第67回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会 議事録

日時

令和8年7月7日(火)15:30~17:30

場所

ハイブリッド(対面+WEB)開催

議事内容

○古藤補佐 お待たせいたしました。ただいまから第67回「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」を開会します。
 委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 なお、本日は報道関係者及び一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので、御了承ください。
 また、本日、委員の方には会場またはオンラインにて御参加いただいておりますが、オンラインでの御参加の方に向け、何点かお願いをさせていただきます。会議参加に当たり、ビデオカメラはオンにしていただき、マイクはミュートにしてください。発言時はマイクをオンにしていただき、名前をおっしゃった上で発言をお願いいたします。発言が終わりましたら、マイクをミュートに戻してください。御不明な点がございましたら、事前にお伝えしている電話番号までお問い合わせください。
 本日の出席状況について報告いたします。桑名委員、和田委員より欠席、張替委員より早退、宮崎委員より遅れて参加の御連絡をいただいております。
 それでは、ここからの議事進行は持田委員長にお願いいたします。
○持田委員長 それでは、まず資料の確認をお願いいたします。
○古藤補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料は全て議題1の「疾病ごとの個別検討(新規の疾病追加)について」に関する資料となります。資料1は、今回の第67回指定難病検討委員会で検討する指定難病に係る新規疾患追加(令和8年度実施分)について情報提供のあった疾患(個表)(第67回指定難病検討委員会において検討する疾病)になります。
 また、参考資料1として指定難病の検討について、参考資料2として指定難病に係る新規の疾病追加(令和8年度実施分)について情報提供のあった疾病(一覧表)がございます。参考資料1は、今年度アップデートの検討委員会でも用いた資料となりますが、指定難病の要件について記載されております。難病の定義、指定難病の要件について記載がございますので、そちらを御確認いただきながら御議論いただければと思います。
 資料は以上となります。不足がございましたら、事務局までお申しつけください。
○持田委員長 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
 本日の議事でございます議題1の疾病ごとの個別検討、今回は新規疾病の追加についてですが、御意見を委員の先生方からいただきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○西垣補佐 それでは、議題1につきまして、資料1の「指定難病に係る新規の疾病追加(令和8年度実施分)について情報提供のあった疾病(個表)(第67回指定難病検討委員会において検討する疾病)」を御参照いただき、こちらの疾患順に委員の皆様に議論を行っていただきたいと思います。
 指定難病の新規の疾病追加に関して、今回は神経・筋疾患7疾患、代謝疾患2疾患、消化器疾患3疾患、内分泌疾患1疾患、血液疾患3疾患、皮膚疾患3疾患、骨・関節疾患1疾患の計20疾患について議論を進めさせていただきます。本日は17時30分までの予定としております。
 まず、神経・筋疾患のうち3疾患について議論を行っていただきます。Vici症候群(ヴィチィ症候群)、スティッフパーソン症候群、NMDA受容体抗体脳炎について御説明します。
 Vici症候群について、1ページを御覧ください。
 患者数は100人未満、過去に議論されたことはございません。本疾患は重度発達遅滞、脳梁欠損等を特徴とする先天異常症候群でオートファジー関連遺伝子の病原性変異が原因とのことです。
 有効な治療法は確立しておらず、栄養療法、呼吸管理、抗てんかん薬など、種々の合併症に対する対症療法を行います。予後としては、有意語、坐位、歩行獲得困難な場合が多いと記載されています。
 3ページから記載がございます重症度分類は、小児と成人とで分けられております。小児は症状・治療薬・処置のいずれかの基準を満たした場合を対象とし、成人では、下の表にございますように、てんかんと能力障害評価の表に該当する者等を対象としております。こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ95%です。
 診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
 次に、スティッフパーソン症候群について、9ページを御覧ください。
 患者数は257人で、平成28年度には「診断に関し客観的な診断基準が定まっている」との要件、令和5年度には免疫療法での治療効果があることから「治療法が確立していない」との要件を満たさないと判断されました。
 本疾病は、体幹を主部位として、間歇的に筋硬直や筋けいれんが発生し、さらには全身へと症状が進行する疾患でございます。
 9割にGAD抗体が関与しているとされておりますが、まれながら傍腫瘍神経症候として発症する場合もあるようです。
 治療法につきましては、免疫グロブリン大量静注療法、血液浄化療法、免疫抑制剤等があり、予後としては前回同様の記載が残されております。治療前のmRS(modified Rankin Scale)が、中央値4点が、治療後は2点であるという記載がございます。
 12ページに記載がございます重症度分類では、modified Rankin Scaleを用いて3以上を対象とするとしており、こちらで対象となる患者はおよそ82%です。
 診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
 次に、NMDA受容体抗体脳炎について、14ページを御覧ください。
 患者数は約600人で、令和5年度には免疫療法の治療効果があることから「治療法が確立していない」との要件を満たさないと判断されました。
 本疾病は、NMDA受容体を標的とする自己抗体によって生じる自己免疫介在性脳炎・脳症とございます。NMDA受容体を標的とする自己抗体が原因と記載されております。
 治療法に参りますと、第一選択は大量グルココルチコイドや免疫グロブリン大量静注療法、血液浄化療法が行われるとあります。予後につきましては、発症から24か月間にmodified Rankin Scaleが3以上の症例は約20%、すなわち治療2年間の軽症の割合が8割でございます。
 17ページに記載がございます重症度分類はmodified Rankin Scale等を用いて、いずれかが3以上としており、こちらで対象となる患者はおよそ95%と記載されております。
 こちらも診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
 この3疾患については以上です。
○持田委員長 どうもありがとうございます。
 ただいま御説明のありました神経疾患3疾患について、要件を満たすかどうかについて議論いただきます。
 まず、最初のVici症候群は、診断基準などはおおむねまとめられていますが、小児の場合は重症度分類で薬物を使用しているかどうかが要因になっていることが問題になると思います。
 2つ目のスティッフパーソン症候群と3つ目のNMDA受容体抗体脳炎は、前回、免疫療法などの治療効果があることから、治療法が未確立の要件を満たしていないとされていたのですが、今回も大きな変更なしに再申請されているようです。いかがでしょうか。御意見をお願いします。
 神経疾患ですので、まず青木先生から御意見いただければと思います。
○青木委員 ありがとうございます。青木です。
 まず、Vici症候群なのですが、これは今、御指摘もありましたが、重症度分類について、特に小児、薬剤使用群が重症と判断されているというところはやはり気になりました。一方、成人はmodified Rankin Scaleなどの症状に基づいた基準が用いられているので、このような疾患特異的なものや臓器別の症状という形で示していただけるのが自然だと思いました。
 2番目のスティッフパーソン症候群に関しては、先ほどの御指摘のとおりです。さらには御説明の中で傍腫瘍症候群を含めるという話がありましたが、指定難病には発病の機構が明らかでないという要件もありますので、そういう点でも腫瘍が原因で発症するものは含めないという整理になっているかと思います。
 3つ目のNMDA受容体抗体脳炎については、中等度以上が20%と記載されています。かなり免疫修飾療法が効くということと、長期療養の要件は満たさないのではないかという印象があります。
 以上です。
○持田委員長 ほかに御意見がございますか。よろしいでしょうか。
 重症度分類に薬剤の有無が入っていることと傍腫瘍症候群を含めることは問題になります。どちらも難病としては重要な点です。
 指定難病の趣旨を考慮すると、薬物を投与しているかどうかではなく、治療を十分実施した上で、臓器障害がどの程度であるかを、重症度分類の要因として設定していただくことが重要と思います。また、ウイルス感染や腫瘍が原因の疾患は難病から省くとことが、今までの議論でも一定の見解になっております。
 そうしますと、この3疾患はいずれも指定難病には該当しないとの結論になります。よろしいでしょうか。ほかに御意見がございますか。
 どうもありがとうございます。では、そのような判断にしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、事務局から説明をお願いいたします。
○西垣補佐 椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤について、20ページを御覧ください。
 患者数は6万人未満と推計されており、過去に議論されたことはありません。
 本疾患は原因不明で、突然破裂してくも膜下出血を来すほか、徐々に増大して脳幹や脳神経などの重要な神経組織を圧迫しながら進行性の神経症状などを来します。
 治療法ですが、くも膜下出血に対する血圧コントロールや神経症状に対するステロイド、そのほか開頭手術などの記載がございますが、根治率は30~60%ということで、一般的な脳動脈瘤と比べて極めて予後不良と記載がございます。
 23ページに記載がございます重症度分類は、1)~4)のいずれかに該当する者を対象とするとしております。指定難病となっている脳血管疾患のもやもや病と似たものとなっております。こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ90%です。
 診断基準、重症度分類は、日本脳神経外科学会にて承認を得ております。
 次に、脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害について、26ページを御覧ください。
 患者数は10人未満で、過去に議論されたことはございません。
 遺伝子変異によって発症する脳小血管病で、40~50歳代で網膜血管障害や大脳白質病変が出現し、そのほか腎機能障害や肝機能障害を伴うこともあります。
 治療法はなく、DNA損傷を来し得る放射線被ばくや抗がん剤投与などを避けることが記載されています。
 30ページにございます重症度分類は研究班で作成されており、modified Rankin Scale等から成る表で評価します。こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者の割合は100%です。
 診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
 続いて、神経核内封入体病について、33ページを御覧ください。
 患者数は約630人で、令和3年度と令和5年度には重症例の割合が低いとのことで、「長期の療養を必要とする」の要件を満たしていないと判断されました。
 本疾患は、神経系及び一般臓器の細胞の核内に広く核内封入体を認めることを特徴とする神経変性疾患でございます。
 症状としては、60代後半で発症し物忘れを主訴とする群、20代後半で発症し筋力低下が前景となる群、さらに、物忘れあるいは筋力低下が前景に立たない群の3つがあるとの記載がございます。
 34ページに参りまして、根本的な治療法はなく対症療法のみで、予後に関しては、緩徐に進行し、最終的には臥床状態に至ると記載されてございます。
 36ページに記載がございます重症度分類ではmodified Rankin Scaleや「精神症状・能力障害二軸評価」のスケールのいずれかが3点以上を対象としており、こちらの重症度分類は前回から変更がございませんが、この重症度分類を用いると対象となる患者の割合は前回の約30%から60%へ増加していることが今回新しく分かっております。
 こちらの診断基準、重症度分類に関しては、日本神経学会の承認を得ております。
 この3疾患については以上となります。
○持田委員長 ありがとうございました。
 ただいま御説明がありました神経系の3疾患について御議論いただきます。何かご意見はございますでしょうか。
 まず、1つ目の椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤に関しては、脳動脈瘤の中で特定の部位ないし大きさのものを抽出しているということで、今までの難病の考え方からは問題があるのではないかと考えます。
 一方、2つ目の脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害は、おおむね難病の条件を満たしているように思えました。
 一方、3つ目の神経核内封入体病は、重症度分類を満たす患者さんが前回は30%から今回は60%になっているのですが、その理由がどういうことなのかが少し問題になります。これも神経疾患ですので青木先生から御意見いただけますでしょうか。
○青木委員 青木です。
 1つ目の椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤については、脳動脈瘤という一つのくくりの中で、椎骨脳底動脈系だけで、しかも15ミリ以上というものを切り出してきたような形ですので、これが客観的な診断基準が確立しているとは言えないと思いました。
 2つ目の脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害については、特に意見はございません。よろしいかと思います。
 3つ目の神経核内封入体病については、重症度分類について、modified Rankin Scale3以上という基準自体は変えていないにもかかわらず、先ほど御指摘がありましたけれども、30%から60%に倍増しているわけです。どうして増えたのかとかそういうことも分かりませんので、これは明確にしていただいたほうがいいかと思いました。
○持田委員長 どうもありがとうございます。
 動脈瘤に関しましては今までも同様のケースが何回か議論されていますが、特定の疾患の一部分を切り取って難病にするというのは問題であり、まさにこれに相当するかと思います。今、青木先生からお話があったとおりです。
 3つ目の神経核内封入体病も、重症例が60%に上昇したことに関して、研究班からは明確な理由が提示されていないようです。理由が明確にならないと難しいのではないかと思います。
 そういうことで、2つ目の脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害に関しましては難病として認めるが、あとの2つに関しては、研究班でさらに検討していただくことにします。よろしいでしょうか。
 御意見がございませんでしたら、そのように判断したものとしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、続いて、事務局から説明をお願いいたします。
○西垣補佐 神経・筋疾患かつ耳鼻科疾患の1疾患、内分泌疾患2疾患を御説明します。
 痙攣性発声障害、アポリポタンパクA-1欠損症、遺伝的インスリン抵抗症について御説明します。
 痙攣性発声障害について、40ページを御覧ください。
 患者数は4,500~9,000人で、平成28年度、平成30年度には「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件、令和3年度には「長期の療養を必要とする」の要件、令和5年度にはボツリヌス注射が有効であるため「治療法が確立していない」の要件と、重症者が少ないことから「長期の療養を必要とする」の要件を満たさないと判断されました。
 本疾患は、内喉頭筋の不随意収縮により、発話における音声の異常を来す疾患です。
 原因として、大脳基底核の機能異常による局所性ジストニアと考えられておりますが、本症の正確な原因は不明とございます。
 治療法については、保存的治療法としては発声時の喉頭の緊張を軽減する発声訓練や筋緊張緩和薬が用いられ、前回議論となったボツリヌス注射に関してはその効果が数か月程度で反復治療が必要と記載がされています。
 45ページに記載がございます重症度分類は、主観的重症度と客観的重症度を組み合わせた総合的重症度分類を用いて中等症以上を対象としており、重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ74%とのことです。
 こちらの診断基準、重症度分類は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会にて承認を得ております。
 続きまして、アポリポタンパクA-1欠損症について、48ページを御覧ください。
 患者数は9人で、これまで議論されたことはございません。
 高比重リポタンパク(HDL)の主要構成成分であるアポリポタンパクA-1の欠損、異常により生ずる病態で、HDLが産生されないため、血清HDL-コレステロール、アポA-1濃度が著しい低値となります。
 症状は角膜混濁や黄色腫や冠動脈疾患の合併が多く見られるため、治療法としては、合併する動脈硬化性疾患の予防・治療が中心とございます。
 予後は合併する動脈硬化性疾患により大きく異なるとのことです。
 50ページに重症度評価の記載がございます。こちらは先天性代謝異常症の重症度評価を用いて中等症以上としておりまして、重症度分類を用いた場合、対象となる患者は100%と記載がございます。
 診断基準、重症度分類は、日本動脈硬化学会にて承認を得ております。
 続きまして、遺伝的インスリン抵抗症について、53ページを御覧ください。
 患者数は約200人、令和5年度に議論されておりますが、糖尿病に対するインスリン治療があることから、「治療法が確立していない」との要件を満たさないと判断されております。
 遺伝的な原因によるインスリンシグナル伝達障害により、高度にインスリン作用が低下するために生じるとございます。
 症状に記載のとおり、インスリン作用障害の程度によって様々な程度の糖尿病を発症するため、血糖降下薬やインスリン治療、さらには合併症治療を行うと記載がございます。
 56ページに記載がございます重症度分類は、中等症、すなわち糖尿病の薬物治療の必要がある者以上を対象としており、こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ80%とのことです。
 診断基準、重症度分類は、日本糖尿病学会にて承認を得ております。
 この3疾病については以上となります。
○持田委員長 それでは、この3疾患について御議論いただきたいと思います。何かございますでしょうか。
 1つ目の痙攣性発声障害は、先ほどの脳動脈瘤と同じですが、ジストニアの中で特定の部位、喉頭だけを切り出して扱っているという点が、難病の概念からは外れているのではないかが気になります。また、重症度が、主観と客観のどちらか一方でも中等症以上になることから、本当に客観性が担保できるのかどうかが気になります。
 この疾患に関して、まず議論したいと思いますが、耳鼻科領域の守本先生と神経領域の青木先生に御意見をお伺いします。まず守本先生、いかがでしょうか。
○守本委員 よろしくお願いします。
 確かに今までの難病ということを考えると、痙攣性発声障害というのは雰囲気がちょっと違うと思うのですけれども、ただ、コミュニケーションが困難であるということを考えた場合に、社会生活を送りにくくなるという意味では、指定難病の一つとして考えていただくのはありかと思っています。
 ただし、主観的な重症度と客観的な重症度を合わせての分類は、確かに主観的の方は、外に出て行けないとか仕事に出て行けないとか、ちょっとした鬱状態、そういったものが背景にあるような分類になっていますので、これを指定難病の重症度分類の一つと考えていいのかというと、そこは少し難しいのかなと考えます。
○持田委員長 ありがとうございます。青木先生、いかがでしょうか。
○青木委員 青木です。
 先ほども少し御意見がありましたけれども、局所性ジストニアというもの全体で考えた場合、そこの一部が該当するのかというふうに思われますので、先ほどの意見に同感です。
○持田委員長 どうもありがとうございます。
 確かに発声障害は社会生活の観点から問題になるかもしれませんが、難病の概念からすると外れるということになりますでしょうか。
 2つ目のアポリポタンパクA-1欠損症と3つ目の遺伝的インスリン抵抗症は、それぞれ動脈硬化や糖尿病の治療で既に治療法が確立しているのではないかと思います。治療法の未確立という条件を満たすかが問題です。これに関しましては、小児・内分泌代謝が御専門でいらっしゃる石毛先生から御意見いただきます。
○石毛委員 御指名いただきまして、両疾患とも重要な疾患だとは思うのですけれども、指定難病の条件とあうかにつきまして、こちらの記載ですと十分評価ができないのではないかと思います。
 実際にどのくらいの割合で治療ができず難渋するのかといった評価も含めて、もう少し詳細を記載していただいたほうがよろしいのではないかと思います。
 あとは、アポリポタンパクA-1欠損症については、重症度分類で、精神運動発達遅滞など本疾患で症状として書かれていない項目が入っていますし、、最初にお話がありましたように、両疾患とも重症度分類に薬物の項目が入っており、薬物使用によって重症度分類に差が出てしまうという状況になっておりますので、そこについてはあまりよろしくないのではないかと思います。
○持田委員長 どうもありがとうございました。
 皆様からほかに御意見がございますか。いかがでしょうか。
 御意見を総合しますと、この3疾患につきましては、いずれも指定難病に該当しないと考えられますが、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。そのように進めさせていただきます。
 では、続きの説明をお願いいたします。
○西垣補佐 続いて、消化器疾患3疾患です。
 原発性肝内結石症、先天性胆汁酸代謝異常症(脳腱黄色腫症を除く)、Peutz-Jeghers症候群について御説明します。
 原発性肝内結石症について、58ページを御覧ください。
 患者数は143人で、平成28年度には「治療法が確立していない」との要件、令和5年度には長期予後に関しての研究不十分で「長期の療養を必要とする」の要件を満たさないと判断されました。
 肝内胆管内の結石を肝内結石と定義し、肝内結石症のうち胆道再建の既往がない原発性肝内結石症を対象としております。
 治療法は手術的治療、非手術的治療があり、繰り返す結石再発や肝硬変を来すことがあり、肝移植を施行することもございます。
 予後として、結石の5年再発率の記載があり、Grade1/2の2.6%に比べGrade4/5では8.0%であったとのことですが、こちらは前回と同様の記載となっており、特に追記はございませんでした。
 61ページに記載がございます重症度分類は症状の有無、及び以下の大項目、中項目、小項目によりGrade1~5に分類し、Grade5を対象としており、こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ47%と記載がございました。
 診断基準、重症度分類は、日本消化器病学会の承認を得ております。
 次に、先天性胆汁酸代謝異常症(脳腱黄色腫症を除く)について、63ページを御覧ください。
 患者数は12人、これまで議論されたことはございません。
 一次胆汁酸の合成に関わる各酵素の先天的な機能異常により、胆汁酸合成経路の中間代謝産物である異常胆汁酸もしくは胆汁アルコールの肝細胞内蓄積が生じた結果、胆汁うっ滞性肝障害を引き起こす疾患で、こちらの表に示されている責任遺伝子を解析し確定診断をするとのことです。
 治療法に記載のとおり一次胆汁酸製剤の内服が有効ではありますが、生涯にわたる内服継続が必要とのことです。
 68ページに記載がございます重症度分類は研究班独自のものですが、この研究班で扱っている指定難病である胆道閉鎖症等と同様の基準を用いており、重症度2以上を対象としております。
 こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ70%とのことです。
 診断基準、重症度分類は、日本小児科学会の承認を得ております。
 続いて、Peutz-Jeghers症候群について、73ページを御覧ください。
 患者数は581人~820人とされており、平成28年度、平成29年度には、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていない、令和5年度は重症に該当する割合が低いことから、「長期の療養を必要とする」の要件を満たしていないと判断されました。
 本疾病は食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと口唇、口腔、指尖部を中心とする皮膚、粘膜の色素斑を特徴とする常染色体顕性遺伝性疾患とございます。
 治療法の後半には、定期的にポリープ切除を行うことで腸重積や開腹手術を回避することができると記載されています。
 75ページの下部から記載がございます重症度分類は15ミリ以上のポリープと年1回以上のポリープ切除術のいずれかを満たす場合に該当するとされ、こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者は、ある時点では95.7%ですが、定期的な内視鏡切除を行うことで20~50%へ減少するとのことです。
 診断基準、重症度分類は、日本消化器内視鏡学会の承認を得ております。
 この3疾患に関しては以上です。
○持田委員長 それでは、消化器系の3疾患について御議論いただきます。
 消化器疾患ですので、まず私から意見を述べさせていただきます。1つ目の原発性肝内結石症は私も研究班で関わってはいますが、ほかの難病と比較すると、予後に関する記載が十分ではないように思えます。重症の比率が47%は微妙な数字ですが、重症度分類で大項目に日常生活の支障が入っており、これは曖昧です。先ほど守本先生から痙攣性発声障害のお話があったのと同様に、客観性に欠けるのではないでしょうか。研究班で検討し直してもらう必要があります。現状では長期療養の要件を満たしていません。
 2つ目の先天性胆汁酸代謝異常症は、おおむね難病の条件を満たしているように思えましたが、皆様からも御意見いただければと思います。
 3つ目のPeutz-Jeghers症候群ですが、これは重症度分類に内視鏡治療の有無が入っています。また、内視鏡治療を実施すれば、重症に該当する症例の比率が低くなるということからも、長期療養の条件を満たしていません。
 したがいまして、原発性肝内結石症とPeutz-Jeghers症候群に関しては条件を満たさないと考えられますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのように判断したものとさせていただきます。
 続きまして、事務局からの説明をお願いいたします。
○西垣補佐 続いて、代謝疾患1疾患と血液疾患3疾患です。
 アルドステロン合成酵素欠損症、特発性好酸球増加症候群、先天性血小板機能異常症、そして慢性活動性EBウイルス感染症について御説明します。
 アルドステロン合成酵素欠損症について、78ページを御覧ください。
 患者数は世界で80人とまれな疾患で、研究班の調べでは国内には3人とのことでした。平成27年度は「診断に関し客観的な診断基準が定まっている」との要件を満たさないと判断されております。
 アルドステロン合成酵素の先天的機能異常により、アルドステロン産生が低下または欠如する常染色体潜性遺伝性疾患とのことです。
 症状に記載のとおり、新生児期から乳児期早期に発症することが多く、哺乳不良、嘔吐、体重増加不良、脱水、筋緊張低下を呈します。
 治療法は、急性期には脱水や電解質異常の補正を行い、慢性期にはフルドロコルチゾンによるミネラルコルチコイド補充及び食塩補充を行うとのことです。
 79ページ、要件の判定に必要な事項の「2.発病の機構」の最後の一文の部分ですけれども、「原因遺伝子と病態生理が明確であり」というような記載がございます。この点、指定難病申請時につけていただいているチェックリストと齟齬がございますので、確認が必要かと思っております。
 80ページ下部から記載がございます重症度分類は、研究が作成したものですけれども、症状あるいはフルドロコルチゾンの内服、すなわち治療薬使用の有無で分類をされております。こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者の割合は不顕性を除くと100%とのことですが、こちらも不顕性についての詳しい記載はございません。
 診断基準や重症度分類は、日本内分泌学会の承認を得ております。
 特発性好酸球増加症候群について、83ページを御覧ください。
 患者数は56人で、過去に議論されたことはございません。
 末梢血中の好酸球数が持続的に増加し、心臓、肺、皮膚、消化管、神経系などの多臓器に障害を来す疾患とございます。
 治療は臓器障害の程度及び重症度に応じて行いますが、第一選択は副腎皮質ステロイドと記載がございます。
 86ページ下部に記載がございます重症度分類は中等症以上でステロイド依存性などにより二次治療に移行する場合を対象としておりまして、こちらも薬物で重症度を判定しております。こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者の割合は約30%とのことです。
 診断基準、重症度分類は、日本血液学会の承認を得ております。
 続きまして、先天性血小板機能異常症(血小板無力症及びベルナール・スーリエ症候群)について、90ページを御覧ください。
 患者数は265人です。平成27年度と28年度には共に客観的診断基準確立の要件を満たさないとされましたが、今回、学会承認取得後に提出となっております。
 出生時から存在する遺伝的要因により出血傾向を来す疾患群であり、症状にございますとおり、皮下出血や粘膜出血のほか、重篤な消化管出血や血尿などを来すこともございます。
 治療法としては出血リスクの高い行動を避ける生活指導や輸血等が記載されております。
 91ページに参りまして、予後ですけれども、出血症状は小児期に強く年齢と共に改善する傾向との記載がありますが、こちらは研究班によりますと外傷などに伴う出血症状の頻度が減る過ごし方が身につくということのようです。
 94ページに記載がございます重症度分類は中等症以上を助成の対象とし、重症出血ないしは輸血治療を要する出血を年1回以上起こしたことがある、もしくは慢性的な出血によりへモグロビン値8g/dL以下の貧血を認めたことがあるとされており、対象となる患者の割合は50~60%です。
 診断基準、重症度分類は、日本血栓止血学会の承認を得ております。
 続きまして、慢性活動性EBウイルス感染症について、96ページを御覧ください。
 患者数は100人未満と推測されており、平成28年度、平成29年度、平成30年度、令和3年度、令和5年度と全ての委員会において、「発病の機構が明らかではない」との要件を満たしていないと判断されました。
 本疾病は遷延または再発する炎症を呈し、末梢血及び病変部に高レベルのEBV DNAが検出される疾患です。
 97ページ、症状にございますとおり、持続する発熱、肝機能障害などが主な症状ではありますが、間質性肺炎、間質性腎炎、ぶどう膜炎など全身のほとんどの臓器が炎症の対象となるとのことです。長期に持続する炎症のため、患者の生活の質は著しく低下するとございます。
 治療法は抗ウイルス薬、免疫調節・抑制療法や化学療法が試みられてきましたが効果は十分ではなく、唯一の根治療法は造血幹細胞移植です。
 99ページ下部から記載がございます重症度は薬物療法の有無で分類されておりまして、対象となる患者は小児では70%以上、成人例は全例とのことです。
 こちらの診断基準、重症度分類は、日本血液学会、日本小児血液・がん学会の承認を得ております。
 こちらの4疾患は以上です。
○持田委員長 ありがとうございます。
 それでは、代謝系の1疾患と血液系の3疾患について御意見をいただきます。
 まず、代謝系の疾患ですが、アルドステロン合成酵素欠損症は発症機序が解明されたと記載されており、また治療法も確立されているようです。いかがでしょうか。代謝が御専門の石毛先生からお願いいたします。
○石毛委員 発症の機構が明らかということが書かれておりますが、機構が本当に明らかなのかということについては、もう少し説明が必要なのではないかと思いますし、先ほどからお話がありますが重症度を薬剤使用で分類している点、あと不顕性の方のことについて書かれているのですが、その実態が不明であるという点からも、もう少し疾患を整理していただくことが必要なのではないかと考えます。
○持田委員長 どうもありがとうございます。
 では、2つ目の特発性好酸球増加症候群とその次の先天性血小板機能異常症はどちらも薬物使用や輸血などの治療が重症度分類に加わっていますが、薬物と輸血では治療法といっても異なります。ここら辺をどう考えるかということになるかと思います。
 あと、最後の慢性活動性EBウイルス病は、以前から議論になっているように、ウイルス感染症は難病のから除外するということが問題になります。いかがでしょうか。
 これに関しましては、血液御専門の張替先生からお願いします。
○張替委員 張替でございます。
 最初の好酸球増加症に関しては、薬物使用の有無が重症度分類に入っていることもありますし、あとは重症者の比率も決して高くはないので、非該当でよろしいのではないかと思います。
 先天性血小板機能異常症は、持田先生がおっしゃるように、輸血なので必ずしも治療が重症度分類に入っているとは考えなくてもいいと思いますし、10年前と違って明らかな疾患のキャラクタリゼーションができているので、これは該当と判断してよいのではないかと思っております。
 CAEBVに関しては、先生がおっしゃるようにずっと壁打ちが続いておりまして、毎回ここに上がってくるような感じで、何らか方針を考えなければいけないのではないかと思いまして、実は班員の方にお伺いしましたところ、確かにEBウイルス感染症という名前がついていますけれども、それが排除できない免疫不全が基本的な病態であるというお考えのようで、成人はほとんどがEBウイルス感染症に既感染ですけれども、それは免疫で排除できるのでこれが発症しないということで、基本は免疫不全であるということで、確かに小慢では免疫不全のところにカテゴライズされている疾患ということなのです。
 腫瘍かどうかに関しても、実際に腫瘍になるのは一部であって、腫瘍になる前に血球貪食症候群で致死的になるということで、必ずしも腫瘍ともいえないとのことでした。成人ですと、実際に腫瘍でないことでがん保険からの支給がないので、小児と違って非常に成人は困っているという現場の切実なところであるようでした。
 ただ、今日それで認めるというのもなかなか難しいので、一つは指定難病の原発性免疫不全班と班員の重複があるので、その辺で少しすり合わせをしていただくとか、少し難病対策課と今後のことを継続的に会話させていただいて、継続審議ということにさせていただければよろしいのではないかなと思いました。以上です。
○持田委員長 どうもありがとうございました。
 ほかには御意見ございますでしょうか。特に最後のEBウイルス感染症は、長らく問題になっているのでいろいろな御意見もあるかと思いますが、よろしいでしょうか。
 まず、1つ目のアルドステロン合成酵素欠損症と2つ目の特発性好酸球増加症候群、4つ目の慢性活動性EBウイルス病は現状では指定難病には該当しないと考えます。もう少し研究班で検討していただくことにしましょう。
 特に慢性活動性EBウイルス感染症は、別の視点から見た上で、研究班から申請していただく必要があります。あくまでも免疫不全症で、慢性のウイルス感染を合併している状態とすれば、難病の規定を満たす可能性があります。そういうことで、検討し直してもらうということでよろしいかと思います。
 今回は、先天性血小板機能異常症はお認めすることになります。確かに輸血は臓器移植と同じように、治療法といっても臓器障害の重症度に直接相当するであり、今後もそのように対応することになるかと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。では、そのように判断したものとさせていただきます。
 それでは、事務局から続きの説明をお願いいたします。
○西垣補佐 続きまして、皮膚疾患3疾患と骨・関節疾患1疾患でございます。
 遺伝性掌蹠角化症、家族性化膿性汗腺炎、シュニッツラー症候群、掌蹠膿疱症性骨関節炎について御説明いたします。
 遺伝性掌蹠角化症について、102ページを御覧ください。
 患者数は約1万2000人で、過去には平成27年度と28年度は学会承認が取得されておらず、平成29年度と令和3年度は予後の情報等が不十分であることから「長期の療養を必要とする」の要件を満たさないとされました。今回、概要の全体については詳細な記載となっておりますけれども、予後について特段の追記はございませんでした。
 本疾病は掌蹠を中心に角質の肥厚や紅斑を認める疾患で、病型ごとにその程度や皮疹の範囲、そのほかの随伴症状は大きく異なると記載がございます。
 発病の機構は不明で、治療法は角質融解外用薬やビタミンD3外用薬が頻用されますけれども、それらの薬効は極めて限定的とのことです。長期の療養について、自然寛解はなく患者のQOLを著しく損なうとございます。
 104ページの診断基準を御覧ください。病名については遺伝性掌蹠角化症となっておりますけれども、中ほどに記載がございます診断のカテゴリーのDefinite2については、遺伝子診断は必須とはされておりません。
 続きまして、その下になりますけれども、重症度分類は掌蹠角化症の手引き上の分類を用いておりまして、対象となる患者は70%と報告がされております。
 こちらの診断基準、重症度分類は、日本皮膚科学会の承認を得ております。
 続きまして、家族性化膿性汗腺炎について、107ページを御覧ください。
 患者数は3万4200人とされておりまして、平成28年度、平成29年度、平成30年度に、予後の情報等が不十分であるため「長期の療養を必要とする」の要件について判断困難、また関係学会の承認が得られていないため「客観的診断基準」の要件も該当しないとされました。令和3年度には学会承認を取得された上で化膿性汗腺炎という疾病名で提出されましたが、それまでと同様「長期の療養を必要とする」の要件について判断困難とされました。今回も、予後についての追記は特にございませんでした。
 本疾病は慢性、炎症性、再発性、消耗性の皮膚毛包性疾患で、細菌感染が原因ではなく毛包漏斗部の脆弱性と表皮嚢腫形成や自然免疫の過剰反応が原因とされております。
 治療法としては軽症から中等症では抗菌薬を投与し、無効な場合は生物学的製剤が用いられます。
 108ページへ参りまして予後ですけれども、本邦において予後を調べた統計はないけれども、長期にわたり症状が持続するとの記載となっております。
 110ページにございます重症度分類を用いた場合、対象となる患者は16.3%と記載がございます。
 診断基準、重症度分類は、日本皮膚科学会の承認を得ております。
 続きまして、シュニッツラー症候群について、113ページを御覧ください。
 患者数は約50人で、過去に議論されたことはありません。
 間欠熱、関節痛、骨痛などを伴う慢性蕁麻疹様皮疹と、血清中に単クローン性IgM(まれにIgG)を認める自己炎症性疾患でございます。
 治療法にありますとおり、発熱や関節痛、骨痛に対してはNSAIDs、ステロイドにより症状が緩和されるほか、一部生物学的製剤も適応となっております。
 予後につきましては明らかではありませんけれども、治療に難渋する例も少なくないとされております。また、リンパ腫や骨髄腫発症との関連も指摘されております。
 116ページに記載がございます重症度分類については、診断基準と類似のものが使われておりまして、対象となる患者の割合は60%です。
 こちらも診断基準、重症度分類については、日本リウマチ学会の承認を得ております。
 最後に、掌蹠膿疱症性骨関節炎について、118ページを御覧ください。
 患者数は5,100人で、過去に議論されたことはございません。
 掌蹠膿疱症に関連して発症する慢性無菌性の骨関節炎症性疾患で、確立した治療方法はございません。
 薬物療法には、NSAIDs、コルヒチン、ビスホスホネートや抗菌薬、抗リウマチ薬等のほか、生物学的製剤に関する報告があるようです。慢性に経過し自然寛解はまれで、生涯を通じた療養が必要と記載がございます。
 121ページ、重症度分類では、既存の重症度分類を用いるとされておりまして、対象となる患者の割合は約30%とのことです。
 こちらの診断基準、重症度分類も、日本リウマチ学会の承認を得ております。
 この4疾病については、御説明は以上となります。
○持田委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、皮膚の3疾患と骨・関節の1疾患について御意見を願いいたします。
 1つ目の遺伝性掌蹠角化症と2つ目の家族性化膿性汗腺炎は、前回からあまり変化がないようです。どちらも長期療養の必要性を判断するのが困難ないしは満たさないということで認められなかったほですが、今回も大きな変化はないように思えますが、いかがでしょうか。
 3つ目のシュニッツラー症候群は、おおむね問題なさそうですが、重症度が診断基準とほぼ同じであることをどう考えるか、御意見いただきたいと思います。
 4つ目の掌蹠膿疱症性骨関節炎は、掌蹠膿疱症という疾患の中で、骨関節炎があるものだけを取り上げて難病にするということで、これも難病の観点からは少し問題があるかと思います。
 これらに関しまして、皮膚科の錦織先生から御意見いただけますでしょうか。
○錦織委員 錦織です。
 今、持田先生がおっしゃったように、1つ目の遺伝性掌蹠角化症については、疾患の概要については随分詳細な記載が加わったと思うのですけれども、先ほど御説明にもありましたように、予後については新たな追加や修正がございませんので、前回同様、長期の療養を必要とするという点に関しては、少し判断が難しいと思いました。
 2つ目の家族性化膿性汗腺炎に関しても、長期の療養という前回と同様の点についての追記・修正は特になくて、新たに判断できる材料がなかったので、前回同様、判断困難と思います。
 3つ目のシュニッツラー症候群に関しては、特に気になった点はございませんので、おおむね指定難病に該当すると考えました。
 4つ目の掌蹠膿疱症性骨関節炎は、持田先生がおっしゃったように、掌蹠膿疱症の中で関節症状が非常にきついという方は確かにおられて、その方を切り分けているということが気になりました。疾患の切り分けになるのではないかという点、また、概要や鑑別にも書かれていますが、掌蹠膿疱症とか乾癬に関節症状を伴う場合、SAPHO(Synovitis, acne, pustulosis, hyperostosis and osteitis)症候群という疾患概念もあるのですけれども、SAPHOとは異なるということの記載があって、一方で、近縁疾患である慢性再発性多発性骨髄炎(Chronic recurrent multifocal osteomyelitis:CRMO(指定難病270)の概要には、SAPHOとCRMOは非常に似ていて、掌蹠膿疱症を伴うこともあると書かれているので、この辺は少し疾患の整理を関係者でしていただいたほうが理解しやすいかなというか、疾患の切り分けの観点も含め、どういうふうに考えるかや、分類、概念などは少しオーバーラップしている部分もありますので、ここはまだ研究班のほうでもう少し検討していただければいいのではないかと考えました。
 以上です。
○持田委員長 どうもありがとうございました。
 1つ目と2つ目は前回とあまり変化がないということです。4つ目は掌蹠膿疱症から骨関節炎だけを取り上げているので、もう少し整理が必要ですね。そういうことで、研究班でもう少し検討いただくということにさせていただきたいと思います。
 3つ目のシュニッツラーですけれども、私が気になったのは、重症度分類はほとんど診断基準と同じような内容であることです。皆様から御意見いただきたいと思います。
 このことは厚労省から、研究班には問い合わせていただきましたでしょうか。
 重症度分類で、38度以上の反復性発熱、骨シンチ等の異常、白血球増多、アミロイドーシスの合併のいずれかを満たすと記載されていますが、これは診断基準とほとんど同一です。診断基準を満たす症例は重症となり、その比率が100%になるようかと思います。
○渡邉補佐 持田先生、ありがとうございます。事務局でございます。
 指定難病におきましては、例えばその診断がつくということ自体が重症度に相当するという場合もございますので、一概に同じだから駄目というわけではございませんけれども、研究班のほうにも、いただいた御指摘を踏まえて、確認させていただきたいと思います。
 錦織先生が少しお話しされそうになられておりましたが、大丈夫ですか。
○錦織委員 はい。
○持田委員長 錦織先生、どうぞ。
○錦織委員 私も別に、特に重症の方が多いのだなと思って見たのですけれども、確かに診断がつく中で重症が多いなりにどのぐらい重症の割合があるのかというところは、もう少し病態の症状についての検討があってもいいのかもしれないというふうに先生の御指摘を伺って感じました。
○持田委員長 診断がついたものは基本的には全例が重症であるということでしょうか。
○西垣補佐 事務局から補足させていただきます。
 申し訳ございません。資料の確認がすぐできず、お待たせしました。
 ご指摘いただきました、こちらの重症度にした理由について研究班に確認を取っております。
 これに対して研究班からは、海外で提唱されている治療開始や経過観察の考え方と、本法における症例集積の結果、さらに既に指定難病として重症度分類が策定されている自己炎症性疾患である家族性地中海熱といった重症度分類を参考として、客観的かつ運用可能な指標となるように構成しましたということで回答をいただいているところでございます。
○持田委員長 類似疾患の重症度分類を採用しており、これがこの疾患における診断基準とほぼ同一であったということですね。重症例の比率を高くするために重症の基準を診断基準と同一にしたのでしたら問題ですが、既に重症度分類として確立しているものが、診断基準とほぼ同一だったのであれば問題ないかと思います。いかがでしょうか。今の説明でよろしいでしょうか。
 御異論ございませんでしたら、シュニッツラー症候群は難病としてお認めするということでよろしいでしょうか。
 では、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、以上で予定をしておりました全疾患の協議が終了しましたので、事務局のほうでの取りまとめをお願いいたします。
○西垣補佐 まとめさせていただきます。
 1つ目のVici症候群に関しましては、小児の重症度分類に薬剤使用の有無を用いているため「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たさないと判断することが妥当とされ、承認は見送りになったと認識しております。
 2つ目のスティッフパーソン症候群と3つ目のNMDA受容体抗体脳炎では、「治療法が確立していない」や「長期の療養を必要とする」の要件、2つ目のスティッフパーソン症候群では、これらに加えて傍腫瘍症候としての本症も含めていることから「発病の機構が明らかではない」との要件も満たさないと判断することが妥当とされ、承認は見送りになったと認識しております。
 4つ目の椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤は「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たさないと判断することが妥当とされ、承認は見送りになったと認識しております。
 5つ目の脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害については承認されたと認識しております。
 6つ目の神経核内封入体病では、重症度分類での対象者が増加した点についての検討や説明が不十分と考えられたため、「長期の療養を必要とする」の要件について引き続き検討が必要と判断され、承認は見送りになったと認識しております。
 7つ目の痙攣性発声障害については、局所性ジストニアからの切り分けと思われることや重症度分類の設定の仕方から「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たさないと判断することが妥当とされ、承認は見送りになったと認識しております。
 8つ目のアポリポタンパクA-1欠損症と9つ目の遺伝的インスリン抵抗症に関しましては、既存の治療で対応可能であり「治療法が確立していない」の要件を満たすことが難しいと判断され、重症度分類に関しても再検討が必要として承認は見送りになったと認識しております。
 10番目の原発性肝内結石症に関しましては、前回同様、長期予後についての検討が不十分であって重症に該当する割合も低いことから「長期の療養を必要とする」との要件を満たすことが難しいと判断され、承認は見送りになったと認識しております。
 11番目の先天性胆汁酸代謝異常症(脳腱黄色黄色腫症を除く)は承認されたと認識しております。
 12番目のPeutz-Jeghers症候群に関しましては、定期的な内視鏡治療で重症者の割合が減少するため、今回も「長期の療養を必要とする」との要件を満たさないと判断することが妥当とされ、承認は見送りになったと認識しております。同時に、内視鏡治療の有無を重症度分類に用いることについても薬剤と同様、その趣旨に合わないのではないかというコメントもいただきました。
 13番目のアルドステロン合成酵素欠損症に関しましては、重症度分類に薬剤使用の有無を用いているほかに、「発病の機構が解明されている」との記載がありますので、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たすことが難しいと判断され、承認は見送りになったと認識しております。
 14番目の特発性好酸球増加症候群も重症度分類に薬剤使用の有無を用いているほか、重症に該当する割合も低いことから「長期の療養を必要とする」との要件を満たすことが難しいと判断され、承認は見送りになったと認識しております。
 15番目の先天性血小板機能異常症(血小板無力症及びベルナール・スーリエ症候群)につきましては、承認されたものと認識しております。
 16番目の慢性活動性EBウイルス感染症につきましては、発症機序につきましてさらなる整理が必要とのことで、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たすことが難しいと判断され、承認は見送りになったと認識しております。また、重症度分類に薬剤使用の有無を用いている点もコメントでいただきました。
 17番目の遺伝性掌蹠角化症と18番目の家族性化膿性汗腺炎に関しましては、予後の情報等が引き続き不十分と判断され、「長期の療養が必要である」との要件について判断困難として、承認は見送りになったと認識しております。
 19番目のシュニッツラー症候群に関しましては、承認されたと認識しております。
 最後、20番目の掌蹠膿疱症性骨関節炎に関しましては、掌蹠膿疱症やSAPHO症候群との疾患の切り分けという問題について整理が必要とされ、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たさないと判断することが妥当とされ、承認は見送りになったものと認識しております。
 事務局からは以上です。
○持田委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの取りまとめについて、皆様から何か御意見、御質問がございましたら、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、委員の皆様方、ありがとうございました。本日の議論の結果について、御承認いただいたものとしたいと思います。
 議題1について、全体を通じて何かございましたらお願いいたします。
 ございませんでしたら、1つ目の議事は終了したということで、2つ目の議題「その他」に移りたいと思いますので、事務局からお願いいたします。
○古藤補佐 委員の先生方、ありがとうございました。
 「その他」としての議題は特にございませんが、次回、第68回「指定難病検討委員会」は令和8年9月1日に開催を予定しております。
 事務局からは以上でございます。
○持田委員長 それでは、以上で第67回「指定難病検討委員会」は終了とさせていただきます。
 活発な御議論をいただきありがとうございました。