- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 職業安定局が実施する検討会等 >
- 障害者就労に係る雇用福祉横断検討会 >
- 第2回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会(議事録)
第2回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会(議事録)
日時
令和8年6月22日(月)10:00~
場所
オンライン・対面による開催(労働委員会会館講堂(7階)東京都港区芝公園1-5-32)
議事
○駒村座長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「第2回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しいところ御参加いただき、どうもありがとうございました。本日は、岡本構成員、眞保構成員、永松構成員、中村構成員が御欠席となります。永松構成員の代理として、商工観光課係長、杉安龍二様、中村構成員の代理として、保健福祉部生きがい推進局障がい福祉課係長、清岡晃二様に御出席いただいております。
会場には、叶構成員、神成構成員、倉知構成員、酒井構成員、新保構成員、菅村構成員、田中構成員がお越しです。また、新田構成員は途中からオンラインで御参加の予定と伺っております。本日の検討会は、Zoomによるオンラインの開催と会場からの参加と両方になっております。開催に当たり、事務局から説明があります。お願いいたします。
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。まず初めに、資料について2点ほどお伝えいたします。会場にお越しの皆様には、先ほど当日配布資料として3部ほど資料を机上に配布いたしました。お手元に届いていない場合は、恐縮ですが事務局にお申し付けください。また、オンラインの方には事前にメールにて送付させていただいておりますので、そちらを御確認ください。また、机上配布の資料のうち、構成員名簿が本検討会ではなく別の会議体のものとなっておりました。大変申し訳ございません。
本日も、多くの構成員にZoomを使ったオンライン参加を頂いております。開催に当たり、簡単ではありますがオンラインについて、操作方法のポイントを御説明いたします。本日、検討会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際には、画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局や座長の許可があった後にマイクをオンにして、必ずお名前を名のっていただいてから、御発言いただきますようお願いいたします。
Zoomの操作方法については、事前にお送りしたマニュアルを御参照ください。会議進行中トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしている電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とすることもありますので、御容赦ください。オンライン会議に係る説明は以上です。
○駒村座長 それでは、議事に入ります。頭撮りはここまでとなっておりますので、カメラ取材の方は御退出いただくようお願いいたします。
本日の議題は関係団体からのヒアリングで、対象団体は、NPO法人全国就業支援ネットワーク、公益財団法人日本知的障害者福祉協会、就労継続支援A型事業所全国協議会、全国社会就労センター協議会、全国就労移行支援事業所連絡協議会となっております。それでは5団体より、雇用と福祉の状況変化を踏まえた役割分担や今後の在り方等について、御意見やお考えなどをお聞きしたいと思います。まず初めに、事務局より本日のヒアリングの流れについて、御説明をお願いいたします。なお今日は非常に蒸し暑いので、皆さん状況に合わせて、ジャケットを着脱してください。それでは事務局、お願いいたします。
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日の関係団体ヒアリングについて御説明いたします。第1回検討会で御説明したとおり、本検討会では平成18年の障害者自立支援法の制定以降の、我が国の一般就労の場の進展や、それに伴う福祉施策の利用者像の変化などに伴う、障害者就労に係る雇用、福祉の果たすべき役割の変化を踏まえ、雇用施策・福祉施策の役割分担など、障害者の就労に係る雇用施策と福祉施策の在り方について、検討を行っていくことを予定しております。
これらに関し、関係団体の皆様にヒアリングを行い、幅広く御意見を頂戴したいと考えております。具体的には、資料2の「ヒアリング項目」について、本日御意見を伺いたいと思います。本日は5団体にヒアリングをさせていただきますが、各団体のお名前については、議事次第を御覧ください。ヒアリングは各団体、質疑応答を含めて約20分程度を予定しております。冒頭の10分間で団体から御説明いただき、その後の10分程度、構成員の皆様から御意見、御質問を頂く形で進めます。
各団体の皆様は、御提出いただいた発表様式に沿って御発言いただければと思います。また、ヒアリングの順番ですが、議事次第に記載の順ではなく、今回ヒアリングに御参集いただいた構成員が所属していない団体に先にヒアリングをさせていただき、その後、構成員としても御参画いただいている団体にヒアリングをさせていただければと思います。なお、各団体にお願いしたいことですが、発表後の意見交換の時間を十分に確保し、より良い議論にしたいと考えておりますので、説明時間が10分を経過した時点でベルを1回、12分を経過した時点で2回鳴らしますので、その場合は速やかに意見をまとめていただきますようお願いいたします。事務局からの説明は以上です。
○駒村座長 それではまず、公益財団法人日本知的障害者福祉協会様より、御説明をお願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 それでは御説明をさせていただきます。私は、公益財団法人日本知的障害者福祉協会の、生産活動就労支援部会という所の部会長を務めさせていただいております志賀と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。資料に沿って御説明をいたしますが、団体概要としては記載のとおりになりますけれども、知的障害者の方を、要は研究をしている団体で、今年の10月で92年になるところです。私もまだ生まれていなかったかなというように思っております。全国に6,500か所の事業所がありまして、その中で例えば、入所施設でありますとか児童、その中で就労の所を今、担当しているところです。
資料のまず1つ目の質問です。雇用と福祉の役割分担について、御意見させていただきたいというふうに思います。近年、就労移行支援事業所をはじめとして、就労系の所から一般就労へということで、大変これは加速をしてきているのは事実です。ただ、その一方では、B型の利用者の方ということで、障害の状態によっては、なかなか就職がかなわない利用者の方や、特に長期利用の方になってくると、重度・高齢化ということが大変顕著になってきているというのが、1つ課題となっています。
こういった障害のある方が、例えばライフステージの中で、学校から卒業して就職をしたり、若しくは障害の程度によらず安心して働くためには、雇用と福祉の「役割分担」という視点ではなく、是非、雇用と福祉の「連携強化」という視点が必要ではないかと考えているところです。
それから、こういった障害福祉サービスから一般就労への移行における現状と課題についてですけれども、1つ目としては雇用開始後の6か月間というのは、恐らく集中的な職業生活の支援というものが大変必要ではなかろうかというように考えております。ただ、この6か月間の集中的な支援の中においては、ただ、事業所については、無報酬で今、実は行っているということもあり、なかなか人的な配置も含め十分な支援体制が整っていないというのが現実ではないかなというように思います。ですから、こういった期間の中で、例えば障害者雇用促進法に基づく納付金制度の中から、そういった支援体制に係る費用の支弁というものを制度化する必要がなかろうかということも考えているところです。
また、一般就労によっては今後、加齢による定年や、作業能力の低下による退職、離職といったことが、やっぱり相当数考えられるのではなかろうかと。そのため、退職や離職に向けての何が必要かということを、実は在職中からきちんと考えていって、退職又は離職準備支援について明確化し、それを制度化する必要がないかということも、一方では考えているところです。
質問の2つ目ですが、就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進法制、法定雇用率であるとか納付金制度についてです。1つ目の○である就労継続支援の現状と課題ということについては、A型B型で共通して言えることというのは、実は指定基準上、職種の配置があるのですけれども、その中で生活支援員というものの配置があるのですが、実は報酬上の評価が何らなされていないのが、1つ大きな課題かなというように考えております。
また、事業別で見ますと、A型事業については、昨今の最低賃金の急激な上昇であるとか、石油の高騰などランニングコストの負担が大変大きくなってきております。そのため、事業の継続が困難となって、会員事業所の中でも廃止、若しくはB型のほうに移行をしている事業所も増加しているということもあります。また、一般企業ですと、そういった生産性を向上させてコストを抑えることで、収益性を高めて事業の継続を図っていく方法を採っていくのでしょうけれども、A型事業というのは本来、障害者雇用を守るということが前提にありますので、一般企業のようなこういった取組みということは、大変難しいなというように考えているところです。
それから、B型事業については、長く事業を運営している事業所ほど利用者の加齢・高齢化が進んでいる、また新規の利用希望者についても重度化しているという状況があります。ADLでの支援を受けながら、生産活動を行っている現状を考えていくと、平均の月額工賃のみでの評価、いわば報酬額ではなくて、これも大変限界に近づいているのではなかろうかと。ですから、指定基準上の中に、実は「その他必要な支援」というものが明記をされているのですけれども、これについて具体的な中身がないので、「その他必要な支援」についての報酬上の評価というものが必要ではなかろうかというように考えております。
A型事業所については、雇用率制度の対象となっているということで、納付金制度の支給対象となっていることについてどう考えるかということですが、まずA型事業所というのは、体系としては実際上は雇用されている状況にあるので、障害者雇用制度から除外するということは、例えば特別支援学校の生徒さんを進学率の計算の中から、全体から除外をするという論理と大変似ているのではなかろうかと思いますし、それからA型は、地方では特に、地域において障害者の雇用を支える、貴重な働く場所となっていることも事実です。ですから、単純に福祉サービスということだけで、雇用と福祉を分断するということには大変違和感がありますので、インクルーシブな視点からも、除外すべきではないということを考えているところです。
それから3つ目です。就労選択支援、移行、それから定着支援の効果的な在り方、なかぽつセンターとの役割分担ということですが、個別で見ていきますと、就労選択支援事業というものは昨年10月にできたばかりの事業でもありますが、特に教育機関への周知や連携、理解が十分でないという声が、実は会員事業所の中からも出てきております。一方では、一般高校から実は本事業内容についての問合せや、利用希望ということが出てきているということもありますので、そういった状況に今あるということになります。
就労移行支援については、特別支援学校からの利用者がほとんど今おりません。そのために地方では、多くの事業所が休止をしたり廃止をしている状況です。また、就労定着支援については、雇用の継続を図る上では大変有効的と言いますか、効果的な事業ではあるのでしょうけれども、ただ一方では、受け入れ側の企業であるとか事業所が、この事業についての知識や理解がないために、有効に活用されていないというケースもあります。また、期間が3年間という期限であるために、3年を経過した後にこういった課題、若しくはことが生じた場合に、本人への支援が十分にできないという課題が一方で残っているという形になります。
それから、なかぽつセンターと障害福祉サービスとの役割分担ということですが、本来で言いますとなかぽつセンターは、その所在する地域での障害者の就労に関する、いわばスーパーバイザー的な役割、センター的な機能を持つ必要があるのでしょうけれども、ただどうしても、登録者の方への支援に終始しているというのが多く見受けられます。ですから、就労系障害福祉サービスとの連携がもっと強化できるような体制づくりが必要ですし、ただそのためには、十分な予算の措置と人的配置が必要ではなかろうかというように考えているところです。
御質問の最後になりますが、福祉と雇用の相互往来関係ですけれども、まず対象者には障害の特性に合わせた支援が大変必要ではなかろうかというように思っています。これは、古くは1992年の、授産施設の在り方検討会の提言の中にも、3障害一元化するべきだという話はあったのですが、その中に、障害特性にきちんと配慮することという文言が含まれているということからもうかがえるのではなかろうかと思います。
それから、もう1つの視点としては、必要な支援内容というものは、大変、その時々で絶えず変化していくということですから、福祉にいるときとか、雇用にいるときとかということではなく、そこは大変、何と言うのですかね、シームレスな形になっていくのだろうというように考えています。今日お配りをさせていただいている資料のほうで、1999年の中央児童福祉審議会の「今後の知的障害者・障害児施策の在り方について」ということで、その中で雇用施策との連携ということについて言いますと、知的障害の方が安定して就労するためには、実は生活面の安定が不可欠であるということで、就労支援と生活支援については、総合的に提供されるべきであるというようなまとめがされていますので、そういった意味からも、福祉と雇用の役割ということではなく、福祉と雇用が連携を強化していく、そこはシームレスに支援が可能になってくるような制度が必要ではなかろうかと思いますし、またそれは実際、調整をするソーシャルワーカーの存在も、大変重要ではなかろうかというように考えているところです。以上です。
○駒村座長 ありがとうございました。ただいまの発表について、質疑を行いたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いいたします。なお、発言をされるときには、名前を言っていただき、その後に発言するようにお願いいたします。まず、会場のほうからはいかがでしょうか。一番向こうの神成構成員、次にこう回って行きましょう、お願いいたします。
○神成構成員 自治労の神成と申します。御説明ありがとうございました。私からは報酬上の評価についてお聞きしたいと思います。利用希望者の障害の重度化の状況なども踏まえて、支援内容に対する評価の必要性については理解するところです。また、生活支援員による支援の評価がされていない点についても触れられていますが、現行の工賃中心の評価から、どのような報酬体系に見直していくことが望ましいとお考えなのかお聞きしたいと思います。
また、最後に触れられていた雇用と福祉の連携強化のためにソーシャルワーカーの存在が求められているとのことでしたが、そのソーシャルワーカーはどこに所属をして、どのような活動を行うイメージなのか、イメージがございましたら教えていただきたいと思います。
○駒村座長 志賀さん、お願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 まず、報酬上の所で言いますと、実際、平均工賃だけということではなくて、現場のほうで言いますと、いろいろな支援を行っているところがあります。例えば利用者の方が毎日安定するために、いろいろな相談を受けたりとか、若しくは働いた工賃を今度はどう使うのかというようなところとか、また障害が重い方については、その方の生活面の援助もB型の中でやられている所もありますので、生活全般を支えるようなそういったものの評価を構築、何をやらなければいけないのかというところから始めて、それを明確にするべきかなと思っています。
それから2つ目の質問のソーシャルワーカーのところですけれども、特に就労のところは多岐にわたっていますし、その働き方自体が今多様化していることもありますので、それに特化したような専門家というのは必要だろうと思います。所属をどこにするか大変難しいところですが、今の制度上のところで言いますと、私はなかぽつセンターの中にそうした方がいらっしゃるのが地域の就労支援として安心するのかなという気がしているところです。
○駒村座長 よろしいでしょうか。では、倉知構成員から手が挙がったと思います。お願いいたします。
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。どうもありがとうございました。2点ほどお伺いしたいと思います。1点が、就労定着支援のところに6か月間の話が出ました。現状ではこの話だと恐らく職場適用援助者を活用してということかと思うのですけれども、現行でも制度上はOKなのですが、人を一人配置しなければならないとか、あと手続きが非常に煩雑で、この6か月間、たった6か月間のためにというのはなかなか難しくて、なかなか利用されていないところかと思うのですけれども、それをもうちょっと別の方法でやったらいいのではないかという提案でしょうか。それを1点お願いします。
もう一点よろしいでしょうか。就労移行支援の休止、廃止が多いということですけれども、この理由をどのように考えられているのかなと。例えば地域の就労支援の期待に応えられていないから、信頼されなくて入ってこないのか、それともA型やB型、自立訓練、生活介護のようにそこに行ってしまって、本来就労移行に行く方がそれで来れないのか、そもそももうこれは要らないのか、この辺のところの見解を教えていただけますか。
○駒村座長 志賀さん、お願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 まず、1点目の就労定着のところですが、これは倉知先生おっしゃるような内容で、やはりそこの手立てがまだ十分ではないと考えています。
それからもう1つの就労移行について言いますと、それぞれ地域差というのは大変大きいという気はするのですが、もともとの就労移行の制度上の最初の設計としては、例えば就労経験がない方、特に特別支援学校の卒業生の方をそこで集中的に訓練を行って、一般就労というか、労働市場に送り出すということだったのでしょうけれども、今はどちらかというと、そこがもう即、一般就労をしたりとか、若しくはA型のほうに行ったりとかで、この移行のいわば予想されていた対象者がいないというのが1つ。ただ、もう片方では発達障害の方とか精神障害の方については、やはりこの就労移行事業を活用されている所もありますし、特に、就労移行のところで出口、いわば就職先を大変抱えている、そこにつなげていくような所は、片方で定員をいっぱいにしている所もありますので、事業自体が要らないということではなくて、恐らくその組立て方自体が制度上20年たっていますので、そういう実情と考えたときに少し改革と言いますか、いろいろな変化が必要なのかなと考えているところです。
○駒村座長 少し議論を深める部分もあるかもしれませんけれども、一応、一巡したいと思いますので、会場からはいかがでしょうか。ほかはよろしいですか。すみません飛ばしてしまいました。菅村構成員、お願いいたします。
〇菅村構成員 ありがとうございます。連合の菅村です。高齢化等による作業能率の低下等により退職・離職する方も相当数予想される中で、一般就労からの退職や離職に向けた準備支援について質問いたします。障害者雇用と障害福祉の間でどのような連携があるとよいのか、こちらに制度化を求めるというように記載がございますけれども、もう少し具体的なイメージを伺えると幸いです。
○駒村座長 志賀さん、お願いします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 今の障害者の雇用については大分数が増えてきており、今回ここに記載させていただいたのは、その方々がどうしても退職をする時期が来るわけなので、退職をした途端に、実はまずは1つは収入面が減ってしまう、だから多くの方は障害基礎年金というものを受給されてない方もいらっしゃいますので、退職した途端に無収入になってしまうことも考えられます。そうなってくると、例えば住まいのところはどうしていくのか、今までだと在職中ですのでいろいろな手立て、お給料とか家賃の補填、住宅手当であったりとかで生活できていたところが、退職した途端にその収入が全くなくなってしまう。そうなっていきますと、恐らくはグループホームの利用とか福祉制度の利用につなげていかないといけないだろうと。ですから、在職中にそういう福祉制度があることを理解していただくことが大変大事になってこようかと思います。退職した後の生活ぶりをどう考えていくのかを、在職中のときから私たちはその地域の中できちんと考えていってあげないと、恐らく企業はそこまで面倒は見ないのではないかと思います。ですから、雇用が終わるとき、終わるまでにその辺をきちんと描けるようになっているか、そこをきちんと計画しておかないと大変乱暴だと思うところです。
○駒村座長 会場から、叶構成員、お願いします。
○叶構成員 全国社会就労センター協議会の叶です。非常に分かりやすい説明をありがとうございました。2枚目の上の所ですけれども、B型では長く事業を運営している事業所ほど利用者の加齢・高齢化が進んできていると。そして新規の利用希望者が重度化している状況にあるということで、先ほども質問がありましたけれど、そういう中で、工賃だけでなくて、その他必要な支援の部分、そこら辺をどう評価するかというのが重要かなと、先に説明をしておられましたけれども、もし更にコメントがあれば聞きたいなと。
もう1つが、一番最後の回答の所で、対象者には障害の特性に合わせた支援が必要で、必要な支援内容はその時々で絶えず変化するということで、これも先の重度・高齢化の部分と関係すると思うのですが、企業で就職したときにいろいろな障害のある人たちを受け入れて、合理的配慮をしていく意味でも、本当に雇用と福祉のシームレスな連携が必要になってくるのかなと思います。そこら辺も、どう具体的に作っていくのか、もしコメントがあれば、さっきの質問と似ていますけれど、よろしくお願いします。
○駒村座長 志賀さん、お願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 本日お配りしました資料にもありますとおり、特に私の立場から言うと、知的障害の方の支援という形になろうかと思うのですが、就労支援が独立してあるわけではなくて、生活支援の中というか、生活支援と就労支援が一体的に行っていかないと、その知的障害の方の総合的な支援は恐らくできないだろうと思っています。特に、今回の障害福祉サービスの名称は何かというと、総合的に支援する法律ということになっているわけなので、そうした意味では、就労型だから例えば平均工賃だけでその生産性だけを問うということではなくて、その生活支援のところがあるから働けるということがあろうかと思います。それは何かというと、例えば通所の方法なのかとか、地方で言うと実は路線バスがもうかなり廃止をされていて、今までだと自力で来られてた所が、来られなくなってしまう。若しくは家族の方が高齢化することで、送り出しができなくなってしまうとかいうような実情が出てきている。ですから、その時々の変化のところは実はそういったことなのですね。ライフステージが変わってきている、周りの状況が変わってきていることを勘案できるような支援制度にしていかないと、できる方がもう限定されてしまうということでは、恐らく社会保障という立場で、私はいけないのではないかと考えているところです。ちょっとお答えになっているかどうか分かりません。
○駒村座長 フロアからいかがでしょうか。そうしましたらオンラインのほうでいかがでしょうか。藤尾構成員が手を挙げられているようですので、御発言ください。
○藤尾構成員 志賀様、ありがとうございました。全国就業支援ネットワークの藤尾と申します。多くがなかぽつで構成されている団体なので、私からはなかぽつセンターの役割というところを少しお聞きたいのですが、なかぽつセンター側もやはり基幹型ということで、ここに御提示いただしているような役割をしっかり見習うべきだということで、議論をこれまで重ねてきています。ただ、地域を見ていく中で、結構差があって、特に福祉サービスの担い手が、これまで社会福祉法人やNPOが中心だったところから、営利法人に変わってきたところで、なかなかネットワークが組みづらくなっているという声も一部聞こえてきます。知福協さんから見て、地域の社会資源の横のつながりであるとか、なかぽつセンターが役割を全うできていないのではないかという要因として、なかぽつセンター以外に何か要因として感じられているものがあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○駒村座長 志賀さん、お願いします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 1つは、恐らく地域の自立支援協議会かなと考えています。特に今回、就労選択支援事業で全国でいろいろなモデルケースで実施をされたみたいですけれども、地域の自立支援協議会というものがしっかりと運用されていると言いますか、活用されている所については、就労選択支援事業についてもしっかりとした事業がなされていると聞いております。ですから、なかぽつセンターのほうにそういった意味ではセンター的な役割を担っていただくとともに、やはり自立支援協議会が音頭を取るというか、事務局としてその地域の中での法人格の種類によらず、どのようなネットワークを構築していくのか、それが整備された上で恐らくなかぽつセンターのほうに連携しながら広がりをもたせていくことが理想なのかなと考えているところです。
○藤尾構成員 ありがとうございます。
○駒村座長 オンラインのほうで、ほかに今、手を挙げられている方は、大谷構成員が手を挙げられているようですので御発言ください。
○大谷構成員 お世話になります。育成会の大谷です。知福さんにはいろいろお世話になっております。よろしくお願いいたします。1つだけちょっとお聞きしたい部分で、A型とB型の関係が、現在役割的なものがはっきりしていない部分がかなりあるような感じですけれども、知福さんのほうで回答の部分から見ても、現状で良いではないかというような感じが見受けられますが、やはりもう少し精査していったほうが私たち親の立場としてははっきりするのではないかなというような気持ちもあるのです。その辺について、現状のままでよいのか、もう少し内容がB型はB型、A型の中でもどのようにしたらいいのかというように、知福さんではお考えなのか、もう少し詳しく内容が分かればお願いしたいと思います。以上です。
○駒村座長 志賀さんお願いします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 そうですね、知福協としては、A型の会員事業所は大変減ってきているのは事実で、先ほどお話しましたとおり、事業の継続自体が難しくなってきている。ただ、片方では同じくA型をやっている事業所の中には、例えば以前からある福祉工場から事業を継続している所もありますし、ここは恐らくは最低賃金というものと、それから常勤と言いますか、フルタイムでの働き方に大変こだわってやられている所があります。ただ、それができないために、もうA型事業自体を廃止するというケースが実は出てきているというのが1つです。
それとB型については、いろいろな今は幅が、利用される方が大変多様化しているということもありますので、本来であればそのA型、B型がもう少し、いわばA型の事業の明確化というのは大変大事なのかなと。その役割をきちんと明らかにしていかないことには、今実際A型をやっている事業所の中でも、なかなかそこは分かりづらく困惑している所もあります。ただ、スコアの評価を高くするための事業になりがちなところもどうしてもありますので、福祉協会としては障害者の雇用を守っていくのがA型ということで、部会の中ではそういう話をしているところです。
○駒村座長 オンラインからは、ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。おおむねお時間もきておりますので、続けて、次の協議団体からお話を頂きたいと思います。
就業継続支援A型事業所全国協議会様より、御説明をお願いいたします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会久保寺氏 就労継続支援A型事業所全国協議会、略称で全Aネットと呼んでおります。私は代表をしている理事長の久保寺です。今日は2名で来ております。ヒアリングの報告のほうは、全Aネットの基本問題部会の部会長をされている村木さんのほうから説明を頂きます。それでは、団体の概要については、2015年に悪しきA型の社会的問題に危機感を持って、立ち上げて11年目になります。A型事業所に特化した団体です。現在、会員が271団体あります。ただ、都道府県単位で支部と言っていますが、A型協議会の活動をしていまして、全国で20支部があります。全Aネットの活動内容ですが、セミナー開催を年4回ほど適正な運営理解や、優良なA型事業所の育成を目的に開催をしております。
もう1つ、これは全Aネットの一番大事な事業でもありますが、優良A型事業所、認定事業を行っております。2020年から6回ほどやっていまして、70事業所ほど認定交付を行っております。一般就労が難しい障害者に、A型事業所はなくてはならないという思いで活動をしています。これからも活動していきたいと思っております。私からは以上です。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 それでは全Aネットからヒアリングに対して回答を申し上げます。今日はA型の立場で発言をいたしますので、よろしくお願いいたします。
最初に、雇用と福祉の役割分担ということでテーマを頂いております。(1)近年の状況の変化に7つ掲げております。これはどれも重要な変化と認識しておりますが、時間の関係で一つ一つ詳しく説明することは今回は避けていきたいと思います。
2つ目の雇用・福祉政策の果たすべき役割の所については、先ほどの志賀さんの思いと全く同じですが、役割分担という考え方ではなくて、根っこに障害のある人たちが生涯を通じてどう働いていくのかということについて、制度を前提にするのではなくて、その人たちをどう支援するかということで、「連携・協働」ということを是非進めていただきたい。
前回は、障害者雇用福祉政策の連携強化に関する検討会で御議論を頂いております。その成果として、例えば、選択支援であるとか、あるいは企業就職中の一部の福祉利用であるとか、そういう正に連携のところを進めていただいたと。その前にはなかぽつを作って、これも連携をしていったと。是非、そういう方向での御議論をお願いしたいというのが、一番基本的な問題意識になります。
その上で、雇用・福祉政策の果たすべき役割として、○1○2、1つは当然適切な職場、合理的配慮がなされた職場が必要ということと、もう1つは、生活面も含めて、個別支援計画に基づく個別支援を進めていく。これがいわば車の両輪として必要だろうと思っております。○1は、企業も当然配慮義務がありますし、就労系のサービス、特にA型についても、これは当然配慮すべきことになります。B型ももちろんそのようになっています。〇2は、福祉の役割としてあって、経済合理性の中で動く企業にここまで求めるのはちょっと無理だろうと思っております。その意味で、○1と○2を一体的に提供することが重要だろうと思っております。
もう1つ大事なのは、障害者就労をコストではなくて、日本社会を下から支える基盤の1つなのだという発想で是非、御議論を頂ければと思っております。
次は、一般就労への移行に関する現状と課題についてです。移行の現状としては、皆さんも御承知のように、移行が随分増えております。法定雇用率の上昇もあって、企業の障害者雇用が増え、ニーズ、求人等も更に拡大しております。ただ、1つ留意していただきたいのは、厚生労働省の調査では、一般就労への移行を希望する利用者というのは、例えばA型事業所で言うと、半数の事業所で2割以下なのです。全ての就労系サービス利用者に、そういう状況の中で一般就労を強要する、全部が一般就労を勧めるためのものなのだということは、ちょっと無理があると思っております。
2番目、一般就労への移行の支援に関する就労系サービスの機能と課題。1つ目は、的確なアセスメントによる個別支援に基づいて、利用者の能力を高める。これはもちろん基本ですし、その中で、就労選択支援がこれから大事な役割を果たしていくだろう。2つ目は、仕事体験を積み重ねていく。実際に労働者として支援を受けながら働いていく、ある意味OJTをやっていくことが大切な機能としてある。3つ目は、主に就労移行支援の機能として、具体的にこれはどういうふうに求職活動をするのか、あるいはマッチングや定着のための支援をどうしていくのかというところがある。4つ目が、企業に対する「おそれ」とか、不安があることを軽減する必要があるだろうと。実際に福祉経営の利用者とか家族とか支援員は企業を知らないのです。加えて、最賃がこれだけ上がっているものですから、中小企業に移っても賃金がA型と変わらないし、待遇は正社員ではなくて、非正規とか契約社員になっている。
実は、私は小さなNPOの理事長、A型事業所の理事長をしているのですが、そこで1人企業実習もうまくいって、もう就職目前になったときに、家族が反対をして、それが駄目になったのです。「どうしたの」と聞いたら、1つは、収入が減る。それまで、最賃プラスアルファだったのが、最賃にはり付いてしまっている。2つ目は、正社員ではない、いつ切られるか分からない。3つ目が、支援がなくなる。そういう状況の下では、これは今のA型にそのままいたほうがいいのではないのということで、就職が駄目になりました。そうした点を解決していかなければならない。
5つ目は、利用者の滞留、囲い込みの防止です。滞留の問題というのは、1つは先ほど言った「おそれ」の問題がある。もう1つは、福祉と雇用の制度の逆転現象があります。つまり、精神発達障害者におきまして、雇用率のカウントをされるのは手帳所持者のみですが、就労系サービスについては、それに加えて、受給者証や診断書でOKになっています。そうすると、手帳を持たない軽度の精神発達障害者が、今、A型に流れている。そういう人たちが随分増えているということが、現場の声として上がってきております。
もう1つは、囲い込みの問題です。囲い込みというのは不適当というのは、もちろんそうですが、ただ、A型で今、収支黒字というのを大原則として強く要求されています。その中で、能力の高い利用者を囲い込むというのは、経済合理的には合理性にかなっているのです。政策はやはり経済合理的なものでなければ、結局、実現をしないと思っております。それが(2)の機能と課題です。
一般就労への移行の支援をより充実させるための方策については、2と重なってきますので、2でまとめて御説明をいたします。2に移りまして、就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進法制。実は私ども全Aネットでも、埼玉県立大の朝日先生を座長にして、前回の連携強化検討会のときの障対課長だった小野寺さん、今はもう厚労省を辞められていますが、こうした方々にも入っていただいて、A型事業の在り方研究会を、つい先日まとめました。この資料の提出期限が1か月以上前だったものですから、これに間に合わなくて、今日、大変御無理を申し上げて、席上に「A型事業の在り方研究会報告書」ということで配付していただいております。厚労省の事務方に大変御迷惑をお掛けいたしました。特に、点字が用意できなかったということで、田中構成員に大変な御迷惑をお掛けしたことを、この場を借りてお詫びを申し上げます。
主に、このヒアリング資料を中心にして、一部先ほど配付いただいた報告書に基づいて、それを読み上げるということで説明をさせていただくことをお許しください。
まず、現状と課題ですが、近年の状況の変化は、先ほどのとおりです。2番目の主にA型についての現状と課題は、1つ目は、目的は変わっています。本来、長期にわたり継続して働くということが目的だったのが、最近は、一般就労を目指す実践的な訓練の場ということが強く言われています。それから、生産活動を充実させて、高賃金を利用者に提供したいと考えている所もあります。2つ目は、ちょうど〇1と裏腹の関係ですが、A型、B型、就労移行の対象や目的が不分明になっている。一般就労を目指すのは、就労移行とA型、B型もそういう所が出てきている。先ほど御質問にありましたが、A型とB型の利用者像と事業内容が曖昧になってきている。3番目、経営が困難となり、撤退する事業所が増えてきて、結果として利用者が減っている。2025年に初めて減少しました。昨年末、我々のアンケート調査では、A型事業所のうち1割が今撤退を検討しているという答えが返ってきて、これはかなり危機感を持っております。原因等については時間の関係で省略いたします。その辺はずっと省略して、肝心の(4)、(1)~(3)を踏まえたA型制度の見直しの所を御説明いたします。
ここの所は誠に申し訳ありませんが、報告書で御説明をさせていただきます。報告書の6ページにある「制度見直しの方向性」です。制度見直しの選択肢は、ここでは3つ整理しました。下にあるように、選択肢の1は、現行A型事業の骨格の維持、基本的枠組みを維持しつつ、運用面の改善を進めるというものです。具体的には、長期にわたり継続的に働くための仕事と支援ということと、もう1つ、一般就労を目指す実践的な訓練の場という機能、この2つの機能を明確化にすると。その場合に、運用面等で更に改善を進めていくということで考えております。特に、就労移行支援事業の併用が重要だと思っています。2つ目は、目的別再編。これは一般就労を目指すということと、継続的に働くことに目的別に分けてはどうかということです。3つ目、選択肢の3としては最終的な解決策は包摂的な雇用モデルであろうと思っております。つまり、同じ所で障害のある人も、ない人も一緒になって働く、その中で障害者に対する支援があるというようなことが大切だと思いますが、東京都条例でも、そういうものがありますが、これを制度化することはものすごく大変なことなので、すぐにはできない。ただ、中長期的にはこれを検討して目指していくという方向性が必要かと思っています。
そうした中で、選択肢1と2の所、つまり、現行維持と目的別再編の所では、そこにあるような所が検討のポイントになるだろうと思います。〇1〇2〇3とポイントがありますが、時間の関係で省略いたします。ただ、いずれにしても、制度変更の前に運用面で改善すべきことが多いこと。現状で8万人を超える利用者に混乱が及ばないようにすべきことから、まずは、運用改善を徹底的に進めて、その効果を見た上で、制度の変更を検討することが適当であるというのが、今回の私どもの報告の考え方になります。
運用改善の提言も全部で9提言、いろいろしてあるのですが、時間がまいりましたので、またこれについてはお読みいただればと思っております。私どもの現場として、こういうことが大事だよねということを、一応、網羅したつもりです。さらに、雇用率といわゆるリワークの所についての問題提起もありました。雇用率については、理由はヒアリング資料の中にも入れておりますが、短期的に今すぐやめるということは適当ではないと考えております。中長期的にどうあるべきかということは、この検討会の議論や、あるいはそのほかの諸情勢を踏まえた上できちんと考えるべきだと。特に、企業と福祉就労との関係で連携を強化することと、福祉就労における収支の考え方の所と、その辺を整理した上で雇用率の議論をきちんと進めるべきだと思っております。時間足らずで大変恐縮ですが、時間ですのでここで私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○駒村座長 ありがとうございました。では、ただいまの発表につきまして質疑を進めたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いします。なお、発言される際にはお名前をおっしゃってください。いかがでしょうか。フロアからいかがでしょうか。フロアからの御発言の希望はいらっしゃらない。では、神成構成員からお願いいたします。
○神成構成員 自治労の神成です。ありがとうございました。この間、営利ばかりを目的に不適切な運営をしている就労継続支援事業所について報道がございましたが、自治体の指導監査体制の課題や対応策についてお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○駒村座長 村木さんからでいいですか。では、お願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。先ほどの報告書の後ろのほう、最後の運用面の改善の提言の8を御覧ください。ここは、指導監査とガバナンスの強化という提言です。自治体の指導監査を強化するということが、おっしゃったことに一番効果があると思っておりますが、ただ、今、自治体でヒト・モノ・カネ・ノウハウが足りない、これはけしからんと言ってても話が始まらないので、これが今の状況のように不足しているということを前提としてどうすべきかということを考えるべきだと。その際に、そこの「このため」からありますが、書類等の事前審査の民間専門機関への委託、AIを活用した審査、制度悪用の疑念のある事業所に対する重点監査方式、DXによる情報の共有手法ということで、できるだけ効率的な、効果的な指導監査のやり方を、厚労省が主導をして進めていただきたいと思っております。昨年の秋に出されたガイドラインというのは、大変すばらしいもので、これで一歩進んだと思いますが、あくまであれは書類審査中心のガイドラインなので、そういうのはこれからはAIに任せればいいと思っていて、自治体は実際に現場に行く、現場に行ってどのような仕事をしているのかということを聞く、そして経営者から話を聞く、そこが一番大事だと思ってます。
それからもう1つは、労働市場メカニズムをここにももっと効かせるべきだと。すなわち、障害のある人たちが「ここは変だ」と思ったら転職できるような、あるいはその前にちゃんと選択ができるような、そのような仕組みをもっと強化することにより、普通の労働者と同じなんですが、そういうことによって、労働市場メカニズムでそういう悪い、粗悪な事業所を淘汰していくということは、大変重要なことだと思っています。以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。フロアからはどうでしょうか。倉知構成員、お願いいたします。
○倉知構成員 ありがとうございました。非常によく分かりました。1点だけ、どうしてもお聞きしたいことがあって。私は、障害のある方ない方も含めて、まず普通の職場で働くというのは基本だろうと思っています。でも、障害のある方はそうなると、なかなか企業で働けない方がいて、補完的な政策として、保護的就労みたいな場所を作りましょうというのが基本だと思っているんですね。その中で、今のお話の中でちょっと気になったのが、企業で働けるがA型のほうがいいよという状態が起こっているということをどう捉えるのかということが1つと、では、どうすべきかですね。それから、A型を運営していくためには、仕事ができる方がいてもらわないと困るという、これも1つ企業就労になかなかいけない要因だと思うのですが、この辺りについて、どのようにしたらいいかなとかも、お考えがありましたら教えていただきたいです。
○駒村座長 村木さん、お願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。1つ目はどういったことでしたでしょうか。
○倉知構成員 A型のほうで働いているほうがいい、企業で働きたくない。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 はい、分かりました。現在、障害者雇用のほうで、雇用の質の議論をしておられますが、ああいうふうに中小企業の雇用の質を上げていき、やっぱりここで働くことが自分にとっていいんだよねというふうにしていく、それをきちんと説明していくということが、やはり王道だろうと思っております。
それからもう1つの、囲い込みの問題、これは非常に難しいのですが、これは報酬改定の議論に関わりますがA型が余りにも生産収支の黒字ということに力点を置き過ぎているがゆえに起こる現象ではないかと思います。そこを、生産収支とそれから支援や訓練ということとのバランスを、もう少し取ることにより、もうちょっと支援・訓練に力を入れると。その中には、一般就労に向かうための支援ということも、当然に含まれるというようにするのは、方向性としては考えられると思っています。
○駒村座長 フロアからいかがでしょうか。叶構成員お願いします。
○叶構成員 全国社会就労センター協議会の叶です。御説明、どうもありがとうございました。先ほどの説明の中で厳しい状況の中で、A型で1割の所が辞めたいというお話がありましたが、せっかく雇用されている人たちが働く場を失っていくということにもつながっていくので、その辺の対策みたいなところで、もしありましたら、少しお聞かせいただければと思います。
○駒村座長 村木さんお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。A型がもっと、何というか真面目にやっている所は、ちゃんと運営できるようにするということに尽きるのかなという気がしております。これも先ほど倉知先生にお答えしたことにちょっと似ているのですが、生産収支の面、生産活動の面と、それから支援の面との評価のバランスをもう少しうまく取っていくということだろうと思っています。
そのことと、それから一方で、言わば悪しきA型を徹底的に排除していくということは、両立しうると思っています。
○駒村座長 ほか、フロアからどうですか。よろしいですか。菅村構成員お願いします。
○菅村構成員 御説明ありがとうございました。労働市場メカニズムを働かせることが重要という点について、先ほど全Aネットさんのほうでは優良認定の制度も行っていらっしゃるという話でしたが、障害を持っている方の労働市場というのは、やっぱり小さいこともあり、なかなかそのメカニズムを働かせるのが難しい部分もあるのではないかなと思うので、優良認定を手掛かりにいい所を選ぶという方法もあるのかなと思っておりまして、優良認定制度について、少し伺えればと思います。
○駒村座長 村木さんお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。もう、正におっしゃるとおりだと思います。私どもとして、今年で5年目になりますが、そういう問題意識で「ここはちゃんとした所だよ」ということを認定をしていくということで、進めております。少しスコア方式と似ているのですが、さっきから申し上げているように、我々の認定はそれほど生産に力を入れ過ぎず、生産と支援と両方をバランスよくやってる所を優良としましょうということと、それからオンラインなり実際に見に行って、現場の経営者の方と話をして、その結果を整理をして認定するかどうかということを決めております。
実は残念ながら、まだそんなに広がっておりません。100には達しておりません。もう少し増やしていき、これがA型を選ぶときの1つのクライテリアになっていただければ、おっしゃるようにすごくいいなと、正にそれを目指していきたいと思っております。
○駒村座長 では、オンラインのほうに移りたいと思います。オンライン、いかがでしょうか。新銀構成員お願いいたします。
○新銀構成員 全国精神保健福祉会連合会の新銀でございます。丁寧な御説明ありがとうございます。近年の状況の変化の中で、精神障害者の増加や企業内のうつ病の増加とありましたが、この点については、私どもの団体としても更に支援強化の必要性を感じております。そのために全Aネット様の能力を発揮していく、働く職場、働くために必要な個別支援計画に基づく個別支援が必要というところには大変共感できるものがあります。一方で働くために必要な個別支援がどの程度継続的になされるのか、家族として一番感心のあるところです。個別支援計画というのは、福祉サービスを意図としている言葉なんでしょうか。この点について、何か具体的な御意見があれば教えてください。以上です。
○駒村座長 村木さんお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。今、A型でも過半数が精神障害の方になりました。そういう意味では、これからますます精神障害の方をどうやって利用者としていくのかというのが大事なのですが、残念ながら、きちんと体系的な支援というのができているとは余り思えないし、支援員の質もまだ不十分だと思っております。当然、そういうものを高めていかなければならない。その中で、先ほどおっしゃった個別支援計画というのは、これは福祉サービスの肝の部分だと思っておりますので、これをアセスメントを含めて、きちんとやっていく、1回やって終わりではなく、毎年なり半年に一遍なり、継続的にきちんとやっていき、その上で本人の能力の向上や意向の変化など、そのようなものをきちんと踏まえて、それに沿ったような支援を随時展開していくというように、我々はしたいと考えております。まだ道半ばではありますが、方向性としてはそういうことで思っております。
○駒村座長 オンラインのほうから、ほかはいかがでしょうか。議論も出尽くしてきた感じもありますし、時間ももう来ておりますので、次に進みたいと思います。次に、NPO法人全国就業支援ネットワーク様より御説明をお願いいたします。
○NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 全国就業支援ネットワークの藤尾です。どうぞよろしくお願いいたします。全国就業支援ネットワークは御存じのとおり、その多くがなかぽつセンターによって構成されている団体ですので、そこを中心に話したいと思います。まず、今回頂いているヒアリング項目のうちの、1及び2の1つ目の○までが関連する項目になりますので、併せて御報告させていただきたいと思います。
一般就労の場の増加として文章中に記載がありますが、この一般就労の場の増加をどう捉えるかというところからお伝えしたいと思います。単純に「障害のある方の働く場が増えた」と捉えていいのか。ということから、全就ネットでは議論が進んでいます。「雇用率の達成」のみを目的とした雇用の増加があるのではないかということです。このことが障害福祉サービスの在り方につながっているのではと考えています。本来、「働く力」を身に付けるとなると、実際にその業務に携わる(遂行する)ということが中心になると思います。しかし、近年の就労移行支援事業所や、地域の障害福祉サービスにおける一般就労に向けた取組を見ると、どちらかというと、「企業内でトラブルを起こさない」、「対人スキルの向上を図る」といった「そつなくこなす力」の獲得にシフトしているのではないかと感じています。
一方で、現在は「雇用の質」が問われており、労働政策審議会等でも議論が進んでいます。その過程で、本当に「働く力」を求められたときに、現在の障害福祉サービスがその役目を果たせるのかどうかと考えなくてはなりません。やはり今一度、働くということにしっかりと軸足を置いた福祉サービスの在り方を考えていく必要があるのではないかと感じています。
また、その他のサービス(A型、B型等)に関して言うと、これまで委員の皆さんもお話されているように、役割がかなり不明瞭になっている部分があると感じています。不明瞭になっている最大の要因は、私たちは地域の格差、資源の偏在だと思っています。全ての地域にしっかりと用意をされていれば、それぞれの役割を明確にすることができると思います。しかし、現状を見ると地域に移行支援事業所がないとなれば、その役割を地域のA型であったり、B型が担うことにもなり得るので、現在の地域偏在、特に就労定着支援事業や就労選択支援事業の担い手として位置付けられているであろう就労移行支援事業所の偏在というのは、一刻を争う課題かと感じています。今後この就労系サービスの在り方を考えていく上で、いの一番に「地域偏在への対策」に着手していかないといけないのではないかと感じています。
次に、2番目の○、A型事業所の雇用率及び納付金制度についてです。当ネットワークとしては、就労継続支援A型事業所が「障害福祉サービス」に位置付けられている以上、雇用率及び納付金制度の対象としても妥当ではないのではないかという見解になります。そもそも雇用率は、一般企業において障害のある方が「働ける場」「活躍する場」を作ることを目的としていると思います。A型事業所は障害福祉サービスであり、そこで働く障害のある方は利用者という立場になるので、ここは外したほうがいいのではないかという見解になります。また、納付金制度についても報奨金のうちの結構な割合をA型事業所が受給しています。給付金の本来あるべき活用方法が、障害者雇用に取り組む企業への支援であることを考えると、この対象から外すのが妥当ではないかという見解になります。
それから就労選択支援、就労定着支援双方の事業についてです。まず、就労選択支援事業については、雇用と福祉の連携強化プロジェクトの第1ワーキンググループでの協議から生まれたものと理解しています。であるならば、可能な限り、一律の評価や可能性を提示できる体制を目指すべきだと考えています。第1ワーキンググループでは、アセスメントツールが違っていたり、評価する機関等によって見解が違っていることにより、「働きたい」とどこに相談するかによって評価が異なるという問題がある、というのが確か議論のスタートになっていたと思います。そう考えると、もう少し形をしっかり整えてからやっていくことが必要なのではないかと。理由としては、いつまでに何人の利用、障害保健福祉圏域に1か所設置というような目標を既に掲げられていると思うのですが、在り方が固まってない中でこうした新しい事業が広がっていくことは、最終的に様々な形態が生まれてしまうのではと考えるからです。これまでの障害福祉サービスを見ていると、後に修正を図ることが困難な状況になるのではないかと考えます。この事業はかなり中立、公正な役割を求められていると我々は認識をしておりますので、在り方についてもう少ししっかりと形が固まった段階で広げていくのがよろしいのではないかと考えています。私も千葉市で連絡協議会等を構成してこの事業の取組を見守っている側ですが、毎回いろいろな課題が生まれ、この状態で走らせていくことが本当に妥当なのかどうなのかということは、日々、疑問を持っているところです。
就労定着支援事業については、原則3年間という上限を置いていることを踏まえると、やはりこの3年間でどういう到達点を目指していくのかということがより明確になっている必要があると思います。そのためには段階的支援のモデルケースを提示する等、本事業の目指す方向性を今以上にしっかりと提示をしていただく必要があるかと思います。そして、やはりこの事業は生活支援であるという基本を考えると、企業の雇用支援としての定着支援事業となっている現状には若干違和感を覚えます。スタート当初、そのような色合いが強かったと思いますが、今は企業が様々な方法で障害者雇用に向けた取組をされています。以前と比較すると、「会社でのことは会社で何とかするから、生活は何とかしてね」という企業のニーズが増加していると感じます。働く方の「就職に伴う生活の支援」にしっかりと軸足を置いた支援に移行していくことがとても重要ではないかと思っています。
次に、就労系福祉サービスとなかぽつセンターの役割分担です。これは先ほども話しました障害福祉サービスの偏在というところに大きく起因するのですけれども、なかぽつセンターの圏域ごとの役割というのは非常に様々です。3年間モデル事業を全就ネットとしてやらせていただいて、各圏域での取組を見た上で、そのように感じます。我々なかぽつセンターがやらなければいけないのは、地域の社会資源がどういう状況にあるのかを把握をすること。それからその地域の中で何を求められているのかということと同時に、効率性、公平性をしっかりと踏まえた上で、地域に必要なものを展開していくこと。先ほど志賀さんの報告の中で、自立支援協議会との連携というのは、正にそのとおりだと思っていて、地域の福祉それから雇用就労を担うところの中枢にしっかりと関わりながらやっていくことが必要になるかと思います。役割分担というよりは、協働に近いのかなという感覚です。
それから、雇用と福祉の相互往来の所ですけれども、今一番課題として感じているのは障害者雇用が広がったとはいえ、重度の方がより働けるようになったかと聞かれると、やはり?が付くと思います。そうすると現在重度の方を対象としては、「重度障害者等就労支援特別事業」が用意されていますけれども、こちらは市町村の実施(手上げ)によっているところがありますし、JEEDの助成金との兼ね合いもあるので、本人からの手上げだけで利用できるというような制度にはなっていないと思います。こちらの在り方を検討していく必要があるのかなと考えています。
一方で、この相互往来の中で連携強化の第3ワーキングで挙がっていたものの1つに、「ソフトランディングの退職」という議論があったと思います。これに関してはやはり一定程度議論が必要であると感じています。障害者雇用をしている企業に対して、第三者の評価が入り「この方は福祉に移行するのが妥当」というのは余り望ましい形ではないと思っています。在り方についてしっかり検証していくことが必要ではないかと思います。
最後に、その他として伝えさせていただきます。現在の福祉施策及び雇用施策ですが、障害のある方が将来どのように生活していくのかという「経済的なこと」まで、今後は検討が必要だと思っています。現状、生活保護になるかならないかという2択になってしまっているのではないかと思いますので、例えば、障害福祉サービスを利用している、B型を利用している、A型を利用している人が、将来、経済的な自立に向かっていく等の議論を、今後どこかのタイミングで進めていただけることを期待して、私のヒアリングの回答に代えさせていただきます。以上になります。ありがとうございました。
○駒村座長 どうもありがとうございました。それでは、次に入りたいと思います。ただいまの発表につきまして、質問のある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。フロアのほうからはどうでしょうか。酒井構成員、お願いします。
○酒井構成員 構成員の酒井です。藤尾さん、どうもありがとうございました。2点ほど質問させていただきます。1点目、移行支援事業所の状況についてお話をされておりましたけれども、その中で、1つはプログラムとして対人トラブルの回避やコミュニケーション面の、そういうプログラムに重きを置きすぎていて、要は基本的な職業準備性というところはもう少ししっかりやっておくべきなのではないかと、そのような意見だったのかなと思うのですけれども、それで間違いなければ、そうした場合、今、そういう移行支援事業所も対象者が精神発達の方がメインになってきて、どちらかというと、その人たちのニーズがやはり今申し上げたような対人トラブルへの対応やコミュニケーション面のことをもう少し身に付けたい、仕事はできるのだというようなニーズの方々がたくさんお越しになると思うのです。一方で、企業に就職した後、何らかのいろいろなトラブルで、企業からのSOSも、どちらかというと仕事はできるのだけれどもこのコミュニケーション面や対人でのトラブルで困っているのだと、そのような声、SOSで、定着支援や職場の支援に入ることが結構あると思うのですけれども、この辺りをどう考えるべきなのかということが1点と。
それから、もう1つは就労移行支援、やはり地方ではどんどん減っていっていますけれども、その地域格差の是正は一刻を争うというようなことがあります。これは、リソースがなくなっていっているということへの危機感でおっしゃっているのならば、もし何か案があれば、ここはどう改善していくべきなのか、具体的な案があれば、また教えていただきたいなと思います。以上です。
○駒村座長 藤尾さん、お願いいたします。
○NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 ありがとうございます。まず、1点目です。1点目については、利用者のニーズもさることながら、恐らく、今、酒井構成員が言われた企業のニーズのところだと思うのですね。労政審の雇用の質の話に言及したのは正にそこで、これまで進んできたこの十数年の障害者雇用が、どちらかというと働く力よりもそこでトラブルを起こさない人を求めると。その裏に何があるかというと、仕事としての役割を期待していない雇用もそれなりの量私はあると感じています。要は雇用率のために雇用をする、仕事はそこそこでいいよと。特に大勢の方を一所で雇うケースの場合には多いのではないかなと思いますが、このニーズが今後「実際に働いてくれる人」に移行したときに、今のその移行支援事業所等のプログラムがこれでいいのかと。
更に言うと、御本人のニーズというのが、本気で働くということを前提にしたものになっているのか。そこに向かっていくときに、必要なことを一緒に考えていこうというスタートラインに立っているかというところが大きいと私は思っています。このことを痛切に感じさせられたのが、中小企業の方々と意見交換をしているときに、「移行支援事業所から来た人はもたないんだよ」という言葉を聞かされた時です。むしろA型など、実際に作業している所から人を雇ったほうがいいということを、結構な数の中小企業の方から耳にする機会があったので、働く力というのが何なのかということを再考する必要があるのでは、というところでここに記載させていただきました。ですから、酒井さんが言われたような認識と同じで、そういったつもりで発言をさせていただいています。
それから、2つ目の地域偏在のところです。これは、現行制度での対応が難しいのであれば、制度そのものも今後考えていかなければいけないのかなと思います。人口が少ない所でどのように支援事業を展開するのか、あるいは多い所でどうするのか。営利法人に関していえば、人口の集中している所に支援事業所が集中しているような状況なので、この状況の打開に関しては、ある程度行政が主導で進める必要があると思います。恐らくB型などでは、大阪でやられていると思います。逆に、人口が少ない等で事業展開がしづらい所、そういった所では今回定員が10名でもという対応をしていただいていますが、更に踏み込んだ事業展開の在り方というのを皆さんで考えていかなければいけないのではないかなと考えています。以上です。
○駒村座長 フロアからいかがでしょうか。では、倉知構成員。
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。すごく具体的で現実的な話をありがとうございました。2点ほどお願いしたいのですけれども、1つは、就労選択支援のところでツールの話をされていたのですが、私はやはり現実的に支援力の問題かなと、ツールを使いこなすことができない人が非常に多い。定着支援も同じで、やはりあるべき姿のモデルをどれだけ皆さんに提示できるか、こういうところの普及がやはり大事なのかなと、藤尾さんの話を聞いて思ったのですけれども、それで合っていますかというのが1つ。
もう1つは、酒井構成員と同じで、移行支援のところで、その準備性については余り就職に向けて効果がないということを研究でもかなり言われていて、ではどういうものが効果があるかというと、職場で個別に支援することだということがやはり実践や研究でかなり言われていて、これをどう実践していくのかということが問われているのかなと私は思いました。
そして、もう1つ。地方で就労移行支援事業所がどんどん減っているというところは、私はニーズがないと思えなくて、人が住んでいるわけですから。やはり私は、職場をきっちり探しきれていないし、職場と本人をきちっとつなげるような濃厚な支援がされていないのではないかなと。都市型でやられているのはそういうことをしなくても就職にうまくいくのですけれども、地方ではそれをきっちりやらないとやはり難しいのですね。そういうことができる人材がどんどん減ってきているのか、これも支援力の底上げがやはり本当にこれから求められてくるのかなと。そういうことをしないまま、幾ら制度を作っていっても同じことになるのではないかなと思ったのですけれども。いかがでしょうか。
○駒村座長 藤尾さん、お願いします。
〇NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 ありがとうございます。1つ目は、倉知構成員のおっしゃったとおりです。移行の中の、今お話されていた準備性が余り意味がないのではないかというところなのですけれども、準備性というのが何かプログラム的なことや作業的なこととなるとそうだと思うのですが、何かこう、コンフォートゾーンの変化という言い方をしたらいいですかね。ここのゾーンにいるときは自分は安心して動けるけれども、ここに少し負荷が掛かるとそこでは対応しきれないという、それで行くのが嫌になるとか、もう対応ができませんという、このゾーンの変化が僕は必要だと思います。やはり働くというステージは、学齢期であったり、障害福祉サービスを利用しているときとは全く違うステージだと思っているので、そこで、もちろん仕事自体はそこで教わりますし、職場の環境を調整していただいてお互いにやっていくのですけれども、その大前提となる、例えば「働きたい」とか、「働く上ではこれぐらいは必要だよね」ということの共有は、僕は必要だと感じています。そこは、恐らく先ほどチラッとお伝えしたのですけれども、中小企業に行ったときに、中小企業は働いてもらいたいですから、A型の人のほうが使えるみたいな話とつながる部分ではと感じました。
それから、地域には絶対にニーズがあるはずというのは正しくそのとおりで、それが先ほどお話した今の形態にとらわれない地域型の何か制度が必要なのではないかというところになります。本当に地域は様々なのです。千葉県内で見ても、人口が少ない地域とそうでない所でかなりの差があって、人口が少ない地域では、求人が少ない反面、小さな社会なりの強みがあります。支援者が地域のみんなと知り合いですから、知り合いの所で雇ってくれないかみたいな、企業の開拓業務から入っていったり、お寺さんが相談機関の役割を担っていたり、そのお寺さんと連携しながら支援をしていたりとか、地域のネットワークを上手に使って支援をしているのです。でもこれらの支援は、これは今の障害福祉サービスに乗らないものになります。やはりその地域型の何かサービスということを考えていかないと、単純に今の制度に移行支援事業所が増える増えないという話では対応が難しいのかなと感じています。
○駒村座長 フロアはよろしいでしょうか。叶構成員、どうぞ。
○叶構成員 構成員の叶です。藤尾さん、ありがとうございました。先ほどの説明の中で、一般雇用の拡大は純粋な労働力需要の増大によるものではないと、法定雇用率への対応というか、そういうことによる義務的動機がもたらした結果であるというように言われていました。その辺のいわゆる雇用の質の問題というのはとても今重要で、私は危機感を持っているわけですけれども、雇用はされたけれども仕事がない、あるいは全然力を発揮できないなどですね。これは雇用の現場だけではなくて、福祉サービスでも同じような状況が出てきていて、ここら辺をどう考えるかというのは本当に重要で、障害のある人にとってどうあるべきなのか、どうしていったらいいのか、今後雇用の質をどう大切にしていくかというようなところで、藤尾さんからコメントがあれば、一言聞きたかったなと思いました。
○駒村座長 藤尾さん、お願いします。
○NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 ありがとうございます。多分、これは労働政策審議会でこういった議論をされていく内容なのかなと思うのですけれども、今、叶さんがおっしゃられたように、やはり障害者雇用というのは若干いびつだと思っています。通常であれば求人・雇用というのは仕事があって初めて発生するものであって、そこから人を雇う、人を募集するということになりますが、現状の障害者雇用の世界では雇用率が上がるから人を雇うという、後から仕事を考えるという企業が少なくありません。このこと自体が障害のある方御本人だけではなくて、企業を大変苦しめていると感じます。さらに、そこに入る支援者も悩ませる最大の要因になっていると思います。
この場での発言としてふさわしいかどうか分からないのですけれども、僕はこのまま雇用率が自動的に上がっていくのが本当にいいのかどうなのかと、一旦どこかで質を担保してから、雇用の拡大ということに取り組んでいくということも考えたほうがいいのではないかなと思っています。その大きな理由としては、これまでしっかり障害者雇用に取り組んでこられた企業であってさえも、雇用率が上がりすぎたことによって、「ちょっと真面目に考えていたら、もう、やっていられないよ」というような状況になってしまい、余り望ましくない雇用や、サービスを利用してしまうのではないかと考えるからです。やはり叶さんがおっしゃられたように、しっかりと仕事がある、そこで活躍をしてもらいたい、その上で必要なサポートを皆で考えていくという、この図式がもう少ししっかりするということをみんなで目指していったほうがいいのかなと思っています。ちょっとお答えになっているのかどうか分からないのですけれども、以上になります。
○駒村座長 では、オンラインのほうからいかがでしょうか。よろしいですか。いらっしゃらないようなので、次の御報告に進みたいと思います。全国社会就労センター協議会様より御説明をお願いいたします。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 全国社会就労センター協議会副会長の鈴木でございます。本日は発言の機会を頂きまして、誠にありがとうございます。それでは、資料に沿って説明をさせていただきます。
私ども全国社会就労センター協議会は、昭和52年の設立、ですから、来年度は設立50周年を迎えることになります。その設立以来、働く意欲がありながら、一般就労の難しい方々の「働く・くらす」を支えるため、全国1,282の会員施設、事業所とともに活動を続けてまいりました。会長は、この検討会の構成員でもある社会福祉法人キリスト者奉仕会理事長の叶義文が務めております。本日は事前に頂戴している議事録に沿って、現場の実態に基づいた私どもの意見を報告させていただきます。
ページを進めます。まず、1点目のテーマです。雇用と福祉の役割分担についてですが、昨今、障害者雇用数や一般就労の場が増加している。これは非常に喜ばしいことであるというように思っております。一般就労を希望する障害者への支援の充実が重要であることは言うまでもありません。
しかし、その一方で法定雇用率の達成だけが目的化され、雇用の質が置き去りになっていないかという強い危機感も持っております。障害者が力を発揮できているか、適切な合理的な配慮がなされているかといった雇用の質こそが、本来重視されるべきではないかというように思っているところです。
これに関連して、障害者雇用促進法の理念に反する、いわゆる「障害者雇用代行ビジネス」、これについては実態把握を進め、不適切なものについては厳格な制度的対応を講じるべきだろうというように思います。また、企業がこうしたビジネスを選択せざるを得ない状況をなくすため、多額の費用負担が有効活用されるような制度設計の見直しを強く求めたいと思います。
また、一般就労への移行が重視される余り、見落とされがちなのが一般就労から福祉への移行の受皿です。障害の重度化や高齢化が進む中、一般就労が難しくなっても働きたいと願う障害者を就労ケア、障害福祉サービスでしっかりと受け止めるための雇用と福祉の連携というのが不可欠であろうと思います。
ここで地域生活における深刻な事例を1点共有したいと思います。企業で65歳の定年を迎えた障害者が、その後も働く場を求めて就労継続支援の利用を希望した際に、自治体からは支援決定が下りずに介護保険の利用を勧められることがあると聞きます。しかし、介護保険では要支援判定もなされず、就労継続支援も利用できずということになってしまい、結果として所得が不足して、生活保護の受給に至ってしまうということがあるそうです。これは尊厳のみならず、我が国の財政面にも悪影響を及ぼすものであり、雇用と福祉のはざまとなる人をなくすための改善が、これは急務であろうというように思っています。
2つ目に、就労継続支援の在り方及び雇用率制度の普及制度について申し上げます。私どもが会員を対象に行った令和7年度社会就労センター実態調査の結果によると、A型利用終了後の活動場所としては、27.4%が企業へ移行をしています。利用者の平均年齢は、A型が44.8歳、B型が45.1歳と高年齢化が進んでいます。さらに、障害支援区分3~6の利用状況を見ると、A型が15.1%、B型が46.9%となっています。
このようにA型は一般就労への移行を進めている一方、B型利用者の約半数は、本来、生活介護の対象となる重度障害者というようになっています。一般就労における合理的な配慮だけでは対応し切れない障害者にとって、公的支援を受けながら社会参加できる就労継続支援というのは絶対に失ってはならない場となっており、賃金や工賃向上と社会参加を更に進めるためにも、人員配置や支援体制の充実が必要です。
一方で、就労継続支援における支援の質の担保も、また極めて深刻な課題となっています。近年の事業所数の急増は障害福祉サービス費用の急伸を招いていますが、その裏で報酬や営利のみを目的とした不適切な事業所の参入が相次いでいます。就労移行支援体制加算の不正請求や異常な伸びを見せる在宅支援の適正化など、モラルハザードを起こさせない仕組み作りが喫緊の課題となっています。自治体による適切な事業者指定ですとか、指導監査の強化、指定に係るガイドラインの普及を強く求めます。
なお、A型の利用者について、雇用率制度や納付金制度等の支給から除外をすべきか否かという議論がありますが、私どもは除外すべきではないという立場を取っています。A型の利用者が労働基準法第9条に基づく雇用契約を締結している労働者であり、雇用保険料も支払っています。これらを算定式や調整金・報奨金の支給対象から除外することは、労働基準局長通知の内容とも矛盾をしています。調整金・報奨金や特定求職者雇用開発助成金は、障害者の雇用を担うに当たって支給されるものであって、障害福祉サービスに対する対価である報酬とは趣旨が異なるということを踏まえていただきたいというように思っております。
3つ目に、就労選択支援・就労移行支援・就労定着支援について申し上げます。新設された就労選択支援は、地域の中で働き方を自己選択するために重要な制度です。だからこそ特定のサービスへの誘導を前提とすることがあってはなりません。中立・公平性を欠く事業者の参入は、障害者の適切な選択を阻害するもので、公平性を担保する仕組みを構築すべきであるというように思います。
就労移行支援においては、高い就職実績を上げる事業者ほど経営が厳しくなるという現行の基本報酬の見直しが不可欠であると思います。また、標準利用期間の取扱いが自治体によって異なり、再チャレンジのための再利用が難しい事例も散見されるため、運用の適正化も欠かせません。
就労定着支援については、利用者負担が利用の抑制や敬遠につながらないよう、制度を見直し、利用開始に必要となる計画相談についても円滑に利用できるよう、体制整備が必要です。
そして、これら障害福祉サービスとなかぽつセンターなどの関係機関が連携を強化し、サービス利用の終了や離職に至ってしまった場合でも継続して再チャレンジができる支援体制の構築が必要となります。
最後に、福祉と雇用の相互往来関係について申し上げます。加齢等に伴い、企業での働き方の見直しが生じた際、企業側の都合で安易に退職を勧め、就労系福祉サービスへ移行させるような動きが見受けられます。これらを防ぐためにも、関係機関等と連携する仕組み作りが必要です。同時に一般就労中の障害者が一時的に不調となった際、離職を避けるために、就労系サービスを一時的に利用できるようにするなど、雇用継続に向けた柔軟な相互往来の仕組みが必要とされています。
終わりになりますが、セルプ協は重度の障害者の重度化・高齢化という直面する課題に対応しつつ、全ての障害者が働くことを通じた社会参加を実感できる社会を目指しています。私からの意見は以上でございます。ありがとうございました。
○駒村座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの発表につきまして質疑を行いたいと思います。質問される方、少し時間が押してきていますので、端的に御質問していただければと思います。フロアからいかがでしょうか。フロアからはすぐには出ない。では、オンラインのほうはどうでしょうか。オンラインからも今の時点では御質問はないということでしょうか。では、神成構成員、お願いいたします。
○神成構成員 就労定着支援の利用終了後に就労継続が困難になり離職に至ってしまった場合の再チャレンジに向けて記載がありますが、再チャレンジについてというのは、どういうイメージのことが考えられるのか教えていただければと思います。
○駒村座長 鈴木さん、お願いいたします。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 就労移行支援。就労。
○神成構成員 一番最後の項目の再チャレンジの所です。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 まず、先ほどから就労定着支援、継続、就職してから36か月後までのサポートというようになっておりますけれども、それだけでは就職、働くということが終わりということではございません。その後の定着支援というのも、とても大事なことであるというように思います。
その間、出身元の障害福祉サービス事業所であったり、なかぽつセンターであったり、全体協力をしながら就職を維持していくわけなのですけれども、離職に至ってしまった、離職内容によっては、もう一度社会に出て働きたいと思う方おられますけれども、なかなかそこで再チャレンジするために、なかぽつセンターだけでいいのかというような話になってきますので、もう福祉サービスを使わないで就職する場合ですよ。なかぽつセンターだけの支えだけでいいのかということがございますので、再チャレンジできる支援体制の構築、そういったところで手厚い支援というのが、やはり就職に送り出すということは大事なことでございますので、手厚い支援というのが必要なのかというところで、こちら記載をさせていただきました。よろしいでしょうか。
○駒村座長 神成構成員、よろしいでしょうか。
○神成構成員 その再チャレンジの具体的なイメージは何か、その手厚い支援のために、なかぽつセンター以外にどういったものがあるのかは、何かイメージはありますか。
○駒村座長 鈴木さん、お願いします。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 今、実際に私の事業所などで行っているのですが、再チャレンジということになったら事業所が無償で行っているというようなことがあろうかと思うのですけれども、これはこれで本当にいいのだろうかというようなところは、実際に問題としてあると思います。
○駒村座長 ほか、フロアからいかがでしょうか。フロアからよろしいですか。オンラインからもよろしいでしょうか。
ありがとうございました。では、次の御報告に移りたいと思います。全国就労移行支援事業所連絡協議会様より御説明をお願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会酒井氏 構成員の酒井です。全国就労移行支援事業所連絡協議会として、本来ヒアリング報告者として副会長の稲葉さんを予定していたのですが、諸事情がありまして、私構成員ですが、酒井が代わって御説明させていただきたいと思います。お手元の資料を御参照ください。団体概要は、ここに記載のとおりですが、福祉から一般就労への理念の下、また、それを加速させる、そう考えたときに、就労移行支援という機能はとても大事だということで、就労移行支援事業の意義を社会に、世の中に発信させるべく、この協議会を2012年に立ち上げた次第です。
早速ですが、項目に基づいてお話させていただきたいと思います。次ページです。雇用と福祉の役割分担ですが、項目というか私たちの回答が結構長いですので、所々かいつまんで御説明させていただきたいと思います。2つ目のポツです。現場レベルで障害福祉サービスから一般就労への移行の詳細な状況を見ると、先ほど来もありましたように、特に精神障害者の就職者数が増加している実感はある一方で、実際にどのような支援が行われているのか、その実態が十分に把握できていないのではないか。その中には、支援が十分に行われずに一般就労しているケースや、就職後の定着支援が不十分なケースも少なくないと考えています。
また、従来から障害福祉サービスの主な対象であった重度障害者、障害の重たい方については、一般就労の拡大や職域の拡大に果たして十分につながっているとはなかなか言い難い状況があるのではないか。結果として、就労機会の拡大が比較的就労しやすい層に偏っている、そんな可能性が考えられるのではないかと私たちは考えているところです。
加えて、福祉の就労支援人材を見ると、次のポツにあるように、業務調整や職場環境の整備を行う専門人材が不足しているのではないかと、ですので、雇用の「質」の問題というのが取り上げられ、雇用の「質」の向上がますます必要になってくるのではないかと思っています。
次ページです。障害福祉サービスの対象者が変わってくる中で、これまで「福祉から雇用へ」という一方向の移行を前提としてきたわけですが、近年は一般就労と福祉的就労の間を、本人の状態等で行き来するケースが増えているのではないかと思います。そのため、雇用と福祉を明確に切り分けるのではなく、相互に連携しながら支える仕組みが必要になってくるのではないかと思います。先ほども申しましたが、もう1つは、再チャレンジを含めた支援体制を構築するとともに、障害の重たい方や高次脳機能障害者など、今まで充分に支援が行き届いていなかった方々に対する就労支援の強化が今後ますます必要になってくるのではないかと考えています。
次に、一般就労への移行における現状と課題についてどう考えるかということですが、対象者像の変化・多様化が進み、就労継続支援B型を中心に就労系障害福祉サービス事業所が増える中で、支援経験や、先ほども申しましたけれども、専門性が十分でない事業所も見受けられると。特に精神障害のある方への支援では、見守り中心の対応にとどまっていて、アセスメントや職業準備性の課題整理、自己理解や障害理解といった重要な支援が十分に行われていない場合があるのではないかと思います。その結果、御本人に対する適切な支援につながっていない、そういう現状があると考えています。
私たちも一般就労への移行者数は進んでいると思っているのですが、一方で2つ目のポツですけれども、就労継続支援事業所の全体を踏まえると、一般就労の可能性を有する障害のある人は、なお多く存在していると考えています。その背景には、事業所が訓練等給付を得ることを目的に抱え込んだり、一般就労へ向けた支援力の差が影響しているのではないかと考えています。
少し飛んで、就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進制度の話に入っていきたいと思います。次ページです。就労継続支援は、本来「一般就労が困難な者」、そういった方々を対象としているわけですが、困難な方というのは、どういった方を指すのかということを改めて整理するべきではないかと考えています。
私の話になって恐縮ですが、私は大阪でA型事業所を運営していて、今回来るまでにいろいろ統計を取ってみると、私たちのA型事業所を御利用されている方で一般就労経験のある方は8割です。残りの2割の方は、ほぼ就労移行支援は利用したけれども、就労実現につながらなかったという方々です。先ほど申しました一般就労経験のある方の離転職率を見てみると、A型を除いてですが平均が3.59回だったのです。ですので、3回以上一般就労を離転職されて私たちの所に来ているということで、正に層としてはそういう方々も受け入れて運営しているわけですが、改めて一般就労が困難な層というのはどういった方々を指すのか、あるいは、事業所はどういった方々を受け入れるのかというのを運営基準等で整理することが必要になってくるのではないかと思います。
その上で、A型事業所の法定雇用率に関連する制度についてですが、1つは、法定雇用率の算定式についてどう考えるかということですけれども、法定雇用率制度の研究会あるいは障害者雇用分科会でもA型事業所の利用者を含めるべきではないという意見がたくさんあるということは認識しています。私たちも、一般就労とは異なる福祉的就労を前提とした制度であることを踏まえると、必ずしも法定雇用率の算定対象に位置付けることは必要ではないのではないかとも思っています。
次のポツです。一方で、実雇用率の対象から外すというのは、いろいろな影響もありますし、A型事業所の利用者の大半は、ハローワーク等で障害者雇用として職業紹介を受けてこられている方々ですので、実雇用率としては含めていくほうがよいのではないかと思います。ただし、次の所ですが、A型事業所はグループ算定の法人として認めないことや、LLPの問題もよく取り上げられていますけれども、A型事業所の障害者雇用をカウント目当てにしていくというのは、ちょっと違うのではないかと思いますので、ここは早急に見直しが必要なのではないかと思います。
その上で、報奨金・調整金については、A型事業所だけではないですが、この間、一定数を超えて障害者雇用をしている所は報奨金・調整金等については減額の措置がなされてきたわけですけれども、さらに、A型事業所については丸々1.0カウントではなく、例えば0.5としてカウントするということも考えられるのではないかとも思いますし、将来的に地方でも障害者雇用が更に進むのであれば、実カウントの方法もこのような方法に変わっていくことももちろん想定できる話なのかなとも思っています。
それから、各種助成金等については、雇用保険財源で行われていることが多いです。御本人も負担しますし、企業も拠出しているわけですので、それを一律に外していくことは難しいのではないかと思いますし、最後のポツですが、基準省令の第189条に、A型事業所は「専ら社会福祉事業を行う」ということが求められているわけですけれども、そうでない事業所も参入してきているわけです。この「専ら」がどういうところを指すのかを障害福祉のほうでもう一度整理されるべきではないかと考えています。
次ページに移ります。就労選択支援をはじめ、支援の効果的な在り方、障害者就業・生活支援センターとの役割分担、連携です。時間の関係もありますので、こちらは御覧いただければと思うわけですが、最後の就労定着支援というポツの所だけ見ていただきます。就労定着支援は3年間という期限で決められているわけですが、やはり対象者が数多くいらっしゃいます。一定期間経過後も必要に応じて福祉サービスとして継続的に支援が提供できる仕組みを改めて検討していく、そんなタイミングではないかと思いますし、これは、障害者就業・生活支援センターの定着支援の負担の軽減にもつながるのではないかと思っています。
最後、もう1つだけです。障害者就業・生活支援センターとの役割分担についてだけ御説明させていただきたいと思います。障害福祉サービスの利用者に対する支援については、アセスメント、職業準備、職場適応支援、就労定着支援、これは全部一貫してつながっているサービスです。それを一貫して提供できることが理想ですので、障害福祉サービスの就労支援としても、あくまでなかぽつセンターとの連携は不可欠ですが、支援の主体はあくまでも障害福祉サービス事業所が担うべきだということを事業者自身がしっかり認識すべきですし、個別給付ではあるのですけれども、一連のつながっている支援だということを改めて通知等で示すことが大事なのではないかと思います。時間が来ましたので、私の説明は一旦終わりにさせてもらいます。
○駒村座長 ありがとうございました。ただいまの発表について質疑を行いたいと思います。質問のある方は、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。フロアのほうからはいかがでしょうか。では、まず倉知構成員、お願いいたします。
〇倉知構成員 九州産業大学の倉知です。すごく面白い提案をありがとうございました。今の話を聞いていて、就労移行支援を本来対象ではない人も結構利用していて、重たい人、本来対象とすべき人が余り利用していないのではないかということだったと思うのです。大して支援しなくても一般就労している方が多いというのは、なぜそういうことが起こっているのかというのを聞きたいなというのが1つです。
もう1つ、法定雇用率のA型のカウントの所で、面白い意見を聞かせていただきました。A型の利用者は法定雇用率の算定式からは外すと、だけれども、カウントには入れると。ただし、グループ算定の場合には外すという、そういう複雑な提案だったと思うのですが、どうしてそういう考えになるのか教えてください。
○駒村座長 では酒井さん、お願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会酒井氏 1つ目は、障害の重たい人たちの支援を担えていないというわけではなくて、精神・発達の人たちの層が一遍に増えてきて、そこに埋もれてしまっているということと、障害者雇用も右肩上がりに増えていっていますが、今の対象の中心が精神・発達の人たちで、障害の重たい人たちの就労による社会参加にスポットが当たりにくくなっているのではないかと。そういう認識であるというのが1つです。
もう1つは、A型事業所の障害者雇用施策に関連することですが、私たちももともとは、働いているのだから法定雇用率を算定すべきなのではないかという意見でしたけれども、近年の法定雇用率の上昇を見ていくと、企業も対応していくのが相当大変だろうなと推測しています。そういう中で、A型事業所というのは福祉サービスの事業であるということを踏まえると、対象から外すことももちろん考えられるのではないかという意見です。ただ、実雇用率から外すということになると、地方ではA型事業所の雇用が地域の障害者雇用を大きく担っているところがあります。仕事があるから雇い入れるという所もあるだろうけれども、障害者雇用率としてもやはり大事であって、一足飛びにそこまで外していくというのは非常に影響が大きいと。雇用促進制度の在り方研究会の報告書でも、社会的な影響も踏まえてということを考えるならば、ここは残しておくべきなのではないかと思います。
一方で、もともと雇用率のカウントでしか見ていないような仕組みでカウントしていくというのは、やはり好ましくないと思うので、LLPとかそういったところの措置は、即刻見直すべきなのではないかと、このように考えたわけです。
○駒村座長 ほかはいかがでしょうか。フロアからはよろしいですか。オンラインのほうはいかがでしょうか。藤尾構成員、よろしくお願いいたします。
○藤尾構成員 酒井さん、ありがとうございます。1点だけ、酒井さんからお話いただいた就労定着支援及びなかぽつセンターとの役割の所に挙がっていた一連の支援がつながっていることというのは、正しくこれがちゃんと提示されることが大事なのかなとお話を聞いていて思いました。一方で、なかぽつセンターがずっと定着支援というか、間口として広げているという中で、何かトラブルがあったり、生活環境の変化があったときに新たな支援のスタートになることが多いのです。なので、酒井さんが考える就労定着支援事業が3年以降継続していったときの業態の在り方というか、支援の在り方のイメージ的なところ、要は常に連絡を取り合っていくのかとか、状況把握の方法をどうするとか、その辺のイメージがあれば教えていただけると有り難いなと思います。よろしくお願いいたします。
○駒村座長 酒井さん、お願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会酒井氏 御質問をありがとうございます。この点については、私たちもまだまだ議論が不足していてというか、これから具体的な提案をしていく段階ではあるのですが、就労定着支援3年間を超えて同じように支援するというよりは、何らかの形でつながっておくということが大切かなと思っているのです。なので、例えば月に何回支援するとか、そんなことではなくて、働いている限り常にその方とつながって相談を受けられる、そういう関係性の仕組みをどう個別給付の中で作っていくのかというのをこれから提案していきたいなと思っています。
○駒村座長 ほかにオンラインからどうでしょうか。よろしいでしょうか。フロアからもよろしいですか。ありがとうございます。それでは、これで本日の5団体からのヒアリングは終了といたします。ちょっと時間が延びていて恐縮ですが、最後に聞きそびれたことがあればと思います。特に村木さん、久保寺さん、志賀さんは今日ゲストでいらっしゃっていますので、この2団体に関して特に聞きたいことがもし残っていれば、最後に御質問を受けますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインもよろしいでしょうか。全般的に何かもし御発言があれば、これも最後に受けたいと思いますが、この点もよろしいでしょうか。
そうしましたら、今日は時間も来てしまいましたので、ここで終了したいと思います。御発表の皆様、大変ありがとうございました。次回も引き続き関係者からのヒアリングを行いたいと思います。日程等については事務局から説明をお願いいたします。
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程については、令和8年6月29日を予定しておりますが、詳細については座長と御相談の上、皆様に御連絡させていただきます。以上です。
○駒村座長 本日は、お忙しい中大変ありがとうございました。これで終了といたします。
会場には、叶構成員、神成構成員、倉知構成員、酒井構成員、新保構成員、菅村構成員、田中構成員がお越しです。また、新田構成員は途中からオンラインで御参加の予定と伺っております。本日の検討会は、Zoomによるオンラインの開催と会場からの参加と両方になっております。開催に当たり、事務局から説明があります。お願いいたします。
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。まず初めに、資料について2点ほどお伝えいたします。会場にお越しの皆様には、先ほど当日配布資料として3部ほど資料を机上に配布いたしました。お手元に届いていない場合は、恐縮ですが事務局にお申し付けください。また、オンラインの方には事前にメールにて送付させていただいておりますので、そちらを御確認ください。また、机上配布の資料のうち、構成員名簿が本検討会ではなく別の会議体のものとなっておりました。大変申し訳ございません。
本日も、多くの構成員にZoomを使ったオンライン参加を頂いております。開催に当たり、簡単ではありますがオンラインについて、操作方法のポイントを御説明いたします。本日、検討会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際には、画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局や座長の許可があった後にマイクをオンにして、必ずお名前を名のっていただいてから、御発言いただきますようお願いいたします。
Zoomの操作方法については、事前にお送りしたマニュアルを御参照ください。会議進行中トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしている電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とすることもありますので、御容赦ください。オンライン会議に係る説明は以上です。
○駒村座長 それでは、議事に入ります。頭撮りはここまでとなっておりますので、カメラ取材の方は御退出いただくようお願いいたします。
本日の議題は関係団体からのヒアリングで、対象団体は、NPO法人全国就業支援ネットワーク、公益財団法人日本知的障害者福祉協会、就労継続支援A型事業所全国協議会、全国社会就労センター協議会、全国就労移行支援事業所連絡協議会となっております。それでは5団体より、雇用と福祉の状況変化を踏まえた役割分担や今後の在り方等について、御意見やお考えなどをお聞きしたいと思います。まず初めに、事務局より本日のヒアリングの流れについて、御説明をお願いいたします。なお今日は非常に蒸し暑いので、皆さん状況に合わせて、ジャケットを着脱してください。それでは事務局、お願いいたします。
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日の関係団体ヒアリングについて御説明いたします。第1回検討会で御説明したとおり、本検討会では平成18年の障害者自立支援法の制定以降の、我が国の一般就労の場の進展や、それに伴う福祉施策の利用者像の変化などに伴う、障害者就労に係る雇用、福祉の果たすべき役割の変化を踏まえ、雇用施策・福祉施策の役割分担など、障害者の就労に係る雇用施策と福祉施策の在り方について、検討を行っていくことを予定しております。
これらに関し、関係団体の皆様にヒアリングを行い、幅広く御意見を頂戴したいと考えております。具体的には、資料2の「ヒアリング項目」について、本日御意見を伺いたいと思います。本日は5団体にヒアリングをさせていただきますが、各団体のお名前については、議事次第を御覧ください。ヒアリングは各団体、質疑応答を含めて約20分程度を予定しております。冒頭の10分間で団体から御説明いただき、その後の10分程度、構成員の皆様から御意見、御質問を頂く形で進めます。
各団体の皆様は、御提出いただいた発表様式に沿って御発言いただければと思います。また、ヒアリングの順番ですが、議事次第に記載の順ではなく、今回ヒアリングに御参集いただいた構成員が所属していない団体に先にヒアリングをさせていただき、その後、構成員としても御参画いただいている団体にヒアリングをさせていただければと思います。なお、各団体にお願いしたいことですが、発表後の意見交換の時間を十分に確保し、より良い議論にしたいと考えておりますので、説明時間が10分を経過した時点でベルを1回、12分を経過した時点で2回鳴らしますので、その場合は速やかに意見をまとめていただきますようお願いいたします。事務局からの説明は以上です。
○駒村座長 それではまず、公益財団法人日本知的障害者福祉協会様より、御説明をお願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 それでは御説明をさせていただきます。私は、公益財団法人日本知的障害者福祉協会の、生産活動就労支援部会という所の部会長を務めさせていただいております志賀と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。資料に沿って御説明をいたしますが、団体概要としては記載のとおりになりますけれども、知的障害者の方を、要は研究をしている団体で、今年の10月で92年になるところです。私もまだ生まれていなかったかなというように思っております。全国に6,500か所の事業所がありまして、その中で例えば、入所施設でありますとか児童、その中で就労の所を今、担当しているところです。
資料のまず1つ目の質問です。雇用と福祉の役割分担について、御意見させていただきたいというふうに思います。近年、就労移行支援事業所をはじめとして、就労系の所から一般就労へということで、大変これは加速をしてきているのは事実です。ただ、その一方では、B型の利用者の方ということで、障害の状態によっては、なかなか就職がかなわない利用者の方や、特に長期利用の方になってくると、重度・高齢化ということが大変顕著になってきているというのが、1つ課題となっています。
こういった障害のある方が、例えばライフステージの中で、学校から卒業して就職をしたり、若しくは障害の程度によらず安心して働くためには、雇用と福祉の「役割分担」という視点ではなく、是非、雇用と福祉の「連携強化」という視点が必要ではないかと考えているところです。
それから、こういった障害福祉サービスから一般就労への移行における現状と課題についてですけれども、1つ目としては雇用開始後の6か月間というのは、恐らく集中的な職業生活の支援というものが大変必要ではなかろうかというように考えております。ただ、この6か月間の集中的な支援の中においては、ただ、事業所については、無報酬で今、実は行っているということもあり、なかなか人的な配置も含め十分な支援体制が整っていないというのが現実ではないかなというように思います。ですから、こういった期間の中で、例えば障害者雇用促進法に基づく納付金制度の中から、そういった支援体制に係る費用の支弁というものを制度化する必要がなかろうかということも考えているところです。
また、一般就労によっては今後、加齢による定年や、作業能力の低下による退職、離職といったことが、やっぱり相当数考えられるのではなかろうかと。そのため、退職や離職に向けての何が必要かということを、実は在職中からきちんと考えていって、退職又は離職準備支援について明確化し、それを制度化する必要がないかということも、一方では考えているところです。
質問の2つ目ですが、就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進法制、法定雇用率であるとか納付金制度についてです。1つ目の○である就労継続支援の現状と課題ということについては、A型B型で共通して言えることというのは、実は指定基準上、職種の配置があるのですけれども、その中で生活支援員というものの配置があるのですが、実は報酬上の評価が何らなされていないのが、1つ大きな課題かなというように考えております。
また、事業別で見ますと、A型事業については、昨今の最低賃金の急激な上昇であるとか、石油の高騰などランニングコストの負担が大変大きくなってきております。そのため、事業の継続が困難となって、会員事業所の中でも廃止、若しくはB型のほうに移行をしている事業所も増加しているということもあります。また、一般企業ですと、そういった生産性を向上させてコストを抑えることで、収益性を高めて事業の継続を図っていく方法を採っていくのでしょうけれども、A型事業というのは本来、障害者雇用を守るということが前提にありますので、一般企業のようなこういった取組みということは、大変難しいなというように考えているところです。
それから、B型事業については、長く事業を運営している事業所ほど利用者の加齢・高齢化が進んでいる、また新規の利用希望者についても重度化しているという状況があります。ADLでの支援を受けながら、生産活動を行っている現状を考えていくと、平均の月額工賃のみでの評価、いわば報酬額ではなくて、これも大変限界に近づいているのではなかろうかと。ですから、指定基準上の中に、実は「その他必要な支援」というものが明記をされているのですけれども、これについて具体的な中身がないので、「その他必要な支援」についての報酬上の評価というものが必要ではなかろうかというように考えております。
A型事業所については、雇用率制度の対象となっているということで、納付金制度の支給対象となっていることについてどう考えるかということですが、まずA型事業所というのは、体系としては実際上は雇用されている状況にあるので、障害者雇用制度から除外するということは、例えば特別支援学校の生徒さんを進学率の計算の中から、全体から除外をするという論理と大変似ているのではなかろうかと思いますし、それからA型は、地方では特に、地域において障害者の雇用を支える、貴重な働く場所となっていることも事実です。ですから、単純に福祉サービスということだけで、雇用と福祉を分断するということには大変違和感がありますので、インクルーシブな視点からも、除外すべきではないということを考えているところです。
それから3つ目です。就労選択支援、移行、それから定着支援の効果的な在り方、なかぽつセンターとの役割分担ということですが、個別で見ていきますと、就労選択支援事業というものは昨年10月にできたばかりの事業でもありますが、特に教育機関への周知や連携、理解が十分でないという声が、実は会員事業所の中からも出てきております。一方では、一般高校から実は本事業内容についての問合せや、利用希望ということが出てきているということもありますので、そういった状況に今あるということになります。
就労移行支援については、特別支援学校からの利用者がほとんど今おりません。そのために地方では、多くの事業所が休止をしたり廃止をしている状況です。また、就労定着支援については、雇用の継続を図る上では大変有効的と言いますか、効果的な事業ではあるのでしょうけれども、ただ一方では、受け入れ側の企業であるとか事業所が、この事業についての知識や理解がないために、有効に活用されていないというケースもあります。また、期間が3年間という期限であるために、3年を経過した後にこういった課題、若しくはことが生じた場合に、本人への支援が十分にできないという課題が一方で残っているという形になります。
それから、なかぽつセンターと障害福祉サービスとの役割分担ということですが、本来で言いますとなかぽつセンターは、その所在する地域での障害者の就労に関する、いわばスーパーバイザー的な役割、センター的な機能を持つ必要があるのでしょうけれども、ただどうしても、登録者の方への支援に終始しているというのが多く見受けられます。ですから、就労系障害福祉サービスとの連携がもっと強化できるような体制づくりが必要ですし、ただそのためには、十分な予算の措置と人的配置が必要ではなかろうかというように考えているところです。
御質問の最後になりますが、福祉と雇用の相互往来関係ですけれども、まず対象者には障害の特性に合わせた支援が大変必要ではなかろうかというように思っています。これは、古くは1992年の、授産施設の在り方検討会の提言の中にも、3障害一元化するべきだという話はあったのですが、その中に、障害特性にきちんと配慮することという文言が含まれているということからもうかがえるのではなかろうかと思います。
それから、もう1つの視点としては、必要な支援内容というものは、大変、その時々で絶えず変化していくということですから、福祉にいるときとか、雇用にいるときとかということではなく、そこは大変、何と言うのですかね、シームレスな形になっていくのだろうというように考えています。今日お配りをさせていただいている資料のほうで、1999年の中央児童福祉審議会の「今後の知的障害者・障害児施策の在り方について」ということで、その中で雇用施策との連携ということについて言いますと、知的障害の方が安定して就労するためには、実は生活面の安定が不可欠であるということで、就労支援と生活支援については、総合的に提供されるべきであるというようなまとめがされていますので、そういった意味からも、福祉と雇用の役割ということではなく、福祉と雇用が連携を強化していく、そこはシームレスに支援が可能になってくるような制度が必要ではなかろうかと思いますし、またそれは実際、調整をするソーシャルワーカーの存在も、大変重要ではなかろうかというように考えているところです。以上です。
○駒村座長 ありがとうございました。ただいまの発表について、質疑を行いたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いいたします。なお、発言をされるときには、名前を言っていただき、その後に発言するようにお願いいたします。まず、会場のほうからはいかがでしょうか。一番向こうの神成構成員、次にこう回って行きましょう、お願いいたします。
○神成構成員 自治労の神成と申します。御説明ありがとうございました。私からは報酬上の評価についてお聞きしたいと思います。利用希望者の障害の重度化の状況なども踏まえて、支援内容に対する評価の必要性については理解するところです。また、生活支援員による支援の評価がされていない点についても触れられていますが、現行の工賃中心の評価から、どのような報酬体系に見直していくことが望ましいとお考えなのかお聞きしたいと思います。
また、最後に触れられていた雇用と福祉の連携強化のためにソーシャルワーカーの存在が求められているとのことでしたが、そのソーシャルワーカーはどこに所属をして、どのような活動を行うイメージなのか、イメージがございましたら教えていただきたいと思います。
○駒村座長 志賀さん、お願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 まず、報酬上の所で言いますと、実際、平均工賃だけということではなくて、現場のほうで言いますと、いろいろな支援を行っているところがあります。例えば利用者の方が毎日安定するために、いろいろな相談を受けたりとか、若しくは働いた工賃を今度はどう使うのかというようなところとか、また障害が重い方については、その方の生活面の援助もB型の中でやられている所もありますので、生活全般を支えるようなそういったものの評価を構築、何をやらなければいけないのかというところから始めて、それを明確にするべきかなと思っています。
それから2つ目の質問のソーシャルワーカーのところですけれども、特に就労のところは多岐にわたっていますし、その働き方自体が今多様化していることもありますので、それに特化したような専門家というのは必要だろうと思います。所属をどこにするか大変難しいところですが、今の制度上のところで言いますと、私はなかぽつセンターの中にそうした方がいらっしゃるのが地域の就労支援として安心するのかなという気がしているところです。
○駒村座長 よろしいでしょうか。では、倉知構成員から手が挙がったと思います。お願いいたします。
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。どうもありがとうございました。2点ほどお伺いしたいと思います。1点が、就労定着支援のところに6か月間の話が出ました。現状ではこの話だと恐らく職場適用援助者を活用してということかと思うのですけれども、現行でも制度上はOKなのですが、人を一人配置しなければならないとか、あと手続きが非常に煩雑で、この6か月間、たった6か月間のためにというのはなかなか難しくて、なかなか利用されていないところかと思うのですけれども、それをもうちょっと別の方法でやったらいいのではないかという提案でしょうか。それを1点お願いします。
もう一点よろしいでしょうか。就労移行支援の休止、廃止が多いということですけれども、この理由をどのように考えられているのかなと。例えば地域の就労支援の期待に応えられていないから、信頼されなくて入ってこないのか、それともA型やB型、自立訓練、生活介護のようにそこに行ってしまって、本来就労移行に行く方がそれで来れないのか、そもそももうこれは要らないのか、この辺のところの見解を教えていただけますか。
○駒村座長 志賀さん、お願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 まず、1点目の就労定着のところですが、これは倉知先生おっしゃるような内容で、やはりそこの手立てがまだ十分ではないと考えています。
それからもう1つの就労移行について言いますと、それぞれ地域差というのは大変大きいという気はするのですが、もともとの就労移行の制度上の最初の設計としては、例えば就労経験がない方、特に特別支援学校の卒業生の方をそこで集中的に訓練を行って、一般就労というか、労働市場に送り出すということだったのでしょうけれども、今はどちらかというと、そこがもう即、一般就労をしたりとか、若しくはA型のほうに行ったりとかで、この移行のいわば予想されていた対象者がいないというのが1つ。ただ、もう片方では発達障害の方とか精神障害の方については、やはりこの就労移行事業を活用されている所もありますし、特に、就労移行のところで出口、いわば就職先を大変抱えている、そこにつなげていくような所は、片方で定員をいっぱいにしている所もありますので、事業自体が要らないということではなくて、恐らくその組立て方自体が制度上20年たっていますので、そういう実情と考えたときに少し改革と言いますか、いろいろな変化が必要なのかなと考えているところです。
○駒村座長 少し議論を深める部分もあるかもしれませんけれども、一応、一巡したいと思いますので、会場からはいかがでしょうか。ほかはよろしいですか。すみません飛ばしてしまいました。菅村構成員、お願いいたします。
〇菅村構成員 ありがとうございます。連合の菅村です。高齢化等による作業能率の低下等により退職・離職する方も相当数予想される中で、一般就労からの退職や離職に向けた準備支援について質問いたします。障害者雇用と障害福祉の間でどのような連携があるとよいのか、こちらに制度化を求めるというように記載がございますけれども、もう少し具体的なイメージを伺えると幸いです。
○駒村座長 志賀さん、お願いします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 今の障害者の雇用については大分数が増えてきており、今回ここに記載させていただいたのは、その方々がどうしても退職をする時期が来るわけなので、退職をした途端に、実はまずは1つは収入面が減ってしまう、だから多くの方は障害基礎年金というものを受給されてない方もいらっしゃいますので、退職した途端に無収入になってしまうことも考えられます。そうなってくると、例えば住まいのところはどうしていくのか、今までだと在職中ですのでいろいろな手立て、お給料とか家賃の補填、住宅手当であったりとかで生活できていたところが、退職した途端にその収入が全くなくなってしまう。そうなっていきますと、恐らくはグループホームの利用とか福祉制度の利用につなげていかないといけないだろうと。ですから、在職中にそういう福祉制度があることを理解していただくことが大変大事になってこようかと思います。退職した後の生活ぶりをどう考えていくのかを、在職中のときから私たちはその地域の中できちんと考えていってあげないと、恐らく企業はそこまで面倒は見ないのではないかと思います。ですから、雇用が終わるとき、終わるまでにその辺をきちんと描けるようになっているか、そこをきちんと計画しておかないと大変乱暴だと思うところです。
○駒村座長 会場から、叶構成員、お願いします。
○叶構成員 全国社会就労センター協議会の叶です。非常に分かりやすい説明をありがとうございました。2枚目の上の所ですけれども、B型では長く事業を運営している事業所ほど利用者の加齢・高齢化が進んできていると。そして新規の利用希望者が重度化している状況にあるということで、先ほども質問がありましたけれど、そういう中で、工賃だけでなくて、その他必要な支援の部分、そこら辺をどう評価するかというのが重要かなと、先に説明をしておられましたけれども、もし更にコメントがあれば聞きたいなと。
もう1つが、一番最後の回答の所で、対象者には障害の特性に合わせた支援が必要で、必要な支援内容はその時々で絶えず変化するということで、これも先の重度・高齢化の部分と関係すると思うのですが、企業で就職したときにいろいろな障害のある人たちを受け入れて、合理的配慮をしていく意味でも、本当に雇用と福祉のシームレスな連携が必要になってくるのかなと思います。そこら辺も、どう具体的に作っていくのか、もしコメントがあれば、さっきの質問と似ていますけれど、よろしくお願いします。
○駒村座長 志賀さん、お願いいたします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 本日お配りしました資料にもありますとおり、特に私の立場から言うと、知的障害の方の支援という形になろうかと思うのですが、就労支援が独立してあるわけではなくて、生活支援の中というか、生活支援と就労支援が一体的に行っていかないと、その知的障害の方の総合的な支援は恐らくできないだろうと思っています。特に、今回の障害福祉サービスの名称は何かというと、総合的に支援する法律ということになっているわけなので、そうした意味では、就労型だから例えば平均工賃だけでその生産性だけを問うということではなくて、その生活支援のところがあるから働けるということがあろうかと思います。それは何かというと、例えば通所の方法なのかとか、地方で言うと実は路線バスがもうかなり廃止をされていて、今までだと自力で来られてた所が、来られなくなってしまう。若しくは家族の方が高齢化することで、送り出しができなくなってしまうとかいうような実情が出てきている。ですから、その時々の変化のところは実はそういったことなのですね。ライフステージが変わってきている、周りの状況が変わってきていることを勘案できるような支援制度にしていかないと、できる方がもう限定されてしまうということでは、恐らく社会保障という立場で、私はいけないのではないかと考えているところです。ちょっとお答えになっているかどうか分かりません。
○駒村座長 フロアからいかがでしょうか。そうしましたらオンラインのほうでいかがでしょうか。藤尾構成員が手を挙げられているようですので、御発言ください。
○藤尾構成員 志賀様、ありがとうございました。全国就業支援ネットワークの藤尾と申します。多くがなかぽつで構成されている団体なので、私からはなかぽつセンターの役割というところを少しお聞きたいのですが、なかぽつセンター側もやはり基幹型ということで、ここに御提示いただしているような役割をしっかり見習うべきだということで、議論をこれまで重ねてきています。ただ、地域を見ていく中で、結構差があって、特に福祉サービスの担い手が、これまで社会福祉法人やNPOが中心だったところから、営利法人に変わってきたところで、なかなかネットワークが組みづらくなっているという声も一部聞こえてきます。知福協さんから見て、地域の社会資源の横のつながりであるとか、なかぽつセンターが役割を全うできていないのではないかという要因として、なかぽつセンター以外に何か要因として感じられているものがあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○駒村座長 志賀さん、お願いします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 1つは、恐らく地域の自立支援協議会かなと考えています。特に今回、就労選択支援事業で全国でいろいろなモデルケースで実施をされたみたいですけれども、地域の自立支援協議会というものがしっかりと運用されていると言いますか、活用されている所については、就労選択支援事業についてもしっかりとした事業がなされていると聞いております。ですから、なかぽつセンターのほうにそういった意味ではセンター的な役割を担っていただくとともに、やはり自立支援協議会が音頭を取るというか、事務局としてその地域の中での法人格の種類によらず、どのようなネットワークを構築していくのか、それが整備された上で恐らくなかぽつセンターのほうに連携しながら広がりをもたせていくことが理想なのかなと考えているところです。
○藤尾構成員 ありがとうございます。
○駒村座長 オンラインのほうで、ほかに今、手を挙げられている方は、大谷構成員が手を挙げられているようですので御発言ください。
○大谷構成員 お世話になります。育成会の大谷です。知福さんにはいろいろお世話になっております。よろしくお願いいたします。1つだけちょっとお聞きしたい部分で、A型とB型の関係が、現在役割的なものがはっきりしていない部分がかなりあるような感じですけれども、知福さんのほうで回答の部分から見ても、現状で良いではないかというような感じが見受けられますが、やはりもう少し精査していったほうが私たち親の立場としてははっきりするのではないかなというような気持ちもあるのです。その辺について、現状のままでよいのか、もう少し内容がB型はB型、A型の中でもどのようにしたらいいのかというように、知福さんではお考えなのか、もう少し詳しく内容が分かればお願いしたいと思います。以上です。
○駒村座長 志賀さんお願いします。
○公益財団法人日本知的障害者福祉協会志賀氏 そうですね、知福協としては、A型の会員事業所は大変減ってきているのは事実で、先ほどお話しましたとおり、事業の継続自体が難しくなってきている。ただ、片方では同じくA型をやっている事業所の中には、例えば以前からある福祉工場から事業を継続している所もありますし、ここは恐らくは最低賃金というものと、それから常勤と言いますか、フルタイムでの働き方に大変こだわってやられている所があります。ただ、それができないために、もうA型事業自体を廃止するというケースが実は出てきているというのが1つです。
それとB型については、いろいろな今は幅が、利用される方が大変多様化しているということもありますので、本来であればそのA型、B型がもう少し、いわばA型の事業の明確化というのは大変大事なのかなと。その役割をきちんと明らかにしていかないことには、今実際A型をやっている事業所の中でも、なかなかそこは分かりづらく困惑している所もあります。ただ、スコアの評価を高くするための事業になりがちなところもどうしてもありますので、福祉協会としては障害者の雇用を守っていくのがA型ということで、部会の中ではそういう話をしているところです。
○駒村座長 オンラインからは、ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。おおむねお時間もきておりますので、続けて、次の協議団体からお話を頂きたいと思います。
就業継続支援A型事業所全国協議会様より、御説明をお願いいたします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会久保寺氏 就労継続支援A型事業所全国協議会、略称で全Aネットと呼んでおります。私は代表をしている理事長の久保寺です。今日は2名で来ております。ヒアリングの報告のほうは、全Aネットの基本問題部会の部会長をされている村木さんのほうから説明を頂きます。それでは、団体の概要については、2015年に悪しきA型の社会的問題に危機感を持って、立ち上げて11年目になります。A型事業所に特化した団体です。現在、会員が271団体あります。ただ、都道府県単位で支部と言っていますが、A型協議会の活動をしていまして、全国で20支部があります。全Aネットの活動内容ですが、セミナー開催を年4回ほど適正な運営理解や、優良なA型事業所の育成を目的に開催をしております。
もう1つ、これは全Aネットの一番大事な事業でもありますが、優良A型事業所、認定事業を行っております。2020年から6回ほどやっていまして、70事業所ほど認定交付を行っております。一般就労が難しい障害者に、A型事業所はなくてはならないという思いで活動をしています。これからも活動していきたいと思っております。私からは以上です。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 それでは全Aネットからヒアリングに対して回答を申し上げます。今日はA型の立場で発言をいたしますので、よろしくお願いいたします。
最初に、雇用と福祉の役割分担ということでテーマを頂いております。(1)近年の状況の変化に7つ掲げております。これはどれも重要な変化と認識しておりますが、時間の関係で一つ一つ詳しく説明することは今回は避けていきたいと思います。
2つ目の雇用・福祉政策の果たすべき役割の所については、先ほどの志賀さんの思いと全く同じですが、役割分担という考え方ではなくて、根っこに障害のある人たちが生涯を通じてどう働いていくのかということについて、制度を前提にするのではなくて、その人たちをどう支援するかということで、「連携・協働」ということを是非進めていただきたい。
前回は、障害者雇用福祉政策の連携強化に関する検討会で御議論を頂いております。その成果として、例えば、選択支援であるとか、あるいは企業就職中の一部の福祉利用であるとか、そういう正に連携のところを進めていただいたと。その前にはなかぽつを作って、これも連携をしていったと。是非、そういう方向での御議論をお願いしたいというのが、一番基本的な問題意識になります。
その上で、雇用・福祉政策の果たすべき役割として、○1○2、1つは当然適切な職場、合理的配慮がなされた職場が必要ということと、もう1つは、生活面も含めて、個別支援計画に基づく個別支援を進めていく。これがいわば車の両輪として必要だろうと思っております。○1は、企業も当然配慮義務がありますし、就労系のサービス、特にA型についても、これは当然配慮すべきことになります。B型ももちろんそのようになっています。〇2は、福祉の役割としてあって、経済合理性の中で動く企業にここまで求めるのはちょっと無理だろうと思っております。その意味で、○1と○2を一体的に提供することが重要だろうと思っております。
もう1つ大事なのは、障害者就労をコストではなくて、日本社会を下から支える基盤の1つなのだという発想で是非、御議論を頂ければと思っております。
次は、一般就労への移行に関する現状と課題についてです。移行の現状としては、皆さんも御承知のように、移行が随分増えております。法定雇用率の上昇もあって、企業の障害者雇用が増え、ニーズ、求人等も更に拡大しております。ただ、1つ留意していただきたいのは、厚生労働省の調査では、一般就労への移行を希望する利用者というのは、例えばA型事業所で言うと、半数の事業所で2割以下なのです。全ての就労系サービス利用者に、そういう状況の中で一般就労を強要する、全部が一般就労を勧めるためのものなのだということは、ちょっと無理があると思っております。
2番目、一般就労への移行の支援に関する就労系サービスの機能と課題。1つ目は、的確なアセスメントによる個別支援に基づいて、利用者の能力を高める。これはもちろん基本ですし、その中で、就労選択支援がこれから大事な役割を果たしていくだろう。2つ目は、仕事体験を積み重ねていく。実際に労働者として支援を受けながら働いていく、ある意味OJTをやっていくことが大切な機能としてある。3つ目は、主に就労移行支援の機能として、具体的にこれはどういうふうに求職活動をするのか、あるいはマッチングや定着のための支援をどうしていくのかというところがある。4つ目が、企業に対する「おそれ」とか、不安があることを軽減する必要があるだろうと。実際に福祉経営の利用者とか家族とか支援員は企業を知らないのです。加えて、最賃がこれだけ上がっているものですから、中小企業に移っても賃金がA型と変わらないし、待遇は正社員ではなくて、非正規とか契約社員になっている。
実は、私は小さなNPOの理事長、A型事業所の理事長をしているのですが、そこで1人企業実習もうまくいって、もう就職目前になったときに、家族が反対をして、それが駄目になったのです。「どうしたの」と聞いたら、1つは、収入が減る。それまで、最賃プラスアルファだったのが、最賃にはり付いてしまっている。2つ目は、正社員ではない、いつ切られるか分からない。3つ目が、支援がなくなる。そういう状況の下では、これは今のA型にそのままいたほうがいいのではないのということで、就職が駄目になりました。そうした点を解決していかなければならない。
5つ目は、利用者の滞留、囲い込みの防止です。滞留の問題というのは、1つは先ほど言った「おそれ」の問題がある。もう1つは、福祉と雇用の制度の逆転現象があります。つまり、精神発達障害者におきまして、雇用率のカウントをされるのは手帳所持者のみですが、就労系サービスについては、それに加えて、受給者証や診断書でOKになっています。そうすると、手帳を持たない軽度の精神発達障害者が、今、A型に流れている。そういう人たちが随分増えているということが、現場の声として上がってきております。
もう1つは、囲い込みの問題です。囲い込みというのは不適当というのは、もちろんそうですが、ただ、A型で今、収支黒字というのを大原則として強く要求されています。その中で、能力の高い利用者を囲い込むというのは、経済合理的には合理性にかなっているのです。政策はやはり経済合理的なものでなければ、結局、実現をしないと思っております。それが(2)の機能と課題です。
一般就労への移行の支援をより充実させるための方策については、2と重なってきますので、2でまとめて御説明をいたします。2に移りまして、就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進法制。実は私ども全Aネットでも、埼玉県立大の朝日先生を座長にして、前回の連携強化検討会のときの障対課長だった小野寺さん、今はもう厚労省を辞められていますが、こうした方々にも入っていただいて、A型事業の在り方研究会を、つい先日まとめました。この資料の提出期限が1か月以上前だったものですから、これに間に合わなくて、今日、大変御無理を申し上げて、席上に「A型事業の在り方研究会報告書」ということで配付していただいております。厚労省の事務方に大変御迷惑をお掛けいたしました。特に、点字が用意できなかったということで、田中構成員に大変な御迷惑をお掛けしたことを、この場を借りてお詫びを申し上げます。
主に、このヒアリング資料を中心にして、一部先ほど配付いただいた報告書に基づいて、それを読み上げるということで説明をさせていただくことをお許しください。
まず、現状と課題ですが、近年の状況の変化は、先ほどのとおりです。2番目の主にA型についての現状と課題は、1つ目は、目的は変わっています。本来、長期にわたり継続して働くということが目的だったのが、最近は、一般就労を目指す実践的な訓練の場ということが強く言われています。それから、生産活動を充実させて、高賃金を利用者に提供したいと考えている所もあります。2つ目は、ちょうど〇1と裏腹の関係ですが、A型、B型、就労移行の対象や目的が不分明になっている。一般就労を目指すのは、就労移行とA型、B型もそういう所が出てきている。先ほど御質問にありましたが、A型とB型の利用者像と事業内容が曖昧になってきている。3番目、経営が困難となり、撤退する事業所が増えてきて、結果として利用者が減っている。2025年に初めて減少しました。昨年末、我々のアンケート調査では、A型事業所のうち1割が今撤退を検討しているという答えが返ってきて、これはかなり危機感を持っております。原因等については時間の関係で省略いたします。その辺はずっと省略して、肝心の(4)、(1)~(3)を踏まえたA型制度の見直しの所を御説明いたします。
ここの所は誠に申し訳ありませんが、報告書で御説明をさせていただきます。報告書の6ページにある「制度見直しの方向性」です。制度見直しの選択肢は、ここでは3つ整理しました。下にあるように、選択肢の1は、現行A型事業の骨格の維持、基本的枠組みを維持しつつ、運用面の改善を進めるというものです。具体的には、長期にわたり継続的に働くための仕事と支援ということと、もう1つ、一般就労を目指す実践的な訓練の場という機能、この2つの機能を明確化にすると。その場合に、運用面等で更に改善を進めていくということで考えております。特に、就労移行支援事業の併用が重要だと思っています。2つ目は、目的別再編。これは一般就労を目指すということと、継続的に働くことに目的別に分けてはどうかということです。3つ目、選択肢の3としては最終的な解決策は包摂的な雇用モデルであろうと思っております。つまり、同じ所で障害のある人も、ない人も一緒になって働く、その中で障害者に対する支援があるというようなことが大切だと思いますが、東京都条例でも、そういうものがありますが、これを制度化することはものすごく大変なことなので、すぐにはできない。ただ、中長期的にはこれを検討して目指していくという方向性が必要かと思っています。
そうした中で、選択肢1と2の所、つまり、現行維持と目的別再編の所では、そこにあるような所が検討のポイントになるだろうと思います。〇1〇2〇3とポイントがありますが、時間の関係で省略いたします。ただ、いずれにしても、制度変更の前に運用面で改善すべきことが多いこと。現状で8万人を超える利用者に混乱が及ばないようにすべきことから、まずは、運用改善を徹底的に進めて、その効果を見た上で、制度の変更を検討することが適当であるというのが、今回の私どもの報告の考え方になります。
運用改善の提言も全部で9提言、いろいろしてあるのですが、時間がまいりましたので、またこれについてはお読みいただればと思っております。私どもの現場として、こういうことが大事だよねということを、一応、網羅したつもりです。さらに、雇用率といわゆるリワークの所についての問題提起もありました。雇用率については、理由はヒアリング資料の中にも入れておりますが、短期的に今すぐやめるということは適当ではないと考えております。中長期的にどうあるべきかということは、この検討会の議論や、あるいはそのほかの諸情勢を踏まえた上できちんと考えるべきだと。特に、企業と福祉就労との関係で連携を強化することと、福祉就労における収支の考え方の所と、その辺を整理した上で雇用率の議論をきちんと進めるべきだと思っております。時間足らずで大変恐縮ですが、時間ですのでここで私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○駒村座長 ありがとうございました。では、ただいまの発表につきまして質疑を進めたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いします。なお、発言される際にはお名前をおっしゃってください。いかがでしょうか。フロアからいかがでしょうか。フロアからの御発言の希望はいらっしゃらない。では、神成構成員からお願いいたします。
○神成構成員 自治労の神成です。ありがとうございました。この間、営利ばかりを目的に不適切な運営をしている就労継続支援事業所について報道がございましたが、自治体の指導監査体制の課題や対応策についてお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○駒村座長 村木さんからでいいですか。では、お願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。先ほどの報告書の後ろのほう、最後の運用面の改善の提言の8を御覧ください。ここは、指導監査とガバナンスの強化という提言です。自治体の指導監査を強化するということが、おっしゃったことに一番効果があると思っておりますが、ただ、今、自治体でヒト・モノ・カネ・ノウハウが足りない、これはけしからんと言ってても話が始まらないので、これが今の状況のように不足しているということを前提としてどうすべきかということを考えるべきだと。その際に、そこの「このため」からありますが、書類等の事前審査の民間専門機関への委託、AIを活用した審査、制度悪用の疑念のある事業所に対する重点監査方式、DXによる情報の共有手法ということで、できるだけ効率的な、効果的な指導監査のやり方を、厚労省が主導をして進めていただきたいと思っております。昨年の秋に出されたガイドラインというのは、大変すばらしいもので、これで一歩進んだと思いますが、あくまであれは書類審査中心のガイドラインなので、そういうのはこれからはAIに任せればいいと思っていて、自治体は実際に現場に行く、現場に行ってどのような仕事をしているのかということを聞く、そして経営者から話を聞く、そこが一番大事だと思ってます。
それからもう1つは、労働市場メカニズムをここにももっと効かせるべきだと。すなわち、障害のある人たちが「ここは変だ」と思ったら転職できるような、あるいはその前にちゃんと選択ができるような、そのような仕組みをもっと強化することにより、普通の労働者と同じなんですが、そういうことによって、労働市場メカニズムでそういう悪い、粗悪な事業所を淘汰していくということは、大変重要なことだと思っています。以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。フロアからはどうでしょうか。倉知構成員、お願いいたします。
○倉知構成員 ありがとうございました。非常によく分かりました。1点だけ、どうしてもお聞きしたいことがあって。私は、障害のある方ない方も含めて、まず普通の職場で働くというのは基本だろうと思っています。でも、障害のある方はそうなると、なかなか企業で働けない方がいて、補完的な政策として、保護的就労みたいな場所を作りましょうというのが基本だと思っているんですね。その中で、今のお話の中でちょっと気になったのが、企業で働けるがA型のほうがいいよという状態が起こっているということをどう捉えるのかということが1つと、では、どうすべきかですね。それから、A型を運営していくためには、仕事ができる方がいてもらわないと困るという、これも1つ企業就労になかなかいけない要因だと思うのですが、この辺りについて、どのようにしたらいいかなとかも、お考えがありましたら教えていただきたいです。
○駒村座長 村木さん、お願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。1つ目はどういったことでしたでしょうか。
○倉知構成員 A型のほうで働いているほうがいい、企業で働きたくない。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 はい、分かりました。現在、障害者雇用のほうで、雇用の質の議論をしておられますが、ああいうふうに中小企業の雇用の質を上げていき、やっぱりここで働くことが自分にとっていいんだよねというふうにしていく、それをきちんと説明していくということが、やはり王道だろうと思っております。
それからもう1つの、囲い込みの問題、これは非常に難しいのですが、これは報酬改定の議論に関わりますがA型が余りにも生産収支の黒字ということに力点を置き過ぎているがゆえに起こる現象ではないかと思います。そこを、生産収支とそれから支援や訓練ということとのバランスを、もう少し取ることにより、もうちょっと支援・訓練に力を入れると。その中には、一般就労に向かうための支援ということも、当然に含まれるというようにするのは、方向性としては考えられると思っています。
○駒村座長 フロアからいかがでしょうか。叶構成員お願いします。
○叶構成員 全国社会就労センター協議会の叶です。御説明、どうもありがとうございました。先ほどの説明の中で厳しい状況の中で、A型で1割の所が辞めたいというお話がありましたが、せっかく雇用されている人たちが働く場を失っていくということにもつながっていくので、その辺の対策みたいなところで、もしありましたら、少しお聞かせいただければと思います。
○駒村座長 村木さんお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。A型がもっと、何というか真面目にやっている所は、ちゃんと運営できるようにするということに尽きるのかなという気がしております。これも先ほど倉知先生にお答えしたことにちょっと似ているのですが、生産収支の面、生産活動の面と、それから支援の面との評価のバランスをもう少しうまく取っていくということだろうと思っています。
そのことと、それから一方で、言わば悪しきA型を徹底的に排除していくということは、両立しうると思っています。
○駒村座長 ほか、フロアからどうですか。よろしいですか。菅村構成員お願いします。
○菅村構成員 御説明ありがとうございました。労働市場メカニズムを働かせることが重要という点について、先ほど全Aネットさんのほうでは優良認定の制度も行っていらっしゃるという話でしたが、障害を持っている方の労働市場というのは、やっぱり小さいこともあり、なかなかそのメカニズムを働かせるのが難しい部分もあるのではないかなと思うので、優良認定を手掛かりにいい所を選ぶという方法もあるのかなと思っておりまして、優良認定制度について、少し伺えればと思います。
○駒村座長 村木さんお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。もう、正におっしゃるとおりだと思います。私どもとして、今年で5年目になりますが、そういう問題意識で「ここはちゃんとした所だよ」ということを認定をしていくということで、進めております。少しスコア方式と似ているのですが、さっきから申し上げているように、我々の認定はそれほど生産に力を入れ過ぎず、生産と支援と両方をバランスよくやってる所を優良としましょうということと、それからオンラインなり実際に見に行って、現場の経営者の方と話をして、その結果を整理をして認定するかどうかということを決めております。
実は残念ながら、まだそんなに広がっておりません。100には達しておりません。もう少し増やしていき、これがA型を選ぶときの1つのクライテリアになっていただければ、おっしゃるようにすごくいいなと、正にそれを目指していきたいと思っております。
○駒村座長 では、オンラインのほうに移りたいと思います。オンライン、いかがでしょうか。新銀構成員お願いいたします。
○新銀構成員 全国精神保健福祉会連合会の新銀でございます。丁寧な御説明ありがとうございます。近年の状況の変化の中で、精神障害者の増加や企業内のうつ病の増加とありましたが、この点については、私どもの団体としても更に支援強化の必要性を感じております。そのために全Aネット様の能力を発揮していく、働く職場、働くために必要な個別支援計画に基づく個別支援が必要というところには大変共感できるものがあります。一方で働くために必要な個別支援がどの程度継続的になされるのか、家族として一番感心のあるところです。個別支援計画というのは、福祉サービスを意図としている言葉なんでしょうか。この点について、何か具体的な御意見があれば教えてください。以上です。
○駒村座長 村木さんお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会村木氏 ありがとうございます。今、A型でも過半数が精神障害の方になりました。そういう意味では、これからますます精神障害の方をどうやって利用者としていくのかというのが大事なのですが、残念ながら、きちんと体系的な支援というのができているとは余り思えないし、支援員の質もまだ不十分だと思っております。当然、そういうものを高めていかなければならない。その中で、先ほどおっしゃった個別支援計画というのは、これは福祉サービスの肝の部分だと思っておりますので、これをアセスメントを含めて、きちんとやっていく、1回やって終わりではなく、毎年なり半年に一遍なり、継続的にきちんとやっていき、その上で本人の能力の向上や意向の変化など、そのようなものをきちんと踏まえて、それに沿ったような支援を随時展開していくというように、我々はしたいと考えております。まだ道半ばではありますが、方向性としてはそういうことで思っております。
○駒村座長 オンラインのほうから、ほかはいかがでしょうか。議論も出尽くしてきた感じもありますし、時間ももう来ておりますので、次に進みたいと思います。次に、NPO法人全国就業支援ネットワーク様より御説明をお願いいたします。
○NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 全国就業支援ネットワークの藤尾です。どうぞよろしくお願いいたします。全国就業支援ネットワークは御存じのとおり、その多くがなかぽつセンターによって構成されている団体ですので、そこを中心に話したいと思います。まず、今回頂いているヒアリング項目のうちの、1及び2の1つ目の○までが関連する項目になりますので、併せて御報告させていただきたいと思います。
一般就労の場の増加として文章中に記載がありますが、この一般就労の場の増加をどう捉えるかというところからお伝えしたいと思います。単純に「障害のある方の働く場が増えた」と捉えていいのか。ということから、全就ネットでは議論が進んでいます。「雇用率の達成」のみを目的とした雇用の増加があるのではないかということです。このことが障害福祉サービスの在り方につながっているのではと考えています。本来、「働く力」を身に付けるとなると、実際にその業務に携わる(遂行する)ということが中心になると思います。しかし、近年の就労移行支援事業所や、地域の障害福祉サービスにおける一般就労に向けた取組を見ると、どちらかというと、「企業内でトラブルを起こさない」、「対人スキルの向上を図る」といった「そつなくこなす力」の獲得にシフトしているのではないかと感じています。
一方で、現在は「雇用の質」が問われており、労働政策審議会等でも議論が進んでいます。その過程で、本当に「働く力」を求められたときに、現在の障害福祉サービスがその役目を果たせるのかどうかと考えなくてはなりません。やはり今一度、働くということにしっかりと軸足を置いた福祉サービスの在り方を考えていく必要があるのではないかと感じています。
また、その他のサービス(A型、B型等)に関して言うと、これまで委員の皆さんもお話されているように、役割がかなり不明瞭になっている部分があると感じています。不明瞭になっている最大の要因は、私たちは地域の格差、資源の偏在だと思っています。全ての地域にしっかりと用意をされていれば、それぞれの役割を明確にすることができると思います。しかし、現状を見ると地域に移行支援事業所がないとなれば、その役割を地域のA型であったり、B型が担うことにもなり得るので、現在の地域偏在、特に就労定着支援事業や就労選択支援事業の担い手として位置付けられているであろう就労移行支援事業所の偏在というのは、一刻を争う課題かと感じています。今後この就労系サービスの在り方を考えていく上で、いの一番に「地域偏在への対策」に着手していかないといけないのではないかと感じています。
次に、2番目の○、A型事業所の雇用率及び納付金制度についてです。当ネットワークとしては、就労継続支援A型事業所が「障害福祉サービス」に位置付けられている以上、雇用率及び納付金制度の対象としても妥当ではないのではないかという見解になります。そもそも雇用率は、一般企業において障害のある方が「働ける場」「活躍する場」を作ることを目的としていると思います。A型事業所は障害福祉サービスであり、そこで働く障害のある方は利用者という立場になるので、ここは外したほうがいいのではないかという見解になります。また、納付金制度についても報奨金のうちの結構な割合をA型事業所が受給しています。給付金の本来あるべき活用方法が、障害者雇用に取り組む企業への支援であることを考えると、この対象から外すのが妥当ではないかという見解になります。
それから就労選択支援、就労定着支援双方の事業についてです。まず、就労選択支援事業については、雇用と福祉の連携強化プロジェクトの第1ワーキンググループでの協議から生まれたものと理解しています。であるならば、可能な限り、一律の評価や可能性を提示できる体制を目指すべきだと考えています。第1ワーキンググループでは、アセスメントツールが違っていたり、評価する機関等によって見解が違っていることにより、「働きたい」とどこに相談するかによって評価が異なるという問題がある、というのが確か議論のスタートになっていたと思います。そう考えると、もう少し形をしっかり整えてからやっていくことが必要なのではないかと。理由としては、いつまでに何人の利用、障害保健福祉圏域に1か所設置というような目標を既に掲げられていると思うのですが、在り方が固まってない中でこうした新しい事業が広がっていくことは、最終的に様々な形態が生まれてしまうのではと考えるからです。これまでの障害福祉サービスを見ていると、後に修正を図ることが困難な状況になるのではないかと考えます。この事業はかなり中立、公正な役割を求められていると我々は認識をしておりますので、在り方についてもう少ししっかりと形が固まった段階で広げていくのがよろしいのではないかと考えています。私も千葉市で連絡協議会等を構成してこの事業の取組を見守っている側ですが、毎回いろいろな課題が生まれ、この状態で走らせていくことが本当に妥当なのかどうなのかということは、日々、疑問を持っているところです。
就労定着支援事業については、原則3年間という上限を置いていることを踏まえると、やはりこの3年間でどういう到達点を目指していくのかということがより明確になっている必要があると思います。そのためには段階的支援のモデルケースを提示する等、本事業の目指す方向性を今以上にしっかりと提示をしていただく必要があるかと思います。そして、やはりこの事業は生活支援であるという基本を考えると、企業の雇用支援としての定着支援事業となっている現状には若干違和感を覚えます。スタート当初、そのような色合いが強かったと思いますが、今は企業が様々な方法で障害者雇用に向けた取組をされています。以前と比較すると、「会社でのことは会社で何とかするから、生活は何とかしてね」という企業のニーズが増加していると感じます。働く方の「就職に伴う生活の支援」にしっかりと軸足を置いた支援に移行していくことがとても重要ではないかと思っています。
次に、就労系福祉サービスとなかぽつセンターの役割分担です。これは先ほども話しました障害福祉サービスの偏在というところに大きく起因するのですけれども、なかぽつセンターの圏域ごとの役割というのは非常に様々です。3年間モデル事業を全就ネットとしてやらせていただいて、各圏域での取組を見た上で、そのように感じます。我々なかぽつセンターがやらなければいけないのは、地域の社会資源がどういう状況にあるのかを把握をすること。それからその地域の中で何を求められているのかということと同時に、効率性、公平性をしっかりと踏まえた上で、地域に必要なものを展開していくこと。先ほど志賀さんの報告の中で、自立支援協議会との連携というのは、正にそのとおりだと思っていて、地域の福祉それから雇用就労を担うところの中枢にしっかりと関わりながらやっていくことが必要になるかと思います。役割分担というよりは、協働に近いのかなという感覚です。
それから、雇用と福祉の相互往来の所ですけれども、今一番課題として感じているのは障害者雇用が広がったとはいえ、重度の方がより働けるようになったかと聞かれると、やはり?が付くと思います。そうすると現在重度の方を対象としては、「重度障害者等就労支援特別事業」が用意されていますけれども、こちらは市町村の実施(手上げ)によっているところがありますし、JEEDの助成金との兼ね合いもあるので、本人からの手上げだけで利用できるというような制度にはなっていないと思います。こちらの在り方を検討していく必要があるのかなと考えています。
一方で、この相互往来の中で連携強化の第3ワーキングで挙がっていたものの1つに、「ソフトランディングの退職」という議論があったと思います。これに関してはやはり一定程度議論が必要であると感じています。障害者雇用をしている企業に対して、第三者の評価が入り「この方は福祉に移行するのが妥当」というのは余り望ましい形ではないと思っています。在り方についてしっかり検証していくことが必要ではないかと思います。
最後に、その他として伝えさせていただきます。現在の福祉施策及び雇用施策ですが、障害のある方が将来どのように生活していくのかという「経済的なこと」まで、今後は検討が必要だと思っています。現状、生活保護になるかならないかという2択になってしまっているのではないかと思いますので、例えば、障害福祉サービスを利用している、B型を利用している、A型を利用している人が、将来、経済的な自立に向かっていく等の議論を、今後どこかのタイミングで進めていただけることを期待して、私のヒアリングの回答に代えさせていただきます。以上になります。ありがとうございました。
○駒村座長 どうもありがとうございました。それでは、次に入りたいと思います。ただいまの発表につきまして、質問のある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。フロアのほうからはどうでしょうか。酒井構成員、お願いします。
○酒井構成員 構成員の酒井です。藤尾さん、どうもありがとうございました。2点ほど質問させていただきます。1点目、移行支援事業所の状況についてお話をされておりましたけれども、その中で、1つはプログラムとして対人トラブルの回避やコミュニケーション面の、そういうプログラムに重きを置きすぎていて、要は基本的な職業準備性というところはもう少ししっかりやっておくべきなのではないかと、そのような意見だったのかなと思うのですけれども、それで間違いなければ、そうした場合、今、そういう移行支援事業所も対象者が精神発達の方がメインになってきて、どちらかというと、その人たちのニーズがやはり今申し上げたような対人トラブルへの対応やコミュニケーション面のことをもう少し身に付けたい、仕事はできるのだというようなニーズの方々がたくさんお越しになると思うのです。一方で、企業に就職した後、何らかのいろいろなトラブルで、企業からのSOSも、どちらかというと仕事はできるのだけれどもこのコミュニケーション面や対人でのトラブルで困っているのだと、そのような声、SOSで、定着支援や職場の支援に入ることが結構あると思うのですけれども、この辺りをどう考えるべきなのかということが1点と。
それから、もう1つは就労移行支援、やはり地方ではどんどん減っていっていますけれども、その地域格差の是正は一刻を争うというようなことがあります。これは、リソースがなくなっていっているということへの危機感でおっしゃっているのならば、もし何か案があれば、ここはどう改善していくべきなのか、具体的な案があれば、また教えていただきたいなと思います。以上です。
○駒村座長 藤尾さん、お願いいたします。
○NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 ありがとうございます。まず、1点目です。1点目については、利用者のニーズもさることながら、恐らく、今、酒井構成員が言われた企業のニーズのところだと思うのですね。労政審の雇用の質の話に言及したのは正にそこで、これまで進んできたこの十数年の障害者雇用が、どちらかというと働く力よりもそこでトラブルを起こさない人を求めると。その裏に何があるかというと、仕事としての役割を期待していない雇用もそれなりの量私はあると感じています。要は雇用率のために雇用をする、仕事はそこそこでいいよと。特に大勢の方を一所で雇うケースの場合には多いのではないかなと思いますが、このニーズが今後「実際に働いてくれる人」に移行したときに、今のその移行支援事業所等のプログラムがこれでいいのかと。
更に言うと、御本人のニーズというのが、本気で働くということを前提にしたものになっているのか。そこに向かっていくときに、必要なことを一緒に考えていこうというスタートラインに立っているかというところが大きいと私は思っています。このことを痛切に感じさせられたのが、中小企業の方々と意見交換をしているときに、「移行支援事業所から来た人はもたないんだよ」という言葉を聞かされた時です。むしろA型など、実際に作業している所から人を雇ったほうがいいということを、結構な数の中小企業の方から耳にする機会があったので、働く力というのが何なのかということを再考する必要があるのでは、というところでここに記載させていただきました。ですから、酒井さんが言われたような認識と同じで、そういったつもりで発言をさせていただいています。
それから、2つ目の地域偏在のところです。これは、現行制度での対応が難しいのであれば、制度そのものも今後考えていかなければいけないのかなと思います。人口が少ない所でどのように支援事業を展開するのか、あるいは多い所でどうするのか。営利法人に関していえば、人口の集中している所に支援事業所が集中しているような状況なので、この状況の打開に関しては、ある程度行政が主導で進める必要があると思います。恐らくB型などでは、大阪でやられていると思います。逆に、人口が少ない等で事業展開がしづらい所、そういった所では今回定員が10名でもという対応をしていただいていますが、更に踏み込んだ事業展開の在り方というのを皆さんで考えていかなければいけないのではないかなと考えています。以上です。
○駒村座長 フロアからいかがでしょうか。では、倉知構成員。
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。すごく具体的で現実的な話をありがとうございました。2点ほどお願いしたいのですけれども、1つは、就労選択支援のところでツールの話をされていたのですが、私はやはり現実的に支援力の問題かなと、ツールを使いこなすことができない人が非常に多い。定着支援も同じで、やはりあるべき姿のモデルをどれだけ皆さんに提示できるか、こういうところの普及がやはり大事なのかなと、藤尾さんの話を聞いて思ったのですけれども、それで合っていますかというのが1つ。
もう1つは、酒井構成員と同じで、移行支援のところで、その準備性については余り就職に向けて効果がないということを研究でもかなり言われていて、ではどういうものが効果があるかというと、職場で個別に支援することだということがやはり実践や研究でかなり言われていて、これをどう実践していくのかということが問われているのかなと私は思いました。
そして、もう1つ。地方で就労移行支援事業所がどんどん減っているというところは、私はニーズがないと思えなくて、人が住んでいるわけですから。やはり私は、職場をきっちり探しきれていないし、職場と本人をきちっとつなげるような濃厚な支援がされていないのではないかなと。都市型でやられているのはそういうことをしなくても就職にうまくいくのですけれども、地方ではそれをきっちりやらないとやはり難しいのですね。そういうことができる人材がどんどん減ってきているのか、これも支援力の底上げがやはり本当にこれから求められてくるのかなと。そういうことをしないまま、幾ら制度を作っていっても同じことになるのではないかなと思ったのですけれども。いかがでしょうか。
○駒村座長 藤尾さん、お願いします。
〇NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 ありがとうございます。1つ目は、倉知構成員のおっしゃったとおりです。移行の中の、今お話されていた準備性が余り意味がないのではないかというところなのですけれども、準備性というのが何かプログラム的なことや作業的なこととなるとそうだと思うのですが、何かこう、コンフォートゾーンの変化という言い方をしたらいいですかね。ここのゾーンにいるときは自分は安心して動けるけれども、ここに少し負荷が掛かるとそこでは対応しきれないという、それで行くのが嫌になるとか、もう対応ができませんという、このゾーンの変化が僕は必要だと思います。やはり働くというステージは、学齢期であったり、障害福祉サービスを利用しているときとは全く違うステージだと思っているので、そこで、もちろん仕事自体はそこで教わりますし、職場の環境を調整していただいてお互いにやっていくのですけれども、その大前提となる、例えば「働きたい」とか、「働く上ではこれぐらいは必要だよね」ということの共有は、僕は必要だと感じています。そこは、恐らく先ほどチラッとお伝えしたのですけれども、中小企業に行ったときに、中小企業は働いてもらいたいですから、A型の人のほうが使えるみたいな話とつながる部分ではと感じました。
それから、地域には絶対にニーズがあるはずというのは正しくそのとおりで、それが先ほどお話した今の形態にとらわれない地域型の何か制度が必要なのではないかというところになります。本当に地域は様々なのです。千葉県内で見ても、人口が少ない地域とそうでない所でかなりの差があって、人口が少ない地域では、求人が少ない反面、小さな社会なりの強みがあります。支援者が地域のみんなと知り合いですから、知り合いの所で雇ってくれないかみたいな、企業の開拓業務から入っていったり、お寺さんが相談機関の役割を担っていたり、そのお寺さんと連携しながら支援をしていたりとか、地域のネットワークを上手に使って支援をしているのです。でもこれらの支援は、これは今の障害福祉サービスに乗らないものになります。やはりその地域型の何かサービスということを考えていかないと、単純に今の制度に移行支援事業所が増える増えないという話では対応が難しいのかなと感じています。
○駒村座長 フロアはよろしいでしょうか。叶構成員、どうぞ。
○叶構成員 構成員の叶です。藤尾さん、ありがとうございました。先ほどの説明の中で、一般雇用の拡大は純粋な労働力需要の増大によるものではないと、法定雇用率への対応というか、そういうことによる義務的動機がもたらした結果であるというように言われていました。その辺のいわゆる雇用の質の問題というのはとても今重要で、私は危機感を持っているわけですけれども、雇用はされたけれども仕事がない、あるいは全然力を発揮できないなどですね。これは雇用の現場だけではなくて、福祉サービスでも同じような状況が出てきていて、ここら辺をどう考えるかというのは本当に重要で、障害のある人にとってどうあるべきなのか、どうしていったらいいのか、今後雇用の質をどう大切にしていくかというようなところで、藤尾さんからコメントがあれば、一言聞きたかったなと思いました。
○駒村座長 藤尾さん、お願いします。
○NPO法人全国就業支援ネットワーク藤尾氏 ありがとうございます。多分、これは労働政策審議会でこういった議論をされていく内容なのかなと思うのですけれども、今、叶さんがおっしゃられたように、やはり障害者雇用というのは若干いびつだと思っています。通常であれば求人・雇用というのは仕事があって初めて発生するものであって、そこから人を雇う、人を募集するということになりますが、現状の障害者雇用の世界では雇用率が上がるから人を雇うという、後から仕事を考えるという企業が少なくありません。このこと自体が障害のある方御本人だけではなくて、企業を大変苦しめていると感じます。さらに、そこに入る支援者も悩ませる最大の要因になっていると思います。
この場での発言としてふさわしいかどうか分からないのですけれども、僕はこのまま雇用率が自動的に上がっていくのが本当にいいのかどうなのかと、一旦どこかで質を担保してから、雇用の拡大ということに取り組んでいくということも考えたほうがいいのではないかなと思っています。その大きな理由としては、これまでしっかり障害者雇用に取り組んでこられた企業であってさえも、雇用率が上がりすぎたことによって、「ちょっと真面目に考えていたら、もう、やっていられないよ」というような状況になってしまい、余り望ましくない雇用や、サービスを利用してしまうのではないかと考えるからです。やはり叶さんがおっしゃられたように、しっかりと仕事がある、そこで活躍をしてもらいたい、その上で必要なサポートを皆で考えていくという、この図式がもう少ししっかりするということをみんなで目指していったほうがいいのかなと思っています。ちょっとお答えになっているのかどうか分からないのですけれども、以上になります。
○駒村座長 では、オンラインのほうからいかがでしょうか。よろしいですか。いらっしゃらないようなので、次の御報告に進みたいと思います。全国社会就労センター協議会様より御説明をお願いいたします。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 全国社会就労センター協議会副会長の鈴木でございます。本日は発言の機会を頂きまして、誠にありがとうございます。それでは、資料に沿って説明をさせていただきます。
私ども全国社会就労センター協議会は、昭和52年の設立、ですから、来年度は設立50周年を迎えることになります。その設立以来、働く意欲がありながら、一般就労の難しい方々の「働く・くらす」を支えるため、全国1,282の会員施設、事業所とともに活動を続けてまいりました。会長は、この検討会の構成員でもある社会福祉法人キリスト者奉仕会理事長の叶義文が務めております。本日は事前に頂戴している議事録に沿って、現場の実態に基づいた私どもの意見を報告させていただきます。
ページを進めます。まず、1点目のテーマです。雇用と福祉の役割分担についてですが、昨今、障害者雇用数や一般就労の場が増加している。これは非常に喜ばしいことであるというように思っております。一般就労を希望する障害者への支援の充実が重要であることは言うまでもありません。
しかし、その一方で法定雇用率の達成だけが目的化され、雇用の質が置き去りになっていないかという強い危機感も持っております。障害者が力を発揮できているか、適切な合理的な配慮がなされているかといった雇用の質こそが、本来重視されるべきではないかというように思っているところです。
これに関連して、障害者雇用促進法の理念に反する、いわゆる「障害者雇用代行ビジネス」、これについては実態把握を進め、不適切なものについては厳格な制度的対応を講じるべきだろうというように思います。また、企業がこうしたビジネスを選択せざるを得ない状況をなくすため、多額の費用負担が有効活用されるような制度設計の見直しを強く求めたいと思います。
また、一般就労への移行が重視される余り、見落とされがちなのが一般就労から福祉への移行の受皿です。障害の重度化や高齢化が進む中、一般就労が難しくなっても働きたいと願う障害者を就労ケア、障害福祉サービスでしっかりと受け止めるための雇用と福祉の連携というのが不可欠であろうと思います。
ここで地域生活における深刻な事例を1点共有したいと思います。企業で65歳の定年を迎えた障害者が、その後も働く場を求めて就労継続支援の利用を希望した際に、自治体からは支援決定が下りずに介護保険の利用を勧められることがあると聞きます。しかし、介護保険では要支援判定もなされず、就労継続支援も利用できずということになってしまい、結果として所得が不足して、生活保護の受給に至ってしまうということがあるそうです。これは尊厳のみならず、我が国の財政面にも悪影響を及ぼすものであり、雇用と福祉のはざまとなる人をなくすための改善が、これは急務であろうというように思っています。
2つ目に、就労継続支援の在り方及び雇用率制度の普及制度について申し上げます。私どもが会員を対象に行った令和7年度社会就労センター実態調査の結果によると、A型利用終了後の活動場所としては、27.4%が企業へ移行をしています。利用者の平均年齢は、A型が44.8歳、B型が45.1歳と高年齢化が進んでいます。さらに、障害支援区分3~6の利用状況を見ると、A型が15.1%、B型が46.9%となっています。
このようにA型は一般就労への移行を進めている一方、B型利用者の約半数は、本来、生活介護の対象となる重度障害者というようになっています。一般就労における合理的な配慮だけでは対応し切れない障害者にとって、公的支援を受けながら社会参加できる就労継続支援というのは絶対に失ってはならない場となっており、賃金や工賃向上と社会参加を更に進めるためにも、人員配置や支援体制の充実が必要です。
一方で、就労継続支援における支援の質の担保も、また極めて深刻な課題となっています。近年の事業所数の急増は障害福祉サービス費用の急伸を招いていますが、その裏で報酬や営利のみを目的とした不適切な事業所の参入が相次いでいます。就労移行支援体制加算の不正請求や異常な伸びを見せる在宅支援の適正化など、モラルハザードを起こさせない仕組み作りが喫緊の課題となっています。自治体による適切な事業者指定ですとか、指導監査の強化、指定に係るガイドラインの普及を強く求めます。
なお、A型の利用者について、雇用率制度や納付金制度等の支給から除外をすべきか否かという議論がありますが、私どもは除外すべきではないという立場を取っています。A型の利用者が労働基準法第9条に基づく雇用契約を締結している労働者であり、雇用保険料も支払っています。これらを算定式や調整金・報奨金の支給対象から除外することは、労働基準局長通知の内容とも矛盾をしています。調整金・報奨金や特定求職者雇用開発助成金は、障害者の雇用を担うに当たって支給されるものであって、障害福祉サービスに対する対価である報酬とは趣旨が異なるということを踏まえていただきたいというように思っております。
3つ目に、就労選択支援・就労移行支援・就労定着支援について申し上げます。新設された就労選択支援は、地域の中で働き方を自己選択するために重要な制度です。だからこそ特定のサービスへの誘導を前提とすることがあってはなりません。中立・公平性を欠く事業者の参入は、障害者の適切な選択を阻害するもので、公平性を担保する仕組みを構築すべきであるというように思います。
就労移行支援においては、高い就職実績を上げる事業者ほど経営が厳しくなるという現行の基本報酬の見直しが不可欠であると思います。また、標準利用期間の取扱いが自治体によって異なり、再チャレンジのための再利用が難しい事例も散見されるため、運用の適正化も欠かせません。
就労定着支援については、利用者負担が利用の抑制や敬遠につながらないよう、制度を見直し、利用開始に必要となる計画相談についても円滑に利用できるよう、体制整備が必要です。
そして、これら障害福祉サービスとなかぽつセンターなどの関係機関が連携を強化し、サービス利用の終了や離職に至ってしまった場合でも継続して再チャレンジができる支援体制の構築が必要となります。
最後に、福祉と雇用の相互往来関係について申し上げます。加齢等に伴い、企業での働き方の見直しが生じた際、企業側の都合で安易に退職を勧め、就労系福祉サービスへ移行させるような動きが見受けられます。これらを防ぐためにも、関係機関等と連携する仕組み作りが必要です。同時に一般就労中の障害者が一時的に不調となった際、離職を避けるために、就労系サービスを一時的に利用できるようにするなど、雇用継続に向けた柔軟な相互往来の仕組みが必要とされています。
終わりになりますが、セルプ協は重度の障害者の重度化・高齢化という直面する課題に対応しつつ、全ての障害者が働くことを通じた社会参加を実感できる社会を目指しています。私からの意見は以上でございます。ありがとうございました。
○駒村座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの発表につきまして質疑を行いたいと思います。質問される方、少し時間が押してきていますので、端的に御質問していただければと思います。フロアからいかがでしょうか。フロアからはすぐには出ない。では、オンラインのほうはどうでしょうか。オンラインからも今の時点では御質問はないということでしょうか。では、神成構成員、お願いいたします。
○神成構成員 就労定着支援の利用終了後に就労継続が困難になり離職に至ってしまった場合の再チャレンジに向けて記載がありますが、再チャレンジについてというのは、どういうイメージのことが考えられるのか教えていただければと思います。
○駒村座長 鈴木さん、お願いいたします。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 就労移行支援。就労。
○神成構成員 一番最後の項目の再チャレンジの所です。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 まず、先ほどから就労定着支援、継続、就職してから36か月後までのサポートというようになっておりますけれども、それだけでは就職、働くということが終わりということではございません。その後の定着支援というのも、とても大事なことであるというように思います。
その間、出身元の障害福祉サービス事業所であったり、なかぽつセンターであったり、全体協力をしながら就職を維持していくわけなのですけれども、離職に至ってしまった、離職内容によっては、もう一度社会に出て働きたいと思う方おられますけれども、なかなかそこで再チャレンジするために、なかぽつセンターだけでいいのかというような話になってきますので、もう福祉サービスを使わないで就職する場合ですよ。なかぽつセンターだけの支えだけでいいのかということがございますので、再チャレンジできる支援体制の構築、そういったところで手厚い支援というのが、やはり就職に送り出すということは大事なことでございますので、手厚い支援というのが必要なのかというところで、こちら記載をさせていただきました。よろしいでしょうか。
○駒村座長 神成構成員、よろしいでしょうか。
○神成構成員 その再チャレンジの具体的なイメージは何か、その手厚い支援のために、なかぽつセンター以外にどういったものがあるのかは、何かイメージはありますか。
○駒村座長 鈴木さん、お願いします。
○全国社会就労センター協議会鈴木氏 今、実際に私の事業所などで行っているのですが、再チャレンジということになったら事業所が無償で行っているというようなことがあろうかと思うのですけれども、これはこれで本当にいいのだろうかというようなところは、実際に問題としてあると思います。
○駒村座長 ほか、フロアからいかがでしょうか。フロアからよろしいですか。オンラインからもよろしいでしょうか。
ありがとうございました。では、次の御報告に移りたいと思います。全国就労移行支援事業所連絡協議会様より御説明をお願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会酒井氏 構成員の酒井です。全国就労移行支援事業所連絡協議会として、本来ヒアリング報告者として副会長の稲葉さんを予定していたのですが、諸事情がありまして、私構成員ですが、酒井が代わって御説明させていただきたいと思います。お手元の資料を御参照ください。団体概要は、ここに記載のとおりですが、福祉から一般就労への理念の下、また、それを加速させる、そう考えたときに、就労移行支援という機能はとても大事だということで、就労移行支援事業の意義を社会に、世の中に発信させるべく、この協議会を2012年に立ち上げた次第です。
早速ですが、項目に基づいてお話させていただきたいと思います。次ページです。雇用と福祉の役割分担ですが、項目というか私たちの回答が結構長いですので、所々かいつまんで御説明させていただきたいと思います。2つ目のポツです。現場レベルで障害福祉サービスから一般就労への移行の詳細な状況を見ると、先ほど来もありましたように、特に精神障害者の就職者数が増加している実感はある一方で、実際にどのような支援が行われているのか、その実態が十分に把握できていないのではないか。その中には、支援が十分に行われずに一般就労しているケースや、就職後の定着支援が不十分なケースも少なくないと考えています。
また、従来から障害福祉サービスの主な対象であった重度障害者、障害の重たい方については、一般就労の拡大や職域の拡大に果たして十分につながっているとはなかなか言い難い状況があるのではないか。結果として、就労機会の拡大が比較的就労しやすい層に偏っている、そんな可能性が考えられるのではないかと私たちは考えているところです。
加えて、福祉の就労支援人材を見ると、次のポツにあるように、業務調整や職場環境の整備を行う専門人材が不足しているのではないかと、ですので、雇用の「質」の問題というのが取り上げられ、雇用の「質」の向上がますます必要になってくるのではないかと思っています。
次ページです。障害福祉サービスの対象者が変わってくる中で、これまで「福祉から雇用へ」という一方向の移行を前提としてきたわけですが、近年は一般就労と福祉的就労の間を、本人の状態等で行き来するケースが増えているのではないかと思います。そのため、雇用と福祉を明確に切り分けるのではなく、相互に連携しながら支える仕組みが必要になってくるのではないかと思います。先ほども申しましたが、もう1つは、再チャレンジを含めた支援体制を構築するとともに、障害の重たい方や高次脳機能障害者など、今まで充分に支援が行き届いていなかった方々に対する就労支援の強化が今後ますます必要になってくるのではないかと考えています。
次に、一般就労への移行における現状と課題についてどう考えるかということですが、対象者像の変化・多様化が進み、就労継続支援B型を中心に就労系障害福祉サービス事業所が増える中で、支援経験や、先ほども申しましたけれども、専門性が十分でない事業所も見受けられると。特に精神障害のある方への支援では、見守り中心の対応にとどまっていて、アセスメントや職業準備性の課題整理、自己理解や障害理解といった重要な支援が十分に行われていない場合があるのではないかと思います。その結果、御本人に対する適切な支援につながっていない、そういう現状があると考えています。
私たちも一般就労への移行者数は進んでいると思っているのですが、一方で2つ目のポツですけれども、就労継続支援事業所の全体を踏まえると、一般就労の可能性を有する障害のある人は、なお多く存在していると考えています。その背景には、事業所が訓練等給付を得ることを目的に抱え込んだり、一般就労へ向けた支援力の差が影響しているのではないかと考えています。
少し飛んで、就労継続支援の在り方及びそれに対する障害者雇用促進制度の話に入っていきたいと思います。次ページです。就労継続支援は、本来「一般就労が困難な者」、そういった方々を対象としているわけですが、困難な方というのは、どういった方を指すのかということを改めて整理するべきではないかと考えています。
私の話になって恐縮ですが、私は大阪でA型事業所を運営していて、今回来るまでにいろいろ統計を取ってみると、私たちのA型事業所を御利用されている方で一般就労経験のある方は8割です。残りの2割の方は、ほぼ就労移行支援は利用したけれども、就労実現につながらなかったという方々です。先ほど申しました一般就労経験のある方の離転職率を見てみると、A型を除いてですが平均が3.59回だったのです。ですので、3回以上一般就労を離転職されて私たちの所に来ているということで、正に層としてはそういう方々も受け入れて運営しているわけですが、改めて一般就労が困難な層というのはどういった方々を指すのか、あるいは、事業所はどういった方々を受け入れるのかというのを運営基準等で整理することが必要になってくるのではないかと思います。
その上で、A型事業所の法定雇用率に関連する制度についてですが、1つは、法定雇用率の算定式についてどう考えるかということですけれども、法定雇用率制度の研究会あるいは障害者雇用分科会でもA型事業所の利用者を含めるべきではないという意見がたくさんあるということは認識しています。私たちも、一般就労とは異なる福祉的就労を前提とした制度であることを踏まえると、必ずしも法定雇用率の算定対象に位置付けることは必要ではないのではないかとも思っています。
次のポツです。一方で、実雇用率の対象から外すというのは、いろいろな影響もありますし、A型事業所の利用者の大半は、ハローワーク等で障害者雇用として職業紹介を受けてこられている方々ですので、実雇用率としては含めていくほうがよいのではないかと思います。ただし、次の所ですが、A型事業所はグループ算定の法人として認めないことや、LLPの問題もよく取り上げられていますけれども、A型事業所の障害者雇用をカウント目当てにしていくというのは、ちょっと違うのではないかと思いますので、ここは早急に見直しが必要なのではないかと思います。
その上で、報奨金・調整金については、A型事業所だけではないですが、この間、一定数を超えて障害者雇用をしている所は報奨金・調整金等については減額の措置がなされてきたわけですけれども、さらに、A型事業所については丸々1.0カウントではなく、例えば0.5としてカウントするということも考えられるのではないかとも思いますし、将来的に地方でも障害者雇用が更に進むのであれば、実カウントの方法もこのような方法に変わっていくことももちろん想定できる話なのかなとも思っています。
それから、各種助成金等については、雇用保険財源で行われていることが多いです。御本人も負担しますし、企業も拠出しているわけですので、それを一律に外していくことは難しいのではないかと思いますし、最後のポツですが、基準省令の第189条に、A型事業所は「専ら社会福祉事業を行う」ということが求められているわけですけれども、そうでない事業所も参入してきているわけです。この「専ら」がどういうところを指すのかを障害福祉のほうでもう一度整理されるべきではないかと考えています。
次ページに移ります。就労選択支援をはじめ、支援の効果的な在り方、障害者就業・生活支援センターとの役割分担、連携です。時間の関係もありますので、こちらは御覧いただければと思うわけですが、最後の就労定着支援というポツの所だけ見ていただきます。就労定着支援は3年間という期限で決められているわけですが、やはり対象者が数多くいらっしゃいます。一定期間経過後も必要に応じて福祉サービスとして継続的に支援が提供できる仕組みを改めて検討していく、そんなタイミングではないかと思いますし、これは、障害者就業・生活支援センターの定着支援の負担の軽減にもつながるのではないかと思っています。
最後、もう1つだけです。障害者就業・生活支援センターとの役割分担についてだけ御説明させていただきたいと思います。障害福祉サービスの利用者に対する支援については、アセスメント、職業準備、職場適応支援、就労定着支援、これは全部一貫してつながっているサービスです。それを一貫して提供できることが理想ですので、障害福祉サービスの就労支援としても、あくまでなかぽつセンターとの連携は不可欠ですが、支援の主体はあくまでも障害福祉サービス事業所が担うべきだということを事業者自身がしっかり認識すべきですし、個別給付ではあるのですけれども、一連のつながっている支援だということを改めて通知等で示すことが大事なのではないかと思います。時間が来ましたので、私の説明は一旦終わりにさせてもらいます。
○駒村座長 ありがとうございました。ただいまの発表について質疑を行いたいと思います。質問のある方は、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。フロアのほうからはいかがでしょうか。では、まず倉知構成員、お願いいたします。
〇倉知構成員 九州産業大学の倉知です。すごく面白い提案をありがとうございました。今の話を聞いていて、就労移行支援を本来対象ではない人も結構利用していて、重たい人、本来対象とすべき人が余り利用していないのではないかということだったと思うのです。大して支援しなくても一般就労している方が多いというのは、なぜそういうことが起こっているのかというのを聞きたいなというのが1つです。
もう1つ、法定雇用率のA型のカウントの所で、面白い意見を聞かせていただきました。A型の利用者は法定雇用率の算定式からは外すと、だけれども、カウントには入れると。ただし、グループ算定の場合には外すという、そういう複雑な提案だったと思うのですが、どうしてそういう考えになるのか教えてください。
○駒村座長 では酒井さん、お願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会酒井氏 1つ目は、障害の重たい人たちの支援を担えていないというわけではなくて、精神・発達の人たちの層が一遍に増えてきて、そこに埋もれてしまっているということと、障害者雇用も右肩上がりに増えていっていますが、今の対象の中心が精神・発達の人たちで、障害の重たい人たちの就労による社会参加にスポットが当たりにくくなっているのではないかと。そういう認識であるというのが1つです。
もう1つは、A型事業所の障害者雇用施策に関連することですが、私たちももともとは、働いているのだから法定雇用率を算定すべきなのではないかという意見でしたけれども、近年の法定雇用率の上昇を見ていくと、企業も対応していくのが相当大変だろうなと推測しています。そういう中で、A型事業所というのは福祉サービスの事業であるということを踏まえると、対象から外すことももちろん考えられるのではないかという意見です。ただ、実雇用率から外すということになると、地方ではA型事業所の雇用が地域の障害者雇用を大きく担っているところがあります。仕事があるから雇い入れるという所もあるだろうけれども、障害者雇用率としてもやはり大事であって、一足飛びにそこまで外していくというのは非常に影響が大きいと。雇用促進制度の在り方研究会の報告書でも、社会的な影響も踏まえてということを考えるならば、ここは残しておくべきなのではないかと思います。
一方で、もともと雇用率のカウントでしか見ていないような仕組みでカウントしていくというのは、やはり好ましくないと思うので、LLPとかそういったところの措置は、即刻見直すべきなのではないかと、このように考えたわけです。
○駒村座長 ほかはいかがでしょうか。フロアからはよろしいですか。オンラインのほうはいかがでしょうか。藤尾構成員、よろしくお願いいたします。
○藤尾構成員 酒井さん、ありがとうございます。1点だけ、酒井さんからお話いただいた就労定着支援及びなかぽつセンターとの役割の所に挙がっていた一連の支援がつながっていることというのは、正しくこれがちゃんと提示されることが大事なのかなとお話を聞いていて思いました。一方で、なかぽつセンターがずっと定着支援というか、間口として広げているという中で、何かトラブルがあったり、生活環境の変化があったときに新たな支援のスタートになることが多いのです。なので、酒井さんが考える就労定着支援事業が3年以降継続していったときの業態の在り方というか、支援の在り方のイメージ的なところ、要は常に連絡を取り合っていくのかとか、状況把握の方法をどうするとか、その辺のイメージがあれば教えていただけると有り難いなと思います。よろしくお願いいたします。
○駒村座長 酒井さん、お願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会酒井氏 御質問をありがとうございます。この点については、私たちもまだまだ議論が不足していてというか、これから具体的な提案をしていく段階ではあるのですが、就労定着支援3年間を超えて同じように支援するというよりは、何らかの形でつながっておくということが大切かなと思っているのです。なので、例えば月に何回支援するとか、そんなことではなくて、働いている限り常にその方とつながって相談を受けられる、そういう関係性の仕組みをどう個別給付の中で作っていくのかというのをこれから提案していきたいなと思っています。
○駒村座長 ほかにオンラインからどうでしょうか。よろしいでしょうか。フロアからもよろしいですか。ありがとうございます。それでは、これで本日の5団体からのヒアリングは終了といたします。ちょっと時間が延びていて恐縮ですが、最後に聞きそびれたことがあればと思います。特に村木さん、久保寺さん、志賀さんは今日ゲストでいらっしゃっていますので、この2団体に関して特に聞きたいことがもし残っていれば、最後に御質問を受けますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインもよろしいでしょうか。全般的に何かもし御発言があれば、これも最後に受けたいと思いますが、この点もよろしいでしょうか。
そうしましたら、今日は時間も来てしまいましたので、ここで終了したいと思います。御発表の皆様、大変ありがとうございました。次回も引き続き関係者からのヒアリングを行いたいと思います。日程等については事務局から説明をお願いいたします。
○内山障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程については、令和8年6月29日を予定しておりますが、詳細については座長と御相談の上、皆様に御連絡させていただきます。以上です。
○駒村座長 本日は、お忙しい中大変ありがとうございました。これで終了といたします。

