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第211回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和8年3月19日(木)10:00~12:00
場所
航空会館7階大ホール
港区新橋1-18-1
港区新橋1-18-1
議題
- 健康保険法等の一部を改正する法律案について(報告)
議事
○姫野課長 それでは、皆様おそろいですので、ただいまより第211回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、内堀委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、原委員、前葉委員より途中からの御出席との御連絡もいただいております。
本日の会議は、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、初めに、委員の異動について、報告させていただきます。
部会長代理をお務めいただいておりました、菊池馨実委員が退任され、新たに早稲田大学政治経済学術院教授、野口晴子委員が就任されております。
また、部会長代理は社会保障審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会長が指名することとされております。それで、野口委員を部会長代理に指名したいと存じます。なお、野口委員には事前に御承諾をいただいておりますので、この旨、併せて御報告申し上げます。
では、野口部会長代理、御就任に当たりまして一言御挨拶を賜れればと思います。よろしくお願いいたします。
○野口部会長代理 田辺先生、どうもありがとうございます。ただいま、御紹介に預かりました、早稲田大学政治経済学術院の野口晴子と申します。
本日より、本部会の座長代理を務めさせていただくことになり、大変身の引き締まる思いでございます。重要課題が山積する中、医療経済学が私の専門なのですけれども、その立場から制度の持続可能性を見据えた有益な議論に資することができればと存じます。
大変微力ではございますが、田辺座長を補佐し、本部会における審議が円滑かつ実りあるものになるよう努めてまいります。構成員の皆様の御指導を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 野口部会長代理、ありがとうございました。
次に、欠席される委員の代わりに御出席なさる方につきましてお諮り申し上げます。
内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、横本委員の代理といたしまして井上隆参考人、以上2名の出席につき御承認いただければと思いますけれども、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、早速議事に入ってまいります。
本日は「健康保険法等の一部を改正する法律案について(報告)」を議題といたします。
事務局より説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○姫野課長 ありがとうございます。総務課長でございます。
それでは、資料1、資料2を併せて御説明させていただきます。
まず、資料1、最初のページです。改正の趣旨などを記載したものになります。持続可能な医療保険制度の実現に向けて、必要な保険給付等の適切な実施と世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るため、以下、改正の概要にありますような様々な改革をするという内容になっています。
以下、次のページから個別の項目ごとに少し詳しい資料をつけておりますので、そちらに沿って御説明いたします。
まず、1つ目でありますが「一部保険外療養の創設」というタイトルになっておりますが、これは、医療保険部会でも御議論いただいておりましたOTC類似薬についての保険給付の在り方を見直すために、新しい給付の類型を設けるものです。
「趣旨・概要」のところにありますように、医療用医薬品の給付を受ける患者様と、OTC医薬品で対応されている患者様との公平性の確保、また、現役世代を中心とする保険料負担上昇の抑制と、こういった観点から見直しを行いたいと思っています。
OTC医薬品との代替性が特に高い薬剤、こういった、いわゆるOTC類似薬を用いた療養その他適正な医療の提供を確保しつつという前提がついておりますけれども、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑み、費用の一部を保険給付の対象としないと、こういった類型を厚生労働大臣が定めることができるという形で法律改正をしたいと考えています。
この箱書きの下に書いております、当部会でも御議論いただきましたような医薬品の範囲、それから特別料金の設定につきましては、具体的には厚生労働大臣告示で決めていくことになりますけれども、対象医薬品の範囲につきましては、ここに記載しておりますような77成分、約1,100品目、具体的には成分が同一で、投与経路も一致をしていて、また、最大用量も異ならない、そういった薬剤を選定していくことを想定しています。
また、特別の料金につきましては、薬剤費の4分の1ということで設定をする想定です。
また、配慮が必要な者ということで、ここに列挙しておりますようなこと、具体的には告示で定めていく予定ですけれども、法律の中でも病状ですとか、治療内容、そういったことに配慮するということもしっかりと明記して、制度設計をしていきたいと考えています。
続いて3ページ、後期高齢者医療制度における金融所得の勘案ということであります。
後期高齢者医療制度につきましては、他制度と比べまして、窓口負担も1割、2割、3割と所得に応じて変わっていくという特徴もありますので、こういった金融所得の上場株式の配当益などについても、把握をより一層進めていこうというものです。
具体的には、右下の図にありますように、金融機関から法定調書という形で上場株式の配当益などを税務署に提出いただいておりますけれども、これをオンラインで提出することを義務化し、こういった情報を後期高齢者広域連合でも把握をし、そして、右側にありますように、保険料あるいは窓口負担割合に反映していくというものです。
次のページに、施行までのタイムラインを記載していますけれども、様々な関係者の御協力をいただく必要があるものだと考えています。国において法定調書のデータベースの構築といったことも必要になりますけれども、金融機関でのマイナンバー付番の徹底、あるいはオンライン提出の準備、そういったこともしていただきつつ、自治体でのシステム改修なども必要になりますので、公布から5年以内という形で施行の準備期間を取っておりますが、できるだけ早く施行できるように準備を進めていきたいと考えています。
次の5ページにつきましては、妊娠・出産に対する支援の強化です。
「趣旨・概要」のところに記載していますように、出産費用が年々上昇する中で、現行の現金給付となっております出産育児一時金の仕組みでは、支給額を引き上げても妊婦さんの負担軽減につながらないといった課題もありますので、今回、給付方式の見直しを行うということであります。
見直しに当たりましては、一次施設をはじめとした地域の周産期医療提供体制を維持しつつ、また見える化の徹底によって、納得感のある選択ができる環境をつくっていくことに留意しながら、出産の標準的な費用について、妊婦さんの自己負担が生じない仕組みにするということです。
具体的には、下の図にもありますように、保険診療の部分、オレンジで書いている部分については従来どおりですが、それ以外の緑の部分、保険診療以外の分娩対応について、分娩1件当たりの基本単価というものを定め、体制、役割等に応じた加算も組み合わせつつ、費用を保険者から直接医療機関にお支払いすると、そういった新しい仕組みに見直していきたいと考えています。
加えまして、右側の文字のところにありますけれども、2番目にありますように、全ての妊婦さんに対する現金給付についても一部残していく、また、3番目にありますように、施設の選択によって、当分の間、施設単位での現行制度の適用を受けることも可能にすることにしています。
また(2)にありますように、サービスと費用の関係の見える化の徹底ということで、施設が提供するサービスの内容、費用等についての情報提供も義務づけを行いたいと考えています。
また、一番下に記載しておりますけれども、これは、当部会では御議論いただいている内容ではございませんが、こども家庭庁のほうでの取組、妊娠・出産に対する支援の強化に関連するものということで、今回の法改正の中に併せて盛り込んでいます。
こちらは、妊婦健診につきまして、現在、自治体が実施していただいておりますけれども、具体的な望ましい検診の内容、望ましい基準を国のほうで定めておりますが、それに加えまして、標準額の設定や、見える化の推進を図っていくという内容になっています。
詳細については、6ページにありますけれども、当部会での御議論いただいた内容でもありませんので、割愛をさせていただきます。
次の7ページ、国民健康保険制度改革の推進です。
1つ目の柱は、子育て世帯の保険料負担の軽減ということでありまして、令和4年4月から実施しております、未就学児に対する均等割保険料の5割の軽減、こういった措置を、今後、高校生年代まで拡大する内容としています。
2つ目は、国民健康保険組合に係る見直しであります。現行の国保組合に対する国庫補助につきましては、負担能力に応じて原則13%から32%という段階的な補助率になっていますが、一定の水準に該当する国保組合については、例外的な補助率12%、10%という率を適用する内容を盛り込んでいます。
また、②につきましては、国保組合の被保険者になる場合の手続ですけれども、事務手続の簡素化をするための見直しもしたいと考えています。
そのほか、3つ目は持続的な国保運営に向けた見直しということで、財政安定化基金の用途につきまして、保険料抑制のための取り崩しを認めるなどの柔軟化をしたいと思っております。
また、保険料軽減判定の適正化の観点から、保険者の異動を原因とする資格喪失日を1日前倒しすると、こういった地方所自治体からの要望を踏まえた見直しも盛り込んでいます。
続いて8ページ、高額療養費制度の考慮事項の明確化です。
具体的な限度額などにつきましては、政令で定めるということになっておりまして、年末に具体的な見直し案について当部会にも御報告をさせていただいたところですが、現在では家計に与える影響を考慮して、限度額などを定めるということになっていますが、当部会でも長期療養の方に対する配慮が必要であるという御意見もいただいてございましたので、今回法律の中に、一番下の黒字になっているところでありますが、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるような法律上の明文を置きたいと考えています。
続いて9ページ、医療機関の業務効率化・勤務環境改善の支援です。
主に医療部会において議論いただいておりましたが、随時、医療保険部会でも御報告、御議論いただいた内容です。
2040年に向けて、医療従事者を安定的に確保していくためにも、効率的な医療提供体制を構築する必要があるということでありますので、医療機関の業務効率化をさらに支援していくための仕組みを導入したいと考えております。
具体的には、①にありますように、現在、地域医療介護総合確保基金というものを設けて、左下にありますような地域医療構想の実現に向けた支援などを行っているところでありますが、この中に、左下赤字で記載をしておりますような新しい区分を設けまして、業務効率化、勤務環境改善の取組を支援する事業を行っていきたいと考えています。
また、②にありますように、業務効率化などを積極的、計画的に取り組む病院を厚生労働大臣が認定できる仕組みを設けまして、認定を受けた病院については、その表示を行うことができるようにする。
また、都道府県の医療勤務環境改善支援センターで、今も医師の働き方改革などの助言・指導をしておりますけれども、さらにこういった業務効率化の助言・指導も行えるように体制を強化していくということです。
さらに、医療保険部会にも関連する部分が、この④になってまいりますけれども、医療法上、管理者の責務として業務効率化を明記するとともに、健康保険法上も保険医療機関の責務として業務効率化などの責務を定めたいと考えています。
最後に、協会けんぽにおける保健事業の推進、また、国庫補助に係る特例減額の規定です。
1つ目、保健事業の推進につきましては、協会けんぽにおける予防・健康づくりを推進するということで当部会でも議論をいただきましたので、法律の中に、こういった取組の責務というものを明記したいと考えています。
また、2つ目は、国庫補助に係る特例減額の見直しでありますが、現在、協会けんぽについては、給付費の16.4%の国庫補助が支給されていますけれども、一方で、準備金の残高が積み上がった場合には、新たに積み上がった準備金の国庫補助相当額を翌年度減額するという特例措置が講じられています。こちらは、平成27年度から行われているわけですけれども、27年度以前にも積み上がった部分がございましたので、そういった期間の積立金の金額に勘案しまして、令和8年度から10年度の3年間につきましては、特例減額の控除額を時限的に500億円増やすという形で措置をしたいと考えています。
最後に11ページ、今、申し上げましたような各項目についての施行日を整理しています。
1点目の一部保険外療養の創設、これはOTC類似薬の見直しですけれども、こちらは公布後1年以内、具体的には令和9年3月の施行を想定しています。
また、金融所得の勘案につきましては、先ほど申し上げましたように、公布後5年以内ということですが、できるだけ早期の実施を目指していきたいと考えています。
また、2番目の出産等についての取組ですけれども、こちらは公布後2年以内ということにしています。
また、子育て世帯の保険料負担軽減など、こういった保険料については年度単位ということで、令和9年4月からの施行といった形で、それぞれ整理をしているところです。
資料1については以上となります。
それから、資料2につきまして、こちらは、今般の様々な改正事項について、分かりやすい広報を我々としても取り組みたいと考えておりまして、まとめたものです。
1ページ目につきましては、法改正事項だけではなくて、高額療養費制度の見直しなど、予算政令事項も含めまして全体像をお示ししたものです。持続可能なものとしていくために、現役世代を中心に保険料負担の上昇を抑制しながら、医療保険制度に対する信頼や納得感を維持・向上させていく観点から、給付と負担の見直しを行うと、こういった当部会でもいただいたような御意見を中心に整理しているところです。
2ページ目以降、項目ごとに大きな関心を集める部分を中心に整理しています。OTC類似薬の薬剤給付の見直し、次は、高額療養費制度、特に今回年間上限という新しい仕組みを設けますので、その具体的な患者様に対するメリットなども周知をしていきたいと考えています。
また、4ページは、金融所得の公平な反映ということで、後期高齢者、75歳以上の方の世代内でのどういった不公平を改善するための改正なのかといったことをお示ししています。
最後5ページは、妊娠・出産に対する支援の強化ということで、費用の見える化、また、負担の軽減というものがどのように実現されていくのかといったことを解説したものとなっています。
説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら、挙手にてお知らせしてください。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いでございます。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
資料1の健保法の改正法案について、2点コメントをさせていただきます。
まず、1点目は、OTC類似薬の薬剤給付の見直しについては、医療用医薬品の給付を受ける患者と、OTC医薬品で対応している患者、この公平性の確保、また、現役世代を中心とする保険料負担上昇の抑制の観点から、着実な施行をお願いしたいと思います。
2点目は、妊娠・出産に対する支援の強化ですけれども、今回、お示しいただいた法案は、まさに年末まで議論した新たな給付体系の骨格に基づく法改正の内容となっていると思っております。
無論、具体的な制度設計は、今後また医療保険部会等で議論していくことになると思いますが、妊婦から見れば経済的負担の軽減につながって、また、御自身のニーズに応じたサービスを、納得感を持って選択できるようになるという、このメリットを実感していただくことが大変重要であると思っています。
一方で、保険者の立場としては、やはり現役世代の保険料負担上昇の抑制をしていくことも必要であると考えておりますので、保険者の財政負担にも御配慮いただきたいと思います。
また、新たな給付方式の導入時期については、施設の選択により当分の間、施設単位で現行の出産育児一時金の制度の適用を受けることも可能となっております。議論の中でも一斉にスタートすべきではないか等々、様々な御意見があったと理解しておりますので、一定の移行期間はやむを得ないとしても、やはり医療機関ごとに対応が異なるというのは、地域等によっては、妊婦の不利益また不公平となるほか、保険者の事務負担増にもつながりかねないと思いますので、あくまでも時限的なものとして期間を区切って、できるだけ速やかに新制度のほうに移行する仕組みにしていただきたいと思います。
また、実際の給付に当たっては、支払基金等、審査支払機関の対応も大変重要であると思っておりますので、システム対応を含めて万全な準備体制をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 御指名ありがとうございます。
御説明いただいた内容について、それぞれコメントを申し上げたいと思うのですけれども、その前に、冒頭の事務局というか厚生労働省より、昨日、いわゆる国保逃れに関する通知、基準を出していただいたということでございまして、発言させていただいた立場からは、早速の対応に感謝申し上げる次第です。
重ねて申し上げることになりますが、ぜひこの通知後の取組の強化もお願いしておきたいと思います。
それでは、それぞれ発言しますけれども、まず、一部保険外療養制度の創設については、これは患者の負担増ということになりますので、国民、患者の理解や納得が得られるよう、丁寧な議論や対応が必要ということは、この間申し上げてきたところです。
そもそも対象とされる薬剤については、なぜ、それが対象となっているのか、負担を求めるのかといった説明はもとより、詳細をどう定めるのかといったプロセス、議論の透明性の確保も必要だろうと考えています。
また、この制度による今後の影響について、きちんと把握をいただいて、実態を踏まえて必要な見直しをしていくことも求められていると考えていますので、今後対象となる薬剤や負担率を変更する可能性があるとすれば、実態を踏まえて検討を進めていく必要があるということを申し上げておきたいと思います。
後期高齢者医療制度における金融所得の勘案についてです。
法定調書のデータベース構築や、市町村や広域連合のシステム改修をするということで御説明いただきました。実装するまでに様々な課題や問題が浮上することもあろうかと思います。自治体のシステム標準化への移行も遅れているところが多々あるとお聞きしておりますので、関係者には丁寧に意見を聞いていただいて、無理なく移行できるようにしていただきたいと思います。
そもそも公平な負担の実現に向けては、年齢別から支払い能力に応じた負担となるよう、高齢者医療制度の抜本改革、全世代で全ての所得を正確に捕捉する方策の確立と併せて検討すべきだと考えています。
妊娠・出産に関する支援の強化についてです。
希望する人が安全・安心に子供を産み、育てられる環境整備に向けて、着実に進めていただきたいと考えていますので、医療機関によって現行制度を選択できる経過措置については、あくまでも例外ということで取り扱っていただいて、期限を区切って対応していただきたいと考えています。
また、分娩だけではなく、妊婦の健康検査においても、当事者が納得感を持って選択できるようにすることは重要と考えています。実態把握、検証を行いながら、国から地域間や施設間の不合理な差が生じないよう、各市町村の取組支援を含めて対応いただきたいと思います。厚生労働省には、こども家庭庁との課題の共有と連携をお願いしておきたいと思います。
医療機関の業務効率化、勤務環境改善の支援については、業務の効率化が働く方にとっての職場環境の改善につなげてほしいと考えています。組織的に取組を進めていくためには、計画の策定段階から、労使でしっかり話し合い、進捗状況を確認しながら、現場の実態、声を踏まえて見直していくこと、計画や進捗状況などを従業員にしっかり周知していくことが重要と考えていますので、指針などで詳細を示す際は、その点も含めて対応いただきたいと思います。
最後です。協会けんぽへの国庫補助について、令和8年度から3年間、特例減額を引き上げるとありました。近年は、財政が安定していますけれども、主に中小企業で働く労働者が加入していますので、標準報酬月額の水準は高いわけではなく、構造的な課題は変わっていない状況です。
国庫補助は、こうした構造的な課題、財政基盤を支える目的で国庫補助が行われていることを踏まえて、中長期的な安定運営のもとで保険者機能を十分に発揮できるよう、国庫補助率は、少なくとも現行水準を維持すべきと考えていることは、改めて申し添えたいと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
今回御説明をいただきました法案に盛り込まれている事項に関しましては、いずれも今後の医療保険制度の持続可能性を向上させるために不可欠な課題ですので、ぜひとも早期の成立、実施をお願いしたいと思います。
金融所得の勘案について一言申し上げます。折しも、社会保障国民会議で給付付き税額控除の議論が始まると聞いております。この実現のためには、個人の負担能力を正確に把握していく必要があります。
したがいまして、今回、金融所得につきまして、こういうシステムを導入して把握していくことは、応能負担の徹底という意味でも、非常に好ましい方向だと思います。
ぜひ、給付付き税額控除も並行して進んでおりますので、そういうほかの制度と互換性のある、システム全体の将来的な発展性を視野に入れた開発をお願いしたいと思います。
同時に行政の効率化あるいは様々な手続の簡素化、そういうものも一緒に進めていただきたいと思いますし、これが、できるだけ早期に実現することを期待しております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、實松委員、よろしくお願いいたします。
○實松委員 ありがとうございます。
今回の法律案ですけれども、これまでの部会における議論を踏まえ、整理いただいたものと思っております。まずは事務局の御尽力に敬意を表したいと思います。
内容を拝見しますと、高額療養費制度の検討に当たって、長期療養者の家計への影響を考慮する点など、これまで本部会で指摘してきた論点が一定程度反映されているものと受け止めております。
金融所得の勘案については、負担の公平性の観点から必要な取組であると理解しておりますが、同様の課題は、国保など、他の医療保険制度にも存在しておりますので、医療保険制度全体の中で、公平性の観点も踏まえつつ、今後の制度の在り方について、引き続き検討していくことが重要ではないかと考えております。
また、金融所得反映を実施する場合には、広域連合の保険料算定システム等に大きな改修が必要となります。このことから、改修費用等に対し必要な財政措置を講じていただきますようお願いします。
OTC医薬品との代替性が高い薬剤に係る一部保険外療養の取扱いについてですけれども、高齢者は複数の疾病を抱え、服薬管理も複雑になりがちでありますことから、安全性や受診行動への影響にも十分配慮しながら、制度設計や運用が行われることを期待したいと思います。
最後に、高額療養費制度については、長期にわたり治療を必要とする方の生活への影響が大きい制度でもありますので、今後の検討においても、実態を丁寧に把握しながら慎重に議論を進めていただくことをお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
先ほど林委員から協会けんぽへの温かい御支援の言葉もいただきましたので、大変ありがとうございます。一言、それに関してコメントをさせていただきます。
今回の法律案につきましては、現役世代の予防・健康づくりの強化、そして、協会が取り組む保健事業に関する責務の明確化が盛り込まれております。協会では、これまでも努めてまいりましたが、予防・健康づくりの一層の推進としまして、令和8年度から人間ドックに関する補助や、若年層を対象とした健診の開始を計画しております。
また、9年度からは被扶養者に対しても、健診を被保険者並みの水準に拡充するということも、今、進めているところです。
また、今年の1月にリリースしました健保アプリの発展を図りまして、4000万人と直接つながる健保DXの実現を、今、進めているところです。
こういうことによりまして、加入者の一人一人に寄り添いながら、その健康づくりを強力に支援していくことを継続してまいりたいと考えております。
こうした保健事業にしっかりと取り組むとともに、加入者が安心して医療を受けるためには、長期的に安定した財政運営が重要であります。必要な国庫補助の確保につきまして、引き続きお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
8ページの2つ目の●のところですが、高額療養費制度の考慮事項の明確化について、この検討に当たっては、特に、毎月治療を受ける必要があるような長期療養者の家計への影響について、考慮することが重要である、とありますので、費用負担が家計に与える影響を把握することが大事であるということです。これは、厚労省によってデータの要約統計のような形で分析されるのだろうと思うのですが、私はより詳しい分析が必要だと思います。医療経済学の研究は、日本のデータでも様々な蓄積があるのですけれども、特に高額療養費とか非常に重篤な疾病にかかった人の費用負担とか家計の状況についての研究というのが、そんなにはないと思います。どうしてそうなっているかというと、やはりデータがないわけですね。
例えば、レセプトデータと所得データがひもづけられれば、疾病罹患した方は所得が恐らく減少するのだろうと思うのですが、その上で医療支出がどんどんかかっていくという状況が把握できますし、健康状態がその中でどのように変化していくかということも追えるわけですね。ですので、単なる要約統計ではなくて、より実態を詳しく見ることができるのではないかと思います。
それから、厚労省のパネルデータといって同じ個人を長期間継続調査したものがありまして、例えば成年者縦断調査とか、中高年者縦断調査というものがあるのですけれども、成年者縦断調査では、健康状態についての情報がほとんどなくて、中高年者縦断調査については、健康状態についての情報は少しあるのですが限定的です。こういった縦断調査でも、健康に関する情報をきちんとパネルデータとして取っていくことで、より負担の在り方の議論で重要な、病気になってしまうと働けなくなることもある上に、治療費がかかっていくという中で、健康状態と家計の状況がどのように変化していくかということがきちんと追えると思いますので、要約統計に限定せず、こういったデータ整備についても、ぜひお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐藤参考人、よろしくお願いします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
健康保険等の一部を改正する法律案については、1月30日に全国知事会として厚生労働大臣に意見書を提出しております。
一部保険外療養の創設や、妊娠・出産に対する支援の強化、妊婦健診における経済的負担の軽減など、給付の在り方の見直しに係る具体的な制度設計に当たっては、国民や事業者の過度な負担や急激な変化が生じないよう、十分な配慮を行うとともに、社会全体で納得感を得られるよう、患者団体や出産を望む当事者、医療機関や地方など、関係団体の意見を踏まえ、丁寧に検討を進めていただきますようお願いいたします。
また、いずれにおいても、地方に過度な負担が生じないよう早期にスキームを示し、施行までの準備期間を十分確保するとともに、国において、必要な技術的・財政的支援を講じるなど、意見書の内容を踏まえた対応をよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、田島委員、よろしくお願いいたします。
○田島委員 よろしくお願いいたします。私のほうからは2点お願いしたいと思います。
まず、資料の3ページの後期高齢者医療制度における金融所得の勘案に係る件ですけれども、法定調書情報を利用したシステムの構築、運用に当たっては、財政負担が生じる場合には、国の責任において御支援をいただきたいと思います。
次に、5ページの妊娠・出産に対する支援の強化についてですけれども、これについては、新たな給付方式の導入時期を施設単位で選択可能とすることで、住民の混乱を招かないようにお願いしたいということ。
また、具体的な制度設計を議論する際には、保険者に過度な負担とならないよう御配慮いただきたいということです。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょう。
では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
今回の改正について、2点ばかりコメントをしたいと思います。
全体としては、持続可能性であるとか、あるいは給付率の7割維持規定とか、あるいは子ども・子育ての関係で実質負担ゼロとか、いろいろな制約要因がある中で工夫された改革案だろうと思っております。
そういう点で、1点目は、この点をよく理解していってもらう必要があるのだろうと思っております。
ちょうど4月からの子ども・子育て支援金も実施されるタイミングでありますし、そういった中で医療保険がどういう方向に進んでいくのかということを、よく世の中に説明していく必要性があるのだろうと思っています。
そういう点で、今回、既に広報資料をおつくりになっておられるので、それは非常にいいことだと思いますし、また、今の時代ですので、紙媒体だけではなくて、いろいろな媒体を使って理解を求めていく必要があるのだろうということであります。
2点目は、公平性という点であります。
今回の改革案のキーワードというのは、1つは公平性だろうと思っておりまして、特に、先ほど来出ていますような金融所得であるとか、あるいはOTCの関係などが典型でありますけれども、例えば、今回いろいろな配慮がされている高額療養費とかOTCの負担、低所得者であるとか、あるいは長期療養の患者さんとかに対する配慮、こういうのもある意味では公平の問題だろうと思って、私は理解しております。
そういう点では、特に今回、公平という言葉が多用されておりますので、やはり公平とは何なのかということに関して、やはり1つの制度の中で1つの言葉を使ったときには、同じ哲学とか概念であるというのが、恐らく法律の鉄則でしょうから、そういった点で、この概念について首尾一貫性を持たせるという点でも、今後、私も含めてよく考えていく必要があるのかなと思いました。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
この部会でのいろいろな議論を、これだけきれいに取りまとめていただきまして、厚労省の事務局には大変感謝を申し上げます。
5ページの妊娠・出産に対する支援の強化の(1)の3ポツのところで、佐野委員をはじめ、各委員の方々からの御発言がありましたように、五月雨的に新たな給付方式の導入時期といったところは、ある期限をきちんと決めて一斉に同じような制度として運用していただくことを強く希望いたします。
9ページのところですが、この部会でも非常に医療機関の経営が厳しいという話を随時発言させていただいておりましたが、今回の医療機関の業務効率化、勤務環境改善への支援ということで、左下にありますように、地域医療介護総合確保基金を使っての対象事業というのがきちんと表現されておりますので、こういったことがきちんと行われれば、経営に資するところも出てくるのかと期待しております。
それから、右下のところの業務のDX化に関する取組ということで例示されておりますけれども、今回の診療報酬改定でも、かなり病院とかのDXの推進に伴うような加算みたいなこともきちんとつくられておりますが、こういったものを導入するのにも非常にお金がかかりますので、そこのイニシャルコストに関しては支援があるのですが、使い続けるランニングコストに関しては、ほぼ支援がないということですので、こういったところも御検討いただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
では、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 ありがとうございます。
高齢者の金融所得について、私、何度も言ったのですが、やはり後期高齢者のみというのはあまり納得がいかない、現役の方でも非常に金融所得の多い方もいらっしゃるので、それは納得がいかないということは言っておきたいのですが、厚労省は、かねてから、まず、後期高齢者からということを何度もおっしゃっている。ということは、国保や健保にも拡大する予定があるのか、あるとしたら、いつからかということを知りたいと思います。そうでないと、何で後期高齢者だけがターゲットにされるかということについては、まさに公平性の問題からいって不公平ではないかと思います。
2番目に、金融所得の把握の方法として、マイナンバーを使って個人にひもづけするということですけれども、これは本人の承諾なしに、そういうことをしてもいいのか、個人情報保護法に違反しないのかということが気になります。
3番目に、井上参考人からも御発言があったのですが、給付付き税額控除とどう関連づけるのかということ、つまり、その人の所得、年金とか給与とか、金融所得とか、全て把握して、そして、低所得の人については給付をするという形になると思うので、税と社会保障とが関連づけられると思います。
国民会議がどうなるのかよく分かりませんが、そういう非常に大きな改革が進んでいるときに、厚労省が後期高齢者の医療だけについて、こういうことを始めて、それは壮大な無駄になるのではないかという感じもするので、給付付き税額控除あるいは国民会議とどのように関連づけていくのか、その辺りを、ぜひ考えていただきたいと思うのです。もちろん、厚労省に余力があって、お金があるのなら別ですけれども、そういうことを考えると、やはり国としての大きな方針のほうに着目していくべきではないかと思っております。
それから、出産費用の無償化についてですが、これは、ほかの委員からもありましたが、やはり、こども家庭庁との調整が必要ではないか。出産後に子ども・子育て支援金の一環として10万円給付がされるという話も聞いておりますので、どこまで医療保険でカバーして、どこまでがこども家庭庁なのか。受けるほうは1人なのですね。それに対して、いろいろ複数の役所が絡んでくる場合に、やはり相互に矛盾しないように、ぜひ調整していただきたい。
こども家庭庁というのは、もともとは厚労省の児童家庭局から庁へ成ったものですので、やはりそこら辺り、しっかり調整していただきたいと希望いたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
幾つか御質問がございましたので、答えられる限りでお願いいたします。
○日野課長 高齢者医療課長でございます。
大きく3点、袖井委員のほうから御指摘をいただいたかと思います。
まず、1点目の金融所得に関しまして、後期高齢者のみというのは、不公平ではないかというお話で、国保や健保をどうするのかという御質問をいただきました。
後期高齢者医療制度から、まずはやっていくということですけれども、まず、制度的に後期高齢者の窓口負担が1割、2割、3割と、所得に応じたものになっております。
一方で、70から74歳は、2割負担が入っておりますけれども、基本的に現役の方は3割であり、その不公平の是正の観点からいうと、まず、後期高齢者が優先されるというのが1点目。
2点目、国保や健保、現役世代の被用者保険と地域保険ということで、被用者保険のほうは賃金に基づいて賦課をすると、こういう仕組みになっていて、一方で、国保は市町村の課税所得をベースに計算をしていく仕組みということで、そもそも所得の範囲が制度的に異なっていると、そこのところの論点をどうするのかと、こういった課題があります。
3点目といたしましては、やはり国保に関して言いますと、市町村のシステム標準化の関係の課題があります。
一方で、後期高齢者のほうは、国で標準システムをやっている関係で、システムのほうでもかなりスムーズに行きやすいと、こういったこともありまして総合的に勘案して、後期高齢者から導入をさせていただくというものです。
今後については、国保と健保のところは、こういうスケジュールでと決まったものはないところです。
ちなみに、介護保険につきましては、昨年の年末の取りまとめにおきまして、次期制度改革のときに検討すると書かれているところです。
2点目のマイナンバーですけれども、こちらは、現在の後期高齢者の事務におきまして、既に社会保険で使うということですので、後期高齢者でも当然のことながらマイナンバーを使って事務ができると、こういう仕組みになっております。
その一環という整理になりますので、特段の法律改正はせずに、今のままでも使うことができると、こういう整理になってまいります。
3点目、給付付き税額控除の話がございました。こちらは、どちらかというと後期高齢者医療の金融所得勘案の議論が先行して、給付付き税額控除が急に浮上してきたと、こういう時間的なラグがあります。
そういった意味では、なかなか今の段階で、給付付き税額控除もこれから本格的に議論になるかと思いますので、まだ、どういう関連があると、なかなか見通すことは困難ですけれども、当然のことながら関連する部分があれば、連携して無駄がないように、当然のことながら考えていかなければいけないと考えております。
以上です。
○田辺部会長 袖井委員、何かございますでしょうか。
○袖井委員 今のところは、しようがないかなと思います。ありがとうございました。
○田辺部会長 それでは、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 遅れまして失礼いたしました。
私からは、妊娠・出産の支援の強化のところで、新しい給付について、資料1の5ページですが、発言をさせていただきたいと思うのですが、今回の法律案では、公布後2年以内の施行ということになりました。
その上で、基本は新しい給付に変わっていくのだと思うのですが、「施設の選択により、当分の間、施設単位で現行制度の適用も可能」と書いていただいております。これは、基本は、やはり新しい給付に移っていく、もちろん、基準単価をどう設定されるかとか、様々な議論をこれから詰めていかれるのだと思います。
その中で、妊産婦さんが利用しやすい形になっていけばと期待をしておるところですが、ただ、施設の選択で今までの出産育児一時金の現行制度の適用を受けるということが可能になるということになると、利用者側からすると、すごく分かりにくい形になりはしないかなということです。
資料2でも、その辺りは標準的な費用について、妊婦の自己負担をなくすという現物給付化が前提となった書きぶりになっておりますので、特例措置があるということについては、お伝えするのもなかなか難しいのではないかなと思います。原則、新給付ということが基本という形で進めていただけるほうが、市民というか、被保険者にとってはすっきりするのかなという感じがいたしております。これから、ここは具体的な話になっていくと思いますので、しっかりとこの辺りを注視していきたいと思っておるところです。
様々な御事情はあろうかと思いますが、基本は新しい給付制度ができる以上は、こちらのほうに進んでいただければという気持ちを持っておるということを発言させていただきます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかに、では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
それでは、私のほうからは、4点ほどコメントをさせていただきたいと思います。
まず、OTCですが、これに関しては、本部会でもたびたび申しましたが、本来は、OTC類似薬で治療すべき患者さんが、OTC医薬品を御自身の判断で購入するということについての問題点がかなり多くあるということを発言してきましたが、今回、この対象として、一定の成分の医薬品というものが、ここに挙げられたわけですが、これに関しては、その範囲の考え方等も含めて、さらには配慮すべき方等についても、引き続き丁寧な検討をしていただきたいということが1点です。
また、本日の資料2の、広報用資料のイメージにありますように、今回の特別の料金の徴収によって、お支払金額が大きく増えるケースもあるようですので、これは、皆さんもおっしゃっておられるように、どうして、今回、このような見直しが行われたのかということについて、患者さん、また、国民の方にしっかりとした説明、納得ができる説明をしていただけるよう、厚労省にはよろしくお願いしたいと思います。
2点目ですけれども、これは、今、お話に出ておりました出産の無償化の件です。
この点に関しても、今回の制度改正の趣旨は、妊婦の方々の経済的な負担の軽減ということが、その目的であるわけですけれども、これは以前から申していますように、その大前提として、制度変更によっても地域の周産期の医療施設、特に一次分娩施設等が、その運営を継続していけるということでなければ、出産の無償化ということが、実際に実現したとしても、妊婦さんにとって身近で出産できる、分娩できる施設がなくなることにもなりますので、この点は、極めて重要であろうと思います。どちらが欠けても、この議論はうまく進まないと思います。
ですので、そういう意味から言いますと、地域の実情等を十分に勘案していただいて、地域において産科医療体制の確保という観点からも、現在の財源だけではなくて、様々な財源を充当していただいて、そして、十分な現物給付の水準を確保できるような制度設計を、ぜひともお願いしたいと思いますし、この予見可能性というものが、なかなか見えない現段階においては、制度を一本化するということではなくて、従来の制度との並行スタートということが、やはり現場としては安心できる範囲内ではないかなと、我々は思っております。
3点目、国保の改革なのですけれども、これは、国保組合の定率補助の見直し、本部会においても我々は明確に反対をしてきたわけですけれども、今回の法案に盛り込まれたということで、これは大変遺憾に思っております。
この国保組合においても、小規模で財政基盤が脆弱な組合というのも実際は大変多いわけですので、例外的な補助率の適用となる組合を、相対的な評価で判断するというお考えも示されておりましたので、これに関しては、やはり強く再考を求めたいと思います。
最後4点目ですが、この高額療養費制度に関して、これは、今回、年額上限というものを新たに設定したということで、これまでぎりぎり、それに届かなかった方たちにとっては非常によい対応であったと思いますけれども、例えば、保険者が変更になった場合には、多数回該当が通算されないということなど、まだ、様々な見直しが必要な点もありますので、これに関しては、今回の制度の改正も踏まえた実態をしっかりと見ていただきながら、引き続き検討していただきたいと思っております。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
一部保険外療養制度について、商工会議所は、かねてより小さなリスクは自助という考えに基づき、セルフケア、セルフメディケーションの推進を主張してまいりました。本制度の創設が、これらの進展に資するものとなることを期待したいと思います。
一方、検討に当たって第一に考えるべきは、患者様の健康を守ることであります。健康被害が生じることのないよう、医師会や薬剤師会、製薬団体などが協力し、段階的に取組を進めていくべきと考えます。
また、以前も申し上げましたのですが、軽微な症状の場合に、医師がOTC医薬品の活用を促す仕組みも必要だと考えます。
その際には、安全性と実効性を高めるため、業界団体協力のもと、処方薬との対比表などを作成し、安心して選択できる環境を整備することも有効なのではないかと考えます。
そこで少し気になったのは、広報に関する資料2の2ページ目に、参考としてOTC医薬品の価格が書いてあります。※印で、注意書きがありますが、恐らくこれは、スイッチ成分、スイッチOTCに限定したものではないかなと、推測しております。
OTC医薬品といっても千差万別でございまして、リスク分類も1、2、3類ありますし、また、スイッチOTC、あるいは要指導医薬品もあります。また、成分も、いわゆるケミカルといいますか、合成の薬剤もありますし、生薬を使ったものもあります。それから、単味製剤もありますし、それを組み合わせた配合剤というものもあります。
ですから、こういったものをうまく組み合わせることによって、実際は患者さんの負担というのは、それほど上がらないということも考えられるのではないかなと思います。あるいはその配合剤をうまく使うことによって、服薬量を減らせる可能性もあります。単味製剤をたくさん組み合わせて飲まなくてはいけないというのは高齢者にとって非常につらいので、それを1剤で済ますということは極めて有効な手段です。限られた医療資源の有効活用という観点からも、ぜひその辺りの知恵を使うことも必要ではないかと考えております。
あわせて、これも何度も申し上げているとおりですが、特にスイッチOTCの購入履歴ですね、これらを含めた薬歴管理の一元化、こういうことを実現することも重要だと考えます。ぜひセルフメディケーションの推進に向け、引き続き、御検討をお願いしたいと思います。
それから、先ほど、北川委員や林委員からもお話がございましたけれども、協会けんぽの補助率については、16.4%の維持をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
それでは、野口委員、よろしくお願いいたします。
○野口部会長代理 どうもありがとうございます。
皆さん、御議論を初めて聞かせていただき、大変勉強になりました。私から2点申し上げたいと思います。
まず、一部保険外療養の創設についてです。自己負担の見直しは、制度の持続可能性の観点からも一定の合理性があると考えています。
ただし、重要なのは、先ほどから皆さん、何人かの委員の先生方がおっしゃっているように、自己負担の変化が受診行動に与える影響、すなわち、経済学でいうところの価格弾力性をどのように把握するかという点です。
特に低所得者の方や、慢性疾患をお持ちの患者さんは受診抑制が生じやすくて、その結果、健康悪化あるいは将来的な医療費が却って増加するということにつながる可能性もあると。
したがって、先ほど中村委員のほうから詳しく説明がありましたけれども、医療利用情報に加えて、所得あるいは金融資産の情報を組み合わせた分析によって、異なる層、異質な層への影響を精緻に把握することが大事になってくると、不可欠になってくると。これが不十分な場合、政策効果と社会的公正、ウェルフェアとの間に乖離が生じるリスクがあると私は考えています。
第2に、後期高齢者医療における金融所得の勘案についてです。本措置は、負担の公平性の観点から、これまた非常に重要であると、妥当な政策であると、私は思っております。
でも、その上で、今回整備される所得の情報基盤を、医療需要あるいは受診行動の分析に活用して、エビデンスに基づく政策形成につなげていくということが重要であると考えています。
あわせて、こうした所得把握の高度化というのは、将来的な、先ほどから少し議論になっておりましたけれども、給付付き税額控除の設計に向けて、私は、これはパイロットケースではないかと、私自身は考えております。パイロットケースとしての意義があるのではないかと思っています。
加えて、第2点目なのですけれども、こうした需要側の分析と併せて、供給側のコストの把握も非常に重要だと思っております。とりわけ、妊娠・出産については、正常分娩が保険収載されていない、現在、フリーマーケットになっているということもあって、医療機関ごとの費用構造の把握が非常に不明瞭になっていると、十分とは言い難い状況にあると。この点が不明確なままでは、費用と便益の観点からの評価が非常に難しい。
したがって、制度設計の妥当性の検証にも限界があると考えています。
以上2点です。どうもありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、ほかに御意見等がなければ、本日の議題は、これまでとさせていただきます。
私事ではございますけれども、この3月で、この本部会を退任させていただきます。皆様方の、この間の御協力に関しまして感謝申し上げたいと思います。
一言、付け加えていきますと、この不確実な世の中の中で、人口構成の変化というのは、
かなりの程度予測できるものでございます。その予測できるものの上に立ちますと、負担をめぐる議論というのは、ますます厳しくなるだろうということは間違いのないことだと思っております。
今回もそうですけれども、この部会におきまして、この厳しい議論の前哨戦という言い方は失礼かもしれませんけれども、適切に御判断いただいたところでございます。
ただ、この厳しさを増す中で、やはり国民の方々の急激な負担の変化というのは、できるだけ避けたいというのも制度設計の1つの側面であります。
他方、変化を一切無視して取り込まないといたしますと、恐らくは医療保険の持続可能性というところが非常に難しくなっていくということも、これまた間違いのないところだろうと思っております。
この2つのバランスを取りながら、国民に納得できるような案というのを、皆様方、様々な方面から知恵を出していただきまして、一発で解決できるとは全然思いませんけれども、その時期ごとに出てくる課題に対して、今後も対応していただければと思います。
本日で私は去りますけれども、今まで委員の皆様方の活発な御議論を賜ったこと、それから、それを支えてくれました事務局の方々に対して深く御礼申し上げます。
これにて、私の退任の挨拶とさせていただきます。どうも長い間、ありがとうございました。(拍手)
本日の会議は、これまでとさせていただきます。
次回の開催日につきましては、追って事務局のほうより御連絡申し上げます。
本日は御多忙の折、御参集いただきましてありがとうございました。これにて閉会いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、内堀委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、原委員、前葉委員より途中からの御出席との御連絡もいただいております。
本日の会議は、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、初めに、委員の異動について、報告させていただきます。
部会長代理をお務めいただいておりました、菊池馨実委員が退任され、新たに早稲田大学政治経済学術院教授、野口晴子委員が就任されております。
また、部会長代理は社会保障審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会長が指名することとされております。それで、野口委員を部会長代理に指名したいと存じます。なお、野口委員には事前に御承諾をいただいておりますので、この旨、併せて御報告申し上げます。
では、野口部会長代理、御就任に当たりまして一言御挨拶を賜れればと思います。よろしくお願いいたします。
○野口部会長代理 田辺先生、どうもありがとうございます。ただいま、御紹介に預かりました、早稲田大学政治経済学術院の野口晴子と申します。
本日より、本部会の座長代理を務めさせていただくことになり、大変身の引き締まる思いでございます。重要課題が山積する中、医療経済学が私の専門なのですけれども、その立場から制度の持続可能性を見据えた有益な議論に資することができればと存じます。
大変微力ではございますが、田辺座長を補佐し、本部会における審議が円滑かつ実りあるものになるよう努めてまいります。構成員の皆様の御指導を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 野口部会長代理、ありがとうございました。
次に、欠席される委員の代わりに御出席なさる方につきましてお諮り申し上げます。
内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、横本委員の代理といたしまして井上隆参考人、以上2名の出席につき御承認いただければと思いますけれども、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、早速議事に入ってまいります。
本日は「健康保険法等の一部を改正する法律案について(報告)」を議題といたします。
事務局より説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○姫野課長 ありがとうございます。総務課長でございます。
それでは、資料1、資料2を併せて御説明させていただきます。
まず、資料1、最初のページです。改正の趣旨などを記載したものになります。持続可能な医療保険制度の実現に向けて、必要な保険給付等の適切な実施と世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るため、以下、改正の概要にありますような様々な改革をするという内容になっています。
以下、次のページから個別の項目ごとに少し詳しい資料をつけておりますので、そちらに沿って御説明いたします。
まず、1つ目でありますが「一部保険外療養の創設」というタイトルになっておりますが、これは、医療保険部会でも御議論いただいておりましたOTC類似薬についての保険給付の在り方を見直すために、新しい給付の類型を設けるものです。
「趣旨・概要」のところにありますように、医療用医薬品の給付を受ける患者様と、OTC医薬品で対応されている患者様との公平性の確保、また、現役世代を中心とする保険料負担上昇の抑制と、こういった観点から見直しを行いたいと思っています。
OTC医薬品との代替性が特に高い薬剤、こういった、いわゆるOTC類似薬を用いた療養その他適正な医療の提供を確保しつつという前提がついておりますけれども、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑み、費用の一部を保険給付の対象としないと、こういった類型を厚生労働大臣が定めることができるという形で法律改正をしたいと考えています。
この箱書きの下に書いております、当部会でも御議論いただきましたような医薬品の範囲、それから特別料金の設定につきましては、具体的には厚生労働大臣告示で決めていくことになりますけれども、対象医薬品の範囲につきましては、ここに記載しておりますような77成分、約1,100品目、具体的には成分が同一で、投与経路も一致をしていて、また、最大用量も異ならない、そういった薬剤を選定していくことを想定しています。
また、特別の料金につきましては、薬剤費の4分の1ということで設定をする想定です。
また、配慮が必要な者ということで、ここに列挙しておりますようなこと、具体的には告示で定めていく予定ですけれども、法律の中でも病状ですとか、治療内容、そういったことに配慮するということもしっかりと明記して、制度設計をしていきたいと考えています。
続いて3ページ、後期高齢者医療制度における金融所得の勘案ということであります。
後期高齢者医療制度につきましては、他制度と比べまして、窓口負担も1割、2割、3割と所得に応じて変わっていくという特徴もありますので、こういった金融所得の上場株式の配当益などについても、把握をより一層進めていこうというものです。
具体的には、右下の図にありますように、金融機関から法定調書という形で上場株式の配当益などを税務署に提出いただいておりますけれども、これをオンラインで提出することを義務化し、こういった情報を後期高齢者広域連合でも把握をし、そして、右側にありますように、保険料あるいは窓口負担割合に反映していくというものです。
次のページに、施行までのタイムラインを記載していますけれども、様々な関係者の御協力をいただく必要があるものだと考えています。国において法定調書のデータベースの構築といったことも必要になりますけれども、金融機関でのマイナンバー付番の徹底、あるいはオンライン提出の準備、そういったこともしていただきつつ、自治体でのシステム改修なども必要になりますので、公布から5年以内という形で施行の準備期間を取っておりますが、できるだけ早く施行できるように準備を進めていきたいと考えています。
次の5ページにつきましては、妊娠・出産に対する支援の強化です。
「趣旨・概要」のところに記載していますように、出産費用が年々上昇する中で、現行の現金給付となっております出産育児一時金の仕組みでは、支給額を引き上げても妊婦さんの負担軽減につながらないといった課題もありますので、今回、給付方式の見直しを行うということであります。
見直しに当たりましては、一次施設をはじめとした地域の周産期医療提供体制を維持しつつ、また見える化の徹底によって、納得感のある選択ができる環境をつくっていくことに留意しながら、出産の標準的な費用について、妊婦さんの自己負担が生じない仕組みにするということです。
具体的には、下の図にもありますように、保険診療の部分、オレンジで書いている部分については従来どおりですが、それ以外の緑の部分、保険診療以外の分娩対応について、分娩1件当たりの基本単価というものを定め、体制、役割等に応じた加算も組み合わせつつ、費用を保険者から直接医療機関にお支払いすると、そういった新しい仕組みに見直していきたいと考えています。
加えまして、右側の文字のところにありますけれども、2番目にありますように、全ての妊婦さんに対する現金給付についても一部残していく、また、3番目にありますように、施設の選択によって、当分の間、施設単位での現行制度の適用を受けることも可能にすることにしています。
また(2)にありますように、サービスと費用の関係の見える化の徹底ということで、施設が提供するサービスの内容、費用等についての情報提供も義務づけを行いたいと考えています。
また、一番下に記載しておりますけれども、これは、当部会では御議論いただいている内容ではございませんが、こども家庭庁のほうでの取組、妊娠・出産に対する支援の強化に関連するものということで、今回の法改正の中に併せて盛り込んでいます。
こちらは、妊婦健診につきまして、現在、自治体が実施していただいておりますけれども、具体的な望ましい検診の内容、望ましい基準を国のほうで定めておりますが、それに加えまして、標準額の設定や、見える化の推進を図っていくという内容になっています。
詳細については、6ページにありますけれども、当部会での御議論いただいた内容でもありませんので、割愛をさせていただきます。
次の7ページ、国民健康保険制度改革の推進です。
1つ目の柱は、子育て世帯の保険料負担の軽減ということでありまして、令和4年4月から実施しております、未就学児に対する均等割保険料の5割の軽減、こういった措置を、今後、高校生年代まで拡大する内容としています。
2つ目は、国民健康保険組合に係る見直しであります。現行の国保組合に対する国庫補助につきましては、負担能力に応じて原則13%から32%という段階的な補助率になっていますが、一定の水準に該当する国保組合については、例外的な補助率12%、10%という率を適用する内容を盛り込んでいます。
また、②につきましては、国保組合の被保険者になる場合の手続ですけれども、事務手続の簡素化をするための見直しもしたいと考えています。
そのほか、3つ目は持続的な国保運営に向けた見直しということで、財政安定化基金の用途につきまして、保険料抑制のための取り崩しを認めるなどの柔軟化をしたいと思っております。
また、保険料軽減判定の適正化の観点から、保険者の異動を原因とする資格喪失日を1日前倒しすると、こういった地方所自治体からの要望を踏まえた見直しも盛り込んでいます。
続いて8ページ、高額療養費制度の考慮事項の明確化です。
具体的な限度額などにつきましては、政令で定めるということになっておりまして、年末に具体的な見直し案について当部会にも御報告をさせていただいたところですが、現在では家計に与える影響を考慮して、限度額などを定めるということになっていますが、当部会でも長期療養の方に対する配慮が必要であるという御意見もいただいてございましたので、今回法律の中に、一番下の黒字になっているところでありますが、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるような法律上の明文を置きたいと考えています。
続いて9ページ、医療機関の業務効率化・勤務環境改善の支援です。
主に医療部会において議論いただいておりましたが、随時、医療保険部会でも御報告、御議論いただいた内容です。
2040年に向けて、医療従事者を安定的に確保していくためにも、効率的な医療提供体制を構築する必要があるということでありますので、医療機関の業務効率化をさらに支援していくための仕組みを導入したいと考えております。
具体的には、①にありますように、現在、地域医療介護総合確保基金というものを設けて、左下にありますような地域医療構想の実現に向けた支援などを行っているところでありますが、この中に、左下赤字で記載をしておりますような新しい区分を設けまして、業務効率化、勤務環境改善の取組を支援する事業を行っていきたいと考えています。
また、②にありますように、業務効率化などを積極的、計画的に取り組む病院を厚生労働大臣が認定できる仕組みを設けまして、認定を受けた病院については、その表示を行うことができるようにする。
また、都道府県の医療勤務環境改善支援センターで、今も医師の働き方改革などの助言・指導をしておりますけれども、さらにこういった業務効率化の助言・指導も行えるように体制を強化していくということです。
さらに、医療保険部会にも関連する部分が、この④になってまいりますけれども、医療法上、管理者の責務として業務効率化を明記するとともに、健康保険法上も保険医療機関の責務として業務効率化などの責務を定めたいと考えています。
最後に、協会けんぽにおける保健事業の推進、また、国庫補助に係る特例減額の規定です。
1つ目、保健事業の推進につきましては、協会けんぽにおける予防・健康づくりを推進するということで当部会でも議論をいただきましたので、法律の中に、こういった取組の責務というものを明記したいと考えています。
また、2つ目は、国庫補助に係る特例減額の見直しでありますが、現在、協会けんぽについては、給付費の16.4%の国庫補助が支給されていますけれども、一方で、準備金の残高が積み上がった場合には、新たに積み上がった準備金の国庫補助相当額を翌年度減額するという特例措置が講じられています。こちらは、平成27年度から行われているわけですけれども、27年度以前にも積み上がった部分がございましたので、そういった期間の積立金の金額に勘案しまして、令和8年度から10年度の3年間につきましては、特例減額の控除額を時限的に500億円増やすという形で措置をしたいと考えています。
最後に11ページ、今、申し上げましたような各項目についての施行日を整理しています。
1点目の一部保険外療養の創設、これはOTC類似薬の見直しですけれども、こちらは公布後1年以内、具体的には令和9年3月の施行を想定しています。
また、金融所得の勘案につきましては、先ほど申し上げましたように、公布後5年以内ということですが、できるだけ早期の実施を目指していきたいと考えています。
また、2番目の出産等についての取組ですけれども、こちらは公布後2年以内ということにしています。
また、子育て世帯の保険料負担軽減など、こういった保険料については年度単位ということで、令和9年4月からの施行といった形で、それぞれ整理をしているところです。
資料1については以上となります。
それから、資料2につきまして、こちらは、今般の様々な改正事項について、分かりやすい広報を我々としても取り組みたいと考えておりまして、まとめたものです。
1ページ目につきましては、法改正事項だけではなくて、高額療養費制度の見直しなど、予算政令事項も含めまして全体像をお示ししたものです。持続可能なものとしていくために、現役世代を中心に保険料負担の上昇を抑制しながら、医療保険制度に対する信頼や納得感を維持・向上させていく観点から、給付と負担の見直しを行うと、こういった当部会でもいただいたような御意見を中心に整理しているところです。
2ページ目以降、項目ごとに大きな関心を集める部分を中心に整理しています。OTC類似薬の薬剤給付の見直し、次は、高額療養費制度、特に今回年間上限という新しい仕組みを設けますので、その具体的な患者様に対するメリットなども周知をしていきたいと考えています。
また、4ページは、金融所得の公平な反映ということで、後期高齢者、75歳以上の方の世代内でのどういった不公平を改善するための改正なのかといったことをお示ししています。
最後5ページは、妊娠・出産に対する支援の強化ということで、費用の見える化、また、負担の軽減というものがどのように実現されていくのかといったことを解説したものとなっています。
説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら、挙手にてお知らせしてください。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いでございます。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
資料1の健保法の改正法案について、2点コメントをさせていただきます。
まず、1点目は、OTC類似薬の薬剤給付の見直しについては、医療用医薬品の給付を受ける患者と、OTC医薬品で対応している患者、この公平性の確保、また、現役世代を中心とする保険料負担上昇の抑制の観点から、着実な施行をお願いしたいと思います。
2点目は、妊娠・出産に対する支援の強化ですけれども、今回、お示しいただいた法案は、まさに年末まで議論した新たな給付体系の骨格に基づく法改正の内容となっていると思っております。
無論、具体的な制度設計は、今後また医療保険部会等で議論していくことになると思いますが、妊婦から見れば経済的負担の軽減につながって、また、御自身のニーズに応じたサービスを、納得感を持って選択できるようになるという、このメリットを実感していただくことが大変重要であると思っています。
一方で、保険者の立場としては、やはり現役世代の保険料負担上昇の抑制をしていくことも必要であると考えておりますので、保険者の財政負担にも御配慮いただきたいと思います。
また、新たな給付方式の導入時期については、施設の選択により当分の間、施設単位で現行の出産育児一時金の制度の適用を受けることも可能となっております。議論の中でも一斉にスタートすべきではないか等々、様々な御意見があったと理解しておりますので、一定の移行期間はやむを得ないとしても、やはり医療機関ごとに対応が異なるというのは、地域等によっては、妊婦の不利益また不公平となるほか、保険者の事務負担増にもつながりかねないと思いますので、あくまでも時限的なものとして期間を区切って、できるだけ速やかに新制度のほうに移行する仕組みにしていただきたいと思います。
また、実際の給付に当たっては、支払基金等、審査支払機関の対応も大変重要であると思っておりますので、システム対応を含めて万全な準備体制をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 御指名ありがとうございます。
御説明いただいた内容について、それぞれコメントを申し上げたいと思うのですけれども、その前に、冒頭の事務局というか厚生労働省より、昨日、いわゆる国保逃れに関する通知、基準を出していただいたということでございまして、発言させていただいた立場からは、早速の対応に感謝申し上げる次第です。
重ねて申し上げることになりますが、ぜひこの通知後の取組の強化もお願いしておきたいと思います。
それでは、それぞれ発言しますけれども、まず、一部保険外療養制度の創設については、これは患者の負担増ということになりますので、国民、患者の理解や納得が得られるよう、丁寧な議論や対応が必要ということは、この間申し上げてきたところです。
そもそも対象とされる薬剤については、なぜ、それが対象となっているのか、負担を求めるのかといった説明はもとより、詳細をどう定めるのかといったプロセス、議論の透明性の確保も必要だろうと考えています。
また、この制度による今後の影響について、きちんと把握をいただいて、実態を踏まえて必要な見直しをしていくことも求められていると考えていますので、今後対象となる薬剤や負担率を変更する可能性があるとすれば、実態を踏まえて検討を進めていく必要があるということを申し上げておきたいと思います。
後期高齢者医療制度における金融所得の勘案についてです。
法定調書のデータベース構築や、市町村や広域連合のシステム改修をするということで御説明いただきました。実装するまでに様々な課題や問題が浮上することもあろうかと思います。自治体のシステム標準化への移行も遅れているところが多々あるとお聞きしておりますので、関係者には丁寧に意見を聞いていただいて、無理なく移行できるようにしていただきたいと思います。
そもそも公平な負担の実現に向けては、年齢別から支払い能力に応じた負担となるよう、高齢者医療制度の抜本改革、全世代で全ての所得を正確に捕捉する方策の確立と併せて検討すべきだと考えています。
妊娠・出産に関する支援の強化についてです。
希望する人が安全・安心に子供を産み、育てられる環境整備に向けて、着実に進めていただきたいと考えていますので、医療機関によって現行制度を選択できる経過措置については、あくまでも例外ということで取り扱っていただいて、期限を区切って対応していただきたいと考えています。
また、分娩だけではなく、妊婦の健康検査においても、当事者が納得感を持って選択できるようにすることは重要と考えています。実態把握、検証を行いながら、国から地域間や施設間の不合理な差が生じないよう、各市町村の取組支援を含めて対応いただきたいと思います。厚生労働省には、こども家庭庁との課題の共有と連携をお願いしておきたいと思います。
医療機関の業務効率化、勤務環境改善の支援については、業務の効率化が働く方にとっての職場環境の改善につなげてほしいと考えています。組織的に取組を進めていくためには、計画の策定段階から、労使でしっかり話し合い、進捗状況を確認しながら、現場の実態、声を踏まえて見直していくこと、計画や進捗状況などを従業員にしっかり周知していくことが重要と考えていますので、指針などで詳細を示す際は、その点も含めて対応いただきたいと思います。
最後です。協会けんぽへの国庫補助について、令和8年度から3年間、特例減額を引き上げるとありました。近年は、財政が安定していますけれども、主に中小企業で働く労働者が加入していますので、標準報酬月額の水準は高いわけではなく、構造的な課題は変わっていない状況です。
国庫補助は、こうした構造的な課題、財政基盤を支える目的で国庫補助が行われていることを踏まえて、中長期的な安定運営のもとで保険者機能を十分に発揮できるよう、国庫補助率は、少なくとも現行水準を維持すべきと考えていることは、改めて申し添えたいと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
今回御説明をいただきました法案に盛り込まれている事項に関しましては、いずれも今後の医療保険制度の持続可能性を向上させるために不可欠な課題ですので、ぜひとも早期の成立、実施をお願いしたいと思います。
金融所得の勘案について一言申し上げます。折しも、社会保障国民会議で給付付き税額控除の議論が始まると聞いております。この実現のためには、個人の負担能力を正確に把握していく必要があります。
したがいまして、今回、金融所得につきまして、こういうシステムを導入して把握していくことは、応能負担の徹底という意味でも、非常に好ましい方向だと思います。
ぜひ、給付付き税額控除も並行して進んでおりますので、そういうほかの制度と互換性のある、システム全体の将来的な発展性を視野に入れた開発をお願いしたいと思います。
同時に行政の効率化あるいは様々な手続の簡素化、そういうものも一緒に進めていただきたいと思いますし、これが、できるだけ早期に実現することを期待しております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、實松委員、よろしくお願いいたします。
○實松委員 ありがとうございます。
今回の法律案ですけれども、これまでの部会における議論を踏まえ、整理いただいたものと思っております。まずは事務局の御尽力に敬意を表したいと思います。
内容を拝見しますと、高額療養費制度の検討に当たって、長期療養者の家計への影響を考慮する点など、これまで本部会で指摘してきた論点が一定程度反映されているものと受け止めております。
金融所得の勘案については、負担の公平性の観点から必要な取組であると理解しておりますが、同様の課題は、国保など、他の医療保険制度にも存在しておりますので、医療保険制度全体の中で、公平性の観点も踏まえつつ、今後の制度の在り方について、引き続き検討していくことが重要ではないかと考えております。
また、金融所得反映を実施する場合には、広域連合の保険料算定システム等に大きな改修が必要となります。このことから、改修費用等に対し必要な財政措置を講じていただきますようお願いします。
OTC医薬品との代替性が高い薬剤に係る一部保険外療養の取扱いについてですけれども、高齢者は複数の疾病を抱え、服薬管理も複雑になりがちでありますことから、安全性や受診行動への影響にも十分配慮しながら、制度設計や運用が行われることを期待したいと思います。
最後に、高額療養費制度については、長期にわたり治療を必要とする方の生活への影響が大きい制度でもありますので、今後の検討においても、実態を丁寧に把握しながら慎重に議論を進めていただくことをお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
先ほど林委員から協会けんぽへの温かい御支援の言葉もいただきましたので、大変ありがとうございます。一言、それに関してコメントをさせていただきます。
今回の法律案につきましては、現役世代の予防・健康づくりの強化、そして、協会が取り組む保健事業に関する責務の明確化が盛り込まれております。協会では、これまでも努めてまいりましたが、予防・健康づくりの一層の推進としまして、令和8年度から人間ドックに関する補助や、若年層を対象とした健診の開始を計画しております。
また、9年度からは被扶養者に対しても、健診を被保険者並みの水準に拡充するということも、今、進めているところです。
また、今年の1月にリリースしました健保アプリの発展を図りまして、4000万人と直接つながる健保DXの実現を、今、進めているところです。
こういうことによりまして、加入者の一人一人に寄り添いながら、その健康づくりを強力に支援していくことを継続してまいりたいと考えております。
こうした保健事業にしっかりと取り組むとともに、加入者が安心して医療を受けるためには、長期的に安定した財政運営が重要であります。必要な国庫補助の確保につきまして、引き続きお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
8ページの2つ目の●のところですが、高額療養費制度の考慮事項の明確化について、この検討に当たっては、特に、毎月治療を受ける必要があるような長期療養者の家計への影響について、考慮することが重要である、とありますので、費用負担が家計に与える影響を把握することが大事であるということです。これは、厚労省によってデータの要約統計のような形で分析されるのだろうと思うのですが、私はより詳しい分析が必要だと思います。医療経済学の研究は、日本のデータでも様々な蓄積があるのですけれども、特に高額療養費とか非常に重篤な疾病にかかった人の費用負担とか家計の状況についての研究というのが、そんなにはないと思います。どうしてそうなっているかというと、やはりデータがないわけですね。
例えば、レセプトデータと所得データがひもづけられれば、疾病罹患した方は所得が恐らく減少するのだろうと思うのですが、その上で医療支出がどんどんかかっていくという状況が把握できますし、健康状態がその中でどのように変化していくかということも追えるわけですね。ですので、単なる要約統計ではなくて、より実態を詳しく見ることができるのではないかと思います。
それから、厚労省のパネルデータといって同じ個人を長期間継続調査したものがありまして、例えば成年者縦断調査とか、中高年者縦断調査というものがあるのですけれども、成年者縦断調査では、健康状態についての情報がほとんどなくて、中高年者縦断調査については、健康状態についての情報は少しあるのですが限定的です。こういった縦断調査でも、健康に関する情報をきちんとパネルデータとして取っていくことで、より負担の在り方の議論で重要な、病気になってしまうと働けなくなることもある上に、治療費がかかっていくという中で、健康状態と家計の状況がどのように変化していくかということがきちんと追えると思いますので、要約統計に限定せず、こういったデータ整備についても、ぜひお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐藤参考人、よろしくお願いします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
健康保険等の一部を改正する法律案については、1月30日に全国知事会として厚生労働大臣に意見書を提出しております。
一部保険外療養の創設や、妊娠・出産に対する支援の強化、妊婦健診における経済的負担の軽減など、給付の在り方の見直しに係る具体的な制度設計に当たっては、国民や事業者の過度な負担や急激な変化が生じないよう、十分な配慮を行うとともに、社会全体で納得感を得られるよう、患者団体や出産を望む当事者、医療機関や地方など、関係団体の意見を踏まえ、丁寧に検討を進めていただきますようお願いいたします。
また、いずれにおいても、地方に過度な負担が生じないよう早期にスキームを示し、施行までの準備期間を十分確保するとともに、国において、必要な技術的・財政的支援を講じるなど、意見書の内容を踏まえた対応をよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、田島委員、よろしくお願いいたします。
○田島委員 よろしくお願いいたします。私のほうからは2点お願いしたいと思います。
まず、資料の3ページの後期高齢者医療制度における金融所得の勘案に係る件ですけれども、法定調書情報を利用したシステムの構築、運用に当たっては、財政負担が生じる場合には、国の責任において御支援をいただきたいと思います。
次に、5ページの妊娠・出産に対する支援の強化についてですけれども、これについては、新たな給付方式の導入時期を施設単位で選択可能とすることで、住民の混乱を招かないようにお願いしたいということ。
また、具体的な制度設計を議論する際には、保険者に過度な負担とならないよう御配慮いただきたいということです。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょう。
では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
今回の改正について、2点ばかりコメントをしたいと思います。
全体としては、持続可能性であるとか、あるいは給付率の7割維持規定とか、あるいは子ども・子育ての関係で実質負担ゼロとか、いろいろな制約要因がある中で工夫された改革案だろうと思っております。
そういう点で、1点目は、この点をよく理解していってもらう必要があるのだろうと思っております。
ちょうど4月からの子ども・子育て支援金も実施されるタイミングでありますし、そういった中で医療保険がどういう方向に進んでいくのかということを、よく世の中に説明していく必要性があるのだろうと思っています。
そういう点で、今回、既に広報資料をおつくりになっておられるので、それは非常にいいことだと思いますし、また、今の時代ですので、紙媒体だけではなくて、いろいろな媒体を使って理解を求めていく必要があるのだろうということであります。
2点目は、公平性という点であります。
今回の改革案のキーワードというのは、1つは公平性だろうと思っておりまして、特に、先ほど来出ていますような金融所得であるとか、あるいはOTCの関係などが典型でありますけれども、例えば、今回いろいろな配慮がされている高額療養費とかOTCの負担、低所得者であるとか、あるいは長期療養の患者さんとかに対する配慮、こういうのもある意味では公平の問題だろうと思って、私は理解しております。
そういう点では、特に今回、公平という言葉が多用されておりますので、やはり公平とは何なのかということに関して、やはり1つの制度の中で1つの言葉を使ったときには、同じ哲学とか概念であるというのが、恐らく法律の鉄則でしょうから、そういった点で、この概念について首尾一貫性を持たせるという点でも、今後、私も含めてよく考えていく必要があるのかなと思いました。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
この部会でのいろいろな議論を、これだけきれいに取りまとめていただきまして、厚労省の事務局には大変感謝を申し上げます。
5ページの妊娠・出産に対する支援の強化の(1)の3ポツのところで、佐野委員をはじめ、各委員の方々からの御発言がありましたように、五月雨的に新たな給付方式の導入時期といったところは、ある期限をきちんと決めて一斉に同じような制度として運用していただくことを強く希望いたします。
9ページのところですが、この部会でも非常に医療機関の経営が厳しいという話を随時発言させていただいておりましたが、今回の医療機関の業務効率化、勤務環境改善への支援ということで、左下にありますように、地域医療介護総合確保基金を使っての対象事業というのがきちんと表現されておりますので、こういったことがきちんと行われれば、経営に資するところも出てくるのかと期待しております。
それから、右下のところの業務のDX化に関する取組ということで例示されておりますけれども、今回の診療報酬改定でも、かなり病院とかのDXの推進に伴うような加算みたいなこともきちんとつくられておりますが、こういったものを導入するのにも非常にお金がかかりますので、そこのイニシャルコストに関しては支援があるのですが、使い続けるランニングコストに関しては、ほぼ支援がないということですので、こういったところも御検討いただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
では、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 ありがとうございます。
高齢者の金融所得について、私、何度も言ったのですが、やはり後期高齢者のみというのはあまり納得がいかない、現役の方でも非常に金融所得の多い方もいらっしゃるので、それは納得がいかないということは言っておきたいのですが、厚労省は、かねてから、まず、後期高齢者からということを何度もおっしゃっている。ということは、国保や健保にも拡大する予定があるのか、あるとしたら、いつからかということを知りたいと思います。そうでないと、何で後期高齢者だけがターゲットにされるかということについては、まさに公平性の問題からいって不公平ではないかと思います。
2番目に、金融所得の把握の方法として、マイナンバーを使って個人にひもづけするということですけれども、これは本人の承諾なしに、そういうことをしてもいいのか、個人情報保護法に違反しないのかということが気になります。
3番目に、井上参考人からも御発言があったのですが、給付付き税額控除とどう関連づけるのかということ、つまり、その人の所得、年金とか給与とか、金融所得とか、全て把握して、そして、低所得の人については給付をするという形になると思うので、税と社会保障とが関連づけられると思います。
国民会議がどうなるのかよく分かりませんが、そういう非常に大きな改革が進んでいるときに、厚労省が後期高齢者の医療だけについて、こういうことを始めて、それは壮大な無駄になるのではないかという感じもするので、給付付き税額控除あるいは国民会議とどのように関連づけていくのか、その辺りを、ぜひ考えていただきたいと思うのです。もちろん、厚労省に余力があって、お金があるのなら別ですけれども、そういうことを考えると、やはり国としての大きな方針のほうに着目していくべきではないかと思っております。
それから、出産費用の無償化についてですが、これは、ほかの委員からもありましたが、やはり、こども家庭庁との調整が必要ではないか。出産後に子ども・子育て支援金の一環として10万円給付がされるという話も聞いておりますので、どこまで医療保険でカバーして、どこまでがこども家庭庁なのか。受けるほうは1人なのですね。それに対して、いろいろ複数の役所が絡んでくる場合に、やはり相互に矛盾しないように、ぜひ調整していただきたい。
こども家庭庁というのは、もともとは厚労省の児童家庭局から庁へ成ったものですので、やはりそこら辺り、しっかり調整していただきたいと希望いたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
幾つか御質問がございましたので、答えられる限りでお願いいたします。
○日野課長 高齢者医療課長でございます。
大きく3点、袖井委員のほうから御指摘をいただいたかと思います。
まず、1点目の金融所得に関しまして、後期高齢者のみというのは、不公平ではないかというお話で、国保や健保をどうするのかという御質問をいただきました。
後期高齢者医療制度から、まずはやっていくということですけれども、まず、制度的に後期高齢者の窓口負担が1割、2割、3割と、所得に応じたものになっております。
一方で、70から74歳は、2割負担が入っておりますけれども、基本的に現役の方は3割であり、その不公平の是正の観点からいうと、まず、後期高齢者が優先されるというのが1点目。
2点目、国保や健保、現役世代の被用者保険と地域保険ということで、被用者保険のほうは賃金に基づいて賦課をすると、こういう仕組みになっていて、一方で、国保は市町村の課税所得をベースに計算をしていく仕組みということで、そもそも所得の範囲が制度的に異なっていると、そこのところの論点をどうするのかと、こういった課題があります。
3点目といたしましては、やはり国保に関して言いますと、市町村のシステム標準化の関係の課題があります。
一方で、後期高齢者のほうは、国で標準システムをやっている関係で、システムのほうでもかなりスムーズに行きやすいと、こういったこともありまして総合的に勘案して、後期高齢者から導入をさせていただくというものです。
今後については、国保と健保のところは、こういうスケジュールでと決まったものはないところです。
ちなみに、介護保険につきましては、昨年の年末の取りまとめにおきまして、次期制度改革のときに検討すると書かれているところです。
2点目のマイナンバーですけれども、こちらは、現在の後期高齢者の事務におきまして、既に社会保険で使うということですので、後期高齢者でも当然のことながらマイナンバーを使って事務ができると、こういう仕組みになっております。
その一環という整理になりますので、特段の法律改正はせずに、今のままでも使うことができると、こういう整理になってまいります。
3点目、給付付き税額控除の話がございました。こちらは、どちらかというと後期高齢者医療の金融所得勘案の議論が先行して、給付付き税額控除が急に浮上してきたと、こういう時間的なラグがあります。
そういった意味では、なかなか今の段階で、給付付き税額控除もこれから本格的に議論になるかと思いますので、まだ、どういう関連があると、なかなか見通すことは困難ですけれども、当然のことながら関連する部分があれば、連携して無駄がないように、当然のことながら考えていかなければいけないと考えております。
以上です。
○田辺部会長 袖井委員、何かございますでしょうか。
○袖井委員 今のところは、しようがないかなと思います。ありがとうございました。
○田辺部会長 それでは、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 遅れまして失礼いたしました。
私からは、妊娠・出産の支援の強化のところで、新しい給付について、資料1の5ページですが、発言をさせていただきたいと思うのですが、今回の法律案では、公布後2年以内の施行ということになりました。
その上で、基本は新しい給付に変わっていくのだと思うのですが、「施設の選択により、当分の間、施設単位で現行制度の適用も可能」と書いていただいております。これは、基本は、やはり新しい給付に移っていく、もちろん、基準単価をどう設定されるかとか、様々な議論をこれから詰めていかれるのだと思います。
その中で、妊産婦さんが利用しやすい形になっていけばと期待をしておるところですが、ただ、施設の選択で今までの出産育児一時金の現行制度の適用を受けるということが可能になるということになると、利用者側からすると、すごく分かりにくい形になりはしないかなということです。
資料2でも、その辺りは標準的な費用について、妊婦の自己負担をなくすという現物給付化が前提となった書きぶりになっておりますので、特例措置があるということについては、お伝えするのもなかなか難しいのではないかなと思います。原則、新給付ということが基本という形で進めていただけるほうが、市民というか、被保険者にとってはすっきりするのかなという感じがいたしております。これから、ここは具体的な話になっていくと思いますので、しっかりとこの辺りを注視していきたいと思っておるところです。
様々な御事情はあろうかと思いますが、基本は新しい給付制度ができる以上は、こちらのほうに進んでいただければという気持ちを持っておるということを発言させていただきます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかに、では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
それでは、私のほうからは、4点ほどコメントをさせていただきたいと思います。
まず、OTCですが、これに関しては、本部会でもたびたび申しましたが、本来は、OTC類似薬で治療すべき患者さんが、OTC医薬品を御自身の判断で購入するということについての問題点がかなり多くあるということを発言してきましたが、今回、この対象として、一定の成分の医薬品というものが、ここに挙げられたわけですが、これに関しては、その範囲の考え方等も含めて、さらには配慮すべき方等についても、引き続き丁寧な検討をしていただきたいということが1点です。
また、本日の資料2の、広報用資料のイメージにありますように、今回の特別の料金の徴収によって、お支払金額が大きく増えるケースもあるようですので、これは、皆さんもおっしゃっておられるように、どうして、今回、このような見直しが行われたのかということについて、患者さん、また、国民の方にしっかりとした説明、納得ができる説明をしていただけるよう、厚労省にはよろしくお願いしたいと思います。
2点目ですけれども、これは、今、お話に出ておりました出産の無償化の件です。
この点に関しても、今回の制度改正の趣旨は、妊婦の方々の経済的な負担の軽減ということが、その目的であるわけですけれども、これは以前から申していますように、その大前提として、制度変更によっても地域の周産期の医療施設、特に一次分娩施設等が、その運営を継続していけるということでなければ、出産の無償化ということが、実際に実現したとしても、妊婦さんにとって身近で出産できる、分娩できる施設がなくなることにもなりますので、この点は、極めて重要であろうと思います。どちらが欠けても、この議論はうまく進まないと思います。
ですので、そういう意味から言いますと、地域の実情等を十分に勘案していただいて、地域において産科医療体制の確保という観点からも、現在の財源だけではなくて、様々な財源を充当していただいて、そして、十分な現物給付の水準を確保できるような制度設計を、ぜひともお願いしたいと思いますし、この予見可能性というものが、なかなか見えない現段階においては、制度を一本化するということではなくて、従来の制度との並行スタートということが、やはり現場としては安心できる範囲内ではないかなと、我々は思っております。
3点目、国保の改革なのですけれども、これは、国保組合の定率補助の見直し、本部会においても我々は明確に反対をしてきたわけですけれども、今回の法案に盛り込まれたということで、これは大変遺憾に思っております。
この国保組合においても、小規模で財政基盤が脆弱な組合というのも実際は大変多いわけですので、例外的な補助率の適用となる組合を、相対的な評価で判断するというお考えも示されておりましたので、これに関しては、やはり強く再考を求めたいと思います。
最後4点目ですが、この高額療養費制度に関して、これは、今回、年額上限というものを新たに設定したということで、これまでぎりぎり、それに届かなかった方たちにとっては非常によい対応であったと思いますけれども、例えば、保険者が変更になった場合には、多数回該当が通算されないということなど、まだ、様々な見直しが必要な点もありますので、これに関しては、今回の制度の改正も踏まえた実態をしっかりと見ていただきながら、引き続き検討していただきたいと思っております。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
一部保険外療養制度について、商工会議所は、かねてより小さなリスクは自助という考えに基づき、セルフケア、セルフメディケーションの推進を主張してまいりました。本制度の創設が、これらの進展に資するものとなることを期待したいと思います。
一方、検討に当たって第一に考えるべきは、患者様の健康を守ることであります。健康被害が生じることのないよう、医師会や薬剤師会、製薬団体などが協力し、段階的に取組を進めていくべきと考えます。
また、以前も申し上げましたのですが、軽微な症状の場合に、医師がOTC医薬品の活用を促す仕組みも必要だと考えます。
その際には、安全性と実効性を高めるため、業界団体協力のもと、処方薬との対比表などを作成し、安心して選択できる環境を整備することも有効なのではないかと考えます。
そこで少し気になったのは、広報に関する資料2の2ページ目に、参考としてOTC医薬品の価格が書いてあります。※印で、注意書きがありますが、恐らくこれは、スイッチ成分、スイッチOTCに限定したものではないかなと、推測しております。
OTC医薬品といっても千差万別でございまして、リスク分類も1、2、3類ありますし、また、スイッチOTC、あるいは要指導医薬品もあります。また、成分も、いわゆるケミカルといいますか、合成の薬剤もありますし、生薬を使ったものもあります。それから、単味製剤もありますし、それを組み合わせた配合剤というものもあります。
ですから、こういったものをうまく組み合わせることによって、実際は患者さんの負担というのは、それほど上がらないということも考えられるのではないかなと思います。あるいはその配合剤をうまく使うことによって、服薬量を減らせる可能性もあります。単味製剤をたくさん組み合わせて飲まなくてはいけないというのは高齢者にとって非常につらいので、それを1剤で済ますということは極めて有効な手段です。限られた医療資源の有効活用という観点からも、ぜひその辺りの知恵を使うことも必要ではないかと考えております。
あわせて、これも何度も申し上げているとおりですが、特にスイッチOTCの購入履歴ですね、これらを含めた薬歴管理の一元化、こういうことを実現することも重要だと考えます。ぜひセルフメディケーションの推進に向け、引き続き、御検討をお願いしたいと思います。
それから、先ほど、北川委員や林委員からもお話がございましたけれども、協会けんぽの補助率については、16.4%の維持をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
それでは、野口委員、よろしくお願いいたします。
○野口部会長代理 どうもありがとうございます。
皆さん、御議論を初めて聞かせていただき、大変勉強になりました。私から2点申し上げたいと思います。
まず、一部保険外療養の創設についてです。自己負担の見直しは、制度の持続可能性の観点からも一定の合理性があると考えています。
ただし、重要なのは、先ほどから皆さん、何人かの委員の先生方がおっしゃっているように、自己負担の変化が受診行動に与える影響、すなわち、経済学でいうところの価格弾力性をどのように把握するかという点です。
特に低所得者の方や、慢性疾患をお持ちの患者さんは受診抑制が生じやすくて、その結果、健康悪化あるいは将来的な医療費が却って増加するということにつながる可能性もあると。
したがって、先ほど中村委員のほうから詳しく説明がありましたけれども、医療利用情報に加えて、所得あるいは金融資産の情報を組み合わせた分析によって、異なる層、異質な層への影響を精緻に把握することが大事になってくると、不可欠になってくると。これが不十分な場合、政策効果と社会的公正、ウェルフェアとの間に乖離が生じるリスクがあると私は考えています。
第2に、後期高齢者医療における金融所得の勘案についてです。本措置は、負担の公平性の観点から、これまた非常に重要であると、妥当な政策であると、私は思っております。
でも、その上で、今回整備される所得の情報基盤を、医療需要あるいは受診行動の分析に活用して、エビデンスに基づく政策形成につなげていくということが重要であると考えています。
あわせて、こうした所得把握の高度化というのは、将来的な、先ほどから少し議論になっておりましたけれども、給付付き税額控除の設計に向けて、私は、これはパイロットケースではないかと、私自身は考えております。パイロットケースとしての意義があるのではないかと思っています。
加えて、第2点目なのですけれども、こうした需要側の分析と併せて、供給側のコストの把握も非常に重要だと思っております。とりわけ、妊娠・出産については、正常分娩が保険収載されていない、現在、フリーマーケットになっているということもあって、医療機関ごとの費用構造の把握が非常に不明瞭になっていると、十分とは言い難い状況にあると。この点が不明確なままでは、費用と便益の観点からの評価が非常に難しい。
したがって、制度設計の妥当性の検証にも限界があると考えています。
以上2点です。どうもありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、ほかに御意見等がなければ、本日の議題は、これまでとさせていただきます。
私事ではございますけれども、この3月で、この本部会を退任させていただきます。皆様方の、この間の御協力に関しまして感謝申し上げたいと思います。
一言、付け加えていきますと、この不確実な世の中の中で、人口構成の変化というのは、
かなりの程度予測できるものでございます。その予測できるものの上に立ちますと、負担をめぐる議論というのは、ますます厳しくなるだろうということは間違いのないことだと思っております。
今回もそうですけれども、この部会におきまして、この厳しい議論の前哨戦という言い方は失礼かもしれませんけれども、適切に御判断いただいたところでございます。
ただ、この厳しさを増す中で、やはり国民の方々の急激な負担の変化というのは、できるだけ避けたいというのも制度設計の1つの側面であります。
他方、変化を一切無視して取り込まないといたしますと、恐らくは医療保険の持続可能性というところが非常に難しくなっていくということも、これまた間違いのないところだろうと思っております。
この2つのバランスを取りながら、国民に納得できるような案というのを、皆様方、様々な方面から知恵を出していただきまして、一発で解決できるとは全然思いませんけれども、その時期ごとに出てくる課題に対して、今後も対応していただければと思います。
本日で私は去りますけれども、今まで委員の皆様方の活発な御議論を賜ったこと、それから、それを支えてくれました事務局の方々に対して深く御礼申し上げます。
これにて、私の退任の挨拶とさせていただきます。どうも長い間、ありがとうございました。(拍手)
本日の会議は、これまでとさせていただきます。
次回の開催日につきましては、追って事務局のほうより御連絡申し上げます。
本日は御多忙の折、御参集いただきましてありがとうございました。これにて閉会いたします。

