社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会(第3回) 議事録

日時

令和8年6月26日(金)15:00~17:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール11C

出席者

構成員(五十音順)
伊奈川構成員
榎本構成員
瀬戸構成員
高橋構成員
玉木構成員
永井構成員
則武構成員
藤森構成員
松原構成員(座長)
山田構成員
吉田構成員

議題

1 社会福祉施設職員等退職手当共済制度に関するヒアリング
2 その他

議事

○山田福祉基盤課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第3回「社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての実施とさせていただきます。
 本日は、構成員の皆様は全員出席となっております。
 榎本構成員、吉田構成員がオンラインでの御参加となります。
 なお、吉田構成員は若干遅れての出席となっておりますので、あらかじめお知らせいたします。
 事務局及びオブザーバーの出席につきましては、配付しています座席表をもちまして紹介に代えさせていただきます。
 ここで報道関係の方に御連絡いたします。冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。
(頭撮り終了)
○山田福祉基盤課長補佐 続きまして、お手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 資料の読み上げは割愛させていただきますが、本日の資料は資料1から4となっておりまして、参考資料は1から5を配付させていただいております。会場にお越しの構成員におかれましては、机上に用意してございます。オンラインにて出席の構成員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。
 次に、発言方法について御案内いたします。
 オンラインで御参加の構成員におかれましては、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は基本的にマイクをミュートにしていただき、御発言をされる際にはZoomツールバーのリアクションから「手を挙げる」をクリックいただきまして、座長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言ください。御発言が終わりました後には、同じくツールバーのリアクションから「手を下ろす」をクリックいただきまして、併せて再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 それでは、これからの議事進行につきましては松原座長にお願いさせていただきます。
○松原座長 皆様、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 早速ですけれども、議事に入らせていただきたいと思います。
 議題1「社会福祉施設職員等退職手当共済制度に関するヒアリング」について、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○小野福祉基盤課長 福祉基盤課長の小野です。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、資料1、関係者ヒアリングについて簡単に説明させていただきます。
 開いていただきまして、1ページ目です。
 本日は、本制度の在り方を検討するに当たり、その実施状況や課題さらに制度を取り巻く動向を幅広く把握するため、前回に続きまして構成員の皆様からヒアリングを行います。
 今回は、事業者団体からは榎本構成員、則武構成員に御発表いただきます。その後、玉木構成員より長期保険である公的年金の仕組みについて御説明をいただきます。
 ヒアリングの実施方法につきましては、資料2から4に基づき、榎本構成員、則武構成員から15分程度、玉木構成員から20分程度で御説明をいただき、その後一括して質疑応答という形で進めさせていただきたいと思います。
 なお、本日のヒアリングに当たりましては、持ち時間の終了1分前のタイミングで事務局からベルを鳴らしますので、御承知おきいただければと思います。
 また、本日の参考資料ですが、第1回検討会での御質問への回答として参考資料1から3を準備しております。こちらはヒアリングの後に御説明する予定です。
 なお、前回お示ししました事務局の資料を参考資料4、5として示させていただいております。
 私からは以上です。よろしくお願いします。
○松原座長 ありがとうございました。
 それでは、ヒアリングを始めさせていただきます。
 最初に榎本構成員からお願いいたします。
○榎本構成員 榎本でございます。日本知的障害者福祉協会の代表で本日参加させていただきます。
 愛知県名古屋市の名東区から今日はお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 私どもとしましては、現場の実情を反映し、提言を行いたいと思っております。
 そこで、5月12日から5月25日、非常に短い期間でしたけれども、会員法人にアンケート調査を行いました。その結果から報告させていただきたいと思います。
 資料の2ページを御覧ください。
 今回のアンケートでは378の会員法人から回答をいただきました。
 3ページの基本情報を御覧ください。法人内での実施事業の内訳です。我々は障害福祉団体でございますので、障害関係の事業のみを実施している法人が287法人となっています。その中でも複数分野の事業を実施している法人も93法人ございました。
 職員の正規・非正規の比率ですが、正規職員1万8980名、非正規職員1万5772名、比率では正規職員が54.6%、非正規職員が45.4%と非正規職員も多く勤務されていることが分かりました。
 4ページを御覧ください。
 退職共済制度への加入の状況ですが、現在加入している法人の割合は97.1%とほぼ全ての法人が加入しており、社会福祉施設の退職金制度として定着していることが分かりました。
 一方で、この97.1%の加入法人のうち、平成28年4月1日、障害福祉事業所への公費助成が廃止となった以降に入職した職員が加入していない制度対象外施設が4分の1を占めておりました。退職共済制度の新規加入者が減少傾向にあり、直近では横ばいになっている一因となっていると推察しております。このような現状が賦課方式の制度で実施している現行制度の不安定化につながっているものと思われます。
 5ページを御覧ください。
 退職共済制度の加入がもたらす効果についてお聞きしました。退職共済制度の職員の確保・定着への寄与についてお聞きしたところ、76.3%の法人が職員の確保・定着に寄与していると回答しました。
 また、退職共済制度の加入により法人が感じている効果についてもお聞きしたところ、採用時における人材の確保が59.1%、次いで採用後の職員の将来に対する安心感が52.3%など、退職共済制度は職員の確保・定着や職員の将来への安心感の保持などの重要な要素として社会福祉法人に寄与していることが分かりました。
 6ページを御覧ください。
 さらなる掛金額の値上げが行われた場合の経営上の影響についてお聞きしました。約9割の法人は、掛金の引上げにより経営に影響があると回答しています。一方で、1割の法人は掛金の引上げにより契約解除を検討すると回答していますが、契約解除の際はそれまでに支払った掛金の払い戻しがないことから、現実的には難しいと推察されます。
 7ページを御覧ください。
 退職共済制度の持続可能性のためにはどこに重点を置くべきかお聞きしたところ、8割以上の法人が給付水準を下げない形での制度の維持を望んでいることが分かりました。一方で、法人の負担を抑制するため、給付水準を下げてでも掛金の上昇を止めるべきと回答した法人は16.6%にとどまりました。
 8ページを御覧ください。
 今回のアンケートを踏まえて、退職共済制度が将来にわたり安定的に運用されるよう、本会として次のとおり提言いたします。
 1.掛金・納付制度の見直しについて。掛金については、人件費や物価高騰の中、経営基盤が脆弱な事業体も多いことから、大幅な掛金の引上げありきの議論は前提とせずに検討していただきたいと思います。
 掛金の納付については、現行の一括納入は特定の月の法人キャッシュフローを圧迫することから、経営の安定化を図るために年間複数回の分割納入などを可能としていただきたいと思います。
 2つ目、支給要件の見直しと給付水準の維持について。勤続1年以上という支給要件が長期勤続者への報奨という退職金の本来の趣旨を薄れさせていることから、現行の1年以上を3年から5年程度に見直した場合の効果について検証していただきたいと思います。
 給付水準については、職員の処遇改善と長期勤続へのモチベーションを維持する観点から、給付水準は可能な限り維持し、ほかの方策による制度の維持を優先して検討していただきたいと思います。
 3つ目になります。制度の魅力発信と加入者の拡大について。新規加入者の拡大を図るためにも、本制度が公的性格の強い安全・確実な退職金制度であり、社会福祉法人で働く上での大きな魅力となることを広くアピールしていただきたいと思います。
 また、障害福祉サービス事業所への公的扶助が廃止となった以降に入職した職員が加入していない法人については、希望する場合には新規加入できる仕組みが可能か検討していただきたいと思います。
 4.福祉人材の確保・定着に向けた処遇改善の流れを止めないよう、一定期間の集中的な公費投入をぜひとも御検討いただきたいと思います。
 以上、4点提言させていただきました。ありがとうございました。
○松原座長 ありがとうございました。
 では、続きまして則武構成員、お願いいたします。
○則武構成員 全国児童養護施設協議会の則武です。よろしくお願いします。
 資料3を御覧いただきたいと思います。
 社会福祉施設等退職手当共済制度の在り方に対して、全国児童養護施設協議会としての意見を御説明いたします。
 まず、スライド2を御覧ください。
 本会では、社会的養護関係施設である児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設の3つの種別協議会において、令和8年5月に会員施設を対象としたアンケート調査を実施いたしました。948施設に案内し、54.7%に当たる519施設から回答をいただいております。
 スライド3を御覧ください。
 3種別合算での加入率は94%となり、ほぼ全ての施設が退職手当共済制度に加入していることが分かりました。
 また、残り6%の未加入施設の未加入理由をスライド4に整理していますが、特徴的な理由としては、児童養護施設では公立施設のため、乳児院では日本赤十字社退職給与規定に沿っているといったものがありました。独自の退職金規定がある、中小企業退職金共済など他の制度を利用しているといった声は全体からすると少数であることが分かりました。
 次に、スライド5、6は退職手当共済制度が人材確保、人材定着・長期勤続に与える効果を記載しています。
 まず、スライド5の人材確保については、約8割の395施設から採用活動の一環として求人サイトや採用説明会で退職手当共済制度への加入をアピールしていることが分かりました。また、退職手当共済制度への加入が採用応募者の増加や内定辞退者の減少、説明会参加者の増加につながっていることも分かりました。自由記述では、本人負担なしで確実に退職金がもらえる安心感が求職者の魅力になっているとの回答がありました。
 次にスライド6、人材定着・長期勤続については、約8割の408施設が退職手当共済制度への加入を職員に説明しており、モチベーション向上や離職率の低下につながっていることが分かりました。自由記述で特筆すべき事項として、社会的養護の現場では、子供たちとの安定した関係構築のために職員の勤続年数が極めて大きなウエイトを占めるため、退職手当共済制度は単なる福利厚生にとどまらず、支援の質を担保する要素になっているということが分かりました。
 スライド7を御覧ください。
 以上のとおり、退職手当共済制度は、職場としての魅力向上や長期勤続へのモチベーションという観点から、人材確保、人材定着・長期勤続に重要な役割を果たしており、社会的養護の現場を守るためには退職手当共済制度の維持・拡充が絶対に不可欠です。
 これを踏まえ、本会として3点を意見いたします。スライド8を御覧ください。
 1つ目は、頻繁な掛金引上げによる現場の混乱を避けるため、長期的な将来推計に基づいた見通しのある運営を行うこと。そして、一定程度の公費を確保してでも制度を維持することです。
 2つ目は、万が一掛金を引き上げるのであれば、独自での単価の増額が不可能な措置費に基づき運営している措置施設であることから、増額分も含めた掛金を確実に賄えるだけの措置費の増額を図っていただくことが必要です。
 スライド9を御覧ください。
 3つ目はこれまでと違う論点ですが、児童養護施設等が実施する児童家庭支援センターや児童自立生活援助事業などの第二種社会福祉事業についても公費助成の対象へ拡充していただくよう、御検討をお願いしたいということです。現在、国の方針に基づき、社会的養護関係施設の高機能化・多機能化が進められていますが、施設が各種事業を展開すると、その多くが第二種社会福祉事業となり、公費助成の対象外となります。新規事業にベテランを配置したくても、公費助成の対象外となるために配置できにくいというジレンマに陥っています。国の進める高機能化・多機能化をより推進するために、第二種社会福祉事業も公費助成の対象としていただきますよう、ぜひ御検討をお願いします。
 スライド10以降は、退職手当共済制度の改善点に関する意見や、掛金が増額された場合、給付水準が引き下げられた場合に想定される影響を自由記述で回答していただいた内容です。お時間の関係上、説明は割愛いたしますが、経営・運営の圧迫や離職率の上昇、他業種への人材流出等、想定される深刻な影響が記載されていますので、ぜひ御覧ください。
 説明は以上です。
○松原座長 ありがとうございました。
 続きまして、玉木構成員、お願いいたします。
○玉木構成員 大妻女子大学の玉木でございます。
 私がこの公的年金の財政に係る検討にどのように関わっているかについてまず申し上げます。私は社会保障審議会年金部会の委員であるとともに、財政検証に先立って行われます経済前提に関する議論を行う専門委員会の委員でもございますので、この専門委員会での議論の進め方、議論のフレームワークを中心に申し上げたいと思います。
 では、1枚おめくりください。
 第2ページ、賦課方式とはというところがございます。
 まず(1)完全な賦課方式とはどういうものかということでございますが、これは毎年の給付総額と拠出総額、つまり、制度に入ってくる資金と出ていく資金が一致する、毎年収支均等する、これが完全な賦課方式でございます。この場合には、毎年収支均等でございますので、残りが出ません。積立金が生じないということです。ということは、積立金というバッファーがない制度であることになります。そうしますと、環境、例えば人口動態、出生、死亡が変動する、あるいは景気・雇用、景気がよくなれば賃金が上がって保険料収入が増える、悪くなれば逆である、そういったことの変化はしばしば思いがけない形で生ずるわけでございますけれども、そういったものに合わせて制度を頻繁に変えていくということが前提になります。
 次のページに行ってください。
 では、積立金がある賦課方式とはどういうものかということでございます。経済が変動した場合、例えば2008年、2009年ぐらいのリーマンショックのとき、大きな雇用の変動がありました。失業が増加したり、人々の賃金が下がったりいたしました。その場合には公的年金の保険料収入が減ります。しかし、だからといって高齢者あるいは遺族、障害者への給付を減らすわけにはまいりません。その場合には、積立金があるがために、バッファーとして機能するがために、安定した給付が実現可能でございます。これがバッファー機能でございます。
 もう一つは、運用益が給付財源を補完するということでございます。保険料は言わば人のポケットに手を突っ込んで強制徴収されるものでございますので、世の中的に痛みが生ずることは避けられないところでございます。
 他方、運用益を獲得する場合には痛みがございません。民主主義のプロセスにおきましては、利害対立を乗り越えた合意形成がしばしば必要でございますけれども、この運用益というのは合意形成が特になくても入ってくるものでございます。積立金で株式を持っている場合、配当が入ってきますけれども、その配当が入ってくるということ自体について民主主義的な合意形成は何も必要ありません。市場での双方自発的な取引の結果として入ってくるお金でございます。こうなりますと、制度の運営が社会的あるいは場合によっては政治的に安定するということが言えることとなるわけでございます。
 次のページに行ってください。
 では、我が国の公的年金制度に積立金があるわけでございます。相当大きなものがございますけれども、それはどこから来たのかについて御説明申し上げます。
 まず、公的年金制度は、そもそもは戦争中からあったものでございますが、これが広く整備されたもの、大きくなったのは昭和30年代でございます。昭和30年代から40年代というのは、いわゆる高度経済成長期でございます。この高度経済成長期におきましては、成長とともに国民の所得が増加いたします。並行して保険料も増加していきます。つまり、制度に入ってくるお金がどんどん増えていくという時代でございました。
 また、当時、高齢者はまずそもそも少ないわけでございます。それと、年金の給付は払った保険料に強く相関する、長く保険料を払った方、より多くの保険料を払った方にはより多くの給付が行く、これが老齢年金の基本的なパターンでございますけれども、当時、制度ができて間もない時点におきましては、長期間にわたって保険料を納付した方は非常に少ない、あるいはいなかったわけでございます。
 このような収支構造でございましたので、保険料は年々の給付に必要な額を大きく超えるものが徴収されておりました。つまり、年金特別会計は毎年の収支が黒字であったわけでございます。
 こういう状態が何十年も続いた結果、また、その間、この運用益は常時運用されておりました。典型的には昭和の時代であれば資金運用部というところに預託されまして、当時の長期金利を得ていた、年金特別会計には長期金利が流入していた、ということでございます。
 このようなことがあった結果として現在の姿になっているわけでございまして、言わば積立金は年金制度の中でつくられたものでございます。したがって、年金制度の外から、積立金の形成のための財政資金が投入されたということはございません。言わば資本金の出資のようなことはなかったわけでございます。
 次のページに行ってください。
 このような賦課方式の公的年金制度でございますけれども、実はこの持続可能性の検証の仕組みというのは平成16年(2004年)を境に違うものになってございます。
 まず、2004年(平成16年)までの財政再計算という仕組みについて申し上げます。これは5年ごとに財政再計算をするということが法律で決まっておりました。財政再計算というのは制度が始まった昭和30年代から、あることが分かっておりました。これはいずれ少子高齢化するだろう、年金給付が増加するだろうということです。これは昭和30年代から分かっていたことでございます。
 そうすると、保険料の設定につきまして2つの考え方がございまして、長期的に持続可能、将来高齢者が増えても持続可能な高い水準の保険料を最初から設定し、それをずっと続けていくというやり方もあるのですけれども、当時はそんな高い保険料を徴収するという国民的な合意の形成には至りませんでした。したがって、それよりも低い保険料でスタートしたわけでございます。
 その際に、5年ごとに保険料と給付の両方を見直すということを制度化したものが財政検証でございます。見直すというのは、含意としましては引き上げるということでございました。だんだん5年ごとの財政検証を経て公的年金制度という制度を大きくしていく、お金の面で大きくしていくということが言わば制度としてビルトインされていたものでございます。ただ、これは払うほうが中心でございますけれども、毎回政治的な大バトルになることは想像に難くないと思うところでございます。
 こういったものを5年ごとに見ている国民はどういう気持ちになるかというと、不安になります。まず、将来保険料がどこまで上がっていくのか限界が見えておりません。それと同時に、将来の給付が確定しているのかと言えば、確定はしていないわけでございますので、何となく不安になるわけでございます。こういった不安を何とかして言わば根本的な仕組みから解消していこうということで、平成16年の改正が行われました。
 次のページに行ってください。
 平成16年におきましては、拠出建て・保険料固定方式への移行ということが行われました。「拠出建て」という言葉が冒頭にございますが、何々建てということは、何々をまず決めてからほかを決めていくという意味でございます。保険料を将来にわたって固定する、お金が入ってくる方を固定し、それを前提に給付、出ていく方を調整していく、入ってくる方に合わせていくというのが、このときに取られた方式でございます。こうすることによって、高齢化が進んだからといって将来の保険料がどんどん上がっていくということではない、青天井ではないということが分かるわけでございます。
 そこで具体的にどうしたかといいますと、少子高齢化が進むことはもちろん分かっておりましたので、それを見越して保険料率を平成29年(2017年)にかけて引き上げていく。階段状に引き上げていって、そこで固定する。現在までその水準が維持されてございます。
 あと、その際に、私は先ほど階段状と申し上げましたけれども、保険料の将来パスを何年に何%にする、引き上げていく途中、何年に何%というパスを明確化いたしました。こうすることによって、どう上がっていくのか分からない、あるいは将来どこまで上がってくのか分からないといった不透明感を取り除いたということでございます。
 次のページを御覧ください。
 こちらを御覧いただきますと、左側は上に厚生年金、下に国民年金の保険料の推移を書いてございますけれども、一番左のほうは制度が始まった頃でございまして、低い水準でございました。それから2004年から階段状に上がっていくわけです。上がっていって、赤い線が実際に取られたものでございますけれども、何もしなかったらここまで上がっていたであろう黒い階段状の線から途中で折れ曲がって水平線になっているわけでございます。それと同時に、赤い水平線に向かいまして上から黒というか濃いグレーの矢印がございますけれども、これは出ていく給付のほうを抑えた、あるいは他の策を講じたということでございます。こうすることによって、要はバランスが取れるような仕組みを2004年の制度改正で講じたということでございます。拠出建てにして将来の保険料に天井を設けて、そこで固定する。少子高齢化が進んだら、給付を言わば減らす方向で調整する。そういう仕組みが決まったわけでございます。
 次のページに行ってください。
 保険料を固定し、給付を少し減らすと申し上げましたけれども、どれだけ減らすのか、どうやって減らすのかというのは、そのフォーミュラを法律の中に書き込みました。保険料は賃金に依存して、賃金の18.3%として入ってまいります。それから、賃金とインフレは強く相関しております。年金給付はインフレ連動であるということは皆さん御存じと思いますけれども、年金制度というのは入ってくる方は賃金の何%という形で入ってくるから、インフレに連動する。出ていく方は給付をインフレに連動させる。両サイドインフレに連動する。だから、インフレに強いのです。インフレがあっても安定的なものになるわけですけれども、この仕組みがあることによって、3行目に矢印でございますが、給付の物価連動、給付の実質価値が維持される。そういう仕組みに制度ができてございます。
 ここで2004年の改正によりまして、赤字の部分でございます。給付の実質カットをフォーミュラとして毎年行うことにしたわけでございます。給付の物価連動をless than full、完全にはやらない、インフレほどには連動させない、インフレよりも低い率でしか名目価値を上げないということでございます。そうすると、インフレのほうが大きく上がって、年金の給付額は少ししか上がらないわけでございますので、給付の実価値は年々下がっていく。こういう仕組みをフォーミュラとして入れたわけでございます。
 では、どれぐらいlessにするのか、どれぐらい実質価値をカットしていくのかといえば、高齢者の余命の伸び、これは高齢者の余命すなわち給付期間でございますので、これが伸びた分と現役世代が減少する分、これは現役世代が減れば保険料が減りますので、それらのテンポで決めていくということになります。
 そうすると、一番下のところに矢印が2つございますが、その上のほう、名目給付の増加率というのはインフレ率からスライド調整率、今申し上げた余命の伸びと現役世代の減少を基にして決めた率を引いたものになるわけでございますので、この分だけ実質価値が下がっていく。そうすると、年金財政の持続可能性、収支均等するという力が強くなっていったわけでございます。
 次のページに行ってください。
 こういう年金制度なのですけれども、こういったものを維持するためには、2004年以降は財政検証、先ほどは財政再計算でございましたけれども、今は財政検証という仕組みに変わってございます。国勢調査・人口推計でこういった新たな情報が入ってくるわけでございますね。特に5年に1度の国勢調査で大きな情報が入ってまいります。それから、時々刻々と労働参加・就業行動などの統計は入ってくるわけでございます。そういったものを基にしまして、経済の長期的(100年後まで)な姿について、たくさんのケースを置きます。
 間違えないでもらいたいのは、経済前提の場で100年間の予測をしているのではありません。そんなものは不可能だから試みません。そうではなくて、こうなったら年金財政はこうなるだろう、こういうケースのときに今の年金制度だったらこういうことが起きるだろうと。これを投影、プロジェクションという言い方をしておりますけれども、それをたくさんやるわけでございます。
 このケース分けというのは、例えば人口動態が出生については低位、中位、高位とございますし、死亡についても低位、中位、高位がございますので、人口動態のケースというのは死亡、出生が3通りずつですので、3掛ける3が9通り、これだけでもできます。それから、経済が活発かどうかというものも何ケースか置きます。前回の経済前提では経済の活発度について4つ置きましたので、4掛ける9の36通りのケースはあるわけでございます。ほかにも幾つか場合分けはございますので、細かく言えばもうちょっと多くなりますけれども、そのようなたくさんの場合を想定してございます。
 次のページに行っていただきまして、それぞれのケースについて、そのような人口動態、例えば死亡中位・出生高位とか、そういった人口動態や経済において現行の年金制度が行われた場合の給付水準、例えば所得代替率などを試算します。
 これを基に制度改正が要るか要らないといったものを議論いたします。こういう制度変更をしたら将来の年金財政、給付水準はこうなりますよという試算がたくさん年金局から示される。これをオプション資産と言っておりますけれども、これを基にして様々な議論を行うということでございます。
 次のページに行っていただきますと、こういったものを定期的に行うわけです。5年ごとと法定されています。5年ごとというのは結構高い頻度だと思っていただいて結構でございます。ただ、これは5年ごとにやっていますが、10年、15年、20年たつと想定から外れることが時々ございます。
 そこにあります表は何かといいますと、2004年の最後の財政再計算のときに置いた数字でございます。縦に第1号被保険者数、厚生年金被保険者数、第3号被保険者数と人々の働き方に応じた区分がありまして、横方向に2005年の数字と2020年の数字がございます。
 例えば真ん中の厚生年金被保険者数を見ていただきますと、2005年の数字として2004年の財政再計算では3699万人と置いてみたわけです。ところが、そのすぐ左隣、実績は3772万人、若干違いました。これが2020年についてはどうかというと、2004年の財政計算当時は3458万人が2020年の数字だろうと置いていたのですけれども、実際には4534万人、1000万人以上上振れたということがございます。右側のほうの第3号、専業主婦イメージのものでございますが、こちらは1000万人強から800万人強と200万人下振れた。こういった変化が起きてくるわけでございます。
 こういったものに応じて様々な制度改正の議論をしていく。これが年金制度の経済前提あるいは財政検証の議論の基本的な進め方でございます。
 こういったものが、今、我々が議論しております共済制度の安定に向けてどのようなインプリケーションがあるかということにつきまして、3つ申し上げます。
 この財政検証あるいは経済前提の議論というのは、公的年金のPDCAサイクルでございますけれども、こういったものが退職手当共済制度におきましても制度化・定期化されることは恐らく施設経営の安定に資するだろうと思われます。制度を取り巻く環境は常に変化していることは年金も社会福祉施設も同じでございます。したがって、年金と同じような、半ば定義によって、様々な適合(制度変更)を繰り返していくことが必要でございます。一回変えたらずっとそれで行けるということでは多分ないだろうと思います。公的年金では5年ごとというのを法律レベルで制度化しておりますので、だから、いやが応でも考えるということが、政府の行動様式になっているわけでございます。
 次のページに行ってください。
 次のページにつきましては、施設経営におきまして、先ほどの御説明の中でも一部出ておりましたけれども、財務上の不確定要素はなるべく早い段階で除いたほうがよろしいかと思います。公的年金の保険料率がいつまで上がるのか、どこまで上がるのか。これに関する不確実性を除去されておりますけれども、先ほどの御説明にもありました掛金の引上げの内容や時期が不確定だと、施設経営には恐らくは大きなストレスであろうかと想像するところでございます。長期的に掛金の引上げが必要ということになったら、スケジュールは早めに決めてしまったほうがよろしいのではないかということでございます。
 年金の経験を申し上げれば、平成16年に13年後の29年までの引上げスケジュールを確定し、そのとおりに行われたところでございます。
 次のページ、最後のページに行ってください。
 これは今すぐということではありませんが、中長期的には制度の収支均衡をなるべく自動的に確保するような調整メカニズムが入ったほうがよろしいかと思われます。退職手当が賃金によって決まる、あるいは賃金と強く正の相関をしているのであれば、掛金と賃金が連動するような仕組みはこの共済制度の財政の安定のための自動的な調整メカニズムとなり得るところでございます。この点、公的年金では保険料、給付、両方とも賃金との連動が高いように設計されている。この点はひとつ参考になるかと思うところでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○松原座長 大変難しい話を分かりやすく御説明いただきましてありがとうございました。
 それでは、ここから質疑応答の時間を取らせていただきます。発表いただいた構成員への御質問等ございましたら、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
 伊奈川構成員、お願いします。
○伊奈川構成員 ありがとうございます。前回は指名されましたので、今日は自主的に発言させていただきます。
○松原座長 助かります。
○伊奈川構成員 お三方からありましたので、全部はなかなか聞けませんので、絞ってそれぞれお尋ねしたいと思います。
 まず、日本知的障害者福祉協会の関係の御説明の中に、同じ法人の中で第二種の事業もやっていたりするということでありましたので、そういう場合は、先ほど人事異動が大変だという御指摘がありましたけれども、第二種のほうで働いている人はこの共済には加入させないというか加入しない。そんなイメージで捉えておけばいいのかどうか、実態のところが分からなかったものですから、お聞きしたいと思っています。
 ほかの報告者の方についても共通の私の関心なのですけれども、同じ法人とか同じ職場で適用者と適用対象外の方がいたら不公平感があって、人事管理上大変ではないかという気もしたりするのですけれども、その辺りもどうなのかなと思っております。2点ばかり教えていただければと思います。
 あと、全国児童養護施設協議会の関係のお話であります。ごめんなさい。第二種はこちらの児童養護のほうでしたか。そういう点で私は勘違いしておりまして、失礼しました。児童養護のほうで二種の公費助成がない形のことについてということで、知的障害の福祉協会の関係は、そういう点では二種、やはり入っている人と入っていない人、つまり、前回のときもありましたけれども、制度が変わったことによってそれ以降の方は入っていないといった場合、不公平感とかその辺りというのは現場でどうなのかなという点が関心事項であります。
 あと、玉木構成員に対しましては2点ぐらいでしょうか。一つは、この制度自体が賦課方式だということでありますので、賦課方式を積立方式にしようとすると、年金の世界では二重の負担問題ということで難しいよねという話がいつも出るわけですけれども、先ほどのお話では段階的に保険料を上げていくような工夫とか、あるいは財政検証的なPDCAが大事だという御示唆だったと思いますけれども、その場合、誰がやるかというのは結構重要なのではないかと思うわけであります。つまり、制度を運営している人、制度の所管をしている、例えば厚生労働省の社会・援護局自体がやるというのもあるかと思いますし、何か第三者機関的なものがあったほうがいいのかどうか、その辺り、何か御示唆があれば教えていただきたいというのが一点であります。
 もう一つは、公的年金の場合は、やはり強制加入だというのが非常に大きいのだと思います。だから、仮に賦課方式であったとしても強制加入だということがあるので将来像を描きやすいわけですけれども、現時点で言えば、任意加入方式だとしたときにどういう工夫の余地があるのか。例えば労災ですと充足賦課方式みたいな形で、将来の部分は今入っている人がその部分を出しましょうねみたいな考え方があるわけですけれども、その辺り、何か工夫の余地があるのかどうか。国の制度でなくても、外国の場合ですと、例えば企業年金とかそういうレベルになってくると、日本もそうかもしれませんけれども、労働協約といいましょうか、全国協約みたいなものでみんなが入りましょうねみたいなことを担保したりしているわけですけれども、現時点ではそういうのもない状態ですので、そういったところで何か工夫の余地があるかどうか、2点教えていただければと思います。
○松原座長 それでは、則武構成員、榎本構成員、玉木構成員の順番でお願いしできればと思います。
 則武構成員、お願いいたします。
○則武構成員 御質問ありがとうございます。
 第二種社会福祉事業が助成の対象になっていないというところの御質問でした。全てを調べているわけではないのですけれども、私の知っている範囲でどうしているかということなのですけれども、まず、この資料にあるベテラン職員を配置したいのに処遇が悪化する懸念から難しさが生じているという部分なのですけれども、児童養護施設は今、地域の子育ての拠点のような一つの役割を得るということで、子育ての相談に乗ったり、ハイティーンの子供たちの自立援助をしたり、いろいろな新しい事業を展開しようとしているところです。
 これはこども家庭庁さんの方針にのっとってというところもあるのですけれども、そういうものをやろうとしたときに、子育て支援をする、自分の地域の子育ての支援に資する、自分たちの施設が何かできるというところで新しい事業をやりたいと思うのですけれども、そういうことをやろうとしたときに、そこに配置する職員を誰にするか。新しい事業を始めるときに、施設の運営管理側としては、やはりベテランの職員をそこに配置して新しい事業がうまく回っていくようにしたいのですけれども、それを始めることによって、そこに配置された職員の退職金について助成がないということが起こるということでちょっと足踏みをするというか、その部分をどうしたらいいのだということになるのです。私の聞いた範囲では、施設の自助努力でそこを何とかして、例えばそこに配置された職員が、あなたは対象になっていないから、あなたもお金を出してくださいよと言うわけにもいかないですし、施設の側が全額を持ち出しの形でお支払いするというような形で対応すると聞いております。
 こども家庭庁さん、もし何かコメントがありましたら。
○松原座長 では、お願いいたします。
○後藤こども家庭庁家庭福祉課長補佐 こども家庭庁支援局家庭福祉課でございます。
 今、則武構成員からお話しいただいた点、確かに国の方針といいますか、こども家庭庁の方針で児童養護施設、乳児院とかも含みますけれども、高機能化・多機能化を推進しているところではございます。
 二種の事業だからといって一概に対象になっていないかというとそういうわけでもなく、いわゆる社会福祉事業等の「等」の中に定められている事業については対象になっているというところではございますが、確かに則武構成員がおっしゃるように事業の内容によっては対象になっていない事業もあるというのは事実でございます。
○松原座長 則武構成員への質問は、もう一つ。
○伊奈川構成員 よく分かりました。私、十分理解できなかった点はクリアになって、それで、ちゅうちょするというのは配属される御本人というよりは、むしろ施設のほうも、あるいは法人のほうもちゅうちょしてしまうと。だから、新しい取組になかなか乗り出せない。そんなこともあるのだという理解をさせていただきました。ありがとうございました。
○松原座長 では、続きまして榎本構成員、お願いいたします。
○榎本構成員 お願いいたします。
 私の資料の3ページで出ました。ここを見ていただきますと、上のほうに(2)法人内実施事業というグラフがありますけれども、①は障害関係事業ということで、これは一種であろうが二種であろうが、平成28年度以降は10分の10支払って、14万8500円支払ってきているということです。
 下の段も同じで、21というところの数字の①障害関係事業、③の保育関係事業とかという同一法人内で保育と障害に分かれている事業をしているところだと、結局、障害の中にも障害児という障害福祉サービスがございます。保育士さんも当然福祉サービスに従事しているわけですけれども、この法人内の移動はまず難しいという声を聞きます。先ほどの一種、二種のお話とよく似ているなと思って先ほど聞かせていただきましたけれども、こういった課題については何とかしてほしいというような要望も会員の中からは出てきていたと思います。
 あと、もう一つが不公平感でしたかね。4ページの資料を見ていただきますと、ここで制度の対象となる職員が皆さん加入しているというのが70.3%、それ以外が一部職員が加入しているというところが25.6%。この25.6%の方々が、平成28年にこの制度がスタートして約10年たって、実は法人の中のいわゆる3分の1でいい職員と10分の10払っている職員の割合というのが、年々10分の10が増えていって、法人のいわゆる支払いが増えていっていくわけです。つまり、3分の1の補助をいただいている年配の職員たちは定年退職していく。そうすると、若手がどんどん増えていく。その占める割合が増えてくると、ほぼほぼ100%になってくるのはますます経営を圧迫するのだろうなということになってくるわけですよね。
 一番心配しているのは、この25.6%の方々は、一部職員が加入しているのですけれども、この一部の職員が皆定年していった後、残りの職員さんたちが加入していないのでもう辞めますとならないかという心配がすごくありまして、そうならないようにしてもらうにはどうしたらいいのだろうということが、先ほどの質問の答えにはなりませんけれども、公平感というよりもまずそこが心配なところでございます。
 実態を調べたことはないのですけれども、この25.6%の中で恐らく何らかの対応をしていらっしゃる法人がほとんどだとは思います。現在の若手職員を確保していくために、退職金はなくても、今の20代にたくさんその分を給料の中に入れますよなんていうようなことをしても、将来的に定年後の退職金を目標に頑張って仕事しようといったモチベーションにつながるような方々もおられると思ったら、やはりこういった不公平感というのはないようにしていくような方向性でやっているのだろうなと私は個人的には思っております。また機会があれば調査していきたいなと考えます。
 こんなことでよろしかったでしょうか。
○伊奈川構成員 結構です。ありがとうございます。
○松原座長 ありがとうございました。
 では、続きまして玉木構成員、お願いいたします。
○玉木構成員 伊奈川さん、先ほどおっしゃっていた第三者機関というのは、積立金を持つことに関する第三者機関という御趣旨でございますか。
○伊奈川構成員 積立金を持つかどうかというのは別としても、定期的にチェックしていくのであれば誰がチェックするのだろうというところを教えていただければという質問です。
○玉木構成員 PDCAサイクルの担い手みたいな話ですね。これにつきましては、年金制度の場合には社会保障審議会の年金部会、それから、経済前提専門委員会というものが極めて公開された形で行われているということでございますし、また、メディアの注目も非常に強うございますので、言わば非常に透明感は確保されているなと思います。
 それから、検証するときに、様々な前提というか置きをするわけです。人口について置く、あるいは経済の先行きについて置く、あるいは人々がどれぐらい就業するか、人々が何歳で仕事を辞めて引退してしまうかといったことについても、ある程度置かないと分からないところはたくさんございますので、これについては、年金の場合には様々なほかの機関、例えば人口動態であれば社会保障・人口問題研究所のデータを使うとかということです。国の中で使えるものは何でも使うというぐらいの体制でやっておるということでございます。したがって、これは年金局だけでやっているとかということではなくて、もうちょっと広くやっているというイメージでよろしいかと思います。
 あと、社会保険でございますので強制加入ですね。これに対して、共済制度は強制加入ではないわけです。だから、皆さん入っていますかというアンケートをするということになるわけでございますけれども、共済というのは助け合うという意味がございますので、これは社会福祉の世界の方々の間での合意形成に大きく依存するのだろうなと思いますし、また、どのような共済制度にすればどのような人材確保ができるだろうかといった現場感覚が非常に重要であろうかと思いますので、これは社会福祉の世界で様々な形で議論していくということにしかならないかなと思います。
 大変難しい問題ではあろうとはございますけれども、PDCAサイクルというのは先ほど申し上げたように一回やったら終わりではなくて、ずっと繰り返していくというものでございますので、今まではずっと現行のやり方で回ってまいりましたけれども、これから様々な変革あるいは環境変化といったものに適合していかないと、皆様の各施設の受益者といいますか、障害の方とか児童の方といった受益者のことを考えるとやっていかざるを得ないわけでございますので、そこは様々な資源、リソースを国中から動員してやっていただきたいと思うところでございます。
○松原座長 よろしいでしょうか。
○伊奈川構成員 はい。ありがとうございます。
○松原座長 ほかに御質問または御意見がある構成員はいらっしゃいますか。ぜひどうぞ。
 永井構成員、お願いいたします。
○永井構成員 ありがとうございます。
 また、今日のヒアリングを受けていただきました構成員の皆様、ありがとうございました。
 お一人ずつ質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、榎本構成員におかれましては、資料の5枚目のスライドの(2)の退職共済制度の加入により貴法人が感じている効果というところへの回答として、4行目の法人独自の退職金積立コスト等の軽減というところを挙げた法人がこの選択肢の中では一番少ないということではございますけれども、これを選択された法人の特徴、例えば小規模のところが選択されたなどの特徴がもしお分かりであれば教えていただきたいと思っております。
 それから、則武構成員におかれましては、スライドの8枚目の意見の2つ目の●に赤い字で「掛金が今後も引き上げられるのであれば、掛金を賄えるだけの措置費の増額が必要」と御提起されておりますけれども、措置費で運営されているという中で、質問というよりは確認ということになりますが、これまで掛金が上昇した際、それに対応する措置費の増額というものはこれまで一度もなかったのかというのをお聞きしたいと思っております。
 それから、玉木構成員におかれましては、積立金のことをお伺いしたいと思っております。今回は資料の冒頭で積立金を保有する賦課方式についても教えていただきましたし、第1回の検討会のときでは、積立金という名前のバッファー、ショックアブソーバーのようなものを持つといったことも一つの考え方ということを御紹介いただいたと記憶しております。そこの辺りはもう少し御見解を教えていただきたいと思っておりますが、この共済制度の現状の加入状況とか支払準備金の残高などの各種の見通しを踏まえた際、今回この共済で積立金を保有するという方法は、この制度の安定化に資するものとしての選択肢になり得るのかということと、この積立金を保有するということは公的年金のように運用するということも前提となるのか、改めて御見解をお聞かせいただければありがたいと思います。
 以上です。
○松原座長 では、榎本構成員、則武構成員、玉木構成員の順番でお願いいたします。
 最初に榎本構成員、お願いします。
○榎本構成員 御質問ありがとうございます。
 5ページで(2)の上から4つ目の法人独自の退職金積立コスト等の軽減というところですが、これは平成28年の4月1日の障害福祉事業所への公費助成の廃止以降どうするのかという議論がどこの施設でもいろいろ活発になったその前の年に、施設の管理者や法人の理事長さんたちが、いろいろな制度を勉強して、最終的にやはり退職手当共済制度がよかったよね、いいよねというところで、再度選択したという経緯があると僕は見ていて、実際にそういうお話を聞いています。
 つまり、この質問に対しては、法人独自の退職金の積立よりも退職手当共済制度を選択したほうがいいと思って選択したのだと捉えていただければいいのではないのかなと思っています。退職金積立コスト等の軽減という部分については、実際には我々障害福祉事業所も公費助成の廃止以前は4万円と、3分の1の負担でしたが、それが今は14万8500円と、非常に高いイメージはあるのだけれども、まだほかの制度に比べてメリットが大きい。こんなところで法人独自の退職金積立コスト等の軽減につながるという回答となったのではないかと私は捉えています。
 以上です。
○松原座長 では、則武構成員、お願いいたします。
○則武構成員 御質問ありがとうございました。措置費の施設ということで、今、措置費という制度で運営されている施設はもしかしてあまりないような気がするのですけれども、入ってくるお金をどのように使うのかというのは大体決められているということになっておりまして、要するに利益を生むということができない。そういうお金の使い方というような運営になっております。
 申し訳ないのですけれども、不勉強ながら、今まで掛金が上がったときに措置費が増額されたかということについての情報を私は持っていないので、厚労省さんか、こども家庭庁さんか、もし情報をお持ちでしたらよろしくお願いします。すみません。
○松原座長 お願いします。
○後藤こども家庭庁家庭福祉課長補佐 こども家庭庁支援局家庭福祉課でございます。
 今、則武構成員がおっしゃったように、端的に申し上げると、措置費自体は施設の運営等に係る事務費、事業費という組み立てで積み上がっているものになっております。
 一方で、この社会福祉施設職員等の退職手当共済事業につきましては、別途補助金がございますので、措置費の中には含まれてはいないという形になります。
○松原座長 ありがとうございました。
 では、続きまして玉木構成員、お願いいたします。
○玉木構成員 まず、積立金を保有するあるいは形成するという点につきましてコメントを申し上げます。積立金というのは、要するに年々の収支の差額の累積、これは絶対そのとおりであります。年金積立金の場合には、かつて高度成長期という時期があって、比較的自然な形で年々の黒字が存在した。それがたまっていったということが出発点にあったわけでございます。
 これからこの共済制度でもし積立金をつくるのだったらということになりますと、それは当然年々の収支差額がなければなりません。あと、その結果何が生ずるかというと、将来において何かしら制度が安定するということでございます。将来の制度の安定といったものを求めて、収支差額をプラスにする時期を一定期間持つ。こういうことについて、共済制度に関わる皆様がどのようにお考えになるかというところになってくるわけでございます。
 それから、持った場合の運用ということでございますけれども、中退共、中小企業退職金共済をやっております勤労者退職金共済機構はかなりの金額を持っておりまして、言わばプロフェッショナルな運用を株式等を含めて分散投資として行ってございます。あるいはWAMさんにおいても保険の制度がございますので、そこで規模は少し小さいですけれども、やはり似たような方法論によるプロフェッショナルな運用をなさっているわけでございます。ただ、これについては規模とか、それから、どのような持ち方をするのかという点については各制度の決め事、合意の問題でございますので、もし積立金を持つということであれば、これも一つ大きな論点として出てくるだろうなと思うところでございます。
○松原座長 よろしいでしょうか。
 ほかにいかがでしょうか。
 藤森構成員、お願いします。
○藤森構成員 榎本構成員にご質問させていただければと思います。資料2の7ページに「退職共済制度の持続可能性のためにどこに重点を置くべきか」という設問があります。これに対して、「職員のモチベーションのため、掛金が増えても給付額(支給乗率)を維持すべきだ」が31.9%、それから、「法人の負担を抑制するため、給付水準を下げても掛金の上昇を止めるべき」が16.6%となっています。この2つの選択肢は、両極の考え方が示されているように思います。「上位2つまで回答」となっていますので、両方選んだ法人もあるのかもしれませんが、それぞれを選んだ法人についてどのような特徴があるのかということを教えていただければと思います。
○松原座長 榎本構成員、お願いいたします。
○榎本構成員 御質問ありがとうございます。
 細かいところまで分析していなくて申し訳ないのですけれども、今の御質問はもしどうしてもということであれば、一回持ち帰って、後日、事務局を通して発信させていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
○藤森構成員 お手数をおかけしまって申し訳ないですが、可能であればお願いいたします。
○榎本構成員 すみません。
○松原座長 お願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。
 高橋構成員、お願いします。
○高橋構成員 日本保育協会の高橋でございます。
 先ほどの則武構成員の厚労省に対する御質問とダブるのですけれども、今回は制度そのものに関する検討会なので、公費助成がどうのという話ではないのですが、確実な知識として得ておきたいのですけれども、先ほど補助金が出ていますというお話だったのですけれども、保育も実は措置費ではないのですけれども、公定価格の給付費としては個別費目の積み上げ方式で措置費とほぼ同じような構成に給付費はなっているわけでございまして、これも掛金の部分については公定価格の中に含まれているとか、含まれていないとか、それは庁費の中に入っているとか入っていないとか、非常にどうなのだというのがよく分からないところがありまして、そこは正確に本当に入っているのか入っていないのかということを一回きちんとしておきたいなと思っておりますので、そこはどうなのでしょうかというのは厚労省さんに対しての質問でございます。
 もう一つは、これは質問ではないのですけれども、玉木先生のほうでおっしゃった、ここは私も前回のヒアリングのときにも申し上げましたけれども、先生の資料の13ページのところですけれども、これから制度を構築、再構築していくに当たっては、経営の予見可能性を高める観点からこういった内容は大変重要であると思いますので、ぜひここのポイントは外さずに検討していただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○松原座長 2つ目は御意見ということで、1つ目の御質問に関しましてお願いいたします。
○大野こども家庭庁保育政策課長補佐 こども家庭庁保育政策課の大野でございます。
 御指摘のとおり、保育所において掛金を出すということになりますと、保育給付の中からお支払いいただくということになろうかと思います。そこが積み上げといったときにどういったところまで積み上げているかどうかというのは持ち帰らせていただいて、確認の上、次回回答させていただきたいと思います。すみません。よろしくお願いします。
○松原座長 ありがとうございました。
 では、ほかにいかがでしょうか。
 山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 玉木先生に、不得手でよく分からないので教えてもらいたいことがあります。年金の場合は5年ごとの定期的に財政検証を行うということでしたが、この視点や取組というのは、退職共済制度ではおおよそ5年のスパンでもって均衡を図るという形で進められてきておりますが、たまたま同じ5年という形にはなっているのかもしれませんが、これは同じような考え方と捉えていいのか、退職手当の5年の財政均衡とここで言っている財政検証のものとは全く別の視点・考え方なのか、そこら辺を少し教えてほしいのですが。
○松原座長 玉木構成員、お願いいたします。
○玉木構成員 年金の財政検証につきましては、検討のタイムホライズンは100年です。今後100年間の年金制度へのお金の入りと出を考える。それを5年ごとにやるということです。だから、例えば2019年の前々回の財政検証ではその後の100年間、その5年後の2024年の財政検証のときにはその次の100年間でございますので、5年ずつずれていく。こういう100年間を見通しといいますか、タイムホライズンとして取り込んで数字を出してみる。これが財政検証でございます。したがって、目先の5年間を特に重視するとかということはございません。100年間を通してどうなるであろうかということが財政検証の成果物ということでございます。
○松原座長 山田構成員。
○山田構成員 おおよそのことは分かりました。11ページの2つ目の黒ポツに、「時間がたてば置いた想定から離れることがむしろ常態」ということで、それで100年のスパンの中でも5年ごとに財政検証を定期的に行っていくということでした。退職手当共済制度においては、おおよそ5年のスパンで財政的な均衡を図るような形でやってきたところですが、私は、今、いろいろな不安定要素や人口動態等を考えたときに、5年のスパンで財政均衡を図るというよりも、10年とかもう少し長いスパンで見ていく必要があると思っていたところです。しかし、ここの説明によるとむしろ長いスパンにすると問題だと受け止めてしまったので質問させていただいたのですが、そういうこととは違うということで認識してよろしいですね。
○松原座長 玉木構成員。
○玉木構成員 これは100年と言うと普通の人はびっくりするわけですけれども、100年というのは今いる国民が死ぬまで、今いる子供たちが100年たったら大体いなくなるだろうから今いる全国民に関わりのある期間を取るとすると、100年がいいだろうというぐらいのところで始まっているかと思います。
 あと、年金制度の場合には、入ってくるお金と日本経済の規模が直結しているわけです。そうすると、ある程度長いスパンを考えたほうが、景気循環は5年間ぐらいバブルだとか、その次の5年間はバブル崩壊だとかということがございますので、あまり短い期間だけ視野に入れてやるというのも非常にぎくしゃくした検証になる可能性がありますので、長く取ろうということになります。
 したがって、例えば財政検証の結果について新聞報道等が出てきますけれども、そこで出てくるいろいろな数字というのは、例えば20年後以降の数十年間とか、そういったところが念頭にある数字なのです。今から5年間なんていう数字を問題にしているのではないのですよ。割と先のほうのかなり長い期間というものを一応置くというところでしているのです。それが5年ごとに繰り返されていくので、実は20年後の例えば20年間という期間は、20年たったら違う数字があるわけです。ですので、来年の景気を予測した数字というのは、来年になれば実績との比較ができるわけですけれども、そういったことは起きないみたいなところがございます。それが年金の場合の財政検証の一つの特徴ということが言えるかと思います。5年とか100年とか、趣旨が分かりにくいところはよく承知してございます。
○松原座長 ほかに御質問等はいかがでしょうか。
 山田構成員、お願いします。
○山田構成員 もう一つ玉木先生に質問なのですが、14ページのインプリケーションの3つ目ですが、「中長期的な課題として制度の収支均衡を自動的に確保するような調整メカニズムを構築すべき」とあります。その場合、「退職手当が賃金によって決まるのであれば、掛金と賃金が連動するような仕組みというのは自動的な調整メカニズムとなり得る」という説明がありました。ということは、現状のこの制度の仕組みは、この点をクリアしているのではないかという受け止め方でよろしいのですか。
○玉木構成員 これは、今年の賃金と今年の給付額がそんなに強くは連動しないと思うのです。例えば今年賃金が上がったけれども、今年退職する人が何人か全然分かりませんよねと。そうすると、今年の賃金と今年の給付総額は必ずしも連動しないです。ですから、私がここで申し上げている退職手当が賃金によって決まるのであればというのが長期的にそうであればということです。長期的にそうであれば、掛金と賃金が連動するような仕組みを置く。ただし、長期的に連動するのであれば、途中で何があるか分かりませんよね。その場合には恐らくバッファーがあったほうがいいだろうというのがございます。
 これは例えば企業が今年の利益で今年配当するというやり方はありますよね。こういうことを私は言っているのではなくて、施設の経営者の皆さん、例えば20代、30代しかいない施設の方というのは掛金を払って、自分の従業員に退職金は来ないではないですか。ですから、そういうこともあるわけです。あるいはこれから施設が増えるのか減るのか、あるいは施設の従業員の方々の年齢構成がどうなるのかといったことはいろいろ変動するわけですよね。そういう変動をするからこそ、何年かごとにPDCAサイクルを定期化しておかないと手遅れになってしまうリスクは高くなるし、それから、掛金と給付総額の関係というのも多分公的年金とは違う関係があるのだろうと思いますので、この制度における掛金と退職金給付の定量的な関係というのはしっかり分析しないと、PDCAサイクルの基盤がつくれないということになるかと思います。
○松原座長 ほかに。
 瀬戸構成員、お願いします。
○瀬戸構成員 榎本構成員に1つだけ質問したいのですけれども、6ページの課題のところで、さらなる掛金の引上げが行われた場合の対応で、特にしない、ちゃんと払いますというところが70%で、御説明の中では解除を検討する10%、恐らくこれは現実的には難しいだろうとお話しされましたが、その他も同じくらいあるので、このその他がどんなような回答があったのか教えていただければ、どう考えているのかを聞きたかったのですが。
○松原座長 榎本構成員、お願いいたします。
○榎本構成員 御質問ありがとうございます。
 その他の具体的なところの質問にはなっていなくて、そのままそのほかということで終わっているものですから、ここを自由記述が何かにすれば、今の御質問に答えることは可能だったかもしれませんけれども、大変申し訳ないのですが、この表のとおりということでお願いしたいと思います。
○瀬戸構成員 分かりました。ありがとうございます。
○松原座長 ほかにいかがでしょうか。
 榎本構成員、お願いいたします。
○榎本構成員 私から、ちょっと変な感じはするのですけれども、今日提案した9ページのところで、制度の魅力発信と加入者の拡大というのが9ページにありますが、出ますか。
○松原座長 出ています。
○榎本構成員 ありがとうございます。
 その下のところに退職手当共済を脱退した法人の再加入制度を検討してはどうかと、我々としてはそういったものは無理だろうなと思ったのですが、もしかしたらそういったものは既にあるのではないのかという御意見もあったりしたものですから、よろしければこの場で機構さんもしくは厚労省の方に、回答できる範囲で構いませんが、教えていただきたいなと思うのですが、いかがでしょうか。
○松原座長 では、事務局、お願いいたします。
○小野福祉基盤課長 事務局の福祉基盤課長、小野です。
 ここで御提案いただいた平成18年度あるいは28年度の制度改正において非加入届を出して一部職員のみ加入させている法人について、希望する場合に再度新規加入できる仕組みをしてはどうかということでございますけれども、ここについては、現在も再度全ての職員を本制度に加入させることが可能です。その手続については、平成18年度または28年度に届け出た非加入届を取り下げるということで可能となります。現在、福祉医療機構のほうにもこの件につきまして毎年数件相談があり、対応しているということでございます。
 私どもとしましては、この取扱いについて十分分かりやすくお伝えするようなことができていなかった面が恐らくあろうかと思いますので、ここについては今後周知していくことが必要と考えております。
 以上です。
○松原座長 よろしいでしょうか。
○榎本構成員 はい。ありがとうございました。
○松原座長 補足があれば。
○小野福祉基盤課長 1点だけ補足をさせてください。
 今の点については改めて届出を取り下げるということで再加入が可能にはなるのですけれども、再加入までの空白期間については、加入期間として算定できないということでございますので、念のため補足させていただきました。
○松原座長 ありがとうございました。
 では、ほかに御意見、御質問があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。ほかに御質問がないようであれば、次に進めさせていただきます。
 議題の「その他」として事務局より説明がありますので、お願いいたします。
○小野福祉基盤課長 福祉基盤課長、小野でございます。
 それでは、議題の「その他」としまして、冒頭に申し上げました第1回検討会での御質問への回答として参考資料1から3を御用意させていただきましたので、簡単に御説明をさせていただきます。
 まず最初に、参考資料1「退職手当に係る就業規則の記載について」を御覧ください。
 社会福祉法人を含め、退職手当の定めを行う場合につきまして、一番上の○でございますが、労働基準法第89条に基づきまして、就業規則においてその計算方法や支給方法等を記載する必要がございます。ただし、この共済制度など、具体的な支給方法を定めている法人外部の制度を利用する場合は、この制度の規定を就業規則と一体のものとして取り扱うことができることとなっています。このため、各法人の就業規則においては具体的な支給方法等までは詳細に記載する必要はないものとされています。
 参考1が今御説明した取扱いについて担当部局から昭和60年に示されているものでございます。
 また、参考2につきましては、本制度を現に利用している社会福祉法人の具体的な就業規則の記載例をお示ししているところでございます。
 続きまして、参考資料2をお願いいたします。中小企業退職金共済制度と本制度の比較についてでございます。
 まず、1枚目の財源方法のところでございますが、こちらの制度につきましては賦課方式ということになっておりますが、中小企業退職金共済制度、以下「中退共」と呼ばせていただきますが、こちらについては積立方式となってございます。
 その下の加入対象のところです。本制度については社会福祉法人を対象としております。一方、中退共のほうは従業員数や資本金といった企業、法人の規模で加入を限定しているものです。
 加入の対象者の条件でございます。本制度については、記載の①、②に該当する正規職員及び所定労働時間の3分の2以上の職員は全員加入となります。ただし書きの部分については、今日何度かお話に出ています18年、28年の制度改正時において、届出を行った場合は以後の職員について加入させない取扱いも認められているということです。一方、中退共の制度につきましては、原則として全員加入でございますが、※のところにございますとおり、下の①から⑥については任意加入になっております。
 2ページ目です。
 掛金についてでございます。
 まず、掛金の負担につきましては、両制度とも事業主が全額負担することとなっています。
 掛金額ですが、本制度は年額で決まっておりまして、中退共のほうは月額で決まっている形です。ですので、それぞれ比較しやすいように換算をしているところです。
 年額のところで見ますと、本制度については14万8500円、保育等の公費助成のある場合は3分の1の4万9500円です。一方、中退共については年額に換算しますと6万円から36万円ということで16段階から選択することが可能ということ。それから、短時間労働者の場合は特例の掛金の設定もございます。
 国庫補助等でございます。本制度については、保育所等について支給に要する費用に対して国・都道府県からそれぞれ3分の1の補助でございますので、この部分について合わせて3分の2の公費助成がございます。
 一方、中退共につきましては大きく2つ仕組みがございまして、新規加入助成と月額変更助成でございます。新規加入助成につきましては、①のところ、新規加入する事業主に対して1年間国が掛金額の2分の1、上限がございますが、これを助成している。月額変更助成についても記載のとおりでございまして、増額する月から1年間増額分の3分の1を国が助成する仕組みがございます。
 最後の3ページをお願いいたします。
 3ページは退職手当金として実際に支給される金額でございます。
 まず、計算方法のところです。本制度におきましては、計算基礎額が退職前6か月の本俸月額の平均に応じて政令で定める額に支給乗率を乗じる仕組みとなっています。支給乗率については、加入期間が長いほど高くなる仕組みとなっているものです。
 一方、中退共におきましては基本退職金と付加退職金という構成になっておりまして、基本退職金は掛金月額と納付月数等に応じて定められ、令和8年時点では制度全体として予定運用利回りを1%として定められた額となっております。付加退職金については、運用収入等に応じて定められ、基本退職金に支給率を乗じて計算されるという仕組みでございます。
 続きまして、支給額の目安のところです。御説明しましたとおり、中退共の制度が掛金額によって支給額が決まり、掛金額が複数あるということで、ここでは便宜上私どものほうの制度の掛金年額14万8500円に一番近い設定のある掛金ということで、月額1万2000円、年額14万4000円の場合の中退共の支給額と比較しているものでございます。
 これも御覧いただいたとおりですけれども、加入期間あるいは納付年数が5年、10年までは中退共の支給額のほうが上回っておりまして、20年、30年、40年と年数が高まるにつれ、本制度の退職給付額のほうが中退共より大きな形になっています。これは御説明したとおり、中退共の制度が掛金額に応じた積立方式により支給されるものであるところ、本制度につきましては、退職前の最終的な給与を算定基礎として長期加入を評価して支給乗率を乗じるという仕組みになっており、それを賦課方式で支えているというところからそのような差が出てくるものと考えています。
 支給方法につきましては、本制度については退職時の申請に基づき、一括して一時金としてお支払いするという方法です。一方、中退共については一時金で一括して支払う場合と分割払いということで、分割払いの場合は、5年または10年に分割して支給・受給することが可能ということです。
 支給条件については両制度とも同じです。
 それから、資金運用については、中退共は、積立方式になっていますので、資金運用に関しては基本方針を作成して、それに基づいて、適正な運用を行うため、機構に資産運用委員会が置かれているということです。
最後になりますが、その他の特記事項ということで、本制度は、これは中退共と同じになりますが、制度に加入している期間が1年以上である場合で、一旦退職してこの制度から抜けた場合、3年以内にまたこの制度に加入するということであれば、退職金の計算に際しては前後の期間を合算、通算することができるということになっています。
 以上が参考資料2になりまして、最後、参考資料3をお願いいたします。
 参考資料3につきましては「加入期間別支給状況について」ということで、これは加入5年未満の方の状況についてどうかということで1回目で御質問があったものを整理したものです。
 まず1ページ目です。加入期間別支給状況のうちの支給金額になりますが、左手の赤い囲みのところです。まず、総支給額が約1400億円になっておりまして、1年以上、2年以上というところが棒グラフで11億、18億という見方をしていただければと思いますので、3年未満となりますと11と18ですので合計して29億円ということで、1400億円全体に占める割合は2.1%ということになります。
 5年未満ということで見ますと、それに3年と4年のところを足して合わせて83億円になります。割合で見ると5.9%ということです。
 最後になります。2ページ目です。
 今度は同じ加入期間5年未満のところを支給者数で見た場合です。1年度当たりの支給者数の総数は約8万2000人です。そのうち、1年目と2年目のところをそれぞれ青と赤で表示しておりますが、青が令和元年度、赤が令和6年度になりますが、令和6年度で申しますと3年未満の者が合わせて2万538人ですので、割合でいくと全体の4分の1程度がここで支給対象者となっているということです。5年未満につきましては、3年未満の方も含めて3万6137人ということで、4割弱の方が全体に占める支給対象者としての割合ということになります。
 私からの資料の説明は以上でございます。
○松原座長 ありがとうございました。
 では、時間は限られているのですけれども、こちらの説明につきまして御質問等あれば挙手をお願いいたします。
 山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 今、参考資料3の説明をいただきました。これは私が前の会議で要望したものをまとめていただいたもので、大変ありがとうございます。
 今後の支給基準の見直しが必要ではないかという意見を前に出させていただきましたが、この数字を見たときに参考にしていく必要があるだろうと感じました。例えば支給金額を見たときに、金額的なものは全体の1400億円から見ると3年未満で2.1%、5年未満ですと5.9%ということで、率的には低いのですが、金額を見ると83億円になるというのは結構な金額だと感じました。
 それから、裏の支給者数を見ると、やはり流動性が高いということを確認できました。これらの点をどう考えて支給基準を見直していくのかということもひとつ課題になるのではないかと改めて感じました。
 感想的なものですが、以上です。
○松原座長 ありがとうございました。
 ほかに。
 瀬戸構成員、お願いいたします。
○瀬戸構成員 私も同じ参考資料3で、我々も前回3年から5年という話をさせていただきましたので、ありがとうございます。やはり83億円は、これをもし支給しないと仮定したときに、掛金は下がるのだろうかというのがちょっと知りたいのですが、下がるのですよね。
○松原座長 事務局、お願いいたします。
○小野福祉基盤課長 ここの部分について支給しなくなれば、当然掛金は下がるということになります。
○松原座長 ありがとうございます。
 条件にもよるのですよね。
○小野福祉基盤課長 正確に説明させていただきますと、今、掛金が1回目の説明をしたとおり、退職者数が伸びていることがありまして、ここ3年、直近でいうと6,000円というようなことで掛金を上げさせていただいていますので、例えば83億円というような支給額がなくなれば、掛金を上げる額を下げるといいますか、緩和するといいますか、そこは全体を計算してみないと分かりませんが、そういう効果が出てくるという意味で掛金は下がるという申し上げ方をしました。
○瀬戸構成員 ありがとうございました。
○松原座長 ほかにいかがでしょうか。
 藤森構成員、お願いします。
○藤森構成員 参考資料2の2ページと3ページのところでお伺いしたいのですが、2つ質問があります。まず一つが、2ページの中退共のほうで掛金の年額が「6万円から36万円(月額だと5,000円~30,000円)」で16段階あって、そこから従業員が選択していくということでした。選択する人が最も多い掛金額は、16段階のどこなのかという点を教えていただければと思います。
 それからもう一つの質問は、3ページの支給額のところになります。退職手当共済制度と中退共の制度を比較すると、御説明にありましたとおり、同じ掛金を支払った場合において、納付年数が10年未満のところは中退共のほうが高い支給額になっていて、20年以上になると退職手当共済制度のほうが高くなっています。特に納付年数の40年のところを見ると、退職手当共済制度のほうが中退共の2倍以上の水準になっていますから、かなり充実した制度になっているのだなと思いました。また、それとともに、全体で見たときも退職手当共済制度の支給額の方が高くなっていると思います。同じ掛金なのになぜこうしたことが生じるかというと、先ほどご説明があったとおり、退職手当制度は勤務年数が長いと、支給乗率が高く設定されていること。それから、退職手当共済制度は賦課方式で支払われているのに対して、中退共では基本的には掛金と掛金の納付年数期間と利回りをかけて積立方式でやっていること。この違いが出てきているのだろうと思います。一方、先ほど公費助成の話がありました。全体的に見て、退職手当共済制度の給付水準が高いという点について、公費助成は影響しているのか、あるいは影響していないのかという点を教えていただければと思います。
○松原座長 事務局、お願いいたします。
○小野福祉基盤課長 まず、1点目の中退共の16段階の掛金のうち、一番多い分布のところは月額5,000円と聞いております。
 それから、2点目につきましては、公費が入っているからというのは。
○藤森構成員 両制度ともに、公費助成が入っていますけれども、中退共のほうは1年間という限定がある中での公費助成だと思います。一方、退職手当共済のほうは1年限定ではないけれども、保育所等と分野は限定されていると思います。公費助成の出し方は両制度で違いますが、公費助成が与える支給額への影響というのはここには出ているのかなとも思って質問させていただきました。
○松原座長 では、局長、お願いいたします。
○鹿沼社会・援護局長 まず、この3ページの左側の社会福祉施設職員等退職手当共済制度のところについては、これは掛金額をそろえるために両方とも14万程度でやっているのですけれども、要するに左側は公費が入っていないものをベースに比較していますので、まず左側はそれが消えている状態でお考えいただいたらいいのではないかと思います。
 また、右側(中小企業退職金共済制度)と左側で、もちろん中退共につきましては国費が入ってはいますが、いずれも例えば1年間とか、非常に限定的な形で入っておりますので、影響が全くないというわけではないとは思いますけれども、限定的な部分があろうかと思っています。
 あとは、見ていただくと分かりますように、中退共の場合は5年、10年、20年、30年と大体比例的に金額が増えていく。そこはまさに先ほどおっしゃったように支給乗率の話があるので、左側のほうは長い年月になれば非常に有利になってくる。併せて言えば、平均加入期間が両方とも10年程度でありますので、左側のほうが非常に大きく見えるのは、結構早く辞めていらっしゃる方が多いからこういう形になっているというのもあろうかと思いますし、あとは、先ほどおっしゃったように賦課方式という点もあろうかとは思っております。
○藤森構成員 ありがとうございます。
○松原座長 よろしいですか。
 では、補足をお願いいたします。
○伊澤大臣官房審議官 審議官の伊澤です。
 補足いたします。御質問に対しては、公費の影響というのは別の側面ではもちろん出得ると思うのですけれども、ここは純粋に入りと出だけの問題ですので、入りと出という意味ではお金に色は正直ございませんので、そういった意味では、この表上においては公費の影響はゼロと考えていただいていいと思います。
○藤森構成員 ありがとうございます。
○松原座長 ほかに御質問は。
 伊奈川構成員、お願いいたします
○伊奈川構成員 まず、資料を用意していただきましてありがとうございました。就業規則はやはりこういう感じかなと思って拝見しました。あと、中退共との比較はすごくよくできた資料だなと思って拝見しておりました。
 テクニカルにはいろいろと聞きたいことはあるのですけれども、幹になる部分だけ教えていただければと思います。まず、今も少し出ておりましたが、支給額のところの支給カーブですけれども、中退共のカーブというのはある意味では緩やかな感じだと思うのですけれども、これは何か基になっているものがあるのかなと。つまり、中小企業の場合はあまり退職金がないから、それを参考にということではなくて、何かをやはり参考に作っているのではないかという気もしますけれども、その辺りがお分かりになったらということが一点であります。
 もう一つは、これも私の不勉強なのですけれども、なぜ中退共は月払いで、こちらのほうは年払いなのかと。何か理屈があったのか、何かの事情があったのか、その辺りがお分かりになれば教えていただければと思います。
○松原座長 事務局、お願いいたします。
○小野福祉基盤課長 中退共の支給のカーブといいますか、それについてはまた担当部局に確認をさせていただきまして、御回答させていただきたいと思います。中退共のほうがなぜ月額かということについても併せて確認をさせていただきたいと思います。
 一方、退職手当共済制度のほうは制度創設来、年額ということですが、年額を一括納付していただくという形式を取っています。これにつきましては、賦課方式になっておることで、年度末で退職されることが多いということで、通常、支給が多くなるのが5月前後からということになります。ですので、制度創設当初は特に準備金等もなく、完全な賦課方式であったこともあり、そこで年額で一括納付していただいた掛金を給付に充てるということがあったということでございます。
○伊澤大臣官房審議官 審議官の伊澤でございます。
 若干補足いたしますと、中退共は何遍もお話に出ていますように個人単位の積立方式ですから、究極、月ではなくても恐らく、事務は面倒くさいですけれども、本人の口座に積み立てていくだけですから、日だろうが週だろうがやってやれないことはないと。
 他方で、私どもの制度は、課長から御説明しましたように賦課方式で、給付が発生しますとその分の原資がどうしてもそのときに必要になりますので、それで5月に一括払いをお願いしているという構造になっていると理解しております。
○松原座長 ほかにいかがでしょうか。
 山田構成員、お願いします。
○山田構成員 今の件で質問です。退手の場合は一括で年度早々に掛金を払います。賦課方式ということで給付の兼ね合いがあるので早いところでまとめて払うことになるのでしょうが、知的福祉協会から一括でというのはなかなか事業所の負担が大きいということで、分割払いにしたほうがいいのではないかというような意見が資料にも載っていました。私もそれを見て、なるほどなと思いました。5月ぐらいというのは、労働保険料やその他いろいろなものをまとめて支払うことが結構多くあります。そしてすぐに夏の賞与が来るみたいなところもあり、かなり出費が多く厳しい時期です。分割は何回にするかという問題もありますが、少なくとも2回ぐらいに前期、後期みたいな形で分けてもらえると、現実的に助かります。しかし、その考えは、今の説明によると給付のことが関係するので、たとえ2回でも3回でも分割は制度的に不可能と考えたほうがよろしいのでしょうか。
○松原座長 事務局、お願いいたします。
○小野福祉基盤課長 もちろん皆様から御意見が出ているところでございますし、この検討会で御議論いただくところだとは思いますが、先程申し上げたところがございますので、なかなか厳しいといいますか、お金が回っていくかということは慎重に考えなくてはいけないと思っています。特に御説明してきていますとおり、今、準備金もかなり少ない状況になりつつある状況においては、より厳しい状況でございます。将来的にそういった準備金等が用意できるような環境になってきた際には、可能になってくるのではないかと考えております。
○松原座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 お願いいたします。
○大野こども家庭庁保育政策課長補佐 保育政策課です。
 先ほど高橋構成員のほうから質問いただいた、保育給付の中に退職手当の掛金が入っているのかということにつきまして、次回回答させていただくということで御回答しましたが、確認が取れまして、措置費と並びで算定されていないということでしたので、報告させていただきます。
○松原座長 措置費と並びでは算定されていないということで、ありがとうございました。
 ほかにありますか。よろしいですか。
 では、本日の検討についてはここまでとしたいと思います。
 次回の開催について、事務局より説明をお願いします。
○山田福祉基盤課長補佐 事務局でございます。
 次回の検討会は7月16日木曜日13時から予定しております。詳細については後日連絡いたします。
○松原座長 ありがとうございました。
 それでは、本日の検討会はここで終了いたします。本日は、お忙しい中をお集まりいただきまして、また、貴重な御意見をありがとうございました。