緊急時災害時を問わず、普通の緊急時だったのですが、電カルの輸血のところだけうまくファンクションしない状態があり、紙でやるしかないということで、前に使っていた紙が残っておりましたので、それをやってオーダー、それから、そのときの副作用チェック等が全部入って、後で足したことがあります。実際に電源が止まる、今回も熊本地震、当初は電気が全部ストップという話もありましたので、やはり紙は残されていたほうがいいのかなと個人的には思っております。
○山内委員 ありがとうございます。もう一点は、最後のほうで血液センターとの連携を、アプリ等で常にできる体制をというようにあったと思うのですが、逆に言うと、常に連携できるようなものを標準仕様にしておくということもあり得るのでしょうか。例えば、いいアプリがあれば常に血液在庫状況が分かるとか、そういうような形もあり得るのでしょうか。
○宮園参考人 御質問をありがとうございます。恐らくそれがあると一番理想なのですが、血液センターの通常の在庫は3日分とお聞きしております。実際に今回のような地震が起こってくると、それをどのように運用していくのかは、恐らく県の対策課を中心に血液センターと絡んで相談してくるので、本当に在庫がアプリでリアルタイムのものができるのかどうか、まだ私のほうではっきり明言できない状況です。
○山内委員 今後、薬とかも一気になくなったりとか、いろいろなことがありますので、何かそういうシステムが今後、クラウドとかを使ってうまくできると日本中がいいのでしょうね。そういったことのデザインもやりやすい時代になってきているのかなと思って聞いておりました。どうもありがとうございました。
○宮園参考人 ありがとうございました。
○伊藤座長 ありがとうございます。堺田委員、どうぞ。
○堺田委員 千葉大学の堺田です。大変すばらしい活動で、勉強になりました。また、このアンケート調査は回答率100%というのもすばらしいと思います。アンケートするだけでなく、その後に、対象となる施設の方々へフィードバックをなさっている取り組み、リモート会議を行いマニュアルの作成や改訂につなげていく流れは、素晴らしい循環モデルだと思います。
私からは、1点だけお聞かせいただきたいのですが、結果2の所でリモート会議1回目、2回目と世話人の血液センターの方、行政が入られて、輸血関連の技師や救急科の医師が参加なされていますが、参加者を分けておられたと思います。今後の方針として、どのようにマニュアルの整備、体制を構築されるのか、もしよろしければ詳しくお聞かせいただければと思います。
○宮園参考人 御質問をありがとうございます。まず、検査技師さんと救急医の2つに分けた理由は、世話人会でもそうなのですが、ドクターがいると検査技師さんたちは、どうしても意見を少しすぼめてしまうというか、余りお話しにならないで、後でちょっとだけ教えてくれるようなところがありましたので、そこは別にやったほうがよいかなということで分けました。
輸血というのは、検査技師さんの中でも少し特殊な部分らしくて、そこは検査技師さんの輸血の認定を持ったり、実際に輸血の症例をいっぱい見ている方の下でのマニュアルの整備、それと病院独自のマニュアルということで、病院で持っている機器、持っていない機器、それと離島です。こちらで入っている県立大島とか種子島の場合には、もともと災害と離島は非常に近いところで、ここにいらっしゃる田中参考人とか藤原参考人もそちらのほうも専門でやっている先生方なのですが、その辺の考え方もあるのですけれども、やはり救急医の中には輸血に関しては余り専門ではないのですけれども、経験的にやっている方々は非常にいらっしゃるのです。
我々は、少しそれのアドバイスとか、若しくは向こうの実情を聞くことによって、よりマニュアルが精度高く、使いやすいものになればなということでやらせてもらっているのと、DMATの中でも少し普及してほしいなというのもあり、やらせてもらっております。ありがとうございます。
○堺田委員 ありがとうございます。全国的にも非常に進んだ取組だと思いましたので、是非進めていただければと思います。
もう一点、離島の問題についてご教示ください。離島を有する他県の方々にとっても参考になると思いますが、生血採血や保存管理には様々な課題があろうかと思います。そのような課題についても、このマニュアルに含めて作成されるのか、もしくは別途、他のガイドなど、参考となるものを作成されるのか、ご教示ください。
○宮園参考人 御質問をありがとうございます。多分ここにいらっしゃる田中参考人、藤原参考人が生血のほうを研究でやっている状態ではあるのですが、鹿児島県としては現状、絶対に要らない医療ではないのかなと。やはり、どうしても使わなければいけない場面というのがあるようなので、それに関してはルール作りが必要なのかなと思います。現場の意見を聞きながら、また現状の輸血医療に照らし合わせて、なるべくガイドできるような、非常に難しいのですが、そういうのも補足していきたいと。鹿児島県の一定の病院は、もともとこれを持っている施設が多いのです。そこのところを今の輸血医療と照らし合わせて、正しくできればいいのかなとは思っております。答えになっているかどうかちょっと。
○伊藤座長 ありがとうございました。各参考人におかれましては、本日、御発表いただきまして、改めて御礼申し上げます。各都道府県におきましては、ただいまの御質問、御意見を参考に、引き続き合同輸血療法委員会の活性化に努めてください。
続いて、議題4「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」の廃止等についてです。事務局より説明をお願いいたします。
○糸谷血液対策課長補佐 事務局です。議題4「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」の廃止等についてです。資料3を御覧ください。本議題は、令和8年3月6日に開催された「令和7年度第3回薬事審議会血液事業部会」において既に御報告しております。同部会に先立ち、本調査会の委員の先生方には情報提供をさせていただいておりますが、改めて、本調査会の場をお借りして御報告するものです。
「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」については、令和8年3月24日付けで廃止いたしました。これに併せて一般社団法人日本輸血・細胞治療学会において、これらの内容を整理・統合した「輸血療法実践ガイド」が公表されております。
「血液製剤の使用指針」及び「輸血療法の実施に関する指針」は、策定当時、血液法に基づく国の責務である血液製剤の適正使用を推進するに当たり、臨床現場における標準的な指針が十分に整備されていなかったことから、厚生労働省が作成したものです。その後は、「血液事業部会」及び「安全技術調査会」において適宜見直しを行い、必要な改定を重ねてまいりました。
近年では、一般社団法人日本輸血・細胞治療学会が作成する科学的根拠に基づく輸血ガイドラインを踏まえ、その推奨度やエビデンスレベルを取り入れながら指針の改定を行ってきたところで、学会をはじめとする医療関係者の皆様の御尽力により、これらの内容は医療現場に広く浸透してきたものと認識しております。
一方で、両指針は、それぞれ異なる経緯で改定を重ねてきたため、内容の重複や相互補完性の不足が見られること、また、改定時期が一致していないことから、重複する記載について新旧の情報が混在する場合があるなどの課題が指摘されておりました。さらに、最新の科学的知見を迅速に反映するとともに、学会が策定するほかの関連ガイドラインとの整合性を確保する観点からも、学会が主体となってガイドラインを整備・改定していくことが適当であると考えられる状況となっておりました。
こうした背景を踏まえ、一般社団法人日本輸血・細胞治療学会の松本雅則先生を研究代表者として、令和5年度から令和7年度まで実施された厚生労働行政推進調査事業費「科学的エビデンス等に基づき医療環境に応じた適切な輸血療法実施についての研究」において両指針を統合した「輸血療法実践ガイド」が作成されました。本ガイドは、参考資料4としてお示ししているほか、学会のホームページにも掲載されておりますので、今後はそちらを御参照いただければと存じます。
厚生労働省としては、引き続き、学会等の医療関係者の皆様と連携しながら、本ガイドの普及啓発に取り組むとともに、血液製剤の適正使用の推進を目的とした厚生労働科学研究や、血液製剤使用適正化方策事業、血液製剤使用実態調査事業等を通じて、その成果や実施状況を把握し必要な施策の検討に努めてまいります。なお、参考資料1としてお示ししているとおり、令和8年3月24日に発出した局長通知において、都道府県等を通じて医療機関に本ガイドの周知を図ったところですが、本日、御欠席の長島委員から、医師会や関係学会への周知が不十分であること、旧指針を引用しているほかの通知が分かりにくいといった御意見を頂いております。そのため、事務局としては今後、医師会や関係学会への周知を図るほか、旧指針を引用している通知についても明示するといった対応を検討していきたいと考えております。以上です。
○伊藤座長 ありがとうございました。ということで、昨年の秋に実施指針と使用指針が統合され「輸血療法実践ガイド」が完成したわけですが、ただいまの御説明について、御質問や御意見等を頂ければと思います。よろしいでしょうか。
厚生労働省的には、この新しい実践ガイドのほうを更に普及させることが今の課題というように考えてよろしいでしょうか、一度、局長通知を出しているのですが、それが不十分ではないかという懸念があるので、何か、先生方からよい提案を頂ければというのが趣旨のようです。もともと、この2つの指針自体はかなり広く知られていたと思うのですが、これが統合されたという事実は、確かに、各学会では知らない可能性がありますので、さらに、各学会に向けて、新しくこういう合体したガイドができていますということをお伝えするなど、さらに輸血・細胞治療学会のホームページにこれが載っているわけですが、学会のホームページ等にそのリンクも教える、場合によっては、QRコードで現場で読めるようにするといったことができると、多分、普及が進むのではないかと個人的には思うのですが、輸血・細胞治療学会の先生方、いかがでしょうか。
○田中参考人 輸血学会のホームページに、既に「輸血療法実践ガイド」が出ておりますし、それは、なかなか他学会の先生から見ると、うちの学会のホームページまでわざわざ見に来るというのは大変かもしれませんので、厚労省のほうで何らかの通知を発していただいて、うちの学会のホームページのリンクなり、あるいは、もう学会誌に論文化されて出ておりますので、そのPDFを一緒に付けるなどの方法もあるかと思うので、是非御検討いただければと思います。ありがとうございます。
○伊藤座長 やはり、輸血の使用が多い学会に関しては、それを周知しておくことが非常に重要かなと思います。その他、何か有効な手段等はありますか。では、これでよろしいでしょうか。
最後に、議題5その他、事務局からは特にありますか。
○糸谷血液対策課長補佐 今回は特にございません。
○伊藤座長 ありがとうございました。本日の議題は以上となります。ほかに、何か御意見等はありますか。私としては、今日、「在宅」について、それぞれ2つの御発表を頂いたのですが、小児悪性腫瘍の患者さんで、小児在宅をやり始めて、まだ小さい規模ですが、輸血等をしている所がございます。多くは、小児の血液がんの患者を診ていたドクターが担当している診療所も多いのですが、そうではない診療所もあるので、手引きのようなものを別立てで作っていただけると、より安全な輸血につながるのではないかなと思うのですけれども、あくまでも私の意見です。その他は、よろしいでしょうか。ないようですね。
最後に、御退任予定の委員について御案内させていただきます。来年1月に薬事審議会血液事業部会の委員の改選が予定されております。任期満了に伴い、國土委員、梶原委員が、本日の調査会をもちまして御退任されます。國土委員、梶原委員におかれましては、当調査会の場で数多くの見識をお示しいただきました。それでは、まず、梶原委員より一言、御挨拶を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
○梶原委員 10年間、どうもありがとうございました。私は、輸血の世界に入って30年ぐらいなのですが、輸血の実態調査以外にも幾つかの調査がありまして、東京都は、昔から使用量の調査が1月12月締め、年単位で行われていて、そのうちに実態調査が加わって、大学病院だと輸血部会議の調査というのがあり、それぞれ統計の積、周期が違っていたり、なかなか電子カルテからデータを拾うのが大変だったり、あとは、ある年突然、実態調査に今までと違う質問が出てきて、そのデータを検索するのが非常に大変だったりということで、本来、中の人というか、それを調べる側でありながら、年中、心の中で文句を言っていることもあったのですが。幾つかの調査の時期を合わせたり、例えば、輸血の病院のシステムを、できるだけ、そういった一般的な統計を取り出しやすい形にシステム改修のときに変えたりと努力はしてまいりました。データを出す側はそれなりに大変なのですが、こういった形で活用されているというところをこの10年で学ばせていただきましたし、それから、ふだん自分が余り触れないへき地や離島であるなど、災害時はいつ、誰に起こってもおかしくないことではありますが、そういったところに関しても勉強をさせていただき、どうもありがとうございました。
先ほど、紙運用の話が出てきたのですが、大分、自分が年を取ったからだと思うのですが、昔の医師は、全てのことを紙で動かしていたので、例えば、災害になったとしても伝票をちゃんと書けるだろうし、献体ラベルを手書きで書けると思うのですけれども。今の若い世代は、もう、そういう電子カルテ、ハンディー端末なりがあって当たり前なので、あの人たちが、そういうときにちゃんと紙で運用できるのかしらというのが、実はちょっと心の中で心配をしております。いわゆる老婆心ですので、お忘れください。皆さん、どうもありがとうございました。
○伊藤座長 梶原委員、どうもありがとうございました。続いて、國土委員から事務局に御挨拶をお寄せいただいていると思いますので、事務局のほうから代読をよろしくお願いいたします。
○糸谷血液対策課長補佐 國土委員から、御挨拶を代読いたします。薬事審議会適正使用調査会の皆様、厚生労働省医薬局血液対策課の皆様、10年間の長きにわたり、委員として大変お世話になりました。血液製剤を多用する肝移植外科医として参加いたしましたが、貴重な医療資源をどのように適切に無駄なく活用するのか、会議での様々な御努力の報告と議論にいつも感銘を受けておりました。委員退任に当たり、直接御挨拶申し上げるべきところ、学会出張と重なり参加がかなわず心苦しく存じます。今後も、本委員会により血液製剤の適正使用が更に推進されることを祈念いたします。ありがとうございました。と御挨拶を頂いております。
○伊藤座長 代読いただきましてありがとうございます。お二方の委員から、多分、長年にわたり、それぞれのお立場を基に数多くの貴重な御意見を賜ったものと存じます。これからも、ますますの御活躍を祈っております。どうもありがとうございました。
私も、本日、座長を務めさせていただきまして数多くのことを学ばせていただきました。それでは、事務局に議事進行を戻したいと思います。どうもありがとうございました。
○糸谷血液対策課長補佐 伊藤座長、ありがとうございました。まず、1点、事務局から御報告があります。冒頭、YouTube配信について不具合がありまして、恐らく公開されていない状態であったと報告を受けております。そのため、期間限定、恐らく1週間程度になるかと思いますが、「第1回適正使用調査会」の資料のホームページに動画配信のリンクを張る予定としております。この場を借りて、不具合がありましたことをおわび申し上げます。
それでは、次回の適正使用調査会の日程は別途御連絡申し上げます。これをもちまして、血液事業部会令和8年度第1回適正使用調査会を終了いたします。皆様、ありがとうございました。
(了)

