第3回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会(議事録)

日時

令和8年6月29日(月)10:00~

場所

オンライン・対面による開催(労働委員会会館講堂(7階)東京都港区芝公園1-5-32)

議事

○駒村座長 おはようございます。ただいまから「第3回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。本日は倉知構成員、永松構成員、中村構成員が欠席となっております。永松構成員の代理として杵築市福祉事務所長の河野由紀子様、中村構成員の代理として保健福祉部生きがい推進局障がい福祉課係長清岡晃二様に御出席いただいております。会場には、叶構成員、神成構成員、酒井構成員、新保美香構成員、菅村構成員、田中構成員がお越しです。
 本日の検討会は、Zoomによるオンラインでの開催と会場からの参加の両方となりますので、開催に当たりまして事務局から説明があります。よろしくお願いします。
 
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日も多くの構成員にZoomを使ったオンライン参加をいただいております。開催に当たりまして、簡単ではありますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明いたします。本日、検討会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言される際には画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局や座長の許可があった後にマイクをオンにして、必ずお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。Zoomの操作方法につきましては、事前にお送りしましたマニュアルを御参照ください。会議進行中にトラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦くださいますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。
 
○駒村座長 それでは、議事に入ります。頭撮りはここまでとなっておりますので、カメラ取材の方については御退室いただくようお願いいたします。本日の議題は、1つ目が関係団体からのヒアリング、一般社団法人障害者雇用企業支援協会、公益社団法人全国障害者雇用事業所協会です。2つ目が雇用と福祉の役割分担の基本的考え方について、これが本日の議題になっております。それでは、議題(1)につきまして、2団体より、雇用と福祉の状況変化を踏まえた役割分担や今後の在り方等について、御意見を伺いたいと思います。はじめに事務局より、本日のヒアリングの流れについて御説明をお願いいたします。
 
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日の関係団体ヒアリングについて御説明いたします。前回に引き続き、雇用施策・福祉施策の役割分担など、障害者の就労に係る雇用施策と福祉施策の在り方に関し、関係団体の皆様にヒアリングを行い、幅広く御意見を頂戴したいと考えております。具体的には、資料2の「ヒアリング項目」につきまして、本日も御意見を伺いたいと思います。
 本日は2団体にヒアリングをさせていただきます。各団体のお名前については、議事次第を御覧ください。ヒアリングは各団体、質疑応答を含めて約20分程度を予定しております。冒頭の10分間で団体から御説明いただきまして、その後の10分程度で構成員の皆様から御意見、御質問を頂くという形で進めさせていただきます。各団体の皆様は、御提出いただいた発表様式に沿って御発表いただければと思います。なお、各団体にお願いしたいことですが、発表後の意見交換の時間を十分に確保し、よりよい議論にしたいと考えておりますので、御説明時間が10分を経過した時点でベルを1回鳴らします。12分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合、速やかに意見をまとめていただきますようお願いいたします。事務局からの説明は以上です。
 
○駒村座長 それでは、一般社団法人障害者雇用企業支援協会様より、御説明をお願いいたします。
 
○一般社団法人障害者雇用企業支援協会澁谷氏 一般社団法人障害者雇用企業支援協会の澁谷でございます。当協会は、障害者を多数雇用する企業、240社が会員になっています。その立場からということで、今日はお話させていただきたいと思います。
 2枚めくっていただきたいと思います。「回答」という欄です。まず一番目、雇用と福祉の役割分担ということでお話させていただきます。時間の関係もありますので、ポイントのみとさせていただきたいと思います。まず、近年の傾向です。就労を目指す精神・発達障害者の増加が非常に顕著となってきております。一口に精神障害者と申しましても、その対応は様々でして、非常に個別性が高い。そのために企業では、定着支援にはいろいろな難易度、あるいは複雑性が増してきており、高度な対応が可能な経験豊富な支援者を確保しなければならないのですが、これがなかなかできる状況になっていないということです。
 今後、期待される雇用と福祉の役割分担ですが、企業では、これまでも就労支援を担う担当者を多数配置してきました。しかしながら、増加する一方の精神障害者の定着については、より複雑な課題に対応できる専門的な知識・スキルを備えた人材が必要です。できれば、福祉分野で定着支援事業を行う支援機関や就業・生活支援センターなどの協力を求めたいところではありますが、都市圏では支援を求める希望者に対して支援員が不足しているという話もあります。また、地方では遠距離のため訪問が難しいなど、必要なときにタイムリーに支援を受けることができない場合が珍しくないという情報もあります。その中で、企業独自に専門職を配置できたとしても担える範囲には限界があります。そこで、福祉からの支援を頂きたいということになります。
 福祉事業者の方には、就労したらそれで終わりということではなく、就労を一定の期間継続することができるよう、主に生活面での安定を支えるような支援に当たっていただきたいと考えております。また、その一方、研修や助言などを通じて、企業内で障害者の就労支援に当たる者に対する支援を行っていただくことも非常に期待しております。そのためには、やはり福祉事業者に対する評価指標を見直すなどの制度設計の変更といったことも必要ではないかと考えております。
 次のページです。就労系障害福祉サービスから一般就労への移行における現状と課題についてです。まず、現状です。先ほど申し上げました増加が著しい精神障害者では、都市部では特にですが、その障害特性や必要な配慮の把握が不十分なまま、あるいは、就労準備性が整わないまま企業に紹介され、就労がスタートするケース、あるいは、本人の能力・特性に合わない職場に配置されてしまうケースといったことも散見されます。この要因の一つとして、就労移行の支援者のレベルに格差が生じていることがあるのではないかと思われます。就労移行事業所に在籍する支援者には、企業実務や現場業務への理解度を高めていただき、企業ニーズに即した支援が可能となるよう知識・スキルの修得に一層努めていただきたいと思っております。
 A型事業所には、利用者の中で相応のレベルまで就労能力を高めることができた方には一般就労へ移行することを期待しておりますが、なかなかそのようにはなっていないのではないかなと。事業運営を第一に考えるA型事業所においては、利用者に対して一般就労への移行を積極的に働き掛けるということがないのではないかなと想定いたします。課題についてです。特に都市部では就労能力のある障害者の採用は厳しくなってきております。A型・B型利用者の中にも、一般就労に就ける方にはそのようにつなげてもらいたいと考えております。
 次のページです。2番の就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進制度です。最初に、就労継続支援の現状です。一般就労への移行を視野に入れた事業運営ということを考えておられるA型事業者が少ないのではないかと思います。課題としまして、就労継続支援事業利用者の一般就労への移行を促進するために、利用者が企業の就労現場を体験する機会の充実・拡大、並びに事業者に対するインセンティブの強化といった施策を検討していただけたらと思います。
 次に、A型事業所について、雇用率制度の対象となっていることについてです。まず雇用率制度の対象につきましては、利用者は民間企業において就労する障害者とは異なる存在として区分されておりまして、法定雇用率の対象としないことが適当と考えております。公費補助を前提とした雇用が法定雇用率にカウントされるという現状には違和感があります。また、納付金制度の支給対象となっているところですが、法定雇用率を達成できていない企業から集めた納付金で成り立っている納付金制度から支給される調整金及び報奨金の対象にA型事業所が含まれるということについては大いに疑問を持っております。A型事業所は支給対象から除外されるべきではないかなと考えております。
 ただ、A型事業所に関する取扱いを変更した場合については、廃業やB型への移行ということになりますと、失業する障害者が多数発生するという事態が想定されておりますので、この調整金、報奨金に代わる何らかの財政的な措置を講ずることが不可決であると思っております。
 次のページです。3番の就労選択支援・就労移行支援・就労定着支援の効果的な在り方です。まずは、就労選択支援の現状です。本人の能力や希望に応じた就労選択を支援する制度としてこの制度が検討されたときには大いに企業も期待をいたしました。ただ、福祉サービスの利用を前提とした支援構図ということが現在の状況ではないかと思います。今後、企業側としては、いつになれば本来の期待された機能が果たせることになるのか、できれば実現時期等を見せていただけたらと思います。
 就労移行支援の現状です。現在、就労移行支援事業では利用年限が2年ということになっておりますが、この期限を撤廃することによって、就労移行支援事業所の利用者が就労準備性の向上を柔軟に図ることができるようになるということが期待されます。精神障害者の増加と障害内容の多様化により、就労支援にはより高度な対応が求められていると思います。支援の質を変える人材育成が急務と考えます。ただ、地方では就労移行支援事業所数も採用企業も少なく、障害者の就労促進に結び付きにくい状況にあると聞きます。そのような地域間の格差をどのように解消できるかということも課題の一つと考えております。
 就労定着支援の現状です。利用者が就労移行支援事業所を通じて就労した人に限定されておりまして、ハローワーク等を通じて直接一般就労した人は対象外となっておりますが、その対象外になっている人こそ就労定着支援が求められているのではないかと思います。そういう意味で対象の拡大ということが望まれます。また、支援内容についても、形だけの定着支援になっているというケースもあるのではないかなと感じております。
 次のページです。就労系障害福祉サービスと障害者就業・生活支援センターとの役割分担についてです。障害者就業・生活支援センターについては、地域の関係機関や企業、医療、福祉、行政などをつなぐ中核的な地域支援拠点としての役割を期待しております。障害者就業・生活支援センターは特定の福祉サービス経済圏に属さない、例えば、就労移行支援事業所などに属さない障害者に対して中立、かつ実効性のある生活支援を届けるハブ機能の強化を強く望みます。
 次のページです。4番の福祉と雇用の相互往来関係です。うつ等からの復職、企業雇用における障害者である労働者ということですが、精神障害者を中心に就労後の体調悪化や離職を経験するケースが増えてきております。そのようなケースでは、療養から復職へと向かう過程で医療機関や職業センター、あるいは就労移行支援事業所などが提供するリワークプログラムを利用するケースがありますが、企業としてこのリワークプログラムに対しては期待するところが大きいです。
 少し飛びますが、一方、障害を有する従業員・社員の高齢化や障害の進行が年々大きな課題となってきております。高齢化等により、従前と同様の業務遂行が困難となった障害を有する従業員・社員に対しては、配置換えや業務内容見直し、短時間勤務の導入など、様々な対応を講じていおりますが、それでもなお就業継続が困難な場合もあります。もはや、こういった状態は個々の企業努力だけに委ねるだけでは限界という状況ではないかと認識しております。ただ、このときに留意しなければならない点は、実際に企業で就労している人が福祉的就労へと移行することに示す抵抗感というものがあります。その場合にも、本人の意思を尊重して、状態に応じて段階的・可逆的に移行できる仕組みの導入が望まれると考えております。
 当協会、SACECでは障害者本人を主体に考えて、その意欲と能力に応じて雇用を積極的に推進することが基本方針です。そのためには、福祉との連携をより強固なものとしていきたいと考えております。福祉関係に従事される方に対して少し失礼な表現もあったかと思いますが、よりよい協力関係を作っていきたいという気持ちから出たものでございます。どうか御容赦願いたいと思います。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。それでは、ただいまの発表につきまして質疑を行いたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いいたします。なお、発言をされるときにはお名前を言っていただき、発言されるようお願いいたします。では、フロアからいきたいと思います。いかがでしょうか。神成構成員、お願いします。
 
○神成構成員 御説明ありがとうございました。自治労の神成と申します。資料の4ページ目の今後期待される雇用と福祉の役割分担の中で、都市圏では支援員が不足している状況にあり、一方、地方では遠距離で訪問が難しいなどの実態についてお話がありました。こうした状況に対して福祉からの支援への期待が高まるとのことでしたが、福祉の側でも地域によっては必要なサービスがなかったり、人材がいないなど、似たような状況なのではないかと思うのですが、地域における福祉サービスの状況をどのように見ているのか、お聞きできればと思います。
 
○駒村座長 では、澁谷さん、お願いいたします。
 
○一般社団法人障害者雇用企業支援協会澁谷氏 当協会(SACEC)は、いわゆる首都圏、それから都市部の会員が多く加盟しています。今おっしゃいました地方の状況というのを、具体的に多くの情報を持っているわけではございません。ただ、私は全国障害者雇用事業所協会のほうも関わっておりまして、そちらの会員はやはり地方も結構おりますので、そういった所からの情報も一部持っております。後ほど全障協のほうの御説明があるので、その中にもそういった環境の話はあるかと思うのですけれども、やはり、なかなか支援を受けたいけれども受けられない状況というのは日々聞いております。私のほうからはそこら辺りまでしかお答えできません。申し訳ございません。
 
○駒村座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。では先に菅村構成員、次に酒井構成員の順番でお願いします。
 
○菅村構成員 御説明ありがとうございました。1の雇用と福祉の役割分担と、4の福祉と雇用の相互往来関係について2点お伺いしたいことがございます。複雑な課題に対応できる専門的な知識・スキルを備えた人材が必要になっている現状の御指摘がございまして、企業においては専門職の配置に限界があるという御指摘もございました。福祉からの支援の期待があると記載がありますけれども、具体的にはどのような機関や人材の方が、どのような形で支援をするのが望ましいとお考えなのか伺いたいと思います。
 また、福祉事業者に対する評価指標を見直すなど制度設計の変更が必要ではないかという御指摘がございますが、これは報酬などを見直す必要があるという理解でよろしいのかという点も伺いたいと思います。
 もう1つ、4番目の福祉と雇用の相互往来関係についてなのですが、雇用終了前後の福祉的支援との連携に関しまして、段階的な福祉への移行や相互往来を可能にする法整備について、留意すべき点も含めてお示しをいただいております。その上で、枠組みを整備するための検討会を早急に整備すべきだというお考えかと思いますけれども、移行や往来を支援するための仕組みとして、選択支援事業のほか、どのようなものがあると良いとお考えなのか、お考えを伺えればと思います。以上です。
 
○駒村座長 澁谷さん、お願いいたします。
 
○一般社団法人障害者雇用企業支援協会澁谷氏 ありがとうございます。まず、どのような支援なのかですけれども、実は、私も障害者の雇用をしております、特例子会社ですけれども。220人ちょっとの障害者がおりますけれども、そのうち100人以上は精神障害ということで、半数を超えてきております。もともとは身体障害でスタートして、もう33年になる会社なのですけれども。現在は、そういう状況の中で、やはり専門職ということで精神保健福祉士の資格を持った者であったり、企業在籍型の職場適応援助者であったり、そういった者を増やしてきているのですけれども、これがここ何年間か新たに採用するのがなかなか困難な状況です。
 ですから、特にそういった精神の方、発達障害、うつ、統合失調、こういった障害を持たれた方をお医者さんから頂く診断書とか、就労移行の所から頂くその特性であったりとかというのを入手はするのですけれども、実際の支援をする場では、まずこれは余り役に立たない。というか、新たにいろいろなことを本人一人一人とやり取りをしていきながら、その方が働き続けるためにどう対処するかというのをやはり一人一人対応していかなければいけないということで、そういったことをやっていくわけですけれども、なかなかお互い人間同士ですから、合う方もいれば合わない方、例えば精神保健福祉士を持っていたとしても、合う方もいれば合わない方もいるということもございます。ですから、より経験の豊富な方が福祉関係にいれば、そのときにはそこへ相談しようかと、そういったことも可能になるのではないかと思ったりします。
 私どものような大きな、障害者をたくさん雇用している所はそういう形ができるのですけれども、今、大阪でも問題になっているのは、やはり中小企業さんです。中小企業さんでもやはり採用しようと思えば、そういう精神の方の採用が困難という状況にだんだんなってきておりますので、そういった所でも、いわゆるジョブコーチぐらいはいるけれども、その専門職まではいないという所も支援できるような方が必要ではないかなという考えでございます。
 それから、報酬がすぐに頭に来るのですけれども。ただ、もう1つ、先ほどお話があったと思うのですけれども、やはりそういう支援の方、職員の方を採用するということも困難になってきています。その困難な理由は幾つもあるかと思うのですけれども、そこら辺は私も詳しいことは当事者ではないので分からないのですが、人員の確保、そのための一つの手として報酬をどうするかということでありますので、それ以外もあるのではないかと思いますが、私もそこまでは詳しくは分かりません。
 それから、段階的な移行のところですね。これは、具体的にこういう形がいいのではないかとか、こういう制度がいいのではないかというのは余りたくさん知見を持っているわけではないのですけれども。実際に我が社でもそういう社員がいました。そのときに対応をどうしたかというと、日頃からお付き合いして、仲良くさせていただいている就業・生活支援センターの担当の方に相談して、いろいろな福祉関係の制度であったり、そういうことを教えていただきながら、その人に合わせた対応をしていったということでございます。これもたまたまですが、そういった方がいらっしゃったのでできたのであって、これを制度化して、例えば、ここに行けば相談できますというようなことができればなというイメージでございます。以上でよかったですか。ありがとうございました。
 
○駒村座長 では、酒井構成員、お願いします。
 
○酒井構成員 酒井です。丁寧な御説明ありがとうございました。私のほうから2点なのですけれども。1点は先ほどの質問と重複しているかもしれないですけれども、今後期待される雇用と福祉の役割分担の所の最後に、福祉事業者に対する評価指標を見直すなどと記載されておりますけれども、この指標に対して更に具体的なイメージがあれば教えていただきたいと思います。
 2点目は、就労選択支援の所です。ここの現状と課題の所で、一方、現状は福祉サービス利用を前提とした支援構図が強く、一般就労の可能性を積極的に見極める機能はまだ期待できないという言葉がございますが、これは、一般就労への可能性であるとか、選択肢というのがしっかり提示されていないのではないのかという御指摘で、実感としてそういうものをお持ちなのかどうかということ。仮にそうであるとするならば、もう少し選択肢の視野を広げるために、今後、この就労選択支援をどう進めていくことが適当なのか、もし何かアイディアがございましたら教えていただきたいなと思います。
 
○駒村座長 澁谷さん、お願いいたします。
 
○一般社団法人障害者雇用企業支援協会澁谷氏 ありがとうございました。今後の役割分担に期待するところですけれども、先ほど申し上げた例で言いますと、そうして動いていただいたことによって、その方が活動していただいたこと自身に、例えば、支援金などが出ているのかなと。その方が動いていただいたことが、就業・生活支援センターなら就業・生活支援センターの中の評価として残るのかなと。この辺りが私たちにはよく分からない。そういう意味で、やはり、やっていただいて頑張っていただいている方をきちんと評価して支えられる制度になっているのか、この辺りは私も詳しく分からないのですが、イメージとしてはそういうことでございます。本来のそこの担当ではないところまで手を出していただいたこと自身に、やはり正当に評価をしていただけるような制度があればいいなというようなことでございます。
 それから、就労選択支援事業の所ですが。最初、この就労選択支援事業の話が出たときに、やはり障害者がいて、この人たちをB型なのかA型なのか、一般就労なのか、その辺りをちゃんとアセスメントをした上で、そういったところを本人にアドバイスできるような制度かなと最初は思ったのですけれども、現時点で言うと、B型に行くか、どこに行くかというところで、しかも、やられている方がいわゆる本当に一般就労をするにはどういうことが必要なのかというのを分かっておられる方だと、これが現状はなかなかそこまで手が回ってないのではないかなというイメージを、外から見てですけれども感じております。というのは、そのときに、本当であれば一般就労できるかできないかは、企業の人も本来は入るべきですよね。企業も、いろいろな業種によってどういう障害がいけるのかどうかなどは支援の方にとっては分からないはずですから。ですから、そういうところもできる体制、非常に難しいことだと思うのですけれども、そういうことを最初は期待したという意味で、できればそういうほうに向いていってほしいなという期待も入っております。以上です。
 
○駒村座長 続けて、オンラインのほうに移りたいと思います。藤尾構成員が手を挙げていると思います。藤尾構成員、お願いいたします。
 
○藤尾構成員 聞こえてますか。
 
○駒村座長 聞こえています。お話ください。
 
○藤尾構成員 ありがとうございます。すみません、会場を間違えてしまいまして、今日、合同庁舎の1階からWebに入らせていただいています。御説明ありがとうございました。2点、御質問させていただきたいと思います。まず、企業の方の考えとして、今回の就労定着支援事業の現状と課題の所で、福祉サービスを利用した人でないと利用ができないというところに課題を感じられていると。一方、就労定着支援事業については、その役割と、もっと言ってしまえば3年ずっとやり続けることがいいのかどうかというのは議論がございます。そういった中で、SACECさんの中で、この就労定着支援事業に求める役割、具体的にこういった支援を求めているのだというところがあれば教えていただきたいのが1点目です。
 2点目は、なかぽつセンターの所です。最終的になかぽつセンターの機能強化、それから乱立する福祉サービスをどうにかしたいというお話があったのですけれども、現状、乱立をしているのは、B型事業所だと思いますが、こういったものを少し抑えたときに、どのような役割をなかぽつセンターの機能強化を通して期待されるのか。その担う役割について、もし具体的なイメージがあればお聞かせいただきたいと思います。2点、よろしくお願いいたします。
 
○駒村座長 では、澁谷さん、お願いいたします。
 
○一般社団法人障害者雇用企業支援協会澁谷氏 ありがとうございます。まず定着支援のほうなのですけれども、ここで書いておりますのは、いわゆる就労移行を使ってない、例えば、ほかの障害者の面接会であったりとか、そういう所から入られた方ということなのですけれども。この人たちも障害の状況から見ると、やはり定着していただくためにはいろいろな支援が必要ということでやっておりますので、その辺りを、やはりこの制度を使えればより企業としても助かるなという発想からです。
 定着支援に求める役割ということですが、やはり、企業で働いている中で、なかなか企業には言えない話、言いにくい話、こういったものも持たれているということで、我が社でも何人も定着支援を使っている社員がいるのですけれども、その人たちの話を聞きますと、やはり企業に対して言えないことを話できるので有り難いという声ももちろんございます。ただ、月に1回、お昼休みとかに来て話して帰るだけと、本人が評価してないような定着支援の方もおられるのも事実です。その辺りは、本人が本当に要望をしている定着支援というのが受けられるようにということでやれば、具体的にどうしたらそれができるかというところまではアイディアを持っておりませんけれども、いわゆる福祉の費用の幾らかでもそういった本当に要る所に回すようなことができればなという発想からでございます。
 それから、もう1つのなかぽつセンターの強化ですが、そこで書かせていただいていますB型の乱立とかというのは、主に福祉の費用面、乱立するB型にそういうお金を回すのであれば、なかぽつセンターのそういった所にもっと予算を回すとかをして、よりなかぽつセンターを強化するというほうにできないかという考え方でございます。よろしいでしょうか。
 
○藤尾構成員 ありがとうございました。
 
○駒村座長 ほかにオンラインからいかがでしょうか。そろそろ時間がきておりますが、オンラインのほうで御質問希望者はいらっしゃいますか。よろしいですか。それでは、澁谷様、畠山様、どうもありがとうございました。
 続きまして、公益社団法人全国障害者雇用事業所協会様より、御説明をお願いいたします。
 
○公益社団法人全国障害者雇用事業所協会加藤氏 公益社団法人全国障害者雇用事業所協会の会長を務めています加藤です。我々の事業所は、まず一般雇用、一般の事業所、特例子会社、就労移行継続のA型、社会福祉法人等がメンバー構成になっています。全国で約320社ぐらいいるのですが、これがSACECさんと違って全国なのです。そうすると、都市の問題と地方の問題、それから我々の所は中小企業が主におられるということ、SACECさんのような大手さんが作られた会社と、地元で作った会社とのやり方がかなり違います。その辺りのところが、今回、大きく一般雇用と就労と福祉の連携をやる上で、そこのところをしっかりと理解をして現状を見てやらないと、なかなか施策はうまくいかないということになるのかなと。
 特に地方の所は、中小企業といっても小規模事業所なのです。小規模事業所は皆さん御存じのように、20人以下の所、そこで何人かの会員さん、障害者を雇用している所があるということがあります。そこの所が福祉の連携をどうするのか、ですから今、障害者にとってはいろいろな入口から見ますと、選択があって、移行があって、それからBやA、一般雇用があって、今そこも何年間はずっといるのですが、今度、出口のところが一般雇用からAに移り、AからBに移る、そして生活介護など、そういうところに移るのですが、一般雇用のところでもまだできる人がいるのです、高齢になっても。だけれども、そこでリタイアするというのは、1つは特にA型事業所は最低賃金を払わないといけない。最低賃金のところがネックになっていまして、それ以上、払えない。それから労働局で最低賃金の減額特例を認めてもらえれば、そのまま雇用ができるのだけれども、それができないというところ。これは我々の会員の中で聞きますと、全国的になる所と、労働局でならない所があるのです。その辺のところの大本をしっかりと変えてもらえれば、いろいろな連携ができると思っています。その辺が一番、今、我々の会員の中の悩みなのかなと。
 ですから、今回、福祉との連携施策を取られるということは、非常に有り難いですが、入口はできました、今度は出口の問題がしっかりと今後、論議されることが必要ではないのかなと、具体的なことはうちの湯浅専務からお話をさせていただきます。
 
○公益社団法人全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 それでは書面に沿って説明をさせていただきます。福祉、雇用、役割分担について、全障協としての立場から意見を申し上げます。
 雇用と福祉の役割分担についてという所です。ここに書いていますように、近年、精神障害や発達障害のある方の一般就労が大きく進展しています。一方で、就職そのものよりも、就職後に働き続けることに対する支援ニーズ、これが高まっていると感じています。具体的には、生活面、対人関係、体調管理など、職場の外側にある課題が就労継続に影響するケース、これが大変増えています。そのため、雇用側は働く場の確保や合理的配慮の提供を中心に担い、福祉側は働き続けるための生活支援や心理面の支援を担うという役割分担を基本としながら、両者が切れ目なく連携できる体制整備が必要と考えます。
 また、一般就労か福祉就労かという固定的な考えではなく、本人の状態像、今の現状に応じて柔軟に行き来できる仕組みが重要です。これはやはり障害のある方が雇用の限界に至った場合に直ちに貧困に陥らないための重要な安全弁であると感じています。
 さらに、将来的には支援機関による外部支援だけではなく、企業内で同僚や上司が自然にサポートする「ナチュラルサポート」に移行していくというシステムが大変重要だと思っています。そのための企業の支援をしていただくということを福祉側に求めたいと思っています。
 続いて、一般就労への移行についてという所です。現場では、本来、一般就労が可能な方がA、B事業所に長期的にとどまっているという例もあります。これは御本人の状況や御家族の意向、事業所の運営の必要性など、様々な要因がありますが、その背景はやはり事業所ごとの支援スキルの差、地域差、支援ネットワーク不足も否めないと思います。支援者の専門性向上とともに、なかぽつセンターなどの関係機関との連携を強化して、地域全体で移行支援を支える体制づくりが必要と考えています。各支援者が専門的なサポートを随時受けられるような相談窓口を各地域に置くということも、有効ではないかなと思われます。
 次に2点目です。就労継続支援の在り方についてです。就労継続支援は、一般就労が困難な方にとって重要な社会参加の場です。しかし、一方で福祉的就労の固定化や支援の質のばらつきという課題があります。制度の目的が一般就労への移行なのか、社会参加そのものなのか、大変個人任せになりがちで、現場で曖昧になっている側面があるのも否めません。このため、定期的なアセスメントの実施や支援の専門性向上を通じて、本人の希望や日々の状況に応じてカスタマイズした支援に転換していくという必要があると考えます。
 また、A型事業所については、福祉サービス、障害福祉サービスの利用者を雇用する仕組みで、専ら福祉として福祉報酬を受けており、事業継続のために企業収益を追求する一般企業とは構造が全く異なることから、法定雇用率制度上に同等の位置付けをすることについては、改めて検討が必要かなと考えます。
 一方で、A型事業所が一般就労への中間的な役割や、高齢化した障害者の受皿としても障害者の支援機能として大変重要な役割を果たしています。したがって、納付金制度を含めたA型制度の見直しは、安易にBに流れたり、失業者が増加しないように、利用者への影響を十分踏まえた上で慎重に進める必要があるというのが、当団体の立場です。
 続いて、3点目の就労選択支援、移行支援、定着支援となかぽつの役割分担についてです。まず、就労選択支援については、一般就労が可能な方を適宜、見いだして、本人にとって適切な働き方を選択できる制度として大変期待しています。そのために、ケース会議を通じて、他機関の連携や中立的なアセスメントの実施が不可欠で、特定事業所への勧誘が生じないよう、運用状況の継続的な検証も必要と感じます。また、就労移行支援については、アセスメントの質の均等化や地域格差解消が課題です。都市部では競争激化による支援の質の低下、地方では事業所不足による支援機会の不足という異なる課題が生じています。それぞれの地域事情に応じた支援体制が必要であり、この辺りは一朝一夕にはなりませんが、海外にあるような州や郡ごとの分権的な運営も参考になるのではないかと考えます。
 就労定着支援については、利用期間中に企業内でナチュラルサポート体制を構築することを目的とすべきと考えています。このためには、企業内の障害者雇用支援者を育成するために、広く浅く障害者支援の初歩的サポートを短期間で学べるサービス、例えば職業生活相談員のような簡単な研修も広げていただきたいと思います。
 また、メリハリのついた定着支援を行うために、必要のなくなったケースについては柔軟に終結して、一方で支援継続が必要な場合には延長や福祉サービスへの移行支援を可能とするなど、柔軟な制度運営が望まれます。将来的には定着支援の対象者についても福祉サービス利用者に限定せず、実際に支援を必要とする層まで広く広げる方向性も検討すべきと考えています。
 なかぽつセンターについては、地域支援ネットワークの中核機関として重要な役割を担っていますが、一方では就労移行支援事業所等との役割重複や責任の曖昧さも課題です。企業支援、定着支援、生活支援などについて、役割を再整理するとともに、地域事情に応じて柔軟な運用が可能となる制度設計を求めます。
 最後に4点目の福祉と雇用の相互往来関係についてです。障害者の加齢や精神疾患等により、継続雇用が難しくなるケースが今後さらに増加すると考えます。現状では、この負担は企業自ら負うべきという風潮が強いのですが、早晩、限界がくることは明らかですので、企業のみで抱え込むのではなく、必要に応じて社会全体で連携して、福祉サービスや介護サービスへの円滑な移行につなげる仕組み、これを構築していただきたい。再訓練や段階的な働き方の調整を含め、必要なときに必要な支援につながる環境整備により、御本人の状態像に応じて働き続けることのできる受皿があることは、働く障害者本人に安心感を与え、結果として一般就労への挑戦を後押しするものと考えています。
 抽象的な表現ですが、企業の運用責任と福祉の専門支援が適切に役割分担できて、必要に応じて連携できる仕組み作りが重要だと考えています。以上です。御清聴ありがとうございました。
 
○駒村座長 ありがとうございました。それではフロアから、ただいまの発表について、質疑を行いたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。では、叶構成員からお願いいたします。
 
○叶構成員 御説明ありがとうございました。最初の1の所で、雇用と福祉の役割分担についてということで、雇用側は働く場の確保と職場内の合理的配慮を中心に担い、福祉側は働き続けるための生活支援、対人面の支援を担う、そういう役割分担について書かれています。障害者雇用においては、仕事ができるかどうかだけではなくて、重度障害者に対する仕事の切り分けであったり、あるいは働く者同士の関係、人間関係、トラブルなど、あるいは従業員の人たちの障害特性の理解など、そういう仕事だけではなく一緒に働き続ける上でのいろいろな課題が多分あるのかなと思っています。結果的に人間関係がうまくいかずに辞めてしまうケースもたくさん聞いていますが、この辺りの御苦労というか、あるいは期待というか、何かコメントがありましたらお願いしたいなと思います。
 
○駒村座長 湯浅さんからでよろしいですか。お願いいたします。
 
○公益社団法人全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 ここはやはり働く場の中で起こっていることというのは、支援の方が全部知っているわけではありません。職場で起こっていることを、ざっくばらんに話せる意見交換ができる支援の方が非常に貴重です。私の体験でも、お恥ずかしい話ですが、昼休みに昼食を取らない職員がいまして、なぜ取らないのだろうと思いました。君、取らないのどうしてだと言ったら、やせるために取っていないと、このように言ったのですが、どうも本当ではないだろうということで、支援の方と話をしましたら、家賃が上がるのに自分の給料が上がらないので、食費を削らざるを得ないと考えていらっしゃったようでした。では、どうしたらいいかと支援の方と話したら、支援の方がスーパーに一緒に付き合ってあげるという形で、本当に温かいサポートをしていただいて、御本人にこうしたら残るでしょうということを教えて、仕事が続いたという事例があります。このように本当に職場関係の中で、福祉と雇用が一体とならないと見えない部分、支えられない部分はたくさんありますので、そういう形の関係性、単に障害のある方との関係性だけではなくて、職場の管理者、若しくは指導者、それから支援の方の関係性も非常に大事だなと思っています。以上です。
 
○駒村座長 会場からはいかがでしょうか。では、神成構成員、次に菅村構成員の順番で。
 
○神成構成員 御説明ありがとうございます。自治労の神成です。資料の5ページ目の就労系障害福祉サービスとなかぽつセンターの役割分担に関して、誰が対応を担うのか、誰が主担当なのかといった混乱は、他の福祉分野においても、様々な社会資源が連携強化を図ろうとする中ではよく聞かれる課題かなと思って、共感するところです。
 それにも関係すると思いますが、資料2ページ目の就労系障害福祉サービスから一般就労への移行における現状と課題という所で、障害福祉サービス事業所が関係機関を十分認識していないという記載もありました。現状、なかぽつセンターも参画している連絡会議があると思いますが、その機能についてどう見ているかをお伺いしたいと思います。
 
○駒村座長 では、湯浅さんでよろしいですか。
 
○公益社団法人全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 連絡会議は、やはり非常にタイトな中で、また皆さん集まることはなかなか難しい中でやっていらっしゃるというのが現状だと認識しています。ただ、本当に日常から情報提供するのが苦しいというところはあるのですが、ただ、そのお一人の方の状況を的確につなぐということであると、やはり必要なことですし、どうしてもやっていかなくてはいけないところです。そういうことの中で、その機関同士のつながりが非常に浅くなってきているのではないかなと感じます。隣のB型が何をする所かということが、よく分かっていないなど、移行のほうが実際にはどのような訓練をやっているのか分かっていないなど、そういうところがあります。そこのところを取りまとめる所が必要なのではないかなと思うことが多々あります。地域的に見ると、やはり市役所や行政の社会福祉課などが中心になる必要が出てくるのでしょうが、その辺りの横のつながりをうまく作るような所が連携性が出てくるのではないかな、会議も有効になるのではないかなという感じを持っています。以上です。
 
○駒村座長 では、菅村構成員、お願いいたします。
 
○菅村構成員 御説明ありがとうございました。先ほどの質問の中でも買物の支援などの事例をお話いただきましたが、一般就労後の生活面や医療面などについて、福祉施策からの人的、又は制度的な支援等、その財源の在り方についてアイディアがもしおありであれば、お考えをお伺いしたいということが1点目です。
 もう1つ、支援のスキルのばらつきの指摘がありましたが、支援スキルの底上げと専門性の向上を図っていくためには、支援サービス事業者任せにはせず、どのようなことが必要であるとお考えなのか、伺えればと思います。以上です。
 
○駒村座長 では、湯浅さん、お願いいたします。
 
○公益社団法人全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 大変難しいことで、財源的なところなど、まだ、私どもが分からないところもかなりありますが、この辺りは申し訳ないのですが、今後の課題なのかなという程度の認識しかありません。
 もう1つのスキルの話は、お一人の方が全てできるわけではないというのが現状なので、スキルを持っていらっしゃる方が本当に必要なときに、そのスキルを活用できるような仕組みが必要なのだろうと思っています。その中で、ちょっとこの中にも書きましたが、分からなければ聞けるなど、今後は多分AIなども進むでしょうから、その支援の中でどうしてもその地域の中で、こういう人がいるけれども、これをこうしたいのだけれども、どういう支援が一番効率的なのかという形をダイレクトに聞けるようなデータ蓄積と、データの検索機能、こういうものを作っていくことがスキル不足を補う唯一の道だと思います。やはりお一人で研究して、全部できるような人間ができるというのは、これは夢物語で絶対無理ですので、やはり持っていらっしゃるスキルを提供して、それが引き出せるような仕組みを制度的に何らかの方法で作れないかなというのは考えたことがあります。以上です。
 
○駒村座長 会場はよろしいでしょうか。ほかにありませんか。では、オンラインからはいかがでしょうか。新銀構成員、お願いいたします。
 
○新銀構成員 丁寧な御説明ありがとうございます。最初の所で、雇用と福祉の役割分担についてという所で、ナチュラルサポートに移行という言葉がありましたが、この言葉は当事者として大変重要だと感じました。このナチュラルサポートをしようとする一方で、健常者と呼ばれる方が過剰な気遣いや疲弊をされるという現状を聞いています。この点を今後、解決する案として、何かあれば教えていただければと思います。
 
○駒村座長 では、湯浅さん、お願いいたします。
 
○公益社団法人全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 お答えします。ナチュラルサポートの大前提は、その方との人間関係の構築といったら失礼ですが、何でも話せる関係になっているかということが非常に重要です。その人の言ったことはそうなのだなと障害がある方は受け入れるという、そういう話すほうと受け入れるほうの関係が重要です。そのためには実は、仕事上だけではなくて、これは間違えていたら訂正していただきたいのですが、遊びの場など、やはりオフの飲み会の場など、そういうものでお互いを知るということがすごく大事です。そこからやはり信頼感が生まれてくると思います。
 ナチュラルサポートを構築するためには、各作業に時間が掛かると思いますので、その間にもう既に人間関係ができている支援の方に入っていただいて、企業につないでいただく。そのようなスキルというか、そのような連携が私どもが考える基本的なナチュラルサポートの支援の仕方ではないかなと考えています。以上です。すみません、余りうまくしゃべれなかったのですが、そういう形です。
 
○新銀構成員 ありがとうございます。
 
○駒村座長 ほかにはオンラインでいかがでしょうか。御発言を御希望の方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
 おおむね時間になっていますので、それでは2つの団体からのヒアリングは以上です。本日は大変ありがとうございました。議題1については、以上とさせていただきたいと思います。
 続けて、議題2について事務局から御説明をお願いいたします。
 
○正野障害福祉施策戦略官 資料3の説明をさせていただきます。就労系障害福祉サービスの経緯・現行制度について簡単に振り返ります。
 2ページです。現行の就労系障害福祉サービスの骨格は、障害者自立支援法の制定により定められております。下の図の現行の部分になりますけれども、それまで障害種別ごとに分立していた施設・事業体系を、機能に着目して再編し、就労系のサービスについては、授産施設、福祉工場等の施設種別が、一般就労に向けた訓練を行う「就労移行支援」、一定の支援のもとで継続的に就労を行う「就労継続支援(雇用型・非雇用型)」に再編されました。
 次のページ、平成17年当時の資料となります。創設された「就労移行支援」、「就労継続支援(A型・B型)」については、当時の一般就労時の雇用環境を反映し、その「利用者像」において、利用者の「就労に必要な体力や職業能力等」の準備や訓練というものを想定しておりました。
 4ページを御覧ください。その後、精神障害の方の就労の増加、平成30年の法定雇用率への算入に伴いまして、在職する障害者の方の支援ニーズの増大・多様化に対応するため、平成28年の障害者総合支援法改正により、「就労定着支援」が創設されました。
 次のページ、就労定着支援制度の説明となります。就労移行支援等の障害者福祉サービスを利用して一般就労に移行された方を対象とし、就労に伴う日常生活及び社会生活上の支援ニーズに対応するものとして創設されました。一般就労後6月を経過した方に対し、月1回以上の対面支援という形で3年間支援をするというサービスとなっております。
 6ページを御覧ください。平成28年の厚生労働科学研究の報告において、就労継続支援B型を希望して就労移行支援事業による就労アセスメントを受けた方のうち、1割強の方は一般就労、就労移行支援、就労継続支援A型といった他の進路につながる研究結果が出てきました。また、この内容についてはB型に進むことが、最初から利用者・支援者間でほぼ決まっていて、B型を利用する前提でアセスメントが行われている可能性があることも指摘がなされておりました。また、最後4ポツ目になりますが、報告によれば、就労移行支援、就労A型についても、暫定支給決定後に支給内容を変更・調整を行った件数は一定数あり、また、本支給決定に当たって暫定支給決定も行われていないケースがありました。
 7ページを御覧ください。こうした研究結果等を踏まえまして、「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」などの議論を踏まえ、令和4年の障害者総合支援法の改正で就労選択支援が創設されました。概要の所にありますように、障害者御本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して本人の希望、就労能力に合った選択を支援するサービスになっております。こちらが令和7年10月からサービスを開始しておりまして、下の対象者の表を御覧いただきますと、就労継続支援B型を新規に利用する方は、令和7年10月から原則的に就労選択支援を利用していただくこととなっております。今後、就労継続支援A型を使い始める方についても、令和9年4月から原則利用していただくことになっておりまして、また、就労移行支援について、標準利用期間を超えて更新される方は、令和9年4月からこのサービスを利用していただくこととなっております。
 次のページを御覧ください。就労選択支援の目的と基本プロセスです。障害者御本人との協同によるアセスメントと本人への情報提供によって、御本人が自分の働き方を考えることを支援する制度とされております。下の表にありますように、最初に通常のサービス等利用計画の中で就労選択支援を申請していただき、その次のプロセスとして就労選択支援をしていただく。この結果に応じて、必要な場合はサービスの変更、計画等をして、利用していただくという流れになっております。また、福祉サービス以外の一般就労を選ばれる方に関しても、事業者等の連絡調整に活用することを想定しております。
 次のページを御覧ください。一般就労への移行に係る就労系障害福祉サービスの状況について見ていきたいと思います。
 10ページを御覧ください。まず、就労移行支援です。就労移行支援については、就労移行支援事業から一般就労への移行者数を見ていきますと、コロナの影響があった令和2年を除けば一貫して増加傾向にあって、利用者も増加しております。一方で、右側の下を見ていただくと、就労移行支援事業所数は減少傾向、平成29年から徐々に減っているといった状況にあります。
 11ページを御覧ください。就労移行支援事業所の人口10万人当たりの事業所数の増減を見ますと、大都市圏は事業所の増加傾向が見られるものの、全体的には事業所は減少している傾向が見られます。
 12ページを御覧ください。こうしたことを踏まえまして、令和6年度の報酬改定においては、就労移行支援の利用定員規模を20名以上から10名以上に要件緩和し、また、支援計画会議実施加算についても要件緩和を実施しております。就労移行支援事業を行いやすくなる方向での改定を実施しております。
 13ページを御覧ください。就労移行支援の現状ですけれども、就労移行支援では職場実習等がその内容となりますが、雇用契約を伴わない短時間の体験的なものになります。就労継続支援と違って、賃金や手当などが発生しないため、訓練期間中(標準利用期間2年)は基本的に無収入になることが、就労移行支援の利用が敬遠される理由となるという指摘があります。
 14ページを御覧ください。就労継続支援A型の現状となります。令和3年の障害者総合福祉推進事業の実態報告と調査研究報告になります。職業上の課題という所を見ていただきますと、就労継続支援A型を利用されている方に関しては、コミュニケーション能力や職場のルール・マナーなどの基本的労働習慣、作業能力といった面で課題のある方が多い状況がうかがえます。右側で、一般就労を希望する利用者の方の割合がゼロの事業所が約15%、2割以下と合わせると約半分という結果となっております。そして、その下の利用前の通所先を御覧いただくと、就労継続支援A型の利用者の方は、一般就労からA型利用に至った方が最も多く、就労移行支援や他のA型、B型など、様々な経路からも入所されているという状況となっております。
 15ページを御覧ください。就労継続支援A型の現状の続きとなりますが、支援の実施状況です。働く上での基本的な支援の実施率が高い一方で、その下にあります障害特性に特化した支援や就職活動に対しての支援は、相対的に低い状況となっております。一般就労への移行者は、2年間で0人が約35%、2人以下の事業所が75%超となっております。一般就労の希望率が、2割以下の事業所が50%あることに対し、就職活動を実施している率は5.5%と、本人のニーズに答えきれていない可能性があります。一方、本人が一般就労をどの程度具体的に考えているか定かでないことや、ニーズの変化が背景にある可能性もあります。
 16ページを御覧ください。こうした就労継続支援A型の状況や、事業倒産事例を踏まえまして、令和6年の改定においては、経営状況の改善や一般就労への移行を促すため、スコア方式による評価項目の見直しを行っております。労働時間の評価、生産活動の評価、経営改善計画の未提出の事業所に対して評価を重くしております。また、3ポツにありますように、利用者が一般就労できるよう、知識、能力の向上に向けた支援の取組を行った場合について、新規に評価項目を設定しております。
 17ページを御覧ください。就労継続支援A型の会計区分についておさらいをさせていただきます。A型は生産活動に係る会計と福祉事業の会計を区分することとしておりります。このうち事業運営に関わる主要な支出(支援員給与等)について、障害福祉サービス等報酬を当てていただき、利用者の賃金に関しては、生産活動収入から支払っていただくこととしております。なお、福祉就労でない一般就労、特例子会社等を含めた企業においては、これらの支援員給与、障害者の賃金、いずれも企業負担で賄われております。
 
○河村障害者雇用対策課長 続きまして、18ページ以降の障害者雇用関係につきまして障害者雇用対策課長より御説明を申し上げます。
 19ページが障害者雇用率制度の概要です。障害者雇用率制度の上の四角囲みに基本的な考え方を書かせていただいておりますが、社会連帯、事業主同士が連帯をするという考え方に基づいて、障害の有無にかかわらず、同水準で労働者となり得る機会を確保する、この哲学でできておりますので、下に計算式が書かれておりますけれども、分母の下側の所にオールジャパンの常用労働者数と失業者数がきまして、上の分子の方に対象障害者、我が国の今の制度ですと、障害のある方で3手帳をお持ちの方の常用労働者の数と失業者の数がくると。この分子の常用労働者の所には現行のA型事業所も含まれており、これは企業現場で実雇用率をカウントするとき、例えば社会福祉法人等でA型の事業所をお持ちの方の場合に、当該法人で雇っているA型の労働者の数も当然計上が可能となりますし、あと5年に1回、全国で雇用率をどのように設定するかの見直しをしていますが、その全国計算のときにもオールジャパンのA型労働者数が入ってくるという仕組みになっております。
 ページが少し飛びますが、これと裏表の制度になっているのが23ページの障害者雇用納付金の仕組みです。こちらも上の四角囲みに考え方を少し書かせていただいておりますが、雇用率制度と同様に、事業主間の社会連帯に基づいて、障害のある方に雇用の場を提供することは事業主の共同責務であるという考え方を基に、障害者の雇用に伴う経済的負担を調整すると。障害のある方を受け入れるときに、支援員の配置や作業設備について、当然一定の負担が生じますので、その負担を調整するという考え方に基づいて、事業主の共同拠出でこの納付金制度を運営しております。下の図の所です。未達成企業から不足1人当たり月額5万円の納付金を徴収させていただいて、超過達成の企業に対して、右側の所ですが、100人超の場合は調整金、100人以下の場合は報奨金と呼んでおりますが、それぞれ所定の金額を支給させていただくというような仕組みになっております。
 今、こうした仕組みの対象はA型も含んでおりますが、それに至る過去の整理の経緯が20ページ以下にございます。まず昭和51年、今から50年ほど前に障害者雇用促進法の改正があり、そのときに世の中の法定雇用率の義務化が行われました。この際、福祉工場が今のA型の前身としてあったわけですけれども、福祉工場につきましては国等から公費補助があることに鑑みて調整金・報奨金は対象としないとされた上で、下の※でございますけれども、雇用状況の報告、これは法定雇用率を達成したかどうかの報告ですので、言ってみれば雇用率カウントのことです。この雇用率カウントに際しては、福祉工場を持っている社会福祉法人の場合は福祉工場の障害者を含めて差し支えないと。このときに社会福祉法人等に一斉に雇用義務が掛かっておりますので、当時の整理としてこのようにしているということです。
 その僅か3年後ですけれども、昭和54年のときに、身体の方々の一般雇用になじまない方、一般雇用でなかなか引き受けていただけない方が増えている中で、福祉工場の一層の設置促進を図ることを強く望まれているということで、福祉工場が労働法の適用を受けるものでもあるということに着目をして調整金・報奨金の支給対象とする、というように判断が変更されております。さらに、平成19年の所ですが、今の現行のA型、B型ができた障害者自立支援法制定当時、前身となっている福祉工場の整理をそのまま引き継ぐ形で整理をされているというのが現行の状況です。
 続きまして21ページをお開きをいただければと思います。21ページ、今、御説明をさせていただきました法定雇用率の義務化が行われた50年前の姿が一番左側です。一番右側が現在ですけれども、基本的に自立支援法の制定が議論されたのは、このグラフでいきますとちょうど真ん中より少し右の時期です。このときの時代感としましては、ブルーの所が身体障害者の方、その後増えているのが黄色の知的障害者の方、さらに近年になって増えてきているのがこの緑の精神障害者の方ですけれども、自立支援法制定当時としてはほぼ身体障害者の方の雇用であったという状況が見て取れます。その後、法定雇用率の引上げに伴いまして、企業側の応えようとする尽力もあり、また何よりも、冒頭でもご説明したとおり福祉の方からの一般就労の送り出しが経年的にどんどん増えてきたということも相まって、現在の状況では身体に加えて知的、精神の方々も層が厚くなっているという状況です。
 こうした雇用障害者の増加の背景を22ページにお付けしておりますけれども、法定雇用率の対象となる障害者の範囲自体が段階的に拡大されてきたという要素もあり、あと24ページですけれども、労働時間のバリエーションの面につきましても、近年の改正でも従来の30時間以上のフルタイム中心から、直近の改正では10時間以上までカウントが可能なように広げてきておりますので、これに伴って労働時間の変化もあります。後ほど資料で御紹介をさせていただきます。
 続きまして、25ページと26ページにつきましては、制度関係の御紹介として、直近、労働政策審議会の障害者雇用分科会で御議論いただいております、次期制度改正関係の御紹介です。これまでのヒアリング等の中でも、一般雇用のほうの、例えば「障害者雇用ビジネス」等を中心とする質の問題が大変心配であるという御懸念を頂いております。まさに、障害者雇用において雇用の広がりだけではなくて、雇用の質として、障害のある方々の能力発揮を十分に促していくということや、正当にその評価をして処遇に反映をする、あるいは適切に雇用管理、合理的配慮等行うということは、質として重視すべき事項であると分科会の中でも中心的な議論になっておりますし、あと2の所ですが、障害者雇用ビジネス関係について近年の急増を踏まえ規制の導入について議論を行っていただいているところですので、御報告です。
 また26ページ、3のA型の位置付けに関しましては、まさに検討会で御議論を頂くということです。また、地方において雇用を広げようとしたときに、やはり地場の中小企業にいかに雇用を行っていただくかということが重要であるということで、4の100人以下への納付義務の適用拡大の議論も併せて、分科会のほうで進行しているところです。
 続きまして、27ページ以降で少しデータの御紹介をさせていただきます。28ページ、先ほど少し申し上げました労働時間の変化です。左側が平成15年当時で自立支援法の少し前の時代、右側が令和5年ですけれども、平成15年の所を御覧になっていただきますと、圧倒的に身体の方が中心であった中で、労働時間ですが、9割が週30時間以上の状況であったと。それから、右側の令和5年に目を移していただきますと、障害特性に関しましても、知的と精神・発達の方の厚みが増した上で、労働時間の分布としても30時間以上のウエイトが下がってきて、20時間以上あるいは10時間以上の方が増えてきているという状況です。このことは、先ほど3ページの所で自立支援法の制定当初の一般就労像として非常に体力を要求されていたということから変化を示すものでもあるかと思います。
 続きまして、29ページが雇用障害者全体の労働時間分布とA型の方の労働時間分布になっております。右側がA型です。左側、全体で見ますと、30時間を超えると1カウントになるという制度設計ですので、かなり30時間以上の層が厚くなっております。一方で、A型は20時間から30時間が現実の労働時間としては層が厚くなっています。同じA型の中で労働時間のばらつきを示していたもの、分解したものが30ページですので、御参照いただければと思います。
 続きまして31ページ、A型事業所と一般就労、とりわけ特例子会社の場合の障害者の状態像をお示ししたものです。アセスメントが、今の状況ですと定量的に全国統一的に出せるものがありません。状態像を量る1つの材料として重度かどうかということを取り上げておりますが、重度の方の分布を御覧になっていただきますと、真ん中がA型の事業所で、下が特例子会社ですけれども、特例子会社は比較的重度の受入れが厚くなっています。1つの背景としては、32ページですけれども、特例子会社の制度上の仕組みとして、重度身体の方の受入れを一定割合以上お願いをするということが古くから行われてきている上で、知的の方に関しましては、基本的に特例子会社は特定支援学校からの受入れのパイプをしっかり経年的に作られて受入れをされているケースも多くあり、そういった結果としてこういった分布になっているのかと思われます。
 続きまして33ページですけれども、SACECさんのデータをお借りしています。重度の方も含めて特例子会社が人材を受け入れる中で、現実的な支援員配置がどれぐらいかというデータですけれども、大体4.4対1の配置をしていらっしゃると。その上で、その方々の資格について、右側の記載ですが、ジョブコーチですとか、PSWですとか、いろいろな資格・職種の方を配置されていると。このあたりは企業の収益の中で手配をされているという状況です。
 続きまして34ページの特例子会社の中の雇用の広がりですけれども、平成18年当時が9,000人位の規模だったものが令和7年、直近になりますと、右下の5万4,000人近くの人数規模になっております。その下の障害種別ですけれども、近年は精神の方も非常に多くなってきている状況です。
 続きまして、35ページは先ほど御紹介申し上げました納付金制度に基づく調整金・報奨金の支給対象に占めるA型の割合です。本件、一部御指摘ありましたが、左側が100人超の会社に対する調整金で、右側が100人以下の事業に対する報奨金です。報奨金に関しましては、8割以上がA型保有法人に支給が行われている状況になっております。
 続きまして36ページは、納付金制度とは別の、雇用保険の中で事業主負担分のみを財源とする雇用保険二事業の助成金です。特定求職者雇用開発助成金(特開金)と呼ばれているもので、就職が特に困難な方の雇入れを事業主の間で促進する、雇入れ促進の観点から助成金が設けられているものですが、近年、その支給の3割がA型事業所に配分されている状況があり、年々増加をしているところです。
 続きまして37ページ、データの最後です。改めて一般就労の障害者求人とA型の求人で、御本人の目線から見たときの賃金の比較をしたものです。時給で出しているものでないとなかなか比較が難しいので、時給のものを抽出した上で、ハローワークのデータの中から算出をしております。基本的にブルーのラインが地域別最賃の全国加重平均の額ですが、そこにA型も一般就労もほぼほぼ重なる形で、一般就労のほうが僅かに上回る形ですか、ほぼほぼ同じ線形になっている。やはり、一般就労のほうが支援員配置等も含めて、企業財源の中で工面をする中で、労働分配として障害者雇用に当てられる賃金レベルが、最近かなり近づいているということかなと理解をしております。
 続いて38ページ、最後のページが論点です。論点としまして、雇用と福祉の役割分担の議論として、○の1つ目ですけれども、まず近年、とりわけ自立支援法制定以降、この20年の雇用側の変化と福祉側の変化をどう捉えていくか。○の2つ目ですけれども、こうした変化に伴って、福祉と雇用、それぞれの対象者像や果たすべき機能、役割分担と連携をどう考えていくべきか。○の3つ目です。福祉から雇用への移行に関する課題と今後の在り方をどう考えていくかという内容になっております。
 次のページ以降は参考資料ですので、御参考にしてくださいです。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございました。それでは、意見交換に入りたいと思います。御意見がありましたら挙手をお願いいたします。なお、発言される場合は、名前を名乗っていただき、その後発言するようにお願いいたします。会場のほうはいかがでしょうか。酒井構成員、その次に叶構成員お願いします。
 
○酒井構成員 ありがとうございます。酒井です。私からは、このヒアリングも踏まえて、今後の議論に向けて幾つかお話をさせていただければと思います。
 1つは、A型事業所についてです。第1回目の会議でもお伝えしましたが、やはり、対象者が就労が困難な者となっていますが、この「困難な者」とは何を指すのか、是非、議論をこの場で進めていきたいと思っています。確かに、障害者雇用の状況というのは、この10年、20年で大きく変化し、その中でA型事業所の利用者の中には、一般就労の実現が可能な方もいらっしゃるであろうと思われます。ただ、全員がそういう対象になる方なのかというと、そこには、かなり難しい方もA型事業所にはいらっしゃるのではないか。例えば、先ほどの資料の14ページに、「利用前の通所先」というのが、一般就労していた方が一番多いわけですが、これをどのように捉えるか。離転職を繰り返し、このA型事業所に来られている。そんな方も多くいらっしゃるのではないかと思います。今一度、就労が困難な者を整理して、対象者像をもう少し明確にする。例えば、就労経験が何回かあって困難な者であるとか、もう少し明確にすることが大事ではないかと思います。そうすることによって、一般就労との違いがもう少し明確になって、そのことによって雇用促進制度上どう捉えるべきかということも、もう少し見えやすくなるのではないかと思っています。
 2点目が移行支援です。3ページにあるように、制度創設時には、例えば、学校を卒業してから就労福祉サービスを利用される方は、まずは就労移行支援を利用するという流れがもっと強くあったように思うのです。しかし、今や、もうそのタイミングで移行支援、継続支援、A型、B型を選択できる、そんな仕組みになっているわけです。確かに就労選択支援という制度はできましたが、もう一度、改めてA型もB型も対象者というのを明確にする。そのための議論をしていくべきではないかと思います。
 先ほどA型の所で、もう一点付け加えさせてください。そうやって対象者を整理するということも大事ですし、もう1つは、今日ヒアリングでもありましたが、都市部と地方との違いということも考える必要があります。例えば、A型事業所をかなり難しい制度にしてしまうということで、地方の障害者雇用の市場が持つのかという視点も大事ではないかと思います。例えば、制度は一律ですが、障害福祉の分野では、3年に1度障害福祉計画の見直しがありますから、例えば3年に1度、今、指針作りを我々障害部会でもやっていますが、比較的障害者雇用の広がりが大きい都市部ではA型事業所を制限し、地方では促進していく。そんなことも考えられるのではないかと思います。
 あと就労定着支援、なかぽつセンターの役割等々、いろいろありますが、一旦取りあえず、この2点にさせていただきます。
 
○駒村座長 これは事務局に対する質問というか、コメント、今後の議論のポイントということだと思います。次は叶構成員からお願いします。
 
○叶構成員 ありがとうございます。叶です。私もこれからの進め方についての件ですが、今日、資料としてお配りしている「第3回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」ということで、全国社会就労センター協議会ということで、A4で2枚出させていただいております。これは今から約5年前になりますが、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会において、障害者就労における基本的な考え方ということが整理されて報告書としてまとめられました。当時、私も第3ワーキンググループに入って、就労支援体系の在り方についての委員として議論に参加していましたが、本当にワーキンググループの中で様々な意見が交わされました。その議論の結果としてまとめられた基本的な考え方で、今なお、これは非常に重要な意義を持つものだと考えておりますので、本日、お配りさせていただきました。
 これを見ていただいて、1枚目の下の四角の所にまとめられていますが、雇用・福祉施策双方が共通認識として持つべき障害者の就労支援における基本的な考えや支援の方向について、次のとおり整理するということで、4行にまとめられています。「「障害のある人もない人も共に働く社会」を目指し、多様な働き方が広がる中、障害者本人のニーズを踏まえた上で、「一般就労」の実現とその質の向上に向けて、障害者本人や企業等、地域の就労支援機関を含む全ての関係者が最大限努力すること」ということで、本人のニーズを踏まえた上で、一般就労の実現と、その質の向上に向けて協力して最大限に努力していこうということが示されています。2枚目の所に、別紙1として、更に詳しく整理されております。今読み上げた最大限に努力することを、更に4点にまとめています。「障害のある人もない人も共に働く社会を目指し」ということはどういうことかというと、障害の有無にかかわらず、働くことを希望する人がチャレンジできる社会を目指すということ。そして、その働き方は、いわゆる「一般就労」のみならず、福祉的就労も含むものであり、多様な働き方の中で、社会全体で共に働くことを目指すということが示されております。
 さらに、2つ目の所で、「障害者本人のニーズを踏まえた上で」ということで、多様な働き方が広がる中で、障害者本人が希望する働き方を第一に考えるということで、誘導したりとか、そういうことではなくて、やはり本人の意向を大事にしていくことが示されています。
 3つ目に、雇用政策と福祉政策の双方向での行き来を円滑にして、そして、常に「一般就労」の可能性を探りつつ、それを希望する方については、その実現に向けて取り組んでいくと。2行下に、障害者の希望や能力をいかし、働きがいのある、働き続けられる仕事があるかなど、雇用の質の向上にも取り組んでいくことが大事だということです。
 最後に、4つ目に、「一般就労」の実現とその質の向上については、障害者本人、関係者、企業も含めて、いずれか一方の取組で実現されるものではなくて、連携の中で実現されるのだということが示されて、本当に議論の中でまとめられて、これを是非大事にできたらなと思っておりますので、今日、資料を準備させていただきました。私からは以上です。よろしくお願いします。
 
○駒村座長 どうもありがとうございました。会場からいかがですか。よろしいですか。田中構成員、お願いします。
 
○田中構成員 日本視覚障害者団体連合の田中です。ヒアリングに対応していただいた各団体におかれましては本当にありがとうございました。また、事務局の丁寧な御説明にも感謝申し上げます。
 私からは、A型事業所と就労移行支援について全体的な意見を申し上げたいと思います。まず、A型事業所について、私も酒井構成員の先ほどの御意見に共感するところですが、やはり、都市部と地方を一律に論じることはかなり難しいような印象を受けております。そこで1つ、事務局にお願いですが、もし、A型事業所に関して、運営法人、これは営利法人か社会福祉法人かNPO法人かという、法人種別ごとの数について、できれば都道府県別でお示しいただけると、1つの実態把握の資料になるかと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。
 A型事業所につきましてはヒアリングの中でも、継続的に働く場所としての機能と、一般就労を目指して訓練を行う場所としての機能というものが混在しているという御指摘がありました。これは非常に重要な御指摘だと思います。今後、A型事業所の在り方を整理していく上でも必要な視点かと思いました。特に後者の一般就労を目指す訓練の場所としての機能というところについては、就労移行支援と一体として、一括して考えていくことも1案ではないかと感じた次第です。
 2点目は、就労移行支援についてです。就労移行支援というのは、障害者の一般就労への道を開く非常に重要な活動だと思います。この実行性を確保していくためには、やはり、企業側が必要としている人材、どういうスキルを必要としているか、そのニーズの認識が必要であると思います。この企業側の人材ニーズを把握するために、これは就労移行支援事業所の職員が、例えば、企業を訪問して把握するのか、あるいはハローワークを通じてそのニーズを把握するのか、あるいは障害者職業生活支援センターのほうで、これがハブ基幹となって把握するのか。そういった辺りを役割の担い手の整理を行う必要があるかと感じています。
 また、就労移行支援については、例えば、支援した就職先が正職員なのか、非正規なのか、あるいは予定されている雇用期間がどれぐらいの長さなのか、あるいは就職した後の職場環境の調整について、ジョブコーチを入れて企業側と調整したのかどうか、そういったところも加算対象にしてはどうかという考えを持っております。
 一方で、昨今、報道もされていますが、不正受給に対する対応も講じなければなりません。加算申請については、これまでは利用者と企業名のみを報告するということで足りていたということですが、これに加えて、正規、非正規の就職の別であるとか、予定されている雇用期間、あるいは所属部署、当該障害者が担う業務、ジョブコーチを付けて職場環境の調整を行ったかどうか。あるいは就職した障害者の能力開発に関するアドバイスを行ったかどうかという辺りも、報告事項と申請事項に加えて加算を検討するという制度も必要ではないか、検討する必要があるのではないかと感じた次第です。私からは以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。先ほどA型の営利、社会福祉法人、この辺の都道府県別分布というのは、また資料を用意していただくということでよろしいですか。
 
○河村障害者雇用対策課長 はい、御準備させていただきます。
 
○駒村座長 ほかの部分については、議論の報告の進め方についての御意見と承りました。会場からはほかにはありませんか。よろしいですか。では、オンラインでお二人から手が上がっております。お一人目が清田構成員、次が大谷構成員、この順番でお願いします。
 
○清田構成員 ありがとうございます。日本商工会議所の清田です。私から、全般的な意見ということで発言させていただきます。前回と今回、ヒアリングの中で、A型をはじめとする就労継続支援につきましては、一般企業の障害者雇用への移行に向けた支援の役割とともに、一般企業で働くことが難しい方の社会参加の場になっており、福祉の面で非常に重要な役割を果たしているということを受け止めたところです。
 また、A型事業所で一般就労移行者が2年間でゼロ人という所が約3分の1を占めているというデータを踏まえますと、理由は様々かと思いますが、結果としてA型事業所は、一般就労が難しい方の受皿、訓練の場と見ることができ、また、障害福祉サービスの報酬が支払われているという視点も踏まえますと、一般の企業における雇用とは性質が異なり、障害者雇用制度の枠組みと分けて考える必要があるのではないかという点を再認識したところです。
 また、ヒアリングにおきまして、一般就労の内定を得ても、A型への就労を希望する方がいらっしゃるという御紹介もありました。こうしたニーズを踏まえますと、必ずしも企業での就労だけを進めていくということではなく、A型のような枠組みの中でも、継続的に雇用し続ける仕組みをどのように考えるのかということも必要であると感じたところです。報酬改定の影響によって、財政的に苦しい状況のA型事業所があるということも御報告いただき、福祉の財源としてしっかりと支援を行っていくことが重要だと考えているところです。
 また、最後に、御説明いただいた中で、近年の法定雇用率の引き上げは、非常に早いペースで進んできている中、中小企業においても、道半ばという状況がある中で、就労移行支援につきましては、一般就労への移行の点で大きな実績を上げており、利用者数も増加している。そのため、事業所数を拡大していくべきではないかと考えております。事業所数が都道府県によってばらばらであり、減少している所、増えている所が出ているのはどのような理由なのかということも含めながら、先ほどからいただいている地方と都市部を分けて考えることは非常に重要な視点だと私も受け止めております。こうした事業所への支援体制も含めて、検討を頂ければと思います。私からは以上です。
 
○駒村座長 次に大谷構成員からお願いします。
 
○大谷構成員 お世話になります。育成会の大谷です。本日はありがとうございます。皆さんA型の関係をいろいろお話をされている状況ですが、私もA型の状況を見させていただくと、やはり、一般就労への移行があまりにも少ない状況下にあるということ。これはやはり本来の目的でない部分の在り方が進んできてしまっていると思います。特に、地方においてはなかなか一般就労は難しい部分もあります。そうしますと、A型のほうへ行って、賃金がもらえる所に行こうという選択をされる方、特に、私も関わっている中で、支援学校を卒業するときに、親御さんの意見の中に、一般就労はなかなか場所がない、A型に行かないと生活が困るから、是非ともA型に行かしてやりたいという親御さんの意見はかなり多いのです。ただ、そのニーズに合うだけのA型もあるわけではないですが、やはり、その中でB型はどうですかというお話をしたところ、B型はと言われることもかなりあります。ただ、B型も、私たちは鳥取ですが、放漫状態にあって、あと新規の受け入れは駄目だという時期が一時期あったりとか、かなり利用者数が少なくなっている所もあります。やめていく所もどんどん出てきている状況です。
 A型の在り方を考えたときに、そんな中で、福祉の在り方、それと就労の在り方の2つを区別した、B型の中に生活介護と2つあるような体制と同じようなので、福祉的なA型、本当に就労に向けてのA型というようなすみ分けができる体制、ですので、ほとんど今の現状では福祉的な就労の受皿になっている部分が多いですので、賃金ももう少し差があってもいいような形で、福祉からの支援を行い、報奨金等の支援はない部分、それから、本当の一般就労へ向けてのA型の形については、やはり対象を少し考えていく部分があってもいいのかなと思います。現状で、ほとんど就労がない状況下で、やはり、そこに対して報奨金等、調整金等からということになると内容が違ってくると思いますので、福祉からの支援がもう少し出せるような何らかの形を取ってもらうと、やはり、障害のある方もそこで少し多い賃金を頂け、働く場所が見つかっていくという形になると思いますので、今後の課題としてすみ分けをきっちりしていかないと、もっと広がる部分になっていくのではないかと思います。以上です。
 
○駒村座長 オンラインの眞保構成員、御発言をお願いいたします。
 
○眞保構成員 法政大学の眞保です。ヒアリングに御対応くださいました2団体の皆様に御礼申し上げます。雇用福祉の基本的な考え方について、就労時間や賃金の状況についてデータをお示しいただき、事務局からの御説明ありがとうございました。
 雇用と福祉の役割分担を考える際の前提となる障害者雇用の労働市場を取り巻く環境が、近年、大きく変化している点を関係者で共有できたのではないかと思います。雇用と福祉の役割分担や連携をどう考えるか。私見を述べさせていただきます。資料25ページにお示しいただきましたように、現在の就労系障害福祉サービスが構築された当時に比べて、雇用者数は大幅に増加しています。その中には、就労継続支援A型事業が特に地方において、雇用による社会参加を進めてきたこと、精神障害や発達障害のある方が働き続けやすい労働時間での雇用の提供も一定の役割を果たしてきたと考えます。
 障害のある労働者が仕事に真摯に取り組んできたこと。企業・福祉・行政の障害者雇用を取り巻く関係者がそれぞれの立場で雇用に尽力してきたからこそだと思います。フルタイムだけではなく、障害のある労働者のニーズと障害の状況に応じた柔軟な働き方や雇用管理ノウハウの蓄積、個別性を重視した対話による配慮の実績も、これまで積み上げられてきたと考えております。
 したがって、就労系障害福祉サービスが創設された頃の通常の事業所に雇用されることが困難と考えられてきた状況も変化しています。雇用契約を締結して、最低賃金以上の賃金が得られる仕事をされている就労継続支援A型を利用されている方や、通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難で就労継続支援B型を利用されている方にも開かれた労働市場で民間企業等で働く機会が得られることが必要ではないかと思っております。
 その際に重要となりますのが就労選択支援事業です。資料16ページにも示されておりますように、就労選択支援事業創設前のアセスメントではB型事業所を利用することを利用者及び関係者、支援機関でおおよそ決定しており、B型事業所を利用する前提でのアセスメントの実施が示唆されるデータも示されています。
 就労選択支援事業のアセスメントでは、そのようなことがないように、障害のある方のニーズを踏まえ、利用者と協同しながら潜在しているニーズをすくい上げる支援を行いつつ、就労に向けての意欲・能力と適性をご本人が客観的視点を持つための支援と情報提供を行う、民間企業等で働く機会と必要なサービスにつなげるアセスメント手法を標準化すること。その上で、就労選択支援事業を行う事業所ごとの状況に応じてどのように運用するのか、目線合わせも必要と考えています。
 さらに、計画相談を行う相談支援専門員の方の中には、最近の障害者雇用の状況や就労支援のアセスメントについてまだ詳しくない方も一定数いらっしゃると思います。始まったばかりの事業ということもありますし、実際に、福祉サービスを利用するには自治体の支給決定が必要なわけですが、就労選択支援事業で行われたアセスメント結果をどのように反映させるのか、支給決定に勘案するルールを整備することも必要と考えます。
 就労選択支援事業のアセスメントを行う場合、実際に仕事をしていただきながら、多様な場面設定で利用者と協同しながら時間をかけて仕事について考えていただくことになりますから、それなりの手間と時間がかかります。利益ばかり追及する事業所が特定の機関と密な関係の中で形だけのアセスメントシートを作成するようなことのないような仕組み作りも重要と考えます。
 例えば、自立支援協議会に必ず就労支援委員会を設置し、自治体が事業許可を出す際には、必ず事業者が就労支援部会のメンバーとなり、会議の中で手法や受託先、利用機関をピュアレビューするなど、地域の創意工夫を促し、相互に学び合って質を高め合っていくシステムの構築が必要と考えています。
 就労移行支援事業と就労継続支援A型事業、B型事業についてですが、A型事業所は福祉行政と雇用率制度の両方から財源が出ております。また、全事業主が拠出している雇用保険から特定求職者雇用開発助成金も得られるようになっています。A型事業は、本来、障害のある方が利用の対象者であり、障害福祉サービスによる支援人材の財源が出る仕組みです。
 一方で、企業は自社の費用により支援人材も雇用しています。こうしたことから、本来の趣旨と異なってきていると考えられますので、特定求職者雇用開発助成金の対象としないことが望ましいのではないかと考えています。
 一方で、地方ではA型事業所が雇用による労働に一定の役割を果たしていることから、利用には先のアセスメントに応じて期限を設け、就労移行支援事業と一体的な支援を行うようにするのはいかがでしょうか。
 主に、地方において就労移行支援事業が減少し、雇用移行を支援する資源の減少にも対応できるのではないかと考えております。先ほど申し上げた就労選択支援事業のアセスメントにより、雇用への移行ではなく、福祉サービスの利用が良いという結果になった場合は、御本人のニーズも踏まえ、A型事業を更に有期限で利用される。あるいは、就労継続支援B型を利用されるのはいかがでしょうか。
 B型事業についても、企業等に就職する支援を行うことや就職された場合に報酬を更に手厚くするなど、就労移行支援事業、就労継続支援A型、B型事業、いずれも企業等への雇用の機会を狭めることのないようにインセンティブの設計を精緻に行っていくことが必要と考えています。
 就労定着支援事業については、就職された当初は、障害のある、ないにかかわらず、労働者にとって職場に慣れるには様々な困難がございますので、就職当初こそ報酬を支払い、手厚い支援ができるようなサービスとすることが望まれます。就労移行支援事業の役割と報酬を整備する必要があると考えております。以上です。
 
○駒村座長 続いて、渡邊構成員、お願いいたします。その後、新田構成員の順番でお願いいたします。
 
○渡邊構成員 御報告、御説明、ありがとうございました。筑波大学の渡邊です。私も論点について少しコメントさせていただきたいと思います。20年前と比べますと、一般企業での障害者雇用は、その就労者数を見ても大きく前進していると思います。また、合理的配慮の措置の実施などにより、以前では一般企業での就労が困難であった障害をお持ちの方々も、現在では一般就労が可能になるなど、幅広く受け入れられるようになってきていると思います。そのような点から、A型で雇用されている方の中にも一般就労への移行が可能になっている方も含まれていると考えられます。
 他方で、今現在、障害福祉サービスの報酬体系は生産性を重視するものとなっているため、一般就労が可能な方々をA型事業所に留め置く、そういった要因になっているかと思います。特に、一般就労への橋渡し機能を重視している、そういった役割を誠実に果たそうとしている事業所の運営が困難になるような、そういった福祉サービスの報酬体系というのは見直しが必要ではないかと思っております。その上で、障害福祉サービスと障害者雇用制度の適切な連携強化を図っていくことが望ましいことだと考えております。
 A型事業所の重要な役割とは、一般就労が困難な方を雇用し、一般就労が可能になった場合には一般就労への橋渡しをする。そういったことにあるかと思います。そのことからすると、A型事業所については一般就労を前提とする障害者雇用制度の各種取扱い、例えば、雇用率の算定、調整金、報奨金、特定求職者雇用開発助成金、そういったものの取扱いの対象の外に置くべきだと考えられます。その上で、A型事業所の取扱いに関しては、障害福祉サービスの中で適切に対応を図ることが必要だと考えております。私からは以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございます。新田構成員、お願いいたします。
 
○新田構成員 経団連の新田です。ヒアリングに御対応いただいた団体の方々、そして、今回の障害者雇用並びに福祉に関して網羅的に資料を作成し、御説明いただいた厚労省の方々に御礼申し上げます。資料の説明を聞く限り、改めて、障害者雇用と福祉の連携を考えるのは非常に難しいということを、理解が進めば進むほど感じたところです。
 本日は、多くの方々から特にA型事業所に関してのご指摘があったかと思います。私も、本日の資料で、例えば報奨金について、その8割以上がA型事業所に集中しているという支給状況を拝見して、改めて問題意識を強く持ったところです。
 いずれにしても、障害者の活躍を進めていくにはやはり雇用と福祉、それぞれが役割をしっかりと果たしながら連携していくことが非常に重要だと思っております。また、個人差が拡大していく高齢期を見据えれば、障害者本人の状況に応じて、雇用と福祉の間でいかに円滑に連携できるかといった仕組みの整備が重要だということを改めて認識を強くしたところです。感想めいたことですが、私からは以上です。
 
○駒村座長 どうもありがとうございます。時間がかなりなくなっておりますが、オンライン、よろしいですか。オンラインの発言予定者はもういらっしゃらないですね。フロアのほうもよろしいですね。それでは、本日は欠席の倉知構成員から御意見が出ておりますので、その御紹介を事務局からお願いいたします。
 
○河村障害者雇用対策課長 構成員配布資料として、お手元に倉知構成員の意見メモを添えておりますので、こちらを御参照いただければと思います。読み上げさせていただきます。「雇用と福祉の役割分担について」、1.近年の一般就労の場の増加(雇用側の変化)や就労系障害福祉サービスの利用者増の変化(福祉側の変化)をどう考えるか。
 20年前と比較し、民間企業で雇用されている障害者は28万人から70万人となり、45万人増加しています。10年前からも25万人増加しています。このように、以前は作業能力があっても雇用が困難な障害者、つまり、A型事業所が必要な障害者は一定数いたと考えられるが、近年では、これらの障害者は企業での雇用が困難な状況ではなくなっていると考えられます。これはA型事業所による支援の成果でもあると考えられます。
 しかし、一方、A型事業所数も最近10年間で約1.4倍、利用者も5万7,000人から8万4,000人へと増加し、約1.5倍となっています。これはA型事業所から雇用への移行を阻む要因があることを示しているといえるでしょう。具体的には、○1 A型事業所が存在するから、障害者は企業への就労ではなくA型事業所の利用を選ぶ。○2 A型事業所の利用者が雇用へ移行すると、能力の高い障害者が減るため、生産活動による収入減及び障害福祉サービスの報酬減により、事業運営が困難になるなどの要因があると考えます。
 また、A型事業所利用者が一般就労への希望が少ないのは、希望を引き出すシーンが不十分であるといえます。また、最低賃金を稼げるレベルの利用者の職業上の課題として、その作業能力を挙げている事業者が6割に達していることは、職員が考える企業で働けるレベルがかなり高いと考えていることが想定されます。
 2.上記の変化に伴い、今後の就労系福祉サービスあるいは一般就労の場、それぞれの対象像や果たすべき機能など、雇用と福祉の役割分担や連携をどう考えるか。
 A型事業所の役割は、一般就労の場の役割と重複してきているのではないでしょうか。逆に、A型事業所の存在が、雇用者数が伸びない一つの要因となっているのではないかと考えます。そのため、A型は、雇用への移行を前提とした期限付き利用にしても良いのではないかと考えます。また、特例子会社のような「障害者多数雇用企業」のような形態を創設し、優遇措置を与え、A型事業所から企業に転換できるような政策誘導を行ってはどうでしょうか。いずれにしても、貴重な福祉財源の充当先を考えてはどうかと考えます。
 具体的には、重度障害者の雇用を推進していくために、通勤又は職場での排せつや食事介助などに障害福祉サービスを利用できるようにしてはどうでしょうか。また、近年増加しているメンタル不調による休職者へのリハビリ機能として、地域事情を問わずに就労移行支援事業が利用できるようにしてはどうでしょうか。
 A型事業所は、障害福祉サービス報酬に加え、障害者雇用納付金制度による調整金や報奨金、さらに、特定求職者雇用開発助成金まで同時に受け取ることができます。特に、障害福祉サービス報酬以外の支給については、本来の趣旨から外れていると言わざるを得ません。そのため、A型事業所利用者については雇用納付金制度及び実雇用率算定から除外すべきと考えます。同時に、有限責任事業組合(LLP)の条件からも、A型事業所を除外すべきと考えます。
 3.就労系障害福祉サービスから一般就労への移行における現状と課題。一般就労への移行支援の在り方についてどう考えるか。就労継続A型事業、地方においてはA型事業所が障害者雇用の受皿になっている現状があります。今後は、地方を中心に、労働側で企業支援体制を強化し、就労移行支援、就業・生活支援センター、地域障害者職業センター、ハローワークが今以上に地方の障害者雇用を推進していくことが求められます。
 就労継続支援B型事業、現在は高工賃を稼げている事業所が高い報酬を支給される仕組みになっています。これは必然的に作業能力の高い利用者を事業所に留め置くことになりやすいでしょう。今後は、工賃額ではなく、雇用への移行実績によって報酬に差を付けるなどの仕組みにしてはどうかと思います。
 就労移行支援事業、現行では、早く就職させると、2年間留め置くよりも事業所収入が下がるようになっており、2年間留め置くという心理が働いてしまうのではないでしょうか。そのため、就職後の6か月間も含めて2年間として、早く就職した場合には、就職後の6か月も報酬がある利用期間としてはどうでしょうか。早く雇用へと移行させる意識が働き、財源がプラスになると思います。
 就労定着支援事業、就職6か月経過後に開始となりますが、就職後6か月間が最も支援が必要な期間となります。この期間が実質的に無報酬となり、支援が消極的になりやすくなります。就労移行支援事業か就労定着支援事業のどちらかで報酬を見る仕組みが必要です。以上です。
 
○駒村座長 ありがとうございました。そろそろ時間もきております。本日はこれで終りたいと思いますが、これだけは述べておきたいという方がいらっしゃればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。藤尾構成員が先ほど挙手をされていましたが、最後に藤尾構成員、お願いいたします。
 
○藤尾構成員 時間が過ぎている中、ありがとうございます。私からは一点だけです。重度の障害のある方の雇用を進める上で、特例子会社の皆さんの役割というのが、私はとても重要だと思っています。32枚目のスライドにある制度というのは、本当に発足当時のもので、そこから見直されてきていないと思います。
 知的障害の方の雇用が進んでいない中で、知的障害の方が必然的に重度の方と同じ取扱いになっていて、今、特例子会社の皆さんも重度の方、どちらかというと在職者の対応で苦労されている所が非常に多く、一方で、新規採用というところでは、かなりハードルが高くなっている企業もたくさんあるのではないかと思っています。是非、この特例子会社制度の在り方そのものについても、一度見直しを図っていただけないかということを、ここでお伝えしたいと思います。以上です。
 
○駒村座長 どうもありがとうございました。それでは、本日はこの辺りで終了したいと思います。ヒアリングに御参加いただきました2団体におかれましては、大変、ありがとうございます。改めて御礼を申し上げます。それでは、次回日程について事務局から説明をお願いいたします。
 
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程については、令和8年7月14日(火)を予定しておりますが、詳細については、座長と相談の上、皆様に御連絡させていただきます。以上です。
 
○駒村座長 それでは、これで閉会いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。