2026年3月2日 薬事審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和8年3月2日(月)18:00~

場所

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(20名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(2名)五十音順

行政機関出席者
 宮本直樹 (医薬局長)
 佐藤大作 (大臣官房審議官)
 紀平哲也 (医薬局医薬品審査管理長)
 安川孝志 (医薬局医薬安全対策課長)   他

 

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、「薬事審議会医薬品第二部会」を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 本会議は、ペーパーレスでの開催といたします。会場で御参加いただいている委員におかれましては、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになりますので、操作等で御不明点等がございましたら、適宜、事務局までお知らせください。
 本日の会議における委員の出席についてです。松井委員、保田委員から御欠席との御連絡を頂いております。また、大曲委員が少し遅れられているようです。現在のところ、当部会委員数22名のうち19名の委員がこの会議に御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況についてです。全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 ここから議事に入っていただくのですけれども、本日、年度内最後の医薬品第二部会となります。松下委員におかれては、委員の任期を迎えられ、今回で御退任となります。通常ですと最後に一言御挨拶を頂くところなのですけれども、本日、松下委員が途中で退席されるということですので、冒頭で異例ではあるのですが、一言頂ければと思いますが、お願いできますでしょうか。
○松下委員 松下でございます。どうもお計らいありがとうございます。今、御紹介ありましたように、私は今年3月で定年退職と勤務地が変わりますということがございまして、任期もちょうど来ているということで、この委員会を退任させていただきたいと思います。
 ちょうどコロナの真っ最中の年にこちらに就任いたしまして、東京には一度も行ったことがありません。全てリモートで参加しておりました。思い起こしますと、ゾコーバの件など、いろいろ思い出深い審議もあったのですが、お陰さまで大変よく勉強させていただくことができましたので、先生方に感謝申し上げます。
 私の後任の先生も決まったようでございますので、血液製剤、生物製剤及びワクチンについて注意深く審議するに当たって、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。長い間ありがとうございました。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございました。本日の審議もよろしくお願いいたします。それでは、山本昇部会長から以降の進行をお願いいたします。
○山本昇部会長 それでは、本日の審議に入りたいと思います。まず、事務局から資料の確認、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、そして委員からの申出状況につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をいたします。本日は、あらかじめお送りした資料のうち資料1~27を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料27に記載のとおりです。
 これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条、第8条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは、次のとおりです。
 議題1、ミムリット、退室委員、浦野委員、川上委員、中野委員、議決に参加しない委員、松下委員、南委員。議題2、ゾコーバ、退室委員なし、議決に参加しない委員、亀田委員、中野委員。議題3、イドビンソ、退室委員、横幕委員、議決に参加しない委員なし。議題4、デュピクセント、退室委員なし、議決に参加しない委員、亀田委員、中野委員、松下委員、山本俊幸委員。議題5、エンハーツ、退室委員、安藤委員、浦野委員、川上委員、滝田委員、議決に参加しない委員、中野委員、松下委員、南委員。議題6、ニュベクオ、退室委員、南委員、議決に参加しない委員、松下委員。議題7、ハイツエキシン、退室委員、浦野委員、滝田委員、議決に参加しない委員、松下委員、南委員。議題8、トシリズマブBS「MA」、退室委員、浦野委員、滝田委員、議決に参加しない委員、亀田委員、松下委員、南委員、山本俊幸委員。議題9、オマリズマブBS「CT」、退室委員なし、議決に参加しない委員、中野委員、松下委員、山本俊幸委員。議題10、希少疾病用医薬品の指定の可否(ウパダシチニブ水和物、ianalumab、オキソドトレオチド、Risvutatug Rezetecan、lubinectedin)、退室委員、安藤委員、浦野委員、滝田委員、山本昇委員、議決に参加しない委員、亀田委員、中野委員、松下委員、南委員、山本俊幸委員。議題10、希少疾病用医薬品の指定の可否(アミノレブリン酸塩酸塩、Bleximenib、Ripretinib、ゴルカドミド塩酸塩、ピミコチニブ塩酸塩水和物)、退室委員、浦野委員、川上委員、議決に参加しない委員、亀田委員、中野委員、松下委員、南委員、山本俊幸委員。
 また、議題11についても各委員より寄付金、契約金等の受取の申告を頂いておりますが、本議題は、薬事審議会審議参加規程第18条の個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議に該当しますので、部会後に厚労省のホームページ上で申告書の公開をすることをもって、審議及び議決に加わることができるものとなっております。
 なお、退席委員の取扱いについては、薬事審議会審議参加規程第5条及び第16条において、当該委員等の発言が特に必要であると審議会等が認めた場合に限り、当該委員等が出席し、意見を述べることができるなどとされております。以上です。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございます。今の事務局からの説明に特段の御意見はありますでしょうか。いいですか。ありがとうございます。
 今日は議題1の審議につきましては、小児科感染症の専門でもありまして、日本ワクチン学会の理事長であります中野先生の御意見が参考になると思いますので、当部会として中野先生には御出席いただきまして、必要な場合に御意見を述べていただくというように考えておりますが、この点、いかがでしょうか。御意見があれば、お願いいたします。いいですか。では、御異議がないようですので、了解いただいたものとしまして、中野先生には議題1の審議に御出席いただくことといたします。
 本日の非公開議題は、審議事項が11議題、報告事項が11議題、その他事項が1議題となっております。それでは、審議事項の議題に移りたいと思います。
 まず、議題の7番からですが、浦野先生におかれましては、薬事審議会審議参加規程第8条及び利益相反の申出に基づきまして、議題7、8、5、10、1の審議の間、会議から御退席いただきまして、待機をお願いいたします。また、滝田先生におかれましては、利益相反の申出に基づきまして、議題の7、8、5、10の前半の審議の間、会議から御退席いただきまして、御待機をお願いいたします。それでは、浦野先生と滝田先生、御退室をお願いいたします。
──浦野委員、滝田委員 退室──
○山本昇部会長 ありがとうございます。では、議題の7につきまして、機構側から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 審議事項の議題7、資料番号7、医薬品ハイツエキシン錠10mgの製造販売承認申請の可否等について、説明いたします。まず初めに、審査報告に誤記がありましたので、御連絡をいたします。審査報告書1ページに記載の化学名について、記載に誤りがありましたので、修正をしております。
 本剤の有効成分であるリソバリシブメシル酸塩水和物、こちらはPI3KαのATP結合部位に結合し、キナーゼ活性を阻害することで、PI3Kシグナルの伝達経路の下流分子であるAKTのリン酸化を阻害すること等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられております。
 今般、本剤は、がん化学療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異を有する卵巣明細胞癌を効能・効果として承認申請されました。令和7年11月時点において、本剤が承認されている国又は地域はありません。本品目の専門協議には、8人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料番号26を御覧ください。
 M、臨床試験成績を中心に審査の概略、概要を御説明いたします。審査報告書35ページを御覧ください。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として化学療法歴のあるPIK3CA遺伝子変異陽性の卵巣明細胞癌患者を対象とした国際共同第II相試験であるG201試験の成績が提出されました。
 有効性については、審査報告書37ページの表24を御覧ください。G201試験において主要評価項目とされた奏効率について、PIK3CAエクソン9変異陽性の患者集団、及び全体集団における奏効率の95%の信頼区間の下限値は、いずれも事前に規定された閾値の8%を上回りました。また、既存値の有効性を踏まえると、得られた効果の大きさに臨床的な意義があると考えること等から、G201試験の対象患者に対する本剤の一定の有効性は示されたと判断しました。
 安全性については、審査報告書42ページの7.R.3、安全性についての項を御覧ください。本剤投与時に特に注意をすべき有害事象は、間質性肺疾患、高血糖、皮膚障害、血小板減少症、電解質異常、下痢、体液貯留、感染症、肝機能障害及びQT間隔延長であり、これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による患者の観察、有害事象の管理、本薬の休薬等の適切な対応により、忍容可能と判断しました。
 以上のような審査の結果、機構は、がん化学療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異を有する卵巣明細胞癌を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断しました。本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間は10年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品には該当せず、原体及び製剤は、いずれも劇薬に該当すると判断しました。薬事審議会には報告を予定しております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御指摘がありましたら、御発言をお願いいたします。いいでしょうか。
 それでは、議決に入りたいと思います。なお、松下先生、南先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加は御遠慮いただくことといたします。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可としまして薬事審議会報告とさせていただきます。
 続きまして、審議事項の議題8及び報告事項の議題1に移りたいと思います。審議事項の議題8と報告事項の議題1は関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。審議事項の議題8及び報告事項の議題1につきまして、事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 審議事項の議題8と報告事項の議題1について説明いたします。資料番号は、資料8及び13になります。資料13の審査報告書をお開きください。本剤は、抗IL-6受容体ヒト化モノクローナル抗体であるトシリズマブ[トシリズマブ後続2]を有効成分とする製剤であり、アクテムラを先行バイオ医薬品とするバイオ後続品として、持田製薬株式会社により製造販売承認申請がなされたものです。
 30分の3ページになりますが、効能・効果については、先行バイオ医薬品と同様に、投与経路により異なっております。点滴静注製剤について、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、キャッスルマン病、サイトカイン放出症候群及びSARS-CoV-2による肺炎に関するもの、皮下注製剤については、関節リウマチに関するものとなっております。なお、先行バイオ医薬品が有する効能・効果のうち、点滴静注製剤における成人発症スチル病に関するもの、皮下注製剤における大型血管炎に関するものについては、再審査期間及び特許の関係から、今回の申請対象には含まれておりません。また、用法・用量は、いずれも先行バイオ医薬品と同様です。医薬品医療機器総合機構における申請の結果、本剤とアクテムラの同等性・同質性が確認されたことから、本剤はアクテムラのバイオ後続品として承認して差し支えないと判断いたしました。
 また、審議事項の議題8になりますが、本剤の毒薬・劇薬の指定の要否について、先行バイオ医薬品アクテムラは、原体・製剤共に劇薬に指定されていることから、アクテムラと同等・同質である本剤についても、原体・製剤共に劇薬とすることが適当と考えております。
 また、本剤は、チャイニーズハムスター由来の細胞を用いて製造されることから、生物由来製品とすることが適当と考えております。生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否及び毒薬又は劇薬の指定の要否について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から御質問がありましたら、御発言をお願いいたします。いいでしょうか。
 それでは、議決に入りたいと思います。なお、亀田先生、松下先生、南先生、山本俊幸先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加は御遠慮いただくことといたします。まず、審議事項の議題8につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可としまして薬事審議会報告とさせていただきます。また、報告事項の議題1につきましては、御確認いただいたものといたします。
 続きまして、議題の5に移りたいと思います。議題の5ですが、安藤先生におかれましては、薬事審議会審議参加規程の第5条及び第7条に基づきまして、議題の5及び議題の10の前半の審議の間、会議から御退室いただきまして、御待機をお願いいたします。また、川上先生におかれましては、利益相反の申出に基づきまして、議題5の審議の間、会議から御退室いただきまして、待機をお願いいたします。
 それでは、安藤先生と川上先生、御退室をお願いいたします。
──安藤委員、川上委員 退室──
○山本昇部会長 それでは、議題の5につきまして、機構側から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料番号5、医薬品エンハーツ点滴静注用100mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について御説明します。
 資料番号5、審査報告書の63分の5ページを御覧ください。本剤は、HER2に対するヒト化モノクローナル抗体とトポイソメラーゼI阻害作用を有するカンプトテシン誘導体をリンカーを介して結合させた抗体薬物複合体です。本剤は、化学療法歴があるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌を含む複数の癌種に係る効能・効果で承認されており、今般、「HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に係る製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
 令和7年10月時点において、本剤は「HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に係る効能・効果にて、14の国又は地域で承認されております。本品目の専門協議には四人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料番号26を御覧ください。以降、臨床試験成績を中心に審査の概要を御説明します。
 審査報告書8ページを御覧ください。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、標準的治療に不応・不耐又は標準的治療が存在しないHER2(ERBB2)遺伝子増幅を有する進行・再発の固形癌患者を対象とした国内第II相試験であるHERALD試験と、化学療法歴がある又は標準的治療のないHER2発現を有する進行・再発の固形癌患者を対象とした海外第II相試験であるDP-02試験の成績が提出されました。
 有効性について、審査報告書12ページの表4を御覧ください。HERALD試験の主要評価項目とされた治験担当医師判定による奏効率は56.5%でした。続いて、審査報告書15ページの表7を御覧ください。DP-02試験の主要評価項目とされた治験担当医師判定による奏効率は37.1%であり、HER2過剰発現(IHC法3+)の集団における同奏効率は61.3%でした。対象患者の一部は標準的治療が存在しない患者であったことや、既存治療の奏効率を踏まえまして、両試験で得られた奏効率の結果は臨床的に意義のある結果であったことなどを考慮すると、標準的治療が困難なHER2(ERBB2)遺伝子増幅又はHER2過剰発現を有する進行・再発の固形癌患者に対する本剤の有効性は期待できると判断しました。
 安全性については、審査報告書28ページの7.R.3、安全性についての項を御覧ください。本剤投与時に特に注意を要する有害事象は、既承認の効能・効果に対する承認時等に注意が必要と判断された事象であり、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師によって、患者の観察、有害事象の管理、本剤の休薬等の適切な対応がなされる場合には忍容可能と判断しました。
 以上のような審査の結果、機構は、「HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として本剤を承認することは可能と判断しました。本申請は、新効能医薬品としての申請であることから、今回、追加する効能・効果に対する再審査期間は4年とすることが適当と判断しました。薬事審議会には報告を予定しています。以上、御審議のほど、よろしくお願いします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から、御質問、御指摘がありましたら御発言をお願いします。よろしいですか。
 それでは、議決に入りたいと思います。なお、中野先生、松下先生、南先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
 それでは、ロビーで待機くださっております川上先生をお呼びください。
──川上委員 入室──
○山本昇部会長 それでは、議題10に行きたいと思います。本議題につきましては、取り扱う品目を二つに分割して議論を頂きたいと思います。薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、私は議題10の前半の審議の間、退室いたします。
 石井先生、進行をお願いします。
──山本昇委員 退室──
○石井委員 それでは、前半の5品目について、事務局から概要の説明をお願いします。
○事務局 それでは、審議事項議題10、希少疾病用医薬品として指定することの可否について、前半の5品目について御説明します。
 まず、資料10-2になります。ウパダシチニブ水和物、申請者はアッヴィ合同会社。予定効能・効果は「既存治療で効果不十分な高安動脈炎」で、当該疾患は指定難病に指定をされております。高安動脈炎は、大動脈及びその基幹動脈、冠動脈等が侵される大型血管炎であり、合併症として大動脈瘤、大動脈弁閉鎖不全症等が生じ、大動脈解離、心不全等の重篤な臓器障害を来します。治療としては、まずステロイドにより寛解導入が試みられ、ステロイドによる寛解導入や減量が困難な患者等に対してはトシリズマブ等が併用されますが、これらの治療でも十分な効果が得られない患者が存在しており、新たな治療選択肢が必要とされております。
 本剤は、炎症性サイトカインのシグナル伝達を阻害することで有効性を示すことが期待され、国際共同第III相試験にて主要評価項目について改善傾向が認められておりまして、新たな安全性のシグナルは特定されませんでした。当該試験成績等に基づき承認申請が予定をされております。
 資料10-3、ianalumab、申請者はノバルティスファーマ株式会社。予定効能・効果は「シェーグレン症候群」で、当該疾患は指定難病に指定をされております。当該疾患は、外分泌腺にリンパ球が浸潤し、腺組織が破壊され障害を受ける自己免疫疾患でして、腺症状を主症状とし、生活の質の低下につながります。また、諸臓器に病変が及ぶことにより認められる腺外病変の存在は、生命予後に影響するリスク因子とされております。本邦においては、腺症状に対して対症療法が行われておりますが、効果は十分ではないとされております。腺外症状に対しては、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤等が用いられることがありますが、いずれもエビデンスに乏しく、シェーグレン症候群に係る適応では承認をされておりません。
 本薬は、中等度から重度の疾患活動性を有する患者を対象とした国際共同第III相試験にて、主要評価項目について統計学的に有意な差が認められており、試験の主要な目的が達成されております。当該試験成績等に基づき承認申請が予定されております。
 資料10-4、オキソドトレオチド、申請者はノバルティスファーマ株式会社。予定効能・効果は「神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体陽電子放出断層撮影」です。本邦における神経内分泌腫瘍の総患者数は、約1万2,900人と推定されております。当該疾患の5年生存率は全体で68.4%、遠隔転移がある場合で24.9%と報告をされており、予後不良な疾患です。海外の診療ガイドラインでは、当該疾患の診断において、ソマトスタチン受容体シンチグラフィ(SRS)よりも優先的にガリウムオキソドトレオチド等を用いたPET検査を実施することが推奨されており、国内診療ガイドラインでもSRSと比較して精度が優れている旨が記載されておりますが、現在、本邦において利用可能なソマトスタチン受容体の検出を目的として承認されたPET製剤はございません。開発の可能性について、国内第III相試験において、従来の画像検査の結果に対するガリウムオキソドトレオチドの診断能が評価されておりまして、こちらの結果に基づいて承認申請が予定をされております。
 資料10-7、Risvutatug Rezetecan、申請者はグラクソ・スミスクライン株式会社。予定効能・効果は「小細胞肺癌」です。本邦における患者数は、最大4万9,950人と推測されます。進展型小細胞肺癌に対する初回治療の標準治療は、抗PD-L1抗体及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法とされております。また、この治療後に再発・増悪した小細胞肺癌患者に対する治療としては、ノギテカン塩酸塩単独投与等が推奨されておりますが、予後不良です。本邦では、海外第I相試験において、がん化学療法後に増悪した小細胞肺癌患者に対し有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験等が実施中です。
 資料10-8、lurbinectedin、申請者はメルクバイオファーマ株式会社。予定効能・効果は、資料の10-7と同じく「小細胞肺癌」です。患者数、医療上の必要性は、先ほどと適応は同じですので割愛いたしますが、本剤は海外臨床試験において有効性が示唆されております。こちらは○○○○○試験を基に承認申請を行う予定とされております。また、進展型小細胞肺癌の二次治療に係る国際共同第III相試験が実施中です。
 こちらの5品目については、希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。まず、前半の5品目、御審議のほど、よろしくお願いします。
○石井委員 ご説明をありがとうございました。委員の先生方から、御質問等ありましたらお願いします。特にございませんでしょうか。
 それでは、議決に入ります。なお、亀田先生、中野先生、松下先生、南先生、山本俊幸先生におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととさせていただきます。前半の5品目について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 それでは、ロビーで御待機されています安藤先生、滝田先生、山本昇先生をお呼びください。
──安藤委員、滝田委員、山本昇委員 入室──
○山本昇部会長 ありがとうございます。では、続けます。続きまして、川上先生におかれましては、利益相反の申出に基づきまして、議題10の後半及び議題1の審議の間、会議から御退席いただきまして待機をお願いします。川上先生、御退席をお願いします。
──川上委員 退室──
○山本昇部会長 では、後半の5品目につきまして、事務局から概要の説明をお願いします。
○事務局 議題10の残りについて御説明します。まず、資料10-5になります。アミノレブリン酸塩酸塩についてです。申請者はSBIファーマ株式会社。予定効能・効果は「尿管鏡観察時における腎盂・尿管癌の可視化」です。本邦における腎盂及び尿管の悪性新生物の総患者数は、2万5,000人と報告されております。腎盂・尿管癌の5年生存率は39.3%と報告されており、予後不良な疾患です。尿管鏡下腫瘍生検は、画像検査及び尿細胞診で診断が不十分な場合に実施する検査に位置付けられており、確定診断は可能ではあるものの、尿路上皮内癌等の平坦病変や微小病変の見落としが生じることが課題とされております。検査・手術前に本薬を投与することで、白色光源下では視認困難な腫瘍病変を青色光源下で検出することが可能となり、病変の見落としを軽減し、リスク分類に応じた治療法の選択、腫瘍切除時の残存腫瘍を最小化することにより、予後の改善に寄与するものと考えられます。開発の可能性について、腎盂・尿管癌の疑いがある患者を対象とした国内第III相試験が計画されております。
 資料10-6、Bleximenib、申請者はヤンセンファーマ株式会社。予定効能・効果は「KMT2A遺伝子再構成又はNPM1遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病」です。
本邦における患者数は、約4,420人と推測されます。未治療の急性骨髄性白血病に対する治療は、強力な化学療法の適応となる患者に対しては、シタラビンとアントロサイクリン系抗悪性腫瘍剤との併用療法等、適応とならない患者に対しては、シタラビン低用量療法等が推奨されておりますが、これらの治療を行った場合でも再発が認められます。再発患者に対する治療については、強力な化学療法の適応となる患者に対しては、シタラビン大量療法等による救援化学療法を行い、適切なドナーがいる場合には造血幹細胞移植等、強力な化学療法の適応とならない患者に対してはシタラビン低用量療法等が実施されておりますが、初回救援化学療法施行後のOSの中央値は短く、予後不良です。
 本剤は、KMT2Aとmeninの相互作用を阻害する低分子化合物であり、国際共同第I・II相試験の第I相パートにおいて有効性が示唆されております。再発又は難治性の患者については、当該国際共同試験の第II相パートで有効性・安全性を確認する予定とされており、未治療患者を対象とした臨床試験も実施中とされております。
 資料10-9、Ripretinib、申請者は小野薬品工業株式会社。予定効能・効果は「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍」、以下「GIST」と略します。本邦におけるGISTの患者数は、最大2万483人と推測されます。GISTの4次治療としては、ピミテスピブが承認されておりますが、当該剤のOSの中央値は13.8か月と予後不良です。本剤は、イマチニブ、スニチニブ及びレコラフェニブによる治療歴を有する切除不能なGIST患者を対象とした海外第III相試験において有効性が示唆されております。今後、国内臨床試験において、日本人患者における安全性、薬物動態等を確認する予定とされております。
 資料10-10、ゴルカドミド塩酸塩、申請者はブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社。予定効能・効果は「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」です。本邦における末梢性T細胞リンパ腫の患者数は、約7,000人と推測されます。再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫に対してはモガリズマブの投与等が行われていますが、これらの治療を行った場合にも、OSの中央値は短く、予後不良です。本剤は、再発・難治の末梢性T細胞リンパ腫患者等を対象とした国内第I・II相試験の○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○第II相パートが実施中です。
 資料10-11、ピミコチニブ塩酸塩水和物、申請者はメルクバイオファーマ株式会社。予定効能・効果は「腱滑膜巨細胞腫」です。本邦における患者数は、約2万9,715人と推測されております。腱滑膜巨細胞腫は、関節滑膜、滑液法、腱鞘等に由来する良性の軟部腫瘍です。不可逆的な関節破壊、慢性疼痛及び進行性の機能障害を引き起こすとされております。また、関節が破壊され関節置換術が必要となる場合もある等、患者の日常活動能力及び生活の質に重大な影響を及ぼします。本邦において、外科的治療により十分な改善が期待できない腱滑膜巨細胞腫に対して承認されている薬剤はございません。本剤は、海外第III相試験において有効性が示唆されており、今後、国内臨床試験の実施が予定されております。
 いずれにおいても、希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いします。
○山本昇部会長 説明ありがとうございました。委員の先生方から、御質問がありましたら御発言をお願いします。
○南委員 南ですが、一点、確認をさせてください。
○山本昇部会長 南先生、どうぞ。
○南委員 最後の案件です。現時点で日本人データは全くないが、今後、PKとか少数例での忍容性のデータを日本人で取る予定ということですが、実際の承認申請の段階では、そういう日本人のPKデータ等を付けて申請されると理解してよろしいのでしょうか。
○事務局 先生、御質問をありがとうございます。申請者の予定によると、具体的な承認申請をいつの時点でするかについては、機構の治験相談において相談を予定していることが今のところの計画です。
○南委員 分かりました。そうしますと、全く日本人データがないまま、近い将来、この部会で審査する可能性もあるということですね。
○事務局 現時点では可能性としてはありますが、そこは具体的にはまた、機構と開発企業の間で相談することになる予定です。
○南委員 是非、せっかく日本人でデータを取るのであれば、そのデータを付けて申請を頂ければと思います。理解しました。
○山本昇部会長 南先生、ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 それでは、議決に入りたいと思います。亀田先生、中野先生、松下先生、南先生、山本俊幸先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。後半の5品目につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可としまして薬事審議会に報告とさせていただきます。
 続いて、議題1及び議題11に移ります。議題1と11は関連する議題ですので、まとめて御議論を頂きたいと思います。まず議題1につきまして、機構側から概要の御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、ミムリット皮下注用の製造販売承認の可否等について、機構より御説明します。資料No.1-1のフォルダより審査報告書のファイルをお開きください。本剤は、弱毒生麻しんウイルス、弱毒生ムンプスウイルス及び弱毒生風しんウイルスを有効成分とする麻しんおたふくかぜ風しん混合生ワクチンです。以降、「MMRワクチン」と呼びます。今般、麻しん、おたふくかぜ、風しんの予防を効能・効果として製造販売承認申請されました。本品目の専門委員として、資料No.26に記載の7名の委員を指名しました。
 本説明中のページ数は、各ページの下段に青色で記載の「51分の幾つ」の数字を使用します。まず、審査報告書3ページの4段落目を御覧ください。本剤の開発の経緯について御説明します。現在、本邦では麻しん及び風しんに対しては、麻しん風しんワクチン、以下「MRワクチン」と呼びます。こちらの定期接種が行われています。一方、おたふくかぜに対しては、過去にムンプスウイルスのワクチン株(占部株)を含むMMRワクチンが小児の定期接種に使用されたものの、接種後にMRワクチンでは見られなかった無菌性髄膜炎が高頻度に発現し、使用中止となり、現在はおたふくかぜ単味ワクチンが任意接種されています。
 3ページの一番下の段落を御覧ください。2013年7月に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会において、おたふくかぜワクチンを定期接種に使用する場合には、ワクチン接種による予防効果と無菌性髄膜炎等の発生リスクを比較衡量し、有効性は劣ったとしてもより高い安全性が期待できるおたふくかぜワクチン株の承認を前提とし、新たなMMRワクチンの開発が望まれる旨の議論がなされました。これを受けて、厚生労働省から開発要請がなされ、本剤が開発されました。
 3ページの下から2段落目にお戻りください。本剤は有効成分のうち、弱毒生麻しんウイルス(AIK-C株)及び弱毒生風しんウイルス(高橋株)は、申請者が現在製造販売しているMRワクチンである、はしか風しん混合生ワクチン「第一三共」と同一であり、弱毒生ムンプスウイルス(RIT4385株)は、海外既承認のMMRワクチンであるPriorixに含まれるものと同一です。ムンプスウイルスRIT4385株は、無菌性髄膜炎の発現頻度が低いことから安全性の高い株として、海外では広くMMRワクチンに使用されています。なお、2026年2月時点で、本剤はいずれの国又は地域においても承認されていません。
 主な審査内容について御説明します。審査報告書11ページ、表6を御覧ください。実施された臨床試験の概略をお示ししています。本剤の有効性は、主に12か月齢以上24か月齢未満の健康小児を対象としたJ301試験に基づき評価しました。J301試験では、本剤の免疫原性について、本邦既承認のMRワクチン及びおたふくかぜワクチンに対する非劣性を検証することとされました。
 審査報告書14ページ、表13を御覧ください。J301試験において主要評価項目である治験薬接種後43日目の各抗原に対する抗体保有率について、本剤接種後の麻しんウイルス及び風しんウイルスに対する抗体保有率は、対照群との比較において事前に規定された非劣性基準を満たしました。一方、ムンプスウイルスに対する抗体保有率は、対照群との比較において、事前に規定された非劣性基準を満たしませんでした。
 当該成績について、審査報告書30ページ、下から2段落目、「おたふくかぜに対する有効性について」から始まる段落を御覧ください。ムンプスウイルスに対する抗体保有率について、本剤が国内既承認のおたふくかぜワクチンに対して非劣性基準を満たさなかった要因の特定には至らなかったものの、ムンプスウイルスの免疫原性は海外株に比べ国内株の方が高いとの複数の報告があり、本剤群(RIT4385株)の抗体保有率よりも対照群(星野株)の抗体保有率が高い結果であったことは、RIT4385株と星野株の株そのものの免疫原性に差があることに起因している可能性があると考えられました。
 一方、本剤の有効性については、主に次の2点を考慮し、おたふくかぜに対して一定程度期待できると判断しました。1点目について、黒丸の一つ目の記載のとおり、ムンプスウイルスとして本剤と同じRIT4385株又はその派生元であるJeryl-Lynn株を含む海外既承認MMRワクチンの免疫原性を評価した試験であるMMR-157試験とJ301試験の結果を踏まえると、本剤及び海外既承認MMRワクチンの免疫原性は同程度でした。具体的な試験成績は、審査報告書26ページ、表31を御覧ください。
 2点目について、審査報告書31ページ、4行目、「本剤に含まれるムンプスウイルスRIT4385株は」から始まる箇所を御覧ください。本剤に含まれるムンプスウイルスRIT4385株は、WHOが事前認定したムンプスウイルスワクチン株三つのうちの一つであり、また、複数の文献報告よりいずれのムンプスウイルスワクチン株においても一定の発症予防効果が認められています。
 これらの成績等から、本剤の麻しん、おたふくかぜ及び風しんに対する予防効果は期待できると判断しました。なお、本剤の臨床的有効性を考察するため、本剤の免疫原性やその持続性を検討することを目的とした製造販売後臨床試験が実施予定です。
 続いて、安全性について御説明します。審査報告書31ページ以降の7.R.3、安全性についての項を御覧ください。審査報告書32ページ、表37に各臨床試験における有害事象の発現状況をお示ししています。国内4試験において、重篤な副反応は認められず、対照群であるMRワクチン及びおたふくかぜワクチンと比較して、安全性プロファイルに大きな違いは認められなかったことから、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 また、無菌性髄膜炎については、審査報告書39ページ、中ほどの「申請者は」から始まる箇所から40ページ、冒頭の段落までを御覧ください。本剤の国内4試験において、無菌性髄膜炎は認められませんでした。また、ムンプスウイルスとして本剤と同じRIT4385株を含むPriorixの臨床試験では無菌性髄膜炎は認められず、1997年の販売以降、2023年1月までに○○○○の安全性データベースに報告された無菌性髄膜炎は、出荷された10万本当たり0.004人の報告率でした。米国CDCの報告書においても、Priorixと無菌性髄膜炎との関連性を示す文献報告は報告されていません。
 以上のことから、RIT4385株を含むワクチンの無菌性髄膜炎の発症リスクについては、一定の知見が蓄積されていると考えます。また、MMRとして混合される麻しんウイルス及び風しんウイルスのワクチン株の本剤とPriorixとの違いを考慮しても、本剤に関連した無菌性髄膜炎の発症リスクは海外で蓄積されたRIT4385株を含むMMRワクチンにおける発症リスクと大きな違いはないと考えられます。製造販売後には、市販直後調査及び通常の医薬品安全監視活動において本剤接種開始後の発現状況を注視することに加え、審査報告書47ページ、表48にお示しします一般使用成績調査を予定症例数5万例、28日間の観察期間で実施し、使用実態下における発現状況が検討される予定です。以上の機構の判断は専門委員からも支持されました。
 以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品に該当し、原体のうち新有効成分に該当する弱毒生ムンプスウイルス(RIT4385株)及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。なお、原体のうち弱毒生麻しんウイルス(AIK-C株)及び弱毒生風しんウイルス(高橋株)は、劇薬として指定済みです。薬事審議会には報告を予定しています。
 なお、部会委員への部会資料発送以降、本日までに審査報告書の誤記が2点判明しました。1点目、審査報告書7ページの表3の脚注Cは、不要な記載でしたので削除します。2点目、審査報告書37ページ、4行目に記載しています、Priorixの無菌性髄膜炎の発現までの期間の中央値を25.5日から21日に修正します。本修正による審査への影響はないことを確認しています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 ありがとうございました。続きまして、議題の11について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題11、生物学的製剤基準の一部改正のうち、資料11-1の内容について御説明します。改正の内容については、1ページの2ポツに記載しています。今回、ミムリット皮下注用の審議に際して、乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチンの各条を生物学的製剤基準の各条として新設することとしています。具体的な改正内容については、9分の2ページ以降に試験法等を記載しています。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。今の議題1と議題11について、委員の先生方から御質問はありませんか。中野先生、お願いいたします。
○中野委員 中野です。今、御紹介いただいたことに関して、ちょっとコメントさせていただければと思います。
 まずは、主要評価項目の一つであるムンプスウイルスに対する免疫原性の基準を満たさなかったということですが、ウイルス学からいきますと、おたふくかぜワクチンの抗体価の評価、ムンプスウイルスに対する抗体価の評価は非常に難しいというのが、様々なテキストや論文でも言われていることかと思います。今回の有効性の評価はGenotype Dに対するプラーク減少中和法で測っていただいていますが、これは海外のこのRIT株を含むMMRワクチンに対して確立された方法ということで、審査報告書にもありますが、そういう意味で方法の選択としては妥当だと思っています。
 ただ、様々な方法があって、例えば今、国内の二つのおたふくかぜワクチンは、一方の製剤はHI法で測定していますし、もう一方の製剤はまた異なる方法です。
 そして、それに関してムンプスウイルスの遺伝子型、Genotypeの違いがあります。
 こちらもよく議論されることなのですが、おたふくかぜを起こすムンプスウイルス野生株はGenotype Gです。国内のワクチン株はGenotype Bです。2製剤ともGenotype Bです。このRIT株とJeryl-Lynn株、海外で広く使われている株はGenotype Aということで、もしかするとこのGenotypeの違いが免疫原性の評価にある程度関係した可能性はあるかと考えています。
 そして、何よりもMMRワクチンは1989年に我が国でも使用が開始されて、そのときは占部株のMMRワクチンだったわけですが、想定以上に無菌性髄膜炎が出現したということで、4年ほどで使用が中止になっています。その後の国内の議論で、今、御紹介がありましたように、少しでも安全性の高いおたふくかぜワクチン株をということで、このJeryl-Lynn株とRIT株、こちらは海外でも広く安全性の多数例のデータがあるワクチン株と理解しています。ただ、治験の成績ではそこまでのn数が検討できていないですから、これから、御紹介いただきましたリスク管理計画等で、市販後の調査でまた分かってくると思っています。このような観点から有効性と安全性の観点において、私は先ほど御紹介いただきました機構の判断は妥当と考えています。以上です。
○山本昇部会長 中野先生、ありがとうございます。機構から何か御意見はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構からはありません、中野先生、ありがとうございます。
○山本昇部会長 ありがとうございました。続きまして、宗林先生、御発言はありますか。
○宗林委員 質問になります。この無菌性髄膜炎がある程度高い比率で起きたからということで、4年間で定期接種をやめたという経緯があるという話が書いてありました。今、中野先生からも御紹介もありました。その後、相当な長い間、おたふくに関しては任意接種をしてきたということだったと思います。審査報告書の中には、それでも受けている人は30~40%という表現があるのですが、この間、無菌性髄膜炎の発症が高いからやめたといったものと同じものを任意接種で、2製品名前が出てきますが、ずっと同じものを使われて、任意接種で行われてきたのでしょうか。それが行われてきたのは、おたふくに罹患してしまったときの無菌性髄膜炎発症率より、それでもやはり低いからということで、この任意の接種が続けられてきたという理解でよろしいでしょうか。
 それから、もう1点は今回、RIT4385という良いワクチンが入るということで、これは単体で分けてする。最初から3種混合にするという選択をしたのはなぜかということと、これを契機に、例えば今まで使われてきたワクチンはどういう扱いになるのでしょうか。以上、大きく分けると2点なのですが、御質問です。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えします。
まず、1点目についてですが、4年間使用されて、その後、使用中止になったおたふくかぜのワクチン株に関しては占部株で、その後、任意で現在使用が継続されているものに関しては、星野株と鳥居株が使用されている状況です。そちらに関して、無菌性髄膜炎の発生頻度としては、自然発生率が1~10%というところと比べますと、任意接種で行われているおたふくかぜワクチンについては、報告により少し幅がありますが0.05%程度という発現率ですので、自然発生率に比べると大分抑えられているという状況かと思います。まず、1点目の御質問については以上ですが、いかがでしょうか。
○宗林委員 そうすると、その時点で無菌性髄膜炎の発症率が高かった占部株というのは、今、存在しないのですね。使われている状況はないのですね。
○医薬品医療機器総合機構 使用はされていません。
○宗林委員 分かりました。では、そこから一応、安全性の高いものに変わって、0.05%ぐらいの発症率になった。実際に罹患してしまうともっと高いからということで、やはり任意でもワクチンの接種をした方がいいのではないかという判断ですね。今後MMRに、いきなり三つ混合にした理由と、鳥居、星野はどうなるのでしょうか。
○事務局 まず事務局より回答させていただきます。本剤、あるいは現在任意接種で用いられているおたふく単味ワクチンの予防接種における取扱いについては、本部会とはまた別途、弊省の健康・生活衛生局の予防接種分科会、別の議論の場で議論がなされるものと解釈していますので、本日、この部会では御議論の対象からは外れる部分になるかと思います。MMRとして、当初よりというところについては、まず機構から御説明いただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。MMRとして3混で使用していくということに関しては、現在、小児の予防接種スケジュールが非常に繁雑化していまして、その中で3種のワクチンまとめて打てるという利便性も考慮されてというところかと考えています。
○宗林委員 はい、私もそれはもっともだと思いますが、最初のくだりを見ると、海外でそのように利用されているからということで、3種混合の特別なデータを今回取ったという感じはないですよね。海外では広く3種、MMRで打っている実態があると最初に書かれていますが。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。説明が悪かったかもしれないのですが、今回、ミムリットに関しては3種のワクチンを混合したワクチンで臨床試験を実施しまして、その試験での有効性及び安全性を評価したというところになります。
○宗林委員 分かりました。では、逆に言うと単味でこれを打つということではなく、MMRで3種混合で必ず打つという前提の下だということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解のとおりです。
○宗林委員 分かりました。ありがとうございました。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○山本昇部会長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
 では、議決に入りたいと思います。なお、中野先生、松下先生、南先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。まず、議題1について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。続いて、議題11について、これは改正です。改正を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、改正を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
 では、ロビーで待機くださっています浦野先生と川上先生をお呼び願います。
──浦野委員、川上委員 入室──
○山本昇部会長 続きまして、報告事項の議題8と審議事項の議題11に移りたいと思います。報告事項の議題8と審議事項の議題11は関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。まず、報告事項の議題8及び審議事項の議題11について、事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項の議題8について、まず説明をさせていただきます。
 資料20になります。審査報告書を御覧ください。フィブリノゲンHT静注用1g「JB」について、今般の申請では、心臓血管外科手術における出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充に関する効能の追加となっています。こちらについては、かなり前になりますが、2021年9月6日開催の当部会において、公知申請に係る事前の評価が行われまして、産科危機的出血、心臓血管外科手術における後天性低フィブリノゲン血症に係る効能等について、公知申請を行って差し支えないと判断されたところですが、心臓血管外科手術に係る今回の追加に係る効能・効果については、関連学会が行う調査やフィブリノゲン製剤の供給量を勘案した上で、追って申請をすることとされ、今般の申請に至ったということになっています。
 機構において確認を行いまして、こちらを承認して差し支えないと判断をしています。ただし、この公知申請に当たりまして、適正使用に関する体制の確保というところが必要で、審査報告書の15分の最後の方になりますが、15分の14ページです。承認条件として本剤の使用実態に関する情報を適切に収集し、本剤の適正使用に関して必要な措置を講じることを条件にしたいと考えています。
 続きまして、審議事項議題の11、生物学的製剤基準の一部改正についてです。資料は11-2です。改正の内容については、1ページの2.改正の概要の所に記載をしています。今回、乾燥人フィブリノゲンの基準について、二つ目のポツにありますように、適正使用のための添付文書の記載の変更に伴いまして、表示事項の規定の改正を行うということにしています。具体的には改正後の4.1の所の表示事項に関する記載です。また、1ポツ目にありますpH試験、有効期間及び溶剤の添付については、各品目の承認書において当然規定をされている項目ですが、生物学的製剤特有の管理項目として必要というものではないということで、生物学的製剤基準の整備の作業方針にのっとり、記載の整備として削除するものです。具体的な改正内容は2分の2ページです。議題の11-2について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から、御質問がありましたら御発言をお願いいたします。石井先生、お願いいたします。
○石井委員 11-2について、特にコメントはないのですが、11-1の説明が先ほどなかったかと思います。もし今からでもよろしければ説明だけ頂いておいた方がよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
○事務局 資料11-1の説明としては、ちょっと前の議題に戻ってしまうのですが、乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチンの今回のミムリット皮下注の申請に際して、生物学的製剤基準の基準告示、医薬品各条において、こちらのワクチンの基準を新設するということを説明しました。内容については、資料の11-1の9分の2ページ以降になります。本質、性状、製法、試験方法等について、規定を追加するというところです。
○石井委員 分かりました。ありがとうございます。内容は書類で確認させていただきましたので、大丈夫です。ありがとうございました。
○山本昇部会長 ほか、いかがでしょうか。それでは、議決に入りたいと思います。
審議事項の議題11について、改正を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、改正を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。また、報告事項議題の8についても、御確認いただいたものとします。
 続きまして、議題の2に移ります。議題の2ですが、まず、機構から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ゾコーバ錠125mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.2、審査報告書のファイルをお開きください。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に「30分の幾つ」で記載している数字を使用いたします。
 本剤は、SARS-CoV-2の3CLプロテアーゼ阻害剤であり、「SARS-CoV-2による感染症」を効能・効果として、医薬品医療機器等法第14条の2の2第1項に基づき、令和4年11月22日に緊急承認され、その後、令和6年3月5日に通常承認されています。
 今般、本剤の予防投与を検討した国際共同第III相試験の試験成績等に基づき、「SARS-CoV-2による感染症の予防」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。なお、本剤は、治療及び予防共に海外のいずれの国又は地域においても承認されておりませんが、米国及び欧州において予防に係る効能・効果を対象に承認審査中です。本申請の専門委員として、資料No.26に記載の4名の委員を指名しております。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書13ページの表9を御覧ください。この表は、本剤の予防投与を検討した国際共同第III相試験(T1331試験)の結果を示しています。本試験では、SARS-CoV-2による感染症を発症した患者の、家庭内同居者である12歳以上の者を被験者として、当該被験者に本剤又はプラセボを投与したときの、SARS-CoV-2による感染症の発症の有無等が検討されました。主要評価項目である「治験薬投与開始後10日目までにSARS-CoV-2に感染し、SARS-CoV-2による感染症の症状を発症した被験者の割合」の主要解析結果は、プラセボ群で9.0%であったのに対し、本剤群では2.9%であり、プラセボ群に対して本剤群で統計学的に有意に低く、SARS-CoV-2による感染症の発症予防に係る本剤の有効性が検証されました。
 次に、安全性について、審査報告書18ページの表15を御覧ください。この表は、国際共同第III相試験における安全性の概要を示しております。全体集団及び日本人部分集団のいずれにおいても、プラセボ群と本剤群との間で有害事象及び副作用の発現割合に大きな差異は認められませんでした。また、重篤な有害事象については、いずれも治験薬との因果関係は否定されております。加えて、本剤の予防投与時と、既承認効能・効果であるSARS-CoV-2による感染症患者への投与時の安全性プロファイルに異なる傾向は認められていないことを踏まえると、本剤の予防投与時の安全性は許容可能であり、予防に係る効能・効果の追加に当たって新たな注意喚起は不要と判断しました。
 続いて、本剤の投与対象について、審査報告書26ページの1.1、本剤の投与対象に係る注意喚起についての項の1ポツ目を御覧ください。本剤の投与対象について、SARS-CoV-2による感染症の予防は、ワクチン接種が基本であり、本剤の予防投与はワクチンに置き換わるものではないこと、SARS-CoV-2による感染症患者への接触後に、必ずしもSARS-CoV-2による感染症を発症するとは限らないことや、本剤の重要な潜在的リスクである催奇形性等を踏まえると、機構は、本剤が予防目的に広く漫然と投与されることは適切ではなく、臨床的な観点から予防投与の必要性が高い集団に対し、適切な注意喚起の下で使用されるべきと考えます。そのため、機構は、審査報告書27ページの枠内のとおり、添付文書において、原則として、SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者のうち、重症化リスク因子を有する者に本剤を投与するよう、注意喚起することが適切と判断いたしました。
 最後に、審査報告書27ページの1.2、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対する本剤投与についての項を御覧ください。本剤の通常承認以降、本剤投与後に妊娠していることが判明した事例が継続して報告されております。申請者は、当該事例の発生要因を分析した上で、製造販売後の安全対策として、患者向け及び医療従事者向け資材の修正や、「妊婦・妊娠の可能性のある方は服用禁止」と赤字で印字したPTPシートカバーの配布等により、医療現場における注意喚起の強化を行っております。
 機構は、現在実施中の安全対策を継続し、医療現場に対する注意喚起を徹底するとともに、本剤の納入医療機関及び薬局を対象とした情報収集の結果等を踏まえ、申請者は更なる安全対策を講じる必要性についても遅滞なく検討する必要があると考えます。
 また、今般の予防に係る効能・効果の追加に当たっては、妊娠する可能性のある女性に対する処方が一定程度増加すると考えられることに加え、SARS-CoV-2による感染症患者への接触後に、必ずしもSARS-CoV-2による感染症を発症するとは限らないこと等を踏まえ、審査報告書28ページの枠内のとおり、添付文書において、妊娠する可能性のある女性に対して本剤を予防投与に用いる場合には、その必要性を特に慎重に検討するよう注意喚起を行うことが適切であると判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。本申請は新効能医薬品としての申請であるものの、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間(令和16年3月4日まで)と設定することが適切と判断しました。薬事審議会には報告を予定しています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から御質問がありましたら御発言をお願いいたします。宮川先生、お願いします。
○宮川委員 宮川です。少し教えていただきたいのですが、今、お話があったように添付文書の5.4項は非常に重要な所で、重症化リスクのある方をしっかりと見極めて行うことは当然のことだろうと思います。その中で予防という言葉が出てきているのですが、臨床現場では非常に難しい判断をせざるを得ない中で、その予防があまりにも行き過ぎると非常に過大な対応になるのかなと思います。それから、この中では新規変異株に関しての言葉が余り出てこないので、それに関しても従来のオミクロン中心であるということも、この注意事項という所にある程度なければいけないのかなと思うので、確認をしていただきたいと思っています。
 もう一つ教えていただきたいのは、同居家族の二次感染が31~41%と言われていて、実際の潜伏期間が2.9日と言われているわけです。つまり、潜伏期間の中央値が2.9、幅としては2.5~3.2と書いてありますが、そうすると、このゾコーバを服用する時期が非常に重要で、同居家族がいて発症したときは既に遅いわけで、発症してから72時間以内に、という形だろうと思いますが、そうすると潜伏期間も含めて少し遅延が出てくると思います。その患者さんから排出するウイルス量は二日目がピークです。それからはほとんど症状が出てくる状況の中で、どの時点でこれが服用されたことがこの臨床試験の中に反映されているのでしょうか。つまり、服用した時点が遅ければ遅いほど、見かけ上、効いた形になってしまうだろうと思います。この薬を服用した患者さんの家庭内同居の患者さんの発症時期から、どのくらい遅れた時期が服用のピークになっているのか。その記録というのはあるのでしょうか。少し教えていただきたいと思って質問しました。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構より回答させていただきます。臨床試験におきましては被験者、すなわち同居家族の方に関しては、初発患者であるSARS-CoV-2による感染症を発症した方の発症から72時間以内に被験者の割付けを行って投与を始めるセッティングになっています。
○宮川委員 それは当然のことなので、72時間以内に投与するのですが、つまり、それは発症したところからすぐ飲んだのと、72時間後に飲んだのと、24時間後に飲んだのと、48時間後に飲んだのでは、かなり効き具合というかウイルス排出量が違うわけですから、そういうグラフというのは存在するのですかということをお聞きしたわけです。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。ありがとうございます。グラフの形式ではありませんが、審査報告書通し番号17ページを御覧いただけますか。17ページの表14におきまして、今回の試験の部分集団解析の結果をお示ししています。上から4番目の部分集団解析として、初発患者の発症から被験者の無作為化までの時間について、48時間をカットオフとして48時間未満・以上での結果をお示ししています。48時間未満の方がリスク比としては低い傾向がございますけれども、48時間以上72時間のサブ集団であっても、本剤群でプラセボ群と比して発症割合が低い傾向が認められ、本剤の有効性を否定するものではないと考えています。
○宮川委員 つまり、時間の早い方がウイルス排出量が多いわけですから、そこで効いてくれないと困るわけです。当然ながら、48時間後以降はウイルス排出量も少なくなっているので効いて当然なのですが、48時間とか24時間、そういう細かく分類したデータがないのであれば、予防ということを軽々しく謳ってしまうと非常に危険だなと思ったのです。そこで、この予防ということが、果たして正確に効果があると72時間まで言い続けていいのかどうか。臨床の中で余り強調され過ぎると、先ほど言った重症リスクの患者さんで、同居家族で罹患患者があれば、すぐ飲ませることの方が効き具合がいいのかどうか、きちんとした理由がないと困るのです。24時間以内か48時間、それから0に近い所、つまり、同居患者さんが発症したらすぐに飲ませることで感染率が少ないというデータがあれば、これは非常に有効であろうと思うのですが、本品がそれほどの力があるのか。ウイルスの排出量を少なくすることはなかなかないので、そうすると、こういう感染症は家庭内でどんどん広がっていくこともあります。
 例えば、予防効果がありますよと言ったときに、その患者さんは外に出ていいのですか。そこが問題なのです。その方は何日目から外へ出ていいのでしょうか。例えば同居家族が二次感染症であれば、みなしとして何日間は家庭内にいなければいけない。私たち臨床家としては、みなしの感染として出てはいけませんよと言うわけですが、この予防投与ができた患者さんは治療ができているということで、同居家族の症状が治まったと同時に出ていいのでしょうか。そこがちゃんとここに書いてないですね。これは感染症の中で非常に重要なことだろうと思いますが、服用した患者さんは何日から外へ出ていいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構でございます。今回、予防投与を受けた方が何日以降に外に出られるのか、何日以降なら感染性がないのかというところを意図されているのかと理解しましたけれども。
○宮川委員 感染というよりも、ほかにうつすということです。
○医薬品医療機器総合機構 伝播に関して、そういったデータは特段、今回の試験においては取っておりませんので、何かデータに基づく推奨というのは難しいのではないかと考えています。
○宮川委員 であれば、予防と書いていいのでしょうか。つまり、その患者さんが出る時点がどこなのかを明記しなければ、本当はおかしなことになってしまうのです。予防と言うからには、データとしてはある程度認めることはできるのです。だけど、そこのところの組合せとして、その患者さんが十分治療されてないという形であればウイルスを排出します。その家庭内同居者がどの時点から出ていいのか。発症が予防できているのだったら出ていいのですが、予防されていないのだったら出てはいけない。つまり、今言ったように残りの可能性が少しあるわけです。100%効いているわけではないので、そこが非常に大きな問題になってしまう。今後、これがオミクロンであれ、また再流行したときに、どのような建て付けにするかで現場は非常に困窮するのではないかと思ったのでお聞きしたわけです。それが付随していないと、治療薬としては完結しない形になってしまう。予防投与としても完結しないという形になる。
○医薬品医療機器総合機構 機構でございます。御指摘ありがとうございます。今回の臨床試験といたしましては、御理解いただいているとおり、発症した同居家族の方と一緒に暮らしている方に本剤又はプラセボを投与したときに、10日目までにウイルスの感染を起こし、かつ発症した割合を評価して、その割合が本剤によってプラセボ群と比較して低減したことを示しています。主要な結果としてはその症状を見ていますので、ウイルスの排出という部分に関しては必ずしも確認をしていない状況です。
○宮川委員 発症はいいのです。発症しても何日間か普通は自宅内に留めておくわけです。つまり、うつった患者さんというか、家庭内感染をした患者さんは何日まで家の中にいなければいけないのか、そういうことも含めてこういうことを治療体系としていかなければ、実際上、予防というのは認められないわけです。治療はいいのです。治療は私たちは分かっているわけです。予防の効能又は効果の審議になればその効果として十分になければいけない。予防であれば、他に波及されない建て付けにしなければいけないのですが、その答えはここにあるのでしょうか。
 この試験はいいのです。だから、コロナウイルス感染症の治療体系に付随して予防投与の体系を作らなければ、これを世の中に出すことができないので、機構はそこのところも少し考えていかなければいけないと思います。薬の審議はこれで私はいいのです。ところが、この薬を実装して世の中に出すときの建て付けを考えていくことが大事なので、そこのところをどうやって私たちは考えたらいいのかも含めて、このデータの補強をしなければいけません。つまり、いわゆる同居家族が治療を受けたときに、その人のウイルス排出量を見ていかなければいけない。ですから、予防での使用を実装する段階でどのように考えて投与するのか質問したわけです。その真意はそこなのです。ただ、答えはここには出てないのです。だから、そこのところを厚労省事務局が、実装の議論が十分にできてから適応を検討すべきです。データとしてはこれはおかしくないのです。ところが、これを世の中に出すときには、それを実装するだけの根拠とか、それを臨床的に適用するときの条件を付けていただくことが重要だということで、お話しました。そのためのデータがあるのかないのかを聞いただけです。
○医薬品審査管理課長 審査管理課長です。御質問、御意見ありがとうございます。
順番にいきますと、まず発症された初発患者さんが、発症されてからできるだけ早く同居家族も飲んだ方がいいのではないかと御指摘いただきました。これは恐らく初発患者さんの診断とか治療開始が同居家族の服薬開始のタイミングになると思われますので、早ければ早い方がいいという御指摘はもっともです。結局、初発患者さんの治療開始のタイミングによると思いますので、今回の治験の中でも72時間で見ていることになるかと思いますが、そこは発症された方の治療、それから同居家族での予防投与の開始を考えることがあると思います。その中で、今回の試験結果で72時間というところで切ったら、プラセボ群と比べ同居家族の発症は少なかったという結果ですので、予防適応について認めてもいいのではないかというのが、今回、御審議に諮っているところです。
 もう一つは、縷々御指摘いただきました、同居家族の発症自身は少なくなっているかもしれないけれども、その家族がウイルスを排出している可能性があるのではないかという御指摘だったかと思います。そこは確かに先生が御指摘のとおり、今、この試験の中から答えはないのだと思いますけれども、治療体系の中で考えるべきだという御指摘はごもっともだと思います。コンサバティブに考えれば、同居家族の取扱いは予防投与をするしないにかかわらず、これまでと同じように、例えば外へ出ないでください、あるいは何日間出ないでくださいという取扱いにしておくのが保守的な対応で、もし、これを服用していたら何日から出てもいいと言えるかどうかは、今後、別の場で御議論いただくことになるかと思います。そういった御指摘があったことも踏まえまして、この薬の取扱いについて関係部署とも相談したいと思います。以上です。
○宮川委員 課長、ありがとうございます。つまり、予防投与したから出ていいと言ってしまってはいけないので、予防投与しても何日間かはちゃんと見なければいけませんという建て付けをしなければいけない。それが独り歩きすると、この薬を飲めば予防ができているのだから自由に行動して良いこととなると、今後、新規感染症が出てきてまた同じような大流行がきたときに、その独り歩きした考えが感染を拡大する可能性があるので、予防という言葉は非常に慎重に使っていかなければいけない。そこのところだけは是非、確認していただいて建て付けをしっかり作っていただく。予防薬を飲んだから必ず発症が予防されたんだと誤認されて安易に使われてしまってはいけない点も、きちんとした建て付けを作っていただきたいと思って質問させていただきました。以上です。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございます。先ほど私は保守的に考えればという言い方をしたのですが、恐らくこの予防投与を求める方たちのニーズなどもあると思いますので、そこは感染症対策ということで全体として検討いただくことになると思います。以上です。
○宮川委員 ありがとうございます。先ほど言った添付文書の5.4項の所が非常に重要なので、5.4項の所はいわゆる患者さんのみであればいいのですが、健常者がこれを飲んだからといって軽々に外に出るようなことがあってはならないのです。先ほど機構からしっかりと御説明いただいたので、その筋でしっかりと建て付けを作っていただければと思います。以上です。
○山本昇部会長 機構側、何かありますか。いいですか。宮川先生、ありがとうございます。ほかに御質問いただいております。順番にいきます。まず、浦野先生、いかがですか。
○浦野委員 基本的には宮川先生の今の御指摘のとおりで、私もそこがすごく気になるところです。実際、今回の表9にあるものは、症状を発症した被験者の割合という形であって、決してウイルスの量が減ったわけではないということだと思ったのですが、実際にウイルス量などに関するデータは全くないのかどうか。これは予防として本当にうたっていいのかどうかということが非常に重要かと思います。症状が出なかったこととウイルスとの関連というのは、予防という単語は非常に大きいと思いますので、そこは是非データを取るべきではないかと思ったのが1点です。
 もう一つは、余りサイエンティフィックではないのですが、少し効き過ぎているという印象がすごくあって、ゾコーバは前に承認したときはかなりぎりぎりだったという印象があったのです。予防投与ということにすると、今回、こんなに明確な差が出たことに関して、機構はどう考えているのかと。つまり、前は確かゾコーバの場合だと、第2b相パートでは一定期間内に10何症状だと差が出なかったのですが、第3相パートではこの5症状に絞ると差が出るみたいな感じだったように何となく記憶しているのです。今回は、例えば本剤群で実際に2.9%の方は発症したとなっているのですが、その方が治るまでの時間と、プラセボ群の9%が発症した者が治るまでの時間が、基本的には前のゾコーバの治療薬としての申請のときと同じぐらいの効きである必要があると思います。そこに関してはどうなのか余り分からないなというのがすごく強い印象としてあって、宮川先生もおっしゃったように、少なくとも予防薬と言ってしまうと、これは社会に対してものすごく影響力が大きい言葉だと思いますので、かなりしっかりとしたエビデンスを持った上で予防薬、かつ、その予防薬はどう使うべきなのか。先ほど宮川先生がおっしゃったみたいに、実際にそれを飲んだら、もう外へ出歩いていいのですよと思われては絶対駄目だと思いますので、そこに対してどれぐらい強いデータがあるのか、ウイルス量に関して言いますと、少なくともデータが必要ではないかと思って、私も発言させていただきました。これはすごく効いているように見えているのですが、治療薬としてのゾコーバの承認のときに比べてデータが良過ぎることに関しては、機構は余りそうは思わなかったのでしょうか。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。御質問、御意見ありがとうございます。まず、1点目の御指摘について、宮川先生から頂いたご指摘にも共通する部分です。本剤を服用した場合に、必ずしも発症を100%防げるわけでもないですし、仮に感染した場合にその排出ウイルス量に関してどのような挙動を示すのかということは、今回の試験で必ずしも確認をしているところではありません。
 なお、主要評価項目ではSARS-CoV-2に感染して、かつ発症した被験者の割合を評価しておりますが、副次評価項目として、発症ではなく、あくまでSARS-CoV-2に感染した被験者の数に関しても確認はしておりまして、そこに関しても、本剤群とプラセボ群で比較しますと、本剤群でより低い傾向は出ております。この点はデータがあるということで補足をさせていただきます。
 もう1点、治療効能と比べて、結果の印象というところでは、必ずしもその要因で確たるものはないかと思いますが、本剤は抗ウイルス薬ですので、基本的には治療の場合でも同じですが、感染をしてからなるべく早く飲んだ方が効くことが、作用機序の観点からは期待できると考えます。
 その観点からは、治療ですと発症した後に飲み始めることになりますので、体内のウイルス量はかなり多いところから抗ウイルス薬を投与することになるのに対して、予防投与の場合には、少なくとも服薬時にはウイルスがあったとしても、発症には至っていない量のウイルスを保有している、若しくはウイルスを保有していないところから本剤を投与しますので、抗ウイルス薬の効果として出やすい可能性はあるかと考えております。以上です。
○浦野委員 ありがとうございます。今の御説明で理解できました。ただ、そうは言っても、これは確かCYP3Aの阻害剤になると記憶しているのですが、ほかの薬剤との飲み合せなどを考えると、めったやたらにそんなにたくさん使うものでもないのではないかという気はするので、やはり飲めば飲むほど大丈夫というような安心感を与えては絶対にいけないかと。特に先ほど言ったみたいな形で、飲んだからといって外へ出歩いていいとか、そういうものもないですし、当たり前ですが、飲んだら肝臓に対してCYPの阻害が掛かることはしっかりと認識した上でちゃんと使用してもらう必要は十分ある薬剤ではないかと思っています。私からは以上です。
○山本昇部会長 浦野先生、ありがとうございます。続きまして、宗林先生、お願いします。
○宗林委員 宗林です。私も実は予防に関してですが、添付文書を見て、もう少しきちんと書いていただきたいというのは変ですが、「予防」が治療の中の下に「予防」ということで、7.2項と7.3項しかないわけです。飲む量は一緒です、治療も分かるのですが、例えば、先ほどのり患率がプラセボと差があるといった表13でしたが、重症化リスクがある人たちばかりでやったのですか、というのがまず一つあります。
 もう一つあるのは、例えば同居家族と書いてある、同居、共同生活でしたか、というのがあるのですが、そして重症化リスクを持っている人しか使えないみたいに書いてあるのですが、家の中で何人もコロナにかかっていて、一応お母さんは元気だけれども、重症化リスクは取りあえずないから使えないのか。また逆に、一緒にずっと旅行していた友人が帰ってきたらすぐ発症した場でも、これは同居していないから使えないのかとか、いろいろな応用問題があります。
 「何だ、予防ができるのだ」というふうに、一般の消費者は短絡的に思うので、先生にも求めていくような気がします。この予防ということについて、どんな場合に本当に使うことができて、飲む量は治療と同じぐらい飲んで、1回飲んだらどのぐらい外出できないとか、そういうようなことも含めて、予防についてはもう少しこの行数だけではなくて、きちんと予防についてということで、予防で投与する場合ということで、もう少しきめ細やかに注意深く。これを見るのは一般消費者ではないですが、曖昧にならないように、きちんと添付文書の量を増やして書いていただきたいと思っています。自分が重症化リスクがなければ、家族が何人も倒れていて、いろいろな所で世話をしなければいけないような状況であっても使えないのか。
そういう意味では、先ほどの表13は全部重症化リスクのある人たちばかりで取ったデータなのか、その辺りはいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。御意見いただきありがとうございます。まず1点目、今回の試験の対象者に関しては、特に重症化リスクの有無を問わずに組み入れております。重症化リスクありの被験者に関しても、先ほどの審査報告書17ページの表14の部分集団の解析の方に記載をしておりまして、重症化リスク因子の有無別で、いずれも本剤群の発症に関しては抑えられる傾向は確認しております。
○宗林委員 私もそうだろうと思いましたが、添付文書は、この予防で使う場合は重症化リスクのある人しか使えないように書いてありますが、それはぎちぎちそういうことなのでしょうか。先ほど言ったように、長時間発症者と一緒にいたりとか、重症化リスクはないが、たくさんの家族の発症した人の面倒を見なければいけないとか、そういう場合は使えないという整理ですか。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の御質問に関して、添付文書上では、原則としてSARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者のうち、重症化リスク因子を有する者に投与することを、5.4項で注意喚起をさせていただいております。こちらに関しては、先ほど冒頭で御説明もさせていただいたとおり、今回の臨床試験の対象としては、あくまで家庭内の同居家族を組み入れたため、添付文書上は臨床試験のセッティングをそのまま反映する形で記載をしております。
 また、重症化リスク因子を有する者に投与することという注意喚起を行った背景としては、こちらも冒頭で御説明させていただいたとおりですが、本剤に関しては、広範に使われることは適切ではないことから、予防の必要性が高い集団ということで、重症化リスク因子を有する者ということで明記しております。
 しかしながら、インフルエンザ予防薬等と同様に、5.4項の注意喚起においては、「原則として」という文言も同時に付けておりまして、基本的に臨床試験の対象、若しくは必要性の観点からは、5.4項に記載した対象者の方に投与が推奨されると機構としては考えておりますが、あくまで接触の具合、ある意味、長期間の旅行で家族同様に接触しているとか、若しくは家庭内の感染状況等も踏まえて、医療現場において柔軟に御判断を頂けるように、「原則として」という言葉も付記しております。以上になりますが、いかがでしょうか。
○宗林委員 分かりました。多分、医師はそれで判断できるということであればいいのですが、先ほどの一旦予防薬として飲んだ場合、どのぐらい同じように外へ出てはいけないとか、そういうことも含めて、もう少し予防の所を膨らませて、丁寧に記載していただけたらと思います。予防であっても禁忌は同じですし。予防は非常に魅力的な言葉であって、例えば、ワクチンは副反応が出るけれどもという中で、いざそうなったときに、これを飲めばいいのだということもないような形で、きちんとした説明が。添付文書を一般消費者が見ることはないでしょうが、誤解のないように、もう少しボリューム感を持って伝えてほしいなと思います。私は要望します。以上です。
○事務局 宗林先生、ありがとうございます。事務局です。本剤について、添付文書を一般の方は余り見ることはないのですが、1項、警告において、ワクチンによる予防が基本で、ワクチンに置き換わるものではないということ。5.4項で、原則として重症化リスク因子を有する者に投与すること等々、注意喚起を記載しておりまして、安易に使われることがないように、情報提供をしっかり行うように、製販等にはお伝えしたいと思います。また、添付文書について、余りに分量が少ないのではないかという御指摘を頂きましたので、具体的に何を書くかは検討はさせていただきますが、記載の分量については検討させていただきたいと思います。
○宗林委員 ありがとうございました。
○山本昇部会長 宗林先生、ありがとうございます。横幕先生、お願いします。
○横幕委員 お願いします。宮川先生、浦野先生、宗林先生と関連する話になるかもしれませんが、まず、この薬の承認時のin vitroのデータからすると、恐らくできるだけ早期に高用量で使った方がよい薬という印象があります。従って、今回の発症予防内服的使用というのが、現実的には本薬を一番有効に使う方法だろうと承認のときから思っていました。ところで、諸先生方から御指摘があったように、やはり効能の記載の仕方、すなわち、予防という言葉の使い方については本当に慎重にあるべきだと思います。
 本薬のような抗ウイルス薬、若しくは抗菌薬にもあてはまりますが、私は、これらの薬剤を予防で使うときには、原則として有効な予防ワクチンがない疾患に限ると考えてます。例えばHIVの予防内服についても、有効な予防ワクチンがないということでPrEPという形で抗HIV薬が感染予防のために承認、使用されているという背景があります。今回の承認された場合には、臨床にいる立場としてよい適応となる患者像と考えるのは、新型コロナウイルスに感染したときに重症化して死亡するリスクが高い、ある種の血液疾患の治療薬を使っている方、若しくは私が診療にあたっているような重篤な免疫不全の方になります。
 ここで、まず1点確認したいのですが、同様の使い方をしている抗ウイルス薬として、インフルエンザに対するタミフルがあります。その添付文書を確認したのですが、適応に「治療及び予防」とあり、対象は今回と同様に患者の「同居家族又は共同生活者」となっています。タミフルは実際よく診療現場で病棟内でも予防内服として使用されますが、今回本薬の感染予防の効能が承認され、添付文書上の記載が同じ場合、医者の裁量もあるかと思いますが、診療現場にある我々はタミフルと同様に、病棟で真に必要な方に本薬を予防目的で使用する選択肢が与えられるかどうかは、現場を預かる医師としては興味があります。
 また、諸先生方から御指摘があった予防の定義の仕方ですが、今回の申請文書を見直したところ、有効性の評価の項目としては「感染かつ発症」という記載になっており、感染については、治験でRT-PCRで必ず定量値が得られるデザインになっています。抗原検査が一部あったようですが、ウイルス量についてはRT-PCRで評価がなされていて、少なくともCt値としてはウイルス量を示すデータがあるはずです。先ほど事務局からデータがあってそのテーブルもあるとの補足がありました。
できればですが、タミフルの添付文書にはないのですが、本薬の添付文書上にウイルス量が低く抑えられた、もしくはCt値上ウイルス量の抑制が認められたが、発症しないもののウイルス量は検出されること、しかし本薬投与群でそれが有意差をもってプラセボ群より低いというデータを記載することができれば、今回の添付文書上の予防という言葉が、実は発症予防を言っているのであって、感染予防ではないのだということを、エビデンスに基づいて事実を示すことができるのではなないかと考えます。
 あともう一点は、もし情報があればご教示いただきたいことがあります。例えば今回の治験の中で本薬投与群の中で感染して発症してしまった方の中に、従前は治療後や症状消失後も非常に低いCt値、すなわち高ウイルス量でウイルスが残ってしまうような免疫不全の方、若しくは一部の血液疾患の方がいたかどうか、また、いらっしゃった場合、感染が確認された場合、本薬の予防的内服で発症阻止できてもウイルスが持続的に鼻腔内に検出されるという事例がやはり起こり得るのか、持続的に検出された場合であっても予防内服しない場合よりも低いウイルス量に抑えられるのか。もし、そういった症例の情報が付随して提供されれば診療現場にとっては有益であると思います。これら三点について、情報提供を頂きたいと思いますが、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。御質問、御意見を頂きましてありがとうございます。先ほど来、いろいろな御指摘を頂きまして、事務局からも申し上げましたが、添付文書における記載及びウイルス量も含めて、どのような形で情報提供ができるかという点に関しては、一度、こちら側で検討させていただければと思います。最後に御質問を頂いた、感染した際の持続感染の点に関しても、データの有無も含めて確認させていただきたいと思います。
○横幕委員 分かりました。診療現場では恐らくしっかり解釈して使用していただけると思いますが、やはり諸先生方と同じように、本薬で感染が予防されるような書き方ではなくて、審査文書では、得られたデータはきちんと出して、審査文書上、言葉の解釈が正確にできるように情報が記載されるべきであり、かつ、そういった資料をもって審議は行うべきだと思います。事前にそのような形で申請者と承認の作業を進めていただければより良い審査になるかと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。御指摘いただきありがとうございます。承知いたしました。
○山本昇部会長 横幕先生、ありがとうございました。ほかにいかがですか。宮川先生、お願いします。
○宮川委員 宮川です。ゾコーバの最初の治療薬としての審議のときと違いがあるのかというのは、私も非常に不可解だなと思ったのですが、この初発患者と被験者の選択基準の所で見て取れば、これは非常に分かりやすいかと思います。第2b相パートでは12症状あって駄目で、第3相パートでは5症状になったわけですが、今回は14症状の中の一つ以上認められる方が初発患者になっている。表8を見て取れば分かるのですが、一つでもあれば、それを初発患者として認めるということで、抗原検査やPCR検査で陽性の初期から軽い初発患者を見ているわけです。
 そして、被験者が家庭内同居と認められる選択基準というのも、1から7まであり、初発患者が1から3まであって、それも一つ以上の項目があるという形で、この下のb)にある、14の症状を取っていると。その初発患者の中のそういう患者さんも、a)のように非常に軽いというか、そういうところを選んでいるということで、確かに私たちが日常の中で診ている、COVIDが陽性であって医療機関に来るという患者さんよりもはるかに微細な症状を取っているというところから見て、ウイルスの量も分かりませんが、そういう患者さんを見て同居家族に対して投与しているということは、ゾコーバを臨床上で使ったときの最初の試験と多少異なるのは、そういう点もあるのではないかと思いますので日常診療にこれを用いるときには非常に注意をしなければいけません。
 そして、予防という言葉に対しては、非常に用心をして使わなければいけないので、その枠組みは是非、厚生労働省、機構も一緒になって考えていただかないと、ただ予防という言葉が、先ほど諸先生方がおっしゃっているように、独り歩きをすると非常に危うい状況となります。不適切な予防に対する考え方が臨床現場で困窮する原因になるので、是非ともそのような文言に関しては抑制的にお使いいただいた方が有り難いと思いますので、最後に意見をさせていただきました。以上です。
○山本昇部会長 宮川先生、ありがとうございます。ほかにいかがですか。
 それでは、議決に入りたいと思います。亀田先生、中野先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本議題につきまして承認を可としてよろしいですか。御異議がないようですので、承認を可として、薬事審議会に報告させていただきます。
○医薬品審査管理課長 議決いただきまして、どうもありがとうございます。本日は宿題として頂いた事項につきましては、各委員の先生方、部会長の先生にも御確認を頂くということで対応させていただきます。以上です。
○山本昇部会長 ありがとうございます。それでは続けます。議題3です。横幕先生におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、議題3の審議の間は会議から御退席いただきます。横幕先生、御退席をお願いいたします。
──横幕委員 退席──
○山本昇部会長 議題3につきまして、機構側から説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品イドビンソ配合錠の製造販売承認の可否等について機構より御説明いたします。資料No.3、審査報告書のファイルを開いてください。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に「63分の幾つ」で記載している数字を使用いたします。
 本剤は、新有効成分かつ新規作用機序である核酸系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤のイスラトラビル水和物及び既承認の非核酸系逆転写酵素阻害剤であるドラビリンを有効成分として含有する配合剤です。これまで本邦における既承認のHIV感染症治療薬は、審査管理課長通知「HIV感染症治療薬の製造又は輸入承認申請の取扱いについて」を踏まえ、海外規制当局に対する承認申請に添付される資料等に基づいて海外承認から遅れて承認されていましたが、本剤ではHIV-1感染症患者を対象とした日本人患者を含む国際共同第III相試験の成績等に基づいて海外と同時期に承認申請が行われております。なお、本剤は2026年3月時点において海外のいずれの国又は地域においても承認されておりませんが、米国及び○○○において承認審査中です。本申請の専門委員として、資料No.26に記載の6名の委員を指名しております。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書51ページの表54を御覧ください。抗HIV療法によりウイルス学的抑制が得られている成人HIV-1感染症患者を対象とした二つの国際共同第III相試験である051試験及び052試験の結果を示しております。
 主要評価項目である治験薬投与開始後48週時におけるHIV-1RNA量が50copies/mL以上の患者の割合について、いずれの試験においても、本剤群と実薬対照群との群間差の95.002%信頼区間の上限値が、事前に規定された非劣性マージンである4%を下回ったことから、実薬対照群に対する本剤群の非劣性が検証されました。
 また、日本人患者における有効性について、審査報告書46ページの中段を御覧ください。051試験の日本人部分集団では、本剤群及び対照群共に治験薬投与開始後48週時におけるHIV-1RNA量が50copies/mL以上の患者は認められず、全体集団と比較して、日本人集団において有効性が異なる傾向は認められておりません。
 また、審査報告書48ページの中段を御覧ください。052試験の日本人部分集団でも、本剤群及び対照群共に試験薬投与開始後48週時におけるHIV-1RNA量が50copies/mL以上の患者は認められず、全体集団と比較して、日本人集団において有効性が異なる傾向は認められておりません。以上の試験成績を踏まえ、抗HIV療法によりウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者に対する本剤の有効性は期待できると判断いたしました。
 次に、安全性について、審査報告書53ページの表58を御覧ください。051試験及び052試験における安全性の概要を示しております。両試験共に本剤群で死亡例は認められず、Grade 3以上の有害事象、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象の発現割合は本剤群と対照群で同程度でした。なお、051試験では、対照群と比較して本剤群で副作用の発現割合は高かったものの、本剤群で認められた副作用はいずれも非重篤な事象でした。
 また、審査報告書47ページの表47を御覧ください。051試験において、本剤群又は対照群で5%以上に認められた有害事象を示しております。本剤群で下痢の発現割合が高値であったものの、いずれも軽度又は中等度の重症度の事象であり、また、その他の有害事象の発現割合は両群でおおむね同様でした。
 次に、審査報告書49ページの表51を御覧ください。052試験において、本剤群又は対照群で5%以上に認められた有害事象を示しておりますが、いずれの有害事象の発現割合も、両群でおおむね同様でした。以上の試験成績を踏まえ、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本剤の有効成分は、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていること、新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤であることから、再審査期間は10年とすることが適切と判断しております。また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体イスラトラビル水和物及び製剤は、毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しています。薬事審議会には報告を予定しております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から、御質問がありましたら御発言をお願いいたします。
 それでは、議決に入ります。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 ロビーで待機されている横幕先生をお呼びください。
──横幕委員 入室──
○山本昇部会長 続いて、議題4に入ります。まず、機構側から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、デュピクセント皮下注300mgシリンジ及び同皮下注300mgペンの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について機構より説明いたします。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に記載している青色の通し番号の数字を使用いたします。通し番号6ページの第1項を御覧ください。
 本剤の有効成分であるデュピルマブは、インターロイキン-4受容体αサブユニットに対するモノクローナル抗体です。本邦では2018年にアトピー性皮膚炎に係る効能・効果で承認されて以降、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎等に係る効能・効果でも承認されています。今般、水疱性類天疱瘡に係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本剤は、昨年2月に開催された本部会で御審議いただき、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されています。本剤の水疱性類天疱瘡に係る効能・効果については、2025年12月現在、米国で承認されています。本申請の専門委員として資料No.26に記載の4名の委員を指名しました。
 主な審査内容について、中等症又は重症の水疱性類天疱瘡患者を対象として実施された国際共同第III相試験の成績を中心に説明します。有効性について、通し番号12ページ、表8を御覧ください。主要評価項目である投与36週時に持続的寛解を達成した患者の割合について、本剤群とプラセボ群の対比較において統計学的に有意な差が認められ、プラセボに対する本剤の優越性が検証されました。以上の点等を踏まえ、機構は、中等症から重症の水疱性類天疱瘡患者に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
 次に、安全性について、通し番号21ページ、表15を御覧ください。同じ皮膚科領域の疾患である既承認のアトピー性皮膚炎患者等における安全性プロファイルと比較して、水疱性類天疱瘡患者における本剤投与時の安全性プロファイルに、現時点で明らかに異なる傾向は示されていないと判断しました。
 次に、通し番号22ページ、7.R.3.2、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)についての項を御覧ください。水疱性類天疱瘡患者を対象とした臨床試験において、本剤投与群1例にAGEPの発現が認められたこと、本剤の既承認の適応症での市販後におけるAGEPの報告状況を踏まえ、添付文書の重大な副作用の項においてAGEPについて注意喚起するとともに、重要な特定されたリスクとして設定することが適切と判断しました。以上より、中等症から重症の水疱性類天疱瘡患者に対する本剤の有効性が示され、安全性が確認できたこと等から、効能・効果は中等症から重症の水疱性類天疱瘡と設定することが適切と判断しました。以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本申請は希少疾病用医薬品としての申請であることから、再審査期間は10年と判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問がありましたら御発言をお願いいたします。いいですね。
 それでは、議決に入ります。亀田先生、中野先生、松下先生、山本俊幸先生におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 続いて、議題6に移ります。南先生におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、議題6の審議の間、会議から御退席いただきまして待機をお願いいたします。南先生、御退席をお願いいたします。
──南委員 退室──
○山本昇部会長 では、議題6について、機構側から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料番号6、医薬品ニュベクオ錠300mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について説明します。本剤の有効成分であるダロルタミドは、アンドロゲン受容体(AR)を介したシグナル伝達を阻害する低分子化合物であり、アンドロゲンのARのリガンド結合部位への結合を競合的に阻害するとともに、転写因子であるARの核内移行を阻害し、標的遺伝子の転写を阻害することにより、ARを介したシグナル伝達を阻害し、アンドロゲン依存性腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。本剤は、前立腺癌に係る効能・効果で承認されており、今般、「アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」に対する本剤とゴセレリン酢酸塩(ゴセレリン)との併用投与に係る製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
 令和7年10月時点において、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌に係る効能・効果で本剤が承認されている国又は地域はありません。本品目の専門協議には四人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料番号26を御覧ください。以下、臨床試験成績を中心に審査の概要を説明します。
 審査報告書26分の7ページを御覧ください。今般の承認申請では、臨床試験成績として、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌患者を対象とした国内第II相試験であるDISCOVARY試験の成績が提出されました。有効性については、審査報告書9ページ、表4を御覧ください。DISCOVARY試験の主要評価項目とされた中央判定による奏効率は45.2%でした。奏効率の90%信頼区間の下限値が、事前に設定された閾値奏効率15%を上回ったこと、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌に対する標準的治療は確立しておらず、得られた奏効率の結果は臨床的に意義のある結果であったことを考慮すると、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌患者に対する本薬とゴセレリンとの併用投与の一定の有効性は示されたと判断しました。
 安全性については、審査報告書11ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌患者に対する本薬とゴセレリンとの併用投与時に特に注意を要する有害事象は、既承認の効能・効果に対する承認時等に注意が必要とされた事象であり、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師によって、患者の観察、有害事象の管理、本剤又はゴセレリンの休薬等の適切な対応がなされる場合には忍容可能と判断しました。
 以上のような審査の結果、機構は、「アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断しました。本剤は、「アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されていることから、今回追加する効能・効果に対する再審査期間は10年とすることが適当と判断しました。薬事審議会には報告を予定しています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。まずは委員の先生方から、御質問がありましたら御発言をお願いいたします。安藤先生、どうぞ。
○安藤委員 この臨床試験では、ARを測定する抗体はロシュのVENTANA SP107抗体が使用されていますが、今回の本薬の承認に際して、コンパニオン診断薬はVENTANA SP107抗体のみということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えいたします。御質問を頂きありがとうございます。審査報告書15ページの「7.R.3.2 AR検査について」の項を御覧ください。AR検査を含む分子病理診断が唾液腺癌の診断において必要な検査として国内外のガイドラインで推奨されていること、また、DISCOVARY試験において、中央検査機関と各治験実施施設におけるAR検査の結果の一致率が93.9%であった結果を踏まえ、現時点では、AR検査をコンパニオン診断薬として開発する必要はないと判断しております。そのため、添付文書においては、AR検査は十分な経験を有する病理医又は検査施設において実施する旨を注意喚起する予定です。御回答は以上です。
○安藤委員 ありがとうございました。ということは、前立腺癌などでもAR検査は十分に普及しているので、特にコンパニオン診断薬として規定する必要はないということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えします。唾液腺癌の診断において、AR検査が普及しているという状況と理解しております。
○安藤委員 ありがとうございました。
○山本昇部会長 ほかは、いかがでしょうか。
○浦野委員 浦野から、1点よろしいでしょうか。
○山本昇部会長 お願いします。
○浦野委員 今の質問にも絡むのですが、10ページの表5の所、AR陽性割合別の奏効率というのは今回のターゲットというものをちゃんと明確に示していて、いいデータだと思うのですが、90~99%の奏効率が半分というところで、かなりスレッショルドとしては高い側にあるような印象があるのですが、これは例えば、90~99%の18例の中で、高い方でより奏効率が高いといったデータにはなっているのでしょうか、それとも、この辺になってくると、AR陽性割合の数字は余り関係なくて、ランダムに5割ぐらいが奏効するという形になるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問を頂きありがとうございます。ARの陽性割合について、90~99%の間のより詳細な値は得られておりませんので、今の御質問に対しては、分からないという回答になります。
○浦野委員 なるほど。では、この検査結果で出てくるものは90~99の間のどこかという形でその症例が上がってくるということなのですね。
○医薬品医療機器総合機構 検査の結果としては、陽性又は陰性という結果や、具体的な数値が返ってくる場合もあると認識しています。
○浦野委員 なるほど。分かりました。大体その想定どおりの機構で働いているなということはよく分かるデータなので、ありがとうございました。
○山本昇部会長 ほかは、いかがでしょうか。それでは議決に入ります。松下先生におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 ロビーで待機くださっている南先生をお呼び願います。
──南委員 入室──
○山本昇部会長 続いて、審議事項の議題9、報告事項の議題4及びその他事項の議題1に移ります。これらは関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。審議事項の議題9、報告事項の議題4及びその他事項議題1について、事務局側から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、御説明いたします。資料番号は9及び16です。まず、報告事項の議題4、資料16です。審査報告書を開いてください。本剤は、ヒトIgEに対するヒト化モノクローナル抗体であるオマリズマブ(遺伝子組換え)[オマリズマブ後続1]を有効成分とする製剤であり、ゾレアを先行バイオ医薬品とするバイオ後続品としてセルトリオン・ヘルスケア・ジャパン株式会社により製造販売承認申請がなされました。
 3ページを開いてください。本剤の効能・効果は、先行バイオ医薬品と同様に気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性の慢性蕁麻疹に関するものとなっております。また、用法・用量については、いずれも先行バイオ医薬品と同様です。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤とゾレアの同等性・同質性が確認されたことから、本剤をゾレアのバイオ後続品として承認して差し支えないと判断しております。
 続いて、審議事項の議題9、本剤の毒薬・劇薬指定の要否について、先行バイオ医薬品ゾレアが原体・製剤共に劇薬に指定されていることを踏まえ、本剤についても、原体・製剤共に劇薬とすることが適当と考えております。また、本剤はチャイニーズハムスター由来の細胞を用いて製造されることから、生物由来製品とすることが適当と考えております。生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否及び毒薬又は劇薬の指定の要否について、御審議のほど、よろしくお願いしたいと考えております。
 続いて、その他の議題です。その他議題1、資料は24です。オマリズマブについては、季節性アレルギー性鼻炎について、先行バイオ医薬品であるゾレアの承認時に最適使用推進ガイドラインを作成しております。ゾレアのバイオ後続品である本剤オマリズマブBS「CT」についても同様に資料24に書いてあるとおりですが、バイオ後続品についても最適使用推進ガイドラインを適用することをQAにおいて明確化しており、こちらのバイオ後続品についても適用するというところを考えております。報告については以上です。よろしくお願いします。
○山本昇部会長 ありがとうございました。委員の先生方から、御質問がありましたら御発言お願いいたします。よろしいですね。
 それでは、議決に入ります。なお、松下先生、中野先生、山本俊幸先生におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。まず、審議事項議題9につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。また、報告事項の議題4及びその他事項の議題1につきましては、御確認いただいたものといたします。
 続いて、報告事項議題に移ります。報告事項議題について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項について、これまでの議題で説明していないものについて説明いたします。今回の報告事項一覧、資料12に記載のとおりです。
 まず、議題2、資料14です。トロデルビ点滴静注用200mgについて、ギリアド・サイエンシズ株式会社より、化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌に係る効能・効果の追加に係る承認申請がなされております。
 また、議題3、ターゼナカプセル0.1mg及び同カプセル0.25mgについて、ファイザー株式会社より、現在、BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に係る適応を有しておりますが、遺伝子変異にかかわらず、遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に係る用法及び用量とする承認申請がなされております。
 続いて、議題5、資料の17です。パキロビッドパック300及び同パック600について、ファイザー株式会社より、SARS-CoV-2による感染症に係る小児に対する用法及び用量の追加に係る承認申請がなされております。
 また、議題6及び議題7、資料18及び19、ルンスミオ皮下注5mg、同皮下注45mg他については、中外製薬株式会社より、また、同じく中外製薬株式会社より、ポライビー点滴静注30mg及び同点摘静注140mgについて、これらを併用で以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、また、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に係る効能・効果、用法・用量の追加に係る承認申請がなされております。これらについて、機構において審査を行い、承認して差し支えないと判断をしております。
 続いて、議題9、資料21、希少疾病用医薬品の指定の取消についてです。スルファジアジンについて、届出者はノバルティスファーマ株式会社です。本剤は、トキソプラズマ症を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されておりましたが、本効能・効果の開発を中止することとされ、希少疾病用医薬品の指定を取り消すというところで申請されたものです。
 続いて、議題10、資料22です。資料22-1、ジェセリ錠40mgについて、がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍の効能・効果について全例調査に係る承認条件が、また、資料22-2、ベネクレクスタ錠10mg、同錠50mg、同錠100mgについて、急性骨髄性白血病に係る効能・効果について全例調査に係る承認条件が付されております。この度、各品目の製造販売業者から承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出され、機構において評価を行い、全例調査に係る承認条件は対応されたものと判断しております。
 続いて、議題11、医療用医薬品の再審査について、資料23です。資料23-1、ゼルボラフ錠240mgについて、中外製薬株式会社よりBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫に係る効能・効果について、また、資料23-2デルティバ錠50mgについて、大塚製薬株式会社より、本剤に感性の結核菌、多剤耐性肺結核に係る適応症について、また、資料23-3、イデルビオン静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3500について、CSLベーリング株式会社より、血液凝固第IX因子結合患者における出血傾向の抑制に係る効能・効果について、また、資料23-4、乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン(プロトタイプ)筋注用「KMB」5mL及び同筋注用「KMB」1mLについて、KMバイオロジクス株式会社より、パンデミックインフルエンザの予防に係る効能・効果について再審査の申請がなされており、機構において確認し、いずれもカテゴリ1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しております。なお、デルティバ錠については、多剤耐性肺結核に係る適応ですが、こちらは引き続き、本剤に対する耐性への発現に関する対応として、医療従事者、患者に対する資材の提供を行い、適正使用を目的とした納入制限の実施を引き続き実施する観点から、医薬品リスク管理計画に係る承認条件は引き続き課すものとしております。報告については以上です。
○山本昇部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から、御質問がありましたら御発言をお願いいたします。よろしいですか。では、報告事項については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から、何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会は令和8年4月27日月曜日、午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○山本昇部会長 ありがとうございます。それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。ありがとうございました。お疲れさまです。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬品審査管理課 専門官 津田(内線4233)