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- 第37回肝炎対策推進協議会 議事録
第37回肝炎対策推進協議会 議事録
健康・生活衛生局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
日時
令和8年6月26日(金)13:00~15:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム
(東京都港区新橋1−18−1 航空会館B101号室)
(東京都港区新橋1−18−1 航空会館B101号室)
出席者
- 委員
-
- 秋山 実(健康保険組合連合会理事)
- 五十川 正記(国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所ウイルス第二部長)
- 出田 妙子(薬害肝炎原告団)
- 伊藤 公子(薬害肝炎原告団)
- 及川 勝(全国中小企業団体中央会常務理事)
- 金成 由美子(福島県県南保健所所長)
- 考藤 達哉(国立健康危機管理研究機構 肝炎情報センター長、肝炎・免疫研究センター長)
- 木下 真純(日本肝臓病患者団体協議会)
- 郡山 千早(鹿児島大学大学院医歯学域医学系医歯学総合研究科 疫学・予防医学教授)
- 坂上 博(読売新聞調査研究本部主任研究員)
- 坂本 泰三(公益社団法人日本医師会常任理事)
- 竹原 徹郎(独立行政法人労働者健康安全機構関西労災病院病院長)
- 辰巳 創史(全国B型肝炎訴訟大阪原告団)
- 新沼 かつら(日本労働組合総連合会労働条件・中小地域対策局長)
- 萩部 義一(日本肝臓病患者団体協議会)
- 日浅 陽一(愛媛大学大学院医学系研究科教授)
- 梁井 朱美(全国B型肝炎訴訟九州原告団)
- 山﨑 喜彦(日本肝臓病患者団体協議会)
- 山下 輝夫(兵庫県保健医療部長)
- 参考人
-
- 川瀬 春香(島根県健康福祉部薬事衛生課感染症対策係主任保健師)
- 岩上 智美(茨城県保健医療部疾病対策課主任)
議題
- 1.肝炎対策基本指針の見直しに向けた議論
- ・研究報告
- (1)地域の肝炎対策の取組状況の分析について(考藤委員)
- ・自治体からの報告
- (1)茨城県からの報告(岩上参考人)
- (2)島根県からの報告(川瀬参考人)
- ・委員からの肝炎対策基本指針の改正に関する提案
- 2.その他
- ・マイナンバー情報連携を活用した申請手続の簡素化について
議事
○木村肝炎対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまより、第37回「肝炎対策推進協議会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
私は、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課肝炎対策推進室長の木村でございます。冒頭の議事進行を担当させていただきます。
本日の協議会でございますが、委員の皆様におかれましては、対面とオンラインを併用したハイブリッド形式で開催させていただきます。また、傍聴される方やメディアの方に対しましては、ユーチューブ配信をさせていただいております。
本日は、ウェブ上で御参加される方もいらっしゃることから、接続状況によりまして画像・音声が乱れる場合がございますが、あらかじめ御承知おきいただきますようお願い申し上げます。
会議の進行に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。会議中、マイクはオフにしてください。御発言を希望される方におかれましては挙手を、ウェブ上で御参加の方はZOOMの画面下部「リアクション」をクリックしていただいて、「挙手ボタン」を選択いただければと思います。その後、会長より指名されましたら、マイクをオンにしていただきまして御発言をお願いいたします。御発言の際にはお名前を名乗っていただきまして、また、会場の方はできるだけマイクに近づいていただいて、可能な限りゆっくりお話しくだされば幸いでございます。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できる限り簡潔に御発言をいただきたいと思います。
操作などの御質問がある場合は、事務局までお問合せいただければと思います。
それでは、まず、開会に当たりまして、健康・生活衛生局長の大坪から御挨拶をさせていただきます。
○大坪 健康・生活衛生局長 皆様、こんにちは。厚生労働省健康・生活衛生局長の大坪でございます。本日も皆様、お時間いただきまして、御出席をありがとうございます。また、日頃から、この協議会を通じまして、委員の皆様方には、様々御指導、御鞭撻をいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。
本日、第37回の協議会でありますが、議事次第にございますように、今年度は、前回の協議会でお示ししたスケジュールに従いまして、この肝炎対策基本指針の見直しに係る検討を進めていくところでございまして、議事にございますように、まず初めに、考藤先生から研究報告といたしまして、地域の肝炎対策の取組状況の分析について御報告をいただきます。その後に、自治体の皆様方、本日は茨城県と島根県の御担当の方から、自治体における肝炎対策の取組内容などを御報告いただくこととしております。
委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を本日も頂戴できれば大変ありがたく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○木村肝炎対策推進室長 ありがとうございました。
なお、局長の大坪につきましては、公務の都合上、途中退席させていただきますことを御了承くださいませ。
続きまして、委員の出欠状況について申し上げます。本日は赤羽委員から御都合により欠席の御連絡をいただいております。20名のうち19名の委員に御出席いただいておりまして、また、本日は参考人といたしまして、今、御紹介ありましたとおり、茨城県保健医療部疾病対策課主任 岩上智美様、島根県健康福祉部薬事衛生課感染症対策係主任保健師 川瀬春香様にも御出席いただいております。後ほどよろしくお願いいたします。
本日の会議につきましては、定足数に達しておりますので、会議が成立しておりますことを御報告いたします。
続きまして、本日の資料について確認させていただきます。議事次第、委員名簿、座席表、配付資料一覧。資料は1~5、参考資料1~4となっております。資料の不備等ございましたら、お申しつけいただければと思います。
また、この後、議事に入らせていただきますけれども、これまでのところで接続状況の不具合や操作方法等で御質問がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
冒頭の注意事項等は以上になりますので、以後の議事進行につきましては、竹原会長にお願いしたいと思います。
○竹原会長 それでは、議事に入らせていただきます。前回の協議会でお話が出ましたように、本日の協議会では、今後の肝炎対策基本指針の見直しに向けた作業として、議事次第にもありますように、見直しに向けた委員や参考人からの御報告などをいただきます。
早速、議題(1)「肝炎対策基本指針の見直しに向けた議論」に関しまして、研究者の方からの報告をお願いいたします。まず、考藤委員から御説明をお願いいたします。
○考藤委員 竹原先生、ありがとうございます。
それでは、最初に、政策研究班で担当しております、全国の肝炎医療、自治体事業の指標について、これまでの経過と現時点でのまとめについて御報告させていただきます。
スライドをお願いいたします。
これは厚労省から出している図になりますけれども、肝炎対策が何を目指しているかというスキーム図になります。最終的な肝炎対策の目標は、肝硬変・肝がんで亡くなる方を一人でも減らしていくということになりますが、そのためには、まず、ウイルス肝炎の検査を受けていただいて、治療が必要な方には適切な医療を受けていただく。治療が終わった後も、C型肝炎等では肝がんの問題がございますので、適切なフォローを地域あるいは拠点病院等で受けていただきながら、そのスクリーニングをしていくということになろうかと思います。
この流れを概観しますと、それぞれのステップでいろいろな事業・医療が関わってまいります。こういった各ステップでの取組状況、さらに達成状況につきまして、適切に共通の物差しで評価していくことが、次の課題を抽出するためには非常に重要であるというところから、指標の作成を始めました。
次のスライド、お願いいたします。指標の考え方ですが、物差しとして使うためには、客観的な数値として落とし込む必要があるだろうということで、これは1つの例でありますけれども、例えば自治体のフォローアップ事業について、指標を1つ作ろうとするときに、その都道府県の市町村の数を分母に取りまして、実際にフォローアップ事業を実施している市町村の数を分子に取りますと、その都道府県におけるフォローアップ事業の進達状況・浸透状況が判定できると、このような考え方になります。したがいまして、多くの指標は0から1に数値化されておりまして、1は全て達成、0は全く達成されていない、このような数値の解釈になろうかと思います。
ただ、全て数値に表せるわけではなくて、肝炎医療等では実数として評価しているところもあることを御認識いただきたいと思います。今日は主な指標を御報告いたしますけれども、私たちの研究班で調査している指標の全ての項目等は後半の資料でお示しておりますので、そちらも御覧いただきながら御確認いただければと思います。
次のスライド、お願いします。こちらは肝炎医療指標を例に取りまして、私たちの研究班が取り組んできた過程をお示ししています。
最初、2017年度から指標班が始まりまして、当初、この指標の候補の作成、議論を踏まえて指標を選定してまいりました。次に、指標班、拡充班、均てん化班ということで、3年ずつ御支援いただきまして指標調査を継続してまいりました。第5回調査、2022年度の実績調査が終わった後で指標の結果の報告会を行いまして、その結果を踏まえて指標報告書として冊子体にまとめております。これは2024年1月に既に関係各所に送付済みです。
ただ、こういった報告書のみではフィードバックがダイナミックに行えませんので、調査結果のフィードバック方法として、下にお示ししておりますけれども、肝炎対策地域ブロック戦略会議、これは情報センターと肝炎室で共催して全国6ブロックにおいて毎年9月から10月にかけて行っておりますが、ここのブロック会議におきまして報告を行っております。加えまして、都道府県での意見交換会も年2回程度開催し、その都道府県における指標の結果の共有等を行っております。
次のスライド、お願いします。こちらは先ほどお示しした冊子体報告書の最後のほうのページに、肝炎政策への提言として書かせていただきました。逐一御説明申し上げないので、また御覧いただきたいと思います。
次のスライド、お願いします。個別のフィードバックが改善に向けては非常に重要だと考えておりますので、拠点病院に対するフィードバックと自治体に対するフィードバックの方法について御説明いたします。
拠点病院へのフィードバック方法は、2つ図をお示ししておりますけれども、全国の拠点病院の達成状況をプロットしながら、その中で報告先の拠点病院の位置づけを目印として示しているという形です。もう一つの方法は、その特定の拠点病院における各指標の経年変化についてお示ししております。
次のスライド、お願いいたします。こちらは自治体事業に関する結果のフィードバック方法で、このような形で全国都道府県の指標値分布をシンボルで示しながら、報告先の都道府県の実績につきまして赤いダイヤモンドで全国での位置づけをお示ししています。
次のスライド、お願いいたします。今日の報告内容ですが、全ての指標の結果を報告する時間的余裕はございませんので、この3つの点につきまして絞って御報告させていただきます。
次のスライド、お願いいたします。まず、拠点病院に対する肝炎医療指標であります。肝炎医療指標は大きく5つの柱に分かれておりまして、肝炎・肝硬変全般、C型肝炎、B型肝炎、肝硬変、肝炎制度ということで、全29指標を調査しております。調査期間等は、右のほうに示すとおりであります。
次のスライド、お願いします。B型肝炎とC型肝炎の肝炎医療指標の経過を、2018年から最新の2024年度の実施につきましてグラフで示しております。薄いピンクで示しておりますけれども、0.8以上を達成目標として位置づけております。
B型肝炎におきましては、個々の診療内容につきましては下のほうに書いてありますけれども、調査開始当初から全ての医療指標が高いレベルで達成できているという評価になります。
C型肝炎のほうを見ていただきますと、B型に比べますと少し波がありますけれども、フィードバック等で拠点病院での取組を改善していただいたおかげで、最新の2024年度の実績調査では、全ての医療指標が0.8以上の高い達成度で行われているという評価になっています。
次のスライド、お願いします。こちら、全国の達成状況をブロック別に大項目ごとにレーダーチャートでお示しした図になります。レーダーチャートの見方ですが、右のほうに書いてありますけれども、全国平均からの離れ具合を表現するような形になっておりまして、五角形が外に広がるほど全国平均より達成度が高いというふうに解釈していただければと思います。つまり、このダイヤモンドが外に広がれば広がるほど、そのブロックにおいて5つのカテゴリーの肝炎医療指標の達成度が高いということになります。一部、肝硬変の医療指標につきましては、少しへこんでいるところがございますけれども、内容を詳細に確認したところ、全てのブロックで均てん化された肝炎医療が提供されていると政策研究班では評価しております。
次のスライド、お願いします。こちらは肝炎制度に関する指標値について個別にお示しいたしました。左と右は同じような意味を示しておりますので、左の折れ線グラフだけ御説明いたします。2018年度から2024年度まで継続して調査してまいりましたけれども、B型肝炎給付、C型肝炎給付、ウイルス肝炎定期検査費用助成、さらに2018年度から始まっております肝がん・重度肝硬変研究支援事業について調査しております。肝がん事業が始まった当初、まだ十分な説明ができていなかったという結果になりますけれども、繰り返しブロック会議等でお願いした結果、説明も十分できているという評価になっていると思います。
次のスライド、お願いいたします。拠点病院に加えまして、多くの患者さんが専門医療機関で受診あるいは治療を受けていらっしゃいます。専門医療機関に対しても、肝炎医療指標を調査開始当初から継続しております。ただ、専門医療機関に対しては、拠点病院ほど詳細な内容ではなく、簡易版としてお願いしております。それも後半の資料につけておりますので、御覧ください。
ここでは、主な結果として、施設要件、ウイルス肝炎治療の延べ患者数、左下は院内連携指標として、電子カルテのアラートシステムとか紹介システムの入り状況、さらに、病診連携指標として、ICTを利用した連携がどうかについてお示ししています。左下の連携指標、これは院内連携として非常に重要なのですが、年度を経るごとにシステムを配備されている専門医療機関の数が増えてまいりましたので、ある意味、進達度が向上していると評価できると思います。
次のスライド、お願いします。自治体事業指標について、主なものだけ御紹介いたします。このスライドは、肝炎ウイルス検査の実施について指標の経年的な推移になります。
下のほうに、2017年から2023年までの傾向についての統計的評価を示しています。太字で、その傾向だけまとめて書いております。肝炎ウイルス検査の受検率、これはB型肝炎だけ出しておりますけれども、C型肝炎もほぼ同じと考えていただいて結構です。受検率は少し減少傾向にあると言っていいと思います。肝炎室の調査でも同じような結果が出ているかと思います。
スライド、お願いします。こちらは重症化予防推進事業の実施状況ということで、初回精密、定期検査費用助成ということです。傾向のところを見ていただきますと、初回精密に関しましては緩やかに減少傾向、それから定期検査費用助成に関しましては受検率が増加傾向にあります。肝炎室としても重要な事業のひとつですので、様々な周知徹底が効果を上げているのではないかと評価しています。
次のスライド、お願いいたします。肝炎医療コーディネーターの配置状況になります。肝炎医療コーディネーター事業は都道府県事業でございますけれども、多くの都道府県で拠点病院と連携しながら養成、そして更新の研修会を行っております。研究班としては、各病院、それから事業主体に少なくとも1人のコーディネーターの方を配置していただきたいということで、こういう調査を行っております。4つの事業主体について傾向を示しています。拠点病院、専門医療機関、保健所、市町村の肝炎担当部署、いずれも増加傾向ということで、肝炎医療コーディネーターの配置は年々進んでいるという評価になると思います。
次のスライド、お願いいたします。田中純子先生の政策研究班と共同して、2017年から国民調査ということで、肝炎ウイルス検査受検に関する、全国の国民に対してアンケート調査を行っています。ウイルス肝炎検査を受けたことがありますかというシンプルな質問に加えて、様々な背景を調べる調査でありますけれども、結果だけお示ししています。上がB型肝炎の検査、下がC型肝炎の検査ということで、数字で受検率を示しておりますけれども、最新の2024年度の解析によりますと、総じて国民の約8割は少なくとも1回はウイルス肝炎検査を受けているという評価になります。これは我が国の肝炎政策としては、非常にすばらしいと考えています。
次のスライド、お願いいたします。肝炎啓発効果についての研究も私たちの研究班で行っています。肝炎について、正確な知識あるいは情報を得ていただくことが、次の行動につながるだろうということで、できるだけ心に刺さる啓発の方法を研究班として開発してまいりました。
その一つの成果が肝炎すごろくです。スライドの左の下段に示していますけれども、ボードゲームを作成しまして、すごろく形式で複数の方で遊んでいただく。ゴールを目指すということになるのですが、当然ながら色々なこまがありまして、そこで止まります。こまに様々な仕掛けをしておりまして、例えば知識を問うようなクイズを出したり、生活習慣などの行動を選ぶような問いを投げかけたりしています。こまを進めていく中で肝炎に関する情報あるいは生活習慣等を自ら考えていただくような内容にしています。
加えまして、肝炎医療コーディネーターの方を非常に重要な存在として位置づけておりまして、お仕事について伝えるような仕掛けもしています。肝炎すごろくは既に多くの拠点病院の方や専門医療機関の方々にお使いいただいておりまして、大変高評価をいただいております。
すごろくによる情報の伝え方がいいのかということを客観的に検証するために、私たちの研究班では、啓発の方法について比較検討を行いました。一般的な啓発方法としては、リーフレットあるいは動画といったものが多いかと思います。こういった情報の届け方の違いによって、受け手側の知識の定着率、情報を受け取ったときの感情といったものを比較する調査になります。詳細は省きますが、次のスライドを見ていただきますと、学習効果について示しています。青色がすごろく、オレンジが動画、灰色がリーフレットということで、いずれの啓発の方法によりましても、受けた直後は非常に学習効果が高いということが分かります。中でもすごろくは一番効果が高かったという結果です。
ただ、1つ課題として残るのは、3か月後のフォローアップ調査を行いまして、どの程度知識が定着しているかということを調査したのですが、なかなか難しいところがあるようで、いずれの啓発方法に関しましても、3か月後、定着率が落ちてくるということが分かりました。したがいまして、繰り返し情報を届けることが大事かなと感じた次第です。
右のほうはワクワク度をPANAS尺度というもので評価してみました。情報を受け取ったときに面白さを感じるかどうかによって、定着については大きな差が出ると考えられます。すごろく、動画、リーフレットを比べてみますと、すごろくは遊びですから当然かもしれませんけれども、非常にワクワクして情報を受け取っていただいたという結果が得られています。
今後は、この啓発資材に関しましては、オンライン化も視野に入れながら、研究班で作成・開発を進めていきたいと考えています。
次のスライド、お願いします。まとめになります、このような形で経年的に肝炎医療指標、自治体事業指標、拠点病院事業について指標を調査しています。経年的な変化を全国レベルの中で見ること、あるいは個々の組織の中でも推移を見ていくことによって、政策・医療の進達状況が客観的に俯瞰できますし、取組状況の振り返りができると思います。今後も指標調査は継続してまいりたいと考えています。
最後のところで少し御説明した啓発の方法は、非常に重要と考えておりますので、今後、肝炎すごろくの次のバージョン、あるいはオンライン形式のすごろくなど、開発を目指していきたいと思います。
令和10年度には2回目の指標調査報告書を作成する予定です。第1回調査報告書と同じように関係各所に届けて、もう少し踏み込んだ提言を行いたいと考えています。
以上、私からの報告です。ありがとうございました。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告に委員の先生方から、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
それでは、出田委員、どうぞ。
○出田委員 薬害肝炎原告団の出田と申します。よろしくお願いいたします。
今日は4項目ほどございますので、2回に分けてお尋ねしてよろしいでしょうか。
○竹原会長 結構です。
○出田委員 考藤委員、御報告ありがとうございました。まず1点目、資料1の6ページ、「肝炎政策への提言 肝炎総合政策に係る指標報告書」についてお尋ねします。令和5年度厚労科学政策研究班(均てん化班)によるこの報告書は、国や自治体、拠点病院や専門医療機関、かかりつけ医等の肝炎政策推進の評価に極めて有効だったと思われますが、現状、何が課題であるかお聞かせいただけますでしょうか。
また、肝炎ウイルス検査を受けたことを忘れないよう活用する「検査カード」とは、どのようなものでしょうか。活用事例等があれば、ぜひ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○考藤委員 御質問、どうもありがとうございます。
課題ですが、このような提言を行った後、それをどのように現場で生かしていただけるかというところが、まだ十分調査できていないところであります。指標の達成状況というものを踏まえて改善に向けて取り組んでいただきたいと思い報告していますが、改善の度合いについて、まだ十分な調査ができていない点が研究班としての課題と思っています。
2つ目の「検査カード」ですが、これは他の政策研究班で取り組まれていることかなと思います。御自身が自治体の検査を受けた後で、その結果がどうであったか、それを御自身が確認するためのカードです。それを例えば病院等で示していただくことで、ウイルス肝炎検査の結果について共有できるという形のカードと思います。ですので、運用は研究班中心に、都道府県、全国的に推進されていると理解しております。
以上になります。
○出田委員 ありがとうございます。
次に、資料1の12ページの肝炎医療指標から見た地域ブロック別肝炎診療についてということでお尋ねしようと思っていたのですけれども、先ほど先生の御説明の中にありましたけれども、北海道東北、中国四国、九州ブロックでは、肝硬変治療の達成度が低かったので、全てのブロックで均てん化された肝炎医療が提供された状況にはないように思って御質問しようと思ったのですけれども、多少変形しているものの、全てのブロックで均てん化されているものと見ると先ほど御説明されましたけれども、特に九州では、肝硬変の部分がほかのブロックに比べるととても低いように思われますけれども、この程度の違いはあまり問題ではないということでよろしいでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
その点は、実は政策研究班でも少し議論しておりまして、後半の資料で肝硬変のところを御覧いただくとお分かりになりますが、肝硬変の項目というのが、内視鏡の検査実施と栄養指導の実施、さらに身体障害者認定のお話をしたかどうかということで、少し傾向が違う項目が3つだけ入っています。課題だと思っているのは、身体障害者認定の説明のところは、対象になる患者さんがいない場合にゼロになってしまいますので、トータルで数値としては下がっている原因ではないかなと考えています。
もう一点は、内視鏡検査の実施についてなのですが、これも肝硬変といいましても、非常に軽い方から重度の方まで病状は大きく異なりますし、静脈瘤等の合併症に関しましても個人差が非常に大きいことから、必ずしも1年に1回されていないところもある。実臨床ではあり得るのかなと考えておりますので、特定のブロックだけ特に実施状況が悪いということはないのではないかと考えています。
以上です。
○出田委員 ありがとうございました。よく分かりました。
次に、この12ページの指標はブロック別に評価されておりますけれども、ブロックの中の都道府県で進んでいるところと遅れているところが存在していると思われます。患者にとっては、均てん化の実感がブロックで判断されるとあまりなく、研究班の報告と少し乖離しているように思われるのですが、都道府県単位で評価するということはできないのでしょうか、いかがでしょうか。
○考藤委員 それももちろん可能です。今日はお示ししておりませんけれども、フィードバック資料のところで、一部、例としてお示ししましたけれども、各都道府県別の達成状況とその推移については、個別に御報告するようにしておりますので、そういった形で評価も可能ですし、自治体にもお届けできているのかなと思っています。
○出田委員 ありがとうございます。
最後に、肝炎すごろくについてですけれども、昨年、私たちの団体でも研究班からお借りして、すごろくを実際に体験しました。本当にワクワク感があり、大変盛り上がり、楽しく学ぶことができました。強いて言えば、少し時間がかかったということと、やり方がちょっと難しかったということです。今後、ぜひこの啓発資材を有効に、いろいろなところで使われるようによろしくお願いいたします。
以上です。
○考藤委員 ありがとうございます。
○竹原会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
萩部委員、どうぞ。
○萩部委員 日肝協の萩部でございます。
直接的ではないのですが、資料1の14ページの右上のウイルス性肝炎延べ患者数というデータがございます。ここを見る限り、C型は減ってきていると思うのですが、B型の肝炎患者の数が延べ患者ではなかなか減らない、横ばいの状況かと思います。前回の協議会におきまして、考藤委員と日浅委員から、国内でのB型肝炎治療の開発状況をお話いただいていると思います。国内では、先日、先駆的医薬品として機能的治癒薬の承認申請も開始されているかと思いますが、海外でのB型肝炎治療薬の開発状況について、もし先生方から知見があればお聞かせいただきたいというのが1つ。
もう1つですけれども、日本肝臓学会におきまして、今年の6月にB型肝炎治療ガイドライン第5版ということで、4年ぶりに改訂されております。この新薬の承認等がこれから予想される中で、今後、この改訂によりまして治療の対象者の拡大が想定されるのかなと思います。厚労省にお願いですけれども、医療費助成等についても患者負担が軽くなるような確実な予算確保をお願いしたいと思います。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
どうしましょうか、海外の開発状況ということで、先般も日浅委員と考藤委員等から御説明はあったかと思いますが、考藤委員、もう一度御説明よろしいでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
まだ日本で保険収載されていないベピロビルセンという薬ですが、この間、ヨーロッパの肝臓病学会で第3相試験の結果が発表になりました。それによりますと、第2相試験よりデータが少しよくなりまして、ウイルスの抗原量が3000という値より低い患者さんでHBs抗原が消えて、しかもその後、核酸アナログもやめて半年間後のHBs抗原が陰性のまま維持している率が19~20%ということです。さらに、治療開始前のHBs抗原量が1000以下の方では、HBs抗原の陰性化率が25~28%ということですから、非常に期待が持てる結果が出ています。
こういうデータを基にして日本での承認が進むと思いますが、まだ70%強はHBs抗原が消えない患者さんが残りますので、そこには開発の余地があるというか、必要があると思います。いろいろな海外治験が走っていまして、日本でも新しい治験薬、治験が始まる可能性がありますが、まだこのベピロビルセンほどは進んでいないという状況ですので、もう少し時間がかかると思います。日本では何とか追いつくように、我々の研究班も含めて頑張っているところです。
以上になります。
○木村肝炎対策推進室長 厚生労働省でございます。
今、考藤先生からベピロビルセンの海外での研究発表の状況を御説明いただきました。前回の協議会でも御説明しましたとおり、本年2月に、この医薬品については承認審査の申請がなされておりまして、優先審査ということで、6か月程度でその承認の可否が出るところでございます。今は、そういう意味で申し上げますと、まだ審査中というステータスというふうに思います。
これも前回御説明いたしましたとおり、今後、仮に承認されて保険収載される場合には、医療費助成の対象にする方向で検討したいと思っておりますし、また必要な予算もしっかり確保していきたいと思っております。
以上です。
○萩部委員 ありがとうございました。
○竹原会長 そのほか、いかがでしょうか。
坂上委員、どうぞ。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。
詳細な分析ありがとうございました。均てん化という意味で、肝臓移植について考藤先生の御意見をお聞きしたいと思います。重症な患者さんに対する最後の治療として、肝臓移植があります。厚生労働省様が肝臓移植に限らず、臓器移植の環境整備にご努力いただいておりますけれども、まだ臓器移植には様々な課題があると思います。その中でも、移植施設の実績の格差があります。そういう面でも均てん化の必要性はあると思うのですけれども、この点、考藤先生、どう考えられていますでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
肝移植の話は今回の指標の調査の範囲外でありますので、全くの私見になりますけれども、肝移植というのは、恐らく肝臓病治療の最後の砦といいますか、究極の治療だと思っています。日本におきましては生体肝移植が中心になりますので、ドナーの問題、そこに至るまでのアロケーションの問題とか、課題はまだ残っているのかなと思います。
移植できる施設を均てん化するべきか、あるいは集約化するべきかというところが課題のひとつかなと私自身は思っています。ある程度集約化して、そこに患者さんに集まっていただいて、医療者側の技術レベルもどんどん高くなっていくということが、移植の成功には非常に重要な要件ではないかなと思っています。どこでも移植ができるというのは1つ理想ではありますけれども、今の状況、それから移植の数の状況、こういう点を踏まえますと、ある程度集約化が必要ではないかなと私自身は感じています。政策等に関しましては、私の範囲外ですので、厚労省の方にコメントいただければと思います。
○木村肝炎対策推進室長 厚生労働省でございます。
我々も直接の担当ではございませんけれども、同じ局内で臓器移植を担当している室がございまして、そちらでまさにドナーの臓器を移植したいという方の想いがしっかり実際の移植につながるようにということで、様々な取組を進めております。例えば、臓器移植をマッチングする団体、JOTという団体がありますけれども、そうした団体に加えて、各地域でドナー関連の業務を行う法人をつくるという新たな仕組みをスタートして、実際、新たに認可を得た法人もございますし、まさに提供する病院、また提供を受けて実際に移植をする病院に対する支援も、予算面も含めて拡充していると聞いております。考藤先生からお話があった、集約化すべきかどうかという議論も、引き続き臓器移植委員会のほうで議論していただいているというふうに聞いております。
また、予算面でも、診療報酬改定で、臓器移植の報酬の強化ということもかなり図られていると思いますので、提供したいという方の想いができる限り移植につながるよう、厚労省としても取り組んでいきたいと考えております。
○坂上委員 ありがとうございます。
この推進協議会ではこれまで、移植の話があまり討議されてこなかったと思いますので、発言させていただきました。厚労省様、医療者の皆様が臓器移植の推進にご尽力いただいていることは存じております。今後ともよろしくお願いします。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、郡山委員、どうぞ。
○郡山委員 鹿児島大学の郡山と申します。
考藤先生、詳細な御発表ありがとうございました。御発表の中で、例えば自治体へ個別フィードバックをされているということで、非常に丁寧な結果をお返しになられているのですけれども、これは自治体の経年変化を見たときに、もしかなり変化が見られると、よくなったり、あるいはむしろ逆に悪くなっているような、そういったことの分析等もされていらっしゃるのか、それとも今後御検討される予定なのかというのを1つお伺いしたいと思います。
○考藤委員 郡山先生、ありがとうございます。
非常に大事なポイントでありまして、我々も指標結果をお返しした後、上向くかなというのを一番期待しているところなのですが、先ほど申し上げたとおり、そこがまだ課題と思っています。個々の自治体において、指標結果を踏まえてどのように変えましたかという調査が十分できておりません。都道府県での意見交換会を肝炎室の皆さんと一緒に年3回ほど行っていますが、そこで詳細に自治体の状況について共有しながら、御意見もいただきながら糸口を探るような活動を続けております。そのような形で、徐々にではありますけれども、いい方向に向かっていけばいいなと考えています。
以上です。
○郡山委員 ありがとうございました。
すみません、あと1点だけよろしいですか。最後に御説明された啓蒙活動の資料で、すごろくとか、非常にワクワク感を持ってできる資料を開発されているということですが、これの対象年齢はどれくらいの年齢の幅をお考えなのかということと、むしろ少し若い方にも知っていただきたいということで、例えば大学生・高校生とかにも試みていらっしゃるのかというのを少しお尋ねしたいと思います。
○考藤委員 ありがとうございます。
すごろくは中学生以上を想定しておりまして、文言についても、かなり練り込んでいるつもりです。さらに若い世代へのアプローチも非常に重要だと考えておりまして、今日、お示ししておりませんけれども、肝臓ライフすごろくという、コマ数をさらに減らして、表現もさらに柔らかくした、小学生対象にしたつくりのすごろくも作っています。そちらも拠点病院等でお使いいただきながら感触を探っていただいております。病院だけではなく、例えば東京にある日本科学未来館とか、非常に関心の高い子供たちが集まるような場においても、すごろくを遊んでいただきながら感想を貰ったりして、フィードバックしております。学校教育の現場でも使っていただけるように、将来的には進めていきたいなと考えています。
以上です。
○郡山委員 大変参考になります。ありがとうございました。
○竹原会長 ありがとうございます。
梁井委員、どうぞ。
○梁井委員 B型肝炎訴訟原告団の梁井と申します。
資料の18ページですけれども、ウイルス検査の受検率の推移というところで、8割方の国民が検査を受けているということは、本当に進んできているなというのを患者としても思いました。ただ、私はB型肝炎なのですけれども、一昔前というのですか、セロコンバージョンでそれで終わりだというふうに思っていまして、お医者様からも、もう来なくてもいいよ、治療は終わったよと言われた方もたくさんいらっしゃると。そういう方は、まだ受療のほうには結びついていらっしゃらないのではないかなと思います。
それと、術前検査でかなりの方が検査を受けているけれども、それが直接患者のほうに結果が伝わっていないというのが、少し前に問題になっておりました。そういうふうに、検査は受けているけれども、受療に結びつかない。そういう方に対しても、ぜひともこのパーセントが上がるようなものを考えていただきたいと思います。
それから、2割の未受検者です。本当に難しいところだと思うのですけれども、この方たちが検査に向かうような方策というか、施策というものを何かお考えでしたら教えていただきたいと思います。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
指標があるかどうかということと、施策ということでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
この8割というのは、田中先生と一緒に行っている国民調査の解析結果なのですけれども、これは認識受検と非認識受検を合わせた、いわゆる受検経験率ということになっています。認識受検というのは、御自分がウイルス肝炎検査を受けたことを記憶している方です。非認識受検というのは、受けたはずなのだけれども、アンケートでは受けていないと答えられた方。つまり、ウイルス肝炎検査を受けた経験はあるけれども、その調査の時点では御自分が忘れている方ということになります。術前検査の方は、どちらかというと非認識受検のほうに入っております。御指摘のとおりで、術前検査の結果をきちんと周知すること、御自身に覚えておいていただくことが非常に重要で、そこはこれからまだ政策研究班を含めて、取り組んでいく大きな課題だと思っています。
○梁井委員 ありがとうございます。
○木村肝炎対策推進室長 今、考藤先生からお話ありましたように、検査を受けた場合、その御本人にしっかりと検査結果を伝えていただくということは、かねてより厚労省からも依頼しているところですので、そうしたことを今後とも続けていきたいと思いますし、また、いつでも無料で検査を受けられるような体制をつくるということで、引き続き検査のための予算面での支援も行っていくということで、いろいろな方がいつでも検査を受けられるような環境を整備していくことが大事かなというふうに考えております。
○竹原会長 先ほど梁井委員からお話があった、セロコンバージョンすれば、それでいいというお話に関しては、これは昔は確かにそうだったのですけれども、最近はガイドラインでも発がんのリスクを踏まえて治療していくということが学会でも明記してあって、そういうふうな趣旨で治療が地域でも進んで、それに対しての適切な補助がされるというような仕組みだというふうに理解しております。
○梁井委員 ありがとうございます。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、自治体からの御報告ということで、茨城県から岩上参考人より御報告をお願いいたします。
○岩上参考人 茨城県保健医療部疾病対策課の岩上と申します。
茨城県からは、本件における肝炎対策の現状及び取組について御説明いたします。よろしくお願いいたします。
次、お願いします。本県の現状について御説明いたします。初めに、肝がんの75歳未満年齢調整死亡率ですが、全国と同様に減少傾向にあり、令和6年、3.4となりましたが、依然として全国平均より高い水準で推移しております。
次、お願いします。次に、特定感染症検査等事業における保健所の肝炎ウイルス検査件数及び陽性率についてでございます。保健所での検査件数は新型コロナウイルス感染症の影響により減少し、令和4年度は約440件でございましたが、令和6年度は約1350件と、回復傾向にあります。一方で、陽性率は低下傾向となっております。
次、お願いします。次に、市町村が実施する健康増進事業における40歳の肝炎ウイルス検査についてでございます。表の下部にございます受検率ですが、令和5年度は5.9%と、前年度より0.3ポイント減少しておりましたが、令和6年度は7.4%と上昇しました。陽性者は、令和5年度は0件でしたが、令和6年度はB型3件、C型1件となっております。
次、お願いします。ここからは、本県の主な取組について御説明いたします。
本県では、国の基本指針等に基づき茨城県肝炎対策指針を策定しており、第3次茨城県肝炎対策指針につきましては、茨城県保健医療計画に包含する形とし、改定を行ったところでございます。なお、計画期間は、保健医療計画に合わせ、令和6年度から11年度の6年間としております。
概要でございますが、資料にございます5つの項目を柱とし、施策を講じているところでございます。詳細は、後ほど資料を御覧おきください。
次、お願いいたします。また、取組の評価指標として、8項目について目標数値を設定いたしました。令和6年度の目標達成状況でございますが、肝炎医療コーディネーターの配置につきましては、県内全市町村、県全保健所において配置できており、達成状況の評価はAの目標達成となっております。一方で、肝がん死亡率が目標値2.3以下に対し、令和5年3.66と、未達成です。保健所の検査件数は、目標1500件に対し、令和6年度はB型1354件、C型1334件と未達成。市町村の40歳検診の受診率は、目標10%に対し、7.4%。肝炎ウイルス検査結果の文書告知率は48.3%、市町村検査における新規陽性者の医療機関受診率は66.1%と、いずれも目標未達成の状況であり、評価はBの目標達成ができておらず、さらなる取組が必要と判断されます。
次、お願いいたします。令和6年度の結果を踏まえ、さらなる取組が必要な事項について事業ごとに整理を行い、令和7年度は取り組むべき方向性の見える化など、工夫しながら実施することといたしました。資料左側の青枠が実施事業内容、右側オレンジ枠が重点的に取り組んだ内容となります。
まず、重症化予防事業における肝炎ウイルス検査の受検勧奨については、SNSを活用した普及啓発やイベント等における肝炎ウイルス検査の受検勧奨を行いました。市町村の健康づくり主管課が出席する会議の際に受検率の高い市町村の事例を紹介するなど、受検率の向上に努めるとともに、陽性となった方が確実に医療機関受診につながるよう、フォローアップ実施の再要請を行いました。
肝疾患診療連携拠点病院事業といたしましては、肝炎に関する普及啓発資材を作成し、連携して普及啓発を行うとともに、啓発資材の活用について、市町村及び保健所が出席する会議等において情報提供を行い、併せて肝炎医療コーディネーターが各施設に継続的に配置されるよう、市町村・保健所・肝疾患専門医療機関に対する個別勧奨を実施しました。また、初めての試みといたしまして、コーディネーターの活動活性化を目的に、令和7年度肝疾患専門医療機関の肝炎医療コーディネーターによる意見交換会を開催いたしました。
肝炎治療特別促進事業といたしましては、SNSの活用やリーフレット等による普及啓発を行ったところです。また、フォローアップの際に助成事業の案内を併せて実施していただくよう、市町村へ改めて依頼しました。加えて、職域向けリーフレットを作成し、本県ホームページに掲載いたしました。
肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業については、SNSを通じた利用促進の周知を行うとともに、肝疾患専門医療機関に対し、利用促進に関する協力依頼の再通知を行っております。
次のスライド、お願いいたします。令和7年度、特に重点的に取組を行いました普及啓発と陽性者のフォローアップについて詳しく説明させていただきます。
次、お願いします。重点取組の一つ、普及啓発についてでございます。
資料左側となりますが、7月の肝臓週間に合わせて、保健医療部公式Xを活用して、検査受検勧奨、医療費助成等の紹介、肝炎相談支援センターの案内をシリーズ化した形で、毎週1回、計4回連続して発信いたしました。資料にございますタイトル「肝炎ウイルス検査を受けましょう!」の検査受検勧奨資材につきましては、県公認VTuber茨ひよりをキャラクターに、令和6年度肝疾患診療連携拠点病院事業において作成しております。医療費等助成事業に関するリーフレットは、本県で作成し、ホームページにも掲載しております。
資料右側でございますが、同じく肝臓週間に合わせ、県広報紙「ひばり」の7月号に肝炎検査受検勧奨に関する記事を掲載、幅広い世代に対して啓発を行ったところでございます。
次、お願いします。併せて、本県健康増進主管課と連携し、がん検診や健康づくりに関するイベント開催時に、作成したリーフレット等の配布や、県庁内県政広報コーナーにリーフレットを設置するなどし、継続的な普及啓発に努めております。
次、お願いいたします。次に、陽性者フォローアップに関する取組についてでございます。本県では、保健所及び市町村の健康増進事業における検査で陽性となった方に対しフォローアップ事業を実施しており、その実施状況について、毎年度調査を行っております。フォローアップの実施率につきましては、市町村検査ではおおむね60%前後で推移している一方、保健所検査では匿名による検査の影響によるためか、実施率は低い傾向にあります。
未実施の理由につきましては、資料、中ほどの表に、それぞれ保健所、市町村ごとに記載してございます。
これらの理由を解決するため、担当者会議等、あらゆる機会を活用し、全陽性者に対するフォローアップ体制強化の再周知を行ってまいりました。具体的には、検査前に同意取得に取り組んでいる市町村の好事例を紹介するとともに、先の資料でも御説明しておりますが、県で作成したフォローアップ時に活用できる各種制度案内リーフレットを共有し、再度の依頼を行いました。
次、お願いいたします。次に、妊婦健康診査における陽性者フォローアップについてです。令和2年4月より、国においては、初回精密検査費用助成制度の対象に妊婦健康診査での陽性者が追加されたところですが、本県全市町村では、妊産婦医療福祉制度による医療費助成がなされており、医療費負担は軽減されているものとの考え方から、陽性者フォローアップ対象としての追加は見送っておりました。
翌令和3年度に、初回精密検査費用助成制度への対象追加を検討するため、妊婦健診における肝炎ウイルス検査陽性者の受診確認、受診勧奨状況調査を実施した結果、全44市町村のうち、検査結果の確認をしていない市町村が5か所、陽性者の受診確認を実施していない市町村が22か所あることが分かりました。
これを受け、令和4年8月より初回精密検査費用助成制度の対象に妊婦健診における陽性者を追加することとし、同年10月に市町村担当者向け説明会を開催し、検査結果の確認と受診確認の徹底を依頼しました。
令和7年度に実施した令和6年度実施状況調査において、検査結果の確認は全44市町村で実施されているものの、陽性者の受診確認を行っていない市町村が6か所、さらに2か所では対応未定との結果になりました。この結果を受け、全陽性者の受診確認実現を目指して、新たな課題としての取組といたしました。
次、お願いいたします。資料には、妊婦健康診査における肝炎ウイルス検査の実施状況をお示ししております。検査の実施率は97%以上と高い水準にありますが、陽性者に対する受診確認は40.8%にとどまっている現状でございます。
未実施の理由としましては、本人と連絡が取れないといった内容のほか、外国人への対応不足や、継続的なフォロー体制の不十分さや、市町村間に対応差があるなどの課題が分かりました。
次、お願いします。これらの課題に対応するため、まず、外国人への対応不足という課題に対しては、受診勧奨資材の「肝炎のおはなし ママと赤ちゃんのために」を、日本語版に加え、英語版、中国語版、ポルトガル語のものを順次作成し、市町村から配布いただくこととしました。今年度中にほかの言語バージョンを作成予定としております。
また、受診確認未実施の市町村に対し、行ったヒアリングの結果、既に妊婦健康診査で受診している産科医療機関に対応を任せて対応されていると認識を持っていること。精神的・身体的など、ほかのハイリスク事例と比較して優先度が低いと認識されていること。さらには、健診結果の把握に時間を有することなどの実態があることが明らかとなりました。
陽性者に対する受診確認の重要性について、市町村母子保健担当課にも御理解いただき、優先度を高めるためには、市町村への説明の機会の充実を図ることが必要であると考え、県庁内母子保健主管課と連携し、妊婦健康診査の枠組みの中で一体的に肝炎対策の推進が図られるよう、今年度は会議等の説明機会を得たところでございます。これにより、県内全市町村における陽性者の受診確認の実施を実現し、肝がん死亡率の低減を目指した取組を行ってまいりたいと考えております。
茨城県の肝炎対策についての説明は以上でございます。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告につきまして、山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 失礼します。日肝協の山崎です。
茨城県の肝炎対策について発言します。
まず、5ページ、第3次茨城県肝炎対策指針の概要についてですが、県の課題がしっかりと捉えられ、それに対して的確な対応が取られており、とてもよい指針であると思いました。
続いて、6ページの指針数値目標及び評価についてですが、指針に掲げる目標値に対して、年度ごとに数値を把握し、達成状況を評価されて、とてもよいと思いました。令和6年度ではB評価の項目が多いですが、今後、全ての項目でA評価となるように頑張っていただきたいと思います。
少し気になるのは、指針の計画期間が令和6年度から11年度の6年間で、現在改正を検討している国の肝炎対策基本指針との間に3年間のずれが生じています。このずれは、来年早々に新たな国の肝炎対策基本指針が示されるのですが、国の基本指針と県の指針との期間のずれというのは、国の基本指針が示された後にそれぞれの都道府県で指針を立てられますから、茨城県だけの問題ではなくて、各都道府県での実態であり、課題であるというふうに思います。今後、どういうふうにされるべきなのか、国と県にまたお尋ねしたいと思います。
さらに、11~14ページの重症化予防事業養成者フォローアップについてですが、令和6年度は保健所が実施する特定感染症検査等の事業では、フォローアップ実施率が14.3%、市町村が実施する健康増進事業では53.9%になっていますが、このフォローアップが極めて重要であると考えます。御苦労が多いとは思いますけれども、今後とも実施率の向上に向けて努めていただきたいと思います。
最後に、妊産婦の陽性者に対するフォローアップですが、令和2年4月に初回精密検査費用助成制度の対象に妊婦健康診査での陽性者が追加されたことを受け、丁寧な取組がなされていると思います。令和6年度の実施率は40.8%でしたが、課題もしっかりと捉えられているので、妊産婦への適切な治療と、生まれてくる子供たちが肝炎ウイルスに感染しないように、今後も頑張って取組をしていただきたいと思います。
以上です。
○竹原会長 それでは、ただいまの御質問に岩上参考人のほうから何か御回答がございましたらお願いいたします。
○岩上参考人 御意見いただきまして、ありがとうございました。
指針の計画期間が令和6年度から11年度ということにつきましては、おっしゃるとおり、ちょっとずれが生じているのが現状でございます。ただ、中間見直しなど、3年ごとに中間的に見直しを行っておりますので、少しずれがある分はそこで対応させていただいております。
以上です。
○竹原会長 フォローアップの重要性とかも特によろしいでしょうか。
○岩上参考人 フォローアップにつきましては、保健所検査では、HIV等性感染症と同様に、匿名という性質上、なかなか実現率が低い現状にあると認識しております。現状におきましては、検査前に、陽性と出た際にはフォローアップ事業を行うことをあらかじめ説明した上で検査を行うこと、結果の告知の際には助成制度の案内を行うことなどを保健所の担当者会議等を活用して依頼しております。
市町村検査におきましても、検査の前に同意を取得するよう市町村に依頼を行っております。
また、毎年実施している調査票におきまして、7年度は特に同意を得るための工夫や受診勧奨の方法、受診勧奨の工夫などの項目を作成して、回答状況に応じて自治体での取組好事例を会議等、あらゆる機会を活用して紹介するなどし、実施率向上に向けた取組を行う支援を行っております。
以上です。
○竹原会長 木村室長から、どうぞ。
○木村肝炎対策推進室長 先ほど茨城県の指針の期間と国の指針の見直しの関係について御質問ございました。今、手元にデータがあるわけではないのですが、多くの都道府県では、国の指針が見直されますと、翌年度にそれを受けて、それぞれの県の指針を見直していただいて、5年間の期間で対策をするところが多くなっていると思っています。いずれにしろ、国の指針が見直されましたら、しっかりとそれを周知させていただいて、都道府県のほうでもそれを受けて、しっかり考えていただいて対策に反映いただくように進めていきたいと思っております。
○竹原会長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、自治体からの御報告ということで、次は島根県の取組について、川瀬参考人から御説明をお願いいたします。
○川瀬参考人 島根県健康福祉部薬事衛生課の川瀬と申します。本日は、島根県における肝炎対策について、肝炎医療コーディネーターの育成や活躍の推進を中心に御報告いたします。
次、お願いします。まずは、島根県の概況です。島根県は、中国地方に位置する県です。北方約40~80キロの海上には、島前、島後などからなる隠岐諸島もあります。推計人口は約63万人、高齢化率は35.4%です。県庁所在地である松江市は、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の舞台にもなりました。
次、お願いします。島根県の肝がん死亡率等について御報告します。島根県の肝がん死亡者数は、近年は170人前後で推移しています。年齢調整死亡率は、全国と比べ、男女ともに高い状況になっております。
次、お願いします。こちらのグラフは、満40歳以上の方を対象として市町村が実施している健康増進事業における、肝炎ウイルス受検者数と感染者率です。左がB型肝炎ウイルス検診、右がC型肝炎ウイルス検診です。水色の棒グラフが受検者数、緑色の折れ線グラフが全国、オレンジが県の感染者率です。受検者数は、B型肝炎、C型肝炎ともに人口減少などを背景に、年々減少傾向ではあります。感染者率は、B型肝炎は近年0.5%、C型肝炎は0.1%から0.2%で推移しています。
次、お願いします。次に、保健所や県の検査委託医療機関で実施している特定感染症検査事業における肝炎ウイルス受検者数と感染者率です。先ほどと同じく、左がB型肝炎ウイルス検診、右がC型肝炎ウイルス検診のグラフです。受検者数は700~800件前後で推移しています。感染者率は、B型肝炎は0.2~0.5%、C型肝炎は0.1%~0.5%で推移しています。
次、お願いします。次に、島根県における肝炎対策について御説明します。最近では、肝炎ウイルスに持続感染している人への支援が充実されるとともに、県各市町村及び職域による検査、受診及び治療の促進に向けた取組が行われてはいますが、依然として感染したことを自覚していない方や、肝炎ウイルス検査で陽性ではありますが、精密検査や肝炎ウイルスに起因する疾患に係る医療を受けていない人がいる等、早期発見・早期治療が引き続き重要な課題となっていることから、指針の趣旨を肝炎ウイルス検査から精密検査を受診し、さらに治療へとつなげる取組を推進するとし、4つの柱を軸に取組を進めております。
次、お願いします。島根県では、目標値を3つ定めています。
1つ目は、5年間の肝炎ウイルス受検者を2万1000人以上とすること。
2つ目は、要精検者の精密検査実施医療機関受検率を向上させること。
3つ目は、肝がん年齢調整死亡率を低減させること。
これらの目標値に対して、島根県の肝炎対策協議会で進捗管理・確認を行っています。目標値に対する実績は、こちらに記載してあるとおりとなっております。
次、お願いします。次に、具体的な取組について、肝炎医療コーディネーターの活動と、併せて、それに伴う検査委託医療機関への働きかけについて、詳しく御報告します。
島根県では、肝炎医療コーディネーターの育成及び活躍の推進を、県の指針の一つとして掲げて取組を進めております。
次、お願いします。島根県肝炎医療コーディネーターは、県民への肝炎医療に関する普及啓発、肝炎患者や肝炎ウイルス検査陽性者等への適切な肝炎医療や情報提供等の支援をし、島根県の肝炎対策を一層推進することを目的に、平成27年度から養成を開始しました。令和3年度からオンライン配信で実施しておりますが、本年度は対面形式での開催も検討中です。現在では、医療関係者だけではなく、教育機関や障害施設や高齢者施設など、幅広い分野に周知し、配置することで支援をつなげていきたいと考え、取組を進めております。
次、お願いします。島根県での肝炎医療コーディネーター登録者数の推移を報告します。3年未受講で登録取消になる方も中にはおられますが、登録者数は徐々に増加しています。
また、肝炎医療コーディネーターの名簿を拠点病院とも共有し、拠点病院開催の肝臓病教室や研修会等、情報提供のほうをしていただいております。
次、お願いします。肝炎医療コーディネーターの活動状況についてです。島根県では、特別なことでなくていいので、各所属でできることというふうに御説明して、活動してもらっております。普及啓発や個別相談、受検・受診勧奨が主な活動となります。また、スライドの画像にある肝炎ウイルス検査受検済みカードの配布も行ってもらっています。活動内容は、県の肝炎医療コーディネーター養成・継続研修や、コーディネーターさんへメールを活用して適宜共有しております。
次、お願いします。具体的な活動例を御紹介します。肝炎ウイルス検査実施件数を増やす取組として、健診受診者が来院する前に検査の有無をカルテで確認。当日来院された際に、本人からもここの医療機関以外で検査を受けていませんかというふうに確認して、希望者には検査実施を促す取組をされておられます。ついでに、肝炎ウイルスを受けませんかと、検査のハードルを下げることが重要と、コーディネーターさんの方はおっしゃっておられました。
次、お願いします。ここからは、肝炎ウイルス検査委託医療機関への委託料について御報告します。島根県では、平成31年度から委託医療機関の契約金額の委託料について、コーディネーター配置機関にインセンティブを付与しています。令和7年度の委託料はこちらの表のとおりでして、配置なし機関と比べて3000円程度違うような形になっております。金額は、診療報酬のほうから計算しております。コーディネーター養成研修の案内時などに、医療機関にインセンティブについて周知しています。インセンティブは、コーディネーター研修を受けてコーディネーターを配置された年の翌年度から反映されます。
次、お願いします。これは肝炎ウイルス検査委託医療機関数と肝炎医療コーディネーター配置率の推移を示したものです。精密検査医療機関を除いた検査委託医療機関さんは270件前後です。そのうち肝炎医療コーディネーターの配置率は、令和元年度は5%でしたが、委託医療機関へ周知することや、肝炎医療コーディネーター研修をコーディネーター未配置機関に個別に案内、開催方法をオンライン研修などにすることで徐々に配置率は増加し、令和7年度では22%となりましたが、まだ低い状況にありますので、引き続き周知が必要と考えています。
次、お願いします。こちらはインセンティブ開始後の委託医療機関における検査件数の推移を示したものです。検査件数はコロナによる影響もあり、令和4年度は特に少ない状況でした。検査件数は徐々に増えてはいますが、近年は横ばいの状況です。肝炎ウイルス検査数のうち、インセンティブ開始時点、令和元年度では、コーディネーター配置ありの件数が24%でしたが、令和7年度時点では82%まで割合が増加しました。引き続き取組を推進してまいりたいと思っております。
以上が島根県における肝炎医療コーディネーターの活動と検査委託医療機関への働きかけについてでした。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告に何か御質問等ございますでしょうか。
では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 全国薬害肝炎の伊藤でございます。ありがとうございます。
それでは、御質問させていただきたいと思います。資料3の3ページ、島根県における肝炎対策の肝がん死亡者数・死亡率の表について御質問させていただきたいと思います。この表は、75歳以上の肝がん死亡者数が例年変わっていないように思われますが、ウイルス性の肝がんだけでなく、それ以外のアルコール性やMASHなども入っているのかお聞かせいただきたいと思います。入っているのであれば、ウイルス性が占める割合を教えていただきたいと思います。
あと、すみません、私、愛知在住なのですが、可能であれば愛知県の資料も一度見てみたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○竹原会長 それでは、川瀬参考人から御回答ございますでしょうか。
○川瀬参考人 川瀬です。
御質問ありがとうございます。3ページ目の75歳以上の肝がん死亡者数についてですが、このデータの死亡者数についての原因までは、ちょっと把握できないのですけれども、恐らくウイルス性、MASH、生活習慣病なども含まれた数にはなっていると思われるのですが、このデータの割合までは、すみません、分からない状況なのですけれども、ほかの調査のほうでは、初発肝細胞がんの症例を対象にした調査のほうでは、B型肝炎ウイルスは10%、C型肝炎ウイルスが約30%、アルコール性が約36%というような結果になっておりました。
以上です。
○伊藤委員 ありがとうございました。
○竹原会長 そのほか、いかがでしょうか。
考藤委員、どうぞ。
○考藤委員 川瀬さん、いつもありがとうございます。考藤です。
質問ではなくてコメントなのですけれども、後半で川瀬さんから御紹介いただいた、肝炎ウイルス検査委託機関へのインセンティブの件ですが、これは実は、初めて私、お聞きしたのがブロック会議で、たしか2年前だったかなと思うのですが、これを御報告いただいたときに少し驚いたのです。これは非常にすばらしい取組だと思っていまして、肝炎医療コーディネーターの配置率が上がる。さらに、検査数が増えるという両方の効果が確実に得られている取組で、一番気になったのは、そのときにも川瀬さんに御質問したと思うのですが、予算の確保です。これはあまり生々しいお答えではなかったのですけれども、そのとき大分苦労されたというのを感じました。
この取組、肝炎医療コーディネーターの方のプレゼンスの向上にもつながりますし、配置率の向上にもつながりますし、さらに検査数の増加にもつながるという実績が出ていますので、ぜひほかの自治体でも導入を御検討いただければなと非常に強く感じております。島根県の取組に本当に敬服しております。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
確かに、こういうところというのはあまり聞いたことがないので、非常に珍しい事例かというふうに思います。
坂上委員、どうぞ。
○坂上委員 検査委託機関へのインセンティブの件ですが、これは全国で島根県だけの取り組みですか。インターネットを見ると、他の都道府県は取り組んでいないようですが。
○木村肝炎対策推進室長 そうですね。我々のほうで把握しているのは、島根県のみと思います。
○坂上委員 これは県の単独予算でやっているということですね。それはすばらしいことですね。ありがとうございます。頑張ってください。
○竹原会長 萩部委員、どうぞ。
○萩部委員 日肝協の萩部でございます。
今のことに関連しまして、実は患者委員のほうでもいろいろな事前の打合せをさせていただいた中で、インセンティブの話は非常にけんけんごうごうの話がありました。生々しいお話なので、聞くべきかどうかという意見もありましたけれども、これが2年前にこういう実績があったということであれば、予算確保の問題もあるからこそ、これをこれから方向性の中で、よしあしは別にしても、結果的に配置が改善されて検査のほうも増えてきているという実態も踏まえた上で、ぜひ厚労省さんのほうもイニシアチブを取っていただいて、各都道府県に対する協力体制も含めて、そこは強く患者委員からもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○竹原会長 それでは、そのほか、よろしいでしょうか。
木下委員、どうぞ。
○木下委員 日肝協の木下です。
同じく島根県のことに関しての質問も少しあるのですが、肝炎コーディネーター配置の医療機関の中で活動していくには、医療機関の理解がすごく必要だと思うのですけれども、先導される方や他部門の協力体制とか、告知の方法とか告知後のフォローアップなどは、どのように肝炎医療コーディネーターが関わっていかれているのか、もし分かれば教えていただきたく思います。
また、陰性の方に対して、若い方には特にワクチン接種のほうもできればお願いしたいなと、患者からは思います。
以上です。
○竹原会長 それでは、川瀬参考人から御回答ございましたらお願いします。
○川瀬参考人 川瀬です。
御意見ありがとうございます。コーディネーターさんの活動の中で、告知の方法でしたり、陽性者へのフォローについては、陽性者さんが確実に次の治療につながるように、保健所とかにもコーディネーターがいるのですけれども、定期的に連絡等を行って、きちんと医療機関を受診したかというようなフォローアップをコーディネーターさんのほうに行ってもらっております。
あとは、陰性の方のワクチン接種の啓発でしたり、そういう部分についても必要だと思いますので、また今後、研修の中でしたり、コーディネーターさんのメーリングリストなどを活用して情報提供等を行っていきたいなと思います。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
○木下委員 ありがとうございます。
とてもきめ細かくフォローされているなと思っております。ありがとうございます。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
梁井委員、どうぞ。
○梁井委員 B型肝炎訴訟原告団の梁井です。
9ページの肝炎医療コーディネーターの対象として5つの項目が上がっているのですけれども、私たち患者は50代、60代、70代というのがとても多くて、介護施設にB型肝炎だと入れないという大きな問題があるのですね。それをどうするかというときに、佐賀県なんかでは、介護施設の方に肝炎医療コーディネーターになってもらって、肝炎のことをよく分かってもらって、そういう感染のおそれがないとか、そういう動きがあるのですけれども、ぜひとも対象として介護施設なんかも入れていただきたいなというところをお願いいたします。
以上です。
○竹原会長 貴重な御意見ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、自治体からの報告というのは以上にさせていただきまして、次は患者団体の委員からの「肝炎対策基本指針の改正に対する御提案」というのがございますので、御説明をお願いいたします。
○辰巳委員 B型肝炎訴訟原告団の辰巳です。
私のほうから、資料4の「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」の改正にあたっての意見、ということで御説明させていただきます。
まず、6点について簡単に説明いたします。
第1の視点は、究極目標である「肝炎の完全克服」の推進です。
前回の2021年の基本指針改正において、我が国はWHOが提唱する「肝炎エリミネーション」を超えた「肝炎の完全克服」を目指すことを明記しました。
この高い目標を達成するためには、C型肝炎と同様にB型肝炎のウイルス排除・根治薬の開発と実用化が不可欠であり、より一層の研究推進が必要です。
併せて、感染予防やウイルス検査、陽性者の重症化予防、適切な医療提供をこれまで以上に推し進めなければなりません。
また、完全克服に至る過程においても、最終的に「ウイルス排除」に至らない患者や、ウイルスを排除できたとしても、肝臓の状態が完全に回復しない患者が一定数おられます。そうした患者への治療法研究や生活保障などの施策も引き続き継続していくことが強く求められます。
第2の視点は、肝炎患者の生活保障です。
患者が何よりも望むのは、抱えている疾患が完全に治癒し、安心して暮らせるようになることです。
しかし、現状、B型・C型肝炎ともに完全に治癒することはなく、患者は継続して検査や治療を受け続けなければなりません。通常の生活を維持しながら、こうした医療費を負担し続けるには、前提として生活保障の視点が不可欠です。これまで医療費助成や障害者認定、重症化予防の検査費助成、肝がん・重度肝硬変の治療研究促進事業といった負担軽減策が取られてきましたが、これらが全ての患者に届いているかは不明確です。特に、重症化予防や肝がん等の事業は、利用者が非常に少ないと指摘されています。
さらに、高額療養費の「年間上限額」の新設や高齢者の窓口負担増の議論など、患者の経済的負担は増える傾向にあります。経済的な理由で受検や受療を控えるような事態を決して招かないよう、既存の諸制度が全体として十分機能しているか、改めて検証する必要があります。
第3の視点は、肝炎対策の到達点の検証とあらたな検討です。
肝炎対策基本法の施行から16年、最初の基本指針策定から15年が経過しました。この間、多くの患者が治療につながり、死亡率は減少してきましたが、他方で、肝がんによる死亡者数はいまだに多く、公衆衛生上の大きな課題であり続けています。
さらに、患者の高齢化も進んでおり、これまでの施策だけでは十分とは言えません。私たちは、これまで実行してきた施策がどのような効果をもたらしたのか、何が足りなかったのかを冷徹に検証し、今後の施策に反映する必要があります。
その上で、残された課題を克服するために、国として今後の肝炎対策のグランドビジョンと具体的なスケジュールを明確にしていただきたいと考えます。
第4の視点は、肝炎ウイルス検査及び肝炎治療の均てん化の実現です。
基本法では、居住する地域にかかわらず等しくその状態に応じた適切な検査や医療を受けられる体制を目指しています。
しかし、現実には都道府県間でのウイルス検査の受検者数や医療費助成の利用者数に大きな開きがあり、その地域格差は一向に解消されていません。
国と地方公共団体は、専門医療従事者の育成や医療機関の整備、経済支援など、基本法が想定する諸施策をしっかりと検証し、さらに推し進めるべきです。
特に、国には、各地の実施状況を正確に把握し、標準的な医療体制が整っていない自治体に対して、これまで以上に積極的に働きかけを行うことを求めます。
第5の視点は、事業主の積極的関与です。
肝炎対策を推進する上で、職場や事業主の理解と協力は極めて重要です。職場は、ウイルス検査の受検促進、陽性者への受診勧奨、治療継続の支援、そして肝硬変や肝がん患者を含む治療と就労の両立支援において大きな役割を担っています。しかし、いまだに職場における知識不足や誤解から、必要な配慮が十分に行われない場合もあります。
事業主に対し、自らが肝炎対策の重要な主体であるとの理解を促し、両立支援の具体的な取組や好事例を普及させるためにも、職域における肝炎対策を基本指針の中により明確に位置づけるべきです。
最後の第6の視点は、偏見・差別の解消及び人権教育の視点の導入です。
基本法や感染症法では、患者の人権尊重や差別されないことへの配慮が明記され、国民の責務とされています。
しかし、悲しいことに、現在も偏見や差別による人権侵害はなくなっていません。過去の感染症の歴史が全く生かされていないのが現状です。
これらを解消するには、全ての国民が人権感覚を備え、他者を尊重する姿勢を持つことが不可欠であり、そのための人権教育を国全体で実施すべきです。教育の内容や方法については、医学、社会学、教育学、法学、哲学など、多方面の専門家による十分な議論が必要です。
この点、2021年に設置された「ハンセン病に係る偏見差別の解消のための施策検討会」の報告書などは、今後の肝炎患者に対する偏見・差別解消の施策立案にとって大きな参考になるはずです。
厚労省の強いリーダーシップの下、総合的な検討が始まることを強く期待いたします。
以上6点の視点についてお話しいたしました。
次に、この視点を踏まえた改正案を御説明させていただきます。引き続き、資料4の5ページ以降を御覧ください。この肝炎対策基本指針改正試案と題されているペーパーですけれども、左のほうが現行の基本指針であって、青く塗られている部分が前回の改正のときに改正された部分です。つけ加わった部分です。右に今回の改定でつけ加えたいと患者の委員が考えているところをお示ししています。
5ページから前文が始まるのですが、6ページで、「また、B型肝炎はいまだにウイルスを排除できる根治薬がなく、その研究開発の継続が必要である」というところに続けて、「肝硬変・肝がんに対する根治薬・根治療法の研究開発も必要である。」ということをつけ加えていただきたいと考えています。B型・C型のウイルスを排除する研究についても、これまで随分していただいていますし、言及もあったところですけれども、肝硬変・肝がんに対する根治薬・根治療法の研究開発も、この指針の中で言及していただけたらと考えています。
そのまま進めていただいて、7ページにつけ加えていただきたい部分ですが、ここでは「肝炎ウイルスを高い確率で体外に排除することを可能にし」の後に、「わが国のこれまでの肝炎対策の成果と到達点を再確認しながら、「肝炎の完全な克服」を目指すことが必要である。」というふうに、この赤の一文を加えていただけたらと考えています。ここまで対策をしてきた成果と到達点、今、どの地点にいるのかというのを見極めながら、今後の対策に生かしていくという視点でつけ加えていただけたらと考えています。
次、8ページからは第1ということで、肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向について書かれています。(1)が基本的な考え方ということで総論が書かれているのですが、そこに「また、ウイルス排除後も発がんの可能性が否定できず適切な経過観察が必要である。」という部分をつけ加えていただきたいと思います。ここまでの議論で、C型肝炎について、ウイルス排除後も今後も肝がんの可能性が否定できず、検査等の経過観察が必要だという話も出てきたと思いますので、これを指針にも加えていただけたらと考えています。
その同じ段落ですが、最後のほうに「そして、すでに肝硬変・肝がんにまで進行した患者に対してもより病状を悪化させないためにさらなる対策を進めるとともに総合的な支援体制を構築することが必要である。」という一文を加えていただきたいと考えます。これは、ここまで肝がんで死亡する方、肝硬変で死亡される方がなくなるような方向で重症化予防ということで取組が進められてきていますけれども、既にこの状態にまでなっておられる方ももちろんたくさんいらっしゃるので、この方々に対して、より病状を悪化させないための対策というのも加えていただきたいと考えています。
「また」の段落ですが、「肝炎対策は、肝炎患者等を含めた国民の視点に立ち、国民の理解及び協力を得て、国、地方公共団体、医療機関、事業主」というのをつけ加えてもらって、「関係者が一体となって、連携して対策を進める」ということで、この「関係者」というところの中身に、もともと概念的には入っていたと考えますけれども、より明確に「国、地方公共団体、医療機関」、そしてさっきの視点にもありましたように「事業主」もこの関係者の中には入っているのだということを明確にしていただきたいと考えています。
ちょっと小さいところは置いておいて、9ページのほうに入って、「イ」のところです。「それらに応じた取組を推進することが必要」と前はなっていたのですけれども、そこにさらに「それらに応じた例えば市町村や二次医療圏ごとのよりきめ細やかな取組を推進することが必要」というふうにつけ加えていただきたいと思います。この均てん化ということに当たっては、さっきも委員のほうから少し意見が出ていましたけれども、よりきめ細やかな、市町村、二次医療圏ごとというところまで踏み込んでいただけたらということで、ここの指針に書き加えていただけたらと思っています。
(2)肝炎ウイルス検査の更なる促進ということで、これも既にあった議論に出てきたと思うのですけれども、「これまでの啓発では届かなかった層を中心的な対象に設定し、普及啓発を行うことも重要」だということで、どうしても届かない2割の方がいらっしゃるということで、そこにどうやって届けるかというところは今後の課題になっていくのかなというところで、書き加えていただきたいと考えています。
11ページまで行ってもらって、「その効果を検証していく必要がある。」というところに続けて、「また、国は、肝炎患者等が継続して適切な医療を受けるために必要となる医薬品の供給体制の整備についても、支援することが重要である。」ということで、この間、薬が足りないというような事態が起きているということが報道でもされていまして、我々肝炎患者からすると、この抗ウイルス薬は、特にB型の人は一生飲み続けないといけない状況にあって、これが切れるととても不安だというのは常に感じているところです。そういうことを踏まえて、この一文を入れていただきたいと考えています。
12ページに行きまして、(5)肝炎に関する正しい知識の更なる普及啓発及び肝炎患者等の人権の尊重というところで、国は、「地方公共団体、学校教育関係者及び患者団体等の様々な関係者と連携し」となっていたところに、さらに「厚生労働省、文部科学省、法務省等関係省庁と連携し」というのをつけ加えていただきたい。省庁横断的に連携しながら進めていただく必要があるのではないかと思います。「また、国、地方公共団体は、その検討結果を施策に反映させる。また、現在でも生じている偏見や差別事例について調査を行い、偏見・差別解消のためにより具体的な方策を検討する必要がある。」ということで、さらに踏み込んだ記載を追記していただきたいと考えています。
その次、(6)肝炎患者等及びその家族等に対する相談支援や情報提供の充実というところで、13ページに行きまして、「治療における副作用等、治療開始前及び治療中において、精神的な負担に直面すること」が患者としては多いと。「このため、こうした肝炎患者等及びその家族等の不安や精神的負担の軽減に資するため」に活躍していただきたいと考えるのが、島根県、茨城県の報告にもありましたけれども、肝炎コーディネーターの存在というのは非常に重要かと存じますので、肝炎コーディネーター、特に患者と同じ目線に立つ患者肝炎コーディネーターも含む。その方々を中心として家族等への支援を行う必要があるというふうにしていただければと考えます。
次、第2のところに入りまして、肝炎の予防のための施策に関する事項です。13ページの下のほう。引き続き、ワクチン接種、母子感染防止に取り組むとともに、ここにつけ加えていただきたい。「また、B型肝炎ワクチンの定期接種化前に出生した者に対してB型肝炎ワクチンの普及を促進しあわせて父子感染対策も強化する。」ということで、ワクチンの普及について、さらに踏み込んで記載していただけたらと思います。どうしても定期接種化前の方について空白のところがありますので、ここについては手当てをしていただきたいと考えています。
15ページからは第3ということで、肝炎検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項というところになります。
16ページに入って、先ほどの議論にもあったとおり、「また、術前検査や妊婦検診等におけるウイルス検査の結果についても医療機関等が本人に対して検査結果を適切に説明する」。術前検査について、必ずしも本人に知らされていないケースもあるというようなことがここまで報告されてきたところでもありますし、指針にもここに明記して説明するということを周知していただけたらと思います。
18ページまで下がっていただいて、今後取組が必要な事項ということで、検査等に関しては、先ほどから繰り返し出てきているように、「カ」のところで、「医療機関は、肝炎ウイルス検査の結果について肝炎医療コーディネーターを活用するなどして確実に説明を行い、受診につなげるように取り組む。」ということで、受検から受療につなげるところで肝炎医療コーディネーターにぜひ活躍していただくような記載にしています。
次、18ページ以下、第4 肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項ということで、今後の取組の方針についてというところに、「陽性者及び肝炎患者等を受診・受療のシステムに確実につなげるとともに」という一文を入れていただく。さらに加えて、「その際、新規に陽性が判明したものだけでなく、既に陽性が判明しているが、その当時の医療水準などからフォローアップにつながっていない患者についても受診・受療につなげるシステムが必要」だというところで、実際になかなか難しいとは思いますけれども、指針として目標に掲げていただきたいと考えています。
次に、20ページまで行って、均てん化の話につながりますが、「これらの取組については、国及び都道府県は居住する地域にかかわらず適切な肝炎医療を等しく受けることができる肝疾患診療体制の確保を目指し、都道府県の実情に応じて推進する必要があり、その取組を国が支援する。」と、この赤で書いた部分をつけ加えていただきたいと思います。
「さらにこれらの取組は、肝炎患者等の意見を踏まえて行うことが重要である。」というところも加えていただきたいと考えます。
先ほどの視点のところにもありましたけれども、「心身等への負担がより少ない治療が可能となったことや、「治療と就業の両立支援指針」が制定された趣旨を踏まえ」という一文を加えてもらって、職域のところについては、これらの記載を追記していただきたいと考えます。
21ページまで行っていただいて、ずっとしゃべっていて申し訳ないですけれども、時間との関係でだあっと行くしかないのですみません。(2)今後取組が必要な事項についてというところで、コーディネーターのところです。「また、地方公共団体及び拠点病院は、医療機関等と連携して、肝炎医療コーディネーターを複数配置するとともに肝炎医療コーディネーターの活動を可能な限り支援することが重要である。肝炎医療コーディネーターが配置された医療機関は、その意義を理解し肝炎医療コーディネーターが適切に活動が出来る環境を整えることに主体的に取り組むことが重要である。」。
ということで、木下委員からの質問にもあったとおり、肝炎医療コーディネーターが配置された医療機関において、コーディネーターがどう生かされているのかというところはなかなか難しいところもありますので、配置された医療機関においても、そこは何をすべきかを理解してもらうことが重要なので、これを書き加えていただきたいと考えています。
次、申し訳ないですけれども、第5のところまで飛んでいただいて、24ページ、肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材の育成に関する事項というところで、(2)今後取組が必要な事項についてということで、高齢者施設及び保育施設における予防ガイドライン等について、「地方公共団体等と連携を図りながら、普及啓発を進めるとともに、肝炎患者等が不利益を被らないように、これらがより一層活用されるような方策を検討し、その検討結果を施策に反映させる」。肝炎患者等が不利益を被らないようにというのは、差別・偏見というのがどうしてもついてくるところでありますので、その辺の配慮の一文を入れていただけたらと思います。
そして、26ページも肝炎医療コーディネーターのところですけれども、「国、肝炎情報センター、地方公共団体及び拠点病院は、肝炎ウイルス検査実施機関において適切な検査が実施されその後の適切な受診・受療に至るよう、肝炎医療コーディネーターを含む保健所や医療機関の従事者に対して」ということで、ここでも受診・受療につなげる役割として肝炎医療コーディネーターを明記していただけたらと思っています。
「エ」のところでは、「肝炎情報センターは、拠点病院の医療従事者等を対象にした効果的な研修や情報提供を進める。また、拠点病院は、かかりつけ医を含む肝炎医療に携わる者への研修等を行うとともに」ということで、少し前の議論でもありましたけれども、かつてはセロコンバージョンしたら、もう来なくていいよということをかかりつけ医の先生におっしゃっていただいて、安心して受診していませんでしたという方もいらっしゃると思いますので、そういったかかりつけ医の先生、ふだんかかっている先生にもこの研修等を進めていただけたらと考えています。
「第6 肝炎に関する調査及び研究に関する事項」というところですけれども、第6、第7は時間の関係で省略させていただきます。
第8に飛んでいただいて、30ページです。「第8 肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に関する事項」というところで、30ページの後半から31ページにかけて、31ページの冒頭で、「また、現在でも生じている偏見や差別事例について調査を行い、偏見・差別解消のためにより具体的な方策を検討する必要がある。」というところを入れていただきたいと考えています。
33ページまで飛んでいただいて、「コ」のところは、先ほども省庁横断的に連携して方策を検討していただけたらということで追記させていただいて、「サ」のところ、偏見や差別に関する問題事案が実際に起きているということですけれども、「法務局や地方公共団体の人権相談窓口等で相談に応じていることから、国、地方公共団体等において、必要に応じ当該窓口等の情報提供を行うとともに、肝炎医療コーディネーターが患者から問題事案について積極的に情報を取得し、法務局や地方公共団体の人権相談窓口に情報提供を行う。」ということで、コーディネーターの役割として、さらにこういったことも意識していただけたらということで追記していただけたらと思います。特に、患者肝炎コーディネーターは、この場面において活躍できる余地があるのではないかなと考えています。
あとは、この辺は重複していますので、35ページに行っていただいて、肝硬変及び肝がん患者に対する更なる支援の在り方というところで、「肝炎から進行した肝硬変及び肝がんは、根治的な治療法が少なく、また、患者の高齢化が進んでいる現状がある。このため、これまでの取組が十分か検証するとともに」、以下の取組を講じるものとするというところで、肝硬変・肝がん患者に対する取組というところに視点を置いていただいて、そのこれまでの取組の検証というのも、ぜひ次の指針の中には入れていただけたらと考えています。
あとは、もう赤いところがないので、すみません、長時間、一方的にしゃべってしまいましたが、私からの説明は以上です。
○竹原会長 御説明いただき、ありがとうございます。
それでは、ただいまの御提案につきまして、何かございましたらいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
新沼委員、どうぞ。
○新沼委員 連合の新沼です。
指針の見直し案について、厚労省に伺いたいのですけれども、20ページに「治療と就業の両立支援指針」が事業主の努力義務になったということにも言及され、さらに国はそのための環境を整備することが重要であるとあります。この見直しに賛成の立場で、厚労省にどんな取組が考えられるのか、お伺いしたいと思います。
以上です。
○木村肝炎対策推進室長 御指摘ありがとうございます。
御指摘のとおり、法律が変わりまして、これまでガイドラインでやっていたものが、この法律に基づく厚労省の告示ということで指針がバージョンアップされたというふうに理解しておりますので、どちらかというと我々だけではなくて、労働部局とも連携してということだと思いますけれども、こうしたことをしっかり周知していくということが求められているのかなと思います。いずれにしろ、本日は御提案ということでしたので、御指摘も踏まえてまた検討させていただければと思います。
○新沼委員 ありがとうございます。
事業主、それから職場における理解・協力が非常に重要ですので、差別・偏見対策も含めて、ぜひ実効性のある取組を期待しております。
以上です。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
及川委員、どうぞ。
○及川委員 ありがとうございます。中小企業団体中央会の及川でございます。
御意見のほう拝見させていただきました。その中で、3ページの5ですけれども、事業主の積極的関与。これについて事業主が積極的に協力するということは当然だと思っていまして、しっかり中小企業でも努めてまいりたいと思っています。ここのところと、次の6の偏見・差別。事業主と差別のところをリンクを少しさせて進めることが、事業主の積極的関与にもつながるのではないかというふうに感じました。
また、4ページの後半のほうに、人権教育の中で何を伝えるか、どのような方法で伝えるか、何を目指すべきかというところに、多方面の専門家とあります。このとおりだと思いますが、人権教育の中で何を伝えて、どのような方法で伝えるかということになりますと、多方面の専門家という、学問だけではなく、先ほどの自治体の報告にもありましたように、SNSとか言論とか、どのように伝えていくのかということは、もっと多く多方面の専門家の声を聞くことが重要かなというふうに感じました。
最後に、新旧のところに出てくる9ページですが、赤のところで、これまでの啓発では情報が届かなかった層を中心にということで、ターゲットを絞って設定することは大変有益だと考えています。このとおりだと思っていますが、しっかり情報が届かなかった層はどこなのか。この層の特徴を捉えて、どうするのか踏み込んで私どもも考えていきたいというふうに思っています。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、今後のスケジュールとしては、本日いろいろいただきました御意見を踏まえて、次回の協議会にて、事務局から今回の改定についての提案といいますか、ものをいただく。そこで審議していくということになるかというふうに思います。
以上で議題1については終了させていただきます。
続きまして、議題2の「その他」として、事務局から御報告がございますので、お願いいたします。
○木村肝炎対策推進室長 では、「その他」の議題といたしまして、資料5を御覧いただければと思います。「マイナンバー情報連携を活用した申請手続の簡素化について」ということで御報告させていただきます。これは前回の協議会の際も質疑の中で言及させていただきましたけれども、本年4月から、マイナンバーを使った情報連携について、順次本格運用を開始しておりまして、その状況をこういった形で資料として御報告するものでございます。
マイナンバーを用いた情報連携によりまして、各種の情報を都道府県等が取得・確認することができるということで、それによりまして、従来、我々のいろいろな助成制度の中で求めていた添付書類の省略が可能となるというものでございます。これにつきましては、対象事業としまして、左のところに書いてありますとおり、各種の助成制度を対象としているところでございます。この情報連携につきましては、昨年6月より試行運用ということで試行的に行ってきたところでございますけれども、その状況を見て、この4月から、準備が整った都道府県から本格運用を開始したというものでございます。
実際の活用のイメージとしましては、右下にあるような各種の添付書類について、事前に申請書にマイナンバーを記入していただくことで、都道府県が市町村や保険者に対して情報を確認することができることを通じて、これらの添付書類を省略できるというものでございます。
各都道府県における導入状況でございますが、左の図のとおりまとめております。大体6割から8割の都道府県において、今年度中に試行運用と本格導入ができるというような回答をいただいているところでございます。
この添付書類の省略を含めた事務負担の軽減というのは、患者団体の皆様からもかねてより御要望いただいているところでございますので、これをできるだけ早く各都道府県でも順次運用していただいて、事務負担を軽減できればというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○竹原会長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
辰巳委員、どうぞ。
○辰巳委員 すみません、B型肝炎原告団の辰巳です。
マイナンバーを使って簡略化できるということで、患者にとっても大変ありがたいことだと思っています。ただ、令和8年に導入できる自治体が多くを占めてはいるのですけれども、令和9年度以降に導入となる自治体があるようですし、さらに遅れるようなことがあれば、それこそ地域間格差ができてしまうので、遅れそうな自治体については、できたら原因を探っていただいて、また督促もしていただけたらと思っています。
ありがたい反面、マイナンバーには少し懸念があって、今回、記入するということで、マイナンバーカードは前提になっていないと思うのでけれども、マイナンバーカードの取得を義務づけるような形でのやり方はやめていただきたいというふうに考えるのと。
もう一つは、AI開発とかのために、医療情報について、個人情報について、第三者に提供が可能となるような議論がされていると思うのですけれども、そういったセンシティブ情報については、患者側の立場からすると非常に大事な情報だと思っていますので、この辺も慎重に考えていただけたらと思っています。
すみません、もう一点だけ。定期検査費用の助成回数について、前回か前々回か、木村室長さんのほうから、現在は年2回ですけれども、肝がんの診療ガイドラインでは、肝硬変・肝がんの場合は年3~4回としているので、ガイドラインに沿った回数に増やすことができるかどうか検討するとおっしゃっていたと思うのですが、その検討状況等を教えていただけたらと思っています。
以上です。
○木村肝炎対策推進室長 幾つか御質問ございましたけれども、まず、最後の定期検査のところでございます。定期検査については、前回の協議会であったかと思いますが、まさに医学的見解として、ガイドラインで年3回から4回が望ましいとされているところは理解しておりますが、一方で、それを助成制度として何回まで助成するかというところは、また改めて考える必要があると思いますし、その際には、実際にそれによってどの程度検査数が増えるかや、そもそも定期検査については検査数自体を増やしていく取組ということも必要だと考えているところでございます。
本年4月には、この定期検査を含めた各種助成制度のリーフレットを作成いたしました。患者団体の皆様にも御覧いただいてリーフレットを作成して、都道府県のほうに周知をお願いしているところでございますので、そうした取組も見ながら、引き続き考えていきたいと考えております。
あとは、マイナンバーの都道府県の状況ですけれども、これは本年2月の時点で聞いた状況でございますので、今後も実際の導入状況ですとか導入見込みといったことは、今後とも継続的に調査をする予定にしておりますので、そうした状況を踏まえて都道府県の取組も引き続きウオッチしていきたいというふうに考えております。
また、マイナンバーを使うことの懸念ということでございましたけれども、これは必ずしも情報連携しなければいけないわけではなくて、希望される方が利用したいという場合にマイナンバーを出していただくということですので、何かこれで制度として義務化するといったことではないということは御理解いただければと思います。
以上です。
○辰巳委員 ありがとうございます。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、予定している議題は以上でございます。そのほかに委員の先生方から、何かこの場で御発言がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、これで議事を終了いたします。マイクを事務局にお返しいたします。
○木村肝炎対策推進室長 本日も長時間にわたりまして御審議いただきまして、ありがとうございました。
また、考藤委員、茨城県、島根県の参考人のお二方も、本日は御発表いただきまして、ありがとうございました。改めて感謝を申し上げます。
次回の開催につきましては、後日、事務局で調整の上、御連絡させていただきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。以上になります。
○竹原会長 どうもありがとうございました。
私は、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課肝炎対策推進室長の木村でございます。冒頭の議事進行を担当させていただきます。
本日の協議会でございますが、委員の皆様におかれましては、対面とオンラインを併用したハイブリッド形式で開催させていただきます。また、傍聴される方やメディアの方に対しましては、ユーチューブ配信をさせていただいております。
本日は、ウェブ上で御参加される方もいらっしゃることから、接続状況によりまして画像・音声が乱れる場合がございますが、あらかじめ御承知おきいただきますようお願い申し上げます。
会議の進行に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。会議中、マイクはオフにしてください。御発言を希望される方におかれましては挙手を、ウェブ上で御参加の方はZOOMの画面下部「リアクション」をクリックしていただいて、「挙手ボタン」を選択いただければと思います。その後、会長より指名されましたら、マイクをオンにしていただきまして御発言をお願いいたします。御発言の際にはお名前を名乗っていただきまして、また、会場の方はできるだけマイクに近づいていただいて、可能な限りゆっくりお話しくだされば幸いでございます。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できる限り簡潔に御発言をいただきたいと思います。
操作などの御質問がある場合は、事務局までお問合せいただければと思います。
それでは、まず、開会に当たりまして、健康・生活衛生局長の大坪から御挨拶をさせていただきます。
○大坪 健康・生活衛生局長 皆様、こんにちは。厚生労働省健康・生活衛生局長の大坪でございます。本日も皆様、お時間いただきまして、御出席をありがとうございます。また、日頃から、この協議会を通じまして、委員の皆様方には、様々御指導、御鞭撻をいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。
本日、第37回の協議会でありますが、議事次第にございますように、今年度は、前回の協議会でお示ししたスケジュールに従いまして、この肝炎対策基本指針の見直しに係る検討を進めていくところでございまして、議事にございますように、まず初めに、考藤先生から研究報告といたしまして、地域の肝炎対策の取組状況の分析について御報告をいただきます。その後に、自治体の皆様方、本日は茨城県と島根県の御担当の方から、自治体における肝炎対策の取組内容などを御報告いただくこととしております。
委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を本日も頂戴できれば大変ありがたく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○木村肝炎対策推進室長 ありがとうございました。
なお、局長の大坪につきましては、公務の都合上、途中退席させていただきますことを御了承くださいませ。
続きまして、委員の出欠状況について申し上げます。本日は赤羽委員から御都合により欠席の御連絡をいただいております。20名のうち19名の委員に御出席いただいておりまして、また、本日は参考人といたしまして、今、御紹介ありましたとおり、茨城県保健医療部疾病対策課主任 岩上智美様、島根県健康福祉部薬事衛生課感染症対策係主任保健師 川瀬春香様にも御出席いただいております。後ほどよろしくお願いいたします。
本日の会議につきましては、定足数に達しておりますので、会議が成立しておりますことを御報告いたします。
続きまして、本日の資料について確認させていただきます。議事次第、委員名簿、座席表、配付資料一覧。資料は1~5、参考資料1~4となっております。資料の不備等ございましたら、お申しつけいただければと思います。
また、この後、議事に入らせていただきますけれども、これまでのところで接続状況の不具合や操作方法等で御質問がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
冒頭の注意事項等は以上になりますので、以後の議事進行につきましては、竹原会長にお願いしたいと思います。
○竹原会長 それでは、議事に入らせていただきます。前回の協議会でお話が出ましたように、本日の協議会では、今後の肝炎対策基本指針の見直しに向けた作業として、議事次第にもありますように、見直しに向けた委員や参考人からの御報告などをいただきます。
早速、議題(1)「肝炎対策基本指針の見直しに向けた議論」に関しまして、研究者の方からの報告をお願いいたします。まず、考藤委員から御説明をお願いいたします。
○考藤委員 竹原先生、ありがとうございます。
それでは、最初に、政策研究班で担当しております、全国の肝炎医療、自治体事業の指標について、これまでの経過と現時点でのまとめについて御報告させていただきます。
スライドをお願いいたします。
これは厚労省から出している図になりますけれども、肝炎対策が何を目指しているかというスキーム図になります。最終的な肝炎対策の目標は、肝硬変・肝がんで亡くなる方を一人でも減らしていくということになりますが、そのためには、まず、ウイルス肝炎の検査を受けていただいて、治療が必要な方には適切な医療を受けていただく。治療が終わった後も、C型肝炎等では肝がんの問題がございますので、適切なフォローを地域あるいは拠点病院等で受けていただきながら、そのスクリーニングをしていくということになろうかと思います。
この流れを概観しますと、それぞれのステップでいろいろな事業・医療が関わってまいります。こういった各ステップでの取組状況、さらに達成状況につきまして、適切に共通の物差しで評価していくことが、次の課題を抽出するためには非常に重要であるというところから、指標の作成を始めました。
次のスライド、お願いいたします。指標の考え方ですが、物差しとして使うためには、客観的な数値として落とし込む必要があるだろうということで、これは1つの例でありますけれども、例えば自治体のフォローアップ事業について、指標を1つ作ろうとするときに、その都道府県の市町村の数を分母に取りまして、実際にフォローアップ事業を実施している市町村の数を分子に取りますと、その都道府県におけるフォローアップ事業の進達状況・浸透状況が判定できると、このような考え方になります。したがいまして、多くの指標は0から1に数値化されておりまして、1は全て達成、0は全く達成されていない、このような数値の解釈になろうかと思います。
ただ、全て数値に表せるわけではなくて、肝炎医療等では実数として評価しているところもあることを御認識いただきたいと思います。今日は主な指標を御報告いたしますけれども、私たちの研究班で調査している指標の全ての項目等は後半の資料でお示しておりますので、そちらも御覧いただきながら御確認いただければと思います。
次のスライド、お願いします。こちらは肝炎医療指標を例に取りまして、私たちの研究班が取り組んできた過程をお示ししています。
最初、2017年度から指標班が始まりまして、当初、この指標の候補の作成、議論を踏まえて指標を選定してまいりました。次に、指標班、拡充班、均てん化班ということで、3年ずつ御支援いただきまして指標調査を継続してまいりました。第5回調査、2022年度の実績調査が終わった後で指標の結果の報告会を行いまして、その結果を踏まえて指標報告書として冊子体にまとめております。これは2024年1月に既に関係各所に送付済みです。
ただ、こういった報告書のみではフィードバックがダイナミックに行えませんので、調査結果のフィードバック方法として、下にお示ししておりますけれども、肝炎対策地域ブロック戦略会議、これは情報センターと肝炎室で共催して全国6ブロックにおいて毎年9月から10月にかけて行っておりますが、ここのブロック会議におきまして報告を行っております。加えまして、都道府県での意見交換会も年2回程度開催し、その都道府県における指標の結果の共有等を行っております。
次のスライド、お願いします。こちらは先ほどお示しした冊子体報告書の最後のほうのページに、肝炎政策への提言として書かせていただきました。逐一御説明申し上げないので、また御覧いただきたいと思います。
次のスライド、お願いします。個別のフィードバックが改善に向けては非常に重要だと考えておりますので、拠点病院に対するフィードバックと自治体に対するフィードバックの方法について御説明いたします。
拠点病院へのフィードバック方法は、2つ図をお示ししておりますけれども、全国の拠点病院の達成状況をプロットしながら、その中で報告先の拠点病院の位置づけを目印として示しているという形です。もう一つの方法は、その特定の拠点病院における各指標の経年変化についてお示ししております。
次のスライド、お願いいたします。こちらは自治体事業に関する結果のフィードバック方法で、このような形で全国都道府県の指標値分布をシンボルで示しながら、報告先の都道府県の実績につきまして赤いダイヤモンドで全国での位置づけをお示ししています。
次のスライド、お願いいたします。今日の報告内容ですが、全ての指標の結果を報告する時間的余裕はございませんので、この3つの点につきまして絞って御報告させていただきます。
次のスライド、お願いいたします。まず、拠点病院に対する肝炎医療指標であります。肝炎医療指標は大きく5つの柱に分かれておりまして、肝炎・肝硬変全般、C型肝炎、B型肝炎、肝硬変、肝炎制度ということで、全29指標を調査しております。調査期間等は、右のほうに示すとおりであります。
次のスライド、お願いします。B型肝炎とC型肝炎の肝炎医療指標の経過を、2018年から最新の2024年度の実施につきましてグラフで示しております。薄いピンクで示しておりますけれども、0.8以上を達成目標として位置づけております。
B型肝炎におきましては、個々の診療内容につきましては下のほうに書いてありますけれども、調査開始当初から全ての医療指標が高いレベルで達成できているという評価になります。
C型肝炎のほうを見ていただきますと、B型に比べますと少し波がありますけれども、フィードバック等で拠点病院での取組を改善していただいたおかげで、最新の2024年度の実績調査では、全ての医療指標が0.8以上の高い達成度で行われているという評価になっています。
次のスライド、お願いします。こちら、全国の達成状況をブロック別に大項目ごとにレーダーチャートでお示しした図になります。レーダーチャートの見方ですが、右のほうに書いてありますけれども、全国平均からの離れ具合を表現するような形になっておりまして、五角形が外に広がるほど全国平均より達成度が高いというふうに解釈していただければと思います。つまり、このダイヤモンドが外に広がれば広がるほど、そのブロックにおいて5つのカテゴリーの肝炎医療指標の達成度が高いということになります。一部、肝硬変の医療指標につきましては、少しへこんでいるところがございますけれども、内容を詳細に確認したところ、全てのブロックで均てん化された肝炎医療が提供されていると政策研究班では評価しております。
次のスライド、お願いします。こちらは肝炎制度に関する指標値について個別にお示しいたしました。左と右は同じような意味を示しておりますので、左の折れ線グラフだけ御説明いたします。2018年度から2024年度まで継続して調査してまいりましたけれども、B型肝炎給付、C型肝炎給付、ウイルス肝炎定期検査費用助成、さらに2018年度から始まっております肝がん・重度肝硬変研究支援事業について調査しております。肝がん事業が始まった当初、まだ十分な説明ができていなかったという結果になりますけれども、繰り返しブロック会議等でお願いした結果、説明も十分できているという評価になっていると思います。
次のスライド、お願いいたします。拠点病院に加えまして、多くの患者さんが専門医療機関で受診あるいは治療を受けていらっしゃいます。専門医療機関に対しても、肝炎医療指標を調査開始当初から継続しております。ただ、専門医療機関に対しては、拠点病院ほど詳細な内容ではなく、簡易版としてお願いしております。それも後半の資料につけておりますので、御覧ください。
ここでは、主な結果として、施設要件、ウイルス肝炎治療の延べ患者数、左下は院内連携指標として、電子カルテのアラートシステムとか紹介システムの入り状況、さらに、病診連携指標として、ICTを利用した連携がどうかについてお示ししています。左下の連携指標、これは院内連携として非常に重要なのですが、年度を経るごとにシステムを配備されている専門医療機関の数が増えてまいりましたので、ある意味、進達度が向上していると評価できると思います。
次のスライド、お願いします。自治体事業指標について、主なものだけ御紹介いたします。このスライドは、肝炎ウイルス検査の実施について指標の経年的な推移になります。
下のほうに、2017年から2023年までの傾向についての統計的評価を示しています。太字で、その傾向だけまとめて書いております。肝炎ウイルス検査の受検率、これはB型肝炎だけ出しておりますけれども、C型肝炎もほぼ同じと考えていただいて結構です。受検率は少し減少傾向にあると言っていいと思います。肝炎室の調査でも同じような結果が出ているかと思います。
スライド、お願いします。こちらは重症化予防推進事業の実施状況ということで、初回精密、定期検査費用助成ということです。傾向のところを見ていただきますと、初回精密に関しましては緩やかに減少傾向、それから定期検査費用助成に関しましては受検率が増加傾向にあります。肝炎室としても重要な事業のひとつですので、様々な周知徹底が効果を上げているのではないかと評価しています。
次のスライド、お願いいたします。肝炎医療コーディネーターの配置状況になります。肝炎医療コーディネーター事業は都道府県事業でございますけれども、多くの都道府県で拠点病院と連携しながら養成、そして更新の研修会を行っております。研究班としては、各病院、それから事業主体に少なくとも1人のコーディネーターの方を配置していただきたいということで、こういう調査を行っております。4つの事業主体について傾向を示しています。拠点病院、専門医療機関、保健所、市町村の肝炎担当部署、いずれも増加傾向ということで、肝炎医療コーディネーターの配置は年々進んでいるという評価になると思います。
次のスライド、お願いいたします。田中純子先生の政策研究班と共同して、2017年から国民調査ということで、肝炎ウイルス検査受検に関する、全国の国民に対してアンケート調査を行っています。ウイルス肝炎検査を受けたことがありますかというシンプルな質問に加えて、様々な背景を調べる調査でありますけれども、結果だけお示ししています。上がB型肝炎の検査、下がC型肝炎の検査ということで、数字で受検率を示しておりますけれども、最新の2024年度の解析によりますと、総じて国民の約8割は少なくとも1回はウイルス肝炎検査を受けているという評価になります。これは我が国の肝炎政策としては、非常にすばらしいと考えています。
次のスライド、お願いいたします。肝炎啓発効果についての研究も私たちの研究班で行っています。肝炎について、正確な知識あるいは情報を得ていただくことが、次の行動につながるだろうということで、できるだけ心に刺さる啓発の方法を研究班として開発してまいりました。
その一つの成果が肝炎すごろくです。スライドの左の下段に示していますけれども、ボードゲームを作成しまして、すごろく形式で複数の方で遊んでいただく。ゴールを目指すということになるのですが、当然ながら色々なこまがありまして、そこで止まります。こまに様々な仕掛けをしておりまして、例えば知識を問うようなクイズを出したり、生活習慣などの行動を選ぶような問いを投げかけたりしています。こまを進めていく中で肝炎に関する情報あるいは生活習慣等を自ら考えていただくような内容にしています。
加えまして、肝炎医療コーディネーターの方を非常に重要な存在として位置づけておりまして、お仕事について伝えるような仕掛けもしています。肝炎すごろくは既に多くの拠点病院の方や専門医療機関の方々にお使いいただいておりまして、大変高評価をいただいております。
すごろくによる情報の伝え方がいいのかということを客観的に検証するために、私たちの研究班では、啓発の方法について比較検討を行いました。一般的な啓発方法としては、リーフレットあるいは動画といったものが多いかと思います。こういった情報の届け方の違いによって、受け手側の知識の定着率、情報を受け取ったときの感情といったものを比較する調査になります。詳細は省きますが、次のスライドを見ていただきますと、学習効果について示しています。青色がすごろく、オレンジが動画、灰色がリーフレットということで、いずれの啓発の方法によりましても、受けた直後は非常に学習効果が高いということが分かります。中でもすごろくは一番効果が高かったという結果です。
ただ、1つ課題として残るのは、3か月後のフォローアップ調査を行いまして、どの程度知識が定着しているかということを調査したのですが、なかなか難しいところがあるようで、いずれの啓発方法に関しましても、3か月後、定着率が落ちてくるということが分かりました。したがいまして、繰り返し情報を届けることが大事かなと感じた次第です。
右のほうはワクワク度をPANAS尺度というもので評価してみました。情報を受け取ったときに面白さを感じるかどうかによって、定着については大きな差が出ると考えられます。すごろく、動画、リーフレットを比べてみますと、すごろくは遊びですから当然かもしれませんけれども、非常にワクワクして情報を受け取っていただいたという結果が得られています。
今後は、この啓発資材に関しましては、オンライン化も視野に入れながら、研究班で作成・開発を進めていきたいと考えています。
次のスライド、お願いします。まとめになります、このような形で経年的に肝炎医療指標、自治体事業指標、拠点病院事業について指標を調査しています。経年的な変化を全国レベルの中で見ること、あるいは個々の組織の中でも推移を見ていくことによって、政策・医療の進達状況が客観的に俯瞰できますし、取組状況の振り返りができると思います。今後も指標調査は継続してまいりたいと考えています。
最後のところで少し御説明した啓発の方法は、非常に重要と考えておりますので、今後、肝炎すごろくの次のバージョン、あるいはオンライン形式のすごろくなど、開発を目指していきたいと思います。
令和10年度には2回目の指標調査報告書を作成する予定です。第1回調査報告書と同じように関係各所に届けて、もう少し踏み込んだ提言を行いたいと考えています。
以上、私からの報告です。ありがとうございました。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告に委員の先生方から、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
それでは、出田委員、どうぞ。
○出田委員 薬害肝炎原告団の出田と申します。よろしくお願いいたします。
今日は4項目ほどございますので、2回に分けてお尋ねしてよろしいでしょうか。
○竹原会長 結構です。
○出田委員 考藤委員、御報告ありがとうございました。まず1点目、資料1の6ページ、「肝炎政策への提言 肝炎総合政策に係る指標報告書」についてお尋ねします。令和5年度厚労科学政策研究班(均てん化班)によるこの報告書は、国や自治体、拠点病院や専門医療機関、かかりつけ医等の肝炎政策推進の評価に極めて有効だったと思われますが、現状、何が課題であるかお聞かせいただけますでしょうか。
また、肝炎ウイルス検査を受けたことを忘れないよう活用する「検査カード」とは、どのようなものでしょうか。活用事例等があれば、ぜひ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○考藤委員 御質問、どうもありがとうございます。
課題ですが、このような提言を行った後、それをどのように現場で生かしていただけるかというところが、まだ十分調査できていないところであります。指標の達成状況というものを踏まえて改善に向けて取り組んでいただきたいと思い報告していますが、改善の度合いについて、まだ十分な調査ができていない点が研究班としての課題と思っています。
2つ目の「検査カード」ですが、これは他の政策研究班で取り組まれていることかなと思います。御自身が自治体の検査を受けた後で、その結果がどうであったか、それを御自身が確認するためのカードです。それを例えば病院等で示していただくことで、ウイルス肝炎検査の結果について共有できるという形のカードと思います。ですので、運用は研究班中心に、都道府県、全国的に推進されていると理解しております。
以上になります。
○出田委員 ありがとうございます。
次に、資料1の12ページの肝炎医療指標から見た地域ブロック別肝炎診療についてということでお尋ねしようと思っていたのですけれども、先ほど先生の御説明の中にありましたけれども、北海道東北、中国四国、九州ブロックでは、肝硬変治療の達成度が低かったので、全てのブロックで均てん化された肝炎医療が提供された状況にはないように思って御質問しようと思ったのですけれども、多少変形しているものの、全てのブロックで均てん化されているものと見ると先ほど御説明されましたけれども、特に九州では、肝硬変の部分がほかのブロックに比べるととても低いように思われますけれども、この程度の違いはあまり問題ではないということでよろしいでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
その点は、実は政策研究班でも少し議論しておりまして、後半の資料で肝硬変のところを御覧いただくとお分かりになりますが、肝硬変の項目というのが、内視鏡の検査実施と栄養指導の実施、さらに身体障害者認定のお話をしたかどうかということで、少し傾向が違う項目が3つだけ入っています。課題だと思っているのは、身体障害者認定の説明のところは、対象になる患者さんがいない場合にゼロになってしまいますので、トータルで数値としては下がっている原因ではないかなと考えています。
もう一点は、内視鏡検査の実施についてなのですが、これも肝硬変といいましても、非常に軽い方から重度の方まで病状は大きく異なりますし、静脈瘤等の合併症に関しましても個人差が非常に大きいことから、必ずしも1年に1回されていないところもある。実臨床ではあり得るのかなと考えておりますので、特定のブロックだけ特に実施状況が悪いということはないのではないかと考えています。
以上です。
○出田委員 ありがとうございました。よく分かりました。
次に、この12ページの指標はブロック別に評価されておりますけれども、ブロックの中の都道府県で進んでいるところと遅れているところが存在していると思われます。患者にとっては、均てん化の実感がブロックで判断されるとあまりなく、研究班の報告と少し乖離しているように思われるのですが、都道府県単位で評価するということはできないのでしょうか、いかがでしょうか。
○考藤委員 それももちろん可能です。今日はお示ししておりませんけれども、フィードバック資料のところで、一部、例としてお示ししましたけれども、各都道府県別の達成状況とその推移については、個別に御報告するようにしておりますので、そういった形で評価も可能ですし、自治体にもお届けできているのかなと思っています。
○出田委員 ありがとうございます。
最後に、肝炎すごろくについてですけれども、昨年、私たちの団体でも研究班からお借りして、すごろくを実際に体験しました。本当にワクワク感があり、大変盛り上がり、楽しく学ぶことができました。強いて言えば、少し時間がかかったということと、やり方がちょっと難しかったということです。今後、ぜひこの啓発資材を有効に、いろいろなところで使われるようによろしくお願いいたします。
以上です。
○考藤委員 ありがとうございます。
○竹原会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
萩部委員、どうぞ。
○萩部委員 日肝協の萩部でございます。
直接的ではないのですが、資料1の14ページの右上のウイルス性肝炎延べ患者数というデータがございます。ここを見る限り、C型は減ってきていると思うのですが、B型の肝炎患者の数が延べ患者ではなかなか減らない、横ばいの状況かと思います。前回の協議会におきまして、考藤委員と日浅委員から、国内でのB型肝炎治療の開発状況をお話いただいていると思います。国内では、先日、先駆的医薬品として機能的治癒薬の承認申請も開始されているかと思いますが、海外でのB型肝炎治療薬の開発状況について、もし先生方から知見があればお聞かせいただきたいというのが1つ。
もう1つですけれども、日本肝臓学会におきまして、今年の6月にB型肝炎治療ガイドライン第5版ということで、4年ぶりに改訂されております。この新薬の承認等がこれから予想される中で、今後、この改訂によりまして治療の対象者の拡大が想定されるのかなと思います。厚労省にお願いですけれども、医療費助成等についても患者負担が軽くなるような確実な予算確保をお願いしたいと思います。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
どうしましょうか、海外の開発状況ということで、先般も日浅委員と考藤委員等から御説明はあったかと思いますが、考藤委員、もう一度御説明よろしいでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
まだ日本で保険収載されていないベピロビルセンという薬ですが、この間、ヨーロッパの肝臓病学会で第3相試験の結果が発表になりました。それによりますと、第2相試験よりデータが少しよくなりまして、ウイルスの抗原量が3000という値より低い患者さんでHBs抗原が消えて、しかもその後、核酸アナログもやめて半年間後のHBs抗原が陰性のまま維持している率が19~20%ということです。さらに、治療開始前のHBs抗原量が1000以下の方では、HBs抗原の陰性化率が25~28%ということですから、非常に期待が持てる結果が出ています。
こういうデータを基にして日本での承認が進むと思いますが、まだ70%強はHBs抗原が消えない患者さんが残りますので、そこには開発の余地があるというか、必要があると思います。いろいろな海外治験が走っていまして、日本でも新しい治験薬、治験が始まる可能性がありますが、まだこのベピロビルセンほどは進んでいないという状況ですので、もう少し時間がかかると思います。日本では何とか追いつくように、我々の研究班も含めて頑張っているところです。
以上になります。
○木村肝炎対策推進室長 厚生労働省でございます。
今、考藤先生からベピロビルセンの海外での研究発表の状況を御説明いただきました。前回の協議会でも御説明しましたとおり、本年2月に、この医薬品については承認審査の申請がなされておりまして、優先審査ということで、6か月程度でその承認の可否が出るところでございます。今は、そういう意味で申し上げますと、まだ審査中というステータスというふうに思います。
これも前回御説明いたしましたとおり、今後、仮に承認されて保険収載される場合には、医療費助成の対象にする方向で検討したいと思っておりますし、また必要な予算もしっかり確保していきたいと思っております。
以上です。
○萩部委員 ありがとうございました。
○竹原会長 そのほか、いかがでしょうか。
坂上委員、どうぞ。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。
詳細な分析ありがとうございました。均てん化という意味で、肝臓移植について考藤先生の御意見をお聞きしたいと思います。重症な患者さんに対する最後の治療として、肝臓移植があります。厚生労働省様が肝臓移植に限らず、臓器移植の環境整備にご努力いただいておりますけれども、まだ臓器移植には様々な課題があると思います。その中でも、移植施設の実績の格差があります。そういう面でも均てん化の必要性はあると思うのですけれども、この点、考藤先生、どう考えられていますでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
肝移植の話は今回の指標の調査の範囲外でありますので、全くの私見になりますけれども、肝移植というのは、恐らく肝臓病治療の最後の砦といいますか、究極の治療だと思っています。日本におきましては生体肝移植が中心になりますので、ドナーの問題、そこに至るまでのアロケーションの問題とか、課題はまだ残っているのかなと思います。
移植できる施設を均てん化するべきか、あるいは集約化するべきかというところが課題のひとつかなと私自身は思っています。ある程度集約化して、そこに患者さんに集まっていただいて、医療者側の技術レベルもどんどん高くなっていくということが、移植の成功には非常に重要な要件ではないかなと思っています。どこでも移植ができるというのは1つ理想ではありますけれども、今の状況、それから移植の数の状況、こういう点を踏まえますと、ある程度集約化が必要ではないかなと私自身は感じています。政策等に関しましては、私の範囲外ですので、厚労省の方にコメントいただければと思います。
○木村肝炎対策推進室長 厚生労働省でございます。
我々も直接の担当ではございませんけれども、同じ局内で臓器移植を担当している室がございまして、そちらでまさにドナーの臓器を移植したいという方の想いがしっかり実際の移植につながるようにということで、様々な取組を進めております。例えば、臓器移植をマッチングする団体、JOTという団体がありますけれども、そうした団体に加えて、各地域でドナー関連の業務を行う法人をつくるという新たな仕組みをスタートして、実際、新たに認可を得た法人もございますし、まさに提供する病院、また提供を受けて実際に移植をする病院に対する支援も、予算面も含めて拡充していると聞いております。考藤先生からお話があった、集約化すべきかどうかという議論も、引き続き臓器移植委員会のほうで議論していただいているというふうに聞いております。
また、予算面でも、診療報酬改定で、臓器移植の報酬の強化ということもかなり図られていると思いますので、提供したいという方の想いができる限り移植につながるよう、厚労省としても取り組んでいきたいと考えております。
○坂上委員 ありがとうございます。
この推進協議会ではこれまで、移植の話があまり討議されてこなかったと思いますので、発言させていただきました。厚労省様、医療者の皆様が臓器移植の推進にご尽力いただいていることは存じております。今後ともよろしくお願いします。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、郡山委員、どうぞ。
○郡山委員 鹿児島大学の郡山と申します。
考藤先生、詳細な御発表ありがとうございました。御発表の中で、例えば自治体へ個別フィードバックをされているということで、非常に丁寧な結果をお返しになられているのですけれども、これは自治体の経年変化を見たときに、もしかなり変化が見られると、よくなったり、あるいはむしろ逆に悪くなっているような、そういったことの分析等もされていらっしゃるのか、それとも今後御検討される予定なのかというのを1つお伺いしたいと思います。
○考藤委員 郡山先生、ありがとうございます。
非常に大事なポイントでありまして、我々も指標結果をお返しした後、上向くかなというのを一番期待しているところなのですが、先ほど申し上げたとおり、そこがまだ課題と思っています。個々の自治体において、指標結果を踏まえてどのように変えましたかという調査が十分できておりません。都道府県での意見交換会を肝炎室の皆さんと一緒に年3回ほど行っていますが、そこで詳細に自治体の状況について共有しながら、御意見もいただきながら糸口を探るような活動を続けております。そのような形で、徐々にではありますけれども、いい方向に向かっていけばいいなと考えています。
以上です。
○郡山委員 ありがとうございました。
すみません、あと1点だけよろしいですか。最後に御説明された啓蒙活動の資料で、すごろくとか、非常にワクワク感を持ってできる資料を開発されているということですが、これの対象年齢はどれくらいの年齢の幅をお考えなのかということと、むしろ少し若い方にも知っていただきたいということで、例えば大学生・高校生とかにも試みていらっしゃるのかというのを少しお尋ねしたいと思います。
○考藤委員 ありがとうございます。
すごろくは中学生以上を想定しておりまして、文言についても、かなり練り込んでいるつもりです。さらに若い世代へのアプローチも非常に重要だと考えておりまして、今日、お示ししておりませんけれども、肝臓ライフすごろくという、コマ数をさらに減らして、表現もさらに柔らかくした、小学生対象にしたつくりのすごろくも作っています。そちらも拠点病院等でお使いいただきながら感触を探っていただいております。病院だけではなく、例えば東京にある日本科学未来館とか、非常に関心の高い子供たちが集まるような場においても、すごろくを遊んでいただきながら感想を貰ったりして、フィードバックしております。学校教育の現場でも使っていただけるように、将来的には進めていきたいなと考えています。
以上です。
○郡山委員 大変参考になります。ありがとうございました。
○竹原会長 ありがとうございます。
梁井委員、どうぞ。
○梁井委員 B型肝炎訴訟原告団の梁井と申します。
資料の18ページですけれども、ウイルス検査の受検率の推移というところで、8割方の国民が検査を受けているということは、本当に進んできているなというのを患者としても思いました。ただ、私はB型肝炎なのですけれども、一昔前というのですか、セロコンバージョンでそれで終わりだというふうに思っていまして、お医者様からも、もう来なくてもいいよ、治療は終わったよと言われた方もたくさんいらっしゃると。そういう方は、まだ受療のほうには結びついていらっしゃらないのではないかなと思います。
それと、術前検査でかなりの方が検査を受けているけれども、それが直接患者のほうに結果が伝わっていないというのが、少し前に問題になっておりました。そういうふうに、検査は受けているけれども、受療に結びつかない。そういう方に対しても、ぜひともこのパーセントが上がるようなものを考えていただきたいと思います。
それから、2割の未受検者です。本当に難しいところだと思うのですけれども、この方たちが検査に向かうような方策というか、施策というものを何かお考えでしたら教えていただきたいと思います。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
指標があるかどうかということと、施策ということでしょうか。
○考藤委員 ありがとうございます。
この8割というのは、田中先生と一緒に行っている国民調査の解析結果なのですけれども、これは認識受検と非認識受検を合わせた、いわゆる受検経験率ということになっています。認識受検というのは、御自分がウイルス肝炎検査を受けたことを記憶している方です。非認識受検というのは、受けたはずなのだけれども、アンケートでは受けていないと答えられた方。つまり、ウイルス肝炎検査を受けた経験はあるけれども、その調査の時点では御自分が忘れている方ということになります。術前検査の方は、どちらかというと非認識受検のほうに入っております。御指摘のとおりで、術前検査の結果をきちんと周知すること、御自身に覚えておいていただくことが非常に重要で、そこはこれからまだ政策研究班を含めて、取り組んでいく大きな課題だと思っています。
○梁井委員 ありがとうございます。
○木村肝炎対策推進室長 今、考藤先生からお話ありましたように、検査を受けた場合、その御本人にしっかりと検査結果を伝えていただくということは、かねてより厚労省からも依頼しているところですので、そうしたことを今後とも続けていきたいと思いますし、また、いつでも無料で検査を受けられるような体制をつくるということで、引き続き検査のための予算面での支援も行っていくということで、いろいろな方がいつでも検査を受けられるような環境を整備していくことが大事かなというふうに考えております。
○竹原会長 先ほど梁井委員からお話があった、セロコンバージョンすれば、それでいいというお話に関しては、これは昔は確かにそうだったのですけれども、最近はガイドラインでも発がんのリスクを踏まえて治療していくということが学会でも明記してあって、そういうふうな趣旨で治療が地域でも進んで、それに対しての適切な補助がされるというような仕組みだというふうに理解しております。
○梁井委員 ありがとうございます。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、自治体からの御報告ということで、茨城県から岩上参考人より御報告をお願いいたします。
○岩上参考人 茨城県保健医療部疾病対策課の岩上と申します。
茨城県からは、本件における肝炎対策の現状及び取組について御説明いたします。よろしくお願いいたします。
次、お願いします。本県の現状について御説明いたします。初めに、肝がんの75歳未満年齢調整死亡率ですが、全国と同様に減少傾向にあり、令和6年、3.4となりましたが、依然として全国平均より高い水準で推移しております。
次、お願いします。次に、特定感染症検査等事業における保健所の肝炎ウイルス検査件数及び陽性率についてでございます。保健所での検査件数は新型コロナウイルス感染症の影響により減少し、令和4年度は約440件でございましたが、令和6年度は約1350件と、回復傾向にあります。一方で、陽性率は低下傾向となっております。
次、お願いします。次に、市町村が実施する健康増進事業における40歳の肝炎ウイルス検査についてでございます。表の下部にございます受検率ですが、令和5年度は5.9%と、前年度より0.3ポイント減少しておりましたが、令和6年度は7.4%と上昇しました。陽性者は、令和5年度は0件でしたが、令和6年度はB型3件、C型1件となっております。
次、お願いします。ここからは、本県の主な取組について御説明いたします。
本県では、国の基本指針等に基づき茨城県肝炎対策指針を策定しており、第3次茨城県肝炎対策指針につきましては、茨城県保健医療計画に包含する形とし、改定を行ったところでございます。なお、計画期間は、保健医療計画に合わせ、令和6年度から11年度の6年間としております。
概要でございますが、資料にございます5つの項目を柱とし、施策を講じているところでございます。詳細は、後ほど資料を御覧おきください。
次、お願いいたします。また、取組の評価指標として、8項目について目標数値を設定いたしました。令和6年度の目標達成状況でございますが、肝炎医療コーディネーターの配置につきましては、県内全市町村、県全保健所において配置できており、達成状況の評価はAの目標達成となっております。一方で、肝がん死亡率が目標値2.3以下に対し、令和5年3.66と、未達成です。保健所の検査件数は、目標1500件に対し、令和6年度はB型1354件、C型1334件と未達成。市町村の40歳検診の受診率は、目標10%に対し、7.4%。肝炎ウイルス検査結果の文書告知率は48.3%、市町村検査における新規陽性者の医療機関受診率は66.1%と、いずれも目標未達成の状況であり、評価はBの目標達成ができておらず、さらなる取組が必要と判断されます。
次、お願いいたします。令和6年度の結果を踏まえ、さらなる取組が必要な事項について事業ごとに整理を行い、令和7年度は取り組むべき方向性の見える化など、工夫しながら実施することといたしました。資料左側の青枠が実施事業内容、右側オレンジ枠が重点的に取り組んだ内容となります。
まず、重症化予防事業における肝炎ウイルス検査の受検勧奨については、SNSを活用した普及啓発やイベント等における肝炎ウイルス検査の受検勧奨を行いました。市町村の健康づくり主管課が出席する会議の際に受検率の高い市町村の事例を紹介するなど、受検率の向上に努めるとともに、陽性となった方が確実に医療機関受診につながるよう、フォローアップ実施の再要請を行いました。
肝疾患診療連携拠点病院事業といたしましては、肝炎に関する普及啓発資材を作成し、連携して普及啓発を行うとともに、啓発資材の活用について、市町村及び保健所が出席する会議等において情報提供を行い、併せて肝炎医療コーディネーターが各施設に継続的に配置されるよう、市町村・保健所・肝疾患専門医療機関に対する個別勧奨を実施しました。また、初めての試みといたしまして、コーディネーターの活動活性化を目的に、令和7年度肝疾患専門医療機関の肝炎医療コーディネーターによる意見交換会を開催いたしました。
肝炎治療特別促進事業といたしましては、SNSの活用やリーフレット等による普及啓発を行ったところです。また、フォローアップの際に助成事業の案内を併せて実施していただくよう、市町村へ改めて依頼しました。加えて、職域向けリーフレットを作成し、本県ホームページに掲載いたしました。
肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業については、SNSを通じた利用促進の周知を行うとともに、肝疾患専門医療機関に対し、利用促進に関する協力依頼の再通知を行っております。
次のスライド、お願いいたします。令和7年度、特に重点的に取組を行いました普及啓発と陽性者のフォローアップについて詳しく説明させていただきます。
次、お願いします。重点取組の一つ、普及啓発についてでございます。
資料左側となりますが、7月の肝臓週間に合わせて、保健医療部公式Xを活用して、検査受検勧奨、医療費助成等の紹介、肝炎相談支援センターの案内をシリーズ化した形で、毎週1回、計4回連続して発信いたしました。資料にございますタイトル「肝炎ウイルス検査を受けましょう!」の検査受検勧奨資材につきましては、県公認VTuber茨ひよりをキャラクターに、令和6年度肝疾患診療連携拠点病院事業において作成しております。医療費等助成事業に関するリーフレットは、本県で作成し、ホームページにも掲載しております。
資料右側でございますが、同じく肝臓週間に合わせ、県広報紙「ひばり」の7月号に肝炎検査受検勧奨に関する記事を掲載、幅広い世代に対して啓発を行ったところでございます。
次、お願いします。併せて、本県健康増進主管課と連携し、がん検診や健康づくりに関するイベント開催時に、作成したリーフレット等の配布や、県庁内県政広報コーナーにリーフレットを設置するなどし、継続的な普及啓発に努めております。
次、お願いいたします。次に、陽性者フォローアップに関する取組についてでございます。本県では、保健所及び市町村の健康増進事業における検査で陽性となった方に対しフォローアップ事業を実施しており、その実施状況について、毎年度調査を行っております。フォローアップの実施率につきましては、市町村検査ではおおむね60%前後で推移している一方、保健所検査では匿名による検査の影響によるためか、実施率は低い傾向にあります。
未実施の理由につきましては、資料、中ほどの表に、それぞれ保健所、市町村ごとに記載してございます。
これらの理由を解決するため、担当者会議等、あらゆる機会を活用し、全陽性者に対するフォローアップ体制強化の再周知を行ってまいりました。具体的には、検査前に同意取得に取り組んでいる市町村の好事例を紹介するとともに、先の資料でも御説明しておりますが、県で作成したフォローアップ時に活用できる各種制度案内リーフレットを共有し、再度の依頼を行いました。
次、お願いいたします。次に、妊婦健康診査における陽性者フォローアップについてです。令和2年4月より、国においては、初回精密検査費用助成制度の対象に妊婦健康診査での陽性者が追加されたところですが、本県全市町村では、妊産婦医療福祉制度による医療費助成がなされており、医療費負担は軽減されているものとの考え方から、陽性者フォローアップ対象としての追加は見送っておりました。
翌令和3年度に、初回精密検査費用助成制度への対象追加を検討するため、妊婦健診における肝炎ウイルス検査陽性者の受診確認、受診勧奨状況調査を実施した結果、全44市町村のうち、検査結果の確認をしていない市町村が5か所、陽性者の受診確認を実施していない市町村が22か所あることが分かりました。
これを受け、令和4年8月より初回精密検査費用助成制度の対象に妊婦健診における陽性者を追加することとし、同年10月に市町村担当者向け説明会を開催し、検査結果の確認と受診確認の徹底を依頼しました。
令和7年度に実施した令和6年度実施状況調査において、検査結果の確認は全44市町村で実施されているものの、陽性者の受診確認を行っていない市町村が6か所、さらに2か所では対応未定との結果になりました。この結果を受け、全陽性者の受診確認実現を目指して、新たな課題としての取組といたしました。
次、お願いいたします。資料には、妊婦健康診査における肝炎ウイルス検査の実施状況をお示ししております。検査の実施率は97%以上と高い水準にありますが、陽性者に対する受診確認は40.8%にとどまっている現状でございます。
未実施の理由としましては、本人と連絡が取れないといった内容のほか、外国人への対応不足や、継続的なフォロー体制の不十分さや、市町村間に対応差があるなどの課題が分かりました。
次、お願いします。これらの課題に対応するため、まず、外国人への対応不足という課題に対しては、受診勧奨資材の「肝炎のおはなし ママと赤ちゃんのために」を、日本語版に加え、英語版、中国語版、ポルトガル語のものを順次作成し、市町村から配布いただくこととしました。今年度中にほかの言語バージョンを作成予定としております。
また、受診確認未実施の市町村に対し、行ったヒアリングの結果、既に妊婦健康診査で受診している産科医療機関に対応を任せて対応されていると認識を持っていること。精神的・身体的など、ほかのハイリスク事例と比較して優先度が低いと認識されていること。さらには、健診結果の把握に時間を有することなどの実態があることが明らかとなりました。
陽性者に対する受診確認の重要性について、市町村母子保健担当課にも御理解いただき、優先度を高めるためには、市町村への説明の機会の充実を図ることが必要であると考え、県庁内母子保健主管課と連携し、妊婦健康診査の枠組みの中で一体的に肝炎対策の推進が図られるよう、今年度は会議等の説明機会を得たところでございます。これにより、県内全市町村における陽性者の受診確認の実施を実現し、肝がん死亡率の低減を目指した取組を行ってまいりたいと考えております。
茨城県の肝炎対策についての説明は以上でございます。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告につきまして、山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 失礼します。日肝協の山崎です。
茨城県の肝炎対策について発言します。
まず、5ページ、第3次茨城県肝炎対策指針の概要についてですが、県の課題がしっかりと捉えられ、それに対して的確な対応が取られており、とてもよい指針であると思いました。
続いて、6ページの指針数値目標及び評価についてですが、指針に掲げる目標値に対して、年度ごとに数値を把握し、達成状況を評価されて、とてもよいと思いました。令和6年度ではB評価の項目が多いですが、今後、全ての項目でA評価となるように頑張っていただきたいと思います。
少し気になるのは、指針の計画期間が令和6年度から11年度の6年間で、現在改正を検討している国の肝炎対策基本指針との間に3年間のずれが生じています。このずれは、来年早々に新たな国の肝炎対策基本指針が示されるのですが、国の基本指針と県の指針との期間のずれというのは、国の基本指針が示された後にそれぞれの都道府県で指針を立てられますから、茨城県だけの問題ではなくて、各都道府県での実態であり、課題であるというふうに思います。今後、どういうふうにされるべきなのか、国と県にまたお尋ねしたいと思います。
さらに、11~14ページの重症化予防事業養成者フォローアップについてですが、令和6年度は保健所が実施する特定感染症検査等の事業では、フォローアップ実施率が14.3%、市町村が実施する健康増進事業では53.9%になっていますが、このフォローアップが極めて重要であると考えます。御苦労が多いとは思いますけれども、今後とも実施率の向上に向けて努めていただきたいと思います。
最後に、妊産婦の陽性者に対するフォローアップですが、令和2年4月に初回精密検査費用助成制度の対象に妊婦健康診査での陽性者が追加されたことを受け、丁寧な取組がなされていると思います。令和6年度の実施率は40.8%でしたが、課題もしっかりと捉えられているので、妊産婦への適切な治療と、生まれてくる子供たちが肝炎ウイルスに感染しないように、今後も頑張って取組をしていただきたいと思います。
以上です。
○竹原会長 それでは、ただいまの御質問に岩上参考人のほうから何か御回答がございましたらお願いいたします。
○岩上参考人 御意見いただきまして、ありがとうございました。
指針の計画期間が令和6年度から11年度ということにつきましては、おっしゃるとおり、ちょっとずれが生じているのが現状でございます。ただ、中間見直しなど、3年ごとに中間的に見直しを行っておりますので、少しずれがある分はそこで対応させていただいております。
以上です。
○竹原会長 フォローアップの重要性とかも特によろしいでしょうか。
○岩上参考人 フォローアップにつきましては、保健所検査では、HIV等性感染症と同様に、匿名という性質上、なかなか実現率が低い現状にあると認識しております。現状におきましては、検査前に、陽性と出た際にはフォローアップ事業を行うことをあらかじめ説明した上で検査を行うこと、結果の告知の際には助成制度の案内を行うことなどを保健所の担当者会議等を活用して依頼しております。
市町村検査におきましても、検査の前に同意を取得するよう市町村に依頼を行っております。
また、毎年実施している調査票におきまして、7年度は特に同意を得るための工夫や受診勧奨の方法、受診勧奨の工夫などの項目を作成して、回答状況に応じて自治体での取組好事例を会議等、あらゆる機会を活用して紹介するなどし、実施率向上に向けた取組を行う支援を行っております。
以上です。
○竹原会長 木村室長から、どうぞ。
○木村肝炎対策推進室長 先ほど茨城県の指針の期間と国の指針の見直しの関係について御質問ございました。今、手元にデータがあるわけではないのですが、多くの都道府県では、国の指針が見直されますと、翌年度にそれを受けて、それぞれの県の指針を見直していただいて、5年間の期間で対策をするところが多くなっていると思っています。いずれにしろ、国の指針が見直されましたら、しっかりとそれを周知させていただいて、都道府県のほうでもそれを受けて、しっかり考えていただいて対策に反映いただくように進めていきたいと思っております。
○竹原会長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、自治体からの御報告ということで、次は島根県の取組について、川瀬参考人から御説明をお願いいたします。
○川瀬参考人 島根県健康福祉部薬事衛生課の川瀬と申します。本日は、島根県における肝炎対策について、肝炎医療コーディネーターの育成や活躍の推進を中心に御報告いたします。
次、お願いします。まずは、島根県の概況です。島根県は、中国地方に位置する県です。北方約40~80キロの海上には、島前、島後などからなる隠岐諸島もあります。推計人口は約63万人、高齢化率は35.4%です。県庁所在地である松江市は、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の舞台にもなりました。
次、お願いします。島根県の肝がん死亡率等について御報告します。島根県の肝がん死亡者数は、近年は170人前後で推移しています。年齢調整死亡率は、全国と比べ、男女ともに高い状況になっております。
次、お願いします。こちらのグラフは、満40歳以上の方を対象として市町村が実施している健康増進事業における、肝炎ウイルス受検者数と感染者率です。左がB型肝炎ウイルス検診、右がC型肝炎ウイルス検診です。水色の棒グラフが受検者数、緑色の折れ線グラフが全国、オレンジが県の感染者率です。受検者数は、B型肝炎、C型肝炎ともに人口減少などを背景に、年々減少傾向ではあります。感染者率は、B型肝炎は近年0.5%、C型肝炎は0.1%から0.2%で推移しています。
次、お願いします。次に、保健所や県の検査委託医療機関で実施している特定感染症検査事業における肝炎ウイルス受検者数と感染者率です。先ほどと同じく、左がB型肝炎ウイルス検診、右がC型肝炎ウイルス検診のグラフです。受検者数は700~800件前後で推移しています。感染者率は、B型肝炎は0.2~0.5%、C型肝炎は0.1%~0.5%で推移しています。
次、お願いします。次に、島根県における肝炎対策について御説明します。最近では、肝炎ウイルスに持続感染している人への支援が充実されるとともに、県各市町村及び職域による検査、受診及び治療の促進に向けた取組が行われてはいますが、依然として感染したことを自覚していない方や、肝炎ウイルス検査で陽性ではありますが、精密検査や肝炎ウイルスに起因する疾患に係る医療を受けていない人がいる等、早期発見・早期治療が引き続き重要な課題となっていることから、指針の趣旨を肝炎ウイルス検査から精密検査を受診し、さらに治療へとつなげる取組を推進するとし、4つの柱を軸に取組を進めております。
次、お願いします。島根県では、目標値を3つ定めています。
1つ目は、5年間の肝炎ウイルス受検者を2万1000人以上とすること。
2つ目は、要精検者の精密検査実施医療機関受検率を向上させること。
3つ目は、肝がん年齢調整死亡率を低減させること。
これらの目標値に対して、島根県の肝炎対策協議会で進捗管理・確認を行っています。目標値に対する実績は、こちらに記載してあるとおりとなっております。
次、お願いします。次に、具体的な取組について、肝炎医療コーディネーターの活動と、併せて、それに伴う検査委託医療機関への働きかけについて、詳しく御報告します。
島根県では、肝炎医療コーディネーターの育成及び活躍の推進を、県の指針の一つとして掲げて取組を進めております。
次、お願いします。島根県肝炎医療コーディネーターは、県民への肝炎医療に関する普及啓発、肝炎患者や肝炎ウイルス検査陽性者等への適切な肝炎医療や情報提供等の支援をし、島根県の肝炎対策を一層推進することを目的に、平成27年度から養成を開始しました。令和3年度からオンライン配信で実施しておりますが、本年度は対面形式での開催も検討中です。現在では、医療関係者だけではなく、教育機関や障害施設や高齢者施設など、幅広い分野に周知し、配置することで支援をつなげていきたいと考え、取組を進めております。
次、お願いします。島根県での肝炎医療コーディネーター登録者数の推移を報告します。3年未受講で登録取消になる方も中にはおられますが、登録者数は徐々に増加しています。
また、肝炎医療コーディネーターの名簿を拠点病院とも共有し、拠点病院開催の肝臓病教室や研修会等、情報提供のほうをしていただいております。
次、お願いします。肝炎医療コーディネーターの活動状況についてです。島根県では、特別なことでなくていいので、各所属でできることというふうに御説明して、活動してもらっております。普及啓発や個別相談、受検・受診勧奨が主な活動となります。また、スライドの画像にある肝炎ウイルス検査受検済みカードの配布も行ってもらっています。活動内容は、県の肝炎医療コーディネーター養成・継続研修や、コーディネーターさんへメールを活用して適宜共有しております。
次、お願いします。具体的な活動例を御紹介します。肝炎ウイルス検査実施件数を増やす取組として、健診受診者が来院する前に検査の有無をカルテで確認。当日来院された際に、本人からもここの医療機関以外で検査を受けていませんかというふうに確認して、希望者には検査実施を促す取組をされておられます。ついでに、肝炎ウイルスを受けませんかと、検査のハードルを下げることが重要と、コーディネーターさんの方はおっしゃっておられました。
次、お願いします。ここからは、肝炎ウイルス検査委託医療機関への委託料について御報告します。島根県では、平成31年度から委託医療機関の契約金額の委託料について、コーディネーター配置機関にインセンティブを付与しています。令和7年度の委託料はこちらの表のとおりでして、配置なし機関と比べて3000円程度違うような形になっております。金額は、診療報酬のほうから計算しております。コーディネーター養成研修の案内時などに、医療機関にインセンティブについて周知しています。インセンティブは、コーディネーター研修を受けてコーディネーターを配置された年の翌年度から反映されます。
次、お願いします。これは肝炎ウイルス検査委託医療機関数と肝炎医療コーディネーター配置率の推移を示したものです。精密検査医療機関を除いた検査委託医療機関さんは270件前後です。そのうち肝炎医療コーディネーターの配置率は、令和元年度は5%でしたが、委託医療機関へ周知することや、肝炎医療コーディネーター研修をコーディネーター未配置機関に個別に案内、開催方法をオンライン研修などにすることで徐々に配置率は増加し、令和7年度では22%となりましたが、まだ低い状況にありますので、引き続き周知が必要と考えています。
次、お願いします。こちらはインセンティブ開始後の委託医療機関における検査件数の推移を示したものです。検査件数はコロナによる影響もあり、令和4年度は特に少ない状況でした。検査件数は徐々に増えてはいますが、近年は横ばいの状況です。肝炎ウイルス検査数のうち、インセンティブ開始時点、令和元年度では、コーディネーター配置ありの件数が24%でしたが、令和7年度時点では82%まで割合が増加しました。引き続き取組を推進してまいりたいと思っております。
以上が島根県における肝炎医療コーディネーターの活動と検査委託医療機関への働きかけについてでした。
○竹原会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告に何か御質問等ございますでしょうか。
では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 全国薬害肝炎の伊藤でございます。ありがとうございます。
それでは、御質問させていただきたいと思います。資料3の3ページ、島根県における肝炎対策の肝がん死亡者数・死亡率の表について御質問させていただきたいと思います。この表は、75歳以上の肝がん死亡者数が例年変わっていないように思われますが、ウイルス性の肝がんだけでなく、それ以外のアルコール性やMASHなども入っているのかお聞かせいただきたいと思います。入っているのであれば、ウイルス性が占める割合を教えていただきたいと思います。
あと、すみません、私、愛知在住なのですが、可能であれば愛知県の資料も一度見てみたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○竹原会長 それでは、川瀬参考人から御回答ございますでしょうか。
○川瀬参考人 川瀬です。
御質問ありがとうございます。3ページ目の75歳以上の肝がん死亡者数についてですが、このデータの死亡者数についての原因までは、ちょっと把握できないのですけれども、恐らくウイルス性、MASH、生活習慣病なども含まれた数にはなっていると思われるのですが、このデータの割合までは、すみません、分からない状況なのですけれども、ほかの調査のほうでは、初発肝細胞がんの症例を対象にした調査のほうでは、B型肝炎ウイルスは10%、C型肝炎ウイルスが約30%、アルコール性が約36%というような結果になっておりました。
以上です。
○伊藤委員 ありがとうございました。
○竹原会長 そのほか、いかがでしょうか。
考藤委員、どうぞ。
○考藤委員 川瀬さん、いつもありがとうございます。考藤です。
質問ではなくてコメントなのですけれども、後半で川瀬さんから御紹介いただいた、肝炎ウイルス検査委託機関へのインセンティブの件ですが、これは実は、初めて私、お聞きしたのがブロック会議で、たしか2年前だったかなと思うのですが、これを御報告いただいたときに少し驚いたのです。これは非常にすばらしい取組だと思っていまして、肝炎医療コーディネーターの配置率が上がる。さらに、検査数が増えるという両方の効果が確実に得られている取組で、一番気になったのは、そのときにも川瀬さんに御質問したと思うのですが、予算の確保です。これはあまり生々しいお答えではなかったのですけれども、そのとき大分苦労されたというのを感じました。
この取組、肝炎医療コーディネーターの方のプレゼンスの向上にもつながりますし、配置率の向上にもつながりますし、さらに検査数の増加にもつながるという実績が出ていますので、ぜひほかの自治体でも導入を御検討いただければなと非常に強く感じております。島根県の取組に本当に敬服しております。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
確かに、こういうところというのはあまり聞いたことがないので、非常に珍しい事例かというふうに思います。
坂上委員、どうぞ。
○坂上委員 検査委託機関へのインセンティブの件ですが、これは全国で島根県だけの取り組みですか。インターネットを見ると、他の都道府県は取り組んでいないようですが。
○木村肝炎対策推進室長 そうですね。我々のほうで把握しているのは、島根県のみと思います。
○坂上委員 これは県の単独予算でやっているということですね。それはすばらしいことですね。ありがとうございます。頑張ってください。
○竹原会長 萩部委員、どうぞ。
○萩部委員 日肝協の萩部でございます。
今のことに関連しまして、実は患者委員のほうでもいろいろな事前の打合せをさせていただいた中で、インセンティブの話は非常にけんけんごうごうの話がありました。生々しいお話なので、聞くべきかどうかという意見もありましたけれども、これが2年前にこういう実績があったということであれば、予算確保の問題もあるからこそ、これをこれから方向性の中で、よしあしは別にしても、結果的に配置が改善されて検査のほうも増えてきているという実態も踏まえた上で、ぜひ厚労省さんのほうもイニシアチブを取っていただいて、各都道府県に対する協力体制も含めて、そこは強く患者委員からもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○竹原会長 それでは、そのほか、よろしいでしょうか。
木下委員、どうぞ。
○木下委員 日肝協の木下です。
同じく島根県のことに関しての質問も少しあるのですが、肝炎コーディネーター配置の医療機関の中で活動していくには、医療機関の理解がすごく必要だと思うのですけれども、先導される方や他部門の協力体制とか、告知の方法とか告知後のフォローアップなどは、どのように肝炎医療コーディネーターが関わっていかれているのか、もし分かれば教えていただきたく思います。
また、陰性の方に対して、若い方には特にワクチン接種のほうもできればお願いしたいなと、患者からは思います。
以上です。
○竹原会長 それでは、川瀬参考人から御回答ございましたらお願いします。
○川瀬参考人 川瀬です。
御意見ありがとうございます。コーディネーターさんの活動の中で、告知の方法でしたり、陽性者へのフォローについては、陽性者さんが確実に次の治療につながるように、保健所とかにもコーディネーターがいるのですけれども、定期的に連絡等を行って、きちんと医療機関を受診したかというようなフォローアップをコーディネーターさんのほうに行ってもらっております。
あとは、陰性の方のワクチン接種の啓発でしたり、そういう部分についても必要だと思いますので、また今後、研修の中でしたり、コーディネーターさんのメーリングリストなどを活用して情報提供等を行っていきたいなと思います。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
○木下委員 ありがとうございます。
とてもきめ細かくフォローされているなと思っております。ありがとうございます。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
梁井委員、どうぞ。
○梁井委員 B型肝炎訴訟原告団の梁井です。
9ページの肝炎医療コーディネーターの対象として5つの項目が上がっているのですけれども、私たち患者は50代、60代、70代というのがとても多くて、介護施設にB型肝炎だと入れないという大きな問題があるのですね。それをどうするかというときに、佐賀県なんかでは、介護施設の方に肝炎医療コーディネーターになってもらって、肝炎のことをよく分かってもらって、そういう感染のおそれがないとか、そういう動きがあるのですけれども、ぜひとも対象として介護施設なんかも入れていただきたいなというところをお願いいたします。
以上です。
○竹原会長 貴重な御意見ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、自治体からの報告というのは以上にさせていただきまして、次は患者団体の委員からの「肝炎対策基本指針の改正に対する御提案」というのがございますので、御説明をお願いいたします。
○辰巳委員 B型肝炎訴訟原告団の辰巳です。
私のほうから、資料4の「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」の改正にあたっての意見、ということで御説明させていただきます。
まず、6点について簡単に説明いたします。
第1の視点は、究極目標である「肝炎の完全克服」の推進です。
前回の2021年の基本指針改正において、我が国はWHOが提唱する「肝炎エリミネーション」を超えた「肝炎の完全克服」を目指すことを明記しました。
この高い目標を達成するためには、C型肝炎と同様にB型肝炎のウイルス排除・根治薬の開発と実用化が不可欠であり、より一層の研究推進が必要です。
併せて、感染予防やウイルス検査、陽性者の重症化予防、適切な医療提供をこれまで以上に推し進めなければなりません。
また、完全克服に至る過程においても、最終的に「ウイルス排除」に至らない患者や、ウイルスを排除できたとしても、肝臓の状態が完全に回復しない患者が一定数おられます。そうした患者への治療法研究や生活保障などの施策も引き続き継続していくことが強く求められます。
第2の視点は、肝炎患者の生活保障です。
患者が何よりも望むのは、抱えている疾患が完全に治癒し、安心して暮らせるようになることです。
しかし、現状、B型・C型肝炎ともに完全に治癒することはなく、患者は継続して検査や治療を受け続けなければなりません。通常の生活を維持しながら、こうした医療費を負担し続けるには、前提として生活保障の視点が不可欠です。これまで医療費助成や障害者認定、重症化予防の検査費助成、肝がん・重度肝硬変の治療研究促進事業といった負担軽減策が取られてきましたが、これらが全ての患者に届いているかは不明確です。特に、重症化予防や肝がん等の事業は、利用者が非常に少ないと指摘されています。
さらに、高額療養費の「年間上限額」の新設や高齢者の窓口負担増の議論など、患者の経済的負担は増える傾向にあります。経済的な理由で受検や受療を控えるような事態を決して招かないよう、既存の諸制度が全体として十分機能しているか、改めて検証する必要があります。
第3の視点は、肝炎対策の到達点の検証とあらたな検討です。
肝炎対策基本法の施行から16年、最初の基本指針策定から15年が経過しました。この間、多くの患者が治療につながり、死亡率は減少してきましたが、他方で、肝がんによる死亡者数はいまだに多く、公衆衛生上の大きな課題であり続けています。
さらに、患者の高齢化も進んでおり、これまでの施策だけでは十分とは言えません。私たちは、これまで実行してきた施策がどのような効果をもたらしたのか、何が足りなかったのかを冷徹に検証し、今後の施策に反映する必要があります。
その上で、残された課題を克服するために、国として今後の肝炎対策のグランドビジョンと具体的なスケジュールを明確にしていただきたいと考えます。
第4の視点は、肝炎ウイルス検査及び肝炎治療の均てん化の実現です。
基本法では、居住する地域にかかわらず等しくその状態に応じた適切な検査や医療を受けられる体制を目指しています。
しかし、現実には都道府県間でのウイルス検査の受検者数や医療費助成の利用者数に大きな開きがあり、その地域格差は一向に解消されていません。
国と地方公共団体は、専門医療従事者の育成や医療機関の整備、経済支援など、基本法が想定する諸施策をしっかりと検証し、さらに推し進めるべきです。
特に、国には、各地の実施状況を正確に把握し、標準的な医療体制が整っていない自治体に対して、これまで以上に積極的に働きかけを行うことを求めます。
第5の視点は、事業主の積極的関与です。
肝炎対策を推進する上で、職場や事業主の理解と協力は極めて重要です。職場は、ウイルス検査の受検促進、陽性者への受診勧奨、治療継続の支援、そして肝硬変や肝がん患者を含む治療と就労の両立支援において大きな役割を担っています。しかし、いまだに職場における知識不足や誤解から、必要な配慮が十分に行われない場合もあります。
事業主に対し、自らが肝炎対策の重要な主体であるとの理解を促し、両立支援の具体的な取組や好事例を普及させるためにも、職域における肝炎対策を基本指針の中により明確に位置づけるべきです。
最後の第6の視点は、偏見・差別の解消及び人権教育の視点の導入です。
基本法や感染症法では、患者の人権尊重や差別されないことへの配慮が明記され、国民の責務とされています。
しかし、悲しいことに、現在も偏見や差別による人権侵害はなくなっていません。過去の感染症の歴史が全く生かされていないのが現状です。
これらを解消するには、全ての国民が人権感覚を備え、他者を尊重する姿勢を持つことが不可欠であり、そのための人権教育を国全体で実施すべきです。教育の内容や方法については、医学、社会学、教育学、法学、哲学など、多方面の専門家による十分な議論が必要です。
この点、2021年に設置された「ハンセン病に係る偏見差別の解消のための施策検討会」の報告書などは、今後の肝炎患者に対する偏見・差別解消の施策立案にとって大きな参考になるはずです。
厚労省の強いリーダーシップの下、総合的な検討が始まることを強く期待いたします。
以上6点の視点についてお話しいたしました。
次に、この視点を踏まえた改正案を御説明させていただきます。引き続き、資料4の5ページ以降を御覧ください。この肝炎対策基本指針改正試案と題されているペーパーですけれども、左のほうが現行の基本指針であって、青く塗られている部分が前回の改正のときに改正された部分です。つけ加わった部分です。右に今回の改定でつけ加えたいと患者の委員が考えているところをお示ししています。
5ページから前文が始まるのですが、6ページで、「また、B型肝炎はいまだにウイルスを排除できる根治薬がなく、その研究開発の継続が必要である」というところに続けて、「肝硬変・肝がんに対する根治薬・根治療法の研究開発も必要である。」ということをつけ加えていただきたいと考えています。B型・C型のウイルスを排除する研究についても、これまで随分していただいていますし、言及もあったところですけれども、肝硬変・肝がんに対する根治薬・根治療法の研究開発も、この指針の中で言及していただけたらと考えています。
そのまま進めていただいて、7ページにつけ加えていただきたい部分ですが、ここでは「肝炎ウイルスを高い確率で体外に排除することを可能にし」の後に、「わが国のこれまでの肝炎対策の成果と到達点を再確認しながら、「肝炎の完全な克服」を目指すことが必要である。」というふうに、この赤の一文を加えていただけたらと考えています。ここまで対策をしてきた成果と到達点、今、どの地点にいるのかというのを見極めながら、今後の対策に生かしていくという視点でつけ加えていただけたらと考えています。
次、8ページからは第1ということで、肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向について書かれています。(1)が基本的な考え方ということで総論が書かれているのですが、そこに「また、ウイルス排除後も発がんの可能性が否定できず適切な経過観察が必要である。」という部分をつけ加えていただきたいと思います。ここまでの議論で、C型肝炎について、ウイルス排除後も今後も肝がんの可能性が否定できず、検査等の経過観察が必要だという話も出てきたと思いますので、これを指針にも加えていただけたらと考えています。
その同じ段落ですが、最後のほうに「そして、すでに肝硬変・肝がんにまで進行した患者に対してもより病状を悪化させないためにさらなる対策を進めるとともに総合的な支援体制を構築することが必要である。」という一文を加えていただきたいと考えます。これは、ここまで肝がんで死亡する方、肝硬変で死亡される方がなくなるような方向で重症化予防ということで取組が進められてきていますけれども、既にこの状態にまでなっておられる方ももちろんたくさんいらっしゃるので、この方々に対して、より病状を悪化させないための対策というのも加えていただきたいと考えています。
「また」の段落ですが、「肝炎対策は、肝炎患者等を含めた国民の視点に立ち、国民の理解及び協力を得て、国、地方公共団体、医療機関、事業主」というのをつけ加えてもらって、「関係者が一体となって、連携して対策を進める」ということで、この「関係者」というところの中身に、もともと概念的には入っていたと考えますけれども、より明確に「国、地方公共団体、医療機関」、そしてさっきの視点にもありましたように「事業主」もこの関係者の中には入っているのだということを明確にしていただきたいと考えています。
ちょっと小さいところは置いておいて、9ページのほうに入って、「イ」のところです。「それらに応じた取組を推進することが必要」と前はなっていたのですけれども、そこにさらに「それらに応じた例えば市町村や二次医療圏ごとのよりきめ細やかな取組を推進することが必要」というふうにつけ加えていただきたいと思います。この均てん化ということに当たっては、さっきも委員のほうから少し意見が出ていましたけれども、よりきめ細やかな、市町村、二次医療圏ごとというところまで踏み込んでいただけたらということで、ここの指針に書き加えていただけたらと思っています。
(2)肝炎ウイルス検査の更なる促進ということで、これも既にあった議論に出てきたと思うのですけれども、「これまでの啓発では届かなかった層を中心的な対象に設定し、普及啓発を行うことも重要」だということで、どうしても届かない2割の方がいらっしゃるということで、そこにどうやって届けるかというところは今後の課題になっていくのかなというところで、書き加えていただきたいと考えています。
11ページまで行ってもらって、「その効果を検証していく必要がある。」というところに続けて、「また、国は、肝炎患者等が継続して適切な医療を受けるために必要となる医薬品の供給体制の整備についても、支援することが重要である。」ということで、この間、薬が足りないというような事態が起きているということが報道でもされていまして、我々肝炎患者からすると、この抗ウイルス薬は、特にB型の人は一生飲み続けないといけない状況にあって、これが切れるととても不安だというのは常に感じているところです。そういうことを踏まえて、この一文を入れていただきたいと考えています。
12ページに行きまして、(5)肝炎に関する正しい知識の更なる普及啓発及び肝炎患者等の人権の尊重というところで、国は、「地方公共団体、学校教育関係者及び患者団体等の様々な関係者と連携し」となっていたところに、さらに「厚生労働省、文部科学省、法務省等関係省庁と連携し」というのをつけ加えていただきたい。省庁横断的に連携しながら進めていただく必要があるのではないかと思います。「また、国、地方公共団体は、その検討結果を施策に反映させる。また、現在でも生じている偏見や差別事例について調査を行い、偏見・差別解消のためにより具体的な方策を検討する必要がある。」ということで、さらに踏み込んだ記載を追記していただきたいと考えています。
その次、(6)肝炎患者等及びその家族等に対する相談支援や情報提供の充実というところで、13ページに行きまして、「治療における副作用等、治療開始前及び治療中において、精神的な負担に直面すること」が患者としては多いと。「このため、こうした肝炎患者等及びその家族等の不安や精神的負担の軽減に資するため」に活躍していただきたいと考えるのが、島根県、茨城県の報告にもありましたけれども、肝炎コーディネーターの存在というのは非常に重要かと存じますので、肝炎コーディネーター、特に患者と同じ目線に立つ患者肝炎コーディネーターも含む。その方々を中心として家族等への支援を行う必要があるというふうにしていただければと考えます。
次、第2のところに入りまして、肝炎の予防のための施策に関する事項です。13ページの下のほう。引き続き、ワクチン接種、母子感染防止に取り組むとともに、ここにつけ加えていただきたい。「また、B型肝炎ワクチンの定期接種化前に出生した者に対してB型肝炎ワクチンの普及を促進しあわせて父子感染対策も強化する。」ということで、ワクチンの普及について、さらに踏み込んで記載していただけたらと思います。どうしても定期接種化前の方について空白のところがありますので、ここについては手当てをしていただきたいと考えています。
15ページからは第3ということで、肝炎検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項というところになります。
16ページに入って、先ほどの議論にもあったとおり、「また、術前検査や妊婦検診等におけるウイルス検査の結果についても医療機関等が本人に対して検査結果を適切に説明する」。術前検査について、必ずしも本人に知らされていないケースもあるというようなことがここまで報告されてきたところでもありますし、指針にもここに明記して説明するということを周知していただけたらと思います。
18ページまで下がっていただいて、今後取組が必要な事項ということで、検査等に関しては、先ほどから繰り返し出てきているように、「カ」のところで、「医療機関は、肝炎ウイルス検査の結果について肝炎医療コーディネーターを活用するなどして確実に説明を行い、受診につなげるように取り組む。」ということで、受検から受療につなげるところで肝炎医療コーディネーターにぜひ活躍していただくような記載にしています。
次、18ページ以下、第4 肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項ということで、今後の取組の方針についてというところに、「陽性者及び肝炎患者等を受診・受療のシステムに確実につなげるとともに」という一文を入れていただく。さらに加えて、「その際、新規に陽性が判明したものだけでなく、既に陽性が判明しているが、その当時の医療水準などからフォローアップにつながっていない患者についても受診・受療につなげるシステムが必要」だというところで、実際になかなか難しいとは思いますけれども、指針として目標に掲げていただきたいと考えています。
次に、20ページまで行って、均てん化の話につながりますが、「これらの取組については、国及び都道府県は居住する地域にかかわらず適切な肝炎医療を等しく受けることができる肝疾患診療体制の確保を目指し、都道府県の実情に応じて推進する必要があり、その取組を国が支援する。」と、この赤で書いた部分をつけ加えていただきたいと思います。
「さらにこれらの取組は、肝炎患者等の意見を踏まえて行うことが重要である。」というところも加えていただきたいと考えます。
先ほどの視点のところにもありましたけれども、「心身等への負担がより少ない治療が可能となったことや、「治療と就業の両立支援指針」が制定された趣旨を踏まえ」という一文を加えてもらって、職域のところについては、これらの記載を追記していただきたいと考えます。
21ページまで行っていただいて、ずっとしゃべっていて申し訳ないですけれども、時間との関係でだあっと行くしかないのですみません。(2)今後取組が必要な事項についてというところで、コーディネーターのところです。「また、地方公共団体及び拠点病院は、医療機関等と連携して、肝炎医療コーディネーターを複数配置するとともに肝炎医療コーディネーターの活動を可能な限り支援することが重要である。肝炎医療コーディネーターが配置された医療機関は、その意義を理解し肝炎医療コーディネーターが適切に活動が出来る環境を整えることに主体的に取り組むことが重要である。」。
ということで、木下委員からの質問にもあったとおり、肝炎医療コーディネーターが配置された医療機関において、コーディネーターがどう生かされているのかというところはなかなか難しいところもありますので、配置された医療機関においても、そこは何をすべきかを理解してもらうことが重要なので、これを書き加えていただきたいと考えています。
次、申し訳ないですけれども、第5のところまで飛んでいただいて、24ページ、肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材の育成に関する事項というところで、(2)今後取組が必要な事項についてということで、高齢者施設及び保育施設における予防ガイドライン等について、「地方公共団体等と連携を図りながら、普及啓発を進めるとともに、肝炎患者等が不利益を被らないように、これらがより一層活用されるような方策を検討し、その検討結果を施策に反映させる」。肝炎患者等が不利益を被らないようにというのは、差別・偏見というのがどうしてもついてくるところでありますので、その辺の配慮の一文を入れていただけたらと思います。
そして、26ページも肝炎医療コーディネーターのところですけれども、「国、肝炎情報センター、地方公共団体及び拠点病院は、肝炎ウイルス検査実施機関において適切な検査が実施されその後の適切な受診・受療に至るよう、肝炎医療コーディネーターを含む保健所や医療機関の従事者に対して」ということで、ここでも受診・受療につなげる役割として肝炎医療コーディネーターを明記していただけたらと思っています。
「エ」のところでは、「肝炎情報センターは、拠点病院の医療従事者等を対象にした効果的な研修や情報提供を進める。また、拠点病院は、かかりつけ医を含む肝炎医療に携わる者への研修等を行うとともに」ということで、少し前の議論でもありましたけれども、かつてはセロコンバージョンしたら、もう来なくていいよということをかかりつけ医の先生におっしゃっていただいて、安心して受診していませんでしたという方もいらっしゃると思いますので、そういったかかりつけ医の先生、ふだんかかっている先生にもこの研修等を進めていただけたらと考えています。
「第6 肝炎に関する調査及び研究に関する事項」というところですけれども、第6、第7は時間の関係で省略させていただきます。
第8に飛んでいただいて、30ページです。「第8 肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に関する事項」というところで、30ページの後半から31ページにかけて、31ページの冒頭で、「また、現在でも生じている偏見や差別事例について調査を行い、偏見・差別解消のためにより具体的な方策を検討する必要がある。」というところを入れていただきたいと考えています。
33ページまで飛んでいただいて、「コ」のところは、先ほども省庁横断的に連携して方策を検討していただけたらということで追記させていただいて、「サ」のところ、偏見や差別に関する問題事案が実際に起きているということですけれども、「法務局や地方公共団体の人権相談窓口等で相談に応じていることから、国、地方公共団体等において、必要に応じ当該窓口等の情報提供を行うとともに、肝炎医療コーディネーターが患者から問題事案について積極的に情報を取得し、法務局や地方公共団体の人権相談窓口に情報提供を行う。」ということで、コーディネーターの役割として、さらにこういったことも意識していただけたらということで追記していただけたらと思います。特に、患者肝炎コーディネーターは、この場面において活躍できる余地があるのではないかなと考えています。
あとは、この辺は重複していますので、35ページに行っていただいて、肝硬変及び肝がん患者に対する更なる支援の在り方というところで、「肝炎から進行した肝硬変及び肝がんは、根治的な治療法が少なく、また、患者の高齢化が進んでいる現状がある。このため、これまでの取組が十分か検証するとともに」、以下の取組を講じるものとするというところで、肝硬変・肝がん患者に対する取組というところに視点を置いていただいて、そのこれまでの取組の検証というのも、ぜひ次の指針の中には入れていただけたらと考えています。
あとは、もう赤いところがないので、すみません、長時間、一方的にしゃべってしまいましたが、私からの説明は以上です。
○竹原会長 御説明いただき、ありがとうございます。
それでは、ただいまの御提案につきまして、何かございましたらいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
新沼委員、どうぞ。
○新沼委員 連合の新沼です。
指針の見直し案について、厚労省に伺いたいのですけれども、20ページに「治療と就業の両立支援指針」が事業主の努力義務になったということにも言及され、さらに国はそのための環境を整備することが重要であるとあります。この見直しに賛成の立場で、厚労省にどんな取組が考えられるのか、お伺いしたいと思います。
以上です。
○木村肝炎対策推進室長 御指摘ありがとうございます。
御指摘のとおり、法律が変わりまして、これまでガイドラインでやっていたものが、この法律に基づく厚労省の告示ということで指針がバージョンアップされたというふうに理解しておりますので、どちらかというと我々だけではなくて、労働部局とも連携してということだと思いますけれども、こうしたことをしっかり周知していくということが求められているのかなと思います。いずれにしろ、本日は御提案ということでしたので、御指摘も踏まえてまた検討させていただければと思います。
○新沼委員 ありがとうございます。
事業主、それから職場における理解・協力が非常に重要ですので、差別・偏見対策も含めて、ぜひ実効性のある取組を期待しております。
以上です。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
及川委員、どうぞ。
○及川委員 ありがとうございます。中小企業団体中央会の及川でございます。
御意見のほう拝見させていただきました。その中で、3ページの5ですけれども、事業主の積極的関与。これについて事業主が積極的に協力するということは当然だと思っていまして、しっかり中小企業でも努めてまいりたいと思っています。ここのところと、次の6の偏見・差別。事業主と差別のところをリンクを少しさせて進めることが、事業主の積極的関与にもつながるのではないかというふうに感じました。
また、4ページの後半のほうに、人権教育の中で何を伝えるか、どのような方法で伝えるか、何を目指すべきかというところに、多方面の専門家とあります。このとおりだと思いますが、人権教育の中で何を伝えて、どのような方法で伝えるかということになりますと、多方面の専門家という、学問だけではなく、先ほどの自治体の報告にもありましたように、SNSとか言論とか、どのように伝えていくのかということは、もっと多く多方面の専門家の声を聞くことが重要かなというふうに感じました。
最後に、新旧のところに出てくる9ページですが、赤のところで、これまでの啓発では情報が届かなかった層を中心にということで、ターゲットを絞って設定することは大変有益だと考えています。このとおりだと思っていますが、しっかり情報が届かなかった層はどこなのか。この層の特徴を捉えて、どうするのか踏み込んで私どもも考えていきたいというふうに思っています。
以上です。
○竹原会長 ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、今後のスケジュールとしては、本日いろいろいただきました御意見を踏まえて、次回の協議会にて、事務局から今回の改定についての提案といいますか、ものをいただく。そこで審議していくということになるかというふうに思います。
以上で議題1については終了させていただきます。
続きまして、議題2の「その他」として、事務局から御報告がございますので、お願いいたします。
○木村肝炎対策推進室長 では、「その他」の議題といたしまして、資料5を御覧いただければと思います。「マイナンバー情報連携を活用した申請手続の簡素化について」ということで御報告させていただきます。これは前回の協議会の際も質疑の中で言及させていただきましたけれども、本年4月から、マイナンバーを使った情報連携について、順次本格運用を開始しておりまして、その状況をこういった形で資料として御報告するものでございます。
マイナンバーを用いた情報連携によりまして、各種の情報を都道府県等が取得・確認することができるということで、それによりまして、従来、我々のいろいろな助成制度の中で求めていた添付書類の省略が可能となるというものでございます。これにつきましては、対象事業としまして、左のところに書いてありますとおり、各種の助成制度を対象としているところでございます。この情報連携につきましては、昨年6月より試行運用ということで試行的に行ってきたところでございますけれども、その状況を見て、この4月から、準備が整った都道府県から本格運用を開始したというものでございます。
実際の活用のイメージとしましては、右下にあるような各種の添付書類について、事前に申請書にマイナンバーを記入していただくことで、都道府県が市町村や保険者に対して情報を確認することができることを通じて、これらの添付書類を省略できるというものでございます。
各都道府県における導入状況でございますが、左の図のとおりまとめております。大体6割から8割の都道府県において、今年度中に試行運用と本格導入ができるというような回答をいただいているところでございます。
この添付書類の省略を含めた事務負担の軽減というのは、患者団体の皆様からもかねてより御要望いただいているところでございますので、これをできるだけ早く各都道府県でも順次運用していただいて、事務負担を軽減できればというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○竹原会長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
辰巳委員、どうぞ。
○辰巳委員 すみません、B型肝炎原告団の辰巳です。
マイナンバーを使って簡略化できるということで、患者にとっても大変ありがたいことだと思っています。ただ、令和8年に導入できる自治体が多くを占めてはいるのですけれども、令和9年度以降に導入となる自治体があるようですし、さらに遅れるようなことがあれば、それこそ地域間格差ができてしまうので、遅れそうな自治体については、できたら原因を探っていただいて、また督促もしていただけたらと思っています。
ありがたい反面、マイナンバーには少し懸念があって、今回、記入するということで、マイナンバーカードは前提になっていないと思うのでけれども、マイナンバーカードの取得を義務づけるような形でのやり方はやめていただきたいというふうに考えるのと。
もう一つは、AI開発とかのために、医療情報について、個人情報について、第三者に提供が可能となるような議論がされていると思うのですけれども、そういったセンシティブ情報については、患者側の立場からすると非常に大事な情報だと思っていますので、この辺も慎重に考えていただけたらと思っています。
すみません、もう一点だけ。定期検査費用の助成回数について、前回か前々回か、木村室長さんのほうから、現在は年2回ですけれども、肝がんの診療ガイドラインでは、肝硬変・肝がんの場合は年3~4回としているので、ガイドラインに沿った回数に増やすことができるかどうか検討するとおっしゃっていたと思うのですが、その検討状況等を教えていただけたらと思っています。
以上です。
○木村肝炎対策推進室長 幾つか御質問ございましたけれども、まず、最後の定期検査のところでございます。定期検査については、前回の協議会であったかと思いますが、まさに医学的見解として、ガイドラインで年3回から4回が望ましいとされているところは理解しておりますが、一方で、それを助成制度として何回まで助成するかというところは、また改めて考える必要があると思いますし、その際には、実際にそれによってどの程度検査数が増えるかや、そもそも定期検査については検査数自体を増やしていく取組ということも必要だと考えているところでございます。
本年4月には、この定期検査を含めた各種助成制度のリーフレットを作成いたしました。患者団体の皆様にも御覧いただいてリーフレットを作成して、都道府県のほうに周知をお願いしているところでございますので、そうした取組も見ながら、引き続き考えていきたいと考えております。
あとは、マイナンバーの都道府県の状況ですけれども、これは本年2月の時点で聞いた状況でございますので、今後も実際の導入状況ですとか導入見込みといったことは、今後とも継続的に調査をする予定にしておりますので、そうした状況を踏まえて都道府県の取組も引き続きウオッチしていきたいというふうに考えております。
また、マイナンバーを使うことの懸念ということでございましたけれども、これは必ずしも情報連携しなければいけないわけではなくて、希望される方が利用したいという場合にマイナンバーを出していただくということですので、何かこれで制度として義務化するといったことではないということは御理解いただければと思います。
以上です。
○辰巳委員 ありがとうございます。
○竹原会長 そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、予定している議題は以上でございます。そのほかに委員の先生方から、何かこの場で御発言がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、これで議事を終了いたします。マイクを事務局にお返しいたします。
○木村肝炎対策推進室長 本日も長時間にわたりまして御審議いただきまして、ありがとうございました。
また、考藤委員、茨城県、島根県の参考人のお二方も、本日は御発表いただきまして、ありがとうございました。改めて感謝を申し上げます。
次回の開催につきましては、後日、事務局で調整の上、御連絡させていただきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。以上になります。
○竹原会長 どうもありがとうございました。
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